06/07/21 第24回 独立行政法人評価委員会 医療・福祉部会 議事録 独立行政法人評価委員会医療・福祉部会(第24回) 日時 平成18年7月21日(金) 場所 経済産業省別館8階827号室 ○部会長 ただいまから、第24回「独立行政法人評価委員会医療・福祉部会」を開催い たします。本日は全員の方にご出席をいただいております。それぞれの法人の、1年間 のご努力を評価するということですから、慎重に議論してまいりたいと思います。事務 局から、本日の議事について説明をお願いいたします。 ○政策評価官 政策評価官でございます。本日の議事は、議事次第にまとめております ように3項目あります。1点目は「のぞみの園の業務方法書の改正(案)について」と いうことで、障害者自立支援法の施行に伴う改正についてご報告をし、ご議論いただき ます。2点目は、いよいよ平成17年度実績をご評価いただくシーズンがまいりましたの で、今後の医療・福祉部会における評価の進め方について、基本的には昨年と同じとい うことですけれども、事務局より確認的にご報告させていただきます。3点目は、その 1つ目ということで、のぞみの園についての個別評価について法人からご説明をいただ き、評価をしていただくということを予定しております。 ○部会長 早速議事に入ります。「のぞみの園の業務方法書改正(案)について」説明 をお願いいたします。 ○のぞみの園法人事務局長 のぞみの園法人事務局長の石井です。のぞみの園業務方法 書の改正で、今回は2点あります。1点目は、平成18年4月の障害者自立支援法の一部 施行に伴い改正が必要となった部分について、これは本来であれば3月の時点で改正を しておかなければならなかったものですが、大変申し訳なく思っております。その部分 について一部改正があります。  資料1の3頁に「業務方法書改正案新旧対照表」があります。業務方法書の第6条の 改正です。第6条は、施設への入所について規定したもので、利用者の範囲を定めてい るものです。この利用者の範囲については、何ら変わることはないのですが、当施設を 利用しているデイサービスやショートステイの利用者の根拠となる法律が改正され、知 的障害者福祉法から障害者自立支援法に変わったための関係部分について改正する必要 があります。併せて、その他関係の修正をしたいと思っております。これは、施行期日 が平成18年4月1日となりますのでよろしくお願いいたします。  2点目は、障害者自立支援法が、平成18年10月に施行される部分があります。これ に基づき当園の業務方法書も10月の時点で改正することになります。資料の10頁に新 旧対照表があります。これも根拠となる法律が知的障害者福祉法から、障害者自立支援 法に変わったため、のぞみの園業務方法書の第4条及び第6条の関係事項の変更と、根 拠条文の変更を行うことであります。  最初に、業務の種類が規定された第4条中、「知的障害者援護施設」を「障害者支援 施設」に変更することが必要になります。また、4月の時点で改正のあった第6条につ いて、施設の利用について、日中活動の観点から入所者利用のみの施設利用に限定する ことなく、入所・通所ともに利用できることとするため、「入所」あるいは「通所」を 「利用」に変更し、施設利用の対象者を規定する根拠となる条文を変更する必要があり ます。併せて、デイサービスの利用根拠としておりました第6条第2項及び第1項を削 除し、第2項を第1項の第3号とすることになります。  申し訳ありませんが資料の修正をお願いいたします。10頁の新業務方法書の第6条の (2)という条項がありますが、これは削除する予定のものがここだけ残ってしまった ということで、第6条の(3)が(2)になります。次の頁の(4)が(3)になりま す。後ほど差し替えさせていただきます。この施行日については、平成18年10月1日 となります。以上よろしくお願いいたします。 ○部会長 ただいまの説明は業務方法書の改正についてでしたが、4月から自立支援法 が動き出しておりますので、それに伴う修正ということです。ただいまの説明について、 ご意見、ご質問がありましたらお願いいたします。 (特に発言なし) ○部会長 4月1日と10月1日に施行されていくものがありますが、いまの説明のとお り了承する。この後はいつものとおりですけれども、小さなところで文言の修正などが ありましたら、私と事務局の所で修正していくことも認めていただくということで、こ れは認めるということでよろしいでしょうか。 (承認) ○部会長 ありがとうございました。そのようにさせていただきます。 ○菅家委員 本質ではないのですが、13頁の第6条の2行目「理事長が別に定めるもの は利用の対象しない」ではなくて、「対象としない」ではないですか。 ○部会長 いまの文言の修正案について、のぞみの園のほうではどのように考えていま すか。 ○のぞみの園理事長 ご指摘のとおりだと思いますけれども、もともと抜けていたのか、 ここの資料上抜けてしまったのか確認の上正しいものとしてやらせていただきます。よ ろしくお願いいたします。 ○部会長 そのように進めていただきたいと思います。それでは、独立行政法人の評価 の進め方について、事務局から説明をお願いいたします。 ○政策評価官 資料2−1「医療・福祉部会における評価の進め方について」です。昨 年までこの部会で進めていただいておりましたやり方を基本的には踏襲させていただい ては、ということです。各回ごとに、資料の(1)(2)(3)に書いてあるように、 まず法人理事長から総括的・重点的なご説明、ご報告をしていただき、その上で個別項 目についてグループごとに実績報告を説明していただき、質疑を行い、評価をいただく べくシートに記入していただくという手順を踏んで進めさせていただければと思 います。  その資料の2枚目以降が、個別事項のグループ分けです。3法人をこの部会でみかじ めていただくわけですが、本日お願いいたしますのぞみの園あるいは医薬品医療機器総 合機構について、グルーピングに変更を生じております。資料の2頁目において、のぞ みの園の箱が書いてありますけれども、施設・設備に関する計画が17にありますが、前 回の改正において、長期計画を変更したことに伴い箱を変えました。3頁目で総合機構 については、前にもご議論いただきましたように、研究開発振興業務が新たに発足いた しました医薬基盤研究所に移管しておりますので、その関係については削除するという ことです。いずれについても、既にご審議、ご協議いただきました内容に基づく形式的 な影響を加味いたしました箱作りをいたしましたので、この箱に基づいて実績報告をし、 またシートに整理をしていただく作業を本日からお願い申し上げます。  資料2−1の1頁に戻りまして、評価基準については従来どおりS、A、B、C、D という評価をお願いいたします。当医療・福祉部会においては、昨年までも各委員の評 定を事務局で集計させていただいた上で、フリートーキングという形でのご議論をいた だき、評価結果を確定するという手順を踏んでいただいておりますので、そのようなや り方を今年もお願い申し上げます。その上で、起草委員の方々に、総合的評価部分につ いて記述の案をお願い申し上げ、委員の皆様方のご審議を経て最終的に確定する。並行 して、財務諸表については石井委員のほうに評価をいただくという作業をし、最終的に この年度の評価という形で固めていただければということです。 ○部会長 ただいま、本年度の評価の手順などについて説明をしていただきましたが、 ご意見、ご質問がありましたらお願いいたします。 ○政策評価官 起草委員という形でお願いしております方を、念のために資料2−2と いうことで。昨年と同じですけれども委員の皆様方のお名前を改めて確認していただけ ればと思います。 ○部会長 よろしいでしょうか。 (特に発言なし) ○部会長 それでは、参考資料4について紹介してください。 ○政策評価官 いよいよ本日から、個別法人の評価をお願いするということで、のぞみ の園の法人の皆様方にもご参加いただいております。いまご説明いたしましたような手 順で進ませていただく前に、参考資料4−1、参考資料4−2、参考資料4−3の3点 を、のぞみの園に限らない、医療・福祉部会あるいはもっと言えば独立行政法人共通事 項という視点から3点ほどご報告申し上げます。  参考資料4−1は「CIO・CIO補佐官設置状況」ということで、この春の年度末 前に、業務・システムの最適化という政府全体を挙げての取組みに基づき、各法人の中 期目標及び中期計画について改正をご審議いただきました。それに基づき、それぞれ法 人においてCIO及びCIO補佐官が平成17年度末までに置かれ、また平成18年度以 降大きなシステムを持った所については、業務・システムの最適化がいま始まっている ということを、現状としてご報告申し上げます。そういう意味では、年度末にいろいろ ご審議いただいたものの、その後のフォローということで事実関係をご報告させていた だいております。  2点目は、参考資料4−2です。これも、全独立行政法人に通じての話です。この間、 マスコミ報道等にありましたように随意契約のあり方が非常に問題として取り上げられ ております。まず国が契約主体として随意契約を結んでいるもの、あるいは独立行政法 人をはじめある種公的な法人が契約主体として結んでいるもの、それぞれいろいろな形 で取り上げられておりますけれども、政府といたしましては独立行政法人が契約主体と なります随意契約につきましても、国が行います随意契約の見直しに伴い、適正化を図 っていただきたい、あるいは図っていこうということで取り組んでおります。  具体的には、参考資料4−2にある2つの原則、一般競争入札を原則として、随意契 約は真にやむを得ないものに限る、あるいは特に法人出身者が役員等として再就職して いる公益法人等との間の随意契約については、厳正かつ積極的に見直すという方針の下 で、国の取組みに準じて適正化をお願いしているところです。  国については、この6月に厚生労働省においても「随意契約見直し計画」を策定して おります。これに準じて、所管法人においても取組みを既に要請し、平成18年度から法 人において取り組んでいただいているというところです。  2つ柱があり、1つ目は随意契約に関する基準です。それぞれの法人が随意契約の基 準をまず明確にしていただくということと、その基準をホームページ上で公表していた だくということ。2つ目は、一般競争入札を原則とした上で、真にやむを得ない理由に より随意契約を締結した場合には、その契約内容をホームページで公表していただくと いうこと。  具体的にホームページで公表する際に、ということで2つあります。少額随意契約と いう形で、国においても一定の少額のものについては随意契約を認めておりますけれど も、その範囲といいますか基準。さらには先ほど申しましたように随意契約内容をホー ムページ上で公表することをお願いしております。国が契約当事者として行っておりま す随意契約についても、同様の取組みを行うことにしておりますので、公表する随意契 約の範囲などについては、厚生労働省の取組みに準じて、各法人においてもお願いした いということで検討あるいは対応をいまお願いしているところです。  参考資料4−2に基づく取組みは、平成18年度からお願いしているところですので、 本日から始めていただきます平成17年度の実績評価という話ではなくて、この結果どう なったかというのは、平成18年度の結果としてまた来年に平成18年度実績報告をし、 評価をいただく。その際のベースとなるルールが平成18年度からこうなっているという ことで本日ご報告させていただいたところです。  参考資料4−2の2頁以降については、この間、会計検査院、総務省・政独委、関係 有識者会議、国会などでこの問題について取り上げられております部分を抄録させてい ただいておりますのでご参照いただければと思います。  以上が、全法人共通の話として、昨今の動きをご報告いたしました。いまの随意契約 については、のぞみの園の平成17年度の実績ということで申し上げますと、集計上500 万円以上のものの契約に限って集計しておりますが、随意契約による金額が1億9,411 万1,000円ということで、総契約金額に61.0%を占めることになっておりますので、ご 報告をさせていただきます。  3点目は参考資料4−3です。これも、次回以降それぞれの法人の年度評価をいただ く際に、参考資料として事務方で用意させていただこうと思っております。役職員の報 酬・給与です。具体的には参考資料4−3の4頁に、のぞみの園の実績が載っておりま す。のぞみの園の平成17年度の実績ということで、給与水準年額の比較指標、いわゆる ラスパイレスということです。他の国家公務員あるいは他の法人との間、事務・技術職 員についての数字をまとめさせていただいておりますのでご参照いただければと思いま す。  それ以外に別綴りになっておりますが、昨年度の厚生労働評価委員会が、所管法人に ついてご評価いただきましたS、A、B、C、Dについて。これはこの部会の親元でも あります総会のほうでも、それぞれの部会、それぞれの法人の自己評価あるいはそれに 基づく評価委員の先生方の評価というのは一律ではありませんし、それぞれ抱える業務 あるいは実情が違いますので、それぞれに応じてのご評価をいただいているところでは ありますけれども、なるべく情報を共有する観点から取り組めないか、あるいは事務局 として取り組めというご指示もいただいております。昨年も参考配付させていただいた かと思いますけれども、平成16年度の結果として一覧を整理させていただきましたの で、必要に応じてご確認いただければと思います。  のぞみの園の平成17年度評価をいただくに先立って、数点ほど確認させていただきま した。この後、先ほどご確認いただきましたように、法人理事長から重点事項のご報告 をいただいた上、4つぐらいのグループに分けて実績報告、そして評価という形でこの 後ご審議をいただければと思っております。 ○部会長 参考資料4−2について、私どもの作業としては来年度に起こってくること ですけれども、このような適正化についての考え方がまとめられているということです。 参考資料4全体についてご意見、ご質問がありましたらお願いいたします。 (特に発言なし) ○部会長 特にないようですので、いよいよ作業に移らせていただきます。もう一遍作 業の手順を教えていただけますか。 ○政策評価官 資料3としていくつかの資料を用意しております。全体を通じて、法人 理事長から重点事項の報告をお願いいたします。その上で、個別シートに基づいて法人 からの説明、それに対する質疑時間、記入時間ということで4つのグループに分けて、 ご案内しております予定では、プラス総括的な質疑の時間も入れて、事務方が望むべく は13時を目処にご審議をいただければと思います。 ○部会長 最初に、のぞみの園の理事長から概括的な説明をお願いいたします。 ○のぞみの園理事長 理事長の遠藤です。よろしくお願いいたします。当部会の先生方 には、日ごろから当法人の運営について、何かとご指導いただいておりまして、改めて 御礼申し上げます。当法人の平成17年度の業務実施状況について、私から重点的なご説 明をさせていただき、後ほど総務部長から評価シートに沿って詳細をご説明させていた だきます。  独立行政法人に移行して3年度目となります平成17年度の業務の実施状況を総括い たしますと、次の4点にまとめることができるかと思います。第1点は、かねてから取 り組んできた業務運営の効率化、入所利用者の地域生活への移行、地域の障害のある人 たちを対象とする施設の通所利用など、これらを着実に進展させてきたということです。  第2点として、独立行政法人に移行して検討を重ねてまいりました課題、つまり全国 の関係者を対象とする福祉セミナーの開催、生活寮の再編成を実施に移したということ です。  第3点は、昨年のこの部会でもご指摘いただきました事項で、当法人の取組みがなお 不十分であるといったもの。例えば、人事評価制度の実施、競争入札の実施、サービス の第三者評価の実施、これらについてようやく実行に移し、あるいは道筋を付けたとい うことであります。  第4点として、昨年2月に国会に提出されて、10月末に成立した障害者自立支援法が、 本年の4月と10月の2段階で施行されることに対応し、円滑に施行できるように、法人 を挙げてその準備に取り組んだということです。  以上4点申し上げましたけれども、中期目標・中期計画に掲げた課題を達成するため の取組みがようやく出揃って、本格的に動き出した、あるいは軌道に乗ってきたと言う ことができるかと思います。残された2年度の間で、それぞれの事項について、できる 限り成果を上げられるよう、引き続き役職員一体となって取り組んでまいりたいと考え ております。  以下、評価シートの柱立てに沿って、平成17年度の業務実績について、一部現在の取 組みの状況も含めて要点をご説明させていただきます。業務運営の効率化については、 人件費縮減のために役職員の給与について、平成16年度に引き続き平均3.5%の引下げ を実施いたしました。さらに今年度についても3.5%の引下げを実施していますので、 引下率はこの3年間で合計10.5%となりました。  また、委託費の関係では、先ほど評価官から説明がありました随意契約についての競 争入札の導入という課題ですが、随意契約の中で大きなウエイトを占めていた食事提供 業務と洗濯業務については、本年3月に競争入札を実施しました。その結果として、先 ほど評価官から、のぞみの園の随意契約の占める比率は61%という話がありましたが、 平成18年度になるとこれが25%になることをご報告申し上げます。  また、競争入札を導入した結果として、利用者1人当たりの月額で、食事提供につい ては約3,300円、洗濯については約2,100円縮減することができました。本年4月から、 利用者負担の仕組みが変更となり、食事や洗濯などの日常生活費が全額利用者の負担と なっておりますので、今回の競争入札導入によって縮減された額、つまり月額で食事約 3,300円、洗濯約2,100円という額の減額がそのまま利用者負担の軽減につながったと いうことです。  次に、自立支援のための取組みについて申し上げます。当面の最大の課題として取り 組んでおります地域移行については、平成17年度は6名にとどまり、前年度と合計する と11名です。今年度に入り、本日の時点で4名がのぞみの園を退所しておりますので、 現時点での合計は15名です。そのほかに、協議調整がほとんど終わって、受入先の空き を待っている利用者が1名、また近い将来退所につながると見込まれる利用者が3名お ります。  昨年のこの部会で、地域移行の取組みはなかなか苦戦していることを申し上げました けれども、特に保護者の関係がなかなか同意が得られないと申し上げました。これに対 して、施設内グループホームでの生活の様子や、地域移行した人の暮らしぶりを収録し た保護者向けのビデオを作成し、機会あるごとに保護者に見ていただくという取組みを してきた結果として、だいぶ保護者の理解も進んできたかなという感じはあります。  また、障害者自立支援法施行などにより、地域の福祉サービスの基盤が整備されてい けば、移行者の数も着実に増えていくものと考えております。いずれにしても、入所利 用者の高齢化が進んでおりますので、1人でも多く、1日も早くということを合言葉に、 引き続き重点的に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、養成・研修の関係です。のぞみの園主催の福祉セミナーを平成17年度は3回開 催いたしました。7月、11月、本年の1月とそれぞれ3日間のプログラムで開催し、合 計400名の関係者の参加を得ることができました。これは、北海道から沖縄までという 全国的な関係者の参加を得たという意味で、法人業務の柱の1つである人材の養成・研 修の業務が、ようやく本格的に動き出したということができるかと思います。  また、このような全国的なセミナー開催のノウハウを持つことができましたので、こ の7月に行動援護というサービスに関する中央研修会を3日間の日程で開催いたしまし た。行動援護というのは、障害者自立支援法の障害福祉サービスの1つとして、法律に 定められているものでありますけれども、行動に障害のある人が外出するときに、危険 回避のための援助をしたり、移動中の介護をするサービスであります。そのサービス提 供者を養成・確保するために、都道府県単位で研修会を開催することとなっております。  ただ、その講師がいないということで、まず中央研修会を開催し、講師を養成しよう というものであります。これは、のぞみの園主催で開催することが決定して1カ月しか 準備期間がなかったのですが、こういった全国的なセミナー開催のノウハウを活用し、 全国から240名の都道府県職員などの参加を得て無事終了することができました。  最後に、障害者自立支援法関係について申し上げます。本年4月に利用者負担の変更 がありました。あらかじめ保護者へ説明を繰り返し、また先ほど申しましたように競争 入札の導入により、利用者の負担額の軽減に努めたこともあり、円滑に移行することが できました。  ちなみに、群馬県内の類似施設と比較すると、全額利用者負担とされている食費と光 熱水費の合計額は、低いほうから2番目ということで非常に低い水準で負担額を抑える ことができた結果となっております。  また、10月からの施行については、民間施設は5年間の猶予期間がありますけれども、 のぞみの園は10月からすぐに新しいサービス体系に移行することとなっております。の ぞみの園法で謳っております先導的な役割、この先導的なというのはモデル的というこ とかと思いますが、その先導的な役割を果たすことができるかどうか、まさに真価を問 われる局面になっているということです。  今回、夜の部と昼の部のサービスが分離され、夜の部の施設入所支援は現行とあまり 変わらないと思いますけれども、日中活動については、活動内容、活動の場所などにつ いて、できる限り多様なサービスのメニューを提示し、利用者の希望や適性に合わせ、 個別支援計画を組み立て直すこととしております。  なお、通所利用者や、9月いっぱいで廃止が予定されているデイサービスの利用者へ の対応、あるいはのぞみの園の直営のグループホームを実施するに当たっての県知事の 指定について、群馬県、高崎市など地元自治体と鋭意協議調整しているところでありま す。残された2カ月間で準備に万全を期したいと考えております。  以上申し上げましたように、平成17年度はかねてからの課題に対処する一方、制度改 革などの新たな局面に的確に対応できるようにということで、法人を挙げて取り組み、 一定の成果を上げることができたと思っております。ただし、必ずしも順調に進んでい ないような課題もあります。中期目標期間も残すところ2年足らずですので、目標達成 に向けて、また重い知的障害のある人たちの自立支援という、本法人の使命を全うでき るよう一層尽力していかなければならないと考えております。部会の先生方におかれま しても、引き続きご指導、ご鞭撻いただくようお願いいたしまして、最初のご説明、ご 報告とさせていただきます。 ○部会長 ありがとうございました。いまのご説明にご質問いただく時間はあまりない のですけれども、特に何かありましたらお願いいたします。 (特に発言なし) ○部会長 極めてわかりやすく具体的にご説明いただきましたので次に進みます。これ から個別評価に入りますけれども、全部で20項目ある中を4グループに分けて説明して いただきます。最初の項目は1から5までですが、業務実績の説明をお願いいたします。 ○のぞみの園事務局長 4つのグループですが、最初のグループはご説明の内容が多い ですので時間が超過するかもしれません。2つ目から4つ目までは若干短めになります ので、その分はご了承願いたいと思います。  個別評価シート、資料3−3の表に沿ってご説明いたします。最初のグループは、効 率的な業務運営体制の確立ということです。組織体制に関することで、平成17年度は入 所者へのサービスの向上、地域移行の促進、法人の効率化を目指し、かつ障害者自立支 援法を念頭に置いて、人事部門である法人事務局と、直接処遇部門である総合施設を明 確にする等の組織改正を4月に行いました。  さらに寮の編成を見直し、より自立に向けた支援や、効率的な運営が可能となるよう 寮の再編を実施し、9月に寮間の入所者の移動を完了しております。これにより22あっ た寮は20寮となり2か寮が閉鎖されました。  また、法人内に「障害者自立支援法施行準備検討委員会」を設置し、障害者自立支援 法の施行に向けた、障害者サービスの提供のあり方等を検討するとともに、利用者の負 担等について、範囲、負担額、光熱水費の単価の設定を行うなど、平成18年4月に向け た準備を行ってまいりました。さらに、日中活動の場の検討については、平成18年10 月の施行を目指し、提供するサービス、職員体制について検討をし、引き続き現在も検 討を行っているところです。  次に人事関係です。人事評価制度については先ほど理事長からも説明をいたしました が、部内での意見調整を行い、平成17年11月からの施行に向けて、職員への説明を5 回行っております。また、園内のLANを利用し、職員に周知を図っております。その ほか、平成18年からの実施に向けた事務の電子化であるとか規程の整備を行っておりま す。  また、地域移行に関する調査・研究の一層の推進を図るため、4月に福祉系大学から 研究課長として1名招聘しております。そのほか組織改編及び寮の再編に伴う人事異動 を行っております。特に、寮の再編において、寮の閉鎖に伴う余剰人員については、よ り支援を必要とする寮に重点的に配置を行い、また寮間の協力を促進するために併任発 令を行っております。そのほか人事交流ということもあり、国との人事交流を進めてお ります。また、退職者の補充については抑制していることもあり、地域移行を促進する ための人材、あるいは医療関係者についてのみ採用する方針としております。  以上のような実績を踏まえて2頁に自己評価の欄があります。弾力的組織の運用、寮 再編の実施、人材の育成と確保ということで、当初計画より上回った実績が上がってい ると判断し、自己評定はAといたしました。  3頁で、内部の進行管理の充実です。最初にモニタリング評価会議の開催です。これ は、予定どおり年間4回実施しております。同評価会議から提出された意見については、 各所属部署に周知するなどして業務の進行管理に努める。また、平成18年度の計画の業 務に反映させています。  次に、入所者や利用者の健康・安全管理です。健康面については、入所者には定期的 な健康診断や、インフルエンザの予防接種等や検診、予防策を講じております。これは、 診療所を中心に実施しております。以下職員についても同様の対策をとるとともに、人 間ドック等を実施しております。平成17年10月には水疱瘡患者が4名発生しましたの で、このため感染症対策委員会を開いて対策を検討しております。  安全管理面については、定期的な避難訓練や総合防災訓練を実施しております。事故 の防止については、事故防止対策委員会を定期的に開催し、事故報告書を基に予防対策 を検討しております。特に、寮の再編に当たって、移動の際のけがや事故の防止に努め ております。また、毎年7月は事故防止月間として、職員に対する安全、事故の防止に ついて喚起するとともに、心肺蘇生法講習会等を開催し事故防止に努めております。  また6月から7月にかけては、敷地が広いために不審者、不審車両が出没しておりま すので、このため警備会社の巡回パトロールであるとか、地元の警察との連携、防犯用 の看板を設置するといった防止対策を講じております。  最後に苦情処理です。平成18年2月に、弁護士ほか1名の第三者委員を交えた苦情解 決委員会を設置しております。保護者から出された要望、意見等を取りまとめた報告書 を基に、今後の対策について意見交換を行ったところであります。このようなことから、 4頁に入りまして自己評定は概ね計画どおり実施することができたものと判断してBと しております。  5頁は、業務運営の効率化に伴う経費節減です。経費の節減については、人件費の節 減を図るため、先ほど申し上げましたが退職者の後補充は原則医療関係者あるいは支援 に特に必要な者に限っていて、非常勤職員で対応してまいりました。さらに、役職員の 給与については、平成16年度に引き続き3.5%の引下げを7月から実施しています。平 成18年度以降についても検討し、結果として今年も3.5%、3か年で10.5%の引下げに なっております。また人事評価については、目標管理評価を除き試行的に実施ししてお ります。  次に、運営費交付金以外の収入の確保についてです。診療所部門において、理学療法 士が確保できたため、機能訓練の有償化を図ることができ、保険請求を行うことができ ております。  6頁で、福祉大学系の学生の研修受講者等の実習受入れがあります。それから、入所 者のための施設ですが、体育施設などの地域開放について有料化を図りました。このよ うなことから、当初の予定より十分成果が上がっていると判断し、自己評定はAとして おります。  7頁で2の効率的な施設・設備の利用です。施設・設備の有効活用という点ですが、 当法人では資産利用検討委員会を設置し、平成17年度は3回開催し、未使用資産等の確 認や有効な活用法について、外部の専門家等の意見を聞きながら検討いたしました。先 ほど申し上げました施設の有料貸出し等は、平成16年度のこの委員会の検討結果を踏ま えたものです。のぞみの園では、毎年施設を開放し、入所者と地域住民との交流を図る 観点から、「のぞみふれあいフェスティバル」を開催しております。平成17年は11月 に開催し、1,760人の方々に参加していただきました。  また、福祉関係者の大会や、研修会の受入れも積極的に関係団体と調整をし働きかけ ております。ボランティアの受入れや、高校生を対象とした講座の開催や、小中学生の 見学の受入れについても積極的に受入れてまいりました。  8頁は、各部門の専門的機能の活用です。外来診療を通じて医療のノウハウ等の提供、 自閉症児の症例等に関する医学的助言、行動障害等の症例等に対するMRIの活用など、 これは診療所を中心に行ってまいりました。また知的障害者の保護者、あるいは知的障 害者関係の施設の職員を対象とした「障害医療セミナー」を定期的に開催することとし ており、平成17年度は2回開催し、合わせて224人の参加をいただきました。  さらに、地元の障害者の家族等から要望の多いデイサービス、あるいは通所部といっ た部分の拡充を図ることとし、デイサービスについては平成18年2月から利用者定員を 3名増員して18名とし、また通所部については平成17年10月から10名増員して20 名としてまいりました。  9頁は、職員宿舎の空室の活用です。宿舎の一部については、入所者の自活訓練の場 として、施設内グループホームということで利用しております。その取組みを充実する ため、平成17年度においては5月からさらに3か所の活用を図っております。また、既 存寮の建物の有効活用という点では、入所者の地域移行の状況により、より自立に向け た支援や、効率的な運用が可能となるよう寮の再編を実施いたしました。先ほど申し上 げました9月に寮間で入所者が移動しました。それに先立ち、7月から8月には寮の施 設・設備の改修を行っております。寮の編成の考え方は、9頁の下の括弧書きにありま す。平成17年当時22か寮あったものを、医療的、あるいは高齢的、自立支援といった 支援のグループで区分し20か寮にしているということです。  10頁で、10月からは日中活動の場の整備という観点で、高崎市街に賃貸住宅を借り上 げ、日中活動の場としての通所部“ワークパルやちよ”を開所しております。最後に敷 地の活用という点ですが、これについても検討し、広報を行ってまいりました。以上ご 説明した内容から、11頁の自己評定として、概ね当初の計画が達成されているものと判 断してBとさせていただきました。  12頁は合理化の推進という課題です。外部委託の拡大の観点から、各部門において、 業務ごとに総点検を実施・検討をいたしました。その結果、定期的な業務は既に委託を されていて、今後可能性のある業務は非常に少ない状況にあります。  次に、競争入札の実施です。先ほども随契の話がありましたが、平成17年度において は廃棄物処理関係の回収・焼却業務、あるいは厨芥廃棄物処理業務がありますが、これ を競争入札により決定しております。そのほか平成18年度に向けて、先ほど理事長から お話がありました食事提供、あるいは洗濯といった業務について競争入札を実施してお ります。この結果、自己評定の欄の中段に記載してありますように、障害者自立支援法 の施行に伴い、利用者の日用品費、食費、洗濯費は自己負担となるわけですが、食費で 約3,300円、洗濯代で約2,100円といった軽減がなされております。  以上のような観点から、12頁の中段以下にあります自己評定の欄で、外部委託の拡大 に係る検討の結果、各部門において業務ごとに総点検が実施されたということ、あるい は委託業務の中で大きなウエイトを占めていた食事提供、洗濯といった業務が競争入札 に付されたことで、委託費の大きな削減につながったという点で、当初の目的を上回っ た成果が達成できているのではないかと判断し、自己評定をAとさせていただきました。 以上が、最初のグループの説明です。 ○部会長 ありがとうございました。ただいまの5項目についてのご質問がありました らお願いいたします。 ○白石委員 何点か質問させていただきます。1頁の第1(1)の(2)の人事配置のとこ ろに、園内LANを活用して人事評価制度についての説明をしたということですが、細 かい質問をさせていただきます。参考資料4−3の4頁で、賞与の査定部分の比率が書 かれています。事実確認なのですが、評価シートの1頁目のところでは、人事評価制度 を試行するということです。参考資料4−3では、平成17年度の賞与については査定を かなりしていると見えます。夏季、冬季それぞれ一律支給部分は、査定支給部分が36.4 %という数字が挙がっておりますのでその説明をお願いいたします。  細かい点がいくつかありますので先に質問だけ済ませてしまいます。2頁のところで、 人員補充を抑制している。退職した方がいても、その後補充はあまりしないようにして いる。唯一補充するとしたら、地域移行関連と医療関係職員を採用するということにな っています。  組織再編新旧対比表が資料3−4として付けられております。1頁に今年4月からの 新体制の表があります。今年4月からは、法人を大きく分けると理事長の下に法人事務 局と総合施設と診療所の3つの大きく分けた体制になっているということです。診療所 に関しては、特に皮膚科が新設されています。人員配置を見ても、診療科目の中に皮膚 科を加えている点に関しても、診療所を充実させようという考え方があるように見受け られるのですが、この辺について説明をお願いいたします。  評価シートの4頁で、苦情解決委員会を平成18年2月に開催したということで、要望 と意見それぞれについてどういう内容について苦情が出ているのかということが書かれ ています。この括弧内が平成16年で、括弧が付いていないほうが平成18年ということ です。平成16年に比べて平成17年の要望も意見もかなり数が減っているのですが、何 か特に理由があるのかどうかということ。  ここに挙げられている内容が、支援、生活環境、健康管理に関することということで 3つに大別されています。例えば、地域移行に関して要望や意見があったのかどうか。 それも含めての苦情解決委員会の内容なのかどうかをお聞きします。  評価シートの9頁で、今回寮を再編されたということで、具体的な考え方が挙げられ ています。現行と再編後の考え方です。ここは教えていただきたいのですが、再編後に ついて、自活体験グループというのが男女各1か寮ある。それから、自立支援グループ が14か寮あるということで、自立支援と自活体験はどういう位置づけであるのか。これ を見ると、高齢者や医療的な配慮が特に必要な方々、それから自閉症、行動障害の方々 は各1か寮ぐらいで数が少ない。主にその寮は自立支援が中心になっているようですが、 自立支援のグループの方々について、障害の程度がどのくらいであるのかの平均値がわ かったら教えていただけたらと思います。  それから、評価シートの11頁の下から3番目の○に「障害医療セミナーでは知的障害 者云々」とあり、今年度は2回実施して、2回とも参加者から好評を得たということで、 他の法人でもよくセミナーを開くと最後にアンケートを配って、どのような満足度であ ったのかを調査することが多いのですが、今回そのようなことをなさったかどうかをお 伺いしたいと思います。  最後になりますが、評価シートの12頁です。競争入札の実施ということで、第1(2) に挙げられていますが、「食事の提供業務については、きめ細やかな対応が期待できる 業者との契約が可能となるようなプロポーザル方式を採用した」と書かれています。こ のプロポーザル方式の中身をもう少しご説明いただけたらと思います。 ○のぞみの園理事 それぞれ担当でお答えしますが、最初のほうから私がお答えします。 賞与の関係と人事評価の関係についてですが、人事評価については、もう少し職員の間 に定着するまでは賞与などには反映させないということでやっております。参考資料4 −3の4頁に賞与の査定比率というのがありますが、これは単なる勤勉手当などの額を 総額で割っただけです。  11頁の障害医療セミナーについてアンケートを行ったかということです。セミナーな どを行った場合には毎回アンケートを実施しています。その中でタイムリーなテーマだ というお誉めの言葉も、若干批判的なこともありました。  プロポーザル方式についてですが、一定の条件を出して、それに基づいて企画コンペ をします。企画コンペに当たっては、プレゼンテーションをやっていただくという中で、 いろいろな条件を課しました。例えば特別食をきちんとやってくれるのか、あるいは安 全や清潔の面できちんと確保できるのか、人を配置していただけるかというような、諸 々の条件を課して、それに合ったものの中から、もちろん契約額についてもやりまして、 総合的に審査委員会を開いて、そこで決めています。私からは以上です。 ○のぞみの園理事長 人員抑制の関係で、診療所について充実する方向で対応している のかどうかというご質問です。診療所のあり方については、1つは施設内の診療所とい うことで、施設利用者の医療について、できる限りこの診療所で対応していきたいとい う考えがございます。そのような意味で、医師の確保ができるものについては、診療科 として標榜して、診療するということで、ご質問にありました皮膚科についても、医師 の派遣をしていただけるということでしたので、標榜科として掲げています。  診療所については、他方で診療収入を上げていかなければいけないという要請もあり ますので、今回4月に常勤の医師が2名とも交代したということを機会に、現在外部の 医療機関を利用している利用者について、その病状などをもう一度全体的に点検して、 のぞみの園の診療所で対応できる分については、通院、入院とも対応するという方向で、 全体的な整理をしているところでございます。そのようなことで、この診療所のあり方 としては、利用者の医療にできる限り対応する、しかも高齢化に伴って、かなり重い医 療が必要な人も出てきますが、そういった点についてもいろいろ工夫しながら対応して いきたいと考えております。  次に苦情解決委員会の関係で、平成16年度と平成17年度の比較で件数が減っている というご指摘がございました。これは私どもの整理の仕方というのもあるのだと思いま すが、それぞれの現場から挙がってきたものをまとめた結果ということです。そして、 要望ということでまとめていますが、その内容をよく見ていくと、実は苦情ではないか というものもありまして、こういった利用者などからの要望あるいは苦情、そういうも のについて、もう一度基準のようなものを見直して、あるいはその訴えの趣旨がどこに あるのか、そういうところをもう一度正確につかむという方向で、苦情解決委員会のあ り方、あるいは現場で苦情や要望として整理するときの基準を見直していきたいと考え ています。  寮再編については施設長からご説明しますが、先ほどありました障害医療セミナーの アンケートとか、競争入札のプロポーザルについて、具体的にどうだったかといった点 について、後ほど資料をお届けして、実際にご覧いただいたらよくわかるかと思います ので、評価官室と相談の上、対応させていただきたいと思います。 ○のぞみの園総合施設長 寮の再編について簡単に説明させていただきます。9頁です。 多種多様な支援要素、高齢者、重複障害、能力の高い人、行動障害のある人、医療的な ケアの必要な人たちが混在している現状があり、なかなか計画的な支援が難しいという ことがあって、それを踏まえて寮の再編を行ったわけです。その結果として、医療的な 配慮が必要なグループは2か所になって、特別な支援の必要な行動障害のグループ、高 齢者のグループとグループをつくりました。  先ほどご質問がありましたのは、その下にある自活体験グループと自立支援グループ の件ですが、のぞみの園の利用者というのは、重度の知的障害者です。自活体験グルー プというのは、どちらかというと比較的能力的には高い人たちで、地域移行の可能性の 高い人たちです。ただ、これについては、地域移行についてのご家族の了解を得られて いるわけではありませんが、これから地域移行を目指していくグループです。それ以外 の人たちが自立支援グループということです。特別な医療的な配慮、大きな行動障害の ない人たちなのですが、実を言うと、この14か寮の人たちの支援がいちばん難しいとい うことで、いまこの人たちについてどういう形で支援をしていくのがいいのかについて、 さまざまな検討を行っている段階です。 ○のぞみの園理事長 1点漏れておりました。苦情解決の関係で、地域移行も対象とな っているかというご質問がありましたが、この苦情解決については法人業務全般を対象 としていますので、地域移行関係も含めております。 ○白石委員 障害医療セミナーで2回とも参加者から好評を得た事実に間違いはないと 思うのですが、政策評価という話になると数値で表してくれという要請がありますので、 このように文書で書くよりは、例えば何パーセントから満足という回答を得たとお書き になるというのが、のぞみの園の存在意義を高めるやり方の方向としてあると思います。  これは私自身の個人的な考え方ですが、食事の提供業務についてプロポーザル方式を 採用したというのはいいことだと思っております。世の中は随意契約から競争入札へと 動いているわけなのですが、ときどき聞くのは安かろう悪かろうという契約の仕方では いけないということなのです。のぞみの園の場合は業務が非常に特殊なところもありま すので、内容をよく吟味した上で、審査委員会も開いて、業者を選定なさったというの はいいことかと思います。  寮の体制の話を非常に興味深く伺いました。これは質問ですが、自活体験グループは 男女各1か寮あるということなのですが、それぞれの入所者数は何名いらっしゃるので しょうか、将来的な地域移行の予備群と考えるのかなと。 ○のぞみの園総合施設長 男女それぞれ23名です。いま1か寮23名にしています。 ○宗林委員 8頁の辺りのことで、診療所の有効活用という点です。後のほうに利用者 の数や入所者と一般の数の表も出ているようですが、入所者以外の一般の方たちの診療 を積極的に受け入れるということについて、広報とか、何か積極的な動きがあるのかを 教えていただきたいと思います。ここに書いてある範囲で見ますと、どういうことをし て、どういう成果が得られたという形ではないものですから、教えていただきたいと思 います。 ○のぞみの園理事長 診療所につきましては施設内診療所ということで、まず第一に施 設の利用者を考えるということがありますので、その余力の範囲で地域の方たちを受け 入れるということにしています。その結果として、医科のほうでは、障害のある人たち の紹介患者ということで受入れしておりますし、また発達障害というようなことで、児 童相談所とか、関係機関からご紹介のあった患者を受け入れるということでやっていま す。ただ、口コミでかなり広まって、直接問い合わせなさる方も来ていますが、いずれ にしてもドクターの診療時間等の関係もありますので、受入れ可能な限り対応していま す。  また、歯科については、これも地域の障害のある方たちからの要望が多ございまして、 特に障害のあるお子さんをお持ちの保護者が、保護者とそのお子さんを一緒に診療して もらえたらという要望もございます。  そういうことで、積極的なPRというのはしていないのですが、ホームページに載せ たり、医師会などを通じてということで、のぞみの園の診療所の状況などは伝わるよう にしているところです。 ○宗林委員 そうしますと、立派なMRIの装置もあって、利用することが可能になっ ていたかと思いますが、こういったものはふらっと行って、予約をすれば受けられると いう体制なのでしょうか。あと同じように、心理外来のところも高度で充実している印 象を受けていますが、こういったものの利用も外部から一般に受けられるという体制で しょうか。 ○のぞみの園理事長 MRIの検査に至るまでにはいろいろな診断なり、検査がありま すので、その結果としてMRI検査をのぞみのほうでやってほしいというお話があれば、 受けることとしています。  心理外来につきましては、これは先ほど申し上げましたように、口コミなどでもだい ぶ広がっておりますので、そういう新患の方についてはできる限り対応するという方向 でやっているのですが、ドクターが4月から非常勤になってしまって、非常に診療日が 限られているということで、新患の方を多く受けることはできない現状にあります。 ○宗林委員 そうしますと、MRI検査を含めて、原則は他の医療機関からの紹介とい う形ですね。 ○のぞみの園理事長 保険診療機関ですので、突然来所して「保険診療をしてくれ」 と言われたら断れないような建て前はありますが、実際の運用としては、主たる目的を 障害のある方の医療としているということで、紹介患者が主になっているということで す。 ○部会長 参考までにお伺いします。福祉法人などではよくあることですが、併設の診 療所をつくるということは今は非常に難しくなっています。過去につくれた時代ですけ れども、その場合も入所者のための診療所であって、地元の方に診療はしないと地元医 師会と約束していることがあるのですが、そういうことはありますか。 ○のぞみの園理事長 これは地元の医師会などとも調整の上、保険診療をできるように その指定をいただいたという経緯がありますので。 ○部会長 そのときに一般の住民の方については、特別に紹介がない限りは受け入れな いという約束はしていますか、そういう歴史はありますか。 ○のぞみの園理事長 正確なお答えができなくて恐縮なのですが、おそらく書き物とし てそういうものは残っていないはずで、いろいろと調整協議をしていく中で、そういう 紹介患者を中心にという話はあったのかもしれないと思いますが、いまははっきりした ことは申し上げられません。 ○菅家委員 研究・調査の件についてお尋ねいたします。1頁の平成17年度の実績の最 後のほうの(2)のイのところで、「4月1日付で、福祉系大学から研究課長として1名を 招聘した」とあります。2頁の評価の真ん中の辺りですが、「一層の研究部門の充実・ 強化を図ることができた」とあります。その1名の方を入れたことによって、数の上で の増加なのでしょうか、それとも、質的に従来と異なった研究ができたということなの でしょうか。 ○のぞみの園理事長 1つは、そういう研究専門の方を受け入れることができたという ことで、だいぶ質的に業務のやり方、業務の成果が違ってきているという意味で書いて います。  また、研究のテーマなどが増えてきているかどうかなのですが、これについては若干 ですが増えているということです。いずれにしても専任職員3名という体制ですので、 現在は厚生労働省の補助金を受けた研究を中心に業務を進めているという現状にござい ます。 ○石井委員 いくつか確認をさせていただきたいと思います。平成15年10月1日から 始まったということで、あと2年ということになるのでしょうか。 ○のぞみの園理事長 はい。 ○石井委員 そろそろ時が経過をしてきまして、独法としての実績が出ていると。いま すぐわかればお答えいただくし、そうでなければ結構なのですが、基本的に2.5期、数 にすると3期のデータが出ているわけなので、たくさん資料の説明をいただいているの ですが、独法に移行した後の年度ごとの、人と物と金に関するところの全体的な、2、 3枚にまとめた状況説明書のようなものは、定量的な数値としてお出しいただけるので はないか。人で言えば、非常勤と常勤の職員は何人で、それぞれ期末現在でどうなって いると。運営費交付金に関してはどういう推移をしたとか、敷地の面積は数十万坪あっ たかと思いますが、その面積は変化していないのであれば変化をしていないという形で あるとか、そういうようなブリーフの説明資料の全体をお考えいただいたほうがいいの かと思うのです。そうしないと、1年に1度なものですから、いま障害者は何人いるの ですかとか、全部聞き続けなければいけないという非効率がありますので、できればそ れをそろそろしていただいて、来期になると4期目という評価になりますから、そうい うものがないと不完全かと思います。  本論ですが、これは政独委からいろいろな意見が出たことに関して、私が個人的見解 としてメモを付けさせていただきました。私はのぞみの園に関しては、とても難しい問 題を抱えている実態は理解をしているつもりです。独法の評価はどうしても定量的、経 済的要因を重視する傾向があるのですが、私は個人的にそれに全面的に賛成をしている わけではありません。しかしながら、いま申し上げたように、定量化できるものは親切 に出していただけないかというのが1つです。  それに対して具体的な質問です。事業報告書の期末の職員数が299人になっています が、個別評価シートの2頁の参考の平成18年4月1日現在の職員数が287人になってい まして、1日の差で人数に差があって、数を見ると12人違うのです。4月1日の新規採 用者が6人で、その上に281という数字がありまして、よく関連がつかめないので、こ れを教えていただきたいと思います。  それから、随意契約の議論をされたのですが、資料3−2の財務諸表等の18頁に「関 連公益法人の概要」というのがあって、財団法人国立のぞみの園協力会というのがあり ますが、この財団法人がのぞみの園の清掃、洗濯、食事の提供をしていると書いてある のです。年間の取引高が約2億9,000万円という記載です。この法人の存在・取引関係 と、先ほどの個別評価シート12頁でご説明いただいた、入札に係るところの対前年比の 金額減少の関係。先ほど質のご議論をされたのですが、12頁だけを見ると、洗濯業務は 平成16年度は約2,400万円だったはずで、それが1,000万円まで落ちたということは、 洗濯業務は質が非常に悪化したのだろうか。逆に、食事提供業務は、平成16年度は9,700 万円あったものが、7,800万円まで落ちていまして、これもどうなのか。洗濯はこれほ ど落ちているのに、清掃はほとんど落ちていないのはどこに理由があるのか。質の評価 をするのだとすると、例えば食事などに関しては1食当たりの単価を出して、他との比 較を行えば質の評価は簡単にできるので、そういうご説明はいただけないのか。  10頁に敷地に関する記載があって、「抜本的活用策については結論を見出していな い。だけれどもあまりにも広すぎるので、わけのわからない人が入って来る」というこ とですが、そろそろどうなのかなと。貸借対照表を拝見すると、当法人の土地勘定は86 億円という金額が挙がっていて、この数値に関して抜本的な解決に至るようにはなって いないという結論を、そろそろ出せないのかなという思っていまして、その辺はどうな のだろうか。  最後ですが、診療所に関しては詳細な決算書の説明をいたしませんが、かなり多額の 運営費交付金を受けているはずで、常勤ではなくて非常勤化をしたという話もありまし て、違う局の話かもしれないのですが、全国的に医者がいなくなって困っているという 時代の中、この施設の中で、いまおっしゃったような考え方で、本当に医師を調達でき るのですか。先日、根室の市民病院から5人の医師が、北海道大学の医局によって引上 げを受けて、市長が辞職するという記者会見を開いた事実がありました。非常にいろい ろな事情があるのですが、医師が不足していて、そういう中でこれからのぞみの園の診 療所は、どのようにされていくのかというのも、そろそろ考える時期なのかと思います。 このような状態でお答えづらい部分がたくさんあるかと思いますが、そろそろ時間が経 ってくるものですから、確かにすごいのはいろいろなものが見えてくるのだという感じ がしていまして、よろしくお願いします。 ○のぞみの園理事長 いろいろとご指摘、ご質問をいただきましたが、要点だけをお答 えして、また後のほどヒアリングがありますので、そのときにまたご質問をいただいて、 詳細についてはご説明するということで対応させていただきます。  最初の職員の数については、現員と定員ということで数字を揃えていなかったのです。 この辺は私どもの整理の仕方が不十分でしたので、もう一度きちんと整理したいと思い ます。  競争入札の関係で、これまで関連法人ということで、のぞみの園協力会というところ に、食事も、洗濯も、清掃も委託していたということです。旧法人時代に、のぞみの園 を開設するときに、こういった業務の職員を直接法人の職員とするよりは、むしろ下請 けの法人をつくって、そちらにやってもらったほうが効率的であろうと。そして、そこ で業務を続けていけば、いろいろ障害のある人たちの対応のノウハウも持ってもらって、 安心した委託ができるのではないかという経緯がありました。  そのようなことで、30数年続いてきたわけですが、今回、食事と洗濯については、大 手の業者が落札いたしました。洗濯のほうは価格だけで競争入札したのですが、こうい う業務は大手の業者が、大量に洗濯物を集めてきて、大きな設備で洗濯すると。それが コスト的には非常に低くできるということで、まさに半分になってしまったということ です。  食事については、これは障害のある人たちの三食をどうするか。特に刻み食とか、特 別食、いろいろな配慮が必要ですし、食中毒などがないように、衛生関係を徹底した管 理をしなければならない、HACCPと言われるような方法もありますが、そういった いろいろな事項を評価の視点として設定して、さらに価格も1つの要素になっておりま したが、そういうものを総合的に判定した結果として、これも大手の業者が落札したと いうことです。そのような意味で、のぞみの園協力会というのは、いまや主たる業務が 清掃関係ということで、法人の業務はすごく減ってしまって、まさに来年度以降はどう しようかという状況にあります。  そのようなことで、かつての経緯を考えれば、のぞみの園協力会がこのように急に小 さくなって、存続が懸念されるということでいいのかという問題はありますが、私ども のぞみの園として、利用者の福祉という観点から、思い切った競争入札の導入をしたと いうことです。残りの清掃についても、いわゆる生活寮の中の清掃ということで、現在 協力会のほうに委託していますが、これも競争入札にせざるを得ないのかと思っていま す。  敷地についてですが、帳簿の上では80数億円と非常に大きな資産となっています。実 際の土地を見ていただくとおわかりかと思うのですが、山林がほとんどで、これを切売 りできたらと私も思うことも度々です。しかし、買い手が出そうもないといった物件で、 これも本当にどうやって活用して、あるいは一部何とか売却できないかということで頭 を悩ませているというのが正直なところです。  診療所につきましては、確かに医師不足で、私どもも常勤医師を確保できるのかとい う不安が非常にあったのですが、今回は今年の2月に『医事新報』という専門の雑誌に 求人広告を出したところ、たまたま高崎に住みたい、前橋に住みたいという方がおられ まして、1人の方は九州にある国立病院の院長先生で、高崎が気に入って住みたいとい うことで、診療所長として来ていただけたという僥倖もありました。そのような意味で、 探せばいるのかなとは思いますが、日本全体を見渡すと医師の確保は非常に難しい状況 ですので、私どもも早めに、のぞみの園に関心を持って、来ていただけるような先生を 探そうということで考えております。 ○石井委員 非常に悩みをたくさん抱えながら、適切に対応されているというのは、こ れで大変よくわかりました。 ○政策評価官 いまの石井委員の冒頭のご要請については、まず今年度の評価作業の中 で対応できるものを、こののぞみに限らず、同じように福祉医療機構、期間は1年短く なっていますが、総合機構についても、これから努力をさせていただこうと思います。 時間の制約もありますので、順番を充実するということはきちんと努力しながら、例え ば平成17年度評価の作業の中においても、できる限り取り組んで、特にのぞみについて は個別評価という形で、先ほど出てきた他の宿題もありますから、そういうものに合わ せて、最終的な総合評価を固めていただくまでの作業の中で、お手元に届くように努力 をさせていただきます。  その間では、私どもなりに工夫をして、できる範囲から評価していくと言うか、一覧 性を高めるような資料に努力していきますが、このような項目、あのような項目という ご要望があれば、また個別にご指摘をいただければ対応していきたいと思います。 ○部会長 この件は事務局と、それぞれの法人にご努力をお願いしたいと思います。  いまの石井委員のご質問に関連して伺いたいのですが、プロポーザル方式で契約をし たということですが、食事の材料費は落ちていませんか。 ○のぞみの園理事 材料の水準につきましてはそのままで、落ちてはいません。 ○部会長 食材料費で落とすことは簡単なのですが、それ以外で落とすのはものすごく 難しいことですから、すごく合理化をされたのだと思います。 ○山村委員 石井委員がおっしゃいましたように、個別の項目の評価は説明を伺いなが らやるわけですが、中期計画に従って、もう少し大きな視点で評価をしていかないとい けない時期ではないかというご指摘には同感で、木を見て森を見ないような評価になっ てはいけないと思っております。 ○部会長 早速それぞれの委員に評価をお願いしたいと思います。ただいまから50分ぐ らいの予定ではありますが、この中で各自休憩もお取りいただきたいと思いますので、 大変恐縮ですが、よろしくお願いします。 (評価記入) ○部会長 時間になりましたので、次に入ります。評価項目6について、ご説明いただ きたいと思います。 ○のぞみの園法人事務局長 13頁です。ここでは自立支援のための取組みということ で、自立支援の取組みについては地域支援部を中心に各部門が連携して実施していまし て、平成17年度に入って6人が地域への移行のために退所しています。独立法人になっ てからの累計は11名となりました。平成18年度に入ってからは、既に3人の利用者が 退所していて、自治体との調整が進み、いまご覧になっている1の(1)(2)(3)といったよう な状況にある方がおられます。近々退所が見込まれる方は4名となっています。  (1)実施体制です。地域移行の推進体制の確保、総合施設としての機能を一層充実 させるために組織改正を行っています。当時は東区、西区と言っておりましたが、これ を生活支援部という形にして、地域生活支援部を地域支援部、作業支援部を活動支援部 という形に改正をしています。  既にご説明していますが、寮の再編ということで、22か寮を20か寮に再編し、また 生活支援部職員に対しては「地域移行マニュアル」等々を作成し、説明するなどして、 個々のニーズに応じた支援を提供するための体制整備を行っております。  (2)実施計画の作成と実践です。これも平成16年度に引き続いて関係各方面への協 力要請、地域移行に対する考え方、進め方について、当園における主催の会議、利用者 の出身市町村、都道府県に繰り返し説明を重ねてきました。14頁にその実績が記載され ています。さまざまな会議あるいは連絡の場に応じて、個別の協力要請、全体的な説明 といったことを重ねてきました。  16頁です。(2)実施計画の作成と実践の中の続きです。生活体験事業の拡充です。 生活体験事業の拡充に伴って、保護者会、保護者懇談会等において、地域移行を前提と した生活体験室での暮らしぶりをVTRに録画しまして、詳細かつ個別的に伝えられる ようにということで、そういった対応をしております。このことによって保護者等の理 解がさらに深まると考えています。  生活体験事業の拡充については、先ほど来から説明を重ねておりますが、利用者が職 員宿舎の空き部屋を利用した体験ホームとか、市内の賃貸集合住宅の体験ホームを利用 して、中・長期的に生活を体験することを実施しており、平成17年度においても拡充を 図ってきました。  これらを踏まえながら、保護者や本人、家族に対する説明は、機会のあるごとに行っ ています。また、各寮において保護者懇談会等においても、施設の現状、あるいは障害 者自立支援法の関係、地域移行の取組みについて、説明をしております。平成17年度の 実績はご覧のとおりで、生活支援部1課は11か寮、154家族、220人、第2課は11か寮、 150家族、218人といった方々に説明を進めております。また、地域に移行した利用者の 暮らしぶりについても記録する試みを始めて、これらをVTRに収め、平成18年5月に 完成しまして、これも保護者懇談会などで公開しております。  利用者一人ひとりの個別の支援計画ということですが、地域生活を目標に支援計画を 立て、地域での生活あるいは家庭での生活、これに、近似した環境とするような支援に 心がけております。生活体験ホームにおける短期宿泊から1週間程度の中期宿泊、こう いった宿泊体験を重ねることとしています。また、地域移行の段階では生活体験ホーム への移行を進め、移行予定者については、移行先の見学や現地での宿泊体験を実施し、 円滑な移行を目指しました。この対象が16頁中段以下に記載された移行予定者の状況で す。移行先での宿泊体験とか、いちばん下の受入先といったことで説明をさせていただ いています。  17頁です。これは利用者の移行後の様子の把握の状況です。移行後にどのような状態 になっているかを把握し、かつアフターケアに努め、その実績をここで掲載させていた だきました。  以上ですが、ただいまご説明しましたように、自立支援、地域移行の支援のため、組 織を再編し、寮を再編し、移行に必要な体制を整えながら、平成16年度に引き続き、移 行に必要な保護者への説明あるいは地域への説明を丁寧に、順序を踏んで実施してきま した。保護者や地域の理解を求めてきました。その結果として、平成17年度においても 6人の地域移行が促されたという点、また移行後のアフターケアについても慎重に続け ている点等々を総合的に見て、当初の計画を上回る実績が挙がっているものと判断いた しまして、自己評定をAとさせていただきました。ここまでが2番目のグループのご説 明です。 ○部会長 ただいまのご説明につきまして、ご質問がございましたらどうぞ。 ○山村委員 大変熱心に、計画的に動いていただいているという報告に納得することも 多いのですが、先ほども少し申し上げましたように、中期目標は、利用者の方々を中期 目標期間中に3割から4割は地域に移行していただくという数値目標が掲げられている 中でのことですので、概ね500人のうちの3〜4割となると150〜200人がのぞみの園か ら地域に移行していただくという目標です。実績は10分の1、3%の移行ということで、 これをどう考えていくのかというのが、この委員会に課せられている重要な役割だと思 います。丁寧に取り組んでいただいて、実積も挙げていただいていることは高く評価し、 感謝申し上げるところです。  ここから質問ですが、利用者家族の方の意向というのは、どう考えておられるのか。 移ってもいい、どちらでもいいと考えておられる方々が、当初はどのぐらいで、どのよ うに推移してきたのかということを抜きには、評価もできないと思います。  ご家族の意向もそうですが、利用者本人の意向も最大限勘案されないといけないこと で、この前にいただいた機関紙で紹介がありましたが、のぞみの園を出られて出身県の 奈良に帰られた方は、望郷の念が大変に強くて、奈良に帰って大変喜んでおられるとい うことで、よかったと思ったところですが、障害の重い方が多い中でも、そうした本人 の気持を十分に把握できる、そういう人たちの動向がどうなっているのかを押さえる必 要があるというのが第2点です。  第3点は、これも報告いただいているところですが、出身県に帰るとすれば、都道府 県との折衝がどうなっているのか。また、出身県でないとすれば高崎近辺あるいは関東 のいかなるエリアで住まいを用意していくのか、そのようなことについて十分に考えな いと、あまりにも高い中期目標と、現実に到達している実績との大きな間を埋めること はできないのではないかと思います。また、それをどのように評価するのかを大変深刻 な一因として思います。 ○のぞみの園総合施設長 私のほうからお答えさせていただきます。中期目標では3〜 4割の地域移行と言われていて、実際には14〜5名しか移行していないというのが現実 ですが、移行に当たっての我々の考えの5つの方針というのがありまして、その中の1 つに「利用者家族の意向を尊重する」という項目があります。この中で家族の意向が大 きなネックになっているというのは確かです。ただ、若干家族の意向も最近変わってき ております。平成16年3月にアンケート調査をしたときに、消極的な方も含めててです が、地域移行に賛成された方は15名でした。現在我々が把握している人数は、既に地域 移行をした方も含めると34名、重点的に同意を得るためにさまざまな情報を提供してい る方が21名いらっしゃいます。その21名のうちの5名ほどは、徐々に姿勢が変わりつ つあるかなということで、約40名近い方が移行については賛成してくださっているとい うことです。  ただ、移行について、それだけいてなぜ15名ぐらいしかいかないのかということです が、1つは相手があるということです。家族がここへ行きたいと言っても、その施設が 定員がいっぱいであれば入れないということがあります。例えば1つの例ですが、これ は九州のある県ですが、3か所ほどの施設を家族の方が見学いたしました。この施設へ 入りたいといって、そこへ申込みをしましたら、待機者が30名もいるという状態で、相 手方あっての地域移行ということで、なかなか進まないという点もあります。  利用者の意向の問題ですが、利用者自身がどう考えているかですが、正確な数字は忘 れましたが、一昨年に体験する場所を増やすということで、利用者に対して説明をしま した。そのときに約80名ぐらいの方が参加してくださっています。すべてが本人の意向 で来たというわけではありませんが、かなりの方が自分でそういう意向を持っていると 言っていいと思います。  出身県との調整の問題ですが、都道府県との連携をしていまして、14頁のイのところ です。12月26日の厚生労働省において開催された障害保健福祉関係主管課長会議の席 で、移行可能性のある方について、12の都道府県、政令指定都市等も含めて、そこでお 願いをしました。これに対して反応があったのは1県だけでした。その方については先 日地域移行ができました。そういう点で、特に大都市を抱えているところについては、 なかなか移行が難しいということです。例えば東京都については難しいという点もござ います。 ○のぞみの園理事長 若干補足させていただきます。最初の3〜4割という目標につい てですが、これが中期目標に定められるに至った経緯を振り返ってみますと、平成15 年の夏に厚生労働省の中に設けられた検討委員会の報告書が出ています。その中では、 積極的に推進しろということ、他方で利用者本人や家族の意向も尊重しながら丁寧に、 とも記載されております。したがって、この目標を設定するに当たっては、ただ数字を こなせばいいということではなくて、本人やその家族の意向を十分尊重しながら3〜4 割を達成してほしい、そういう目標であると私どもは受け止めております。  しかし、実績がなかなか上がらないのです。私どもとしてはいくら地域移行というこ とで退所しても、また戻ってきてしまっては本人にとって不幸な出来事になってしまう。 やはり、利用者本人あるいは家族の方が喜んでいただけるような地域移行としたい、そ して、地域移行後の生活がそのまま続くようにしたいと考えているわけです。  家族の意向をどこまで尊重したらいいのだろうかというのはあるのですが、実際にの ぞみの園を退所する人に対しては、その人が退所するに当たって理事長室に来ていただ いて、一緒にお茶を飲みながら話をするのです。コミュニケーションが十分にはとれな いということはあるのですが、「これから家族とたびたび会えるよね」というような話 をしますと、退所する本人がとてもうれしそうな顔をします。そのような意味で、家族 と離れて長い間施設生活をしていても、家族を思う気持は我々が想像する以上のものが あるのだと強く感じております。そのような意味で、できるだけご家族も納得の上での 円満な地域移行をするという方針でやるようにと指示しているわけです。 ○白石委員 地域移行がなかなか進まない要因の1つとして、家族の意向があるという ことなのですが、ご家族の立場を第三者的に見てみると、地域の基盤がなかなか揃わな いので不安が多いのだというのが容易に想像できるわけです。そうしたことを考えたと きに、のぞみの園が単独で非常に努力して進めているというのは資料から分かるのです が、国や地方自治体の政策に、重度の知的障害者が地域移行したいと思ったときにそれ を支えるような基盤がないのだ、というのは十分お伝えして、ここをこうしたらいいの ではないかという提案ができたらいい。それも、のぞみの園が今なされている中期目標 を進めていく上での1つの大きな役割ではないかと思います。意見ですが。 ○松原委員 非常にきめ細かくお答えをなさっていて素晴らしいと思いましたが、1つ 教えていただきたいのです。移行後の聞き取りの件なのですが、移行後どんなことが問 題になっていくのか、また、メリットとしてどういうことがあるのか。もちろん家族と 会いやすいということもあると思うのですが、そういったことを1つぐらい教えていた だけるとありがたいのです。また、先ほどの白石委員の発言ではないのですが、今後政 策に役立つという意味でも、まとめていただけるといいと思います。 ○部会長 いかがでしょうか。 ○のぞみの園総合施設長 移行後の聞き取りというのは、何か困っているかどうかを利 用者本人から聞くということが1点あります。もう1点は施設に対して聞くことです。 グループホームに入った人もいますし、施設に入った人もいるわけで、そこでの生活を バックアップしていく上で、あるいは直接支援をしていく上で困ったことがないかどう かということで、今、定期的な聞き取りといいますか、訪ねていって聞いたりはしてい るわけですが、いまのところ特段問題は出てきておりません。というのは、我々も最初 相当慎重にやりまして、ある意味では施設を選ばせていただいたといいますか、安心で きる所に送ったということもあり、そういうことは特段出てきておりません。ただ、こ れから数が増えてくると、そういうことは言っていられなくなるという状況がたぶん出 てくると思うのです。そして、そうなったときには、いろいろな問題が出てくるのでは ないかという心配はしております。 ○菅家委員 いま「選ばせていただいて」ということですが、どういうことがポイント なのでしょうか。 ○のぞみの園総合施設長 私自身、かつて厚労省で専門官をやっていたことがありまし て全国の施設を見ております。そういう点で、1つは、施設長が地域移行に対しての哲 学をきちっと持っているかということが中心になります。もう1つは、建物よりも職員。 我々が施設見学をすると、施設で働いていた者には大体わかると思うのですが、職員の 態度がどうであるかというような点を中心に考えて選んでいます。 ○部会長 私から1つ。これは質問というよりも意見ですが、中期目標の中で「自立支 援のための取組み」となっています。自立支援のための取組みを非常に積極的にやって おられることは、ご報告を受けてよく分かるのですが、自立支援のための取組みという のは地域に戻ってもらう地域移行で、それ以外には具体的なものが出てきていない。具 体的な取組みはわかるのですが、自立支援の目標というものが地域移行中心なのかなと 感じました。これは私のコメントですから、ちょっとお留めおきいただければいいと思 うのです。  質問の1つは、もう古い施設ですから、利用者も大変高年齢になっていらっしゃいま す。そうすると、保護者との懇談会のときに、どういう方が保護者として出てくるので しょうか。兄弟でしょうか。 ○のぞみの園総合施設長 兄弟がかなり多くなっています。平均年齢がもう56歳を超え ているわけですから、お母さんやお父さんが亡くなっている方もいますし、ご存命であ っても80歳、90歳という方ですので、いらっしゃる方につきましては兄弟になってい るところが多いです。  しかも、兄弟になってしまうと他人が入ってきていますから、お互いに気を遣ってし まい、地域移行について賛成できないという例もいくつかあります。 ○部会長 親と兄弟ではやはり思いが違いますから難しさもあるかと思います。 ○宗林委員 入所者の3〜4割地域に移行というお話がありました。平成18年度末の時 点で、去年何かの資料によると、地域移行される方と、中で亡くなる方もいらっしゃる ということでしたが、18年度を目処で大体どのぐらいの入所者になるという感じで動い ているのでしょうか。決定的ということではなくて、このままいくとどのぐらいの減少 になるという感じなのでしょうか。 ○のぞみの園理事長 新法人にしたときに約500名いたわけなのですが、その後地域移 行した人と、残念ながら施設の中で亡くなった方がおりまして、現在は467名。したが って、33名減ったということです。年度内に地域移行が見込まれる方が少なくとも5、 6名はおられるかと思いますし、そのほかに、残念ながら亡くなる方がいて減っていく、 このような見込みだと思います。 ○部会長 ご質問やご意見がなければ、これについて5分ぐらいの目標で評価をお願い いたします。                 (評価記入) ○部会長 評価が済んだようですので次に進みます。次は評価項目の7〜10までについ てご説明ください。 ○のぞみの園法人事務局長 それでは18頁、3つ目のグループに入ります。調査・研究 というテーマです。まず実施体制ですが、当法人では、のぞみの園研究会議を設置して おります。18年度は2回開催し、研究計画や意見交換などを行っております。また、研 究体制を強化するために組織改正を行い、従来係であったものを課に昇格させ、新たに 人材を招聘し、3人体制の研究課を設置しております。この研究課において、法人内の 研究の進め方を調整するために調査・研究会議を開いておりますが、平成17年度はこれ を3回開催しております。  次は調査・研究の内容ですが、厚生労働科学研究ということで、いまは3年計画の2 年締めに入っております。平成17年度は、平成16年度に実施した予備調査の詳細な分 析と本調査を実施しました。その結果は、平成17年12月に行われた障害保健福祉総合 研究成果発表会で中間発表を、また、平成17年の9月と10月に開催された学会等で発 表をいたしました。  法人内での研究については、継続研究が2件、新たに始めた研究が3件という状況で す。このようなことから、自己評定につきましては、概ね当初の目的を達成していると 判断してBとしております。  続いて20頁、成果の積極的な普及について。ここはインターネット関係の話になりま す。情報発信という視点でインターネット等を活用し、研究成果の情報発信につきまし ては、報告され次第順次ホームページに掲載しております。また、平成16年8月に創刊 した、年に4回発行のニュースレターにも平成17年度研究成果の概要を掲載するといっ たことで広報に努めております。このような状況ですので、概ね計画どおりに進んでい ると判断して自己評定をBとしております。  21頁は講演会等の開催状況です。研究成果の発表の場といたしまして、当法人が実施 している福祉セミナーや養成研修会、あるいは外部で開かれます学会、各種研修会、さ らには団体の機関紙等を通じて研究成果について発表し、普及、紹介をしております。  また、知的障害者が地域生活を営んでいく上で、適切な医療環境は重要な課題だとい う認識をしておりまして「群馬県知的障害者の医療を考える会」を開催しております。 平成17年度も3回開催しております。このような場で研究成果を紹介し、議論の参考と させていただいています。22頁は自己評定ですが、概ね計画どおり進んでいると判断し てBとさせていただきました。  23頁は養成・研修です。実施体制は、企画研究部が窓口として関係機関と連絡・調整 を行い、園内の生活支援部、活動支援部あるいは診療所等に受入れや協力を要請してお ります。平成17年度では福祉セミナーを3回実施しております。この中段にはその実績 が掲載されておりますが、非常にタイムリーなテーマで、第一線で活躍する講師の確保 して、時宜を得た研修となり好評を博しました。特に平成18年の1月に実施しました「障 害者自立支援法と地域支援セミナー」につきましては、法案が審議・成立して間もない 時期であったこともありまして、グランドデザインから法案成立まで携わった方々を迎 えたことから、定員を上回る参加者を得るなど、非常に好評を得ました。  そのほか、ガイドヘルパーの養成研修を行ったり、群馬県からの相談支援モデル事業 等を受託したりということで事業を進めています。24頁が自己評定の欄ですが、当初の 計画を上回る実績があったと判断しましてAとさせていただいております。以上が3つ 目のグループです。 ○部会長 ただいまの説明について、質問をどうぞ。 ○白石委員 21頁の講演会等の開催のところで、福祉セミナー3回、障害医療セミナー を1回開催されたということでした。先ほどのアンケートの、セミナーをやった結果を もう少し定量的に載せたらどうかというご提案なのですが、21頁には回収状況しか書い てない。アンケートの回収状況は数字として必要なのですが、満足度のほうが重要だと 思います。よく見ましたら23頁に、同じ福祉セミナーについて「満足の回答が約8割」 と書かれておりますので、21頁にも同じように書くのかなと思っております。アンケー トの話です。  また、評価シートでいきますと18頁の関連で、調査・研究の内容についていろいろ書 かれているのですが、中期目標で、地域移行者を入所者数の3〜4割という中で、調 査・研究の目的を考えると、アカデミックな研究というよりは、地域移行にどれだけ役 立つのか、というノウハウを得るために調査なり研究をするのかなという気がしており ます。  19頁の第2(1)「新規研究」の(エ)で、「知的障害のある人の地域生活移行支援 過程における満足感の把握」というのがあるのです。これは意見ですが、是非地域移行 に関するノウハウを得るような調査なり研究なりを進めていただけたら、大きな中期目 標に向かって動いていけるのかなという感想を持ちました。 ○部会長 第1点のご質問につきましては先ほども白石委員がおっしゃったところでし て、今後アンケートをお取りになられるときにご留意いただいて、こういう報告でも、 成果が質で分かるような報告の仕方をお願いしたいという意味かと思いますので、よろ しくお願いいたします。  2点目は研究のテーマの問題ですが、どうぞお話ください。 ○のぞみの園理事長 貴重なご意見として、これからの研究に役立てていきたいと思っ ております。なお、厚生労働科学研究費を受けての研究は3年計画で、今年度が3年度 目に当たっておりますので、今年度の研究の中で、ご指摘いただいたことも反映できな いか、よく検討してみたいと思っております。 ○部会長 いまの白石委員のご質問、ご意見に関連して私も思いますが、ICFで障害 の概念のとらえ方が変わってきておりますから、昨年の事業報告の中身を聞かせていた だいて、こういうテーマでおやりになることも時宜を得ているとは思いますが、「IC F関連図を通しての支援ニーズ」というのはよく分からない。そして、私もまさに白石 委員がおっしゃったとおりだと思います。それで、学会発表の要旨を参考までに見せて いただければありがたいと思います。 ○菅家委員 いまのお話に関連して、研究成果の発表というのは学会なりセミナーで行 っているということですが、そのアウトカムスを分析して、その結果をのぞみの園にど のようにフィードバックして何が改善されたのか、というのが研究の目的だろうと思い ます。それによって何がどのように変わったのだというのが明文化されてないといいま すか、私のほうにはよく伝わってこないのですけれど。 ○部会長 それはお答えいただかなくてもいいですが、3人の方が言っておられますか ら、皆さんの強い要望だと思います。努力していることを疑うわけではないのですが、 のぞみの園の活動、あるいは知的障害者の地域支援に影響が及ぼされるようなものでな いと、意義というのは些か課題があるのではないかと思いますので、どうぞご検討いた だきたいと思います。 ○部会長代理 いまのお話に追加して、講演会等々についてもテーマしか出ておりませ んので、具体的にどういうことが講演されているのかが分かるようなものがあると理解 がしやすいと思います。ですから研究の要旨と同時に、講演会の内容が多少わかるよう なものもご提示いただいたほうがいいかと思うのです。 ○松原委員 同じ意見なのですが、アンケートについても同様で、アンケートすること が目的ではなくて、アンケートを取って現状を把握し、何が課題かを知ることが目的だ と思います。ですから、アンケートで満足度が高かったということだけではなくて、こ ういう指摘があったとしたら、それについてこう改善したとかということが一言書かれ ていますとPDCAサイクルになっているのだなと思って、こちらが高く評価しやすい ので、そのように書いていただけるとありがたいです。 ○部会長 いまのは一連の皆さんの意見なので、ここでお答えいただくことはないので すが、強い要望です。何か一言ございましたら、どうぞ。 ○のぞみの園理事長 いずれにしても、いろいろこういう資料があればということであ りますので、評価官室と相談して、次のこういう機会に追加資料としてお示しできれば と思います。 ○部会長 よろしくお願いいたします。ほかにご意見等ありますか。 ○浅野委員 調査・研究に関することで人員を強化されてきているということなのです が、国内の問題について今までいろいろ取り組まれているので、将来的な面も含めて、 少し国際交流のような形で研究を拡大していくことは考えられるかどうか、お答えいた だきたいと思います。 ○のぞみの園理事長 確かに研究テーマもかなり限られていますし、また、研究体制も 十分でないということですので、これからいかにこの研究の業務を発展させていくか。 その場合に、体制をどのように強化し、テーマについても、どのように広げていくか、 そういった点をよく検討していきたいと思います。そういう中で、一気に国際的なとい うところまで行けるかどうかは自信がないのですが、そういうことも視野に入れて検討 していきたいと思います。 ○浅野委員 非常に大変なことだと思いますが、国際といってもアジアとか近隣諸国の いろいろな問題です。のぞみの園が日本を代表するような機能を持った施設だというこ となので、国際的にも注目されたり、活動をする余地もあるのではないかということで お聞きさせていただきました。 ○部会長 ほかにはいかがですか。ご質問は出尽くしたようですので第3グループ、項 目7〜10まで評価をお願いします。                 (評価記入) ○部会長 再開いたします。最後のグループについて説明をお願いいたします。 ○のぞみの園法人事務局長 最後のグループは 25 頁からになります。まず 25 頁は援助・助言です。各種相談に対応するために、ホームページ等に相談コーナーを設 けております。調査・研究の成果の照会に対応するために、担当者のメールアドレスあ るいは電話番号等の公開をしております。  当法人に対する要求は、直接的な援助・助言の要請というよりは電話等による照会や 相談が多うございます。また、このような取組みについて、厚生労働省の全国会議をは じめとして、さまざまな会議や研修会を通じてお知らせをして、積極的な情報の提供を 行っております。これにより、間接的な援助・助言に努めています。このようなことで、 自己評定につきましては、概ね計画どおり実施されていると判断してBとしております。  26頁はその他の業務、診療業務に関するテーマです。知的障害者に対する診療業務と して、当法人では13床のベッドを有する診療所を運営しており、施設の入所者や地域の 知的障害者に対する診療を実施しております。その件数は、表にあるように、平成17 年度に、利用者と一般外来を含めて1万9,799人となっています。  次は実習・見学等の受入れという課題です。大学等で行われる「単位実習」について 協力をする、いわゆる実習の受入れを行っております。それから、利用者の生活場面を 通して知的障害者の理解を深めるため、1日見学あるいは1日実習という形で、大学生 あるいは専門学校、小中高生の受入れを行っております。また、関連分野の職種の関係 者の見聞を高める意味での見学実習を受け入れており、医学生や歯科衛生士や教員ある いは警察学校等に対して、来ていただいたりこちらから出向いて講師を務めるという対 応をしてまいりました。  27頁にその実績が出ています。例えば単位実習ですと、平成17年度には44校、491 人です。保育士の実習等で短大等から来ていただくという方が多く、保育士実習、短大 という欄を見ると17校、134人という数字が挙がっております。また1日見学・実習で も、これから社会に出ていく方々が多く、大学生が5件、399名でした。全体的には14 校、841人という実績になっております。養護学校の現場実習では4校、19人です。  28頁にはそれ以外の見学者の受入状況が示されています。つまり、学校関係ではない 一般の方々の見学です。例えば民生・児童委員が21件、878人。社会福祉協議会が7件、 148人。福祉施設等の職員が21件、152人。全体で77件、1,314名の見学を受け入れて います。  その下の表はボランティアの受入れということで、1,118団体を受入れ、利用者との ふれあいや環境整備ということで参加していただいております。  次は受託事業です。群馬障害者総合相談モデル事業を受託しており、市町村のケアマ ネジメント体制の整備の支援をしております。平成17年度におきましては、障害福祉の 先進自治体である滋賀県から知見を有する者1名を招聘し、アドバイザーに加えて体制 を強化したといったことが書かれています。  (5)居宅の知的障害者に対する相談では、地域の障害者の家族や障害福祉に関する 機関等からの相談に応じた件数ということで、このような分類をしております。29頁に まいります。以上のようなことから、概ね当初の目的を達成していると判断して、自己 評定をBとさせていただいております。  30頁の第三者評価に関しては、冒頭に理事長からも説明しましたが、「のぞみの園第 三者評価委員会」が設置され、のぞみの園独自の評価基準案を作成することとされてお ります。このことから、厚生労働省の指針、群馬県社会福祉協議会の基準、あるいは中 期目標・中期計画に定められたのぞみの園の達成するべき業務についての項目を加えて、 290項目にわたる評価基準案を策定しました。これが平成18年3月に開催されたのぞみ の園第三者評価委員会において、一部修正の上決定されました。そして、当法人が診療 所を抱えていることから、医師や看護師などのスタッフを有する機関であり、福祉サー ビスの第三者評価機関の認証を受けている機関ということで、選別された外部の調査機 関に調査を委ねることとしました。  平成18年度に入りまして、この調査機関から、訪問調査を含め数度の調査及び評価と いったことが行われております。31頁にありますように、この報告が提出されたことか ら、平成18年6月にまた第三者評価委員会を開催し、評価結果が決定されました。現在、 のぞみの園のホームページでそれを公表しております。290項目にわたる評価項目は、 具体的に業務を点検するために細分化されておりまして、業務の改善や見直しにおいて、 職員の理解を深めることに非常に役に立つと考えております。以上のことから、自己評 定につきましては、当初の計画を上回る実績があったと判断してAといたしました。  32頁は業務の電子化のことです。平成16年度に引き続いて法人内で園内LANを利 用して、グループウエアを利用してペーパーレス化に努め、共通文書の電子化に努めて おります。また、個人情報が多いために、セキュリティの確保にも配慮しながら実施し ております。そういうことで、概ね計画どおりに当初の目的を達成しているものと判断 して自己評定をBとさせていただきました。  33頁以降は予算の関係です。34頁の自己評定の欄で、法人の収入の面におきましては、 国からの運営費交付金は年々減少の道をたどっております。しかし、自己収入の道とし て、理学療法士の確保を行い、保険診療を開始したこと、通所部の拡充を行ったこと、 デイサービスの拡充を行ったこと等々で収入増を図っております。法人の性格として、 採算を度外視した事業を手がけなければならないということもあり、本来の使命と効率 化という相反する課題をいつも背負っている状況でございます。  支出面においては人件費の削減に努め、役職員給与につきましては、平成16年度に引 き続き3.5%の給与引下げを行いました。また、一般管理費や業務経費についても、経 費の節減や効率的な運用を考慮いたしました。しかし一方で、賃金職員の費用が増大す る傾向にあります。  こういうことを増減として考えますと、平成17年度の決算においては、運営費交付金 の受入額に対して運営費交付金見合いの支出額が8,000万円少なくなっており、これは 翌事業年度に繰り越されます。一方、平成16年度においては退職者の多数発生により、 運営費交付金の受入見合いの支出額が1億2,000万円多くなり、これが繰越欠損金とい う形で残っております。平成17年度においてこれを収支いたしますと、繰越欠損金が1 億2,000万円、平成17年度に発生した8,000万円の繰越金を相殺しますと、今後解消す べき繰越欠損金は実質的に4,000万円になると見ております。以上のことから、予算関 係においても概ね計画どおりと判断して自己評定をBとさせていただいております。  35頁は人事関係です。この頁には字句の修正があります。いちばん下に括弧書きで「う ち退職手当予算額」と書いてありますが、これは外書きの数字ですので「うち」を消し ていただきたいと思います。大変失礼いたしました。  改めて人事関係の説明をいたします。自己評定の欄に記載がありますように、退職者 の後補充は、医療関係者等特定のものを除いて補充しないという前提にしており、非常 勤職員を活用していくことを考えてまいりました。そのために、常勤職員については減 少傾向です。また、人事評価制度についても、一部を除き試行的に実施してまいりまし た。さらに、平成17年度における人件費の実績は、役職員の俸給の引下げ等により当初 の予算額を上回っていないということもあり、ここでの自己評定はAとさせていただき ました。  36頁は施設・設備に関する計画です。平成17年度には施設整備費補助金をいただい て整備をいたしております。しかしながら、その他の施設は老朽化がはなはだ著しく、 少ない予算の中で緊急性のあるもの、あるいは老朽化の著しいものから順次整備を実施 しているところです。このようなことから、自己評定については当初の計画どおりに実 施ということでBとさせていただきました。以上が4つ目のグループの説明です。 ○部会長 ありがとうございます。ご質問をお願いいたします。 ○松原委員 診療所の外来について伺います。一般の方々は主にのぞみの園のある医療 圏の方々なのか、または遠く県外からいらっしゃっているのか。利用者がどこからいら っしゃっているのか教えていただけるとありがたいのです。また、一般の方々がのぞみ の園を利用するのに、なぜのぞみの園なのか。ほかの病院だと、例えばてんかん患者で 難しいとか、いろいろ理由はあると思うのです。とすると、他の公立病院は対応してく れないのかという点。3番目の質問は、先ほどMRIのお話がありましたが、のぞみの 園以外の方も結構利用している、てんかん患者の利用もあるということですが、ほかの 病院で受けられないのは、職員にそういった患者のノウハウがないからできないのか。 職員のノウハウの問題だけなのか、または施設のつくりで工夫があるとかという面もあ るのか教えていただけるとありがたいです。 ○のぞみの園理事長 外来患者の通院してくる範囲ですが、基本的には近隣が多いです。 ただ、口コミなどで県外の方も、こちらで受診したいという希望があった場合には対応 していますので、若干県外から通ってきている方もいます。  ここで「一般」と書いてあるうちの多くは、いわゆる心理外来ということで、知的障 害も含めて、発達障害の関係で専門医に診てもらいたいという方なのですが、のぞみの 園の診療所では精神科医、小児神経科医、さらに専門の心理療法士が2名おります。そ のようにスタッフが揃っていること、またMRIもあるということで、他の医療機関に 比べて体制はそれなりに充実しているということもありまして、関係機関からの紹介患 者もありますし、口コミなどで是非のぞみの園でということで来る方もおります。もち ろん、他の医療機関にかかっていて、そちらのほうがいいという方もいるわけですが、 のぞみの園がと言って希望される方は、できるだけ受けるようにはしております。すみ ません、最後の質問はちょっと聞き漏らしたのですが。 ○松原委員 MRIの患者さんが多いのも、ノウハウや職員の体制が整っているのが理 由だということですね。ということは、地域の公的病院は知的障害の対応等はのぞみの 園より劣る可能性があると。 ○のぞみの園理事長 発達障害等について他の医療機関がどの程度体制が整備されてい るかというのは十分把握できていないのですが、私どもは、初診で来ていただいて、そ の後心理療法を繰り返し長期間にわたって対応しているというようなこともあって、ほ かの医療機関に比べてどこがいいかと言うと、そういう心理的な面も含めて、長い治療 の期間を考えると、のぞみの園に通って受診しているほうが何か安心だと思っておられ る方もいるのだと思います。 ○菅家委員 27頁の「1日見学・実習」という表を見ると、小学生・中学生・高校生、 つまり若い人たちの見学が非常に少ない、あるいは平成17年度はゼロになっているので すが、これは何かのぞみの園で制限があるのでしょうか。私個人的には、若い人を積極 的に受け入れて、できるだけ若い人に理解してもらったほうが将来的に、国民への影響 といいますか理解度といいますか、それが非常に上がると思っているのですが、いかが でしょうか。 ○のぞみの園理事長 27頁の「1日見学・実習」は、そういう申込みがあった場合に対 応するもので、積極的に働きかけをしているものではありません。1つは、実習という ことで、ある程度の期間をかけて実習していただくということに重点を置いているとい うことがあります。また他方で、小中学生等については、別にボランティア活動の受入 れということで、近隣の小中学校に働きかけてボランティア活動に参加していただいて います。そういう意味ではある程度小中学校への対応はしているのですが、この表の整 理の上でそういうことが見えてこないので、ここら辺をもう少し工夫できたらと思いま す。 ○宗林委員 全然違うところで2点質問をさせていただきます。1点は、先ほどのMR Iの話との関連も少しあるのですが、いま障害のある方をたくさん扱っている専門機関 ということで、例えば普通の方の加齢に伴う痴呆であるとか、アルツハイマーによるも のに対しても特段のノウハウなどを持っているのか。薬物治療や訓練という形でのノウ ハウも持っていらっしゃるのかお聞きしたいのです。  もう1つの質問は、先ほど来、食事と洗濯に関して外部化が図られたというお話があ ったかと思うのですが、そうなるとどのぐらいの省力化につながり、省力化した結果と して職員の方たちは、新たなスクラップ・アンド・ビルドみたいな形で、どういったと ころに力を注いでいくのか、そこを伺いたいのです。 ○のぞみの園理事長 認知症等については、私どもも特に専門性があるというわけでも ありませんし、そういうことで診療所を受診されている方も、いまのところありません。 ただ、MRIの稼働率を上げたいということがありますので、例えば群馬大の附属病院 にかかっていた患者さんで、そちらのほうで検査を受けると2〜3カ月待ちになるので 早く受けたいという方は、のぞみの園で対応するのでご紹介いただいてもいい、という ような話はしております。また、MRIで検査をして画像をそこで診断するということ になるのですが、群馬大医学部の関係機関に画像を電子情報として送って、そちらのほ うで専門的な診断をしていただいた結果を私どもがもらうというシステムをつくってい るというか、そういう事業がありまして、そこにある程度委託費を払ってお願いしてい るのです。そういうことで、MRIの検査が必要で、のぞみの園で受けたいという場合 は、その人の病状や部位にかかわらず検査することは可能な体制がとられております。  食事と洗濯の外部化については、施設開始以来、財団法人の協力会という外部機関を つくり、そちらに専ら委託するという方式をとってまいりました。今回は外部化という ことで、協力会に委託していたものが入札の結果として他の大手の業者が落札したとい う結果ですので、そういう意味では省力化ということには直接つながらないということ がございます。 ○山村委員 25頁の援助・助言事業で、これはのぞみの園法にも謳われているというこ とですが、全国の知的障害者施設の求めに応じてアドバイスしたり援助したりするよう にということで、のぞみの園にそれだけ期待がかかっているということだと思うのです が。お願いしたいのは、平成17年度の業務実績のところで、ホームページに相談コーナ ーを設けている、あるいは電話で対応したと書かれてありますが、できれば、具体的に どれぐらいの問い合わせが回数としてあったのかを記していただければと思います。 ○部会長 それは要望ですか。 ○山村委員 そうです。 ○部会長 では次回ご検討ください。 ○松原委員 これも要望になると思うのですが、のぞみの園における医療機能について、 地域の医療計画の中でどのような位置づけにしていくのか。それは別にのぞみの園だけ の決断ではない話なのかもしれないのですが、地域医療計画における位置づけを明記す る、また住民に明示していく必要は今後あるのではないかと思います。 ○部会長 これについては、いま粗いところで何かご説明いただけますか。 ○のぞみの園理事長 そもそも群馬県が医療計画を作る中で、のぞみの園について何か 役割を期待しているのかという問題があるわけです。仮にのぞみの園に期待される役割 があるとすれば、専門的な医療あるいは歯科診療などについて、障害のある人たちの積 極的な受入れ、ということになってくるのだと思います。そのような中で、群馬県とし て障害のある人たちの医療をどうするのだということについて正面から取り上げるとい うのは、まだはっきりしていません。  しかし、21頁の平成17年度の業務実績として、表の下のウで「群馬県知的障害者の 医療を考える会」をのぞみの園が事務局になってつくっております。これには県の担当 者や県の医師会あるいは群馬大医学部、また県内の公的な医療機関、さらに障害関係の 団体の代表者が一堂に集まって、どうしたら障害のある人たちが受診しやすい環境をつ くれるかということを中心に、いろいろ協議しております。そういう中で、のぞみの園 の診療所についてこういう役割を期待しているということが出てくる可能性がありま す。私どもとしても、議論の成り行きを見守っていかなければいけないのですが、でき れば、のぞみの園として何か積極的な役割が果たせる方向でこの会の結論が出たらいい と思っております。 ○松原委員 非常にお金のかかることでもあるので、医療支援は是非そのようにしてい ただければと思います。 ○部会長 これまでの説明の中で私自身が理解できなかったことを伺いたいのです。そ れは30頁の第三者評価のところです。のぞみの園が第三者評価を受けることについて努 力なさったということで、厚生労働省が定めた第三者評価の指針や群馬県の社会福祉協 議会がまとめた評価基準等に基づいて、のぞみの園では290項目の評価項目を作った。 そして、それとは別にのぞみの園は、第三者評価の認定機関としての認証を受けたとい うことは分かりました。しかし、平成17年度については結局どうだったのかが分かりに くかったので教えてください。 ○のぞみの園理事長 のぞみの園のサービスについて評価するためには、地域移行のよ うな業務もありますし、直営の診療所もありますので、業務全体をカバーしたオリジナ ルな評価基準ということで290項目の基準を作ったわけですが、それに当たっては、厚 生労働省の指針や群馬県社会福祉協議会の基準を参考にしたわけです。  それから、実際その評価基準に基づいてどこが実際の評価をするかについては、外部 の機関に委託することが客観性が確保されていいだろうということになりました。少し わかりにくいのですが、のぞみの園が第三者評価機関の認定を受けたわけではなくて、 30頁の(1)(2)のような条件を満たす外部の機関に委託しようということになったのです。 ○部会長 のぞみの園が第三者評価機関として認証を受けたのではなくて、その条件を 満たしている所にお願いしようと、今年度はそこまで決まった。 ○のぞみの園理事長 平成17年度はそこまで決めて、平成18年度は、31頁の自己評定 の最後の○に書いてあるように、その外部機関に委託して、そこが実際に調査し、評価 し、その結果が出て、その結果について、のぞみの園に設けられている第三者評価委員 会から、これでいいということの決定をいただき、ホームページに現在公表しているわ けです。 ○部会長 そうすると、のぞみの園としては290項目に基づく自己評価は終わった、こ のように理解していいのですか。 ○のぞみの園理事長 もちろん自己評価もやっているのですが、そのほかに第三者機関 に委託し、実施していただき、それをのぞみの園に設けられている第三者評価委員会で 了承していただいたということです。そういう意味で、自己評価と言えば自己評価では あるのですけれども、外部の機関に委託し、出てきた結果についてのぞみの園に設けら れている第三者評価委員会なる組織でそれをオーソライズしていただいたということで す。 ○部会長 第三者評価というのは第三者がやるものですから、のぞみの園がオーソライ ズするというのもおかしいですね。ちょっと、これではわかりにくいのですが。 ○のぞみの園理事長 中期目標に、のぞみの園に有識者や保護者や地域代表からなる第 三者評価機関を設けて定期的な評価を行えと書いてありまして、その第三者評価機関と いうのが、ここに書いてある評価委員会なのです。 ○部会長 そのことと30頁に書いておられる、第三者評価機関として群馬県から認証を 受けている所に評価してもらうということとは別の問題なのですね。 ○のぞみの園理事長 この中期目標から言えば、のぞみの園に設けられた第三者評価機 関が評価するということになっているのですが、その第三者評価機関が下請けに出した、 そういう構造になっています。 ○部会長 第三者評価というのはのぞみの園の中でやるべきことではないけれども、外 部の方に来てもらって、のぞみの園が主体性を持ってやろうとした、そのことはやりま したか。 ○のぞみの園理事長 第三者評価というと、のぞみの園の外部の人がやることですが、 中期目標で書いてあるのは、のぞみの園に第三者評価機関を設けて、その評価機関が定 期的な評価をしてその結果を公表する、そう書いてありましたので、それを今回行った ということです。ただ、実際の評価については外部の認証機関が実地に調査に来て評価 をし、その評価結果を報告書としてまとめたということになっています。 ○部会長 群馬県が認証しているような第三者評価機関にお願いしてやってもらったと いうことは、別なのですね。 ○のぞみの園理事長 第三者評価機関が評価しろと中期目標では書いてあるのですが、 実際の評価作業は群馬県の認証を受けている第三者評価機関にお願いしてやったという ことです。 ○のぞみの園理事 独法化検討委員会のころ、第三者を交えた評価をしなさいというお 話があって、のぞみの園の事業として、第三者評価機関という名前はふさわしくないか もしれませんが、「第三者を交えた評価機関」ということで、そのような名前としま した。 ○部会長 「第三者の参加も得た」という意味ですね。 ○のぞみの園理事 はい。そういう意味です。 ○石井委員 1つ確認なのですが。サービス提供に関する第三者評価の実施に関する自 己評定はCでしたが、今年はAに2段階評価アップをされている理由を教えてください。 また、評価を受けて、その評価結果はどうなったのですか。 ○部会長 評価のところが、いま一般的に言っている、認証を受けた第三者評価機関か ら評価を受けたということではないのではありませんか。第三者も参加していますが。 ○部会長代理 話が混乱しています。評価を実際に受けて今どういうふうになっている のかという話と、評価する主体、内部の人間が入っていいのかという話なのですが、そ の話は先ほどの、そもそもが中期目標の中に書いてあるわけです。「有識者、保護者、 地域代表等からなる」ということですから、そういう意味では、全くの第三者でなくて もいいと、目標からはそう言えるという話だと思うのです。たぶん今の話は、実際は17 年度にやっていないわけです。17年度は、委員会をつくって、評価項目を決めて、評価 をしてもらうところを選定するぐらいまでやった。評価は18年度に実際にやってもらっ て、それはホームページに載っているという話と理解してよろしいですか。 ○のぞみの園理事長 はい。 ○石井委員 18年度というと、この2、3カ月の間にやったわけですか。 ○部会長代理 実際の評価が18年度になっているので、それを17年度として見るかど うかという問題は確かにありますね。17年度中にやったことは、評価項目を選定するこ とと、システムをつくったという話です。それも含めてAということですか。 ○のぞみの園理事長 前年Cにしましたのは、そこら辺の進捗状況がはかばかしくない ということで敢えてCをつけたのですが、今回はその分を取り戻すという意味で、かな り気合を入れてやりまして、290項目のオリジナルの基準をつくり、それが動き出すよ うにしたというところで、やや自己満足の部分も入っていますが、思い切ってAをつけ ました。 ○部会長 各委員の方に評価していただくときに、18年度での努力は前提にしなければ なりませんが、これは17年度の評価だということは、やはりきちんと押さえておく必要 があるのではないでしょうか。ほかにはよろしいですか。それでは第4のグループにつ いての評価を各自お願い申し上げます。                 (評価記入) ○部会長 全体の評価は各自済んだようですが、今日のこの会議の全体を通じて何かご 意見やご質問等があれば出していただきたいと思います。運営が上手でなくて予定がだ いぶ延びましたので、皆さんのご予定を狂わせてしまったかと思いますが、お許しいた だきたいと思います。特にご意見がないようですので、今後の予定について事務局から ご説明いただきます。 ○政策評価官 長時間にわたり、ありがとうございました。今日いただいたご意見やご 要望の中、のぞみの園のいくつかのファクトにつきましては、できる限り法人の方にも ご協力いただいて早くに資料として整理し、委員のお手元にお届けするように手配いた します。それから、石井委員からお話がありましたように、のぞみの園を含めて、医療 ・福祉部会が今後法人を評価していただく際に、なるべく推移のわかるような、あるい はファクトが動きとしてわかるようなものを定量的な指標を中心に−先ほど人・モノ・ 金というお話がございましたが、どこまでの範囲か工夫し、また、ご意見をいただきな がらまとめるというのが2つ目です。あとは、大変恐縮ですが、今日の議事の1「のぞ みの園の業務方法書」に若干誤植があった部分は、お帰りがけに差し替え分をもってご 確認いただければと思います。以上3点を確認させていただきます。  次回は7月25日(火)午後1時から、医薬品医療機器総合機構について行います。よ ろしくお願いいたします。また、お時間の許す限りシートに書き込んでいただき、持ち 帰らずに置いていただければ事務局で回収して整理させていただきたいと思います。本 日はどうもありがとうございました。 ○部会長 のぞみの園の理事長をはじめ、皆様、どうもありがとうございました。のぞ みの園に対する私どもの思いは熱いものがございまして、ぶしつけなご質問もあったか と思いますが、お許しいただきたいと思います。また、いろいろなことでご協力いただ ければと思います。皆様、ありがとうございました。(了) (照会先)  政策統括官付政策評価官室政策評価第2係  電話:03−5253−1111(内線7780)