06/08/18 第17回独立行政法人評価委員会国立病院部会議事録 独立行政法人評価委員会  第17回 国立病院部会    日時:平成18年8月18日(金)14:00〜16:00 場所:厚生労働省 専用第21会議室 出席者:井伊委員、大道委員、開原委員、黒川委員、住田委員、辻本委員、     夏目委員、山田委員、渡辺委員(敬称略、五十音順) ○黒川部会長  定刻になりましたので始めます。よろしくお願いします。ちょうどお盆の週だと思う のですが、きょうは9階、10階も結構休んでいる人が多いなと思ったのですが、お忙し いところをありがとうございます。  きょうは全員御出席ということで、ありがとうございます。  それでは、初めに事務局から議事進行その他についてお願いします。 ○政策評価官  お暑い中をお集まりいただきまして、ありがとうございます。よろしくお願いいたし ます。  本日の議事でございますが、議事次第にまとめておりますように、前回あるいはそれ 以降、起草委員の方々あるいは個別の委員の方々から御指摘をいただきました17年度 の国立病院機構の評価をまとめていただくべく、個別的評価、総合的評価、そして財務 諸表に対する意見という一連を御審議をいただきます。大きな固まりの二つ目として、 国立病院機構から重要な財産譲渡について話がまいっておりますので、お諮りをさせて いただくことを予定しております。  議事の一つ目、個別的評価につきましては、前々回及び前回、個別シートをもとに御 議論をいただきました。まとめたものをA4判で集約版としてお配りをいたしましたり、 あるいはそれぞれの事項についての評価結果については1枚紙で置かせていただいてお ります。委員の皆様に個別にお書きいただいたA3判のシートを御確認いただいて、後 ほど必要があれば若干の修正をいただく時間も部会長にお願いをして取っていただくこ とを考えております。  二つ目の総合的評価につきまして。資料1−1の文章編については、本日まで起草委 員でございます開原部会長代理、井伊委員、夏目委員においていろいろと御検討いただ きまして、本日、このような形で取りまとめていただいたものをお諮りするべく、準備 をいたしております。  大きく議事の三つ目は、財務諸表に関する意見ということで資料1−2でございます。 これにつきましても、御担当でございます住田委員に、この部会とは別に、7月18日 でございましたが財務内容についてのヒアリングを集中的に行っていただく機会をお願 い申し上げまして、それに基づいて作成をいただきました。後ほどまたご審議をいただ ければということでございます。  ここまでが17年度の実績評価ということで−昨年もそうでございましたが−本日こ こでおまとめいただきます総合的評価という文章編とシートを一体として17年度の評 価となります。評価委員会名による最終的な決定とはいうものの、運営規定によりまし て部会において専決という形になっておりますので、きょうお決めいただいたものは評 価委員会としての決定となり、お決めいただいた後は所与の手続に進むということをま ず申し上げたいと思います。  最後の重要財産の譲渡につきましては、後ほど資料をもって御説明いたしますが、8 月2日付で大臣あてに申請がございましたので、お諮りをさせていただくということで ございます。よろしくお願いいたします。  最後に、参考資料1として事務連絡、総務省行政管理局長名の文書がございます。こ れは既にこの部会において、国立病院機構のいわゆるラスパイレス指数については審議 をいただく際に御紹介をいたしたところでございますが、全法人といいましょうか政府 全体の法人について総務省でまとめられたものが、私どもに情報提供という形でまいり ましたので、参考までに机上に置かせていただいたということでございます。  私どもからは以上でございます。よろしくお願い申し上げます。 ○黒川部会長  そのような議事の予定でございますので、よろしくお願いします。  そこで議事に入らせていただきますが、最初に17年度の業績に係る個別的評価があ りまして、皆さんのお手元に資料が、委員のお一人お一人が何を言ったかなという話も 参考にあります。そのほかに、全体としては起草委員会でまとめてくれているのがある わけで、資料1−1というものもありますが、これをもとにして簡単に説明してもらっ た方がいいですかね。個別に何かコメントはありますかと言われてもちょっと困るかも しれないので、何か吉田さんからありますか。 ○政策評価官  資料1−1の評価結果でございます文章編については、後ほど事務局から全体の概要 を御説明させていただき、特に全体評価の部分についてはお時間をいただいて文章で確 認をさせていただきたいと思います。まずは、個別評価シートについて、もし全体像、 あるいはこれまでの議論やその後の経緯の中で、委員の先生方の中で少し直したいとい うお話がございましたら、恐縮でございますが、各委員の個別のA3判のシートに赤で 御記入いただいて、後ほど事務的に修正を反映させていただくべく付箋をつけてわかる ようにしていただければ、回収をいたしました上で必要な修正をさせていただきたいと 思います。よろしくお願いいたします。 ○黒川部会長  それから、机の上の全体の評価の点数というのがありますが、訂正なり何かコレクシ ョンするときにはフィードバックとしてこれも一応参考になってしまうのかな。自分の だけやたらとずれているぞ、などというのがあるのかもしれないけれども、そこのとこ ろをちょっと見ていただいて、何か質問も結構ですしコメントも結構ですし、それから 御自分のを見てみるとちょっと忘れたなというのがあるのかもしれないので、雑談的に 時間を10分ぐらい取らせていただけたらいいかなと思いますが、よろしいでしょうか。 どうぞ見ていただければと思います。  配付資料は、御自分の点数のところはわかっているわけ。 ○政策評価官  はい。各委員御自身のところにはお名前をわかるようにさせていただいております。 ○渡辺委員  私自身が迷った、去年もそうだったのですが、簡単にいうとSとAですね。つまり目 標を達成したのは、普通はBというか3というか、目標を達成していればちゃんとやっ ているからBなわけですね。Aというのは相当よくやっているなと。Sというのは著し くやっているなと。しかも、そのSをつける場合には、何がSかということがちゃんと 基礎となっていると、ものすごく著しくやっている部分を証明しないとSがつけにくい わけですよね、私などの印象では。そこで、SとAの定義みたいなものをもう一度、吉 田さん、説明いただけますか。 ○政策評価官   今、渡辺委員がおっしゃったとおりでもあるのですが、確認をさせていただきます。  この部会で冒頭、評価をいただく際に御確認いただいたものとして、お手元の青いフ ァイルを開いていただきますと付箋の5番に−これは当部会のみならず全体の厚生労働 省の独立行政法人評価委員会の先生方の評点の考え方ということで−2ページ、3ペー ジにそれぞれ事業年度と中期目標とあるのですが、Sというのは中期計画を大幅に上回 っている、Aは中期計画を上回っている、Bが中期計画におおむね合致している、とい うのがまず定められたルールでございます。これをもとに、率直に申し上げてそれぞれ の法人あるいは部会の議論、あるいは法人とのいろいろなやりとりの中で委員の方々か らいただきました評定を私どもとしては集計させていただいているということでござい ます。 ○黒川部会長  これは、評価委員のやり方がいつもそうなのだけれど、みんなこれは共通の認識とし て持っているという前提で言っているのだけれど、吉田さんのところみたいに毎日この 仕事をしているわけではないから、忘れてしまうから、やる前に言っておかないといけ ないかもしれない。  それから、直すときにはお手元にある赤ペンで書いていただいて、付箋をつけておい ていただければと思います。  そろそろよろしいでしょうか。もし書き続けることがあったら書いていただいてと思 いますが、そろそろ次の議題に移ってもよろしいですかね。  御議論をもう一回、先ほどの渡辺委員の言っていることは確かで、今、全部マイナス 1点つけて平均を落とすというのも手なのかもしれないけれど、そうするとまたもう一 回全部見直さなくてはいけないので、来年度引き継ぎにしておいて、やる前に評価点の つけ方の基準という話を両方で共有しておく。機構もこちらもそうなのだけれど、どう しても普通がAになってしまうという傾向があるのはしょうがないなという気はするの です。確かに皆さん頑張っているのは十分わかっていますから、そういうふうになって しまう気持ちはよくわかるので、お互いに誤解のないようにやった方がいいと思います ので、ぜひよろしくお願いします。よろしいでしょうか、何かございますか。来年にな ったらまた忘れてしまうからね。突然、渡辺さんみたいな人がいて言ってくれるといい のだけど、最初は欠席だったのね。  では、そういうことで次の議題に移らせていただいてよろしいでしょうか。ありがと うございます。それでは、総合的評価(案)ということと財務諸表に関する意見につい て、起草委員の方、本当に開原先生始めありがとうございました。今はパソコンがあっ て、ペーストいろいろやるのに非常にいいことはいいのですが、先生方の意見をどうや ってまとめて文章にしていくかというのは相当な作業だったので、本当にありがたいと いうことですが、全般の評価ということですね。  まず、事務局から総合評価の(案)というのがありますが、これは資料1−1だと思 うのだけど、個別評価について概要の説明をまずしていただいて、皆さんに何が起こっ ているのかなということを、それから全般の評価の部分の代読ということで、起草委員 を代表して開原先生ということになりますが、まずコメントをいただいて、最後に皆さ んにまた審議いただくというプロセスでどうかと思いますが、よろしいですか。では、 よろしくお願いします。 ○事務局  お手元に、資料1−1.独立行政法人国立病院機構の平成17年度の業務実績の評価 結果(案)というものを配付してごさいます。こちらの1ページをごらんいただきたい と思います。  1として「平成17年度業務実績について」、(1)「評価の視点」。この視点については、 16年度と比べましても特段の大きな修正はございませんが、最後の2行に「なお」書き がございます。ここで「審議に先立って一部の病院の視察も行い、その結果も踏まえつ つ評価を行った」という記載となっております。  続いて2ページ、2「具体的な評価内容」でございます。こちらについて概要をご説 明いたします。  (1)診療事業  (1)患者の目線に立った医療の提供  ここでは、患者満足度調査、こちらではリハビリテーションの項目の追加、それから 満足度についても向上がみられる。各病院がみずから課題を認識し、サービスの改善に 向けた取り組みをつなげることが重要であり、今後とも積極的な取り組みを望みたい。  また、セカンドオピニオン制度については、窓口を開設している病院数が着実に増加 している。今後の利用実績にも注目したい。  一部病院の大型連休期間中の手術等、また土日外来の実施など、患者の利便性に配慮 した取り組みが評価できる。患者の目線に立った医療サービスの提供、さらなる努力を 期待したい、とございます。  (2)患者が安心できる提供の提供  医療の倫理の確立について、カルテ開示、相談室の設置などの整備が進んでいます。 医療安全対策については、新たに拡大医療安全委員会の開催、院内感染防止体制も強化 し、発生件数の減少もみられる。機構の役割に対する期待も大きく、医療安全対策のさ らなる充実と改善に取り組むとともに、我が国の医療安全対策へのさらなる貢献を望み たい。  救急患者受入れ数については、中期目標に掲げる目標値を達成した。また、新たに2 カ所の救命救急センターを設置するなどの地域医療のニーズに応じた努力は評価できる。 となっております。  (3)質の高い医療の提供  クリティカルパスの実施件数が中期目標に掲げる目標値を大幅に上回る実績をあげて いる。クリティカルパス普及のための研修会実施、地域連携クリティカルパスの取組も 評価できる。  臨床評価指標やEBMの推進に向けた取組について、研修会の実施、使用医薬品の標 準化の検討、新結核退院基準による適切な結核医療、多施設利用臨床研修など、各般に わたり努力をしていることが高く評価できる。  重度心身障害児(者)等を受け入れている病院について、患者家族のための宿泊施設 の設置は中期計画に掲げる目標値を大幅に上回っている。新たな療養介助職の配置・増 員にも実績をあげている。  高額医療機器の共同利用数は、中期目標に掲げる目標値を大幅に上回る。紹介率、逆 紹介率の向上についても目標値を達成しており、地域の連携がさらに進展している。  心神喪失者等、医療観察法に基づく指定入院医療機関について、17年度においては4 カ所の運営を開始し、18年4月には2カ所整備された。指定入院医療機関を担う病院機 構の割合の大きさからも、この分野で重要な政策的な役割を担っている、ということに なっております。  (2)臨床研究事業  こちらでは、EBMの推進のエビデンスづくりの推進について、17年度、新たに課題 を採択し積極的に推進している。また、ネットワークを活用した臨床研究の推進は高く 評価できる。  質の高い治験の推進を目指して、CRCの大幅な増員など、特段の努力を行い、中期 目標に掲げる治験実施症例数に係る目標値を大幅に上回る成果をあげている。また、受 託研究費も大きく増加している。  機構のネットワークを生かした臨床研究や治験の推進は、我が国の医療の向上のため に貢献が期待される分野であり、日常の診療業務を行いつつも臨床研究や治験に積極的 な取り組みが行われるべきであり、必要な人的、組織的体制の充実を図るなど、積極的 な取り組みを望みたい。  (3)教育研修事業  初期臨床研修医の受入れ数は目標値を大幅に上回ったが、レジデント受入れ数は必修 化の影響もあり、減少している。  初期臨床研修終了後の専門領域の研修制度として先進的に取り組んでおり、評価はで きるが、研修医などにどのように受けとめられているかなど把握しつつ、今後成果をあ げられることを期待したい。  次に5ページ、専門看護師、認定看護師を評価する手当の新設。新人看護師を対象と した研修ガイドラインの作成等、看護師のキャリアパス制度の構築に向けて着実な取り 組みを行っている。  (4)災害等における活動  これについては、国際緊急援助を含む災害援助、国際感染症対策への協力もしており、 今後ともこうした貢献を大いに期待したい。  (5)効率的な業務運営体制の確立  17年度において、業務の適正かつ能率的な実施と会計処理の適正を期することを目的 として、内部監査に精力的に取り組み始めたことは評価する。  また、臨床研究や治験の推進のため、本部における専門家の増強、治験推進室の拡充 など、支援体制の強化を図っており、機能・規模による運営方針に応じた複数院長制の 導入についても取り組まれており、今後とも効率性に留意しつつ、院内組織の弾力的構 築に取り組まれることを期待する。MSWの配置は国時代と比較して増員されており、 患者の支援の観点から取り組まれたい。  人事評価制度について、すべての管理職にも業績評価を実施し、また、院長に加え、 医長以上の医師にも年俸制を導入。国に先行して一般職員を含む全職員の人事評価制度 の導入に向けて取り組んでおり、評価できる、となっております。  (6)業務運営の見直しや効率化による収支改善  (1)業務運営コストの節減等  国立病院機構の契約に関して随意契約に関する問題が指摘され、見直しが行われてい る。医療事業の特性にも配慮して、安全性など質の確保に十分留意しつつ、独立行政法 人として透明性と競争性の高い契約とするべく、厳正かつ適切な取組を望むものである。  医薬品の共同入札の拡大が成果をあげていること、一部のブロックでは医療用消耗品 の共同購入にも取り組んできたこと、また、在庫の適正化に努めるなどにより、材料費 の抑制も着実に進めております。  昨年度より引き続き調整額の見直し、年度末の賞与など、給与制度の見直しや改革に 相当な努力が行われている。また、検査や給食業務のアウトソーシングを推進し、人件 費率等の抑制を図っている。必要な看護師等も配置しつつ、診療報酬上の上位基準の取 得を通じて収益を向上させている。これらが相まって大きな収支改善の成果を上げてい るものと評価する。  建築整備についてですが、予定価格の設定、落札後の交渉に工夫を加えるなどして努 力をしている。工事の質にも配慮しつつ、さらなる努力を期待したい。  一般管理費の節減については、既に中期目標を大きく上回る節減を達成している。今 後とも、例えば医療材料の効率的な調達、後発医薬品の採用の推進など、さらなる取組 を進められたい。  (2)医療資源の有効活用  高額医療機器の効率利用や共同利用について、中期計画の目標を大幅に上回っている。 地域連携による紹介率の増加、平均在院日数の短縮、結核患者の新退院基準の実施に伴 い、病床の効率化にも取り組んでいる。  医療機器整備については、重点的な整備を行い、また内部資金の活用などにより長期 借入金の抑制が図られ、大型医療機器の共同入札の実施、効率的な設備投資に成果をあ げていることも評価できる。  (3)診療事業以外の事業に係る費用の削減等  厚生労働科学研究費は減少しておりますが、競争的研究費全体は増加している。教育 研修事業については、中期目標に掲げる収支率の改善を上回っている。経営面とともに 今後の教育効果等も併せて配慮されたい。  (4)財務会計システムの導入とIT化の推進  会計処理の迅速化、精度の向上に取り組んできており、また、部門別決算等にも積極 的に取り組んでいることも評価できる。各病院においては、毎月、評価会を開催するな ど、月次決算等を活用してさまざまな成果につなげている。経営改善については、各病 院職員の経営参画意識の向上が重要であり、さらなる取り組みを期待したい。  (7)経営の改善  17年度の経常収支率が2期連続した黒字を達成し、17年度単年度の総収支でも純利 益をあげており、特段の実績と認められる。こうした著しい経営改善は、各病院長を始 め全職員が懸命な努力をされた結果であると高く評価する。  個別の病院の状況で、17年度においては16年度と比べて経常利益が赤字の病院の数 が減少。その赤字病院の経常損失総額も減少していることも、全体として経営改善につ ながっている。病院の収支は、診療報酬改定等種々の環境等にも左右されるものでもあ り、今後とも経営改善に取り組み、中期目標期間の全体において目標値を達成できるよ う努められたい。  (8)固定負債割合の改善  17年度においても、有利子固定負債を176億円減少させた。投資規模を増加させる 中で建築単価等の見直し、内部資金の活用等、固定負債割合を改善させている。財務状 況の改善に大きく寄与しており、評価できる。  (9)その他の業務運営等に関する事項  療養介助職の配置のほか、技能職の削減については計画を上回って進展している。総 人件費改革等、人件費の抑制と効率化の観点も重要であるが、患者から選ばれる安全で 質の高い医療サービスの提供と、我が国の医療政策への貢献という機構に課せられた任 務を遂行するためには、有能な医療人材の確保と育成は欠くことができないものであり、 人材の確保と効率化の両立を目指して総力をあげて取り組まれることを望むものである。  医師等の確保に課題を抱える病院について、17年度においてはブロック内の中核的な 病院から医師不足病院への医師派遣の支援、また、本部が中心となって医師確保に困難 をきたしている病院をブロックを超えて支援する。こうした取組はほかにも参考になる ものであり、評価するとともに、適切な運営に期待する。  看護師確保については、奨学金制度の創設、カリキュラム改定などに取り組んでおり、 継続的な努力を望みたい、となっております。  1ページにお戻りいただきまして、(2)の「平成17年度業務実績全般の評価」につ いて代読をいたします。  国立病院機構は、安全で質の高い医療を効率的に提供していくことが求められている。 具体的には、国の医療政策を踏まえつつ、患者の目線に立った適切な医療を提供する診 療事業、国立病院機構のネットワークを活用した臨床研究事業、質の高い医療従事者を 養成する教育研修事業等、安定的な経営基盤を確立しつつ、効率的、効果的に運営して いくことを目指している。  独立行政法人に移行後2年度目に当たる平成17年度においては、初年度から取り組 まれた病院長の裁量、権限の拡大等を通じた業務進行状況の迅速な把握と業務改善への 努力が全体として着実に実を結びつつあることがうかがえる実績となっている。特に積 極的な業務運営の効率化と収支改善に向けた取組は、初年度に引き続き2期連続して中 期目標に掲げる経常収支に係る目標を全体として達成したことに加え、2年目に純利益 (単年度)を計上するなど、特段の実績をあげている。こうした全体としての大きな成 果は、理事長のリーダーシップのもとに、各病院長を始め職員が懸命な経営努力をされ た結果であると高く評価する。なお、病院の収支は種々の環境等に左右されるが、今後 とも中期計画の期間全体において目標値を達成できるよう努められたい。  また、平成17年度においては、救急医療への取組や地域連携パスを含むクリティカ ルパス活用の進展など、質の高い医療の提供について着実に実績を上げている。  さらに、機構のネットワークを生かした臨床研究活動やEBMの推進に向けた取組が 順調に進歩しているほか、質の高い治験の推進に向けた取組も実績をあげている。  着実に経営が改善される中、今後とも患者の目線に立った良質な医療と健全な経営と のバランスが取れた一層の取組を期待したい。  なお、国立病院機構の契約に関して、医療事業として求められる安全性や質の確保に 十分留意しつつ、独立行政法人として、より透明性と競争性の高い契約とするべく、厳 正かつ適切な取組を望むものである。  これらを踏まえると、中期目標の2年度に当たる平成17年度の業務実績については、 全体としては国立病院機構の設立目的に沿って適切に業務を実施したと評価できるもの である。地域の医療機能の分化・連携等、我が国の医療提供体制のあり方が大きく変わ りつつある現在、全国に146病院のネットワークからなる国立病院機構が、我が国の医 療政策における役割等も踏まえ、今後ともそのネットワークを活用して積極的に国民医 療の向上に貢献していく姿勢を期待したい。  中期目標に沿った具体的な評価結果の概要については、2のとおりである。個別項目 に関する評価資料については、別紙として添付した。  以上でございます。 ○黒川部会長  ということですが、まず起草委員会の委員長をしていただきました開原先生から。 ○開原副部会長  今お聞きになったとおりでございますが、起草委員会として心がけたこととしては、 あくまでの各評価委員の方々が記された評点及びそのコメントをできる限り着実にその まま文章化するということであって、その中に起草委員会の個人的な見解などが入って はいけないと思いましたので、なるべくその評価委員の方々のコメントをうまくつない でこういう文章化するように考えたということであります。  しかしそうは言っても、平均点のところで表れているように、多少、各項目によって Aであったり、Aの中でも多少低い方のAであったり、Sであったりすることがありま すので、そういうニュアンスがそれぞれの項目の中で多少なりとも反映されるような文 章が入っているように心がけたということでございます。うまくそういうふうになって いるかどうかわかりませんけれども、そういう形でこれができあがったということをコ メントさせていただきたいということでございます。  以上でございます。 ○黒川部会長  というコメントですが、そのほかに起草委員の方、あるいは委員の方からいろいろな コメントがありましたら、どうぞいただきたいと思いますがよろしいでしょうか。 ○住田委員  疑問とかそういうものではないのですけども、むしろ要望に近いのですが、第1ペー ジを見ていただきますと、特に今、説明された中に「なお、本評価に当たっては本部か らの実績報告とヒアリング等の部会審議に先立って、一部の病院の視察を行い」と書い てあるのですが、これはペーパーでは、私どもは部会長や大道先生のような高名なドク ターではありませんから、わからないわけですね。紙だけで非常に上手に書いてあるの は。ですからぜひ視察をさせてくれということで、開原先生も御一緒だったと思ってい るのですが、たった1個行っただけですよね。ですから、この一部の視察であたかもす ごく現場を見てやったというようなニュアンスがここから出るのですが、これはこれと しておいて、本当に文章を見たら全くすばらしい文章で、とても頭のいい人の書いた文 章でびっくりするのですが、やはり現場を見ないと、私ども素人で行ってもわからない と思うのです。  ですから、ここに書かれたということは、これが重要だということで書かれたと思う ので、はっきり言ってこれは、うそではないけれども、1個見ただけで一部の病院を視 察したというのは、僕は個人的にはじくじたる思いがあるのです。今後はぜひ、そんな に予算を取るわけではありませんし大事なことですから、ここに書くぐらいだったら、 ちゃんと企画立案して次年度以降やっていただきたいというのを、意見というより、ま ずこれを言おう言おうと思っていたことなので、要望として先に申し上げさせていただ きたいと思います。 ○政策評価官  まさに今、住田委員からお話がございましたように、かつてもあったやに聞いており ますけれども、今回、私の記憶する限りにおいて、お忙しい委員の皆様方に、東西と分 かれた部分はございますけれども、お声をおかけしまして御視察いただく機会を何とか つくらせていただきました。まさに委員からお話がございましたように、事務局として 評価を担っております評価官室としても、先生方の御要望を踏まえ、また、既にご案内 のように国立病院機構の病院にはいろいろなバリエーションがございますので、また御 要望を伺いながら法人とも相談して、できる限り機会をいただけるように、お忙しい中 でございますので調整は必要だと思いますけれども、今後とも努力をさせていただきた いと思います。 ○黒川部会長  住田委員、それでいいですかね。何か優等生的な返事だけどね。 ○開原副部会長  はい。これは、一人一人の委員だとごく少数ですが、全体としてみると必ずしも1個 だけではなかったようには思っておりますので、全体の目としてみると複数の病院を見 たことにはなろうかとは思います。  それから、確かにこの文章を入れるか入れないかというのは、私もちょっと考えたの ですが、せっかく、ごく少数ではありましたけれども評価委員としても、ただ会議だけ で評価しているのではないとうことは、我々の立場としても主張しておきたいという気 持ちもありましてこういう文章が入っているわけでありますが、もちろん十分でないと いうことは住田委員の言われるとおりだと思います。 ○黒川部会長  この中に、確かに前の療養所とか、いろいろな目標が違っているのが一くくりで病院 と書いてあるところもあるので、そしてこれはパッと見ると住田委員のおっしゃること は無理もないので、全部で146施設あるなどとだれも思わないから、一部というとせめ て1割ぐらいは行っているのかななどと思ってしまうかもしれないので、具体的な数を どこかに書いておいた方がいいのかもしれないね。どこに書くかという書き方だと思う ので、委員会の報告書ですから、委員の方々がそれぞれのエクスパティーズの背景は別 としても、やはり現場感覚を見てみたいということと、去年はヒアリングもしていまし たが、ただ二つだけどね、だけどそういう話は委員会の方向としてはそれだけこちらが コミットしているという話を言うのにはすごくいいと思うのだけど、大げさにではない けど、やっていることを評価してもらいたいわけなので、その辺の書きぶりはちょっと 考えた方がいいね。 ○政策評価官  今、部会長のおまとめのように、少し加筆をする形で、要するに意のあるところと正 確さと両方対処させていただきたいと思います。 ○黒川部会長  よろしいでしょうか。そのほかに。 ○辻本委員  2点について申し上げます。  2ページの具体的な評価内容の(1)診療事業、(1)ですが、患者の目線に立った医療 の提供ということの中に、一つはチーム医療ということと、もう一つは患者の権利を守 ったりインフォームドコンセントを努力するという、今は手あかがつきそうなぐらいあ たりまえとされていることなのですが、やはり書いておくべきではないのかなというこ とを思います。  私の案という意味で、例えば(1)の4行目のところ、「サービスの改善に向けた取り組み につなげていくことが重要であり」、例えば「各職種の能力を生かしたチーム医療のさら なる構築を積極的に」というような形とか、3ページの上から2行目の「さらなる努力」 の前に、患者の目線に立った医療サービスと言われても私たちは何のことなのか本当に わからないので、例えば「患者の権利とか患者の個別性の尊重や安心、納得につながる インフォームド・コンセントなど、さらなる努力を」と、ここを少し具体的にお示しい ただければと思います。 ○開原副部会長  これは、起草委員の方で答えるべきことなのか、おっしゃることは了解をいたしまし たので、多少文章に工夫をさせていただきたいと思います。 ○黒川部会長  そのほかに。確かに別添のたくさんのコメントを整理されていますけど、全体のコン テクストから委員の方もなぐり書き、走り書き、汚いところもあって、その思いが文章 になっていないのが結構ありますよね、パラグラフみたいになっていますので、大変苦 労されたと思うのですが、そのほかにどうぞ。 ○渡辺委員  これは極めて細かい、やや重箱の隅的な話なのですが、私は読んでいて仕事柄の発想 なのだけど、「取り組み」という言葉がめちゃくちゃ多いのですね。そこまではまだ許せ るのだけど、これは気になり出したら随分気になってしまったのだけども、例えば2ペ ージの上から3行目「取り組み」となって「り」と「み」が送られていますね。その下 も「取り組み」が四つ五つあるのだけれど、一番下の行の「取組」は「り」と「み」が 入っていないとか、さらに言うならば、3ページにもあるのだけど、4ページの真ん中 の下、(2)の臨床研修事業の3番目のパラグラフの3行目、「積極的な取組み」と今度 は「み」だけが入っているとか、我々の新聞社的発想で、こういう文章を書いていると 品が悪いと言うと言い過ぎかもしれませんが非常に気になるし、「取り組み」という言葉 はこういうときに使いやすいのだけれども、私はこの間読みながら大ざっぱに数えてみ たら、この8ページの中に40カ所ぐらいあるのですね。1ページ5カ所ぐらい。これ は事務局の方なものだから開原先生には言いませんけども、もうちょっとこの辺を整合 性とともに工夫していただきたいと思いました。 ○開原副部会長  わかりました。多少私もそこのところが起草委員でありながら気になっているところ があります。  もう一つ、自分が言うのも変な話ですが、敬語の使い方で「られる」というので気に なっているところがあります。病院長とか職員とかそういう方々に対して敬語を使うの はいいのですね。そういうところはあるのですが、理事長のリーダーシップとか病院長 が取り組まれたという。ところが、全体としては組織の問題を扱っている場合に、「取り 組まれる」という言い方が自然体の「られる」なのか敬語の「られる」なのかがよくわ からないところがあって、そこをもうちょっと文章を練らなければいけないかなと自分 で思っていたのです。  例えば8ページの(9)のその他の最初のパラグラフで、「総力をあげて取り組まれる ことを望むものである」、この場合の「られる」が何なのか。これは「総力をあげて取り 組むものである」とするか「取り組まれたい」とするか、そのどちらかの方がいいかな とか、多少文章的には練れていないところもあるのでございますけれども、今の御指摘 は大変ありがとうございました。 ○辻本委員  5ページの(5)の三つ目のパラグラフの2行目に「取り組まれているが、構築に」、 その下にも「取り組まれることを期待する」、ここが二重です。  もう一つ、7ページの上から6行目、「配慮されたい」と書いてあるのですが、評価委 員の報告書ということで、「配慮されたい」というのはもうちょっと積極的に書いていい のではないかなという気がいたしました。 ○開原副部会長  ここもそうなのですね。最後が「努められたい」「配慮されたい」「期待する」、いろい ろなニュアンスがあるのですね。それをニュアンスというふうに解釈するかどうなのか という問題もあると思いますが、「配慮されたい」というのは少し無責任かもしれません ね。それも工夫の余地があろうかと思いますので。 ○渡辺委員  ここのところは、素直に「教育効果等にも配慮すべきである」、そんなものでいいと思 いますね。 ○黒川部会長  文章は委員会の品格をあらわすので、そういうことでやりましょう。これは公開され るドキュメントね。 ○政策評価官  はい。 ○黒川部会長  そして大臣に渡すわけだよね。 ○政策評価官  これは直接的には法人に対してお示しする評価結果ではありますが、公表もいたしま すし、政独委をはじめとする関係者、世の中に、こういう評価を出したということを明 らかにいたします。 ○黒川部会長  やはり法人とこちらの話だと、どうしても役所用語になってしまっているところが多 いから、その辺を出たときにどういうふうに、そうだなということは少し意識した方が いいのかもしれないね。そうすると、パブリックドメインのいろいろな本などに書くと きに、ゲラあたりで猛烈に気になり始めるじゃない。ワープロで出したときはかなりエ リートして出すのだけど、ゲラになった途端にものすごく直すことがふえてくることが ありますよね。だから、それで見ないといけないのかもしれないね。 ○渡辺委員  もう1点、また言葉の問題で、8ページの(9)の上から5行目、「我が国の医療政策 への貢献という機構に課せられた任務」とありますが、これは「医療政策」でいいのか なという気もするのですが、逆に「政策医療」なのかなという気もするのですが、この 場合は……。「安全で質の高い医療サービスの提供」が一つ任務としてある。もう一つ「医 療政策への貢献」になってしまうと、これは何を意味するのかなと。医療政策というと もっと広くなるわけで。 ○開原副部会長  「政策医療」とすると非常に明確にはなるけれども、何となく狭くなる感じはします が、国立病院の役割というのがもう少し広く、新しい政策をみずから先頭に立ってやっ ていくのだという立場もあってもいいのかもしれないという。 ○渡辺委員  医療計画なども含むという意味ですよね。 ○開原副部会長  ええ。昔は国立病院というのは絶対そういうことをやらなかったのですが、最近は非 常にそこは積極的な新しい医療政策を、むしろ先鞭を切ってやっていこうとなさってお られるのは大変すばらしいことだなと思っておりますので、そういう意味では「医療政 策」でもいいのではないかなと私は思っているのですけどね。ある意味ではエール送っ ているようなところもあるので。 ○黒川部会長  これは、政策の実現というか立案的な資料になるのをつくるという話は、例えば臨床 試験とかそういう話は確かにそういうところがあるし、結核の人の入退院の何とかとい う話も、そういうガイドライン的なものが、大きな病院が140幾つありますから、かな り普遍性の高いものが出てくるというのが医療政策に反映されているのだけれど、一方 で、今度の医療計画などを見ていると、国の医療政策を実践していくアームとしての社 会的責任という話と両方あるわけで、これだとそこが明確でないから、そうしないと官 業が民業を圧迫するなどという話になっても困るわけで、それは今の独法としては与え られた中期目標を粛々とやっている、その目標ですごく合っているわけだから、この評 価委員としてはそこはいいのだけど、全体としてそのあとで今度の医療法の改正とかい ろいろな話が出てくると、政府としての方策にどういうふうにこれが実現していくアー ムとしてというのは、中期目標を変えるという話がだんだん出てくるのだと思うのだけ ど、その辺のインプリケーションはわかるように書いておいた方がいいのではないかな という気はしますね。どうですかね。 ○開原副部会長  今いただいたコメントは大変よく理解はできますので、そこはまた文章的に。 ○黒川部会長  評価委員会としては、中期目標に沿ってどれだけやっているかというだけを評価して いるわけではなくて、このユニークな巨大戦艦をどういうふうにマネージしてほしいか という要望があるわけだからね。 ○開原副部会長  はい。 ○黒川部会長  そのほかに。山田先生、何か一言ないですか、いいですか。井伊委員は、大道先生… …、よろしいですか。  もしそれであれば、この評価点の話の変更もあるのかもしれないし、ちょっと仕切り 直ししたわけではないのだけど、そのほかにコメントを足したりして今のコメントのほ かに書き込んだものについては全体をもうちょっと調整しなくてはいけないので、それ についてはもう一回これをエディットしますし、それから文章として美しくするという のが委員会の品格をあらわすので、これはやろうというのと、誤字脱字その他あると思 いますので、その辺のことをやった上で、メジャーな変化があるかどうかはわかりませ んが、私の方でそれを見せていただいて、一任させていただければと思いますが、よろ しいですか。そのあとで公表、理事長に渡すという話だと思います。  メジャーにかなり違うインプリケーションがあるとか問題があれば、皆さんにファク スなりメールなりして、こういうふうにしたいのだけどよろしいか、という話を伺いた いと思いますが、それでなければ一任という判断でよろしいかなと思いますが、よろし いでしょうか。 ○開原副部会長  はい、結構です。 ○黒川部会長  それでは、開原先生ほか起草委員の方々、本当にありがとうございました。そういう わけで、17年度の評価の大枠が一応できましたので、このように執行させていただけれ ばと思います。ありがとうございます。  それでは、財務諸表ということですね。財務諸表は、先ほどの住田委員もそうですが、 私どもにはわからないことがたくさんあるので、そちらからいろいろと教えていただき たいと思いますので、これについて、まず住田委員からよろしくお願いします。 ○住田委員  部会長にわかっていただくように、ゆっくり読みます。  財務諸表の適正性等についての検討をした結果を、申し述べさせていただきたいと思 います。  提供されました財務諸表等の資料につきまして、去る7月18日に国立病院機構にお じゃまいたし、また、独立行政法人通則法第39条に基づき選任されております会計監 査人であります新日本監査法人から説明を受けまして、ヒアリング、質問等をさせてい ただきました。  国立病院機構からは、財務諸表全般につきまして、特に私が必要と考えました個別の 会計処理について質疑を行い、その妥当性を確認させていただきました。  また、平成16年度、昨年度に私が指摘をさせていただきました貸借対照表の退職給 付金に関する注記についての是正もなされていることを確認いたしました。  次に、日本におけるリーディング監査法人であります新日本監査法人の3人の方にお 目にかかりまして、同監査法人が実施しました監査の方法及び概要に関し監査実施報告 書を提出していただきまして、検討をさせていただきました。  その結果、同監査法人、新日本監査法人では、公認会計士、会計士補を合計77名、 延べ1800日、時間数にして1万3178時間の執務時間をもちまして本事業年度の監査を 十分に実施していることを確認させていただきました。同監査法人の監査の結果は、財 務諸表等、29ページに掲載しておりまして、独立行政法人の監査報告書として適正意見 を表明されていらっしゃいます。  私は、これらのことから判断させていただきまして、国立病院機構の当事業年度の財 務諸表、平成17年度の財務諸表は適正にされており、申請どおり承認することが適当 であると考える次第であります。  また同監査法人からは、平成17年度以降に監査を通じて経営に資する助言・勧告等、 指摘事項があれば、理事長あてに書簡、これは私どもの専門用語でマネジメントレター といいますけど、提出してほしいという要請を昨年いたしまして、項目だけ申し上げま すと、次のような事項につきまして現状の問題点及び改善策が問題提起されておりまし た。  (1)医事に関する会計処理、(2)SPD業者による在庫発注等導入による牽制機能、 (3)契約方法のルール化、(4)補助金の報告体制の整備、(5)職員の定数配置の作成 等、いずれも有益なる指導・勧告等と考えられることから、今後十分にこれらも参考に して検討されることが望ましいと考えます。  次に、平成17年度の財務状況につきましては、平成16年度と比較した場合、経常利 益は平成16年度2億に対し本年度は36億円と大幅に増加しております。また、平成 16年度の当期純利益はマイナスの16億円でありましたが、平成17年度は2年目にし て3億円の黒字を計上することができました。国立病院機構は、平成17年度において 初めて30億円の国立病院機構債を発行いたしましたが、財政融資資金借入金の期末残 高におきましては、平成17年度は平成16年度より206億円減少しております。  以上、平成17年度におきましては、重ねての話になりますけども、平成16年度に引 き続きまして著しい経営改善がなされたものと判断をさせていただきたいと思います。  このような次第で財務諸表を確認させていただきました私といたしましては、財務の 健全性及び改善に関する意見として、以上から判断し、平成17年度における国立病院 機構の収支改善の実績は極めて著しいものがあり、このことは全職員が一丸となって懸 命なる経営努力をされた結果であるものと、高く評価をさせていただきたいと思います。 今後とも国立病院機構においては、費用の節減、医師等の人材確保に努め、引き続きさ らなる経営改善に取り組まれる……、最後「取り組み」になりましたけど、取り組まれ ることを期待申し上げたいと思います。  以上です。 ○黒川部会長  ありがとうございます。相当な時間と、これだけ巨大な組織だと確かにそうなのだろ うと思いますし、それについて何かコメントは……。よろしいでしょうか。確かにこれ だけの大きな時間と監査法人のいろいろな仕事があるわけで、それを見るだけでも大変 だけど、最近は大手の監査法人も結構変なことをしているところがあるから、それもチ ェックした上での報告書ということで、本当に住田委員、ありがとうございます。その ほかに何か、よろしいですかね。一応それは言っておかないとね。そういうことも言わ ないでただ追認しているわけではないのだよ、という話だろうと思いますが。よろしい でしょうか。よろしければ御承認いただいたということで、財務諸表に関する意見書と いうことでありがとうございます。  これについては、理事長以下、いろいろ頑張っていただいて、本当の現場の悩みはす ごく大きいと思うのです。医療みたいな政策の一環を担っているわけですので御苦労も 多いと思いますけれども、そのような評価委員会としての財務諸表についての評価とい うことで提出させていただければと思います。  字句については一部直すところがありますが、それについても私の方で伺うなりして、 字句の整合性を確認していただきたいと思っておりますので、よろしいでしょうか。で はそれについても御一任いただければ、何かメジャーなことはないと思いますけれども、 報告させていただいたうえで一任させていただいて出したいと思います。よろしいでし ょうか。  ではその次に、最後に重要な財産の譲渡ということがありますので、これの審議をさ せていただきます。これについては、まず事務局に説明をしていただきまして、その上 で委員の皆様の御意見ということでありますので、まず事務局から説明させます。よろ しく。 ○政策評価官  資料は2種類で、資料.国立病院機構矢崎理事長から川崎大臣にあてた書類と、参考 資料2.重要財産譲渡関係条文、というものを御確認いただければと思います。  資料2について。今回お諮りをいたします重要財産の譲渡内容でございますが、これ は後ほど法人から説明させていただくといたします。このフレームとしては、参考資料 2にございますように、いわゆる重要財産といわれるものについては処分に当たりまし て主務大臣が認可をすることとなっておりまして、その場合にあらかじめ本評価委員会 の御意見を伺う。具体的には、独立行政法人国立病院機構の業務運営並びに財務及び会 計に関する省令というところで、取得価格が3億円以上の範囲についてお諮りをすると いうルールになっております。  これは私ども事務局からの提案でございますが、このような重要財産の譲渡に関して 何回かこの場でも既に御審議をいただいておりますが、その扱いでございます。後ほど 資料2について本日のお諮りする案件について御説明をする際に確認いただければと思 いますが、財産処分の評価額、いわば売却予定価格というものをこの部会で御審議いた だく際の情報として資料に盛り込ませていただいております。  本部会については、会議終了後に資料については公開でございますし、議事録につい てはすべて明らかにすることになっておりますが、この財産処分の価格の部分について は、全体に公正な売却といいましょうか、適切な手続ということを考えました場合に、 若干差しさわるおそれもあると考えております。本日の会議資料、あるいはここの部分 の議事内容についても、契約成立後には資料あるいは議事録として公表させていただき ますけど、それまでの間はこの場限りという扱いでお許しいただきたいと思います。 ○黒川部会長  そういうことでよろしいですか。資料2にあるのですが、何か御質問があればと思い ますが、ここのバリューの評価額とかいろいろな話は、これはまだ売れている物件では ないので、その辺については資料は出すけれども公開しないということで、これはその あと、回収しますか。 ○政策評価官  いえ、そこまではございませんし、契約が結ばれた際にすべて公開させていただきま す。 ○黒川部会長  いつごろ結ばれると思いますか。 ○政策評価官  それについては、きょう御承認いただいてから所与の手続がございます。もちろんで きるだけ早くに契約が結ばれた際にはホームページともども公表させていただこうと思 っております。 ○国立病院機構財務部長  契約自体が9月ぐらいです。 ○黒川部会長  今、進んでいるわけ。複数のビッダーがいるのですか。 ○国立病院機構財務部長  後ほど御説明いたしますが、豊橋市との契約が成立するまではそういう状況になりま すので、そこは議会との関係がございますので、その関係が終了すれば終わると思いま す。 ○黒川部会長  豊橋市とやるわけだからいいのかな。だけど、豊橋市からいろいろな人が聞きに来る などということはないですか、評価委員に。 ○国立病院機構財務部長  出たら、あるかもしれません。 ○黒川部会長  それはやはり回収した方がいいかな。どうですか。  (「了解」の声あり)  そうですか。では、取扱注意ということでお願いしますということですね。そのほか に……。  そうすると、これからは何も説明はなくていいの。 ○政策評価官  今から内容について御説明します。 ○黒川部会長  どうぞお願いします。 ○国立病院機構財務部長  それでは、中身の説明をさせていただきたいと思います。資料2と、「豊橋医療センタ ー統合に係るこれまでの経緯」と二つ資料があると思いますが、それぞれについてごく 簡単に説明をさせていただきます。  今回、厚生労働大臣に土地の処分ということでお諮りしている案件については、豊橋 医療センターというのが昨年の3月から開設しておりますが、これ自体は旧国立豊橋病 院と旧国立療養所豊橋東病院の統合の結果できた病院でございます。それの関係で、豊 橋市と土地の交換を行うという案件のものでございます。国時代の統合の関係を機構と して最終処理をする、こういう内容のものだとご理解をいただければよろしいかと思い ます。  「豊橋医療センターの統合に係るこれまでの経緯」という資料で経緯を御説明したい と思います。昭和61年に再編計画で2病院の統合が決定いたしまして、その後、平成 6年の4月に地元自治体の豊橋市と合意を得たというのが基本的な始まりでございます。  統合は第3地点で行う。跡地については豊橋市で利用する。統合地については豊橋市 より斡旋を受け、国立病院跡地と等価交換を行う。こういう協定に基づきまして、以降 の土地の交換を前提とした整備が始まったということでございます。  平成11年の8月には、第3地点というのがなかなか豊橋市として見つけられなかっ たということで、豊橋東病院の隣の土地を豊橋市が取得して国と交換をする、こういう 方針が最終的に決まりまして、これを前提に、平成14年の10月に豊橋市が国に無償で 貸し付けを行った上で豊橋医療センターの工事か始まったということでございます。  17年3月に豊橋医療センターの工事が完成いたしまして、豊橋病院、豊橋東病院は閉 院をした。以降1年間、病院としては無償で土地を借りた状態で今、運営がされている という状況になっているわけでございます。  その1年間、何をしていたかということでございますが、旧豊橋病院の跡地を豊橋市 に売却するに当たりまして、既存の建物の解体撤去を行っていたということでございま す。1年かけて撤去を終了いたしましたので、豊橋医療センターの敷地と旧豊橋病院の 敷地を更地の状態で等価交換を行うということで、豊橋市と最終的な手続を行おうとい うのが一連の流れでございます。  資料2を1枚めくっていただきまして、その大体の条件がまとめてございます。処分 の条件ということで、当方が今、旧豊橋病院の敷地として持っている土地については、 2に書いてありますように、豊橋市として取得したあと、福祉と救急医療の拠点エリア ということで、保健所・総合保健福祉センター等として利用するということで、豊橋市 として公的な部門として使っていく、こういう考え方でございます。  一方、当然我々としては、取得する方の土地は豊橋医療センターとして現に利用して いる土地でございますからそのまま利用していく、こういう内容になっております。  処分の方法でございますが、それぞれの土地を交換をするということで、3にござい ますように我が方からみれば受ける財産ということで、購入予定価格は21億4100万円 ということで、これは後ろについております二つの不動産鑑定書の中間的な値を取って 決めております。当方から向こうに売却する土地については25億4200万ということで、 これも二つの鑑定書の中間の値を取ったということで、そこで4億100万円という差額 が出ますので、それを豊橋市から機構に支払っていただくという手続を取ろうというこ とでございます。  これが全体の概要でございまして、結果としてどうなるかということでございますが、 先ほど御説明いたしました資料の豊橋医療センターの経緯の2枚目をごらんいただけれ ばよろしいかと思います。見かけ上は4億100万円の収入が国立病院機構に入るわけで ございますが、ただ、実際は旧豊橋病院の解体撤去等を行っておりますので、それで5 億7200万円の費用が立っております。これは既に支払った状態になっておりますので、 その分、収支は1億7100万円ぐらいの赤字となるというのが今回の結果でございます。  さらに、18年度の決算上の貸借対照表上の評価として、2にございますように、実際 は資産としては減少しているということが起きます。現在持っている土地は、国から承 継した時点での評価額は25億5800万でございますが、今回、実際には25億4200万 で売却することになりますので、資産としては1600万ぐらい評価損が起きる。これは 18年度決算上、資産が減少したという形で計上させていただくという取り扱いになる予 定でございます。  これは、承継地と実際の今回の売却時に地価が下がっていることを反映した結果、資 産が下がったと考えているところでございます。  以上でございます。 ○黒川部会長  御苦労様ですが、いかがでしょうか。豊橋市との交換だね。解体撤去して更地にして 交換する。資料を見て、こういう話は適正にいろいろな評価をされてその中間で売ると いう話がされていますので、問題はないのではないかと思いますが、その後の計画も、 こちら側の計画はできているわけなのでいいかなと思うのですが、よろしいでしょうか。 ○渡辺委員  今の説明でちょっとわからないのは、25億5800万云々というのは、これは平成16 年4月時点の鑑定評価でしょう。 ○国立病院機構財務部長  はい。 ○渡辺委員  それで実際のあれとして25億4200万というのは今だけれども、これは二つの鑑定の 中間を取ったとおっしゃった。そうすると、2年前の16年4月1日で25億5800万円 というのも、どこか二つの間を取った、そういう評価なのですか。 ○国立病院機構財務部長  これは資料2の8ページ、別紙5でございますが、承継時点での資産の評価について は、ここにございます鑑定評価書ということで、森井総合鑑定株式会社名古屋営業所と いうところが鑑定したものがあると思いますが、この鑑定書をもって国から資産として 承継を受けたということでございます。 ○渡辺委員  今回の豊橋市に売却した25億4200万の鑑定の数字はどこにあるのですか。 ○国立病院機構財務部長  資料の19ページ、参考1というのがまず一つ目の鑑定書でございまして25億3300 万円ということです。それから、23ページに同じ物件について鑑定を受けておりまして、 これの金額が25億5100万円。これを足して2で割ると25億4200万、こういうこと でございます。 ○渡辺委員  足して2で割るというのがよくわからないのですが。高い方で採用すれば得ではない の。 ○国立病院機構財務部長  それはそうなのですが、自治体との関係で、自治体側の土地の評価をどうするか、我々 の土地をどう評価するかということで、実際はどの数値を使うかというのは鑑定で一律 に決まるわけではございません。協議をした結果、我々は高く売りたいし、向こうの土 地は安く買いたいわけですけども、それはお互いの条件で合意した形でどの価格で買う かというのを決めなければいけないということで、やり方として複数の鑑定書をとって、 それの中間値でお互いに額を確定しましょう、ということに交渉結果としてなったとい うことです。 ○渡辺委員  安く出ている方は豊橋市側の鑑定みたいな形で ○国立病院機構財務部長  そう思っていただければ結構でございます。 ○渡辺委員  高い方はこちら側の。 ○国立病院機構財務部長  そうです。 ○渡辺委員  なるほど、わかりました。 ○夏目委員  最初の承継時評価は平成16年4月ですよね。今回は18年の7月の評価ですね。2年 たっているにもかかわらず、減額率が0.64ということになっていて、一般的に言うと豊 橋市も地方だと思うのですが、地方の土地はまだ公示地価、あるいは路線価も下落して いるのではないかと思うのですが、これは鑑定評価を受けているので何ら問題はないの ですが、この程度の減額というぐらいで、豊橋市というのは余り地下が下がっていない ところなのですかね。 ○国立病院機構財務部長  低い鑑定書を見ていただければもう少し下がっておりますので、あとは近隣の土地の 売却がどれほど動いているかで基準となる地価が決まってきますので、それの数字をど のように取ったかという。全体としては下がっていると思いますが、その近隣ではある 程度土地の取引が動いている地域であるということだと理解をしております。 ○夏目委員  0.64だからほとんど微々たるものだから、余り問題ないと思うのですけど、これが相 当前に豊橋市と交換でやるということを決めていますよね。 ○国立病院機構財務部長  はい。 ○夏目委員  だから、例えば16年4月に承継したらただちに交換とか、交換時点が早ければ早い ほど減額が少なくて済んだのではないのですか。 ○国立病院機構財務部長  そこは取得価格も上がっておりますので、向こうの土地を無償で借り受けて、買うこ とになりますので、そこは結果的には同じだと思います。 ○夏目委員  はい。 ○山田委員  直接この交換とは関係がないのですが、3ページで、豊橋医療センターは旧豊橋東病 院の地で新病院として開院するのだけれども、豊橋東病院の敷地だけでは狭隘でその前 の部分を獲得したと書いてありますが、7ページの図を拝見しますと、豊橋東病院と新 しく獲得した土地と両方図面が入っているのですが、古い方は建物はどういう形で使わ れているのですか。 ○国立病院機構財務部長  今現状は、3分の1ぐらいは職員宿舎、残りは看護学校と職員用の保育所ということ で、敷地としては全体的に使っています。 ○山田委員  そうすると、病院としての機能はこの新しいところに集約をしたという形になってい るわけですか。 ○国立病院機構財務部長  こちら側にすべて集約されていることになります。 ○山田委員  ありがとうございました。 ○黒川部会長  そのほかによろしいですか。夏目委員のように路線価がぐっと下がったりなんかして いると、どちらがいいのかな。国がいじめるのか地方がいじめられるのか、どちらがい いかという話なのだけど、ここの委員会としてはどちらを評価した方がいいのか。 ○国立病院機構財務部長  最初の協定を結んだ段階で、交換する時点の実際の価格でやろうということがもとも との合意事項になっておりますので、それをそのとおり実行しているという点もござい ます。 ○黒川部会長  交渉の時間もかかることですしね。 ○夏目委員  しかし、壊すだけで5億7000万もかかるものですか。 ○国立病院機構財務部長  壊すのと、一部、国時代の医療廃棄物が土地から出てまいりましたので、それの処分 と合わせてて5億プラスアルファぐらいの金額がかかったということでございます。 ○黒川部会長  廃棄物の処分は高いですね。どのぐらいの割合で、壊すだけだとどのぐらいで、廃棄 物がどのぐらい。病院とかそういうのでなければどのぐらいであがったものなのかなと 思って。 ○国立病院機構財務部長  5億7000万のうち4億6000万ぐらいは取り壊しの費用でございます。残りの1億弱 ぐらいが廃棄物の処理費用というのが大体の内訳でございます。 ○夏目委員  当然、取り壊しは入札か何かで取壊し業者を決めたと。 ○国立病院機構財務部長  もちろんそうでございます。 ○夏目委員  取り壊しというのはいろいろな人がやっている事業ですからね。 ○黒川部会長  ゼネコンの下請け的なのとかたくさんあるから、大変ですよね。よろしいでしょうか、 それでは、これを御承認していただいたということでよろしいですね。ありがとうござ います。 ○政策評価官  御承認いただくということで、これは大臣が承認するに当たって評価委員会から御意 見をいただくという形でございますので、御承認いただいたことで、今配付いたしてお ります文書をもって次の手続に進めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願 い申し上げます。 ○黒川部会長  これが、理事長から大臣にいっているものをさらにエンドースしているという格好な のですかね。 ○政策評価官  はい。 ○黒川部会長  よろしいですか。これは役所の文書だからいいのかな、どちらかといえば。ありがと うございます。  それでは、これから何か言うという話はあるのだけれど、この評価委員会としては何 をするかという話と、これは毎回、今年になって特にそうなのですが、医療法の改正と かいろいろな話が出てきて、都道府県の医療計画とかいう話と、それは何回も議論が出 ていますから、それは機構としては理事長以下、中期目標に従ってやるという話は当然 ですが、政府としてはこれをどういうふうに役立ってほしいかという話の、また中期計 画という話が出てくるのかもしれないけれど、委員から何か一言ずつありましたら、ぜ ひ言っていただければと思います。 ○夏目委員  それでは、これからの運営についての私の要望意見なのですが、やはり組織というの は目標が大事で、と同時に、目標を達成したら達成したことに伴う成果を関係者に還元 するといったインセンティブルールがきちんと働くことが、努力が報われる、頑張れば 頑張ったことが自分たちにリターンとしてくるということが極めて大事で、それがまた 次の活性化、活力の付与に結びついて、いい循環、良循環をしていくことになるのだろ うと思うのです。  そういう意味で、今回2年目の実績評価、私は非常にいい評価というか、中期目標を 到達していますし、これから医療を取り巻く環境は厳しいですから、必ずしもこのまま 順調に進むかどうかわりませんが、目標を到達しているところにきているわけですから、 少し組織全体に還元する、関係者にどういう形で報いていくか、それは単なる待遇とい うことではなくて、職場環境の問題だとかそういう広い意味も込めて、成果をみんなで 還元し合って、さらにその次のステップ、次の努力にみんなが集中していく、そういう 方向にぜひお願いしたいと思います。  そういう意味での運営の自由というか、経営というまでではない、運営の自由を独法 制度は与えたはずだろうと思うので、独立行政法人制度のある面での運営の自由をぜひ 機構として生かしていただいて、成果がみんなが喜び合えるそういう状況をつくってい ただければと、要望ですが、来年度以降、ぜひまたそういう計画というかそういう内容 をつくっていただければ、さらによりよい機構になっていくのではないかと思います。  以上です。 ○黒川部会長  ありがとうございます。そのほかに。 ○渡辺委員  これまで2年度の評価を私もやってきて、こんなにやっていいのかなというぐらいス ピードアップしているような努力はなさっているのですが、今度の中期目標は平成20 年度までですよね。そうすると、20年4月から、いうまでもなくさきの法律改正によっ て高齢者医療も発足するし、20年4月には2年に一遍の診療報酬改定で、予断はあれで すが恐らく厳しいものになることが予想される中で、そうなりますとかなり環境は変わ ってきて、この評価書にも書いてありますが、来年度19年度、この18年度もそうです が、20年度は相当環境が変わるのではないかと私は考えています。  そういった中で中期目標は書かれてしまっているわけで、それをどうするかというの は、私ひとりがとやかく言う話ではないかもしれませんが、相当厳しい状況になって、 そこは当然織り込みでお考えかもしれませんが、そういった中でさらに経営を健全化し ていくことは、極めて厳しいのかなという気もいたしておりますので、その辺を、これ は機構側の努力という云々で、そこを配慮する必要があるのかなと私は考えております。 ○黒川部会長  そのほかに。 ○大道委員  今の渡辺委員と共通するところがあるのですが、2点、お話しをさせていただきたい と思います。  一つは、確かに20年度からの問題もあるのですが、今期診療報酬の改定の18年度、 19年度、この2年やっていかなくてはならないわけですけれど、20年の区切り目の向 こう側の高齢者医療制度云々もさることながら、恐らく機構の本部では痛いほとお感じ になっていらっしゃるはずですが、18年、19年のこの2年間の状況は、当初の2年 とはよほど違うという基本的な認識がもう既におありになるとは思いますが、我々評価 委員の立場からみると、これまで2カ年の流れが確かに実績があがって成果が高かった だけに、ここのところをどういう形で評価をさせていただくかというあたりは、一つこ れは事務局というべきか、今後の流れをどういうふうにしていったらいいのかは、大変 ある意味で懸念もいたしますし、我が国の医療経営の総体が困難に直面していますから、 そういう中で、例えば国立病院機構だけがある意味でしっかりと経営基盤を確立して、 さらによりいい成果をあげるということは、他の部分を排除するみたいな側面が出てき て、そういうことには多分ならないとは思いますけども、総じて困難な中でどうみるか というのは結構難しいと私は思います。国の医療全般が経営的にもいろいろな意味合い で難しいところに直面している中で、国立病院機構の病院群をどう評価をするかという のは、必ずしも容易ではないなという予感をしておりますので、このあたりは考えなけ ればいけないなということが一つです。  とりわけ中身は、既に何回か発言をさせていただいておりますが、医師確保並びに看 護師の確保ですね、ここのところは、繰り返しませんけれど、18年度、19年度の問 題は医師、看護師の確保に依存する形でさまざまな状況が展開することが見込まれてお りますので、既に医師の他病院への派遣等についての報道なども、つい数日前に改めて 見させていただいているところでありますが、ここらあたりを本当にどうするのか。  看護師についても、一応状況は承りましたけれども、新標記で10対1ぎりきり、あ るいはそれを下回るところも少なくない中で、急性期、それから急性期・回復期以下云々 という医療計画的な流れの中で、国立病院機構の病院群がどういう具合に機能を病院群 の中で位置づけていくかということも結構やっかいな問題で、既にDPCの準備病院が 370を超えているということがあって、既存の360を超えて700病院近く、もしかした らDPCの流れに乗る、こういう流れの中で、急性期はDPCだみたいな流れがはっき りしてきている中で、この評価委員会が、さあどう考えていったらいいかなどなど、18 年度、19年度の中でも問われることが少なくないなという印象を持ちます。  渡辺委員が指摘された20年度以降の話は、ちょうど一部手がかかったようなところ で区切り目がなかなか微妙な時期ですが、その次の問題もよりはっきりとした流れが出 てくる中でどうしたらいいのかなというところで、思うところは少なくないというのが 第1点でございます。  2点目は、2回評価をさせていただいて改めて思うのは、具体的には評価の項目体系 ですね。我々が所見として記載をし、5段階、S、A、B、C、Dを評価のスコアとし てつけていくわけですけど、この項目体系そのものはもう5カ年で始まってしまったの ですから、18年度を含めてあと3回は当然継続ということになるのですが、ここに盛ら れた評価の項目は、本当に国立病院機構の病院が我が国の医療の中で占める位置を適切 に反映したような評価の項目だったかどうかというのは、若干時間をかけて見直した方 がよろしいのかなという気がいたします。  これは半年、1年でどうなるというより、もうちょっとしっかりとした評価の項目を 立てていただいた方がいいのかなという思いがございます。評価というのは項目に沿っ てやっていかざるを得ませんから、そこで欠落してみたり重複してみたりということは 大いにあり得ることですが、そこらあたりの評価の対象の領域というか分野というか範 囲というかこういうところも、事務局の素案がもし1年、2年前におできになったら、 この評価委員会にお諮りいただいて、第2期の5カ年についての評価の項目の御検討を お願いをしたいと思っております。  以上2点、意見を言わせていただきました。 ○住田委員  中期目標というのは、この独立行政法第29条を見ますと「3年以上5年以下」とな っているのですね。5年というのは長いのではないですか。特に医療の、先生、いかが でしょうか。私は医療のことはよくわからないのですけど、ビジネスの世界ではもう今 は5年というのは中期ではないですよ。 ○国立病院機構理事長  我々は4年の中期目標の期間なのですね。それについても、やはり法律といいますか そういうもので決められたもので、我々で決めるものではありませんので、それについ てはまたほかのところで御議論いただければと思います。 ○住田委員  理事長は、4年は適切だと思いますか。 ○国立病院機構理事長  これは最初にゼロから実際は出発したわけですから、最初の1〜2年はどうしても助 走期間ですし、そのときに適切な評価を受けながら軌道修正して、3年、4年である程 度の安定した成果が出るだろうということで、私は想像として4年と決められたのだろ うと理解しています。ですから今後はどうするかというのは、すべり出しは4年でない と、なかなかじっくり戦略を練れませんので、4年は私は適切ではなかったかと、2年 間を振り返って思います。 ○国立病院機構副理事長  計画は5年です。 ○国立病院機構理事長  計画は5年ですね。ごめんなさい。僕は任期が4年だからそう思いました。済みませ ん。 ○黒川部会長  そのほかにどうぞ。 ○山田委員  渡辺委員、大道委員が言われたことと全く同じことなのですが、大変今年は経営が厳 しい状況になっていると思います。診療報酬改定とか慢性期の病棟は制限される、続い て急性期の病棟が制限される、そういったことがどんどん起こってくる中でいろいろな 危惧を抱えておられる機構は経営は大変だろうと思うのですけれども、その中で政策医 療を主として担っている病院、これが負け組にならないようにぜひとも何らかのそうい う対策を盛り込んだ計画を入れていっていただきたいと思います。これからは勝ち組、 負け組とはっきりと出てきてしまうだろうと思うのですけれども、これだけの大きなグ ループとしてのメリットがあるわけですので、その辺をぜひとも力を入れていただきた いと思っております。  以上でございます。 ○黒川部会長  ほかによろしいでしょうか。  確かに皆さんの言うとおり、最初のときは、去年の評価でもそうだけど、横串を刺し て146ということだから、かなり力がかかって相当実効が出たと思うのです。2年目も そのテイクオフの続きだけど、これからさらにいろいろな問題があると思うのだけど、 こういう機構が独法になっているのは珍しいものね。そこの効果はものすごく大きかっ たというのはみんなも認識しているのだけれども、そう思っているうちに今度、医師不 足だとか、都道府県ごとの医療計画など、どんどん囲んでいく政策が変わっていきます ね。これは独法の最初の中期計画と違った、全く予想していないようなファクターがど んどん出てくるわけね。  それは、住田委員もおっしゃっているように企業もそうだし、会計基準もどんどん変 わると、合わせていられないなどと言えないわけだから、そういうところにどうやって 対応するかとなると、当然、理事長以下執行部としては、中期目標に書かれていること をどうやって着実にしていくというのがまずプライマリーなミッションだから、問題は わかっていても自分たちで勝手に変えるわけにいかないですよね。そうなると政府とし ては、パブリックのファンドを使ってこういうことをするためには何をするかというの は、もうちょっと政策として中期目標、そういうことを反映させながら大臣としては設 定するというプロセスがない限り、それは理事長としてはつらいところです。  そういう話をぜひこの評価委員としては、そういう大きなフレームではなくて、中期 計画に沿って淡々とやっていればいいやという評価だったら、何をやっているのかさっ ぱりわからんわけだから、そのフィードバックをしながらお互いに建設的にして、そち らからも反映させてどうするかという話をしていかないと、せっかく理事長以下頑張っ ているところが、変なところで梯子を外されたというのではしょうがないわけなので、 その辺をしっかりやらないといけないなというのが、ここの委員会の一番の目的ではな いかという話をずうっと議論しているわけだから、そういう話をぜひ反映させていくよ うな会話をするのはそちらの責任なので、ぜひよろしくお願いします、ということでし ょうね。 ○開原副部会長  今の部会長の言われたことに、私は具体的な問題として一つ気になっていることは国 家公務員の定員削減の問題があるのですね。これは、私は独法にはかかってこないのか なと思っていたら、建前の上では独法に対してもかかってくるのだという話で、まさに 今年、その話が起こってくるのではないかと思うのです。私は、国立病院機構に対して 定員削減などという話がかかってくるのはとんでもない話だと思っておりまして、その 辺は国立病院課の方とかいろいろお考えなのだろうとは思いますが、これは評価委員会 の越権行為になるのかもしれませんが、国立病院機構というのは普通の行政的な事務を やるような独法とは全く違うのだということを、我々の方も土俵外でかもしれませんが いろいろ主張もするし、また、評価官の方でもぜひそういうようなことをよく理解して 外に向かっては言っていかなければいけないのではないかと、そんなふうには思ってお ります。  これは、国立病院機構に対する注文というよりは、むしろ我々の方の気持ちをちょっ と申し上げたということであります。 ○黒川部会長  おっしゃるとおりだと思います。そういう意味では、法律をつくるとか執行するとか、 国立の問題とか、行政もそうだし、国家公務員の義務もそうだし、それから独法の場合 は何をするかというのがあって、自分で勝手に変えるわけにはいかないのだけれど、評 価委員は最初の3年前からか、その議論をしているわけで、結局これはパブリックのマ ネーをどういうふうにスペンドしてその目標を達するかという話だから、中期目標が不 適切なのではないかと思い出せば、それをフィードバックさせて、こちらではなくてむ しろそちらからどういうふうにしましょうかね、という話をやっていかなくてはならな いわけです。私どもはあくまでも、理事長以下のここの中期目標にどうやってパフォー マンスをしているかだけではなくて、もうちょっと大きなフレームでみなくてはいけな いという話が最初からあったわけなので、そういうのをぜひ政策として生かしていただ けるような発言が一番いいのではないかなと思っていますので、開原先生のおっしゃる とおりです。  今でも病院をみていると、最近の卒後研修の問題もさることながら、もともとわかっ ていたことだけど東北、北海道は病院の医師の定足数というか、その半分に満たなくな ってしまっているのではないの。ほかのところは一応それでも80%、90%程度いってい るけれど、東北と北海道の医師不足はかなり明らかだし、そうすると、医師はどうしよ うああしようということである程度デューティをするのか張りつけるのかという話もち ょっと変な話だし、弁護士をどうするかというのと似たようなものなのだね。そういう のは国の全体としての方策をそこで入れてくれない限り、根本的な問題があるわけです。 そこに手を突っ込んでいくのは政治の役割だし、政府の役割なので、そうしない限り、 マイクロマネジメントしていても全然そんな効果があがるわけはないので、その辺をぜ ひこちらの意見として、理事長を通じてというわけではないけど、評価官室としてはそ ういう話を聞いているなという話をいかに政策にあげていくかということだろうと思う ので、ぜひそういうことを生かしてくださいな、と思います。  そうなると、今度の医療法の話もそうなのだけど、ほかの公的な病院を全体としてど うまとめるかという話の評価をしないと、また別の評価をしていてはしょうがないので はないのという意見もここから出ていますよ、と話をぜひ生かしてと思います。  よろしいでしょうか。では今年の評価はそんなことで、最後に矢崎先生からぜひ。 ○国立病院機構理事長  どうもありがとうございます。黒川部会長、そして開原部会長代理、そして評価委員 の先生方には、大変暑い中、また御多忙の中、何回も貴重な時間をいただきまして、本 当にありがとうございました。  厚労省が管轄する独立行政法人、これは黒川部会長が全体の委員長をやっておられて おわりかと存じますが、ほかの独法はおおむね主たる業務は研究とか、あるいはほかの 主体がやっている事業を財政的、いろいろな意味でサポートするという意味の独立行政 法人でありまして、私どもは現業部門で成り立っている法人であります。したがいまし て自律的な運営ということが大前提でございまして、国費を投入しなくて自分たちで生 きていかなくてはいけないというのが大前提でございます。  そういう意味である一方、先ほどから御議論いただいているように、医療の問題は今、 大変換期でありまして、治安と医療がしっかりしていないと社会全体が不安定になって しまうのではないかと思うのです。その治安の維持と医療の維持というのは費用がかか るのですが、国民は余りそういうところにお金がかかるというのは実感がないものです から、具体的に負担が加わると、負担が多いというクレームがあって、それで厚労省が なかなかハンドリングが難しい。逆にそういう政策を受ける我々としては極めて政策リ スクが高い事業でございますので、先ほど委員の方々から、平成18年、19年がどうな るかというのは極めて心配であるというお話を伺いまして、私どもも同じような危惧を 抱いております。やはり私どもとしては中期目標に到達するように、ただ到達ではなく て、先ほど部会長が言われたように到達するまでの戦略を考えてやっていかないといけ ないということで、もう複数の戦略を立てながら議論してアプローチをしているわけで あります。  したがいまして、一応は収支は、5年後の到達目標の収支相償化まで、はや2年で達 することができましたけれども、山田委員の言われるように実際は半数は赤字病院であ って、全体の連結会計で収支相償化ですので、赤字の病院をどのように赤字の削減をし ていくか、いろいろな意味の経費節減で赤字をいかに縮小していくかということは、我々 に課せられた大きな課題ではないかと思います。  とはいえ、全体で収支相償化したので、先ほどいろいろな意味でインセンティブを与 えるフィードバックを考えたらどうかというお話ですが、まだまだ老朽化した施設がも のすごくたくさんありまして、特に赤字の病院が老朽化して、それから政策医療の長期 療養を重心とか筋ジスとか、我々はそういう患者さんのケアを主に担っておりますが、 そこの環境、アメニティというのは必ずしもよくないわけですね。ですから私どもは、 そういう患者さんのQOLを高めるいろいろな方法を考えると同時に、老朽化した部分 も手を入れていかないといけないという使命もありますので、長期療養の患者さんがで きるだけ満足いただけるような施設を、ある程度余裕が出たら、我々はまず第一に考え ていかなくてはならないと私自身は思っています。  もちろんインセンティブルールを、夏目委員からおっしゃられたように、それは職員 を活性化するいろいろな戦略を考えて実施したいと思っていますので、来年またいろい ろ私どもは考えて、18年度の評価をいただくにはやはり到達目標だけではない個々の病 院の取り組みをどう活性化するか、そういう視点からも我々は事業を展開していきたい と思っています。  ともかく、おかげさまで評価委員の先生方の御意見をいただきながら軌道修正して2 年間、今、3年目に入っておりますが、これからも初心を忘れずに頑張っていきたいと 思っています。先ほど、治安と医療は社会の安定化の一番大事なインフラと申し上げま したが、特に不採算の政策医療を担っている我々としましては、また国が、例えば端的 にいえば触法の問題とかそういう新しい課題があったときに即時に対応できる受け皿、 プラットフォームを我々は形成しておりますので、若い医師はまず先端的な医療を学び たいという意識が強いものですから、国立病院機構が政策医療ということだけとなりま すと、なかなか医師の確保できなくなるし、ますます赤字の病院になってしまいます。 やはり機構の中でキャリアパスを考えながら医師の育成をすると同時に、臨床試験、E BMのエビデンスをつくる、そういう政策的な意味からも146のいろいろな病院が一致 団結してやっていかないとうまく機能しないということで、中の病院がばらばらになら ないようにしっかり連携を保ってやっていきたいと思っております。  大変温かい支援のお言葉をいただきまして、大変私どもはありがたく思っております が、またいろいろな御注文もいただきましたので、それを真摯に受けとめて今後の運営 に生かしていきたいと思っていますので、今後ともよろしくご指導いただきますように 重ねてお願い申し上げます。どうもありがとうございました。 ○黒川部会長  評価官から何か。 ○政策評価官  私からは事務的な話でございます。先ほど個別シートについて、それぞれ委員から御 修正いただいた分もありましょうし、本日の会議の場で出てきました御発言については、 部会長に御一任ということでございますが、開原先生に起草していただくについて事務 局としては間に入っていろいろと汗をかかせていただきながら円滑に作業をいたしまし た上で、最終的に固まったものを委員の先生方にお届けするということを努力させてい ただきたいと思います。  また、住田委員から視察のお話がございましたし、大道委員からは、今後この評価を どう考えていくかという少し長期の議論についても、この場においてきちっと議論をす るような機会を事務局としても考えるべしというご注文をいただきました。今後どうい うスケジュール、どういう道行にするのかはございますが、事務局としていろいろと委 員の皆様方の御意見をいただきながら部会長とも御相談をさせていただきたいと思って おります。  ここまでで今期の17年度実績評価については一区切りかと思います。事務局として、 本当にお暑い中、お忙しい先生方を無理をいってお時間をいただきましたことを、改め て感謝申し上げますし、今後とも引き続きよろしくお願い申し上げたいと思います。あ りがとうございました。 ○黒川部会長  それではよろしいでしょうか。ではそういうことで、7月、8月、本当に暑いところ を大変だったと思いますが、よろしくお願いします。  もう一つ、山田先生の発言は確かにそうで、スケールメリットって、こういう法人は 初めてだと思うのだね。国立大学でさえみんな別々になってしまっているから、これの スケールメリットというのはパーチェシングのときの値段をたたくとかそういう話では なくて、むしろ政策医療のようなものすごくコストがかかるけど必要なところで、民間 では絶対できないようなところとのメリハリをどうするかという話ではないかというこ とが、非常に期待されている。それをぜひ機構全体として、そういうことが大事だよと いう話をもっとパブリックリレーションではないけれど、国民のアウエーネスを上げて いくことがすごく大事なので、おっしゃったようにセキュリティと医療とかそういう話 は公的なお金がかかっていないと社会はどんどん崩壊していくので、それを戻すのが非 常に大事なので、それがみんなに声が届くようにしておくと、政治的なイシューとして は政策に反映できるのではないか。  だから、ブレアさんがここのところどんどん入れているのは、明らかに国民の不満が たまりにたまってしまって出てくるわけで、それがもうちょっと早くから出ていると、 もうちょっと早く先に政治的な手は打てるだろうと思いますので、理事長以下、このユ ニークなボディをどうやって使っていくかという話をぜひ考えていただければと思いま す。ありがとうございました。先生、またよろしくお願いいたします。  では、皆さん、ありがとうございました。                                     −了− 照会先: 政策統括官付政策評価官室 政策評価第一係 電 話: 03−5253−1111(内線7784)