08/07/04 平成20年7月4日薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会議事録 ○薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会 添加物部会 議事次第  【日時】 平成20年7月4日(金) 15:03〜16:55  【場所】 航空会館 401会議室  【出席委員】(五十音順)     井手委員、井部委員、北田委員、佐藤委員、棚元委員、     長尾委員、堀江委員、米谷委員、山内委員、山川委員、     吉池委員、由田委員  【事務局】國枝基準審査課長、光岡補佐、磯崎補佐、小山田専門官 ○磯崎補佐 由田先生が到着されておりませんが、始めさせていただきたいと思います。  本日は御多忙のところ、またお暑い中御参集いただきまして誠にありがとうございます。  本日は石田委員、山添委員より欠席との御連絡を事前に受けております。現在、添加物部会委員 14名中、由田先生にお越しいただいておりませんが、11名の委員の先生方に御出席いただいてお りますので、本日の部会が成立いたしますことを御報告申し上げます。 なお、由田委員ですが、本年度から新たに添加物部会の方に御参画いただくことになりました。 どうぞよろしくお願いいたします。 また本日は、加工デンプンの検討に当たりまして、参考人として、国立健康栄養研究所の山田参 考人に御出席いただいております。どうぞよろしくお願いいたします。 それでは、座長を長尾部会長にお願いしたいと思います。 ○長尾部会長 それでは、配布資料の確認を事務局よりお願いいたします。 ○磯崎補佐 本日先生方のお手元に置かせていただきましたのは、議事次第、委員名簿、資料一覧 をひとまとめにしたものと座席表、そのほか本日議題の資料といたしまして、品目ごとにまとめた 資料でございます。  右肩に資料1−1と付したものは、ステアロイル乳酸ナトリウムの新規指定に関する諮問書と添 加物部会の報告書案、そして食品安全委員会の評価結果の案をひとまとめにしたものでございます。 資料2−1と付したものは、イソバレルアルデヒドの新規指定に関する諮問書、部会報告書案、 食品安全委員会からの健康影響評価に関する審議結果をひとまとめにしたものです。 資料3−1と付したものは、バレルアルデヒドの新規指定に関する諮問書、部会報告書案、そし て食品安全委員会からの食品健康影響評価に関する審議結果をひとまとめにしたものでございま す。 資料4−1と付したものは、加工デンプンの新規指定に関する諮問書、部会報告書、食品安全委 員会の食品健康影響評価に関する審議結果、その後ろに加工デンプンの栄養学的観点からの検討に ついてまとめました資料でございます。そして、最後に、加工デンプンの新規指定のかかわる意見 募集の結果の案でございます。 次に報告事項の資料といたしまして、「報告資料1」亜塩素酸ナトリウムの評価書の改正に関す る資料でございます。 「報告資料2」が、アスコルビン酸に関する食品安全委員会の評価書の改正に関する資料でござ います。 最後が「報告資料3」でございまして、食品安全委員会への意見聴取及び食品健康影響評価の結 果についてまとめたものでございます。 本日お手元にお配りしております資料は以上でございます。もし不足等ございましたらお申し出 いただければと思います。 特にございませんでしたら審議に入りたいと思います。 ○長尾部会長 それでは、まず議題1のステアロイル乳酸ナトリウムの新規指定の可否について審 議を行いたいと思います。事務局より資料の説明をお願いいたします。 ○磯崎補佐 まず、背景から御説明いたします。ステアロイル乳酸ナトリウムにつきましては、平 成14年7月に食品衛生分科会で了承されました、国際的に安全性が確認され、かつ欧米で汎用さ れている添加物の一つとして挙げられている品目でございます。 これにつきましては、食品安全委員会へ平成19年2月6日に食品健康影響評価の依頼を行いま した。食品安全委員会では平成20年3月24日、平成20年4月15日の計2回にわたり添加物専 門調査会で審議が行われ、現在パブリックコメントを経て、事務局で評価書の最終とりまとめの手 続が進められているところでございます。 それでは、資料に沿って御説明させていただきます。右肩に資料1−1とあります資料を1枚め くっていただきまして、資料1−2から御説明申し上げます。 本品目はステアロイル乳酸類のナトリウム塩を主成分とし、これとその関連酸類及びそのナトリ ウム塩との混合物でございます。 「用途」は乳化剤、安定化剤等でございます。 「概要及び諸外国での使用状況」でございますが、食品の製造加工における乳化剤や安定剤など として広く欧米諸国において使用されている品目でございます。 米国では、ベーカリー製品等における乳化剤、加工助剤として一定の上限量の範囲で使用が認め られております。 欧州連合(EU)では、グループADIがステアロイル乳酸のナトリウム塩とカルシウム塩につ いて20mg/kg体重/日で設定されておりまして、一定の上限量を定めてベーカリー製品等への使用 が認められております。 JECFAにおきましても、本品目は過去に評価が行われておりまして、最終的なADIとして は0〜20mg/kg/dayと評価されております。 我が国では、類似物質といたしまして、ステアロイル乳酸カルシウムが既に食品添加物として指 定されておりまして、パン類等に一定の使用基準を設けた上で使用されているところでございます。 「5.食品添加物としての有用性」でございますが、類縁の添加物でありますステアロイル乳酸 カルシウムとともに、ベーカリー製品の乳化剤、生地改良剤、品質改良剤として有用とされており ます。 また、本品目は、ステアロイル乳酸カルシウムに比べ、水溶性が高いということで、水中油型の 安定な乳化液をつくるのに有効とされております。 「6.食品安全委員会における評価結果」でございますが、5ページの上にございますように、 ADIは20mg/kg体重/日と評価されております。  またその下に、評価結果の詳細が記載されております。  6ページの一番下をご覧下さい。乳幼児におけるステアロイル乳酸ナトリウムの摂取に由来する D−乳酸の摂取について、安全性の観点から評価が行われておりまして、結果的にはここに2つに 挙げておりますような理由から、安全性に特段の問題はないと考えられるとの評価がなされている ところでございます。 次に「7.摂取量の推計」でございますが、7ページをごらんください。 EUにおける評価といたしましては、英国における食品添加物の摂取量調査におきまして、一人 当たりの一日平均摂取量は、ステアロイル乳酸ナトリウムで14.7mgという結果が出ております。 我が国における評価でございますが、食品添加物の食品向け生産量を基に算出されるステアロイ ル乳酸カルシウム、既に指定されている添加物でございますが、こちらの一人当たりの平均一日摂 取量は3.9mgと推定されております。 更に、これら摂取量の推計のほかに、8ページ以降で定めております使用基準の案と、「平成17 年度食品添加物一日摂取量調査:日常的な食事からの食品添加物の摂取量推計の基盤となる食品 摂取量データの検討」に基づきまして、摂取量推計を行っております。 その結果、成人で408mg、小児で307mgとなり、こちらはADI比でいきますと、9ページに 一覧がございますが、1歳〜6歳の場合で97.4%、20歳以上で40.7%という結果になっておりま す。 しかしながら、この推計は使用基準に含まれる食品すべてについてステアロイル乳酸ナトリウム が最高使用濃度で使用されたとする過大な見積もりであるということと、英国における摂取量調査 におきまして、一人当たり14.7mgとされていること、我が国で既に使用が認められている類似物 質でありますステアロイル乳酸カルシウムの一日平均摂取量は3.9mgであるということ、を踏まえ ますと、ステアロイル乳酸ナトリウムがADIを超えて摂取する可能性は低いと考えております。 8ページが具体的な使用基準でございますが、こちらの内容につきましては、既に添加物として 指定されているステアロイル乳酸カルシウムと同じ使用基準であり、使用量に関しては両者を合計 した場合の数字ということで規定してございます。 成分規格は10ページ以降でございます。 13ページから規格設定の根拠についてまとめてございます。規格の検討に当たりましては JE CFA規格、FCC規格、EUの規格、そして第8版の公定書の中にステアロイル乳酸カルシウム の規格がございますので、これらの規格を参考に成分規格案を設定してございます。 主なものについて御説明申し上げますと、確認試験の(1)と(2)はナトリウム塩の反応をに 関するものでございますが、こちらは公定書の一般試験を準用する形としております。確認試験法 の(3)につきましては、公定書のステアロイル乳酸ナトリウムの試験法と、JECFAと方法は ほぼ同じであるということから、公定書の規格の方にならいまして、本品は乳酸塩の反応を呈する という形で規定してございます。 「純度試験」の「酸価」につきましては、JECFA及びEUの規格と、FCCの規格で数値が 異なっておりますが、国際的な規格値を採用し、60〜135と設定いたしました。試験法につきまし ては JECFAの方法を採用してございます。 「エステル価」につきましても、JECFA、EU、FCCの規格値との間で若干の差がござい ますが、国際的な規格値を採用するということで、JECFA、EUの規格であります90〜190を 採用しております。試験方法につきましては、公定書のステアロイル乳酸カルシウムの方法に沿っ た形としております。 「総乳酸」につきましては、JECFA、EUの規格とFCCで規格が異なっておりますが、国 際的な規格を採用するということで、JECFA、EUの規格であります15〜40%を採用してお ります。試験法につきましては、公定書のステアロイル乳酸カルシウムの試験方法にならっており ます。 「JECFAまたはFCC等に設定され、本規格では採用しなかった項目」といたしまして、溶 解性がございますが、こちらに関しては重要度が低いと考えられるため、今回は採用しないことと しております。 ステアロイル乳酸ナトリウムにつきましては、以上でございます。よろしくお願いいたします。 ○長尾部会長 ステアロイル乳酸ナトリウムにつきまして、御意見をお願いいたします。 ○山内委員 諮問書の6ページに乳幼児の件が出てまいります。今回の食品安全委員会の評価と、 それに基づいたステアロイル乳酸ナトリウムの食品添加物としての指定の内容については、これで いいと思っておりますが、この関係で、乳幼児のD-乳酸の話が出ておりましたので、これから乳酸 の入った食品添加物などの基準の設定なども、引き続きあろうかと思いますので、一応注意をして いただければということで発言させていただきます。  本日の資料の食品安全委員会の方の一番下の数字で37ページ、食品安全委員会の20ページです が「(2) 乳酸類」とありまして、下から7行目辺りのところに1973年JECFAの方では3か 月までの乳児がDL体、D体を利用できないという証拠があるから、乳児向け食品に使用すべきで ないということを確認されているという情報があり、私どものところで調べましたところ、EUの 方は調整粉乳とか離乳食などの食品添加物としてL体だけを認めています。 米国は乳酸については、区別はしていないようですけれども、乳幼児の調整粉乳とか、乳幼児食 品への使用をしないという実例があると聞いております。  ということで、この乳酸の使用については、日本においても、どのように使用いしていくかにつ いて、引き続きリスク管理機関として実態調査や考え方の整理が必要だと考えます。参考にお願い したいと思います。 以上です。 ○磯崎補佐 御意見どうもありがとうございます。乳酸の関係では、現在、食品安全委員会で、国 際汎用添加物であります乳酸カリウムにつきまして、評価が進められております。そちらの評価結 果が出てまいりましたら、それも踏まえたうえでどのように対応するかということを考えていきた いと思っております。 なお、乳酸に関しましては、今、先生から御指摘のありましたように、確かに日本では現在使用 基準というものが特段設定されているわけではございません。しかしながら、例えば乳幼児関連の 食品ということで調整粉乳やベビーフードがございますが、網羅的ではございませんが、大まかに 確認しましたところ、調整粉乳に関しては、厚生労働大臣が個別に承認するという制度をとってお りますが、その中の成分として、乳酸関係添加物の使用を認めたものは、恐らくないのではないか という状況でございました。また、ベビーフードに関しましては、ベビーフード協会で自主基準が 設定されてり、その中には使用できる添加物を自主の基準として規定してございます。現段階での 基準を確認しましたところ、乳酸関係の品目は入っておりませんでした。したがいました今の段階 で即座に問題というお話ではないかと思いますが、食品安全委員会での評価も進められております し、もう少し実態等の状況なども確認しまして、今後どのような管理措置をとっていくのが適当か というところは考えてまいりたいと思っております。 ○長尾部会長 そうしますと、カルシウム塩のときにはD-乳酸は入っているわけですか。この場合 は、ステアロイル乳酸摂取に由来すると書いてあります。 ○磯崎補佐 ステアロイル乳酸カルシウムが既に指定されておりますけれども、そちらにも恐らく 乳酸は、今回の審議品目と同じく若干入っているのではないかと思います。ただ、使用基準はこち らと全く同じような内容になっておりますので、調整粉乳に使うこともありませんし、ベビーフー ドというものに関しましても、先ほど申し上げましたように自主基準の中に入っておりません。 ○長尾部会長 北田先生、どうぞ。 ○北田委員 私も同じところが気になっていたんですが、今後の課題として、D体を過大に見積も ってもという評価ではなしに、純度試験の方で、今後はD体の含有割合というものを導入すること を御検討していく方がいいのではないかと思います。D体とL体との含有比率、そうすればより正 確にD体の含有率とか、過大に見積もるという表現ではなしに、もう少し数値をもって示すことが できるのではないかと思います。 ○長尾部会長 事務局からどうぞ。 ○磯崎補佐 現段階では本品目に関しまして、入っているという前提で食品安全委員会も評価を行 い、特段問題ないであろうされております。今後、乳酸関係全体を含めてどうするかということを 考えていかなければいけないかと思いますので、その際には先生からいただきましたような点も、 検討項目の中の1つと考えながら、検討してまいりたいと思います。 ○長尾部会長 どうぞ。 ○堀江委員 光学異性体の関係なんですが、D-乳酸及びラセミ体が入ってくるというのは、乳酸そ のものが、D体あるいはラセミ体を含んでいると出てくるのか。あるいは製造段階でL体しか使っ ていないのにD体が出てくるかということも、特段今のところ問題ではないんですが、そういうこ とも踏まえて調べていただければと思います。 ○長尾部会長 ほかにはいかがでしょうか。 ○佐藤委員 使用基準の方なんですけれども、4ページに、食品添加物としての有用性として、菓 子の糖衣やケーキのフロスティングに有用であるという記載がありますが、使用基準の方は、特に そういうものを含まれていないようなんですが、日本としてそういうものには使用は認めないとい うことになるんでしょうか。インターネットで特許などを調べますと、豆腐に使ったりとか、乳化 剤として使えるというような特許が出ているんですが、そういったものは使用は認められない方向 になるんでしょうか。 ○磯崎補佐 特許ということで、実際に使われるニーズがあるのかどうかはわかりませんが、今の 段階ではこちらの案でいきたいと思っております。もし今後、使用基準の改正の要望等がありまし たら、その際に考えてまいりたいと思います。 ○長尾部会長 吉池委員、どうぞ。 ○吉池委員 数値のことだけですが、9ページの表の下の合計の数値として、対ADI比の1つ前 で、0.306、0.4070、これはg/dayで数値があります。7ページ目のゴシックの記述のところでは、 これに対応する数値として成人408、小児307となっております。9ページの表では四捨五入では なくて、切り捨てになっているようなので、数字を合わせていただければと思います。 ○長尾部会長 ほかにはいかがでしょうか。米谷先生、どうぞ。 ○米谷委員 同じところなんですが、9ページと7ページのところに摂取量の推計がございます。 今回1〜6歳のところで、対ADI比が97.4%というように100%に近い値になっております。そ の説明が7ページの下の方に書いてあるのですが、確認なんですが、9ページの摂取量の計算で、 対ADI比が100%を超える場合には、その段階で少し見直さないといけないことになるのですか。 7ページの説明ですと、対ADI比が100%を超えてもすんなり読めるようなのですが、この委員 会として認める場合には、ここは100未満になっていないといけないという、そのことを担保して おかないといけないんですか。その辺を確認したいんです。 ○磯崎補佐 これまで100を超えたものがないのですが、今後実際に100を超えるようなものが出 てきた場合には、対象品目を落とす等どのように対応するかは、その品目ごとに摂取量推定の仕方 はいろいろあるところかと思いますので、それらの情報を総合的に踏まえて使用基準の設定を考え ていくことになろうかと思っております。  本品目に関しては、100に近い数値にはなっておりますが、類似の物質では3.9mgと大きくかけ 離れているような状況ですとか、海外での数値等を踏まえても、今回の推計というのは使用基準の 最大量で使われて、すべての食品がそれを含んだ場合の相当過剰な見積もりでありますので、今回 はこの使用基準案のとおりとしたいと考えております。 なお、今後指定がなされた後には、生産量の調査やマーケットバスケット調査を実施していくこ とになるかと思いますので、その際に、ADIに近接するような結果が得られたということであれ ば、その段階で使用基準の見直しというものをリスク管理機関として考えていきたいと思います。 ○米谷委員 そうすると、国民健康栄養調査の結果から、もし100%を超えてしまっても、実態に かんがみて、これを修正するということはしなくてもよろしいということですか。 ○磯崎補佐 この品目に関してということでしょうか。今回の推計は、現段階で得られている食品 摂取量の情報に基づき計算しておりますので、今後2年、3年後にまた出てくるような食品摂取量 の調査結果で計算し直すとオーバーすることもあり得るとのかと思います。しかしながら、その際 にはもう本品目は実際に市場に出ているような状況かと思いますので、そのときの実際の生産量で すとか、マーケットバスケット調査の結果、ADIを超えるようであれば、使用基準の見直しを検討 したいと思います。部会の報告書は現段階の情報に基づき取りまとめ、今後何か懸念等がありまし たら、再度見直しの検討を進めるという形かなと思っております。 ○吉池委員 先ほどのEUでのレポートについてコメントしたいと思います。  7ページの(1)のところで、EUのレポートでは、成人で2〜114%、幼児で136〜268%とあ ります。50ページを御覧いただきますと、55の2001年のレポートであり、今もアップデートさ れながら検討されていると聞いております。国別の摂取量データは日本のものよりラフなものです が、それで最大量を使用した場合を想定しての見積もりということで、多くの添加物について対A DI比を算出しています。ADIとの比較によってカテゴリーを分けて、ADIよりもかなり低い もの、ADIに近いもの、超えているものということで、その判断としては、今後より詳細な摂取 量、暴露量の検討が必要かのよりどころとしているものです。  EUの検討と日本での試算を考えると、日本では摂取量の分類がかなり細かくなっているという ことはありますが、最大量をかけ合わせているということでは基本的に同じと思います。 そう考えると、これをもってADIを超えるから、超えないからというよりは、今後の摂取実態 その他をどこまでしっかりと見ていくかについてのよりどころになると私は理解しております。 ○長尾部会長 先生、よろしいですか。 ○米谷委員 私、今まで農薬をやっていたものですから、農薬ですと、こういうTMDIで計算し て80%を超えると、より精密化して、実際の作残試験の値を使って80%を切るようにしてきたん ですが、添加物ですと、たとえここで100%を超えても、実態が全く対ADI比はこんなに高くな いんですよということが担保されていればいいのか。それとも、添加物を指定するときに、一応こ ういう計算をして、最大を見積もってもADI比が100%以下か未満になっている必要があるのか。 その辺はどちらの方向かなということで質問させていただいたんです。 ○棚元委員 たしかポリソルベートのときだったと思うんですが、ADI比が1を超えたことがあり まして、基本的にこれらの安全性を担保するには、ADI比というのは非常に重要なことだという ことで、そのときは見直して1以下に落としたと思うんです。そういう意味で、私はこの部会での 判断というのは1以内に抑えるのが基準になっているものだと認識していたんですが、その辺のコ ンセンサスは、まだこの部会としては得られていないということなんでしょうか。 ○磯崎補佐 これまでADI比が100%ぎりぎりまで行くようなケースというのは、恐らくポリソル ベートが初めてではなかったかと思います。しかしながらその際は、必ず100%以下に抑えるとい う正式なコンセンサスに基づき判断したものではなかったかと思います。ポリソルベートの摂取量 推計では、見積って多少というレベルではなく、パンを対象に入れると成人ではぎりぎり100%以 内でしたが、小児では130%程度等、相当量を超えるという状況にありましたので、そこでパンを 対象から落とした。 その際、海外では、確か米国ではパンへの使用が認められていましたが、国 際基準上ではパンには基準が設定されていなかったかと思いますので、その点も踏まえ対象品目か ら落としたという経緯がございます。 先生がおっしゃるように、このような例が改めて出てきたというところであり、そこのところを どうするかというのは、コンセンサスの形成を図っておいた方がいいのではないかと思うところで ありますので、その整理については、事務局で引き取って検討させていただければと思いますが、 よろしいでしょうか。 ○長尾部会長 事務局、よろしくお願いいたします。ほかにいかがでしょうか。 非常に細かいことなんですが、4ページの5の最後のところの、レファレンスが「34」となって いるのは、これは「3,4」 だと思います。それを直してください。 ほかにはよろしいでしょうか。 (「はい」と声あり) ○長尾部会長 それでは、一通り御審議をいただいたようですので、少し修文していただきまして、 ステアロイル乳酸ナトリウムの新規指定については可とするということで、よろしいでしょうか。 (「はい」と声あり) ○長尾部会長 それでは、部会報告をとりまとめて分科会へ報告する手続をとりたいと思います。 今後のスケジュールについて事務局から説明をお願いいたします。 ○磯崎補佐 今、若干御指摘いただいた数値の確認等につきましては、追って先生方に最終的なも のの御確認をお願いしたいと思います。それで御了承いただけました場合には、今後の手続といた しまして、今回の審議結果に基づきまして、食品衛生分科会での審議のほか、パブリックコメント、 WTO通報等の手続に入ってまいりたいと思っております。 ○長尾部会長 それでは、手続をよろしくお願いいたします。 次に、議第2の「イソバレルアルデヒドの新規指定の可否について」審議を行いたいと思います。 事務局から資料について御説明をお願いいたします。 ○磯崎補佐 まず背景から御説明させていただきます。 イソバレルアルデヒドにつきましては、先ほど御説明申し上げましたステアロイル乳酸ナトリウ ムと同様に、国際汎用添加物の1つとして挙げられている品目でございます。こちらにつきまして は、食品安全委員会に、平成19年3月19日に評価依頼を行っております。  食品安全委員会では、平成20年2月1日に添加物専門調査会で審議が行われ、その審議を踏ま えた評価書が平成20年3月21日にとりまとめられました。 それでは、資料に沿って御説明をいたします。右肩に資料2−1とあります資料を1枚めくって いただいて資料2−2から御説明申し上げます。 イソバレルアルデヒドの用途は、香料でございまして、果実、野菜等のさまざまな食品に香気成 分として天然に存在しております。欧米では焼き菓子等の様々な加工食品において、風味を向上さ せるために添加されております。 食品安全委員会における評価結果でございますが、イソバレルアルデヒドは、食品の着香の目的 で使用する場合、安全性に懸念がないと考えられると評価結果がまとめられております。 摂取量の推定につきましても、食品安全委員会で行われておりまして、欧米における推定摂取量 を踏まえまして、我が国での推定摂取量も、それと同様に155μg〜197μgの範囲になると想定さ れるとされております。なお、米国では食品中にもともと存在する成分として、本物質の摂取量は 意図的に添加された本物質の約80倍であると報告されているところでございます。 新規指定につきましては、使用基準として、香料として使用される場合に限定して食品健康影響 評価が行われたことから、使用基準は「着香の目的以外に使用してはならない」とすることが適当 としております。 成分規格は、5ページからでございます。7ページに設定根拠をまとめてございます。  成分規格は、JECFA、FCCの規格を踏まえ設定しております。 主なところを御説明申し上げますと「含量」につきましては、米国、FCC規格で97%以上、J ECFA規格で95%以上とされておりますので、国際整合の観点からJECFA規格であります 95.0%以上を採用しております。 「純度試験」につきましては、JECFAとFCCで規格値が若干異なっておりますが、こちら もJECFA規格の方を採用いたしました。 「比重」につきましても、同様にJECFA規格を採用しております。 「酸価」につきましては、JECFAでは15以下、FCCでは10.0以下となっております。そ こで酸価が15と11に相当するものについて、香気について比較の検討を行いましたところ、酸価 11のものについては許容範囲内と考えられますが、酸価15では許容範囲外と判断されたことから、 我が国におきましては、FCC規格である10以下が妥当と考え、ほかの香料の規格との整合性を 考慮して小数点以下一けたまでを有効数字とするということで、10.0以下に設定しております。 FCC、JECFAの規格では設定されておりますが、本規格では採用しなかった項目を8ペー ジにまとめてございまして、溶解性につきましては、IRでの確認試験、純度試験として酸価、含 量も規定してございますので、必要性は低いということで採用しないこととしております。 「沸点」につきましても、通常の品質管理がGC法により実施されるということもありますので、 必ずしも香料化合物の品質規格管理項目として重要ではないと考えられますことから、こちらも採 用しないということにしております。 「融点」につきましても同様でございます。 本品目につきましては、以上でございます。よろしくお願いいたします。 ○長尾部会長 それでは、御意見をお願いいたします。 この規格で95%以上とするわけですけれども、バレルアルデヒドのときには、あとの5%が何か という記載があるんですが、こちらの場合には、その5%には全然触れていないんですか、触れて ありますか。何もないとちょっと量が多いので気になるものですから。 ○磯崎補佐 バレルアルデヒドにつきましては、先生がおっしゃられるように、吉草酸、バレルア ルデヒド二量体が不純物として入っているということで御説明しております。また後ほど御説明し ようと思っておりましたが、JECFA、FCCでは97%以上としておりますが、日本におきまし ては、市場に流通にしている品目等の試験結果なども踏まえまして、95%ということで、若干含量 を引き下げた形で採用することを提案させていただいておりまして、国際的な規格より2%ほど引 き下げるというところもありますので、どういったものが入ってきているのかということを、詳細 に記載した方がよろしいのではないかと思いまして、こちらには記載してございます。 ○長尾部会長 イソバレルアルデヒドは記載しないでいいんですか。 ○磯崎補佐 基本的にはJECFAの規格をそのまま採用しているというところもありますので、 特段、こちらは記載しておりません。 ○佐藤委員 実際にイソバレルアルデヒドの方は、市場流通品を分析しましても、特定できる物質 というのが、特段見当りませんで、純度も国際規格に合わせて95%以上としておりますが、実際の 製品としては純度は割と高いので、不純物は何であると同定できていないので、特に触れておりま せん。 ○棚元委員 こういう規格をつくるときは、主成分が何%以下であれば、残りは何であるかという 検討をやらないといけないかという問題は一般論としてあると思うんです。例えば98%はいいけれ ども95%はいいのかというと、そこもまた微妙なところです。そこで規格の場合は95%というの を1つの基準として、それを超える場合はそのままでよい。それよりも少ない場合は不純物の中の メインのものを含めて95%を超えればそれでよいという感覚で規格を設定していると思っている のですが、いかがでしょうか。 ○長尾部会長 先生のおっしゃるのは、95%がそのボーダーラインだということですね。 ○棚元委員 そこは確認してみるということでお願いします。 ○長尾部会長 今回はJECFAの規格でそうなっているから、特に記載するような化合物も同定 できていないということで、このままでいくということです。 ほかに何かありませんか。 ○米谷委員 これも確認試験のところなんですが、10ページのところに規格対比表がありまして、 すべて参照スペクトルと比較することになっています。日本でも参照スペクトルと比較するときに、 同様の吸収を認めるということになっているかと思いますが、最近の日本の公定書のIRスペクト ルは非常によくなってきているんですが、JECFAとかFCCの参照スペクトルと日本の参照ス ペクトルを比較されたことはありますか。どれくらいきれいな参照スペクトルをJECFAとかF CCが出しているかということなんですが、昔の食品添加物公定書では、拙い参照スペクトルを出 したことがあるようなんで、最近は非常にいいスペクトルなんですが、各局の参照スペクトルの比 較というのはどこかでやられていますでしょうか。コピーして並べてみればそれで済むと思います が。 ○佐藤委員 日本のIRの参照スペクトルをとる際に、必ずJECFAとFCCの参照スペクトル も比べながら取って、特に問題は出ていないと思います。ただ、FCCもJECFAも、余りきれ いな参照スペクトルではありません。日本のが一番きれいだと思います。 ○長尾部会長 よろしいですか。ほかにはよろしいですか。 それでは、イソバレルアルデヒドにつきましては、御審議いただきましたので、新規指定につい ては可とするということでよろしいでしょうか。 それでは、部会報告書をとりまとめて、分科会に報告する手続をとりたいと思います。 今後のスケジュールについて、事務局から説明をお願いいたします。 ○磯崎補佐 今回の審議結果につきまして、食品衛生分科会での審議のほか、パブリックコメント、 WTO通報等の所定の事務手続を開始したいと思います。 ○長尾部会長 それでは、お願いいたします。 それでは、次に議題3のバレルアルデヒドの新規指定の可否について、審議を行いたいと思いま す。事務局より資料の説明をお願いいたします。 ○磯崎補佐 まず背景から御説明いたします。 バレルアルデヒドつきましては、先ほどのイソバレルアルデヒドと同様に国際的に汎用されてい る香料の1つでございます。こちらにつきましては、食品安全委員会は平成19年3月19日に食品 健康影響評価の依頼を行いました。 食品安全委員会では、平成20年2月1日の添加物調査会で審議が行われ、その審議を踏まえた 評価書が平成20年3月27日にとりまとめられました。 それでは、資料に沿って御説明申し上げます。右肩に資料3−1と記載してある資料でございま すが、1枚めくっていただいて資料3−2から御説明申し上げます。 本品目の用途は香料でございまして、果実、穀類、豆類等のさまざまな食品に香気成分として天 然に存在しております。欧米では清涼飲料等のさまざまな加工食品において風味を向上させるため に添加されております。 食品安全委員会における評価結果でございますが、バレルアルデヒドは食品の着香の目的で使用 する場合、安全性に懸念がないと考えられると評価されております。 「6.摂取量の推定」についても食品安全委員会で行われておりまして、欧米の推定摂取量を踏 まえますと、我が国での本物質の推定摂取量はおよそ8.83μg〜86.4μgの範囲になると想定され るとされております。なお、米国では、食品中にもともと存在する成分として、本物質の摂取量は、 意図的に添加された本物質の約140倍であるとの報告がなされております。 新規指定に当たりまして、使用基準といたしましては、香料として使用される場合に限定して、 食品健康影響評価が行われたことから、使用基準は、着香の目的以外に使用してはならないとする ことが適当であるとしております。 成分規格につきましては、5ページ目からでございまして、設定の根拠を7ページ目にお示しし てございます。 イソバレルアルデヒドと同様、JECFA、FCCの規格を踏まえ設定しております。 「含量」はJECFA、FCCともに97%以上とされておりますが、市場流通品の分析結果、不 純物等の考察も踏まえまして、本規格案では95.0%以上としております。 「純度試験」の屈折率につきましては、こちらも市販品の実態というものも考慮いたしまして、 1.390〜1.400と屈折率を設定しております。 比重につきましても同様に、市販品の実態を考慮いたしまして、0.805〜0.820としております。 酸価につきましては、JECFA、FCCの規格をそのまま採用しているところでございます。  本規格では採用しなかった項目でございますが、「エタノールへの溶解性」と「沸点」につきま して、IRによる確認試験が設定されていること、純度試験で、酸価、含量等を規定していこと等 も踏まえまして、必要性が低い、もしくは品質規格管理項目としてはさほど重要ではないと考えら れることから、この2項目は採用しないという形にしてございます。 以上でございます。 ○長尾部会長 それでは、御意見をお願いいたします。 ○佐藤委員 資料として、いつもGCチャートを付けていたんですが、今回も必要でしょうか。準 備をしたんですが、どこかで落ちてしまったか、お送りするのを忘れたかもしれません。 ○長尾部会長 いつもは付いていたんですね。 ○佐藤委員 両方資料から漏れているんですが、必要でしたら、次にお送りしてそろえた方がいい かと思います。 ○磯崎補佐 失礼いたしました。いただいて追加するようにいたします。 ○佐藤委員 よろしくお願いいたします。 ○長尾部会長 ほかにいかがですか。 特に問題ないですか。よろしいですか。 それでは、一通り御審議をいただいたようですので、バレルアルデヒドの新規指定につきまして は、可とするということでよろしいでしょうか。 (「はい」と声あり) ○長尾部会長 それでは、部会報告をとりまとめて、分科会へ報告するという手続をとりたいと思 います。 今後のスケジュールを御説明をお願いいたします。 ○磯崎補佐 今回の審議結果につきまして、食品衛生分科会の審議のほか、パブリックコメント、 WTO通報等の所定の手続を進めたいと思います。 ○長尾部会長 それでは、よろしくお願いいたします。 それでは、次に議題4の加工デンプンの新規指定の可否について、審議を行いたいと思います。 事務局より資料について説明をお願いいたします。 ○磯崎補佐 まず背景から御説明申し上げます。 加工デンプンにつきましては、平成14年7月に食品衛生分科会で了承されました国際的に安全 性が確認され、かつ欧米で汎用されている添加物の1つとして挙げられている品目でございます。 こちらにつきましては、食品安全委員会への食品健康影響評価の依頼が平成16年11月26日に 行われまして、平成17年3月23日、同年5月17日、そして平成19年8月27日、9月28日の 計4回にわたりまして、添加物専門調査会での審議が行われました。 その審議を踏まえて評価書が、平成19年11月29日にとりまとめられ、厚生労働省に通知され たところでございます。 当添加物部会では、平成19年11月28日に既にこの品目については、一度御審議いただいてお りまして、その際には指定することで御了承をいただいていたところでございます。その後、パブ リックコメントの手続等を行ってまいりまして、その結果などを踏まえまして、今回追加で3点の 項目について御審議いただきたいと思っております。 1つ目が、成分規格の一部修正、 2つ目が、食品安全委員会で出されましたパブリックコメントに基づくものでございますが、栄 養学的観点からの検討、 3つ目が、厚生労働省で実施しましたパブリックコメントの結果について、 でございます。  それでは、まず成分規格の一部修正について御説明させていただきたいと思います。 右肩に資料4−1と記載してあります資料をご覧下さい。 めくっていただきまして、資料4−2以降につきましては、昨年11月の部会で一度御審議いた だいておりまして、その後特段の変更を加えておりませんが、御参考のために今回御準備させてい ただきました。 部会報告書の一番最後になりますが、13ページで、デンプンリン酸エステルナトリウムの取り扱 いについてということで、前回の部会におきまして、デンプンリン酸エステルナトリウムについて 使用実態を念のため確認した上で、それがないのであれば、リン酸化デンプンという、類似の物質 が今回指定されますので、指定を削除すべきと考えられるとまとめられておりました。 その後、都道府県や関連団体を通じて調査を行いましたところ、流通実態が確認できませんでし たので、こちらのとりまとめに従いまして、これら11品目の加工デンプンの指定の際に、指定を 削除する方向で手続を進めてまいりたいと思います。 こちらの方に、今、御説明申し上げた点、記載してございませんが、その後に確認した事項とい うことで、一部ここだけ報告書の修正を行いたいと思っております。本日修正案を御準備できなか ったのですが、ここは修正しまして、先生方に再度お送りして確認をお願いしたいと思っておりま す。 今回御確認いただきたいのは成分規格の改正でございます。成分規格は14ページ以降にそれぞ れ掲載しております。修正した箇所といいますのは、試験方法を更に改良したような点が修正点の メインでございまして、修正した箇所はすべて見え消しの形で、今回、資料を準備しております。 その中で主要な改正点のまず第1点目としまして、22ページにアセチル化リン酸架橋デンプンが ございますが、こちらの純度試験の(2)酢酸ビニルにおいて、「(アルファー化デンプンの場合を 除く)」という規定を追加したいと考えております。 また、28ページ、酸化デンプンにつきましても、酢酸ビニルの純度試験の規定がございまして、 こちらについても「(アルファー化デンプンの場合を除く)」という言葉を追加したいと思っており ます。 こちらの内容の検討でございますが、加工デンプン11品目の規格設定の根拠に、考え方を追記 してございます。その箇所が48ページ中ほどの下でございます。追記した部分につきましては、 下線の形で今回資料を準備しております。 アルファー化デンプンにつきましては、水を加えただけで膨潤するため、今回の試験で設定して いるような5mlに懸濁して、本方法で分析するということができないという結果が明らかとなり ました。しかしながら、アルファー化デンプンといいますのは、その製造工程において100℃〜 150℃といった高温で処理されますので、この工程を踏まえますと揮発性の高い酢酸ビニルがデン プンに残るとは考えにくいことから、分析の対象外といたしました。 サンプルとして提供されたアルファー化した両加工デンプンについて、念のために検体中の残留 量を測定しましたところ、酢酸ビニルは検出されませんでした。 更にベータデンプンの状態に対して、あえて付加的に酢酸ビニルを噴霧し、それを糊化する工程 を経て、アルファー化デンプンを調整しまして、その中に酢酸ビニルが残存しているかどうか、本 当に揮発し残存していないかどうかという確認の実験を行いましたところ、結果的には検出限界 0.025μg/gで酢酸ビニルは検出されなかったところでございます。 このような状況も踏まえまして、先ほどのアルファー化デンプンを除くという記述を追加したい というふうに考えております。 その他主要な修正項目といたしましては、33ページの冒頭のところで、以前は比較対象としまし て、同じ植物を基原とするに未加工デンプンと規定してございましたが、これを未加工ワキシーコ ーンスターチという記述に変更したいと考えております。こちらの理由につきましては、また元に 戻り、49ページの一番下でございますが、標準液の調整の際に、未加工デンプンを用いるわけです が、その際に元の案は同じ植物を基原とするに未加工デンプンとなっておりましたが、原料によっ ては操作が困難になるものもあるということで、同じ植物を基原とする加工デンプンではなく、J ECFAの規格と同様に、未加工ワキシーコーンスターチを用いるということに修正したいと考え ております。 今、御説明申し上げましたような点以外の修正につきまして、試験の方法を改良するという内容 になっております。 成分規格の一部修正につきましての説明は以上でございます。 ○長尾部会長 それでは、一部修正についての御意見をお願いいたします。 ○井手委員 濃度の単位などが変わっているんですが、変わったところが全部大文字のLで、元の 文章が普通の小文字のlになっているように思うんですが、場所が違いますか。 ○長尾部会長 リッターと使うときにはLなんです。2文字になるときには小文字なんです。 ○井手委員 わかりました。 ○長尾部会長 佐藤先生、何か追加ありますか。特にありませんか。 ○佐藤委員 特にありません。 ○堀江委員 14ページの純度試験だけが(i)となっていまして、統一されていないので、統一し た方がいいと思います。 ○長尾部会長 どこですか。 ○堀江委員 済みません。錯覚しました。 ○長尾部会長 アルファー化デンプンの場合には、酢酸ビルを特に測定しないということと、同じ 植物を基原とする未加工デンプンの代わりに、未加工ワキシーコーンスターチにするということで 特に問題がないようでしたら、ここも修正を入れるということよろしいですね。 デンプンリン酸エステルナトリウムについては、後で各人に修正を送っていただけるということ ですね。 それでは、次に、栄養学的観点からの事務局より説明をお願いします。 ○磯崎補佐 栄養学的観点からの検討でございますが、資料の109ページからになります。こちら につきましては、食品安全委員会で実施されたパブリックコメントにおきまして、これに関連した コメントの提出がございました。 具体的には、本日お手元にお配りしております資料の100ページからが、食品安全委員会で実施 されましたパブリックコメントの結果でございますが、101ページの5番、体内動態に関連する質 問の部分と、104ページの13番で、同じく消化分解率が悪いのではないかという観点から栄養学 的問題についてコメントが提出されております。 これに関しまして、食品安全委員会では、安全性の観点からの回答をしておりますが、栄養学的 な観点の指摘については担当の厚生労働省にお伝えしますとされておりますので、これを受けまし て、今回栄養学的観点からの検討ということで、資料をまとめさせていただきました。 それでは、109ページから御説明申し上げます。 加工デンプンは、そもそも未加工デンプンが有する物理化学的性状を変化させて、利便性を拡大 させるために、加工処理を施したものであり、通常は未加工デンプンに代わるものとしても用いら れるところでございます。 デンプンは三大栄養素の1つである炭水化物の摂取源でもありますことから、炭水化物の摂取量、 加工デンプンの摂取量、そして加工デンプンの体内動態ということで、消化酵素分解率といった点 から、加工デンプンの食品への使用について、栄養学的観点からの検討を行ってみました。 「1.関連情報」でございますが、1)で消化酵素分解率に関して、概要を説明しております。 加工デンプンの消化分解性につきましては、一部の加工デンプンについて消化率が低いことを示す ような試験結果もあり、一方で成人に加工デンプンを60g×4日間投与するような試験では、特に 有害影響は見られなかったという報告もあるところでございます。 加工デンプンと炭水化物との摂取量についてでございますが、まず加工デンプンにつきまして、 国内の生産量と輸入量に基づいた1人当たり1日消費量というものを推計しましたところ、約3g/ 人/日となります。 そのほかの推計の方法といたしまして、国民健康栄養調査による各食品の各年齢段階における摂 取データと、関連事業者より提供されました加工デンプン各食品への添加率をかけ合わせることに よる最大量の推計ということで、若い年齢層を中心にこちらにお示ししてございます。 また、ベビーフードへの加工デンプンの配合割合についてでございますが、日本ベビーフード協 会の調査の結果でございますが、最大で約5%ということになっております。 一方で、炭水化物及び植物繊維の摂取量につきまして、平成16年の国民健康・栄養調査の関連 部分の抜粋をこちらにお示ししてございます。 こういった情報を踏まえた考察が110ページにございます。  加工デンプンの1日摂取量を、上記のデータに基づいて、10mg/人/日と仮定した場合に、炭水化 物の摂取量中に加工デンプンが占める割合は、国民平均で4.6%、1〜2歳で6.6%、3〜5歳で 5.3%という結果になってまいります。また、1歳以下の乳児に関しましては、ベビーフードのみ を栄養源として、最大配合割合のもののみを摂取すると仮定した場合に、食事摂取量の最大5%が 加工デンプンの摂取量ということになってまいります。 仮に加工デンプンが全く消化されずに、グルコースとしての栄養素源にならないとした場合にお きましても、炭水化物の摂取量中に占める割合や摂取量のばらつきといったものも踏まえますと、 加工デンプンの使用が栄養学的な問題を引き起こすことは考えにくいところでございます。1歳以 下の乳児に関しましても、栄養源が市販されているベビーフードのみというものでは必ずしもない ということや上記の見積もりは過剰なものであるということを踏まえますと、この場合においても 特に問題を引き起こすことは考えにくいと思われます。 更に現在加工デンプンというのは、食品として使用されておりますが、特段栄養学的な問題は起 こっていないところでございます。 加工デンプンが摂取された場合には、植物繊維と同様な代謝を受けて吸収を経るというふうに考 えられるところでございます。 したがいまして、食品添加物として通常使用される状況下では、栄養学的な影響の懸念は必要な いものと考えられるということで、今回の検討の結果をまとめております。 以上でございます。 ○長尾部会長 本日参考人としてお越しいただいています山田先生から、コメントがありましたら ばお願いいたします。 ○山田参考人 ただいま事務局の方から御説明ありましたように、食品安全委員会の評価、その前 にこちらで評価された論文の抜粋を読ませていただいた限りは、この加工デンプンの実験の多くが ラットで、読む限りでは生デンプンの状態でされている。そういった場合に、ほとんどのデータで は、盲腸の肥大、重量だと思います。はっきり言うと盲腸の内容物ではなくて、盲腸重量の肥大と いうことで書かれていますが、これは今、よく食べられている難消化性のオリゴ糖、醗酵性の食物 繊維を動物がたくさん食べている。あるいは人でも一時期に多く食した場合には、ラクトース不耐 症みたいなもので、大腸の中で腸内細菌によって急激な発酵を受けて、盲腸あるいは大腸の中で大 きくなって一時的に軟便あるいは下痢のようになる。その結果があのデータで示されているものと 考えられます。 その場合には非常に多量に食した場合のデータであって、人が60g食べたという試験では、基本 的に何も起こっていないということは、ほとんどの場合、消化されて小腸の中で主に膵臓のアミラ ーゼと小腸粘膜のアルファグルコシターゼによって、非還元末端から切られていって、一部分は確 か切られてなく大腸に行くと考えられます。 その結果、データを考える限りでは、盲腸の重量の肥大というデータはありますが、ごく普通に 食べられる範囲では、ほとんどが消化吸収されて行くんだろう。 大腸に行った場合には、多くの腸内細菌でいろいろな架橋の部分が切られて、それは食品安全委 員会の評価からでは、特段の毒性は見られないということですから、私としては安全性については、 そう強く読み取るということはいたしませんでした。 もう一つは、これが大腸で醗酵吸収された場合には、多くの食物繊維と同じようにkcal/gになっ ていくんであろうと考えられます。 その場合に、大腸の中で発酵されて、多くが単鎖脂肪酸に変わって吸収されていくとしても、そ の割合は少ないので、カロリー的にはほぼデンプンとして摂取したと考えられると思われます。 そういったことから影響学的には特段適切な摂取の状況では問題ないと思われます。 異常でございます。 ○長尾部会長 この件につきまして、御意見ありますでしょうか。 ○井部委員 今のお話はよくわかるのですが、1歳以下の乳児に関して、わざわざ取り上げる意味 というのはどこにあるのでしょうか。 ○山田参考人 私の判断するところでは、まず、これはインファント・フォーミュラには使えない。 あとはフォローアップにも使えないというのはコーデックスなどで決まっていると思いますので、 テンプンとして使えるベビーフード。ヒトの場合には消化管の消化酵素というのは、生まれたとき からほとんど高い活性を持っているので、ごく普通の膵臓の酵素活性、あるいは小腸の膜の消化酵 素活性からすれば消化は可能であろうと思います。  ラクターゼだけが高くて、3歳くらいになると小さくなっていくんですが、アルファーグルコシ ダーゼに関しては、生まれたときから高いということが知られていますので、1歳以下ということ は余り考えずに、ミルクを飲む後の代替食品としては特段問題はないと考えております。 ○長尾部会長 よろしいでしょうか。ほかに御意見はありませんか。 それでは、加工デンプンの新規指定に係わる意見募集の結果について、事務局より御説明をお願 いいたします。 ○磯崎補佐 115ページの資料4−5をご覧ください。 昨年11月末の部会審議の後に、厚生労働省側におきましてパブリックコメントの手続を行いま した。その結果多数のコメントをいただき、重複したコメント等は一部まとめるなりした結果、お よそ24項目について御意見をいただいたところでございます。 それぞれ幾つかの分野に分かれておりまして、分野ごとにコメントを分類しております。 まず成分規格に関するコメントでございますが、1つ目のコメントは、未加工デンプンを処理剤 で処理する場合に、複数の処理剤を使う場合がありますが、その場合に処理の順番は限定されてい るのかという御質問でございます。これについては、アセチル化酸化デンプンについては順番が規 定されておりますが、それ以外については、最終製品である加工デンプンが成分規格に適合するの であれば、その規格の中で定義された順番に限定するものではないということで回答をまとめてお ります。  2番目は、アセチル化アジピン酸架橋デンプンの処理剤についてでございますが、無水酢酸にア ジピン酸を溶かして、無水アジピン酸として用いて処理することでも差し支えないかというとです が、これについては差し支えないということでまとめております。 3番目は、定義に記載されていない化合物を、少量副原料として使用してもいいかという御質問 でございますが、加工デンプンを製造する上で、技術的に必要な範囲であれば、酸やアルカリ等定 義に示されていない物質を製造工程で使用することを禁止するものではございません。ただ最終製 品は成分規格に適合する必要はございますし、これはほかの添加物でも共通の考え方でございます が、不純物等の混入等がないように、適切に製造・管理を行っていただくというのが原則と考えて おります。 4番、5番が、酸化デンプンと漂白デンプンの区別についてという御質問でございます。  酸化デンプンは化学物質での処理によりましてカルボキシ基を導入するというものでございま す。漂白デンプンは基本的に科学的修飾を行うことなく、他の色素成分を酸化して、色調を調整す るというものでございます。 こういった点ですとか、JECFA等の規格を踏まえまして、少なくともカルボキシ基が0.1% を超える場合、カルボキシ基が0.1%以下の場合においても、例えばカルボキシ基の確認試験で試 験をやってみますと、その結果が不明瞭であって、デンプンの性質なりの変化というものが酸化に よるものでないことを説明できないような場合については、デンプンの性質を変化させるほどの処 理が行われたと判断して、酸化デンプンとして取扱うのが適当でないかと考えております。 次のページ、6番目でございますが、酸化デンプンの処理剤として、高度さらし粉を用いてもい いかという御質問でございます。酸化デンプンに使える酸化剤としては、亜塩素酸ナトリウムと規 定されておりますので、高度さらし粉を酸化剤として用いたいということであれば、規格改正の要 請を行っていただくことが必要と考えております。 次が、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピルリン酸架橋デンプンについて、プロピ レンオキシドの限度試験を加えるべきではないかという御意見でございます。こちらにつきまして は、部会報告書の中にも記載がございますが、検体から検出されなかったこと、JECFA、EU、 米国において、規格が特段設定されていないこと、食品安全委員会での評価結果を踏まえまして、 規格は設定しないことといたしました。なお、プロピレンオキシドは、その物質の性状から考えま して、加工デンプン中にそのままの形で残存するということは考えられにくく、未反応のプロピレ ンオキシドは、プロピレンクロロヒドリンに変化していると考えられるところでございまして、ク ロロヒドリン類については規格値が設定されているところでございます。 8番目が、11品目の加工デンプンを酸焙焼、アルファー化、酸又はアルカリ処理等を行ってもい いのかという御質問でございますが、こちらにつきましては、基本的には製造工程とみなすことで 差し支えないと考えております。ただ成分規格には適合する必要があるということと、適切な製造 管理というものを行っていただくのが原則と考えております。 経過措置期間につきまして、9番〜12番にかけて御意見をいただいております。 まず、経過措置の期間についてでございますが、こちらにつきましては、過去に2年11か月以 上設けた例があるということで、これと同じような取り扱いにして欲しいという御意見でございま すが、過去に表示関係で同様のレベルでの改正を行った際には、通常2年程度の経過期間を設けて いるという実態でございますので、今回につきましても、2年程度の経過措置期間を設定すること を予定しております。 10番の御質問は、経過措置期間中に、添加物表示がなされた原料を使って食品添加物の表示を行 うという場合について、どのような取扱いになるかということでございますが、経過措置期間中で あれば、従前の例によりまして、食品としての原材料表示を行うことで差し支えないと考えており ます。 11番は逆のケースでございまして、食品表示がなされている加工デンプンを使った場合にどのよ うな表示になるかというところでございますが、そのもの自体が加工デンプンであるということで、 11品目の規格基準に適合することを確認しているのであれば、食品表示の加工デンプンであっても、 添加物としての原材料表示を経過措置期間中の段階からやっていただいて差し支えないとしてお ります。 12番目が、衛生管理者を置かずに加工デンプンの小分けを行って、それを加工デンプンとして出 荷することは問題ないかという御質問でございます。経過措置期間中におきましても、食品添加物 として出荷するという場合にあっては、製造業の許可の取得と衛生管理者の設置が必要になってま いります。 次に表示関連の御質問でございますが、13番は用途名併記の適用は望ましくないと考えるという 御意見でございます。こちらについては、加工デンプンの主たる使用目的が増粘剤、安定剤、ゲル 化剤、糊料に該当する場合には、用途名併記が必要となります。使用目的がこれに該当しないとい うことであれば、用途名併記は不要になってまいります。 14番は遺伝子組換え表示に関する御質問でございますが、組換えDNA技術応用作物から得られ たデンプンを原料として製造した加工デンプンにつきましては、遺伝子組換え表示が必要となって まいります。 15番は、加工デンプンを膨張剤の副剤として用いる場合に、膨張剤を添加した食品への表示につ いては、加工デンプンはキャリーオーバーとして考えていただけるようにお願いしたいということ でございますが、副剤として膨張剤に添加することについては、特段問題のないところでございま す。そのようにして製造した添加物製剤を原材料として加工食品を製造した場合におきましては、 こちらに4項目挙げておりますキャリーオーバーの要件というものをすべて満たす場合は、キャリ ーオーバーとしての取り扱いができるというふうに考えております。使用の割合で一律に判断する ものではないと考えております。 16番は、漂白デンプンは食品扱いと今後なってまいりますが、漂白デンプンという名称で、成分 表示することは可能かということでございますが、こちらについては漂白デンプンを原材料として 表示することで差し支えないと考えております。 17番は、酸化デンプンとコーンスターチを混ぜたものを食品に使った場合に、漂白デンプンとし て食品表示することが認められるかという御意見でございますが、こちらについては御指摘の例で は、酸化デンプンを食品の製造に用いていると判断されますことから、酸化デンプンについて添加 物としての表示を行っていただきたいと思います。 表示に関するコメントか続きますが、18番は、コンテナとかパレットといったものへの表示、表 示義務者に関する御質問でございます。こちらについては例を挙げていただいておりますが、個別 にこの例をどう考えるかということは、そのものの状況によるので、個別の判断が必要と考えると ころであります。パレットとかコンテナが運搬用器具とみなされる場合は、表示を省略することは できますが、容器・包装への表示というものは基本的には省略することはできません。表示の義務 は誰に係るのかという点に関しては、販売したり、販売の用に供するために陳列したりですとか、 営業上に使用する者に表示の義務がかかってまいります。 19番と20番は、食品と食品添加物製剤の区分に関するコメントでございますが、加工デンプン とその他の食材を混合してつくったようなものに関して、それが加工食品、添加物製剤のいずれに 該当すると考えればよいのかという御質問でございます。そのようにして製造されたものが、調理 という工程を経て、食品として喫食することを目的としたもの、例えばパンや菓子、唐揚げの衣の 製造に用いるような液状ミックスですとか、ミックスパウダーといったようなものに関しては食品 として扱ってよいと考えております。一方で、そういった液状ミックスやミックススパウダーの製 造に使用するということを目的として、使用上便利なように製造されたもの、混合されたようなも のは、食品添加物製剤と解するのは妥当ではないかと考えております。その際の表示につきまして は、上記の扱いに基づきまして、添加物製剤としての表示、食品への表示を適切に行っていただけ ればと思います。 21番も食品と添加物製剤の区分に関連するものでございますが、加工デンプンを単独で使用して 製造したような「餅」「蕨餅」「片栗粉」「わらび粉」といったものが、どちらの区分になるのかと いうことでございますが、これも上と同じような考え方に立って考えますと、調理を経て食品とし て喫食することを目的としているということで、食品と解するのが適当かと考えております。その 際の原材料名の表示に当たっては、加工デンプンは添加物として適切に表示していただきたいと思 います。 次が、製造業許可に関する御質問でございます。許可の基準が都道府県により異なっているとい う点でございますが、営業施設の基準設定や営業の許可につきましては、都道府県等の自治事務と いうことになっております。ですから最終的には、都道府県等の自治体の判断によることとなって まいります。 最後の2問がその他の御質問ということでございますが、23番は加工デンプンの添加物部会での 審議は昨年の11月28日に行われているが、食品安全委員会における食品健康影響評価の結果通知 は11月29日ということで、食品添加物専門調査会の最終的な報告を持たずに、添加物部会での審 議を終えたことになるという点の御指摘でございます。これについて、厚生労働省といたしまして は、指定に向けての手続をできる限り効率的に進めるということで、食品安全委員会での評価書の 案がパブリックコメントに付された段階で、添加物部会での審議開始しているところでございます。 しかしながら、食品安全委員会におきまして、最終的な健康影響評価の結果がパブリックコメント を経て変わってしまったという場合におきましては、再度添加物部会において、その点を踏まえた 検討をするという方針でいるところでございます。 最後でございますが、こちらは国際機関等で、離乳食や、乳幼児用食品に関して、使用の上限を 定めたいとしているので、日本においても何らかの規制を行う必要があるのではないかという御指 摘でございます。こちらについては、EUでは、乳幼児向けの食品に対して5%の使用制限が設け られているもの等がございますが、食品安全委員会における評価結果ですとか、我が国における乳 幼児での炭水化物の平均摂取量に対する加工デンプンが占める割合は5 %を超えないといったこ と、米国では特段の使用基準が設定されていないといったことも踏まえまして、我が国では使用基 準を設定しないということといたしました。なお、「食品安全委員」となっておりますが「食品安 全委員会」でございますが、こちらの評価結果におきまして、食品添加物としての指定後に調整粉 乳や離乳食に対する加工デンプンの使用実態を調査することを検討することといった記載がござ いますので、リスク管理側としても、こういったことを実施しまして、改めて食品安全委員会に報 告するという方針でいるところでございます。 長くなりましたが、以上でございます。 ○長尾部会長 それでは、この御意見に対する回答案について、御意見をお願いいたします。この 回答案はよろしいでしょうか。 ○佐藤委員 酸化デンプンと漂白デンプンの区別についてなんですが、115 ページの4番と5番で、 (1)、(2)とありまして、(1)がカルボキシ基が0.1%を超える場合は酸化デンプン。(2)としてカルボキ シ基が0.1%のものにおいても、カルボキシ基の確認試験の結果が不明瞭であり、かつデンプンの 性質の変化が酸化によるものでないことを科学的に説明できない場合は酸化デンプンとあります が、そうしますと、カルボキシ基が0.1%以下でカルボキシ基の確認試験の結果が、明瞭に陰性で あれば、これは漂白デンプンという解釈でよろしいのでしょうか。 ○磯崎補佐 メチレンブルーで染色するという試験がこの確認試験でございますが、かなり鋭敏に 反応するような試験と伺っております。そういう点から考えまして、この試験結果が陰性というこ とであれば、基本的には漂白デンプンと考えてよろしいのではないかと思っております。 ○長尾部会長 ただいまのことは17番の回答とも関係していると思うんですが、この場合にはカ ルボキシ基の濃度ではなくて、元が酸化デンプンだから、酸化デンプンということになるわけです ね。 ○磯崎補佐 こちらにつきましては、ここのコメントにありますように、明らかに酸化デンプンと コーンスターチを混ぜてということですので、そうしますとできた製剤として測定すれば低くなる ことは当然のことでございますが、だからといって低いものであれば、混ぜてできた製剤を漂白デ ンプンとして扱うというのは、そもそも適切ではなく、やはり酸化デンプンを用いて、最終的には 食品をつくるということですので、それは酸化デンプンとして扱い、適切な表示をしていただきた いと思っております。 ○長尾部会長 ほかに御意見ありますか。 特にないようでしたらば、加工デンプンの新規指定については、これから皆さんに修文したもの をお送りして確認していただくことになるんですけれども、それから御意見いただいて特に問題が なければ、新規指定は可とするということでよろしいでしょうか。もしそこを審議した方がいいと いうことがあれば、そのときはまた事務局で、そこは御判断いただいて、とりあえずここではそう いうことで決めさせていただきたいと思います。 よろしいですね (「はい」と声あり) ○長尾部会長 それでは、部会報告を分科会報告とする手続をとりたいと思います。今後のスケジ ュールにつきまして、事務局からお願します。 ○磯崎補佐 本日御審議いただいた結果に基づきまして、既にパブリックコメントとWTO通報は 済んでおりますので、今後は食品衛生分科会での審議を進めたいと思っております。 ○長尾部会長 それでは、よろしくお願いします。 審議事項は以上でよろしいでしょうか。 次に報告事項をお願いします。 ○磯崎補佐 それでは、報告事項でございますが、本日は3点資料を準備させていただきました。 初めの2点は、ほとんど類似した内容でございますが、まず「報告資料1」をご覧ください。 今後、当部会でも御審議いただくことになるかと思いますが、亜塩素酸水での食品健康影響評価 の結果の通知に合わせて、既に以前、食品安全委員会での評価及び当部会での審議を経た上で、使 用基準の改正を行いました亜塩素酸ナトリウムの評価書につきまして、一部訂正が必要な事項が出 てきましたので通知しますということで食品安全委員会から連絡があったものでございます。 具体的な修正箇所については2ページに記載してございます。左側が変更前、右側が変更後とい うことで、「聴覚」という言葉が追加されております。 今回この評価書の修正によりまして、最終的な評価結果が変わるというものではありませんので、 リスク管理側で取った措置につきまして、改めて検討や見直し等は必要ないと考えております。こ の点御報告させていただきます。 ○長尾部会長 よろしいでしょうか。特に御意見がないようでしたら、これを今後の施策に適切な 反映させていただきたいと思います。 次の報告事項をお願いします。 ○磯崎補佐 「報告資料2」でございます。こちらはアスコルビン酸と、その際に参照した添加物 の評価書の L−アスコルビン酸カルシウムの改定についてということでございまして、こちらは先 ほどと同様に、L−アスコルビン酸カルシウムの評価書につきまして改定が必要となったというこ とで報告があったものでございます。 具体的な改定箇所は2ページ目に示されておりまして、左が変更前、右が変更後ということで、 変更後の下線部にありますように「L−アスコルビン酸」という言葉が追加されております。  こちらにつきましても、最終的な評価結果が変わるものではありませんので、リスク管理側での 再度の検討は不要と考えております。 以上でございます。 ○長尾部会長 御意見ありますでしょうか。 ないようでしたらば、これを今後の施策に適切に反映していただきまして、次の報告事項に移り ます。お願いします。 ○磯崎補佐 「報告資料3」をご覧下さい。 こちらは食品安全委員会への意見聴取、食品健康影響評価の結果等についての進捗状況をまとめ たものでございます。 いつも部会には提出させていただいておりまして、前回の4月の部会以降に、進捗のあったもの について御報告を申し上げます。 1ページ目の中ほど、ポリソルベートの20、60、65、80でございますが、こちらは本年4月30 日に添加物として指定されました。 3ページ目、こちらも中ほどに、ケイ酸カルシウム、L−アスコルビン酸カルシウムがございま すが、こちらも本年の4月30日に添加物としての指定がなされました。 こちらの資料に反映できておらず、申しわけございませんが、同じページの下にあります水酸化 マグネシウムにつきましては、本日付けで添加物としての告示が出たところでございます。 同じページの一番下でございますが、先ほど報告事項1で御説明申し上げました亜塩素酸水でご ざいますが、こちらの結果通知が本年の6月19日に来ております。 以上でございます。 ○長尾部会長 御意見ありますでしょうか。 特にないようですので、これを今後の施策に適切に反映してください。 ほかに皆様の方から御意見ありますでしょうか。御発言等よろしいでしょうか。 それでは、事務局より、次回の予定について御説明をお願いいたします。 ○磯崎補佐 添加物部会につきましては、通例として第4週の水曜日の午後を定例開催とさせてい ただいております。今回は先生方の御都合の関係から7月の上旬にずれる形での開催とさせていた だきました。次回は8月27日水曜日を現在のところは予定しているところでございます。場所、 議題につきましては、改めて御案内させていただきます。 ○長尾部会長 それでは、本日の審議を終了します。 どうもありがとうございました。 照会先:医薬食品部食品安全部基準審査課     (03−5253−1111 内線2453)