06/09/27 第19回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会建設労働専門 委員会議事録 第19回 雇用対策基本問題部会建設労働専門委員会  1 日 時:平成18年9月27日(水)10:00〜  2 場 所:厚生労働省職業安定局第1会議室  3 出席者:    委 員(公益代表)椎谷座長、白木委員、冨田委員       (雇用主代表)奥田委員、才賀委員、下永吉委員       (労働者代表)池田委員、川副委員、野村委員    事務局 職業安定局鳥生次長        職業安定局建設・港湾対策室荒牧室長、鈴木補佐、村木補佐    オブザーバー        職業能力開発局育成支援課谷補佐        国土交通省総合政策局建設振興課労働資材対策室山田補佐  4 議 題:(1)建設労働者の雇用の改善等に関する法律第12条第1項の        規定による認定等について        (2)その他    ○椎谷座長   予定より若干早いのですが、皆様おそろいですので始めさせていただきま す。お手元にご参考までに配付してありますが、新たに委員になられた方の ご紹介をいたします。労働者代表についてですが、池口委員が退任されまし て、日本建設産業職員労働組合協議会政策企画局次長の川副委員が就任され ております。 ○川副委員   川副と申します。よろしくお願いします。 ○椎谷座長   同じく労働者代表の寺澤委員が退任されまして、建設連合書記長の野村委 員が就任されております。 ○野村委員   野村でございます。よろしくお願いします。 ○椎谷座長   使用者代表の平石委員が退任されまして、本日は欠席されておりますが、 株式会社熊谷組安全環境統括部長の野中委員が就任されております。事務局 である職業安定局の幹部にも異動がありましたので本日ご出席の方をご紹介 します。職業安定局次長になられました鳥生次長でございます。 ○職業安定局次長   9月1日付で職業安定局次長を拝名いたしました鳥生でございます。これ から何かとお世話になりますが、よろしくお願い申し上げます。 ○椎谷座長   次に、本日の委員の出欠状況を報告いたします。ただいま申しましたよう に、使用者側では野中委員が欠席、労働者代表では笹田委員が欠席というこ とでございます。  それでは、議事に入ります。1つ目の議題は、「建設労働者の雇用の改善等 に関する法律第12条第1項の規定による認定等について」でございます。昨 年10月に施行されました改正建設労働法に基づく実施計画等につきまして は基本問題部会の専決事項となっておりますが、部会の各委員の了解を得て、 建設労働専門委員会において議論を行い、その結果を部会長に報告し、部会 長一任により答申を行うこととなっております。今般、みやぎ建設総合セン ターより申請がなされたところであり、厚生労働大臣より諮問がなされてお りますので事務局から説明をいただき、それに基づきまして議論をお願いし たいと思います。初めに、事務局から説明をお願いします。 ○鈴木補佐   資料ですが、こちらの「実施計画等関係資料」と書かれた資料一式でご説 明させていただきます。本日、この実施計画等関係資料のうち、資料4、資 料6、資料7につきましては個人情報が含まれておりますので、傍聴席の皆 様にはお配しておりません。また、委員の皆様方におきましても、当委員会 終了後に回収させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いい たします。また、傍聴席の方におかれましては、個人情報等に触れる部分を これからご説明することもあるかと思いますが、報道につきましてはその取 扱いにつき十分ご注意いただきたいと思っております。  本日は、座長からありましたように、みやぎ建設総合センターより提出さ れました実施計画の認定申請、建設業務有料職業紹介事業、建設業務労働者 就業機会確保事業の許可申請につきまして、厚生労働大臣から諮問させてい ただいておりますのでご説明させていただくということで始めたいと思いま す。初めて委員会に出席される委員もいらっしゃいますので、昨年10月に改 正しました法律の概要から簡単に説明させていただきます。  資料1です。「建設労働者の雇用の改善等に関する法律の一部を改正する法 律」ということで概要が出ております。真ん中の実施計画の作成(事業主団 体)という所がありまして、この制度では実施計画を作成する。その実施計 画は(1)(2)とありまして、1つが建設現場労働者の雇用の改善、能力の開発 及び向上、福祉の増進に関する措置を書く。もう1つが建設業務有料職業紹 介事業、または構成事業主が行おうとする建設業務労働者就業機会確保事業 に関する措置を書くという形で、この(1)(2)を一体的に実施するための計画 を作成いたします。  これを厚生労働大臣が認定すると下にある2つの事業の実施が可能となり ます。1つが、左側の建設業務有料職業紹介事業ということで、こちらは事 業主団体が自ら実施するものです。右側が、建設業務労働者就業機会確保事 業ということで、こちらは構成事業主が実施するものでありまして、労働者 の受入れ、送出を行うものです。それぞれ、厚生労働大臣の許可がいるとい う形になっております。  資料2に移ります。先ほど座長から、こちらの諮問がなされて専門委員会 に下りている、ということでご説明がありましたが、実際、こちらでどうい う形で審議していただくのか、審議していただく根拠を簡単にご説明いたし ます。実施計画と、有料職業紹介事業、就業機会確保事業でそれぞれ根拠が 異なっておりまして、実施計画につきましては資料2の1頁にあるように、 こちらの法律を改正したときの衆議院、参議院の附帯決議で、棒線の所です が、「実施計画の認定に当たり、労働政策審議会の意見が反映されるよう運用 を行うこと」ということで附帯決議が1つの根拠となっております。  2頁です。こちらは厚生労働大臣が定めた建設雇用改善計画というもので ありまして、昨年10月から行われておりますが、こちらの棒線の所で「実施 計画の認定に当たっては、建設事業の実態に詳しい建設業労使が委員となっ ている労働政策審議会の意見を踏まえて行う」という形になっております。 以上が実施計画の根拠でありまして、実施計画は附帯決議、建設雇用改善計 画が根拠となっております。  4頁です。建設業務有料職業紹介事業、就業機会確保事業の許可につきま しては建設労働法に根拠がありまして、それぞれ第18条、第31条で「厚生 労働大臣は、第1項の許可をしようとするときは、あらかじめ、労働政策審 議会の意見を聴かなければならない」となっているということで、以上をも ちまして労働政策審議会の意見を聴くという形になっております。  資料3でございます。先ほど座長から説明がありましたように、雇用対策 基本問題部会の下にある建設労働専門委員会の意見が雇用対策基本問題部会 長に報告されまして、部会長一任で厚生労働大臣による諮問が答申されると いうことになっております。これは基本問題部会の各委員の皆様方のご了承 を得て、専門委員会の専門的な意見を基本問題部会長に一任する、という形 で構わないということで了解を得ているところです。  資料4でございます。これが実際に出てきている実施計画の認定申請書で す。具体的には後で詳しくご説明しますが、例えば資料4の(7)「雇用の改善 等の現状」とか、次の頁の(8)で「改善措置の目標」、(9)「改善措置の内容」、 この団体がどういう建設雇用の改善をするのかということを書いているよう なもの、また、有料職業紹介事業や就業機会確保事業をする場合には、例え ば就業機会確保事業では受入と送出のそれぞれの組合せを書く形になってい ますので、3頁以降にありますが、今回は申請段階では9社でしたが諸事情 により8社になっておりますが、これだけの会社の組合せとか、そういうも のが出ております。本日ご審査いただくのは書類の一部でありまして、実際 はこちらに提出されている書類はこれだけのものがありまして、この一部の いくつかを抜き出してご審査いただく、重要な部分をご審査いただくことに なっております。  資料5でございます。今回申請のありました、「みやぎ建設総合センター」 は、こちらは財団法人ですが、どういう法人かということについて簡単にご 説明します。代表者ですが、宮城県建設業協会の会長、また、全国建設業協 会の副会長をされている奥田さんという方が理事長でありまして、東北大学 名誉教授の大内先生という方が実質的に事務を所掌して取り扱っております。 設立目的ですが、「特に」の所ですが、「財団の役員及び事業内容を検討する 各委員会における産・官・学の3者構成を特徴とし、これにより建設産業界 以外からの意見等についても事業に反映させ、建設産業の人材育成等を図っ ている」ということで、もともと、宮城県にも建設業協会が当然ありますが、 こちらは特に産・官・学の3者を役員に入れて、その3者の意見を基に、特 に人材育成などを主に行っていますが、そういうものをやりたい、やってい くというような団体です。歩みとしましては、平成8年7月に財団法人とし て設立しております。平成18年4月に、今回の事業を行う団体ということで、 寄附行為を改正しております。  会員事業所については387社です。主な事業は、先ほどご説明しましたよ うに、人材育成・職業能力の向上事業ということで、認定職業訓練校になっ ております。そのほか、技術開発とか情報受発信・情報化とか、いろいろな ことをやっている団体ということで、もともと、建設労働者に対して役に立 つための事業をやっているということで、今回の制度は建設労働者の雇用の 安定に役立つものであるという観点から是非やりたいということで申請を出 しております。  資料6でございます。先ほども申し上げましたように、実際は内部でもっ と細かな基準を設けていますが、特に法律で重要なところ、ここだけは外せ ないというところを、今回初めてということもありまして、一つひとつ詳し く見ていきたいと思っております。1頁ですが、実施計画の認定についてで す。実施計画の認定の基準につきましては、左側の上の「条文」と書いてあ る所ですが、法律上は第12条第5項にありまして、それが第1号から第5号 まであります。これが法律に書いてある基準でありまして、その重要なもの について実施計画等をこれから見ていきたいと思っております。  同様に、2頁ですが、有料職業紹介事業の許可については建設労働法の第 19条第1項。また、3頁ですが、就業機会確保事業は宮沢建設としています が、宮沢建設さんが今回の申請書の最初に載っていますので宮沢建設を選ん でいますが、こちらの就業機会確保事業の許可につきまして第33条第1項に 基づいて一つひとつ見ていくということで考えております。  それでは、ここは少し細かくなりますが、説明させていただきたいと思い ます。1頁目の「みやぎ建設総合センターに係る実施計画の認定について」 ということで、要件のいちばん上の(1)ですが、改善措置の目標は建設雇 用改善計画に照らして適切なものであること。建設雇用改善計画というのは、 先ほど申し上げましたように、大臣の計画でありまして、具体的には25頁以 降に付いているものです。改善措置の目標ですが、4頁からが実施計画認定 申請書の一部でありまして、5頁の左上の赤でAとしてある所に改善措置の 目標が書いてあります。若年労働者の育成を図るとともに建設労働者の入職 促進、需給の調整を図るというものです。これが建設雇用改善計画とどのよ うに適合しているかということですが、建設雇用改善計画の28頁をご覧いた だきたいと思います。まず、Aと書いてある真ん中の所ですが、職業能力開 発の推進ということが書いてありまして、若年労働者を育成するということ と同様なことを行いたいということが1点あります。  改善措置の目標の2点目は建設労働者の入職促進ということで、29頁の中 段の3の所にAと書いてありますが、「若年労働者等の確保及び建設業に対す る理解の促進」が建設労働者の入職促進と適合しているということです。そ れから、需給の調整を行うという改善措置の目標につきましては、30頁の中 段の「円滑な労働力需給の調整等による建設労働者の雇用の安定等」で適合 しているということです。以上をもちまして、第1号の(1)の所は適切な ものであることが認められたという形でございます。  次に、(2)に移ります。「改善措置の内容が建設雇用改善計画に照らして 適切なものであること」ということです。5頁ですが、改善措置の内容がア 〜オと書いてあります。少し長くなりますが、一つひとつご説明いたします。 アは「雇用の改善に関する措置」ということで、構成事業主に対して労働者 募集、請負の適正化、雇用管理責任者の選任の普及、元方事業主による関係 請負人に対する援助の推進等を図るため、「建設雇用改善法」の遵守指導を引 き続き行うということです。こちらは建設雇用改善計画では27頁の下のBの 所に書いてありまして、「建設業務の実施に当たり労働者募集及び請負が適正 に行われるよう、「建設雇用改善法」、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及 び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」(昭和60年法律第88号。以 下「労働者派遣法」という。)等の遵守に向け、的確な指導及び監督を行う」 ということで、改善措置の内容については適合しているということになって おります。  イですが、「能力の開発及び向上に関する措置」ということでありまして、 「研修の実施により人材育成、職業能力の向上を行う。特に若年者の育成に 力を入れる。また、高度な技能を持った高齢技能者を講師に選定し、現場で 必要な技術・技能を研修する」という改善措置の内容が設けられています。 こちらにつきましては建設雇用改善計画の29頁の上段の(3)のBですが、 「熟練技能の維持・継承及び活用」ということで、「一方」という2段落目以 降に、こういった若年労働者に関する育成に力を入れるということが書いて あります。それから、同じ29頁のいちばん下の(3)のBと囲んである所です が、「高年齢労働者が、若年建設労働者や学生等に対して建設業の伝統技能の 価値や建設業の魅力等について伝える機会を設ける等技能の継承を図るため の支援を行う」ということで書いてあります。ですので、改善措置の内容の 人材育成、職業能力の向上、特に若年者の育成、また、高齢技能者の講師の 選定というものには適合しているということです。  ウの「福祉の増進に関する措置」ですが、「構成事業主に対し完全週休2日 制や変形労働時間制の導入および建退共加入促進を図る」ということです。 こちらにつきましては建設雇用改善計画の27頁のいちばん左のBに労働時 間について改善していくというような内容が書いてあります。また、その下 に建退共制度の適正な運営と加入促進等ということが書いてあります。こう いうことで、ウの福祉の増進に関する措置も適合しているということです。  エの「建設業務有料職業紹介事業に関する措置」ですが、「労働者の雇用の 安定を図るため恒常的に労働力過剰となっている構成事業主に対して、建設 業務有料職業紹介事業により他の事業主へ適正に職業紹介を行う。また、構 成事業主、労働者等関係者に対する建設業務有料職業紹介事業の制度の趣旨、 制度の内容等について、計画的に周知啓発を行う。さらに、求人者及び求職 者からの苦情の処理について、適切な処理を図る」ということです。  同時に、オも見させていただきますが、オは「建設業務労働者就業機会確 保事業に関する措置」ということで、「一時的な技能労働者の過不足を調整し、 就業の場を確保することを通じて雇用の安定を図るとともに、将来的に不足 が懸念される技能労働者の離職に歯止めをかける。構成事業主、労働者、受 入事業主の元請等関係者に対する建設業務労働者就業機会確保事業の制度の 趣旨、制度の内容等について、計画的に周知啓発を行い、また、送出事業主 及び受入事業主に対する適正な事業運営に関する指導監督を行うほか、これ らの者からの相談に応ずる等の援助を行う。労働者の雇用の安定を重視して 送出事業主及び受入事業主の組合せを検討するとともに、送出事業主に労 働・社会保険の適切な加入促進を図る。さらに、送出・受入事業主、送出労 働者からの苦情の処理について、適切な処理を図る」。こういうことが有料職 業紹介事業、就業機会確保事業それぞれについて書かれております。  これらにつきましては、建設雇用改善計画の30頁の中段にD・Eとありま して、(2)の所ですが、「建設業務有料職業紹介事業及び建設業務労働者就 業機会確保事業の趣旨」とあります。少し読みますと、「建設業においては、 余剰労働力の発生、企業の再編・淘汰の進行、新分野進出の動き等が見られ、 余剰労働力について円滑な労働移動を図るとともに、事業活動の中核的人材 の確保が重要な課題となると考えられることから、建設業務有料職業紹介事 業が創設されたところである。また、受注産業という建設業の特性等により 生ずる、一時的な技能労働者の過不足を調整し、就業の場を確保することを 通じて雇用の安定を図るとともに、将来的に不足が懸念される技能労働者の 離職に歯止めをかけることが不可欠である等を踏まえ、建設業務労働者就業 機会確保事業が創設されたところである」。  また、その下段にD・Eと書き込みがありますが、「上記の趣旨に照らして、 恒常的に労働力が不足又は過剰となっている建設事業主においては、建設業 務有料職業紹介事業等により適正に必要な労働力の確保を図ることが適当で あり、建設業務労働者就業機会確保事業については、一時的に労働力の過不 足が生じる建設事業主のみが実施可能であって、送出就業に従事させること を目的として労働者を雇用することや、建設業務労働者就業機会確保事業を 主たる業務内容とする部署を設けること等上記趣旨に反する事業運営を行う ことはできないことについて」と、このようなことが書いてあります。こう いうことをもちまして、先ほど5頁に書いてありました有料職業紹介事業に 関する措置、就業機会確保事業に関する措置とは大きく掛け離れていない、 適合しているということで考えております。以上ア〜オと見てきまして、1 頁の第1号の(2)ですが、改善措置の内容が建設雇用改善計画に照らして 適切なものであるというところでは問題がないということです。  次に、(3)「改善措置の実施時期が建設雇用改善計画に照らして適切なも のであること」ということでありまして、こちらの改善措置の実施時期につ いては5頁のCの所になります。改善措置の実施時期は平成18年10月から 平成21年9月の3年間ですが、具体的な定めは法律等にありませんが、中間 搾取の防止という観点が今回の事業は非常に必要ですので、こういった観点 から、適正な事業運営を図るためには最大3年の期間が求められると厚生労 働省として考えております。改善措置の実施時期につきましては、その3年 以内になっておりますので問題ないということで考えております。(3)も適 合しているということです。  (4)です。ここに書いてあるのは構成員の数がそれぞれ建設雇用改善計 画に照らして適切なものであるということでありまして、建設雇用改善計画 に照らして適切なものであるというのは、先ほどご説明しましたように、一 時的に労働者を置くとか、余剰が多少出てきたときに有料職業紹介を行うと か、リストラの手段としては行わないことが重要というものです。1の(4) を5頁で見ていただくと、想定見込数ですが、事業主団体に求人を申し込む 構成員が43社、求職を申し込む構成員が50人程度と考えております。構成 員に常時雇用されている者の見込数が347社で約8,000人です。事業主団体 の構成員における常時雇用する労働者の雇入れが327人、離職の状況が323 人となっておりまして、それぞれ考え合わせると、例えば8,000人の常時雇 用者の中で43社が有料職業紹介の求人を申込む可能性があるとか、離職の状 況は323人とか、そういうことを考えると、リストラの手段として用いるの ではなくて本当に困ったときに用いるものであるということで、建設雇用改 善計画に照らして適切なものであると考えております。  (5)です。「構成事業主及び当該構成事業主から建設業務労働者の就業機 会確保の役務の提供を受けようとする構成事業主の氏名又は名称、送出事業 主及び受入事業主の組合せごとの送出労働者の見込数が建設雇用改善計画に 照らして適切なものであること」ということです。また、この「建設雇用改 善計画に照らして適切なものであること」というのは、一時的に送出、受入 を行うということです。6頁をご覧ください。ここは宮沢建設の例ですが、 各建設会社8社すべて、どこの事業主がどこの事業主に対して送り出すとい う組合せをすべて書くことになっております。例えば、ここでは宮沢建設に 土工3名、これをそれぞれの会社に1名ずつ忙しくないときに送るという形 になっておりまして、3名を1名ずつ送ることになっておりますので特段問 題はないと考えております。以上をもちまして第1号は認定の基準に適合し ているということです。  第2号です。(6)ですが、「改善措置の内容及び改善措置の実施時期が改 善措置の目標を確実に達成するために適切なものであること」という要件で ございます。こちらについては実施計画の5頁です。いちばん上のFですが、 改善措置の目標が若年労働者の育成、建設労働者の入職促進、需給の調整と いうことでありまして、この若年労働者の育成を図るという目標は、矢印で 内容の所に飛んでいますが、改善措置の内容のイの「特に若年者の育成に力 を入れる」という所と適合しております。また、建設労働者の入職促進、需 給の調整につきましては、また矢印がありますが、有料職業紹介事業、就業 機会確保事業をそれぞれ行うということで適合しております。実施時期も3 年の期間でできるということですので、1頁の第2号の(6)についても適 合していると考えております。  (7)です。「事業主団体が建設業務有料職業紹介事業を行おうとする場合 にあっては、事業主団体が法人格を有するものであること」ということです。 こちらにつきましては、先ほど申し上げましたように、実施計画の4頁に「財 団法人みやぎ建設総合センター」という記載がありまして、一応、ここの場 での証明という形で、財団法人ということで法人格を有していると考えてお ります。(7)も適合しているということです。  (8)です。「構成事業主が建設業務労働者就業機会確保事業を行おうとす る場合にあっては、当該事業を行おうとする構成事業主が建設事業を営んで いるものとして建設業の許可を受けているものであって、主たる事業が建設 事業であり、以下のいずれかの要件に該当すること」ということです。(1) が「実施計画の認定の申請の日の属する月の前月末を末日とする1年間にお いて毎月建設事業の実績を有するもの」。つまり、この事業主はきちんとした 建設事業主なのだという場合です。それから、「(1)以外の者であって、実施 計画の認定の日以後において毎月建設事業を行うことが確実と見込まれるも の」。こちらは合併をするような場合でありまして、今回はありません。実際 に建設事業の実績を毎月有する(1)については、7頁に「建設業の実績」とい うことでそれぞれの完工高を書いていただいております。就業機会確保事業 を行う各構成事業主について書いていただいております。完工高ですので0 円のときもありますが、基本的にそれぞれ建設業と認められると考えており ますので、いまご説明した(8)の「毎月建設事業の実績を有するもの」と いうことも認められると考えております。  第5号の(9)ですが、「実施計画が、雇用管理責任者の知識の習得及び向 上並びに元方事業主による関係請負人に対する援助の実施に寄与すること」 ということです。こちらについては、5頁の改善措置の内容のアの所に棒線 を引いてIとありますが、ここで「雇用管理責任者の選任の普及、元方事業 主による関係請負人に対する援助の推進等を図る」と言っておりますので、 第5号の(9)についても適合しているということです。  最後が「構成事業主が建設業務労働者就業機会確保事業を行おうとする場 合にあっては、当該事業を行おうとする構成事業主が、他の認定計画におい て建設業務労働者就業機会確保事業を行おうとする構成事業主として記載さ れていないこと」ということです。こちらは、今回が初めての認定ですので、 当然ないということです。以上、事務局としてはもっと細かいことを見てお りますが、少なくとも、法律上も実施計画の認定については問題ないという ことで考えております。  次に、2頁に移りまして、「みやぎ建設総合センターに係る有料職業紹介事 業の許可について」でございます。こちらも、少し時間はかかりますが、1 つずつ見ていきたいと思います。第1号の(1)です。「申請者が認定計画に 従って建設業務有料職業紹介事業を行うものであること」ということです。 具体的には、例えば実施計画において建設業務有料職業紹介事業を行うこと が明記されているということです。これは、見ていただくまでもなく、先ほ どの実施計画の所の改善措置の内容にありましたように、建設業務有料職業 紹介事業に関する措置ということで、行うことが明記されておりますので問 題ないと考えております。  それから、「申請者が建設業務有料職業紹介事業を健全に遂行するに足りる 財産的基礎を有すること」。具体的には、資産の総額から負債の総額を控除し た額が一定額以上あることが必要であるということで、一応、資産から負債 を引いたものが500万円という基準で考えております。こちらのセンターに ついては、14頁にB/Sが載っておりまして、貸借対照表がありますが、こ このLで囲んである所ですが、こちらの財産は3億円あるということで、要 件を十分に満たしている形になっております。  2頁に戻りまして(3)です。「個人情報を適正に管理し、及び求人者、求 職者等の秘密を守るために必要な措置が講じられていること」ということで す。具体的には、例えば個人情報適正管理規程のようなものが定められてい ればいいということになっております。こちらは、11頁に「個人情報適正管 理規程」がありまして、具体的には、個人情報を取り扱う責任者を選任して いるとか、職業紹介責任者講習を開いております。職業紹介責任者が必要に なっておりますので、その講習の中で個人情報保護についても講習をしてい ますので、その講習を受けている。また、求職者等から本人の個人情報につ いて開示の請求があった場合には開示を行う、ということを内容とする個人 情報適正管理規程が設けられておりまして、こちらの団体が個人情報を適正 に管理できる状態にあることが認められると考えております。  次に、第4号、(4)でございます。「申請者が建設業務有料職業紹介事業 を適正に遂行することができる能力を有すること」ということです。具体的 には以下のような項目を見ております。例えば、(1)は「代表者、役員及び職 業紹介責任者が、生活根拠が不安定でないこと」ということです。生活根拠 が不安定でないということは、とりあえずは住所があるということで見てお ります。8頁ですが、代表者の氏名の所に住所が書き込んであります。また、 9頁は役員の住所、10頁には職業紹介責任者の住所が書き込んであって、生 活根拠は不安定ではないと考えております。  2頁に戻りまして、(4)の(2)です。「風俗営業等が密集するなど職業紹介 事業の運営に好ましくない場所にないこと」ということです。この場所です が、8頁に書いてあるのですが、「仙台市青葉区支倉町」という所で、宮城労 働局で現地調査に行って周りにそういう建物等がないと。私自身も4回ほど 足を運んでおりまして、そういった場所ではありません。周りは病院とか、 そういった所ですので特段の問題はない場所と考えております。  (4)の(3)ですが、「業務の運営に関する規定を有し、これに従って適正 に運営されること」ということです。こちらは、12頁に「業務の運営に関す る規程」を設けております。これは求人や求職の受付けとか紹介の方法等に ついて書かれたものでありまして、こういう規程を有して適正に運営される ということで考えております。以上をもちまして、有料職業紹介事業につい ても許可していいのではないかということで考えております。  最後になりますが、「就業機会確保事業の許可」ということで一つずつ見て いきたいと思います。第1号の(1)ですが、「申請者が認定計画に従って建 設業務労働者就業機会確保事業を行うものであること」ということです。具 体的には、「実施計画において送出事業主となることが明記されていることが 必要である」ということです。これは、先ほど、組合せのときに見ていただ きましたように、宮沢建設が送出先、また、受入先3者が書いてあるという ことでクリアされていると考えております。  第2号、(2)ですが、「申請者が、建設業務労働者就業機会確保事業の送 出労働者に係る雇用管理を適正に行うに足りる能力を有するものである」と いうことです。1つが、「送出事業主の事業所ごとに雇用管理責任者を選任し、 雇用管理責任者が苦情処理の場合に、日帰りで往復できる地域に送出を行う ものであること」ということです。こちらについては、宮沢建設が出してき た資料の17頁ですが、雇用管理責任者として営業部の課長さんの名前が書い てありますのでクリアされております。また、もう1つの「日帰りで往復で きる地域に送出」ということですが、先ほどの資料の6頁に戻っていただい て、仙台市内同士の受入・送出ということで、日帰りで往復できる範囲にあ ることは確実と考えられます。  3頁に戻りまして、(2)の(2)です。「送出労働者の福祉の増進を図ること が認められるものであること」ということです。こちらについては、先ほど ご覧いただいた雇用管理責任者が選任されております。雇用管理責任者とい うのは、雇用管理責任者講習を受けておりまして、その中で福祉の増進等に 関する講習を受けておりますので、適正な雇用管理が図られる、福祉の増進 を行えるということで考えております。  (2)の(3)ですが、「送出労働者に係る教育訓練に関する計画が適切に策 定されていること」ということです。この訓練につきましては、18頁のQ3 と書いた枠で囲った所ですが、送出前の教育、新規入場者の教育、その他の 教育、それぞれ教育訓練に関する計画を策定しておりますので、これについ ても認められるということで考えております。以上をもちまして、第2号の 所はクリアできているということです。  (3)です。「個人情報を適正に管理し、及び送出労働者等の秘密を守るた めに必要な措置が講じられていること」ということです。こちらは先ほどの 有料職業紹介と同様、具体的には個人情報適正管理規程が定められているこ とが必要です。20頁ですが、宮沢建設の個人情報適正管理規程が設けられて おりまして、先ほどと似たような内容になっています。こちらは有料職業紹 介と違いまして、雇用管理責任者講習になりますが、雇用管理責任者講習の 中でも個人情報に関する講義を行っておりますので、それを受講することに なっております。こちらについても定められているということで、個人情報 が適正に管理できると考えております。  (4)です。「申請者が建設業務労働者就業機会確保事業を的確に遂行する に足りる能力を廼する者であること」ということで、具体的には下記の項目 に該当することで審査をしております。(1)が「資産の総額から負債の総額を 控除した額が一定額以上あること」という、先ほどの有料職業紹介と同様の 形で書いてあります。23頁で資産の合計が2.3億円、24頁で負債の合計が 1.9億円、その差が4,000万円ということで要件は満たしていると考えてお ります。(2)ですが、「建設業務労働者就業機会確保事業に係る指揮命令の系 統が明確であり、指揮命令に混乱の生ずるようなものではないこと」という ことです。こちらについては、18頁の上のS2という図ですが、このように 雇用管理責任者なり送出者なり、それぞれ指揮命令の系統をきちんと策定し ておりますので、特段の問題はないと考えております。(3)ですが、「建設業 務労働者就業機会確保事業において事業停止命令を受けた者が、当該停止期 間中に許可を受けようとするものではないこと」ということです。こちらは 停止命令はまだ出ておりませんので該当することはないということです。以 上で宮沢建設についての就業機会確保事業の許可については問題ないと考え ております。  就業機会確保事業につきましては、このほかに7社出ております。その具 体的な概要につきましては資料7でございます。計8社が出ておりますが、 それぞれ、いまのような審査をいたしまして、特段の問題がないということ で考えております。以上をもちまして、それぞれの認定なり許可なりの要件 に該当しているということで認定許可を行いたいと考えておりますので、ご 審議いただきたいと思っております。事務局からは以上でございます。 ○椎谷座長   ありがとうございました。大変詳しい説明で、そういう説明が必要な要件 になっていますので、本来でしたら8社すべてについてやらなければいけな いのかもしれませんが、時間の関係もありますし、以上の説明をもってご意 見、ご質問等があればご発言をお願いします。 ○池田委員   資料5の「(財)みやぎ建設総合センター」がありまして、その5番目に「会 員事業所」とありまして「387社」とあります。ご質問したいのは「建設業 許可を取得し主として宮城県内に本社を構える建設業者」ということですか ら、その近辺は山形もありますし福島もありますし岩手もありますから、そ ういう所もこのみやぎ建設総合センターに加盟されているのか。それから、 下に「宮城県建設業協会の加盟企業を主体に、活動に賛同する同協会加盟企 業以外の企業も11社が参加」と書いてありますが、どういうものがこの11 社にあるのか。その2点についてご説明いただければありがたいと思ってい ます。 ○鈴木補佐   詳しくは聞いてないのですが、その11社には建設業協会を脱退した企業が あるらしいのです。ただ、こちらについてのみは残りたいという企業がある そうで、そういうものを主体に11社あるということで聞いております。それ から、本社のほうですが、こちらも詳しくはわからないのですが、近辺の所 が入っているかは私は存じあげないのですが、例えば大手ゼネコンさんの支 店で、大手建設会社東北支店とか、そういう所が加入しているという話は聞 いております。 ○池田委員   「主として」というのはそういうことですね。わかりました。 ○荒牧室長   基本的には、いまの点は宮城県の建設業協会の加盟とほぼ一致していると いう意味で「主として」ということを主に使っていて。ただ、ほかも含まれ ているので、誤解のないように例外を書かせていただいたということでござ います。 ○池田委員   結構です。なかなか良く出来ています。 ○椎谷座長   そのほか、特にご質問ありますか。 ○下永吉委員   2点ほど教えてもらいたいのです。1点は、私どもは全国建設業協会なの ですが、この事業を全建が委託しておりまして、実施方にこの1年間相当努 力してきて、宮城県をはじめとして各県あるいは各団体にお伺いしまして、 それなりに説明会を一生懸命やってきたわけです。今日、何とか1件だけこ の専門委員会にかかったということで満足はできない状況なのですが。その 説明会の中、あるいはその後でいろいろご質問等がありまして、いちばんの 課題は当初から送出と受入の組合せをつくらなければいけないわけです。こ れは非常に難しいという話がありまして、それがいちばんの課題なのかなと。 あと一言言わせていただくと、これだけあるわけですから、添付書類が相当 多いということもあるのですが、今回のみやぎの事案について、その組合せ が実際にどのような形で行われているのかということを教えていただければ と思います。  もう1点ですが、いまご説明いただいたようないろいろなものをクリアし なければ申請が出せないという状況にあるわけですが、我々も委託をした以 上は一生懸命にやっているのですが、最終的には、我々は当然としながらも、 厚労省ご当局、労働局のご努力が相当必要になってきているというのが私の 受託者としての実感なのです。ですから、今後、何カ所かの申請を出してい ただくような努力をしなければいけないのですが、それに対して厚労省本省、 労働局がどのような形で携わっていただけるのか。その辺をご説明いただけ ればと思うのです。 ○鈴木補佐   1点目の、組合せの決定を財団で今回どのようにしたかということですが、 財団内におきましては、もともとこの法律ができた理由ですが、受注の有無 によりまして同一の時期においても必ず忙しい企業とあまり仕事のない企業 がありますので、これらの企業同士の中で、例えば従来から取引のある企業 とか関係する企業といったところで送出、受入の可能性のある企業同士を今 回の計画に乗せたということでございます。それで、今回は18とおりの組合 せが決定されているところです。確かに、事前の決定をするのはなかなか難 しいのですが、不正な送出等の観点から、今回、みやぎがとったような工夫 も参考にしていただきながら、事業主団体のほうであっせんを積極的にやっ ていただくなどして組合せを決定していただきたいと思っております。なお、 組合せをする場合には、今後もみやぎのほうで新たな組合せ等が出てくる可 能性もあるかと思いますが、少数の受入事業主を追加する場合には単なる届 出で済むという簡単な手続になっておりますので、組合せのほうはそういう 手続も利用していただいて順次決定していただきたいと思っております。 ○荒牧室長   後者の点につきましては、今回、今日ご審議いただいていますように、膨 大な資料あるいはそのチェック体制ということもありまして、本来、いまま で派遣の事業の許可等の審査だと、都道府県労働局を中心に審査をして、具 体的には本省の審議等に上がってくるという形をとっているわけですが、建 設業においてはどうしても各団体の事務体制とか、これは収益目的でやって いるわけではないので、事務作業等もなかなか進まないという点もあります ので、先ほど下永吉委員もおっしゃっていましたように、全建にいろいろな サポートをいただいて、今回の案につきましてもようやくここに辿り着いて いるわけでございます。  これにつきましては、今回はその第1号であるとともに、我々が考えてい るのは、当面の間、本省レベルでもかなりサポートしていかなければいけな いと思っています。今回のみやぎの件につきましても、先ほど鈴木補佐から 説明しましたように、彼も宮城に4回行っているし、本省の職員も私も含め て何度も足を運んで、いわば、審査あるいは適正な形でやるように指導等を してきたわけでございます。これも、その蓄積がされれば、都道府県労働局 においてもそういう形でアドバイスができるのではないかと思いますが、い かんせん初めての部分、あるいはしばらく慣れるまではどのように指導して いったらいいのかというのは、都道府県労働局にもノウハウがないものです から。それを我々として、今後各種の会議とか本省における会議等も含めて 地方労働局に周知していって、別に、全県で1カ所と決めているわけではな いですが、できれば各県でそれぞれ1カ所ずつぐらい、申請を考えるような、 使えるような所があれば、サポート体制をそれぞれ敷けるような形では取り 組んでいきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 ○奥田委員   感想も含めまして、第1号ということで大変きめ細かく計画書をおつくり になったご努力に対しては非常に敬意を表したいと思います。第1号ですか ら慎重にやる、これが成立した経緯も含めまして、慎重にやるべきだという ことで良いことだと思っております。今後なのですが、形はできているので すが中身をどう付けていくかということが非常に大変なことだろうなと思い ます。福祉を向上すること、教育すること、我々は欲張ったことをねらった のではないかと思いますが、そういうことを含めて、計画はできましたけれ どもそれがどのような形で実施されているかというフォローを確実にやって いただいて、現状を報告していただく機会を是非つくっていただけたら、こ の就業確保事業が今後うまくいくためのいろいろな知恵が出るのではないか と思いますので、形をつくった運用の実態の中間報告なりをして、今後この 事業を推進する上でのいろいろな問題点があれば改善すべきだと思います。 その辺、第1号という意味でフォローを是非お願したい。下永吉委員がおっ しゃいました支援というものも含めて、本省の方のこれに対するご支援を是 非いただいて、建設業界としてこの施策が有効に働くようになればいいなと 思っていますので、それを是非お願いしたいと思います。 ○荒牧室長   いまの点につきましては、今回の改正建労法にも、そういうことの仕組み というか、審議会に報告するような仕組みではありませんが、実施計画につ いて認定した事業主に対して、具体的には第16条に指導及び助言ということ が書いてありまして、認定団体及び構成事業主に対して指導ができますよと いうことが書いてございます。また、第17条には実施計画を認定した団体に 対しまして認定計画の実施状況について報告を求めることができるというこ とも建労法に入れていることからして、当然、認定しっ放しではなくて、適 正な形に運用できるようなことでフォローをしていくということが、ある意 味では、改正建労法のもう一方の理念だと思っております。宮城のものを1 件やって、すぐその1件をフォローして報告をするのも狙い打ちになってし まいますので、少したまった段階でそういう報告を是非させていただければ と思います。よろしくお願いいたします。 ○才賀委員   この中身を見ても非常に難しいものがあるのかなとは思いますが、よくや ったなと感心しております。できましたら、とりあえず1つを広げていただ いて、きちんと運営できるようなシステムにしていただいて、ほかも見習っ てできるようなことをしていただいたほうが早く伸びるのではないかと思い ます。数ではないのではないかということを考えて、とりあえず1つ、いま の東北のものを徹底的に皆さんでご指導いただいて、1日も早く良い運営を していただく。その中からチェックをしていただいて、これとこれは要らな いだろうとか、そういう問題を縮小していって、それだけの資料を各地方で 集めるとなると大変なものですから、その辺のものも考えていただいて、と りあえず仙台を1つつくり上げる。その次からはもう少し経ってからでもい いのではないかと思いますが、いかがでしょうか。提案しておきます。我々 のところも言われているのですが。 ○椎谷座長   なかなか難しい状況だと思います。つまり、1つは、昨年この場でかなり 精力的に両方の方で議論していただいて、慎重に始めようということで、入 口はかなり狭い感じがしますよね。しかし、それだけ不正を防止したいとい う意欲が双方にあったと思うのです。それで、とにかくこういう形で出発を する。したがって、事前の審査のための資料がたくさんある。正直言います と、たぶん、労働局にしても本省にしても、予算も人間も制約される中で進 めていたと思うので、それだけ苦労が多かったと思うのですが、これが1つ できたものですから、これをとにかく進めてみてどういう改善点があるのか ということを、奥田委員あるいは下永吉委員が言われたように、フォローを していけば、自ずとまた道が出てくるだろうと思います。そういうことで、 事務局には大変ご苦労ですけれども、これからも引き続き委員の皆さんの意 見等を踏まえて進めていっていただければと思います。  それでは、ほかにご意見ご質問等もないようでしたら、当部会として本件 について認定及び許可についてはこれを妥当ということにして、その旨を基 本問題部会の部会長に報告するということでよろしいでしょうか。 (異議なし) ○椎谷座長   ありがとうございました。それでは、そのように取り扱わせていただきま す。なお、先ほどご質問等もありましたが、事務局としては今回の認定及び 許可に関する今後のスケジュールについては、どのように考えておられるか ご説明いただければと思います。 ○荒牧室長   今日午後にある雇用対策基本問題部会に、念のためと言うとあれですが、 委員の了解は事前に得ているものの、建設労働専門委員会は本日開催されて いるものですから、この結果について報告をすることと、今後は建設労働専 門委員会のほうで専門的に議論して部会長一任という取扱いを説明させてい ただきたいと思います。その際に諏訪部会長の本日決裁をいただきまして、 具体的には今週末、ちょうど9月29日ということで、10月1日施行ですか ら、まさに1年ぎりぎりセーフということで、今週末金曜日に認定を出した いと思って、記者発表等をしたいと思います。具体的にはその日の午後にな るかと思いますが、宮城局において大臣認定証あるいは許可証等について施 行する予定ですので、またそういう面で建設業界紙等で広報されると思いま す。よろしくお願いいたします。 ○椎谷座長   それでは、室長が説明されたような方向で手続を進めていただければと思 います。以上で第1の議題を終わりにいたします。次の議題は「その他」で すが、事務局から報告事項があるということですので、事務局から説明をお 願いします。 ○鈴木補佐   それでは、私から説明させていただきます。「その他」ということで、新聞 報道等でもありますように、雇用保険3事業について見直しが議論されてお りますので、報告という形で少しご説明させていただきます。資料ですが、 「雇用保険3事業関係資料」と書いてあるものの資料8、資料9、資料10と、 実施計画等関係資料のところで使った資料2も少し使わせていただきますの で、資料2もご用意いただければと思います。  最初に、資料8でございます。建設労働対策における事業別・予算別体系 図が出ておりますが、ここで雇用保険3事業というのは雇用安定事業、能力 開発事業、雇用福祉事業という3事業です。これは、後でご説明しますが、 特に能力開発事業、雇用福祉事業につきまして、建設事業主の皆様方には雇 用保険料率を1,000分の1余計にいただいておりまして、これを原資に主に 建設労働の雇用の安定、雇用の福祉の対策を行っているところです。この図 を見ていただくとわかるように、雇用福祉事業に37億円、また、能力開発事 業に15億円という形で行っているところです。  資料2の3頁の左側の第10条の線を引いてある所ですが、いまご説明した 雇用保険料率の1,000分の1の率は「前条第1項各号に掲げる事業に要する 費用」ということです。この「前条第1項各号に掲げる事業に要する費用」 というのは、具体的には右側に線が引いてある第9条の、「同法」とあるのは 雇用保険法ですが、雇用保険法の第63条の能力開発事業または第64条の雇 用福祉事業ということで、1,000分の1の率についてはこれらの費用並びに 独立行政法人雇用能力開発機構が行うこれらの事業に要する費用に充てるも のとするということが法律上決まっております。この雇用福祉事業、能力開 発事業につきまして1,000分の1の率をいただいておりまして、今年で言う と52億円の予算ということで行っているところです。そして、新聞報道等で もありますように、雇用福祉事業については見直しが行われているというこ とです。  具体的には、資料9が「雇用保険制度の見直しについて(中間報告)」とい うことで、雇用保険部会で議論をしているものです。資料9の33頁の4の(1) ですが、「かつて勤労者福祉施設の整備等を行っていた雇用福祉事業は、失業 の予防又は早期解消、労働市場の環境整備等雇用の安定に資するか、雇用の 増につながるか等失業等給付の事業に資するかどうか検討したところ、必ず しもそのような目的を有していないものも相当程度あることから、事業類型 としては廃止することが適当である。ただし、個別事業(事業内容等を見直 したものも含む。)について、失業等給付の事業に資するものであり、かつ、 効果的な事業であるものについては、雇用安定事業又は能力開発事業として 実施することが適当である」ということで、雇用福祉事業については廃止の 方向ということが打ち出されております。  この中間報告の部会の前に雇用保険3事業見直し検討会が行われておりま す。これは、資料9の最後の頁になりますが、この方々がメンバーで見直し 検討会が行われておりまして、それぞれの助成金一つひとつについて必要性 があるかどうか、今後も続けるべきかどうか等、洗い出しを行ったところで す。建設についての助成金はいくつもありますので全部を説明しきれません が、例えば最も厳しいものでは、46頁のNo.41のオレンジ色のものですが、人 材確保等支援助成金(福利厚生助成金)というものです。これは現場の福利 施設とか期間雇用の建設労働者に健康診断を行わせた場合に助成を行ってい るものです。これについては「×」とありまして、今後は認められないとい う形になっております。こちらの検討会の結論を基に、今後、雇用保険部会 で議論がなされることになっております。  先ほど資料8でご覧いただいたように、建設労働対策については雇用福祉 事業が37億円ということで、かなりの額を占めるところが廃止されるという ことで、今後、助成金等建設労働対策の予算等につきましては大幅な見直し が必要となってくるところです。  いちばん最後の資料10でございます。左側が平成18年度予算でありまし て、今年度予算です。右側が来年の要求をしているところです。実際は左下 の雇用福祉事業がすべてなくなるということですが、先ほど見ていただいた 法律上1,000分の1については雇用福祉事業と能力開発事業でしか使えない ことになっておりまして、いまのところ、その改正が平成20年の改正になっ ておりますので、暫定的な形ではありますが、平成19年度については雇用福 祉事業は残していく方向と。平成20年度で全廃という形で考えております。 こちらにつきまして、先ほどご説明したように、例えば福利厚生助成金につ いては、下から3つ目のIXの所ですが、「福利厚生助成金」ということで右側 を見ていただくと「廃止」ということにしております。  ただ、一部暫定措置を設けるということでありまして、これは期間労働者、 季節労働者の健康診断といったようなものにつきましては急に廃止すると事 業主に対する影響も非常に大きい、労働者に対する影響も大きいということ で、暫定措置を設ける形で来年度に限って行うということで考えております。 その他、必要な例えば認定訓練とかの支給の増額等は必要に応じて行ってお りますが、平成19年度の概算要求としては右側の少しスリム化した形で行い、 最終的には、まだこの段階でご説明するようなものではありませんが、平成 20年度に最終型で助成金等を組み替えていくという形で考えております。以 上でございます。 ○椎谷座長   雇用保険部会でやっている議論でございますが、報告ということになりま したけれども、建設雇用に関係がありますので、ご質問なりご意見がありま したらご発言をお願いします。 ○下永吉委員   全建ではこの雇用保険3事業の見直しには非常に関心を持っているところ でありまして、私ども全建としましては、今年の5月31日にご当局に対して 要望書を提出させていただいております。4項目ですが、ご紹介させていた だきますと、1点目は、建設業独自の対策が十分講じられるような仕組みの 構築についてお願いしたい。2点目は、助成金制度全体を使いやすく効果的 なものに改定していただきたい。3点目は、若年者雇用の定着・確保、高齢 者の技能継承を行うための取組みに対する支援の充実を図っていただきたい。 4点目は、各県の建設業協会等の雇用改善の取組みに係る支援を継続するこ と。以上、4点を要望しているわけですが、同時に、引き続き1,000分の1 の保険料を有効に活用して、建設業のニーズに応じた支援措置を講じていく ことも要望いたしております。こうしたことから、事務局の説明にありまし たように、雇用福祉事業の廃止にあたっては、それを雇用安定事業で処置で きるように制度を改正し、能力開発事業と雇用安定事業とで実施できるよう な見直しが必要という方向性については、私ども全建としては一定の理解を 示すということで、よろしく頑張っていただきたいと思います。お願いしま す。 ○才賀委員   福祉事業のほうが廃止ということであるならば、せっかく建設業で1千分 の1を出しているのですから、是非とも能力開発等々に使っていただきたい。 特に、我々は、いま、専門50余社が富士の教育センターを実施しているので すが、来年か再来年には年間1万人日教育するということなのですが、北海 道から沖縄まで集めて全体的に教育しているのですが、地方から声が出るの は、助成金が少ない、遠くて行けないと。教育的には内容は非常に良いのだ けれどもという賛辞は得るのですが、費用の面で非常に負担がかかるという ことですので、その辺、廃止であるならば増額していただきたい。  それと同時に、こっちと向こうとは意見が少し違うと思うのですが、今は ダンピング受注等々で、専門工事業者、また、特に末端で働いている労働者 が非常に困っているということもありますので、是非ともその辺の保護政策 を考えていただきたいと思います。特に、少子高齢化の時代になって、私は 常々言っているのですが、外国人にあれだけの金を出して教育するのである ならば、今の日本の若い人に若干でもいいから助成金を出していただければ、 建設業に入ってくる若者はまだまだいるのだろうと思いますので、その辺も 含めて考えていただければと思います。 ○野村委員   私どもは労働組合、働く者の立場から現在、いろいろと検討を進めている ところでございますが、我々が加盟する連合という労働団体の中で、建設関 連産別がいくつか集まって、建設資材林産部門連絡会をつくり、専門的な課 題についていろいろな意見交換をやっております。その部門連絡会の下に政 策検討会を立ち上げまして、若年層への技術継承、魅力ある建設産業づくり、 について労働組合の立場から議論を開始したところです。いま才賀委員から も話があったとおり、これは、ある意味では労使が一体となって、魅力ある 建設産業づくりと若年層を中心とした技術継承をやっていく必要があるだろ うと認識をしております。そういうことで、是非、行政という立場からも、 しっかりバックアップをしていただきたいというお願いをしておきたいと思 います。 ○奥田委員   これをいかに有効に使うかということに尽きまして、1千分の1を廃止する ことはあってはならないと思っております。ただ、既得権とか、いろいろな 延長線上ではなくて、この際、ガラガラポンをして本当に必要なものは何か という議論を一度したらいいと思うのです。私なども、才賀委員のように、 技能労働者の育成は本当に大変だし金がかかる。富士へ行っても本当に金が かかるのです。だから、出そうにも出せないという、いわゆる専門工事業者 の立場からいえばそういう方もたくさんいるのではないかと思っています。 そういう意味で、一例ですけれども、建設業界として何が重要なのか、 52億円をどう使うのかという議論を、この際に一度してみることも大切なの ではないかと思います。そういう意味で、基本的には、既得権をガラガラポ ンしたらどうだ、それで見直したらいかがか、というふうに考えております。 ○池田委員   使用者側の皆さんが言っていることと全く私も同様であります。はっきり 言えば、雇用保険の改悪化というか、そういう方向に向かっておりますが、 全建総連の47都道府県の工務店を対象に後継者対策についてアンケート調 査を毎年取っているのです。その総数が、711人ぐらい、アンケート調査に 答えてくれたのですが、後継者がいるという工務店、大工さんは55.8%です。 そして、後継者は決まっていないという方が28.7%と、もう30%ですね。そ して、自分限りで廃業するという方が15.5%なのです。これは後継者問題、 特に若年建設労働者対策がいかにこれから大切なのか、それを示していると 思っています。  その中で、この能力開発事業は、才賀委員が言われたように、ここらの1千 分の1の使い途については増額をしていくような方向で考えないと、日本の 建設業がどうなってしまうのか大変心配です。例えば、厚生労働省が調査を 出していますが、平成9年には685万人も建設就労者がいたのに、平成18年 の1月の調査を見させていただいたのですが、今は546万人ですから、140 万人ぐらい減っているのです。これ以上減る可能性も十分出てきているので す。なぜかというと、厚生労働省の調査でも、中卒、高卒、大卒の新規に建 設に入職する人が非常に少ないのです。平成9年に7万8,000人もいたのが 今は3万3,000人でしょう。これは3Kかもしれませんが、私は7Kと言っ ているのですが、とにかく、この領域をやらなかったら、日本の伝統的工法、 これからの住宅産業はおかしくなっていくと思います。是非とも、私も奥田 委員と同じようですが、ガラガラポンにしてもいいし、この能力開発事業を 中心にして増額していただかないと、日本の建設業は本当に衰退してしまう と大変心配しておりますので、是非ともこれはなくされては困りますし、逆 に増額のほうを頑張っていただくことをお願いしたいと思っています。 ○荒牧室長   若干補足させていただきますが、本日お出ししました資料10は、来年度と いうことなので能力開発事業と雇用福祉事業を並列しておりますが、雇用福 祉事業につきまして、雇用保険部会の専門委員会の報告等を見ましても、必 要な事業については他の事業に振り替えて実施しなさいということが書いて あるのですが、先ほど鈴木補佐から説明しましたように、建労法の1千分の1 を使えるのは能力開発事業と福祉事業だと。ところが、福祉事業がなく なってしまう。そうすると、能力開発事業だけで使うのかというと、雇用の 安定、雇用の確保という意味で、いままで福祉なのか雇用安定なのか微妙と いうか、私たちは福祉と安定というのは微妙な関係にあると思っていまして、 雇用環境を良くすれば定着するので若年労働力の確保にもなります。そうい う観点からすれば、今回、我々が考えておりますのは、先ほど説明しました ように、いままでの能開事業、福祉事業の2本立てから、新しい形において は能力開発と安定とで合わせて引き続き1千分の1の中で実施できるよう にする。いま労使ともに各委員からご発言がありましたように、特に課題と されている技能承継の形の職業能力開発、若年労働力の入職状況あるいは定 着・確保の問題からすると、能力開発事業、安定事業を引き続き1千分の1 の中でやっていく。建設業についていま対策をやめるのはむしろ逆効果だ というふうに認識している思いは同じでございますので、これは内務とかい ろいろな別のものもありますが、そういう気持でおりますので、ご支援とい うか何というか、引き続きお願いできればというふうに思っております。 ○白木委員   基本的には建設業界が全体的に伸びていくことが、定着にしても雇用の安 定にしても、あるいは若い人を引きつけるにしても、新規成長分野の促進も 合わせて重点を置くべきではないかと思います。これが伸びていないと、い くら技能継承してもこの人たちが使われないことになる危険性があるわけで すから、この辺と併せてやっていく必要があるのではないかという感じがし ます。 ○椎谷座長   各委員から大体共通している意見が出されたと思います。建設業にかかる 1千分の1の雇用保険料については、それを確保すると同時に、むしろ、 時代の要請に合わせて基本的な観点を含めて考え直して有効な対策をつくっ ていったらどうかということだと思います。この専門委員会の共通した総意 だということで、それを踏まえて事務局で頑張ってもらえればというふうに 思います。  また、雇用保険3事業を含めた雇用保険制度の見直しにつきましては、事 務局からご説明がありましたように、雇用保険部会で議論が行われておりま して、今後、必要に応じて、専門委員会の開催の際に、雇用保険部会でどの ように動いているのかということを報告していただくようにお願いしておき ます。以上で「その他」の議題が終わりますが、そのほか、特にご意見なり ご質問がありましたらご発言をお願いします。よろしいでしょうか。それで は、本日の部会はこれで終了にいたしますが、本日の会議に関します議事録 の署名委員につきましては労働者代表は野村委員、使用者代表は奥田委員と させていただきますので、よろしくお願いいたします。本日はお忙しいとこ ろをありがとうございました。なお、冒頭、事務局からありましたように、 資料4、資料6、資料7はこの場限りということでございますので、机の上 に置いておいていただければと思います。 *注 半角()書きの数字は、丸かこみの数字として読み替えることとします。                照会先:厚生労働省職業安定局                    建設・港湾対策室 建設労働係                TEL:03-5253-1111