09/05/29 平成21年5月29日薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会新開発食品調査部会議事録 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会 新開発食品調査部会議事録 1 日時:平成21年5月29日(金) 10:00〜11:40 2 場所:中央合同庁舎5号館共用第7会議室 3 議事:(1)食品安全委員会における健康影響評価の結果について         (アガリクスを含有する3製品について)      (2)規格基準型特定保健用食品について      (3)その他 4 出席者  (委員)石綿委員、大野委員、栗山委員、田中委員、手島委員、寺本委員、中村委員、 山添委員、山田委員、徳留参考人   (事務局)国枝基準審査課長、尾崎新開発食品保健対策室長他 5 議事内容 ○尾崎室長 それでは、定刻となりましたので、ただいまより薬事食品衛生審議会食品衛 生分科会の新開発食品調査部会を開催させていただきたいと思います。  委員の皆様方におかれましては、大変御多忙の中、御出席いただきありがとうございま す。  まず、議事に入ります前に1点、事務局の方で委員の関係で御説明をさせていただきた い点がございます。用意いたしました資料の3枚目に委員名簿、それから4枚目に参考人 名簿とございます。それで、委員名簿でございますけれども、最後の渡邊先生でございま すが、従来より新開発食品調査部会は独立行政法人国立健康・栄養研究所理事長の方に部 会の委員をお願いしております。今回、渡邉先生から徳留先生に理事長の交代があったと いうことでございまして、本来であれば本日の部会では徳留先生が委員として参加すると いうことになるのでございますけれども、大変申し訳ございませんが、私どもの事務的な 手続きがまだ済んでいないということでございまして、徳留先生には委員就任予定の参考 人ということで御出席いただいております。しかし、手続き上の問題だけでございますの で、参考人ということではございますが、是非委員と同じ立場での御対応でよろしくお願 いできればと思います。  議事に入ります前に、本日の委員の出欠について御報告をさせていただきたいと思いま す。本日は、井藤委員、清水委員が所用により御欠席されておりますが、過半数を超えて おりますので、本日の部会が成立することを御報告いたします。  なお、大野先生はちょっと遅れるとの御連絡をいただいております。  引き続きまして、配布資料について確認をさせていただきたいと思います。お手元の資 料を確認いただければと思います。  まず最初に1枚紙で議事次第というものがございます。議事の(1)(2)、それからそ の他となっております。  その次に座席表がございます。3枚目が委員名簿、4枚目が参考人名簿ということでご ざいます。  ここまでは、資料という番号が付いていないものでございまして、次から資料番号が振 られているものでございます。  まず資料1で「アガリクスを含む製品の食品健康影響評価について」というものです。  それから、資料2といたしまして厚生労働大臣より食品安全委員長に出しました「食品 健康影響評価について」です。  それから、資料2−2が「アガリクスを含む粉末剤型の加工食品に係るリスクプロファ イル」ということでございます。  それから資料3−1、これが基準審査課長あての評価課長からの通知でございます。  それから、資料3−2は厚生労働省の基準審査課長から内閣府の食品安全委員会への通 知です。  駆け足で大変恐縮でございますが、資料3−3は同じく厚生労働省の課長から食品安全 委員会評価課長への通知です。  資料4でございますが、内閣府の食品安全委員会の課長から私どもの課長あての依頼通 知です。  資料5が、それに関する同じ通知なのですが、「食品健康影響評価に係る指摘事項につい て」の回答となっています。  それから、資料6−1が21年4月30日、先月の30日でございますけれども、食品安全 委員会としての評価結果の通知です。これは3つの製品とありましたけれども、資料1、 資料2で3つの製品についてそれぞれの評価書が出されております。ここまでが、アガリ クスを含む3製品に関しての資料で、資料1から資料6−2までになっております。  引き続きまして、議題2の規格基準型についての資料でございます。駆け足で恐縮でご ざいますけれども、資料7で特定保健用食品の規格基準型ということで、下の方には表な ども書いてある資料でございます。  それから、資料8で特定保健用食品の保健用途による分類の表がまとめられております。  それから、資料9でございますけれども、今回山田先生と梅垣先生にまとめていただい た研究報告書の概要でございます。  資料10が、それに関連する財団法人日本健康・栄養食品協会のまとめた結果の取りまと めです。  それから資料11ですが、特定保健用食品規格基準型の品目追加案です。  それから、参考資料1−1、1−2、参考資料2と3ということで、以上でございます。  何か足りないもの等がございましたらお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。  駆け足で大変申し訳ございません。では、それ以降の進行を寺本部会長の方にお願いい たします。よろしくお願いいたします。 ○寺本部会長 それでは、議事次第がございますので、議事次第に従いまして議論に入り たいと思います。  最初の議題1でございますけれども、「アガリクスを含む製品の食品健康影響評価につい て」ということでございます。当部会において、アガリクス含有食品について議論したの は昨年の5月以来ということになっております。委員の先生方も改選されているというよ うなことで、最初に事務局からこれまでの経緯などについてお話をいただきたいと思いま す。よろしくお願いいたします。 ○尾崎室長 事務局の方から、まず経緯について御説明をさせていただきたいと思います。  資料で言いますと、資料1で「アガリクスを含む製品の食品健康影響評価について」と いうことで1、2で、2でいきますと(1)から(7)まであるわけでございますけれど も、これまでの経緯ということで、資料1の2枚目の(1)から(5)までの部分がこれ までの経緯というか、昨年の5月に調査部会におきまして御議論いただいた部分について の資料でございます。  まず1と、2の(1)から(5)までの部分につきまして、資料の2−1から資料の5 までがそれに関わってくる部分になるわけでございますけれども、ここまでまず事務局の 方から御説明をさせていただきます。  ただ、昨年5月に御審議いただいたときとほとんど同じ資料ということになりますので、 簡略に御説明をさせていただければと思います。資料1を中心に御説明をさせていただき たいと思います。  資料1でございます。皆様も御承知のとおり、1番で「アガリクスとは」ということで ございますが、ここにございますとおりアガリクスはキノコの一種だということでござい まして、免疫活性作用があるというようなことで、健康食品でかなり広く販売がなされて いたということでございます。  2番が「これまでの経緯」ということで、(1)でございますけれども、キノコにはアガ リチンという成分が入っているということでございまして、米印のところにございますと おり、国立医薬品食品衛生研究所におきましてさまざまな調査研究がこれまで行われてい た。別にアガリクスに限らず、広く医薬品食品衛生研究所はかなりたくさんのものについ ての調査をしていただいておりますけれども、アガリクスもその中のものとしてさまざま な調査を行っていただいていたということでございますが、「このため」以下のところに書 いてございますとおり、厚生労働省におきましてさまざまな懸念がなされていたことを踏 まえまして、平成17年度におきまして3製品の調査を行ったところ、そのうち1製品に発 がん促進作用が認められた。  それで、3製品というのはその下の表の方にございますとおり、ABCと順番がちょっ と逆の部分もあるんですけれども、これまでの製造方法だとか、あるいは販売の種類など に応じまして3つのものを選びましてお願いをしたといったところ、B製品に発がん促進 作用が認められたということでございまして、AとCについては特に認められておりませ んでしたけれども、これにつきまして18年2月13日付で食品安全委員会に食品健康影響 評価を依頼したという経緯がございます。詳しい御説明等は昨年の5月にさせていただい ておりますので省略をさせていただきますけれども、この3つのものについて食品影響評 価を行ったということでございます。  次のページでございますけれども、この影響評価を行った結果、B製品については販売 者による自主回収が行われて現在流通はしていないという状況でございます。  (2)の方にいきまして、食品安全委員会の方でさまざまな評価、さまざまな御検討等 を行っていただいておりまして、評価のためのワーキンググループをつくってさまざまな 確認を行っていただいたということでございます。  資料3−1の方に詳しく書いてございますけれども、昨年の資料と同じですので詳しい 説明は省略いたしますが、[1]、[2]にございますとおり、突然変異試験であるとか、DNA 付加体試験などを行っていくべきだという指摘をいただいたということでございます。  (3)におきまして、そういった指摘を踏まえまして国立医薬品衛生食品研究所におき まして  試験を行ったところ、ここにございますとおりイニシエーション作用を支持す る結果はないという追加の試験が取りまとめられております。  また、食品安全委員会におきまして、さらなる指摘事項が提示されたということで、昨 年の5月に部会におきまして、さらなる試験をすべきといった指摘事項をいただいたわけ でございます。資料4の御説明は省略いたしますけれども、指摘をいただいたので部会に おいて御議論いただいたところ、資料5−のように回答をいただきました。  資料5だけ見ていただければと思います。昨年の5月の調査部会を踏まえまして、ここ に書いてございますとおり、B製品について既に賞味期限が経過しておりまして、指摘事 項にあるような安定性の配慮が不可能ということで、検査実施が困難だというようなこと を調査部会の御議論も踏まえまして課長から評価課長の方に文書で回答をさせていただい たということでございます。  非常に簡単な御説明で大変恐縮でございますけれども、ここまでが「これまでの経緯」 ということでございまして、資料につきましては資料の5以外は昨年の5月の部会のとき と同じ資料になっております。以上でございます。 ○寺本部会長 ありがとうございました。以上の経緯がございましたけれども、その経緯 を踏まえて前回の部会では資料4にあります食品安全委員会からの新たな指摘に対する厚 生労働省がとるべき対応について議論をしてきたわけですけれども、その後の進捗状況及 び今後の厚生労働省の対応方針について御説明いただけますか。 ○尾崎室長 引き続きまして、事務局の方で御説明させていただきます。  資料1で言いますと(6)の部分と(7)の部分でございまして、(6)の部分は資料の 6−1と6−2に関わる部分でございます。  まず資料6−1を見ていただければと思います。3製品ありましたうち、キリンの製品 でございます。これは既に自主回収されておりまして、現在販売はされておりません。資 料6−1を何枚かめくっていただきまして、4ページの「要約」と書かれている部分を見 ていただければと思います。昨年5月に部会で御説明させていただきましたような経緯が ございまして、食品安全委員会において調査審議をしていただいたところ、最終的にこの ような調査結果がまとめられて、その要約ということで4ページ目に書いておりますよう な取扱いとなっております。若干解説も含めまして御説明をさせていただきたいと思いま す。  まず3つの段に分かれておりますけれども、最初は食品安全委員会は健康影響評価を行 ったということでございます。  それで、次の段で「本食品の評価では」というところでございまして、国立医薬品食品 衛生研究所においてさまざまな試験を行ったということで、その試験の結果あるいは北欧 の閣僚会議でマッシュルーム中に含まれるフェニルヒドラジン類に関する報告書なども参 考にして試験を行ったということでございます。  また、本食品、アガリチンを検体とした種々の遺伝毒性試験を検討した結果、遺伝毒性 はないと判断したんだけれども、ラットを用いた中期多臓器発がん性試験において認めら れたような発がん促進作用について、安全性の評価を行うための追加的なデータは得られ ていないということでございます。  次のところからが評価結果のまとめ、結論ということになるわけでございますけれども、 これまで食品安全委員会で審議をした結果、厚生労働省から提出された資料ではデータが 不足しているということでありまして、食品衛生法第7条第2項の規定に基づいて販売禁 止することについての食品健康影響評価を行うことは困難だという結論になったというこ とでございます。  それで、食品衛生法第7条第2項といいますのは、参考資料の1−1を見ていただけれ ばと思います。食品衛生法第7条第2項におきまして、厚生労働大臣は一般に食品として 飲食に供されているものであって、通常の方法と著しく異なる方法により飲食に供されて いるものについて、人の健康を損なうおれそがない旨の保証がなく、食品衛生上の危害の 発生を防止するための必要があると認めるときは、この審議会の意見を聞いてそれらのも のを食品として販売することを禁止することができるということで、厚生労働大臣におき まして審議会の意見を踏まえて食品を販売、禁止することができるという規定になってご ざいます。  ただ、この資料の中には入れておりませんけれども、食品安全基本法という別の法律の 規定により、こういった健康食品について販売禁止の措置を行うためには、内閣府にあり ます食品安全委員会に安全性について評価をしてもらわなければいけないということで、 必ず審議してもらわなければいけないということが義務づけられております。  それで、今回食品安全委員会から法律上の規定に基づきまして審議をしていただいた結 果、そういう評価を行うことは困難だということの結論をいただいたということでござい まして、その規定から考えますと、現時点におきまして既に販売はされていないというこ とでありますが、この食品安全委員会の答申を受けまして販売を禁止するというようなこ とは、法律上の観点だけで言いますとそういった対応はできないというような答申の内容 になっております。  それから、資料6−1の要約の部分、4ページ目のところに戻りますけれども、「しかし ながら」ということで次の部分でございます。評価は困難だということであるのですが、 しかしながら厚生労働省の方で提出された資料において、これは医薬品食品衛生研究所に おきましてさまざまな試験をしていただいたところ、ここの4ページにございますとおり、 肝障害が発生した可能性を示唆する事例が確認されているということでありますし、それ から発がんを促進する作用が示唆されたといったようなこともございますので、本食品に ついて人の健康を損なうおそれがない旨の確証が得られていないということで、厚生労働 省において引き続き食品衛生上の被害の発生を防止するために必要な情報を収集すべきで あるということで、私どもの方に宿題というか、全く新しいことをすべきだということで はないんですけれども、引き続き必要な情報を収集すべきだといったような指示をいただ いております。これが、もう既に販売を自主的に行っていないキリンについての評価でご ざいます。  それから、資料6−2に移らせていただきます。これは、キリンとは別の2つの製品で ございます。資料6−2の2枚目を見ていただきますと、2つの製品名、販売社が分かれ ております。この2つにつきましては、あくまでも安全性については念のために食品安全 委員会に諮問したということでございまして、資料1のキリンの製品のような発がん促進 作用が認められたというような結果ではございません。あくまでも念のためのものとして 評価をしていただきまして、特に安全性について問題があるというような結果が出たこと を踏まえてのものではありません。  これにつきましても、4ページ目に要約がございます。これも3段に分かれておりまし て、1段目はこれまでの経緯、評価をしましたといったようなことですし、2段目は先ほ どと同じような評価をしたことの経緯となるような、どういったものを参考にしたのか、 あるいは追加的なデータは得られていないといったようなことが書かれております。  具体的な結果は、まさに3段目の「審議の結果」といった部分以降になるわけでござい ますけれども、4ページ目の最後の部分でございますが、審議の結果、厚生労働省から提 出された資料ではデータが不足していることから、本食品の安全性について食品健康影響 評価を行うことは困難であるとの結論に至ったということでございます。私ども、念のた めに安全性について確認をしたかったということでございますが、安全性について評価す るのは困難だといったような御回答をいただいております。  「しかしながら、厚生労働省から提出された資料において」の部分ということで、これ は先ほどのキリンの製品と同じようなものでございますけれども、この製品ということで はなくて別の製品ということですが、アガリクスを含む製品を摂取して肝障害が発生した 可能性を示唆する事例が確認されているということなので、キリンの話と同じように引き 続き必要な情報収集をすべきといったような回答をいただいております。  そういうことで、資料6−1と6−2ということでこのような内容の食品安全委員会か らの評価をいただいたということでございまして、資料があっちにいったりこっちにいっ たりして大変恐縮でございますけれども、資料1に戻っていただければと思います。  もともと資料1の最後の(7)に関わってくる部分になるわけでございますけれども、 では食品安全委員会の指摘を踏まえて厚生労働省としてどうするかということが問題にな るということでございまして、食品安全委員会というのはリスクの評価をするところで、 私ども厚生労働省はリスク評価を踏まえてリスクについて管理していくところです。です ので、私どもの方で安全性について具体的に評価するという立場にはないというわけでご ざいまして、食品安全委員会からの先ほどの評価を踏まえて、具体的な行政の手段をどう するかということを私どもの方で考えなければいけないということでございます。  (7)に具体的に書いてございますが、ただ、今回の評価書は先ほど見ていただいたと おり、既に評価は困難で、引き続いて情報収集すべきだということで、かなり私どもがや るべきことについて、具体的な指示をいただいております。厚生労働省といたしましては、 食品安全委員会より引き続き情報収集していくべきだといったような内容の評価をいただ いておりますので、わかりました、それでは引き続き情報収集していきますといったよう な対応になっていくのではないかと思います。  ただ、これは引き続きということでございまして、私どもアガリクスに限らず多くの食 品につきまして、保健所などを通しましてさまざまな健康影響についてのいろいろな情報 収集などを日常的に行っております。こういった対応を引き続き行っていくということで ございまして、アガリクスに限らずほかの食品も含めて万が一、何かあった場合には即座 に皆様方に御審議いただきながら対応していくことになるものと思います。  それから、「また」以下の部分になるわけでございますけれども、私ども食品安全委員会 に諮問するときに、諮問をしたということについて都道府県や関係の団体に今回諮問した といったようなことについて通知を出しております。それで、食品安全委員会に諮問する という旨の通知を役所として出した以上、返ってきたときに何もお知らせしないというわ けには当然まいりませんので、返ってきたものについては返ってきた、こういう結果だっ たということにつきまして各都道府県あるいは関係団体の方に連絡をする必要があるとい うことでございます。  そういうことでございまして、本日御審議いただいた結果を踏まえまして、私どもの方 としては情報提供として、こういう内容のものが返ってきた、厚生労働省としてはこうい う対応をするといったようなことにつきまして通知を出させていただくということになる かと思います。  通知と言いましても、食品安全委員会の方でこういうものが出ました、引き続いて情報 収集していくといったような内容のものが通知になるものと思われますが、そういった対 応をしていくということを私どもとして考えております。  厚生労働省として、本来であれば食品につきましてリスク評価機関からの指摘を踏まえ てどういうふうに管理していくかということについて、先生方の御指摘も踏まえながら対 応していくべきものなのではございますけれども、今回こういう形で食品安全委員会の方 からかなり明確な指示があったということでございまして、私どもとしても食品安全委員 会の方で指摘された事項についてこのように対応していきますということにしていかざる を得ないのではないかと考えておりますが、さまざまな御意見等をいただければと思って おります。  説明がちょっと長くなってしまって申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。 ○寺本部会長 どうもありがとうございました。今回、リスク評価機関ですか。食品安全 委員会から、この要約で資料6−1と6−2というようなことで示されたわけで、いわゆ る評価書というものが出てきたわけです。基本的に今、最後の方でおっしゃったように、 厚生労働省としてはこの評価書に従って対応していくことになるんだということでござい ますけれども、この点に関して委員の先生方から何か御意見はございますか。  要は、Bに関して言うといわゆる禁止ではないんだけれども、自主回収している状態だ ということですね。AとCに関してもすぐに禁止するというものではないということで、 今それだけのデータはないんだということだろうかと思います。 ○栗山委員 今、事務局の方から、自治体に通知し、引き続き情報収集をしていくと言っ てくださったので、あるいはそれで十分かと思いますが、念のためにこういう食品を、例 えば私のような大勢の患者さんの声を聞いている立場からいたしますと、これに頼ってし まってせっかくの治療の機会を逃すということが一番怖いと思っております。  もちろん健康被害を出すことはとんでもないことですが、それを含めまして是非情報収 集の方も一緒にお願いしたいと思いますので、一言加えさせてください。 ○寺本部会長 これは、すべてのことに関してそうだと思うんですけれども、特にアガリ クスの含有物に関してはきちんとした調査をするということでよろしくお願いいたします。 ほかによろしゅうございますか。  それでは、今後の対応はこれに従ってやっていくということでお願いしたいと思います。  では、その次の議題でございますけれども、「規格基準型特定保健用食品について」の審 議に入りたいと思います。「規格基準型特定保健用食品について」というのは、今回保健の 用途の追加を検討するということでありますが、その概要について御説明いただきたいと 思います。よろしくお願いいたします。 ○尾崎室長 では、事務局の方から、2つ目の議題につきまして御説明をさせていただき たいと思います。資料で言いますと、資料11は審議の状況を踏まえての資料になりますの で、まず資料7から資料10の部分まで御説明をさせていただければと思います。  まず資料8を見ていただければと思いますが、資料8は、委員の先生方からこれまで多々 いただきました御指導によりまして、ここの分類にございますとおり許可されている品目 が851品目、既にございます。おなかの調子を整える。便通改善からミネラル&おなかま で、10を超える用途のものがこれだけ出ております。  それで、本日議題になっております規格基準型でございますが、資料7を見ていただけ ればと思います。これは、規格基準型とはどういうものかということでございますが、最 初にございますとおり特定保健用食品、特保の中の許可件数が多いものなど、科学的根拠 がかなり蓄積されたものにつきまして新たに規格基準ですね。  具体的な規格基準が既に認められているものについては資料7の下の方にございますけ れども、薬事・食品衛生審議会における個別審査を省略して私ども事務局の方でこの基準 に適合しているということを確認するだけで許可を行うという手続きになっております。 本来であれば、私ども事務局で申請書類を受け付けて、事務局の方でヒアリングをしなが ら資料を整理した上で薬事・食品衛生審議会の調査会あるいは重要なものは部会というこ とで御審議をお願いするわけでございますけれども、私どもの方のみでということで審議 会には諮らずに許可を行うというのが規格基準型というものでございます。  右にいったり左にいったりして大変恐縮ですけれども、この規格基準型につきましては ここだけ触れさせていただきたいところがありますので、参考資料3を見ていただければ と思います。平成17年の私ども医薬食品局長の通知がございます。この通知におきまして、 平成17年に健康食品について非常に大きな制度改正が行われた。その制度改正が行われた 結果を踏まえた通知でございまして、2枚目の「第1 見直しの背景及び趣旨」、なぜ大幅 に見直したのかということでありますが、一言で言いますと最初に書いてございますとお り食生活の乱れとか、あるいは生活習慣病の増加ということで、第1の3行目のところに ありますように食品の機能についてのニーズが非常に増えている。  一方で、「健康食品」の利用は増えたんだけれども、健康被害事例が報告されている。こ れは2段落目のところです。  そういった状況も踏まえて、「そのためには」ということで2ページ目の真ん中よりちょ っと下くらいに、そのためには国民が自ら食生活の改善について学ぶとともに、さまざま な食品の機能を理解して正しく選択ができるように情報提供を充実していこうということ が大きな目玉としてございまして、以上の趣旨から表示制度というものを抜本的に見直し ていくとともに、啓発普及を図っていくといったようなことが趣旨として書かれていると いうことでございます。さまざまなたくさんの商品ができるだけ早く許可され選択に資す るようにしていこう。合わせて、安全性についてもしっかりと見ていこう。こういうよう なことで、特保の見直しが行われた。  それで、3枚目で(1)、(2)、(3)、それから2番目で「栄養機能食品制度の見直し」 とあるのですが、詳しい御説明はちょっと省略いたしますけれども、3枚目の1の(2) というところに「(規格基準型)制度の創設」というものがございます。先ほどお話をした とおり、安全性はしっかりと見なければいけないという大前提ではあるのですが、一方で できるだけ早く国民の選択に資する商品がたくさん並んでいった方がいいだろうというこ とで、手続きの迅速化ということで3ページ目の真ん中くらい、1の(2)のところにご ざいますけれども、既に科学的根拠が蓄積したものはできるだけ早く迅速に薬事・食品衛 生審議会における個別の審査をせずに世に出ていくようにしていくことが国民にとってプ ラスではないだろうかということで、17年の見直しからこの規格基準型ができたというこ とでございます。それで、資料3の方はここまでで、さらっとで申し訳ございません。  あちこちいって恐縮ですが、参考資料2の方にいっていただければと思います。これは、 本日御出席いただいております田中先生にまとめていただいたものでございまして、これ がベースになりまして、先ほどお話をした参考資料3の制度の見直しというところにつな がってございます。田中先生に平成16年にまとめていただいた中で、では具体的に規格基 準型についてどうしていくかということを先生に検討していただいたところでございます。  「はじめに」と「課題1」のところは省略させていただきますけれども、3枚目の一番 下の「課題2 規格基準型特定保健用食品について」ということでまとめていただいてお ります。詳しい御説明は、参考資料ということでもございますので省略をさせていただき ます。全く初めて規格基準型を今回認めるということではなく、もう既にあるものでござ いますので、この中の基準だけ御説明をさせていただければと思います。  田中先生のまとめていただいた4枚目の真ん中からちょっと下くらいに「一定のルール としては、以下の2つの条件をともに満たすこととする」と書かれている部分がございま す。ここで先生にまとめていただいた一つの基準といたしまして、この2つの条件が書か れてございます。許可件数が100件を超えているもの。それから、最初に許可されてから 6年以上経過していて、そして健康障害が出ておらず、かつ複数の企業が許可を取ってい るもの。こういったものについては、規格基準型に移行することができるのではないかと いうことでまとめていただいたものが参考資料2になります。  時間の関係もございますし、全く初めてのものではございませんので、先ほどの資料7 に戻っていただければと思います。参考資料の2と3でそのような経緯がございまして、 規格基準型というものが平成17年、大幅な見直しの中で認められて、既にこの基準という ものがある程度確立されております。  田中先生は2つのポツでありましたけれども、私どもの方では内容は同じなのですが、 3つに分けております。資料7の真ん中くらいに「規格基準の設定」ということで[1]、[2]、 [3]で、内容は同じでございます。100件を超えている。6年を経過している。それから、 複数の企業が許可している。そういった基準に基づいてやっていくべきではないかという ことで、おなかの調子を整えるものについて規格基準型が既に認められ、実施されており ます。  その規格基準、おなかの話がこの資料7の表になってございます。IとII、食物繊維と オリゴ糖ということで、関与成分と、それから一日摂取目安量、表示できる用途、それか ら摂取上の注意事項というようなことで、おなかの調子を整える便通のところが規格基準 として認められているということでございます。  あちこちいって恐縮でございますが、資料8にいっていただければと思います。先ほど お話をさせていただきましたとおり、許可件数と、それから割合という形で表を書いてお ります。一番上の許可件数で、一番多いのがもう既に規格基準型ということで認められて おります、おなかの調子を整える、それから便通改善、これは306ということで許可件数 がかなり多くなっております。  それで、その次に血糖値と血圧とコレステロールとございまして、私どもの規格基準型 の設定を考える上で100件を超えている。それから、6年を経過している。複数企業とい ったようなことで考えますと、既にこの表で100件を超えているというのはおわかりだと 思うんですが、血糖値と血圧とコレステロールで、これにつきましては規格基準型の対象 になり得るものではないかと考えたところでございます。  今度は資料9にいっていただければと思います。これは、山田先生に大変お忙しいとこ ろをまとめていただいてありがとうございます。山田先生、それから梅垣先生にまとめて いただいた研究報告書でございまして、これにつきましては私どもといたしましては規格 基準の設定、[1]、[2]、[3]と先ほど資料7で3つの条件があると申し上げました。  ただ、ではこの3つの要件に該当すれば即座に規格基準型に移っていいのか。やはりも う少し専門の先生方の御意見を聞いた方がいいだろうということで、山田先生に大変お忙 しい中、御協力いただきましてまとめていただいたのが資料9でございます。詳しい非常 に長い文章でございますし、時間の関係もあるので、可能であれば後で山田先生の方から 補足いただければと思いますが、私の方から要旨のところだけ簡単に御説明をさせていた だきたいと思います。  資料9の要旨、四角の線で囲まれているところでございますが、ちょっと読ませていた だきますと、平成17年に厚生労働省の規格基準についての通知が出されている。それで、 特定保健用食品(規格基準型)の基準、その基準といいますのは先ほどお話をさせていただ きました[1]から[3]までの基準ということでございまして、それにつきまして従来型の特保 の有効性の論文の有無などを調べていただきまして検討を行っていただいた。それで、100 件を超えるものは次にございますとおり血糖値と血圧とコレステロールの3種類があると いうことで、3種類について検討をしていただいたということでございます。  研究要旨のちょうど真ん中くらいの「保健の用途のための」というところに書いてある と思うんですが、ここに書いてございますとおり科学的根拠、食形態等についての蓄積が 多くなっている。一方で、これらの3つはいずれも腸から吸収されて作用が発揮される。 あるいは、腸の方から消化吸収に影響を及ぼす作用だということで、医薬品に非常に類似 しているということもあって体内代謝に非常に影響を与えて健康保持増進に寄与する。  こういうような性格の特保ではないかということでございまして、たしかに、各方面か ら審査の迅速化を強く求められております。いろいろな業界だけではなくて国民からも審 査の迅速化ということが強く求められているのが実は正直なところでございますが、ただ、 審査を迅速化すれば何でもいいということではなくて、もちろん安全性も重要だというこ とで、そこも含めて見ていただいたところ、今回検討した中で許可件数がその関与成分だ けで100件に近く、人による有効性を示す介入試験も40件報告されているものは移行する ことはあり得るのではないか。それ以外は、今後の検討課題ではないかといったような御 報告をいただいているということでございます。  ちなみに、一番後ろの100件近くというものと40件報告というのは、資料10に財団法 人日本健康・栄養食品協会の方でまとめていただいた調査結果がございます。平成20年、 昨年の夏くらいのデータであるようでございますので、若干数字が変わったりするかもし れないのですが、資料10で一番上に3つの類型についてまとめていただいた。血糖値、血 圧、コレステロールです。  ただ、関与成分が血圧は2つ、コレステロールは3つございますので、全体としては6 つの表になっておりますけれども、これらについて左側の方にございますとおり、「関与成 分」だとか「有効性評価方法」、「作用機序」、それからいつ初めて認可したかといったよう なことをまとめていただいているということでございますが、左側の「保健の用途」とい うところの上から6番目ですが、「許可件数総数」ということで、1つの成分についての許 可件数というものを見てみますと、難消化性デキストリンについては104、既にこの1つ の成分について100を超えている。  基準としては、血糖値ならば血糖値、血圧ならば血圧、1つの成分ではなくて1つの類 型で100を超えるということなのかもしれないんですが、1つの成分だけで見てもこのデ キストリンについては100を超えている。  それから、更にその下に「ヒト試験を実施した品目数」ということで、試験を実際にし た数というものも41ということで、ほかの血圧、コレステロールに比べてかなり数も多い です。ほかは7、3、11、5、5ということでございまして、この41というのは多い。こ ういったことが、資料9の山田先生にまとめていただいた研究要旨の最後の100件、それ から40という数字がこの表のところに書かれているものということでございます。そうい うことでございまして、先生にまとめていただいたことを踏まえまして、是非規格基準型 についてどういうふうにあるべきかということで、今回どうするかということにつきまし て御審議をいただきたいと思います。  ちなみに、資料10の次のページ、2枚目以降につきましての説明は省略いたしますけれ ども、血糖値関係につきましてこういった商品がある。それで、関与成分とか、摂取量と か、いろいろなものについての資料になっております。  それから、補足でもう一つだけお話をさせていただきますと、資料8で書いてある血糖 値は許可件数127と書いてあります。ただ、資料10を見ていただいたときに、デキストリ ンは104となっております。数字が違うのではないかというような御指摘をいただくかも しれないのですが、資料8の血糖値の127から104を引いた残りの23というのは別の成分 のものでございますが、この別の成分というのはまだ6年を経過していないということで すのでこの表の中には入れておりません。そういう状況になってございます。  規格基準型、田中先生にまとめていただいた基準、これまでの例、それから山田先生に まとめていただいた検討結果といったものなども踏まえて、私ども事務局といたしまして も血糖値関連というものについてどうするか。それ以外はどうするかといったことについ て是非、御審議をいただければと思っております。  説明の方は以上でございます。 ○寺本部会長 どうもありがとうございました。ただいまの御説明に対して御質問等がご ざいましたらと思いますけれども、山田先生から何かコメントはございますか。 ○山田委員 昨年来、新開発の方から、以前に決められたルールに基づいていけば規格基 準型の移行ということも考えられるというので、一度検討してみてくださいということで した。研究班を、実質的には厚生科学研究の中での芝池班の中の一部としてつくりまして、 中心的には私と今までこういう分野でやった梅垣氏との共同研究の中から、幾つかの今ま で挙げられている論文、私たちが得られている論文あるいは新開発から提供された資料に 基づいて見てみました。  田中先生がルールとして決められた100件ということも、100件という言葉よりは、こ の100というのはたくさんだという意味に私はとっております。  それで、そういう観点から論文を幾つか見せてもらい、またその中には血糖値、血圧関 係、コレステロール関係というものがございました。先ほど室長から説明されたとおり、 血糖値関係は圧倒的に難消化性デキストリンで、そのほかアルブミン、グアバ、アラビノ ースです。アラビノース含有トクホは今つくるのをやめているというふうに伺っています けれども、そのほかのものについてはどちらかというと消化を止めて、糖尿病の患者さん に使われている幾つかのお薬の論理を使った形式での食品成分としての弱い作用を使って いるということです。難消化性デキストリンの場合にはその点、報告書の中にも書いてあ りましたが、消化酵素に対する作用というよりは、明確にはまだ断定はされていないよう ですけれども、吸収の方に影響して、そして血糖値の上昇を穏やかにするということであ りました。  そういう点からは、ほかの成分についてはそれぞれ科学的な根拠を持っているのですが、 蓄積というものはまだ少ないと思っております。サイエンティフィックなレビューという か、データが難消化性デキストリンは多かったということで、また再現性もあるというこ とで考えております。  血圧関係に関しましては、これも100件であります。その場合には皆、ACE阻害剤の 関係で作用する。これはもう中に入って、そしてそのペプチドあるいはそれ以降になおさ ら分解したものが作用していると言われています。それはそれなりに意味があることだと 思いますけれども、私たちが分析している多くの場合、幾つかの分かれたものを合算して 使っているということで、なかなか断定もできないものであります。  代謝あるいは体の中でのいろいろな変化を介しての作用ですので、規格基準という場合 にはそれぞれ10個くらいのデータがありますけれども、おなかの調子の場合に比べると体 の中に入っている部分に関してはもう少し蓄積を持って判断します。多くの論文でメタ分 析みたいなことができて、そして安全性ができて、あとは医薬品との相互作用とか、そう いうデータが集まれば規格基準にいく可能性ももちろんあると思いますし、現段階では難 しいのではないだろうかという判断をしております。  コレステロール関係にいたしましても、基本的には、腸管の中でコレステロールをキャ ッチアップして、それを大腸の中に持っていく。消化管の中に入れにくくする作用形式と いうのは似たようなものだと思います。  それで、幾つかは科学的論文も蓄積されております。その場合にも、極端にある物質に ついてはその測定法がこの長い間に少しずつ変わってきて出た当初の測定法と、今ある測 定法のデータの出し方に少し齟齬というか、改良点があるし、それらがまだまだ統一的に なっていないというようなところから、量の決定などは少し難しいのかなということ。  それから、これも科学的な論文の蓄積がそれぞれ数種以上、数件以上あるのですから、 きちんと評価をされていると思いますが、これも中に入っていくコレステロールが少なく なることによってコレステロールの体内代謝に影響して行われるということから、私とし ても梅垣氏としてもかなり慎重論に立って報告書を書きました。  そういうことから、以前に出されたカテゴリーが100件であって数年以上複数社という、 それには合っているのですが、やはり個々に科学的なものを審査していくということも大 切ではないかという立場に立ってみました。  その結果、現在のところ、難消化性デキストリンの場合にはそういう危惧される点が少 ないのではないかということで、結論としまして規格基準への移行もあり得るという判断 をいたしました。以上です。 ○寺本部会長 どうもありがとうございました。  いかがでございましょうか。何か御質問等はございますか。どうぞ。 ○大野委員 元のところを余り理解していなくて申し訳ないんですけれども、そういう関 与成分がいろいろ性質の違うものがある中で、用途に特定して100件を超えたら規格基準 にするかどうか考えてもいいということをしたもともとの根拠というのはどういうことが あったのか、教えていただきたいと思います。 ○山田委員 私の記憶する限りでは評価調査会、それぞれの第1調査会、第2調査会でや ると思うんですけれども、前と余り変わらない。類似した製品がたくさんきて、これは何 でも同じようなもので、もちろん安全性は大切です。でも、ある成分に対しての影響とい う同じような論文を何回も見るのも大変になったということ。  それから、非常に審査に時間がかかる。それで、やはりある程度明確なものは簡略化し て、それからヒトの試験、有効性であれば費用もかかる。この費用がかかるということも 重々承知なんですね。そういった点を簡素化というか、迅速化というか、そういうことで 一定の保健の用途のカテゴリーが多くなれば考えてもいいことでしょうというのがありま した。  それで、これも日本ではプロダクト・スペシフィック・エクスペリメントでありますね。 ヘルスクレームでも、このジュースを飲んだらどうなるとか、これはアメリカや欧米では そういうものは少しはあるにしても、基本的な路線は中の食品成分がそういう作用をする のであればヒトの試験は必要でしょう。しかし、プロダクトまで限定して一つひとつヒト 試験をやることは必要ではない、あるいはやはり必要だということで分かれているのです。 日本の場合は非常に個々の製品に対して一つひとつ検討することが重要であるということ で、ここ十数年間きております。  それで、これもいい点と悪い点があるのですけれども、その間を取ったというんでしょ うか、同じような作用が出てくることがほとんど想定されるようなものについては、今ま でのサイエンティフィックなエビデンスがわかっていれば、そこは簡略化して、その商品 の安全性だけチェックしてというふうな規格基準型が世界で出てきて、それを制度化した。 私の理解ではそういうことです。 ○大野委員 私の理解だと、100件も特定の用途についての申請が出てきて審査すれば、 それに関わるある作用機序に関わるメカニズムについてはある程度網羅できている。経験 は積んでいる。それで、そういうメカニズムに基づいて作用するものについてもある程度 の情報が集まっているので、それについての議論は十分できている。  それを踏まえて、事務局で安全性なり有効性を審査すればよろしいんじゃないかと理解 したんですが、そういう形でよろしいんですか。 ○山田委員 私も、ほぼそれと同じ理解です。 ○大野委員 そういうときに、規格基準の審査のときに提出される資料というのはどうい うものなのでしょうか。臨床科データもあるのか、安全性だけなのか、それともGMP的 な品質のところだけなのか。その辺はいかがなのでしょうか。 ○杉原審査官 安全性に関しましては、現在は3倍量で4週間のヒト試験の書類が求めら れております。  それから、GMPは求めていませんが、品質管理につきましては、規格基準型であろう と、通常の特保であろうと、同様に提出が求められているところでございます。 ○大野委員 規格基準型にするに当たって、今回は難消化性デキストリンについて、個別 の関与成分については100件を超えているということで、それについて説明がございまし たけれども、100件を超えたときにそちらに移すというのは、おなかの調子を整える用途 について全部移してしまうのか。今回のお話であったようにデキストリンだけ移すのか。 それをここで審議して決めるのか。どちらなんでしょうか。 ○尾崎室長 それだけです。血糖値を全部移すのではなくて、デキストリンだけを規格基 準型にして、それ以外の成分で出てきたときにはしっかりと審議会の先生方に見ていただ くということになります。  また、もしお認めいただければという前提なんですけれども、規格基準を超えたデキス トリンの使い方があったときには、同じデキストリンでも規格基準型を超えたものや違う ようなものについてはしっかりと部会、調査会で見ていただくということです。 ○寺本部会長 要するに、これは保健用途の許可数が100件以上というのが一つのふるい にかかって、そこから一応そういうものの対象になる。  ただ、今、山田先生から御紹介があったように、一つの関与成分で100件以上もあるも のは、ある程度それなりの意味があるだろう。ただ、例えば血圧などに関して言うとオリ ゴペプチドは2件ということになりますから、関与成分が1つの成分にしてはかなり少な いということになりますね。そういったようなこともあるのではないか。  でも、全体の用途としては100件以上あるけれども、一つひとつの成分としてはそこま でいっていないということもあるんですね。  ですから、恐らく今回そういうふうにして認める、認めないにしても、関与成分という ことは一番重要なことになってくるのではないか。 ○田中委員 追加で、別に100ははっきり言いまして根拠はありません。つまり、これく らいになってくれば有効性も、また安全性もほぼ大丈夫だろうというような意味でありま す。したがって、100件超えたと言えば直ちに規格基準型にするわけではなくて、山田先 生が学術的な立場から検討されましたように、それを超えたものについてはスクリーニン グですね。  しかし、スクリーニング基準としても、100という数字自身については医学の分野で言 うスクリーニングのような根拠は別にないわけですね。それで、そういったときにいろい ろ調べて安全性、有効性がその関与成分について大丈夫であればやっていこうということ ですね。では、99はだめなのかというと、そんなことはないと思います。  しかしながら、座長はよく御存じのようにサーディンペプチドとか、カツオブシオリゴ ペプチドというのはACE阻害作用を持っておりますから、同様の作用を持っている高圧 薬と併用したときには結構からせき等のものが起こり得るという予想もあるわけです。コ レステロールの方も、日本健康・栄養食品協会が出しておられるのを見てもらったらわか りますように大豆たんぱく質、多分イソフラボン的なものですし、それから植物ステロー ルみたいなものがありますから、こういったものは大量にとればやはりホルモン用といい ますか、そういう作用もありますから、そういったところからも総合的に見ていって規格 基準型に持っていきたいというような形で定めたわけです。 ○寺本部会長 どうもありがとうございます。先ほど山田先生がおっしゃったように、100 件くらいというのはたくさんという意味だろうと思いますけれども、いかがでございまし ょうか。何かほかにございますか。  今、ございました山田先生がおまとめになった中でも、この難消化性デキストリンに関 して言うと許可件数104、ヒト試験を実施した品目数が41あるということで、それぞれ御 検討されて安全性並びに有効性といったところがある程度確認されてきたのではないかと いうことで、今回規格基準型への移行もあり得るのではないかというようなおまとめだと 思いますけれども、先生方、大体そのようなところでよろしゅうございますか。 ○山添委員 これでいいかと思うんですけれども、実際に6年間使用した中で、消費者か ら副作用等のクレームということの項目を何らかのクライテリア、スクリーニングと田中 先生はおっしゃいましたが、そういうところに入れるという考え方はないのでしょうかと いうことです。 ○寺本部会長 先ほどの6年経過というところですね。 ○田中委員 その6は、やや根拠があるんです。医薬品の特許でしたか、最初に認可され てから6年経過しないといけないんですが、それに準拠した。  ですから、6年とこの100件の意味は違います。100件がむしろこうなれば有効性、安 全性はほぼ大丈夫だろうというような意味でやったということです。それから、6年は医 薬品と対応させたという意味でちょっと違うんです。 ○寺本部会長 もちろん、この6年というのは、その間に特別な安全上の問題がなく経過 したということですね。ですから、恐らくそのことが含まれていると思うんです。ほかは よろしゅうございますか。  では、基本的なラインとしてはそれでお認めいただいたということでお願いしたいと思 います。それでは、この血糖値が気になる方に対する用途に関して、難消化性デキストリ ンを関与成分とする規格基準を策定するということにしたいと思います。  事務局の方から、規格基準案について御説明いただきたいと思います。 ○尾崎室長 ありがとうございました。  続きまして、規格基準について、資料11を御説明させていただきたいと思います。資料 11と、それから資料10の2枚目以降で、デキストリンにつきましてのさまざまなデータ、 関与成分、摂取量、いろいろな形態、いろいろな資料がございますので、こちらも合わせ て御参照いただきながら資料11の方を見ていただければと思います。お認めいただけるか どうかがはっきりしない段階で、本来であれば今回はこれを認める。では、具体的にどう するかというのは本来は次の部会ということなのかもしれませんが、今回お認めいただけ ればという前提で先に用意をさせていただいたものでございます。  資料11ということで、具体的な基準というのはこの上にございます関与成分と、目安量 と、表示できる保健の用途と注意事項、この4つの事項について基準案を示すことになっ ております。  まず、関与成分は難消化性デキストリンですよということで、食物繊維としてというこ とです。  摂取目安量、むしろこちらの方の数字をどうするかということでございます。この数字 につきましては資料10の2枚目以降ですが、4つ目の段で摂取量が1から41まで数字が ずらっとございます。それで、数字だけ見ますと最初が6.4ですし、4.5とか5.12とか、 数字が4を下回るものもございます。3.9とか、4を下回るものもあるのですが、1枚目 の7番などは3.9でございます。それから、4番の8のようなものだとか、6を超えてい るものは結構ありまして、6ページの40番は8.6になっております。  そこで、いろいろと事務局の方でこれまでのデータなども加味しまして、審議会の先生 方に諮らずに事務局だけで、事務局ももちろん責任者ですのでしっかりと見ることになる んですけれども、ある程度デキストリンであれば何でもいいということではないだろうと いうことで、多くが4から6くらいの中におおむね入っているということで、4から6を 一つの基準にしてそれ以下、例えば三・幾らというのは本当に有効性が大丈夫なのか。そ れから、6を超えるものは有効性、安全性は大丈夫なのかということで、4から6の範囲 に入らないものについてはこれまでどおり先生方に調査会で見ていただくということで、 先生方に見ていただかない範囲を一つの考え方として事務局の提案で大変恐縮ですが、4 から6にしてはどうかという提案でございます。先生方の御意見を踏まえて、この数字が 変わることはあり得るのではないかと思います。  それから、表示の用途につきましては、こちらもこれまでの既に許可された品目を見て みまして、こういった表現がいいんじゃないか。おおむねこういった表現に現実はなって おります。「食物繊維の働きにより、糖の吸収をおだやかにするので、食後の血糖値が気に なる方に適しています」。こういう表示があれば、これでいい。これと違う表示をするとき には、先生方に見ていただくということになります。  それから「摂取上の注意事項」、これも既に多くの血糖値が書かれている商品はたくさん ありますけれども、そういったものを見てみますと、ここにございますとおり「血糖値に 異常を指摘された方や、糖尿病の治療を受けておられる方は、事前に医師などの専門家に ご相談の上、お召し上がり下さい。摂り過ぎあるいは体質・体調によりおなかがゆるくな ることがあります。多量摂取により疾病が治癒したり、より改善するものではありません。」 といったような基準を置きまして、この基準に従って表示がされていれば事務局のみ。  これに、更に加えてとか、あるいはこれの記述を一部書いていないといったようなもの などについては、どうしてそうするんだということを私どもで見て、先生方に調査会で御 審議いただくということになるかと思います。調査会の審議で御審議いただかなくていい 範囲として、事務局だけの判断でOKというのは範囲としてこういったものがどうだろう かということで、一つの案ということで御提案させていただきたいと思います。では、よ ろしくお願いします。 ○寺本部会長 どうもありがとうございました。一日摂取目安量ということが一番大きな 問題になるんじゃないかと思いますけれども、いかがでございますか。何か先生方の方か ら御意見はございますか。どうぞ。 ○田中委員 この難消化性デキストリンを関与成分として、保健の用途がおなかの調子を 整えるといった場合の規格基準型の一日摂取目安量は幾らですか。山田先生、御存じです か。 ○山田委員 もっと幅が広かったように思います……。 ○杉原審査官 3gから8gになります。 ○田中委員 3から8ですか。ちょっと幅広いですね。 ○尾崎室長 補足いたしますと、3から8まで認められているのですが、ただ、やはり事 務局だけで判断するということになりますと、もう少し幅を狭めて3から4、それから6 から8は数もちょっと少ないということもありますので、もう少し先生方に見ていただい た方がいいだろうということで調査会にかけるというのが一つの案です。  3から8にしてしまうという考え方もあるかもしれません。 ○寺本部会長 このおなかの調子のものを踏襲してということですね。 ○山田委員 その場合には、おなかの調子の影響が出たものが3から8であって、3のと ころで血糖値の変化が出たというデータはほとんど先ほど見たときにはなかったように思 うので、私はそれと同時にダブルクレームはすべきでないという考え方なのですけれども、 同じ規格基準であっても難消化デキストリンという同じ関与する成分が規格基準でおなか の調子で出れば、その枠の中で、それからまたこういう血糖値が気になる方のための用途 で規格基準が出ていればそれだけのクレームで、消費者は自分がどういうことを願ってい るか、製品をとる場合にはそこが中心だろうと考えています。 ○寺本部会長 比較的エビデンスに基づいているというか、今までのデータに基づいて一 応そこに設定しているということだと思うんですけれども、いかがでございましょうか。 ○手島委員 一日摂取目安量の4gから6gのところの下に、「食事とともに1日1回」と あるのですが、今までのものを見ていますとお茶とかコーヒーとかということですけれど も、「食事とともに1日1回」という制限を付けることはかなり厳しくなりはしないかと思 うんですけれども。 ○寺本部会長 むしろ「食事とともに1日1回」というのがあるとぶつかってしまうもの があるというか、許可できないものが出てくる。これはどうなんですか。今までのものは、 ほとんど1日1回というふうな記載がされているんですか。 ○山田委員 1回というか、試験が単回、その日にそれを飲んで、それも食事とともにじ ゃないとだめです。もちろん理屈からいうと、よく糖尿病のためのいわゆる医薬品がある ように、でんぷん質をとったときに初めて効くのであって、お肉を食べてこれを飲んでも 何ら意味がない。そこは普及啓発で持っていかなくちゃいけないのでしょう。「食事ととも に」というのは必要な言葉で、「1日1回」というのは試験から生み出されたことだと考え ております。  中には、2gずつを朝、昼、晩、ジュースと一緒に飲むというものもあるのですけれど も、多くが試験結果で言えば一度にとってそれを見ているということです。 ○手島委員 そういうことでありましたら、問題ないと思います。 ○栗山委員 「食事とともに1日1回」というのは、表示するべき事項ではないんですか。 それは、必ず表示してあるんですか。 ○山田委員 必ず表示してあります。 ○栗山委員 ありがとうございました。 ○石綿委員 個別で許可するに当たって実験者何名、20名、30名あるいは10名と出てい るんですが、その後、例えば許可されて市販されると今度は消費者というのは何千人、何 万人というような単位で出てくると思うんですが、許可された後の有効性の確認みたいな レポートのようなものはどうなんでしょうか。 ○尾崎室長 今、特保につきましては定期的に専門家の先生方に確認していただくという ことにはなっておりません。ですので、事前にしっかりと試験をしていただいて、そこで しっかりと先生方に見ていただいているということです。 ○石綿委員 わかりました。 ○山田委員 これはコーデックスで、健康表示のところで一番問題になるのですけれども、 一応言葉としてはガイドライン一番最初のスコープのところに、各国はこのような表示を やった場合はモニターが必要であるというようなことが書かれているのです。  ただ、総論賛成なんですが、各論でどうしましょうというのが、どこの国であろうが、 地域であろうが、具体的にどうだということに関しての理念は書いてあるのですが、具体 的にこうすべきだろうというところになると何も書いていないです。 ○石綿委員 私が今、質問をしたのは、国として云々ではなくて、大学とか研究所とか、 あるいはジャーナルその他でそういうことを調査している人があるんじゃないかと思って、 そういうものがどこかに集積されているかなと思ってお伺いしたんですが。 ○山田委員 私自身は、まだそれは知らないのですけれども、こういう評価をやったとき にその申請者あるいは申請者の会社の方の何人かと個人的には話したりすることもありま す。そのときに、大手の会社さんたちには是非そういうことを自社で何かモニターでも将 来のために計画的にやっていただけないだろうかということは時々言っております。  ただ、そのための方法あるいは義務にしなくちゃいけないとか、それはないので、そう いう製品を市場に出したという意味では言い方は悪いですけれども、社会的な信用、責任 というものでやっていただけるといいなと思います。 ○栗山委員 摂取量以外のことでもよろしいですか。 ○寺本部会長 もちろん構いません。 ○栗山委員 ここでこれだけいろいろ厳密に審査して皆さんがやっていただいていて、こ れが社会に出たときに、先ほどの問題もそうなんですけれども、テレビのCMとかを見て いて、これがあの審査をされた結果の宣伝かと、ちょっと納得のいかないような宣伝がさ れていることがあるんです。  多分、それもきっとどこかで何かの規制とか決まりとかはあると思うんですけれども、 もちろん健康被害や有効性の事後調査というものも大切で、それもお願いしたいとは思う んですけれども、同時にここで注意事項や用途や摂取量や、これだけ一生懸命やっている のに、いざ出たときに見た方が絶対勘違いするぞと思うような放送がされていることに対 する調査なり、配慮なり、注意なりをお願いしたいと思っています。 ○尾崎室長 広告の件につきましては、私ども従来からと言ってもかなり前から力を入れ ていたつもりなんですけれども、現実にいろいろ出てきているのは確かに委員の方が御承 知のとおりだと思うんですが、特保につきましてもいろいろルールが決まっております。 通知に定められたり、いろいろ広告についてはここまではいいけれども、これ以上はだめ だ。そのルールをしっかりと改めて、特定保健用食品についてこれから所管省庁を含めて いろいろと動きがありますので、今回を機会に改めて都道府県に対してしっかりと指導を する。私どもは私どもでしっかりと見ていますけれども、そういった対応をしっかりと、 より充実するように努めていきたいと思います。 ○栗山委員 そのときに、例えば気が付いたものが挙がってくる場所というのはどこにな るんでしょうか。例えば、私が見ていて、私はこういう場があるので申し上げる機会があ るかもしれないんですけれども、ちょっとひどいのでは、あるいはこんなにそれに効果が あるのかと思うようなものが出たときに、消費者というか、見た方が声を届ける場という のはどこになるんでしょうか。 ○尾崎室長 保健所におきまして、こういった表示についての対応を法律に基づいて行っ ております。ですので、最寄りの保健所の方に、既に今年に入ってからも保健所で幾つか 指摘しているということもございます。  場合によっては、私どもの方でも直接委員の栗山さんから何かございましたら、私の方 でも受けて必要な指示等は対応したいと思います。 ○寺本部会長 一般消費者が感じたときに、受け入れる場所として皆さんがそれを認知さ れているかどうかというのはなかなか難しい問題ですね。何らかの形でわかるようにして いただければと思います。  では、田中委員どうぞ。 ○田中委員 石綿先生が御指摘のことは市販後調査みたいなものなんですけれども、食品 の場合は極めて厳しいかもしれませんが、3年ほど前にオランダに行ったときには、いわ ゆるアメリカ、ヨーロッパはサプリメントと言って錠剤カプセル型なんです。だから、か なり重要視されますが、日本は圧倒多数、通常の食品形態をしているものですから、そこ までする必要はないだろうというのがヨーロッパ諸国の人々の考え方です。ちょっと追加 しておきます。  それから、栗山先生がおっしゃっているのは、私は特保はないと思っているんです。非 常に厳しい、効くような体験談のような話でやっているのはいわゆる健康食品であるんじ ゃないか。一応特保は規定を守っているはずなんです。私は、テレビを朝から晩まで毎日 見ているわけではありませんのでわかりませんけれども。 ○栗山委員 もちろん私もテレビは余り得意な人ではないので見ていないんですけれども、 こういうことの委員を仰せつかることになってからテレビを見てすごく気になり出したと いうところで、厚生労働省が効果・効能を認可していますということで、それはもちろん 見方によりますし、ほとんどの人は大丈夫だと思うんですけれども、頼りたくなっている 人、あるいはお医者さんに行かなくても、あるいは食事や運動をしなくても、これを飲ん でいれば大丈夫みたいな勘違いを誘導しかねないものというのはあるような気がしますの で、また今後ともよろしくお願いいたします。 ○寺本部会長 中村先生、どうぞ。 ○中村委員 先ほどの1日の摂取量の4gから6gで、「食事とともに1日1回」というの があるんですが、この意味は1食にこのくらいの量を食べたら食後の血糖を抑制できると いう意味だと思うのです。  では、ほかの2食で血糖が上昇した場合でも、3食の中の1食だけをコントロールする ことで糖尿病の合併症の予防に意味があることは検証されているのでしょうか。 ○田中委員 そこまで言ったら……。 ○中村委員 もしなければ、使うときにそういうことを考えながらこの製品は使わないと 意味がないということを教育の上で併行していかなければならないのでしょう。  というのは、この意味は1日6gを3回に分けて2g、2g、2gでやってもたいした 意味はない。では、毎食6g食べると、今度は過剰摂取の問題になる。下痢を起こすとい う微妙な意味が含まれているのだということを教える必要がある。理想的なのは毎食の3 食の食後の血糖上昇を抑制するというのが合併症の予防になるのだと思うのです。 ○寺本部会長 先生のおっしゃるのはまさしくお薬の世界に近くなっていくんじゃないか と思うんですけれども、これは今まで得られているデータに基づいて恐らく1日1回とい う形で出されているんだろうと思いますので、今までの審査、要するにここでの許可の仕 方も、そこでの食後の血糖の上昇を抑えられているものを一応認めてきたという経緯の中 で生まれているんだろう。  先生のおっしゃるように、確かに糖尿病であれば糖尿病の方たちの治療としてはもちろ ん3回そういうものを飲まなければ余り効果がないことはわかっているので、それは当然 そうだと思うんですけれども、ただ、これは特定保健用食品ですからどうしてもある一定 のレベルのところで抑えざるを得ないんだろうと思うので、恐らくそれをやると先生がお っしゃるように下痢になるというようなことが出てきてしまうんだろうと思います。 ○中村委員 そうだと思います。 ○尾崎室長 補足でございますけれども、一応この規格基準というのは既にこのルールで 行われているものなんです。調査会で審議をしていただいて既にこの表現で多くの商品が 出ている。  私どもの規格基準というのは、そういったデータを踏まえて、そういった状況を踏まえ て、これならば事務局でということなんですが、中村先生がお話のことはまさに規格基準 ということではなくて、そもそも今デキストリンを特保とすることについて、その表示を ではそもそもどうするか。規格基準としてやるかどうかではなくて、そもそも表示をどう するかという話になります。  そこは、また調査会で先生から御指摘いただいた点を踏まえて、これからどう変えてい くか、変えていく必要があるのかどうかといったことを座長なり、先生方に御相談をさせ ていただければと思います。 ○寺本部会長 この範囲が変わらないものは一切全部また議論するということになると思 いますので、一応これであれば別に事務局の方で調べていただいて、安全性などをチェッ クしていただいて、OKであればよろしいというふうにとらえていいんじゃないかと思い ます。 ○中村委員 ちょっとしつこいようで申し訳ないのですが、例えばお茶200ccくらいの中 に6gの難消化性デキストリンが入っている。そうすると、多くの人は、これは毎食3回 ごとに飲んでしまう可能性がありますね。恐らくメーカーは、食事と一緒に飲んだらいい ですよと言えば、消費者は毎食飲んだら効果があると考え飲むと思うのですが、そうすれ ば過剰摂取になるということになりますね。 ○尾崎室長 表示上は1日1回ということをしっかりと表示するというのがルールで、消 費者もそれを見て1回だと。  ただ、今までそういった苦情なり問題というものは特に報告されておりませんので。 ○山田委員 私は代謝の方の調査会ではないのですが、過剰試験として有効性を認めた場 合の3倍量は見て、多分これは難消化性デキストリンだからそう出てこないのだろうと思 います。非常にセンシティブなオリゴ糖だったりしたら、たくさん摂ればすぐおなかがぐ るぐるとくるのですけれども、何も私は3回飲んでも大丈夫だということではないんです が、中には3袋、食後ごと、あるいはお茶も全部を飲まないにしても飲む方がおられると 思うのです。そのときに調子が悪くなったというのは、この安全性の試験の中に恐らく含 まれていてクリアされているのではないかとは思っております。  ただ、中村先生が言うように、本来的には各食事で摂って血糖値を少し少なくするとい うところだとは思いますけれども。 ○田中委員 この難消化性デキストリンの上限量は幾らですか。要するに、下痢を起こす 上限量はおおよそ……。  多分、これは特保申請時には、安全性のチェックのときは3ないし4倍とっていると思 うんです。だから、仮に日に3回ないし4回飲んでも、まず下痢は起こさないということ ではないんですか。そう私は理解していたんです。だから、それほど問題ではないと私は 思っているんです。 ○山添委員 私も記憶が確かじゃないですけれども、食品安全委員会のときの審査で、1 つは3倍量試験をしています。そのことが消化、おなかの調子ですね。それに対して有意 な差があったという記憶はありません。  それともう一つは、3食に分けて摂る場合には、胃、消化管を通っていったときに一度 に濃度が重なるわけではないですね。だから、順番で排泄の方にいきますので、3食分け て摂ったとしても理屈上は1日3倍量なんですけれども、そのときの効果は同時に飲むの に比べれば下がっていると考えたと思います。 ○寺本部会長 一応安全性のことに関しては既に通っているものですから、ある程度そこ までは見られているということなんですね。 ○栗山委員 その話と関連があるかどうか、摂取上の注意事項というところで、下から2 行目の「多量摂取により疾病が治癒したり、より改善するものではありません」と書いて あるんですけれども私は「多量」の字を抜くというのはどうなのかと思ったんです。  勘違いとして、多量に摂取すれば弊害が出てくるというところをメインにおっしゃって いるんですよね。抜いてくださいと言っているではなくて、これを摂取すると疾病が治癒 することはないわけですね。それから、より改善するものでもないですね。それを求める のであれば、薬か、ほかの方法ですね。もちろん運動とか食事によって予防したり、リス クを下げたりすることはあるとは思うんですけれども、そういう意味で「多量」という表 現はどうなんでしょうという質問というか、意見です。 ○寺本部会長 でも、摂取により、より改善するという言葉がちょっとおかしくなってく るんですね。要するに、改善することは証明されているということで、これは特保になっ ているわけですね。食後の血糖が気になる方で、改善するということが一応認められてい る。それを皆さんが勘違いして、ではもっと摂ったらもっとよくなるんじゃないかという ことは証明されているわけではないんですよという意味ですね。  ですから、やはり「多量」が入っていないと理屈が合わなくなります。もともとこれは 効かないという話になってしまうので、私は要るのではないかと思います。 ○田中委員 さすが寺本先生で、そのとおりで、ここに「多量摂取」がなかったらこのこ とは意味がないです。先ほどからのディスカッションは、1日の目安量であり、かつそれ に対する安全性の話なんですね。こちらに書いているのは、大抵の特保にこの記述がある と思うんです。  それはなぜかというと、ちょっと次元が違うかもしれませんが、特保と離れてダイエッ ト的な話になると悪いですが、女性が早くやせたいと、ばばっと飲んでしまうんです。そ ういったところの防止を喚起しておきたいというような意味で、こういう表示は原則的に はずっとしてきているわけです。  だから、もしこれを変えるといったらかなり特保の根本的な問題になってきますので、 もしそういう消費者からの意見があるとすれば、別途検討をされる課題だと思います。と にかくこれをやっていったら治るんだと、1瓶でも10本でもいくというようなこともあり 得るんです。そういったことを避けるようにしなさいという意味です。  それで、より改善の話でも「多量摂取」という言葉があって生きてくるという寺本先生 のお話は、これを創設したときとぴったり合う御意見であります。 ○栗山委員 ありがとうございました。では、これを摂取することによって疾病が治癒し たり、より改善することはあるということですね。 ○寺本部会長 言葉のあれで、「より改善」の「より」というのが、恐らくもともとある程 度の改善があるというんだけれども、多量に摂取するとより改善するのではないかという ことを期待させてはいけないということだろうと思うんです。 ○栗山委員 そういうことですね。だから、治癒したり、改善はするんですね。 ○寺本部会長 そうですね。改善であるがゆえに、特保になっているということだと思い ます。  疾病自身が、糖尿病などは特に治癒するわけではないので、よく改善するという言葉が 合っているとは思いますけれども。  いかがでございましょうか。ほかにもしなければ、一応目安量として4ないし6gで、 「食事とともに1日1回」という言葉が付いているということと、それから表示できる用 途とか注意事項に関しては、一言一句基本的に同じということで、それでなければ認めな いということですね。 ○尾崎室長 そのようにさせていただきたいと思います。 ○寺本部会長 よろしゅうございますか。  それでは、この規格基準の案についてはここで了承するということでお話を進めていき たいと思います。  そのほかに、事務局の方から何か連絡事項等はございますか。 ○尾崎室長 特にございません。 ○寺本部会長 それでは、これをもちまして本日の調査部会を終わりたいと思います。  どうも皆さんありがとうございました。 照会先: 厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課新開発食品保健対策室 TEL:03−5253−1111(2458)