薬事・食品衛生審議会 化粧品・医薬部外品部会 議事録 1.日時及び場所   平成20年11月5日(水) 10:00〜   厚生労働省共用第7会議室 2.出席委員(9名)五十音順   井 上   達、 奥 田 晴 宏、 神 田 敏 子、 木 津 純 子、   楠   文 代、 宗 林 さおり、 徳 永 裕 司、◎溝 口 昌 子、   藤 井 まき子 (注) ◎部会長 ○部会長代理   欠席委員(3名) 小 澤   明、 塩 原 哲 夫、 西 島 正 弘 3.行政機関出席者   岸 田 修 一(大臣官房審議官)、    中 垣 俊 郎(審査管理課長)、   豊 島   聰(独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)、   望 月   靖(独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役) 他 4.備  考   本部会は、企業の知的財産保護の観点から非公開で開催された。 ○審査管理課長 ただ今から薬事・食品衛生審議会化粧品・医薬部外品部会を開催します。 現在のところ、当部会委員12名のうち9名の御出席をいただいておりますので、定足数 に達していることを御報告します。先生方におかれましては、大変お忙しい中この部会に 御出席いただきましたことを厚く御礼申し上げます。  なお、本日は小澤委員、塩原委員、西島委員から御欠席の御連絡をいただいています。  また、事務局に人事異動がありましたので、御報告申し上げます。大臣官房審議官医薬 担当の黒川が異動となりまして、後任に岸田が着任しています。また、医薬品医療機器総 合機構の一般薬等審査部長の森口が異動になりまして、後任に吉田が着任しています。  部会長の溝口先生、議事進行をお願いします。 ○溝口部会長 おはようございます。議事に入る前に一つお諮りします。本日は部会長代 理の塩原委員が御欠席ですので、本日の部会長代理を井上委員にお願いしたいと思います が、よろしいでしょうか。  それでは本日は井上委員に部会長代理をお願いします。こちらへお願いします。  議事に入ります。事務局から、配付資料の確認と、申請資料作成、利益相反等に関する 申合せについて報告をお願いします。 ○事務局 本日の資料として、事前に先生方に、資料1、資料2、資料3-1、資料3-2、 参考資料をお送りしています。  本日の配付資料としては、議事次第、座席表、委員名簿、資料4として競合品目・競合 企業リスト、資料5を用意しています。以上が本日の資料です。  続いて、申請資料の作成、利益相反等に関する申合せについて御報告します。本日の審 議事項に関する競合品目、競合企業について、資料4を配付していますが、その選定理由 等を御説明します。  本日の審議品目は3品目です。一つ目は「クリーム TX」で、これは新規有効成分の トラネキサム酸セチル塩酸塩を配合し、「メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ」 の効能・効果を有している薬用化粧品です。競合品目の候補としては、本申請品目と同じ 効能・効果を有している競合品目であり、かつ、いずれも大きく宣伝がなされ、新聞、雑 誌やテレビ等で取り上げられており、売上高の大きい製品の代表であるとされる3品目を 選定しています。  二つ目の申請品目は染毛剤の「イゴラ ロイヤル P」です。これも新規有効成分1-ヒ ドロキシエチル-4,5-ジアミノピラゾール硫酸塩を配合した酸化染毛剤であり、効能・ 効果は「染毛」です。競合品目の候補としては、本申請品目と同様に、赤色系の色調であ る酸化染毛剤であり、かつ、サロン(美容院)での売上高の上位3品目を選定しています。  三つ目の申請品目は防腐剤で、「ピロクトンオラミン」です。競合品目の候補としては、 化粧品基準に収載されている防腐剤であって、化粧品に多く使用され、性能及び使用目的 が類似しているものを、競合品として選定しています。以上です。 ○溝口部会長 今の事務局からの説明に関して、何か御意見はありますか。特にないよう ですので、本部会における審議の際の申合せ事項においては、競合品目、競合企業の妥当 性も含め、了解を得たものとします。  続いて、委員からの申出状況について、報告をお願いします。 ○事務局 各委員からの申出状況について御報告します。議題1の「クリーム TX」に ついては、退室委員はありません。議決に参加しない委員は溝口部会長です。議題2の「イ ゴラ ロイヤル P」、議題3の「ピロクトンオラミン」については、退席委員及び議決に 参加しない委員はありません。以上です。 ○溝口部会長 議題に入ります。なお、議題1の審議については、井上委員に進行をお願 いします。よろしくお願いします。 ○井上委員 審議事項1ですが、医薬部外品の「クリーム TX」の製造販売承認の可否 について、事務局から説明をお願いします。 ○機構 議題1の「クリーム TXの製造販売承認の可否について」、資料1の審査報告 書に沿って説明します。販売名クリーム TX、申請者はシャネル株式会社、剤型・含量 に示したとおり、本剤は薬用化粧品のクリームです。新有効成分として、トラネキサム酸 セチル塩酸塩を配合しています。効能・効果は、「メラニンの生成を抑え、しみ、そばか すを防ぐ」が主たる効能となっており、用法・用量は「適宜・適量を皮膚に塗擦する」と して申請されています。  本品目については、専門協議における議論を踏まえ、総合機構において審査を行いまし た。本成分は、トラネキサム酸とセタノールのエステルですが、トラネキサム酸は、既に 「メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ」の効能・効果を有する化粧水、クリー ム、乳液等の有効成分として、平成14年2月以降に、多数承認されており、セタノール も薬用化粧品、クリーム類などの基剤として多数の使用前例があります。  また、本成分は経皮吸収の際、表皮下層において、エステラーゼにより加水分解され、 トラネキサム酸に変換されることが確認されており、このような点からも本成分の有効成 分としての新規性は低いと考えられます。本成分は国内企業の開発によるものであり、海 外での使用実績はありません。  物理的化学的性質並びに規格及び試験方法等に関する資料については、特段の問題はあ りません。安定性に関する資料については、長期保存試験が、現在継続中で、2年間の安 定性が確認されているところですが、測定期間中に特段の変化は観察されていないこと、 また、6か月間の加速試験が実施され、3年間の安定性が推定されていることから、これ らの結果を外挿し、有効期間を3年間として差し支えないと判断しました。  毒性に関する資料については、単回投与毒性試験、反復投与毒性試験、生殖発生毒性試 験、抗原性に関する資料として皮膚感作性試験、遺伝毒性試験、皮膚一次刺激性試験、連 続皮膚刺激性試験、眼刺激性試験、ヒトパッチ試験が実施されており、特段の問題となる 所見は観察されておりません。  なお、皮膚光感作性試験、がん原性試験、光毒性試験は省略されております。  吸収・分布・代謝・排泄についての試験も実施されておりまして、本成分の経皮吸収率 は□□□□%と推定されています。本成分の経皮投与での安全係数は、反復投与毒性の無 毒性量に対し、□□倍、生殖発生毒性試験の無毒性量に対しては、□□□□□倍と推定さ れています。  続いて、効能又は効果に関する資料については、基礎試験として幾つかの試験が実施さ れており、メラノサイトの活性化因子産生抑制作用が確認されております。その機序の一 つとして、プロスタグランジンE2の産生抑制作用が確認されています。ヒトにおける使 用成績としては、既承認のアスコルビン酸リン酸ナトリウムを陽性対照とし、人の上腕内 側に塗布し、紫外線を照射、分光測色計による皮膚色の明度変化を比較する方法で検討が 行われ、本成分はアスコルビン酸リン酸ナトリウムと同程度の色素沈着抑制効果を有する ことが確認されており、また、基剤対照に対しても、有意に効果があることが確認されて おります。  さらに、再度紫外線を照射した場合には基剤対照との差はなくなることから、色素沈着 の抑制効果については、可逆的であること、すなわちメラノサイト機能は正常に維持され ていることが確認されております。  その他、効能・効果、用法・用量及び添付文書(案)に関しては、有効性試験の結果及び 同種同効品の記載を参考に設定されており、いずれも妥当であると判断しました。  以上の審査結果を踏まえ、機構は提出された申請内容について、本品目を承認して差し 支えないとし、化粧品・医薬部外品部会において審議されることが適当であると判断しま した。なお、本申請品目のトラネキサム酸セチル塩酸塩が新規有効成分であることから、 承認後、少なくとも2年間の安全性に関する製造販売後調査を実施することが適当と判断 します。以上です。御審議のほどよろしくお願いします。 ○井上委員 ただ今の内容について、御質問、御意見がありましたらお願いします。先ほ どの御説明にもありましたように、トラネキサム酸は平成14年に許可されているもので すが、今回の新有効成分としての位置付けをもう一度繰り返していただけますか。 ○機構 今回のものは、トラネキサム酸とセタノールのエステルというところが新しいと ころです。 ○井上委員 セタノールとのエステルということで、新有効成分ということですね。 ○奥田委員 品質のところで伺いたいのですが、安定性に問題があると思っているわけで はないのですが、今試験が継続中ということですが、3年経って全部結果が出たときには、 もう1回総合機構にデータが来るのでしょうか。 ○機構 3年の安定性の提出は必要ありません。これでクリアとなります。 ○神田委員 安全性との関係だと思いますが、どう受け止めていいか分からない点があり ますのでお伺いします。11ページのヒトの試験のところで、眼の周りの皮膚に対する安 全性で、1週間程度連続しても安全であると判断されています。「1週間程度」というこ とですが、毎日使うものだと思ったときに、1週間くらいで駄目なのかとも見えますし、 もう少し素人にも分かるようにと思うのです。 ○井上委員 考え方ですね。 ○神田委員 はい、考え方です。それから、6ページの(7)「局所刺激性」のところで、 @の最後にありますが、中等度の刺激性に分類されるということですが、「中等度の刺激 性」というのはどう受け止めたらよいのでしょうか。  それから、効能・効果のところ、使用書などにもあるわけですが、「メラニンの生成を 抑え」ということと、その後に「肌を整える」「すこやかに保つ」「皮膚を保護する」と いうことも出ているのですが、報告の中ではその点には触れられていないので、そこまで 言っていいのかどうか、その辺の関係が分からないので教えてください。 ○井上委員 三点ありましたので、順を追ってお願いします。 ○機構 眼の周りに1週間塗った試験についてですが、通常は、連続して塗布する試験は、 ラットを使って連続投与を行っていまして、一応その試験でいいだろうと考えています。 特にヒトの眼に連続して適用するわけにはいきませんので、塗っているときに眼の中に入 ることもあるだろうという申請者の考え方で、これは特に求めている試験ではないのです が、眼の周りに連続して塗ったら大丈夫か、安全なのかを確認したいということで、申請 者が自主的に提出したものですので、これでいいのではないかと判断しています。  二点目の「中等度の刺激性」の点については、評価はDraize法というのを実施してい まして、その判断基準に基づいています。  効能・効果についてですが、医薬部外品の中で、薬用化粧品というのは化粧品とオーバ ーラップするところがありまして、化粧品の効能を併せ持ってもよいとなっています。こ こで、メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ以外の効能については、化粧品の効 能として55効能が定められていますが、これは申請者がエビデンスをもってすれば標榜 してよいとなっていまして、医薬部外品の薬用化粧品については、化粧品の考え方に準じ て、ここでいう「メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ」以外の効能については、 申請者責任で規定してよいという取扱いになっています。 ○井上委員 Draize法を簡単に説明していただけますか。 ○機構 簡単に言いますと、平均値を幾らかスコア付けて、この場合は2.7が中等度とな っています。  神田先生の御懸念は、なぜ中等度の刺激が出ているのによいのかということではないか と思うのですが。 ○神田委員 それ以前の話で、中等度をどう受け取ったらよいのかということです。これ は心配すべきものなのか、中等度でも大丈夫なのかということです。 ○機構 この場合は□%という高い濃度で行っていることがあります。  もう一つは、これでいいと判断したわけではなくて、次の連続皮膚刺激性試験がウサギ で実施されていますが、これは□%で、こちらの方は刺激性が観察されていません。この 投与量が□%ですので、刺激性については十分に安全だと判断しています。 ○神田委員 効能・効果のところですが、私たちのここの審議にかけられるのは、有効成 分についての審査だと思ったときに、それ以外のところが入っているのがよく分からない と思ったのです。私たちのところでは、肌を整えるとか、保護するというのは関知してい ないわけですから、そもそもそのような抽象的な、分かりにくい感覚的なものをここでと 言うのも変な感じがしたものですからお聞きしました。添付文書に入るのはよいのです が、こちらとの関係が分からないということです。 ○一般薬等審査部長 先生の御指摘はごもっともで、私も一般薬等審査部長になって、薬 用化粧品の効能効果の表現がわかりにくいかなと思ったことは確かにあります。ただ、今 回、新しい成分について、特にメラニンの生成を抑制するかどうかについては新しいとこ ろですので、この効能については、この部会として十分に御審議いただきたいと思ってい ます。  そのほかの部分については、実はほかの薬用化粧品についても、「肌を整える」といっ たような表現をしているのが実態です。ですから、この表現がもし問題だとすると、ほか のものも含めて、薬用化粧品の効能・効果全体に影響が出てくるところですが、もし、先 生からの御指摘が、表現が分かりにくいということだとすれば、検討させていただければ と思います。 ○審査管理課長 神田委員の御指摘は、今回審議をするのがトラネキサム酸のセチル塩酸 塩という新有効成分に係るものであって、その効能・効果というのは、メラニンの生成を 抑え、しみ、そばかすを防ぐことである。それ以外のところは、ほかの基剤や薬用化粧品 一般であるとすれば、今回審議するのはトラネキサム酸セチル塩酸塩なのだから、そのト ラネキサム酸セチル塩酸塩に係る効能・効果という形で、それだけを特出ししてくれとい う議論だと思うのです。  そういう意味で申し上げますと、今回の資料の組立て、書き方を、次回以降検討させて いただいて、審議しているものと直接関係する効能・効果は何なのかを明示して、御審議 が円滑にいくように配慮したいと考えています。 ○井上委員 そういう回答でよろしいですね。 ○神田委員 はい。そういう気持ちでしたので。 ○井上委員 ほかにございますか。 ○宗林委員 9ページの「効能又は効果を裏付ける基礎試験」で、チロシナーゼ生合成抑 制試験あるいは活性抑制試験が実施されています。後ろの方にも資料は載っているのです が、これはある一定以上の濃度になると、逆にメラニンの生成を促進すると読めるデータ に、私には見えます。  一方、プロスタグランジンE2の産生抑制試験の方は、一定以上の濃度になると、これ が抑制されるというデータが付いています。それがちょうど濃度として拮抗するように見 えます。チロシナーゼ活性抑制試験である一定以上になると前段の抑制効果は生成・促進 され、その濃度になると、逆にE2の産生抑制試験が、効果があるというデータで申請書 が出されているような気がします。そのほかヒトでのテストもされていますが、細胞レベ ルですと、数字が拮抗して、逆に生成されるような濃度で片方のものが抑制されるという 資料にも見受けられるのですが、いかがでしょうか。 ○機構 細胞を使った試験においては、用量を設定するということではなくて、そのもの の性質を見る目的でやっていますので、そのものの性質を見るのに幾つかの濃度設定をし て、ある濃度のものでは出ないし、ある濃度のものでは出たということなのです。ここで 大きなことは、このような細胞レベルでの試験では、その濃度でその性質を示したという ことが、重要だと思っています。  一部、チロシナーゼを増加させるようなデータも出ているのですが、これは申請者の推 察によりますと、細胞に直接作用したことがありまして、トラネキサム酸セチル塩酸塩に ついては、トラネキサム酸よりも多少細胞浸透性が高いのではないか、それが影響したの ではないかということで、細胞に直接影響を与えて、細胞障害性の作用を起こして、チロ シナーゼが分解するのを抑制してしまった。要するに、チロシナーゼを抑制するのではな くて、分解することを抑制してしまって、見かけ上はチロシナーゼが増えてしまっている という考察をしています。  用量については、ヒトを用いた試験において用量設定をしていて、それで効果が認めら れる範囲を設定していますので、それでいいのではないかと思っています。 ○宗林委員 そうであれば、9ページの書き方は「本成分の作用は解明できない」となっ ていますが、256ページのチロシナーゼ生合成の抑制のところには、はっきりと「促進」 という言葉が書かれていますので、書き方はもう少し明確にするか、説明を加えた書き方 にした方がよいのではないでしょうか。 ○機構 9ページの書き方ですが、ホの(1)の本文の3行目で、マウス由来B16メラノ ーマ細胞とか、ヒト正常メラノサイト由来、ヒト正常メラノサイト由来のチロシナーゼ活 性抑制試験、この三つの試験をやりましたが、うまく解明することはできなかったという ことです。ただし、その後に実施した紫外線によるヒト正常ケラチノサイトから産生され るメラノサイト活性化因子の産生抑制試験とその後にあるプロスタグランジンE2に特化 して確認したという試験では成功していまして、この作用機序で、メラニンの生成を抑制 することが十分に推定できると判断しています。 ○宗林委員 その場合、例えば、資料概要イで、ここは「解明できない」ではなくて、「そ れについては効果が確認できなかった」とか、そのようなことではないのでしょうか。 ○井上委員 最初の方のin vitro試験が用量相関をあれしないという回答はよろしいで すね。チロシナーゼの試験等についての考え方ですが、一般論として、学識経験のお立場 から、溝口先生からコメントをいただけますか。 ○溝口部会長 宗林先生のおっしゃるのはもっともというところが多いと思います。251 ページのin vitroのB16メラノーマのメラニン産生抑制効果のところも、「トラネキサ ム酸に関しては、蛋白量の低下が認められないから、細胞障害に由来するものではない可 能性が考えられる」と書いてあるのですが、表200のトラネキサム酸セチル塩酸塩の、12.5 μmol/Lのところで、蛋白量がものすごく減ってしまっているのですが、そのようにほか にもバラつきがいろいろとあります。事務局が先ほどおっしゃったように、チロシナーゼ の活性とか、メラニン量の測定は難しいところがありますので、ある程度のバラつきはし ようがないとは思うのですが、宗林先生がおっしゃったところと、細胞障害を起こさない でメラニン量が増えているとか、減っているというところにも、矛盾があると思いますの で、その辺は少し整理していただきたいと思います。 ○審査管理課長 この報告書自体は10月16日付けで決定していますので、追加でするの か、形式上どういう形でできるのかは検討させていただきますが、御指摘を踏まえて、そ れが明らかになるようにしたいと思います。 ○井上委員 宗林先生、よろしいですね。 ○溝口部会長 私からも意見を言わせていただいてよろしいですか。 ○井上委員 もちろんです。 ○溝口部会長 トラネキサム酸セチル酸塩が分かれて変化体のトラネキサム酸になると いうことなのですが、in vitroでエステラーゼを加えて分かれるのは証明されています し、ラットの経口投与で、トラネキサム酸が尿と血漿に証明されるけれども、トラネキサ ム酸セチル塩酸塩は見つからないということで、エステラーゼで分解されることは確か で、概要の方には「体内でエステラーゼにより加水分解され、トラネキサム酸に変換され る可能性が検証された」と書いてあるのですが、審査報告書5ページでは急に「皮膚内」 になっていまして、さらに9ページでは「表皮下層」推察となっているのですが、これは 言い過ぎではないかと思うのです。表皮下層にもちろんエステラーゼがありますから、そ こで分かれてトラネキサム酸になるのであれば、紫外線による色素沈着を抑制する効果を みる時は、トラネキサム酸も陽性対照としておくべきだと思うのです。  資料の271ページを見ますと、試験試薬の□%と□%はやっていまして、陽性コントロ ールはアスコルビン酸リン酸ナトリウムを使っていますが、トラネキサム酸を陽性対照に 入れて比較しないと、皮膚でトラネキサム酸に分解して作用しているという推測はできな いと思うのです。  それから気になるのは、確かに1週間で効果があって、2週、3週と有意差がなくなっ ています。その1週間目の効果も有意差はありますが、陽性対照であるアスコルビン酸リ ン酸ナトリウムに負けているのです。それでトラネキサム酸を陽性対照にしてほしいと思 ったのが一つです。  もう一つは、1週目で有意な効果があって、2週、3週と落ちることに関して、紫外線 照射によってプロスタグランジンE2の産生が起こって、トラネキサム酸はそれを抑制し ているので、最初の1週間だけ有効だという解釈をしているのです。それは結構なのです が、そうしますと、アスコルビン酸はプロスタグランジンE2を抑えているわけではない のに、同様に1週目だけが有効で、2週目、3週目は有意な有効ではなくなっているので、 ほかのメカニズムもあるのではないかと思うのです。トラネキサム酸は抗プラスミン効果 などいろいろなものがありますので、作用機序に関しもう少し別の考察を加えていただき たいと思います。一番言いたいのは、皮膚の中、表皮の中でトラネキサム酸になると言っ てしまっていいかということです。それを言うためには陽性対照がないと、そこまで言い 切れないのではないかと思います。  平成14年のことですので、今と審査方法は違うのですが、医薬部外品としてトラネキ サム酸が認められたのは、皮膚科医によるトラネキサム酸の外用と内服が肝斑に有用だっ たという報告があったためで、臨床データなしに認めてしまったのです。今回のものも、 実際には皮膚にあるしみに対して使われると思うのですが、前例があるので認めてもいい かもしれないとは思うのですが、同様に臨床データなしに認めるには、紫外線の抑制効果 をトラネキサム酸の陽性対照がないと引っ掛かるところがあります。  最近は日本香粧品学会が、機能性化粧品のガイドラインを作っていまして、それでは実 際の製品で臨床で有意差がないと駄目だと言っていますので、これは前例に従って認める のであれば、そこら辺をきちんとしていただきたいと考えます。 ○井上委員 陽性対照の必要性についての御意見に関連して、効能の問題の考え方の御討 論と、その後で、扱いの問題と分けて進めます。ただ今の溝口先生の御意見についていか がでしょうか。 ○徳永委員 皮膚に対するということで、この場合はエステルですので、わりと皮膚に入 った場合は簡単にエステラーゼで分解することはあろうかと思います。ここにいらっしゃ る藤井先生は、特にパラベン類での皮膚透過実験を実施され、パラヒドロキン安息香酸が エステルと分かれるということで、ドナー側とレシーバー側のどちらにもパラヒドロキ安 息香酸が出ていくという報告をなさっています。  皮膚中を見ると、かなりのエステラーゼ活性がありますので、皮膚の間を通っていく間 に、トラネキサム酸とセチルアルコールの二つに分かれて、トラネキサム酸の効果ではな いかと私は考えていたのですが、この資料が読みにくくて、専門的にやっていても分かり にくい資料になっています。  先ほど溝口先生が言われましたように、トラネキサム酸のプロスタグランジンE2とか、 炎症に対する作用を押さえるという機能、一つのメカニズム、そこはしっかり押さえない といけないものではないかと考えています。  それと、飲ませた場合に加水分解されることははっきりしていますが、特に皮膚に対す るということで、例えば皮膚の真皮層を通って、下に入っていくという透過実験をやられ て、本当にトラネキサム酸になっているかも調べられ、その傍証があると非常にやりやす いです。見にくいデータだったと思っています。 ○井上委員 いかがでしょうか、ほかにありますか。 ○奥田委員 陽性対照については、読んだときに私も溝口先生の御指摘のように感じまし た。  それから、細胞を使った試験で、この系の中でエステラーゼが働いているかどうかが、 よく分からないところがあって、働いていることが前提になっているのでしょうけれど も、そこはこういったシステムをとったときに、本来はきちんと見ておくべきことだった のだと思うのです。 ○藤井委員 同じところなのですが、243ページで、エステラーゼによる加水分解実験を 行っておられるのが、6日間経ったらセチル塩酸塩がなくなってということなのですが、 この期間は普通で考えるのに比べると、非常に長いです。それから、先ほど先生がおっし ゃられたように、細胞培養の時間と比べても長いので、この辺りが本来の皮膚に入ってい く時間は6日間もかかって透過していくわけではないので、そういうものと比べたときに 妥当かどうかについては、もう少し短い時間の結果等で、例えば1時間でかなりの部分が 分解されるが、少し残っているので、6日間まで延ばされたというのであれば、妥当性も あるかと思うのですが、6日かけないと代謝されないのであれば、違うのではないかとい う気がします。 ○井上委員 陽性対照の件と、処理時間といったことの関係での有効性の導き方に関する 御議論に限ってということで、事務局はどのような考え方でしょうか。その後で取扱いに ついて考えたいと思います。 ○機構 陽性対照については、申請者がアスコルビン酸リン酸ナトリウムを設定してきま したので、それで評価を行いました。必ずしもトラネキサム酸でなければならないという ことではないかと考えています。 ○井上委員 あとは、処理時間の導き方ですね。 ○機構 処理時間の導き方に関してですが、この試験に関しては、申請者の目的はエステ ラーゼによりトラネキサム酸になることを確認することでしたので、1時間とか、1日と いうことではなくて、十分な時間をかけたものだと考えています。 ○井上委員 そのように読めますね。  扱いについてですが、旧来の有効成分ということとの関係での考え方も有り得るという 御意見は、溝口先生もおっしゃっているわけですが、その辺は事務局としてはどのように 考えていますか。 ○審査管理課長 エステラーゼで分解されて、トラネキサム酸になるのかどうかの直接的 なデータがないということと、この効能・効果を裏付ける試験の中で比較対照にトラネキ サム酸を置いた方が良かったのではないかというのは、裏腹にあるような御議論だと思う のです。どちらかが満足されれば、先生方も御納得いただけるのだろうと思うわけですが、 双方ともないということになると、なかなか難しいと。恐らくエステラーゼで速やかに分 解されるとは思われるけれども、実際上、本当なのですねということだと思うのです。  そういうことから考えますと、どちらかを補強する。作用から見ると、皮膚に入ってい った場合に速やかにエステラーゼで分解することを示していただいた方が、結局はトラネ キサム酸の1つの投与形態を変えたという形で評価ができるのだろうと思いますので、そ ちらの方がスムーズかとは思いますが、そういう意味でデータを補強してもらったらどう かと思っていますが、いかがでしょうか。 ○井上委員 扱いの前に、そういう考え方でここの問題が整理されるか、御納得いただけ るかどうかの点を伺います。いかがでしょうか。 まず溝口先生から御意見を伺いましょ うか。 ○溝口部会長 議決ではないのですか。 ○井上委員 議決ではなく、考え方です。 ○溝口部会長 それでしたら、今おっしゃったようなデータを追加していただいて、それ がきちんとしていればほかの点は問題ないと思います。 ○宗林委員 資料概要イの5ページに、トラネキサム酸だとチロシナーゼ活性の阻害もあ ると書いてありまして、今回のものはそれがないと思います。これが細胞レベルでやられ たときに酵素が働いていなかったのか、それとも何らかの違いが出ているとも見受けられ るのですが、それは今の御議論の中のことで違いが出ているということなのでしょうか。 ○審査管理課長 資生堂の宣伝資料とか、添付文書あるい資生堂が発表したデータから書 かれているのだと思います。後ろに付けられているデータは、トラネキサム酸もトラネキ サム酸セチル塩酸塩もほぼ同じようなデータですから、今宗林委員が御指摘の点を明確に 区別できる資料でもないのかなと私自身は思っています。 ○井上委員 今御提案のあったような形でデータを追加する方向で、効能については御理 解いただけると考えて、添付文書の方の御意見をお願いします。 ○木津委員 添付文書(案)に違和感があったのは、配合成分のところには%は書かないも のなのでしょうか。有効成分として「トラネキサム酸セチル塩酸塩」と書いてあるのです が、それが何%入っているとか、これは□%製剤ですが、そういうものに関して添付文書 (案)に%の表示がないのが不自然な感じがします。  それと、「使用上の注意」の2つ目で、「お肌に合わないとき、即ち次のような場合には」 というのは、一般の方が読んでお使いになる表現としては、日本語として違和感がありま す。一般的なほかのものに合わせた形で作られているのだろうとは思うのですが、もう少 し普通の書き方でいいのではないかと思います。  それから資料の289ページの安全性評価試験のところで、眼の周囲に対する試験を1週 間行って、結論としては、「この使用は皮膚、特に眼周囲に対して安全である」という結 論を出しているのですが、「特に安全である」と言い切る試験としては、余り適切ではな いし、眼に対しては眼の中に入れないようにとか、医薬品の中でもたくさん入っているよ うなものを、眼の周りに塗っても大丈夫ですというのは違和感があると思います。 ○井上委員 トラネキサム酸の濃度と表現についての二点ですね。 ○機構 濃度の表示については、現在のところ医薬部外品については、有効成分あるいは 添加物の表示はしていますが、濃度までの義務付けはありません。 ○審査管理課長 安全性評価試験の評価結果ですが、確かに「安全である」というのは、 余りサイエンティフィックな表現ではないと考えていまして、併せて指示したいと思いま す。 ○井上委員 検討していただくということでよろしいですね。そうしますと、考え方とし ては先ほどの審査管理課長の御指摘にあった、追加の資料を提出させるという点と、何点 かの表現の改善といったことで、これを御承認いただけるかの決議をする必要があるよう ですが、扱いとしてはそれでよろしいですか。 ○審査管理課長 追加資料ができた段階で、改めてこの部会に諮るということで、今日の 御結論はいいのかどうか御決議いただければと思います。 ○井上委員 それでは、追加資料が出たときに、その時点で御審議いただくということで よろしゅうございますか。  そのように決議します。次の議題に移りますので、溝口部会長に戻します。 ○溝口部会長 次の議題に移る前に、パッチテストのやり方なのですが、この製品も染毛 剤も、陰性対照に注射用蒸留水を使っているのです。これは白色ワセリンを使っています が、注射用蒸留水でやると刺激があって、偽陽性あるいは陽性に出ることが多いので、注 射用蒸留水は使わないで、生理食塩水を使ってほしいということが、この部会ではありま せんが、何回か前に接触皮膚炎の専門家から意見が出て、そのようになったと思いますの で、今後、化粧品・医薬部外品もそうしていただきたいと思います。試験薬が注射用蒸留 水に含まれているような場合も、注射用蒸留水と生理食塩水と、両方を加えてほしいとい うことが、そのときに意見として出たと思います。この場合は蒸留水ではありませんが、 白色ワセリンが入っているので大変結構なことだと思いますので、今後よろしくお願いし ます。  審議事項2です。医薬部外品の染毛剤について、事務局より御説明をお願いします。 ○事務局 この染毛剤についてですが、昨年9月21日に開催された前回のこの部会にお いて、「パラフェニレンジアミン(PPDA)と、医薬品との交叉感作性について適切な情 報提供に努めるべきだ」との御意見をいただきました。今回の同じ染毛剤の品目の議論を していただく前に、交叉感作性の問題について御報告させていただきます。  本日配付させていただいた資料5を御覧ください。こちらは昨年の部会後、関連する文 献の調査や情報の収集を行い、これらを評価して、既存の添付文書などの注意書きの改訂 や、一般の方々への周知についての検討を行う必要があるということから、業界との意見 交換を行いつつ、本件については資料5のように、業界からの報告書の提出を受けました。  その中で、業界から、まず、染毛剤成分と医薬品との交叉感作性に関する調査、研究に ついては、継続して行うこと。染毛剤と医薬品、特に局所麻酔薬との交叉感作性について、 業として染毛剤を使用される理容師、美容師には、講習会を通じて周知徹底を図る。消費 者の方へは、業界のホームページに掲載して、積極的に情報を発信することとすると。パ ッチテストの実施についても、啓蒙活動は引き続き実施するというような、業界としても、 今後も適切な情報提供に継続して努めるべきであるというところです。この件について先 生方の御意見を賜りたいと思います。 ○溝口部会長 この件に関して御意見はございますか。 ○神田委員 感想なのですが、こういう情報をきちんと消費者に流していくということは 必要だと思うのですが、実際には48時間も前にパッチテストをしてから必ず行うという のは、なかなか実施されにくいのだろうと思うのです。ですからやはり「しましょう」と いうだけではなく、なぜ必要なのかというようなことも併せて伝えていかないと、やはり これは「1回やって何ともなかったからいいのかな」ということになりがちなものだろう と思うのです。ですからそういった情報の出し方もなぜ必要なのかということが届いてい かないと、おろそかになるのではないかと思います。 ○溝口部会長 もっともな御意見だと思いますが、いかがでしょうか。 ○事務局 ありがとうございます。これについては先ほども述べましたように、理容師、 美容師については、なぜこういう情報が必要なのかという情報も踏まえて、講習あるいは テキストを作っているというように聞いております。また消費者への啓蒙として、インタ ーネットに掲載すると言っておりましたけれども、こちらについても作用機序など、詳し い情報を載せて啓蒙していきたいというようなことを業界の方から聞いております。 ○溝口部会長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。私としては業界あるい は消費者の方に啓蒙していただくのは非常に有り難いと思いますが、麻酔を使う医師の方 でもこういうことを知らない者がおりますので、その啓蒙をどうしたらいいかを考えてい るのです。交叉感作でかぶれを起こすだけならばいいのですが、非常にまれですけれども、 アナフィラキシーショックを起こすこともあります。この辺りは皮膚科はやっていくと思 うのですが、外科の先生その他、この染毛剤の会社、染毛する人、それからベンゾカイン、 プロカインを使う医師側にも周知させる必要があると思います。ただ幸いエステル型とい われる局所麻酔薬、ベンゾカイン、プロカインというのは最近はほとんど使われませんの で、染毛剤とのアナフィラキシー、あるいは交叉感作は減っているとは思います。何かほ かに御意見はありますでしょうか。 ○宗林委員 次の染毛剤でも同じところがあり、そのときに御質問しようと思っていたの ですが、例えば使用上の注意で「次の方は使用しないでください」というとき、資料5の 2/8ぺージの、「ヘアカラーでかぶれたことのある方」のこの「ヘアカラー」はいわゆ る永久染毛剤のことだけを指すのか、あるいはマニキュアとか染毛料も含めて一般的には 指しているのでしょうか。 ○溝口部会長 いかがでしょうか。 ○事務局 染毛剤の方ですね。医薬部外品である染毛剤の方についての記載だと考えてお ります。ヘアマニキュアの方でのかぶれはほとんどないというように聞いております。 ○宗林委員 「ヘアカラー」という言葉は、染毛剤を指す言葉でしょうか。 ○事務局 一般的には染毛剤と染毛料、いわゆる医薬部外品と化粧品ともに、髪を染める ものについてすべてを包含した言葉だと理解しております。 ○宗林委員 そうするとここは実は、ヘアカラーの中の永久染毛剤をという意味なのです ね。 ○事務局 はい。 ○宗林委員 分かりました。 ○溝口部会長 よろしいでしょうか。先ほど御説明があったように、ヘアマニキュアでは ほとんど問題は起こっておりません。よろしいでしょうか。 ○木津委員 細かいところで大変恐縮ですが、「保管上の注意」の(注7)「粉末製品等で、 湿気を避けて保管する必要のあるもの」、「『直射日光を避けて保管してください』等と 記載してもよい」というよりは、「記載してください」とか「記載する」等になるかと思 います。保管上の必要性のあるものについて「記載してもよい」というのは何か。 ○事務局 おっしゃるとおりだと思います。また業界の方に伝えておきます。 ○溝口部会長 ほかによろしいでしょうか。それでは引き続き調査、研究していただくこ とにしまして、適当な時期にまた御報告をお願いします。それでは「イゴラ ロイヤル P」の製造販売承認の可否について事務局より説明をお願いします。 ○機構 それでは議題2の、「イゴラ ロイヤル Pの製造販売承認の可否について」資 料2の審査報告書に沿って御説明します。3ページ、申請者はヘンケルジャパン株式会 社です。剤型はクリーム状の染毛剤です。新有効成分として1-ヒドロキシエチル-4, 5-ジアミノピラゾール硫酸塩を配合しております。効能・効果は「染毛」です。用法・ 用量は御覧のとおりとなっております。本品目については専門協議における議論を踏ま え、総合機構において審査を行いました。  続いて本剤の申請内容について、ポイントを絞って御説明をいたします。まず、起原 又は発見の経緯です。本成分は欧米各国で既に使用されている染料の中から、鮮やかな 赤い色の発色がある染料として申請者が、ドイツのヘンケル社から我が国へ導入された ものです。外国における使用状況は、米国においては1997年9月、EUにおいては 2001年5月に販売が開始されております。4ページ、物理化学的性質並びに規格及び試 験方法等に関する資料についてです。これは御覧のとおりで、特段の問題はございませ ん。安定性に関する資料については、長期保存試験が現在継続中であり、2年間の安定 性が確認されております。かつ6か月間の加速試験が実施されており、特段の問題が見 受けられていないことから、これらの結果を勘案し、有効期間を3年間として差し支え ないものと判断しております。  続いて毒性に関する資料として、単回投与毒性試験、反復投与毒性試験、生殖発生毒 性試験。抗原性に関する資料として、皮膚感作性試験、皮膚光感作性試験、遺伝毒性試 験。局所刺激性試験として、皮膚一次刺激性試験、眼刺激性試験、ヒトパッチ試験が実 施されており、特段問題となる所見は観察されておりません。なお、がん原性試験、光 毒性試験は省略されております。皮膚感作性については、Maximization法においては、 陽性と判断されておりますが、Buehler法において陰性という結果が出ております。特 にこのBuehler法においては、染毛剤の酸化染料として汎用されているパラフェニレン ジアミンをポジティブコントロールとして試験が行われており、感作性についてはパラ フェニレンジアミンに比べ弱く、経皮適用においては特段の問題はないものと判断され ております。  8ページ、吸収・分布・代謝・排泄に関する試験が実施され、本成分の吸収率は□% と推定されております。安全係数は先の経皮適用の場合の吸収率と反復毒性試験、生殖 発生毒性試験の無毒性量の結果から、それぞれ約420倍、500倍と推定されております。 8ページの下になりますが、効能又は効果を裏付ける基礎試験として、染毛剤のガイド ラインがあり、それに基づき染毛効果試験、染毛堅ろう性試験が実施され、いずれも効 果が確認されております。またヒトにおける使用成績では、25歳〜74歳までの日本人男 女40例を対象として試験が実施されており、本剤の使用による染毛効果及びその持続性 が確認されております。効能・効果、用法・用量、添付文書(案)に関して、有効性に関 する試験の結果及び同種同効品の記載を参考に設定されていること、また使用上の注意 については、通知に基づき作成されていることから、機構としてはいずれも妥当ではな いかと判断しております。  以上の審査結果を踏まえて、機構は提出された申請内容について本品目を承認して差 し支えないとし、化粧品・医薬部外品部会において審議されることが適当であると判断 いたしました。なお本申請品目は、新規の有効成分を配合していることから、承認後少 なくとも2年間の安全性に関する製造・販売後調査を実施することが適当であると判断 しております。以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。 ○溝口部会長 ただ今の内容に関して、御質問、御意見をお願いします。 ○神田委員 「外国における使用状況」のところで、アメリカのことはお話がありまし たが、EUでは本成分について最大濃度3%という形でポジティブリストの暫定的なも ので位置付けられているとなっていますが、これは□%ということですけれども、それ は結果的には□%になると思っていいのでしょうか。□%と□%のその辺の関係がよく 分からないので、EUで言っているところのものと、同じように判断して受け止めてい いということなのかということです。それから7ページの真ん中辺りにありますが、眼 に入った場合に、眼に入ることはまれであるという判断ですが、これは少し甘いのかな という気がします。入った場合は非常に大変で、15分以上洗いなさいと言っているので す。これは私たちからすると非常に大変なのだなと思うのですが、それでもまれである など、そういうことでこの辺りの判断が少し心配な気がします。また添付文書関係で、 こちらでの色がどういう色が出るかの判断があるわけで、9ページに「ヒトにおける使 用成績」がありますが、「暗い赤色からごく暗い」という形で成績が出ています。それ に対して添付文書の方は「あざやかな赤色」という形になっており、その辺の関係です ね。ここで精査、実験した結果が、どのくらい表現の自由があるのか。私たちはそこを 見て、使用しようかどうかを決めるわけですので、結構重要なポイントかと思います。 その辺の関係を教えてください。 ○機構 まず一点目、本品目は用法・用量のところで記載されていますが、1対1で混 ぜるので、使用時には□%になるということです。二点目は7ページ、これは書き方の 問題ではないかと考えていますが、実際は眼刺激性試験等をやっており、その結果特段 問題になる所見が見られなかったことがあるので、ただその書き方として、まれである ということで片付けてしまうというのは、いかがなものかという感じはいたします。三 点目は、染毛した例が149ページに載っており、色の問題ですので、また写真の撮り方 等によってもかなり見方が変わるのではないかということがあります。後ろから撮った 写真が載っておりますが、真ん中がこのものを用いたいわゆる「あざやかな赤色」とい うことです。本品目の特性というのが、従来のものに比べると、相対的に赤色であると いうところから、鮮やかな発色だということを売りにしているかと思うのですが、そこ の色の問題については、かなり習慣の問題等もあり、鮮やかと言っていいのかというの は、私ども事務局の方でもいろいろな議論があったところです。 ○溝口部会長 いかがでしょうか。 ○神田委員 実際には、多分色見本などがあって、見られたりするのだろうと思うので 問題ないのですが、ここの表現と余りに違うといけないので、その辺の許せる範囲のよ うなものがあってもいいのではないかと思ったのです。ほかのものと比較して言ってい いのかという気もしたので。今はそうなっているということなのですね。 ○溝口部会長 「あざやかな赤色」は言い過ぎという意味ですか。 ○神田委員 そう思ったのですが。 ○宗林委員 私も神田先生と同じように、「あざやかな赤色に染め上げます」という表 現は不適切だと思います。テストを見ると、染色計濃度の試験布で真っ赤にはなってい るのですが、実際に後ろの方のデータを見ると、白髪の量が0%の方、あるいは70〜80 %の方まで使っていらっしゃるのですが、どの方を見ても色差で見てもそうですが、「暗 い赤色」、「ごく暗い赤色」というような表現がされており、そういうことから見ても 誤認を招くのではないかと思います。この試験方法でずっとやられているのだろうと思 いますが、私どもがテストをするときに、人毛の毛束というのがきちんと白100%、30 %、50%、70%などということで、白髪の割合の異なる普通の毛束があり、毛束での結 果と人毛の結果というのは非常に相関性があって分かりやすいのです。今、資料を見さ せていただくと、染色堅ろう度を見るために布でやられているときに、非常に真っ赤に なっているのですが、ここを見て「あざやかな赤色」ということで見ていくのは余り意 味がないことかと思います。ですから色見本を付けることも必要でしょうし、これがお しゃれ用なのか、白髪染めなのかということで、色は大分違うと思うのです。ただヒト の試験はいろいろな方でされている結果を見て、いずれもそういう感じの色合いではな いように見受けられるので、ここの表現は不適切ではないかと思います。  それから、先ほどの添付文書のところの有効成分量の表示ですが、医薬部外品に関し ての有効成分量は何であるのか、そしてそれについて濃度は書くようにしようというよ うなお話があったように記憶があるのですが、それは私の誤解だったのでしょうか。な いままということでしょうか。 ○溝口部会長 それでは赤い色の方からお答えいただけますか。 ○機構 色については、御指摘のとおりでして、鮮やかに染まるか暗い赤かということ に関しては、審査の対象としたわけではないので、ここの添付文書の書き方については、 「あざやかな」というものを削除するということにさせていただきたいと思います。 ○溝口部会長 それでよろしいでしょうか。 ○神田委員 結構ですが、結局、審査と表現の関係というのは、化粧品、ヘアカラーに しても非常に重要なことだと思うのです。ですからその辺りは今日ではなくても、いず れきちんとしていかないといけない点なのかと思います。 ○溝口部会長 分かりました。今後宣伝にも関係することですので、検討した方がよろ しいかと思います。宗林委員がおっしゃった後の成分の件に関してはいかがでしょうか。 ○機構 有効成分の濃度については、医薬部外品の成分の表示ですが、今までは特定の 成分、例えばアレルギーを起こすもの、あるいは医薬品の成分については告示というも ので表示義務があったのですが、医薬部外品については全成分表示することと一昨年4 月になったというところで、今のところ配合濃度までの義務付けはございません。 ○溝口部会長 よろしいでしょうか。別の追加の御質問をお願いします。 ○宗林委員 先ほどの染毛のテストのところですが、今後の検討として聞いていただき たいのですが、やはり布で行うというよりは、今は人毛で白髪の割合がきちんととした ものが出ているので、そちらで行うことを御検討いただくと、大分実際のものと近く、 またモデル的に染毛の程度が判断できるという実態になっていると思いますので、御検 討いただきたいと思います。  もう一点あります。添付文書のところで、「手袋を付けなさい」と言って当然だと思 いますが、手袋はこういう場合は適宜ということで、こういう商品には付けていかない のかどうかということです。あと少し気になったのは、安全性とは関係ありませんが、 衣服に着いた場合の注意が、どうしたらいいのかという対処方法があった方がいいかと 思いますが、御検討ください。 ○溝口部会長 いかがでしょうか。 ○機構 それは宿題ということでよろしいでしょうか。 ○宗林委員 これについては、それがないとどうということはありませんが、染毛剤は 「衣服に着いて落ちない、どうしたらいいのか」という問い合わせが割と多いので、肌 に付いたときは、これで落ちるということですけれども、何らかの表示があるといいと 思いましたので、お伝えしておきます。 ○機構 はい。 ○溝口部会長 ほかに御意見はございますか。 ○井上委員 毒性についてですが、皮膚感作性の考え方なのですが、一般論としては少 なくともBuehler法とMaximization法を比較した場合に、我々の認識ではBuehler法で ネガティブだったけれども、念のためMaximization法をやったら、軽く出たあるいは出 なかった、だからまあよかろうというような認識なのです。Maximization法で出て、 Buehler法で出なかったから、皮膚感作性はないという表現は一般論としてはないと思 うのです。このケースについてはいかがですか。 ○溝口部会長 いかがでしょうか、お答えをお願いします。 ○機構 皮膚感作性については、Maximization法で出たので、感作性がないとは断言は できないと考えております。Buehler法で出なかったこと、それとBuehler法において パラフェニレンジアミン(PPDA)では陽性を示しているということから考えると、あ ってもパラフェニレンジアミンよりも弱いと。また経皮適用では出ないのではないかと いう考えをしております。 ○井上委員 要は結論として、やはり問題ない程度の皮膚感作性があるということをや はり認識しておく必要があるだろうと思うのです。結論としてないということではない と考えます。 ○溝口部会長 事務局の方で、それでお願いしてよろしいですね。ほかに御意見はあり ませんでしょうか。この製品は美容院だけで使われるものではなくて、一般にも販売さ れるものなのですか。 ○機構 販売については、承認で規制はしておりませんが、このものについては美容院、 理容院などに限って使われるというものです。 ○溝口部会長 ほかにいかがですか。 ○神田委員 最初に質問したときにお答えいただいたものですが、眼に入ったときには ということで、眼に入ることはまれであるというところについては、表現は不適切だと いうお答えはいただいたのですが、機構としてこういう判断をするときに、まれである だとか、そういうことは例えば、これまでそういう事故が起きていない、そういう一定 の調査があった上でまれであると言っているのか。何となく入りそうもないからまれで あると言っているのか。そういうことがないとやはりこういうまれであるかどうかとい う判断はどうなのかなと思います。その辺はどうなのでしょうか。例えばここでまれで あると言った場合に、実際にこれまでのほかの染毛剤で、事故が起きたことがないなど、 ほとんどそういう問題が起きていないというような調査はされているのでしょうか。 ○機構 染毛剤が眼に入った事故があるかどうかに関しては、申し訳ありませんが掌握 しておりません。適用方法から考えて、髪に塗るものですから、眼に入ることはまれで あろうと考えたところでございます。 ○神田委員 言いたいことは、余り安易にまれかどうかというのは言うべきではないと いうことです。入ったら大変なものなので、そういう感想を持ちます。 ○楠委員 これは本筋とずれるかもしれませんが、眼に入ったらということですが、私 どもが学生に実験をさせるときは、かなり安全なものでも眼鏡を掛けなさいと、いろい ろなところで教育されてきています。もしこういうものを美容室で使うのであれば、何 か今後そういうことに対応していく、ただ単に眼に入らないとか、そういうことではな いのです。これはここで申し上げることではないかもしれませんが、やはり余りこうい うものというのは、それほど化学物質としては安全というものではないので、何か構わ ない範囲で、そういう対応を今後考えていっていただいた方がいいかとは思います。 ○審査管理課長 宿題をいただいたものと思います。予防原則的に考えなければいけな いというのも事実ですが、例えば先ほど神田委員からあった御質問、どの程度のケース があるのかについても、我々は直ちにお答えするようなデータは持っておりませんので、 そういうことも踏まえて、予防原則にのっとって考えるべきことだろうと考えておりま す。また染毛剤全般について15分以上よく洗い流せというような注意を付けているわけ ですし、恐らく今や手袋はほとんどの製品に添付されているのだろうと思いますが、そ の上にもう一段というのが先生の御質問、あるいは御意見だろうと思いますが。 ○楠委員 どうしてもということではなくて、そういう今後可能性のあるものは、何か そういう工夫もあっていいのではないかと。ここでということではなくて、将来的にと お考えいただきたい。 ○審査管理課長 その可能性、あるいはその現実性がどの程度あるのかを業界とも相談 しながら、検討させていただきたいと思っています。 ○溝口部会長 なかなか今後の可能性の問題にも波及して、難しいことにはなりました が、ほかの点はいかがでしょうか。 ○徳永委員 効能のところですが、この製品と過酸化水素水とが1対1ということにな っていますが、実際の効能・効果を見られているのは、一番最後の方で、色のところで 140〜141などということで実験されていますが、これは過酸化水素水自体が□%のもの を用いて、鮮やかさなどを色で見ているわけです。実際に申請書を見させていただくと、 □□□%までの過酸化水素のものを1対1というところで、効能・効果を出されている データから言うと、□%のものを1対1なのです。ですから色はかなり違ってくるので はないかと思います。その辺の場合に、実際に市販された場合に、□%のデータで、私 どもで検討させてもらっていますけれども、□%でまたどうなのでしょうかということ で、結局承認された場合、そこが動き出しますから、その辺はいかがですか。そういう ことをやるべきかどうか。多分□%、□%も1対1でかけますと、色はかなり違ってき ますので、そういうものも添付いただいて、見ながらどうだなどと検討する必要がある と思います。そうすると結局、色目、効能などのところに絡んでくるのですが、その辺 はいかがですか。 ○機構 今までのやり方ということになりますが、最高濃度である過酸化水素□%を使 って、それで染まる。あるいは堅ろう性がいい。色落ちはしますけれども、その許容範 囲内というような見方をしているところです。その薄い濃度に関しては、個人の好みな どがあると思いますので、そこは美容師の判断に任せていいだろうと考えています。 ○溝口部会長 よろしいでしょうか。この製品は欧米で使われていますので、金髪、日 本人とは大分色が違う方が使ってきた製品ですので、今後日本で使われたらどうなるか。 2年間の安全性その他観察期間がありますので、そのときに消費者が勝手に使って、い ろいろなものと混ぜてどうなるか、成分の色などそういうことも併せて観察していただ ければよろしいのではないかと思います。ほかに御意見ございますか。 ○一般薬等審査部長 井上先生からの先程の御指摘で、皮膚感作性のことについて、事 務局から説明させていただきましたが、機構の方の判断においても、「皮膚感作性はな い、あるいはあっても軽度だ」というように評価しております。そのことについては、 報告書の中の6ページの最初のパラグラフの後に書いてありますので、一応念のため付 け加えさせていただきます。 ○溝口部会長 ありがとうございました。それではほかに御意見がないようでしたら、 議決に入りたいと思いますが、よろしいでしょうか。この医薬部外品の「イゴラ ロイヤ ル P」の製造販売承認について、承認して差し支えないとしてよろしいでしょうか。  ありがとうございます。承認して差し支えないとして、薬事分科会に報告させていた だきます。次の議題に移ります。審議事項3の議題である「化粧品基準の一部改正につ いて」、事務局から御説明をお願いします。 ○事務局 それではまず、化粧品基準の一部改正の具体的な内容について御審議いただ く前に、簡単に化粧品制度及び化粧品基準について御説明させていただきたいと思いま す。参考資料を御覧ください。化粧品については平成13年4月より、化粧品基準を制定 して、企業責任の基に品質や安全性を確認した上で、化粧品に配合する成分を選択し、 配合することとし、全成分表示を行い、製造・販売の届出をもって流通することとして おります。参考資料1ページの中程に、「化粧品基準」と書かれており、以下1〜5ま での基準が記載されております。1が総則、2が防腐剤、紫外線吸収剤及びタール色素 以外の成分の配合禁止の基準。3が防腐剤、紫外線吸収剤及びタール色素以外の配合に 制限のあるものの基準。4が防腐剤、紫外線吸収剤及びタール色素の配合に制限がある ものの基準。5が昨年追加したジエチレングリコールについての基準です。それぞれ対 象となる成分及び分量については、参考資料の3ページ以降に別表として明記されてお ります。  それでは化粧品基準の具体的な内容について御説明します。本日御審議いただくのは、 資料3-2に示した防腐剤の新規収載成分として、ピロクトンオラミンに係る規定を追加 するものです。化粧品基準の別表第3-2、化粧品の種類により配合の制限のある成分に 100gの最大配合量を粘膜に使用されることがない化粧品のうち、洗い流すものに0.05g まで。粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流さないものに0.05gまで。粘膜 に使用されることがある化粧品には配合してはならないというものです。詳細について は機構から御説明させていただきたいと思います。 ○機構 それでは議題3の「化粧品基準の一部改正について」、資料3-1の評価に関す る報告書に沿って説明いたします。成分分類は防腐剤、成分名・希望表示成分名はピロ クトンオラミン、要請者はクラリアントジャパン株式会社、配合量は化粧品製品100g 中の最大配合量として、粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流すものに 0.05g、粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流さないものに0.05gとして収載 要請がなされております。本成分については既に医薬部外品として、洗い流すものに 0.75%配合されたものが昭和59年2月に、洗い流さないものとして0.05%配合された ものが昭和62年10月に承認されており、初回の承認後に市販後調査が実施され、安全 性について特に問題ないことが確認されていること、また本成分の物理的化学的性質並 びに本要請の配合量における安全性については、既に評価がなされていることから、専 門協議には諮らず、機構において審査を行いました。  海外では米国、EUにおいても古くから使用されておりますが、EUでは1982年6月 に我が国の化粧品基準に該当するCouncil Directiveに、化粧品に配合してよい防腐剤 として洗い流す製品には最大配合量1%、及びその他の製品では最大配合量0.5%とし て収載されております。安全性に関する資料については、単回投与毒性試験、反復投与 毒性試験、生殖発生毒性試験、皮膚一次刺激性試験、連続皮膚刺激試験、皮膚感作性試 験、光毒性試験、光感作性試験、眼刺激性試験、遺伝毒性及びヒトパッチ試験が実施さ れており、特段の問題となる所見は観察されておりません。  吸収、分布、代謝、排泄については、ラットの経皮、経口及び静脈内投与における吸 収、分布、排泄試験が実施され、経皮吸収率は4.5%と推定されております。本成分の 経皮投与での安全係数は、反復投与毒性試験の無毒性量に対し約700倍、生殖発性毒性 試験の毒性量に対し約700倍と推定されております。以上の提出された資料から見て、 機構は本成分を防腐剤として化粧品製品100g中の最大配合量として、粘膜に使用される ことがない化粧品のうち、洗い流すものに0.05g、粘膜に使用されることがない化粧品 のうち洗い流さないものに0.05gで、化粧品基準のポジティブリストに収載して差し支 えないと判断し、化粧品・医薬部外品部会において審議されることが妥当であると判断 いたしました。以上が評価の概要です。御審議のほどよろしくお願いいたします。 ○溝口部会長 御意見を頂戴したいと思いますが、いかがでしょうか。既にシャンプー、 リンス、育毛剤などに承認されている成分ですが、よろしいでしょうか。それでは特に 問題がないようですので、議決に入りたいと思います。化粧品基準の一部改正につきま して、案のとおり改正することとしてよろしいでしょうか。  ありがとうございます。御異議がないようですので、一部改正して差し支えないもの として、薬事分科会に報告させていただきたいと思います。以上で審議事項を終らせて いただきます。何かほかに事務局から報告がございますでしょうか。 ○事務局 それでは次回の部会の日程等について御報告させていただきます。品目の審 議状況を見て、事務局の方にて調整させていただき、改めて委員の先生方には御連絡さ せていただきたいと思います。 ○溝口部会長 それでは本日はこれで終了させていただきたいと思います。どうもあり がとうございました。 ( 了 ) 連絡先: 医薬食品局 審査管理課 課長補佐 下川(内線2746)      - 1 -