07/11/30 第33回中央医療社会保険協議会保険医療材料専門部会議事録 1 日   時  平成19年11月30日(金)11:50〜12:15 2 場   所   厚生労働省専用第18〜20会議室 3 出 席 者  遠藤久夫部会長 室谷千英委員 小林麻里委員 前田雅英委員 対馬          忠明委員 小島茂委員 丸山誠委員 松浦稔明委員 鈴木満委員 邉          見公雄委員 渡辺三雄委員 山本信夫委員 松村啓史委員 松本晃委          員 小野孝喜委員            <事務局>          原医療課長 宇都宮企画官 他                 4 議   題   ○平成20年度保険医療材料制度見直しの内容(案)について 5 議事内容 ○遠藤部会長 それでは、委員の皆様御着席のようですので、ただいまより、第33回保 険医療材料専門部会を開催いたします。  まず、委員の出欠状況について御報告をいたします。本日は、全員の方が御出席です。  それでは、議事に移ります。  本日は、「保険医療材料制度改革の方向性」について議題としたいと思います。前回ま での当部会での議論及び保険医療材料専門組織からの意見、専門委員からの御意見及び医 療機器業界からの意見等を踏まえて、事務局から、次期保険医療材料制度改革の方向性の 案が提出されております。  したがいまして、これをまず事務局から説明していただきたいと思います。よろしくお 願いします。 ○事務局(宇都宮企画官) 医療課企画官でございます。それでは、資料、中医協材−1 をごらんいただきたいと思います。「平成20年度保険医療材料制度改革の方向性 (案)」ということで出ております。 第1 基本的な考え方  1 特定保険医療材料については、国際流動性が高まっているにもかかわらず、医療保 険財政が厳しくなる状況の中で、なお内外価格差が大きいとの指摘があることから、 更なる取組が求められている。 2 次期保険医療材料制度改革においては、保険財源の重点的、効率的配分を行う観点 から、革新的な新規の医療材料についてはイノベーションの評価を行うなど引き続き 適切な評価を行うこととする一方、既収載品については、不合理な内外価格差を是正 する観点から価格の更なる適正化を図ることを基本に見直しを行うものとする。  この「基本的な考え方」に基づきまして、第2のほうで具体的な提案をさせていただい ております。 第2 具体的内容 1 新規の機能区分(C1、C2)に係る事項 (1)イノベーションの評価について  ア 迅速な保険導入について  決定区分C1(新機能)と決定された医療機器について、「保険適用開始月の 3月前の末日までに決定されたものに限る」とされているが、早期に患者が有用 な医療技術を受けることが出来るよう、事務処理を簡略化すること等により、  「保険適用開始月の1月前の末日までに決定されたものに限る」と短縮してはど うか。  これは、資料、材−2をごらんいただきたいと思うのですが、1ページに図が出ており ますけれども、右側のほうに、「C1、C2の手続きスケジュール」というのがございま す。その下の方に、この手続きスケジュールがずっと書いてあるのですが、中医協の了承 を得てから保険収載までの部分につきまして、ここについて「適用開始月の3月前の末日 までに決定されたものに限る」となっておるのですが、ここの部分、C1について事務的 なものを簡略化して、1月前ということにしてはどうかという提案でございます。 次に、材−1に戻っていただきまして、2ページ目でございます。「補正加算の見直し」 ということで、これにつきましては、あわせて今の材−2の資料の2ページ目を一緒にご らんいただければと思います。 イ 補正加算の見直し ○ 新規医療材料及び改良型医療材料の開発や実用化に対するインセンティブを 高めるため、これらについて適切に評価することとしてはどうか。 業界等から、改良型についても評価してほしいというような声を多々いただいておりまし たことから、「改良型」という言葉を入れております。 ○ 有用性加算(I)及び(II)を統合再編し、新たに改良加算を設ける等、補 正加算を見直してはどうか。  これについては、材−2の図表2に具体的に書いてございます。有用性加算(I)と (II)を統合しまして、左側が現行、右側が案でございますが、有用性加算として統合し ている。そのかわり、下のほうに改良加算として設けてございます。  それから、あわせて画期性加算でございますが、上のほうに現行40〜100%でござ いますけれども、イノベーションのインセンティブを高めるということから、50〜10 0%というように少し増やしているということでございます。  また材−1のほうに戻りますが、 ○ 原価計算方式においては、革新性の程度に応じて営業利益率を0.5倍〜 1.5倍の範囲で調整することにより、メリハリをつけた算定方式としては どうか。 ということで、その下に原価計算方式の具体的なものが書いてございますが、(3)の営業利 益というところを、0.5〜1.5倍の範囲で調整してはどうかということでございます。  (2)価格調整について  現行では「外国価格の相加平均の2倍以上の場合に2倍の価格」としているが、 内外価格差に対する更なる取り組みが求められていることに加え、平成20年4月 1日より「医療機関等における医療機器の立会いに関する基準」が実施されること を踏まえ、価格調整については、次々回改定時にはそれぞれ1.5倍とすることを にらみつつ、「外国価格の相加平均の1.7倍以上の場合1.7倍の価格」として はどうか。  これにつきましては、資料、材−3をごらんいただきたいのですけれども、こちらに、 医政局経済課長の通知として、「医療機関等における医療機器の立会いに関する基準」と いうのがございます。これは、公正取引委員会のほうの決定に基づきまして出ているもの でございますが、2ページ以降に立会いの定義から始まって、今後の立会いに関する基準 について書かれております。立会いの回数とか、あるいは立会いを行う期間等についての 基準ということで、ここに定められたものが来年の4月から実施されるということで、こ ういったことを考慮してはどうかということでございます。そして次々回には1.5倍と いうことを考えながら、今回の改定では、激変緩和的に1.7倍としてはどうかというこ とでございます。  続きまして、材−1の3ページでございますが、 2 既存の機能区分に係る事項 (1)市場実勢価格加重平均値一定幅方式による価格改定方式について  ダイアライザー及びフィルムについては、他の特定保険医療材料よりも大きな一 定幅が設定されているが、一定幅が特定保険医療材料の安定的な供給に果たしてい る役割に留意しつつ、より適正なものとなるよう縮小を行うこととしてはどうか。 ということで、これは、材−2の図表3、4ページをごらんいただきたいのですけれども、 「一定幅の推移」ということで図表がつけてございます。こちらにございますように、ダ イアライザー、フィルム、以前は高い一定幅だったのですが、徐々にこれが下がってきて おりまして、今回、そういう流れを受けて、ダイアライザー7.5%、フィルム4%とし てはどうかという提案でございます。  続きまして、材−1のほうに戻りますが、  (2)再算定について  既存の特定保険医療材料価格は、当該材料の属する区分の保険償還価格が、当該 区分に属する既収載品の最も類似するものの外国(アメリカ合衆国、連合王国、ド イツ及びフランスに限る。)における国別の価格の相加平均値の2倍以上であるか、 又は1.5倍以上であって、直近2回の材料価格改定を通じて保険償還価格の下落 率が15%以内である場合に再算定を行い、再算定後の額は、価格改定前の材料価 格の75/100を下限としている。    ア 平成20年度改定においては、再算定の該当性を検討する区分の対象をより効 率的に設定してはどうか。 ということで、この再算定の区分、281区分、前回の改定では行ったのですけれども、 その再算定を行う区分の数は減らしつつ、ただ、そのシェアで考えて、シェアは落とさず 区分の数を減らすということを考えてはどうかということでございます。 イ 次々回改定時には1.5倍とすることをにらみつつ、次回改定では、外国にお ける国別価格の相加平均値の1.7倍以上であるか、又は1.5倍以上であって、 直近2回の材料価格改定を通じて保険償還価格の下落率が15%以内である場合に 再算定を行い、再算定後の額は、価格改定前の材料価格の75/100を下限と してはどうか。  これは先ほどの新規の場合と同様に、1.5倍をにらみつつ1.7倍にするということ で今回は改善してはどうかということです。 ウ また、他の先進国における医療機器の流通や購入の状況等について、次年度以 降調査を行うことの必要性も含め、引き続き検討を行うこととしてはどうか。  続きまして4ページございますが、 (3)既存の機能区分の見直しについて ア 機能区分については、臨床上の利用実態等を踏まえ、該当製品の存在しない機 能区分について、経過措置をおくなどして、順次削除してはどうか。また、供給 が著しく困難な特定保険医療材料における機能区分の見直しには一定の配慮をす るなど、より適切なものとなるよう検討すべきではないか。 イ 価格や機能に差がなくなっている複数の機能区分については、機能区分の合理 化を検討すべきではないか。    ウ 一つの製品が複数の異なった機能区分に属しているため、異なった価格で償還 されている製品については、機能区分を見直し、一つの製品には一つの償還価格 とすべきではないか。 3 その他 (1)現行では、製造販売業者は新たな保険医療材料の決定区分案に対して、不服意見 書を提出した場合に限り、保険医療材料専門組織に出席し、意見を述べることがで きるが、製造販売業者が希望する場合は、決定区分案が決まる前に保険医療材料専 門組織に出席の上、意見表明を行うことができることとしてはどうか。  これはまた材−2の1ページ目の図表1に戻っていただきたいのですが、承認からのプ ロセスで、第1回保険医療材料専門組織、そして決定案の通知があって、不服がある場合 に第2回の専門組織を行います。現在は不服がある場合の第2回に限り製造販売業者は出 席して意見を述べることができるということになっておりますが、今回の改革では、もし 製造販売業者が御希望される場合は、この第1回のほうにも出席して意見表明を行うこと ができることとしてはどうかということでございます。  そして材−1にお戻りいただきまして、4ページでございますが、  (2)在宅医療の普及・促進に鑑み、在宅医療に係る保険医療材料について保険医療材 料等使用状況調査等に基づき、適切に評価してはどうか。 (3)内外価格差について、我が国特有の流通システムや審査期間等が材料価格に与え る影響の把握等を踏まえ、適正な内外価格差の範囲や内外価格差の是正に向けた取 り組み等についての検討を行うこととしてはどうか。  説明は、以上でございます。 ○遠藤部会長 ありがとうございました。  それでは早速、この案につきまして御審議いただきたいと思いますが、内容が大きく分 けて3つに分かれているかと思いますので、まずは少し分けながら審議していければと思 います。  まず、1ページ、2ページであります。「基本的な考え方」とそれから「具体的内容」 の新規の機能区分に関するところです。このあたり、1ページ、2ページに関して御質問、 御意見ございますでしょうか。 ○松本専門委員 1ページ、「新規の機能区分(C1、C2)に係る事項」、「(1)イ ノベーションの評価について」の「ア 迅速な保険導入について」ですが、ここにはC1 とありますが、C2も同様に運用されると理解していいでしょうか。  かつ、今、年に4回の収載になっておりますが、これは毎月収載されるというようなこ とになるのでしょうか。これは質問です。 ○遠藤部会長 それでは、事務局お願いします。 ○事務局(宇都宮企画官) まず1点目、C2についても迅速化するのかというお尋ねで すが、C2に関しましては、新たな実施料というものを設定しなければならず、また、そ のときに施設基準等の設定など要件設定の必要がありまして、直ちに迅速化に向けて取り 組むというのがちょっと難しいということで、まず、C1のほうで取組を行った上で、C 2について検討させていただきたいと考えております。  それから、収載時期、年4回のままかというようなお話でございますが、これにつきま しては、年4回を現在のところ考えております。ただ、これを今回の改革で、1月前の末 日までとすることで、早いものにつきましては、保険申請から約3カ月で導入が可能であ ると考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○遠藤部会長 ありがとうございました。松本専門委員、よろしいでしょうか。 ○松本専門委員 結構です。 ○松村専門委員 今に関連してなのですけれども、4回収載という場合、現実的に、暫定 価格のルールがやはりまた必要かと思いますので、これは残していただきたいという要望 が1点です。  それから確認なのですが、2ページですが、「イ 補正加算の見直し」、これは念のた めの確認ですけれども、今回、改良医療材料が補正加算になりましたが、これに伴って、 C1、C2の区分の定義も改良が入るかどうか、これはあくまで確認です。  それともう1点は、その丸の3つ目ですけれども、原価計算方式においては、「営業利 益率を0.5倍〜1.5倍の範囲で調整」の意味なのですが、これは加算するという理解 でいいかどうか、この点をお願いします。 ○遠藤部会長 0.5倍というのを加算という日本語で表現していいかどうかという、そ ういうことですか。 ○松村専門委員 はい。 ○遠藤部会長 わかりました。いずれにしましても最初の1つの暫定価格を残してほしい というのは要望という形でありますね。それも含めて3点ありましたので、お答えお願い します。 ○事務局(宇都宮企画官) まず最初の暫定価格ということですが、年4回ということで あれば、暫定価格ルールは残ると考えております。  それから、今回の改良材料についてですけれども、改良材料であっても、既存の機能区 分と明らかに異なるものであれば、新規機能区分の設定ということは考えてよいと考えて おります。  それから最後、営業利益率の話ですが、これは加算ということではなくて営業利益にそ れらの補正加算率を掛けるという意味でございます。 ○遠藤部会長 松村専門委員、よろしいですか。 ○松村専門委員 1点だけ要望なのですが、薬の場合は営業利益率が決まっておりまして、 けっこう大手が多いので、上場していますので明らかなのですが、医療機器材の場合は、 多業種、多種が非常にありまして、一定の営業利益率を決めることは非常に困難かと思い ます。実際には、各企業の実績に基づいて申請しておりますので、この点も今後配慮をい ただければと思います。 ○遠藤部会長 御要望として承っておきます。ありがとうございます。  ほかにございますでしょうか。 ○対馬委員 今の原価計算の関係なのですが、薬の場合はたしか営業利益率が19.2% で、それに今回の改定案では、たしか±10ポイントということだったと思うのです。材 料の場合は必ずしも薬と目的や性格が違うということで、変えてももちろん構わないとは 思うのですが、利益率が幾らかということと敢えて薬と変えている理由を承りたいと思い ます。 ○事務局(宇都宮企画官) 医療材料の場合には薬と違いまして、かなり利益率がいろい ろ違うということで、例えば±10ポイントとしますと、営業利益率がもし10%を切っ た場合にマイナスになってしまうとか、何かいろいろそういう事情もございますので、少 し違った形でこのようにさせていただきました。 ○対馬委員 19.2%というようなことはないのですね、一律的な。 ○事務局(宇都宮企画官) はい、そういうことはございません。 ○遠藤部会長 もともと医療材料の場合は、薬の場合は製薬メーカーの平均的なというも のをとれるわけですけれども、医療材料というのはいろいろな業種、機械工学のあれもあ りますし、材料もあって、そういうことでばらついているというところがありますし、と いうことで、一概に何%というのは、とりあえずつけられないということですね。したが って、こういう形で対応しているということだろうと思います。  ほかにございますでしょうか。  それでは、次の「既存の機能区分に係る事項」というところですね。3ページから4ペ ージの「3 その他」の上までですけれども、これに関して何か御意見、御質問ございま すでしょうか。 ○松本専門委員 再算定についての質問です。今回もまた厳しい内容なのですが、特例の 引き下げにつきまして、現行の2.0倍というルールを1.7倍に引き下げるということ 以外は、このルールについては前回と同じように行われると理解していいでしょうか。 ○事務局(宇都宮企画官) はい、そのとおりでございます。 ○遠藤部会長 ありがとうございます。松本専門委員、よろしいですか。  ほかにございますか。 ○松村専門委員 4ページなのですけれども、「既存の機能区分の見直し」のアのところ です。「機能区分の見直しには一定の配慮」という、ちょっと抽象的な表現がなされてお りますが、この中医協材−4の資料、過去の10月17日の中医協のときの資料の2ペー ジを見ますと、「3 機能区分の見直しについて」というところで、「見直し後の価格設 定等」という、こちらのほうが具体的な表現がされております。すなわち、やはり現行価 格よりも価格を引き上げることということも含まれるかどうかという確認なのです。 ○事務局(宇都宮企画官) よく内容を精査した上で御議論いただいて、必要があれば上 がるということもあるのではないかと考えてございます。 ○遠藤部会長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。 ○松村専門委員 前回も議論になったのですけれども、在宅ですとか小児の場合は、やは り供給困難なものがございますので、こういった配慮もいただければと思います。 ○遠藤部会長 承っておきます。  ほかにございますでしょうか。  よろしいですか。それでは、残りました4ページの「その他」というところで、3つほ ど項目がございますけれども、御質問、御意見ございますでしょうか。  よろしゅうございますか。それでは、特に御質問、御意見もないようでございますので、 本日の議論、このあたりにしたいと思います。 ○小島委員 すみません、ちょっと。 ○遠藤部会長 どうぞ。 ○小島委員 確認し忘れたのですけれども、2ページの補正加算です。参考資料の図表2 で入っていますけれども、補正加算を変更するということで、新しくこの考え方に沿って 変更されたものは、それから、新規のものについてこの補正加算をつけるということで、 従来のものはそのままということなのですね。そうですね。 ○遠藤部会長 もちろん新規のものですから、そのとおりでございます。  それでは、特に御質問ないようでしたらば、本日の議論はこれで終わりたいと思います。  次回も引き続きこの保険医療材料制度改革に向けた議論を継続して行いたいと思います。  次回の日程につきまして事務局から何かございますでしょうか。 ○事務局(宇都宮企画官) 次回につきましては未定でございます。 ○遠藤部会長 それでは、本日の保険医療材料専門部会はこれにて終了したいと思います。 ありがとうございました。              【照会先】 厚生労働省保険局医療課企画法令第二係 代表 03−5253−1111(内線3276)