09/08/10 第44回独立行政法人評価委員会医療・福祉部会議事録 独立行政法人評価委員会医療・福祉部会(第44回) 開催日時:平成21年8月10日(月)9:58〜12:27 開催場所:厚生労働省専用第21会議室 出席者 :上野谷部会長、大島部会長代理、浅野委員、關委員、宗林委員、平井委員、松原委員、      真野委員 ○上野谷部会長  ただいまから「第44回独立行政法人評価委員会医療・福祉部会」を開催します。委員の皆様方にお かれましては、足元がお悪い中、またお忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。 感謝申し上げます。本日は、五十嵐委員が欠席となっており、宗林委員は遅れてご出席とお伺いして います。  本日の議題は、お手元にあります議事次第のとおり進めます。国立重度知的障害者総合施設のぞみ の園の「平成20年度業務実績に関する個別評価」を行います。早速、議事に入ります。国立重度知的 障害者総合施設のぞみの園の個別評価に入るわけですが、最初に遠藤理事長からご挨拶と年度業務実 績の概要、重点事項に絞っていただき、説明をお願いします。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長  のぞみの園理事長の遠藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。委員の先生方には、日 ごろから当法人の運営につきまして何かとご指導いただいております。この場を借りて厚く御礼申し 上げます。  本日は、第2期中期計画期間の初年度である平成20年度業務実績を説明しますが、まず私から3点 に絞って総括的な説明をします。お手元の資料に資料1-5を用意しています。「平成20年度における 取組(概要)」という横長の資料です。こちらの資料は、表紙をめくっていただきますと、まず「業 務運営の効率化に伴う経費節減」についてまとめてあります。常勤職員数の削減、資料では年度末の 人員を比較していますが、平成20年度は11人減少するなどにより、人件費総額について対前年度1億 円を超える縮減を行いました。また、給与水準の適正化のための検討を行っており、国家公務員の給 与構造改革を踏まえた見直しを実施しようということで検討を進めました。2年間かけて検討する予定 でしたが、1年間で検討を終わり、職員組合などとも調整は全部つき、本年度から実施するということ で、1年間前倒しで実施できたということです。  第2点として、地域移行の関係です。平成20年度について後ほど詳しく説明しますが、丁寧かつき め細かに保護者と利用者本人に対応し、また関係自治体や受入先の事業所などとの協議・調整も鋭意 進め、その結果、移行者はこれまでで最も多い24名となりました。これまでの移行について、保護者 の同意を得られないことがネックになっていましたので、特に保護者への対応に力を注ぎました。個 別面談の機会を増やしたり、その際に映像の資料を活用するなどして、平成20年度は新たに29名の利 用者の保護者から同意を得ることができました。なお、移行した人については、その後の暮らしぶり について継続的にフォローをしており、皆様が落ち着いた生活をしていることを確認しているところ です。  第3点として、資料の2頁に移りますが、「行動障害を有するなど著しく支援が困難な者に対する取 組」です。著しく支援が困難な人たちに対する支援の一環として、矯正施設、つまり刑務所や少年院 を退所した知的障害者に対する支援の事業に、平成20年度から取り組みました。これは厚生労働省、 法務省が中心となって、国の政策課題として刑務所などを退所した障害者や高齢者などが、地域に定 着できるように支援する仕組づくりが進められていますが、のぞみの園においてもモデル的に刑務所 を退所した知的障害者などを受け入れて、地域移行に向けての支援、移行後、地域に定着するための 支援に取り組んでいるところです。昨年10月に1名受け入れ、本年に入り2月、6月、8月にそれぞれ 1名、合計4名を受け入れました。誠に恐縮ですが、資料で「1月1人」と書いてありますが、これは 2月ですので、ご訂正方よろしくお願いします。申し訳ありませんでした。  このように4名受け入れていますが、そのうち最初に受入した方は、のぞみの園での生活訓練、就労 支援を経て先月末に退所しました。出身地の県で一般就労することができ、このケースでは、のぞみ の園に受入するに当たって、3つの県にわたる自治体との協議・調整にもいろいろ努めたところです。 今年度は、厚生労働省、法務省のご指導・ご協力をいただきながら、これらのモデル的な支援の事例 を通じて、福祉施設における支援のためのプログラム、また地域生活に移行したあとの定着を支援す るプログラムの開発に取り組んでいるところです。  同じく行動障害のある人たちを対象とする取組として、障害者自立支援法に基づくサービスの1つで ある「行動援護」について取り組んでいます。この行動援護というのは、具体的には、行動障害のあ る人たちの外出の際に付き添って危険回避のための援助をしたり、またパニックが発生したときに適 切に処理するといったサービスですが、その全国的な普及に貢献するために、このサービスに従事す る職員の養成研修に平成18年度から取り組んできています。都道府県が開催する養成研修会の講師を 養成する、そのための中央セミナーを開催したり、その養成研修のプログラムの開発をしてまいりま したが、平成20年度は全国を5つのブロックに分けて中央セミナーを開催しています。  以上のほか、この資料では触れていませんが、障害者自立支援法の趣旨に則って、のぞみの園利用 者の日中活動の場所や活動メニューを大幅に増やすとともに、昨年10月からは就労移行支援事業に新 たに取り組むということで、法人の事業全般にわたりできる限り積極的に取り組んで、着実に成果を 上げるように努めてまいったところです。  最後に、昨年のこの会議で報告した所在不明となっている施設利用者の捜索について、直近の状況 を報告します。引き続き警察や全国の自治体などへの情報提供を要請するなど、取り組んでまいりま したが、これまでのところ有力な手掛かりは得られていません。保護者であるお兄さんとは継続して 連絡を取っていますが、利用者ご本人の支給決定期間が今月末までとなっていますので、近く保護者 のお宅を訪問し、改めてご要望・ご意向をお聞きした上で今後の対応を検討することにしています。  以上で総括的な説明を終わりますが、委員の先生方におかれましては、今後とも当法人に対するご 指導・ご鞭撻のほどをよろしくお願い申し上げまして、ご挨拶とさせていただきます。どうぞよろし くお願いいたします。 ○上野谷部会長  これからの進め方ですが、国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の個別評価については、お手元 の評価シートの個別項目を3つのグループに分けて、グループごとの評価ということでお願いします。 グループ1ですが「業務運営の効率化」について、評価項目1〜5、16〜18についての項目の評価を行 います。法人から所要時間30分以内でご説明いただき、委員の評定と質疑を合わせて20分から30分 の間で進めたいと思っています。法人からのご説明をお願いします。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  おはようございます。法人事務局長の阪本です。私からいまご指摘があった部分の業務運営につい て5項目と予算関係3項目、この部分について説明をします。お手元の配付資料の資料1-1-(1)、こち らが評価シートで、もう1種類説明資料として資料1-6、こちらを中心として説明をしたいと思ってい ます。  お手元の配付資料の資料1-6です。「平成20年度業務実績評価シート用説明資料」ということでよ ろしくお願いします。最初の頁に、今回、評価いただく項目18項目を掲げています。評価項目の名称 と自己評価、右側の「頁」に評価シートの頁を記載していますので、是非、一緒にご覧いただければ と思います。  おめくりいただいて第1点の「評価項目1」です。1-(1)「効率的な業務運営体制の確立」というこ とで、私どもで今回、自己評定をAという形で提出しています。内容は「第2期中期目標に定める課題 に的確かつ効率的に対応するための組織体制の整備」ということで、従来とは違った内容で私どもが 整備をしました。特に「第2期中期目標期間における課題」として、地域移行の促進、行動障害、先ほ ど理事長から説明のあった新たな施策についての対応、さらに調査・研究の充実、内部統制の向上と いうことです。  このことについては右側の枠になりますが、新しい業務を担当する担当部署の設置を行いました。 福祉の支援を必要とする矯正施設等を退所した知的障害者の支援として、「社会生活支援センター準 備室」を設置しました。内部統制の向上ということで、昨年、非常に厳しいC評価をいただいた部分で すが、これについても法人として取組を始めるということで、新たに「法人事務局付調査役」という ことで監査担当を設置しています。平成20年度の主なものとして、さらには3人の非常勤の参事を入 れ、自立支援、地域支援及び調査・研究に関する業務の指導を行う参事3人を非常勤として配置するな どを行い、業務運営の体制の確立を図ったということになっています。  さらに、常勤職員数についても、先ほど説明したとおりです。第1期の中期目標期間中では、30人 の削減ができました。第2期については、年度末までに平成20年度期首に対し20%削減をし、トータ ルで52人削減しなければならないという命題がかかっていますが、平成20年度においては19名が削 減できたということで、非常に大きな数字であると思っています。そういった意味で自己評定をAとし ています。評価シートは、最初の1頁からその内容について細かく記載し、2頁にこの内容について細 かく書きました。  参考となる資料としては1-6の2頁になりますが、「組織体制の整備等」ということで、平成20年 度に監査担当を設置。その下の再編強化で、社会生活支援センター準備室を設置、就労移行支援を新 たに実施するため、活動支援部に担当係を新設ということで、平成20年度においても十分な配慮がで きる体制を整備したと自負しています。さらに、人材の招へいということで、先ほど申した3名を招へ いしています。  3頁、「人件費改革への着実な取組」です。人件費についても私どもは非常に高かったという面があ ります。国と比較したということがあり、独立行政法人として求められる人件費総額の縮減、国民の 理解が得られる給与水準とするために、国家公務員の給与構造改革を踏まえた見直しを行い、本来で あれば平成22年という形で実施をする予定であったのですが、平成21年4月から1年前倒しで実施が できる形で整備が整いました。内容的なものは、本俸表の水準について平均4.8%の削減を行い、本俸 の調整額の定額化、地域手当の新設、定年退職者の退職日を年度末にし、職員の雇用について十分な 配慮ができる形をするものをやり、平成21年4月から実施ができる形をとり、いま順調に進んでいる 段階です。また、ラスパイレスの指数については対国家公務員の98.1という形ですので、十分にいま の時点では説明ができる数字かと思っています。  人件費総額についても、常勤職員を削減することができたので、この部分について1.1億円の減がで きたということで、今回、ここについても十分に貢献ができたのではないかと思っています。  次に、評価項目2です。これは「内部統制・ガバナンス強化への取組」ということで、昨年、これに ついてC評定をいただきました。そのため私どもは十分にその反省を踏まえ、中身の見直しを図りまし た。先ほどの組織の体制の中でも担当の調査役を設け、その人間が中心になり新たな体制をつくり、 取組を強化したところです。特に共通意識を持たせるための取組として、内部統制・ガバナンスに対 するための役員等の研修。これは私どもだけではなく、新日本有限責任監査法人というところになり ますが、こちらから講師をお呼びして、職員間においての共通認識を持たせるという体制をとりまし た。  さらに「内部統制向上検討委員会」を設置し、3回開催し、中身的なものの充実の見直しを図ったと。 今回、3回の中でやったことにより、非常に有効的なものとして出されたものが、今後ののぞみの園に 与える影響、いわゆる要因、リスクの洗い出しというものができました。このリスクについて、これ を洗い出したことによって、平成21年度においてはこのリスクを調査し、リスクのアンケートを取っ た上で、さらにもう一歩進めるという形がとれる体制までできたのが平成20年度です。これについて も、外部の新日本有限責任監査法人のお力を得ながら今後ともやっていくということになっています。 特に今回、リスクが117項目という大きな形で取り上げることができたので、これをさらに調査しなが らリスクの洗い出しをやっていきたいと思っています。  さらに「内部進行管理の充実」ということで、モニターという形で各部所から1〜2名の職員の方を 選出し、私ども法人がやっている事業についてどうだという意見をいただいています。この継続的な モニターからの評価をいただいたものについて、私ども幹部職員、いわゆる法人役員がその意見を聞 いた上で事業の運営に役立てるという形をとっています。  参考までに先ほどのリスクというものについてですが、内部統制の関係のリスクですが、5頁の左側 を見ていただきたいのです。左の上に「目標の設定」「リスクの識別」というところを平成20年度に 行いました。平成20年以降の部分では「リスクの評価」を平成21年度に行い、リスク対応計画を作成 し、対応計画の取組、取組状況の評価ということで、平成21年度にこれが一巡する形をとりたいとい ま考えています。リスクの内容については、右側に書いてある総項目数で117項目、業務運営、サービ スの内容、予算、コンプライアンス、そういったものに関してもすべて取り入れた形でやっています。  次が「施設利用者に対する健康・安全の確保」ということです。施設の利用者の健康維持・安全対 策ということについては、絶対的に私たちがやらなければならないものと認識しています。特に健康 対策の部分で言うと、定期的な健康診断です。これは最低基準等で定められている部分で項目が決ま っていますが、それ以上のものについてやるということで、高齢化に対応した健康診断をやっていま す。  さらにインフルエンザです。私どもの施設は、お手元に配付したのぞみの園のパンフレットの中の 資料をあとでご覧になっていただければよろしいと思いますが、平均年齢が58歳、最高齢が87歳とい う高齢化施設です。そういった施設の中でインフルエンザ等の感染症が発生した場合には、非常に大 変なことが起きるということを十分に理解しているので、インフルエンザの徹底的な予防ということ で、予防接種の実施。さらに、高齢化ということがあるので、高齢の方に対する新たな取組として、 リハビリ、介護に関して専門家を招へいするといったもの、介護技術の向上、褥瘡、摂食・嚥下障害、 シーティング、いわゆる体位の保持ですが、こういったものについて積極的に取り組んだ事例です。  先ほどのインフルエンザは一緒ですが、感染症予防ということで「感染症防止対策」というものも 併せて行っています。インフルエンザだけではなくその他の感染症についてもですので、予防月間を 設け重点的な感染防止対策を設けるというもの、こういったことをやっています。  もう1つ大事な部分が「事故防止対策」です。先ほど理事長からあったとおり、あってはならない事 故が起きるのも、然るべきやむを得ないものもあるかと思っています。ただ、それはやむを得ないで はなくて、予防できるものは必ずあるわけですし、予防できるものに対してきちんと自分たちで認識 すべきということが、私どもの職員が徹底すべき内容と思っています。そのため事故予防としては、 日常的な危険箇所等の点検、これについては常時やる部分。事故防止月間ということで7月に用意をし、 重点的な予防対策。さらに防災対策の訓練、支援職員に対する計画的な研修、園内連絡体制の整備と いうことです。特にこの園内連絡体制の整備については、私どもは171号通知を用意しています。これ は語呂合わせですが「イ・ナ・イ」という形で、利用者の方が所在不明になるといったケースが出た 場合には、躊躇なく171号通知を出していただき、業務連絡をするという取扱いに改めて、効果的に活 用しているものです。  事故の再発防止については、「事故防止対策委員会」を設置しています。この中で発生要因、原因 の分析、事故防止対策を検討し、これに対しどうして原因があったのかと要因について分析を行い、 各職員に対し周知をするという形をとっています。また、これはすべての役員にその事故の内容につ いて供覧をし、事故の原因等で特に悪いもの、いわゆる人為的なものについては、特に徹底的にその 原因を究明する形をとっています。  そういった結果、「事故件数の推移」ですが、いちばん下の欄になると平成20年度は平成19年度に 比べて16件減りました。これは本当に職員の努力と思っています。ただ、それと同時にもう1つヒヤ リハットのほうが件数は上がっています。これはもっと数字が上がってこなければならないはずです が、私どものほうで、そういった今までの取組の部分で、若干緩やかな部分があったことは歪めない 事実だと思っています。職員間のほうにやっと周知ができたことによって、職員が「あっ、これはこ の次は事故につながるんだ。じゃあ、これはこうするんだ」という意見を積極的に取り入れることが でき、件数が倍増する形となりました。こういったことは非常に喜ばしいケースと考えています。そ ういった意味で、私どもは今回、ここの評価をAという形で提出しています。  次が「業務運営の効率化に伴う経費節減」です。こちらについては、運営費交付金をどのような形 で使うかということになります。運営費交付金についての縮減、節約、そういったものについて、私 どもが言われた部分について積極的に取り組んでまいりました。そのためある程度の達成ができたと いうことで、予定どおりができたということで、評価項目3の自己評価は、Bという形で提出していま す。  特に運営費交付金の節減については、平成24年度までに23%以上下げるということについて、平成 19年度では△13.08%の実績があります。第1期中期目標は、そういった形で13%以上の削減というこ とで達成ができました。第2期中期目標については、平成24年度末で23%以上ということになります が、現在の予算額との推移をご覧いただくとわかるとおり、平成20年度は計画どおり約1億円、4.6% の削減ができていますので、これは予定どおりできているということでのB評定という形にしています。  特に「経費の節減」の部分では、給与の見直し等をやりましたので、そういった部分で大きな縮減 が今後とも期待できると思っています。それは8頁をご覧いただくとわかるとおり、平成19年度から 20年度で1億1,500万円の削減、さらに平成21年度については、先ほど申した給与の見直しを行った ので、この部分についての縮減が図られるということで十分に達成ができると考えています。このた め今回の部分では、お約束のものは守れるということは考えています。  さらに「契約の適正化」という部分です。のぞみの園は随意契約が結構多くありました。こういっ たものについて徹底的な洗い直しを行い、真にやむを得ないものについては、随意契約を取らざるを 得ないと思っています。それは公的なものですから、電気・水道・ガスといったものについては、や むを得ずの随意契約を取っています。それ以外のものについては一般競争入札等を実施し、今回の部 分で洗い出しをしたと考えています。委託費等もこういった意味では削減ができたということで、十 分な評価ができるものと考えています。  さらに9頁です。運営費交付金、障害者自立支援給付費、こういったものがのぞみの園の収入ですが、 それ以外の自己努力という部分については9頁です。「障害福祉サービス提供に係る公費収入」につい ては、平成19年度から平成20年度、15億円から14億7,000万円と若干減っています。この減った部 分については、利用者数の減に伴うものとご理解をいただければと思います。人数が同じではないの で、減ればその分この金額は減ってきます。  また「診療収入」ですが、これも同様で、診療所の収入が約1億円あったものが8,900万円という形 で、1,000万円ほど減っています。のぞみの園の診療所は利用者が直接利用するという形のものが主で すので、利用者数が減ったものに伴う減と考えています。  反対に「その他収入」という形で収入を増やしたものは下の注2にありますが、実習生等の実習料収 入、作業収入という形ですが、大きなものは国や地方自治体からの補助金収入、受託収入という形に なります。特に下の大きな枠で囲んでいますが、いちばん下の段、「補助金等の確保」ということで、 先ほど以来、話が出ている「福祉の支援を必要とする矯正施設等を退所した知的障害者の支援」及び 「行動援護」に係る調査・研究事業について、国の補助事業を受けることができました。これは障害 者保健福祉推進事業に私どもは応募し、国から採択をいただきお金をいただくことができたというこ とで、これものぞみの園の努力の成果だと思っています。そういった意味では、こういったことを今 後とも続け、いただけるものを探してくるのも、のぞみの仕事と考えています。そういった意味で、 今回、この部分についてはB評定という形をやっています。  参考資料は次の10頁ですが、利用者数の状況です。独立行政法人となった時点の部分が499人です が、現在の時点、平成20年度で395人という形で順次人数を減らしてきている、というところを見て いただければと。それと対照的にのぞみの園の活用ということで、通所部分、外から通われる方につ いては、人数を増やすという努力をしています。  次が評価項目4「効率的かつ効果的な施設・設備の利用」です。「施設利用者の状況を考慮した利用 方法の検討」をするという形になっています。のぞみの園の施設は大きな施設で、いろいろな施設を 多数抱えております。利用者について、また管理棟について、体育館、講堂、プール、グラウンド、 こういったものをのぞみの園は用意しています。こういったものについて順次活用し、特に利用者に 関しては、いままで生活していた寮ではない所での体験ができる形、「空き寮」と言いますが、そう いったものを使って訓練をし、自立につなげるといった形もとり、また他方、空いた部分については、 いままでの生活寮にいるだけではなく、場所を変えて利用者の日中活動を準備するということをして います。  また、利用者の状況に応じた形の取組ということで、寮の中の見直し、生活寮の見直しというもの を平成21年1月から考えており、本年には「第三次寮再編」を行うということで考えています。特に 今後は、高齢者の方々、状況、いわゆる利用者の対応に応じて寮の体制も組み直すという形もとって いかざるを得ないと考えています。  「地域の社会資源・公共財としての活用」は、先ほど言ったグラウンド、プール、講堂、こういっ たものを地域に開放するという形をとっています。地域住民への一般開放ということで特に一番大き なものは、私どもの施設の職員、利用者がすべて参加する「のぞみふれあいフェスティバル」という ものを毎年続け、6回やることができました。地元も参加していただいて、約1,900人が参加するとい う大きなイベントができたと自負しています。その他、グラウンド、体育館等については、約2,800人 の方々が参加していただいたということになっています。  12頁は、のぞみの園の全体像を写真を付けて見ていただいています。のぞみの園は非常に大きな土 地です。230万平方メートルの土地を持っています。これの有効活用を考えていますが、ご覧いただくとおり非常 に山が多いということです。平野部分については私どもの建物が入っているということで、こういっ た意味ではなかなか難しいのですが、今後、山の部分について、また平野部分、いわゆる建物が建っ ている部分について、さらなる整備をできるかどうかについては、今後とも検討を進めてまいりたい と考えています。  業務運営の効率化の最後の評価項目5ということで、13頁です。「『随意契約見直し計画』に基づ く取組等」です。先ほども説明したとおり、真にやむを得ないものを除き一般競争入札という形をと ったということで、これは会計法に則る当たり前の世界ということで、自己評定もBという形をとって います。「競争性・透明性の確保」については、一般競争入札を実施したことによって確保されたも のと自負しています。  これで評価項目1〜5の部分の説明を終わり、残り、今度は経営の関係ですが、評価項目16〜18とい う部分について、最後の3つの部分を説明します。  資料は39頁、評価シートは40頁になります。「予算、収支計画及び資金計画その他の業務運営に関 する事項」、評価項目16になります。自己評定Bという形で、これは「自己収入の比率」の関係です。 総事業費に占める自己収入の比率を40%以上とすることを目標ということで、これは結果が出ていま す。平成20年度の自己収入の比率ということでは、総事業38億1,800万円に対し自己収入15億9,200 万円ということで41.7%、こういった意味では自己評定B、4割を超えたということでの評価をしてい ます。  また「予算、収支計画及び資金計画等」について、これは適正に執行したという形をとっています。 特に短期借入金の限度額については偶発的なものもなかったので該当しませんでしたし、重要な財産 を譲渡し、又は担保に提供しようとする、これもありませんでした。剰余金も発生していません。そ ういった意味では、予算、収支計画については十分な対応ができたと思っています。自己評定をBとい う形でとりました。  さらに、評価項目17、18です。これは最後の40頁にまとめて書きました。「人事に関する計画、施 設・整備に関する計画」です。「人事に関する計画」については、平成20年度の年度目標270人、こ れは平成20年度の実績では256人ということで、△14人下回る形で目標を達成することができていま す。さらに、人件費についても、年度目標の25億8,200万円に対し実績23億3,500万円ということで、 目標を達成できたということで、数字的にも大きな数字を出したので、この部分については評定をAと いう形で出しています。  「施設・整備に関する計画」については、あくまで予算に基づく整備をやりましたので、スプリン クラーの設置9,000万円、スプリンクラーの設置工事及び特定寮のバリアフリー化等改修工事が1億 700万円という形で予算が付きました。この部分については、最初の9,000万円については整備が終わ りましたが、残りの1億700万円については補正予算のために繰越しをし、今年度執行するという形を とっています。特にこの2つともスプリンクラーの設置工事と特定寮のバリアフリー化については、補 正予算が通ったあと実施承認をいただき、今月、入札を行うという形で考えており、公告も出してい るので、十分に対応ができると思っています。そういった意味で予算を執行できたということで、自 己評定Bという形でやったと思っています。  以上、最初のグループの部分、項目1〜5、16〜18についての法人からの説明としました。 ○上野谷部会長  ありがとうございました。委員の皆様方には評価をしていただくわけですが、どうぞご質問、ご意 見を適宜いただきながら評価を併せてしていただくということです。いかがですか。 ○真野委員  質問させていただきます。説明資料の4頁ですが、ちょっと5頁にも関連するかもしれません。「リ スク管理」という言葉が、あるいは「リスク要因」とかいった言葉が、「内部統制・ガバナンス強化 への取組」に出てくるのですが、6頁などを見ますと、ヒヤリハットとか、いわゆるリスク要因はそれ までも洗い出されているわけだと思いますが、かつ、5頁の項目などを見ると、サービスの質とか、ち ょっとリスクマネージメントと言いますか、ヒヤリハットとかにも関係するような項目も入っている ようですが、この2つの関係はどのようにされているのでしょうか。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  これは内部統制・ガバナンスを作れと言われており、そういったことをやっていなかった。6頁につ いては、従前からやっていたというものです。5頁は新たな形で内部統制の委員会をつくったうえでガ バナンス、きちんとしたものを作るべきだと言われていまして、そういった意味で、私どもは新たな 形で取組をし、いままでやっていました事故防止、感染症対策といったものをさらにその上に位置づ ける、いわゆるまとめた形を作るというものを、今回、新たに内部統制委員会として用意させていた だきました。 ○真野委員  そうすると、いままで、例えばリスクマネージメントの委員会か何かがあったのだと思いますが、 そういうものをガバナンスの委員会あるいは何か組織に取り込んだということですか。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  取り込もうとするための準備をしたことになります。 ○真野委員  まだ、そこまではいってないのですか。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  はい。 ○真野委員  そうすると、いまは2つは別々ということで、別個に何か動いているわけですか。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  いまは別個に動いています。 ○真野委員  ただ、リスク管理の、例えば先ほど申しましたが、5頁なんかだと、サービスの質の低下などは、何 か現場の話で、ヒヤリハットなどから拾い上げるような気もするのですが、それはまた別個にやって いるのですか。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  いや、これはすべて含めて、いま117項目は1年間かけて、のぞみが抱えるリスク要因、阻害要因は 何があるのだということを、とりあえず出させていただきました。これを、今後、アンケート、評価 をしながら、実際には生活部門、いわゆる利用者部門、経営部門について、さらにもっと細かなリス クを作っていって、いままで作ってきたのぞみの中の組織、既定の委員会等がありますので、そうい ったものを取り込んでいく形にしたいと考えています。ですから、5頁の表の中の左側の上ですが、こ の一連の作業の中で、そういったいままでやってきた委員会を取り込んでいこうと考えています。 ○真野委員  なるほど。ちょっと話が複雑になりましたが、まず確認すると、いままでやってきたリスクの委員 会か何かたぶんあったと思うのです。ヒヤリハットも出されているし。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  事故防止委員会。 ○真野委員  ここでやっていることと、ここのガバナンスでやっていることは、いまは別々ですが、将来的には 一緒にしていきたいということですね。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  一緒になるということです、はい。 ○真野委員  ちょっと追加でいただきました5頁の左のリスクの話は、これは事故防止委員会でも当然やってきて もいいと思うのですけれども。それは逆に、そういうことはやっていなかったということですか。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  そこまで詳しくはやっていませんでした。あくまで事故が起きた場合、もしくはヒヤリハットが起 きた場合に対応してきたのがいままでの委員会です。 ○真野委員  もう1つ、細かいのですが、6頁に「インフルエンザ予防接種」とありますね。今年と言いますか、 今年度と言いますか、いろいろワクチンをどうするかという議論があると思いますが、季節性も含め て、今年度インフルエンザの予防接種は、どういうふうにお考えですか。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  10月以後、ワクチンが入手でき次第という形で、接種を行いたいと考えています。 ○真野委員  季節性のということですか。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  はい、季節性のものです。 ○真野委員  ちょっと未確認情報ですが、季節性のワクチンが従来どおり入手できるかどうかという議論も何か あるようですが。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  その部分は、いま私どももメーカーに対して発注する形で、事前の準備はさせていただいています。 確保できるかどうかはまだ分かりませんが、定期で行っていますので、優先的には配付できるのかな と思っております。 ○真野委員  ありがとうございました。 ○大島部会長代理  何点かお伺いいたします。いまの真野先生のところとも関連するかもしれませんが、まず事項の1で すが、内部統制の向上のために調査役を監査担当としてお入れになったと。もう1つは、自立支援と地 域支援と、調査・研究に関する業務として「参事」を新設されたということですが、内部統制の向上 に調査役がまず必要だったのかどうかが、もう少しご説明いただいたほうがいいのかなと。いままで も内部統制はされていたと思いますが、さらに調査役がいなければならないのか。ここでまた人件費 が発生すると思いますので、その辺がどうなのかを教えていただきたい。  自立支援、地域支援は、いままでもされていましたので、調査・研究に関しては、人員が不足して いることは昨年からお聞きしていますが、そういうところでも、3人の参事さんが必要だったのかどう かをもう少しご説明いただきたい。  一方で、19人の常勤職員が削減されてるというところでは、利用者の支援の質の低下につながらな いのだろうかと。そんなに利用者数が減っているわけではなく、常勤が19人減ると、現場が非常に大 変なのではないだろうかという、そこら辺が評価Aになるのかどうかです。まず、事項1のところ。2 も3もあるのですが、まず、そこをお願いいたします。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  監査担当の必要性ですが、のぞみの園の組織自体の中に監査を担当する部署が用意されていなかっ たということが、まず第1点あります。そういった意味で、新たなすべてを統轄するべき人間を配置す ることは必要だったと思っています。なお、人件費については、内部の職員を振り替えた形をとって いますので、増えてるわけではないと考えています。  参事の3人ですが、先ほど委員がおっしゃるとおり、研究部門ではいませんでしたので、その部分は ご理解いただけると思いますが、別の部分で、自立支援の部分であったり、いわゆる処遇の部門でも、 のぞみの園の職員だけで行うのではなく、第三者の目が入るべきということも考えています。そうい った方々に新たな目で見ていただいて、のぞみの園の資質を上げていただく必要があると判断してい ます。ただ、この方々は常勤では非常に厳しいので、非常勤の形で採らせていただいて、ご意見をい ただくことができたので、また、私どもは喜ばしいことだと思っていますし、職員間からも、よその、 いわゆる第三者のほうからのご意見ということで十分聞き入れることができるということで、よかっ たと考えています。  また、常勤職員が19人減になるということについて、これは質が下がるのではないかというご指摘 ですが、19人減りましても、同時に利用者も減っていますので、その部分の相殺すべき部分と、本当 に足りない部分は職員の回しもやりますし、さらには、どうしても足りなければ非常勤を配置するこ とも考えています。そういった意味では、のぞみの園の職員数自身は、国で定める基準以上の職員を 用意していますので、質が下がるとは認識していません。ただ、少ない人数になるのは間違いありま せんので、いままで以上に職員一人ひとりの質を高めていく必要があると理解しています。 ○浅野委員  ヒヤリハットの件数が増えているのは、報告件数が増えたということで促進されたということだと 思います。事故が54件でヒヤリハットが103件ですが、これに伴って実際にとられた対策があるとす れば、具体的にどのような対策があったのかを教えていただきたいのです。  いま直近でもいろいろな自然災害が、結構、介護福祉施設周辺で起きていますが、そういった自然 災害の、ある意味で異常気象的な要素があった場合に、そちらののぞみの園の施設がどういうリスク にさらされるかということに関して、どうお考えかをお尋ねします。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  ヒヤリハットが増えたことについては、まず様式の見直しをさせていただいて、報告をしやすい形 をとらせていただいたことと、上げることが恥ではないと認識されたことで、非常に件数が増えたと 思っています。そういう周知ができたということが1点です。  自然災害等についてですが、のぞみの園では、土砂災害がいちばん起こり得るべき自然災害と考え ています。これについては、基本的に毎日定時の巡回をお願いしており、大雨が降ったあと、どうい った所に水が出ているとか、沢の水が溢れているといったものを報告いただき、現場の管理室がその 現場を確認したうえで、避難が必要であれば、避難をさせるようなことを図るように周知させていま す。自然災害ではそういったものです。  もう1つ大きな災害の地震については、のぞみの園の建物自身が非常に古い状態です。そういった意 味で、上の落下物等がないようにということで、天井等、いわゆる上のほうに置いている物について は、固定することをさせていただいて、いまギリギリの対応をさせていただいている状況です。 ○浅野委員  ヒヤリハットとか事故に対して、起こったものに対してどういう対策をとったかという具体的な、 例えば誤投薬があった場合には、誤投薬をなくすためにどういう対策をとったかは特になくて、報告 段階で終わっているということでよろしいのですか。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  いえ、誤薬があった場合には、誤薬を行った人間も含めた形で、いわゆる、いま何が問題であった のかと。例えば2人確認が必要であったにもかかわらず、2人確認をしなかったことを、職員間の打合 わせをやり、再度そこで職員間の意識の徹底を図ることをちゃんとやっていただくことをやっていた だいています。 ○浅野委員  何か投薬のときに、マニュアルを作って、そういうことを守っていくようなことは。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  基本的にマニュアルをもう作っています。そのマニュアルを守らなかったために、誤薬が起きたケ ースもあります。ただ、そのマニュアルを再度徹底することと、いままでの確認、いわゆる上司の人 間がその場に立ち合うような形。誤薬が起きた場合であれば、その後はちゃんと確認ができているか と、確認をとるような行為もやらせるようにはしています。 ○浅野委員  それで、その後は減少したとか、何かそういったエビデンスが、確証といいますか、根拠が得られ たりはしているのでしょうか。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  そこまでは、まだいかないです。 ○大島部会長代理  全体のこれからののぞみの園の方向、昨年も申し上げたのですが、どういう方向に行くのかという ところにもかかわると思うのです。例えば事項3の収入のところで、県からの委託事業を積極的に受託 したと書かれているのですが、市民感覚としては逆で、法人が県からの委託事業を積極的に受託する というよりも、のぞみの園の独立行政法人は、前は国立コロニーだったわけですから、そこがどうい う方向に行くかによっては、市民感覚からいくと、法人から県にどんどん、地域に委託していくと言 いますか、こういうことを、そういう委託の方向というのがあるべき方向ではないかと思う点もある わけです。その辺が未来像といいますか、将来像をどう考えていらっしゃるかを知ることができると いいかと思います。  事項2のガバナンスですが、第三者の指導を受けながらの強化は大変評価できるのですが、法人のい ままでの歴史、長年の実践から考えると非常に寂しい感じがいたします。システム自体が多少金属疲 労を起こしていたのかどうかという感じがして。例えばヒヤリハットというのは、民間であれば1件起 こったら大変なことですので、職員の気付きが増えたからヒヤリハットの件数が増えて事故の件数が 減ったというのは、当然過ぎることだと思います。当然なことが評価できると書かれるところが、ち ょっと金属疲労がだいぶ進んでいるのがここに出てきているのかなと。大変失礼で申し訳ないのです が、そういうふうに感じました。未来像と将来像と、展望というのでしょうか、その辺のことまで含 めてお答えいただけるとありがたいと思います。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長  ただいまのご質問のうち、将来像にかかわることについてお答えいたします。私ども独立行政法人 としては、まず国の障害者政策の課題について実践する立場として、どうやって国に貢献できるのか と。貢献すると言っても、国のほうから目標なりを示されて、計画を立てたフレームの中でやってい くことです。したがって、国として、まずこの独立行政法人をどう活用したいのかという国からの指 示を受けて、独立行政法人としてどういう実践をして、どういう成果を上げるかということを常に念 頭において仕事をしているわけです。  私どもとしては、やはり国の政策課題として、例えば矯正施設を退所した知的障害者の場合とか、 また行動援護みたいな新しいサービスについて、積極的に取り組んだその成果を全国に普及していく、 発信していく、それによって全国の類似の施設の底上げを図れたらということで、まず、やるべきか なと思います。  他方で、私どもが高崎市にあれだけの施設を構えていることは、やはり地域における中核的な施設 ですし、群馬県の場合、県立のそういう施設もありません。知的障害者の大きい施設もありませんの で、地域の中核施設として、郡馬県としてもかなりのぞみの園のほうに期待している向きはあるわけ です。そういう中で、私ども日頃、地元の自治体と意思疎通をよくし、連携協力をとっていく中で、 のぞみの園のほうでこういったことをやってほしいということがあれば、積極的に受けていくことに しています。  例えば、行動援護の関係の県の研修をのぞみの園で受託したり、また高崎市の相談支援センターに ついて、のぞみの園がその相談支援センターの1つとして受託したりという事業を積極的に受けていま す。それによって、地元自治体との意思疎通、連携協力もよくなりますし、また地域の障害のある人 たちに対しても、いろいろ貢献ができるというような考え方でやっています。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  先ほどの金属疲労のお話ですが、委員がおっしゃるとおりの部分は相当数あると思っています。特 にのぞみの園という1つの大きな組織の中だけで過ごしてきた部分がありますので、外部からの意見が 述べられることがなかったことについては歪めない事実だと思っています。そういった目で、今回、 新たな外部の意見を取ることがこの金属疲労をカバーする、いわゆる少しでも金属疲労ではないよう な形にするべきものと考えて、新たなものを用意させていただいたと考えています。  また、ヒヤリハットの現象についても同様です。いままで「ああ、これぐらい」と言っていたもの が、やっと、いま日の目を見る、出て来たということですので、今後はこの件数を、私どもはそうい ったことが起きないような形にしていくべきと考えています。ただ、いまの時点は、洗い出しがまず 先ではないかなと考えています。 ○關委員  5頁ですが、大きなリスクの識別、あるいはガバナンスの意味合いから、表の「業務運営の効率化云 々」のところは何となくわかるのですが、その次の「国民に対して提供するサービス」の「自立支援 のための取り組みにおけるサービスの質の低下」の4項目なのでしょうか、いわばいちばんコアになる 大事な部分ではないのだろうかと。何か人員削減の影響が出ているのではないか、あるいは職員の方 々が萎縮していないのだろうかと、内向きにならないだろうかということをついつい感じてしまうの です。状況が好転するための方策は、先ほどのご質問とも合わせてどのようにお考えなのかなと。こ れをガバナンスと捉えるのかどうなのかというところも含めて、お考えをお聞きできればと思います。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  今回の平成20年度に作ったリスクの識別については、経営のほうから中心に作りました。利用者の 部分は非常に項目数が少なく、経営について約8割、利用者について2割という形でいま作っておりま す。今般、この2割の部分についてはさらに見直しを図るべきと考えておりますので、今年度中にリス クの評価、対応計画の策定ということで、この中で項目の見直しを図ってまいりたいと考えておりま す。 ○真野委員  これはのぞみの園にというか、もっと全体のことかもしれませんが、評価をずっとやっていくと組 織自体がいろいろ改善活動をされるので、正確な統計は取っていませんが、自己評価自体も少しずつ 上がってきているような感じがするのです。そういう意味でのぞみの園を見ると、目標を達成してい てもB評価というお考えなのだと思うのですが、ほかの組織だと、目標を達成しているとA評価になっ ているところもある気がするのです。のぞみの園への質問なのかどうかというのもありますが、この 辺りはどのようにしたらよろしいのでしょうか。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  私どもは、Sが最高ランクということで、実績プラス計画以上のものができて、数値的なものが十分 対応できたものをSと書きなさいと言われています。Aは計画がうまくできて、それが評価できる形の ものと聞かされています。Bというのは当たり前のことだと、できて当たり前のものなのだということ ですので、そういった形で評価をしました。だから、特に予算ということで施設・整備について言え ば、予算を獲得し、それを執行するということですから、計画どおりできたということなので、これ をAとすることはできないと考えてB評価とすると。そういう考え方でやって、のぞみが独自の力でそ れ以上のものができた、例えば計画が10だったのが11までできればそれはA、15できるということで あればSだろうと、そのようなイメージを私どもはこの評価に持っております。私どもはこのように評 価の基準を読んだと思っております。 ○宗林委員  2点ほどお聞きします。1点は事故とヒヤリハットの問題です。入所されている方の様子も見せてい ただいたこともありますし、それなりに承知した上ですが、やはり感染症の問題や行方不明の事故が 実際に起きたりしています。それに対して、少し乱暴なのですが、具体的に見通しをよくするために 木を伐採するとか、感染症に関しては汚物とそうでないものの徹底的な管理などという話が途中でも1 回ありました。ヒヤリハットがどのぐらいあったのかを把握することがいま出てくるというよりは、 むしろ具体的な対応について、マニュアル集を作っておられるということでしたが、そういったもの を提示して見せていただきたいと思います。  もう1つは施設の利用というところで、山林が多いのですが、すごく広大な土地ですので、入所者が だんだん減少してくる中で、この土地・設備を地域の方に徹底的に利用していただくような方向でい かれるのか、あるいは施設管理自体も管理費とかいろいろなことがかかるでしょうから、例えば一部 売却するといった形でスリム化していくのかということを、そろそろ考えられる時期かなと思います。 これは意見です。特に具体的な回答がなくて結構です。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  マニュアルの提示については、準備して評価委員会に出させていただければと思っております。売 却の関係ですが、先ほどの資料の12頁の写真をご覧ください。金額比率を見るとよくわかると思いま すが、平地になった所は非常に売りやすいのですが、いま利用者が使っている部分なのです。山のほ うになると値段も安くて、非常に厳しいところがあると思います。ただ、宗林委員のおっしゃること は十分理解しておりますので、今後どういう形ができるのかは、私どもの中でも検討すべきものと理 解しております。 ○上野谷部会長  いくつかのご議論は、もう少し踏み込んでという感じもします。例えば内部統制、「ガバナンス」 という言葉の使い方もそれぞれの専門分野によって違います。いま關委員がおっしゃったように、ガ バナンス強化というのはむしろサービスの質、すなわちケアにかかわる職員の側から質をどのように していくのかということで、いまご説明のあった内部統制、あるいは経営の面からとありましたが、 そういうところから言うと、どちらかというとガバナンスと対峙することになるかもしれません。で すから、これを・でつないでおりますので、5頁の説明もややわかりにくいというか。ここは専門的な 議論をするところではありませんので、こういうものを作っているということをどう評価するかとい う形で、委員の方々には、このような捉え方の実践ですという形で評価をしていただきたいと思いま す。  同時に、いま施設の問題が出ましたが、既存の生活寮をどうしようかという第三次の委員会を始め るのですが、11頁で「平成21年度中に『第三次寮再編』を予定しており、21年1月から本格的に議論 を開始」と。議論を開始したことを評価するのはとても難しいのです。議論を開始して、どうなった のかというアウトカムを出していただかないと、こういう議論がありますというところでの評価にな りますので。  例年のぞみの園の評価がしにくいのは、それでどうなったのか。ヒヤリハットの問題もそうなので すが、それがどうなった。あるいはマニュアルがあるのだけれど、そのマニュアルをチェックリスト したところ、マニュアルが守られていなかったのが何件あって、マニュアルを守るようにするには何 をどうしたからどうなったのかと。指導しているにもかかわらず、マニュアルがあるにもかかわらず、 守られていないのかどうかを聞きたいのです。マニュアルがあるかどうかというレベルは次の段階に 入っていますので、そういう意味で次年度以降少し突っ込んだ形の、本体を見ても表現が少し曖昧な ので。政・独委からもしっかりとエビデンスを示せと言われていますので、その辺りを次年度以降配 慮してお書きいただければ、先生方も評価をしやすいと思います。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  2点だけお答えします。寮の再編については、平成20年度中に開始し、その中で利用者の高齢化、 状況の変化に対応するために寮の再編が必要だという意見がまとまり、平成21年度になりましたが、 11月を予定として寮の再編を行うことになっております。これは平成21年度の実績でしたので、そこ をわざと書かなかったということです。  もう1つは、いままでの事故報告やヒヤリハットについてですが、部会長のおっしゃっていることは よくわかりましたので、今後はそういった形で訂正したいと思います。 ○上野谷部会長  よろしいですか。中身的には次に出てきますので、そこでお願いします。  それでは、グループ2、特に地域移行等についての評価項目が出てきますが、6〜9についてお願いし ます。法人から大体20〜25分、質疑応答を含めて約40分ぐらいでやれればありがたいと思います。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  続きまして、評価項目6です。説明資料は14頁になります。「地域移行に向けた取組、施設利用者 の地域移行のスピードアップ」ということで、今回評価項目を出しており、私どもは自己評定をSとい う形で出させていただきました。これについては、第1期中期目標期間中の実績44人に対し、第2期 の中期目標期間中に年度目標15〜20人の達成について、特に平成20年度は24人という大きな数字が 達成できたということで、過去最大であったことも含め、Sの評価を出しました。合計で68人の方が 地域移行ができたと自負しております。  さらに、もう1つの第2期中期目標の独法移行時と比較して、施設利用者数を3割縮減ということに ついて、2割縮減という形で、平成15年10月1日の499人が平成20年度末で395人と、104人が削減 できているということです。残りの4年間で、毎年15〜20名程度を地域移行させることにより、この 部分についても達成できると考えております。特に今回24人という数字を達成したことが、私どもと しては数値的なものではS評定ができると考えて評価しました。  また、この中で特に大事な点ですが、のぞみの園自身は難易度が高い、普通ではないということに なるかもしれませんが、できる方をどんどんやっていけば年を取った方が残ってくるということで、 非常に長くいる方を対象とすることになります。第1期中期目標期間では平均が56歳だったのが、平 成20年度では57.5歳ということで、年が上がる。最高年齢も72歳だった方が、77歳の方も地域移行 させることができたということで、そういった意味で私どもはこの部分についてSの評定をしました。  15頁が、第1期と第2期の移行先の都道府県名です。ほとんどの県が入っておりますので、そうい った所に満遍なくできる形がとれたということで、そこについても評価できるのではないかと考えて おります。各県の別については最初のパンフレットに入っておりますので、ご覧いただければ人数等 が出てくると思います。地域移行の状況は、先ほどの説明のとおりです。  もう1つ評価すべき点は、移行調整期間です。のぞみの園は、平均で38年近く利用者が入所されて おりました。そういった方々を地域に移行させることについては、非常に長い時間がかかるというこ とで、それについて私どもは丁寧に対応したと思っております。16頁ですが、移行調整期間が平均 12.4か月、0.3〜65か月になりますが、1つの事案を完成するまでに相当な期間がかかると。また、そ こにいくための準備として、私どもの職員が行ったり、利用者を一緒に連れていったり、保護者の自 宅を訪問したりという調整回数も平均27回ということで、そういった意味では十分な丁寧な対応がで きたものと思っております。さらに、フォローアップも単に出すだけではなく、行ったあとについて 十分なフォローができていると自負しております。  評価項目7「地域移行の段階的なプロセスの実践、本人及び保護者の同意を得るための取組」です。 これについても数値ということでしたので、年度目標の25人程度を大きく上回る29人が取れたという ことで、そういった数値のためにSの評定を出しました。  中身的なものについても、いままでとは違う取扱いができたと考えております。左側の枠にあると おり、保護者総会、各寮毎の保護者懇談会等の機会を活用している部分があったのですが、その下の プラスの部分で保護者会、いわゆる寮の懇談会の中で個別面談で対応し、より保護者の方と利用者の 方との間に入った形での面談をし、対応の強化を図った点が1点です。映像の内容も改めて、地域移行 した場合の生活の場についてよくご理解できるようなもの、イメージ化を図ったという工夫が2点目で す。3点目で、地域移行した方を紹介する「地域移行通信」を年3回発行しておりましたが、これも年 6回に倍増する形をとったことが評価できるものと思っております。  さらに「自立に向けた効果的な支援の提供」ということで、いままでやってきたものが右側の上の 部分です。それを踏まえて、平成20年度は新規の形で体験ホームなりの役割を明確化することと、効 果的な宿泊体験ができるような準備体制を整えたということで、生活寮から設備・職員体制の整った 体験ホーム、より地域生活に近い形態の体験ホームという形で、具体的にどうやっていくのかという ことについての取組が評価できるものと思っております。寮の中だけではなく、敷地の中の施設も利 用し、敷地外も利用する形をとって、取組の強化を図ったということで、ここについても人数の部分 が大きく上回ったということでSの評定を出しております。  18頁が、地域移行の同意が得られた方々の推移の数字です。第1期までで66名の方々の同意をいた だき、44名が地域移行できました。残りの22名の方については、翌年度に繰り越して地域移行を図る 形をとっております。平成20年度は29人の方から同意を得て、いま24人の方が地域移行できたとい うことで、23人の方が今年度に繰越しをされ、今後地域移行を図っていくことになっております。人 数の29と25ですが、ここは新規同意者の中で高齢の方でどうしても疾病等が出て、地域移行を断念せ ざるを得なかった方々もおられますし、途中で死亡された方もおられたので、同意はいただいたので すが、実数25人にならざるを得なかったということです。  19頁ですが、新たな取組です。先ほどの右側の下にあった部分ですが、生活寮からどういった形に 動くのかということで、この部分について宿泊体験(短期・中期)を取り入れ、長期利用、施設内で6 か月から1年、長期利用の施設外が6か月といったことをマニュアル化する、そういった形のものを準 備するということで、より具体的に地域移行を図れる形をとっております。これは利用者の個々の状 況によって数字が変わりますが、こういった形で地域生活体験ホームの見直しを図り、さらに地域移 行につなげるという形をとりました。「※」がありますが、車イスの場合でもそういったことができ るように、そのような施設も準備し、そこで手配をする形をとっております。ということで、S評定を 出したということです。  次に、評価項目8「地域移行の段階的なプロセスの実践」です。移行先の確保、移行者に対する地域 生活の定着支援については、自己評定をAとしました。「移行先を確保するための取組」としては、移 行先の確保を図るため、都道府県、市区町村に対し引き続き理解とご協力を要請しております。特に 厚生労働省と連携して、都道府県に対する働きかけに努めました。また、受皿としての共同生活介護 ケアホーム2か所を新設することも、のぞみとして頑張っております。  「出身地方自治体等に対する協力依頼」ということで、平成20年3月5日、主管課長会議等におい てお願いした部分があります。この部分では重点の形で1都7県に対し時間をかけてご説明し、協力を お願いしたということが1つです。平成20年度の新規は、平成20年4月11日付の厚労省の社会・援 護局障害保健福祉部障害福祉課施設管理室長名での協力の通知、のぞみの園自身から地域移行の協力 を要請する通知を4月17日に出す形をとっております。これらを踏まえて随時・個別に協力要請を行 い、具体的に地域移行に向けた支援を行っております。  21頁です。受皿となる部分ですが、のぞみの園の中心として、いわゆるのぞみから離れた山を下り た所に、新たな施設として2施設を開設し、受入対応を図っております。のぞみから車で10分程度の 所ですが、そういった所に新たなケアホームを用意したということです。  22頁ですが、「移行者に対する地域生活の定着支援」のフォローアップです。行っただけでは駄目 なので、私どもは行った先についてもフォローアップを必ず行うということです。まず退所する時点 でも利用者の健康管理、健康状況は必要だということで健康診断を実施し、その診療情報を提供して おります。さらに、移行した者については安定した生活が送られているかどうか、問題はないのかと いうことについて、事業所もしくは保護者の方々と連絡を取りながらフォローアップを図っておりま す。退所者は62人おられますが、大体1〜4回やった者が21名、5〜9回行った者が17名、10回以上 が24名と、複数回以上の取扱いをしていると自負しております。平成20年度の新規としては、法人直 営のケアホーム等に移行した者に対して、引き続き法人が総合的な生活支援を提供するため、「地域 生活支援センター準備室」を設置し、そこについてフォローアップを行っております。  最後の「行動障害等を有するなど著しく支援が困難な者に対する支援」については、自己評定をAと しました。中身的には「福祉の支援を必要とする矯正施設等を退所した知的障害者へのモデル的支 援」ということで、刑務所出所後の知的障害者に対して、時間は短かったのですが、平成20年10月か ら施設への受入を開始することができました。平成20年度中に2名を受け入れ、この者たちに対し新 たな支援を行い、順次退所を行う事業です。流れとしては、刑務所・少年院から有期限でのぞみの園 が受け入れ、社会生活適応支援を行い、日中活動、就労移行が自ずとできる形をとって、安定した地 域生活の確保という流れの中で、今回平成20年度中に2名を受け入れ、受け入れた方は今年7月31日 に退所し、就労を伴う退所ができたと自負しております。今後、もう1人の方も秋口には退所するとい うことで、いま調整を図っているところです。  同時に、こういった利用者の方々だけではなく、このモデルについて対外的、いわゆる国の事業と して行うべき事業ですので、セミナーの形で各自治体、各事業所に対して周知すべきものということ で、そういったことものぞみとしてやったことは誇れるものだと思っています。特に、のぞみの園は 福祉といわれておりますが、今回は法務関係者にも多数の参加をいただいたことは評価できるものと 判断しております。  24頁ですが、「罪を犯した知的障害者の自立に向けた効果的な支援体制と必要な機能に関する研 究」です。これは公募をして、厚生労働省の中の障害者保健福祉推進事業の研究事業という位置づけ をいただきました。実施法人は、のぞみの園、長崎県の南高愛隣会、滋賀県の滋賀県社会福祉事業団 の3つの法人で、合同支援会議の開催、モデル的受入、セミナーの開催をしたのと、社会生活支援セン ターの仕組と機能を検討ということで、全国的なネットワークの整備についてやって、2,090万円でし たが、有意義な調査・研究ができたものと自負しております。  受入事例が25頁です。平成20年10月に受け入れた者が、右側に書いてあるとおり7月31日に退所 しました。約10か月間の入所でしたが、この者についてはトライアル雇用ではありますが就労を伴う 形で退所ができたことは、十分な成果だと認識しております。もう1人の方が平成21年2月に入所し ておりますが、今年度の秋に就労も含めた形で退所ということで、いま鋭意努力しております。  これで地域移行について4項目の説明を終わります。のぞみの園は、昨年はこの部分の評価項目は2 項目だったと思いますが、数値の部分とソフトの部分という形で分けて評価を出しましたので、よろ しくお願いします。 ○上野谷部会長  それでは、ご質問をしながら評価をお願いします。 ○大島部会長代理  地域移行の件と行動障害の件なのですが、個人的な意見としては、「行動障害等を有するなど著し く支援が困難な者に対する支援」はSだと思います。いままでの他の法人は、自己評価が大変高くて、 そういう点では強調できるところは強調してもいいのではないかと思うのです。いちばん困っている のが、少年院だとか刑務所だとか、そういうところから直接地域に帰れない方々の場がなかったし、 省を超えて法務省やほかのところが一緒にやっていければ、ここが一番独立行政法人として今後大変 価値のある存在になるのではないかと、私は個人的に思っています。そういう点では、もう少し高く 評価をされてもいいのではないかと思うのですが、いままでとは逆でAにされたということで、どうな のかなということです。  ただ、送っていただいたものを見ましたが、どちらかというと罪の軽い人たちから1人ずつ増やして いるというところで、そこだったら他の社会福祉法人等々いろいろな所もできると思うのです。いち ばん困るのは、そうではなくて罪が大変重く、しかも手帳を持っていない人が問題です。法人のDVDも 見せていただきましたが、20何人しか療育手帳を持っていないと。知的障害の人は、いま調査した段 階では400何人ぐらい少年院とか矯正施設に入っているということがあったと思うのですが、その方た ちが刑期を終えて、あるいは少年院から出てきたときにどうするのかが一番問題だと思うのです。そ の辺で言えば、逆に独立行政法人であるのぞみの園が大変なケースから行くのではないのかなと。そ のために必要な人材とか強力な関連施設、先ほどの共同生活介護ケアホームとかいろいろなことが利 用できて。そうでないと、地域移行だけをやっていくと、最後の1人がどこかに出ていったらおしまい になると。  これは評価がなかなか難しくて、亡くなるか、無理に地域に帰れと言って帰すような、どちらかと いうと行政命令みたいなものを厚生労働省から出すようなところがあって、そういう方向だと評価がA とかSとか付けられるのかという疑問があります。逆に言えば、ここに力点を置いて、こんなふうに質 を転換させていくのだというところを中心の評価にされていったほうがいいのではないかと。個人的 な意見と質問が混ざってしまいましたが、その点で何かあったら教えてください。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長  いろいろとご示唆いただいてありがとうございました。私どもの法人の事業の基本として地域移行 に取り組んでいるのは、そもそもこういう障害の施設として大きすぎるとか、全国から受け入れてし まって、家族とも距離的にも心理的にもかなり遠くなってしまっている方々を地域に帰すという、そ れを大きな課題としてやっているわけです。それは、かつてのぞみの園で一生お世話しますと約束し た方々について、ある意味では約束を変更して、地元の家族の近くに新しい住まいを見つけていただ くという事業をやっております。したがって、かつてお約束して地域移行がかなわなかった方たちに ついては、私どもとしては最後まで責任を持って対応していかなければならないということが基本と してあります。  そういった地域移行に取り組む一方で、独立行政法人としてのあるべき姿、あるべき機能、役割を きちんと固めて、例えばいまお話があったような矯正施設を出た障害のある人たちについての事業と か、そういう本来の独立行政法人としての役割、言い換えれば国の障害者政策としてのぞみの園が果 たすべき役割をきちんと固めて、それを実施する体制を作ってやっていくことに現在取り組んでいる ところです。そういう意味では、経過的な時期に尚あるということで、是非ご理解いただきたいと思 います。  刑務所などを出た人で最初に受け入れた人は、確かに比較的罪の軽い方です。しかし、こういった 方たちについては、罪自体は軽いですが、障害福祉ということでどういった支援を行ったらいいのか、 どうやったら地域での生活に定着できるようになるのか、そういった点は、初めてということもあっ て難しい要素があります。そういう意味で、私どもとしてはこれからも軽い方だけをということでは なく、むしろ法務サイド、具体的には保護観察所や更生保護委員会がありますので、そういうところ とよく相談しながら、のぞみの園として求められる役割、あるいはのぞみの園として受け入れてほし い人を積極的に受け入れて取り組んでいくことにしております。  ただ、私どもが積極的にかかわろうとしても、刑務所や少年院に入って出てこられる人の中には、 福祉と自分は関係ないというか、障害者福祉はかかわりないと、あるいは昔施設に入っていて、ひど い目に遭って、絶対いやだという方がおられます。そういう中で、私どもとしてできるだけ積極的に 対応して、現在国レベルで行われている新しい仕組づくりにできるだけ貢献できたらと思っておりま す。 ○真野委員  先ほどの私の質問は少し中途半端だったのですが、大島委員も同じように、のぞみは評価が何とな くしっかりしているというか、厳しいと感じられていたということで安心しました。いまの大島委員 のご発言の関連で、私自身もよくわからないところがあるのですが、21頁のケアホームを新しく開設 したというのは、新しく作られたということですね。このような新しい事業について、新しいことに 取り組まれたということだと思います。もちろん、こちらも新しいことに取り組まれたのだと思うの ですが、新たに投資をされてこういったものを作られているのか、今後こういう方向を追求されるの かというのが1点目です。  もう1点は24頁で、これはこちらで言うべきことなのかどうかわかりませんが、2,000万円という 事業規模でやられたと書いてありますが、これは逆に調査・研究ということで特に何か具体的にやら れたというか、もちろん調査・研究はやられたのでしょうけれど、調査・研究をやっただけなのです ね。その2点をお願いします。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  第1点目の21頁のことですが、設置という形で投資をしたのかと言われると、投資ではなく賃借で やっております。ですから、実質投資ではないということです。 ○真野委員  こういったことをどんどん広げられていくのですか。賃借とはいえ、多少費用がかかると思います が。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  今後とも拡充については考えておりますが、1つだけ問題があって、このケアホームについては群馬 県の承認が必要なのですが、群馬県在住の方でないと使えないという非常に厳しい地方自治体のご意 見があります。だから、のぞみの園に入っている群馬県の方であればということがありますので、内 部と考えながら、広げるならば広げる部分を考えていきたいと思います。  研究のほうですが、2,090万円いただいて実際これを何に使ったかというと、研究とセミナーの開催、 マニュアル等の作成をするための準備ということで、そういった資料の収集にもすべて使っておりま す。 ○真野委員  単年度ですか。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  単年度です。 ○宗林委員  いまのところで教えていただきたいのですが、ケアホームに移られた方も、地域移行した人数に入 っているわけですね。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  はい。 ○宗林委員  混乱しているのですが、要するに敷地から出た所に新しい施設を賃借して、そこで運営とか管理と か、人ものぞみの園の退職された方が行ったりしているのでしょうか。というのは、地域移行に該当 するのかどうかということが曖昧なので、そうであれば敷地内でやってもいいのではないかなと思っ たりして。地域移行を完了しましたよというように、群馬県の方が大変多いわけですが、その方たち のあり様がのぞみの園のお金で物も借り、人も配置しということなのかどうかを教えていただきたい のです。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園地域支援部長  地域支援部長の小野です。一般的に地域移行ということで言うと、ケアホームへの入所を前提とし ております。建物自体は、自分たちで払っている家賃です。光熱費も、一切の経費は自分たちで出し 合います。国からの補助金は、そこで働く世話人たちの収入だけなのです。世話人というのは、食事 を作ったり買物をしてくれたりする人で、あくまでここを拠点として彼らが自由に活動をしていくと ころです。法人はそれをバックアップすると。むしろ世話人たちが適正な支援ができるかを進めてい るということで、施設から完全に出て普通の住民として活動する者を支えていくのが私たちのやり方 で、これまでの地域移行の主体的な動きです。ですから、施設の利用者ではありません。住民票も移 しますし、そういった取組もします。  ただ、のぞみの園の方々は重度・高齢者が多いので、一般的にはケアホーム、グループホームから 就労するのですが、我々としてはそれは難しいだろうということで、いま重度・高齢者のための日中 活動の場を設置して活動にきていただくということで、少しずつ町の暮らしに進めていくというのが 地域移行の基本的な考え方だと認識しております。 ○關委員  23頁について、私は知的障害のある人たちの支援はとても展望があっていいなと思うのですが、こ の人たちは「行動障害等を有するなど著しく支援が困難な」という括りでなくていいのではないかと 思うのです。例えば、こういう言い方の中では自閉症とか発達障害とか、そういった人たちが想定さ れているわけで、ここに入れている意味というか。先ほどのお話も、支援が困難というのは支援を困 難にした理由があるわけで、それは事前の施設が悪かったり社会が悪かったり、彼らに対する何らか の配慮がなかったりといったボーダーの人たちが多いのだろうと思うのです。この人たちと自閉症の 人たち、いわゆる行動援護が必要な人たちと一緒にしなければいけないというのは、変な言い方です が一緒でないほうがいいのではないかと思うのです。呼び方として分けていただけないのかなと。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長  ただいまの指摘はごもっともなことだと思っております。ただ、第2期中期目標とそれに基づく中期 計画を作成する時点、昨年2月ぐらいでしたが、その時点ではまだ矯正施設を退所した知的障害者の関 係は、それほど大きな事業としての展望がはっきりしていなかった時期でもありました。私どもとし ては、できるだけ間口を広く持っておいたほうがいいと思い、自閉症や行動障害のある人たちに加え て、福祉ということで見れば支援が困難な人たちでもあるということで、行動障害を有するという傘 の中に1つ矯正施設を退所した人たちの事業も位置づけたということです。  中期目標とか中期計画での整理の中での括りですので、事業としてはご指摘があったように非常に 大きな事業で、むしろこちらが主になってやっているということです。ただ、他方で行動障害や自閉 症の方たちに対する専門的な支援にも現在取り組んでおりますので、それについても今年度は成果を 上げて、今年度の事業実績としてご報告できればと考えております。 ○上野谷部会長  よろしいですか。ご指摘はごもっともです。中期目標を立てたときのことが引きずられているとい うことです。この「著しく支援が困難な者」という言葉も、いまいろいろ議論がなされていて、誰が 誰にとって困難なのかと、私たちの力がないために支援が困難になる場合もありますので、学術・学 会レベルではこういう言葉をどのように考えればいいのだろうかと。地域的には困難でないと判断す る場合もありますし、某施設では困難だと言っているけれど、のぞみの園ではそんなものは困難では ないとおっしゃる方たちをお世話されていると思うのです。そういう意味で、そのようなことも踏ま えております。しかしということですので、ご了解いただきたいと思います。 ○大島部会長代理  関連してご要望をさせていただきます。あまり知的障害者というところを強調されると、現在発達 障害のいろいろな事件が報道され、知的な部分ではそうではないけれど人格的なものだったり、発達 に関する課題があったりということで、矯正施設を出たあとどうするかという問題も非常に大きく取 り上げられるようになりました。要望としては、方向としてそのようなことも盛り込んでここに書か れると、さらに私たちが外から見てわかりやすいのではないかと思っていますので、よろしくお願い します。 ○上野谷部会長  今後の方向性として、ここは大きくなってくるだろうから、そう思って「等」と「など」と2つ表現 の中に入れ込んでおられるのだろうと理解しております。これに関しては、むしろSに近いのではない かという温かい評価をいただいておりますが、よろしいですか。  それでは、時間の関係もありますので、グループ3の「調査・研究等」について、評価項目10〜15 をお願いします。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  続きまして、26頁です。「国民に対して提供するサービスその他業務の質に関する事項」の評価項 目10、2-(1)の「調査・研究のテーマ、調査・研究の実施体制等」ということで、自己評定をBとして おります。平成20年度の調査・研究テーマについては、1〜6の項目についてやりました。ただ、1及 び2については国庫補助事業ということで、私どもは公募をして、いただいたということでやっており ますが、これについても十分な成果が上がったものと認識しております。3以降についてはのぞみの園 の利用者、特に重度・高齢の知的障害者に対する地域移行のプロセスの確立の調査・研究、知的障害 者の健康管理・医療と福祉の連携に関する調査・研究、重度知的障害者の日中活動支援に関する研究、 実習施設との共同による新カリキュラムに対する相談援助実習プログラムの開発ということで、のぞ みが本来やるべき研究を粛々と行ったと考えております。  実施体制については、「国立のぞみの園研究会議」というものを用意し、年に2回開催しております。 学識経験者の方々とのぞみの園の職員、厚生労働省からオブザーバーの形でご参加いただき、どうい ったものをやるべきだということについてご議論をいただいてやっております。研究方針・方向性を 示していただき、「国立のぞみの園調査・研究調整会議」で方向性について検討を行い、のぞみの園 の各部所の職員により構成される会議によって毎年研究課題・テーマを策定しております。テーマが 策定されたものは、外部の研究者等の協力を得ながら、できるだけ最良のものを作りたいと努力をし ております。のぞみ自身で行ったものについて発信をすることも含めて、より良きものを作ろうと努 力して研究項目を定め、行ったということで、評定としてはBとしました。  2-(3)の「成果の積極的な普及・活用」については、自己評定をAとしました。これは数値が入って きましたのでAという評定をしました。「広報媒体」の活用については、研究紀要を関係機関に新たに 500部配布することができたこと、ニュースレターの発行、ホームページの更新についても毎年やって いますが、ニュースレターは3,200部出させていただきました。また、調査・研究の要旨についてはホ ームページも更新したこと。さらに関係団体の学会誌等への掲載については、主なものですが社会福 祉研究大会や日本発達障害学会、日本福祉のまちづくり学会、日本摂食・嚥下リハビリテーション学 会、日本心理学会等々に私どもからの調査・研究の要旨を掲載することができたことは十分に評価で きるということで、自己評定をAとしております。  28頁です。また、内容的なものでも研修会、講演会等における発表もあります。法人主催のセミナ ーも用意しており、これは「罪を犯した知的障害者への支援に関するセミナー」ということでいただ いている部分もあるのですが、法人もその部分で調査・研究の成果を発表できたことは評価できるも のと認識しております。  関係団体等の講演会等における発表の講演のテーマについて、これは群馬県が主なのですが、いま までは私どもがというよりも群馬県からちゃんと依頼があって出ていくことができたことは、のぞみ としても認識が高まってきたのだと言えると思っております。「自立支援法における個別支援計画の あり方」について私どもから講演ができ、「支援ニーズに基づく個別支援の実際・評価」もできたと。 それ以外に「罪を犯した知的障害者の支援」ということで、のぞみがこういった研究をやっているこ とを聞き及んだ長野県から依頼があって講演ができたことも評価すべきものだし、「刑務所出所者等 の受入に関わる先駆的な取組」ということで、法務省主催のものについてものぞみが出ていって講演 ができました。そういったことでは、非常に有意義な広報ができたと考え、自己評定をBとしました。  次に、評価項目12「養成・研修、ボランティアの養成」です。これについては自己評定をAとして います。国庫補助を受けて実施したセミナーがありますが、この部分についても「行動援護従業者養 成中央セミナー」ということで、中央でやるものを中央セミナーと考えていたのですが、そうではな く、行動援護を地方でも充実させるべきだということがありますので、私どものほうから全国5か所に 行って、そういった場所で基礎研修と実践研修の二部構成になりますが、そのような研修ができたと いうことで、多くの参加が求められたことは充実した内容だと認識しております。  また、「罪を犯した知的障害者の支援に関するセミナー」では、先ほど少しお話しましたが、刑務 所、保護観察所職員等が40人も参加していただけたということで、有意義なものにはなっているし、 連携協力ということではこれからはさらに期待ができる内容だと認識しております。  30頁が「行動援護研修プログラムの内容等」です。私どもの部分がいままでの部分と少し取り扱い を変えていただいたのが、第1日目は基本の部分ということで、一般の方々にも参加していただいて、 行動援護とは何ぞやと。行動援護事業とは何ぞやというものについての研修をまずやると。そして第2 日目、第3日目ということで、演習を含めた形で実践をやっていただき、行動援護従業者の養成という ことができるような形をとったということで、これは非常に画期的であったと思っております。こう いったことをやったことにより、地域によって行動援護事業が発展すればということで、今後ともこ の計画を推進していきたいと思っております。行動援護のこれまでの取組は下に書いてあるとおりで す。  31頁、法人独自の取組として実施したものは、福祉セミナーです。これは内容を法人として決めて 一般に開放する形でやっております。私ども職員のためにもやらせていただいている研修です。これ は発達障害をテーマに全国の自治体関係者等にも参加いただき、2日間で100人の参加ができました。 そして国の政策課題である「福祉の支援を必要とする矯正施設を退所した知的障害者への支援」、こ れは再掲ですが、ここもできたということです。  2点目が「障害医療セミナー」ということで、ここはのぞみの園の職員も含めてですが、職員のメン タルヘルス、これは非常に重要な問題になっているということで、精神科のドクター等もお招きして やっていただくことができたということで、「メンタルヘルスケア」というものが非常に有意義にで きたと。いまさらという話になりますが「腰痛症」、これは職員にとっては欠かさざる問題というこ とで、こういう問題について開催ができたということは、法人独自の職員にとってもそうですし、地 域の職員も改めて認識できたものと自負しております。  さらに「群馬県から受託して実施した研修会」ということで、群馬県行動援護従業者養成研修事業、 群馬県知的障害者ホームヘルパー養成研修事業というものも私どもから職員を派遣することができた ということです。  さらに「実習生の受入」については、新たに実習プログラムの開発に取り組みました。社会福祉士、 介護福祉士法の改正により、いままでのプログラムでは若干不足する部分、またより充実すべき部分 ということで、新たなものを作らせていただき、これは日本社会事業大学と共同研究でやり、取り組 みました。この結果もありますが、平成20年度に受け入れた実習生は計397人、延べ2,709日という 形で実習を受け入れることができたということでは、のぞみの活用というものを十分図られたと思っ ております。また1日実習ですが、関係機関ということで、国立秩父学園養成所、警察学校、大学・短 大、専門学校、中学校等からものぞみの園での実習ということで、カリキュラムが組まれるようにな っているということは、非常に喜ばしいことだと思っております。  ボランティアについては、随時受入を行っております。積極的に受入を進めておりますが、のぞみ の園では平成20年度で978人ということで、今後一層受け入れられるようにメニューをまたさらに再 構築することを考えております。  評価項目13「援助・助言」です。自己評定Bとしました。「援助・助言の利用拡大に向けた取組」 ということでは、ニュースレターの掲載とリーフレットの作成ということで取組をしました。中に書 いてあるような紙を作り、配布しました。援助・助言の内容ということで、生活支援などいろいろ書 いてはありますが、正直言って私どもにお聞きになる部分と各地方の自治体の行政にお聞きになる部 分、またお友達の社会福祉法人にお聞きになる部分、こういった援助・助言というのは非常に聞く場 所が多いということもあり、件数的なものはのぞみの園自身に上がってきたのは91件でした。昨年に 比べて若干減っております。  ただ新たな形として、のぞみの園自身は福祉の支援を必要とする矯正施設を退所したということで、 モデル的に実施したことをやはり周知されていて、そういう方々からのご質問が25件あったというこ とで、のぞみの園がやればこういう意味で援助・助言を求めてこられる、指導を求めてこられる方が あったというのが多いということは、十分認識できるものと思っております。数字的なものもあり、 今回自己評定Bとしました。  評価項目14「その他の業務」です。その他の業務の中の特に診療所の部分、「診療所による医療の 提供」ということでやり、これについては診療所以外もありますが、自己評定Aとさせていただきまし た。これは施設利用者に対する適切な医療の提供については、先ほど健康管理ということでお話しま したが、新たな健康診断の内容の充実ということで、子宮がん、乳がん検診の実施ということを含め て内容を変更して充実を図りました。行動障害等の著しく支援が困難ということで、精神科医と臨床 心理士が連携して対応することも、心理外来、この部分について非常に力を入れることができ、地域 の知的障害者あるいは家族等に対して外来診療を提供することができ、新規が大幅に増加しました。 登録者数が83人、うち新規が32人ということで、十分成果が上がったものと考えております。  また「地域の知的障害者等が地域の医療を受けやすい環境づくりへの取組」ということで、これに ついては群馬県医師会、病院協会の作成版にも私どもの知的障害、自閉症、広汎性発達障害などのコ ミュニケーションに障害のある患者の診療または相談を行う医療機関として、のぞみの園がリストさ れているということで、この部分も評価できる部門と考えております。また今回地域と協力して、 「群馬県知的障害者の医療を考える会」がありますが、4年間の活動実績をまとめることもできたので、 これについても関係部署に配布することで評価ができるものと考えております。  診療所の具体的な内容は35頁。設置については昭和46年4月ですが、標榜科は内科、精神科、整形 外科、皮膚科、歯科。医療スタッフについては常勤の医師、非常勤の歯科医師、常勤看護師、常勤歯 科衛生士という形で、ほぼ常勤が配置できている形で準備をしました。また人数等については、国の 基準である診療所の基準を大幅に上回る形で配置できていると自負しております。病床数は13床、主 な設備はMRIという大きな機械も用意したということでは自負できるものと考えております。ただ基本 がのぞみの園の利用者を中心としたということですので、診療点数はそれほど上がっていないという 問題があるのですが、これからは外部についても若干なりとももう少し延ばしていきたいというのが、 私どもの考え方です。  それは利用者数をご覧になるとわかるとおり、平成16年以降、一般については1,800から平成20年 度1,750と、平成19年から20年は少し下がっているのですが、これについても今後努力して平成19 年なみの数字に持っていきたいと考えております。  歯科は申し訳ありません、とても下がっております。これについては平成16年度一般が784、平成 20年度は一般が150ということで大きく下がりました。これについては私どもの推測では、歯科は障 害の関係について点数の改正は行われた部分と、障害の方でも一般の歯科で受けられることが十分に 浸透してきたのではないかと思っております。私どもが拒否したわけではなく、これだけ人数が下が ったということは一般開業医の方々が障害の方を受け入れていただいたのだろうと、喜ばしい数字だ と考えております。  次は「地域の障害者支援の充実」ということで36頁です。「相談支援」では高崎市からの委託を受 け、障害者相談支援センターとして委託を受けております。これも高崎市の自立支援協議会に参加し、 地域の障害者の暮らしやすい環境づくりに向けて、関係機関と連携協力をするということでやってお ります。高崎市からもそういう意味で十分な位置づけになっております。「短期入所」についても同 様、必要な方々の準備をしております。「日中一時支援事業」ということでは、高崎、藤岡、いわゆ るのぞみの園の近辺からの受託事業ということで、ご家庭の負担の軽減に貢献しております。  法人独自の事業として、「地域生活支援センター事業」ということで行っており、内容的には在宅 で生活している知的障害者の余暇活動への支援や、宿泊体験を通して自立心を高める支援ということ で、私どもではフリースペース、トレーニングルームという言い方をして行っています。  具体的内容は37頁、フリースペース“みらい”ということで考えています。これは在宅で生活する 知的障害者に対して、余暇の時間に気軽に集まり、語り合う場所を提供するものを用意させていただ き、居室、デイルームを自由に利用していただければと思っております。年末年始を除き休みはなし ということで、土日等に十分活用できるようなものを用意して行っております。  トレーニングルーム“みらい”ということで、これは宿泊体験、いわゆる短期の入所だということ ではなく、体験だということで、まず第一歩を踏み込んでいただくためのものを考えるということで す。そういう意味で、いままでは制度だ、制度だではなく、制度外の部分から一歩入っていただく宿 泊体験を提供することによって、自立心を高めることを行っております。こういったことにより今後 その方々、いわゆる利用者の方はグループホーム、ケアホーム、一般アパートへの移行も含めたこと ができると。また在宅でお母さん方、お父さん方のご負担を軽減できるということで、“みらい”を 私どもは用意しております。  次は最後、評価項目15です。「サービス提供等に関する第三者から意見等を聴取する機会の確保」 については、自己評定をBとしました。これについては「国立のぞみの園運営懇談会」を用意しており ます。地域の福祉、医療、司法、労働等の関係者から構成される委員会を平成20年9月に設置してお ります。第三者の意見等を事業計画等に反映させることにより、第2期中期目標等の課題に的確に対応 できるものと考えており、平成20年は2回行い、「地域生活支援への取組」ということと、「福祉の 支援を必要とする矯正施設等を退所した知的障害者への支援実施計画」を第1回。第2回では「生活寮 の再編計画」「日中活動の充実に関する計画」「福祉の支援を必要とする矯正施設等を退所した知的 障害者への支援に関する今後の計画」ということで3項目について懇談会を開催し、ご意見をいただい た上で、意見を聴取しながら新たな目標に向かって努力しております。  のぞみの園はいろいろな所で、場所、場所で行っているとか、できるものはまず率先してやると考 えてやらせていただいたと思っております。以上で私の説明は終わります。 ○上野谷部会長  ご質問、ご意見はいかがでしょうか。 ○松原委員  診療所について教えていただきたいのですが、診療所自体をリニューアルなさり、そのときにMRIな ど高額な機器も買われたと伺いました。そのときの理由として普通の医療機関ではそういう検査が、 入所していらっしゃる方の状況から難しいと伺ったと思いますが、入所している方の状態に対して、 検査が行いやすいような体制が整っているとすれば、是非もっと外部の方々も利用しやすいような体 制、積極的にここはもっと受けられますというようなPRをなさると設備がもっと生きるのかなとは感 じます。MRIなどはどのくらい利用なさっているのでしょうか。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  MRIの昨年度の実績を申し上げると、扱うべき放射線技士が2〜3か月病気で、通常の件数よりその 分下がったのは紛れもない事実です。実質的にそれほど大きな件数はできるわけではないのですが、 いま委員がおっしゃるように私どものところにMRIという機械があって、それに対応する医師がおりま すので、知的障害がある方々に対しての診療で使うことについては、医師会ともそういう話ができて おりますので、十分活用ができていると思っております。これからは発達障害のお子さんたち等もど んどん来られるようになっており、特に今回4月から精神科の医師が常勤で入るようになりました。こ の方が発達障害を専門とする医師でもあり、そういう低学年の方々の診断にMRIを使っているのが現状 です。努力はさせていただいております。 ○浅野委員  加えて診療所についてお伺いします。以前からも診療所のあり方についてはいろいろ議論があって、 この規模ですと、診療所を持つべきかどうかという議論もあると思うのですが、今回診療報酬のデー タはあるのでしょうか。診療所自体の収支の形では財務的な面からのデータはお作りになっていたの でしょうか。いわゆる収支がプラスなのか赤字なのかです。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  35頁の(1)の「診療収入」で、平成20年度は8,914万6,000円ありました。 ○浅野委員  そうすると収入があって、運営費用で人件費、診療所の施設費などを含めると、計算しようと思え ばたぶん収支は出てくると思いますが、どのくらいの負担になっているのでしょうか。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  負担は3億円です。人件費等で3億円近くを出しておりますので、2億円近くが診療所では赤字を出 しているのが現状です。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長  若干補足いたしますと、確かに診療所の収入に比べて配置されている職員が多く、3億円ほどかかっ ております。これはそこに配置されている看護師が診療所だけではなく、訪問看護などのようなこと で生活寮に出向いて行き、いろいろ健康管理をしていると。そういうようなこともあり、本来であれ ばもう少し厳密に収支をきちんと計算すべきだと思いますが、入所利用者の方たちの健康状態を見る と、高齢でてんかん、向精神薬の服用もされている方も多いなど、日常的に医療的なケアが必要な方 がかなりおりますので、そういう意味では通院・入院のほかにそういう日常的な健康管理面でかなり 看護師が貢献、そういう仕事を持っています。そういうことでだいぶ赤字のようですが、これは実態 的に見てやむを得ないのかなとは思っております。 ○浅野委員  その辺について少し補足なのですが、たぶん前回もこれには継続的に議論があったと思います。そ れが良い悪いという問題ではなく、赤字幅があって然るべきやむを得ないものだという位置づけで今 後もよいのか。たぶん収入は減っていく可能性があると思いますので、ひとつのターニングポイント にきたので、あり方としてそういう赤字でも必要だからやむなしとするのか。もっと効率的な運営を していかなければいけないというように、積極的に何か考えるべきなのか、その辺を少し明らかにし ていく必要があるのではないかなと思いましたので、少し質問したということです。 ○真野委員  もちろんこれは特殊な診療所なので仕方ないのだろうとは思うのですが、普通に考えると13床の有 床診療所で、年間の診療収入がかなり少ないと思われるのです。もちろんそれでも良いという議論も あるし、いま理事長が言われたようなこともあると思うのですが、例えば内部のスタッフの原価計算 まではされないにしても、どのように合意できるか。何が言いたいかというと、いまご指摘のように ほかの仕事、つまり直接診療収入に結びつかない仕事もされているという話もありましたので、もう 少しその辺りを明確にしていただいたり、あるいは診療収入が極端に少ない理由も単純に数が少ない だけなのかわからないのですが、そういうところも少し。例えば細かいことですが、薬などはジェネ リックを使っているかどうかなど、そういうことも分かるほうがいいなという感じはします。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  はっきりどこが何の不足ということで挙げてはおりませんが、評価シート36頁、その他業務の「診 療所による医療の提供」の※左の「医科」の再掲欄の機能訓練を見るとわかるのですが、5,271件、括 弧書きは362件になっておりますが、保険請求ができなくても機能訓練を行わなければならないために、 診療スタッフを用意するというものもあります。そういう意味で診療をして、あるべきスタイルの職 員配置では間に合わない部分、そういう職員もおるために、私どもはやむなしの部分があると理解し ております。委員がおっしゃるとおり、すべて事細かに本来やっていけば、どの部分で不足、どの部 分でオーバーというのは出てくるわけですが、のぞみの園全体の中で、ここの部分は利用者の方々の 健康管理を図っているということで、やむなしなのかなと。先ほどの訪問看護もありますし、外来の 急な往診等もやらせておりますので、やむなしなのかなとは考えています。 ○真野委員  ですから結果的にやむなしというのはもちろんあると思いますが、我々にもう少し内容を。先ほど 言われたようにいろいろなことをされていて、やむなしのものも多いとは思いますが、それが全く開 示されずに「全体でやむなし」と言われると、ちょっとどうなのかなという感じがします。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  開示ということになると、たぶんここでは医療スタッフの人数をポンと出すと、もうここで一発で 出てくるのだろうと思っております。いま27、28名の職員がここに入っております。 ○真野委員  そういう意味ではなく、本来診療報酬に反映されないような業務が、全体の業務の例えば何割ぐら いあるか、そういう意味合いです。すぐ出なくても結構です。要は普通の診療所と違う機能をされて いると言われているわけですね。それで収入が少ないのだと。逆に言うと収入が少ない話と支出が多 い話とは、また別のような気もしないでもないですが。まず、支出が多いところでは、いろいろ人件 費がかかるような余分なこともされていると。ただ余分ではなくて、それは診療所の性質上必要なの だと。そうであれば、診療報酬に反映されないような業務をどの程度されているかを知りたいという のが1つあります。収入に関しては少し違う議論で、これもまた文句を言っているというよりも、診療 所自体の特殊性だと思うのですが、なぜそんなに単価が安くなっているか。そういう部分がいますぐ ではなくてもいいのですが、どこかの段階で詳細にわかったほうがいいなという気がします。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  私どももそこの部分の分析をさせていただきたいと思います。 ○宗林委員  診療所のところもそうなのですが、その前のところの「国民に対して提供するサービスその他業務 の質に関する事項」の「広報媒体の活用」などで成果の数字が並んでいるのですが、目標がないので す。定量的にどう評価をしたらいいのかという目標値が、はっきりここに示されていない。広いシー トを見ても、2回ぐらい開催される予定であったものを2回開催したとわかるものもあるのですが、意 外にわからないものがこの法人は多いです。成果だけを見せていただくと、確かにこういうことをや られたというのはわかるのですが、目標とそれに対する結果がわかるような資料づくりを心掛けてい ただきたいなと思います。  特に13、10から辺りは、非常に昨年と比べてどうだったのか。少し違う新しい調査・研究が入って きているが、それがどう全体像の中に影響してきているのかというのが、大変わかりにくいと思いま す。診療所についても、独特な特徴づけたい位置づけであるが故に、これまでの経過も含めてどうあ るべきなのかということを実態とともに、マイナスであればマイナスであるなりの位置づけをすると いうことで良しとしているかどうかということを、法人としての考えがわかるような資料にしていた だきたいと思います。  MRI云々の話もずっと前から、もっと地域の方に例えば検診等で機械を稼動させるということはもっ とできるのではないかという議論はずっとあったと思います。でもそうではなく、この法人の中、の ぞみの園入所者のための何かにしていくということでやっていかれるのかどうかは、何年経ってもわ かりにくいところがありますので、お考えをまず目標のところに書いていただき、それでどうだった のかという形にお願いできればなと思います。 ○大島部会長代理  関連して診療に関してですが、昨年見学に伺ったときに、心理の相談がもっとあったほうがいいの ではないかという話もさせていただき、今回大変増加したということもここに書かれているのですが、 いま足りないのは、例えばあのときに子どもさんが何人もいらしていたわけで、小児科、児童精神科 など、内部の利用者だけのためではないというところの方向づけをもう少しされた上で、どのように 計画を立ててるか、やはりなかなか見えてこないところがあって。いまの業務に対して評価はできる のですが、そこも少し入れていただきながら作成していただくと、ではそういう向きであるのなら、 いまのこのかなりの赤字もやむを得ないのではないか、いろいろな事情があるのではないかと思われ ます。その辺はどうですか。 ○上野谷部会長  意見としてだいぶ出ておりますので、それも踏まえてどうぞお願いいたします。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長  いろいろご意見、ご指摘をいただいたように、診療所のこれからの運営方針、これまでの運営方針、 そこが明らかになっていないために、果たしてこの実績がどう評価されるのかというのがはっきりし ないというのは、誠にそのとおりかと思います。資料の作り方としては少し工夫が足りなかったよう なことがありますので、次回はきちんと整理させていただきます。  それから診療所のこれからの方向ということで考えているのは、1つはこれまでどおり利用者の方た ちのホームドクター的な役割は必ず果たさなければいけない。他方で、地域の障害のある人たちの医 療のニーズにどう応えていくかがあります。特に発達障害関係はかなりニーズが高いというのも事実 です。そこでこの4月から精神科の常勤のドクターがようやく実現したので、そのドクターと相談しな がら診療所が地域の発達障害のある人に対してどういう機能を果たせるのかは、現在いろいろ検討し ている最中です。そこでさらに専門的なドクターの招へいが必要だということであれば、非常勤にな ろうかと思いますがお願いしますし、また精神科の関係でOT、PTの体制の強化が必要だということで あれば、その辺も対応していきたいと考えております。  そういうことで恐縮ですが、ようやく4月からその核になる常勤のドクターが実現したということで、 検討中ということですので、次回ははっきりとした方針をお示しして、その上で実績をまとめてご評 価いただくということで努力したいと思っております。 ○上野谷部会長  よろしいでしょうか。この問題は前回から引きずっておりますし、たぶん国民の関心も県民の関心 も、金額も大きいわけですから効率的に効果的に使っていただかなければいけないということもあり ましょうから、少し説明ができるような形をとっておかないと、評価委員会としても少々辛いという こともあります。どうぞ次回はこれだけでも少し丁寧な資料を出していただき、丁寧な評価を。そし て今後に向けて意見が少し言えるようなご準備をしていただきたいと思います。今日はこの辺りでそ れぞれの判断で記入していただけますか。 (各委員了承) ○上野谷部会長  ありがとうございます。いろいろご質問、ご意見を頂戴しました。各委員が評価するに当たり、資 料1-4にある監事の業務監査報告書を踏まえるということになっているので、この辺りを少しご説明い ただき、評価全体に付け加えるところがあれば、またお願いしたいと思います。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  監事の業務監査報告は資料1-4の2頁、会計・経理監査については平成20年4月から21年3月分を 行っていただき、決算監査は平成21年5月、業務監査として期中監査は平成20年12月、期末監査は 平成21年5月ということで監査を実施いただきました。  監査結果は、平成20事業年度の予算執行について、支出負担行為決議書、支出決議書等に基づき監 査を実施した結果、事務処理は適正に実施されていると認めると。なお予算執行の一層の効率性等を 図る観点から、改善が必要と認められる事項については、監査の都度、検討を要請した。(2)の決算監 査は、平成20事業年度の財務諸表及び決算報告書は、独立行政法人会計基準に準拠し、独立行政法人 国立重度知的障害者総合施設のぞみの園会計規程(平成15年10月規程第10号)等に沿って作成され ており、適正かつ妥当と認める。(3)業務監査、平成20年度における業務を中心に各部所における業務 の実施状況を監査した結果は、別紙のとおりであるということで、別紙が3頁以降です。  内容等については読上げはいたしませんが、概ね良しとされておりますが、やはりのぞみの園をよ くするために何らかの手段をとるべきだということで、(1)調査・研究については、外部機関との連携 を図るべしというのが第1点です。(2)職員配置については、のぞみの園が持っている中身的なもの、 法人が目指す国のモデル施設の「調査・研究」なり「養成・研修」及び「援助・助言」を行うために も、長期的な採用計画等を行い、実りあるものにすべきということで、職員配置についても十分に再 度検討すべきというのが2点目です。(3)人事評価制度については、取組を一層強化すべき。(4)内部統 制の向上、ガバナンスの強化については、ある一定のものはできているかもしれないが、もっと充実 すべきということで、再度よく勉強しろということを言われております。(5)個人情報の管理について は、コンプライアンスの充実を怠らないようにということを言われております。  2点目の「独立行政法人整理合理化計画において監事による監査が定められた項目については、次の とおりである」ということで、先ほど中身的なものは評価シートの中にもありましたが、概ね妥当と 言われております。6頁の(2)給与水準の適正化等については、今後ともより適正な執行ということで、 適正化は順調に実施されている、今後とも適正にやっていただきたいと。(3)保有資産については、専 門家の知見を取り入れた意見等も参考にして、有効活用の促進に努められたいと言われております。  この別紙の最後に3点、次の点を要望されました。適正な組織確立のために中長期的な研修プログラ ムの策定を検討。人事評価をする評価者の研修等の充実。研究業務の充実を図るために、外部研究機 関からの人的支援を強化することということで、監査報告をいただいております。以上です。 ○上野谷部会長  それではこれで評価はすべて終わりますが、大丈夫でしょうか。事務局からこれらの扱いについて お願いします。 ○政策評価官室長補佐  では評定等の記入について説明します。記入が終わっていない委員の方については、この部会が終 了したあと会場にお残りいただき、記入いただいても結構です。それから評価シート及び評定記入用 紙をお持ち帰りになり記入していただくこともできますが、その場合は本部会終了後に事務局にお声 掛けください。お持ち帰りになる場合には12日(水)までに事務局までお送りいただきたいと思いま す。以上です。 ○上野谷部会長  それでは本日の議事は以上です。次回の部会についてのアナウンスをお願いします。 ○政策評価官室長補佐  次回開催は8月21日(金)13時から、場所はこの省内、専用21会議室で行います。議題は「福祉 医療機構の財務諸表に関する意見と総合評価」。それから「国立重度知的障害者総合施設のぞみの園 の財務諸表に関する意見と総合評価」。それから「医薬品医療機器総合機構の財務諸表に関する意見 の報告と総合評価」について。それから医薬品医療機器総合機構については、「最終評価」について となっておりますので、よろしくお願いします。以上です。 ○上野谷部会長  それでは12時を過ぎました。本当に熱心なご審議、感謝申し上げます。ありがとうございました。 これにて終了いたします。どうもありがとうございました。                                           (了)       照会先:政策統括官付政策評価官室 独立行政法人評価係     連絡先:03−5253−1111(内線7790)