07/06/11 医道審議会医道分科会診療科名標榜部会第2回議事録 第2回医道審議会医道分科会診療科名標榜部会          日時 平成19年6月11日(月)          16:00〜          場所 厚生労働省共用第8会議室(6階) ○菊岡調整官   定刻になりましたので、第2回医道審議会医道分科会診療科名標榜部会を開催しま す。委員の皆様方におかれましては、大変ご多忙のところを当部会にご出席いただき まして、まことにありがとうございます。   それでは議事に入る前に、本日の委員の出席状況についてご報告します。本日は国 立長寿医療センター総長大島伸一委員から欠席のご連絡をいただいております。また、 日本医学会長高久史麿委員におかれましては、遅れて途中からの出席である旨、ご連 絡をいただいております。   次に本日の資料です。お手元の資料の確認をさせていただきます。最初に議事次第、 それから席次表、委員名簿の他、今回は資料1と資料2をご用意しましたが、こちら については前回と同じ資料です。確認だけしますと、資料1「標榜診療科名の現状と 経緯について」、資料2「標榜診療科の表記の見直しについて(たたき台)」です。   また、参考資料のほうには、学会より意見書が届いておりますので、本日、参考資 ルギー学会、日本アレルギー協会)」。参考資料3「標榜診療科名見直しに関する要望 書(日本内科学会他)」。参考資料4「要望書(標榜診療科名見直しについて)(日本外 科学会他)」。参考資料5「標榜診療科の表記の見直しに関する緊急要望書(日本小児 アレルギー学会)」。参考資料6「標榜診療科の表記の見直しに関する要望書(日本心 療内科学会)」です。あと、お手元に紙のファイルで、前回使用した参考資料を用意し ておりますので、そちらについてもご確認ください。   それでは、以後の議事進行を部会長にお願いします。 ○金澤部会長   それでは議事に入ります。お暑いところをお集まりいただきましてありがとうござ います。当部会では2つのテーマがございまして、1つは標榜診療科名の表記の見直 しということと、もう1つは総合科の新設ということがございます。前回の議論の中 で、とりあえず総合科の新設については後にして、標榜診療科名の表記の見直しに集 中して議論をする、ということにさせていただきました。本日もその延長ということ でお考えいただいて、標榜診療科名の表記の見直しということに絞って、ご議論をい ただければと思います。   お手元の資料については、前回お配りしたものそのものですし、前回の議論も皆さ ん方お聞きのとおりです。さらに、それぞれの関係団体からご意見を頂戴しています が、多少誤解もあるようです。標榜撤廃という表現を使われていますが、撤廃ではな いと思います。いずれにしても、そういうご意見をいただいておりますので、そうい うことを踏まえて、前回と同様フリーディスカッションということにさせていただき ますので、どうぞご自由に議論をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。 ○岩淵委員   いろいろ各学会から要望書、あるいは反対というご意見が寄せられているようです。 私も1、2、話は聞きました。基本的なところでいくと、いま部会長がおっしゃったよ うに誤解があるなということで、一応説明しますと、そういうことなら納得できるか なという感じではあるのですが、もう少し本音を言えば、しかし然は然りながら、是 非メインの標榜を残してほしいというのが、本音ではあろうかと思います。ですから、 そういう意味でいえば、サブで表示できる範囲の自由度をかなり認めるということと、 少なくともそういう意味でいいますと、今回メインから外れる診療科については、差 障りがないように最大限の配慮をする必要があるのではないかと思います。   ですから、原則的な反対論ということではないように思うので、説明と配慮という ところを少し気をつければいいのではないかと思います。 ○金澤部会長    ありがとうございました。そういうご意見でしたが、ほかにいかがですか。 ○江里口委員   歯科は4つ外されなかったもので、ちょっと肩身が狭い思いをしております。少し 考えてみたのですが、やはり先ほどのサブスペシャルティーの部分に、本当に専門分 野のところに、何か前に接頭語を付けるか、色を変えるか。例えば外科、その下に肛 門科ですと、肛門科だけを専門にやっているというときには、今度は肛門科という表 示ができない。アレルギー科はアレルギー科としてできないのであれば、内科、アレ ルギー科と書いたときに、アレルギーの前に何か接頭語が付くと、本当にその部分を 専門的にやっているのだということで、いままでのたくさんあった標榜と同じ役割に なるのではないかと思ったのですが。   例えば診療所などですと、外科と書いて、その下に肛門科と書くと、一般のお腹が 痛くても入ってしまうのではないかという。この趣旨は、国民にわかりやすい標榜と いうことが、今回の改正のメインだと思うので、国民がわかりやすいとなると、何か そういう特記すべきものをちょっと付ければ、わかりやすいと思います。 ○金澤部会長    例えばで言っていただけませんか。例えばアレルギーに接頭語を付けると。 ○江里口委員   簡単に言うと、専門医みたいなもので、特化して何かがあればいいと思いました。 それがちょっと見つからなかったのですが。何か肛門専門医だと、今度は専門医制と   関連してしまうので、難しいのですが。ですから何かその前に、本当にここだけをこ の病院は特化しているのだという、それとプラスでサブスペシャルティーという、3 段階になってしまうとちょっとわかりにくいでしょうけれど、何かそういうことがあ れば。内科、アレルギー科の前にポツを付けるとか何かで、わかりやすくすればと思 ったのですが。 ○金澤部会長    ほかにいかがでしょうか。 ○住友委員    原点に戻るといいますか、この第6条の6-2の項目。 ○金澤部会長    ちょっと待ってください。資料の何頁ですか。 ○住友委員   すみません。資料1の2頁、医療法第6条の6-2項です。いろいろな関係学会から 要望書が出ているわけですが、この中に「医学医術に関する学術団体及び医道審議会 の意見を聴かなければならない」というふうに、もちろんその前に「厚生労働大臣は、 前項の政令の制定又は改廃の立案をしようとするときは」という言葉が付いています。 やはり岩淵委員が言われたように「医学医術に関する学術団体及び」という、この「及 び」ですが、これが「並び」というわけではないので、先行するのが学術団体である か、もしくはこの医道審議会が先行するのか、やはり平行して「並びに」と考えるの か、そういう意味では、結果的には要望書という形で、意見を聞く形になってはいる のですが、ここの配慮がやはり少し必要ではないかと思うところもございます。以上 です。 ○金澤部会長   ありがとうございました。いまの点については、何かコメントがありますか。    ちょっと説明してくれますか。○○及び△△と言ったときに、上下関係があるのです か。日本語上はあまりないように思うのですが、どうですか。 ○菊岡調整官   まず、この法律上の「及び」というのは、別に前後関係を指しているものではなく て、要するに両方併せて聞かなければいけない。 ○総務課長   従来のプロセスでいいますと、医道審議会の標榜部会でご議論をいただいて、いま はまだたたき台が出ているだけですから、審議会でこういう形と決まったものに関し て、医学会なりに正式に「こういう見直しでいいですか」という形の意見を聞く、そ ういうプロセスを経て、これまではしているということです。今回お出ししたのは、 あくまで事務局がたたき台として出しているだけですから、今後この部会で「こうい う形がいいのではないか」というようにおまとめいただきましたら、もちろん学会の ほうへ出す。また、この審議会でも、こういった参考資料のような形でも出ておりま すし、学会といってもいくつもありますので、そういった所のご意見なりも、よく整 理していただく必要があるのではないかと思っています。 ○金澤部会長    ありがとうございました。いかがでしょうか。ほかにご意見はございませんか。 ○辻本委員   いままでにない反響ということが、この会議が終わった直後から、私ごとき者にも たくさん届きました。学会の立場や医師個人の意見や感想を拝聴しますと、いかに出 し抜けにこういうことを話し合って、自分たちを抹殺しようとするという、被害者意 識のようなお声もその中にはございました。並んでいるものを一括りで語ってしまう ことの危険性と難しさを思ったのですが、実は同じように患者も一括りで語れる存在 ではありません。   患者さんの中にはむしろ、ようやくいまわかりやすい標榜になったではないか。例 えばいままでは大学病院に行くと、第1内科や第1外科という訳のわからない状況か ら疾病科ごとにということで、ようやくわかりやすくなった。それを、またまとめて しまうということは、一体何なのか、ということに不満を感じる方のお声もあれば、 「そうですよね。全部の科が並んでもかまわないなんていうことになると、この先生 は何が専門なのか、かえって訝しく思ってしまう」という、そういうレベルで考えて いらっしゃる患者さんもおいでです。ということになると、もう少し十分な議論を踏 まえ、そのプロセスをきちんと情報開示することで、納得ということに繋げていくこ との大切さを改めて強く感じました。 ○金澤部会長   ありがとうございました。元に戻るというのは、どういう意味ですか。例えば内科 と言ってしまうと、中で何をやっているかわからないという意味ですか。 ○辻本委員   いえ、例えば開業医の方でも、いくつも並んでいると「あの先生は一体何が専門か しら」ということが、いまはあるわけですよね。だから、これは賛成の声です。賛成 の声としては、むしろはっきりして、わかりやすくていいという声もある一方で、先 ほど言ったように、ようやく馴染んできたものを何でまた変えるのかという、その理 由がまったく理解できないという意見もありました。 ○金澤部会長    わかりました、ありがとうございます。内田委員はどうですか。 ○内田委員   従来の経緯からずっと考えますと、やはり皆さん見直しの時期に来ている、賛成の 方向でも反対の方向でも、見直しの時期に来ているという認識では一致していると思 います。それからもう1つは、やはり議論する上である程度の方向性があったほうが いいのかな、という印象を持っています。   もちろん基本的には、患者さんにわかりやすい診療科の標榜ということが大原則だ と思います。その中で1つは、細分化、専門化したと言われる中で、これまでの標榜 を許されていた診療科について、それが適当であるかどうかという見直しが一つ必要 だと。それから、今回の基礎的な診療科目、これが適当であるのかという議論です。 それからもう1つ別の視点は、医師1人当たりに2つの診療科を、主たる診療科とし て標榜するという提案が出されているので、それが妥当かどうかという検討が必要で はないかと思っています。   ですから、これまでの標榜を許可された診療科の中に、必ずしもそれを主たる今後 の基礎的な領域という形で含めるかどうかということが、1つ非常に大きなテーマで、 そこで「これはちょっと削ってもいいのではないか」という議論が、ずいぶん物議を 醸しているという印象を持っているので、そういう仕分けをして議論をすればいいの ではないかと思います。 ○金澤部会長   実はそのようにこれからしようと思っていたところなので、言っていただいてあり がとうございます。その前に、実は辻本委員が言われたことの出発点、つまり非常に 唐突であるということに関しては、局長がいらっしゃいますので、ちょっとその辺の 経緯というか、必然性というか、残ってしまったこの部分をきちんとやらなければい けないという、そういう必然性について、もう一回説明してくださいませんか。 ○医政局長   前回のときにご説明したかもしれませんが、ご存じのとおり、この4月から医療法 の改正が行われまして、医療における情報の開示ではなくて、情報伝達をより速やか にするという方向で、改正が行われたわけです。   ご存じのとおり、都道府県が地域のいろいろな医療情報を提出してもらって、それ を地域の住民なりお医者さんに行う制度であるとか、それから広告についても、これ は別の検討会でご審議をいただきましたが、個別の項目ではなくて、包括的な表示を 含めて広告の大幅な緩和をするということで、医療の情報を患者さんが自ら得て、い ろいろな判断を自らできるような環境を整えるという方向で、医療法の改正が行われ たわけです。これは前回の医療法の改正と軌を一にしておりますが、大きな流れだと 思っています。   実は診療科については、この広告規制の中にある制度でして、広告規制が大幅に緩 和されたという中で、診療科について大幅にこういう形で、旧来のように一つひとつ 細かく縛るというのは、おかしいのではないかというのが基本的な。したがって前回 の法改正の中で、診療科についても広告規制の緩和という観点から、見直しをすると いうことです。   それから、もう1つは前回、平成8年に政令の改正が行われておりますが、そのと き以来、こういう標榜科を標榜させてほしいと。これは申すまでもなく、広告という のは基本的にしてはいけない、決められたものだけだというのが医療法の決め方です。 標榜科についても、ここでリストしてあるものしか標榜してはいけないという仕組み の制度ですので、ここにない科から、これを標榜させてほしいというご要望が、それ 以来いくつか来ております。例えば具体的に言うと、糖尿病科といったような科がご ざいます。   しかしながら平成8年までの考え方は、むしろそういう形で個別列挙を増やすとい う方向でやってきたわけですが、そのやり方でやっていくと、糖尿病科など、病気別 の標榜科を一つひとつ増やすということになっていきますので、世の中の八百八病を 全部標榜科でリストアップするのかということに繋がりますので、これはやはり不合 理ではないか、むしろわかりにくくなるのではないか。   今回は医療法の改正の基本的な考え方が、むしろ緩和の方向ということですから、 規制する項目は必要最小限に留めて、あとは基本的に自由に標榜するようにしたほう がいいのではないかというのが、今回の事務局の提案の基本です。いままでの経緯は そういうことです。   さらに申し上げれば、医科の分科というものがどうやって歴史的に出来てきたのか というのは、いくつか研究すると面白いと思うのですが、内科、外科というのが基本 の科ですね。これはメスを使うか使わないかで分かれていて、わかりやすい、たぶん 非常に初期の段階で分かれていた、もともと内科医と外科医は別の発生だということ もあるようです。傷が出来たのを治してもらう、あるいは膿が出来たのを切開しても らう、というようなものが外科。それから、お腹が痛くなった、胸が苦しくなったと いうときに診てもらう内科のお医者さんというのが、まず大きく分かれて、それがだ んだん細かく分かれてきた。   内科から分かれたのが小児科や皮膚科。放射線科も、もしかしたらそうなのですが、 これは患者さん側から見てもわかりやすいと思います。小児科というのは対象がそも そも子供ですから、これは子供がかかる科であるということで、わかりやすい。それ から、皮膚科というのは目で見えますから、これは皮膚の病気だというのが、患者さ ん側というか、素人側でもわかって、それで皮膚科という所に行ける。皮膚科という 標榜があっても何の差支えもないということで、相当初期からこれが分かれてきたと いう。放射線科も、たぶんそうです。放射線という技術が出来て、それを診断してく る。   それから外科系でいうと、眼科、耳鼻科、泌尿器科というのがありますけれども、 眼の病気、鼻や耳の病気というのは、素人目にもここが悪いというのがわかるので、 そういうのが分科した。また、医療側からしても非常に特殊な技術が必要だというこ とで、その両面からそういう分科が出てきたということだと思います。   一方、内科や外科のほうは、循環器や消化器など、いま学問が進んで非常に細かく 分かれてきています。これは医療側から見ると確かにそういう系統別というのがある のですが、胸が苦しい、お腹が痛いというときに、患者さん側からこれは消化器だ、 循環器だというのはわからないです。ですから、やはり内科や外科という基本的な大 括りは必要だろうと思います。もちろん、ある程度の診断が出れば、それを専門の所 にお願いする、あるいは「この人はそういう専門だ」と言うことは必要です。それは 医療側の中の世界。   それから、外科のほうが非常に細かく分かれてきているのは、やはり外科というの は、内科のほうで診断された後、これは消化器の病気、これは循環器の病気というよ うなことがある程度わかるものなので、脳外科、整形外科、形成外科というのが、割 と比較的最近ですが分かれてきた。そういう経緯があるのではないかと、これはちょ っと私の個人的なあれもだいぶあるのですが、そういう分科があるのではないか。   したがって今回の考え方は、患者さん側の目から見てわかりやすい分類というのは、 事務局で考えるとこういうところかなということですが、これは各学会から、「いや、 そうは言っても、ここはもう熟している」など、いろいろご議論があろうかと思いま すので、引き続きご議論いただければと思っている次第です。経緯と考え方について、 若干申し上げました。 ○金澤部会長   ありがとうございました。いまの局長のお話について、いかがですか。経緯などに ついてはご理解いただけましたでしょうか。診療科の歴史については基本的にそのと おりだと思いますし、よろしいですか。   それでは、先ほど内田委員からもご指摘がありましたが、要するに患者さんにとっ て、あるいは国民の皆さんにとって分かりやすいものを作るというのが、おそらく基 本的な姿勢だと思うので、そういう観点から見て、現在のもの、見直しの案、全部ひ っくるめて、どうしたらいいかという基本的な考えなどを、ちょっとお聞かせ願えた らと思うのですが、どうでしょうか。 ○住友委員   このたたき台は、かなり自由度が増しているということは認識しています。それで、 ここにあるサブスペシャルティーという部分で、これが現在ある学会認定の専門医と、 それから医療広告のガイドライン並びに医療機能情報提供制度という、この絡みがち ょっと混乱しているといいますか、整理がついていないところがあるような気がする のです。というのは、例えば専門外来というものは、かなり広告規制で抑えられてい るところがありますね。しかし、やはりサブスペシャルティーで専門性を患者さんに わかりやすくしようというところもあって。それから先ほど言いましたように学会認 定の専門医、この制度が混乱している。   逆に言うと、このサブスペシャルティーをある意味で整理すると、基本的診療科と いうものの位置づけというのがわかりやすくなるのではないか。要するにサブスペシ ャルティーの部分で、各学会から要望として出てきているものが、どのような形で存 在し、またもっと広く標榜できるのかという議論のほうが、この話はいいのではない かと個人的には考えています。 ○金澤部会長   ありがとうございました。事務局案としては、サブスペシャルティーに関してはた たき台の7頁にあるような、身体の部位に関するもの、症状・患者の特性に関するも の、治療方法に関するもの、この3つのカテゴリーについて、たしか自由にというお 話でしたね。 ○住友委員   追加ですが、その医療広告のガイドラインと、ガイドラインに基づくサブスペシャ ルティーの表現というのが、結構まだ曖昧。もちろんそれが出てきた段階、もしくは それが申請された段階で検討すればいいものもあるし、現に出てしまったものについ ては、規制を、カバーをかければいいということもあるのですが、そこが私個人はわ かりにくいところです。以上です。 ○金澤部会長    国民の一人としての住友委員が、わかりにくいとおっしゃっているのですが。 ○高久委員   遅れて来てすみません。患者さんにわかりやすいということは当然ですが、個人的 な事で申し訳ないのですが、私はリウマチのほうに関係していまして、最近リウマチ が標榜になった10周年を祝う会がありました。そこでリウマチ友の会という、患者 さんの組織がありますが、その友の会の方々は、患者の立場としてはリウマチという 標榜科はどうしても残していただきたい。というのは、リウマチは複合的な病気でし て、整形外科、内科、小児科など色々な科が関係している、患者さん方も努力してリ ウマチ科が標榜できるようになったのに、それが括弧付けでは、非常に困るという意 見がありました。そういう患者団体の方々の意見も参照していただければと思います。 ○金澤部会長   なるほど、ありがとうございました。いまリウマチに関しては、整形外科も、内科 も、小児科もというお話がありましたけれど、そのように複数の科に関わる診療科と いうのは、ほかにもいくつかあるわけですね。例えばアレルギーもそうだと思います。 小児科、内科、皮膚科、いろいろだと思います。たぶん心療内科もそうだろうと思い ます。精神科、内科、神経内科。そういう複合的といいますか、複数に跨る、しかし 一つ独立したような診療科というのもいくつかあるわけです。そういうものと、ほか のものと、どうやったら一緒に扱えるかということを、やはり考えなければいけない だろうと思います。そういう問題提起でかまいませんので、どうぞご自由にご意見を いただけないでしょうか。 ○岩井委員   このリウマチやアレルギーなどの場合に、それを専門になさっている先生方は、こ ういう見直し案に挙げられたような診療科目は挙げられなくなってしまうのでしょう か。やはり何かもともとの専門というものがおありになるのだったら、内科というの を最初に挙げておいて、アレルギー科をサブの所に出すというようなことで、対応で きるわけですよね。   多くの診療科に跨るからしてくれというと、全ての診療科目をその方は専門になさ るのか。それとも、やはりアレルギーやリウマチという中で、もともとは内科が専門 であるとか、外科が専門であるというのがあるのではないかと思うのですが、それで したらサブスペシャルティーの所で、かなり自分の専門性を標榜できるのではないか と思います。   掲げる最初の標榜科がなくなってしまうような問題が起こり得るのかというのは、 ちょっと教えていただきたいと思います。 ○高久委員   専門家の意見ではなくて患者さんの意見でして、おそらく感情的と言ったらおこら れますが、サブスペシャルティーをどれだけ大きく書くかというのにもよるとは思う のですが、心情としては、せっかく長い間要望して、念願かなってリウマチが標榜科 になったのに、これが消えてしまうのはまことに遺憾であるという。理屈にあわない ところもありますが、言われてみるとそうかなという感じがしました。 ○金澤部会長   いまのようなご意見でも結構ですが、何かほかにございますか。いまの岩井委員の お話を伺いますと、私は別な観点から1つ例を出さざるを得ないのですが、それは心 療内科です。なぜかといいますと、心療内科というのは内科出身といいますか、内科 を母体として出てきたグループと、精神科を母体として出てきているグループが、一 緒になってやっているのです。   ところが、ご承知と思いますが、そういう方々が精神科というかんばんを掲げるの は大変つらいのです。これは医者の側からの話ですが、同時に患者さんの側からでも あるわけです。精神科と掲げてある所には、やはりそういう方々はちょっと抵抗がお ありなのです。したがって心療内科と掲げている所には、行ってみようというお気持 ちになられる。内科の人はいいのです。内科・心療内科はいいのですが、精神科・心 療内科を強制するというのは、大変難しいのではないかという気はします。   これは、だからどうだということを当面なしにしていただいて、事実だけ申し上げ たいと思います。ほかにどうでしょうか。 ○医政局長   あまりこのような所で局長が言うのはよくないと思いますが、いまの心療内科のこ とは別にしまして、岩井委員のご指摘のように、患者側から見るとリウマチにしても アレルギーにしても、内科のバックグラウンドをもった先生なのか、小児科のバック グラウンドをもった先生なのか、あるいはアレルギーでしたら眼科なのか耳鼻科なの か皮膚科なのか、それぞれ取り扱いますので、やはり患者から見るにはそのバックグ ラウンドが何であって、その中でアレルギーを専門にしている先生かというのがわか るほうが、よりベターなような気がしています。リウマチについても、たぶん同じだ ろうと思います。それを標榜できなくなるような誤解があるのではないかと思います。   あとは「基本的な領域」と書いてあるのが、あまりいい言葉ではなくて、基本のほ うが偉いみたいに。そうではなくて、縛るほうをできるだけ少なくということで、縛 るものを必要最小限に残しただけですので、あまり意味がありません。これを重大に 捉えられると、少し間違いがあるなと思っています。   それから、先ほどお話のあった専門医との話ですが、これは各学会がそれぞれ行っ ていただいていまして、標榜科とは別な話として考えていただければと思います。も ちろん専門医の話は大事ですが、これはいまのところ国が何か関与しているというこ とではありません。標榜科のほうは、むしろ逆に、これは国が真正面から関与して行 ってきたことで、医療機関、病院なり診療所が看板として標榜をするものということ で、専門医というのは、それぞれの医者がその個人の属性としてもつもので、基本的 には別ものです。もちろん、いろいろな考えがあって、そこを関連させて将来いきた いというようなこともあるのかもしれませんが、少なくともいまはそのようなことは 全くありません。   また、各専門医の分類と今回の標榜科は、それほど整合性が取れてないわけではな いと思っています。心療内科の件は、また個別の事情のような気がしますが、ただ精 神科は昔と違って、いまは精神科の外来もみんな平気で行くようになりましたので、 大分状況は変わっているような気がしますが、そこはまた別の状況かもしれません。 勝手なことを申しました。 ○金澤部会長    ありがとうございました。ほかに意見はありますか。 ○江里口委員   確認させていただきたいのですが、この「基本的な領域(A)」の見直しのほうは、 これはある程度ホームドクターではないですが、診療所という考え方なのですか、そ れとも大きな病院から大学病院まで含めた全部の括りなのでしょうか。それによって は、患者がわかりやすい診療所ということでいいますと、放射線科や病理診断科は直 接行くことは考えられませんので、減らすというのは非常に難しいと思います。それ から、今度は総合病院的なものであれば、このようなものが当然必要になってきます から、歯科から見ますと、その辺りも何かゴチャゴチャになってしまっているような 気がします。 ○金澤部会長   これは私が答えていいのかどうかわかりませんが、私も最初はむしろ診療所の標榜 と大きな病院の標榜は、全く同じである必要性は必ずしもないのではないかと思って いました。これは法律上の問題ですので、そう簡単ではないということが何となく最 近わかってきたのですが、説明していただけますか。 ○菊岡調整官   いまのたたき台の案で説明しますと、いま座長からお話がありましたように、診療 所と病院で特に分けたような形での提示は、今回はしていません。それを分けて規定 をすることがどうかということに関しては、いまの段階で言えるのは、過去はあまり そのようなことではなかった、というぐらいなのかなと思います。 ○医政局長   補足します。先ほど言いましたように、標榜科は病院、診療所での標榜ということ で、法律上病院、診療所を分けていません。もちろん、それぞれ分けたらどうかとい う議論はあろうかと思いますが、たぶん相当に難しいのではないかと思っています。 というのは、病院といっても非常に小規模なものもありますし、診療所といっても非 常に専門的なことを行っている方、いまは放射線科の診断を専門にする診療所もある やに聞いています。ということで、いろいろなケースがあり得ますので、やはり病院、 診療所を通していまの制度でたぶん不都合はないのではないかと思います。   これがあるから使わなくてはならないということはありませんので、自分の診療所 なり自分の病院が標榜するのはどれかを決めることですので、特にこの制度で分ける ほどの必然性はないようには思っていますが、ここは議論いただければと思います。 ○金澤部会長   ほかにいかがですか。そうだとしますと、先ほど内田先生もおっしゃっていました が、現在の33と見直し案とをにらみながら、先ほど局長もおっしゃいましたが、い ままでは申し出があったものについて、これを取り入れるかどうか、つまり増やす方 向のことだけを何年かにわたってやってこられたわけです。4頁の昭和23年に標榜診 療科の最初のいくつかが指定されて以降、加える方向のみきたわけです。   確かに、いままでは本質的な見直しはほとんどなかっただろうと思います。でも、 この際非常に自由に考えて、ここでこれは止めようということを言いますと、明日の 新聞にこの科はなくなるということが必ず出るに違いないので、あまり言いたくない のですが、是非そのような配慮をいただきながら意見をいただければ幸いです。 ○高久委員   日本医学会の中の臨床部会がありまして、その総会が今月の20日に開かれますが、 金澤先生にも是非オブザーバーとして出ていただきたいとお願いしています。そこで、 おそらくいろいろな意見が、特に内科、外科の方々から出ると思います。そのときの 皆さんの意見を伺って、この委員会で紹介したいと思います。外科のほうから、脳神 経外科だけが残って、心臓血管外科や呼吸器外科がなぜなくなったのだという意見が 出てくるかと思いますが、脳神経外科だけ残った理由は何かあるのですか。 ○菊岡調整官   すみません、あまりどれだけ残ったか、入っていないという答えですと、個別にこ うだからというような話で、なかなか説明はできないのだと思います。やはり、事務 局でのたたき台を作る段階で、これも前回と同じ回答ですが、要するに医者がもつ臨 床の基盤的意味合いが強い領域がこうなのだ、併せて患者の目から見てもかなりわか りやすい、馴染みが出てきたような観点も考えますと、このようなたたき台になるの ではないかという形で提案させていただいています。 ○住友委員   先ほどの医政局長の説明で、専門医制といいますか、これは内科学会から出ている 日本専門医認定制機構というのに、私はこだわって質問をしました。これはこれで、 先ほど岩井委員も言われていましたが、そのような名称がなくなるのではないかとい う印象が非常に強いです。ですから、私はこの資料の7頁のサブスペシャルティーを 例示として全部挙げてみたらどうでしょうか。そこには、いろいろなものを出してみ るんですね。それと、医療広告が可能であるというガイドラインとを一致させておく ことが非常にいいのではないかと思います。   ですから、そのサブスペシャルティーがあやふやな故になくなるのではないかとい う恐れ、心配、それから誤解もあるのかもしれません。そうすると、それがきちんと 出来れば、なくならないということがあれば、基本的な診療科というものを決めやす いと考えます。ですから、そこを先に議論するほうがいいのではないかということで す。 ○金澤部会長   なるほど、ありがとうございます。どこかでそれはやりましょう。ただ、折角先ほ ど科の話をしましたので、とりあえず科の話を少しさせていただいてもよろしいでし ょうか。私も、その7頁の例示が非常に少ないので、たぶん誤解の1つはそこにある のだろうという気はしていましたので、あとで話をそちらに振りたいと思っています。 いかがでしょうか、内田先生、先ほど口火を切られたわけですから。 ○内田委員   先ほどの具体的な例に戻りますが、脳神経外科や整形外科は残して、ほかはみんな スペシャルティーに回してしまったというのは、私にはよく理解できます。やはり、 脳神経外科や整形外科は、独立して病院なり診療所なりがたくさんあります。ところ が、外科を出さないで呼吸器外科だけで独自で独立してやっているところは、まずあ りません。そのような意味で、たぶんこれを残したのではないかという理解です。   それから、先ほどの住友委員の発言なのですが、私もこのサブスペシャルテイーに ついては、是非ポジティブリストにすべきだと思っています。ですから、野放しにす るのではなくて、ポジティブリストでここまではオーケーだという例示を、しっかり 出したほうがわかりやすいのではないかと思っています。 ○金澤部会長   ありがとうございました。脳外科の話に戻りますが、妙な言い方をしますが、脳外 科は一般外科の研修をしていないのですよ。整形外科もそうです。これは、たぶんあ まりご存じないだろうと思うのですが、そういう意味では本当にスペシャルティーそ のものなんですよね。いまは、そのスペシャルティーを少し例示を挙げて、それを基 本という言葉がまた誤解を招くのでいけませんが、ポジティブリストにしてはどうか という意見ですね。プラスだけではなくてマイナスのことも考えようというのは、方 向としては悪くないかもしれませんが、いまここで言うのは少し厳しいと理解してよ ろしいでしょうか。それであれば、いまのスペシャルティーの話をいただいてもいい かと思いますが。   私も質問をしたいのですが、前々から思っていたのですが、頭痛というのがあるの ですけれども、頭痛科というのはいかがなものかと考えていたのですが、専門外来で すか。 ○菊岡調整官   いや、これはどちらかというと、頭痛科というよりは例えば内科の頭痛とかですね。 ○金澤部会長    例えば、内科と書いて次に頭痛と書くのですか。 ○菊岡調整官    とかですね。 ○金澤部会長    変だなあ。ああ、そうなんですか。 ○菊岡調整官    ええ。それは、いろいろ書きようはあると思いますが。 ○金澤部会長    スペシャルティーとは、どういうイメージなのですかね。ご意見いただけませんか。 ○高久委員   先ほどの繰り返しになりますが、感情的に、患者が自分がかかっている病気がサブ スペシャルティーで、メインではないのだという感じなのですね。ドクターもそうで、 自分が一生やっていることが、サブスペシャルティーなのかという感情的な議論がど うしても出てくるでしょうね。以前標榜科になったときの皆さんが非常に喜ばれた。 それが逆のことになるということです。 ○住友委員    サブを取ってもいいのではないですか。スペシャルティーでいいのではないですか。 ○高久委員   サブを取って、しかも括弧付けではないという形にしないと。括弧付けになるとや はり無理が出るでしょうね。 ○金澤部会長    確かに。わかりました。 ○内田委員   先ほど部会長から頭痛の話が出ましたが、例えば緩和ケアなどは、どこにどういう 整理になるのでしょうか。 ○菊岡調整官   それは先生が決めることなのですが、別にどれに付けるかは決めているわけではな いので、例えば整形外科でもやっていますし、あと麻酔科でも。 ○金澤部会長    麻酔科でもいいと。 ○住友委員    歯科でも、領域が決まってあるんですね、ペインクリニック。 ○金澤部会長   範囲が少しわかってきたかなという感じですね。しかし、例えば開業医の先生の中 に看板にペースメーカーと書かれても、どうかなという感じもするけど。この例とし てペースメーカーというのが入っている。どうなのでしょうね。 ○住友委員   これは、いい例示ではなくて、単に例示というだけですから、これを先ほど言われ たポジティブリストを検討することが必要なのだろうと思います。ですから、これは あくまでもたたき台の例示であって、良い悪いの問題とは少し違うかなと思います。 ○金澤部会長   そうではなくて、イメージとしてどうなのでしょうかね。患者にとってはかえって こういうのはわかりやすいのですかね、という問題提起をしているのですよ。他のご 意見でもかまいません、どうぞ。いまの事務局案だとすると、サブスペシャルティー には科は付かないわけですね。でも、ここに女性診療科というのがありますね。   付けてもいいということですか。サブはともかくとして。 ○内田委員   基本的な領域をサブのほうにもってきてもいいのですね。内科で小児科も診ますよ という先生が、内科を看板にして小児科をサブに付けるというのは。 ○金澤部会長    なるほど。これは面白い指摘ですね。 ○岩井委員    内科、小児科を並べるのがいいかもしれませんね。 ○内田委員    いや、ですから内科はメインですよと言いたいわけですよ。 ○住友委員   小さく表示をするのではないのですか、この原案でいくと。子供だからという意味 ではないですけれども。 ○金澤部会長    メインのものを2つまでは並列はよろしいということになっているのですね。 ○菊岡調整官    主を2つまでにして区別をしてくださいと。 ○金澤部会長    提案としてはそうなるということですね。 ○菊岡調整官    はい。 ○金澤部会長    ですから、内田委員の質問については、大丈夫ですということですか。 ○菊岡調整官    たぶん、いまの質問は内科のサブスペシャルティーとして。 ○総務課長   この提案というのは、要するにこれまで認められていないようないろいろなものを おっしゃるのであれば、基本領域を述べたうえで、そのスペシャルティーの部分を述 べてくださいということですから。その部分は、小児科というのは我々の案でいえば 基本なのだけれども、その医者からすればスペシャルティーなのだと考えるのであれ ば、別に禁止するというものではないのだろうと思います。要するに、基本的には禁 止はしないわけですから。余程公序良俗に反するような表現は、ここでいう広告規制 でそれはいけませんということでありますから、そのようなものに反しない限りはス ペシャルティーの部分をどのように随意に表現されても結構ですよと。それを表現さ れる場合には、基本的な領域はここなのですよということを述べて、スペシャルティ ーを述べてくださいという方法に変えてはどうかという提案ですから。 ○江里口委員   日本歯科医師会で地区へ回っていきますと、私は東京で開業していますが、都会的 な診療科と地区での診療科の考え方がかなり変わってきます。先ほど言われたように、 内科と書いてひょっとすると皮膚科もそれに小児科と書いたときには、何がどうなっ ているのだと。都会ではかなりスペシャルティーを強く出して診療所をつくっていま すが、やはり地区に行けば当然総合科の考えが一般的です。サブスペシャルティーを やたら並べなければならないような診療所も、ややもすると地区では出てくるのかと いうのもあります。この辺りは、非常に難しいと思うのですが。 ○金澤部会長   いまの意見はなかなか難しい話ですね。いずれにしても、いまの話は実際に表記を するときの問題もないわけではないので、事務局案の中にありましたね、1人で2つ、 7頁の7ですね、ここに対する意見を続けて伺うことにしましょうか。かなり具体的 な表記の問題も含まれますので、それに関連して皆様方にご意見を伺っていきたいと 思います。   いままで、特に大病院は別として、診療所の表記の中にたくさん書いてある診療所 もあるわけです。そういうことに対する批判や、いかがなものかという意見は、当然 ながらあったのだろうと思いますが、それはそれでよろしいですか。何でもやってい ただけるというポジティブな見方もあるかもしれませんが、やはりこれもむしろ都会 とそうでない所で違うのかもしれません。その辺りはできるだけわかりやすいだけで はなくて、現実に即した方向を出すならば、あとでご議論をいただきますが、2つか どうかは別にしてやはりある程度の制限がなければいけないだろうと思います。そう いう姿勢に関しては、いかがでしょうか。 ○住友委員   事務局に確認をしておきたいのですが、例えば歯科で話すとわかりやすいと思うの ですが、1人で2つではなくて、小さくすれば4つ全部挙げることは可能なわけです よね。そうすると、先生がおっしゃったように、ここにある33をすべて2つだけを 大きな活字にして、あとは小さくするということが可能だからという意味ですかね。   それともう1点は、やはりこの標榜と院内表示とが一緒になっているようなところ があるわけですね。ですから、それではなくて、もう標榜であるということをクリア にする。いままで院内表示で行っているものが、即ちサブスペシャルティーという形 で、今度は表に出てくる可能性はあるだろうとは思っています。 ○金澤部会長    院内表示の話が入ってくると、少し厄介になるのではないでしょうか。 ○住友委員   名称として、私たちの場合ですと院内表示で示していたような、白い歯というよう な表示をします。それが、このサブスペシャルティーのほうに白い歯や審美歯科など を挙げる可能性が出てくるだろうと思います。 ○金澤部会長    答えてください、私はちょっとわかりにくいですから。 ○菊岡調整官   いまのお話は、おそらく従来は表の看板ではなくて、院内の掲示の中で使われてい た専門外来のような部分が、そのまま表に出てくるのではないかというようなことだ ろうと思います。その辺のところは、ここに書いてありますように、ある特定の範囲、 例えば体の部位や症状、患者の特性などの範囲で、原則自由だというような表記をた たき台では出していますが、そこに先ほどいくつか意見もありましたが、何かしら考 え方を整理したほうがいいのではないかということもありましたので、そこはある程 度議論していただいたほうがいいと思います。 ○金澤部会長    これからの議論でしょうね。制限に関してはいかがでしょうか。 ○岩淵委員   患者側から見ますと、いろいろなものがたくさん並んでいる診療所というのは、大 丈夫かなと逆に不安になるケースもあります。ただ、これは都会の場合でして、田舎 に行きますと、それこそどんな病気でも一箇所の先生に診てもらうという伝統もあり ます。ですから、そういう意味でいえば、内科と外科を標榜してそのあとに小児科か らリウマチからダーっと並べるということも当然ながら認めないと、現実に田舎の地 域の医療の点でいうと、さまざまな齟齬を来たすことがあるかもしれません。   2つという点については賛成です。しかも、先ほどきちんとお答がありましたよう に、メインのものもスペシャルティーのほうに標榜できるということであれば、さほ ど大きな問題はないのではないかと思います。それから、サブを取るというのは、こ れは絶対取るべきですね。そうしないと、本当に差別と受け取られますので、無用な 摩擦は起こさないほうがいいと思います。 ○金澤部会長   そうすると、原案でいいのではないかということですね。あとは運用でいけるので はないかと思います。メインのものを2つという意見でしたが、いかがでしょうか。 あまり大きな疑問はないようですが、よろしいですか。 ○江里口委員   先ほど例として示した頭痛や漢方でいいますと、我々の分野の歯科のように、医科 という言葉が標榜の中にあってもおかしくないのかなと。医者で漢方医というような、 それも何か変な話ですが、結局全部引っくるめた総合医、いわゆる医者という括りの 中で、頭痛あるいは先ほど言ったリウマチ科などもそうですが、各方面、外科、内科、 精神科まで引っくるめて行わなければならないときに、何か1つ上の科を作る。歯科 は非常にわかりやすく歯科というのがあって、その上に外科や小児科などがちょうど 3つうまくはめ込んであります。そうすると、歯科でもペインクリニックの場合など は、歯科ペインクリニックという三叉神経痛を専門に診る、スペシャルティーとして ペインクリニックを掲げることができると思います。ですから、何かそれを1つ作っ てあげると。 ○金澤部会長    それは、内科でいいのではないでしょうか。 ○内田委員   先ほどの話で確認したいのですが、これは主には標榜科を2つに制限するという話 ですね。これは、私は患者さんのほうの意向が非常に大きいと思っていますが、医師 会としても非常に関わりが大きいところですので、確認させていただきたいと思いま す。私は、わかりやすいという点からいうと2つにしたほうがいいと思います。それ は、主に自分が責任をもって診られるところは、やはりそのぐらいだと思っています。 ただ、先ほどもお話があったように、田舎や地方に行くと何でも私の所で対応します よという先生もいらっしゃいます。そういう先生に関しては、基本的なところに入っ ている部分をスペシャルティーに標榜してもいいのだという確認は、きちんとしてい ただきたいと思います。 ○金澤部会長    事務局案に矛盾はしていませんよね。ほかにいかがでしょうか。 ○辻本委員   別の視点で高久委員にお聞きしたいのですが、先ほどから何度もこれはもう限りな く感情的な問題でということを繰り返されたのですが、例えばリューマチ科、あるい はアレルギー科の患者の思いは、どのようにすれば解決できるのでしょうか。 ○高久委員   基本的な病気として残してもらいたいという、単純な希望です。 ○辻本委員    もう残すだけが解決の道筋のことだったのですね。 ○高久委員   そういうことなのですね。ですから、理屈ではなくて、自分の病気がサブという名 前はなくなるとしても、下のほうに小さく標榜されるというのが、何となく寂しいと いうか、残念というような感じでしょうね。ドクターの方もたぶんそうで、心臓血管 外科の人がずっとやってきたのに、それが外科の下のほうに心臓血管外科に。感情的 な問題でしょう。 ○金澤部会長    ほかにいかがですか。いままで議論が出なかったことでも結構です。 ○高久委員   最初に申し上げたのですが、先ほども議論があった、地方では、総合科が必要だと 思います。ただ、折角総合医のことについて議論を始めているところですから、もう 少し待っていただきたい。将来的には総合科がどうしても必要になってくると思いま す。時期の問題だと考えています。 ○金澤部会長   総合科については先ほど申しましたように、いまほかの関連の学会その他で取り組 んでいるようですので、その推移を見ながらまた議論したいと思います。ほかにいか がですか。 ○住友委員   まじめに言いますが、ひょっとしたら冗談に取られるかもしれませんが、要するに いまは主たるものを大きな活字にして、従を小さくしようという発想があります。そ れは、別に自分が大きくしたければ、例えばサブスペシャルティーの中のリウマチだ としたら、それを大きく出せばいいのではないかと思います。ですから、大きさの問 題ではないのではないかという気がするのですが。いまのを聞くと、活字が小さくな っていくと段々存在価値が下がっていく、というニュアンスになってしまっているよ うな気がします。 ○金澤部会長   いまの意見は、たぶん誤解があると思います。政令に載るか載らないかの違いだろ うと思います。 ○住友委員   それです。いま言っている活字の大きさというのは、もうあまりこれは問題になら ないのですよね。例えばという話で、たたき台で出ているだけだと思います。 ○南委員   素朴な質問なのですが、身体の診療科はこれだけいろいろな議論があるわけですよ ね。先ほど江里口委員が、歯科に対しては医科があってもいいのではないかとおっし ゃったのですが、私は逆に、歯科は4つが基本的なところに入っているのですが、従 来の経緯を見ますと、最初は歯科だけでそれが専門的に小児と矯正が認められて、最 後に歯科口腔外科が認められたという経緯になっています。身体の診療科でいうとこ ろの内科や小児科などと呼応するものとして、この4つが是非、基本科目に必要とい う感じなのかどうか、少々バランスがよくない気がするのですが、その辺りは歯科の 先生はどのように感じていらっしゃいますか。   患者の感覚としては、まずこの診療所は歯科なのか身体科なのかというところが、 まず最初に情報として必要なのだろうと思うのですね。歯科の先生であれば、虫歯が 痛いなどということには大体対応していただけるでしょうし、その中で歯列の矯正は 矯正歯科だったりというイメージではないのかなと思うのですが、それは違うのでし ょうか。 ○江里口委員   歯科の4つの標榜の中の3つは、特殊な矯正と小児歯科、口腔外科、これを現在メ インに掲げている診療科は、これしかほとんどやっていません。ですから、虫歯の治 療やほかのものは一切やらないという人が、ほとんどこの標榜をしています。それか ら、口腔外科もそうです。ですから、患者としてはこれが非常にわかりやすいと思い ます。ただ、一般の歯科の中でも当然今回あるように、サブスペシャルティーとして 矯正も小児歯科も口腔外科もやっている先生もいらっしゃいますが、ほとんどいまの 歯科の現状としては、矯正歯科、小児歯科、口腔外科という所は、本当の専門院です。 これしかやっていません。 ○金澤部会長    住友委員、それでよろしいですか。 ○住友委員    また別なことでお話するかもしれません。 ○金澤部会長   ありがとうございます。歯科の話も出てきましたし、皆さんから大体の意見をいた だけたかと思います。 ○岩淵委員   確認なのですが、病院の名前として、固有名詞として、例えば金澤リウマチ病院と いうのは、いけないということになるのですか。 ○菊岡調整官   現状ですが、例えばいまの金澤リウマチ病院と言っているのですが、標榜の範囲な らいまはオーケーという判断をしてあります。 ○総務課長   要するに、現状でいえば診療標榜科に限って認められているものが病院の名前の中 に含まれる表記は、いまオーケーですよと。仮に、今回のような見直しをして、サブ スペシャルティーの部分は原則いろいろな表記はオーケーですよということになれば、 それが病院の名前の中に含まれていくことは普通あり得る話で、それは基本的に認め ていきましょうという方向での見直しの提案だ、とお考えいただいたほうがいいと思 います。 ○岩淵委員   そうすると、スペシャルティーの部分が、金澤リウマチ病院はオーケーだというこ とになりますね。 ○内田委員   先ほどの、専門だけに特化しているような所は看板を大きくしろというのは、そう いう形で解決できるのですね。 ○総務課長   リウマチは認められていますからもちろんいいのですが、例えばいま認められてい ないペインは、一応本来的には駄目なことになっているのですが、今度仮に、もちろ んペインもいいはずですから、当然入るであろうと。 ○金澤部会長    駄目だといっても、実際ペインクリニックはたくさんありますね。 ○岩淵委員   もう少し気になるのは、そうするとできるだけ自由な標榜を認めるというスペシャ ルティーの部分は、一般的にあれと思うようなものも金澤リウマチ病院のような恰好 で標榜が可能になることは、リストを作るということですか。それは必要ですよね。 ○菊岡調整官   たたき台では、例えば公序良俗や客観的な評価可能なものという形で表現していま す。 ○金澤部会長   どうもありがとうございました。大分予定の時間に近づいてきました。本日は、本 当に建設的な意見をいただきまして、ありがとうございました。これを事務局でまと めていただきたいのですが、たぶん引き続き議論が必要だろうと思いますので、是非 そのようにお願いしたいと思います。もう1つは、参考資料にもありますように、各 学会でいろいろご意見をお持ちのようですし、また6月20日には日本医学会でも会 を持たれるようですので、それも含めて事務局で整理をしていただきたいと思います。 3つ目は、先生方、いまはこのぐらいかもしれませんが、他にもいろいろ意見をもっ ておられると思いますので、どういう形でも結構ですので、事務局にご意見をお寄せ いただきたいと思います。それも含めて、また事務局でまとめると思いますし、次回 のこの会に反映させていただけると思いますので、よろしくお願いします。   以上で本日の議論は終わらせていただきますが、何か特別にありますか。よろしい ですか。では、事務局から次回以降のことについてお願いします。 ○菊岡調整官   まず、今後の議事の進め方ですが、これは本日のご議論等を踏まえて、部会長と相 談して進めさせていただきたいと思っています。日程は現在調整中ですので、また決 定しましたら正式に連絡をしますので、よろしくお願いします。 ○金澤部会長    どうもありがとうございました。それでは、本日はここまでにさせていただきます。 1