06/06/28 第28回厚生科学審議会感染症分科会(議事録) 第28回厚生科学審議会感染症分科会議事録 1.日  時  平成18年6月28日(水) 10:00〜11:31   2.場  所  厚生労働省9階 省議室 3.議  題   1)病原体等に関する基本指針について   2)適用除外となる病原体等について   3)その他 (議事内容) ○鈴木課長補佐 それでは、定刻になりましたので、これより第28回厚生科学審議会 感染症分科会を開会いたします。  委員の皆様方には御多忙のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。  私は、健康局結核感染症課の鈴木でございます。しばらくの間、進行役を務めさせて いただきますので、よろしくお願い申し上げます。  それでは、結核感染症課長から一言ごあいさつをさせていただきます。 ○塚原結核感染症課長 おはようございます。お忙しい中、また、朝早い時間から御出 席いただきまして、本当にありがとうございます。局長が出席しましてごあいさつする 予定でしたが、予防接種絡みでいろいろありまして出席ができませんので、代わりまし て私の方でごあいさつをさせていただきたいと思います。  もう御案内のことと存じますが、いわゆる感染症法の一部改正につきましては、本年 3月10日に閣議決定をされまして、前々回のこの部会でも御報告をさせていただいて おりましたけれども、今国会では成立がされておりませんで、今後継続審議になったと いうことでございます。今後どんなスケジュールになるかということについては、今の 段階ではっきりしたことを申し上げられる状況ではありませんけれども、いずれにして も、政令・省令に委任されている事項につきましては、かなりプラクティカル、技術的 な部分も多いございますので、並行して議論させていただければということで本日議題 を準備させていただいております。  今日の主な議題は2つございまして、1つは、後ほど事務局の方から御説明をさせま すが、病原体等に関する基本指針、これは感染症法に関する基本指針というものを国の レベルでつくっておりますけれども、今回仮に改正ということになった場合に、この基 本指針の中で病原体の取扱いについても具体的に記載していくということを想定してお りますので、今後どんなところをどんなふうに見直すかという観点からの議論が1点目 であります。  2点目でありますけれども、感染症法の今回改正案の中で病原体の規制をするという 内容になっておりますが、病原体の規制の中で除外されるもの、例えば、医薬品として もう既に承認許可を受けているものでありますとか、微生物あるいは弱毒化のワクチン とか規制の対象から外すべきものというものがありまして、これをポジティブリストで 明記していくことになりますので、そういったものを除外するという除外の仕方、除外 の基準といったものについての御議論を本日お願いしたいということで、この2点につ いて議題として挙げさせていただいております。  感染症に関係しましては、最近国民の関心も非常に高うございますので、是非、慎重 審議をいただければ大変ありがたいと思っております。  本日もどうかよろしくお願いいたします。 ○鈴木課長補佐 開会に先立ちまして、委員の出席状況の報告をさせていただきます。 本日の出欠状況につきましては、坂谷委員、青木委員、岩本委員、加藤委員、川城委員、 北村委員、寺島委員、山川委員、吉川委員、阿彦委員、池上委員、大野委員、高松委員 から御欠席の連絡をいただいております。なお、重藤委員、木村委員、吉澤委員につき ましては、出席との連絡を受けておりますので、遅れているものと承知しております。  また、飯沼委員につきましては、所用により後ほど到着するとの御連絡をいただいて おります。  それでは、後の進行は倉田分科会長にお願いいたします。 ○倉田分科会長 おはようございます。よろしくお願いします。  この部屋は非常に暑いのですが、頭の方はクールにして是非。ここはクーラーがつい ているようですが、スイッチをオンしても構わないのですか。では、近い人はやってく れませんか。一番右端に1個1個スイッチがありますので。ありがとうございます。  ちょっと冷えてくるかもしれませんが、ディスカッションはホットでいいのですが、 頭の方は常にクールに。私も時々カッカしますけれども、気をつけます。  まず、事務局から、今日の議事次第と資料の確認をお願いします。 ○鈴木課長補佐 資料の確認をさせていただきます。  まず、委員の方に事前に御連絡させていただいて以降、議題が変更になったことにつ いて御報告させていただきます。  それでは、資料の確認ですが、まず1枚目に議事次第をお配りしております。その後 ろに感染症分科会の席順の名簿をつけさせていただいております。実際の資料につきま しては、資料1「感染症の予防の総合的な推進を図るための基本的な指針の改正につい て(案)」。  資料2「感染症法改正案第6条に規定される除外規定の取り扱いについて(案)」とい うことで、右肩に資料番号「資料1」「資料2」とついているものがお手元にあると思い ます。  その後、参考資料といたしまして「感染症の予防の総合的な推進を図るための基本的 な指針」というものが参考資料1。  参考資料2関連ですが、参考資料2−1といたしまして「医薬品に対する薬事法の規 制の仕組み」。参考資料2−2で黄熱ワクチン以下、各ワクチンのものがついておるとこ ろでございます。参考資料2−3といたしまして「米国において規制対象から除外され ている病原体等」というものがついていると思います。  資料は以上でございます。もし不足等がございましたら、事務局までお知らせいただ きたいと思います。 ○倉田分科会長 ありがとうございました。  それでは、順番に議題1の病原体等に関する基本指針ということで、資料1の説明を していただきたいと思います。お願いします。 ○鈴木課長補佐 それでは、議題1の関係につきまして御説明させていただきます。冒 頭、課長からも発言がありましたとおり、現在、法案につきましては継続審議中という ことでございますが、それに関係いたします諸所の問題につきましては事前に検討を行 いたいと思っているところでございます。  その中で、資料1の1「改正の趣旨等」というところにございますが、いわゆる感染 症法の一部が改正されまして、今回新たに病原体等の所持等の規制をする制度が創設さ れるということになりますが、これにつきまして現在、感染症法第9条の規定に基づき まして、感染症法に関係いたします基本指針というものを策定しているところでござい ます。その中に、これら今回の改正するものについては当然盛り込んでいかなければな らないと考えております。  今日の検討につきましては、その中でも特に病原体等の規制をする制度が今回新規に 創設されるということがございますので、今回につきましては、特にこの部分について 御審議いただきたいと思っているところでございます。  本日の資料1につきましては、今回、事務局の方で作成いたしましたものを案として 御提示させていただきますが、これが最終的な基本指針に盛り込まれるというのではな く、最終的には告示という形になりますので、この文言をやはり告示形式に直して文章 として公表されることになります。  また、全体的なこと、つまり、そのほかのものについても今回新規に入っているもの について、全体的なものとして見なければいけないということがありますので、今回は 病原体だけということにさせていただきまして、次回につきましては、基本指針全体に ついて御議論いただきまして、また、再度この病原体の部分もその場でも御議論いただ けるような形にさせていただければと思っているところでございます。  したがいまして、文言等につきましては若干不備があるかと思いますけれども、どの ようなことを記載すべきかということを中心に御議論いただければと考えているところ でございます。  それでは、実際の中身につきまして御説明させていただきます。実際の中身につきま しては、3「特定病原体等を適正に取り扱う体制の確保に関する事項(案)」以下のとこ ろが今回盛り込むべき事項と考えているところでございます。  上からいきますと、まず、第十とありますけれども、基本指針の中で一から順番にあ りますが、この病原体が入るところは多分第10番目だろうということで、仮の番号で すが第十ということで置いております。  第十「特定病原体等を適正に取り扱う体制の確保に関する事項」ということで、まず 第1に、いわゆる基本的な考え方についてこの場で記載しているところでございます。 簡単にかいつまんで読ませていただきますと、国は、特定病原体等の病原性及び国民の 生命または健康に対する影響に応じて、現在、一種病原体等から四種病原体等まで適正 に分類し、それぞれの病原体等について、所持または輸入の禁止、許可及び届出、基準 の遵守等の規制を適切に行うことにより、これら特定病原体等の所持者に対し適正な管 理を行わせる必要があるということを記載させていただいているところでございます。 これは基本的な考え方ということでございます。  それから、実際の規制の実施についての内容については、次の二のところで書かせて いただいております。まず、二につきましては、それぞれ病原体ごと、いわゆる病原体 の分類ごとに記載しながら、規制の実施についての内容について説明させていただいて いるところでございます。  まず、(1)は一種病原体等についてでございます。ここでありますとおり、一種病原体 等については、国内で所持することを禁止しており、また国内への輸入についても禁止 していることから、国はこれを厳格に遵守させる必要がある。これは法律で書かれてい るところでございますので、そのままこういう制度となっているという説明でございま す。  しかしながら、試験研究のため、一種病原体等のうち政令で定める一種病原体等につ いて、国または独立行政法人等の施設であって、厚生労働大臣が指定した施設において は特別に所持できることになっており、国は当該施設における特定一種病原体等の管理 等が適切に実施されていることを適宜把握しておくことが重要であるということで、一 種については原則所持・輸入については禁止ですが、法律で書かれております特定の施 設については、所持ができるということがありますので、それらを厳格に把握しておく べきだというのが(1)で書かれておるところでございます。  それから、(2)につきましては、二種病原体等に関することでございまして、二種病原 体はそもそも一種病原体ほどではないのですが、テロに使われる可能性が非常に高いと いう病原体が集まっているものでございます。その病原体の所持を行うというものにつ いては、法律の中では事前に許可を得る必要があるということになっておりますので、 (2)にありますように、二種病原体等については、その病原体等の所持を行う施設は、事 前に厚生労働大臣から許可を得る必要があるが、国はその許可に当たっては当該所持の 目的を踏まえ、欠格条項及び許可基準に基づき、適切かつ公正な審査を行うことが重要 であるということで、ここは国の責務を書かせていただいているところでございます。  なお、この場合において、必要に応じて専門家の意見を聞くこととするということで、 厚生労働省の方でこういったいわゆる許可を与えるわけでございますが、その技術的な 部分について、こちらの事務局の方でわからないような場合については、専門家の意見 も聞けるような形で一文入れているところでございます。  また、輸入の許可についても、国は輸入の許可の基準に適合しているということを厳 格に確認することが重要であるということを最後に書かせていただいているところでご ざいます。  (3)につきましては、三種病原体等についての事項でございます。三種病原体について はここにありますとおり、その病原体等を所持する施設は所持後7日以内に厚生労働大 臣へ届け出ることとなっておりますが、国は届け出た情報を適切に整理・把握すること が重要である。いわゆる三種病原体についてもどの施設にどういうものがあるかという のを国はきちんと把握しなさいということをこの中でうたっているところでございます。  (4)ですが、これが新しい事項になりますけれども、これら病原体等については、その 病原体が安全かつ適正に取り扱われる、いわゆるバイオセーフティの体制を構築すると 同時に、盗取等の事故が起きない体制、いわゆるバイオセキュリティを構築する必要が ある。したがって、国はこのような要件を加味し、当該病原体ごとに所持等を行う施設 の基準と、その病原体等の保管等を行う際の基準を作成し、各施設においてこれらが遵 守されていることの確認に努める必要がある。前回のときに御説明させていただきまし たが、それぞれの病原体ごとにあったいわゆる施設基準ですとか、ソフトの基準という ものを今回省令で定めることになっております。施設基準につきましては、前回の御説 明の中で我々の方から、いわゆるバイオセーフティだけではなく、バイオセキュリティ の観点も加味した基準にさせていただいたと御説明させていただいております。その意 味をこの中で書かせていただいているところでございます。  なお、施設がこれら基準を遵守していないと認められる場合には、必要な改善命令等 を行うことにより、当該病原体等の所持施設が同基準を遵守できるよう監督する必要が ある。適正に管理していただくということが、最終的にはこれら病原体の安全かつ適正 な管理につながるということがございますので、ここの最後の文章を入れているところ でございます。  (5)は、この次の議題にも関係いたしますが、法律の中で同じ病原体の中でも毒性の弱 いもの、人に対する毒性がないもの、人を発病させるおそれがないものについては、今 回の規制の対象から外すということになっております。したがいまして、その関係の文 章でございますが、同じ病原体の中でも、人を発病させるおそれがほとんどないものと して厚生労働大臣が指定したものについては当該規制の対象外となるが、国はその審査 について厳格に行う必要があるということでございます。この場合において、必要に応 じて専門家の意見を聞くこととする。事務局、いわゆる厚生労働省側でこれらについて のリストをつくりますけれども、いわゆるサイエンスベーストの部分について不明な点 については、専門家の意見が聞けるような形で文章を構成させていただいているところ でございます。  最後(6)でございますが、国は(1)から(5)の事項を的確に行うために人員等の体制確保に 努める必要があるということで、膨大な審査が行われる可能性がございますので、こう いった人員について厚生労働省はきちんと担保しなさいというのが(6)で書かれていると ころでございます。  三、これら特定病原体等に係ります情報の管理ということで、これら情報については 非常に重要なものと考えておりますので、1つの大きな項を立てさせていただいている ところでございます。  (1)でございますが、ここは前回の分科会の中でも御議論になったと我々は認識してお りますけれども、それら病原体は、テロ対策というのは非常に重要でありますけれども、 もう一方、患者の医療ですとか、公衆衛生上の観点からもそういった情報は重要である というところがございますので、その部分についての(1)を書かせていただいているとこ ろでございます。  読ませていただきますと、患者から分離・培養・同定された病原体等に関する詳細な 情報は、患者の医療のみならず、例えば当該病原体等の遺伝子情報等の解析をすること によって発生原因の特定・感染の広がり等を推測することが可能となるなど、感染予防 対策上極めて重要な役割を担っているということ。したがって、国はこのような情報に ついて広く収集するような体制について検討を行う必要があるということで、やはりこ ういった情報についても非常に重要な、病原体そのものの規制だけではなくて、病原体 が持っている情報というものも重要だということを(1)の中でうたって、それに対して国 は何らかの検討を行って対処しなさいというというのを書いているところでございます。  (2)ですが、ここはどちらかといいますと、テロ対策、セキュリティの関係の文章です。 国は指定、許可及び届出により当該病原体を所持している施設に関する情報や当該施設 における病原体等の所持に関する情報、その他特定病原体等に関連する情報を把握した 場合には、当該情報を適切に管理するとともに、その情報の重要性にかんがみ、第三者 には開示しないこととするということで、これら情報につきましては、厚生労働省に一 括集まることになっておりますが、特定の省庁、いわゆる盗取の関係の警察、海上保安 庁もしくは事故等の場合の消防庁、そういったところには事故等がありましたらそうい ったものを情報提供することとなっておりますけれども、それ以外のところにむやみや たらにこういう情報というものは開示しないようにしようということで、この(2)が入っ ているところでございます。  四でございますが「特定病原体等の取り扱い等に関する周知の徹底・人材の確保」、今 回新しく制度をつくりますので、こういった制度につきましては周知徹底を図るという ことと、やはり今回のバイオセーフティ、バイオセキュリティの関係についてのものも 含めて、この病原体の取り扱いについては、やはり広く実際の研究者の方々、実際に病 原体を触られる方々についても、いろいろと知っておいていただかなければならないも のと考えているところでございます。したがいまして、(1)ですが、特定病原体等を適切 に取り扱うための基準について、いわゆるここはソフトの関係の基準ですけれども、広 く関係者に周知徹底することは、特定病原体等による国民の生命または健康に対する影 響を未然に防ぐためにも重要であると。このようなことから、国は特定病原体等を所持 している医療機関、大学等の研究施設、地方衛生研究所等の検査機関等に対して、特定 病原体等の適切な取扱い等に関する情報を適宜提供することが重要であると書かせてい ただいております。  (2)につきましては、そういった行政機関が所属する行政官庁についても情報提供する ということが入っておりまして、国は各研究機関を所管する関係行政機関と連携し、特 定病原体等の適切な取扱いに関する周知を行うということを書かせていただいておりま す。  (3)は、今度は人材の確保というところで入れさせていただいているところでございま す。特定病原体等による国民の生命または健康に対する影響を未然に防ぐためには、そ の取り扱う体制の構築のほか、実際に使用する者の知識の確保も必要である。このよう なことから、関係者等は実際に病原体等使用する者に対し、バイオセーフティの考え方 を周知するとともに、これらの者が実際に取り扱う病原体等に関する知識・技術の向上 のための研修等を行う必要があるということで、技術研修等も行っていこうということ が書かれております。  五は「関係各機関との連携」ということで、先ほど少し説明させていただきましたが、 関係省庁への情報提供というものが書かれているところでございます。  特に(1)につきましては、盗取、行方不明、事故、火災等の災害時におきます対応とい たしまして、それら感染症の発生を予防する。または、蔓延を防止するために速やかに 関係行政機関に対しまして、これら所持等に関する情報を連絡するということを書かせ ていただいております。  (2)につきましては、そういった事故等が発生した場合については、関係機関と連携い たしまして、当該施設からの報告や立ち入り等によりまして、迅速かつ適切な対応をす ることが重要であるということ。  (3)につきましては、輸入の関係でございますが、こういった病原体が不正に輸入され ることを防止するために関係機関と十分な連携を図っていきなさいということ。  (4)は都道府県との連携ということで、都道府県に対しましてこういった感染症の発生 を予防し、または蔓延を防止するために必要な協力を要請し、適切な連携を図る必要が あるということを最後にうたっているところでございます。  以上、大きな考え方として事務局で考えましたのが、こういったものを今回の基本指 針の改正の際には盛り込むべきと考えておりますけれども、先生方のこういったものも 必要ではないかというような、または、こういったものは要らないのではないかという ような忌憚のない御意見をいただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたし ます。 ○倉田分科会長 ありがとうございました。  それでは、基本指針につきまして、鈴木補佐から説明がありましたが、皆さん質問あ るいは御意見がありましたら、どうぞ。 ○渡邊委員 病原体の管理を厳しくすると一番危惧されるのは、なるべく面倒くさいこ とはやりたくないということで、病原体を廃棄してしまうということが一番危惧されて いるわけですけれども、それを考慮した上だと思うのですが、三の(1)のところに、そう いう病原体を収集し、それを疫学調査等に利用するようなシステムの体制を検討する必 要があると書かれていることは非常に評価すべきことだと思うんですけれども、これは もう一歩踏み込んで、体制で検討するというだけだと、実効性がどのくらいあるかとい うのはちょっとわからないので、検討し、それを構築するように努めると、そこまでも う少し踏み込んで書いていただければ非常にありがたいのですが。 ○鈴木課長補佐 では、「構築するように努める」と。では、そのように訂正させていた だきます。 ○倉田分科会長 ほかにいかがでしょう。 ○山田委員 大きな二の(6)「国は(1)〜(5)の事項を的確に行うための人員等の体制確保に 努める必要がある」という記載があるのですが、この「人員等」には例えば施設とかそ ういったものが含まれるのかどうか。というのは、全体的にソフトに関して国はこうい うことをする必要があるということは記載されているのですが、基準などを見ると施設 要件とかいっぱいあるわけですね。そういう意味でのハードの部分に対する記述が余り 見られないと。そういうところを考えると、この「人員等」の「等」には施設が含まれ るのかどうかというのは結構大きいことかなと思うのですが、いかがでしょうか。 ○鈴木課長補佐 (6)につきましては、直接の中心となるのは多分、結核感染症課という ことになると思いますが、そこがこういった審査に必要な十分なだけの人員もしくはそ ういった審査をするための体制、例えば特別な係りをつくるとか、そういったものを想 定しているところでございまして、その他の施設の建設ですとかそういったところまで は、ここの中では加味されているものではないということでございます。 ○山田委員 そうすると、やはり例えばBSL4については前の指針の中に書き込まれて いるのですが、それ以外の施設要件に関しては、指針の中に記載がないと、そこはやは り全体的に見て今後のことを考えたとき、少し手落ちがあるのではないかなという気が するんですが。 ○鈴木課長補佐 その部分につきましては、確かにここの部分以外のところにBSL4に 関するものが書かれておりまして、ほかの三以下にはそれがないということがあると思 います。  一方、今回の病原体の管理のいわゆる施設基準については、(4)で書かせていただいて いるように、必ずしもBSLによるものというわけではなくて、BSLとセキュリティ の関係と加味したことになっていると思います。先生の御指摘のとおり、4以下のもの についても、やはり今回規制とは言いませんけれども、何らかの記載が必要という御意 見だと思いますので、そこにつきましては、改めて検討させていただきたいと思います。 ○倉田分科会長 ほかにいかがでしょうか。 ○田代委員 この対象は、ここに特定病原体等とすべての病原体が対象になるわけです けれども、この中には現在、ほかの省庁によるいろいろな規制が既に掛かっているもの があるわけですが、それとはダブって新たな規制を掛けるという考えでよろしいのです か。 ○鈴木課長補佐 規制は、例えば農林水産省で行われているような規制の対象物質が今 回新たに感染症法の規制対象物質になったということになれば、それは両方規制が掛か るということになります。 ○田代委員 そうすると、特に二種の病原体などだと、あらかじめ事前にいろいろな審 査を受けて移動とか許可とか輸入ということが必要だということになるわけですけれど も、農水省の規制が掛かっているものについても同じようなことがあるわけですね。そ うすると、例えば緊急対応で外国から病原体を輸入しなければいけないとか、国内で移 動しなければいけないというような事態が生じたときに、すべての規制をクリアするた めの審査の数が増えるわけですけれども、そうすると、時間だけが余計に経ってしまっ て、事務処理その他で煩雑になって、実際の対応が遅れてしまうということが危惧され るわけですけれども、その辺については是非、並行して行えるとかそういうメカニズム を考えていただきたいと思います。 ○鈴木課長補佐 それにつきましては、関係する省庁と連絡をとらせていただいて、ス ムーズに、今行われている審査以上の時間が掛からないように、また緊急時にはすぐに 行えるように調整させていただきたいと思います。 ○倉田分科会長 緊急時という言葉は、前からこの会議でないことがやれるようにする ということなので、どこかにそういうことを入れられないですかね。例えば、所持後7 日以内が場合によっては短いようであり、場合によっては非常に長いような、緊急時の 場合としてはもっと早くという話だと思うのですが、この7日というのは一般病院のス ピードでいったときに短いかどうかは私はよくわからないんですが、研究所辺りだった らそんなに問題はないかもしれないですけれども、この辺がいろいろあるかもしれない ですよね。そういうものが外れたら罰則になるかどうか、いろいろその辺の法的な規制 の使い方はわかりませんけれども、この辺はどうなんですかね。病院関係の方から一言 言っていただければと思うのですが。  もう一つは、7日以内に届出が来るとして、直ちに厚生労働省に届出はいいのですが、 対応する方がそれに関してぱっとレスポンスできるか、それだけの人の用意がそのとき できているかと、そういうことを問われたら答えがありますかと。 ○鈴木課長補佐 二の(3)のところに、三種病原体については所持後7日以内に届出とい うことになっております。この所持というのは、例えば、病院等におきまして病原体を 検出してからというわけではなくて、病原体を検出するのですが、それを半永続的にそ の施設が所持をするという意思決定をしてから7日以内ということになります。 ○倉田分科会長 そうしたら、そこの書き方を。所持後7日以内という言葉と、所持す る決定を経た後と、場合によっては1か月間しまっておいたままにして、あと実験に使 うか、使わなければ例えば、結核菌でしたら結研に送ってしまおうという話なのか、余 裕があるのかないのか。また、それを一体誰が審査し得るかというようなことについて 答えはありますか。言っていることはわかるからいいのですが、それをわかりやすく所 持決定後とかそういうような言葉にしておいていただくといいですよね。 ○鈴木課長補佐 わかりました。ここはもう少し説明を加えて、わかりやすく記載させ ていただきます。 ○倉田分科会長 お願いします。  ほかにいかがでしょうか。 ○高橋委員 三の(2)なんですけれども、第三者への開示をしないという話で、情報の重 要性にかんがみというところがよくわからなかったのですが、今のお話を聞いていると、 要するに犯罪とかテロ対策、安全という話で出さないという話だと理解しましたけれど も、それがわかるように書いていただきたいなということが1つ。  いわゆる三種とか四種についても、そういう理屈で、例えば、情報公開請求が来たと きに開示を拒否できるのかどうか御検討されているのかなというところがわからなくて、 余りあっさりこういうふうに全部出しませんよということになると、後々いろいろとも めるのではないかなというところがあるので、もうちょっと。第三者も他の行政機関へ の提供と情報公開が来たときの開示とありますので、もうちょっと表現ぶりを中で御検 討いただければと思います。 ○鈴木課長補佐 情報公開の関係、今先生から御指摘があった点につきましては、情報 公開法等他法令ともきちんと整理をして、その辺がごっちゃにならないような形で書き 直させていただきたいと思います。 ○倉田分科会長 これは非常に重要なところで、そもそも対象にした疾患の病原体につ いては、徹底的に遺伝子解析をやると。米国の  ですが、しかし、外国人はそのチー ムに入れない、更に得たデータは共有する範囲をきちんと決めて一般公開しないと、非 常に厳密にやっていますが、それも是非参考にされた方がいいと思います。この病原体 に関しては。何でもいいという話ではないので。今、高橋さんが言われたことは非常に 大事なことなので、するならする、しないならしない。しなければ何をどういう格好に しないとか、そういうことをここにはっきりと書かれた方がいいです。それは米国が非 常にいい書き方をしていますから。参考になると思います。 ○鈴木課長補佐 わかりました。米国の例も参考にさせていただいて、そこは検討させ ていただきたいと思います。 ○倉田分科会長 ほかにいかがでしょうか。 ○木村(哲)委員 病原体の保持と輸入の禁止という表現があるのですが、グローバル な観点から考えると、日本からよその国へ出ていく輸出というところも気をつけるべき 点があるのかなと思うんですが、輸出については国内になくなるから……。 ○倉田分科会長 そうではなくて、いろいろルールはあります。もし事務局でしゃべる なら話をしてください。 ○鈴木課長補佐 輸入の禁止が掛かっているのは第一種のみでございまして、今現在一 種病原体はエボラ等ですが、国内にないと承知をさせていただいているところでござい ます。輸出についても、今回の法律の規制の中では輸出については書かれておりません ので、今回の基本指針の中にもそこの部分に触れるのが難しかったので、書かれてはお りません。 ○倉田分科会長 農水の喜田先生にお話しいただくとありがたいと思うのですが、輸入 に関して厳しいのはあると思うし、輸出に関しては経済産業省が非常に厳しいルールを 持っています。 ○喜田委員 輸入禁止について農林水産省では、例えば、インフルエンザウイルス株は 全部輸入禁止です。ですから、弱毒でも強毒でも無関係に、トリ由来のインフルエンザ ウイルスを輸入するときには農林水産大臣の許可が必要です。私どもは疫学調査をする ときに、外国に行ってカモのうんちを集めますが、1個1個について輸入許可をとって おります。ただ、外国から診断を依頼されることがあるのですが、そのときにそれが度 重なっていくと、そのたびに3か月待ってくれというわけにはいきませんので、特急で 1日、2日でやってもらっているんですが、それができるんだったら全部やってよとお 願いしている。結局、諸外国では、少なくとも1年単位で許可の期間を設けて更新する というところが一番きついところで、大体は研究機関がそのレファレンス、ラボラトリ ーして認められていた場合には、そこで検疫をするということになっています。そうい うシステムを動かしてもらわないと、感染研もそういうところがあるのではないかと思 います。どちらかというと、農林水産省の方の決め方は、あくまでも厳しかったので、 私どもから見るとこのたびの規制というのは、基本的には当たり前かなという気がしま す。ポケットに入れて病原体を持ち込むということは、動物の方ではあり得ない。 ○倉田分科会長 ほかにいかがでしょう。  多分出す方の経済産業省にも、例えば、日本のものを向こうに出さないといけないと きに、田代さん、インフルエンザの経験があったらちょっと話していただけますか。 ○田代委員 インフルエンザの経験ですけれども、ウイルスをほかの国から分与依頼が 来て送る場合に、これは経済産業省のパーミッションが要るものがあります。規制され ている病原体が幾つかあって、それはリストアップされていますけれども、許可が下り ないというケースもままあります。それはどういう理由か詳しいことはわかりませんが、 多分対象国が潜在的にバイオテロリズムにそれを応用する可能性があるという説明を受 けたことがありますけれども、木村先生が心配されるようなことは多分、そこでチェッ クされているのではないかと思います。 ○木村(哲)委員 農水省なり経済産業省の方でそういう規定があるから、厚労省とし ては要らないだろうという感じになるわけですか。 ○三木課長補佐 輸出の関係は倉田先生が言われたような、経済産業省が輸出をする相 手国なりを勘案して、特定の病原体等についても厳しい規制を行っております。今、田 代先生がおっしゃったとおりですけれども。農林水産省の場合は、家畜伝染病予防法に 基づいて、いわゆる人獣共通感染症となるような病原体、ここで言うと二種であれば炭 疽とか野兎とか、四種で言うと、先ほど喜田先生がおっしゃったようなインフルエンザ とかありますけれども、それは国内に輸入される際の規制をやっておりますので、そこ と今回の感染症法案の規制は重複することになります。その辺は農林水産省ともよく調 整をさせていただいて、先ほど喜田先生が言われたことも踏まえて検討したいと考えて おります。 ○倉田分科会長 ほかに質問があれば。もし、どうしてもこの資料が必要なら、経産は こんな基準でやっているとか、農水は今言われたどんなことはだめですよと、許可を得 なければいけないとかそういうことがあると思うので、簡単なものでも資料として出し ていただけるとみんな理解が早いと思います。1ページぐらいずつのものでいいですか ら。 ○鈴木課長補佐 わかりました。資料は次回に用意させていただきます。 ○倉田分科会長 それでは、ほかに。どこでもいいですが、最初の資料1で御質問ある いは御意見がありましたら、どうぞ。 ○田代委員 これは国というか厚労省が直接これを全部管理するというシステムですよ ね。そうすると、都道府県は直接関与しないわけですね。 ○鈴木課長補佐 今回の病原体の管理の関係につきましては、厚生労働省が中心となっ て行うということでやっております。ただ、最後の五の(4)にもありますが、都道府県が 全くというわけではなくて、必要に応じて都道府県にも一部お願いするようなことがあ るかもしれないということで、五の(4)が入っているということでございまして、基本は 厚生労働省で対応するということでございます。 ○田代委員 そうすると、先ほど高橋先生からの質問で、第三者機関に情報を開示しな いということなのですが、都道府県にもそういう情報は原則としては行かないという解 釈でよろしいんですか。 ○鈴木課長補佐 原則といたしましては、今回の情報につきましては、先ほどのいわゆ るテロ対策という一つの大きな側面がございますので、情報については厚生労働省一括 で持たせていただいて、事件性等、事故等の場合がありましたら、関係省庁に情報提供 しますとか、必要に応じて都道府県にお願いするということがあるかもしれません。 ○倉田分科会長 よろしいですか。ほかに何か質問がありましたらどうぞ。 ○喜田委員 第三者に知らせない情報というのは、具体的にはどういうことですか。例 えば、遺伝子情報はみんな隠していたのですが、私どもはモンゴルからのサンプルを依 頼されて、OIEとモンゴル国には報告すると同時に、ウェブに公開しました。それで ヨーロッパやアフリカのデータも続けて出てくるようになった。これは公開すべきもの だという意見を国際機関でも言ってきたのですが、ほかに隠さなければいけないことは 何ですか。 ○鈴木課長補佐 今回、厚生労働省が一元的に入手する情報というのが、いわゆるこれ ら病原体を持っている施設が例えばどこにあるか、それから、その病原体がその施設の どの部屋のどの場所に保管されているかといった情報、セキュリティの関係の情報が一 番肝だと考えています。 ○倉田分科会長 ほかにいかがですか。 ○田代委員 そうすると、もしそういう情報を届けた場合に、そちらの方からは外には 公開しないということなのですが、実際に所持している人が勝手に自分たちが持ってい るということを外に出した場合は同じことになってしまうんですね。そこを規制しない と、この趣旨は徹底しないんじゃないかと思うんですけれども。 ○塚原結核感染症課長 御趣旨はよくわかるのですが、今回の法案の中では、我々が行 政サイドで得た情報の取扱いについてはきちんとするということなんですが、そもそも 施設そのものが、うちはこういう病原体を持っているというような情報をそこまで規制 する枠組みにはなっていないです。その理由は幾つかあると思うのですが、例えば、そ の施設がこのウイルスを持っているということを言ってはいけないとなった場合に、多 分その研究施設はそのウイルスに関する研究論文が発表できなくなってしまうと思うん ですね。したがって、法的には規制をしていないという枠組みになっています。  ただ、では、セキュリティに関するような、例えば、その研究施設が研究所のどこか ら入ると鍵がないとか、そういうような見取り図みたいなものを公開してしまったらど うかという話になると、それは非常にセキュリティ上問題があるので、具体的な規制の 内容に入っていませんけれども、指導の中でそこは徹底させていただくとか、例えば、 許可をするときに、明らかにそういうセキュリティの関係から問題があると思われると ころについては許可をしないというような方法もあると思いますので、一律に規制する という方法ではなくて、ほかの方法で特定施設がいろいろな情報を自ら開示してしまう ことをどうブレーキを掛けるかということは、別の方法で考えざるを得ないかなと思っ ていますが、重要な話なので、そこはよく検討させていただきたいと思います。 ○倉田分科会長 ほかにいかがですか。 ○高山委員 五の(1)なんですけれども、どうもこれは読んでイメージが沸かないのです が、例えば、九州の某研究所から炭疽菌が盗まれた場合、行政機関に対して病原体の所 持等に関する情報を連絡するというのですが、どの範囲にどういうことを連絡すること をお考えなんでしょうか。 ○鈴木課長補佐 例えば、この場合につきましては、こちらの方に報告として当該所持 の許可を得ている施設が調べてみたら、例えば、ボツリヌスの毒素が2〜3本なくなっ ているのがわかったという情報がありましたら、それは盗取になりますので、そういっ た情報について、まず地元のいわゆる県の警察ですとかそういったところに連絡して捜 査が入るとか、そのときにどういう体制でやっていたかというようなものについても、 きちんと行政機関、今の例の場合ですと警察が主になりますけれども、警察と連携をと りながら対応するということと、また、それらがどこかで使われた場合に、すぐに本当 にとられたものが使用されたのかということも後で重要になってくると思いますので、 そういったところの情報、いわゆるそれらに関する情報について、行政機関の間でやり とりをさせていただいて、迅速に対応したいと考えているところでございます。 ○高山委員 そうしますと、警察関係が主で、病院関係とかそういうところは流れない んですね。こういう病原体が盗まれたから、疑わしい症状のあるものは報告してくれと かそういう形にはならないわけですか。 ○鈴木課長補佐 多分ここで言っている情報というのは、先ほどの話と関連しますが、 施設のセキュリティといった施設に関する情報ということになると思います。今の蔓延 の防止といったものについては、多分サーベイランスとかそういった医療に関係する情 報収集という意味で、そういうふうになってくると思いますが、そこについてはまだ正 直なところは議論していないというところでございますので、また検討させていただき たいと思います。 ○倉田分科会長 ほかにいかがですか。では、その辺のところをまたわかるような書き 方を後で足してもらうということで。  ほかに1番の資料で何かありますか。もしなければ、次に行きたいと思います。資料 2について説明してください。 ○三木課長補佐 それでは、事務局から資料2について御説明させていただきます。資 料2と参考資料として2−1から2−3を添付させていただいております。資料2をご らんいただきまして、「感染症法改正案第6条に規定される除外規定の取り扱いについ て」ということでございます。  先ほど鈴木の方からも御説明をさせていただきましたが、この法案については生物テ ロ対策における感染症の発生、蔓延防止ということを主眼につくられたものでございま す。ただ、その中であっても、例えば病原性がないとか、人に発病させるおそれがほと んどないというものについては、規制の対象とする必要がないのではないかということ で、このような規定を盛り込ませていただいたということでございます。  条文につきましては、1番に関連する条文を書かせていただいておりますけれども、 この法案第6条というのが定義の条項でございます。19号から22号というのは、一種 から四種の病原体のところでございまして、それぞれに除外をする規定というのが盛り 込まれているということでございます。読み上げさせていただきますと、「薬事法第14 条第1項の規定による承認を受けた医薬品に含有されるものその他これに準ずる病原体 等であって、人を発病させるおそれがほとんどないものとして厚生労働大臣が指定する ものを除く」ということで、厚生労働大臣が指定したものについては、この法律の適用 除外というような形になるというものでございます。  ここで言います薬事法第14条第1項の規定といいますのは、薬事法の中で品目ごと に製造販売についての厚生労働大臣の承認を受けなければならないという規定でござい まして、この規定によって承認を受けたものということでございます。  第83条で読み替えの規定がございまして、専ら動物に使用されるもの、いわゆる動 物用医薬品については、農林水産大臣の承認ということで読み替える規定もございます ので、このいずれの承認を受けた医薬品ということで考えてございます。  こういった医薬品もしくはこれに準ずるような必要性かつ有用性等があるものであっ て、人を発病させるおそれがほとんどないようなものについては、厚生労働大臣が指定 をして除くということを考えてございます。  2番目が、この指定に当たっての考え方ということで現在考えている案でございます。 (1)から(3)までございますけれども、この除外規定を運用していくに当たり、(1)から (3)のような指定の考え方でいかがかというもので今回はお諮りをさせていただくもの でございます。  (1)が、薬事法の規定による承認を受けた医薬品に含有される病原体等であって、人 を発病させるおそれがほとんどない製品とか菌株等を指定するというものでございます。  (2)が、薬事法の承認に向けて開発中のワクチン株、いわゆる承認はまだ受けていな い段階ですけれども、いろいろな試験を終えて、例えば、薬事法に基づく治験計画を届 出されたもので、人を発病させるおそれがほとんどないものを指定しようというもので ございます。  この(1)(2)は、他法令の規制の枠組みの中で厚生労働大臣、農林水産大臣が認めてい るものについては、確認をした上で指定をしていこうという考え方になってございます。  (3)が、病原体等の中で弱毒株と認められるもので、かつ、次の目的に用いられるも のであって、人を発病させるおそれがほとんどないものについて指定するという考え方 でございます。次の目的といたしまして挙げておりますのが、基礎または応用研究であ るとか、陽性コントロールとして用いるというような場合とか、診断検査の開発とか技 能試験、ワクチンや治療法の開発、教育関係、実習とかそういうものについて用いるも ので、確認がされたものについては指定をしていこうという考え方でございます。この ような考え方で、指定をしていくことはいかがかということでございます。  参考資料2−1をごらんいただきますと、薬事法というのが出てきますので、医薬品 に対する薬事法の規制の仕組みというものを1枚引用させていただいております。この ような開発から使用の段階まで、治験の届出というものもございますけれども、このよ うな仕組みで薬事法に基づく規制がなされているということをお示しする資料としてつ けさせていただいているものでございます。  資料2にお戻りいただきまして、2ページ目になります。今回、先ほど御説明したよ うな指定の考え方を踏まえて、このようなものがあるのではないかということで列挙さ せていただいているものでございます。厚生労働大臣が指定するものの案ということで お示しさせていただいております。  指定の考え方の(1)に基づくものになりますけれども、a)からe)まで掲げさせていた だいていますものが、いずれもa)、b)が人用の医薬品として、c)とd)が動物用の医薬 品として薬事法に基づく承認を受けているものでございます。参考資料2−2に、それ ぞれの添付文書なり説明文書をつけてございますので、参考にごらんいただければと思 いますが、a)については、黄熱ウイルスの17D−204株が弱毒黄熱ウイルスになりま すけれども、この17D−204株及びこれを製造株として製造された製品、いわゆる生ワ クチンということでございます。  b)が、弱毒ポリオウイルスセービン株、I型からIII型までございますけれども、及び これらを製造株として製造された製品ということで、これも生ワクチンでございます。  c)が、日本脳炎ウイルスのat株、m株、ML−17株、S欠損株及びこれらを製造株 として製造された製品。これも生ワクチンになります。  d)が、バシラス、炭疽菌34F2株、これは弱毒株になりますけれども、これを製造株 として製造された製品ということで、これも生ワクチンでございます。  e)が、A型ボツリヌス毒素製剤ボトックスとこれと同等の含有成分・含有量の製品と いうことで、これは人用の医薬品として認められておりまして、あとは斜頸であるとか 眼瞼麻痺の治療として用いられているというものでございます。  このようなものについては、先ほどの指定の考え方を踏まえると指定をしてもよろし いのではないかということで考えているものでございます。  参考資料2−3をごらんいただきますと、同様の生物テロ対策の規制を行っておりま す米国において規制の対象から除外されている病原体ということで、参考としてお示し させていただきました。ただ、米国の場合はテロ法というのが大きくありまして、その 下に例えば厚生労働省に相当するところとか、農林水産省に相当するところがおのおの 規制しているというものでございます。  資料2−3の1枚目に、ずらっと列挙させていただいておりますが、簡単に御説明し ますと、HHSというのが厚生労働省に当たるものですけれども、ここが人に対しての 弱毒株ということで除外しているものが2つございます。HHSとUSDA、農務省がい わゆるオーバーラップ、人獣共通感染症の現病原体として弱毒株ということで除外して いるものにこのようなものがございます。あと、許容される毒素量ということで、ボツ リヌス毒素0.5gとか、志賀毒素100mgというようなことで除外というか、そのような ことをしているということで、このようなものも参考にしながら今後指定を進めていく ということも考えてございます。  資料の御説明は以上でございます。 ○倉田分科会長 資料2につきまして説明がございましたが、除外規定ですね。このよ うなものは対象としないということですが、質問あるいは御意見がありましたら、どう ぞ。いかがですか。 ○山田委員 指定の考え方についての(3)のところなのですが、一旦弱毒株と認められ たものであっても、例えば、改変を加えるとかそういうことによって毒力の復帰をさせ るというような場合は、どういう扱いになるんですか。例えば炭疽菌のプラスミドが落 ちているようなものにプラスミドを戻す。その場合には、菌株としては前の株なんです よね。そういうときの扱い。当然、規制の対象になると思うのですが。 ○三木課長補佐 これは、この指定の考え方に基づいて必要なものを厚生労働大臣が指 定して除外するということで、個別の菌株名、例えば今、山田先生がおっしゃたような、 ある特定の病原体で特定の遺伝子が欠損している場合については、その遺伝子欠損の株 ということで指定をする予定でございますので、恐らくそこにまた組換え等の操作によ って遺伝子を入れ戻すとか、そういう操作をした後のものについては、勿論除外のいわ ゆる指定外ということになりますので、指定の対象と考えております。 ○倉田分科会長 組換え実験するものがまた別な規制が掛かるでしょう。そこででき上 がった病原性を復活したものは、もう弱毒ではないから届け出なければいけないわけで すね、再び。 ○山田委員 組換えに含まれないようなナチュラルオカレンスの場合などがありますの で、要するに復帰したものについては、除外から除外するということはどこかに明記し ておいた方がいいのではないかという趣旨なんですけれども。 ○倉田分科会長 では、それは是非、今の山田さんの意見を参考に1行加えてください。 自然に起こったにしても確認されれば、それは別のものとしてやるしかないですね。弱 毒ではないわけでしょう。山田さん、こうしたらそれは防げるという文章を事務局へ出 してください。  ほかにいかがでしょう。 ○渡邊委員 今の問題と少し絡むんですけれども、こういう形でもし指定した場合には、 前の2ページの(5)のところに審査を厳格に行うと。この場合においては、必要に応じて 専門家の意見を聞くという形になっているわけですけれども、1つはそういう申請が出 てきた場合に、それが本当にそうなのかという確認が必要ですよね。例えば、論文に出 ていればOKとかそういう規定があれば、論文といってもそれなりの論文でないとまず いと思うのですが。  もう一つは、たとえ論文に出ていても、そのストレンをもらってきて同じものを使う のだったらいいですが、論文に出ているものと同じやり方で自分勝手につくる人もいる わけですね。そうした場合は、同じキャラクターを持っているだろうとその人は推定す るわけですけれども、恐らく違うストレンを使えば、ストレンのデファレンスというの はもともとありますので、たとえ遺伝子だけをノックアウトしても同じフェノタイプに なるとは限らないわけですね。そうすると、その人もそれについて論文を本当は出して、 ちゃんとレビューされないといけないわけですが、現実的にはそういう論文というのは 多分通らないと思うのです。同じことをやっているわけですから。そのときに、そうい う申請が出てきた場合の申請の審査のやり方等は結構難しいと思うんですね。それが1 つ。  もう一つは、そういう株が出た場合に、例えば、内部告発でそういうものを勝手に使 っているということがあった場合に、どこかで確認をしないといけないわけです。その 場合には、つまりレファレンスが必要なると思うので、そのレファレンスは国が用意す るのか、その辺の考え方というのはどうなっているのでしょうか。 ○三木課長補佐 具体的に今、渡邊先生がおっしゃられたようなことまでは、まだ十分 に検討はされていないですけれども、一応、今、渡邊先生が言われたようなことについ ても非常に重要と考えてございますので、今後検討させていただきたいと思います。特 に、何をもって除外した菌株を特定するかというレファレンスについては非常に重要だ と思っておりますし、国としてもどこかに保管をするとか、そのもの自体とか、例えば 遺伝子情報を置いておく必要はあるとは思っております。 ○倉田分科会長 これは、誰か第三者が確認するということになると、とんでもない仕 事が増えてくるわけで、やはり研究者の良心の問題も含めて、そちらの方である程度縛 ってもらうようにしないと、あるものはつくられたものを全部別な人が確認する、そう いうことをやったら物すごく大きい研究所がそのためだけになければ、多分収まらなく なるんじゃないかと。ですから、ほかの実験と同じように、やはりこれはみんな組み換 える場合は届けるわけだし、その義務があるわけですから、その時々にでき上がったも のに対しては、それがこの感染症法に引っ掛かるものであれば、1個1個届け出るしか ないということになるかなと思うのですが、そこもうまく研究を縛らず、しかし、そう いう違法行為は縛れるような何か文章を考えた方がいいかなと思いますが、こういうよ うにしたらいいよということを是非専門の方々に後で文章にして事務局にお出しいただ ければ、整理が楽だと思います。  ほかに何かございますか。 ○喜田委員 少し別の話にもつながるのですが、これは指定とか指定対象外から除くと いうのは、全部菌株あるいはウイルス株名で基本的にはいっているわけですね。昨今ど うしてH5N1が問題になっているかというと、H5N1というのはウイルス株の最後につ ける血清型であって、株名の一部なんです。だから、H5N1株を指定にすると、その中 にはニワトリに対して高病原性だと確かめられたものもあるし、全く病原性がないニワ トリに感染しないものもあるわけで、そこら中にいるわけですね。それが同じように H5N1ということで規制の対象になってしまいそうなので、それは株名でいくという基 本を堅持していただかないと、不都合がたくさん起きます。ただ、そのときにどういう ふうに文章に書けばいいかということについては、やはりかなり難しいので、私も考え ますがよろしくお願いします。今まで出てきている研究者側の疑問やいろいろなことは 全部株名、病原体の名前と病気の名前が混同されていたり、血清型と病原性が一致して いるとか一致していない、そういう非常な誤解に基づいている。だから、株名を明示す るということにすると問題はないかと思います。鳥インフルエンザH5N1と言ったって、 何のことか本当はわからないですよ。よろしくお願いします。 ○倉田分科会長 では、いろいろ菌やウイルスを扱っているそのウイルスの特異性とか そういうことで、いろいろな疑問とか見方が出てくると思うので、こういうことだった らこういうふうにすれば誤解がなくなるよというようなことを是非、今発言された先生 方もそうだし、そうでない方々もこういうものはこういうふうにしておけば除外規定が 非常にやりやすいということを御意見としていただければありがたいと。是非、御協力 をお願いします。  ほかに何かありますか。 ○岡部委員 全体的なことで、病原体の規制をしていろいろなところで制限を加えてい くのはセキュリティ上非常に重要だと思うのですが、しばしば議論になっているように、 面倒くさいから全部廃棄してしまおうというような方向にも当然なり得ると思うんです。 こういったような中には非常に貴重な病原体であったりする可能性は高いし、あるいは 研究用に重要なものがあるので、バラバラにどこかが保持しているということではなく て、そういうものを集中して集めておくとか、こういうライブラリー的な構想がこの中 には入ってこないんですか。 ○倉田分科会長 国としてとりあえず集めておくと、必要なときは研究者に返すと、こ の議論はあるメンバーの中では随分出ているのですが、そのようなことに関してはいか がですかということだと思うんですが。つまり、捨てられる前にとにかく登録しておい てもらって、こちらに保管しておいてもらえれば捨てないで済むという意味だと思うの ですが、必要なときにはまたそれを関係者が使うということができるような。それには それなりの場所とストックするシステム、登録するシステムが必要だと思いますし、人 も場所も電気料も掛かるし、いろいろあるわけですが、いかがですか。 ○岡部委員 最初に渡邊先生がおっしゃった疫学的に必要なものについて構築するとい うようなところがあるんですが、これは疫学だけではなくて、個々の研究であったり、 あるいはそれをストックする歴史的な意味合いもあると思うので、是非その辺のところ のお考えを入れていただきたいと思いますが。 ○滝本感染症情報管理室長 そういう意味も込めまして、先ほどの基本指針の中の三の (1)のところで少し芽を今回出させていただきたいなと考えておりますし、それから、こ れをどんどん展開して、病原体バンクみたないものも目指して取り組んでいきたいと考 えております。 ○岡部委員 つまり、そこには情報収集ということしか書いていないので、菌株そのも のの収集・保持と。 ○田代委員 先ほどの議論にちょっと戻るのですが、例えば、ウイルス学会で研究ネッ トワークというのがいろいろなウイルスで行われていて、どこの研究室にどういうウイ ルスがあるかというのはリストアップして公表しているわけですけれども、勿論そうい うことも片方の研究を進める上で非常に大事だと思うんですが、そういうことと今回の 規制との間の整合性というのはどこかで図っていく必要があると思うので、その辺の検 討をよろしくお願いしたいと思います。 ○倉田分科会長 公表対象がこのリストの中にあるかどうかということもあるかもしれ ないし、あるものとないものもありますが、それはどうするかと。結局これは研究者が 持っているらしいということはわかるわけで、例えば、田代さんのところに行けばいっ ぱいあるぞと、喜田さんのところにいっぱいあるぞと。あるいはもっと違ったものも、 この先生のところにはあるだろうという話になったときには、暴力行為で何かやろうと 思えばできますが、その菌そのもの、ウイルスを知っている人でなかったら、どこから 持ち出して何しても使い物にはならないかもしれないし、そういう点はあります。ただ、 その人を今度暴力的に連れていってやらせるという話になれば、これはまた全然別の問 題で、そういうところまで今の感染症の想定は全くしていないと思いますし、そういう ことでいきますと、この法律では全く取り締まるような話でもないし、ちょっと違って くるかなということで、それはそれでまた別の次元のことが必要だろうということでし ょうね。  ほかに何か。 ○工藤委員 先ほどのところに戻って恐縮なのですが、三種病原体の所持の問題で、所 持の意思決定後7日以内ということで臨床の上では特に問題なくなったなと私は理解し たんですが、ただ、これは逆に考えますと、所持という問題が意思決定があるかなしか がかかわってくるということになりますと、例えば、一種病原体で所持することの禁止 というような項目がございますが、所持する意思は持っていないということではまた困 るので、そこのところの整合をきちんと。 ○塚原結核感染症課長 先ほど事務局の方から意思決定後と言いましたけれども、あれ は誤りです。訂正させてください。あくまでも分離してから7日以内に届出をしていた だくと法律ではそうなっていますし、それが原則です。そもそも意思決定という話がな ぜ出てきたかと言いますと、分離したらすぐに届出が自動的に必要になってくるのでは なくて、要するに7日以内に意思決定をしていただいて、滅菌をするか、どこかに譲渡 するか、あるいは自分で所持すると決めて7日以内に届出を出していただければいいの で、意思決定をしていただくのに7日間の猶予があるということであって、意思決定し てから7日間余裕があるということではありませんので、先ほどの事務局の説明は誤り でしたので、そこは訂正させてください。 ○工藤委員 わかりました。  そうすると、本当に現実的に大丈夫かという問題があるので、それはむしろ臨床の実 際に菌を扱っている先生方から御発言があった方が、私はいいんじゃないかと思います けれども、大丈夫ですか。 ○重藤委員 臨床で結核菌を扱っているというと私しかいないかと思うのですが、私た ち大半の施設では常に保持しているわけですから、1回届け出ればずっとですよね。問 題はどこか初めて出たところがどうするかということであって、そうなると、やはり捨 てられてしまう可能性があるのかなと。その場合には、そういう方は大体ずっと保持し ている施設で治療すべきということで、菌株を一緒にいただけるようなルートをつくる のが適切ではないかと思うのですが。 ○倉田分科会長 そのとおりですね。これは地方衛生研究所にせよ、保健所にせよ、更 に病院関係にせよ、そういう場合に菌の問題、ウイルスの問題は非常に大事ですからこ うしてくださいということは、ここに書き込まなくても、そういうやり方というのはあ りますよね。そういうことを考えていただければ、岡部さん、渡邊さんが心配されたよ うなことも、最初からこの議論が始まったときから心配されている問題を解消できる方 向に作用すると思うのですが、これを施行するときには是非そこも考えていただくと、 あるいは実施に移していただくということで。  ほかに何かございますか。 ○廣田委員 資料2の2「指定の考え方について」の(2)、薬事法の承認に向けてとあ って、治験計画が届出されたものであってという、その段階で指定ということになるわ けですけれども、そうなりますと、非臨床試験の段階では許可された施設でないと非臨 床試験はできないと理解してよろしいのでしょうか。 ○三木課長補佐 例えば(3)の下から2つ目にワクチンや治療法の開発というところが ございますが、ここは(2)と重複する部分も出てくるかと思います。先生がおっしゃっ たような例えば、非臨床試験をする段階で弱毒だという確認がなされるものについては、 (3)のワクチンや治療法の開発目的で用いるもので除外するということが可能になるよ うにつくってはございます。 ○倉田分科会長 よろしいですか。これはケース・バイ・ケースのことが起きるかもし れませんよね。それはそのときにまた倒してもらうしかないと思いますが、ほかにいか がでしょうか。 ○山田委員 今のところ、開発中のワクチン株となった場合に、このワクチン株はワク チンそのものなのか、例えば、不活化ワクチン用の原株なのかがはっきりしていないの で、多分、不活化ワクチン用の原株で強毒のものは除外できないと思いますので、そこ は混乱がないような書き方が必要かなと思います。 ○倉田分科会長 それは、除外しなくてもいいわけでしょう。その段階ではね。増やし て成分だけ取り出してしまうとか、不活化してしまうわけだから、必ずしも除外する必 要はないですよね。それははっきり、所持してこういうことに使うということがわかっ ていればいいわけですね。そこはわかるようにしておかないと、ワクチン云々となると また混乱するかもしれませんから、不活化する場合の原株は云々と一言入れておけば、 それで終わりかと思いますから、よろしくお願いします。  ほかにいかがでしょうか。 ○白井委員 先ほどの重藤先生の御意見でちょっと思いついたというか、初めて病原体 を所持したときに届け出るということについて、医療機関であればこういう通知なりそ ういうものがきちんと行くのではないかと思うのですが、民間の検査センターがたくさ んあると思うんですけれども、一般病院などではそういうところで検査を委託しますし、 そういうところで所持したときには、そこから届け出るのかという、指示した医師が届 けるのかとかその辺がよくわからなくなりましたので、どういう想定をされているのか 教えてください。 ○倉田分科会長 民間の検査センターが所持した場合、私が知る限りは、そういうもの は全部1週間以内に廃棄していますと聞いていますが、患者の担当者が必要な場合にお 返しするというようなことはしていますと聞いていますが、それ以上の情報を感染症課 でお持ちなら、お話ししていただければと思います。 ○塚原結核感染症課長 質問の意味が正しく理解できたかどうかあれなんですけれども、 病院が持とうとすれば病院は届出をしていただくことが必要ですし、病院から検査施設 にものが移って、検査施設で検査して分離して、それを検査施設が持とうとしたら、検 査施設が検査施設の判断で届出を出してもらうので、要するに、ものが目の前にあって、 これを持とうという意思決定をすれば、持とうとした人が届出なり許可をとっていただ くということになります。 ○白井委員 その持とうとしたというところの持とうとするところを主治医が指示しな いと、持つかどうかはわからないという状況がありますので、そういうときはどうなの かなと思ったのです。 ○塚原結核感染症課長 それは、主治医が持ってくれというふうに検査施設に要請して、 検査施設が、では、持ちましょうという判断をしたときには届出をしていただきますし、 いやいや、届出するのは面倒くさいから嫌だと言ったときには、お願いをされた主治医 の方に、うちはそういうことはできませんと断っていただくということになると思いま す。 ○倉田分科会長 ただ、これは先ほど説明があったように、1回1回じゃなくて、検査 センターにはいろいろなものが入ってきていることは私もよく知っています。そうした ら、検査センターは過去の経験に基づいて、こういうものは所持しますよと1回届け出 れば、あとはパラパラと入ろうと、ドサッと入ろうといじっていることに関して一々届 け出る必要はないわけですよね。極めてまれなものが来たら、そのときはどうするか。 それはまた担当の先生と検査センターの判断と、その関係の研究所の判断も加えていた だければいい話だと思うのですが。 ○白井委員 わかりました。 ○倉田分科会長 ほかにいかがですか。 ○山田委員 今ちょっと思ったのですが、届出というのは1回出すとどのくらい有効期 限があるんですか。毎年更新とかそういうことにはならないんですね。 ○鈴木課長補佐 1回届出をしていただければ、変更がない限りずっと永続的に続くも のでございます。 ○山田委員 わかりました。 ○倉田分科会長 ほかにいかがですか。  いろいろ関係の人と話をしてみると、1回切りでというのは多分なくて、いろいろな 種類の病原体を持っている患者さんをいじって、そこからとれた病原体をいじっている 機関はいろいろなものをずっと持っているわけですね。ですから、そこは1つの菌に対 して1回届ければいいということであって、毎回毎回やるとなるとこの法律は多分死ん でしまうと思いますけれども、そういうことではないので、そこのところはまだまだわ かりにくいような書き方をしているので、毎回毎回扱う場合は1回届けておけばずっと、 今言ったように、変更がない場合は扱えるんですよというのをどこかに書いてあったよ うに思うんですが、そこのわかり方が一般にわかりにくいような書き方になっているの で、そこのところを届出についてはわかりやすくしておいてもらうのがいいかなと思う んですが。  ほかにどうでしょうか。よろしいですか。 ○工藤委員 そうしますと、株ごとでは全くなくて、菌種でということですよね。菌種 であって株ではない。結核菌だったらコロニーを株として残しますよね。ある患者さん からとれたものを。 ○倉田分科会長 Aさんの株、Bさんの株を1個ずつ全部かということですか。 ○工藤委員 そういうことではないということですね。 ○鈴木課長補佐 そういうわけではなくて、結核菌であれば結核菌ということで。結核 は四種ですので基準についてだけですが、多剤耐性結核菌だったら多剤耐性結核菌を所 持するということで届出を。 ○工藤委員 それを一くくりでいいということですね。そのくくる範囲を少し厳密に言 っていただいた方が、多少混乱が起こらないんじゃないかと思いますが。 ○塚原結核感染症課長 今ちょっと議論として混乱していると思うのは、届出をする範 囲がどういうくくりかという話と、こういう医薬品等で除外するものをどうするかとい う2つの議論があるんですが、届出をするかあるいは許可をとるかというものについて は、法律で書いてある病原体名で株とか関係ありません。例えば、アレナウイルスと書 いてあればアレナウイルスが全部です。多剤耐性結核菌と書いてありますので、これは アイナーとリファンピシンに両方耐性があれば、それは多剤耐性結核菌で、例えば塚原 株とか工藤株というのは関係ありません。それはそれで一つ整理をさせていただきたい のですが、感染症法第6条では、すべて一律に規制をしてしまうと非常に産業に影響が 大きいとかいろいろそういうことがあって、かえって国民に迷惑が掛かるということで、 弱毒になっているとか一定の条件を満たすものについては、許可を取ったり、届出を出 さなくてもいいことにしましょうという制度ですので、それについては、余り大くくり にしてしまうと問題なので、御意見の流れから言えば、株という非常に限定的なもので した方がいいということになっています。そちらの方は株でやらせていただくという理 解でしておりますので、よろしくお願いします。 ○倉田分科会長 ありがとうございました。  それでは、議題2、除外規定の問題はこれでよろしいですか。もし、また後で疑問が あれば、できるだけ早く文書にて感染症課の鈴木補佐、三木補佐に出していただくとい うことでお願いします。 ○鈴木課長補佐 今回の資料1につきましては、多分今回初めて出させていただきまし たので、委員の皆様方はまだ意見があると思われますので、今日から数えて2週間まで、 もしよろしければ事務局の方にこういった変更点等がありましたらお知らせいただけれ ばと思います。 ○三木課長補佐 資料2の関係は、先ほど先生方からいただいた御意見について検討さ せていただいて修正させていただきますが、実際に指定をするというものについては、 これから国会審議に掛かって法律が通れば、その施行の時点には既に抜いておかないと 研究とかいろいろなところに影響が出ると思いますので、今後は広く学会とかいろいろ なところに周知をさせていただいて、こういうものがあるけれどもどうかということも 事務局として受けていきたいと考えございます。  また、最終的にはパブリックコメント、必要な手続をさせていただいて、厚生労働大 臣の告示という形でさせていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたし ます。 ○山田委員 今のは法律が施行される前から、例えば2の(3)のようなものの申請を受 け付けるということですか。 ○三木課長補佐 法律がまだありませんので申請を受け付けるということはできません けれども、いろいろ学会などに周知をさせていただきたいということでございます。 ○塚原結核感染症課長 除外をする手続については申請行為じゃないんですね。事実上、 国がこれは除外に該当するということを認知して、国が省令で除外していくことになり ますので、そういう情報をどうやったら集められるかということで今、三木が言いまし たので、何か申請していただいて除外するというような法律上そういう手続を決めてい るわけではありません。 ○渡邊委員 ちょっと確認ですけれども、例えば、新しい株を研究用につくったと。そ れは申請して許可を得る、そして、ここにリストアップされるというわけではないんで すか。初めからリストアップされて、その後は変わらないということなんですか。その 辺がわからなかったのですが。 ○三木課長補佐 リストについては順次追加、見直しをさせていただく予定ではござい ます。 ○山田委員 それは、直に結核感染症課に話を持っていけばいいと。例えば、ワクチン や治療薬を開発したいのにこういう株を使いたいと、恐らく弱毒だと思うので資料を集 めたから特定の手続は要らないということですね。 ○塚原結核感染症課長 ちょっと私が言ったことで少しあれかもしれませんけれども、 法律上申請をしていただいて除外するという手続を踏むのではないのですが、手続に類 するようなルールが、こういう段取りで情報をいただいて、それを評価して除外するか しないを決めるという段取りをもうちょっと具体的に決める必要はあるかと思いますの で、それは今後検討して、また何らかの形で委員の先生方に御議論いただくような格好 にしたいと思います。 ○田代委員 今のことと全く同じことなのですが、例えば、ワクチンの治験をやった場 合に、先ほど廣田さんの話で非臨床試験のところで除外されるかどうかという問題です けれども、これは申請しなかったら多分除外なんかされないですよね。ですから、その メカニズムを考えていただきたいと思います。 ○倉田分科会長 ほかにいかがですか。 ○岡部委員 参考資料1のことについて、先ほどこれをざっと見て御意見があったらと いうことだったのですけれども、これは基本指針全体についてレビューをするというよ うな趣旨ですか、それとも今の部分についてのと。 ○鈴木課長補佐 今回の資料1に関してのレビューでお願いしたいと。全体的なものは 冒頭申しましたとおり、次回のときにほかのものも含めて改編したものを御提示させて いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○倉田分科会長 ほかにいかがですか。よろしいですか。  それでは、これ自体は国会がもう既に終了して継続審議になっていますので、今後ど んなスケジュールでやるか感染症課の方から説明してください。 ○鈴木課長補佐 今後につきましては、まだ実際のところは決まっておりませんが、今、 法案が継続審議になっているということもございまして、その前に一度当分科会を開催 させていただきまして、残っている課題につきましてあらかじめ御審議していただけれ ばと思っております。時期につきましては、また日程調整をさせていただきたいと思い ますので、よろしくお願いいたします。 ○倉田分科会長 それでは、今日は御協力どうもありがとうございました。                                   (以上)              (照会)                         厚生労働省健康局結核感染症課                         担当: 清水(内)2379                           松嶋(内)2386      TEL : 03−5253−1111