07/07/11 第29回中央医療社会保険協議会保険医療材料専門部会議事録 1 日   時  平成19年7月11日(水)11:48〜12:25 2 場   所   全国都市会館 第1会議室(3階) 3 出 席 者  遠藤久夫部会長 室谷千英委員 小林麻里委員 対馬忠明委員 小島          茂委員 丸山誠委員 松浦稔明委員 鈴木満委員 渡邉三雄委員 山          本信夫委員 松村啓史委員 小野孝喜委員(代理 中川氏) <事務局>          原医療課長 宇都宮企画官 他 4 議   題   ○平成18年度保険医療材料制度改革について           ○アジア地域における医療材料価格等に係る調査ついて           ○保険医療材料制度に関する今後の進め方について   5 議事内容 ○遠藤部会長 それでは、委員の皆様、もうお席に着かれましたので、ただいまより、第 29回中央社会保険医療協議会保険医療材料専門部会を開催したいと思います。  まず、委員の出欠状況について報告いたします。本日は、前田委員と松本専門委員が御 欠席で、竹嶋委員の代理で日本医師会常任理事の中川俊男さんがお見えです。  それでは、早速ですが議題に入らせていただきます。  「平成18年度保険医療材料制度改革」について資料が提出されております。  事務局よりこの説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。 ○事務局(宇都宮企画官) 医療課企画官でございます。それでは、「平成18年度保険 医療材料制度改革」 につきまして御説明させていただきますが、資料材−1の方に詳細な ものがございますが、時間がございませんので、材−2の方の横長の資料で説明させてい ただきたいと思います。  材−2を1枚おめくりいただきたいと思いますが、2ページでございます。御存じのよ うに、18年度の改定に至る経緯ということで、18年度予算案の編成過程におきまして、 トータルとしてはマイナス3.16%の改定でしたが、特定保険医療材料の改定でマイナ ス0.2%ということでなされたところでございます。  1枚おめくりいただきまして、3ページでございます。この18年度の基本的考え方と いたしまして、「保険財政の効率的、重点的配分」、「革新的な新規の医療材料の迅速な 保険導入」、そして「既収載品について、不合理な内外価格差の是正」、この3点が示さ れました。  そして以降具体的なものでございますが、4ページに、新規医療機器につきまして、こ のC2につきましては、C1と同様に、年4回、1月、4月、7月及び10月を標準とし て保険適用することとしたところでございます。  続きまして5ページでございますが、既収載品につきましては、市場実勢価格加重平均 値一定幅方式における一定幅を変更したということで、具体的には、その下にございます が、ダイアライザーを14%から11%に下げ、フィルムを6.5%から5%に下げ、そ の他のものについては4%のままというようなことでございました。  次の6ページにこの一定幅の推移がございます。平成4年から続いてございますが、6 種類ございますけれども、現時点では、先ほど申しましたように、11%、5%、4%の 3種類に集約されてきておるという現状でございます。  続きまして7ページでございますが、外国価格による再算定につきましては、平成16 年度は138の機能区分について該当性を検討したところでございますが、18年度はそ の対象を広げまして、281区分について検討したところでございます。その結果、下が るものがございましたが、特に15%以上価格が下落するものについては、激変緩和の観 点から、段階的に価格を引き下げる措置を講じたというところでございます。  その具体的に下がったものにつきましては、8ページの方にございます。これをごらん いただけばわかりますように、その281区分のうち、再算定対象機能区分となったのが 80区分でございまして、引き下げ率がそちらに書いてございますように、25%まで幾 つかの区分があるというところでございます。  続きまして9ページでございますが、この既存の機能区分の見直しということで、臨床 上の利用実態を踏まえる等の観点から、必要に応じ見直すということで、ダイアライザー については5区分から11区分、人工内耳用材料については3区分から7区分、カスタム メイド人工骨につきましては、新たに3区分の価格設定をしたというようなことでござい ます。  続きまして10ページですが、保険上の算定制限の見直し時の償還価格の再設定という ことで、この算定制限が有用な使用の障害となっている場合があるという指摘があったと いうことで、再評価をした結果、一番下にございますこの2種類について再設定を行った ということです。1つは経皮的冠動脈形成術用穿刺部止血材料ということで、この材料に つきましては、これまで7〜9フレンチという制限があったものを5フレンチ以上という ことに拡大いたしました。また、吸着型血液浄化器(β2−ミクログロブリン除去用)、 これにつきましては、手術または生検によりアミロイド沈着が確認されたものに限るとい うような制限がございましたけれども、再発時の場合についてはこの制限を外すというよ うな対応にしております。  続きまして、11ページからその他ということでございますが、外国価格による再算定 について、精度高く外国価格を収集するための方策について、18年度の早い時期から検 討を行うこととした。その際には、外国価格による再算定ルールについてもあわせて検討 を行うこととしたということでございます。  次に12ページでございますが、内外価格差の是正のための根本的な取り組みに努める とともに、適正な価格設定について18年度以降検討を行うこととしたということ。そし て、アジアの国々における医療機器の流通や購入の状況等について、18年度以降調査を 行うことの必要性も含め、引き続き検討を行うこととしたということ。  そして、一番最後13ページでございますが、機能区分については、価格競争による適 正化効果をあわせて期待していたことから、内外価格差是正の状況を検証しつつ、18年 度以降、特定保険医療材料の機能区分の在り方について、一定幅の見直しも含め検討を行 うこととしたということでございます。  駆け足でございますが、以上でございます。 ○遠藤部会長 ありがとうございます。非常に簡潔にまとめていただきました。  ごらんになっておわかりになりますように、18年改定のときには、4回改定にしたと か、そういうのはありますけれども、ルールそのものは大きく変えていないのです。一定 幅の引き下げというのも、これも実際はかなりのものをやっているわけですけれども、こ れも従来から改定ごとに引き下げておりましたし、それから外国価格調整の再算定の対象 を拡大するということも、これも従来から少しずつ拡大していましたので、その流れでや っているということでありまして、ルールそのものは基本的にあまり大きな変化はしてい ないということであります。  ただいまの御説明につきましていかがでしょうか。何か御質問、御意見ございますか。  よろしゅうございますか。復習ということでありますので、そういうことで思い出して いただければと思います。  それでは続きまして、次のアジアでありますが、ただいまの御報告の中にありましたよ うに、アジア地域の内外価格差の問題のデータとして、アジアの実勢売買価格を調査する ということが案件としてありましたので、この調査がある程度まとまったということで、 本日事務局より提出されておりますので、その内容について御説明いただきたいと思いま す。 ○事務局(宇都宮企画官) それでは、資料、中医協材−3をごらんいただきたいと思い ます。こちらに「概要報告」としてございますが、まず1ページ目の「2 調査対象国」 でございますが、韓国、タイ、フィリピン、シンガポール、台湾について調査を行いまし たが、この中で実地調査までできたのが韓国、タイ、フィリピンということで、今回はこ の3国について御報告させていただきたいと思います。  調査項目等につきましては、4番の方に書いてございますので、ごらんいただければと 思います。  そして、「結果概要」でございますが、3ページ以降横長の表の形で出ております。時 間がございませんので、要点だけを説明させていただきたいと思いますが、まず4ページ をごらんいただきたいのですけれども、各国の「医療保障制度の概要」ということで出て おります。韓国の場合は単一制度による公的医療保険、タイの場合は複数の制度から成る 医療保障、フィリピンは単一制度の下、複数のプログラムによる医療保障というような制 度の違いがあるということでございますが、その一番下のところ、「医療財源」というの がございますけれども、我が国は社会保険方式ですが、韓国は同じような社会保険方式。 タイは社会保険方式と福利厚生制度、あるいは税方式というものがまざっている。フィリ ピンは一応社会保険方式と、それから任意加入者プログラムがある、あるいは低所得者は 税方式があるというようなことでございます。  それから、次の5ページでございますが、5ページの上に、「診療報酬制度の基本的な 枠組み」としてございますけれども、いずれの国も出来高払いが基本ということで、ただ、 韓国で一部DRGを試行的に導入。また、タイでは、このSSSあるいはUCという、被 用者社会保障制度あるいはユニバーサルカバレッジ制度というようなものでは人頭払いと DRG等が少し入っているというようなところでございます。  続きまして、6ページからが「医療材料に関する状況」ということで記載されておりま す。まず、一番上の「定義・特徴」ということですが、韓国の場合、収載品目は約1万品 目で、73%が輸入品ということでございます。タイの場合、欧米からの輸入品が多いと いうことですが、近年中国やインド製のものが流入している。比較的複雑でない医療材料 に限定されているということ。それからフィリピンもやはり欧米からの輸入が多くて、近 年中国やインド製のものが流入されているというような状況がございます。  そして、次の次の段ですが、「医療材料の輸出入」ということで、やはりどの国も高額 な医療材料が輸入品というような状況でございます。  その下の段、「薬事規制」ということで、我が国ではPMDA等で承認ということです けれども、同じような感じで、韓国ではKFDAというところで承認。ただし、公的保険 でカバーされない「非給付」というようなものもあるということでございます。タイはF DA、それからフィリピンではBFADというところのそれぞれ承認を得たものが使用さ れるということです。  その下に「公定価格」についての記載がございますが、韓国の場合は、保険償還上限価 格というものを設定している。ただ、費用対効果の低い高額製品は「非給付」となるとい うことで、公定価格は存在しないということでございます。それから、タイのCSMBS という公務員向けの制度については、公定価格表があると。それ以外についてはこの価格 表を参照しつつ独自の価格設定を行っているということでございます。フィリピンについ ては自由市場取引のみということです。  その一番下に「公定価格と償還の関係」ということですが、韓国では医療機関購入価で の保険償還。公定価格はこの上限金額。タイでは医療機関購入価での保険償還ですが、や はり同じに公定価格はこの上限金額ということでございます。  続いて7ページでございますが、「基準価格の設定方法及び改定ルール」ということで すけれども、韓国の場合、基準価格の設定方法として、まず同一のカテゴリーに既存類似 品がある場合、単一価格の場合は既存収載品の90%、複数価格の場合は既存収載品の最 低価格。ただし、効果等の優位性が認められる場合については最高価格になる場合がある ということでございます。既存類似品がない場合には、原価・輸入価格等を反映した価格 ということです。改定ルールについては、この上限金額の定期的なルールはないというこ とで、政府の検討課題となっている状況だということでございます。その右側のタイにつ いては、上限金額の定期的な改定ルールは特にない。ただ、財務省による非公式なヒアリ ングで見直しが行われることがあるということでございます。  続きまして、8ページの上の方に「流通システム」がございますが、韓国につきまして は、流通システムは非常に複雑な場合が多くて、2つ以上の代理店を経るケースが多いと いうことでございます。タイにつきましては、高額な医療材料はメーカー直営の代理店が 営業を担当している場合が多い。右側のフィリピンにつきましては、代理店を通じた取引 が一般的であるということでございます。  「取引慣行」についてでございますが、まず、医療材料の選択については、医師の選択 によるということが韓国の場合でございますが、タイについては、医師の要望聴取も行わ れるが、価格も重要な要素となっている。フィリピンについては、侵襲的医療材料はほと んど患者が購入する。患者の支払い能力に影響されるというようなことがございます。  それから、「価格交渉」につきましては、韓国は医療機関購入価請求となっているとい うことで、上限金額での価格が決定される。タイはペースメーカーなどでは大量購入を条 件に値引きが行われている。フィリピンについては高額な材料は使用頻度も低いというこ とで、必要が生じた際に、その金額で売買というようになっております。  それから1つ飛びまして「付帯サービス」ですが、どの国におきましても、手術室での 立ち会いというような付帯サービスがついているということでございます。  その下の「在庫管理」につきましては、韓国は不明でございますが、タイとフィリピン については在庫管理不要という状況でございます。  続きまして9ページでございますが、「購入価格」につきまして、韓国は3カ月に1度 調査対象品を決めて市場価格調査を実施している。また、医療機関は診療費請求に先立ち 健康保険審査評価院というところに購入価格を申告するというようなことでございます。 タイについては、単に医療機関間の情報交換というような、こういう状況であります。  こういった調査をもとに、具体的な金額について示したのが次の10ページでございま す。これは現地調査で把握した価格でございますが、それぞれの国の単位を円に換算した 数字も入れてございます。  まず、ペースメーカーでございますが、例えばシングルチャンバI型につきまして、日 本の償還価格は104万円ということですけれども、韓国は円換算で49万4,141〜 54万9,045円ということでございますが、その下の「※」は、その国の購買力平価 で換算した価格ということで、換算しますと85万1,670〜94万6,300円にな るということです。タイにつきましては、同じく15万8,000円ですが、購買力平価 換算では64万7,249円。フィリピンについては18万3,000円と133万90 7円というようなことでございます。このように見ていきますと、大体円換算にしたその ものですと、やはり日本の価格は非常に高くなっておりますが、購買力平価で換算します と、必ずしも日本がそんなに高いという感じではないというような状況がわかると思いま す。  次の11ページに、冠動脈用ステントセット及びPTCAカテーテルについて出ており ますが、これらにつきましても、やはり直接の換算では我が国が高めに出ておりますが、 購買力平価で換算すると、必ずしもそれほどでもないということがございます。  そして一番最後の12ページでございますが、これは今回の調査以外に医療経済研究機 構、公正取引委員会あるいは厚生科学研究その他が調査したものです。年度が違っていた り、あるいは調査の方法が異なっていたりして、必ずしもそのまま直接に比較できるもの ではないのですけれども、参考としてお示しさせていただきました。これをごらんいただ きますと、まず日本の価格ですけれども、例えばPTCAカテーテルにつきましては、現 行として15万1,000円ということで、それぞれの調査時点より大分下がっておると いうことで、また年次的にも、その96年の調査に比べて例えば2004年ぐらいの調査 の方が外国との価格差は小さくなっているような傾向にあるというようなことが、大まか ではございますが、わかると思います。この表の一番右側の方に韓国とタイというのがご ざいますが、これらは今お示ししましたアジア調査の結果をこちらに比較のために示して ございます。  以上でございます。 ○遠藤部会長 ありがとうございました。ただいまアジア調査につきまして、各国の制度 とそれから実際の価格、これは円レート、現行の為替レートとそれから購買力平価で示し ていただいたわけであります。  これにつきまして御質問、御意見ございますでしょうか。 ○対馬委員 一番最後のページの説明で、PTCAカテーテルについては縮小ではないで しょうかという話があったのですが、その次の冠動脈ステントを見ますと、アメリカの方 がちょっと下がっているような印象もありますし、日本はあまり変わっていないのではな いかなという感じも受けます。全体的にどうなのかというのは、これではよくわからない というのが正直なところではないかと思うのです。  それで、アジアの調査結果についてはできるだけ早く提示するよう前回申し上げたので すが、アジアだけということでは必ずしもなくて、要は海外との価格差の問題が医療材料 については最大の課題でここ十数年来ているわけです。ここでは公取やJETROの数字 が出ているのですが、やはり厚生労働省として、調査すべきではないかと思うのです。ア メリカ、イギリス、ドイツ、フランスと、全く最近の数値が入っていない、場合によって は10年ぐらい入っていないということでいいのかなというふうに思います。  それと、先ほど18年度の算定ルールの変更点の説明がありましたけれども、例えば先 ほどの材−2という資料の11ページを見ますと、「外国価格による再算定」については 「18年度の早い時期から検討を行うこととした。」と書いていますけれども、実際には 18年度の早い時期から検討していないですよね。また、12ページの上の方に、「内外 価格差の是正のための根本的な取組みに努めるとともに、適正な価格設定について18年 度以降検討を行うこととした。」と書いていますけれども、「根本的な取組み」について も、今まさにこのタイミングということで、先ほど来ちょっと注文ばかりつけて嫌われて もいけないのですけれども、検討のスケジュール感、それから検討の状況、このあたりが 全体に遅れている。これではなかなか中医協の場で議論するには大変ではないかというこ とで、やはり事務局としてもう少し本腰を入れてと言ったらおかしいのですけれども、検 討の材料もよく出していただきたいと要望いたします。 ○遠藤部会長 ありがとうございます。  ただいま対馬委員からの御意見、御要望、あったわけですけれども、これについて事務 局としてお願いいたします。医療課長、どうぞ。 ○事務局(原医療課長) おっしゃるとおり、18年度の早期から検討するということに はなっていたようでございますけれども、正直なところ、18年度中、専らいろいろな検 討の基本をすべきところであったかとは思いますけれども、実際問題としては、私も昨年 7月に担当するようになったわけですけれども、それ以降、数々の諸問題を解決しなけれ ばならなかったという状況はございました。そういう意味で、物理的に事務局の方も必ず しも十分な体制ではなかったのは正直なところでございまして、ようやく最近になって落 ちついて、今後いろいろと検討を進められるという環境になったのが現状でございまして、 その点はちょっとお許しを願いたいなというふうに思います。以後、着実にできるような 形で検討を進めていきたいと思っております。 ○遠藤部会長 よろしくお願いします。材料の場合、優先順位からいくと大体そういう感 じになりがちなところがあるものですから、その辺は注意したいと思います。  もう1つありましたのは、現行の内外価格差というものをもう少し精度高く把握できな いだろうかということだと思うのですけれども、これは実はなかなか難しいところがあり まして、実はこの12ページの冠動脈ステント、「厚生科学研究(2001年)」という のは私がつくったものなのですけれども、なかなか大変な作業だったのですが、これは、 例えば今年度中にアメリカ、イギリス、ドイツ、フランスなどの調査をするなどというこ とは可能でしょうか、その辺の当たりを少しお聞きしたい。ちょっと検討しなければお答 えできないと思いますが、今のお考えをお聞かせいただければと思います。 ○事務局(原医療課長) 単純ないわゆるリストプライスとして出ておるものについて情 報を集めるというのは簡単だとは思うのですけれども、ただ、商習慣とかそのあたりの違 いは相当ありまして、実際の価格というものが見えてこないところが多々あるというふう に聞いておりますし、本格的にその内外価格差をやっていくとすると、先ほどの、手術室 まで会社の人が入ってきていろいろ手伝いをしているというような状況とか、そういう違 いまで含めて検討しなければいけないだろうと思います。その評価がかなり難しいのでは ないかなと思っています。そういう意味で、今年度中に奥深いところまで含めた調査とい うのは若干難しいというふうに感じております。 ○遠藤部会長 ありがとうございます。  対馬委員、いかがでしょうか、そういうような……。 ○対馬委員 奥深いところまで行かなくとも、今日の資料でも、公正取引委員会、アメリ カの場合はリストプライスですから、それを出しているということは、やはりこれも意味 があると考えて出しているのでしょうし、またリストプライス自身が全く意味がないとい うわけではない。ですから、そういったことだけでもぜひやっていただければなと思いま す。 ○遠藤部会長 わかりました。リストプライスは個々の内外価格差を調整するときに使っ ておりますので、それをもう少し幅広くということだと思いますので、それならば対応で きるわけですね。ある意味で言い値でありますので。ただ、リストプライスから例えば共 同購入して、実際の価格はもっと安く買われているとか、いろいろなケースがあるわけで すので、そこのところまで踏み込むとなかなか大変だということです。リストプライスで 現行のその差を見る、あるいは多少時系列でもしとれるのであるならば、リストプライス をベースにして時系列でどういうふうに縮小しているのかという比較をするとか、そんな ようなことを一度やっていただければと思います。よろしくお願いいたします。  ほかにございますでしょうか。 ○小林委員 今の問題も重要だと思うのですけれども、こういうふうに円換算をされたと きに、購買力平価とそれから日銀のものとまざっているのです。それで、もちろん199 6年とか2004年という、そういう時間の違いもありますし、為替変動の問題がありま すし、どちらで見るとより一層その内外価格差というのが明らかになるかということも考 えなくてはいけないのではないかと思うのです。ですから、例えば医療経済研究機構の場 合は、これは3)のところでは、「日本以外の国は購買力平価による換算」というふうに なっておりますので、かなり為替変動リスクの部分を、日本の経済状態がいいというもの の織り込みがどこに課されるのかという問題もあるので、換算するときのベースというも のについても少し慎重に考えた方がよろしいのではないかと思います。 ○遠藤部会長 ありがとうございます。  この問題は重要な問題であるのですけれども、これは中医協としてどう考えるかという ことで、従来購買力平価の考え方はとらないというような形でやってきたわけであります。 購買力平価の考え方というのは、要するに、物価水準の差を反映させるかどうかというこ とですから、その考え方はとらないという形で、現行の為替レート、多少前後の平均値を とるという形で毎回やってきているということなのです。だから、それはある意味で決め 方なのですけれども、これまでは、購買力平価の考え方をとると、基本的には内外価格差 は縮小します。これはアジアを入れなくても縮小する傾向がありますので、そのような考 え方はとらないというのが、私は中医協の委員になる前の話ですけれども、多分中医協の 意向だったと思うので、ここで何か購買力平価がかなり出てきているので、改めて議論す るのかどうかというところは若干私は感じるところであるわけであります。  タイなどの例で話をしますと、要するに、タイの物価水準が日本の物価水準と同じだと するならば、材料は幾らになるかということをここで購買力平価というのは出しているわ けですから、かなり高いものになってしまうわけですね、そういう意味では高級なもので すから。そういうふうなものを参考にするのかどうかということだと思います。従来から 言えば購買力平価は参考にしておりません。  これについて何かお考えありますでしょうか。どなたでも結構です。 ○松村専門委員 今の遠藤部会長の意見、過去はそうだったと思いますが、昨今、今話が あったように、アジア通貨の変動等がありまして、時系列で見た場合には、かなりこれは イレギュラーなデータになると思います。  それから、やはり昨今、PTCA等は現地メーカーもかなりつくってきていますので、 現地の人件費や材料費は現地通貨を反映していますので、その辺のことも必要なのではな いかなと思います。  それからあともう1点、保険償還制度がちょっと違いますので、例えばタイなどの場合 ですと、高額医療機器は上限までは公定価であとは自費というのもあるみたいなのです。 そんないろいろな要素がありますから、ちょっと一概には判断できないと思いますので、 今後の検討事項だというふうに考えています。 ○遠藤部会長 特にアジアの場合には、医療保障制度がかなり違いますし、それに付随す るさまざまな慣行が違いますので、この価格をどう考えるかという問題が1つと、おっし ゃるとおりあるわけです。  もう1つは、購買力平価でいくのか為替でいくのかという問題が出てきているので、そ この問題が1つあるという、2つの問題であります。 ○小林委員 こういうふうに今数字として出てくるというところが非常に問題なので、今 御意見があったようないろいろな要因を入れながら検討していかないといけない、単純に 数字を比較してはいけないということだと思うのです。だから、そういった観点でこの数 字を見ていくということが必要なのだと考えております。 ○遠藤部会長 おっしゃるとおりだと思います。ある意味で中間報告であって、参考とい う形で理解したらよろしいかと思います。 ○渡辺委員 今の点ですが、この4番のところを見ますと、それぞれの韓国、タイについ ても、欧米からの輸入品が多いと。70何%であるということであれば、その価格が現地 の円換算でしてかなりの差があるというのであれば、日本もそういう価格で輸入ができる のではないかというところが大きな問題点になるのではないかと思うのです。そういう点 で、購買力平価、まさにそれも一つの考えでしょうが、その生活水準云々ではなくて、本 当の商取引の中で材料というのが来ているのではないかと思いますので、そこを重視した 方がいいのではないかなという気がします。 ○遠藤部会長 ありがとうございます。従来どおりの考え方の方に合理性があるというこ とですね。一般的に購買力平価と言う場合、こういう個別の価格についてあまり議論はす るのではなくて、例えば日本の賃金水準が実質的に高いのか安いのかというときに、為替 レートだけで見たのではなくて、購買力平価で見ると使い勝手が意外と少ないから安いの だとか、こういう議論で展開される話だと思いますので、個別の価格に購買力平価を当て はめる議論というのはあまりされないというふうに私は理解しておるわけです。  ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。  よろしゅうございますか。それでは、先ほど小林委員が御指摘いただきましたように、 ここにある数値は調査を実際にはしたとはいえ、かなり制度が違う中での調査であるとい うことであるので、ある意味今後の議論の参考資料という形で判断していただきたいと思 います。  それでは、これにつきましては以上のとおりという形にさせていただきまして、次に、 「保険医療材料制度に関する今後の進め方」につきまして事務局より御説明いただきたい と思います。よろしくお願いします。 ○事務局(宇都宮企画官) それでは、資料、中医協材− 4をごらんいただきたいと思い ます。「保険医療材料制度に関する今後の進め方について」ということで、1つ目の丸で ございますが、「保険医療材料専門組織において検討、課題を整理していただき、保険医 療材料専門部会に報告頂いた上で、関係業界の意見も踏まえ、検討を進めることとしては どうか。」。2つ目の丸として、「今後検討すべき事項として以下が考えられるがどう か。」ということでございます。  1点目は、今も話題に出ておりました「内外価格差の是正」ということにつきまして、 「内外価格差については従来からその問題点が指摘されているところであるが、これまで 外国価格調整やその対象の拡大などにより是正が計られている。しかし、依然として内外 価格差は存在しており、そのさらなる是正について検討してはどうか。また、外国価格の 対象国や外国価格の適切な把握について、検討してはどうか。」ということでございます。  2点目は、「機能区分の見直し」ということで、「機能区分については、臨床上の使用 実態を踏まえ、より適切なものとなるよう検討してはどうか。」ということでございます。  ただ、この2点だけではなくて、もちろん「その他」ということで御議論をいただくも のがあれば御議論していただくということでございます。  以上でございます。 ○遠藤部会長 ありがとうございます。  ただいまの素案でありますけれども、このような形で今後議論をしていきたいというこ とでありますが、よろしゅうございますでしょうか。何か付加的な。 ○松村専門委員 これは確認なのですけれども、「革新的医薬品・医療機器創出のための 5か年戦略」というのが出ておりまして、その中で、今回の内外価格差の一つの大きなフ ァクターでもあります審査の迅速化、質の向上というのがうたってあります。また、イノ ベーションの適切な評価というのもうたってありますので、この2点について今後検討さ れるという理解でよろしいかどうかだけ確認したいと思います。 ○遠藤部会長 それはここで決めればいい話でありますけれども、大きな流れとしては、 医薬品と医療機器についてのイノベーションの適正な評価というのは改定ルールの変更の 大きなテーマになりますから、当然入ってくるというふうに私は理解しておりますが、事 務局としてもそれでよろしゅうございますか。  ありがとうございます。そのような視点での議論もまたお願いしたいと思います。  ほかにございますでしょうか。よろしいですか。  ありがとうございました。それでは、本件につきましてはこのあたりで終了したいと思 います。  それでは、本日はこれにて終了したいと思います。  それで、次回の日程につきまして事務局から何かありますか。 ○事務局(原医療課長) 未定でございます。決まり次第御連絡させていただきます。 ○遠藤部会長 それでは、本日の保険医療材料専門部会はこれにて閉会したいと思います。 ありがとうございました。                  【照会先】 厚生労働省保険局医療課企画法令第二係 代表 03−5253−1111(内線3276)