08/07/02 平成20年度第1回目安に関する小委員会議事録          平成20年度 第1回目安に関する小委員会議事録 1 日 時  平成20年7月2日(水)15:30〜17:20 2 場 所  中央合同庁舎第7号館西館第1320会議室 3 出席者   【委員】 公益委員  今野委員長、勝委員、野寺委員   労働者委員 石黒委員、加藤委員、田村委員、團野委員        使用者委員 池田委員、川本委員、原川委員   【事務局】厚生労働省 氏兼勤労者生活部長、吉本勤労者生活課長、              植松主任中央賃金指導官、伊津野副主任中央賃金指導官、              吉田課長補佐 4 議事内容 ○今野委員長   それでは、ただ今から目安に関する小委員会を開催いたします。本日から審議が始まり ますので、よろしくお願いします。本日の議題は、「平成20年度地域別最低賃金額改定の 目安について」です。まず、本日以降の小委員会の公開についてですが、従前より中央最 低賃金審議会運営規程第7条第2項を準用する同規程第7条第3項に基づき、議事録は原 則公開としておりますが、会議については、「率直な意見の交換、もしくは意思決定の中立 性が不当に損なわれるおそれがある場合」等に該当することから、同規程第6条を小委員 会においても準用することとして、これまで非公開としております。各委員には事前に事 務局から意向をご確認させていただきましたが、今年度も同様の取扱いにしたいというふ うに考えております。よろしいでしょうか。                    (異議なし) ○今野委員長  それでは、まず事務局からお手元にお配りしている資料のNo.1、主要統計について説明 をお願いしたいと思います。 ○吉本勤労者生活課長  それでは、説明します。資料No.1の主要統計資料ですが、目次を開いていただきますと、 大きく3つに分かれています。Iは「全国統計資料編」、IIが「都道府県統計資料編」、次 の頁ですが、IIIとしまして「業務統計資料編」とあります。大分ボリュームが多くなって いますので、ポイントだけ説明したいと思っておりますが、1頁目をお開きいただきます と、主要指標の推移ということでGDP、鉱工業生産等に関する資料をつけさせていただ いております。GDPにつきましては、平成19年、18年に比べますとやや数字は低いわけ ですが、名目、実質とも前期比、前年比でプラスといった状況、また20年の1〜3月をみ ましても、プラスといった数字になっております。鉱工業生産につきましても18年に比べ ると低い伸びでございますが、プラス2.8といったような数字、また製造工業稼働率につ きましても、同様にプラス1.0といった数字になっております。また、倒産件数につきま しては、ここしばらく減少傾向できていましたが、18年、そして19年は前年比6.3%増と いうことで、増加傾向にあるところです。完全失業者数につきましても、ここしばらく減 少傾向できているところです。平成19年についてもマイナス18万人ということですが、 20年の4月、5月についてはややプラスに転じているといったところがうかがえます。ま た、完全失業率につきましても、同様の状況ですが、今年の4月、5月は4.0%といった数 字に上がっています。次の頁ですが、求人倍率ですが、平成18年、続きまして平成19年 が有効求人倍率で1を超えており、1.04といった数字。20年に入りまして、下の方でご覧 いただけますように1を割るような水準に少しだけ落ちてきています。消費者物価につき ましては、18年0.3に続きまして、19年も0.1%増といった状況、また国内企業物価につ きましては、より高い1.8%増といった上昇になっております。賃金、これは現金給与総額 を毎月勤労統計調査でみたものですが、調査産業計でご覧いただきますと、名目、実質と もに19年はマイナス0.3、マイナス0.4%といったことで、マイナスです。これにつきま しては、パートの比率が18年から19年で、このところパートの比率がほぼ横ばいだった のですが、また少し上がった。そういったことの影響があるものと推測されます。製造業 につきましても名目でマイナス0.4%、実質でマイナス0.5%、パート比率が10.30から 11.19にかなり上がっているといったことの影響かと思われます。  後ほど、もう少し細かい資料がありますので、改めて説明したいと思います。次の頁で ございますが、有効求人倍率の推移ということで、全体の動きは今ほど説明しましたが、 AからDのランクごとにみた場合に、Aが一番高く、Dは低いといったような傾向でして、 最近に至るまでAランク、Bランクでは1を超えていますが、Cランク、Dランクでは1 より低い状況です。  4頁の年代別の求人倍率です。これをみますと、18年から19年の動きとして、19歳以 下の若年層、それから45歳以上の中高年層につきましては、やや求人倍率が上がっている 傾向がみられますが、その間の年齢層では、少しだけ止まっていた傾向にある状況でござ います。5頁の賃金・労働時間の推移ですが、毎月勤労統計調査でみた賃金、現金給与総 額は先ほどご覧いただきましたが、19年につきましてはどの規模をみてもマイナスでした が、20年に入りまして大きくプラスに転じていることがみてとれます。今申し上げたのは 現金給与総額で、定期給与以外の賞与等が含まれた数字ですが、それを除いた定期給与で ご覧いただきますと、18年に引き続きまして、19年も5〜29人の小規模を除きますと、プ ラスであった。20年に入ってからプラスの幅が大きくなっていることについては、現金給 与総額と同様の傾向です。  パートタイム労働者比率ですが、16、17、18年の辺りは横ばいでしたが、先ほど言いま したように19年で少し高くなっている。特に5〜29人規模のところでは、31.89%といっ たような比率になっています。  7頁ですが、初任給の上昇額・率の推移ということで、それにつきましては学歴ごとに 出されています。平成20年度につきましては、どの学歴をとりましても前年よりも高い上 昇率で、ここの表についている中で最大の上昇率であったとみてとれます。  8頁ですが、賃金・労働時間、これは毎月勤労統計調査でみたもので、所定内給与、時 間当たりの所定内給与を出しています。所定内給与は、19年、20年に入ってもプラスでし て、時間当たりをみましても労働時間がやや減っていることもありまして、プラスです。 今ご覧いただきましたものが30人以上規模、9頁につけておりますものは5〜29人規模の 数字でして、これにつきましては、19年は時間当たりでみてもマイナス0.3%ですが、20 年に入ってからはプラス1.3%といった状況です。  10頁ですが、これはパートを除く一般労働者について、賃金構造基本統計調査で同様に 所定内給与、それから時間当たりの給与をみたものです。どの規模をみましてもプラスで、 10人以上0.4%増、10〜99人0.8%増、5〜9人も0.8%増です。  次の11頁は月間労働時間です。平成19年は、所定内につきましては、規模を問わずや や減少傾向です。所定外労働時間につきましては、ややプラスの傾向。小規模の製造業に つきましては20年に入ってからも残業時間、所定外労働時間の減少の傾向がみられるとい うことが分かります。  12頁が春季賃上げ妥結状況でして、連合、日本経団連の方からいただきました数字をつ けさせていただいていますが、連合の数字で申し上げますと、規模計の平均賃上げ方式、 加重平均というところで1.92%増で、昨年の1.88%増よりも大きな上げ率。また、日本経 団連の大手企業については1.95%増、中小企業については1.66%増で、昨年並み、あるい は、それ以上の上昇率の結果になっています。  13頁ですが、ランクごとに春季賃上げ率の推移をみたものです。これは、厚生労働省の 方で調べて集計した数字ですが、全国の平均で1.6%増、各ランクをみても昨年以上の上昇 率です。  14頁ですが、賃金の改定額、それから改定率を改めてみていただいているものですが、 19年までをみているものですが、19年につきましては、加重平均、単純平均とも、ここ数 年の中では高い伸び率でありました。賃金の引上げに当たって重視した事項としては、引 き続き企業業績等が大きくなっているところです。  15頁の夏季賞与・一時金妥結状況です。これも連合、日本経団連からいただきました数 字をつけさせていただいています。連合の数字をみますと、夏季、年間ですが、月数でみ ると昨年よりもやや増、額でみるとマイナスでややまちまちな結果です。また、日本経団 連の数字ですと総平均で0.41%減の数字になっています。  16頁の消費者物価指数ですが、AランクからDランクまでランクごとにみたものです。 19年につきましては、プラス0.1、Dランクのみがマイナス0.1%でしたが、20年に入り ましてからは、どのランクを取りましても、前年比でプラスが続いている状況です。  17頁ですが、地域別最低賃金の未満率、影響率です。昨年度につきましては未満率が1.1%、 大幅な引上げがなされたということで影響率は2.2%という数字になっています。  18頁の解説は割愛しまして、19頁です。19頁からは地域別の最低賃金と実際の賃金の水 準、時間当たりの賃金水準を比較したものです。1つ目は、一般労働者、パート以外の方々 でして、企業規模10人以上、それから10〜99人それぞれ分かれていますが、時間当たり の所定内給与は18年から19年にかけてプラスということです。プラスの幅が今回の場合、 最低賃金の引上げ額の14円よりも小さい、最低賃金の引上げの方が高かったことで、結果 といたしまして時間額の比率でみますと、上昇している傾向です。  20頁ですが、一方で短時間労働者につきまして、男女計と女性だけ、それから規模ごと につけていまして、少しずつ傾向が異なりますが、大きくいいますと、所定内給与は時間 額としてかなり大幅に上がってきていると申し上げられると思います。最低賃金の引上げ 額に比べまして、実際の所定内給与のアップ率の方が短時間労働者の場合は高くなってい るといったことによって、時間額の比率でみますと低下している結果になっています。21 頁は、同様のことを毎月勤労統計調査でみたものです。毎月勤労統計調査は常用労働者全 体が対象で、パートタイム労働者を入れた数字になっておりますが、これでみますと時間 当たり所定内給与のところ、(7)をご覧いただくと、今も申し上げたようにパートが入って パートが増えている影響もありまして、減少傾向にあります。その結果として、この数字 でみた時間額の比率、一番右の数字は上昇をしています。  22頁が企業の業況判断で日銀短観の中から数字を引っ張ってきています。3月の調査ま でしか入れられなかったのですが、昨日6月時点での調査結果が出ています。口頭で恐縮 ですが、若干紹介申し上げますと、20年の6月の時点ですと一番上の規模計の製造業のと ころ、最近がマイナス3、先行きがマイナス7、非製造業については最近がマイナス10、 先行きがマイナス16で、ディフュージョン・インデックスでみて悪い方が少し増える傾向 になっています。  23頁ですが、経常利益の増減、売上高経常利益率、これも新しい数字が出てきておりま して、経常利益増減でいいますと、平成20年度の計画がこの表ですと2.1、2.7となって いますが、最新の調査ですとマイナス6.9、マイナス2.3といったような状況です。また、 売上高経常利益率ですと、一番右の上2つ5.7、3.3が5.1、3.1という状況になっていま す。足元の業況判断等については、少しずつ厳しい見方が増えている状況かと思われます。  26頁ですが、中小企業庁の中小企業景況調査、好転しているか悪化しているかというこ とでディフュージョン・インデックスですが、これでみましても、最近はマイナスの幅が 増えつつあります。サービス業がやや少なくなっていることを除けば、その他は、すべて でマイナス幅が大きくなっている状況です。27頁は、それをグラフにしたものです。  続きまして、28頁から都道府県ごとの数字をつけさせていただいています。一人当たり 県民所得、東京100として、沖縄が一番低い。東京を100として沖縄が42.3といった状況。 標準生計費につきましては、サンプルの問題もありまして年々のばらつきがかなり大きい のですが、今年の調査ですと一番指数が高くなっているのが茨城の113.7、低いのが和歌山 の61.6。高卒初任給につきましては、一番高いのが東京です。低いのが男性については沖 縄、女性については秋田といった状況です。  それから有効求人倍率の推移ですが、これもばらつきがありますが、19年でみましたと きに、全国で一番いいのがAランクの中にある愛知の1.95です。逆に厳しいところは、沖 縄の0.42、青森の0.47、あるいは高知の0.50、北海道の0.56です。  次の失業率ですが、厳しいところを申し上げますと、青森の7.3%、沖縄の7.1%です。  31頁の賃金、定期給与の推移ですが、定期給与の額でみまして、一番高いのは、東京の 374,024円、一番低いのが19年につきましては青森の240,124円で、割合にしますと64% ぐらいになっています。  労働時間ですが、パートの比率が産業構造によってばらつきがありますが、短いところ はBランクの埼玉の144.3時間であるとか千葉の149.1、逆にDランクの長崎の164.0が一 番長いところとみられます。  それから33頁が春季賃上げ妥結状況、19年の数字ですが、高いところがAランクの神奈 川の2.0%、逆に低いところはCランクの北海道の1.1ですとか、香川、和歌山の1.2%で す。  次に消費者物価上昇率ですが、18年から19年、プラスになっているところがやや多いよ うな状況ですが、20年に入りましてからは、すべてのところで前年比プラスで消費者物価 上昇がみられます。  消費者物価地域差指数というものが35頁についておりますが、東京を100として、低い ところは宮崎の86.9、全国平均が90.1になります。  36頁の業務統計資料ですが、昨年度の地域別最低賃金の改定状況、よくご存じと思いま すが、ランクごとにそこにありますような改定額で、低いところで7円、高いところで20 円といった状況です。実際の発効の日にちは昨年は例年より遅れてしまいましたが、10月 31日までには発効している状況です。  37頁に目安と改定額の関係の推移をつけてあります。19年につきましては、目安どおり、 あるいはプラスですが、プラスが多いものが、今回はDランクにみられました。  38頁は効力発生の年月日をまとめたものです。39頁はそれぞれのランクの平均の額、引 上げ率、40頁は最高額と最低額、41頁に都道府県ごとの引上げ率の推移等をまとめさせて いただいています。42頁ですが、監督指導結果の推移でありまして、最低賃金を主眼とす る監督を、そこにありますように最近では、大体1万件以上を、主に1月から3月に実施 してきましたが、昨年につきましては、成長力底上げ戦略に書かれたこともありまして、 監督指導を1月〜3月に加えまして6月に実施したということで、合わせて2万件以上の 監督を実施しています。違反率は、最低賃金法第5条の違反でみまして事業場の数で6.9%、 労働者の数でみますと1.4%です。昨年の6月以降の監督指導から、今までは43頁につけ ておりましたような細かい内容を分類していなかったのですが、集計するようにしました。 産業別の違反の状況ということで、地域別最低賃金適用事業場で特徴をみますと、違反事 業場の数が多いところが、衣服その他の繊維製品の110ですとか、繊維工業、小売業、飲 食店があげられるかと思います。説明は以上です。 ○今野委員長  ありがとうございました。それでは、ただ今の説明についてご質問、あるいは、ご意見 がありましたらお願いいたします。 ○加藤委員  ちょっと教えていただきたいのですが、影響率、未満率の出し方に関連してなのですけ れども、ただ今の資料で申し上げると17頁、18頁なのですが、17頁は最低賃金に関する 基礎調査で、18頁は賃金構造基本統計調査ということですけれども、調査はいずれも6月、 7月という時点ではないかなと思うのですが、影響率を出すときに、最低賃金が決定され た金額をそれ以前に調べた5月、6月、例えば6月調査であれば、それ時点で調べた調査 との関係で影響率を出すということなのかどうか。仮にそうだとすれば影響率が出てくる のですが、未満率は最低賃金が引き上げられた後、是正措置を講じた企業の労働者などが どのように反映されているのか、その辺をちょっとお伺いしたいと思います。 ○吉本勤労者生活課長  時点としてはそれぞれ6月時点です。その時点の分布をもとに未満率、影響率を出して います。改正前の最低賃金額、改正後の最低賃金額はいくらかというのを6月時点で当て はめて率を出しています。 ○加藤委員  6月時点の賃金額がありますよね。それで、平成19年の改正された最低賃金額があって、 それより下回っているところが影響率になりますね。未満率なのですけれども、改正され た以降ですね、例えば発効日前なのか、あるいは改正時点なのか。改正された以降企業で 是正をするといった措置を講じたときに、それが未満率に反映されているのかどうか。 ○吉本勤労者生活課長  されていないですね。 ○加藤委員  されていないですか。 ○吉本勤労者生活課長  はい。 ○加藤委員  はい、分かりました。 ○今野委員長  1年遅れて未満率になってくる、遅くなってくるのですよね。 ○加藤委員  1年遅れて未満率になるのですね。分かりました。 ○今野委員長  だから、1年前の影響率よりか、1年後の未満率が低くなっていないとおかしいのです よね。そうだよね、是正されて。他にいかがでしょうか。 ○加藤委員  これ前回聞けばよかったのですが、前回ちょっと資料の説明がなかったものですから聞 き損なったのですが、前回配付された資料の中で参考資料が2つありましたよね。そのう ちの、春季賃上げ妥結状況でない方の「「賃金構造基本統計調査」でみた高卒初任給の時間 換算額について」というのがありまして、そこの脚注をみてみますと。 ○今野委員長  ちょっと待ってください。何頁目の真ん中辺とか後ろとか。 ○加藤委員  真ん中辺ですね。 ○植松主任中央賃金指導官  資料8の次の次ですね。 ○加藤委員  そこに、高卒初任給の時間換算額とありますよね。そこの脚注のところなのですけれど も、所定内実労働時間数で割ったものとして、おそらく、月額ベースのものを所定内実労 働時間数で割ったとなっているのですが、18歳、19歳の、どのようにしたらいいのでしょ うか。割り算というか、分母をちょっと教えていただければと思います。 ○今野委員長  分母の統計はないのですよね、数字は。 ○吉本勤労者生活課長  産業計、男女計、高卒、18歳から19歳の年齢層についての月労働時間というのが取れて おりますので、それで割るということです。 ○今野委員長  他にいかがでしょうか。 ○池田委員  結局、結果としては未満率が増えているということはいわゆる罰金の対象になるかどう かというのは実態としてどうなのですか。 ○吉本勤労者生活課長  未満率については先ほどの話と関連しますが、翌年いわば今年の調査でどうなっている かということで把握することになるかと思います。 ○池田委員  今年はまだ分からない。 ○吉本勤労者生活課長  はい、そのとおりです。影響率でみると平成18年に1.5だったものが、平成19年に2.2 になっているということしか、今のところ分かりません。 ○今野委員長  池田委員、18頁に賃金構造基本統計調査とありますよね。これ従来どおり未満率1.1が 続くとしたら影響率が平成19年で1.5だったのに大幅に是正がされて、平成20年の未満 率が1.1と。6月調査ですからね、しばらくは分からないです。そういうことになります。 他にございますでしょうか。 ○勝委員  今の17頁の未満率、影響率なのですが、ランク別での加重平均というのは昨年出してい ただいたような気がするのですが、これはいずれまた出てくるということでよろしいので しょうか。 ○吉本勤労者生活課長  次回までに用意させていただきます。 ○今野委員長  よろしゅうございますか。今日もう1つ生活保護についての説明もしていただかないと いけないので、次に生活保護制度の概要と最低賃金の関係についてお話をいただいて、ま た質問があったらしていただくと。それでは、お願いします。 ○吉本勤労者生活課長  生活保護関係の資料は資料No.2と資料No.3ですが、資料No.2は先日の、一昨日の本 審のときに説明させていただいたものと同じですので、ひとまず割愛させていただき、資 料No.3をご覧いただきたいと思います。改正法案について労働政策審議会の最低賃金部会 でご審議いただいたときに一度お出しをしたことがあります。その資料を、その時点では 16年度ベースだったかと思いますが、それを、最新のとれるデータということで18年度ベ ースに直したものです。それと併せて、比較するに当たって、従来は月間の労働時間を176 時間、即ち1日8時間×22時間と計算をしておりましたが、改正法の国会審議において、 労働基準法で定められた週40時間という考え方に基づくべきだとご指摘があり、正確にそ の点は計算をした方がいいのではないかということで、週40時間×年間の52.14週÷12ヶ 月とした、173.8時間ということにさせていただいております。  次にグラフの見方をご説明申し上げますが、3枚のセットになっております。先日ご説 明したように、生活保護は対象者の年齢、世帯構成、所在地によって異なるわけですが、 1枚目のグラフは12〜19歳の年齢層、単身の世帯、それから、級地は県庁所在地というこ とで、その関係を示したものです。右上に折れ線の解説をさせていただいておりますが、 上から3つ目の●は各都道府県の県庁所在地の生活扶助基準(1類費+2類費)、2類費の 中に冬季加算といったものもありますが、それを合せた数字です。  まず、この前もご説明しましたけれども、12〜19歳で県庁所在地の単身世帯となったと きに、1類費、2類費それぞれの金額が出てきます。それに加えて冬季加算、これは、寒 冷の具合などによって暖房費の必要額が異なるということで、すべての都道府県がIから IVの4つの区分に分けられており、その地区別に計上されています。注に書かせていただ いていますが、この冬季加算は毎年11月から3月までの5カ月の支給ですので、月に直す ということで冬季加算の月額×5÷12といった数字を出してそれを足したもの、これが一 番下の●の数字です。  次に、一番上の▲の数字ですが、これは、今申したものに住宅扶助特別基準額を足した ものです。この間ちょっと申しましたけれど、都道府県、政令市、中核市の別に、住宅扶 助の限度額である住宅扶助特別基準額といったものを定めており、それをそのまま足した のが一番上の▲です。その下の△ですが、今申したように住宅扶助特別基準額は実際に支 払った額ではないものですから、住宅扶助については、実際支払われた実績値を用いて算 定したというのがこの△ということになります。この前も申しましたけれど、住宅扶助は 持ち家があって家賃を払う必要がない方は全く支払われてないということですので、実績 値は当然ですけれど限度額よりも低い水準ということで実績の値を出しています。  実績値というのはちょっと細かくなりますが、都道府県、政令市、中核市ごとに統計デ ータが出ております。その他、6つの級地ごとにも実績値がどうかというのがとりまとめ られており、それぞれ該当する数字を比較しています。ですから、県庁所在地が政令市や 中核市である場合は数字が出ておりますし、それ以外の、県庁所在地がそうでない場合に ついては、それが6つのどの級地に当たるかというところで該当する実績値をとっている ということです。平成18年の数値を使っているのは、実績値が翌々年度でなければ、今で いえば18年度までしか把握できないということで、今回は18年度の数字で比較をしてい ます。今申したのが生活保護の水準です。  次に、◆や◇で示しているのが最低賃金の額です。◆が先ほど申し上げた月の労働時間、 173.8時間を最低賃金額に掛けたものであり、さらに、下の◇が、実際には税とか社会保険 料が差し引かれますので、手取りの額を出すという趣旨でその分を控除した率、即ちそれ を計算すると0.864になるわけですが、それを掛けた可処分所得でみた月額の最低賃金と いう趣旨で◇があるわけです。  それから、2枚目のグラフは各都道府県ごとに人口によって生活保護の加重平均を出し たものです。級地別にその額が決められております生活扶助と住宅扶助特別基準額につい て、各都道府県の級地ごとに人口が分かりますので、その人口をウェイトにした加重平均 で出しています。なお、住宅扶助の実績値については、今申しましたように、実績値がと りまとめられている政令市、中核市又は都道府県ごとの被保護者世帯数によって加重平均 を出しています。他の考え方は1枚目と同じです。  3枚目のグラフは県内の最下級地の生活保護水準で、これはまさに、県内の一番下級地 のデータに基づいて数字を表したグラフです。以上がグラフの説明です。生活保護につい ては、今申したように年齢、世帯構成によって違いがあるということ、また、級地も6つ に分かれており、都道府県ごとに1本の最低賃金といかに比較していくかということは難 しい問題ですが、この場でいろいろご議論を賜ればと思っているところです。  それから、先ほど1点間違いました。冬季加算については4と言いましたけれど、Iか らVI区、6つに分けられています。すみません、訂正します。 ○今野委員長  それでは、ご質問、ご意見がありましたらどうぞ。 ○加藤委員  質問といいますか、生活保護基準について今日議論することになると思いますので、大 変恐縮なのですが、私もそのときご質問すればよかったのかも分かりませんが、基本的な ことなのでちょっと教えていただければということでご質問させていただきたいと思いま す。前回、今年度の目安審議に当たっての諮問をいただいたのですが、実は円卓会議との 関係です。円卓会議で少し具体的な踏み込みもしながら中長期の最低賃金のあり方につい ての合意がなされており、この間ご説明をされましたけれども、つまり、これから審議を するに当たって円卓会議と中央最低賃金審議会目安審議との関係と申しましょうか、円卓 会議の合意をどのように受け止めて中央最低賃金審議会の審議に反映をすることになるの か、その辺がよく掴みにくいところがありまして、整理をしていただけるとありがたいな と。 ○吉本勤労者生活課長  よろしいでしょうか。前回も調査審議をお願いするに当たっての考え方ということで申 し上げましたが、この合意の文書、ちょっとファイルになってしまっておりますが、この 間ご紹介いたしましたように、「最低賃金の中長期的な引上げ」という中で、「賃金の底上 げを図る趣旨から、社会経済情勢を考慮しつつ、生活保護基準との整合性、小規模事業所 の高卒初任給の最も低位の水準との均衡を勘案して、これを当面5年間程度で引き上げる ことを目指し、政労使が一体となって取り組む」とされていますが、小規模事業所の高卒 初任給の最も低位の水準といったところについては、3つの考えが整理されています。1 つの解釈にはまとまらなかったと理解しています。しかしながら、私どもが受け止めてお りますのは、賃金の底上げを図る趣旨から5年程度で引き上げることを目指し、といった ここの部分については皆様方の合意を得られた部分だと思っており、その趣旨で円卓の議 論を受け止めたいと思っております。それが円卓との関係です。私どもの改正最低賃金法 との位置づけで申し上げますと、中央最低賃金審議会はまさに最低賃金法に関する厚生労 働省の審議会ということを考えると、第1は改正法の趣旨を踏まえるということで生活保 護との整合性を考えると。円卓については、今申し上げたような議論に配意していくとい うことで考えられればと思っております。 ○今野委員長  よろしいですか。 ○加藤委員  はい、分かりました。 ○今野委員長  よろしいですか。他にございますか。いかがでしょうか。 ○田村委員  生活保護との整合性が今日のご説明だと思うのですけれども、整合性の中でいくと、生 活保護を下回ることはないということになると思います。もともと生活保護は、最低限の 生活の保障に対して、プラス自立への助長という言葉があったかな、ということが第一条 に書いてあることだと思います。賃金というのはまた別な意味があると思います。1つに は大きく労働力の再生産ということがあるわけですから、今日働いて明日への活力と新し い労働力、さらに、世代間でも次の労働力を生むという部分が賃金の中にあるはずだとい うことになると、生活保護イコールではないのだろうと思います。上へ上がるものであろ うという気がしています。  もう1つは、賃金ですから、職場に出かけていくという話になるわけですから、出かけ ていくときの例えばガソリン代とか何とかは、通勤費等でみられるということになるのだ ろうと思うのですけれども、その手段としての車は別に通勤費で出てくるわけではありま せんので、それぞれ賃金の中で購入してそれを通勤の手段として使うということになると、 そういう費用も生活保護にはないところで加算されていくということがあると思います。  3つ目ですけれども、先ほど言いました労働力の再生産ということになると、働いてい ずれ定年がくるなり、職場からリタイアする人が出てくるわけですけれど、その後の生活 についても賃金の中である程度自助努力していく部分があるわけですから、そうなるとそ こに貯蓄というものが出てくる。生活保護基準でいきますと、貯蓄については、以前は0.5 ケ月分くらいは認められて、今3カ月ぐらいまでは検討されているようですけれども、や はり働いているうちに貯めていかなければならない、という要素があるのではないかと思 っておりますので、生活保護基準と最低賃金がイコールというのは考え方としてはおかし いのではないかということを意見として申し上げておきたいと思います。 ○今野委員長  他にどうですか。 ○池田委員  今のデータで、何でこれ12〜19歳の基準をとっているのか。一番低いところと、最低賃 金の比較をしているのですか。全体のデータから。 ○吉本勤労者生活課長  そうですね。生活保護基準の1類費というのをみますと、食費とかが勘案されています ので、一番低いということではございません。12〜19歳がですね。ただ、最低賃金の賃金 の考え方からいったときに、通常の企業における賃金カーブ等を考えれば、若年が一番低 いと。 ○池田委員  大体12歳としますと独身ですよね。 ○吉本勤労者生活課長  はい。 ○池田委員  独身で生活保護をもらっている人はそんなにいるわけ。身体的能力が落ちるとかどこか が落ちるから生活保護をもらっていても、実際に独身者でまだ中学生、高校生の段階で、 そのレベルの12〜19歳を標準的にデータでとっているというのは。 ○吉本勤労者生活課長  最低賃金で比較するということで、賃金の方の考え方として、通常賃金分布は若年が一 番低くなるといったことを考えたときに、最低保障である最低賃金を比較する際には、若 年層においてどうかといったことで比較をすればいいのではないかという一定の仮定を置 いたということです。もちろん、生活保護の方は働いていらっしゃる方、働いていらっし ゃらない方がいるわけです。 ○今野委員長  よろしいですか。 ○池田委員  よく分からないけれど。もう1つ、前から申し上げているが、生活保護を決めるのに、 そちらの方は最低賃金を参考にしているのですか。生活保護を決める部署は、最低賃金を 参考として決められているのですか。 ○吉本勤労者生活課長  そういうことはないです。 ○池田委員  そうすると、こちらで一方的に向こうと比較するというのはおかしくないのか。どこの 部分の生活保護なども、グラフをちょっとこう取り出したのだけれども、沖縄と東京都だ って、そんなに最低賃金ほど格差ないしね。ただ、生活保護を決めているところ自体が、 最低賃金をどれだけ意識して決めているのかということを理解できていないのに、最低賃 金の方だけ一方的に。生活保護を決める要素がたくさんあるのでしょうけれど、そこのポ イントが分からないと、比較のしようがないね。 ○吉本勤労者生活課長  我が方の考え方から申し上げれば、繰り返しになりますが、そもそも今回の法改正でこ うした生活保護との施策の整合性に配慮するといったことを入れたのは、やはり働いてい ない場合の生活保護の方が最低賃金を上回るような、そういったモラルハザードを招くよ うな事態があってはいけないということで、そういう趣旨で盛り込まれたと考えています。 具体的に、何と比較していくのかといったことにつきましては、この場でいろいろな観点 からまたご議論いただければと思っています。 ○池田委員  単純に、最低賃金の場合は企業の支払能力、労働者の生計費など、三原則で決められて いるわけだけれども、生活保護というのはいろいろな要素が入ってきて、こうウワーっと 足して作り立てられているわけだから、その個人個人によって構成の要素がすごく違うわ けですよね。だから、それを一概に、どこの部分を取って最低賃金と一緒にしろとかやら れるのも、最低賃金をやっている側からすると、ちょっと整合性がないと。 ○今野委員長  論理的にいうと、生活保護の方は就労と関係なく、生活するのに最低限いくらかかると いう、そちらの論理からいって。 ○池田委員  労働の対価と違うのです、生活保護は。 ○今野委員長  生活保護はね、そういう観点から計算しているわけではない。ただ、そちらが働いた所 得よりか多いと、モラルハザードが起こるから問題だということで、こちらは生活保護を 配慮しましょうという話になっている。生活保護は、最低賃金の方は論理的にはみていな いと思います。 ○池田委員  何ですか、生活保護の中で、例えば決める要素が5つあったとして、そのうちの1つが、 最低賃金を対象にしているとしたら、最低賃金がこれより高くなったら、生活保護がもっ と高くなってしまう可能性もあるわけでしょう。最低賃金法の方をこちらが意識している としたら。ただ、今意識していないのだから関係ないけれど。こちらを上げようと、それ を足していくのか、そこから最低賃金が生活保護の最高額ですよという意識になるのか。 生活保護を決める所が、最低賃金が1,000円に決まった場合に、生活保護は1,000円以上 出さないのということになる。そこから、どの部分を載せていくのかです。あとは暖房費 だとかね。 ○今野委員長  論理的には、順番が逆だからそういうことあり得ないはずです。論理的には。 ○吉本勤労者生活課長  ちょっと誤解を。それぞれ単純化して申し上げれば、基本的にはやはり生活保護という のは働いているか働いていないかにかかわらず、あらゆる方が最低の生活ができるように ということで、基本的には生活に必要な費用、生計費を専ら考えて出されているものです。 それに何か最低賃金を勘案しろといったことには、またならないのではないかとは思いま す。 ○今野委員長  他にご質問ございますか。 ○勝委員  1点だけデータの確認です。資料No.3のグラフのデータは平成18年度のものとなって いますが、生活保護の生活扶助基準プラス住宅扶助は平成18年度で、この最低賃金の数値 も平成18年度ということでよろしいですか。去年のはカバーされていないと。 ○吉本勤労者生活課長  はい、住宅扶助の実績値が18年度のものまでしか取れないといった関係上、すべて18 年度のものを用いて比較しているということです。 ○勝委員  生活保護自体は、年度でかなり動くものなのですか。それとも、それは何年間か同じ水 準で。 ○吉本勤労者生活課長  毎年変わり得るのですが、基準自体はそんなに変わっていないです。ただ実績値の方は まさに実績ですので、それは年々変動がございます。 ○原川委員  今の関連ですが、どういう基準で毎年変わるのですか。どういう要素で変わるのですか。 ○吉本勤労者生活課長  基本的には、この間お配りした手引などをみますと、それぞれの年に当該年度に想定さ れる一般国民の消費動向を踏まえると同時に、前年度までの一般国民の消費水準との調整 を図ることによって基準を改定していくということです。昨年の消費がどうであったか、 今後どうなるのかといったような消費の動向によって調整をするといったことかと思いま す。 ○今野委員長  この資料の1枚目は、これはいってみると、制度で表現した図ですよね。この生活扶助 のカーブというのは、1類費、2類費も住宅扶助特別基準額も、これは全部制度ですよね。 ○吉本勤労者生活課長  一番上の▲ですね、黒三角、はい。 ○今野委員長  そうですね、これは制度で表現した場合ですね。2枚目が実績で表現すると。 ○吉本勤労者生活課長  必ずしもそうではなくて、一番上の▲については、これはいずれも基準額という、その 制度上定められている額ですね。 ○今野委員長  一番上はね。 ○吉本勤労者生活課長  そういうことです。その次の△が、おっしゃるような実績を踏まえたものです。 ○今野委員長  実績ですね。1枚目も一緒ですね、2個目は実績。そうすると、制度で表現するのだっ たら、平成19年度のデータも取れるわけだと。 ○吉本勤労者生活課長  はい、そういうことになります。ただ、先ほども言いましたように、基準自体は年々ほ とんど変わっていない、最近は変わっていないような状況です。 ○今野委員長  なるほど。ということは、何かしつこいようですけれど、この一番上の▲は、18年度も 19年度も一緒ということですね。ついでに言うと、これ最低賃金のカーブは動いているわ けですね、年度をこう動いている。他にご質問ございますか。よろしいでしょうか。それ では次にいきたいと思います。  次に、今後の審議の進め方について、各委員の皆さんからご意見がありましたらお伺い しておきたいと思います。いかがですか。何かありますか、その前に。ああどうぞ、はい。 ○吉本勤労者生活課長  皆さんにお配りをさせていただいております。よろしければ説明をお願いします。 ○池田委員  それではちょっとお時間を拝借しまして、商工会議所の中小企業を取り巻く厳しい経営 環境につきまして、今後の考え方としてご説明させていただきます。  主張のポイントとしましては、商工会議所のLOBO調査と東商の中小企業の景況観に 関する調査です。ポイントとしては日本経済の状況は1年前と大きく異なり、中小企業を 取り巻く経営環境は一層厳しさを増しておるということで、最低賃金を引き上げる環境に ないということを申し上げたいと思います。ご存じのように、新聞紙上でも毎日出ており ますが、中小企業は仕入価格の増加、発注の減少などの影響により、極めて厳しい環境の 中で現在経営を行っておりまして、最低賃金を大幅に引き上げる環境にないと。全国の商 工会議所を通じて行った調査、並びに東京商工会議所で実施した調査月報を多少説明した いと思います。  初めに、商工会議所の調査について説明したいと思います。1頁目の後半部分に調査の 概要が出ています。400の商工会議所が2600の異業種組合に景気動向に関するヒアリング を行い、その結果を日本商工会議所がまとめたものです。各地域の中小企業は、現在の景 気動向をどのように感じているかを示しています。調査は毎月実施しています。本日お配 りしたものは、昨日の6月30日に発表した、最新の6月の調査の結果です。なお、これか らご紹介する数値は売上げや採算などの実績数ではなく、DI値です。プラスで景気の上 向き傾向、マイナスで景気の下向き傾向を示しています。2頁は調査結果の概要です。一 番上にあるとおり、全産業合計で前年同月比業況DIが、3カ月連続で悪化しています。 6月は、平成14年2月以来の低水準となっています。景気の下向き傾向がさらに悪化して いるという見方が強まっています。  3頁目の一番下にあるように、先行きの見通しも大変厳しいということで、1年前の先 行き見通しに比べると、マイナス幅が2倍以上になっています。その下の図の現在の状況 は、過去の景気の後退局面と同様の動きを示していて、今後ますます景気が後退すること を懸念いたしております。景気が厳しい原因として、やはり類をみない原油高騰をはじめ、 原材料額の値上がりの影響が非常に大きいわけです。原材料費が上がる一方で、多くの中 小企業では価格転嫁が進んでいない。そのために収益が圧迫されており、この状況で無理 に人件費を増やせば、企業の存続に関わる問題になりかねません。  今回の調査結果でも、仕入れコスト上昇を訴える声が目立っており、3頁目の上から4 つ目のマルにありますように、仕入単価DIは、調査以来最悪の水準になっています。産 業別にみても、仕入単価の上昇感はすべての業種で強まっています。また、仕入単価DI については7頁の下の表をみていただくと、統計では今年の1月から仕入単価が上昇する という見方が強まっています。先行き観についても、1年前と比べて仕入単価が上昇する という見方は、格段に強まっています。  次に9頁の2段目では、仕入コストの上昇について、各地から寄せられた生の声をご紹 介しています。  飛びますが、11頁をみていただくと、商工会議所を全国9つのブロックに分けています。 全産業合計の業況DIは、北海道・中国・四国では低水準で推移する一方、他の6ブロッ クでマイナス幅が拡大しています。すべての地域で景気が悪化傾向という見方が、さらに 強まっています。先行き見通しについても、すべてのブロックにおいて括弧内に示されて いる1年前の値と比べ、景気が厳しくなるという見方が格段に強まっています。  地方の商工会議所から寄せられた声の一例を紹介しますと、先月和歌山県の紀州有田商 工会議所が舛添厚生労働大臣、和歌山労働局長、和歌山県知事などに対して、県内の事業 所数が激減している状況で、最低賃金を引き上げればますます経営は圧迫され、雇用縮小 につながるとも限らないということから、同県の最低賃金の据え置きを要望したことが伝 えられています。  次に、東商の中小企業の景況観に関する調査です。中小企業の厳しい景況観は、東京も 例外ではありません。本年4月に発表した東京商工会議所の中小企業の景況観に関する調 査では、本年の1〜3月期の全業種のDIは、昨年10〜12月に比べて5.3%悪化し、4期 連続でマイナス幅が拡大しました。前年同期と比べて、1〜3月期の全業種の売上DIも、 4期連続でマイナス幅が拡大しました。前年同期と比べて1〜3月期の全業種の採算DI は3期連続でマイナス幅が拡大しています。1〜3月の全業種の資金繰りDIもマイナス 幅が拡大しています。このように東京ですら大変厳しい環境に置かれていまして、他の地 域はなおさらであると思います。  以上のように原油価格の高騰をはじめ仕入コストの上昇などにより、中小企業はどの業 種も例外なく景況観が悪くなっており、最低賃金を大幅に引き上げる現況にないことは、 お分かりかと思います。なお、生活保護との関係ですが、改正最低賃金法において、第9 条第3項で、労働者の生計費を考慮するに当たっては、生活保護に関わる施策との整合性 に配慮すると明記されていますが、最低賃金と生活保護、どの部分がリンクするのかにつ いて、厚生労働省の見解をお聞きしたい。先ほども質問しました。そしてその生活保護と の整合性の議論以前に、そもそも生活保護の水準を見直す必要があるのではないか。最低 賃金の水準だけを見直すのではなく、両者を同時並行的に検討すべきだと思います。生活 保護の水準を検討した結果、見直した結果、その上で最低賃金を引き上げる必要があるの であれば、引上げを検討するというのが適切な順序ではないかと思います。  また、生活保護費が最低賃金を上回っている都道府県においては、最低賃金を短期的に 一気に引き上げると、ぎりぎりのところで事業を行っている中小企業の経営が崩れ、最低 賃金引上げにより、企業の採用抑制、人員整理、倒産といった懸念が大きくなります。例 えば、生活保護が最低賃金を大きく上回っている北海道では、建設業の占める割合が大き いわけです。全国的に、特に公共民間工事とともに受注が激減しており、従業員間ではそ もそも仕事がなく、従業員の過剰状態、新たな採用をする余裕がないなどのことが、採算 面においては、少ない受注の競争激化により低価格の受注が中心、市場は原材料価格の高 騰が続き、採算が悪化。市場価格は1年間に何度も値上げが実行されており、特に鉄鋼の 価格は昨年に比べ2倍に上昇しており、今後はさらに厳しい状況となる見込みなどの、厳 しい現場の状況を訴える声が、地元商工会議所から寄せられています。  昨年の中央最低賃金審議会から一貫して申し上げることになりますが、最低賃金の引上 げについて議論する場合には、最低賃金近辺で働く労働者について、業種・生活状況・属 性、単身か否か、学生か主婦かなどを含め、実態をもっと明らかにする必要があると思い ます。その上で何が原因なのか、どのような施策が、対策が必要なのか、経済政策か産業 政策か、あるいは社会政策なのか。こうしたことをよく議論すべきであり、この実態調査 の必要性については、厚生労働省を中心として是非この実態調査を早急に行ってほしいと 思っております。  以上ですが、昨日たまたま日銀の話をちょっと伺いました。大変久し振りに日銀のさく らレポートもありましたが、中小企業のことをよくご存じでない日銀でさえ、昨日のレポ ートによりますと、非常に中小企業の現況を憂えていまして、非常に今、抑制期に入って きたということを言っています。原油は上がっているし、すべての原価は上がっています が、金融だけは上がらないようにしてもらいたいと思っています。非常に、特に昨今ここ 非常に厳しい状況ですので、例年と違い、大変そういう厳しい環境であることを是非とも お分かりいただきまして、最低賃金の問題を考えさせていただきたいと思っております。 ○今野委員長  どうぞ。 ○團野委員  すぐ反論しようとか、そういうことではありません。次回どういう形で進める予定なの か、それを伺った上で、少しコメントした方がいいかどうか判断したい。 ○今野委員長  次回は、これは例年そうなのですが、目安についての労使のお考えをお聞きするという ことをしたいと思っています。生活保護との関係もありますし、円卓会議もありますので、 それを踏まえて労使が今どういうお考えであるのかを出していただいて、それを出発点に して議論していきたいという進め方は、一応考えています。 ○吉本勤労者生活課長  私どもでも、例年2回目には賃金改定状況調査の結果をお出ししておりますので、それ を用意したいと思っています。予めそれをご覧いただいた上で、例年のような形で見解の 表明といったことがいただければと思っています。 ○今野委員長  ですからあまり型どおりというわけでもないのですが、型どおり言えば、周辺情報をず っと出したので、周辺情報についてお互いに認識を共通にするのは難しいかもしれないけ れども、理解をすることはできると思いますので、その辺をしておこうというのが、今日 の基本的な趣旨だというふうに、私は考えています。 ○加藤委員  次回は、もう1回繰り返しになるかもしれませんが、今日の例えば生活保護との関係の 資料等の説明があって、ちょっと議論がありましたが、そういうことを含めて今年度の目 安額に関する労使の見解表明をということですね。 ○今野委員長  そういうことですね。 ○加藤委員  そうすると、次回に賃金改定状況調査などもお示しをいただくということですが、それ もある程度念頭に置かなければいけない、見解表明するにあたってですね。ということに なりますと、事前にレクチャーなり、あるいは事前にお見せいただければ、それらを踏ま えながらということになる。 ○今野委員長  もし間に合えば。どうですか。 ○吉本勤労者生活課長  速報というか、主だったデータについてはできるだけ早く、今週中にもお出しできるよ うにしたいと思います。例年会議に出す細かい資料は、ちょっと今週は難しいのではない かと思いますが、次回、その場でということではなく、予めご覧いただけるようにしたい とは思います。 ○川本委員  今のお話だと、次回、見解表明とありましたが、今の賃金改定状況調査の中身とか、あ るいはいろいろ考えますと、時間が少し足りない可能性もあると思った次第です。これは 使用者側で見解が同じというわけではございませんが。先ほど労側からもご意見がござい ましたが、生活保護との整合性に考慮をしていくという趣旨につきましては、法律自体は、 下回ってはならないとは書いていないわけです。そうは言いましても、国会審議あるいは 円卓会議での議論ということを踏まえれば、生活保護を下回らない方向で中長期的に取り 組んでいくんだというような形の方向性になっているのかなと思います。したがって、今 回で言えば、この生活保護を下回っているところについては、どの程度解消していくのか ということを、当然、中央最低賃金審議会においても、目安として審議をしていかなけれ ばいけないし、あるいは実質的には地方の最低賃金審議会において議論、決定されていく ということになるのだろうと思っております。  ただ、そういうふうになりますと、まさしく先ほどの景況観の状況もありましたが、そ の年々においてどの程度解消していくのかというのは非常に景気の状況も踏まえつつ議論 が必要になるのだろうなということが、まず第一点です。  今日は資料をお出しいただきましたが、この生活保護、3枚ものとなっているわけです。 実は、これは労働政策審議会労働条件分科会最低賃金部会で議論したときも、年度の数字 は違いますが、お出しいただいたものということになっています。1枚目が県庁所在地、 2枚目が県平均、3枚目が県で一番最下級のところ。併せまして、その中の数字も、先ほ ど言われた理論値、あるいはその地域の実態値、あるいは住宅扶助の部分は入れていない ものという、3つの要素から成り立っているわけです。これについても、どれを取ってい くのかということも、議論して答えを出さないと、実際の目安の数字を出す議論になって いかないのだろうなと思っております。したがいまして、当然ここの整理をつける議論の 必要性があるのだろうと。ただ私としましては、従来の最低賃金部会におきます議論、あ るいは国会審議における政府関係者の答弁の内容とか、あるいは11県で下回っている云々 というような話があったりと、そういう中で、私たちも地方経営者協会を持っております から、そこで話し合ってきて、今回の法改正について議論したことも踏まえつつ、次回の 会合には臨んでまいりたいと思います。いずれにしても、そこを1つクリアしなければい けない、ここの議論で答えを出さなければいけない問題があるのだろうと思っております。  それから併せまして、先ほど言った、賃金改定状況調査がどんな形で出てくるかという のは、当然実賃金の伸びの実態の調査ですということになります。それに支払能力等々も 勘案していかなければいけないということですので、そういうデータがきちっと揃ってか ら本当の議論になったり、見解表明ということになるというような感じがしております。 いずれにしましても、まずは生活保護の部分につきまして、中で意見統一をみないといけ ないと思っております。  最後、もう1つお願いですけれども、昨年もこの中央最低賃金審議会の議論にあたり、 各都道府県別の分布図を、最低賃金とそこの張り付き具合の分布図というのを頂戴したと 思っております。これについて、確か一般労働者とパート労働者でしたか、2つ分けてい ただいたと思います。できますれば今回も議論の参考に供することができればありがたい ので、事務局の方で、もしも可能なようでありましたら資料を提供していただけるとあり がたいということでございます。以上です。 ○吉本勤労者生活課長  昨年、そういう議論もありましたので、今回は一応特別集計の用意をある程度進めてお ります。お出しできるようにさせていただきたいと思います。 ○今野委員長  今川本さんがおっしゃったようなことを踏まえて、基本的な見解を次回お話いただきた いというようには思いますけれど。 ○川本委員  生活保護の問題は先にきちっと整理をつけておかないと。それを含めてで、見解がもし も労と使ですぐ一致すればいいですが、そうでないとなりますと。 ○今野委員長  それから順番に。 ○川本委員  それと他の実態調査、景気動向、物価動向、様々なものを踏まえた見解表明になって、 もうぐしゃぐしゃに違っていたら、非常に議論が複雑化する可能性もあるかなと思いまし て、申し上げた次第であります。 ○加藤委員  生活保護基準の取り方を含めて、先にここでまとまって、それから見解表明という段取 りにいけるかどうかですよね。ただ、ちょっとそれも含めて我々も持ち帰って議論しなけ ればいけないと思うのですが。 ○今野委員長  私が想定したのは、それまで含めて見解表明してくれるかなと思ったのです。 ○加藤委員  だから、その見解表明が、例えば労使が違うかもしれない。 ○今野委員長  違うかもしれない、それはもうそうだと思いますけれど。 ○加藤委員  それで川本委員がおっしゃったのはこういうことですかしら、その考え方だけでも先に 統一した上での見解表明という意味だったのですか。 ○川本委員  その1つの方法として、切り分けてやる方法もありますよね。時間的なものもあるかな と思ったということでありまして、全体の話になってまいりますから。いかがなものでし ょう。 ○今野委員長  そういうことですね。 ○加藤委員  ただ、やはり労使の考え方をそれぞれ出す時期が第3回だと、ちょっと目安のとりまと めには遅いですよね。見解表明が第3回までずれ込むと。 ○原川委員  ちょっといいですか。その第3回でできるかどうかというのは、よく考えなければいけ ないと思うのです。今回は、去年に加えていろいろな要素、去年は要望という形で出てき たわけですが、今年は生活保護と初任給との均衡というような、ある程度去年よりははっ きりとした要請があるのですけれども。ただ、去年よりは非常にまた議論が多い部分があ るのではないかと思いますので、そういうところをよく考えていただいて、日程を組んで いたがかないと。時間的に、例えばさっきの実態調査の出具合にもよりますが、まだ双方 の意見交換というのが全くなされない中で、突然それぞれの言いたいことで表明して。だ からそういうことも、別に統一した意見を出すなんてことは全然思っていませんが、それ ぞれ出せばいいと思っていますけれども。それにしても、こう唐突な非常に隔たりの大き い意見がお互いに出ることになるのではないかというふうに。 ○今野委員長  私としては、取りあえずは次回には全体のスケジュールを考えて、使用者側の委員の方 にも、一応その見解表明をしていただけるように最大限の努力をしていただきたいとは思 うのですが、どうでしょうか。どうですか、川本委員。私も最大限努力してくださいとい う言い方をしておりますので。 ○川本委員  例年のような見解表明であれば、今の状況分析をしつつ、あるいは第4表も出てくれば その状況もみつつ、あと景気動向とかそれらをみながら、大体私どもとしてはこういうス タンスです、こう考えますということはできるし、労側の方もそういうことであろうかな と。それであれば、ある程度日数的にはクリアできると思うのですが、整合性をどう図っ ていくのかまで含めて見解表明するとなると難しいかと思うのですが。 ○今野委員長  だけど問題は、生活保護の問題も具体的にはどういう基準を取るのかとか、あと初任給 との均衡といっても、初任給もいろいろあるから。 ○川本委員  すみません、その初任給の均衡というのは私どもは聞いてもいませんし、諮問にもなか ったと思いますが。 ○今野委員長  円卓の話です。 ○川本委員  円卓にはそれは別に入っておりませんが。均衡の話ですね。他の要素も書いてあって、 その中に「均衡、勘案」という言葉が入っているということで。 ○今野委員長  でも、いろいろ書いてあっても、最後には「均衡」と書いてあるわけだから。だからい ろいろな要素を含めて、均衡と言ってもいいですけれど、それもある。 ○川本委員  今日、加藤委員からも最初にお話がありました。円卓会議の中身からの合意事項という のはどういうふうに踏まえておられますかということに対して、吉本課長の方からお話が ありました。あのご説明には私どもも、ああそうだなと思っておるわけですけれども、今 のお話はちょっと解釈論が違ってくるところがございます。 ○今野委員長  さて、どうするかな。進め方を相談しますか。完全に進め方の問題なのですね。だから 川本委員が言っているのは従来のものプラス、生活保護の基準をどうするかみたいな技術 的な問題を少し分けてやるかどうかですね。 ○吉本勤労者生活課長  私ども事務方の考えとしては、論点は大きく生活保護のところと例年の第4表、あと円 卓の、その広い意味での底上げの配慮をどうするか、議論をどう配意するかといったとこ ろであろうかと思いまして。そういう意味では、去年とまた違ったという意味で言えば、 まさに生活保護のところが新しいということだと思います。ただ今回、いずれにしてもそ の目安という形で一定の考えを示して、地方に参考として示すということを前提にすると、 4表プラスアルファの議論と、切り離して生活保護についてはこうだという考え方をとり まとめていただくというのは、なかなか難しいのではないかなと。金額と密接に関わり合 う議論でもございますので、それとのバランスというものもあり得るのではないかという ことで、生活保護の考え方も含めたご見解をいただいて、それでトータルでさらに議論を 進めさせていただくということで進められないかというのが、私どもの当初の思いです。 ○今野委員長  どうですか。 ○團野委員  考えは分かりますけれど、生活保護も含めて全体観というと、数字がみえないと全然見 解が言えないという話になってしまうから、やはり法改正で生活保護との整合性の部分は どのように、例えば基準を採るのですかというようなことを議論した上で、一定の整理を すると。それぞれ意見は違うところが出てくるでしょうけれども。その上で、それとは別 に第4表についても労側としては異議あるところはありますけれども、第4表をどうする のと。それに加えて、プラスアルファというか、底上げのところはどのようにいたしまし ょうかということで、議論としては進めていただきたい。 ○今野委員長  使用者側も生活保護の取り方についての考え方は表明できるでしょう。 ○川本委員  もちろん、そうですね。ただ2つあるのですね。生活保護の関係も、どの基準で比べて いくかというのが1つある。その次の段階で、では今度はそことの関係の整合性を進めて いくのに、今年はどの程度詰めるのですかという、そういう水準的な話になってくるとい うステップがあるということですね。 ○今野委員長  では、やってみないと分からないけれど、要するに、基準もきちっと合意して、これで いきましょうということになるのか。そこは少しある程度対立を残しながらいくのかとい うことだってあり得るわけですね、そんなのは。つまり両方とも不満というので、我々が 案を出すという手もあり得るわけだから。論理的な可能性ですよ。 ○川本委員  論理的な可能性としてはありますが、本来であれば、例えば労使、意見は対立したけれ ども、どこかしらやむを得ないねと言って納得をするところを探る。そのための三者協議 ですから、その方がベターだろうなとは思いますけどね。要するに、地方にも当然影響を 及ぼす問題ですから、それが全然ぐらついたままで目安が出て、地方の方が一体生活保護 ってどれと比べるのかという話をどうされるのでしょうか。いや、全然こちらから考え出 さないで、すべて地方最低賃金審議会に生活保護との関係をお任せしましょうという議論 で、答えになるのならいいですよ。それはそれで可能性としてないわけではありませんか ら。 ○今野委員長  そういうことを含めてどうしたいのですか、使用者側は、というのが見解表明ですね。 だからやはりそこは少し一応の明文化をした方がいいのではないですか。 ○川本委員  では、そちらの混ぜ混ぜでするということですか。 ○今野委員長  1回混乱しなくちゃしょうがないのではないですか。だって1度は主張しないと、分か らない。それはどちらにしたって。言ってもらわないと分からないですね。 ○加藤委員  委員長がおっしゃったように、例えば生活保護の基準の取り方を含めて、もしかしたら かなり違う意見を持っているかも分からない。まだ見解表明していないのですから、それ を含めて目安のあり方、目安審議のあり方も含めて、もし使用者側もできるのであれば、 次回見解表明をしていただいて、それを踏まえてさらに第3回もありますから、場合によ ってはその後ろもあるかも分かりませんが、合意に向かって努力をするというやり方しか、 ちょっと難しいかなと。今とっさに判断したのですけれどね。というのは、先に何かルー ルについて、例えば生活保護の基準の取り方について先に合意を目指すとなると、ちょっ と難しいかなという気もしていまして。その後、見解表明となると、これも含めて、一旦 労使の考え方をお互いに披露し合って、そして特に今大事なポイントになっている生活保 護の基準の取り方などについては、労使合意ができないか。あるいは、この目安、この小 委員会での合意ができないか、最後まで努力をするというやり方がいいのではないかとい う気がするのです。 ○川本委員  分かりました。結構です。 ○今野委員長  ということで、次までにできる限り使用者側の見解を整理していただいて、ご披露いた だきたい。 ○池田委員  一言だけ、大きな問題は、前も言っているのですが、生活保護は高すぎるところもある でしょうし、低すぎるところもあるし、保護自体がね。それを改正しようとしたら、国会 でつぶされて、もう今議論してないわけですね。やはり生活保護自体は税金で払っている わけですから、最低賃金は我々労使の話し合いで、経営者側が会社として払っている。基 本的に、できている過程が違いますよね。支払いも違うのだし、国が支払能力あるのかと か、その辺の調整、生活保護自体が調整されないのに、審議会があるのかどうか分からな いけれど、あるのでしょうけれど、そのされないのをこちらで一方的に整合性だけ求めて、 では向こうが下がってしまうかもしれないし、もっとさらに上がるかもしれない。その辺 の厚生労働省の見解を出してもらえないと、何かすごい議論が空虚なものになる。ただ高 いところに合わせろと一方的に言われても、性格が違うものを2つ。 ○今野委員長  今の法律の考え方からすると、生活保護が上がるかもしれないし、下がるかもしれない けれど、上がったら上がった生活保護のものを配慮するし、下がったら下がったのを配慮 すると。 ○池田委員  そうすると、最低賃金も下げられるということですか。 ○今野委員長  いいえ、配慮するということだと思いますけれど。  では、先ほどのような進め方でさせていただけますか。私も努力はいたしますので、労 使とも努力をしていただきたいと思います。 ○石黒委員  次回は生活保護の話が議論になると思うので、生活保護の中のいろいろな項目の中で、 今回、第1類費とかそういうところを取っているのですけれど、生活保護を考えるに当た っては、その他の項目の中の期末一時金という項目があると思うのです。そういったとこ ろも、やはり最低生計費ということにしては、かなり検討に値するのではないかと思って います。その辺の支給基準とか、水準とか、実態のところも含めて、次回資料を少しお出 しいただければと思いますので、この辺ひとつ。 ○吉本勤労者生活課長  はい。前回、大部な資料をお配りしていますので、その中には記載がございます。分か りやすい形でまた説明させていただければと思います。 ○今野委員長  2つあるとおっしゃらなかったですか、1つですか。 ○吉本勤労者生活課長  期末一時扶助の部分ということですね。 ○石黒委員  期末一助扶助の方だけです。 ○吉本勤労者生活課長  はい、分かりました。 ○今野委員長  他にございますか。よろしいですか。事務局から何かありますか。 ○吉本勤労者生活課長  お手元に、福岡県からの要望書、要請意見書をお配りしています。昨年も同様の知事か ら審議会会長の今野会長あての要請意見書がございましたが、今回も本日副知事がお持ち になりました。 ○氏兼勤労者生活部長  委員長に代わりまして受け取っておきました。 ○吉本勤労者生活課長  ご覧いただければと存じます。よろしくお願いします。他に、団体からいただいており ます要望書等についても、部屋の出口に近い所に置かせていただいていますので、ご覧い ただければと思います。以上です。 ○今野委員長  それでは最後に、議事録の署名をお願いします。署名は加藤委員と川本委員にお願いを いたします。それでは終わります。ありがとうございました。                  【本件お問い合わせ先】                  厚生労働省労働基準局勤労者生活部                   勤労者生活課最低賃金係 電話:03−5253−1111(内線5532)