07/11/28 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会平成19年11月28日議事録 ○薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会 添加物部会 議事次第   【日時】 平成19年11月28日(水) 13:57〜16:10   【場所】 三田共用会議所 大会議室   【出席委員】(五十音順)      石田委員、北田委員、佐藤委員、棚元委員、長尾委員、      堀江委員、米谷委員、吉池委員   【事務局】國枝基準審査課長、光岡補佐、磯崎補佐、小山田専門官 ○磯崎補佐 それでは、定刻より若干早目ですが、先生方皆様おそろいになりましたので「薬事・ 食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会」を開催させていただきたいと思います。 本日は、御多忙のところ御参集いただき誠にありがとうございます。 本日は、井出委員、井部委員、山内委員、山川委員、山添委員より欠席との御連絡を事前に受け ております。 現在、添加物部会の委員13名中8名の先生方に御出席いただいておりますので、本日の部会が 成立いたしますことを御報告申し上げます。 それでは、座長を長尾部会長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 ○長尾部会長 それでは、配布資料の確認を事務局よりお願いいたします。 ○磯崎補佐 本日、先生方のお手元に置かせていただきました資料は、議事次第、委員名簿、資料 一覧を一まとめにしましたもの、座席表の1枚紙がございます。 そのほか、議題の資料といたしまして、右肩に資料1−1と記載した冊子でございますが、資料 1−1が薬事・食品衛生審議会への諮問書になります。資料1−2が、同じ冊子の3ページ目から でございますが、添加物部会の報告書(案)になります。資料1−3が、同じ冊子の53ページか らでございますが、食品安全委員会の食品健康影響評価に関する審議結果(案)でございます。 また、当日配布の資料といたしまして、右肩に参考資料1と記載した冊子がございますが、参考 資料1が「漂白デンプンの取り扱いについて」。同じ冊子の2ページでございますが、参考資料2 が「加工デンプンの表示について」でございます。 最後に、報告事項の資料といたしまして、横長の表になっているものでございますけれども「食 品安全委員会への意見聴取及び食品健康影響評価の結果について」。いつもお配りしている資料の 最新版を準備させていただいております。 本日お手元にお配りしております資料は以上でございますが、もし不足等ございましたらお申し 出いただければと思います。 皆様、おそろいでしょうか。では、よろしければ審議に入りたいと思います。 ○長尾部会長 それでは、議題としまして、加工デンプンの新規指定の可否について審議を行いた いと思います。事務局より資料について説明をお願いします。 ○磯崎補佐 まず、背景について御説明いたします。加工デンプンにつきましては、平成14年7 月に食品衛生分科会で了承されました、国際的に安全性が確認され、かつ欧米で汎用されている添 加物の1つとして挙げられている品目です。これにつきましては、食品安全委員会へ平成16年11 月26日に食品健康影響評価の依頼を行いました。食品安全委員会におきましては、平成17年3月 23日〜平成19年9月28日までの間に計4回にわたり添加物専門調査会で審議が行われ、その審 議を踏まえた評価書(案)が今回とりまとめられたところでございます。 では、部会報告書(案)に従いまして御説明いたします。資料1−2、冊子の3ページ目からに なります。 加工デンプンに関しましては、合計11品目ございまして、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、 アセチル化リン酸架橋デンプン、アセチル化酸化デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウ ム、酢酸デンプン、酸化デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架 橋デンプン、リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプン、リン酸化デンプン、リン酸架橋デンプン になります。 4ページの中ほどから、個々の物質に関しまして、製法、分子式、性質を示しております。なお、 こちらの性質は、デンプンと比較した場合の付加的性質を示したものとなっております。こちらに ついては、説明を省略させていただきたいと思います。 6ページの中ほどに「3.用途」とございまして、本品目は糊料、乳化剤、増粘安定剤等に用い られます。 「4.概要及び諸外国での使用状況」でございますが、まず1点目として「(1)加工デンプン の指定の経緯」でございます。 加工デンプンは、一般にデンプン本来の物理的性状を改善するために、物理的、酵素的または化 学的に処理を行ったものを称したもので、乳化剤や増粘安定剤、製品の製造用剤として広く使用さ れているところでございます。 日本も含め、各国の取り扱い状況をまとめた資料を参考資料として、同じ冊子の50ページにま とめてございますので、そちらを基に説明させていただきます。 加工デンプンに相当するものとしては、今回指定を予定しております化学的処理による加工デン プン11品目、既に添加物として我が国において指定されておりますデンプングリコール酸ナトリ ウム、デンプンリン酸エステルナトリウムがございます。そのほかにも物理的処理による加工デン プンといたしまして、下に掲げております4品目、酵素的処理による加工デンプンとしまして、酵 素処理デンプンといった品目がございます。 各国における取り扱い状況でございますが、物理的処理による加工デンプンと、酵素的処理によ る加工デンプンは、欧州と日本で食品の扱いでこれまで流通しているところでございます。一方で、 米国における取り扱いは添加物となっております。 化学的処理による加工デンプンの取り扱いでございますが、これに関しましては、米国、欧州と も添加物として扱われておりますが、日本におきましては下にあります指定済みの2品目を除いて、 現在のところ食品という扱いで流通しているところでございます。こちらにつきまして、欧米で添 加物として扱われているということを踏まえまして、それらとの整合性ということで、日本におき ましても、これら11品目について添加物の指定を行うということで今回御審議いただくものです。 では、資料は7ページに戻っていただきたいと思います。 「(3)諸外国での使用状況」でございますが、米国では、ヒトが摂取する食品への直接添加が 認められる食品添加物として指定されておりまして、使用制限は特段設けられておりません。 EUでも、11種類の加工デンプンの使用を認めているところでございますが、乳幼児を対象とす る食品に関しまして、その下に2点掲げておりますような使用基準を設定した上で、使用を認めて いるところでございます。1点目としては、Infant Formulae for infant及びFollow-on Formulae for infantに対しては加工デンプンを使用してはならないとされております。次にWeaning Food for Infant and young childrenに関しましては、ヒドロキシプロピルデンプンとヒドロキシプロピ ル化リン酸架橋デンプンの2品目については、使用が認められておらず、これらを除く9品目の加 工デンプンにつきまして、5%を上限として使用できるという制限が設けられているところでござ います。 JECFAでは、11品目の各物質につきまして、ADIを特定しないという評価がなされており ます。 「5.食品添加物としての有効性」でございますが、そもそもデンプンがどのような性質を持っ て使われているかという点を冒頭に簡単にまとめております。 デンプンは、増粘性の付与ですとか、乳化安定化ということを期待して、食品に使用されており ますが、未加工のデンプンは原料や製造法の違いなどにより、構造や物性が一様ではないというこ とで、下の方に掲げておりますような欠点がございます。 1点目として、冷水、温水に溶解性がなく、水を加えただけでは増粘効果が得られないというこ と。2点目として、未加工のデンプンは加熱処理で物性というものが変化しますので、デンプンを 加えた食品の物性、例えば粘性といったものが安定しないということ。3点目として、未加工のデ ンプンを加えた食品、特に冷蔵、冷凍食品では、老化による組織や粘度の変化、離水といったもの が起きやすいという性質がございます。そのほかに高温・加圧、酸、機械的せん断力などによって、 デンプン分子が低分子に切断され、粘度低下等の組織、物性の変化が起きやすいといった性状を持 っております。 加工デンプンはこのような欠点を補うとともに、さまざまな機能性を増強・付与して、食品の調 理・加工性を改善する点で有用性があるとされております。 それらに関する説明、例示、実験が行われた結果を8ページの下から10ページにかけて記載し てございます。 まず「(1)保存時の老化抑制」につきましては、未加工のデンプンを含む食品は、保存に伴い 老化による質感、粘度の低下、離水等が起き、品質の劣化や冷凍変性が起きるということがござい ますが、エステル基やエーテル基といった官能基を導入することによって、このような変化を抑え ることができるという性質を持っております。図は、リン酸デンプンで、結合リン含量の違いによ る分離した水分量を示した結果でございます。 9ページの「(2)機能性の増強・付与」では、例示といたしまして、架橋度の異なるリン酸架 橋デンプンにつきまして、加熱してその後冷却するという操作を行った場合の粘度の変化について 示してございます。リン酸で架橋したデンプンを用いることにより、対象と比較してデンプン粒の 膨化、糊化が抑えられ、温度変化の過程においても安定な粘度が確保されるという結果になってお ります。このような機能性を増強した加工デンプンを食品に添加して用いることによりまして、麺 類におけるゆで時間の短縮ですとか、畜肉食品製造時のドリップの防止などに役立ちます。 (3)は実際の食品への使用試験の結果を示したものでございます。無処理のコーンスターチと 濃度の異なるオルトリン酸で処理したコーンスターチを試験溶液でありますクランベリー果汁、水 にそれぞれ懸濁させ加熱攪拌し、一旦濃度を87.8度まで上げて10分間そのままで静置し、ショ糖 を加えて溶かし、その後に15.6度の水浴に漬けて攪拌をせずに5時間静置し、性状や透明性を観 察しました。その結果、リン酸の置換度が高いほど、老化しにくく、透明性に優れているという結 果が得られております。 10ページをご覧下さい。こちらはアセチル化アジピン酸架橋デンプンの凍結―解凍安定性につい て調べたものでございます。無水アジピン酸と無水酢酸でそれぞれ処理したワキシーコーンスター チを試料とし、先ほどの試験と同様にクランベリー果汁、水に溶かして、更にそれにショ糖も加え、 その後に冷凍、解凍を数回繰り返したときの外観と食感が調べられております。その結果、アセチ ル基が多いほど透明性に優れ、食感の改良や老化の遅れが見られたという結果が得られております。 6.からが、食品安全委員会における本品目の評価結果の(案)でございますが、11ページの冒 頭をご覧ください。今回評価の対象となった11種類の加工デンプンが添加物として適切に使用さ れる場合、安全性に懸念がないと考えられ、一日摂取許容量を特定する必要はないと評価されてお ります。ただし、リスク管理機関は今後、乳幼児向け食品における加工デンプンの使用についてモ ニタリングを実施することを検討すべきであるということ。また、プロピレンオキシドが残留する 可能性のある加工デンプンについては、技術的に可能なレベルでプロピレンオキシドの低減化を図 るよう留意すべきであるとの評価結果となっております。  評価の詳細につきましては、11ページの上段以降になっておりますが、この中でEUの方で一部 使用制限が設けられていることについても議論がなされております。 詳細の記述の3つ目のパラグラフでございますが、EUでは加工デンプンのうち9種類について は、乳幼児向けの食品に対して5%の使用制限を設けているところですが、その論拠は明確となっ ておらず、EUの規制の妥当性は判断できないとされております。したがいまして、次に掲げる理 由から、我が国においてはEUと同様の規制を設ける必要性は低いと考えられると評価されており ます。 また、その下の4つ目のパラグラフでございますが、EUでは、エーテル化剤としてプロピルレ ンオキシドを用いる2つの加工デンプンについては、プロピレンオキシド自体の安全性情報が不足 していることから、乳幼児向けの食品には用いるべきではないとされているところでございますが、 我が国における推定摂取量に基づく生涯リスクを導いたところ、一般に遺伝毒性発がん物質を無視 し得るレベルとされる100万分の1レベルを下回る結果になっていること。また、生体組織に吸収 されたプロピレンオキシドは、代謝、解毒されるとされており、そのリスクは極めて低いと考えら れたと評価されております。 12ページの「7.摂取量の推計」をご覧ください。こちらも食品安全委員会の評価結果(案)に おける記述でございますが、我が国では、加工デンプンは約15トンが食品に使用されていると推 計されております。また、国民健康・栄養調査の報告による各食品の各年齢段階における摂取量デ ータに、関連事業者より提供されました加工デンプンの各食品への添加率をかけ合わせることによ る、一人当たりの1日の加工デンプンの摂取量が調べられておりまして、1〜3歳の乳幼児で4.9 〜6.31g/ヒト/日、4歳以上で8.19g/ヒト/日と推定されております。 そのほか、海外における状況でございますが、米国での加工デンプンの摂取量は3万8,300トン。 英国での化学的加工デンプン類の摂取量につきましては、1,509.3mg/ヒト/日とされているところで ございます。 「8.新規指定について」でございますが、こちらについては11品目あります加工デンプンに つきまして、添加物として指定することは差し支えない。ただし、成分規格を定めることは適当で あるとしております。 使用基準に関しましては、食品安全委員会による評価結果の(案)や、米国において一般食品全 般に特段の使用基準が設けられていないこと、EUにおいて離乳食等を除いた一般の食品に対して も特段の使用基準が設定されていないということも踏まえ、使用基準は設定しないこととすること が適当である。ただし、その添加は食品中で目的とすることを得る上で、必要とされる量を超えな いものとすることが前提であり、その旨を関係業界等に周知することとしております。 ただし、食品安全委員会の評価結果(案)では、EUにおける離乳食等に対する規制を考慮して、 ADIを特定する必要はないと評価しながらも、乳幼児向け食品における加工デンプンの使用につ いてモニタリングを実施することを検討すべきであるとされております。これを踏まえまして、食 品添加物と指定された後に、調製粉乳及び離乳食に対する加工デンプンの使用の実態を調査整理し た上で、改めて食品安全委員会に報告することが適当であるとさせていただいております。具体的 な内容につきましては、今後関係団体等ともよく相談の上、内容を検討していきたいと考えており ます。 13ページをご覧下さい。成分規格につきましては、同じ冊子の15ページ以降に11品目につい て設定してございます。 なお、食品安全委員会で一部御指摘のございました、ヒドロキシプロピルデンプンとヒドロキシ プロピル化リン酸架橋デンプンに残存するプロピレンオキシドについては、JECFA等において 規格は特段設定されていないということと、サンプルとして提出された検体からは、検出限界約 0.006μg/gで検出されなかったということで、成分規格として設定する必要はないとしております が、不純物として含有されることは好ましくないため、技術的に可能な範囲で低減化を図るよう関 係業界に周知することとしております。 (2)デンプンリン酸エステルナトリウムについてですが、もう既に添加物として指定されてい る品目でございますが、こちらにつきましては今回指定しますリン酸化デンプンと内容的に一部重 複するものと考えられるところでございます。一方で、この品目の平成10年、13年、17年の生産 量調査では、食品添加物としての使用実績はないとされているところでございます。このことを踏 まえまして、念のためこの品目について流通実態等を確認した上で、もし流通実態が改めてないと いうことが確認できました場合には、リン酸化デンプンの指定の際に、本品目の指定を削除するこ ととしたいと考えているところでございます。 次に規格でございますが、47ページに「加工デンプン11品目の規格設定の根拠」ということで まとめたものがございますので、そちらに沿って御説明させていただきたいと思います。 規格自体は、JECFAの規格、FCC、EUの規格を参考に設定してございます。加工デンプ ン11品目に共通する項目と個別品目ごとに検討を要するものと分けて記載しておりまして、まず は共通する項目についてでございますが、各品目の「定義」につきまして、FCCの方では製造方 法が決められておりますし、またJECFAでも製造する試薬に関して規定がなされていることか ら、これに準じ、製造方法に関する記載いたしました。 そのほか「確認試験」につきましては、JECFA、FCCに準じて、ヨウ素による呈色、フェ ーリング試液による反応を採用しております。「確認試験」のうち、JECFA等で設定され、本 規格では採用しなかった項目でございますが、検鏡につきましては、他の確認試験で十分に担保で きるものと考えられるため、今回設定しておりません。 「純度試験」でございますが、JECFA等の規格を参照の上、鉛、ヒ素、二酸化硫黄につきま して、規格を設定しております。「純度試験」のうちJECFA等で設定され、採用しなかった項 目でございますが、粗脂肪、pH、タンパク質につきましては、FCCで規格化されておりますが、 JECFAとEUでは設定されていないため、今回は採用しませんでした。水銀につきましては、 EUで規格化されておりますが、JECFAやFCCでは設定されていないため、採用いたしませ んでした。 「乾燥減量」につきましては、JECFAでは設定されていませんが、FCC、EUで、原料デ ンプンに応じた規格値が設定されております。しかしながら、原料デンプンに応じた規格値とする 必要性は低いと考えられるため、本規格では、FCC、EUで規定されているものの最も高い値を 採用しております。 次に、個別品目ごとに検討を要する項目でございますが、まず「確認試験」のアセチル基につき ましては、JECFAに準じ採用することといたしましたが、JECFA法が煩雑であるため、一 部試験方法を改良してございます。JECFA、FCCで設定され、本規格で採用しなかった「確 認試験」といたしましては、赤外吸収スペクトル、溶解性がございまして、赤外吸収スペクトルに 関しましては、加工デンプンの置換基の量が少ないこともあり、確認試験としての有用性が余りな いと判断されたことから採用いたしておりません。 そのほか「純度試験」に関してでございますが、リンに関しましては、原料デンプンに応じた規 格がJECFA、EUの方で設定されておりますが、原料デンプンに応じた規格値とする必要性は 低いと考えられるため、本規格では、JECFA、EUで規定されているものの最も高い値を採用して おります。残存オクテニルコハク酸につきましては、JECFA、EUでも設定されておりますた め、採用いたしました。ただし、JECFAの方法では、誘導体化がうまくいかない場合があり、 結果にばらつきが生じるため、誘導体化を行わず、そのままHPLCで分析することといたしてお ります。そして、サンプルの実測値から規格値を0.8%以下としております。 オクテニルコハク酸基につきましては、試験法を一部改良した上で設定しているところでござい ます。  今回お示しした規格案で若干修正を加えたい点がございますので、説明いたします。 15ページの「アセチル化アジピン酸架橋デンプン」をご覧ください。純度試験の「(1)アジピ ン酸基」でございますが、記載ぶりをよりわかりやすくするために、冒頭4行を若干修正させてい ただきたいと思っております。1行目〜2行目にかけまして「更に内標準溶液1mlを正確に加え る。」となっておりますがこれを「加え」と変更し、その後の「内標準溶液は」から3行目の「100ml とする。」というところを一旦削除いたしまして「内標準溶液1mlを正確に加え、よく振り混ぜて デンプンを分散させた後、水酸化ナトリウム溶液50mlを加え、5分間振とうする。」とし、その後 に、先ほど削除しました、「内標準溶液はグルタル酸0.10gを正確に量り、水を加えて溶かし、正 確に100mlとする。」に冒頭「ただし、」を追加して、この1文を後ろに移動する形に修正させてい ただきたいと思います。 20ページをご覧下さい。アセチル化酸化デンプンの純度試験「(2)カルボキシ基」についてで ございます。カルボキシ基に関する記述の上から8行目に「別に空試験を行う」という1文がござ いますが、この「空試験を行う。」の実際の試験内容が、その後の部分になりますので、若干紛ら わしいところもございますので、この「空試験を行う」という言葉を抜いて、「別に同量の試料を 量り、ビーカーに入れ」とつなげる形で修正したいと考えております。 部会報告書案の御説明は以上ですが、引き続き、加工デンプンに関する参考資料として、漂白デ ンプンの取り扱いと表示についての資料を準備させていただいておりますので、御説明させていた だきたいと思います。 まず、参考資料1「漂白デンプンの取り扱いについて」でございますが「1.酸化デンプンとの 区別」について考え方をまとめさせていただいております。酸化デンプンと漂白デンプンには、ど ちらも次亜塩素酸ナトリウムにより処理したものがございます。この場合の両者の違いは、酸化デ ンプンは、次亜塩素酸ナトリウムで処理することにより、カルボキシ基を導入してデンプンの性質 を変化させたもの、漂白デンプンは、デンプンに化学的な修飾を基本的に行うことはなく、他の色 素成分を酸化等することによって、デンプンの色調を調整したものということになってまいります。 この漂白デンプンにつきましては、このような製造を通常の食品の加工とみなされるという整理で、 今後も漂白デンプンについては、食品添加物としては取り扱わずに、食品としていきたいと思って おりますが、上記のような提案を踏まえて、両者の区別について考え方をそれ以下に整理しており ます。 JECFA等におきましては、漂白デンプンの規格として「カルボニル基 0.1%以下」という ことが設定されてございます。当初、食品安全委員会で評価依頼を行った際には、これら加工デン プンの区別を明確化するため、酸化デンブンのカルボキシ基の規格を0.1%〜1.1%と下限値を設け る形で規格の案を提出していたところでございます。しかしながら、その後いろいろ調べましたと ころ、酸化デンプンにおきましてカルボキシ基が0.1%以下の製品につきましても、デンプンの性 質自体が変化しているものというものがございまして、このようなものが欧米においても酸化デン プンとして取り扱われているところでございます。欧米においてはそのような下限値を設けること なく、1.1%以下という規格値になっております。このような点を踏まえますと、酸化デンプンと 漂白デンプンの違いを単にカルボキシ基のみで判断するのは好ましくないと思われますことから、 今回提示させていただきました成分規格案では、酸化デンプンのカルボキシ基の規格としまして、 0.1%の下限値を設けない形とさせていただきました。その中で、酸化デンプンと漂白デンプンを どう区別して考えていくかというところでございますが、JECFA等の規格に準じまして、少な くともこのカルボニル基、カルボキシ基が0.1%を超えているようなものに関しましては、単に漂 白だけではなく、デンプンの性質を変化させるほどの化学処理が行われていると判断し、漂白デン プンではなく酸化デンプンとして取り扱うという整理にさせていただきたいと思っております。こ のペーパーでお示ししましたような解釈につきましては、加工デンプンの指定時に通知の中で考え 方を示すことにさせていただきたいと思っております。 「2.漂白デンプンの処理剤について」でございますが、JECFA、FCCでは、漂白デンプ ンの処理剤といたしまして、我が国で添加物として指定されている次亜塩素酸ナトリウムや亜硫酸 塩類のほかにも、食品添加物として指定されていない過マンガン酸カリウムや過酢酸などが規格の 中には挙げられているところでございます。これにつきましては、そのような未指定の添加物を用 いて食品であるデンプンを処理するや指定添加物であっても定められた使用基準を超えて処理す ることは食品衛生法上、認められません。現行でもこのような考え方でございますが、今回、加工 デンプンの指定の際に、改めてここの点の考え方につきましても、通知の中で明確化することにし たいと考えております。 参考資料2「加工デンプンの表示について」でございますが、これまで、加工デンプンはすべて 食品として取り扱われてきておりますが、これを今回添加物として指定することになる関係から、 食品の表示方法も変わってくることになってまいりますので、その考え方について今回ご報告させ ていただきたく準備したものでございます。 加工デンプンの表示につきましては、現在、どのように記載されているかといいますと、これま では食品として扱われてきました関係から食品の原材料表示として、こちらに挙げているような内 容で現在表示されているところでございます。ただし、今後これらの加工デンプン11品目を添加 物と指定した場合には、食品としての原材料表示ではなく、添加物として物質名による表示が必要 となってまいります。 物質名につきましては、こちらに挙げています11品目に物質名を、原則としてこの名称をもっ て添加物の表示をすることとなりますが、これに関しまして、簡略名の使用等について認める方向 で検討したいと思っております。 3ページをご覧下さい。簡略名といたしまして、これまで食品として「加工でんぷん」等と表記 されてきたような経緯を踏まえまして、物質名に代わり「加工でん粉」「加工でんぷん」「加工デン プン」「加工澱粉」といった簡略名で表示することを可能としたいと考えております。例示は四角 の中に示してございますが、個別の物質名を書くことでも差し支えありませんし、加工デンプンと いう形で簡略名を使いたいということであれば、その表示も認めるということで考えております。 そのほか、簡略名の関連では、オクテニルコハク酸デンプンナトリウムにつきましては、これまで の表示でもやってきておりますが、ナトリウムの表示をNaと簡略表示することも可能としたいと 思っております。また、もう既に食品添加物と指定されておりますデンプングリコール酸ナトリウ ムにつきましても「加工デンプン」との簡略名を認める方向としたいと思っております。 加工デンプンの用途としましては、増粘剤、安定剤、ゲル化剤、糊料、乳化剤といったものが考 えられるところでございますが、その場合での記載方法が若干異なってまいります。増粘剤、安定 剤、ゲル化剤、糊料との用途で使用した場合は、用途名併記が必要になってまいりますので、その 場合は、こちらの四角の中に示しましたように、例えば増粘剤の場合は、増粘剤という記述の後に 括弧書きで個別の化合、物質名を記載することでも構いませんし、加工デンプンという簡略名を用 いて記載することでも構わないということにしたいと考えております。また、一括名として、乳化 剤の目的で使用した場合には、乳化剤という形での一括名表記も可能としたいと思っております。 例えば、乳化剤としてヒドロキシプロピルデンプンを用いた場合は、その物質名を書くことでも結 構ですし、乳化剤と書いても差し支えないとしたいと考えております。 今回、食品添加物との扱いとならない物理的、酵素的に処理したデンプンにつきましては、従来 どおり食品として扱われますので「加工」といった文字を付さない形の「でん粉」「でんぷん」「澱 粉」「デンプン」というような表示とすることとしたいと思っております。 4ページをご覧下さい。また今回、食品添加物として指定されるものと、従来どおり食品として 扱われるものとを同時に同じ食品に使用するというようなケースも考えられるところでございま すが、この場合におきましては、食品としての表示のデンプンというものと、添加物としての表示 の加工デンプンというものをどちらも記載することが必要となってまいります。例示を下にお示し してあるとおりで、食品としてのデンプンというものと、添加物としての酸化デンプン、もしくは 簡略名として加工デンプンという記載をしていただくことを考えております。 「3.その他」といたしまして、以前に添加物表示の全面的な見直しを行った際には、公布の日 から1年6か月後までは、なお従前の例によることができるということで対応しておりますので、 今回の表示の変更のための経過措置につきましても、以前の取り扱いの経過措置等を十分に参考と した上で、検討してまいりたいと考えております。 かなり長くなりましたが、資料の説明は以上でございます。 ○長尾部会長 どうもありがとうございました。それでは、加工デンプンについて御意見等お願い いたします。 どうぞ。 ○米谷委員 今回、指定の可否をして審議します加工デンプンの多くは、これまで食品として扱わ れてきたものだということで、国際汎用のシステムというか制度にのっとってしていこう。諸外国、 欧米の動きを見て指定していこうということだと思います。 今まで、食品として使われてきたものを食品添加物として指定することでお聞きしたいんです。 私も13年間食品添加物を担当してきまして、最後まで残った難問なんですが、日本において、食 品と食品添加物はどういうふうに分けておられるかという基本姿勢。それは私は最後までわからな かったので、もし何か国としてこういうふうに考えるんだという考え方がありましたら、一番最初 にちょっとお聞きしておきたいなと思いまして、質問させていただきました。 ○磯崎補佐 食品衛生法上、何が食品添加物に該当するかというところは、食品衛生法の定義の中 に記載されているところでございまして、食品の製造の過程において又は食品の加工・保存の目的 で使用する場合とされているところでございます。 その意味から照らして、この加工デンプンを考えました際には、それなりに増粘なり乳化という 加工の目的を持って使うというところがありますので、従来は諸般の経緯がありまして、食品とし て扱ってきたところではありますけれども、内容的には添加物の定義にも合致するところでありま すし、海外で添加物としても扱われているところでありますので、今回、より正しい方向へ持って いくということで、食品から添加物への位置づけの見直しということで対応させていただきたいと 思っているところでございます。 物理的処理によるデンプンについては、引き続き食品として残すところでございますが、これま でも調理、加工などの過程で通常起き得るような反応、焙焼テキストリンのように加熱ですとか、 酸、アルカリを例えば添加物として用いて食品を加工するというようなことはこれまでもあるよう なところでございます。デンプン自体を食品と考えて、それを処理する酸、アルカリ、漂白に用い る次亜塩素酸ナトリウムといったものにつきましては、そういった食品を加工する添加物として用 いるという形の整理で、これら物理的処理及び酵素的処理デンプンに関しましては引き続き、欧州 でも食品として扱われているというところもございますので、食品という整理にいたしたいと考え ております。 ○長尾部会長 いいですか。 ○米谷委員 ということは、本来的には食品添加物として指定すべきだったけれども、諸般の事情 があって指定できなかったので、この機をもって指定したいということだと思います。 最後におっしゃった物理的なもの等につきましては、これは一般飲食物添加物の方に入れて、添 加物としても使えるというような範疇ではお考えにはなれないんですか。 後の表示の方で、デンプンと加工デンプン両方書かないといけないということですけれども、加 工デンプンだけでというか、一般飲食物添加物の方にもし入るならば入れて、全部加工デンプンと しても表示できるのではないかとも思ったんです。 ○磯崎補佐 確かにそういう整理の仕方もあるところではありますが、デンプンというもともとの 食品であるものをそれぞれ添加物として指定したもので処理するということになりますので、処理 した後のものを食品として見るというよりは、食品であるデンプンを添加物である酸とかアルカリ とかというもので処理するという、通常の加工という整理で考えたいと思っているところでござい ます。 ○米谷委員 酸とかアルカリを入れて、加工というか加熱したりしますと、これは例えばカラメル なども天然添加物の範疇に入っていますね。ですから、そういうあれで、こういう物理的なものを という解釈で一般飲食物に入るのかなとも思ったんですが、今回は、それは指定の対象ではないの で、今後検討していただければとは思います。そういうふうな考え方もあるのではないかなと、一 因として思ったものです。 ○長尾部会長 よろしいでしょうか。この点に関してほかに御意見がある方はいらっしゃいますか。 では、全般にわたって御意見ありますでしょうか。 どうぞ。 ○吉池委員 乳幼児について、「5%」というのが少しわかりにくい話だったので補足をさせてい ただきます。 食品安全委員会でもいろいろ議論がありまして、最後のところは食品安全委員会での議論という よりは、むしろリスク管理側としてどう考えるかというところにもつながるので少し説明をさせて いただきます。評価書にも書いてありますように、EUでは5%の使用規制は設けているけれども、 その根拠は明確ではありません。 1つは、腎臓での変化ということであり、「5」という数字も余りはっきりしないわけですが、 そういう配慮がなされていることについて、日本では何も考えなくていいのかどうかということが 出されました。 そうしたときに、「5」ということも、分母を考えると3つ解釈ができます。1 つはある単独の食品中の濃度ということで、もう一つは1日の食品全体に対して、どのぐらい加工 デンプンがとられているかということですが、それらは水分をどうとらえるかで分母が変わってく るので、とらえにくい数字となります。 いろいろと検討する中で、それらの中間的な数値として、比較的数値がはっきり定義できる全炭 水化物を分母としたときに、加工デンプンがどのぐらいになるのかが示されました。それを指標と して見たときに、5%との関係がどうなのかを検討したわけでございます。 評価書の12ページでございます。まず分子のところで、1〜3歳の乳幼児で推定4.9〜6.3とい うことですが、これは仮に加工デンプンが使われ得る食品に通常使われる最大量を代入したときに、 どのぐらいになるかというシナリオでの推計値が、分母になっています。 残念ながら、ベビーフード等も含めて、1歳未満児の国レベルでのデータが利用可能ではないと いうことがありまして、1〜3歳からのデータになっています。 ここで炭水化物あるいは食品の摂取量というのが上に書いてありますが、一応、水分等も含む食 品の摂取量が1,273gであり、炭水化物が186.7gであるということで、両者比べると、小さい方 の炭水化物の摂取量分布も、5%にならないことから、懸念されていることはないだろうという間 接的な意味でのデータの解釈になりました。 「5」という根拠ははっきりしないのですが、何らかの配慮が必要だとしたときには、事後的な モニタリングしかないのではないかということで、特にゼロ歳児ベビーフード等における使用が、 EU等ではまだ基本的に自主規制によって使われていないという状況を考えて、事後的なモニタリ ングをリスク管理側に検討していただくという議論が食品安全委員会でありました。 以上です。 ○長尾部会長 ただいまの御説明で、何か関連した御質問はありますか。 それから、このプロピレンオキシドの含有に関して、注意が払われていて、これは現在は輸入の ものがほとんどで、そういったサンプルの中では、検出限界0.006μg/g以下であったということで、 日本では特に離乳食につきましても今、特に問題にしなくてもよろしいのではないかというとこと がファクターの1つに入っておるのではないかと思います。このことに関しまして、現在売られて いるものはこういうもので、それが維持されれば安全だと思うんですけれども、新しく生産すると ころが出てきて、劣悪なものを売り出すとかということは全然考えなくてよろしいんでしょうか。 ○磯崎補佐 確かに劣悪なものが販売されるということが今後出てこないという確証はないとこ ろでございますが、もうこのヒドロキシプロピルデンプン自体、長く世界でも使われておりまして、 今回入手できるサンプルを基に調べましたら、このような値になっておりまして、この値を基に食 品安全委員会の方で一般の遺伝毒性発がん物質と無視し得るレベルということで計算しましたと ころ、100万分の1を下回っているという結果と、実際JECFA等においても、この規格値自体 は設定されていないというところもありますので、勿論、食品安全委員会の方からも低減措置を図 られるべきというふうな評価もいただいておりますので、ここのところは関係業界に通知の中でも、 周知していきたいと考えているところでございます。 乳幼児向け食品への使用に関するところでの懸念がEUとの並びであるところかとは思います が、今、先生がおっしゃられたような点に関して、例えば業界自主規格での取組を行うなど、そう いった方策も取り入れることができる可能性もあるかと思いますので、その辺のところはまた関連 業界とも相談しつつ、一応通知ではさきほど申し上げたような形で周知をしたいと思っております。 それに更に業界自主でも対応できるものかどうか、ちょっとそこは相談してみたいとは思っており ます。 ○長尾部会長 ほかにはいかがでしょうか。 ○北田委員 純度試験のことなんですけれども、まず15ページの下から10行目、未加工ワキシー コーンスターチ。23ページの純度試験、中ほどに同じ植物を基源とする未加工デンプンという表記。 もう一箇所、34ページの上から5行目、未加工ワキシーコーンスターチ。 それぞれマトリックス の影響をなくすために標準に使われておると思うんですけれども、それぞれ違った3つ、違ったデ ンプンを使うという根拠を教えていただきたいと思います。 ○磯崎補佐 申し訳ございません。今その点について御説明できる用意はございませんので、もし よろしければ確認の上で、追って先生に御説明、御相談させていただくことでもよろしいでしょう か。 ○北田委員 はい。 そうしたらもう一点。34ページ、上から2行目ですけれども、プロピレンクロロヒドリンを25 μlをマイクロシリンジで量っておるんですけれども、この物質が揮発性であることと、マイクロ シリンジの重量に比較して、25μlがかなり小さいという数値で、定量誤差の方には余り影響はな いのかということをちょっとお聞きしたいんです。 ○長尾部会長 いかがでしょうか。佐藤委員、何か。 ○佐藤委員 この試験法はJECFAの試験をそのまま採用している試験法で、当部で、JECF Aの記載どおり分析を行いまして、特段問題がなかったということでそのまま記載しておりますが、 今後、標準液の調整法につきましては、部に持ち帰ってちょっともう一度再検討させていただきた いと思います。 ○長尾部会長 ほかにはいかがでしょう。 ○棚元委員 11種類の化学反応による化学修飾体の申請ということですが、添加物である以上、当 然これらは有効性がないといけないということです。一方規格を見ますと、すべての置換基がある パーセント以下という表現になっているんですけれども、この以下という下限の規定がない表現で いろんな有効性というものが担保できるのかというところに関しては、如何でしょうか。 国際整合の立場で規格を設定されたことは重々わかっているのですが、有効性のところをどう考 えるかということです。 関連してもう一点、上限はこれ以下としているのですが、その規格値以上というのは何らかの弊 害が起こるものなのかどうなのか。それはどういう意味でその数値が出てきたのかという点に関し まして、もしおわかりになりましたら。 ○磯崎補佐 済みません。上限がなぜ設定されているかというところはわかりません。下限値を設 けていないというところも先生がまさに今、御指摘いただいたように、国際整合という点から設け ていないところでございますけれども、実態といたしましては、実際に今流通している製品に関し ましては、目的とするような機能性を持たせるために、官能基の導入の少ないものから多いものま で幅広い製品があると聞いております。 例えば、架橋型のものでございますれば、グルコース残基の数千個に1個の程度のリン酸の架橋 でも効果があるといった報告も中にはございまして、今は日本の中においては、そういった幅広い 官能基を導入したものが流通しているところでございます。ただ一方で、国際的に下限値を設ける というような整理がなされていない中で、今、独自に下限値をもし設けるということになりますと、 流通が不可能となるようなものも若干出てくるところもございまして、そういった点で市場に混乱 を招くというところもあるかとは考えているところでございます。 確かに有効性の点から考えれば、下限値があってもしかりではないかという御議論はごもっとも なところかとは思いますが、国際整合ということと、実際そういう有効性がないものをもしつくっ たとした場合、それはもともとのデンプンとほとんど変わらないものになりますので、自然にそう いった効果のないものは、そういった処理を行わずに、デンプンをそのまま使用し、そういった効 果を持たせたものが実際市場の中で食品添加物として出回るということになろうかとも思われま すので、今申し上げたような点も踏まえまして、今回日本では、JECFA規格や海外での取り扱い と同じく特段下限値を設けないという形で対応させていただこうかと考えているところでござい ます。 ○國枝基準審査課長 食品安全委員会の評価書を見ていますと、毒性試験では用いた試料について、 一応アセチル化基とかそういったものの規格が規定されていますので、やはり毒性試験の担保を取 っている範囲内で認めるという部分もあるのではないかなと思います。 ですから、化学反応がさらに進んでいるようなものについて、毒性の評価がされていないものを オーケーとするということもできないという安全性の担保という部分があったのではないかなと 思います。 ○長尾部会長 どうぞ。 ○米谷委員 私も想像ですが、架橋とかアステル基をどんどんやっていきますと、多分デンプンと しての性質から外れていくのではないか思うんです。その辺である程度の程度が決まってきている のではないかと、これは全くの想像で、ものを見ていないのでわからないんですが、余り全部架橋 をしていくとどうなるかというようなことを想像します。 ○長尾部会長 例えば、図3を見ますと、粘度もトリメタン酸の添加率が上がりますと、かえって 低下するという、やはりオプティマムな濃度があるみたいなんです。 ですから、先ほども御説明ありましたように、不必要な処理をしてもしようがないから、それと 安全性の両方からきているのではないでしょうか。 ほかにはいかがでしょう。名前で「Acetylated Oxidizes Starch」は「Oxidized」でなくて「dizes」 と言うんですか。それでよろしいんですか。 20ページと50ページのテーブルの上から3行目の物質名のところ。 ○磯崎補佐 済みません。JECFA規格での英名を今、確認しましたところ「Acetylated Oxidized Starch」ということになっておりますので「d」でございます。 ○長尾部会長 ほかには、いかがでしょうか。 ○北田委員 表示に関してはこの部会でないと以前にもお聞きしたんですけれども、先ほどちょっ と表示に関する説明があったので教えていただきたいんです。 参考資料1の3枚目、中ほど以降に、用途名、一括名という2つが併記されておるんですけれど も、両方とも「もしくは」ということで、2つの表記の仕方が列記されておるんですけれども、用 途名の方は、必ず用途名を表示しなければならない。一括名の方は、一括名でも物質名でもどちら でもいいという解釈でよろしいんでしょうか。 ○磯崎補佐 現在、添加物の表示に関しまして、こちらにあるような増粘剤、安定剤、ゲル化剤、 糊料など、他にも幾つかございますけれども、ある一定の目的で添加する場合は、その用途名と括 弧書きで物質名を書かなければならないということになっておりますので、これは従来の取り扱い と変わらず周知の事実ではありますけれども、そのような用途で用いる場合は、きちんと用途名と 名前を記載する必要がございます。名前を書くときには、物質名で記載しても構わないですし、簡 略名を認めた場合には簡略名で記載しても構わないということで、用途名は取り扱っていきたいと 考えているところでございます。 一括名に関しましては、香料ですとか乳化剤ですとか、一括名表示を行える添加物の種類は決め られておりまして、今回、乳化剤として使えるものもこの11種類の加工デンプンの中にはあるよ うでございます。通常乳化剤という一括名表示を認めるにあたっては、その範疇に入るものがどう いうものかということを通知の中で示しておりまして、ですから今回の場合も、11品目すべてを載 せるか、本当に乳化剤目的で用いられるものだけを載せるか、その点は検討したいと思っておりま す。そのように通知に載せた上で、この範囲のもので乳化剤目的で使うのであれば乳化剤という一 括名の表示だけでも構わないという、そういう制度がもう既にございますので、その並びでこのも のを取り扱っていきたいというところでございます。 ○北田委員 そうしますと、この場合「もしくは」でつないでいますけれども、上の場合、これは 乳化剤という使い方だけではなしに、ほかの使い方も含めた場合でちょっとあれですか。これが乳 化剤という使い方であれば、乳化剤という表記をしなければならないというのではなしに、しなく てもいいということですね。 ○磯崎補佐 はい、乳化剤と一括名で表示したい場合はということです。 ○北田委員 わかりました。どうも。 ○長尾部会長 どうぞ。 ○米谷委員 参考資料2の先ほどの表示のところですが、加工デンプンの表示のところ、物質名で、 この物質名をもって食品添加物を表示することとなるということでずらっと11品目あるんですが、 下から4つ目のヒドロキシプロピルリン酸架橋デンプンで、これは最初諮問書のところでは、ヒド ロキシプロピル化リン酸架橋デンプンとなっているんですが、これは正式名はどちらになるんでし ょうか。「化」が入るか入らないか。 ○磯崎補佐 「化」が入る方が正しいです。よってこの参考資料の方を修正したいと思います。 ○米谷委員 正式名称には「化」が入るということですね。 ○磯崎補佐 はい。 ○長尾部会長 ほかにはいかがでしょうか。 どうぞ。 ○佐藤委員 済みません。今の表で、物質名の表記のところで、2行目のアセチル化リン酸化架橋 デンプンというのは、アセチル化リン酸架橋デンプンですか。 ○磯崎補佐 済みません。こちらは「化」が余計に入っております。 ○長尾部会長 ほかにはいかがでしょう。御意見がないようでしたらば、一通り御審議いただいた と思います。規格に関しまして、先ほどの北田委員の未加工ワキシーコーンスターチに関する御説 明と、佐藤委員がちょっと確認をしたいと言われた点につきまして、担当の先生と事務局で御相談 いただきまして、この指定に関してそのことで特に問題にはならないと思いますが、「可」とする ということでよろしいでしょうか。 (「はい」と声あり) ○長尾部会長 では、そういうことで、細かい点は相談の上、各先生方に御連絡いただきたいと思 います。 それでは、この修正した後の今後のスケジュールについて、事務局から御説明をお願いします。 ○磯崎補佐 修正をした上で、先生方には最終的なものを御確認いただくということで、また追っ て御連絡させていただきたいと思います。そして最終的に御了解いただきました場合には、今回の 審議結果につきまして、食品衛生分科会での審議のほか、パブリック・コメント、WTO通報の手 続を進めてまいりたいと思っております。 ○長尾部会長 それでは、適切に手続を進めていただきたいと思います。 そのほか、審議事項として事務局から何かありますでしょうか。 ○磯崎補佐 特にございません。 ○長尾部会長 次に、報告事項をお願いします。 ○磯崎補佐 では、報告資料として本日用意いたしました横長の表でございますが、国際汎用の添 加物の指定に向けた検討状況についてということで、前回の部会でお配りした資料からの追加の修 正点について御説明いたします。 まず2ページ目の上から2つ目の品目でございます。ブチルアルデヒドにつきましては、10月 26日に食品添加物としての指定を行いました。 同じく2ページの下、本日御審議いただきました加工デンプンにつきまして、添加物部会の審議 に本日の日程を入れてございます。 一番下の水酸化マグネシウムにつきましては、前回10月24日の添加物部会で御了承いただいて いるところですが、食品安全委員会からの最終的な結果通知が11月1日に出されましたので、そ の日にちを追加してございます。 3ページでございますが、中ほどにサッカリンカルシウムがございますが、こちらにつきまして 食品安全委員会で10月26日に審議が行われまして、継続審議ということになっておりますが、そ の日程を追加させていただいております。 以上でございます。 ○長尾部会長 何か御意見ありますでしょうか。よろしいですか。 それでは、ただいまの御報告以外に、皆様の方から何か御発言ありますでしょうか。 特にないようですので、それでは次回の予定について事務局から御説明をお願いします。 ○磯崎補佐 添加物部会につきましては、第4水曜日の午後を定例開催とさせていただいておりま す。次回の添加物部会の開催は、来年、平成20年1月30日水曜日、午後14時からの開催を予定 しております。場所と議題につきましては、改めて御案内させていただきたいと思います。 ○長尾部会長 それでは、本日の審議はこれで終了します。本日は本年最後です。どうもありがと うございます。