07/02/23 第32回独立行政法人評価委員会調査研究部会議事録 独立行政法人評価委員会調査研究部会(第32回)            開催日:平成19年2月23日(金)            場 所:厚生労働省専用第21会議室(17階) 1.開会 ○部会長  それでは定刻になりましたので、ただいまから第32回独立行政法人評価委員会調査研 究部会を開催させていただきたいと思います。委員の皆様におかれましては、お忙しい 中お集まりいただきまして、ありがとうございます。本日は市川委員が御欠席です。そ れでは初めに事務局より本日の議事につきまして簡単に御説明をよろしくお願いいたし ます。 ○政策評価官  おはようございます。政策評価官の中島でございます。お忙しいところ、また雨の中 をありがとうございます。本日の議事に関する御説明に先立ちまして、2点ほどお礼と 御報告をさせていただければと思います。  まず前回の本部会でも申し上げたところでございますが、先般、先生方に御協力をお 願いしていました衆議院調査局長からの独立行政法人の組織等に関する予備的調査とい うことで、先生方の委員の兼職状況その他についての調査依頼に関しまして、御回答い ただきまして大変ありがとうございました。いただいた御回答につきましては、現在他 の部会の先生方の御回答と合わせまして取りまとめの作業をしているところでございま して、近日中に衆議院の調査局長に提出をさせていただく段取りにしております。  2点目でございますが、前回の本部会において、労働安全衛生総合研究所の評価の視 点につきまして御議論いただいたわけでございます。その際、幅広な御意見をいただき まして、その場ではそうした意見を踏まえて最終的には部会長に御一任をいただいて、 事務局と部会長の間で取りまとめをさせていただくということになっておりましたが、 その最終結果につきまして、現在お手元に配布資料という形で取りまとめをさせていた だきましたので、御報告を申し上げます。  それでは本日御審議いただく議事でございます。お手元にお配りしております第32 回の議事次第に、議事が(1)(2)とございます。まず、議事(1)が第2期国立健 康・栄養研究所の「評価の視点の(案)」ということでございます。この国立健康・栄 養研究所につきましては、平成13年度から国の研究所から独立行政法人に移行し、この 18年の3月31日をもって5年間のいわゆる第1期の中期計画期間が終了したところで ございます。  今後の平成19年度から実施していただく評価につきましては、その後5年間の第2期 の業務実績評価を御審議いただくことになっております。このため、この夏に予定して おります、平成18年度の業務実績評価をしていただく際に、この第2期の国立健康・栄 養研究所の評価というものをどういう観点からしていただくのかという、いわゆる評価 の視点というものを御審議いただくのが議事の(1)ということでございます。  それから議事の(2)でございますが、平成17年度における我が省独立行政法人の業 務の実績に関する評価結果等についての総務省の政独委からの意見ということでござい ます。昨年の7月、8月と委員の皆様方に取りまとめていただきました我が省所管の独 立行政法人の評価結果につきまして、昨年同様、総務省の政策評価独立行政法人評価委 員会、いわゆる政独委から二次評価という形で意見が寄せられているところでございま す。委員の先生方には昨年末に郵送させていただいたところでございますが、この内容 につきまして改めて政独委の方からどういう指摘がなされているのかを御紹介、御報告 をさせていただくのが(2)でございます。以上でございます。よろしくお願いいたし ます。 2.審議 ○部会長  ありがとうございました。それでは審議に入らせていただきたいと思います。議事の 1、第2期独立行政法人国立健康・栄養研究所の評価の視点(案)につきまして、法人 所管課の大臣官房厚生科学課より御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いい たします。 ○厚生科学課  おはようございます。大臣官房厚生科学課研究企画官でございます。それでは19年度 から実施していただきます第2期の国立健康・栄養研究所評価のための評価の視点(案) についてご説明させていただきます。資料は1−1と1−2がございます。  資料1−1は国立健康・栄養研究所の評価の視点(案)というタイトルの資料でござ います。それから資料1−2がそれの新旧対照表ということでございます。まず資料1 −1をごらんいただきたいのですが、左から項目、中期目標、中期計画、18年度の年度 計画、そして評価の視点(案)の順で並んでおります。  今回の健栄研の評価の視点(案)の作成に当たりましては、評価委員会で御評価いた だく際のポイントという観点から、第2期の5年後の評価の視点と、各年度における評 価の視点という、二つの視点を同時に満たすようなものとするということと、それから 他の独法の視点との横並びにも配慮しております。さらに第2期の中期目標、中期計画 がございますので、それに対応させて、新たな視点を導入したところもございますし、 それから第1期からある視点につきましても、第1期の間の経験を踏まえて、より具体 的で合目的的なものとなるよう作成いたしております。  健栄研の中期目標、中期計画は、大きく国民に対して提供するサービスその他の業務 の質の向上に関する事項、業務運営の効率化に関する事項、財務内容の改善に関する事 項、その他の業務運営に関する重要事項の4つから構成されておりますが、中期目標、 中期計画に即して評価の視点の考え方を御説明したいと思います。なお、時間の関係も ございますので、ポイントを絞ってなるべく簡潔に申し上げたいと思っております。  それではまず資料1−1の1ページの項目1のところをごらんいただけますでしょう か。ここは第1の国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項 を達成するための措置の中の、研究に関する事項を達成するための措置ということでご ざいますが、項目1のアのところをごらんいただきますと、生活習慣病予防のための運 動と食事の併用効果に関する研究では、運動、身体活動による生活習慣病の一次予防等 に関して、ヒトを対象とした試験、動物や細胞等を用いた実験を行う、特に糖尿病及び メタボリック・シンドロームの一次予防に資する調査及び研究に特化、重点化すること とされております。  これに対して右の欄の評価の視点では、研究の質は高く保たれているか、生活習慣病 予防等の施策の推進やガイドライン策定に寄与するものであるか、研究成果が適切に示 されているか、特に中長期的な観点から成果を評価する必要がある調査研究について、 具体的な効果に関する将来展望が示されているかとしております。  ここで資料の1−2の新旧をごらんいただきたいと思います。この資料1−2の5ペ ージの下に評価の視点の新旧対照がございますが、例えば旧視点の調査研究の業務が適 切に遂行されているかという点は、研究の質が高いかどうかという視点に、それから旧 の方の行政ニーズや社会的ニーズが明確かという点は、新の方では施策の推進やガイド ライン策定に寄与するものかどうかというように、できるだけより具体的、合目的的な 視点に今回改めるように心がけております。  それでは資料1−1にお戻りいただきまして、次に項目2でございますが、これも右 の方の評価の視点でございますが、我が国の栄養疫学研究の進歩に寄与するものである かどうかということや、日本人の食事摂取基準を策定するために有用な資料となるかど うかということで、この点についても旧視点に比べて施策にどうつながるかということ が評価いただけるような視点に改めてございます。  以下、同様の観点から評価の視点(案)を設定させていただいておりますが、次は資 料1−1の3ページをごらんください。項目の4でございますが、ここでは評価の視点 の上から二つ目の○、独創的で、将来のシーズとなり得る研究が行われているかという のは、これは第2期の中期計画、それからその右隣の18年度の計画に対応いたしまして 新たに設定をしたものでございます。  それから同じページの項目5でございますが、研究水準及び研究成果等に関する事項、 ここのところでは数値的なものは、例えば論文学会発表等の促進ということで、数値的 なものは中期計画に明記をされておりますので、評価の視点のところでは数値は再掲は せずに、学会発表や学術雑誌へ発表した論文が高い水準を確保しているかどうかという 視点にさせていただいております。  次の項目6も旧視点では知財の取得数、あるいは実施許諾数を評価するという内容で ございましたが、今回の視点では特許の出願等が数よりも戦略性をもって行われている かという点に主眼をおくように改めております。  それから項目7の講演会等の開催でございますが、ここも開催回数や参加定員といっ たことよりも、他の団体と連携をいたしまして、関連団体と連携をして、タイムリーな テーマで適切に実施されているかどうかを見るような視点といたしております。  また、次の4ページの評価の視点の上から2番目の、若い層に健康や栄養、及び関連 研究に興味をもってもらうための取り組みが適切になされているかというところも、昨 今若者の理科離れということが問題として総合科学技術会議などでも大きく取り上げら れておりますので、そういった若者の理科離れ対策を意識して今回新たに設けたもので ございます。  以上が研究のアウトプットに主に関連をするものでございまして、次の項目8からは 研究の実施体制や法律に基づく業務、それから国際協力等に関する事項になります。こ れらにつきましては、第2期の中期計画、それから18年度の年度計画に対応いたしまし て、それぞれ評価の視点を設定をしておりますが、例えばちょっと飛びますが、6ペー ジの項目11の評価の視点の4番目の○ですが、中期計画、年度計画の中に、寄附研究の ことを取り上げておりますので、評価の視点も具体的に社会への還元や知的財産の獲得 にどのように結びついているかということを入れてございます。  それから同じページのその下、項目12の栄養情報担当者、NR制度に関する事項のと ころでは、今回中期目標、中期計画において新たに独立した項目になりましたので、そ れに伴いまして、旧視点では行政ニーズのところに置いてあったのを独立してこういう 形で視点を設定をしています。  次は7ページですが、項目13は情報発信の推進に関する事項でございます。ここは健 康に関してアクティブな情報提供ができているかということと、それから評価の視点は 少し離れてございますが、諸規程等研究所運営に関する情報が遅滞なく開示が行われて いるかというところでは、研究所運営に関する義務としての情報提供が遅滞なく行われ ているかということで、二つの観点から評価の視点を設定をさせていただいております。  次は項目14でございますが、業務運営の改善及び効率化に関する事項ということです が、評価の視点の1番目と2番目の○は、これは中期計画、それから18年度の計画に対 応いたしまして、役員、研究部門、事務部門の間の連絡調整、情報の共有化といったこ とを意識した視点とさせていただいております。  次は8ページの項目15、研究・業務組織の最適化に関する事項は、国立健康・栄養研 究所が第2期から非公務員化いたしましたことを受けて、非公務員化の利点を生かした 柔軟な取り組みがされているかということを評価の視点に新たに加えております。  項目16でございますが、職員の人事の適正化に関する事項といたしましては、研究の 重点化、あるいは選択と集中ということが強く言われておりますので、それに対応いた しまして、評価の視点もメリハリのある人員配置ができているかということを入れさせ ていただいております。  また次の9ページの評価の視点の上から二つ目でございますが、外国人及び女性研究 者が従事しやすい環境づくりが推進されているかということも重要であるということ で、中期計画に対応して今回評価の視点に入れさせていただいております。  次の項目17は事務等の効率化、合理化に関する事項でございますが、ここは中期計画、 18年度の年度計画に対応した視点をそれぞれ設定をさせていただいております。  次の10ページの項目18の評価の充実に関する事項のところでは、これも第1期の評 価の視点に比べてできるだけ具体的な視点になるよう心がけております。  次は11ページの項目の19,業務運営全体での効率化のところ、ここは他の独法の評 価の視点と横並びの視点ということで設定させていただいております。  その下の項目20、財務内容の改善のところでは、評価の視点の2番目でございますが、 研究成果等の社会還元の視点も考慮し、むやみに増やすということではなくて、適正に 自己収入が得られているかという視点にさせていただいております。  次の12ページの項目21の予算、収支計画、資金計画のところは、ここは他の独法と の並びでございます。  それから最後の13ページの情報セキュリティのところは、ここは中期計画、中期目標 に対応した視点ということで,情報システム関係のセキュリティは確保されているかと いうことで設定させていただいております。  以上、簡単でございますが、第2期の国立健康・栄養研究所の業務に関する主な評価 の視点でございます。御審議をよろしくお願いいたします。 ○部会長  ありがとうございました。これから御審議をいただくわけでございますが、まずは全 体事項につきまして、御意見・御質問等をお伺いした上で、次に内容別に御意見・御質 問等をお伺いしたいと思います。これは前回の委員会でも全般的な事項について御意見 を出したいということもございましたので、それを受けて今回はまず最初に全体事項に ついて御意見・御質問等をお伺いした上で、内容別に御意見・御質問等をお伺いしたい と思います。  内容でございますが、項目1から13までが国民に対して提供するサービスその他の業 務の質の向上に関する事項と、次の項目14から19までが業務運営の改善及び効率化に 関する事項、三つ目のグループが項目20から22までの財務内容の改善に関する事項、 及びその他業務運営に関する重要事項に関してということでございます。  まず評価の視点(案)の全体事項につきまして、御意見・御質問等がありましたらお 願いしたいと思います。いかがでしょうか。 ○政安委員   ただいま御説明いただいたように、大変具体的にわかりやすい評価の視点を策定いた だいてありがとうございます。前回の労働安全衛生総合研究所の方も見させていただい ておりますが、このように研究所が三つ評価するわけですが、その横並び的なところで 具体性があれば大変助かると思うんですが、できればそのようにお願いしたいと思って おります。 ○部会長  ありがとうございました。この件はそういう方向でお考えいただいているということ でよろしいでしょうかね。他に御意見はございませんか。 ○岩淵委員  最初に細かいことで、机上配布資料は調査研究部会の御意見になっていますが、御意 見の御というのは、これはない方がよろしいのではないかなと思います。  それから研究所の方にお伺いしたいことは、労働時間といいますか、我々はいろいろ な先端的な研究も含めて、成果をいろいろ要求するのですが、その一方では研究所にい らっしゃる研究員、あるいは職員の方々のワークライフバランスはどうなっているのか。 例えば育児休業の取得率はどうなっているのか、あるいは有給休暇の消化率はどんなふ うになっているのか、あるいは在宅研究みたいなものは何か工夫されているのか、そう いったようなことで多少でも状況がわかりそうなことを教えていただければと思いま す。 ○部会長  いかがでしょうか。 ○健栄研・研究企画評価主幹  総合科学技術会議等においても研究職員のいろいろな処遇などについて労働条件も含 めての提言がなされています。それに対して、研究所がどういう取り組みをすることが できるかということをいろいろ調整をしているところです。  そのような段階であり、まだ年度計画レベルでは数値目標的なところまでは明示され てないわけですが、例えば女性の研究職員に対して働きやすい場、あるいは外国人とい うことについては、具体的に書いてございます。今回の評価の視点で厚生科学課からお 示しいただいた内容もそこまでは書いてございます。しかも、その他の例えば育児休暇 の取得状況、年休の取得状況といったようなことは政府全体で議論されているので、少 なくとも平成18年度の年度計画では書いてないところでございます。  具体的に来年度どうするかということは今議論をしていますし、特に管理栄養士とい う専門資格をもった女性の研究職員がふえていますので、その点については十分配慮し ていきたいということで、今来年度計画に向けての議論はしております。 ○岩淵委員  実態がどうなっているかというのは、印象、感触だけでもいいんですが。 ○健栄研・研究企画評価主幹  女性職員における出産及び育児に対しては、十分な形で対応をしています。とは言い ながら研究的な、競争的な環境にいると、逆にしっかり育休を取得することが本人にと ってデメリットとなる部分がありますので、例えば育てをしながら在宅でメール等のコ ミュニケーションを通じて仕事もある程度進み、育児も進められるような、そういう事 例はいくつかございます。 ○岩淵委員  くどくて済みませんが、女性職員とか、女性研究者とか限定してものをおっしゃって いるようですが、これは男性の研究者も含めた全体の働き方の見直し、ワークライフバ ランスが今社会の課題になっておりますので、そこのところも間違いないようにひとつ しっかりやっていただきたいと思います。 ○健栄研・研究企画評価主幹  御指摘を承ります。 ○武見委員  今のことに関連してなんですが、例えば育児休暇とか、その取得もあるんですが、そ ういう状況の時の、いわゆる個人の評価ということに対して、どういう配慮をされてく るか、当然業績とかは、その間減ることは当たり前なわけで、そうしたことも含めて今 の件をぜひ御検討いただければと思います。 ○部会長  この件、よろしくお願いいたします。 ○中村委員  全体的な印象なんですが、それぞれの目標に対して、単なる数値目標じゃなくて、質 的なところの評価にシフトしています。これはいいことで、単なる数合わせではなく、 本当の議論ができると思います。しかし、「適切に」とか、「高い水準に」という表現 が、ファジーなので、ぜひこのまとめの段階の時には、わかりやすい裏付けをもって、 説明して欲しいと思います。 ○部会長  そういう点も含めて御説明の時にはよろしく、わかりやすいような形でお願いできれ ばというふうに思います。他にはいかがでしょうか。 ○酒井委員  意見としては全く中村さんと同じ意見でして、多分これは質が高いということを評価 の視点に入れられるというのは、全くそのとおりだろうと思いますけれども、それを評 価する側の見識がものすごく問われると感じて読ませていただきました。そういう意味 で従来とおり、または従来以上に専門外の評価者でも内容がわかるようなプレゼンテー ションをぜひお願いしたいというのは、これは要望として申し上げさせていただきたい と思います。  それと先ほどの岩淵委員のことなんですが、これは評価項目は既に決めてあるんです けれども、先ほど言われたようなことを追加的に、栄養研だけではなくて、他の機関も 含めて評価の項目に入れていただくということはできないのかどうかを御質問したいの ですが。 ○政策評価官  ちょっと検討させていただきます。中期目標、中期計画、これは独立行政法人すべて に共通の仕組みでございます。その中期目標とか中期計画といったものに何を盛り込む のか、まさにそこでお勤めいただいている方々の福利厚生なり育児休業の取得率といっ たものがはたして制度的に中期目標として設定するものになっているのかという、そも そもの議論がございますので、そこをきちっともう一度点検をして検討をさせていただ ければと思います。 ○部会長  ではこの件については御検討をいただいた上で御回答をいただければと思っておりま す。他にはいかがでございましょうか。 ○清水委員  先ほど評価の項目が、数値目標から定性的な評価のような形にシフトしているという お話があったんですが、研究内容以外の財務ですとか、経費の部分、あるいは自己収入 の部分というのは、やはり数値がありきの世界だと思います。経費に関しましては、確 かに15%あるいは5%という数値目標がはっきり出ていますので、これはこれで評価し ていくんだろうなと思うのですが、自己収入に関しましては、競争的な研究資金の獲得 に努めるとかいうようなことが書かれているのですが、具体的にはこれまでは前年以前 の実績を基に目標という形である程度目標を設定されて、それをクリアすることを目的 とされていたように理解しているんですが、今後はどういう形でその達成状況を目標と されていくのかどうかということ、それから目標の前年を参考にということになるのか どうか、そのあたりをお聞かせいただけますでしょうか。 ○健栄研・研究企画評価主幹  いわゆる「自己収入」といわれる中で、競争的研究資金というものは、我々の研究に 関してコアとなるアクティビティを示すものであります。また、それが研究所の全体目 標に絡んだものであれば、数値目標も適用できると思うのですが、国全体の研究費の枠 が限られている以上、結果的にはある一定の範囲内で推移するものと考えています。  一方、民間企業等の受託や寄附その他の自己収入については、ある見方をすればエク ストラワークということで、これについても評価委員会の中や所轄課の厚生労働省の中 でも、これをどうとらえるかはいろいろ議論もあり、両面の考え方があると思います。 そういう中で、特に民間とのかかわりの中で自己収入をふやしていくということについ ては、我々としても明確な5カ年の目標、例えば右肩上がりでこうするということにつ いては、踏み出しにくい部分がございます。  また、その自己収入と交付金とのバランスについても、政府全体のとしての議論もあ るかと思います。従って年度で予定されている交付金及び競争的研究資金による仕事の 状況を見ながら、我々ができ得る範囲の中で受託等を受け、その結果として自己収入も ついてくるということになると思います。まず自己収入のがあり、それを目指してお金 をとってくるというふうにはならないと思っています。 ○清水委員  もう既にこの18年度が始まっているわけですので、評価も間もなく行わなければなら ない時期に来ると思いますので、確認させていください。今のお話ですと、競争的資金 に関して言えば、そもそも一定の水準というものを想定されていて、その中で推移して いくだろうというようにお答えいただいたと思うのですが、そういう一定の水準という のが研究所としては念頭におありになるということですか。 ○健栄研・研究企画評価主幹  例えば民間からの仕事であれば、受注すればいくらでもとれるかもしれませんが、そ れに対して競争的資金というのは、競争環境が非常に厳しい中で、申請を出したものの、 ごく一部しか獲得できません。また、年によってかなり変動がありますが、私どもは組 織の規模としてはかなり競争的資金をとっています。総合技術会議の評価の中でも1人 当たりの獲得資金はかなり高い方なので、それについて今のレベル、あるいはそれより 高い目標で数値を定めるということはなかなかなしにくいものです。研究のアクティビ ティにおいてできるだけ自分たちの目標を達成するために競争的資金を獲得していくと いうことになるかと思います。受託その他の収入については、全体の仕事の様子を見な がらで、これも金額ありきでは整理しにくいと思っています。 ○清水委員  確かに金額ありきの話ではないとは思うんですが、今のようなお答えですと非常に評 価しづらいなという気がいたします。したがいましてその年度の評価においては、その 年度の研究所の考え方があり、実際の実績の、受注したり競争的資金を獲得したりする、 その背景というんでしょうか、そういうところをきちっと御説明いただかないと、それ でも非常に難しいんだと思うのですが、そこを何か評価ができるような、よりしやすく なるような形で御検討いただければなと思っております。 ○部会長  そのあたり、御説明の中でできるだけ努力の状況とか、世の中の状況とか、そのあた りも含めて御説明をいただくことによって御理解いただけるのではないかと思いますの で、よろしくお願いしたいと思います。 ○健栄研・理事長  清水委員へのお答えになるかどうかわからないのですが、競争的資金の申請には研究 者の意欲が非常に絡みます。自分がこの研究をやりたいという時に、競争的資金を申請 する。ですから当然研究者の自分がどれだけその研究に使うかという時間がとれ、私ど もの研究所の目指すミッションの方向と一致した競争的研究費をとれるのが一番ハッピ ーということになります。  うちの場合、交付金は8億ぐらいで、人件費に6億食われていますので、実際の研究 を進行しようと思うとどうしても競争的研究費をとらないとやっていけないということ になります。ですから研究を遂行するのに必要な額を本当に競争的申請でとれているか どうかということが一番要になると思います。 ○清水委員  今まさに理事長がおっしゃいましたね。その研究に必要な部分がきちっととれている かどうかというところが、非常に外部のものにとってはわかりにくい部分がございます ので、そこのあたりを評価の過程では御説明いただくということが重要なのではないか と思います。 ○部会長   そのあたり、御配慮よろしくお願いいたします。 ○健栄研・研究企画評価主幹   部会長がおっしゃったような事後的な評価をいただくための説明にに際して、競争的 資金については、件数、額だけではなくて、どういう内容の研究費を獲得し、そのアウ トプットと合わせて丁寧に説明をさせていただきたいと思います。また、先ほど御指摘 のあった各研究課題の質についても、実際の健康づくり施策に役に立つようなエビデン スとして役立ったかが大事ですので、件数、インパクトファクターや施策だけではなく て、できるだけ具体的に研究成果はこういうガイドラインの策定に結びついたとか、と いうような説明を心がけてさせていただきたいと思います。 ○部会長  他には何かございますでしょうか。それでは個別の内容につきまして、審議をさせて いただきたいと思います。まず最初に項目1から13までの内容につきまして御意見、御 質問等をいただければと思いますが、いかがでしょうか。 ○酒井委員  最初にお伺いする質問として適切なことかどうかわかりませんが、見せていただいて、 項目の最初、私が伺いたいのは、6番なんですが、実は私が初めてこの評価の委員にし ていただいた時に田中理事長が、皆さん方の仕事に対して特許とは何だということで、 随分この場で議論させていただいたということをよく覚えているのですが、今回のこの 18年度以降で見ますと、非常に前向きに、例えば特許の出願及び維持は戦略性をもって 適切に行われているかというような視点が出てくるような中身になっていると思うんで すが、今皆さん方のところで研究と特許との関連を研究所でどんな今結論になっている かということをお聞かせいただきたいと思います。 ○健栄研・研究企画評価主幹  私どもは、独法化後1〜2年目には特許申請もほとんどなく、3年目あたりから出し てきました。ヒューマンサイエンス等のTLOを活用してのものですが、期間がそろそ ろ終了して、今後どうするかという、個々の見直しの議論の段階に今なってきておりま す。特許の内容によっては、見込みがないからそのまま引っ込めようとか、そういうこ とが1、2出てくる中で、今後どうしていくかということについては、これまでの経験 を踏まえて検討しているところです。そういうことを踏まえて研究所としての戦略をき ちんと議論し、方向性を示した上で、次に向けて行っていきたいと考えています。 ○武見委員   結構細かいことが何点かあるんですが、先ほどの前半の議論で割と大枠で、例えば研 究の質は高く保たれているという大きな項目と、すごく具体的に書かれている評価の視 点があるように思うんですが、例えば2ページの項目3のところで、要するに言葉を読 んでいて私が何のことを言っているのかわからないので、もし自分が評価すればわから ないと思ったことなのですが、項目3の5項目目に、国内外の情報を蓄積し、共有を図 るため、多くの専門家がネットワークに参加しているか、このネットワークという言葉 が左の中期計画のところのどこを読んでも何のことを言っているのかわからないという ようなことがあるので、こういうのもやはり整理しておいていただかないと、実際やる 時に困るかなとは思うんですが。 ○部会長  これはいかがでしょうか。 ○健栄研・研究企画評価主幹  内容についての説明をさせていただきますと、先生が御指摘のように左側とのつなが りが、この文言だけでは見にくいように私も感じております。実際には、中期計画及び 年度計画の、Bの部分で健康食品の安全性・有効性ネットワークの構築、そのデータベ ース化を通じて発信をするということで、その情報の蓄積、データベース化においてバ ーチャルなネットワークシステムにより、確度の高い最新の情報を得るという計画・活 動をしております。それに対応する評価の視点として書かれているわけですが、先生が おっしゃるとおり、そのつながりがこの文言では十分表現されてないと思います。 ○武見委員  おそらく実際の評価の時には、具体的に出てきてわかるんでしょけれども、今こうい う形で並んだ時には、やはり中期計画とかの対応でわかるような表現にしておいていた だくのがいいと思います。  次は項目の7ですが、これもとても細かいことなんですが、やはりこう書かれると気 になるんです。項目7の二つ目、参加者の満足度の評価をしていただくということは大 事なんですが、アンケート調査を実施するということが、評価の視点の時にここまで書 く必要があるんでしょうかとか、そういうあたりでどのレベルでここの文言を整理して くださるのかということについて、若干気になるところがあるので。  逆に言うとすごくこれは大雑把ではないかなと思うのが6ページの項目12ですね。N R制度のところなんですが、一番上の評価のところなんですが、認定制度はどのような 状況か、どのような状況かをどう評価するんでしょうと、こういったことがいくつか気 になりますので、御検討をいただければと思います。 ○部会長  この研究はどうでしょうか。むしろ評価の視点の方の表現の問題だと思うんですね。 内容的にはおそらく問題ないと思うんですが、できるだけその内容の表現が、それでわ かるような形にしておいていただきたいという武見委員の御意見ではないかと思うんで すが、いかがでしょうか。 ○厚生科学課研究企画官  私どもとしてはできるだけ中期計画、それから年度計画の内容に対応した形で評価の 視点を設定させていただくよう心がけているつもりではございますが、御指摘のとおり、 少し意味、あるいは対応が不明確なところもございますので、そこは御指摘を踏まえて 検討をさせていただきたいと思います。 ○岩淵委員  今回の医療制度改革の柱に特定健診、保健指導が位置付けられておりますが、こちら との関係をちょっとお聞きしておきたい。あの制度というのは、特に管理栄養士の役割 が非常に大きいということで、しかも管理栄養士に対する研修までやるということにな っているので、こちらが出番があるのかなというのが一つと、あれは結構長期に対応し ないといけないことなので、業務計画の中に何か位置付けなくていいのかということと、 それからNR制度の果たす役割が何かないのか、結構役に立ちそうな気もするのですが、 どういうことになっているのか、そこのところをちょっと教えてもらいたいと思います。 ○健栄研・研究企画評価主幹  まず前者の点についてですが、これは中期目標や中期計画を決めた際にも、平成20 年度からの特定健診・保健指導の施策的な流れを踏まえての対応について、大枠の方向 性をいただいたかと思います。それに対応して年度計画等にもいくつかの点でそれに対 応する具体的な取り組みが盛られています。一つは運動、食事に関する教育的介入とい うことで、具体的なプログラムの提示、評価に関して研究レベルで行っています。また その施策について、国レベルで評価をするものの中心は国民健康・栄養調査であり、さ らに都道府県の調査に対して技術的な検討・支援を行っていくことは明示されておりま す。  また、管理栄養士等の研修ということにつきましても、諸団体との連携、特に日本栄 養士会との連携は密に図っております。また、国立保健医療科学院での行政担当者を対 象とした研修に対しての協力を行っています。年度計画においても、それらが具体的に 読めるようになっています。  また実際に今年度行ってきた取り組みでございますが、行政の検討委員会については、 大枠の議論を行う委員会に加えて、具体的な内容の検討として例えば運動プログラム等 についても委員を送り、特にエクササイズガイドについては中身の部分の多くを私ども の方で検討させていただきました。また管理栄養士の研修会についてはいろいろと対応 させていただいており、これからもさらに具体的に進めていく予定です。  第二にNRにつきましては、「トクホ」の中でメタボリック・シンドロームを中心に 生活習慣病のリスクの改善をうたうものがこれからますますふえてくると思われます。 いろいろな意味で情報の氾濫も起こることも想定される中、まずNRの方々に対しては、 今までは比較的栄養素や食品の知識を中心としたフォローアップの研修を行っていたわ けですが、今年度につきましては、新しい保健医療制度改革の流れですとか、生活習慣 病予防のための行動療法的なトピックも含めてフォローアップ研修を行ってきました。 NRの方々がそういう場で活躍できるような質の向上には努めてまいったわけです。  そういう中で実際に制度上NRがどのような形に位置づくかということは施策全体の 事項と思いますが、私どもとしてはそういう場に積極的にかかわっていただけるような 取り組みはしていきたいと思っております。以上です。 ○部会長  他にはいかがでしょうか。 ○政安委員  大変細かいことになりますが、項目4ですが、イの部分で、中期計画の中に栄養ケア マネジメントに関しても御記入されておりますが、年度計画に対しましては、この取組 みが紹介されていませんが、このことについてはどのようにこれからなされるおつもり かお聞かせいただけたらありがたいのですが。 ○部会長  いかがでしょうか。 ○健栄研・研究企画評価主幹   栄養ケアマネジメントについては大変重要な課題と考えて、5カ年の計画の中には書 かれており、当然やるべきことだと思っております。しかし残念ながら今年度当初のス タート地点では、そこにふさわしい人材をおくことができていないという現状がありま したので、年度計画レベルでは具体的な計画が書いてございません。しかしながら来年 度に向けては、所内の体制が整ってきましたので、来年度計画には、できるだけ明示で きるように進めていきたいと思います。 ○政安委員  ありがとうございます。 ○部会長代理  生活習慣病の予防はこれからは非常に若いうちから取組むべきだという考えになって きていますので、この評価の視点の項目7の4ページ、エの2番目の○のところで、「若 い層に健康や栄養、及び関連研究に興味をもってもらうための取組みが適切になされて いるか」というのは、大変適切だと思います。私も同感です。  ただ、ここは研究所の公開とか、それから見学、そういった項目ですね。私はもっと 広く、項目3、ホームページだとか、項目13の(2)のところとか、いろいろな場で研 究所が若い世代にどのようにアプローチされるかということに注目していきたいと思う んです。ですからその成果を我々にもわかりやすい形で説明した報告書をまとめていた だければありがたいと思います。これは意見です。 ○部会長   ありがとうございました。よろしいでしょうか。そういった意味でいろいろな場で種 々の取り組みに対する御紹介をいただければありがたいということだと思います。他に はいかがでしょうか。 ○田宮委員   今の御意見に近いところがあるのですが、新旧の比較をしておりまして、新旧の資料 の1−2の11ページを見ますと、今までの方には成果の積極的な普及及び活用というと ころが、中期計画の文言自体に結構今のお話のような青少年及び妊産婦を含め、広く国 民に提供しと書いてありまして、そして評価の視点にも一般市民に対しどのような情報 を提供したのかという項目が出ていたんですね。  今回は、今お話がありましたが、結構具体的に研究所の公開であるとか、相談窓口の 設置であるとか、具体的になっているのはわかりますし、それは具体的でいいと思うの ですが、逆に少々懸念するのは、そのように具体的なところに特化して、他を狭めてし まっていないかなという気がします。特に栄養とか、運動のことも今回は大分入れてく ださっているので、一般市民へのアプローチということを、広くとらえる視点がどこか に一言あってもいいのかなと考えます。 ○部会長  これはいかがでしょうか。 ○健栄研・研究企画評価主幹  今の先生の御指摘について、この枠だけをとらえてみると、今まではアカデミックな 場での研究発表と一般への情報提供が同じ枠であったのが切り離されて、新旧対照にす ると少し違って見えるわけです。今回論文、学会発表については、「研究水準及び研究 成果等に関連する事項」ということで、これはアカデミックなことに限っている枠に整 理されています。一般への情報提供については、別の枠において前回の中期計画よりも 具体的になっていると思っています。  そういう中で子どもたちに対する取り組みに関して、実際に新たに「食育プロジェク ト」というのもつくりましたし、小児の肥満に対するさまざまな角度からの研究を進め ております。また、若い女性、妊産婦に対するよりよい食生活のあり方の検討も進めて いますので、具体的な情報提供については、来年度の計画でできるだけ具体的に示すよ うにしたいと思います。また今年度行ってきた取り組みについても本評価委員会で御説 明申し上げる時に、できるだけ丁寧に説明させていただきたいと思います。 ○部会長  ありがとうございました。御説明の時にそのあたりも含めて御説明いただくというこ とでよろしいでしょうか。 ○田宮委員  はい、わかりました。 ○部会長   他にはいかがでしょうか。それでは引き続きまして項目14から19までにつきまして、 御意見・御質問等ございましたらいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。業務 運営の改善、あるいは効率化に関する事項でございますが。何かございますでしょうか。 あるいは項目20、から22まで含めて御意見御質問がございましたら、いただきたいと 思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。  それでは一応全般につきまして御質問・御意見等もいただいたところでございますが、 改めて全般に関しまして何かお気づきの点がございましたら、御意見・御質問をいただ きたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○清水委員  以前にも多分委員の方が指摘されたと思うんですが、違う項目に同じような評価の視 点というのが入っているケースというのがあるというようなことが見られると思うんで すが、例えばそこはどういうふうに考えたらよろしいんでしょうか。改めてお伺いした いのですが、例えば先ほどの外部資金の獲得というところも項目14のところに出てきま すが、右の視点のところではその外部資金というのはあえて明示的には書かれていない んですが、中期目標ではそこらが入ってきているんですよね。  また項目20のところでは、やはり競争的資金ということが書いてあって、ここでは評 価の視点として競争的資金と話は書いてあるということなんですが、これは多分いろい ろ整理された結果かとは思うんですが、どういうふうに考えればよろしいんでしょうか。 もう一度確認させていただけますか。 ○酒井委員   質問した張本人なんでよろしいですか。後ほど説明があるんだろうと思うんですが、 この机上配布資料の2ページの一番下のところに重複しているのは削除するというふう に書いてあるので、他の栄養研の場合でも同じ措置をとっていただけるのだろうと思っ て質問しなかったんですが。 ○部会長  そのことも含めて、これはどなたからお答えいただけますか。 ○政策評価官  まず一つは、記述が重複しているかどうかというのは、基本的には所管課の責任で判 断をしてお出しをしているということは当然でありまして、もしそのミスがあるのであ れば、それは直さなければいけないだろうと思いますが、ただ、どこに書くのかという ところは、おそらくその独立行政法人の性格によって変わってくるところもあります。  例えば外部資金の問題にしても、それが当然に期待されるという法人であれば、それ は強調して、財務内容の改善のところだけではなくて、それ以外のところでも書くので はないか。ただあまり外部資金の導入というのが期待できないような分野においては、 どうしてもそれは後ろに引かざるを得ないのではないかということでそれぞれの担当課 がそういう判断で書いているんでしょうから、一律に横並びでどこに書くべきかという ことはないと思います。  ただ、今御指摘いただいたような事務的な重視するようなところを落とすというとこ ろについては、極めて単純な事務作業でございますので、そこはもう一度心して私ども 政策評価官室でも重複がないのかどうかチェックさせていただければと思います。 ○清水委員  例えば外部資金のことでいきますと、重複は今のところ評価の視点ではないんですよ ね。あえてそこは書かれてないんです。項目14の方には。そこが整理された結果なのか もしれないんですが、そこが中期目標にはただそういう文言が入っているものですから、 あえて落とされたとか、そういうことなのかなと思ったものですから、その整理を、今 日じゃなくても結構なんですが、お聞かせいただきたいということです。 ○部会長   この件、今の時点で何か御発言はございますか。 ○武見委員  それに関することなんですが、外部資金のことなどは、例えば金額的なことは本当に 財務的なことなのでしょうし、一方でそれを先ほどの前半の方の質問にかかわるんです が、その社会的な背景であるとか、いろいろな中でどのように獲得してきたかというよ うな点では、同じような面をある意味では完全な重複ではなく、いくつか複数のところ に入ってくることは、もしかすると法人の目的とか中期計画の目的によっては必要なこ となのかなという感じがしましたので、多分清水委員の御指摘もそういうことも含まれ ているのかと思います。なのでそういう整理をしていただければよろしいのでないかと 思いました。 ○部会長  貴重な御意見をありがとうございました。そういう点でチェックをして、事務的な重 複であれば、これはやはり調整しなければいけないし、同じ内容でも違った視点の場合 については、これはいろいろ意味があると思いますので、そういう意味でチェックをし ていただいた方がいいのではないかと思います。また御説明の時にもそういうことで御 説明をいただければわかりやすいと思います。ありがとうございました。  他に何か全般的なことについて御意見等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。 それでは今日この評価の視点につきまして、御検討をいただいたわけでございますが、 御指摘いただいた内容につきましては、武見委員からも御指摘がございましたが、内容 的にはおそらくそういうことで御理解いただいたのではないかと思いますが、表現その 他が必ずしも十分でないのではないかという点もございますので、これはぜひ見直しを していただきたいと思いますし、あとは先ほどもお話にございましたが、事務的な意味 での重複している表現その他があれば、これについてはチェックをしていただきたいと 思っております。  あとは今の仕事のハードさとか、そのあたりにつきましてはむしろこれは別のところ で御議論をいただいて、そしてその考え方についてはまた我々の方にも報告していただ くということで御理解していただきたいと思います。したがいまして今日の内容につき ましては表現の問題が中心ではないかと思っておりますので、今日いただきました意見 を事務局の方で整理していただきまして、私の方で確認させていただくということで対 応させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。 ○委員全員  はい。 ○部会長  ありがとうございました。それでは事務局の方で今日いただいた意見を反映させるよ うな形で見直しをしていただきまして、その案につきまして私の方で確認させていただ きたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。  それでは二つ目でございますが、総務省政策評価独法評価委員会からの意見につきま して御説明をいただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。 ○政策評価官室長補佐  それでは総務省政策評価・独立行政法人評価委員会から当省評価委員会に通知された 内容につきまして御報告いたします。  この意見につきましては、独立行政法人通則法第32条5項に基づきまして、総務省政 独委が当委員会に対して行っているものでございます。御報告・御説明に当たりまして は、お手元にあります資料2−1、平成17年度における厚生労働省所管独立行政法人の 業務の実績に関する評価の結果についての意見をご覧いただければと思います。また、 総務省の意見と当省評価結果等を併記した資料2−2、これを委員の皆様のお手元に御 用意させていただいております。それでは総務省意見を総論、法人への意見の順に御報 告いたします。  資料2−1の8ページのところになりますが、所管法人共通の部分から御報告いたし ます。6点ございますが、まず1点目でございます。人件費削減や給与水準の適正化の 取組状況等についての評価でございます。各法人の人件費につきましては、行政改革の 重要方針におきまして、各省庁の独立行政法人評価委員会等は各法人の人件費削減の取 組状況や国家公務員の水準を上回る法人の給与水準の適切性等に関し、厳格な事後評価 を実施するとともに、総務省の政独委においても二次評価を行うこととし、これらの結 果を公表することとされておりまして、これを踏まえまして各法人における具体的な取 組状況、その効果及び法人の給与水準の状況とその適切性等を業務実績報告書等で明ら かにさせた上で、厳格な事後評価を行うべきだとされているところでございます。 こ れにつきましては行政改革の重要方針にもう少し記述がございますが、これを踏まえま して、昨年平成18年3月までに各法人におきまして中期目標及び中期計画を変更いたし まして、当部会でも御審議いただいたところですが、人件費削減を進めているところで ございます。この実施は平成18年度からの実施となっているところでございます。  続いて2件目ですが、随意契約の見直しの取組状況等についての評価でございます。 随意契約により実施している業務につきましては、国における取組(「公共調達の適正 化」)についてという文章がございますが、これら等を踏まえまして、各法人において 一般競争入札の範囲の拡大、契約の見直し、契約に係る情報公開等につきまして、取組 状況等についての評価を行うべきであるというようなことを言われております。この件 につきましては、一般競争入札、随意契約を行うに当たっての基準として、既に原則と して国レベルの基準を各法人において実施しているというところでございます。  続いて3件目でございます。公的研究費の不正使用等の防止に関する取組状況等につ いての評価でございます。競争的資金の配分を行っている法人、または当資金を受け取 っている法人につきましては、同資金の不合理な重複及び過度の集中の排除並びに不正 使用及び不正受給の防止のため、総合科学技術会議が示した共通的な指針、これら等に 沿った体制整備、ルールの整備、明確化等の状況、取組状況についての評価を行うべき であるとされております。  ちなみに競争的資金の配分を行っている法人としましては、当部会所管では医薬基盤 研究所がございます。それから競争的資金を受け取っている法人としましては、部会の 全法人でございますが、国立健康・栄養研究所、労働安全衛生総合研究所、それから医 薬基盤研究所が該当することとなっております。  続いて4番目の事項でございますが、市場化テストの導入を視野に入れた評価という ことで、業務運営の効率化等についての評価におきましては、競争の導入による公共サ ービスの改革による法律に基づく市場化テストを導入されましたので、この点につきま してコスト削減の点等を図る観点から評価を行うべきであるとなってございますが、当 部会の所管の法人はございませんで、当省所管では雇用・能力開発機構において市場化 テストを実施しているのみでございます。  5番目ですが、資金の活用状況等につきましての評価ということでございますが、独 立行政法人にも平成18年度から固定資産の減損にかかる独立行政法人会計基準が適用 されておりまして、これを踏まえて各業務の評価に際しても法人の業務と関係した主要 な固定資産について、本来の目的通りのサービス提供利用等が行われているかどうかに 着目した評価を行うべきとされております。  また、会議所、職員研修施設等の法人の業務と直接関係しないと考えられる施設につ きましては、保有状況や利用状況等を業務実績報告書等で明らかにさせた上で、法人が 当該施設を保有する必要性等についての評価を行うべきであるとされているところでご ざいます。  続きまして6点目ですが、非公務員化についての評価でございます。こちらは当部会 の関連法人ではございませんで、当省所管では国立病院機構のみとなっております。  続きまして同様に2法人といいますか、旧3法人共通の部分につきましてですが、同 じ資料の10ページでございます。こちらは単年度事業年度の評価についての意見ではご ざいませんで、こちらはいわゆる最終評価、中期目標期間における業務についての評価 の結果についての意見となってございます。こちらも独法通則法の規定に基づいて政独 委が意見を述べたものでございます。  読ませていただきますと、国立健康・栄養研究所、それから旧産業安全研究所、旧産 業医学総合研究所、上記3法人につきまして、独立行政法人の主要な事務及び事業の改 廃に関する勧告の方向性について、これは16年の年末と、17年の年末近く、という二 次にわたります勧告の方向性、これの取りまとめに当たりまして、その組織及び業務の 全般にわたる見直しの中で、ここの中期目標の達成状況も判定する観点から合わせて検 討を行ったところであり、今申し上げました通則法第30条3項に基づく政独委の所要な 意見につきまして、今申し上げました勧告の方向性を通じて指摘したものであるとされ ております。また、勧告の方向性を踏まえて、策定された新中期目標等に沿った業務の 質の向上及び効率化が、的確な業務の進捗と合わせて推進されるよう、貴委員会は、毎 年度の厳格かつ的確な評価に努められたいとされているところでございます。  続きまして大きな3点目でございます。医薬基盤研究所の個別の年度評価についての 二次評価についてでございます。資料2−2に基づいて御説明をさせていただきます。 総務省の意見としましては、ここに書いてあるとおりですが、創薬支援に関わる組織を 一体化して設立された本法人は、より有効で安全な医薬品医療機器の開発支援や我が国 の医薬品・医療機器産業の国際競争力を強化することを目的に、医薬品・医療機器の開 発支援をより効果的に推進するという法人の設立趣旨を踏まえ、統合に伴う効率的かつ 効果的な運営の観点から、医薬品等の基盤的研究、生物資源研究及び研究開発進行業務 の役割を明確にした上で、これらの事業が一体的に実施されているかなどの統合効果や、 産官学の連携が効率的・効果的に実施されているかを業務実績報告書等に明らかにさせ た上で評価を行うべきであるとされております。  また2点目としましては、基盤的技術研究、生物資源研究及び研究開発進行業務の研 究成果については、関係する政策・施策にどの程度貢献しているかという観点から、で きるだけ定量的な手法を用いて具体的な評価を行うべきであるとされてございます。  この2点につきまして、この右側にある備考のとおりでございますが、この内容につ いて総務省の方にこちらからコメントとして出させていただいております。基盤的研究、 生物資源研究、研究開発振興の3業務につきましては、それぞれの性格の異なる業務で あるが、組織内での共同研究の実施など、統合効果を活かした事業の実施に努めている といったコメントを政独委の方に出させていただいております。  それでは3点目、最後でございますが、本法人が保有する医薬品等の研究開発に用い る生物資源である「遺伝子」、「細胞」及び「実験動物」をヒューマンサイエンス振興 財団で提供している生物資源供給事業については、両者の事実上の協力体制のもとで行 われており、その関係や位置付けも明確でなく、また当該財団から資源の提供による対 価を徴収していない現状等を踏まえ、高品質な資源を安定的に供給しつつ、業務の関係、 位置付けの明確化及び透明性を確保するとともに、自己収入の増加を図る観点から、生 物資源の提供の在り方や適正な費用負担の在り方の検討に資する評価を行うべきとされ てございます。  こちらにつきましても右にございますとおり、本研究所においてヒューマンサイエン ス振興財団との関係について、契約により明文化するとともに、本研究所からの資源の 提供に係る対価を当該財団から徴収することとしている、こういった内容で政独委の方 にそのコメントをお返ししているところでございます。以上でございます。 ○部会長  ありがとうございました。ただいま事務局より御説明のございました総務省二次評価 についての御意見、御質問等がございましたらいただきたいと思いますが、いかがでし ょうか。 ○清水委員  既にいつか御説明があったのかもしれませんが、最後のこの医薬基盤研究所の3点目 なんですが、この明確でなく、無償でやっているということについて、することとして いるというのは、これは何年度からとかいうことがあるんですか。 ○厚生科学課課長補佐  この点につきましては、既に本年度、昨年の10月にヒューマンサイエンス振興財団と 契約を締結をしております。それで対価を徴収するという内容で契約をしております。 ○清水委員  10月以降ということでよろしいんですかね。 ○厚生科学課課長補佐  具体的には10月19日に契約を締結しております。 ○清水委員  年度は18年度当初からということになるんですか。 ○厚生科学課課長補佐  契約の期間としては年度当初にさかのぼってという形になっております。 3.閉会 ○部会長  他にはいかがでしょうか。この点に関する御質問、あるいは御意見等はございますで しょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございました。それではこの話題につきま してはこの辺で終わりということにさせていただきたいと思います。本日は以上二つの 議題でございますが、最後に何か御質問あるいは御意見等があればお伺いしたいと思い ますが、いかがでしょうか。  それでは長時間にわたりお疲れさまでございました。本日の会議はこれで終わりとい うことにさせていただきたいと思います。では今後の予定につきまして事務局の方から 御説明をお願いいたします。 ○政策評価官室長補佐  予備日としてお伝えしておりました3月14日(水)午前10時〜12時につきましては、 部会を開催しないこととなりましたので、そうさせていただければと思っております。 また、委員の皆様方の任期につきましては、本年6月29日をもって満了となっておりま すので、改めて委員の皆様に個別に御相談をさせていただきたいと考えております。以 上です。 ○部会長  ありがとうございました。それでは本日は以上ということにさせていただきたいと思 います。長時間にわたりましてありがとうございました。 (終了) 照会先:政策統括官付政策評価官室 企画係 電話 :03-5253-1111(内線7783)