07/09/27 平成19年9月27日薬事・食品衛生審議会医療機器・体外診断薬部会議事録 薬事・食品衛生審議会 医療機器・体外診断薬部会 議事録 1.日時及び場所 平成19年 9月27日(木) 14:00~ グランドアーク半蔵門「富士西」 2.出席委員(15名) 五十音順 荒 井 保 明、 飯 沼 雅 朗、 石 山 陽 事、 小 田 豊、 小 俣 政 男、◎笠 貫 宏、 北 村 惣一郎、 倉 根 一 郎、 澤 充、 土 屋 利 江、 富 田 基 朗、○中 原 一 彦、 長谷川 紘 司、 松 谷 雅 生、 山 口 照 英 (注) ◎部会長 ○部会長代理 欠席委員(2名)五十音順 勝 呂 徹、 武 谷 雄 二 3.行政機関出席者 黒 川 達 夫(大臣官房審議官)、 俵 木 登美子(医療機器審査管理室長)、 豊 島 聰(独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)、 丸 山 浩(独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター次長)、他 4.備考 この会議は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。 ○医療機器審査管理室長 定刻になりましたので、ただ今より医療機器・体外診断薬部会 を開催させていただきます。先生方におかれましては御多忙の中御出席いただきまして、 大変ありがとうございます。 本日の御出席ですが、委員17名の先生方のうち、15名の先生方に御出席いただける予 定になっています。小俣先生はちょっと遅れているだけだと思います。既に定足数に達し ていますので、始めていただければと思います。 本日の議題のうち、医療機器の認証基準、JIS規格に関する報告につきましては、薬 事・食品衛生審議会決議に基づき、会議を公開とさせていただきます。公開案件終了後、 引き続き個別品目の審議に移らせていただく予定ですが、こちらは非公開とさせていただ きます。それでは笠貫部会長、進行の程よろしくお願いいたします。 ○笠貫部会長 部会を始めさせていただきます。最初に事務局から資料の確認をお願いい たします。 ○事務局 資料の確認をさせていただきます。公開案件の資料としましては、資料1-1「医 療機器の認証基準案について」、資料2-1「医療機器関係JIS一覧」、資料2-2「今後 制定・改正予定のJIS一覧」となっています。参考資料としまして4点ございます。参 考資料1-1が「医療機器の認証基準に関する基本的考え方について」、参考資料1-2が「歯 科用吸引装置等認証基準(他3基準)案について」、参考資料1-3が「認証基準において引 用する日本工業規格(1)」、参考資料1-4が「認証基準において引用する日本工業規格 (2)」、これは2分冊になっています。今の日本工業規格につきましては、著作権の関係 がありまして、傍聴の方の資料には入っていませんが、御了承いただけますようお願いし ます。資料につきましては以上です。お手元に資料のない委員がいらっしゃいましたら、 事務局までお知らせいただければと思います。 ○笠貫部会長 資料の御確認はしていただきましたでしょうか。お揃いのようでしたら、 議題に入らせていただきます。議題1は「医療機器の認証基準案について」です。事務局 から御報告をお願いいたします。 ○事務局 医療機器の認証基準案について御説明申し上げます。医療機器認証基準に関す る基本的考え方については、参考資料1-1として配付しており、これまでも部会において 御説明申し上げてきたところですので、本日は口頭での説明は割愛させていただきます。 お手元の資料1-1「医療機器の認証基準案について」を御覧ください。今回作成した認 証基準案は4基準ありまして、「歯科用吸引装置等認証基準(案)」、「単回使用圧トラン スデューサ等認証基準(案)」、「X線CT組合せ型ポジトロンCT装置認証基準(案)」、 「ポジトロンCT組合せ型SPECT装置認証基準(案)」となっています。認証基準案の 概要等につきましては、認証基準案の調査を行った独立行政法人医薬品医療機器総合機構 の基準課より御説明申し上げます。 ○機構 総合機構から、各認証基準案について説明いたします。厚い縦書きの資料1-1が 認証基準案そのものになります。各基準の構成は、該当する医療機器の一般的名称と使用 目的、効能又は効果を規定した告示と基本要件適合性チェックリストからなっています。 基準案の概要につきましては、参考資料1-2の方にまとめてありますので、こちらの資料 で説明させていただきます。 今回報告させていただく4基準は、6月4日に開催いたしました総合機構の医療機器承 認基準等審議委員会において了承された基準であり、審議時にいただいた御意見を反映し た基準となっています。 では、参考資料1-2の1ページ「歯科用吸引装置等認証基準(案)」を御覧ください。歯 科用吸引装置等認証基準案の対象となる医療機器は、歯科用吸引装置と歯科用吸引装置ポ ンプです。審議委員会にて、一般的名称の定義と歯科用吸引装置等認証基準案の適用範囲 と整合性を図る必要があるという御意見がございまして、一般的名称の定義を一部変更 し、御覧のとおりの一般的名称の定義を変更する予定となっています。歯科用吸引ポンプ でも、同様の理由により、定義を一部変更しています。使用目的、効能又は効果は、御覧 のとおりになっています。 次に資料1-1の6ページを御覧ください。審議委員会で基本要件適合性チェックリスト 第8条の二、「必要に応じ、使用中の」という項目がございます。この項目につき、不適 用となっているが、吸引時に排出されるものによる周囲環境の汚染を否定できないとの御 意見がございまして、第8条の二を適用と修正しております。 続きまして、また参考資料1-2にお戻りいただき、2ページ目の「単回使用圧トランス デューサ等認証基準(案)」を御覧ください。単回使用圧トランスデューサ等認証基準案の 対象となる医療機器及びその定義については、対象医療機器の一般的名称の定義の欄に記 載のとおりです。圧トランスデューサは圧力を電気信号に変換する装置で、この装置だけ では、測定機能はありません。また、圧トランスデューサ用ドームは、観血的血圧測定や 脳脊髄液圧測定時などに用いる器具であり、圧トランスデューサと接続して測定系を形成 するもので、測定機能はありません。審議委員会において使用目的、効能又は効果につい て圧を測定するための器具と訂正すべきである等の御意見をいただきまして、使用目的、 効能又は効果の欄に示すような表現に改めております。 続きまして、3ページ目の「X線CT組合せ型ポジトロンCT装置認証基準(案)」を御 覧ください。X線CT組合せ型ポジトロンCT装置認証基準案の対象となる医療機器及び その定義については、対象医療機器の一般的名称の定義の欄に記載のとおりです。本装置 は、1台でX線CTとポジトロンCT両方の機能を併せ持つ装置で、ポジトロンCT画像 にX線CTの画像を重ね合わせ、癌の代謝や性質に加え、形状や場所を画像として確認し、 より正確な診断を可能とする装置です。審議委員会において、使用目的、効能又は効果の 書き振りが複数の装置を組み合わせたかのようになっているので、表現を見直すようにと の御指摘があり、御覧のとおりの使用目的、効能又は効果となっています。この品目につ きまして、X線CTとポジトロンCTのそれぞれの認証基準の要求事項に画像の重ね合わ せについて要求事項を加え、既に承認基準を定めているところですが、これらの承認実績 等を踏まえ、同内容のまま認証基準とするものです。また、8月1日~8月31日までパ ブリックコメントの募集を行いましたところ、本認証基準案に対し、1件の意見がござい ました。その内容は、定義及び使用目的、効能又は効果で使用されている重ね合わせの表 現に関するものでしたが、本医療機器の本質的な目的は重ね合わせた画像を診療のために 提供することであり、原文のままとさせていただきました。 続きまして、4ページ目の「ポジトロンCT組合せ型SPECT装置認証基準(案)」を 御覧ください。ポジトロンCT組合せ型SPECT装置認証基準案の対象となる医療機器 及びその定義については、対象医療機器の一般的名称の定義の欄に記載のとおりです。ポ ジトロンCT装置及びSPECT装置については、既に認証基準が定められており、それ ぞれの認証基準の要求事項を単純に組み合わせたものとなっています。審議委員会におい て、使用目的、効能又は効果の欄の括弧書きの記載につきまして、「CTによる画像情報 を」との表現ではX線CT装置以外にもポジトロンCT装置等があり、曖昧であるとの御 指摘があり、本日御覧いただいている資料のように「X線による画像情報を」と改めてお ります。なお、既に同様の記述により基準の定められている核医学診断用据置型ガンマカ メラ等基準につきましても、変更させていただきたいと考えております。報告は以上でご ざいます。 ○笠貫部会長 どうもありがとうございます。ただ今御報告いただきました本基準案につ いて御質問はございませんか。いかがでしょうか、今回は組合せ等の問題であまり議論が ないのかと思いますが。特に御質問がございませんでしたら次の議題に移りたいと思いま すが、よろしいですか。ありがとうございます。それでは、議題2に移らせていただきま す。「医療機器JIS規格の確認、制定、改正又は廃止について」です。事務局から御報 告をお願い申し上げます。 ○事務局 医療機器に関する日本工業規格(JIS)の確認、制定、改正又は廃止の状況に つきまして、事務局より御報告いたします。お手元の資料2-1「医療機器関係JIS一覧」 を御覧ください。こちらの表の左側に通し番号が振ってございますが、現在、医療機器関 係のJISとしましては、合計382の規格がございます。前回、医療機器・体外診断薬部 会においてJISの報告をさせていただいた6月14日以降、本日までに、確認、制定、 改正又は廃止された医療機器関係のJISはございません。 続きまして、資料2-2「今後制定・改正予定のJIS一覧」を御覧ください。こちらは、 今後制定又は改正が予定されているJISの一覧です。制定予定が8件、改正予定が5件 ございます。報告は以上です。 ○笠貫部会長 ありがとうございました。ただ今の事務局の御報告につきまして御質問は ございませんか。これも医療機器のJISの一覧についての御報告ですので、特に御質問 がございませんでしたら、これで議題2の方は出していただきたいと思います。それでは、 本日の公開案件は以上になります。 ○事務局 ありがとうございました。それでは、以降の議題は非公開とさせていただきま すので、大変恐縮ですが、傍聴者の皆様は御退席をお願いいたします。非公開案件の審議 ・報告ですが、2時20分から開始させていただきますので、委員の皆様方におかれまし ては、引き続きよろしくお願いしたいと思います。 ── これより非公開 ── ○笠貫部会長 よろしいでしょうか。始めていただいたらと思います。 ○事務局 配付資料の確認をさせていただきたいと思います。非公開案件の配付資料とし ましては、資料3-1「医療用具『シームデュラ』の生物由来製品又は特定生物由来製品の 指定の要否、製造承認の可否及び再審査期間の指定について」です。資料3-2は、これは 本日机上に配付させていただいている資料ですが、「シームデュラの審査報告」というカ ラーのものが先生方のお手元にはあるかと思います。資料4-1は「医療機器・体外診断薬 部会報告品目」です。参考資料としまして、参考資料5-1が「薬事・食品衛生審議会薬事 分科会における利益相反問題への対応について」というものです。それから、本日、追加 で机上に配付させていただいている資料がございます。右肩に「追加配付資料」と四角で 囲まれていると思いますが、タイトルは「自家培養表皮『ジェイス』の承認条件について (案)」というものです。資料としては以上でございます。もしお手元に資料のない委員の 方がいらっしゃいましたら、事務局までお知らせいただければと思います。 ○笠貫部会長 いかがでしょうか、資料はお揃いでしょうか。続きまして、本日の審議事 項に関与された委員の方と利益相反に関する申出状況について、事務局から御報告をお願 いいたします。 ○事務局 本日の審議対象となっている品目につきまして、関与された委員はいらっしゃ いません。また、本年4月23日の薬事分科会申し合わせに基づきまして利益相反に関す る申出状況を確認させていただきましたところ、御退出いただく委員、議決に御参加いた だけない委員はいらっしゃいませんでした。報告は以上でございます。 ○笠貫部会長 ありがとうございます。それでは、議題に入りたいと思います。議題3「医 療用具『シームデュラ』の生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造承認の 可否及び再審査期間の指定について」、審議を行いたいと思います。審議品目の概要につ きまして、事務局から説明をお願いいたします。 ○事務局 本日御審議いただきますのは、医療用具「シームデュラ」(他1販売名)につい てですが、御説明申し上げます。申請者はグンゼ株式会社でございます。こちらは、昔、 ヒトの乾燥硬膜を用いていたものがございますが、1997年3月にヒトの乾燥硬膜が使用 禁止となりまして、これに代わるものとして開発されたものでございます。L-ラクチド とε-カプロラクトンというものの共重合体フィルムの間にグリコール酸の重合体不織布 を挟んだ3層構造のある吸収性の人工硬膜でございます。本品目の審査の概要等につきま しては、審査を行いました独立行政法人医薬品医療機器総合機構の方から説明させていた だきます。よろしくお願いいたします。 ○機構 それでは、医薬品医療機器総合機構より御説明申し上げます。資料3-1を御覧く ださい。 本品の審査においては、医薬品医療機器審査センター及び医薬品医療機器総合機構での 審査に当たり、御覧の専門委員の先生の御意見をいただきました。本申請品目の外観写真 をお示しいたします。本日はサンプルも用意してございますので、そちらも併せて御覧く ださい。 本品は、脳硬膜欠損部を補綴するために使用される吸収性人工硬膜であり、L-ラクチ ドとε-カプロラクトンの共重合体フィルムの間にグリコール酸重合体不織布を挟んだ3 層構造を有しています。本品の厚さは0.2mm、最小面積は1cm2、最大面積は84cm2となっ ています。本品は、必要に応じ、適当な形にカットして使用されます。本品は体内に埋入 後、徐々に分解、吸収され、数か月で硬膜様組織に置換されます。従来、脳硬膜欠損の修 復には乾燥屍体硬膜が使用されていましたが、乾燥屍体硬膜を介したクロイツフェルト- ヤコブ病感染の可能性が報告され、使用禁止となったことから、現在は、非吸収性人工硬 膜や筋膜、頭蓋骨膜の自家移植による補綴が行われています。しかし、非吸収性人工硬膜 は、素材特性より針穴からの髄液漏れを起こしやすいこと、また、自家移植は、健常部位 への侵襲性があり、大きい組織を採取することが困難なことから、生体内吸収性材料を用 いた髄液漏れの少ない代用硬膜の開発が望まれ、本品が開発されました。 海外における承認・使用状況をお示しいたします。2003年にCEマークを取得してか ら2007年8月までに、□□枚の販売実績がございます。なお、これまでに、本品と因果 関係のあるとみなされた不具合報告はございません。 本機器に関わる物理的化学的試験としてこちらに示す試験が行われ、いずれも、規格に 適合する成績が提出されました。本品には御覧のとおりの規格試験が設定されており、す べての試験に適合することと、また、「その他の安全性」における評価を踏まえて、規格 及び試験方法を了承しております。 安定性についてこちらに示します各試験が提出され、このうち、6か月間保存試験にお いて引っ張り強度で一部規格を下回る結果が見られた以外はすべて規格に適合する、とす る資料が提出されました。6か月間保存試験において規格を満たさなかったことから室温 における3年以上の有効期間を担保することは困難と考えられたため、22℃で48か月の 保存試験結果をアレニウスの式を用いて27℃保存への外挿を行い、本品の有効期間を2 年10か月、貯蔵方法を1~27℃とすることで了承いたしました。 生物学的安全性試験について、「医療用具の製造(輸入)承認申請に必要な生物学的試験 のガイドラインについて」を参考にこちらにお示しする項目について実施され、皮膚感作 性試験において、弱い感作性が認められたことを除いて問題がないとする成績が提出され ました。皮膚感作性についても、試験条件、感作の程度から、臨床上、大きな問題はない と判断いたしました。 また、本品の原材料に触媒として使用されているスズ化合物の神経毒性について、ラッ トの線条体スライスを用いたex vivo試験において評価した結果、申請内容中の最大サイ ズの製品に残留するスズ化合物が一挙に放出されたとしても、スズ化合物の最大無作用濃 度に達しないことが確認されたことから、スズ化合物の神経毒性について、臨床上大きな 問題はないと判断いたしました。ただし、臨床試験において30cm2以上の使用例が少ない ことから、本品の性能も踏まえて、使用面積が30cm2以上を超える場合については、リス クベネフィットを勘案し、慎重に使用するよう、添付文書において注意喚起することとし ました。また、使用成績調査において、痙攣の有無、重篤な副作用について情報を収集し、 更なる安全性の評価を行うことといたしました。本品の性能試験としてこちらに示す試験 が提出され、本品は、代用硬膜としての基本的な性能を有することが確認されました。 次に、提出された国内臨床試験について御説明いたします。臨床試験は、8施設、66 症例の単群試験であり、こちらにお示しする項目について評価されました。 こちらのスライドは臨床試験における有効性の成績を示したものです。評価項目のいず れにおいても、「良好」あるいは「有効」以上が80%を超える結果でした。また、本臨 床試験において、生物学的組織接着剤は66例中32例において使用されませんでしたが、 術中の針穴からの液漏れについて良好な成績を得ております。 また、こちらに臨床試験において発生した有害事象をお示しいたします。髄液皮下貯留、 出血、痙攣等が観察されていますが、専門協議における議論も踏まえ、いずれも手技上起 こり得る程度であり、安全性に大きな問題はないと判断いたしました。また、本臨床試験 において死亡例が1例ございましたが、死因は原疾患及び肺転移とされ、本品との因果関 係はないと判断されました。 総合評価になります。ウサギを用いた硬膜再生試験及び分解試験結果により、本品は、 使用面積にかかわらず、代用硬膜としての基本的な性能を有することが確認されました。 また、臨床試験の結果からも本品の性能が確認されました。また、針穴からの漏水性試験 結果及び臨床試験における生物学的組織接着剤の使用状況から、本品使用時の針穴からの 髄液漏れに対し、低減化が期待されると考えます。マウスの線条体スライスを用いたex vivo試験の結果から、本品に残留するスズ化合物による神経毒性について、大きな問題 はないと判断いたしました。 以上の審査結果を踏まえ、本品の使用目的は脳硬膜欠損部の補綴とすることが妥当であ ると総合機構は判断いたしました。本品は新性能医療機器でありますことから、再審査期 間は、3年が適当であると考えます。なお、生物由来製品又は特定生物由来製品の該当性 につきましては、非該当と考えております。 ここで、部会委員の先生方からいくつかコメントをいただいておりますので御紹介させ ていただきます。まず、石山先生からのコメントを御紹介いたします。 一点目として、「脳外科領域での疾患では痙攣を発症する可能性があるが、このことを 理由に本人工硬膜と関係ないとの説明は若干説得力に欠けます」とのコメントをいただい ております。 こちらについて御説明させていただきます。痙攣の有無と本品の因果関係について、基 本的に術前に原疾患によると考えられる痙攣が認められる症例については因果関係なし とされています。また、専門委員の先生から、脳外科手術により外傷性てんかんが発生す る頻度は17%程度とされる文献もあることから、本臨床試験における痙攣の頻度につい て大きな問題はない、というコメントをいただいております。 二点目として、「臨床試験において見られた痙攣が3層構造の厚みによる脳表面への圧 迫、比較的長期の慢性的刺激などによる痙攣発作ではないことへの説明が必要と考えま す」との御指摘をいただいております。 こちらにつきましては、本品の厚みは0.2mmですが、既承認のゴアテックスは0.3mm程 度であること、また、本品は吸収されますが、ゴアテックスは永久的に補綴部位に残存す ることから、脳表面への圧迫や慢性刺激については、既承認品と比較してリスクは高くは ないものと考えられます。また、痙攣については、市販後臨床試験において評価項目とし て随時調査することで安全性の確認を行っていく予定です。 三点目として、「症例40での痙攣の有無は『極めて良好』としながら、備考欄で『痙 攣、肝機能障害あり』とは何らかの説明が欲しい」との御指摘をいただいております。 こちらについては、症例40は悪性髄膜腫の患者で再発を繰り返しており、再発部位を 焦点とする痙攣発作であったことから、本品との因果関係はないと考えられ、このような 評価となっています。 次に、勝呂委員からのコメントを御紹介いたします。勝呂委員からは、「本品は、臨床 的には有用なものと思われます」とのコメントをいただいております。また、「その他、 感染率が高い点を説明書に明らかにする必要があります。創部感染4.5%、膿瘍3.0%は、 通常の手術から比較すると高い点に注意が必要です」との御指摘をいただいております。 こちらの点につきまして、創部感染4.5%のうち本品との因果関係が否定できないとさ れたのは1例の1.5%であり、機構としましては、許容できる範囲であると判断いたしま した。こちらの点について、松谷先生からコメントをいただいてよろしいでしょうか。 ○松谷委員 脳神経外科の手術の際に起こる術後感染率は大体2~8%という報告がご ざいまして、状態の非常にいい患者できちんと術後感染予防ができた症例群では2%であ るけれども、状況が悪いあるいは再手術等ですと、それが8%くらいまで上がります。そ ういうことで、このパーセントそのものはその許容範囲です。それから、このおこした症 例の一覧表を見てみますと、膿瘍と感染は同じ患者なのですね。ですから、膿瘍が何パー セント、感染が何パーセントと足して多いということではなく、同じ患者に起こっていま すので、ただ、出来上がった状況が膿瘍を形成していたかしていなかったかということで ございます。それから、症例の一覧でも関連ありが否定できないのは1例だけですので、 1.5%という数字は、通常の手術であり得る範囲内だと考えます。 ○機構 どうもありがとうございました。勝呂委員から二点目のコメントとしまして、 「クモ膜との癒着が何らかの神経障害の原因にならないでしょうか」との御指摘をいただ いております。こちらについても、専門委員の先生から「クモ膜、軟膜が破綻して直接脳 の表層と癒着するとてんかん発作の焦点になり得ますが、クモ膜と癒着しても障害はあり ません」とのコメントをいただいておりますので、機構としましても、大きな問題はない と考えております。以上、御審議の程よろしくお願いいたします。 ○笠貫部会長 どうもありがとうございました。審議に入りたいと思いますが、石山委員 のコメントの方で何か御質問はございますか。 ○石山委員 了解しました。 ○笠貫部会長 勝呂先生からの御指摘についてはいかがでしょうか。勝呂先生は今日御欠 席だということですが、今の感染の問題も含めまして、先ほど松谷委員から御説明もいた だきましたが、御質問はございませんか。 ○富田委員 一般論としてお聞きしたいのですが、このような生分解性のポリマーを生体 内に付けたときの審査基準によるとか免疫原性のようなものを参考的に資料を出される とか、そういうことはないのですか。免疫原性がちょっと心配なところがあるのですが。 ○機構 御質問は、免疫原性ということは、抗原性というような意味ですか。 ○富田委員 そうです。 ○機構 今回の生物学的安全性試験でやっているのは、感作性試験といった部分では、デ ータとしては陰性なのですが、抗原性としては、実際に今回試験をした結果がございませ んので、そういった点では抗原性についてデータはないのですが、かなり高分子なところ から始まって分解が続いていくので、確かに抗原性を表す分子領域に達したときには当然 抗原性という懸念はあるのですが、今まで調査したところによると、文献的にそのような 発表というのは、私はまだ目にしておりませんので、その辺り、今後、文献調査を継続的 にしながら、場合によっては注意喚起ということが必要ではないかと思います。 それから、本品は1回しか使わないというところが、抗原性があった場合についてとい うときに頻回使用しないという点からいくと、この使用のあとに何か大きな問題があると いうことも考えにくいのではないか、という点も一つ参考として考えるべきではないかと 思います。 ○富田委員 もちろんこれは資料がないから今の審査でどうのこうのというのではない ですが、このポリマーだったら、例えば容器とか何かとか、そういうものに使われる可能 性のある生分解性のあれですよね。ですから、ひょっとしたら別の所で何か使われて、そ れが体内に入ったときに何か起こるのではないか、それがちょっと心配なのです。 ○機構 先生の御指摘のとおり、これは食品容器等に使われているポリマーです。同じポ リマーが使われていますので、その抗原性というのが、論文等で報告があればもちろんそ ういったところはきっちり注意喚起すべき問題ですし、そこについては、継続的に情報を 集めて検討していきたいと思います。 ○土屋委員 実はこういうものは少し弱い感作性では出てくるようなのですが、この場合 も、10%という高い抽出物の濃度の溶液で弱い反応が出ています。しかし、オリゴマーを 含むと、抽出物からすると、抽出率の10倍以上高い濃度で試験し、弱い反応が出ていま すので、リスク分析を行うとリスクは低いということなのです。我々は出てきた物につい て臨床と相関性のある試験プロトコールを用いて、それぞれの評価をきちっと行っていま す。我が国は医療用具について特別きちっとやっていますので、大丈夫だと思います。 ○富田委員 分かりました。ありがとうございます。 ○笠貫部会長 頻度としては非常に少ないというのは、ほとんどゼロに近い濃度で、臨床 上問題にならないということは、どの程度のものという想定をされるのですか。 ○土屋委員 我々の動物実験とヒトの実験で行ったものですと、その抽出物の濃度とそれ 以下で発現した場合にはヒトでも起こり得る可能性があって、事実、中程度のものは患者 でも、それは当然感作されている患者では出るのですが、その抽出物よりも高濃度、例え ばこの場合、最大限で0.7%の抽出物だったのですが、10%も使わないとやっと、しかも その強度が非常に弱い、反応が弱い。そうするとそれは、ほとんどヒトでは出ないと思い ます。 ○笠貫部会長 ありがとうございます。ほかに委員の先生方からございますか。北村委員、 お願いします。 ○北村委員 引っ張り強度から有効期間が2年10か月になっているのですが、2年10か 月を超えた製品に対してはどのような処置を指示されるのですか。これは廃棄処分にせよ ということですか。 ○機構 有効期間を過ぎたものについては廃棄処分ということになります。 ○北村委員 すべて廃棄処分という形に、それは書くわけですね。 ○機構 はい。 ○北村委員 ですから、このサンプルにはいつ作られたものかを書く場所がないのです が、これにそれが付くわけですね。 ○医療機器審査管理室長 そうです。有効期間を書くことになります。そして、御使用い ただく先生の方で有効期間内のものであることを確認して使っていただくということに なります。実際のものにはそれが書かれるということでございます。 ○北村委員 記載が後から付くわけですね。 ○医療機器審査管理室長 はい。 ○北村委員 それともう一つ。有効性判定の所に「普通」というのがあるのですが、これ は何と比較して普通なのですか。今までのいろいろな製品と比較しての結果ですか。 ○機構 そちらの御質問について答えさせていただきます。添付資料概要(ヘ)の111ペー ジに各評価項目の評価基準が載せられています。操作性、針穴の液漏れなどいろいろある のですが、そちらについて普通というのは、ここに書かれているような判定となっていま す。 ○北村委員 これは比較試験ではないわけですね。 ○機構 はい、これは単群試験になります。 ○北村委員 85ページにいろいろな類似医療用具が書いてありますが、これとの比較で はないわけですね。 ○機構 これは文面上の比較でして、実際に試験をして比較したものではありません。 ○北村委員 外科医が普通と判定したら普通なのですね。 ○笠貫部会長 これは、8施設の先生が施設と先生方の信頼性ということで判断されたと 思います。なかなか比較試験が難しいと思いますが、北村委員、よろしいでしょうか、外 科の立場として。あるいは松谷委員から、専門協議の方では何か議論はございましたか。 ○松谷委員 特にございません。 ○笠貫部会長 ほかにはございましたでしょうか。 ○倉根委員 最終的には体内に、「徐々に分解、吸収され」ということは、分解されたあ とは排泄されてしまうのですか。分解され、吸収されたあとは尿なり便なりに出るのか、 あるいは、最終的にはどうなってしまうのですか。 ○機構 こちらにつきましては、分解されたものは、髄液の中に入っていきまして、その 後、体内に吸収されます。 ○倉根委員 吸収されて、どこから出て行くのですか。吸収されたとして、ずっと残るの ですか、それとも排泄されてしまうのですか。 ○機構 排泄されます。添付資料概要の67ページ辺りにそのことについて記載があると 思うのですが。 ○機構 67ページはスズ化合物の挙動についてですが、本品も分解されましたらモノマ ーになりまして、それが髄液の方に溶け出してきて、そこから血液循環に入りまして、そ こから通常の乳酸代謝と同じように代謝を受けて排泄されると考えております。 ○倉根委員 はい。 ○笠貫部会長 今のところでありますでしょうか。 ○中原部会長代理 細かいことなのですが、審査報告書の12ページに有害事象の発現頻 度の一覧表と、その上に説明が書いてあります。その説明文の上から3行目に、創部感染 が2件で3.0%になっているのですが、表2の中には創部感染が3例で4.5%となってい ますので、これはやはり一致させておく必要があると思います。 ○機構 御指摘、どうもありがとうございます。大変申し訳ございませんでした。3例が 正しいものになります。 ○笠貫部会長 ほかにございますか。先ほど北村委員から2年10か月という有効期間に ついての御質問がございました。その貯蔵方法が1~27℃と幅がかなり広いのですが、温 度によって有効期間が違うということはないのですか。1~27℃の根拠については何ペー ジを見ればよろしいでしょうか。 ○機構 本品は保存される温度によって有効期間が変わってくると考えますことから、1 ~27℃の中で一番高い27℃を外挿するポイントとして設定しております。 ○笠貫部会長 すみません、聞き取りにくかったのですが、1~27℃でしたらすべて、こ の有効期間は同じだということですか。 ○機構 そのとおりでございます。本品は、保存において一番のファクターが加水分解、 分解するだろうと考えておりまして、これは温度依存性だと考えております。したがって、 1~27℃の間におけるワーストケースは27℃になりますので、27℃に外挿したとき、ワ ーストケースにおいても2年10か月であれば安定だと考えております。 ○笠貫部会長 低い温度の場合にはもう少し長くてもいいのかということですね。先ほど 北村委員から、破棄するときに、もし1℃できちんと貯蔵していたらもっと長くてもいい のかもしれないというところをどう表現しておくかも大事かなと思うのです。最悪のとき は2年10か月であとは破棄になりますという判断ですね。そのようなことでよろしいで しょうか。北村委員、いかがですか。 ○北村委員 どのくらいの市場があるかを考えて生産しなければいけないことになりま すね。そうでなければ、食品業界のようなことが起こり得る可能性がありますよね。です から、理論的なものも大事ですが、最大限の幅を持たせるということが市場流通性とか、 病院がある程度緊急のような場合に使うものかどうかはちょっと分かりませんが、病院で はストックする場合が多いですね。でも、1年に3枚しか使わない、4枚は使わないとい う場合、保存する期間を考えないと、おそらくかなり高額なものになるのかもしれません から。その辺のことを考えると、最大限の許容範囲の時間を付けてやる方がいいだろうと は思います。 ○笠貫部会長 これは製造する側だけではなくて、こういった高価なものの医療資源の観 点からどう考えるかということも考慮に入れていただいたらと思うのですが。 ○医療機器審査管理室長 もちろんこれは、例えば冷所保存というような条件を付けれ ば、もう少し長い期間は置けることになると思うのですが、おそらくメーカーの販売形態 をどうするかというメーカーサイドのお考えもあってのことだと思います。そうなれば、 いわゆる流通ももちろん温度管理をしていただかなければいけないことになるので、そこ にどのくらいコストをかけるかとか、そういうことの関係で企業としては、一応室温での 流通を考えて設定してきたということでございます。 ○土屋委員 湿度のほうは。 ○医療機器審査管理室長 もちろん湿度のほうがもっと効きますというか、湿度が最も重 要で、湿度のコントロールはアルミパックできちんとできるように、そこは確保している ということでございます。 ○土屋委員 多少残留しているのではないですか。そうでもないですか。あれはシリカゲ ルとかがきちっと入ってないですね。通常、我々は。 ○機構 シリカゲルは本品には入っていませんが、製造工程中の管理として、湿度をコン トロールした中でアルミパックをするということは確認しております。 追加ですが、審査の過程において今の保存条件のところにつきましては、申請者側とか なりやりとりをしました。それで今あるデータから10℃、低温保存にして有効期間を延 ばすのか、室温保存というか、1~27℃の保存にして有効期間を短くするかというところ については、メーカーサイドから是非室温保存で2年10か月にしてほしいと要望があり ましたので、審査側としてはそれを受け入れたという形でございます。 ○土屋委員 やはりそれはコストに関わるからですね。 ○機構 そうですね、輸送や保管のときの注意が増えてきますので、やはりコストに跳ね てくるということで、できれば1~27℃での保管にしてほしいということでございまし た。 ○笠貫部会長 これがどのくらいの保険になるかというときに、コストパーフォーマンス の話が入るのだろうと思うのですが、ここでは、その安全性を踏まえて室温でといった意 味合いをとって、このまま1~27℃で2年10か月ということで、この事務局案どおりで もよろしいでしょうか。 ○石山委員 これは室温で、何かやはり空調のきいた所という意味ですね。それとも、寒 冷地ですとか、30℃の、室温放置というわけではないですね。例えば室温放置ということ ですと、寒冷地ですとか、夜中、今年はだんだんと暑くなりますし、そういう場合のこと も考えての室温保存ですからあくまでも1~27℃という設定でコンディション維持しな さいということですね。 ○機構 基本的にはそのような形で、27℃を超えない環境下で1~27℃の範囲であればあ る程度動いても構わないですが、それを超えない範囲で保存してくださいということにな ります。 ○石山委員 分かりました。これは逆に言うと、単に室温保存とかそういうことになると、 放置することもある程度考えておかないといけないわけで、この場合温度が設定されてい ますから、それを励行するという意味での室温管理かと思いますね。 ○松谷委員 これは、製品の性格上、手術室ですぐに「あれを持ってきて」という類のも のですので、病院においては手術室保管になると思うのです、どこか薬剤の倉庫とかとい うことではなくて、小さいものですし。したがって、病院に搬入された段階でもう手術室 内の当然27℃以下の所で保管されているので、全く問題はありません。 その使用頻度に関しましては、感覚的に、開頭手術の3~5例に1回くらい使うものだ と思います。それが日本全国でどのくらい行われているかと言いますと、脳神経外科学会 の教育指定病院が300ございまして、そこで平均100としますと、そのうちの20くらい が行われるとなると、少なくとも6,000。それは教育指定病院だけですので、全国から見 ますと、多分年間1万回くらい使われるのではないかと思われます。 ○笠貫部会長 室温という言葉は先ほどの石山委員からの御指摘があったと思うのです が、メーカーの方から室温かあるいは10℃かというのは、室温でいいですということで はないですよね。1~27℃で2年10か月ということと室温という言葉と分けて考えてい ただいた方がいいと思います。松谷先生からは手術室の場合は27℃にせよという話があ りましたが。 ○松谷委員 保管場所が27℃と縛りを付けるのであれば、いわゆる工場や問屋で置いて いるときはどうなるかということです。 ○笠貫部会長 よろしいでしょうか。それ以外にありますか。 ○荒井委員 私、不慣れなものですから教えていただきたいのです。この資料の126、127 ページに全症例の成績の一覧があります。この製品についてということではないのです が、ここにいわゆるイニシャル、年齢、性別、病名が全部出ているのです。もちろんこう いう臨床試験の場合に架空の症例があってはいけないので、一定のあれで担保する上では こういった情報は必要なのですが、これは公開の場ではないのですが、私、久しぶりにこ ういう表を見て、かなり奇異な印象を持ったのです。この審議のところでここまでの資料 を提出するということで何か取決めがあるのか、何かその辺りのことがあったら教えてい ただければと思ったのですが、いかがでしょうか。 最近、私の病院でもありましたが、これはもう第一級の個人情報で、これが漏れますと、 本当に施設の長が頭を下げなくてはいけない時代ですので、ここでの審議にこれが必要か というと、もちろんものによっては病歴あるいは年齢などを考慮して判断しなくてはいけ ない場合があるのです。では、これが架空の症例ではない、きちんとしたその感染の資料 があるということをきちっと確認するという操作に関しては、多分その途中の段階でも既 に十分検証されているというか、行われているものと思いますので、果たして本当にこの 場で必要かなということに関してちょっと教えていただければと思って伺いました。 ○医療機器審査管理室長 提出させていただいている資料は資料概要で、実際の専門協議 又は審査はこれ以上細かい資料を基にやりますが、部会にはこの資料概要で提出させてい ただいております。従来からも症例のもっと詳細な情報は、ここには出ていないのですが、 評価の対象となった症例の少なくともその重要な検査項目や重要な臨床評価項目につい ては、部会の先生方にもお目通しいただけるように、一覧表にはまとめて御提出しており ます。審議会におきましては、先生方に守秘義務をお願いしているところで、ここにこの 資料が出ることが個人情報の漏洩等の問題になるとは考えていません。審議に必要な最低 限の情報というか、実際にはもう少し細かい情報で、例えば架空の症例がないかというの は、むしろこれでは逆に確認できないので、生データチェックのようなことも審査のサイ ドとしてはやっているもので、最小限の情報をまとめさせていただいたと理解していま す。 ○荒井委員 私もあまりごちゃごちゃ細かいことを言うのは好きではないのですが、ここ で審議するときに、例えばイニシャルはなくても全く審議内容には影響を及ぼさないです ね。私は荒井保明ですからY.Aですけれども、Y.Aがなくても何歳で男性でどういう 病気かが分かれば、審議は十分できるので、この時代ですので、この辺りは今後御検討い ただいた方がいいと思います。これは意見です。 ○医療機器審査部長 データ自体は平成12年に提示されたので、そういう時代的なもの もありますので。 ○荒井委員 でも審議しているのは今日ですから。 ○医療機器審査部長 今回出す資料についてはまた。 ○笠貫部会長 御指摘のところではイニシャルのところだけだと思います。病院名が特定 されないときのイニシャルを、個人情報としてどうとらえるかは、デリケートかもしれま せんが、通常はここまでは出していると思います。他に委員の先生方で御意見はあります でしょうか。もしよろしければ今後の問題として事務局で御検討いただきます。 ○澤委員 個人情報の問題ですけれども、そこに移ってよいのですか。 ○笠貫部会長 はい。 ○澤委員 私は医療情報は特定の患者の誤認をしないために重要であり、医療の場では個 人情報はかなり重要な医療内容だと思います。これは個人情報を悪用しないという前提の 下で、我々医療人が個人情報の取扱いに関して自分たちの手足を縛るようなことはしない 方がいいと、個人的には思っています。 個人情報は医療を行う上で、大事なデータなのであって、いわゆる商取引の上で縛りが かかっている個人情報の保護の動きとは、別個の問題であると捉えていくべきだと思いま す。ですから今、部会長がおっしゃった、また室長がおっしゃったように、我々すべての 医療人に守秘義務があるという観点から、個人情報の扱いにおいて我々が極端に自分たち を縛っていく必要はないと考えます。 ○笠貫部会長 今の御意見があったということで、これからのあり方の参考にしていただ けたらと思います。それ以外に御質問、御意見はありますでしょうか。 ○長谷川委員 時間がないのですけれどちょっと教えていただきたいのです。この用具を 使用したことによって、新たに再生されるというのでしょうか、できてくる脳硬膜が、こ の性能、別紙(3)ですと硬膜様組織と書いてありますが、資料のほとんどで、臨床的な有 用性も針穴からの漏洩というところが非常に大きくクローズアップされています。この用 具を使ったことによって、できてくる物が脳硬膜と言っていない根拠、あるいは今まで多 用されているゴアテックス膜との比較試験、あるいは手術部位が大変なので、意図的には 難しいでしょうが、何かの事情でリエントリーされたときの組織その他に関する情報は、 得られていますか。 つまり、何ができたのかということですが、もしそういう情報があれば教えていただき たいのです。 ○機構 本品の周りを覆う硬膜様組織は、硬膜様組織と言っているように実際の硬膜では なくて、そちらがどういう組織なのかについて、102ページにざっくりなのですが書いて あります。コラーゲン線維性の被膜になりまして、実際に組織の写真などもその前のペー ジで撮られているのですけれども、ウサギの硬膜再生試験において開頭した際に見られた ものは、硬膜に近いようなしっかりした組織だったということで、ウサギにおいてですが 確認が取れております。また臨床試験において、再開頭した症例でも、しっかりしたとい うか、きちんと硬膜の代わりになるような組織が観察されています。 ○笠貫部会長 よろしいですか。ほかにありますか。 ○澤委員 細かいことなのですけど、製品のときには「繊維」の「セン」はこれでいいの かもしれませんが、コラーゲンという通常生体的なものになると、繊維は「線」を書くの が普通ではないかと思います。 ○機構 どうもありがとうございます。 ○笠貫部会長 それは訂正していただくことにします。ほかにはありませんか。この「シ ームデュラ」というこれまでの非吸収性の人工硬膜に比べて、吸収性人工硬膜は、臨床的 には大変大事で、これから脳外科領域で重要な位置を占めていくであろうことは、我々の 共通認識として十分持てたと思います。 他に特にありませんでしたら、この医療用具「シームデュラ」(他1販売名)について、 本部会として、承認を与えて差し支えないものとし、再審査期間は3年間といたします。 また、生物由来製品及び特定生物由来製品の指定は不要といたします。この審議結果につ いては、12月ごろに開催される薬事分科会において報告することにします。 それでは続きまして報告事項に入ります。議題4、部会報告品目について、事務局より 御説明をお願いします。 ○事務局 平成19年7月1日~31日までの1か月間に承認された品目のうち、この部会 への報告対象となっている品目について御説明します。お手元の資料4-1を御覧くださ い。表裏の1枚の紙になっていますが、表側に医療機器が2品目、裏側に体外診断用医薬 品が1品目あります。なおこれらについては、事前に資料を先生方にお送りしていますの で、この場での詳細な説明は割愛いたします。 ○笠貫部会長 そうさせていただきます。今の報告品目について、委員の先生方から御質 問はありますでしょうか。質問がありませんでしたら、その他の報告に入らせていただき ます。事務局の方からお願いします。 ○事務局 それでは本日追加でお配りした資料を御覧ください。2枚紙になりますが、右 肩に追加配布資料と記述したものがあるかと思います。 こちらの自家培養表皮「ジェイス」については、前回8月23日の医療機器・体外診断 薬部会におきまして、生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否などについて御審 議いただきました。なおこれについては、1ページ目にあるように四つの承認条件を付し た上で分科会に上程するということで、御審議いただきましたが、1ページめくっていた だくと、その後こちらの方でいろいろ検討した中で、異種移植の指針との関連の問題が新 たに起こってきました。 異種移植については、説明書きの中段にありますが、未知の感染症のリスクの観点から その取扱いについて、医政局の研究開発振興課長通知「異種移植の実施に伴う公衆衛生上 の感染症問題に関する指針」が示されています。 異種移植というのは、本来は例えばブタの心臓などを移植して使うというようなものに 対してのことですが、この定義の中で、異種の細胞とヒトの細胞を、ある一定期間、共に 共培養するものも含めて考えようということが示されていますので、前回御審議いただい たジェイスも、実はフィーダー細胞という形でマウスの胎児由来の細胞と患者由来の皮膚 の細胞を、一緒に培養することがありますので、異種の観点での考慮も必要になるのでは ないかということが分かってきました。 異種移植に関しての各規制や指針、ガイドラインによるいろいろな記録等の保存期間に ついては、下欄のところに表でお示ししていますが、一番厳しいのが医政局の指針である とか、FDAの方でも異種移植の指針があります。例えば製造に用いたサンプルや、検査 に用いた文書などは50年間保存をするということがあります。 現行の薬事法で定めている特定生物由来製品の規制、あるいは医療機器のQMS省令な どにおいて定めている期間は、ここに示してあるように、製品のサンプルについては10 年間、また製品を使用した患者の住所、氏名など、こちらの方は医療機関で保存いただい ていますが、20年間となっており、若干開きがあります。 一方、ジェイスで用いられているフィーダー細胞は、マウス胎児由来細胞の3T3-J2細 胞を用いているわけですが、こちらの方はいわゆる異種の細胞であるとは言いつつも、 1985年くらいにグリーン先生がお使いになられてから20年くらい経とうとしています が、その間にこの細胞の特徴などがかなり詳細に調べられてきた経緯があります。 医政局の方でも、異種移植の中でもこういう細胞を使う場合の取扱いを別途定めており まして、これは再生医療の分野で長く使用されてきた3T3J2株及び3T3NIH株については、 このフィーダー細胞として利用する上皮系の再生医療への指針を、別途平成16年7月2 日に策定しています。この指針に基づきますと、先ほど申しました保存期間は30年間と なっています。それでも薬事法の現行の保存期間とは、若干開きがあるものですから、こ こについて承認条件を追加させていただいて、ほぼ同等の期間担保されるようにしたいと 考えています。 1ページ戻って、一番下の段に赤で追加の記述をしていますが、この5番目にあります ように、追加する承認条件の案を、読み上げさせていただきます。「本品の製造過程にフ ィーダー細胞として用いられるマウス胎児由来3T3-J2細胞にかかる異種移植に伴うリス クを踏まえ、新たな取扱いの基準が定められるまでの間、最終製品のサンプル及び使用に 関する記録を30年間保存するなど適切な取扱いが行われるよう必要な措置を講ずるこ と。」という承認条件を追加させていただきたく、本日先生方の御意見をいただきたいと 思います。よろしくお願いいたします。 ○笠貫部会長 ありがとうございます。前回御審議いただきましたジェイスの承認条件に ついて、事務局から説明いただきました。この説明について、御質問、御意見はあります でしょうか。 ○北村委員 これは特定生物由来の製品は従来通りで、これだけにかかるわけですね。そ れと利用した医療側の対応ですね。カルテの保存は義務付けは5年ですから、これは企業 がやることであって、医療側はそれを利用した患者の記録などを30年間保存せよという ことではないのですね。企業側に対するものだけで使用側への依頼項目は、別にないので すね。 ○医療機器審査管理室長 この製品を使用した患者に関する情報は、医療機関で保存して いただくことになります。 ○北村委員 この一番下の欄は医療機関がやってくださいということですか。 ○医療機器審査管理室長 特定生物由来製品については20年間医療機関で、血液製剤の ようなものについては、20年間患者の記録を保存いただくように、これは薬事法でやっ ております。そこを今回のこの品目に限っては、承認条件で30年ですが、先生の御指摘 のとおり承認条件自体は医療機関にかかるものではありませんので、企業に対して承認条 件として30年間医療機関で保存されるような措置を、医療機関にもお願いをしてという か了解をいただいて、製品が適切に使われるようにやっていく責任が、企業側に課せられ た形になります。 ○北村委員 医療者は患者氏名を、この場合はJ-TECに差し上げなければいけないの ですか。 ○医療機器審査管理室長 企業の方でそれを保管といいますか、病院の方で患者の氏名住 所について保管していただくことで、それを30年間。 ○北村委員 では通常のカルテでは駄目になりますね。30年間の保存となりますと。 ○医療機器審査管理室長 今の血液製剤についても、薬事法上20年、患者の記録を医療 機関で保存していただくことになっていますので、恐らくカルテとは別の特定生物由来製 品の台帳のようなもので、情報が管理されているのではないかと思います。今回もJ-T ECとは個別に、これから実際にどういうふうに医療機関にやっていただけるか、どうい うものを用意すればいいか調整する予定ですけれども、ジェイスを使った患者についての 記録を残すようなものを、別途作っていただくのだろうと思っています。もちろんカルテ をそのまま30年保存していただいてもいいのですけれども。 ○北村委員 長期保存している病院もありますけれども、法的な義務付けはとても30年 に及ぶものではありませんのでね。この人工上皮を使った人には30年間カルテを保存し なさいということになれば、これは大変大きな問題になると思います。別に登録制をする ということになると思いますが。企業側でやってくださいと氏名を登録させることも、ま た個人情報の問題もあるし。ここは頭をひねってうまく考えていただきたい。 保存期間を延長するのは、こういう特殊な異種細胞を使っていますから理解はできます けれども、具体的に誰がどのように保存するかは、いい方法を考えてもらいたい。 ○山口委員 その特定生物由来と生物由来の議論の過程で、医療機関がつぶれたりするこ とも想定されるので、その議論も一応しました。それでその場合にはできるだけ公的な機 関、あるいは医師会とかいろいろな医療関係者の協力を得て、北村先生がおっしゃったよ うに、カルテではないのですが対象患者が分かる、どれをどの患者に投与したかが分かる 形で保存されていればいいのではないかとしました。その医療機関がもしつぶれてしまっ た場合には、何らかの方法で担保する。義務がかかるのは製造会社側ですから、その辺り も含めて、できるだけそれをきちんとつなぐような形で対応してもらうことになろうかと 思います。 ○北村委員 病院が壊れてしまうときもあり得るわけですか。記録がなくなると。30年 間。 ○土屋委員 企業も。 ○笠貫部会長 大変大事な問題を御指摘いただきましたので、これからのあり方も含め て、特定生物由来製品、特に今回は異種移植となると30年間、医療機関なのか企業なの か、あるいは両方とも30年継続するという担保はできない場合には、患者の住所氏名を どういうふうに保存しておくかという、何らかの枠組みを決めておかないと、このケース が30年後に問題が起こるとは現時点では考えにくいのですけれども、これはいろいろな ところに共通の問題となってくると思うのです。これをどこかで御検討いただくことは可 能なのでしょうか。 その都度このケースの場合どうするかということだけでは済まないかもしれないので す。このケースはこの企業に対してこういう指導をしましたという、個別のことよりも何 らかの枠組みを決めておくことが大切かもしれません。これからの生物由来製品あるいは 異種移植の問題が、今後必ず出てきますよね。 ○医療機器審査管理室長 特定生物由来製品そのものについては、今薬事法で20年間患 者の氏名住所の義務がかかっています。先ほど山口先生から御報告いただきましたよう に、生物由来製品の20年間の医療機関での保存を議論いただいたときに、医療機関が途 中で廃止されたときにはどうするかという議論もいただいて、やってきております。 今回のジェイスについて30年間をどうするかについては、まずはJ-TECと相談をす る予定ですけれども、今後異種移植にかかるような製品がいくつも出てくるような場合 に、おそらくこの生物由来製品の規制をもう一回、もしかすると超特定生物由来製品とい ったものを作らなければいけないのかもしれません。そこでも議論が必要になるのかもし れません。 まだ異種移植、例えばブタの心臓を移植するような話は、もう少し先の世界のようです ので、今回は少なくともJ-TECと30年の保存をどう確保いただけるかは、よく相談を していきたいと思っています。 ○笠貫部会長 異種移植については、当面まだ出ることはないだろうということで、今回 はジェイスについて、30年間という形で御承認いただきたいと思います。これについて 御意見はいかがでしょうか。追加をお願いします。 ○山口委員 事務局案も微妙な書き方をしていただいていると思うのですが、今後の対応 が決まるまでということで、当面30年間ということです。ジェイスはグリーン先生の3 T3細胞が作られてから20年以上経っています。これは異種移植の場合、異種のウイル スが種を越えて伝達するのを危惧しているわけですが、3T3細胞についてはこれまで 20年間の実績が一応あります。 それともう一つ、今日用いられている3T3細胞はICHのQ5Aというウイルスのガ イドラインに準じた解析を徹底してされていますので、そういう意味では今のある解析可 能なウイルスについては、評価されているのだろうと思います。 そうすると、今後10年間経ったときに、今のままでいいかどうか、要するにそのまま 30年間の保存、特に検体の保存は非常に大変な作業になる可能性があります。特定生物 由来製品でも10年ですので、日赤でも10年経ったサンプルはもう廃棄することが始まっ ています。そういう意味で30年間保存は、非常に負荷が高いかもしれません。そういう 意味では、今後の10年間の経緯を見てもう一度見直すことを、あらかじめ事務局として 考えておいていただければと思います。 ○笠貫部会長 10年間の見直しも含めて、この中に入っているという判断でよろしいで すか。それから先ほど事務局の説明の中で、企業の方から医療機関にお願いするのは、実 際は医療機関にも義務付けされているわけです。そこは企業からきちんと義務付けです と、お伝えする方がよろしいわけですね。 ○医療機器審査管理室長 もちろん添付文書にも、この承認条件を記載することになりま すし、医療機関での保存についてこういうものを30年保存していただかなければならな いということは、徹底していっていただくことになります。 ○笠貫部会長 今の主旨を企業から医療機関にきちんとお伝えいただくことと、添付文書 でもそれを確認するという、二重のチェックの方がいいと思いますし、万が一長期にわた ったところで問題が生じたときに、その記録があるかないか、これはその時になってから では取り返しがつかないので、現在の時点では30年間ということでお認めいただくこと になると思います。よろしいでしょうか。 先ほど病院がつぶれたり企業がつぶれたらどうするかという問題も残されていて、医療 機関がつぶれたときはどこかで保存すること、それを担保する何らかの枠組みは考えてい るのですね。 ○山口委員 これは私が答えるべきではないかもしれませんが、行政側からどうするかと いう問題と、義務のかかる企業の立場はちょっと違うかと思います。 ○笠貫部会長 違いますね。そこはどうなのですか。ここで30年間を決めることは皆さ んの合意を得られると思うのですが、30年間をどう担保するかという枠組みが知りたい というところがあるのです。これについては、事務局で検討をさらにしていただくという ことで、今日のところはこれで御了解いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。 企業もつぶれて病院もつぶれたら、どこで30年間保存するのかという問題が指摘され たものですから、ここは事務局で御検討いただくことにしたいと思います。そういうこと について何らかの方法は考えられているのか、もしあるならばお答えいただいてもいいで すし、あとから事務局で検討いただいてもよろしいと思います。 ○医療機器審査管理室長 生物由来製品を、平成15年ごろに議論しているとき、この問 題も提起されていて、医療機関が廃止された場合の、特定生物由来製品の医療機関の記録 の取扱いについては、一つは製造業者が記録をいただいて保存しようということで、これ は法的に製造業者に対しては守秘義務がかかるので、承認取得者に対して提供する方法 論、又は、医療機関から地域の保健所等の、公的な機関に記録を引き継ぐ方法が提案され て、検討を進めることになっておりますので、確認をしたいと思います。 ○笠貫部会長 多分これを徹底するためには、医療機関に義務付けの重さを知らしめるた めに、医療機関がこういうことまでやらなければいけない決まりがあることを、情報とし て伝えておくことは、記録を残しておくことの重要性と、それを守っていくという意味で の認識を高めることだと思いますので、むしろそういう情報も伝えていただく方がいいと 感じます。 ○医療機器審査管理室長 この資料によりますと、医療機関が廃止した場合には、保存期 間の長い記録もそうですけれども、カルテそのものも宙に浮くことになります。5年保存 のカルテですけれども、カルテの記録についても地域の保健所が引き続き保存している自 治体も、実際にはあります。そういう枠組みを使えるところは、そういうところにカルテ と20年保存のものは20年保存ということで、引き継ぎをしていただく方法があると思い ます。 ○笠貫部会長 ありがとうございます。他に御意見はありますでしょうか。ありませんで したら、今の承認条件を追加した形で、10月3日に開催される薬事分科会に上程するこ とにいたします。 それでは本日の議題は以上で終了いたしました。少し時間が早く済みましたけれども、 全体を通して何かありましたら、御意見をいただきたいと思いますが、よろしいでしょう か。それでは事務局から連絡事項をお願いします。 ○事務局 次回の部会につきましては、先生方に既に御連絡をさせていただいています が、12月6日午後2時から開催する予定です。議題、会場等については決定次第改めて 御連絡申し上げますので、よろしくお願いします。連絡事項は以上です。 ○医療機器審査管理室長 以上で本日の医療機器・体外診断薬部会のすべての審議を終了 いたしました。長い時間御審議いただきまして、ありがとうございました。 ( 了 ) 連絡先:医薬食品局 医療機器審査管理室 室長補佐 広瀬(内線 2912)