07/10/24 第26回労働政策審議会障害者雇用分科会議事録 第26回 労働政策審議会障害者雇用分科会 議事録 1 日 時   平成19年10月24日(水)10:00〜12:00 2 場 所   共用第8会議室(6F) 3 出席者   ○ 委員   (公益代表)  今野委員、岩村委員、菊池委員、佐藤委員、平木委員   (労働者代表) 高橋委員、豊島委員、野村委員、長谷川委員   (使用者代表) 飯ヶ谷委員、大島委員、輪島委員   (障害者代表) 鈴木委員、副島委員、舘委員   ○ 事務局       岡崎高齢・障害者雇用対策部長、長門企画課長、田中企画課長補佐       吉永障害者雇用対策課長、濱島障害者雇用対策課調査官       白兼障害者雇用対策課主任障害者雇用専門官、手倉森障害者雇用対策課長補佐 4 議 題   (1)障害者雇用納付金制度に基づく助成金の見直し   (2)除外率の引下げについて   (3)精神障害者の雇用支援について   (4)その他 5 資 料    資料1−1 障害者助成金制度に基づく助成金の見直しの方向(案)    資料1−2 障害者雇用納付金制度に基づく助成金一覧    資料1−3 障害者雇用納付金関係収支状況の推移    資料1−4 障害者助成金支給実績    資料2−1 障害者雇用率制度における除外率の引下げについて    資料2−2 障害者雇用率制度の概要    資料3   精神障害者の雇用支援について 6 議事録経緯 ○今野会長  定刻になりましたので、第26回「労働政策審議会障害者雇用分科会」を開催いたしま す。本日は、松矢委員、新澤委員、松井委員、泉田委員が欠席です。新澤委員の代理と して全国中小企業団体中央会労働政策部長の原川さん、松井委員の代理として日本身体 障害者団体連合会事務局長の森さんが出席されております。  これまでは、3つの研究会の報告書の内容を中心に議論してまいりました。本日はそ れ以外のテーマであります、「障害者雇用納付金制度に基づく助成金の見直し」「除外 率の引下げについて」「精神障害者の雇用支援について」をご議論いただきます。議題 1の、「障害者雇用納付金制度に基づく助成金の見直し」について、事務局から説明を お願いいたします。 ○調査官  1番目の課題については、障害者雇用納付金制度に基づく助成金の見直しについてで す。本日は、助成金制度の見直しの方向性についてご議論いただきたいと考えておりま す。資料は1−1から資料1−4まで用意させていただきました。見直しの方向性をご 議論いただく前に、障害者の助成金制度にはどういうものがあるのかについて、資料1 −2、その実績等については資料1−4に記しております。  1番目の、障害者作業施設設置等助成金というのは、障害者を雇い入れているか、あ るいは継続して雇用している事業主が、障害者が作業を容易に行えるように配慮された 施設又は改造等がされた設備を整備できるような場合に、その一部を助成する内容のも のです。  2番目の、障害者福祉施設設置等助成金というのは、障害をもった労働者の福祉の増 進を図るために、保健施設や給食施設、共用文化施設等を整備する場合に一部を助成す るものです。  3番目の、障害者介助等助成金というのは、一定の要件を満たす障害者を雇用してい る事業主に対し、障害の種類や程度に応じた適切な雇用管理のために、介助等を実施す るような場合に、費用の一部を助成するものです。  4番目の、職場適応援助者助成金というのは、ジョブコーチの助成金です。ジョブコ ーチによる援助事業を行う場合又は適応援助者を配置して援助を行うような場合に、そ の一部を負担するものです。  5番目の、重度障害者等通勤対策助成金というのは、通勤が特に困難と認められる障 害者を雇用している事業主等に対し、その通勤を容易にするための措置を行うような場 合に費用の一部を助成するものです。  6番目の、重度障害者多数雇用事業所助成金というのは、一定の障害者を多数労働者 として受け入れるか継続して雇用し、安定した雇用を継続することが認められると考え られるような事業主に対し、事業施設等の整備を行う場合にその費用の一部を助成する ものです。  7番目の、能力開発助成金については、障害者の職業に必要な能力を開発し、向上さ せるための教育訓練事業を行う事業主等に対し、その一部の費用を助成するものです。  8番目の、障害者雇用支援センター助成金については、全国に14カ所ある障害者雇用 支援センターの運営費並びに施設整備を行うための助成金です。概略ですが、現在助成 金の制度としてはこういうものがあります。  助成金支給の実績については、資料1−4です。平成18年度においてはどういうタイ プのものが多くなっているかというと、1番目の障害者作業施設設置等助成金、障害者 介助等助成金が多くなっています。そのほか、近年では職場適応援助者、ジョブコーチ の助成金も伸びてきています。  資料1−3で、現在の納付金の関係の収支状況の近年の動向を記しております。1番 目の収入額のところについては納付金による収入で、雇用率の改善とともに減少してい ます。支出のほうについては、障害者の雇い入れを進めていただいているという結果、 調整金が増加している状況です。併せて助成金も活用していただいているということで 増加している状況です。こういう中で、平成18年度は単年度の収支が赤字になってくる という見込みを持っています。  こういう助成金の執行状況、あるいは収支の状況を踏まえつつ、全体の見直しの方向 性について事務局で検討したペーパーが資料1−1です。障害者の雇用状況は着実に進 展しているところでありますが、依然として法定雇用率は1.8%に満たない状況にある 中で、近年の雇用状況を踏まえて納付金制度に基づく助成金制度について見直しを行う こととするという方向性です。いくつかの視点に分けて説明させていただきます。  1番目の対象事業主の視点というのは、これまで研究会等でご議論をいただいており ますし、また審議会の中でもご議論いただいているわけですが、(1)として派遣労働との 関係で、障害者である派遣労働者ができる限り安定的な形態で働くことができるように、 障害者である派遣労働者に対し、支援を行う派遣元の事業主への支援を検討してはどう かという視点を挙げております。  例として、各助成金の派遣元事業主に対する支給の考え方の明確化。もともと派遣元 については、障害者雇用促進法上の事業主に当たるということで、助成金として出せる ものも要件がはまれば多くあるということでした。こういうことを、私どものほうで明 確にお知らせし、活用していただけるものについては活用していただく、という方向性 を出していってはどうかという視点です。  (2)は、派遣元が障害者である派遣労働者を円滑に受け入れることができるようにする ために、両者の役割分担にも考慮しながら、派遣先の受け入れ態勢の整備について支援 策を検討してはどうか。括弧のところですが、派遣期間は一定期間ですので、障害者で ある派遣労働者のために施設・設備であるとか、人的な配置を講じていくことは現実的 ではないという意見を頂戴いたしましたが、こうした観点を踏まえつつ支援策を検討す べきではないかということです。  例としては、助成金の支給要件の中に、障害者を何人雇っていることというようなこ とが出ているケースがあります。こういう場合に直接雇用する障害者と、それから派遣 労働者として受け入れている障害者の数を合算してその支給要件とする、という方向性 があるのではないかということです。  (3)は、紹介予定派遣です。紹介予定派遣は直接雇用に移行する可能性があるというの で有益だというご意見を頂戴しております。そういう中で、紹介予定派遣を活用した雇 用促進のモデルが確立するまでの一定期間支援を行う、ということを検討していっては どうかということです。その例としては、派遣元、派遣先にそれぞれ支援を考えていく ということを書いております。  (4)として、もう1つの視点は中小企業です。中小企業に対する支援について、障害者 雇用の経験のない中小企業等が積極的に障害者雇用を進めることができるよう、一定期 間集中的に強化することを検討してはどうか。また、大企業については障害者雇用がか なり進んできているということで、将来的には経済的調整を基本と。納付金を頂いて調 整金をお支払いするということを基本の方向性としていって、助成金による支援のあり 方については見直していくということを考えていくべきではないかという視点を挙げて おります。例として、初めて障害者を雇用する中小企業に対する支援の充実ということ で出させていただきました。  2番目の視点として対象障害者の視点があろうかと思います。この場合に、近年の障 害者の働き方の多様化を踏まえ、短時間労働者の中で、重度以外の身体・知的障害者、 週所定労働時間20時間以上30時間未満のところですが、各助成金の趣旨を踏まえながら、 対象障害者に追加していくことを考えてはどうかということです。  そして、主に20時間に満たないところということになりますが、一般雇用へのつなぎ として、グループ就労訓練といった助成金の制度があります。研究会の報告書の中でも ご報告をいただきましたが、請負型、雇用型、職場実習型、派遣型といった4つの類型 があるわけです。これをより一層効果的に使われるよう、それぞれについて見直しを行 っていくことを検討していくべきではないかということです。  例として、雇用型については一般会計の平成20年度の予算要求で要求中である精神障 害者ステップアップ雇用奨励金へ移行するなど、その利用者にとって使いやすい制度に していくことも含めて考えていくということであろうかと思います。  3番目は、物的支援から人的支援への重点化ということです。近年の職業紹介状況と して、知的障害者、精神障害者の就職者のウエイトが高くなってきている、増加が続い ているということがあろうかと思います。そういう場合に、こういう方々に対する人的 支援に重点を置いていくべきではないか。そして、その事業施設の設置に関して言いま すと、一事業主に集中的に多額の助成金が支給されるといった現行制度があります。事 業施設について、一度に数億円のお金が出ていくというような状況をどう考えるか、と いう視点も併せてご検討いただければと思います。  (2)は、通勤対策の助成金に関連し、住宅や通勤用のバスの購入に関して助成が出てい るわけです。本来障害の有無に関わらず費用負担が生ずる部分にまで、例えば住宅であ ればバリアフリー部分以外の当該住宅の部分、通勤用のバスでいえば、障害者が移動し やすいようなバスの作りにする部分以外の車両の部分にも支給の対象になっているよう なところがありますので、改造部分に支給先を限定して重点化する、ということも考え るべきではないかといった視点。  さらには、就労移行支援事業への移行の方向性が研究会の報告書により打ち出されて おります。障害者雇用支援センターの見直しについては、このセンターの助成金の在り 方についても見直していくべきだという視点があります。  4番目は、支給期間の適正化です。支給期間が、助成金というわりには長期で、10年 というような人的支援に係る助成金がいくつか存在しております。これは、各助成金の 趣旨を踏まえながら、支給期間を短縮していくべきだという考え方を出させていただい ております。例えば、業務遂行援助者の助成金の配置助成金は10年間ということになっ ておりますが、これについてはやや長いのでどう考えていくかという視点です。  (2)は、その他助成金全般で上限額対象となる障害者数等について必要な見直しを行う べきではないかということです。  5番目は、支給手続の簡素化です。各種助成金の手続について、まだまだ非常に複雑 であるということを指摘されるところですが、関係機関の関与の在り方、それから定率 の支給のものが多いのですが、簡素化という意味では定額での支給といったことも含め て検討していくべきではないか。その代表的な例として、職場適応援助者の助成金とい ったところが挙げられようかと思います。  最後に※で書かせていただきましたが、上記の助成金の見直しに当たっては、納付金 の財政については先ほど簡単にご説明いたしましたが、今後の見通し等について考慮し ながら、財源についても、例えば精神障害者のステップアップの雇用助成金を一般会計 で要求していると申し上げました。いろいろな形で、必要なものについては助成金以外 の財源の在り方といったものも検討していく必要があるということも併せて書かせてい ただきました。  助成金の見直しについての方向性のご議論をお願いできればと思います。事務局から の説明は以上です。 ○今野会長  いまの説明について、ご質問、ご意見がありましたらお願いいたします。 ○豊島委員  最後の方向性の在り方というのはどういうことですか。 ○調査官  今回の助成金の見直しについては、非常に細部にわたる助成金の内容というよりも、 むしろ資料1−1にある、いろいろな視点に基づいて、こういう方向性が適切であると いうことについてご議論をいただきます。そして、実際に助成金を見直す場合に当たり ましては、別途ご議論いただくようなことになろうかと思います。 ○副島委員  資料1−2の中で、期間が結構長いものがあります。これは、狭い範囲で集中的に助 成金が使われているところもありそうな感じがするのです。これを期間的なものという ことと幅広く、特に中小企業が障害者雇用に対しては我々障害者団体としてそこは期待 の持てるところですから、そこに向かって幅広く使えるような、つまり薄くて広い層と いったところが考えられると思うのです。期間が長く10年間というのは、ダラダラと進 んでいってその効果が上がっているのだろうかということを私は疑問に思うのです。そ のために、10年間の間に現場でどういうチェック機能があるのかを質問いたします。  資料1−3の収支の状況を見ますと、収入額はだんだん減っているというのは、雇用 率が改善されるためでしょう。それに対し、支出のほうの調整金とか報奨金については 当然支給されるものであり、助成金については企業規模に関係なく給付されています。 そうすると、助成金のところにできるだけ分厚くいけば、例えば中小企業の少人数の企 業体であってもこれが利用できるからいいのですけれども、資金が枯渇するのではない かと思うのです。  そのときに、300人以上の納付金制度を課せられている企業の意識づけなのです。雇用 率は上がっていないから納付金は払うのだけれども、それが有効に使われるために、雇 用率がセットされていない300人以下の企業にもどしどし助成金を使って障害者雇用を 進めてほしいというような、そういう意識づけはあるのだろうかというところを心配し ております。  いまの予算関係のところはどのようになるのだろうか。このまま赤字ということにな ると、結局どの制度も崩れていくのではなかろうかと思うのです。企業側の意識づけの ところは、企業側のご意見を聞きたいと思います。それから、予算的なものをこれから どう考えていくのかということは、この制度を考えていくときの問題点として質問した いと思います。 ○調査官  10年間の支給期間の中でどのようにチェックしているかということですが、10年間の 支給期間を限度とし、その支給自体は毎年行っていくことになりますので、所要の要件 が確認されるかどうかということについては、毎年確認を行っていくということです。 これの支給については独立行政法人が担当しています。  納付金の財政について、今後予算がどういう方向になっていくのかということについ て、基本的な考え方としては、障害者雇用納付金制度の基本というのは、納付金を頂戴 し、それを経済的な調整を主眼に置き、障害者を1人でも多く雇っていただいている所 について、調整金としてお支払いするというのが基本となっております。あえて言いま すと、納付金と調整金の収支差の中で、余裕がある場合には助成金をつくり、より一層 効果的に雇い入れを促進していくという制度になっております。主は経済的な負担の調 整であります。  今後どうなっていくかということですが、現段階で納付金のところと調整金のところ で、こういう収支状況となっております。基本的にはこの収支が悪化していくことにな りますと、助成金の中では基本的に重点化をし、必要なものを絞り込んでいかざるを得 ないというのが我々の認識です。 ○今野会長  副島委員のご意見の中で、300人以上の企業の意識づけの問題がありましたが、それ は使用者団体の代表の方にお聞きすればいいかと思うのですが何かありますか。 ○調査官   300人以上の企業の意識づけについては、まさに経済的な負担の調整というところで、 納付金を300人以上の所からいただき、そして調整金としてお支払いする、というとこ ろを中心に今後も引き続き続けていけるということがあろうかと我々は考えています。 ○副島委員  私がもう少し突っ込みたいのは、障害者雇用についての理解は企業側にも使用者側に もどんどん広がっています。問題は、ここで助成金関係の予算が結構大きくなっている わけです。これは調整金の制度にまだ乗っていない所の企業関係が結構これを使って、 それで障害者の雇用を広げている。でも納付金制度はないわけですから、収入のところ には寄与しないわけです。そのような形で助成金がどんどん増えていくことに対し、納 付金制度をちゃんとクリアしている300人以上の企業の方々にとっては、自分たちの納 めたお金を、納付金制度で納めていない企業がどんどん使うことに対して、これは障害 者雇用が広がるからいいことではないですかというのか、資金が枯渇するわけだから制 限しなければいけないのではないかという意識づけなのか、一体どちらの意識づけがあ るのだろうかということです。 ○高齢・障害者雇用対策部長  これは、輪島委員にお聞きいただいたほうがいいのだろうと思うのですが、助成金の 財源を確保するために、納付金の額を上げるという議論をするとすれば、それはなかな か受け入れがたいのではないか。やはり納付金のシステムというのは、個々の企業にお いて障害者がいろいろなハンディキャップを持っている部分についてはやはりかかり増 し経費がある。その部分を法定雇用率にまで達していない企業は経済的に見れば有利に なる。ここは、どの程度の額がそうかというのは、調査結果等に基づいて額を算出しな がらやっています。それを超えて助成金財源だというのであれば、それはなかなか難し いのではないか。  ただ、全体としてそういう額の調整をしていく中で、それを全部大企業に還元しなけ ればいけないということには必ずしもなっていないと思います。そこは、これまでも報 奨金制度はありますし、助成金は中小企業、大企業を問わずということになっています ので、使うこと自体駄目だということにはなっていないのかと理解しています。 ○今野会長  輪島委員から何かありますか。なければ今後また議論しますので、本日は論点として 残しておくということでもいいのですけれども。 ○輪島委員  コメントだけさせていただきます。端的に副島委員にお答えするのであれば、基本的 には総合的な全体の中の調整ですから、企業全体の中で雇用の促進が進むための一助と しての助成金が適切に使われているのであれば、そのことについて一つひとつ全体の流 れの中で大きな問題だとは思っていません。  そもそも根源的な問題ですけれども、納付金会計が資料1−3で、資料1−3の中に 先ほど説明があったように、収入と調整金の負担の調整と。それに加えて報奨金という 300人以下の所に出している。その余のもので助成金をやりましょうということになって いるけれども、支出としては助成金のほうが多くなっているというのはなにかバランス が悪いのではないか。  そもそも1.8%の雇用率に対し、達成していない所から収入を得て、それを財源にして いるわけですから、雇用率が上がってくれば収入が減ってくる。雇用の促進をすればす るほど財源が細るという自己矛盾がある会計を持っているということにそもそも問題が あるのではないか。  そのように言えば、会計的にはほかに雇用保険であるとか、労災保険といった保険の 仕組みがあります。これは負担の調整ですから保険の仕組みではありませんからそもそ も違っいますけれども、しかし別ルートで企業から会計を持つということの意味をどの ように考えるのかというのは別にあるのではないか。 ○今野会長  納付金制度とは別にということですか。 ○輪島委員  例えば、法人税と一緒に納付金を納めれば、それは会計でチェックすればそれでいい わけです。又は雇用保険と一緒に徴収すればそれでもいいわけですけれども、それでは ない別のルートで納付金会計をつくることの意味はどういうことなのか。  前回佐藤ヒロキ先生がおっしゃったように、そのもともとは61報告を元にしているわ けですから、61報告の提出状況が100%なのかどうか。それから301人以上の企業規模か ら徴収しているわけですから、それの納付率がどうなっているのか。そのことについて の徴収のコストはどのようになっているのか、会計自身がどうなっているのか、という ことがよくわからないのです。  資料1−3によると、収入は210億円ですけれども、支出のところで業務費の55億円 というのがたぶん徴収コストなのでしょう。ずっと前に審議会でお伺いしたところによ ると、これは委託事業などが入っているので、55億円がすべて徴収コストではないとい うことでした。210億円集めるのに55億円かけているとは到底思えませんので、そのこ とも含めて納付金会計全体がどのようになっているのかということを議論する必要はあ るとは思います。 ○大島委員  関連で、中小企業の立場から言わせていただきます。資料1−1の(4)に、中小企業に 対する支援について集中的に強化すると書いてあって、支援の拡充というのは非常に歓 迎するところであります。参考までに、商工会議所が行った調査結果では、障害者の雇 用が進まない理由として、施設のバリアフリー化などのハード面での環境が十分ではな いという回答が多いです。中小企業だと体力的にギリギリでやっている所が多いので、 施設改善に関わる助成金の納付状況についてどのように評価しているのかという詳細が 見えてこないのです。企業規模のほかにどのようになっているかとか、その辺をもう少 し詳しく教えていただきたいのが1点です。  資料1−1の2頁の4の支給期間の適正化の(2)にあるように、助成金全体の予算がい たずらに膨らまないように、必要な部分と不必要な部分を精査し、適正化していくとい うことをもう少し詳しくやっていただかないと、助成金の予算に対する今後の方向性が 見えてこないのではないかと思います。 ○今野会長  いまお2人から意見がありまして、特に輪島委員の意見は根本的な意見だと思いますが 何かありますか。 ○障害者雇用対策課長   かなり根源的なご指摘をいただいたと考えております。納付金制度については、基本 的に納付金と調整金による負担調整ということを主軸に制度が設計されております。こ れは、当然雇用率が改善すれば、そこでの経済的調整が中心となり、その他に回る予算 規模は当然少なくなることになるのだろうと思っております。  いま、納付金は1人不足するごとに、月に5万円徴収しております。一方、調整金に ついては2万7,000円という形になっておりますので、ここで差が付いているわけです。 これは、全体としての雇用をするに当たってどのぐらいの経費がかかるのかということ を見た場合に、大体5万円ぐらいだと。一方で調整金というのはそれなりの規模で、そ れなりの採用をしていることを前提として、プラス1人雇う場合についてどのぐらい費 用がかかるのかということで、そこで差が出てくるということです。  そういう意味で、雇用率の問題と、その雇用について初めて雇うのか、プラス1人雇 うのかということで、その差分によってそのほかの事業を行っているということです。 ご指摘のように、基本的に雇用率が改善すれば、そこの経済的調整を中心として、障害 者の雇用措置がされるべきだということはあるのですけれども、それ以外についても若 干差分が出てくるということで、報奨金、助成金の施策が講じられているところです。  さらに言いますと、現在法的には調整金と報奨金というのは、ある意味で義務的な経 費という形で出てくるわけです。助成金については、さらに差分という形で施策を講じ ている状況です。金額的にはかなり伸びてきています。調整金よりも多いというご指摘 もありましたけれども、全体として見れば資料1−3にあるような収支状況の中で、そ の差分の中で事業を展開しているということです。  近年、平成18年度から若干赤字に転じているという状況ではありますけれども、若干 の余剰金もあるということです。財政的状況から見て、助成金制度を大きく見直さなけ ればいけないということは長期的な課題としてあるにしても、現在見直しの視点をお示 ししておりますのは、こういう全体的な流れの中で、どういう形で施策を展開するべき かということで、副島委員からのご指摘にもありましたけれども、長期的に払うべきと ころは払うし、あとは重点化、幅広く展開するところには展開すべきである。この辺り のメリハリをどういう形でつけていくかということについて、現時点で制度改正を前提 として議論する中で、どういう形で見直しを行っていくのが適当かということで、今回 助成金の在り方についてという形でご議論いただいているところです。  そういう中でのご議論だとご理解いただければと考えております。その上で輪島委員 からは、難しいご指摘をいくつかいただいております。基本的に障害者について、雇用 保険あるいは労災保険と異なった制度ですので、ファンドを別につくるということは、 障害者の雇用がかなり改善している中で、まだかなり改善の余地があるという状況の中 で、そういう施策のためのファンドを持つということ自体、おそらく輪島委員にもご異 論はないのだろうと思っております。  その中で、どういう形で徴収するのかということで、いまの徴収の仕方が徴収コスト の関係から最適かどうかという辺りについては常に見ていきながら、最善の方法を考え ていくべきだろうと考えております。  また、61報告が万全なものかどうかという佐藤委員からのご指摘もあったわけですが、 我々が把握できるものについては100%ということで、その把握以外にどのぐらいあるの かというところまで完全に押さえきっているわけではありませんけれども、それなりの カバレッジでやっているのだろうと考えております。もちろん徴収方法等改善の余地と いうものは考えていかなければならないと考えておりますけれども、現行制度では以上 のような問題意識の下で施策を展開しているということでご理解賜ればと考えておりま す。 ○今野会長  輪島委員のご意見と、あとここで議論しなければいけないテーマとの観点から考えると 3ステージあって、第1ステージは納付金制度そのものはいいのかという問題。第2ス テージは、納付金制度は一応前提にしましょうと。それを効率的に徴収するときにどう したらいいのかという問題。第3ステージは、現在の制度を前提としたときに、このお 金の使い方をどうしましょうかという問題。そういう3つの分野の話がいまは一緒にな ってしまっているのです。  私としては、とりあえず第1ステージの議論が重要だったら別途違うところでやって いただいて、とりあえずはそれを前提にしたときに、効率的にあるいは有効に使うには どうしたらいいかということで議論する、というのが当面のここのミッションかと思っ ています。いちばん最初の問題は長期的な問題として、輪島委員から問題提起があった というぐらいで捉えさせていただく、ということにさせていただければと思います。 ○輪島委員  第3ステージで十分結構だと思います。将来的な検討課題ということで整理していた だければと思います。  先ほどの発言の中で、第3ステージのところの発言が漏れましたので一言発言させて いただきます。先ほど副島委員がおっしゃった、薄く・広くというのはそういうキーワ ードだろうと私どもも思います。もう1つ、薄く・広く・長くということで、長いとこ ろの10年のチェックは当然に必要だと思うのですが、知的障害や精神障害の雇用のこと を考えると、業務遂行援助者ないし、いまいちばん助成金が出ている障害者介助等助成 金の中身の重要性というのは、ゆえに助成金の額がいっぱい出ているのだろうと。特に 手話通訳であるとか、ここにあるような要件のすべてが10年ではもしかしたら短くて、 少なくともその方が退職するまでは雇用が継続されて、そのことは他の人材を確保しな ければ改善されないわけですから、そういう意味では助成金をいただいて、その中で必 要なマンパワーを補うというような助成金のあり方は必要だと私どもは思っています。 むしろ、薄く・広く・長くでお願いしたいと思います。 ○今野会長  いまの点について事務局から何かありますか。もう、薄く・広く・長くというキーワ ードが出ましたので、長くを切るかとか切らないかとかいろいろあります。 ○調査官   特に、長くの観点なのですけれども、どこまで長くということになるのかもしれない のです。その場合にかなり長期的にということになりますと、これは助成金というより も納付金と調整金の中で調整していく世界に入っていく話になるのかということも含め て検討させていただきたいと思います。 ○障害者雇用対策課長  若干補足させていただきます。基本的に当然長く支払うべきものは長く支払うべきも のなのだろうと思っております。いまあるものについても、10年間定額で出すもの、定 限的に出すものといろいろあります。  そういう中でメリハリを付けていくということで、外部的な支援を活用するというこ とでも、例えばジョブコーチのような制度、あるいはアカポセンターのような制度と、 外部的なそういう資源が出てきた。そういう中で、既存の10年間出すというような継続 的な支援というものが適切かどうかという辺りについては見ていく必要があるだろう。 その上で、当然長期的に立つものについては出していく。重度の方、あるいはなかなか 対応の難しい方については薄く・広く・長く出していくことは当然として、長いところ について成果をチェックするというのはなかなか難しい面もありますけれども、そうい うものが実際に役に立っているかどうかということを評価しながら、役に立っているも のについては当然長く出す、という観点での見直しをやっていきたいということです。  必要な部分について、効果がある部分について、それで長いものを切るという趣旨で はありませんが、その辺りはもう一度精査することをやってみたいということです。 ○菊池委員  長くということなのですけれども、10年間ずっとというよりは、入職して3年間とか、 中年になったときのとかメリハリを付ける。例えば、いま知的障害の方の体力測定を続 けているのですけれども、あるときからガタンと落ちていくということがあります。そ うなると、最初の若いときの10年ずっとというよりも、むしろ初職の旬の3年間しっか り支援をして、それからずっと軌道に乗って、また節目節目といいますか、そのときに タイムリーに支援が行くようなメリハリの付け方ができればより効果的に、調整金にし ろ助成金にしろ使われていくのではないかと思います。 ○今野会長  薄く・広く・長く・きめ細かくというキーワードになったようです。 ○鈴木委員  確かに長いのがいいかどうかという問題はあるわけです。私のように視覚障害があっ て、それを支援する形でのサポートというか、仕事に就いている場合、これを3年で切 られては困るわけです。その人が仕事に就いている間中必要な支援もあるわけです。そ の辺は、それぞれのところを精査していただき、その人が働いている間中必要なことと いうのもあるわけですし、ポイント、ポイントで必要な部分も出てくるわけですから、 一律バッサリということではなくて、それぞれの内容によって精査するということをお 願いしておきたいと思います。 ○今野会長  やはり、薄く・広く・長く・きめ細かくですね。あとは個別の制度をどうするかです から、それはまた別途具体的な議論になると思います。一応基本的な考え方のキーワー ドは出たので、次の議題に進ませていただきます。次は「除外率の引下げについて」と いうことです。事務局から説明をお願いいたします。 ○調査官  資料2−1と資料2−2を使ってご説明いたします。まず資料2−1で除外率の引下 げについてです。現行制度の中で、現行の民間の除外率がどのようになっているかとい うところを2番目で説明しております。現在は、かつてありました業種ごとに定めた割 合の除外率により、雇用義務を軽減する仕組みが設けられていたところですが、ノーマ ライゼーションの観点から平成16年に廃止されました。  法律で申しますと、本則のほうからなくなったということです。ただ、除外率を即座 に廃止するとなると、施行に困難が伴うということも考えられたことから、経過措置と して、いまのところ除外率を設けています。具体的には法律の附則で書いていまして、 それと併せて平成16年にはすべての除外率設定業種について、一律10%ポイント縮小し た経緯があります。また、この経過措置についても、法律で段階的に縮小していくこと が明記されているところです。  その法律の中身は次の頁に出ております。障害者の雇用の促進等に関する法律の附則 の第3項に除外率を将来に向けて段階的に縮小されるように制定され、及び改正される ものとするということが書かれています。2頁の下の、国及び地方公共団体の除外職員 については、平成16年の段階で、民間企業の除外率と同様に一部の職員、この一部の職 員というのは警察官、自衛隊員といったところがなっているわけですが、こういうもの を除き基本的に廃止したところです。ただ経過措置として、これも除外率が設けられる ということで、民間企業と同様の観点から、廃止前の除外職員の割合から10%引き下げ た率を除外率として設定しているところです。  現在の除外率の状況については資料2−2で、除外率の設定業種と除外率が、先般除 外率の設定し直しにつきましてご議論いただいているときも同じペーパーを出させてい ただきましたが、このような形になっております。低いものは5%で、高いものになる と90%が附則を根拠に経過措置として出ているというものです。  もう一度資料2−1の3頁に戻りまして、除外率の引下げの方向については法律の附 則のみならず、そのほか障害者雇用対策基本方針であるとか、障害者基本計画労働政策 審議会の意見書等において言及されているところです。例えば、基本方針において、こ れは平成15年の告示になりますけれども、平成16年度より段階的に縮小を進める。国 及び地方公共団体の除外職員制度についても同様の方向にするといったこと。障害者基 本計画についても同様の書きぶりとなっております。  その後平成16年12月15日には、労働政策審議会の意見書において、平成16年4月 に除外率一律10%ポイント引下げを行った後の方向性について検討をしていただき、意 見書を頂戴しております。これについても、段階的な縮小に向けて準備を進めていくと いうことを頂戴しております。このほか、平成14年1月9日にも同様の内容のものを頂 戴しております。  こういう方向性を踏まえまして、最後に検討の方向性です。閣議決定であるとか、意 見書の方向性の中で、除外率の引下げが指摘されていることもありますので、除外率設 定業種ごとの影響等も勘案しながら、次期制度見直しの時期に併せて除外率を引き下げ ていくべきではないかと事務局としては考えております。こういう方向性について、委 員の皆様のご意見を頂戴できればと、ご議論いただければと思っております。 ○今野会長  それでは、ご意見、ご質問がありましたらお願いいたします。 ○輪島委員  資料2−1に説明があったとおりなのですが、それほど自動的な除外率の引下げとい うことを言っているのではなくて、私どもの認識のオリジナルは、5頁の平成14年1月 9日の資料だと思っております。その点で下線が引いているところ、特に障害者雇用の 進捗状況、それから就業を容易にする技術革新の状況、関係者の理解の3点がある意味 で条件だと思っております。この点の検証があった上で議論する、ということが前提だ と思っております。その点で資料的なものがもしあるのであればご提供いただきたいと 思っています。  この5年間、私どもは実際に何をしてきたかということですが、一生懸命やってきた のはいろいろな業種団体にお願いをして、障害者雇用の基本的な説明と、除外率制度の 将来的な状況について説明をしてきました。そこである意味でお答えをいただいたのが、 例として鉄道業です。ご存じのとおりだと思いますが、いま首都圏、それから東京メト ロも含め、今度西武にもできますけれども、すべての首都圏の鉄道業には特例子会社が できるようになりました。鉄道本体の理解、障害者雇用に対する理解と、除外率引下げ の理解というのは非常に進みました。私どもメリットが大きいと思っているのは、鉄道 業は同じくバスを持っていたり、タクシーやハイヤー事業も持っていますから、そうい う意味でのグループ内の波及も非常に大きいのではないかと思っています。  ただ、5年間かかってできたのは、本当に少しずつではありますけれども、そういう ところができました。それ以外のところが難しかったのも事実なので、やはり時間がか かる問題だと思っております。制度的にいちばん最初のほうに戻って、縮小するのが前 提なのだから、エイヤッと縮小しますというところはそのような状況ではないとまずご 理解いただきたいと思っています。 ○今野会長  いま、いちばん最初におっしゃられた、資料2−1の5頁で3つの条件というのは、 この文章のどの辺に当たるのですか。 ○輪島委員  いちばん下の3行のところです。 ○今野会長  いまの点について事務局から何かありますか。 ○障害者雇用対策課長  今回はあまり詳細な資料をお出ししておらず恐縮です。基本的な考え方は輪島委員が ご指摘の、平成14年1月9日の労働政策審議会の意見書に基づいて対応すべきなのだろ うと考えております。この意見書の中で、障害者雇用の進捗状況、関係者の理解の進展、 技術革新等の状況ということが挙げられていると同様に、同じ文章の真ん中の下線より 下の部分で、一定の期間をかけて、段階的に除外率を引き下げ、縮小を進め、廃止を目 指すべきであるとされた上で、一定の期間としては次の障害者基本計画の経過期間とい うことで、概ね10年間で廃止を目指すということもこの意見書の中では記載されている ものと考えております。  関係者の理解という意味では、先ほどご指摘いただきましたような鉄道関係はかなり 進んだということが非常に追い風になっているということがあります。産業別に状況は 違う面はありますけれども、全体として障害者雇用率は改善を続けている状況になって います。産業別に見ても、過去の除外率適用業種について、平成15年から平成16年にか けては除外率の影響か、景気の影響かいろいろありますけれども、雇用率は若干低下し ている部分もありますが、平成17年にかけてはかなり回復して、平成18年では業種によ って平成15年の水準をかなり超えているというところにまで達しているという状況にあ るかと思います。  こういう中で、全体として個別の産業の状況を見ていく必要があります。そういう意 味で審議会の中で一定の方向性をいただければ、その方向で調整に入るということを考 えたいと考えております。基本的な考え方としては、前々回の障害者雇用対策法の附則 にありますような考え方に基づいて対応すべきではないかと考えている次第です。 ○鈴木委員  基本的に除外率は段階的に、いろいろな状況を見ながら下げていっていただきたいと いう気持はしております。資料2−1の最初のほうで、法定雇用率のところで一般企業、 法人、公共という所が2.0%とか2.2%とかあるのですが、こちらはちゃんと守られてい るのですか。地方公務員とか社会福祉協議会、それから教育委員会など、本当はそうい う所が模範を示すべきであろうというところの雇用率の調査というのはあるのですか。 ○障害者雇用対策課長  もちろんあります。ご指摘の点ですが、当然公的機関が率先して雇用率を達成すべき であるというご指摘はもっともだと思っております。現時点で国の機関で未達成の機関 はありません。地方公共団体については、ごく一部まだ未達成の部分があります。また、 ご指摘にありましたような、教育委員会等々は若干低目に出ているということはありま すけれども、それでも改善傾向にあるということです。地方公共団体、あるいは地方組 織についても改善の方向で動いているということです。ほとんどの地方公共団体は達成 している中で、一部未達成のものがあるという状況とご理解いただければと考えており ます。 ○鈴木委員  企業の場合、法定雇用率を満たさない場合はペナルティが課せられるわけですが、公 共機関にはそういうのはないのですか。 ○障害者雇用対策課長  公表の制度は必ずしも民間企業にだけかかっているわけではありませんので、未達成 の状況については逐時報告をしているということがあります。場合によってなかなか改 善が難しいような場合については、厚生労働大臣から勧告するということもやっており ます。そういう意味で、私どもとしては民間企業よりも厳しく対応すべきというスタン スで臨んでいるところです。 ○鈴木委員  その辺が厳しくないと、模範を示さないと、何をやっているのと言われてしまいます。 ○今野会長  いまの発言のご趣旨は、除外率を率先して下げろということですか。 ○鈴木委員  はい。下げた上で、そういう所の雇用率もきちんとやっていかないと、減らすばかり 減らしても、模範を示すべき所がきちんと出さないといけないということで伺いました。 ○輪島委員  いまの流れの段階的縮小ということについて私どもも否定するものではないです。欠 格条項とか、いろいろな社会的状況の中で除外率が段階的に引き上がっていくことを否 定しているわけではありません。ただ、先ほど課長がおっしゃった点ですが、平成14年 の審議会の議論は、10年で全廃という議論は全くなかったので、そういう認識は持って いません。  それから3つ目ですけれども、業種・業態で難しい業種というのは必ず残るのです。 例えば航空業界ではパイロットとフライトアテンダントについては、現状では50%がそ ういう人たちなわけです。除外率は最終的にゼロになっていく、ゼロを目指すというこ とは必要だと思うのですけれども、非常に限定的な除外職員というのは残さないと、そ もそも無理な業種の所に、ほかでカバーしてくださいというのは本来の趣旨なのかどう かというのは議論があると思います。除外率がゼロになった時点で、ある程度限定的な 除外職員というものは認めてほしいとは思います。  それから、資料2−2の2頁にある現行の除外率ですが、私どもが聞くところによる と、除外率の高いところ、つまり50%以上のところは10%ポイントずつ下がってもやっ ていかなければいけないと。ただ、低いところで難しいところもかなりあるので、今回 一律10%ポイント引き下げる手法については、是非ご議論いただきたいと思っています。 ソフトランディングをお願いしたい。 ○今野会長  そういうことを論点としてちゃんと考えておいてくれ、というご提案でよろしいです ね。 ○佐藤委員  除外率の制度の仕組みができたとき、どのようにやったかあまり詳しくないので、間 違っているかもしれませんが、考え方は資料2−1にあるように、一定の技術状況を前 提にすると、障害者が就業する困難な職種がある。これが合理的であるとすると、これ を含めて雇用率を算定するのはちょっと合理的ではないと、要するに除くという趣旨だ と思うのです。そのときに、たぶんこれは業種単位でやっているから、業種の平均か何 か、それぞれの業種でたぶん3割。例えば建設業3割というのは、建設業の業種で3割 程度は、障害者の就業が困難な職種があるとやったのだと思うのです。いま非常に難し いのは、これは平均でとっていると思うのですが、ここの企業がある業種に分類される からといって、就業困難な職種が3割かというと相当乖離があるところが問題だと思う のです。同じ業種でも、いろいろな業態もあるし、人材開発の仕組みは相当違うのです。  ですから、除外制度自体を変えるのは難しいにしても、下げ方のときに業種平均で下 げていくのか、あるいは例えば1つは企業に申告させるというのがあるかもしれない。 この職種について、3割です、あるいは4割ですと申告させるのが、説明が合理的であ ればというやり方もあるかもわからない。業種一律というのは、建設業はわかりません が、例えばゼネコンも専門工事業者1本なのですか。例えば建設業というのは、総合工 事業者と専門工事業者1本ですか。 ○今野会長  建設業についてはそうなのではないですか。 ○佐藤委員  そうすると、ほとんどホワイトカラーの職種と現場の鉄筋工などというのが一緒に3 割というのは、どう考えても無理があるのではないかという気もするので、やはり本来 の考え方に基づいて、困難な職種が何割あるかという形でやっていくほうが、それを業 種にリンクさせるところを切り離すというのが1つかもしれない。だから、職種別除外 率は一応いいにしても、それが実態に合うかどうかというところを見ていくのは1つか と思います。 ○障害者雇用対策課長  いまゼネコンについてのお話がありましたが、基本的に産業分類ですので、主たる業 種はどれかという形で見ていると。ゼネコンについては、基本的に現場作業を持ってい ないところが中心だと思います。土木系を除けば、ほとんど現場作業を持っておりませ んので、そういう意味では建設業に分類されることはないのだろうと。あくまでも作業 ベースで産業分類で見ているということになりますので。 ○主任障害者雇用専門官  細かい点ですが、例えばゼネコンの場合、除外率の適用は企業ごとではなくて、雇用 率自体は企業で設定しますが、その中の事業場ごとに適用します。ですから、ゼネコン の場合、本社は事務ですので、除外率は掛かりません。けれども、現場を持っている事 業場があれば、そこは建設業をやるということで、その事業場にだけ除外率を掛けます。 その結果として、総体として企業として雇用率がどうかということをやってまいります。  同じようなことは病院などにもあって、例えば本部であれば医療行為をやっていませ んので、そこは医療の関係の除外率は掛からない。けれども、各病院については医療を やっていますから、医療の除外率は掛かって、それを総計してやっていくと。雇用率は 企業単位、除外率は事業場単位ということでやっております。 ○佐藤委員  運輸関係は、普通、大手だと倉庫も持っていれば、配送のところも持っていたりなど とありますよね。そうすると、事業所単位でいくわけですね。 ○主任障害者雇用専門官  そうです。 ○佐藤委員  1個1個、計算していくのですか。 ○主任障害者雇用専門官  はい。 ○今野会長  ちょっと質問なのですが、製造業の中で、例えば運送をやっている事業所があった場 合はどうするのですか。もちろん、製造業ではないですよ。 ○主任障害者雇用専門官  その事業場の主たる業務が運送であれば、その事業場にだけ掛けることになります。 それで分母として足していって、分子として足していって、雇用率を出していくと。 ○今野会長  もうあまりないと思いますが、昔は製鉄会社などは建設部隊を持っていましたよね。 そうすると、そこはここで言うと除外率3割を適用していたのか。 ○佐藤委員  それは事業所ではないから。そこに同じ事業は。 ○長谷川委員  郵便事業が、病院を運営しているときはどうなりますか。 ○主任障害者雇用専門官  病院です。病院の除外率が掛かります。それだけは病院として掛かります。 ○長谷川委員  雇用率は企業で掛けておいて、除外率は例えば病院の事業所は40を掛けて、郵便の事 業所は30を掛ける。 ○主任障害者雇用専門官  そうです。それで、分母を全部足してしまいます。 ○長谷川委員  例えば鉄道会社が病院を持っている場合、両方とも40、40となりますか。 ○主任障害者雇用専門官  そうです。 ○長谷川委員  林業で病院を持っていたら、病院のところには40を掛けて、林業の現場のところで45 を掛けるということですね。 ○佐藤委員  部会長が言われたことにもかかわるのですが、事業所単位なのですが、逆に言うと、 事実上、除外職種が事業所で独立していなければ、業種として除外されないのです。例 えば1つの製造業などが建設部隊を持っているのです。それは事業所は独立していない ので、製造業か何かで分類されてしまっていると除外されないのですね。 ○主任障害者雇用専門官  そうなります。 ○佐藤委員  同じ職種であっても、事業所は除外されるけれども、そうでなければ除外されないと。 ○主任障害者雇用専門官  そうです。事業場ごとです。 ○佐藤委員  主たる事業で分類するのですね。 ○今野会長  ということは、ある程度、職種は考慮しているということ。 ○主任障害者雇用専門官  現状・現実を考慮していると。 ○今野会長  私も含めて、皆さん基本的なことを知らなかったですね。 ○高橋委員  別の観点からですが、5頁の労働政策審議会の意見書の中ほどで、国や地方公共団体 の除外職員についても同様にやっていくというところについては、方向性としては私も 全く同感です。特に除外率の中で、先ほど法定雇用率、実雇用率はどうなのかという話 があったのですが、前に資料を見させていただいて、教育関係が非常に低いということ で、なかなか雇用の促進ができていないという話があったと思います。法定雇用率を到 底満たしていないというところがあって、特に除外率が、教育関係はかなり除外されて いるところが高いですよね。非常に高いという印象ですが、私は教育関係に属していた 者として、例えば子供たちの教育にかかわる部分で、ノーマライゼーションや共生とい う立場からいけば、除外率は低く設定していくべきだろうと思います。実際、教職員が 途中で病気・事故等で障害を持つというような状況になって、退職に追い込まれたとい う方たちを私は何人も知っているのです。そういったところで、なぜこんなに除外率が 高いのかという理由を再度お聞きしたいと思います。  それから、所要の措置がとられるべきであるという所で、先ほど輪島委員から資料的 なものがあれば提示してほしいという話がありましたが、その辺の実態を踏まえて、所 要の措置というのはどのような方向で考えておられるのかをお聞きしたいと思います。 ○今野会長  1つはどうして教育関係はこんなに除外率が高いのかということと、改変するための 所要の措置というのは何かと。単純に言ってしまいましたが、いいですか。 ○障害者雇用対策課長  教育委員会関係についてのご指摘がありました。教育委員会はやはり学校の教員関係 が職員の中心になるということで、免許職種であるということで、なかなか免許を持っ た障害者がいないということで、障害者の雇用が進まなかったことが1つの原因と言わ れております。ただ、最近、教育委員会においても、かなり積極的に障害者の雇用を進 めていただいております。県によっては、かなりの方も採用していただいているという 状況になっております。すべての県で雇用率を満たしているというわけではありません ので、既に達成している県の教育委員会もあるというわけです。  また、教育委員会の中は免許職種の教員だけではなくて、一般事務の方等の採用もあ るという中でですので、ご指摘のような形でノーマライゼーション、あるいはインクル ーシブ・エデュケーションといった中で、もし障害者を排除しているという考え方があ るとすれば、それは問題であるという観点で、私どもも指導をしているところです。こ の点については、民間企業と違って納付金制度があるわけではありませんが、先ほども 申しましたとおり、公的機関が率先垂範して障害者の雇用を進めるべきであるという基 本的な考え方に立って、私どもとしても大臣以下で積極的な形で対応して、一日も早く 教育委員会についても雇用率を達成するような形での指導を強化しているところです。 ○高橋委員  除外率が高いというところもお聞きかせください。 ○障害者雇用対策課長  除外率が高いというのも、免許職種であるということで、教員免許を持った障害者の 方が少なく、なかなか障害者の雇用が進まないことが原因だと言われております。 ○高橋委員  それとちょっと違うのではないでしょうか。除外率と免許保持者が少ないということ は、ちょっと違うのかと思います。 ○飯ヶ谷委員  すみません。私もよくわからないので、本当に基本的なことを教えてもらうのですが、 除外率を設定した根拠といいますか、そもそも何で砕石が20で鉄工が30でという相対 的な問題もありますし、絶対的なパーセントの問題もあるのです。私は設定の根拠を知 らないので教えてもらいたいのです。その根拠に設定した事実があるのであれば、その 事実がどう変わっているかで絶対的な数字も変わるかもしれないし、相対的な位置づけ も変わると思うのですが、その辺はどうなのでしょうか。 ○障害者雇用対策課長  除外率の設定については、雇用率制度と同時に設定がなされており、昭和51年の制度 において導入されております。この時点において、障害者が就くことが困難な職員が各 産業にどのぐらいいるかという形で、かなり詳細な調査を実施して、その平均的な割合 を除外率という形で定めたという経緯があります。お手元にある職種の除外率について は、平成16年に10%下げておりますので、これにプラス10%というものが昭和51年か ら平成16年まで続いていたという状況です。この間、一切見直しはなされておられない という状況です。  基本的には、除外率については、ノーマライゼーション等々の理念から制度として必 ずしも望ましいものではないという考え方も一方である中で、まさに積極的な見直しは 行ってこなかったということだろうと考えております。したがって、当時と比較してい まどうなっているかということについては、積極的に調査をかける状況には至っていな いと考えております。 ○今野会長  具体的にどういう基準で、どのようにやって設定したのかということをお聞きしたい のですね。それを参考にして、ここで議論したいと。 ○飯ヶ谷委員  そうですね。事実関係がどう変わっているのかによって、また変わってくるのかなと。 一律にバサッとやるのがいいのかどうかという問題とも関係があると思うのですけれど も。 ○大島委員  いまおっしゃられた業種の特徴もそうなのですが、事業規模の大小も、一律に引下げ に考慮を入れていただかないといけないのかと思います。やはり規模が小さければ、な おさら間接部門の従業員ぎりぎりでやっているところが多いので、そうしたものも実態 を十分に踏まえながら、一律の引下げがいいのかどうか、可能かどうかを、もっと慎重 に精査していただければと思います。 ○長谷川委員  除外率はきちんと検討したほうがいいと思います。なぜなら、現行の制度に改正した 当時とは、状況が違ってきており障害の種類も増えています。そういう角度から、もう 少し丁寧にいろいろな業界からも聞きながら検討したほうがよいのではないか。私は除 外率を下げることに賛成ですが、そもそも何で幼稚園が70なのか、小学校は何で65な のかと思ってしまう。ただ、免許とのかかわりがあったり、高等教育よりも小学校や幼 稚園など下に行けば行くほど、除外率が高いのです。おそらくもともと身体障害者が制 度創設時から入っていたからではないかと思うのです。そういう意味では、業種と除外 率の関係をもう少しきちんと見直さなければ無理があるのではないかと思います。 ○今野会長  そうすると、いままでいろいろなご意見が出ましたが、基本的な考え方としては、除 外するのは障害者の方の就労が困難であるということなのです。ただ、困難である対象 層の設定の仕方はいろいろな考え方があるということで、ご意見が出たのです。現状は わかりました。例えば業種一律ではおかしい、規模も入れてくれなどの話がありました。 いずれにしても、対象層の設定の方法をどうするかということは、1つ論点としてある だろうということです。  もう1つは、そこでイエス・ノーが決まったときに、対象層としてイエスとなったと きに、その困難度の程度をどうやって測るのかということです。その意見がいくつも出 ましたので、そんなことも全部含めて、少し全体的にきちんと考え直したほうがいいの ではないかということだと思います。ここの整理をするとそうなるということです。何 かありますか。 ○高齢・障害者雇用対策部長  それぞれもっともなところもあるのですが、1つ考慮していただきたいのは、現在、 附則に移っているというか、法則上は除外率という考え方を前回の法改正でやめたとい う事実がある。本当に個々の仕事を見ていて困難かどうかを突き詰めることになってい った場合には、もう一度、元に戻るのかどうかということまで話がいってしまうかもし れない。そういう話なのか、そうではなくて、将来的には除外率制度はなくすか、もう 本則からはなくなっているわけですが、その率の下げ方で、もう少し精密に見ろという 話なのかということがあると思うのです。元に戻るのだとすると、制度そのものをもう 1回やめる過程をやめろということにもなりかねないので、聞いているとそうではない のかなとは思ったのですが。 ○今野会長  除外率は、長期的にはやめるのですよ。それはもう。 ○高齢・障害者雇用対策部長  ただ、本当に困難なものがあるなどという議論をしていくと、やはりその部分は将来 的に除外率を残さざるを得ないという議論に結び付いていくのかなという気もしたもの ですから、そういうことではなくて、やめていく過程の中で、もう少し精密に見ろとい うご議論なのか。 ○今野会長  ですから、どうするかは別にして、ここでの論点としては、やめるのは決まっている。 ただ、やめるときに、やめ方の問題をどうしようかとちゃんと考えたほうがいいという のが1つです。やめるのを決めたときも、一部適用除外と考えたほうがいいのではない かという意見が出たということだと思います。長期的に考えたら、基本はやめるのだと 思いますが、輪島委員、長期的にはいいですよね。 ○輪島委員  先ほどそのように申しました。 ○今野会長  基本方針としては。ですから、そういう論点が出たということだと思いますので、あ とはそこから実際にどうするかは、先ほどちょっと意見が出ましたが、順番にやるとき も全産業をもう一度調べて、全職種調べて、もう一度困難度調査をしてというところま で下がるのか、もう少し前で勝負をするのかというのは、またここでの具体的にどうす るかというときの議論になってくると思います。私は今日は皆さんのいろいろな意見を お聞きすればいいという指示だと思っていますので、そういう論点が出たということで 整理をするべきだと思っています。 ○鈴木委員  先ほど事務局の回答の中に、教育関係の除外率が高い中に、障害のある人たちが免許 を持つ人が多いとか、少ないという発言があったように思うのですが、それはちょっと 違うかなという部分があるのです。もしそういうのが基本にあって考えていらっしゃる のであれば、それは間違いかと思いますので、ご注意いただければと思います。 ○調査官  補足をさせていただくと、小学校辺りで除外率が高くなっているのは、個々の先生方 が体育の授業を皆がもたなければいけなかったり、例えば身体的な制約のある方がいろ いろな形態の授業をもたなければいけないという実情があるということが、当時議論と してあったことを付け加えさせていただきたいと思っております。 ○今野会長  ということは、状況は変わっているかもしれないということですか。 ○鈴木委員  それはわかるのですが、変な話なのですが、いま妊娠されている先生などは体育はし ないのですよ。ほかの先生が来られて、代理でやったりしますし、音楽が不得意な男の 先生は女性の先生が来られてやったりすることを考えると、そうとも言い切れないとい う部分は、状況が違っているという言い方でよろしいかと思いますが。 ○長谷川委員  前回の3年前の審議会のときに、教育委員会の実雇用率が著しく低かったので、なぜ かという議論になり、免許の話になったのです。しかし、現場では、例えば必ずしも教 員全員がプールに入っているわけではなく、入れないときは別の教員がやっているでし ょう。音楽もそうです。全くいまと同じ議論を行い、この審議会で、教育委員会や文部 科学省に、ちゃんと障害者雇用を積極的に取り組むと言うことが重要ではないかとの結 論に達しました。当時の課長は文部科学省に行っているはずです。教育委員会にも積極 的に取り組んでほしいと。だから、免許の話と体育の話は、前回の3年前の時点で決着 がついている話です。事務局は、答弁するとき、ちゃんとそういうことを勉強しいただ きたい。 ○今野会長  それは、いまたまたま学校の話になっていますが、ほかの業種もいろいろそういうこ とがあるのだと思うのです。ですから、今日は論点が整理できたということで、とどめ させて。 ○原川部長(新澤委員代理)  代理ですが、一言言わせていただきます。私は中小企業の立場ですが、先ほど出まし たように、規模・業種に対する考慮など、要するに実態をよく見て考えるべきだ、議論 すべきだと考えますので、一律的に縮小すればいいと。段階的に縮小するのはもちろん 反対ではないのですが、実態をよく見ていただきたいというのが1つです。それと同時 に、除外率を縮小することと並行して、1つは雇用環境の整備というところも急ぐ必要 があるのではないかと。特に中小企業でも、叱咤激励を含めて、雇用の経験のない企業 に対するある程度の周知や支援策ということ。先ほど寄付金のところで、集中的な支援 などというのも出てきましたが、そういったものを行う必要があるのではないか。  もう1つ、共同雇用ということが出ておりますが、中小企業の場合には事業共同組合 などで共同で雇用すると。共同で雇用して、その結果、大企業でいまやっているような 特例子会社的な仕組みのようなものができないか。そのような観点からも並行して議論 をしていくべきではないかと思います。 ○今野会長  ご意見として伺っておくということで、今日はもう1つ議題がありますので、進めさ せていただきます。次の議題は「精神障害者の雇用支援について」、ご議論いただきた いと思います。説明をお願いします。 ○調査官  事務局でございます。精神障害者の雇用支援の状況について、資料3に基づき説明い たします。まず、全体的な数字ですが、精神障害者がどういう状況にあるかということ です。20歳から65歳未満の患者という位置づけで、精神疾患の患者数が患者調査によっ て出ており、これが174万人です。それから、精神保健の福祉手帳の交付者ということ で、38万人という数字が出ております。1級、2級、3級に分けると、こういう状況に あります。雇用者数ですが、どんなデータがあるかというと、雇用実態調査において、 5人以上の企業の規模の中では、1.3万人という数字があります。これは平成18年の障 害者雇用状況報告で出てきた数字ですが、56人以上の規模のところには約2,000人とい う数字があります。身体と知的の障害者と比較すると、こういう状況にあるということ です。参考2ですが、この障害者雇用状況報告で見ると、精神障害者を雇用している事 業主の数は、ご報告いただいているところ約1,500社ということで、6万7,000社の中の 1,500社という数字になっているという状況です。  2頁です。精神障害者の雇用はやや広がりが出ていないという中で、私どもは障害者 に対する主な雇用支援策をまとめております。1番目ですが、雇用率制度において、精神 障害者の特例を設けております。これは平成18年4月、平成17年の法改正で実現したも のです。内容的には各企業の実雇用率に手帳所持者を算定し、短時間の労働者であると ころの精神障害者についても、0.5人分として算定しているというものです。また、障 害者雇用納付金制度に基づく助成金については、平成4年から精神障害者に対して助成 金を支給しております。また、平成10年より、精神障害者である短時間の労働者の雇用 についても助成措置を適用しているところです。短時間の労働者については週所定労働 時間が通常20時間ですが、15時間以上の者ということとしております。  また、ハローワークにおいても、職業相談・職業紹介を積極的に実施しております。 内容的には、後ろに業務統計があります。5頁ですが、近年、精神障害者の新規の求職 申込件数、就職件数とも伸びております。精神障害者の就職件数ですが、平成18年の段 階で6,700件余り、就職率も36%近いというところになってきております。  3頁ですが、平成20年度の予算要求においては、精神障害者の特性に応じた支援策の 充実・強化等として、精神障害者ステップアップ雇用奨励金の創設を予算要求しており ます。予算要求等でも何度か説明をさせていただきましたが、精神障害者の障害特性を 踏まえて、時間的には10時間以上のところから、20時間以上30時間未満、あるいは30時 間以上40時間といったところの雇用に移行していただくことを1年間かけて実施してい ただこうということで、事業主に奨励金をお支払いするような制度をいま予算要求をし て、精神障害者の雇用支援の強化に取り組んでいるところです。  5番目ですが、精神障害者に対する総合的雇用支援として、関連の資料では8頁です が、全国の地域障害者職業センターおよび東京の多摩支所において実施をしているもの です。精神障害者および精神障害者を雇用しようとする、また雇用している事業主に対 して、主治医との連携の下で職場復帰の段階、雇用促進の段階、雇用継続といった段階、 それぞれの段階に応じて地域障害者職業センターの専門的な支援を行っていく内容とな っています。  3頁に戻って、医療機関等と連携による精神障害者のジョブガイダンス事業を実施し ているところです。内容的には6頁です。ガイダンス事業は従来のものですが、平成11 年度からスタートしております。内容的には、医療機関を利用している精神障害者を就 職に結び付けるために、ハローワークから医療機関等に出向いて、就職活動に関する知 識や方法についてガイダンスを行っていく。それによって、職業準備性や意欲を高めて いただくことの援助を実施していくものです。  従来、こういったものをやっていたわけですが、やっていく中で、いろいろな課題も 見つかってまいりました。例えば地域のニーズに応じて、機動的な実施が必要であろう といったこと、支援者のうち4割の方が次の段階に移行できないままであるという状況 にもなっているということもあります。平成19年度からはこれをまた拡充して、医療機 関等との連携によって、精神障害者の雇用への移行促進のモデルプログラムを実施して、 モデルを作って次の段階に行っていただこうということも、併せて実施をしているとこ ろです。  7頁ですが、この事業についても平成17年度の実施結果等で、成果というか、こうい う結果になっているというところが出ておりますので、ご覧いただければと思います。 平成17年度においては、連携施設229施設、対象者数994人というところで、概ね1,000 人の方々に対してこういう支援をさせていただきました。事業終了後の対象者の状況で すが、次の段階に行けない方が4割ぐらいいらっしゃるということで、そういう意味で は課題は残っておりますが、求職活動に移行された方も数多くいるというところです。  連携施設別に見ても、病院、保健所、地域の生活支援センターなどと一緒になって、 こういった事業を展開しているところです。  4頁に戻って、そのほか、いろいろな支援を実施しております。1つは精神障害者等 のグループ就労に対する支援ということで、障害者雇用納付金制度に基づく助成金とし て、数人の精神障害者のグループが指導員の指導を受けながら就労する場合に、助成金 の支給を行っているというものです。このほか、おなじみのものですが、トライアル雇 用、ジョブコーチ、障害者・就業生活支援センター事業についても、それぞれ精神障害 者の支援に対して、その実績を上げているところです。若干、内容を説明すると、トラ イアル事業については10頁の精神障害者の枠で囲ったところになっており、年度内約90 0人以上の方々に開始をしていただいております。常用雇用に移行した方も7割5分に あるという状況になっております。  12頁のジョブコーチ支援の実績です。平成18年度については、全体で3,306人、支援 対象者がいる中で、精神障害者については546人の支援を行ってまいりました。この数 も年々増えている状況にあります。また、14頁の障害者・就業生活支援センターについ ては、もともと知的障害者の割合が高かったところですが、3番目の障害者の就職状況 です。精神障害者に対する支援も、身体障害者に対する支援と同様、就職状況で見ると、 それを上回る数字となっているという状況です。  15頁の参考資料ですが、平成17年の法律改正のときに、附則において、政府は法律の 施行後3年を経過した場合において、改正後の障害者の雇用の促進等に関する規定にお いて、その施行の状況を勘案しつつ検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ず るということが書かれております。  また、それと関連をして、16頁の衆参両院の厚生労働委員会において附帯決議を頂戴 しております。附則2条に規定する検討については、平成21年度末までに結果が得られ るように、関係審議会で検討を行うこととするということ。そして、その際には、雇用 義務の対象に精神障害者を加えることも含めて検討を行うものとする、ということが書 かれております。一応のタイムリミットということで申しますと、雇用義務化というこ とでは平成21年度が1つのポイントとなってくるわけです。こういう諸事情の中で、精 神障害者に対する支援といったものについて、皆様にご議論をいただければと思います。 ○今野会長  ご意見・ご質問をお願いいたします。 ○菊池委員  3頁の精神障害者のステップアップ雇用奨励金ですが、大変望ましいと思うのです。 ただ、精神障害の特性ということを考えると、例えば短時間労働、20時間だからこそ働 けるという状況が非常に強いと思うのです。ですから、あまりステップアップというよ りは、継続就労ができるような支援というものが非常に大事だと思います。アップでき る方はもちろんいいでしょうけれども、それだけではなくて、短時間だからこそという ところも、きめ細かくということになっていくのですが、よろしくお願いしたいと思い ます。 ○今野会長  この点について、何かありますか。なければ、ご意見としてお伺いしておきます。 ○調査官  この雇用奨励金の制度は、必ずしも30時間以上40時間のところまでにいかなければな らないというものではなくて、そこは目指してほしいとは思うのですが、10時間以上の ところから、いわゆる短時間労働の20時間から30時間未満のところにいけるようなとい うところだけでも、それは適用となるような奨励金という形になっております。その他、 実際に短時間労働の20時間以上のところにいけない方々も、実態としてはかなり多いと いうこともありますので、その点については先ほど説明もさせていただいたのですが、 グループ就労の助成金の見直しで、いろいろな形でご意見をいただきながら、対応して まいりたいと思います。また、定着の面で、短時間で定着していかれる方も障害者・就 業生活支援センターなどで、しっかりと定着支援を対応させていただくことについて配 慮していきたいと思っております。 ○今野会長  ご意見は「ステップアップ」が気になるということです。 ○舘委員  精神のほうから、意見を述べさせていただきます。この数年、精神のいろいろな対策 が充実してきたということで喜んでおります。実際、実態調査では1.3人、前回の法改 正前、試算したものではたしか10数万だったのです。10分の1で、ハローワークの登録 者や就職者などがどんどん増えている一方で、なかなか数が増えないなと。数が増えな いのに、雇用義務化を直に言うのはやはり難しくて、いまはまず環境整備しなくてはな らないというのは私の第1の感想です。  もう1つ、特に精神の場合、手帳で認定するということなのですが、うつ病の場合、 手帳を取ることが難しいので、現状でも企業で調べれば、こんな1万数千人の数ではな いはずなのです。知的障害でもそういう例があるのですが、精神科、産業医ならもっと いいと思いますが、例えば産業医の意見書なり診断書で手帳相当であると認定された場 合、認定してもいいのではないかと私は思っているのです。このうつの問題は、かなり ネックになっているのではないかと私は思います。  それと先ほど出ましたステップアップ雇用奨励金ですが、これはとても良いアイディ アです。ただ、精神保健福祉課のほうでも精神障害者社会適応訓練事業、通称社適や職 親というのがあるのですが、それは事業所で訓練を受けて、短時間からトレーニングを 受ける。ただ、それは平成15年度から一般財源化されて、どんどん減っているのです。 そういう意味では、これは非常にタイムリーだろうなと思うのです。たしかその社適の 登録事業所が7,000ぐらいあるのです。ですから、そういうところとタイアップしたら、 非常に効果が上がる事業ではないかと。これは3億近い予算要求額なので、相当やる気 があるなと見ているので、非常に期待しております。  もう1つはジョブコーチなのですが、私は知的、それから精神の雇用促進のいちばん 大きな要はジョブコーチではないかと思うのです。その要請について、たしか1種と2 種とあると思うのですが、なかなか取りにくいというか、難しいのです。特にこれから だと、例えば精神だったら精神保健福祉士なども取れるような形にしていただきたいと いうのが、私のお願いというか、そういう見通しもちょっと伺ってみたいなというとこ ろです。以上です。 ○今野会長  いま4点ほどご質問とご意見がありましたので、よろしいですか。 ○調査官  あとのことはある程度ご意見として伺うとして、他の資格を持っている方も合わせて、 ジョブコーチに認定してしまってはどうかという趣旨で先生がおっしゃったのでしょう けれども、よろしいでしょうか。 ○舘委員  それもあるのですが、もうちょっとジョブコーチを拡大するような、例えばいま年間 どのぐらいジョブコーチが養成されているのか。それから、今後ジョブコーチをどのぐ らい拡大されようとしているのか。その計画についてです。特に事業所型はすごく少な いですね。 ○調査官  先生のご指摘のとおりで、私どもはジョブコーチの拡大については、障害者支援の現 場のほうから非常にニーズが高いということで、これはもともと障害者職業センターに 配置しているジョブコーチで対応していたところです。近年、民間で非常に能力のある 機関において研修を受けていただいて、その研修の概要については、厚生労働大臣が定 めた内容のものであるとすれば、それは認めさせていただいて、民間の機関の方々に研 修をやっていただこうということを、いまやっているところです。現在、厚生労働大臣 が指定する民間の研修機関は3カ所あるわけですが、そういったところと合わせて、独 立行政法人の高齢・障害者雇用支援機構の研修を合わせて、ジョブコーチを増やしてい こうということをやっています。平成18年度については、全体で約800人、それから民 間のジョブコーチがそのうち500人、第1号ジョブコーチといって福祉施設等に配置さ れるものが500人、2号のジョブコーチが20人ということで、これは事業所に配置され るものです。そういう形で、ある意味で質も確保しながら、民間に研修を委ねながら、 ジョブコーチを増やしていくという政策に転換をして、現場のニーズに応えていこうと いうことを始めております。これでもまだまだ追い付かないというご意見もあろうかと 思いますが、そういう努力を始めながら、着実に歩みを始めていることを説明させてい ただきたいと思います。 ○今野会長  舘委員、ほかに例えば産業医で認定していただくか、何点かおっしゃられたので、そ れも一応お聞きしておきますか。 ○舘委員  お聞きしたいですね。 ○今野会長  1つは、手帳に代わって産業医の認定という方法はあり得るのではないかということ と、もう1つは私はちょっと聞き逃したのですが、ステップアップ雇用奨励金で、どこ かとの連携をちゃんととったほうがいいのではないかという2点です。 ○障害者雇用対策課長  何点かご指摘がありました。1つは手帳制定制度についてということです。障害者のカ テゴリーの関係で、どこまで障害者と見るかというのは専門的に判断していく必要があ るということで、基本は私どもも手帳制度に則るということです。したがって、雇用率 制度等々に載せる関係では手帳制度をベースにしているということですが、助成金など、 いろいろな支援措置を講じる関係では、医師の診断書でも実際に活用していただくとい う形で、一歩踏み出しているところです。全体として、精神障害者の関係で、多岐にわ たってどういう形でやっていくかということ、そのカテゴリーをどうするかということ は、将来的に義務化に向けて検討するに当たっては考えていく課題だと考えております が、現状においては手帳制度をベースとして、新卒については診断書で措置をするとい う形で対応しているところです。  2点目で、社適、職親との関係のご指摘がありました。私どもはこの辺りを参考とし ながら、ステップアップ奨励金を活用して、この奨励金が積極的に活用されれば、精神 障害者の雇用の場というのも広がっていって、精神障害者の雇用についてのいろいろな 方面での理解が進んでいくのではないかと期待しているところです。財務省に予算要求 については最重点で折衝させていただいているところですので、予算を獲得した上で積 極的に対応したいと考えております。 ○今野会長  ほかにありますか。 ○副島委員  精神障害だけの問題ではないと思うのですが、これだけ雇用支援施策が打ち出された のですが、この窓口がいろいろ別の窓口になっているのです。ハローワークに行けば、 すべてのものがちゃんと対応できるのか、それとも支援機構に行けばいいのかというと ころで、結局どこにその状況を確認し、そしてそのサービスや支援の内容を確認して、 サービスと結び付けていくかというところでは、障害種別の変わりなく、全体的に戸惑 っていると思うのです。やはりこれだけの制度がありながら、その効果が思ったほど出 ていないところもまだあると思うし、効果の期待度に対して、ネットワーク、もしくは 相談窓口の一本化というのですか、そのようなところは何か考えられているのでしょう か。その点をお聞きしたいのです。 ○障害者雇用対策課長  障害者の場合、福祉の面との連携ということもありますが、私どもでチーム支援とい うことで、ハローワークを中心として、高障機構、職業センター、福祉施設、あるいは 養護学校等との連携ということで、積極的に対応したいと思っております。現行で、1 カ所に行けば、すべての施策が対応できるという体制になっておりませんが、少なくと も1カ所に行けば、どういう情報があるかというところはわかると。それについて、積 極的な形での支援を講じることはできるという体制を、当面作っていきたいと考えてお ります。これについては、ハローワークを中心にいま積極的に対応しつつあるところで すので、何かあればとりあえずハローワークに行っていただければ、周辺の情報は取れ るというところまで進めていきたいと考えています。 ○高橋委員  私もこういう個別の事業は進めつつ、どこが一体化する必要があるのか、障害者・就 業生活支援センター事業が核の1つではないかと思っています。13頁を見ると、支援セ ンターネットワークの中心となり、雇用と福祉のネットワークづくりを1つ掲げられて、 その方向でいろいろなところが連携しながらやっていかなければいけないと思うのです。 14頁の「実施状況等」で、在職中の方、あるいは求職中、あるいは相談・支援状況など を見ると、求職中の方がまだまだたくさんいるなかで、ここのセンターがコアになって やっていくべきだろうと思うのです。しかし、13頁の設置箇所数になると、平成18年度 は110センター、平成19年度は135センターであり、25センター増やす程度にとどまって いる。もう少し支援センターの設置箇所数を充実させなければいけないのではないかと 思うのですが、いかがでしょうか。 ○調査官  委員のおっしゃるとおりで、この辺については就業生活支援センターの拡大というの は非常に重要なことだと認識をしております。私どもは近い将来に全障害福祉圏域は400 カ所あると言われておりますが、ここに対してこのセンターを置いていこうということ を考えております。その手始めに来年度、平成20年度の要求については、ここで100カ 所増の要求をしているところです。 ○今野会長  ほかにいかがでしょうか。 ○菊池委員  手帳の裏付けになっております、身体と知的と精神については、本当に雇用支援、施 策も進んできているということで、大変望ましいと思います。まだその手帳の対象にな っていないような、例えば発達障害の方、あるいは難病であっても、数が少なくてなか なか実態も見えてこないような方々に対しても、ゆくゆくはといいますか、雇用支援の 対象にしていくことはとても大事だと思います。例えば難病の方についても、パーキン ソン病であるとか、悪性関節リウマチなど、数も多くて患者会もしっかりしているよう な大きなところは、それなりの実態がわかっておりますが、そうではなくて数の少ない 難病の方たちはどのぐらい就労していらっしゃるか、あるいは何が困っていらっしゃる か、その辺の実態もまだ明らかではないと思いますし、できればそういう方に対しても 調査をして、就労の実態を知ることもとても大事だと思います。それから、まさに発達 障害についても、発達障害支援法はできておりますが、就労との関係ということでは、 まだまだこれからだと思いますので、その辺も視野に入れて、支援策をと思います。 ○今野会長  事務局から何かありますか。 ○障害者雇用対策課長  ご指摘の点は、非常に重要なテーマだと思っております。私どもの雇用対策の中でも、 全く位置づけられていないというわけではないのですが、なかなか全体像がわからない という状況です。次回にでも全体の状況を把握しているものについて、報告させていた だきたいと考えています。 ○岩村委員  先ほどの除外率の議論のところで、ちょっと気になったのでコメントだけなのですが、 部長も指摘されたように、法律の本則では既に除外率というのはなくなっていて、結局、 将来に向けてはこれを廃止するという方向自体は決まっているということです。除外率 についていろいろなご指摘がありましたが、今後この分科会で検討していくとすれば、 将来に向けて廃止という方向で何を検討すべきかという角度からの検討を行う姿勢は、 保っておく必要はあるだろうと思いました。それだけです。 ○鈴木委員  助成金等の議題は、これでおしまいになりますか。また何かありますか。 ○今野会長  今回、前回の研究会の報告書全体をざーっと議論しましたので、それを踏まえて、論 点を決めてもう一度議論します。この議題も。 ○鈴木委員  議題1のところでお話しようかと思ったら、次に行ってしまったのですが、よろしい ですか。2つあって、1つは職場介助者制度のところで、これは視覚障害の人たちにと ってはとても良い制度なのです。ただ、非事務職の人たちについては、やはりいろいろ 制約などがあって困っています。その関係で、非事務職の人たちについても、雇用型と いうか、配置型というのですか、そういったものを認めてほしいというのが1点です。  2つ目は能力開発というか、職業訓練のところなのですが、いま職業センターがやっ ている職業講習というのは、結構バリエーションがあって、いろいろな意味ではよく使 われるものだったのです。もしこの辺のところを委託訓練などにシフトをしていくので あれば、委託訓練の適用範囲というか、そういった部分の見直しも併せた形でできるよ うに配慮していただければという、この2点です。 ○今野会長  事務局、何かコメントはありますか。 ○調査官  ご意見として承っておきまして、検討の材料にさせていただきたいと思います。 ○輪島委員  多様な働き方のところですが、派遣労働のあり方について、一応、研究会で議論した 中身が報告をされましたが、本当にこれでいいのかというのはあまりよくわからないと ころがあって、できれば当事者の団体もしくは派遣元の企業に審議会に来ていただいて、 1回、感想というか、考え方を聞くという機会をいただくように、ご検討いただけない かと部会長にお願いです。もう1つ、岩村委員がおっしゃった点で、私どもも基本的に はそう思っているのですが、附則から除くということも法律改正の中の1つの作業だと 思っているので、小さなことではないとは思っています。 ○今野会長  いまの第1点目については、事務局でご検討いただけますか。 ○長谷川委員  2頁を見ると、ハローワークを利用した障害者の新規求職状況および就職件数、就職 率がわかったのですが、中途の精神障害者が精神障害者保健福祉手帳を取得して、実雇 用率に入っているのかわからない。精神障害者の議論は、手帳の取得方法や人事担当の 精神障害者への対応方法などについて、様々な議論をしてきたのですが、ハローワーク から新規に手帳を持ってきて入った人と、職場でメンタル障害を起こして、手帳を取得 して雇用率に換算された人の数が、どのようになっているのかが知りたいのですが。 ○今野会長  いかがですか。 ○長谷川委員  次回、資料を出してくれればいいのです。 ○今野会長  いずれにしても、検討してもらえばいいですかね。 ○障害者雇用対策課長  検討いたしますが、全体として雇用率の対象は2,000人しかおらない関係で、おそらく は新たに就職した人が多いのではないかとは思いますが、いずれにしても2,000人の母数 なので、あまり議論の参考にならないのではないかと思います。 ○今野会長  いずれにしても、ちょっと検討していただいて、資料として難しいかなとは思います が、ご検討いただければと思います。本日の分科会はこれで終わりたいと思います。次 回の分科会ですが、11月6日の13時30分から、ここの13階ですので、よろしくお願いし ます。本日、新たに出たテーマについて議論を進行することと、これまでの議論の論点 整理もしたいと思っておりますので、よろしくお願いします。次回の分科会の出欠用紙 がいま配付されて回っておりますので、今日ご記入いただくか、あとから送るかしてい ただければと思います。議事録の署名ですが、労働者代表の野村委員、使用者代表の輪 島委員、障害者代表の鈴木委員に、それぞれお願いしたいと思います。それでは、今日 はこれで終わります。 <照会先>    厚生労働省 職業安定局 障害者雇用対策課 調整係     〒100-8916 東京都千代田区霞が関1−2−2      TEL 03(5253)1111 (内線 5783)      FAX 03(3502)5394