09/03/18 第28回中央社会保険医療協議会調査実施小委員会議事録 09/3/18 中央社会保険医療協議会 第28回調査実施小委員会議事録 (1)日時  平成21年3月18日(水)10:46〜11:53 (2)場所  グランドアーク半蔵門 富士・西の間(4階) (3)出席者 遠藤久夫小委員長 牛丸聡委員 小林麻理委員 白石小百合委員        対馬忠明委員 小島茂委員 北村光一委員(代理 今井氏)        高橋健二委員 松浦稔明委員 竹嶋康弘委員(代理 中川氏)         藤原淳委員 邉見公雄委員 渡辺三雄委員 山本信夫委員        <事務局>        水田保険局長 榮畑審議官 佐藤医療課長 小野保険医療企画調査室長         真鍋数理企画官他 (4)議題  ○第17回医療経済実態調査について (5)議事内容 ○遠藤小委員長  それでは、定刻になりましたので、ただいまより第28回調査実施小委員会を開催し たいと思います。  まず、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、竹嶋委員の代理としまし て中川俊男さんがお見えになっておられます。  それでは、議事に移らせていただきます。  本日は、前回に引き続きまして、第17回医療経済実態調査について御審議をいただ くことになっております。  本日は、前回までの御議論を踏まえまして、事務局から資料が提出されております。 それらについて御確認をいただきまして、調査の内容を決定していきたいと思います。  それでは、事務局から説明をお願いしたいと思います。 ○事務局(小野保険医療企画調査室長)  保険医療企画調査室長でございます。  実−1に基づきまして説明を申し上げます。大部になりますし、前回と重複いたしま すので、下線部のところを中心に、今回御議論いただきたいポイントに限って申し上げ ます。  1点目でございます。1ページ目の1の(2)報告時期の件でございます。本報告の 扱いでございますが、本報告については、今回は従来の単月調査に加え、年間データの 調査も行うため、暫定的な措置として調査項目を削減していることもございまして、報 告内容は軽微なものとなるので、集計・公表は行わないということでいかがかと考えて ございます。  2点目でございます。3ページをごらんいただけますでしょうか。「調査項目の廃 止」と書かれているところでございます。地の文で示しておりますのが、廃止を前回御 提案したものでございます。病院調査票の中で2つ取り消し線があるところがございま す。2点目と申し上げましたのは、このうちの1つ、資産・負債に関する項目につきま しては、前回の会議で調査すべきであるという御意見がございましたので、そのように させていただきたいと思います。これにつきましては、調査は行いますけれども、集計 の段階、いわゆる速報の段階では取りまとめをせず、必要に応じ提出できるように持っ ておくということにさせていただきたいと思います。  3点目、税金に関する項目につきまして、取り消し線を引いてございます。これにつ きましては、後ほど御説明いたします。  一般診療所及び歯科診療所調査票につきまして、次のページ、4ページ目でございま すが、また保険薬局調査票につきましても、資産・負債に関する項目に線を引いており ますが、これは今申し上げた理由と同じでございます。税金に関する項目につきまして、 これらにつきましては線を引いていないというのが御提案でございますけれども、これ についても後ほど説明いたします。  ポイントの3点目になるかと思いますが、基本集計(別紙1・2参照)というところ をご覧いただければと思います。これにつきましては、前回も御議論いただきました集 計1と集計2の対象及び集計1と集計2にどの施設をやるかというところの御提案でご ざいます。資料の8ページ、9ページをご覧いただければと思います。  資料の9ページは、前回お示しした資料と同じでございまして、それぞれの施設類型 ごとの医業・介護収益に占める介護収益の割合を示しております。前回はたしか第16 回だけのものをお示ししたと思いますが、傾向を見るということで、第15回のものも あわせてつけてございます。これを見ますと、保険薬局を除いては、介護収益の割合が 0%というところが減ってきているということがあるところでございます。  集計区分についての表は前回お示ししておりませんでした。説明が分かりにくかった ので、この説明をつけております。今回変更を御提案しているのは2点あるという説明 でございます。変更前と変更後を照らし合わせてご覧いただければと思いますが、1点 目の変更は、介護保険事業を実施していない医療機関等の調査と、実施しているところ といないところを合わせて集計するという2つをやっている、このしていない、してい るの判断基準として、今はゼロとなっているのを、2%未満と2%以上で切ってはどう かという提案でございます。もう1つは、一般診療所の取り扱いにつきまして、別紙2 でごらんいただけますように、今の調査でいきますと、一般診療所につきましては、第 16回で93.7%の箇所が1%未満、95.2%のところが2%未満となっておりま す。ここについては、先ほど申し忘れましたが、1%か2%という御議論がありまして、 今回それについて御判断をいただければと思いますが、あわせましてこの点、93.7 %、95.2%のところが1%あるいは2%未満となっておりますので、一般診療所に つきましても、集計2、すなわちすべての一般診療所のみの集計とさせていただければ という御提案を申し上げております。  ポイントの4点目になると思いますが、6ページの(4)でございます。各項目で税 引き、税のところの扱いに違いをつけさせていただいたのがここに影響してくるわけで ございますが、これは病院(法人)のみにつきまして、前回御議論のありました税引き 後の利益あるいは損失の表示を追加してはどうかということでございます。これは病院 (法人)のみと御提案申し上げているのは、2つの趣旨がございます。1つは、まず個 人立につきましては、調査客体の税に関する項目の記入負担が大きいといった理由から、 税に関する項目を個人立にて書くのは、回収率に課題が出てしまうのではないかという ことで、まず個人立というものを抜いております。そこで、さらに病院のみとさせてい ただいておりますのは、いわゆる税引き後の収益の差のような議論がよくありますのは、 公立なり国立の病院と民間の病院という議論かと思いますので、作業量の関係からこの ような提案とさせていただいております。作業量の関係につきましては、次のポイント とも関連いたしますので、それとあわせてお考えいただければと思います。  次のポイントは(5)でございますが、年間(決算)データの集計の追加(別紙3・ 4参照)でございます。これは、年間データを調査するわけでございますけれども、集 計についてどういう客体とするかというところでございます。10ページ、11ページ をご覧いただけますでしょうか。  11ページが速報値の集計項目ということでございます。調査は行いますが、集計に ついてどうしましょうかという御議論につきましては、前回あまり御議論を集中してい ただかなかったところでございますので、今回また改めて資料を用意しております。第 17回というのが今回の調査でございますが、月次のデータにつきましては、○のよう に、すべて集計も行う。一方、年次のデータにつきまして、網かけで※になっているも の、これは○か×かはまだ決まっていないので※にしておりますけれども、これにつき まして、今の私どもの御提案では、集計は行わないとしております。趣旨といたしまし ては、説明するのに別紙3が必要となりますので、別紙3をご覧いただければと思いま す。  別紙3は、医療経済実態調査の調査票の回答状況をそれぞれの施設類型ごとに集めて おります。これは、前回の実績を御報告しております。対象施設数の中で日付が書いて ございますが、この日付はそれぞれの回答が返ってきたものを累積的に何件、何%集ま ったかということを示しております。実質的に調査対象の施設にお示ししている調査票 においては7月31日までに返してくださいということを申し上げておりますけれども、 実際にはここに書いてあるような日付までにこれだけの件数が来ている。もちろん、そ の中には何度かやりとりをして確定しているというものもございますけれども、このよ うになってございます。  実を言いますと、この網かけの部分を10月末までにやらなければならないというこ とになりますと、作業量の関係から、9月30日まで実質的に待つといいますか、9月 30日までに集まったものについて取り込むことができなくなってしまいまして、施設 数といたしましては、例えば7月末とか、もう少し頑張ってお盆前とか、それぐらいま でで本当の締め切りを前倒しにしなければいけないという事情がございます。物理的に もちろん網かけの部分につきまして10月末までに行うことは可能なのでございますけ れども、それをするとなると、この回収率の問題が出てしまいまして、ここについてい ろいろ御協力を仰ぎたいとは思いますけれども、今までの経年の実績に照らしますとそ ういう心配があるということを踏まえて、先生方に御議論いただければありがたいと思 っております。  次のポイントは、7ページ目でございます。これは、5の(3)のところでございますけ れども、調査客体名簿の提供は行わないこととするということでございます。これにつ きましても前回御議論があったところでございますので、御意見をいただければと思い ます。  次のポイントでございますけれども、資料の実−3とも関係いたしますが、調査票に いわゆる決算書本体を添付するという話でございます。これにつきましては、私どもが 総務省のほうの見解を尋ねますということを前回に申し上げましたが、総務省のほうか らは、調査票の記入内容に虚偽の報告がないか確認することを理由に決算書の提出を強 制することはできないといった回答を得ております。ですので、御意見はちょうだいし たところでございますけれども、決算書本体の添付ということはちょっと困難であると いうことで、御理解を賜れればと思っているところでございます。  最後のポイントは、実−2の2ページ目でございます。(2)一般診療所のイの第1 の層化のところでございます。これは層化の仕方を変えておりますが、これにつきまし ては、実−2の5ページ目に楕円がかいてある図がありますので、それをご覧いただけ ればと思います。  これは、有床診療所の層化をする際、サンプルをとる際のやり方の変更を御提案申し 上げていることで、これは前回までに私どもは申し上げていなかった点でございます。 今のやり方ですと、まず一般診療所を抽出する際には、有床か無床か分けた上でそれぞ れ以下の層化に移るわけですけれども、これですと、実を言いますと、有床診療所の中 の3割ぐらいは、有床診療所でありながら入院患者さんがいらっしゃらないところです。 そういたしますと、有床診療所の経営状況を正確に把握する上では、患者さんがいると ころと、いないところをちゃんと層化した上でとったほうがいいだろうということでご ざいまして、まず層化の段階では、入院患者あり、なしで層化をする。層化をするとい うことは、そういうことで分類した上で、調査の対象となる施設を選ぶということでご ざいます。その上で回収した後は、入院患者なしというお答えのところのうち、有床の ものと無床のものとを分けて回収した後、集計して、それぞれで出すということ。そう やるということで、有床診療所における入院診療収益ありのところ、入院診療収益なし のところの分布がより均一になり、そういう意味では客体としては実態としてより正確 なものを把握できるのではないかという御提案でございます。  以上の点について御議論いただければと思います。以上です。 ○遠藤小委員長  それでは引き続き、事務局、お願いいたします。 ○事務局(真鍋数理企画官)  数理企画官でございます。  引き続きまして、中医協実−5、これは保険者調査の要綱でございます。この要綱は、 前回お示ししたものと同じものでございますが、ちょっと前回議論がありましたことで、 資料はないのですが、1つだけ報告というか、提案申し上げたいこととして、まず医療 機関等調査のほうが速報と本報告について少し今回整理を変えるということに関連して でございます。  まず速報でございますけれども、保険者調査につきましても、医療機関等調査と同日 に、その時点で用意できるものを報告したいと考えております。具体的には、決算収支 状況の速報と、土地及び直営保養所・保健会館の調査につきましてはその時点で用意で きますので、同日に報告させていただきたいと考えております。  本報告でございますけれども、医療機関等調査と平仄をとりまして、報告自体は行わ ないということにさせていただければと思います。ただ、議論で必要になる場合に備え ましてもちろんサーベイはして、持っておくという形で対応させていただければと思っ ておりますので、その点につきましても御議論をお願いしたいと思います。  以上です。 ○遠藤小委員長  ありがとうございました。  ただいま事務局から資料の説明がございました。これは、前回御意見がありまして、 それについて検討するという形で、検討の結果、新たな事務局案として出されているも のもあるわけでありますので、また御議論していただければと思います。御質問・御意 見があれば、御自由にどうぞ。藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  今回提出された案ですけれども、前回の中医協での議論を……。 ○遠藤小委員長  大変申しわけありません。ちょっと私の不手際で、実は委員の出欠状況でございます けれども、北村委員が本日御欠席でありまして、代理としまして日本経団連の経済第三 本部長の今井克一さんがお見えであります。失礼いたしました。  藤原委員、失礼しました。どうぞ。 ○藤原委員  今回出された案でございますけれども、前回の中医協での議論を余り酌まずに、また 同じようなものがほとんど無修正で出されているように感じますので、大変遺憾に思い ます。私どもが前回主張した一番大きな点は、税引き後の利益、損益についてでござい ますけれども、これは4ページでございますけれども、病院についてのみとするのは全 く片手落ちではないか。個人診療所あるいは法人についても同様に、税引き後の損益、 利益を比べるべきではないかと思っております。按分等についてもこれはいろいろ問題 があろうかと思いますけれども、これはワーキンググループ、懇談会の中でも一応議論 されて、この問題については決着がついていると私どもは受けとめております。調査票 の記載要領についても、説明を加えれば、これは調査可能と考えておりますので、ぜひ ともこれは加えていただきたい。私どもとしては、これまでのように、新聞に特に個人 診療所の税引き前の所得を見出しとして流されまして、それで流れをつくられるのは本 当に不本意だと思っております。注記に「税引き前」と確かに書いてあるのですけれど も、そのように小さく書かれてもだれも見向きもしない。見出してで物事が動くという 傾向にありますので、「税引き前」がひとり歩きすることに対して大変懸念を持ってお ります。きちんと「税引き後」で公平な見方で受け取られるように、そういった対応を していただきたい。そういった意味でも、この税引き後の損益について、いずれも出し ていただきたいと思います。 ○遠藤小委員長  事務局としましては、先ほど診療所を省くというときにその理由をおっしゃったわけ でありますけれども、もう一度その理由を分かりやすくお示しいただけますでしょうか。 ○事務局(小野保険医療企画調査室長)  税の話でございます。個人立医療機関についてここから括弧書きで外させていただい た理由でございますが、資料の実−3の7ページをごらんいただけますでしょうか。7 ページの真ん中に「税金」と書いてある欄がございます。これが実は法人を想定した病 院について、これを書いてくださいということで用意させていただいた欄ですが、まず このうちの所得税につきましては、先ほど按分の問題を藤原先生がおっしゃられたとお りでございまして、各種の所得金額を合計した所得額を求めます。これによりまして税 額を計算しますので、この所得税というものには事業所得以外の所得に対する税額が入 ってくる可能性がございます。これを忠実に転記するとなると、そのようになります。 例えば、利子とか、配当とか、不動産収入とか、医業以外の事業の収入とか、そういっ たものが所得税の総合課税の対象となるということで、その按分の問題が生ずるという ことがございます。住民税につきましては、一部、先ほど申し上げた例示の中では、例 えば利子などにつきましては、課税の均等割というのがあり、所得税ほど重なりはない ところでございますが、所得金額に応じて課税される所得割というのがございまして、 その所得割の中に医業以外の所得が入ってくる可能性がある。この所得税と住民税の欄 が若干困難なのではないかということで、先ほどのような御提案を申し上げた次第でご ざいます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございました。  藤原委員、今のことについて。 ○藤原委員  やはり按分の問題がかなり問題点として挙がってくるわけです、その手間以上に。そ うですね。この按分の話は、これは先ほどちょっと言ったかと思いますけれども、ワー キンググループといいますか、決算データの活用に関する懇談会の中で、「本部費用の 配賦や借入金の影響等に関する問題は、現行でも存在しているため、そのこと自体が年 間データを取得することへの直接的な障害にはならない」と、これはここにももちろん 当てはまると私は考えられますので、そのときに一応決着がついていると私は考えてお りますけれども、それはどのように受けとめられているのでしょうか。 ○遠藤小委員長  事務局、どうぞ。 ○事務局(小野保険医療企画調査室長)  今の記述につきましては、私どもといたしましては、いわゆる年間データを把握する 上でその按分の問題というのがいずれにしろ出てしまうということで申し上げておりま して、税引き後を出すかどうかということでの議論ではなかったように記憶してござい ます。 ○藤原委員  かなり厚生労働省の意見が入り込み過ぎているのではないかと思いますけれども、こ れはワーキンググループでの検討はどうなっていたのでしょうか。 ○遠藤小委員長  ワーキンググループでは、税引き後について個人と法人とでどうするかという議論を したことはありません。 ○藤原委員  按分についてです。按分するということがこういった税の話をするときには避けられ ないといった認識ではなかったかと思うんですけれども、いかがなものでしょうか。 ○遠藤小委員長  どういう目的の議論の中での按分かという話でありまして、個人事業であった場合に、 その事業とは違うような所得が入ってくると、それに対して課税されているけれども、 そこをどう按分するかといった議論は一切していないということです。 ○藤原委員  例えば、法人の場合、複数の開設があって、これはもう按分してもいいという了解が あったわけですね。それとスライドして考えられる。範疇が全然違うと考えるのですか、 これは。 ○遠藤小委員長  恐らくは制度的な話になってくると思いますので、多分事務局が言われているのは、 その辺が明確にできないのではないかということだと私は理解したのですけれども、こ れは会計の御専門の方から何かコメントはございますでしょうか。 ○小林(麻)委員  ワーキンググループの中で議論しましたのは、結局、公立の病院、公的な病院とそれ 以外のプライベートセクターの病院とでは、ボトムラインの比較について齟齬が生じる ということだったんです。ですから、ボトムラインを比較するときには、税金を払って いるところと、払っていないところというのをそのまま比較できないということで、そ この部分をイコールにする必要があるだろうということを議論しておりました。もちろ ん、大変大きな法人の場合には、施設ごとの損益になりますので、その場合には按分の 問題というのは生じるということで、その按分の議論はいたしましたけれども、個人立 の診療所等と公的な病院という、そのレベルでの議論はしておりませんでした。  以上です。 ○藤原委員  それが、例えば本部費用の配賦等、これを個人立についても同じように按分というも のはせざるを得ないわけですから、そうしたことによって大きな問題が生じるかどうか ということ、そこではもう具体的にそれは恐らく出ていないわけなんですけれども、そ れはスライドして考えることはできないということなんですか。 ○小林(麻)委員  データの分析という観点からすると、前提としては、公的な病院とそうではない私的 な病院ということの比較のところが問題になるということだったんです。おっしゃって いる個人立の診療所・病院等については、今までもボトムラインの中に、病院長などの 給与等が含まれている、それから将来にわたる設備投資に留保しておくようなものも含 まれているということで、そのボトムラインの比較については従来からも問題があった ということなんですけれども、それについて、ではそこから税金というものを引いたと きに、これはワーキンググループでそこまで議論したわけではないのですけれども、私 の個人的な見解が入っておりますが、税引き後にしたときに、その税引き後にしたもの とほかのところのボトムラインの比較の適切な分析というのがどのくらい改善するかと いうことについては、いろいろな問題があると思うんです。ワーキンググループの中で 一つ議論に出たところは、税引き後というものを対象にすると、ある意味、いろいろな 対応というのがそこに加わってくるのではないか。非常に率直に言うと、節税とか、そ のような対応というものが入ってくるのではないかといった議論も一部にはありました。 ただ、大きな議論としては、公的な病院、税金を払っていないところとそうではないと ころを比較するときには対等にはならないだろうということが主要な論点で、そこにつ いて議論したということです。 ○藤原委員  非常によく分かりました。これはかなり専門的なところに立ち入っておりますので、 私も十分理解できていないところもあると思いますが、恐らくもっと十分な議論がそこ では必要だろうと思います。ということで、私は、個人立については今の状況では、今 の小林先生のお話では難しいそうなので、法人については、これはよりクリアだと思い ますので、そこのところはきちんとやっていただきたいと思います。  それからもう1点、お願いは、そうした場合には個人立については、情報が外に出さ れるという、そこは避けていただくようにぜひともお願いしたいと思います。 ○遠藤小委員長  小林委員、どうぞ。 ○小林(麻)委員  今までは非常にフローのところで損益の最後のボトムラインのところだけで議論する という傾向がございましたので、その部分はフローだけで議論していくと、そういう非 常に偏ったといいますか、ある意味、公平性に欠けるような議論になっていきますので、 今回は速報では分析の対象とはしませんけれども、ストックの情報でその経営の安定性 といった面、健全性といった面を加味して検討していくということが必要であると、ス トックとフローの両面から分析して診療報酬改定に役立てていくということが重要であ るということだと思います。 ○遠藤小委員長  ちょっと確認させてください。まず藤原委員にお尋ねしますけれども、法人立の診療 所はやるということを希望されているということですね。個人立についてはペンディン グであるということですね。事務局にお尋ねします。法人立の診療所にこのことを行う ということについて、御見解をお聞きしたいと思います。 ○事務局(小野保険医療企画調査室長)  先ほどの作業量の話はございますが、技術的には可能でございますので、そのように 先生方の中で意見の一致を見ているようであれば、そのようにさせていただきたいと思 います。 ○遠藤小委員長  それと、藤原委員、後半におっしゃったことがちょっと私はキャッチアップできなか ったのですが、もう一度お願いします。 ○藤原委員  後半といいますと。 ○遠藤小委員長  先ほど、法人立は認めてほしいとおっしゃった後に、一言……。 ○藤原委員  それは、大体新聞に出てくるのは、見出しとして、税引き前の個人立の診療所の年間 所得がこうだと、月間所得ですか、年間も出ますけれども、そういう形で流れをつくら れるのは診療側として嫌だなということを率直に申し上げただけです。 ○遠藤小委員長  分かりました。  それでは、今は事務局と藤原委員との間の議論だったので、それを踏まえまして、広 く御意見を聴取したいと思います。それでは、順番からいくと、多分渡辺委員が最初だ ったので、渡辺委員、どうぞ。 ○渡辺委員  関連するのですが、確認いたしますと、歯科診療所等についても、法人立のところは 法人税等を考慮して算定していくというか、経費として考えていくということだと思う んですが、まずこの資料の確認をちょっとしたいところがあるんです。よろしいでしょ うか。本日出ているところと関連していますので。まず記入要領の12ページです。そ れからもう一つは調査票の7ページのところです。これで対照的に見てみますと、先ほ どの「所得税」という言葉が、7ページの租税公課の調査のところに「所得税・法人 税」という言葉が出ているのですが、所得税というのは一般には個人の場合にしかあり 得ないですよね。要するに、法人の場合には法人税という形になってくるんですね。で すから、ここにこの言葉がありますと、個人の場合もしっかりやってほしいという気持 ちが強く、当然我々として出てきます。ですから、それはちょっと修正が必要かなとい うことを感じました。  それから、ここの税金の7ページのほうに、所得税・法人税、住民税、事業税とあり ます。これは確かに最終的に税引き前の額を出して税金を引くという形ですが、事業税 は租税公課の欄にも法人のところでも出てきていますので、租税公課は一般的に経費の ところでさっと引いていく中に入っていきますね。そういうことですと、集計上、病院 の場合に二重に事業税が出てきてしまう危険があるのではないかと一つは感じています。 それは事務局な処理ができれば、租税公課のところでそれを抜いていけばよろしいのか と思います。  逆に、集計の上で税引き前と税引き後をするのが大変だといった御説明はよく分かり ますので、もしそれを歯科診療所等で対応する場合には、租税公課の欄のところに特別 にもう一つ、租税公課の説明の中には事業税が入っているのですが、そこに法人の場合 には法人税も含むという形にすれば、明らかに法人立の診療所においては税引き後の形 が見えてくるであろうと。事業税は入っているんです。ですから、そこに「住民税」と 「法人税」という言葉を入れれば、もう税引き前、税引き後ということをせずに済むの ではないかと考えますが、それは専門的な立場でどう説明していただけるか、ちょっと お願いしたいんですが。 ○遠藤小委員長  それでは、事務局、お願いいたします。 ○事務局(小野保険医療企画調査室長)  まず最初の御指摘の所得税・法人税の箇所につきましては、税法を確認した上で適切 な書き方にさせていただきたいと思います。大筋、先生のおっしゃっていることだと思 います。ただ、税法のいろいろな適用関係がございますので、そこを確認させていただ いて、適切な表現にしたいと思います。  事業税につきましては、実は個人事業税といわゆる法人といったものにかかる事業税 とは、ちょっと考え方が、課税対象が違うところでございます。実は、個人事業税につ きましては、収入といいますか、所得といいますか、そういうものに対して税額がかか るというのが基本的な考え方になっております。一方で法人につきましては、経費とい う形ではなくて、収支差額に対してかかるという形になっております。そういった立て 方の違いがありますので、このような欄の違いを設けさせていただいているところでご ざいますが、作業の簡易さとか、渡辺先生がおっしゃったことも踏まえまして、少し精 査させていただければと思います。 ○渡辺委員  では、そこのところは御検討いただければと思いますので。 ○遠藤小委員長  はい、分かりました。  では、山本委員、どうぞ。 ○山本委員  先ほど藤原委員から法人と個人のお話があって、事務局のほうから病院に関する法人 と個人の違いというのはよく理解できたのですが、今回、診療所でも法人立については 一定のことを加えましょうという御見解のようであります。そういった意味からすると、 保険薬局はほとんどが法人でありますので、個人立と一緒にされてしまうのは極めて数 字的なずれが出てまいります。もし法人立の診療所に対して税引き後の当期純利益とい ったものを整理するのではあれば、そこは保険薬局につきましても同様に整理していた だきませんと、数字のばらつきが出てくるということでありますので、ぜひ御検討では なくて、ぜひ加えていただかないと、他との比較ができないと思いますので、よろしく お願いいたします。 ○遠藤小委員長  分かりました。早急に……。結論を出したいと思います。  中川代理、先ほど手を挙げておられましたけれども、今の話と直結しますか。しませ んね。  そうしましたら、ただいま2号側から2つの意見が出ているわけでありまして、事務 局案に対しまして、法人立の診療所を入れて税引き後を出すべきだと、同じように薬局 の場合も、税引き後を出すのであるならば、法人立だけにしてほしいという意味合いで しょうか。山本委員、どうぞ。 ○山本委員  先ほど藤原委員のお話と事務局の間では、個人立はともかく、ならば法人立について は加えるべきだという御指摘でありましたので、私どももそのように考えていますので、 同様にしていただければと思います。 ○遠藤小委員長  という2つの案が出ておりまして、事務局も、技術的にはできるだろうという話であ ります。1号側からもし御意見があれば。対馬委員、どうぞ。 ○対馬委員  税引き後ということですけれども、税金の問題というのは、今も議論されているとお り、非常に複雑です。企業などでももちろん、総額で表示したり、いわゆる税引き後の 手取りという概念もあります。ですから、そういったことでやっていくと非常に分かり にくくなるのではないかという懸念はちょっとあります。ただ、そこはおのおの、でき るだけ細かくといいますか、まずは税引き前のところで議論して、それから税引き後の ところでもう一回議論しようではないかということであれば、やぶさかではありません が、ちょっと細かくなりはしないかなということを個人的には懸念しています。 ○遠藤小委員長  ほかにございますか。松浦委員、どうぞ。 ○松浦委員  私は前回質問させていただいた件、データの収集の仕方について、総務省の見解では こういう決算書類を求めることはできないということだったのですが、どういう質問を されて、どういう回答が返ってきたのか。どういう質問をされたのかからちょっと聞か せていただけませんか。それで、できればそれをペーパーにして示していただければあ りがたい。 ○遠藤小委員長  ただいまの議論と直結はしませんけれども、前回の松浦委員の御発言に伴っての回答 だったので、もし回答できるのであれば、お願いしたいと思います。事務局、どうぞ。 ○事務局(小野保険医療企画調査室長)  松浦先生の御指摘からでございます。私どもが質問いたしましたのは、総務省に対し まして、医療経済実態調査の調査票を配付する際に決算書の添付を求めることができま すかというお尋ねをしたところでございます。総務省の担当部局の見解をもう一回申し 上げます。ちょっと長くなりますが、恐縮です。  「承認統計調査は調査客体の協力のもとに行われる調査として、調査客体自らが記入 した内容は信頼に足るということが前提で行われており、記入された内容に他の調査事 項との関係から矛盾が生じているなど、設問に対する誤った理解や記入に際しての誤記 があると想定される場合、調査客体に対して記入の内容の照会を行うことは一般的であ る。  しかし、この場合においても照会に対する対応は調査客体の任意であり、調査の実施 者として調査票の記入内容に虚偽の報告がないかを確認することを理由に、決算書の提 出を強制することはできない。  また、承認統計は、統計法第15条の2の規定により、統計報告、すなわち調査結果 を統計上の目的以外に使用することは禁じられており、調査票の記入内容に虚偽の疑い があることを理由に他の法律に基づく権限(中医協や厚生労働省所管法令に基づく権限 等)を行使して決算書の提出を調査客体に求めることは、統計法違反となる」 といった回答を得たところでございます。 ○遠藤小委員長  松浦委員、どうぞ。 ○松浦委員  そうすると、自主申告に基づくものだけで判断しなければならないということになる わけです。私は、診療報酬というのは、医療費を見ても三十何兆円といった額を対象に してあるのですが、私はぜひその総務省のペーパーをいただきたいのですが、そういう ことで本当に国民は納得するのでしょうかね。そういうデータに基づいて、私はそこの ところをもう一度、これは法律がそうだからしようがないと言われればそれはしようが ないんですけれども、それは国民一般の議論として一遍訴えてみる必要があるのではな いかという気がします。総務省の見解の書類はいただけますか。 ○遠藤小委員長  事務局、どうぞ。 ○事務局(小野保険医療企画調査室長)  今私が読み上げたとおりのことでございますが、お渡しさせていただきたいと思いま す。 ○遠藤小委員長  それでは、松浦委員の御指摘の趣旨は十分分かりますので、重要なことを御指摘いた だいたということで受けとめさせていただいてよろしゅうございますか。今回の対応に はちょっと間に合わないということでありますので、今後の検討の材料であろうと理解 しております。ありがとうございました。  それでは、とりあえず、これは事務的な話で、しかも時間的に今日あたりで決めてお きませんと間に合いませんが、今新しい提案が藤原委員と渡辺委員から出されました。 これについて御意見もあったわけでありますけれども、この形で進めていってよろしい かどうかということで合意を得たいと思います。前回の流れからいいますと、税引き後 をとるということについて、大体の方には御賛成いただいたといった認識を持っていた のですが、いかがでございましょうか。高橋委員、どうぞ。 ○高橋委員  税引き後にこだわる理由というのはどういうことが想定されているのか、その理由を ちょっと聞かせてください。 ○遠藤小委員長  それでは、藤原委員にお願いします。 ○藤原委員  税引き前の比較というのは、それは病院の勤務医の先生方のものを見ましても、それ は一定のものが引かれた形で出ていると思います。ところが、税引き前といっても、例 えば個人でいいますと、実際にはいろいろな必要経費がかかっているわけです。例えば、 退職金の積み立てとか、あるいは設備投資とか、そういったもろもろのことが入ってい る。それがそのまま個人の所得であるかのように出されるということに対して、私は最 初に個人のことを申し上げましたけれども、そういったことで比較されるというのは非 常に遺憾だと思います。だから、個人についても同じような条件のもとで比較すべきで ある、それが一般の公正なやり方ではないかという観点から申し上げたところです。 ○遠藤小委員長  高橋委員、いかがですか。 ○高橋委員  簡単に言えば、税金をかけるということは、企業で言えば、当然その企業なり、それ から業界なりによって大分変わってきます。それを正確に対比するということであれば、 私は、税引き前のほうがより対比しやすいのではないかなという印象を持っているんで す。今言われんとすることも分からないわけではないですけれども、私は個人的にはそ う思っている。そういう意見だけは述べておきます。 ○遠藤小委員長  ほかにございますでしょうか。渡辺委員、どうぞ。 ○渡辺委員  今の高橋委員のお話に対して、藤原委員の答えにもう1点加えれば、同じ法人同士で あるならば、病院の場合もやるのであれば、個人というか、診療所レベルの法人でもや るべきでしょうというのが、提案の一つなんです。それは御理解いただけると思います が。 ○遠藤小委員長  出てくるデータが一つ増えるということでありますから、どこの指標を使って議論す るかというのはまた別な問題になるわけでありますから、データがより詳細になるとい った位置付けでとらえるということではいかがでございましょうか。それでよろしゅう ございますか。事務局、何か問題は……。事務局、どうぞ。 ○事務局(小野保険医療企画調査室長)  先生方の中で合意がいただけるのであれば、そのような方法で行いたいと思いますが、 1点申し上げておきたい点がございます。実は、この集計の仕方といたしまして、今は 損益の点で議論しておりますけれども、損益の集計の仕方と給与の集計の仕方を合わせ てございます。今は、例えば一般診療所の場合でございますけれども、集計の仕方とし ては、個人というものとその他ということで、今度新たに調べるという御提案をいただ いております法人についてはその他という中に含まれてございます。この給与の部分に つきましても、個人、法人、その他という分け方にさせていただければと思います。そ れに伴いまして作業量の問題が発生いたしますので、先ほど私が7月とか8月とかと申 し上げたのは、今の原案での作業量といたしましては、(4)とかその下の(5)をや らないとなると9月末まで待てるということで、(5)をやるとなると7月末とかお盆 前ぐらいということになってしまうわけでございますが、また作業量がこれで追加され ますと、そういったことでまた実質的な締め切りも若干考慮しなければいけないという ことになってしまいます。その点も踏まえていただいた上で御了解いただけるのであれ ば、そのように対応させていただきたいと思います。 ○遠藤小委員長  今の事務局からの御指摘、よろしいでしょうか。結局、作業が増えるので、少しずれ 込むということですか。 ○事務局(小野保険医療企画調査室長)  10月末までに出すということを守るのであれば、実質的な締め切りも、若干といい ますか、前倒しをしなければならなくなるということでございます。 ○遠藤小委員長  よろしいでしょうか。松浦委員、どうぞ。 ○松浦委員  実は診療報酬改定で決算データでいこうという意見が2号側から出されまして、私は 大変期待していたんです。こういう大きな改定をやるときには、データの信頼性という ことはもう絶対必要なことだと思っています。これは、例えば、決算データでいこうと おっしゃいましたいわゆる2号側の自主的な判断によって、この信頼性を担保するため に自分たちで決算書を添付するということはお考えになっているでしょうか。その点を ちょっとお聞かせいただければと思います。 ○遠藤小委員長  それは2号側にお尋ねということですか。2号側の意向として、調査対象になった医 療機関がそれを添付するように、団体として何らかの誘導というか、レコメンドする気 持ちがあるかどうかということだと思います。 ○渡辺委員  藤原委員、中川委員からもいただくと思いますけれども、こうした国の調査というも のにおいて、そのような個人的な意思でやってくださいというか、しかも非常に重要な 書類、総務省は今それは現行法上ちょっと問題がありますといったことをそこに明示す るという、書かなければ分からないわけですから、書いて出すという形になると、甚だ 問題でしょうし、かといって、では私たちはどこに出されるか分からないところを全国 に向けて出しましょうというのも、では国の調査においてそういうことがあり得るのか という疑問が逆に生じると私は今は考えております。それをこの制度の中でやりましょ うという形になれば、それはもう当然そうあるべきだと私は思います。 ○遠藤小委員長  歯科医師会としてはそういうお考えだということです。よろしいでしょうか。藤原委 員、どうぞ。 ○藤原委員  私は、松浦委員と同じ方向だと思っております。我々は公明正大で正確なデータを出 してきちんと議論したいと思うから、今回の医療経済実態調査についてもより正確なデ ータをとお願いしたわけですから、基本的にはそうなんですが、それが法律的な枠組み の中でどうかということになりますと、私としては答えられません。もしそういったこ とが可能であれば、我々としては、診療側として最大限の努力をしたいと考えておりま す。 ○遠藤小委員長  よろしいですか。 ○松浦委員  分かりました。 ○遠藤小委員長  それでは、先ほど事務局からの、作業量が増えることによって締め切りの変更もある ということも踏まえまして、この形で進めさせていただいてよろしゅうございますでし ょうか。特に反対の御意見があればいただきたいんですが、よろしゅうございますか。 はい。 ○渡辺委員  1点、記入要領のところで、この前お願いしました、個人の場合の診療所における専 従者の対応というのは非常に重要ですということで、その給与の記載について明記して いただきましたので、大変ありがとうございました。それでよく分かると思います。 ○遠藤小委員長  どうもありがとうございました。  それでは、新しい提案につきましては御承認いただいたということにいたします。  その他いろいろなことが今回提案の中に入っているわけでありますけれども、ほかに 何か御意見・御質問はございますでしょうか。中川代理、どうぞ。 ○竹嶋委員(代理 中川氏)  先ほど小林委員からフローだけでなくてストックも考慮したというお話がありました が、医療機関のストックというと、負債も考慮するということだと思うんですけれども、 具体的には、例えば内部留保とか、いろいろありますけれども、どういうものを指すの ですか。 ○遠藤小委員長  小林委員、どうぞ。 ○小林(麻)委員  今回、調査票の中に流動資産と流動負債と固定資産と固定負債の部分が出ていると思 うんですけれども、運転資本というところから見ると、流動負債と流動資産の割合とい うのは支払い能力になるわけなので、そこの部分を見ると、短期的な安全性があるかど うかということを見ることができます。それから、固定資産はたくさん借入金を借りて 形成しているのかどうなのかということを見ることによって長期的な安定性を見ること ができるということなんです。細かく見ようと思うといろいろな見方ができるんですけ れども、大きく、今までフローの観点からだけ見てきましたので、その意味で固定資産 形成の部分と、それから短期の借入金の返済の部分の安全性・安定性を見るということ がまずは重要なのではないかという観点で、ストックのデータも入れていただきたいと 要望したところです。 ○遠藤小委員長  中川さん、どうぞ。 ○竹嶋委員(代理 中川氏)  個々の医療機関にとっては小林委員のおっしゃるとおりだと思いますが、診療報酬改 定の影響を見て次の改定の議論に進むという意味のこの調査において、単年度収支以外 に、例えば何年前からの資産か負債か。そうなると、わざわざ記載して利用可能なのか と。むしろ、医療機関のいわゆるプライバシーにも直結するわけで、これは非常にデリ ケートな問題だと思うんです。私は基本的には、この診療報酬改定の影響を見て次の改 定の議論をする資料としては、フローしか利用できないのではないかと思っているんで すけれども、専門家から見たら、どうですか。実際に利用可能ですか。 ○遠藤小委員長  小林委員、どうぞ。 ○小林(麻)委員  私の観点からいうと、利用可能だと思っています。というのは、医業を健全に運営し ていくといった観点では、1年以内の返済義務があるものをどのように返済しているの かということが、流動の部分から見ると見えるわけです。それで、ここの場合にはいろ いろな意思決定で経営管理をしていらっしゃると思いますので、固定資産の明細みたい なものはここではまだ俎上には上っておりませんけれども、固定資産というものをネッ トの純資産の部分以外にどんな借り入れ、公的な病院ですと、それは借入資本金といっ た形で企業債みたいなものが出ていたりとかいたしますけれども、そういう部分とのバ ランスを見るということは、もちろん診療報酬改定は2年ごとの改定でありますけれど も、それをもうデータとしてストックしていくといいますか、時系列に見ていくという 観点が必要になってくるのではないかというのが基本的な私の考えです。 ○遠藤小委員長  いろいろな視点からの分析の方法があるかと思いますけれども、とりあえずストック のデータを今回も省くのは反対だということを小林委員はおっしゃっているわけでもな いのでございますね。ということでありますので、とりあえず今の問題は今後また分析 の方法として議論するという形にさせていただいて、今回につきましては、既に実−1 に出ている内容について御承諾いただけるかどうかという議論に集約したいと思うんで すけれども、いかがでしょうか。 ○竹嶋委員(代理 中川氏)  とりあえず使わないけれどもデータだけということであれば、いろいろ作業量をスリ ム化しなければいけないとかという事務局の説明もあり、締め切りも前倒ししなければ ならないということもあったので私はお聞きしたのですが。 ○遠藤小委員長  逆に言えば、今まで集めていたデータを十分使っていなかった面もあるのではないか という御指摘もありますので、それはまた今後議論していきたいと思いますので……。 ○竹嶋委員(代理 中川氏)  本報告にしか使わないものを中止するといった流れの中で、またこれは復活したわけ ですから。 ○遠藤小委員長  分かりました。  関連しまして、対馬委員、どうぞ。 ○対馬委員  2つあるのですけれども、1つは、松浦委員が言われた意見というのは非常に重要だ と思いますので、今回は残念ながらできませんけれども、これで一件落着ということで はなく、今後も議論していく検討課題という整理をしていただければと思います。  もう1つは、非常に細かい話で恐縮なんですが、実−1の8ページ目、集計区分とい うところがあります。その下のほうが変更後ですが、この一番上のヘッドのところに区 分というのがあります。左側は「2%未満」でいいのですけれども、右側には「2%以 上」と書いてあり、下を見ますと、当然ながら「以上」もあれば「未満」もあります。 ですから、ヘッダーのつけ方がちょっと違うのではないかと思います。5ページ目の上 のところの四角の中の一番下の集計2というところを見ますと、「全ての医療機関等の 集計」と書いてありますので、まさにこれがヘッダーとなるべき部分だろうと思うんで す。 ○遠藤小委員長  まず、対馬委員のおっしゃられました最初のお話ですけれども、松浦委員の御提案に ついては今後検討を続けていくべきであろうといことであります。私もそのつもりでお りましたけれども、そういうことでよろしゅうございますか。――今後議論していくと いう形にしたいと思います。  それとあとは表記の仕方でありますけれども、これは事務局、何かあれば、御回答い ただきます。 ○事務局(小野保険医療企画調査室長)  図表の記入がそういう意味ではちょっと分かりにくかったと思います。私どもの趣旨 といたしましては、右側の「2%以上」の点々の部分の説明の意味で上のヘッダーを書 いたつもりでしたが、下の記述と見比べてみますと、確かに分かりにくいということが ございます。その御意見を踏まえて、次回これを用いる際には、もう少し工夫して分か りやすい資料としたいと思います。 ○遠藤小委員長  よろしいですか。 ○対馬委員  はい。 ○遠藤小委員長  では、実−1に書かれている内容及び保険者調査につきまして、データは従来どおり とるけれども、速報だけで済ませたいという先ほどの御提案でありますけれども、この 両方を含めまして、よろしいでしょうか。牛丸委員、どうぞ。 ○牛丸委員  確認ですが、保険者調査のほうですが、本報告なしということでよろしいのですか。 ○遠藤小委員長  そういうことです。 ○事務局(真鍋数理企画官)  医療機関等調査のほうが本報告を行わないということですので、それに合わせて、本 報告といった形で中医協の場で御報告するのはやめると。ただ、御議論の過程で必要な データがありましたら、もちろん用意しておりますので、資料としてお出しするという ことを考えております。 ○牛丸委員  中医協の診療報酬改定に関してはもちろんそうですが、保険者調査本報告がほかのと ころで使われているようなこともちょっと聞きましたので、その本報告がなくなること による不利益といいますか、そういう問題は起こりませんか。 ○遠藤小委員長  事務局、どうぞ。 ○事務局(真鍋数理企画官)  そういうお話がありますならば、厚生労働省のホームページに必要なものを掲載する とか、方法については少し考えさせていただきたいと思います。そういう不都合が起こ らないような形で対応はさせていただきます。 ○遠藤小委員長  よろしいですか。 ○牛丸委員  はい。 ○遠藤小委員長  では、中川さん、どうぞ。 ○竹嶋委員(代理 中川氏)  今と同じなんですが、保険者調査の本報告をルール化して、どういう場所で公表する のかということを明確にしていただきたいと思います。 ○遠藤小委員長  それは保険者調査の話ですね。 ○竹嶋委員(代理 中川氏)  そうです。 ○遠藤小委員長  分かりました。それは、また事務局から案を出していただいて、議論したいと思いま す。  それでは、よろしゅうございますでしょうか。事務局、どうぞ。 ○事務局(小野保険医療企画調査室長)  1点だけ念のために確認したいんですが、資料の11ページの別紙4の網かけの箇所 については、今の私どもの案では、年間の部分については、調査はするけれども、集計 はしないという御提案になっていますけれども、それでよろしいかということを確認さ せていただきたいと思いますが。 ○遠藤小委員長  いかがでございましょうか。よろしいですか。牛丸委員、どうぞ。 ○牛丸委員  もしこれをやらなければ、こちらの10ページの、形としては締め切りは7月末日で すが、回収は8月末まで待てるということでしょうか。 ○遠藤小委員長  事務局、どうぞ。 ○事務局(小野保険医療企画調査室長)  結論といたしましては、そうなると思います。網かけをやらないのであれば、9月末 で大丈夫だということだったのですが、先ほどの税引きの作業をすることになりますの で、8月末ぐらいまでは待てるということになると思います。 ○遠藤小委員長  よろしいですか。 ○牛丸委員  はい。 ○遠藤小委員長  ということで、事務局、よろしいですか。 ○事務局(小野保険医療企画調査室長)  はい。 ○遠藤小委員長  それでは、藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  7ページの診療側関係団体への調査客体名簿の提供の件なんですけれども、こうした 調査をする以上、だれが見ても公平な抽出、これは恐らくこういったデータの生命線だ ろうと私は思います。厚労省はランダムと言われますけれども、厚労省は、考えてみれ ば、こういった医療機関の情報をすべて知り得る立場です。それをランダムというのは どういうランダムかはよく分かりませんけれども、いかようにも適当なゾーンを抽出で きる立場にあられるので、それを少し公明な形でしていただきたい。その一つが、こう いった客体を診療側にチェックさせて、一応公平な選択だったなということが理解でき るような形にしてほしい。我々は何も医療機関の名前を知ってそれをどうこうしようと いうことではなくて、これはこのデータの一番基本的な問題で、先ほど松浦委員も言わ れたように、そこのところが恐らく生命線だろうと思いますので、総務省の統計ルール があるからと、それを盾にブラックボックスに置かれるのは、私は非常に不本意に思う んです。何らかの工夫で、我々が公平に抽出されたということが分かるような形をぜひ ともやっていただきたいと思うんですけれども。 ○遠藤小委員長  もちろん、調査ではそのサンプリングというのは極めて重要になりますので、御指摘 は十分理解いたします。もし無作為抽出が適正なのかどうかという懸念があるというの であれば、例えば皆様の御同意があれば、私なり公益委員なりがそのサンプリングをす るところに立ち会わせていただいて適切かどうかというのを見るということもあり得る かなと思います。そういうことでは今の御懸念は払拭できるのでしょうか。 ○藤原委員  私も、その辺、どうしてもならそれをお願いしようかと思っていた部分がありますの で、その立ち会いをやっていただいて……。 ○遠藤小委員長  私も思いつきで言っていますけれども、もし御支持があれば、あるいは事務局、そう いう対応は可能ですね。 ○事務局(小野保険医療企画調査室長)  機械でやっておりますので、その機械を動かしているところをご覧いただくことは可 能でございます。 ○遠藤小委員長  多分そうだと思いますが、その機械を見てみます。 ○藤原委員  医療機関の名前を伏せて、どういったゾーンが選ばれているか、例えば患者、レセプ ト枚数とか、年齢とか、そういったことがある程度分かれば一応納得できるんですが、 それさえもだめだということになるんですか。 ○遠藤小委員長  どうぞ、ランダマイズの方法をもう少し説明してほしいということですので。 ○事務局(小野保険医療企画調査室長)  私どもといたしまして、今はもう少し検討したいと思いますが、思いつく方法といた しましては、今回、実−2でお配りしているのが抽出方法で、これに基づき機械的な作 業をしているところでございます。これを私どもの保険局医療課のほうから、そうした データを集計しております省内の統計情報部という部局に対しまして依頼いたします。 そのときにいわゆるお役所の内部文書として事務連絡を出させていただきますが、この とおり作業していますということで、その事務連絡の文書を先生方にお見せするという ことでいかがかと思います。例えばその中には、ちょっと例示だけで申し上げますと、 今、層化についていろいろ書いてあること、これを写してあることをもう少し詳しくし ております。例えば、開設者が医育機関のところは除くという場合には、その医育機関 とはどういうものかとか、そういった解説などもつけたりしております。そういうこと が事細かにございますので、全部の御説明は省略いたしますが、そのようなものをお示 しするのも一案ということで申し上げさせていただきたいと思います。 ○遠藤小委員長  できるだけその辺の懸念が払拭されるような対応をお願いしたいと思います。  藤原委員、よろしいですね。 ○藤原委員  はい。 ○遠藤小委員長  ありがとうございました。  それでは、第17回医療経済実態調査は本案をもって実施するということで、これを 後日開催されます総会に報告しなければいけませんので、そのような形で報告させてい ただきます。  それから、多少事務的な話になりますけれども、これは後に総会で承認された後に、 総務省との協議がまたあるそうです。その過程で文言等々で軽微な修正が必要になるよ うなこともあり得ますので、その場合の対応は私に一任させていただければと思います けれども、よろしゅうございますでしょうか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  それでは、本日の調査実施小委員会はこれにて閉会したいと思います。  ありがとうございました。 【照会先】 厚生労働省保険局医療課保険医療企画調査室企画調査係 代表03−5253−1111(内線3287)