08/07/09 平成20年7月9日中央社会保険医療協議会診療報酬改定結果検証部会議事録 08/07/09 中央社会保険医療協議会          第18回診療報酬改定結果検証部会議事録 (1)日時  平成20年7月9日(水)9:29〜10:09 (2)場所  東海大学校友会館阿蘇・朝日の間 (3)出席者 庄司洋子部会長 牛丸聡委員 遠藤久夫委員 小林麻理委員        白石小百合委員 前田雅英委員       <事務局>       木倉審議官 原医療課長 八神保険医療企画調査室長 他 (4)議題  ○平成18年度診療報酬改定の結果の検証(平成19年度特別調査)につい て       ○平成20年度診療報酬改定の結果の検証について (5)議事内容  ○庄司部会長  ただいまより第18回診療報酬改定結果検証部会を開催させていただきます。  まず、委員の出欠状況について御報告いたします。  本日は全員がおみえになっております。  また、保険局長は所用のため欠席される旨の連絡をいただいております。  それでは、早速ですが、議事に入らせていただきます。  本日は、平成18年度診療報酬改定の結果の検証について議題としたいと思います。昨 年度実施いたしました特別調査9項目につきましては、既に速報として昨年10月10日 及び11月7日に検証部会に報告を行いまして、平成20年度診療報酬改定の議論に活用 していただいたところですが、このたび最終的な報告書が取りまとめられたということで すので、事務局より御報告をお願いいたします。よろしくお願いいたします。 ○事務局(八神保険医療企画調査室長)  保険医療企画調査室長でございます。  お手元の資料、中医協、検−1−1から検−1−9まで資料がございます。今、部会長 から御説明がありました昨年10月、11月に速報という形で9項目につきまして御報告 をさせていただきましたが、今回、その本報告ということでございます。内容的には速報 のときに御説明をしたものと内容は変わってございません。いずれの資料もごらんをいた だきますと、一番後ろに調査票がついておりまして、調査票のちょっと前、例えば検−1 −1でございますと、23ページにまとめというものがついております。いずれの本報告 書も調査票の手前にまとめという欄がございますので、基本的にここにエッセンスが書か れていると、こういう仕組みになっております。9つの項目がございますし、また、速報 で御報告をいたしましたので、今日は駆け足で進めたいと思います。  検−1−1、セカンドオピニオン外来の件でございます。  診療情報提供料をつけまして、セカンドオピニオンの普及の状況を見るということでご ざいました。結論から申しますと、このセカンドオピニオン外来につきまして、平成18 年度以降、窓口をつくったりするところも出てきたと、あるいは件数もふえてきたという ことで、このセカンドオピニオン外来の検証の結果、セカンドオピニオンの普及が進んで きているといったことが伺えたという結論でございました。  駆け足で進ませていただきます。検−1−2でございます。生活習慣病管理料の関係で す。  18年度改定のときに生活習慣病管理料の関係で療養計画書の様式をかなり具体的に細 かく書いていただくということにいたしました。この結果、どのような影響があったかと いうことでございますが、やはりまとめは38ページからのところにエッセンスが書いて ございますけれども、基本的にこれを受けた患者さんにとっては非常にいい効果があった というふうなこと。一方で、様式がかなり具体的であって記入が少し複雑になったという ような御意見があったということです。また、この点数がもともと高いために、患者さん に算定をするのが少し気が引けるというような御意見があったと。こういったことを踏ま えまして、20年度の改定のときに様式を少し簡略をしつつ、点数を引き下げるといった 改定にこの検証の結果を生かさせていただいたというところでございます。  続いて、検−1−3、地域連携診療計画管理料算定保険医療機関の状況調査でございま す。  これもまとめにつきましては、27ページからまとめて書いてございます。これは18 年度のときにいわゆるクリティカルパスということで、大腿骨頚部骨折につきまして、点 数で評価をいたしました。結果で申しますと、入院期間が短縮をするという効果があると いうことで、今回の改定におきまして、対象疾患を脳卒中まで広げると、この検証の結果 も踏まえて対象疾患を広げるといったことに生かすということができました。  続きまして、検−1−4、紹介率の関係でございます。  18年度に紹介率に関しまして、少し仕組みが複雑であったということで紹介率要件の 廃止をするという改定を行っています。これによって病院の機能といったものに悪影響を 及ぼしていないか、具体的には紹介率が減ったりしてきていないかと、そういうおそれが ないかということで調査をしたものでございます。やはりまとめは26ページ、27ペー ジになってございますが、結論で申しますと、紹介率、紹介件数または逆紹介を含めて、 いずれも病院は紹介率をむしろ高める、紹介件数をふやしていくと、こういった傾向にあ るということで、紹介率の要件を廃止したということで心配をしていた悪影響といったも のは見られなかったということでございます。  続きまして、検−1−5、医療安全管理対策の実施状況です。  18年度改定で医療安全管理者というものを配置して加算を設けるという点数を設けて ございます。これにつきまして、安全対策がどのようになったかということで、30ペー ジにまたまとめをつけてございます。結論で申しますと、医療安全管理者というものを置 くことによって、研修ですとか、あるいはカンファレンスの回数がふえたといったことで すとか、こういう安全の責任者を置くことで情報の集約ができる、責任体制が明らかにな るといったそういう効果があったと。ただ、なかなか安全というものは測りづらいところ もありまして、逆に事故の件数、インシデントの件数といったものは、より見つけるとい うことでしょうか、件数がふえているといったようなこともデータでは出てございます。 一定の効果はあったというふうに考えております。  検−1−6、縟瘡管理対策でございます。  これも前回、18年改定で縟瘡の管理者というものを配置した場合の効果というものを 見たものでございます。31ページから32ページにかけてまとめでまとめております。 縟瘡管理者を置きました結果、やはり研修ですとかカンファレンス、あるいは縟瘡の発生 率といったものにもいい効果が見られていたといった結果が出てございます。  続きまして、検−1−7、透析医療に関しまして、これはまとめがやはり28ページの ところに書いております。  透析医療に関しましては、夜間・休日の透析の加算の引き下げをしたと。それから、薬 剤の包括化を実施したと。これによって、また悪い影響が出ていないかといったあたりを 懸念して調査をしたものでございます。夜間・休日の透析に関して加算の引き下げをして おりますが、これによってどのような医療機関側の影響があったかということで、夜間・ 休日透析については、増加させるところと減少させるというところの両方ございました。 したがって、夜間・休日透析をやめていくといった悪影響までは見られなかっただろうと。 また、薬剤の包括化をしたことによって、貧血の患者さんがふえていないだろうかという ことが懸念されました。これも調査の結果、検証の結果といたしましては、包括化を進め たからといって貧血の患者さんがふえているといったような結果は、そういう悪影響は見 られていないようだという結論でございました。  続きまして、検−1−8、ニコチン依存症管理料でございます。  禁煙指導の効果というものを図るというものでございまして、これは調査票はちょっと 大部なので、まとめは33ページにございます。18年度、19年度継続して2年間調査 をいたしました。結論で申しますと、5回の指導を受けた方の禁煙継続率は46.7%と 比較的いい結果が出ていると。指導の回数が多いほど禁煙成功率が高いといった傾向が見 られると、一定の効果が見られたというふうに考えられるということでございます。  最後、検−1−9、後発医薬品の使用状況調査であります。  処方箋様式、処方箋に後発品への変更をしてもいい場合には、それを書くといった処方 箋の様式の変更をした結果でございますが、まとめが56ページから少し長くなっており ますが、結論で申しますと、後発品の使用促進のために処方箋の様式を変えました。医療 機関と薬局でこれに基づいて後発品の処方をするという件数については一定の効果はあっ たようですが、もう少し進められないかといったことで、この結果を踏まえて、また20 年度には様式の改定と、原則処方を後発品に変更してもいいけれども、だめな場合だけ変 更不可と書くといった方式に変えるといった形で、検証の結果をまた生かさせていただい たということでございます。  非常に駆け足でしたが、9項目でございました。実は18年度の診療報酬改定に基づき まして検証を行った項目が12項目ございました。18年度に5項目調査をし、19年度 に今回、今御報告をした9項目、2年継続したものが2つございますので、延べ14調査 ですが、項目数としては12項目ございました。結果で申しますと、12項目のうち6項 目は、例えばリハビリテーションの再改定をはじめとして、途中の改定をするなり、ある いは今回20年度の改定に生かさせていただいたと。残りの6項目につきましては、当初 予定をしていた効果、想定をしていた効果、期待していた効果が発揮された、あるいは懸 念をされていた悪影響といったものは生じていなかったということだったというふうに考 えております。  以上、事務局から報告をさせていただきました。 ○庄司部会長  どうもありがとうございました。  それでは、御意見等がございましたらよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。  特に御意見がないようでしたら、この検証部会で御承認いただいた後、総会に報告する というふうにさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○庄司部会長  ありがとうございました。  それでは、続きまして、前回の6月4日の総会において承認いただきました「平成20 年度診療報酬改定結果検証特別調査項目について」を踏まえまして、平成20年度早期に 着手するというふうしております特別調査5項目につきまして、具体的な調査設計等議論 してまいりたいと思っております。  調査の概要について、それでは事務局より御説明をお願いいたします。 ○事務局(八神保険医療企画調査室長)  中医協、検−2の資料をごらんいただきたいと思います。  平成20年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査の実施について(案)とございま す。  目的でございますが、20年度改定で行われた幾つかの項目について、検証部会で20 年度診療報酬改定の結果検証のための資料を得ることを目的といたします。  調査の実施方法、2番ですが、外部委託により実施をすることとし、実際に当たりまし ては、調査機関、それから検証部会の委員、関係学会等により構成をされました調査検討 委員会というものを設けまして、具体的な調査設計、集計、分析方法の検討を行うという ことにしたいと思います。  調査項目、まず今回は以下の5項目について20年度から着手をしたいということです。 5項目、次のページから、別紙1から別紙5にわたってございます。  別紙1をまずごらんください。  病院勤務員の負担軽減の実態調査ということで、調査の概要です。関係する項目が3つ、 診療報酬の項目が3つございます。入院時医学管理加算、それから医師事務作業補助体制 加算、それからハイリスク分娩管理加算、この3つを算定している保険医療機関、それか らまたそこで働く勤務医の方に対しまして、今回の改定による勤務体制の変化といったも のを調べるということをいたしたいと。  主な調査項目でございます。具体的な負担の軽減策、これ処遇改善計画といったものを つくっていただきますので、この内容、それから実施状況といったものをお尋ねしたい。 それから、実際に勤務されているお医者さんの負担感といったものがどうか。また、3番 目のポツは医師事務作業、いわゆる医療クラークを念頭に置いていますが、事務作業など が実際に、書類作業などが軽減をされているかどうか。医師の業務内容といったところ。 それから、病院の医師数あるいは当直、勤務時間、休日の取得状況などを知りたいと。ま た、入院時医学加算については、外来を縮小していく体制ということが予定になっており ますので、外来の患者数がどうなっているかといったあたりを調べたいと。  調査客体はここに書いてある算定をしている保険医療機関、またあわせて勤務医の方も 含めてということです。  調査スケジュールは、本日検証部会で御了承いただければ調査機関を選定いたしまして、 調査票などの検討ということに入りまして、年内に調査を実施し、年度内に結果を報告で きるようにしたいということであります。  別紙2、外来管理加算の意義づけの見直しの影響調査です。  懇切丁寧な説明を行うということで、5分の目安を設けたということにつきまして、医 療機関、患者さんへの影響といったことを調べたいと。  調査項目であります。医療機関に対しまして、1日当たりの患者さんの数、算定回数、 診療時間といったもの。それから、どんな患者さんに算定をしているのか、どのような説 明をされているかといったこと。それから、患者さんに対しまして、外来管理加算という ものに対してどれぐらい理解、認知がされているか。あるいはお医者さんの説明内容に対 して理解あるいは満足度といったものを調べたいと。  調査スケジュール、これも年度内は当然なんですが、けっこう医療現場からいろいろな 声も聞こえております。少しでも早くということで、やや前倒しをできればと、少し前倒 しできればということでスケジュールを書いてございます。  別紙3ですが、後発医薬品の使用状況調査ということで、今回、処方箋の様式を変更し ましたということ。それから、そういったことに伴いまして、保険医療機関、保険薬局に 対して調査を行うと。  調査項目ですけれども、処方箋に変更不可と書く場合、その件数ですとか理由をお尋ね すると。それから、処方箋の受付枚数、変更不可と書いてある割合ですとか実際の変更枚 数と。このあたりは18年度、19年度に後発医薬品の調査をしたときと同様のことを考 えております。また、後発品に変更した場合の薬剤料の変化、それから後発品に対する医 師、薬剤師、患者さんの意識といったものも調べたいということでございます。  調査客体はここに書いてある薬局、医療機関、患者さんと。調査スケジュールは年度内 に報告をするということで考えております。  別紙4、別紙5は後期高齢者の関係でございます。  別紙4のほうはいわゆる担当医の診療料ということで、後期高齢者診療料を算定してい る医療機関、患者さんに対して調査を行うということで、主な調査項目としては、この診 療料を算定している患者さんの数、算定回数、計画書をつくることになっておりますので、 その内容、それから、治療内容ということで必要な検査、処置などがきちんと行えるのか どうかといったあたりの治療内容もお尋ねをしたい。患者さんに対しましては、この担当 医あるいは診療料といったものに対する認知度、また担当医になっていただくということ で、通院医療機関の数ですとか通院回数といったものに変化があるのかどうか。また、医 師の説明内容に対する理解、満足度といったものをお尋ねしたい。  調査スケジュール、これも少し前倒しができればということで日程を今ここに書いてご ざいます。  別紙5であります。  後期高齢者の関係で、終末期相談支援料、前回の中医協で一たん凍結ということになっ てございますが、平成20年4月から6月までに算定をされたケースがありましたら、こ れについて。また、それだけではサンプルが少ないと思われますので、同様のこと、同種 のことをやっている医療機関も含めて患者さん、家族の状況も含めて調査をするというこ とで考えたいと。  主な調査項目、医療機関に対しましては、実際に算定の有無、算定の回数、またこの相 談支援料を算定するに至った経緯、どれぐらいの診療機関を経てこの支援料をとるような 関係になっていったかと。また、相談内容、相談時間、この話し合いに参加をした方の数。 また、相談支援料を算定する場合は当然文書提供をするわけですが、算定をしていない場 合でも文書提供をしているかどうかといったこと。また、文書提供している場合、内容で すとか、また変更する場合もございますので、変更した場合には変更点とかその理由と。 また、同種のことを行っている、文書の提供まで行っているけれども、この算定を行って いないというケースもあるというふうに仄聞いたしますので、こういう場合の理由をお尋 ねしたい。また、本件について改善をするべき点などございましたら、御指摘をいただけ ればということです。  患者・家族に対しましては、この終末期相談支援料に対する御理解であるとか、こうい う文書を提供されると、受けるということに対して、どうお感じになるか。また、改善す べき点といったあたりを調べると。  スケジュールのところ、ちょっと秋とかほかのものと比べて少し何月というふうに書い ていません。いずれにしろ、年度内に報告をまとめるということにおいて変わりません。 ただ、先だっても大臣、御説明をしました終末期医療全般に関連しまして、また別途、医 政局のほうでも検討をするということでございますので、そちらとの連携も含めて、そち らの状況もにらみながらということで明示的に日程を書いてございませんが、いずれにし ろ、年度内に報告をするというスケジュールで考えております。  事務局からは以上です。 ○庄司部会長  どうもありがとうございました。  それでは、これらにつきまして御意見等ありましたらどうぞお願いいたします。  白石委員。 ○白石委員  内容について1点、それから調査対象について3点ほど申し上げたいと思います。  内容は外来管理加算の件です。これは5分という目安が要件になりまして、この時間に ついては改定前も、それから改定後の現在も非常に注目されているところですが、そこで、 調査内容として1日当たりの診療時間に加えて、その加算を算定している患者さんの実際 の診療時間はどうなっているのかという状況を見たいという点と、それから、加算を算定 していない患者さんの診療時間とに差があるのかどうかというのは、実態として把握して おくべきではないかというふうに考えます。  それから、お医者様のほうの意識として懇切丁寧な説明ということについて、どのよう にお考えなのかということについてもぜひ知りたいと思っております。  それから、調査対象について1点目は勤務医の負担軽減ですが、これは平成20年度診 療報酬改定で医師の負担軽減を目的としたための点数でありまして、これがもし普及度、 算定の状況がもし低いとしたら問題であると考えます。それで、調査対象については算定 対象のみを調査するということになっておりますが、算定している医療機関での医師の負 担感というのが改定前と改定後で比較できるということがありますけれども、もしも普及 度が低いとしたら、そもそも算定していない病院でなぜ算定できないのかということをぜ ひ調査したらどうかと考えます。  2点目ですけれども、同じようなところですが、後期高齢者の点数のほうですけれども、 これも算定できている患者さんはいいとしまして、もし算定していない患者さんが、なぜ 算定できないのかというところまでもし調査対象を広げて状況を見ることができるとした らば、この制度をより有効に活用できるという一つの方策が見いだせるのではないかと思 います。  最後ですが、終末期のところですけれども、これは4月から6月の3カ月間ですが、算 定できた医療機関はぜひ全数調査をお願いした、果たしてその名簿があるのかどうか、そ こら辺の状況がまだ把握できておりませんけれども、算定できたところはなるべくたくさ ん調査できたらと考えております。それ以外に算定しなかった医療機関でも熱心に非常に この問題について取り組んでおられる医療機関があるとも聞いておりますので、今回なぜ 算定できていないのか、その理由というところもぜひ調査できたらと考えます。  以上です。 ○庄司部会長  ありがとうございました。  まず、これらに関して今何か関連した御意見がありましたら先に伺いたいと思いますが、 いかがでしょうか。あるいは別の御意見でも結構です。  前田委員、どうぞ。 ○前田委員  最後の点に関連して、御意見は全く賛成なんですけれども、凍結したというような経緯 もあって、これだけの調査をするときに標本の数がどのくらいありそうなのかという大体 の目算はあるわけですかね。それは全くないんですか。だったらやってみる価値はもちろ んあると思うんですが、やっぱりコストがかかりますので、どのくらいの数があるのかな という算段があるのかなと思ってお伺いしたんですが、この会としては、凍結はするけれ ども、基本的にこの方針を欠いているわけではないので、きっちり検証していただきたい。 全数調査をするということは賛成だということを申し上げたいと思います。 ○庄司部会長  ありがとうございました。  これに関して何か事務局のほうでございますか。 ○事務局(八神保険医療企画調査室長)  幾つか白石先生、前田先生から御指摘いただきました。できるだけ取り組んでいけるよ うに、調査票の設計なりというときに取り込んでいけるというふうに考えたいと思います。  ただ、まず全数調査というのはもちろん個人のプライバシーの問題もあります。どれだ け協力が得られるかといったこと、全数というのをうまく拾えるかどうかちょっと自信が ないですが、できるだけ多くということは同じように思っておりますので、サンプルをふ やしてというふうに思っております。  それから、白石先生の終末期相談支援料を算定しなかったところはなぜというのは、こ れ一応別紙5の中でも算定を行っていない場合、その理由と。全く同種の文書提供まで行 っている場合でも算定をしない場合にはその理由というのは白石先生がおっしゃったよう な趣旨を入れたものでございます。また、勤務医の負担軽減ですとか高齢者診療料、算定 をしていないところはなぜ算定をしないのかと。要件を満たしていないところは当然算定 ができないわけなので、ちょっとここをどのように拾えるかというのはちょっと考えをさ せていただきたいなという気がしてございます。  とりあえず以上でございます。 ○庄司部会長  ありがとうございました。  ほかにいかがでしょうか。  牛丸委員、お願いします。 ○牛丸委員  今回提案されている項目、5つのうち後半の4つは患者に対する調査があります。非常 にいいことだと思います。これまでの調査がどういうふうに行われてきたか、私存じませ んが、今後のスケジュールにおいて具体的にそれが決まっていくのかもしれません。患者 にどうやって調査していくか。恐らく紙による調査が中心だと思いますが、その場合に、 当然これまでも別の調査で行われてきたと思いますけれども、普通の患者さんが理解しや すいといいますか、分かるようなそういう形でのアンケート用紙を作成することと、加え てもしできるならば紙でないインタビューとかそういう形での調査ができないでしょうか という要望です。ただ、これはどういう人を選ぶかという抽出の問題、偏りがあってはい けませんし、それから、そこにヒアリングした人の主観が入ってしまうというのもまずい ので、そのやり方を慎重にしなければいけないと思います。特に今回の高齢者関係の担当 医とか、それから終末医療に関することについては、普通の患者さんたちがどう考えてい るか、あるいは家族の方々がどう感じていらっしゃるか、あるいはそういうことを十分知 っていないということもありますので、その辺をはっきり我々としては情報としてつかみ たいものですから、その工夫が何らかの形で行われればよいと思います。過去のことも知 りませんし、これから具体的にそういうところが検討されていくと思いますが、一応今の 段階の感想としてお願いといいますか、申し上げておきます。 ○庄司部会長  ありがとうございました。  事務局からは何かございますか。 ○事務局(八神保険医療企画調査室長)  まず、患者さんへの調査票など分かりやすい、これも先生おっしゃるとおりで、回収率 も含めてできるだけ回答しやすい調査票などの工夫はしたいと思います。  それから、具体的にインタビューなどということですが、先生おっしゃったように、偏 らないかというあたりは確かに私どももちょっといささか心配をする点がございます。む しろこういった点については研修部会の先生方の御意見をぜひ、例えばインタビューをす るべきだと、あるいは少し偏るからどうかなといったあたりをむしろお聞かせいただけれ ばと思います。何か工夫ができるかどうかというのはもちろん考えてみたいと思いますが、 原則アンケート調査という形で今まではやってきておりますので、そうじゃない方法を取 り入れるかどうかというあたりは検証部会の委員の方々の御意見をお聞かせいただければ というふうに思います。 ○庄司部会長  はい、どうぞ、遠藤委員。 ○遠藤委員  それでは、外来管理加算のところなんですけれども、主要項目はこういう内容を調べる ことはけっこうなんですが、そもそも外来管理加算は財源問題の中で論じてこられたとい う経緯もありますから、財政上、どういう影響があるかということがもしこの調査で分か るのであれば、そこを明らかにしていきたいというふうに思いますので、改定前後の変化 というのをこの段階で得られるかどうかというのは分かりませんが、できれば改定前後の 変化が分かるように調査をされたらいいかなということが1点です。  それから、もう一点は後発品のほうですけれども、後発品は実際には細かいことを聞い ておりますので、これまでの調査でも聞いておりますし、実際に調査の内容につきまして は、調査検討委員会の中で詰められると思いますが、今回は後発品を薬局段階で代替でき るようなことを決めてもおりますし、ですから、その辺のところが明らかに、どのくらい そういうケースがあったかとか、その辺のところが明らかになるように聞いてみるべきで はないかと思います。  それから、あとは患者の意識というところに入ってくるのかもしれませんけれども、患 者自身がジェネリックに対して選ばないと、仮に変更可であっても選ばないというケース もあるやに聞いておりますので、その辺がどういう状況になっているのかということも浮 き彫りになるといいかなと思います。  以上です。 ○庄司部会長  ありがとうございました。  では、ちょっとどうしましょうか。小林委員もお願いできますか。 ○小林委員  今の遠藤委員と同じところがあるんですけれども、外来管理加算の場合には、やはり財 政効果というものをなるべく客観的に把握できないかという工夫をいただけないかという ふうに思っています。  それから、先ほど白石委員のほうからもあったんですけれども、懇切丁寧な説明で5分 の目安ということなんですが、この5分にやはりいろいろ御意見がありましたので、そこ のところの調査というのを少し丁寧にやっていただきたいのと、それから懇切丁寧という ものの尺度なんですけれども、これは非常に難しいと思うんですね。懇切丁寧だというの が極めて主観的にどちらも医療機関も患者も感じると思うので、そこの懇切丁寧の尺度の 部分で、何かメルクマールになるようなものがないかということをなるべく客観的なもの の尺度を入れていただきたいというふうに思っています。  それから、最初の病院勤務医なんですけれども、これは大体1つの質問で調査客体数と いうのはどのくらいになると予想されるのかということと、それから、医師の負担感とい うのがあるんですが、この医師の負担感というのも、これもやはり尺度は何なのかという ことで、その4点目の当直回数とか平均勤務時間、休日取得状況というのと関連して、そ の負担感は何で図っていくのかということがもし今のところあるのであればちょっと教え ていただきたいと思います。  それから、後発医薬品のところなんですが、ここの部分は前回も調査したと思うんです けれども、薬局での実際に後発医薬品を扱う在庫といいますか、在庫管理の部分のコスト 増とか負担であるとかといったところもやはりもう一回調査していただきたいなというふ うに思っています。  それから、先ほどのインタビュー、患者に対するインタビューというのは非常に重要な んだと思うんですけれども、難しいところもあると思います。特に今回、終末期のところ で非常に大きな議論を呼びました。医療機関のほうでも患者のほうでも、医療機関のほう でも非常にそこの部分はセンシティブに扱っていると、非常に熱心に扱っているという議 論がございましたので、ここの部分、例えばこの5番目のところは、ここの部分にケース スタディのような形で何らかのできるかどうか、それがふさわしいのか分かりませんけれ ども、できるかどうかということをちょっと検討していただいたほうがこの部分について はやはり事例といいますか、そういうものを丁寧に見ていくということが必要になるので はないかと思われますので、ちょっと検討いただければというふうに思います。  以上です。 ○庄司部会長  それでは、今までのところで事務局のほうからございましたらお願いいたします。 ○事務局(八神保険医療企画調査室長)  幾つかございます。  まず、外来管理加算の財政影響というお話がございました。できるだけ財政影響も見え るようにしたいとは思います。算定回数の変化などを見ながら財政影響ができるだけ見え るようにしたいと思います。ただ、客観的にきっちりとした数字というところは、少しこ の検証の調査の中では難しい面、限界があるということはちょっと御理解をいただきたい。 ただ、もちろん要請をされていることでございますので、できる範囲でやりたいというこ とであります。  それから、白石委員、小林委員からございました外来管理加算、丁寧な5分の説明のと ころ、そこを少し工夫して答えやすく、かつ「丁寧な」の意味が分かるような質問項目等 を工夫する必要があるだろうというふうに思います。  それから、後発品関係が幾つかございまして、調査票等設計をしていく中で、薬局の在 庫管理の問題ですとか、より具体的な調査ということについては、調査票の設計をしてい く中で工夫をしていきたいと思います。  特にインタビューの関係で5番の終末期相談支援の関係でもお話がございました。先ほ ど申しましたようになかなか難しい面もございます。ただ、もし終末期相談支援料でサン プルの数が集まればいいと思うんですが、数が集まらない場合の工夫として何かケースス タディ的なものを入れる必要があるのかどうか。ちょっとそれは実際に設計をしてサンプ ル数が集まるかどうかというあたりをにらみながら考えたいと、また御相談をしたいとい うふうに思います。 ○庄司部会長  1点、勤務医のところでは調査客体数などの御質問があったかと思いますが、いかがで しょうか。 ○事務局(八神保険医療企画調査室長)  失礼いたしました。勤務医負担軽減の関係で客対数の話がございました。  3つの診療報酬項目がございましたが、入院時医学管理加算はまだ数が決まっているわ けではないんですが、150ぐらいあるかどうか。2番目の医師医療クラークの件は1, 000のオーダーになろうかと。ハイリスク分娩管理加算は七、八百。ただ、実際に全数 これぐらいの中でどれぐらい抽出できるかというと、またそれはちょっと別途考えたいと 思っています。 ○庄司部会長  ありがとうございました。  ほかにいかがでしょうか。  いろいろ御意見いただきました。ほかに特にないようでしたら、平成20年度実施の特 別調査につきましては、以上のようなことを踏まえながら、こういう形で進めていくとい うことにさせていただき、事務局のほうには調査の実施準備をお願いしたいと思いますの で、よろしくお願いいたします。  それでは、本日の議論はこの辺までとさせていただきます。次の日程につきましては、 追って事務局より御連絡いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、本日はこれで閉会といたします。ありがとうございました。     【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)