06/09/28 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会平成18年9月28日議事録 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会 議事次第 【日 時】平成18年9月28日(木) 9:53〜11:03 【場 所】中央合同庁舎第5号館共用第7会議室(5階) 【出席委員】(五十音順)       小沢委員、工藤委員、佐藤委員、棚元委員、長尾委員、中澤委員、       西島委員、堀江委員、山川委員、山添委員、吉池委員 【事務局】 藤崎食品安全部長 松田基準審査課長 加藤補佐、内山専門官 議 題  (1)酢酸α−トコフェロールの新規指定の可否について 報告事項  (1)国際的に安全性が確認され、かつ汎用されている香料の取り扱いについて  (2)食品安全委員会への意見聴取及び食品健康影響評価の結果について ○事務局 それでは、定刻には少し早いんでございますけれども、先生方おそろいでござ いますので、始めさせていただいてもよろしいでしょうか。 それでは「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会」を開催させていただきま す。 本日は、御多忙のところ御参集いただき、誠にありがとうございます。 本日は、石田委員、米谷委員より欠席との御連絡を事前に受けております。現在、添加 物部会の委員13名中11名の先生方に御出席いただいておりますので、本日の部会が成立 いたしますことを御報告申し上げます。 まず初めに、前回の添加物部会開催以降、事務局に人事異動がございましたので、御案 内いたします。 9月1日付で松本食品安全部長が近畿厚生局長に転任いたしまして、後任に藤崎食品安 全部長が着任しております。 ○藤崎食品安全部長 藤崎でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 ○事務局 また、伏見基準審査課長が医薬食品局安全対策課長に転任いたしまして、後任 に松田基準審査課長が着任しております。 ○松田基準審査課長 松田でございます。よろしくお願いいたします。 ○事務局 それでは、開会に先立ちまして、藤崎食品安全部長からごあいさつ申し上げま す。 ○藤崎食品安全部長 開会に先立ちまして、一言ごあいさつ申し上げます。 本委員会の先生方には、平素より添加物の安全性の確保につきまして、多大な御尽力を いただいておりますことを、まずもって厚く御礼申し上げる次第でございます。 先生方には、既に御案内のとおりでございますけれども、食をめぐる国民の関心といい ましょうか、安心・安全に対する期待というものは、日に日に大きくなっているものがご ざいます。そういう中で、食品の安全・安心を考えるときに、安全な添加物が使われてい るだろうかということは、食の信頼を得る上で、大変に大きなことではないかと私は感じ ておる次第でございます。 そういう中で、これまで先生方のお力をおかりしながら、指定添加物あるいは既存添加 物の新たな安全性の見直しを行ってまいったわけでございますし、また、国際汎用添加物 につきましては、新たな指定を行って、国際的な標準に近づけていく努力も行っていると ころでございます。 私どもはこれからも科学的な知見に基づいて、日本の国民に安全・安心な添加物が利用 できるような環境をつくってまいりたいと考えておりますので、先生方の御協力、御指導、 御鞭撻を是非よろしくお願いしたいと思います。この場をおかりして、そのことをお願い 申し上げさせていただきます。 さて、本日は、酢酸α−トコフェロールの食品添加物としての新規指定の可否について 御審議をいただくことになっております。本品につきましては、食品安全委員会による食 品健康影響評価の評価結果を踏まえて、御審議いただくものでございます。 大変お忙しい中、本当に恐縮でございますが、御審議のほど、よろしくお願い申し上げ ます。 ○事務局 それでは、座長を長尾部会長にお願いいたしたいと思います。どうぞよろしく お願いいたします。 ○長尾部会長 それでは、配付資料の確認を事務局よりお願いいたします。 ○事務局 本日、先生方のお手元に置かせていただきました資料は、議事次第が表紙にな っております資料と、報告資料1、報告資料2でございます。 議事次第が表紙になっております資料につきましては、次のページに「委員名簿」と「資 料一覧」がございます。 1ページ目は資料1、「諮問書」になっております。 3ページ目は資料2、こちらは食品安全委員会からの食品健康影響評価の通知でござい ます。 27ページから資料3となっております。「酢酸α−トコフェロール(d体及びdl体に 限る。)の食品添加物の指定に関する添加物部会報告書(案)」です。 お配りした資料は以上でございます。不足等がございましたら、お申し出いただきたい と思います。 ○長尾部会長 皆さん、おそろいでしょうか。よろしければ、審議に入りたいと思います。 それでは、まず議題「(1)酢酸α−トコフェロールの新規指定の可否について」事務 局より、資料について御説明をお願いします。 ○事務局 それでは、背景から説明します。 資料1ページ目をごらんください。資料1の1ページ目は、薬事・食品衛生審議会への 酢酸α−トコフェロールの指定に関する諮問書になっております。 酢酸α−トコフェロールでございますが、事業者より添加物としての指定要請が行われ ております。 食品安全委員会への食品健康影響評価の依頼を平成17年12月19日に行いました。食品 安全委員会での検討につきましては、ページが2段に分かれておりますけれども、下の数 字で7ページをごらんください。食品安全委員会におきましては、平成18年2月8日の第 29回調査会から第33回調査会まで審議をしていただいております。 その結果、平成18年9月21日付で、第160 回食品安全委員会へ報告されまして、同日 付で厚生労働省に通知されております。それが資料2の3ページの「食品健康影響評価の 結果の通知について」となっております。 評価結果につきましては、後ほど説明させていただきます。 資料の下の段で、8ページ目をお願いいたします。 酢酸α−トコフェロールでございますが、α−トコフェロールの6位の水酸基がアセチ ル化されたものでございます。酢酸dl体と酢酸d体がございまして、どちらも安定で抗酸 化作用を持っておりません。生体内では加水分解され、抗酸化作用を持っているα−トコ フェロールとなりますことから、食品中への栄養強化、すなわちビタミンEとしての利用 が期待されるものでございます。 米国においては、酢酸α−トコフェロールは食品成分として取り扱われており、栄養強 化の目的で使用されております。ヨーロッパ、EUにおいても、食品成分としての扱いが されておりまして、使用が認められております。 今回、検討をお願いいたします酢酸α−トコフェロールでございますが、dl体につきま しては、化学合成により製造された種々の立体異性体の混合物(all-racemic-α- トコフ ェロールトコフェロール)の酢酸エステルで、御検討をお願いしたいと思っております。 2を飛ばしまして、3でございますけれども、酢酸α−トコフェロールについて、栄養強 化を目的としまして、保健機能食品を対象に、当該食品の1日当たりの摂取目安量に含ま れるα−トコフェロールの量が150mg を超えないとする旨の使用基準を定めた上で、新た に添加物として使用するという要請者からの要請があったものでございます。新規指定に かかる御検討、使用基準の範囲内での食品安全委員会の食品健康影響評価となっておりま す。 続きまして、部会報告書(案)に移らさせていただきます。ページが飛びまして恐縮で すが、27ページをお願いします。資料の27ページは、添加物部会報告書(案)になって おります。 「1.品目名」「2.構造式、分子式及び分子量」は飛ばします。 「3.用途」としましては、栄養強化剤を考えております。 28ページでございます。 類似物質の関係でありますけれども「4.概要及び諸外国での使用状況」の4行目でご ざいます。 既に指定添加物として、酢酸ではないdl−α−トコフェロールが指定されておりますけ れども、この添加物の使用基準としましては、「酸化防止の目的以外に使用してはならな い」と定められております。 また、天然添加物であります既存添加物としましては、d−α−トコフェロールを始め、 数種類既存添加物名簿の中には使用できる添加物が収載されておりまして、こちらについ ては、酸化防止剤、栄養強化剤としての使用がされております。 諸外国における状況でございますが、先ほども申し上げました米国、EUにおいても、 食品成分として取り扱われております。 また、医療分野におきましては、ヨーロッパでは、欧州薬局方、米国におきましても、 米国薬局方に収載されております。医薬品としての使用がされています。 我が国におきましても、同じ状況で、dl体は日本薬局方、d体は日本薬局方外医薬品規 格に収載されておりまして、一般用医薬品、医療用医薬品としての使用がされております。 「5.食品添加物としての有効性」ですけれども、酢酸α−トコフェロールは、α−ト コフェロールの6位の水酸基がアセチル化されており、空気中で酸化を受けることがあり ません。このことから、抗酸化作用を持っておりませんので、食品への酸化防止剤として の使用はございません。栄養強化の目的で使用されることとなります。 摂取された酢酸α−トコフェロールは、体内でα−トコフェロールとなり吸収されます。 吸収されたα−トコフェロールは、体内で抗酸化作用を示して、過酸化脂質の生成を抑制 し、物質の代謝に重要な役割を果たします。 また、表示の面でございますが、ビタミンEについては、栄養機能食品の表示に関する 基準が定められている栄養成分でございます。栄養機能食品のビタミンEとして、1日当 たりの摂取目安量に含まれる栄養成分量の上限、下限は3mgから150mg で、許されている 表示としましては「ビタミンEは、抗酸化作用により、体内の脂質を酸化から守り、細胞 の健康維持を助ける栄養素です」と機能表示することが許可されております。 事前に先生方に送付した案の中には、この後、食品分野への利用という項がありました けれども、事務局で検討いたしまして、4行について削除しておりますので、本日配付い たしました部会報告(案)について、御意見をいただければと思っております。 続きまして、安全性について説明申し上げます。資料は戻っていただきます。9ページ までお願いいたします。 9ページは、食品安全委員会の評価書の一部でございますが、一番最後の行は「7 安 全性に関する検討」となっております。 10ページ以降、安全性についての説明をさせていただきます。 「(1)体内動態」ですけれども、酢酸α−トコフェロールは、ヒトに経口投与した場 合に、酢酸とα−トコフェロールに加水分解され吸収されます。吸収されたα−トコフェ ロールは、カイロミクロンに組み込まれ、肝臓に移行いたしますけれども、大量には蓄積 されずに、脂肪組織に貯蔵されるとされております。過剰に摂取された場合には、最終代 謝産物まで代謝されて、胆汁、糞便もしくは尿中に排泄されるとされています。 以下、酢酸α−トコフェロールを用いて行われた体内動態に関する報告ですが、結論に ついて簡単に御紹介いたします。 「1)吸収」について、ヒトでの経口投与の試験結果ですけれども、放射性物質で標識 をした試験です。リンパ液中の放射能回収率は、投与後6、16時間で、それぞれ投与量の 25、28.5%になっており、回収された放射能の77%はカイロミクロンで認められたとされ ています。 「1)吸収」の下4行になりますけれども、重水素標識をした酢酸α−トコフェロール の混合物のヒトの血漿中の試験でございますけれども、結論としましては、天然ビタミン Eは合成ビタミンEの約二倍の生物学的な利用性を持つことが示されております。 「2)分布」につきましては、3種類の異なる形態のビタミンEを用いた実験から、吸 収、肝臓のカイロミクロンへの分泌については、ビタミンの形態による差はないものの、 酢酸d−α−トコフェロールだけが選択的にVLDLに取り込まれることが報告されてお ります。 「3)代謝、排泄」に関連しましては、最後の2行が結論でございます。合成ビタミン Eは天然ビタミンEに比べ、優先的にα−CEHCに代謝され、排泄されることが報告さ れております。 「(2)毒性」の「1)急性毒性」試験については、マウス、ラット及びウサギに酢酸 dl−α−トコフェロールを経口投与した試験で、LD50がマウス及びラットで4,000mg/k g体重以上、ウサギにつきましては、2,000mg/kg体重以上であったとされております。 「2)反復投与毒性」試験のデータでございますが、ラットの報告で、酢酸dl体を用い て13週間混餌投与した結果ですが、試験期間中に死亡例はなく、血液生化学的検査におい て、血清ALT活性の上昇が認められております。そのほかα−トコフェロールの肝臓中 の濃度が用量相関的に上昇していますが、投与に起因する異常は認められておりません。 ラットにおける酢酸dl体も13週間の混餌投与の試験です。酢酸dl体と酢酸d体を使っ た試験ですが、こちらにつきましても、血液生化学的検査において、血清ALT活性の上 昇傾向が認められており、病理組織学的検査においては、対照群を含む全群で肝臓に弱い 脂肪変性が認められておりますが、投与群でやや顕著であったとされています。そのほか 投与に起因する異常は認められていません。 ラットにおける酢酸d体を2種類使いました13週間混餌投与の試験結果でございます が、結論としましては、用量相関性の明らかなものはなかったとされています。試験中プ ロトロンビン時間の延長が認められております。こちらについては、ビタミンEとビタミ ンK1の吸収が競合することによって生じたビタミンK1吸収阻害に関連するものと考え られております。 この試験の結果においても、最後の3行目になりますが、高用量投与群の雄で肝臓の重 量増加が認められておりますが、病理組織学的検査と回復試験で異常がないということで、 投与に起因する異常が認められないとする結果になっております。 「3)生殖発生毒性」の「(1)繁殖試験」ですけれども、雌雄SDラットに酢酸dl体で行 われた交配前8週間混餌投与した試験でございますが、生存産児数の減少が認められまし たけれども、受胎能、離乳までの児の生存率について、対照群との間に差は認められてお りません。 「(2)催奇形性試験」でございますが、SDラットを用いました妊娠中または妊娠授乳中 のラットでの試験でございます。酢酸dl体を併用しております。妊娠中に与えたところ、 授乳中の母動物の体重増加が見られております。母動物において肝重量が増加している。4 5mg/kg 体重/ 日投与群では、肝比重量が増加したとされています。それ以外に、900mg/k g体重/ 日投与群ですが、3母体の子どもに小趾欠失が認められておりますが、妊娠末期 の胎児にこれらの所見がないことがわかっております。妊娠及び授乳中を通じて投与した ところ、900mg/kg体重/ 日投与群で母動物の肝重量の増加が認められております。そのほ か、認められている症状として、血漿中総脂質の上昇や、眼瞼閉鎖等の眼症状が認められ ております。すべての酢酸dl体の投与群に、うろこ状の皮膚が認められておりますけれど も、いずれにしても、程度、頻度の用量依存性が明確ではないということで、結論といた しましては、酢酸dl−α−トコフェロールに催奇形性は認められなかったとされておりま す。 13ページ目に移らさせていただきます。 発がん性についてのデータでございますが、ラットを用いました104 週間の混餌投与の 試験結果が報告されておりまして、投与の18週目の500mg/kg体重/ 日投与群で、消化管 や尿路系からの出血、外傷による出血傾向が認められておりますが、ビタミンK1を与え ることで抑えられたとしております。そのほかアルカリフォスファターゼの活性の上昇が 認められておりますが、用量相関性は認められなかったとされています。雄においては、 用量相関性のあるALTの上昇が認められていますが、4週から26週ということで、それ 以降は認められていないとされています。全投与群で肝小葉の中心に泡沫マクロファージ の集簇が認められていますが、これも用量相関性が認められませんでした。 以上、腫瘍の発生に関して、対照群と投与群との間に差は認められなかったことから、 酢酸dl−α−トコフェロールには、発がん性はないものと考えられるという結論でござい ます。 「5)遺伝毒性」について申し上げますが、Ames試験と染色体異常試験が行われており ますが、いずれも陰性でございます。 また、酢酸α−トコフェロールが酢酸とα−トコフェロールの生体内で分解されますこ とから、α−トコフェロールに範囲を広げて検討を行っておりますけれども、これらにつ いては、in vivo のデータが見つからなかったということです。それが主たる目的ではな い試験の中で、酢酸d−α−トコフェロールが対照群で投与されているデータが見つかり まして、こちらについては、1用量で行われている試験でありましたけれども、参考デー タとするということで、食品安全委員会で御評価いただいています。 13ページの下4行になりますが、以上のことから、in vitro試験系において遺伝子突然 変異及び染色体異常誘発性が示されなかったこと、in vivo 試験系において遺伝毒性を示 唆するデータが得られていないことから、酢酸α−トコフェロールは生体にとって特段問 題となる遺伝毒性はないものと結論づけられております。 14ページ目の「6)抗原性」につきましては、抗原性に関する試験報告は報告されてお りません。また、酢酸α−トコフェロールが我が国でも医薬品として、諸外国でも広くヒ トの経口での使用経験があるものの、アレルギーに関する報告がありません。 JECFAの報告の中でも、α−トコフェロールによるアレルギーの発症は極めてまれ であろうと考察されております。 「7)ヒトにおける知見」でございますけれども、それぞれの患者群の報告が検討され ていまして、段落ごとですが、慢性のワルファリン服薬患者、低出生体重児、安定狭心症 患者、65歳以上の老人、冠動脈硬化症患者、45歳以上の健康な女性、そのほかヒトでの知 見で報告されておりますけれども、いずれも問題となる副作用や異常は認められていない とする報告でございます。個別の説明は省略させていただきます。 15ページの「8 国際機関等における評価」でございますが「(1)JECFAにおけ る評価」は、食品成分で取り扱われているため、本物質の評価は行われておりません。代 謝によって生成する酢酸につきましては、酢酸並びにそのカリウム塩、ナトリウム塩とし て、JECFAはグループADIを制限しないという評価をしております。また、代謝さ れるもう一方のα−トコフェロールですけれども、こちらについては、JECFAはdl 体及びd体のグループADIとして、0.15〜2mg/kg 体重/ 日と設定しています。 「(2)諸外国における評価」は、先ほど申し上げましたので、省略させていただきま す。 「9 ビタミンEの許容上限摂取量(UL)について」説明いたします。 各国は、ビタミンEに関しての許容上限摂取量を設定しております。一覧表になってお りますので、17ページの「表1 α−トコフェロールのUL等設定状況」をごらんくださ い。 下から3行目の「UL(mg/ 日)」が、1日当たりの許容上限摂取量でございます。ア メリカで1,000mg/日、EUで300 、540mg/ 日、日本では800mg/日と評価されております。 16ページの「10 一日摂取量の推計等」は、平成15年の国民健康・栄養調査結果の概 要から、ビタミンEについての1日摂取量を推定したところ、1日10.4mgα−TEとされ ております。 16ページの中段でございます。「したがって」以降ですけれども、今回使用基準案でご ざいます保健機能食品への最大添加量を150mg α−TEと仮定した場合、これに通常の食 品からの摂取量を加えて推定されるビタミンEの摂取量は、1日当たり約160mg α−TE と考えられます。 これらのことから、食品安全委員会での評価結果が「11 評価結果」として示されてお ります。 読み上げますと「酢酸α−トコフェロールについて、提出された毒性試験成績等は必ず しも網羅的なものではないが、酢酸α−トコフェロールは、ヒトに経口投与した場合、消 化酵素によって酢酸とα−トコフェロールに加水分解された後、体内に吸収されるため、 α−トコフェロールの試験成績を用いて評価することは可能であると判断した」とありま す。 これらの検討結果は、17ページの3行目にございます。 「以上から、酢酸α−トコフェロール(d体及びdl体に限る。)が保健機能食品に限っ て使用され、かつ、当該食品の一日当たりの摂取目安量に含まれるα−トコフェロールの 量が150mg/kg体重/ 日を超えない場合、安全性に懸念がないと考えられ、ADIを特定す る必要はない」と結論づけられております。 31ページをお願いいたします。 食品安全委員会の評価結果を受けまして「8.新規指定について」事務局が案をとりま とめております。 「酢酸α−トコフェロールを食品衛生法第10条に基づく添加物として指定することは 差し支えない。ただし、同法第11条第1項の規定に基づき、次の通り規格基準を定めるこ とが適当である」としております。 「(1)使用基準(案)」につきましては「食品安全委員会による評価結果を踏まえ、 以下のように設定することが適当である」と考えております。 「酢酸α−トコフェロールは、保健機能食品以外の食品に使用してはならない。 酢酸α−トコフェロールは、当該食品の一日当たりの摂取目安量に含まれるα−トコフ ェロールの量が150mg を超える量を含有しないようにしなければならない」。 指定に際して追加ですけれども、新規の添加物が指定された場合には、表示についての 指導もしていくことになるんですが、栄養強化の目的である添加物については、通知でも って表示の仕方を指導しておりますので、表示についても、ほかの添加物と同様、指定と 同時に通知でもって示したいと考えております。 以上が「(1)使用基準(案)」でございます。 「(2)成分規格(案)」は、32ページからお示ししておりますが、d体とdl体のそ れぞれに分けて資料を提示しておりますので、39ページのdl体の方で説明させていただ きたいと思います。 39ページですけれども、酢酸dl−α−トコフェロールの成分規格(案)ということで「含 量」「性状」「確認試験」「純度試験」の規定をしております。それが39ページと40ペ ージになります。 41ページなんですけれども、これらの成分規格(案)を設定するに当たっての根拠をお 示ししております。基本的には日本薬局方に収載されておりますので、日本薬局方の規格 を参考にして設定させていただきました。そのほか、諸外国の規定も参考にして案をつく らさせていただいております。 42ページですが、薬局方や諸外国で設定されているものの、今回の案からは採用しなか ったものについて、それぞれ理由をお示ししております。「屈折率」「比重」「溶状」で す。 43ページの「酸性度」「有機揮発性不純物及び残留溶媒」につきましては、設定してお りませんが、その理由をこちらに書かさせていただいております。 それらの比較につきましては、44ページをごらんいただきますと、少し字が小さくて恐 縮なんですけれども、左側に今回の「本規格案」dl体ということで、お示ししております。 横が15局の薬局方の規定になります。EPは欧州、EUの規定。USPは米国の規定にな ります。一番右端はコーデックスの基準になっております。 45ページ以降は、3つの参照スペクトルでお示ししております。事前に先生方に送らさ せていただきましたスペクトルは、d体とdl体がそれぞれ別々のものをお送りしておりま すので、46ページと47ページになろうかと思います。 その後、御専門の先生と相談をさせていただいて、参照スペクトルはdとdlを分けずに、 1つに示すことが可能だと教えていただきまして、45ページの「酢酸α−トコフェロール」 となっている参照スペクトルを示したいと考えております。 議題(1)についての説明は、以上でございます。 ○長尾部会長 どうもありがとうございました。 それでは「(1)酢酸α−トコフェロールの新規指定の可否について」御審議をお願い いたします。 これは食品安全委員会との関連なんですが、幾つかの項目でビタミンK1を与えること によって、症状が抑制されたということが出てきておりますけれども、アッパーリミット を800mg と考えると、それに比べてかなり大量を使った場合に、K1が不足している影響 が出ているということです。アッパーリミット800mg として、1日当たり摂取目安量に含 まれるα−トコフェロールの量を150mg とした場合には、問題にならないと考えてよろし いんでしょうか。食品安全委員会に出席されている先生に、その辺を伺いましょう。 ○山添委員 今、部会長のおっしゃったことについて、一応検討をいたしました。α−ト コフェロールとビタミンK1の関わりについてなんですが、今おっしゃいましたように、 非常に大量に摂った場合には、どこの場所で競合することによって、ビタミンK1の吸収 に影響が出ているかが明確ではないんですけれども、動物実験の段階で影響が出ていると 判断しました。 しかし、量が少なくなると、実際に動物実験でも観察されていないことから、恐らくそ ういうような事態は大丈夫であろうということになると思います。実際にどこの場所が一 番可能性が高いかというと、腸管のところです。脂溶性の物質が吸収される際に、恐らく 胆汁酸のようなものとミセルをつくって吸収されるということで、トコフェロールのよう なものが大量にきた場合には、そちら側で食われてしまっている可能性が1つあります。 あるいはトランスポーターでの競合等が考えられますが、それについて個々の明確なデー タはないので、現時点では、一応用量とビタミンK1レベルの低下という動物実験のデー タから判断したことになります。 ○長尾部会長 吉池委員どうぞ。 ○吉池委員 今とは別の事項について、食品安全委員会で少し話題になった点がございま したので、少し紹介しておきます。 厚生労働省側での政策決定との関わりからいうと、添加物に関係する本委員会だけでは なくて、栄養機能食品としての規格基準から出発している話であり、ULとして示されて いるものは、日本人の食事摂取基準、すなわち栄養政策として基準が出されているものに 準拠しています。そこで、そもそもスタートをどこから考えればいいのだろうと議論とな りました。 もう一つ、やや複雑なことを含んでいるのは、添加物としては、酢酸α−トコフェロー ルとしての剤の審査になるわけですが、実際には剤としてのデータはほとんどありません。 栄養素としてのα−トコフェロールとしての場合、他の栄養素でもそういうことは多々生 ずるのですが、グループとして考えるのか、それとも添加物としてのスペシフィックな剤 として考えるか、とらえにくい部分がございました。 そうしたときに、今回はあくまでも栄養強化の目的で、規格基準や使用基準として、「1 50」 という前提の中で議論いたしましたので、あえて食品安全委員会で積極的にADIを 設定していくのではなく、前提の下では安全であろうと判断したわけです。ただし、そう でない場合、このような栄養素について、食品安全委員会で積極的にADIを定めるのか どうかは、ULとの関係がありますし、ダブルスタンダード的なことにもなりかねないの で、今後、そういう事案については、考えていかなければいけないということが話として 出ております。 ○長尾部会長 その点に関しまして、1つの栄養機能食品ですと、1日摂取量が150mg で す。摂取する人によっては、そういうものを2種類ぐらい摂るかもしれない。それでも、 アッパーリミットから言えば、800mg に比べて低いから安全だと考えるんですか。 ○吉池委員 摂り方のことを考え出せば切りがないので、今回のケースと言うよりは、通 常の強化目的以外でも添加物として使用され、強化目的でも何らかの基準があったりしま す。しかも、同じ栄養素を含んでいて、剤によって異なる扱いをしなければいけない場合、 結局、何をどう判断して、上限量的なことを示せばよいのか問題になるかもしれません。 今回については、最初から強化目的で「150」 が前提ですので、そこがきちんとマネージ メント側でコントロールされていれば、問題はないだろうと考えられます。 ○長尾部会長 西島委員どうぞ。 ○西島委員 これが保健機能食品以外には許可されない理由は、どういうことなんでしょ うか。そのものに酸化防止効果がないことからなんですか。そこら辺が気になりました。 ○事務局 添加物の指定に際しましては、使用を希望する事業者等が指定の要請をしてく る制度になっておりますので、今回の酢酸α−トコフェロールの新規指定に関して要請を してきた事業者が、今回の使用基準案を提出してきておりますので、その範囲で厚生労働 省としても食品安全委員会に食品健康影響評価を依頼しております。 ○長尾部会長 ほかにはいかがでしょうか。工藤委員どうぞ。 ○工藤委員 名称なんですが、最後の薬局方では「酢酸エステル」に変えていると明記さ れている。しかしながら、この後も慣用名の「酢酸α−トコフェロール」でいくというこ となんですが、科学的にいって、同じ化合物が違う名前で動くのは奇異に感じるんですが、 どうなんでしょうか。 ○長尾部会長 事務局からお願いいたします。 ○事務局 先生の御指摘のとおりだと思います。事務局も大変苦慮している問題でござい まして、御専門の先生方に御意見をいただいて、相談をした上で、今回の案になっており まして、薬局方との英名の違いがあったりするんです。ですから、ここで御意見をいただ いて、修正すべきということでございましたら、検討させていただきたいと思います。○ 長尾部会長 工藤先生、その点について、もう少し御意見をお願いします。 ○工藤委員 何の前ぶれもなく、この名前を聞くとこの構造が出てこないんです。英語で はTOCOPHERYL ACETATEという格好になって、やはり酢酸ではなくて、酢酸エステルなんだ と思うんですけれども、どのぐらい慣用的に使われるかという判断が、そこにかかってく るかなとは思いますが、少し奇異に感じたところで、強く申し上げるほどのことでもない と思っております。 ○長尾部会長 国立医薬品食品衛生研究所の先生方は、何か御意見ありますか。 ○佐藤委員 38ページの対比表を見ていただきますと、JPCのd体は、酢酸d−α−ト コフェロールでした。 先ほどの44ページのJPなんですが、JP14では酢酸トコフェロールという品目名で した。これが今回の15局の改正に伴って、αは付いていないんですが、名称がトコフェロ ール酢酸エステルに変わったばかりです。日局の方では、その名称がふさわしくないとい うことで、今回改正になりました。 こちらとしても、トコフェロール酢酸エステルに統一するという意見が皆さんから出れ ば、それはそれでいいのかなとも思いますし、これまで食品添加物などの医薬品の業界で は、酢酸トコフェロールという名前の方が通用していたので、事業者はそのままの方がい いという話だと聞いています。ここはまだ議論の余地はあるのかなと思います。よろしく お願いします。 ○長尾部会長 山添委員どうぞ。 ○山添委員 食品安全委員会のときも、このことがやはり問題になっていまして、基本的 に、名前はきちっとした方が将来的にはいいだろうということでした。 もう一つの問題は、dlというのが、どこのdlを指すのかも不明である。実際には、環 のメチル基のあるところを意味しているんですけれども、ヨーロッパの基準はall-rac に なっていて、結局、幾つかのラセミ体の混合物として表記しているわけです。そこら辺の ところで、安全性の評価についてはall-rac を使っているので、安全性を評価した考え方 で、ミクスチャーとして全体を見ているんですけれども、表示とは一致しないところの問 題が1つ残っています。 ○長尾部会長 私の感じとしては、局方が名前を変えていて、新しく指定するんだったら、 やはり統一した方がよろしいのではないかと思います。 ○山添委員 影響がわからないですね。 ○佐藤委員 もう一つ、局方の方はαやd、dlなどが全く入っていない日本語だけなんで す。ここで同じ食品添加物のd体とラセミ体を一緒に書くとなると、今度はどこにα−ト コフェロールという名前を入れるとか、うるさくなってしまうかなと思います。 片方はdで、片方はオールラセミというものを入れて、局方と全く同じにすると、αと かラセミという言葉が入らない日本語になってしまうので、そこのところも考えていただ きたいなと思います。そこにラセミという言葉を入れると、同じ化合物ではなくなってし まう話もあって、結局、そのままの方がいいのかなと思います。 ○長尾部会長 次の局方の改正は、何年ごろあるんですか。 ○棚元委員 今年4月に改正されましたから、5年後になります。 ○佐藤委員 局方に医薬部外品のd体が入るときに、どうするかという問題になるのかと 思うんですけれども、今のところは、別に動いていると思います。 ここで皆さんに御審議いただいて、こういう名前にすると決めるのもいいのではないか と思います。 ○長尾部会長 この問題は、ここで決めることはできませんので、事務局と関係の先生方 で御相談されて、適切に処置していただきたいと思います。 ○事務局 わかりました。 ○佐藤委員 一応、局方に合わせるか、どっちの方向というのは、皆さんで統一した方が いいと思います。 ○長尾部会長 私としては、やはりアップデートの状態が反映されるようにしていくべき だと思います。こういう習慣だったら、そのままというよりは、物質の名前が正確に表示 されるのを使うのが本当はいいんだと思います。 ○中澤委員 私も部会長の意見に賛成なんですが、同じ厚労省が出しているものの記載が、 整合性がとれていないところが、非常に具合悪いと思います。 今、局方の委員会に出ていないので、どういう審議状況にあるのかわかりませんけれど も、同じ厚労省の委員会ですので、事務方で調整していただいて、アイデアを出していた だいた方がよろしいのではないかと思います。 ○長尾部会長 この点については、いかがでしょうか。事務局からは、何か御意見ありま すでしょうか。 佐藤委員どうぞ。 ○佐藤委員 今、添加物でdl−α−トコフェロールの名称がそのままになっているんです けれども、それについては、例えば正しい化学物質名のラセミを採用すると、トコフェロ ールの方も同じように名前を変えるという方向ですか。 ○長尾部会長 ですから、その辺のところは、事務局でお考えいただいて、決めるよりし ようがないと思います。原理としては、なるべくアップデートにする。ですけれども、関 連の化合物のときにはどうするかなどは、御検討いただいた方がいいのではないかと思い ます。 ○事務局ありがとうございます。 添加物の名称については、省令で告示されるものですから、表示にも非常に関連してい きますので、今回については、できれば事務局案で進めさせていただきたいと思います。 公定書を定期的に見直しておりますし、勿論、局方も定期的に直っていきますので、今後、 連絡をとって、検討させていただければ非常にありがたいと思っております。 また、d体、dl体につきましては、他の指定添加物にも関連していく話になってしまい ますので、それについて、順次検討させていただきたいなと思っておりますが、よろしい でしょうか。 ○長尾部会長 その点は、よろしくお願いいたします。 規格のところで、私から質問があります。 44ページです。局方JPでは「屈折率」や「比重」を比吸光度のほかにも設定してある んですが、本規格案では、それは設定しないことになっていますね。 ○事務局 はい。 ○長尾部会長 よろしいでしょうか。質問です。 ○事務局 資料の42ページに、本規格案で採用しなかった理由について書いてございます。 「屈折率」については、比吸光度を設定しておりますので、屈折率の設定はしないと説明 させていただきました。 ○長尾部会長 食品添加物の場合には、1つだけでよろしいという規格が何かあるんです か。この説明では、示性値として比吸光度を設定しているので、屈折率は要らないとなっ ていますね。JPのときは、両方を採用している。ここで採用しないのは、食品添加物の 場合には、1種類の性質を示すものを規定すれば、それ以外は使用しなくていいという基 準が何かあるんですか。どうしてこうなっているのかが、よく理解ができない。 ○事務局 済みません。理由について即答できません。ここの理由でいいのかなと事務局 では考えていたものですから、後ほど調べて回答させていただきます。 ○長尾部会長 お願いします。 ○西島委員 済みません。関連の質問でよろしいですか。 α−トコフェロール自体は、この文章を見ると、どうも栄養強化で当然分解していいと いっているんですが、従来のα−トコフェロールについては、従来どおり酸化防止に限る ということでいくわけですね。 ○事務局 先ほどの繰り返しになってしまいますが、希望する事業者がいて、要請があっ て初めて使用基準改正の手続があるものですから、それがないと、こちらから積極的に使 用基準の改正をするのは、よほどの理由があればということだと思います。 ○西島委員 そうすると、将来もし要請があれば、そのときに考えるというスタンスと理 解してよろしいですか。 ○事務局 使用基準改正に関しても、本部会で御検討いただきます。 ○西島委員 わかりました。 ○長尾部会長 ほかにはよろしいでしょうか。佐藤委員どうぞ。 ○佐藤委員 今の御質問に関係するんですが、先ほどトコフェロールに関して、栄養表示 のところでは、体内の酸化防止のために使えるような表示を書くようになっていましたね。 ○吉池委員 はい。 ○佐藤委員 その場合は、食品添加物ではない。単なる天然のものですか。 ○吉池委員 食品中と体内に入って分解されてからのプロセスの違いだと思います。 ○佐藤委員 その場合には、トコフェロール自体は使ってはいけない。栄養食品にはトコ フェロールは使えないんですね。 ○吉池委員 現状、栄養強化の目的で、ほかの剤のトコフェロールが使われているかどう かということですか。 ○事務局 既存添加物であるd−α−トコフェロールなどが使用されております。 ○佐藤委員 dlに限ってということですか。 ○事務局 今回御審議いただいているのは、そうです。 ○長尾部会長 よろしいでしょうか。 それでは、名称の問題と規格のことを御検討いただきまして、その結果によって審議す る必要があるかどうかを判断してください。必要がなくて、例えばこういうふうに変更す ると皆さんにメールで了解をいただく形にできるか、あるいは審議しなくてはならないか。 その辺を御判断いただきたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。もし審議する必 要がないとなりました場合は、次にどのようなプロセスを踏むか御説明お願いします。 ○事務局 今後のスケジュールでございますが、継続の審議の必要がないという御意見を いただきました場合には、食品衛生分科会へ審議が進んでまいりまして、パブリック・コ メント、WTO通報等、所定の事務的な手続を開始していく手はずになっております。○ 長尾部会長 では、そういうことで、よろしくお願いします。 そのほか、事務局から何かありますでしょうか。 ○事務局 ございません。 ○長尾部会長 では「2 報告事項」をお願いいたします。 ○事務局 本日の報告資料1「国際的に安全性が確認され、かつ汎用されている香料の取 り扱いについて」報告させていただきたいと思います。 この報告につきましては、1にありますように、平成14年7月の分科会において了承さ れました「国際的に安全性が確認され、かつ、汎用されている未指定添加物の指定につい ての考え方」に従って作業を進めてきているものでございます。 その際の候補となる未指定添加物は「(1) JECFAで国際的に安全性評価が終了し、 一定の範囲内で安全性が確認されていること」。 「(2) 米国及びEU諸国等で使用が広く認められていて国際的に必要性が高いと考えら れるもの」。 この2つの条件を満たす未指定添加物を対象としております。 「2.指定の流れ」は、基本的に通常の添加物の指定の流れと同じでございますけれど も、国際汎用の添加物、特に香料につきましては「2.指定の流れ」の「2)検討の優先 順位」にございますように、欧米での推定摂取量が多いものを優先して検討を進めてきて おります。 この候補の順位に従いまして「3)評価資料作成」の準備をしております。 (1)として、関係団体におきまして、既存の文献等の安全性情報を収集しております。こ の段階で、安全性のデータ等があれば、資料として評価資料の中に組み込む形になってお ります。 (2)として、関係団体においてまとめられた安全性情報等の資料は、国立医薬品食品衛生 研究所などの専門家からなる検討会において評価して、必要に応じまして、安全性試験の 実施を追加しております。この際、安全性試験が必要になりますと、厚生労働省として試 験を自ら進める形になっております。 以上の状況を示させていただきましたものが、裏にあります「現在の進捗状況」でござ います。 一覧表にあります「指定済(12品目)」のものは、現在、使用が可能なものとなってい るものでございます。 「安全性試験を実施した(実施中も含む)もの(35品目)」という形になっております が、これは過去にこの部会にも報告させていただいております対象物質の一覧でございま す。  反復投与試験と申しますのは、90日の反復投与試験が必要だと示させていただいており ます。変異原性試験につきましては、Ames、染色体異常、あるいは必要に応じて小核試験 等の試験が対象となっております。 本日の報告の目的は、平成18年度に新たに7物質につきまして新に試験を進める必要が あるものとして、この部会に報告させていただくものでございます。 部会後、試験開始する準備に入るということでございます。結果が出ましたら、資料を とりまとめて食品安全委員会へ諮問する形になります。 以上でございます。 ○長尾部会長 御質問、御意見ありますでしょうか。 例えば最後の7つの化合物の一番上の化合物については、変異原性試験がない。特に実 施と記載されていませんが、それはデータがあるからと解釈してよろしいんですか。 ○事務局 基本的には文献データがあれば実施しないことになっておりますので、既存の データがあるということでございます。 ○長尾部会長 ほかにはよろしいでしょうか。 それでは、次の報告をお願いいたします。 ○事務局 続きまして、報告事項(2)でございます。 毎回、部会のたびに報告をいたしておりますが「食品安全委員会への意見聴取及び食品 健康影響評価結果について」一覧表にまとめさせていただいております。 前回6月の部会以降、変わったところといたしましては、2ページ目の下から5つ目の 成分です。ただいま報告事項(1)でも紹介いたしましたが、ブタノールにつきまして、 添加物として指定いたしました。一番右端の欄ですが、9月12日にいたしております。 3ページ目の上から2段目ですが、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの食品健康影 響評価結果について、8月24日に結果通知をいただいております。これにつきましては、 評価書の案の段階で、6月に部会を開催させていただいておりますので、御紹介をいたし ます。 3ページ目の下の2つ、亜塩素酸水とウッドロジングリセリンエステルにつきまして、 8月にそれぞれ食品安全委員会に食品健康影響評価の諮問を行っております。 変更点は以上でございます。 ○長尾部会長 よろしいでしょうか。 本日は以上でしょうか。 ○事務局 はい。 ○長尾部会長 そのほかございますか。次回についてですか。 ○事務局 ないようでしたら、次回の添加物部会の開催予定でございますけれども、10月 の第4木曜日、10月26日の本日と同じ午前10時からを予定しております。 会議の場所と議題等につきましては、改めて先生方に御案内させていただきたいと思っ ております。 ○長尾部会長 では、以上です。どうもありがとうございました。 照会先:医薬食品部食品安全部基準審査課     (03−5253−1111 内線2453)