07/04/17 第2回がん対策推進協議会議事録 照会先 厚生労働省健康局総務課がん対策推進室             木 村(内線2945)     小 山(内線2946)             第2回 がん対策推進協議会 日時 平成19年4月17日(火)10:00〜12:00 場所 東海大学校友会館 望星の間 ○出席委員(17名、50音順、◎会長、○会長代理)  内田委員、海辺委員、江口委員、◎垣添委員、景浦委員、関原委員、高嶋委員、  富樫委員、中川委員、仁昌寺委員、埴岡委員、廣瀬委員、○廣橋委員、本田委員、  三成委員、麦島委員、門田委員 ○議題  1.がん対策推進協議会のスケジュールについて  2.がん対策推進基本計画イメージについて  3.その他 ○武田室長 定刻となりましたので、ただいまより第2回がん対策推進協議会を開催い たします。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中をお集まりいただきまして、ま ことにありがとうございます。  本日は、柏木委員がご都合により御欠席との連絡を受けております。また、内田委員 が交通事情により若干おくれて来られるという御連絡もあわせて受けております。なお、 委員総数18名のうち16名に御出席いただいておりますので、定足数に達していること を御報告申し上げます。  それでは、垣添会長、よろしくお願いいたします。   ○垣添会長 皆さん、おはようございます。早朝からお集まりいただきまして、まこと にありがとうございます。それでは、これから第2回のがん対策推進協議会を始めたい と思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。  議題に入ります前に、配付資料の説明からお願いいたします。   ○武田室長 それでは、資料の確認をさせていただきます。  資料1.がん対策推進協議会のスケジュールについて(案)  資料2.がん対策推進基本計画イメージ(たたき台)  資料3.海外におけるがんに係る計画等について  資料4.がん対策における国立がんセンターの役割について(案)  また参考資料として、第1回の協議会で予算に関するお話がございましたので、現在 のがん対策関係予算の資料として  参考資料1.がん対策関係予算について  参考資料2.厚生労働省におけるがん対策関係予算について  参考資料3.文部科学省におけるがん対策関係予算について  参考資料4.経済産業省におけるがん対策関係予算について を添付いたしております。  また、第1回の協議会で参考資料としておりました「我が国におけるこれまでのがん に係る目標等について」は、再度、参考資料5として添付いたしております。  また、資料番号は付してございませんが、本日御欠席の柏木委員より御意見をいただ いております。これを資料の最後に添付いたしております。  資料の過不足等がございましたら、お申し出いただきたいと思います。よろしいでし ょうか。  それでは、ここでカメラ撮りは終了させていただきますので、御協力のほど、よろし くお願いいたします。   ○垣添会長 それでは、議題に入りたいと思います。  まず議題の1「がん対策推進協議会のスケジュールについて」、これを事務局から御説 明ください。   ○武田室長 それでは、御説明いたします。  資料1「がん対策推進協議会のスケジュールについて(案)」でございます。ここに記 載いたしましたとおり、がん対策基本法第11条に基づきまして、都道府県はがん対策 基本計画を基本として、都道府県がん対策推進計画を策定することとなっておりまして、 その策定に当たっては医療法に基づく医療計画等との調和の保たれたものにすること、 となっております。この医療計画等の見直しが平成19年度中に行われるという予定が 別途ございます。この状況を踏まえまして、平成19年度内のできるだけ早い段階で政 府のがん対策推進基本計画を策定する必要があるということでございます。よって、ス ケジュールと議題の案として、おおむね以下のとおりではいかがかということで案とし て提示いたしております。  まず、5月上旬に基本計画原案についての提示の議論。それから5月下旬、基本計画 案についての諮問・答申。そして並行して基本計画の案に対する国民から意見募集を実 施するということでございます。なお、基本計画案の諮問・答申後、基本計画を閣議決 定いたしまして国会へ報告するということが、あわせてがん対策基本法に明記されてい るところでございます。  以上でございます。   ○垣添会長 この5月上旬から下旬の基本計画原案についてと諮問・答申、流れはわか りますが、もう少し具体的に、きょうは4月17日で第2回ですか、それから今後の協 議会の開催と案の作成のもう少し踏み込んだ説明をいただけませんか。   ○武田室長 前回の協議会第1回目で、3月に意見交換会においてまとめられた提言と いうものがございました。これを一つのもととして議論の計画案、原案のたたき台とい うものを次回までに提出するようにという御指示がございました。そこで、垣添会長と 御相談させていただきながら、ここに申し上げております基本計画の原案のまたそのた たき台を本日、提示いたしておりまして、これが後で御説明いたします資料2「がん対 策推進基本計画イメージ(たたき台)」というものでございます。  これをもとにしてこの協議会において御議論いただき、また5月上旬、それについて さらに御議論いただいた上で、最終的に5月下旬のあたりで基本計画(案)、原案からさ らにそこをブラッシュアップした基本計画(案)についての諮問・答申をいただくとい うことで考えております。  そしてこの中で、非常にタイトスケジュールではございますが、並行してというのは そういう意味でございますが、基本計画の案のところに対する国民の皆様からの意見募 集をあわせて同時並行で実施することを考えております。   ○垣添会長 そうしますと、きょうを含めて約3回のうちに諮問案を作成するという予 定ですね。それが5月の末までということですね。非常にタイトなスケジュールの中で 進めなくてはいけないという状況はおわかりいただけたかと思いますが、このスケジュ ールに関して何か御発言がありましたらどうぞ。   ○埴岡委員 スケジュールの制約はあると思うのですね。ただ、国民全体に大切な計画 です。また、これから都道府県へと普及させていかなければならない計画でもあります。 ですから、後ろの日程的締め切りが限られているということはよくわかるのですが、こ の会に与えられた責務にかんがみて、あと、今日を含めて3回の会議というのでは議論 を十分できないのではないかという気がいたします。そこで、もう少し協議会開催の回 数を増やすような工夫ができないかという御質問をしたいと思います。  私の認識としては、意見交換会のとりまとめは一つの重要資料ということです。あれ をもって基本計画の骨子にしていく、それをベースに計画をつくっていくということは、 そのように想定していなかったのです。前回の本協議会会議でもありましたように、基 本計画の重点事項とか作成方針といったものをぜひ委員から意見をよく聞いていただく というプロセスを踏まえていただいて、時間的制約はありますが、その中で順序正しく 濃密に議論することで計画をつくっていくということで、ぜひ委員としてももっと汗を かいた方がいいのではないかと思います。   ○垣添会長 ありがとうございます。御指摘の点はもっともだと思います。ただ、何分 にも限られた時間の中でやらなくてはいけないという制約があるものですから、いろい ろご無理をお願いするところはありますが、一応前回の議論でこれまで提言として検討 されてきたものをたたき台にして議論をさらにふくらませる。特に重要項目に関しては できるだけ具体的な提案をするというところまでは一応合意いただいたと思いますので、 きょう、議題2の「がん対策推進基本計画のイメージについて」ということで、たたき 台に関するいろいろな御議論をいただこうと思っておりますが、その中でできるだけ発 言をいただく。それでもまだ時間的には不足だと思いますので、私もこの会議をもう少 し開ければと思うのですが、これだけのメンバーで会を成立させるのがなかなか難しい。 ですから、場合によったら議論が不十分と思われたときには、補足の意見を私あるいは 事務局に寄せていただくとかなにか、それを整理してまた委員の皆さんに配付するとか ということも考えなくてはいけないかもしれません。つまり、御要望はよくわかります が、時間的に対応しきれないような感じがするのですが。   ○埴岡委員 このがん対策基本法というのができた経緯を考えますと、国民の声の盛り 上がりから議員立法により全会一致で可決成立したということもあります。この委員会 としては大変大きな責務を負っています。そして5年間の計画の枠組みは、次の改定ま での5年間を規定するものですから、我々の協議会委員も大きな責務を負うと思います。 5年後に計画の枠組みが間違えていたということであれば、我々委員も大変大きな不作 為の罪を問われかねないと思います。本当にいい計画なのかということに関して、やは り計画のあり方とか方向とか、この会議の議事運営や進め方等を1回か2回、すべての 委員から聞いていただく機会を得ておく必要があります。そうでないと、本当に我々協 議会委員の国民への説明責任として、十分にこの計画をつくるためにプロセスで、知恵 を出して、情報も得て意見を出して、責任を負う形になったのかということが、ちょっ と不安だと思います。また意見提出についても、文書等で期限を切っていただいて、あ り方論も含めて意見を聞いていただけるのかなと思っておったものですから、そうなっ ていないので、そのようにしていただければと思います。  私のこのような意見は少数意見ということで扱われるならばそれでも結構なのですが、 重要なことですので、このたたき台の文言修正として計画を作るということに関しては、 例えば多数決等で賛否を問うてから先に進んでいただくのがよろしいかと思います。   ○垣添会長 ありがとうございました。恐らくすべての委員が同じようなお気持ちでお られると思いますから、別に埴岡委員が少数意見とは私は思いません。だけども、その 限られた日程の中でできるだけ意見を集約していくのにはどうしたらいいかということ ですが、ここの議論が不足の場合には意見を文書などで出していただくという形で集約 させていただくことも一つの手段だと思いますが、それ以外に、もし可能だったら回数 をふやすという努力ももちろん最大限いたします。しかし、それが難しい場合には、今 のような意見集約ということでも御了解いただければと思います。  このスケジュールに関して、何かほかの委員から御発言はありましょうか。   ○関原委員 今回の協議会は、その性格上2時間と時間を決めて午前中にやるのはやめ てしまって、夕方5時から10時迄でも、数が2回しかないなら、そういうふうに最初 から設定した方が僕はいいと思いますよ。世の中は、道路公団の改革やJR民営化であ ろうが、みんなそうしてやってきたわけですね。思い切った見直しとか改革をするとい うのは、決まった2時間のレールの中で、これでこうやりますということではないと思 うから。毎日毎日やるというのなら大変だけれども、5月の何日に、金曜日の夜にやる というふうなことでも僕はいいと思うのです。2時間ずつ3回でというのは、いかにも 平板なアイデアだなという感じがします。   ○垣添会長 ありがとうございます。   ○関原委員 そして、先生がおっしゃられるように集まれない人はしょうがないのです よね。何とか集まれる委員だけでもやって、集まれない人に対して、こういうことだと 伝えればいい話であって、前もってみんなの意見集約をしてまらというのは、僕は逆で はないかなという気がしますけどね。   ○垣添会長 私が申し上げた意見集約というのはそういう意味ではなくて、ここの議論 で不十分な部分は文書で出していただくということを申し上げたのですが、御指摘のよ うに極めて重要な会議でありますから、それは普通の日中の時間帯以外の可能性も考え てよく検討したいと思います。ありがとうございます。   ○廣橋会長代理 1回目の委員会のときにも、文書での意見の集約、それからワーキン ググループをつくったらどうかという意見もありました。今の議論を受けると、早い時 期に方向性が決まる段階で徹底的な議論ができるような工夫をしていただいて、あとは メールでの期限を区切った集め方でかなり情報が集約できるのではないかと思います。   ○埴岡委員 私も日程についてはよく認識しておるつもりですが、外からみて議論をは しょっていると思われないためにも、徹底議論を一回行って、それを踏まえて進めてい くというのがいいでしょう。締め切りは同じで、できればあと2回ぐらい途中に会議を 入れていただくようなことを考えていただければと思います。   ○垣添会長 できるだけそのように努力します。   ○埴岡委員 それと、これは私ひとりの意見ではありません。協議会委員数人でいろい ろな意見交換をする中で、多少の差はありますが、そういう考えが共有されていること が分かりました。これについては、その数名から、先ほど座長に意見書を出させていた だいたのですが、それも参照していただければと思います。   ○垣添会長 先ほどこの会の直前に、埴岡委員以下何人かの委員の方からいただきまし たが、中に述べてあることは私も全く同感ですので。私は座長として大変苦しい立場な がら、そういうことで基本的な気持ちは全く同じであると御理解いただければと思いま す。  では、スケジュールの件に関しては、可能な限り非定型的な会の開催としても余分に 開催するような努力も含めて、これは預からせていただきます。  2番目の「がん対策推進基本計画のイメージについて」に進めさせていただきたいと 思います。これは、事務局と相談してつくらせていただきました。これは3月までに提 言の形でとりまとめられたものを一応たたき台として進めるということを前回了解いた だきましたので、それをとりまとめたものであります。これは既に皆さん方にあらかじ めお送りしてありますから、ごく簡単に事務局から説明いただければと思います。   ○武田室長 わかりました。それでは、事務局より御説明いたします。短時間にという ことでございますので、構造を中心に御説明いたしたいと思います。  「はじめに」というところにおいて、がんをめぐる現状について統計を中心にまとめ たものがございます。それから、これまでの政府の取り組み等について、対がん戦略も しくはがん対策推進本部等の設置等も含めてまとめてございます。  次の「基本方針」においては、基本法の第2条に掲げられております基本理念という ものが三つございますが、それを基本方針として位置づけるということでまとめており ます。内容は、1のがん研究の推進及び研究等の成果の活用・普及・応用・発展、2番 目ががん医療に関する均てん化、3番目として、大事な点ですが、がん患者の意向を尊 重したがん医療の提供体制の整備というものでございます。この三つに関して基本方針 としてまとめております。  第2「がんに関する目標」につきましても、関係者等の理解のもと、共通の目標を設 定することががん対策を推進する上で極めて有効であるという考えから、そのようなも のを設定することについて記載いたしたところでございます。また、成果や達成度を客 観的指標によりはかることが重要であるということも、あわせて示しております。  内容としては、4ページの真ん中のあたりでございますが、10年間を一つのタームと して区切りました全体目標として、がんによる死亡者の減少、年齢調整死亡率、そして 二つ目としてがん患者の苦痛の軽減、その二つについて掲げておりまして、その下に個 別目標として幾つかございます。こういう個別目標の達成をもって全体目標を達成して いくという構造で、ここでまとめております。  その続きでございますが、第3「重点的に取り組むべき課題」ということでございま す。これについても、今までの対策の中である意味で足らざる分野であった、特に今後 取り組むべき分野ということで、前回の協議会での委員からの御指摘項目ということも ございましたが、このような項目が一つ重点項目ではないかという御意見があったと記 憶しております。その三つをこのたたき台においては並べております。  1として「放射線療法及び化学療法の推進並びにその専門医等の育成」、2として「治 療の初期段階からの緩和ケアの実施」、3として「がん登録の推進」、この3項目につい て重点的に取り組むべき課題として掲げております。  6ページ、第4「分野別施策」については、基本的に前回御指示がございましたがん 対策の推進に関する意見交換会提言において御提示いただきました現状及びそれに対し て取り組むべき施策というものを、たたき台の段階ではほぼそのまま載せております。 1として「がんの予防及び早期発見」。2番目は「がん医療」について。そしてそのがん 医療の中では、一つの分野として「放射線療法、化学療法の推進及び医療従事者の育成」、 二つ目の柱として「緩和ケア」がございます。10ページからは「在宅医療」、12ページ は「診療ガイドラインの作成」について。13ページの「その他」では、がん患者に対す るリハビリテーション、小児がん対策、そして医師のコミュニケーション技術の向上等 についての記載がございます。  次に、一つの大きな柱であります3「医療機関の整備」の提言についてまとめており ます。  14ページの4は「がん医療に関する相談支援及び情報提供」について、内容及び現状 の取り組むべき施策をそれ以降で載せております。  16ページからは「がん登録」。18ページからは「がん研究」について、同様に現状及 び取り組むべき施策をそのまま、まとめております。  19ページ以降は「その他」と一くくりにしておりますが、各分野にわたって共通項の ようなものでございますが、一つとして「関係者等の有機的連携・協力のさらなる強化」 という項目。  2番目として「都道府県による都道府県計画の策定及びこれに基づくがん対策の推進 について」という位置づけについての記載。  3番目に「関係者等の意見の把握」、それに反映ということについて記載いたしており ます。  4として「がん患者を含む国民の努力」ということについて、責務を含め、提言の中 にありました内容をここで記載しております。  21ページでは、「効率的・重点的な財政措置」に関して、限られた予算を重点的な配 分もしくは効率的に執行する等の内容について記載いたしております。  5「目標の達成状況の把握及び効果に関する評価」ということで、先ほど出ました目 標に関してとダブるところではございますが、内容について記載いたしております。  また、がん対策推進基本計画の見直しについてもここで記載いたしております。  個別の事項については、基本的に前回の意見交換会の提言というものを再構成して、 ここでまとめているたたき台ということでございます。  資料2に関しては、そのようなところでございます。  その参考として資料3では、「海外におけるがんに係る計画等について」ということで 三つ。まずは世界保健機関、WHOの国家的がん対策プログラムについて。そしてイギ リスにおける例として国民保健サービスのがん計画について。三つ目は、アメリカにお ける例として国による地域へのがん対策支援を中心にしまして、簡単ではございますが まとめております。それぞれに別添1、2、3、ということで若干の資料の補足をいた しております。  以上です。   ○垣添会長 ありがとうございました。前回も議論がありましたが、これはかなり総花 的な、つまりがん対策上、必要なことが全部網羅されている形になります。ですからこ の中で、前回もいろいろ御議論いただきましたように、幹になる部分、枝になる部分、 葉になる部分というのをきちんと整理しながら、できるだけ具体的な形にこれをとりま とめていくというのが、この協議会の一番大事な役割ではないかと私は認識しておりま す。  まず、たたき台に沿って話を進めていきたいと思いますが、この議論の進め方に関し て何か御意見はありましょうか。きょうは、「はじめに」から始まって、できれば約1時 間半ありますから、終わりまで通して御議論いただいて、その後、さらに必要な部分に 関して掘り下げていくという進め方をしたいと考えておりますが。   ○埴岡委員 このペーパーを1ページずつ順次検討することもやっていただきたいので すが、まず計画全体のビジョンとか方向観とかつくり方のあり方から議論していただく のはいかがでしょうか。議論が前後するとよろしくないので、その枠組みに関する議論 をしてから各論に入った方が、と思うのが提案です。   ○垣添会長 これは議論に入る前に御意見をいただきたいと申し上げたのはそういう意 味なのですが、何か御発言はありましょうか。   ○関原委員 私は今回、何が大事かというと、各論のところではなくて目標をどう置く か、ここのところをはっきりしないと、これをはっきりすればおのずと各論がわかりや すく書けるし、それで何をすべきかというのがはっきりしてくるので、今回はがんを減 らしますなどということではなくて、もっと具体的にここを明記する。  それは、例えばこういう話だと思うのです。僕は昭和35年に池田勇人首相が、所得 を上げます、豊かにします、などといっても、これは目標にはならないのです。所得倍 増計画とそこをはっきりすることによって、ああ、それならこういうことをやろうと。 すると次から次へいろいろな計画が出てくるわけですね。そういう意味で、あくまでも これであればみんながこういう方向にいくのだな、こういうことをやればいいのだな、 ということをみんなが思い浮かぶような目標設定を含めて目標の議論をよくして、それ をすれば、自動的に検診はどうだというのは出てくるものですから、そこを僕は今回は よく皆さんで議論をしていただきたいと思います。   ○垣添会長 私自身、全く同感であります。   ○海辺委員 今の御意見でもうよろしいのですけれども、私はこの資料の2を事前にい ただいたときに思いましたのは、今、関原委員がおっしゃったように、目標にしても、 がんによる死亡者の減少ってあたりまえみたいな、もっと踏み込んだものと申しましょ うか、そもそもがん対策基本法はだれのための法律でしたか、何のためにやるんでした か、何を目指していますか、そういうものがもっとバンと出るべきだと思うのです。意 見交換会のときから少々感じておりましたが、本当に瑣末なといいますか、あれはあれ で洗い出しだと思ったからよかったのですが、でも全部洗い出せているかというと、大 ざっぱで足りない部分もありますが、ではここが本当に大事なのだというところを非常 に強くできたかと申しますと、それもいろいろな立場が交錯して通り一遍になって、結 局、その提言をもとに出てきたこれは非常に平板な感じが否めない状態です。  例えばここで「その成果や達成度を客観的指標によりはかることが重要である」と、 もっともなのですが、本当にこういう達成度や客観的指標をはかるツールが今、日本の 中にあるんですかということを私は一般国民として非常に感じます。あるのであれば、 ここの協議会にそういうもののデータなどをもっとバンバン出していただきたいと思い ますし、では出してくださいと言うと、そういうものはないんです、というようなお話 が出てきますと、こんなことがここに書いてあって、本当にこれ、できるんですか、と いうのが私は非常に疑問に感じます。ですから、とにかく絵に描いたモチにならないで ほしいと。  私は非常に低いところから上がってここまできたというところがありまして、がんの 患者は、こういうふうにしてほしいんです、ということを医療者に言うと、それはごも っともだけど、してあげられません、制度がこうだから、と。ではこの制度を何とかし てくださいといってこっちに来たら、いや、それは私どもではできませんとか、結局、 めぐりめぐって法律までつくっていただいても、でもこれなのかというのは、こんなの では歴代の亡くなった会長の墓前に報告できないと思っております。平板でなく、絵に 描いたモチでなく、実行できるものにすることを考えていただきたいと思います。   ○垣添会長 御意見は全くそのとおりだと思います。きょうたたき台として挙げた部分 に、本当は数値を可能な限り入れようと思ったのでありますが、ここの場で、例えばが ん死を減らすというときにどのぐらいを目標にするのだといった議論が当然出てくると 思いますので、それを受けてここにどんどん書き込んでいこうと考えました。ですから、 これが平板な形になっているのは私自身も認めます。   ○本田委員 私も先ほどの関原委員の考え方にとても賛成します。目標を設定するとい うと、確かにデータがないので、ではどう目標を設定するのかというのもあるかもしれ ませんが、目標を設定することで、ではそのデータがないからこうしましょうというプ ロセスがちゃんと組み立てられて、これをするためには何をするのだというところにも っていけると思うので、目標を何かしら、数値をできるだけ挙げられるものは挙げて設 定してほしい。  もう一つなのですが、そもそもこれは何のためにという今の海辺委員の意見に私もと ても感じるところがあります。そういうところを「はじめに」の文章の2ページの頭の 方に、それまではずっと、これまでの日本の対策はこれだけ頑張ってきたということを 書いてありますが、確かにそれはそれですごく頑張ってこられたというのあると思うの ですが、一方でこういう動きになった理由というのが、求める治療が受けられない、も しくはいわゆるがん難民といわれたような、もう治療がないといわれてさまよって、痛 みの対応もしていただけなかった、そういう患者さんたちの悲痛な声が高まったからだ ということを、2ページの一番上の段落の「このようにがん対策を着実に実施し、成果 をおさめてきたが」ではなくて、それは既にいっぱい書いてあるので、ここにそういう この法の精神を書き込んでいただきたい、それをみんな忘れないで原点としていただき たいというのをとても感じています。   ○中川委員 幹と枝の話に関しては、第3の重点的に取り組むべき課題のところに、あ る程度、当初、大臣が述べられたような流れにそった文言があって、私はこれは非常に わかりやすいと思います。  関原委員や皆さんがいわれた数値目標については、例えば4ページの全体目標と個別 目標、ここをこの会議の中で具体的に、例えば緩和ケアに関する目標といってもたくさ んあります。その具体的な項目を立てていって、それに対して数値を入れていくという 作業をやらなけれはいけないのだと思います。ここを入れればかなり、今言われた空虚 感はなくなってくるのだろうと思います。  今、本田委員が言われたこの法律の目線の問題は私は同感に思います。例えば2ペー ジの基本方針の1項目、話の段取りが先にいってしまいますが、がん研究の推進及び研 究等の成果の普及・活動・発展と。がん対策をさらに推進していくための原動力という のは、画期的な診断・治療法の開発などの創設、あるいは標準治療の確立及びがん治療 の均てん、がん対策を進める原動力はこれなのかというところが、ちょっと患者さんの ところが抜けすぎているような気がするのです。  確かに3番目に「患者さんの意向」というところがあるのですが、それはもともとの 法律の第1の基本理念ですか、ここの1、2、3に符号しているのですが、余りにも原 動力ということをこういうふうに書くことが、やはりこの法律を、あるいはこの基本計 画の性質を方向づけているのではないかなと。もう少し患者さん側に立った言い方を、 つまりがん対策はがん研究だと書いてあるのですよ。そうではないと思うのです。大変 口はばったい言い方をすると、がんセンターの問題の一つはそこだと私も感じておりま した。つまり、がん対策というのはがん研究そのものではないというところをもう少し この中で書いていただきたいなと。これは個人的な意見でございますが。   ○垣添会長 後で少し具体的入っていくときに、ぜひ必要でしたら繰り返して御発言い ただければと思います。   ○埴岡委員 私も関原さん等が言われた意見に同感なのですが、まず目標を明確にする。 20%の死亡の削減とか、心身の苦痛の劇的削減というのを決めて、それぞれの施策がそ れに対してどの程度どう結びついているのかということがわかるようにしていくことが 必要だと思います。そういう意味では、幹・枝・葉っぱの議論でいうと、まず幹を決め てから枝がどうつながっているか、そして葉っぱがどこに乗っているのか考えていくと いうことだと思います。「がん対策推進基本計画イメージ(たたき台)」は、いきなりこ う書き下していただいたのですが、ステップとしては、幹のコンセンサスをとって、枝 のコンセンサスをとってというようなプロセスが、一見、回り道のようだけれども早い のではないかという気がします。  実はこの書き下していただいた文章の裏にその幹も枝もあるというのであれば、それ を一度抽出していただいて箇条書きですとかポンチ絵ですとか構造図のような形で示し ていただければわかりやすくなるし、我々としてどれを重点施策として必須項目とし、 どれに関しては希望的な形にするとか、そういうことがわかりやすくなってくるのでは ないかと思います。いずれにしても、今回のたたき台のように、意見交換会のまとめを ベースに肉付けしたものをちょっとたたいて修正していくというのでは、基本計画をつ くるのは若干難しいのかなという感触を持っています。   ○垣添会長 ありがとうございました。   ○廣橋会長代理 目標を設定することが重要である、これによってこの計画の内容がよ くみえてくるというのはそのとおりだと思います。全体目標と個別目標という項があり ますが、それが後の分野別の施策と離れているのが不自然です。各分野別の施策で現状 と取り組むべき施策があり、その先にどこまでやるのかという目標があるわけで、分野 別の施策のところに個別の目標をそれぞれ考え、そしてそれを全体としてその中からプ ライオリティを考えてまとめるのが、2番目のがん対策の推進に当たっての目標になり、 そしてそれを全部統合して、例えば20%の死亡率の削減というふうにまとまるという形 で、有機的につくりあげることが非常に大事ではないかと思います。  それから、先ほどの御指摘のように、今の段階で目標の指標を設定できないものもあ ると思うのです。そういったものについてはいついつまでに設定するということ、それ を目標にして、この協議会が今回のドラフトをつくることで終るのではなくて、その後 の作業もずっと続けてみていくという形にしたらいいのではないかと思います。   ○垣添会長 この協議会ですべてが解決するなどとはゆめゆめ思っておりませんで、当 然、尾を引くいろいろな話がここから出てくると思いますので、それは前回の議論にも ありましたような、内容によってはワーキンググループをつくってさらに検討するとい うようなことはぜひ考えたいと思います。   ○廣瀬委員 先ほどから本田委員や海辺委員などの意見にありますように、この会議の 大前提には、委員の18名には患者さん、家族、御遺族が入っていらっしゃるという特 徴があります。その大きな意味は、140万人のがん患者さんが今、治療を受けており、 そのうちの約半分が治療の説明時、もしくは治療方針の決定時のいずれかの場面で不納 得や不満を持っている、いわゆる“がん難民”となっている状況も存在しています。こ れらを文章のどこかに入りませんでしょうか。治療説明時もしくは治療方針決定時のい ずれかの場面において不納得を感じている患者さんが非常に多い現状が、今のがん対策 を困難にしているのです。これらがん患者さんの医療費は多く、患者さん自身の負担も 多いわけです。これら状況を最初に押さえていただけたらと思います。  あと、3つの基本方針及び3つの重点的に取り組む課題については、連動する枠組み となるといいかなと、たたき台を読んで思いました。   ○垣添会長 ありがとうございました。   ○本田委員 先ほど廣橋委員と垣添会長がおっしゃったことに関して、私も頭の整理と 思って伺いたいのですが、基本計画の中では当然、すべてのことはできない。それに有 機的に必要なこと、例えば大目標とか、それに重点的施策、個別でもそういうことを洗 うけれども、ではそれはどういうプロセスを踏むべきと考えるのかとか、そういう目標 も基本的には必要だと思うのですが、そういうものはこの基本計画の中で全部詰めてい くというのではなくて、ワーキングなりなんなりでやっていくという考え方なのか、そ こら辺がわからないと議論もどうなるのかなと思ったもので。   ○垣添会長 廣橋委員、何かありますか。   ○廣橋会長代理 私は、今の段階で指標を設定して目標を明確にできない分野もある。 そういう場合いついつまでに検討するのだということが一つの目標になる。それを実際 に実行していく必要があるだろう。今できる指標は明らかにして、できない部分は課題 として残して、それをフォローアップしていくのもこの協議会の役割かなというふうに 申し上げたのですが。   ○垣添会長 私もそう思っています。つまり、ここの限られた日程の中でやりきれない ことはいっぱいありますから、この中に網羅されていない、あるいは数値目標が設定で きないような話に関してそれをさらに深める上では、そういう継続した議論が必要であ ろうという意味です。   ○本田委員 それに対して、私も確かにこの限られた日程で全部そのプロセスを、では どういうふうに、どういう調査まで、こういうことはするべきだというのをそれに連な って書き込むことはできても、そのさらにプロセスなりなんなりということを詰めてい く、もくしはワーキングでも検討会でも何でもいいのですが、そういうものでさらに詰 めていくことにするのであれば、それ自体もきっちり書き込んでいただいて、それの関 係性を明確にしないといけないと感じました。   ○垣添会長 おっしゃるとおりだと思います。それは、最後のまとめの段階でそういう 形にしたいと思います。   ○門田委員 私も今回これを読ませていただいて、前回の提言と余り変わらないという か、何か枝葉的な感じで、いわゆる幹という部分をポンと表に出していくという方針か らいうと少し物足りないかなという感じを受けたのです。先ほど廣瀬委員からも出まし たが、スタートからがん難民が出てきた。その原因として説明不足やいろいろな問題が あった。こういうように具体的な話を入れだすと次々出てくると思うのです。ですが、 我々医療サイドの人間の立場からすれば、もう少しマクロスコピックにとらえていただ くことが大事ではないのかなと思うのです。  基本的には、前回も言いましたが、これを全部読んでも、ヒト・モノ・カネについて は出てまいりません。その話が一番根本にあります。何かが足りません、それをつくり ます、ということの繰り返しを言っていても前に進みません。何よりも大事なのは金・ 財源で、それはどうなるのか。例えばがんに対する医療費、ここには9.6%で2兆円云々 と記載されていますが、ではこれは高いのか安いのか、あるいはもっとふやすのか、何% ぐらいふやすのかというところを具体的にしていくことの方がもっと大事ではないのか なと思います。医療現場において大きな問題のとらえ方として、いろいろな問題は全部 ヒトが足りないことが原因となっています。だから十分説明ができない、説明する時間 がないのです。  ですからそのあたりを国民の前に提示し、最終的には国民の意見を集めて、そして閣 議決定をする。そういう手順を踏むとするならば、財務省が、あそこまでなっているか ら金を出さざるを得ないというようにここから持ち上げるというのがここの仕事ではな いのかなと思うのです。ですから、もう少しここを避けずに堂々と、一番大事なことだ から載せていったらどうかなと強く思います。   ○垣添会長 ありがとうございます。大体皆さんの意見から、私も感じるのですが、た たき台というのは、基本的にこういうふうによくやってきた、でもまだ足りない部分が ある、という基調です。しかもその中に、患者さんや家族の視点が必ずしも十分に盛ら れていないという御発言をいただきましたし、それから基本的な論点がそんなふうにな っている。だけど現実問題としてはがん難民とかたくさんの問題があって、そういうこ とを背景にしてこの法律までつくられてきたということが、少しこの記載では不十分な のではないかと思います。特に患者さんの視点を最初のところに入れるとか、そういっ た御指摘はできるだけ取り入れていきたいと思います。  それから、一番幹になる部分をきちんと議論して、特に数値目標をきちんと入れなが らそれをつくっていくという形で議論をこれから進めていきたいと思いますが、そろそ ろ具体的な中に入りたいと思いますが、海辺委員、何か。   ○海辺委員 資料3でちょっとだけ配られている世界保健機関ですとかイギリスの例、 アメリカの例というものがあって、イギリスの例とかアメリカの例などは、具体的に予 算のことなども全部書いてあります。これは大分昔に発表されていますから、厚生労働 省の中にはこういうのをきちんと日本語訳にしたものがあったりするのかなと思うので すが、委員もこういうのを見て、世界的にはがんの基本計画とはこういうものなのだと いう形で、世界のものと肩を並べるような基本計画であるべきだと思うので、そういう ところを視野に入れていただきたいと思います。   ○麦島委員 前回の協議会のときもお話しさせていただきましたが、国の宝である子供 は皆様方にとってみてはお孫さんに当たる年令ではないかと思いますが、私は「はじめ に」というところを見たときに、子供も国民のひとりであり、子供という観点が少し欠 けているのではないかなと思っています。特に小児では、死因の中で2番目に多いのが がんなのです。これに対して国民の皆さんは非常に関心度が高いと思いますので、ぜひ この辺のことも議論の中に入れていただきたいと思っています。患者数が少ないことも あっていつもマイナーなのですが、大事なことだと思いますので、ぜひその点について も御検討いただきたいと思っています。   ○垣添会長 わかりました。   ○埴岡委員 今、海辺さんがおっしゃいました情報提供なのですが、我々としては、世 界のがん対策がどうなっていて、どういう計画が成功しているのか、どういう理由でう まくいったりうまくいかなかったりするのか、そういうことから得られる教訓も多々あ ると思います。我々もそういうことをよく勉強した上でつくるというプロセスが必要で しょうから、できるだけそういう情報提供をしていただきたいと思います。  また先ほどの議論なのですが、全体の数値目標と、分野別の数値目標の関係をどうす るか、そこのつなぎのところについてはぜひ計画の幹をはっきりとさせておく必要があ るかなと思います。また、全体目標、分野別目標を策定する背景や根拠となるデータや エビデンスについては、今あるエビデンスやデータだけで目標設定すると誤りかねませ ん。前回申し上げましたが、主体別・分野別になったマトリックスとなった表で目標値 をつくって、目標が立てられるところ・立てられないところ、構造的指標として目標が 立てられるところ、プロセス指標として目標が立てられるところ、アウトカム指標とし て目標が立てられるところといった風に、少しずつその表を埋めながら前に進んでいく ことが必要かなと思います。  最後に、この協議会の位置づけがはっきりしないのですが、ぜひ幹の中に、この協議 会がこの計画の作成、あるいはワーキンググループの活動、あるいは基本計画の評価・ 進捗管理等に関して、継続的に責任を果たしていくという気概を示していただければと 思います。   ○垣添会長 最後の部分に関しては、私もその機能は必要だと思うのですが、これは一 応法律の上ではこの協議会の意見を厚生労働大臣に答申して、それに基づいて国の基本 計画がつくられるという整理になっていますから、私も継続したそういう作業は必要だ と思いますが、それが今後どうなるかということに関しては、少し検討させてください。   ○埴岡委員 この協議会の開催は2カ月で終わりになるのですか。   ○垣添会長 いや、この協議会の位置づけは、私の理解では法律の上ではそんなふうに 明記されていると思うのですが。   ○埴岡委員 2年の任期をいただいているのに、計画をつくるまでの意見を聴くだけと いうのであれば、それはいったいどういうことですか。   ○垣添会長 ですから、その後、いろいろな検討をしていくということに関して言えば、 当然そういう作業は必要だと思いますが、当面、この協議会に求められているのは、こ の2カ月のうちに一応基本計画をつくる参考になる意見を答申するということだと私は 思っています。   ○内田委員 今、いろいろな御意見が出てきていますが、そもそもがん対策基本法が成 立したというところには、これまでの我が国のがん対策、かなり成果をあげているとは 言いながらも、患者さんの立場からも医療提供者の立場からも、非常に問題が多くなっ てきている。それから、がん患者そのものもふえてきているという実態を反映してのこ とではないかと思います。  この協議会はいろいろなお立場の委員の先生方が出ていらっしゃって、そのそれぞれ のお立場から御意見を発表されますが、私は、先ほどの門田先生の御意見に強く賛同し ます。それは、対策を立てる上ではヒト・モノ・カネ、それから時間ですね。その中で 費用対効果を十分に検証した上で具体的な対策を立てていかなければ、効果は上がらな いと思います。その辺を踏まえて、それぞれの御立場の主張ももちろん重要ですが、総 括的な全体的な立場からの発言が必要になってくるのではないかと思っています。具体 的にはこれから踏み込んでいくということで。   ○垣添会長 ありがとうございました。   ○本田委員 二つ簡単に。協議会の位置づけについて、垣添会長のおっしゃったように、 法律的にはそのように書いてありますが、それ以外のことをしてはいけないとも書いて いないのと、あと、基本方針というのは少なくとも5年をめどに見直していくとなると、 見直すためにはその評価とか進捗状況、管理、そういうところをやっていかないと、次 の見直しにつなげられないわけですね。次の見直しに対しては、今のメンバーはいるか どうかわからないですが、協議会としてそういうことを積み重ねていくことが責務だと 思うのです。そういう意味では継続的に進捗状況などを報告を受けて、評価自体は、こ の協議会も評価手法を持つのか、もしくは評価委員会みたいなものをもって、さらにそ の報告を受けるのかはわからないですが、その辺を継続的にやっていくというのは、意 見を聞くと責務だと思うので。   ○垣添会長 私も必須だと思います。   ○本田委員 もう一つ、財源の問題について、私は目標の中に入れるべきだと思ってい て、門田委員も廣橋委員もおっしゃいましたが、この前の教育再生会議でも思い切った 提言を出すようですね。教育費がこれだけだ、国際的にみて低い、それに対してどうす べきかということをいろいろ書いてありますが、そういうものを何かしら政府に対して 突きつけるというか、こういうことをしなければいけないのだということを書くべきだ と思いました。   ○垣添会長 事務局、何か。   ○武田室長 先ほど、協議会の位置づけについてのことでございますが、会長がおっし ゃりたかったことの補足ということでつけ加えさせていただきたいと思います。協議会 については、前回の第1回目でも採択していただきました運営規程等においても、委員 会の設置などについては盛り込まれておる。今まで御議論いただいたワーキンググルー プの設置であるとかそういうことに当たるものだと思っています。また、専門委員の専 任に関してもそれに盛り込まれているということでございますので、今後、基本計画後、 2カ月で終わりというよりは、協議会の下に基づく委員会というところで必要に応じて、 先ほど会長代理からもお話がありました指標に関しての検討であるとか、その他もろも ろ、検討することに関しては、協議会に対する報告も含めてそれは引き続き行われるも のと理解しております。   ○垣添会長 ありがとうございました。  もしよろしければ、関原委員から冒頭御指摘のように、例えば3ページの「がんに関 する目標」という部分で、目標及びその達成時期の考え方で、4ページに幾つか項目が 挙がっている。これに例えばがんによる死亡者の減少というのは、あたりまえのことを あたりまえに述べているにすぎないと言われるのは全く御指摘のとおりで、このあたり の全体目標、個別目標に関して少し御議論いただいて、もし可能だったらここのあたり で数値を絞り込むことができるかどうか、そのあたりを御議論いただければと思います。 その後、きょうは第3の重点的に取り組むべき課題というあたりに進めれば大変ありが たいかなと思っておりますが、この目標のあたりに関してこれから御発言いただきたい と思います。   ○関原委員 私は先ほど申し上げましたが、がんの死亡率を考えたら25%は削減する、 こういう数字をはっきり入れたらいいと思っているのです。これはいつも垣添先生がお っしゃっているように、日本では年間がんで30何万人強は亡くなるのだけれども、半 分は難治がんで非常に難しい。残り半分のうちの半分はちゃんと検診を受けていれば死 なないで済んだということを、先生はいろいろなところでお話しになっているわけです。 この25%はまさにそういうことなのですね。そしてこれを25%とうたえば何をするか といえば、検診を大幅にアップする。そうすると、諸外国並みのターゲットとしては6 割ないし5割と。そこで、検診率5〜6割により25%削減のうちの15%は討ち取る。  そうすると残りは何かといえば、これは禁煙。がんの発症の3割はたばこだというの だったら、がんを減らすというのを国の目標にするならば、たばこの喫煙率を例えば10 年後に半分、5年以内にここまで、そういうふうにして次々と目標の数値が出てくるわ けですね。そうすると、今度はそのために何をやろうか。そういう意味で数値の25%と いうのは、20がいいのか25がいいのか、これは先生方の御意見もあるのですが、それ を入れないと次の計画に全然進まない。余り非現実的な数値ではだめだけれども、そこ は数値ははっきりやることが非常に大事ではないかなと。  2番目は、ここに「すべてのがんの苦痛の軽減」というのはこのとおりなのですが、 これも、数値なら1行で済むと思うのですが苦痛の軽減は違います。すべてのがんの患 者の苦痛の軽減というのは何なのかといえば、これは医療の全体のレベルをあげること しかないと思っているのです。そうすると一つは治療の面でおくれているのは化学治療。 化学治療は、検討会であったように、5年後に、あるいはお医者さんの数だから10年 後に何人にします、次は放射線の人はいつまでに何人にしますというふうにして、自動 的に目標は出てくると思います。それから、全体のレベルをあげるために研究をどうし ます、研修とか教育をどうやってということが出ますし、それから患者の苦痛という意 味で、患者に対する情報提供とか患者相談とかというのを含めたインフラ的なことも出 てくる。  患者の苦痛の軽減というところはここでよく議論をして、数値化できないのだけれど もその中身についてもうちょっと突っ込んで議論する必要がある。それに加えて「この 目標を達成するために必要な予算措置を講ずる」ということをここに1行。それは5000 億円がいいのか1兆か僕はわからないし、これは積み上げがなかなか難しいとしたら、 今の必要な措置を講ずるなり、あるいは現在、約500億使われているなら倍増するとか、 そういう予算のことをここに入れる。最後にこの全体を今度はフォローしてチェックし ていくための推進体制なりチェック体制を設ける。この四つを基本にして議論をして、 そこさえ固まれば次のステップへは進みやすいと思うのですが。   ○垣添会長 ありがとうございました。大変重要な御指摘だと思います。   ○仁昌寺委員 ただいまの関原委員の話を伺ってもっともだと思います。私どもは、が ん検診という地域保健事業に軸足を置きながら、検診の受診率向上ということを進めて まいりました。そういうことがここに掲げてありますがんによる死亡者の減少にもつな がりますし、がん患者の苦痛の軽減、そしてQOLの向上ということにつながってくる と確信してがん検診を進めておりますが、医療に恵まれない地域は日本全国あるわけで すが、自治体の責任においてこのがん検診は進められております。なかなかこれが向上 しないという問題はございますが、すぐには成果につながらない部分もあります。それ はなぜかと言いますと、住民教育に当たるところが多いわけでございますので、すぐに は受診率向上という成果が出にくい部分もありますが、地道にこういう住民教育をする。 そして自治体住民の健康と幸せを守るという意味で、全国の自治体の責任、そして使命 というものにおいての検診の位置づけ、こういうものをきちっと明確にしていくべきで はないかと思います。   ○垣添会長 ありがとうございます。まず、全体目標のがんによる死亡者の減少という ことに関して数値目標を掲げたいと私も思っているのですが、これに関して少し議論を。   ○廣橋会長代理 この問題について、国立がんセンターの専門家あるいは外部の方の意 見も聞いてまいったのですが、諸外国でのがん対策の数値目標も考え、しかもがん患者 さんの苦痛の軽減ということとセットでのがんの死亡の減少であるということで、その 目標を働き盛りの方のがん死亡を減らすということにすると、年齢調整の死亡率による がんの死亡率、75歳未満を10年間で20%減少する、というふうに掲げるのが一番現実 的ではないかと考えます。   ○垣添会長 20ですか。   ○廣橋会長代理 はい、20です。そして10年間という区切りを区切ってですね。今、 年齢調整の死亡率で見ますと、既に1年に1%ぐらいずつがんの死亡率は減り始めてい るのです。それで約10年で10%が減る。それに加えて検診、喫煙対策を中心とした予 防、そして医療の均てん化、その三つで10%を20%までするというのは、かなり高い 目標ですが十分チャレンジできる目標ではないかと考えるということでありました。   ○垣添会長 ありがとうございます。実現可能な目標ということでありますけれども、 ほかに御意見はありましょうか。   ○富樫委員 皆さん御存じでしょうけれども、アメリカではやはりたばこの禁煙をすご く促進して、肺がんとかはかなり減っていますね。そしてマンモグラフィももう70%以 上の受診率で、罹患者数はかなりふえていますが志望者数は本当に減っています。そし て、恥ずかしながらというか悲しいながら、日本の乳がん患者はしり上がりであがって いますし、死亡者もまだ1万人を超えています。その中にも、今お話があったのですが、 働き盛りというか、女性の場合は育児、仕事、一番中心になるべき年齢がすごく死亡が 多いわけです。それを見ると、私もきのう、事務局にいましていろいろな相談がきて、 現実、毎日泣いている患者さんがいっぱいいます。それが、先ほど門田先生がおっしゃ ったヒト・モノ・カネ・時間を使うことによって減っていくのであれば、私はぜひヒト・ モノ・カネ・時間をどんどん使っていただいて、悩んでいる、悲しんでいる患者さん、 家族が少なくなるように、そして先生たちが本当に質のいい医療を毎日していただける 状況にしていただきたいと、ぜひ願います。   ○垣添会長 ありがとうございます。   ○内田委員 前回の会議の最後にこの全体目標というのを私から申し上げましたが、こ れはすべての課題がここにつながっていく話で、今、廣橋委員から具体的な数値目標が 出ました。きょうは局長もちょうどいらっしゃっていますが、私は、特定検診保健指導 の担当もしていまして、あそこでは5年間で生活習慣病の有病者予備軍を25%減らすと いう具体的な目標を出しているのですが、実はがん対策の方でもっと積極的な数字を挙 げてもいいのではないかという気がしているのです。特定検診保健指導の25%というの はかなりまゆつばな感じを持っていますが、がん対策の方はもうちょっと高い目標を設 定して、そこの具体的なヒト・モノ・カネ・時間という話もありましたが、費用対効果 を考えますと、検診受診率とか禁煙対策をやるとかというのは非常に取り組みやすくて 具体的で、成果も出てきやすい目標ではないかと思いますので、そこの裏付けをした上 で、5年間で25%とは言いませんが、10年間で25%ぐらいという数字は挙げてもいい のではないかと思いますが。   ○垣添会長 今、20%という話と25%という話が挙がっておりますが、ほかにもう少し 御意見があれば。   ○埴岡委員 私もできるだけ高い目標を設定することに賛同いたします。例えば死亡率 の削減について25%とか20%の数字を掲げる。別の表現型をすれば、例えば年間10万 人の避けうる死を減らして救命するといった数字で言えたりするようになるはず。する と、三つの施策の柱があるとすれば、それぞれで例えば4万人、4万人、2万人ずつで 積み上げて目標を達成していくといった示し方ができないものでしょうか。その際、も ちろん検診も大きな柱になると思いますが、均てん化を含めた治療成績の向上も大きな 柱です。全体目標は、何本柱で合計幾らの救命をする。そして因数分解すると、それぞ れの柱で何人の救命を目標とすると。そして柱となる目標を実現するための個別の各施 策に関しては、きれいに費用対効果を分析できるかどうかわかりませんが、できるだけ 費用対効果によって大・中・小という形で評価づけて考えたりとか、あるいは、今これ は喫緊の課題なので盛り込むことが必須といった形で、構造的に計画をつくっていく。  一方で、心と痛みのケアについては、指標は非常につくりにくいと思いますが、およ そ同じような仕組みの評価表をつくっておいて、やはり効果が大・中・小ということで、 コンセンサスベースの評価からだんだん根拠がある評価にしていく。このようにして、 二つの全体目標である救命と心と痛みの解放と、それぞれの個別施策がつながっていく 形に……。   ○垣添会長 苦痛の軽減はこの後、議論したいと思いますから、前の死亡者の減少で、 埴岡委員御自身では、今の数値論という観点からするとどのように思われますか。   ○埴岡委員 死亡数削減20%とすべきか、25%とすべきか判断する材料を今持っていな いのですが、やはり高めの設定にチャレンジするということを明記した上で高めに設定 していただくのがいいかと思います。そして、富樫さんがおっしゃったたばこに関して は、私も非常に効果が大きいことだと思いますので、ぜひ入れていただければと思いま す。   ○廣橋会長代理 イギリスあるいはアメリカなどでも、10年間で約20%という程度の 数字になっております。それから、先ほど申し上げましたように死亡率が10%ぐらい減 ることが期待されるけれども、さらに10%その上に加えるにはかなり大変な取り組みが 必要だと思います。今までの5年生存率をどれだけ上げるという目標は、早期診断をす ることによってかなり実現できるという面がありますが、それに対してこの死亡率は、 人口動態調査によってきちんとした数値としてデータが毎年得られる、確実に目標が実 現したかどうかの評価ができるということで、これで20%を設定するというのは、それ 自体、今までよりも高いしっかりとした目標であると私は考えます。  あとは、20、25という数値については、さらに専門家の試算を経てこの会議の中で決 めればいいのではないかと思います。   ○垣添会長 今は年間32万人が亡くなっているというときに、仮に20%としたら約6 万人くらいが亡くならないで済むということは、数値目標としてそれを掲げると、国民 の目からみれば極めてわかりやすいということになりますから、ぜひともこれは掲げた いと思いますが、ほかにこの件に関して。   ○麦島委員 子供のことなのですが、成人に比べて小児のがんは非常に治癒率がよくて、 70%は治るという状況まできていますので、30%の患者さんをいかにして治癒に結びつ けるかという努力を我々はしているわけです。一番問題になるのは、実際に生存率ある いは罹患率を知ることが大切で、後でまた問題になるかもしれませんが、登録というこ とに関してきちっとしたデータがないということです。我々はぜひそのあたりを議論を していただきたいと思っております。   ○垣添会長 わかっております。がん登録に関しては、個別目標のところで議論したい と思います。   ○景浦委員 この項目については、最初、送っていただいたものには、死亡者数を減少 させるとなっていたと思うのです。本日の原稿によると年齢調整死亡率となっています が、先日、がんセンターの情報センターを開いてデータを確認をしたのですが、先ほど 廣橋委員が言われたように、全国では年齢調整死亡率は減少している。特に男性では増 加しているものはない。女性は乳房だけが増加している。ほかのものは横ばいないしは 減少しているというデータだったと思うのです。  そうなってきますと、今ふえている部分は、高齢者の人数がふえているためにそのよ うな状況になっている。その点をどのように反映するかということを先ほど廣橋委員も おっしゃったのだと思います。ですから、70歳以下の方たちのところに特に重点的に対 策をしていくことが必要ではないかというような御提言だったと思うのです。ですから、 ただ全体の死亡者数の指標として出すのか、年齢調整死亡率として出すのかは、かなり 大きな影響があるのではないかと思います。   ○垣添会長 御指摘のとおりだと思います。   ○廣橋会長代理 今の問題ですが、これから、団塊の世代の年令が上にあがっていって、 その中でのがんの死亡数はかなりの数になる。そのように人口の構成によってがんの死 亡数はかなり影響を受ける面がありますので、年齢で訂正した死亡率で評価をする。し かも、働き盛りの75歳以下を対象にして評価をするというのは、一番現実的な目標と 考えられます。   ○江口委員 死亡率低下に関して、確かに現時点でみると少し頭打ちになってきている ということですが、たばこ消費量などを考慮するとその減少は一時的なもので、また増 加に転じる可能性があります。やはり予防としての禁煙対策は充分に考えておかなけれ ばいけないのではないかと思います。   ○垣添会長 ありがとうございます。   ○埴岡委員 検診の話が多くなっているのですが、検診はもちろん重要だと思います。 ただ、がん対策基本法の第2条で基本理念として3項ある中の第2項に「がん患者がそ の居住する地域にかかわらず、等しく科学的知見に基づく適切ながんにかかわる医療を 受けることができるようにすること」とございます。ですので、その死亡者数25%減少 の中で、この均てん化の達成による部分から、どれぐらい救命および死亡者数減少が発 生するのか、ということも、ぜひ柱として立てていただきたいと思います。   ○垣添会長 全体目標の議論が終ったら、その下の個別目標について入っていきたいと 思いますので、そのあたりでまた御発言いただければと思います。   ○内田委員 この全体目標のところ、今、二つ挙げてあって、先ほど関原委員から予算 のお金の問題と評価の問題が挙がりましたが、もう一つ、私は、がんによる死亡者の減 少のところに検診が非常に重要にかかわっているという観点から申しますと、今の検診 体制が非常に問題があるということを感じていますので、がんを含めて予防保健制度と いうものを将来的にはつくっていった方がいいのではないかということを、もし検討い ただければと思います。   ○垣添会長 早期発見、個別目標の3番目のところでまた御発言いただけますでしょう か。  それでは、一応、がんによる死亡者の減少を具体的に数値目標を掲げるということは、 皆様方の意見の一致をみたと考えます。今のところ、20%あるいは25%という数値が挙 がっておりますが、これに関してもう少しデータを固めて次回あたりに提出させていた だきたいと思います。とにかく20ないし25%の数値目標ということで、それを掲げる に際して国内のエビデンスをなるべく集めるということと、海外はどのようにしている かというのは既に参考資料としてついておりますが、これをもう少し丁寧な形で次回、 提供できるようにしたいと思います。   ○廣橋会長代理 あと、75歳以下というのはよろしいですか。   ○垣添会長 75歳以下ね。  それから、2番目の「すべてのがん患者の苦痛の軽減」、少しぼやっとしたて表現であ りますが、これに関して御議論いただけますでしょうか。当然、下の方に江口委員の御 専門としておられる部分がかかわると思いますが。   ○江口委員 確かに非常に漠然としています。実際に目標値を立てるとすると非常に難 しいことになります。現実的に例えば全国で緩和ケアサービスをどのぐらいの人がどの 程度の内容のものを受けているかということについては、ホスピスなど一部を除いて調 査されていません。具体的な目標にかかわることとして、都道府県ごとに緩和ケアサー ビスの利用状況などを把握できるような仕組みをぜひつくっていただきたいと思います。  例えば都道府県ごとに地域がん登録で把握されるがん患者罹患数を分母として、例え ば地域の緩和ケアサービスを受けた人たちがどれくらいいるかということも、個別目標 の一つになりうると思います。  それから疼痛に関していえば、医療用麻薬の消費量は非常に客観的なメルクマールに なると思いますので、そういうものが欧米並みになるかどうかというところを一つの目 標にしたらどうかと思います。   ○垣添会長 それは、現実にはまだデータはないわけですね。   ○江口委員 都道府県ごとのデータとしては公表されていません。   ○垣添会長 それは、緩和医療学会などで調査するような御計画はおありですか。   ○江口委員 学会や班研究の調査に当たっては、例えば保健所の協力とか都道府県当該 部局の協力とかいろいろなことが必要になってきます。保健福祉関係の協力についても 盛り込んでいただくと、調査体制は整備されると考えています。   ○関原委員 そもそも「がん患者の苦痛軽減」という言葉を、事務局はどういう意味で 書かれたのですか。どういうことを言おうとされたのですか。   ○武田室長 基本的ものとしましては、一つの考え方として死亡の減少ということと、 それとまたちょっとディメンションの異なるものといたしまして苦痛の軽減。これは、 第1回の協議会で、一つの大きな幹ではないかという御発言が内田委員からあったと思 いますが、それを参考にさせていただきまして「死亡の減少及び」、たしか「苦しみの軽 減」という御発言だったのではないかと思いますが、そういうことで入れさせていただ いたところであります。   ○内田委員 このことに関しましては、個別目標の5番目からの五つがこの苦痛の軽減 ということにかかわってくるのではないかと思っています。その中で、緩和ケアに関す る目標とか在宅医療に関する目標とか、この辺は先ほど江口委員からも御発言がありま したが、ぜひ医師会としても協力をして一緒にこういう仕事がてきていけばと思ってい ます。   ○垣添会長 緩和医療学会あるいは医師会との協力で、国のサポートのもとにそういう 調査が進むというような、ワーキンググループということを申しましたが、それ以外に そういう調査活動などもこの協議会の活動の一環として必要になっていくのではないか と思います。   ○江口委員 緩和ケアの実施状況などの全国調査に当たっては、各地域ごとに個人情報 保護などの対応が異なり調査が難しくなっています。そういう意味で、緩和ケアの質や 実施状況を調べる追跡調査の仕組みを都道府県が責任を持って作り上げることを明記し ていただきたいと思います。   ○垣添会長 では、報告書の中にもきちんと明記するというふうにいたしたいと思いま す。   ○中川委員 がん患者の苦痛の軽減というのは、言いかえるとQOLの向上ということ になると思うのですね。がん患者さんの生活の質の向上。つまり、死亡数を減らすとい うのは、どちらかというと治る、治らないという議論。さらに治らない患者さん、ある いは場合によっては、早期の緩和ケアというのは治る患者さんにもそうなのですが、そ の患者さんの生活の質をどう維持するか。ですから、治すという視点と、治っても治ら なくてもその患者さんの生活がどれだけ豊になるか、この二つが入ってくること自体、 私は非常にいいのだと思うのです。  ただ2個目の方は、苦しみの軽減にしてもQOLの向上にしても、そこを数値化する ことは、実は私も緩和ケアに携わっておりますが、そのこと自体がまだ学問レベルなの です。つまりQOLの数値化という問題です。ガイドラインができ始めておりますが、 江口委員が言われたように,この問題はがん登録にからめて、日本はがん登録の後進国 です。ただ、逆にそれゆえに新しい試みが入っていける可能性があって、ぜひがん登録 の中に患者さんの苦痛の問題、あるいはQOLの問題を入れて、できれば数値化して、 そのことによってQOLの向上、あるいは苦しみの軽減ということを数値目標に掲げら れるようにぜひしていただきたいと思います。   ○三成委員 患者中心の医療であるべきというのは根本的なところですので、すべて問 題があればそこへ立ち戻ってものごとを考えていただきたいというのが基本かと思いま す。  あと、疼痛の問題ですが、今の緩和ケア、私も現在、疼痛がありまして、麻薬での抑 えをやっておるわけですが、地方に行きますと、麻薬の取り扱いが非常に面倒くさいと いうことで、地域でのそういう疼痛除去の治療を受けられないというのが現実なのです。 自分も使いたいのだけれど、研修していないのでそこはちょっとできないというドクタ ーもいらっしゃるわけです。準拠点病院あたりでも相当の数の患者さんがあって、本来 はホームドクターでやっていただかなければいけない患者さんが、ホームドクターが薬 剤の使用とか、その他、疼痛の除去に関しても非常に不安があるというか、はっきりわ かりませんが、面倒くさいというようなところから、拠点病院あるいは準拠点病院へわ ざわざ出てきて治療をしていただかないといけないという現実がございます。  そういうところも一つ、地域格差という点である程度都会と田舎との関係も、その辺 で考慮が必要かなという気もいたします。   ○垣添会長 ありがとうございます。この2番目の「すべてのがん患者の苦痛の軽減」 ということに関しては皆さんの意見は一致しますが、これを数値目標化するのはなかな か難しいのと、それからもう少しこれをバクっとしない表現にした方がいいという御意 見とか、いろいろいただきましたので、ここの部分の数値目標は掲げないで、具体的な 個別目標の方に入っていきたいと思います。   ○本田委員 「すべてのがん患者の苦痛の軽減」という中に入るのかもしれないのです が、この二つを並べて普通のがん患者たちが感じるということで、私は感じたのですが、 がん検診などで防げるがんを防ぐというのも重要だし、がんになった方、それで先ほど 中川委員がおっしゃったように、治らないような方のQOL、もしくはがん患者のQO Lという視点も大事なのだけれども、適切な、そもそもこの運動が始まった際に一番求 めたのは、適切な治療を受けたいという視点だったと思うのです。それは、先ほど関原 委員がおっしゃったような医療のレベルのアップという言葉が適切なのかどうかわから ないけれども、心はそういうことだったと思うのです。そういう中で、この個別のとこ ろに入っているような放射線療法、化学療法、ちゃんとしたものを提供するというのが どこに入っているのか。それそこが入っていないと、今苦しんで今困っている患者さん にとって、ああ、自分たちはもう見放されたのだ、と感じないような書き言葉にしてい ただきたいということを感じました。   ○垣添会長 2番目の「すべてのがん患者の苦痛の軽減」というのは、具体的には、先 ほども関原委員からも御発言いただきましたが、個別目標の4番目の放射線療法、化学 療法の推進及び医療従事者の育成、いつごろまでにどのくらいという御発言がありまし たが、今の本田委員の御発言もそこにつながると思いますが、個別目標の目標作成など と絡めてからに議論いただければと思いますが。   ○埴岡委員 「すべてのがん患者の苦痛の軽減」に関しては、今すぐに数値目標をつく るのは困難だとは思います。ただ、数値目標をつくっていくとか、何年ぐらいで数値目 標を設定していくとか、あるいは直接手法は困難でもまず間接手法からつくっていくと か、そういう方向観を計画の中に示していただければと提案します。  それから、先ほど申し述べたのですが、死亡者数減少に関しては10年間の目標とい うことになってしまうものですから、別途、計画の進捗評価の問題とも絡みますが、中 間目標というのを設定した方がいいという考えもあるでしょう。それも欠かせない議論 かと思います。   ○関原委員 繰り返しになりますが、僕は目標というのはなるべく具体的にした方がい いので、皆さんの意見は違っています。先ほど内田さんのおっしゃったように、苦痛の 軽減は個別目標の6番目以下なのだと考える人もあれば3番目以下の人もある。私は言 葉を聞くと、緩和医療、在宅治療というイメージになってしまうものだから、むしろ5 番目より上の方は全体目標の中に入ると思った。解り難いので全体目標と個別目標の関 係をもうちょっと明記した方がいいと思いますね。そうでなくてこれだけ書いてしまう と、結局、重点的に取り組む課題の1番が、専門医を育成することと全然結びつかない と思うので、もうちょっと全体目標の書き方は本当に工夫してもらわないと。   ○垣添会長 例えば、がんによる死亡者の減少のところに何%として、その中身として、 例えば放射線療法、化学療法の専門医をふやすとか、そういう具体的なことを書くべき であると。   ○関原委員 そうそう。こういうものはちゃんと関連づけて書いておかないと。全体目 標を2つこういうふうに打ち出すのであれば、最初の「はじめに」の中の「がん治療を めぐる現状」というところに書いておくべきです。この現状は、死亡者は非常に多いと いうことばかりなのですね。だから下げるのです、と。もう一つは、皆さんから出てい るように、いろいろやってきたけれども死亡なり罹患者は依然としてふえている。一方、 治療について患者からみていろいろなこういう問題もあるんです、ということをこの現 状にちゃんと書いておかないと。さもなければ基本計画で取るべき施策と結びつかない わけです。僕に書かせてもらったら書きますけど、そういうことだと思うのです。   ○垣添会長 ぜひ御提案していただければ、参考にさせていただきたいと思います。つ まり、私が申しましたように、これまでよくやってきた。そしてまだ足りない部分があ るという基調ですけれども、そうではないという御発言をたくさんいただきました。で すから、そういう立場で「はじめに」の部分から書いていかないといけないのではない かと。   ○関原委員 それと、「はじめに」から目標まで全部一貫してつながっていないとスーッ と読めないわけです。そういう意味でここのところは、特に個別目標と全体目標との関 連がもうちょっと結びつくような感じにならないとですね。   ○海辺委員 今までの御意見に全く同感なのですが、「すべてのがん患者の苦痛の軽減」 というのは本当にそうなのですが、だからこういうもの、こういうものと個別具体的な 話になっていくのですが、それでそういうのを出していかなければいけないということ で、私なども頭が足りない中から知恵を絞っていろいろ書いてみたり出してみたりとい うことを工夫しているのです。ただ、多くのがん患者さんと、ではこういう下書きがで きたけれどもどうだろうと見てもらったら、すごくよく書けてる、すごくよく頑張った ね。でも、私たちがん患者が求めているのは、最終的にはもちろん先端の医療であると か世界標準だとか言っているけれども、本当は最後は納得できることなんだと。  その納得できるということはどういうことかというと、今は機会が均等に与えられて いないのではないかとか、選択肢がある中で本当に自分たちが選びとった納得の選択が できる環境であるのか、そういう問題であるとなったときに、医師をみんな信頼して頼 っているのですが、お互い、医師と患者が信頼できる関係が築けない環境になりつつあ って、だから築ける環境が本当はほしいのだ。そのためにどうするかというと、診療報 酬の問題なのではないかとかそういうところに派生していくのですが。だから患者から の要望としては、機会が均等に与えられて納得できるということががんに関しては非常 に重要な要素だと思うので、苦痛の軽減につながる部分なのか、ちょっと違う毛色にな るのか、納得できるようにということに関して機会均等であるとか、そういう部分がも うちょっと見える形になるといいなと感じているのです。   ○垣添会長 ありがとうございます。それでは、個別目標の5生率は最初の全体目標に 直接関係する話ですが、がんの予防に関する目標と早期発見に関する目標、先ほどたば この話と検診の話が出ておりましたが、死亡者の減少と絡めてこのあたりで数値目標と かそれに関して御発言いただければと思います。   ○高嶋委員 私は乳がんにの診療にかかわる者としまして、乳がんは今、日本だけが死 亡率がふえておるので非常に責任を感じているわけですが、これは一番大きな問題は検 診の受診率が非常に低いことなのですね。乳がんに関して言いますと、マンモグラフィ で見つかるいわゆる非浸潤がんというがんにつきましては、100%救命可能なわけです。 ところが、検診の受診者が少なくとも50%以上でないと死亡率減少にはつながらないわ けです。残念ながら今、日本では12%程度といわれておりますが、実際にマンモグラフ ィでの検診を受けている方はもっと少ないと思います。  これを50%以上にするためには絶望的な数字になるわけなのですが、乳がんの死亡率 を減少させるためには、これが一番の問題だと思います。少なくとも50%までは何とか もっていかないとだめだと思います。   ○垣添会長 ありがとうございました。極めて重要な御発言だと思います。   ○廣橋会長代理 予防と検診のところですが、こういうものをきちんと数値目標を掲げ て具体的にやっていかないと、先ほどの死亡率の減少はきたせないと思うのです。予防 のところで、後ろの分野別施策のところとこの数値目標とつながってくると思うのです が、そこでの書き方、7ページの喫煙に関するがんの予防、早期発見の現状、この書き 方はかなり弱い。がんの原因についてはさまざまなものがある、喫煙はその一つである、 というだけではなくて、喫煙というのは多くのがんに関連した明確な要因であって、し かも、国レベルでそれに対する対策がとられて喫煙率を下げたところはがんの死亡率が 下がっているという、介入で成功した例まできちんとあるわけですから、ほかの要因と 比べてこれは特別に記載すべきだと思うのです。  そして、取り組むべき施策のところに、「枠組み条約で規定されている各種の方策(価 格、課税、受動喫煙防止、啓発普及、広告規制)などを適切に行っていく」。「適切に行 っていく」というのは本当に行うものなのかどうかわからないので、これも「強力に推 進する」ということだろうと思うし、これの具体的な数値を個別目標として掲げること がどうしても必要だと思うのです。  その後の方に検診のことが出ていますが、検診はやはり生活習慣病、糖尿病で保険者 に実施の主体がかわったことが大きいと思うのです。それで、がん検診だけが取り残さ れて地方自治体の財政の状態に任されている。そうではなくて、保険者にきちんとがん の検診を実施する義務があるというところまで踏み込まないと、大きな受診率の改善は きたせないのではないかと考えられます。   ○垣添会長 たばこに関して、具体的な数値目標みたいなものはありますか。   ○内田委員 今の廣橋委員の御発言に全く賛成でございまして、健康日本21の中では、 喫煙率の減少ということで具体的な数値目標を挙げることができませんでした。ぜひこ の会で具体的な数値目標を挙げて取り組む、ということをお決めいただければと一つ思 います。  2点目はがん検診に関してですが、これもやはり具体的な数値目標を挙げる必要があ ると思います。先ほど、死亡効果を上げるためには50%、70%というお話がありました が、私は、すべてのがんの検診に関して受診率は50%を目標にすべきではないか。それ を達成するためには、今のシステムでは絶対に無理でございます。受診率を上げると、 それだけ行政から出るカネがかかるということになりまして、受診率を2倍、3倍に上 げることは今のシステムでは現実的に不可能です。これを、先ほど申し上げたような予 防保健制度の検討であるとか、あるいは保険者の義務化をするとか、その辺の提言を具 体的に盛り込む必要があると思います。   ○垣添会長 がんで亡くなる人を減らす上で検診の重要性は皆さんよく承知しておられ ると思いますが、今の市町村にゆだねられた検診では、言葉として受診率を上げましょ う、あるいは精度を高めましょうということはいえますが、実質が伴わないということ で、それを協議会としてはこの答申の中に具体的な提言として盛り込むべきであるとい う御発言だと思います。   ○埴岡委員 今、目標について、全体目標から個別目標の話に入っているわけですね。 そこで、まず押さえるべきは、先ほど話題になったように、個別目標の積み上げとして 全体目標になるという根拠を押さえることだと思うのです。そうしますと我々は、10個 ぐらい挙がっている個別目標の位置づけというか想定効果がわからないのです。せめて 基礎資料として、がんの自然史として1次予防から検診、診断、治療、それから治癒、 転帰によっては再発を経て治癒あるいは再発を経て死亡、それが在宅で何人であるとい った全体のマップをつくっていただけるとありがたい。それに関して、どの部分の何万 人のどういう患者さんを対象にどの施策をしようとしているのか、その介入によって効 果が、例えばシナリオAとしてこれぐらい期待され、シナリオBとしてどれぐらい期待 されるといった風に考えられないでしょうか。そして、その積み上げが全体目標と合計 で一致をするという形になるはず。そういう意味で、そうしたマッピングの基礎になる ようながん自然史やがんの患者さんの進むコースなどによって分布がわかるといった基 礎資料を見ながら議論をできればと思います。   ○垣添会長 それができると非常にいいのですが、我々もそれがほしいとは思っている のですが……。   ○埴岡委員 先行研究などでざっくりとした数字のものはありますよね。   ○垣添会長 全体目標から個別の目標に入っていっていますので、逆の行き方も当然あ りますが、両方を関連づけながら少し議論してください。そして、必ずしもマッピング できちんといかないというところは御理解いただければと思いますが。  たばこに関して目標をきっちり書くべきである、検診に関しても目標数値、例えば受 診率を50%にすべきであるという議論が出ておりますが、これに関してもう少し。   ○江口委員 検診に関してなのですが、現行の検診の精度管理をきっちり実施すること が重要であることを書いていただきたいと思うのです。肺がん検診などでも、老健法か ら外れてから、検診の精度管理自体が都道府県によって十分ではないことが指摘されて います。受診率を上げることと同時に精度管理をきっちりしなければいけないというこ とは、強調すべきです。  それから、7ページの下から三つ目のパラグラフなどに、科学的根拠に基づくがん検 診の手法の評価ということが述べられています。最近、エビデンスを重視して検診の意 義の見直しが行われています。ただ日本では検診の方法論に関する研究体制が欧米に比 べて不十分であり、実際にエビデンスを求めようとして文献を見ると、ほとんどが欧米 から出てくる文献ばかりということが、がん種によってはあります。そういう意味でが ん検診の研究には、資金も人ももっと計画的につぎ込む必要があります。また、欧米の エビデンスだけで日本の検診を判断することも危険です。   ○関原委員 私は、最初に25%と言ったときに申し上げたとおり、検診とたばこをやら ない限りこれは絶対実現しないと。だから非常にシンプルで、垣添先生の4分の1理論 からいけばそれで半分は討ち取ります、と。たばこを半分にすればこうなる。これは国 の方針として今回、がん対策をやろうというのだから、絶対にそれは打ち出す。明日直 ちにやれということではなくて10年後にこうやる、ということは、この協議会として は絶対打ち出す。しかし最終的にはそれは大臣というか閣議でどういう決定をされるか は別として、少なくともここでは数値は絶対に入れなくてはいかんと思います。  それから検診の話は、僕は江口先生にやや反論するようですが、精度管理が大事なこ とはだれも否定しないのだけれども、精度管理が悪いから検診率が低いのではないと思 っているものですから、本当に検診がなぜ低いのかとういことをもうちょっと詰めて、 その具体的な対策をやらないとダメです。先生方に一生懸命、精度管理やっていかなけ ればいかんのはいうまでもないのですが。元々検診率が世界に比べて極端に低いが世界 に比べて精度管理は極端に低いというわけでもない訳ですから、精度管理と低検診率の 問題はちゃんと整理をして、具体的な計画を作るべきです。  そのためには、私は検診に一種のインセンティブみたいなことをもうちょっと入れる。 例えば検診を受けていれば生命保険料は安くなるとか。その実現のために生保業界と話 をするとか。また、検診を受けていればがんにかかったときに医療費が安くなるとか、 何かインセンティブというのはある程度与えて検診の動機付けをクリアにしないと、た だかけ声だけでは済まないから、インセンティブも含めて本当に検診率が低い理由は何 なのか、あるいは向上するのは何なのかということをやらないと、なかなか難しいなと 思います。   ○垣添会長 たばこの喫煙率をどのくらいに下げるかということで、健康日本21の数 値目標から外れてしまった。あのときは、厚生労働省としては目標数値はどのくらいに 挙げていたのでしたか。   ○武田室長 参考資料の5をごらんになっていただきたいと思います。そこで、これは 検診のところも含めてですが、裏の方にたばこの喫煙率に関して載っております。そし て4.5のところで「喫煙をやめたい人がやめる」ということにつきまして、それぞれ ベースライン値、中間実績値等についてまとめてあるというところでございます。   ○垣添会長 もっと一言で。   ○武田室長 これのみならず、たばこ4のところについて、十分な知識の普及とか未成 年者の喫煙をなくすとか、あとは4.3の公共場所の分煙の徹底、禁煙支援プログラム の普及、それぞれについてすべてこのような目標値、それから中間実績値等についてこ れでまとめ、今月の10日に厚生科学審議会の地域保健健康増進栄養部会においてこれ が認められ、最終的にこの中間評価実績値でまとめていただいております。   ○垣添会長 そうすると、喫煙率として約25%を目標とするということですか。   ○武田室長 目標値に関しては一番右側のところでございますので、喫煙が及ぼす健康 ……。   ○垣添会長 中間目標が25%。   ○武田室長 ここのところは、4.5に関しては「喫煙をやめたい人がやめる」という ことで、括弧に(1)と(2)がございますが、この中間実績値等というのは参考値の2となっ ておりまして、禁煙希望者の割合という形の数値でございます。参考値の1に関しては 喫煙率ということでございますので、禁煙希望者の割合が、男性においては中間実績値 等では24.6%、女性においては32.7%、そういうことでございます。   ○内田委員 希望する人をやめさせるということが目標値なのです。   ○垣添会長 この喫煙に関してがん対策推進協議会として目標値を掲げるべきであると いう御意見を多数いただいておりますが、この数値をどうするかというときに、このま までほかのプログラムで掲げられている数値と余りかけ離れるわけにはいかないと思い ますから、この推進協議会としては喫煙率をこのくらいということを打ち出すべきであ るという大勢だと思いますが、この数値に関して何か御発言はありましょうか。   ○中川委員 多分、男性が5割、女性が2割というのが今の喫煙率と理解しております が、それぞれ半減といっていいのではないでしょうか。ヨーロッパは今、それぐらいの 数字になってきていますので。   ○垣添会長 それは非常にわかりいい話ですよね。いかがでしょうか。   ○内田委員 全く賛成です。その数字でいいと思います。  それからもう一つ、具体的な取り組みとして受動喫煙を減らすというのが非常に重要 な目標になってくると思いますので、もっとエリア禁煙とか、例えば駅の周り100メー トルは禁煙地域にするとか、そういう取り組みをした方がいいのではないかと思います。   ○垣添会長 ありがとうございます。   ○海辺委員 全く賛成です。あと、私は意見交換会の委員として参加していて、前回の 最後の提言のときに、たばこに関するものはもっと突っ込んだ提言にしましょうという ことでかなり皆さんで話しまして、全会一致ぐらい、皆さん、賛成だ、賛成だとなりま したのに、結局このような感じで落ち着きました。今回は絶対そのようなことのないよ うにということを確認したいと思います。   ○垣添会長 わかりました。この協議会の意見は一致すると思いますので、きちんと、 例えば男性、女性いずれも現在の喫煙率の半減を目標とする、ということで掲げたいと 思います。  それでは、検診に関してはいかがでしょうか。   ○廣橋会長代理 喫煙率の半減のために具体的にどういうことをするかということを目 標に掲げるべきではないでしょうか。価格を値上げするとか、そういう方法がはっきり しないと、目標として半減を掲げても実現できないので、具体的にどうするかというこ とまで提言すべきではないのでしょうか。   ○垣添会長 なるほどね。最も効果的な方法は、多分たばこ1箱の値段を上げることだ と思いますが。これに関して、廣橋委員、具体的にどのくらい。   ○廣橋会長代理 値上げとエリア禁煙ですね。   ○垣添会長 そういう表現をする。たばこの値上げと、エリア禁煙というのは日本語で 言うとどう言えばいいですかね。   ○内田委員 禁煙条例の普及。   ○垣添会長 そこまで書き込みますか。   ○関原委員 個別対策などで今ここで議論をしていったら終らないと思うので、たばこ の話は喫煙率を半分にするという目標を掲げるのでたばこの議論は終わり、と。その具 体的なやり方を今度はアクションプログラムでどこかでやるといって次にいかないと、 もう時間が無くなります。僕が先ほど言った5時からエンドレスでやるというのならま たいいですけど。   ○垣添会長 今日、できれば目標のところだけをやっておきたいと思ったものですから。 検診に関してはいかがでしょう。50%という数値を挙げてよろしいかどうか。   ○景浦委員 市町村が検診を具体的に住民に実施しているのですが、それに関しては中 にも少し書いてございましたが、制度が変わったわけですね。国の補助事業であったも のが今は一般財源化してしまったということで、例えば検診の日数をふやしたいとか、 そういう機会をふやしたいという現場の声があったとしても、市町村の事務レベルでは 予算化するのになかなか理解を得にくい。以前は補助事業でちゃんと国がそういうこと は大事だといっていたのに一般財源化になってしまったということは、やや後退したの ではないかという受けとめ方をされてしまう。そういう事態が今、少しずつ進んでいる のではないかと考えられます。  また、市町村の合併等によって検診を実施する機会も少し減っている可能性もありま すので、この辺についてはぜひ国のテコ入れというのでしょうか、そういうことも考え ていただきたいし、もう1点、検診に関して、先ほど江口委員から精度管理のお話がご ざいました。私どもも都道府県の役割として、こういった市町村の検診を受託している 検診機関の精度管理をきちんとすることは都道府県の非常に重要な役割だと感じており ます。生活習慣病予防協議会を開催をし、検診実施機関に行って実地指導をしたり状況 をお聞きしたり、データを出してもらったり、できるだけのことはやっています。しか しこれに関しても、以前は補助事業だったのが今は一般財源化してしまったということ で、その活動も現在はちょっと後退している。  そういうことからいきましても、こういった点についての国のがんの対策に対する前 向きな姿勢をぜひ示していただくことによって、都道府県や市町村も行政ができる部分 をやりやすくなるのではないかと思っております。   ○垣添会長 検診の重要性はよくわかっておりますので、数値目標を入れるかどうかと いうことに関してはどうでしょうか。やはり入れないと、単に受診率を上げるというだ けではどうにもならないと思いますが。   ○内田委員 数値目標を挙げるだけでは、全く絵に描いたモチになると思いますね。検 診受診率を上げるのは制度改革が絶対に必要なのです。そこのところを盛り込まないと。   ○垣添会長 先ほど、予防保健制度ということを御提案になりましたが、今の現行のま まで単に数値目標を挙げるのでは全然事態は動かないということは、御指摘のとおりだ と思います。  では、先ほど来、目標値は50%という数値が挙がっておりまして、それを実現するた めにこれこれといった幾つかの手段が必要になってくると思いますが、その具体的な内 容に関しては、次回、少し議論することにして、目標を掲げる。そして、パーセンテー ジも50にしてよろしいですか。いろいろな制度改革を伴う話ですから、連動するので なかなか難しい話でありますが。   ○高嶋委員 いわゆる科学的根拠があるパーセントで、乳がんに関して言いますと50% 以上ということで、ほかのがんに関してはそういった根拠はありませんので、そのあた りは各専門のところで詰めていただいたらいいのではないでしょうか。   ○垣添会長 では、数値目標を掲げるということにしておいて、次回までに事務局で、 現在あるエビデンスから、どのくらいを掲げるのが妥当であるかというところをもう少 し御検討いただくことにいたしたいと思います。  それから、大変時間が迫ってまいりましたが、放射線療法と化学療法の推進、要する に人材育成の部分に関して御発言いただけますでしょうか。これを数値目標を掲げるか どうかということで。   ○海辺委員 人材目標とかそういうものの数値に関しては、御専門の学会の先生方がお 考えになるところを伺ってからと私は思うのですが、あと、5年生存率という考え方で いきますと、予防、検診、早期発見ということになると思うのですが、がんを得て治癒 が難しい患者からしますと、5年生存率の改善だけだと自分たちにとってどういういい ものがというか……。   ○垣添会長 それだけとは言っていませんから。その下に。   ○海辺委員 ですので、生存期間中央値を延ばすというような感覚ですとか、1年生存 率、2年生存率という考え方ですとか、ちょっと切り口を違えたものを取り込んだ考え 方をしていただけないかなというのが私の考えなのです。   ○垣添会長 ありがとうございました。   ○中川委員 放射線療法に関しての数値目標としては、まず今、おおよそ20万人が新 患できております。この数字はアメリカの3分の1程度。これを10年後に20万を倍増 の40万人というのが一つの数値の目標になるかと思います。  専門医の数をどうするかというのはなかなか難しいところがあって、アメリカと単純 に比較するわけにもいきませんし、ですからまず一つは患者数が倍増するというところ がポイント。もう一つは、放射線治療は、実は日本は品質管理の問題が非常にありまし て、ここに関して放射線の品質管理がきちんとなされること、これが、例えば8割の病 院で何らかの品質管理のプログラムがきちっと実行されている。この二つをお願いした いと思います。   ○垣添会長 放射線治療というのはチーム医療で、かつ品質管理は極めて重要な領域で あることは、皆さん、御承知のとおりだと思いますが。   ○埴岡委員 例えば抗がん剤に熟練したお医者さんのことを考えますと、例えば毎年 100人を学会が育成をして、それを300病院で取り合いをするということだと均てん化 は進まないと思います。数の育成と同時にブロック別の配分といった配備計画が必要で す。あるいはそもそもまず、そういった医師が何千人必要かといった算定が必要です。 そして現に現状でそうした治療を行っているその何千人に関して、どういった手順と方 法で質を上げていくかといった目標の立て方も大切でしょう。そうしたことも考えてい くということを入れていただければと思います。   ○垣添会長 要するに、現状で目標が立てにくいというところがあるわけですね。そし て、その立て方ね。   ○高嶋委員 8ページの下から第2パラグラフ、この書き方が私は非常に違和感があっ たのです。「現状は手術を担当する医師が」ということで「外来診療」というのが入って いますね。これはおかしいと思います。外科医が治癒を目的とする術前・術後化学療法 から、症状緩和と延命を目的とした進行再発がんの化学療法までを行っているのが問題 になっているのです。今、抗がん剤の専門医が非常に少ない中で、外科医が術前・術後 の化学療法に携わるというのは仕方がないことでありますし、乳がんの専門医、あるい は消化器外科の専門医でも、腫瘍内科医に匹敵するだけのその分野についての知識を持 っている人はたくさんいるわけです。全ての化学療法を腫瘍内科医が行うとすれば3000 人ぐらい必要ですが、それは不可能な話ですから、そのつなぎとして外科医であっても 対応できるわけですから、そういったところの理解をしていただいて、外科医は手術だ けというふうに書くと非常に誤解とか反発を招きかねないという気がします。   ○垣添会長 そうですね。現状から少し遊離した表現であると私も思います。ちょっと 修文したいと思っておりますが。  そろそろ時間が迫ってきましたが、緩和ケアとか在宅医療のところが全然議論できて いませんが、一番最後のがん登録の部分に関して、最後に少し議論いただきたいと思い ます。   ○中川委員 がん登録は本当にがん対策の基本で、必要なことは異論がないところだと 思うのですが、私は個人的に講演会などで一般の方に、がん登録に賛成かどうか、それ から、特に日本の場合は約3分の1がまだ告知されておりませんので、未告知患者さん の登録に関してどう思われるか、この2点だけアンケートをいたしました。そうします と、がん登録に賛成は87%でした。ところが、未登録患者さんの、例えば私のおじいさ んはがんと言われていませんけれども登録していいですか、そういうことですが、これ に対しては45%の賛成。つまり半分になってしまうのです。この未告知の患者さんに対 してどうするか、これが賛成が半分以下というのは、かなりまだがん登録のシステムが コンセンサスを得ていないと思っています。  これが個人情報保護法から外れるというガイドラインがあるのは承知しておりますが、 その数字を見る限り、ガイドラインだけで済むのかなと思っておりまして、個人的には 法制化をどうするかという議論を目標の中で掲げていただく。あるいは、このコンセン サスが得られるようにするということでもいいのですが、今のままでは法制化の議論を 視野に入れる必要があるのではないかと思っております。   ○埴岡委員 がん登録に関しては、地域がん登録については、登録される率や追跡率に 関する目標などだけでは絵に描いたモチになりますので、法制化のことを検討していた だきたいと思います。既に研究班で法案もできていますので、それもぜひ参考資料とし て出していただければと思います。   ○本田委員 私も、ここに関しては、いきなり「つくる」というふうには書きづらいの かもしれませんが、法制化の検討の議論をただちに始める、みたいなそういう目標を設 定したらいいのかなと思います。   ○垣添会長 今の個人情報保護法とか、あるいは一般の国民、あるいは患者さんや家族 の受けとめ方との間のギャップをどう埋めるかというときに、法律に基づいてがん登録 を進めるということがないと、我が国でも正確な実態、あるいは将来施策がどうしても できないということからのさまざまな御発言かと思いますが、それはそのような形で最 終報告の中に必ず取り入れるようにしたいと思います。  大変申しわけありませんが、そろそろ予定の時間になってしまいましたが……。   ○武田室長 会長、よろしいでしょうか。今、いろいろと目標値等ということでお話が ございましたが、先ほどいろいろ各委員から、こういうものについてまとめた資料を次 回提出というお話もございましたので、そういうものとあわせまして、そもそも指標も 含めて数値として設定が現時点で可能なものであるのかどうなのか、今後、検討が必要 なものなのかどうかということ、それから、そういう目標値を設定することによる財源 措置等の可能性などの動きにつきまして、そこら辺も含めた形で会長と御相談させてい ただきながら次回までに整理させていただくということでよろしいでしょうか。   ○垣添会長 きょう幾つか数値目標が挙がりましたし、挙げる必要はあるけれども挙げ られなかった話もありますので、この部分も整理して次回の議論の場に提出させていた だきたいと思います。  それから、きょう予定しておりました、それに基づいて重点的に取り組むべき課題に 入りたかったのでありますが、その部分は全然踏み込めませんでした。議論の中ではた ばこの話とか検診の話とかありましたが、次回は数値目標の部分から入って、さらに重 点的に取り組むべき課題のところに入っていきたいと思っています。   ○海辺委員 内容の濃いものですから、時間が足りないというのは最初に出たとおり、 絶対足りないし、連休明けにもう一回次がある予定だと伺っていますが、その後のこと をふやすかふやさないかとかはどういうことに落ち着いたのでしょうか。   ○垣添会長 私の考えでは、再度事務局に依頼して、夜の時間帯も含めた日程調整を緊 急にやっていただこうと思います。そして、可能な限りこの回数をふやす努力をしたい と思います。これで議論が尽くせるとは毛頭思っておりませんし、まだまだこれは時間 をかければ幾らでも委員から話の出てくる部分ですから、会議の回数をふやす努力は最 大限いたします。   ○廣橋会長代理 この資料をめくっていて気がついたのですが、21ページに、がん対策 基本計画の見直しという項目がありまして、「国立がんセンターが平成22年4月に独法 化することが決定されていることから、それに伴って必要に応じて基本計画の見直しを 行うこととする」と書いてあります。これは今回議論されていないから次回に積み残す ということなら、そのときにまた議論すればいいのですが、国立がんセンターのあり方 の議論とここの基本計画の立て方の問題と、ちょっと順番が逆ではないかと思います。  つまり、がん対策の基本計画がきちんとあって、それにふさわしい役割を国立がんセ ンターが、そして独法化されてもどのようになっていくかということであるはずだと思 うのですが、逆にそれに基づいて計画の方を変えるということが記載されています。今 回ここは議論しなかったので、次へということであるかもしれませんが、大変驚いたこ とが書いてあったので指摘しました。   ○垣添会長 前回、第1回の議論で、たしか本田委員から国立がんセンターのあり方と いう御発言がありましたから、きょう、国立病院課長に御出席いただきましたので、一 言御発言いただけますでしょうか。   ○関山課長 資料の4をごらんになっていただければと思います。今現在、国立がんセ ンターについては、経緯、がん対策基本法における国立がんセンターの位置づけという のは御案内のとおりでございますので、裏をごらんになっていただければと思います。  国立がんセンターを含むナショナルセンターは6センターございますが、これについ ては、平成22年4月に非公務員型独立行政法人化されることが決定されております。 それに向けまして、1から5の主立った柱を基本的な役割と考えているわけであります。 この基本的な役割を念頭に置きながら、今現在、平成22年4月の独法化に向けてナシ ョナルセンターのあり方の検討を行っているということでございます。  また、先ほど廣橋委員から御発言がございましたように、この基本計画でございます が、こういったナショナルセンターは、今、独法化後のあり方は確定していないわけで ありまして、独立行政法人化になった暁にその姿が確定してまいりますので、それに合 わせて基本計画の見直しが可能というようなことでこの一文が入れられているのではな いかと考えています。  以上でございます。   ○垣添会長 よろしいですか。   ○廣橋会長代理 国立がんセンターのあり方、機能については今、御説明いただいたよ うに、これから議論をして独法のあり方を検討していく。しかしその中で、その機能の 中に、あるいはミッションの中に既にがん対策基本計画で国が果たすべき役割に関して、 国立がんセンターはそれを積極的に自分たちの役割と考えて果たしていく、そういうふ うに考えておるところです。そうなるのであるならば、基本計画が大きく見直される必 要があるとは考えられないと思うのですが、そういうものなのでしょうか。独法化の場 合でも、このがん対策基本計画で書かれるような役割を担うに足りるだけの財政的ある いは制度的な必要な担保がされて、積極的に役割が果たせるようなことになることを強 く期待しておるわけですが、ここで見直しがかかるということでどういうことをおっし ゃっているのかよくわからないのですが。   ○垣添会長 国立がんセンターが独法化しても、国のがん対策基本計画を進めていく上 で現場の中枢機関として役割の重要性は変わらないと私は理解しておりますが。   ○本田委員 そもそもこの資料4を出してくださいといったのは、たしか私ではなかっ たかと思っているのですが、私は、国立がんセンターのミッションは一体どうなのかを 国民にわかるようにしてほしい。それには、今、独法化の議論の中でそのミッションを 決めているのかどうか、その現状を教えてほしい。そして、国民の不満のことをちょっ と申し上げたと思うのです。それに対してミッションがこの1、2、3、4、5と明確 にこれから打ち出すのであれば、まさに基本法の方向と似通っているというか、同じな わけですね。そうすると、これを明確に打ち出して、それをどのように社会にわかるよ うにしてくれるのかということ自身は、ここではなくてそちらの独法化の議論でされる のかと思うのですが、これは中身が一緒だったら見直す必要もないだろうし、そちらの 独法化の議論がこういうものではない方向にいくのであれば、それに対して基本計画は 必要があれば見直さなければいけないこともあるのかもしれないし、そこはこのミッシ ョンを固めていただかないと何ともわからないという感じはするのですが。   ○垣添会長 何かありますか、いいですか。では、一応議論はこれで終ります。   ○埴岡委員 きょうの2時間の会議を通してかなりいろいろな御意見が出ましたが、 幹・枝・葉っぱでいうと幹の議論とか幹と枝のあり方も含めて議論が出たと思います。 ですから、たたき台のマイナーチェンジを超えているのではないかなと感じます。そう いう意味で、遠回りをするようですが、もう一度委員全員から骨組みのあり方から意見 を出していただいて、その後、今回の短期日程の後半で、集中して議論をやるというプ ロセスにしたらいかがかというのが私の提案です。  委員の私も不勉強で申しわけなかったのですが、こういうプロセスで進むということ を十分に了解していなかったものですから、十分責任を果たせているのか不安であると いうこともございます。提案としては、例えば5月1日までに皆さんから包括的な意見、 個別的な意見も含めて出していただいて、5月7日にそれを持ち寄って、もう一度、幹・ 枝・葉っぱの議論をつくって、それから後半、集中審議で完成させていくというのはい かがでしょうか。   ○垣添会長 5月の第1週に第3回が予定されていると聞きますが、それ以前に、もう 一度日程調整の緊急調査をさせていただきます。それで、可能な限り回数をふやす努力 はいたします。  それから、一応第3回は予定されていますが、それに向って、きょう既に例えば基調 の「はじめに」の部分に関しても随分いろいろな貴重な重要な御指摘もいただいていま すので、そういった意見も含めて幹・枝・葉の基本的な骨格がきちっとわかるような形 でそれぞれ委員の皆さんが考えておられる意見をできれば文章で事務局に、きょうは17 日だから……。   ○武田室長 済みません、連休が入ってその次の会議ということでスケジュールを考え ますと、今週中にいただかないと、なかなかそこら辺のとりまとめというのが。   ○垣添会長 来週月曜日までですね。   ○埴岡委員 日程やプロセスの詳細については我々は知らされていなかったので、資料 作成にはある程度の時間が必要です。今まで2回を既にやって、2週間ぐらい費やして いるわけですが、我々としても2週間ぐらいいただいて意見を集約する必要があります。 都合はわかるのですが、都合だけで本当に進めていいのかというものもありますので、 一度は皆さん、できるだけ意見を出し尽くしたという形とかプロセスが必要ではないか と思います。資料提出をしていいとか、資料請求をしていいということも承知していな かった方も悪いのですが、そういう意味で意見を出し尽くしていない感覚が残るのはよ くないのではないかということです。連休がありますが、間の5月1日、2日は平日が ありますので、そこで提出できればと思います。   ○垣添会長 きょうが17日で、確かに事務局のいろいろな都合もあるでしょうから、 例えば来週の水曜日、25日くらいというのはどうですか。   ○武田室長 最終的な全体のスケジュールが非常にタイトになっているもとというのが、 これも何度も申し上げておりますように、県に対して国の基本計画を示さないとその県 での計画が実際にできない、そういうところから非常にタイトスケジュールになってお るということでございます。それで、事務局側の都合と申しますか、そういう意味合い で早め早めとなってしまうのは非常に申しわけないのですが、そういうところでありま す。そういうことで、できるだけ最終的に基本計画を決めることを前提に置いた場合、 早めにそこら辺の御意見もいただくことがあって。   ○垣添会長 そのデッドラインはいつになっているのですか。   ○武田室長 今週ないしは来週初め等、ぎりぎりのところとしてはそのようなあたりか なと考えております。   ○垣添会長 では、中をとって来週火曜日。   ○埴岡委員 次回の会議までには資料を提出させていただければと思います。   ○垣添会長 でも、そうすると次回の会議には反映されませんからね。   ○事務局 済みません、事務局から発言、恐縮でございます。今、室長から申し上げた とおりなのですが、会長、それから委員の先生方と相談して資料提出の期限を別途決め させていただきたいと思います。そういうことではいかがでございましょうか。   ○垣添会長 決められない? 例えば来週の月曜日とか火曜日とか。要するに限られた 時間の中で議論が不十分であるという感じを委員の皆さんがお持ちなわけで、ですから この会合自体も夜開くとかそういうことも含めて。   ○関原委員 この際、この日というのを早めに決めてしまって、集まれる人が集まると いうことで決めてしまった方がいいですよ。   ○垣添会長 それは日程調整はさせていただきます。   ○関原委員 それを早くして。   ○垣添会長 それで、少しでも回数をふやす努力はしますけれども。   ○関原委員 紙に書いて何とかというのはものすごく時間がかかって、それをまた事務 局でああでもないこうでもないというのは、僕は非常にタイムコンシューミングだと思 うから、とにかく先に議論を論点整理メモの形でバーッとまとめるようにしないと、こ ういうのはまとまらないのではないかなと思いますけどね。それと今日の議論も、これ は途中までですから、このペーパーの残りの部分をまたこの次の会合で議論するわけで すね。するとまたそもそも論に戻るというのは、列車が二つとか三つ走っているような 感じになってしまうものだから、そういう意味で議論をどこかで時間をまとめて作って バーッとしてしまってやらないと進まない。5月の連休の間でもいいからすぐにでもし てしまって。   ○武田室長 日程調整に関しましては、別途、早急にさせていただきます。  それから、資料につきましては、確かにすべてに関して全部その日までにみんなカチ ッとまとめてくださいということは、タイトスケジュールということがありますので、 主な全体に対する意見、構成とかを含めてですが、それについては23日までにいただ きまして、そこでもう終わりという形ではなくて、追加で個別案件について別途いただ こうかと思いますが、そういう形でいかがでしょうか。   ○垣添会長 わかりました。日程調整を至急やる。それから、主に幹あるいは枝の部分 と考えられる意見に関して、4月23日までに事務局あてに文書でいただくということ にさせていただきます。そして、次回は議論の積み残しの部分、特に重点的に推進すべ きことに集中しながら議論を進めさせていただきたいと思います。  ありがとうございました。                                     −了−