07/03/20 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会平成19年3月20日議事録 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会議事録 【日 時】 平成19年3月20日(火) 9:55〜11:55 【場 所】 航空会館 801会議室  【出席委員】(五十音順)      石田委員、井部委員、北田委員、佐藤委員、棚元委員、長尾委員、      堀江委員、米谷委員、山内委員、山川委員、山添委員、吉池委員 【事務局】藤崎食品安全部長、松田基準審査課長、加藤補佐、内山専門官 【議 題】  (1)ネオテームの添加物指定の可否について  (2)次亜塩素酸水の成分規格改正の可否について  (3)ブチルアルデヒドの添加物指定の可否について  報告事項  (1)マーケットバスケット方式による食品添加物摂取量調査の結果について  (2)食品安全委員会への意見聴取及び食品健康影響評価の結果について ○事務局 それでは、定刻よりも若干早いですが、委員の先生方おそろいになりましたの で、ただいまから薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会を開催させていただき ます。 本日は御多忙のところ、御参集いただき、誠にありがとうございます。 それでは、開会に先立ちまして、藤崎食品安全部長からごあいさつ申し上げます。 ○藤崎食品安全部長 おはようございます。食品安全部長の藤崎でございます。薬事・食 品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会の開催に当たり、一言ごあいさつを申し上げます。 まず、初めに、先生方には平素より食品衛生行政に大変な御尽力をいただいております ことを厚く御礼を申し上げます。特に食品添加物につきましては、国民の皆さんの関心が 大変高い分野でありまして、本当にその分野での御協力につきまして、私ども心より感謝 を申し上げる次第でございます。 さて、初めに御報告でございますけれども、去る1月24日に薬事・食品衛生審議会総会 が開催されました。そこで審議会委員の改選等がございましたけれども、また後ほど事務 局から御紹介させていただきますが、今回の改選によりまして、新たに4名の先生方が本 部会委員として就任をされたということでございます。また、長尾委員には引き続き部会 長をお務めいただくことになりましたので、今後ともよろしくお願い申し上げます。委員 の皆様方におかれましても、今後とも御協力のほどよろしくお願い申し上げる次第でござ います。 本日の審議でございますけれども、3つの議題でございます。ネオテームの食品添加物 としての新規指定の可否、次亜塩素酸水の成分規格改正の可否、ブチルアルデヒドの添加 物の新規指定の可否と3つございます。食品安全委員会による食品健康影響評価の評価結 果を踏まえて御審議いただくというものでございます。委員の先生方におかれましては、 是非とも忌憚のない御意見をいただきたいというふうに思っております。 以上、簡単ではございますが、開会に当たってのごあいさつとさせていただきます。大 変恐縮でございますが、私、所用がございまして、ここで失礼申し上げますけれども、是 非よろしくお願い申し上げます。 ○事務局 ありがとうございました。それでは、藤崎部長は所用のためここで中座をさせ ていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 本日は井出委員より御欠席と連絡を事前に受けております。現在、添加物部会の委員13 名中、本日12名の委員の先生方に御出席をいただいておりますので、本日の部会が成立い たしますことをまず御報告申し上げます。 先ほどの部長あいさつにもございましたが、4名の委員が新たに就任をされております ので、部会の開催に当たりまして、御紹介をさせていただきます。 東京都健康安全研究センターの井部委員でございます。 ○井部委員 井部でございます。よろしくお願いいたします。 ○事務局 よろしくお願いいたします。続きまして、畿央大学健康科学部教授の北田委員 でございます。 ○北田委員 北田でございます。よろしくお願いいたします。 ○事務局 続いて、日本生活協同組合連合会組織推進本部本部長の山内委員でございます。 ○山内委員 山内でございます。よろしくお願いいたします。 ○事務局 もうお一方、井出委員につきましては、冒頭申し上げましたが、本日御欠席と いうことで連絡をいただいております。 それでは、座長を長尾部会長にお願いしたいと思います。どうぞ、よろしくお願いしま す。 ○長尾部会長 それでは、配布資料の確認を事務局よりお願いいたします。 ○事務局 本日配布させていただきました資料について御確認をお願いいたします。まず、 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会と書かれました議事次第、めくっていた だいて、委員名簿と資料一覧となっております。 続いて、資料1−1が、ネオテームの食品添加物としての指定の可否についての審問書 です 資料1−2が、ネオテームの食品添加物の指定に関する部会報告書(案)でございます。 15ページに資料1−3としまして、ネオテームの食品健康影響評価、食品安全委員会か らの評価書が資料として付けさせていただいています。 続いて、ページで59ページです。資料1−4、ネオテームの安全性と規格に関して。 61ページ、資料1−5、ネオテームの提出依頼補足資料、申請者からの回答となってい ます。 資料2。別刷りになりますが、資料2−1と右肩に書かれていますが、次亜塩素酸水の 成分規格改正の可否についての諮問書でございます。 3ページが資料2−2、次亜塩素酸水の成分規格改正に関する部会報告書(案)。 同じ資料の冊子の中の15ページが資料2−3となっています。次亜塩素酸水に関する食 品健康影響評価の結果の通知、評価書となっています。 先生方のみお配りをしております別刷りで2−4、2−5というのが続いてあります。 次亜塩素酸水の申請資料の概要をお配りしています。微酸性の方が2−4、弱酸性が2− 5となっています。 続いて、資料3−1でございますが、ブチルアルデヒドの食品添加物としての指定の可 否について、諮問書になっています。 3ページ目、資料3−2、ブチルアルデヒドの指定に関する部会報告書(案)でござい ます。 13ページまで飛んでいただきます。ブタナールとなっていますけれども、諮問の時点で は名称がブタナールとなっていましたので、食品安全委員会からの評価書(案)、まだ案 の段階ですけれども、3−3で付けさせていただいております。 審議いただく議題に関する資料は以上でございますが、資料1、報告資料2、それから 座席表というふうになっていると思います。 報告資料1は、平成17年度マーケットバスケット様式による食品添加物の摂取量調査の 結果についての報告資料です。続いて、横長になっていますが、A4でとじてあります。 報告資料2は食品安全委員会への意見聴取及び食品健康影響評価結果についての資料に なります。配布資料は以上でございます。不足がありましたら、おっしゃっていただけれ ばと思います。 ○長尾部会長 皆さん、資料はそろっていますでしょうか。よろしければ、審議に入りた いと思います。 それでは、最初に議題1のネオテームの新規指定の可否について審議を行いたいと思い ます。事務局より資料の説明をお願いいたします。 ○事務局 それでは、資料1−1の4ページをお開きください。 ネオテームの添加物としての指定の可否につきましては、前回12月8日に開催されまし た添加物部会で一度御審議をいただいております。その際には安全性、食品安全委員会か らの評価書についてと、それから有効性その他について御説明をして、具体的な審議を一 度行っておるところでございます。 その中で、御指摘を何点かいただきましたので、それについて今回御審議をいただくも のということになっております。前回の部会についての特に検討として重要な項目として はフェニルアラニン化合物の表示についての検討を行いましたので、この点については前 回部会の報告ということでさせていただきます。 資料の11ページをお開きください。ネオテームにつきましては、フェニルアラニン化合 物であるということで、アスパルテーム同様の甘味料でありますアルパルテームについて、 指定の際にフェニルケトン尿症患者に対する注意喚起としてアスパルテームはフェニルア ラニン化合物であることの表示を義務づけてきたところでございました。したがって、ネ オテームにつきましてもアスパルテームと類似の化合物であることから、同様の表示の必 要性について部会で御検討いただきました。 その中で、8番のところの7行目になりますけれども、11ページの8番の7行目ですが、 ネオテームがすべてL−フェニルアラニンに変換されると想定した場合、ネオテームから のL−フェニルアラニンの摂取量を推定いたしましたところ、フェニルケトン尿症の摂取 目安量の0.7 %以下という試算が出ております。それから、表示が義務づけられていない アメリカの摂取量の推定とほぼ同程度であったということ。それからヒトでの体内動態に ついて、ネオテームの大部分は主代謝物でありますNC-00751として排泄されるというこ と、それからネオテームの安定性に関しては分解物として得るフェニルアラニンが検出は されるものの、主要分解物は今申し上げましたNC-00751ということですので、すべてL −フェニルアラニンに変換されるという可能性は非常に小さいとされています。 以上の点から御検討いただいた結果、ネオテームについてはL−フェニルアラニンに関 する注意喚起を行う必要はないという御意見をいただいたところでございます。 前回の部会で御指摘をいただいた点につきましては大きく2つに分けることができます。 1つはネオテームの安定性、特に高温時または食品中の安定性について検討を行うこと。 もう一つは規格についての検討を行うことということで、他の光学異性体やメタノールや IRの結晶多形という宿題をいただいたところです。それにつきまして、本日配布しまし た資料59ページをお願いいたします。 資料59ページから65ページにわたって、安定性それから規格についてのまとめをさせ ていただきました。 1番ですけれども、ネオテームの安定性については原体の場合は長期間保存試験で安定 であることが確認されていますが、食品中についてはpHと温度の影響を受けやすいとい うデータが報告されています。炭酸飲料中での安定性につきましては8週間後の残存量が 初期量の72%。甘味については22週間維持できたとしています。それから、20℃8週間 保存時の分解物についてはここに書かれているNC−00751、NC−00764 、NC−00777、 NC−00779という報告があります。 紅茶飲料中での安定性につきましては、8週間後の残存量が初期量の77%、甘味につい ては25週間維持できたとしています。チューインガム中の安定性については26週間後の 残存量が初期量の43%、甘味については26週間維持できたとしています。高温保存時の 安定性についてはpH7のデータですが、ネオテームの半減期が25℃で約2週間。40℃で 約3日。80℃で約4時間とされています。詳しくは61ページ以降にまとめさせていただい ています。 続いて規格について3点検討いたしました。光学異性体については62ページにそれぞれ 光学異性体の存在することが示されています。ネオテームの合成については中性・室温と いう温和な条件で行われるということで、光学異性体の混入する可能性は低いと考えてい ます。また、既に規定案の中に入っています比旋光度の規格によって担保されるというふ うに考えています。 メタノールにつきましては、ネオテームの分解によって主分解物であるNC−00751 、 メタノールが生成する可能性はありますけれども、既にNC−00751 については規格1.5 %以下という案を示しているところでございます。米国における試算では果汁飲料のメタ ノールよりも非常に少量であったというデータもあって、3番ですけれども、実測値、ネ オテーム中のメタノールの実測データがありますけれども、これは資料の64ページに一覧 で表がありますけれども、ほぼ検出限界以下であったということが報告されています。 また、59ページに戻っていただきますが、JECFA、FCCでメタノールの項目が設 定されていないというふうにまとめています。 IRの結晶多形につきましては、ネオテームはアスパルテーム、それから3.3-ジメチル ブチルアルデヒドを原料に室温で合成され、水分量が安定をしている。それからIRスペ クトルが非常に再現よく取られているという報告があります。アスパルテームはIRスペ クトルの異なる二種類の結晶系の存在が知られていますが、ネオテームは同様の結晶多形 は確認されていないという報告があります。 以上のことから、3点の規格については現在出されている規格案で担保できるというこ とで、規格についての設定はしないということで意見を出させていただいております。 安定性につきましては、部会報告書の方への記載も行いましたので、資料5ページまで 戻っていただきたいと思います。5ページの安定性のところで、単体の長期保存試験のデ ータを追加いたしました。めくっていただいて、6ページから7ページにわたり、先ほど 簡単に御紹介しましたが、高温保存時のデータ、炭酸飲料中のデータ、紅茶飲料中のデー タ、チューインガムの安定性についてのデータをまとめさせていただいて、部会報告書に は追記をさせていただきました。 以上、前回、部会で御指摘をいただきました訂正について、それから規格についての検 討結果を御紹介いたしました。 以上でございます。 ○長尾部会長 それでは、このネオテームのただいまの御説明に御意見等ありますでしょ うか。 ○米谷委員 ちょっとよろしいでしょうか。コメントだけ。 ○長尾部会長 はい。 ○米谷委員 前回、意見を提出させていただいたので、コメントだけ。ネオテームに関し ましては、アスパルテームの現在の規格と比較して3つの項目、光学異性体とメタノール とIR結晶多形について文書で指摘させていただきました。下から行きますと、IRの結 晶多形ですけれども、アスパルテームですと、現在、国内に出回っているアスパルテーム のIRを測りますと結晶多形があるということで、2種類ございます。今回、第8版でア スパルテームの規IRは波数にされた、それとも参照スペクトルを導入されましたか。多 分、それができなかったというようなことがあったのかと思いますけれど。 それは後でお調べいただければわかることなんですが。それで、ネオテームの場合は現 在のところ多分1社の製品ですので、結晶多形の話はもちろん化学的にいろいろ作れば複 数の結晶多形ができますけれども、製品としては1つなので、今回スペクトルがついてき ているんですけれども、このIRスペクトルで結構ですということ。それからもう一つ、 光学異性体につきましては、アスパルテームでは、何版から入ったのか私は忘れたんです けれども、少なくとも第7版のときには当然ながら光学異性体が入っておりました。医薬 品添加物の方でも私は委員をしていまして、そのときに医薬品添加物の方ではアスパルテ ームの規格として光学異性体を採用しなかったんですね。そこで、食品添加物の方のもの も次回には省かれた方がいいんじゃないかと思っておりまして、協会の方などにもお話し まして、国際的にはどうなっているんだと聞きしました。JECFAの方でアスパルテー ムの光学異性体がどうなっているかということですね。たしか、そのときのお話ではJE CFAの規格は日本から出したので、日本の規格を先に変えてしまうのは道義上問題があ るので、JECFAを変えてから日本の方を変えるということでしたけれども、今回、第 8版でアルパルテームの規格を変えられたときにJECFAの方に話が行っているのか行 ってないのか、それも確認させていただければと思いました。 あと、メタノ―ルにつきましては、実測値もこうですし、それほどないだろうというよ うなことは前から予測しておりましたけれども、今回出していただきました資料1ー4で もそのようになっています。それはこれで結構だと思います。 ちょっとコメントだけですが。 ○長尾部会長 成分規格の方、今回、改正がないということで、皆さんにお配りはしてい ないんですよね。 ○事務局 成分規格が抜けていまして済みません。本来は入っているべきだったんですけ れども。今日、配った資料の中に成分規格がありません。申し訳ないです。 ○長尾部会長 この前と立体構造が違っていると、右側が正しいということですよね。 ○事務局 構造式は同じなんですけれども、角度の違うものに変えさせていただいたとい うことで、構造式については、その3ページ目で御確認いただけると思うんですが。○佐 藤委員 名称を変更したので、それについて説明をした方がいいかなと。 ○佐藤委員 前回、こちらの添加物部会でネオテームの化学名が非常にわかりにくいとい うことで、アミノ酸の慣用名を使った命名法の方がよろしいという話だったと思います。 そこで、食品添加物の化学名につきましては、IUPACの命名法で全部名前をつけてい るのですが、IUPACの中でもアミノ酸の慣用名を使った化学名というのがあります。 そちらを用いて名称を変更した方が皆さんにわかりやすいだろうということで、今までの 3-S-3,3- ジメチルブチルアミノという長い名前を変更しまして、メチルN-(3,3-ジメ チルブチル)-L-α-アスパルチルL-フェニルアラニエートという名称に今度変更をいた しました。それに伴いまして、ペプチドを左側N末に、右にC末の配置で、できるだけペ プチド結合とアルファ炭素からなる主鎖を水平軸に沿ってジグザグに描いて、アミノ酸残 基の側鎖を外側に向かって描くという方向で書き直し、右側のような構造に変更いたしま した。説明の中で構造式の方の説明がなかったので、どこで話をしたらいいかなというこ とで、ちょっと遅れましたけれども、一応そういう変更になっておりまして、実際の立体 配置とかそういったものは変わっておりませんので、よろしくお願いします。 ○事務局 申し訳ありませんでした。構造式と名称について変更させていただいています ので、また成分規格案についてはその点の変更がまた書かれているんですけれども、本日 配布をしておりませんので、また後日、委員の先生方に送らせていただいて、御確認をい ただくということでお願いしたいと思います。 ○長尾部会長 ほかには御意見はありませんでしょうか。 ○山内委員 初めて委員になりました山内でございます。私は、消費者の立場から委員に なりました。見当違いのことを言いましたら御指摘をいただければと思います。 この安定性のところで、今日の資料6ページから7ページに赤字で追加されているんで すけれども、時間が経つとかなり甘みが下がるというようなデータが出ておりますけれど も、例えばコーラのようなものですとか、紅茶などは最近ペットボトルで販売しておりま して、通常1年間ぐらいの賞味期限があると思いますが、そうなりますと、26週、半年超 えてくると甘みのところが不足するというような表現だとかもございますけれども、こん な状態がわかっていつつ、この甘味料としてOKを出すことはいかがでしょうか。1年間 甘味が保証されないことがわかっているところでよろしいんでしょうか。 ○事務局 事務局である程度お調べしておりますので、御報告をいたしますと、審議会資 料の方では世界19か国以上ということで書かせていただいていますが、申請者の方に確認 を取ったところでは現時点では29か国程度で既にネオテームが使用されているというふ うに聞いております。 実際の使用状況なんでございますが、多くは飲料に対して甘味料として使われていまし て、炭酸飲料、清涼飲料、発酵乳、乳飲料、チューインガム、それからお菓子ですね。こ ういったところに使われています。甘味料の併用の情報としては、砂糖、ぶどう糖のほか にアセスルファムカリウムなどの他の甘味料と一緒に使われている。スクラロースなども そうですけれども、と併用されているという報告がございます。 また、賞味期限でございますけれども、諸外国の賞味期限を調査した範囲では炭酸飲料 については6か月から9か月、清涼飲料についても同様に6か月から9か月といった国が 多かったようでございます。 ○山内委員 ということで、甘みの問題はないのではないかというふうに判断されるとい うことなんですか。 ○事務局 はい。申請者の方から、分解するということと、甘みが落ちるということにつ いて質問をしましたところ、分解は確かに条件においてはするんですけれども、甘味度の 低下というところでは4ページに甘味度のグラフがあるんですけれども、ネオテームの濃 度が例えば20〜10に半減をしたとしたところで、そのグラフで判別すると、甘味の低下と いうのは半分になるわけではないということで、20%ぐらいの低下になるということが言 われています。それから海外での使用実態は先ほど申しましたように、他の糖類や他の甘 味料との併用をしているというのも状況としてはあるようです。 ○長尾部会長 すると、結局、そこのところ、余り加えてもある濃度以上になると、甘み の増加は感じなくなって、それである程度分解しても変わらない量になりますね。そうい う量を結局使う、実際には食品中に使うことになるけれども、その量も、フェニルアラニ ンとかメタノールとかいろいろな問題からいっても、その量を見越した使用量で十分安全 性は確保できると、そういうふうに考えるんでしょうか。 ○事務局 今、安定性の問題として、甘味が落ちて果たして使う意味があるかというのが 山内委員からの御質問かと思っておりますが、安全性についてのご質問ということになり ますと、少しご質問の趣旨について詳しくお願いします。 ○長尾部会長 先ほどの説明のように、量を非常に増やせば、甘みはそんなに増えないで、 こういうカーブになるので、それで分解しても比較的甘みは変化しない。そういう濃度が あると思われますよね。実際に、使うときというのは、そういう量を使うようになるんだ ろうと思うので、すべてがそれで計算されているかどうかということなんですよ。 ○山添委員 いいですか。6ページの3のところに、3)で炭酸飲料中の安定性というと ころにネオテーム17ppm と入っていますよね。1行目。 ○長尾部会長 はい。 ○山添委員 3)の炭酸飲料の安定性と甘味の経時変化。 ○長尾部会長 はい。 ○山添委員 それを4ページの図で見ると、17というところをみると、それほど過量でも ない、実際には。ですよね。炭酸飲料なので、ちょっと酸性側に傾いているので、分解は それほどしない条件下になります。 ○長尾部会長 ですね。もっと高温の場合でも、17ppm とか20ppm ぐらいで使うんでしょ うかね。 ○吉池委員 私も山内委員と同じような立場での質問をさせていただきます。4ページの 甘味度のグラフにおけるネオテーム濃度で、仮に17からスタートして賞味期限ぐらいの間 に半減するとした場合に、このグラフだけ見ると、甘味度はパーセントとしてはかなり大 きく変化すると思われます。甘さは残るんが、飲んだ時期によって味が違うのではないか という素朴な疑問を持ったときに、それに対してはどういう説明になるんですか。 ○事務局 恐らくその食品個別に、甘さなり、風味なりということを加味してデータを取 り、賞味期限というものを事業者の方は設定していくというふうに考えますので、そうい った意味では総合的な判断というのは出てくるかと思います。また、安定性についての情 報を今回追加させていただいたんですけれども、やはりネオテームにとって非常に安定性 のよい条件というのは低温域ではあるというような情報も一部入手をしておりますので、 また安定性につきましてはデータを整理をさせていただいて検討をお願いしたいというふ うにはちょっと思っております。 ○長尾部会長 ちょっと付け加えますが、私の懸念は、ここでは17ppm の結果が出ていま すけれども、それでは保存期間中に味が変わってしまうので、実際に使うときにはもっと たくさん使う、これは甘すぎて飲めないのか、その辺はわからないんですが、たくさん使 うと変化がしなくなる。時間を置いても余り甘さの変化を感じなくなる。そういう量で使 うようになるのかどうか。そのときにはいろんな仮定で計算しているものはどうなってく るかという問題なんです。 ○松田基準審査課長 実際の商品はどのぐらいなのかわからないんですけれども、例えば アメリカでは使用基準はないんですが、チェコですとかポーランド辺りは使用基準があり まして、それを見ると、例えば清涼飲料水は15ppm が上限なんですね。だから、先ほど試 験で17ppmとありますけれども、多分、そこら辺が普通商品にしても上限ではないかなと いうふうな気がします。あと、ほかの国を見ても20とかという国もありますし、あとはC ODEXの基準も実はぴったり合うのはありませんけれども、33ppmとかの基準がありま すので、多分、使われる量というのは多くてもそのぐらいだと思います。 ○事務局 各国の使用基準の設定については今、課長からお話があったとおりで、チェコ、 ポーランド、スロバキア、ブルガリア、インドネシアで使用基準が設定されており、米国、 オーストラリア、その他の多くの国では設定がされていないという状況です。 ○長尾部会長 それでは、この使用基準に関しては事務局ではどういうふうにお考えなん でしょう。使用基準を設定しない方針でいくのか。 ○事務局 今現在お配りしている報告書の案では使用基準を設定しないというふうには提 案をさせていただいておりますけれども、その使用基準の必要性については本部会で御検 討いただいて御意見をいただければと思っております。 ○長尾部会長 では、この点に関して御意見をお願いいたします。 ○井部委員 ほかのことでよろしいですか。今更という質問になるかもしれませんが、初 めてなものですから。今説明があったように使って甘いのはわかりました。それから分解 することもあります。甘さが保たれて、分解物に安全性もあります。ところで、これを使 うメリットというのは、ほかにも代用するものがいっぱいあるのに、なぜこれを使わなけ ればいけないかというメリットがどこにあるのでしょうか。どこにも書かれていないので すが。申請の意味です。他の甘味料でも良いのではないかと思うわけです。今、許可され ているものでも。なぜ、このネオテームをでなければいけないかというところがちょっと わからないのです。 ○事務局 一応申請者の方にその辺を確認を取りましたところ、ネオテームについては甘 みの質といったものが非常に砂糖に似ているという意見が寄せられています。実際、外国 では砂糖やぶとう糖、液糖などの2割ぐらい、2割〜3割ぐらいをネオテームで置き換え ることで、ダイエット効果というのでしょうか、カロリーを控えるということで、しかも 味が変わらないというようなことで支持をされているんだというふうには聞いております。 それから、甘みの持続性というものが、それは報告書にも書かれているんですけれども、 長く持続をするという特徴があるということ、それからフレーバーの増強作用というのが 報告されているということ。それから苦みのマスキングといった、これら4点ぐらいにつ いてはネオテームの特徴であるというふうに行ってきております。部会報告書の方には余 りこの点の記載がございませんが、以上、申請者の回答がこの4点でございます。 ○井部委員 はい。わかりました。 ○棚元委員 また安定性に戻るんですが、通常の状態でのアスパルテームとの安定性の比 較というのが出ていますね。今回、その過酷条件でのところでアスパルテームとの比較は 出ていません。現在使われているアスパルテームの通常の状態を見ますと、ネオテームの 方が安定のような気がするんですが、今回の追加された資料において、この辺の比較デー タはいただいてないでしょうか。 ○事務局 部会報告書の安定性のところ、5ページから6ページにかけては一部ネオテー ムとアスパルテームの比較をしておりまして、ここで書かれている結果としてはネオテー ムの方が安定性についてはまさっているというデータが出されています。一方、ネオテー ムとアスパルテームそれぞれの、その溶液中での変化というのは、ネオテームもアスパル テームも両方ともpHと、それから温度によって随分と安定性には差があるということで、 事務局としては大きな差はないのではないかというふうには考えております。 もし、必要であるということでありましたら、そのアスパルテームとの安定性の比較デ ータをもう少し探して御報告するということで対応したいと思います。 あと、使用基準の必要性についてはいかがでしょうか。 ○長尾部会長 使用基準の必要性ですね。実際に使用される方が、使用するメリットとし て今まで1年有効期限があるものが、このネオテームを入れたためにその期間が短くなる ことが実際に、メリットがあるのかどうか。それから、先ほど私が言ったように、使用基 準がないので、それを増やすことによって、そういうことが実際に成り立つのかどうか。 最初のうち甘すぎてそんなことは成り立たないということなのか。実際の問題がよくわか らないので、使用基準をつくる必要があるのかどうかというのがちょっとぴんとこないん ですが。ほかの先生方はいかがでしょうか。山内先生、いかがですか。あった方がいいか。 なくても、それは生産者に任せればいいでしょうか。 ○山内委員 ある程度分かっていること、半減することがわかっている場合に使うような 対象品についてはどうしたらいいか、何らかの注意喚起をするといったことも含めて基準 はできるものですか。自信がありませんが。 ○長尾部会長 少なくとも最高の濃度、マキシマムの使用濃度みたいなのを設定する必要 があるかどうかではないかと思うんですけれどね、基準をつくるとしたら。御意見をおっ しゃってください。 ○山添委員 多分、高い濃度を使用した場合に、甘みが強すぎて実際は使えなくて、恐ら くある至適な濃度の領域があって、それぞれの食品について、恐らくほかの甘味料と合わ せて使われているわけですよね。そうすると、安定性の問題ではなくて、実際は味覚と、 それから甘みが十分維持されているかということで決まってくる問題ですね。そうすると、 このネオテームの単剤、1つのものだけで甘みが決まることなのか、あるいは組み合わせ の状態において結果的には十分な甘みがある、甘みがないというようなことが起きてくる わけで、これを1つを例えば甘みが減るからといって決めても実際は使用の実態に合わな い機能性がありますね。そこがひとつ難しいかなと思います。 ○棚元委員 今、先生がおっしゃられた通りだと思うんです。1つはやはり使用基準のあ る国は限られているというお話だったですね。大半は使用基準がない状態で使われている。 その辺の実態をもうちょっと調べられて、どういうものと併用して使われているかとか、 その濃度がどうであるか、その辺りをちょっと調べられるのも1つの手かなという気がし ますね。 ○長尾部会長 ほかにはいかがでしょうか。なるべく御意見をいっていただいた方が。 それでは、今、御提案がありましたいろいろな条件を調べていただいて、その段階で、 多分、どういう性質のものかをはっきりしていただければそれでいいのかもしれませんし、 そういうことでどうでしょう。事務局は。 ○松田基準審査課長 今までのお話ですと、諸外国の使用基準の状況、使用実態等を踏ま えて、使用基準が必要かどうかを改めて検討してほしいというのが1点。あともう一つが 安定性については、今回いろいろ出していただきましたけれども、まず、もう少し基本に 立ち返って、例えば類似のアスパルテームとの比較、また、温度とpHとの関係のプロフ ァイルとか、それらをもう少し、ただある食品に使ったらこうだったこうだったばかりな ものですから、今の先生方のお話をお聞きしていると、もうちょっと基本的なところを整 理する必要があるような気もします。企業に当たりまして、少し整理させたいと思います。 それで、もう少しきちんとしたものを次回には御提示できればと思いますので、そんなと ころでよろしゅうございますでしょうか。 ○長尾部会長 では、ネオテームに関しては再度審議するということで、次にそれでは移 らせていただきます。次は次亜塩素酸水の成分規格の改正についてです。事務局から御説 明をお願いします。 ○事務局 それでは、資料2−1と書かれた資料をごらんいただければと思います。 次 亜塩素酸水の成分規格の改正の可否についてという諮問書が1ページ目にございます。 3ページ。資料の2−2でございますが、今回、次亜塩素酸水の成分規格改正に関する部 会報告書(案)ということで2−2をまとめさせていただいております。 「経緯」でございますが、次亜塩素酸水は殺菌料の1つで、既に指定されている添加物 でございます。これは塩酸または食塩水を電解することにより得られる次亜塩素酸水を主 成分とする水溶液で、我が国では既に平成14年6月に食品添加物として指定をしておりま す。次亜塩素酸水は最終食品の完成前に除去しなければならないといった使用基準が現行 定められており、その他、次亜塩素酸水2種について成分規格が定められております。 現在、この2種の次亜塩素酸水があるわけですが、今回、新たに2つの成分規格の改正 案が提出されましたので、部会において検討をいただくものです。 2番でございますけれども、「現行の成分規格(概要)」をお示ししています。現在の 定義でございますが、強酸性次亜塩素酸水と微酸性次亜塩素酸水、この2つが指定されて います。それぞれ定義が決まっておりまして、強酸性の次亜塩素酸水は「0.2 %以下の塩 化ナトリウム水溶液を有隔膜電解槽で電解をして、陽極側から得られた水溶液をいう」と いうふうに定義されています。微酸性の次亜塩素酸水については「2〜6%の塩酸を無隔 膜電解槽で電解をして、得られる水溶液をいう」というふうに定義されております。 含量については強酸性の次亜塩素酸水が有効塩素20〜60mg/kg を含む。微酸性次亜塩素 酸水は有効塩素10〜30mg/kg を含むとされています。 3番ですけれども、成分規格改正案の概要をお示ししています。今回、検討をお願いす るのは2つの成分規格改正案で、まず1つ目が微酸性次亜塩素酸水でございます。名称は 同じなんですけれど濃度が違うというものです。これは3%以下の塩酸と5%以下の塩化 ナトリウムを含む水溶液を無隔膜電解槽で電解して得られる水溶液ということで、有効塩 素濃度は50〜80mg/kg 、pHは5〜6.5 ということです。 もう一つの申請ですが、弱酸性次亜塩素酸水。これは0.2 %以下の塩化ナトリウム水溶 液を有隔膜電解槽で電解をしたものということで、それから「または」と付くんですけれ ども、上記の陽極から得られる水溶液に陰極から得られる水溶液を加えたものをいうとさ れています。有効塩素濃度は10〜60mg/kg 、pHは2.7 〜5.0 ということで申請がありま した。 現行の次亜塩素酸水と今回提案のありました次亜塩素酸水の有効塩素濃度とpHの関係 を図でお示ししているのが12ページになるんですけれども、12ページの参考、新たに使 用を認めようとする次亜塩素酸水の範囲ということで、図をお示ししていますけれども、 白抜きで書かれている左側の強酸性というのが現在認められている1つの次亜塩素酸水。 右下の白い四角の微酸性と書かれているところも現在認められて指定されている次亜塩素 酸水の範囲です。 今回申請がありましたのはこの真ん中のところの弱酸性というものと、グラフでは網か けしてしまっているんですけれども、微酸性の上の方のものは申請されている案は50〜80 の間です。今回、30〜80までを網かけをしていますけれども、50〜80が申請されたもので す。この差については後ほど事務局案を御説明するときに、理由についての御説明をいた したいと思います。 続いて、この成分規格改正案についての安全性についての検討でございますが、21ペー ジを見てください。資料21ページの6番、食品処理時の食品への塩素の残留等ということ で、食品安全委員会の食品健康影響評価の評価書の中での御報告になりますが、塩素の残 留ということで微酸性の次亜塩素酸水をホウレン草に使用したところ、有効塩素は検出さ れなかったということで、食品処理時の食品への残留についての試験結果が書かれていま す。 (2)番、ちょうど21ページの真ん中辺ですけれども、「トリハロメタンの生成」につ いても同様に検討して、図のような方法の試験を実施しています。結果としては、次のペ ージになりますけれども、22ページの4行目になります。その結果、微酸性次亜塩素酸水 で処理をした食品中のトリハロメタン量は水道水の約4分の1程度であったと。したがっ て、食品中へのトリハロメタン残存量は低いと考えられるとされています。 2)番ですけれども、今度は弱酸性の方のデータですけれども、同様の結果が得られて おりますので、説明については省略をさせていただきます。 22ページの(3)番、下の方ですが、「ラジカルの生成」についての食品安全委員会で の検討の結果は23ページの上の方に書かれています。両方の弱酸性、微酸性、両方ともで すけれども、ラジカルの発生量については少ないと考えられるという結論になっています。 7番の「安全性」についてでございますが、微酸性の次亜塩素酸水の安全性に関する部 分が7の(1)にまとめられています。急性毒性試験、遺伝毒性試験、細胞毒性試験、刺 激性及び感作性、それからその他としまして強酸性と微酸性の次亜塩素酸水についての毒 性試験の結果が報告されておりまして、特段の問題がないというふうにされています。 また、24ページの6行目、「また、」以下ですが、次亜塩素酸水ナトリウムを用いまし た腫瘍の発現率を見た試験においては、腫瘍の発現率の増加について、対照群と比べて有 意差はないというふうになっています。 (2)の弱酸性のデータですけれども、これについては申請者は、弱酸性の次亜塩素酸 水の主要な化学種は食品添加物として使用されている強酸性次亜塩素酸水、次亜塩素酸ナ トリウム、高度サラシ粉等に含まれているものとほぼ同じであり、使用後の残留性もない ことから安全性に問題はないという回答をしています。 「その他」でございますけれども、平成14年に次亜塩素酸水を添加物として指定をした 以降、次亜塩素酸水の安全性に関しての問題となるような知見は得られていないとまとめ ています。 参考としまして、平成14年当時の次亜塩素酸水の新規指定時における審議結果が記載さ れておりますけれども、これによると強酸性及び微酸性電解水はともに主要成分が次亜塩 素酸水であることから、既に食品添加物として指定されている次亜塩素酸水ナトリウムと 塩基部分のみが異なるものに相当するということで、結論としては最終食品の完成前に除 去するという使用基準を設定することで体内には摂取されることはないと考えられるので、 上記の理由からADIを評価する必要はないと、当時の判断をまとめています。 安全性に関しての食品安全委員会の評価結果が8番に示されておりますが、食品健康影 響評価を求められた2種類の次亜塩素酸水については、使用後、最終食品の完成前に除去 される場合、安全性に懸念がないという食品安全委員会の検討結果でございます。 また、4ページに戻っていただきます。4番、「有効性」についてでございます。「微 酸性次亜塩素酸水」についてまず有効性についての御説明をいたします。有効塩素濃度が 50mg/kg 以上ということで有効性のデータを取り、有芽胞菌についても効果があったとい うふうに申請者はデータを報告しています。各種の微生物についての殺菌効果ということ で、(1)に大腸菌ほかの菌に対してpH5.2 で有効塩素濃度が57mg/kg の微酸性次亜塩素酸 水でデータを取り、接触3分後にほとんど死滅ということでデータが報告されていまして、 5ページには一覧表、菌ごとの効果の一覧表が出されています。 6ページになりますけれども、食品に対しての殺菌効果ということで、カットレタス等 を使ったデータが微酸性の次亜塩素酸水のデータとして示されて表にそのデータが出てい ます。このときの有効塩素濃度は70mg/kg と79mg/kg でございます。食品中での安定性に ついてのデータですけれども、pH6.5 と有効塩素濃度70.2mg/kg でホウレン草を使った 試験で10分間浸漬をしていますが、有効塩素は検出されていません。クロロホルムの生成 についても一番最後の行ですけれども、低い値を示しているということで、データは7ペ ージの上の表にまとめています。 食品中の栄養成分に及ぼす影響ということで、7ページ目に書いてあります。2つの影 響を出していますが、成人に与える影響はなかったというふうに結論づけています。 続いて、8ページですけれども、弱酸性次亜塩素酸水、もう一方の方の有効性について のデータです。微生物に対する殺菌効果ということでpH3、有効塩素濃度30mg/kg でも って緑膿菌ほかの菌に対しての効果を見ておりますけれども、使用後30秒で陰性になって いるということです。 「食品に対する殺菌効果」ということで、(2)番でまとめています。キャベツほかの食品 に対してpH3〜5、有効塩素20mg/kg で30秒間洗浄したというデータが示されていて、 90〜99%の殺菌効果があったとしています。 食品中での安定性ですけれども、(2)番に示されております。強酸性のデータもここ で紹介されていますけれども、有効塩素濃度の27〜28mg/kg 、pH2.5 〜2.6 の場合の データで、食品中に残留した残留塩素濃度を測定したところ、検出限界以下であったとし ています。 「食品中の栄養成分に及ぼす影響」ということで、これも強酸性のものと弱酸性のもの とのデータを紹介していますが、結果についてはpHが低ければ滲出液の量は増加すると いうことで、つまりpHの低い処理液で長時間処理するということは滲出液が多くなり、 品質の劣化につながるとしています。弱酸性液では滲出量も抑えることができるというこ とで書かれています。 以上が、次亜塩素酸水、今回提出をされました成分規格改正案についての安全性と有効 性についての説明でございます。成分規格の改正案につきましては、10ページ目をごらん いただきたいと思います。 既に指定をしている次亜塩素酸水が2種類あるということと、それから今回2つの新た な成分規格改正案が提出されたことを受けまして、事務局の方で定義と、それから含量、 その他の成分規格についてまとめて提案をさせていただきたいと思っております。 まず、強酸性、それから弱酸性、微酸性ということで名称としては3種類の定義を設定 いたしました。強酸性については変化はございません。弱酸性については適切な濃度の塩 化ナトリウム水溶液ということで、濃度を具体的には示さずに、実際の濃度については通 知等で示したいというふうに考えております。微酸性については、2つの定義の案、1つ は指定されているもの、1つは今回提案されたものがあるんですけれども、それが塩酸だ けで使われる場合と、塩酸と塩化ナトリウム水溶液を使う場合というのがあって、無隔膜 電解槽については共通なんですけれども、塩酸それから塩酸+塩化ナトリウムという違い がございますので、それを両方読めるような形の定義を今回提案させていただいています。 含量につきましては、強酸性についての変更についてはもちろんございませんが、弱酸 性については申請してきている有効塩素濃度が10〜60mg/kg です。微酸性については今現 在指定されているものが10〜30、成分規格改正の提案がなされているものが50〜80とい うことで、若干の濃度帯のところで空白が生じていたんですけれども、微酸性の次亜塩素 酸水の含量については10〜80mg/kg ということで含量の提案をさせていただきたいと思 っております。 確認試験についての変更はございません。その下、純度試験でございますけれども、液 性のところで弱酸性次亜塩素酸水pH2.7 〜5.0 というのが今回追記されます。下線部分 については新たに追記をしたものです。 11ページ目は「定量法」です。定量法も2つあるんですけれども、強酸性、弱酸性とい うことで(1)番、微酸性次亜塩素酸水で(2)番ということで、御提案をさせていただ きます。資料2については以上でございます。 ○長尾部会長 それでは、この次亜塩素酸水の成分規格の改正に関しまして御意見をお願 いいたします。 ○佐藤委員 最初にというか、大したことではないかもしれないんですが、定量法のとこ ろで2つ(1)(2)と分かれていて、これは滴定の際のチオ硫酸ナトリウム溶液の濃度 が半分になっています。以前は強酸性と微酸性で塩素濃度が20〜60と10〜30と違ってい たために2つに分かれていたと思うんですが、今回、含量の幅を、すべて20〜60とか10 〜80にしますと、この2つに分ける意味というのがあるのかなと思うんですけれども、い かがでしょう。ページは済みません、11ページです。 ○事務局 実際には、原理的には同じ試験法ということでございますので、もし御意見が ありましたら後日事務局の方に御意見をいただいて、試験法の軽微な変更になりますので、 佐藤先生と相談させていただいて、まとめられるものであればまとめさせていただきたい と思います。 ○長尾部会長 はい。そういうことでお願いいたします。ほかにはいかがでしょう。 ○棚元委員 細かいことで申し訳ありません。6ページですけれども、この表現のところ で、食品に対する殺菌効果というのがありますが、(2)ですね。それの例えば3行目に「未 処理の場合と比較して減菌(メッキン)しており」という、この表現は非常にまずいので、 ここはちょっと。 ○事務局 減菌でしょうか。 ○棚元委員 ああ、減菌ですか。見た瞬間、滅菌と思ってしまいました。減菌、余り聞き 慣れない言葉ですけれど、減少しておりで簡単に。 ○事務局 「菌が減少」とかでしょうか。 ○棚元委員 「菌数は」となっていますので。あと、有効塩素濃度という表現と、それか ら、例えば次亜塩素酸ナトリウムの量ということで混同した表現になっているんですけれ ども、有効塩素濃度でしたら有効塩素濃度で統一した形で記載していただければ比較しや すいかなと思います。 ○事務局 具体的に先生、どちらの部分でしょうか。 ○棚元委員 最後の行のところで対照として、次亜塩素酸ナトリウム200mg/kgという形に なっておりますね。 ○事務局 有効塩素濃度に。 ○長尾部会長 次亜塩素酸ナトリウムの表現として有効塩素濃度200mg/kg、下の括弧はや はりこれは有効塩素濃度なのですかと、そういうことですか。そうではなくて、これは次 亜塩素酸水ですか。 ○棚元委員 下の、その下の(2)の中でもやはり有効塩素濃度ということと次亜塩素酸 ナトリウムの量というのが混同して入ってきていますね。これは比較が非常に難しい。 ○長尾部会長 そうですね。事務局、いいですか。 ○事務局 確認をして、文献を調べて表記を改めたいと思います。 ○長尾部会長 ほかには。 ○米谷委員 この次亜塩素酸水という食品添加物は、それがボトルなりビンなりに入って 売られているのではなくて、それをつくる機械に対して申請というか、指定しているんで すね。2つ質問があります。 前に、平成十何年かのときには、こういう機械ですよというので部会にたしか陳列され たような気がしたんですが、今回、ちょっと見たんですが、ないなと。どこがどう変わっ たのか。結果的には有効塩素濃度とpHの方が変わってくるんでしょうけれど、そういう 実物があれば参考になったかなと思います。 もう一つ、こういう認められた食品添加物をつくるときの原料は、これは何でもよろし いんですが。塩酸と食塩、塩化ナトリウムは別に食品添加物規格でなくても、最後にでき たものが規格に合っていればいい。いいものを使わなければいけないのか、そうでなくて もいいのかという、その辺を。JIS規格のものを皆さん使ってくださいということにな っているんですか。 ○事務局 前回通知では、まず水については飲用適の水を使うとのされておりますので、 今回も、基本的に品質は飲用適の水を使うとか、そういうことは注意喚起をしたいという ふうには考えております。その際、塩化ナトリウムと塩酸が具体的には問題になると思い ます。 ○米谷委員 今、認められているものについても同じでよろしいんですか。 ○事務局 規格なり、化学物質としての最低限の規格は必要であるというものになるとい うふうに思っています。ただ、それは前回のときの整理等を少し確認させていただくとい うところが必要かと思っております。 ○長尾部会長 では、ほかには。よろしいでしょうか。どうぞ。 ○山内委員 今日の資料の一番後ろ27ページに「参考」ということで、食品安全委員会が 健康影響評価されたときのパブリックコメントが出ておりまして、その1の3)なんです けれども、これは、こちらの今の部会で考えることとはちょっと違うことになろうかと思 いますが、この基準が通ったときに、「厚生省が認めた機械」として売っているというこ とで、現場の方で優良誤認をさせるような販売の仕方がよくないとは思いますけれども、 厚生労働省のリスク管理のお仕事というようなことで回答されておりますので、何らかの、 こんなことについても現場でうまく、このような表現はしないというようなことですとか を指導していただけるようなことをお願いしたいなと思いまして、発言させていただきま す。 ○事務局 まず、この機械についての認証をするものではないということを前提に通知等 で、先ほど米谷委員が御指摘のとおり品質規格、次亜塩素酸水そのものが不安定で有効性 がすぐなくなるということも勘案し、事業者の責任で管理していただくというのが必要か と思いますので、その点についてやはり成分規格を満たすものを製造するために、どうい う操作をするべきか、管理をすべきかとか、施行通知とかで少し注意喚起をさせていただ くという方向で考えさせていただきたいと思います。 ○長尾部会長 そういうことでよろしくお願いいたします。ほかには。よろしいでしょう か。 ○佐藤委員 すみません。微酸性次亜塩素酸水の方で塩素濃度を1つにするということな んですが、今回、申請されたものは、今までの30mg/kg では有効性が低かった有芽胞菌に 関して、有効塩素濃度を50mg/kg 以上にすることで有効性が認められたという、ここの有 効塩素濃度というのが結構菌によっては重要なファクターになるようなんですが、どうい う菌にどういう状態で効くとかいうものを何か整理しておいた方がいいのかなと。ちょっ と同じ微酸性次亜塩素酸水でも、あるものは効くけれど、あるものは効かないとか、そう いったところはどういうふうに情報を皆さんに提供していくんでしょうかという、結局、 1つの規格にするとみんな同じような有効性というふうに受け取られると思うんですが、 その中で、ある一定濃度内とこの有芽胞菌のは効きませんということは情報として今後ど うやって情報を提供していくことになるんでしょうか。 ○事務局 第一義的にはいわゆる企業、いわゆる機械を提供する企業がどういう使う場面 に対して、使用するユーザーサイドにどういう使い方をしてもらうかのがいいかという情 報提供という問題になると思われます。 ○山添委員 今回、強酸性と酸性と微酸性という言葉に分けて便宜的に使っていますよね。 業者の方が多分そういうふうにつけられているんだと思うんですけれども、この言葉だけ が一人歩きはしませんよね。今回。次亜塩素酸水についてはこれは名称として区別するの はいいんですけれども、このpHの範囲のものを微酸性とするとかということにはならな いですよねということなんですけれども。つまり。 ○長尾部会長 一般的にと。 ○山添委員 一般的に、ほかのものについてもこの範囲を微酸性にするとかという、そう いうことはないですよね。 ○事務局 これは、規格基準の10ページの整理案で、あくまでも次亜塩素酸水に限定され ます。液性のところで、規格としては、強酸性というのは2.7 というような形あるいは弱 酸性は2.7 〜5.0 というふうに規格して整理をしているという形ですので、次亜塩素酸水 に限りというふうに御理解いただければいいと思います。 ○山添委員 はい、分かりました。理解しました。 ○米谷委員 古い話なんですが、これに関しまして、この部会ではこの名前で通したこと はありましたですかね。私の記憶では、これと違う名前で行って、上の方の分科会でクレ ームがついて名前が変わったような気がしたものですから。ですから、強酸性とか弱酸性 の、その範囲というのはうちの部会とは関係なく付けられている可能性がありますので、 もう一度、ここら辺で、山添先生がおっしゃったように確認しておいた方がいいかもしれ ませんね。一番最初のこの部会で、平成10何年、14年でしたか、のときにどういう名前 で通ったかということなんですが。 ○事務局 先生のおっしゃるとおりの経緯がございました。添加物部会での13年11月6 日の部会のときには電解水ということでの検討を行って報告がまとめられておりますが、 その後、当時の薬事・食品衛生審議会、食品衛生審議会、食品衛生分科会で、結果として、 電解水については名称を次亜塩素酸水と改めた上で添加物として指定することは差し支え ないという結論になっておりますので、部会での決定ではなく、分科会でのということに なります。 ○長尾部会長 いいですか。ほかにはよろしいでしょうか。それでは、マイナーな変更と、 それからスターティングマテリアルですね。塩酸とか食塩とかの規格に…。何か。 ○事務局 次亜塩素酸水については、あくまでも今日、資料でお示ししたように細菌に対 するデータが提出されています。ウィルス関係、とくにノロウィルスとかで効くのではな いかと、そういうような議論がありますけれども、今のところ、私どもは今日の時点で御 提示できる範囲のデータでは、ウィルスについてのまだデータ収集と整理が必要と考えて おりますので、その点、いわゆる先ほどの機械の販売等についても審議会におきまして、 この場で審議されたのはあくまでも細菌滅菌に対する効果という形で審議をいただいたと いう形でまず整理をさせていただきたいというふうに思っております。 といいますのも、昨年の12月にノロウィルスが問題になったときに、一般の方からこの 程度のものに効くのかどうかということで、あるいは審議会でそのデータは評価したのか とかいうような問い合わせもあったりした経緯もございますので、その点については、こ の場で少し確認を取らせていただきたいと思っております。 ○長尾部会長 ありがとうございます。それでは、記載の仕方の変更と、それから先ほど の塩酸と食品の規格についての情報をお知らせいただきまして、恐らく、これは例えば塩 酸、食塩などについての規格がどうなっているかということで、審議をしなくてはならな いかどうかちょっとわかりませんですけれども、恐らく、多分、この形で。 ○事務局 前回のこともありますので、通知で恐らく対応できるのではないかと思います。 ついては御報告させていただくということでお願いします。 ○長尾部会長 変更する点は御連絡いただきまして、それで、この審議結果はよろしいと いうことで、可であるということで、次の手続を進めるとした場合のことを御説明をお願 いします。 ○事務局 今回の審議結果に基づきまして、今後、食品衛生分科会での審議を行うほか、 パブリックコメント、国民への意見聴取を行い、WTO通報等の所定の事務手続を開始し ていきたいと思っております。 ○長尾部会長 それでは、次に、議題3のブチルアルデヒドの新規指定について事務局よ り御説明をお願いいたします。 ○事務局 それでは、資料の3−1と書かれた資料、ブチルアルデヒドの資料でございま す。 まず、資料3−1はブチルアルデヒドの食品添加物としての指定の可否について厚生労 働大臣から薬事・食品衛生審議会への諮問になります。 めくっていただいて、3ページ目、資料3−2でございます。ブチルアルデヒド(ブタ ナール)の食品添加物の指定に関する部会報告書(案)ということで、部会報告書案をお 示ししています。このブチルアルデヒドにつきましては国際的に汎用されている香料とい うことで、欧米で汎用されている添加物の取扱いに従いまして、厚生労働省において資料 を取りまとめ、食品安全委員会へ食品健康影響評価の依頼を行っていたものです。 食品安全委員会では、平成18年から19年にわたって専門調査会で審議が行われて、報 告書がまとめられて、案がまとめられているところでございます。 名称でございますけれども、先ほども申し上げましたけれども、香料の名称につきまし ては前回の1月の部会ですけれども、IUPAC名を原則とするという名称のつけ方につ いての確認をさせていただいておりますので、そのときの結論に従いまして、名称をブタ ナールということで食品健康影響評価を依頼していたんですけれども、名称をブチルアル デヒドとして今回部会報告書(案)を作成しております。 ブチルアルデヒドにつきましては、まず用途としては香料、4番ですが、概要につきま しては、もともとリンゴや果物の中に入っている成分ということで、欧米では焼き菓子や 清涼飲料の中に香料として使われているという状況がございます。 5番ですが、食品安全委員会での検討は平成18年の12月、それから19年の1月に調査 会が開かれて検討されています。安全性につきましては、食品安全委員会の評価書の方で 御紹介をいたしますので、16ページをお願いします。 16ページの4番、「安全性」ということでございます。遺伝毒性につきましては種々の 試験が行われておりまして、陽性のものも幾つかあります。これは17ページの真ん中やや 下になります。「以上より、」というところから御紹介しますが、「以上より、染色体異 常試験の一部等で陽性の結果が得られているが、非常に高用量下での反応であり、充分高 用量まで試験されたマウスの小核試験の結果が陰性であることを考慮して総合的に判断す ると、本物質は少なくとも香料として用いられるような低用量域では、生体にとって特段 問題となる変異原性はない」というふうな結論になっております。 続いて、毒性ですけれども、反復毒性試験が行われておりまして、18ページを見ていた だきます。18ページの8行目になりますが、3つの反復試験の結果でSDラットの90日 反復投与毒性試験に基づいて、無毒性量NOAELが100mg/kg体重/dayということで評 価されています。 「発がん性」については発がん性の評価はされていません。内分泌攪乱性を疑わせる報 告は見当たらないとされています。 「摂取量の推定」について食品安全委員会の報告書(案)では、本物質の年間使用量の 全量を人口の10%が消費していると仮定するJECFAのPCTT法による使用量調査 に基づくアメリカとヨーロッパの摂取量の推定摂取量については21μgと23μgという報 告がございます。 これまでにも諸外国での推定摂取量が我が国で推定される摂取量とほぼ同等というふう に考えてきておりますので、それを持ちまして、それと、NOAELとの比較で安全マー ジンを6番で算出しています。NOAEL100 mgと推定摂取量21〜23μgということで、 今度は日本人の平均体重で割ることで、体重辺りの推定摂取量と比較した安全マージンは 217,400 〜238,100 が得られています。 7番ですけれども、「構造クラスに基づく評価」ということで、本物質は構造クラスI に分類されていて、生体内では生態成分と同一経路で代謝されるとされています。 8番、「JECFAによる評価」ですけれども、JECFAにおいては1997年に、飽和 脂肪族非環式分岐鎖状一級アルコール類、アルデヒド類、酸類のグループとして評価をさ れて、同じくクラスIに分類をされています。 19ページに行きますけれども、9番、「国際的に汎用されている香料の我が国における 安全性評価法」に基づいて評価をしたところ、これも生体内において特段問題となる毒性 はないと考えられてクラスIに分類されています。 以上のことから、食品健康影響評価の結果としては、ブタナールは、ブチルアルデヒド ですが、食品の着香の目的で使用する場合、安全性に懸念がないと考えられるとした結果 がまとめられたところでございます。 4ページに戻っていただきます。7番でございます。以上のことからブチルアルデヒド を食品添加物として指定することは差し支えないとする案を提案させていただいておりま す。ただし、11条1項に基づいた使用基準と成分規格を提案させていただきます。使用基 準については「着香の目的以外に使用してはならない。」という使用基準案。成分規格案 につきましては、成分規格案を別紙1として5ページにお示ししています。5ページです が、ブチルアルデヒドの含量、性状、確認試験、純度試験、定量法ということで成分規格 案を提案させていただいております。 設定根拠については7ページの別紙2をごらんいただきたいと思います。それぞれの設 定根拠を7ページにお示ししています。 9ページの別紙3、「香料『ブチルアルデヒド』の規格対比表」ですけれども、今回提 案させていただく規格案とJECFA、FCCの規格を表にまとめたものでございます。 8ページですけれども、JECFA等で設定されている中で、今回採用しなかった項目 についてまとめさせていただいております。「溶解性」については本規格案でIRによる 確認試験を規定していることから溶解性については採用しませんでした。 「沸点及び蒸留範囲」にきましても、ここに理由を書かせていただいていますが、香料 化合物は加熱分解臭をつけないように、減圧精密蒸留による一定の範囲の留分を得たとい うものが特徴でありますので、品質管理についてはGC法によって十分に担保されると考 えました。したがいまして、沸点については採用しないという提案でございます。 「パラブチルアルデヒド含量」ですが、これはJECFA等の規格では2.5 %未満と規 定されていますけれども、本規格案でブチルアルデヒドの含量を98%と規定をしておりま すので、更に定量法でGC法を採用しているということもあり、このパラブチルアルデヒ ドの規格を設けなくても十分品質については確保できると考えていますし、実際の測定値 についても非常に低い値が求められております。 「水分」につきましても、ここに書かれておりますとおり、水分についてはほかのアル デヒド類で規格を定めていないものが多いという調査結果と、水分については香料につい ての有効性等に、香気等に影響しないということがありますので、規格を設定する根拠は 低いだろうというふうにされております。 資料3について、以上でございます。 ○長尾部会長 それでは、ブチルアルデヒドにつきまして御意見をお願いいたします。 ○山添委員 質問で、ちょっとわからないので教えてください。成分規格のところで、パ ラブチルアルデヒドのことが記載をされていますが、このパラブチルアルデヒドというの は再度乖離をしてブチルアルデヒドに戻るということはないということなんですか、とい うことなんですが。もう固体になっているわけですよね、これは。三量体か何かの形で多 分。脱水か何かで。それで水分があって。もう戻らなければいいんですけれども、戻れば 希釈とかそういう条件下では実際には現品には入っていても元に戻ってしまうと、GCの ピーク上は、ブチルアルデヒドのピークとして加算されれば通ってしまう可能性はないの か。要するに心配はそこだけなんですけれど、その辺のところ。 ○佐藤委員 このブチルアルデヒドの定量法のところで問題になるかということで、この 定量法ですと、ブチルアルデヒドは液体なので、そのものをガスクロに注入します。 ○山添委員 希釈も何もしない。ああ、なるほど。 ○佐藤委員 そのため、中にパラブチルアルデヒドが溶けて入っていたとしても、それが ブチルアルデヒドに戻るということはなくて、一応、ガスクロで計れます。 ○山添委員 わかりました。希釈はなさらない。そのままということですね。 ○佐藤委員 10ページに参考のクロマトがありますけれども、これでブチルアルデヒドは 6分ぐらいにピークがあるんですが、パラブチルアルデヒドは25分ぐらいにピークとして 表れます、入っていれば。なので、GC上で確認ができると思います。 ○山添委員 はい。わかりました。 ○長尾部会長 ほかには御意見ありますでしょうか。よろしいですか。何か、訂正加える ことでもありますか。佐藤先生、何か。 ○佐藤委員 大丈夫です。 ○長尾部会長 それでは、ブチルアルデヒドの新規指定につきましては可ということで、 その後の御説明をお願いいたします。 ○事務局 ありがとうございました。同様に、審議の今回の結果に基づいて、今後、食品 衛生分科会への手続を取って、パブリックコメント、WTO通報等も所定の事務手続きを 始めさせていただきます。 ○長尾部会長 それでは、報告事項をお願いいたします。 ○事務局 報告事項、今回2点ございます。報告資料1と2がありますので、まず報告資 料1から御紹介いたします。 報告資料1ですが、「平成17年度マーケットバスケット方式による栄養強化剤、乳化剤 の摂取量調査の結果について」でございます。 まず、「目的」としまして、これまでに引き続き行ってまいりましたマーケットバスケ ット方式による食品添加物の摂取量調査を実施してきているところでございます。国内の 食品添加物の摂取実態といったものを明らかにする取り組みを引き続き行ってきていると ころです。平成14年度から16年度までと同様に、17年度につきまして栄養強化剤と乳化 剤について調査を行いましたので、その結果をとりまとめて今回御報告をいたします。 「栄養強化剤」につきましては、鉄、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、銅、ビタミン A、B1、B2、ニコチン酸、ニコンチン酸アミド、パントテン酸が項目として挙がって おります。乳化剤としてはグリセリン、脂肪酸エステルが挙がっております。 方法につきましては、地方衛研6機関において、マーケットバスケット調査用の加工食 品群をつくりまして、国立医薬品食品衛生研究所を含むこれら7機関で上記の添加物につ いての含有量を測定しております。その結果に喫食量を乗ずることによって1日摂取量を 算出したものでございます。それから、平成14年度から16年度の調査と同様に食品群の 調製につきましては、平成12年度の国民栄養調査等を基に食品群の調製方法に基づいて行 っております。 結果でございますけれども、食品群中の上記の食品添加物の含有量に喫食量を乗じて求 めました1日摂取量を次のページの表1にまとめております。食品群ごとの数字と一番右 になりますけれども、1日当たりの総摂取量を表1にまとめております。それから、過去 の1日摂取量の調査結果との比較を表2にまとめております。表2につきましては、3ペ ージ目になります。 16年度にエリソルビン酸とともに分析を行ったビタミンCの結果も合わせて示してお ります。 鉄、マグネシウム及びカルシウムの加工食品からの摂取については比較的安定した結果 が得られていると考えられます。 亜鉛、銅につきましては2004年にグルコン酸亜鉛、グルコン酸銅の使用対象食品として、 それまでの母乳代替食品に加えて固形の保健機能食品が使用基準に追加をされました。使 用限度量というものが設定されているため、今年度から調査対象としたものでございます。 それから2ページ目の文章中第2段落ですけれども、「なお、」以下でございますが、 参考としまして、今回の資料の分析に基づく摂取量と各添加物の食事摂取基準との比較を 表3にまとめてございます。 以上、平成17年度の摂取調査について御報告いたしました。 ○長尾部会長 それでは、この栄養強化剤、乳化剤の摂取量調査に関しまして、御意見等 ありますでしょうか。 ○吉池委員 よろしいでしょうか。 ○長尾部会長 どうぞ。 ○吉池委員 3ページ目の表2で経年的な比較がありまして、1999年度に星がついて、そ れと2005年あるいはほかの年も含めてですが、組成もかなり異なっています。99年は加 工食品と生鮮食品の両方を含み、そのほかはほぼ加工食品のみということでよろしいわけ ですね。 ○事務局 そのとおりでございます。 ○吉池委員 その次の表ですが、これが今回加工食品を中心としたものからの添加物を想 定した栄養素であるという解釈であれば問題はないのですが、この表だけが一人歩きする と、要は日本人のビタミンCだとか亜鉛が足りないのではないかという風に、変に解釈さ れると困るなと思います。ここでは生鮮食品が把握をされていないためにこの数字が出て いて、日本人の日常的な摂取実態を表しているものではないということについて、データ の解釈を注意していただければと思います。そういう意味では、その前のページの99年度 の数値の方が、摂取実態に近いと私は解釈しております。 ○事務局、この表3を参考としてというので載せているのは、そのままでよろしいですか。 ○吉池委員 特に推奨量に対する割合は意味がないし、解釈不能ではないかと思います。 表2のところも、99年の方がより日常的な食事を表していて、それ以外は別の数値だとい うことはもう少しはっきりわかるように脚注をお願いしたいと思います。 ○事務局 説明文書、誤解を生まないように説明文書を付けさせるような形で対応させて いただきます。 ○山内委員 としても、この結果から何を読み取ればよろしいんでしょうか。今、吉池先 生がおっしゃったように、普通の生活をしていて、食生活をしていると、99年はこういう 摂取量で、それが1日の推奨に比べるとこうだったということはすごくわかりやすいんで すけれども、それが言い切れない中で、この添加物量のみ示されたときに、それでも減っ ていますよね、ビタミンCとか。そんなことについては何か傾向を読み取れるものがある んでしょうか。 ○事務局 委員のおっしゃるとおりだと思われますが、経時的というか、連続したデータ を取っておりますので、経年的にというのでしょうか。推移が見られないということは安 定したデータなのかなというところは読み取れるのではないかと思うんですが。 ○事務局 そもそも目的としては、食品添加物の摂取量調査というのは我が国の食品添加 物としての摂取量がADIを超えるようなことがないのかどうかということをやはり確認 を常時しておくということの重要性から調査を継続して行っているというのが目的の第一 にございます。 ○松田基準審査課長 こういうふうに栄養成分の場合、今、吉池先生からも話があったよ うに解釈が非常に難しいと思います。 ○吉池委員 解釈上の事柄としては、例えば国民健康・栄養調査などで日常の食事を細か く調べて、そこで出てくる栄養素の摂取量というのは一部強化された食品や、栄養素等も 把握に努めていますが、食品成分表は主には自然由来の食品を収載していますので、強化 されているものは、区別されて把握されているわけではありません。従って、加工食品を 中心としたものの中において添加物として付加されたものも含めてどのぐらいなのかとい うデータは一般の食事調査からはわからないことになります。そうすると、そういうデー タからは、ごく普通の食事中で加工食品由来の添加物は多少考慮されているとはいえ、日 常的な食事の中でのもののみが計算上わかります。更に、いろいろな食品に強化目的、あ るいは抗酸化その他の目的で付加されたときにどのぐらい上乗せされるのだろうかという 上乗せ分を解釈するには、こういう加工食品を主に集めてそれを測るというのは上乗せ分 を大体推定するのは役に立つんだろうと思います。 ○米谷委員 食品添加物からの上乗せということですと、私はもともと天然添加物担当だ ったものですけれども、鉄などですと、無機鉄だと吸収はだめでヘム鉄がいいとか、カル シウムですと焼成カルシウムとかそういうものが非常にたくさん入っていますので、もし、 そういう目的でやられるなら、指定添加物に限らず天然添加物も含めてといいますか、天 然添加物が入っているものがかなりあると思うので、まとめますと、この調査の目的をど ういうふうに持っていくかというのは一度再検討をされた方がいいのかもしれないですね。 過去からの継続で、それはそれで重要だとは思いますけれど。天然の方も、以後既存添加 物も含めてやられるのか、指定添加物に限ってこの方向で行かれるのか、あるいはもっと 別のお考えがあるのかということですね。 ○棚元委員 いろいろ議論はあるんだと思うですが、最初におっしゃられたとように、最 大の目的のADIということの比較というものがあるわけです。要するに使用基準がどの 程度守られているか。使用基準があって、その中での摂取量が本当に安全が保たれるかと いう最終的なチェックになるわけですよね、この摂取量の調査というのは。そういう意味 で使用基準のあるものがあくまで対象になるので、今おっしゃられた天然添加物に関して はこれは使用基準がないわけですね。そういう意味では、それを目当ての対象ということ にならないと思いますけれど。 ○米谷委員 特別用途表示の場合には、使用基準で外すというのをわざわざ書いてある品 目もたくさんありますので、カルシウムなどは特にそうです。 ○佐藤委員 マーケットバスケット方式で今までずっと過去食品添加物の摂取量を調査し てきまして、今回の一連の分析は平成14年から取り組んできたものです。それで、ほかの ものについては指定添加物でADIの設定のあるもの、それ以外天然のものもあるんです けれども、そういったものを中心に摂取調査を行ってきまして、平成17年度に関しまして は、過去にずっと調査をしてきたものについての最後に残ったものというか、過去はAD Iとかかわらず指定添加物について、栄養強化剤についても摂取量調査を行ってきました ので、今回の新たな、今回のマーケットバスケット方式で行ってきた最後にこれまでの分 析で行っていたデータについては、今回もその流れでデータを取っておいた方が過去との 比較ということでいいのではないかということで分析させていただきました。実際に、お っしゃるとおり、天然もすべて混ざった量を測っているのですが、先ほどありましたよう に、過去からの経緯がどうだったかという経時的なものを見るという点では同じように加 工食品のデータを比べて、加工食品から摂取する量が現在どのように推移しているかとい うデータとして提出しております。 ○米谷委員 使用基準が守られているかどうかでもあるんですが、保健機能食品で使う場 合には使用基準を超えてもよろしいよというようなただし書がある使用基準も、現在、公 定書で設定されていますね。ですから、そういうものも含めていくと、最近では栄養機能 食品といいますか、そちらの方にかなり食品添加物で指定されているものが使われていま すので、旧来からの食品添加物の考えでいくと、もう対応できないようなところも出てき ているというのをちょっと頭の隅に置いていただいてやっていただければというふうに思 いますけれど。 ○長尾部会長 事務局から何か。よろしいですか。 ○事務局 はい。いただいた御意見を参考にさせていただいて、今後のマーケットバスケ ット方式による今回のものが生かせるかどうかの検討をさせていただきたいと思います。 ありがとうございます。 ○長尾部会長 少し説明を加えられて、わかりやすくしていただきたいと思います。その 点、よろしくお願いいたします。それでは、次の報告事項をお願いいたします。 ○事務局 報告資料の2番になります。「食品安全委員会への意見聴取及び食品健康影響 評価結果について」、3月現在の状況をまとめて、毎回添加物部会のときに御報告させて いただいているものです。 3ページ目をごらんいただけますでしょうか。3ページ目の下4行についてが前回1月 の添加物部会以降、食品健康影響評価の依頼をした品目でございます。ステアロイル乳酸 ナトリウム、乳酸カリウム、バレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、それからめくっ ていただいて、ソルビン酸カルシウムでございます。ステアロイル乳酸ナトリウムと乳酸 カリウムにつきましては既に依頼をしておりますけれども、バレルアルデヒド、イソバレ ルアルデヒド等この3品目につきましてはこれから食品健康影響評価の依頼をするところ で準備を進めております。 それから、3ページ目の上から2行目でございますが、ヒドロキシプロピルメチルセル ロースの使用基準改正の告示が2月27日に、右端が告示の欄になりますけれども、使用基 準改正を行っております。 以上でございます。 ○長尾部会長 御質問・御意見ありますでしょうか。特にないようですので、それでは、 次回の予定をお願いします。 ○事務局 次回、添加物部会につきましてはまだ開催の予定は決定しておりませんが、一 応、5月の開催を考えております。また、事前に委員の先生方には御都合を聞かせていた だきますので、よろしくお願いいたします。 ○長尾部会長 それでは、本日の審議はこれで終了いたします。どうもありがとうござい ました。 照会先:医薬食品部食品安全部基準審査課     (03−5253−1111 内線2453)