07/03/14 平成19年3月14日慢性期入院評価分科会議事録 07/03/14 診療報酬調査専門組織          平成18年度第7回慢性期入院医療の包括評価分科会議事録 (1)日時  平成19年3月14日(水)14:00〜16:00 (2)場所  全国都市会館 第1会議室 (3)出席者 池上直己分科会長 天本宏委員 猪口雄二委員 大塚宣夫委員        木下毅委員 近藤正晃ジェームス委員 椎名正樹委員        <事務局> 医療課長 保険医療企画調査室長 薬剤管理官  他 (4)議題  平成18年度慢性期入院医療の包括評価に関する調査について (5)議事内容 ○池上分科会長  何人か御参加を御予定の委員の先生方、まだお見えになっていないですけれども、時間 を過ぎましたので、ただいまより平成18年度第7回診療報酬調査専門組織・慢性期入院医 療の包括評価調査分科会を開催させていただきます。  本日の委員の出席状況につきましては、高木委員及び泉委員より御欠席の御連絡をいた だいております。今、猪口委員がいらっしゃったので、あとは近藤委員がいずれいらっしゃる と思いますので、審議を始めたいと思います。それでは資料の確認を事務局よりお願いい たします。 ○神ノ田補佐  それでは資料の確認をさせていただきます。  議事次第をおめくりいただきまして、委員一覧をつけさせていただいております。  以下、診調組 慢−1−1、前回分科会資料の訂正項目についてということで、つけさせ ていただいています。診調組 慢−1−2、こちらが前回の宿題事項になっていたものにつ いて整理したものでございます。診調組 慢−1−3、現在の介護保険サービスにおける医 療等への対応ということで、一枚紙でございます。  あと診調組 慢―2ということで、18年度調査の結果速報についてという一枚紙と、以下そ の別紙といたしまして、前回も同様のものをつけさせていただいておりますが、別紙1から 別紙7、また別紙1の参考資料、別紙2の参考資料、別紙4の参考資料ということで、同様 のものでございますが、若干前回よりも見やすく整理させていただいたものをつけさせてい ただいております。  あと委員の先生方には、こちらの黄色い冊子、調査実施説明資料と、前回資料をファイ リングしたものを机の方に用意させていただいております。何か不足等ありましたら申し出 ていただければと思います。 ○池上分科会長  ありがとうございました。お手元の資料につきまして、よろしいでしょうか。よろしければ、 慢−1につきまして事務局より御説明をお願いします。 ○神ノ田補佐  それでは診調組 慢−1−1につきまして御説明いたします。前回の調査で若干数字が間 違っているなどしたところを訂正したのと、あと見やすくしたということで、変更点をまず確認 させていただきたいと思います。別紙の資料の方も参照いただきながら御確認いた だければと思います。  まず別紙1でございますが、番号1番としまして1ページ目から8ページ目まで、各表という ことで、これは見やすくしたということでございますが、平成18年度調査結果の各表において、 平成17年度調査結果と比較して3%以上の増減があった場合に矢印をつけております。 3%以上増加している場合には上向きの矢印、3%以上減少した場合には下向きの矢印を つけているということでございます。そういう形で見やすく整理したというのが番号の1番でご ざいます。  2番のところが4ページ目の入退院の状況でございます。こちら、数字がちょっと間違って いたということで、こちらの資料のとおり正誤表をつけさせていただいております。 数字の訂正ということでございます。  続きまして5ページのところで、「アルツハイマー病以外の痴呆症」というのを「認知症」に 改めさせていただいております。  2ページにまいりまして、4番ですが、6ページのところで「抗生物質耐性菌感染」というこ とで、これは誤植ということで訂正をしております。  あと5番、6番、7番でございますが、これは6ページのところで、若干項目の重複があった ということで整理させていただいております。「尿路感染症」、「脱水」、「体内出血」、これら の3項目につきましては、1ページ目に整理させていただいております医療区分採用項目 の集計において数字が既に出ておりますので、ここの部分は重複していたということで削除 をしております。  続きまして別紙1の参考資料の方でございます。1番のところは先ほどと同様に見やすく 矢印をつけたということです。2番、3番、4番、これも先ほどと同様でございます。  続きまして4ページでございます。別紙2の関係ですが、こちらは、1番のところは同様に 見やすくしたということでの訂正です。2番目のところは、3ページ目の入退院の状況という ところで、数字が間違っている部分がございました。表頭のところに書いてありますが、前回 資料ではn数が680ということになっておりましたが、n数195の間違いということでの訂正で ございます。3番、4番は先ほどと同様でございます。  5ページへ参りまして、別紙2の参考資料でございます。こちら、1番は先ほどと同様に矢 印をつけたということでございます。2番目のところ、医療区分採用項目の「24時間持続点 滴」につきまして数字の誤りがございました。医療区分1のところで前回は0.1と書いており ましたが、正しくは0.0%ということでございます。3番、4番は先ほどと同様でございます。 5番目につきましては、「感染隔離病室におけるケア」、これが医療区分採用項目と内容 重複ということで、削除しております。  続きまして6ページへ参りまして、別紙3でございます。1番のところは数字の訂正という ことで「24時間持続点滴」、前回0.5としておりました。実数が5で、パーセントが0.5%とい うことでございましたが、これは0件で0.0%の間違いでございます。2番目のところは、選 択肢のところが前回ちょっと誤っていたということで、正しく訂正をしております。  7ページへ参りまして、3番目のところでございます。これも選択肢の変更ということで、 10番から13番のところ、これを「その他」ということで訂正しております。4番、5番は先ほ ど申し上げたとおり、同様の訂正でございます。  別紙4でございますが、1番のところは「看護補助職」というのを「看護補助者」ということ で改めております。  2ページのところで、これは数字には誤りがございませんが、18年と16年、これを入れか えただけでございます。すべて18年度の数字を左に統一したということで、この表につい ても左の方に18年度のデータを整理したということでございます。  3ページへ参りまして、これは前回もその場で訂正しておりますが、網掛け部分が間違 っていたということでの訂正でございます。  5番目のところ、これはやはり見やすくするということで、4ページ目以降、矢印をつけて おります。これは医療区分1のケア時間について、医療区分2全体のケア時間より長い場 合、これは1つの上向きの矢印ということにしています。また医療区分3全体のケア時間よ り長い場合は上抜きの矢印を2つつけております。同様に医療区分2のケア時間につい て、医療区分3全体のケア時間より長い場合は上向きの矢印1つと。また反対に医療区 分1全体のケア時間より短い場合、これは下向きの矢印ということで、医療区分3も同様 の考え方です。矢印をつけて見やすくしたということでの修正でございます。  9ページへ参りまして、6番、7番は先ほど申し上げたとおりの訂正です。  10ページへ参りまして別紙4の参考資料の訂正事項ですが、1番、2番、これは先ほど と同様、4番も同様です。5番も「痴呆症」を「認知症」ということで、同様の訂正。  11ページへ参りまして6番も、「痴呆症」を「認知症」ということでの訂正でございます。  12ページへ参りまして、別紙5でございますが、箱ひげ図において平成18年のデータを 左の方に移したということでの訂正です。2番目のところも、18年のデータを左の方に移し たということで、数字の間違いはありません。場所を移したということでの修正です。  最後、13ページでございますが、レセプト調査、別紙6の方で、参照で載せていたデー タを差しかえております。前回の資料では18年度患者特性調査のデータを参照データと して載せておりましたが、今回の資料では18年度国保支払い分レセプト調査、つまり全国 のデータと比べてどうかということを参照していただくということで、差しかえを行っておりま す。修正点、訂正事項につきましては以上でございます。 ○池上分科会長  ありがとうございました。ただいまの説明につきまして何か御質問、御意見等ございました らお願いいたします。  とりあえずのところ、よろしいでしょうか。もう少しお時間?  よろしいでしょうか。それではまた後で戻ってもよろしいですけれど、次に前回積み残し ました資料の別紙3から事務局より御説明お願いします。 ○神ノ田補佐  済みません。慢−1−2の方の説明はよろしいでしょうか。宿題事項があります。 ○池上分科会長  ああ、そうですね。まず。 ○神ノ田補佐  それでは診調組 慢−1−2を御説明申し上げます。前回御指摘いただいた事項につい て、宿題となっていたものについて整理したものでございます。1ページ目のところで、まず コスト調査について患者分類別の医業収支の集計をしてほしいというようなお話がござい ました。事務局で検討いたしましたが、患者分類別の収支の状況までは算定はできないと いうことで、病院全体としての収支について整理したものを、今回用意させていただきまし た。  今回は18年度と16年度、2回調査に参加していただいた22病院に限ってその収支の状 況がどう変わったかというところを整理しておりますが、表側のところで収支改善と収支悪 化、2つに分けております。収支改善の方は22病院のうち14でございまして、そのうち10 病院がプラス3%以上の収支改善ということでございました。収支悪化の方は22病院のう ち8病院ということで、3%以上の悪化というのが5病院ということでございます。 収支改善の場合も、収入が上がって支出が下がったという場合もありますし、収入が上が って支出も上がったということもありますので、それぞれのパターンについてこちらの表の とおり、整理しております。収支悪化についても同様でございます。  おめくりいただきまして2ページのところでございます。こちらはタイムスタディの調査につ いて、今回の調査では医療処置について別途集計できるような形で調査しております。 この医療処置の部分を切り出すような形で集計するようにというような御指示が前回ござい ました。その結果でございますが、まず1つ目の表が患者分類別の患者1人1日当たり全 体ケア時間。これは前回もお示ししたものでございます。2番目の表ですが、そのうち医療 処置にかかる時間がこちらの表ということになります。医療区分1で14.9分、医療区分2で 30.2分、医療区分3で54.1分ということでございます。3番目の表が、患者1人1日当たり 医療処置以外のケア時間ということで、1番目の表と2番目の表の差し引きの時間というこ とでございます。  3ページ目に参りまして、医療処置時間について相対比をとっております。全体の平均 である30.7分、これを1とした場合の相対比ということで各欄を埋めております。最後の表 でございますが、全体ケア時間に占める医療処置時間割合ということで、1つ目の表の全 体ケア時間を分母にして、2つ目の表の医療処置時間を分子にした場合の割合というこ とで、パーセントであらわした表を用意させていただきました。参考として、医療処置の範 囲ということで、今回の調査ではこちらの囲みに書いてあるような項目、これを医業処置 ということで整備して、別途時間をとっていただいたということでございます。  最後、4ページでございますが、患者特性調査につきまして、こちら、経管栄養等の医 療処置が必要な場合に、介護老人福祉施設ですとか介護老人保健施設では受け入れ ができないのではないかというような、そのような御議論がありましたので、事務局の方で 用意させていただいた資料でございます。  1つ目の表は、介護老人福祉施設について、経管栄養の実施率ということで表題をつけ させていただいておりますが、これは病院の方の判断で、「90日以内に退院できる見通し」 ということで、退院先が介護老人福祉施設ということで回答のあったものについて、どれぐ らいの患者さんが経管栄養を実施しているかということを見ております。また同様に「90日 以内に退院できる見通しはないが、今後受け皿が整備されれば退院できる」ということで、 退院先として介護老人福祉施設を挙げた患者さんについて経管栄養を実施している率 を出しています。ちょっとこれ、表の訂正がございますが、1つ目の「90日以内に退院でき る見通し」、これ、分母が76ということになりますので、実施率でいくと19.7%になります。 もう一度申し上げます。「90日以内に退院できる見通し」で、「退院先が介護老人福祉施 設」というような回答が全部で76ございました。そのうち経管栄養を実施しているというの が15件ありましたので、実施率としては19.7%ということでございます。同様に2番のとこ ろの、「退院できる見通しはないが、今後受け皿が整備されれば退院できる」というのも 実施率が28.3%ということで訂正していただければと思います。両者あわせますと119に、 実施率としては26.8%ということになります。  同様に、介護老人保健施設につきましても整理をしております。「90日以内に退院でき る見通し」の方は、n数113件のうち14件ということで、実施率は12.4%ということで訂正願 います。12.4%です。2番目の「90日以内に退院できる見通しはないが、受け皿が整備 できれば退院できる」というのが、n数が513件上がっていまして、そのうちの159件という ことですので、実施率が31.0%となります。両者あわせますと、626人中173人ということで、 27.6%となります。  この関係でもう1枚、診調組 慢−1−3ということで、これは老健局の方の会議では何度 も使われたことのある資料でございますが、介護保険3施設における医療処置への対応 がどうなっているかというのをグラフで整理したものでございます。特養、老健施設、療養 型施設、それぞれについて、経管栄養であれば療養型施設19.7%、老健施設が2.3%、 特養が4.9%というような状況です。囲みでまとめが書いてありますが、介護保険3施設 における医療処置の提供状況は施設種別によって違いはあるが、いずれの施設におい ても経管栄養、喀痰吸引などの医療処置を実施しているということ。2つ目の丸のところで は、医療処置を受けた者の割合は、療養型医療施設、特別養護老人ホーム、老人保健 施設と、そういうような順番となっていたということでございます。説明の方は以上でござい ます。 ○池上分科会長  ありがとうございました。それでは、今説明があった慢−1−2、1−3について。 ○天本委員  慢1−2の資料の3ページ、医療処置の範囲ということで、これは第3回の「介護施設等 におけるあり方に関する委員会」でも確認をしているのですけれど、法的にこの医療処置 と、行える職種というのは医師あるいは看護婦ということで、ヘルパーさんとか介護職員は できない業務であるかどうかの法的な確認を明確にしていただきたい。  慢1−3の資料として、実態はこのような形で介護3施設で行っているわけですけれど、 特別養護老人ホームというところは……。医療の提供できる居宅と、それから医療施設と 老人保健施設が医療は提供できる場と法的に位置づけられております。したがいまして、 特養施設でこのような、法的に行えること自体が、看護婦さんが行っていれば問題ないで すけれど、しかし経管栄養とかいろんなものが特養の居室で行われるとなると、医療が行 える場ではないわけですので、その法的な整備がなされないでこのような形がなされてい るのかどうか。まず、法的な医療処置の確認を明確にしてほしい。それから特養で、こうい う資料が出ておりますけれど、実態がこうだからといって、法的に整備されていないのにそ れを厚生省みずから、医療区分1として病院にいる必要がないという形でこういう3施設に 送ることが、働く人の不安とか、法的な正しい対応なのかどうか。その辺を確認したいと思 います。 ○池上分科会長  よろしくお願いします。 ○神ノ田補佐  医療処置でございますので、無資格の人が業としてこういう行為をすることについては禁 じられているということだと思います。ただ、在宅において、御家族が実施することは一定 程度認められています。あと、施設によっても違いますが、夜間も含めて看護師がいるよう な施設は、7割ぐらいだというような話も聞いておりますので、そういうような施設であれば 医療処置が必要な入所者についても受け入れが可能だということが言えるかと思います。  ただし、資格法上、こういう医療処置についてはヘルパーさんとかではできないというこ とでございますので、そういった前提での受け入れを今後どうするかということについては、 別途、老健局の方で、介護施設のあり方に関して検討が進められているところです。 ○天本委員  老人保健施設の法的な施設基準というものからすると、24時間の看護対応はできない 配置基準になっておりますね。そういう意味において、政策的な誘導として医療区分1の 中に、経管栄養とかそういうものが病院にいる必要がないという形で介護施設に送ること 自体、これは法的に非常に矛盾があるのではないかということ。それから特養に対する回 答がなかったのですけれど、特別養護老人ホーム自体も、居宅ではないわけですので、こ のような医療処置が行われる場としては法的にはふさわしくないのではないかと。現時点 では、です。その点ははっきりしていただきたい。 ○池上分科会長  では、お願いいたします。 ○神ノ田補佐  天本委員御指摘のとおり、基準上は低く設定されている。これはすべての老健施設が満 たさなければいけない基準ということで、そういう性格の数字だということかと思います。 ただ、各老健施設の判断で、24時間対応できるような形で看護配置をしているようなところ もかなり多いというような話もありますので、そういう施設がある地域においては老健施設等 に移すということも、現時点でも可能なところはあるのだということです。あと、特養の状況は 私も十分承知しておりませんが、少なくとも資格法上の看護師以外ができない、つまり無 資格の人ができないようなもの、これがやられているということは法的に問題だろう思います が、特養においても看護師等一定程度配置されているということで、こちらの慢−1−3と いうような形で、一定程度医療処置が必要な患者の受け入れも行われているということかと 理解しております。 ○天本委員  くどいようですけれど、法的に可能であるような受け入れ態勢整備がなされていないのに、 医療保険の療養病床の医療区分1として政策的に病院から介護施設に誘導するというの は非常に矛盾があるのではないかということ。そして医療区分1の、先日、この医療処置の 一番上の表ですけれど、全体では確かにこの時間配分とか、そういうようなものの相対比 とかケアに対する時間の流れというのは、医療区分の流れ、ADL区分の流れというのは、 椎名委員も御指摘したように非常にきれいに、重いところが多くないということになっており ますけれど、もし法的に介護施設で24時間看護婦さんがいない施設に送れないのであれ ば、この医療区分1のADL3というのはかなりのケア時間数をとっているわけですので、問 題はこの時間に対するこの値付けと言いますか、診療報酬が余りにも低く位置づけられて いるということは、定量的に時間が短いからと言われても、法律的にここでしか対応できな いのであれば、きちっとした報酬の適切な位置づけが必要ではないかと思われますので、 その点についてはこの政策的というものが間違っていないかどうか、事務局から御意見を いただきたい。 ○医療課長  先ほどからちょっと、この分科会で御議論していただく部分では多分ないのだろうと思い ます。介護保険の、介護療養病床を福祉系の介護の施設へもっていくと、移行していただ こうという形でお話をしているわけですけれども、その中で介護保険のどのような施設にな るべきかと。特養という中で想定しているわけでもありませんし。では、今の老人保健施設 の形で十分なのかということについては、介護保険の方で議論が進んでいるというふうに 聞いておりますし。そういう意味では、ここで例えばこの慢−3に示されていますそれぞれ の施設でこのような処置が行われているという以上は、この部分については施設基準上 の問題ではなくて、実態上その看護師等が老健施設なりあるいは特養なりにおられて、 そういう形の中で行われているだろうというふうに考えるわけです。施設基準としてどうあ るべきかというのは、それはそれでまた別途議論をしていただきたいと思いますが、この分 科会での議論とはちょっとずれているのではないかというような気がします。 ○天本委員  しかしながら、この受け皿がない現時点の段階において、医療療養病床のこの検証とし て、データとしても130分というケア時間があるにもかかわらず、報酬が非常に低く位置づ けられているということで、受け皿整備が法的にも、それから介護療養病床がなくなるとい うことからしても、そこの検証としましては非常に矛盾があるのではないかということを御指 摘したい。 ○池上分科会長  では、御指摘を伺ったということで。 ○天本委員  はい。こちらからの報告の中に、きちっと意見として書き込んでほしいと。 ○池上分科会長  ほかに御意見ございますか。 ○椎名委員  慢−1−2の資料の1ページについて、幾つか教えていただきたいと思います。それで、 回答で「現時点においては患者分類別の費用までは算定できないが」とこうありますけれ ど、これはどういう意味なんですか。 ○神ノ田補佐  タイムスタディをしていますので、そこのところについては患者さん一人一人についてど れぐらいのケア時間があったか、またそれに対応する人件費というものは整理することは できるのですが、特に設備面ですね。ハード面、固定費用について、個々の患者ごとに 割り振るということが非常に難しいということと、あと療養病床以外のところ、一般病床も含 めて病院全体として収入と支出を出していただいたというようなところで、なかなか個々の 患者ごとに、特に支出面についてでございますが、医療区分1の人は幾ら幾らというとこ ろまで数字を出すということが困難だということでございます。 ○椎名委員  「現時点においては算定できない」という。私はある程度時間があれば出してくれるのか なと思ったのですけれども。でも、これは無理だという話ですか。 ○医療課長  費用の配分をどうするかというのは、これは病院の費用計算をすると必ず出てくる問題 で、全体のコスト分科会で非常に細かく議論をされております。例えばレントゲンの検査 を受けましたと。その回数なり、あるいはそこにいた時間なりでもってそのレントゲンの費 用を分散するのかと。細かく言い出すと、多分きりがないのだろうと思います。どのあたり でこの費用を各個人に振り分けるかというのは、技術的には多分極めて難しい議論にな ると。  例えば、単純に人件費について、とりあえず今このケアした人たちの人件費については、 実際にかかわった時間で割り振りますと。ところが、ではこの人たちが直接ケアをしていな いときの、そういうようなときの時間のものについて、例えば研修に行きましたと。研修に 行ったときに、仕事で行くわけですから給料は当然払うわけですね。ではその人の費用 を、ではもう頭数で割るのか。あるいは、それから病院の減価償却も全部頭割りで割るの か。単純にあとは割り切ってしまって、足し上げてその1人ずつというのは多分出るのかも わかりません。それでいいのかと。  それでいいなら多分出せるのだろうと思いますが、恐らく直接的に測定した部分の費用 とそうでない部分の費用の比率が、余りにもそのそうでない部分が大き過ぎると、単純に 頭数で割ったのではあまり差が出ないような気がしますので。そういう意味では、厳密な 意味でのそういう費用の算定ができないということと理解をしていただきたいと思います。 ○椎名委員  医療課長さんのおっしゃるとおりだと思いますけれども、基本的にそのコストの配付は 一定のルールをつくってそれなりにやればいい話で、私はそんな難しいものを求めている わけではなくて、実は昨年9月13日のこの分科会で、慢−1−2、くしくも同じ数字です けれども、これ、各区分の費用ということで出ているんですよね。これ、一定の配付とか 固定費、あるいは変動費の条件を一応置いて。ですから、このレベルの患者分類ごとの 費用がなぜ出ないのかと。なぜコストの調査の中に入っていないかと、そう疑問に思った ので、これを出してちょうだいと、そうお願いしたんです。 ○神ノ田補佐  ちょっと済みません、訂正いたします。今、確認いたしましたが、まだ薬剤等の入力・ 集計ができていないということで、それが終われば前回、9月13日にこの場でお出しした レベルの資料は整理できると思います。 ○椎名委員  ありがとうございます。よろしくお願いします。それからこの表ですけれども、前回調査と 同じ病院と、22病院について調査した結果と。これは定点観測的に大変貴重なデータだ と思います。ただし、これを見ますと「3%以上マイナス3%以下」とこんなふうな区切りに なっているのですけれども、この3%というのはどんな意味で区切ったのでしょうか。  それを教えてください。 ○神ノ田補佐  ここはもう事務局の方の判断で、ここを1つにまとめるということよりは、収支改善と言って もゼロをちょっと上回るのか、あるいは何%か上回るのかというところも委員の先生方にお 示しできた方が良いのではないかということで、今回は3%というところで線を引かせてい ただいて、ゼロをちょっと上回っているだけということで14病院が挙がっているということで はないということをお示ししたかったということでございます。3%という数字に特に意味が あるということではございません。 ○椎名委員  お話はわかるのですけれども、大変貴重なデータですので、このような定性的な分析だ けではなくて、もっと定量的な分析結果をこの場に出していただきたいと思います。 ○猪口委員  この医療療養病棟を持つ病院の医業収支というのは、なかなかこれ、わかりづらい表現 で。つまり、療養病棟が減ったかふえたかと、これではわからないですね。ほかの病院も 入っているし、それから療養病棟の中でも、例えば元特殊疾患療養病棟なのか、もしくは 特殊疾患療養加算を取っていたのか。それによって今回、収支は全く変わるはずですから。 ですからそこの辺を、ある程度データを入れてやらないと、これではまるで療養病棟は全 然悪くなってないじゃないか、という結果に見えてしまうんですね。実態としては、特殊疾 患療養加算を取っていて普通の療養病棟になったところは、間違いなく収入は。それは 療養病床協会でたしかとっていますよね。間違いなく悪くなっているんですよ。ですから この結果を、これがひとり歩きするのは我々としてとても耐えられない結果ですね。実態 はこんなものではないですよ。 ○木下委員  今のに関連するんですけれど、これ、病棟編成の中身が全く考慮されていないので、こ ういう数字だけ出るというのは非常に悪用される可能性が大きいということで。 ○猪口委員  あと、病床規模によって違うはずですからね。 ○木下委員  規模とそれから回復期リハ病棟になったとか、特殊疾患療養病棟をやめたとか、いろい ろ理由があると思うので、そこを分析しないで出すと非常に危険なデータなので、余り一 般には出さない方が。というか、「これでいいんじゃないの」ということを言われかねない。 ○猪口委員  そうです。 ○木下委員  それともう1つ、先ほど説明の中にあった、老健施設で70%は24時間看護師がいるという データが出ているというお話だったのですけれど、確かにそういうデータは出ているんです けれど、介護施設等の在り方に関する委員会でも指摘したのですけれど、規模が出てい ないんですね。だから、100の老健でも200の老健でも、そこに夜間看護師が1人いたら看 護師が24時間いるという判断なので、老健で看護師がいるから医療処置ができるという判 断にそれですぐ結びつけると非常に危険だというふうに思いますので、そこは十分に考慮 してもらいたいと思います。 ○天本委員  大体同じ意見なのですけれど、病院の収支で部署別管理会計ではないはずですので、 療養病床に関するその検証として使う資料とはなり得ないということで、これを削除してい ただきたい。意見として。 ○池上分科会長  そういう御意見があったということを記憶いたします。ほかにございますでしょうか。 ではもう中間報告に向けての課題がありますので、今のところよろしゅうございますでしょうか。 ○猪口委員  もう1つだけ。先ほどの医療処置の話ですが、老健はまだいいのですけれども、特養の場 合は100床規模で看護師が3人ですから。夜間対応は絶対できないというふうに考えてい いと思いますが。 ○池上分科会長  はい。では、よろしいでしょうか。  では、別紙3の方に入ってよろしいでしょうか。前回積み残しの別紙3についての説明を 事務局よりお願いします。 ○神ノ田補佐  それでは、別紙3につきまして御説明をいたします。こちら、介護療養病床のみを有する 病院の調査でございます。1番目のところで、病院数は16病院ということで数は少なかった わけですが、集計したものを用意させていただきましたので、一通りポイントのみ御紹介い たします。  1番目のところがADL区分、医療区分、認知機能障害加算の状況ということで、こちらの 表のとおり、医療区分1が50.0%、医療区分2が42.1、3が7.9ということでございます。医 療療養と比べますと、医療区分1の割合が多くなっております。2番目のところで、医療区 分採用項目ということで、各項目ごとにどれぐらい実施しているかというところを整理してお りますが、こちら、ちょっと見方が難しいのですが、別紙の2との比較で見ていきますと、若 干差があったところを挙げていきます。中ほどの肺炎、これが別紙2の方では4.6%となって おりまして、こちらの介護療養病床のみを有する病院では6.6%ということで、2.0ポイント 上回っていたということです。あと下から6つ目のところで、「経鼻胃管胃瘻の経腸栄養」と いうのがあります。これも6.9%でございまして、別紙2と比べますと3.3ポイント多くなってお ります。次の「喀痰吸引」、これが12.4ということで、プラス6.7ポイントでございます。創傷 処置、最後の創傷処置でございますが、こちらが9.8%でございまして、マイナス3.0ポイ ントということでございます。もう一度まとめますと、「肺炎」と「経鼻管胃瘻の経腸栄養」、 「喀痰吸引」が多くなり、「創傷処置」が少なくなっていたということでございます。それをど う解釈するかというのはちょっと難しいと思いますが、データ上そのような結果となってい るということでございます。  2ページ目でございますが、入退院の状況でございます。これも別紙2と比較して、大き く数字が違うところだけ挙げていきますが、まず6番目の介護老人保健施設から入院した というもの、これが8.0%で、プラス4.4ポイントとなっております。次の、他の医療機関の一 般病床というのが60.9%。これは25.2ポイント上回っております。8番、9番、別紙の2の方 ではこちら、まとめまして4.5%という数字でございますが、こちらの方では13.5%ですので、 プラスの9ポイント上回っております。もう一度まとめますと、入院前の状況については、別 紙2と比べますと、介護老人保健施設、他の医療機関の一般病床、他の医療機関の療 養病床、これらが上回っていると、多くなっているという結果でございます。  次の表で、調査病棟に入院した背景でございます。こちらも大きく違っているところのみ 挙げさせていただきますが、「他施設のあきがない」というのが3.7%でございますが、別紙 2の方では12.0ということで、マイナス8.3ポイントとなっております。「自宅の体制が整わな い」、これが13.2%で、マイナスの12.5ポイントでございます。あと「本人、家族等が希望」、 これがマイナスの14.4ポイントとなっております。もう一度まとめますが、「他施設のあきが ない」、「自宅の体制が整わない」、「本人、家族等が希望」というところが低くなっていると いう結果でございます。  退院先の見通しでございます。これも大きく違うところのみ挙げさせていただいきます。 退院先の見通しとして、5番目の「介護老人福祉施設」、これがマイナス4.9ポイントとなっ ております。6番目の「介護老人保健施設」、これがマイナス6.0ポイントです。8番の「他 の医療機関の療養病床」、これがプラス20.3ポイントでございます。5番と6番、介護施設 が低くなっており、8番目の「他の医療機関の療養病床」、これが多くなっていると、 そういう結果でございます。  3ページへ参りまして、退院の見通しでございます。こちらは2番目の「90日以内に退 院できる見通しはないが、今後受け皿が整備されれば退院できる」というのが25.0%とな っておりますが、こちらはプラス5.0ポイントとなっております。4番目の「退院(転院)の見 通しはない」というのがマイナス6.1ポイントとなっています。2番が多くなっていて、その 分、4番が低くなっているというような結果でございます。  その次の表、3つほど説明は省略させていただきたいと思います。  4ページに参りまして、4番のその他の患者状態像ということで、こちらも別紙2との比較 で大きな開きがあるところのみ挙げさせていただきます。上から4つ目の「高血圧症」、こ ちらがマイナス7.0ポイントとなっております。1つ飛びまして「大腿骨頚部骨折」、こちらも マイナス4.5ポイントとなっています。「アルツハイマー病」、こちらもマイナス4.0ポイントと なっております。ちょっと飛びまして「片側不全麻痺/片麻痺」でございますが、こちらも マイナス5.8ポイントでございます。全体的にマイナスのものが多くなっておりまして、特に マイナスが大きかったものが、今挙げた「高血圧症」、「大腿骨頚部骨折」、「アルツハイ マー病」、「片麻痺」と、この4項目でございます。  5ページへ参りまして、感染症についてでございます。上から3つ目の上気道感染、こ ちらがプラスの2.4ポイントとなっております。大きく変わっていたのはこの1項目のみでご ざいます。次の問題状況でございますが、2つ目の「発熱」のところがプラス3.2ポイントと なっております。あと処置、治療です。「胃瘻、腎瘻等」ですが、こちらがプラスの5.1ポイ ント。1つ飛びまして「吸引」がプラスの3.6ポイントとなっております。  最後のページに参りまして、状態の安定性、こちらについては大きな差は認めらません でした。あと栄養摂取の方法についてですが、3つ目の「経管栄養」というのがプラスの 11.2ポイントとなっていまして、その分最後の「いずれか1つ以上該当」というのもプラス の10.3ポイントとなっております。「経管栄養」が10ポイント以上多くなっているという結果 でございました。次のリハビリテーションを要する状態、発症してからの日数でございます が、こちらは大きな差はなかったということでございます。  最後の表でございます。日常の意思決定を行うための認知能力でございますが、1つ 目の「自立」、これがマイナス3.5ポイントです。「限定的な自立」、これがマイナス3.0ポイ ント、間が飛びまして「重度の障害」、これがプラス5.8、「意識障害者」プラス2.8となって おります。「自立」、「限定的な自立」が減って、「重度の障害」、「意識障害者」がふえて いるというような傾向でございます。ちょっと解釈が難しいと思いますが、ポイントは以上 でございます。 ○池上分科会長  ありがとうございます。では、ただいま説明のあった別紙3について、なにかコメント、御 質問ございますでしょうか。 ○天本委員  ちょっとよろしいですか。介護療養病床で医療区分というのは実際必要ないものですか ら、やっていないところが、未実施というのが、老人保健課でやった調査では4割、5割と いうものが出ていたのですけれど、この数字を見ているとほとんど全部、これは実施した ということですか。 ○神ノ田補佐  こちらは、患者特性調査に御協力いただいた病院の結果です。それをすべて集計して いますので、未実施というものはないという結果でございます。この調査のためにこの医療 区分の判定をしていただいたということです。 ○天本委員  今回わざわざ介護療養病床の調査をしたというのは、この区分2、3などが、医療療養病 床を必要としているものがどれだけあるかという意味でこれ、比較をしたんですよね、この 調査した目的は。 ○神ノ田補佐  目的としましては、今回の調査、検証項目が幾つか挙げられていたかと思いますが、患 者の移行状況ですね、患者及び施設の介護への移行状況についても検証をするというこ とになっております。その関係で、医療療養病床だけを調査したのでは介護との移行状況 は十分検証できないだろうということで、介護療養病床のみを有する病院、また介護療養 病床についても別紙2、3というような形で整理させていただいたということでございます。 ○池上分科会長  よろしいでしょうか。では、恐縮ですけれど、時間の関係で別紙5の方に移っていただけ ますか。事務局、説明をお願いいたします。 ○神ノ田補佐  別紙5でございます。コスト調査の結果でございますが、1ページ目のところで18年度の コスト調査ということで、患者1人当たり費用の算定結果を表で整理しております。全体費 用が1万9,505円ということで、1日当たりこれだけの費用がかかっているということでござ います。 これは対象病院が違いますので単純比較はできませんが、下の方に16年度のコスト調査 の結果を表で整理しております。ほぼ同じような費用、また構成比ということでの結果が得 られているかと思います。  おめくりいただきまして2ページのところは、今の結果を箱ひげ図であらわしたものです。  真ん中のところが中央値でございますが、16年調査と比べてほぼ同じぐらいになってい るということでございます。3ページ目のところが、これは比較をできるようにということで、1 6年度、18年度、両方の調査に御協力いただいた23病院について集計したものでござい ます。  18年の結果が1万9,390円ということで、16年の結果である1万9,930円とほぼ同じぐらい というような結果が得られております。  最後のページでございますが、4番の職種別人件費についてということです。これを16 年調査との比較で見ますと、医師の人件費が若干上がっていまして、看護師、准看護師、 看護補助者、リハスタッフ、その他の職種は若干低くなっていると、そのような結果でござ います。説明の方は以上でございます。 ○池上分科会長  別紙5について御質問、コメントはございますでしょうか。  これも先ほど収支についての議論がありましたように、まず前回と同じ病院に限って比 較するということも可能でありますし、また御指摘いただいたように病床の規模あるいは特 殊疾患療養病棟であった、加算であったということ別にも比較することは可能でございま すけれども。 ○天本委員  よろしいでしょうか。これ、患者さん1人当たり1万9,505円かかっているということで見ま すと、報酬で一番高いところだと1,740点ということで、一番低いところが885点で半分以 下という、余りにも乖離しているんですけれど、これはどう読んだらいいですか。 ○神ノ田補佐  考えられるものを挙げさせていただきますと、加算がつく部分があります。あと出来高で 算定できるものが一部あります。もう1つは、ケアミックスになっていまして、特に設備関係 費、これらについては一般病床も含めて数字をとって、療養部分みたいなことで割ってい たということもありますので、若干そこでずれが出ている可能性がございます。トータルで は、従来からそのような形でやってきておりますので、大きな報酬とこの費用との開きはな いのではないかと考えております。 ○椎名委員  今の天本委員の御質問、あるいは御疑問は、先ほど私から求めた患者分類ごとのコスト が出た段階で極めてクリアーになろうかと思うので。それが出たときに改めて議論する必 要があると思います。大変重要な事柄だと思います。 ○天本委員  先ほど私、確認しようと思ったんです。それは次回には、今の椎名委員の求めた資料は 出るわけですね。 ○神ノ田補佐  ちょっと確認いたしましたが、薬剤の部分の集計がまだちょっと入力がおくれている部分 があるということでして、2〜3週間ぐらいかかるというような。 ○天本委員  そうしますと、また前回と同じように、要するにエビデンスのもとに議論しよう、検証しようと いったことが、また出てこないんですか。 ○神ノ田補佐  例えば、提案でございますが、出せるものを申し上げると、ケア時間を人件費部分のみで 整理するというところは可能です。 ○池上分科会長  済みません、ちょっと私が座長という立場を離れて申しますと、それも難しいと思います。 と言いますのは、それは人件費のタイムスタディ部分の人件費でありまして、残りの人件費 をどのように按分するかということを決めなければいけないという点が1点と。それから収入 について、たしかレセプトデータとこの患者特性データの突合がまだ終わっていないと思 いますので、作業量からして次回の月曜予定の分科会、あるいは先ほど事務局から説明 がありましたように2〜3週間は難しいのではないかと、作業用から申し上げた次第でござ います。 ○天本委員  包括評価の検証ということでこの委員会があるはずですので、そこがないのに、これは包 括性の原点というか、そこがきちっと整合性がないと検証できないのではないですか。 ○池上分科会長  今申し上げたものは、材料費、薬剤費などはかなりまだ時間を要するので。ただ、これは 出せないということではなく、2〜3週間はかかると私が予測したということを申し上げており ます。 レセプトデータに対しては、これ、コストではなく収入についてのデータでありまして、これ もまだ突合が終わっていないというふうに伺っております。  それが実は終わらないと、別紙5のこのコスト調査データというのは、これは収支から按 分したまでですので、これが本当に積み上げていった場合にどの程度整合性があるかと いうことは、ちょっと今の時点では。前回も検証していませんでしたので、今回もまだここの 課題として残るのではないかと思います。はい、どうぞ。 ○木下委員  そうすると、この部分に関しては月末の中医協には報告しないという理解でよろしいんで すか。 ○椎名委員  報告できないでしょう。ないものはないので。 ○池上分科会長  ですから、この報告内容についてはまた後ほど議論させていただければと思いますけれ ど、とりあえず済みません、時間の関係でこの別紙5の説明はよろしいでしょうか。 ○大塚委員  今回の調査が時間的な問題で今のデータが出ないとなれば、前回の同データはあるの でしょうか。トータルとしてのコストが余り変わっていないとなれば、もし今回間に合わなけ れば、それを準用するような格好で当てはめて議論をせざるを得ないのだと思うんですね。 ○神ノ田補佐  それは次回、御用意できます。 ○池上分科会長  それでは、16年度調査のデータを次回にということで進めさせていただきたいと思います。 ○天本委員  それはきちっと、ADL区分とか医療区分とかに分けた形で、コストとして、多分検討したの だと思うので。それは出るわけですね。 ○神ノ田補佐  支出については出せるということですが、16年調査ですので余り報酬と結びつけてという のは意味がないかなとは思いますが。 ○池上分科会長  たしか16年度調査は、レセプトのデータをとっていなかったように記憶していますので。収 入部分については把握できないのではないかという気がいたしますけれども。ちょっと私も 記憶は定かでないので。ただ、費用については一定のデータは出るのではないかという気 がいたします。 ○猪口委員  これはもう、この3月の終わりの中医協報告というのはタイムリミットなんですか。というのは、 データがもう少し待てばいいデータが出てくるというのが、2〜3週間後に出てくるのだった ら、やはりそれが出てきて、その上で議論して、それで報告書をつくっていただいた方がで すね。 何か中途半端で、もう少し待てば出るよというのに無理やりつくっても、せっかくのこの分科 会がもったいないと思うんですね。我々も、やはり最終的に費用が出てきて収入と比べてど うなのかというレベルで、やはり考えてきておりますし、もしそれが報告が、もっと最終が1カ 月延びてもいいとかというのであれば、無理しない方がいいような気もしますけれども。 ○神ノ田補佐  中医協の方からは今年度中ということで線が引かれていますが、ただ、それをもってこの 分科会での検証について幕引きをしようとは考えておりません。中医協に対しては、その時 点でまとまったものを中間報告的に報告するということは必要だと思います。ただ、引き続き、 データも今後上がってまいりますので、それについてはしっかりと検証していただいて、最 終的には委員の先生方、御納得いただくような形で報告書をまとめていただきたいというふ うに思います。 ○池上分科会長  では、よろしいでしょうか。 ○天本委員  ただ、参議院の付帯決議の、要するに答えを出すのは今年度中に出すのではなかった でしたっけ。検証。 ○医療課長  参議院厚生労働委員会の付帯決議として、医療区分については、速やかな調査・検証 を行い、その結果に基づき必要に応じて適切な見直しを行うこと、とされています。 ○池上分科会長  では、よろしいでしょうか。では別紙6について、事務局、説明をお願いいたします。 ○神ノ田補佐  それでは別紙の御説明をいたします。こちら、タイムスタディに御協力いただいた病院か らレセプトも提出していただいております。タイムスタディの結果は別紙4の方で集計して おりますが、このタイムスタディ調査に御協力いただいた病院の代表性を見るという意味で、 この別紙6を見ていただければと思っております。  1番目のところで、タイムスタディ調査病棟における収集レセプト件数ということで、病院 数77から2,879件のレセプトが上がってきております。算定日数は8万2,504日ということで、 これを集計した結果が以下でございますが、5区分の状況を見ますと、医療区分1が27.1%、 医療区分2が43.1%、医療区分3が29.8%でございます。参照ということで、国保支払い分 のレセプト調査4万2,881件分のものを下の方に載せておりますが、それとの比較で見てみ ますと、医療区分1がマイナス2.9ポイント、医療区分2がマイナス8.7ポイント、医療区分3 がプラス11.6ポイントということで、全国の数字と比較すると、医療区分3の割合が多い病 院がこのタイムスタディに御協力いただいたということが言えるかと思います。  2ページ目のところは、同様でございます。9区分に分けたらこのような結果になるというこ とで、同様に医療区分3の割合が全国の平均的な数字と比べると多くなっているということ です。3ページ目も同様でございます。医療区分3の割合が大きいという結果でございます。 説明は以上でございます。 ○池上分科会長  ありがとうございました。では、別紙6について御質問、コメント等ございますでしょうか。 ○池上分科会長  済みません、別紙6について御質問はございませんか。これは事務局から説明がなかっ たので補足しますと、このレセプトの区分というのは、特殊疾患療養病棟に移行、昨年の 6月時点にとった場合には区分が多少上乗せになっている関係もあって、医療区分3、2 が多くなっているように、特に区分3が多くなっているように記憶していますけれど、そうい うことでよろしいでですか。 ○神ノ田補佐  そのとおりでございます。 ○天本委員  その割合というのは? ○猪口委員  この間、出ていましたね。 ○天本委員  どこに出ていましたっけ。 ○猪口委員  前回の資料に。これ、前回の資料です。前回資料の医療区分3のところの。 ○池上分科会長  別紙1。きょう配った。 ○猪口委員  きょうの別紙1ですか。 ○天本委員  きょうの別紙1。 ○猪口委員  ああ、医療療養病棟、これの。 ○天本委員  これのどこを見ればいいですか。 ○池上分科会長  一番上に。別紙1の1ページの、構成比が出ています。1ページの一番上の表が。これ を足せばですね。医療区分1、ADL区分……。医療区分1の27.1%に相等するのが、こ の別紙1の34.4%になるわけです。 ○猪口委員  特殊疾患療養病棟。 ○天本委員  特殊疾患療養病棟をとっていて、区分3に位置づけられている割合と。 ○神ノ田補佐  別途集計したものがございましたので御紹介しますと、その経過措置の関係を全く勘案 しなかった場合の数字でございますが、その場合は、医療区分3の割合が9%ぐらい下が るようです。具体的な数字を申し上げますと、経過措置による区分移動をないと仮定した 場合でいきますと、医療区分3の割合が20.9%、経過措置による区分移動ありということ で集計しますと30.0%になるということで、9%ぐらい差が出てくると。医療区分2について 申し上げますと、経過措置による区分移動なしとしますと、46.4%、区分移動ありとします と42.3%ということでございますので、こちら、医療区分2につきましてはマイナス4%ぐら いになります。医療区分3が9ポイントぐらい上がって、医療区分2が4ポイントぐらい下が って、医療区分1が5ポイントぐらい下がると、そのような結果でございます。 ○天本委員  すると、区分1はそれを引いたものと。 ○神ノ田補佐  もう一度申し上げます。区分移動がありますと、医療区分3が9ポイント上がります。 医療区分2が4ポイント下がります。医療区分1が5ポイント下がると。5ポイント、4ポイント 下がって、医療区分3が9ポイント上がるというような結果になっています。 ○池上分科会長 ちょっと混乱させてしまいましたけれど、請求上の区分とこの患者特性 調査から分類された区分が異なるということを御説明しようとした次第でございます。では、 別紙6についてはよろしいでしょうか。  それでは時間のことが気になりまして、大変恐縮でございますけれど、諸資料の説明は とりあえず終わりまして、次にこの18年度調査につきまして今年度中に中医協基本問題 小委員会に中間報告を行う必要があることから、次回分科会では中間報告の取りまとめ を行いたいと考えております。  まず、前回資料のこの青いファイル。青いファイルにあります2月21日、後ろの方にな ります。青い方の後ろのすぐにあるところの2月21日分の分科会資料慢−1をごらんにな っていただけますでしょうか。そしてその中段にあります(1)から(7)の課題が中医協より委 託を受けているものであり、その検証結果を取りまとめることが求められています。しか しながら、現時点ではすべてのデータが集計されているわけではないことから、まずある 程度データがそろっている(1)と、つまり患者分類に基づく包括評価導入に伴う職員配置、 患者構成、コストの変動、及び(2)の医療区分の妥当性について、おおむね妥当であるか 見直しが必要かといった評価について御意見をお伺いし、中間報告にしていきたいと思 いますが、よろしいでしょうか。  きょうも話題になりました、この医療区分の妥当性、あるいは今、限られたデータにおけ るコストの変動などを中心に御議論いただければと思います。何か具体的に、全体として の妥当性、あるいは問題点について御意見をちょうだいできればと思います。 ○天本委員  医療区分の妥当性というところで、私も何回も言っておりますけれど、医療処置のもの は法的に医療施設で行う必要があるということからして、経管栄養その他胃瘻などの医 療処置を必要とするものは、医療区分1はそのまま退院すると、日医が主張していた医 療難民ということになる危険性があるので、医療区分1は不当であるという意見をお知ら せしていただきたいと。 ○池上分科会長  はい。とりあえず、それについての御議論はありますでしょうか。あるいは別の取り上げ るべき課題も、とりあえずはリストアップしていただけますでしょうか。 ○近藤委員  確認ですが、この区分の妥当性という検証項目は、その区分の割り方が適切かという 議論と、その区分の診療報酬の評価が適切かという2つの問題があります。区分の割り 方については、枡を切ったときに時間である程度のめりはりがついています。今回議論 するのは、その区分の割り方あるいは範囲が適切かということのみですか。それとも、そ の区分のコストを見たときに、そこについて診療報酬の額と、その額によって起きる患者 の動きを加味し、我々の意思決定部分ではない診療報酬の部分も含めて、その妥当性 についてコメントすべきなのか。その点をまず先に教えていただけますでしょうか。 ○池上分科会長  では、事務局から対応していただけますか。 ○医療課長  一番初めにそれは議論があったことなんです。基本的には近藤委員の今おっしゃられ たことの前半の部分が分科会での最低限のことだと思いますが、事実上、現在もうすでに 点数がつき、あるいは介護療養病床に関連して医療区分1の点数があり、医療区分1の 意味づけも、天本委員の御指摘のように言われていると。そういう中で、序列的にこの9 区分あるいは11区分、あるいは医療区分3、ADL区分3、そういうような方向で見たときの 並びとして、その部分について妥当であるという、例えばそういう結論を出していただい た後、ただその中でその医療区分1についてこういう状況にある中で、こういう部分につ いてはそういう医療機関でなくてはできないとい御意見、そういうような形でまとめていた だくことについては別に構わないと思います。ベースは、まずはその切り方でどうかという ことです。 ○池上分科会長  では、まずベースとしての切り方はどうかということについては、いかがでしょうか。 ○木下委員  その資料になるのは前回出してもらった別紙4だと思いますけれど、ここに出ている項 目というのがまだ少ないというか、追加した項目等について十分な数字が出ていないとい うことで、別紙4の8ページに疾患状態別のケア時間、18年度のものが出ていますけれど、 今回調査項目に加わった、例えば「慢性心不全」だと、ニューヨーク・ハート・アソシエ ーションの分類でその分類の高いものの時間がどうだとか、あるいはCOPDのヒュー・ ジョーンズの4の場合はどうだとか、「腎不全」、「肝不全」にもそれぞれ診断基準がつい ております。それから栄養状態についても細かく分類がされておりますし、皮膚のケア、リ ハビリテーション、喀痰吸引、それから退院の可能性についても調査項目がありますので、 それぞれの関連性が出てこないと検証はできないという気がしますので、そこを出ないと 正確な判断というか。  それから、アンケート調査で分類の不適切という頻度の高いもの、それに対して今回の 調査結果からみてどういうふうに考えるかという判断が必要ではないかと思います。 ○椎名委員  基本問題小委員会に対する報告というのは、あくまでも速報ですよね。あるいは極めて 不完全な中間報告とそういう位置づけで、なおかつ年度末にやらなくてはいけないという のだったら、基本的にその中間報告なりの前段に、まだまだ大変大切な資料が出ていな い段階の報告であると、その旨をぜひ明記していただきたいと思います。  そういう前提の中で、その分類の妥当性、これについても、現在までに出されている資 料ですと別紙4の3ページの職種別人件費で重み付けされたケア時間と、これぐらいしか めぼしいエビデンスはないですよね。これは11分類で分類していますけれども、これを実 際、値付けされた5分類でそれと比較してみて、それはやはりおかしいよねと、そういうこ とは言えるのではないかと思うんです。だから、それぐらいしか言えないし、引き続きその 分類ごとのコスト調査結果、そういったものでもっと議論を深めて、さらにきちんとした報告 をしたいと、そのレベルの中間報告しかできないのではないかと思うんです。 ○池上分科会長  ありがとうございました。ほかにコメントあるいは課題を出していただけますでしょう か。 ○天本委員  前々回の資料ですか、病院長に対する医療現場からの意見というものの中で、ここでは 患者分類に対する総合評価というのは約6割は不適当であるという意見が、この数字で一 番アンケートで出ているんです。それから区分の中で、区分2の問題でリハビリが30日以 内、これも我々として40.7%問題があるという指摘、それから胃瘻とか喀痰吸引などにお いても、これを区分2に追加すべきであるという意見が一応出ていますので。一応アンケ ートでとったわけですので、それをきちっと報告していただきたい。 ○池上分科会長  ありがとうございました。どうぞ、木下委員。 ○木下委員  これ、21日の別紙1の2ページに、診療療養病床における職員1人当たりの患者数の変 化というのがのっていましたね。 ○池上分科会長  21日。こちらの……。 ○木下委員  21日の分の別紙1というのが。それの2ページの上に、療養病床における職員配置の評 価という表が。 ○池上分科会長  はい。 ○木下委員  これで職員1人当たりの患者数が減っているというデータが出ていたので。これは変化と して取り上げていいのかなというふうに思いますけれど。 ○池上分科会長  そのうち、特にどこを。 ○木下委員  看護職員1人当たりの患者数が減ってきているというところです。 ○池上分科会長  それは平均値、中央値の……。 ○木下委員  その辺は統計できるぞとかと書いてあったようですけれど。 ○池上分科会長  ええ。それの11月同士を比較するわけでございますか。それとも、区分導入の6月と、7月 の前の前月と比べるという。 ○木下委員  11月が差が大きいのですかね。6月はかなりもう準備の状態になっていると思うので、1カ月 の変化を見ても余り意味がないかなと思います。 ○池上分科会長  今、それで私も気になって。平均値でみると、確かに11月同士を比べると先生のおっしゃる ようになっているんですけれど、6月から11月にかけては特に変わっていないので。 ○木下委員  ただ、6月というともう7月からの準備状態に入っているので、職員数を増やしてちゃんと 対応していると思うので、1年間で比べないと余り意味がないかなという。7月1日に採用し ますよと、そこで何人かふえるということは現実的にはあり得ないという気がする。 ○池上分科会長  ちょっとここの確認ですけれど、先ほど※印がある平成17年11月、平成18年6月は医療 療養病床の特殊疾患療養病棟はふえないと。それ以来、人員配置基準が多いところは除 いてあるということでよろしいですか。 ○神ノ田補佐  こちらは、11月、6月につきましてはこれを除いておりまして、この4つの時期で比較をで きるように条件を合わせたということでございます。 ○池上分科会長  ただ、細かいことをいうようで恐縮ですけれども、特殊疾患療養加算については、人員配 置的には同じであったと。加算も除いております。 ○神ノ田補佐  加算についてはそのまま含めているようです。 ○池上分科会長  はい。これは含めてよろしいでしょうか。特殊疾患療養病棟は除外していますけれど、加 算は含まれているということでございます。 ○木下委員  いや。このデータのどこかを使ってもらえれば。 ○池上分科会長  はい。では念のため、下段を除外することはできませんでしょうか。 ○神ノ田補佐  それはできると思いますので。検討したいと思います。 ○池上分科会長  ほかにありますでしょうか。天本委員、どうぞ。 ○天本委員  何度も言うようですけれど、経管栄養をしている人たちというのは全くの寝たきりで意識も ない方々がほとんどで、着がえ、排泄、移動も全介助で、かなりのケア時間を要すると。そ れは実際にこの調査でも130分というものが出ていると。部門的にはこれは区分1というより も、医療施設でなければいけないわけですから、それは提案していただくとしましても、こ の別紙4の3ページのところの相対比で見ましても、確かに全体で見ればきれいな流のあ るようなのですけれど、ADL区分3、医療区分1は0.920と。それでADL区分2、医療区 分2が0.925と。医療区分3、ADL区分1というのが……。 ○池上分科会長  済みません、今は別紙……。 ○天本委員  別紙4の。 ○池上分科会長  きょう配った? ○天本委員  これは前回のですね。 ○木下委員  きょうも入っています。 ○天本委員  きょうも入っていますね。要するに患者分類11区分別のケア時間の状況、あるいは患者 分類職種別人件費重み付けケア時間の相対比ということの表なのですけれど、全体で は委員の方々がおっしゃるように重み付けがきれいに比例しているというような見方も見 られますけれど、個々に見てみますと、ADL区分3で医療区分1というのは、0.920の重 み付けがされていると。これは経管栄養の人たちの、先ほど言ったようないろんな介助と かそういうケアというもので、全介助レベルなんですけれど、この医療区分2でADL区分 が0.925、同じぐらいの重み付け、そして医療区分3のADL区分1も0.953と。同じような 重み付けなのですけれど、この診療報酬という値付けで見ますと、885点から、1,344点 から、1740点といったような非常に大きなこの重み付けと値付けのところの差があり過ぎ るのではないか。この辺も全体での議論でなしに、やはり個別に着目した点での矛盾点 というものを指摘していただきたいと思います。 ○椎名委員  はい、天本委員。それを先ほど私、申し上げたんですよね。だから、「11分類のこの重 み付けケア時間と、あと5分類、値付けが行われた5分類との大変な乖離、それがあるよ。 おかしいんじゃないの?」と、現段階ではそれぐらいしか言えないんじゃないですか。さ らに分類ごとのコストをきちんと出してもらって、それでさらに深めた議論をする必要があ るけれども、まだ時間がかかるよね。4月以降になりそうで。それは引き続き大切な問題 で、議論していかなくてはいけないし、いろんな矛盾がいろいろ出てくるかもしれません ね。やはり幕引きをしていただかないで継続的に、4月以降もこれ、やる必要があると思 いますので。 ○医療課長  今は5分類にして点数をつけていますので、その5分類のケア時間の比ですか、そうい うようなものと比べていただかないと、その1つの分類の中で確かにここでは医療区分の 1、ADL区分3のA、B、C、D、Eでしたけれど、そのDとかEとかいうので分けている中 のDはどれぐらいか、Eはどれぐらいかということと比べていただかないと困ると。 包括しているときに、その個々に分けて細かく見ていけば、当然費用のかかる人とかから ない人が入って平均的に考えるということになりますので。今現在点数と比べるなら、そ の5分類にした形のが出せるような、それを出した上で検討していただきたいと思います。 話はもとに戻りますが、その中が余りにもかけ離れてもう入り過ぎているなら、そこは分類 をしていくのかどうか。そういう話になるというのが検証されています。 ○池上分科会長  今の御説明について。 ○天本委員  事務局に困ると言われても、我々現場、患者さんを預かっている人も非常に困っている わけでございまして、とにかく医療区分1、医療の時間数が非常に必要度が短い時間だと しても、法的に守らなければいけない。しかも、生活をも一緒に支援していかなければい けないということですので、そこの値付けというのは非常に重要で、もしこの11区分自体、 あるいは診療報酬の5区分との、最初は9区分でしたね、そことの議論をここでもうきちっと、 もう一度9分類の必要性があるのかどうなのか、そこら辺の議論もきちっとしておくべきで はないかと思います。 ○椎名委員  分科会長さんにお尋ねしたいのですけれども、今の医療課長さんのお答えというのは それでいいですか。つまり、11分類で出ているわけですよね。重み付け、人件費。これ を5分類に括弧でくくって出した数字との比較というのは、意味がないんですね。 ○池上分科会長  いや、まずその、例えば医療区分3におけるADL区分3、2、1の構成比を見て、それ を加重平均すると、この医療区分1全体として今くくられた点数と比較すると、医療課長 がおっしゃったとおりのことだと思います。しかし、たとえ数が少ないとしても、コストを反 映したということからすると、医療区分3の中でもこれだけ大きなADL区分によるコスト の差がありますので、それは報酬としては医療区分3に対して全体としてつけられてい るので、それでいいという考え方もあるし、構成比は少ないけれどもそれぞれのこのA DL区分ごとにコストを反映した点数とするべきかどうかというのは、この2つ考え方があ ると思う。今、課長がおっしゃったのは、前者に従ってすると、この今の点数ということの 関連で見ると、医療区分3におけるADL区分による相違というのはこの際問題ではな いのではないか、ということをおっしゃったと思います。どうぞ、近藤委員。 ○近藤委員  今のお話が関係するのですが、1点目は、もしもその値付けのことを一たん度外視して、 この区分が適切かということを、純粋にこの数字とサンプルを見てみたいと思います。区 分によって余り差がないところは束ねてもいいというような、分析をしたときに、今の5分 類が必ずしもギャップが一番狭いところを束ねてできている5分類ではありません。つ まり、今の5分類のくくり方がこの調査結果(今、時間しかありませんけれども)からみて 最も理論的なくくり、時間あるいはコストの差が一番小さいところをくくったくくりになって いるかというと、多分なっていないというのは1つ言えるというのが1点目です。  それから2点目です。これは本当は我々が調査を依頼されているので、基本問題小 委員会に何かを依頼する立場ではないのですけれども、依頼があります。私は、コスト が去年のもので出たときに、その報酬とコストとの関係が区分によってギャップが大き かったことについて、どのような背景でそういうところに落ち着いたのかを、我々は値付 けをするためのエビデンスを出すためにやっているので、背景として教えてほしいという ことをお願いしました。その時の事務局からの返答は、これは基本的には政策判断で すという一言でした。我々が妥当性を、どういう形で意見として表明するとどういう妥当 な御判断をしていただけるのかがわからないという現状があります。よって、我々のエビ デンスがどういうふうに使われて議論されて、最終的な値付けの判断に至ったのかに ついて、御議論の内容を次回は戻していただけると幸いです。この委員会が幕引きし ないのであれば、我々の妥当性の意見を述べることの意味が出て、フィードバックが 活きてくると思いました。  それから3点目です。コストを出すときに、前回はたしか人件費と材料費と一部の割り 当ての部分だけのコストで、固定費の按分をしていないものだったと記憶しています。多 分その3項目でざっくり総コストの6〜7割くらいになるかと記憶しております。あとの3割 を按分してもそれ程重みはないのかもしれないのですけれども、それを按分していただ けますか。収入と支出が全体でないと、2つの数字を見比べたときにどれくらい収益に 影響するかを、判断しにくかった記憶があります。先ほど医療課長がおっしゃったように 固定費の割り方というのは、決めの世界があると思うのですけれども、何かの基準で一た ん決めていただき、参考資料にでもつけていただけると、もう少しコストと収入の差につ いて議論が少しよくなると思います。もしも可能であればそうしていただければと思いま した。 ○池上分科会長  では、そういう御要望が出たということで、よろしくお願いします。 ○木下委員  まずこの11分類ですけれど、数字からみるとほぼ妥当だと思われるのですけれど、認 知症の11になっている2つのところ、これは数字が逆転しているので,この部分はもしか したら必要ないのではないかというような判断もできるのかなという気がします。ここは何 かコメントが要るのかなという。それと、近藤委員が言われたように、当委員会でやった 分類は非常に理論的によくまとまっているというか、区分の中身の出し入れの問題はあ るにしても、まとまっているというのが、これが診療報酬の分類と一致していないというこ とに一番大きな問題だということは主張した方がいいような気がするんです。 ○池上分科会長  ちょっと私が答えを言ってはなんですけれど、別紙4の参考資料の方をごらんになって いただければ。別紙4の参考資料というのがあって。この別紙4は、前回と同じ病院につ いてのみ調べたので標本数が非常に少ないので、それは今回調査のすべての調査に しますと、この認知症加算のところの逆転は生じていないように思いますけれど。 ○木下委員  逆転は生じていないけれど、この数字で見ても非常に近い数字なので、わざわざこう分 ける必要があるのかどうかという検証があるのかな、という感じです。 ○池上分科会長  さっき私が申し上げた、その点を含めてですね。この前年との比較をする上では別紙4 が必要ですけれど、今後、新たな分類基準をつくるという点であれば、別紙4参考資料 の方が標本数が多いので妥当な数値ではないか、ということを申し上げたかったわけで すけれども。 ○猪口委員  今回の実施する目的の6番で、医療療養病棟の役割というのが入っているのですけれ ども、そこを少し議論するなり、明確化しておいた方がいいのではないか。さっきはその 吸入の問題とか胃瘻の問題、その法的な問題で、そういうことも含めて、介護保険の施 設を考えた場合の医療療養病棟というのがどいう人たちを扱うのですかというのは、まず 最初に僕はありきではないかと思うんですね。だから、そこを少しまとめておかないと、単 に医療行為の重み付けだけでどこかで切ってしまうという話ではなくて、仮に軽くても、 さっきから天本先生が言っているのは、軽くたって医療療養が見るべきなのではないか ということを言われているのだと思うんですね。ですからそれは、法的問題も含めてです ね。それは法的問題も含めてですね。だから、その医療療養病棟の本来の役割という この6番をある程度見解を出していくと、もうちょっとまとめる方向性が変わってくるのでは ないかと、そんな気がいたしております。 ○池上分科会長  ありがとうございました。大体この次回分科会において何について議論するべきかと。次 回は資料の説明はございませんので、この報告書が、きょう要求がもしありましたら、その 追加の資料についての説明があったとしても、大部分の時間は中間報告に盛り込むべ き課題の整理することに費やすことができると思いますので、事務局の方で本日の意見を 踏まえた中間報告書案というよりは、むしろこの御提示いただいた意見を整理して出して いただければと思いますけれど。よろしくお願いいたします。 ○木下委員  その中に今、猪口先生が言われた療養病床の役割というようなこともある程度、このアン ケートからまとめて出されてくるのかどうかということを確認したいのですけれど。 ○池上分科会長  一応それは、出された意見は、これは中間報告に実際に入れるかどうかは別として、す べて羅列して。 ○木下委員  すべては出てきているんですけれど、それをある程度まとめたものが出るかどうか。 ○池上分科会長  つまり、集計表ということも含めてですか。それとも集計表からの? ○木下委員  ある程度のまとめですから、事務局案みたいな骨格が出るのかなと。 ○椎名委員  論点メモみたいなものでしょう。私のイメージはそうですが。 ○池上分科会長  論点メモというのは、医療療養病床のあり方についての論点メモというイメージですか。 ○神ノ田補佐  そうですね。医療療養病床の役割については2月21日の資料の方で、一応病院長さん から出していただいた御意見は全部整理しておりまして、あとはこの分科会としてこういった 院長先生からの御意見を踏まえてどう判断するかというところが、多分報告書の方では重 要になってくると思いますので。上がってきたものはすべて、資料の方で提示させていただ いております。ページを申し上げますと、別紙3でございますが、別紙3の方で病院長に対 する基本事項に関する調査の自由記述内容をまとめた資料を提示しておりまして、その中 の32ページです。医療療養病床の役割についてということで、これは自由回答になって いますので、すべて上がってきたものをこちらの方で整理させていただいています。 32ページから34ページにかけてでございます。 ○池上分科会長  これを集約すると、恣意的になるような感じもしますので。これをどういうふうにまとめるかと。 ○神ノ田補佐  よろしいですか。あともう1つ参考になりそうなのが、別紙2です。同じ2月21日の資料の 別紙2の7ページですが、療養病床への入院対象としてふさわしい患者像というのを、こ れは定量的に整備したものがございますので、こういったものも踏まえて御議論いただけ ればと思います。 ○池上分科会長  それでは、そういう形でとにかくできるだけ整理したたたき台の案を次回、事務局に作成 していただくということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは事務局にお返 しいたします。 ○神ノ田補佐  それでは、きょうの御議論を事務局の方で整理させていただきまして、たたき台みたい なものを次回は用意させていただきたいと思います。次回の分科会でございますが、来週 の月曜日、3月19日10時からを予定しております。会議の場所につきましては、決まり 次第、事務局の方から御連絡させていただきます。毎回申し上げておりますが、この黄色 い冊子とファイル、こちらは机の方に残しておいていただければ、次回も事務局の方で用 意させていただきますので、よろしくお願いいたします。持ち帰る場合につきましては、 次回、必ず持参していただければと思います。 ○池上分科会長  それでは……。 ○木下委員  今回の場所の連絡がきのうの夕方来たので。12日発送、13日着となっていたので。でき るだけ早く送っていただければと思います。よろしくお願いします。 ○池上分科会長  では、よろしく。 ○神ノ田補佐  省内を予定しております。ちょっと会議室までは決まっていませんが、場所は省内でと いうことで。 ○池上分科会長  それでは本日の分科会は以上としたいと思います。事務局から何か御連絡はございます でしょうか。これで、次回は19日ということでよろしいわけですね。では、これで平成18年度 第7回診療報酬調査専門組織・慢性期入院医療の包括調査分科会を終了させていただ きます。本日はお忙しい中、ありがとうございました。 −了− 【照会先】         厚生労働省保険局医療課包括医療推進係         代表 03−5253−1111(内線3278) 1