09/6/18 平成21年6月18日薬剤師国家試験制度改善検討部会議事録 医道審議会薬剤師分科会薬剤師国家試験制度改善検討部会議事録 1.日時及び場所   日時 平成21年6月18日(木)10:00〜    場所 金融庁共用会議室1(中央合同庁舎第7号館9階) 2.出席委員(21名)五十音順   赤 池 昭 紀   市 川   厚   井 上 圭 三   大 野   勲   大和田 榮 治   加賀谷   肇   木 津 純 子   児 玉   孝   柴 崎 正 勝   白 神   誠   須 田 晃 治   永 井 博 弌   林   正 弘   樋 口   駿   平 井 みどり   望 月 眞 弓   森   昌 平   山 岡 由美子   山 本 惠 司   山 元   弘   吉 富 博 則   3.欠席委員 なし       4.行政機関出席者   高 井 康 行(医薬食品局長) 岸 田 修 一(大臣官房審議官)   川 尻 良 夫(総務課長)   関 野 秀 人(薬事企画官) 他 5.備考   本部会は、公開で開催された。 ○薬事企画官(関野) 定刻になりましたので、ただいまから「医道審議会薬剤師 分科会薬剤師国家試験制度改善検討部会」を始めさせていただきたいと思います。 まず、今日お集まりの先生方にはご多忙の中、ご出席いただきありがとうございま す。本日の薬剤師国家試験制度改善検討部会は、平成20年4月に医道審議会の下 に薬剤師分科会を設置した後、最初の開催にあたりますので、まず事務局のほうで 進行をさせていただいて、各委員、ご出席の委員のご紹介をさせていただきたいと 思います。後ほど配付資料の確認はさせていただきますが、お手元に資料1として 名簿をお配りしております。これにお示しした順番にご紹介させていただきたいと 思います。  まず、赤池委員でございます。続いて市川委員でございます。井上委員でござい ます。大野委員でございます。大和田委員でございます。加賀谷委員でございます。 木津委員でございます。児玉委員でございます。その次の柴崎委員は、一応出席と いうことでご連絡をいただいておりまして、特段遅れることなく間もなく見えられ ると思いますので、後ほどまたご紹介させていただきます。続いて白神委員でござ います。須田委員でございます。永井委員でございます。林委員でございます。樋 口委員でございます。平井委員でございます。望月委員でございます。森委員でご ざいます。山岡委員でございます。山本惠司委員でございます。山元弘委員でござ います。吉富委員でございます。  次に事務局の紹介をさせていただきたいと思います。まず医薬食品局長の高井で ございます。隣に大臣官房審議官の岸田が座る予定ですが、ほかの公務がありまし て後ほど遅れて参ります。総務課長の川尻でございます。私の右が総務課長補佐の 近藤でございます。そのほか私の後ろに、事務局として総務課のメンバーが座って おります。よろしくお願いします。  柴崎先生、早速ですが、いま、委員のご紹介を行っているところで、私のほうか らご紹介させていただきます。柴崎委員でございます。  最後に、私は関野でございます。よろしくお願いいたします。  ここで事務局を代表して、本日は1回目の部会ですので、高井医薬食品局長から ご挨拶をさせていただきます。 ○医薬食品局長(高井) 医薬食品局長の高井でございます。医道審議会薬剤師分 科会、薬剤師国家試験制度改善検討部会の開催にあたり、一言ご挨拶申し上げます。  まず、委員の皆様方におかれましては、ご多用中にかかわらず本部会の委員への ご就任、ご快諾いただきまして心より御礼申し上げる次第であります。近年、医療 の高度化、医療制度改革など、薬剤師を取り巻く環境は大きく変化しております。 質の高い医療を国民・患者に提供するためには、薬剤師もほかの医療従事者同様に、 専門的な知識・技能はもとより、医療人としてふさわしい倫理観、教養なども含め た資質の向上を図る必要があると考えております。薬剤師法の改正を受けまして、 昨年4月に医道審議会令が改正されて薬剤師分科会が設置されました。昨年の11 月に開催された薬剤師分科会において、薬剤師国家試験の出題方法、内容、形式等 の制度改善方策に関することについて審議するため、この部会が設置されたところ でございます。委員の皆様方におかれましては、それぞれの専門分野における高い ご見識に基づきまして、精力的にご審議いただきますようお願い申し上げます。  簡単でございますが、私のご挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたし ます。 ○薬事企画官 次にお手元の配付資料の確認をさせていただきます。  まず座席表があって、その下に「議事次第」が1枚紙であります。その次からが 資料番号を振ってあるもので、まず資料1として「委員名簿」があります。資料2 が「医道審議会令」、資料3が「医道審議会薬剤師分科会について」というタイト ルのもの、資料4として「薬剤師国家試験の実施状況等について」、資料5として、 昨年の7月8日の日付が入った「薬剤師国家試験出題制度検討会報告書」です。資 料6が、左上に「出題分野・科目・出題区分・出題数」というタイトルが振ってあ るものです。次に資料7として「新薬剤師国家試験について(案)」、資料8は「薬 剤師法施行規則の一部を改正する省令について」、資料9として「薬剤師国家試験 科目の変遷」。ここまでが資料で、その下に参考資料を3種類用意しております。 傍聴の方にはお配りしておりませんが、まず参考資料1として、現在用いている「薬 剤師国家試験出題基準」です。参考資料2が薬剤師法の条文を書いたものです。参 考資料3は「国家試験の科目について」ということで、薬剤師以外の国家試験にお ける法律あるいは施行規則の定め方ということでの資料です。  お手元にご用意した資料は以上ですが、不足等ありましたらお申し出いただけれ ばと思います。いかがでしょうか。よろしければこれより議事に入りますが、その 前に本部会の部会長と、部会長代理の選出についてご報告いたします。後ほどまた ご説明しますが、医道審議会令第6条の規定に基づいて、部会長には井上圭三委員 が選出されております。その部会長の指名によって赤池昭紀委員が部会長代理とな っておられます。  それでは以後の進行を井上部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いい たします。 ○井上部会長 井上でございます。医道審議会の委員の間での互選ということで、 部会長をやるということになるようでして、よろしくお願いする次第であります。 本部会は薬剤師国家試験の実施に向けてのプロセスの中で、非常に重要な部会と考 えられますので、先生方のご協力ご支援、よろしくお願いいたします。  それではまず、本日の委員の出欠状況について事務局から報告をお願いします。 ○薬事企画官 本日は21名の委員全員にご出席いただいております。まことにあ りがとうございます。 ○井上部会長 それでは議事に入ります。事務局から連絡事項、よろしくお願いし ます。 ○薬事企画官 先ほど会議が始まる前に申し上げましたが、これから議事に入りま すので、傍聴の方は、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。ご協力をお願 いしたいと思います。 ○井上部会長 本日の部会は、昨年、検討会として議論した新しい薬剤師国家試験 の方向性について、今回は、薬剤師法の施行規則の改正を念頭に、制度化に向けた 議論を、審議会として行うことになります。本部会のほとんどの先生方は検討会で の議論を経験されておられますので、内容については十分ご承知かと思います。円 滑な議事進行に努めたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  最初の議題は「薬剤師国家試験制度改善検討部会について」です。配付資料に基 づいて事務局から説明をよろしくお願いします。 ○薬事企画官 議題1の関連で、お手元の資料としては資料2と資料3をご用意い ただきたいと思います。  まず全体の医道審議会の仕組みですが、資料2をご覧ください。第1条にありま すとおり、この医道審議会というのは、委員30名以内で組織することになってお りまして、薬剤師のみならず、医師、歯科医師、保健師、助産師、患護師、そのほ かさまざまな医療関係職種の議論を行う場ということで構成されております。この 30名のうち薬剤師関係の委員は2名おられます。そのほかいろいろな部会あるいは 分科会を行っていく上で、当然この2名だけではなかなか薬剤師の問題を処理でき ませんので、第1条の第2項あるいは第3項にありますとおり、臨時委員や専門委 員を置くという形で運営していく規定になっております。  そして、この薬剤師分科会に関する規定が次の頁の第5条に書いてあります。こ の審議会の下に、この表にあるような分科会を置くという規定でして、この2頁の 表の下から2つ目に「薬剤師分科会」とあり、審議会の権限に属させられた事項を 処理するということで、具体的には薬剤師の国家試験の問題、薬剤師の免許を持っ た資格者が、さまざまな違法行為等を行った場合の行政処分について審議する、そ ういう事項を処理するという所掌になっております。  そして、本日開かれておりますこの部会の関係は、次の3頁の第6条に規定され ております。「審議会及び分科会は、その定めるところにより、部会を置くことが できる」ということで、その第3項に「部会は部会長を置き、当該部会に属する委 員の互選により選任する」となっております。したがって先ほどご報告したとおり、 薬剤師の関連の委員2名のうち、そのどちらかの方になっていただくということで、 互選により井上委員になっていただいているということです。そして第5項にある とおり、その職務を代理する部会長代理は「部会長があらかじめ指名する」という 形になっております。そういったことから赤池委員にお願いしている状況です。  次に資料3は、この部会が扱う範囲についての説明です。まず資料3の1頁をご 覧ください。先ほどの資料2で表になっていたさまざまな分科会が、この医道審議 会の下にぶら下がっているという絵です。その中に薬剤師分科会があって、その薬 剤師分科会の下にどういう部会があるかということで2頁をご覧ください。昨年の、 この薬剤師分科会を設置した段階で、既にこの5つの部会の設置も決めております。  上から申し上げますと「薬剤師倫理部会」。ここが行政処分に関する事案を扱い ます。次の「薬剤師国家試験K・V部会」。これは、ほかの医師・歯科医師でもキー・ バリデーションという言い方をしておりますが、問題内容の妥当性の確認に関する ことを取り扱います。したがいまして、毎年行われている国家試験が終わった直後 に、合格・不合格の判断を厚労省がするに当たって、それに先立ってこの会議が開 かれ、問題の妥当性の検証を行い、場合によっては不適切問題があれば、そういっ たものを決めていくといった形で運営していく、そういう部会です。もちろん、そ の最終決定は分科会に上げてということになります。  次の「薬剤師国家試験事後評価部会」。これはまだ一度も開かれておりませんが、 この名のとおり、国家試験が行われたあと、事後的にその問題等について評価を行 うという位置づけです。したがって、先般3月に行われた第94回の国家試験の事 後評価を、次回第95回の国家試験が行われる前、もう少し正確に言いますと、次 回の試験問題作りを始める前の段階で、前回の問題の評価を行って、それをきちん と次回以降に反映させていくというような形での位置づけになります。  次の「薬剤師国家試験制度改善検討部会」が、まさにこの部会でして、試験制度 そのものを変えるときに、この部会を開いてご審議いただくということになります。  その下の「薬剤師国家試験出題基準改定部会」も、まさにこの名のとおり、出題 基準を改定するタイミングをもって開くという形の部会になります。そういう意味 では、国家試験関係で4種類の部会がありますが、K・V部会と事後評価部会は毎年 国家試験が行われるたびに定期的に開かれる部会ということになります。一方、本 部会と出題基準改定部会は、改定のタイミングをもって、場合によっては集中的に 開くということになりますが、コンスタントに年1回という形にはならないと考え ております。  これらが薬剤師分科会の下に置かれた部会の性格づけです。また、本日この部会 でご審議いただく内容は、まさに制度改善に関することということで、昨年、検討 会としてまとめたものをきちんとルール化する、制度化するということでのご確認、 ご審議をしていただくということになろうかと思っております。資料2と資料3に 基づくこの部会の位置づけを含めた概略は以上です。 ○井上部会長 ありがとうございました。ただいまのご説明について、ご質問ある いはご意見などがありましたら、お伺いしたいと思います。いかがでしょうか。よ ろしいでしょうか。  この薬剤師国家試験事後評価部会の位置づけが、いままでよりも非常に明確であ るということ、私立薬科大学協会等で問題の検討が現在までされてきたわけですが、 そういうものの受け皿として非常に明確になったということだろうと思います。ほ かにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。  もしよろしければ、次の議題である「薬剤師国家試験の現状について」に進みま す。まず配付資料に基づいて事務局から説明をお願いします。 ○薬事企画官 お手元の資料4をご用意いただきたいと思います。「薬剤師国家試 験の実施状況等について」という資料です。多くの先生方には、検討会の段階から こういったことについてご説明しておりますので、ポイントを押さえて簡単にした いと思います。   実施状況としましては、まず、最初の頁の上に書いてありますとおり、出題基準 を昭和60年以降設けております。その意味合いは、最初から2行目に書いてある とおり、試験委員、問題を作る委員ですが、その方々に出題の指標を与えることで、 問題の水準を一定に保つというような意味合いで、ガイドラインというような呼び 方もしておりますが、そういう位置づけで昭和60年以降、用意をしてきていると いうものです。2つ目のクロマルの所に書いてありますが、この出題基準に関して は、約5年程度のタイミングで随時、見直し・検討が行われてきているというのが 従来です。  その下で、平成6年以降は、この段階で試験の科目も少し見直しを行っておりま すので、この中ほどの表にありますように、左から右に変わるような格好で、大き な改正が行われているというのがこの時期です。出題基準に関しましては、この段 階でも当然存在しているという形で現在に至っております。その後、先ほど申し上 げたとおり約5年に一度見直しをしてきておりますので、平成10年、平成16年と いうタイミングで、これまで改定がされてきているという状況です。いちばん下に、 その改定した出題基準に基づいて、いつの国家試験からの内容が対象となっている かが書いてあります。  2頁は、平成3年から昨年度に行われた第94回までの国家試験の、合格者数とい うことでの実績の表です。その次の3、4頁が、問題として採用してきた形式でし て、1つのモデルということで、従来こういったいくつかのパターンに色分けをし て、1つひとつの問題を作ってきているということです。最近で言えば、240問で 行っておりますので、その240問はこのいずれかの形を基本として問題が作られて いるということです。とりあえず資料の説明は以上です。 ○井上部会長 ありがとうございます。ただいまの事務局からの説明について、ご 質問、あるいはご意見などがありますでしょうか。ここは特段にはないのではない かと思いますので、よろしいでしょうか。  それではその次に進みます。次は「薬剤師国家試験制度の見直しについて」です。 事務局から資料に基づいて説明をお願いします。 ○薬事企画官 お手元の資料5から資料9までを、まとめて説明いたします。  5つの資料のうち、資料5と資料6がこれまで検討をしてきた内容ということで、 1つの部分として説明いたします。まず、資料5は昨年7月にまとめました検討会 の報告書です。本日ご出席のこの部会の委員のほとんどの先生方に、この検討会で もご審議、ご検討いただいてきておりますので、内容について、1年前ですので少 し振り返るという意味でお聞きいただければ幸いかと存じます。この検討会の報告 書の内容を受けて、今日の検討部会での議論を重ね、さらにこのあと薬剤師法の施 行規則の改正等につながってまいりますので、パブリックコメントを求め、その意 見を踏まえてご審議をいただき、最終的には制度化するといった流れになるわけで すが、まずはそのベースになりますこの検討会の報告書について概略をご紹介いた します。  1頁の「はじめに」で、一番下に書いてあるとおり、この検討会では、新しい国 家試験というものが平成24年の試験ですので、年度で言いますと23年度というこ とで、6年制課程の学生が卒業してすぐの試験から、この新しい制度の下で試験が 行われるべきという内容でまとめられているかと思います。  2頁以降は、しばらく現状行われています国家試験の紹介になりますので、少し 頁を飛ばしまして、5頁からが昨年の検討会で今後の国家試験のあり方ということ でまとめられた部分になります。5頁の下のほうの(1)として、出題基準について 触れられています。(1)の最初のパラグラフにありますとおり、「出題範囲の妥当性 を確保するとともに、試験問題の水準を例年ほぼ一定程度に保つために策定される ものである」という出題基準に関して、最後の段落ですが、「現行制度と同様の役 割を果たすものとして必要であるため、引き続き、出題基準を策定することが適当 である」という方向性でまとめられております。したがって厚生労働省として、こ の出題基準は引き続き必要なものということで、今後も新しい国家試験に馴染むそ ういった出題基準というものを作っていくということで考えたいと思っておりま す。内容につきましては、先ほど医道審議会の組織のところで説明しましたとおり、 具体的には出題基準改定部会のほうで内容をご検討いただくということになると 思います。  次に6頁です。(2)の3段落目で、出題基準の体系についての言及がいくつかされ ております。「大項目」、「中項目」、「小項目」といった括りの体系は、現在の 出題基準にも取り入れられている方法ですので、それを引き継ぐという格好になり ますが、「大項目」の内容がこの3段落目に書いてあります。この検討会の段階で は「領域」という表現をしておりますが、「具体的には」ということで括弧書きで 書いてあるこの7つに区分する格好で出題基準を作っていくという方向性だった かと思います。  後ほどご紹介しますが、この「領域」という表現は、ここでいう7つの領域が薬 剤師法の施行規則の科目というところに位置づけられるとするならば、表現として は科目のほうが適当ではないかと思いますので、後ほどの今後の国家試験の制度化 のペーパーでは「科目」という表現に変えております。そこは後ほど、触れておき たいと思います。  この出題基準に関する記述がもうしばらく続きますが、7頁の上の方の(3)は、見 直しのことです。現行では約5年程度ということで行ってまいりましたが、ここは さらに1年縮めるという方向性が打ち出されたかと思います。見直しの期間を4年 程度に短縮することが適当ということです。  次に7頁の下の出題基準の大きな項目で、(2)「出題分野について」です。具体 的な内容は8頁です。上の3行に書いてありますが、現在の科目別に分けた出題分 野、これは試験の日程で言いますと、2日間の午前午後が科目別に分かれた格好で いま行われておりますが、これを見直して、薬学の全領域を出題の対象として、新 たに出題の区分として、「必須問題」と「一般問題」とに分けて試験を実施するこ とが適当であるということです。  箇条書きに整理したものが8頁の中ほどから下に書いてあります。「必須問題」 というものは、薬剤師として特に必要不可欠な基本的な資質を確認する、そういう 問題を必須問題として出していこうということです。ここには当然、薬学の全領域、 科目が入ってまいりますので、この必須問題が2日間にわたる試験の午前なのか午 後なのか、どこに入るかは、今後の実行上の問題かと思いますけれども、科目別に 時間割を作るのではなく、全領域からの出題で、必須問題として作られたものが、 試験スケジュールのどこかでまとまって出題されるという格好になろうかと思い ます。  (2)が「一般問題」ということで、「薬学理論問題」と「薬学実践問題」の2つに 分かれます。理論問題に関しては、必要な知識を中心に薬剤師が直面する一般的な 課題を解釈するための資質を確認するという意味合いでこういった区分を設けて おります。一方、薬学実践問題のほうは、医療の実務において直面する、いわゆる 問題解決能力というものを確認する、基礎力、実践力、総合力を確認する、そうい った性格の問題ということで区分されております。  これらに関して、どういうふうに、何問ぐらい出すかということに関して、9頁 以降に「出題数」として書いてあります。この辺りは、昨年の検討会でも用意した 資料で、表に整理した格好のほうがご覧いただきやすいかと思いますので、次の資 料6をご覧ください。昨年の検討会のときに用いたものと若干書きぶりが変わって いるところがいくつかあります。まず、いちばん大きな点は、先ほど申しましたと おり、当時は「領域」という表現をしておりましたが、いちばん左側のカラムの見 出しが「科目」というふうに置き換わっております。その「科目」ということで、 「物理・化学・生物」からはじまり「衛生」、そして次の頁にその他5つの、当時 「領域」と言っていたところがそのままここに「科目」として書かせていただいて いるという内容です。内容としては当時検討してきたものと変わりないということ です。  それぞれの問題数についてですが、左寄りのカラムに出題基準の部分が触れられ ておりますが、そのさらに右側に出題区分ということで必須問題、薬学理論問題、 薬学実践問題というカラムがあります。それぞれ各科目に関して、例えば「物理・ 化学・生物」であれば必須問題が15問、「衛生」の科目が10問という形で、縦で 見ますと、必須問題はすべての科目を合計しますと90問という格好でまとめられ ております。一方同じように、薬学理論問題と薬学実践問題のほうでは、トータル でそれぞれ105問、あるいは150問ということで構成しておりまして、トータルの 試験問題数が345問になっております。  ここで現行240問に対して105問増えているわけですが、それを2日間で行うと いうことになると、やはり1問当りの時間を勘案して、少しシンプルに一問一答の ようなものも交えて出題をしていくことによって、よりたくさんの知識なり、技能 なり、態度なりを確認していこうという議論がなされております。その辺りは報告 書の中でも少し触れられているかと思います。それぞれ科目別に見たときの問題数 は、この表の一番右側のカラムをご覧いただきたいと思います。資料6に書きまし たのが、新しい試験制度の下で行われる科目、そしてその出題区分ごとの問題数と いうことでの構成割合を示したものです。  資料5に戻ります。この辺りを資料5で言いますと、9〜10頁の部分に相当しま す。11頁は、試験の実務的な話が触れられておりますが、まず筆記試験であるこ との確認がされているのと、(2)の形式のところでは、多肢選択方式という、従来ど おりの選択問題ということで方向性が示されております。12頁には、出版物みた いなものを用いて解答する方式についても1つ考え方が示されております。  その下の(5)が合格基準についてです。内容は13頁に書いていますが、それぞれ 出題区分として必須問題と一般問題に分けたことを考えますと、当然、出題の性格 上、必須問題に対してより高い得点を求めたいというところで、一般問題とは異な る合格ラインの設定にしております。これは新しい制度の概略ペーパーでも同じこ とが触れられておりますので、後ほど資料7のほうで触れてみたいと思います。  14頁以降には、問題のプール制の話ですとか、作成上の留意点、その他いろい ろな今後の課題となり得るものが書かれておりますが、それはまた後ほど必要に応 じてご紹介をするということで、冒頭の説明からは省かせていただきます。  お時間をとって恐縮ですが、次に資料7〜9をご用意ください。まず資料7「新薬 剤師国家試験について(案)」です。いま説明いたしました昨年の検討会の報告書 のところのすべてが大事なものでありますが、それを一応、この数枚のペーパーに ポイントを書き出したというものです。内容は検討会の報告書と変わっておりませ ん。これを部会においてご審議いただくための資料として、検討会の報告書そのも のではなく、制度化するためのポイントを記したペーパーとしてここに別に用意を させていただいたものですので、内容は検討会のものと変わりません。したがって、 1頁の「見直しに至る経緯」とか、「見直しに当たっての基本的な考え方」は、従 来からご審議いただいて、すでにご紹介している部分ですので省略をさせていただ きます。  2頁の「改善すべき事項」に移ります。先ほど報告書の中で触れましたように、 (1)にあるように、科目の見直しとして7科目での分け方を行うということが書い てあります。そして必須問題と一般問題に区分することも、ここの中で触れられて おります。(2)「出題基準の見直し」のところは、先ほどの報告書のところでご紹 介したのと同じ内容をここで引き出しており、見直しの期間の4年ということもこ こに抜粋させていただいております。  (3)では、出題形式と解答形式、これも先ほど触れましたが、正答肢を選択する 問題を基本とすると書いてありますが、それに加えて、様々な実践に即した問題解 決能力を確認する観点からすると、問題によっては、どれも正答となり得るけれど もその中で最善のものを選ぶという意味で最も適切なものを選択する問題とか、逆 に、これだけは気をつけなければいけないという問題が作られるのであれば、明ら かに誤りであるものを選ぶとか、そういったものも従来とは変わって取り入れてい ってはどうかという方向性だったかと思います。そのほか、なお書きで書いてあり ますように、小冊子とか画像等の資材を問題の材料として解答を導いていくといっ たことも、積極的に取り入れていくことをここに書かせていただいております。こ れも検討会での方向性に記述はありますので、それを引っ張った形になります。  次の3頁の(4)「試験問題数の見直し」ですが、これは先ほどの資料6で説明し た内容と同じことがここで書かれております。  (5)「合格基準」のところは、先ほど説明を飛ばしましたので、この箇条書きの 格好で説明したいと思います。(1)から(3)のすべての条件を満たした場合に合格とい うことになります。まず345問の全問題に対する配点、これは1問を何点にするか はこれからの細かい点ですが、いずれにしても345問のうち、65%について正答で あることを基本とするということです。ただ、その次の文章に、「問題の難易を補 正して得た実際の総得点以上であること」という記述がありますが、これは少しわ かりにくいかもしれませんが、現状の国家試験でも取り入れておりますけれども、 1問1問の問題の難易度と言いますか、識別指数その他を用いまして、ある程度補 正という行為を従来から行ってきておりますので、そのやり方は今後も取り入れる と。それによって明らかに65%のラインを基本とするのですが、問題適・不適に よってはここの補正という余地を残しておくということで、この部分も基準の中に は入れておく必要があろうかと思っております。  (2)は、3つに分けた出題区分のうち、一般問題に関して、その得点がそれぞれの 配点、それぞれですので、各科目の得点ということで、7つの科目のそれぞれの問 題数に見合う得点の35%以上の正答を求めるということです。ですから、7つの科 目のうち、1つでもこの35%を下回った科目があるならば、いくら総合点が良くて も合格にはならないという格好になります。  そして(3)は、今回90問を用意しております必須問題についての取扱いです。こ れは全問題への配点の70%以上ということですので、90問のうち70%以上の正答 が必要ということと、かつ、それぞれ7つの科目の得点が50%以上ということで、 各科目に定められた必須問題の中の問題数のうち、半分以上は正答でなければいけ ないということで、これも必須問題全体の得点が70%以上であったとしても、1つ の科目の得点が50%を下回った場合には、合格にはならないということです。  次の4頁は過去に出題された問題の取扱いですが、これは従来どおり20%程度と いうことを1つの基本として、やはり何回も使われていく上で、いい問題というの は当然あるわけで、その問題が薬剤師にとって必要な資質ということを的確に確認 するという問題であるならば、別に繰り返して使ってはいけないということではあ りませんので、この問題も一定程度取り入れていくという方向性であります。  実施時期は、先ほど申しましたとおり、6年制課程の学生が卒業して最初の国家 試験に当たります平成23年度の試験から適用するということで、全体の試験制度 の概略ペーパーということで用意をいたしました。  最後に資料8です。いま申し上げました試験制度のうち一部、薬剤師法の下で施 行規則ということで位置づける必要がある部分がありますので、その薬剤師法施行 規則の一部を改正する省令というものを、今後、行政措置として行ってまいりたい と考えております。その内容が、この縁取りをした部分にありますが、その前に、 1頁目の下に書いてあります、現在の薬剤師法の施行規則の第8条をご覧ください。 国家試験の科目が施行規則の第8条で定められておりまして、先生方もご承知のと おり、一から四の4科目の試験が現在行われております。これを、先ほど来説明し ております検討会の報告書を受けて変えていくということになるわけですが、その 内容は1頁の上の縁取りの部分にあるとおり、試験の区分が3種類に分かれますの で、その旨、必須問題と一般問題で、さらに一般問題が2つあることを明記する必 要があるのではないかということで、こういった内容を施行規則に位置づける必要 があると考えております。そして科目のほうも、この7つの科目を従来の4科目と 同じように並べるということが必要だろうと考えております。  2頁目です。その施行規則というものにつなげていくためには、手続きとしてパ ブリックコメントが必要ですので、パブリックコメントとして示すものの1つのひ な形ということで2頁目を用意しております。趣旨が書いてあり、改正の内容は1 頁の縁取りした中で紹介した内容と同じです。そして公布日はできるだけ早いほう がいいかと思いますが、少なくとも平成21年中には正式なものとして位置づけた いということです。ただ各大学の先生、あるいは受験者の方におかれましては、す でに報告書の中である程度の内容が示されておりますので、公布されるまでの間も、 その報告書の内容に沿って、ある程度現場での教育、そのほかを進めていただく必 要があろうかと思っております。  施行期日の時期をいつにするかは、まだクロマルということで未確定ですが、6 年制課程の卒業生が受験をするために必要なタイミングで、この新しいルールとい うものを施行しておく必要があろうと考えております。そういう意味では、予め公 布をしておいて、そのあと然るべきタイミングをもってそれをアクティブな状態に していくということで、この公布日と施行期日の時期は多少ずれてくるものと考え ております。  その関連で、最後の資料9は、議論のご参考にしていただくということでご用意 したものです。従来、いま説明いたしました施行規則というものがどういうふうに 変わってきているかということです。昭和24年当時の薬事法から始まりまして、 新しく薬剤師法ができたあとの昭和36年以降の書きぶり、そのほか2頁にわたり まして現在に至るまでの変遷が書いてあります。これと見比べて、今般どういう形 で施行規則を定めていくかということでご審議いただければと思います。  なお、これは特に強調すべき点ではないのですが、一応、ご意見として事前に寄 せられた、これは委員からではなく我々のほうの関係ですが、少し先生方にご議論 をいただきたいということで紹介いたします。資料8の、先ほどの縁取りをしたと ころで、(改正の内容)の2つ目の科目のところの表現ぶりは、検討会の言いぶり と変えておりませんので、また改めてこの言い方で適切かどうかをご確認をいただ きたいと思いますが、そのうち少し指摘があったのが、「薬剤」という言葉の捉え 方です。全くもって検討会では違和感はなくこれまできましたが、別の角度から見 ると、薬剤というと処方せんに基づいて調剤をした結果、でき上がった薬剤そのも のというような捉え方をするのではないかという意見がありました。その辺り、ど ういうふうにこれら7つの科目を表現していくか、この7つすべてについて、改め て施行規則とする上で適切かということを、ご確認を含めてご意見をいただければ 幸いに思います。その際に、どういった領域をカバーするかという意味では、資料 6に整理したものとかを参考に、このあとご審議いただければと思っております。 少し長くなりまして、ボリュームも多い資料を使って、説明いたしました。以上で ございます。 ○井上部会長 ありがとうございました。ただいまの事務局からの説明について、 ご質問やご意見をいただきたいと思います。科目名はこれでいいかという辺りが、 最後に出された問題点だと思いますが、いかがでしょうか。  1つは「薬剤」というのがこのままでよろしいのかということが問題点として出 されました。それと、「物理・化学・生物」という表現は、これでかなりカバーは していると思いますが、これでよろしいのか、その科目名辺りはいかがでしょうか。 ○樋口委員 いまのことに関して、資料6の2枚目、出題分野の「大項目」「中項 目」のところの「薬剤」のところに空欄がありますが、いまの言ったことも関係し ているのですか。それとも、ここも適当な言葉が見つからなかったというふうに理 解するのですか。 ○薬事企画官 それはこの資料の作り方が、「大項目」と「中項目」のところが出 題基準自体はまだできてないのですが、モデル・コアカリキュクラムをそのままこ こに貼りつけたような格好になっていますので、そういう意味では、ここの薬剤の 空欄のところの中項目を見ていただくと、(1)(4)(5)というように番号が飛んでい ます。 ○樋口委員 わかります。 ○薬事企画官 これはその上の薬理のところに、今回分類しました「薬の効くプロ セス」というカリキュラムの項目があり、その「薬理」のところに書いてある (1)(2)(3)に続いて、この(4)(5)がまとまってモデル・コアカリキュラムになって いますので、薬理の上のところに書いてあるので、ここは同じ表現になってしまう ので空けているというだけですので、特に審議とは関係ありません。 ○樋口委員 逆に、「薬理」の「薬の効くプロセス」のところで、(1)薬の作用と 生体内運命(薬の運命以外)で、下のほうは(1)(薬の運命)と、薬の作用と生体 内運命のところで2つに分けて書いています。こちらのほうが実質的なところなの です、上と下で。いまこういうことを言っているのは、先ほど薬剤のところで、こ の部分がいろいろな解釈が出てくるのです。これはコアカリに立ち戻るとどうなる のかわかりませんが、ちょっと悩ましいです。 ○薬事企画官 このモデル・コアカリキュラムでいうところの「薬の効くプロセス」 の中の(1)ですが、カリキュラム上は「薬の作用と生体内運命」ということで、さ らにその下にいくつかSBOsがあります。そのうち、この科目でいう薬理という言 い方と薬剤という言い方に分けたときには、当然細かいそれぞれのSBOsが薬理と いうにはふさわしくないものもありましたので、どうしてもこういうまた割きにな る格好で書きますので、これは正式に出題基準にしていくときには、1つ1つを明 確に、どういったものが薬理なら薬理に、薬剤なら薬剤のほうに入ってくるかを示 していきたいと思っております。 ○井上部会長 出題基準を検討するのは、また別の改定部会でやるのですか。どこ で最終的に決めるのですか。 ○薬事企画官 医道審議会の組織図でご説明したとおり、出題基準は出題基準改定 部会というのが別にあります。かなり多くの各領域の先生方にその部会に入ってい ただき、数十名の規模になると思いますけれども、個別に見ていただいて、表現ぶ りを含めて精査していくという格好になると思います。 ○井上部会長 わかりました。ほかにはいかがでしょうか。 ○樋口委員 先ほどの話に戻りますが、当然いろいろと出題基準は書いていく中で きれいに整理されていくと思うのですが、先ほどの資料8の大きな科目のところで、 薬剤に対して違った理解がある、いわゆるそういう解釈に見えたというところは、 これは解決すべき問題と捉えたほうがいいのですか。そういう誤解が出ないような 言葉に再定義するとか、学問体系を。 ○薬事企画官 そこはむしろご意見をいただきたいと思いまして、特段、こちらの ほうが積極的に何かを先生方にお願いするという意味ではなくて、そういった意見 があったことをご紹介をいたしましたので、この表現でいいかの確認も含め、少し ご意見をいただきたいという意味合いです。 ○林委員 今ごろそういう疑問をもたれること自体が私は非常に疑問です。薬剤と 言えば、細かく分ければ物理薬剤、生物薬剤、製剤工学、そのように書けば一番良 いのでしょうが、今は薬剤と言いますと、既に調剤とは切り離して考えていくのが 常識であると思いますし、出題範囲の実務のところに病院実習、薬局実習があり、 この辺りに病院調剤、薬局調剤という表現が出てきますので、私は薬剤という科目 名で十分意味が通る、言いかえれば薬剤という科目名はオーソライズされていると 思います。 ○白神委員 ちょっと余計なことかもしれませんけれど、おそらくそのようなご指 摘が出たのは、薬事法上、薬剤という言葉をそういう言葉で使っているところから 気にされたのではないかと思うのです。医薬品ではなくて、調剤されたものは薬剤 だとして、ですから薬剤の容器には能書とかを書けとかという、そこからのご指摘 ではないかと思うので、ある意味で違う分野からのご指摘なのかという気がします。 ○林委員 確かにそれは理解できるのですが、講義を受けてきた学生は十分理解し ていると思いますし、講義でも薬剤学の位置づけは十分説明されていますから、ト ラブルはないと思います。確かに薬物と薬剤という表現を比較すると、薬剤という とやはり剤形の意味が入ってきますから、今回問題となったような疑問が出てくる のかもわかりませんが混乱はないと思います。他の先生のご意見はいかがですか。 ○井上部会長 この部分に関して、よろしいでしょうか。よろしければ薬剤以外の ところでも結構です。このような名前でよろしいかという点、いかがでしょうか。 ○大野委員 (改正の内容)の2番目の「科目」というところで、けちをつけるわ けではないのですが、こういった資料9の、いままでの科目の変遷を見ると、大学 にいる立場で見るからかもしれませんけれども、全部に「学」が付いているのです。 資料9の科目の変遷もそうですし、資料8の第8条も「学」なのです。今回の場合 は検討の一つに、出題の仕方、あるいは現場を考えて領域横断的に知識を使ってと いうことも含めたことを意図して検討したと思うので、「科目」という表現でいい のかというのをちょっと思います。やはり前回検討したときに、皆さまが「領域」 ということで違和感をもっておられなかったと思うのですが、私も領域ではどうし て駄目なのかと思いました。 ○薬事企画官 そこは去年も一緒に検討してまいった立場としては同じ思いはあ るので、意味合い的には全く変えているつもりはないのです。資料8の1頁目に、 参考として書いてあります薬剤師法があります。ここには一応、厚生労働省令で定 める対象としていくつか書いてありまして、「試験の科目、受験手続その他」とあ り、やはり科目という言い方をしておかないとつながらないものでして、当然、考 え方、趣旨は領域横断的に、まさに必須問題、一般問題という形で出していくわけ ですが、そこは2日間に及ぶ試験のスケジュールの組み方で、しっかりその意思は 引き継ぐ形をとらせていただき、ここは事務的ではありますが、「科目」という表 現で書いていくことが、法制上はふさわしいのではないかという意味合いで、そう いう事情があります。 ○大野委員 よくわかりました。 ○井上部会長 一応、「学」という言葉は化学以外は取ってしまったと、「化学」 は取れないので。 ○児玉委員 同じく資料8の文言の話の内容ですが、「実務」という文言、これを どう考えるかということがあるのですが、確かに説明のとおり、過去は実地試験を していましたから、「実地」という言葉があったというのはわかりますが、いまは 実地試験はしませんが、それに相当するものだということだと思うのです。  この資料7に、今回の「新薬剤師国家試験について(案)」という案が出ていま すが、この中にも基本的な考え方として「臨床に係る実践的な能力」という「実践」 という言葉が使われています。その下に「基本的な考え方」というのがあって、そ こにもいちばん下のほうに「実践の場」という言葉が出てくるわけです。今度は、 実際にその問題区分の案の中でも、一般問題の中に「薬学理論」と「薬学実践」と いう言葉が出てくるのです。その流れを見ていくと、やはり理論があって、そして 現場で実践すると。そのほうがわかりやすい気がするので、これは「実務」という よりも「実践」のほうが、流れとしてはどうかと、そういうところです。 ○井上部会長 「実践」のほうがいいのではないかと、そういうご意見だと思いま すが、いかがですか。事務局としては。 ○薬事企画官 ほかの先生方からもコメントをいただきたいと思うのですが、去年 からの議論では、資料6の表で言いますと、ちょうど2枚目に、科目で言うと「実 務」というのが下のほうに出てまいりますが、要は縦横の関係かと思います。出題 区分ということでの表現が「必須問題」と対比する形で、「薬学理論問題」と「薬 学実践問題」という言い方をしていますので、その実践問題の中でまさに実践的な 問題の1つとして実務という部分が、ほかの科目の問題と複合された形で、あるい は組み合わされた形で出すということですので、この縦軸にある科目のほうの「実 務」という言葉を「実践」に変えてしまうと、横軸との関係での整理がまた難しく というか混乱するかと思いまして、あくまで科目、領域という意味では「実務」と いう言葉を使った上で、その取り入れた問題がどういう意味合いの問題かというと、 まさに実践に即した問題として、それを区分ということで表現していると、そこは 分けておいたほうがいいのではないかと思い、これは去年の検討会の段階から少し そう考えて、あえて使い分けているといったのがこちらとしての考え方です。先生 方にご議論いただければいいと思います。 ○児玉委員 いまので、流れはよくわかりました。ただ、国家試験ですから、「社 会的な目から見た場合」という言葉も、私は少しファクトにあってもいいのかと。 そうすると、外から見たときに、「実務」という言葉と「実践」という言葉をどう とらえるか、というのも要素としてはあってもいいのかと、そういうことです。 ○樋口委員 資料6の「出題分野」、「科目」の所で、一昨年までこれは「領域」 としていたところを「科目」という名前に変えて、これは出題の範囲を、モデル・ コアカリキュラムに従うということで、それを「領域」として分けて書いて、いま こちらのほうを見ると「科目」ということで、その辺でだんだんイメージ的にずれ が出てきたような気がしてきたのです。  例えば、同じようなことが過去にあったのか、議論を聞きたいのですが、昭和 60年から平成7年までは、先ほど言いましたように全部「学」が付いていますね、 「薬理学」。そして、平成8年から「基礎薬学」「医療薬学」「衛生学」という科 目になっていますね。そのときには何かいま言ったような議論とかはあったのでし ょうか、知っている範囲でよろしいのですが。例えば、平成8年ごろからは、これ はどちらかというとイメージ的には「領域」ですよね。 ○薬事企画官 この部分は、確かに今日のこの段階ではなかなかイメージしにくい のかとは思います。といいますのは、従来、採ってきた「学」を付けた形での科目 の決め方というものは、むしろ科目ごとの時間割で試験が行われてきているのです。 初日の午前であれば基礎だとか法規だとか、そういう形で時間割自体がこの科目ご とにスケジュールが組まれてきたというやり方をとってきているのですが、今度の 試験はすべての領域にわたって必須の問題は、例えば初日の午前なら午前にという 形の問題の出し方になりますので、そこの段階に至ると、おそらく去年の検討会か ら行ってきた趣旨というものが見えてくるのではないかと思います。  したがって、あくまで今回の施行規則の改正ということで言うと、(改正の内容) のうちの1つ目の所の必須問題、理論問題、実践問題という所が明確に区分して行 われるということが、ある意味でシンボリックに明確にしておく部分であって、言 葉としては「領域」という言葉でもいいと思うのですが、その中の、例えば必須問 題の中にはこういった7つの領域からの出題がされるという捉え方で見ていただ くのが、とりあえず今日の段階ではいいのではないかと思います。  したがって、過去に今日行われているような議論がなされているかというと、す べては調べていませんが、そういった科目横断的な出し方ということの議論はされ ていないと思います。むしろ従来、昭和60年から行われていた学説と実地という ことも1つの形にまとめ、さらに薬理と薬剤をまとめて「医療」という言葉を使う といったことで1つの大きな変化、医療の担い手ということも踏まえた上で「医療」 ということを1つの典型的な言葉として取り入れたのが平成8年だと思いますので、 今回とは少し趣を異にして、科目ごとの試験のスケジュールの組み方という形でい きますので、今回の議論はされていないのではないかと思います。 ○井上部会長 そのほかのご意見はありますか。必須問題は合格基準が70%です ね。我々がいま提案しているのは70%以上。医学・歯学、これが何パーセントか よくわかりませんが、大体これに近い。さらに、私たちの場合には、構成する各科 目の得点が配点の50%以上としているわけですが、すでに先行している医学・歯 学等でもこういうのがあるのかということですが。 ○薬事企画官 医師の例で申し上げますと、医師も、今回、薬剤師が取り入れよう としている必須問題に近いものが、近いといいますかそれと同じ意味合いのものが あり、「必修問題」という言い方をしています。これが100問あるのです。1つ、 これは直近の例で言いますと、この必修問題のうち、おそらく1問2点で計算して いると思うので、100題ありますから200点。そのうち160点以上ということなの で、8割のところが1つの目安になっている。それが平成18年の医師国家試験のと きの1つの合格ラインです。ですから、70%よりもさらに高いのかもしれませんが、 一方で科目別の細かいラインというものは少し定められていないのではないかと 思います。 ○井上部会長 わかりました。とすると、薬剤師の国家試験では、細かいといいま すか、科目ごとのところで50%以上というのが付いているというのは、あまりい ままでが例がないのかもしれませんが。70%ではなくて、もっと高くしろ、あるい はこの検討会ではたぶん70%でも少し高くないかというご指摘などもあった気が するのです。ただ、全体の合格基準が65%ですから、それを下げるわけにはいか ない。本来は65%が70%というのは、ちょっと差が少ないという感じすらするぐ らいだと思うのですが、この辺に関してはこのようなところでよろしいですか。な かなかこれは難しい。ここで何か議論して決めるというものでもない気がしますの で。 ○薬事企画官 今日ご説明した資料のうちの資料8、これが今後、施行規則の一部 改正につながるものであれば、パブリックコメントを求めてという形になっていき ますが、併せて資料7に概略をまとめた試験制度のいまご議論いただいている合格 基準の所も、とりあえずいろいろな方面の意見を、おそらくパブリックコメントに かける対象は、資料8に書かれてあるものではありますが、それに付随する意見と して、いろいろな所からいろいろな意見がこれからもあろうかと思います。こちら としても従来から行っているように、学長・学部長会議のような場で個別に紹介し、 また各大学からご意見をいただくことも、いろいろな参考になる意見はあると思い ますので、聞いていきたいと思います。その中でまたそういった意見を踏まえて、 最終的にどうするかをまたご審議いただいてもよろしいかと思っています。 ○山本委員 千葉大学の山本です。もちろんこのことについては、前回からの委員 会の継続ですので、特段の意見はありませんが、1つ、例えば資料6で、この合格 基準を適用したときに、過去の試験などでシミュレートをしてみて、どのぐらいの 合格率の変化が起こるかということが、これは非常に難しいと思います。つまり、 必須問題と一般問題を分けることができるかというと、実際にはできないわけです が、それを無理無理少しやってみて、従来のものと違うのは、各フラクションの所 でそれぞれ領域ごとのローワーリミットが必須問題が50%、一般問題が35%とい うところで決められたところではないかという気がしますので、シミュレーション をしてみてどのぐらいの、いままで現役85%だったものが、例えば65%ぐらいに なってしまいますよというのは、事務的におやりになってみたらいかがかと思いま すので、ご検討をよろしくお願いします。 ○薬事企画官 そこはおそらく確かめてみたほうが丁寧だとは思いますので、やっ てみたいと思いますが、やる場合は、おそらく現行の4つの科目の中で、さらにこ れは問題作りの段階から申し上げますと、医療薬学の所が薬理・薬剤・病態と分け て、それぞれフラクションの中でどのぐらいかというところは見ていけると思いま すので、技術的にどうかはまた調べてみますが、そういった過去のものを振り返っ てということは、丁寧な今後の判断をする上では必要な部分かもしれません。 ○赤池部会長代理 私は昨年度まで出題委員のほうも務めていましたので、その経 験から申しますと、山本先生のご指摘は確かにそのとおりだと思いますが、出題し ている側から見ますと、実際、それぞれの問題は少なくとも現行の制度では、必須 とか一般という分け方は一切していません。その中で1つ1つの問題を見て、これ が必須、これが一般と分けて、さらにそれの中からそういったシミュレーションを 行うということになった場合に、かなり最初の分け方で変わってしまう点があると 思うのです。もちろん試しにやってみられるということだったらよろしいのかもし れませんが、逆にその結果によって、何か変な方向にと言ったら言葉が悪いのかも しれませんが、抽出の仕方によってだいぶそういった数値が変わる可能性がありま すので、その点は注意して、もしされるのでしたら行っていただいたほうがよろし いのではないかと思いますが。 ○山本委員 先生のおっしゃるとおりだと思います。非常に困難があると申し上げ ましたのは、そこですし、ましてやいままでは1題2点という換算で、平板にやっ てきたものですが、今度は1題1点にするのか、2点にするのか、3点にするのか という議論はまだ終息してないと思っていますので、そういう困難さもありますの で、かなりこれは乱暴といえば乱暴です。私が気にしているのは、そういったかな り細かなところで、ここすべてをクリアしないと合格ラインには行きませんという 決め方をしていますので、そういうところで1つでハードルがクリアできなかった、 2つクリアできなかったために不合格になるような割合がどのぐらいかというのが、 正直なところで、これはかなり素人っぽい感覚ですが、やれたらという願望ですの で、どうぞよろしく。 ○大野委員 先ほどの科目の名前の「実務」のところで話があったのですが、私も 去年、議論しているときに、理論と実践とは横軸で何とかわかるのですが、実践と 実務は非常に混乱しているような感じもするし、「実務」という言葉の中に6年制 ということを考えて「臨床」という言葉が入らないのかと。確かに実務というと、 何かイメージとして従来の感じでいくと、薬の実務という感じがするような気がす るのです。臨床業務とか臨床実務とか。ただ、ほかの医師・歯科医師の場合には、 初めから臨床ということで国家試験は組まれているのでしょうが、薬学の場合は、 薬学基礎を応用した臨床ということで、「実務」という言葉は、もう少し臨床とい うのをイメージできる名前にならないのかと思いました。 ○井上部会長 大体、お医者さんはそうおっしゃる方が多いですよね。「医療」と いう言葉よりは「臨床」という言葉のほうがいいとか。たぶん薬学の人は、「臨床」 と言ったときにベッドサイドと、臨床という言葉そのものが英語的にベッドサイド と言えますよね。そういう点で多少「臨床」という言葉を薬学の人は厳密に捉えて しまっておられるような気もするのですが。 ○大野委員 病院にしろ薬局にしろ、患者さんを相手にすること、そういう薬剤師 を養成する、試験するわけだから、まさにやることは臨床そのものだと思うのです。 だから、決して薬学的特徴を軽視されるものではないと思うのです。むしろ、これ からの薬剤師の特徴を反映するという意味で意見したわけです。 ○永井委員 昨年からこれは議論したのか私は忘れてしまったのですが、それとタ ーミノロジーのことなので、これはあまり取るに足らないことかもわかりませんが、 一般問題を2つに薬学理論問題と薬学実践問題という分け方をしていますが、これ は「理論薬学問題」と「実践薬学問題」のほうがわかりやすくはないですか。これ は何か言葉がこういうターミノロジーとして決まっているのですか。 ○薬事企画官 特に決まってはいませんので、これからこれも施行規則に使う言葉 ということであれば、法制的な点検、チェックもかかってきますので、よりふさわ しい言葉にしていく過程で、もしかしたら変わる可能性もあるとは思いますが、現 状、ここで「薬学理論」とか「薬学実践」と使ったというのは、そのままではない のですが、医師のほうでいま問題の区分、これは医師の場合は施行規則そのものに は書いてないのですが、実際の運用している制度の中で使っている言葉としては、 「医学総論」「医学各論」という言い方で、どちらかというと、論でつながる言葉 の手前に「医学」なら「医学」というものが来ているものですから、それにならっ て「薬学理論」という使い方をとりあえずさせていただいている感じです。正確な ところで、ここはいろいろな意味で、今後、ブラッシュアップは必要かと思います。 ○永井委員 私たちが普段使っているときは、どちらかというと理論薬学とか実践 薬学のほうが使いやすかったものですから、お尋ねしたのです。 ○森委員 今回、改めて科目というものが付くということで、資料6を見直してみ たのですが、2頁を見ていただくと、「法規・制度・倫理」の所に「薬学と社会」 があります。その中の(3)に「コミュニティーファーマシー」が入っていますが、 これは、法規なのか、制度なのか、倫理なのかと。モデル・コアカリキュラムを基 本にこれは分類をしたということで、なかなかほかの所で置き場所を見つけようと するとないのですが、もしかしたら「実務」の中に入るのかもしれません。置き場 所とすると、「法規・制度・倫理」にコミュニティーファーマシーが入るのは、違 和感があります。それがいま改めて見てみた感想です。 ○薬事企画官 そのあたりは、この部会でのご意見は出題基準の改定部会に持ち込 んでみたいと思います。  あと、先ほどの大野先生からの「臨床」という言葉についてですが、確かに臨床 の部分はこの実務の中で占める割合は多いとは思うのですが、一方で問題作りの中 で実務の所との組合わせを行う対象になる領域に関しては、薬理もあれば、薬剤も あれば、あと衛生もその対象になります。全体の345問のうち40問が衛生ですが、 さらにその10問が実務との間での複合問題を作ることになっていて、ここで念頭 に置いているのは、衛生あるいは公衆衛生ということで考えると、様々な水質の検 査とかそういったところも入ってくるので、「臨床」という言葉が使いにくいとい う判断で、何らかの形でこれは薬局の実習の延長線上で実務実習をやる可能性があ るものですから、「臨床」という形よりは「実務実習」という言葉のまさに「実務」 という中でとりあえず使ってみたという経緯もあります。 ○加賀谷委員 6年制になって最初の国家試験ですので、社会から見たときに、薬 学が変わったというインパクトがこの科目だけを見るとあまりないのです。そうい う意味では、いま大野先生がいった「臨床」という言葉が必ずしも適切でないにし ても、実務として患者に直接携わる仕事だということを、「医療」あるいは「臨床」 というのはどこかこの中に入れていただければ、変わったという実感はするのです が。これは、是非、もう1回検討していただきたいと思います。 ○白神委員 先ほどの永井先生のご指摘の「薬学」の言葉の位置をひっくり返すと いうご意見ですが、特に「実践」のほうにつきましては、「実践薬学」というのは 確かにあるのですが、では「物理化学」で「実践薬学」は言えるかという問題が、 今度、逆に出てくる気がして、むしろこれは物理とか化学の知識を実践に使うとい う趣旨の言葉だと思いますので、言葉としては「薬学」が前に来ないと、非常にわ かりにくくなるのではないかという気がします。 ○望月委員 いまの部分ですが、あえて「薬学」というのを付けないで、「一般問 題」の中の「理論問題」と「実践問題」という形はいかがですか。 ○薬事企画官 いずれの意見も、確かにこれからのいろいろな法制的な精査を行う 過程においても参考にしたいと思いますが、当面、この部会のあとパブリックコメ ントで意見を求める段階で、どういう表現を使うかということだけはある程度決め なくてはいけないのですが、いろいろなご意見を反映させると、すべてのご意見が 重なり合っている部分がないので、どれかを取ってもいけないので、いちばん安易 な考え方かもしれませんが、この表現でとりあえず意見を求めて、そのあといまの ご意見も忘れないようにしておくということも、1つのステップとしてはあると感 じました。 ○樋口委員 以前、ここで議論したときは、法制化とか施行規則とかはあまり頭に なかったから、実質的なものでみんな考えていったと思うのですが、いまここで俄 然に法制化と。これはしないと、パブリックコメントを取りようがないですね、こ ちらでイメージを合わせておかないと。えらい何か難儀だと思ったのですが。 ○井上部会長 パブリックコメントを取って、もう一度この場に戻って、パブリッ クコメントを含めていろいろな情報が戻ってくるわけですので、それを踏まえても う一度考えるということでもよろしいでしょうか。 ○総務課長 私は法律しか学んでないので細かな薬学のことはわかりませんが、法 令上の言葉づかいからすると、私が来る前に検討会報告書でまとまっているわけで すが、「法規・制度・倫理」と裸で使うと、薬事に関する法規であるという限定が 全くかかってないという意味で、パブリックコメントはこの案でかけようと思って いますが、おそらく施行規則とか何かに書くときには、何らかの限定をかけるべき ではないかというのがあると思います。一般的な法規とか制度とかいう話です。  同じくこの「実務」についてもそういう書き方もあると思いますし、「・」はで きるだけ使わないということなので、「及び」とかで使えるものは「及び」でやる とかいう形で、言葉づかいは整理をまたしないといけないと思いますが、中身的に 概念的にここで整理されていれば、それを中身を変えて表現するというのではなく て、従来の法令上の使い方で整理をするという技術的な作業になるのではないかと 思います。 ○白神委員 別の件でよろしいですか。 ○井上部会長 どうぞ。 ○白神委員 省令の書き方のことでお伺いしたいのですが、現在の案ですと、1で 試験の問題の区分を書いて、2で科目を書いていますが、資料6などを見ますと、 「実務」の所は「薬学理論問題」はないですよね。それはこの書き方で問題がない のですか。いずれ入るかもしれないという意味も含めているということですか。 ○薬事企画官 いま資料8で1と2で並べて書いてあるのだと、確かにきめ細かさ がなくて、あたかも見方によっては「理論問題」の中に「実務」の部分も入ってく るというふうに読めなくはないかと思います。そうですので、このあたりがいちば んわかりやすく書くのであれば、「必須問題」に限って科目を下に並べていく、「理 論問題」について下に科目が6つ、「実務の問題」は「理論」はありませんから6 つの科目を並べていくと、そういう書き方がいちばん丁寧ではありますが、繰返し の部分が多くなるということで、このあたりは少しまたこちらも、いまのご指摘を 踏まえて考えたいと思います。 ○木津委員 前にもお話が出たかどうか失念しているのですが、「法規・制度・倫 理」の所で、この順番で見た方は違和感を持つのではないだろうかと。大項目の所 ですが、何となく「薬学と社会」「薬品の開発と生産」「ヒューマニズム」「イン トロダクション」というのをもう少し。この並べ方については、これで最終決定の ものですか。 ○薬事企画官 そこはあくまで、これは検討会の段階での暫定的な出題基準という ことでの順番ですので、正式なものは並べ替えということも十分あると思います。 経緯としては、これは最初に明らかに「法規」と「制度」に当たるものとして、「薬 学と社会」と、「治験」をはじめとした部分というのが括られ、そのあと「ヒュー マニズム」と「イントロダクション」をどこに分類しようかということがあったの で、この資料でいうと下のほうに付いているということだけであって、特に何かき ちんとしたものはないと思います。 ○木津委員 その経緯は何となくそのような形で理解しているのですが、世の中に 対してもう少し順番を変えたほうが美しい気がしたものですから。 ○薬事企画官 具体的にいうと、「ヒューマニズム」は上のほうがとか、そういう ことですか。 ○木津委員 はい。やはりここは「倫理」をいちばん上に持ってきて、まず「倫理」 があって、それの次に「法規」「制度」のほうが、コアカリキュラムの部分は活か される気がしますが。 ○赤池部会長代理 これはなかなか難しいところですが、現行の国家試験との比較 で考えた場合に、いま「薬事関係法規」という科目で20問ありますね。それがた ぶんここの区分のベースになると思うのです。確かに形を取るのか、そういった経 緯を取るのかということになってくるのかもしれませんが、「倫理」が上に出ると、 「法規」「制度」というのは薬剤師の仕事の中で非常に大事な部分を占めて、もち ろんそれは倫理も非常に大事だということはわかるのですが、知識とか職能といっ た意味で「法規」「制度」というのは非常に大事で、それが下に行ってしまうと、 特に現行の制度との比較でいったときに薄まるかというのが若干は気になるので すが、いかがですか。どちらがいいかというのはなかなか難しい問題であるかと思 うのですが。 ○井上部会長 ほかにはいかがですか。いまの問題は、どちらが前というのも、な かなか難しいところがありますので、パブリックコメントまではこれでもと思いま すが。 ○木津委員 はい、それで構いません。 ○井上部会長 ほかにはいかがですか。大体よろしいですか。もし、これでよろし ければ、省令案もご審議いただいたことになるのですが、この省令案について約1 カ月のパブリックコメントを行うということになりますが、よろしいですか。 ○山元委員 関野さんにお尋ねします。パブリックコメントに出すときは、資料8 が出てきて、パブリックコメントのところには資料7が一緒に参考資料として出て くるのですか。 ○薬事企画官 パブリックコメントの本体が、資料8の2枚目になるかと思います。 ○山元委員 ほかに何か参考資料は、こういう経緯で議論してきたと、資料7はき れいに短くまとめてくださったものですが、これはそこに一緒には出てこないので すか。 ○薬事企画官 資料7を使うということと、あと検討会の報告書そのものも少し横 に置くというか、パブリックコメント上、引けるようにするとか。場合によっては、 これはかえって混乱するかどうか微妙なのでまだいま判断しきれていませんが、資 料6もすでに去年大筋、昨年の検討会でも使っている資料ですので、先ほどの「領 域」と「科目」という表現は変わっていますが、必要なものは少し付随させるとい うやり方はあろうかと思います。 ○山元委員 わかりました。というのは、これまでの例えばいちばん最初に議論に なった「薬剤」というよりも「薬剤学」と言ったほうがわかりやすい、「薬理学」 と言ったほうがわかりやすいけれども、そういった昔のオロジーという概念から、 もっとお互いに入り組んだ新しいモデル・コアカリキュラムを作ってやり出したの だから、こういう何とか学になってないのですというメッセージが、新薬剤師国家 試験、このまとめの資料7からではどうも伝わってこないのです。資料5ですとそ ういうイメージが伝ってくるのですが。そこはもし資料7を出されるのでしたら、 その辺のメッセージを少し2、3行でもいいから入れていただいたらわかりやすく なるかと思います。私の印象です。 ○薬事企画官 わかりました。報告書そのものが本来いちばんミスリードしない最 善のものだと思いますが、より趣旨を削がない範囲で資料7を使うのであれば、資 料7を少し補足するということで、このあたりは考えさせていただきます。 ○吉富委員 いまのに補足ですが、資料6を、必ず左側の出題分野の中項目までを 付ける形にすれば、実務ということで何を意味しているかということで、ただの言 葉だけで勝手に思うのではなくて、先ほどの薬剤もそうですが、中は何かというこ とが必ず引けるようになっておけば、実は本当に必要なのは中身のことですから、 それをわかるようにしてもらえれば大丈夫だと思うのです。 ○井上部会長 ただ、それは基準というのはまた別個に考えるというのがあったし、 また割きになっていたもの、この部分があまり整理が本当の意味ではされてないと いうところからすると、これを出すと誤解を招くというか、パブリックコメントと してはいろいろと様々なのが出てくる。パブリックコメントでむしろ出てきたほう がいいということであれば、これを出すのも1つの考え方だと思うのですが、その 辺は事務局で。 ○薬事企画官 いまも資料6は見づらいと思いますが、脚注というか注書きが4つ ほどあり、表でいう「出題分野(出題基準)」という所は、「今後、出題基準の策 定作業において整理される」とエクスキューズしているのですが、確かに出題基準 はまだこれからの話ですので、この表の中のタイトルとしても(出題基準)という 所は最低取るなりをして、各科目がどういう所をカバーしているかというところが わかる範囲にとどめて使うというのが、あるのではないかと思っています。 ○井上部会長 パブリックコメントに出される資料ということで、大体イメージは おわかりになったと思いますが、いかがですか。この1カ月ぐらいのパブリックコ メントということになっていますので、それを整理した段階でまた部会を開いてと いうことになろうかと思いますが、よろしいですか。もし特段にご意見がなければ、 本日はこれで閉会したいと思いますが、事務局は何か連絡事項はありますか。 ○薬事企画官 特にありませんが、一応パブリックコメントは標準期間ということ で約1カ月行う予定にしていますので、いつからスタートするかにもよりますが、 そこから1カ月経過して、そのあと、またこちらが意見を整理した上で、また日程 調整するということでのご案内になるかと思います。またよろしくお願いします。 ○井上部会長 今日はこれで閉会とします。ありがとうございました。 〈照会先〉 厚生労働省医薬食品局総務課 TEL:03−5253−1111(内線2715)