06/11/17 平成18年11月17日中央社会保険医療協議会診療報酬調査専門組織各分科会 慢性期入院評価分科会議事録 06/11/17 診療報酬調査専門組織          平成18年度第4回慢性期入院医療の包括評価分科会議事録 (1)日時  平成18年11月17日(金)9:30〜10:30 (2)場所  霞ヶ関東京會舘シルバースタールーム (3)出席者 池上直己分科会長 天本宏委員 猪口雄二委員        大塚宣夫委員 木下毅委員 椎名正樹委員        <事務局> 医療課長 企画官 薬剤管理官  他 (4)議題  平成18年度慢性期入院医療の包括評価に関する調査について (5)議事内容 ○池上分科会長  ただいまより、平成18年度第4回診療報酬調査専門組織・慢性期入院医療の包括評価調 査分科会を開催させていただきます。  本日の委員の出席状況につきまして、泉委員、近藤委員、及び高木委員より御欠席との 連絡をいただいております。  それでは審議に入りたいと思います。まず、議事に入ります前に、急遽当分科会を開催 した理由を申し上げます。前回の当分科会におきまして、調査を行うことについては御承 認いただきましたが、その後、天本委員より調査の趣旨を改めて確認したいとの御提案が ありましたので、本日、お忙しい中、委員の皆様にお集まりいただきました。つきまして は、天本委員より理由の御説明をお願いいたします。 ○天本委員  まずは、このような忙しいときに委員の方々お集まり、あるいは事務局、このような場 を設けていただいたことに感謝いたします。  今回、新たにこの分科会を再度設けていただいた理由は、平成18年11月2日、参議院 の厚生労働委員会におきまして、西島参議院議員からの質問で、水田保険局長がこの医療 区分のことについてお答えになっております。その点について非常に疑問を持ちましたの で、このような会を開くことを再度お願いしたわけです。  その理由といたしますのは、西島議員の方からこの療養病床再編において15万床の削減 ということが数字が先走りしており、都道府県の医療計画をいろんな形でそれに基づいて 立てているやの傾向があるということで、その数字の根拠というものについて質問をされ ました。そこで水田保険局長は、今回の15万床療養病床を減少するという見通しを立てま したけれども、その基本となったのは平成15年3月に医療制度改革に関する基本方針とい うのを設けて、そこで中医協のもとに慢性期入院医療の包括評価調査分科会というものを 設置したと。そこにおいて、いろいろなタイムスタディーなどを行ったわけですけれど、 療養病床の再編にあたりまして医療の必要性の高い医療区分の2と3、それから回復期リ ハ病棟の入院患者については医療療養病床で対応すると。その一方で、医療の必要性の低 い医療区分1の入院患者については老人保健施設等で対応することを基本としたと。この 医療区分1に該当する方が全体の約5割いると。それから老人保健施設につきましては、 常勤医師が配置されているので、医療区分2の該当者の中にも一部対応が可能な患者もい ると。具体的には、うつ状態、それから褥瘡などの状態を想定したと。こうしたケースが 全体の1割を占めておると。合計いたしまして6割、38万床のうち6割が介護保険に移行 すると、このような前提においた試算、積算したものが15万床ということになると。  先ほど、うつ状態、褥瘡以外に創傷処置、皮膚の潰瘍のケア、この4つの疾患ないし状 態というものにつきましても移行可能なケースだというように回答をされております。す なわち厚生省、まあ保険局においては、まずは慢性期病床削減計画を立てて実態調査をし て、その区分1の6割というものを想定して介護施設にと。そしてまた介護療養型を6年 後に廃止決定というようなことで、とりあえず第1段階として50%、医療区分1にという ことで政策的に設定されたと。しかも、調査結果の一部を活用するといったようなことで 政策的な50%の決め方がされたと。なおかつ、受け皿のことは一切計画をしていないとい ったようなことで進み、これから第2段階として、あと10%というものが医療必要度が低 いというような想定で、筋書きで進んでいるということであれば、さらに調査をする意義、 あるいはこの分科会の存在意義そのものが非常に疑問を持たれるということで、その真意 を伺いたいこと。この調査を行うかどうかについては、こういう背景のもとで、行う必要 があるのかどうか委員の間でもう一度議論していただきたいという趣旨で、今回、会を再 度していただいたわけです。 ○池上分科会長  ありがとうございました。それでは、事務局より回答をお願いします。 ○神ノ田補佐  それでは御説明申し上げます。今回、資料を1つ御用意させていただきました。診調組 慢 1でございますが、前回の分科会の場でも、また9月に開催しました前々回の分科会の場 でも議論になりましたが、医療区分の妥当性の検証について、その場では口頭で御説明申 し上げたところですが、十分な説明ができなかったのではないかというような反省もあり まして、資料として提示させていただいたものでございます。あくまでもイメージ図とい うことで御理解いただければと思っております。  まず1枚目のところですが、こちらは18年度の診療報酬改定における作業として、どの ような作業をしてきたかというところをまとめたものでございます。18年度改定における 医療区分の設定の考え方ということでございますが、これは16年度調査に基づきこのよう な作業をしておりますが、考え方として、まず1つ目のグラフにありますように医療関係 職種、これは医師ですとか看護師といったような職種について重みづけしたケア時間で、 この医療の必要度をある程度重いものから低いものまでこのような分布になっているので はないかということで、医療の必要度が高い部分を医療区分3、次を医療区分2、比較的 軽い部分を医療区分1というように区分してみてはどうかという考え方でございます。  ただ、これを実際の診療の現場に適用するに当たっては、一人一人タイムスタディーを やるということにはまいりませんので、こういった考え方を、分類する際に現場に即した ものをつくらなければいけないということで、その下に書いてありますが、最終的な区分 がケア時間の分布を適切に反映するものとなるような患者特性を抽出して、医療区分3に 該当するような患者さんについてはどのような患者特性を持っているか、あるいは医療区 分2を代表するような患者特性はどういうものなのか、というようなものを御議論いただ いて各区分の要件を設定していただいたという経緯でございます。  その際に、この医療区分1、2、3についてある程度説明できるようにということで統 計的な分析等も行っているところでございますが、その後、制度改正あるいは診療報酬改 定がございまして、患者さんについても介護療養施設あるいは医療療養施設の間で動きが あるということになりますので、それを受けてこの分布についても変動が見られるのでは ないかということで、2枚目でございますが、診療報酬改定後の患者に対して現行の医療 区分の要件を当てはめた場合に各グループの重複の変化を検証するとしております。  つまりは、恐らく医療療養病棟につきましては医療の必要度の高い患者さんがふえてき ているだろうということで、この医療区分1、2、3のそれぞれの割合、構成が変化して いることが予測されます。それに伴いまして分布についても変動が見られるだろうと、そ れに伴って重なり具合が変化してきているかどうかというところを検証していただきたい ということでございます。仮に医療区分の妥当性として改定後も特に問題がないという結 論が得られれば、現行の区分でよいということになりますし、かなり重複する部分が大き くなっているというようなことですとか、あるいは実際、改定後の状況を見て、医療区分 1ということで分類するのが適当でないというような患者像のようなものが出てくれば、 その部分については、その調査の結果を踏まえて御議論いただくということでございます。  これもイメージ図としてお示ししておりますが、最後のグラフにありますように、重複 している部分を小さくするようなことを含めて、この調査の結果を受けてどのような、見 直しが必要かどうかも含めて御議論をいただきたいということでございます。その際に、 前回の検討でも、その医療区分の要件として入れるのはふさわしくないというような項目 があるということでそれを個別に検証してきたという経緯がございます。そういったこと も踏まえ、重なり具合だけで判断するということではなく、総合的に御検討いただいて、 「見直すのかどうか。見直す場合にはどのような要件の見直しをするのか」というところ を御議論いただきたいということでございます。  天本委員の方からお話のありました参議院の厚生労働委員会での質疑についてでござい ますが、これはこの医療区分の議論というよりは、今後、医療療養病棟をどのように位置 づけていくかというところで、若干医療区分1、2、3というようなものを使っていると ころもありますが、直接リンクするものではないということで、むしろ今後、医療費適正 化計画等の議論の中で検討していくということでございますので、この分科会の役割であ る医療区分の見直しに当たって、答弁、先ほど説明にありましたようなうつ状態、褥瘡、 あるいは皮膚の潰瘍、創傷処置といったようなものを医療区分1にするというようなこと を、事務局として現時点で考えているというわけではございません。そこは、データを見 て御議論をいただければと思っております。初めからこういうものは落とそうということ を事務局として考えているというところではない、というところを御説明させていただき ました。そこは、データを見て専門家の立場から御議論いただければと思っております。 説明の方は以上でございます。 ○池上分科会長  ありがとうございました。それでは天本委員、お願いします。 ○天本委員  今、最後の答えの中で事務局はそのように考えていないということでしたけれど、前回 の調査ではやはりこのようなものが老人保健施設で可能、要するに50%プラス10%と。要 するに50%というのは医療区分1なわけですので、そこに足せるというようなデータは既 にあったわけですか。このような発言をされたというのは。 ○神ノ田補佐  この医療区分1というのは相対的に見て医療の必要度が低いということで、そこは介護 施設でも対応可能ではないかというような、それはむしろ今後の医療療養病棟の役割とい うようなところで議論される部分かとも思いますが、それに加えて、現状として医療区分 2に分類される患者でも老健施設の中で対応できている部分もあるのではないかというこ とで、あのような答弁になっているということでございます。 ○天本委員  エビデンスのないものをこういう公式な場で活用されて、15万床ありきというような数 字が先走って、これはそのまま地域ケア指針に、医療計画にもこの数字をもとにその計画 を立てるという方向に進んでいるわけですね。ですから、根拠がないのであれば根拠がな いとはっきりお答えをいただきたいと思います。事務局は、これは医療区分2と現時点で 判断するということで、この次もそう簡単にこれによって……、というお答えをいただい たのですけれど、そこのエビデンスもないものをこういうような場で10万床を見積もると いうことは非常に……。それは否定されるんですか、事務局は。 ○神ノ田補佐  今後見直しをしていくという方針が示されまして、また国会の場でもどういう形で変え ていくのかということを問われておりましたので、その時点で使えるデータに基づいて15 万床ということを答弁したということでございますが、これは今後どう変化していくかと いうところを現時点で予測が難しい部分もございます。高齢化の進展もありますし、また 在宅医療がどう進んでいくかとか、あるいは介護施設についても機能をどうしていくかと いうようなところを、総合的に判断した上でどうするかというところを決めていくことに なるかと思いますので、現時点でこの「15万床ありきで、この数字は一切動かせない」と いう性格のものではないということで、国会の場でも、今後具体的な数値については医療 費適正化計画等の中で検討していくというような答弁をしているところでございます。 ○天本委員  それでは、まだ現時点では15万床ということで、各都道府県でそういうような数字をも とに医療計画は進めてはならないというように判断してよろしいと。 ○神ノ田補佐  数字合わせというような作業ではないということでございます。あくまでも、在宅医療 ではどういう患者さんを支えるのか、あるいは介護施設ではどうするのか、また医療療養 病棟ではどういう患者さんを支えていくかというところをしっかりと検討した上で、こう いった医療費適正化計画の中で具体的な数字を詰めていくということでございます。 ○天本委員  それと、うつ状態、褥瘡、4つの状態を明確に示されたわけですね。これについては先 ほど事務局が、再度確認しますけれど、これについて区分1という判断をしていないとい うことでよろしいですね。 ○神ノ田補佐  そういうことを決めているということではございません。この分科会の場で、調査の結 果を踏まえて御検討いただければということでございます。 ○天本委員  このときも答弁に出ているのですけれど、老人保健施設についてというのは、現時点の 老人保健施設ですけれど、これから老人保健施設、介護施設というのは医療のあり方が変 わるわけですので、現状の時点でそのような答弁がされると現場としては非常に混乱をい たしますので、この点もおかしなことだろうと思います。医師が常勤しているといっても 常時いるわけではございませんので。夜間もいませんし、土日もいませんし、将来もし、 議論がちらほら出ているアウトソーシングと、医療が外からとなりますと、またこの対応 も変わるわけですので、余りにも筋書きを決めた枠の中で動かれるということ、しかもそ の調査がその正当化のために使われるということであれば、我々も調査に協力する意味が なくなりますので、その点、これは訂正していただくという認識でよろしいですね。 ○神ノ田補佐  繰り返しになりますが、どのような患者特性を医療区分2あるいは3に位置づけるかと いうところにつきましては、調査の結果を踏まえてこの分科会の場で専門家の立場から御 検討いただければと思っておりますので、事務局としてこうしてほしいというものは、現 時点では持ち合わせておりません。 ○池上分科会長  よろしいですか、天本委員。 ○天本委員  もう一度あれしますけれど、この表、きょう新たに出たもので、ちょっとわけがわから ない表ですけれど、要するに区分1、2、3のその配分の検証のような形に私はとれるの ですけれど、医療区分1そのものに医療の必要性の高いものがあるということで、我々日 本医師会とすれば提案しているわけですので。前回からも何回も議論になっていますけれ ど、区分1の要するに要件というものの検証をきちっとしていただきたいと。やはり国会 答弁で、これは松谷局長が答えているのは、医師の指示による見直しがどの程度かという のですけれど、見直しがないのが慢性期の場合で。ただし、きちっと評価しているという ことをいかに調査するかという手法も、きちっと取り入れていただきたいと思います。  変更があったものだけを取り上げるといったようなことであれば、当然、慢性期医療に おいてはその変更は少ない。安定している。しかしながら、医師の指示のもとで看護師さ んでなければできない業務というものが、経管栄養とかそういうものがあるわけです。現 実に北海道なんかでは、特別養護老人ホームでそれをやっていたということで新聞ざたに もなって、これは大きな問題だということで、それはやってはいけないというようなこと はありましたけれど、これは現時点の法律では看護師さんの業務独占ということになって いる領域であるということも今回の調査できちっと出せるようにしていただかなければ、 このような数字ありきの、ストーリーありきのところだけを正当化するという調査になり かねないということを非常に危惧します。 ○池上分科会長  ありがとうございました。天本委員、それでよろしいでしょうか。では、ほかの委員の 先生から。大塚委員、どうぞ。 ○大塚委員  今回のこの国会での水田局長の御答弁等を見ていますと、初めに医療適正化のためのベ ッド削減目標というのがあって、この分科会はそのデータを収集するための場として機能 を期待されているということはわかるのですが、ただ結果としては最終的に「これだけの ベッドを削減するためにどの部分を削減したらいいか。どういう人たちを対象に医療の療 養病床として残したらいいか」というデータを集めるための我々の調査であるという理解 でよろしいのでしょうか。医療区分1というのは初めから入院医療の継続の必要のない人 だという前提に立つというか、必要があってもなくてもともかく60%は減らすのだと、そ のためのデータを集める場としてのこの分科会であり、その調査であるという理解でよろ しいのでしょうか。 ○池上分科会長  では、これも事務局からまずお答えください。 ○神ノ田補佐  15万床ということについて、この分科会の場で議論したことはないと思います。これは あくまでも、しっかりと患者の状態に即した診療報酬上の評価をすべきだという議論の中 で御検討をいただいてきたということでございますので、この15万床云々というようなこ とについてはこの分科会の場で議論するものではなく、また別の場で、今後の医療費適正 化計画をどうするのかというような議論の中で検討をしていくことになるのだろうと思っ ております。 ○大塚委員  もしそうであるならば、前回の調査のときもそうでありましたが、この医療区分1、2、 3というのは、今入院されている人を例えば3つの区分といいますか、その面積で見て、 手のかかり方の分布を見て、それを3つに分けたと、3分の1ずつに面積で分けたという ような区分であるならばいいわけですけれども、初めからこの医療区分が、医療区分1は 50%という前提でデータを集められたのではないんですか。 ○神ノ田補佐  そこら辺、私よりはむしろ先生方の方がその議論の経過はお詳しいのではないかと思い ますが、医療区分をする際に、どういう形で区分すれば同じ区分に分類される患者さんが 同じような患者さんにできるかと、同質性を担保できるかというような議論の中で、前回 の調査を踏まえてこのようなところに線を引いたということで理解しております。 ○天本委員  よろしいですか。 ○池上分科会長  天本先生。 ○天本委員  それは前回、たしかコストとかタイムスタディーのデータなしで、ここでも判断された と。しかも、政策的に50%としたという議事録がたしかあったと思います。ですから、決 してそのデータに基づく形での医療区分配分ではなかったと。それは、中医協でもそのデ ータは聞いていなかったということで明らかになったことではないんですか。 ○神ノ田補佐  十分な説明ができていなかったのだろうと思います。私が多分お答えしたかと思います が、値づけのところで医療区分1のところをかなり低い診療報酬上の評価をしているとい う部分について、これは中医協の場で決めたということですが、ここの部分について政策 的な判断だったというようなお答えをしたかと思います。この区分をする際に、政策的に 5割に合うように、というようなことではなかったのではないかと思います。 ○大塚委員  それは確かにおっしゃることはわからないわけではないですけれども、医療区分1、2、 3と分類するときに、どのような視点で最初の区分をするかは、それは恐らくこの委員会 の討議事項でもあったと思います。だけれども、その出てきたデータを初めから50%は医 療区分1とするのだと、まずこれが結論としてあったのではないですか。そして、第2段 階として、それをさらに10%ふやすためにはどのようなデータ処理をしたらいいかという ことが、今この会で問題にされているのではないですか。 ○池上分科会長  済みません、これは私が分科会長としての記憶で申し上げますと、分科会として分類に 幾つかの案が出ましたね。そして、中医協に提出した7月段階の分類案では、各分類の構 成比は最終的にこの分科会で11月に出した構成比とは異なっていました。それは、その間 に統計的観点、それから現場の病院にアンケートを出して、この分類に、この病院のこの 患者さんは区分2になったとかそういうデータをフィードバックして、そして再度検討し た結果、構成比は異なったわけでございますので。そういった観点からしますと、何回も 改定がありますけれども、現場にフィードバックした値の7月の段階の各分類の構成比と、 それから11月に中医協に答申した構成比とは異なるわけでございますので、私自身はこの 結果としてこの50%なりが出てきたというふうに認識しております。 ○木下委員  いろいろ問題があると思いますけれども、今議論になっている50%ですけれど、これは 前回はたしか医療区分2を1.16で切るというのが事務局から出て、そのことについては余 り議論がされずに進んだと思います。1.16というので切ると50%以上になるのは明らかな。 平均値が1ですから、それより大きい数字をとったら16分の1が50%を超すという明ら かな状況のもとに分類されたというふうに記憶しております。  それと、国会で局長さんが、医療区分1は介護保険、老人保健施設で見るべきグループ だという発言をされていますが、前回から問題になっていますけれど、医療区分1をどう いう解釈をするかというのは改めてはっきりしておく必要があるのではないかという。国 会で答弁されて議事録に載っていることですから、そう簡単に違うよと言えないような気 がします。  それと、ここで老人保健施設で見るというふうに、常勤の医師がいるというふうにおっ しゃっていますけれど、老健施設では100人当たり医師が1人という基準になっています ので、平均的な年間労働時間1,800時間と計算しますと、年間の365日掛ける24時間とい うのは8,760時間になります。1,800をこれで割ると0.2、つまり常勤医師がいるといって も年間で見ると2割しか医師はカバーしていないということですね。土曜、日曜、祝日、 夜間はいないという前提で物を考えなければいけないのだと思います。  それと、ここの分科会で出したタイムスタディー、医療区分のデータがいろいろ使われ ているようですけれど、このデータの所有権、使用権、そういうものはどこにあるかとい うことははっきりしておく必要があるのではないかというふうに思っています。  それと、これは今問題になっていないのですけれど、前回タイムスタディーを行うとき の医療従事者の中に、個別リハビリを行っている時間は除外されています。これは出来高 だということで除外されていますけれど、それが本当に妥当なのかどうかということが、 もう1つ必要になると思います。  それと、15万床についてですけれど、これは介護給付費分科会で初めて出てきた数字で すけれど、そのときの老健局の説明はたしか医療療養の半分、それから介護療養の3分の 1程度が医療区分2、3になりそうだから、それを足すと15万床になるという説明だった と思いますけれど、今回水田局長さんのお話では38万床の4割で15万床という、局同士 で解釈が違っているということ、その辺がちょっと疑問なところでございます。以上、確 認と疑問点を申し上げました。 ○池上分科会長  それでは、お答えしやすいところから、まずデータの所有権について、事務局はどうい う見解でございますか。 ○神ノ田補佐  非常に大きな制度改正をするということでございますので、得られるデータについては しっかりと受けとめて、現場が混乱しないようにやるためにも、今存在するデータについ てはちゃんと検証の俎上に載せるということになるかとは思います。ですから現場として、 これはもう介護施設では無理なのだとかそういうようなものがあるということはしっかり とデータ的に押さえておかないと、制度改正後に問題が生じるということでございますの で、この分科会としては当然診療報酬の評価をするに当たっての区分をどうするかという ことで御検討いただいておりますが、その過程で得られたデータについては、ぜひ制度改 正をする上でも活用させていただきたいというふうに思っております。 ○池上分科会長  それはよろしいですか。まずその点に関して。 ○木下委員  これは、調査には目的というものがあって、その目的を公表して「調査に協力しますか」 ということですね。 ○池上分科会長  はい。 ○木下委員  それで、「目的以外にはこの結果を使いません」というのが大体調査には書いてあるので すけれど、今回、ほかに使うということになれば、そのこともはっきり書かないと調査対 象者は困るのではないかというふうに思いますけれど。調査というのはそういうものでは ないのでしょうか。 ○池上分科会長  この点に関してはいかがでしょうか。 ○神ノ田補佐  御指摘を踏まえて、適切に調査対象医療機関に対してその趣旨を伝えるような形にした いと思います。 ○木下委員  いや。趣旨を伝えるというのではなくて、この分科会としてどういう目的で調査をする かというのは、はっきりしておく必要があるのではないでしょうか。 ○池上分科会長  では、まず事務局としてはどう。 ○神ノ田補佐  分科会としては、医療区分の設定をどうするかということが目的でございますので、そ のための調査ということだと思います。ただ、得られたデータについては有効に活用する ということが、この医療療養病棟にとっても将来を考えた場合に望ましいということでご ざいますので、そういう目的で活用されることもあるということを、調査する際にはしっ かりと明記した上で対応したいと考えております。 ○池上分科会長  はい、どうぞ。 ○木下委員  それは事務局の意見であって、この分科会としてそれでいいかどうかということを決め る必要があるのではないでしょうか。 ○池上分科会長  配付された資料の中の調査概要案というところに調査目的が書いてございますけれど、 具体的にはどういう形をお考えでいらっしゃいますか。つまり、ここに一応調査目的があ って、これにどういう加筆が。 ○木下委員  うん。加筆するなら加筆して、この分科会としてそういう目的で調査をしていいかどう かという確認をとる必要があるのではないかということです。 ○池上分科会長  はい、どうぞ。課長からお願いします。 ○医療課長  この分科会での今回の調査は、あくまで今回、医療区分1、2、3と分けたこの分類手 法についての検証を行うということが目的です。ですからそのために、まさに先ほどから 御説明したような形でデータを集めて分析をしていきましょう、ということになると思い ます。ただ、出てきた結果について、これは例えば国であろうと、あるいはその他の例え ば研究しておられる先生方にしろ、解釈をどうされるかというのはまた別の要素としては あり得ると思います。ここの分科会においては、あくまでこの分類手法について、今現在 つくられた医療区分1、2、3の分類手法がその患者の分類という観点から妥当かどうか を見ていただくというのが大きな目的だと思っています。  それから、前回のといいますかこれをつくり上げるときの経過からいうと、入院基本料 が一律になっている患者さんたちのコストが随分違うだろうという観点から、もう少しき め細やかな、出来高ではないですけれどもきめ細やかな包括の手法として、コストに基づ いた分類をしていこうというのが発端であったろうと思いますし、それがまさしく今日お 示しした一番初めの図であって、そのところを幾つかに分けて、比較的コストが近い人た ちのグループづけをしていくと、それが大きな目的だったと思います。  その中で医療区分1、2、3というものができてきたと。それに対して、その医療区分 1についてどう解釈するか、2についてどう解釈するか、あるいは3についてどう解釈す るかというのは、多分調査結果をもとにした評価といいますか解釈なので、その部分はこ の分科会の領域を超えて、例えば国としてこう考えるというような形でお話は進んでいる ということが流れだったと思います。  ですから、この調査の目的は本来この分類手法が妥当かどうかを調べるのが目的であっ て、あとそれについて出てきた結果をどう解釈するかというのは、これはこの委員会の調 査結果をそれぞれの方々が解釈されるというのは自然な形なのではないかと。そういう意 味で、今回の調査自身はあくまでも分類手法の検証であるということには間違いがないと いうふうに思っております。 ○池上分科会長  よろしいでしょうか。 ○木下委員  皆さんがそれでよければ結構です。 ○池上分科会長  天本委員。 ○天本委員  ちょっと木下委員と趣旨がどうかわかりませんけれど、木下委員の質問の中に医療区分 1を介護保険の対象とするかどうかということの質問があったかと思いますけれど、その 点について、要するに現状、介護保険施設の受け皿がない時点で、この現時点での区分1 を、将来方向として医療保険と介護保険の整合性をピシッとしていこうという方向性につ いては、これはだれも反論はないと思うわけですけれど、現時点に受け皿がないところで この医療区分1をどのような形の位置づけにするのか。診療報酬点数上は非常に明確に病 院にいる必要はないという形のコスト割れをしているわけですので、その辺、木下委員の 質問に対しての区分1のお答えをしていただきたい。 ○医療課長  先ほども説明しましたけれども、医療区分1というものの意味づけというものは、多分 中医協の方に議論していただいたらどうかと。もちろん、この場で議論してはいけないと いうことではないのですけれども、それはいろいろな意味づけもあるでしょうし。ただ、 その医療区分1とか2というふうに分けたときに、そこが分類として妥当かどうかの検証 をこの分科会ではしっかりやっていただきたい。その1についての解釈、局長の答弁でも 医療の必要性の低いという解釈をしておりますし、それで老人保健施設等で対応すること を基本としているという認識を示しているわけですけれども、これは今回の医療区分1に 対する1つの解釈だというふうに思います。その解釈がいいか悪いかは、もちろん国会で も議論になるでしょうし、中医協でも議論がされてしかるべきだと思います。  そういう意味で、この場で余りそこに、医療区分1はいきなりもう老人保健施設で見る べきものだということを前提に議論をしても、もともとこの医療区分1、2がすっぱりと きれいに分かれているわけでは恐らくないでしょうし、そういう意味では、余りそこを細 かく議論していると取りかかりができないと。だからそういう意味では素直にデータを集 めた上で、どうしていくかということはまた中医協の方でも議論していただけたらいいの ではないかというふうに思っています。 ○天本委員  中医協でしっかりそこを議論していただきたい。特に、現時点での社会保障としての整 備の中での区分1と。それで、将来的に区分1がどのように変化するかという計画性を持 った形で、要するに横断的な老健局との話し合いを進めてほしい。ただし、ここでの調査 をする際に、その医療区分1というものを、やはり現状における医療区分1の受け皿の問 題と療養病床の問題とを絡めた形で、調査する際にはその医療区分1をどのように想定す るかと。今までのように2、3を決めてそのほかということでは、余りにも大きな問題が、 医療難民、そういうようなことがあったということが。まあ日医からの調査だけですから、 ここら辺をきちっと、やはり医療区分1のところを集中的な形で分析していただきたいと いう希望を述べます。 ○池上分科会長  ありがとうございました。大塚委員はいかがですか。 ○大塚委員  このきょう御提示いただいた診調組 慢−1ですが、ここにまず最初に出てくる医療区分 の分布図があります。これは第1回目の実態調査のものと、手のかかり方の分布といいま すかケア時間の分布はこのような形になっていたのでしょうか。まずそのデータがしっか り、我々見たことがないのですが。 ○池上分科会長  では、事務局からどうぞ。 ○神ノ田補佐  こちらは今後、医療区分の妥当性を検証していただくに当たってどういう作業が想定さ れるかというところをわかりやすく説明したいという、そういう趣旨でつくったものでご ざまして、あくまでもイメージ図として御理解いただければと思っています。 ○大塚委員  恐らくここはイメージ図としてこうなった。ただ、前回の調査でどういう分布になって いたか、これがきっと出ているのだと思います。それがデータとしてここに示されたこと はないような気がしますけれども、それについてはいかがでございましょうか。  もう1つつけ加えるならば、先ほど医療課長のお答えになりましたように、今までは医 療療養病床に入っている人に対しては一律の包括払いであったけれども、当然その手のか かり方がいろいろ違う人が入っているだろうと。それを例えば3つに分ける。幾つかに分 けるとしたら、それはどんな形になるのかということを見るために第1回目の調査が行わ れたわけです。となると、そこが初めから、手のかかり方を3分類するというのであれば わかります、だけれどもこの50%あるいはもっと言えば50%をもう少し超える部分までは 1と区分しよう。これは現場の感覚というか、先ほどの医療課長の御答弁からしても、ど うも納得いかないというか、そういう感じがするのですが、その辺についてもいかがでし ょうか。 ○池上分科会長  では、事務局からお答えください。 ○神ノ田補佐  前回、どういうデータを提示したかということでございますが、それはこのメンバーの 中でどういうデータをというようなことで、資料で残っている範囲で見ますと、各患者特 性ごとにどれぐらいのケア時間になっているかというのを一覧で示して、個々にどの医療 区分に位置づけるかというところを検証するような作業があったというふうに、資料を見 る限りそのように承知しております。ただ、こういうような正規分布のような形では資料 は残っておりませんので、恐らく当時、検討の中ではこういうような作業の必要性につい て特に議論されてはいなかったのではないかと思いますが、ただ一般論として言えば、ケ ア時間がやたら長いところというのは少数でしょうし、短いところというのも少数でしょ うし、正規分布に近いような形になっているのではないかとは思います。  あと、3分類にするかどうかというところは、これも前回御検討いただいた結果として 3つになったということで。今、現場の感覚として、ちょっとそれがどうも合わないとい うようなお話もございました。それは調査の結果を見て、どうもこの医療区分1に分類さ れる患者さんの中に医療の必要度が高いような人も分類されてしまっているというような 実情が明らかになれば、そこは御議論いただいてよろしいのではないかと思っております。 ○医療課長  私も見たことがないのであれですけれど、手間のかかる人の少数がかなり右にずっと裾 野が広がるというか、こういう調査をやっていて、多分そういう分布だろうと思います。 そのときに多分、非常に手間のかかる人の部分を少数だけれど1つのグループにしないと やっぱり、ということになってきて、その比較的近いところにいるのがたくさんになると いう、そういう形で多分分けていかれたのだろうと思います。そこは私もちょっと詳しく 全部見ていないですけれど、結果からいって、恐らく右に裾野が長く引くような分布にな るのだろうと思います。それで多分、非常に手間のかかる部分を1つの医療区分3として 分けていったということではないかと思います。 ○池上分科会長  よろしいですか。 ○大塚委員  そういうデータというか、どのような分布をしていたかというデータを、今からさかの ぼって求めることはできませんか。御提出いただくわけにはいきませんか。 ○医療課長  それはまた分析の段階で、前回の分もあわせてお示ししたいと思います。 ○大塚委員  ぜひお願いしたいと思います。 ○池上分科会長  では、椎名委員。 ○椎名委員  今、手のかかるというふうなことが議論になりましたけれども、手がかかるというのは、 医療の方で手がかかるほかに、ADLの自立度、これをサポートするのに大変手間も暇も お金もかかるんですね。そういう意味からすると、結局、今回の値づけについてはほとん ど医療しか見ていないんです。ADLの自立度、これをほとんど無視していると。これが 問題の1点です。もう1つは、皆さん御承知のように大変な落差のついた、極端な落差の ついた値づけが行われたと。根本的に2つの問題があるわけです。これははっきり言って この分科会の責任では全くなくて、中医協あるいは中医協に対する事務局の点数案の提示 とかそういう話だろうと思います。  私ども分科会は、多分昨年の11月に3掛ける3の両方をちゃんと見たマトリックスを出 したわけです。患者分類を出したわけです。当時、その段階で分科会のお役目はもう御苦 労さんと。あと、値づけは中医協でやりますからとそういう話で、今申し上げた結果にな ったわけです。ですから、私はやはりきちんと、なるたけ早急に、また検証部会からの要 請もあることですし、現場では大変問題もあるし混乱もあるやに聞いていますので、早急 に調査をやるべきだと思います。調査をやるに当たって、基本的なフレームは前回と同じ フレームでやるべきだと思います。余りいろいろいじってしまうと、調査の連続性という 観点から比較検証もできなくなると、そういった観点からです。  あとこの分科会の役目としては、早急に調査をやって、いろんな分析をして、値づけの 問題点も含めて、それを早く中医協にきちんと上げて、そこでおかしければやはり見直し の議論を早急にやってもらうと。値づけをするのは中医協、あと政策判断も含めた判断を するのも中医協と、そういう役割分担になっているわけです。ですからそういう形で、調 査はきちんと、なおかつ早く調査をやって、きちんとしたデータを出して、それでおかし なことはきちんと見直してもらうと、そういうふうにやってもらうべきだと思います。 ○池上分科会長  ありがとうございました。猪口委員、まだ御発言されていませんけれども。 ○猪口委員  私も実は調査をやるべきだと思っています。前回までの議論であの分類ができたときは、 まさかああいう点数になると思って分類していないわけです。きちっとした仕事量、コス トに応じた点数がついて、これで療養型も一律点数からきちっとしたケースミックス分類 が導入されるのだというつもりで、ここの分科会は中医協に報告したはずなわけでありま す。それが中医協の過程で、そこに政策判断が入って、医療区分1がもうどこにも行きよ うがない、介護にしか行きようがないというような点数づけをされ、そこでまずその分科 会に対する不信感が全国の療養病床から吹き上がっているわけであります。  そこで、もう1回この調査をしようというときに先ほどのような局長の発言があります と、今度は一体何に利用されるのかという、また不信感の塊が今あります。これを払拭し てもう1回やろうというわけですから、よほどそこはナチュラルな姿勢で臨むのだという ことを言っていただかないと、全国の療養型は多分協力してくれないのではないかと思い ます。  ぜひいい形にしていただきたいと思いますし、それから先ほど老健に移るという話があ りましたけれど、これはまさに介護保険施設のあり方の検討委員会というのも今、老健局 の方でやられている最中で、老健がどういういう形になっていくか全然見えない中ですか ら、安易にその老健に行って医師が常勤でいるから医療をやるという姿が今後続くかどう かという保証がひとつもない。今の療養型とか介護の方も含めて、将来的なものが何も固 まってないというのが実際のように思いますし、失礼ながら言わせていただきますと、保 険局と老健局の方で本当にすり合わせが行われているのかどうかというのが、我々は非常 に疑問に思っているわけです。  ですから、やはり将来像をきちっと、国としての姿勢をちゃんと示していただいて、そ こで我々がどのようなデータを協力して一緒にいいものをつくり上げていくかという、や はり信頼感に基づいた調査にしてほしいなと、そういうふうに思っております。 ○池上分科会長  天本委員、どうぞ。 ○天本委員  お2人の委員、非常に重要な点について御意見を出していらっしゃいますので、事務局 の課長さんとして、きちっとそれについてお答えいただければと思います。 ○医療課長  繰り返しになりますけれども、今回の調査そのものは、先ほどから申していますように、 現在つくられたこの医療区分の分類方法、これについてその妥当性を客観的に評価すると。 それでなおかつ適正でないという部分があれば、その見直しも含めてこのデータに基づい てやっていくのだということを考えております。その際に、データについて十分先生方に も提示をして、この場でいろいろ議論をしていただけたらと思っておりまして。神ノ田補 佐の方から言いましたように、必ずしも何かを無理やり医療区分2の条件から外すとかそ ういうことを先見的に持っているものではございません。そういうことで、今回の調査に ついて御協力をお願いしたいというように思います。 ○池上分科会長  今回の、きょうの分科会は天本委員からの問題提起ということが主な目的でございます。 それについて議論を行いまして、また事務局からの回答をいただけましたけれど、これで ……。 ○木下委員  確認しておきたいことがありますけれど、医療区分の導入に当たっては別にこれが悪い とかそういう意見は全くないということで、ただ、その内容について疑問があるというこ となので、区分導入については前向きに取り組んでいいのではないかと思います。現場の 混乱のもととなっているのが、老健局と保険局の話し合いがうまくいっていないというか、 それが現場としては非常に、利用者も含めて困ることなので、そこの連携をぜひお願いし たい。  それから、先ほどから出ていますように、調査対象となる療養病床、そこに不信感があ るというのが。調査に協力してまた何かやられるのではないかという。ですから「医療の 必要のない人がまだいるのではないか」というふうに使われるのではないかという懸念が 非常に多いので、そこをちゃんとしてもらわないと調査協力が得られないというおそれが ありますので、そこの説明は十分に行ってもらいたいということを再確認しておきたいと 思います。 ○池上分科会長  はい。では、その再確認について医療課長の方からお願いいたします。 ○医療課長  老健局と保険局と連携が悪いのではないかという御指摘については、そういうことのな いようにしっかりと協力をし合ってデータ交換しながらやっていきたいと思います。それ から、非常にこの調査に対する不信の思いがあるということについて、多分一番大きい原 因はやはり値づけのところだったのだろうと思いますけれども、そのあたりについては今 回の調査そのものがストレートに値づけそのものを決めるものではありませんので、その あたりの趣旨を書いた紙を調査の際にはつけて送りたいというふうに思っております。 ○池上分科会長  ありがとうございました。それではこの議題についてはよろしゅうございますか。あり がとうございました。 ○天本委員  全く今の課長のお答えで前に進められると思います。ただ、中医協でのこの分科会と中 医協との関係というのが非常に大きいということですので、今回のわざわざこういう議論 になったということ、また今の我々のそのADLがきちっと評価されていなかったとか、 いろいろな指摘があったことを、やはり分科会長としてきっちっと中医協にまた御報告し ていただければ幸いだと思います。 ○池上分科会長  それは事務局、そういう機会をまた設けていただければと思います。では、よろしゅう ございますか。ありがとうございました。  それでは次に、療養型介護医療施設に対する調査につきまして事務局より説明をお願い します。 ○神ノ田補佐  前回の分科会の場で最後の方に、介護療養病棟を調査対象にすることについていろいろ と議論がございまして、時間の関係で事務局として十分な御説明ができませんでしたので、 改めて説明をさせていただければと思っております。  資料といたしましては、診調組 慢−2ということで、これは前回の分科会でも用意させ ていただいた資料でございます。改めて確認の意味も含めて説明させていただきますが、 1番の調査目的のところで(7)として患者及び施設の介護への移行の状況というのが、これ は9月20日に中医協に報告した際に、中医協の委員からの指摘で追加されたという経緯が ございます。ちょっと表現がわかりにくいところがあるかと思いますが、介護へ移行する というだけではなく、介護療養病棟等から医療療養病棟等に移っている部分もあるかと思 いますので、そこら辺のところをしっかりと把握するようにというようなことが、この調 査をするに当たっての宿題として求められているということでございます。  そういったことで、2番の調査対象病院として、医療療養病棟だけではなく介護療養病 棟も調査対象に含めるというような、そういう案を前回提示させていただいたところです。 2ページのところで具体的に介護療養病棟についてどのような調査をするかというところ で、3番の調査対象病棟のところで整理しておりますが、2番目の段落のところで患者特 性調査、施設特性調査、病院長に対する基本事項に関する調査、この3つについては医療 療養病棟だけではなく介護療養病棟も調査対象とするというようなことで前回、提案させ ていただいたということで、次の段落にありますタイムスタディー調査、コスト調査、レ セプト調査については介護療養病棟は対象外という整理にしております。  なぜ介護療養病棟を調査対象にするかということでございますが、今、まさに患者さん の移動等も出てきているということでございますが、現状としてまだまだ介護療養病棟に 医療の必要性が高い区分の患者さんが残っているのではないかということが考えられます。 もしそうだとすれば、そういった医療の必要度の高い患者さんというのは当然医療保険と して対応しなければいけない患者さんということになりますので、中医協等としても、こ ういった患者さんがどのぐらい介護療養病棟に存在するのかというところはしっかりと把 握しておく必要があるだろうということでございます。  また、患者特性調査票、かなり枚数が多いということで、調査を御協力いただく病院に は非常に負担をおかけするということで、これについては簡素化したらどうかというよう な話もございました。それについても検討したのですが、先ほど来議論されているように、 医療区分についても要件を見直すというようなこともあり得べしということで議論が進ん できておりますので、もしその医療区分を変更した場合に、この介護療養病棟について簡 素化した調査票でやるということになりますと十分そこら辺のところを反映できないので はないかということでありまして、事務局としては、この患者特性調査票についてはぜひ 同じものを介護療養病棟においても使わせていただければというふうに考えております。 その趣旨としては、先ほど申し上げたとおり、医療の必要度の高い患者さんがどれぐらい いるのかというところをしっかりと押さえておきたいということでございます。 ○池上分科会長  ただいまの御説明で、御意見ございますでしょうか。天本委員。 ○天本委員  基本的にいいと思いますけれど、医療療養病床と介護療養病床、両方持っているところ は、あり方に添った形で移動していると思います。実際は、介護療養しかお持ちでないと ころがどのような状況にあるのかと。それは数日前に発表された平成17年度の調査により ますと、50床以下が7割以上、要するに病棟単位で持っていらっしゃる。そこをきちっと 評価しないと、本当に移動できないようなまた医療区分があるかもしれないということで、 その辺もちょっと配慮していただければと思います。 ○神ノ田補佐  御指摘ありがとうございました。ちょっと説明する際に落としてしまいましたが、介護 療養病棟のみを持っている病院についてもしっかり押さえておきたいと思いますので、そ ういった病院を追加することについて検討させていただきたいと思います。御指摘のとお り、なかなか患者の転棟というようなことができていないという可能性もございますので、 そこのところについても調査の対象に加えさせていただければと思っています。 ○池上分科会長  では、それを踏まえまして、このような形で調査を進めていきたいと考えております。 では、よろしゅうございますか。ちょっと定刻を過ぎておりますので。早急に各病院、調 査について御協力を御依頼したいと思います。  それでは予定の時間を若干超えておりますので、本日の分科会は以上としたいと思いま す。事務局から何かほかに連絡事項はございますか。 ○神ノ田補佐  長時間にわたり御議論いただきましてありがとうございました。今後、早急に調査を実 施したいと考えております。次回の分科会では、調査の中間報告を予定しておりますが、 日程につきましてはまた調整させていただきまして、事務局から御連絡させていただきた いと思います。 ○池上分科会長  ありがとうございます。それでは、平成18年度第4回診療報酬調査専門組織慢性期入院 医療の包括評価調査分科会を終了させていただきます。本日はお忙しいところ、ありがと うございました。 −了−              【照会先】         厚生労働省保険局医療課包括医療推進係         代表 03−5253−1111(内線3278)