09/02/24 第22回社会保障審議会少子化対策特別部会議事録 日時:2009年2月24日(火) 13:00〜15:00 場所:三田共用会議所 講堂(1階) 出席者:  委員   大日向部会長、岩渕部会長代理、岩村委員、内海委員、大石委員、清原委員、駒村委   員、篠原委員、庄司委員、宮島委員、山縣委員、吉田委員  参考人(オブザーバー)   社団法人日本経済団体連合会経済第三本部長 今井克一参考人  事務局   村木雇用均等・児童家庭局長、北村審議官、高倉総務課長、堀井調査官、朝川少子化   対策企画室長、杉上虐待防止対策室長、定塚職業家庭両立課長、藤原家庭福祉課長、   中村児童手当管理室長、今里保育課長、宮嵜母子保健課長 議題:  次世代育成支援のための新たな制度体系の設計について   社会保障審議会少子化対策特別部会 第1次報告(修正案)について 配付資料: 資料1 社会保障審議会少子化対策特別部会第1次報告(案) −次世代育成支援のための新 たな制度体系の設計に向けて−【概要・ポイント版】 資料2 社会保障審議会少子化対策特別部会第1次報告(案) −次世代育成支援のための新 たな制度体系の設計に向けて−【概要・詳細版】(溶け込み版) 資料3 社会保障審議会少子化対策特別部会第1次報告(案) −次世代育成支援のための新 たな制度体系の設計に向けて−【概要・詳細版】(見え消し版) 資料4 社会保障審議会少子化対策特別部会第1次報告(案) −次世代育成支援のための新 たな制度体系の設計に向けて−(溶け込み版) 資料5 社会保障審議会少子化対策特別部会第1次報告(案) −次世代育成支援のための新 たな制度体系の設計に向けて−(見え消し版) 資料6 今後の保育制度の姿(案) 第21回(H20.12.16)に提示した「新たな保育の仕組み」 案からの変更点 参考資料1 社会保障審議会少子化対策特別部会 第1次報告(案) −次世代育成支援のた めの新たな制度体系の設計に向けて− 参考資料集 参考資料2 第7回保育事業者検討会における各保育団体の提出資料 参考資料3 社団法人日本経済団体連合会提出資料 議事: ○大日向部会長  定刻になりましたので、ただ今から「第22回社会保障審議会少子化対策特別部会」を開 催いたします。委員の皆様方におかれましては、ご多用のところをお集まりいただきまし てありがとうございます。会に先立ちまして、事務局より資料の確認と委員の出席状況に 関してご報告をお願いします。 ○朝川少子化対策企画室長  それでは、お手元に配付させていただいております資料の確認をさせていただきます。 まず、「議事次第」がございまして、横紙の資料1といたしまして「社会保障審議会少子化 対策特別部会第1次報告(案)【概要・ポイント版】」という資料がございます。そして資料 2といたしまして、同じく「社会保障審議会少子化対策特別部会第1次報告(案)【概要・詳 細版】」がございます。資料3といたしまして、同じ「概要・詳細版」ですが、前回からの 見え消しをしているものがございます。資料4は「社会保障審議会少子化対策特別部会第1 次報告(案)」の本体でございます。資料5も第1次報告(案)の本体ですが、前回からの修 正部分を見え消ししたものでございます。資料6は「今後の保育制度の姿(案)」としまし て、12月の段階からの変更点をわかるようにした資料でございます。その下に参考資料1 としまして、参考資料集を付けさせていただいております。さらに、参考資料2としまし て、先週の月曜日に開催しました第7回保育事業者検討会における各保育団体の提出資料 でございます。その下に、参考資料3といたしまして、社団法人日本経済団体連合会から 提出いただいた資料を置かせていただいております。その下に、さらに資料番号なしで全 国学童保育連絡協議会から要望書をいただいておりますので、机上に置かせていただいて おります。もし、不足等がございましたら事務局にお声を掛けていただければと思います。  委員の出席状況でございますが、本日は、佐藤委員、杉山委員、野呂委員、福島委員、 山本委員からご都合により欠席とのご連絡をいただいております。それから、内海委員は 出席のご予定でございますが、到着が遅れるというご連絡をいただいております。なお、 本日ご欠席の福島委員の代理として社団法人日本経済団体連合会経済第三本部長の今井克 一参考人にご出席いただいております。ご出席いただいております委員の皆様方は定足数 を超えておりますので、会議は成立しております。以上でございます。 ○大日向部会長  ありがとうございました。議事に入ります前に、本日ご欠席の福島委員の代理としてご 出席いただいております社団法人日本経済団体連合会経済第三本部長の今井克一参考人の ご出席についてお諮りいたします。ご異議はありませんでしょうか。  (「異議なし」の声あり) ○大日向部会長  異議なしということで、それでは議事に入りたいと思います。本日は、お手元の議事次 第にありますように、前回に引き続きまして、本少子化対策特別部会における議論の第1 次報告に向けたご議論をいただきたいと思います。  まず、昨年末の本部会から本日に至るまでの経緯、状況等につきまして、事務局よりご 説明をお願いいたします。 ○朝川少子化対策企画室長  それでは、本日に至ります経緯について簡単に申し上げます。本少子化対策特別部会に おきましては、昨年の秋以降、保育制度を中心に精力的にご議論をいただいてきておりま す。その中で、昨年12月9日の本部会では、事務局より「第1次報告(案)」といたしまし て、保育制度の部分については三つの考え方を提示させていただいたところでございます。 その上で、12月16日の会では、少子化対策特別部会の委員の議論としては、その三つの考 え方のうち中央の「新たな保育の仕組み」に概ね意見の集約がされたところでございます。  しかしながら、秋以降、同時並行的に開催していただいております「保育事業者検討会」 における議論との隔たりがまだございましたので、本来、昨年末までに結論となっていた ところでございますが、年を越え議論を深めていくことにさせていただいたところでござ います。その中で、部会長からは、今年に入りまして、平成21年の早い時期に保育事業者 検討会でのご議論を経た上で、第1次報告のとりまとめを目指したいというお考えをいた だいていたところでございます。  政府におきましては、昨年末、12月24日に、後ほどご説明いたしますが、持続可能な社 会保障構築とその安定財源確保に向けた「中期プログラム」というものが閣議決定されて おります。本年に入りましてからは、1月から今月にかけまして、全国の保育関係者の皆様 方に、第1次報告(案)について各地で私ども厚生労働省よりご説明させていただき、さら にご意見を伺う機会を多数設けていただきました。その中で、保育関係者の皆様からも非 常に貴重なご示唆をいただき、大変意義深い2か月間だったと思っております。それと並 行して、各保育団体内部でも精力的にご議論をいただいて、ご検討していただいて、本日 のご議論に先立ちまして、先週16日の月曜日に第7回保育事業者検討会が開催されまして、 各保育団体および事業者の方々からご意見をいただいたところでございます。検討会の最 後には、座長から、第7回保育事業者検討会で出された意見をこの少子化対策特別部会に もしっかり報告をし、いただいた意見を踏まえて必要な修正をするようにという指示を受 けたところでございます。経緯につきましては以上でございます。  その上で、16日の保育事業者検討会に保育団体から出されました意見をご紹介させてい ただきたいと思います。参考資料2をご用意いただければと思います。最初は全国私立保 育園連盟からいただきました意見でございます。すべてをご説明すると時間がなくなって しまいますので、ポイントのみにさせていただきますが、7ページ目からがこの第1次報告 (案)についての修正要望でございます。このページの上の方に四角囲みがございますが、3 点挙げてございます。1点目といたしましては「市町村の保育の『実施責任』が曖昧である」、 2点目としては「保育料は応能負担であるべきであるが触れられていない」、3点目として 「保育料は市町村に納入するようにすべきである」というご意見が書かれています。  その上で、9ページ目をお開きください。真ん中辺りの丸に「詳細な制度設計に関して、 特に重要な事項として考えられることは」と書いてございます。一つ目として「市町村の 保育実施義務を維持すること」、二つ目として「応能負担を原則とした保育料体系を設定す ること」、三つ目として「保育料は市町村に納入すること」、四つ目として「定員別保育単 価を確実に維持すること」、五つ目として「小規模園の定員定額制を導入すること」、六つ 目として「障害児保育費が一般財源化されていることからくる市町村の取組み格差の問題」、 七つ目として「減価償却費の多様な経営主体での取扱いの問題点」、最後に「認可外保育所 の認可化支援の条件、移行期間の問題」等となっています。具体的な修正要求はその下に ありまして、次の10ページ目に具体的なことが書かれています。図を活用して書かれてい ますのでご覧いただければと思います。(1)の「保育の必要性の判断の申請」から始まって、 図の流れが書いてあります。10ページ目の図は原案でございまして、具体的な修正意見は 11ページ目の方の図でございます。11ページ目が全国私立保育園連盟のご意見でございま す。全国私立保育園連盟からは11ページ以降、保育事業者検討会の菅原委員から補足的な 意見が出されています。  次に、全国保育協議会からいただいております意見が16ページ以降にございます。まず、 三つの課題を挙げていただいておりまして、一つ目は1の(1)にあります「子どもの育ちを 保障する保育制度を発展させる」ということ、17ページに(2)として「財源確保が不可欠」 であるということ、(3)として「地方自治体が保育制度の実施主体であること」という点を 課題として挙げて、その上で、2「確認と修正を求める事項、今後の課題」を整理されてお ります。「確認すること」は保育事業者検討会の場で事務局からも答えさせていただいてい るところでございます。18ページ目をお開きいただきますと「修正を求めること」という ものが真ん中の下辺りにございますが、まず一つ目としまして、施設整備費で減価償却費 相当分を運営費に上乗せを検討ということが、12月に私どもから提案した案にございます が、株式会社等に対し「施設整備費」を支弁することは、憲法89条の趣旨に反するものと 考えられるので、「運営費に上乗せを検討」という記載は削除いただきたいというご意見が 一つです。二つ目としては、国の最低基準は保育の実施に当たっての最低の基準なので、 認可外保育所においても最低基準を遵守することを求めています。三つ目としましては、 「受給権」という表現について、「子どもに保育を保障する」「保育を利用する権利」とい う表現に修正されたいというご意見。四つ目は、公的契約を「保育の利用の確認」と修正 されたいということ。五つ目は、「新たな三者の関係」にある「新たな」を削って、「保育 利用における三者の関係」と修正するというご意見です。次の19ページ目ですが、今後の 制度設計の検討における課題を何点かにわたって、ご指摘をいただいているところです。  20ページ目以降が、日本保育協会からいただいている意見でございます。太字のところ を紹介してまいります。まず一つ目の「基本的考え方」のところにつきましては、「新たな 保育の仕組みにおいても公的責任を明確にし、後退させない仕組みにする」ということ。 さらに、「今後とも公的責任の下に引き続き直接保育を保障する児童福祉制度であることを 明確にする。また、保育制度改革に当たっては大幅な財源確保が前提である」というご意 見です。2番目は「受給権について」ですが、21ページ目を見ていただきますと、「受給権 には反対」ということで、「保育ニーズの潜在化への対応は、独立した受給権を付与するの ではなく、入所決定とは独立させた質が確保された保育保障のための認定の仕組みを導入 すべき」というご意見でございます。次に、3「利用方式等について」は、「公的契約は、 市町村の保育の実施責任の下に利用者と保育所がより良い関係を構築する仕組みとし、契 約形式は、単に利用者と保育所との取り決めではなく、市町村と利用者及び市町村と保育 所間の法令等の規定や関与等も含めた新たな三者関係の構築を内容とする」ということで ございます。22ページ目でございますが、「併せて、引き続き直接保育を保障する制度であ ることを明らかにするために、個人給付ではなく市町村が保育所に直接支払う仕組みが適 切と考えます。なお、保育料の徴収、決定については引き続き市町村が行うべき」という ご意見です。4「給付方法について」は、「保育の質を確保し安定的な運営のため、現行制 度に係るフルタイム利用者については月額保育単価制を維持すべき」というご意見です。5 「事業者指定制度の導入」につきましては、23ページ目でございますが、「今後とも保育の 質の低下を招かないようにするため、事業者指定制度の導入には反対です」、その2行下で すが、「認可保育所の改築や社会福祉法人の役割等を踏まえ引き続き施設整備費の補助制度 を維持すべき」というご意見です。日本保育協会におかれましては、24ページ以降に、私 どもが12月にご提示した細かい案のそれぞれについて、修文の意見をいただいているとこ ろでございます。  保育事業者検討会の3団体の意見は以上でございますが、民間事業者からご参加いただ いている株式会社ベネッセスタイルケアの佐久間委員と株式会社JPホールディングスの山 口委員からは、口頭での意見をいただいております。簡単にご紹介いたします。佐久間委 員からは1点目として、制度改革に当たっては財源整備が不可欠であるという点、2点目と しましては、保育所運営に係る費用は法人によって変わらないことから、法人類型に係ら ない財政支援が必要である。3点目として、処遇の改善等により保育所を確保しやすくする ことが必要である。4点目として、認可外保育施設の質の向上に向けた支援が必要であると いう意見をいただいております。山口委員からは、すべての子どもの育ちの観点から、認 可外保育施設の質の向上に向けた支援が必要である。2点目として、障害児保育など、必要 な保育を保障できるだけの保育所運営費が必要である。3点目としまして、株式会社に対す るハード部分に係る支援相当分として、保育所運営費への減価償却費の上乗せが必要であ る。このような意見をいただいております。以上でございます。 ○大日向部会長  ありがとうございました。引き続きまして、第1次報告(案)の主な修正点につきまして、 事務局よりご説明をお願いいたします。 ○朝川少子化対策企画室長  引き続きご説明申し上げます。資料6をお開きいただければと思います。資料6は横紙 ですけれども、これは12月に私どもが三覧表の形でお示ししたもののうち、真ん中の「新 たな保育の仕組み」案と対比させる形で、今回修正を加えたところをわかりやすく対比表 を作りましたので、そこで修正の内容をご説明させていただければと思います。  2ページ目の基本的考え方のところでございます。当初12月の案にには、財源確保と必 要な制度改革が必要であるということが記載されてございました。そこに二つの丸を加え るという修正でございます。一つ目は、「今後の保育制度の姿の検討に際しては、良好な育 成環境の保障を通じたすべての子どもの健やかな育ちの支援を基本とすべき」。その上で、 「保育の『量』にはスピード感ある抜本的拡充が必要であるが、『質』の確保された『量』 の拡充が必要であり、そのため中期プログラムを踏まえた財源確保が不可欠」としていま す。  ここで「中期プログラム」という言葉が出てまいりますので、その説明をさせていただ ければと思います。参考資料1をご用意いただきまして、右下にあります通しのページ数 で165ページをお開きいただければと思います。165ページの右肩にあります通り、昨年 12月24日に閣議決定、政府全体としての意思決定がされた文書でございます。この中で特 に関係する部分について見ていただきます。167ページをお開きいただきますと、大きい3 番の下に点線の枠囲みがございますが、「原則3」というところに「消費税収は、確立・制 度化した社会保障の費用に充てることにより」という記述がございます。それをより具体 的に書いてある部分が167ページの下の(2)ですが、一番詳しいのは、168ページの真ん中 辺りにあります(3)に「消費課税については、その負担が確実に国民に還元されることを明 らかにする観点から、消費税の全額がいわゆる確立・制度化された年金、医療及び介護の 社会保障給付と少子化対策に充てられることを予算・決算において明確化した上で、消費 税の税率を検討する」という記述がございます。もう一つ、169ページの(7)でございます が、「地方税制については、地方分権の推進と、国・地方を通じた社会保障制度の安定財源 確保の観点から、地方消費税の充実を検討する」ということで、この「社会保障制度」の 中には、少子化対策も含まれていますので、国の税制、地方の税制いずれにしても増収を 確立した少子化対策の制度に充てるということが記載されております。  最後のページをお開きいただきますと、「社会保障の機能強化の工程表」がございます。 これも同じ文書の一部分を構成しておりますが、下の3分の1くらいのところに「少子化 対策」が位置付けられています。その一番下の方の「新たな制度体系の制度設計の検討」と いうところに点線の矢印が引かれていますが、まさにこれが本少子化対策特別部会でご議 論いただいていることの記載でございまして、工程表としましては、そこから法制化とい う実線が伸びて、さらに右上に矢印が伸びて、2010年代の前半のどこかで新制度体系をス タートさせるという工程が描かれています。以上、「中期プログラム」の説明を途中で入れ ましたが、資料6にお戻りください。このように「中期プログラム」で財源確保の道筋も 示されておりますので、「中期プログラム」を踏まえた財源確保が不可欠であるという記述 を書き加えております。  二つ目の丸としまして、「保育は、住んでいる地域にかかわらず、我が国の保育を必要と するすべての子どもに保障されるべきもの。子どもの健やかな育成は『未来への投資』と して、国が責任を持って取り組むべきものであり、保育の保障のために、行政(とりわけ住 民に身近な市町村)が果たす役割・責任は大きく重要。財源確保とともに、国・地方を通じ た公的責任の強化が図られるべき」という記述を追加しています。  次に、1「保育の必要性等の判断」についてでございますが、(1)「基本的仕組」につい てです。右側を見ていただきますと、一つ目の※印として以下のように修正するというこ とで、「保育の必要性・量について、受入先保育所の決定とは独立して判断を実施し」、こ こまでは12月の案と同じですが、「その旨の認定証明書を交付するとともに、認定者の登 録管理、待機児童に係る情報開示を行う仕組みとする」ということで、実施主体である市 町村で具体的にどのようなことを行うのかをはっきり明示するという修正をしています。 その下に矢印を出していますが、このような仕組みで「需要を明確化するとともに、客観 的に必要性が判断された子どもについて、公的保育を受けることができる地位を付与。(例 外ない保育保証)」と記述してございます。左と対比していただきますと、12月の案では、 「受給権を付与することによって需要を明確化する」となっていますが、そこのところを 修正しているものでございます。これにつきましては、先ほどの保育団体の意見の中にも ありましたが、「受給権」という言葉については、一つは単なる金銭給付ではないかと。行 政がお金のやりくり以外からは手を引いてしまう、公的責任が後退するのではないかとい う懸念が示されたという意見と、もう一つは、私どもの提案の趣旨としては市町村から子 どもに権利を付与するというものですが、親が無制限に権利を主張するものではないとい うことを明らかにする意味でも「受給権」という用語を見直した方が良いという趣旨で修 正をしているものでございます。  もう一つ※印を追記していますが、「母子家庭等については、優先的な利用確保その他配 慮が必要」と追加しております。これは、左側の(2)のところで、既に「優先的に利用確保 されるべき子ども(母子家庭等)」と書いていますが、それを改めて入念的に書いておりま すのと、その配慮としましては優先確保以外にもいろいろな手続き面での配慮が考えられ ますので、「その他配慮」というものを加えています。  次に、(2)「判断基準の設定」のところは、内容の変更はしていませんが、「給付対象範 囲」という「給付」という用語について見直しをして、「保育対象範囲」と修正しています。 以下、同趣旨の修正が何点か出てまいります。  次に3ページ目をお開きいただきまして、(3)「判断基準の内容」のところの見出しに「給 付対象範囲」とありますのは「保育対象範囲」と修正します。中身は修正しておりません で、真ん中辺りの二つ目の※印で「短時間勤務者など定期的・短時間利用や、不定期勤務 者について、フルタイム利用と受け皿を別とするかどうかを検討する必要がある」という 文章で、「不定期勤務者」という用語について、12月の当少子化対策特別部会において適切 な用語に見直すべきというご意見をいただきましたので、「不定期な利用」と修正していま す。  もう一つは※印を一つ追記するということで、「兄弟姉妹のいる場合に対する配慮につい て、ニーズを踏まえ、さらに検討」と加えています。趣旨は例えば、第2子が生まれたと きに産休・育休に入って、上の子どもがいったん保育所から退所しますと、いざ職場に復 帰して、上の子どもをまた保育所に預けようとすると、すでに保育所の定員がいっぱいに なってしまって入れないというようなことが多々あるということで、多子世帯に対する配 慮が必要ではないかという趣旨で、検討課題として挙げさせていただいております。  次に、(4)「給付上限量」につきましては、まず、表題を「保障上限量」と改めて、一つ 目の丸につきまして利用者ごとに保障上限量を例えば「例えば週当たり2〜3区分程度を月 単位で判断」としています。これにつきましては、元の案で「週当たり2〜3区分程度」と 書いていることに伴って、例えば週ごとに、ある週は5日付けるけれども、ある週は2日 というようなケースがあったとした場合に、受け入れる保育所側の体制確保との関係で問 題になるというご指摘を受けておりまして、それを踏まえて月単位で判断するということ を記載しています。  次の二つ目の丸につきましては、保障上限量をどれくらいにするかを決める考慮事項を 書いてある部分ですが、12月の原案では「就労時間と通勤に要する時間を考慮」となって いましたが、考慮事項を加えまして「子どもの生活の連続性等に配慮した適切な保育を行 う観点」ということを加えています。趣旨としましては、一日の一連の保育の流れが、た またま保障上限量になってしまったことによって、保育が細切れになってしまうというよ うなことがないようにするという趣旨と、もう一つは、3歳以上児について考えますと、こ の年代になりますと幼稚園にも通い始めますので、幼稚園に毎日通うということを考えま すと、保育所でも仮に週2〜3日の働き方の家庭であったとしても、毎日保障されるべきで はないかという観点からの修正でございます。  次に、5ページ目をお開きいただきまして、2「保育の提供の仕組み」についてでござい ます。(1)「利用保障の基本的仕組み」のところでございますが、一つ目の丸は、先ほどの 2ページ目と同じ修正ですが、「受給権を例外なく付与」という言葉をやめて「客観的に必 要性が判断された子どもについて、公的保育を受けることができる地位を付与。(例外ない 質の確保された公的保育の保障)」としています。  二つ目の丸は、市町村に実施責任を課すというところで、12月の案では簡単に三つ書い ています。「給付義務」、「基盤整備責任」、「利用支援」と書いていましたが、もう少 ししっかり書き込むという修正をしています。「市町村に、保育を必要とする子どもに質 の確保された公的保育が着実に保障されるための実施責務を法制度上課す」ということで、 四つ書いていますが、一つ目は、しっかりと例外ない保育を保障するということです。二 つ目は、「質の確保された公的保育の提供体制確保責務」ということで、具体的には括弧 書きの中で「保育の必要性の認定を受けた子ども数を勘案し、整備計画の策定・実行等を 通じ、着実に質の確保された公的保育を保障しうるだけの地域の提供基盤を整備すべき責 務」。こちらは量の拡充についてです。さらに「また、最低基準・保育指針等に係る指導・ 監督・研修の実施等」で、質の確保についても責務を担っていただこうという趣旨を明確 にしているものです。  大きい3点目としまして「利用支援責務」ですが、「利用調整、利用者と保育所における 円滑な公的保育契約の締結・履行に関する支援」と書いてあります。具体的イメージとし ましては、例えば第一希望の保育所に入れなかった場合に、第二希望、第三希望を市町村 において斡旋してあげるとか、あるいは障害児など、実際に受け入れ先の確保が難しいと いった事例が仮に生じたような場合には、市町村で責任を持ってしっかり斡旋してあげる とか、あるいは公的保育契約を結んでいただく際のひな型を市町村において作成する、保 護者と保育所の間で何らかのトラブルが起きたときに市町村が苦情を聞くとか、そのよう ないろいろな公的関与を市町村が行うことをイメージしています。  4点目としては「費用の支払い義務」です。次に「(2)利用方式」についてですが、12月 の案では利用者と保育所の間で受給権に基づく公的契約を結んでいただくという記述にし ていましたが、そこを修正いたしまして「市町村が、利用者と保育所に対し、上記(1)〜(4) の公的責任を果たす三者の枠組みの中で、利用者が保育所と公的保育契約を結び、より向 合う関係に」ということで、単にその当事者間に契約関係を委ねるのではなくて、しっか り実施責任を有する市町村が関与しながら公的契約を結んでいただくという修正です。あ と、これは12月の段階で本少子化部会でご意見をいただいていますが、公的契約という用 語について保育だということをもう少ししっかり明示する意味で、「公的保育契約」という 修正をしています。  1枚おめくりいただいて6ページですが、大きい3番「参入の仕組み」についてです。「(1) 参入の基本的仕組み」のところは、12月の段階では「客観的基準を満たす事業者は、給付 対象とする仕組みとする。【客観的基準による指定制】」という提案をしていました。それ を以下のように修正するということで、「質の確保された保育所のスピード感ある拡充が図 られるよう、市町村が保育の費用の支払い義務を負う対象となる保育所の判断は、最低基 準により客観的に行われる仕組みとする。このため、客観的基準(最低基準)による指定制 を基本としつつ、検討する」と。この修正の趣旨は、現在の認可制度が比較的裁量性が高 いという前提で、参入をより促進する観点から一定の最低基準を満たした事業者は基本的 には参入の対象にしていきましょうという提案をすること自体は変えていません。それを 実現するツール・手段として、指定制ということを提案しているわけですが、そこについ ては技術的にも今後検討する中で、指定制以外にもより良い仕組みがあればその仕組みで も構いませんので「指定制を基本としつつ、検討する」ということにしています。  次に(2)の施設整備費の取り扱いですが、12月の段階では「運営費に相当額を上乗せを検 討」しますということと、集中的整備、あるいは経過期間における改修費用、そこの施設 整備費は維持しますということを提案していたところです。そこについて、二つ丸を分け て書いていたのを「ただし」ということで一つにするという修正と、もう一つはポツを加 えて「憲法89条の問題や社会福祉法人の特性を考慮」という記述を追加しています。憲法 89条の問題といいますのは、行政主体が公金を支出する際に支出先が公の機関に属してい ない場合は公金は支出してはいけないという規範が書かれているものがこの89条です。こ ういう89条の問題もあるので、今施設整備費の対象は社会福祉法人に限定されているとい うことになっています。そういう89条の問題であるとか、社会福祉法人については財産を いったん全部法人でキープした上で解散時には戻ってこないという特性もありますので、 その特性を考慮しながら施設整備費については検討していきましょうという趣旨です。  次に7ページ目ですが、大きい4番「最低基準」について。こちらは「客観的基準を満 たす事業者を給付対象」とすると言っておりましたが、この客観的基準は念頭に置いてい ますのが最低基準ですので、それをしっかり括弧で「(最低基準)」と書き込むという修正と、 あとは用語の置き換えです。  大きい5番「費用設定」につきましては、公定価格ですというところは12月の案そのま まですが、二つ丸を追加する修正をしております。一つ目は「利用料(実利用量ではなく必 要量)に応じた月額単価設定を基本としつつ、安定的運営に配慮」としております。これ は左側でいうと6の一つ目の丸の2行目の後半辺りから書いてあるものを移しているもの ですが、移すに際しまして、単に「(必要量)」と書いていたのがわかりづらいので、より 趣旨を明確化する趣旨で「(実利用量でなく必要量)」と。要するに子どもが風邪をひいて 休んでしまったら利用がないわけですけれども、必要量としてはあらかじめ認定されてい るわけですので、その必要量の方で単価の支払いをするということです。もう一つは「月 額単価設定」ということで、これは「保障上限量」のところでご説明したことと同様の趣 旨ですが、日払いとかそういうことではなくて月額で設定するということです。次の丸は 「利用者負担のあり方については、所得に対する十分な配慮を基本に、今後、具体的なあ り方を検討」ということで、12月の段階では利用者負担の水準の話は書いていませんでし たが、その記述を追加したというものです。「また」書きのところは「利用者負担の水準の 決定」、個々の家庭についていくらですよという決定については、「国の定める基準の下、 所得を把握しうる市町村において行う」と。これは保育所で行うのではなくて市町村が決 定するということを書いたものです。  大きい6番「給付方法」ですが、12月の案を見ていただくと「市町村が利用者に対する 給付義務を負うが、実務上は市町村が保育所に対して支払い(代理受領)」してもらいます という提案をしていますが、ここにつきましては先ほど保育団体から出された意見でもご ざいましたが、現物給付で行うべき。要するに、市町村から保育所に対する支払い、概念 上、12月の提案は利用者に対して支払うという構成をした上で実際には保育所に払います よと言っているのではなくて、現物給付で市町村から直接保育所に払う仕組みにすべきで あるというご意見をいただいています。ここの点について修正案は「市町村が保育の費用 の支払い義務を負う」と、支払い義務を負うということのみ書いて、誰に対して負うかと いうことについては今後詳細設計を議論する中で詰めていくという取扱いにするというこ とです。右の二つ目の丸は保育量水準の決定は市町村が行うということを繰り返し書いて います。三つ目の丸は保育料徴収についてですが、左の12月の提案では「保育所が行うこ とを基本としつつ」という提案をしていましたが、そこの語句を削除しまして、考慮事項 だけを書くということにして「選択者(保護者)と最終利用者(子ども)が異なるという保育 の特性を踏まえ、未納があっても子どもの保育が確保されるよう、また、保育所における 徴収義務体制がないこと等の課題を踏まえ、具体的な方策(市町村と保育所の役割等)を さらに検討」としています。  次に8ページ目、大きい7番「認可保育所の質の向上」についてですが、まず一つ目の 丸で考え方について整理しているところにつきまして、保育指針のことを書き加えていま す。右側を見ていただきますと「子どもの最善の利益を保障し、子どもの健やかな育ちを 支援するため、保育を直接受ける子どもの視点をいかに担保できるかという視点に立ち、 新しい保育所保育指針に示された保育を真に実現するために、保育の質の維持・向上を図 っていくことが必要」としています。三つ目、四つ目、五つ目の丸につきましては、文末 について共通した調整をしていますが、12月の案では「財源確保と併せさらに検討」と、 少し財源確保についての取組姿勢が弱いというご指摘を受けましたので、「財源確保ととも に、さらに詳細を検討」と修正しています。右側の下から二つ目の修正は用語の置き換え をしています。  次に9ページ目の大きい8番「認可外保育施設の質の引上げ」につきましては、内容に ついては修正していませんが、用語の置き換え、1行目の「給付対象」を「費用の支払いの 対象」と修正しています。  次に10ページ目の大きい9番「地域の保育機能の維持・向上」についてですが、9番で は三つのことを書いています。「小規模サービス」、「多機能型」と「人口減少地域における 保育機能のあり方」ということを書いていますが、いずれも共通して右側の最初の2行に 書いてありますが、「人口減少地域における生活圏域での保育機能の継続的維持を図るため、 以下が必要である」と。この「保育機能の継続的維持」という点では共通しておりますの で、それを頭に持ってきた上で、三つを書くという修正をしています。その際、12月の段 階では左の上から2行目の文末から「生活圏域での保育機能の維持」となっていたところ を、右側で「保育機能の継続的維持」と少し意味合いを強調しています。最後の箱につい ては「認定こども園の活用も含め、さらに検討」と書いていましたが、手法として認定子 ども園以外の活用も考えられるというご指摘がありますので「認定子ども園の活用等」と しています。  次に11ページ目ですが、10番「多様な保育サービス」の中の休日保育、夜間保育につき ましては、今回新たな保育の仕組み全体として、利用者側の保育保障を明確にするという 見直しをしていますが、そういう観点から利用者が休日や夜間に、とにかく預ってくださ いと保育所側に言ってきた場合に、保育所に体制がない場合にも断れないのではないかと いうご懸念をたくさんいただきましたので、そういうことではないという趣旨を明確に表 現するために修正しています。右側の※を見ていただきますと、「利用者が限られ、需要が 分散しているために、各保育所単位でニーズに対応することには限界があることから、市 町村において質の確保された公的保育の保障の責務の一貫として、計画的な基盤整備を行 う」と修正しています。次に「延長保育」につきましては、先ほどの保障上限量と全く同 じ表現です。  次に12ページ目「多様な保育サービス(続き)」の「病児・病後児保育」についてですが、 右側を見ていただきますと「病児・病後児保育の検討に際しては、子どもの視点で検討を 進めることが必要であり、働き方の見直しを同時に進めていく必要」と、子どもの視点で 検討を進める必要があるということを書き加えています。次に「情報公表・評価の仕組み」 につきましては、右側で一つ※を追加しておりまして「保育の情報公表の仕組みの具体化 等に際しては、質の確保された公的保育であるか否かが利用者にとって明確に判別できる ための方法について、さらに検討」と書き加えています。あともう一つ、第三者評価につ きましては冒頭に意義を加えておりまして、「保育所保育指針に盛り込まれた保育の内容等 の自己評価の着実な推進が重要であり、その際、より良い自己評価のために意義を有する 第三者評価についても」さらに検討と修正しています。  最後に13ページ目をお開きいただきまして、これは項目として11番を追加しています。 「今後の検討」です。今回の第1次報告は制度の基本骨格を中間的に取りまとめるという 位置付けのものですので、より詳細な単価の設定といったところは今後の議論です。しか しながら、そういったところが非常に保育事業者にとっても重要な部分ですので、多数の 意見をいただいています。それを踏まえて修正しています。「なお、『新たな保育の仕組み』 の検討過程においては、保育関係者より、以下の意見が示されている。今後のさらなる検 討の際には、こうした意見も考慮しながら検討を進めるべきである」と。一つ目として「保 育料の軽減(緩和)を実現すべき」、二つ目として「定員別保育単価(月額単価)を維持すべき」、 三つ目として「「小規模園の定員定額制を導入すべき」、四つ目として「保育時間(8時間) と開所時間(11時間)の乖離の問題について検討すべき」、五つ目として「障害児保育が一 般財源化されていることからくる市町村の取組格差の問題を検討すべき」ということです。  次に、資料5をお開きいただければと思います。ただ今資料6で見ていただいたように、 保育にかかわる部分については修正をした上で、12月にお示しした第1次報告(案)本体に ついてもそれを埋め込む形で修正しています。それ以外にも、12月の本部会でもいただい た意見がありますので、修正したところを主な部分についてご紹介申し上げます。  まず1ページですが、全体の構成がわかりやすくなるように、目次をつけたということ です。次に2ページ目でございますが、細かい修正は省略しますが、下の2段落を追加し ています。先ほどご説明した中期プログラムの記述を加えておりまして「さらに、その後、 「持続可能な社会保障構築とその安定財源確保に向けた『中期プログラム』」(昨年12月24 日閣議決定)において、税制抜本改革により安定財源を確保すべき施策の中に、少子化対策 が位置付けられた。また、同プログラムにおいては、改革の諸課題を記載した「社会保障 の機能強化の工程表」の中に、少子化対策に関する新たな制度体系の検討が位置づけられ た」という記述を追加しています。その上で、次の段落ですが、「本部会においては9月に 議論を再開し、これらの各方面の指摘も踏まえ、制度の具体化に向け、保育の提供の新し い仕組みを中心に、○回に渡り、議論を重ね、このたび、今後の新たな制度体系のさらな る検討に向け、議論の中間的とりまとめとして第1次報告を行うものである」としていま す。  その下の段落は検討に際して二つの点の認識の枠組みというのがもともと書いてありま して、その次の「また」の段落ですが、働き方の見直しとの関係で、「本第1次報告は、仕 事と子育ての両立支援、とりわけ保育制度のあり方を中心としたものとなったが、次世代 育成支援のためには「すべての子育て家庭への支援」も同様に重要な課題であり、今後十 分に議論が深められる必要がある」と。すべての子育て家庭に対策が重要であるという記 述です。  その下が働き方の見直しについて、前回この部会でご意見をいただいたことを踏まえて、 下から2段落ですが「『子どもと家族を応援する日本』重点戦略」(平成19年12月27日少 子化社会対策会議決定)においても、「結婚」「出産」「子育て」に関する国民の希望と現実 の間には大きな乖離があり、その乖離を生み出している要因としては、「結婚」については 若い人々の経済的基盤、雇用・キャリアの将来の見通し、安定性に対する不安が、また、「出 産」については子育てしながら仕事を続けられる見通しや仕事と生活の調和の確保度合い の低さ等が指摘されている。当部会の今後の検討に際しても、常に、この「仕事と生活の 調和」の実現の重要性を意識しながら進められる必要がある」と書き加えています。  4ページ以降はしばらく細かい用語の修正が続きまして、20ページ目の真ん中から少し 下のところの(5)「今後の保育制度の姿 −新たな保育の仕組み−」です。最初の段落は修 正していませんが、9月以降議論を深めてきて、保育事業者検討会も設置して議論をしてき たと。その次の段落で、「本部会としての議論と、『保育事業者検討会』における議論、ま た、関係各方面の議論も踏まえ、今後の保育制度の姿について、別添の通り、以下の3通 りの考え方に整理したものを12月に提示した」と。経緯としましてこの三つの案を12月 に提示したということを書いております。  21ページ目ですが、(3)の下に記述を追加していまして、「その結果、本部会においても、 「保育事業者検討会」においても、(3)の市場原理に基づく直接契約・バウチャー方式とす べきという御意見はなかった。その後、「保育事業者検討会」による議論を経て、以下の案 を基本として、今後、制度の詳細設計を進めていくべきという結論に達した。なお、その 実現には、財源確保が欠かせないものであることに留意が必要である」とした上で、先ほ ど見ていただいた対比表で修正を埋め込んだ形のものを以下本文の中に埋め込んでいると。 それがずっと31ページまで続いております。  次に33ページをお開きいただいて、放課後児童クラブについて、前回当部会でいただい た意見を踏まえて1箇所修正しています。(2)の一つ目の丸の4行目のところ、「地域格差 を生じさせることなく」という記述を追加しています。  次に40ページをお開きいただきまして、大きい6番「その他」というところです。その 四つ目の丸でございますが、これは前回の少子化部会においてこの大きい枠組みの議論は それはそれとして、スピード感ある次世代育成支援対策の強化ということで、できること はまず制度の見直しを待たずにやっていくべきだと。その辺の工程をしっかり書き込むよ うにというご意見をいただいておりまして、修正しています。「また、本部会は、必要な財 権の手当を前提として、大きな制度設計を行うことをその任務としているが、その検討の 過程である本報告書の中で指摘した事項の中には、以下の事項のように、新たな制度体系 の始動を待たずに、できるところから進めていくべきものもある」ということで四つ書い てありますが、「子育て支援従事者の研修や養成などの質の向上の取組」、二つ目としては 「地域の子育て支援関係者のネットワーク化」、三つ目として「保育所をはじめとする地域 の子育て支援関係者間での情報共有」、四つ目として「子育て家庭が必要な情報を容易に入 手できる環境整備」等としています。その次の段落は修正していませんが「社会保障国民 会議において示された運用改善事項や、全国の先駆的な事例も参考に、できる取組を速や かに進めていくべきである」その次はまた追加しておりまして「さらに、保育士等の担い 手の養成や、サービス基盤の整備は、新たな制度体系の始動以前より着実に進めていくべ き事項であり、『安心こども基金』をはじめ、活用できる現行の枠組みを活かし、計画的に 進めていくことが求められる」としています。  最後のページですが、「終わりに」のところに2段落目を追加しています。この追加は12 月の段階では40ページ目の「その他」に記述してありましたもので、「包括性・体系性」、 「普遍性」、「連続性」といった記述をこちらの「終わりに」に書いたほうが座りがよいだ ろうということで、こちらに場所を移して記述し直しています。  修正案については以上でございますが、午前中に保育事業者検討会が開催されまして、 ただ今見ていただきました修正案についてご議論をいただきました。そこで出されました 意見の主だったものについて、口頭で申し分けありませんが簡単にご紹介させていただき ます。午前中に岩渕座長の下で開かれまして、座長にご承諾をいただいて私から紹介させ ていただきます。  まず1点目としまして、これは多数の委員から出されましたが、財源確保を図るべきだ ということ。そのためにも国民的な議論は非常に重要であって、今後わかりやすい説明あ るいは議論といったことに心がけていく必要があるというご意見が複数出されています。 関連するものとしまして、昨今の不況の中で、マスコミ等でも報じられていますが、都市 部を中心に保育需要が非常に高まってきている状況を踏まえても、早く仕上げていく必要 があるのではないかというご意見が出されています。  二つ目としましては、まず保育関係者、保育事業者の意見をこの間いろいろ出していた だいた中で、用語の整理も含め、だいぶ取り入れてもらったという評価をしていただいた 一方で、重要な点が今後の議論に残されたという形になったと。細部の設計の議論ととも に、保育団体の意見を踏まえた議論が必要であるというご意見をいただいております。事 項としましては、例えば個人給付の法制についての懸念。これは他制度を見ると質の低下 につながる恐れがあるということで、個人給付に対する懸念。あと、同じ話ですが代理事 業についての懸念、二つ目としては指定と認可の関係の整理をもっとしっかりやるべきで あるということ。あるいは保育単価の設定をしっかり考えてほしい、地方への配慮をしっ かり考えてほしい。あと保育料徴収の主体を市町村にすべきであるというご意見。そうい うものをいただいています。この最後の保育料徴収についての記述の中で、未納があって も子どもに対する保育がしっかり確保されるようという記述が出てくるのですが、そこに ついて、利用してもよいと受け止められないように注意すべきであるというご意見も併せ ていただきました。  大きい3点目としましては、都市と地方の違いです。その違いにしっかり配慮して取り 組んでいくべきであると。特に都市部の待機児童の問題に対応することによって、地方に 弊害が起きないようにしてほしいというご意見です。関連するものとしましては、国と地 方との関係で、地方分権ということが非常に大きい流れになっていますが、ナショナルミ ニマムの保障といったことを常に念頭に置いて議論をすべきというご意見。さらに、今回 の改革においてもそうですが、後期行動計画についてもそうだということでいただいた意 見ですが、国から都道府県、市町村に対してしっかり議論が伝わっていない側面があると。 地方公共団体と国はしっかり連携を強化してやっていくべきだというご意見をいただいて います。あともう一つ、大きい3点目に関連しましては、公立保育所の一般財源化につい て、今回保育保障を例外なくしていくという仕組みを前提とした場合、もう一度一般財源 化の影響も踏まえて新しい制度体系を考えるべきであるというご意見をいただいています。  あと大きい4点目としましては、事業者参入あるいは保育の質についてです。まず1点 目は事業者参入につきまして、事業者参入を都市部を中心に促していくのは重要だけれど、 不適切な事業者が入ってくるのを防ぐ何らかの措置をしっかり検討していく必要があると いうご意見を複数からいただいております。あとは新自由主義的な考え方に立つのではな くて、弱者切り捨てにならないようなしっかりとしたセーフティネットを築いていく必要 があるであろうというご意見。さらに質の確保について、科学的・客観的検証をすべきと いうことと、その際にしっかり調査を進め実態把握をしながらやるべきだというご意見。 さらに質の向上に関しまして、保育士の処遇。特に小さい子どものためには継続的に同じ 保育士がかかわるべきであるということから、保育士の継続的な就業といったことにも考 慮すべきであるというご意見。保育指針を実現していくためにも最低基準の引き上げを検 討していくべきというご意見。そういったご意見を大きい4点目としていただいています。  5点目としましては、「保育に欠ける」という要望を、もし「必要とする」などに見直し ていくとした場合には、その自治体ごとに基準設定がばらばらにならないように。「欠ける」 よりも「必要とする」の方がより基準設定が難しくなるということで、ばらばらにならな いように注意すべきだというご意見をいただいています。最後に、今後の議論の進め方と しまして、保育現場の意見がしっかり反映できるような議論の場を設定すべきという意見 を複数の委員からいただいております。以上です。 ○大日向部会長  ありがとうございました。それでは、ただ今ご説明いただきました保育事業者検討会で のご議論や第1次報告(案)の修正点を踏まえまして、委員の皆様にご議論をお願いいたし ます。 ○朝川少子化対策企画室長  1点ご説明が漏れていました。午前中の議論で、どういう意見があったかは今ご紹介した 通りですが、締めとしまして、今回の保育事業者検討会では今後引き続き検討すべき課題 も含め、概ねその事業者から出された意見は反映されているというご意見をいただいてお りまして、保育事業者検討会としてはこの修正案について今後これをまとめて、これを基 に議論を進めていくことについて了承をいただいているということです。 ○大日向部会長  わかりました。ありがとうございました。それでは、ご議論をお願いいたします。篠原 委員、お願いいたします。 ○篠原委員  今ご報告いただきました報告(案)は、改革に向けて抱いておりました主要な不安を払拭 する一方で、制度の改善に向けて前向きな提言が多く含まれると思っています。具体的施 策についてもこれからの論議に大きく資するものと評価したいと思っております。事務局 をはじめ委員の皆様、そして大日向部会長には感謝を申し上げたいと思います。そのこと を申し上げた上で、3点、意見として申し上げたいと思います。1点目は、株主配当の件、 それと働き方の見直しと社会基盤の整備の件、それと財源という3点について意見を申し 述べたいと思います。  まず1点目の意見ですが、市町村の保育実施義務が形骸化するのではないかという意見 や、利用者と施設の負担が増大するのではないか。また、優先的に扱われるべき子どもが はじかれるのではないか、また国の基準がなくなるのではないかといった懸念は、報告書 の中では大分改善されたのではないか。そういう点では懸念は感じられないということで す。しかし、労働組合という立場におきましては、保育労働者の労働条件の維持・向上を 優先的に考慮することが保育の質を向上させると考えています。その点では、運営費の株 主配当等への流用については今後、慎重に考えていくべきではないかと考えます。  2点目ですけれども、働き方の見直しと保育等の社会基盤整備の件です。この二つについ ては片方が片方の取組の不十分さを補完する関係にあると思います。そのためには保育サ ービスの質を、質的にも量的にも拡充していき、そのためにも多くの予算をもっと付ける。 働き方の見直しはもうよいのではないかという意見が一方で出てくる可能性もあります。 この報告書案からは保育提供の基盤整備もする、また働き方の見直しもしっかりしていく ということが読み取れるわけです。とりわけ働き方の見直しということでは、労使そして 国民の意識を変えていく必要があると考えています。政府としても働き方の見直しと保育 の社会基盤、この二つを車の両輪ということで進めていただきたいと期待し、また要望申 し上げたいと思います。  3点目の財源という部分は、例外なく保育の必要な子どもには保育保障をして、最低基準 を満たした事業者は例外なく認可なり指定していくということになると、もちろん一定の 時間は必要でありますが、この制度がうまく機能すると、公的な財政負担は非常に膨大に 増えることが予想されるわけです。例えば「新待機児童ゼロ作戦」は、保育利用児童を現在 の200万人から100万人増やすということを計画しているわけです。中期プログラムの工 程表では2015年までに3歳未満の保育利用児童率を、38%から40%増やしていくというこ とになっています。そうなると1兆円や2兆円単位の追加所要額が必要になってくるわけ です。政府、特に厚生労働省としては、よほどの覚悟をしなくてはならないのではないか と思います。保育だけではなく、児童・家族政策全体の負担について、国と地方の負担、 そして事業主の負担、さらには本人負担を含めて今後具体的に論議をしていく必要がある のではないかと思っています。例えば消費税が上げられなかったから保育の拡充ができな いということは許されないと思いますので、今後ぜひ取組をよろしくお願いしたいと思い ます。以上、3点申し上げさせていただきました。 ○大日向部会長  ありがとうございました。それでは、清原委員お願いいたします。 ○清原委員  ありがとうございます。三鷹市長の清原です。私も今回の修正案につきまして、三つの 点から問題提起、意見を申し上げたいと思います。この間座長はもちろんのこと、保育事 業者検討会をはじめ保育関係者の皆様、また事務局におかれましては精力的に修正案の取 りまとめにご努力いただきました。委員の一人として心から感謝申し上げます。  そこで第1点目に改めて確認したことを申し上げます。それは保育サービスに対する保 護者の皆様のニーズの多様化に応じて、「子どもの視点」に立って、いかにきめ細かい配慮 をしていくことが必要であるかということの再確認です。世界同時不況に代表される経済 状況の変化に伴いまして、就労している保護者はもちろんのこと、在宅で子育てをしてい る家庭においても、就労の必要性に迫られる割合が増加してきています。こうした状況か ら保育制度に対する質的・量的ニーズは多様化の一途をたどってきていると、この短期間 においても私は強く認識しています。三鷹市においても短時間就労者や求職者、あるいは 同居家族のいる家庭における保育の必要性についても、需要と供給のバランスを勘案して、 最大限配慮をしてきている現状です。同時に待機児童を多く抱えている三鷹市におきまし ては、既に実情に合わせて優先順位や配慮すべき家庭等への対応について、できる限り客 観的な判断基準を整備してきてはいます。ただ、こうした中で、いかに子ども本意の保育 の望ましい在り方を検討していくのかということは、どうしても保護者の状況が先行する 中で、改めて本部会の課題として重要だと再確認しているこのごろです。  2点目に、保護者と保育所との関係について、幾つかの論点を申し上げます。これまでの 制度では、保護者と保育所との間に法的な契約関係がないので、保育所においてなかなか ニーズに即応した対応がなされていないのではないかという危惧が表明されることもあり ました。けれども、これは多くの市町村にとって、制度上の問題だけではないと思ってい ます。むしろ制度の問題であるのかなとさえ思っています。例えば三鷹市でも、かねてご 報告の機会をいただきましたが、公私立を問わずすべての保育現場において、「保育所保育 指針」や「三鷹市保育のガイドライン」に基づいて、それぞれ課題を克服してきています し、情報も共有し、質の向上に努めてきました。保護者と保育所間での相互理解と協働と いうことは、今までの制度でも私はかなりできていたと思いますが、より一層新しい制度 において、こうしたことがズムーズにいくようなソフト的な面が大変重要だと思います。 ただ、幾つか懸念があります。新たな三者関係において、市町村の実施義務が法制度上課 せられることになったということは、責任を強く感じている立場としては大変重要なこと で、この資料5の21ページ以下に、改めて市町村の役割等が明確に示され、特に24ペー ジには保育の提供の仕組みの中で、「市町村の責務」ということが明記されているというこ とは、非常に重要だと思っています。ただし、保育所に応諾義務や優先受入義務等が課せ られることによって入所決定事務が課せられたり、あるいは今後の課題とされていますが、 保育料徴収事務等が求められたりするということは、現実的には保育所の負担が現行より 増えることになります。こうしたことに対してしっかりと市町村が支援をする。あるいは 総合的な観点から適正な在り方をどのようにしていくかは、大変現実的に重要な課題だと 思っています。つまり改めて現行とは制度が多少変わったとしても、基礎的自治体である 市町村が取るべき実施責務の中身というのが、保護者・保育所を尊重しながら、どうある べきかについて重い課題がさらに先に残っていると思います。特に保育所における入所決 定に対して、この報告書でもかなり丁寧に書き込んでいただきました。障害児や母子家庭、 虐待事例など特別に配慮が必要となる子どもについて、保育所と連携しながら、適切かつ 公平性を担保した判断力がより一層市町村には求められていると思います。  最後に3点目の市町村の視点からの検討課題について、幾つか申し上げます。まず例外 のない質の確保をされた公的保育の保障のための実施責務が市町村に法制度上課されるこ とがこの報告書では明記されたということは大変重要であり、私は改めて市町村の重い責 任感を感じて、これはむしろありがたいと思っています。そこで、「保育の質」をいかに確 保していくかというときに、今までも「自己評価」及び「第三者評価手法」を三鷹市は取 り入れてきましたが、新たな保育制度の中に市町村の実施義務があるということになるな らば、この利用の「認定書」を発行するプロセスにおいても、「保育の質」が低下しないよ うな配慮を、より客観的につくっていかなければならないということが、市町村の視点か らの1点目です。  2点目は本日午前中の保育事業者検討会でも問題提起されたということですが、景気動向 や地域差、つまり都市部と地方あるいは待機児童の人数の違いによって、全国一律の制度 というナショナル・ミニマムを維持しつつも、地域に特有のきめ細かい対応を考えていか なければならない。このことについては両方を私たちは意識して、理想と考えずに現実的 な目標値を定めていかなければならないと思います。  3点目に保育制度を支える市町村の自治体力というものの違いがあるかもしれませんが、 保育所開設に向けて市町村にも許認可権であるとか、運営と質に関する指導監督権なども 付与していくことも検討課題になっていくのではないかと思います。今回は問題提起だけ にさせていただきます。  私の発言の最後ですが、資料の5の21ページに、財源のことについて明確に書いていた だきました。21ページの最後です。「行政(とりわけ住民に身近な市町村)が果たす役割・責 任は大きく重要である。財源確保とともに、国・地方を通じた公的責任の強化が図られる べきである。」というように「財源確保とともに」としていただきました。休日・夜間保育 を含めて市町村が担うべき質の確保された公的保育を保障する責務を遂行するに当たりま しては、今まで以上に計画的な基盤整備が必要です。今日午前中も公立保育園の一般財源 化の見直しも必要ではないかというご意見もあったと伺って、心強く思いますが、この第1 次報告案を契機に、改めて適正な財源の確保の在り方についても、厚生労働省の中ではも ちろんですが、政府全体として考えていただける起爆剤となる報告書としてお取扱いただ ければ幸いです。以上です。ありがとうございました。 ○大日向部会長  ありがとうございました。他にいかがでしょうか。山縣委員、お願いいたします。 ○山縣委員  時間をいただいてありがとうございます。他のお二方の委員もおっしゃいましたように、 この間の関係者の努力に感謝をします。予想以上に大幅な修正があったというのが私の実 感です。それくらい事務局レベルで意見を聞いていただけたのだと思っています。午前中 の保育事業者検討会の話につきまして、私は基本的には合意をしていますので、そこはあ えて重ねて言いません。そのことについては山縣も同意をしているという事実だけで結構 です。  加えて3点同じように各課にですが、要望的なものをここで最終の意見として、吐露し ておきたいと思います。一つは本文の中で私が結構こだわっていた過疎型のところで、新 たな保育サービスの類型という言葉遣いをしていただいていますが、現段階でこれ以上の ことは難しいと思うのですが、現行の仕組みでいうと認可制度の外にあるという書きぶり になっていると思います。私自身は過疎型のところにおいては、そこまで含めた新保育制 度の基本の類型の一つといいますか、変型といいますか、そういうものとして位置付けて いかないと、掲げている理念に反することが起こるのではないかと思っています。次のス テップのところでは、ぜひもう一度そこまで含めてご検討いただきたいというのが私の意 見です。  2点目は、あまり私自身が議論をしてこなくて責任を感じていますが、大前提であるとこ ろの、子育ては保護者と地域社会と行政等の三者の責任の下で実現していくという理念を 改めて書いておく必要があるのではないかと感じています。保護者はサービス利用者の一 部にしか位置付けられていないような、後半は完全にそうなっていますので、せめて「は じめに」辺りでもそういうことをきちんと書いておいたらどうでしょう。児童福祉法の成 立時に担当課長が社会連帯でこの法律は作るのだとおっしゃっていますので、ぜひいろい ろな人たちが一緒になって子どもを育てていくということを、改めて確認をしておきたい と思います。  3点目はそれに関連してですが、途中でかなりこだわっていました地域子育て支援という ことです。これも基本の支えはナショナル・ミニマムということになるのかもしれません が、恐らくそういう形では逆にここは機能しない制度になってしまうと思います。むしろ、 保護者の主体的に生きる力を支える個別制度とか実践は市町村レベルで強化していくとい うのが子育て支援の特徴ではないかと思っていますので、ここのパートについては、むし ろ地方の独自性なり、努力というのを今後はむしろ強調していく方がよいのではないかと 思っています。そこを支えるのが、この本文にも出ていますコーディネーターやマネジメ ントというところではないかというのが私の感想です。以上です。 ○大日向部会長  ありがとうございました。岩村委員、お願いいたします。 ○岩村委員  事務局が大変なご尽力をされて、また岩渕部会長代理も保育事業者検討会の座長として 大変心を尽くされたことと思います。今日こういう形で第1次報告案が提出されて、それ 自体については私も大きな異論があるわけではありません。ただ、2点ほどコメントさせて いただきたいと思うのですが、一つはこの特別部会と保育事業者検討会との関係で、先ほ ど事務局から開催要綱をいただいたところ、保育事業者検討会の方は、要綱の中の目的で は、少子化対策特別部会においてさらに議論を進めることとしているが、この議論に資す るため本検討会を開催するという位置付けになっております。これは今日の案についてど うのこうのという趣旨ではありませんが、そうすると本来この今日の報告書の第1次報告 というものは、この部会がその責任で取りまとめるものだという気がします。そうします と、やや違和感を感じたのは、間に事務局が入っているからそれほど強くはいえないので すが、保育事業者検討会での議論の結果が、そのまま直接今日の報告書案の中に取り込ま れた形で出てくるというのは、ちょっと手順としてはどうなのかなという気がしないでは ありません。本来は多分、保育事業者検討会の方での議論を踏まえた、多分修正要望を部 会に出していただいて、部会の方でそれを取り入れるかどうかという形で議論をするとい うのが筋ではないかという気がします。ただもう時間の問題とか、その他スケジュールの 問題もありますので、今日こういう形でご提出いただいたということについては、特に異 論があるわけではありませんが、その点は今後のことについても手順を少し整理をする必 要があるのではないかという気がします。  それともう一つは、12月の段階で第1次報告の案というものが1回あり、その後保育事 業者検討会の意見を伺っているというプロセスになっているわけですが、私の理解では今 日の修正案というのは、12月の案の中の真ん中の案の線を維持したものであって、基本的 にはそれを後退させるような性格のものではないと読んだ次第ですが、そういう理解でこ の部会として臨むのがよろしいのかどうかということだけ、委員の方々の感触なりあるい は部会長の取りまとめということで、少し伺えればと思います。以上です。 ○大日向部会長  ありがとうございます。1点目につきまして、保育事業者検討会は本部会での議論をさら に深めるために設置されたものでして、そのご意見に鋭意耳を傾け、反映していくことは 要綱の趣旨からしても大切なことと考えます。手順につきましては、ただ今のご指摘も参 考に、今後検討させていただききたいと思います。2点目に関しましては今、岩村委員がお っしゃった通りで、真ん中の意見に、この2ヶ月間の間にいただいた保育事業者検討会の ご意見等を反映して修正したものです。12月のものを後退させるものではなく、より良い 方向でさらに前進させたものと理解をしております。よろしいでしょうか。他にいかがで しょうか。それでは駒村委員、お願いします。 ○駒村委員  報告書案については、座長ならびに事務局がご苦労されてまとめたものとして、私も評 価したいと思います。今までも議論がありましたように、株主配当の停止や指定制につい ては、特に供給にかかわる部分ですから今後の議論のテーマになってくる。実はこの部分 が非常に重要になってくると思います。二つ申し上げたいのは、一つは指定制についても、 事業者によって行われるさまざまな可能性も出てくるわけですから、ここで議論をして幾 つか指定制に対するルール、これはかなりこの制度全体にも影響を与えますので、今後し っかりしたものをつくっていく。安易に規制緩和等の対象にはしない。ただ、一方では多 様な事業所に入ってもらう。つまり動機はともかく、良い保育をやっていただければそれ はそれでよいのだという部分もありますので、相矛盾するところもあるわけですが、そう いうしっかりしたルールをつくっていく。これは次のステップになっていくのだろうと思 います。  それからもう一つ、これは具体的な文言になるのかもしれませんが、資料6の2ページ で、(1)の基本的仕組の「※以下のように修正」の中の3番目に、「待機児童に関する情報を 開示する仕組みとする」ということになっていますが、基本的には待機児童という、皆さ んに必要な需要に応じて供給が行われるのを目標にするわけですから、待機児童という概 念がない方がよいわけですが、不幸にして発生してしまったらそのデータは開示する。そ ういうものが発生したときに、今度は5ページ目に、利用保障の基本的仕組みの中の丸の 二つ目の(2)です。「保育の必要性の認定を受けた子ども数を勘案し、整備をすべき」という ことが書いてあるのですが、これについてはあまりこちらにはスピード感がないような感 じがします。だから「発生してしまいました。1年かけて2年かけて準備しました」では、 多分待っている人にとってみれば、何の利益もない。自治体の対応の部分にも少しスピー ド感があるような文言が入って、そうはいっても清原委員はそんなことは急にはできませ んとおっしゃるかもしれませんが、速やかに、あるいは直ちにそういう個別の方でも残っ ている方が、今回の景気の変動によっては急に予定外に、自治体の予想外に発生すること もありますので、それを「では残念でした」というわけにもいかないと思いますので、そ こを直ちに対応できるような文言があればよいと思っています。スピード感をこちらにも 入れてもらいたいと思っています。 ○大日向部会長  ありがとうございました。大石委員、お願いいたします。 ○大石委員  座長をはじめ関係者の方々の取りまとめのご努力に、大変感謝申し上げます。今、資料6 の2ページのところを問題になさいましたが、私もそれについて少しコメントさせていた だきたいと思います。保育の必要性に関して、認定証明書を交付するというのが、12月の 段階と比べますとかなり大きな変化ではないかと受け取っていまして、場合によっては、 これからの景気の動向にもよりますが、まずは認定証明書を得る。そして保育を受けられ るようなルートに乗るということに関して、かなり住民の方が当初12月の案で考えていた よりも、積極的に取り組まれるというような結果になるかもしれないという点を含めます と、一つのアイデアとして大変興味深いとは思いますが、その需要の明確化、それから公 的責任の明確化という意図とは別のところで、多少今後の保育制度に与えるインパクトが あるのではないかと受け止めています。以上です。 ○大日向部会長  ありがとうございました。宮島委員、お願いいたします。 ○宮島委員  この間の皆様の大変なご尽力に感謝を申し上げます。私はずっと待機児童が現実問題と しては潜在化していること、つまり保育が必要な子どもたちが皆必要という立場に扱われ ていないということと、同じように保育は必要なのに今認可で提供されている保育の形に 合わない家庭は、なかなか公的支援を同じように受けられないということに問題意識を持 ってきました。今回小規模型の創設ですとか、現在何かしらの理由でほぼ認可の水準にあ りながら認可されない施設への、さらなる支援を書き込まれたことに関しまして、非常に 感謝を申し上げます。さらに一部文書の後ろの方に書かれていますが、認可外の施設に対 する支援というものは、お金だけではないように思うのです。例えば私が知っているNPO 法人に委託された認可保育所が、その地域において近くの認可外の保育所の方々との交流 を非常によくされて、例えば園庭を提供されたり、子どもたちが交流をしたりという形で、 近くの認可外の質をアップしようという働きかけを行っています。もちろん認可の方々に いろいろなご負担があると思うのですが、お金以外でもいろいろな形で、現状十分質が保 障されてとはいえない子どもたちの質をアップするための取組ができればよいと思ってい ます。  それから報告書とは少し離れますが、現役の子育て世代としましては、心配しているの は先ほどの懸念、皆さんがおっしゃる財源との関係です。まずこのすべての改革に関して、 財源が第一に必要ということは、いうまでもないことだと思います。一方で現在の政治・ 経済の情勢を見ますと、最も期待されている消費税のアップにしても、一体何年先なのか。 最も早くて3年先なのかなと思っています。第二次ベビーブーマーの世代は、子どもをも つ最後のコーナーに差しかかっています。今の経済の状況が多くの人にとって子どもを諦 める方向に働きがちであるというのも周囲を見て実感しています。少子化対策にスピード 感、これは皆さんも同じようにおっしゃいますが、財源がくるまでは何もできない、変え ないということではなくて、どこからできるのかというスピーディな実現のために本当に いろいろな方のお知恵の結集も必要だと思います。特にこの議論をしている間、保育関係 者の方々などから私たちの方に「規制改革会議の案には反対である」というようなお手紙 をよくいただきました。もとより、この少子化対策特別部会の考え方は、この規制改革会 議の案とは掛け離れていますが、こうした案が出てくる背景として考えますのは、やはり 今の保育の状況が、残念ながら実際に産もうとしていたり、子育て中の人から見て、スピ ード感を持って変わっているように見えないという部分もあるのではないかと思います。 それで、かなりさまざまな強引とも見える提案がいろいろ出ている部分もあると思います。 今、子育て世代としては、消費税がアップするまでは何も動かないのかと思ってしまうの は、かなりの失望、絶望に近いものですので、財源があって変えられる制度改革、それか ら財源がなくてもみんなの知恵の結集で何とか質や量のアップにつながるようなこと、そ の両方を一緒に考えていきたいと思っております。以上です。 ○大日向部会長  ありがとうございました。今井参考人、お願いいたします。 ○今井参考人  本日の修正の提案につきましては、現場からの懸念に真摯に対応されまして、また内容 を丁寧に書き加えたということで、保育サービスの拡充という新しい制度体系の骨格とい う点につきましては維持されていると私ども理解しております。そういった意味で、取り まとめに当たられた関係方面のご尽力にあらためて敬意を表したいと思います。  以下、今後の検討につきましてご配慮いただきたい点ということで述べさせていただき ます。本日、お手元にも配布させていただいておりますが、日本経済団体連合会におきま して、今般本部会の委員を務めております少子化対策委員会の福島部会長の下で、少子化 対策についての提言を取りまとめております。その中で少子化対策を国の最も重要な課題 として位置付けまして、財政を重点投入して緊急かつ抜本的な少子化対策を講じていただ きたいということをお願いしているところです。この点におきましては、子どもを慈しみ 育てる文化を取り戻すこととともに、潜在的な方も含めた待機児童の解消ということで、 保育サービスの量的拡充並びに質の高い多様なサービスを提供できる体制づくりを優先課 題として要望しております。そうした意味で、保育サービスを質・量ともに拡充していく という点で、特に大都市部におきましては、多様な事業者の方に参入いただきまして進め ていくことがどうしても必要となります。参入を促進していくためには、初期投資の負担 軽減、さらには株式会社形態の円滑な資金調達といった点も含めまして、運営費の使途の 柔軟性を高めていくことが必要と考えております。この点につきまして、特に大都市圏の 実態に即してという意味で、つまり施設新設時に多額を要するという実態に即しまして実 効ある仕組みをぜひとも作っていく必要があると考えております。  先ほどご紹介した提言でも指摘しておりますけれども、子育て支援機能を充実させてい くという意味では、地域のNPOの方々などを支援しまして、その力を活用していくという ような柔軟な取組が必要と考えております。初期投資のコストがあまりにも重いというこ とになりますと、資金力が弱い者の参入が実質的に不可能になるということもあるわけで、 こうした点の配慮につきましても必要だと考える次第です。  いずれにいたしましても、今回の取りまとめに基づきまして、この保育サービスの提供 にかかわります新制度体系が速やかにスタートできるように、スピード感を持って取り組 んでいくことが重要と考えております。今回の提言の中で経済界といたしましても、ワー ク・ライフ・バランス施策の推進など、さらなる取組を進めていくという姿勢を明らかに しておりますけれども、国を挙げて少子化対策の推進に取り組んでいくということをあら ためてお願いしたいと存じます。 ○大日向部会長  ありがとうございました。他に、いかがでしょうか。まだ、ご意見を伺っていない委員 の方々。庄司委員、お願いいたします。 ○庄司委員  私は保育事業者検討会の方にも参加させていただき、今回やはり検討会の中で率直に意 見交換がなされたということは本当に良かったと思います。まだ十分にこの取りまとめの 中に反映し切れていないものも残されてはいますけれども、こういうことが今後とも非常 に大切だということが大変よくわかってまいりました。その上で、ここまで取りまとめて くださいました皆様には大変感謝しておりますが、やはり正直なところ、非常に重要なと ころは残されたという印象は否めないわけです。やはり私が気になっておりますのは、認 可としての関係は現実にはどのようになっていくのか。認可を都道府県はしないけれども 市町村は指定する。そうすると、そういう園は、財政にもどのようになっていくのかなど、 そういうところがこれから非常に大きな問題になっていくのだろうと思います。ですから、 より細かい現実に即した議論をこれからはしていく必要があると思います。やはりこの背 後には、国と地方、それから地方といいましても、都道府県と国の関係が今非常に大きく 出ていますけれども、実際に財政的に苦しんでいる市町村に権限が与えられるというのは 大事なことですが、責任を負うというところが私から見ると非常に重要で、保育というの はそういう意味では、やはり市町村にやる権限もやらない権限もあるという問題ではなく て、やることについての責務を負うと。そこは今回かなり書き込まれて、大変心強くは思 っていますけれども、やはり非常に根源的な問題にだんだん迫ってきたという印象を持っ ております。ですからこの先、やはり根本的には日本の保育は各国と比べても非常に独自 の状況で発展してきて、誇るべきものもたくさん蓄積してきた。そこにはある種、国の強 い関与といいますか、やはり国が規制してきたというところは重要な意味があったわけで す。ですから、それを今度は地方のレベルできちんと守っていくという、地方にいくこと によって緩んでしまう、水準が下がってしまうということが絶対にないように、いつもそ このところに目配りをしながら、制度の改変を考えていかなくてはいけないと最近このま とめの段階まで来て、あらためて身にしみて感じたところです。以上です。 ○大日向部会長  ありがとうございました。他に、いかがでしょうか。内海委員、吉田委員は、まだご意 見をいただいておりませんが。吉田委員、お願いいたします。 ○吉田委員  大方、私も同意できるご意見がたくさん出ましたので、今日は恐らく中間的取りまとめ の最後だと思いますので、少し感想をお話しさせていただきたいと思います。とりあえず よくたどり着いたというのが率直な感想で、一定のスピードが求められる中で、しかし一 方で丁寧な説明、議論をしなくてはいけないというかなり矛盾した状況、苦しい状況の中 だっただろうと思います。それと同時になかなか日本語が通じないというもどかしさも感 じておりまして、木を見て森を見ずというたとえもありますが、なかなか大きな全体像を うまく伝えることができにくい部分もあったし、またうまく理解していただけなかったよ うな感じもします。  また、これは人間の罪だと思いますけれども、もちろんあまり単純な性善説に立つわけ にはまいりませんが、だからといって、最初から性悪説になるということも間違ったこと で、その辺のバランスも今後いろいろと大きな議論があると思いますが、ぜひバランスの あるスタンスでやっていただきたい。そして市町村の個別責任というのは随分と今も異論 が出ていましたが、私は同時に何よりも認可保育所がそもそも法的な責任を担う一番の主 体だと思っていまして、もちろん仕組みとして行政は担保しなければいけないと思います が、実際に子どもを保育士あるいはその親にかかわるということで、本来の本題の現物給 付という意味でのサービスという部分では認可保育所そのものが最も公的な存在であり、 公的な責任を担うべきだろうと思っています。その基盤をいかに強化するかという視点は やはり大事にしていただきたいというのが一つです。  それから最後に二つだけ申し上げますが、私はいつも単純なことを申し上げておりまし て、これから向かう先というのは、一つは単純な戦後すぐの救貧対策的なウェルフェアで はなくて、やはりもっと多くの人がこの議論に出たように、普遍性、連続性を持つ、ウェ ルビーイングへと展開するべきだろうと。当然、保育も良い意味で開かれた保育を目指す べきだろうと思っています。その裏返しでソーシャル・インクルージョンということも何 度も申し上げました。これも単なる救貧対策を超えた協働性を持った仕組みで考えていく べきだろうし、言葉からいけば社会連帯ということでもあるかもしれません。それは先ほ ど山縣委員もおっしゃったように、一方通行のサービスではない、双方向で支え合う仕組 みでなければいけないと考えております。  最後に1点。これは今回の報告にまとめる話ではありませんが、いろいろなアイデアが 出されておりますけれども、少なくとも保育に関していうと、やはり人が基本です。保育 者、保育士の養成確保が実は一番心配されていると思います。量的拡大をする、質的充実 をする。いずれにしても共通して保育者の存在が大変重要で、今後かなり労働力人口が落 ちていく業種の中で、質・量ともに担保するための保育者の養成確保を相当本気で考えな いと絵に描いた餅になりかねない。その点だけを再度申し上げたいと思います。 ○大日向部会長  ありがとうございました。内海委員、よろしいですか、ご意見は。 ○内海委員  すみません。途中で何回か抜けたのですけれども、最終的に同席できてうれしく思いま す。子どものことを話していると、みんなが真剣に話すと何か良いものができるという実 感がありまして、特に最後の方の保育事業者検討会で実際に保育に当たっている方たちの 意見も取り入れつつ、いろいろなヒアリングをしたり、もともと子どもの最善の利益がこ の中に非常に強く盛り込まれていることや、子どものことを話していると、やはりワーク・ ライフ・バランス、大人のあり方まで話題にしなくてはいけないなど、そういう広がりが あって、保育問題が深くなればなるほど、何か良い方向に制度が変わっていってくれるの かなと思いました。  「はじめに」のところに、保育の問題は子どもの問題だけではなくて、やはり日本の問 題だという意識を多くの人に持ってほしいと思います。実際に子育てをしていても、中学 生の母親は保育の問題には関心がなくなるわけです。もっと上に行けば、企業の人たちは 雇用の問題になって保育の問題がそこに根深くあるということの意識がまだ薄いと思いま す。ですから、財源にしても消費税が上がったらという仮定の話になって、それがなくて もどこからか何か工面しなくてはいけないという認識を持って、「新たな税制改革を踏まえ て」とありますけれども、踏まえずとも、もっと真剣にお金が動くような方向に、どこか を削ってでも緊急課題だという思いで、一緒に進めていけたらよいと思います。事務方の 人も大変苦労されたと思いますが、良かったと思います。 ○大日向部会長  ありがとうございました。岩渕部会長代理はいかがですか。 ○岩渕部会長代理  余計なことを言ってぶち壊してはいけませんので、この際、沈黙は金ということで。 ○大日向部会長  以上、一当たり委員の皆様からご意見をいただきました。ありがとうございます。  本日の第1次報告(案)に関しまして、委員の皆様から細かい修正箇所も含めて、今後検 討すべき幾つかの重要な点をご指摘いただきましたが、基本的に評価いただき、お認めい ただいたと理解いたしました。委員の皆様には、9月以来それぞれのお立場から積極的に真 摯なご議論をいただきまして、本日、ここに第1次報告(案)をまとめることができました ことに厚く御礼申し上げたいと思います。また全国の保育関係の皆様も率直に、積極的に ご検討をいただき、貴重なご意見・ご示唆をいただきましたことに感謝申し上げます。本 日の午前中の保育事業者検討会では、ここに出されました第1次報告(案)に関して、なお 課題を残しつつも基本的にご賛同いただけたということを、先ほど室長からご報告いただ き、安堵いたしました。厚く御礼申し上げます。  本日をこうして迎えることができましたのは、私ども部会の委員の意見を本当によくお まとめくださり、何よりも全国の保育関係者の方々と精力的に協議を重ね、皆さまのお声 に真摯に耳を傾け、本日の第1次報告(案)に盛り込んでくださいました局長はじめ事務局 の皆様のご尽力の賜と思います。委員の皆様も異口同音におっしゃっいましたが、私もあ らためて事務局の皆様に感謝と敬意を表したいと思います。  さて、この本部会におきまして出されました第1次報告は、次世代育成支援の新しい制 度体系の設計における端緒となるものです。課題も残されております。今後も引き続き次 世代育成支援の新たな制度につきまして、具体的な検討を行っていく必要があると存じま す。部会長といたしましては、本部会における本日のご議論を受けまして、事務局と相談 の上、字句等の必要な修正を施しまして第1次報告として取りまとめたいと思います。委 員の皆様にご了解をいただければ、修正案につきましては、事務局とご相談の上、部会長 の私の方で取りまとめるということでご一任いただきたいと思いますが、いかがでしょう か。 (「異議なし」の声あり) ○大日向部会長  ありがとうございました。それでは、最後に事務局からお願いいたします。 ○村木局長  本日、こういう形で第1次報告ということで、報告をおまとめいただきましたことに心 から御礼申し上げます。この部会が始まりましたころに、本当にさまざまな立場、さまざ まな視点、さまざまな方向で議論が始まる中で、本当に大日向部会長にリードをいただき まして、気持ちがだんだん一つになって、報告の形でまとまっていったことに感激するよ うな思いで、ずっと事務局は皆やってまいりました。12月以降、事業者の方々の意見をき ちんと聞こうということで保育事業者検討会も含め、あるいは現場に直接出向くことも含 め、いろいろな意見をお聞きしました。大変厳しいご意見もあったわけですが、そこで率 直にお互いの意見を言う中で、報告書により良いものを盛り込めることになったのではな いかと思います。  保育事業者検討会の方の座長を勤めていただきました岩渕部会長代理にもあらためて御 礼申し上げたいと思います。今日のように、ご自分のご発言を抑えてずっとやっていただ きましたことにも心から感謝を申し上げます。  何人かから言っていただきました通り、少しでも皆様の不安を払拭し、かつ前向きな提 言が多く盛り込まれたものになったということであれば、本当に我々もうれしく事務局と してあらためて御礼を申し上げます。これは1次報告で、これからさらに保育については もっと具体的な設計を、それから保育以外の問題についてもしっかりとした絵を描き、財 源や負担の問題もしっかりとした絵を描くという大きな作業が残っておりますし、そうい った設計図を基に財源をいただいてくるという大きな仕事、それから実施に向けてという ことでたくさんのプロセスがあります。今日、皆様方からご指摘をいただきました通り、 大変急ぐ課題ですので、これからも委員の皆様方にお力添えをいただきながら、しっかり とやっていきたいと思います。本当にありがとうございましたということと、これからも よろしくお願い申し上げますということを申し上げて、簡単ですが挨拶とさせていただき ます。ありがとうございました。 ○大日向部会長  それでは、本日はこれで閉会といたします。ありがとうございました。 (照会先)  厚生労働省  雇用均等・児童家庭局総務課  少子化対策企画室  (内線7944)