08/12/05 第14回厚生科学審議会感染症分科会結核部会議事録 第14回 厚生科学審議会感染症分科会結核部会 議事録 日 時:平成20年12月5日(金)10:00 〜11:57 場 所:厚生労働省5階 専用第12会議室 1.開 会 2.議 事  (1)議 題     1)結核登録票に係る活動性分類等について     2)今後の結核医療のあり方について      ア)今後の結核病床のあり方に関する研究の実施状況      イ)長期入院患者に関する研究の実施状況  (2)その他 3.閉 会 ○江浪補佐 それでは、定刻でございますので、これから第14回「厚生科学審議会感染症分科 会結核部会」を開催いたします。委員の皆様方には、御多忙中のところを御出席いただきまして、 誠にありがとうございます。  私、結核感染症課で課長補佐をしております江浪でございます。しばらくの間、進行役を務め させていただきますので、よろしくお願いいたします。  まず、部会の開催に当たりまして、結核感染症課長の梅田からごあいさつを申し上げます。 ○梅田課長 おはようございます。本年7月付で結核感染症課長に就任いたしました、梅田と申 します。委員の先生方におかれましては、御多忙中にもかかわらず、第14回「厚生科学審議会 感染症分科会結核部会」に出席賜りまして、誠にありがとうございます。  我が国の結核の現状でございますが、官民一体となった取組みによって、結核患者が大幅に減 少するなど、飛躍的な改善がされてまいりました。しかしながら、その一方で、結核患者の減少 や入院期間の短縮などから、結核病床数が減少しまして、地域によっては結核病床が不足するな ど、結核医療体制の確保が難しい状況となっていると認識しております。  また、近年、抗結核薬に耐性を有する多剤耐性結核菌の発生など、新たな課題も見られており ます。  更に海外に目を向けますと、2006年、世界では新たに約920万人が結核を発症し、約170万 人が結核により死亡したという推定もございます。  このような中、本年、我が国におきましては、第6回WHO西太平洋地域結核制圧技術諮問会 議が夏に開催されまして、結核対策について活発な議論がなされました。また、その後に開催さ れた国際結核シンポジウムにおきましては、厚生労働省、外務省、JICA、財団法人結核予防 会、ストップ結核パートナーシップ日本の5者により、ストップ結核ジャパンアクションプラン が発表されました。  このように、我が国が関係団体と連携して、国際的な結核対策に取り組んでいくことを表明し たことは、今年、大変意義のあるアクションが取れたと考えております。  厚生労働省といたしましては、結核の克服という大きな目標に向けまして、本日御出席いただ いた先生方の御意見を踏まえながら、地方自治体や関係団体とも連携を図りつつ、国内外の結核 対策を一層推進していく必要があると考えております。  本日は、結核登録票に係る活動性分類等について、及び今後の結核医療の在り方について御審 議いただくこととなっております。これらの重要事項につきましては、先生方の専門的な観点か ら、貴重な御意見をいただきますようお願い申し上げ、簡単ではございますが、私のあいさつと させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○江浪補佐 それでは、開会に先立ちまして、委員の御出欠の状況の報告をさせていただきます。  本日、青木委員、高橋委員から御欠席の御連絡をいただいております。部会総数12名のうち、 今回、10名の方の御出席をいただいておりますので、出席委員の割合が過半数に達しておりま すので、本日の部会が成立いたしますことを御報告いたします。  次に、事務局の職員の御紹介をいたします。  難波感染症情報管理室長でございます。  石塚課長補佐でございます。  宮野専門官でございます。  また、本日は今後の結核病床の在り方に関する研究の中間報告をとりまとめられました、財団 法人結核予防会複十字病院第一診療部付部長の吉山先生に参考人としてお越しいただいており ます。吉山先生には、後ほど研究の実施状況についての御報告をいただきたいと思っております。  カメラ撮りはここで終了させていただきますので、御協力をお願いします。  続きまして、資料の確認をさせていただきます。  まず、議事次第と資料一覧がございます。  資料1「結核登録票に係る活動性分類等について」という5枚の資料をお配りしています。  資料2−1「『結核病床のあり方』について」、前回部会におきます議論の概要の1枚紙。  資料2−2「平成20年度厚生科学研究『結核菌に関する研究』今後の結核病床のあり方に関 する研究 中間報告(概要)」ということで、12ページほどの資料です。  資料2−3「平成20年度厚生科学研究『結核菌に関する研究』長期入院患者に関する研究 中 間報告(概要)」ということで、6ページほどの資料です。  参考資料1「結核登録者数等の推移」。  参考資料2「平成19年結核登録者情報調査年報集計結果(概況)」。  参考資料3「結核病床利用率の推移」。  参考資料4「感染症指定医療機関の指定状況(平成20年3月末現在)」。  ということで資料をお配りいたしております。もし不足等がございましたら、事務局の方まで お知らせいただければと思います。  それでは、特にございませんでしたら、これから以降の進行は坂谷部会長の方にお願いしたい と思います。よろしくお願いいたします。 ○坂谷部会長 心得ました。皆さん、本日は、どうぞよろしくお願いいたします。  本日の会議の進行でありますが、お手元の議事次第に沿って進めてまいりたいと思っておりま す。  まず議題1「結核登録票に係る活動性分類等について」でございますが、事務局より説明を願 います。お願いします。 ○宮野専門官 よろしくお願いいたします。  議題1「結核登録票に係る活動性分類等について」、資料1と別添1、別添2という形で資料 を作成させていただきました。  資料1に「1.現状」「2.検討問題」という形でまとめさせていただいております。  まず「1.現状」につきましては、結核登録票に係る活動性分類等につきまして、感染症の予 防及び感染症患者に対する医療に関する法律に関して、保健所長は結核登録票を備え、これにそ の管轄する区域内に居住する結核患者及び厚生労働省令で定める結核回復者に関する事項を記 録しなければならないと、感染症法の第53条の12で定められております。  こちらに出てきております厚生労働省令に定める結核回復者に関しましては、感染症の予防、 及び感染症患者に対する医療に関する法律施行規則において、結核医療を必要としないと認めて から3年以内の者その他結核再発のおそれが著しいと認められる者というように、施行規則第 27条の7で規定しております。こちらの原文につきましては、別添1に付けさせていただいて おります。  今回、これに関して検討していただきたい課題としましては、3点挙げさせていただいており ます。  1点目「潜在性結核感染症」が、平成19年6月より届出基準に位置づけられましたので、活 動性分類の区分に追加することが必要であると考えております。  こちらに出てきております活動性分類の区分と申しますのは、別添2を参考にしていただくと わかりやすいと思いますが、別添2は平成17年3月10日から「活動性分類等について」とい うことで、通知を出させていただいたものの原文になっております。そちらの4ページ「第2項  活動性分類の区分」に潜在性結核感染症を追加することが必要であると考えております。  2点目としましては、治療終了後、再発するまでの期間を踏まえると、結核医療を必要としな いと認められてから3年以内と規定されている期間につきまして、見直しをする必要があるとい う指摘をいただいておりますので、こちらに関しましても、御議論をいただきたいと思っており ます。  3点目としましては、治療終了後の再発患者の早期発見を目的とした経過観察の実施方法につ いて、感染症法第53条の13に規定されております結核登録票に登録されている者に対する精 密検査のあり方を含めまして、これに関して議論がもう少し必要ではないかという意見をいただ いておりますので、こちらも御議論いただければと思っております。こちらの感染症法第53条 の13につきましても、原文を別添1に付させていただいております。  以上でございます。 ○坂谷部会長 ありがとうございました。事務局から3つの検討課題が出ましたが、資料1を基 に始めてまいります。  まず1点目の潜在性結核感染症を法に加えることにつきましては、粛々と追加いただくことと 思います。いかがでしょうか。議論の余地はないと思いますが、よろしゅうございますか。 (「はい」と声あり) ○坂谷部会長 ありがとうございます。  それでは、2点目と3点目の論点についてでございますが、本部会において、これが議論が必 要だと思われます。ただ、2点目と3点目はお互いに関係した問題でございますので、同時に込 み込みで議論をしていただくことだと思います。各業界、分野からの代表がお集まりになってお られますので、この点につきまして、それぞれ御発言がありましたら、よろしくお願いします。 いかがでしょうか。  加藤委員、どうぞ。 ○加藤委員 今回は活動性分類の問題に焦点を当てた議題になっていますけれども、活動性分類 は、一方では経過観察あるいは登録削除の問題と関連しておりますので、結核対策全体の中で、 これがどうあるべきかということを考えていく必要があると思います。  冒頭の梅田課長のお話にもありましたように、日本の結核患者数は非常に減っておりますけれ ども、その大きな要因として、日本版DOTSの推進ということで、適切な患者の服薬支援が非 常に大事ということですけれども、それに比較しまして、管理健診は保健所にとっては大きな業 務量の負担になっており、管理健診自体による再発の発見というのは、必ずしも効率的ではあり ません。  こういうことを考えますと、治療支援と治療終了後の患者管理のバランスというのは、今は余 り適当ではないというのが、まず第1点目です。  2点目としては管理健診の実施、これは実際は医師連絡票の発行によって、保健所が医療機関 からの情報を得ているわけですけれども、これが双方にとって非常に業務量の負担になっている ということがあります。  3つ目として、保健所では、X線業務とか結核菌の検査業務は、委託される方向になっていま す。一方、医療機関の方では、医学的理由から、年1回の管理健診以上に経過観察のためのX線 等々の検査を行っていますので、実際は管理健診はその一部の中に組み込まれた形になっている ところが多いと思います。  更に日本版DOTSということで、今、対策が進められていますけれども、これによって保健 所と医療機関の連携が非常によくなっているということがあり、これは日本の結核対策にとって 非常にいい点、評価すべき点ということであります。こういうことを踏まえながら、より効率的 な方策を、更に医療機関と保健所の連携を強化するような方向で、再発をいかに早く見つけるか、 経過観察をどうするか、議論を進めるのが適当かと考えております。 ○坂谷部会長 加藤委員、ありがとうございました。  ほかに何かございませんか。要するに、患者さんの数、発生数も地域差も昔に比べると随分異 なってきておりますので、結核予防法が感染症法に合併されましたけれども、それでもここに挙 げられている項目につきましては、前のままの原則でいっているわけです。  ところが、地域によっても、日本全体でも、もとのままではいかがなものかということでござ います。  3年以内としておりますのを、少し短くしようではないか。  それから、現場に合わせて医療機関と保健師さんがそれぞれ分担してやっているわけですが、 それが現在の施行規則と外れてきているところもあるということが、この問題提起の基本にある わけでございます。  保健所の御代表が出ておられますけれども、いかがでしょうか。東海林先生、どうぞ。 ○ 東海林委員 確かに、患者さんが減ってきているのと、結構3年の業務というのは長いとい うことです。ただ、行政として1つ心配なのは、その後再発するんではないかとか、今まで ずっと3年間やってきたのが短くなった場合に混乱するのではということです。実際は登録 の多いところでは早めに2年ぐらい経過を見てとか、3年以内で処理しているところもある と思います。  確かに業務量の負担がありますが、現状としては結核の業務が保健所の重要な業務であること は間違いないということです。  ですから、その辺は実際臨床的な面と再発がどういう具合なのかを見ながら、やはり期間を決 めていけば良いのではと思っています。  以上です。 ○坂谷部会長 ありがとうございます。  丹野先生、いかがでしょうか。 ○丹野委員 私の方も検討しまして、実際再発は、大体1年以内ぐらいが多いので、結核予防会 の基準で、一応やらせていただいております。そうでないと、現実的に大変なところがあります。  加藤先生がおっしゃったように、病院との連携が結構できていますので、私は短くしていただ いて、そして重点的にやれる方向がいいと思っております。 ○坂谷部会長 ありがとうございます。ですから、法律上は3年となっているんですが、もう既 に2年でやっておられるところもあるということですね。  診療現場の方からは、いかがでしょうか、重藤先生、どうぞ。 ○重藤委員 診療現場の方は、治療が以前よりも確実にされているということで、かなり安心な 方が多い、再発のおそれは以前よりも少ないのではないかと。  ただ、治療から外れてしまう人は、医療機関側からは、ちょっと手の出しようがないといいま すか、対応の仕方がありませんので、そういう方々に重点的に保健所の方で対応していただきた い。  現実には、かなり方、過半数の方が自主的に主治医の進めに従って、半年後とか、1年後とか、 ずっと続けて来院されます。結局そういう方々は重複していますね。無駄だなと、書類が手間だ なと思いながらやっています。  もう一つ言えば、合併症を持った方の率が非常に高くなっていますので、もう普通のかかり付 け医で管理していただけばいい方も非常に多い。  ですから、順調に、確実にDOTSがされて、治療を終了して、特にリスクの高くない方とい うのは、保健所としてはもう手を離していいと感じています。 ○坂谷部会長 ありがとうございます。  菅沼先生、どうぞ。 ○菅沼委員 直接専門として診ていなくて、一般診療の中に入っている方を診ておりますが、や はり1年に数名結核を見つけておりまして、見つけてすぐに専門機関に紹介しておりまして、半 年ぐらいで帰ってきたりしていますが、なるべく続けて専門機関に行くように指導しますが、今、 重藤先生がおっしゃったように、そういう方を専門機関から委託を受ければ診るということはい いのかなと思うのですが、そういう委託を受けたことが今ございません。  これから、もしそういう制度になっていけば、十分対応したいと思っております。 ○坂谷部会長 ありがとうございます。ですから、入院治療は別にしまして、管理的なことに入 りますと、保健所と病院と更に診療所さんと、そういう3段階というか3つになりますね。  今日は何か結論を出そうとは思っておりません。先ほど事務局、梅田課長から話がありました ように、この種のことを問題にして、将来に向かって考えていかなければならない。その第一歩 の会であると考えたいと思っております。  先ほど重藤先生が問題提起されたことで、診療現場でほとんどが保健所に代わって管理の代理 ができておるんでしょうけれども、その網にかからない人がいる、それを重藤先生の意見では、 保健所さんの方で積極的に管理していただけないかということだと思うんですけれどもいかが でしょうか、保健所さん側の御意見として、東海林委員、どうぞ。 ○東海林委員 実際、病院で管理できない部分というのは、ルートから外れた、あるいは診療に 来なくなった人ですね。その場合、保健所としてはきちんと治療に結び付けていきたいというこ とです。  その原因がいろいろあって、本人の考え方などもありますが、やはりそれは結核患者にとって は好ましい話ではなので、やはり保健所としては積極的に、重点的に対応していかなければなら ないと思っています。何らかの方向性を話し合って決めれば、やっていけるのではないかと思っ ています。全体の業務が少なくなれば、患者管理に重点的に力を注げるんではないかと思ってい ます。 ○坂谷部会長 丹野先生、どうぞ。 ○丹野委員 今、東海林先生おっしゃったように、すべてやるというのは大変でしょうけれども、 必要な人についてはDOTSから始まって、きちっと管理していけばできると思います。  病院との連携が必要な場合には、こちらから病院に出向くなり、情報を共有してやっていけば 可能という気がします。ただ、住所不定の方とか、難しい部分があるとは思いますけれど、DO TSをきちんとやることによって信頼関係ができると、つながりもよくなっていくのかなという 気がしております。 ○坂谷部会長 その辺のノウハウに関しては、大阪市辺りが一番症例数も多いですし、うまくや っているだろうと思います。全国的には、まだまだ勉強しなければいけないところがあると思い ます。  ただ、先ほど言いましたように、現実に患者さんを診ているのが、病院で治療が終わった後の フォローアップを病院で、診療所で、保健所でと。しかし、規則上は保健所さんがきちんと管理 すべきであるということになっていると思うんですけれども、現状が規則にあっているかどうか、 乱れるということはないんですけれども、施行規則から見ていかがなものかというところがある んだろうかという疑問があるんですけれども、事務局の方としては今、私が申し上げたようなこ とに関しては、何かございますか。 ○石塚補佐 基本的に感染症対策ということで、保健所が中心となってやっていくという趣旨が 感染症法の趣旨ではございます。その中でどういった役割分担をしていくのかというところが、 論点になるのかなと思っておりますので、いろいろ議論していただいて、御意見を伺いたいと思 っております。 ○坂谷部会長 ありがとうございます。  議論の途中ではありますけれども、健康局長の上田先生がおいでになりましたので、一言ごあ いさつをいただければと思います。 ○上田局長 ごあいさつといいますか、先生方には本当にいつも結核対策について、御議論を賜 りまして、ありがとうございます。ほかの所用がございまして、ちょっと遅れてまいりました。 この後もちょっと、今、予算とかたばこ税とか、これは結核対策にも若干関係があるのではない かと思いですが、そういうことでまたすぐに退席をいたしますけれども、少しだけ時間をいただ いて、勝手なことを申し上げますが、私自身は大学を卒業して、最初に結核の病院で研修に入り まして、その後ちょっと麻酔科をやって、それから保健所に行ったということで、非常に結核治 療については昔の思い出があります。  ちょうど私が結核の研修医になったころは、私の病院は結核研究所と一緒になって短期強化療 法を推進するということで、私は一人の医者として、できるだけ短期で、ほとんど6か月で退院 をさせてやってきたわけですが、あるとき大失敗をしまして、それは結核性の胸膜炎の患者さん だったのですが、同じように6か月の短期で退院をさせたら、見事に3か月後に排菌をして再発 してしまった。その後、勿論その方は治られたのですけれど、考えますと、肺の中の病巣につい ては、血流が非常に多いので、抗菌薬も行きやすいわけなのですが、胸膜にはそう簡単には届か ないということで、そういうことを考えれば、当時そういう胸膜炎に短期強化療法がいいかどう かという議論がどれぐらいあったか、私も承知していないのですが、考えてみるとそういう思い が至らなかったのかなということも思っています。  もう一つ、そのときの経験で、高齢の女性の方だったのですが、幾ら治療しても治らない。こ れは実は全く耐性菌もなかったのですが、結核でお亡くなりになりました。おかしいということ でみんなと議論して、御遺体を搬送して、ロッカーを空けたら薬がどっと出てきた、全く飲んで いなかった。  要するに、結核治療というのは、薬を飲まない、あるいは耐性菌になってしまうと、いうなら ば戦前の治療に逆戻りしてしまう。現在でもそういうものだと思っております。  それから、保健所の方に少し行ったわけですが、そのときに今日議論になっている管理カード の問題がございまして、私自身は、大概保健師さんにも2種類あって、非常にため込む方と、で きるだけ仕事を少なくするために管理カードを早く削除したいと思う方とがあるのですが、どち らかというと私どもの保健所は抱えている症例が多かったのですけれど、短期強化療法を考える と、もう病院に入院している時点で既に排菌が止まれば、その排菌が止まった時点から2年間で いいのではないかと。当時はそういう運営を現場でさせていました。勿論、法律上の拘束がある ので、それはそれでカードは置いておくのですが、実質的にはそうさせていました。  また一方、保健師さんが退院された方のところに行って、実は一番ポイントは、症状側ではな くて、薬を飲んでいるかどうか、排菌しているかどうか、それが管理カードに書かれていない場 合には、随分保健師さんを厳しく指導したつもりですし、そういうことが書かれてない限りは、 むしろ法定の保存期間が来ても、もっと持っていろと、やはり、そら、再発しただろうというこ とも実際にあったわけでございました。  何を申したいかといいますと、物事には原則と例外があるということでございまして、なかな か現場ではなぜこれが原則なのか、なぜこれが例外か、そういうことはなかなかわからない、そ ういうことをわかりやすく我々として、国としては伝えていかないと、現場は原則を例外と思っ たり、例外を原則と思ったりしてしまう、こういう混乱がないように。かつ、物事がわからない ときには科学的な原理に戻って考えるということではないかと。  そういうことで、今回の議論もひとつ御検討いただければ、非常に私の個人的な経験から申し 上げて恐縮ではございますけれども、結核管理のあるべき姿を御検討いただければと思っている ところでございます。 ○坂谷部会長 上田局長、ありがとうございました。上田局長は、結核に関しまして、お若いと きの御経験を踏まえて、我々にとっては非常にありがたい先生がトップに座っていただいたこと になろうかと思います。今後ともこの部会、御鞭撻、御指導のほど、よろしくお願いしたいと思 います。ありがとうございました。  もう一つ、局長のお話の中で、すばらしいところがありまして、DOTSですね、治療をちゃ んと完遂する、その完遂率を高めることが最大の目標であるということは、国を挙げて、もう一 度改めて認識して、それを保証し、もっていくにはどうしたらいいか、それが実は一番大事であ るということを、局長自らお感じになっているということだと思いまして、非常にありがたい御 発言だったと思います。  それでは、議論を続けます。いかがでしょうか。  加藤委員、何か御提案も含めて。 ○加藤委員 今、重藤委員からも経過観察から外れた患者さんということで御指摘いただいたと 思うんですけれども、現行の病状不明というのは1年を必要とするんですけれども、治療中のD OTSから続けていった場合、1年経たなければ病状不明にならないというのは、いかがなもの か、ここも保健所の業務量との関係もあると思うんですけれども、制度上、もう少し手当できる ような形で検討する必要があるんではないかということを思っている次第です。 ○坂谷部会長 ありがとうございます。ということは、どのぐらいの間隔というか、何か御案が おありになりますか。 ○加藤委員 先ほどあったように保健所の業務量もありますから、半年に一遍ぐらいは見てもい いという気はいたします。 ○坂谷部会長 具体的な数字が上がってまいりましたけれども、保健所の御代表としては、昔は 結核に関するお仕事が保健所の主たるものであった時代がありますけれども、今はそうではない ということですが、逆に少な過ぎるのではないか、結核に関してはもう少しふんばっていただか なければならない分野があろうかと、こういう御意見もあると思いますが、丹野委員、どうぞ。 ○丹野委員 確かに結核は保健所のメインだろうというのは、周りの方もそう思っていますし、 ただ、地域差が結構あります。埼玉県においても、審査会の件数などを見ましても、多いところ と少ないところでは10倍ぐらい差があるようなところもあります。実際に当所は県南部で、結 構外国人も多く、ホームレスのような方も多い地域で、実際には埼玉県の人口の約10%が居住 していますが、菌陽性の新規患者は20%という状況になっています。  そういう中で、よその保健所に比べて結核の担当者が多いかというと、そういうことはなくて、 逆にほかの、例えば児童虐待とか精神保健の部分も多いので大変です。でも、DOTSは100% 実施しようということでやっていますが、本当にどこまでやれるかというのは、なかなか難しい ところです。  そういう意味で、先生おっしゃったように、少し緩やかというか、間隔を考えていただいて、 重藤先生おっしゃったように、重点的な部分はきちっとやることは大事かと思っております。 ○坂谷部会長 ありがとうございます。今、埼玉の話が出ましたけれども、川城先生、昔は埼玉 におられたので、何か御意見を。 ○川城委員 特別にはないんですけれども、全体の流れは大賛成なんですけれども、丹野先生が おっしゃられたように、埼玉県内でも件数に10倍ぐらい差がある。その職員の配置というのは、 同じに配置されているんですか。 ○丹野委員 保健師さんの数というのは、確かに人口割りにというのも含めて、人口の少ないと ころよりは多いんですけれども、ほかの業務もさっきお話ししたように多かったりするので、実 際に担当する人は同じぐらいの数になってしまうんです。 ○川城委員 そういう症例の多いところは、例えば審査会の件数が多いところは負担が大きいわ けですね。余り少ないところと同じ配置というのは、外から見ると気の毒なような気がします。 それが1つと、あとDOTSもかなり拡充してきて、加藤先生とか吉山先生もデータをお持ちか もしれないけれども、治療終了後の再発日については、昔と時間的な軸で考えたとき変わってい るんですか。同じと理解するんですか。例えば1年以内に何%、2年になると下がってくるかと か、そういう分布図が変わったものなんでしょうか。 ○坂谷部会長 吉山参考人、議論が少しずれてきているんですけれども、しかし、大事なことで すから、少しお話し願えますか。 ○吉山参考人 先ほど丹野先生がおっしゃったように、再発は1年以内が多いと申し上げたんで すけれども、複十字病院では、初めの2年間は病院の方で、3か月なり6か月ごとに経過を見る という方針もある程度のバイアスがかかっているのかもしれませんが、最近、2003年から2006 年まで、980名の治癒した患者さんのうちで再発された方が23名、2.3%、そのうち19名まで が1年以内の再発ですので、1年以内が多いということになります。 ○川城委員 最新のデータを基にして、どのぐらいまで普通の定型的パターンは追跡すべきかと いうことは考えた方がいいのかなと、状況が変わっているのかなと思っております。  全体的には、重点的に押しなべて全部3年というのは、もうそういう時代ではないと思うとい うことを申し上げたいので、定型的なものはもっと短くして、だけれども重点的にやるべき症例 はどういう症例かというのは、また具体的に検討するべきかもしれないけれども、そういうもの に関してはやはりきっちりと長く見ていかなければならないのではないかというふうに、全体的 には思っています。 ○坂谷部会長 ありがとうございます。  東海林先生、どうぞ。 ○東海林委員 私は特別区の保健所なんですが、区によって体制が違うんです。私がいる中央区 というのは、結核の患者さんが少なくて、前にいた葛飾区は結構多いと思っていましたが、やは り区によって人口だけではなくて差があるような気がします。  葛飾の場合は、感染症対策の係の保健師がいて、割合体制がしっかりしているんですけれども、 今いる中央区の場合ですと、担当の係ではなくて担当が重点的に行っています。やはり患者の多 い保健所では、感染症や結核対策の係を置いた方が良いと思っています。  今は審査会の時間も準備も全然違い、非常に少ないです。前にいたところは結核の病院がすぐ 隣にありましたので、DOTSとか打ち合わせ等は頻繁によくやっていました。定例に会を開い たり、打合せしたりということがありますので、病院とのやり取りが多くなってきたと思ってい ます。 ○坂谷部会長 今おっしゃったように区によって違う。例えば新宿区とか葛飾区とかは、結核専 門の担当部署。 ○東海林委員 新宿区はちょっとわからないですね。 ○坂谷部会長 でも、それは保健所の権限で自由に組織は組めるわけですね。 ○東海林委員 はい。 ○坂谷部会長 今の話で2つポイントがありまして、1つは3年を2年に管理健診にすることが、 もう現実に行われている部分がありますが、それで十分だと、重藤先生からの御発言でしたね。 再発するとしたら1年以内が主であって、それを倍に伸ばして2年で十分ではなかろうか。その 基本的なデータがいると思います。  それから、川城先生がおっしゃったように、そのことと直接はないかもしれませんが、現在で の再発率であるとか、一般的なデータもどこかにあるはずですけれども、ちゃんと押さえておか ないといけないということだと思います。  精密検査の在り方について議論がなされてないのですけれども、いかがでしょうか。現実には、 先ほど言いました入院治療をやっていた病院で、そのままであるとか、別の病院であるとか、診 療所さんであるとか、そういう方の率が高いかもしれません。保健所さんが独自で精密検査をな さっている率は低いかもしれませんが、この率についても、保健所さん御自身の領域といいます か、テリトリーでの、今、申し上げたような率というのは、はっきり把握されておりますか。大 体、実際に患者さんが関わっている施設に、今でしたら年に一遍依頼をされて、報告書を上げる。 それが主な業務になっているんじゃないですか。 ○丹野委員 保健所でやる率と病院でやる率はわかりませんけれども、その方の都合に合わせて お呼びしているのが現状と思いますが、東海林先生の方はいかがですか。 ○東海林委員 患者さんの都合も聞いていろいろやるんですが、医療機関がしっかりフォローア ップしている方が多いと思っています。 ○坂谷部会長 現実に、自前の保健所さんでの管理健診で終始している症例は、東海林先生、丹 野先生のところでおありになるんですか。 ○丹野委員 保健所だけでですか。件数がどのぐらいかというのはわかりませんけれども、場合 によってはあるかもしれませんね。 ○坂谷部会長 要するに、最終的に管理健診がされているか、されてないか、それをきちっと責 任を持っておられるのは保健所さんであると、だけれどもそれは、例えば広島ですと重藤先生の ところにほとんどが現実には。 ○重藤委員 広島県は、すべて病院に委託されていますので、委託医療機関はいっぱいあります ので、いろんなところに行かれていると思いますが、その書類が患者さんのところに行って、患 者さんがそれを持ってこられて、その結果を記入して返すという形ですけれども、主治医がいつ いつ来なさいよと行って、その2か月後ぐらいに保健所からの通知が来るとか、そういう無駄は いっぱいあります。  もう一つ言えば、患者さんの費用負担を考えれば、いろいろ矛盾は出てくるかとは思います。 ○坂谷部会長 現実には、保健所さんが責任を持つことでありますけれども、ほとんどの症例は 医療機関に今おっしゃったように、契約関係的なもので投げてあるということが、どこの地域で も普通なんでしょうね。  どうぞ。 ○菅沼委員 今、丹野先生おっしゃったように、ホームレスの方で追えなくなってしまうという ことをお聞きしたんですけれども、一般の会社に務めている方とか、地域の住民ですと、結構、 今は1年に1回ずつ健康診断を必ずやっておりますので、そうひどくならない、勿論喀痰のPC Rまではやらないにしても、胸部レントゲンは必ずやります。やはり一番ホームレスの方でわか らなくなってしまうというのが問題ではないかと思っておりますが、いかがでしょうか。 ○坂谷部会長 ほかの委員の方々で、いかがでしょうか。 ○丹野委員 そういう意味で、余りにも登録期間が長いと、どうしても途中で追えなくなること がありますので、さっきお話があったように、再発が1年未満が多いのであれば、最低そこまで は見るというのは、DOTSをきちっとしておけばできるかなと思います。それ以降になると、 確かになかなか難しい部分があって、不明の部分が増えてきてしまうことはあり得ます。  ただ、さっき言ったように、基準を決めていただいた方がいいという気がしております。 ○坂谷部会長 1つは、医療機関と保健所との連携プレー、これが実際されているし、これから もそれが重要であるし、そうしていこうという御意見だと思います。  もう一つは、今おっしゃったように、ホームレス、医療機関からも、保健所からも外れてしま ったのがどれぐらいいるか、その方々の結核問題が、日本の結核対策のなかでどれぐらいの重さ があるか、影響があるのか、それを判断していかないといけないと思います。  吉山先生か加藤先生か、ホームレスの結核の重さ、重要性についてお願いします。 ○加藤委員 地域によって随分違うと思います。ですから、特にホームレスが多いのは大都市、 大阪、東京あるいは川崎、横浜辺りが非常に多いかと思うんですけれども、そういう地域では当 然影響は大きいということが言えると思います。  数値は今にわかに持ち合わせていませんけれども、そういった地域では非常に大きいと思いま す。 ○坂谷部会長 患者数の基礎的なデータの中での比率として、その地域でホームレスの方々が多 ければ、結核の発病の率が高くて、影響があるけれども、それはかなり数値的に影響するんです か。 ○加藤委員 この問題というのは、数値の問題もありますけれども、実際再発の発見が遅れて、 それによって影響を受ける患者さんがいるとすれば、それは数ではなくて問題ではないかと思い ます。  そういう意味では、先ほどからの議論に戻りますと、多くの人は医療機関に実際にフォローア ップされていますから、医療機関にちゃんとつながっているということであれば、基本的にそこ は担保されるはずであろうと思います。  一方、さっきから議論になっています経過観察から外れた患者さん、これはなるべく早く把握 しなければいけない。少なくとも6か月に一遍ぐらいは把握しなければいけない。そういった形 で、制度を少し考える必要があるんではないかというのが、私の考えです。 ○坂谷部会長 地域的な蔓延の火種の1つになり得るということで認識してよろしいですか。 ○加藤委員 地域的に蔓延というほどインパクトがあるかどうかはすぐには言えません。ただ、 それによって影響を受ける人がいるとすれば、それは問題だということは間違いないと思います。 ○坂谷部会長 重藤先生が最初に御提案になった理由は、今の加藤先生の話と関係ありますか。 ○重藤委員 結局、例えば1人であっても、その方がやはり薬剤耐性になっていくと、超多剤耐 性で治療不能になっていく、途中で治療可能としても、非常に費用は莫大なものになるというこ とから考えれば、やはりそういう人たちに力を注ぐことが、将来に向けては一番費用がかからな いのではないかと思っています。 ○坂谷部会長 ありがとうございます。それは丹野先生も一部おっしゃったけれども、そういう ことですね。治療に乗らない人が出てきて、中途半端な治療に終わって耐性菌を生み出すことが 一番のポイントかもしれませんね。  加藤委員、どうぞ。 ○加藤委員 これは治療だけではなくて経過観察においても同じようなことが言えると思いま す。 ○坂谷部会長 わかりました。経過観察をしっかりしておかなければ、やりますと再発率が高い 集団かもしれませんけれども、迅速に対応できるということですね。  吉山参考人、どうぞ。 ○吉山参考人 先ほど2.3%再発しているといったのは、治療を終了した方なんですけれども、 同じ期間に治療を中断された方、38名中、少なくとも5名、13%の再排菌は確認されておりま す。ただ、中断される方は病院の方に情報が戻ってこないことが多々ありますので、それよりも はるかに高い再発率ではないかと推定されます。  もう一つ、再発の患者さんの中での薬剤耐性の頻度について、これは結核療法研究協議会の 2002年のデータなんですけれど、臨時雇い、雇用者の方の耐性の比率が、どうも高そうだと思 われます。  そういうことで、治療を中断しやすい方については、耐性の頻度が高いのではないかと、今、 重藤先生がおっしゃられたことは、恐らくバックアップされるのではないかと思います。 ○坂谷部会長 ありがとうございます。  どうぞ。 ○菅沼委員 今のことに関して、その中に外国籍の方とか、そういう区分けはありますでしょう か。 ○吉山参考人 外国籍の方というと。 ○菅沼委員 一応、外国籍で入って来る人は、何か仕事をしているので、その辺でキャッチでき るかと思うんですけれど、キャッチできない部分からかなり結核が入ってきている感じがするの で、そのキャッチができているのかいないのかということはおわかりでしょうか。 ○吉山参考人 外国籍の方が結核の罹患率が高いというのは、データでございます。外国籍の方 が中断しやすいかどうかについては、意見が分かれております。中断しやすいという意見もござ いますし、最近の複十字病院の方では、余り中断の比率は変わりないようなんですけれど、中断 しやすいというデータもございます。  耐性の頻度については、再発例の中では、外国籍の方も薬剤耐性の頻度は高いと思われます。 ○菅沼委員 ありがとうございました。 ○坂谷部会長 今回の部会の議題には入ってないんですけれども、先進諸国では、外国人結核の 問題は非常に大きくなっていますので、いずれ議論になると思います。  それより冒頭の課長のごあいさつの中にもありましたように、薬剤耐性結核菌がおるのは確か なんですけれども、それがどんどん増えているのかどうかに関しては、誤解をまねいたらいけま せんので、私の認識では決して日本では薬剤耐性結核菌が広がり始めているというふうにはとら えてないんですけれど、それはこの場できちっと押さえておきたいと思います。加藤先生、吉山 先生、データ的にいかがでしょうか。 ○吉山参考人 結核療法研究協議会のデータを見ますと、リファンピシン(R)耐性は過去30 年間、1977年〜2002年までのデータですけれど、ほぼ1%前後で、安定的に推移しています。  イソニコチン酸ヒドラジド(H)耐性は、むしろやや減少傾向にあります。以前は4、5%だ ったのが、3%程度、同じといえば同じなんですが、統計的には変化ないんですけれども、少な くとも増加はしておりません。 ○坂谷部会長 それで問題のHR耐性に関してはいかがですか。それとXDR-TBですね。 ○吉山参考人 リファンピシン耐性のかなりの部分がHR耐性になりますけれども、これも1% 弱というところで、余り変化はございません。  XDRという言葉でありますが、これは多剤耐性+カナマイシン耐性+キノロン耐性なんです けれども、これは言葉の定義上の問題から、キノロンが使われるようになったのが1990年代、 80年代末以降、検査が行われるようになったのが2000年代以降ですので、まだ経時的な変化に ついてのデータはございません。 ○坂谷部会長 ありがとうございます。いかがでしょうか。主に診療現場及び保健所さんからの 御意見だけという状況ですけれども、ほかの分野から御参加の委員の方々でお聞きになりたいこ と、あるいは疑問点とか、そういうことに関しまして、何でも御発言がありましたらお願いしま す。  南先生、何かございませんか。 ○南委員 特別ございませんが、今、社会が非常に格差的であったり、外国人の問題もこれから どういうふうになるのか、場合によっては外国人の方々が大量に入ってくるという可能性もなく はない状況です。この問題を現状だけではなくて、ちょっと先を見通した対応をしておく必要が あるということを感じます。今は増えているという状況はないとしても、何かのきっかけで状況 が変わることは十分にあるということを、視野に入れておいていただくことが、社会的には望ま しいと思います。 ○坂谷部会長 ありがとうございます。重要なポイントを御指摘いただいたと思います。  結核予防法ができましたころには、患者数は違いましたけれど、日本全体で、どこでも、だれ でも、手軽に、確実に治療を受けることができると、診断も受けることができるということで、 関係の先生方に随分お世話になった時代がありました。現状は変わってきているんですけれども、 今日の議論の項目につきまして、医師会を代表されまして、飯沼委員、何か御発言がありますか。 ○飯沼委員 余り結核を診たことがないのですが、2つあります。  1つは、保健所が非常に忙しいというのは、私の印象では余り理解がしにくい。例えば食中毒 が出たとか、経口感染の法定伝染病が出ても、全く動かないという現状を今まで経験しているん です。私が医師会長をやっているころに、地区でそういうことが起きても動かない。だから、先 生方が日ごろやっておられることが、私には伝わってきません。それが1点です。  もう一つは、3年を2年にするとか1年にするという議論は、これもいい話だと思いますが、 これはエビデンスを出していただかないと、何年ごろからこうなって、そのときとどう違うんだ ということを、統計的にも出していただかないと、感覚でものを言っていてはいけないような気 がします。  以上です。 ○坂谷部会長 ありがとうございます。これはまた適切な御意見だったと思います。  どうぞ。 ○東海林委員 保健所のことで、どこの保健所がわかりませんが、やはりそういうことはまずい と思います。すぐ動かないと、最初の初動が肝心なので、多分先生のところの保健所は、是非そ ういうところがあったら改めて対応すべきです。実際は保健師が病院の訪問などをやっているの で余り目立たないんですが、個々の例としては患者さんの状況を把握しに行ったり、家庭を訪問 したり、いろんなことをやっています。  今はすぐ動かないと、いろんなところで問題があったりしますので、先生の方もまた保健所の 方に指導していただきたいと思います。 ○坂谷部会長 どうぞ。 ○菅沼委員 港区の診療所ですけれども、1人会社の健康診断で結核が出まして、それは即専門 医に紹介をいたしました。それ以外の社員も来ておりますので、早速接触者健診が来るであろう と思っておりました。ところが、書類がどこかに行ったのか何だかいろんなことを言っておりま したが、実際に来たのは3、4か月後でございました。なので、私もちょっと早く動いてもらい たい。この会議を経験しておりますので、そういう場合には、すぐ来るからねと会社員の人には 言っておりましたが、いつまで経っても来ませんと言われました。 ○坂谷部会長 ありがとうございます。  どうぞ。 ○東海林委員 やはり書類を受け取って何もしないということは、実際、本当はよくない。だか ら、なぜそれがそんなに長い間放ってあるかというのが理解できないところもありますが、いろ いろそういう話は直接電話していただくなり連絡を取ってもらって、とにかく早くやるように。 ○菅沼委員 一応そういう場合は、紹介した専門医が届出したと認識しておりましたので、私の 方からはそういうことは一切動かなかったんです。ただ、後になっていつ来たかと聞いてみたら、 3か月か4か月後になってやって来たという話を聞きました。 ○坂谷部会長 この会は結核部会でして、保健所さんの在り方を検討する会ではありませんが、 飯沼委員、菅沼委員のおっしゃることはお聞きしておきます。  結核に関しての接触者健診に関して、菅沼先生からありましたけれども、それをあげつらう会 ではありませんので。  1番目の潜在性結核感染症を活動性分類に入れる。これは皆さんから同意を得られたと思いま すが、その管理健診、経過観察に関しましては、データが欲しいという条件は付きましたけれど も、3年でなくて条件に合わせて短くしてもいいだろうという話が出ましたね。  その健診の在り方について、昔のように保健所主体の、保健所さんだけのということではなく て、現場の医療機関と上手に連携をして、効率的にやる必要があるということ。  それでも外れる方々がおられるわけで、その人たちの問題が残っておりますので、どうするか、 これは悩ましい問題ですけれども、データの把握を踏まえて、これから真剣に議論していかなけ ればならない。基本的に、南委員からありましたように、将来の対策の在り方、どういうふうな 理想像を描いてやっていくかということを踏まえて、それをベースに忘れないようにして議論を 続けるということだと思います。  議題1に関しましては、これで閉めたいと思います。今いただきました御意見につきましては、 事務局で整理の上、次回の部会に御報告をいただきたいと思います。  続きまして、議題2「今後の結核医療のあり方について」でございます。  まず、事務局におきまして、前回の部会での議論をまとめてもらいました。どうぞ御説明、御 解説をお願いしたいと思います。  よろしくお願いします。 ○宮野専門官 事務局より、前回の議論、第13回の結核部会になりますが、そのときに出てお りました結核病床の在り方についてという皆様の議論を基にまとめ、要約をつくらせていただき ました。  主に項目としては3点ございました。  1点目は、結核病床の現状ということで出ておりまして、内容としましては、近年の結核入院 患者数の減少による結核病床で空床が目立っている。具体的には、結核病床数が約1万ある中で、 平均病床利用率が30%台であるという議論がされておりました。  そして、その病床利用率に関しましては、地域に差がありまして、10%未満から60%未満と いう数字が出ているという話がされておりました。  2点目につきましては、結核入院医療の提供体制という議論がなされておりましたが、内容と しましては、一定の集約化、これは手厚い医療、医療水準の維持を目的としたものになりますが、 それが有効な方策と考えられておりますが、一方で国民の結核医療へのアクセスの確保という視 点から考えますと、分散化の視点も重要である。  また、単一病棟での運営が現状では困難となってきており、ユニット化、更に陰圧設備を有す る個室化が今後の方向性になってくるのではないかというお話がされておりました。  そして、ハイリスク患者に対する医療、特に透析患者さん、または耐性結核の患者さんなどが 含まれてきておりますが、そういった方に対する総合医療の提供体制の整備の大切である。  そして、新型インフルエンザ対策との連携も検討していくことが必要ではないかというお話も されておりました。  3点目に結核入院医療のための法的整備ということにつきましては、結核病床の施設基準の整 備及び感染症法上と医療法上の取り扱いの整理が必要であるというお話がされておりました。  そして、事務局からは、この議論に関わる参考資料としまして、参考資料を4点付けさせてい ただきました。  まず参考資料1につきましては、結核登録者数等の推移ということで、昭和36年から最新の 平成19年までの結核登録者数や新登録患者数、死亡数、罹患率を含めたデータを出させていた だいております。  参考資料2としましては、平成19年結核登録者情報調査年報集計結果概況ということで、当 課から平成20年9月に発表させていただいたデータを出しております。  これにつきましては、全国の保健所を通じて報告される結核登録者の状況ということで、平成 19年1月1日〜12月31日までの調査内容をまとめております。  1ページ目に、その年報のポイントが出ております。  参考資料3としましては、結核病床利用率の推移ということで、2枚にわたって平成19年1 月〜9月の病床利用率、各都道府県のデータと、2枚目、平成19年10月〜平成20年5月の病 床利用率、各都道府県の推移を出させていただいております。  最後に、参考資料4としまして、感染症指定医療機関の指定状況ということで、これも最新の 平成20年3月末現在の報告を出させていただいております。  結核に関わる部分としましては、第2種感染症指定医療機関の部分に示させていただいており ます。  以上であります。 ○坂谷部会長 ありがとうございます。事務局からの御報告、資料2−1と参考資料でございま した。御質問があろうかと思いますけれども、この議題に関連しましては、2つの研究班から中 間報告をいただけることになっておりますので、それを先にやりたいと思います。  それでは、まず「ア)今後の結核病床のあり方に関する研究の実施状況」について、参考人で あります吉山先生から御説明を願います。 ○吉山参考人 2つのことを行いました。1つは、結核病床がどれだけ必要であるかということ を推計すること、もう一つは、現実にどれだけ結核病床があるかということをまとめることでご ざいます。  結核病床が、今後どれだけ必要であるかということの推計につきましては、資料2−2の3ペ ージ目から方法が書いてあります。  6ページ目から数字が書いてありますけれども、結核患者数が、今後どういうふうに推移して いくであろうかという数字を、年齢別に推定いたしました。これは、結核研究所の大森が既に論 文にしております。  6ページ目と7ページ目がございます。6ページ目は、塗抹陽性結核患者という、感染性が高 いから全員入院。7ページ目は、全結核患者ですので、塗抹陽性以外のものについては、入院が 必要な場合と必要でない場合とがございます。  その患者数の推移を基にいたしまして、8ページ目、資料2のところに、1人の患者さんが何 日間ぐらい入院が必要か。60日と仮定した場合、それから、現在のところもう少し長いわけで すけれども、諸外国、ドイツなども大体2か月ぐらいの入院、イギリス、オランダ、アメリカな どはもう少し短いということもありまして、60日入院の場合にどれだけ必要であるか。更に短 くなって30日入院の場合に、どれだけ必要であるかを計算しました。  患者数×入院日数を計算しますと、大体どれだけベッド数が必要であるかということが計算で きます。  ですので、入院数ごと、患者数のモデルといいますのは、6ページ、7ページのところに患者 数モデル1、2とあります。これは将来の推計ですから、患者数がどう変化するかということに ついては、必ずこの数字になるという予測は経ちませんので、モデルによって将来の患者さんの 予測が異なってまいります。  一番可能性が高いと思われるモデルがモデル1、大森が計算したときは4つモデルをつくった んですけれども、そのときに最も患者数が多いだろうと思われるモデルがモデル2でございます。  その患者数に対応して、入院日数をかけて、更に入院割合、塗抹陽性の患者さんは全員入るわ けですけれども、そうでない患者さんについては一部しか入りません。どのぐらい入院が必要と なるか。  また、変動係数といいまして、患者というのはいつも同じように発生するわけではありません から、ある程度余力を持たせるためには、一定の係数をかけて病床数を用意しないといけない。  それから、慢性的に菌が出ている患者さんについては、新たに発生する患者数からの計算式で は計算できませんので、別途計算をし直しましたのが、その慢性的に排菌している患者数の予測 の仕方によって、大目予測と少目予測というのを計算いたしました。  2005年の時点では、入院日数60日の患者数モデル1のところですと、3,500床ないし4,500 床必要であるというところが、2030年になりますと1,255床〜1,593床、患者数の減少に並行 して、必要とする病床数は減るであろうというふうに予測できます。  以上が、必要な病床数の推定の部分でございます。  その次の9ページ目ですけれども、ここは都道府県別に必要な病床数を計算しております。都 道府県別の人口の今後の推移というのは計算が難しい、それは日本人は日本国内で移動が結構あ りますので難しいということで、2005年の患者数を基に、その場合は何床必要かという計算の みを行っております。  例えば東京で60日の入院ですと、400ないし500床ぐらい必要だろうという計算となります。  続きまして、10ページ以下が、現実にどれだけ結核病床があるかということの調査でござい ます。  これは、2005年の時点で、結核病床を持っている病院、感染症指定病院、モデル病床事業で 結核対応の病床を設置した病院に対して、アンケート調査を行いまして、実際どれだけ病床が稼 働しているか、そのうち特に今後の結核患者さんの入院を考えますと、スタッフの院内感染対策 なども考えますと、やはり陰圧室に収容していくという方向になろうかと思います。  ですので、そのうち陰圧室がどれだけあるかということを集計いたしました。  10ページ目が、そのまとめでございます。結核病床を持つ病院298か所に調査を行いました けれども、全病院からは返答いただいておりませんで、225病院、4分の3の病院から返答をい ただいております。そこの病床数は、2005年の総病床数1万791床のうち、返答ありの病院の 病床数が8,180、約8割ぐらいの病床数を持つ病院から返答をいただいております。  しかしながら、これは2005年のときの公示されている病床数でして、2005年の時点で実際に 動いている病床数、8,180病床が本当に全部動いているかといいますと、その下の回答あり病院 の返答時稼働病床数と書かれておりますのが4,902床ですので、実際に動いている病床は、その 8,180のうちの6割でございます。ひるがって考えますと、恐らく返答が来てない二千何百床の ところでも、やはり実際に動いてない病床がかなりあるのではないかと推定されます。  4,902床の病床がありますが、そのうち陰圧病床が約半分の2,520床でございます。陰圧の個 室が495室。部屋の数自体としては1,063室となります。  一般病床のモデル病床事業での病床数、第2種感染症病床の病床数がその右に示されておると ころであります。  陰圧室の数としては、感染症病床もございますが、結核病床における陰圧室の数が圧倒的に多 いということになります。  11ページ以下が、各都道府県別の返答でございます。見ていただいたらわかります。  例えば東京などにおきましては、2005年の時点で1,108床あるといいますけれども、返答を いただいた病院の病床数は、1,108のうちの790なんですが、実際に新たな結核患者さんが来た ときに受け入れますよということで、稼働している病床は790のうちの309、4割にすぎません。 これは、2005年から返答をいただいた2008年までの3年間に減った病床数、それから、実際に はこれだけ動いていますとは言っても、一部の病院では公示はしていますけれども、新たな塗抹 陽性の結核患者さんは受け入れられませんと言っている病院などもありますので、これはかなり 少なくなっております。  後ろの厚生労働省の資料で、東京都の病床稼働率が五十何%と表示されていますけれども、実 際に動いている病床がこれだけしかありませんので、東京では結核病床はきつきつで入院待ちの 患者が出ることがあります。  陰圧室の数が、各都道府県ごとに示されております。返答をいただいてない病院が幾つかあり ますので、都道府県によってはこの数値が余り代表性を持たないというか、そういう都道府県も あるかとは存じます。  以上です。 ○坂谷部会長 ありがとうございました。御質問たくさんあろうかと思いますが、後でまとめて お願いしたいと思います。ただ、ポイントは現状の報告と将来幾らあったらいいんだということ に関しまして、発生数、これは予測ですけれども、それと入院期間、この2つの変数によって定 まってくるということでありますが、発生数は我々が提案する対策によって違ってまいります。 それと入院期間は、国の基準が影響して、長くなればたくさんいるし、短くなれば余り要らない ということになろうかと思います。  最後に、結核病床とは何かということで、吉山委員から先進諸国では陰圧病室であるのを結核 病床とカウントすべきではないかという御提案もあったと認識いたします。  続きまして、長期入院患者に関する研究の実施状況につきまして、加藤委員から御説明をお願 いします。 ○加藤委員 それでは、資料2−3をご覧下さい。この研究は、先般入退院基準を定めたときの 課題として残された問題でして、前回定まった入退院基準というのは、治療が順調に進んで、感 染性がなくなるということを前提にしていますけれども、そうじゃない患者さんがいるというこ とで、そういう人たちをどのように処遇するかということを検討する目的のために行っておりま す。  ここは、発生動向調査上の慢性排菌患者数の動向、発生動向調査システムから取り出した患者 さんにつきまして、全国の保健所に調査票を送りまして、それを集計した結果でございます。  図で御説明したいと思います。図1をご覧下さい。これは慢性排菌患者数の推移であります。 慢性排菌患者というのは、この調査の上では発生動向調査上、2年以上登録されていて、1年以 内に排菌があった患者さんということで定義しています。この中には、多剤耐性の患者さん、薬 剤に関する副作用のために治療が順調にいかない人、これは発生動向調査上のことでありますけ れども、実は再発した患者さんも入っております。  図1に示しますように、全体の慢性排菌の患者さんはこの7年間で非常に減っています。背景 としましては、図2と3に示しますけれども、日本版DOTSによって、治療が全体としてよく なっている。図3に示しますように、慢性排菌化の要因として、糖尿病、あるいは副作用による 治療中断といった、人為的に介入できないものについては、余り変わっていませんけれども、自 己中断あるいは未使用薬剤の1剤ずつの追加、耐性検査を実施していなかったという人為的要因 については、非常に改善しているというのが見て取れると思います。  図4は、先ほど申し上げた背景ですけれども、非常に長期にわたって登録された患者もいます。 そういった人は、かなりの部分が多剤耐性ですけれども、近年はその割合は低く、再発の患者さ んがある程度入っているだろうということです。  図5は、年齢分布です。一般的に多剤耐性は、全体の患者さんより若い年齢の方が多いという ことがありますので、登録時割合、これは2006年と比べますと、50代、60代という比較的若 い人が多いということでありますけれども、こういった人が高齢化していって、年齢が少しずつ 高く移行しているということであります。  登録時の病型はさまざまでして、塗抹陽性の患者さんもありますけれども、その他の菌陽性 等々の理由で長引いている患者さんもいるということであります。  図7、8、9につきましては、登録時との症状を見ていますけれども、いずれも症状あるいは 学会分類、菌検査についても、全体としては改善方向が見えているということでありますけれど も、図10、11に見ますように、薬剤耐性の率が上がっているということで、ある程度全体とし てはよくなっている中で、薬剤耐性がこの問題の背景になっているということがよく見て取れる と思います。  図12〜16につきましては、患者さんの生活状況、QOL、あるいは感染予防措置ということ で調査したものでありますけれども、呼吸機能障害につきましては、特に以前手術を受けた人の 中では、著しい呼吸機能障害を持っている人もいるということであります。  図13は治療状況でありますけれども、近年の培養陽性の患者さんの中でも、1年以内に培養 する患者さんの中でも、入院の人もいますけれども、外来で治療される人もいるということであ ります。ただし、これは定義上2006年の調査時より1年以内に培養陽性だった患者さんという ことで調査しておりますので、この外来時、必ずしも培養陽性かどうかというのは確認できてお りません。これについては、今後追加の調査が必要ということであります。  図14の自宅での生活状況ですけれども、発病前と同様の仕事をしている人が半分ですけれど も、一方では仕事をしてないとか、他人に合わないということで、社会生活に非常に制限を受け ている人。外出につきましても、自由な外出をしている人もありますけれども、必要な場合のみ 外出、あるいは通院以外に外出しないということで、非常に社会生活の制限を受けている人もい るということです。  図15、培養陽性患者さんの中でも、かなり厳密に感染防止措置、あるいは社会生活について も制限されている人もいますけれども、中には余り感染防止措置が取れていない患者さんも若干 ながらいるということで、こういったところについては、より指導等が必要なのかもしれません。  図16は、通院・外泊状況ですけれども、これは全体の患者さんですけれども、月に1回以上 通院している人が半数、多くの人は2か月に一遍以上通院していますし、129名の入院患者で、 1年間ほとんど病院は出ていないというのが77%、100人ぐらいはほとんど病院に入りっぱな しということで、非常に制限を受けている患者さんもいる。こういう実態を踏まえまして、感染 防止措置を考えながら、なおかつこういう患者さんのための、それなりのQOLを得られるよう な形で、問題を解決しなければいけないというところまで見ていかなければいけないと思ってい ます。  調査の制限上、若干明らかになっていない部分もございますので、更に中身を精査して御報告 したいと思っています。  以上でございます。 ○坂谷部会長 ありがとうございます。事務局から問題の整理と、それに関する2つの研究の報 告がございました。まず、御質問から入ろうと思いますけれども、いかがですか。  加藤委員、どうぞ。 ○加藤委員 前回の議論の中で、結核の病床利用率ということで、30%あるいは10%未満〜60% ということでデータが出てございますけれども、これは恐らく届出病床数を分母にした数という ふうに思われます。吉山先生の御報告にございましたように、実際の運用病床はこれよりずっと 低いので、かなり利用率が高い。吉山先生からお話があったように、東京ではきつきつ、あるい は必要な患者さんが待たされることもあるということで今お聞きしましたので、ここら辺は非常 に大きな問題だろうと。  この背景の1つとしましては、今、結核病床が経営的に赤字になって、それがゆえに病床が閉 じられているという現実があります。どんどん閉鎖になりつつあるということも聞いていますの で、吉山先生の御報告のように、少し先を見た、将来を見た視点での検討も必要ですけれども、 現時点で何とかしなければいけない問題があるということも御指摘したいと思います。  以上です。 ○坂谷部会長 ありがとうございます。  まず、資料2−1でしたね。事務局からの前回のまとめですが、その中に前回出た数字として、 平均病床利用率30%台というのがあるんですが、今、加藤委員からお話がありましたように、 その母数として書類上上がっている病床の数と、実際に稼働している病床の数との乖離が地域に よって違いますが、あるということで、現実的には使える病床のかなりの病床が使われていると 理解した方がいいと思います。  重藤委員、何か御意見、御質問ありますか。 ○重藤委員 病床というか病棟がどんどんなくなっているというのは、実は私もアンケート調査 をしまして、返ってきた1割がもう閉めましたとか、そういう状況なんですが、そういう状況を 把握していらっしゃるでしょうか。どこがどんどん閉鎖しているとか、そのような状況、数が減 っていることは、どの程度把握できているのかと思います。  加藤委員も言われましたけれども、経済的に非常に割が合わないと、国立病院機構でもまとめ ておりますけれども、かかる費用が大ざっぱに言えば1日当たり、患者さん1人当たり3万強の ところが、実際に医療費として入ってくる。収入としては2万ちょっとしかない。これはどのよ うに患者数、病床効率を上げていっても、もう最大限にやってようやっととんとん、ちょっと患 者数が減ったり、入院期間が長くなれば物すごい赤字になる。病院の維持という面から言えば当 然やめていくべきなんでしょうけれども、ですから減っていく状況を、本当に受け止めていただ かないと、今後の病床がどうとかいう前に、足元から崩れていくんではないかというふうに感じ ています。 ○坂谷部会長 先ほど、どなたからか話がありましたが、東京都の中で終始しようとしたらとい うことですけれども、発生患者数、治療が必要な患者数に比べて、ベッドが足りないのではない かという話があったと思いますけれども、東海林先生、都の状況というのはそうですか。 ○東海林委員 やはり届出病床の数を見ますと、これだけあるんですが、実際は稼働しているの が半数ではないかと思っています。そうしますと、どうしても速やかに入院ができなくなるよう な状況になっています。  また、医療機関側も突然閉鎖しますということの連絡が入ったり、大変困っているところもあ って、その辺もう少し把握できるシステムがないのかということです。  東京都の場合、病院の方は都の本庁の方で所管していますから、保健所に情報が伝わりにくく て、直接病院の先生からお話を聞くとか、あるいは患者さんの方から、そういううわさがあるけ れども、どうですかとか、そういう情報をもう少し積極的に把握する方法はないのかなと思って います。  ただ一方では、結核の病床を増やしたいというところもあるんですが、それは例外的なところ ではないかと思っています。 ○坂谷部会長 東京都は自前で、東京都内ですべての患者を入院させることができるようにしよ うという方針なんですか。 ○東海林委員 東京はこれだけ病院も多いし、医療機関も全国に比べれば多いところですから、 そうしたいところなんです。実際は搬送されていくことも相当、遠方まで行ったり、そういう状 況もありますので、その辺は今後東京都は、他に比べれば患者の減り方が少ないということもあ って、よその県までお願いすることのないように出来ればと思っています。 ○坂谷部会長 それから、東海林先生のお役目ではないんですけれども、閉めますという病院が あったときにそれを許可というか、置いておいてくれと、保持しておいてくれという話は、どこ が決めることなんですか。 ○東海林委員 行政の中がいろいろ縦割りになっているんですが、結核感染症を担当する部署が、 ある程度病院の方に直接お話するとか、そういう形にしないと、もう病院が閉鎖しますといった ら、そのまま閉鎖するような状況になってきます。ですから、閉鎖が決まる前の段階で、どうい うふうなアプローチを取るか、そういうことも考えていかないと、やはり難しいかなと思います。  ただ、病院の経営上の問題と言われてしまいますと、なかなか補助するのも難しいところがあ りますので、その辺は都でどういうふうに考えるか、問題が多いと思っています。 ○坂谷部会長 新しく開設される奇特な施設もあるとおっしゃっていましたけれども、逆にいう と閉めたいという申し込みの方が多いわけですが、その理由としては、幾つか挙げていただくと、 どんなことが理由なんでしょうか。 ○東海林委員 1つは結核の患者さんが減ったということもあると思います。それから、最近で すと療養型病床群の問題があったときに、病院をやめて診療所にしようかとか、そういう話があ ります。  ただ、結核を一生懸命やっている先生が新しく赴任した病院などですと、新しく病床を作って いこうということがありますので、どの程度将来を見越してつくっているかはわからないんです が、患者さんが地域にいるという限りにおいては、病床数が減ってくる中で、自分のところでは 結核に対応していきたいということがあります。  ただ以前からある病院は、やはり病床数が多いですから、そこがやめられますと地域としては 受け入れ先が少なくなってしまうという問題がいつも起こってきているわけです。 ○坂谷部会長 その理由の1つとして、重藤先生が強調されたようなところがあるわけですけれ ども、重藤先生がアンケートとおっしゃったのは、どの範囲のことですか。全国調査をしたとこ ろによるとというのは。 ○重藤委員 実はまだ全く途中で、全部の返事をいただいてない、たださっと見た印象なんです が、1つ専門家がいなくなってしまったから患者さんはいませんという返事がありました。あと は理由なしに、もう閉めましたとか、新しく建築中ですので、これを機に閉めてしまいましたと か、そういう状況です。  もう一つ大きなテーマは、具体的にどういう患者さんに困っているかということなんです。で すから、どちらかというと数ではなくて現場の声を拾いたいと思ってアンケート調査を出したん ですけれども、やはり先ほど言われましたように、他府県に送らざるを得ないとか、そういう状 況がありますし、例えば問題になっている出産の受け入れはできますかと質問したんですけれど も、できるところは大きな病院の中に結核病床があるところです。例えば広島県内では、感染性 の患者さんがいざ出産となりますと、どこも部屋がありませんけれども、私の施設にも産科はあ りませんので、どこにもないという話になります。  そういう状況がいっぱいありますので、数だけではなくて質も勿論考えていかなければいけな いということだと思います。 ○坂谷部会長 ありがとうございます。  川城委員、どうぞ。 ○川城委員 先ほど吉山先生だったか、ベッドが足らなくて、待ち患者が出ているということお っしゃられたと思いますが、それもそうなんでしょうけれども、私がいろんな院長の会に出ると、 結核病床ががらがらだという先生がいっぱいいるんです。ですから、そういう意味での地域的不 均等が全国的に見るとすごくあるんです。重藤先生もおっしゃったと思うけれども、実態調査を、 例えば参考資料3の利用率というのは、届出の医療法のベッド数が分母に入っているんですね。 だから、実態とはすごく乖離している。半分ぐらいを占めているんだと思うんです。実際にその 病院が運用している結核病床を分母にして、患者さんがどのぐらい入っているかというデータを 把握した方がいいと思います。  吉山先生のデータの中にそれは入っているんでしょうか。 ○吉山参考人 それは直接的には入っておりませんけれども、11ページ目の都道府県別実態調 査のところに、aというのが60日入院で2005年の結核患者数と必要な病床数、bというのが 返答があった病院だけなんですけれども、陰圧室の数を比較しています。右の方に行きますと、 aはbよりも小さいかクエスチョンというのがあります。これは、bの方が大きいということは 少なくとも陰圧室の数だけからいくと十分に部屋があるという都道府県となります。それから、 東北は福島を除いて全県病床数が十分にあります。ところが、関東に入りますと、途端に全部ノ ーになります。  その次のところに、aはb+c+dよりも小さいか。これはモデル病床、感染症病床で返答が あったところの陰圧室を全部加えた数字です。  最後にもう一つは、a×0.73、0.73というのは患者数が全国同じように減るとしたら、2020 年の時点で0.73倍になるんです。(b+c+d)×f/g、f/gというのは返答率が大体8割 ですので、20%ぐらい増えれば、返答したところとしないところが同じとは全く言えないんです けれども、これはあくまでも計算です。  そうすると、2020年の時点で、陰圧室は十分ありましたかと。これになりますと、絶対に陰 圧室を増やさないといけない地域だけをピックアップするという意図でやったんですけれども、 そうすると非常に少なくなりますけれども、埼玉、東京などの関東のところは、それでもまだ足 りないということになります。地域格差がかなりあるかと存じます。 ○坂谷部会長 ありがとうございます。足りないと言っている地域もあるし、がらがらだと言っ ている地域もあるというふうに聞こえますけれども、そういうことを含めて川城委員のちゃんと した調査が必要であろうと、正確な数字が必要であろうと。公式のデータとして出ている中にも、 実勢が表わしてない部分があるんではなかろうかという御意見ですけれども、まず結核研究所に は感染研を通じて、保健所さんから上がってきたデータなどがあるわけですけれども、それを基 にして、今、川城委員がおっしゃったようなことについての正確な数字は出ませんか。  病床に関しては、なじまないんですね。 ○吉山参考人 今、動いている病床数は、アンケート調査をやらないと結果が返ってこなかった わけですので、かつ全数からまだ返答をいただいてないので数字は出ません。だから、こういう アンケート調査を何回か繰り返し、かつそれを、今回返答いただけなかったような病院もあるん ですけれども、全部のところからもらえるように強力にプッシュすれば、データは得られるかと 思います。  患者の入院数などについては、リアルタイムではありませんけれども、入院総数などは厚生労 働省の方から毎年統計が出ておりますので、そういった数字を活用すれば得られるかと思います。 ○坂谷部会長 先ほど東海林先生が申されましたけれども、保健所さんとしても、今話題になっ ているようなことのきちっとした数字というのはつかみにくい、全国の保健所さんの連合という か、データを全部集計すれば、何か出てくるんですか。 ○東海林委員 調査すれば出ると思います。ですから、実態の届出数と実際に稼働している病床 がどうなっているかという投げかけをして、調査をしてくださいと。その代わり、全数把握して いく。全国保健所長会でできると思います。  ○坂谷部会長 今おっしゃったようにこれから調査しないとということですね。今、年々上が ってきているデータからはできない。 ○東海林委員 今のところは、母数となる数が病床届出数になっていますので、こういう結果し か出てこないかなと思います。ですから、詳しく調べることになれば、全国保健所長会等の組織 を使って調べることになります。 ○坂谷部会長 事務局に振りますけれども、厚生労働省としては今、話題になっているようなこ との数字の把握というのは、どこがやるべきことなんでしょうか。べきと言ったら失礼ですけれ ども。 ○江浪補佐 厚生労働省の中では、何種類か調査がありますけれども、基本になっていますのは、 統計情報部の方で実施している医療調査ということでございます。それを基に、今回病床利用率 ということで出していますけれども、これは基本的に許可病床数をベースとした調査ということ になっているわけでございます。  一方で感染症法の関係で、当課としましてもデータを把握しておりまして、それが今回参考資 料として御提出させていただきました感染症指定医療機関の指定状況という表でございます。  今回そのほかにも厚生労働省内で幾つか、例えば保健局の方が保健の届出の関係で調査してい たりしますので、省内でどういう調査があるかということを事務局の方で勉強いたしまして、ど のような数字が把握できるかということを検討したいと思います。 ○坂谷部会長 ありがとうございます。昔は、書類上のベッド数が実際に動いているベッド数で あった時代がほとんどだったんですね。それが、その間に差が出てきてしまってということが原 因かもしません。  基本的には、地方自治体ごとにきちっと把握すべきであると、それを集めれば、国全体がわか るという構図になっているんですかね。  どうぞ。 ○丹野委員 埼玉県のデータで見ますと35%なんですけれど、結核の病床は全県一区で必要量 は決まっておりますが、埼玉県の中でも地域で稼働率はかなり違います。当管内で、実は98% 以上の稼働率のところが後継者がいないということと老朽化で、50年以上続けている中で、そ して今後やるには、先ほど吉山先生がおっしゃったように陰圧室等を考えて改築してやるには、 やはり予算的なこと、保険点数も含めて不可能ということで今年度で廃止予定です。  管内に2か所あるんですけれども、もう一か所も50〜60%の稼働率です。約100%近い稼働 率としても管内では多分入り切れなくなります。そうしますと、多分遠い病院にお願いするとな ると、DOTSの話もしたんですが、それがかなり大変になってくるということで、今とても悩 んでおります。  そして、東京の県境ということもあって、東京都から入っている患者さんもいるというふうに 聞いております。やはり後継者がいないというのも、大変大きな問題だと先生はおっしゃってお りました。  そのときには、本庁の課長も一緒に話をさせていただいたんですけれども、透析患者さんも受 けていただいていたので、今後そこについてもどうしたらいいかというのは、大変悩みの種にな っております。  ただ、県北では病床利用率が20%いかないところもあるという状況があります。 ○坂谷部会長 先生がおっしゃっていただいたのは、後継者という言葉が入っていますけれども、 主に私的な医療機関での話が主だと思いますが、ということは、公的な医療機関が必死になって 支えている部分があるんですけれど、私どもの仲間内でも、会議の前に話しをしていたんですけ れども、横浜のように閉めざるを得ないところも出てきているのは確かなんです。  数のことばかり言っていられませんので、資料2−1の1、2、3とありますが、事務局でま とめていただいた、前回の議論を踏まえて課題がたくさんあるんですけれども、そのほかの2、 3に関しまして、御質疑、御議論をお願いしたいと思います。  どなたでも、あるいは医療側でない委員の方々から、現場の代表に対して、保健所さんに対し て、御質問がありましたら、南委員、どうぞ。 ○南委員 どの項目ということではなくて、割と大きなことになると思うんですけれども、今、 しきりに専門家がいないので閉めたというお話とか、後継者がいない、という話があるんですけ れども、専門的にこの問題には、一定の数の専門家が国として、どうしても必要であるという視 点で取り組むべきで、それが足りないということは、非常に深刻な問題です。以前から結核を診 療できない若い医者が増えているといったことはよく聞いてはいますけれども、これだけの数の 患者さんがいる中で、研修医の問題も含めて、医療提供側として、一定数の医師を確保していこ うという動きは全くないわけですか。 ○坂谷部会長 加藤先生、どうぞ。 ○加藤委員 御指摘の問題は、私も非常に大きな問題として認識しておりまして、実は厚生労働 省から委託を受けている事業として指導者養成研修というのがあります。年間、数名、5日間× 3回ということで15日の研修をやっていまして、これまで100人程度の方の修了者があります。 これは地域差の問題もありまして、今、修了者が1人もいない県というのは数か所残っています。 そういった専門家のいない県を中心として、今、研修受講者を選定する形で、なるべく専門家の 確保ということで努めているところであります。  これは医療だけではなくて行政側も同じようで、この研修は医療と行政の半々ぐらいずつ参加 いただいて実施しているところであります。これ以外に学会としても、坂谷先生の方ですけれど も、動きがあると聞いております。 ○坂谷部会長 まず、結核だけではなくて呼吸器系の医者が足りないんです。それで若い人から 人気がないんです。1つは経済的な理由もあるんですけれども、それに固執するつもりはありま せんが、いろんな理由から。  産科、小児科を含めて、どの分野にどのぐらいの医者がいるかということは、きちっと把握は されつつありますけれども、制度としてそれを国家として保障する方法は今のところないですね。 そんな問題までいくかもしれません。  それから、結核に関しましては、これはまた今、患者の数から言っても、中途半端というか、 結核を専門にやりなさいということを若い医者に言えるような状況にはないですね。  だから、呼吸器科の医者を増やして、呼吸器科の医者は必ず結核もちゃんと診られる。これは 飯沼先生がおっしゃったように、昔はそれが普通だったんですけれども、そういうことが途絶え てしまっていて、南委員がおっしゃったように、このごろの若いお医者さんは異常な影を見ると、 まず肺がんを考えることになっているんです。だから、我々からしたら明らかに結核をまず考え るべきだというのも肺がんの方に流れている、極端なことを言いますと、そういう時代になって きてしまっています。  まず大学で医学部の教育で、結核は空講義といいますけれども、板書にすぎないことになって しまって、実習する機会がなくなってしまっている。心ある大学では、結核病棟を残して、結核 病床を残して、あるいは一旦途絶えさせたんですけれども、新しく結核病床を、陰圧室の整備等 を含めてつくりまして、結核教育を復活している大学医学部もありますけれども、そんなお寒い 状況であるということは間違いないです。1つ、資料とは別の段階で大変な問題があるというこ とが、ここの議論の場で出てきたと思われます。  もう一度、資料2−1の提供体制の医者の問題、ハードの問題、それから法的整備の問題に戻 りますけれども、いかがでしょうか。  川城先生、どうぞ。 ○川城委員 今の南委員の指摘の延長線なんですけれども、要するにいろんな分野で医者の数が 足りないということで、今ここでは結核なんですけれども、結核の中だとモデル事業というのが ありますね。あれを大学病院が大体やっていると思うんですけれども、臨床研修指定病院にも、 ああいうものを拡大していくことがいいと思うんです。私は今、臨床研修指定病院で働いていま すけれども、若い先生方は本当に結核には無関心ですね。ですから、やはり臨床研修指定病院の 要件として、陰圧室がきちっとできて、感染防止した上でそういう症例に接触できる、最初の臨 床研修1、2年のときに、そういう仕組みづくりをして、関心を持たせるということがいいんで はないかと、つい最近ずっと自分の病院を見ながら思っていたものですから、ちょっと発言しま した。 ○坂谷部会長 その点に関しましては、今、大学から若い医者が離れてしまって、初期研修を含 めて外の立派な大きな総合病院さんで研修するという構図ができていますが、その総合病院さん に限ってですが、大体結核病棟を持ってないんですね。だから、どこかとたすきがけで、結核病 床を持っている病院とたすきがけで、必ず研修の段階でまた経験するということが必要かもしれ ませんね。  学会レベルの話に戻りますと、呼吸器病学会は既に動いておりまして、毎年1回の総会の折に、 結核病学会とコンビで、必ず結核のことに関する研修的なレクチャーを持つことになっておりま して、結核病学会に所属しなくても、呼吸器病学会に所属していると結核のことも勉強できると いう体制を取っておるので間違いないことなんですけれども、実効性はあるとは思っております。  もう一度戻します。提供体制、法的整備のことに関して御議論願います。  よろしいですか。時間がまいっておりますので、この問題は間違いなくあるということは、こ の問題は議論しなくてもいいということは、この資料2−1の2、3に関しましては、削る話題 はないと思いますし、今、長時間かけて議論しましたことは、この2と3以外にも教育の問題で 新たな問題点をここに書き加えるべきだということだと思われます。  時間がまいっておりますので、不十分でございましたけれども、議題2に関しましては、この 辺で終えたいと思います。  事務局から何か伝達事項はございますでしょうか。よろしくお願いいたします。 ○江浪補佐 前回本部会の方で御議論いただきました、結核医療の基準につきましては、先ほど 申し上げましたとおり、本部会での御意見を踏まえまして、現在、厚生労働省の省令及び告示の 改正作業を行っておりまして、今年の12月中を目途に公布しまして、来年2月には施行という 方向で作業をすすめているところであります。  次回の部会のときには、正式なものを御報告できると考えています。  また、次回の部会の日時、議題等につきましては、追って事務局の方からまた御連絡を差し上 げます。  また、今回御議論いただきました結核医療の在り方につきましても、次回以降の議論として特 に大事だと思っておりますので、また日程調整の中で議題なども合わせて御連絡差し上げたいと 思っています。  以上でございます。 ○坂谷部会長 今、江波補佐の方から話がありましたが、結核医療の基準、先生方もうお忘れか もしれませんけれども、きちっと審議いただいた結果があるんですが、まだ公布されておりませ ん。告示されておりません。その改正作業をやっていただいて、施行していくという作業をして いただくということでございます。  それでは、時間がまいりましたので、本日の部会を閉会にいたしたいと思います。活発な御議 論、問題提起ございまして、ありがたかったと思っております。  本日はお忙しい中、誠にありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。   (照会先) 厚生労働省健康局結核感染症課 TEL:03−5253−1111 (内線2381)