07/11/26 医道審議会歯科医師分科会 歯科医師国家試験制度改善検討部会(第2回) 第2回歯科医師国家試験制度改善検討部会 開催日:平成19年11月26日(月) 場 所:厚生労働省17階専用21会議室 ○鳥山補佐  それでは定刻になりましたので、ただいまより「歯科医師国家試験制度改善検討部会」 を開会します。委員の皆様方には御多忙中のところ御出席いただきましてありがとうご ざいます。なお、8月24日付で医政局長の異動がありましたので御紹介申し上げます。 医政局長の外口でございます。  それでは江藤部会長、議事進行をお願いします。 ○江藤部会長  それでは始めさせていただきます。本日は第2回の歯科医師国家試験制度改善検討部 会でございます。第1回は昨年の12月22日に行われておりますが、その後、石橋先生 を委員長として計5回のワーキングが開催されております。その報告書をお受けして、 検討を行いたいと思います。  それではまず事務局から資料の確認をお願いします。 ○鳥山補佐  資料の確認をさせていただきます。まず、議事次第、委員名簿、会場内配置図、それ ぞれ1枚でございます。そうしまして報告書の案が6ページまでございます。最後に、 参考資料が2枚のつづりでございます。乱丁・落丁はございませんか。ないようですの で、江藤先生、よろしくお願いします。 ○江藤部会長  それでは議事に入らせていただきます。本日は改善検討部会の報告書(案)について 議論をいただきたいということでございます。先ほど申し上げましたように、5回にわ たるワーキンググループでの議論を踏まえて整理した報告書(案)については、事前に 委員の皆様からの御意見を反映した内容となっておりますので、それを元に議論してい ただきたいと思います。項目ごとに検討していきたいと思います。まず報告書(案)の 前文、「I はじめに」について事務局から読み上げをお願いします。 ○和田専門官  I はじめに (1)背景と経緯  近年の我が国における保健・医療・福祉を取り巻く環境は、急速な少子高齢化が進展 し、疾病構造の変化等に伴い大きな変革の時を迎えており、国民はより安全で良質な歯 科医療の提供を求めている。このような状況の中で、歯科医師臨床研修の必修化や、歯 学教育モデル・コアカリキュラム及び共用試験が、大学歯学部・歯科大学において本格 的に導入される等、歯科医師の資質向上に向けたさまざまな取り組みがなされている。 さらに平成18年には、文部科学・厚生労働両大臣による「歯科医師養成数の削減等に関 する確認書」及び「今後の歯科保健医療と歯科医師の資質向上等に関する検討会中間報 告書」において、歯科医師の資質向上を図る観点から歯科医師国家試験の合格基準の引 き上げについて提言されたところである。  歯科医師国家試験は、昭和22年に第1回が実施されてから、歯科保健・医療及び歯学 教育を取り巻く環境の変化に合わせて改善が行われてきたが、昭和57年の歯科医師国家 試験制度改善検討委員会(以下「委員会」という。)設置以降は、おおむね4年に1度 改善を行っている。また、同年の委員会報告において、より一層均質な試験問題を作成 するために歯科医師国家試験出題基準(以下「出題基準」という。)の必要性が提言さ れたことを受けて、昭和60年に出題基準を作成し、以降5回にわたり改定作業を行って きたところである。  (2)歯科医師国家試験に対する基本的な考え方  歯科保健・医療及び歯学教育を取り巻く環境が大きな変革を迎えている中、歯科医師 国家試験は、将来の歯科保健・医療を見据え、歯科医師の資質向上の視点に立脚した改 善が必要である。また、出題基準の改定に際しては、卒前教育、歯科医師国家試験及び 卒後臨床研修の一連の整合性を考慮した検討が必要である。出題基準は、おおむね4年 に1度改善を行っているが、急速な少子高齢化の進展、疾病構造の変化に速やかに対応 するために、内容の充実と出題基準の柔軟な運用が必要である。出題形式等については、 客観式選択形式が運用されてから30年余りが経過して定着したが、いわゆる受験技術で 対応し得る画一化された問題の出題が懸念されており、受験生の知識及び臨床能力をよ り適切に評価するという観点から、現行の出題形式等のあり方を見直す必要がある。ま た、合格基準については、これまでの合格基準の方針を踏まえつつも、国民の期待に十 分応え得る高い資質を具有しているか否かを、より適切かつ厳正に評価し得るものでな ければならない。  以上でございます。 ○江藤部会長 ありがとうございました。このIの「はじめに」について御質問・御意 見等がございましたらお願いします。それでは、そのような御質問等がございましたら 後でいただくことにしまして、IIの改善すべき事項でございます。これが本日の論点に なりますので、(1)から(4)の項目ごとに読み上げていただきます。よろしくお願 いします。 ○和田専門官  II 改善すべき事項 (1)出題基準 <大・中・小項目の位置づけ>  出題範囲を詳細に限定することによる出題の画一化が懸念されることから、大・中項 目については、近接あるいは重複している項目を包括し、小項目は「必修の基本的事項」 を除き、必要最小限に整理すべきである。 <ブループリント>  各領域の出題割合を明示するブループリントをより詳細にするとともに、その設計に 際しては、臨床で経験する頻度の高低を考慮すべきである。 <基礎領域の位置づけ>  基礎領域については、臨床との関連性を踏まえた内容となるよう具体的な出題方法を 検討する。特に、「歯科材料・生体材料」については、臨床の各領域で関連する問題が 出題されるよう領域の位置づけの見直しを検討する。 <社会的課題への対応>  少子高齢化の進展や疾病構造等の変化を踏まえ、口腔と全身とのかかわりや高齢者・ 全身疾患を有する者等への対応、歯科疾患の予防管理等について内容を充実し、また、 直近の社会保障制度に関する内容についても出題範囲に含める等、出題基準の柔軟な運 用を図るべきである。  出題基準については以上でございます。 ○江藤部会長   ありがとうございました。まず(1)の出題基準について御質問・御意見がございま したらお願いします。それでは続きまして(2)の出題方法等でございます。よろしく お願いします。 ○和田専門官 (2)出題方法等 <出題総数等>  出題総数は現行の365題を維持するが、必修問題数は「必修の基本的事項」を重視す る観点から出題総数の2割程度に増加し、一般問題数を減少させるべきである。 <出題形式>  出題形式については、受験生の知識・臨床能力をより適切に評価していく観点から5 肢択一・択二形式にとらわれない下記の出題形式等を導入すべきである。  (1) 単純な知識の想起を問う問題に対しては、正解肢数を指定しない一間多答形式  (2) 医薬品の処方(用法・用量等)や検査値等、数値を解答させる問題に対しては、 非選択形式  (3) 単に診断名や治療方法名等を解答させる問題に対しては、領域ごとの一元的な選 択肢(共通選択肢群)から選択させる形式 <臨床実地問題>  臨床実地問題は、実地試験にかわって昭和58年から導入されているが、卒後臨床研修 を円滑に実施するために、より適切に臨床能力を評価することが求められている。この ことから、臨床での問題解決能力をできる限り反映した内容となるよう、出題形式の見 直し等を含め、出題のあり方を検討すべきである。  以上でございます。 ○江藤部会長  ありがとうございました。(2)の出題方法等でございますが、何かございましたら お願いします。それでは続きまして(3)のプール制でございます。お願いします。 ○和田専門官 (3)プール制  良質な試験問題を一定数確保する観点から、引き続きプール制を推進するとともに、 プール問題の質を向上させるための体制をさらに充実すべきである。また、引き続き良 質な既出問題と高い評価を得た公募問題をプール問題と位置づけ、それらの出題割合の 段階的な増加を図るため、良質な問題を早期かつ効率的に収集できるように、公募方法 やプール問題に関するデータの取扱いについて検討すべきである。  以上でございます。 ○江藤部会長  ありがとうございました。このプール制でございますが、御意見がございましたらお 願いします。それでは続きまして最後の(4)の合格基準でございます。よろしくお願 いします。 ○和田専門官 (4)合格基準 <改善の方針>  現在の合格基準は、一般問題・臨床実地問題・必修問題の出題区分に応じた得点、禁 忌肢選択数及び領域別基準点という、複数の基準から構成されており、さらに一般問題 と臨床実地問題は各々平均点と標準偏差を用いた相対基準で、必修問題は絶対基準で評 価されている。合格基準の基本的な考え方については、国民の期待に十分応え得るため に、さらなる歯科医師の資質向上を図る方向で、より適切かつ合理的な基準に改善すべ きである。その基準は、新卒受験者の知識・臨床能力等の水準で評価し、新卒受験者間 でも知識・臨床能力に大きな差が認められていることに留意すべきである。 <一般問題と臨床実地問題の評価方法>  一般問題と臨床実地問題については、解答に至る思考過程が異なることから、同−の 項目に関する出題であっても別々に評価されているが、歯科医学・歯科保健医療におけ る各領域の知識・臨床能力をより適切に評価するとともに、臨床能力をより重視する観 点から、下記のとおりに改めるべきである。  (1) 歯科医学・歯科保健医療における領域を基本とし、一般問題と臨床実地問題を包 括して評価する。  (2) 合格率の乱高下を防ぐ観点から、上記(1)の領域は、出題基準で定める領域をもと に、内容が近接した領域を統合し、その評価を相対基準で行う。  (3) 相対基準の算出に際しては、新卒者と既卒者の得点分布(成績)が大きく異なる こと、受験生の得点分布が低い方向に長い裾を呈していることを考慮する。 (4) 臨床能力を評価する臨床実地問題は、−般問題に比べて問題解決能力を要するこ とから、より配点に重みを置く。 <必修問題の評価方法>  必修問題については、歯科医師として具有すべき基本的な最低限度の知識・臨床能力 に到達しているか否かを評価する目的で出題されており、合格基準は現行の基準を基本 とし、絶対基準で評価すべきである。 <禁忌肢の評価方法>  禁忌肢については、患者に対して重大な傷害を与える危険性のある内容や法律に抵触 する内容等、倫理的に誤った回答をする受験生を識別する目的で出題されており、一定 の役割を果たしてきていることを踏まえ、引き続き合格基準として運用するが、偶発的 な要素で不合格とならないよう配慮すべきである。  合格基準については以上でございます。 ○江藤部会長  ありがとうございました。それではこの(4)の合格基準でございますが、御質問・ 御意見をよろしくお願いします。それでは(1)〜(4)全体的に、もし御意見や御質 問がございましたらお願いします。 ○古谷野委員  細かいことなんですが、それぞれの項目が「すべきである」という表現なんですが、 (1)出題基準の<基礎領域の位置づけ>というところだけは「する」ということにな っていて、この表現の違いは何か重みの違いがあったんでしょうか。 ○和田専門官  特にございませんので、他の項目と合わせて文言等を修正したいと思います。 ○江藤部会長  他にございませんか。ワーキンググループから何か御追加があればお願いします。 ○石橋委員  5回にわたって検討してまいりました報告書でございます。いろいろな観点から検討 したつもりですので、特にこれ以上はございません。 ○丹沢委員  この報告書というのは公開されるんですか。それとも内部の答申として出されるんで すか。というのは、ちょっと4ページの最初の4行あるところの3行目から、「その基 準は新卒受験者の知識・臨床能力等の水準で評価し、新卒受験者間でも知識・臨床能力 に大きな差が認められていることに留意すべきである」ということがあって、その下の 「一般問題と臨床実地問題の評価」のところに、(3)で「相対基準の算出に際しては新卒 者と既卒者の得点分布(成績)が大きく異なること、受験生の得点分布が低い方向に長 い裾を呈していることを考慮する」という表現になっていて、もし公開されるような内 容であれば一般の人がちょっと混乱するというか、誤解を受ける可能性がないのかなと いうことが心配なので。専門家の間で答申する場合には問題はないと思いますが、この 辺はちょっと私はわからないものですから、いかがでしょうか。 ○和田専門官  この報告書自体は本日の議論での修正を踏まえて最終的に公開する予定となっており ます。丹沢先生が御指摘の点でございますが、ワーキンググループでは、現状を踏まえ て合格基準を検討しましたので、この表現になっていますが。 ○丹沢委員  内容についてではなくて、もし一般の人が見た場合にこの文章だけを見ると何かわか らなくなってしまうんじゃないかと思って。公開されるなら、その辺はもう少しやさし い方がいいのかなと、そんな感じを受けただけなんですが。内容的にはこれで結構だと 思っております。 ○和田専門官  わかりました。試験に関することなので、表現がわかりづらくなっていると思います ので、初めて見る方でもわかりやすい表現に修正したいと思います。 ○江藤部会長  ただいまの丹沢先生の御指摘のところは、既に既定方針として決まっているというと ころでございます。その辺のところは御理解いただきたいと思います。ただ、表現上の 問題で、一般の方がこの意味を理解できるかどうかという、そういう御指摘かと思いま す。この表現の問題につきましては一応、部会長と事務局に一任ということでよろしい ですか。 ○歯科保健課長  この表現の取り扱いにつきましては部会長のおっしゃったとおりでございます。それ で、参考のためにこの報告書の取り扱いでございますが、これも部会としておおむね了 解をいただきましたら、最終的に文言を修正しまして、この報告書自体を医療審議会歯 科医師分科会へ報告させていただきまして、御了解をいただくということになります。 そこで初めて正式な報告書となるわけでございますが、歯科医師分科会自体は歯科医師 国家試験についていろいろ方針について御審議をいただく場でございますから、この承 認された部会の報告書に基づいて次の改善内容を具体的に検討していただくということ になります。したがいまして、例えば、出題基準の改定や国家試験の出題内容等につき ましても、次の歯科医師分科会で御審議いただくという予定でございます。以上でござ います。 ○江藤部会長  よろしいですか。追加させていただきますと、この4ページ目の、先ほど丹沢先生が 御指摘になったその基準は、「新卒受験者の知識・臨床能力等の水準で評価し、新卒受 験者間でも知識・臨床能力に大きな差が認められることに留意すべきである」というの は、要するに国民に向けて合格者の質の担保を上げていくと。そのようにお読み取りい ただけるものと思っております。それから(3)につきましては、既に既定方針どおりのと ころでございます。これに関連して、もしくは他のところで御質問がございましたらお 願いします。 ○箱崎委員  ちょっと教えていただきたいと思いますが、2ページの<社会的課題への対応>とい うところで、「直近の社会保障制度に関する内容についても出題範囲に含める」という 表現になっていますが、今の学生教育の中にこういう社会保障というか、こういう教育 というのはどの程度なされているのか。ちょっと昔の人間になってしまったので現行の 今のはわからないんですが、その辺はいかがでしょうか。 ○石橋委員  この部分はいろいろ細かく教育要綱には含まれておりまして、実際には教育が行われ ているんですが、社会保障制度は変わってきますよね。それで、受験生が履修を終えた 後に変わったとなると、習っていない、習っているというようなことがございます。し かし、色々なワーキンググループの検討の中で、新しく歯科医師としてスタートする人 たちはやはりその状況をしっかりと理解しておいてもらわなければいけないだろう、と いうような意味を込めた表現でございます。 ○須田委員  箱崎先生の御質問ですが、お手元に「歯科医師国家試験出題基準」が配布されている と思いますが、歯科医師国家試験出題基準の55ページでございますが、ここの上に枠が ございます。現在、国家試験で出題できる社会保障の内容というのが小項目で規定され ておりまして、その概念、社会福祉、医療保障、所得保障、公衆衛生サービスと公費負 担医療ということに限って出題できるということで規定されております。 ○箱崎委員  はい、ありがとうございました。 ○江藤部会長  他にございませんか。ございませんようでしたら、改善すべき事項は以上とさせてい ただきまして、続きましてIIIの今後検討すべき事項でございます。読み上げをお願いし ます。 ○和田専門官  III 今後検討すべき事項 (1)技術能力の評価  卒後臨床研修に臨む受験生の臨床能力については、現在、臨床実地問題で評価されて いるが、現行の問題では、技術能力を十分に評価できていないとの意見がある。そこで 短期的には、臨床能力をより適切に評価し、臨床実習の成果を反映する臨床実地問題の 出題のあり方を検討すべきである。また、中長期的には技術能力評価試験について、試 験の公平性や評価方法等の課題を整理しつつ、引き続き検討していくことが望ましい。 (2)試験の評価  その年々の試験については、合格率や正解率等のデータを用いて評価されており、そ の多くは受験生全体を基本としたデータである。そのため、既卒者の占める割合が大き く増加すると、問題の正解率や合格率自体が低下することが予想され、経年的には合格 率等が試験の難易度等を正しく反映したものでなくなることから、大学歯学部・歯科大 学関係者等の意見も取り入れつつ、試験の評価方法を検討していくことが望ましい。 (3)多数回受験者への対応 多数回受験者については、卒業から年月が経過するほど合格率が低下する傾向がみられ、 歯科医師としての資質が欠落していくことが憂慮されることから、より適切かつ合理的 な合格基準の運用後、合格者数等の推移を踏まえた上で、受験回数制限について検討し ていくことが望ましい。  以上でございます。 ○江藤部会長  ありがとうございました。この3項目、技術能力の評価、試験の評価、多数回受験者 への対応、これについて御意見をいただきたいと思います。 ○高田委員  この3つはそのとおりだと思いますが、この前からいろいろ考えていたんですが、今 後検討すべき事項という中で、日本がグローバル化しつつあるということを踏まえると、 近未来とは言いませんが、今後の課題の中で外国語というか、日本の歯科医師が国際的 な場で貢献できる人材育成ということも考えたらどうかなと、ちょっと参考意見まで申 し述べたいと思います。 ○江藤部会長  高田先生の御意見は、これは英語も国家試験に入れろということですか。 ○高田委員  そこまではどうかと思いますが、今後の時代において、国家試験という枠組みの中で 世界の中で日本は何が貢献できるかということを踏まえ、例えば英語で、医学・歯学と いうスキルの中で国際の場で伸びていける、そういう人材育成についても視野に置くと いうことは、今後必要ではないかと思います。 ○江藤部会長  ありがとうございます。高田先生の御意見の趣旨でございますが、確かに本年は中華 口腔医学会がデレゲーションを2週間ほどアメリカのADAに派遣して、それで交流を 深めるとか、それから韓国の場合には4年生のデンタルスクールになりまして、そうい うものは非常に偏差値が高くて英語で講義をしていると、そういうこともある部分です が、そういうことを踏まえて高田先生の御発言かと思っております。いきなり英語を国 家試験に入れるという話ではないと思いますが、そういうアジアの状況や世界の状況を にらんでそういうことを考慮してはどうかという御意見かと思います。 これについてでも結構ですし、ほかに何か御意見がございましたらお願いします。ほ かに御意見はございませんか。ございませんようでしたら、最後のこの「おわりに」を 読み上げをお願いします。 ○和田専門官  IV おわりに  本改善検討部会では、歯科医師を取り巻く近年の社会的状況に鑑み、歯科医師の資質 向上に向けて、歯科医師国家試験の改善について検討を行ってきたところである。これ らの改善事項については、出題基準の改定状況を踏まえつつ、平成22年(第103回)試 験までの運用を目指して改善すべきである。また、大学歯学部・歯科大学においては、 入学時、在学中及び卒業時における各段階で、歯科医師として具有すべき資質をより適 切に評価していくことが重要であり、これらの資質が欠如・欠落している者に対しては、 可能な限り早期に進路変更を勧める等、本人の自覚を促すことがこれまで以上に必要と される。なお、歯科医師国家試験は、今後とも卒前教育、卒後臨床研修及び生涯教育と の連携を図りつつ、歯科医師の資質向上を目指し、長期的視野に立って改善のための努 力を継続すべきである。  以上でございます。 ○江藤部会長  ありがとうございました。最後の4番目の「おわりに」について文言等、何か御意見 がございましたらお願いします。それでは全体的にごらんになって御追加等がありまし たらお願いします。  それでは、ございませんようでしたら、この報告書(案)については御了解いただい たものとさせていただきます。本日は御意見をいただきましたが、それの内容の修正に つきましては文言等を私と事務局の方に御一任いただきたいということで、それでよろ しいでしょうか。 ○全員  異議なし。 ○江藤部会長  ありがとうございました。修正後、また先生方に御確認をいただくということになっ ております。私の方からは以上でございますが、今後のスケジュールについて事務局か らお願いします。 ○鳥山補佐  ただいま江藤部会長の御発言のとおり、本日の議論に基づく修正が必要な事項につき ましては、部会長と御相談をさせていただきながら事務局で修正したものを先生方に御 確認していただく予定でございます。また、御了解をいただきました報告書については 医道審議会歯科医師分科会に挙げさせていただきまして、出題基準改定作業や合否基準 などの取り扱いについて御意見を頂戴した後、公表させていただきますので御了解いた だきますようお願い申し上げます。  最後に医政局長よりごあいさつをさせていただきます。 ○外口医政局長  報告書の取りまとめに当たりまして一言ごあいさつをさせていただきます。昨年12 月の検討部会の発足以来、この歯科医師国家試験の改善事項につきまして精力的に御議 論いただきましてまことにありがとうございます。厚生労働省としては患者の多様なニ ーズへの対応、医療の安全を確保する観点から歯科医師の資質向上を図ることは大変重 要であると考えております。その中で、この歯科医師国家試験の果たす役割は非常に大 きく、歯科医療技術の進歩や時代の要請にこたえるためのこの検討部会での報告や、4 年に1度の出題基準の改正が大変意義深いものと考えております。 今般、おまとめいただきます報告書につきましては、医道審議会歯科医師分科会での 御意見も踏まえて試験に反映させていきたいと考えております。先生方には今後とも御 助言等をいただくこともあるかと思いますが、歯科医師国家試験の改善のため御協力い ただきますようお願いします。どうもありがとうございました。 ○江藤部会長  どうもありがとうございました。それではこれをもちまして本日の歯科医師国家試験 制度改善検討部会を閉会させていただきます。どうもありがとうございました。 照会先:厚生労働省医政局医事課試験免許室 和田、小川、永岡 代表 03-5253-1111(内線2578,2575)