06/08/11 医道審議会医師分科会医師国家試験改善検討部会平成18年8月11日議事録 医道審議会医師分科会医師国家試験改善検討部会議事録(第1回) 日時  : 平成18年8月11日(金)       10:00〜12:00 場所  : 厚生労働省専用第22会議室 (17階) 出席者 : 相川委員(部会長)・飯沼委員・池ノ上委員・木下委員・土田委員・ 永井委員・名川委員・橋本委員・福田委員・別所委員・前川委員・ 松村委員・栗山医学教育課長(文部科学省高等教育局)  (事務局)松谷医政局長・宮島大臣官房審議官(医政・医療保険担当)・   小澤医事課長補佐・井内医事課長補佐・天童試験免許室長・ 赤熊試験免許室長補佐・林試験免許室試験専門官・他 議事  : ○赤熊補佐 定刻となりましたので、医道審議会医師分科会医師国家試験改善検討部会 を開催します。はじめに医政局長よりご挨拶申し上げます。 ○松谷医政局長 医政局長の松谷でございます。先生方には大変お忙しい中、早くから お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。国家試験の見直しの検討会で して、医師の国家試験については、近年は概ね4年ごとにこうした検討会を開き、そ の都度見直しをしております。今の医師国家試験は、平成15年4月の医師国家試験改 善検討委員会の報告書に基づき実施しております。このときの報告では、出題内容に ついて、基本的な診療能力に関する出題の充実を図りながら、医の倫理・患者さんの 人権・医療面接などにも配慮した出題に考慮する、また臨床研修の必修化を踏まえ、 試験を2月の第3週ごろまでに実施するといったような内容の変更が行われました。 委員の先生方におかれましては、現行の医師国家試験の妥当性を改めて評価、検証し ていただくとともに、これからの国家試験のあり方について、ご検討いただければと 考えております。   厚生労働省においては、現在、医療提供体制の改革を進めているところですが、医 療関係職種、とりわけその中でも医師の資質の向上は大変重要な課題です。医師とし て第一歩を踏み出す上で必要な知識及び技能が担保されているか、その判定のための 国家試験で、医学教育と並び、国家試験の果たす役割は、我が国の医療の水準を保つ 上でも、大変重要な位置を占めていると考えております。先生方におかれては、国家 試験のさらなる改善のためにご意見を賜り、より良い国家試験に向けてご寄与いただ ければと考えております。どうぞよろしくお願い申し上げます。 ○赤熊補佐 それでは試験免許室長より委員の先生方をご紹介いたします。 ○天童試験免許室長 試験免許室長の天童でございます。どうぞよろしくお願いいたし ます。委員の皆さま方には大変ご多忙のところ、医師国家試験改善検討部会にご出席 を賜り、誠にありがとうございます。本来であれば医事課長から先生方のご紹介をい たすところですが、本日は所用により欠席しておりますので、私から先生方のご紹介 をいたします。まず、慶應義塾大学病院長の相川委員です。 (委員及び事務局の紹介) ○天童試験免許室長 それでは本部会の部会長の選任をいただきたいと存じます。どな たかご推薦をお願いいたします。 ○池ノ上委員 これまで医師国家試験委員長であり、この委員会等々でご活躍されてき た慶應大学の相川教授をご推薦します。 ○天童試験免許室長 それでは相川委員のご推薦をいただきましたので、皆さまよろし いでしょうか。 (異議なし) ○天童試験免許室長 それでは相川委員に部会長の席にお移りいただき、以下の議事の 進行をお願いします。 ○部会長(相川) 相川でございます。よろしくお願いいたします。大事な部会ですの で、委員の皆さまのご意見を広くいただきながら進めたいと思っております。よろし くお願いいたします。まず、事務局から本部会の公開についての説明をお願いします  。 ○天童試験免許室長 それでは部会の公開の取扱いについて説明します。審議会等の公 開に関しては、平成11年4月に閣議決定された審議会等の整理合理化に関する基本計 画において、会議及び議事録を原則公開することとされております。しかし今回の議 事内容にもありますが、国家試験の試験方法等に関する検討を行っていく中で、非公 開としている国家試験の詳細に触れる場合には、会議、会議資料及び議事録は非公開 とするのがよろしいかと思います。このような取扱いとすることで、委員の皆さま方 のご了承をいただければと考えております。よろしくお願いいたします。 ○部会長 ただいまの説明について、委員の方々、何かご質問ございますか。ないよう でしたらいまの説明のように行うことにします。次に事務局から資料の確認をお願い します。 (資料確認) ○部会長 資料はよろしいでしょうか。早速議事に入りますが、本日の議題は、本部会 における検討課題についてです。まず資料1から説明をお願いします。 ○林専門官 それでは資料1「医師国家試験改善検討部会について」です。本部会の趣 旨ですが、厚生労働省では、医師国家試験として妥当な範囲と適切なレベルを保ち、 医師の資質の向上を図るため、概ね4年に1回、定期的に国家試験の改善に努めて きています。医道審議会医師分科会の下に、「医師国家試験改善検討部会」を開催し 、現行の国家試験について評価するとともに、医師国家試験の改善事項等について検 討を行っていただきたいと考えています。 スケジュールは、この検討部会については来年の平成19年の春に向けて医師国家試 験改善検討部会として報告書を取りまとめていただきたいと考えています。医道審議 会医師分科会に平成19年春に報告する予定です。その報告書を踏まえ、来年度の平成 19年度に医師国家試験出題基準(ガイドライン)の改定を別の部会で行っていただき ます。その上で平成21年春の医師国家試験から、報告書に基づく改善事項及び新しい 医師国家試験出題基準を適用する予定です。 主な検討事項は、現行の国家試験の評価をしていただき、その上で国家試験の改善 事項について提言をいただくことになっております。2頁以降、医道審議会令として 取決めがありますので、適宜ご参照いただければと存じます。 資料2の「医師国家試験改善検討委員会報告書」は前回の4年前の報告書です。こ の中で検討されたこと、将来に向けて検討することになっていること等々があります ので、前回の報告書を1頁は省略して2頁から説明いたします。 平成17年から改善すべき事項として、出題数・出題内容については、平成13年第95 回の試験から出題数が500題に増加し、その後、引き続き500題で行っております。出 題内容については、前回の報告書では引き続き基本的な診療能力に関する出題の充実 を図るとともに、医の倫理・患者の人権、医療面接などにも配慮した出題にも考慮す ることが望まれる、特に臨床研修において経験することが期待されている症候・病態 ・疾患の出題に配慮することが望まれる、また医療安全対策、医薬品等による健康被 害、健康危機管理に関する出題についても配慮することが望まれる、また臨床実地問 題の出題に当たっては、診療参加型実習や実技試験の導入など卒前教育の状況を踏ま えつつ、臨床実習の成果が反映される問題を出題することが望ましい、出題基準の各 項目ごとの出題数を規定した試験設計表(ブループリント)については引き続き高頻 度な疾患や生命に直結した緊急性を要する病態・疾患等が相当数出題されるように、 出題基準の改定に併せて設定することが望まれる、とされております。3頁は合否基 準です。2段落目、引き続き現行の合否基準、即ち平成13年度に取り決められた合否 基準を踏襲することが望ましいとされており、具体的には必修問題の合否基準は絶対 基準を用いて合格レベルを80%。また一般問題・臨床実地問題の合否基準は、平均点 と標準偏差とを用いた相対基準を用いるとされています。また禁忌肢については、基 本的な出題に配慮することとし、禁忌肢を選択した場合には、これまでどおり合否の  判断に採用することとするが、引き続き禁忌肢のあり方について検討することが望ま  しいとなっております。   3頁の下の方で、試験問題の公募及びプール制については、前回の報告書では試験  問題や視覚素材の公募範囲を臨床研修病院や日本医師会等に適宜拡大し、公募問題数  の増加を行うとされており、現在、大学だけではなく臨床研修病院、日本医師会等か  らも公募をお寄せいただいております。過去の試験問題の繰り返し利用の影響につい  ては、これまでの試験結果から正解数が相当程度高くなることが明らかとなっており  、このため、第95回の試験から良質な試験問題を繰り返し出題するために、試験問題  の回収の開始を行っているところであり、引き続き回収を行うことが望ましいとされ  ておりますが、その後の社会情勢の変化を踏まえ、第100回平成18年から問題の持ち  帰りを認めるとともに、第95回以降に回収した問題と正答についても、現在は公開を  行っております。   4頁は試験結果の通知です。平成13年の試験から個人ごとに成績通知を行っており  ます。全受験生の成績分布における本人の成績通知についても、今後検討することが  望ましいとされております。出題形式は、Aタイプの増加やこれまで長文問題に限定  されたXタイプの5肢複択形式の領域拡大を図ることが望ましいとされており、これ  については現在、試験委員会で出題の際に取組みが進められております。3は試験の  早期化です。前回の報告書で平成17年の試験から早期化、即ち2月第3週ころに国家  試験を実施し、3月中に合格発表を行うことが望ましいという報告をいただいており  、これは平成17年よりこの通り実施しております。   5頁、今後改善する方向性が定まった事項が2点あります。1つ目が実技試験につ  いて、前回の検討では、今回の改善ではOSCEの導入は見送ることとするが、今後  も引き続き医師国家試験に導入することを目指して、客観的な評価手法の確立等の検  討を行うとともに、大学医学部・医科大学における臨床実習の評価等に積極的に導入  することを強く希望しつつ、関係機関へ周知徹底を依頼することが望ましいとされて  おります。2つ目として、受験回数の制限は医師として不適格な者を排除し、不適格  者に対して早期に進路転換を促す1つの有用な手段であると考えられるが、受験資格  を失った者に対する受け皿の問題等慎重な検討を要する面があるとされており、将来  的な導入に向けてその効果や影響等について具体的に検討することが望ましいとされ  ております。   7頁、今後検討すべき事項として掲げられたものがいくつかあります。まず1、時  間割の公表です。4年前の段階では現在の医師国家試験では事前に時間割の公表は行  っておらず、時間割の公表について前向きに検討することが望ましいとされており、  この報告を受け平成18年第100回の国家試験から、時間割の事前公表を行っておりま  す。2つ目に、効率的な試験問題の蓄積等についてで、試験問題の購入も含め検討す  ることが望ましいとされております。またコンピュータを活用した試験等の調査研究  については、将来的な導入も考慮しつつ、検討することが望ましい、また医師の資質  の向上を図る観点からの医師国家試験のあり方についても、引き続き検討することが  望ましいとされております。   その他として、平成17年から本格的に導入されることになっている「臨床実習開始  前の共用試験」との関係については、一部の出題範囲が医師国家試験の出題範囲と重  複する可能性があるが、「臨床実習開始前の共用試験」の本格的な実施・評価を待っ  て、今後検討することが望ましい。このような報告書が4年前の平成15年4月に本委  員会においてまとめられております。   資料3、「医師国家試験の現状について」です。先ほどの報告書を踏まえ、現在の  医師国家試験の実施状況を第100回医師国家試験、この春に行われた医師国家試験の  例を取り、ご紹介します。まず、試験日については平成18年2月18日から20日まで行  われ、合格発表は平成18年3月29日に実施しました。試験地は全国12カ所、試験時間  は1日当たり5時間から6時間、概ね5時間半程度で3日間の試験となっています。  試験問題について、出題総数は500題で、領域別では必修問題が100題、医学総論が  200題、医学各論が200題です。問題区分別では医学総論、医学各論、計400題のうち  一般問題が200問、臨床実地問題が200問で合わせて500題となっています。総数500題  のうち一部が禁忌肢問題として出題されています。   試験の内容は、臨床上必要な医学または公衆衛生に関し、医師として具有すべき知  識、技能について広く一般的実力を試し得るものとされており、具体的な出題範囲は  「医師国家試験出題基準(ガイドライン)」(平成17年版)に準拠しております。各  項目・評価領域ごとのおおよその出題数は、試験設計表(ブループリント)に準拠し  ております。   試験問題の作成については、試験委員会が問題の作成・修正を行い、出題を行って  おりますが、試験後に医道審議会医師分科会K・V部会において、問題の妥当性を検  討しております。また公募問題については、公募問題ブラッシュアップ委員がプール  する問題の選定・修正を行っております。   4番目、合格基準については、先ほど申し上げたように必修・一般・臨床実地問題  の各々の得点と禁忌肢の選択をもとに合否を決定しており、必修問題は絶対基準を用  いて、総点数の80%、一般問題・臨床実地問題は各々平均点と標準偏差を用いた相対  基準を用いております。医道審議会医師分科会において毎年合格者の決定方法につい  て審議を行った上、同分科会の意見を踏まえ厚生労働大臣が合格者を決定しておりま  す。下に掲げている例が、この春の第100回の合格基準で、このような形で合格基準  を定め、これを公開・公表しております。   3頁、試験結果等の通知・公表です。試験結果については、受験者数、合格者数、  合否基準については合格発表と同時に厚生労働省ホームページ等で公表しております  。個人の試験結果、領域別の得点については、受験者に郵送で通知しております。問  題及び正答については平成18年から試験問題の持帰りを認め、また厚生労働省ホーム  ページに試験問題及び正答を掲載しております。   6番目としてプール制の実施で、試験問題の公募先を臨床研修病院、日本医師会等  に拡大しており、現在プール問題の蓄積を進めております。公募問題については、公  募問題ブラッシュアップ委員がプールする問題の選定・修正を行っております。   4頁が医師国家試験のこれまでの変遷です。第1回が昭和21年から始まり、その後  幾多の変遷を遂げており、大きな改定は最近では平成13年、第95回の国家試験のとき  に行われております。このときに問題数が320問から500問に増え、必修問題について  も大きく増やし、試験日数が2日から3日に増える改善が行われ、その後現在に至っ  ております。   5頁、受験回数別の受験者数・合格率の推移です。一般問題・臨床問題の合格基準  が相対基準に改められたのが95回からで、その後は合格率は概ね90%前後で安定して  おります。第100回は受験者数が8,602人、合格者数が7,742人で、合格率が90%とい  う結果でした。   資料4、「医師国家試験を取りまく状況について」です。近年の卒前教育及び卒後  臨床研修についての変遷を大まかにまとめております。卒前教育においては、医学教  育モデル・コア・カリキュラムが策定され、その1期生が共用試験を平成17年度から  4年生の段階で必ず受けるとなっており、第1期生が平成20年の春に医学部を卒業す  ることになります。医師国家試験の改善については、先ほど申し上げたように、平成  18年度に本部会による検討を行っていただき、平成19年度に出題基準の改訂部会によ  る検討を行っていただき、改善後の医師国家試験を平成21年の春から実施することに  なります。卒後臨床研修については、平成16年度から必修化されております。   参考資料1として、「国家試験に関する各大学へのアンケート調査」は、相川委員  が厚生労働科学研究の中で行われたものです。今年の平成18年1月ごろに、すべての  大学医学部・医科大学に調査票を郵送し、郵送で回収したものです。おそらく教育担  当者が回答している例が多いと思います。有効回答数は59校、74%でした。   まず、大学による国家試験対策の実施についてアンケートをとっています。各大学  が学生を対象とした国家試験対策を大学として実施しているかどうかについて、回答  中の78%の46校が実施しているという回答でした。2頁、どのような対策をしている  かという質問に対して、「国家試験対策のための授業」あるいは「国家試験に準拠し  た学内試験」「民間の模擬試験等の紹介・斡旋」あるいは「国家試験対策の自主学習  期間の設定」、このような回答が多くなっておりました。実施している理由としては  、ほとんどの大学は「現在の学生のニーズ・要請」を96%の大学が挙げております。  また「大学の教育目標と一致」しているからという回答も46%ありました。「臨床医  としての能力向上」につながるからという理由が41%ありました。   3頁、国家試験対策を開始する時期は実施している学校のうち2%が5年次の春ご  ろから、7%の学校が5年次の夏から秋、4%の学校が5年次の冬ごろからというこ  とで、13%が5年次から実施し、6年次の春、夏ごろから実施が非常に多くなってお  ります。また国家試験対策がカリキュラムの半分を超える時期があるか、あるとすれ  ばいつかという質問をしており、これについては6年次の春、夏ごろからカリキュラ  ムの半分以上が国家試験対策になっているという大学が24%ありました。6年次の夏  、秋ごろからという大学が24%、そのような時期はありませんという大学が50%でし  た。   4頁、禁忌肢についての質問で、禁忌肢の出題が果たしている効果について大学関  係者の意見を聞いたところ、「臨床的な禁忌に関して学生への指導効果が上がってい  る」という回答が36%、「医師の資質に関する社会的な説明責任が果たされている」  という回答が29%と多かったのに対して、「医療事故の歯止めとなっている」という  回答が22%、「医師としての倫理性に欠ける者を排除している」という回答が15%で  した。   禁忌肢の出題の問題点については、「少ない出題数で合否が決まることによる不公  平感がある」という回答が66%、「学生に過度の不安を与えている」という回答が78  %と多くなっていました。禁忌肢の出題については、「現行通り」がよいという回答  が23%、「禁忌肢の出題数を現行より増やし、不合格となる禁忌肢選択数にも余裕を  もたせる方がよい」が23%、「禁忌肢の選択肢数は合否基準として定めるのではなく  、全体の点数から減点する形で使うのがよい」が35%、「禁忌肢の出題を廃止した方  がよい」が19%と非常に意見が分かれている結果です。禁忌肢の内容については、現  在患者の死亡や臓器の機能廃絶に直結する事項及び倫理的問題、違法行為に限って出  題を行っていますが、これについては「現行通りでよい」という回答が80%でした。   最後に受験回数の制限についても大学関係者の意見を聞いています。医師としての  資質に乏しい学生に対して、卒前に指導として行っていることは、多かった回答が「  面談等を通じあくまで医師となれるよう指導」しているが53%でした。「他学部への  転学部を勧めている」が33%、「退学を勧めている」あるいは「基礎医学の研究者な  どになることを勧めている」が28%ずつ、「何も行っていない」が16%でした。実際  に何を行っているか。卒後のいわゆる「多浪」、国試に長いこと合格しない者に対し  て、何を行っているかに関しては、「フォローアップのための担当者を決めている」  が37%、「定期的な面談等」が32%、「補講や模擬試験の斡旋等」が25%。一方「医  師以外の道に進むための斡旋等」を行っているという回答はありませんでした。把握  している原因としては、多かった回答が「学習の意欲の低下」あるいは「学習能力の  欠如」「精神的な疾患」、こういう回答が多くなっており、「他の職業・活動に専念  」してしまったからという回答は少なくなっております。   仮に国家試験受験回数の制限が行われた場合、期待できる効果や予想される問題点  について聞いた問いでは、「医師以外への転向等の進路指導が容易になる」あるいは  「学生の勉学意欲が高まる」「医師の資質が高まる」という回答が多くなっておりま  す。一方「現状と比べて多浪者の就職が困難になる」という回答も32%ありました。  資料の説明は長くなりましたが以上です。 ○部会長 ありがとうございました。ただいまの説明に関して委員の方々から何か質問  等ございますか。本部会についての資料1、前回の報告書の資料2、医師国家試験の  現状についての資料3、国家試験を取りまく状況についての資料4、参考としてのア  ンケートの調査です。そのほかに資料として平成17年度版の出題基準で、これは4年  に1回ずつ改定されています。それからモデル・コア・カリキュラムです。よろしい  ですか。それでは今回は第1回の改善検討部会ということでもありますので、ただい  ま説明いただいた資料、その他の現在の国家試験の状況を踏まえ、委員の方々のフリ  ートーキング形式で、皆さま方の自由なご意見を伺ってみたいと思います。いかがで  しょうか、今回、特に改善部会で論議すべき論点、あるいは現在の国家試験のあり方  、あるいは今後の国家試験において重視すべき視点などについてもご発言、ご意見を  いただきたいと思います。 ○別所委員 いま卒前教育では、コア・カリキュラムがあり、国家試験についてはこの  出題基準があり、卒後の臨床研修については到達目標があります。この3つの基準が  あるのですが、それらについての相互関係、連携、その辺りはどのようなことになっ  ているのでしょうか。 ○部会長 これはまずは、コア・カリキュラムと医師国家試験との連携、摺合わせは、  福田委員が中心に当たられ、先般検討会があり、私も委員としてお手伝いしました。  まず、その点について福田委員からご説明いただけますか。 ○福田委員 現在、文部科学省の協力者会議でコア・カリキュラムの改定作業が行われ  ています。これは本格的な大幅な改定ではなく、社会的な要請に補完して、必要不可  欠な部分を盛り込むという視点が1点です。それから医師国家試験の出題基準との整  合性、用語の使い方から、制度を変更したときにどう変わっていくかという、そうい  う見直しの作業をいましております。モデル・コア・カリキュラムにも項目、索引が  あるので、相川先生にざっと見ていただいた上で、各委員が分担して、そのキーワー  ド等についても一覧で比較して調整します。コア・カリキュラム側の明らかに間違っ  ている所を基本的には直していこうということです。まだペンディングの部分がたぶ  んあるので、それについては両方でこれから検討していかなければいけない形になっ  ています。取りあえずそのレベルでよろしいでしょうか。 ○部会長 これはコア・カリキュラムについては、文科省の委員会で、いま福田委員の  ご説明にあったような形での平成17年度版の医師国家試験出題基準との摺合わせ、特  に今回は医学用語を中心とした摺合わせが行われたということで、よろしいですね。  もう1つは、卒前教育との関係について、いまの別所委員からの説明に関して、出題  基準の中のVIIページに平成17年度版の出題基準に関しての趣旨が書いてあります。こ  の出題基準の検討部会の部会長をいたし、これを作ったときに「卒前教育との関係」  についてVIIページ、1の(3)のようにしました。これは平成13年度版と少し変わっ  ていますが、簡単に読みます。「大学医学部・医科大学における医学教育は大学の自  主性に基づいて実施されているが、大学医学部・医科大学卒業後、医師国家試験に合  格し、登録されると医師となるのであるから、医師の任務を果たすのに必要な内容は  一連の医学教育に包含されるべきものである。一方、試験委員が準拠する出題基準は  、医師が医療の場に第一歩を踏み出す際に少なくとも具有すべき基本的知識・技能を  項目により具体的に示したものである」。この次からが少し今回で変わった所です。  「これは、卒前教育のすべてを網羅するものではなく、また卒前教育のあり方及び内  容を拘束するものではないが、医師の任務を果たすのに必要な事項を示すものである  」と。このようなスタンスは、出題基準側から見た卒前教育との関係ということで、  現行の出題基準にはこのように書かれているということですが、この出題基準に関し  て先ほどの林専門官のご説明にもありましたが、この改善検討委員会の報告を受けて  、その次に改定される予定ということでよろしいわけですね。   今度は、臨床研修の到達目標は実際にはどうなっているのでしょうか。臨床研修検  討部会のどなたか、委員の方、あるいは事務局から説明いただけますか。 ○林専門官 前回の出題基準を作成いただいたときに、すでに臨床研修の必修化が決ま  っており、その修了基準がありましたので、必修問題に出題される疾患については、  臨床研修の経験目標と摺合わせが行われ、作成されています。これは報告書の中でも  触れています。資料2の2頁、2の改善すべき事項の(1)の2つ目の段落、「特に  、臨床研修において経験することが期待されている症候・病態・疾患の出題に配慮す  ることが望まれる」。このように前回の報告をまとめていただいており、これを踏ま  えて出題基準の中にも、特に必修の分野に出てくる症候・病態・疾患については、臨  床研修の主要基準と摺合わせを行った上で、現在出題されているという関係になって  おります。 ○部会長 先ほど林専門官の説明にもありましたが、出題基準のVページのはじめの所  に、少し触れられております。即ち4行目からで、「2年以上臨床研修を受けなけれ  ばならないとされていることから、第9条による知識と技能とは医療に第一歩を踏み  出し、指導医の下でその任務を果たすのに必要な基本的知識及び技能であると考えら  れる。その内容を具体的な項目によって示したのが、医師国家試験出題基準である」  と述べられているわけです。 ○福田委員 あと1点、同じく協力者会議においてコア・カリキュラムの改定と同時に  、卒前の臨床実習の見直し、充実と卒後臨床研修とのうまい整合性がどう構築するか  ということで、検討も進んでいます。まだ叩き台はできていませんが、これは名川委  員にワーキンググループの主査をお願いしていますので、ご説明をお願いします。 ○名川委員 いま臨床研修で行うべき到達目標が示されており、一方で卒前に行う到達  目標も文科省から示されており、これの整合性をとるために1項目ずつ検討を行って  います。 ○部会長 別所委員よろしいでしょうか。ほかにご意見をいただきたいと思います。い  ろいろなことを本部会で検討するわけですが、資料1にあるように、主な検討事項と  しては、現行の国家試験の評価について検討する。またそれを踏まえて国家試験の改  善事項について検討する。この順序でなくても結構ですので、総論的なご発言でも結  構です。本部会でこれからどのようなことを検討していくべきかという論点について  もご意見をいただければと思います。 ○木下委員 いまのお話に戻りますが、昨年、文科省と厚労省共催の医学教育者のため  のワークショップで、いまお話があったコア・カリキュラムと医師国家試験と卒後臨  床研修の到達目標、この3つを参加者にご協力いただき、整合性を全部チェックして  みました。こういう試みがいままで一度もなされておらず、3つのキーとなるチェッ  クポイントについての整合性をしっかり検討する場所が必要ではないかということで  、試みとしてまずやってみようということでした。結論としては大まかには、コア・  カリキュラムと卒後到達目標に対しては、大体ピラミッド的に整合性が取れているけ  れども、国家試験の出題基準だけが少しずれているようです。どちらに合わせるべき  かを検討していかなければいけないと思いますが、どこかでそういう試みがなされる  べきではないかというのが、参加者のご意見でした。参考までにご報告いたします。 ○部会長 ありがとうございました。具体的に出題基準がずれているというのは、どう  いう方向に、あるいはどういう点がずれているということなのでしょうか。 ○木下委員 手元に資料がないので、詳細は記憶に頼るしかないのですが、国家試験の  ほうがより知識のレベルに、それはどうしても出題形式からして仕方ないのですが、  コア・カリキュラムと到達目標のほうではより臨床に近いです。 ○部会長 技能ということでしょうか。 ○木下委員 そうですね、技能、態度の部分が含まれています。 ○部会長 というご意見がありました。いかがでしょうか。知識と技能ということです  が、前回の検討委員会でも実際に臨床実地の実技試験、OSCEなどの導入というこ  とが提言されているわけです。もし特別なご意見がなければ、前回の改善検討委員会  の報告書の中で、かなり各論に入ってしまいますが、1つの議論のきっかけとしてで  すが、いくつかまだ実施されていない部分について項目を絞ってでもご意見をいただ  くことにしてよろしいでしょうか。そうすると資料2があります。いまも木下委員か  らお話がありましたが、改善すべき事項としての(1)出題数・出題内容があります  。細かい検討は別ですが、出題数・出題内容についても何かご意見ございますか。各  論として何題にするという話は、さらにいろいろご意見をいただき、全体像が見えて  きてからさらに検討していきたいと思います。すでにコア・カリキュラムなどに比べ  ると、知識のほうに出題基準は偏重しているというようなご意見もあったということ  ですが、池ノ上委員は国家試験の委員長をなさっていかがでしたでしょうか。 ○池ノ上委員 こういう新しい取組みが進行しつつあるときに、問題作成の段階でいち  ばん議論になるのが、各大学間の足並が揃っているかということです。非常に先進的  にそういうことを熱心にやっていただく教官がいらっしゃる大学では、新しい試みの  分野がかなり徹底して教育されているのですが、そういう熱心な教官がいらっしゃら  ないような所の学生にとっては、非常に違和感があったり、あるいはなかなか付いて  来られなかったりというところがあります。実際の出題の委員会の場でも、いろいろ  な委員の先生方で、温度差があろうかと思います。その辺りの見極めを国家試験のレ  ベルとして、どこに線を置くかは、非常に重要な問題です。例えば禁忌肢に近いよう  な問題が当然これは教育されていると。それはもう学生にとっては十分常識的である  と判断される大学もあるし、そういうことはまだまだ十分検討されてないのではない  かという意見が出てくる大学の教官もいらっしゃいます。これは試験委員の中でです  。おそらくそういうことが今後、この分野、特に新しいトライアルとしてやっていく  ときには問題になるのではないかと思います。ですから大学間の温度差というのが、  やはりどうしても新しい領域では出てくるのではないかと少し懸念いたします。 ○部会長 ということですが、いかがでしょうか。いま出題内容等についても大学間の  温度差があるというような話がありました。いかがでしょうか。 ○飯沼委員 日本医師会の見解ではなく、私の見解とお聞きくだされば結構ですが、実  際に2年間の研修が初めて終わったわけです。研修を終わった人たちが、自分が受け  た国家試験が本当に妥当であったか、妥当という言い方は悪いかもしれませんが。国  家試験を受けるための勉強が、次の2年間の研修のために、本当に役に立ったかどう  かという調査がもしあれば、それを教えていただきたいです。彼らの意見を一遍聞い  てみるというのはとても大事なことではないかと思います。その辺りの所を教えてい  ただければ、参考になります。 ○部会長 事務局はいかがでしょうか。今回2年間の医師臨床研修を終了した者に関し  て、臨床研修自体に関する調査は行っていると私は理解しておりますが、いまの飯沼  委員のご意見のように、その人たちが受けた国家試験に対して、どういう意見を持っ  ていたか、役に立っていたか、そのようなところの調査は現在しているかどうかは情  報をお持ちでしょうか。 ○林専門官 私どもで臨床研修後に、国家試験に関する調査をしているということは残  念ながらございません。国家試験を受けた方、わりとその直後にその感想を聞くよう  なアンケート調査は、医学部長病院長会議で別所委員が毎年取りまとめていらっしゃ  り、委員と私どもも毎年拝見しておりますが、少し後になってからの調査は今までに  は私どもは行っておりません。 ○部会長 別所委員、直後の調査は出ておりますね。 ○別所委員 直後の調査は毎年しており、報告しておりますが、いま500題という問題  に限ってということでしょうか。 ○部会長 いいえ違います。何のご意見でも今日は結構です。 ○別所委員 アンケート調査ではさまざまな意見があるのですが、まずこの500題とい  うことについては、かなり学生たちは受け入れている状況なのかなという調査結果、  印象を持っております。特にこの第100回の前回の試験について、今月23日に関係機  関を訪問してご報告することになっていますが、非常に学生の評価は高かったようで  す。学生に対してアンケートを始めてから最も満足度が高い国家試験だったというこ  とができそうです。情報の公開が進んだということもありますが、そのほかにも問題  の質が非常にいいというのが、学生たちの回答に目立ちました。臨床に即したような  、資料にあるような改善の方向に沿った趣旨の問題が多かったのではないかという意  見がありました。今回の試験の評価は高かったと思います。ただそういう良問を毎年  500題毎年揃えていくというのは、非常に大変な作業なのではないかと思います。そ  の質を毎年ずっと継続的に維持していくことが、この500題に関してはできるのかと。  大変な作業なのではないかと思っています。 ○部会長 ありがとうございます。皆さまのご意見をいただくきっかけとして、この  出題数・出題内容の話をしましたが、いまのようにこれに関連してさらに全体のお話  、ご意見をいただいてよろしいと思います。いまのお話についてどうでしょうか。飯  沼委員のお話は、やはり2年終わった者にも、そういうものを調査したらどうかとい  うご意見が出たと思います。 ○別所委員 その他のやや瑣末な問題になりますが、資料2の7頁、時間割の公表に関  してですが、今回はこれが行われて、学生も教官も非常に評価しています。これに関  連して小さな問題かもしれませんが、試験会場の発表をもう少し早くできないかとい  う要望がかなり地方の大学からありました。試験を受ける場所というのは、かなり決  まっています。そちらに学生が行くのに、だいぶ前からでないとホテルの予約等がで  きないということがあります。試験会場はどこかということをもっと早く知らせてほ  しいというご意見があります。 ○部会長 これは後でも出てくるかもしれませんが、テクニカルなことですが、これに  関しては事務局としてはどうですか。実際にはどのような形で、どのようなタイミン  グで公表しているのでしょうか。 ○林専門官 実際には、受験の願書を提出いただき、受験人数を確定し、どの方がどこ  で受けられるかを確定した上で、受験票を受験の1カ月ぐらい前、あるいはもっと近  くなることもあるかもわかりませんが、お送りするときに受験会場を正式にお知らせ  する形を取っております。ただ実際には特に地方ではそれより以前に試験会場が決ま  っていることもありますので、もし決まっていればここになる可能性が高いというこ  とでは、問い合わせにはお答えしているというのが現状です。特に東京など試験会場  をいくつか設定しないといけない地域もあるので、そういう場所で個人がどこの会場  になるかを決めるのは、やはり願書を出していただき人数が決定しないといけないと  いうことで、全国で足並を揃えてもっと早くということになると、なかなか難しいと  考えています。 ○部会長 いちばん短い場合は、実際に受験する日から何日ぐらい前に受験者は会場を  知ることができますか。 ○林専門官 多くの場合は、予め地方の厚生局に問い合わせをされて、概ね学校ごとに  大体ここだということがわかっていらっしゃる状況ではないかと理解しております。  ただ受験票の発送となると、1カ月前、2、3週間前という事例もあると思います。  地方の厚生局で送っているので、私どもからいつ送ると決めているわけではないので  すが、それぐらいになっているという事例もあるのではないかと思います。 ○部会長 そのような意見があったということで、テクニカルな問題ですが、事務局で  よく記憶しておいてください。ほかにいかがでしょうか。 ○別所委員 あと2つだけ目立った意見があります。合格発表の日が今年も3月29日と  いうことで、臨床研修が始まる直前でした。この発表を早くしてほしいということで  す。これは大学の事情もあると思います。もう1つの意見は大学からの要望ですが、  成績を是非教えてほしいということです。自分たちの大学の学生の成績について、詳  しく知りたいということです。それを卒前の教育にも役立てたいという意見がだいぶ  ございました。これについても教えていただければと思います。 ○部会長 発表については、確か医道審議会の医師分科会の合否判定会議でも発表の時  期についてご意見も出たような気もしますが、現時点で、今回の第100回は3月29日  ということですね。  この報告書でもこれをなるべく前倒しにして、早く確定でき  るようにという考えで進めているわけです。その辺について実際のところを事務局か  ら説明してください。 ○林専門官 まず、大前提として医師国家試験を受けることができる者は、医学部を卒  業した者となっています。医師国家試験を受けさえすれば、誰でも医師になれるとい  うことではなくて、医学部を卒業するということが、まず医師になる1つの条件です  。その上で医師国家試験を受けることが1つの条件になっております。したがって医  師国家試験を受験するに当たっては、各大学から卒業証明書をいただくことになって  おり、便宜的には各大学に在学中に卒業見込み、卒業判定証明書を受けることで、手  続を進めておりますが、最終的な合格発表というのは、卒業証明書を受け取った上で  、卒業した方に限って合格を打つという形をとっています。3月29日に発表している  のは事情があり、毎年どこの大学が何日であれば卒業証明書を出していただけますか  ということを伺っております。各大学の中でいちばん遅い卒業式が行われる所が大体  3月26日とか、27日ということが通例です。どこがいちばん遅いというのは毎年変っ  ていて、数年前までは東大がいちばん遅くて、東大のほうはだんだん早くなってきて  いますが、その後またほかの大学が3月26、27日ごろに卒業式をする。事務局としま  しては、その最後に卒業証明書をいただいた日から2営業日後に発表ができるように  全力を尽しております。その結果として29日に発表を行いました。来年の春につきま  しても、同じ事情で29日に発表することを予定しています。大学の方々のご理解ご協  力もいただいて、進めていきたい問題だと考えております。 ○部会長 発表については、すべての大学が卒業者の名簿を厚生労働省に提出してから  2営業日後に発表していくということです。また、大学に問いかけても、なかなか前  倒しの卒業認定はできないという大学も現時点ではあるということですね。 ○林専門官 そうです。医科大学につきましては、かなりご協力をいただいているとこ  ろです。どうしてもほかの学部もある大学というのは、なかなかご協力をいただけて  いない状況があります。 ○部会長 もう1点は。 ○別所委員 そういう一部の大学のために全部が非常に影響を受けているのですが、大  学ごとの発表というのは、もう論外の話でしょうか。 ○部会長 これはいかがでしょうか。全体の合格率等の発表にも影響してきますね。 ○林専門官 発想としてはあり得ると思いますし、ご意見としては受け止めたいと思い  ます。 ○部会長 それから大学ごとの成績を通知するということですね。これに関しては現時  点での説明は事務局からいただいて、また委員の方々からもご意見をいただきたいと  思いますが、いかがですか。 ○林専門官 現時点では、大学ごとに出しているデータというのは、大学ごとの受験者  数、合格者数、合格率を新卒、既卒別に出して公表しております。また、各分野ごと  の点数の平均点を大学ごとに個別に送付をいたしています。これも各大学の成績その  ものを、当該大学のみにお送りをしています。ある分野、例えば内科といいますか、  消化器の分野について全国平均よりも、これだけこの大学は高いということについて  は、各大学にはわかっていただける形になっています。個人のデータについては、個  人にお送りしているので、各個人の点数を大学にお送りするということはいたしてお  りません。 ○部会長 いまの受験した人からの希望の中では、医学部の希望については、いまの程  度の情報以上に、さらに細かい情報を大学に欲しいというご希望だったのでしょうか  。 ○別所委員 大学が欲しいのは一人ひとりの情報ということで、これについては例えば  受験票を出すときに、大学に通知してもいいという所に本人に丸を付けてもらうとか  、あるいは名前を伏せて100人受ければ100人の、それぞれのデータを出すと、個人情  報の保護に配慮したいろいろな出し方があるのではないかというふうなご意見が、多  数あります。 ○部会長 これは大学の医学部あるいは医科大学のほうからの意見ということですね。 ○別所委員 教員のほうの意見です。 ○部会長 これについては、いかがですか。ほかの委員の方、ご意見がございますか。  確かに教育をする現場としては、そのような情報が役立つということもあると思いま  すし、特定の個人がこうだったということでなくても、個々の人の名前を伏せたデー  タということでしょうか。教育の現場からはどうなのでしょうか。そのようなデータ  が是非必要だというご意見もあるかと思いますが。 ○名川委員 氏名などの個人識別のための情報は必要ないのですが、連結可能なような  状況で、個人毎の情報が大学にフィードバックされますと、例えば大学の中で行われ  ている試験の成績と国家試験の成績を比較することができますので、それによって軌  道修正するというようなことには使えるかと思います。ただ、技術的にかなり難しい  かもしれませんが、そういうデータを教員はかなり望んでいるのだろうと思います。 ○部会長 いかがでしょうか。そのようなご意見もあります。これ自身、国家試験を改  善するということもありますが、広く卒前教育とリンクした上での国家試験を改善す  るということでは必要なのかなとも、個人的には思いますが、いかがでございますか  。 ○福田委員 共用試験が昨年の暮れから正式に始まりまして、前期分の結果が出ました  。この返却フォーマットについては、なるべく学生個人とその大学にとって、教育の  改善に使えるようなフォーマットにして返すという基本方針で臨みました。これはい  ずれ機会がありましたら、どういうフォーマットで公開されているかをお示ししたい  と思います。そこでは分野カリキュラムの大項目、中項目程度まで、かなり細かく分  析をして、その大学の学生の平均値と、全国的な平均値と、それからその学生がどこ  にいるかというのを細かく提示しています。すると学生にとっては、例えばどの分野  をもう少しやらなければいけないのではないか。大学にとってその平均値が出ていま  すので、全国的にどうなっているのだろうということから、教育改善にたぶん使える  だろうという観点でお返しはしています。そういう事例があります。 ○池ノ上委員 先ほど申し上げましたが、各大学の温度差が新しい分野であるというこ  とを極力なくすという意味でも、例えばこの分野、当初、非常に混乱が起きたのは医  療面談に関するような分野とか、ああいうところがどういう項目が重要であるかとい  う認識が意外と徹底していない部分があります、そういった部分がどの項目辺りが、  どの大学で遅れているのかといいますか、あるいは教育が必要かといったことへの、  そのレベルのフィードバックが非常にいい効果が出るのではないかなと思います。 ○部会長 そうすると今、共用試験でやっているようなフォーマットを参考にするなり  して、同じような形、同じような考え方で、医師国家試験の結果を大学にフィードバ  ックするという方向性がいいのではないかということかとも思います。 ○福田委員 受験生には全国の平均は全部公開していますので、そこと自分の大学の平  均値を比べていただく作業がいちばん必要になって、たぶんそういう要望が強かった  のですね。教育改革を進める人たちは、そのデータが欲しいと、このデータを手本に  してやりたいというプラスの面の要望がありましたので、そういう形にしています。 ○部会長 かなり各論的なお話も出てまいりましたが、そのような教育現場の声がある  ということですね。いかがでございましょうか。それはここで記録にとどめておいて  いただきまして、そのほかに本日はこの部会でどのようなことをこれから検討課題と  していくかというような広い意味からのご意見をいただきたいと思っておりますが、  いかがでしょうか。 ○名川委員 前回の検討会でも今後の課題とされました受験回数の制限を設けるかどう  か。これは受験をする個人の観点から良い悪いということを決める方向性と、あと社  会的損失の面です。その方も含めて社会的に6年間の教育を終った後に、何回ぐらい  受けて駄目だった場合にどうするかといったところの検討も必要ではないかと思いま  すが、そのためには若干調査が必要かもしれません。例えば多浪と言いますが、これ  はたぶん2回以上のことでしょう。2回試験に不合格であった方が、例えばその後、  どういうような進路について、どういうような形で活躍されているかとか。5回以上  ですと、もうほとんど合格はないというような状況とか、そのようなデータがあると  、少し考えやすいかなと思います。 ○部会長 これはまだ前回の報告書でも結論を出していないわけですね。報告書の5頁  に書いてありますが、受験回数の制限についてということです。「受験回数の制限の  導入は見送ることとするが、大学医学部・医科大学における不適格者に対する取組み  を見極めつつ、将来的な導入に向けてその効果や影響等について具体的に検討するこ  とが望ましい」ということが前回もありましたが、この受験回数の制限については、  この部会においても検討するべきであるというご意見かとも思いますが、この件につ  いていかがでしょうか。医師会ではこういうことについて、何かご意見がございます  か。 ○飯沼委員 特に聞いてはおりませんが、我々の中には自浄作用活性化委員会とか、要  するに医の倫理等々に非常に関心があるわけですが、非常に少ない、0.0何パーセン  トのあるとてつもない悪いことをする連中がいることは事実なのです。それが毎年医  道審議会等で、それからリピーター云々の話等で出てきますが、いちばん関心がある  のは、これも日医の見解ではありませんが、私、個人的にはリピーターの連中が1回  で試験を通っているかどうかとか、それから学校はしっかり卒業しているのかどうか  とか、卒業をしているのでしょうけれども、そういうことが非常に関心はあるのです  が、これ調べようも何もないのです。リピーターの再教育をどうするかというのはい  ま始まっていますが、その時には何年にどこの大学を出て、第何回の国家試験を通っ  たということはフェースシートには書いてありますが、それは個人的に拝見できるだ  けでほかは使いようがないわけです。そういうこととの関連があるのかないのか私は  知りませんが、もしあるとすれば、その辺のところも一緒に考えなければいけない問  題ではないかと思います。 ○部会長 先ほど名川委員のご発言でも資料というのですか、情報が必要であるという  こともありまして、名川委員のご発言は、例えば何回以上落ちた場合には、もうほと  んど合格しないのかと。このデータは前の検討委員会でも一度出たことがあったかと  も思いますが、3年経っていますのでさらに新しいデータがあるかと思います。また  、あとの飯沼委員のほうは医道審議会等で問題となる医師、これは非常に少数ですが  、その医師の受験回数の状況ということですが、事務局から何か資料がございますか  。 ○林専門官 また今後の検討の中でデータについては、出せるものは出していきたいと  思っています。公表しているレベルでは、毎回受験可能回数、すなわち卒後何年経っ  ている人が合格率がどれぐらいであるかというデータを毎年出しています。この春の  国家試験におきましては新卒の方の合格率が93.9%であったのに対して、2回目の方  、2年目の方に関しては78%、3回目だと53%、4回目は33%、5回目だと21%とど  んどん下がっていきます。5回目以降の方に関してはサンプルが減っていきますので  、バラつきはありますが、大体10〜20%内外の合格率というところまで減っていきま  す。他方、10%〜20%といいましても、何度か受けていれば、合格できるチャンスは  あるという見方もできるかと思います。   その原因、あるいはどうしていらっしゃるのかということに関しては、私どもから  把握するというのはなかなか難しい面がありまして、まさに本日資料、アンケート調  査の中で出していますが、大学の関係者がどのように把握しているかということに関  して、調査をさせていただいた次第です。 ○部会長 名川委員よろしいですか。これはさらに資料を追加として、受験回数の制限  が議題になったときの資料としては準備していただけますか。 ○林専門官 国試の今までの受験のデータは、こちらで持っているものについては整理  をしたいと思います。 ○部会長 質問なのですが、いまのは回数ですか。ときには休んでしまう人がいますね  。だから卒業後何年目ということなのですか、それとも実際に受けた回数ということ  ですか。 ○林専門官 いまのは卒業後何年目、受験資格を得たときと受けた時の差です。 ○部会長 ですから、その間に例えば2年間なら2年間、全然受けないという人も、そ  の何回というふうに数えられているわけですね。 ○林専門官 はい。 ○部会長 あと飯沼委員の求めているような情報に関しては、どうなのでしょうか。こ  れはなかなか難しいですね。 ○林専門官 その履歴書を見ていただければ、卒業年次と国家試験に受かった年は分か  っていただくことができるかと思います。その一つひとつの事例を見ればお分かりい  ただけるのだと思います。私どもが網羅的にそういった事故の事例の履歴書を持って  いるわけではありませんので、そういう意味では私どものほうでというのは、なかな  か難しいかなと思います。 ○飯沼委員 少しだけ追加させていただきますが、各都道府県の社会保険事務局と都道  府県が行います個別指導というのがあります。これは先生方みたいな大きな病院は共  同指導とかいろいろあるのでしょうが、日本全体としては結構多いのです。1年にお  そらく千に近い単位の病院がやっているのではないですか。そういうときにフェース  シートを見ていくと、あれと思うような方は結構おられます。これは厚労省というよ  りも地方の社会保険事務局が協力をしてやれば出来そうなことではあるかもしれませ  ん。本庁がやることではないかもしれません。 ○部会長 これが医師国家試験の改善にどのように結び付くかということも含めて、そ  のような情報をどのように扱うかということかとも思いますが、よろしいでしょうか  。受験回数に関しては本部会でこれから検討をしていかなければいけないというよう  なご意見かとも思いますが、今後の検討の中でこのような議題を入れるということは  よろしいですか。 ○部会長 そのほかにご意見がございますか。特に気になっているのは今後、改善する  方向性が定まった事項、5頁に書いてあるOSCE、実技試験のことですが、これに  ついても「引き続き医師国家試験を導入することを目指して客観的な評価手法の確立  等の検討を行うとともに、大学医学部・医科大学における臨床実習の評価等に積極的  に導入することを強く希望しつつ関係機関へ周知徹底を依頼することが望ましい」と  いうふうになっています。   これを受けまして、いくつかの機会で、たまたま私がいただいていた厚生科学研究  費でもOSCEの普及に関する研究事業をしていたわけですが、国家試験に導入する  ことに関しては、いろいろな問題があるかとも思いますが、OSCEに関しても少し  ご意見をいただいて、議題として、本部会の論点として取り上げてよろしいかどうか  ということも、ご意見をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。文科省では  、卒前におけるOSCEの実施状況というのは、現時点で把握されているのでしょう  か。 ○栗山医学教育課長 ほとんどの大学で実施していますが、正確な数字は持っていませ  ん。 ○福田委員 共用試験の臨床実習開始前のOSCEは全部導入しています。それから、  終了後のOSCEといいますか、アドバンストOSCEに相当するものを実施してい  るものは、その内容はともかくとして、診療科別でやっているのかもしれないし、大  学全体でやっているのかもしれない。これは不明ですが、それが約半数近くでしょう  か。それから臨床実習終了後のOSCEを導入すべきというのが圧倒的に多い。これ  は極く最近の調査の結果です。これは各大学、それこそ温度差がありまして、導入に  積極的でかなり進んでいる所と、やっと臨床実習前まできた所と、これはいろいろ経  緯があると思いますが、なるべく底上げを図っていくという方向で進めている状況だ  と思います。 ○部会長 いかがでしょうか、事務局どうぞ。 ○林専門官 私どもが把握している資料では、全国医学部長病院長会議が平成17年にま  とめられた「我が国の大学医学部白書2005」がありまして、その中で全大学に医学部  長病院長会議のほうからアンケート調査をされています。また、これについても次回  以降、資料として見ていただきたいと思っていますが、「臨床実習より後の卒業前の  OSCEを実施していますか」という問いに関して、全体では「はい、実施していま  す」が34大学、「検討中」の大学が11、「いいえ」とした大学が33ということです。 ○部会長 現在ではもう少し進んでいるかとも思っています。OSCEに関しても、さ  らに資料を出していただいたり、あるいはOSCEに関して厚生労働科学研究費の分  担研究者で諸外国の状況ですか、諸外国の国家試験におけるOSCEの状況を調査し  た報告などもありますので、その辺のところも将来の本部会でご意見を聞くこともあ  るかとも思いますが、いかがでしょうか。 ○松村委員 OSCEに関しましては、臨床研修の後、卒業前のアドバンストOSCE  をやっている大学のパーセントが必ずしも上がりにくいというのが1つの問題だと思  うのです。私は医学教育学会の中で、アドバンストOSCEを推進していきたいとい  う側の方々の意見を聞くことが多いものですから、そこでの話では大学でそういうア  ドバンストOSCEをやっていきたいという方々が少数であるために、大学の全体の  ムードを引っ張っていくことは難しい。もちろん大学による温度差はあるのですが、  温度の高い所でも少数であって、なかなか難しいのだというのが1点出ている問題か  なと思っています。そこに教育的な資源をどれだけかけることができるかというのが  、私などは地域医療のほうで外側から見ている立場なのですが、思うことなのです。  もう1つの問題は、OSCEの客観性と申しますか、それを試験に持っていく際の技  能とか態度が本当に見れるかなというのが、実はいちばん大きな課題かなと思ってい  ます。医療を卒業した者を預かる立場からは、必ずしも見れないところがあるのでは  ないかとも感じています。これは非常に大きな課題だと思っています。つまりふりを  するうまさみたいなのがすごく目立つ人もいまして、そのことと実際の臨床は乖離が  あるのではないかという根本的な課題があるのではないかと、実は思っています。 ○部会長 そういうご意見ですが、いかがでございましょうか。アドバンスドOSCE  については、教育の現場で推進しようとする方が、まだマイノリティーだという認識  を持っている方がいらっしゃるということ、それから実際に国家試験としての評価は  、いろいろな問題があるというご意見だったかと思いますが、いかがでしょうか。 ○福田委員 実際にOSCEの設定をしながらやると、松村委員がおっしゃったように  、すべて課題なのです。人を動員しなければいけない、課題はどうするか、その評価  基準はどうなのか。評価基準が妥当性を持っているのか。これはパフォーマンステス  トとして資質をはっきり見極めるのは、ものすごく難しいです。点数化して全体を見  て決めるといっても、その根拠が本当にどこにあるのかがわからない場合が多いので  す。ですからなるべく簡素化していただくほうが大変なのです。あとは動員体制もか  なり大事なのです。これは実際にそうなのです。お金もかかる、はっきり言って評価  者の育成もしなければいけない、そういう多くの課題をいま抱えている中で、私たち  は進めていますので、その辺のところ、前川委員がいらっしゃるので、試験の信頼性  とか、ここの辺について私どもご意見を伺っていますので、是非、前川委員からお願  いします。 ○前川委員 共用試験のほうでOSCEのことをやらせていただいているのですが、た  ぶんいちばん問題となるのは、全員の受験者を1人の先生が評定するという状況は、  実際に作るのが非常に困難ですから、ある生徒はある先生が評定する。別の生徒は別  の先生が評定するという状況にあります。そのときに評定者の間で甘い先生、辛い先  生があるという状況が起きるのではないか。   試験の採点の立場から言いますと、評定者は甘い人も辛い人もいる、だからその甘  さ辛さを、なんとか調整したような点数を出したいということをやりたいのですが、  デザイン的にもなかなか難しいことがあるのではないかという形で、やはり評定のと  ころが問題になるのではないかなという気がしています。 ○部会長 評定の客観性と公平性という2つのことと理解してよろしいですか。 ○前川委員 はい。 ○部会長 そのほかいかがでございましょうか。OSCEを中心にいま話がありますが  、OSCEのかなり各論にまで話が入りましたが、本部会での論点の1つとして、今  後OSCEをどうするかということもさらに検討すると。そのために必要によっては  資料なりあるいは参考人のような方をお招きして、さらにご意見を聞くことで今後の  部会を進めていくということでもよろしいでしょうか。 ○池ノ上委員 特にいまアドバンストOSCEのお話が出てまいりましたが、OSCE  そのものは医学教育全体の中の一部として存在するという基本的な考え方、特にアド  バンストOSCEだと、そういうことだと思うのです。そうしますと、他の医学教育  の場でも、OSCEだけではなくて、例えば7頁の「今後検討すべき事項」の2にあ  りますが、諸外国のことも考慮に入れながら、それをブラッシュアップして問題とし  てそれを検討するというような、国際化という意味合いからも、医学教育が国際的に  どういう位置づけになるかということも、非常に重要なものです。そういった全体の  医学教育の中でOSCEの位置づけ、それからOSCE以外の分野で教育をしている  、例えば日々の学生と教官のかかわり合いとか、患者と学生のかかわり合いを教官が  どういうふうにそれを介在するかとか。そういったところの総合的な対応の結果とし  てアドバンストOSCEをどう位置づけるかということを、国際的な目からも、必ず  しも米国だけがいいわけではなくて、ヨーロッパあるいはアジア諸国の中でも、日本  の医学教育と匹敵する、あるいはそれ以上のことをやられているような国々があるわ  けなので、国際化という観点からすると、やはり医学教育もそういう位置づけである  。その中でのアドバンストOSCEに持っていく医学教育の段取りといいますか、そ  ういったところと相まった考え方につながる国家試験のあり方という方向をこれから  模索していく必要があるのだろうと思います。あるところ、ポイントだけを一生懸命  やっても、なかなかバランスが取れないということが起こるのではないかと思います  が、やはり総合的な医学教育ということが、ますます重要視されてくるのではないか  なと思います。 ○部会長 ありがとうございます。国際化ということも含めて総合的に検討し、OSC  Eもそのような観点から見ていくべきだというようなことかとも思います。国際化に  関しても厚労省の研究費補助金で私もまとめたことがありますが、ご存じのように、  国によっては国家試験がない国もあります。米国、カナダ、オランダ等の国家試験と  いうか、医師の資格をどのようにしているか。その時にOSCEがどうなっているか  というような報告も現地の調査をしていただいたこともありますので、もし、ここで  ご了解をいただければ日程を調整してその分担研究者の方にお話をお聞きするという  ことで、我々の理解を深めるというような方法でもよろしいでしょうか。そのような  こともまた検討をさせていただきたいと思います。   いまお話にありましたが、7頁のVの2の最後の所ですが、これは問題の蓄積とい  うことも含めて、米国等の医師試験問題、USMLEをブラッシュアップして、一部  記載することの可能についてということ、これに関しても既に検討しまして、USM  LEから既に実際に使った問題をお金を払って買って、それに関しての分析等の報告  が既に出ています。日本の国家試験ではピクトリアルと言うのですか、画像情報が多  いとかいろいろな差もあります。それから、どの程度に使えるのか、単に言語の問題  ではなくて、承認されている医薬品なども違いますし、また疾患の形態なども違うと  いうことですが、かなり使えるのではないかというような全体的な結論ではあったか  と思います。   それに関してはUSMLEも大変お金をかけて問題を作っていることもありますが  、ただではくれないのですが、ただ、その資料は非常に良い資料です。「この問題は  何年と何年とに出して、合格率がこうであった。それで識別指数はこうであった。2  回出したけれども、決して合格率が上がっていない。」などというデータもみんな書  いてある、データ付きの試験問題を買うことができました。実際にはUSMLEの要  請で、その検討をした後には問題を全部廃棄しているわけですが、そのレポートもあ  りますので、その点についても資料として提出できるかと思います。 ○前川委員 いまの問題と関連すると思いますが、報告書の3頁にも書いてあるのです  が、その問題を非公開にしたいということを、前回の委員会では報告をしているので  すが、これが公開ということになってしまった。その公開というのは別に、出来が悪  かった問題、間違った問題を隠すために非公開にするわけではなくて、いい問題は再  利用していこうというそのために非公開をお願いしているのです。これはもう変わら  ないものなのでしょうか。そこのところをお伺いしたいのです。 ○部会長 これは100回から持ち帰りを許可した理由について、まず事務局からご説明  をお願いします。 ○林専門官 きっかけとしては、やはり情報公開法ということがございます。実際に国  民の方からの開示請求がありまして、その中で前川委員がおっしゃったような理由を  厚生労働省としては主張をして、情報公開審査会でもご審議をお願いしたわけです。  他方、医師国家試験の問題を知るという国民の「知る利益」の比較考量の中で、全体  的に社会情勢の中では、いまは問題を公開する利益のほうが高いというご判断がなさ  れたものと考えています。また、将来はどうなるかということを私どもにはわかりか  ねるところもありますが、近々にそれを置き換えるということは、なかなか難しいか  なというふうには思っています。 ○部会長 国家試験で問題を作った側からすると、いい問題ですとまた利用したいので  公開しないでもう1回使いたい、年をおいて使いたいというようなこともあるかとも  思います。いまの持ち帰りのことについてもこの部会の論点として取り上げるという  ことでもよろしいですか。それともこの事に関しては、法律で縛られているから議論  をしても無理なのでしょうか。 ○林専門官 具体的に法律に何を公開しなくてはいけない、何を非開示にするというこ  とまで書いてあるわけではないので、社会情勢、いろいろなことで判断されることだ  と思います。ただ、厚生労働省あるいはこの部会だけの判断で何かが出来るという状  況ではないと思います。 ○部会長 意見を述べることはできるわけですね。そのほかに広くどうぞ。 ○橋本委員 いまのことと関連するかと思いますが、そのプール制導入について、いま  はどの程度まで進んでいて、今後どういうスケジュールでどういうふうに考えていく  のか。特にいま問題公開がされるということも行われているわけですから、是非その  辺のところを、もう少しはっきりしていただきたいなと思っています。 ○部会長 それではまずプール制について、ずいぶん問題を作ってプールしてきたわけ  ですが、現状についてはどうなっているか説明をしていただきたいと思います。 ○林専門官 具体的な数字等については、今後の議論の中できちんと示したいと思って  います。いま行っていることは、過去の問題をプールをして、毎年500問ありますの  で、10年ぐらい経つと5,000問ぐらいの問題が貯まるということがあります。あと公  募の問題ですが、各大学等から大変なご尽力をいただきまして、毎年1,500問とか  2,000問とか、そのぐらいの問題が公募されてきています。これも数年やっていると  数千問から1万問ぐらいの問題の素案が寄せられる形になっています。   そうこうしているうちに問題の公開ということがありまして、過去に出した問題を  繰り返し使うこと自体が良いのかどうかということを、改めて考えないといけない状  況になっていると思います。アンケートにもありましたように、かなり教育現場で受  験対策のようなことが進んでいる現状がありまして、過去問を一生懸命に解いている  という教育を助長する可能性があるのかないのか、そういったことも含めてこの場で  も議論をいただく課題の1つになるのではないかと考えています。   今後のスケジュールに関して言いますと、出題委員としてご尽力いただいている先  生方にはご理解いただけるかとも思いますが、問題をたくさん作る、あるいは修正す  るというプロセスには、多大な手間と時間がかかっていまして、一口に1万問とか3  万問、役所が作ると決めればできるというような、あるいはお金をかければできると  いうようなものではありません。教育関係者の方に多大なお手間をかけることになり  ますので、そういったことも含めて、今後の議論の中で実情をお話しながらご検討い  ただければと思っています。 ○部会長 確認ですが、95回の試験からは回収をしていたけれども、100回からは持ち  帰りをするようになった。そうすると95回から99回についても、その後、回収はして  いたけれども、それも公開したということですと、現時点では、ずっと今まで行われ  ていた試験問題は、公開されていると理解してよろしいわけですね。 ○林専門官 そのとおりです。 ○部会長 既にそれが、例えば20年分ですと、出題数が360題のときもあり、500題のと  きもありますが、かなりになっているということです。ですから委員会では、数万題  出来れば、それは全部公開して一生懸命に数万題勉強すれば、それを全部答えられる  人はいいのではないかという意見もあるわけですね。そのような意見も含めて公開と  回収というのは関連していることだということかとも思います。永井病院長何かご意  見がございますか。 ○永井委員 私はあまり国家試験のことに関与していなかったのですが、確かに知識で  やるとか、技能、態度については、いろいろ検討されていると思うのですが、私が現  場で見ていて、いちばん足りないと思うのは、表現力というのですか、リベラルアー  ツの部分、これは本来共用試験でやるべきことなのかもしれません。例えば論理的な  カルテが書けないとか、インフォームドコンセントや、迅速にポイントを押えて説明  できないとか、あとは読み書き計算ですね。小学生程度の計算ができない。これは医  療安全上も非常に問題です。やはり国家試験の中で、そういうこともチェックすべき  ではないかなという気がします。   国際化の話もありましたが、読み書きの能力です。日本語ももちろんそうですし、  せめて英語を読むとかいうことも、今後ご検討いただければと思います。 ○部会長 医療の安全では確かに、何パーセントの何を何のmlで希釈すると何パーセ  ントになり、これを体重1キロあたり、1分間に何mg投与するなどと、それで計算  を間違えて100倍量ぐらい投与してしまうということがあるわけですね。国家試験で  そういう問題を出せば、数学的な能力も含めてチェックはできますね。 ○永井委員 それが問題になったと思いますが、パーセントの濃度表示ですね、これ小  学校で習っているのですが、私が新卒の研修医に試験しましたら、正解率が10%程度  だった。 ○部会長 それ、東大の方ですか。 ○永井委員 東大の卒業生では必ずしもないのですが。それから研修医を見ていてドロ  ップアウトしていく人の最初の徴候は、カルテのサマリーが書けないというところに  出てきます。ドロップアウトする前にカルテの提出が遅れる、サマリーが遅れるとい  うところにありまして、どうも文章をまとめる能力が足りないのではないかというこ  とを、長い間、感じていました。それからカルテを早くまとめられる人は、何年経っ  てもいい臨床医になっていきますし、いずれリーダーシップを取る医師になっていく  というのが、私の長年の経験でございます。 ○部会長 かなり新しい視点でのご発言をいただきました。非常に大事なことだと思い  ます。  ○土田委員 いまの永井委員のご発言に励まされまして、ちょっと場違いかと思います  が、ですから一笑に付していただいて結構なのですが、大学教育というものに長年関  心を持ってまいりまして、日本の大学教育の形がどうなっているか、それが何を意味  しているのかということを、ずっと関心事としてございました。医学の国家試験の場  合ですと、これは明らかにほかの、例えば公認会計士とか、一級建築士とは性格が違  うわけです。相手が人、人の命、健康であるが故に、知識、暗記が優れているという  ことが、医師の質を保証するものではないことはもちろんだと思います。ところが日  本の現今は、大学教育全体が専門学校化してきまして、とりわけ医学部の場合では、  こう申しては語弊があるかとは思いますが、まさに専門学校になっているのではない  かと思うのです。リベラルアーツの部分というのは、飾りか飾り以下のものでしかな  い。これは医学、医療の場合には大変ゆゆしき問題だろうと思います。   医師国家試験をどのようにソフィスティケートして良いものにしていったところで  、やはりイタチごっこでして、それなりの受験対策を講じている。医学生のメーリン  グリストに忍び込んでいるのですが、そこでの議論を聞いていると、まさに背筋が寒  くなるような、医師国家試験にどうやって通過するかという、受験対策が横行してい  るのだろうと思います。そうだとしますと、医師国家試験を含めて全体として医学・  医療にかかわる者の一生とまでは言いませんが、10年、20年の単位で見てどうしたら  いいのかと私は考えるべきだと思うのです。メディカルスクールが未だに嫌われてい  る状況の中では、例えば4年生の時に一度関門を設けて、そこで全体的な資質を見る  、そして一人の教員ではなくて、アメリカの大学院では絶対そうなのですが、数人以  上の教員がインタビューしているはずなのです。数人以上の教員が一人ひとりの学生  に会って、そして、あとで総合してその学生が大学院に行けるかどうかを決めるとい  うのが手法だと思うのですが、日本の場合ではそれがなくて、医師国家試験に臨むわ  けです。   したがって平素の学業だとか、人格的なあり方とかを一度4年次ぐらいで検査して  おくことがあって然るべき。そして、そこで受かった人がさらに2年間やって医師国  家試験に臨む。または医師国家試験からは数年を経て。先ほど「臨床研修の後の感想  」ということがありましたが、私は本当に2年で十分な能力を持っているかどうか疑  問に思いますが、卒業後数年してから、それが何年なのかはわかりませんが、もう一  度、関門があってもいい、そういう形で医師国家試験の妥当性が保証されていくので  はないか。だから1回の医師国家試験に全精力を集中するような、いまの体制そのも  のが、ちょっと私には不可解なのです。 ○部会長 ありがとうございました。そのようなご意見もあります。そのほかにいかが  でございますか。時間も迫ってきておりますが、本日はフリートーキングです。 ○橋本委員 合否基準の話がなかなか出てこなかったのですが、私は特に統計を専門に  しているのですが、私が入れられたのはたぶん合否基準とか、この辺の検討のところ  で何かお役に立てることがあるのかというようなことかなと思っています。今日のア  ンケートの中で、特に禁忌肢の部分が示されていて、私も受験される方と話をしてい  て、やはり禁忌肢については、かなり不満があり、わからないと。要するに一体何題  あって、それでいくつ踏んだらどんなものなのだろうというのも、学生は実はよくわ  からない。それだけで不合格になる。そういう意味では非常に不安を感じている学生  の方がいる。   その一方で禁忌肢について、私はどういう経緯で導入されて、どの程度評価をされ  てきたのかを理解していないのです。やはりこういうアンケートを見てもさらに検討  する余地があるのではないかと思っています。 ○部会長 禁忌肢についても、さらに検討をするべきであるということでございますね  。いまお話がありました、毎年毎年の合否判定委員会では、ほかの2つの基準では合  格しているけれども、禁忌肢だけで落ちた人の人数などは、ある程度の数字が出てい  る。今日は公開の場なので一般的な話で結構ですが、決してそれが多くないというふ  うに私は理解をしていたのです。つまり、必修問題とか一般問題、臨床実地問題だけ  では、合格基準に達しているけれども、禁忌肢をチェックしたために、禁忌肢だけで  落ちているという人の人数は、具体的にはそれほど多くないということだったかと思  いますが。 ○林専門官 定性的には部会長がおっしゃるようなことだと思っています。 ○部会長 それは公開されていないわけですね。 ○林専門官 はい。 ○部会長 ですから非常に不安がある。はっきり言えば必修問題も一般問題、臨床問題  も出来る人ならば、禁忌肢だけで落ちることはほとんどないのですよということが、  ある程度わかっていれば。その数字はいまここで具体的に出すわけにはいかないかも  しれませんが、そのようなことがわかっていれば、禁忌肢もある程度、妥当というか  それにあまり不安を持つことはないのかもしれません。そういうことをこれからも公  開するのかどうかということも含めて検討していかなければいけないかと思います。  禁忌肢についてもこの部会で検討事項としてとりあげていくということでよろしいで  すか。                  (了承) ○部会長 ありがとうございます。そのほかにいかがですか。今日は主に前回の報告書  を中心に、いろいろご意見をいただくことになりましたが、これにこだわらずに医師  国家試験を広く、先ほどの土田委員のようなご意見でもよろしいので、ご意見をいた  だきたいと思っております。   プール制についても一時はかなり一生懸命にやっていて、貯まってきているので、  この先、それをどう利用するかというか、方向性もしっかり決めないといけないかと  思います。プール問題はかなり出来ているわけです。   それから今までの出題でも、例えば94回以前に関しては公開されていて、持ち帰っ  ていたわけですから、その問題で比較的良かった問題をある程度直したり、回答肢を  変更したりするけれども、基本的に聞いている内容に関しては同じで、そのような問  題を出していることはありましたよね。 ○池ノ上委員 プール問題にしても内容は一緒なのですが、問い掛け方とか、答え方と  いうのはかなりモディファイされていますので、全く同じ問題が過去問、プール問題  から出ているわけではないのですが、そういったところを今後どういうふうに利用し  ていくか。やはり良い問題はいつまで経っても良い問題ですし、さまざまな指標、識  別、その他はモディファイしても、やはり良い問題である傾向が多いのです。ですか  らそういうのは十分使えるようなシステムをしっかり構築することは、非常に大事な  ことだと思います。 ○部会長 正答率と識別指数で良い問題というのは、ちょっと変えて直しても良い問題  として残っているわけですね。 ○池ノ上委員 先ほど永井委員、土田委員がおっしゃったことに関連するのですが、や  はりコミュニケーションだとか、自分の考えを的確にまとめて相手、患者に伝えると  か、患者からそれを聞いてサマライズするというのは、医学教育の中でも比較的最近  の新しい世の中の動きだと思うのです。既にエスタブリッシュされた知識だとか、そ  ういうことを問うというのはあまり揺れないのですが、時代の流れとともに変化する  医療上の必要なことというのを問うと、非常に格差が出てくる。下手すると一生懸命  に良い問題だと思って皆さんが考えて作っても、正解率は非常に悪いというのが出て  きて、これは悪問だと言われたりすることもなきにしも非ずということです。   先ほどご指摘があったような、時代の流れとともに社会が医師に要請しているもの  は何なのだというところが、まさに先ほどのご議論の中に出てきているのだと思うの  です。ですから、その辺が例えば医療面談であったり、医師の果たすべき役割であっ  たりといったところが、今後、更に重要になるのではないか。冒頭に私申し上げまし  たが医学教育の現場でも、そういったことが調整されていくことにつながるのではな  いかというふうにお話を伺っていました。 ○永井委員 国家試験の役割というのは知識を判定するというだけではなく、若い人た  ちに普段の勉強の仕方を指導するという意味もあるのだと思うのです。別にそれは成  績が悪くてもその問題をカットせずに公表することによって、あなた方は学生時代こ  ういう勉強が必要なのですよということを示すだけでも意味があるのではないかと思  うのです。 ○福田委員 いまの所は大変大事な所でして、先ほど土田委員のおっしゃった、適性を  どの辺でチェックするかというシステムですね。この共用試験は実際は厚労省からの  ご指摘もあって、医師として不適格な者に対して早い段階に進路指導が行われるよう  要請するという宿命を我々は受けているのです。実際にOSCEの場面で医療面接な  どは、このシナリオをかなりきっちり決められていますが、その対応の仕方はもう全  部学生はビデオ収録されていまして、かなりきっちり見られている。まだ標準のシチ  ュエーションになっていないのですが、診療録作成をやっている大学もあるのです。  共用試験では、なるべく多く各大学の設定にしたがってやってほしいと言っているの  ですが、標準6というと、みんな6に逆に落ち着いてしまうのですね、非常に妙なも  ので、これは必要最小限というと、必要最小限しかやらなくてもいいのではないかと  いう発想になってしまうのです。これは全然違うので、それをベースにしてもっと詳  しくやってくださいということの中に診療録が入っているのです。そういう所で実際  の訓練をすれば、かなり実地的なところはできるとは期待しているところです。 ○土田委員 今日のお話の中ではCBT(Computer Based Testing)の話が出てこなか  ったのですが、これの具体的な研究は進んでいるのですか。それは試験問題が公開さ  れると、結局そこに行かざるを得ない部分もあると思うのです。ですからその技術が  どのぐらい研究されているのか知りたかったのです。 ○部会長 現在での厚生労働省としてはその辺はどこまで把握しているでしょうか。 ○林専門官 過去に厚生労働科学研究の中で、そういったことを研究していただいたこ  ともあります。ただ、私どもがいま持っている感想としては、コンピュータを使った  試験を行うそのテクニカルな技術そのものは、もういろいろな所で行われていますの  で、そのことが支障になって進まないということとはあまり考えていません。やはり  先ほど申し上げましたように、問題が数万問ある必要があるとか、そういったところ  のほうがむしろボトルネックになるのかなという印象を持っています。 ○部会長 CBTを導入して、USMLEのように、自分の決めた日にというのですか  、全国一斉に同じ日ではなくて何回でも受験できるということになりますと、これま  た受験回数の制限にも、かなり関係してくるかとも思います。その場合はかなり大き  な問題をプールしないといけない。プール制にも関係してくるということもあります  し、また、CBTを全国同じ日に、同じ時間にやるとなると、コンピュータの端末が  8,000台必要ということにもなりますから、いろいろなこともあるかと思います。C  BTについてもこれからこの部会でほかのことも含めて検討していただく、OSC  E、CBTについてということでもよろしいですか。 ○土田委員 はい。 ○木下委員 永井委員、池ノ上委員のおっしゃったことに関連するのですが、最初に申  し上げた3つの大きなチェックポイントのことですが、共用試験を経て、OSCEを  経て卒然医学教育がずうっと流れてきた。先ほどのアンケートで国家試験対策がカリ  キュラムの過半数となる時期が6年生の4月とか8月とかが50%近くあるのです。そ  うすると、折角共用試験をへてうまく流れてきたものが、6年次になったらガーッと  国家試験の勉強のほうにシフトしてしまう。そして、それがまた今度卒後研修になる  と、こちら側に戻って来るというその振れが医学教育をゆがめているのではないかと  いうご指摘は、現場から多々上がっていると思うのです。いちばん6年生の大事な時  期に、国家試験の知識だけの分野に誘導してしまう方法というのは、問題があるので  はないか。全体像というお話しは、本当におっしゃるとおりだと思いますので、医学  教育全体の中で是非検討をしていただきたいと思います。 ○部会長 ありがとうございます。これは回答をしたのが59校で、期限が終わってから  いくつか来たのですが締め切ってしまったのです。59校の内で46校が何らかの対策を  しているということで、13校は何も対策をしていない。その対策をしているところで  はかなり強い対策というか、時間を割いた対策をしているということがあります。私  もこの結果を見て大変びっくりしたのです。そのほかにいかがでしょうか。本日はい  ろいろなご意見を広くいただきました。これからの部会の論点としてこれを整理して  、どのようなものを議題に上げていくかということを、こちらで整理させていただき  たいと思いますが、ご発言よろしいでしょうか。では、時間もまいりましたので、こ  の辺で本日の議論を終了させていただきます。今後、さらに議論を深めるために、国  家試験の詳細なデータを分析する必要がありますが、非公開のものも含めたデータも  ありますので、別にワーキンググループを設けて検討をしたいと思っています。委員  の皆さまには是非ご協力をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。ワ  ーキンググループの分析の結果を次回の部会に報告することにいたしまして、ワーキ  ンググループのご案内はまた別途ということになると思います。次回の日程を事務局  から何かございますか。 ○赤熊補佐 次回の日程につきましては、後日ご連絡をさせていただきたいと思います。 ○部会長 よろしいでしょうか。それでは本日はこれで閉会にいたします。委員の方々  お忙しいところご出席いただきまして、また貴重なご意見をいただきました、誠にあ  りがとうございました。 照会先:厚生労働省医政局医事課試験免許室              渡、山崎、木下       代表 03-5253-1111 (内線2574)