07/02/07 第3回社会保障審議会統計分科会生活機能分類専門委員会議事録 第3回社会保障審議会統計分科会生活機能分類専門委員会議事録 1.日 時:平成19年2月7日(水) 13:30〜15:30 2.場 所:厚生労働省共用第7会議室 3.出席者:   <五十音順>   大川弥生委員、大日方邦子委員、河原和夫委員、木村隆次委員、佐藤修一委員、   中川俊男委員、丹羽真一委員、長谷川省悟委員   事務局 人口動態・保健統計課長、保健統計室長、疾病傷害死因分類調査室   4.議題  (1)国際生活機能分類―小児青年版(仮称)の概要と今後の対応について (2)活動と参加の具体的評価方法(ICFのコード化)の個別事例への適用につい て  (3)その他 5.議事内容 ○疾病傷害死因分類調査室  それでは、予定の時刻となりましたので、第3回社会保障審議会統計分科会生活機能 分類専門委員会を開催いたします。  先生方におかれましては、お忙しい中ご出席を賜りまして、誠にありがとうございま す。  まず、お手元の資料のご確認をさせていただきます。資料は、お手元に配付させてい ただいておりますホッチキス止めにしましたワンセットになっております。  資料の構成といたしまして、資料1「国際生活機能分類−小児青年版(仮称)(ICF −CY)の概要について」という形で1〜2ページ目。  資料2といたしまして「『活動』と『参加』の具体的評価方法の対応について」という 形で、3〜5ページ目になっております。  資料2の別紙という形で、6〜15ページ目がございます。  もう一つ、ワンセットにしていない1枚ものの資料がございます。「『活動』と『参加』 における分類項目」という形でございまして、これは前回第2回にお配りさせていただ いた資料と同様でございます。  以上、お手元の資料につきまして過不足等ございましたら、事務局までこの時点でお 申しつけいただければと思います。委員の先生方、資料はよろしいでしょうか。  資料の確認は以上でございます。  なお、本日ご欠席の委員は大橋委員でございます。また、河原委員が所用のため1時 間ほどで退室されると伺っております。  それでは、丹羽座長、議事の進行をどうぞよろしくお願いいたします。 ○丹羽座長   昨年12月13日に第2回がございまして、そのときもご活発な議論をいただきまし たが、それを踏まえまして、今日の第3回の議論も進めていきたいと思っておりますの で、ご協力をよろしくお願いします。  それでは、お手元に議事がございますけれども、1「国際生活機能分類−小児青年版 (仮称)の概要と今後の対応について」ということで進めますが、最初に、事務局の方 から説明をお願いいたします。 ○疾病傷害死因分類調査室  ご説明させていただきます。  1ページ目の国際生活機能分類−小児青年版(仮称)(ICF−CY)の概要について、 資料1に基づきましてご説明をさせていただきます。  2006年11月、WHO−FIC(WHO国際分類ファミリー)、これは分類体系ICD なども含めました、WHOが一環として管理しております分類がございますけれども、 その分類全般に関しますネットワーク会議がチュニスで行われまして、そこで採択され ましたICF−CYについてでございます。  ICF−CYでございますけれども、まず「はじめに」という形で書かせていただい ておりますが、ICF−CYはICFの派生分類という位置付けでございまして、18歳 未満が対象という形で設定されております。この18歳未満、17歳以下という対象でご ざいますが、国連総会において採択されている、例えば、児童の権利条約といったよう なものに準拠して対象者が定められております。このICF−CYは、派生分類としま してICF本体から由来しているものでございます。ICF本体があって、その派生分 類としてICF−CYというものができているということになります。分類構造あるい はカテゴリーといったものは同じものでございます。  では、どこがポイントとしてあるかということになりますと、成長・発達期の特徴を 記録するということに必要な詳細な内容が補われたものとなっております。  そして、ICF−CYとICF本体との違いということで四点挙げさせていただいて おりますが、記述内容の詳細と拡張、あるいは新しい項目を未使用コードへ割り付ける、 含まれるもの、除かれるもの、これはあえて日本語の訳に合わせまして変えてございま すが、除外される項目あるいは含有される項目の基準というものが修正されていると。 そして、発達的側面での評価を含むために評価点を拡張しているというところでござい ます。  ポイントといたしましては二点、18歳未満が対象であるということ、そして、成長・ 発達期の特徴を記録するものということになっているところでございます。  この目的でございますけれども、ICF−CYはICFと同じように、臨床家・教育 者・政策決定者・家族・本人・研究者と書いてございますが、さまざまな関係者間が生 活機能の特徴を記録するために用いることを目的としているところでございます。  そして、小児・青年の生活機能上での問題、また、小児・青年に関係深い環境因子に ついての思考の枠組みと共通の用語を提供するというところでございます。  結論といたしましては、関係者間で共通言語として活用していくという理念はICF 本体と同じくするところでございます。  「3.開発過程」というところで書かせていただいておりますが、これはWHOから の要請に応えまして、2002年春から作業グループが発足しまして、フィールドトライア ルなどを経て2006年秋に最終案をWHOに提出しているところでございます。  ICF−CYの開発に当たっての基本的な考え方といたしまして、「(1)理論的根拠」 ですとか、あるいは「(2)児童・青年を対象とする際の諸問題」というものを念頭に置 いて作成されていったというところでございます。  実は、WHOの方からこのICF−CYの、1ページにございましたように、11月の 会議で採択されたということになっているわけでございますけれども、WHOでホーム ページへの掲載あるいは書籍にて正式に発行されていれば、より深い内容をここでご紹 介させていただく予定でございましたが、まだ今時点でホームページの掲載等行われて おりませんで、少し内容に入り込んだ説明というのは今回は事務局修正が入る可能性が あるという関係上控えさせていただいております。  今後の対応、WHOが正式にICF−CYを出した後の対応でございますが、厚生労 働省といたしましては、厚生労働科学研究などを用いまして和訳をつくりまして、その 和訳を専門委員会の先生方にご提示させていただくと。そして、我が国に適用する場合 にどういう形で適用するべきなのか、どういう形で適用していったらいいのか、あるい はそもそも和訳というのは正しいものなのか、どうなのか、どういったところに注意し なければいけないのかというところをまたご議論させていただくということになろうか と思っております。  事務局からの説明は以上でございます。 ○丹羽座長  ただいまの事務局のICF−CYに関する内容と現在のWHOにおける現状と、今後 の対応ということに関してのお話だったのですけれども、これにつきまして何かご質問 がありましたら、お願いします。よろしいでしょうか。  では、特別ないようですので、ICF−CYに関しては、とりあえず以上にいたしま す。  それでは、議事2に入ります。「活動と参加の具体的評価方法(ICFのコード化)の 個別事例への適用について」ということでございまして、これは前回第2回の議論のと きにいろいろ活発にご意見をいただきました。それを踏まえて、今回その評価を具体化 するということでの一定のガイドラインになるようなものを出すということで審議いた だきたいということでございます。  最初に、事務局からのご説明をお願いします。 ○疾病傷害死因分類調査室  ご説明させていただきます。  3ページ目の資料2「『活動』と『参加』の具体的評価方法の対応について」をごらん ください。  まず、資料の説明に入る前に少し補足説明をさせていただきますが、生活機能の今ご 議論いただいておりますICFは、「心身機能」ですとか「身体構造」、「活動」あるいは 「参加」、そして、環境といったいろいろな項目からなっておりますが、前回の会議まで でご説明させていただいたあるいは議論いただいたところでございますけれども、その 中でも「活動」と「参加」というところが、まずは取り急ぎ評価をしていくところでご ざいます。  「1.『活動』と『参加』の概念について」でございますが、「活動」と「参加」とは 何かというところでございますけれども、これは前回の専門委員会でもご説明させてい ただいたところですが、「活動」というのは課題や行為の個人による遂行のことであると。 それは個人的な観点からとらえた生活機能を表すものであるという形で用語として定義 されております。「参加」でございますが、生活・人生場面へのかかわりということて定 義されておりまして、社会的な観点からとらえた生活機能を表すものだとされていると ころです。  現在、ICFでは「活動」と「参加」の概念はそれぞれ定義付けられているところで ございますが、分類項目として提示されているものは「活動」と「参加」の明確な区切 りが、端的に申しますとつけることが難しかったということになると思いますが、一つ にまとめられて提示されているところでございます。  どの項目を「活動」の項目として使い、どの項目を「参加」の項目として使う、評価 をしていくというところは、使用する国や使用する目的に応じて設定することという形 でWHOの方からも定められているところでございます。  留意点でございますけれども、同じ分類項目名であっても「活動」と「参加」という のが1対1に対応するものではなくて、一つの「参加」を実現するためには当該分類項 目の「活動」以外に、多数の「活動」が必要になる場合があると。この留意点はちょっ とわかりにくいですが、一つの「参加」を実現するために同じ項目の「活動」だけでは なくて、いろいろな「活動」というものが複合的に集まって一つの「参加」を実現する ことがあるといったことを留意点として挙げさせていただいております。  「2.『活動』と『参加』を評価する上で検討を要する事項」というものを第2回に引 き続き挙げてさせていただいております。三つございます。一つは、「活動」と「参加」 を評価する目的及びその利活用の在り方。そもそもどういった目的でどういった利活用 ができるかのといったこと。そして、二つ目「活動」と「参加」のリストの取扱い。こ れはリストの取扱いと書くと難しいところがございますが、「活動」と「参加」のどちら の評価軸で評価を行っていくかということ。この補足説明は、次のページでさせていた だきます。  三つ目「活動」と「参加」の具体的評価方法というのを検討を要する事項として、第 2回で挙げさせていただいたところでございます。  背景等を3で整理させていただきたいと思います。このICFでございますけれども、 現時点において国際的に標準化された具体的な評価基準というのは定められておりませ ん。そして、WHOから各国に継続的なデータの積み重ねによる検証が求められている という状況でございます。基準は定められていないのに、データは出すようにというの が国際会議での場で求められているというところでございます。  今後、WHOにおける国際的な議論の中で、具体的な評価点基準が定められる可能性 があるというところでございます。逆に言うと、我が国として意見を言う場合には、何 らかのデータ的蓄積がメリットをとる場合にも、あるいはデメリットをこうむらないよ うな対応をするためにも、ものを言うデータというのが必要になってくる可能性がある というところでございます。  四つ目の「当面の対応及び考え方」に移らせていただきます。前回までの専門委員会 における議論を踏まえまして、当面の対応案や考え方について事務局として整理をさせ ていただきました。枠囲みしてある分は、前ページの二つ目で挙げさせていただいた検 討を要する事項を書いております。  「活動」と「参加」を評価する目的及びその利活用の在り方についてでございますが、 議論を踏まえまして、利活用の在り方を三つ整理させていただいております。(1)統計に おける活用、(2)異なる職種間における共通の言語としての活用、(3)個人の生活機能の変 化の把握(異なる時点での対象の変化の把握)、ある一定の個人が時間軸に沿ってどうや って変化したかといったような利活用が考えられるのではないか。この目的として前回 までの議論を踏まえますと、やはり一番上に来る目的というのは、特によりよい生活を 送るためにどうすればいいのかということについて、当人、家族及び専門職種を含めた 関係者の間で気付き、考えるための共通認識を得るためのものだと、それが目的だとい うことが一番大きく上がっていたのではないかということで整理させていただいており ます。  ただ、補足ですが、一番上に書いてございますけれども、ICFの活用について制限 を行うものではないが、原則としてご議論を踏まえて、そういうことが一番大きなこと だという形で整理をさせていただいております。  二つ目の枠囲みに移らせていただきます。「活動」と「参加」のリストの取扱いについ て、「活動」と「参加」のどちらで評価を行うかというところでございます。この枠囲み の意味自体が、突然これだけを聞きますとわかりませんので、補足的な説明をさせてい ただきます。  1枚分かれております資料をお手元にご準備ください。先ほど生活機能という形でI CFは非常にたくさんの項目を提示している、WHOは提示しているということをご紹 介いたしましたけれども、この「活動」と「参加」の両方を今セットにして項目として WHOは提示してきているわけでございますが、第2回の資料の「活動」と「参加」と いうことだけをみましても、第1〜9章からなる項目となっております。これだけで項 目かというと、そういうわけではございませんので、各章ごとにより細かな項目という のが定まっていて、それぞれにコード番号が振られているというところでございます。 ご確認いただく場合には、委員の方にだけお配りさせていただいておりますが、お手元 の本を開きながら参考にしていただければと思っております。  これらの項目は、実は「活動」と「参加」というのはこういう項目ですよという提示 はされているのですが、どれを「活動」で評価して、どれを「参加」として評価して、 あるいはどれを「活動」「参加」の両方で評価するのかといったことは定められていない というところでございまして、それをどうするか、定めるべきかどうなのかというとこ ろがございます。  追加ばかりで恐縮ですが、これらWHOがどういう項目の示し方をしているかという と、「活動」「参加」、これは後ほどの説明になりますけれども、「活動」で評価する場合 には最初にコード番号としてaをつけなさい、「参加」としてpをつけなさいと言ってい るわけでございますが、「活動」と「参加」が分けられないという形でICF、WHOは 提示している関係上、aでもpでもなく、頭文字としてdというのがついております。 dというのは、aかp、「活動」か「参加」で評価してくださいと書いているところでご ざいますので、注意点としてはdという項目は使わずに、活動=activityのaか、参加 =participationのpを使うというのが注意点でございます。これは今時点で深くする と余計混乱してしまいますが、後ろの方で補足的な説明をさせていただきたいと思いま す。  一応前回までのご議論の中では、お手元の1枚の資料をごらんいただきますと、細部 にわたってはいろいろと違うのではないかという話もあったように記憶しておりますが、 おおむね第1〜5章が「活動」に当たるのではないかというところはご意見としていた だいているところでございます。  資料の4ページに戻らせていただきますが、そもそもどの項目で評価するのかという 選択も含めまして、その上でそれを「活動」で評価するのか、あるいは「参加」で評価 するのか、または両方で評価するのかという選択については、現在知見を収集し、分類 を活用できるようにつくり上げていく過渡期というところでございますので、目的に応 じて使用者の選択に任せることとしてはどうかという対応案を整理させていただいてお ります。  ただ、繰り返しになりますが、「活動」で評価するというところは、ある程度枠は囲え るのではないかというご意見はいただいているところでございます。  下の枠囲みになりますが、「活動」と「参加」の具体的評価方法についてでございます。 「活動」と「参加」の評価点基準は暫定案として提示してはどうかということで、別紙 1をつけさせていただきます。では、その暫定案というのは何かというところでござい ますが、この暫定案は今後より効果的な使いやすい評価点基準を策定するためのたたき 台としてはどうかということでございます。暫定案を原則として振りかざしまして、今 後微細な修正しか受け付けないというような種類のものではないということになります。  ただ、なぜ修正を受け付けるものを提示させていただくかと申しますと、ICFを活 用するに当たりまして、全く異なる評価点基準が無秩序に乱立するよりも、あらあらで あれ暫定案があった方が活用しやすい。そして、実際に活用した際の経験ですとか得ら れたデータを基に、評価点基準策定についてのより生産的な議論が恐らくは可能になる だろうというところがございます。  今のが国内的な話でございますけれども、国際的な検討の場への対応といたしまして、 我が国として方針を決定し、意見を行う場合、裏付けとなるデータが必要であるという ことがございますので、データを得るために暫定案であれ、評価点基準を提示する価値 はあるのではないかと考えております。  評価点基準(暫定案)があくまで今後評価点基準を策定するためのものであるといっ たことですとか、WHOにおける勧告等によりまして変更となる可能性があることにつ いては、混乱なきように明記させていただきたいと思います。併せまして、必要に応じ て適宜改正を行う可能性があることも書かせていただきたいというところでございます。  下の「○」でございます。活動と参加は「実行状況」「能力(支援なし)」及び「能力 (支援あり)」の三つの評価で評価点をつけることとしてはどうかというところは、前回 までのご議論の中でほぼご同意をいただいたのではないかと思っております。  大変申し訳ありません、事務局から修正をさせていただきますが、こちらの文章の最 後になりますけれども、「ポイント以下第2位まで」となっておりますが、これは「ポイ ント以下第3位まで」の間違いでございます。済みません、修正をお願いいたします。  改めて読ませていただきますと、活動と参加は「実行状況」「能力(支援なし)」及び 「能力(支援あり)」の三つの評価で評価点をつけることとし、ポイント以下第3位まで 使用することとしてはどうかということでございます。  長くなっておりますが、別紙1の暫定案についても一まとめにご説明させていただき ます。先ほどお話しさせていただきました「『活動』及び『参加』の評価点基準(暫定案)」 でございます。注意といたしまして、ICFを活用するため暫定的に設定した評価点基 準案であること、そして、WHOにおける検討結果等によって変更となる可能性がある こと、そして、必要に応じて改正を行うということを明文化させていただいております。  7ページ目でございます。文章ばかりで恐縮ですが、「評価点をつけるに当たっての原 則等」。評価点をこんな形でつけますというただ基準だけではなくて、やはり原則を書く べきだろうということで、原則を記載させていただいております。ICFの活用によっ て、評価点をつけることそのものが重要なのではなく、「よりよい生活を送るためにどう すればいいのか」ということにつきまして、関係者間で共通認識を得るということが、 そもそも大事なことですということを一番上に提示させていただいております。  各項目は、WHOが提示した定義に従ってくださいと、項目そのものまで非常にフレ キシブルにぶれを勝手に定義していいですという話ではなく、今あるWHOから提示さ れております定義については、原則そのままの定義で使用していただきたいということ でございます。  そして、この評価点基準案は、今後より適切な評価点基準を作成するために策定され たものであることを念頭に置いてくださいという形で、具体的目標といたしまして、統 計における活用、共通言語としての評価点基準の策定、個人の生活機能の変化の把握と いうものをここでも挙げさせていただいております。  次の「○」は、前回議論の中であったものを踏まえたところでございますが、特に個 人の生活機能の変化を把握し、共通認識を得るという目的にかんがみますと、評価点を つけるだけではなくて、自由記載欄を設けまして「生活機能が変更となった際のエピソ ード」、ターニングポイントといったようなものを記載することが望ましいのではないか という意見がございましたので、こちらに記載されております。  一番下の「○」でございますが、評価項目コードがあって、そのポイント以下が何を 示しているのか、「実行状況」の評価点、「能力(支援なし)」「能力(支援あり)」の評価 点がつくということを改めて記載させていただいてございます。  8ページ目「ICFを活用した『活動』及び『参加』の評価」でございます。また文 章が長いもので申し訳ございませんが、何の目的で評価するのかという、まず目的設定 をしていただく。そして、何の項目で評価するのかということも、この項目というのは ICF、WHOが提示している項目の中から、先ほど1枚ものの資料がございましたけ れども、各章の下にぶら下がっている項目を選択してください。ICFの各項目の定義 自体は変更しないでいただきたい。そして、項目の選択に当たっては、本人にとって必 要なものにすべきではないか。前回のご議論の中で、本人にとって必要ないから行って いない、あるいは必要なのだけれども、行えていないといったようなことがあるので、 本人にとって必要なものにすべきという意見もこちらに記載させていただいております。  次の「○」、それぞれの項目について、「活動」で評価するのか、「参加」で評価するの か、または両方で評価するのかを選択いたしまして、「活動」いわゆる遂行という形で評 価する場合には、頭文字をaにしていただき、「参加」、かかわりという形で評価をする 場合にはpにコード番号を変更していただくということでございます。  「○」の三つ目でございます。「活動」または「参加」における「実行状況」「能力(支 援なし)」及び「能力(支援あり)」について、それぞれ後述の評価点基準案を参考に評 価を行っていただくわけでございますけれども、括弧書きで注意をつけております。評 価点基準について、その目的や選択した項目に応じて、より詳細な設定を行う必要が出 てくるだろう。これはあくまで大原則を示させていただいているわけでございまして、 非常に詳細な項目に落ちていった場合に、より詳細な設定を行う必要があるだろう。そ ういう場合には、設定内容、そして、独自の設定であること、そして、当該設定とした 理由というのを明らかにしていただいて、いろいろなデータあるいは評価といったもの をリンクできるような形にするために、これらのことを明らかにしていただきたいとい うことを書いております。  そして、ICFの「活動」と「参加」の項目で評価をしてくいという図になっており ます。  9ページ目、10ページ目、11ページ目、12ページ目は一セットでございます。そし て、9ページが活動の実行状況、10ページが活動の能力の評価点基準になります。11 ページが参加の実行状況、12ページが参加の能力という形で、これらの資料はセットに なっているものでございます。  順番にご説明させていただきますと、全体を通しまして第2回に提示させていただき ました、例えば、普遍的自立といった評価につきまして、うまく評価できないのではな いか、あるいはわかりにくいというところもございましたので、フローチャートの形に させていただきまして、できるだけ言葉をそぎ落として、わかりやすいものにしたとい うところでございます。  活動の実行状況でございますが、個人が現在の環境のもとで行っている活動の状況。 そして、これは実行状況でございますので、ポイント以下第1位で使用するという項目 で、使用例を挙げさせていただいております。  9ページと10ページの使用例でございますが、この使用例はセットになっておりまし て、9ページ目で実行状況の評価点をポイント以下第1位でつけまして、10ページ目は ポイント以下第2位が用具等の支援がなかった場合、第3位が用具等の支援ありの評価 でございますけれども、リンクする形で使用例を挙げさせていただいているところでご ざいます。  なるべく言葉をそぎ落として提示させていただく、あるいは前回、例えば10ページ目 の普遍的自立となっておりますが、ここの項目は活動状況と能力というのが違うことだ ということを明らかにするために、例えば、あえて「独立」という言葉を使ったりして おりましたが、たたき台ということ、そして、できるだけわかりやすくということで文 言の整理を行いまして、なるべく言葉をそぎ落とし、「自立」という言葉に統一させてい ただいております。前回提示させていただいた言葉と言葉が足りていない部分、あるい は整理させていただいている部分があるというところでございます。  10ページが活動の能力、ある活動を遂行する個人の能力という形で、同じようにフロ ーチャートを描かせていただいております。  11ページが、参加の実行状況でございます。個人が現在の環境のもとで行っている参 加の状況ということでございまして、例えば前回ご議論いただきましたように、非常に 活発な参加というのが特別に高い水準で行っている場合ですとか、頻度がどうか、そし て、程度がどうかといったようないろいろな基準軸があるではないかという話も整理を させていただきまして、少しフローチャートに落とし込むことによって、いろいろな切 り口であれ、活発な参加というのが評価できるというのを少し可視化できたのではない かと考えております。  12ページ目、同じく使用例のところは11ページ目、12ページ目はリンクするところ でございますが、同じように参加の能力、ある参加を遂行する個人の能力ということで、 この評価点を提示させていただいているところでございます。12ページも、参加につい てポイント以下第2位、用具等の支援なしの能力、第3位で用具等の支援ありでの能力 が記載されるということでございます。  一応、12ページでまた念のためにご説明させていただきますと、「活発な参加」「部分 的な参加」「部分的制約」「全面的制約」「参加することができない」という計5段階の評 価になっておりまして、評価点というのがそれぞれ活発な方から0がつき、そして「参 加することができない」は4がつくという構成自体、5段階評価で評価点が0〜4まで つくというところは、以上4枚の資料はすべて同じくしているところでございます。そ して、ポイント以下のところに、つけた評価点というのが入るということでございます。  13ページ目、そうはいいましても、構造だけはわかったとしても、なかなかわかりに くいというところがございましたので、説明が長くなっておりまして恐縮ですが、一人 の人間を追うという形で、より具体的な使用について例示として提示させていただきた いと思います。  目的でございますが、個人の生活機能の変化を、本人を含めた関係者で共通認識とし て把握することを目的として行った使用例でございます。  40歳の男性Aさんのエピソードといたしまして、バイクで転倒し、脊髄損傷と診断さ れたと。その後退院したAさんに対しまして、在宅医療をどう行っていくか。本人、家 族、医師及びケアマネージャー等が合同で話し合いを行っているというのを前提条件、 背景として書かせていただいた使用例でございます。全員で共通の認識を持つために、 ICFを用いて、Aさん自身が中心となってAさんの生活機能をその都度評価していっ た。評価する項目は、Aさんが生活上気になっていることを設定していったというのが 前提、背景でございます。  (1)〜(5)までは時間軸を示しております。もともとAさんが会社勤務、テニスが好 きで、仕事を終えると毎日のようにテニスを行っていた。  (2)ところが、あるときバイクの運転中に転倒し、脊髄損傷と診断され下半身麻痺と なっております。  (3)病院退院時、何とか用具にて立ち上がっていたが、歩行は行っていなかった。  (4)その後の経過といたしまして、仕事はもともとデスクワークであったため戻りた いと本人も思っていたところだったわけですけれども、会社側もAさんに対するバリア フリー化ということに協力的であった。このころからリハビリにも積極的に取り組むよ うになり、人の介助を受けて短距離歩行も行うようになった。  (5)最後はどういう状況かというと、会社には正式に復帰できることとなった。また、 テニスも車いすテニスで行うようになった。このころには短距離歩行について補助具を 用いての歩行は完全に可能となっていた。  このストーリー設定が、必ずしもそううまくいくものではないといったご指摘もある かもしれませんが、例として提示させていただいているところです。  その際の評価点がどうかというところを、評価点の(1)、例えば、報酬を伴う仕事が どうであったのか、「参加」で評価すると「活発な参加」であった。スポーツに対しては、 「活動」も「参加」も行っていたというところで、時間軸に沿って点数を置いていくと いう作業を文書化したもの、そしてコード化したものを(1)〜(5)まで行っているとこ ろでございます。  例えば、14ページの(3)でございますけれども「立つこと」、これは前のページを見 ていただくと病院退院時となっているストーリー設定でございますが、立つことに関し ては病院退院時では「活動」で評価すると、実行状況からは人からの見守りが一部必要 であったため「部分的制限」である。しかし、医者の診断としては、この人は本当は立 てるのではないかというような見立てであった。そして、最も当人の変化が認められる のは、「歩行」の中でも「短距離歩行」だと判断しまして、この時点では「短距離歩行」 の項目を選択したということになっておりますが、補助具がなければ「全面的制限」と して、制限があるという形で、ポイント以下第2位は3というコード付けをされており ます。  15ページ目でございます。下の方から先に説明させていただきます。Aさんの生活機 能の変化の推移でございます。「活動」と「参加」に分けておりますが、例えば、ポイン ト以下第1位、要は、実際に実行状況がどうであったのかというところに注目していた だきますと、例えば、立つことということになりますと、(1)(2)(3)(4)(5)が時間 軸ですので、最初は0、何も問題なかったけれども、(3)のところで一旦落ち込んで、(4) で再び回復している。生活機能としては立つことができるようになっている。実行状況 としてできているというような時間推移という形で置くことができるというのを提示さ せていただいております。 ○丹羽座長  ありがとうございました。  今日は大橋委員がご都合で欠席なのですけれども、大橋委員からコメントがあるとい うことですので、それも併せて今、事務局からお話しいただけますか。 ○疾病傷害死因分類調査室  では、大橋委員からお預かりいたしましたコメントをご紹介させていただきたいと思 います。  大橋委員には、この議事をご紹介させていただいておりますけれども、前回の議論に 引き続きまして、「活動」と「参加」の具体的評価というのが非常に議論の対象になるだ ろう。そのときには、項目の選択について、本人にとって必要な項目なのかどうなのか というところは、やはり本人にとって必要なものを項目に乗せる、あるいは必要でない ものが項目だったら、やはりそれがわかるようにすべきではないかということをおっし ゃっていました。  もう一点は、本人にとって必要かどうかということとも関係するところでございます が、そうはいっても項目の意味合いが変わるというところもございますし、本人が自分 で必要と思っている項目に対して、どういうきっかけを持って変わっていったのかとい う動きがわかるように、やはり自由記載というところについては大事にしてほしいとい うご意見をちょうだいしているところでございます。  二点、本人にとって必要という観点が大事ではないか、もう一点ターニングポイント という意味合いで、自由記載が大事ではないかという二つのご意見をちょうだいしてお ります。 ○丹羽座長  ありがとうございます。  というわけで、大橋委員のコメントに基づいた評価点基準づくりというような形にな っているかと思います。前回の議論で、どういう目的でこれを使うかという議論がござ いましたし、使うときの使いやすさということを考えて、そういう基準点づくりといっ たようなことを進める必要があるのではないかというようなご意見などをいただいてお りました。そこで、今、事務局の方からご説明があったような形で基準点を提案したら どうかといったようなことになったわけです。  ということで、本日のこの委員会におきましては、このICFを積極的に活用してい くという観点からご意見をいただければと期待しておりますので、よろしくお願いいた します。今、事務局からご説明がありましたが、これにつきましていろいろご意見・ご 質問などをいただければと思いますので、どうぞよろしくお願いします。どなたからで も結構でございます。  もし、特段問題がなければ、失礼ながら私の方からご意見を伺っていってよろしいで しょうか。木村委員の方からございましたら、お願いします。 ○木村委員  今日お話を伺っていまして、まず、目的として使いやすさという前に、7ページの三 つ目の「○」、暫定版の評価点基準を作成するため策定されたものであって、将来的な具 体的目標は以下のとおりであるということで、前から私が話しているとおりで、統計を とるときに、こういうコード化されていることで変化がまさにデジタル数字でわかって くるということがあると思いますので、このことはすごくいいことだと思います。  更に、「(2)使いやすい共通言語としての評価点基準の策定」ということでいきますと、 保健・医療・福祉の専門職のカンファレンス等で共通言語がなくて若干誤解を招く、ご 本人の能力とか「活動」していることとか、そういうことの誤解というか、正確に合わ せていくということができていなかったので、こういうようにコード化されたら非常に いいのではないかと思います。  「(3)個人の生活機能の変化の把握」、15ページにありますとおり、たまたま事例が挙 がって、流れがあって(1)〜(5)までのストーリーがあって数字に置き換えていますけ れども、本当はストーリーがなくて、よく見なくてもここに日にちが入っていって、そ の日にちで切ったときにどういう段階だったかとかそういうことが、慣れてくればわか りやすくなるのではないかということが言えると思います。  最後に、お話を伺っていて、カンファレンスのときにコード化して出してくるという ことで、スピードも時間も余り掛けないでできるようにもなるのではないかというメリ ットも今感じているところです。  とりあえず以上です。 ○丹羽座長  ありがとうございます。  ただいまは、統計における活用、共通言語、それから、使用に慣れてきたときに個人 の変化が非常にわかりやすくなるといったような意味でいいのではないかというご意見 だったと思います。  恐れ入りますが、河原委員、お願いしてよろしいでしょうか。 ○河原委員  4ページの「活動」と「参加」です。事務局の見解がここに示されておりますが、や はり現段階では知見を収集して、分類を更に検討していくという作業が要ると思うので、 これは事務局のこの見解のとおり進めていけばいいかなと思います。  それから、木村委員からもご指摘がありましたが、やはり何らかの形でコード化する ということは、えてして情緒的になりやすいような、例えば、評価ということをある程 度是正できる。すべてを数値化するのは無理だと思いますが、できるところはどんどん 数値化するということになりますと、客観的な評価もしやすいと思います。  それから、13ページのICF評価点使用例、いわゆるシナリオを設定したような形で、 各場面ごとにICFの判断箇所あるいは判断基準を設けていると思いますが、これはす べての事例、現象・事象に適用するのは無理かもわかりませんが、一つの事例として意 味があると私が思いますのは、利用者というかICFの適用になる方が、自分の客観的 なことを、例えば、同じようなシナリオの方と比較して、自分の置かれている立場とい うのを理解できると同時に、例えば、行政を含めた関係者がICFのシナリオを分析す ることによって、どういう施策が遅れているか、バリアフリー化に向けて協力的であっ たということも(4)に文言としてありますが、そのバリアフリーの進捗状況とか、そう いうことも施策の客観的な評価にも役立つ。利用面と施策の提供者側の両方が、これは いわゆる共通のシナリオですが、利用者は利用者の評価基準、評価項目があって、かつ 同じシナリオでありながら、その裏側では行政側といいますか、サービス提供側の施策 の状況の評価にもつながるということで、活用の可能性としては非常に大きいものがあ るのではないかと思います。  大体意見としてはそういうところです。 ○丹羽座長  ありがとうございます。  ただいまは、「活動」と「参加」の整理の仕方については、当面事務局が提示している 考え方に沿って進めていき、また、考えるということでよいのではないかということ。 それから、できるところから数値化をしていくということが実際に使うという上では、 やはり意味があるのではないかということと、使用例の具体例が出ておりますけれども、 こういった形で提示し、使用するということができれば、当事者にも、また、援助者の 側でも、それぞれの立場でこれを利用する意味が出てくるのではないかといったような ご意見だったかと思います。ありがとうございました。  大日方委員、お願いできますか。 ○大日方委員  使用例を見ておりますと、このエピソードがあることによりまして、ICFの評価点 をどのように使うかという一つのガイドラインとまでは言いませんけれども、こういう ふうに使うとこうなるのだということが非常にわかりやすく示されている例かなと感じ ました。  一番大切なことは、「よりよい生活を送るためにどうすればいいのか」と4ページにご ざいましたけれども、ここを皆、当人、家族、それから、病院関係者含む専門職種の方々 とで気付き、考えていくことだと思うのです。このよりよい生活を送るためにというこ とで、ICFの評価点を使用していただくためには、この使用例が非常にわかりやすく て、例えば、こういうふうにすればここまでいけますよというようなアドバイスをする ことができる。例えば、福祉用具を使えばこういうことができるようになります、会社 がバリアフリーに協力的であれば職場復帰をすることができますというようなことで、 非常に本人も目標を持ちやすいし、周りの人も何が必要な支援であるかということが、 わかりやすくなるのではないかと感じました。とは言いつつ、非常によくできたエピソ ードだなと私個人は感じているものの、例えば、評価する項目を、13ページにあります ように、Aさんが生活上気になることを設定していったとここではされておりますが、 恐らくここまで当事者がクリアに考えられること、あるいは表現できることというのは、 当初、脊髄損傷という障害を負った直後では恐らく難しいであろう。そのときに、やは り一定のこういったエピソードを含めたようなモデルケースのようなものを見せて、こ ういうこともあり得るという選択肢あるいはこういうことは今までどうしてきたか、例 えば、スポーツということには目が向かないかもしれません。これから生活をどうしよ うかということできゅうきゅうとしている人たちが、昔はテニスをしていたなというこ とまでは、恐らく話が出ない可能性もありますけれども、そういったときに専門家の方 から、こういう評価点はどうかというような一つの事例を出していくということで、よ り当事者も気付きが行えて、専門家も話がしやすくなるといったような使い方ができる のではないかと感じました。  以上です。 ○丹羽座長  ありがとうございます。  ただいまのご意見は、13ページにありますけれども、具体的な使用例が提示されてい るということがわかりやすいことになっているのではないかという話。それから、目的、 よりよい生活を送るためにという点で活用していくということを明確にしておくという ことが大切であるという点です。  こういうことで評価ということが行われるようになれば、それが当事者あるいは支援 者にとっても目標設定をしていくという上で、非常にクリアになっていくのではないか ということ。  それから、当事者の方から気になることという形で出されているような話が、自然に 出てくるということではなかなかないかもしれないということで、実際にこれを使用す る人たちが、その人の状況をよく理解していて、これを有効に活用していくという工夫 ということが必要なのではないか、そのようなご意見だったかと思います。ありがとう ございました。  大川委員、お願いできますでしょうか。 ○大川委員  議論を深めた方がよろしいでしょうから、出ましたご意見に関しての私の意見ですが、 まず、河原委員が早めにお帰りになるということでしたので、ご指摘いただいた行政へ の活用ですが、今まで余り議論されていなかった。でも、今後大事になってくるICF の活用の面ではないかと思っております。といいますのは、この事例の中でバリアフリ ーという用語があり、ご説明いただきましたときに、ちょっと気にしながらプレゼンを なさったような感じがあったのですが、バリアフリーという言葉は、環境因子として阻 害因子となるのか、促進因子となるのかを考え、非常に厳密に使うべき言葉です。バリ アフリーという言葉は、多くは車いすの方にとって快適なのか、の観点から用いられる ことが多いのですが、本来ICFで言うバリアフリーとは、お一人お一人の、それもあ る特定の活動や参加にとってバリア即ち阻害因子になるのかという観点で見るものと思 います。そういう観点から行政的な施策、これ自体も環境因子ですが、それが更に他の 人的、制度的、物的な環境因子として、促進因子また阻害因子としてどう活動・参加に 影響しているのか観点でみることが必要と思います。実は、班研究も含めまして、そう いう観点でもICFの活用というのは考えておりますので、また機会があれば、河原委 員などのご意見もちょうだいしながら提示をさせていただければと思います。  次に、木村委員からご指摘をちょうだいした使いやすい共通言語としての用い方とい うことなのですが、非常に大事なことですし、恐らくすぐに一番活用すべきなのはこの 点かなと思います。実際、木村委員がご専門となさっていますケアマネジメントの中で も生かされつつあるのではないかと思いますが、この場合の共通言語というのは、共通 の項目を用いてその評価点に用いるということよりも、むしろ7ページの下にあります。 今日の具体例でも出ましたが、一個一個の活動・参加についての項目に関しまして、「実 行状況」と「能力(支援なし)」「能力(支援あり)」という三つの評価点を用いるという ことではないかと思います。  具体的に言いますと、例えば、ご家族やご本人、それから、ヘルパーさんというのは 「実行状況」をある意味一番よくわかっている人なのですね。一方で、「能力の支援あり」 ということを引き出すという専門職もいるわけです。ちょっと専門的に聞こえるかもし れませんが、しかしながらICFの評価は、よくするという観点が重視されており、そ のように大事な点ですので申し上げますと、「実行状況」は低いのだけれども、3けた目 の「能力(支援あり)」が高いのであれば、これは能力を引き出せばもっといい状況にな るのではないか、少なくとも目標としての選択肢の一つになることがわかるわけです。 ですから、そういう観点で共通言語、すなわち共通のものの考え方として、この評価点 を使っていくということは大事ではないかと思います。  そういう観点からの臨床上の活用は必要ですし、望まれることですので、評価点につ いて早く案を提示して、実際に使ってみて、改善を図っていけばと思います。  そういうふうにして考えますと、基本の方に戻りますけれども、それぞれの評価点に つきまして9ページ以降に図示をしていただいて、これは非常にわかりやすくなったの ではないかと思います。ただし、この図だけでなく前回提示されたような各評価点につ いて具体的内容も同時にどこかには書かれた方がよいと思いますが、ご検討いただけれ ばと思います。  ちょっと長くなって申し訳ないのでございますが、今回提示された事例に関してです けれども、これは恐らくいろいろな議論を生むためにも提示していただいたと思います。 今回は特に、「活動」と「参加」の評価点という観点にポイントをしぼった提示だと思い ます。ICF自体の活用についての事例ではないことは、もしこの事例を提示する場合 は気をつける必要があると思います。例えば13ページで、脊髄損傷との診断は、特に統 計上はICFはWHO−FICの一員であり、脊髄損傷はICFと同様に中心分類であ るICDで評価するということは、念のための確認でございます。  それから、「活動」「参加」に関しましても、先ほどバリアフリーのことをちょっと触 れましたが、環境因子がどういうふうに作用しているのかは大事といいますか、ある意 味不可欠といえるでしょう。例えば、車いすテニスという場合は、ICFの本の175ペ ージ、「e1401」というコードがあります。「e140」は「文化・レクリエーション・スポ ーツ用の生産品と用具」で、特に福祉用具支援的な生産品と用具として、特別の車いす テニス用の車いすというのは、この「e1401」になる。これを使っているか、使ってい ないかによって評価点が0や1になるか、もしくは低い状態になるのかが決まってくる わけです。大前提となっているICFモデル図を思い出していただければわかるように 「活動」という項目だけが独立で存在するのではなくて、そのときに「e:環境因子」 がどういうふうに関係しているのかは大事です。  実は、この用具だけではなくて、これを先ほど大日方委員からも出ましたが、専門家 がどの程度きちんと提示できるのか、能力を伸ばせるのかというのも非常に大事で、「保 健の専門職」だとか、「社会的な態度」だとか、「権限を持つ立場にある上司の態度」な どが関係するのです。更にはこのように一個の「a:活動の行動」に関しましても複数 の環境因子が関係してくるという観点も忘れてはなりません。  これ以上いきますと、一見複雑になってきますのでこの付近でやめますが、要するに、 一個一個の活動や参加の項目だけを単独で論じるのではなくて、基本として、ICFと いうのはあくまでもICFモデルが最初にありきということです。今は評価点ですから、 評価点を中心として述べてありますが、最初にICFモデルとして全体像を把握する。 その中で、例えばテニスということが課題に上っているという観点は忘れてはならない のではないかと思います。  ということで、最後になりますけれども、大橋委員からご指摘をいただいたことが二 点あって、一つは自由記載をというお話がありましたが、それは当然のことでありまし て、今申し上げました環境因子がどうだとか、全体像がどうだというのは自由記載がた くさんなければ本来はいけないというのは当然のこととお考えいただければと思います。  それから、ご本人にとって必要なということですが、これは要するに、本人にとって 必要なことだけやればいいというご指摘ではなくて、あくまでも最初にICFモデルと して全体像を把握していることが前提となること、それから、専門家が必要だと思われ るような項目ばかりを見るのではなく、本人にとって本当に必要なものは何なのかとい う観点でもっと見ましょうというご指摘だと思います。ですから、例えば本人が希望し ていないから必要ないと言っていても、それは本人が判断できる状況でないかもしれな いわけですから、まずは、本当の自己決定権をきちんと行使できるように、生活機能の 考え方、そしてこういうふうにたくさんの項目があることを示す。大日方委員がおっし ゃったように、ADLが自立していないときに、スポーツのことや職業のことを言わな いという方、これは本人も、一方専門家も多いわけですから、でも、そうではなくて、 最初からすべてのコードを示せば、ご本人の希望の出され方や選択肢を広めることがで きるわけです。  ですから、ご本人にとって必要なというところは、恣意的にその文言を悪用しないよ うに注意する必要があると思います。  長くなりましたが、以上です。 ○丹羽座長  ありがとうございます。  ただいまは、各委員のご発言を踏まえてのお話という部分と、大川委員のご意見と両 方あると思いますけれども、まず、行政の活用を生かしていくということでは、それと の関連で、具体例の中のバリアフリー化という用語の使い方について、少し検討しても いいのではないかというご意見だったかと思います。  それから、ケースカンファレンスなどでICFが活用されていくということが必要、 重要になる。そのときに、実際に事故状況についてよく知っている、例えば、ヘルパー さんなどの意見が尊重されるような活用のされ方ということも、考える必要があるので はないかということだと思います。  それから、基準点の中で提示されている、慣れない環境とかそういったところの具体 例を明示しておいた方がいいかもしれない。  それから、介護の指す範囲について、よくある質問ということで、例えば、見守りと いうようなことはどう考えるかということで、それを含めるという考え方。  それから、ICFとICDの併用の問題や環境因子の評価の問題。また、大橋委員か らのコメントについてのご意見、そのようなところをいただいたかと思います。どうも ありがとうございました。 ○疾病傷害死因分類調査室  一点補足と三点大川委員の意見に対して回答させていただきたいと思います。  一つは、ICDという言葉が出ましたが、ここにいらっしゃる皆さん方が全員医療関 係者ということではないですので、少し補足的な説明をさせていただきたいと思います。 今、議論をいただいているのがICFという生活機能に関連する分類でございますが、 ICDという形で、ほかにもWHOが同じように運営管理している分類がございまして、 死因あるいは疾病に関する分類でございます。一番馴染み深いのは死亡統計などに出て くる、正確に言うと病名と言うと語弊があるのですが、疾病名などがWHOのICDと いう分類になっているものでございまして、大川委員からのご指摘というのは、脊髄損 傷という病気に関する疾病に関する分類は、ICFの分類ではなくて、これは死因では ないのですが、疾病などの分類を使うという話での説明ということです。 ○大川委員  ICFモデル図の上の方に、生活機能の三つのレベルに影響する因子として「健康状 態」がありますが、健康状態はICDで評価するということになっておりますので、そ の点を申し上げたということです。またこのICDとICFの二つで、1回目に説明の ありましたWHO−FICの中心分類をなすものです。補足していただいて、ありがと うございます。 ○疾病傷害死因分類調査室  僣越ながら、ICDそのものについて少し説明させていただきました。  そして、三つコメントをさせていただければと思います。9ページをごらんいただけ ればと思います。先ほど慣れない環境でもと、このフローチャートを見ていただきます と、「○○の活動」、下の方の使用例を併せて考えるとやりやすいかと思いますが、自宅 内の移動を行っている。それは人からの介護を受けているのか、受けていないのか。受 けていないとした場合、慣れない環境でも、これは自宅内と限定されているので慣れて いる環境だろうという話に持っていくことになると思いますが、この「慣れない環境で も」という言葉を前回提示させていただいたときには、ある程度限定を掛けて提示させ ていただきましたけれども、実は非常に苦慮したところでございまして、限定を掛けた 方が混乱がないという思いもありつつも、しかし、限定を掛けることによって、逆に言 うと細かな項目に落とし込んでいったときに、齟齬が出てきてしまうのではないかとい うことがございまして、フローチャートでありながら少し漠としているではないかとい うご指摘はごもっともなのですが、「慣れない環境でも」と上位的な概念のところでとど めているところでございます。  では、どういうふうに考えているのかということになりますと、項目ごとに考えて設 定を明らかにしていくしかないものだと考えておりまして、8ページ目の「○」の三番 目でございます。その括弧書きの注釈でございますが、評価点基準について、目的や選 択した項目に応じて、より詳細な設定を行う必要がある場合には「設定内容」「独自の設 定であること」とか「設定した理由」というものを書くという部分で、ここは対応せざ るを得ないのかなと思っているところでございます。それも含めてご議論いただければ と思います。事務局の考えとしてペーパーをまとめた際では、そういう考えでやってお ります。  二点目といたしまして、見守りが入っていないというご指摘はごもっともかなと思い ますので、少し工夫させていただきたいと思っております。ただ、これはご議論いただ ければと思います。一応ペーパー作成上は先生ご指摘のように、見守りというものも介 護に入るものだというイメージではつくっております。ただ、二点目の今発言させてい ただいたところもそうでございますが、どこまで明文化すべきかというところは議論の 対象になるのかなと考えております。  三点目、環境因子のことについて、先生からご指摘いただきましたけれども、環境因 子が大事でないとは我々も思っておりません。ただ、非常に難しいのかなと思っており ます。WHOの中でも、前回の資料に少し書いているところでございますが、環境因子 の評価というところには、まだまだ国際的な議論がされておりますので、少しそういっ た動向も踏まえながらでないと、概念上大事だというのは捉えながらも、環境因子まで 含めると逆に難しくなるのかなというのが今時点での事務局側の考えでございます。  勿論、今、三点コメントをさせていただきましたけれども、それを含めてご議論をい ただければと思っているところでございます。  以上です。 ○丹羽座長  ありがとうございました。  大川委員からのお話の中に含まれている三点について、事務局としての考えというこ とでご説明いただきました。慣れない環境、見守り、環境因子の評価といったことにつ いてのお話でした。そういったことも含めまして、またご意見をいただいていきたいと 思いますが、とりあえず、先ほどの流れがありますので、長谷川委員からご意見をいた だければと思います。 ○長谷川委員  前回ちょっと会議があって出席できませんでしたことをお詫びいたします。  前回、私の考え方をこの席で行政の方からご説明があったと思いますが、まず、第1 回目のときは、どんな勉強になるのだろうな、難しい勉強なのだなと思って、ちょっと 年齢的にも「しまったな」という感じがしました。しかし、2回目の会議の報告をいた だいて、こういうことなのか、これなら自分でも取り掛かることができるなという感じ がして、今日ここで参加して3回目なのですけれども、すごく具体的になった。私の年 齢でもわかるなという印象をまず持ちました。  特に、私は評価ということを数値化して言うと、それには評価基準をはっきりさせよ うというような意図が、大川委員や行政の方から出ている、また、先生方からも出てい るということは、今の時代にはどうしても必要なことではないかなと思います。ややも すると、私たちのような高齢者は主観的なものだけでものを見ていくので、そういう主 観的なものを客観的に見ていこうという気持ちが出てきたということは、この会議に参 加して自分としては非常に参考になりました。  特に、こういう評価基準を用いた評価などをしていった場合に、ややもすると総体的 な評価に陥りやすいものが自己評価につながる。これは大きな私の収穫ではなかったか。 内容的にはまだ難しい面もありますけれども、少し勉強していけば、これからの生活の それぞれの出来事に対して、自分なりの意欲化につながるのではないかという感じを持 って、3回の参加に皆さん方のご指導をありがたくお受けしたいと思います。  以上です。 ○丹羽座長  ありがとうございます。  今、長谷川委員からは、具体化されていろいろわかりやすくなっているという点と、 また、評価をある程度数値化するといったようなことが、当事者の方の自己評価につな がり、それから、意欲を増すといったようなことにもつながっていくのではないかとい うご意見であったかと思います。ありがとうございました。  それでは、中川委員、お願いできますでしょうか。 ○中川委員  前回も申し上げたと思いますけれども、これは家族・本人も使うと、難し過ぎるので はないかというお話をしました。大川委員の説明を聞いていて思いましたが、ICFモ デルとして全体像を把握して、その上でというのを何回もおっしゃったと思いますが、 私はそんなに難しくないことを難しくしよう、というふうに聞こえるのです。やはり大 川委員の記は、臨床家・研究者・教育者・政策決定者までですね。家族・本人というの は、ちょっとそういう議論の対象ではない。もし、広く国民一般が使うような方向であ るならば、こういう場は難しいというか、そういう学問的な議論で、実際はもっとやさ しくしていくのだということではないと思います。やはり、こういう議論の場でもやさ しいというか、できるだけわかりやすい議論でやっていく。  簡単に言えば、具体例を示した13ページ以下は、非常にわかりやすくて評価します。 これをもっとわかりやすくどうやっていくかとか、そういうような議論を進めないとい けないのではないかと思います。  15ページの点数ですけれども、時系列と項目があって、一般の方がこれを見て点数が 少なくなればいいと思うのか、これも難しくないかと言ったら、そんなにやさしくもな いですよね。  問題点ばかり言っているように聞こえたら恐縮ですけれども、やはりやさしく、やさ しくしましょう、わかりやすく、わかりやすくしましょうという議論を進めたらどうで しょうか。 ○丹羽座長  ありがとうございます。  これを利用する人にとって、わかりやすいものにしていくという観点で議論を進める ということが必要だというご指摘であったかと思いますし、この評価点の数値化につい ても、なおわかりやすいというようなことがあれば、それに沿って改定していくという ようなことは必要なことかと思います。それは、この場の議論だけでは難しいかもしれ ませんので、実際に使用していただきながら、バージョンアップを図るといったような ことも必要かとは思います。  とりあえず、佐藤委員のご意見まで伺って、それからもう一度全体の議論にしたいと 思いますので、よろしくお願いします。 ○佐藤委員  私からは一点。雇用と仕事に関して、通常の領域の方は「参加」なんですが、例えば、 ある人が一般企業の中でどうやったら働けるかということを考えて評価していくには、 やはり「活動」なんですね。ですから、今回のように目的に応じて選べる形にしていた だいて、大変ありがたいと思います。ある程度の評価なりの目的に応じて、完全に自由 にすると大変なことになるので、ICFの趣旨の範囲内で、例えば、雇用の領域内では ある程度の共通の使い方を定めるけれども、全体では余り制約しないような形でやって いければ、当面はありがたいなと思うのですが。  以上です。 ○丹羽座長  ありがとうございました。  今の「活動」と「参加」の目的による選択といったようなことができるような形とい うのが、使いやすいのではないかという点についてのご意見であったかと思います。  一通りご意見をいただきまして、その中でいろいろなご意見もまたお互いに出てきて おりますので、もう少しご議論を続けたいと思いますが、とりあえず大川委員からご意 見があれば伺いたいと思いますけれども、いかがでしょうか。 ○大川委員  事務局方からもいろいろと承ったことで、誤解があっては困るので述べますと、「活動」 に関する「環境因子」の件ですけれども、「環境因子」の評価点についてではなくて、「活 動」に関しましても、「参加」に関しましても、それに影響する背景因子として環境因子 は必ず影響するということは忘れないようにしましょうということです。ICFの全身 であるICIDHについては環境因子の考えがなかったという批判は極めて大きかった わけですから、今回そこの批判はきちんと受けて、環境が影響していることは重視すべ きです。  それから、環境の影響を見ることによって、よくするということができるわけです。 恐らくこの二つの点は事務局とそう大きな差ではないのではないかと思いますが、よろ しいでしょうか。  それから、この委員会の目的としては正しく啓発を、というのが重視されております。 厳密にICFの考え方としてはこうだとか、原則はこうなっているということは、私は ある程度解説係なのかなという感じもしておりますので、ICFの基本となるところ、 特にICFモデルとの関係にもどりながら説明させていただいています。それはここが 十分に理解されていないことが正しく啓発されていない、即ち誤解を生じている最も大 きな原因と考えているからです。  ただ、中川委員からご指摘いただいたことは極めて本質的なことでありまして、専門 家だけではなくて、当事者との共通言語ということで使わなければならないわけです。 ですから、この委員会では一方で厳密に専門家としてはいかに活用するのかということ と、一方ではいかにご本人たちにとって使いやすく、よくするツールとしてもっと使い 方をはっきりさせるのかということも重要と思います。これは、どっちをとるというこ とでは恐らくないと思います。両者の観点からこの委員会で深めていただくといいなと 思っております。  以上です。 ○丹羽座長  ありがとうございます。  今の点に関して、ICFの全体としてのモデル的な概念といったことを踏まえた上で の評価になるということは、もう少し具体化して言うと、そもそもなぜ評価するのかと いう、7ページにありますけれども、よりよい生活を送るためにはどうすればいいのか ということについて、共通認識を得るということが原則ですということが一応記されて いることと、それから、8ページで先ほど来議論もありますけれども、項目の選択につ いての観点、本人にとって必要なものにすべきという意見があるという、この表現に関 してはもっと考えてもいいかもしれませんけれども、この二つの点が、恐らく大川委員 が言わんとしている具体的な中身なのではないかとも思うのです。ですから、この二つ の点が利用者にとってちゃんとパッと目に入ってくるような手引になっていると、より 趣旨が伝わりやすいのではないかという気がしております。  ですから、大橋委員のご意見もありましたし、それについての大川委員のご意見もあ りましたけれども、8ページの「本人にとって必要な」という辺りの書き方について、 もし、なおご意見がありましたら今いただき、そうでなければ、今日の議論を踏まえて、 少し事務局で整理していただくという形でまとめるということでよろしいかと思うので すが、いかがでしょうか。 ○大日方委員  私も、大川委員に教えていただくまで、本人にとって必要な項目にすべきという大橋 委員の真意は、私もちょっと図りかねていたところでありまして、大川委員のご説明を いただいて初めて腑に落ちた次第で、言葉の持つ印象ゆえに非常に誤解を生みやすいと 感じております。言葉の善し悪しはともかく「患者あるいは本人の立場に立った」とい う言葉を使うとか、あるいは「医療従事者あるいは介護関係者の意見だけではなく」と いうような言葉をつけることで、本人が望んでいることは何なのかという意思の尊重と いうことを明確にすることが必要ではないかと感じました。  以上です。 ○丹羽座長  ありがとうございます。中川委員のご指摘というのは非常に大切な点ということで、 それをどう具体化していくかということでご意見をいただいているつもりですけれども、 なお、今の点に関しましてありましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○人口動態・保健統計課長  前回、今のようにわかりやすいものを普及啓発という観点から、ICFにつきまして の生活機能の普及啓発についてパンフレットをつくれないかということで、現在は検討 中でございますが、今ここでご議論いただいているような説明ぶりとかそういったもの につきましても吸収させていただいて、私どもの方で案をつくりまして、また皆様方か らご意見をいただければと、これは前回も申し上げたとおりでございますが、そのよう なことを進めさせていただこうと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 ○丹羽座長  そうですね、当事者の人にとってみて、自発的に出てくればいいんですけれども、自 発的に出てこない場合などに利用しやすいような、例えばということがわかりやすいよ うな、今日別紙で1枚いただいていますけれども、それをもう少し細分化したような具 体例がわかりやすいようなものが入ってくると、共通言語としての意味はより増すかな とは思ったりします。  そのほかにいかがでしょうか。 ○疾病傷害死因分類調査室  今、課長からご説明させていただきましたように、パンフレットなど普及させていた だくようなときには、そもそも項目自体がこの赤い本を見なければわからないというの が現状でございますので、項目のコード番号と項目の名前ぐらいは今ホームページに載 っているわけでございますけれども、この定義自体がホームページ上などでは引けない という状況でございますので、少し「活動」と「参加」ということでの暫定案がこのご 議論の中で出してもいいということでございましたら、この全体の項目といったような ものは、課長が申しました普及本の中に載せるあるいはホームページなどに誰もがアク セスしやすいようにしていくといったことはさせていただきたいと思っております。 ○丹羽座長  是非そうしてほしいと思いますが、何かその点についてのご意見がなおありましたら、 お願いします。いかがでしょうか。その点と言いますのは、つまり普及を図るためのパ ンフレットの中に含めるとよいような事柄についてということですけれども。それは詳 しければいいということは勿論そうかもしれませんが、普及を図る、わかりやすいとい う観点でご意見がありましたら、お願いします。  もし、この点についてないようでしたら、中川委員からのご意見を少し深めることが できたかと思いますので、今日ディスカッションしていただいたような形でまとめてい くというふうにご確認いただければと思います。 ○木村委員  これからのことを聞いてもいいですか。今日こういうふうに出まして、多分この会議 は公開ですから現場でいきなり使い出すというか、そういう人たちも出てくるかもしれ ませんよね。そこのところを今日のコード化である程度方向性が出たということで、も う一回この委員会で暫定版ということでフィックスして、それから現場で使ってみてい ろいろな問題が出てくるというようにするのか、それとも今日はあくまでも評価点の基 準の案ということがある程度、今日の議論の内容にもありますけれども、まだまだフィ ックスはしていないよと、これからもうちょっと変えるから、まだ現場で使うのは待っ てねというところははっきりしていただいた方がいいのかなと思います。  というのは、こういう評価のことが走ってしまうと、大前提に混乱を招かないという ことですね。例えば、ICFという言葉一つとっても、現場で全然違うように見ていた ことがあったのです。本当にこの赤い本を読んだだけで、全く違うように考えていた人 たちがいたのです。今度この評価点を決めていくというときに、今日ここにいて全部を 理解できたという自信はないのですが、やはり評価点基準というものはこういうふうに 考えられているというプレゼンの一つのツールというか、こういう背景があって、こう いう評価点をつくってきましたと。そして、「活動」と「参加」のところは現場で使うと 言ったら15ページの下になるけれども、ここに持っていくにはこういう考え方があるの ですよと、きちんと決めていただいて、それから現場でまず試してみて、過不足なとこ ろは変えていきましょうということを決めていただいた方が、この後の混乱の引き金を 引かないために大事なことだと思いますので、そこのところを意見ではなくてはどうす るかということを決めていただきたいと思います。 ○丹羽座長  それでは、議論を整理しますけれども、今日、事務局の方からご提示があった評価点 基準についての議論を一応ここで終了して、今、木村委員から出された、より具体的な 活用を進める上での段取りといいますか、その話に移ってもよろしいでしょうか。  では、そのようにさせていただきます。  今、木村委員から非常に大切なご指摘をいただいたかと思います。それぞれの委員の ご意見もあるかと思いますが、まず、事務局としてのお考えがあればお願いします。 ○人口動態・保健統計課長  前回の第2回で、ICFについての普及啓発のためのパンフレットというご提案をさ せていただいたところ、まさしく今の木村委員のご指摘は我々も気にしておって、IC Fについての正しい理解に立って、委員のご意見をお伺いしても同じことなのですが、 そういうことで考えているところでございまして、逆に、皆様方の方から、どういう段 取りがいいのか、この場でいろいろご提案をいただいて、それを踏まえて、私どもとし ても、また、皆さんにとっても何がいいのかというのを考えていきたいと思いますので、 是非、ご提言をいただきたいと思っております。私どももパンフレットということは想 定しておりますが、手順については逆にご提案いただければありがたいと思っておりま す。 ○丹羽座長  では、各委員の方から、今の普及のための具体的な手順といったことについてご意見 をいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。 ○疾病傷害死因分類調査室  今、課長の方から、ご議論をいただいた上で今後の方針も決定するというご説明をさ せていただきました。ただ、担当のこちらICD室としての案ということになりますが、 本日ご議論いただいて、最後のICF評価点使用例ということでの例示も含めて、Aさ んの事例も含めて暫定案でございますけれども、たたき台ならば出してよかろうという ことでございましたら、今回の議論も踏まえた上で座長とご相談させていただき、最終 的にホームページにこの専門委員会の中の資料と同じような形で出させていただきたい。 そして、普及本の中にも、この評価点基準の暫定案を載せさせていただきたいと考えて いるところでございます。  いつ「案」がとれるのかというよりも、暫定案を出したいというところでございます ので、どこまでフィックスさせるのかという話がございましたけれども、やはり出すと いうことが大事なのかなというのは実務担当レベルでは考えているところでございます。 踏まえてご議論いただければと思います。よろしくお願いいたします。 ○丹羽座長  ホームページ上に今日の議論が掲載されるというようなことは、実質的に影響を及ぼ すということになると思いますので、そういう意味では手続上は、今日の議論を踏まえ て、委員の中でこういう形で暫定案をフィックスしたというご確認をいただいて、それ でホームページ上に載せていただくというのが、実際に出てしまえば走り出すというと ころがあると思いますので、いいかと思うのです。だから、私としての意見は、できれ ば今日の第一次案をバージョンアップしたものを一応フィックス案として各委員に回し ていただいて、それについてのコメントをいただいた上で、一応座長として取りまとめ させていただいて、それをホームページ上に掲載するという形で暫定案を発表したとい うことにできれば、いつまでももたもたしているのもいかがかと思いますので、いいの ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。もし、それでよろしければ、そのよう に。事務局としては、バージョンアップした案を回していただくということで、恐れ入 りますが各委員の方からレスポンスしていただいて、最終的には、座長の方で事務局と 相談して取りまとめさせていただくという形で発表するという手順にさせていただきま すので、ご協力をよろしくお願いします。  そのほかの具体的な普及についてのお話がございましたら、お願いしたいと思います が、いかがでしょうか。 ○人口動態・保健統計課長  今のお話で、載せるときの載せ方についても併せて、案というだけではくて、先ほど 木村委員のご懸念にございましたとおり、位置付けみたいなところについても、何かこ ういう言い振りがあればというものがございましたら言っていただいた方が、私どもと しては、先ほどご懸念の混乱も招かないだろうと思うので、是非コメントいただければ ありがたいと存じます。 ○丹羽座長  では、そういうことで、この位置付け・活用といったようなことについてのご意見が もしあれば、併せて出していただくということでお願いします。 ○大日方委員  今のことにちょっと関連して、二つ質問があります。中川委員からも先ほどご指摘が ありましたが、わかりやすさという問題点で、私は医療現場の人間ではないので、これ が外に出た場合にどういう形になるのだろうと想像しようとしております。例えば、15 ページの生活機能変化の推移というところで、下3けたのコードを000が220になれば いいのか、040になればいいのかというのは、現場の少なくとも病院あるいは介護とい ったような専門職の方から見れば、そんなに難しくない理解の範囲でできることなので しょうか。私は今、一生懸命自分自身の状況に当てはめてやってみようとしたけれど、 ちょっと難しいなと。これは現状ですと、患者が使えないという中川委員のおっしゃる とおりだなと感じていて、では、すぐにこうしたらというような対案でいいものが出る わけではないのですが、少なくともホームページを見るような、当事者ではないけれど も、専門職の方がここである程度の理解をするのに足り得るものなのかどうかというと ころを一つ伺いたかったのです。  もう一つは、すごく基本的なことで申し訳ないのですけれども、議論していてどうし てもわからないのは、今は「活動」と「参加」を一緒にdという全体コードで示してい て、あえて分けられないからdにしているものを、意図的にaとpに分ける、あるいは a・pで平均するといったものが、現場にいて使われる上において果たしてどういう影 響が生じてくるのかというのが、ちょっと私は理解できなくて、素人考えで言えば、「活 動」でも「参加」でもどちらで評価しても別にというふうに考えてしまうものですから、 その辺りをどなたかに教えていただければなと、その重要性を教えていただければと思 います。 ○丹羽座長  ありがとうございました。  まず、中川委員からのご指摘もありましたし、今、大日方委員からのご意見にもあり ましたけれども、特に変化の推移というものを数値化してパッとわかるような形で見る とよいということになっているわけですけれども、私の意見としましては、これが活用 されやすいようにするためには、ここに解説をもう一度つけておくということがあると、 単に今までの議論をまとめたらこうだよという、それだけではなく、これをどう見たら いいかというような意味でのことをここに追加すると、こうやってまとめることの意味 がより明確になって、利用する人も利用しやすくなるのではないかと考えますので、ち ょっと面倒でもこの見方、目標の立て方を、ここに解説をもう一度手短に加えるという ことでお願いしたらいいのではないかと思いますが、それでよろしいでしょうか。 ○木村委員  今の前段で、たまたま参考として9ページの評価点の0、1、2、3、4の要するに 「普遍的自立」とか「限定的自立」とか「部分的制限」「全面的制限」「行っていない」 ということが、先ほど私は「慣れれば」という言葉を使ったのですが、今は数字を見た ときにすぐイメージできないのです。ですけれども、ケースを追っていく上で、多分プ ロットするというのですか、この人は二番だとか、この人は三番だというまさに共通言 語に使っていく中で慣れていって落ちていくのかなと思うのです。そのときに、利用者 が本人の方に「部分的制限」「全面的制限」と言っても通じないと思うのです。ですから、 そこの言葉をもう少しかみ砕いた、「全面的制限」とはこういうことですよとか、そうい う言葉を使ってはいけないのですね。三番というのはこういうことですよとか、全面的 に介護を受けているとか、そういうことがわかる、もっと状態をストレートに表現でき るような解説にしていかなければいけないのかなと私は思ったのです。  そうすると、先ほど中川委員がおっしゃった15ページにある000という3けたが、例 えば220なのだけれども、220点みたいに書いてあるのです。とらえ方が430点みたい な感じになってしまうのです。ですから、そこのところは一つ一つ細切れになっている こととか、そのトレーニングがすごく大変になってくるのだろうなと思ったことが一つ です。  それから、大日方委員の今の質問のもう一つは、ペラで配られている1〜9章までの 話で、その人が自立して生活していく上で必要な項目というか、最低の項目というのが あると思うのです。そこをやはり全部カバーしていかなければいけない。そして、更に 専門職種としてアドバイスをするときに項目を付け加えているとか、そういうことがで きなければだめなのかなというか、ちょっと答えになっていないかもしれませんが、さ っきの「活動」と「参加」ということの切れ目は、逆に言ったら、はっきり切れている ところはあるかもしれませんけれども、「活動」だけがあればいい、「参加」だけがあれ ばいいではなくて、フルカバーというか、それをしながら、この人にはここが足りなか った、だから、頑張ってやってもらうとか、ここはどうしても無理だろうから支援を入 れようかとか、そういうことを見ていくときに、たまたまICFという考えからいけば 「活動」なのか、「参加」なのかとなっていくのだと思いますけれども、生活していくと なると両方切れないですよね。だから、おっしゃっているとおりだと思うのです。「活動」 と「参加」は切れない。だけれども、これはどっちなのという話というか、さっきの統 計的なところでいくと、コードで振れば最終的にはこれは「活動」で、これは「参加」 だと振り分けていくような感じになっていくのだと思うのです。だから、これは「活動」 で何番だとか、「参加」で何番だというのは多分カンファレンスのときには言わないと思 うのです。立つことはどうだとか、スポーツをやることはどうだという議論になってい くと思いますので、それは使う側というか、カンファレンスに「参加」する側が気をつ けてやっていけばいいのかなという感じがしました。  以上です。 ○丹羽座長  ありがとうございます。  今の「活動」と「参加」の点に関しては、先ほど佐藤委員の方から雇用と仕事という ことを例にとられてお話もありましたので、もし、追加的にお話しいただければと思う のですが、いかがですか。 ○佐藤委員  圧倒的に難しい話ですね。ただ、雇用と仕事に関して言えば、「活動」というのはほと んどの方は関係ないのかなと。やはり「参加」かなと思います。  ただ、私が「活動」と言っているのは、積み上げていかないと悪い部分が多いのです よ。例えば、雇用のためにはこういう行動が必要で、それはやはり「活動」の領域なの ですよね。操作的になってしまうのですが、「活動」の方が評価点の並び方が余りほかの 次元が入っていないので、恐らくうちとしては内部で使う部分は「活動」にしてしまう だろうなと。ただ、外から見てあるいはご本人さんから見て「参加」の一言でできるの ではないかとも思うのです。 ○丹羽座長  ありがとうございます。  というわけで、場面場面によって違ってくるということですね。 ○大川委員  「活動」と「参加」の区別をお話し申し上げるにはできれば時間をとって具体例をき ちんと提示しながらの方がよろしいかと思うのですが、「活動」というのは生活行為で、 「参加」というのは社会的な役割、家庭内・地域などでの役割や位置づけ、また権利を 享受している状態です。例えば、「仕事」であれば、仕事を行う権利を行使したりとか、 仕事という社会の中での役割を果たしたりすること、これは「参加」です。その「参加」 の状態を実現するためには、それは仕事に関する行為、すなわち「活動」があります。 しかしその際、直接的な仕事の行為ができるだけではだめなのであって、例えば、仕事 場でトイレが利用できたり、ロッカールームで着替えたりとか、そして、仕事で関与す るいろいろな人とコミュニケーションをとるだとか、仕事場への通勤とか、様々の行為、 すなわち「活動」から成り立っているわけです。ですから、「参加」と「活動」は1対1 の対応はしない。  また、例えば、スポーツで言えば、車いすテニスをやろうと思ったら、車いすテニス をするという行為だけではなくて、テニスクラブまで行って、テニスクラブの中の先ほ ども言ったように、トイレを使ったりとか洋服を着替えたりということができて、初め て車いすテニスができるわけです。これがきちんと整理されていなくて、仕事と言った ら仕事の動作さえできればいいだろうと考えられて、「参加」レベルの仕事を控除させる ための「活動」への、きちんとした対応がされていないということもかなり問題なのが 現状です。  時間的な制約があるので、説明が短くて十分にはご理解いただけなかったかもしれま せんが、要するに、「参加」の具体像がさまざまな「活動」から成り立っていくとお考え いただければと活動と参加の区別はわかりやすいと思います。  それから、これと別のことで、啓発に関してですが、私はやはり「活動」「参加」の評 価点だけが切り離されて表に出ていくということに関しては、正直申し上げまして、か なり危惧がございます。ICFモデルと強調し過ぎてお叱りも得たのですが、やはりこ のICFがICFらしい一番のところ、10年近くのICFが完成するまでの当事者を含 めての非常に大きな議論のポイントというのは、やはりモデルとしてとらえることだっ たわけです。専門家が、ある自分たちの得意な分野だけから見ているとか、得意な項目 だけとか関心がある項目だけを見ているということはまずい、トータルに見ましょうと いうことだったわけです。そこのところを十分に伝えることなしに評価点だけが表にい きますと、危ないなというところがあります。  ただし、木村委員などもおっしゃっているように、現実の場でこれは活用できるし、 活用すべきということから言えば、これ自体その通りであり、評価点は非常に大事なこ とです。しかし現在ICFにはいろいろな誤解があり、その誤解の一番根本は、ICF モデルの一番の基本を理解していなかったところがほとんどですから、そういうところ は念頭に置きながらこの評価点の普及をやっていただければと思っております。  以上です。 ○疾病傷害死因分類調査室  追加して少し教えていただきたいという、事務局というよりも一担当としての発言を させていただきますが、評価をしていくに当たっては、先ほど大日方委員からのご発言 もありましたが、正直にこういったペーパーをつくっている上で考えておりますのは、 理念ベースを背景に置かなければというのは十分理解した上でですが、「活動」と「参加」 というのは、活用ということに限って言うならば、評価しやすい方で評価するというこ とがあるのかなと考えているところなのでございますが、その点が間違っているという 話であれば正さないといけないという思いがございまして、ご質問させていただきたい ということで発言させていただきました。失礼いたしました。 ○丹羽座長  今のご質問について、もしご意見がありましたらお願いしたいのですが、大川委員、 どうですか。 ○大川委員  評価しやすいということですが、評価しやすいという言葉が示す一つの側面としては、 自分の関心や自分の専門性だけに偏ってしまう危険性があるのかなと思います。ただ活 動と参加はまったく別の側面であり、今のご質問の意図が十分に私はのみ込めないとこ ろがあるのですが。 ○疾病傷害死因分類調査室  これを共通言語として使っていく分には、ある程度活用の促進がなければ難しいのか という思いがございまして。 ○大川委員  そうしましたら、あるところだけ活動か参加かどちらか評価しやすいほうを中心に見 るのであれば、今でもさまざまな評価法はあるわけです。ですから、そうではなくて、 やはりICFはトータルに見ること、その際各要素間に相互関係を見るというところに 一番のポイントがあるわけですから、それを重視せずに自分たちがやりやすいところだ けやるとなると、従来の評価法と基本的には余り変わらないと私は思います。 ○丹羽座長  それでは、時間もそろそろ来ていますが。 ○中川委員  最後の大川委員の発言ですけれども、くどいようですが、そうすると大川委員の今の お話に対する対象者として、臨床家・教育者・政策決定者・研究者だけにしたらどうで すか。家族・本人は、また別の手段でこれを利用するというようにしないと、そういう 大所高所のご議論を一般の方に啓発しようなどと思っても、それは無理ですよ。だから、 普及するという意味は、彼が言った意味は違います。どんなすばらしいものでも、どん どんたくさん使わないと意味がないのです。その背景にすばらしい、いろいろ長年蓄積 された理念があるということがあればいいんですよ。あったらだんだんわかってきます から。まずは使わなければ意味がないです。そのことを私は言っているのです。 ○大川委員  使うことが大事であることは、先生がおっしゃるとおりです。 ○中川委員  使いにくいとやりにくいと、どっちかに決めなければならんとか、意味が違うのだと いうことも、おっしゃることはわかりますけれども、使いにくいと使われません。これ をやること自体が、評価すること自体が大変なのです。 ○大川委員  やりやすいという点なのですけれども。 ○中川委員  やりやすいのではない、普及しやすい。 ○大川委員  普及しやすいということであれば、例えばですが、むしろ大項目だけで、まずは評価 をしていただくというようなことなどを具体的にはやっておりますので。 ○中川委員  だから、そういうことをやっていきましょうと言っているのです。 ○大川委員  そういうことでよろしいのでしょうか。普及のしやすさについてはまた別にきちんと 議論する機会があればありがたいと思います。 ○中川委員  それともう一つ、さっき木村委員がおっしゃいましたけれども、必要なものという表 現はやめましょうよ。誤解を生むというのですから。私もそう思いますから。 ○木村委員  そうですね。 ○丹羽座長  あと、必要なもの云々というところに関しては、先ほど来議論がありましたので、そ ういう形で改定していくということにしたいと思うのですけれども、最後の議論ですが、 どういう形でこれを普及していくかということですけれども、これまでの多くのご意見 は、現状の出されているもので、ある程度何が必要なのかというところを当事者、それ から、支援者が共通認識にしていくという上では、大項目だけでは私はやはり不十分だ ろうと思うものですから、そういう意味で、今議論してきた当初の形でまとめていくと いうのが、共通認識を得ていくという上ではやはり必要なのではないか。そうでないと、 aに分ける、pに分けるということの意味が、俄然不明確になってくると思うのです。 ですから、そういう使用の意味ということを考えますと、やはりある程度細分化される ということが必要だろうと思いますので、先ほどの9ページ、10ページでしたか、要す るに評価点の意味ということについて、どういう状況なのかということをわかりやすく 努めるということと、それから、大川委員がおっしゃっていた全体としての活用の目的 という点についてのわかりやすい解説をつけるということと、最後に、数値が15ページ に出ていますけれども、ここについてのわかりやすい解説を少し付け加えるということ と、そのような形でまとめていきたいと思いますけれども、いろいろなご意見もあろう かと思いますが、今までの議論を基にしますと、そういうまとめがいいかと思いますの で、ご了解いただければと思います。ひとつよろしくお願いいたします。  それでは、大分時間が過ぎておりますので、今後の予定に関する事務局の説明に移り たいと思いますけれども、よろしいでしょうか。では、お願いします。 ○疾病傷害死因分類調査室  まず、次回のことについてご説明させていただきます。次回第4回の委員会開催につ きましては、新年度になりましてからまた日程調整の上、改めてご連絡をさせていただ きたいと思います。  あと、もう一つ、こちらの評価点の暫定案でございますけれども、少なくとも普及を することは大事だというところはぶれていないところだと思いますので、また、委員の 先生方からご意見をちょうだいした上で、座長とも十分相談をさせていただいた上で、 もし、まとまるということであれば、こちらに日付を入れてホームページに公開させて いただきたいと思いますので、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。 ○丹羽座長  というわけで、新年度になって日程調整をさせていただいて、4回目を考えるという ようにしたいということですので、よろしくお願いします。  また、先ほど私の方からもお願いしました、コメントをいただいて、できるだけまと めていきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  それでは、以上で、本日の第3回社会保障審議会統計分科会生活機能分類専門委員会 を閉会いたします。どうもありがとうございました。 照会先 厚生労働省大臣官房統計情報部人口動態・保健統計課     疾病傷害死因分類調査室     電話(代表)03-5253-1111(内線)7493