07/08/10 第34回 独立行政法人評価委員会 医療・福祉部会 議事録 独立行政法人評価委員会 医療・福祉部会(第34回)               平成19年8月10日(金)               厚生労働省 省議室(9階) <第1部:医薬品医療機器総合機構> ○部会長  定刻になりましたので、ただいまから、第34回独立行政法人評価委員会医療・福祉 部会を開催させていただきます。委員の皆様方、それから理事長を始め、今日お越しい ただいている方々、暑い中、ご足労をいただきましたことを感謝申し上げます。誠にあ りがとうございます。本日は福島委員からご欠席のご連絡が入っております。また、松 原委員が30分ほど遅れるとのことですので、始めさせていただきたいと思います。ま ず事務局から、今日の議事について簡単にご説明をお願いいたします。 ○政策評価官室長補佐  本日の議事についてでございますが、財務諸表に関する意見、及び総合評価を中心に、 各法人毎に分かれて審議を進めていただきたいと思っております。これに伴いまして、 本日の部会の途中で事務局の入れ替えを行います。ご容赦くださいますよう、お願いい たします。  まず、全法人共通の話でございますが、財務諸表に関する意見について、ご審議をい ただきます。各法人の財務諸表に関する意見につきましては、各法人共通の流れとなり ますが、担当委員である石井先生からヒアリングの結果をご報告いただき、それを踏ま えまして、ご審議をいただきたいと思います。  次に、平成18年度業務実績について、前回までの個別評価の結果に基づき、起草委 員によって起草いただいた総合評価の案につきまして、ご審議をいただきます。また、 これまで皆様にご記入いただきました評価シート、A3のものを用意しておりますが、 このシートの原本につきましては、ご参照いただけるようお手元に置かせていただいて おります。後ほど本日の審議等を踏まえまして、評価シートを確定いただく時間を設け させていただきますので、よろしくお願いいたします。  次に、これに加えまして、各法人個別の議題でございます。福祉医療機構の債券発行 及び長期借入金の報告について、ご審議をいただきたいと考えております。議事につい ては以上でございます。よろしくお願いいたします。 ○部会長  それでは、まず、総合評価書、財務諸表に関する意見をいただきたいのですけれど、 医薬品医療機器総合機構から始めさせていただきます。財務諸表に関する意見について は、起草委員の方々には、いろいろご尽力をいただきまして、本当にありがたく思って おります。  まず、最初に、財務諸表に関する意見についての審議に入りますが、これについては、 独立行政法人通則法第38条に基づきまして、独立行政法人評価委員会の意見を聞いた 上で、厚生労働大臣が承認することとされております。  それでは、財務諸表について、石井先生が担当の委員として、ヒアリング等をしてい ただいておりますので、ご説明をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいた します。 ○石井委員  既に皆様、お手元の財務諸表をご覧いただいているかと思いますが、私の方は別途の 機会を設けた形で、独立行政法人医薬品医療機器総合機構の方から、財務に関する説明 を受ける形になりまして、結果といたしましてはお手元の資料1?1にありますように、 同機構におけるところの財務諸表に関しては、昨年と同様ですけれども、承認申請のと おり承認することが適当であると判断しました。以上です。 ○部会長  どうもありがとうございました。ただいまご報告をいただきましたが、医薬品医療機 器総合機構の財務諸表について、ご意見がありましたらお願いいたします。  修正意見がないようですので、お手元にある意見書のとおり、厚生労働大臣に提出し たいと思います。よろしいでしょうか。 (異議なし)  どうもありがとうございます。それでは、総合評価に移らせていただきます。まず事 務局から、平成18年度業務実績全般の評価を中心にご紹介いただき、その後、起草委 員である浅野委員からご講評をいただく。それぞれ担当がございますので、こちらにつ いては浅野委員からご講評をいただくという形で進めさせていただきたいと思っており ます。それでは事務局、どうぞよろしくお願いいたします。 ○政策評価官室長補佐  それでは、総合評価書のご説明に入りたいと思います。資料1?2をご覧ください。 独立行政法人医薬品医療機器総合機構の平成18年度の業務実績の評価結果(案)でご ざいます。1ページでございます。読み上げる形で進めたいと思います。 1.平成18年度業務実績について (1)評価の視点  独立行政法人医薬品医療機器総合機構は、認可法人医薬品副作用被害救済・研究振興 調査機構及び国立医薬品食品衛生研究所医薬品医療機器審査センターの業務並びに財団 法人医療機器センターで行われていた医療機器の同一性調査業務を統合し、平成16年 4月に新たに独立行政法人として発足したものである。  今年度の総合機構の業務実績の評価は、平成16年4月に厚生労働大臣が定めた中期 目標の第3年度の達成度についての評価である。  当委員会では、「厚生労働省所管独立行政法人の業務実績に関する評価の基準」及び 個別項目毎の評価の視点等に基づき、平成17年度までの業務実績の評価において示し た課題等、さらには、総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会から寄せられた意見 や取組方針も踏まえ、評価を実施した。 (2)平成18年度業務実績全般の評価  総合機構は、医薬品の副作用や生物由来製品を介した感染等による健康被害に対して、 迅速な救済を図り、医薬品や医療機器などの品質、有効性及び安全性について、治験前 から承認までを一貫した体制で指導・審査し、市販後における安全性に関する情報の収 集、分析、提供を行うことを通じて、国民保健の向上に貢献することを目的としており、 これらの事業を公正かつ効率的に運営していかなければならない。  平成18年度においては、「情報システム管理等対策本部」の下に「情報システム投資 決定会議」を設置するなど、業務全般にわたる戦略立案機能、リスク管理及びチェック 機能などの業務管理体制を強化するとともに、理事長の経営判断が迅速に業務運営に反 映される組織体制の構築を図るため、平成17年度に引き続き、理事長が業務の進捗状 況を直接把握し、必要な指示を行う場の設置及び総合機構の全般の連絡調整の強化を行 うことにより、理事長のトップマネジメントによる組織体制の確立のための取組が進め られた。さらに、学識経験者等による審議機関である「運営評議会」等を定期的に開催 するなど、効率的かつ機動的な業務運営や、業務の公正性、透明性の確保等のための取 組が着実に進展し、有効に機能しており、計画に照らし十分な成果を挙げている。  課題となっていた人員不足については、専門性の高い有能な人材の確保が進み、中期 計画で予定されている常勤職員数の確保に目途がついたことで、計画に照らし十分な成 果を挙げているといえるものの、未だ当該予定数の全てを充足していない。引き続き、 積極的な公募による人材の確保に努めるとともに、職員の資質や能力の向上を図るため、 業務等の目標に応じた系統的な研修を実施し、人員体制のより一層の充実・強化がなさ れていくことを期待する。なお、平成19年度から平成21年度までの3カ年において 236人の増員が平成18年度末に認められたことから、必要な分野の有能な人員の確保 を積極的かつ計画的に行っていくことも併せて期待する。  また、業務運営の効率化に伴う一般管理費及び事業費の経費節減等については、中期 目標期間終了時に達成すべき所要の節減を見込んだ平成18年度予算から欠員分の人件 費を除いた額と比較して、平成17年度に引き続き、計画を上回る実績を上げている。 しかしながら、審査等勘定において、予算と決算との間に大きな差異が生じており、今 後は、総合機構の設立前の申請品目の処理(いわゆる滞貨処理)の進展等により改善さ れることを期待する。  個別の各業務のうち、副作用救済給付業務については、標準的事務処理期間(8カ 月)の達成率が大幅に改善しており、高く評価できる。  審査等業務については、より有効でより安全な医薬品及び医療機器をより早く国民に 提供するという目標の達成に向け、審査の迅速化に向けた体制の整備が着実に進展しつ つあり、承認審査の期間については、行政側が審査に要する期間を見ると、欧米と比べ て概ね遜色がなくなってきているものの、総審査期間ではいまだ大きな開きがある。ま た、新医薬品の平成18年度の承認件数は増加しているものの、審査事務処理期間は中 期計画における目標値を下回っており、より一層の努力を期待する。治験相談について は、中期計画を踏まえて総合機構が年度計画で定めた目標値を達成しているものの、全 ての治験相談の需要には応えきれていないため、今後は、国際共同治験等の国際的な動 向も視野に入れつつ、審査体制の量及び質の両面において、更なる充実を図るための体 制の整備を期待する。  安全対策業務については、審査と併せ「車の両輪」としてリスクマネジメントの機能 を発揮するよう、その充実が求められている。このため、医薬品等の安全対策に有効な 新手法として、統計解析手法の1つであるデータマイニング手法の導入に向けた検討・ 評価の推進がなされており、「予測予防型」の取組の充実に向けた新事業が着実に展開 されている。また、企業、医療関係者や、患者、一般消費者に対する医薬品等の安全性 情報の提供についても、「医薬品医療機器情報配信サービス」の実施、「患者向医薬品ガ イド」のホームページへの掲載など、そのサービスの向上に取り組んでいると認められ る。引き続き、その着実な進展が求められる。  これらを踏まえると、中期目標の第3年度に当たる平成18年度の業務実績について は、全体としては総合機構の設立目的に資するものであり、一定の評価をすることがで きる。今後とも、審査、安全対策及び救済給付の3つの業務が一体となって円滑に進む ことを期待する。  中期目標に沿った具体的な評価結果の概要については、2のとおりである。個別項目 に関する評価資料については、別紙として添付した。  次に3ページですが、「2.具体的な評価内容」につきましては、現在、読み上げい たしました業務実績全般の評価を詳細に書いたものとなっております。内容についての 説明は省略させていただきたいと思います。以上でございます。 ○部会長  それでは、浅野委員から講評をお願いいたします。 ○浅野委員  本来なら福島委員が講評される予定でしたけれども、本日、欠席されておりますので、 私の方から、独立行政法人医薬品医療機器総合機構、以下、「総合機構」と省略させて いただきますが、18年度の業務実績の評価結果に関する講評を行わせていただきます。  18年度の業務につきまして、まず、少し評価が厳しかった項目について、紹介させ ていただきます。各事業の共通項目に関するもののうち、国民に対するサービスの向上 については、総合機構におかれましては、各種の相談窓口を設け、「医薬品医療機器国 民フォーラム」を開催するなど、積極的に広報・周知活動を行っているものの、まだ、 広く総合機構のことが周知されているとはいえないのではないかと、少し厳しめの評価 となっています。  また、審査関連業務については、委員によって多少評価が分かれました。それを若干 コメントいたしますと、新医薬品の承認件数は増加しているものの、審査事務処理期間 が中期計画における目標を若干下回っていること、治験相談については中期計画を踏ま えて総合機構が年度計画で定めた目標値を達成しているものの、すべての治験相談の需 要に応じきれていないこと、そういうようなことから、少し辛めの評点となっておりま す。  一方、副作用救済給付業務における給付の決定件数については、支給・不支給の決定 件数は多少減少しているものの、平成17年度の12.7%から、平成18年度は65.3%と 劇的に改善しております。中期計画期間終了時の目標の60%を3年目でクリアしてい るということで、高く評価され、S評価となっております。  続きまして、その他の事項について、中期計画に照らしましたところ、おおむね順調 であるものと評価しております。  総合機構の業務は、審査関連の業務が話題に上りがちです。しかしながら総合機構の 業務は、審査関連業務、安全対策業務、健康被害救済業務という、3本柱で構成されて おります。いずれの業務も国民の健康の安全につながる重要な業務であります。それぞ れについて優劣をつけられるものではなく、それらの業務がバランスよく行われること が重要ではないかと認識しております。  総合機構は平成16年4月に発足し、3年が経過したところです。課題となっていた 人員不足については、ようやく、その確保に目途がついてまいりました。今後は職員の 資質や能力の向上を図るために、業務等の目標に応じた系統的な研修を実施し、人員体 制のより一層の充実強化がなされることを期待しております。  また行革推進法、平成18年6月2日の法律第47号において、独立行政法人等の人件 費の総額が抑制されている状況にあって、総合機構は本年度から平成21年度までの3 カ年において236人の増員が認められております。これは空前絶後のことであります。 そのためにも、計画的に有能な人員を確保し、育成し、より一層、総合機構が国民の安 心・安全のための業務に邁進していただくことを切に願い、私どもの講評を終わらせて いただきたいと思います。以上でございます。 ○部会長  ありがとうございました。丁寧なご講評をいただいておりますが、いかがでしょうか。 事務局からは総論のところだけご紹介がありましたが、既に委員の方々には、お手元に もお渡ししておりますので、お読みいただいていると思います。ここをこのように変え た方がいいとか、そういったことも含めまして、どうぞご意見をおっしゃっていただき たいと思います。文言の修正も含めてで結構でございます。総論以外のところでも結構 ですので、気になるところを、どうぞご指摘ください。  いかがでしょうか。浅野先生が、非常に的確なコメントをされたものですから、意見 が言いにくいかもしれませんが、浅野先生の講評に関してでも結構です。個別項目に関 する評価結果が、先生方のお手元にも行っているかと思います。事務局、これは全部、 委員の方々に行っているんですね。 ○政策評価官室長補佐  はい、お手元に、個別のお名前が入ったものをお配りしております。 ○部会長  私だけが一応、責任上、名前を記しておりますけれども、これは行っているんですか。 ○政策評価官室長補佐  個別項目に関する評価結果につきましては、未定稿でございますが、部会長であれば 上野谷委員という名前で、ほかの方は空欄のもの、こちらは机上に配布させていただい ております。 ○部会長  そうですね。これをご覧いただきまして、今、機構が出された自己評価よりも厳しい ところを中心としてご説明いただいたわけですけれど、後でこの評価を修正する時間が あります。議論を通して、また修正をするということですけれど、いかがでしょうか。  よろしいですか。修正意見がないということですので、今の講評を踏まえまして、し かし、その後、いろいろ個別の評価をもう一度見直した場合に、ここは少しどうかなあ と思うところがありましたら、後でまた、修正をしていただきますけれども、大方この とおりで行かせていただくということだというふうに解釈いたします。  あとは、いろいろ表現とか、誤字・脱字等もあるかもしれませんので、そのようなも のについてはご一任いただきますようお願いしたいと思いますが、そのような取り扱い でよろしいでしょうか。 (異議なし)  それでは、法人理事長よりコメントをいただきたいと思います。今、浅野委員からの ご指摘もありましたので、それを含めてでも結構でございます。その後、私どもは、評 価シートの修正・確定をしていく作業に入らせていただきますので、どうぞコメントを お願いいたします。 ○医薬品医療機器総合機構理事長  本日は、平成18年度の業務実績について評価をいただきました。どうもありがとう ございました。ご指摘いただきました点を踏まえまして、さらなる業務改善に全力を尽 くしてまいりたいと思います。  当機構は発足から4年目に入りまして、ようやく、予定していた人員もほぼ確保でき、 業務の負担になっておりました滞貨の処理も、ほぼ解消してまいりましたので、今後は 本来の業務ローテーションでパフォーマンスの改善に努め、第1期の最終年には与えら れた目標を達成できるよう、組織の総力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。  また、本年度からは、ドラッグ・ラグの解消を目指す新しい5カ年計画もスタートし ましたので、引き続き、新たな人員の確保と体制の整備に努めまして、計画の円滑な執 行に努めてまいりたいと思いますので、今後ともご指導のほど、よろしくお願い申し上 げます。本日はどうもありがとうございました。 ○部会長  ありがとうございました。では、今まで余りご意見もなかったわけですけれども、個 別評定をいただいているものに関して修正があった場合の扱いについて、事務局からご 説明をいただき、作業に入りたいと思っております。 ○政策評価官室長補佐  修正等の留意事項につきまして、ご説明申し上げたいと思います。先ほども申し上げ ましたが、お手元に、前回までに採点いただきましたA3の評価シートをご用意してお ります。また、本日、総合評価書案について、先ほどお読みいたしましたが、その後ろ の方で、7ページの次のページを見ていただきますと、今回、先生方にご採点いただき ました評価シートがあります。こちらにつきまして、各先生方のコメントを付したもの を、またご用意させていただいております。  例えば、評価シートの7ページをご覧ください。こちらが1つ目の評価の視点のとこ ろですが、こちらにつきましては自己評定A、それから全体の評定としてもAとなって おります。また、この理由及び特記事項の欄に、丸印でありますように、各先生のコメ ントがあります。これは名前を付しておりませんが、コメントを集約したものを添付し てございます。  これらを踏まえまして、お手元にあるA3の評価シートを、いま一度ご検討いただき まして、修正される方は評点の欄、それからコメントの欄について記入をお願いいたし ます。こちらを修正される場合は、お手元の赤鉛筆で修正をいただき、また、附せんも 用意していますので、修正される場合は、そこに附せんを付して、修正した箇所が分か るようにしていただければと思っております。  また、先ほどご説明しましたが、評点結果の未定稿版、各先生の名前が入ったものを 机上にご用意させていただいております。この見方ですが、欄外に各委員の評点をそれ ぞれ点数に換算したということで整理させていただいております。S評価の場合は5点、 A評価の場合は4点、B評価を3点、C評価の場合は2点、D評価の場合は1点という ことで整理し、机上に配布させていただいております。  なお最後に、この作業に当たりまして、これまでの評価にかかる資料、机上に配布し ている以外の資料もございますので、その資料について、お入り用の先生方がいらっし ゃいましたら、事務局までお申しつけくだされば、お持ちいたしますので、よろしくお 願いいたします。 ○部会長  それでは、5分ほど時間をとらせていただいて、評価シートの確認、修正がありまし たらお願いいたします。何か、修正に当たってご質問がありましたら、どうぞ。これは 点数でA、Bが決まってしまうというやり方ですので……。  法人の方から、コメントが事実と違うという点はありましたか。 ○医薬品医療機器総合機構理事長  いえ、特にございません。 ○部会長  そうですか。短時間でいろいろご報告いただいていますので、何かあればお願いいた します。A評価のコメントの追加でも結構です。十分に評価をするということですので、 どうぞご記入いただきたいと思います。また後ほどお書きいただいても結構です。 ○部会長  よろしいでしょうか。大方、この方向の評価ということですので、あとはコメント等 を十分お書きいただきますようにお願いを申し上げまして、これをもちまして、医薬品 医療機器総合機構の平成18年度の業務実績の評価及び財務諸表に関する意見を取りま とめさせていただきます。各評価書は、評価シートの集約版が添付されておりますけれ ども、本日、評価の確定を行っていただいたということですので、この評価表が変更に なった場合、あるいはコメントが修正あるいは追加された場合には、またそれを反映し た評価シートの集約版を添付させていただきます。いろいろ文章等、誤字・脱字を含め まして、あるいは先ほど理事長にもお聞きしましたが、事実誤認があるといけませんの で、こちらも丁寧に見させていただきますし、機構としても見ていただきまして、修正 が必要になった場合、また事務局と部会長で修正をさせていただきます。十分精査した いというふうに考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、よろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。  事務局の入れ替えがありますので、しばらくお待ちください。 <第2部:福祉医療機構> ○部会長  お約束の時間より早くお越しいただき、また、委員もそろっておりますので、始めさ せていただきます。ただいまより、福祉医療機構について、審議を行いたいと思います。  本当に暑い中、ご足労いただきまして、どうもありがとうございました。最初に、7 月26日に個別評価のご説明をいただいたわけですけれども、法人の方から補足の説明 があるということですので、受けたいと思います。それでは、補足説明をどうぞよろし くお願いいたします。 ○福祉医療機構企画指導部長  企画指導部長の大久保でございます。お手元に机上配布資料というのがあると思いま す。「平成18年度業務実績に係る補足説明」という、横長のパワーポイントでございま す。これに基づきまして、簡単に補足をさせていただきます。  前回、十分に時間がなかったため、説明が不十分だったところがあると思いますので、 各委員のコメントを踏まえまして、若干、補足させていただきます。1ページをご覧く ださい。人事評価制度に関して、評価が悪かった職員への対応の仕組みがどうなってい るかということでございます。 ○部会長  よろしいでしょうか、資料2−2の後ろの方についている資料です。 ○福祉医療機構企画指導部長  この横長の資料の1ページでございます。一点目は、人事評価制度に関して、評価が 悪かった職員に対してどんな対応の仕組みがあるのかということを、若干、ご説明して おきます。私どもの人事評価制度で、やはり重要なのは、評価者である上司と被評価者 である部下が十分にコミュニケーションをとる、これが重要でございます。ということ で、目標設定時及び評価時に、直接、上司と部下が面談するという形をとっております。 また、当然、人事評価ですので、最終的にみんなが納得するとは限りません。そういう、 異議があった場合につきましては、苦情処理委員会というものを設けております。総務 担当理事が委員長でございますが、そこに申し立てを行うことができるという受け皿は 用意してございます。現在のところ、申し立てた例はないと思います。  それから、やはり人事評価制度は、評価をして、それをボーナス等へ反映していくだ けでは十分ではないということで、職員の育成を目指し、これにどうつなげていくかと いうのが重要でございます。そこで私どもは、やはり評価のプロセスで、これを契機と して、上司が部下に対し、いろいろ指導を行う。また、評価が悪かった職員は、これは 職階に対応した十分な業績を上げていないということですので、そういう方については、 やはり段階的に目標が達成できるように、その辺は配慮しつつ向上を図っていくという フォローアップ体制も敷いているところでございます。  2ページをご覧ください。医療貸付について、療養病床再編に伴う経営安定化資金の 実績が少ないのではないかとのことですが、これは若干、状況だけをご説明しておきま す。国において、療養病床再編の方針が打ち出されました。しかしながら、やはり各病 院が転換するとなると、これはいろいろクリアすべき課題が非常に多いわけです。した がって、18年度は、実際になかなか転換が進まなかったというのが実態でございます。 その中で、機構においては、下にあるように、この経営安定化資金という受け皿を用意 したわけですが、18年度実績は22件。これはすべて転換というよりも、いわゆる診療 報酬が下がったこと、改定されたことによる一時的な資金不足に対応した案件という形 でございます。そういう中で、国においては療養病床転換を推進するということで、い ろいろな課題があるわけですけれども、先般、それに対する追加支援措置というものを 公表したところでございます。その内容は、細かくは説明しませんが、下に書いてある とおりでございます。  その中で、やはり機構の政策融資に関してもメニューに入っております。それは下の 平成20年度のところに書いてある、転換支援融資制度の創設です。要は、療養病床を つくったときに整備費がかかったわけで、機構の融資等も利用しています。その借入金 が現在も残っているわけですが、転換するに当たって、それをどうするのかというとこ ろが問題になるわけで、それに対して、ここに書いてあるような制度を創設する。これ は当然、予算要求事項になりますので、これから財務省と折衝していくという形になる だろうと思います。  続きまして、3ページをご覧ください。経営診断事業について、これは恐らく、民間 でも簡単なものはできるのではないだろうかというようなご質問と思っているわけです が、やはり福祉医療分野は、経営環境がなかなか厳しくなってきております。そういう 中で、施設について経営管理、マネジメントが非常に重要となり、経営状況を客観的に 把握する必要が出てくるわけです。そして医療に比べますと、特に福祉においては経営 というのが、なかなか、そういう感覚でやるというのは、遅れているところでもあり、 やはり私どもは、そういう意味で、この経営分析というのを、もっともっと広げていく ことが重要だろうと考えているところでございます。  そういう中で、社会福祉法人は、財務基盤が脆弱です。大きい医療法人はいいのかも しれませんが、零細なものもある。そういうところにとっては、やはり経営診断等をや るといっても、手軽であって、かつ料金も低いということが必要だろうと考えておりま す。そういう中で、機構についてはご存じのように貸付事業をやっております。貸付事 業と経営診断は、これはノウハウは同じですので、そういう専門ノウハウを活用できる。 また、貸付先の財務状況について、これは毎年、報告があります。さらに国の方から運 営費交付金もいただいているということで、その辺は低廉な、安い料金で診断が可能に なっているということで、私どもとしては、将来はどうかというのは別として、まず現 段階では、とにかく多くの施設に、経営診断として客観的に見てもらうということを広 めていくのが重要と考えております。  以降、4ページでセミナーの満足度の算定の仕組みというのを、簡単にまとめており ます。5ページが、いわゆる心身障害者扶養保険事業と年担事業の周知ということで、 これは事実でございますので、後ほど見ていただければと思います。  簡単でございますが、補足説明とさせていただきます。 ○部会長  追加のご説明がありました。いかがでしょうか、ご質問等がありましたらどうぞお願 いいたします。 ○真野委員  初歩的な質問ですが、2ページ目の利率の話で、「財投+0.1、0.5%→財投イコー ル」とありますが、この「財投イコール」という意味がよくわからないのですけれど。 ○福祉医療機構企画指導部長  私どもは、いわゆる金利のもとになる基準を、財政投融資資金の借入利率を基準に据 えております。例えばその中で、財投から20年の固定金利で多くを借りておりますけ れども、それが調達コストでありますので、それに0.1%を上乗せして施設に貸す。そ れから、ものによっては、これは有料老人ホームだと思いますけれども、こちらについ ては0.5%を上乗せして貸す。また、療養病床の転換を進めるためには利率を下げよう ということで、財投金利と同率で貸す。要は低くしたという意味でございます。 ○真野委員  財投の金利と一緒にしたということですね。 ○福祉医療機構企画指導部長  はい、そういうことでございます。 ○真野委員  わかりました。 ○部会長  そのほか、いかがですか。よろしいでしょうか。それでは、財務諸表に関する意見に ついて、審議に入ります。財務諸表については石井委員からご説明をお願いいたします。 ○石井委員  お手元の資料2?1でございます。先ほどの機構と同様、文章はほぼ同じものでござ います。結論としては、承認申請のとおり承認することが適当であるということでござ います。以上です。 ○部会長  ただいま、ご報告いただきましたが、機構の財務諸表について、ご意見がありました らお願いいたします。  これも見ていただいていますので、よろしいでしょうか。修正意見がないようですの で、石井委員からのご報告どおり、資料2?1にありますとおり、これを取りまとめま して、厚生労働大臣に提出したいと思います。よろしければ、そのように取り扱わせて いただきます。 (異議なし)  ありがとうございました。  それでは、総合評価に移ります。まず事務局から、平成18年度業務実績全般の評価 という、総論部分を中心にご紹介いただきまして、そして起草委員の中から、私がコメ ントを述べたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。 ○政策評価官室長補佐  それでは、総合評価についてご説明申し上げます。お手元の資料2?2でございます。 独立行政法人福祉医療機構の平成18年度の業務実績の評価結果(案)でございます。 1ページをご覧ください。読み上げる形でご説明申し上げます。 1.平成18年度業務実績について (1)評価の視点  独立行政法人福祉医療機構は、特殊法人社会福祉・医療事業団の業務を承継して、平 成15年10月に新たに独立行政法人として発足した。  また、平成16年4月より、特殊法人労働福祉事業団の廃止に伴い、その業務の一部 である労災年金担保貸付事業を承継し、さらに、平成18年4月より、特殊法人年金資 金運用基金の解散に伴いその業務の一部である承継年金住宅融資等債権管理回収業務及 び承継教育資金貸付けあっせん業務を承継したところである。  今年度の福祉医療機構の業務実績の評価は、平成15年10月に厚生労働大臣が定めた 中期目標の第4年度の達成度についての評価である。  当委員会では、「厚生労働省所管独立行政法人の業務実績に関する評価の基準」及び 個別項目毎の評価の視点等に基づき、平成17年度までの業務実績の評価において示し た課題等、さらには、総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会から寄せられた意見 や取組方針も踏まえ、評価を実施した。  なお、福祉医療機構の業務は非常に多岐にわたり、それぞれの業務の性質が異なって いることを特記しておきたい。 (2)平成18年度業務実績全般の評価  福祉医療機構は、福祉医療貸付事業をはじめとして、福祉医療経営指導事業、福祉保 健医療情報サービス事業、長寿・子育て・障害者基金事業、社会福祉施設職員等退職手 当共済事業、心身障害者扶養保険事業、年金担保貸付事業、労災年金担保貸付事業、承 継年金住宅融資等債権管理回収業務及び承継教育資金貸付けあっせん業務といった国の 福祉・医療政策等に密接に連携した多様な事業を公正かつ効率的に運営していかなけれ ばならない。  平成18年度においては、旧年金資金運用基金より承継年金住宅融資等債権管理回収 業務及び承継教育資金貸付けあっせん業務の承継に伴い業務が増大する中において、業 務の推進体制の整備、組織のスリム化、ISO9001に基づく品質マネジメントシス テムにおける運用の高度化及び拡大、人事評価制度の運用の改善等の処置がとられ、組 織の強化、業務の効率化及び人材育成の推進を積極的に行っており、高く評価する。ま た、リスク管理債権比率の目標達成等、適切な業務管理が行われている。以上のように、 効率的な業務運営体制の確立及び業務管理の充実に向けて、計画に照らし十分な成果を 上げている。  業務運営の効率化に伴う一般管理費等の経費削減については、常勤職員数の抑制など の人件費の抑制のための取組等の結果、計画を上回る進捗状況にあると考えられる。ま た、運営費交付金以外の収入の確保先として、福祉医療経営指導事業、福祉保健医療情 報サービス事業において自己収入の増収に関する取組が認められ、評価する。  福祉医療貸付事業については、国の福祉及び医療の政策目標に沿って、民間の社会福 祉施設、医療施設等の整備に対する融資が行われているとともに、審査業務及び資金交 付業務の迅速化が進められており、計画に照らし十分な成果を上げている。  心身障害者扶養保険事業については、制度に係る制約に起因する繰越欠損金の解消に 向けて、国において検討が進められることを期待する。  平成18年度より業務が移管された承継年金住宅融資等債権管理回収業務及び承継教 育資金貸付けあっせん業務について、円滑な業務移管が行われている。  他にも、国民・利用者に対するサービスの向上について、新たな取組、課題の改善が なされており、事務処理期間の短縮などの実績を上げている。今後とも引き続き、中期 目標及び中期計画の達成に向けて、一層の努力を期待する。  これらを踏まえると、中期目標の第4年度に当たる平成18年度の業務実績について は、全体としては福祉医療機構の設立目的である「社会福祉事業施設及び病院、診療所 等の設置等に必要な資金の融通並びにこれらの施設に関する経営指導、社会福祉事業に 関する必要な助成、社会福祉施設職員等退職手当共済制度の運営、心身障害者扶養保険 事業等を行い、もって福祉の増進並びに医療の普及及び向上を図ること」及び「厚生年 金保険制度、船員保険制度、国民年金制度及び労働者災害補償保険制度に基づき支給さ れる年金たる給付の受給権を担保として小口の資金の貸付けを行うこと」に資するもの であり、適正に業務を実施したと評価できる。  なお、福祉医療機構の多岐にわたる業務内容について積極的に周知に努めるとともに、 今後とも時代の状況に的確に対応して業務を展開していくことを期待する。  中期目標に沿った具体的な評価結果の概要については、2のとおりである。個別項目 に関する評価資料については、別紙として添付した。  「2.具体的な評価内容」につきましては、今、読み上げいたしました18年度業務 実績全般の評価のより詳細に書いたものとなっておりますので、内容についての説明は 省略させていただきます。以上でございます。 ○部会長  ありがとうございました。それでは私の方から、講評をさせていただきたいと思いま す。福祉医療機構以下、「機構」と呼ばせていただきますが、18年度の評価結果につき まして、起草委員を代表して、講評を述べたいと思います。  ただいま事務局からもご報告がありましたけれども、当機構におかれましては、業務 の効率化という視点においては、当初計画を上回る水準で進んでいるということがいえ ますし、その点について、高い評価ができるということであります。また、当機構は、 非常に多様な複数の事業を行っている法人でありますが、それぞれにおいて適正な業務 を実施したと評価できると考えております。  また、福祉医療貸付事業の評価については、政策適合性及び業務の質の向上等、基本 的には十分な成果を上げていると評価しているところではありますが、貸付額の実績が 前年度と比べて低下しているということがありました。今後、その要因をしっかりと分 析した上で、引き続き、資金需要を的確に把握し、ニーズにきめ細かく対応し、政策金 融という立場から、福祉医療の基盤整備を進めていくことが、福祉医療機構の重要な役 目であると考えております。  総合評価の終わりの、下から3行目ぐらいに書かれているように、今後とも、時代の 状況に的確に対応して、業務を展開していくことを期待するという一文がありますけれ ども、現在、障害者自立支援法が成立しましたけれども、種々、議論もなされていると ころですし、また、療養病床の転換など、福祉及び医療を取り巻く環境は大きく変わっ てきております。そのような中で、政策金融の重要性が増していくということは事実で すので、種々の変化に対応して、適切な対応をしていただきたいということが、この一 文に込められているということでございます。  当機構の業務は、福祉医療事業関係者のみならず、サービス利用者及び国民の広い関 心が持たれるところでありますし、今後の業務の展開に期待したいというふうに思って おります。以上でございます。  総合評価と、それから多岐にわたる業務を、前回もご報告いただき、今日、追加のご 説明もありました。いかがでしょうか、ご意見がありましたらお願いいたします。改め てのご質問でも結構です。評価に関しては、機構の評価とほとんど変わりませんが、や や変わっているところとしては、機構の方が自己評価をBにされているところで委員の 方はAになっているという、高い評価がありますが、あとはそれほど乖離はないという 状況です。心身障害者扶養保険事業に関するところは、機構の自己評価どおり、こちら の方もBということになっています。これに関しては、また、平成19年度中に制度の 見直しを含めて、今、いろいろ議論もされているように聞いていますし、この具体的な 評価内容のとおりでございます。いかがでしょうか。ご意見等をお願いいたします。 ○真野委員  聞き落としたのかもしれませんが、自己評価よりも我々の評価の方が高かった項目と いうのはどれでしょうか。ないような気がするんですが。一緒ではないでしょうか。 ○部会長  ありませんでしたか。失礼いたしました、一緒ですね。修正いたします。自己評価ど おりでございます。  いかがでしょうか。前回、多岐にわたる業務を、本当に的確に説明いただき、資料の 整理もよかったものですから、何やら、よく了解できたという感じがしてしまいました けれども、いかがでしょうか。今考えると、このあたりがどうも評価をし直したいとい うところもあるかもしれませんので。 ○真野委員  意見というか何というか、よくわからないんですけれど、評価していて、ちょっと思 ったのが、福祉医療機構の場合は業務が多岐にわたっているという、さっきからの議論 と、確実に業務を遂行していくというところがポイントになると思うんです。そうする と、我々の評価の視点と皆さんの自己評価というのは、割と一致するのではないか。も ちろん一致して悪いわけではないんですけれど、評価のポイントみたいなものが、全部 というのは多岐にわたっているので無理だと思いますけれど、何かそういうものを、も う少し具体的に、来年度以降、示していただければ、と。着実に業務を遂行されている わけだから、それを評価してくれというのであれば、もちろんそれでいいと思いますけ れど、何といいますか、評価においても重点というか、メリハリみたいなものがあると、 分かりやすかったかなあという印象です。 ○部会長  ありがとうございました。次年度以降の課題が出されました。いかがでしょうか。  よろしいでしょうか。それでは最後に、法人理事長よりコメントをお願いいたします。 ○福祉医療機構理事長  それでは一言、お礼を申し上げたいと思います。  私ども福祉医療機構の平成18年度の業務実績といたしましては、独立行政法人化後 の3年半において確立に努めてまいりました効率的な業務運営体制をベースに、より質 の高い事業展開を目指して、努力をしてきたところでございます。各委員の先生方にお かれましては、私どもの、本当に広範・多岐にわたるこの実績を十分にご理解いただい た上でご評価をいただきまして、ありがとうございました。  また、この評価を通じて、私どもを督励していただいたようにも思います。本当にあ りがとうございました。また、今回の評価の過程でご指摘をいただきました事項につき ましては、しっかりと受けとめまして、今後の事業の発展につなげてまいりたいと思っ ております。どうもありがとうございました。 ○部会長  ありがとうございました。それでは評価シートの修正、確定をさせていただきますの で、もう一度、先ほどと同じ要領でご覧いただきまして、修正がありましたら、確認と 修正をいただきたいと思います。もっと賞讃しようというコメントの書きかえでも構い ませんし、幾つか課題がありましたら、同じAでも課題を書いていただいて結構です。 ○大島委員  一点だけ、質問させてください。特に心身障害者扶養保険事業のところでは、都が抜 けていますけれども、都は除外というか、別の事業を展開しているということで、それ でこれは都が抜けていると考えてよろしいのでしょうか。 ○部会長  心身障害者扶養保険事業ですね。お答えをお願いいたします。 ○福祉医療機構企画指導部長  基本的に各都道府県と、それから政令指定都市が持っているんですけれど、ただ、私 どもはその再保険ということで、東京都だけは、これは経緯がありまして、最初から独 自にやっていたので、そういうことで私どもが再保険をやるときに、東京都は加入しな かったということで、したがって都が抜けているということです。一応、東京都の制度 については、今年度、19年度をもって、制度はやめるというように聞いております。 ○部会長  大島委員、いかがですか。 ○大島委員  わかりました。ありがとうございました。その点については、今回に関しては書き加 えなくてもよろしいわけですね。 ○部会長  そうですね、この扱いについて、事務局から補足はありますか。 ○政策評価官室長補佐  先生が今おっしゃったことについては、評価シートに書いていただきたいと思ってお ります。 ○部会長  よろしいでしょうか。そのあたりのコメントを書いていただきましたら結構でござい ます。 ○大島委員  わかりました。 ○部会長  これは基本的には、自治体が条例をつくってやるという仕組みで、私も幾つか、説明 を受けまして、やっと了解ができたという状況なんですけれど、いろいろ課題もあるし、 しかし、というところもあり、今、18年度の実績はこういう状況だけれども、今後、 19年度中に制度の見直しを含めて別の委員会で検討されているというふうに聞いてお りますし、また近々、いろんな形で議論になるだろうというふうには推測をしておりま すが、機構の方、法人の方は、それでよろしいですか。 ○福祉医療機構理事長  はい。 ○部会長  よろしいでしょうか。それでは、また後ほどでも、先生方のコメントを追加していた だいて結構ですので、これをもちまして、福祉医療機構の平成18年度の業務実績評価 及び財務諸表に関する意見を取りまとめさせていただきます。  なお、先ほどと同様に、集約版については誤字・脱字、それから事実誤認がありまし たら、修正が必要となりますので、また機構の方からも、どうぞご指摘をいただきたい と思います。後ほど精査いたしまして、部会長である私にご一任いただきたいというふ うに思っております。どうぞよろしくお願いをいたします。よろしいでしょうか。  それでは次の議題ですが、債券発行及び長期借入金の報告がございます。福祉医療機 構の平成19年度債券発行及び平成19年度の第1・第2四半期の長期借入金に関するご 報告がありますので、事務局からご説明をお願いいたします。 ○政策評価官室長補佐  資料は、お手元の資料2?3でございます。また、お手元に、茶色い独立行政法人評 価関係資料集というものを置かせていただいております。こちらの72ページをご覧く ださい。中段よりやや下に、四角でくくった枠がございます。ここの1番、2番のとこ ろでございます。本部会における、福祉医療機構の長期借入金及び債券発行にかかる意 見の取り扱いについて、まとめさせていただいております。年度を通じた長期借入金計 画及び債券発行計画につきましては、あらかじめ部会のご了解をいただければ、長期借 入金及び債券発行の個別の認可については部会長にご一任するということになっており ます。そうした上で、部会には事後報告をするということになっているところでござい ます。  平成19年度の計画につきましては、昨年度末に本部会においてご了承をいただいて おりますので、本日は平成19年度の債券発行及び平成19年度第1・第2四半期の長期 借入金のご報告ということでございます。よろしくお願いします。 ○部会長  それでは、福祉医療機構からのご報告をお願いいたします。 ○福祉医療機構経理部長  経理部長の岩田でございます。よろしくお願いします。平成19年度の債券発行の実 績並びに第1四半期、第2四半期の長期借入金実績についてご報告させていただきます。  資料2−3の1ページ、平成19事業年度債券発行でございます。中段に示している ように、本年度、平成19事業年度の資金調達額は、それぞれ、一般勘定で3,787億、 年金担保貸付勘定で2,290億を予定しているところでございます。そのうち括弧書きで 示しているように、当機構が財投機関債を発行しています。これらについて、一般勘定 で見るとトータル555億、年金担保貸付勘定で570億の合計1,125億を、今年度、予定 しているところでございます。そのうち上段に示しているように、19年の6月19日で すが、第13回債を300億円、14回債を200億円の合計500億円を、記載の条件で発行 しているところでございます。  なお、一番下に示していますが、残余の機関債が625億ございます。これらにつきま しては、今後、起債環境、資金需要を考慮しながら、発行時期や発行金額などを検討し ていく予定としているところでございます。また、この13回・14回債の債券発行につ きましては、5月17日付で部会長より了承の旨をいただき、6月5日付で厚生労働大 臣の認可をいただいたことをご報告させていただきたいと思います。  次のページをご覧ください。13年度の第1回社会福祉・医療事業団当時から昨年度 の12回福祉医療機構債券までの発行実績の一覧を掲載しているところでございます。  続きまして、3ページでございます。平成19事業年度第1・四半期長期借入金につ いてご報告させていただきます。年度計画額につきましては、一般勘定で3,172億円、 年金担保貸付勘定で135億円となっております。そのうち第1・四半期に認可いただい ている額は一般勘定で657億円、年金担保貸付勘定で135億円でございます。それに対 する実績ですが、下の表のとおり、一般勘定については5月25日に固定金利分で67億 円、10年経過後金利見直し制度分として3億円の合計70億円を。また、6月20日で すが、固定金利分423億6,000万円、10年経過後金利見直し制度分1億4,000万円の、 合計425億円となっております。また、年金担保貸付勘定については、6月20日に 135億円の資金調達をしておりまして、年度計画額全額の借り入れを行っているところ でございます。合わせまして、第1・四半期といたしまして、630億円の借り入れを行 っているところでございます。  次に、4ページでございます。第2・四半期の長期借入金の予定額を示しております。 第2・四半期に認可いただいている金額は一般勘定で914億円となっております。それ に対しましては、今のところ、9月に914億円全額を借り入れる予定としております。 なお、第1・四半期の借入金は5月2日付、第2四半期借入金については6月15日付 で既に部会長よりご了解の旨をいただき、それぞれ厚生労働大臣の認可をいただいたこ とをご報告申し上げる次第でございます。以上でございます。 ○部会長  ただいまのご報告について、ご質問がありましたらお願いいたします。 ○真野委員  すぐに答えられないようでしたら、次回にでも教えていただければ結構です。格付が AAということですけれど、これは、例えばほかの政府系というか独立行政法人の金融 機関といいますか、ほかの独立行政法人等の格付と比べて、どういうふうに見ればいい でしょうか。 ○福祉医療機構経理部長  いわゆる政府系の金融機関関係は、これより1ランク上になっています。ただ、ほか の事業系の独立行政法人等は、大体、同格となっているところです。私どもは1つの政 府系の金融機関という位置づけで、さらに格付を上げる旨の折衝等は現在も続けている ところですが、残念ながら1ランク下の格付になっています。 ○真野委員  ありがとうございました。 ○部会長  ほかに、いかがでしょうか。ご質問がないようでしたら、福祉医療機構の平成19年 度債券発行及び平成19年度第1・第2四半期長期借入金については、当部会として報 告を賜ったことにしたいと思います。ありがとうございました。以上で機構のお話が済 みましたので、事務局の入れ替えを行います。 <第3部:国立重度知的障害者総合施設のぞみの園> ○部会長  それでは、国立重度知的障害者総合施設のぞみの園につきまして、審議を始めたいと 思います。今日はどうも、遠いところをご足労いただきまして、ありがとうございまし た。  まず、財務諸表に関する意見について入りたいんですけれども、最初に7月31日の 部会において、委員からのご質問がいろいろありましたし、回答が保留になっていた部 分がありましたので、法人の方から追加の説明をしていただきたいと思います。それで は、よろしくお願いいたします。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  のぞみの園の法人事務局長でございます。余りお時間がとれないということなので、 簡潔にお答えいたします。保留していたご質問は1問だけだったと思います。後日回答 するということで保留させていただいた、山村委員からのご質問。国立のぞみの園にお ける非常勤職員について、常勤換算をした場合の割合はどのくらいかというご質問だっ たと思います。これにつきまして、平成19年の4月1日現在での常勤換算をいたしま したところ、非常勤職員の割合は19.9という数字が出てまいりました。約2割の方が 非常勤職員ということになっております。以上でございます。 ○部会長  ありがとうございました。山村委員、よろしいでしょうか。 ○山村委員  2割ということは、全体の職員が100人ということですか。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  今おっしゃった100人というのは、非常勤職員の数ということでしょうか。 ○山村委員  19.9人が常勤換算した人数であると……。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  いえ、19.9%です。約2割です。 ○山村委員  19.9人ではなく、19.9%ということですか。わかりました。ということは、人数に すると何人になりますか。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  人数にしますと、約70人という換算になります。 ○山村委員  ということは、全職員が350人ということですか。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  はい、そうです。 ○山村委員  わかりました。 ○部会長  それでは、財務諸表に関する意見について審議に入ります。石井委員からご説明をお 願いいたします。 ○石井委員  お手元の資料3−1でございます。他の2法人と同様ですけれども、基本的に承認申 請のとおり承認することが適当ということでございます。 ○部会長  ただいまのご報告に関してご質問、ご意見がありましたらお願いいたします。  修正意見がないようですので、お手元にあります平成18年度の財務諸表についての 意見書として、資料3?1を取りまとめて、厚生労働大臣に提出したいと思います。そ のような取り扱いとさせていただきますが、よろしいでしょうか。 (異議なし)  ありがとうございます。  それでは次に、総合評価に入らせていただきます。のぞみの園の総合評価について審 議をいたします。まず事務局から、平成18年度業務実績全般の評価の、総論部分を中 心にご紹介いただき、その上で、起草委員である大島委員からご講評をいただきたいと 思います。どうぞよろしくお願いいたします。 ○政策評価官室長補佐  それでは、お手元の資料3−2をご覧ください。独立行政法人国立重度知的障害者総 合施設のぞみの園の平成18年度の業務実績の評価結果(案)でございます。1ページ から、読み上げる形で進めさせていただきます。 1.平成18年度業務実績について (1)評価の視点  独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園は、平成15年10月に新たに独 立行政法人として発足し、平成18年度は法人設立後4年度目にあたる。  今年度ののぞみの園の業務実績の評価は、平成15年10月に厚生労働大臣が定めた中 期目標の第4年度の達成度についての評価である。  当委員会では、「厚生労働省所管独立行政法人の業務実績に関する評価の基準」及び 個別項目毎の評価の視点等に基づき、平成17年度までの業務実績の評価において示し た課題等、さらには、総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会から寄せられた意見 や取組方針も踏まえ、評価を実施した。  また、本評価に当たっては、のぞみの園からの実績報告とヒアリング等の部会審議に 先立って、のぞみの園の施設の視察を行い、その結果も踏まえつつ評価を行った。  のぞみの園の設立目的は、独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法に より、その前身である特殊法人心身障害者福祉協会と比較して、自立(地域移行)のた めの先導的かつ総合的な支援の提供等へと大きく変更されたため、その設立目的に沿っ た業務運営の転換が求められるとともに、他の独立行政法人と同様に効率的な業務運営 が求められている。  なお、のぞみの園が行う業務のうち、重度知的障害者の自立支援のための取組は、法 人の設立目的の変更に伴い、これまでのいわば「終生保護」から「地域生活への移行」 へと支援の方法が大きく変わることとなったことから、入所利用者及び保護者・家族等 の理解はもとより、入所利用者を支援する職員の意識の改革等を図った上で推進される 必要がある。さらに、入所利用者の出身地が全国に分散し、それぞれの地域での受入環 境が必ずしも十分でない状況下で、入所利用者の平均年齢が57歳、入所期間が30年を 超える知的障害者が約8割を占める実態を踏まえ、入所利用者及び保護者・家族等の意 向が第一義的に考慮されなければならない。このようなことから、自立支援の取組の評 価に当たっては、単に数値目標の達成状況に着目するのではなく、地域移行に向けての 条件整備全般にわたって、入所利用者一人ひとりに対してどのような取組を行ったか、 そのプロセスが重要であることを特記しておきたい。 (2)平成18年度業務実績全般の評価  のぞみの園は、法の定める設立目的に沿った業務運営への転換が求められるとともに、 他の独立行政法人と同様に効率的な業務運営が求められている。  このような中で、平成18年度においては、障害者自立支援法により新事業体系に移 行することとされたが、のぞみの園は他の施設とは異なり、経過措置期間が設けられて いないことから、10月の施行と同時に、新事業体系に転換した。のぞみの園では、障 害者自立支援法の施行前から、「居住の場」と「日中活動の場」を分離したサービス提 供という同法の理念、目的等を職員に周知させるとともに、のぞみの園で取り組むべき 日中活動のあり方を検討し、基本方針を策定して職員に徹底させるなど、その準備を計 画的に実施した。また、施行と同時に組織体制を見直し、「居住の場」と「日中活動の 場」で分離されたサービスが切れ目なく提供できるよう事業調整を行う部を新設し、利 用者の希望調査等を踏まえ、日中活動に参加しやすい実施体制に改めるなど、職員の意 識改革と効率的かつ柔軟な組織編成に計画的に取り組んだことを高く評価する。  また、のぞみの園の設立目的に沿った業務運営への取組を行うため、現に入所してい る重度知的障害者の自立に向けて、既存の資産等を利・活用した生活体験事業や、地方 自治体等関係方面への説明及び協力要請を引き続き行ったほか、平成18年度において は、新たに、(1)新設された事業調整部で地域移行のために、より強力に事業を展開、(2) 地域移行の受け皿として、障害者自立支援法による新サービスであるケアホームの開設、 (3)出身地等で地域移行に先進的に取り組んでいる施設長等に直接受け入れを働きかけ、 (4)保護者等の地域移行に関する理解を促すため、地域移行した者の生活を紹介したビデ オを制作するなどの取組、(5)保護者の意識の変化を把握するためのアンケート調査の実 施など、地域移行のスピードアップに努力していることが認められる。  さらに、入所利用者の多くが長期にわたり入所しており、かつ、高齢化していること を勘案し、入所利用者及び保護者・家族等の意向を尊重しつつ、障害特性に合わせたよ り具体的な地域生活への移行に向けて受入先との調整を行うなど、一人ひとり丁寧に手 順を踏んで取り組んでいることについて評価する。  これらの取組の結果、平成18年度においては、14名の入所利用者が出身地での地域 生活のためにのぞみの園を退所するとともに、関係自治体や事業所と調整中となってい る者が27名となるなど、着実に成果を上げてきていることを評価する。  地域移行の推進については、以上のような努力が認められるものの、中期目標に掲げ る地域移行に関する目標とその実績との間には大きな差があるため、より多くの地域移 行の実現に向けて、引き続き、きめ細かに対応しつつ、一層のスピードアップが図れる よう具体性のある取組を行う必要がある。  一方、業務運営の効率化の観点から、効率的な業務運営体制の確立のための組織の改 編や常勤職員数の抑制、平成16、17年度に引き続いての給与水準の見直し等の経費節 減の努力が行われているほか、地方自治体からの受託事業の拡大等の自己収入の増加を 図る努力をしていることを高く評価する。  また、のぞみの園の設立目的に沿った調査・研究や研修については、全国の知的障害 者関係施設等の職員を対象とした福祉セミナーを目的別に2回実施するとともに、厚生 労働省の後援により、障害者自立支援法による新サービスである行動援護に関する全国 規模の養成研修中央セミナーを初めて実施するなど、着実に努力していることが認めら れる。今後、調査・研究や研修を実施するに当たっては、全国の知的障害者及びその家 族の支援や知的障害者福祉に携わる者などの資質の向上に一層役立つものとなるよう、 実施体制を工夫しながら、その充実を図っていくことが望まれる。  これらを踏まえると、平成18年度の業務実績については、全体としてはのぞみの園 の設立目的である「重度の知的障害者に対する自立のための先導的かつ総合的な支援の 提供、知的障害者の支援に関する調査及び研究等を行うことにより、知的障害者の福祉 の向上を図ること」に資するものであり、努力をしたものと評価できる。  なお、中期目標に沿った具体的な評価結果の概要については、2のとおりである。個 別項目に関する評価資料については、別紙として添付した。  「2.具体的な評価内容」につきましては、今、読み上げました業務実績全般の評価 の詳細に書いたものとなっておりますので、これについて内容の説明は省略したいと思 います。以上でございます。 ○部会長  では、引き続きまして、起草委員である大島委員から、ご講評をお願いしたいと思い ます。 ○大島委員  今、お読みいただいた全体的な評価の内容が、さらに2のところで、具体的な評価内 容というふうにまとめられていますが、委員の皆様には、現地まで足をお運びいただき ました。そういう関係もありまして、少し、この部分をご説明させていただきながら、 最終的な評価結果を説明したいと思います。  「2.具体的な評価内容」をご覧いただきながら、今お読みいただいたものを、もう 少し詳しく申し上げますと、業務運営の効率化は高く評価できるというふうに、先生方 のご判断も、それから私ども、具体的に評価の起草をする委員としても高く評価すると いうふうに結論づけました。ただし、いろいろ具体的に、一つ一つの計画が、今後、ど ういうふうな形で進められる必要があるかということを細かく記載させていただきまし た。  例えば施設内の衛生管理あるいは安全管理、セキュリティ、防災対策といった業務に 引き続き取り組むように要望するというようなところであるとか、経費の削減について も、高く評価はするものの、非常に特殊な技術が必要な職員の集団ですので、単に定年 退職者のあとの補充を抑制し、そこで非常勤職員をできるだけ加えて運営をするという ことよりも、重点配備あるいは重点配置ということで、専門的な職員の技量を高めつつ、 専門の技量を持った職員を計画的に確保するということも必要であろうということも、 書かせていただきました。  それから地域への、施設や設備の利用に関してですが、このことも評価されるという ことで、全国的には非常に多くのセミナーや研修等もありますけれども、なお独立行政 法人としての役割は非常に高いものがあるのではないかということで、今後の取組の拡 充が期待できる、これを検討されたいということで、書かせていただきました。  それから2番目の、国民に対して提供するサービス、その他の業務の質の向上につい てですけれども、これも1番から6番まで、かいつまんでお話ししますと、自立支援と いうことですが、先ほど前半に書かれましたように、平均年齢が57歳ということと、 入所期間が30年以上というようなこともあって、地域移行に関しては非常に難しい、 入所利用者の方々への対応ですので、初めての18年度、14名の地域移行ということは 大変評価できるのではないかということで、評価できるということを書かせていただき ました。  ただし、今後の希望として、保護者・家族の意向、そしてもちろん利用者ご本人の意 向の尊重と同時に、さまざまな負担が強いられることがないように、非常に丁寧に今ま でも丁寧だとは思いますけれども、さらに丁寧な手順を踏んだ地域移行を希望するとい うことを書かせていただきました。  それから調査・研究に関しては、かなり議論が出たところです。調査・研究の内容に 関しては、のぞみの園だけで成果を上げるということが大変難しい状況であるというこ ともあって、民間では対応が難しい先駆的な調査・研究は、関係機関との連携によるプ ロジェクト研究、あるいは全国の大学ないしは研究機関の研究者と連携した研究がさら に必要なのではないか。そのことによって、モデル的な研究であるとか、あるいはパイ ロット研究、非常にきめ細かく必要とされるような研究が、今後、望まれるということ を書かせていただきました。  3番目の養成研修ですけれども、これに関しては評価するということで、今後も一層 の養成研修事業の充実に努めていただくよう期待するということを書かせていただきま した。  それから援助・助言に関してですが、やはり、件数としては30件ということで、ま だまだ努力が必要なのではないかということであり、そのために広報の強化であるとか、 あるいは研究等も含めて援助・助言の必要性が全国的には非常に高まるということが予 測されますので、それに対する努力をされたいということを書かせていただきました。  そして附帯業務に関しては、診療部門と診療所内の対応、それから地域に関する心理 外来の一層の充実・強化に努めていくことを期待したいということを書かせていただき ました。  第三者評価に関しては評価する。それから最後に、財務内容の改善に関しては、引き 続き努力をしていただくということと同時に、先ほど申し上げましたように、専門職と いうことの配置は、ぜひとも、その部分は充実させる必要があるということで、できる 限り、抑制はするけれども、課題となっている人件費を縮減すると同時に、非常に大事 なところに関しては、継続して充実させていただきたいというようなことを書かせてい ただきました。  そして、のぞみの園全体の評価ですけれども、昨年度の評価はB評価が非常に多かっ たということを伺っていますし、横に長い、A、Bと書いてある中でも、17年度はB 評価が非常に多いのですが、今年度の先生方の評価を総合しますと、自己評価どおりと いうことで、B評価は2つということになります。ただし先ほど申し上げたように、18 年度の評価はこうであっても、今後の期待は非常に大きいものがあるということを付記 させていただいたということで、ご報告をさせていただきました。 ○部会長  ありがとうございました。では、ただいまご報告をいただきました総合評価書(案)、 あるいは大島先生の総合コメントについて、ご意見があればお願いいたします。 ○宗林委員  一点だけ、どちらにお聞きしたらよろしいのかわかりませんが、またコメントも先日 の評価表に書かせていただいたのですけれど、自立支援の地域移行の問題で、私も以前 に見せていただきましたし、丁寧な対応をしていただいているということも重々承知の 上なのですが、実際の数値として、移行できていない数値をどう見るのか。全体で3割 から4割をこの期間中にというもともとの目標に対して私たちのこの評価委員会は、そ の困難さと、それから丁寧な対応ということで、質的なことも含めての総合的な意味で、 割と高い評価をつけてきたわけです。ほかの法人に比べて、数値の目標が明らかにされ ているのでこの数値をどのように評価委員会として考えればいいのかというふうに思っ ております。もともと無理なものであるから、今回は十数名の移行ができ、一昨年に比 べると実績が上がったという反面、全体としてどう考えればいいのかということについ て、お教えいただけるとありがたいのですが。 ○政策評価官室長補佐  先ほど真野先生からも、評価の視点の件ではっきりしないところがあるというご質問 があったかと思いますが、こちらにつきましては、今の総合評価書の、各先生のコメン トの欄にも、評価の視点というものを、以前、この部会にお諮りしまして、この、のぞ みの園に与えられた大臣からの中期目標、それを受けた中期計画については、評価の視 点として、こういう点について見ていこうということを取り決めさせていただいており ます。したがいまして、具体的に点数をつけていただく際には、この評価の視点を踏ま えまして、各先生方にご評価をいただくこととしております。  また、今回の評価につきましては、平成18年度の年度の評価ということで、当該年 度の、14名が退所したということを踏まえまして、各先生方はご採点をいただいてい ると認識しておりますが、最終的にはまた中期計画が締まる段階で、最終年度の暫定評 価をこれからしていただく、そして最終年度が終わった段階では、第1期中期計画がど うであったか、全体を通じて進展したかどうかということも含めて、最終的な評価をま たしていただくということになろうかと思いますが、そこはまたご審議いただきたいと 思っているところでございます。 ○部会長  それでは続いて、施設管理室長からお答え願います。 ○障害保健福祉部障害福祉課施設管理室長  施設管理室長の難波と申します。3割〜4割の問題ですが、基本的には地域移行のプ ロセスをきちんと踏んでいるかどうかという観点からの評価をお願いしたいというふう に思っております。現実には、数的に見ますと3〜4割というのは、ほど遠い結果にな っているわけですけれども、これにはやはり保護者の問題や地域の基盤整備の問題など、 いろんな事情が重なっており、その点についてご理解をいただきたいということがござ います。  それからもう一方で、障害者の福祉計画がありますが、国全体としては、施設の入所 者を7%以上、地域に戻そうという計画がございます。その割合に比較しましても、3 割から4割と、高い数値になっております。これは公の施設として、やはり全国的な先 陣を切っていくという観点から、3割〜4割という設定になっているということでござ います。 ○宗林委員  最終評価のところで、いきなり、数値を達成していないから低い評価になるというの もおかしいのではないかという点がありますし、また、3割〜4割ということが、丁寧 に地域移行の業務を見させていただいて、やはり無理かなあということであれば、中期 計画の変更というようなこともあり得ないのでしょうか。 ○障害保健福祉部障害福祉課施設管理室長  3割〜4割を変更するという議論は確かにありましたが、第1期の中期目標の中で、 3割〜4割を設定して、次期目標の中でそれを下げるという理屈が立つのかどうかとい う問題もありまして、いずれにしましても、3割〜4割が達成できるように、今後、次 の5年間でまた努力していくという形になろうかと思います。 ○部会長  よろしいでしょうか。 ○宗林委員  はい。 ○部会長  この問題は、なかなか、他の法律、あるいは他の動きなど、地域移行への実現のプロ セスにおいて非常に要素が多いものですから、とても難しいとは思いますが、前回も少 し申し上げましたように、理念と戦略と戦術をきっちり分ける中で、今おっしゃった3 割〜4割へ向けて、どのような手だてを、地域社会に対してなさったのかとか、法人そ のものはできなくても社会福祉協議会やらPTAやら何やらを使って、地域移行をしや すい状況になるよう、地元でもどの程度し、そして都道府県レベルにどの程度し、ある いはマトリックスを使って、よそもよくおやりになっていますが、年齢と症状に合わせ てかなり細かく個別評価をいただいたんです。とても丁寧におやりになっている。  それは認めますが、どういうプロセスで一人一人をしたのか。家族の説得の仕方も、 家族は絶対に「うん」とは言いませんから、単に家族に同意を求めたのか、そうではな くて家族の年齢・状態別に、アプローチの仕方は違うというあたりを、どの程度、丁寧 におやりになったかということを見せていただきましたら、まあ、3割〜4割でなくて も、その3割〜4割に向けて、どういうふうにやったかという、このあたりが、前回も 少し見えにくいというお話を、私はちょっとさせていただきました。  私自身はちょっと厳しくつけたわけですが、今回、そういう議論もさせていただきま したので、中期目標の達成に向けて、最終年、そして次の段階の計画のときに、また、 より見える形で、資料整理等々をしていただき、また、実践もしておられますので、も う少し総合的に、構造的な実践の見せ方みたいなものを、ぜひ、していただければいい のではないかなあというふうに期待をしているところです。徐々に効果が上がってきて いるように思いますので、ぜひ、そのあたりを、やはり国としての機関ですから、3割 〜4割を1割〜2割なんかには、それはできませんよね。そう思いますので、ぜひ、そ れに向けてやっていただくということを期待し、みんなが応援をするということではな いでしょうか。部会長としては言い過ぎておりますが、そういうことでお願いをしたい と思います。  いかがでしょうか、そのほか、総合評価書のご意見等があればお願いいたします。 ○真野委員  私、前回いなかったせいもあって、もしかすると重複するかもしれませんけれど、第 三者評価というところが、割と意見でも評価されているんですが、この場合、第三者評 価委員会をつくって、というような話ですけれど、ちょっと、その辺を具体的にお聞き したいのと、また、例えばこの部会でも、ほかの独法だと、ISOとか、そういうもの も取っているようですけれど、そのあたり、なぜ違う形でされたのか、お教えいただけ ますか。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長  第三者評価については、これは中期目標と中期計画で、保護者あるいは地域の方など も入れたような、そういう評価委員会をつくって、というようなことが指示されており ますので、それに基づいて評価委員会を設置しております。この点については、保護者 が入っているとか、そういった点で、本当に第三者なのかという疑問も出たりはしまし たけれども、そこはあんまり厳密にとらえないで、とにかく中期目標なり中期計画で決 めたように評価委員会をつくって、そこで、こういう福祉施設の全般にわたる基準に沿 って評価をしていただいたということです。  実際には、こういう社会福祉施設の評価を行っている、そういう専門の機関がありま すので、機関というか民間のそういう事業者がありますので、そちらの方に、実際に総 合施設の方に来ていただいて、全般的にチェックしていただいて、その上で評価書とい うのをいただきました。その評価書をもとに、この第三者評価委員会なるものに諮りま して、こういう評価書をいただきましたけれど、いかがでしょうかということを、再度、 検証していただきまして、その上で、大体よろしいのではないかということで結果が出 ましたので、これをホームページにて公表したということでございます。  ISOの点についても、福祉施設などで既に認証を受けているところもありますので、 それについて、私どもとしてどう対応していくかというのは、今後の検討課題というふ うに認識しております。 ○真野委員  ありがとうございました。 ○部会長  よろしいでしょうか。それでは、幾つか、先生方からもまたコメントがありましたら、 評価シートの方に少し追加をしていただくということでお願いいたします。大体、総合 評価書に基づいて、意見がまとまりつつありますので、この文章を修正することなく、 平成18年度の業務実績の評価結果として、各法人及び総務省の政策評価・独立行政法 人評価委員会にお伝えするとともに、公表したいというふうに思っております。  ただ、よく読みますと、誤字・脱字、あるいは先生方のコメントに関しましても、事 実を誤っているというようなこともあるかもしれませんので、もう一度、精査をさせて いただき、修正が必要になったときには、部会長である私に一任していただきたいとい うふうに思っております。どうぞよろしくお願いいたします。このような取り扱いでや らせていただきますけれども、よろしいでしょうか。 (異議なし)  今の、委員からの幾つかの課題は、多分、次の中期目標の達成と、それから次期の目 標設定のところで活かされるというふうに思いますので、またそのときに、よろしくお 願いいたします。  それでは、いろいろご意見が出ましたけれども、最後に法人理事長よりコメントをお 願いいたします。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長  コメントというか、一言、お礼を申し上げたいと思います。今回の評価に当たりまし ては、委員の先生方には、大変お忙しい中、法人の業務全般にわたって丁寧に評価をし ていただきまして、本当にありがとうございました。特に個別評価の部会開催日の前日 に、現地視察の日程を組んでいただきました。のぞみの園の利用者の生活ぶり、日中活 動の様子などを、実際にご確認の上で評価をいただいたということで、今回の評価結果 は、従来にも増して重いものとして受けとめなければならないと考えております。  また、今回、新しい視点からご意見、ご指摘もいただきましたし、これから取り組む べき課題についての貴重なご示唆もいただきました。これらのご意見などを踏まえつつ、 引き続き役職員一体となって努力してまいりたいと考えております。委員の先生方にお かれましては、今後ともご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。  また、今後の日程として、中期目標期間の暫定評価、さらには来年度以降のことなど についてご議論が予定されていると聞いておりますが、のぞみの園としては、重い知的 障害のある人たちの自立支援という使命を全うすべく、引き続き全力を挙げて取り組ん でまいりたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。  本当に、どうもありがとうございました。 ○部会長  どうもありがとうございました。それでは、評価シートの修正・確定を行いますので、 どうぞご記入をいただきたいと思います。  よろしいでしょうか。後でまたお書きいただいても結構です。それでは、これをもち まして、国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の平成18年度の業務実績評価及び財 務諸表に関する意見を取りまとめさせていただきました。先ほどと同様ですが、評価シ ートの集約版について誤字・脱字、事実誤認等がありました場合には、修正を私にご一 任いただきたいということでございます。  本当に遠いところから、どうもありがとうございました。  本日の議事は以上ですけれども、総合評価、財務諸表についてのご意見がありました 分に関しまして、厚生労働省独立行政法人評価委員会運営規程第3条の規定に基づき、 当部会の決定が評価委員会の決定となります。また、法令に基づきまして、総務省の政 策評価・独立行政法人評価委員会への通知、公表の手続きが行われるということになり ます。すべて終了いたしましたが、事務局から何かご連絡事項がありましたらお願いい たします。 ○政策評価官室長補佐  本日ご審議いただきました各法人の業務実績評価書につきましては、今後、事務手続 きを進めさせていただきまして、後日、委員の皆様方に、確定したものを送付させてい ただきたいと考えております。  それから次回、第35回医療・福祉部会の開催日程でございますが、8月20日、月曜 日。ちょっと時間を変更させていただきまして、午後4時30分からの開催を予定して いるところでございます。場所につきましては17階にあります専用18会議室で行う予 定としております。  議題は福祉医療機構と、それから本日ご審議いただきました、のぞみの園の中期目標 期間の暫定評価、これが一点。それからもう一点、医薬品医療機器総合機構及びのぞみ の園についての組織・業務全般の見直し当初案についての審議を予定しているところで ございます。  本日使用した資料のうち、今回、コメント等をいただいております個別評価シート以 外の資料につきましては、お持ち帰りいただいても結構でございますし、また、事務局 までお申しつけ下されば、後ほど事務局よりご送付させていただきたいと考えていると ころでございます。以上でございます。 ○部会長  これをもちまして、本日予定しておりました議案は、すべて終了いたしました。本当 に長時間、熱心にご議論いただきましたこと、お礼を申し上げます。ありがとうござい ました。 (終了) (照会先)  政策統括官付政策評価官室政策評価第2係  電話:03−5253−1111(内線7780)