08/01/25 薬事・食品衛生審議会化学物質安全対策部会PRTR対象物質調査会、化学物質審議会管理部会、中央環境審議会環境保健部会PRTR対象物質等専門委員会 合同会合(第2回)議事録 薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会PRTR対象物質調査会、化学物質 審議会管理部会、中央環境審議会環境保健部会PRTR対象物質等専門委員会 合同会合(第 2回) 議事録 日時:平成20年1月25日 於:虎ノ門パストラル鳳凰西 ○福島化学物質リスク評価室長  それでは、定刻になりましたので、ただいまから、 薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会PRTR対象物質調査会、化学 物質審議会管理部会、中央環境審議会環境保健部会PRTR対象物質等専門委員会の第 2回の合同会合を開催いたします。  本日は、経済産業省が事務局をさせていただきます。したがいまして、化学物質審議 会管理部会の前川部会長が議事進行をさせていただきます。  初めに、会の成立につきまして確認をさせていただきます。本日は委員総数が18名 となっておりまして、そのうち13名の方にご出席いただく予定になっております。現 在、お二人の委員の方がまだ到着されておりませんけれども、ご出席なさるという確認 はとれております。したがいまして、各会とも定足数に達するものと考えておりますの で、本会合を進めさせていただきたいと思います。  それでは、議事進行を化学物質審議会管理部会の前川部会長にお願いしたいと思って おりますので、よろしくお願いいたします。 ○前川部会長  前川でございます。  それでは、先ほどご説明がありましたように、議事進行を務めさせていただきます。 今日は、去年の10月29日、第1回の会合に引き続いての第2回目ということでござい ます。資料が膨大でございますし、時間も限られておりますので、なるべく議事進行を 円滑に進めたいと思いますので、よろしくご協力をお願いいたします。  まず初めに議事録の確認ですけれども、これはもう既に各委員の先生方のほうには確 認をとっておりますけれども、特段ご意見がございましたら、1週間後の2月1日まで に事務局のほうへご連絡をいただければと思います。その後、ホームページで公開する ことになろうかと思います。  それでは、議事次第に従って審議を進めてまいりたいと思いますけれども、まず資料 の確認をお願いします。 ○福島化学物質リスク評価室長  それでは、資料の確認をさせていただきたいと思い ます。  まず、3つの部会、専門委員会等の委員名簿がございます。  それから資料1が第2回目の合同会議の議事録(案)でございます。これは委員限り にさせていただいてますので、傍聴の皆様方にはこの議事録は配付させていただいてお りません。  それから資料2−1ですけれども、「化管法対象物質の選定の方法について(案)」で ございます。それぞれホチキスどめになっておりますけれども、その次が資料2−2、 「見直し後の化管法対象物質数の概況(案)」でございます。  その次に資料3−1、「現行化管法対象物質の有害性・暴露情報」というホチキスどめ になっているものでございます。続きまして資料3−2でございますけれども、「現行化 管法対象物質のうち個別に検討を要する物質」でございます。  続きまして資料4でございますけれども、「追加候補物質の有害性・暴露情報」でござ います。A4のホチキスどめでございます。  続きまして資料5ですけれども、「一連の物質群や元素及びその化合物として取り扱 う候補」でございます。  続きまして参考資料になりますけれども、参考資料1として、「化学物質環境実態調査、 公共用水域水質測定、有害大気汚染物質モニタリング調査及びフロン等オゾン層影響微 量ガス監視調査の概要」。続きまして参考資料2でございますけれども、「現行化管法対 象物質・候補物質における環境リスクの初期評価結果」でございます。次に、ちょっと 厚い、A4で小さい字になっておりますけれども、参考資料3として、タイトルは書い てございませんが、こういった厚い、物質ごとの表になっております。「候補物質ごとの 有害性・暴露に関する詳細情報」ということで、参考資料3−1から参考資料3−12ま でNo.が振っておりますが、この一連のホチキスとじされているものが参考資料3とさせ ていただいております。  それから最後に、これは委員限りですけれども、参考のために、「特定化学物質の環境 への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律に基づく第一種指定化学物質及 び第二種指定化学物質の指定について」ということで、平成12年2月に答申されたも のを本議論の参考として、これは委員限りとして配付させていただいております。  以上が本日の資料になっております。もし不足等がありましたら事務局に言っていた だければ配付させていただきたいと思っております。 ○前川部会長  ありがとうございます。よろしいでしょうか、資料に関しましては。 もし過不足がございましたら、後ほど事務局のほうへお願いいたします。  それでは、議題に従いまして、1番、「化管法対象物質の選定方法について」、事務局 から説明をお願いいたします。資料2−1と資料2−2です。 ○神谷環境安全課課長補佐  ご説明させていただきます。資料2−1でございますけ れども、「化管法対象物質の選定方法について(案)」ということでまとめさせていただ いております。  まず「背景」でございますけれども、化管法に基づく第一種指定化学物質、第二種指 定化学物質の指定については、法律の規定に基づきまして選定の考え方というのが出て まいります。法律の規定については、四角囲みの中に示しておりますけれども、人の健 康を損なうおそれ、または動植物の生息への影響等の3つの有害性の条件と、それから 製造・輸入量等からみた環境における存在条件という4番目の暴露に関する条件、この 両方を満たすものについて指定化学物質にするという規定がございます。  具体的には、PRTRとMSDSの対象となります第一種指定化学物質が354、その うち発がん性があると判断された特定第一種が12物質、MSDSのみの対象となる第 二種指定化学物質が81指定されてございます。  これにつきまして、化管法の見直しのための産構審と中環審の合同の審議が昨年の8 月に行われてまとめられた中間とりまとめがございますけれども、その中で、物質の見 直しについては、次のページにございますような方向性で行うというご提言をいただい ております。  そこには、化学物質の製造・輸入の実態の変動、あるいは有害性の新たな知見等に応 じまして、あるいは一般環境中での検出状況等のデータもみながら、現行の指定化学物 質の選定基準を踏まえて見直しを実施すべきであると。その際に、5年間のPRTRの 届出・推計の実績、環境リスク評価の結果等についても考慮するということがございま す。  それから国際的な情勢としまして、GHSとの整合化を目指すということがございま して、特に特定一種については、GHSとの整合を踏まえた新たなエンドポイントの追 加を検討する。今後ともさらなる見直しを行っていく。こういった中間まとめをいただ いておるところでございます。  この方針に従いまして、今回具体の作業を進めてまいったわけでございますが、その 際の考え方を2.にまとめてございます。まず基本的な考えとしては、現行の指定化学 物質の選定基準を尊重というふうに考えております。これに加えて新たな有害性に関す る知見、それからGHS国連勧告、PRTRの運用開始後の国内外の状況変化を踏まえ て、有害性、暴露それぞれの観点から必要に応じた見直しを行うというふうに考えてお ります。  最初に有害性の判断基準でございますけれども、現行の選定の考え方としまして、評 価方法が確立して一定のデータの蓄積のある項目としておりまして、発がん性からオゾ ン層破壊物質の9つの項目を指定しまして、それぞれPRTRとMSDSの対象物質の 具体的な選定基準というものを設定しております。  この評価手法の確立とデータの蓄積という観点からこの9項目をみてまいりますと、 これは引き続き妥当であると考えられます。さらにGHSに関していいますと、現行の 物質選定当時の答申の考え方では、当時、GHSの母体となっておりましたOECDの 有害性分類基準を参照してつくったということになっておりまして、まだGHSが作成 されておりません。オゾン層破壊物質を除いては、おおむねGHSに対応した判断基準 が導入されていると考えられます。したがって、有害性の項目と具体的な選定基準は現 行のものを引き続き採用するのが適当と考えております。  続きまして3ページでございますが、特定第一種指定化学物質でございます。これは 有害性ランクで、現在、発がん性のクラス1の物質を特に重篤な障害をもたらす物質と して特定一種に指定しております。GHSをみますと、発がん性に加えまして生殖細胞 変異原性、それから生殖毒性等について、混合物の分類における製品中の対象物質の限 界濃度を1%から0.1%に切り下げるという形でのリスク管理の強化を行っております。  こうした趣旨を踏まえまして、今回の選定においては、特定一種の対象を広げてまい りたいと考えておりまして、まず発がん性については、人に対して発がん性があるとい うことで、GHSでいう区分1A、現行基準でいうクラス1のものということで、現行 と同様のものを拾い上げたいと思っております。  これに加えまして、生殖細胞変異原性については、ヒト生殖細胞に遺伝的突然変異を 誘発するということで、GHSの区分1Aに相当するもの、生殖/発生毒性につきまし ては、同じく人に対して発生毒性を引き起こすということで、現行基準のクラス1、あ るいはGHSの区分1Aに相当するものを対象としてはどうかと考えております。  続きまして有害性の情報源でございますけれども、これは最新の科学的知見を踏まえ た情報源に更新することが適当であろうと考えております。具体的に申しますと、前回 答申に用いられた情報源に加えまして、GHSの危険有害性分類事業というものを平成 18年度に行ってまいりましたが、そのときに用いられた情報源を今回も活用してはどう かと考えております。前回答申に用いられました情報源と、分類事業で用いました Priority-1の情報源の中から試験条件等の信頼性を確認できたものを優先的な情報源と して用いると。さらに、優先順位1のものがない場合は、分類事業で用いたPriority-2 の情報源のうち同等の試験条件等の信頼性を確認できたものを用いるということで作業 を進めてまいっております。  具体的なものにつきましては、5ページ以降の別表に列挙させていただいております。  それから環境での存在に関する判断基準でございますけれども、現行基準は、第一種 指定化学物質につきましては、1年間の製造・輸入量が一定量100トン、農薬、特定一 種については10トン、オゾン層破壊物質については累積で10トン以上のものという条 件と、もう一つ、一般環境中での最近10年間で複数地域から検出されたものであって、 現時点で製造・輸入等の取り扱いがないことが明らかであるものを除いたものという2 つのいずれかの条件にかかったものを選定しております。第2種としましては、1年間 の製造・輸入量1トンまたは一般環境中での10年間で1地域から検出されたものとし ております。  この妥当性について考えるために、化管法の施行後5年間のPRTRの届出・推計の 結果をみてまいりますと、PRTRの対象354のうち届出排出・移動量がゼロであった 物質が6.2%、それから推計も含めてゼロであったものが2.8%ということで、こうした 例外的な物質を除いては、環境への排出実態あることが明らかになっております。この ため、環境中での存在に関する基準としては、現行の基準を引き続き採用してデータを 更新するという作業を基本とするというふうに考えております。  なおの部分でございますが、現行の第一種指定化学物質については、製造輸入量と一 般環境での検出に加えて、PRTRの排出・移動実績も考慮することが場合によっては 必要であるとみております。これは具体的に申しますと、製造・輸入量、それから環境 中での検出の条件が一種の要件に満たないものであっても、PRTRに基づく届出・推 計がある場合には、初期リスク評価等におけるリスクの懸念を踏まえて、引き続き一種 と指定するという考え方も採用し得ると考えております。  こうした方針に基づきまして、有害性、それから環境中での存在の判断基準をともに 満たす物質を拾い上げた結果を以下に示しております。全体的な見取り図としまして、 資料2−2というのを作成しております。  今の方針で作業してまいりますと、現行の435物質が633にふえてまいります。第一 種指定化学物質については520物質、それから特定第一種指定化学物質については14 物質でございまして、1,3ブタジエン、ホルムアルデヒド、2-ブロモプロパンが追加さ れ、メトキサレンが落ちるということになります。そのうち、2-ブロモプロパンにつき ましては、先ほど特定一種の有害性の基準を拡張しました生殖毒性がクラス1に相当す るということで拾われる物質ということになります。それから第二種指定化学物質の候 補が113でございます。  下のほうにございます除外の候補46でございますけれども、これは、1つは現行の 物質の中で最新の知見に基づいて有害性を判断したところ、該当しなくなったものとい うのがございます。それから暴露の条件につきまして、製造・輸入量が小さく、環境中 での検出、あるいはPRTRの届出・推計の実績が、いずれもなかったものがこの46 物質でございます。  それから要検討と書いてある28物質につきましては、製造・輸入量と環境中での存 在については要件を満たさなくなったものの、届出・推計の実績はあるという物質でご ざいます。これについて、先ほどのなお書きに従いまして、仮に環境リスクの評価の結 果を適合もあわせて考えた場合にどうなるかというのを参考資料2のところにお示しし ております。  この資料に、今回の候補物質につきまして、環境省の初期リスク評価、それからNI TE、NEDOで行っておられます初期リスク評価の結果をそれぞれ当てはめていった ものをおつけしておりまして、この中で、現在の一種から二種、除外、あるいは要検討 といったカテゴリーに移るものについての評価結果をみてまいりますと、その中で詳細 な評価を行うものといった比較的懸念が高いとされているものは一つもございませんで、 先ほどのなお書きの部分のクライテリアを導入すると仮定した場合でも、この要検討候 補の28物質は対象としないという整理ができる、というふうにデータの確認を行って おるところでございます。  以上でございます。 ○前川部会長  ありがとうございました。  ただいまの事務局のご説明に関しまして、委員の先生方から、ご質問や、あるいは化 管法対象物質の選定についてもご意見をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 先ほどご説明がありましたように、現行では第一種、第二種合わせて435ある物質が、 見直し案の候補では約200ばかりふえる。それから特定第一種も、多少見直しの基準を 変えたところ、現行は12物質ですけれども、それが14にふえるということ。  ただ、選定方法に関しましては、先ほどご説明がありましたように、現行の方針を原 則としては踏襲するけれども、一部新しいデータを加える、あるいは新しいGHSのよ うな考え方も加えて見直しを行うというのが今の案でございますけれども、いかがでし ょうか。  前回、第1回のときには具体的な化学物質の名前は出ませんでしたけれども、本日初 めて具体的な名前が出てまいります。ただ、物質としては膨大でございますし、それを 具体的に、個々の物質についてこれはどうなのだこうなのだということは恐らく今日は できないであろうと思いますし、次回以降ということになろうかと思います。 ○福島委員  前回出席しておりませんでしたので重複するかもわかりせんけれども、 話を進めるに当たって、まず僕自身、ちょっと基本的なことを確かめたいということで お答えいただきたいのですが、有害性について、発がん性と、それから生殖変異原性、 生殖発生毒性、特に生殖細胞の変異原性というのが加わっておりますけれども、この中 間答申の背景になったここら辺のところを、簡単で結構ですけれども、お答えいただけ るとありがたいのですが。 ○神谷環境安全課課長補佐  これは前回の物質の選定が平成12年で、2000年に行わ れ、その後、GHS国連勧告が2003年にされておりまして、これは新しい要素として 今回考慮すべき事項だと認識しております。そのGHSの中で有害性の分類を行う混合 物の含有量の裾切りの基準というのを切り下げる物質として、生殖細胞変異原性と生殖 発生毒性を有する物質については管理の強化をしているということがございます。こう した考え方を今回の物質選定でも引用するのが適当ではないかということで出てまいっ た考え方でございます。 ○福島委員  そうしますと、この生殖細胞変異原性というところで、生殖細胞に遺伝 的突然変異を誘発するもの、ここになぜ限定しているかどうかということなのですけれ ども。要するに、生殖細胞の遺伝毒性というものをもう少し広くとらえてはいけないの かということ、突然変異だけにどうして限定してこういうことが出たかということにつ いてお聞きしたいのですが。 ○神谷環境安全課課長補佐  各有害性について、クラス分けがございますけれども、 現行では、発がん性について、人に対する発がん性あり、GHS区分1A相当のものを 特定一種にしているということがございます。今回検討対象とする物質全体としてはよ り広い有害性をみているわけでございますが、特定一種ということになると、人に対す る作用が明らかなものということで、この発がん性と並びで一番高いクラスのものを拾 うという案にしております。 ○福島委員  江馬先生、そこのあたり、ちょっと教えていただけませんか。先生、専 門ですから。 ○江馬委員  余りよくわからないのですが、これはGHSの区分で生殖細胞変異原性 というのがあって、いわゆる変異原性という項目はなかったと思います。発がん性の中 に変異原性も含まれてくるのかなとは思うのですけれども。 ○林委員  ちょっと私の理解している範囲でのご説明になるかと思うのですけれども、 今、江馬先生がおっしゃったように、これまでは、変異原性、遺伝毒性というのは、が ん原性の予測というか、メカニズム解明というようなところに重きを置いた手法という ようなことで考えられてきたのですけれども、このGHS等を初め最近の欧米の考え方 として、CMRというような概念が強く入ってきました。Carcinogenicity、Mutagenicity、 それから生殖発生毒性という、その3つの柱ということで考えが入ってきたのですけれ ども、発がん性に関しては、実際に発がん性試験をやればそれで評価は出来るわけです から、そのほかに、次世代に残るような、悪影響を引き起こすようなものがあれば、そ れはやはり危ないものとして排除しようという考えが前面に出てきて、そしてこのよう な生殖細胞変異原性という名前が用いられて、項目として挙がってきたと解釈しており ます。  この場合、かなり厳密な定義がありまして、人の生殖細胞に何か変化があっただけで はだめで、やはりそれがきちっと次世代にまで伝わるということが大切なことで、その 辺で発がん等との区別というものがついているのではないかと理解してます。 ○福島委員  ちょっと各論になってしまいますが、林先生、そうすると、この突然変 異というのは何も、例えばいわゆる狭い意味の突然変異ではなくて、小核試験、そうい うのもみんな含んでいる話ですか。 ○林委員  はい。ここでいっているmutationという概念の中には、gene mutation、 それから染色体の異常chromosomo aberration、その中でもその構造上と数的な異常、 それをすべて含んだ概念としてここでは用いられています。 ○福島委員  そうすると、これはいわゆる遺伝毒性という考え方をして良いわけです ね。 ○林委員  その辺、またちょっと用語の問題、難しくなりまして、遺伝毒性となると ちょっと範囲が広くなり過ぎて、DNAアダクトだとか、sister chromatid exchange だとか、そういうものまで含めることになるのですけれども、ここでいう変異原性とい うのはそれよりかもう少しエンドポイントがはっきりしたもの、要するに突然変異と染 色体異常、その両者に絞ったというような解釈が今一番一般的になされていると思いま す。 ○福島委員  そうすると、一般的にいう突然変異原性、それから染色体異常、各種小 核試験で陽性が出たと。その3つということ。例えば単なるDNA損傷とかそういうも のはもう含まないという解釈でよろしいわけですか。 ○林委員  現時点ではそれは恐らく含まれていないと思います。今のgene mutation と染色体の異常ということに限定してもいいかと思います。 ○前川部会長  よろしいでしょうか、ほかに。福島先生、納得されました? ――ど うぞ。 ○中杉委員  基本的な考え方はこれで結構だと思いますが、後の個別物質をみせてい ただくと、このまま単純に作業していって、そのままそれは全て入れましょうとかいう 話では多分ないと思いますので、この読み方、2ページのところ、「以下の考え方により 物質の再選定を行う」と書いてありますけれども、これをそっくりそのまま淡々とやる のではないという趣旨であるということを確認させていただいて、「基本とする」と書く とまた言葉として広く解釈されると困りますので、原則はこういう形でやるけれども、 それについては個別にエキスパートジャッジメントみたいな話を入れるか入れないかと いうことについては、そういうことがあり得るということで解釈してよろしいかという ことを確認しておきたいのですが。 ○神谷環境安全課課長補佐  現行の答申の中でも、非常に細かい規定については個々 に専門家の判断を仰いで最終的な物質選定を行うという運用がなされてきておりますの で、今回も同様に考えたいと思っております。 ○前川部会長  よろしいでしょうか。 ○若林委員  2つあります。1つは簡単なことですけれども、要検討項目と28物質 挙がっていますけれども、これはどういうフォローアップをされる物質なのですかとい うことが1つ。  それから2つ目として、生態毒性の前の答申を改めて読んでみますと、毒性というの は基本的には慢性毒性をターゲットとして考えているということですよね。ただし、デ ータがないので、急性毒性で評価すると。その際に、急性・慢性毒性比は10としてい ますけれども、これは後の説明を伺うとわかると思うのですけれども、場合によって慢 性毒性で信頼できるようなデータがあったときに、アキュートクロニックレーションが 1,000とか、そんなものもあり得るのですけれども、そういうデータは使わないで、あ くまでも、今回も基本的にはデータが少なくて、物質間相互のバランスをとるという意 味から急性でやられるというような感じなのでしょうか。 ○神谷環境安全課課長補佐  まず、最初のご指摘ですけれども、要検討の物質につい ては、これは通常というか、一般の判断基準でみますと、まず落ちるということがござ いまして、さらに念のため、初期リスク評価の結果を確認しても懸念は低いことが判明 したということで、今のところは、これについてほかの除外物質と同じように落として も差し支えないであろうということでございまして、特段の管理措置の提言というのは ここではさせていただいておりません。  それから生態毒性の扱いについてですけれども、急性・慢性比を10ということで割 り切りをして選定、分類をしてきております。それについては今回も踏襲した形で作業 させていただいておりまして、両方のデータがあるようなものについて、急性と慢性、 どちらのものが適当であるかといった判断については、個別に専門家の方にご相談しな がら選んでいきたいと思っております。 ○藤沢化学物質管理課長補佐  先ほど中杉先生のほうからいわれたように、そこはあ くまでも原則としてそのようにやっていきたいということですので、委員の先生方から いろいろコメントいただいた中で考えていけたらと思っております。そのことは前回の 会合の場でも申し上げているところでございます。 ○前川部会長  よろしいでしょうか。――ありがとうございました。  では、続きまして、2番の現行化審法対象物質の有害性・暴露情報に関しまして、事 務局のほうからご説明をお願いできますでしょうか。資料は3−1、3−2かと思いま す。 ○神谷環境安全課課長補佐  ご説明をいたします。現行の対象物質の有害性・暴露情 報でございまして、435の対象物質がございます。それぞれにつきまして、有害性情報、 暴露情報を精査しまして、今回の見直しの結果、どういう扱いをするかという案をまと めたものが資料3−1でございます。  資料の見方が最初の2ページのところにございまして、具体の表を3ページ以降にお 付けしておりますので、3ページ以降をごらんいただきながらお聞きいただければと思 います。  最初に物質の政令番号とCAS番号、それから物質名がございます。その後に、まず 農薬・オゾン層破壊物質等の区分という欄がございまして、ここには、暴露基準につい て、製造・輸入量の基準を通常より切り下げております農薬、それからオゾン層破壊物 質につきまして、フラグを立てております。  それからその右側にそれぞれの有害性のクラス分けについてデータを列挙しておりま す。2つずつ欄がございまして、左側の欄が前回答申時のクラス分けで、右側の欄が今 回のクラス分けということでございます。この結果、データの変更がありましたものに ついては網掛けをしております。その後、表の右側のほうにまいりまして、暴露情報を 4つのカラムに書いております。最初のカラムが総合製造・輸入量区分ということで、 ここに1から5の数字が入っております。  区分1は100トンないし農薬等については10トン以上ということで、一種相当の製 造・輸入があったというものでございます。区分2が1トンから100トンないし10ト ン、二種相当のもの。それから区分3が1トン未満、区分4が0トン、区分5が不明と いうものでございます。  その次のカラムがPRTRの届出・推計がないものということで、それについて該当 するものには1というフラグが立っております。  それから総合モニタリング検出結果で、これはモニタリングの結果、検出があるかな いかというのをYのマークで示しておりまして、2カ所あるものは2個、1カ所のもの は1つで、検出下限以下のデータしかなかったものについては*を入れております。モ ニタリングの出典を書いておりまして、その後のa、b、cとある欄がそれぞれの区分 を整理した結果でございまして、aの欄のものが最新のデータでみた場合、有害性が該 当しなくなるものというところに1をつけております。それからbの欄でございますけ れども、製造・輸入量とモニタリングの結果から該当しなくなるものであって、かつP RTRの届出・推計の実績もないというものについて1と書いております。それからc の欄につきましては、製造・輸入とモニタリングの結果は該当しないが、PRTRの届 出・推計の実績があるものということで、31物質につけております。  この結果、aとbに該当する、除外してもいいと考えられるものが46物質、それか らcのうちaを除いたもので除外を要検討というものは28物質、マークをつけており ます。候補の物質について、前回の一種、二種が今回どのように変わるかというものを 矢印で書いておりまして、一番右の欄に特定一種に相当するものを特記しておるところ でございます。資料は、最初に一種の物質を列挙しておりまして、後段の16ページか ら二種の物質についての整理結果を示しております。  続きまして資料3−2でございますけれども、これは「現行対象物質のうち個別に検 討を要する物質」というものでございます。これは今ごらんいただきました有害性の分 類結果ですけれども、クラスの変更を行うという提言をさせていただいているものがご ざいまして、その変更理由をそれぞれ書いたものでございます。  2ページ目から個別の表がございますけれども、まず2ページからの表1のところに は、最新の情報に基づいて有害性情報を収集・整理いたしました結果、有害性のクラス が更新されたものということで、新しい情報源が見つかったものでありますとか、ある いはWHOなどに記載されている基準値が前回と今回で変更になったものについて、個 別に状況を書いております。  この表の中の一番右の欄で、この見直しの結果、ほかの有害性も含めて考えた結果、 今回除外することになるものについては1を注記しております。  そういったものが最初にありました後で、表2というのがございまして、有害性の情 報としましては同様の情報を用いて判断をしているわけでございますけれども、前回用 いた有害性情報の評価方法を精査した結果、クラスが変更されたものということでござ います。  これについては幾つか類型がありますけれども、1つは、作業環境のクラスを見直し ているものがございまして、ACGIHのTWAの値をもとに分類も行っておるわけで ございますけれども、その数値の根拠となっております症状を精査しましたところ、刺 激性等の急性的な影響であると考えられるものは、この化管法の対象物質選定を慢性影 響の評価により行うという観点から考えまして、採用は適当ではないと考えて、今回は そのデータを採用しないと考えているもののグループがございます。  それからアクロレイン等、変異原性のクラスを変更しているものもございまして、こ れは前回の判断の結果よりもより確からしいというか、強い陽性、または陰性の証拠等 が出てきたものについてはそちらのデータを優先して、例えば、従来vitroの試験から 判断したものをvivoの試験を優先して考えるといったような判断の変更を行っている ものでございます。  それから生態影響の一部のものでございますけれども、22ページにシクロヘキシルア ミンとございますが、これはOECDの試験ガイドライン等に照らしまして、試験期間 等の試験条件がそのガイドラインと適合しないということがございまして、採用が適当 でないと考えられるものでございます。ここでいいますと、ミジンコのEC50の選定に 21日間のデータを使っているということがございまして、そういった試験期間が急性影 響の算定には長過ぎると判断したものなどは今回は採用すべきでないといった形で、こ のデータを採用しないということを記述しております。こういったことで特にご検討い ただきたいものを資料3−2のところに挙げております。  さらに個別のクラス分けの判断基準につきましては、参考資料3のところにバックデ ータをおつけしておりまして、これはご説明を申し上げると非常に多くなりますので割 愛させていただきますが、その結果、現行物質の整理を行ったものが先ほどの資料3− 1ということでございます。  以上でございます。 ○前川部会長  ありがとうございました。今ご説明がありましたように、これは現行 の対象物質ですけれども、それを個別にいろいろ事務局のほうで検討していただいたと。 その結果、特に新しい情報が加わって再確認されたもの、あるいはクラスが変更になっ たもの、あるいは除外のほうへ移るものとか、あるいは前回の検討のデータが少し不十 分であったために、もう一度精査をし直した結果、クラスが変わるというようなことも 踏まえまして、細かい情報が今の資料3にあろうかと思います。  先ほど冒頭にも申し上げましたように、対象の化学物質の数が非常に多いために、個々 の物質に関してどうだということは今ここではできないとは思いますけれども、ただい まの事務局のご説明に関しまして、いろいろご質問、ご付議があれば、どうかよろしく お願いします。いかがでしょうか。 ○菅野委員  IARCの発がん性のグループ分類が変わった場合には一応考慮される のでしょうか。 ○神谷環境安全課課長補佐  はい。考慮させていただいております。今回どのデータ を用いたかというところは、参考資料3−1でございますけれども、このところに各物 質について今回はこの区分を用いたというものをすべて列挙させていただいております。 ○菅野委員  一番最新は今Vol.97ですかね。いや、今ということではないですけ れども、IARCですとそんな多数の物質が入れかわることないと思うので、もし97 が正しければ、アップデートされるほうがいいかなと思ったのです。 ○前川部会長  IARCの分類が変われば、当然それは取り入れることになろうかと 思いますが。 ○神谷環境安全課課長補佐  それは確認させていただきます。 ○前川部会長  ほかにございませんか。 ○福島委員  先ほどお聞きしましたヒト生殖細胞のところですけれども、それはここ ですとどこで評価することになってくるわけですか。 ○藤沢化学物質管理課長補佐  ヒト生殖細胞とは、GHSにおける生殖細胞変異原性 でしょうか。 ○福島委員  生殖細胞変異原性です。 ○藤沢化学物質管理課長補佐  変異原性ですよね。実は今までの基準に入っている変 異原性とGHSにおける生殖細胞変異原性は違うものになります。ですので生殖細胞変 異原性で、今回、特定第一種の採用には入ってきておりません。 ○福島委員  ということは、それはデータがないということですか。 ○藤沢化学物質管理課長補佐  はい。今のところ。 ○三森委員  そうしますと、先ほどの定義づけのところで、生殖細胞に対する変異原 性という定義づけしたものに対しては特定化学物質というジャンルに入るわけですが、 評価のしようがないわけですよね。遺伝毒性試験ではAmes、染色体異常、小核という スクリーニングバッテリーで評価していると思うのですが、生殖細胞に対する変異原性 はどうやって評価されるのですか。 ○林委員  先ほどのは、要するに特定一種とするその案件として、もし生殖細胞での 変異原性が確認されたものは、それはそのまま第一種にしましょうという話であって、 今ここで出てきている変異原性クラスというのはそれよりかもう少し下位というか、ヒ ト細胞以外、今一般的に行われているようなAmes試験も含めて、in vivoの試験等の結 果をみての判断がここに書いてあるという理解でいいのではないかと思うのです。 ○三森委員  そうすると、資料3−1の一番右の欄のところに、見直し後の特定第一 種の区分ということで現に特定第一種という指定がされてきておりますが、これはどう いう尺度からなったと理解したらよろしいのでしょうか。今の遺伝毒性の話だけではな いのかもしれませんが、生殖細胞の遺伝毒性というものに対しては評価のしようがない ものが沢山あるわけですよね。 ○神谷環境安全課課長補佐  はい。これは先ほどの資料2−2のところにございます けれども、基本的に13物質については人に対する発がん性で拾っておりまして、1物 質、生殖毒性で拾っているものがございますが、変異原性で、ご指摘のカテゴリーに該 当するものはそういう意味では評価のしようがないということで、今のところは、考え 方としては導入するけれども、具体の物質は出てこないというふうに整理をしておりま す。 ○前川部会長  よろしいでしょうか。一番の問題は、このGHS区分との整合性の問 題なのですよね。どうぞ。 ○三森委員  別件ですが、どの表をみたらよろしいのか教えてください。資料3−1 の「現行化管法対象物質の有害性・暴露情報」で、各毒性が評価がしてございますが、 発がん性のクラス分けの次に生殖毒性、変異原性が記載されいますが、その次の行のと ころに経口慢性クラスと書いてございますね。このデータをどのように評価されたのか お伺いしたいのです。慢性毒性はどのジャンルから慢性毒性と評価されてクラス分けさ れていたのかわかりません。通常1年を超えるものに対して慢性毒性という評価をされ ていると思うのですが、例えば農薬に関しては1年以上の慢性毒性試験データがあるか と思いますが、化審法絡みでいきますと、1年以上のデータは余りないですよね。ほと んど28日ぐらいで評価しておりますが、どのような形で慢性毒性の評価をされてクラ ス分けされたのか、教えていただけたらと思います。 ○神谷環境安全課課長補佐  経口慢性毒性の分類につきましては前回の答申をごらん いただければと思いますけれども、そこの12ページのところに経口慢性毒性の分類の 仕方というのを示しております。既存の環境基準ですとか、あるいはデータベースでの NOAEL、LOAELの値、あるいは農薬のADIの値等での毒性の分類をしている というのがまずございます。  用いた試験の期間は、原則としては1年以上のデータを用いて分類しているというこ とでございますけれども、一部信頼性の確認されたものについては1年未満のものも使 っている例がございまして、具体に用いたデータとしましては、今回の参考資料3−3 以降のところにございます。これが使った試験ということでございまして、それぞれの 毒性値の単位等がございます。  資料3−1をごらんいただいて、この中で経口クラスの中で*印が3つついているも のがございます。10ページのデカブロモフェニルエーテルなどについてはこういう例に なってまして、こういったものは1年よりも短いデータを用いて判断している例もある ということでございます。 ○三森委員  私は今回初めて出席するので、少し事情がわからないのですが、すべて のデータに対して12カ月以上の慢性毒性のデータがあったわけではないですよね。1 2ヶ月未満のデータの評価はどうされたのでしょうか。例えば28日あるいは3カ月ぐ らいの反復投与毒性試験のデータしかないものについては、このクラス分けでは除外視 されているのでしょうか。 ○神谷環境安全課課長補佐  データによってということでございまして、原則として はそういったものは除外している例が多いということでございますけれども、何か既存 の基準の根拠になっているデータのような、既に慢性のデータとしてその評価が確立し ているものについては、例外的に短期のものであっても使っている例があるということ でございます。 ○三森委員  短期のものを使っているものもあるということは理解したのですが、短 期しかなかった場合、どのように評価されるのですか。1年以上の慢性毒性試験のデー タがあった場合のクラス分けは理解できますが、それ未満のデータしかない場合は、ど のような形でクラス分けをされたのでしょうか。 ○神谷環境安全課課長補佐  そこで導出されております基準値ですとか、NOAEL、 LOAEL等の値をもとにハザードのクラス分けをして区分するということでございま す。その値が使えると考えられたものについては例外的に使っているということでござ います。 ○内山座長  前回からの経過で私が知っているところで補足させていただきたいと思 うのですが、これはそれぞれの情報源が、資料2−1に書いてございますように、PR TRの選定委員会で判断しているわけではなくて、2−1にありますような従来のある 程度信頼できる情報源に載っているものをピックアップしてきているだけでございます。  ですから、慢性経口影響だけでこのPRTRの物質を選定しているわけではなくて、 ここにあるものだけが、1というものがこのデータがあったということで、クラス1と 分類され、あるいはクラス2と分類されたということで、これだけで選定しているわけ ではないので、それぞれの項目のどれかでひっかかっているものが選定されてきている というわけですので、当然、経口の慢性クラスというのの前回の答申をみていただきま すと、空欄はいっぱいあるわけです。それは慢性のデータはなくて、信頼できるものは なかった。だけど、ほかのもので拾っているということになりますので、おっしゃるよ うに、慢性の経口が全部そろっているわけではありません。  それから、先ほどおっしゃっていた、慢性の1年以上とはいえないけれども、ある程 度信頼できるというのは、どこかの国際機関がこれを慢性影響とみていいだろうという ような判断しているものをピックアップしているだけですので、ここで改めてどこかが 判定したというわけではないと理解しておりました。 ○三森委員  私のほうが勘違いしておりましたようですね。どのような形で最終的な 安全性評価をするかということについては、すべてのパッケージがそろったものについ ては完全な評価ができると思うのですが、そうでないものも入っているのだと理解して よろしいということですね。その上でこういうクラス分けをされているのだと。 ○内山座長  ですから、この9項目のどれかに該当するものがピックアップされてき ているので、その9項目全部がデータあるものを拾っているのではなくて、9項目のう ちのいずれか1つ、さらに使用実績とか、環境中で測定されているというものの総合判 定ですので、それが先ほどからお示しいただいている表で、数値のクラス1、クラス2、 クラス3に分けたもので、どこでひっかかっていますよということがこの表をみていた だくとわかると思います。 ○福島化学物質リスク評価室長  先生がおっしゃられた経口の慢性については、今い われた1年以下のものはそんなに物質の数も多いわけではないのですけれども、ただ、 おっしゃられるように、そこについては本当にデータは大丈夫ですかというようなご意 見は当然いっていただいてもオーケーというか、そういう場ですので、それについては 事務局のほうとしても、どの程度信頼があるものかどうかは少し精査をさせていただい て、個別にまたご相談させていただくのか、次回なのかわかりませんけれども、という 形でもよろしいですね。 ○神谷環境安全課課長補佐  すみません。ご説明が不十分で。参考資料3−3の中に、 個別に*3つで1年未満のデータというのが具体にございまして、この26ページのデ カプロモジフェニルエーテルは30日間のデータでIRISの1995年のデータを用いて ますといったような、具体に例外で拾っているものの記述がございますので、こういっ たものを引き続き使い続けるのが妥当かどうかというところを個別に、終わった後で結 構ですので、ご意見をいただければ、そういったものを精査してまいりたいと思ってお ります。 ○前川部会長  よろしいでしょうか。――どうぞ。 ○城内委員  ちょっとそもそも論になるので申しわけないですけれども、私は前回、 本当に化学物質の見直しで物質を入れ直すときに現状の判定基準でいいのかというよう な話をしたと思います。今たくさんご意見が出てまたさらにそう思ったのですが、GH Sという言葉があちこちに出てきます。例えば数年後、また見直しのときには、GHS ももっと世界的に普及していると思いますし、データもGHSに基づいて分類したもの が欧米諸国からもたくさん出てくると思います。そのときに、現在、案として出されて、 これから検討する候補の判定基準が、それは物質が多くなるか少ないかは別として、変 わるのだとすると、もし私が会社でPRTR対応をしないといけない立場だったら、そ んなに物質が入れかわるのは冗談じゃないよと思うわけです。それは本当にちゃんと判 定基準を、みんなが納得して、それで、皆さんの健康とか環境保護のためにも役立つの だからこういうベースでやっていきますという論理が通っていればいいと思うのですけ れども、少なくとも、前回と今日の説明を聞いても、そういう論理がはっきりしてない のではないかという印象があります。  そういう中で物質を入れかえて、会社の方たちは大変な苦労をしてやっていくわけで す。それで本当に良いのですかというのを私はやはり疑問に思っていて、もちろん専門 家の方も含めて時間を費やして検討しているのだとは思いますけれども、世界の流れか らみても、今の決め方で本当に良いのかなというのはやはり疑問なので、その辺をもう 少し頭の中に入れて候補物質も決めていくのでなければ、それは納得してやってもらえ ないのではないかなという印象を受けました。 ○神谷環境安全課課長補佐  GHSそのものの分類を確定していくという作業は非常 にまた多くの議論が必要で、それを進めていくというのは非常に重要なことだと考えて おりますけれども、そこについては、個別のデータを精査するということで十分な議論 と検討が必要だろうと思っておりまして、その話と、それから化管法としてどういった 判断をするという話については、それは考慮はするという関係にはあると思います。し かし、完全にGHSの答えと今回のものが同一だという考え方をとっていくと、見直し を進めるという作業も行き詰まってしまうということもございまして、今のところ、考 慮した物質選定を進めるためには、今のクライテリアをいじるということで混乱を招く ことを避けたほうがいいのではないかと考えているところでございます。 ○福島化学物質リスク評価室長  あと追加させていただきますと、このPRTRの法 律ができましてから7年たっていて、実際にPRTRは施行されて、データも5年ぐら い 経っているのですけれども、確かに毎年毎年化学物質の入れかえをするのは非常に煩雑 であるし、意味もないというのはそのとおりだと思うのですけれども、7年たって実際 にデータがとれて、5年たって、いつ、どのぐらいの頻度で見直すのかというのは、定 期的に5年ごとと決めるのも意味がないと思いますけれども、前回の審議会でご議論を していただいた中では、施行も随分たってきたので、新たな科学的な知見であったり、 PRTRデータもそろってきたところで、一度見直してはどうでしょうかというような 議論があったかと思いますので、したがって、今年がいいのか来年がいいのかというの は、それはどちらでないと必ずいけないということは決してないのですけれども、昨年 の報告、答申を受けて、現時点で一回、その物質について検討を加えるというのは時期 的にもいいのではないかということで、現在は見直しています。  GHSのほうも当然そういったことはありますので、じゃその次に、余りころころ変 えるというつもりも、我々は混乱させようと思ってやっているわけではありませんので、 ただ、そういった時期等も含めて今後皆様方ともご相談しながら、いつごろどういうタ イミングで、どういうクライテリアでということも多分検討は引き続きしていきたいと 思っております。 ○前川部会長  ほかによろしいでしょうか。 ○林委員  少し個別の話になってしまうのですけれども、今、資料3−2の表2とい うもので有害情報の評価方法を精査した結果、有害性のクラスが変更されたものという 中で、変異原性のところだけちょっと眺めていたのですけれども、確かに、今までin vitroの試験でポジティブであって、それにin vivoの試験できちっとした陰性というよ うなものが出てきたためにそれを外したというものはあるので、それはそれでいいと思 うのですけれども、そうでなくて、実際にin vivoのデータがはっきりしないというか、 ないもので外れているようなものもちょっとあるように見受けましたので、その辺のと ころ、少なくとも最終的なクラスが変わるようなものについてはもう少し慎重に見直し たほうがいいのかなと感じましたので、その個別の例についてはまた後で事務局のほう にお知らせしておきたいと思います。 ○前川部会長  おっしゃるとおり、具体的なことは次回以降になろうかと思います。 今日ここで云々ということは到底できる話ではございませんので、今日初めて資料が提 示されましたので、この資料をお持ち帰りいただきまして、じっくり精査していただく ということがまずは必要かと思いますが。 ○山本委員  今の資料3−2の要検討物質のところですけれども、農薬のADIにつ いては私どものほうもデータベースをつくっていますが、農薬のADI、JMPRはいい のですが、特に日本のADIは時期によって確認が難しく、私たちも調べるのにちょっ と苦慮しているところです。現在テスト版なので、まだ確認がとれていない分は載せて いませんが、今確認作業が大分進んできています。資料の中に国立衛研の農薬ADI情 報を参照されているところもありますけれども、これはまたご相談させていただいて、 もうちょっとバージョンアップできると思います。 ○神谷環境安全課課長補佐  ありがとうございました。衛研の情報をもとにしまして、 あと食品安全委員会の情報なども含めて、今の時点で関係者に確認をとれたものを載せ ておりまして、さらにご確認いただけると幸いでございます。 ○前川部会長  実際、農薬が多いですよね。いろいろ問題があるやつの中に。これは 用途から考えれば当然のことですけれども、ですから、その辺のところはなるべく新し い情報をきちんと入れて検討してくださるようお願いいたします。ほかにございません でしょうか。  それでは、ちょっと時間が押しておりますが……どうぞ。 ○若林委員  簡単に。先ほど、生態影響で、エンドポイントなどが不適切なものは落 としたというご説明があったのですけれども、これは例えば、ほかの項目はよくわから ないのですけれども、情報源は非常にクリアに書いてあると思うのですけれども、要す るにエンドポイントについて、生態毒性では急性毒性はこういう――余りきちっとやる と情報が非常に少ない中でやりにくいので、大ざっぱでよろしいと思うのですけれども、 あったほうが、何ゆえにこれが入ったということがもうちょっとクリアになるのではな いかということで、希望ですが、もうちょっとどういう情報を判断に使ったということ がわかるようにしていただけたらなという気はするのですけれども。 ○神谷環境安全課課長補佐  そのようにしたいと思います。生物種ですとか試験期間 といった基本的な条件をOECD試験ガイドラインに照らして判断したということで、 概要としてはそういうことになりますけれども、少し注釈を入れるようなことを考えた いと思います。 ○前川部会長  よろしいでしょうか。  それでは続きまして、3番の追加候補物質の有害性・暴露情報について、事務局のほ うからご説明をお願いいたします。 ○神谷環境安全課課長補佐  資料4、「追加候補物質の有害性・暴露情報」でございま す。今回272の物質が追加候補として、作業の結果出てまいりました。これらの有害性 と暴露の情報について整理した結果を3ページ目以降の表にお示ししているところでご ざいます。  表の見方でございますが、表をみながらご確認いただければと思いますけれども、C ASNo.、物質名に続きまして、農薬等の区分、それから発がん性からオゾン層破壊まで の有害性の区分の結果、さらに総合製造・輸入量の区分、モニタリング結果、出典がご ざいまして、その結果に基づきまして一種、二種の候補として区分した結果がございま して、特定一種の方法は一番右に特記しているということでございます。  資料4の2ページ目のところでございます。留意事項としましては、こうして272の 物質が候補物質になったわけでございますけれども、それ以外に付随的な生成物につい ても、今回の作業方針からいいますと拾われてくるわけでございますが、これは別途の 考慮事項としまして、排出量の推計が一般的に困難であるということから、実測が義務 づけられているダイオキシンを除いて、現在は除外されているという事情がございます。 機械的な作業からはピレン等の物質が拾われるわけでございますが、これらについては さらに簡易性や精度等の観点から技術的対応が可能かどうか確認した上で扱いを考えて まいりたいということで、表からは除外しておるところでございます。  個別の物質については表をごらんいただければと思います。  以上でございます。 ○前川部会長  ありがとうございました。  ただいまのご説明に関しまして、ご質問、ご付議、あるいはコメントございませんで しょうか。 ○亀屋委員  追加候補になっている物質を、表をみますと、やはり生態毒性のところ というのは皆さんお気づきのところだと思うのですが、これは前回の選定のときに非常 に限られた情報源しかなかったので、今回、国際的にもいろいろなこの分野の情報の蓄 積が進んで、前回、ある意味積み残し的にあまりリストアップできなかったところが今 回加わったということで、ふえるのも当然かなとも思っているのですけれども、ただ、 先ほどテストガイドラインの話もございましたが、我々のほうでも、OECDのテスト ガイドライン準拠のデータについていろいろなデータを調べているのですけれども、ガ イドラインに準拠した試験法でやられている毒性データであっても、試験機関によって、 100倍、あるいは1,000倍、もっとひどいのは100万倍といったような形で、明らかに 単位ミスの記載ミスとか、そういったデータも見受けられるということが確認されてま す。  そういった中で、特別にたくさんあるデータの中で1つだけ異常的に低い値を採用す るということについては、少し精査といいますか、解析といいますか、そういったもの が必要になるのではないかと考えていることと、前回に比べてたくさん情報源が加わり ましたので、その情報源をすべてパラに同等に扱うのかどうかというのも、前回は情報 源が少なかったということでご議論もなかったかと思うのですけれども、国が、環境省 さんなんかでとられて評価されたデータなんかも追加されていますし、あるいは国際的 なデータベースから追加されているものもあると。そういった中で、国の初期リスク評 価等で既に評価値として出ているような数字と、あるいは海外のデータベースから拾っ てきたような数字と、これのPriority-1のところの話になりますけれども、同等に扱う のがいいのかどうかですね。変にダブルスタンダードのようなものになってはいけない のではないかなと考えております。  特にその後、Priority-1と2は情報源の優先順位は当然ついているわけですけれども、 2のほうでも、AQUIREという、EPAのばかでかい、20万データぐらいあるデー タベースございますけれども、恐らくデータ数としてはそこが一番多いと思うのですが、 そこも含めて、先ほどのテストガイドラインに沿ったデータを我々精査したのですが、 そこでもやはりばらつきの大きいものもございますので、全体、使われたデータで特に 異常値的に大きいものがないのかどうかというチェックだけはしていただいたほうがい いと感じております。 ○神谷環境安全課課長補佐  生態毒性については、参考資料3−11、65ページのとこ ろから今回使ったデータの出典を列挙させていただいております。個別のものにつきま しては、ご指摘もいただきながら精査してまいりたいと思っております。ばらつきがあ るものですとか、あるいは国内と国外の情報源の優先順位などにつきまして、特に問題、 疑問な点等ございましたら、またご指摘を個別にいただけると大変助かりますので、ぜ ひご検討をお願いしたいと思っております。 ○前川部会長  今の、よろしいでしょうか。 ○福島化学物質リスク評価室長  追加的に。今日お示ししたデータ、物質の数も随分 多いですし、データのほうもかなり多くの資料を配付させていただいておりますので、 我々のほうもそれなりに精査しているつもりではありますけれども、ぜひ先生方の専門 的な観点から、この辺はどうなのでしょうかとか、亀屋先生がいわれたように、昔精査 してみたけれどもちょっと特異なやつがあるのではないかとか、我々のほうも、精査漏 れといいますか、完全にみえているところが全てではないと思いますので、ぜひそうい った点につきましては、この場も含めていろいろなご協力をお願いできたらと思ってお ります。 ○中杉委員  これは基準で淡々とやるとこういうふうに挙がってきたということなの ですけれども、これをみさせていただくと、環境に出たときにどうなるかという観点で 少し考えていく必要があるのかなと。  例えば一つの例を挙げると、塩化第二鉄が変異原性で挙がってきてます。これが環境 に出たときに、塩化第二鉄がそのままの形で環境中を動き回るわけではなくて、多分、 変異原性といっても職業暴露みたいなところにされて変異原性の話をしているのだろう。 こういうものをどう考えるか。逆にこれを鉄にしてしまうとこれはえらい話になってし まうので、そういう意味で、環境中に出たときにどういうふうになるだろうかという観 点が少し必要なのかなと。まだほかにも幾つかあります。  それと生態毒性で、ペンタンが生態毒性でひっかかってくるのですけれども、これは 水生生物への影響で、ペンタンが、揮発性のものが川に、水面に出たときに、それは距 離長く存在するだろうか。生態試験としては、多分、クローズボトルかなんかで試験を やっておられるのでそれなりに影響は出てくるのですけれども、そういうところも少し 考えてみる必要があるのではないだろうか。そういう視点が少し必要だと。  そうなると、もう一つ先までに絡んでくるのですけれども、オレイン酸とオレイン酸 ナトリウムというのがあるのですが、これを別々に報告していただくということがどう いう意味をもっているのだろうか。そういう意味で、PRTRは環境経由ですので、実 際に環境に出たときにどうなるだろうかということを、これはわからない物質はしよう がないですけれども、ある程度想像できるものについてはそれを考慮した形での判断を 加えていってもいいのではないか、あるいはまとめをしていってもいいのではないかと 思います。ほかにもそういうものが幾つかみえますので、ご検討いただければと思いま す。 ○前川部会長  中杉先生のご意見はもっともだと思うのです。環境省さん、その辺に 関して。 ○神谷環境安全課課長補佐  事務局なりに、グルーピングにつきましてはできるもの はさせていただいているということと、それからあと環境中での動向については、物質 選定の基準の中で、分解するということだけでは必ずしも除外しておりませんで、分解 した後のものがここでの選定基準相当のハザードがあれば、それも選んでいくというク ライテリアございますので、そういったことも踏まえながら、あとは実際の環境中での 形態というところは、個別のデータというか、物質についてのご意見をいただきながら 精査してまいりたいと思っております。 ○福島化学物質リスク評価室長  おっしゃられるとおり、ただ、一物質一物質、すべ て環境中になったらどうかというのは、多分データがあるものとないものがあると思い ます。確かに常識的に考えて、これはちょっと環境中にいったらこういう形態でないの ではないかというのは、我々のほうもそういった目で再度みていきたいと思っておりま すので、またいろいろご指摘もいただければと思っております。 ○若林委員  こういう物質を選定して、環境中でのリスクを評価して、それでリスク がないという、低いということがわかれば卒業させるということになると思うのですけ れども、その辺の卒業要件みたいなこともなるだけ早めに考えていっていただきたいな ということですけれども。  それと絡んで、今回、農薬が随分たくさん入ってます。それで、農薬の場合、リスク 評価をする場合の暴露を考えた場合に、季節変動が非常にありますので、エコ調査みた いなもので把握するのは非常に難しいと。補佐もご存じのように、農薬登録基準が改定 されて、環境中の予測みたいなものも検討が進んでますね。だから、その辺をぜひ利用 されてリスク評価をしていただきたいなと思うのですけれども、いかがでしょうか。 ○神谷環境安全課課長補佐  今回の案の中で、部分的にというか、一部参照する形で リスク評価の結果についても参考資料2のところでつけさせていただいております。本 格的に対象物質選定のクライテリアにリスク評価を入れるというのは、もう少しリスク 評価のデータがそろうような状況もみながら、また次以降の改定で考えていくのかなと 考えておりますが、その際には個別の物質の評価手法についていろんな工夫をしてまい りたいと思っております。 ○吉田委員  人健康リスクとか生態リスクを評価することで考えますと、有害性の部 分につきましてはクラス分けを、9つぐらいで、やられていますが、こういった追加候 補物質については既存データでかなり検討しておいたほうがいいと思いますので、私個 人の希望としましては、暴露の経路とかを考える上で、総合モニタリング検出結果のと ころにYYとかY、*ということではなくて、例えば大気で検出されているとか、水質 で検出されているとか、そういった情報を入れていただきますと、それと有害性の情報 等々を勘案して、その経路等々も含めて、もう少し候補物質についての詳細な検討がで きるのではないかと思います。ちょっと作業量ふえるかと思いますが、ぜひ検討してい ただければと思います。 ○神谷環境安全課課長補佐  わかりました。今の表の中でもモニタリングの出典を1 から6に分けて数字は、資料3−1でございますが、入れておりまして、その中で大気、 水質等の分類もある程度ございます。化学物質環境実態調査のデータの分類は確かに書 いてございませんが、バックデータとしてはございますので、そこは少し整理させてい ただきたいと思います。 ○前川部会長  ありがとうございます。ほかにございませんでしょうか。 ○中杉委員  それから付随的生成物の話のところでPAHの話が出てきてます。これ はいろんな候補が、淡々と拾っていくと、ここに挙がっているのは全部挙がってくるだ ろうと思うのですけれども、これを全部やるのかというのか、これは大変だからやめよ うという話も1つあるのですが、もう一つは、代表的な物質としてベンゾ(a)ピレン だけを対象にするということは一つの考え方としてはあるだろうと。それから有害大気 汚染物質についても、ベンゾ(a)ピレンだけを測定している。これはベンゾ(a)ピ レンだけということではなくて、ほかのものも含めての代表選手的なということで管理 していこうという考え方だろうと思いますので、それも一つの方策として考えられるの かなと思います。これはベンゾ(a)ピレンにするにしても非常に大変なことになると 思いますが、そういう意味で、そういうオプションもあるということを考えていただい て検討いただければと思います。 ○神谷環境安全課課長補佐  現在、付随生成物としてダイオキシンだけが入っている のは、これは法律で実測が義務づけられているという特殊な事情があるということでご ざいまして、PRTRは実測以外の方法も含めて届出ができるということになっており ますので、測定が前提となるような物質追加というのは難しいと思っております。そう いう意味で、適当な推計方法があるかというところをよく精査した上で扱いを考えると いうふうにさせていただきたいと思っております。 ○中杉委員  実はベンゾ(a)ピレンについては、環境省の初期リスク評価で人健康 の観点から詳細な評価が必要だという判定を一応してますので、問題がありそうだとい うことはわかっているので、可能であれば把握しておく必要があるだろうと思いますの で、検討いただければと思いますが。 ○福島化学物質リスク評価室長  先生のご指摘のとおり、あとは実施可能性とか、実 際に物質載っけても本当にできるのかということも含めて、もう少しお時間をいただけ れば検討していきたいと思っております。 ○前川部会長  ほかにございませんでしょうか。  それでは、その次、(4)、一連の物質群や元素及びその化合物として取り扱ったほうが いいという候補について、事務局のほうからご説明をお願いします。 ○神谷環境安全課課長補佐  資料5をごらんいただきたいと思います。既に資料3と 4の中にもこういった物質、実は入っておりましたけれども、化管法の中で、単独の化 合物ではなくて、グループで指定しているカテゴリーのものがございます。この考え方 でございますけれども、類似の構造毒性を有することから、物質群として取り扱うこと が適当な物質については群として指定すると。それから元素とその化合物についての毒 性についてですけれども、これは元素及びその化合物という形で指定するというのが原 則でございますが、それぞれの毒性が異なる場合には区別して取り扱うということが現 行物質選定の際の答申に入っておりまして、今回同様の考え方で、群物質として扱うべ きもののデータを精査した結果を特記する形で、資料5のところに整理させていただい ております。  具体には2ページ以降をごらんいただければと思いますけれども、例えば亜鉛の水溶 性化合物について申しますと、塩化亜鉛、亜鉛化合物、硫酸亜鉛等の形での情報がござ いまして、こうした各化合物の情報を総合しまして、全体としては亜鉛の水溶性化合物 ということで指定しているという現況がございます。  そのデータを前回の答申時の有害性データと今回の有害性データという形で併記して、 そのデータの変動等をお示ししているという資料でございまして、一番右側のところに、 結論として、そのカテゴリーのものを一種から一種といったような形で、前回とどう変 わるかという形で示しているところでございます。  グループとしてみてまいりますと、おおむね前回と同じような形での整理になるわけ でございますけれども、99番の五酸化バナジウムのように、これまで単独で指定を考え ておったものについて、他の化合物の有害性が判明したということをもちまして、今回 はバナジウムとその化合物といった形でのカテゴライズの変更を考えているものが一部 ございます。それからあと新しいグループを形成すべきものとして、最後の8ページの ところでございますけれども、ジクロロアニリン等6つのグループを新たに設けること が適当というふうに情報を整理させていただいております。  以上でございます。 ○前川部会長  ありがとうございました。  ただいまのご説明に対しまして、何かご質問、あるいはご付議ございますでしょうか。 ものによってはグループとして扱ったほうがいいであろうということですが。 ○中杉委員  先ほど申し上げたことの追加になってしまいますが、資料4のほうで追 加する物質という中にまとめてしまったほうがよろしいのかなというのは、例えば先ほ どのオレイン酸とオレイン酸ナトリウムというのもありますし、それからジメチルジチ オカルバミン酸の銅とナトリウム、これも銅がちょっと違うからという話になるのかも しれませんけれども、そこら辺のところで資料4のほうの物質についてももう少しまと められるものがあるのではないかと思いますので、ご検討いただければと思います。 ○吉田委員  環境中での動態ということで考えますと、金属のようなものは、塩のよ うに非常に水に溶けやすいものと水に不溶なものがあり、大気中に排出されても雨によ って落ちるとか落ちないとか、かなり挙動が変わってきます。そこのことは結局、最終 的には暴露にも大きな影響を及ぼすと思いますので、具体的にどうかといわれると今ち ょっとすぐにはいえませんが、金属をすべて一つにまとめてしまうというのもある程度 無理があるのではないかと思います。例えば、亜鉛のように水溶性の塩ということであ ればわかりやすいと思うのですけれども、不溶性のものと水溶性のものを一まとめにし て一つの群にするというのはもう少し検討を加えてからされたほうがいいかと思うとこ ろもあります。 ○神谷環境安全課課長補佐  現行の物質については、亜鉛の水溶性化合物のように、 水溶性に限定して整理しているものもございまして、そういった並びもみながら、今回 の群の指定もそういう限定を行うことも含めて整理していきたいと思っております。 ○前川部会長  吉田先生、今の回答でよろしいでしょうか。――どうぞ。 ○林委員  今のご質問ともちょっと絡むのですけれども、カテゴリーを組まれるとき の、こういう場合にはカテゴリーが組めるのだよというその基準のようなものはどうい うところにあるのか、ちょっと教えていただきたいのですが。 ○神谷環境安全課課長補佐  資料5に個別のものがございますけれども、2物質以上 について、何らかの有害性と、それからあと製造量等の暴露性が確認された場合につい ては、それを自分の金属とその塩でありますとか、あるいは一グループの異性体ですと か、そういった形にまとめることを考えるということでございます。その際には、環境 中での変化によって同じ形になるというような要素も考慮しながらやっていくというふ うに整理しております。 ○林委員  確認ですけれども、構造が似通っていて、それでどれかのエンドポイント で同じような挙動をするものは一応グループ化するというようにざっくばらんに解釈し ておいてよろしいということですか。 ○神谷環境安全課課長補佐  はい、そのとおりです。 ○前川部会長  ほかにございませんでしょうか。 ○山本委員  資料5の表でちょっと確認ですけれども、例えば政令名のところにグル ープ名で水銀及びその化合物と書いてあって、その中にさらに物質名で細かく書いてあ りますが、実際に報告というか届出義務なんかがあるのは、水銀及びその化合物に該当 するすべてのものというのではなくて、個々の物質名のところに関するものということ ですか。 ○神谷環境安全課課長補佐  いいえ。最終的にはこの政令名のものが届出・推計の対 象になってくるということで、ここで出てくる物質名というのは、今回の物質の拾い上 げに当たって、個別のこういう物質の有害性情報を用いましたというそのバックデータ の部分でございます。 ○山本委員  そうすると、グループによってはものすごく広いものもあると思います ので、それと、先ほど吉田先生がおっしゃったのに絡みますけれども、有機と無機に分 けるとか、もうちょっとグループの分け方を精査しないと、実際のときにかなり複雑に なる部分があるのではないかと思います。 ○神谷環境安全課課長補佐  よく精査させていただきたいと思います。特に広く取り 過ぎているとか、漏れがあるとか、そういったところはまた個別にもご指摘をいただけ ればと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○前川部会長  ほかにございませんでしょうか。  それでは、今までいろんな貴重なご意見をいただきましたけれども、この意見につい ては事務局のほうで整理していただきまして、第3回の委員会の資料などに反映してい ただければと思っております。  なお、冒頭にも申し上げましたけれども、非常に物質数が多く、今日個々の物質につ いて云々ということは実際にはできませんけれども、このデータをお持ち帰りいただき まして、そして現行の物質、あるいは新たな候補物質その他について、データを再検討 していただき、あるいは新たなデータなどがございましたら、特に期限は区切りません けれども、これも事務局のほうへお寄せいただければと思います。 ○藤沢化学物質管理課長補佐化学物質リスク評価室長  本日の議論の中で、冒頭のと きに基準的なお話が、中杉先生と若林先生、あと亀屋先生のほうから出ていたのでござ いますが、我々、作業していくに当たって少し注意したほうがいいとか、そういったご 助言をいただけるようでしたらという感じもしておりますが。別に今でなくても、後日 でも結構ですが。 ○前川部会長  全体に関しまして何か追加的なことがございましたら……。 ○福島委員  また細かいことの確認になってしまいますが、この分類、一連の資料の ところに出てきておりますけれども、クラス1とか2とか3というそこのところで、感 作性クラス、ここに関しましては、これはある、なしで、あるのが1ということになっ ているわけですか。そのような理解でよろしいですか。 ○神谷環境安全課課長補佐  はい。 ○前川部会長  ほかにございませんでしょうか。  では、次回の案内などを含めて。 ○福島化学物質リスク評価室長  本日は非常に貴重なご意見をたくさんいただきまし たので、そういったものも含めて、また我々事務局のほうで考えたいと思います。ただ、 今回、非常に時間も短かったこともあって、この分類結果につきましても先生方のほう からまだいろんなご意見があると思いますので、ぜひ引き続きいろいろご指摘していた だいたらと思っております。  委員の皆様につきましては、出席予定の方全員出席していただきましたので、この会 合としては成立するというのを最終的に確認させていただけたらと思っております。  次に次回の合同会合ですけれども、委員の方々の日程調整をさせていただいた結果、 3月26日水曜日の午前10時から12時というお時間でお願いしたいと思っております。 場所につきましては、確定し次第、各委員の皆様にもご連絡させていただきますし、傍 聴の方につきましても、ホームページ等でご連絡をさせていただきたいと思っておりま す。  また本日の議事録ですけれども、原案をこれから策定いたしまして先生に確認してい ただき、次回会合で、今回と同様にご了解を得た後に、本日の資料とともに3省庁のホ ームページで掲載するという予定になっておりますので、よろしくお願いいたしたいと 思っております。  事務局からは以上でございます。 ○前川部会長  ありがとうございました。  それでは、これで一応終わりになりますが、特に改めて何か、ぜひこれだけはいって おきたいということはございますでしょうか。  そういたしますと、先ほど申し上げましたように、この資料に関しましていろいろな コメント、あるいは新たな情報の追加、その他に関しましては、特に期限は設けないと 申し上げましたけれども、次回の日程が3月26日ですので、できたら3月10日あたり ぐらいまでお寄せいただければと。そうすれば次回の資料に反映できるかと思いますの で、どうかよろしくお願いいたします。  本日はどうもありがとうございました。                                  ――了――