09/08/21 第45回独立行政法人評価委員会医療・福祉部会議事録 独立行政法人評価委員会医療・福祉部会(第45回) 開催日時:平成21年8月21日(金) 13:00〜16:47 開催場所:専用第21会議室 出席者 :上野谷部会長、大島部会長代理、浅野委員、五十嵐委員、關委員、宗林委員、平井委員、  松原委員     ○上野谷部会長   定刻になりましたので、ただいまから「第45回独立行政法人評価委員会医療・福祉部会」を開催さ せていただきます。委員の皆様方におかれましては、本当に暑い中、またご多忙の中お集まりいただ きまして、誠にありがとうございます。本日、真野委員はご都合がつき次第のご出席と聞いておりま すので、始めさせていただきます。  それでは初めに、事務局のほうから本日の議事次第についてのご説明をお願いいたします。  ○政策評価官室長補佐   それでは説明させていただきます。本日の議事は、平成20年度の財務諸表に関する意見及び業務実 績に関する総合評価を法人ごとに行い、最後に医薬品医療機器総合機構の中期目標期間中の最終評価 の審議を行います。このほか、役員給与規程の変更や、役員退職に係る業績勘案率の決定の審議がご ざいます。これに伴い、部会の途中で法人及び所管課の入れ替えがございます。  まず、財務諸表に関する意見についての審議について説明いたします。各法人の財務諸表につきま しては、独立行政法人通則法第38条に基づき、独立行政法人評価委員会の意見を聞いた上で、厚生労 働大臣が承認することとされております。評価委員会としての意見(案)については、担当委員であ ります五十嵐委員からご発言をいただき、それを踏まえてご審議いただきます。なお、医薬品医療機 器総合機構につきましては、本年6月に書面にて委員の皆様にお諮りし、取りまとめを行いましたので、 今回はその報告とさせていただきます。  次に、平成20年度業務実績について、前回までの個別評価の結果に基づき、起草委員におきまして 起草していただきました総合評価の(案)について審議いただきます。なお、各委員のお手元には記 入いただきました評定記入用紙の原本及び評価シートと、各委員の評定結果の一覧表を置いておりま す。個別評価における評定結果につきましては、今回の審議等を踏まえて修正等が可能となっており ます。後ほどその修正・確定させる時間を設けさせていただきますので、よろしくお願いします。  また本日の議題と直接関係ございませんが、お手元に参考資料(1)というものを配らせていただいて おります。「独立行政法人評価委員会における『独立行政法人の役職員の給与等の水準』の活用につ いて」というものです。これは昨年度も同様に送付がございましたが、評価に際しての参考となるよ う総務省行政管理局から各府省の独立行政法人評価委員会宛に送付があったもので、役職員の給与等 の水準をまとめた資料となっております。  これにつきましては、当部会においても前回までにご審議いただいた中で、法人から特にラスパイ レス指数等についてご説明させていただいているところです。特にご留意いただきたいのが、これは3 枚めくっていただきまして、資料(1)「職員の給与水準」というものがございますが、この右のほうに ある欄を見ていただきたいと思います。「対国家公務員指数(年齢勘案)」として平成19年度と平成 20年度を比較した数値。それから「対国家公務員指数(年齢・地域・学歴勘案)」として平成19年度 と平成20年度を比較した数値を整理したものとなっております。総務省において、全独立行政法人に ついて一斉に整理したというものです。議事につきましては以上でございます。 ○上野谷部会長   それでは、始めに福祉医療機構から入らせていただきます。財務諸表に関する意見なのですけれど も、五十嵐委員からのご説明を求めます。お願いいたします。 ○五十嵐委員  五十嵐でございます。財務諸表につきましては、お送りいただきまして事前に私のほうでレビュー をいたしました。そのレビューの中には、会計監査人の監査報告書や監事の監査報告書も含まれてお ります。会計監査人の監査報告書及び監事の監査報告書、いずれも適正意見でございました。重ねま して8月4日に個別に説明をいただきまして、私のほうで事前にレビューした結果のいくつかの疑問点 につきまして、さらにお答えをいただきました。以上の結果、財務諸表の問題につきまして特段の問 題はないというふうに判断をいたしました。したがって、資料1-1にございますように、委員会の意見 といたしましては、承認適当意見とすることが妥当であるというふうに判断をいたしております。以 上でございます。 ○上野谷部会長  はい、ありがとうございました。ただいまご報告いただきましたけれども、福祉医療機構の財務諸 表について、何かご意見がございましたらどうぞよろしくお願いいたします。よろしいですね。それ ではいまご報告いただきましたとおり、平成20年度の財務諸表に関する意見としては資料1-1にござ いますように、このとおり報告をしたいと思います。修正意見はないようですので、これを取りまと めまして厚生労働大臣のほうに提出したいと思います。よろしいでしょうか。                (各委員了承) ○上野谷部会長  はい、どうもありがとうございました。それでは総合評価について、審議に入ります。まず事務局 のほうから「平成20年度業務実績全般の評価」という総論部分を中心にご報告いただいて、また今日 は起草委員のほうからそれぞれご講評をいただくということになっております。この福祉医療機構に 関しましては、私のほうから講評をさせていただくという形で進めていきたいと思っております。ど うぞ事務局のほうからお願いいたします。 ○政策評価官室長補佐  それでは資料1-2「独立行政法人福祉医療機構の平成20年度の業務実績の評価結果(案)」、がお 手元にあると思います。1頁の「平成20年度業務実績について」のところから読み上げさせていただ きたいと思います。  (1)評価の視点。独立行政法人福祉医療機構(以下「福祉医療機構」という)は、特殊法人社会福祉 ・医療事業団の業務を承継して、平成15年10月に新たに独立行政法人として発足した。また、平成 16年4月より、特殊法人労働福祉事業団の廃止に伴い、その業務の一部である労災年金担保貸付事業 を承継し、さらに、平成18年4月より、特殊法人年金資金運用基金の解散に伴い、その業務の一部で ある承継年金住宅融資等債権管理回収業務及び承継教育資金貸付けあっせん業務を承継したところで ある。  今年度における福祉医療機構の業務実績の評価は、平成20年2月に厚生労働大臣が定めた第2期中 期目標(平成20年度〜平成24年度)の初年度(平成20年4月〜平成21年3月)の達成度についての 評価である。当委員会では、「厚生労働省所管独立行政法人の業務実績に関する評価の基準」及び個 別項目毎の評価の視点等に基づき、平成19年度までの業務実績の評価において示した課題等のほか、 独立行政法人整理合理化計画、総務省政策評価・独立行政法人評価委員会から寄せられた意見や取組 方針も踏まえ、国民からの意見募集も行い、評価を実施した。  (2)平成20年度業務実績全般の評価。福祉医療機構は、福祉医療貸付事業をはじめとして、福祉医療 経営指導事業、福祉保健医療情報サービス事業、長寿・子育て・障害者基金事業、退職手当共済事業、 心身障害者扶養保険事業、年金担保貸付事業、労災年金担保貸付事業及び承継年金住宅融資等債権管 理回収業務といった国の福祉・医療政策等に密接に連携した多様な事業を公正かつ効率的に運営して いかなければならない。  こうした中で、平成20年度には、独立行政法人創立5周年を機に経営理念を策定し、福祉と医療の 民間活動を応援する理念を示したことにより、福祉医療機構の目指す方向性が明確にされるとともに、 職員間の目標の統一・共有化が図られ組織力の向上に繋がっていくことを期待する。また、組織横断 的な取組みとして、リスク管理債権発生要因解析作業チームや「経営基盤刷新」、「民間活動支援強 化」、「経営支援強化」及び「広報戦略」の4つのプロジェクトチームを立ち上げ、福祉医療機構の特 長や専門性を活かしつつ、業務間の連携強化が図られていることを評価する。  さらに、ISO9001に基づく品質マネジメントシステム(以下「QMS」という)においては、その運用 の効率化及び有効性の向上を図り、QMS内部監査により業務の質の向上・効率化に関する改善点、事務 リスクを抽出した上で、継続的に業務改善活動を推進していることが認められる。また、平成19年度 に策定した業務・システム最適化計画の推進、一般競争入札等による随意契約の適正化の推進及び一 般管理費等の経費の節減などに適切に取組むなど、法人全体の業務運営の効率化が図られており、中 期計画を上回る実績を上げていると評価する。  福祉医療機構の中核事業である福祉医療貸付事業については、国の福祉政策及び医療政策に即した 社会福祉施設、医療施設等の整備に対し、長期・固定・低利の資金を融資することにより、福祉、介 護、医療サービスを安定的かつ効果的に提供する基盤整備に貢献していることが認められる。また、 政策融資の果たすべき役割を踏まえ、国の「安心実現のための緊急総合対策」の一環として、物価高 騰など経営環境等の変化により一時的に資金不足が生じている社会福祉施設、医療施設等に対し、経 営資金の融資条件に優遇措置(最優遇金利の適用など)を講じた緊急融資を実施するなど、中期計画 を踏まえて臨機応変な対応を行っている。  退職手当共済事業については、電子届出システムの利用促進策及び利便性の向上策に努めたことに より、システム利用率が大幅に増加することとなり、利用者の事務負担軽減に関して大きく寄与して いることが認められる。また、退職手当金の請求書受付から給付までの平均処理期間については、 44.8日となり中期計画の目標値75日を大幅に上回る実績を上げるとともに、前年度の平均処理期間と 比較しても16.9日の短縮を実現している。このように退職手当共済事業においては、電子届出システ ムの導入による利用者の事務負担の大幅な軽減を図ることにより、福祉医療機構における事務の効率 化が推進されるとともに、退職手当金の給付までの日数の大幅な短縮が実現されるというプラスの相 乗効果が認められ、中期計画を大幅に上回る実績をあげていると評価する。  これらを踏まえると、第2期中期目標期間の初年度に当たる平成20年度の業務実績については、全 体としては適正に業務を実施したと評価できる一方、個別にみるとさらに目標達成に向けて努力する べきものがあるため、今後も、多岐にわたる業務内容について積極的な周知に努め、これまでの成果 を踏まえつつ、時代の状況に的確に対応して業務を展開していくことを期待する。  なお、中期目標に沿った具体的な評価結果の概要については2のとおりである。また、個別項目に関 する評価結果については、別紙として添付しております。次の「具体的な評価内容」につきましては、 いまの全体的な評価の部分の詳細になっておりますので、省略させていただきます。 ○上野谷部会長  はい、ありがとうございました。それでは続きまして、私のほうから講評させていただき、その後 ご意見を賜りたいと思っております。福祉医療機構の評価結果の講評でございます。いま事務局のほ うから総論部分のご紹介がございましたように、福祉医療機構は本当に多岐にわたる業務を遂行して いただいております。感謝を申し上げたいと思います。  「業務実績の評価結果総評」です。福祉医療機構の第2期中期目標の初年度に当たります平成20年 度の業務実績について評価を行わせていただきました結果、法人全体として非常に適正に業務を実施 しているということが認められました。特に独立行政法人創設5周年を機に経営理念を策定され、職員 間の目標の統一・共有化ということを図られ、組織力の向上に努めてこられたこと。そして、組織横 断的な取組として、各種プロジェクトチーム、これは非常に実績を上げておられると思いますし、プ ロジェクトチームの立上げによりまして、業務間の連携強化、あるいは各事業におきます専門性の向 上、そういったものに努められるなど、業務運営にかかる体制整備が図られたということを評価した いと思います。今後ともこの多岐にわたります業務を遂行していただきますために、さらなる組織力 向上の下、国民の期待、そして福祉医療関係者、保健関係者の期待に資する事業の展開を図っていた だきますことを期待申し上げたいと思っております。  本来でありますならば、それぞれの事業すべてについての講評すべきところですが、本日たくさん の審議がございます関係もありますので、ポイントを絞らせていただき述べさせていただきたいと思 います。  まず「福祉医療貸付事業」です。これは国の福祉・医療政策等に即した効果的かつ効率的な政策融 資を実施していると認められます。特に、国の「安心実現のための緊急総合対策」の一環として緊急 融資を行いました。施設の安定経営に寄与しているということで高く評価したいと思います。一方、 新規融資額の縮小といった傾向もみられたわけですが、これは制度変更や経済事情、情勢と言いまし ょうか、投資意欲の減退があるということで、今後一層国民のニーズを敏感に感じ取っていただき、 臨機応変、柔軟な対応を期したいと思っております。  また、リスク管理債権比率の増加という課題も見受けられました。当委員会としては、リスク管理 債権比率の抑制を図るために、さらなる取組を求めるところでありますが、その場合においても、福 祉医療機構に求められている「地域の福祉施設や医療施設の維持・存続を支援する」という役割、ミ ッション、使命と言いましょうか、これを十分留意された上で取り組まれることを期待しております。  「退職手当共済事業」です。電子届出システムの導入による利用者の事務負担の大幅な軽減、福祉 医療機構の事務の効率化及び退職手当金の給付までの日数の大幅な短縮といったプラスの相乗効果が 実現しておりますし、利用者サービスの大幅な改善が図られたということを高く評価したいと思いま す。引き続き、電子届出システムの機能の向上を図るなど、利用者サービスの向上、福祉医療機構の 効率的な業務運営を実施するために、積極的に取り組んでいただくことを期待しています。なお、今 後、退職手当共済事業がより安定的な制度となりますように、加入者を増加させるということが重要 です。制度の周知等によります加入促進に努めていただくことを期待したいと思います。  次に「心身障害者扶養保険事業」です。平成20年4月の制度改正により、繰越欠損金は解消される 見通しでございましたけれども、リーマン・ショック等に端を発する金融危機等の影響により市場環 境が悪化した、平成20年度末におきまして、繰越欠損金の解消には至ってはおりません。この解消に 関しては、市場環境等の外的要因の影響を大きく受けるものですが、外部専門官の助言を受けつつ、 市場環境を注視しながら効率的な運用に努めていただき、着実にその解消を図っていただきたいと思 っております。  次に「福祉保健医療情報サービス事業」。私どもにとってはWAM NET事業という形で国民に周知され ているところですが、このWAM NET事業につきましては、福祉医療関係者、一般市民、学生など多くの 利用者が活用しており、国民からの関心・期待も非常に高い事業でありますが、一方で、運営に係る 費用面に課題があります。今後はより一層の費用削減について検討を行うとともに、本来業務に支障 の生じない範囲において自己収入の確保に努めていただくことを期待しております。  最後でございます。福祉・医療を取り巻きます環境も年々大きく変化しておりまして、この福祉医 療機構は政策金融を軸に、経営支援、情報提供、助成の実施、施設従事者や障害者の支援など、福祉 ・医療の各種事業を通じ、地域社会づくりへの貢献が求められています。このために理事長のこの間 のご説明にもございました、お客さま目線に立っての対話とサービス提供と、このお客さま目線とい うこれを大事にしていただき、国民のニーズに柔軟かつ迅速に対応を図っていただき、多岐にわたる 事業の業務間の連携強化と、各事業の専門性の向上を一層高めていただき、我が国の福祉・医療の発 展に努めていただくことを期待しまして講評とさせていただきます。どうもありがとうございます。  それでは前回からいろいろ委員の方々にはご検討もいただいておりますけれども、この総合評価 (案)について、ご意見をいただきたいと思っております。いま個別のところは少しお目通しをいた だくというようなことでいかがでしょうか。全体の事務局にご紹介いただきました講評とそれぞれの 事業でございます。 ○大島部会長代理  それでは1つだけお尋ねしたいと思います。もう最終段階に入っていますので教えていただければと 思います。総合的な評価の集計票を拝見させていただきますと、WAM NET事業がやはり評価が厳しかっ たというふうに思われます。それに関しましてWAM NET事業で運営に係る費用面の課題ということで、 一層の費用削減について検討と、それから業務の支障の生じない範囲において自己収入の確保という ことを期待しているという、いま講評がありましたけれども、具体的に今後どのようにしてこの辺の 計画を立てられるのかだけ、もう少しお話いただければと思いました。 ○福祉医療機構企画指導部担当理事  ありがとうございます。ご指摘の点につきましては、私ども、まず現在進めておりますWAM NETの最 適化計画の中で、より少ない費用で期待される機能を充実できるよう整備をしている最中でございま す。今後具体的にハード・ソフトを整えていく中で、より費用の低減を図るよう厳しく対応をしてい くつもりでございます。併せてWAM NETのコンテンツを充実していく中で、さまざまな広告収入の確保 ができるように、コンテンツの中身とそれに合わせた情報の提供に関して、利用者が喜んでいただい て、収入の確保が図れるような、そういう情報提供者を積極的に募集していきたいと考えております。 具体的に現在さまざまな接触を試みておりますけれども、見通しが何とか少しずつついてきている状 況にございます。こういう経済状況の中でございますので、なかなか業者も手控えているという状況 ではございますが、今後一層の努力をしてまいりたいと思います。どうもありがとうございました。 ○大島部会長代理  私の意見としてだけ少し申し上げたいのは、いま広告収入ということをおっしゃっていただきまし たけれども、広告が出せる企業、あるいは団体のみの情報が優先されるということが市民側にとりま してはいちばん、国の機構であり、あるいは独立行政法人の仕事としては避けていただきたい部分だ と思います。広告収入とかかわりなく、良い内容もまた危惧される内容も、公平に情報として流して いただけるように同時にお願いができればと思います。広告収入が多いところが優遇されることにな らないよう、いままでの経緯もありましたものですから、お願いしたいと思います。 ○福祉医療機構企画指導部担当理事  ありがとうございます。質の高い情報を私どもで作りながら、またさまざまな協力者のお力を得な がら、そうした情報を提供していくことを第一として進めてまいりたいと思います。ご指導ありがと うございます。 ○上野谷部会長  そのほかいかがでしょうか。全体としてはよろしいですか。委員会で厳しいことを言っておりまし ても、最後のまとめが非常に優しくなってしまうのではないかというご意見もあるかもわかりません が、総合的な評価ということになりますと、今年度の評価は先生方のご意見を集約いたしますとこう いうことになろうかと思います。ただ、いま部会長代理からもございましたように、さらにこのWAM NET事業に関しましては何度も申し上げますように、一般市民、国民、学生、利用者含めていちばんこ の機構に近づきやすい場所ですので、どうぞさらなるシステムの刷新を含めまして、利用がしやすく、 かつ専門性の高い、あるいは普遍化する情報を扱っていただき、いまよりさらにということだと思い ますので、どうぞよろしくお願いいたします。  それでは修正、検討の大きな変更はないようですので、あとは部分的に誤字脱字があるかもわかり ませんし、また事務局と調整を取りながら最後は部会長にご一任していただくということで取り扱わ せていただきます。よろしいですか。                (各委員了承) ○上野谷部会長  それではそのようにさせていただきます。それでは法人理事長のほうから、全体的なコメントをい ただけましたらありがたいです。お願いいたします。 ○福祉医療機構理事長  それでは私のほうから一言お礼を申し上げたいと思います。今回各委員の先生方におかれましては、 私どもの多岐にわたります事業の業績を十分にご理解いただきました上で、適切な助言、評価をいた だきまして感謝を申し上げます。先ほど部会長からもお話がありましたけれども、私ども福祉医療機 構にとりまして、この平成20年度は第2期の中期目標期間中の初年度ということでございまして、経 営理念であります民間活動応援宣言の策定によりまして、組織と職員の一体感を高めるということで 新たな取組を実施し、スタートを切ったところでございます。  その中で今回の評価の中におかれましては、退職手当共済事業においてSという評価をいただいたり、 私どもの努力に対して前年度を上回る評価をいただき、またこれも感謝を申し上げたいと思います。 また一方では、先ほども委員の先生からご指摘もございましたけれども、WAM NET事業の一層の効率的 な運用、そしてリスク管理債権比率や心身障害者扶養保険事業の繰越欠損金等のご指摘につきまして も、当機構としても、また私自身大きな課題として認識をしておるところでございます。  各委員の先生方からいただきました適切なご意見をしっかりと受け止めまして、お客さま目線と制 度の健全性ということを念頭に、地域の福祉と医療の向上に貢献するという福祉医療機構の役割を果 たすべく、今後の事業展開につなげていきたいという所存でございます。最後になりましたけれども、 各委員の先生方におかれましては大変お暑い中、また貴重なお時間を割いて当機構のご評価をいただ きまして、誠にありがとうございました。厚く御礼申し上げます。 ○上野谷部会長  ありがとうございました。それでは現在までの意見・報告等を踏まえまして、個別評価の修正とい うことをしていただき確定に入りたいと思います。修正に関しては事務局のほうからどうぞ。 ○政策評価官室長補佐  それでは説明させていただきます。修正はお手元の赤鉛筆で修正いただきたいと思います。それか ら評定理由の修正・加筆も可能でございます。それから机上配付している「個別項目に関する評価結 果(未定稿)」というものがお手元にあると思いますが、これは現時点でいただいている評点をSを5 点、Aを4点、Bを3点、Cを2点というふうに点数化して平均したものになっております。なお委員名 は空欄としておりまして、委員の先生方各自のご自分のお名前だけわかるようになっております。そ れから作業に当たりまして、これまでの個別評価にかかる資料等をご覧になりたい場合には、事務局 に数部ご用意していますので、お声かけくださればと思います。以上でございます。 ○上野谷部会長  それでは10分ぐらいお時間をいただけるわけですね。 ○政策評価官室長補佐  はい。 ○上野谷部会長  それではいていただいていいのですね、10分待っていただいて。 ○政策評価官室長補佐  その間何か質問がもしあれば。 ○上野谷部会長  その間何か、どうぞご質問ありましたら。作業を少し修正をなさる方は修正をしていただくという ことで。今回は中期目標期間の初年度の評価ですが、5年間の評価の平均を出して最終評価をいたしま すので、最後に影響があります。いまの報告、あるいはいままでの議論を経て、修正がありましたら 赤で修正をしていただくということです。               (修正・加筆作業) ○上野谷部会長  それでは修正が完了したということですので、これをもちまして、福祉医療機構の平成20年度事業 実績評価に関する意見を取りまとめたということです。  評価書には、評価結果の別添として、評価シートの集約版が添付されておりますが、本日、評価の 確定を行ったことによりまして、SからDの評定が変更された場合、またコメントの修正、追加等がさ れた場合は、これらを反映した評価シートの集約版を添付いたします。修正が必要となりました場合 には、また私にご一任いただき、個別に各委員の方々にご意見を賜るという扱いにさせていただくこ ともあるかもしれませんが、そのような取り扱いにさせていただきたいと思っています。どうぞよろ しくお願いいたします。                (各委員了承) ○上野谷部会長  それでは、続いて「役員給与規程の変更について」に入ります。事務局の政策評価官室から説明を お願いいたします。 ○政策評価官室長補佐  続きまして、役員給与規程の件で説明させていただきます。福祉医療機構理事長から厚生労働大臣 に対して、役員給与規程の変更について届出がありました。独立行政法人通則法の第53条第1項で 「(厚生労働大臣は、)届出に係る報酬等の支給規準を評価委員会に通知する」となっています。同 条第2項で「評価委員会は、その通知に係る報酬等の基準が社会一般の情勢に適合したものであるかど うかについて、(厚生労働大臣に対して)意見を申し出ることができる」こととされています。つき まして、この度の役員給与規程の変更が社会一般の情勢に適合したものであるかどうかについて、ご 意見を伺うことにしています。  今回の変更の大まかな内容についてご説明します。独立行政法人役員の特別給、いわゆる賞与につ いては、国家公務員の指定職俸給適用職員と同様の規定となっています。今回、国においては、これ まで在職期間に応じて一律に支給する仕組みとなっていた「期末特別手当」を、在職期間に応じて一 律に支給する「期末手当」と、人事評価の結果等に応じて支給する「勤勉手当」の形に改められまし た。これを踏まえて、福祉医療機構の役員給与規程も国と同様の改定を行うものとなっています。以 上です。 ○上野谷部会長  続きまして、法人のほうからご説明をお願いいたします。 ○福祉医療機構総務部長  総務部長です。私のほうから「役員給与規程の変更について」ご報告させていただきます。横長の 資料1-3-(1)、新旧対照表を付けさせていただいていますので、それをご覧ください。今回の改正は、 第7条の期末手当、いわゆるボーナスの名称を「特別手当」と改正する点と、この特別手当の支給月数 の引下げを内容としています。  初めに、第7条の改正についてです。ただいまご説明がありましたように、国の指定職俸給表につい て、従来の「期末特別手当」という名称で支給されていましたいわゆるボーナスを、一律支給型の 「期末手当」と、実績査定支給型の「奨励手当」に再編していますので、勤務実績に基づいて支給額 の加算、減額を行える仕組みを新たに設けています。福祉医療機構においては、従前から、職務実績 等を考慮のうえ支給する取扱いとなっていますが、今回の指定職俸給制の改正に準じて、従来の「期 末手当」を「特別手当」と名称を改めて、さらにそれを「期末手当」と「奨励手当」の二本立てに再 編をすることにしています。  次に、支給月の引下げについてです。2頁の附則の欄です。国家公務員においては、民間企業の各期 の一時金との均衡を図るために、平成21年6月に期末勤勉手当に関する人事院勧告が行われて、特例 措置として、支給月の暫定的な引下げが行われています。これは従来、100分の160であったものを、 100分の15引き下げて、100分の145、いわゆる1.45月分にするということで、特例措置が図られま した。  福祉医療機構としても国家公務員と同様に、役員の夏のボーナスについて、1.6月分から0.15月分 を減じて1.45月分にいたすということです。附則で行っていますが、これはあくまで特例措置で、今 月出された人事院勧告に基づいて給与法の見直しがあると思いますので、それに合わせて正式にまた 改正が必要になってくるかと思います。  以上で、改正の変更についての説明は以上ですが、前回7月30日の当部会で、職員の給与に関連し て、役員の俸給についてご意見がありました。役員の俸給についても、平成16年度に大幅に見直しを して、理事長の俸給で10%の減、理事は6%〜8%の減で、俸給の引下げを実行していますので、参考 までに申し上げたいと思います。私からの説明は以上です。 ○上野谷部会長  ありがとうございました。この改正の変更の内容について説明をいただきましたが、何か理解を深 めるために、ご質問がありましたらどうぞ。よろしいですか。それでは、本部会としては、この変更 は意見なしということで、これでやっていただくことをお願いしたいと思います。  役員の退職に係る業績勘案率の決定です。事務局から試算の結果をお願いします。 ○政策評価官室長補佐  説明します。福祉医療機構理事長から独立行政法人評価委員会委員長宛に、役員退職に係る業績勘 案率の算定について依頼がありました。独立行政法人の役員の退職金につきましては、平成15年12月 19日の閣議決定により、在職期間に応じて算定した額に0.0から2.0の範囲内で定める業績勘案率を 乗じて、その額を金額としています。評価委員会でこの業績勘案率を決定いただきたいと思います。  まず、法人からの依頼を受け、事務局において、当評価委員会が定めています「独立行政法人の役 員の退職金に係る業績勘案率の決定方法について」に基づいて、業績勘案率を試算しましたので、そ の結果をご説明します。次に、皆様方にこの試算結果についてご審議いただきます。今回決定した数 値につきましては、その後、総務省政策評価・独立行政法人評価委員会に通知して、同委員会から意 見があれば、厚生労働省独立行政法人評価委員会で改めてご審議いただく形となります。なお、意見 がない場合には、部会長にご報告し、最終決定の形にさせていただきたいと思います。  資料1-4をご覧ください。今回、福祉医療機構からは2人の業績勘案率の算定が必要な退職の方が出 ています。(案1)は、退職役員の氏名が川井一心氏、役職が理事です。在職期間は平成17年10月1 日から平成21年3月31日までです。業績勘案率は平成17年が年間1.5という数値が出ています。平 成18年、19年、20年は1.0です。それぞれを最終的には平均する形になります。役員の在職期間のう ちで法人の年度評価がない期間は、平成17年10月から21年3月31日までですので、未実施の期間は ありません。業績勘案率の試算式は、この方が在籍された42か月を、それぞれ最初に申しました1.0 と1.5の各月数に応じて割ることになっていますので、それで計算すると1.07になります。役員の在 職期間における目的積立金の状況は、目的積立金は特にありません。退職役員に係る職責事項の申出 ですが、それについても福祉医療機構からの申請はないということで、(1)から(5)までを試算します と1.0となります。  もう1人、次の頁、(案2)です。塩田幸雄氏です。この方も理事です。この方は平成18年12月1 日から平成21年7月18日までとなっています。平成18年から平成20年度までの評価については、そ れぞれ1.0です。(2)ですが、平成21年4月から7月までの間については、年度評価がまだ未実施です。 ただ、別添2に付けていますように、平成18年から平成20年度までの実績を比較考量しますと、ほぼ 同水準とみなすことができるということで、事務局としては、この4か月間も1.0でいいのではないか と判断しています。それをそれぞれ足し合わせて在職月数で割りますと、1.0になります。目的積立金 は先ほどと同じで積んでいません。退職役員に係る職責事項についての申出等も、特に法人のほうか らはありませんので、全体を試算として1.0として出させていただいています。以上です。 ○上野谷部会長  ありがとうございました。この退職金に係る業績勘案率という計算の仕方についてのご説明があり ましたが、この2人の方についての、理事でおられた担当職務等について、何か法人から簡単に追加の ご説明がありましたら、どうぞお願いいたします。 ○福祉医療機構総務部長  ご説明させていただきます。初めに、川井一心理事についてです。川井理事は、平成17年10月1日 から当機構の理事に就任され、平成21年3月31日に一身上の都合により退任されています。在任期間 は3年6か月です。在任期間中は福祉貸付部、共済部、経理部の担当理事として、福祉貸付による福祉 基盤整備の推進、退職手当共済事業に係る電子届出システムの利用率の向上、心身障害者扶養共済制 度の見直しへの対応、当機構の一般管理費等の経費節減の計画達成等にご尽力いただきました。  次に、塩田幸雄理事についてです。塩田理事は、平成18年12月1日に当機構の理事に就任され、平 成21年7月18日に一身上の都合により退任されています。在任期間は2年8か月です。在任期間中は 総務部、企画指導部、基金事業部、年金貸付部の担当理事として経営理念の策定、実務実態等を踏ま えた業務運営体制の見直し、人事評価制度の充実、長寿・子育て・障害者基金事業における助成の固 定化回避、年金担保貸付事業に係る年金担保貸付事業のあり方に関する研究会の立上げ等にご尽力い ただきました。以上です。 ○上野谷部会長  ありがとうございました。ご質問がありましたらどうぞ。なかなかこういう評価はしにくいのです が、国民に分かりやすく説明をする義務もありますので、理解を深める意味で、どうぞ。 ○大島部会長代理  2つほど疑問点と言いますか、あります。1つは、この退職金が、この独立行政法人の評価委員会の 仕事として、ここで了承されれば、あるいは部会長一任で部会長が承認されれば通るということ自体 の納得が、なかなか理解しにくいところだと思うのです。今までの評価と、また、お金がいくら退職 金として渡されるかの評価は、同じレベルになるのだろうかということで、今までも多少疑問に思っ ていました。そういうように多分決まりができているのだろうと思いますが、非常に難しいのです。  それから、お一人の方への退職金を、例えば3年6か月とか2年8か月で、これ1.0というのがおい くらになるのかが書いてなくて。いま、いろいろな批判がある中で、そういう短時間といいますか、 短期間の働きに対してどのぐらいの退職金がということを、私どもが申し上げるのは非常に辛いとこ ろがありますが、あまりよく分からないままに、イエスと言わなければならないのかどうが、ちょっ と苦しい判断だと私は思います。ちなみに、1.0というのはおいくらぐらいのことを言うのか、年収の 1.0なのか、そこら辺を教えていただければと思います。 ○政策評価官室長補佐  資料の111頁を、関係資料集ですが見てください。上のほうに「独立行政法人」とありまして、各府 省は所管の独立行政法人に対し、役員退職金の支給率に関して、平成16年以降の在職期間について、1 カ月につき俸給月額の100分の12.5を基準として、これに評価委員会が0.0から2.0ということで、 その100分の12.5ということは言われています。それを基準に、それぞれ計算していただいています。  具体的な金額は事務局では把握していないので、もしよければ、法人から出していただけるのなら ば、金額も公表していただいても結構だと思います。国病機構も同じような話がありまして、「いく らぐらいなのでしょうか」ということもあったのですが、差し支えなければということで。 ○福祉医療機構総務部長  独立行政法人の役職員の給与は公表することになっていまして、特に役員は個別に公表しますが、 特定の氏名までは公表していませんので、具体的な額は委員の皆様に限りましてお示しします。 ○大島部会長代理  ありがとうございました。 ○上野谷部会長  そのほかいかがでしょうか。私は、この評価委員会を受けるに当たって、このときがいちばんスト レスが増えるということで。これをするということが、閣議決定とか、この資料集に載っている業務 の関係上、率を決めるというのもすることになっていますので、粛々と率を決めさせていただきます。 その基になります業務の評価が、私どもと関係があることになりますので、そういう意味で。 ○福祉医療機構理事長  少し補促しますと、役員の在籍年数が1年で業績勘案率の係数が1.0の場合、退職金は月の報酬の 1.5か月分だったと思います。 ○福祉医療機構総務部長  退職金規程によりますと、先ほどご説明いただいたように、月額報酬に12.5%掛けて在職期間の月 数を掛けた数が、先ほどお話した額です。 ○上野谷部会長  何か、五十嵐委員、ありますか。 ○五十嵐委員  退職金の性格を考えたときに、民間では基本的にこういうふうに数月で比例することはしてないわ けですが、大元の規定の仕方が月数に比例的にということですから、それについて民間がどうしてる かというのは、ここで何か言ってもしょうがないかなと思います。ですから、この評価の倍率につい ては、客観的に出て来たもので粛々とやらざるを得ないのではないかなと思います。 ○上野谷部会長  そういう性格のものですから、国民感情からして、公表しますので、いかがなものかということが あるかも分かりませんが、現時点ではこの勘案率、このお二人のいままでのご実績、私どもが実績を 評価しているもの、法人のほうから職責事項に係るそういう、とてもいい場合1.5にするわけですが、 業務を効率的、効果的によくやっていただいた、不足もないということですので、1.0でさせていただ くということです。計算式に基づいて粛々とさせていただきましたらこういうことで、下は、0.7は切 り捨てることになっていますので切り捨てさせていただきます。  この際、何かありましたら、また、別の問題になりますが、お伺いいたします。 ○平井委員  初めてなので、おっしゃられたことがよく分からないのですが。そうすると、1年間役員をお勤めに なりますと、年収の1.5倍の退職金を。そうではないのですか。 ○福祉医療機構理事長  1年間で月給の1.5か月相当額が退職金として支給されます。 ○平井委員  1月に100分の12.5と書いてあるのですが。 ○福祉医療機構総務部長  月額の12.5%を積み上げているわけです。 ○福祉医療機構理事長  仮に、月額100万円であれば、役員在籍1年について150万円支給しますと。 ○平井委員  1年についてですか、1か月ですか。 ○福祉医療機構総務部長  1か月12.5%ですから、それを12か月にすると、在籍1年につき月収の150%ということです。 ○平井委員  分かりました。ありがとうございました。ちょっとここの書き方が分かりにくかった。 ○上野谷部会長  それぞれの機関、会社によりまして退職金の計算の仕方は違うでしょうし、民間は民間で違うでし ょうけれども、ここはそれを論じる場所ではありませんので、国民感情からして独立行政法人がいい かどうかは、別のところで議論はしていただくことになろうかと思います。  3年以下だったら出ない企業もありますし、5年以下だったら出なかったり、10年、20年以下だった らほとんどないようなところも。学校法人の中では5年、10年でいろいろありますけれども。役員の 退職であるということと、これだけの法人の機能をやっていただいているということもあります。よ ろしいですか。 ○大島部会長代理  いまのことに関しましては、なかなか申し上げられるような部分がないのですが、以前に評価のと ころで理事の方の数を減らす方向が出ているのかどうかという話をしたことがあります。2人がお辞め になったあと、いろいろ効率化のことを考えまして機構変更といいますか、内部の仕事の変更を考え て、この理事のお二人の方の後任は無しにするとか、あるいは1名にするとかという方向があるのか。 あるいは2名がまた就任されたのかというところは、退職ということは今回はじめて知ったような気が しましたので、お聞きしたいと思います。 ○福祉医療機構理事長  前回の先生のご質問を受けまして、役員の数については私どもとしましては、いま8事業にわたる、 かなりある意味では8つの分社にしたものを抱えているところでは、いまの人数は適切ではないかと思 っております。ただ先生の意見も踏まえまして、今後考えますとお答えしたところです。  2名の役員の退任については、1名はすでに後任がおり、もう1名については、現在のところでは欠 員の状態です。現状で申し上げますと2名が退任して、1名が新たに役員に就いたとのことです。  今後につきましては、私としましては冒頭に申し上げましたように、現状の理事4人は必要ではない かと考えておりますので、その体制で当面はいきたいと考えております。 ○大島部会長代理  すみません1つだけ意見を言わせていただきます。1つの事業をやるときに、やはり長期の計画でや らなければならないことがたくさんあるとは思いますが、理事の方が2、3年で辞める体制で、その仕 事が必要であるのか。厳しい言い方かもしれませんが、どのように考えられているのか。やはり仕事 をしていますと、1つのことをきちんと理解をして、将来計画を立て、部下の方にいろいろな方針を出 したり計画が成功をするには、いくらベテランの方とはいえ、実力と同時に熱意だとかいろいろなこ とが必要だと思います。2、3年で辞められると、それができるのかどうか、それでも必要なのかどう か、先ほど上野谷部会長が国民感覚と言われましたが、私の感想です。すみませんちょっと厳しいか もしれません。 ○福祉医療機構理事長  それは感想として承っておけばいいのですか。 ○大島部会長代理  はい。もしご意見がありましたらお願いいたします。 ○福祉医療機構理事長  それぞれ役員、理事によって違うと思います。在籍の短い役員もいますし、過去には5年、7年とい う人もいます。独立行政法人に入社して、それから部長を経て役員になった者もいますので、そうい う意味では、それぞれだろうと思います。役員になる者は私から見ますと、そこについての専門性が なくともその個人の知見で、かなりできる分野もあると感じています。 ○上野谷部会長  ありがとうございました。申請がありました業績勘案率なのですが、いま各委員からもご質問があ りましたことも、今後に向けて然るべきところ、どなたにお願いをしたらいいのかはわかりませんが、 政策評価官室のほうからも、そういう意見も出たことを、然るべきところにご報告をいただき、それ を踏まえつつ、今回申請がありました業績勘案率を1.0に決定することでよろしいですか。取りあえず ここの意見をいただいておかないといけませんので。                (各委員了承) ○上野谷部会長  ありがとうございました。業績勘案率については、これはまだ私どもがいいだろうと言いましても、 総務省の政・独委の評価委員会に通知をしまして、意見の有無があるかどうかの確認をされ、ない場 合は私のほうから理事長に通知をすることになります。政・独委が1.0の当委員会での意見を尊重した 場合、こういう手続きになっていますので、そういう手続きを踏まさせていただきます。                (各委員了承) ○上野谷部会長  どうもありがとうございました。貴重な意見をいただきましたことをお礼申し上げます。これです べて滞りなく終了いたしました。ありがとうございました。  事務局の入替えを行います。そのままお待ちください。              (法人及び所管課入替) ○上野谷部会長  はい、お待たせいたしました。ただいまより「国立重度知的障害者総合施設のぞみの園」の審議に 入ります。まず、財務諸表に関する意見からです。五十嵐委員のほうから説明をお願いいたします。 ○五十嵐委員  五十嵐でございます。財務諸表については、事前に私のほうにお送りいただいて、レビューさせて いただきました。また、監事の監査報告書及び会計監査報告書もレビューをさせていただきました。 監事及び会計監査人の監査意見はいずれも適正意見です。併せまして8月4日に財務諸表について詳細 な説明をいただき、あるいは私が事前に疑問に思いました疑問点については、当日に解決をいただき ました。以上の結果、財務諸表については、特段な問題点はないと判断いたしました。  したがいまして、資料2-1にありますように、委員会としましては承認適当意見を出すことが妥当で あるという結論にいたっております。以上でございます。 ○上野谷部会長  ありがとうございました。ただいま五十嵐委員のほうからご報告いただきましたのぞみの園の財務 諸表です。ご意見がございましたらどうぞお願いいたします。  それでは資料2-1にありますこの案で修正意見がないようですので、これを取りまとめて厚生労働大 臣に提出するという運びにさせていただきます。よろしいですか。                (各委員了承) ○上野谷部会長  ありがとうございました。そのようにさせていただきます。次に、のぞみの園の総合評価について の審議に入ります。まず、事務局から「平成20年度業務実績全般の評価」の総論部分を中心に、その 上で起草委員であります大島部会長代理のほうから講評をお願いしたいと思います。 ○政策評価官室長補佐  それでは説明させていただきます。資料2-2で「独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの 園の平成20年度の業務実績の評価結果(案)」になっております。裏表紙の1頁目より読上げさせて いただきます。  1.平成20年度業務実績について。(1)評価の視点。独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみ の園(以下「のぞみの園」という)は、平成15年10月に新たに独立行政法人として発足し、平成20 年度は法人設立後6年度目にあたる。今年度ののぞみの園の業務実績の評価は、平成20年2月末に厚 生労働大臣が定めた第2期中期目標(平成20年度〜24年度)の初年度(平成20年4月〜21年3月) の達成度についての評価である。  当委員会では、「厚生労働省所管独立行政法人の業務実績に関する評価の基準」及び個別項目毎の 評価の視点等に基づき、平成19年度までの業務実績の評価において示した課題等のほか、独立行政法 人整理合理化計画、総務省政策評価・独立行政法人評価委員会から寄られた意見等を踏まえ、評価を 実施した。  なお、評価に当たっては、のぞみの園が他の独立行政法人と同様に効率的な業務運営への取組が求 められる一方で、のぞみの園の設立目的が、独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法 により、「重度の知的障害者に対する自立のための先導的かつ総合的な支援の提供、知的障害者の支 援に関する調査及び研究等を行うことにより、知的障害者の福祉の向上を図ること」とされており、 「業務運営の効率化」と「サービスの質の確保」という質の異なる目標を課せられていることも考慮 する必要がある。  したがって、のぞみの園の業務運営に対する評価の留意点として、単に数値目標の達成状況に着目 するのではなく、(1)業務運営の効率化に関しては、効率化を図るための取組が施設利用者に対するサ ービスの質の低下に繋がっていないか、(2)重度知的障害者の自立支援のための取組については、地域 移行に向けての条件整備全般に渡って、施設利用者一人ひとりに対してどのような取組を行ったか、 (3)調査・研究及び研修については、その内容が障害福祉施策の動向や社会的ニーズを踏まえ、障害福 祉施策の推進に資するものであるか、かつ、その成果が知的障害関係施設等で活用されるなど実効性 のあるものとなっているか等の、業務内容の質の面にも力点を置いて評価すべきものであることを特 記しておきたい。  (2)平成20年度業務実績全般の評価。のぞみの園は、法の定める設立目的に沿った業務運営の着実な 実施が求められるとともに、他の独立行政法人と同様に効率的な業務運営が求められている。こうし た課題がある中で、平成20年度は第2期中期目標期間の初年度であり、地域移行などの継続課題や、 行動障害等を有するなど著しく支援が困難な者へのモデル的支援、内部統制・ガバナンス強化への取 組などの新たな課題が第2期中期目標として厚生労働大臣から具体的に示されたところであり、のぞみ の園は、これらの課題等に対して的確かつ効率的に対応し、目標を達成することが求められている。  このような状況の中、効率的な業務運営体制の確立に向けた取組として、平成20年度においては、 担当部署の新設や外部の専門家の招へい等により組織・実施体制を整備し、一層の業務内容の充実と 新しい課題等への対応を図るとともに、これが職員の増に繋がらないよう、併せて常勤職員数の削減 等を行うなど、効率的な人員配置に努めた。また、経費節減にも積極的に取り組み、第2期中期目標に 定める「運営費交付金の23%以上節減」を達成するため、人件費総額を縮減すること等により着実に その成果を上げている。  これらを踏まえると、効率的な業務運営の確立に対し、目標達成に向けて確実に進展したものと認 められるが、一方で、この効率化に向けた取組が施設利用者に対するサービスの質の低下に繋がらな いよう十分配慮し、慎重に取組を進めることを希望する。  重度知的障害者の自立(地域移行)に向けた取組については、施設利用者及び保護者・家族等の意 向を尊重しつつ、障害特性に合わせたより具体的な地域生活への移行に向けて受入先との調整を行う など、一人ひとり丁寧に手順を踏んで引き続き取り組んでいる。平成20年度においては、地域移行の 実現に向けて、(1)保護者・家族等に対する説明時の個別対応を強化、(2)施設利用者に対しては、地域 生活体験事業の充実を図るなど、一層きめ細かく取組を進めるとともに、地域移行の受皿として共同 生活介護(ケアホーム)を2か所開設するなど、これまで行ってきた地域移行の取組の効果を分析し、 より効果的な方法を企画して実施していることを高く評価する。  これらの取組の結果、平成20年度においては、24名の施設利用者の地域移行を達成するとともに、 新しく地域移行に同意した者も29名となり、どちらも過去最大の実績となるなど、第2期中期目標の 達成に向けて、様々なプロセスの実践をしっかりと実績に結びつけた点についても、高く評価する。  また、厚生労働大臣から示された新しい課題として、平成20年度から「福祉の支援を必要とする矯 正施設等を退所した知的障害者への支援事業」を実施しており、平成20年10月以降に合計で2名の対 象者を受け入れている。事業実施に当たって、この事業を担当するプロジェクトチームを編成し、ス タッフの養成に取り組むとともに、個々の生活等の状況に応じた効果的な支援の検討を法務関係機関 等と合同で行うなど、短期間のうちにその受入準備を進めただけでなく、その過程や支援体制につい て取りまとめ、セミナーの開催等を通じてその内容を全国に発信するなど、初年度として準備期間が 短い中ではあったが一定の成果を上げたことを高く評価する。国における取組は始まったばかりであ り、今後も、この事業の全国的な拡大に向けて、国のモデル施設として必要な役割を十分に果たすこ とを期待したい。  また、調査・研究及び研修については、のぞみの園の設立目的に沿って重度の知的障害者の地域移 行に関すること等をテーマとした多くの調査・研究及び研修を実施したほか、第2期中期目標の新たな 課題である行動障害等を有するなど著しく支援が困難な者に対する支援に関することや、発達障害な どの社会的に関心の高いテーマを選択し調査・研究及び研修に取り組んでいる。平成20年度において は、特に国の重点施策となっている障害者自立支援法に基づく支援サービスのひとつである行動援護 事業の普及促進や、福祉の支援を必要とする矯正施設等を退所した知的障害者への支援に関する調査 ・研究及び研修について、内容・方法を工夫して取り組み、その成果が国の障害福祉施策の推進に対 し、一定の貢献を果たしたことを評価する。  これらを踏まえると、平成20年度の業務実績については、全体としてはのぞみの園の設立目的であ る「重度の知的障害者に対する自立のための先導的かつ総合的な支援の提供、知的障害者の支援に関 する調査及び研究等を行うことにより、知的障害者の福祉の向上を図ること」に資するものであり、 第2期中期目標期間の初年度として成果を上げたものと評価する。  なお、第2期中期目標に沿った具体的な評価結果の概要については、2のとおりである。また、個別 項目に関する評価結果については、別紙として添付した。  以下具体的な評価部分については、いまの全般の部分の詳細になっておりますので省略させていた だきます。以上でございます。 ○上野谷部会長  はい、ありがとうございました。それでは講評のほうを、大島部会長代理のほうからお願いします。 ○大島部会長代理  ただいま全体の説明を読んでいただきましたので、講評は手短にさせていただきたいと思います。  今年度ののぞみの園の業務実績については、評価の視点としまして3つのことに重点を置きました。 第1に、業務運営の効率化に関しましては、効率化を図るための取組が施設利用者に対するサービスの 質の低下に繋がっていないかどうか。第2に、重度知的障害者の自立支援のための取組については、地 域移行に向けての条件整備全般に渡って、施設利用者一人ひとりに対しましてどのような取組を行っ てきたか。第3には、調査・研究及び研修について、その内容が障害福祉施策の動向や社会的ニーズを 踏まえて、障害福祉施策の推進に資するものであるのか、かつ、その成果が知的障害関係施設等で活 用されるなど、実効性のあるものになっているかどうかということ。そういうことを含めて、業務内 容の質の面にも力点を置いて評価すべきものとして私どもは評価を行いました。その内容について簡 単に説明申し上げます。  「業務運営の効率化に関する措置について」です。業務運営体制の整備については、いままでの継 続課題、新規の課題の両方に的確に対応しますために、(1)、自立支援、地域支援及び調査・研究に関 する業務指導を行う「参事」職の新設。(2)、第2期中期目標に定める新しい業務としまして、「福祉の 支援を必要とする矯正施設等を退所した知的障害者への支援」という新しいプロジェクトチームの設 置。(3)、法人業務における内部統制の向上、ガバナンス強化のための取組を担当する職制の新設など。 初年度としましては、その目標達成に向けた組織的な体制を整備されています。そのことでポストが 増えることにはなりますが、人員配置については非常勤あるいは兼務発令とのことで、職員増になら ないように配慮されています。  人件費の改革につきまして、常勤職員が削減の目標を達しているとのことで、着実に取組を進めて いますが、そのことと同時に、先ほど総合的な視点でも申し上げましたように、施設利用者へのサー ビスが質の低下に繋がらないように人員配置の工夫、あるいは職員の資質を高めるための研修等を行 うことにより、必要な人員の確保に努められたことが窺えました。また、給与水準の適正化に対しま しても積極的に取り組まれ、職員給与等につきまして、国家公務員の給与構造改革を踏まえた見直し を当初計画よりも1年早く実現された、実施されたということで評価いたしました。  次に「国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する措置について」です。1とし て、地域移行。先ほどから出ています自立支援のための取組に関しましては、高齢化・重度化されて いる現実を踏まえ、なかなかご苦労があったと伺っています。その中で昨年実績が19名を更新され、 過去最大となる24名の施設利用者の方が、出身地等のケアホーム等で生活をされるということで退所 されたということです。この努力は評価すべきものだと高く評価したいと思います。  なかなか理解していただきにくい保護者の方、家族の方への懇切なる説明であるとか、あるいは利 用者の方が少しずつ地域生活に慣れていくような体験事業、あるいは出身地等の関係自治体、受入先 の施設・事業所等への協力要請等を時間をかけて粘り強く行われた。こうした取組も確実にされてき たことで、高く評価したいと思いました。  同じように自立支援のための取組の2番目は、「行動障害等を有するなど著しく支援が困難の者に対 するモデル的支援」ということです。昨年度に少し話が出ましたが、「福祉の支援を必要とする矯正 施設等を退所した知的障害者への支援事業」、これは非常に大きな問題として世間でも注目されると ころですが、これを平成20年度から実施されました。そのプロジェクトチームを設置したり、あるい は対象者の受入れに向けて、矯正施設、保護観察所等の法務関係機関、関係自治体等と合同で協議を 重ねられたり、計画的・効率的に準備を進められ、10月以降に対象者を受け入れるなど、非常に準備 期間の短い中、準備の過程と早期の地域生活移行を目指して提供された具体的な支援内容等を報告書 にもまとめられていますし、セミナーも開催されているということで大変高く評価いたしました。  「調査・研究」あるいは「養成・研修」までも含めて話を申し上げたいと思います。「調査・研 究」の部分が、やはり独立行政法人の施設としては非常に重要な部分であるということから、この中 期目標計画に基づきまして行動援護の普及に資するための調査・研究であるとか、福祉の支援を必要 とする矯正施設等を退所した知的障害者の自立に向けた効果的な支援体制と、必要な機能に関する調 査・研究、あるいはその他の国の障害福祉施策の推進に資する調査・研究が行われました。  地域移行に関する調査・研究も引き続き実施されました。また、社会福祉士及び介護福祉士法の改 正に伴いまして相談援助実習という新しいプログラムが開発されなければならないとのことで、大学 と協力をした上で共同で調査・研究ということも積極的に取り組まれたことを評価しています。  「養成・研修」に関しまして、障害者福祉や保健医療に従事する従事者の資質の向上を図るために、 福祉セミナー等を積極的に実施されたことが評価されます。また、行動援護の基礎を学ぶプログラム としまして、一般の参加の方も可能になるような工夫されたり、その実施方法や内容もさまざまな工 夫をして実施されています。養成・研修に対して積極的に取り組み、内容の充実を図りましたことを 高く評価するものです。今後も国のモデル施設として、国の政策課題に関連する取組を継続されると ともに、知的障害者の関係施設等の支援に従事する者等に対する養成・研修事業の一層の充実を努め ていかれることを期待するものです。  最後に以上申し上げたことを踏まえますと、平成20年度の業務実績につきましては、全体としては のぞみの園の設立目的、これは何度も出てまいりましたが、「重度の知的障害者に対する自立のため の先導的かつ総合的な支援の提供、知的障害者の支援に関する調査及び研究等を行うことにより、知 的障害者の福祉の向上を図ること」、それに資するものでありまして、中期目標の達成に向けて努力 されたと評価できるものと考えました。以上です。 ○上野谷部会長  ありがとうございました。いまご報告いただきました総合評価書にお目通しいただきまして、ご意 見等がありましたら、追加あるいは修正がありましたらどうぞおっしゃってください。 ○五十嵐委員  すみません。形式的なつまらないことなのですが、10頁のいちばん下の連携状況の中で、「監事が 行った財務諸表(連結財務諸表を含む)」と書いてありますが、連結財務諸表を作る対象の法人を持 っていませんので、連結財務諸表を作っていません。これは削らないと逆におかしい話になると思い ますので、削っていただければと思います。 ○上野谷部会長  10頁の下段(7)のところです。(連結財務諸表を含む)の括弧から括弧までを削除でお願いしたいと 思います。ありがとうございます。 ○政策評価官室長補佐  すみません、こちらで修正して直しておきます。 ○上野谷部会長  ありがとうございます。その他はいかがでしょうか、お気づきの点。文章等のてにをはも含めて、 あとでまた見ますが、お気づきの点はおっしゃっていただいたほうが事務局としてもありがたいとの ことです。高く評価するとか、評価する、認められるというのは考えて使っていますが、しかし全体 としては努力を認めようということで。いろいろ厳しいご意見もありましたが、それぞれの項目につ いての評価をしていただきました結果、総評としてはこのような形で文章化をさせていただきました。 よろしいですか。 ○浅野委員  いろいろな事業をやっておられて、現在地域移行で実際の施設利用者の方は徐々に数が減っていく。 一方で新しい事業として「行動障害等を有するなど著しく支援が困難な者に対する支援」を事業とし て始めて現在2名。パイロット的スタディーが始まってきたということになると思います。  そういう中で従来のような施設運営、あるいは施設の分散したような形の、要するにハードウエア の状況とか、そういうものを継続して活用していくのがいいのか。あるいはこのように将来の方向性 がある程度見えてきたのであれば、対症的な療法ではなくて根本療法みたいな形で、本当にそういう 中の施設はどうあるべきなのか、例えば現状の施設のままだけにしていくが、非常に広大な敷地によ る管理の難しさ、あるいは一部老朽化があったりすると、いままで想定リスクとして考えたことが現 実にリスクとして顕在化してしまうというものもあると思います。  医療施設についても現在は赤字だとのことですが、ここで非常に運営が難しくて黒字にできるかど うか非常に厳しい状況と読んだのですが。これについては現在調べてみないとたぶんわからないだろ うと思います。これは1つ、稼働率が上げられないのかどうかがあると思います。稼働率が上げられな いとすれば、現状やっている医療の中で取れる報酬が少ないということです。今度少ないということ になると、こういった重度の知的障害者に対する医療は、現行の診療報酬制度の中では収入が得られ ない医療なのか。それは得られないというのではなくて、どうすれば得られるようになるのか診療報 酬制度で反映したらいいではないか。そのような新しい知見も出るような気もします。  そういった知的障害者の方に対する医療を考えると、そこの中核施設としてもっと拡充していくの であれば、逆にほかの困っている施設に対する支援もあると思います。これは遠隔医療とか、あるい はいろいろな医療の情報技術が発展してきていますので、そういうものも活用すればもしかすると別 の形で稼働率も上げられるかもしれない。あるいは一時的に病気を持っている、こういった重度の知 的障害者の方を、こちらの施設で一時的に預かることもできるかもしれない。そのような新しい展望 も見えてくるので、実現はどうかはわかりませんが、抜本的な集約、新設みたいなことを少しずつ考 えておいて、そういうものを意見として出していくのもどうかなと、意見ですが思ったしだいです。 ○上野谷部会長  はい、ありがとうございました。積極的な次へのご意見と承りました。何かございましたら。いま ハードの面が、この新たな機能を追加することで対応できるのだろうかと。これは新たな課題が委員 から提起されていまして、この辺り。また、いま出ましたように、これは私たち高齢者の医療ではよ く言われますが、○○県に2泊3日で出張いたしまして、そこでいい機械がありますとMRAなんかを撮 っていただく。人間ドックを某病院でやっていただくことをよくやっています。九州とか北海道とか、 いろいろ空いているところを捜しまして、自分の日程に合わせてやっていただく。忙しい人はいろい ろなことを駆使しながら健康管理するのと同じような発想といいましょうか、要するに全国の障害者 施設の医療の不十分点を補うこと。こういうことが独立行政法人としてできないだろうかと。いろい ろな意味でこの赤を同じ赤でも説明していく状況になるのではないかとか、いろいろなことを委員会 が終わりましても委員同士でいろいろと話が出ている状況です。評価に対しましてはよろしいですか。                (各委員了承) ○上野谷部会長  それでは総合評価書(案)につきましては、修正意見がないということですので、あとは文言の問 題です。いま一部修正いただきましたが、それを含めまして何かあります場合には事務局と私のほう にご一報をいただくということで、一任いただくことでよろしいですか。                (各委員了承) ○上野谷部会長  全体としては、この総合評価書でやらせていただくことでお願いいたします。ありがとうございま した。  最後に法人理事長のほうからコメントをいただければ幸いです。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長  理事長の遠藤でございます。発言の機会をいただきましたので、お礼も兼ねて一言申し上げたいと 思います。  当法人の20年度の実績評価に当たりまして、委員の先生方におかれましては大変ご多忙の中、法人 業務全般に渡り大変丁寧に評価していただきました。ありがとうございました。特に起草委員のお二 人の先生には、旧盆を挟んで10日間しかないというタイトなスケジュールの中で、いろいろまとめの ためにご尽力をいただきまして、本当にありがとうございました。  今月10日の個別評価の部会では、各委員から種々ご意見、ご助言いただきました。本日もご意見い ただきましたが、特に内部統制・ガバナンス関係では、のぞみの園の事業の特質性を踏まえた独自の ものをよく考えろといったようなご指摘がございましたので、そのような方向で取り組んでまいりた いと思います。  また、診療所の運営につきましてもいろいろご意見いただきました。のぞみの園の事業全体の中で 診療所の果たす役割、あるいは地域医療への貢献などの視点から、今後の診療所のあり方をよく検討 すること。また診療所の経営分析等を行い、赤字の要因などを対外的にわかりやすく、また理解が得 られるような説明をすべきではないかというご意見もございました。これらにつきましては、恐縮で すが宿題とさせていただいて、今年度の業務の中でご指摘に沿うような方向で取り組んでまいりたい と考えています。機会を得てその結果をご説明できたらと思っています。  いずれにしましても今回の評価結果、また今回いただきましたご意見、ご助言を重く受け取めつつ、 引き続き中期目標達成に向けて役職員一体となって取り組んでまいる所存でございます。今後ともご 指導、ご鞭撻のほどをよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。 ○上野谷部会長  ありがとうございました。それでは評価シートの修正・確定に入ります。これまでの意見・報告等 を踏まえまして、前回個別評価をやっていただいていますが、どうぞ修正・確定をしていただいて結 構です。事務局から何か補足の説明はありますか。 ○政策評価官室長補佐  先ほどの繰り返しになりますが、修正についての留意事項を説明させていただきます。  修正は、お手元の赤鉛筆でお願いします。評定理由の修正・加筆も可能ですので、よろしくお願い します。机上配付している「個別項目に関する評点結果(未定稿)」につきましては、現時点でいた だいている評点をSが5点、Aが4点、Bが3点、Cが2点として点数化して平均しています。なおこれ につきましては、委員名は空欄としてありまして、委員各自にはご自分のお名前のみがわかるような 形になっております。作業に当たりまして、これまでの個別評価に係る資料が必要な場合は、事務局 のほうで数部用意していますので、よろしくお願い申し上げます。以上です。 ○上野谷部会長  はい、それではどうぞ評定記入用紙の確認と修正をお願いいたします。なければ修正なしと書いて いただいたほうが確認のために良いのですが。それぞれのお名前のところでも結構です。              (修正・加筆作業) ○上野谷部会長  修正が終わったようですので、これをもちましてのぞみの園の平成20年度業務実績評価に関する意 見の取りまとめとさせていただきます。先ほど申し上げましたが、評価書には、評価結果の別添とし て評価シートの集約版が出ておりますが、皆様方の修正評価をしていただいたことで、確定されまし たものをもう一度反映させて集約させていただきますので、あとは私のほうにご一任いただくことで お願いしたいと思います。また、その際、各委員の方にいろいろご意見を賜ることもございますので、 よろしくお願いしたいと思います。  それでは次に役員の給与規程の変更についてです。事務局より説明ください。 ○政策評価官室長補佐  国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長からも、厚生労働大臣に対しまして、役員給与規程 の変更について届出がございましたので、委員の皆様のご意見を伺うことになります。なお、今回の 変更内容は、先ほどの福祉医療機構同様、国の改正に合わせました変更となりますので、よろしくお 願いします。 ○上野谷部会長  のぞみの園が具体的にどなたが退職とかということではございません。役員給与規程の変更につい てのことです。先ほどと同じということでいかがでしょうか。 ○政策評価官室長補佐  法人のほうから説明いたします。 ○上野谷部会長  法人のほうから説明をお願いします。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  法人事務局長の阪本です。今回役員給与の改正につきましては、人事院勧告に基づくものと考えて いまして、国と同様の率の改正をやらせていただきました。今般の改正につきましては、凍結とのこ とですので、お手元の資料では附則ということで改正させていただいています。年末の人事院勧告が 出た時点で、本則での改正ということで考えています。以上です。 ○上野谷部会長  ありがとうございました。これも了承していただいているということで、よろしいですか。それで はこの本部会としましては、変更につきましては意見なしということでさせていただきます。  ありがとうございました。これで全てののぞみの園にかかわります審議を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。  それでは、ここで事務局の入替えを行いますので、5分後に再開いたします。どうもありがとうござ いました。              (法人及び所管課入替) ○上野谷部会長  それでは、医薬品医療機器総合機構について審議に入ります。まず、財務諸表に関する意見につい てです。今回、医薬品医療機器総合機構については、最終評価ということになっておりますので、平 成20年度の総合評価をしていただき、そして最終評価という形で続けて審議を行います。まず、最初 に財務諸表に関する意見の集約を事務局からお願いいたします。 ○政策評価官室長補佐  医薬品医療機器総合機構については、平成20年度で第1期中期目標期間が終了しております。この 中期目標期間に生じた積立金については、次期中期目標期間に繰り越す場合に、本年6月30日までに 大臣の承認を受ける必要がありました。また、国庫に納付する場合には、本年7月10日までに行う必 要がありましたので、このため6月中に財務諸表を確定させ、積立金額、その他繰越額等を確定させる 必要があったことから、書面において委員の皆様にお諮りして取りまとめました後、6月29日付けの ものが資料3になっております。6月29日付けで厚生労働大臣宛に「承認することが適当」である旨 の意見提出を行っております。  また、審査等業務に係る勘定につきましては、積立金が生じていないこと、それから副作用救済給 付業務及び感染救済給付業務に係る勘定については、関係法律に基づいて積立金は全額繰り越すこと とされておりますので、評価委員会のご意見を受ける必要がないものとされておりますので、特に今 回ご意見等をいただきませんでした。以上です。 ○上野谷部会長  いまのご報告のとおりです。総合評価に入らせていただきます。事務局から、「平成20年度業務実 績全般の評価」という総論部分を中心に報告していただき、その上で起草委員であります平井委員か らの講評を行っていただくという形で、進めさせていただきます。 ○政策評価官室長補佐  資料3-2「独立行政法人医薬品医療機器総合機構の平成20年度の業務実績の評価結果(案)」です。 1枚めくりまして読み上げさせていただきます。  1.平成20年度業務実績について。(1)評価の視点。独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「総 合機構」という)は、認可法人医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構及び国立医薬品食品衛生研 究所医薬品医療機器審査センターの業務並びに財団法人医療機器センターで行われていた医療機器の 同一性調査業務を統合し、平成16年4月に新たに独立行政法人として発足したものである。今年度の 総合機構の業務実績の評価は、平成16年4月に厚生労働大臣が定めた中期目標(平成16年度〜20年 度)の最終年度(平成20年4月〜21年3月)の達成度についての評価である。  当委員会では、「厚生労働省所管独立行政法人の業務実績に関する評価の基準」等に基づき、平成 19年度までの業務実績の評価において示した課題等のほか、独立行政法人整理合理化計画、総務省政 策評価・独立行政法人評価委員会から寄せられた意見等、当委員会が実施した国民からの意見募集に 寄せられた意見も踏まえ、評価を実施した。  なお、総合機構については、欧米に比べて審査及び安全対策に従事する人員の少なさが指摘されて おり、欧米に比べて新医薬品及び新医療機器が上市されるのに数年遅れている、いわゆるドラッグ・ ラグ、デバイス・ラグの解消及び安全対策体制の強化のために平成19年度から第二期中期目標期間に かけて増員が認められ、体制強化が図られているところであることを特記しておきたい。  (2)平成20年度業務実績全般の評価。総合機構は、医薬品の副作用や生物由来製品を介した感染等に よる健康被害に対して、迅速な救済を図り、医薬品や医療機器などの品質、有効性及び安全性につい て、治験前から承認までを一貫した体制で指導・審査し、市販後における安全性に関する情報の収集、 分析、提供を行うことを通じて、国民保健の向上に貢献することを目的としており、これらの事業を 公正かつ効率的に運営していかなければならない。  平成20年度においては、増員計画を受けて増員が図られているところであるが、同時に、審査の迅 速化等のために研修の充実による質の向上や各国規制当局及び国際機関との連携を強化していくため、 新たにレギュラトリーサイエンス推進部、国際部を発足させ、新薬審査第5部を新設する等体制の強化 も図られている。特に国際活動においては、「世界のPMDA」を目指し、総合機構の使命を対外的に明 確に伝えるために「PMDAの理念」を策定したり、積極的な国際活動を推進するための基本方針として 「PMDA国際戦略」を策定する等国際社会との連携を視野に入れた様々な方策を打ち出している。  また、平成19年度に引き続き、総合機構の業務運営に関する連絡調整を行う「幹部会」、「総合機 構改革本部」、「審査等業務進行管理委員会」、「リスク管理委員会」等、理事長が業務の進捗状況 を直接把握し、必要な指示を行う場の設置及び機構の全般の連絡調整の強化を行うことにより、理事 長のトップマネジメントによる組織体制が確立されている。さらに、学識経験者等による審査機関で ある「運営評議会」等を定期的に開催するなど、効率的かつ機動的な業務運営や、業務の公正性、透 明性の確保等のための取組が有効に機能しており、中期計画に照らし十分な成果を上げている。  課題となっていた人員不足については、専門性の高い有能な人材の確保が進み、新薬審査部門を中 心に増員が行われたが、平成18年度末に認められた平成19年度から3カ年で236名の増員については、 計画よりも遅れ気味のため、引き続き、積極的な公募による人材の確保に努めるとともに、職員の資 質や能力の向上を図るため、業務等の目標に応じた系統的な研修を実施し、人員体制のより一層の充 実・強化がなされていくことを期待する。  財務状況については、平成19年度に策定した「随意契約見直し計画」を着実に実施したり、業務の 効率化等により、経費の削減も図られた。その結果、一般管理費及び事業費の経費節減については、 中期目標期間終了時に達成すべき所要の節減を見込んだ平成20年度予算から欠員分の人件費を除いた 額と比較して、それぞれ4.8%減、6.6%減と、平成19年度に引き続き、中期計画を大きく上回る実績 を上げることができたことは評価する。  なお、当期純利益16.7億円(当初見込み利益1.3億円)は、救済給付金の支給が当初見込みよりも 少なかったことから発生した副作用救済勘定と感染救済勘定の当期純利益計17.1億円が主たる要因で あり、自助努力とは言えない利益であることを踏まえれば、総合機構の高い自己評価は妥当ではない と考える。人件費に関しては、医薬品の承認審査等を担当する優秀な人材を確保するに当たって、給 与水準の高い製薬企業等と競合関係にあるという特殊事情は理解できるが、対国家公務員指数が104.4 と高いため、平成19年度から人事評価制度や国家公務員の給与構造改革を踏まえた新給与制度を導入 するなど見直しが進められているが、対国家公務員指数を100に近づけるよう更なる努力が必要である。  個別の各業務のうち、副作用救済給付業務については、請求件数の増加にもかかわらず、標準的事 務処理期間8カ月以内の達成率について、中期計画で掲げた60%を上回る74.3%という高い水準を維 持していることは高く評価する。今後は、救済制度を必要としている人たちのために、標準的事務処 理期間6カ月以内を60%以上という第二期中期計画で掲げた目標を達成できるよう、更なる効率的な 事務処理を期待する。  審査等業務については、より有効でより安全な医薬品及び医療機器をより早く国民に提供するとい う目標の達成に向け、審査の迅速化に向けた体制の整備が着実に進展しつつあるが、未だ発展途上で ある。承認審査の事務処理期間について、新医療機器の優先審査品目については計画した審査事務処 理期間の目標を上回ったが、新医薬品全体及び優先審査品目並びに医療機器全体は、計画した審査事 務処理期間の目標を下回った。研修体制の整備、治験相談対応体制の拡充、国際共同治験への注力等 が行われていることにより、将来の審査の迅速化に向けて着々と基盤整備が図られているが、早い体 制整備の確立と一層の努力を行う必要がある。  安全対策業務については、審査と併せ「車の両輪」としてリスクマネジメントの機能を発揮するよ う、その充実が求められている。このため、医薬品等の安全対策に有効な新手法として、統計解析手 法の1つであるデータマイニング手法の導入に向けた検討が続けられており、平成20年度においては、 同手法を活用するための業務支援システムの開発が完了し、「予測予防型」の取組の充実に向けた新 事業が着実に展開されている。また、企業や医療関係者並びに患者や一般消費者に対する医薬品等の 安全性情報の提供についても、「医薬品医療機器情報配信サービス」の実施、「患者向医薬品ガイ ド」のホームページへの掲載、収集されたヒヤリ・ハット情報の分析結果の総合機構医療安全情報と してホームページへの掲載など、サービスの向上に取り組んでおり、掲載数、アクセス数ともに着実 に伸びていることから、適切に運営されていると評価する。  これらを踏まえると、中期目標の最終年度に当たる平成20年度の業務実績については、全体として 総合機構の設立目的に資するものであり、一定の評価をすることができる。今後とも審査、安全対策 及び救済給付の3つの業務が一体となって円滑に進むことを期待する。  なお中期目標に沿った具体的な評価結果の概要については2のとおりである。また、個別項目に関す る評価資料については、別紙として添付した。  以下の「具体的な評価内容」については、いまの全体のところの詳細になっておりますので省略さ せていただきます。以上です。 ○上野谷部会長  総合的評価の案文を事務局から紹介していただきましたが、続いて平井委員から講評をお願いいた します。 ○平井委員  それでは、独立行政法人医薬品医療機器総合機構、以下、「総合機構」と省略させていただきます が、平成20年度の業務実績の評価に関する講評を行わせていただきます。まず3点と、全体的業務に ついての意見を述べさせていただきます。最初に、副作用救済給付事業においては、請求件数の増加 にもかかわらず、事務処理期間8か月以内を60%以上達成するという目標に対し、74.3%を達成した というのは非常に高く評価できるかと思います。しかし、総合機構の第2期計画でも事務処理期間6か 月以内を60%としているように、もう少し目標が高くてもよろしいかと考えておりますので、最高評 価には至らなかったとお答えいたします。救済制度を必要としている方々のために、より一層の事務 処理の効率化を今後期待しております。  また、救済制度の情報提供に関しても、広報活動の充実が出されておりまして、公衆電話や携帯電 話でもアクセスが可能ということで、利便性が向上しておりますので、この結果、相談件数が伸びて いるものと評価しております。しかし、これももともとの相談件数が少なくて、国民の薬の使用に対 する関心や不安が高まってきたことによって伸びているものではないかと考えられますので、今後一 層の相談体制の充実をお願いしたいと思います。  次に審査等業務についてですが、新医薬品全体、新医療機器全体の審査事務処理期間の目標につい ては、一部達成できていないところもあります。しかし、医療機器の優先審査品目の事務処理期間に ついては目標を達成したということ。また、新医薬品、新医療機器ともに増員による量的基盤、研修 等による質的基盤が整備されつつあるということを勘案いたしまして評価させていただきました。治 験相談の体制が整備されたことも、将来の審査の迅速化に向けて明るい材料ではないかと評価してお ります。  3番目の安全対策業務については、医薬品の副作用・感染症等の情報の電送化率については、目標80 %以上に対して92.3%達成したということ。また、企業や医療関係者、あるいは患者や一般消費者へ の安全性情報の提供について、年々相談件数が増加しており、着実に情報提供業務が進展しているこ とを評価したいと思います。  全般的なことですが、まず組織体制について、幹部会をはじめ、理事長の経営判断が迅速に業務運 営に反映できる組織体制が整備されているものと考えます。経費の節減等に関しても、随意契約を一 般競争入札に見直していくなどにより、一般管理費、事業費ともに中期目標の削減率を大幅に上回っ たことを高く評価いたします。財務状況に関しましては、審査セグメントが2年連続損益黒字になった ことは評価いたしますが、繰越しの欠損金の解消に向けて、さらに努力を続けていただきたいと存じ ます。  全般的に総合機構の副作用・感染等による健康被害の迅速な救済並びに医薬品の品質、有効性及び 安全性の向上に資する審査等の業務をもって、国民の保健の向上に資するという設立目的に従って、 適切に運営されていると評価いたしまして講評とさせていただきます。以上です。 ○上野谷部会長  ただいまご報告をいただきました総合評価書(案)について、ご意見等がありましたらお願いいた します。 ○五十嵐委員  形式的なことで恐縮ですが、10頁の監事との連携のところで、「財務諸表(連結財務諸表を含 む)」とあります。今回、私は財務諸表については簡単に説明を受けただけですが、連結財務諸表を 作成する対象がなくて作成していないというふうに記憶しています。作成していないということであ れば、これを削除していただくのが適当かと思います。 ○上野谷部会長  これも修正でよろしいですね。 ○五十嵐委員  はい。 ○上野谷部会長  10頁の(6)の(連結財務諸表を含む)を削除ということでお願いいたします。そのほか、てにをはを 含めてお気づきの点がありましたらお願いいたします。内容的に高い評価をしているところと、少々 厳しく書かせていただいているところと混じって表現をしております。 ○大島部会長代理  なかなか人材が集まらないというところで、人材が集まらないけれども、給与はできれば国家公務 員並に下げたほうがいいというところが、お聞きしていて苦しいところでもあり、今後新しく開発さ れた薬を国民は多く使いたいと思っている現実がありますので、こういう方向でいいのだろうかとい うことが1つあります。たとえば、人材というのは製薬会社でも欲しいし、機構でも欲しいしというこ とで、両方からの競い合いになる場合に、今後の目標として、もう少しこの部分は手厚くというよう なお考えがあるのかどうかということが1つです。  もう1つは、素人ながら考えると、製薬会社がどのぐらい機構の中に入っているのかによっては、そ の製薬会社はどちらかというと優遇まではいかなくても。薬というのは競争だと思うのです。その中 で、達成していない率の中でどのぐらい本当に効く薬を内部での審査が平等にできているのだろうか、 というところが素人ながら心配なところであります。評価と関係あるのかどうかわかりませんけれど も、その辺を教えていただければと思います。 ○医薬品医療機器総合機構理事長  ご指摘ありがとうございます。給料のことと仕事の問題についてですが、給料に関しては社会の皆 様方の常識的なところで収めていただければ十分かと思います。私が前にいたのは国立病院で、国立 病院というのは決して高い給料ではありません。ただ、国立病院の医師・職員に申し上げたのは、や りがいのある仕事として組織を作っていかなければいけない。やはり、お金ではないのではないかと いうことだと思うのです。  ですから、当機構ではなるべく一人ひとりがやりがいのあるような仕事の環境をつくってあげたい と思います。公平感といいますか、いろいろなことを含めて。それから仕事の内容も単に事務を処理 しているというのではなくて、創造的というか、一日一日が意味のある仕事だと実感させてもらえる ような体制を全体に作りたいと思っています。その1つとしてレギュラトリーサイエンスというのを私 は興味深く思いました。人を当機構にお招きするに当たっても、その辺のところで頭を使うチャンス がありますということで、できればお金に縛られないで良い仕事をしてもらえるような人になっても らいたいと思いつつ、人を育てております。  それから、薬の内容云々というのがありました。確かにこの業界というのは、日本の産業を支える 大事なところであることは間違いありませんので、良い薬をどんどん開発していただきたいことはや まやまです。しかしながら、横並びの薬も随分あるのだろうと思います。やはり、この辺はレギュラ トリーサイエンスというのが1つ大きな知恵の絞りどころだろうと思いますし、社会にとってこれが少 しでも役に立つと判断されるかどうかというところを、もう少し頭を使いながら、みんなで決めてい って、不十分だけれども認めるようなものがあるかもしれません。常に企業に向かって問いかけると ころは、ない薬を作ってほしいということを、折に触れて業界の方には申し上げております。  とにかく、国民と共に歩む組織として、後ろ指を指されないような組織でいたいと思っております。 ○宗林委員  総合機構の場合ですと、ドラッグ・ラグの解消ということもあり、いまのお話にも出ていましたよ うに、急激な増員が、今回に限らず前回もかなりの増員があったと記憶しております。滞貨処理のほ うはだいぶ終わったと思っておりますけれども、審査期間の短縮という意味では、まだ増員の成果が 明確に出ていない状況なのかと思っております。  急激に人員増をしますと年齢層に偏りが出てくるだろうと思いますし、いま理事長からお話があり ましたが、モチベーションをどうやって維持していくのかということもありますでしょう。承認まで の流れ作業の一部分を、常に同じ部分のパート、高度な作業ではあるのですけれども、同じようなこ とを常にやっていくようなことになるのだろうと思うのです。  何がいいのかわかりませんけれども、急激な人員の増加に伴うモチベーションの維持、人の年齢の ピラミッドの崩れというようなことを踏まえて、機構全体の成果にもつながり、また長年同じ所で職 員として働いていくわけですから、そういう中で自分自身で資質を上げていきながら、自分自身がや っていることだけではなくて、その全体像が見える、縦の流れが見えることが大切かと思います。  職員の研修プログラムということにもなりましょうが、いま現在これから計画されていることがあ れば教えてください。また、そういうところに留意して、人数以上の成果を出していただけるような 形を是非希望したいと思います。 ○医薬品医療機器総合機構理事長  宗林先生にご指摘いただいたことは、私たち組織も非常に感じていることです。それは、団塊の世 代に近いぐらい、塊ってどんどん増えていったというのは非常に危険な構造であることは間違いあり ません。先ほど、レギュラトリーサイエンスの話をさせていただきましたけれども、これはアカデミ ーそのものでもあるわけです。大学と深く連携をとっていかなければいけない。それで連携大学院と いうのがありますけれども、審査をするとか、評価をするという仕事は、これからの薬理であるとか、 医学でもそうだと思いますし、法学的な見地でもそうだと思いますけれども、そういう人材は大学で もこれからは育てていかなければならない時期です。  私どもでは、うちのフィールドで育っていただいた方が、大学で教官として働いてもらったり、是 非能力を発揮してもらいたいと思うところです。団塊のままPMDAを抱えるというのは全くまずい話で ありますので、いま私どもとしては人を貰っているところですけれども、今度は送り出す、流動化さ せていきたいと思っているところです。 ○浅野委員  関連した意見です。今回の機構の評価では、医薬品の審査に関して、従来は比較的S評価のようなと ころでしたけれども、今回の委員会ではA評価ということです。これは、国民は良い薬を早く欲しいと いうニーズがすごく強くて、それにはまだSを与えられないという反映だと思うのです。  でも、これは一方で機構にとってはすごく重い責任を取ることになると思うのです。早く薬を出す ということは、それだけ副作用の部分、未知の部分がある、あるいは予想し得ないような何かが起き るかもしれない。そのために、データマイニングをはじめとした新しい手法で、機構はいまそうした モニタリングのシステムをある意味で研究的に先導しようとしているのです。従来は、どちらかとい うと審査の早い、遅いを議論してきたと思うのです。今後は、安全性の確保が非常に重要で、審査が アクセルであれば、ブレーキが安全性の確保だと思うのです。両方が伴わなければ、機構を車に例え ればスムーズに動かなくなるということなので、そういうところで大変な責務を持っているというこ となのです。安全確保を重視していただければと思います。  それから、薬がどんどん多国籍化しています。共同治験と同じように、日本だけではなくて世界中 で売っている薬ということになると、安全性の確保ということではグローバル情報を集めることにな ります。これは、いままでになかったことなので、非常に重要になってくると思います。ITを使う必 要があると思うのですけれども、そういう中でデータマイニングなども、もしかしたらそういうグロ ーバル化を進めるような研究の方向もあるのではないかと思いますので、そういうこともお考えいた だければと思います。これは意見です。 ○医薬品医療機器総合機構理事(技監)  コメントをありがとうございます。先生がおっしゃるとおりで、今まで日本では欧米よりも少し遅 れて薬が出るということで、その薬の副作用のプロファイルなどもある程度欧米でわかってから日本 で市販されるというパターンがありました。もちろん、日本に特有の副作用が問題になることもあり ますけれども、それはどちらかというと少ないほうでした。今後、欧米と同じようなタイミングで、 日本でも認可されて市販されるようになるということになると、先生ご指摘のようなことで、ファー マコビジランスという言葉を使っておりますけれども、アメリカ、ヨーロッパ等とも連携をし、その 市販後のところをいかに早くリスクをキャッチし、注意喚起とか、必要な措置をとるということが非 常に重要になってくると思います。そこは中の体制整備、先ほど縷々説明がありました国際的な連携 というところも心して頑張っていきたいと思っております。 ○平井委員  先ほど、理事長が連携大学院というお話をしていましたが、興味はすごくあるのですけれども、私 ども関西におりますと距離的なものがありまして、うまくアクセスしていくのが難しいということが あります。何かいい方法があれば教えていただきたいと思います。  それから、人事交流では、当院からも機構のほうへ出向していた者がいます。本当はうちも出した いのですけれども、いかんせんいまは薬剤師不足ということがありまして、あまり自由に出せないの で、この辺りをもう少し流動的にできるようなシステムが作れると、非常にいいということです。そ の辺りについては我々も工夫したいと思いますけれども、機構のほうでも何か考えていただけるとあ りがたいと思います。  もう1点は、審査のことに関してですが、MDがもっとたくさんいたほうがいいということを伺って いました。一方で審査の性格上なかなか難しいかもしれませんが、機構の建物にいないと駄目なので しょうか。例えば在宅で、書類をいただいて評価して返すというシステムはできないのでしょうか。 いまは女性の医師がすごく増えています。その女性医師に子育てなどがあったときに、臨床医を続け るというやり方もありますけれども、レギュラトリーのほうに入っていくこともありますので、そう いう人材を活用することはできないのかとも考えております。 ○医薬品医療機器総合機構理事長  連携大学院絡みのことですけれども、いま京都大学と非常にタイトに組んでいます。京都大学の助 教授の方にPMDAに来ていただいています。まだ審査員そのものが所属していないので、その方がこち らにいるということになると、当然その下で一緒に仕事をやる方はそういうことで仕事ができるはず なのです。ただ、年がら年中こちらにいる必要はなくて、遠隔地の大学でほとんどやっていながら、 こちらにもともといる職員にもスキルのある方がいますから、そういう方に客員教授になっていただ いて、その下で仕事をすることができます。遠隔地といえども、より強い関係で仕事ができることは 間違いありません。いま平井先生がおっしゃられたことは、完全にできるだろうと思います。  審査MDに女性の方をということですけれども、在宅に関しては、審査の資料は基本的に外に出すこ とは危険だということです。頭の中で考えるのは一向に構わないのですけれども、資料を持ち出すと いうことをうちでは原則としてやっていないです。審査のやり方を自分で工夫していただくことは可 能かもしれません。  ただ1つ申し上げられることは、比較的時間の管理の仕方というか、ちょっと遅めに来て仕事をして いただくとか、そういうことで子育てもカバーできるのではないかということで、今それを一生懸命 工夫しているところです。 ○医薬品医療機器総合機構理事(審査等担当)  後者の件にもう1つ付け加えなければいけないのは、審査というのはチーム審査で行っています。メ ディカルドクターの場合は、臨床の部分を見ていただいています。最終的にまとめるときは、チーム 全体でまとめていかなければいけませんので、一緒に並行的に、相談しながら進めていかなければい けないところがありますので、在宅ではなかなか難しいところがあると思います。 ○上野谷部会長  医薬品医療機器総合機構の評価の難しさというのは、いまも各委員からおっしゃっていただきまし たように、開発・研究型のものであり、グローバルな視点の中で、国民の健康と生命にかかわる事柄 をやっていただいています。先ほど浅野委員からもありましたように、ブレーキもかけつつ前進させ ていかなければいけないし、業務遂行のためにフレキシブルな業務体系という、日本ではあまりされ ていないような事柄を入れていく。しかし、給与は下げろというような、非常に矛盾したことを、本 当に国民が願っているのかということを一度問わなければならないと思っています。  この間、独立行政法人評価委員会の総会でも議論になりまして、政・独委のほうからいろいろ指摘 があるけれども、厚労省管轄の独立行政法人に関してはそのとおりいかない事柄があるのだというこ とを、井原委員長にも強く言っていただこうということになりました。立場としては、それをやらな ければいけないということを付託されているわけですけれども、それが本当に国民にとっていいのか どうかということを、いつか、どこかでやっていただかないといけないと思います。  本日も、皆さん個人の意見でいろいろなことをおっしゃっていただきました。セキュリティを考え ながら、生命を守るということをやっていただいています。もちろん医学部と薬学部にはやっていた だいていますけれども、そうすると対象にする給与の比較というのは、そういう所と比較していただ かないといけないのです。このままいって、本当にインセンティブが高まり、モチベーションが維持 できるのであれば、その方法を見せてほしいぐらいに各委員が思っていると思うのです。  そうは言うものの、この評価というのは、目標にとってどうかということをしなければならないと いうことです。総合評価の総会のときにも意見が出ておりますので、そこは強く言っていく必要があ るだろうと思います。もちろん、すべての独立行政法人がそうだとは言いませんけれども、そういう 感じがしております。ただし、今回の評価は、先ほど浅野委員が補足してくださいましたように、Sを 付けていない部分もありますので、そこはがっかりとかそういう意味ではなくて、非常に積極的な意 味から付けさせていただいているとお考えいただけたらいいのではないかと考えています。  国民に理解していただくために、私も含め各委員もみんなビデオを撮ったりして見させていただき ました。理事が一生懸命おっしゃっておられましたけれども、もっとわかりやすく、いろいろな形で 情報を提供する。映像でもってという新たな取組としては不十分だったとは思いますけれども、NHKで あれだけやってくれたことで、逆に関心が高まっているように思います。漫画でも何でもいいから、 それこそこういうことの仕組みをわかっていただくようなことを、別の所でも考えなければならない だろうと、巷ではいろいろな方々がおっしゃっておられます。今回は最終評価になるものですから、 余計に各委員の方々の思い入れがありますので、少し余計なことも申し上げてしまいました。評価の (案)は文書で出ておりますけれども、これに関してはいかがですか。 ○宗林委員  いま聞くべきことではないのですけれども、OTCのほうは副作用救済の電話番号が販売制度がかわっ た後の新しいものに書いてあると思うのです。医療用医薬品のほうの、処方せんを持っていく薬局と いった所に、医療用医薬品を自分が飲んだときには電話番号がどこかでわかるような術というのはな いのでしょうか。  OTCのほうは、どういう経緯であれを全部書き込むようになったのでしょうか。電話番号がほとんど 載っているというのは、大変良いことでそれによって制度の認知度が上がったのだろうと思います。 特別な働きかけがあったのでしょうか。 ○医薬品医療機器総合機構理事(総合調整・救済担当)  一般薬については今年の6月からだいぶ売り方が変わりました。そして、パッケージも一類、二類、 三類を表示するように変わるということもあって、おそらく各メーカーが合意するような形で、副作 用救済制度の情報をパッケージに入れるという形になったのだろうと思います。今までは、一般薬に ついて、副作用被害救済制度が適用されるかどうかということ自体をよくご存じなかったようなので、 それはメーカーのご協力もいただけてありがたいと思っています。  医療用医薬品については、私どもはこれからも広報の努力はしていきますけれども、医療関係者、 あるいは薬局の方々を含め、この制度を一般的には知っていただいていると思います。むしろ、そう いう専門家が気がついたら知らせていくということだろうと思いますが、国民一般向けの広報という のは、これからも引き続きやっていきたいと思います。 ○宗林委員  国民のほうも制度を知ることにおいては、医療用医薬品のほうは入院加療が必要な対象になるもの が大変多いと思います。もちろん医療関係者が知らないとは思いませんけれども、事あるごとに医療 用医薬品のほうにも何か知る術があればいいかなと思います。 ○上野谷部会長  ありがとうございました。総合評価(案)についていろいろご意見はいただきましたけれども、少 なくとも修正はないということです。1か所の修正はやりますけれども、これを業務の評価の結果とさ せていただきたいと思います。各法人及び総務省政策評価・独立行政法人評価委員会にお伝えすると いうことで公表したいと思います。なお、誤字脱字等は部会長に一任していただくということで最後 の修正をさせていただきます。  それでは、現在までの意見と報告を踏まえ、個別評価の修正がありましたらいまの間にしていただ きたいと思います。そのことに関しては事務局からお願いいたします。 ○政策評価官室長補佐  繰り返しになりますけれども、修正は赤鉛筆でお願いいたします。それから評定理由の修正・加筆 も可能ですのでよろしくお願いいたします。あとは、机上配付している評価結果については、Sが5点、 Aが4点、Bが3点としてそれを平均したものです。委員のお名前につきましては、各自ご自分の名前 だけが表示されておりますのでよろしくお願いいたします。それから、これまでの個別評価に係る資 料をご覧になりたい場合は、事務局にお申しつけいただければ用意しております。以上です。 ○上野谷部会長  それではよろしくお願いいたします。 (修正・加筆作業) ○上野谷部会長  それでは、これをもちまして医薬品医療機器総合機構の平成20年度業務実績評価に関する意見を取 りまとめたということにさせていただきます。いま修正等がありましたので、その分に関しては私の ほうに一任していただくということと、あとは皆様のコメントの修正・追加も反映させていただきま す。  続いて最終評価に入ります。今回は、医薬品医療機器総合機構の最終評価になっておりますので、 その審議に入ります。まず法人のほうから、中期目標期間の業務実績についての説明を15分程度でお 願いいたします。その後、事務局から全般的な評価の総論部分だけを中心的にお話をしていただき、 起草委員の平井先生からコメントをいただくということでお願いいたします。 ○医薬品医療機器総合機構理事(総合調整・救済担当)  資料3-4に基づいてご説明させていただきます。かなりの部分が平成20年度の実績の説明と、先ほ ど評価していただいたことと重なるところがありますので、適宜飛ばして説明させていただきます。  1頁は、医薬品医療機器総合機構の成り立ちです。先ほどの評価結果の冒頭にもありましたように、 平成16年4月に設立され、健康被害救済、審査、安全対策をやっています。2頁は、いま申し上げま した3つの業務の詳細なところを図にしているだけで同じ内容です。この辺は飛ばさせていただきます。  3頁は「医薬品医療機器総合機構の組織(概要)」です。先日、平成20年度の実績についてご説明 したときにもいろいろご質問がありましたけれども、理事長の下で3人の理事が、それぞれ技術関係の 総括プラス安全対策を川原理事が担当しています。審査センター長も兼ねていますが、審査関係は豊 島理事が担当しております。私、川尻は救済制度、あるいは総務・財務を担当しているということで、 3人の理事がそれぞれの部門を分担してやっています。それ以外はそこに書いてあるようなことですが、 これは平成20年度現在ということですので、審査部門、安全部門については現在は少し部が増えてい るところがあります。  4頁からが評価シートの関係です。1つ目は「目標管理による業務運営、トップマネジメント」です。 評定はこちらで便宜上従来どおり付けさせていただいておりますけれども、平成20年度、あるいは最 終評価のところは見込みということで、政策評価官室のほうからお聞きしたものを入れておりますの で、ひょっとすると最後は違っているかもしれませんが、適宜ご参照いただきたいと思います。  この中身については、「目標管理による業務運営」ということで、例えば業務計画表を作成し、進 捗管理を行っています。「トップマネジメント」の関係では、毎週幹部会を開催する、あるいはリス ク管理の委員会も毎月開催しているということで工夫しています。「今後の業務改善の主な取組等」 ということでは、PMDAの理念を策定する、広報戦略、国際戦略を平成20年度に策定いたしました。5 頁は、各種委員会がどういう内容で、どの程度開催したかという実績を5年間書いてあります。それが 1つ目の分野です。  2つ目の分野は「審議機関の設置等による透明性の確保」です。1つ目は運営評議会ということで、 学識者、関係者、消費者の代表に入っていただいて「運営評議会」「救済業務委員会」「審査・安全 業務委員会」を設置し、公開で開催し、その結果についてはホームページで公表しているということ で透明性を確保しています。専門家の活用という話もありましたが、特に審査、安全対策、救済とい うのは医学関係をはじめ、薬学もそうですけれども、非常に詳細な専門的な知識ということになりま す。外部の専門家の方々にお願いし、専門委員ということで各種の知見を私どものほうにいただいて います。データベース化の推進をしているということも書いてあります。  3番目は「各種経費節減等」です。これについては、PMDAの場合には政策的な増といいますか、いろ いろ制度改正がありまして、中期計画の途中で新しい業務が入ってきたり、それから人員増というこ とがあります。いずれにしても、中期計画上の数値目標は各独法横並びで、一般管理費は5年間で15 %程度、要するに各年度3%ということです。事業費・人件費は1年度当たり1%以上の削減になって おりますが、そういう横並びの目標については、予算の中に既に盛り込んでやっております。7頁、8 頁に入っておりますが、既に削減した上での予算から、さらにどの程度削減しているかということで 見ていただければと思います。  それぞれそこに書いてありますように、平成16年度は少し大きいのですが、それ以外の年について は3%ないし5%ぐらいの削減で努力しています。その中身としては、随意契約の見直しなどの効果が 現れているものと考えております。8頁で、事業費の関係も同じようなことです。人件費自体は増員が ありますので総額は増えるわけですが、1人当たりの人件費単価を指標に置き、それを少なくとも1% ずつ削減していこうということです。平成17年度を基準年度としたところでは、6%の削減になってい ます。  9頁で評価シートの4番目は「拠出金の徴収及び管理」です。これについては、数値目標が、副作用 あるいは感染拠出金については99%以上で、安全対策等の拠出金についてもそれと同等以上、同様の 収納率ということです。9頁の下で平成20年度はいずれも99%以上となっております。  10頁で5番目が「相談体制の整備、業務内容の公表等」です。これについては、一般相談窓口につ いては昼休み対応、FAX、メール対応も始めた関係上、平成17年度辺りからは2,000件を超す相談件数 が寄せられています。外部監査、内部監査も適切に実施しているところです。  11頁で6番目の「救済制度の情報提供、相談体制の充実」です。これについての数値目標としては、 相談件数・ホームページのアクセス件数が20%以上増ということです。数字だけの話ではなくて、(2) で「広報活動の積極的実施」と書いてあります。先ほど宗林先生から、もっと充実するようにという お話もありましたけれども、大衆薬の外箱表示の工夫も進めています。ホームページ、あるいは相談 件数の増加については下の表にあります。相談件数については3倍以上の増、アクセス件数については 90%増となっております。  12頁で7番目の「業務の迅速な処理及び体制整備」です。これは副作用の関係ですが、これについ ては請求から決定までの事務処理を8か月とするということです。数字だけご覧いただきますと13頁 です。8か月以内で60%以上を処理するのが目標だったところ、平成20年度に8か月以内で処理した ものが74.3%、中央値は6.5か月となっております。第2期中期計画では、6か月以内で60%以上を 処理しようという目標を掲げています。  14頁で8番目の「部門間の連携及び被害実態調査の実施」です。これについては、平成20年度はか なり厳しい評価をしていただいたということですが、部門間の連携については、副作用救済、あるい は感染症救済の関係の支給・不支給の情報については、個人情報が保護されるような形にした上で、 安全対策部門に提供するということをやっております。医薬品による被害実態等に関する調査という ことで、そこに書いてあるような調査を実施しています。この調査結果をどのように活かすかという ことになると、特に制度的な対応になりますと、法律に基づく制度ということもあり、私ども機構の 力だけではといいますか、機構のほうでは如何ともし難いところがありますけれども、できるだけ有 効に活用できるように、今後とも努力していきたいと思います。  15頁になります。9番目が、スモン患者、HIV感染者、あるいはC型肝炎の関係の給付業務です。ま ず、スモン患者に対する健康管理手当、あるいは介護費用の支払いについては、そこに書いてあるよ うに適切に実施をしています。HIVによる健康被害を受けた方、感染者の方々への調査研究事業も15 頁のような数字になっています。  16頁が特定救済業務ということで、平成20年1月に議員立法で成立した特別措置法に基づく一時金 の支払いです。平成19年度は施行期間が2か月ちょっとという期間でしたが、そこにあるように平成 20年度は和解が相当進んでいますので、660人の方にお支払いをしているということで、業務量として は大体平成20、21年度辺りがピークになるかと思います。  17頁です。ここから審査の関係に入ります。1つが、医薬品関係の審査業務の迅速な処理及び体制の 整備です。なかなか目標に達していないところがあるので、平成19、20年度はちょっと厳しめの評価 をいただいています。中期計画上の目標は、平成20年度までに12か月以内に80%を処理するとか、 優先審査品目については6か月以内に50%を処理するというのが数値目標でした。  18頁になります。それを実施するためにどういう対策をとってきたかというと、人員の増員です。 これは平成19年度から3カ年計画でやっていますので、平成20年度はまだ途中ということですし、新 人も研修して戦力になるには少し時間がかかるわけです。いずれにしても、人員増を図る、研修を充 実する、あるいは治験相談を充実するとか、各種の工夫をしていく、あるいは審査基準を明確化する とかというような形で、総合的に取り組んでいるところです。  18頁の下の表で見ていただきますと、平成16年度あるいは平成17年度は50件とか60件だったとこ ろが、平成20年度あるいは平成19年度もそうですが、大体80件ぐらいで、処理件数は増えています。 そういう中で、12か月以内に何パーセントの処理ができたかということです。80件前後になった平成 18年度、19年度、20年度を見ていただきますと、特にPMDAができてからの平成16年度以降の申請分 については、59%、60%、70%と、標準期間内に処理しているものは少しずつ上げていますが、当初 掲げた80%までに達しなかった状況です。いずれにしましても、処理件数はかなり増やしているわけ です。  21頁です。こちらはオーファンドラッグというか、希少疾病用医薬品の処理状況です。平成20年度 を見ていただくと、こちらについても25件を処理しました。しかしながら、審査期間6か月以内でど のぐらい達成したかについては、特に平成20年度は50%という目標を達成できなかったわけですが、 今後とも努力をしていきたいと思います。  22頁から医療機器の審査の関係です。こちらについても、総合的に最終的評価はBという形です。 医療機器については、平成21年度から計画的な人員増を始めていますので、第1期中期計画内ではま だ計画的な増員は始まっていない中で工夫をしたわけです。そこにあるような数値目標については、 標準的な事務処理期間12か月を90%達成しよう、優先品目については9か月を70%以上処理しようと いうことで立てていました。  23頁が全体です。数字をご覧いただくと、承認件数については、16、17といった10件程度のところ から、平成20年度は少し減っていますが、20件前後ぐらいまで増えてきています。そういう中で、12 か月以内で終了する目標90%を達成できたかと言いますと、平成20年度だと75%、平成19年度だと 83%、少し足りないという形になっています。  24頁については、オーファンデバイスというか、希少疾病用の医療機器等です。こちらについては 目標を達成していまして、9か月以内に70%以上を処理しようということですが、平成20年度につい ても75%を処理したところです。その他、医療機器については、各種の国際的な取組にも積極的に協 力をしています。  25頁、治験相談の関係です。こちらも最終的な評価はBということで、厳しめな形をいただいてい ます。中期計画の目標については、年間420件の相談に対応できるような処理能力を確保しようとか、 相談から記録を確定させるまでの日数を実働30日にしようとかいうような、各種の目標を立てていた ところです。まず、420件の処理能力の確保についてはもう達成しています。  26頁がその関係です。わかりにくいですが、実際に相談していただく件数が420件も来なかったと いうことです。平成20年度だと、実質的な相談件数が326件のところを315件、基本的に申込みをし ていただいたところは全部処理をしています。その他、対面から記録確定までの実働30日でやるとい うところは、目標値が低かったと言われるかもしれませんが、目標値10%のところ、平成20年度は87 %を達成しています。優先品目について、第1回目の対面の助言までの日にちも実働30日と言ってい まして、50%以上そうしようということでしたが、平成16年度は別ですが、それ以外のところはすべ て達成しています。  27頁、審査業務の質の向上です。先ほどは研修というお話もいろいろありましたが、特に新人の研 修だけではなくて、ベテランも含めた形で各種の素養を身につけるということで、国内外から講師を 招きまして、そこに書いてあるような20件前後の特別研修を開催しているわけです。外部の専門家の 力を借りるということで、専門委員の委嘱を900人以上にお願いしているところです。あるいは先ほど、 特に海外の規制当局からの情報を迅速に収集しなければいけないというお話もありましたが、(4)にあ るように、FDAやEMEAからの情報収集とか、情報交換もやっています。今年度から関係職員を駐在さ せることも始めるところです。  28頁、「適正な治験の普及等」です。ここについては、各種の先端技術に関する国の指針の作成へ の協力を進めているところです。29頁になりますが、適正な治験の普及という関係では、治験を支え るマンパワーということで、2つ目のポツにありますが、製薬企業の開発・薬事担当者などを対象とし た「GCP研修会」を主催していますし、医療機関の薬剤師、看護師を対象とした「治験コーディネータ ー養成研修」も、関係団体の力も借りながら実施しているところです。  30頁、「審査等業務及び安全対策業務の透明化の推進等」です。まず(1)にありますように、各種の 審査報告書、その関係の申請資料について、実際に薬事審議会でご審議いただいたものについては適 切にまとめて、そこに書いてありますように、平成20年度の審査報告書は91件、資料の概要について は80件を公表しているところです。  31頁からが安全対策の関係で、「副作用等の情報の収集」ということです。まず、副作用・感染症 の症例報告については、電送化率は80%以上という目標を作っていました。その目標以外でも、デー タマイニング手法の開発を終えまして、平成21年度からは実際に業務に使っています。32頁について は、医療機関とのネットワークの構築ということで、「抗がん剤併用療法実態把握調査」なども進め て、ホームページ上に公表しているということが書いてあります。目標に関係するものとしては32頁 の(3)ですが、電送化率については、平成20年度は92%ということで、80%の目標をクリアしています。 33頁は仕組みですが、省略します。  次が「企業、医療関係者への安全性情報の提供」ということです。副作用情報について報告を受け てから概ね6か月以内での公表を目指すこと。添付文書などの改訂の指示があったら、その関係のWeb 掲載、ホームページの掲載を2日以内に行うということです。そういうものについては詳しくは申し上 げませんが、達成しているわけです。  35頁については「医療関係者への情報提供」ということです。3つ目のポツにありますが、いわゆる プッシュメールですね。医療機関などへの情報提供については、表にありますように、平成20年度は 登録の配信先が2万件を超えまして、そういう所に年間100件を超える情報を配信している状況です。  36頁が「患者、一般消費者への安全性情報の提供」ということです。「消費者くすり相談」の実施 件数ですが、平成20年度は1日当たりで見ると、電話相談が大体35件ぐらい、実際の相談件数が50 件を超えるという形でご活用いただいているところです。それから、37頁に書いてありますように、 これも周知かもしれませんが、「患者向医薬品ガイド」などを順次作って公表しているとか、他部門 への連携も進めているということを書いています。  最後のグループですが、38頁から総務・財務関係です。予算については既にいろいろご評価をいた だいています。先ほど、平成20年度の利益は自己努力ではないという厳しい評価をいただきましたが、 いずれにしても赤にはなっていないというところです。  39頁の「人事に関する事項及びセキュリティの確保」です。これについては、研修の実施回数、あ るいは国内外への派遣研修ということもやっています。先ほど、職員のモチベーションというお話が ありましたが、研修だけではなくて、実際に国際会議に出ていただくとか、各種業務のために海外出 張をしていただくことは、業務上非常に必要になってきます。そういうことで、業務をしながらモチ ベーションを高めていただく、あるいはいろいろな専門的能力を高めていただくこともしているとこ ろです。  それから39頁に先ほどご照会がありましたが、新しい給与制度の導入というのもあります。給与に ついては、さすがに製薬メーカーに伍するような給与は支払われないということです。私ども機構と しては、一般の行政職というよりは、研究職とか医療職並の給与水準、いずれも国家公務員にどうし ても見合った形での給与表しか作れないわけですが、そういう中でいろいろ工夫をしているわけです。 前回も説明しましたように、初任給はできるだけ高くするという形で、給与のフラット化をするとい うことで、まず来ていただくことを最優先にやっています。そういう意味では、将来的にキャリアア ップをしていくための道筋は付けなければいけないと思いますが、いずれにしても最大限の努力をし ながら、一方で独立行政法人の中であまり突出したこともやらないように工夫しているところです。  40頁については、特に企業との人事交流も含めて、本当は積極的にできればいいわけですが、いろ いろと薬害被害者の方々などと話もあります。どうしても製薬企業との不適切な関係を疑われてはい けないということで、実際に就職していただいた場合、あるいは退職した場合、あるいは家族に関係 者がいるような場合には、一定の従事制限もかけながら仕事を進めているわけです。  40頁の下段、現状ですが、今年4月1日の役職員の総数は521名です。安全性関係の対策要員や医 療機器の要員もこれから増やしていきますので、第2期中期計画での役職員の総数は最終的に751名を 予定しています。41頁「セキュリティーの確保」ですが、省略いたします。  すみません。ちょっと長くなりまして、申し訳ありませんでした。 ○上野谷部会長  ありがとうございました。それでは、事務局から最終評価結果(案)をお願いします。 ○政策評価官室長補佐  最終評価結果の紹介の前に1点説明させていただきます。先ほど平成20年度の総合評価書をご審議 いただきましたので、これから紹介する評価結果(案)については、この審議を踏まえる以前のもの となっています。したがって、先の審議でいただいたご意見の反映等、変更のあった評定結果等があ りましたら、それを事務局において反映し、部会長にご確認いただくことで対応したいと思います。  それでは、医薬品医療機器総合機構の最終評価結果の案文について紹介いたします。資料3-3、1頁 目からです。1.中期目標期間(平成16年4月〜平成21年3月)の業務実績について。「評価の視点」 は省略させていただきますので、6行目からお願いします。  本評価は、平成16年4月に厚生労働大臣が定めた中期目標(平成16年4月〜平成21年3月)全体 の業務実績についての評価を行うものである。総合機構に対しては、特殊法人から独立行政法人にな った経緯を踏まえ、弾力的・効果的な業務運営を通じて、業務の効率性の向上、質の向上及び透明性 の向上により国民の求める成果を得ることが強く求められている。  当委員会では、「厚生労働省所管独立行政法人の業務実績に関する評価の基準」及び個別項目毎の 評価の視点等に基づき、各年度の業務実績の評価において示した課題等、さらには、「独立行政法人 整理合理化計画」、総務省政策評価・独立行政法人評価委員会から寄せられた意見や当委員会で決定 された取組方針も踏まえ、最終評価を実施した。  なお、総合機構は、発足当初の平成16年度において、研究開発振興業務も所管していたが、規制部 門と振興部門を分離し、総合機構を健康被害救済業務、審査等業務及び安全対策業務に専念させるた め、平成17年4月より、研究開発振興業務は独立行政法人医薬基盤研究所に移管されている。  また、総合機構の業務は、健康被害救済業務、審査業務及び安全対策業務の3つの業務が一体となっ て推進されていること、さらに、総合機構は、欧米に比べて審査及び安全対策に従事する人員の少な さが指摘されており、欧米に比べて新医薬品及び新医療機器が上市されるのに数年遅れている、いわ ゆるドラッグ・ラグ、デバイス・ラグの解消及び安全対策体制の強化のために平成19年度から第2期 中期目標期間にかけて増員が認められ、体制強化が図られているところであることを特記しておきた い。  (2)中期目標期間の業務実績全般の評価。当委員会においては、総合機構が独立行政法人として発足 して以来、業務により得られた成果が、「医薬品の副作用又は生物由来製品を介した感染等による健 康被害の迅速な救済を図り、並びに医薬品等の品質、有効性及び安全性の向上に資する審査等の業務 を行い、もって国民保健の向上に資することを目的とする」という当機構の設立目的に照らし、どの 程度寄与するものであったか、効率性、有効性等の観点から、適正に業務を実施したかなどの観点に 立って評価を行ってきたところであるが、中期目標期間全般については、次のとおり、概ね適正に業 務を実施してきたと評価する。  業務運営の効率化に関しては、目標管理による業務運営や人事評価制度の導入により業務運営の改 善等の処置がとられ、効率的な業務運営の確立がなされたことを評価する。また、理事長の判断を迅 速に業務運営に反映する組織体制の構築・整備が図られ、リスク管理においては、総合機構全体のリ スク管理を行うため、リスク管理規程を作成し、リスク管理委員会が設置されたことを評価する。一 般管理費等の経費削減については、毎年度経費を計画的に節減し、中期目標を上回る削減を実施して おり評価する。健康被害救済給付業務については、人員の増強及び組織の見直しにより、業務の迅速 化が進められているとともに、業務の効率化が図られ、計画に照らし十分な成果を上げていると評価 する。  審査等業務については、新医薬品の審査事務処理期間について、中期計画の目標を下回ったものの、 承認件数が増加する中、年々事務処理期間の短縮がなされており、審査の迅速化に向けた体制の整備 は、着実に進展していると言える。一方、新医療機器の審査事務処理期間についても、優先審査品目 については中期計画の目標を上回っているが、全体としては、中期計画の目標を下回ったものの、増 員により新任者の指導、研修にも注力しており、新医薬品と同じく審査の迅速化に向けた体制の整備 が進展しているものと評価する。治験相談については、体制強化により、平成20年度に年間約420件 の処理能力を確保するという中期計画を達成し、平成20年度は全ての相談申込みに対応することがで きたことは、審査体制の質の充実という点で評価でき、承認審査の迅速化につながると期待できる。  安全対策業務については、審査と併せ「車の両輪」としてリスクマネジメントの機能を発揮するよ う、その充実が求められている。このため、医薬品等の安全対策に有効な新手法として、統計解析手 法の1つであるデータマイニング手法の導入に向けた業務支援システムの開発が進められていたが、平 成20年度にこれを完了させ、「予測予防型」の取組の充実に向けた新事業が着実に展開されている。 また、企業、医療関係者や患者、一般消費者に対する医薬品等の安全性情報の提供についても「医薬 品医療機器情報配信サービス」の実施、「PMDA医療安全情報」及び「患者向医薬品ガイド」のホーム ページへの掲載を行うなど、そのサービスの向上に取り組んでいると認められる。安全対策の強化に ついては、関係方面からその必要性が指摘されており、更なる体制の強化と着実な実施を期待する。  なお、中期目標に沿った具体的な評価結果の概要については2のとおりである。また、個別項目に関 する評価資料については、別紙として添付した。  以降の「具体的な評価内容」については、いまの全体的な評価の詳細になっていますので、省略い たします。以上でございます。 ○上野谷部会長  ありがとうございました。続きまして、平井委員から。 ○平井委員  それでは、独立行政法人医薬品医療機器総合機構の中期目標期間の業務実績の最終評価について述 べたいと思います。「総合機構」と省略させていただきます。中期目標期間の業務実績の最終評価に 関しては以下のとおりです。  ただいま事務局のほうからも、全般の評価についてご説明がありましたが、中期目標期間全般の業 務としては、概ね適正に業務を実施してきたと評価できると思います。まず、全般的な業務の観点か ら申しますと、業務運営の効率化という面については、目標管理による業務運営、あるいは人事評価 制度の導入等が行われたことによって、効率的な業務運営の確立がなされたこと、理事長の判断を迅 速に業務運営・リスク管理に反映させる組織体制の構築・整備が図られてきたことは大変評価できる と考えます。また、一般管理費等の経費削減についても、毎年度経費を計画的に削減されまして、中 期目標を大幅に上回る削減を達成したことは評価できると考えます。  次に、それぞれ個別の業務に関してです。まず、健康被害救済業務につきましては、副作用救済給 付業務について、請求件数が増加傾向にある中、支給・不支給の決定件数も大幅に増加しています。 救済給付の標準的事務処理期間の達成率についても、中期計画期間における目標値を平成18年度以降 上回っています。また、情報提供の拡充や広報活動の積極的な実施により、相談件数、あるいはホー ムページのアクセス件数が大幅に増加したことも高く評価できると思います。これ以降の反映につい ては政治的なものにも絡むというご指摘もありましたが、今後考えていくべきところかと思います。  次に、審査等業務については、5年間を通じて承認件数や審査事務処理期間をトータルで見て、年々 改善されてきています。質・量ともに体制の強化が図られているように感じますが、最終的に新医薬 品全体・新医療機器全体については、審査事務処理期間の目標には至っていませんでした。ですので、 今後さらなる審査の迅速化に向けた体制の充実強化を希望したいと思います。また、治験相談につい ては、平成20年度には年間420件という目標処理能力を達成したわけですが、すべての相談に応じら れる体制を整備されたことは、審査の迅速化につながると期待します。  次に安全対策業務についてです。「予防予測型」を強調されていましたが、そのための安全性情報 の発見・分析を行うデータマイニング手法を確立されたことです。これによって、安全対策業務プロ セス全般をサポートする業務支援システムの開発を完了したということで、非常に高く評価されると 思います。今後ますます安全対策業務が充実されていくことを期待します。それから、企業、医療関 係者、あるいは患者、一般消費者への情報提供についても、それぞれ年々相談件数が増えていまして、 着実な実施が行われていると思います。  最後に総合機構におかれましては、公募による人員不足を解消し、研修等によって質の向上も図り ながらも、総合機構の理念にある、「国民の健康・安全の向上に積極的に貢献」していただきたいと 希望しまして講評とします。以上です。 ○上野谷部会長  ありがとうございました。ただいま、業務実績報告、最終の評価結果(案)を示しました。ご意見、 修正がありましたらどうぞ。いかがですか。よろしいでしょうか。 ○大島部会長代理  事務局の方が最初に読んでいただいたあとの「具体的な評価内容」と、いまの平井先生の話ともつ ながるところですが、理事長の判断を迅速に業務運営に反映するという点です。両方とも理事長の判 断ということで書かれています。例えば、組織が理事長のみで迅速に判断されて、それを反映するた めにするのか。理事さんたちの中には一つひとつの意見が違ったり、あるいは方向として現実の評価 が違っていたり、そういうようなことで幹部会とか、本部とか、委員会とかができていると常日頃考 えていますので、ここに何度も「理事長の判断」というと、適切だろうかという印象も持たれるので、 その辺をお聞きしたいと思います。 ○上野谷部会長  トップマネジメントとして、リーダーシップは取っていたたがないといけないのですが、ちょっと 出し過ぎだと。 ○大島部会長代理  大変信用されていることはよくわかるのですが、やはりそうではない。特定のということではなく て、方針に関して、やはりそこでのチェック機能とか、いろいろなこともないといけないわけだと思 います。そういう点で、理事長のというのが多かったものですから。 ○医薬品医療機器総合機構理事長  どうもありがとうございます。おっしゃるとおり、私もその言葉を危惧しています。私としては、 やはり常に全体が同じものの考え方で動いていかなければいけないと思うのです。ですから、私が知 らないでものが動かれては困りますが、皆さんと一緒に、常に話しかけながらということが前提です。 例えば、幹部会も議案がない日はどうしようかと、この間もありましたが、一応毎週やることを原則 にしています。ほとんど毎週やっていますけども。ただ、そのときに、つまり、そういうものが存在 することが常に考え方を共有できるということで、私がエゴイスティックな判断をしてやろうとは一 切考えていません。とにかく良識のある組織としてやっていきたいと思っています。ご理解いただけ ればありがたいと思います。 ○大島部会長代理  それは充分理解しているのですが、これ自体の書き方といいましょうか。いまは信頼されて、大変 やっていらっしゃることは非常によくわかります。ということで申し上げました。 ○医薬品医療機器総合機構理事長  ありがとうございます。 ○上野谷部会長  最終の成文のときに、他の独立行政法人の評価のときに、あまり出ていない状態でした。いま、1回 ぐらいにするとかですね。 ○医薬品医療機器総合機構理事長  そうですね。よろしくお願いします。 ○上野谷部会長  少し、3、4回出てきているのは確かにありますので、ちょっとその辺は。いま委員がおっしゃった ことを踏まえて、しかし、トップマネジメントを含めて、リーダーシップを発揮していることがわか るような文章に。1、2回減らさせていただきますけれども。  そのほか、いかがでしょうか。どうぞお気づきの点、おっしゃっておいていただいたほうが確かに。 ○浅野委員  意見になると思います。1頁目で、たぶん機構さんの理念のところだと思いますが、「もって国民の 健康の向上に資することを目的とする」となっています。これは非常に重要な言葉だと思います。と いうのは、国民の健康に資することを目的にするということは、いわゆる公衆衛生水準の向上に資す ることで、従来のPMDAの機能というと、どうしても薬事行政の枠組みで話が進んでいると思ったので すね。  一方、たぶん皆さんも気を揉んでいると思いますが、アメリカの政権交代の中で、最近FDAがパブリ ックヘルスとFDAというコメントでいろいろな議論を始めています。というのは、たぶん長官がパブリ ックヘルスの専門家なのでしょうか。そういうところでいうと、従来の薬事行政の枠から一歩踏み出 して、国民の健康にかかわるような機関だという位置づけがです。一方、アメリカだけではなくて、 イギリスもニースという技術評価機関が、医薬品や医療機器をどういうふうに国民に提供していくか、 経済的な評価も含めて。言ってみれば、利用の確保に関して介入してきているわけですね。たぶん、 それがレギュラトリーサイエンスとも非常にかかわってくると思います。  こういった流れに関してPMDAは、もう少し大きな枠組みの公衆衛生の向上に対する役割という議論 などで、どういうお考えを持っているか。お伺いできたらと思います。 ○上野谷部会長  この案文に関しては、これでよろしゅうございますね。 ○浅野委員  ですから、そういった流れの中からすると、これに関してはここにコメントが入っています。日本 は既に大局的には、国民の健康の向上に資するという言葉が入っているので。 ○上野谷部会長  これはもういいということですね。 ○浅野委員  これはまさに、国際的なトレンドにも合致していると、こういうことにはなるだろうと思います。 ○上野谷部会長  それでは、修正意見がないとのことです。もちろん、いまいただいたところは一部修正しますし、 誤字脱字を含めて私に一任していただきたいです。これをもって、最終評価結果(案)とさせていた だき、8月27日に開催される総会に報告することにさせていただきたいと思います。  それでは理事長のほうから、ご意見も含めて、総合評価、最終評価全体で、いまの浅野委員に対し ての意見も含めて、コメントをいただけましたら、よろしくお願いします。 ○医薬品医療機器総合機構理事長  私、この組織に来て、規制当局の一員となって。今までは、規制などというのは経済的な意義でし かないと思っていたのですね。まさに規制改革の真っただ中で、規制という言葉は経済的な用語かと 思っていたのですが、ここへ来て、これは国民の健康とか、そういうものを守るための、いわゆる国 民を安全に守るための、性悪説から国民を守るための組織であると。改めて、厚生労働省並びにその 関係のところは、経済的意味ではないことを非常に強く感じました。  したがって、理念を作るときにおいても、やはり我々はそこら辺を認識しなければいけないと思っ て、これを強く書き込んだ、強調したところです。折しも、浅野先生がご指摘になりましたように、 FDAはまさにレギュラトリーサイエンスといえるとか、国民の健康云々と、新しい長官の下で散々言わ れていまして、ここら辺はうちのが先に言っているのだなと嬉しく思ったことでもあります。  いずれにしても、そういう意味で、我々がそういう格好で世界にイニシアチブをとっていければ。 とりわけいろいろな会議に出ていても、DIAとかいってみても、以外に外国では国民の健康という視点 は欠けているのですね。改めて、これは日本のほうが先を行っているのではないかと。これはおそら く、いままで日本が多くの経験を積んだ結果、こういうところを強調して、組織が、社会全体が成長 している。そういう意味では、欧米よりも成長しているのかもしれないと。ドラッグ・ラグがありま すが、意識としては日本のほうがかなりいい線をいっているのではないかと思っています。それは今 後とも進めていきたいと思います。  本日は、平成20年度の業務実績並びに第1期中期計画、目標期間の業務実績について、皆様方に暖 かく評価いただいたことを感謝申し上げます。今回ご指摘いただいた点を踏まえまして、改めて今後 さらなる業務改善に努力しまして、より有効でより安全な医薬品、医療機器を逸速く国民に届けるた めに日々努力を重ねていきたいと思います。また、本年からいよいよ、先ほども言った、デバイス・ ラグの解消に向けたアクションプログラム、それから、市販後安全対策の拡充に向けた取組が始まっ たところですが、これをどんどん推進していきたいと思っています。  それから、平成23年度までにドラッグ・ラグを解消すべく人員が拡充されています。これによって 審査チームを増加させることと、審査件数の増加を目指し、さらに、処理自体を加速化するというこ とで、事前評価システムの導入による申請後の業務効率化に取り組みまして、目標達成に向けて全力 で努力をしていきたいと思います。そのためにも、新たな目標達成に向けて、職員の研修の充実をい っそう図るとともに、PMDAの理念の下で、職員が一丸となって業務を遂行していく所存です。また、 引き続き委員の皆様方にも、よろしくご指導のほどをお願い申し上げたいと思います。本日はどうも ありがとうございました。 ○上野谷部会長  ありがとうございました。引き続きまして、役員給与規程の変更についてです。まず、政策評価官 のほうからお願いします。 ○政策評価官室長補佐  医薬品医療機器総合機構の理事長からも厚生労働大臣に対しまして、役員給与規程変更について届 出がありましたので、委員の皆様のご意見をお伺いしたいと思います。なお、今回の変更内容は、先 ほどの福祉医療機構同様、国の改正に合わせた変更となっています。よろしくお願いします。 ○上野谷部会長  続きまして、法人のほうから、どうぞよろしく。 ○医薬品医療機器総合機構理事(総合調整・救済担当)  それでは、資料3-5-(1)をご覧ください。これは、この間出た人事院勧告ではなくて、5月に出た人事 院勧告に基づく対応です。国家公務員の指定職の場合ですと、各期の期末勤勉手当について約1割、 0.15か月分を暫定的に凍結、とりあえず、5月の段階では暫定的に凍結するということでしたので、そ れにならった措置です。条文の関係がややこしいわけですが、第9条の「特別手当」ということで、6 月に支給する場合は、100分の160ということは1.6か月分という形で規定しているわけです。下のほ うですが、これに附則を設けて、第2項で、平成21年6月に支給する特別手当については、その「100 分の160」を「100分の145」に、要するに0.15か月分減らすというような形での手当をしているとい う内容です。以上でございます。 ○上野谷部会長  ただいまの内容について、ご質問等ありますか。いいですか。  それでは、本部会としての、この変更については意見なしということでよろしいでしょうか。そう いう取扱いをさせていただきたいと思います。本日の審議、議事はすべて終わりましたが、關委員、 よろしいですか。  本日ご審議いただいた総合評価、それから財務諸評に関する意見については、厚生労働省独立行政 法人評価委員会運営規程第3条に基づいて、当部会の決定が評価委員会の決定となります。また、総務 省の政策評価・独立行政法人評価委員会への通知、公表の手続きが行われることになります。さらに、 医薬品医療機器総合機構の最終評価結果(案)ですが、27日に行われる総会において、先ほど申し上 げましたように、私のほうから報告をさせていただき、それでもって決定となろうかと思います。  ありがとうございました。政策評価官室のほうから今後の予定をお話いただきたいと思います。 ○政策評価官室長補佐  今後の予定について連絡いたします。本日ご審議いただきました法人の総合評価書については、事 務手続きを進めて、後日、委員の皆様方に確定版をお配りしたいと思います。また、医薬品医療機器 総合機構の最終評価書については、いま部会長からもお話がありましたように、総会での決定次第お 送りしたいと思います。なお、総会については、27日(木)午後1時から、この専用21会議室となっ ております。メンバーの方はよろしくお願いします。以上でございます。 ○上野谷部会長  それでは、本日は長時間、本当にご審議ありがとうございました。終了いたします。                                           (了)      照会先:政策統括官付政策評価官室 独立行政法人評価係     連絡先:03−5253−1111(内線7790)