08/02/29 第37回 独立行政法人評価委員会 医療・福祉部会 議事録 独立行政法人評価委員会 医療・福祉部会(第37回) 平成20年2月29日(金) 厚生労働省 省議室(9階) <第1部:医薬品医療機器総合機構> ○部会長  定刻になりましたので、ただいまから、第37回独立行政法人評価委員会、医療・福 祉部会を開催いたします。委員の皆様方におかれましては、年度末の、本当にお忙しい 中、お集まりいただきまして、ありがとうございます。本日は石井委員がご欠席、真野 委員が途中からのご参加の予定と聞いております。  それでは、議事に入りたいと思います。まず、審議は、平成18年度における厚生労 働省所管独立行政法人の業務の実績に関する評価の結果等についての意見でございます。 これはご報告をさせていただきますが、事務局から説明をお願いいたします。 ○政策評価官室長補佐  総務省政・独委から当省評価委員会に通知されました、二次意見についてご報告をさ せていただきます。お手元の資料でございますが、資料1?1、資料1?2、また、資 料1?2の後ろについている(別添)というもの、それから最後に参考資料というもの がございまして、こちらについてもあわせてご説明申し上げたいと思います。  まず、資料1?1でございます。平成18年度、各委員の先生方におかれましては、 7月、8月に、18年度の実績についてご評価をいただいたところでございます。これ については総務省にも提出しましたところ、総務省から、18年度における厚生労働省 所管独立行政法人の業務の実績に関する評価の結果等についての意見というもの、こち らにつきまして、先月、1月31日に、政・独委の大橋委員長から、当初、独立行政法 人評価委員会の井原委員長宛に出されたものでございます。資料1?1は、出された原 文の写しでございます。  本日は、資料1?2に基づいてご説明をさせていただきます。資料1?2の1ページ をご覧ください。総務省政・独委からの二次意見といたしましては、1ページ目にあり ますように所管法人共通のものとして6項目について指摘がなされております。また各 法人についても個別の意見が出ております。まず、本日は、所管法人共通の事項からご 説明いたしまして、その後、当部会における3法人についての個別の意見についても、 あわせてご説明をしたいと思います。  まず、1ページ目でございます。1つ目として、評価の基準の明確化等について、意 見が出ております。2つ目のパラグラフを見ていただきたいんですが、「貴委員会にお ける業務の実績に関する評価は、貴委員会が定めた評価基準に基づき、中期目標等に定 められた個別項目ごとに5段階の評定区分(S、A、B、C、D)で行うこととなって いる。しかしながら、その判断の基準は必ずしも客観的、具体的ではなく分かりにくい ものとなっており、評価結果を見ても」とした上で、(1)として、評定の理由及び特記事 項として、評価を担当した各委員の個別の意見が羅列されているが、貴委員会としての 評定の理由は明らかにされていない。また(2)として、「同じような評定理由でありなが ら、S評定(中期計画を大幅に上回っている)となっている項目やA評定(中期計画を 上回っている)となっている項目がある。」など、評定の考え方、理由、根拠等につい ての説明が十分ではないものとなっている。  このようなことを踏まえ、貴委員会として、十分な説明責任を果たす観点から、今後 も引き続き、中期目標等の達成度合いを数値化して示すなどの方法も工夫しつつ、評価 の基準についてより客観的かつ明確なものとなるよう見直すとともに、評価の結果につ いてもその考え方、理由、根拠等を評価の基準との関係においてより分かりやすく説明 すべきである、という意見が出ております。  右側の備考欄をご覧ください。第1パラグラフと第3パラグラフについては、各府省 の独立行政法人評価委員会に対する意見でも、ほぼ同様の記述がございます。また、第 2パラグラフの下線部分については、ここにありますように内閣府、外務省等々での評 価委員会に対する意見についても同様または類似の記述があるという状況でございます。  続きまして、2ページ目をご覧ください。共通の2つ目の意見は、目的積立金につい てです。「目的積立金に係る今後の評価に当たっては、独立行政法人が自ら効率的な運 営を行うためのインセンティブである目的積立金の計上の促進に資するため、当期総利 益を計上していながら目的積立金を申請していない法人について、利益の発生要因を分 析し目的積立金を申請していない理由等を業務実績報告書等で明らかにさせた上で評価 を行うべきである。」とされておりますが、備考欄にありますように、各府省の独法評 価委員会に対しても同様に共通の記述がなされているところでございます。  続いて3点目の指摘は、資産の有効活用でございます。「資産の有効活用にかかる今 後の評価に当たっては」ということで、別添の方もあわせて見ていただければと思いま すが、「独立行政法人整理合理化計画」の抜粋を、別添として用意してございます。こ ちらの3?1?(2)ということで、2ページ目をお開きいただきますと、「保有資産 の見直し」というところがございます。こちらにおいて、見直し状況について評価委員 会による事後評価を行うこととされたことも踏まえ、主要な固定資産についての減損会 計の情報なども十分活用して保有目的・利用状況を把握した上で資産の活用状況につい ての評価を行うべきである、とされております。  4つ目の指摘は、官民競争入札等の活用でございます。業務運営の効率化にかかる今 後の評価に当たっては、整理合理化計画3?1?(3)「官民競争入札等の積極的な活 用」において官民競争入札等の積極的な導入を推進することとされ、また、管理会計の 活用により事務・事業別、部門別といった単位における費用を明確にすることとされて いることも踏まえて、高コスト構造となっている業務などについて経費削減の一手段と しての官民競争入札等の活用についての評価を行うべきである、とされております。こ ちらについても、同じく別添の整理合理化計画の方を参照していただければと存じます。  5つ目、内部統制でございます。内部統制にかかる今後の評価に当たっては、整理合 理化計画も踏まえ、コンプライアンス体制の整備状況等についての評価を行うべきであ るとされており、こちらも整理合理化計画の方にも書いてございます。  最後に6点目、当委員会の意見を踏まえた評価でございます。当委員会が貴委員会に 通知してきた業務の実績に関する評価の結果についての意見を踏まえた評価が行われて いないものが一部見られることから、的確な評価を行われたい、というものでございま す。こちらについては当省のほかに、内閣府、総務省、文部科学省等々の各独立行政法 人評価委員会に対する意見にも、同様の記述があるところでございます。  以上が、共通する部分のご説明でございます。  続きまして、各法人に対する指摘事項がございます。まず、10ページ目でございま す。10ページ目では、のぞみの園についてです。後でまたご質疑いただきますので、 個別の質問については、またその際にお願いできればと思います。のぞみの園に関して 言われている個別事項といたしましては、施設の清掃、ゲストハウス運営、廃棄物処理 等の業務については、その大半が特定の関連公益法人に長期間にわたり業務委託されて おり、平成18年度の業務委託費約1.9億円のうち約0.4億円が当該関連公益法人への 委託費となっているが、評価結果において関連公益法人への業務委託の妥当性について 言及されていない。今後の評価に当たっては、整理合理化計画も踏まえ、関連公益法人 に対する業務委託の妥当性について評価を行うべきである、という意見が出ております。  また、16ページをご覧ください。医薬品医療機器総合機構について言われている個 別の事項でございます。1つ目、副作用救済勘定について。副作用救済勘定及び感染救 済勘定において、平成18年度に当期総利益がそれぞれ約5.2億円、約4.8億円発生し、 年度末に利益剰余金がそれぞれ約31.5億円、約15.2億円計上されており、業務実績報 告書においてその発生要因として給付金の支給原因が見込みを下回ったこと等によるも のと記載されているが、評価結果において、利益剰余金の発生要因となった業務運営の 適切性について十分な説明がなされていない、とされております。  備考欄を見ていただきますと、こちらで整理したコメントとしましては、利益剰余金 の発生理由については、「年度予算と実績との差異は合理的なものと見られ、その発生 理由も示されている」とのコメントが付された上でA評定とされ、「業務運営の適切 性」については、「拠出金の徴収及び管理については、着実に進展している」と評価を いただいたところであります。しかしながら、評価結果の本文に十分な説明が記載され ていないことをもって、評価結果において言及されていないと書かれたものと承知して おります。  2つ目でございます。行政改革の重要方針において、各府省の独立行政法人評価委員 会は、国家公務員の給与水準を上回る法人の給与水準の適切性等に関し厳格な事後評価 を実施することとされております。中段の下線部分に「評価結果において給与水準の適 切性等について言及されていない」というくだりがございます。右側の欄を見ていただ きますと、法人の給与水準の適切性等に関する評価については、当委員会に各法人の 「役職員の報酬・給与等の状況」という資料を提出の上説明を行い、これを踏まえた評 価をいただいたところでございます。しかしながら、ここにおいても評価結果の本文に 記載されていないということから、評価結果において言及されていないという指摘を受 けたものと承知しております。  3つ目、随意契約の適正化について。下線部分で、同じく評価結果において随意契約 の適正化について言及されていないとの指摘がございます。右側を見ていただきますと、 ここも同様、当委員会においては各法人の「随意契約の状況」という資料を提出の上説 明を行い、これを踏まえた評価をしていただいていると認識しております。しかしなが ら、ここにおいても評価結果の本文に記載されていないことから、評価結果において言 及されていないとの指摘を受けたものと承知しております。  もう一点、福祉医療機構について。お戻りいただいて9ページ目に、福祉医療機構に ついての指摘がございます。こちらについては、今申し上げました、医薬品医療機器総 合機構と重複するものがありますが、1つ目のところでは、人件費の部分。評価結果に おいて給与水準の適切性等について言及されていない。また2つ目としては、こちらも 随意契約の適正化について言及されていないというご指摘がありまして、備考欄で整理 していますが、同様に、評価結果において言及されていないためというふうに整理され ています。  以上が、総務省より意見を受けた部分についてのご説明となります。  続いて、参考資料の方で用意しております、平成19年12月24日閣議決定というも の。「独立行政法人整理合理化計画」について通知されましたので、これについて若干 ご説明をしたいと思います。1ページをご覧ください。前文として、1つ目で、独立行 政法人整理合理化計画策定の意義というものが書かれてございます。  独立行政法人は制度導入以来6年が経過した。この間、人件費の削減、財政支出の削 減等の成果がある一方、一部でいわゆる官製談合の舞台となるなど、国民の信頼回復が 喫緊の課題となっている。このため、国民生活の安定及び社会経済の健全な発展のため 必要なサービスを確保しつつ、政府における無駄を徹底して排除するよう取り組んでい く必要がある、とした上で、2つ目といたしまして、計画策定の経緯を示しております。  「経済財政改革の基本方針2007」、いわゆる骨太の方針ですが、こちらにおいて、 101の独立行政法人について原点に立ち返って見直し、年内を目途に「独立行政法人整 理合理化計画」を策定する旨が決定されたところでございます。これを受けて、行政減 量・効率化有識者会議を開催し、「独立行政法人整理合理化計画の策定にかかる基本方 針」を8月10日に閣議決定。8月末までに主務大臣から所管する独立行政法人につい ての整理合理化計画案が提出されたことを受けて、有識者会議において、9月以降、14 回の会議を開催し、49法人についてヒアリングを実施したほか、政・独委、規制改革 会議、官民競争入札等監理委員会及び資産債務改革の実行等に関する専門調査会におけ る独立行政法人見直しの関連議論につき報告を聴取した。また、行政改革推進本部事務 局において、インターネット等を通じた国民の意見募集も行った、とございます。政府 は、これに基づき、独立行政法人整理合理化計画を以下のとおり定め、同計画を着実に 実行することとする、とされたところでございます。  具体的な内容としましては、多少、割愛いたしますけれども、3ページをご覧いただ きたいと思います。3ページ以降については、当評価委員会が主に関係する部分につい て下線を付しております。ここについて、読み上げる形でご説明にかえさせていただき たいと思います。  まず、独立行政法人の効率化に関する措置として、随意契約の見直しにおける点。こ この4番として、随意契約見直し計画の実施状況を含む入札及び契約の適正な実施につ いて、評価委員会による事後評価において、厳正にチェックする、と書かれております。 (2)の、保有資産の見直しにおいては、4番として、保有資産の見直しの状況につい ては、評価委員会による事後評価において適切にチェックする、とされております。  次に、4ページをご覧ください。(4)、給与水準の適正化でございます。こちらの3 番で、給与水準に関して、十分国民の理解が得られる説明がなされているか等の観点か ら、評価委員会による事後評価において厳格にチェックする、とされております。  業務遂行体制のあり方としましては、「カ」で、独立行政法人の長の任命について、 内閣の一元的関与を強化するとともに、監事及び評価委員会の委員の任命についても内 閣の一元的関与を図ることを速やかに実施する、とされております。  関連法人等との人・資金の流れのあり方については、「カ」において、随意契約の適 正化を含めた入札・契約の状況、情報開示の状況について、評価委員会において事後評 価を行うとされており、更には6ページ目ですが、4番として、監事監査等のあり方の 「オ」で、評価委員会は、監事による監査の状況を踏まえ、連携して評価に当たる、と されております。  7ページの6、ここが一番大きく変わる部分かと存じますが、6番の事後評価のあり 方でございます。こちらの「イ」では、評価委員会は、関連法人を有する独立行政法人 について、連結財務諸表、個別財務諸表等の情報を関連法人に関するものを含めて的確 に把握した上で評価を実施する。「ウ」として、評価委員会の評価については、評定区 分を統一する。その上で、評価基準の統一を検討する。「エ」として、評価委員会は、 独立行政法人の評価の際、業務・マネジメント等にかかわる国民の意見募集を行い、そ の評価に適切に反映させる。「カ」として、現行の各府省ごとの評価体制について、内 閣全体として一元的な評価機関により評価する仕組みに改めるとともに、各独立行政法 人の長及び監事の人事について、評価機関が評価結果を反映させて関与する仕組みとす る方向で早急に検討を進め、平成20年のできるだけ早期に結論を得る、とされており ます。「カ」の「平成20年のできるだけ早期に結論を得る」という部分ですが、現時点 においては、この「早期の結論」というものが、まだ当方には示されていないという状 況でございます。  続いて8ページ目、整理合理化計画の実施の(2)でございます。各独立行政法人の 取組状況について、評価委員会等関連会議におけるそれぞれの活動の中でフォローアッ プを実施する、とされております。  以上が総論部分で、各法人については各法人の方から、必要に応じてご説明いただき たいと考えております。  一点だけ、補足説明をさせていただきますと、7ページの6のウ、評価委員会の評価 については、評定区分を統一する。その上で、評価基準の統一を検討する、とされてお ります。また、先ほどの政・独委からの意見においても評定区分が分かりにくいといっ たご指摘もありまして、こちらについては総務省に、どういう趣旨でこれが出されてい るのか、整理合理化計画との関係は一体どういうものかということを確認しているとこ ろですが、なかなか明確な返事がまだ来ておりません。これについては確認がとれ次第、 また部会の方にご報告を申し上げ、相談しながら、見直し等を進めていきたいと考えて おりますので、よろしくお願いいたします。報告は以上でございます。 ○部会長  ありがとうございました。いかがでしょうか。整理合理化計画について、政・独委か ら幾つかご指摘もありましたし、全体の見直しに関する項目について、ご説明がありま した。ご質問がありましたら、どうぞ。なかなか厳しいご意見をいただいて、夏に私ど もがつくったものに対しても、また新たに、私どもも評価をしなくてはならないという ことになりますが、何かありましたらどうぞ。  よろしいでしょうか。それでは、ご質問がありましたら、また担当課の方にお聞きい ただくということで、2つ目の議案に移らせていただきます。医薬品医療機器総合機構 関係の1つ目、「特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第IX因子製剤によるC型肝 炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法」に基づく給付金の支 給事務の実施に伴う中期目標・中期計画・業務方法書の変更について。この議案につい ての説明をお願いいたします。 ○医薬食品局総務課長  医薬食品局の総務課長でございます。ご説明の前に、本日、参考資料として配付され ております、独立行政法人整理合理化計画の中に、私どものこの総合機構にかかわる部 分がございますが、その記述は、昨年末の医療福祉部会でご審議をいただきました、組 織・業務全般の見直し案と同じ内容となっておりますので、説明は割愛させていただき たいと存じます。  お手元の資料2で、本日の議案のご説明をいたします。私どもの、この事業計画等々 の変更につきましては、既に1月でしたか、当委員会からご了解をいただいているとこ ろでございますので、今日は事務局の要請もありまして、現在の業務の実施状況につい て、ご説明をしたいと考えております。  その前に一つ、背景説明をさせていただきたいと思います。フィブリノゲン製剤とい うのは、出産時の大量出血の際に、止血剤として使われたものでございます。それから 第IX因子製剤というのは、新生児の頭蓋内出血の際に、同じく止血剤として使われたと いうものでございます。フィブリノゲン製剤で言いますと、昭和39年に承認があると いう、古い製剤でございます。  その後、昭和60年8月に、それまでの不活化処理の方法を改めたということで、ウ ィルスが活性化いたしまして、昭和62年から、短い期間ではありますけれども、集中 的に感染被害が発生いたしました。これを受けて、昭和63年に緊急安全性情報という ものを出しまして、以後は、本当に必要な場合にのみ、極めて厳格な制約をかけて、そ の後は消費量も減りましたし、副作用報告も激減したという事案でございます。  平成14年になって訴訟が提起されています。5地裁で裁判がありまして、すべて高 裁まで、その後、裁判が継続されたという案件でございます。昨年の11月9日になり まして、先行していた大阪高裁が和解勧告をいたしました。12月20日に、国はその和 解案を受け入れるということを意思表明したわけですが、原告団との間で折り合いがつ かず決裂した。そういう中で、12月23日になりまして、総理が議員立法で、立法的に 解決するということで、急遽、法案を用意されまして、今年の1月になって、法律が成 立し、施行になった。以上が背景でございます。その法律の中で、被害、症状に応じて 給付金を支給するとなっておりますが、その給付金の支給業務を、この総合機構が行う というものでございます。  1ページ目、給付金の請求の流れでございます。まず、これは裁判をしていただく必 要がありまして、2にあるように裁判所が和解・調停という形で、製剤投与の事実、因 果関係、症状を認定します。その和解調書をつけた形で、今度はまた被害者の方が、医 薬品医療機器総合機構に給付金の請求をし、機械的な判断を経た上で支払いが行われる という構造でございます。対象製剤はフィブリノゲン製剤と第IX因子製剤ということで、 2種・合計8品目ということでございます。  給付内容は、次の表にありますように、肝硬変あるいは肝がん、それから死亡したと いう場合には4,000万円。すべて一時金でございます。C型肝炎の場合には2,000万円。 それから無症候性キャリア、これは、キャリアではあるけれども症状が出ていないとい う場合ですが、こういう場合には1,200万円ということです。欄外に書いていますが、 給付を受けた後、10年以内に症状が進行した場合には、その差額を更に請求できると いうものでございます。  次のページは、総合機構における取組状況ということでございます。対象者の迅速な 救済が図られるようにということで、現在、機構では全力を挙げて業務に取り組んでい るということでございます。幾つかありますが、一つは組織体制の整備ということでご ざいます。法律の施行にあわせて1月16日から、健康被害救済部に、特定救済課とい うことで、専任の課を設置したということでございます。それから2つ目、請求手続等 に関する相談窓口を開設し、専用のフリーダイヤルを30回線、オペレーターが40名と いうことで、現在も相談を受けているということでございます。  そして次のページ、機構のホームページによる制度の周知ということで、ホームペー ジにも関連情報を掲載しております。特に請求書については、ホームページからのダウ ンロードを可能としております。それから感染者救済基金の設置ということですが、こ れは、支払いに当たるのは総合機構でございますが、その中に基金を国費で設置してお ります。これは19年度の予備費からの拠出ということですが、事務費も含めて約205 億円を基金として積み立てておりまして、そこから1人平均2,000万円として1,000人 規模ということで、こういう経費を積んでいるということでございます。  それから別紙は、相談件数の状況がどうかということでございます。2月27日まで の30日間で見ますと、1万4,839件というような数になっております。主な相談内容 というところで見ますと、どのような人が支給対象になるのかといったことが多いとい うようなことでございます。  それから5ページ目ですが、これは機構の業務の全体状況を、念のためにご確認いた だく意味で用意をしたものでございます。通常、この評価委員会でもご議論いただきま すのは、審査とか安全といった辺りが中心になるわけですが、それ以外にも、健康被害 の救済業務というものを行っております。それは大きく、今回の分も含めて3つあるわ けですが、副作用被害救済制度、それから生物由来製品による感染等被害救済制度、い わゆる救済制度ですが、こういったものがございます。それから次に、今回のケースと 同じく、これまでの訴訟関係で和解に至ったものについての、様々な救済業務をしてお ります。スモンとHIV、エイズですが、国からの業務委託、あるいは財団法人からの 業務委託ということで、給付事業あるいは貸付事業といったことを行っております。そ れから今回のケースが、同じような並びで、新しく機構が業務を行うということで、こ れは委託ということではなく、法律の中で直接、支払いは機構の業務という形で整理さ れておりますけれども、業務として位置付けられたということでございます。今回の業 務は、当分の間ということですので、法律的には附則の中で整理をされているというも のでございます。説明は以上でございます。 ○部会長  ありがとうございました。それでは、ご質問がありましたらお願いいたします。 ○部会長代理  これまでに、もう支払われている方というのは、いらっしゃるんでしょうか。 ○医薬品医療機器総合機構企画調整部長  機構の企画調整部長でございます。まだ、現在のところはいらっしゃいません。 ○部会長代理  電話での質問というのが、多くありますが、この内容というのは、一般的な制度の内 容の説明を求めるものという感じですが、中には裁判をしなくてはならない場合がある かと思うのですが、裁判をするにはどうしたらいいかとか、そういう相談にもお答えに なっているんですか。 ○医薬品医療機器総合機構企画調整部長  最初は、比較的、制度の照会みたいなものが多かったんですけれど、最近はどちらか というと、裁判も含めて、具体的にどういうふうにすればいいのかというような、込み 入ったものが、かなり増えてきています。ただ、私どもも、法律の専門家ということで もありませんし、訴訟というのは、基本的には当事者間のものですので、そういったと きには、例えば弁護士会をご紹介するとか、そういった対応をさせていただいていると いうのが実情でございます。 ○医薬食品局総務課長  補足的に申し上げますと、国も、厚生労働省において、これは20回線ですが、同じ ような相談窓口を開設しております。全体的な制度問題とか、それから裁判に訴えるに はどうすればいいのかとか、そういうのは、どちらかというと私どもの方に相談される 方が多いようですが、それは国側でも対応しているという状況でございます。 ○部会長代理  実際に裁判をしたくても、いろいろな関係でできないというような方もいらっしゃる んじゃないかと思われますが、その人たちが裁判をしない限り、ここの認定の対象者に もなれないという感じでしょうか。 ○医薬食品局総務課長  これは議員立法ですが、法律の立て方がそうなっておりまして、厳密に言いますと、 裁判以外に調停の申し立てというのがありますけれど、いずれにしても、広い意味での 裁判手続は必要ということでありまして、そこで投与の事実と因果関係と因果関係とい うのは、輸血で感染するというケースがありまして、製剤の投与かどうかというところ がありますから、そういう因果関係と、それから症状について、そこは司法の方で認定 をしていただくという仕組みになっております。私どもに問い合わせがありましたら、 そこは、もちろんご本人でも、個人でも、司法手続に入ることは可能ですけれど、最寄 りの弁護士会などにご相談くださいというような形でお答えしているということでござ います。 ○大島委員  裁判所での認定手続についての相談が7,707件、一方、想定している対象者が1,000 人ということでした。今、C型とB型をあわせて350万人ぐらいの患者さんがいるとい うことで、その理由が、様々、これから出てくると思うんですけれど、今の7,707件と いうのが、もう既に、手続についての相談ということは、かなり該当するのではないか というふうに思われている方なのではないか。そうだとすると、例えばこの基金の今後 の方向というのか、それはもう、新たに何か発生してからまた、特別措置法を考えると か、あるいは予算を考えるとか、そういうふうな形になるんでしょうか。予想の1,000 人というところの続きの分というか、相談の数からすると、必ずこれは増えていくので はないかというふうに思えるのですが。その場合には、どういう方法をとるということ が書かれていないので、ご説明いただけますか。 ○医薬食品局総務課長  まず、数字に関して申し上げますと、確かにC型肝炎の患者さんは200万とか300万 とか、そういうことが言われているわけですけれど、第IX因子製剤の投与者というのは 非常に数が限定されておりまして、大部分はフィブリノゲン製剤でありますけれども、 フィブリノゲン製剤の投与者は、これは推計で約30万人弱ということであります。感 染者は、これも推計ですが、1万人程度であろうということでございます。  そのうち、先ほど申し上げましたような形で、事実認定というスクリーニングがあり まして、どれだけの数の方が最終的に給付金の支給につながるかというのはわかりませ んが、1,000人というのは基金として積み上げた金額ですから、でき上がった法律の中 で、手続を踏んで支給が必要だということになりますと、それはもう、法律にのっとっ て、粛々と支給されるということでございます。ですから、この基金の金額というのは、 あくまで、こういう積算を前提とした金額ということで、基金がなくなったから支給さ れなくなるということは一切ございませんので、そこのところは申し上げておきたいと いうふうに思います。 ○大島委員  今のようなことは、文言の中に入るわけですか。基金との関連とか、基金がなくなっ た場合にどうするかとか。 ○医薬食品局総務課長  文言といいますと……。 ○大島委員  そこは文書になっているんですか。 ○医薬食品局総務課長  いえ、それはなっていませんが、要するに法律の立て方が、基金の額というのは、別 に、法律の中に書いてあるわけではなくて、これはまさに、実際上の問題でございまし て、法律の中には、裁判所が認定をして、機構の方に請求をすれば支給されるというこ とになっていますから、それはもう、法律にのっとって、間違いなく支給されるもので ございます。 ○部会長  その他、よろしいでしょうか。これに関しましては、前回、文書審議でやっていただ くなどしたものについての、詳しい状況についてのご説明というふうに考えております ので、特段のご意見がないようでしたら、以上とさせていただきます。どうもありがと うございました。この件に関しましては、終了いたしました。次の議題に入る前に、所 管課の入れ替えをお願いいたします。 <第2部:国立重度知的障害者総合施設のぞみの園> ○部会長  それでは議題3?1、国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の第2期中期目標・中 期計画(案)についてですが、審議に先立ちまして、事務局よりご説明をお願いいたし ます。 ○政策評価官室長補佐  まず、独立行政法人の中期目標・中期計画について、ご説明させていただきます。厚 生労働大臣が所管独立行政法人の中期目標を定める際、独立行政法人評価委員会のご意 見を賜った上で中期目標を策定することとなります。この中期目標を受けて、当該法人 が中期計画を作成し、厚生労働大臣に認可の申請を行うことになります。  そして本来ならば、厚生労働大臣は、中期計画の認可を行う際にも評価委員会のご意 見をお聞きすることとされておりますが、本日は、今年度で中期目標期間が終了する国 立重度知的障害者総合施設のぞみの園について、中期目標(案)とあわせて中期計画 (案)についてもご審議を賜りたいと存じます。以上でございます。 ○部会長  よろしいでしょうか。中期目標、中期計画、ともにご審議をいただくということでご ざいます。それでは所管課よりご説明をお願いいたします。 ○障害保健福祉部障害福祉課施設管理室長  施設管理室長の難波と申します。よろしくお願いいたします。私の方から、のぞみの 園の第2期の中期目標、及び中期計画の案につきまして、資料3?1から資料3?3に 沿ってご説明させていただきます。  なお、本日、参考資料としてお配りしております、「独立行政法人整理合理化計画」 の中の、のぞみの園にかかわる部分については、昨年末、医療・福祉部会の方でご審議 いただいた「組織・業務全般の見直し案」と同様の内容となります。そちらについては 既にご審議いただいておりますので、説明は割愛させていただきたいと思います。  資料3?1と資料3?2をあわせながら、少し、ご説明をさせていただきたいと思い ます。まず、資料3?1の、第2期中期目標・中期計画(案)の概要について、1ペー ジをご覧ください。まず、第一で、中期目標の期間というのがございます。これは通則 法の中で、5年以内で定めるという形になっておりまして、のぞみの園については20 年4月1日から25年3月31日までの5年間ということで、目標の期間を設定したいと 考えております。  それから第二で、業務運営の効率化に関する事項ですが、第1点目が、効率的な業務 運営体制の確立でございます。これについては独立行政法人整理合理化計画に基づき、 業務の効率性・自律性を高めるための取組を一層推進するという形でございます。 (1)として、効果的かつ柔軟な組織編成を行う。それから、資質の高い人材の確保が 図れるよう工夫するということでございます。それから、行革推進法並びに行政改革の 重要方針を受けて、人員の削減、それから国家公務員の給与体系に準じたものにすると いうようなことで、人件費の削減に取り組んでいくというものでございます。  ちなみに、総務省政・独委の勧告の方向性が昨年末に出ておりますが、この中では給 与水準の適正化等については、行政改革の推進に関する法律等に基づき、人件費改革の 取組を継続して行うほか、その検証結果や取組状況の公表を行い、国民の理解を得られ るようにしていくということが言われております。  それから、現行の機関の役職員の給与の見直しを、参考までに、ここに載せておりま すが、15年度から19年度まででございます。16年度以降は毎年3.5%程度の削減を図 ってきた。その結果、18年度の状況で見ますと、事務職についてはラスパイレス指数 で見ると99.4まで落ちた。それから、独立行政法人全体で見ても92.6という形になっ ております。ただ、ここの中には福祉職関係の俸給表の比較がありませんので、事務職 だけを見ればこういう形になっているという状況でございます。  それでは、資料3?2についてご説明させていただきます。2ページをご覧ください。 左から3段目の欄ですが、1番目に、効率的な業務運営体制の確立というのがございま す。これは整理合理化計画等に基づく、業務の質の確保、あるいは業務運営の効率性・ 自律性を高めていくというものですが、(1)で、効率的な業務運営体制の確立がござ います。提供するサービスの質を確保しつつ、効率的かつ柔軟な組織編成を行う。それ から、施設利用者の減少等に応じた適正な人員の配置。それから職員の採用に当たって は質の高い人材を確保するという問題がございます。  それから、行革推進法を受けた人員の削減、給与体系及び給与水準の見直しなどを行 う。人件費の改革に引き続き取り組む。それから給与水準について検証し、合理性がな いものについては、給与水準の適正化に取り組むというものでございます。それから、 その検証結果や取組状況については公表し、国民の理解が得られるものにしていくとい うことでございます。  それを受けて、その右ですが、中期計画の案でございます。(1)で、効率的な業務 運営体制の確立というのがございます。1点目は組織体制ですが、知的障害者の自立の ための支援を先導的、総合的に行うための柔軟な組織再編を実施するというものでござ います。それから、先ほど申し上げました行革推進法に基づき、常勤職員数を24年度 までの5年間で20%削減するというものでございます。  それから2点目の、人件費改革と給与水準の適正化でございます。「ア」のところで すが、国家公務員の給与構造改革を踏まえた給与体系の見直しというものでございます。 それから、給与の水準については、国立のぞみの園の業務内容と国からの財政支出の状 況、それから同種の民間施設等の状況などを踏まえて、給与水準の適正化に取り組む。 その結果については、国民の理解が得られるように公表していくということでございま す。それから「イ」のところですが、法人の業務実績や職員の能力、勤務成績を適切に 評価し、その結果等を役員報酬や職員給与に反映させるというものでございます。  それから3番、人事配置でございます。職員の能力と勤務成績を適切かつ厳正に評価 した適材適所の人材配置を行う。それに加えて、外部の関係機関との人事交流等を進め ていくというものでございます。  それから3ページの、左から3番目の欄でございます。(2)内部統制・ガバナンス 強化への取組ということでございます。これについては整理合理化計画に基づき、効率 的かつ的確な業務遂行を図るというものでありまして、そのための内部統制・ガバナン ス強化に向けた条件整備を図るというものでございます。  それを受けた中期計画案が、その右の欄ですが、1つは内部統制の向上を図るための 取組ということでございます。役職員の職務執行の在り方を初めとする内部統制につい て、その向上を図るための検討を行い、具体的な取組状況を公表する。それから2点目 として、内部進行管理の充実でございます。各部門ごとに業務目標を設定し、継続的に 業務のモニタリングを行い、業務の進行管理を行うということ。それから3番として、 リスク回避・軽減への取組でございます。のぞみの園の施設運営業務においてリスク要 因への徹底した対応を図るための感染症予防対策、あるいは事故防止対策、防災対策等 について組織的に取り組むというものでございます。それから4点目の、業務内容の情 報開示でございます。のぞみの園の運営状況や財政状況、業務の遂行状況について、国 民にとって分かりやすい情報開示を行っていくということでございます。それから5点 目として、取組を有効に機能させるための監査実施にかかる条件整備ということでござ います。随意契約の適正化等の効率的な業務運営に向けた取組を有効に機能させるため、 監事及び会計監査人からの厳格な監査を受けることができるよう、必要な条件整備を図 っていくというものでございます。  ここで資料3?1にお戻りいただきたいと思います。2ページの上から2つ目の (3)をご覧ください。一般管理費及び事業費等の経費(定年退職者にかかる退職手当 相当額は除く)について、24年度までに23%以上の削減を図るというものでございま す。これについては昨年の総務省政・独委においては、一般管理費及び事業費にかかる 効率化目標について具体的な目標を設定するということが言われております。ちなみに 現行期間については4年半で13%以上の削減ということで、この目標は達成されてい るということでございます。したがって4年半余りで約4億円の、交付金の削減を図っ たということでございます。  資料3?2の4ページにお戻りいただきたいと思います。左から3段目の欄で(3)、 業務運営の効率化に伴う経費節減でございます。一般管理費及び事業費等の経費につい て、中期目標期間の最終年度までに23%の節減を図るというものでございます。それ を受けて右側の、中期計画の案でございます。まず1として、経費の節減がございます。 これは中期目標に基づく運営費交付金の節減目標を達成するため、常勤職員数の縮減、 給与体系・給与水準の適正化、「随意契約見直し計画」等に基づく合理化に取り組むと いうものでございます。  2として、運営費交付金以外の収入の確保。その中の「ア」として、地域のニーズを 踏まえた多様な事業の実施や、施設・設備等の効率的な活用を引き続き検討し、事業収 入の増加を図る。それから「イ」として、利用者負担を求めることができるサービスに ついて、社会一般情勢を踏まえ適切な額の負担を求める。  それから2として、効率的かつ効果的な施設・設備の利用というのがございます。土 地、建物等の資産について、資産の利用頻度、本来業務に支障のない範囲内での有効活 用の可能性の観点から、利用方法等の検討を行うというものでございます。  (1)として、施設利用の状況を考慮した利用方法の検討。施設利用者の減少や能 力・障害の状況等にあわせた見直しを図るなど、効率的かつ効果的な利用を図る。それ から(2)として、地域の社会資源・公共財としての活用。1つは診療所機能の活用。 それから2つ目として、福祉関係者等への活動の場の提供というものがございます。  また資料3?1の2ページに戻っていただきたいと思います。中段あたり、2の合理 化の推進でございます。これについては独立行政法人の整理合理化計画等を踏まえ、一 般競争入札等の拡大等を図るなどの合理化を図るというものでございます。これについ ては昨年の政・独委の「勧告の方向性」においては、原則として一般競争入札とし、競 争性・透明性が十分確保できるよう実施する。それから、監事及び監査人からの徹底的 なチェックを行うよう要請する、ということがご指摘としてございます。  資料3?2の5ページに戻らせていただきます。左から3段目の中段あたりでござい ます。3、合理化の推進。契約は、原則として一般競争入札等によるものとし、以下の 取組により、随意契約の適正化を推進する。1点目は、のぞみの園の策定した「随意契 約見直し計画」の取組を着実に実施するとともに、その取組状況を公表するということ でございます。2点目としては、一般競争入札等による契約を行う場合であっても、特 に企画競争や公募による場合には、競争性、透明性が十分に確保できるようにしていく 必要がある。それから3つ目として、監事及び会計監査人による監査においては、入 札・契約の適正な実施について徹底的なチェックを受けるということでございます。そ れを受けて、中期計画は、その内容を定めるという形にしております。  また、資料3?1の3ページにお戻りいただきたいと思います。第三、国民に対して 推進するサービスその他の業務の質の向上に関する事項でございます。1点目は、重度 知的障害者のモデル的な支援(地域移行の推進)ということでございます。1として、 重度知的障害者のモデル的な支援を行うことにより、施設利用者の地域移行への積極的 な推進を図るというものでございます。結果として、15年10月を起点として24年度 末までに3割の縮減を図る。既に今期の中期目標期間において、今、約1割程度の地域 移行が進んでいますので、残りの2割について縮減をするということになります。2点 目として、重度知的障害者に対する自立のための先導的かつ総合的な支援を行うことに より、サービスモデルを他の知的障害者関係施設へ提供するということでございます。  ちなみに昨年の政・独委の「勧告の方向性」においては、施設利用者の自立支援のた めの取組については、モデル的な支援の確立に努めるということが言われております。 それから、地域生活への移行については、施設利用者の状況等の実現可能性を勘案した 上で到達目標を設定するというご指摘がございます。  これまでの実績が、その下にございます。初年度はありませんでしたが、16年度以 降、徐々に地域移行が進んできている。全体としては1割程度が、今、進んでいる。具 体的に、地域移行先としてはどこかということになりますと、大体、自宅が1割程度で ありまして、残りはグループホームやケアホームが3割程度、それから施設が6割とい う状況になっております。特に帰来先の問題がありますが、自立支援法の施行に伴いま して市町村が障害者計画をつくるということになっておりまして、そこに書いてあるよ うに、ケアホーム・グループホームについては平成17年度に3.4万人分というものが、 23年度には8万人分ということで、2.4倍ほどに増えるということがありますので、帰 来先としては、徐々に確保できるようになるのではないかというふうに考えております。  資料3?2にお戻りいただきたいと思います。5ページ、左から3段目の第3、国民 に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項でございます。1つは 自立支援のための取組。(1)として、重度知的障害者のモデル的な支援を行うことに より、施設利用者の地域への移行を積極的に推進する。その結果として、3割縮減する ということでございます。  それから、右の方に移っていただきますと、中期計画でありますが、同様に、重度か つ高齢の知的障害者の自立に向けたモデル的な支援の確立に努める。(1)として、地 域移行に向けた取組がございます。より多くの地域移行の実現に向けて、地域移行の取 組を丁寧かつきめ細かく対応する。それから1番として、実施計画の作成と実践という のがございます。1つは「ア」として、本人及び保護者等家族への説明と同意の確保と いう問題でございます。それから「イ」として、地域移行に向けた個別支援計画に基づ く生活・日中活動に関する個別支援の提供や、地域生活体験の実施。それから「ウ」と して、厚生労働省、関係地方自治体、事業所等の協力による移行先の確保。「エ」とし て、移行後の生活について、本人、保護者が安心・信頼できる環境を整備する。こうし た考え方で進めていくということでございます。  それから2番として、地域移行モデルの情報提供でございます。これまで蓄積された 地域移行の実績等を踏まえて、他の知的障害者関係施設等に対して、支援モデルの情報 を提供するというものでございます。  それから、また左の欄に戻りまして、(2)重度知的障害者に対する自立のための先 導的かつ総合的な支援を行うことにより、サービスモデル等を構築し、他の施設等への 普及に取り組むというものでございます。これは基本的には中期計画も同様の考え方で 進めるということでございます。  資料3?1の3ページにお戻りいただきたいと思います。2の、調査・研究でござい ます。総務省政・独委の「勧告の方向性」ですが、調査・研究、情報提供、養成・研修 及び援助・助言の業務については、その成果を客観的に評価できるような具体的な目標 を設定するというご指摘がございます。  これについては、また資料3?2にお戻りいただきたいと思いますが、7ページをご 覧ください。2として調査・研究というのがございます。(1)のところで、重度知的 障害者の地域移行、行動障害等を有するなど著しく支援が困難な者の支援方法等につい て、各年度において具体的なテーマ等を設定し調査・研究を行うということでございま す。テーマ等の設定に当たっては、障害福祉施策の動向や社会的ニーズを踏まえ、障害 福祉施策の推進に資するものであって、かつ、その成果が知的障害関係施設等で活用さ れるなど実効性のあるものとなるよう努めること。それから、調査・研究の内容に応じ て、関係機関等と連携・協力により実施すること、ということでございます。  それを受けて、その右になりますが、中期計画の案でございます。2の調査・研究。 (1)調査・研究のテーマの設定でございます。5〜6行後のところからですが、障害 福祉施策の動向や社会的ニーズ等を踏まえ、障害福祉施策の推進に資するものとなるよ うにし、その成果が知的障害関係施設等で活用されるなど実効性のあるものとなるよう に、各年度ごとに厚生労働省の意見等を踏まえて設定する、ということでございます。  それから(2)として、調査・研究の実施体制等でございます。1点目は、方針・内 容の協議でございます。各年度において行う調査・研究の基本的な方針や具体的な内容 については外部の有識者等から構成する「国立のぞみの園研究会議」というものを設定 し、そこにおいて協議を行う。それから2点目として、業務の計画的・効率的な実施で すが、調査・研究業務について、国立のぞみの園研究会議の下に「調査・研究調整会 議」というものをつくりまして、引き続きそこで具体的な内容を検討するという形にし ております。それから3点目として、外部の研究者等との連携・協力でございます。外 部の研究者・関係機関等と連携・協力して実施していくということでございます。  それから8ページ、左から3段目の欄、中期目標の案の欄でございますが、(2)で、 成果の積極的な普及・活用の問題でございます。調査・研究の成果については、知的障 害関係施設等における普及・活用を図るということでございます。1つは広報媒体を活 用した情報発信というもの。それから2点目として、講演会等の開催。3点目として各 種研究会等を活用した普及というものでございます。  右の欄に移りまして、中期計画の案でございます。1番の、広報媒体の活用。これは 研究紀要を年間1回以上発行するとか、それからニュースレターや法人のホームページ に分かりやすい内容で掲載していくというものでございます。それから2点目の、研修 会、講演会等における発表。これは、のぞみの園が主催する研修会等において、調査・ 研究の成果を発表するということ、それから関係団体等の講演会、研究会等において出 席しまして、いろんなところで、こういったものをお披露目していくということでござ います。  それから3段目の欄に移りまして、下の方になりますが3の養成・研修というところ でございます。次代の福祉の担い手を養成するための効果的なプログラムをつくってい く。それから、全国の知的障害関係施設職員等を対象として養成・研修を行う。また、 ボランティアを希望する者には、その実践の機会を提供する。こういった目標を設定す るということでございます。  右の欄、中期計画でございますが、1つは、次のページになりますが、養成・研修の 欄をご覧ください。国の政策課題や知的障害者に対する支援技術に関すること等をテー マに設定して研修会等を開催する。それから国立のぞみの園のフィールドを活用した大 学・専門学校の学生等の実習生の受け入れについては、実習の目的に沿った実習プログ ラムを作成し、計画的かつ効果的な実習を提供するというものでございます。  それから(2)として、ボランティアの養成というのがございます。ボランティアを 実践する機会を積極的に提供するとともに、多様なニーズに対応したメニューを用意す る。こうした計画で臨みたいというものでございます。  それから9ページの左から3段目の中段辺りになりますが、4の援助・助言というの がございます。重度知的障害者の地域移行、それからサービスの支援技術等、国立のぞ みの園における専門的・先駆的な取組の調査等を踏まえて、各施設への援助・助言に対 応するということでございます。  それから9ページの右側の欄、ここから10ページにかけて、その他の業務というと ころでございます。1つは診療所の関係でございます。診療所については、施設利用者 の高齢化等に対応した適切な医療を提供する。それから、地域の知的障害者等に対して 診療を行うということ。また、心理外来等の利用の拡大に努めるということで臨みたい ということでございます。それから(2)としては、地域の障害者等に対する相談、そ れから短期入所、日中一時支援等の地域生活を支援するサービスを実施するというもの でございます。  それから、左から3段目の欄の中段あたり、中期目標の関係でございますが、6のと ころで、前5事項で提供するサービスに対する第三者からの意見等を聴取する場の確保 というのがございます。適切なサービスの提供と業務運営の向上を図るため、第三者か ら意見等を聴取する機会を確保する。第三者評価機関による福祉サービスの評価を実施 する。その結果については公表し、事業運営への反映に努めるということでございます。  それを受けた中期計画は、その右の欄ですが、(1)のところで、第三者から意見等 を聴取する場の開催。総合施設の運営や調査・研究、養成・研修等の業務全般に関する 第三者の意見等を事業運営に反映させるため、有識者、行政担当者、地域代表、保護者 等から構成される会合を原則年1回以上開催する。(2)としては、第三者評価機関に よる評価。第三者評価機関による評価については、おおむね3年に1回実施するという 形でございます。  資料3?1の5ページをご覧ください。第四、財務内容の改善に関する事項でござい ます。1点目は、総事業費に占める自己収入の割合ということでございます。自己収入 の増加に努めることにより、次期中期目標期間中において、総事業費に占める自己収入 の比率を各年度40%以上というふうに設定しています。現行の中期目標期間において は38%以上という形になっておりましたが、若干の収入増を図っていくという形で、 今、整理させていただいております。具体的な内容は、その下にある各年度ごとの見込 みで進めさせていただきたいと考えております。  資料3?2に戻っていただいて、11ページでございます。左から3番目の、中期目 標の案の欄ですが、第4のところで、財務内容の改善に関する事項というのがございま す。その中の、1のところで、自己収入の比率を40%以上にするということでござい ます。  それから11ページの右側の欄の中段、第4のところで、短期借入金の限度額という のがございます。現行期間においては限度額5億という形になっているのが、事業規模 では全体に縮小するということで、4億5,000万という形で、限度額を設定するという ものでございます。  以上、中期目標及び中期計画の、おおまかな内容をご説明させていただきました。 ○部会長  資料3?3のご説明はよろしいですか。 ○障害保健福祉部障害福祉課施設管理室長  少し時間が超過しておりますが、資料3?3で、今回の中期目標設定に当たっての主 要テーマについて、全体の流れを少し整理させていただいております。1ページをご覧 ください。地域移行の推進というのがございます。これは先ほども、地域移行の実績を お示ししましたが、基本的には20年度以降、5年間で100名程度を地域移行していこ う、と。年度で言えば15〜20名程度、進めていく。具体的な方策はそこに書いている ように、既に同意を得ている方を除くと130名程度が、今、対象になっておりまして、 これから、こういう方々に対して、地域移行への理解と同意を求めていくというもので ございます。  最終的には、先ほど申し上げたとおり、移行場所の問題というのが一番大きくなりま すが、これについては先ほど申し上げた、それぞれの市町村の計画がどんどん進んでい ますので、これまで以上に地域移行が進んでいくのではないかというふうに考えており ます。  それから2ページ目をご覧ください。具体的な地域移行の例ということで、大きく分 けて、1つは自宅へ帰る。それから2つ目が、知的障害者の関係施設に行かれる。それ から、地域のケアホームあるいはグループホームに行く。先ほど申し上げましたが、自 宅というのは、今、全体としては1割ぐらいしか実績がありません。それからケアホー ム・グループホームが3割程度。残りは施設という形ですが、施設が最終目標ではなく て、そこを通過しながら、地域のケアホーム・グループホーム等へ移っていく。全体と しては、そういう流れになっていくということでございます。  それから3ページ。これは各年度ごとの、地域移行者の流れという形で整理しており まして、20年度のところを見ていただくと、既に今年度で地域移行について同意され ているというのが14名おられますが、これは、あとは地域移行場所の確保というのが 宿題として残っているということでございます。そういうことで、毎年度、同様の繰り 返しをしながら、5年間で100名程度を地域移行として進めていくというものでござい ます。それから、各自治体との関係では、やはり利用者が多い県に対しては、個別に重 点県という形で対応していく、そういった取組を進めていくというものでございます。  それから4ページ。これは新しい取組ということで、行動障害等を有するなど著しく 支援が困難な者に対するモデル的支援ということでございます。この中には、罪を犯し た知的障害者に対するモデル的な支援も含めて、今後、自立支援法に基づくサービス等 を進めていくという形で、今、考えています。それに当たっては、司法や関係機関との 連携とか、それから左の方に行きますと、養護学校等の卒業者であれば、その養護学校 等の関係機関との連携を図りながら、重度知的障害者の社会生活への移行というものを 進めていくというような取組も、少し、進めていくということでございます。  それから5ページのところは、調査・研究体制の問題でございます。先ほどちょっと ご説明いたしましたが、のぞみの園の中に研究会議というものを、こういうメンバーで 設置し、研究方針や方向性をここで議論していただく。それを受けて、のぞみの園の調 整会議というものをつくりまして、この中で研究課題あるいはテーマの設定をする。そ れで、テーマの設定がされたところで、公募等によって外部の研究者を含めて対応して いく。全体としては、そのような流れで、具体的な研究テーマをこなしていきたいとい うふうに考えております。  それから6ページは、今考えられる研究課題の内容ということで、少し整理したもの でございます。  それから7ページ、業務運営の効率化の取組でございます。これは行革推進法等に基 づく人員の削減というものでありまして、イメージとしては20年度の期首で279名の 職員がおりますが、5年間で56名の削減を図っていくというものでございます。  前にも少しご指摘がありましたけれども、事務職員が多いというような話も含めて、 こうした削減の中で対応していきますが、参考の「イ」のところで少し触れていますよ うに、のぞみの園の事務職については、23名おりますけれども、社会福祉施設全体で 見れば、事務職が占める割合は6.9%ぐらいという実績がありまして、若干、のぞみの 園については、事務職が多いということでございますが、これは全体の削減の中で対応 していくということになろうかと思います。  それから次のページになりますが、のぞみの園の職員の給与が高いのではないかとい うご指摘も、以前、ございました。そこで、民間の施設の実態との比較をしたものが、 これでありまして、民間法人の施設で言いますと、大体、平均勤続年数は10年程度に なっておりますが、金額にして28万8,000円程度が平均的な給与という形で言われて おります。それを受けて「ウ」のところ、のぞみの園は29万3,000円ということで、 若干、金額としては高い。それから国家公務員の福祉職俸給表というのがありますが、 これによると勤続10年で計算すると30万円ぐらいということでありますから、民間に 比べれば、給与水準としては若干高く出ている。これについては先ほど申し上げました、 国家公務員の給与体系等とも若干違う部分がありますので、今後、調整をしていくとい うことになろうかと思います。  駆け足で恐縮ですが、今の件についての説明は終了させていただきます。  最後に、先ほどの中期目標・中期計画のところで、説明が少し漏れていましたので追 加させていただきます。A3版の最後から2ページ目に、別紙2(暫定版)というのが 入っていると思います。色がついている部分、減価償却費とか資産見返運営費交付金戻 入等、この、グレーの網がかかっている部分については、まだ現時点では計算ができな いということで、そこは空欄になっています。これは別途またご連絡をさせていただき たいと考えておりますので、ご了承いただきたいと思います。以上でございます。 ○部会長  ありがとうございました。概念図等を使って、少し以前より理解が進んだかと思いま すが、いかがでしょうか。ご質問、ご指摘があればお願いいたします。ご意見も含めて、 どうぞ。 ○松原委員  人員を2割削減ということで、これはものすごい数字だと思います。たった4年間で それを達成するということで、大変なことだと思うんですけれど、何か、20%にする根 拠とまでは言わなくてもいいんですけれど、例えばもともと多過ぎるから、これくらい できるのか、または定年退職する方が、ここ4年ぐらいで相当数いらっしゃるから大丈 夫なのか、または、入所者がどんどん減っていくという過程で、これくらい減らしても いいということなのか。ちょっと聞くと、逆に、質の担保等の心配も出てくるので、そ の辺りはいかがでしょうか。 ○障害保健福祉部障害福祉課施設管理室長  厳密な根拠という部分ではないのですけれど、今回、利用者を5年間で3割減という 形にしておりますけれども、既に1割はもう、地域移行実績が出ていて、残りは2割と いうことですので、単純には言えないんですけれど、その利用者の減分を、職員の減と 合わせているというところが基本的な考え方になろうかと思います。 ○山村委員  大変分かりやすく説明していただいたと思いますし、第1期の5年、更に第2期の5 年、あわせて10年という中で、当初の目標を10年に引き延ばしたというのが、現実に 合わせて3割に減らして10年間で達成するということではないかと思いますけれども、 そういう意味では、数点、提案をさせていただきたいと思います。  第1点は、要するにこれからの5年間、余分のといいますか、トータルで約100億、 運営費交付金を使われるということになる、そういう計画ですので、有効に使っていた だきたいということでございます。そういう意味では、とりわけ、調査・研究分野に、 全国的により貢献できる研究体制を敷いて取り組むということは、大変歓迎し、期待を したいと思います。  それから移行に関して、約100人を目途に移行ということですので、1人移行するの に、非常に単純に言えば、約1億のお金をかけて努力するというような見方もできるの ではないかというぐらいに、期待もし、相当の交付金が交付されている中での仕事です ので、努力をお願いしたいと思います。研究体制についてのことは、先ほど触れました けれども、ぜひ、全国で、現場で頑張っている、埋もれている人材で優秀な人材を、そ の研究チームに加えていただくような、そういう配慮もお願いしたいと思います。  第3点は、給与水準のことですけれど、総人件費の抑制4割、あるいはまた、職員の 給与水準も、民間と比べても、あるいは国家公務員と比べても遜色ないという説明です けれど、では何ゆえに、多くの交付金が、どこに使われているのかというと、やはり人 件費に使われている部分が多いというふうに思っております。ということは、配置職員 が多いのかという単純な疑問になるわけですけれど、そういうことで、改めて、自然退 職を補充しないという形での人件費減があると思うんですけれど、自ら努力をして、ま さに国民が納得できる給与水準や人員配置というものが、どのあたりにあるのかという ことも、今後いずれ、分かりやすく説明していただくことをお願いしたいと思います。  第4点目は、地域移行の話ですけれど、交渉先として、実施主体である市町村を相手 に、昨年まで、交渉ということで努力をされたという話がありましたけれど、改めて、 今日の資料にもありましたように、あるいはまた私自身も提案をさせていただきたいと 思いますけれども、ぜひ、都道府県を、まず、交渉の協力方を依頼する、あるいは実施 方を依頼する相手として、間に入れていただいて、そして市町村につないでいく、その ようなことで、より一層、地域移行の実を挙げていただきたいというふうに思います。  それから、重度のモデルの話ですけれど、これもぜひ、積極的にお願いしたいと思い ます。一方、地域移行ということがあるんですけれど、どうしても支援度が高くて施設 利用をせざるを得ない、そういう人が、のぞみの園、あるいは全国の施設にもいらっし ゃいます。その人たちが、ともすれば陰になって、なかなか、積極的に取り組むに当た ってどう取り組むかというあたりのことについて、専門職の配置とか、あるいは対応す べき、配置すべき人数の問題とか、援助方法とか、その辺りで、ぜひ期待をし、先導し ていただきたいというふうに思っております。  意見、提案、ひっくるめて申し上げましたが、よろしくお願いいたします。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長  今のご意見なりご助言というのは、まさに私どもの法人が、これから業務を進めてい く上での、貴重なご意見、ご助言ということで受けとめたいと思っております。5年間 かけて、できる限りのことをやってまいりたいと思いますので、これからも、いろいろ ご指導、ご助言をお願いしたいと思います。 ○部会長  具体の修正というのはありませんか。その辺り、山村委員の方からのご注文、あるい は、ちょっとニュアンスを変えてという……。 ○山村委員  そうですね、本来、3〜4割の縮減、地域移行目標というのは、5年間の目標であっ たわけですけれど、それを更に5年間延ばして実現したいということについては、それ なりの覚悟でもって取り組む、内容も充実する、という中期計画かというふうに理解を いたしましたので、応援をし、あるいはまた、引き続いて見守らせていただきたいとい うところでございます。 ○部会長  ありがとうございました。 ○大島委員  2点ほど質問させてください。1点目は、後ろの別紙1の、中期計画の予算のところ ですけれど、今、いろいろな、研究、あるいはモデルの作成等々の、前向きな、本当に 実現していただきたいなあというようなご提案をいただきましたけれども、そのために は、かなり、そこの部分の予算が必要だと思いますが、これを見ると、支出のところの 調査・研究費というのが、3億2,200万円というところで、上の、他の部分に比べて低 い形になっています。ここは前期から、どのくらいの増減になっているのか。あるいは、 いろいろな計画が盛り込まれての支出の内訳になっているのかというところが、分かり にくくなっていると思います。  先ほどのように、多くの研究会議を開いていくとか、調査をするとか、あるいは、さ まざまな研究者の援助をしていくと、かなりここの部分の予算というのは、たくさんか かるのではないかというふうに思います。その割には、随分……。さっきのC型肝炎の 件などを見ていると、これは全然関係ありませんが、ちょっと、3億というのは随分少 ないのかなあということで、前期との違いがどの辺にあるのかというご説明をいただき たいということが1点でございます。  それから第2点が、これは資料3?3の4ページ目の、(新)と書かれた、罪を犯し た知的障害者に対するモデル的な支援というところは、非常に今、足りない部分である と思うんです。大変ここのところは期待されるところだと思うんですが、それについて は、例えばハード面の整備であるとか、あるいは専門職の配置であるとか、かなり多く の計画が必要なのではないかというふうに思うんですが、それが、どういう具体的な、 5年間あるいは10年間の計画のもとに、それがまた予算の中にどう反映されるのかと いうところが見えにくくなっています。罪を犯したといっても、上は殺人罪から、いろ んなものがありますので、これだけ書くと、ちょっと飛びつきたくなって、やはりこう いうところはぜひ必要で、福祉的な支援が必要だというふうに思うんですが、その具体 的なことが、私には読み取れなかったものですから、教えていただきたいと思います。 以上2点についてお願いします。 ○部会長  裏づけとなる予算の問題と、この、(新)のモデルについてのご質問でございます。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  資料の別紙1につきましては、3億2,200万円ということで、これは20年から24年 の予算ということになります。実績的な額で申しわけございませんが、今、手元に決算 書がございまして、18年度の、このセグメントの研究費の額が4,900万円、約5,000 万円という数字です。数値的には、こういったものが、将来、20年から24年にかけて は、この累計になるということであります。 ○大島委員  18年度の1年間で5,000万円ということですね。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  はい、そうです。 ○大島委員  今回は5年間で3億2,200万円ということですね。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  はい。5年で割ると、1年当たり6,000万円ぐらいを、毎年、予算として計上してい くということになります。 ○大島委員  大分、研究の幅とか深さとか規模の違う、拡大した形で前向き取り組まれるような計 画がされていると思いますが、今までと同じ、5,000万円が6,000万円という、1,000 万円の上乗せでも、それは可能なのでしょうか。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  のぞみの園の財政状況からすれば、6,000万円というのは、かなり大きな額になるか と思っております。 ○障害保健福祉部障害福祉課施設管理室長  研究費を多くとれればいいんですが、全体の予算の枠が決まっているものですから。 今言われたように、人件費が7割から8割ぐらいを占めているものですから、なかなか、 自由になるお金が少ないということで、6,000万円ぐらいになってしまうということで す。それに加えて、研究をやる場合には、内部の研究費だけではなくて、外部の研究費 等にもいろんなものがありますから、実態的には、そういったものも活用しながら進め ていくという形になるのではないかというふうに思っております。 ○大島委員  それに関して、例えばそういうことをこの中期計画の中に、どういうふうなものを予 算として使うかといったことは、特に書かれる必要はないということになりますか。 ○障害保健福祉部障害福祉課施設管理室長  ここは運営費交付金の対象の部分での中期計画のものになっていますから、外部の厚 生科学研究とか文部科学省の研究など、いろいろありますけれど、それは、ここには含 められないだろうというふうに考えています。 ○大島委員  2点目の件についてもお答えをお願いします。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長  今日の資料では、罪を犯した云々ということで、簡単にまとめさせていただいている んですけれど、この問題については、非常に、正面から取り組む問題としては、新しく、 かつ難しい問題です。本省レベルでは厚生労働省と法務省の間で協議も始まって、いろ いろ取組が始まったということですし、また民間レベルで言いますと、雲仙コロニーの 方で、18年度から、厚生労働科学研究費補助金を受けて、この問題を3年計画で調査 研究しているという現状でございます。  そういう中で、のぞみの園からも、この厚生労働科学研究費補助金の方には、分担研 究者として、地域支援部長が参加しておりますし、ちょうど再来週、雲仙コロニーが中 心になって、国の補助金を受けて、そういう専門職員養成のための研修会というのも、 3日間かけて行われる予定ですので、のぞみの園からも、中堅・若手の人材を4名ほど 派遣して、そういった勉強をさせる予定でございます。  そのようなことで、まだ緒についたばかりの問題ですので、具体的にどう進めていく かというのは、これから、むしろ厚生労働省とか、あるいは法務当局とも、いろいろご 相談させていただいて、なおかつ先駆的に取り組んでいる雲仙コロニーなどとも連携・ 協力して取り組んでいく予定でございます。  そのような意味で、私どもとしても、これからもっともっと、勉強して、段階的に手 がけていかなければいけない問題ですので、そういう点で、また、専門の先生方のご意 見もいろいろ聞かせていただいて、具体的な取組のスケジュールというのもつくってま いりたいと考えております。 ○大島委員  ありがとうございました。これから前向きにされるということで、その辺は了解しま したが、ただここには、「サービスを提供」というようなことであるとか、かなり具体 的に、居住支援とか日中活動支援というところまで書いてありますので、できればもう 少し、例えば年度ごとの計画であるとか??今は20年度、次に行く前の段階ですので、 今からどういうふうにするかということと、それから、やはりハード面のいろんな整備 等々、先ほどの専門職も含めて、必要だと思いますので、もう少し見える形でどこかに 書かれると、納得できるような気がいたしますし、ぜひ、その部分を推進していただき たいと思います。これは意見です。 ○部会長  いろいろご意見はおありでしょうけれど、ご注文を含めた厳しい応援というふうにで も申し上げましょうか、具体の文言を修正するということではなく、文言としてはこの ままでよろしいでしょうか。 ○大島委員  その辺は、私どもとしては、こういう文章をということが、どういう形で入るかとい うのは、余り専門的でないのでわかりませんけれども、例えば先ほど2番目に申し上げ たことが、もう少し入るような修正ができるのであれば、私と同じような疑問を持って いる場合には、多少、納得ができるかなあと思うだけでございます。 ○山村委員  厚生科学研究というのは、運営費交付金とは全く別の研究のお金ですので、運営費交 付金の範囲内で最大限の研究・調査機能を発揮していただきたいということで、そうい う役割があるわけですよね。500人の入所の方々の生活支援等、お世話をするのが第一 の役割で、そのほか調査・研究とか、モデル的な地域移行、並びに重度の方々のモデル を示すというところで、存在意義があるわけですので、そのトータルの、現在、のぞみ の園が、基本的に収入として持っておられるお金の中で、最大限、そうした調査・研究 も図れるようなシステムにしていただきたい。大島先生と同じ気持ちではないかと思う んですけれど。それをまた、別の研究費も取ってくるというのは、それはそうですけれ ど、本体の方で、やはり最大限の努力をしていただきたいということで、そういう仕組 みはできないのかということを思うんですけれど。 ○障害保健福祉部障害福祉課施設管理室長  全体の研究費が年間6,000万円ぐらいで、なかなか、少ない。それを何とか増やせな いかというものとして、厚生科学研究自体は個人の研究費としてのものですから、団体 としての問題ではないので、どうしても研究費が足りなくて、必要な研究があるとすれ ば、そういった外部研究費の活用も一つの道ではないかということで申し上げたところ でございます。 ○山村委員  6,000万円というのは、何か決まっているというか、そういうルールの中で動いてい るわけですか。研究費に配分すべき額というのは、決まっているわけですか。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長  一応、5年間の目安ということで、ここに計上させていただいておりますけれども、 これから各年度ごとに、また具体的な研究計画なりを決めていくということにもなりま すので、そういう中で、研究費については法人として、とにかく、できるだけ、いろい ろやりくりしつつ、必要な額は、この予算の目途というのはございますけれども、そう いうのを目途としつつ、法人として、いろいろ、財源捻出に努力したいと考えておりま す。 ○部会長  各委員のお気持ちは、交付金の中で配分を変えられないかということ、つまり退職す る方を待って云々ではなくて、それを拠出していくということはできないのかというこ とを、暗におっしゃっているようにも聞こえますが、しかし、縷々、ご説明があります ように、なかなか難しい状況だということも、一方では理解するものであります。  この中期目標・中期計画(案)の中に、どういう形で、今の先生方からの、もう一踏 ん張り踏み込めないかというお気持ちを入れるかというのは、なかなか難しいこともご ざいますので、ちょっと預からせていただきますが、大体このままで行くことを前提に、 ご了解いただけたらありがたいと思います。ただし、もし必要でしたら、付帯の状況の 中で、こういうご意見が出たというような形で、議事録上、書かせていただくというこ とにさせていただき、とりあえず中期目標・中期計画をご了承いただければ、議事進行 上、大変ありがたく思うのですけれど。  もう少し具体に、何ページのこの辺りを書きかえなさいとか、そういったご意見があ りましたら、ちょっと預からせていただき、部会長と副部会長で修文をいたしますけれ ども、いかがでしょうか。  お気持ちは縷々……。実は、お二人の委員の方々は、成文をしていく委員でもありま したので、別途いろいろご尽力いただいた経緯もございます。そんなことから、応援も 含めて、もう一歩という、そういうお気持ちかと思います。  先生、この5年間、次の5年間を見させていただくということで、これでいかがでし ょうか。 ○大島委員  今、ここの段階から変更するということは、なかなか難しいと思いますけれども、や はり先ほどの、7〜8割は人件費で、やむを得ないんですというところがすべてだと思 うんです。一般企業等々では、7〜8割の人件費がやむを得なくて残りで何とかするん ですということが、もう、きかない世の中になっていますので、そこのところで、人件 費をひとまずとっておいて、残りで十分に活用ができることをするという説明、これは なかなか、納得できるものではないのではないかというふうに、ずっと思っておりまし た。ですから、その辺で、とにかく実質5年後に結果を出していただけるというお約束 をしていただくということで、関係者は、非常に注目をしながら見ているということで、 了承ということでしょうか。山村先生、いかがですか。 ○山村委員  文言上、ここにうたわれている中期目標・中期計画というのは、これでいいと思うん ですけれど、具体的にやっていくときに、先ほどの、国民の理解を得るとか、給与水準 の適正化を図るとかということで、出していただく資料はなるほど余り変わりませんよ ということだけれど、では、多額の運営費交付金がどこに使われているのかということ になると、やはり人件費に相当使われているはずだ、と。ということになれば、どうい う仕組みになっているのかということを、もっと明らかにしないといけないと思います。 それは、人員配置がよほど厚ければ、トータルの人件費というのは多くなるわけですけ れど、そうでもないのではないか。だから、もっと透明にしていただく必要があるので はないかと思いますけれど、文言上は、これで了解したいと思います。 ○障害保健福祉部障害福祉課施設管理室長  中期計画のところでは、ここまでの表現しかないわけですけれど、これを受けて、ま た更に各年度ごとの実施計画のところでは、相当、ブレークダウンした形で内容を整理 しないといけないと思います。その結果については、またご評価いただけるときが来る と思うんですが、そのときにまた、ご指摘をいただけたらというふうに思っております。 ○部会長  ありがとうございました。 ○宗林委員  一点だけ。全体像として伺うんですが、全体の中での各項目のウェイトは、これまで の5年間と次期のものとでの変化というのはあるんでしょうか。割と似通ったところも あるんですけれど、全体像としてはいかがでしょうか。 ○障害保健福祉部障害福祉課施設管理室長  主要テーマは、基本的には変わっておりません。というのは、やはりメインテーマは 地域移行の部分です。それに加えて、調査・研究というものも大きなテーマなんですが、 これまで、それが十分な成果として出ていないので、今後、テーマをきちっと設定して やっていこうというのがありますけれど、テーマとしてはその部分が一番大きいだろう と思います。 ○宗林委員  というのは、これまでの5年間を見させていただいて、地域移行が大変重要な業務で あるにもかかわらず、評価項目数が非常に少ないという印象を持ってきたんです。ほか の業務と比較してウェイトづけが、全体の中では低いのかなあというイメージを持ちま したので。今のご説明はわかりましたけれども、これで実際、何が達成できていくのか ということを考えるときには、やはりその重要度を考慮して評価項目を立てていただく といいかなあというふうに思います。 ○部会長  お答えは求めなくてよろしいですか。重要度について、実施計画のところで優先順位 を立てていただくということを、きっちりお願いしたいということと、何度も、いろい ろご説明いただいておりますけれども、5年間で実施できなかったという、この意味で すね。地域移行は、かなり難しいですが、研究の問題にしても、今回、研究組織をこう いうふうにするのだとか、研究テーマはどういうふうに絞っていくのかとか、外部の研 究者、それから全国で先進的・先駆的に働いている、同じ福祉職の方々、民間の雲仙コ ロニーが既にやっていらっしゃるという実績は、民間でできるということを示してしま っているわけですので、もちろん先に社会福祉法人、民間がおやりになられたものを、 より普遍化するために、国立のぞみの園が、その問題以上に課題を整理し、そして全国 に広めていくという使命がありますから、そういう意味では、やっていただいていいわ けですけれども、そういう意味で、今回は少し踏み込んだ実施計画をつくっていただい ていますので、ぜひ、成果を挙げていただく。そこでもう一度、ご意見を言わせていた だくということで、今回、この中期目標・中期計画ともに、了承させていただきたいと 思います。 ○宗林委員  誤解があるといけないので申し上げますけれど、地域移行のところが大変大切である し、またそこに、非常にご尽力いただいていることは、よくわかっていたんですが、そ この項目を、きちんと評価をそこでしてあげるべき方針だろうと思っていたんです。で すから、厳しい意味で言ったのではなくて、その部分を小刻みに分けて、やれている部 分、やれていない部分、ということでやっていただくという意味ですので。 ○部会長  この項目は5年間の評価でしたので、今回、変えることはできなかったわけですね。 次回はどうですか。次回は、あの評価項目は、この次の5年は、変えることができるん ですね。 ○障害保健福祉部障害福祉課施設管理室長  その辺はご趣旨を踏まえて、我が方も、ちょっと研究して、項目も整理させていただ きたいというふうに思っております。 ○部会長  それでよろしいですか。 ○宗林委員  はい。 ○部会長  この5年は同じ項目で評価をしてきましたけれど、次回は検討していただくというこ とで。それでは、幾つか条件が出ましたが、それを条件に、中期目標・中期計画を、こ れで了承させていただきます。 (異議なし)  どうもありがとうございました。それでは、今後の進め方について、事務局から何か 提案がありましたらお願いいたします。 ○政策評価官室長補佐  今後の進め方でございますが、先ほど、別紙2のところで、一部、減価償却費等、ま だ固まっていないところがあるというご説明があったかと思います。こちらにつきまし ては、より効率的な部会運営を行うという観点から、予備日を含めまして、改めて部会 を開催するのではなく、調整がつき次第、委員の皆様方に資料等を配布し、書面でご意 見を賜った上、最終的に部会長におまとめいただくのがよいのではないかと考えますが、 いかがでしょうか。また、そこで承った意見と、本日のご審議を踏まえまして、後日、 国立重度知的障害者総合施設のぞみの園から、中期計画の認可申請があると思いますが、 その際には、当委員会として了承という取り扱いにさせていただきたいと思いますが、 よろしいでしょうか。 ○部会長  いかがでしょうか。よろしいでしょうか。 (異議なし)  ありがとうございました。それでは、それを含めて、減価償却費等、すべて出てきた ときには、それをまたつけていただきますが、それを含めて、今回、中期目標・中期計 画にかかわる審議を閉じさせていただきます。  続きまして、今の中期目標・中期計画をつくっていただき、これを了承していただき ましたが、業務方法書の変更がございます。その審議に入らせていただきます。法人か らご説明をお願いいたします。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  ご審議ありがとうございました。中期計画がこのまま定まりますと、のぞみの園の業 務方法書を一部変更する必要がございます。そのため、資料3?4、3?5、3?6を 用意させていただきましたので、資料3?4、業務方法書の変更(案)の概要に基づき まして、ご説明をさせていただきます。  中期目標、中期計画の改訂等に伴う改正ということで、次期中期目標が20年4月か らということでございますので、この業務方法書についても20年4月から施行という ことになります。改正の内容でございますが、点線で囲ってある中に、3点ございます。 1つは、施設の利用対象者に関することでありまして、地方公共団体等から受託した地 域生活支援事業の対象者について、のぞみの園の利用対象者となることを第6条第4項 に、新たに規定をしたいということであります。  それから第2点目として、中期計画に定めた業務運営の自律性を高める取組、効率的 かつ的確な支援体制と業務運営体制を確立するということでつくりました内部統制・ガ バナンスの強化の規程に関しまして、これが規定されたことに伴い、こうした取組を業 務として行うために、従来、業務の実施方法ということで規定していた第8条に関して、 業務の自律性を図る取組として改正をしたいという点でございます。  それから第3点目としては、中期計画において、業務運営の向上を図る仕組みとして、 従来の第三者評価委員会方式を改めまして、第三者から意見を聴取する運営懇談会の設 置と第三者評価機関による第三者評価の実施に改めたいということで、こうした取組を 業務として行うために、従来の業務運営の評価として規定していた第9条に関しまして、 業務運営の向上という形で全文改訂を行いたいと考えております。  資料3?5については、その新旧対照になっております。それから資料3?6に関し ては、それの溶け込み版ということになります。以上でございます。 ○部会長  ありがとうございました。何かご質問がありましたら、お願いいたします。  これは、今回の中期目標・中期計画が決まったもとで、のぞみの園の方から業務方法 書の変更が出てくると思いますので、出てきましたときには、これを了承するというこ とになります。よろしいでしょうか。 (異議なし)  では、当委員会としては了承するという形で取り扱わせていただきます。ありがとう ございました。では、そのようにさせていただきます。  これですべて、のぞみの園に関しては審議が終了いたしました。どうもありがとうご ざいました。次の法人に入ります前に、少し休憩をとらせていただきます。 <第3部:福祉医療機構> ○部会長  それでは、福祉医療機構関係の審議に入らせていただきます。第2期の中期目標・中 期計画(案)について、ご説明をお願いしますが、先ほどの国立重度知的障害者総合施 設のぞみの園と同様に、この中期目標・中期計画を、あわせて審議することとさせてい ただきます。それでは所管課よりご説明をお願いいたします。 ○社会・援護局福祉基盤課長  社会・援護局の福祉基盤課長の木下でございます。よろしくお願いいたします。私の 方から、独立行政法人福祉医療機構につきましての第2期の中期目標・中期計画につい てのご説明をさせていただきます。  資料は1枚紙の、今回の見直しのポイントの概要のペーパーと、それから分厚い本体 をご用意いただいております。  福祉医療機構の事業は多種多様にわたっているものですから、まず、全体の構造がど うなっているのかというのをご説明させていただきます。A3の資料をめくっていただ きますと、沿革と事業というのがございます。まず、そこをお目通しいただきたいと思 います。福祉医療機構はご存じのように、かつて社会福祉事業振興会と医療金融公庫を 統合して、社会福祉・医療事業団として昭和60年に設立され、その後、独法の福祉医 療機構という形で、平成15年10月1日設立でございます。年度途中での設立ですので、 会計上、若干注意が必要だろうと思います。  従来から行われていた事業が左側に出ております。福祉医療貸付事業、昭和29年か ら。これがコアの事業でございます。現在のところ、融資実績が2,765億ということで、 18年度の実績でございます。融資残高は約3兆3,000億円です。  次に、退職手当共済事業。これは福祉施設職員の方々などが入っていただきまして、 いわゆる退職金の支払いを共済事業という形で実施しているものでございます。それぞ れの施設の方から掛金をお支払いいただきまして、国が3分の1、地方自治体が3分の 1の公費を投入しておりまして、その総額は大体毎年800億程度の支給額でございます。 職員数が約68万人、退職手当支給者数が約7万人でございます。  それから3つ目が、心身障害者扶養保険事業。これは障害者をお持ちの親御さんが入 っておられる保険事業でして、親御さんがお亡くなりになった場合に、その障害者本人 に年金という形でお支払いするものでございます。後ほど出てまいりますけれども、生 命保険契約あるいは信託契約を結びながら支払うというものであり、年金支払額は100 億程度。加入者数は約9万人、受給者が約4万人。  それから長寿・子育て・障害者基金事業。平成元年からスタートしております。ちょ うど消費税が導入されたときに、補正予算等で認められた事業でありまして、現在、出 資金が約2,800億円。この運用益によって助成金32億円、件数にして842事業の助成 をしているところでございます。  これがまず、本当のコアな部門のものでございます。その中でも、貸付事業が中心で あります。  それから、ほかの特殊法人、あるいは独立行政法人等々の見直しによって、他から承 継した事業が、この右側に書いてあるものでございます。年金担保貸付事業、これは年 金を担保として必要な資金を貸しつけるという事業で、2,000億円程度、約21万件。 融資残高も大体2,000億円ぐらいということでございます。  また、労災からの年金を担保とする事業。これも16年度より、労働福祉事業団から 引き継いだものでございます。  それから承継年金住宅融資等債権管理回収業務。これは平成18年に、年金資金運用 基金、これは年金福祉事業団が変わったものですが、その年金資金運用基金から引き継 いだもので、18年からやっておりまして、既にこれは17年度で融資は終わっておりま して、回収のみでございます。残高が約3兆3,000億円、件数が63万件ということで ございます。  それから承継教育資金貸付あっせん業務。18年から引き継いでおりまして、26億円、 3,000件程度。  こういった事業を承継しながらやっているものが、この機構でございます。  1ページ目からが、新しい中期目標・中期計画ですが、A4の1枚紙で、まず、今回 の、全体の見直し計画案、新計画案の概要的なものをご覧いただきたいと思います。今 回の見直し案、新計画については、2つの閣議決定あるいは了承を受けたものでござい ます。実は平成18年12月24日閣議了承の勧告性、これは政府金融機関の見直しによ って、例えば国民生活金融公庫、あるいは国際協力銀行等政策金融を行っている団体に ついての改革が18年に議論がなされていたときに、福祉医療機構についても、この中 で方向が示されたものでございます。  それから、昨年の12月24日、これは独立行政法人の合理化計画ということで閣議決 定をいただいておりまして、この2度にわたる政府内での決定事項において一つの方向 性が示されたわけでありますから、それを踏まえた形での中期目標・中期計画にしなく てはいけないということでございます。  そこで左側に、事務・事業の見直しということで、福祉医療貸付事業のところをご覧 ください。1番に、貸付対象の重点化・融資率の引き下げということで、具体的には、 例えば福祉貸付、医療貸付等についての対象の重点化と、それから融資率を一定程度、 この中期計画期間中に引き下げるということを、宿題としていただいております。  それから2つ目が、福祉貸付における協調融資の拡大ということで、これは機構が貸 しつけている、福祉を対象とした貸付の中で、従来、民間の金融機関ともあわせてお貸 しをするという形での実績は、なかなか進まない中で、したがって、機構の方から様々 な経営データ、あるいは融資の際の審査の状況等を提供しながら、民間からの融資がス ムーズに進むように、いわゆる民活という形での協調融資を、17年度から設けており ます。これをもっと拡大しろということが2つ目です。  それから3つ目が、新規融資額の節減ということで、福祉医療機構が全体として、福 祉も医療も、あわせて大体20%程度引き下げる、これを17年度比で、この5年間で達 成しなさいということでございます。これが融資の部分です。  それから大きく分けた2つ目が、長寿・子育て・障害者基金事業。先ほど、2,800億 円の基金を積んで、32億円ぐらい、毎年、助成をしていると申し上げましたけれども、 その分で助成事業が1,000件ぐらいありますけれども、その中で、大体9割ぐらいは新 規にやっていますが、1割ぐらいは継続でやっている部分がありまして、できるだけ固 定化を回避しろ、と。同じ団体に対して継続して助成するというのは、できるだけやめ なさいという宿題でございます。  それから5番にあるのが、事後評価を適正に行うということ。  それから6番が、経営指導事業。これは融資を行っていますので、当然、経営の中身 について、施設や病院等に関してチェックをするわけですが、それに伴って、経営指導 という形で、財政状況が悪くて非常に経営が悪いというところについての指導をすると いうところに重点化をしなさいということであります。  それから7つ目が、心身障害者扶養保険事業。400億円を超える欠損金がございまし た。これは昨年、制度の見直しをいたしまして、保険料の引き上げ、公費の導入の延長 を行ったわけですが、そういったことについての見直しをしろということ。  それから、財投借入金について、年金担保融資。原資として財投からの借り入れはや めなさいというのが8つ目です。  それから、運営費交付金の廃止という形で、できるだけ独立採算で、事務費等の部分 については自己調達を図りなさいということで、これは年金担保ほか2事業について、 20年度から廃止をするものがございます。  それから、教育資金の貸付のあっせんについては、休止するということでございます。  右側、11番目に業務・システム最適化計画。後ほど出てまいりますが、福祉保健情 報を提供する、WAM NETという事業をやっております。それについて、システムの刷新、 あるいは一般競争入札を導入する。できるだけ随意ではなくて一般競争入札、あるいは プロポーザル方式といったような競争方式を導入するということでございます。  12番目が、随意契約の見直し。  13番目が、自己収入の拡大。先ほどの経営指導などについても、一定の料金を取っ てやる。あるいはWAMNETについて料金体系の見直し。  14番目が、保有資産の見直しということで、機構自体に幾つかの宿舎がありますが、 それを売却するということ。  15番目が、一般管理費の節減。これは他の独法と同様ですが、目標15.5%の節減を 5年間でやる。  それから人件費についても、国家公務員と同じように5%節減ということであります。  また、それとは別に、昨年の整理合理化の際にも、福祉医療機構の組織について見直 すべきではないか、と。もちろん18年においても、政策金融関係の統合が決定され、 2008年10月に統合されますけれども、福祉医療機構は、統合せず独立という形で残る 決定がされたわけですが、今回、昨年の12月も同様の議論の結果残すことになった。 ただ、法人形態の在り方については、引き続き検討すべきであるということでの閣議決 定がなされております。  それから、組織体制及び人員配置の見直し。これは他の独法と同じですが、業務効率 化とか、あるいは審査の一元化等々の、全体的な組織の見直しを図りなさい、と。  このようなご指摘を踏まえて、今回、対応するものでございます。特に2つの閣議決 定の違う部分というのは、大きくは、例えば先ほどの基金の、助成金の固定化を回避し なさいといったものも、これは19年に閣議決定で決まったものです。それから運営費 交付金の廃止、承継教育資金のあっせんの休止、それから、法人形態の見直し、こうい ったところが一昨年、18年と19年の違う部分で、19年に改めて指摘をされた部分でご ざいます。  そこで本体の1ページ目からですが、ざっと端折りながらご説明させていただきます。 1ページ目は、欄の下の方に、法人の業務運営の改善に関する事項というのがあります が、特に計画に、「専門性の向上」と「業務間の連携強化」を図り、総合力の発揮を目 指して、全般にわたる共通の取組を実施するということで、やはり政策金融の中でも、 非常に多種の業務にわたっており、そういう意味でも総合力ということと、やはり専門 性と業務間の連携を図るということを掲げております。  2ページ目はそれに伴い、中期目標にも、組織編成、人員配置等の業務運営体制を継 続的に見直すということで、これは不断の見直しを、機構自体も考えていくということ でありまして、右側の欄にも、同様のことが、勧告の方向性の中で指摘をされておりま す。それから、従来からありましたトップマネジメント。従来、(3)で、経営企画会 議を設置するなどトップマネジメントを強力に補佐する体制を確立するとありますが、 もう既に、経営企画会議で実施していますので、そういう言葉は若干変えておりますけ れども、いずれにしてもトップマネジメントというものの重要性をうたっております。  3ページ目でございます。少し文章の入り繰りがございまして、例えば業務管理の充 実の中で書かれていたリスク債権比率が、2.0を上回らないようにという文章について 場所を移動して整理をさせていただいております。その結果として、この辺はずっと削 っておりまして、この中では例えば資産負債管理のシステムなどは引き続きやっており ますし、それから(6)のところで、ばっさり削っているのは、これは既に財投機関債 を、現在、3年から20年もので発行しておりまして、逆ざやにならないように、国債 金利に一定の上乗せ金利を設けて、大体、8ベーシスポイントから15ぐらいのプラス をして発行しておりまして、そういう形で、調達の期間、発行期間、金利をうまく組み 合わせつつ、かつ、逆ざやにならないような形で実施をしております。  (6)の従来の、現行の中で、ABS、資産担保証券の活用可能性の調査・研究は、 これも、第1期の期間内でも議論をいたしましたけれども、やはり、どうしても財投か らの借り入れがあり、それから財投機関債の発行もありますので、全体としての金利コ ストの面からすれば、このABSまで至らなくても、低い金利で借りられるということ もあり、そういった手数料や調達コストを勘案すれば、今の時点でABSの導入という ことは必要ないのではないかという結論に達しております。ただ、金融環境等々が変わ って、どうしてもそういった財投からの借入等々が難しいということになった場合には、 やはり自分の持っている貸付の債権についての流動化ということも、当然、議論がある と思いますが、今のところはそんな状況でございます。  その他、(7)というのも、少し場所を移動しております。  4ページ目ですが、業務・システムの効率化と情報化ということで、左側のところに ちょっと表が出ておりますけれども、これが、福祉医療機構の中にある情報システムと、 各種事務処理のシステムでございます。福祉保健医療情報サービス事業、あるいは退職 手当、年金担保、それぞれシステム化をされておりまして、それの最適化計画で、従来 のシステムについて、先ほど入札の問題とか調達の問題がありましたが、改めてやはり 一番効率のいいシステムと、それから経費の節減が図られるシステムを構築するという ことで、最適化計画をつくっております。それを踏まえて、この中期計画中に見直しを していくということで、例えば福祉保健医療情報サービス事業については、利用者の利 便性の向上やヘルプデスクを設けたり、あるいは電子申請ができるようにしたり、そう いった利便性の向上を図ったりすることによって、作業時間数を減らしたり、経費節減 を図ったりする。それから退職手当につきましては、例えば、左側のページの右の枠に あります、システムの保守点検と入力作業の業務委託先を分割し、それによって、でき るだけ経費を節減するとか、そういうことによって、できる限り、経費や時間、コスト 面の節減を図っていこうという考え方です。  4ページの中期目標あるいは中期計画の中では、枠に囲ったような形で、それぞれの 事業についての見直しと、それから経費の節減、随意契約の見直し等を図ると書かせて いただいております。  次の5ページをご覧ください。5ページも、随意契約の見直しで、契約関係を記載し ています。今の契約の状況は、左側のところに簡単な表が出ています。左の、また左の 方でしょうか、参考と書いてあるところ、随意契約見直し計画とありますけれど、18 年度実績を見ていただくと、やはり圧倒的に随意契約が多いわけですので、これを移行 していく。見直し後のところに書いてあるように、例えば企画競争、あるいは競争入札 という形での見直しを図っていきたいということが書かれています。  それから右側の、四角く囲った15番のところですが、これは一般管理費、人件費、 業務経費についての効率化ということで、目標としては19年度予算と比べて15.5%程 度の額としています。これは現行の中期の13%と大体同レベル。福祉医療機構は15年 の10月に設立しておりまして、第1期中期計画期間が4.5年なんですね。だから5年 に延ばすと、大体約15%でして、第1期と同程度以上の、15.5程度の額を節減すると いうことを目標として掲げております。  それから6ページ目は、人件費について。これは国家公務員と同じように、行革の閣 議決定を踏まえて、大体5年間で1%ずつ、計5%という形で、16の枠の中に書いて います。5%以上削減するということです。あわせて、独法は職員の給与が高いんじゃ ないかといったご指摘がありますので、地域別、あるいは学歴別等、そういったところ の給与水準についてチェックをし、一部公表する等他の独法と統一的に書かせていただ いております。  次の8ページ。これが中核的な事業で、第4に、業務の質の向上に関する事項。一昨 年の閣議了承の「見直し案」において、福祉医療貸付事業の重点化については融資対象 重点化、その中でも融資率の引き下げや協調融資ということを挙げておりました、まず、 最初に、中期目標・中期計画の中、福祉貸付事業については従来は福祉医療貸付は全体 で書いてありましたけれど、今回は、福祉貸付と医療貸付を分けて書いております。  まず、福祉貸付については、重点化ということと、それから1番という枠があります が、国の福祉政策における政策目標を着実に推進するため、毎年度、国と協議の上、そ の融資の方針を定めた融資方針に基づき、政策優先度に即してやるということでありま して、民間では、なかなか対応できない部分について、やはり機構として、政府の政策 を踏まえた格好でやってくださいというところで、基本的な精神は従来と変わっている わけではありません。ただ、従来、ゴールドプラン等が挙がっていたわけですけれど、 現在は終了しましたので、福祉の分野では介護事業計画等々を踏まえてやるということ になります。  10ページに2番という枠がありますけれど、ここにあるように、協調融資について、 福祉貸付の場合は、なかなか民間からの借入というのは少なくて、例えば平成16年度 で民間から、4%程度しか借りておりませんが、平成17年度に協調融資が始まった後、 18年度を見ますと、民間からの借入はは10.5%程度と倍以上に増えております。こう いった民間からの協調融資を、これからも進めていきたいと考えております。それから、 貸付の処理期間、審査期間について短縮するということで、審査機関は従来の120日か ら75日に短縮する形での方向性を出しております。  10ページの下、医療貸付でございます。医療貸付は次のページの11ページで、基本 的なこの貸付の精神は変わりませんで、枠に書いてあるように、国と協議の上やるとい うことでございます。その中でも、例えば11ページの右から2つ目の欄、(2)に、特 に療養病床の再編を推進するため、福祉貸付と連携し、転換の受け皿となる施設の優先 的整備を進める、とあります。例えばこういうものを、政策的な誘導という形で書かせ ていただいております。特に療養病床の転換というのは大きな課題になりますので。  それから一番右の欄が、勧告の方向性で書かれた中身でありまして、もともと、医療 貸付について、できるだけ重点化をしろということでありまして、500床以上の病院に ついては、もう、基本的にはやらない、と。ただ、小児とか救急とか僻地とか、そうい ったところについては残すけれども、基本的に一般病床で500床以上のところはやらな い、と。しかし、(イ)にあるように、500床未満については、できるだけ重点化をし ていきましょうということで、これは、この中期計画のガイドラインで具体的に決めて いくということでございます。  それから、一番右下の2番。病院の施設整備以外に対する融資については以下のとお りということで、例えば、余り貸付の実績がないようなものについてはやめてしまうと いうこととか、運転資金についても、本当に必要な、災害とか金融環境の変化によって、 なかなか経営資金が調達できないようなところに特化をしたりするという形で、ここも 重点化ということで、具体的にガイドラインで示していこうということでございます。  そういうことが、書かれています。それから、処理期間を短縮について、12ページ 辺りに出ております。  13ページは、全体としての福祉医療貸付の枠の問題でありまして、3番の囲みのと ころですが、17年度における融資の実績と比べて20%縮減をするということでござい ます。これについては、厳しくないかというご意見もあるのですが、最近、診療報酬改 定あるいは介護報酬のマイナス改定等々によりまして、資金の調達をして建てかえをす る、あるいは新規にオープンするというようなところは少なくなっております。そうい う影響もありまして、融資額が減ってきております。さらに国費も、国庫補助金が交付 金化をされ、あるいは一般財源化により自治体も財政事情が厳しい中で、なかなか補助 金の活用が進まないということもあります。そういう総合的な、いろんな影響もあり、 融資の実績というのは減ってきております。その中で、一つの目標として20%の縮減 ということを挙げさせていただいております。したがって重点化をできるだけ図ってい くということが、全体の流れでございます。  14ページが、リスク管理債権。星印のところにあるように、実際上、貸付融資をし ても、焦げついたり、延滞をしたりするということがあります。一番は、ちゃんと返し てもらえばいいんですが、返せない場合には例えば期間を長くしたり、金利等の条件に ついて一定の緩和をしたりする。あるいは3カ月延滞してしまう、あるいは6カ月延滞 という、そういうリスク管理債権の割合というものについて、従来、2%ということで、 左側の欄に「2.0%を上回らないように」とございました。左の方の囲ってある資料で、 1期との比較というのがありますけれど、1期は2.0ということでした。今は大体、 1.5〜1.6ぐらいが平均になっていて、今は達成しているわけですが、2期については 1期の目標期間中の比率の平均を上回らないように努力をするということで、若干、最 近はリスク債権比率が上がっていますから、少し厳しめですが、それに向かって努力を するということであります。ちなみに国民生活金融公庫等については10%近いリスク 債権比率ですし、中小企業も15%程度ですので、福祉医療機構はかなり低い率になっ ているということです。ただ、低いのはやはり国庫補助等、国や県の補助金の存在によ るもので、これからだんだん減っていきますと、リスク管理債権の状況は不透明な部分 になる可能性もあります。ただそこは、できるだけ融資の審査の段階でもしっかりやろ うということでございます。  15ページからは融資に伴って経営指導等々を行っておりまして、その関係として15 ページの下の方に、集団経営指導についての目標数値を挙げさせていただいております。 いろんなセミナー、経営セミナー等を、法人の施設長さんや事務職員が受けたりする、 その目標の数字を挙げるとともに、満足度も高めたい、と。  16ページは、個別指導について。左側に図がありますが、今、機構でやっている経 営指導というのは、幾つかの段階がありまして、左でまず、簡易経営診断というものが あります。三角の底辺のところから右に向かって、簡易経営診断、経営分析診断、実査 すなわち実地調査を伴う経営診断、それから経営改善ということで図示しております。 ですから山を上がるほどに、どちらかというと厳密な審査になっていくわけです。比較 的健全なところは簡易なものでいいんですが、先ほどのリスク管理債権に分類されるよ うな対象の貸付先については、できるだけ経営改善指導という形で、実地の調査や、ベ ンチマーク、平均値との比較をしながら、より経営改善が進むような形でやる。ここに 重点化をしましょうということが、勧告等でも言われておりまして、そういうことが6 番の枠で書いた、16ページの(4)で出ております。経営が悪化、あるいは悪化が懸 念される施設に対し問題点の解決に重点を置いた診断ということでございます。  17ページ。これも経営診断で、集団とか個別経営診断についての拡大によって、自 己収入の拡大を図るというものです。  18ページが基金事業でございます。最初にご説明した2,800億の中の内訳は、左に ある図のとおりでありまして、政府出資が2,787.1億円。4つの基金がありまして、19 年度実績で大体1,016団体に助成をしておりまして、先ほど申し上げたように、大体9 割が新規であります。継続で行っているのは全国規模でやっているような団体とか、あ る程度継続をしないとデータが集まらないとか、いろんな理由でやっています。ただこ れも、必要性等を十分に見ながら、できるだけ固定化しないような形での努力をすると いうことでございます。そのためにも18ページの4番の囲みにあるように、(1)の中 期目標を見ていただきますと、下の方に、「毎年度、各基金ごとに、同事業の目的にふ さわしい重点助成分野を国と協議の上設定し、助成方針に明記すること」、更に次の19 ページで、「また、幅広く助成配分する観点から、重点助成分野の見直しを行う等、事 業内容の特性に配慮しつつ、助成事業の固定化回避に努めること」という形で挙げてお ります。こういうことで、重点分野は毎年、毎年、その時々の政策課題に対応した形で 見直していくということと、さらに、助成先も固定化をしないようにするということで 目標に挙げるということでございます。それが19〜20ページにずっと出ております。  それから、助成先についての固定化防止とともに、22ページの6に、長寿・子育 て・障害者基金事業(事後評価と助成事業の成果の普及)というのがあります。これは 必ず事後評価をしていき、事後評価によって、その事業の達成状況、あるいは地域での 取組が更に拡大していくとか、波及効果があるとか、そういったところをちゃんと見る ということと、それから、そういった評価結果を踏まえて、翌年、あるいは翌々年の融 資について、どういうふうにして助成をしていったらいいのかというところについて反 映させるということでございます。そういうことが、囲みのところにも書いてあります。 事後評価の結果を踏まえて、制度の継続的な改善を行う。いわゆるPDCAサイクルに 基づいて、ちゃんとやりましょうということです。  23ページも、それを普及させようということで、囲みのところに出ております。事 業等の周知とその効果的な普及ということです。  それから24ページ。ホームページでの公表等は既にやっていますので、新しく中期 目標に掲げることはしませんでした。  24ページの下の方からは、退職手当でございます。退職手当は最初に申し上げたよ うに、福祉施設職員等を対象とした退職金の支払いの共済事業でありまして、これにつ いては、例えばシステム化で電子申請が行えるようにする。25ページの右側の上の方 に、勧告の方向性等での指摘事項で、掛金納付対象職員届について、電子申請は18年 度からやっておりますけれども、そういったことの普及ということが書かれています。  25ページの下の方は、心身障害者扶養でございます。これは、障害者のお子様をお 持ちの親御さんが入る保険制度です。左の図に書いてあるとおりでありまして、これは 既に昨年の12月にも、一度、中期目標については、この評価委員会にお諮りしたかと 思いますが、自治体が実施主体で機構がその運営をする、機構が保険会社と保険契約を 結んで、親御さんが亡くなったときに保険金の一時払いをする。その一時払いをしたも のを信託銀行に預託して、信託契約を結んで、年金信託として、毎年、お支払いをする。 こういう仕掛けであります。ただ、この制度自体、やはり障害者の方々も平均余命が延 長したりする、あるいは、そういった制度の事情の話と、あとは金利、契約の際の予定 利回りを高めに設定した等のこともありまして、400億円程度の欠損金が生じてきてい る。それに対応するため、昨年に見直しをして、保険料の引き上げ等々を行って、安定 化するような目途は立ってきております。  そういう、保険事業についての運用、欠損金についての財政措置等について、26ペ ージ中辺りにも出ております。19年度末の積立不足に対して、必要な財政措置を自治 体とともに講じるということを書いています。  それから財政状況のその後の検証等をきちっとやるとか、そういうことが次に出てい ます。また、運用については27〜29ページですか、信託財産等の運用について、でき るだけ安全・確実なものということで、ポートフォリオを書いています。できるだけイ ンデックスファンド等の、市場連動型のものを使うとか、そういう形での目標を挙げて います。これは既にご審査いただいたところかと思います。  31ページをご覧いただきますと、今度はWAMNETの関係でございます。WAMNETは保健 医療情報について、福祉医療機構に情報を集約化して、それを利用者である、例えば施 設とか福祉事業関係者、あるいは教育関係者等々に提供するというものでありまして、 31ページの左側の図にあるような仕掛けになっています。事業者情報としては介護事 業者とか病院とか診療所等の情報が入っています。例えば審議会資料等についても、 WAMNETで公表されたりいたします。そういうものについて関係者が閲覧をするという ことでありまして、これについてはシステム全体として、どういう情報が必要なのかと いうコンテンツの見直しや、先ほど入札の関係で、新しく最適化計画の中で見直しを図 ると申し上げましたけれど、そういったことを、今回、行おうということでございます。 それが、31ページからずっと出ております。また、できるだけ利用者に活用していた だくように、33ページに、アクセス件数なども、中期計画の中に入れさせていただい ております。  35ページには、自己収入の確保ということで、WAMNETなどでいろんな情報をご覧に なるときに、関連するいろんな福祉の情報の民間団体等のリンク集といいますか、例え ば民間で助成をするような団体のリンクが、そのままつながるような形で、その場合に 広告料を取っておりますけれども、そういうものについての拡大を図るということで、 こういう形で35ページの左側にあるように、18年度で1,000万円程度の収入がござい ましたが、これを今回、1,500万円ぐらいを目標に持って行こうかということで書いて ございます。  次に35ページの下の方と36ページ、年金担保貸付事業でございます。年金担保につ いては、一つはまず、運営費交付金は廃止するということと、年金担保の貸付原資は財 投からの借入ではなく財投機関債を中心とした自己調達ということが書かれています。  あとは、36ページの(2)とか(3)、中期目標にありますように、年金担保はよく 新聞に出てくることがあるわけですが、生活保護に陥ってしまっているという弊害があ ります。そこで貸付に当たっては、例えば生活保護受給者等には貸さない、審査に当た って返済の能力がちゃんとあるのかどうか、もう少し厳密な審査を行う等、見直しを図 りたいということでございます。  37ページの下、承継教育資金のあっせん業務。これは休止するということでござい ます。これについては、国民生活金融公庫や民間の金融機関等が、教育資金の貸付を行 っておりますので、機構においてあっせん業務を実施する必要はないということでの決 定をしました。  38ページは年金住宅融資。年金福祉医療事業団から引き継いだ事業ですが、これは 回収だけであります。3兆円余りの資金について回収をするということで、債権の焦げ つきがないような形での債権管理をしっかりとしていくということが中心になろうかと 思います。  少し飛ばして40ページ、財務関係です。借入金の問題等々もありまして、一つは短 期借入金の限度額について。一時、運営費交付金が若干遅れたり、あるいは退職共済な ど、国費や県費が入りますけれども、その際、若干遅れたときの借入金として積んでい るものです。実際上はほとんど使わないわけですけれど、一部、退職金等が遅れて、県 費が遅れて出したケースがあり、予備に借入金の上限を書いているということです。  40ページの下には、宿舎など、財産の譲渡等について、14番の枠のところに書いて います。  それから41ページ、人事の関係は、組織の見直し等、組織編成、人員配置を実情に 応じて見直すということと、人事評価。この5年間でも、例えば保険部や審査部を廃止 するなど、ポストについては、かなり縮減をしております。現在、期末の常勤職員数 299人という目標の中で運営をしておりまして、今回も299人という目標を挙げさせて いただいております。あとは人件費の額目標額が書かれています。  それから、積立金の処分。42ページの最後のところに、※印で書いていますけれど、 積立金の処分に関する事項ということで、これは先ほど、2,800億円の基金で助成をす るとありましたけれども、助成をする中で残余が生じた場合の扱いについて、その精算 方法、使途について、今、財務省と調整をしている段階でありまして、記載しておりま せん。今後3月中〜下旬を目途に、またお示しさせていただきたいと考えております。  以上で説明を終わらせていただきます。 ○部会長  ありがとうございました。いかがでしょうか。質問、ご意見を承ります。 ○大島委員  幾つかあるので、その中で、ちょっと絞ります。一つは、WAMNET事業に関して。 WAMNET事業で1,500万円の自己収入を目指すということですが、WAMNET事業自体に、 どのくらいの予算を使っているのか。というのは、今回のこういうことから少し離れた ところで見ると、WAMNET事業は民間委託できるのではないかという気持ちが、国民サ イドにはあるのではないか、と。例えば厚生労働省のいろいろな情報等については、厚 生労働省のホームページがありますし、ほかのものも、社会福祉協議会等々、いろいろ なところでWAMNETの事業に似たような、重なりのあるものが出てきていますし、民間 委託ができるものなのかどうか、特に独立行政法人でやらなければならないことかどう かというのを、この審議に加わっていないものですから、ちょっと素朴な疑問として、 お答えいただければと思います。つまり、どのくらいの予算を使ってやっているのかと いうことが一つです。  それから2番目に、年金担保貸付事業が、最近の報道で、大きく、先にこの担保の貸 付事業を使って生活保護になる国民の方が、どのくらいいるというような報道が、割合 大きくされて、その中の一つに、非常に豪華な車を買って、それのチェックが何もなか った。そういうものを買った上で生活保護世帯になっているということが納得できるか というような報道もあったと思いますが、その辺のことで、先ほどちょっと、あるいは 聞き間違いかもしれませんけれど、生活保護を受けている方は、というようなことが、 何か、説明にあったと思うんですが、本当に必要な場合、例えば緊急に入院が必要であ るとか、いろんなことで、プラスして何かが必要な場合が、いろいろおありだと思いま すけれども、その辺のことについて、これはごく最近出た報道ですから、私もよく実情 は分かりませんけれども、どういう見直しで、どういうふうな方針でやっていかれるの かということについて。まず、その2つだけ質問させてください。 ○社会・援護局福祉基盤課長  まず、生活保護との関係について。実際、新聞等で、年金担保は、生活保護世帯、あ るいは生活保護に陥るおそれのある世帯が、逆に簡単に借り入れてしまって、それを例 えばギャンブル等で使ってしまって、更にまた生活保護に陥るというようなことなどの ケースが報道されています。これまで、福祉部局、自治体の福祉事務所等、生活保護の 実際の支給決定を行う組織との関係というのは、ほとんどなかったんですが、今回、生 活保護受給者については、受給者の情報を福祉部局から具体的な資料を提供し、借り入 れる方が生活保護に該当するかどうかということをチェックできるような形で行おうと いうことが一点です。  さらに、過去に生活保護を受けていた方、現在は受けていないけれども過去受けてい た方についてどうなのかということについても、今までは額としてどのくらい受けられ るかというと、例えば年金の受給額の1.2倍を限度とし大体10万円から二百数十万円 の範囲の中で、一定の基準だけがありまして、相手方が返済について、どの程度の余力 があるのかというところまで、厳密な形での審査が十分でなかったという点は反省すべ き点でありまして、そこについて、相手の資産等ある程度厳密に審査をすることによっ て、返済の能力はやはり問うべきだろうと考えておりまして、そういう形での見直しを、 今回、図りたいと思っております。 ○大島委員  それがこの中期計画の中に入っているわけですね。 ○社会・援護局福祉基盤課長  はい。その中で、具体的な言葉としてはありませんが、審査についての状況は出てお ります。今申し上げたことを全部書いているわけではありませんけれども、審査の厳格 化を図るという形で記載しております。  それからWAMNETについて、機構の方からご説明いただきます。 ○福祉医療機構経理部長  予算について、機構の方から報告したいと思います。19年度予算で約10億円の経費、 9億8,800万円という予算になっております。今回、中期計画で予算書をお示ししてお ります。この後ろから3枚目に、5カ年分の予算が載っています。そこの中で、一番下 の方ですが、業務経費という項目がございます。ここの中の福祉保健医療情報サービス 経費、これがいわゆるWAMNETにかかる経費でありまして、5カ年で42億という予算を 予定しているところでございます。 ○大島委員  5カ年で42億の中で、毎年、1,500万円の自己収入を確保したいということですか。 ○福祉医療機構経理部長  そういう形になります。 ○大島委員  ただそれだけを聞きますと、民間委託した方がはるかに安く、ここの部分は削減でき るのではないかという気持ちになると思いますけれど、その辺は検討された上で、やは りこれは独立行政法人でやらなければならない業務であるということになったのか。そ ういう検討はされたんでしょうか。 ○社会・援護局福祉基盤課長  今の福祉医療の情報については、民間等でも一部やっているところはあると思います。 ただ、活用の状況、アクセスの件数で見たときには、今、アクセス件数は1,500万件で したか、それくらいありまして、逆に、施設の情報を見ようとすると、例えば「特別養 護老人ホーム○○」というふうに入力をして、Googleで探しますと、まず、最初に出 てくるのはWAMNETの情報です。これが一番早く出ます、施設そのもののホームページ よりも早く出ます。そういった形で、比較的、情報としてとりやすい環境はあると思い ます。  我々としても、単に施設の情報だけではなくて、行政の情報等、いろいろな会議の情 報も、かなり継続的に、タイムリーに拾っていただいておりまして、逆に、教育関係者 の方々も、大体、WAMNETでご覧になっているということもあり、できるだけそういう ところは、少なくとも国レベルで1つぐらいは、それだけの集約化された情報は要るの ではないかと思っております。確かにかかるコストの面は、我々としても削減しなけれ ばいけませんし、例えば入力等を民間に外部委託する等、外部委託を進めたいと思って おります。  それから、保守点検などの費用も結構かかります。現在、IBMと契約をし、その職 員の方々が、保守点検で常時見ているわけですけれど、例えばそういうところを、もう 少し、効率化を図れないかというところも当然見直さなくてはいけないと思っておりま す。収入を上げて、かかるコストの部分は下げる努力は、この計画期間中でもぜひやっ てもらいたいと思っております。 ○真野委員  今の件に関連して、まず、収入の話ですけれど、1,500万円、18年度は1,000万円と いう、これはバナーですか、その収入だと思うんですが、これ自体も、何かちょっと、 一般的に考えると、結構な額の収入を得られているなあという感じがするんですが、こ れについてもうちょっと、どういうことに対しての対価なのかを詳しくお示しいただき たい。普通、例えばバナー広告が1件30万円だとしたら、全体で1,000万円というこ とは約30件ですよね。そういうふうにブレークダウンして教えていただきたいのと、 逆に、支出の方ですけれど、私もあんまり、ホームページについて詳しくはないし、私 も利用させていただいていて、お聞きするのも、ちょっとよく分からないところもある んですが、一般のホームページというのは世の中にたくさんあるわけですが、そういう のが何十億もかかっているとは思えません。どういう費用構造になっているんでしょう か。 ○福祉医療機構  費用構造ですけれど、WAMNETのシステムの運用や保守経費、これが大体8億6,000 万円ぐらいありまして、そのほかに制度改正等に伴うシステム改修費が、年度によって 異なるのですが、それが入っているということです。ですから全体で10億円程度の予 算が要る内容になっています。今回、最適化で、この通常の運用経費分が8億5,000万 円〜8億6,000万円程度あるんですけれど、これを引き下げようということで、今現在、 年間で1億6,900万円程度を、最適化で節約しようというふうに考えています。  バナー公告については、民間より相当安い金額でやっていますので、1件当たり10 万円が2カ所と8万円が5カ所という形で、計7カ所。これは月額です。あとは介護関 係、ソフト関係の広告が載っていますが、それはまた別料金という形になっています。 ○真野委員  ありがとうございました。 ○松原委員  民に任せられるものは民に任せるという流れの中で、福祉医療貸付事業では、新規の 融資額は20%縮減ということですが、確かに診療報酬は厳しいので、今、設備投資を しようというところは少ないと思います。しかし、設備投資が必要な病院などが非常に 多いのも事実です。BIS規制が強まってくる中で、社会保障を財源としている事業と いうのは、どうしても、低収益になる中、今後ますます、民間からの融資は厳しくなっ てくるということが考えられます。病院などは社会保障を財源としているために非常に 低収益ですけれど、最近、倒産が増えたと言われていても、それでも営利企業に比べる と倒産件数は少ない。そういう事業においては、WAMのような低利でお金を持ってき て長期間貸し付けるというのは、事業特質に合っていると思いますので、そういう意味 で、このWAMの貸付というのは大変重要な事業だと思います。ですから、政府系金融 機関が縮小していく中にあっても、この福祉医療貸付の融資事業の縮小というのは、非 常に慎重にしていただきたいと思っております。この文章を変えてくださいとはもうし ませんが、私の意見です。以上です。 ○山村委員  長寿・子育て・障害者基金のことでお尋ねします。この事業も助成を受けて、いろい ろ活性化したり、事業を前に進めるということで大変大きな役割を果たしているのでは ないかと思いますが、その中で、今問題にされているのが、固定的に、いわば同一箇所 が継続して助成を受けることを回避したいという辺りが、見直しの中でうたわれていま すけれど、実際、1割程度がその継続に回っているという説明があったかと思いますが、 何が見直さざるを得ない課題としてあるのか。具体的に、その、固定化回避をするには、 どういうことを考えておられるのか、その辺りについて説明をお願いします。 ○社会・援護局福祉基盤課長  一つは、先ほど、助成の際に、どういう政策課題があるのかというところを、毎年 10ぐらい、具体的にこれから求められると考えられる事業について、現在、機構の方 で選定をして、事業を挙げて、その方針にのっとってやっています。これまで、どちら かというと機構の中でやってきていますが、今後、国とその時々で、例えば今回の政策 課題として、療養病床の転換、あるいは生活習慣病対策とか、新しい部分についても、 つねにブラッシュアップできるような格好で、助成に当たっての、具体的な重点分野に ついての見直しを図るというのが一つ。  それから2つ目は、やはり先ほどの、1割にすぎないわけですが、これまで、2年や 3年の継続であればまだしも、かなり長期にわたって継続してきた団体が、ある程度、 見うけられています。団体としても助成金を前提とした予算の組み方にもなっているお それもあります。そういったところについても少し踏み込んで、その事業を点検して、 本当にこれからも継続してやる必要があるのかどうかというところについても、今回、 見させていただく。  ただ、どうしてもやはり全国的な法人で、ある特定の分野、例えば特定の疾病につい てやっている団体があります。例えば家族会のような特に希少な分野を継続して調査な り研究をすることについて、なかなか助成を受けられないようなところは、ある程度、 そこは政策判断というか、機構としての判断としても拾わなくてはいけない。ただ、過 去に助成を受けていたから引き続きやるということではなく、しっかりとした政策判断 なり評価をしながら、やっていこうと。これまで必ずしも十分ではなかったので、今回 の中期目標・中期計画期間においては、そういったことも含めて、もう一度、見直しを する。それからPDCAサイクルも、まず1回目で、第1期でとりあえず取り組んでき ましたので、そこはもう少し、審査に当たっては厳密といいますか、よりレベルを上げ ていこう、と。こういうことを考えております。 ○山村委員  継続して、いわば助成を受けるのは当然だというような形で継続していくことについ ての見直しといいますか、それは何か、助成の基準とか、あるいは継続の回数の上限と か、何か決めていかないと、やはり情が移ってしまうというようなことがあるのかなあ ということで、あえてここに掲げていらっしゃるので、具体的な成果を挙げるためにど うするか。我々、この委員会も、評価する上で何を評価したらいいのかということがわ かるような具体策を示していただきたいというのが一点です。  それから、助成が842事業ですか、約1,000カ所という表現もあったかと思いますが。 ○社会・援護局福祉基盤課長  はい、団体数で1,016ぐらいですね。 ○山村委員  申請がどのくらいあって、助成決定がこれくらいになっているのか。その辺りは、ど うでしょうか。申し上げたいのは、継続的なところをできるだけ少なくしながら、幅広 く、政策課題に向けた申請があることが望ましいのではないかと思うんですけれど、そ ういう意味で、何カ所から申請があり、助成しているのが今の数になっているのか。そ の辺りは、どんな実情でしょうか。 ○社会・援護局福祉基盤課長  19年度で見ますと1,956の申請があり、採択が1,033ということで、採択率が大体 5割となっています。 ○山村委員  分かりました。 ○大島委員  先ほどの松原委員と同じですが、20%縮減というところについて。必要なところの医 療の様々な設備投資等々で、地域間格差が今、非常に言われているときに、この20% ということを目標の中に入れておられる。これは書かざるを得ないのだと思いますけれ ど、やはり、その辺をもう一歩踏み込んで、例えば、必要なところについても一律に 20%で考えるのか。今、非常に、医療に問題が出ている中で、20%というところを前面 に出して、それをどのように達成するかということが、もう少し書かれるのかどうか。 あるいは、また別紙でそういうものがあるのかどうかというのは、非常に気になるとこ ろです。  一方では、先ほどのWAMNET。ちょっと、気になってしょうがないんですが、やはり 毎年10億という額がかかっている。要するに私たちが今、審議しているのは、次の世 代、若い世代に借金を残さないということが大目標だと思って発言させていただいてい るんですけれど、次の世代にできるだけ借金を残さないという中でいけば、私も WAMNETは、あるから使いますけれど、でも、ほかの方法でも見ることができる。その 中で10億。だんだん、この会に出ていると、1,000円と10億円との差が、何か、自分 の中でよく分からなくなるような感じで、簡単に億がついてしまったり、100億とかそ ういうのがついてしまうので、自分の中で、少し整理が難しくなるところがありますけ れど、10億という、本当に、とてつもなく大きな額が1年間の中で情報を集めて配信 するところで使われる。本当に、次世代に借金を残さないために努力をする中で、何ら かの、ほかの方法が使えないのかどうか。それからIBMさんに、と言われましたけれ ど、やはりその辺で、一たんシステムができると、なかなか競争的な会社の選定という のは難しいのかもしれませんけれど、やはり、1回決めた金額がそのままずっと続くの がいいのか、あるいは時々、競争的に、さらに安いシステムに変えるというようなこと がされているのかとか、どの辺の努力をしながらの、5年間の42億円なのかというと ころを、もう少し、私自身も納得させていただきたい。必要なところは20%減でやっ て、というところとのつながりで、何かお話しいただければと思います。 ○社会・援護局福祉基盤課長  20%減について、先ほど、融資の額が減ってきているのは、診療報酬改定等々の影響 もあるということを申し上げましたけれども、今のトレンドで見たとき、20%減は必ず しもきつい数字ではありません。やはり、例えば病院においても、500床で切っていま すけれど、500床以上のところでも、小児とか救急とか僻地医療とか、必要なものにつ いては重点化を図るということを考えております。それから、例えば介護事業等の整備 についても、これからもある程度必要な部分は当然あると思いますけれども、これは一 部、民間事業者からの融資も協調融資で増えてきていますから、そういう中で融資率も、 若干ではありますが引き下げを図りながら、できるだけ効率的にやっていく。ただ、や はり借入の機会が失われては困りますので、やはり重点的に、必要なところはちゃんと 貸していこうという方針に変わりはありません。そういう中で、今の20%を何とか達 成したい。今の需要から見れば、必要なところまで貸し渋りというような形で切ってし まうというところにはならない水準ではないかと考えております。ただ、もちろん、こ れからの政策の状況等々を見ながら、機動的にやっていかなくてはいけませんので、ど の時期にどれだけ落とすのかというのは、これは機構の中での判断、あるいは国との協 議の中で決めていく話ですから、その中で連動させながら、達成できるようにというふ うに考えています。  それからWAM_NETについて、機構の方から何かありますか。 ○福祉医療機構  WAM_NETですが、今現在、IBMに、システムの保守関係、運用等を委託しています。 また、WAM_NETにはヘルプデスクというのがあって、外部からの問い合わせ、利用者か らのお問い合わせの窓口もあります。今はそれらを全部、1社にお願いしているという 状況です。今回の業務・システム最適化で、システム開発業者、実際の運用をする業者、 それから機器の調達業者という形で、全部分離して、今回、2年かけて調達するという ことになっております。今までは1社で、金額的にも難しいところがあったわけですが、 これを分解して調達するということで、コストを下げたいというふうに考えています。 ○部会長  35ページの13番ですね、今、問題になっているところの、特に、一般サイトについ ての民間委託の問題が指摘されておりまして、今のお答えの、業務・システム最適化計 画の実施で、平成21年度末までに結論が出るという中に、今の大島委員などの質問の お答えはあるのですか。そう解釈していいのですか。それともここに、少し文章的に、 民間委託の問題を入れていただけるのか。それとも、その文言はこの中に隠れていて、 21年に出てくるというふうなことですか。 ○社会・援護局福祉基盤課長  5ページに一応、民間委託のところは入っております。5ページの一番上、経費の節 減のところにありますが、これを読んだだけでは、ちょっと分かりにくいということで あれば、勧告等で書いているところを、少し、この中に含めるということも、ちょっと 調整をさせていただいてよろしいでしょうか。 ○部会長  大島委員、それでよろしいでしょうか。全体を通して、姿勢としては、できるところ はもう、民間委託したり、契約を外部化するということはうたっていただいているので すが、WAMNETに焦点化されるのであれば、少し、この中に精神は入っているわけです が、ちょっと不安だとおっしゃるのであれば、若干の修正をお願いしたいと思いますが。 ○大島委員  はい、できれば次の5年の見直しのときには、また、担当者も全く変わるわけですか ら、そこで評価をするときに、やはり見えているのと見えていないのとでは随分違うだ ろうと思いますので。 ○社会・援護局福祉基盤課長  わかりました。では、一応、入れる方向で修文をさせていただきます。 ○部会長  そうですね。それでは、今のご議論、松原委員、真野委員のお話も含めて、この辺り の修正を、ちょっと、2割の分は別ですが、このWAMNETのところに少し焦点化して書 かせていただくということを、事務局と部会長にお任せいただいて、一部、文言の修正 という形でお願いいたします。  ほかに、いかがでしょうか。 ○浅野委員  福祉貸付のところで、協調融資の拡大という方向が、勧告も含めて出されているので すが、2つほど質問させてください。福祉貸付においては、民間金融機関だけでは、や はり不十分であるという状況とお考えになられているというところですね。その一方で、 医療貸付については重点化ということで、絞っていくということですので、ある意味で は民間の活力も期待しているということなのかもしれません。  それから2つ目の質問は、この拡大によって、福祉貸付を全体に拡大するということ によって、介護関連施設のほかに、どのような施設の拡大が具体的に考えられるのか、 もしわかれば教えていただきたいと思います。 ○福祉医療機構企画指導部長  福祉医療機構の企画指導部長でございます。民間委託の拡大の点で、介護施設以外の、 社会福祉の関連の施設、例えば障害者とか、そういったところも含めて、社会福祉関連 の施設全体に、協調融資を拡大していくという方向で考えております。  それから医療の関係について、特に協調融資のことは、医療については触れていない んですけれど、従来から、社会福祉の分野というのは、民間の金融が入りづらい分野で あるという面がありましたので、協調融資という形で、民間の金融機関の方にも社会福 祉のことを知ってもらうという機会をこれから増やしていこうと考えているわけですが、 一方、医療関係については、今でも民間の金融機関が入っている。事実上、私どもとあ わせ貸しになっているケースが非常に多いという状況ですので、あえて、その点につい ては触れなかったということでございます。 ○浅野委員  わかりました。 ○大島委員  関連しているかどうかわかりませんけれど、先ほど、非常に赤字が増えて、その分、 保険料を親御さんに負担いただくことによって、一部、補填をしたということでした。 要するに親御さんは、掛金を掛けて、それを独立行政法人に任せていて、そして、そこ の運用がまずくなったから、それじゃあ保険料を多く納めなさいというのは、なかなか、 そのことに関する納得がいくのかどうかということを考えると、例えばもっと状況が悪 くなって赤字が多くなったときに、税金で補える部分と、それから更に親御さんの負担 が増えたり、あるいはもう、これ以上は払えないというような結論に達したりというこ とがあるかどうかと考えると、非常に心配な面があるんですが、その辺については、こ ういう中で、どのように解釈したらいいのでしょうか。 ○障害保健福祉部企画課企画官  障害保健福祉部でございます。お話の件は、25ページの左側の図にある、扶養共済 の件だと思いますけれど、この制度については、なかなか財政が立ち行かなくなったと いうことで、これは12月のこの会でもご報告させていただきましたけれども、昨年3 月から半年かけて検討いたしました。積立不足の原因としては寿命が延びたということ に加えて予定利率の設定が4.5%という高い水準であったということで、最近の利率の 状況を見ると、そこまではとても運用できないということですので、現実にあわせた形 で、予定利率を1.5%という形で置き直して、非常に手がたい制度設計にして、ある程 度、加入者の方にもご負担いただきながら、また一方では、公費の負担を、国と地方で 平成8年度から、その積立不足に対して財政支援を、本当は、任意加入の、民間ベース の制度に入れるというのは非常に異例ではあるんですけれど、この制度の経緯、それか ら、これが地方自治体、道府県、政令市が条例に基づいて行っているということで、半 ば障害者福祉という形での位置付けもあるということで、国と地方が公費を入れていく。 その公費の投入の期間を延長するということもやりながら、それから既に加入している 方の保険料はできるだけ引き上げ幅を抑制するという形で、配慮しながら、この制度を 続けていこうということで、検討会の中で、障害者の団体の方にも入っていただいて、 ご理解を得て、合意ができたという経緯でございます。 ○部会長  よろしいでしょうか。先生、これは別の委員会での答申を受けての文書化ですので。 ○大島委員  はい、わかりました。 ○部会長  よろしくお願いいたします。 ○真野委員  先ほどの浅野委員のご質問にも関係するんですが、ちょっと、私の理解不足かもしれ ませんけれど、介護というか福祉の方ですね、まあ純粋な福祉はちょっと違うかもしれ ませんけれど、特に介護とか高齢者に関しては、むしろ高専賃など、民間の活躍の場も あって、逆に言えば、民間の銀行も貸しやすい部分があるのかなあ、と。一方、今、医 療に関しては、先ほどから議論が出ていますが、地域医療とか医療崩壊とか、私も医師 という立場ですが、いろんな問題もあって、診療報酬も、医師確保等という議論もある わけですが、その辺りは、どういうふうに整理されて、福祉の方でというか、逆に言え ば、医療の方を減らすという話になったんでしょうか。 ○福祉医療機構企画指導部長  先ほどの説明について補足いたしますと、まず、医療にしろ、福祉にしろ、どちらか を抑えてどちらかを伸ばすという趣旨は全くございません。全体の中で、先ほど20% という話がありましたけれど、福祉医療のトータルの中で見ていくということでござい ます。介護の分野で、民間の金融機関が入りにくかったというところは、従来、国庫補 助がついていた。例えば特別養護老人ホーム等、補助裏分を私どもが貸していたわけで して、その辺についての、民間の金融機関のノウハウは、ほとんどないという状況です ので、そういうところにも、民間の金融機関も入っていけるように、いろいろ情報交換 をしましょうというのが、協調融資の趣旨でございます。 ○真野委員  ありがとうございました。 ○部会長  いろいろ、貴重なご意見をいただいておりますが、そろそろよろしいですか。かなり 出尽くしたというふうに思います。ただ、松原委員がおっしゃっていた件に関しては、 実施に当たっては慎重にということは、少しついております。文面には入れませんけれ ど、そこは重々、おくみ取りいただきたいと思っております。それでは、この中期目 標・中期計画について、ご了承ということでよろしいでしょうか。 (異議なし)  ただし一部、事務局と修正をさせていただくということを前提に、よろしくお願いい たします。ありがとうございました。  なお、のぞみの園と同様に、積立金の処分に関する事項は、先ほどありましたように、 調整がつき次第、委員の皆様方に配布をさせていただきます。書面審査という形で、後 ほど福祉医療機構の方から、中期計画の認可申請があった場合、当委員会として了承と いうことで、そこを含んでの了承という形でお願いしたいと思います。  それでは続きまして、中期目標・中期計画が一応通ったということで、業務方法書の 変更がございます。法人からご説明をお願いいたします。 ○福祉医療機構企画指導部長  それでは、業務方法書の変更について、ご説明をさせていただきます。資料4?3、 業務方法書の変更(案)の概要という、3枚ほどの紙がございますが、それに沿って説 明をさせていただきます。  今回の業務方法書の変更ですが、一つは平成20年度の予算事項。それから、先ほど も基盤課長の方からお話がありましたが、平成18年12月の勧告の方向性、それから昨 年12月に出された整理合理化計画に伴う見直し、こういったところを受けまして、所 要の変更を行っているところでございます。  まず、最初の大きなひし形のところ、療養病床転換支援関連事項の変更について、ご 説明をいたします。これは療養病床の転換支援ということで、まず、療養病床の転換そ のものに対して、実際に設備投資等を支援するということについては、この2番の方で、 昨年度から実施をしているところですが、今回、それに加えて1番で、新たに療養病床 転換支援資金貸付制度といったものを創設するという変更を行っております。これはど ういうことかと申しますと、転換をしようとするときに、例えば療養病床を有する病院 なんですけれど、その療養病床を整備するときに、例えば既にもう民間から例えば借り ていらっしゃって、その借金が残っている。そうなると、そう簡単に転換もできないじ ゃないか、と。転換分だけ借りてもだめじゃないか、と。過去の借金はどうしてくれる んだ、という話もあるわけでございます。そういったところに対して、今回の制度で支 援していこうという趣旨でございます。  中身についてご説明しますと、国の医療制度改革における、療養病床を削減する方針 に伴いまして、先ほど申しましたように転換をするということですが、それについて、 例えば、具体的に病院等が療養病床を転換するために、過去に民間の金融機関から借り 入れた資金を機構の資金で借り換えるとか、そういったことのための融資、あるいは転 換計画を円滑に遂行するために、一時的に必要となる退職金等に充てるための融資、こ ういったところを新たに行おうというものでございます。  貸付条件は、ここに書いてある表のとおりで、転換する、その転換先は介護老人保健 施設、特別養護老人ホーム等ですが、償還期間については、原則10年以内、うち据え 置き期間が1年以内。ただし償還期間については、機構が特に必要と認める場合には 20年以内というふうにしております。貸付限度額は、原則4.8億円以内。こちらも機 構が特に必要と認める場合には7.2億円以内というふうにしているわけでございます。 こうした新たな支援制度を、20年度から始めることとしております。  それから、先ほど申しました2番目の、実際に転換するときの必要な資金でございま す。これは既に実施していまして、19年度限りの特別事項ということになっていたわ けですが、実際には転換そのものはまだ本格化していないという状況であり、この支援 制度は延長する必要があるということで、平成23年度まで継続するということにして おります。  まず、この内容ですが、これは既に実施しているところでありますが、療養病床から 介護老人保健施設や特別養護老人ホーム等へ転換する場合の、転換先施設の整備資金の 融資については、融資率が通常は70〜75%のものを90%に引き上げる特例措置を設け ております。それから2番ですが、通常、機構の融資の対象外とされている、いわゆる 一般有料老人ホームについても、融資の対象に追加するということもしておりまして、 これについての融資率も90%という特例措置を設けているところでございます。  続きまして、2番目の大きなひし形ですが、障害者の就労支援事業の推進関連事項の 変更でございます。この、障害者の就労支援事業というのは、国の成長力底上げ戦略に 関する障害者施策として、就労支援事業の推進を図るために、平成23年度までの間に おいて特例措置を設けるものでございます。具体的には2ページをご覧ください。この 表の左の欄に掲げる施設、就労移行支援事業、就労継続支援事業を行う施設等、それか ら旧法の授産施設とか、そういったところの施設に対して、賃金または工賃水準の向上 を図るための設備資金及び運転資金の融資を行う場合の貸付の相手方として、これは真 ん中に線を引いていますけれど、通常は私どもの貸付対象になっていないNPO法人を 貸付の相手方に追加しております。融資率についても、通常は80%というところを 90%に引き上げる特例措置、これを23年度まで設けることとしているわけでございま す。  それから、その次、3番目の大きなひし形の事項でございます。これは先ほども説明 がありましたが、整理合理化計画に伴う融資事業の見直しでございます。まず、1の1 番、病院の機械購入資金、それから薬局、衛生検査所、施術所、歯科技工所、疾病予防 運動施設、温泉療養運動施設といったところは、一昨年の改革の方向性を踏まえまして、 貸付対象から除外しております。それから2番、病院に対する長期運転資金融資につい て、災害復旧、制度改正や金融環境の変化に伴う経営悪化への対応など緊急的なものに 限定しております。  続きまして、2つ目として事業の廃止でございます。福祉医療経営指導事業の一環と して実施していた開業医承継支援事業を、平成20年3月をもって廃止することが決定 されたことに伴いまして、今回、業務方法書からも削除したところでございます。  それから、その次の大きなひし形、その他予算関連事項等の変更についてご説明申し 上げます。まず、1つ目として、1の、診療所の融資方法の見直しについて。現在、診 療所への融資については、機構で作成している「診療所数調」による過不足地域を融資 の基準としておりましたけれども、このたび、有床診療所については、医療法の改正に よりまして平成19年の1月から、病院の病床と同じように、都道府県の医療計画の基 準病床の対象とされたことに伴いまして、融資の基準についても病院の病床と、この診 療所の病床を、同様の取り扱いとするものでございます。  それから2つ目、昨年度からの継続事項に関して。まず、2の1番ですが、耐震化に かかる改築・修繕等事業及び災害復旧事業にかかる融資率の引き上げについて。平成 18年度・19年度限りとされていた、融資率を5%引き上げる特例措置を、政策的に必 要度の高い事項として、平成22年度まで継続しております。  次のページをご覧ください。アスベストについての優遇措置についても、平成19年 度までとされているわけですが、この融資率を5%引き上げる特例措置を、平成20年 度まで継続することとしております。  それから3番の、消防法関連でございます。消防法政省令改正に伴う障害者グループ ホーム等にかかる貸付の相手方の拡大ということでありまして、これも19年度限りと されていた貸付の相手方を拡大。これは要するに、障害者のグループホームについて、 スプリンクラーを設置するという場合には、NPO法人も貸付の相手方とするという特 例措置ですが、これを平成23年度まで継続して更に実施することとしております。  それから3つ目、貸付対象及び融資率の見直しについて。まず1番ですけれど、ア、 イ、ウでございます。福祉貸付における無利子貸付の対象の除外についてですけれど、 「ア」については、都市部における社会福祉施設の新規設置について、用地不足から整 備が進まないという問題を緩和するために、既存施設を整備需要の高い施設と複合化し て改築する場合の特例措置というものであったわけです。「イ」については、老朽化が 激しい民間社会福祉施設の整備の促進を図るための特例措置ということであったわけで すが、これらについて、国庫補助金の対象から除外されたことに伴い、今回、私どもの 無利子貸付の対象からも除外するという改正でございます。それから「ウ」ですが、医 療貸付における貸付対象の除外ということでありまして、これは、農業協同組合、農業 協同組合連合会、農業協同組合中央会が開設する病院、診療所、介護老人保健施設及び 医療従事者養成施設といったところについては、実は農林漁業金融公庫でも融資をでき るということになっているわけでございます。このたび、融資分野の調整、それから、 私どものところに実際に借りに来られる例も少ないということもありますので、貸付対 象の重点化を図るために、今回、貸付対象から除外するというものでございます。  続きまして、2番の、融資率の引き下げでございます。まず、総病床数が200床未満 であって療養病床を有する病院の整備事業ということについては、これは従来、特例的 に90%の融資率ということにしていたわけですけれど、先ほど来申し上げている、療 養病床の転換をむしろ支援していくという政策に伴いまして、医療貸付事業における通 常の融資率の80%に引き下げをするというものでございます。  それから「イ」の、80%から75%への引き下げは、障害者自立支援法の附則の経過 措置によって、旧法の施設について、平成23年度まで設置運営が認められているため に、機構の融資についても従前の取り扱いにより特例的な融資率の80%としていまし たが、新体系の施設への移行を促進するという趣旨から、旧法の施設については、福祉 貸付事業における通常の融資率の75%に引き下げるというものでございます。  以上が、平成20年4月1日施行予定の業務方法書変更の内容でございます。資料 4?4、4?5で、新旧対照、それから変更後の業務方法書がありますが、内容につい ての説明は割愛させていただきます。以上でございます。 ○部会長  ありがとうございました。丁寧にご説明いただきました。ご質問はございますか。特 にないようでしたら、後で業務方法書の変更が出てきた場合には、私どもの方で取り上 げさせていただいて、当委員会として了承したという形にさせていただきますが、よろ しいでしょうか。 (異議なし)  ありがとうございます。  時間が差し迫っていますが、あともう少しございます。委員の先生方、次の会議等が あるかもしれませんが、ご協力いただきたいと思います。  それでは次に、短期借入金の借り換えの案でございます。それに関連して、ご説明を お願いいたします。 ○政策評価官室長補佐  それでは、説明に先立ちまして、若干、資料集を活用してご説明させていただきます。 お手元の茶色い本、独立行政法人評価関係資料集の72ページをご覧ください。右側の 73ページで、過去に審議をした経緯がございます。過去において、こちらについて取 り決めがなされているところでありまして、若干、ご説明申し上げますと、72ページ の左下の方に、フローチャートを少し書いてございます。流れとして、まず、今回ご審 議いただきます長期借入金計画及び債券発行計画につきましては、あらかじめ部会の了 承をいただくこととしているところで、今回、ご審議をいただくものでございます。通 常、長期借入金及び債券発行については、年度中に数次にわたって行われるため、本来 ならその都度、評価委員会のご意見を賜る必要がありますが、年度を通じた長期借入金 計画及び債券発行計画については、あらかじめ部会のご了解をいただければ、長期借入 金及び債券 発行の個別の認可については部会長にご一任し、部会には事後報告するという形になっ ております。これが2番に書いている四角でございます。本日は、これら平成20年度 の計画についてご審議いただくとともに、平成19年度の第4・四半期の長期借入金に ついてご報告させていただきたいと考えております。  なお、本日ご審議いただく内容は、今後3月までの間に財政融資資金の繰上償還が見 込まれるということがありますので、平成20年度の償還計画については、現時点の繰 上償還見込額による、平成19年度末長期借入金残高をもとに作成しているものでござ います。以上でございます。 ○部会長 ありがとうございました。それでは、今のお話を踏まえて、法人からご説明 をお願いいたします。 ○福祉医療機構経理部長  資料4?6から資料4?10を用いてご説明させていただきます。まず、資料4?6 ですが、19年度短期借入金の借り換えでございます。この短期借入金については、共 済勘定における退職手当共済事業給付費の都道府県補助金の不足分、それらを借り入れ るものでございます。3月25日に、みずほ銀行より6,400万円ほど借り入れます。3 月31日に同額を借り換えて年度を越えるということで、借り換え後の償還期限は5月 31日と予定しているところでございます。借入金については、借入日の2日前の、東 京における金融機関同士の融通金利というものがございます。現在で見ると、大体、 0.88%ですが、そちらの金利で決定される予定となっております。  続きまして資料4?7、20年度の長期借入金計画(案)についてご説明いたします。 申しわけございません、これについては「単位:100万円」が漏れておりますので、ご 了解いただきたいと思います。平成20年度計画額については、一般勘定で3,008億円 となっております。昨年、19年度までは年金担保貸付があったわけですが、20年度に 財政融資資金の借入れを廃止をいたしまして、民間借入金に振りかえるということもあ りますので、20年度においては一般勘定のみでございます。各四半期の内訳は記載の とおりとなっております。参考として、貸付予定額は一般勘定で3,338億円となってお ります。借入条件については償還期間が20年以内、うち据え置き1年となっておりま す。  次に、資料4?8をご覧ください。20年度の債券発行計画ですが、一般勘定におい ては430億円、年金担保貸付勘定では600億円の、合計1,030億円となっております。 次ページに、社会福祉・医療事業団からの、これまでの発行実績を載せております。  続きまして資料4?9、20年度償還計画でございます。先ほどご説明がありました ように、財政融資資金の繰上償還というのがございます。この繰上償還は平成10年度 から導入された制度でありまして、一定のペナルティーをつけた上で、残存期間に対す る賦課金をつけた上で繰上償還をしていただく。それについては、いわゆる国庫の方も 同額を受け入れるという制度がとられております。例年、上期と下期に分けて、繰上償 還を財務省の方に、その金額を上乗せした上で償還しているところですが、現在、まだ 確定はしておりません。予定としては、大体、18億円程度が見込まれる予定でござい ます。全体の繰上額としては、大体、年間400〜500億円ございます。一般勘定と年担 も含めますと、500億円前後の繰上が、毎年度、上がってくるわけですが、そのうち、 いわゆる弁済保証金付繰上償還というものが、大体、50億円前後入ってきまして、こ の金額については理財局の方で受け入れていただける。それ以外の繰上償還額について は、貸付の原資に回すという運用をしているところでございます。その繰上償還額は、 まだ未確定ではありますが、19年度末の長期借入金残高をもとに、一応、作成してい るところでございます。一般勘定においては財政融資資金で2,697億円強、財投機関債 においては150億円の、合計2,847億円余りを。一方、年金担保貸付勘定においては財 政融資資金で267億円強、財投機関債で400億円の、合計667億円余りの予定となって おります。  最後に資料4?10、19年度における第4・四半期の借入金でございます。年度計画 額においては一般勘定で3,172億円、年金担保貸付勘定で135億円となっておりまして、 第4・四半期に認可をいただいている金額は一般勘定で981億円となっております。19 年度の合計額は2,485億円となりまして、年度計画額の範囲内となっております。また、 年金担保貸付勘定においても19年度合計額は135億円となっております。年度計画額 の範囲内となっております。  それに対する実績ですが、一般勘定については固定金利と10年経過後の金利見直し をあわせて679億円を3月27日に借り入れる予定となっております。この借入につい ては、第4・四半期が始まる前の12月14日付ですが、部会長より了承の旨をいただい ております。1月29日付で厚生労働大臣の認可をいただいたことを、あわせてご報告 申し上げます。  以上で資料4?6から4?10の説明を終わらせていただきます。 ○部会長  ありがとうございました。今日はご専門の石井委員がご欠席ですから、後でまた、 縷々、ご説明をさせていただき、また、ご意見等がありましたら賜りますが、何かご質 問はありますか。よろしいでしょうか。  それでは、特段ご意見がないということですので、短期借入金の借り換え、及び平成 20年度の長期借入金計画、債券発行計画を了承いたします。 (異議なし)  それから19年度の第4・四半期の長期借入金については、ご報告いただいたという ことにさせていただきます。  以上、了承させていただきました。ありがとうございます。  なお、平成20年度の債券計画については、事務局からのご説明が先ほどありました ように、今後、財政融資資金の繰上の償還が見込まれるということですので、今後の、 これからの進め方について、少し事務局からご提案いただきたいと思います。 ○政策評価官室長補佐  今後の進め方としましては、中期計画の積立金の処分に関する事項にかかる部分と同 様に、今後見込まれる財政融資資金の繰上償還を踏まえた、平成20年度の償還計画の 認可申請があった場合、その場合に、委員の皆様方に配布いたしまして、書面等でご意 見を賜り、最終的に部会長におまとめいただくのがよいのではないかと考えますが、い かがでしょうか。 ○部会長  よろしいでしょうか。なかなか、先生方に集まっていただくということも大変ですの で、書面審査ということにさせていただきます。 (異議なし)  どうもありがとうございます。それでは、最後になりますか、5番目の、中期目標期 間終了時における積立金等の承認にかかる意見聴取の取り扱いについて、事務局からご 説明をお願いいたします。 ○政策評価官室長補佐  お手元の、資料5をご覧ください。「中期目標期間終了時における積立金等の承認に かかる意見聴取の取り扱いについて(案)」というものを配布しております。中期目標 期間終了時における積立金となりますと、本日ご審議いただいております福祉医療機構、 並びにのぞみの園が、本年度で中期目標期間を終了するということでございます。3月 末で終了するわけですが、こちらについては、先に中段の方の2を見ていただきたいと 思います。  独立行政法人が中期目標期間終了時に保有する「積立金」、すなわち残余金について は、この処分方法が既に決められております。1と2がありまして、1としては、厚生 労働大臣の承認を受けた額を次の中期目標期間の業務の財源等に充てることができます。 この場合については6月30日までに承認を受ける必要があるとされております。また 2として、積立金の額から、この1で承認した額を控除した額については国庫に納付す る必要があるとされておりまして、この場合は7月10日までに国庫に納付する必要が あるとされているところでございます。毎年度、この部会においても、財務諸表等につ いては財務諸表担当の石井先生にご意見を賜った上で、部会でご了承いただいていると ころでございまして、実際には7・8月にやっているところでございますが、中期目標 が終わる際については6月30日までに、この方針を決めなければならないとされてお ります。  ちなみに、次のページをご覧ください。独立行政法人評価委員会を開催しない場合の スケジュール(案)というものがございます。こちらについては、6月30日までにお 決めいただかなくてはいけないという、極めてタイトなスケジュールになっておりまし て、昨年は他の部会において同様のケースがありました。参考で申し上げますと、6月 上旬に独立行政法人の財務諸表及び次の中期目標期間の業務の財源に充てる額について、 財務担当委員にご説明をすることになります。その後、6月中〜下旬において、財務担 当委員にご了解をいただいた後に、各委員宛に関係資料を送付し、書面等により意見聴 取をしたというものでございます。6月下旬に、部会長に各委員からのご意見をご報告 いたしまして、独立行政法人評価委員のご意見をまとめていただく、というものでござ います。7月以降には、開催される部会において、独立行政法人評価委員会からの意見 をご報告するという流れでありまして、つまり6月30日までの間にできなかった場合 においては、2ページ目の参考にあるようなスケジュールで、持ち回りと申しますか、 書面等をお送りし、ご確認いただく形で進めさせていただきたいということを、この場 でご了解いただきたいというものでございます。以上でございます。 ○部会長  今、ご説明がありましたが、そのようにさせていただいて、よろしいでしょうか。 (異議なし)  それでは、この取り扱いについて、了解をするということでお願いいたします。  議事は以上でございます。終了予定を少しオーバーしまして、本当に申しわけござい ませんが、事務局から、このほか何かご報告、検討事項がありましたら、よろしくどう ぞお願いします。 ○政策評価官室長補佐  本日は、長時間にわたりまして、ご審議をいただき、誠にありがとうございました。  一点、ご報告をいたしたいと思いますが、先般、独立行政法人の組織等に関する予備 的調査というものを、各委員の皆様にお願いし、ご協力いただいたところでございます。 委員の皆様及び、委員の皆様の所属する組織のご協力もあり、全委員からご回答をいた だくことができましたことをご報告いたします。委員の皆様におかれましては、ご多忙 中にもかかわらず、調査にご協力をいただきまして、誠にありがとうございました。い ただいた回答につきましては、事務局において取りまとめを行い、後日、衆議院の調査 局宛に提出させていただきます。重ねてお礼を申し上げたいと思います。  また、本日ご審議いただいた内容でございますが、国立重度知的障害者総合施設のぞ みの園の中期計画の別紙2「収支計画」、それから福祉医療機構の中期計画の「積立金 の処分に関する事項」にかかる部分について調整がつき、また、福祉医療機構について、 今後見込まれる財政融資資金の繰上償還を踏まえ、平成20年度の償還計画の認可申請 があった場合には、委員の皆様に、更に配布をいたしまして、書面等でご意見を賜り、 最終的に部会長におまとめいただくこととさせていただきたいと思います。  これによりまして、先般ご案内のとおり、予備日として3月24日を考えておりまし たが、この日につきましては部会を開催しないこととさせていただきたいと存じますの で、よろしくお願いいたします。  以上でございます。 ○部会長  皆様のご協力で、予備日は開催しなくて済みましたことを感謝申し上げます。それで は、本日は以上とさせていただきます。本当に長時間にわたりまして、熱心なご審議を いただきましたこと、御礼申し上げます。ありがとうございました。 (終了) (照会先)  政策統括官付政策評価官室政策評価第2係  電話:03−5253−1111(内線7780)