07/11/28 第29回労働政策審議会障害者雇用分科会議事録 第29回労働政策審議会障害者雇用分科会 議事録 1.日時   平成19年11月28日(水) 16:00〜18:00 2.場所   厚生労働省共用第8会議室(6F) 3 出席者   ○ 委員   (公益代表)  今野委員、岩村委員、菊池委員、平木委員、松矢委員   (労働者代表) 松矢委員、高橋委員、豊島委員、長谷川委員   (使用者代表) 飯ヶ谷委員、大島委員、斉藤委員、新澤委員、輪島委員   (障害者代表) 鈴木委員、副島委員、松井委員   ○ 事務局       岡崎高齢・障害者雇用対策部長、長門企画課長、田中企画課長補佐       吉永障害者雇用対策課長、濱島障害者雇用対策課調査官       白兼障害者雇用対策課主任障害者雇用専門官、手倉森障害者対策課長補佐 4 議題   (1)意見書(案)について   (2)その他 5 資料    資料1 今後の障害者雇用施策の充実強化について(意見書)(案) 6 議事録経過 ○今野会長  ただいまから第29回労働政策審議会障害者雇用分科会を開催いたします。本日の出席 状況ですが、佐藤委員、松矢委員、泉田委員、舘委員がご欠席です。  早速、議事に入ります。本日はこれまでの議論等を踏まえ、事務局に分科会意見書( 案)を作成していただいていますので、意見書の取りまとめに向けて議論していきたい と思います。その議論の前に、社会福祉法人日本盲人会連合から意見書が提出されてい ます。お手元にあると思いますので、ご覧いただければと思います。意見書の内容につ いて、鈴木委員から追加で何かコメントがあればお願いしたいと思います。 ○鈴木委員  お世話になります。追加ということでは特にはないのですが、いくつかお話をさせて いただければと思います。  まず、特に私どもでは各連携についてという部分で1つ、特にハローワークや職業セ ンターなどにおける、いわゆる指導員というか、視覚障害の仕事に関しての専門的知識、 特に企業内におけるパソコン、企業内のLANの読み上げの面で、職場復帰しても、就職 しても仕事場ごとに内容が違うので、そういったところを専門的に支援する職員が育成 されていくことが望ましいかなという点は1点あります。各ハローワークを中心とする 連携の中で、そういった方たちも育成していただければというところを若干強めにとい う部分があります。  今回は雇用率ということで、原則として就職をすることに重点が当たっているわけで す。そういった中においても、個別的な支援の中で介助員制度のところは今後重点的に 進めていただきたい。それから、前にちょっと話も出ましたが、この介助員制度が個人 の事業所等にも広げられてという部分が適用されるといいなと考えています。  特に視覚障害のある人がいろいろな就職をする際、どちらかというと3障害一緒にな った部分ではいわゆる身体障害という部分で入れられるわけです。どうしても、身体障 害者の方たちを入れるということになると、肢体の方たちが中心になって、意外と視覚 障害の人たちの就職率が悪い。いま、どれぐらいの方たちが就職しているかといった数 字もあまり出てきていない。その辺も含めて、視覚障害の人たちをクローズアップして いただければと思っています。  あとは文章を読んでいただければ、そのように書いてありますので、是非ともお願い したいと思います。以上です。 ○今野会長  ありがとうございました。いまの鈴木委員からのコメントについてのご質問、ご意見 があろうかと思います。ただ、事務局から今日の資料を説明していただいて、一体で議 論させていただければと思います。事務局から説明をお願いいたします。 ○調査官  お手元の資料1をご覧ください。「今後の障害者雇用施策の充実強化について」という 形で、当分科会の意見書の(案)を作っています。  まず、1頁目の「目次」をご覧ください。「多様な雇用形態に対応した障害者の促進」 として、短時間労働や派遣労働への対応、2の「中小企業における障害者雇用の促進」に 関し、支援策の充実強化や事業共同組合等を活用した障害者雇用率制度の適用といった 内容、障害者雇用納付金制度の適用による経済的負担の調整があります。それから、3 番目ですが、「福祉教育等との連携による障害者の就労支援の推進」というところでは、 地域の就労支援ネットワークの構築、地域の就労支援機関の役割と今後の在り方、就労 支援を担う人材の育成・確保の在り方を挙げています。4では「その他の諸課題」として、 ここについてもいろいろとご議論いただきました。(1)企業グループによる障害者の雇 用促進等、(2)障害者雇用に関する助成金の見直し、(3)除外率の引下げによる障害者 雇用の促進、(4)障害者雇用率等の見直し、(5)精神障害者等に対する雇用支援、(6) 障害者権利条約の締結に向けた検討という形でまとめています。  以下、内容についてご説明いたします。2頁をお開きください。前書きは省略させてい ただき、中ほどよりやや下のところにある「多様な雇用形態に対応した障害者雇用の促 進」という視点です。まず(1)短時間労働への対応ということで、短時間労働について は、障害者のニーズが相当程度あり、また、福祉的就労から一般雇用への移行を進めて いく中で、段階的な就業形態として両者をつなぐ道筋にもなり得る。高齢になった障害 者等については、これまでどおりフルタイムで働くことがなかなか困難になった場合で も、短時間就労であれば可能である。そういったようなことから、短時間労働について、 障害者のニーズ等を踏まえ、雇用義務の対象とするということが適当である。  次の頁、この場合に現在、重度身体障害者や重度の知的障害者、精神障害者の特例、 あるいは短時間労働への安易な代替の防止策といったことも考慮しながら、短時間労働 の重度以外の身体障害者と知的障害者について、障害者雇用率と実雇用率の算定といっ たものを0.5カウントとしていくことが適当である。  雇用義務の対象とするに当たっては、短時間労働者の多い企業への影響等を考慮しな がら、各企業の円滑な準備・取組を促すため、一定の準備期間を設けることとする。さ らには、雇用義務の対象とするような場合に、障害者雇用率制度の適用について改めて 企業障害者団体等を始め、関係者に広く周知する。さらに、所定労働時間30時間以上働 くことができる、あるいは働くことを希望する障害者がその希望や適性に応じた働き方 ができるようにしていく。さらには、週所定労働時間が30時間以上の労働から短時間労 働に代替されることのないようにすることについても留意していくといったことについ てまとめています。  (2)「派遣労働への対応」であります。派遣労働の場合、障害者職場定着に相当の配 慮や時間を要することを踏まえながら、派遣労働で安心して働いて能力を発揮すること ができるようにするということが大切であることから、障害者の派遣労働に関し、派遣 元事業主と派遣先の双方とも、配慮すべき事項、あるいはいずれかが配慮すべき事項に ついて明確化することが適当である。  紹介予定派遣については、派遣先における直接雇用に移行する可能性があることから、 これが活用されれば障害者雇用が進むことも期待される。なお、障害のある派遣労働者 が働くためには、派遣先が受け入れることが必要であって、派遣先に一定のインセンテ ィブを与えることも考えられるわけです。現時点では、派遣労働に対する障害者の理解 やニーズの動向を慎重に見極める必要があるといった点についてまとめさせていただき ました。  次に、2.中小企業における障害者雇用の促進であります。(1)の雇用支援策の充実強 化についてご説明いたします。雇用支援策の充実強化のポイントとしては、やはり理解 の促進、マッチング、職場定着に関する支援といったようなものが挙げられております。 これらの支援策を充実させる必要があるということをまとめました。具体的には、理解 の促進について申しますと、中小企業経営者の理解を進めるための直接的な働きかけを 強化するといったことのほか、中小企業団体の自主的な取組や地域の関係機関との交流 を通じ、必ずしも障害者雇用の経験が豊富でない、乏しい中小企業に対する周知啓発と いったものを進めていくことが適当である。  次にマッチングに関しては、やはりハローワークによるチーム支援やトライアル雇用 等の充実強化といったいろいろなものを通じ、障害者雇用に関する不安の解消、障害者 を受け入れやすい環境の整備などの支援を充実していくことが適当であるといったこと。 さらに、既に障害者を雇用している中小企業に対しては、やはり職場定着等における雇 用管理に関する情報、ノウハウの提供を行っていく。さらには、離職防止のための障害 者の雇用管理について相談することができるように、就業・生活支援センター事業やジ ョブコーチ支援事業等について充実していくことが適当である。こういったことについ てまとめています。  (2)事業共同組合等を活用した障害者雇用に対する障害者雇用率制度の適用という点 については、中小企業の事業協同組合等を活用して共同して事業を行って、当該事業共 同組合等で障害者を雇用していくという事業を行う場合には、障害者雇用率制度を適用 する仕組みを創設することが適当である。具体的な制度設計に当たっては、実態上生じ る課題を把握、整理していくことが必要であるというまとめ方をしています。  (3)障害者雇用納付金制度の適用による経済的負担の調整です。ここについては、障 害者の雇用に伴う経済的な負担の調整であるところの障害者雇用納付金制度については、 創設以来30年にわたって300人以下の中小企業に対する適用、具体的に言うと納付金の 徴収と障害者雇用調整金の支給といったものを猶予してきた。しかし、本来は中小企業 も対象になること、あるいは近年の中小企業における障害者雇用の状況、障害者の雇用 が進んでいる企業と進んでいない企業との間の経済的不均衡の調整を行う必要性がある。 そういうことから、適用の在り方について見直す必要がある。  そこで、一定の範囲の中小企業に対し、障害者雇用納付金制度を適用し、経済的な負 担の調整を行うことが適当である。また、この場合に、中小企業の中での企業規模別の 障害者の雇用状況、経済的負担能力等を考慮して、一定範囲の中小企業の中で、当初は 比較的規模の大きい中小企業から障害者雇用納付金制度の適用対象とすることが適当で ある。また、障害者雇用が効果的に進むように、納付金制度の適用と各種支援策の充実 強化とを併行的に実施することが適当である。こういったことをまとめました。  3の「福祉、教育等との連携による障害者の就労支援の推進」です。(1)は地域の就 労支援のネットワークの構築です。やはり、福祉・教育から雇用への移行を一層促進す るといったことから、障害者のライフステージやニーズに応じて、長期的な支援を総合 的に行うために、雇用、福祉、教育、医療等の各分野の関係機関が連携及び役割分担を していく。そして、地域ごとの就労支援のネットワークを構築していくことが適当であ ることをまとめています。また、ネットワークの構築に当たっては就労支援に必要な機 関が参画するとともに、お互いの役割を明確にしながら、就労に向けた意識や目標、情 報について共有化を図ることが適当であるとまとめています。  (2)地域の就労支援機関の役割と今後の在り方です。主な各機関ごとの役割と今後の 在り方については、まずハローワークは、障害者に対する職業紹介や企業に対する指導 を一層強化していく必要がある。また「チーム支援」を着実に実施するとともに、職場 実習やトライアル雇用の支援策などを充実・活用していくことによりマッチングを効果 的に行っていく必要がある。ハローワークは就労支援の中でも特に重要なマッチングを 担う機関であるということで、地域のネットワークの構築に中核的な役割を果たすとと もに、あとは関係機関と連携をしながら支援を行うために、支援機関に対するコーディ ネート力を高めていくことが適当であるとまとめています。  障害者就業・生活支援センターについては、現在の設置状況が全障害保健福祉圏域の 3分の1程度にとどまっており、今後は計画的かつ早急な設置が必要であるということや、 専門性の確保、実施体制の充実・強化を図ることが必要であるといったことについてま とめています。また、地域障害者職業センターについては、このセンターが豊富な支援 実績に基づくノウハウを蓄積しているということから、地域のネットワークを形成する 支援機関において、質の高い就労支援が提供されるようにしていくために、この専門性 とノウハウを活かしながら、地域において就労支援を担う専門的人材の育成、地域の就 労支援機関に対する助言・援助の業務を本格的に実施して、地域の就労支援力の向上を 図ることが適当である。また、就職等の困難性の高い障害者、いくつかの種類の障害者 がいらっしゃるわけですが、こういった方に対する専門的な支援を積極的に実施するこ とが適当である。  次に(3)就労支援を担う人材育成・確保の在り方として、就労支援の強化が求められ ている中、支援の担い手の育成と専門性が追いついていないということで、人材の育成 を図ることが必要である。こうした場合、専門的支援を行うジョブコーチを含め、就労 支援を担う人材に必要なスキル・能力をレベルごとに明確化していく。そして、育成方 法や能力評価の仕組みについて幅広い見地から検討することが適当である。こうした育 成の機会は全国各地で求められているので、就労支援のノウハウや研修実績を有する機 関等が率先して、人材の育成に取り組んでいくことが適当である。そのほか、福祉系の 大学の課程や社会福祉等の専門資格取得に必要なカリキュラムにおいて、職業リハビリ テーションが盛り込まれていることも重要であるという指摘も行っています。  次に、4番目の「その他の諸課題」に当たる部分であります。(1)企業グループにお ける障害者雇用の促進等です。現在、障害者雇用率制度においては、個々の事業主ごと に雇用義務が課されていることが原則であります。ただ、現行法上、(1)親会社及び特例 子会社、(2)親会社、特例子会社及び特例子会社以外の子会社(関係会社)をまとめて実 雇用率に算定するという特例があります。一方、企業グループの中には、障害者が就業 しやすい業務を行う子会社もそうでない子会社も、さまざまな形で存在しています。子 会社の業務内容に応じて雇用して、グループ全体で障害者を雇用するということが期待 できる場合もあると見ることができます。こうした場合には、特例子会社がない場合で あっても、企業グループ全体として実雇用率を算定できる特例を設けることが適当であ る。その際、現行の特例と同様、障害者に対する適正な雇用管理が図られていることを 要件として定めることが必要であるとまとめています。  現行制度においては、親会社又は特例子会社のいずれかに支給することとされている 調整金、報奨金についても、関係会社も相当程度障害者の雇用に寄与している場合もあ ることから、適正かつ合理的な支給事務の確保を図りつつ、親会社、特例子会社、関係 会社のいずれか、又はこれらに対して分割して支給できるとすることも適当であるとま とめています。  (2)障害者雇用に関する助成金の見直しです。見直しについてもいろいろな形でご議 論いただきましたが、中小企業により重点を置いた実施とか、物的支援から人的支援へ の重点化を図るといったこと、そして助成金制度全体において支給期間、上限額及び対 象となる障害者の数等の適正化を図っていくことが適当であるという形でまとめていま す。なおかつ、個々の助成金の見直しに当たっては、それぞれの助成金の趣旨を踏まえ ながら各種支援機関の整備状況や、対象となる障害者の障害の種類・程度、事業主の雇 用管理の状況について考慮しながら、先ほど申し述べましたような重点化を図りつつも、 できる限り幅広い事業主が支給対象となり、かつきめ細かい対応が継続的にできるよう 見直していくことが適当であるというまとめ方をしています。  (3)は除外率の引下げによる障害者の雇用の促進です。除外率の制度については、平 成14年度の障害者雇用促進法の改正によって廃止されています。ただ、同法の附則にお いて経過措置として定められ、除外率設定業種における障害者雇用の状況等を考慮しつ つ、段階的に縮小することとされています。こうした法律の規定等に沿って、段階的に 引下げ、廃止を目指していくという基本的な方向に基づき、今回、一定の引下げを行う ことが適当であるというまとめ方をさせていただいています。この際、社会連帯責任の 理念の下、前回は一律10%引き下げたことを参考にしながら、具体的な引下げの方向に ついて検討することが適当であるというまとめもさせていただいています。  次に(4)障害者雇用率等の見直しです。障害者雇用率については法律に基づき、少な くとも5年以内に、労働者の総数に対する障害者である労働者の総数の割合を基準とし て設定することとされています。今回の障害者雇用率の見直しについては、今後、短時 間労働の雇用義務化、あるいは除外率の引下げといった制度改正が実施されることを前 提とすれば、これらによる障害者雇用率への影響も考慮した上で設定することとし、現 行のとおりとすることが適当であるというまとめ方をしています。また、障害者雇用納 付金制度における調整金の額や納付金の額及び報奨金の額についても、現行どおりとす ることが適当であるというまとめ方をさせていただいています。  (5)精神障害者等に対する雇用支援であります。精神障害者については平成18年4月 より、法律の改正によって実雇用率への算定のカウントが始まりました。もっとも、現 時点では、精神障害者の雇用はそれほど進んでいない状況にあるということが言えよう かと思います。したがって、精神障害者の雇用義務化の環境が早急に整うように、精神 障害者の特性に応じ、予算措置など、雇用支援の一層の推進、充実を図ることが適当で あるというまとめ方をいたしました。  次に発達障害です。現在、発達障害の就労支援のための施策を推進しつつも、今後は 平成17年4月に施行された発達障害者支援法の施行3年経過後の見直しの検討が行われる ことになっています。この際、併せて就労支援についても検討を行っていくことが適当 であるというまとめ方をいたしました。また、ご議論いただきました難病のある方につ いても、当面は在職中に発症した方々について、雇用継続、職場復帰等を図るため、雇 用管理等について企業における理解を深めるといったことと、今後、就職支援の在り方 について検討していくことが適当であるというまとめ方を行っています。  今日も意見書を頂戴しました視覚障害者の関連ですが、中途視覚障害者については就 労機関等との連携に加え、必要に応じ医療機関等との連携も図りながら、継続雇用支援 を行うことが適当であるというまとめ方をしています。  最後、(6)障害者の権利条約の締結に向けた検討です。本年9月28日、「障害者の権 利に関する条約」について我が国は署名したところであり、今後、条約の締結に向けて、 国内法制の整備等が求められているところです。雇用・労働分野においては、公共・民 間部門での障害者雇用の促進等のほか、(1)あらゆる形態の雇用に係るすべての事項(募 集、採用及び雇用の条件、雇用の継続、昇進、安全・健康的な作業条件を含む)に関す る差別の禁止。(2)職場において合理的配慮が提供されることの確保等について適当な措 置をとることにより障害者の権利を実現を保証・促進することとされているところです。 今後、これらについて、障害者雇用法制においてどのような措置を講ずべきかについて は、特に(2)の職場における合理的配慮の提供という、これまでに我が国にない概念が盛 り込まれていることから、十分に議論することが必要であり、労使、障害者団体等を含 めて考え方の整理を早急に開始することが適当であるというまとめ方にさせていただい ています。意見書の(案)の概要ですが以上です。 ○今野会長  ありがとうございました。いまの説明について、ご質問、ご意見をお願いいたします。 いかがでしょうか。 ○新澤委員  中小企業に対する納付金の問題ですが、我々としてはもう受けざるを得ないことは十 分承知しています。これから法律が制定された場合、ここにも書いてありますが十分な 周知期間、およそ2年ほどを取ることは十分お願いしたい。その納付金も中小企業の規 模にいろいろ格差がありますので、その辺についても十分検討をお願いしたい。また段 階的な問題、そのあとのことをお話して申し訳ないですが、およそ3年ほどの猶予期間 をお願いしたい。  ここで1つお話したいことは、中小企業の場合、最近雇用ニーズが多いのは意外と食 品関係、いわゆるスーパーやコンビニエンス・ストアー、そういうところに納める弁当、 惣菜その他、これが人数的には非常に多い。24時間、365日休みなしということは、仮 に200人いても常にいるのは100人いればいいぐらいの話です。その中で障害者を雇用 した場合、やはりそれなりのカウント、フォローがほしいわけです。そういうことも考 慮していただき、我々に対する支援、環境の整備等についてのサポートをしていただき たいということを1つお願いしたいと思います。以上です。 ○松井委員  いまお願いしたいと思っていたらこういうお話を伺い、大変心強く思っています。是 非雇用義務のある、中小企業を含めて対象とすることについてご理解をいただきたい。 その分国としては、中小企業の育成に対して一層の支援策を講じてもらわなければいけ ません。ただ、中小企業をその対象にしていただくことによって、その効果は全国のど の地域にも影響するわけです。ペーパーにもありましたが、是非よろしくお願いしたい と思います。 ○大島委員  中小企業で障害者の雇用が低下している最大の原因というのは、長年にわたる不況と か国際競争の激化などによった経営環境の厳しさにあると考えています。景気回復の実 感が未だに得られない中、原材料価格の高騰、価格転嫁できないといったコスト増しの 影響が大きい。中小企業は現在も、大変厳しい状況に置かれていることをご認識いただ きたいと思います。  こうした厳しい状態が続く中で、納付金制度の中小企業への適用拡大を図ったとして も、実雇用率のアップにどれだけ実効性があるかどうかというのは疑問に感じています。 それと同時に、地域によっては障害者を雇用したくてもなかなか方法がないといった実 情もある。その中で現実問題として、大企業と同様の未達成、1名につき年間60万円と いう金額を課せられているということは中小企業にとっては決して小さい負担ではない。 本当に対応できるのかどうか、非常に懸念されるところでもあります。この点について も是非、検討の必要があるのではないかと思います。  どのような企業でも、雇用保険料の負担を通じて間接的には障害者雇用に貢献してい るということもあります。納付義務がなくても、ここ数年、中小企業でも雇用率が上向 いているという事実もあります。可能な限り障害者雇用には前向きに取り組もうとして いることを、是非ご理解いただきたいと思います。  納付義務を拡大するという議論の前に、障害者雇用に関する制度周知、マッチング機 能の強化といったハード&ソフト面における環境整備、周辺環境の整備、障害者の職業 能力の開発に対する支援の充実を図ること、そちらのほうが先ではないかと思っていま す。毎度申し上げて申し訳ありません。  短時間労働者への雇用率の算入については、短時間労働者の雇用率が多い企業にとっ ては想定以上の負担増がある場合が非常に多い。もう少し実態を検証してから判断をし ていただきたいと思います。仮に実施するにしても、十分な準備期間を置くのは当然で あると考えています。よろしくお願いします。 ○今野会長  ほかにございますでしょうか。 ○菊池委員  短時間労働のことなのですが、大変望ましい制度で普及すればと思います。別な観点 から申し上げます。例えばいま知的障害の方で短時間労働になっている方は、逆に仕事 が終わったあとの時間が長過ぎて、その間に遊興費にお金を使ってしまうという新たな 問題も起きていることを耳にしています。ですから、短時間労働の適用に当たっては、 特に知的障害の場合には慎重にしていただいて、その方の1日、あるいは1年の生活全体 が質的にも保証される。そういう観点を忘れないでいただきたいと思います。 ○今野会長  いま、ご要望の意見が出ましたので、何か事務局であればお願いします。お聞きして おけばいいというのが基本かなと思うのですが、何かありましたらお願いします。 ○障害者雇用対策課長  何点かご指摘がありました。新澤委員、あるいは大島委員から、制度を導入する場合 について十分周知期間をというご指摘がありました。このあたり、当該対象となる企業 にとってはかなり大きな、ビジネスモデルの変更等が必要になるかと思います。また、 中小企業ということで、準備期間が必要になる部分があろうかと思います。どのぐらい が適当かという議論はありますけれども、必要な期間を十分取った上で、ただ10年も、 20年もというわけにはいかないと思います。必要な期間を周知期間とした上で、制度施 行に支障がないような形にしていきたいと考えています。  56人以上、雇用義務があるすべての企業について納付金適用すべきではないかという ご指摘がありました。制度上はご指摘のとおりだろうと思います。一方で、制度導入と 円滑な施行ができるかどうか等を見ていく。300人でこれまで30年間やってきた。そう いう状況の中で、中小企業の中でも大きなところを対象としていくことをまずやってい きたい。その上で、最終的には企業における障害者雇用ということについての社会的な 連帯責任という観点を中心に、議論していくべきではないかと考えています。  大島委員から難しい、重要なご指摘がありました。もともと納付金制度が中小企業で 適用となっていなかった理由が2つあるというように説明されています。1つに、障害者 の雇用率というものが中小企業においては、納付金制度を適用するまでもなく高かった ということ、もう1点としてやはり経営環境が厳しいという状況がある。前者について は、昨今の状況が大きく変わってきている。最近1、2年は若干改善はしていますが、や はり100人から299人層というカテゴリーの企業における障害者雇用が低迷しているとい うのは、一方で事実だろうと考えます。  私どもとしては、このカテゴリーについて何らかの対応を取っていきたい。十分な支 援を行う、十分な制度周知、あるいはいろいろな形での環境を整備する。あるいは、該 当する障害者について能力開発をやっていく。これをこの30年間、あるいはさらに遡っ て昭和35年、身体障害者雇用促進法ができて以来やってきているという状況があります。 そういうことを前提として、中小企業だから障害者が雇用できないという状況が先ほど の前提からするとなくなってきているのではないか。先般、……報告をご紹介した際、 九州における障害者の雇用率が非常に高いのはなぜかというご指摘がありました。この 点、十分分析する必要があると思っています。内訳を見てみると、中小企業における雇 用率が非常に高いということが言えます。100人から299人層における雇用率が九州の諸 県においては1.8を超える、あるいは1.8に非常に近いという状況です。  九州における中小企業の経営状況も一方で厳しいのだろうと思います。九州における 中小企業と、東京における中小企業というものの経営状況がどこまで違うのか、比較は 難しいわけですけれども、一般論として申し上げれば例えば鹿児島や長崎は、私どもが 地域の活性化という形で重点的に取り組まなければならない7県に入っています。その ように、非常に経済状況の厳しい地域である。厳しい地域であっても、障害者の雇用が 中小企業で進んでいるという現実が一方である。こういったことも考えていく必要があ るだろうと思っています。  一方で、実際に求人を出しても障害者の応募がない。企業の人は障害者雇用に取り組 んでいるけれども、実際にはなかなか応募がないから障害者雇用が進んでいないという 面がある。こういうご指摘、ご批判をかなり多く受けることがあります。私どもはなか なか障害者雇用が進まない企業に対して、直接指導をするという機会がございます。そ のときにも同じようなことを言われます。求人の中身を見てみますと、例えばプログラ マー、SEの求人を出している。確かに、コンピューターを使える障害者の方はたくさん いらっしゃいます。そういう意味で、軽度の障害者の方でコンピューターを使える方が もしいらっしゃれば、それは非常にいいのだろうと思います。  ただ、現実の問題として、そういう方が私どもの対象となるような外部労働市場の中 にいるかというと、既に就職してしまっている。現実の問題として、ハローワークにい る障害者の方は、身体障害者であれば若干年を召した方が多いということがあるのだろ うと思います。一方で知的障害者の方、あるいは精神障害者の方、これは比較的若い層 においてもかなりたくさんいらっしゃる。こういう方について目を向けていただければ、 私どもとして紹介できる方というのはたくさんいらっしゃる。考え方を切り替えていた だければ、そういう意味では障害者雇用というのは大きく進んでいくのではないかと思 っています。  地域的に見ると、東京や名古屋が若干異常な状況にあるのだろうと思っています。ほ かの県では新規求人、新規求職を見ると圧倒的に新規求職のほうが多い。そういう状況 の中で求人を出していただければ、かなり求職者をご紹介できるということがマクロ的 にも言える。東京や愛知については大企業の本社機能があるということで、求人が集中 するという問題がある。そういう意味では、新規求人においてはなかなかご期待にそえ ない面も ある点はあります。ただ、有効求人、有効求職で比較しますと、それでも圧倒的に有効 求職のほうが多い。  こういう中で、先ほど申しましたような知的の方、あるいは精神の方たちを雇ってい く。精神のほうはなかなかノウハウが確立しない面もありますけれども、知的障害者に は若い方がたくさんいらっしゃる。そういう形での障害者雇用を進めていただく。その 面で対応する余地というのは非常に大きいのではないか。  軽度の身体の方を求めるということ、それは企業の考え方としてあるのかもしれませ ん。しかし、現実に障害者雇用を進めていくという観点からすると、知的の方などにつ いても目を開いていただきたい。そういう部分について、私どもとしても周知啓発に努 めていきたいと考えていますし、そういう形での活動を通じて障害者雇用を進めていき たい。今回、ご議論いただいています制度改正が、そういった形で非常に役立つという ことであればありがたいと考えています。以上です。 ○今野会長  ほかにご意見、ご質問はありますか。 ○副島委員  中小企業における障害者雇用ですが、平成5年のころは非常に高かったのが下がって きたという経緯があります。制度関係を見てみると、障害者の義務教育制度が昭和54年 に始まっています。昭和54年に義務教育が始まって、障害者の方々の一般就労がどうい うように進んだかを見ると、結局作業所に行くということが主力になっていったのです。 作業所に行って、障害基礎年金と1万そこそこの給料をもらうことが通常のベースにな ってしまった。そこのところに1つ、企業の障害者雇用に対する姿勢、国も当然ながら 障害者雇用に対する取組がちょっと後退したのではないかと思います。  それまでは、養護学校関係の卒業生の障害者の雇用率というのは結構高いところにあ った。それがいま、20%を切るような形になってしまった。そのような状況の中で、結 局中小企業が雇用に向かって取り組んできたものが、本人たちが卒業後の安全策のため に作業所というところに走ってしまった。ここに大きく、雇用に対する姿勢が崩れたの ではないかと思います。  そういうところも含めて、それで良かったのかということでいま大きな反省点になっ ているわけです。一般就労のほうへ結びついていくという方々を結局、作業所へ送り出 してしまったという反省点も含めて、障害者雇用に対する意識付けがどんどん下がって いったのではないかと思います。  もう1つは、中小企業の中の仕事の創出の仕方についても、雇用創出という取組は我々 福祉施設の中で言えば、障害者に向いた仕事を切り出す努力というのは、一般企業の社 員が自分の企業の中を見たときに、障害者に向く仕事がここにあるという見方と、福祉 の作業所とか授産施設の職員が見る見方ではだいぶ違うのです。  何があるかというと、10年以上前に「職域開発事業」というのがありました。いまの ジョブコーチの前哨戦だと思います。そのとき、本当に地域の中で作業所の職員とか、 授産施設の職員が地域にいるわけですから、地域の方とも密接な関係があり、企業も密 接に回ることによって企業との、職員との関係ができましたね。それにより、結構、企 業へ向けての仕事の場を開発することができたのです。そのようなところから、いちば ん良い制度が残念ながらなくなってしまった傾向にあるのです。障害者雇用についての 前向きな取組が、そこでもまた後退してしまったという状況もあるのではないかと思い ます。  ジョブコーチの数をどんどん増やしていこうということはわかりますが、ジョブコー チは各地域にバラまいていないわけです。ところが、施設や作業所は地域にバラまいて いるわけです。そこのところの戦力というか、役割を何か残すべきではないかと思いま す。そういう制度がなくなって、ジョブコーチのほうに全部行ってしまうとか、就労・ 生活のほうへ全部切り替わってしまうことによって、こまめに能力を発揮していた地域 の役割を果す存在が薄くなって来たことも、障害者雇用の進展について少し後退したの ではないかと思います。  そういう面を考えたら見直し地点において、もう少し障害者雇用をより一歩先へ進む ために、ある程度は負担を覚悟してまででも、本当に皆さんが一致団結して役割を分担 する必要があると思います。そういうことも含めて、いまはこの制度については真剣に 考えていく時点ではないかと思います。この約30年間の流れというのは、障害者雇用に 対して後退するようなことが起こっているような状況を受けます。その点は皆さん方、 どういうようにお考えか是非聞きたいと思います。 ○新澤委員  そういうこともおありかと思います。前もお話したようにいわゆるバブルの時代、昭 和48年から54年の話をされましたが、狂乱物価以後、世の中、全国的に景気がいいとい うか、労務倒産ということが各地であったわけです。それほど、人手が足りなかった。 現状はいま大島委員がおっしゃったように、環境は非常に大変です。オイルの値上がり ももちろんそうですし、あらゆる角度で仕事がなかなか厳しい。その中で我々は、社会 的な使命で受け入れざるを得ないのではないかという結論を先ほど申したわけです。  本当にいまは使命感です。我々が組合に持っていって、これを話したら「何を言って いるんだ」と言われそうなのだけれども、やはりここに来てそのようなことを言える状 況ではない。あくまでも、その中で我々は使命感でやらざるを得ない。おっしゃること もわかりますが、昭和54年からおよそ30年間の中での経済の変化は大変な違いがあるの です。トヨタは2兆何千億の利益、そのうちの為替差益だけで4,000億の利益を出してい るわけですから。ご存じのとおり、アメリカ経済は大変な経済を持っているわけです。 最近の報道ですと、年間で大体70万ぐらいの移民、これは公式のものです。密入国も70 万ぐらいいるわけです。そのほか、国内での人口増があるわけです。今回のアメリカの クリスマスセールなどでも、ガソリン代が高いからといって、例のサブプライムローン で住宅購入者の支払いが非常に大変だ、消費が冷え込んでしまう。ところが、アメリカ では冷えないのです。買い物に行っての金額は確かに減ったけれども、いわゆるインタ ーネットによる通信販売がどんどん売れていると言うのです。  日本はどうかというと、いくらやっても物が売れない。大企業の輸出企業は大変です が、輸入物価は円安で高く付いてしまう。当然、輸入原材料は高い。そのような厳しい 経営の中で、中小企業者はみんなやっているわけです。お話は違うとは申しませんが、 中小企業の現状は大変である。日本では物が売れない、少子高齢化が進んでいる。人が 足りないといっても、ここへ来てまた求人倍率が減っているわけです。そういう中での 我々の使命感ということもご理解いただきたいと思います。 ○松井委員  中小企業の関係の皆様と議論するつもりではありません。ひたすらお願い的なことか もわかりません。中小企業の皆さんのみならず、障害者を雇用していただくということ については、やはり相当な迷い、心配、いろいろあるのだろう。それは当然思うわけで す。雇用をお願いするほうの障害者の側にも、先ほど求人を出しても応募がないという お話もありました。ただ、障害を持った人たちの中にも戸惑いもあるわけです。  そういった中にあって、納付金制度という後押しをいただきながら、ご縁があって中 小企業の皆さんにもいま以上に障害者の皆さんがお世話になった場合、障害の程度にも よるのかもわかりませんが、そのことによって一層経営が厳しくなる。全部がそうなる のではなくて、こつこつと、辛抱強く努力するという意味において、前も申し上げまし たが、むしろ貢献をさせていただける部分も結構あるのだろうと本当に思います。そう いう面で是非ご理解をいただいて、前向きにお願いしたい。くどいようですが、これは お願いにしておきたいと思います。 ○今野会長  先ほど、副島委員が言われた点で質問したいと思います。作業所や授産所みたいな所 が、いまの言葉で言うとジョブコーチ的な機能を持てるようにするといいなというご提 案だということですよね。 ○副島委員  以前はあったのです、「職域開発事業」というのがあったのです。それがジョブコー チのかわりに、地域の中でいくばくかの手当をもらいながら最長3カ月やる。結局日ご ろ温めている企業との関係が、そこで少し花開くような形の取組だったと思います。そ れが今のところはなくなってしまっているということです。 ○今野会長  いま、新しい提案みたいなものが副島委員からありましたが、何かありますか。 ○障害者雇用対策課長  ご指摘のありました地域職域開発事業はご承知のような形で廃止になって、ジョブコ ーチ制度に変わったということだろうと思います。その中で、ジョブコーチが職域開発 でかなり機能していますし、生活・就労支援センターのような機関もできてきている。 こういう中で、地域で障害者の雇用を支える機関をネットワーク化して、強化していく ことが重要だろうと思っています。  もう一方でジョブコーチについても、基本は障害者職業センターにジョブコーチがい ますけれども、福祉施設に配置されたジョブコーチ、あるいは企業で採用されたジョブ コーチがいらっしゃいます。まだ福祉施設、あるいは企業にジョブコーチが少ないです が、 こういったものの数を増やしていく。研修自体はかなりの規模でやっていますので、研 修を受けた方は数年のうちに全体で4,000〜5,000人に到達するのではないか。そういう 方がまさにジョブコーチとして仕事をするかどうかというのはありますが、就労支援の1 つのノウハウを持った方という形で企業、あるいは福祉施設において活動するというこ とは極めて重要な役割ではないかと考えています。  こういうものをどういう形で活用していくのか。ご指摘もありましたが少し考えてい く必要があるのかなと思っています。いずれにしても、ジョブコーチ的な機能が単に職 業センターにいるだけではなくて、地域にいるということは非常に重要である。施設を 中心とした形でのジョブコーチを1つ考えていく、それをどう位置づけていくのかも少 し検討していきたいと考えます。 ○鈴木委員  いまのジョブコーチの部分ですが、特に視覚障害のICT等の利用に関して、就業セン ターなどにもいるのですが、企業などに入った場合、非常に専門的なシステムという部 分があるわけです。それらのところへ行って、実際に障害のある人たちが働いていると ころのシステムをどうしたらうまく出来るか、これは結構専門的な知識が必要な部分が ある。先ほどの知的障害の皆さんの部分とはまた違った意味で、視覚障害の就労の支援 という形のジョブコーチというのは、ICT関連のシステムに詳しい人が職場に一緒に来て くれて、どうやったらうまく仕事ができていくか、機械がうまく操作できるかという部 分も含めてのコーチングが必要なのではないか。  そのために専門性の高い、いわゆるただパソコンが教えられるとか、ソフトができる というレベルではなくて、企業に入っているシステムまで考えた上での支援が、どこま でできるかという人の養成が結構重要かと思います。そのために既にいろいろな所で、 例えばスクリーンリーダーのような音声ソフトを購入してくれてはいるのですが、そこ 止まりなのです。思うように使えないので、ソフトは買ったけれども、どうしたらうま く使えるのだろう。企業の中のイントラの部分をどうやったら読むのだろう、というこ とがまだ支援されていない。まさに、現場ではそこが読めればその仕事ができるのにと いうところも結構あります。そういった意味からすると、いまの知的障害の皆さんとは 違った意味で、専門性の高いジョブコーチを養成する必要があるのかなと思っています。 ○今野会長  いまのお話、私もそのとおりだと思います。ただ、片方ではICTがあるけれども機械 の工場がある。いろいろありますよね。ジョブコーチでベースを教育しても、そのあと に専門能力をくっ付けなければいけないということだから、なかなか大変だと思います。 ○鈴木委員  そこがクリアされないといけないと思います。 ○松井委員  いま、お話をいろいろ聞きながら、昔のことを思い出しました。私どもが学校を出て 社会に出るころ、各都道府県というか、私どもの県にはあったし、中部のいろいろな所 にはありました。私は岐阜県なのですが、身体障害者の更生指導所というのがありまし た。そこは機能回復訓練を施すとともに、職業訓練も併せてやっていて、しかもそこは 機能回復訓練を施すとともに、職業訓練も併せてやっていて、しかもいままで家の中で 甘え気味であったのを、社会に出すための訓練もしながら送り出してきた。私どもの岐 阜というのはアパレルの街なのですが、当時はその厚生指導所を卒業して、私もその中 の一人なのですけれども、毎年30人、あるいは40人という定員いっぱいに入って、その 人たちが縫製加工、特にミシン仕事を中心にした縫製加工の仕事に、ほとんどみんな就 職をしていました。  だからそういう面では、中小企業で働く人たちは非常に多かったわけですけれども、 いまはそういうのがまったくなくなってしまった。改めて当時は非常によかったなと、 いま思っているわけです。そういう面では国が後押しをして、国の責任で職業訓練をし っかりと施していただいて、そして中小企業であれ、大企業であれ、障害者の雇用を後 押ししてもらう、そういう機関がやはり是非もっともっと欲しい、必要だと思うので、 そのことは是非お願いをしておきたいと思います。 ○今野会長  いま鈴木委員からはジョブコーチの訓練、松井委員からは障害者のための職業訓練、 両方、職業訓練の話が出ましたけれど、何かございますか。 ○障害者雇用対策課長  最初のジョブコーチの訓練ですが、基本的にはまだ数が足りていないということで、 質よりも量という面もあるのだと思っております。ただ、量が行き着けば当然質の問題 が出てくる。  個々の企業の大規模なシステムを、個別に理解できるところまで、ジョブコーチが専 門性を高められるかという問題が一方であるとは思っておりますが、通常ベースのシス テムというものが、それぞれのいろいろな障害を持った方が、いかにどういう形で実際 に就労できるかということで、個別の専門性を高めていくということは必要だろうと思 っております。そういう意味で、量の確保と併せて、質についても検討していく必要が あるのかと思っております。  2点目は障害者の訓練という点にご指摘がございました。当時の厚生指導所が現在どう なっているかというのは承知していないのですが、現在、地域の職業センターが中心と なって、かなり職業のリハビリテーションをやっている部分がある。生活面も含めた形 での指導もやっている。また、最近では就業・生活支援センターという形で、地域に数 が増えてきている。こういうところが、まさに適材適所という形での、就職に向けた支 援をしている機関として、私どもとしては考えています。  また、あとは障害者自立支援法の関係の、就労移行支援の機関というものがある。そ ういったものの、それぞれの機能を組み合わせて、それぞれの障害者の方が使い安い、 あるいは自立しやすい、就職しやすい機関というものを、どういう形で障害者の方に活 用していただけるかということで、機関としてはおそらく従前よりも充実してきている。 ただ、それが上手くマッチングできているかどうかということもあるのだろうと思いま す。そういう意味でチーム支援でありますとか、いろいろな形でそれぞれの機関が連携 をしながら、この障害者の方にはこういう支援をするのが適当だということで、かえっ てわかりにくくなっている面がありますので、いろいろな機関の中で、どういう形での リハビリテーションの仕組みというものを活用するかという辺り、ここが上手く流れる ような形にしていく必要がある。その上で実際に委託訓練でありますとか、障害者の訓 練施設等々ございます。また、実際に就労しての職場実習みたいな制度もございます。 様々な訓練機関、機会というものを通じた形での、障害者のスキルアップというものを 図っていく必要があると考えています。 ○鈴木委員  すみません、先ほどの続きになってしまうのですけれど、私もある市役所にいたわけ ですが、システムの非常にいいソフトを買ってもらったのですが、それがいわゆる市役 所の中のパソコン専門の部署が来ても、これはどうするのかわからないということが結 構ある。かといって、売ってくれた企業なりに質問などをするのですが、ずっと話し中 だったりして、結局いいものがあるのだけれども、使い切れなくて、そのシステムに上 手くマッチングしないという、自分自身がそういう経験をしてきたものですから、その 必要があるというのが1つと。  あと、いろいろな職員研修とかということの中で、例えば○○のソフトの研修をしま すよと言って、自分はそれができるから行きたいと希望しても、今度は企業側の講師が 「いや、音声のはちょっとわからないので、今回はやめてください」ということが何度 もありまして、そしたら仕事ができないよねという話になってしまうわけです。まだ他 にやることがいっぱいあったので頑張れたのですが、それで仕事をしている人は、そん なことを言われてしまうと、「じゃあ、僕はやる仕事がないじゃないの」ということで、 やはり引いていってしまうのではないかと。だから職場定着を進めるためには、そうい った社会的な部分での、そういうのも必要になるのかと思います。 ○今野会長  ありがとうございます。何かコンサルタントみたいな人が必要なのですね。 ○鈴木委員  そうですね。 ○今野会長  他にございませんか。いつも時間オーバーが多かったので、なければ終えてしまおう と思うのですが、一応スケジュールとしては今日ご意見をいただいておいて、それでも う一度、今日の案を書き直してもらいたいと思っているので。 ○鈴木委員  よろしいですか。終わられてしまうと意見を言えなくなってしまうので。 ○今野会長  どうぞ。 ○鈴木委員  福祉、教育等のネットワークの部分です。医療関係のソーシャルワーカーもそうです が、視覚障害の方たちの場合は、特に医師といいましょうか。お医者さんが「あんたは もう見えないから仕事は駄目だよね」なんて言われてしまうと、本人にやる気があって も殺がれてしまう部分。逆に本人はもう駄目だと思っても、大丈夫だよ、やればできる よというようなケースもあるので、やはり医者だとか医療機関の方々の、連携というか、 就労に対する意識というのも高めていただけるといいかなと。  したがって、医療から福祉へということと、医療から就労へということと、福祉から 就労へという、いくつかの道筋があると思うのですが、いまはどちらかというと福祉か ら就労への道、教育から就労への道というのは結構太いものがあるのですけれども、医 療機関から就労へ行くという道筋が比較的少ないかなということもあって、医療から職 業センターなり何なりの機関を経て行けばいいのでしょうが、その辺の所の繋がりを上 手くすると、もっと職場復帰なり就労に行けるのではないかという気がするので、そこ の部分の充実を図る必要があるかと思います。 ○今野会長  そのとおりと思ってお聞きしたのですが、何かありますか。 ○障害者雇用対策課長  5頁の所で、そういうご趣旨を踏まえる形で、3の(1)「地域の就労支援ネットワーク の構築」の所ですが、「障害者のライフステージやニーズに応じて、長期的な支援を総 合的に行うために、雇用、福祉、教育、医療等の各分野の関係機関が連携及び役割分担 しながら、地域ごとに就労支援のネットワークを構築することが適当である」という形 で、途中で「等」という形で括っていたのですが、ここに医療と明確に記載をした形に させていただいております。  この趣旨はおっしゃったような形で、障害者の方、視覚障害者の方もそうですし、精 神障害者の方もそうだろうと思いますが、やはり医療機関との密接な連携がなければ、 最終的な就労という形にはならないだろうということで、例えば視覚障害者の関係であ れば、ご案内のとおり先般タートルの会でまとめていただいたチェックリストというも のを、眼科医のほうにお配りして、就労の可能性について、医者が目を向けていただく きっかけとしていただいているということがあります。  タートルの会のチェックリストは非常に素晴らしいものだと思っておりまして、私ど もでも積極的に活用していきたいと考えていますが、そういう意味も含めて、連携すべ き機関の中に、これまでどうしても先ほど申しました「等」の中に括ってしまいがちで はあるのですけれども、医療機関という形で明確にしたということです。  また、8頁目になりますが、精神障害者等に対する雇用支援という所で、中途障害者に ついての記載をさせていただいております。アイウエのエの所ですが、書きぶりとして は、「視覚障害者等の中途障害者については、就労支援機関等との連携に加え、必要に 応じ、医療関係者等との連携も図りながら、継続雇用支援を行うことが適当である」と いう形で、ここの記載は中途障害者の方についての記載でありますけれども、視覚障害 者等の方ということを明記した上で、医療関係者等との連携という形の書きぶりもさせ ていただいておるということで、鈴木委員がおっしゃったご指摘に沿うものだろうと思 っています。 ○今野会長  いまおっしゃられた5頁目の大きな3の(1)「地域の就労支援のネットワークの構築」 の所で説明をしていただいたのですが、たぶんこれは、鈴木委員の意図はこういうこと だろうと、私は解釈しているのですが、1行目の福祉、教育から雇用へと書いてあるので、 そこで何と書けばいいのかと思いますが、治療を受けて、ここで教育、福祉、医療から 雇用への移行と言うと、そぐわないですか。たぶん、そういうことも意図されているの ではないかと思います。ですから、そこはまた考えていただいてと私は勝手に解釈しま したけれど。 ○鈴木委員  そうです。 ○今野会長  いいですか。 ○鈴木委員  はい。 ○障害者雇用対策課長  書きぶりは少し検討させていただきまして、案を修正したいと思います。 ○今野会長  他にございますか。 ○輪島委員  何点か要望を申し上げておきたいと思います。まず短時間ですが、2頁目の下の所、最 終的に分母に入れるということになるわけですが、3頁目の2段落目、「また」という所 ですけれども、「各企業の円滑な準備・取組を促すため、一定の準備期間を設けること」 と書いていただいているわけですが、準備期間を置くという意味合いと、なるべく早め に分子に入れることによって、企業の準備が整うと思いますので、施行を周知等々で猶 予するというよりは、分子に早めに入れて、雇用の促進をする、企業のインセンティブ を増やすということのほうが、重要なのではないかと思っています。  それから5頁目ですが、(2)の「チーム支援」で、アの所のいちばん最後、「コーデ ィネート力を高める」ということですが、審議会で一度発言をさせていただきましたけ れども、コーディネート力を高めるのは、やはりハローワークで障害者の就労支援をし たいという担当者がいれば、できるだけ2年に一度の人事異動ではなくて、なるべく長 くその地域にいることによって、コーディネート力が高まるのだと思いますので、あま りお金がいらない話ですから、全体ではなくて、希望する人に対して、そういうことも 考えられるという仕組みを検討する必要があるのではないかと思っています。  それから6頁目の(3)、いわゆるジョブコーチ等々の人材育成ですが、人材育成をす ることによって、結果として処遇が伴ってこないと、いい人材がそれで力を発揮するこ とができないということもありますので、その点も含めて、報告書の中身ということで はありませんが、そういうことも重要ではないかと思っています。  それから7頁目の(2)、助成金の見直しですが、これは雇用保険に基づく助成金につ いても、最近PDCAサイクルということで、適宜見直しをするという手法を入れているの で、納付金制度に基づく助成金についても、同じようなチェックがかかる仕組みという ことも、検討する必要があるのではないかと思います。  それから8頁目(5)のア、精神障害者の件ですが、「このため」ということで「環境 が早急に整うよう」と書いてありますが、企業全体としては、やはり鬱、気分障害とい いますか、そういう所の雇用管理の仕方ということに、非常に難しさを感じるという点 がありますので、その点も含めて、予算措置なのかどうかよくわかりませんけれども、 検討していただいて、そういうノウハウをご提供いただくということが肝要ではないか と思っているところです。以上です。 ○今野会長  1点目だけ内容がよくわからなかったのですが、要するに最初は分子に置いておくとい うことですね。短時間を分母には入れないで。 ○輪島委員  入れないというよりは、2頁目のいちばん下の「このため」という所で、「短時間労働 については、障害者のニーズを踏まえ」、「雇用している障害者数に短時間労働の障害 者を加えることが適当である」ということの意味は、いわゆる法定雇用率の中の分母に 短時間労働を入れるということを意味するわけですが、3頁目に行くと、その所でまた書 きですけれども、「雇用義務の対象にするに当たっては」ということは、分母に入れる という意味合いですから、分母に入れるには、「短時間労働が多い企業への影響を考慮 しながら、各企業の円滑な準備・取組を促すため、一定の準備期間を設ける」と書いて ありますが、一定の準備期間というのは分子に入れるということのほうが、意味合いと しては準備・取組を促すということになるのではないかと思いますので、その点では分 子に入れることを、分母に入れる施行の前に、同時ではなくてやったほうが、効果が上 がるのではないかという意味です。 ○今野会長  いま5点ほど出ましたので、ちょっと確認したいのは、この文章に関わる点というの は。 ○輪島委員  特にないです。 ○今野会長  ないですね。だから、ご意見としてお聞きしておけばいいということになりますね。 ○輪島委員  はい、要望として申し上げておきます。 ○今野会長  ありがとうございます。それでは、どうぞ。 ○豊島委員  輪島委員のお話に関連するのですが、「様々な課題に対応した障害者雇用施策の充実 強化を図ることが必要である」ということを受けて、今回の議論がされているのですけ れども、やはりいまの行財政改革ということで、政府の機能をどんどん絞り込んでいく ような動きが、かなり強まっていると思うのです。予算の話もありましたが、やはり必 要な所にはきちんと充填していくという関係で言えば、こういう施策を実施する機関、 あるいはそういう人材の育成、あるいは先ほど輪島委員が言われた手当を含めて、実施 する体制そのものが後退していくようなことがあっては、絵に描いた餅に終わるという 感じがします。財政面でも、しっかり補強していくことを私の要望として、お願いして おきたいと思います。 ○今野会長  しっかりやれということです。 ○菊池委員  要望です。私は手前味噌になるかもしれませんが、医療職に位置づけられている作業 療法士なのですが、いま作業療法士はどんな問題を抱えているかといいますと、例えば 最近は脳血管疾患の片麻痺の方でも、30代、40代、若年層の方が非常に増えているので す。そういう方たちで問題なのは、要するに高次脳機能障害が残るということで、ただ、 それについては、治療というのはある程度で限界があって、あとは生活の中で、半年、 数年の中で、やはり確実に回復はしていくのです。でも、そういう方たちが退院してど うするかというと、すぐに復職はとても無理ですし、そうなるとやはり就業・生活支援 センターとか、何らかの中間の所で一定期間過ごして、そしてそこから仕事にというこ とになると思うのですけれども、そうなると就業・生活支援センターなどの数を増やす こともそうなのですが、そこの職員の方たちに、やはり専門性のある職員を雇用してい ただくと、例えば作業療法士などは医療と雇用、あるいは福祉の中からと雇用と、両方 の橋渡しの役割をもともと担っている職種ですので、是非そういった専門職の人材配置 ということも考えていただきたいと思います。  それから、もう1つ。精神障害についても、いま作業療法士は約4万人おりますが、 その中の役3割が精神障害領域で働いています。その精神障害領域の中でも、さらに半 数がデイケアという所で働いておりますから、デイケアの中に若年で支援さえあれば仕 事に就ける方が、かなり相当数の割合でいらっしゃるのです。ですから、そういう方に ついてもデイケアとハローワークとの連携とか、なおかつハローワークで働いている作 業療法士とハローワークの連携とか、そういうことをより図っていくことで、相当数の 方たちが仕事の場に参画、参入できると思うので、どうぞその辺の専門職の配置という こともよろしくお願いしたいと思います。 ○高橋委員  要望になると思うのですが、全体的なところで障害者権利条約の批准に向けた国内法 の整備ということでは、子供の権利条約に関してもそうですけれど、どこまで進んでい るのかといった、進捗状況の点検とか、見直しとか、そういう軌道修正も含めてやって いかなくてはいけないと思うのですが、そういうものを計画的にやっていくことを、文 言として盛り込んだほうがいいと思います。また、一定期間とか、あるいは比較的規模 の大きい中小企業とか、非常に漠としたものがありますので、やはりその部分について も、、一定期間で見直しをきちんとやっていくとか、進捗状況を点検していくというと ころは、責任を持ってやらなくてはいけないので、盛り込んでいただけたらと思います。 ○今野会長  では、いまの点は検討しておいてください。それで検討した結果を、また次回でも見 てください。それでは長谷川委員、どうぞ。 ○長谷川委員  この審議会の中で、ジョブコーチなどの雇用が安定していないため、雇用が継続され ていないということを言われて、そのときに私は処遇の話をしたと思うのですが、やは りジョブコーチなどの人材の確保というのは、雇用が安定することと、それなりの処遇 が図られないと、継続しないのだと思います。だから、それを踏まえて、書き方を少し 工夫してほしいと思います。  障害者就業・生活支援センターの委託費についても、やはり200万円ではなくて、な るべく400万円台の収入にすることによって、専門性だとか人材が確保できるのではな いかと、いうことがわかるように書いていただきたいと思います。 ○今野会長  先ほど輪島委員も同趣旨のことをおっしゃられていましたね。いろいろおっしゃられ た中の1項は、そういうことでしたよね。 ○輪島委員  はい。 ○今野会長  他にございますか。 ○岩村委員  若干のコメント的なことですが、1点は先ほど冒頭の所で若干議論をしていらっしゃい ました4頁の雇用納付金制度、中小企業への段階的な適用拡大というお話です。確かに 中小企業が非常に苦しいということもわかりますが、他方で社会的な責任ということで もって受け入れることもお考えであると、強い言葉もいただきました。その際、これは 私自身の理解なのですが、今回の意見書案の書き方というのは、いちばんはっきり出て いるのは5頁ですが、5頁の3のすぐ上の段落の所で、つまりここで納付金の問題だけを 取り上げているということではなく、中小企業に対する支援策、あるいは事業協同組合 を活用するというようなことと組み合わせて、納付金制度というものの適用拡大をしま すということにできていると、私は理解をしています。  ですので、先ほど中小企業の実情ということで、例えば地域によっても障害者がいな いであるとか、そういういろいろな問題があるということをおっしゃっていたわけです が、それに対してもきちんと対応しましょうという、そういうこととの組み合わせで、 今回、段階的な適用拡大ということを意図していると、私は理解をしたので、ご検討い ただくに当たっては、是非その辺も踏まえてお考えいただければと思います。  それからもう1点は、これはいま長谷川委員、それから先ほど輪島委員もご指摘にな ったところですが、やはり人材というのが非常に重要だろうと。特に地域のネットワー クを作るというのが、この間、私も分科会に参加させていただいて、いろいろ勉強させ ていただいて、地域のネットワークが重要だということが段々わかってきました。その 中で、やはり障害者職業センターというのが1つ核になるだろうと。そうしますとハロ ーワークの、そこで働く中心になる方の役割というのが、やはり非常に重要なので、特 にその人たちの処遇、中でもキャリアパスですね。こういう地域障害者センターで働く ハローワークの人が、そこで難しい仕事をした後、どのように処遇されていくのか。特 にキャリアとして、どのようにその後歩んでいくのかというのが、非常に重要だと思い ますので、是非そこは厚労省サイドのほうで、今後ご検討いただきたいと思います。あ とは先ほどもご指摘がありましたけれど、人事異動でせっかく築いたネットワークが崩 れてしまうというのでは、あまり有効ではないので、作り上げたネットワークをどうや って維持していくかということについても、特段のご配慮を厚労省サイドでお願いした いと思います。以上です。 ○今野会長  ありがとうございました。他にご意見はございますか。よろしいですか。  それでは、いろいろご意見をいただきましたので、本日の議論を踏まえて意見書案の 修正をしていただくということにしたいと思います。次回の分科会で再度提示をしてい ただいて、最終的な意見の取りまとめをしたいと思うので、よろしくお願いします。  次回の分科会ですが、12月12日の1時半から、ここの5階の共用第7会議室で行う予定 です。  最後に議事録の署名ですが、今日は労働者代表は高橋委員、使用者代表は大島委員、 障害者代表は鈴木委員に、それぞれお願いします。  それでは、今日は終わりにしたいと思います。ありがとうございました。 <照会先>    厚生労働省 職業安定局 障害者雇用対策課 調整係     〒100-8916 東京都千代田区霞が関1−2−2      TEL 03(5253)1111 (内線 5783)      FAX 03(3502)5394