08/07/10 第9回議事録(厚生科学審議会科学技術部会臨床研究の倫理指針に関する専門委員会) 08/07/10 厚生科学審議会科学技術部会 第9回臨床研究の倫理指針に関する専門委員会 議事録 ○ 日時 平成20年 7月10日 (木)13:00〜15:00 ○ 場所 虎ノ門パストラル ローレルの間(新館5階) ○ 出席者 【委 員】 金澤委員長 廣橋委員長代理       飯沼委員 井部委員 倉田委員 河野委員 小林委員 佐藤委員  土屋委員 永井委員 橋本委員 藤原委員 本田委員 前原委員  丸山委員 谷内委員 【事務局】 外口医政局長 新木研究開発振興課長 林治験推進室長 佐藤課長補佐 ○ 議事: 1.「臨床研究に関する倫理指針」の改正案について 2.その他    [配付資料] 議事次第 座席表 委員名簿 資 料 1 :第8回臨床研究の倫理指針に関する専門委員会の主な意見 資 料 2 :「臨床研究に関する倫理指針」の改正についての報告(案) 資 料 3 :臨床研究に関する倫理指針改正案(新旧対照表(案)) 資 料 4 :「臨床研究に関する倫理指針」改正案に関する意見募集における指摘の論点(案) 資 料 5 :「臨床研究に関する倫理指針」改正案に関する意見募集への対応(案) 資 料 6 :臨床研究に関する倫理指針 Q&A(一部・案) 参考資料1:臨床研究に関する倫理指針(現行版) 参考資料2:改正GCP省令(平成20年2月29日改正) 参考資料3:高度医療評価制度の概要 参考資料4:損保ジャパン・東京海上提出資料(第6回臨床研究倫理指針専門委員会提出資料) ○事務局  定刻となりましたので、第9回臨床研究の倫理指針に関する専門委員会を始めさせてい ただきます。本日は、先生方におかれましてはご多忙中のところお集まりいただき、あり がとうございます。本日は委員19名のうち、現在15名ご出席いただいていますので、本 会議は成立していることを初めにご報告いたします。本日の会議は公開ですので、ご了承 いただきたいと思います。本日の第9回で最終会ということで、はじめに外口医政局長よ りご挨拶をさせていただきます。 ○外口医政局長  医政局長の外口でございます。厚生科学審議会科学技術部会臨床研究の倫理指針に関す る第9回の専門委員会の開催に際しまして、一言ご挨拶をさせていただきます。最初に、 大変ご多忙のところを、昨年の8月17日以来、約1年間にわたりまして、委員の先生方に は熱心に審議にご参画いただきました。金澤委員長はじめ、委員の皆様方に、改めて厚く 御礼を申し上げる次第でございます。  臨床研究に関する倫理指針につきましては、平成20年の7月30日を目途に見直しを行 うこととされていたところでありますが、先生方のご協力を得まして、本日、当専門委員 会の最終会を迎える予定でございます。本当にありがとうございます。  この指針は制定以来5年が経っておりますが、臨床研究を取り巻く環境は、その間大き く変化をし、医学研究の実用化において、臨床研究の重要性の認識の高まりや、臨床研究 の推進体制の整備を行うための取組みが進んでいるところであります。一方で、臨床研究 における倫理性や安全性等の確保について、その充実を求める声も大きくなってきており ます。  こういった環境の中で、本日も被験者の方々に対する補償の仕組み、研究計画の登録、 倫理審査委員会の報告制度など、研究の一層の透明性、倫理性、安全性や科学性の確保に 資する指針改正について、この委員会からの報告についてのご議論をいただく予定でござ いますが、今回のこの指針の改正は、今後の我が国の臨床研究にとって大変重要なもので あると認識をしております。  研究を推進するという観点と、倫理性の確保という、両者のバランスに配慮しながら、 これを両立させて、臨床研究の適切な実施が図られるよう指導するとともに、今回の改正 審議を踏まえた体制整備につきましても、行政のほうでも準備をし、研究資金等を通じて 支援をしていきたいと考えております。  先生方におかれましても、引き続きそれぞれのお立場でご支援をいただきますよう、よ ろしくお願いいたします。以上、御礼方々、挨拶とさせていただきます。ありがとうござ いました。 ○事務局  本日外口局長は所用がございまして、途中で中座をさせていただくことになりますので、 ご了承いただければと思います。  本日の審議ですが、特別ゲストとして、損害保険ジャパンの野村様、東京海上日動火災 の増永様にご出席をいただいています。お二人は14時までご着席いただけるということで すので、議事進行中、損害保険会社の立場からご意見をいただくこととしておりますので、 よろしくお願いいたします。それでは議事進行を金澤委員長にお願いいたします。 ○金澤委員長  本日はお暑い中をありがとうございます。第9回とはいえ最終回です。特別ゲストの皆 さん、どうもありがとうございます。今日は厚労省の会をもともと農水省の建物だったと ころでやるということで、大変省庁間の壁が低くなっているなと思って感心していますが、 ここでは最初で最後の会になりました。よろしくご議論のほどお願いします。まず配付資 料の確認をお願いします。 ○事務局  座席表、議事次第、構成委員名簿、そのあとに資料番号が付いているものが1から6ま であります。また、参考資料としては、1から4まであります。このほかに委員の先生方 の机上には、これまで使用した資料等をファイルにして配付していますが、これはお持ち 帰りいただかないようにお願いします。資料に過不足等がありましたら事務局までお知ら せください。 ○金澤委員長  議事に入ります。議題1「臨床研究に関する倫理指針」の改正案についてご議論いただ きます。これまで8回にわたって当委員会での審議を経まして、指針案に対する一般の方々 からのご意見をちょうだいする、いわゆるパブリックコメントのフェイズに入ったわけで す。そして、いろいろなご意見をちょうだいしました。今回それをまとめていますので、 事務局からそれを披露してもらうとともに、一応の回答について検討はしていますが、そ れを皆さん方に、ここで改めてご議論いただきたいと思っています。事務局から、パブリ ックコメントと、その対応についての案をご紹介してください。 ○事務局  臨床研究倫理指針に関するパブリックコメント等、指針の対応について、最初に事務局 から簡単にご説明させていただきます。本日お配りしている資料で申し上げますと、資料 4の1枚目と2枚目が、5月30日から6月30日の1カ月間にいただいたパブリックコメン トの主要な論点のまとめになっています。この資料4の後ろに付いているのは、全部で63 件からご意見をいただいていますが、その本文を個人情報等にマスクした形で付けていま す。資料5は、パブリックコメントとしていただいたものに対して、回答案を付けた形で の一覧表に整理したものです。  これからご紹介をする中で、これがいちばん重要なドキュメントですが、資料2です。 これは当専門委員会から厚生科学審議会科学技術部会に報告することを想定した文書でご ざいます。前回まで「概要」と呼んでいた文書に表紙を付けて、まず改正の審議の経緯が 書いてありますが、その3頁以降がもともとありました概要及び今回修正を加えた文書と なっていますので、資料4、資料5、そして資料2を併せてご覧いただきながら、ご説明さ せていただきます。  まず資料4の1頁です。今回いただいた意見として、ここでは9つに分類しています。 最初のものが、「医薬品、医療機器に関する介入研究における補償措置について」のご意見 です。ここでは大きなものを4つ挙げています。1つは、補償保険の提供時期がいつにな るのか。また、その提供時期を踏まえて指針の施行期日を十分な余裕をとって定めてほし いというご要望があります。補償の程度や内容については一律のものとすべきでなくて、 研究の内容に応じて同意により定めるべき、補償の保険の加入による負担や保険料の設定 に対する不安等から、補償というものの義務づけを行うべきではないのではないかといっ たご意見もございます。4番目ですが、補償については、死亡や重度の障害だけではなく て、入院、医療費、手当等について、広く浅いカバーを望むというご意見をいただいてい ます。  これらについては、行政の対応案も含めて最初に簡単にご説明させていただきますが、 例えば(1)の、時期については、施行に十分な経過措置をとるべきということで、例えば 資料2の11頁で、「倫理指針の適用時期」というのがありますが、もともとパブリックコ メントのときに当初案は10月31日よりということでしたが、余裕をとって4月1日と訂 正してはどうかというものです。  (2)の補償対応の内容についてですが、資料2の9頁の真ん中辺りですが、補償に関す る同意説明を行う必要があるという規定の後ろに、細則ですが、補償措置は、必ずしも研 究者による金銭の支払いに限られたものではない。また、その実際に行う研究等のリスク に応じて、保険を用いる場合やその他の場合について、リスクに応じて補償を行うもので あるといった考え方を、ここでクリアに書いています。  (3)の補償の義務づけについては、これまでも随分議論をしてきているところで、その 研究に対する被験者の保護といった観点から、医薬品、医療機器については、今回このよ うな形で「研究者に補償の対応を求める」という記載を行うところですので、特段変更等 の対応は、いまの時点の案では考えていません。補償の範囲という部分については、先ほ どの細則に書いていますが、いろいろな試験のリスクに応じて対応するということで、お 答えになっているのではないかと考えています。それが1番目です。  2番目の「登録情報の公開について」という部分です。1つは、資料2の5頁ですが、第 2の(2)で、研究責任者は医薬品、医療機器による介入を伴う研究、その他手術等の侵襲性 を有する介入を伴う研究については、研究開始前にUMIN、JAPIC、日本医師会の設置する 登録データベースに登録しなければならないこととするという部分ですが、この但書のと ころで、研究に著しく支障を生じる場合であって、というところの中身について、知的財 産等が理由であれば、もう少しきちんと明記するべきだというご意見がございまして、今 回5頁で「知的財産等について」という形で改正をしています。それと、登録データベー ス、これは一般に登録内容が公開されているものですので、そこの趣旨を明確にするよう な形で、修文の案を今回出しています。  資料4の2の(2)ですが、多施設共同研究の場合に、各医療機関の研究責任者が全員一 斉に登録しなければならないというのは、非常に非効率であって、代表の方でいいのでは ないかというご意見、現場での手間を考慮して、こういうものは過剰規制なのではないか、 外国の登録サイトも活用するようにすべきといった意見もいただいています。  多施設共同試験の場合に、研究代表者の登録でよいという形にしてはどうかというとこ ろで、この資料2の6頁ですが、ここにも細則を加えようというところで、「複数の臨床研 究機関が共同で実施する臨床研究の場合においては、一の臨床研究機関の研究責任者が、 他の臨床研究機関の研究責任者を代表して登録することができる」といった趣旨の細則を 設けてはどうかというところです。  また、登録情報の公開については、手間など、そういった部分については、これまでも この委員会でご議論していただきました。また、外国のサイトについては、国内での、日 本の国民に対する臨床研究情報の提供ということですので、日本国内にあるデータベース への登録を基本とさせていただこうと思っておりますが、外国での登録サイトに合わせて、 並行してご登録していただくことは差し支えないということで、対応させていただこうか と思っています。  3番目です。「予め指名した者による簡略審査規定が、疫学指針にあって本指針にはない」 というご指摘ですが、これは何かと言いますと、資料2の6頁の(2)の「臨床研究機関の 長の責務等」ですが、研究者から臨床研究の実施の許可を求められたときに、機関の長は 倫理審査委員会に意見を聞かなければならない。この但書以下の部分が、事項によっては 倫理審査委員会にかける必要がないという判断基準を示しているもので、これが疫学指針 のほうにはありまして、こちらの指針の改正時には、事務局のほうで記載が抜けていた状 況かと思います。これは倫理審査委員会に属する委員の方の中から、あらかじめ指名する 方に、ここのアイウエの条件に当たるようなものとか、個別の症例報告なども入ってくる と思いますが、診療情報等を集計、単純な統計処理等を行うような研究については、倫理 審査委員会の付議を必要としない等の規定で、ここは疫学指針と同様の文書をここに入れ てはどうかということで、修正案を作っています。  資料4の3の(2)ですが、「倫理審査委員会のみならず、有害事象等を処理するための 効果安全性委員会の設置も可能にすべき」というご提案がありまして、資料2の7頁です が、専ら有害事象等の評価等を行うために、効果安全性委員会を倫理審査委員会とは別に 設置することができるようにしてはどうかと、これは「できる規定」ですので、しなくて はならないということではなくて、そういう評価を行う場合には設置することができる、 ということを追記しようと思っています。  その他、「倫理審査委員会」の部分については、外部の倫理審査委員会への審議委託で質 的な担保ができるのかとか、開催時に一般の立場を代表する委員の1名以上の常時出席を 求めるほうがいいのではないかというご意見もいただいているところです。この外部の倫 理審査委員会の質的担保については、今回の指針の中で、年1回厚生労働省等に対して倫 理審査委員会の活動状況をご報告いただく、また、その当局が各倫理審査委員会に対して、 実地または書面での調査を行うという規定が入るわけで、そういうチェック機能が倫理審 査委員会に対して課せられることになりますので、そういった部分で担保できるのではな いかと考えています。また、一般の立場の方についても、これは現場での体制の整備状況 がありまして、そういうものに沿って対応していくという考え方ではないかと思っていま す。  4の「医療機関による有害事象等の対応」ですが、事務の負担が大きく煩雑になるので 求めるべきではないというご意見もございますが、これは臨床研究の透明性、安全性の確 保という観点から、是非ご理解とご協力をいただきたいというところです。  5の「同意、検体」という部分で、ここはだいぶ法学的な議論になってきますので、ま た後ほど審議の中で、当専門委員会の法学者の先生方からもご意見をいただきたいと思っ ていますが、16歳以上の未成年の被験者に対して、倫理審査委員会の承認と、施設の長の 許可に基づき、本人の同意のみでよいとする規定については問題ではないかというご意見 がありました。あと(2)ですが、検体の取扱いにおいて、外部の機関に検体を出したとき に、ここで言っている代表者の許可というのが文章上非常に読みにくいというところで、 ここは修文的な対応の話かもしれませんが、(3)の保存検体の取扱いについては、もとも と民法上の契約等の考え方から見ての問題ではないかというご指摘をいただいているとこ ろです。  特に、16歳以上の部分については、このようなご指摘をいただいたところでもあります し、ヘルシンキ宣言との整合性を考えて、資料2の9頁の(3)ですが、16歳以上の規定 のところに、介入を伴う研究においては、人の体に医療上の治療等の介入を行うわけです ので、そこについては親権者の方と、16歳以上の方のアセントをいただくようなことで、 現行のままとしまして、ここは「観察研究においては」ということで、16歳の場合につい ては観察研究に関するところに限定をするという対応で修文してはどうかと考えています。 (3)の取扱いについては、このあと先生方にご議論いただければと思っています。  資料4の6番目は「疫学指針との将来的な統合」ということで、これも多数意見をいた だいています。これについては将来的に次の改正等において検討していこう、という対応 かと思っています。  7のその他、今回の指針の改訂において付随する要望ということでは、指針改正に対応 する事務的な手続等の体制の支援の要望、CRCによる事務、同意等の支援体制の構築、教 育・訓練に関する品質の確保、標準化を行ったほうがいいのではないかというご要望もい ただいています。これらについては、資料2の概要の12頁に、もともと関係者に対して要 請する事項を作っていますが、臨床研究の事務局に対する支援、コーディネーターの活用 をする体制、先ほど少し保険の話もありましたが、保険料が研究者の負担にならないよう な対応を行うとか、こういった部分は要請する事項の中に書いてはどうかというご提案を しています。  個別の意見としてはそのようなところかと思いますが、最後に8番目の「法制化につい て」のご意見ということで、今回パブリックコメントの中で、法制化をしたほうがいい、 特に研究者の権利を一部制限するような規定が今回入っているとか、補償措置について漏 れがないようにするという観点からも、法律とすべきというご意見をいただいています。  簡単にご紹介しますと、資料4の続きの部分ですが、16頁の意見の11番は法制化の検 討を行うべきということで、今回規制を入れるというところから見ても、いま申し上げた ように法制化が必要というご意見です。あとは41頁の23番の方も、そのようなご意見で す。76頁の42番の方も、法制化についてのご意見をいただいています。95頁の48番の方 のご意見で、この中でも97頁の上のほうですが、指針が拠って立つ法律を作っていただく ことを願っていますということです。50番の方も法制化のご意見です。51番の方は、疫学 指針等と合わせて一元的に扱う指針または法律の制定が必要、ということです。いちばん 最後の63番の方は、1999年に同意なくして臨床研究をやられたということで、これは訴 訟にまでいっているケースですが、親御さんからのご意見で、医師のみの利益のために行 われるような臨床試験・研究を防止するために、法制化することも検討すべきという強い ご意見もいただいています。  一方で、法制化については、規制強化による医療機関での負担等から見て、法制化によ り研究の進展が阻害される恐れがあるということで、法制化をしてほしいという意見とは 真っ向から違う意見ということで、ここに書いているように、7番、12番、13番、27番、 29番等、法制化に対して反対するご意見を多数いただいています。  そういった観点から見まして、一様に臨床研究に関する法規制等に関する意見を全体的 にまとめて、この報告の案に書くとすれば、資料2の13頁に戻りますが、この中身につい てご議論いただければと思いますが、臨床研究倫理指針の改正に伴うパブリックコメント においては両方の意見があったと。研究倫理については、医学、学術団体としては、行動 規範として、より高次のものを本来求めるべきである。一方で指針の改正については、い ろいろな登録とか、基礎的な規範となる内容も今回含まれるという観点であって、このよ うな事項については、法律に拠るべしという考え方もあるけれども、一方法制化を行うこ とによる、さまざまなデメリットとか、逆に実態に応じて柔軟に規制を変更を可能とする ような運用ができるメリット、指針であるが故にそういうことができるメリットを勘案し て、法律の縛りをかけるのはいかがなものかと。臨床研究の実施については、マナーを向 上させ、ルールに関する意識を高めていくと。それによって本指針の普及、啓発及び遵守 に努めて、そういった状況を対応状況を見ながら、将来的には法制化の検討を行っていく 必要があると。そのような形で、いただいた法制化に対する意見をまとめたものが、13頁 のもので、ここもご議論いただければと思っています。  資料4の最後の部分の9ですが、(1)から(8)に書いたように、前回の審議でもご指摘 をいただきましたが、QAの対応等が必要だと思われるような、いろいろなご質問をいただ いています。これらについても、今日の審議までではすべて解決できるものではありませ んので、申し訳ございませんが、施行までにQAを作成して、各先生方にご確認をいただき ながら進めていきたいと考えています。こういうことで全体の大きな意見を要約して、ご 紹介させていただきました。詳細等については、資料4の後段または資料5の一覧表に整 理していますし、先生方には事前にお送りさせていただいていますので、事務局から指摘 しなかった点でお気づきの点がありましたら、この場でご審議いただければと思います。 ○金澤委員長  資料5の横書きのもので、赤い字、青い字、黒い字、黄色の枠とありますが、これを説 明していただけますか。 ○事務局  赤い字は今回いただいたご意見で、その中で指針の書き振りについて、先ほど資料2で ご紹介したように修文をしているものが赤い字です。青い字については、資料4の1、2 頁にまとめていますが、代表的な意見としてハイライトをしているものです。黄色は、資 料4の6番目でお話をしましたが、法律的にご議論が必要だろうという部分についてです。 ○金澤委員長  資料4の1、2頁目を中心にご議論いただきますが、ご案内のように特別ゲストの野村さ んと増永さんが2時までということなので、資料4の1番目もそのことですので、医薬品、 医療機器に関する介入研究における補償措置について、からご議論いただければと思いま す。経過措置の対応したもの、細則で対応したもの、検討事項というのはご意見はいただ きますが、このままでご理解いただきたいという意味です。2番目のような、研究の内容 に応じて同意により決めるべきである、という細則対応したものについてなど、会社のほ うからでもご意見があればどうぞ。 ○谷内委員  研究者の立場からしますと、補償の問題がいちばんみんな心配している点で、どうやっ て対応したらいいか皆困っております。それから、実際に臨床研究というのは、いろいろ な臨床研究がありますので、介入研究の定義が明確でないので、どこまでが補償を入れな ければいけないかということでも迷っています。  それから、個人で全部保険会社に相談すると、保険会社も対応ができないのではないか と思います。全部研究者が保険会社に、直接にこれを見積もってくれというと、かなりの 数のものが出てくると思うので、対応できないのではないかと危惧しています。ですから、 できたら機関ごと、あるいは何らかの形で代表的にまとめるところを介して、保険会社と 折衝していただくような制度を考えていただけないかと思っています。 ○金澤委員長  確かにおっしゃるとおりかもしれません。 ○事務局  ただいまご指摘いただいた点ですが、研究者の方々の保険加入に対する負担が事務的に 発生することは、ご意見の中でもいくつか指摘されている部分です。私どもは、窓口を一 本化するとか、厚生労働科学研究に申請をされる際とか、実施をするときに1カ所の窓口 で対応できるような形にするとか、そのような対応は検討しているところです。 ○金澤委員長  それはどこかに出てくるのですか。 ○事務局  明示的でないようであれば、資料2の最後の、関係者に対して要請する事項のところに。 ○金澤委員長  入れたほうがいいかもしれませんね。 ○事務局  はい。 ○金澤委員長  谷内委員の話の中で、「介入研究の定義がちょっと」ということを言われるのは問題で、 そこははっきりしないといけないのです。 ○事務局  そこはQAの中でもう少しと。 ○金澤委員長  QAできちんとしたほうがいいかもしれません。 ○事務局  またご協力をお願いしたいと思います。 ○金澤委員長  具体的に、こういうのはどうなのかというのがありましたら、後で結構ですから、事務 局までお願いします。他にいかがでしょうか。 ○特別ゲスト(損害保険ジャパン)  本日はお招きいただきましてありがとうございます。指摘の論点というペーパーの中で、 補償措置のところで書いていただいていますが、施行時期等、保険業界も今回の指針の改 正を踏まえて、保険化の検討をちょうど始めたところで、当初7月30日に新しい試案が 開示されるという話でしたが、実際はその適用自体が4月1日頃ということで、それぐら いのタイミングであれば保険会社としても検討しやすいのではないかと考えています。  いま委員の先生からもご意見がございましたが、特に募集の問題等おっしゃるとおりで、 保険会社としても、相対する窓口が一本化されることは望ましいと考えているので、具体 的に保険の中身とか、料率水準が固まってきた後に、そういった部分について検討してい く必要があると考えています。以上です。 ○特別ゲスト(東京海上日動火災)  本日はありがとうございます。いま損保ジャパンからもご説明がありましたが、我々も 今回施行時期がこちらのほうで案が出たということですので、それに向けて検討を進めて いきたいと思っています。  先ほど谷内先生からご意見をいただいた点については、現在、臨床研究について「補償 の有無」について示すという記載があることから、「治験と同じような補償ができないのか」 といった質問を現場の先生方から多数いただいています。ここについては、現場の先生方 に対して個別対応で、「臨床研究の補償については、ガイドラインが補償の義務付けまでは 求めていない状況なので、補償に対応した商品はご用意していないのです」という説明を させていただくのですが、ご理解をいただくのが難しい場面もありますので、今後の臨床 研究の補償保険については、事務局からもお話があったような取りまとめというか、仲介 的な機関でご案内できるような仕組みについてもお願いできればと考えています。 ○藤原委員  去年も同じ時期に聞いたのですが、保険会社にもう一度聞いておきたいのですが、日本 医師会の治験促進センターがサポートする医師主導治験については補償保険が存在してい る実情はありますし、市販の医薬品であれば、医薬品医療機器総合機構からの補償の制度 は存在しているのですが、いずれも抗がん剤については対象から除かれています。それに 倣っていくと、いま損保ジャパンとか日動火災が考えられている臨床研究の補償保険につ いても、抗がん剤を用いた臨床研究については対象外になる可能性が高いのかどうかを教 えてください。端から駄目だとわかっていれば覚悟も決めなければいけないと思うのです が。企業治験においては、抗がん剤についても治験保険で補償に関する対応をしていただ ける企業もあるので、保険会社の相場感として、抗がん剤はリスクが読めないので、臨床 研究の補償保険はちょっと、というところがあるのかどうか、もう一度確認させていただ きたいのですが。 ○特別ゲスト(損害保険ジャパン)  ご指摘の点につきましては、おっしゃるとおりで保険会社としては、極めて厳しい部分 と考えています。今回の議論の中で、医法研のガイドラインに則った補償という部分も出 ていますが、ガイドラインの中で抗がん剤等は除かれていると理解していますので、基本 的なスタンスとしては、抗がん剤は持たない方向で検討したいと思っていますが、まだ決 定事項ではありませんので検討中ということです。 ○特別ゲスト(東京海上日動火災)  抗がん剤のことについては、保険の考え方で申し上げますと、事故の発生頻度と、損害 の単価から保険料を算出していくことになるわけですので、抗がん剤についてはご指摘に 近いような、引受けが困難な状況は考えられるのではないかと思っています。 ○金澤委員長  ほかにいかがですか。 ○谷内委員 今日は損保ジャパンと東京海上だけがおいでになっていますが、前回もそうだったと思 うのですが、それ以外の保険会社はこういうものは対応しないということでしょうか? すなわち日本ではこの2社のみが対応を考えているという理解でいいですか。 ○事務局  2社につきましては、これまでも治験保険とか、医師主導治験に関する保険で実績があ るということで、その延長線上ということで、こちらでお呼びさせていただいています。 これ以外にも新規で参入してくる方をブロックするとか、そういう意味ではございません。 ○金澤委員長  ほかにいかがですか、とりあえずはよろしいでしょうか。次に進みまして、登録情報の 公開についてです。いかがでしょうか。「検討事項」というのは一応検討はさせていただき ましたが、ご理解いただきたいという返事にしてくださいね。「検討事項」と言われてもさ っぱりわかりません。ご理解いただければと思いますということで。あとでいろいろとご 議論いただくであろうというところがありますので次に進みます。3番目は倫理審査委員 会の問題です。簡略審査のことはボーンヘッドですね。 ○事務局  これは手違いでした、申し訳ありません。 ○金澤委員長  細則対応のこともありますが、これについてはいかがでしょうか。先ほどの事務局のご 説明で、一応ご理解いただけますか。 ○谷内委員  私の理解では、効果安全性評価委員会というのは、通常は研究プロトコールに基づいて、 その研究に関しての効果安全性委員会です。今回の指針の細則ですと、臨床機関の長また は臨床研究機関の長が医療機関の長と共同して、いろいろな臨床研究が行われているもの をまとめて評価する効果安全性評価委員会を設置すると書いてあります。これは、例えば プロトコールごとにつくった臨床研究に関する効果安全性評価委員会とは別途につくると いうことですか。通常の臨床研究ですと、そのプロトコールに沿った効果安全性評価委員 会をつくるのが普通で、これで読みますと、これは各研究機関にいろいろな臨床研究がお こなわれているのですが、それを全部統合するような効果安全性評価委員会をつくれとい うことですか。これはいまある臨床研究の体制からすると、少し違うのではないかと思う のです。そのような理解でよろしいのでしょうか。 ○事務局  ここで意図しているのは、いま谷内委員からご説明いただいたような、大体現実的には プロトコールごとにつくって動いているような、効果安全性委員会でも、こういったもの を処理できるようにしようという趣旨です。  ただ、確かにご指摘のように、臨床研究機関の長または機関長が他の機関長と共同で設 置する、というのが最初に付いていて、誰がつくった委員会なのかを明確にさせていただ いたということなのですが、主語を明確にすることで不都合な部分があるようでしたら、 ご議論いただければと思います。 ○藤原委員  谷内先生と同じように、効果安全評価委員会はプロトコールをつくっているプリンシパ ル・インベスティゲーターが委嘱をして諮るものであって、医療機関の長とはあまり関係 ないものだと思うので、この主語が入るとおかしな感じを受けます。 ○金澤委員長  他の委員の方はいかがですか。これを読んだ研究者が迷うようでは困るので、そこがポ イントなので、そのような目で読んでいただいて。谷内先生と藤原先生に伺いますが、ど こをどう直したらいいですか。 ○谷内委員  共同でなくて、医療機関の長の責任の下に、プライマリー・インベスティゲーターが効 果安全性評価委員会を設置できる、ということでは駄目でしょうか。責任体制だけ明確に したいということだと思うので、「医療機関の長の責任の下に、主任研究者が効果安全性評 価委員会を設置することができる」と書いてもらったほうが、現実に合うのではないかと 思います。 ○事務局  いまの藤原委員、谷内委員からのご指摘を踏まえますと、効果安全性評価委員会を実際 に動かすのは研究責任者の方になるかと思いますので、研究責任者の方が、単独または誰 かが代表して、こういったものを設置できるということにして、かつ責任の範囲というこ とで申し上げますと、いま谷内委員からご指摘のあったような「臨床研究機関の長の責任 の下で」というような形で、責任の下で研究責任者が設置できるという書き振りに修正さ せていただいたらどうかと思いますが、いかがでしょうか。 ○金澤委員長  「ただし」以下はよろしいですね。どうでしょうか。他の研究者の方は、それでご理解 いただけましょうか。                   ○金澤委員長  内容的にはそういうことで、谷内先生と藤原先生には見ていただきますが、文章そのも のはお任せいただきます。よろしいでしょうか。 ○金澤委員長  そのように修正させていただきます。他に倫理審査委員会についてご意見はございます か。 ○倉田委員  (4)の「開催時に、一般の立場を代表する委員の1名以上の常時出席を求める意見」と、 7番目の(2)の「CRCによる事務、同意等の支援体制の構築についての要望」とを関連づ けて話をさせていただきます。  2、3日前に新聞に出ていたのですが、医療の言葉は難解であると言われますが、「患者 が分かりづらい医師の言葉100語」というのが出ていました。その中には「副作用」「臨床 試験」「セカンドオピニオン」「喘息」「譫妄」「尊厳死」「悪性腫瘍」など100語並んでいた のですが、いまのような言葉を聞いても、医療者の皆さんは「そんなことも知らないのか」 と思われたと思います。医療者の方にとって、これは常識であると思われますが、一般の 人たちには、普段言われていて、わかっているつもりなのだけれども、実はわかっていな い、私たちの生活の中では常識から外れてしまっているのです。  以前、前原先生が、「有害事象の話をするときに、患者にどこまで話をしていいかわから ない。全部話をしようとすると電話帳1冊分以上になってしまうのです」という話をされ ていました。ここで出ている「副作用」の意味もわからないぐらいですから、「有害事象」 も知らないでしょうし、「副作用」との意味の違いも、わからないだろうと思います。  例えば「寛解」を「完治」と勘違いしたり、間違って理解してしまうために、現場では 大変混乱しているだろうと思います。ですから、私は、医療用語のわからない一般の人と、 医療者の間の通訳になるようなコーディネーターが必要だと思っています。  先ほど事務局の対応として、資料2の12頁の(6)ですが、「臨床研究コーディネーター を活用できるよう体制整備に努める」と対応していただいていますが、こうなると今度は 間接経費で、これらの人件費が賄えないという話になってしまうと思うのですが、ゆくゆ く人件費を払える体制は、そうしていただければありがたいのですが、それまで待ってい られないのが現状だと思います。既存の看護師や薬剤師、また臨床心理士の皆さんが、そ れに当たっていただいて、即これを実現していただけたらと思っています。  このように、一般の者(患者・被験者)からするとわからない、医療界というか、臨床 研究の中にあって、それを代弁できるような市民委員は倫理審査委員会に必ず必要ですし、 また、裁決のときにも外部委員が1人いれば良いというのではなくて、一般の立場の者と いうのが必ずそこにもう1人入って、それぞれ1人ずつという枠の中に入れていただける ようにと再度思います。ご検討、よろしくお願いいたします。 ○金澤委員長  ありがとうございました。本会議でもご議論いただいたところですね。どうですか。前 原委員、名前が出ていましたがいかがですか。 ○前原委員  いまお話いただいた件は、実は臨床の現場では非常に重要な点になろうと思います。日々 の診療の中で患者に説明する場合、医師とともに看護師、あるいはソーシャル・ワーカー 等の方が必ず同席をして説明をするようにしています。正直、偉い先生が説明をして、そ れだけでは患者の方にわからず、通訳という立場で看護師やソーシャル・ワーカーの方に 対応していただく。そのターミノロジーというか、言葉一つひとつの内容、重みというこ とがどうしても医療側の人間と患者とは異なり伝わらない。  特に臨床試験といった場合、いろいろな副作用、有害事象について、説明をした側とさ れた側の乖離が起こってくると思います。将来的な補償とかのことを考えた場合も、患者 の側がしっかり理解をするというステップはどうしても必要だろうと思います。そういう 点から、臨床研究コーディネーターの体制整備は非常に重要であると思います。 ○金澤委員長  ありがとうございました。ほかにご意見はありますか。 ○井部委員  いま、倉田委員がおっしゃったことは、国語研究所が「病院の言葉」委員会で医療の言 葉の辞書というか、医療者が読む参考書を作ろうとしています。私もその委員です。そう したものも添えて、研究者の方に是非伝わるように。つまり、患者が読むのではなくて医 療者が読んで、そこに書いてある内容を参考にして説明のときに用いる。例えば「がん」 という言葉が強烈なので、がんという言葉を使わないで「悪性腫瘍」と説明すると、「ああ、 がんでなくて良かった」というように言う。実際の経験談をいろいろ集めて、どういうよ うに説明したらいいか。これは国語研究所がやっている作業です。 ○金澤委員長  どうもありがとうございました。損保ジャパン、東京海上日動火災の方々、大体時間と なりましたのでご退席となります。どうもありがとうございました。最後に何か、聞いて おきたいということはありますか。よろしいですか。どうもご苦労様でした。                (特別ゲスト退席) ○金澤委員長  それでは、先ほどの議論に戻ります。 ○本田委員  私も倉田委員がおっしゃることはそのように思います。できれば1人ずつでも、外部委 員会のほかに一般市民を代表する委員、法学者などということではなくて、一般の方を入 れてほしいという気持は大変強くあります。同じような内容からです。  ただ、日本のIRBが山のようにあるという現実、それ自体も問題だと思っています。そ ういう中で、来年の施行から必ず入れようというのも現実難しいのかなと感じています。 だからといって、育つまでずっと待っていましょうという話ではないぐらい、喫緊の問題 ではあると思っています。答えはなかなかないのですが、例えば分類はわからないのです が特定機能病院だけは入れるとか、もしくはがんセンター系だけは入れるとか、そういう ようなモデル的な事業を走らせていただくこともご検討いただければと感じています。 ○金澤委員長  ご趣旨はよくわかります。最初の言葉の問題というのは、大事な問題だと思いますが少 し違うのです。これとIRB等々の問題と一緒にすると大変なことになるので、ちょっと理 解を別にしていただいたほうがいいのではないかと思います。 ○佐藤委員  私も一応法律学の職に就いているので、社会科学の有識者として倫理委員会に入ること があります。ただ、私自身はもちろん一般の代表であるとは思っていませんし、それがで きるとも思っていません。この問題というのは委員の構成ではなくて定足数の関係、本日 の資料3の29頁かと思います。 ○事務局  新旧対照表でございます。 ○佐藤委員  新しく(5)と振られるところ、一般の立場を代表する人というのは少なくとも前から委 員に入っていないといけない。今回、果たしてその定足数として「審議又は採決の際には」 の「又は」というところを「及び」と直して、両方とも入っていなければいけないとすべ きかどうかということだと思います。そうすると、一般の市民の代表の人が休めないとい うことになる。これをどうするか、私もきちんとした答えはないのです。例えば倫理委員 会の運用で、書面で意見をあげてもらうというような対応でとりあえず見るわけにいかな いでしょうか。これは感想めいたことですが。 ○倉田委員  希望としては1名ではなく、複数名入れたいというのが希望です。 ○佐藤委員  それは細則の、1の人数を増やすということですよね。 ○倉田委員  はい。 ○佐藤委員  イギリスではレイ・パーソンをもっと入れろとなっていますし、アメリカは5人のうち の1人では少な過ぎるという批判があります。私ももうちょっといていいだろうと思いま す。  ただ、現実問題として、本田委員がおっしゃったように今すぐにそれだけの人を集めら れるかというと、各倫理委員会でも一般の委員を集めるのにとても苦労している事実もあ ります。 ○金澤委員長  ありがとうございました。これは大事なことなので議事録にはきちんと残してください。 やはり、現行よりも成立が難しくなるような状況だと、逆に将来に非常に大きな問題を起 こしてしまう危険性がある。今回はこのままの形で受け取っていただければと思います。  ただし、そういうご提案があった。つまり、どうやって育てるかという問題があるわけ です。それはそれとして受け取りたいと思います。ありがとうございました、ほかにいか がでしょうか。  それでは、次の4に移りましょう。医療機関による有害事象等の対応についてです。こ れはあまり大きな問題ではないですね。  5の同意、検体、これはちょっと議論があるかもしれません。「16歳以上の未成年」云々 についてです。修正の対応をしています。 ○佐藤委員  あくまでも、私個人の見解ですので、あとで丸山委員に是非ご指摘をいただければと思 います。法学者からの意見というのは、37番と40番が付いているところです。少し前提 となる話をさせていただかないといけないと思います。臨床研究の規制が法制化されてい ないということは、全く法律が適用されないということではもちろんありません。例えば 私たちが交通事故を起こしてしまった場合、損害賠償と刑事罰、そして免許が取り上げら れるという、3つの責任が発生する。それと同じように、臨床研究でも例えば民法の不法 行為、ないしは債務不履行による損害賠償や刑法の一般的な業務上過失致死傷というもの は関係はしてくるわけです。その意味で、この臨床研究指針というものが法律から全く自 由ではないし、法律の体系と整合性を持ってやらなければいけないという指摘はそのとお りなのだろうと思います。ただ、具体的な中身について、お二人の先生とちょっと違うと ころがあります。 まず「16歳問題」、今回の案では観察研究については修正どおり、16歳以上の未成年者 については本人同意だけでいい。介入研究については、親同意を必要とする方向のようで すけれども、37、40の意見を読むと、そこでいけるかどうか自信がないところがあります。 おそらく、観察研究を本人同意だけでやるというのは、疫学の指針に合わせたものだろう というように私は理解します。  ただ、観察研究の典型的な例である連結不可能匿名化をしない診療情報を使った研究、 これはおそらく観察研究に入ると思います、これが個人情報保護法の利用に当たることは おそらく間違いない。そうすると、学術研究機関で学術研究目的でない形で情報利用をし ようとするときには、これは未成年者の場合ですから親権者の同意が必要になるというこ とになるはずなのです。その意味でも、16歳以上の未成年者の本人同意だけでいけるかど うか、ちょっと自信がないところがあるというのがまず1点目、未成年者についてのコメ ントです。  2点目は既存検体の問題です。 ○金澤委員長  まず絞りましょう。丸山委員、どうですか。 ○丸山委員  個人的にはいま、佐藤委員がおっしゃったところに近いのです。ただ、事務局のほうの 案が折角用意されているので、ちょっと判断に迷うところがあります。  少し言葉を足して述べさせていただきます。まず、パブリックコメント募集に添えられ た改正案の概要(案)について、意見37では、いま佐藤委員もそのようにおっしゃったの ですが、16歳以上の者について本人同意でいいという案だとの理解が前提となっているよ うに思います。ここのところは、疫学指針の規定がベースになっていると思いますが、疫 学指針の規定というのは、16歳以上であったら「原則として本人同意」というのではなく て、16歳以上であっても親権者の同意が原則で、本人の同意はアセントとして求められる というように規定したものなのです。その上で、いろいろな事情で、例外的に本人同意が 望ましいと考えられるタイプの研究については、本人が16歳以上であって、かつ倫理委員 会が「なるほど、この場合については本人同意のほうが望ましい」と認め、そして、機関 の長が許可した場合に限って、本人に同意の権限を与えたものという趣旨なのです。  37のご意見に書かれているように、被験者が16歳以上のあらゆる場合に、本人に同意 の権限を与えたかのような受け取り方というのは、パブリックコメントの資料として添え られた概要(案)だけご覧いただくとそう受け取られるのも無理からぬところがあります が、この専門委員会の議事資料などを踏まえていただくと、そうではないという点、ご理 解いただけるのではないかと思います。  そういうような理由で、ちょっと趣旨は異なるのですが、いま佐藤委員があとのほうで おっしゃったところ、法的な取扱いとの関係を考えると、指針で本日提示されているよう な案を定めることができるのかという点については、私も心もとないところがあると考え ます。本日提示されている、観察研究については、臨床研究であっても、特段の理由があ れば16歳以上の被験者については本人同意でできる場合があるというように規定し、介入 研究についてはその余地を認めないというのも、あり方としては考えられる。これを法律 として制定するのであれば、十分合理性もあると思われます。ただ、指針でここまで定め ることができるのかということになると、ちょっといかがなものかというところを感じま す。  それから、意見40において、民法の一般的解釈を踏まえて論ずると、という議論の仕方 がされています。しかし、民法の教科書をご覧いただいても、診療についての同意の問題 については触れていることがかなりあると思うのですが、未成年者に対する医学研究につ いて、同意はどうあるべきか、というところまで踏み込んで書かれていることは少ないと 思います。診療について書かれたところを民法の一般的解釈として受け取られて、研究の 場面にも適用されるというのはちょっと筋的におかしいのではないか。研究というのは有 効性についても、安全性についても、わかっていないから行うということがその本質と言 えると思います。特にランダマイズド・コントロールド・トライアルにおいては、2つの アームのどちらに割り付けられるかということを機械的に決めるということになります。 それは、どちらに割り振られたほうが、本人にとって有益か、あるいは逆に危険が大きい かということが分かっていないから、無作為の割付けが許されるというところがあります。  それに対して 診療の場合は、有益だから治療するというところがあり、根本的に性格 が異なるので、その辺りを踏まえて立論していただかないと、正しい位置づけの下での議 論ができないのではないかと思います。  特に、意見37の後ろのほうで、「子本人の健康に不可欠な医療に関する問題ですらない 治験について、親権者の同意を不要とするものであって、到底認められない判断である」 というように書かれています。まず、本専門委員会が扱っているのは治験ではないという ことで、治験とそれ以外の臨床研究を混淆されている点がちょっと気になるのですが、そ れを置きましても、有効性も、安全性もわかっていない、ひょっとすると当該研究の対象 である方法が非常に効果があるかもしれない、有効であるかもしれない、危険が少ないか もしれないという可能性もある。しかし、このご意見だと医学研究というのは危ないもの で、その対象となることは不利益しか本人にもたらさないというような前提で立論がなさ れているように思えます。その辺、医学研究の前提となる帰無仮説、ナル・ハイポセシス の辺りをもう少し踏まえて議論していただければ、と感じた次第であります。  以上、少し余計なことを言いましたが、16歳の問題についてはその辺りをお含みおきく ださい。 ○金澤委員長  よくわかりました。ここで今、提案したものに関してはどうなのですか。つまり、観察 研究と言うと治験があまり考えられないわけです。観察研究に関しては、16歳以上であれ ばよろしいだろうというものでした。介入研究に関しては、やはり親の意見が必要だろう という提案です。 ○丸山委員  そのような案を伺ったのですが、私としては、いまのところ、元の案、パブリックコメ ント案より前の、第7回専門委員会で提示された案、これまでのと同じ内容にとどめてお くのが無難ではないかと思います。 ○金澤委員長  無難ということは、介入も観察も同じ扱いでということですか。 ○丸山委員  そうですね。基本的に20歳未満の者については親権者の同意、16歳以上の場合につい てはヘルシンキ宣言等も踏まえてアセントを求める。これまでの臨床研究指針の趣旨、ヒ トゲノム・遺伝子解析研究指針もそのような規定ですので、我々がいま作っているのが指 針であることを踏まえると、そこにとどめておくのが落ち着きどころとして良いのではな いかと考えます。 ○金澤委員長  ありがとうございました。この件に関してほかにご意見はございますか。事務局からお 願いします。 ○新木課長  いまの丸山委員のお話、ちょっと確認させていただきます。パブリックコメントをした ときの案は介入研究も、非介入研究、観察研究も、両方とも16歳以上の場合は親の同意で なく、本人の同意でという。 ○丸山委員  いや、例外的に。 ○新木課長  その例外的なものが今回も、観察研究であっても残るべきだということでしょうか。 ○丸山委員  その点、カテゴライズして、取扱いを異にするという必要性があるのか。私も昨日この 案を伺ったのですが、昨日、今日と考えるところではちょっと説明が難しいのではないか。  これが法律を作っているというのであれば十分説明可能で合理性もある取扱いだと思い ます。ただ、指針だとその辺り、やはり現行法の原則を踏まえてということになる。現行 法と言っても、誰が解釈するかによって回答は異なってくるかと思います。心もとないと ころがある、というのは佐藤委員と同じ意見です。 ○新木課長  事前に十分ご相談しながら書かなかったので、そういう意味では表現が適切でないとこ ろがあったかなと反省しています。我々、事務局のほうの気持はパブリックコメントを受 けて、従来は疫学指針と同様、この辺が我々の解釈が若干不適切だったかもしれませんが、 疫学指針と介入研究も同様に、既にある疫学指針と同様、16歳以上であれば親の同意が必 ずしもなくても参加できる。本人同意でできるものであった疫学指針に、介入研究も全部 合わせた案でパブリックコメントをした。それについて、さすがに介入研究までそれをす るのでは、未成年者の場合、まずいのではないかということで、その部分を親の同意を必 要にしたというようなつもりで検討し、書かせていただきました。  いま、丸山委員のお話を伺って思いましたのは、全体の位置づけはそもそも例外的なも のである。その中でどういうように、得られない場合に本人同意で行くのか。あくまでも 補助的なものであるべき本人の同意を、場合に限ってはそれで研究に参加できるというよ うな、そこで表現に不整合な部分があったのかなと思っています。我々はあくまでも、全 体として介入研究も、観察研究も、全部16歳以上であれば未成年であっても本人同意でい けるというのは少し行き過ぎではないか。そういう気持で今回対応した部分がございます。 いま、お話を伺っていますと我々の記載が不適切な部分と、それを改正することによって 少し近づける部分というか、折合いがつく部分もあるのではないかという感じがしました。  いずれにしろ、疫学指針は既に改定があって施行されています。疫学指針との整合性も 十分考えなければいけないと思っていますので、大変重要な問題ではあるとは思うのです が、方針としては疫学指針との整合性が1つです。それから、介入研究について、あまり 「本人」だけで未成年にいけるというのはいかがなものか。もちろん、既存の法体系との 整合性と同時に、現実との整合性も考えながらやっていく。もちろん、この場でもう少し ご議論いただくというのは必要かと思いますが、もうちょっと詰めた議論をさせていただ ければと思います。 ○金澤委員長  ありがとうございました。ほかにご意見、いかがですか。実際、16歳以上であれば、本 人の意思だけでやれるものというのはいろいろありそうなのですが、どうですか。 ○事務局  いろいろと事例はあるということだと思います。ここで事例をあげるのが適切かどうか というところがあります。 ○金澤委員長  お願いします、言ってください。 ○事務局  例えば、献血みたいなものは16歳以上、高校生でも実際に本人の同意だけでやっている ようなケースもあります。これも採血を伴うということで、医療に類似した行為としてや っている部分であります。通年的に、そういうものは戦後からずっとやってきて、これま で何か問題になったことがあるわけではないという状況も多少頭に入れつつということか と思っています。 ○金澤委員長  どうでしょうか、むしろ皆さんのご意見を伺いたいと思います。1つお願いは、先ほど 整合性とおっしゃったけれども、疫学指針と根本的に相容れないものを作ってほしくない のです。これだけは是非お願いしたいと思っています。そういう点も考慮に入れながら、 どうぞ、お考えいただきたいと思います。 ○丸山委員  いま事務局からありましたように、私も念頭にあるのは献血年齢なのです。かつ、いま 委員長がおっしゃいましたように、私も疫学指針の専門委員会に入っていましたので、整 合性も踏まえてなのですが、それでも元の立場のほうがいいのではないかという気がしま す。 ○金澤委員長  先生の立場からいくとそうなのですよね、確かに。さあ、どうでしょうか。パブリック コメントを納得させられるかという問題かな。しかし、これは委員会の皆さんがサポート していただければ、それでいいのだろうと思います。ご意見をいただきたいと思います。 ○谷内委員  実際にこの16歳以上の例で、倫理委員会が認めるような事例というのは献血もありまし たが、もう1つは学校健診のデータがあると思います。健診のデータは各大学でもいろい ろ調べていますけれども、やはり親の同意を全部取らなければいけないかとなってくると、 実際上大変です。例えば大学だと18歳から入ってくる。18歳と20歳の大人もいるという ことで、20歳の人には同意は本人だけでいい。18歳に関しては、家族の同意を取る。そこ は非常に大変で、現場では苦労しているところです。そういうことを踏まえてみると、観 察研究だけであれば是非、今回の指針でやっていただければ楽ですが、法学的にこれが難 しいということであれば注意しなければいけないと思います。倫理委員会でも判断に困っ ている事例なのです。いまは一応、多くの場合は親の同意を取るように指摘していますし、 あるいは、20歳以上をリクルートすることになっています。  観察研究でも、18歳の人は親からの同意を取らなければいけないので20歳以上にしま すと被験者の母集団がずれてしまうという問題があります。 ○丸山委員  いまおっしゃったような健診でのデータ、あるいは検体については疫学指針のほうがカ バーすると思います。おっしゃったような事例は本人の同意でよろしいのではないかと思 います。私が仮にその案件を審理する倫理委員会に出ていたら、本人同意でいいというよ うな意見を出すのではないかと思います。 ○金澤委員長  ほかの先生方、いかがでしょうか。ご意見をいただけませんか。確かに、介入研究だけ 除くような文言を入れたのですが。 ○新木課長  丸山委員に疫学研究について良いご指摘をいただきました。我々、観察研究については、 場合によってはケース数や症例数がこちらに落ちてくる非介入研究、観察研究があります ので、それについて疫学指針と同じ内容になっていなければいけないなというつもりで書 いた部分です。そういう意味では書き振りの話なのかなと、ちょっと安心というか、期待 をしたところです。非介入研究、観察研究については、どちらの指針が該当する場合であ っても同じ結論になる。そして、その結論としては、いま丸山委員がおっしゃったような ことで考えているところです。 ○金澤委員長  そうなのです、介入研究をどうするかということなのです。要するに採血をしたり、薬 を飲んだりということでしょう。そういうものを16歳以上ならば、例外的ではあるにして も認めるかどうかということでしょうね。どうですか。 ○永井委員  これは多少、法律学者間の議論のようなところがあって、我々も少し判断に迷うところ なのです。あとでこの委員会が指弾されないように、法制局と詰めておく必要はないので しょうか。親権は基本的な議論だと思います。 ○金澤委員長  むしろ、丸山委員に伺いたいのですが、献血の場合の議論というのはどういう議論に基 づいてそういうことになったのですか。それが多分参考になるだろうと思います。いま、 永井委員がご心配の点があるかどうか。 ○丸山委員  献血の場合に関しては、個人的には所与のものとして受け取っていました。当初からそ ういう扱いをされていましたので、それがヒトの試料に対する認識の反映かなと思いまし た。根拠づけについてはよく考えてみよう、ということはしてまいりませんでした。いま もご指摘がありましたように、以前から長く日赤がそのような方針でなさっているとのこ とでした。私もちょっと関心があったので、以前個人的にも確認したことがあります。い ま委員長がお尋ねになったような背景については、よく検討していないということが1つ です。  ついでにもう1つ、永井委員がご指摘になったことはもっともなのですが、先ほども言 いましたように、診療については法律学者、あるいはそれ以外の人によってこの問題につ いての検討がある程度なされていると思います。ただ、医学研究まで視野に入れて、かつ 研究というのはどういうものかをよく理解した上で、未成年者が被験者となる場合の同意 の問題を検討したというのはあまり多くないのではないかと思います。ですから法制局な り、あるいは厚生労働省の中の法律担当部門で意見を求められても難しいのではないでし ょうか。 ○金澤委員長  難しいかもしれませんね。 ○丸山委員  研究となると改めて検討するということが必要になるのではないかと思います。診療に ついては、皆さんもある程度自信を持って回答してくださると思います。 ○金澤委員長  わかりました。実際にどれぐらいのケースがあるか、実際どういう現場があり得るかを 少し想定したほうがいいのかもわかりません。いままで、臨床研究の指針を5年前にお作 りになったところでの委員会での議論にそういうことはなかったわけですか。 ○丸山委員  ゲノムの指針に合わせて文言を作ったと思います。代諾、あるいは本人の同意が得られ ない場合についての規定は、その周辺も含めてゲノムの指針を踏まえたところというのが 言えると思います。 ○金澤委員長  ゲノムの指針の場合、疫学指針とほとんど同じでしたか。 ○丸山委員  疫学指針のその当時のものとは同じだったのです。ゲノムの指針などが2004年の暮れに 個人情報保護法の改正を踏まえて大改正され、そのあと2005年に小改正がありましたが、 このときに規定されたものも同じ内容でした。 ○金澤委員長  そうだとすると、整合性を図るべきは必ずしも疫学指針だけではないですね。 ○丸山委員  そうです。片方にゲノムがあり、片方に疫学があるということで、両方の関係をよく踏 まえて。 ○金澤委員長  つまり、ゲノムを調べる上では多くの場合採血が必要と。それについては例外的かもし れないけれども、16歳以上ならば親の同意は要らないという意味ですね。 ○丸山委員  採血があっても人為的な介入ではありませんから、検体のデータを調べるというのは観 察研究なのです。通常の公衆衛生の用語だと観察研究になると思います。 ○金澤委員長  でも、採血は臨床研究だと違うのでしょう。 ○新木課長  臨床研究でもそうです。ここで言っている介入研究というのは、薬を投与するとか機械 を使う、手術をするというものでして、そうではない、観察研究はいまご指摘のように疫 学研究と同じ内容にしたいというのが。 ○金澤委員長  さて、これは決めなければいけない。どうしましょう。1つの考えは実際に元へ戻して おいて、QAでここについては非常に慎重であってほしいということを言う。または、いま の新しい案でいくか。そのどちらかでないでしょうか。ご議論いただきたいと思います。 ○廣橋委員長代理  2つの考えがあるということを伺いましたし、先ほどその根拠になる説明を伺いました。 いずれにせよ、どういうように最終的に判断するかは同じなのです。どのような規定にし ておくかということが,法律の立場から、それから疫学指針との整合性の立場から差がある。 法律上、観察研究と介入研究を分けて規定する、ということが不適切であるという考えな らば、私は前の指針にして、QAか何かで説明するということにせざるを得ないのではない かと考えます。いずれにしろ、結果としてどうするかというのは、皆さん大体考えておら れることは共有していると思います。 ○金澤委員長  内容は変わらないのですよね、あまり。だけど、受け取るほうがどう受け取るかですか ら。 ○廣橋委員長代理  明確に、介入研究のときには親の同意も必要だということがはっきりすれば、そうでは ない観察研究のときにはそうでなくてもいいというニュアンスが非常に強く出る。わかり やすい事はわかりやすいと思うのですが、それが無理だとおっしゃるのであれば前の形に しておいて、QAでそういうように説明するというほか仕方がないかなと私は感じました。 ○新木課長  資料3の34頁に以前の取扱いと新しいものが書いてあります。以前の取扱いというのは、 介入だとか観察だとかによらずに、すべて原則としてはインフォームド・コンセントが必 要であるという取扱いです。ここに戻すというご意見でしょうか。 ○金澤委員長  いや、元に戻すというのはそうではなくて、パブリックコメントに出したときの案とい う意味でしょう。違うのですか。先生方がおっしゃっている前の意見というのは。 ○丸山委員  現行の案であり、第7回までの専門委員会の資料として対照表に含められた案となりま す。いまご指摘にありました資料3の34頁、下から11行目、「未成年者の場合」というこ とですが、これには「代諾者等からインフォームド・コンセントを受けることができる場 合」とありますが、基本的になるべく本人が同意を与えることができる人を対象に研究し ようと。特別の必要があれば、本人に同意を与える資格が認められなくても、研究そのも のを被験者としてすることができる場合ということで、ロとして未成年者の場合がありま す。いま、ご用意いただいているのは「観察研究を実施する場合で」というのが入ってい るのですが、パブリックコメントの案というのは「観察研究を実施する場合で」という修 飾がなかったのです。いま、元に戻そうとしているのはそれ以前の案、カッコ内がないと いう感じでしょうか。「未成年者の場合。ただし、この場合においても、研究者等は」とい うことで。 ○金澤委員長  ちょっと、混乱してしまいました。前の案というのが、何でしたか。 ○新木課長  カッコを取ると右側と左側が同じになります。 ○丸山委員  あぁ、そうですね。ですから、左側の案であと5年やってみたらという考えです。 ○新木課長  引き続き。 ○金澤委員長  そうか、丸山委員は34頁の左側のほうでやってみたらどうかというご意見なのですね。 ○丸山委員  ですから、この点については改定を加えないということで先ほどから意見を述べていま す。 ○金澤委員長  そうですか、そういう意味か。 ○丸山委員  左側の案だと、現在のヘルシンキ宣言と大体同じ内容となるので、国際的な観点からも 一貫性が得られるかなと思います。 ○金澤委員長  事務局、わかりますか。 ○新木課長  そうすると、ここの部分について以前に戻す、以前のロのように、現行指針の記載ぶり に戻すというご提案だと思います。そうですよね。 ○丸山委員  ええ、佐藤委員にも確認いただいたらと思います。 ○新木課長  その場合に気になりますのが、改定された疫学指針はこういう書き方をしていません。 代諾でもいいという書き方ですので、疫学指針との整合性は難しくなります。 ○金澤委員長  そうなのです、だからおかしいのです。どうしてそうなってしまうのだろう。疫学指針 と違うでしょう。疫学指針と違うでしょう、左側の原稿というのは。 ○丸山委員  違います。 ○金澤委員長  だから、それでは整合性が取れないではないですか。 ○丸山委員  他方、こちらにゲノムの指針がありますので、両方踏まえてということです。整合性を 得るために、臨床研究を2つに割るのが解決方法として望ましいのでしょうか。 ○金澤委員長  いや、だから、もう1つの可能性は、先ほどから申し上げているように34頁の右側、赤 字の部分、観察研究と介入研究を分けない形で。 ○丸山委員  それだと、今回のパブリックコメントにかけられた案ということなのですね。 ○金澤委員長  そうです、パブリックコメントにかけた案です。パブリックコメントにかけた案と現行 のもの、それからいまここに赤字で書いてある案、言うなれば3つある。でも、現行のも のに戻すことはないでしょう。先生。いかがですか、そういう意見があるのですか。わか らないな。 ○丸山委員  この点については、変更する強い必要がないというように考えれば、いじらないという ことはあると思います。 ○金澤委員長  先生、それは整合性が取れないということを承知の上で、ですか。 ○丸山委員  いや、整合性と言いましても、ゲノムとは整合性を取れていますので。 ○金澤委員長  いや、疫学とは整合性を取ろうと言っているのだから、優先順位から言ったら疫学でし ょう、当然。そうだと思いますよ。 ○佐藤委員  そもそも、疫学指針をどう位置づけるのかという点に入っていくと思います。臨床研究 というのが何を指すかというのは非常に幅広いかと思うのですが、疫学の場合には大規模 の集団に対していちいちインフォームド・コンセントが取れるのかということで、簡略化 の手続を定めたという特徴があるのだろうと思います。先ほど、谷内委員がおっしゃって いたような大学、あるいは高校で診療録を使う、大規模にやる場合だとこれは疫学のほう で落ちます。その場合には、本人同意だけでできるという理屈も成り立たなくはない。い ちいち親の同意を得ていては、そもそも研究が実施できないであろう。だから、疫学につ いてはそういうような規定を先にした。  ところが、臨床研究の指針の場合にはいろいろな研究があり得ます。観察研究と言って もいろいろな形があり得て、それをすべて親同意を排除していいかというと、やはり原則 に戻って基本的には親同意が必要だと。疫学の場合には疫学特有の理由があって、そうい うように書いているのであってという説明があり得るかと思います。 ○金澤委員長  それはいいのです。ただ、基本的な姿勢として、将来的にはこの臨床研究指針と疫学指 針は一緒にしようという考え方が最初からありました。それはいまでも生きていると思い ますし、この委員会から是非強く言っていただきたいと実は思っています。そういう基本 的な姿勢から言えば、患者を対象とした直接のサンプルを取る研究だけではなくて、患者 を対象としたような研究というのは一緒にすべきだというのは、おそらく多くの方が納得 なさると思います。そういう基本的立場から言えば、どちらを今の時点でやるべきかとい うことが出てくると思います。そういう考え方を是非していただきたいのだけど。 ○丸山委員 臨床研究倫理指針と疫学研究倫理指針を一緒にするという、そのときにもう少しどのよ うなタイプの研究が対象になっているかも含めて検討を行えばいいのではないでしょうか。 ○金澤委員長  それでもいいのです。その場合はQAでやってほしいというのはいかがですかと申し上げ ているのです。 ○丸山委員  指針自体に規定をする。臨床研究について右のほうの扱いにするのは、その時点でも遅 くないような感覚を私は持つのですが。 ○金澤委員長  わかりました。ほかの方々、ご意見ください。決めないと仕方ないのでしょう。 ○井部委員  専門家でないのでわかりにくいのですが、パブリックコメントの資料5、25頁、受付順 40番の方、法学者の方がいろいろ書いておられます。下から4行目から見ると、「未成年 者の受ける医療的影響につき、はじめから親権者の同意を不要とすることは法令違反を奨 励するに等しく、行政指針の内容としてはきわめて問題であると考える。以上の点につき、 本改正案は法律の規定に反しているため、関連する改正部分はすべて削除の上、現行指針 の規律を維持すべきである」という厳しい意見があります。そこをどう解釈したらいいの かと思います。 ○丸山委員  まず、先ほど言ったような、研究と診療の違いというところを踏まえずに、この辺りの ご意見は、診療に関する「民法の一般的解釈」に基づくとということをベースに書かれて いるのです。だから、ここに書かれていることをすべて真実、真理であるという前提で議 論を進められるのはちょっと問題ではないかと思います。しかし、先ほどから私も言って いますように、現行法の原則に抵触しないかと言われると、その部分、佐藤委員もおっし ゃったようになしとは考えられないので、臨床研究倫理指針については親権者に同意権を 与えた、現行の指針どおりでしばらく様子を見るのがいいのではないかというのが先ほど から述べている私の趣旨なのです。  このご意見は、先ほどの対照表の右側の取扱いにした場合について、こういう懸念があ るということを表明されている意見ですので、いま私が主張しているところとは、たまた まだろうと思いますが、同じ方向を向いていると。 ○金澤委員長  たまたまきっかけが同じなのですよね。 ○丸山委員  ええ、ちょうどプロセスがかなり、認識が異なっておりますが。 ○金澤委員長  認識は大分違うと。いや、ありがとうございました。どうぞ。 ○新木課長  いまお二人の法律の委員のご意見を聞きますと、疫学のようにある一定の疫学シーンも、 別に非合法というわけではなくて、一定の要件がある場合に現実的なものとして大学でい ける。要は、どちらを原則にしてどちらを例外にするかという話に近いのかと、ちょっと 思って感想を申しました。  そういう意味では、ここの部分について現行の書き方にしても、座長のご指摘のお言葉 を借りた言い方ですが、QA等でその考え方等を示すことによっていけるのかも、というよ うなところで、臨床研究の多様性を考えたQAの書き方によって、法律との整合性や疫学指 針との整合性を図るような工夫がし得るのではないかなと思った次第でございます。 ○金澤委員長  わかりました、取りあえず現行のままにして、QAで対処しますか。仕方がない、せっか く整合性を取ろうと思っていたのだけれど。 ○河野委員  ちょっと確認させていただきたい。そうしますと、QAにしましても、代諾者の承諾とい うものが絶対必要というのが、この書き方ですね。 ○金澤委員長  なってしまうのですね。 ○河野委員  そうするとQAでそれをケースに、その臨床研究のあり方によってはある部分はそれをい ただかなくてもいいという、考慮していいというQAになると、ちょっと矛盾してしまうし、 何かよくわからないのですが。 ○金澤委員長  そうですね。 ○河野委員  私も現場で考えますと、16歳、高校生以上で考えると、採血等との観察研究ですと、現 実的にはインフォームド・コンセント等の理解力とか、それほど問題はないと思うのです ね。それと、かつ現場ではやはり高校生との、かなりの数の対応をしていくことになり、 保護者の方のということになると、結構制約が出てきます。この厚労省の提案というのは 非常にいいなとは思うのですが、ただ、ここのところは法律の方のご意見の裏付けがしっ かりないといけないところなのだろうと思うのです。 ○丸山委員  事務局の新木課長のおっしゃったところは、おそらく採血の問題もそうですし、献血と か健診の場合の試料を用いた研究などもそうなのですが、細かく検討していくと、かなり のものが疫学研究倫理指針の適用を受けることになるので、その辺りで対応されるような QAを用意されるのかなと。そういうことであれば法的にも別におかしくはない問題になる のではないかと思いますが。 ○河野委員  指針の使い分けのところを、よりQAで明確にして、そちらの疫学研究指針のほうでやっ てくださいというQAを作るという意味ですか。 ○丸山委員  それが可能な場合についてはですね。 ○金澤委員長  だから、おそらく当分の間、5年間ぐらいかな、次の改定までは、その薬物を投与する ような介入研究については、慎重にいままでどおり親の承諾を必要とする状況が続くとい うことを理解した上で、いま河野委員がおっしゃったようなことは、疫学指針に基づいて 可能な方向で考えたらというQAになるのでしょうね。 ○新木課長  そのような内容で、また少しご意見を伺いながらと思います。 ○金澤委員長  どうもありがとうございました。まだ1つ2つ重要なことが残っていますので、恐縮で すが、お付き合いいただきます。保存検体の取扱い、これは佐藤委員ですね、さっき途中 でしたのでどうぞ。 ○佐藤委員  なるべく手短にと思います。結論としては、指針の中でこういう扱いを書くことは、私 は構わないだろうと思います。契約があるはずだという40番の方のご意見ですが、ただ、 死体解剖保存法18条によると、例えば法医で解剖する場合には、一切ご遺族と接触するこ となく標本として保存することが可能ですので、契約がなくて保存をして利用するという ことも、現行法上はあり得る。契約がなくとも実際には使っている。それをどう考えるか ということがあるのですが、そういうのを考えますと、絶対にこれは契約で、契約違反を してはいけないということだけがスタートポイントではないだろうということ、そして、 もちろん当事者の意思として、「これは目的外利用しないで」と言った場合には使えないと いうことです。それ以外の場合、いわゆる包括同意がある場合と不明な場合には、事情に よっては使える。ただ、拒否の機会は与えるというようなスタンスで、私はよいかと思い ます。 ○金澤委員長  この点に関してはどうですか。 ○前原委員  いまのご意見の40番の方、資料4の71頁からの既存試料の位置づけについてですが、 「試料提供は契約である」と。72、73頁の文章は私ども医療側の人間、研究する側の人間 にとって非常に強烈な文章なのですが、同意を得ずに使った場合は、その72頁の下から8 行目に、「業務上横領罪」、あるいは「犯罪」、73頁には「事後的に裁判所によって違法と 認定される場面が続出する」。こういう法学者の方におかれますと、臨床研究において検体 の使用がやはり医療向上への貴重なツールとして、研究者の倫理性をもって対応するとい う場面からすると、それをはるかに凌駕すると考えられるのですが。丸山委員あるいは佐 藤委員にお聞きしたいのです。これをどうやって私どもは認識すべきですか。 ○丸山委員  このご意見はちょうど72頁の第3パラグラフ、上から13行目からの「以上の解釈は民 法における通説的理解」、この言い方を40番の方はよく使われるのですが、我妻先生のこ の体系書を挙げられているのですが、「に立脚するものであり、判例にも贈与契約または使 用貸借契約の成立を認めるものがある」。その「贈与契約または使用貸借契約」、ちょっと 契約の性格の説明までは時間的にもできませんが、そのいずれに分類されるかに基づいて、 その効果が論じられています。やはりヒト試料利用については、民法の中で類型化された 典型契約というのですが、典型契約に基づいてその要件・効果を考えるというのは無理が あると思うのです。民法では、契約自由の原則、私的自治の原則ということで、典型契約 以外の契約を結んではいけないということは決してないわけです。非典型契約あるいは無 名契約と言いますが、そういうヒト試料の取扱いに適合した要件・効果を考えていくこと が重要ではないかと思います。  ですから、こういう既存の類型化された契約、典型契約の類型のみに基づいて論じられ るとこういうことになる可能性があり、かつ、かなりトーンが高い調子で書かれておりま すが、そればかりが議論の道筋ではないと思います。結論的には、佐藤委員がおっしゃっ た、現在提示されている取扱いの案でよろしいのではないかと思いますが。 ○金澤委員長  ありがとうございました。これに関しては資料2の13頁の「臨床研究に関する法規制等 に関する意見」の最後のパラグラフです。「また、保存検体の取扱いについては、死体解剖 保存法等との整合性を含め、研究者、被験者等が不利益を被らないための対策及び必要な 指針上の対応について引き続き、検討を行うべきであることを付記する」という文言を入 れさせていただき、これをもって上の委員会のほうに上げたいと思いますが、いかがでし ょうか。   ○金澤委員長  よろしいでしょうか。ありがとうございます。  さて、次に移り、6番、疫学指針との将来的な統合についてですが、先ほどもう議論が 出ましたので、よろしいですね。  7番、その他要望(関係者に対して要請する事項)ですが、これも先ほど説明がありま したが、何かご追加あるいはご意見ありましょうか。よろしいですか。  8番目の法制化については、これはもう両論あるのは承知しております。これはこの委 員会の結論として、法制化については今回に関しては踏み込まないということですので、 これはご了解いただきたいという返事になるかと思います。  9番、解釈等についてのいろいろな8つの項目があります。この中で、とりわけご議論 いただかなければならないことは、何かありましょうか。よろしいですか。事務局から、 どうぞ。 ○事務局  先ほど16歳のところでご指摘いただいたQAも、この9番の所にまた事務的に加えて、 対応させていただくことにいたします。 ○金澤委員長  はい、わかりました。後半に大変急いでしまいましたが、一応それぞれのパブリックコ メントの塊についての皆さん方からのご意見を頂戴したかと思います。いろいろご意見あ りがとうございました。それでは、一応ここまでということにさせていただきます。土屋 委員、どうぞ。 ○土屋委員  非常に瑣末なことでございますが、資料2の5頁のウ)ですが、「民法第三十四条の規定 により設立された法人が設置した」というのは、施行が平成21年4月となると、たしか、 この第三十四条は今年の12月1日で削除になるのではございませんか。そうすると、何か 注釈を付けておかないと、これが有効になるときに、このウ)は違う法文になると思いま す。 ○金澤委員長  さすが、なるほど。そういうことがあるのだそうです。瑣末じゃないですよ、中身が違 っていたらとんでもないことですから、ありがとうございました。具体的には、どういう 委員会のことなのですか、これはよくわからないのだけれど。 ○丸山委員   それは公益法人の設置した・・。 ○金澤委員長  公益法人。 ○事務局  公益法人改革の、なった法改正の部分です。ここは訂正させていただきます。 ○金澤委員長  他に何かご指摘ございますか。どうもありがとうございました。それでは、一旦ここま でということにさせていただき、指針の改正の報告書については資料2のとおりに、多少 の修正は入りますが、科学技術部会で私から報告をすることにいたしたいと思います。長 い間、どうもご審議ありがとうございました。 ○事務局  すみません、1つ資料の説明をしなければいけないものがございます。資料の6番です が、倉田委員から報告がありますので、そこだけちょっとお願いできますでしょうか。 ○倉田委員  2月に、倫理審査委員会等へ市民参画モデル研究というのを発表させていただきました。 その進捗報告をさせていただこうと思います。患者・市民が倫理審査委員会における審査 に参加することの意味は、言わば、社会の目を審議に反映させることにあると思います。 私どもが考える、市民参画モデルとは、臨床研究に関心があり、倫理審査委員会に参加す る意欲のある市民や患者を募る。そうした市民や患者に一定の研修を受けてもらい、その 研修修了者を登録しておき、倫理審査委員会にその状況を提供したり、また照会に応じた りする。この段階でフィードバックを受け、市民参画モデル自体を向上させていくという ものです。このような道筋ができれば、臨床研究に対する患者・市民の理解も深まり、ひ いては臨床研究の質の向上にもつながるのではないかと考えています。  お蔭様で本年度、平成20年度厚生労働科学研究の臨床研究基盤整備の均霑化を目指し た、多目的教育プログラムと普及システムの開発班という、主任研究者は国立がんセンタ ーがん対策情報センターの山本精一郎氏の分担研究として、この研究を実施することにな りました。  私どもがこれまでに調査してわかったこととしては、研修というのは必要な知識の習得 を含むということはあるにしても、異なる立場や意見を踏まえた上で、患者・市民として の考え方や感じ方を効果的に伝えるためのコミュニケーションのあり方を学ぶ、あるいは 洗練させるということを主眼におこうと思っています。  既に倫理審査委員会に参加している市民委員がいらっしゃいますが、その方たちは当該 医療機関や倫理審査メンバーと長い間にわたって何らかのつながりがあって、そこで人柄 や態度を評価されているというふうにわかってきました。そこで、そうした市民の委員の 経験を聞き、そのノウハウを学んで、患者・市民同士のネットワークを広げることを念頭 におこうと思っています。  また、研修参加者の募集に当たっては、社会の目を審査に反映させるという意味では、 裁判員制度のように無作為に抽出するとか、または市町村等で広報をして、希望者を募る という方法が本当はいいのかもしれないのですが、今回はパイロット研究であるというこ ともあって、そうした方法はちょっと取りにくいと思っています。患者会や医療関係の市 民団体に呼びかける、また既に委員として参加している患者・市民に、紹介してもらうと いった地道な方法が現実的だと思っています。  一応研修日程としては、以下の3日間を考えており、それは参加者の利便性を考え、週 末の午後3日間を予定しています。内容は、ただいま検討中です。10月26日、11月15 日、16日というような予定です。  最後に、ご協力のお願いなのですが、現在、倫理審査委員会で市民の委員をしていらっ しゃる方で、ヒアリングに、本研究にご協力いただける方を捜しております。それからパ イロット研修への参加を希望される方、また、この本研究に関心のある方、どうぞ下記の 問合せ先にお願いいたします。erabukai@mbm.nifty.com 以上です。 ○金澤委員長  どうもありがとうございました。それでは元に戻りまして、これで。 ○事務局  はい、これで終わりです。 ○金澤委員長  議題は済みましたので、大変時間が遅れてしまいましたが、最後になりますが、新木研 究開発振興課長からご挨拶がございます。 ○新木課長  9回にわたりまして大変ご熱心なご議論をいただきましたことに厚く御礼を申し上げま す。被験者の安全性、また透明性・倫理性の確保と研究の振興、また今日もでしたが、医 学・医療の実態と法学的な考え方、ややもすれば二律背反的、相容れないような大変難し い課題につきましても、金澤座長また廣橋座長代理はじめ、委員の方々の熱心な、また真 摯なご議論によって大変うまく課題を解決していただけたものと考えております。改めま して、先生方に御礼申し上げるとともに、大変多くの特別ゲストの方々に有益なご意見を 懇切丁寧にいただきましたことについても、改めまして御礼を申し上げたいと思います。 今後この件につきましては、厚生科学審議会への報告の後、具体的な告示の作業、また実 務として補償保険の商品化の話、さらにデータベースへの登録する主体の環境整備、さら にIRBの委員の方々をはじめとする研修の問題など、多くの実務的な、今後果たしていか なければならない課題を我々宿題としていただいたものと考えております。事務局といた しましても、今後これらの課題について誠心誠意努力していきたいと思っております。引 き続き、委員の先生方のご指導、ご協力をお願いしまして、また、これまでのご尽力に改 めまして御礼を申し上げまして、簡単ですが感謝の言葉とさせていただきます。どうもあ りがとうございました。 ○金澤委員長  私からも一言だけ、皆様方にお礼を申し上げたいと思います。長い間にわたりましてご 協力いただきましたこと、心から感謝申し上げます。どうもありがとうございました。 照会先 医政局研究開発振興課 総務係 會森・渡邉 03(5253)1111(内線2543)