06/05/19 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会新開発食品調査部会新開発食品評価
第三調査会議事録


薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会
新開発食品調査部会新開発食品評価第三調査会議事録

1.日時及び場所 
 平成18年5月19日 (金)   午前9時30分~12時00分
 経済産業省別館 1115 会議室 
2.出席委員
 ◎井藤英喜、井上達、廣瀬雅雄、丸井英二、山添康、吉池信男
 (参考人)
  牧野恒久
 (注)◎座長
3.行政機関出席者
 北島智子(新開発食品保健対策室長)他

○事務局  それでは、定刻となりましたので、ただいまより「薬事・食品衛生審議
会食品衛生分科会新開発食品調査部会新開発食品評価第三調査会」を開催させてい
ただきます。  私は、食品安全部基準審査課新開発食品保健対策室の調所と申しま
す。本日は、第1回目ということですので、座長が選任されるまでの間、司会を務
めさせていただきます。よろしくお願いします。
  初めに、厚生労働省医薬食品局食品安全部新開発食品保健対策室の北島室長より、
ごあいさつを申し上げます。
○北島室長  おはようございます。第1回目の調査会ということで、開会に当たり
まして、一言ごあいさつを申し上げます。
  本日、御参集いただきました先生方には、委員を御快諾いただきまして、誠にあ
りがとうございます。また、御多忙の中、早朝より会議に御出席をいただき、本当
に感謝を申し上げます。
  本調査会は、薬事・食品衛生審議会の新開発食品調査部会の下に新たに設置をさ
せていただきました。詳細につきましては、後ほど事務局から御説明を申し上げま
すが、新開発食品に関する安全性の確保等について、新たな知見を踏まえた管理措
置等について専門的科学的な検討を行う調査会という位置づけとなっております。
  今回、まず、御審議をいただく案件といたしましては、あらかじめ資料を送付さ
せていただきましたとおり、大豆イソフラボンを含む食品についてでございます。
  大豆イソフラボンを含む食品につきましては、特定保健用食品の申請があった3品目
につきまして、食品安全委員会に安全性の評価を依頼いたしましたところ、今般、食品
安全委員会において評価依頼を行った3品目の評価書及び「大豆イソフラボンを含む特
定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方」という報告書がとりまとめられました。
  この基本的な考え方におきましては、特定保健用食品として、大豆イソフラボンを通
常の食生活の上乗せして摂取する場合の安全性が検討されたものでございまして、日本
人がこれまでの長い食経験を有する大豆あるいは大豆食品そのものの安全性を問題とし
ているものではないということが記されております。
  厚生労働省におきましても、今回の検討によって伝統的な大豆食品に対する懸念が拡
がらないよう、Q&Aをホームページに掲載し、情報提供に努めているところでござい
ます。  今回の食品安全委員会の評価結果につきましては、2年余りをかけて多くの文
献や専門家の意見を基にとりまとめられたものでございますので、この調査会における
検討に当たりまして、リスク評価機関である食品安全委員会において作成された評価結
果を基本といたしまして、今後のリスク管理措置を御検討いただきたいと考えておりま
す。
  特定保健用食品として既に許可を受けている製品もございますし、また、食品安全委
員会で検討されている間に、かなりの品目の申請が上がってきている状況でございます
ので、こういった製品の取扱い等を含め御議論いただきたい項目が多数ございます。
  今回の大豆イソフラボンを含む食品の管理措置等につきましては、企業はもとより国
民の関心も大変高まっておりまして、私どもにとりましても重要な課題であると考えて
おりますので、委員の皆様には、それぞれ御専門のお立場からこれらの問題について積
極的に御議論いただきますようお願いを申し上げます。
  厚生労働省におきましては、この調査会の検討結果を基に、最終的には薬事・食品衛
生分科会の御意見を伺って、必要な管理措置を講じることとしております。
  最後になりましたけれども、委員の皆様には、今後とも食品衛生行政に一層の御指導、
御高配をお願い申し上げまして、簡単でございますが、開会のあいさつとさせていただ
きます。
  本日は、御審議、よろしくお願いいたします。
○事務局  どうもありがとうございました。
  それでは、本日、お集まりいただきました先生方を50音順に紹介させていただきます。
  井藤委員でございます。
  井上委員でございます。
  廣瀬委員でございます。
  丸井委員でございます。
  山添委員でございます。
  吉池委員でございます。
  また、参考人としまして、東海大学医学部産婦人科非常勤教授の牧野先生にお越しい
ただいております。
  なお、本日の議事につきましては、各項目に特定保健用食品等の個別品目に係る内容
が関係してまいりますので、非公開で行いますが、議事録については、該当部分をマス
キングして御確認いただいた上で公開させていただくこととしております。
  それでは、お手元の資料の確認及び本調査会の設置について、事務局より説明させて
いただきます。
○事務局  それでは、まず、お手元の資料をさせていただきます。
  まず、お手元の議事次第がございまして、続きまして座席表、委員名簿がございまし
て、次に資料がございます。
  資料1が「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会新開発食品調査部会新開発食品評価
第三調査会査会の設置について」。
  資料2が「第3調査会における検討事項について(論点の整理)」。
  資料3が「食品健康評価の結果の通知について」。
  資料4-1が「特定保健用食品評価書」。
  資料4-2が「大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え
方」。
  資料5の方はタイトルの方が「イソフラボン調査対象品目」と書いてございますが、
配布資料の目次のところには、違うタイトルになっておりますが、こちらが資料5でご
ざいます。
  参考資料1といたしまして「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A」。
  参考資料2といたしまして、安全委員会のパブリック・コメントの回答書。
  参考資料3といたしまして「大豆イソフラボンの分析方法について」。
  そのほかに、一番最後に1枚紙としまして、手書きになってございますが、論点2-
1「換算計数の参考資料」がございます。
  以上でございます。資料はございますでしょうか。
○事務局  では、資料がないようでしたら、また事務局の方までお申し出ください。
    それでは、まず、議事の「(1)座長の選出」に入らせていただきます。
  座長の選出につきましては、事務局から提案させていただきたいと思います。
○北島室長  座長につきましては、新開発食品調査部会の委員をお願いしております井
藤先生にお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
                            (「異議なし」と声あり)
○北島室長  ありがとうございます。
○事務局  では、ここで井藤座長より、一言ごあいさついただきたいと思いますので、
よろしくお願いいたします。
○井藤座長  東京都老人医療センターの井藤でございます。私は、新開発食品調査部会
の委員を務めさせていただいております。そういう関係で座長をということですが、な
かなか難しい問題を扱う評価会ということで、いろいろ御苦労をおかけすると思います
けれども、よろしくお願いいたします。
○事務局  それでは、井藤先生、座長席の方へよろしくお願いします。
  それから、先ほど柊の方から本調査会の設置理由について、説明をし忘れましたので、
今からもう一度説明させていただきたいと思います。
○事務局  それでは、お手元の資料1の方を御準備いただけますでしょうか。こちらに
従いまして、御説明させていただきます。
  まず「1.新設理由」でございますが、先ほど北島室長の方から御説明させていただ
きましたとおりでございまして、現在、特定保健用食品を御審議いただく調査会といた
しまして、第一、第二調査会というものが設置されてございますけれども、今回の大豆
イソフラボンのように、新開発食品に関する安全性につきまして、新たな知見に基づい
たリスク管理ですとか、そういったものが求められてございます。
  こうした事案につきまして、専門科学的な見地からの検討を行うとともに、食品安全
委員会から食品健康影響評価が通知された後に、報じるべきリスク管理措置ですとか、
その普及啓発方法に関する検討を行うため、本調査会が設置されたものでございます。
  「2.調査審議事項」でございますけれども、こちらは新開発食品の安全性の確保に
関しまして、新たな知見を踏まえた管理措置等について、専門的、科学的な検討を行う
ものでございます。
  「3.運営方法」でございますけれども、本調査会は、分科会の委員、臨時委員及び
専門委員の中から、分科会長が指名する6名の委員、「4.委員構成」にございますと
おり、今回は6人の先生にお願いしてございます。そして、この6名の委員をもって構
成されてございます。
  (2)でございますけれども、調査審議に当たりましては、議題の内容ですとか、性
格などに応じまして、部会長の判断により、ほかの委員ですとか、参考人に御出席をい
ただくこととしておりまして、本日は大豆イソフラボンの女性ホルモンとしての体内影
響等が関係してまいりますので、専門的なお立場から御意見を伺うために、東海大学医
学部産婦人科の牧野教授にお越しいただいております。
  本日の調査会におきましては、先ほど、室長のごあいさつでも申し上げましたとおり、
大豆イソフラボンを含む食品の取扱いについて御議論をいただきたいと考えてございま
す。  本調査会で整理していただいた考え方を基に、今後、新開発食品調査部会及び食
品衛生分科会で御審議いただくこととしております。
  以上でございます。
○事務局  それでは、以後の進行は井藤座長にお願いしたいと思います。よろしくお願
いします。
○井藤座長  それでは、早速ですけれども、議事次第を見ていただきまして、議事次第
3.の「(2)大豆イソフラボンを含む食品の取扱いについて」という議題に入りたい
と思います。
  この調査会で検討すべき事項については、先ほどから出ておりますとおり、大豆イソ
フラボンを含む食品の取扱いということですが、かなりあいまいで、漠としております
ので、具体的に事務局の方で論点を整理していただいております。
  その点に関して、まず、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局  それでは、資料2の論点の整理メモと、資料4-1と4-2の安全委員会の
評価書の方を御用意いただけますでしょうか。
  4-1と4-2につきましては、5月11日に食品安全委員会の方でとりまとめられま
した評価書でございまして、4-1の方が特定保健用食品として諮問いたしました個々
の製品の評価結果でございまして、4-2の方が大豆イソフラボンを含む特定保健用食
品の安全性の基本的な考え方でございますけれども、こちらが大豆イソフラボン全体の
評価書となってございます。
  評価結果につきましては、資料2の論点の整理の初めの方にも概要の方が簡単に記載
してございますけれども、詳しくは、お手数ですが、お手元の資料の4-2の49ページ
をごらんいただけますでしょうか。
  49ページの下の方に「8  まとめ」というところがございまして、こちらの方に評価
結果の概要といいますか、まとめの記載がございます。
  まず、8.1.1 の方が「大豆イソフラボンの安全な一日摂取目安量の上限値」でござい
ますけれども、こちらの初めの方の(1)、(2)の方で、上限値設定の根拠記載がございまし
て、50ページの2段落目のところに結論がございますけれども、大豆イソフラボンの安
全な一日摂取量の上限値は、大豆イソフラボンアグリコンとして70~75mgとするとされ
てございます。
  また、続きまして8.1.2 の「特定保健用食品としての大豆イソフラボンの安全な一日
上乗せ摂取量の上限値」でございますけれども、こちらは最初の段落で、閉経前女性の
条件値については、臨床試験により月経周期に影響が見られた量の半分ということであ
ります一日30mgを上限値としてございます。
  2段落目で、閉経後女性及び男性につきましても、閉経前女性の値を外挿し、同じ値
とするとされております。
  同じく50ページですけれども、8.2 の「妊婦、胎児、乳幼児及び小児について」でご
ざいますけれども、こちらについては日常的な食生活に上乗せして摂取することは、推
奨できないとされてございます。
  それでは、資料2の方にお戻りいただけますでしょうか。
  ただいま御説明いたしました評価結果を基に、資料2の方に○が打ってございまして、
「上限値」と「注意喚起表示」と書いてございますけれども、こちらにありますように、
今回諮問した3品目の特定保健用食品につきましては、2番目の○に「注意喚起表示」
とございますように、3点の注意喚起表示を行う必要があるとされております。
  詳しい内容につきましては、資料4-1にございますので、これは後ほど御確認いた
だければと思います。
  先ほどの室長のあいさつでも申し上げましたとおり、安全性の評価につきましては、
リスク評価機関である食品安全委員会が行いまして、この評価結果に基づきまして、リ
スク管理機関である厚生労働省が管理措置を取ることとなってございます。
  そこで、今回の安全委員会の評価結果に基づく管理措置といたしまして、資料2にご
ざいますように、大きく2点、1点目といたしまして「特定保健用食品の取扱いについ
て」。  2点目といたしまして、大豆イソフラボンを含む、いわゆる健康食品の取扱い
について、この2点について、本日、御意見をいただきたいと考えてございます。
  以上でございます。
○井藤座長  ということですが、今の事務局からの御説明に関して、何か質問はないで
しょうか。
  特になければ、まず初めに大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の取扱いについて
審議をしたいと思います。
  まず、資料2ですが、論点の1-1「大豆イソフラボンを添加したものについて」。
この論点の整理の意味と、我々が何を議論すればいいかということを御説明していただ
きます。
○事務局  それでは、論点1-1について御説明させていただきます。こちらは大豆イ
ソフラボンを関与成分、いわゆる医薬品などでは有効成分と言われているものですが、
大豆イソフラボンを関与成分として添加している特定保健用食品の取扱いについて御意
見をいただきたいものでございます。
  (1)でございますけれども、こちらにつきましては、今回、食品安全委員会が安全
性評価を実施したのは、厚生労働省が諮問いたしました3品目のみでございます。
  資料4-2の方に評価がございますけれども、4-2の評価結果というものは、あく
までも特保3品目の評価結果を出すための附属資料のような位置づけになりますけれど
も、このほかにも既に大豆イソフラボンを配合した特定保健用食品が許可されてござい
ますし、また、今後もそのような製品の申請があるものと思われます。
  そこで、そのような製品につきましても、上限値をアグリコンとして30mgとし、今回
3点示されておりますが、同様の注意喚起表示を義務づけるかどうか、そういう必要が
あるかどうかについて御意見をいただきたいというものでございます。
  (2)につきましては、こちらは既に許可されている大豆イソフラボンを配合しまし
た特定保健用食品の取扱いにつきまして御意見をいただきたいものでございます。
  既許可品目のイソフラボンの配合量につきましては、お手元の資料5の方に、既に許
可されております特定保健用食品のイソフラボン量の一覧表がございます。こちらの右
手の方にイソフラボンの量が書いてございますけれども、こちらはアグリコンではなく、
イソフラボン配糖体量で記載してありますので、一番含有量が高い製品は、配糖体とし
て40mg、アグリコンに換算すると25mgになりまして、安全委員会の示した30mgという
上限値を超えているものはございません。
  したがいまして、論点1-1の(1)の御議論の結果、特保を全体に注意喚起表示を
義務づけることに決まった場合、こちらにつきましても注意喚起表示を義務づけること
になるかと思いますけれども、その他、何かお気づきの点がございましたら、御意見を
いただきたいというものでございます。
  なお、資料5の製品の一部に、含有量がかなり高くなっているものがございますけれ
ども、こちらは食品形態が豆腐などでございまして、イソフラボンを故意に添加したも
のでなくて、こちらの取扱いにつきましては、次の論点1-2の方で議論させていただ
きたいと思います。
  論点1-1の(3)でございますけれども、こちらの方は論点3で分析についての論
点の方を掲載してございますけれども、こちらの分析にも関わってまいりますけれども、
まず、大豆イソフラボンとして何を測定するかということでございます。
  こちらにつきましては、ゲニステイン、ダイゼイン、グリシテインとその配糖体の6
種類でよいかと書いてございますけれども、追加情報等を含めまして、参考資料3の方
にまとめてございますので、お手元の参考資料3の「大豆イソフラボンの分析方法につ
いて」をごらんいただけますでしょうか。
  「I.大豆イソフラボンの種類について」でございますけれども、一般の大豆食品に
は、ゲニステイン、ダイゼイン、グリシテインの3種類のアグリコンと、その配糖体、
マロニル化配糖体、アセチル化配糖体の12種類が入ったものがほとんどでございますけ
れども、納豆などにつきましては、一部サクシニル体が含まれているものがございます。
  また、ごくまれにですけれども、例えばテンペなどというものにつきまして、水酸基
が結合しているものがあるという情報もございます。ただ、水酸基が付いたものが入っ
ている食品はまれだということでございます。
  測定する際、結合基を切ってしまいまして、3種類のアグリコンの絶対値を図るとい
うことにいたしましたら、何を測定するかという問題についてはなくなってくるんです
けれども、ただ結合基を切るには、加水分解の条件が難しくて、アグリコン自体が壊れ
てしまう可能性もあるという情報がございます。
  論点1-1の御説明については以上でございます。御議論のほど、よろしくお願いい
たします。
○井藤座長  ということですが、資料5を見ていただけますか。この注意喚起というの
はどういうことを意味しているかということですが、特保で認められた食品に関して「摂
取をする上での注意事項」、右から4つ目の欄ですが、こういう注意喚起の表記が大体
なされているということです。
  ただ、これは今までは調査会でその都度メーカーが出してくる注意喚起が適切である
かどうかということを判断して、大体統一されているんですが、基本として統一した表
示をするという申し合わせは一切なかったと。だけれども、自然として大体統一したも
のになっているという状況が今までの状況です。
  ただし、今回、安全委員会から「大豆イソフラボンを関与成分とする場合は注意喚起
表示を行うべき」という方針がはっきり出されているのでどうするかということで、今
までとは少しプロセスが違っているというのが今回の新たに論点になった理由でありま
す。
  そこで、まず論点1-1の(1)、今回安全委員会が評価した3品目に限らず、「大
豆イソフラボンを関与成分とする特定保健用食品」全体を対象として上限値および注意
喚起表示を義務づけるべきか、否かということに関して先生方の御意見をお伺いしたい
と思いますが、いかがでしょうか。
  井上先生から、何か御意見はございますか。
○井上委員  食品安全委員会からの注意喚起の内容が、指定している物質が、例えば先
ほどの御説明にあったイソフラボン類9種類のうちの3種類が検出されていないため、
6種類という御指定ですけれども、その6種類については、品目が指定されているよう
ですから、物質が特定されているという意味においては、横並びで構わないのかなと思
います。
○井藤座長  基本して、上限値、一定の注意喚起表示を義務づけるべきだという御意見
だと思いますけれども、廣瀬先生、何かございますか。
○廣瀬委員  私もやはり3品目だけについて注意喚起義務をするというのは不公平にな
りますから、全体として注意喚起あるいは上限値を付けるべきだと思います。
○井藤座長  丸井委員、何かございますか。
○丸井委員  大体そういうところだと思いますけれども、今回、3品目について食品安
全委員会に出したというのは、新たに出てきたので新たに食品安全委員会に出したとい
うことで、これ以前のものは、食品安全委員会が動き出す前に既に認められていたとい
うことですか。
○事務局  主にそうなんですけれども、食品安全委員会では、形態が新しくなっており
まして、今回はタブレット状のものがございまして、形態が新しいというものと、今ま
ではイソフラボンを配合していたんですけれども、今回はイソフラボンアグリコンをそ
のまま添加したものが新たに出てまいりましたので、新に食品安全委員会の方で諮問を
させていただいたものでございます。
  要するに、形態と、添加しているものの配糖体等すべて含んだものではなくて、アグ
リコンそのものを添加したものだということでございます。
○北島室長  特定保健用食品の許可に当たっては、食品安全委員会の方に安全性の評価
を御依頼するのですけれども、食品の形態や関与成分が全く同じようなもので、一度認
められたものは評価依頼をしなくていいというルールがございます。
  そういったことで、今回カプセル状等のものという新しい形態であったことや、イソ
フラボンではなくてイソフラボンアグリコンという関与成分で申請が出てまいりました
ので、評価依頼をお願いしたということでございます。
○井藤座長  吉池先生、ご意見ございますか。
○吉池委員  既に市場に出回っているものについて、注意喚起その他をしなくても良い
という理由にはならないと思いますので、基本的には特保全体に同じような措置をする
べきだと思います。その場合、資料5のところでもイソフラボン配糖体量に換算されて
書かれていると思いますが、各物質の性質等が誤解なく伝わるような工夫は要ると思っ
ております。
  もう一つは、「30mg」の議論は余りしないんだろうと思いますが、特保としてのベネ
フィットと予想されるリスクとの間の関係の中で考える場合には、今回、上乗せ量とし
ての「30mg」の意味合いとバックグラウンドの食事からのイソフラボンとしての意味合
いが違ってくると思います。今後の課題になってしまいますけれども、特保の関与成分
としてのイソフラボンを評価したときに、バックグラウンドとしてどのぐらい摂取があ
り、それプラスどのぐらい特保の関与成分として上乗せされると効果が発現するのかと
いったことも今回は改めて整理されると、より食品安全委員会からの答申と今後のリス
ク管理というのがつながるような気はしております。
○井藤座長  山添先生、いかがでしょうか。
○山添委員  今回の特保の3品目は、既存の大豆食品に加えて、アグリコンを添加した
ときの評価として出されたものなんですね。結果的には、3品目だけで見た場合に、大
豆のイソフラボンをたくさん含んだものを摂った場合の、安全性に評価をしていった場
合に、ここに示されるような結果として出てきたということになると思うんです。
  したがって、影響の結果から見ると、こういう大豆食品に更にイソフラボンのみを強
化したものを摂る際にほかの大豆食品を摂った場合に、トータルとしては基準をオーバ
ーしてしまうということについて、何らかの表示をした方がいいだろうというのは、論
理的には成り立つことだと思うんです。
  そこのところと、今、吉池先生がおっしゃった大豆食品そのものの大豆タンパクある
いはカルシウム分の補給というメリットとのバランスをどういうふうに付けるかという
ことで、結局、食品安全委員会も苦労して他のサプリメント等を併用しないとか、そう
いうような表示に落ち着いたというのが実際だろうと思うんです。だから、何らかの形
での表示は、私も必要だと思います。
○井藤座長  牧野先生、何かございますか。
  どうぞ。
○牧野参考人  私は、まず参考人ですので、このような日ごろ食品安全行政に携わって
おられる専門の先生方の前に招聘されまして、大変光栄です。
  それと同時に非常に戸惑いを感じておりまして、と申しますのは、私は平成8年から
本年まで8年間、この本委員会と並行して、同じ厚生労働省内で内分泌かく乱化学物質
の測定法の開発と、それからヒトの生体資料における分析と、同時にヒト健康に対する
影響の研究を8年間班長としてやってまいりまして、勿論植物のエストロゲンも入って
おりまして、今、先生方の御議論と、私どもの結果をどうすり合わせるというところが、
今、申し上げたように、非常に戸惑いを感じているところなんです。
  もう少し具体的に申しますと、私ども厚生労働省の班研究で、植物性のエストロゲン
を含めまして、内分泌かく乱化学物質の研究をしておりましたときのプロジェクトが3
つございまして、1つは、本日も先生方が御議論されておりますように、上限値あるい
は測定値ということがすぐ出てまいりますけれども、実は測定法の開発というのが非常
に重要で評価に耐え得る、しかも信頼性のある測定法に基づかないと、往々にして、今
から10年ぐらい前に起きました、単発的に耳目をそばだてるような新聞記事が出てしま
うんです。
  私ども測定法の開発というところで、これは私どもの委員会ですと、井上先生もとき
どきコメントをいただいておりますけれども、井藤先生が座長で大変厳しいコメントが
ございまして、私ども測定法は、結論といたしましては、植物エストロゲンに関しては
LC/MSでないと特異性も、それから感度にも優れていないと。
  これは、厚生労働省としての測定法のガイドラインとして公にしておりますので、こ
の測定法というのは、いわゆるバリデーションといいますか、ダブルチェック、精度管
理という面で非常に厳しいことを要求されておりまして、それに基づいて植物エストロ
ゲンについても測定してまいりました。
  実は、先生方のお手元にある資料に、私どもの公文書の資料が引用されていないのは
非常に残念なんですが、平成8年から平成10年までの4年間で、国民のトータルダイエ
ットに基づいて植物エストロゲンとサクシニルとマロニル、それからアセチルの配糖体
を含めまして、15項目をすべて測定いたしまして、そして1日の平均量を出しておりま
す。それが私どもは35mgと。
  もう一つは、いわゆる摂取する大豆並びに加工食品の中に含まれている平均量はどの
くらいかということも、今、申し上げたような測定法で測定いたしまして、34.7mgとい
う結果を出しております。
  そういうことに基づいて、後でまたチャンスがあったら申し上げますけれども、ヒト
健康に対する影響について研究してまいりまして、今、座長の御質問にお答えするのは
2点。すなわち本当に測定法がしっかりなされた制度管理の下に、どの程度測定されて
いるものかということが非常に大切だということ。
  それから、私どもは、その測定法に基づいて、測定した値を申し上げて、一番最初に
戻りますが、どの程度それをこの会ですり合わせるかというのは、もう先生方の御判断
にお任せしようと思っておりまして、とりあえず、そこまでの発言にとどめさせていた
だければと思います。
○井藤座長  食品安全委員会でイソフラボンの量を規定したときに使われたいろんな資
料の測定方法というのは、どういうものであるかということは調査されているんですか。
要するに30mg/dayという根拠。
○牧野参考人  リキッドクロマトグラフィーだと思いますけれども、そうですね。
○井藤座長  いずれにしろ、次回の委員会に測定法に関する資料を用意もしておかない
といけないですね。
  そういう意味では、吉池先生、国民栄養調査のときの、日本人の摂取量を考えていく
プロセスがあったと思うんですが、その場合のイソフラボンの日本人の平均摂取量を推
定するための根拠に使った文献ではどのような測定法が用いられていたのでしょうか。
○吉池委員  その辺は、事務局柊さんの方からお答えいただいた方が良いかと思います。
○事務局  測定方法はHPLCです。
○井藤座長  そうなってくると、牧野先生にお尋ねしたいのは、HPLC法と先生が用
いられた方法(LC/MS法)での測定値の乖離はどの程度あるのか、特定の食品において
のみ乖離があり得るのか、それともかなりいい相関関係があると考えていいのか。
○牧野参考人  測定法に関しましては、御承知のように、HPLCにしましても、LC
/MSにしましても、一部ラジオイムノアッセイにしましても、古典的にはバイオアッ
セイにいたしましても、測定法というのは無数にあるわけですね。
  それで、私どもがやるときには、例えば回収率であるとか、それから感度、それから
特異性から見て、やはり目で物質の測定のピークが確認できるという、やはりそういう
形できちんと、これはこの物質に違いないというものを内部標準を入れまして、それと
の距離の間でいろいろやりながらやりました結果で、LC/MSが一番いいという結論
でありました。したがいまして、ほかの方法はたくさんありますので、コメントする立
場にないと思いますが、一応、私どもは少なくとも、いわゆる測定法に関するさまざま
なチェック事項にすべて通った測定法として、これだろうということでやっております。
  ですから、例えば非常に微量な物質が生体中にあるとすると、今まではNDというん
ですかね、ノン・ディテクタブルということで処理してしまいますけれども、その中身
は本当にゼロなのか、しかし、もう少し測定法の感度を磨いていくとあるものがある。
それが、例えば100 例中99例にあるものだとか、そういう議論をするためには、測定
法というのは1年、2年、非常に地味な研究ですけれども、それは研ぎ澄ました非常に
磨いたものでないと、出てきた結果が参考にならないと、そういうことでよろしいです
か。
○井藤座長  わかりました。だけれども、いずれにしろ、今のところ我々が手にし得る
資料というのは、多分大半のものがHPLC法を使った測定法から算出された値という
ことになりますので、その値の妥当性をこの評価会がおかしいということを言う立場に
はないということも御理解いただきたい。
  吉池先生、どうぞ。
○吉池委員  「物差し」の議論として、より精度が高い方が望ましいとは思うのですが、
その目的を考えたとき、例えば残留農薬のポジティブリストの議論であれば、検出限界
が大事です。今回はそうではなく、今までレビューされてきた個々の論文によって測定
方法など違うと思われます。そこはある程度のバラツキを加味しながらレビューせざる
を得ないし、またそこから導かれた結果と比較し得る「物差し」なのかということが確
認できれば良いのかなと、現実的には思います。
  私が最初に申し上げました懸念としてはいろいろな配糖体を含めた剤など、表現の仕
方でいろいろな数値が出たときに、混乱が生じるようなことがあってはいけないと思い
ます。現実的なことを整理した上で、もう一度計算するなり、再現できるような、整理
が必要なのではないかと思っております。
○井藤座長  測定法の妥当性の論議ということは、この評価会に求められた内容を、か
なり超えますので、ここではこれ以上の論議は避けたいと思います。ただし、評価会と
しては、そういった上限値などの数値の妥当性に関しては、更に測定法にどういうもの
を用いるかということも含めて論議されるべきであるという意見は、述べておく必要が
あると思います。
○北島室長  資料2の議論が本日一巡いたしましたら、次回までに具体的に今後管理を
するための測定法の案を事務局で事前に先生方と調整させていただき、原案をつくりた
いと思っております。その際に、是非牧野先生にも御助言をお願いしたいと思っており
ます。
○井藤座長  そういう測定法のあやふやさを持っているものを、どうしてここまで厳密
に言うんだという論議が必ず起こってくると思うんです。
  それに対しては、今の科学のレベルで、一番妥当とされるものという回答にならざる
を得ないんですけれども、そのための、いろんな資料づくりが必要かなと思います。
  いずれにしろ、今の論点に戻りますけれども、1-1の(1)に関しましては、全員
特保全体を対象として、上限値あるいは注意喚起表示を義務づけるべきであるという御
意見であったかと思います。
○丸井委員  今、ここで最終的な結論とするのがいいかどうかですけれども、あと論点
の1-2とか、幾つかその辺のところも関連してくると思うことと、もう一つは、例え
ば注意喚起の中身ですけれども、妊婦、乳幼児、小児の方は摂取しないとか、その辺り
のところは、多分今までのものの含有量の問題、それから意図的に添加したかどうかと
いうことと大きく関連してくるところがあると思います。
  それで、ここに私が出席している理由の一つは、私は表示部会の方を担当しておりま
すので、実際に表示の問題として影響があるところも出てきますので、それは販売側も
そうですし、両方が表示の問題を非常にセンシティブになっているということがありま
す。
  例えば、先ほどのように、従来のものにそれがあるかどうか、ないかなと思いますが、
カプセル状で添加物として出てくるようなものが、カプセル状だから食品ではないとい
うことにはなりませんけれども、これが、いわゆる医薬品と食品とのすれすれというか、
ウイルスか生物かどうかというような話みたいなところになると思うので、みそに添加
してあるという話と、カプセルで摂取するというのは、これは使う側の感覚としては全
く違うものだと思うんです。
  ですから、例えばカプセル状になっているものを子どもに与えないようにという話と、
程度の問題がありますけれども、若干添加されている、資料5ではかなり分量の少ない
ものもありそうですけれども、そういうものも同じようにすべて小児、その小児の範囲
も問題ですけれども、小児は摂取しないように従来のものにもすべて同じ網をかけるの
が本当によいのか、公平なのかというところは、ちょっと考える必要があるかなと思い
ます。
  というわけで、その後の論点を考慮しながら、また戻る必要があるのではないかなと
思います。
○井藤座長  わかりました。商品によって、注意喚起表示の在り方を多少手かげんした
方がいいという御意見かと思いますけれども。
○丸井委員  もう一つ、今のお話で、手かげんするということは可能なんですか。網を
かければ、表示すべきものはするということに、一律に表示は必要ということになりま
すか、それとも商品の形態によって、例えば1、2、3のうちの1つは書かなくてもよ
いとか、そういうような手かげんというのはあるものなんですか。
○北島室長  そこは、ここで検討されて、その方が望ましいということであれば、あり
得ることと思います。
  基本的な評価につきましては、安全委員会の評価を基本といたしますが、安全委員会
は具体的に3品目について検討されておりますので、それ以外の製品も含めての管理措
置は、この調査会で御議論いただければ、それは強弱というのを付けることは可能だと
思います。
○井藤座長  第一調査部会、第二調査部会の今までの特保の審査について、これはカプ
セルであるから、あるいはこれは食品であるから、表示の仕方を変えるべきであるとい
う論議は、少なくとも私の記憶の中ではありません。
  大体統一した注意喚起をカプセルであろうと、食品であろうと、やった方がいいとい
うのが基本的な立場でした。
○丸井委員  そこのところで、いろいろお話しして申し訳ありませんけれども、今回も
そういう可能性があるかもしれませんが、かつて新開発食品の部会と表示部会が合同で
会議をやったことがございまして、御記憶かと思いますが、そのときに新開発評価部会
の方は、どちらかというと、食品安全委員会のような科学的評価に違い立場で議論され
てきていました。
  それに対して、表示部会の方は、どちらかというと、一般消費者の視点のメンバーが
多くて、そこでどちらかというと、科学的な、例えば先ほどのような形態によらず、成
分が同じであって、その成分の分量が一定であれば、このような効果、あるいはリスク
が期待されるから、こうであるというお話は、そうだけれども、表示あるいは利用する
側にとっては、それは違うものなのだと、言わばそういう議論の食い違いがあったと思
います。
  私の表示部会の方から見せていただくと、どちらかというと、科学的な判断で出して
いただいていると思いまして、それはそれで必要なことだけれども、実際、成分とは違
う形態というもので消費者が買うと、それを媒介するのが表示ということになるので、
そこは少し考えていく必要があるのではないかと。科学的な判断だけで出していくと、
実は一般的な消費者のレベルで受け入れられない、あるいは受け入れられないというよ
りも誤解をすると、了解の仕方、認知の仕方がずれがあると、それが問題になってくる
ことが、ずっと先の方で、石を落としたそこではなく、ずっと波が伝わっていった先の
方で起きてくるということをあらかじめ考えておく必要はあると思っております。
○井藤座長  例えば、過剰摂取しようがないでしょうという食品はあるわけですね。
○丸井委員  そうですね。
○井藤座長  それに対して、過剰摂取の注意書きをすることの無意味さを多分言ってお
られると思うんですけれども、ですから、そういう意味では個々の食品において注意喚
起の仕方も変えていいだろうと。
  そういう意味で、原則として注意喚起も含めて評価会は個別評価ということが原則に
なっております。ですから、そういう余地は残すと。ただし、上限値あるいは注意喚起
に関して義務づけるとしても、その表示の仕方まで義務づけるのか、こういうことはき
ちんと注意喚起の中に含んでくださいねという形で言うのかによって、また違ってくる
と思うんです。
  ですから、基本的には今回の評価会では、その辺を一体どういう形で義務づけていく
のかということも論議の対象になろうかと思いますが、とりあえず何らかの義務を課す
ということに関してのコンセンサスは得られたということで、次の問題に進んで、その
後、またどういう形で義務づけるのかというコントロールの仕方を最終的に論議すると
いうことにしたいと思います。
○廣瀬委員  1つ根本的なことで確認をしたいんですけれども、イソフラボンというの
は、ダイゼイン、グリシテイン、ゲニステインがありまして、更にそれにグリコシド、
マロニル、サクシニル、アセチル、それからアグリコンと、いろいろ種類があるんです
けれども、これらのものは、すべて同程度にエストロジェニック作用があるというよう
に考えてよろしいんでしょうか。
○事務局  強さは違いがございます。ゲニステインが一番強いということでございまし
て、ものによってエストロゲン様作用は違います。
○廣瀬委員  全くエストロジェニック作用が無いというものは無いということですね。
○事務局  それぞれあるんですけれども、配糖体ですとか、ほかに結合しているものに
つきましては、構造が大きいので、エストロゲンレセプターにくっつきにくいというこ
とで、アグリコンが一番作用が強いんですけれども、アグリコンの3種類の中でも強弱
があるということでございます。
○廣瀬委員  今回、イソフラボンアグリコンとして、30mgというのは、マロニルだとか、
そういうのは含まれないということですか。
○事務局  安全委員会の評価としましては、別に食品中のイソフラボン量をはかったも
のから試算しているんですけれども、食品中のイソフラボンは何を測定しているかとい
いますと、今回はアグリコン3種類と、グルコシドの全部で6種類になっております。
○井藤座長  それで、換算するときの基準は、エストロゲン様作用の強さによって係数
をかけているという理解ですか。
○事務局  一律に係数をかけておりまして、今回、グルコシドについてはエストロゲン
様作用はアグリコンにならない限り余りないということなんですが、こちらにつきまし
ても、すべて換算係数を用いまして、アグリコンにした状態で、それがアグリコンにな
るということを前提に換算係数をかけまして、全体量を出してございます。
○山添委員  もう少し補足を説明させていただきます。当初は、配糖体は生体に吸収さ
れにくから、非常に下げればいいじゃないかという議論があったんです。ところが、実
際のデータを見ますと、ほとんどが吸収されてしまう。つまり腸管で加水分解を受けて、
吸収のピークは遅れるんですけれども、結果的には吸収されているということで、配糖
体の糖の部分の分子量が違いますので、それを換算した値として入れてしまう。
  では、ほかのアグリコンについては、当然エストロゲンの受容体に対するアフィニテ
ィーは違うんですけれども、体内動態というものは必ずしも同じではないこと。
  それから、腸内細菌等も、弱いものもキノールのような物質に変化をする場合エスト
ロゲンの強い物質が出てくるということを一律に評価することは難しいということで、
一番量の多いイソフラボンを主体として、そのものの強さを値として換算しようという
形で多分まとめということになったと思います。
○井藤座長  ということですが、よろしいでしょうか。
  では、一応、次の(2)に行きますが、既許可品目の大豆イソフラボンアグリコン含
有量は約25mgであるため、注意喚起表示の追加を除き、措置の必要はないということで、
よろしいでしょうかということになっていますが、これに関してはどうでしょうか。
○吉池委員  食品安全委員会の安全性評価ということだけを考えると、注意喚起表示だ
けができるんだろうと思うのですが、関与成分としての大豆イソフラボンの有効性試験
において、バックグラウンドがどのぐらいの人に対して、例えば20とかを付加したとき
に効果があったのかというようなことを整理した方が良いのかとも思われます。
  バックグラウンドとして50を摂っている人には、もう摂っても余り効かないというこ
とであれば、既に十分摂っている人にとっては特保としての効果も余りありませんとか、
そういう理論も成り立つと思うんです。
  安全性だけでなく、余りベネフィットも期待できないから、トレードオフを考えると
なおさら摂る必要はないんではないかという整理は、実際には難しいとは思うんですが。
  小児の議論になったときも、安全性の話もあるんですが、そもそも小児で直接的に有
効性が証明されているのかどうか。仮に小児で有効性がきちんと評価されていなくて、
大人のデータから外挿しているのであれば、小児では有効性は直接証明されていません、
安全性についてはわかりませんということを伝えて、あとは消費者に判断を委ねるとい
うこともあり得るんではないかと思います。
  要するに、有効性のことをもう少し精査して、安全性とうまく組み合わせて管理をし
ていく方向が将来的には必要なのではないかと思います。
○井藤座長  具体的に評価品目は、どれになりますか。
○事務局  例えば、既許可のものでよろしいですか。
○井藤座長  (2)の「既許可品目の大豆イソフラボンアグリコン含有量は約25mgであ
るため」という文章のうちの既許可品目はどれであって、特保の機能物質としてアグリ
コンを言っているのかどうかと。
○事務局  こちらは、関与する成分が大豆イソフラボンと書いてございますものが、す
べて大豆イソフラボンの既許可品目なんですけれども、一番高いものが、表の4、5、
6の方にございますけれども「○○」ですとか、こちらは40mg、こちらがアグリコンに
換算すると25mgになりますけれども、係数は安全委員会が出している係数ですけれども、
25mgになりまして、こういった清涼飲料水の形態のもの、そういったものがすべてでご
ざいます。
○井藤座長  資料5の1ページのNo.4~6ですね。
○事務局  はい。続きまして、次のページにも似たようなものがあるんですけれども、
ほとんどが清涼飲料水でございまして、一番高いものは「○○」の40mgということにな
ってございます。
○井藤座長  ということですが、どうでしょうか。
  今まで評価会で食品に関して、いろんな表示の仕方を論議して許可したと。さかのぼ
って、その後、別の問題が出てきたので、別の注意喚起をしてくださいというようなこ
とを言ったかというと、一部の商品では、そういうことをお願いしたけれども、最終的
にそうするかどうかは、メーカーの判断というところで、必ずしも非常に強い規制、権
限を持ってやったわけではないというのが、今までの状況です。
  ですから、今回もそういうスタイルでいくのか、何も言わないのか、あるいは改めて
義務づけるのかという選択肢が幾つもあるわけです。たまたま上限値を超えるものでな
かったということで、問題は複雑というわけではないんですが、どういたしましょうか。
  法令上、例えば今後出てくる商品に関して注意義務とか、注意喚起とかを半ば義務づ
けるわけですが、それをさかのぼって義務づけるということは、可能なんですか。
○北島室長  法令上、これまでその部分に不備がございまして、特保の取消し規定がご
ざいませんでしたが、今回の通常国会に健康増進法の改正を提出しており、新たな科学
的知見が得られた場合に、取り消すことができるという規定を設ける方向です。まだ、
医療制度改革関連法案に含まれているものですから成立はしておりませんけれども、成
立すれば、そのような法的な整備を併せてできることとなっております。
○井藤座長  それは、今まで注意喚起をしていなかったものをするという今回の措置に
適用されるということですか。
○北島室長  成立した場合には適用できることとなります。
○井藤座長  井上先生、何かございますか。
○井上委員  食品添加物のようなものの立場から申しますと、特保というのは、次元の
違う問題でして、食品添加物ですと、安全性の必要要件とか、実験条件とか、そういっ
たものが定まっているわけですけれども、こういったものについては、ちょっと次元が
違った形でもって、法律ができているわけです。
  しかしながら、先ほども御意見があったように、適用の仕方とか、使われ方によって
は、私の立場からすると、限りなく食品添加物のような使われ方がされたり、形状とし
ては、これは食品としてということにはなっているけれども、そういうお薬のような剤
形でもって適用されると。
  その結果、必然的に食品添加物が本来抱えるような問題に入り込まざるを得ない、そ
この問題にちょうど差しかかっているんだろうと思います。ものによってはそうならざ
るを得ないというところが問題だと思います。
  ですから、この物質の一般に特保関係のものというのは、そんなに細かく毒性とか、
そういうものがどの程度まであり得るのかというのは、調べられないわけですけれども、
調べて、それがわかってきつつある以上、そのわかった範囲での、ある程度必要な措置
を科学から多少離れて、はっきりしたことがわからなくても、それなりの措置を取らな
くてはならないというのが、この第三調査会でリスクマネージメントの立場から取らな
ければならない措置の理由だと思うんです。
  そういう点からすると、限度は、やはり食品添加物の立場からの表示というものをあ
る程度適用するという最大限の問題と、それから特保としてのこれまでの経験から来る、
ある程度許可されているものについては、新たなことが正確にわかるまでは、今の(2)
にあるような形でもって、とりあえず追加措置を除いては必要ないのではないかという
考え方、その間のどこかに決まってくるんだろうと思います。
○井藤座長  廣瀬先生、何か御意見はございますか。
○廣瀬委員  注意喚起表示については、勿論必要だと思うんですけれども、注意喚起表
示の内容を見ると、妊婦、乳幼児、小児の方は摂取しない、これはわかります。
  2番目ですけれども、他のイソフラボンサプリメントとの併用はしないというところ
ですけれども、他のイソフラボンサプリメントというのが、普通の人によく理解できる
かどうかというのが少し心配です。
  例えば、即席のみそだとか、あるいは黒豆茶だとか、そういうものが実際にイソフラ
ボンのサプリメントであるか認識できるかというところです。ですから、そういう表示
の問題に何かひと工夫要るのではないかと思います。
○井藤座長  基本的には、特保に関しては何々の作用のあるイソフラボンを含んでおり
ますのでという表示がされていますので、しかもイソフラボンをきちんと摂ろうという
ふうに意図的に食品を食生活に生かしているという方の一般的な注意力の在り方からす
ると、多分他のイソフラボンを含んだ食品を摂っているということは認識可能な状況に
あるんだろうという可能性が高いとは思います。
  丸井先生、何かございますか。
○丸井委員  先ほどの井上先生のお話に、私も大体賛成です。余りこのところを、従来
のものもすべて同じように網をかけるだけでいいかどうかは、表示の問題としては、先
ほど来の通常の食生活との関連もありますし、形態もありますし、今のお話のように、
サプリメントとは何かというのも、また一般の方というか、使う人間がそれをちゃんと
認識できるか、分別できるかと、そこのところにかかってきていることですので、リス
クの管理としては、一体どれだけ受け取る側が認識できるかというところまで含めて考
えていかなければいけないので、余り後の新しいことが出てきたからといって、すぐに
アクションを取り過ぎない方がいいなという感じはしていますので、余り大きいアクシ
ョンをしないで行くのがいいかなという感じは持っておりますけれども、それぞれの立
場で、また違うと思います。
○井藤座長  それは、既許可食品に関しては何もしなくていいと。措置をもしするとし
たら、何をするということになるんですか。
○北島室長  これから審査をする上で、イソフラボンアグリコンが30mgを超えるものは
だめということをあらかじめ企業にお知らせをしておかなければいけない。それをルー
ル化するということが1点。
  これまで許可したものについて確認した結果、イソフラボンアグリコンの含有量が30
mgを超えて、規制がかかりそうなものは、今のところ見当たってはおりませんが、万一
あった場合に、30mgというのを適用して、指導を行うべきかどうかという点です。
  結果としては、今、確認した範囲では30mgを超えたものはないので、強い指導を必要
とするものは、現在のところ、ないのですけれども、既許可品も含めてこの考え方です
べての製品を対象としてよいかというところがございます。
  既許可品と、それからこれから出てくるものを含めて、特保全体にこの基準を当ては
めてよいかというところでございます。
○山添委員  一般の方との意見交換会に出たときに、すごく言われたことの1つに上限
値という言葉があって、これを超えるとすごく危険なイメージがあるとおっしゃられて、
こういう名前はどうにかならないのかと言われて、だからここの名前そのものを一つ目
安というふうにはいかないんだろうけれども、何かそういう形をすんなりと定着させる
言葉が要るのかもしれないという気が1つあります。
○北島室長  恐らく、製造企業の方、販売企業の方に厚生労働省からお知らせをし、ま
た自治体の方にお知らせをするという形になりますので、そこの表現ぶりは、例えば「関
与成分の一日摂取目安量はイソフラボンアグリコンとして30mg以内とすること」という
ような表現はあり得るのかと思います。
○山添委員  もう一つは、乳児の方に問題はないという御意見もあったんですけれども、
1つは大豆の調整乳で摂っていらっしゃる方がいらっしゃいますね。その方に対して、
表示としてどういうことをしたらいいのか、そこも1つは考えておかないと、これでい
きなりいってしまうと問題になってしまうかなと思います。
○牧野参考人  今、恐らく表示とか喚起ということについて議論されているんだと思う
んですが、問いの11というところを事前に読みまして、上限値あるいはサプリメントを
利用される目的、種類、摂取量などについて何か御心配のことがあったら、ここから先
が問題で、かかり付けの医師に相談と。
  これは、私は正直申しまして、これだけの議論とか、こういう知識を持っているかか
り付けの医師というのは極めて少なくて、少なくても、やはり北島さんのところの部屋
で対応するような形はいかがなんですかね。これはそう書かれても臨床の現場ではもの
すごく混乱すると思いますし、答えられないと思うんですけれども。
○井藤座長  責任逃れではないかと。
○北島室長  資料2の1ページ目に大きな誤りがありまして、Iの「(1)乳児、乳幼児、
小児の方は摂取しない旨」と書いてあるんですけれども、済みません、これは「(1)妊婦、
乳幼児、小児」でございます。
  食品安全委員会でも赤ちゃんで豆乳を代替乳として飲んでいる人のお話が出ていたか
と思うんですけれども、アレルギーでどうしても普通のミルクが摂れない子どもが豆乳
を摂取することのメリット、デメリットの問題があります。きちんと医師の指導を受け
て、豆乳を摂取することはやむを得ないのではないかというような御意見だったように
記憶しております。
  どうも流行というか、トレンドとして特にアレルギーでなくても豆乳を飲ませるとい
う親御さんもいらっしゃるように伺っているのですが、そういう場合と疾病の治療とし
て摂取する場合とは違ってくると思います。
  ですから、病気の場合は、例えばアレルギーの程度や何のアレルギーかも含めて医療
機関で御相談に乗っていただくということについて、私どもが申し上げているところで
ございまして、それ以外の分については、妊婦、乳幼児、小児の方は、リスクのデータ
がないということを言った上で、摂取しない方が望ましいということも申し上げざるを
得ないのかなと思っております。
○井藤座長  特保の位置づけの問題になると思うんでてすけれども、何がなんでも摂っ
てという商品として位置づけているわけではなくて、同じような商品の中から選ぶんで
あれば、こういうものが機能性食品の有効成分を含んでいるので、摂られたどうでしょ
うという意味合いですので、非常に特殊な人を対象とはしていないということなので、
非常に特殊な人を対象にした注意喚起までをやるかと言われると、注意喚起だけでいっ
ぱいになってしまうということがありますので、そこまではやる必要はないんではない
かと、私自身は思っています。
  ですから、そういう意味では、食品の世界ですので、科学的な厳密性をどこまで要求
するかということも、余りパーフェクトを期するということは、資料もないですから不
可能に近いということも事実かなと思います。
  一応、全体の意見としては、(2)に関しましても、ある程度の注意喚起表示はやっ
ていただこうという意見と考えてよろしいでしょうか。
  そうだとすると、次に進みますが「(3)測定対象について」「ゲニステイン、ダイ
ゼイン、グリシテインとその他の配糖体の6種類でよいか」ということですけれども、
これはいかがでしょうか。
 ○事務局  この資料をつくった後に、いろいろ追加情報がございまして、先ほどの参考
資料3の方をお出しさせていただいたんですけれども、やはり一部の商品、マロニル体
ですとか、サクシニル体が多く含まれているものもございまして、こちらの表の方に含
量が書いてございますが、やはりこの6種類だけだと、例えば納豆などですと、サクシ
ニル体がかなり含まれておりまして、値が違ってくる可能性があるということがわかっ
てまいりました。
  それで、例えば液クロではかった場合なんですけれども、ピークはそれぞれ出てまい
りますので、標準品を6つ立てるか、もしくは1つだけ立てても、あとはピークから係
数を用いて、一応、計算上出すことは可能だということでございまして、ですので、マ
ロニル体ですとか、サクシニル体、そういったものについても計算して重量を出すこと
は可能だということでございます。
○井藤座長  そうすると、食品安全委員会でイソフラボンアグリコンとして30mgという、
この30mgの内容との兼ね合いが出てくるんです。そうすると、ゲニステイン、ダイゼイ
ン、グリシテインとその配糖体の6種類を測定した値として30mgと言っているのか、そ
れとも12の物質のトータルとして30mgと言っているのか、それはどっちなんですか。
我々の立場は、安全委員会がこう言っているからどうするんだということで、安全委員
会を超えて、12種類でちゃんとはかってくださいという立場にはないわけです。ですか
ら、そういう意味では、もしも12種類測定することは、勿論そっちの方が妥当だと思う
んですが。
○山添委員  資料4-2の15ページに表1というのがございます。そこの上の2行目の
ところに「なお、本書においては大豆及び各種大豆食品を酸加水分解法にて分解し、大
豆イソフラボンアグリコンとして含有量を分析した報告の値を用いている」ということ
で、食品中の含量については、アグリコンにした食品のデータを使っていますので、サ
クシニルであろうと、マロニルであろうと、すべてアグリコン換算したものとしての数
値も出ています。したがって、この数字としては、そのまま使えると思います。
○井藤座長  だからマロニル体も全部加水分解してアグリコンに変えてと。
○山添委員  はかっているデータもここに入っていると。
○井藤座長  なるほど、それで30mgと言っているわけですね。
○山添委員  はい。ですから、両方考慮されていると思います。
 ただ、先ほどの話でもありましたが、酸加水分解法でどの程度制度化というのはある
んですけれども、一応、こちらの方法とか、いろんな方法のデータが勘案されていると
いうことです。
○井藤座長  どうしましょうか。この論点整理の3に関しては不十分ではないですかと
いうことになりますけれども。
○北島室長  そうしましたら、測定方法も併せて次回までにもう一度整理いたします。
○井藤座長  では、大分時間も過ぎてきましたので、次に行きたいと思いますが、論点
の1-2に進みたいと思いますが、また元の論点に機会があれば戻りますけれども、と
りあえず時間がありませんので先にのかげんで進みたいと思います。
  論点の1-2「大豆タンパク等イソフラボンを含有していると思われる大豆由来関与
成分の取り扱いについて」に関して、上限値を設定する必要があるのか、注意喚起表示
を義務づける必要があるのかという論点がありますが、これは、どういう意味合いです
か。
○事務局  では、論点1-2ですけれども、こちらは大豆タンパク等、イソフラボンそ
のものではなくて、イソフラボンを含有していると思われる大豆由来関与成分を含む特
保の取扱いについて御意見をいただきたいものでございます。
  例といたしましては、資料5の一覧表の方ですけれども、こちらの品目の7と8に「○
○」というものがございますけれども、このような清涼飲料水のもので、大豆タンパク
を添加したもの、これはイソフラボンではありませんが、企業の方にはかっていただい
たところ、イソフラボンは8.46mgということですけれども、若干入ってございます。
  また、資料5の2ページ目をごらんいただきたいんですけれども、こちらの一番下の
28に、調整豆乳がございまして、こういったものがございます。
  資料2に戻りまして、論点1-2の参考のところにも記載してございますけれども、
先ほどの「○○」のようなものにつきましては、添加したイソフラボンの量が安全委員
会の定めた上限値30mgを超えているものはございませんでした。
  ただ、先ほどの調整豆乳のように、イソフラボンアグリコン含有量がもともと食品自
体にイソフラボンが含まれておりまして、イソフラボンアグリコンを添加したものはな
いんですけれども、もともとの食品にイソフラボンが含まれているために、30mgを超え
ているというものがございます。
  ここでは、このようにイソフラボンの添加が目的ではございませんけれども、添加し
た関与成分に含まれているものについて、上限値ですとか、同じような注意喚起表示、
こういったものを義務づける必要があるかどうか、御意見をいただきたいものでござい
ます。○井藤座長  皆さん、御意見はどうでしょうか。これは特保で大豆製品を特保の
基本的な食品の中に大豆タンパクを用いているというものには、必然的にイソフラボン
を含むことになるということで、その分の含量は問題にすべきなのかどうかということ
になります。  そういう意味では、一般食品として摂る大豆に関しては、問題がないと
いう安全委員会からのコメントをどう適用するかということになろうかと思いますが、
どうでしょうか。  山添先生、何かございますか。
○山添委員  ここのところが一番悩ましいところでございました。実は、豆乳のデータ
が、かなりイソフラボン含量の高いものを摂取した長期のデータ等もありまして、そこ
でエストロゲンのレベル等の変化のデータに、実は一試験がかなり使えるということで、
一つそれにも加わったものがございます。
  本来の目的は、豆乳でタンパクなんですけれども、フラボノイドをかなり含有してい
るものを摂取していくということがあって、確かに豆乳以外のものについては、長期間
というか、そういうもの一日量がずっと持続的に超えることはない。というのは、毎日
同じ食事をとるわけではありませんので、その点は問題ないと思うんですが、この豆乳
だけは少し悩ましいかなと感じました。
○井藤座長  豆乳においてイソフラボンは別に成分表示をしなくていいわけですね。
○山添委員  というか、食品安全委員会で諮問されたものは、食品に対して意図的にイ
ソフラボンを添加したものだったわけですね。もともとの食品中に入っているイソフラ
ボンだということなので、ただ量的に多いと。
○井藤座長  豆乳の問題にしろ、例えば過剰摂取3倍量摂取で、一般的な意味での有害
事象が起こらないという試験はクリアーしているんですね。そのときの有害事象という
のは、エストロゲン過重ということで、何か起こっていないかということを見たわけで
はないですから、当然のことながらエストロゲン過剰に伴う事象の有無に関しては」観
察項目していませんのでコメントしようがないわけですね。
  ところが、食品安全委員会は、月経の周期が少し乱れるとか、そういう見方をしたら
おかしいですよというわけですね。そこまで言うかということですね。
  吉池委員、何かありますか。
○吉池委員  イソフラボンを測定、表示ですとか、その値で網をかけるというのは、食
品については基本的に触れないということと矛盾をするので、できないと思います。
ここで特保ということに限定し、大豆タンパクを関与成分とした特保自体を考えたとき
に、効果ということに関しては、日常的に大豆製品をたくさん食べている人には、恐ら
く効果は余りないんだろうと。むしろ少ない人に上乗せすることによって、何らかの効
果が期待できると考えたときには、イソフラボンについては特に触れる必要はないと思
うんですが、現状で大豆タンパク関与成分の食品では「多量に摂取することにより、疾
病が治癒したり云々」という注意喚起がありますけれども、仮に加えるとしたら、「日
常生活で大豆をたくさん食べている方については云々」とか、特保そのものの適用上の
ことで、大豆をもともとベースとして摂っている人では、これはより摂り過ぎないよう
にとか、考慮をした工夫が必要なんではないかと思います。
 イソフラボンのサプリメントを摂っている方は注意してくださいとか、そういう条件
づけをして、直接的にはイソフラボンの含量には触れないと。
○井藤座長  基本は、やはり私も吉池先生の御意見と同じで、大豆タンパク質を原材料
にした食品に関しては、通常の大豆を食べるのと全然位置づけは変わらないんだから、
あえてイソフラボンがたくさん入っているから摂り過ぎてはだめだという注意喚起をす
るというのは、何か理に合わないという感じはします。
  その次の注意喚起上、同じ機能成分を含んでいる、あるいは原材料から摂った機能成
分を含んでいるものばかりを摂ってはだめですという言い方をわざわざするかどうかと
いうことに関しては、去年ぐらいからですか、バランスのよい食品の摂取が、食事の基
本ですというのを、必ず注意喚起して入れるようになりましたね。その上に、なおかつ
大豆ばかりだめというふうに言うかどうかと、かなりしつこいという感じはしないでは
ないので、その辺はどうでしょうか。
○吉池委員  日常生活で大豆をたくさん食べている方は、多量の摂取に御注意ください
とはできませんかね。
○北島室長  質問させていただきますが、実は資料5の2枚目の一番下の調整豆乳は関
与成分が大豆タンパクになっているんですけれども、イソフラボンの換算をすると、比
較的高い値になっているんです。
  妊婦、乳幼児、小児は摂取しないことという表示をする必要があるかどうかというと
ころが、ちょっと気になるところでありまして。
○井藤座長  だから、それはイソフラボンを外から純化したものを添加しているわけで
はなくて、大豆そのものを食べるのと同じ意味合いだということからいうと、妊婦さん
に対する注意喚起はする必要ないと、筋からいうと、そうなんです。
○吉池委員  それをやり出すと、妊婦に対して豆腐○丁以上食べるなという話にもなり
ますから。
○北島室長  企業の方も安全性には気を使う時代になっているので、あえて、そういう
ことはしないと思うのですけれども、イソフラボンが厳しくなったので、今度は大豆タ
ンパクで行こうというところが出てくると困ると思ってます。
○廣瀬委員  業者に自主的に下げてもらうというようなことはできないんですか。
○北島室長  既許可品については、もともとの豆乳に含まれている分を差し引きますと、
この基準を超える含量にはならないので、規制の対象にはならないと考えています。
○廣瀬委員  それは対象にはならないんですけれども、自主的にイソフラボンの量を下
げるような工夫というのは。
○北島室長  特保であれば、ある程度お話合いで御理解いただける場面もあるのだろう
と思うのですが、特保で考え方を示していないと、ましていわゆる健康食品の方は大豆
タンパクなら幾らでもいいのかという話にはなるのかなという懸念がございます。
○井藤座長  では、まず論点を整理しますけれども、論点1-2の「(1)上限値を設
定する必要があるか」と言われると、今のところはないだろうという結論。
  「(2)注意喚起表示を義務づける必要があるか」ということに関しましては、日常
生活で十分に大豆製品を摂っている人には、効果が期待できないかもしれませんという
注意喚起をお願いしようというふうな御意見であったと思いますが、逆にそういうふう
にしてくださいと言った場合に、では、何か証拠があるのかと聞かれたらどうしますか。
○吉池委員  効果がない、薄いということ自体のエビデンスはなかなか得にくいと思い
ますので。
○井藤座長  エビデンスのないことを何でわざわざ書けというのかと、言われる可能性
があるわけですね。そこのところは、実はイソフラボンのことが気になっていましてね
と言うことが妥当であるかと。
  ですから、そういうことを言いたいがために、そういう注意喚起しろというのであれ
ば、そう書けばいいじゃないですかという論議も当然成り立つんですね。
○山添委員  イソフラボンがどれぐらい含まれているかというのは表示されていないわ
けですね。
○事務局  されてございません。
○山添委員 そこが問題なんですね。表示さえあれば判断していただけるんです。
○井藤座長  だから逆に言うと、非常にあいまいな証拠で注意喚起で不安を巻き起こす
よりかは、成分表示のところにイソフラボンを出していただけませんかということの方
がダイレクトな要求になるような気が、そこのところには何も書かなくてもいいという
ことになりますけれども。そういうことはだめなんですか。
○北島室長  イソフラボンを表示してしまうと、逆に同じ量が入っているところに注意
喚起は必要ないのかという話になり得るかなと思うのですが。
○井藤座長  何かぐるぐる回りになりますけれども。
  特保に限って安全委員会がイソフラボンのことを注意喚起しているので、特保に限っ
てイソフラボンの成分は成分表示の中で出してほしいということは、私はあり得ると思
うんです。だから他の大豆製品に関して、我々は規制をかけるつもりはないと。
  ただし、特保を用いる人の一般的な動向として、サプリメントであるとか、こういう
機能性食品にかなり強い関心を持たれているだろうと。そういう方へのサービスである
ということで、成分表示をしていただけないかということではどうでしょうか。
  では、一度そういう方向で検討してみたいと思います。
  では、その次が論点の1-3に進みたいと思います。
  これに関しましては「食品形態が大豆加工品であるもの(例:豆腐+食物繊維、納豆
+VtK等)について」。
  「これらについては、豆腐、納豆等の大豆加工食品に他の関与成分を加えたものであ
って、イソフラボンを添加したものではないが、食品全体としては、安全委員会の上限
値を超えているものがある」。これは特保でそうですか。
○事務局  これは、食品形態が大豆加工食品であるもので、例えば例といたしまして、
資料5の1枚目の方にみそがございますけれども、このようにみそに難消化性デキスト
リンを加えたものですけれども、イソフラボンも入ってございます。
  あと、資料5の一番最後のページに、52番と53番ですけれども「○○」というもの
と「○○」というものがございまして、こちらの方はイソフラボン全体の量ですので、
アグリコンより若干数値は大きく書いておりますけれども、こちらが70.5mgですとか5
4mgで、関与成分はフラクトオリゴ糖と難消化性デキストリンなんですけれども、イソ
フラボンとしてはかなりの量が入っているというものでございます。
  こちらの食品そのものに入っているものにつきましては、安全委員会の評価でいいま
す通常の食生活に含まれるものとして取り扱ってよいか、もしくは特定保健用食品とし
てはイソフラボンの摂り過ぎはよくないということで上限値を設けるべきかということ
について御意見をいただきたいものでございます。
  また、同様に注意喚起表示に必要かということについて、御意見をいただきたいと考
えてございます。
  ただし、先ほどの議論でも少し出てまいりましたけれども、上限値ですとか、注意喚
起表示の義務づけをした場合、一般の豆腐ですとか、そういったものも危ないのではな
いかというような誤解を与えるなど、一般の大豆食品への影響が懸念されるということ
もありますので、慎重に対応しなければいけない問題であるとは考えてございます。
  以上でございます。
○井藤座長  いかがでしょうか。これは売れているんですか。
○事務局  一応、販売中止をしているとは聞いてございませんけれども。
○井藤座長  そうですか。いかがでしょうか。
  これも基本的には、先ほどの論議と同じですね。だから、食品そのものとして豆腐が
あるわけだから、そこにどの程度イソフラボンが含まれていようと、規制の対象にはし
得ないと。だけれども特保であるから、イソフラボン含量ぐらいは書いておいてくださ
いというふうにするのか、しないのか。統一性を言うんであれば、特保でイソフラボン
が安全委員会で問題になったので、含量と質量と考えられれば、注意喚起もされたらど
うでしょうと。含量までは書いていただきたいと。それプラス注意喚起するかどうかは、
メーカーの判断に任せるというのが1つのやり方だと思います。
○北島室長  この場合2つのケースがございまして、関与成分自体に大豆タンパクを使
っているというのが先ほどのだったのですが、今回のは関与成分ではなくて、本当に豆
腐そのものでございます。
  もう一つのケースは、豆乳とかみそのように、もともとが大豆製品で、更にそこに大
豆を加えるというものです。
 このうち、関与成分として更に大豆を上乗せしていない豆腐にもイソフラボン含有量
を書かせた方がいいかどうかという問題もございます。
○井藤座長  なかなか頭が混乱するんですが、先ほどのものは、みそでしょう。例えば
みそに難消化性デキストリン。みその場合は別にイソフラボンの含量を書いてもらおう
と。大豆イソフラボンを足しているんですね。
○井上委員  この物質はおみその場合と違って、関与成分を加えていないのに超えると
いうのは、吸収のされ方が違うから超えるんですか。
○事務局  それは、豆腐でございまして、豆腐がもともと大豆由来ですので、大豆から
つくってしまう限りはイソフラボンも入ってしまうということでございます。
○井上委員  そういう限りだったら、私は対象外だと思います。
○井藤座長  先ほどは豆乳で注意喚起しようとしたわけですね。成分表示を頼もうと。
豆乳と豆腐とどう違うんですか。
○北島室長  28番の豆乳に関しては、豆乳自体にもイソフラボンが入っているんですが、
そこに関与成分として大豆タンパクを更に上乗せをして、より濃くしているというもの
です。関与成分として、大豆タンパクまたはイソフラボンを使う場合と、関与成分はイ
ソフラボンが入っておりませんが、もともとの豆腐にイソフラボンがたくさん入ってい
るというものと2種類あるんだろうと思うんです。
○井藤座長  大豆タンパクを生成したものを加えたんですね。
○吉池委員  さっきの1-2がその例で、今のところはイソフラボンそのものが1で、
大豆タンパクが2のパターンで、そこまでは整理が付いたわけですが、ほかには関与成
分としてイソフラボンが入っていそうなものというのは、今はないわけですね。
  3番のところは、デキストリンを加え、ビークルとしての豆腐ですから、そこは表示
はしないという整理で、ビークルのことを言い出したら切りがないし、一般の食品です
から。
  今後は、関与成分としてイソフラボンを含んでいそうなものが出てきたときには、そ
こはきちんと押さえるという原則にするわけです。
○井藤座長  もう一回整理のために聞きますけれども、豆乳で大豆タンパクを添加して
いると、その大豆タンパクの中にイソフラボンが必然的に含まれてくるんですか。
○事務局  例えば豆乳はもともと豆乳自体にイソフラボンが入っておりますので、どれ
ぐらいかわからないんですが、例えば1ページ目の「○○」の7、8でございますけれ
ども、これは大豆タンパクでコレステロールを低下させる働きがあるという目的で、大
豆タンパクを入れているものなんですけれども、今回特別にイソフラボンをはかってい
ただいたところ8.46mg入っていたということでございますので、やはり大豆からつくる
ということで、大豆タンパク自体に自然とイソフラボンが入ってくるということでござ
います。
○井藤座長  それはメーカーではかったのではなくて、厚生労働省がどこかではかった
と。
○事務局  いえ、メーカーの方に測定結果を提出していただいたものでございます。
○井藤座長  では、今の整理で行きたいと思います。
  次に行きますが、論点の2「表示について」。論点2-1「イソフラボンの表示につ
いて」。これはどういうことですか。
○事務局  こちらは、食品安全委員会の評価結果は、今、大豆イソフラボンアグリコン
でされておりますけれども、表示はイソフラボンかイソフラボンアグリコンのどちらか
とするかということで、御意見をいただきたいものでございます。
  一般的には、今、食品で売られているものですとか、特保については、イソフラボン
と表示されてございます。一般的に表示されているイソフラボンというものは、アグリ
コンですとか、配糖体ですとか、マロニル体、こういったものも絶対重量を単純に足し
合わせたもので、いろんなものが入ってございます。
  規制措置は、アグリコンとして総量30mg以下となりますので、表示についてもアグリ
コンでした方がわかりやすいんですけれども、現在アグリコンで表示をしているものは
ほとんどなく、こういった場合、消費者の方が混乱するおそれがあるというデメリット
がございます。
  ただ、イソフラボンとして表示した場合は、アグリコン量が不明になってしまいまし
て、安全委員会の示した30mgとの関係がわかりにくいというデメリットがあると考えて
ございます。
  続きまして、次のページの(2)がございますけれども、イソフラボンとして表示し
た場合、アグリコンの換算係数を検討する必要がございますけれども、その場合の換算
係数がどういう形にするかというものについても、イソフラボンで表示した場合は、そ
ういったものも問題点になってくると考えてございます。
  以上でございます。
○井藤座長  どうでしょうか。
○吉池委員  やはり物差しは明確に示すべきですので、イソフラボンアグリコンという
表記が良いのではないかと思います。
○井藤座長  今回、安全委員会の結論を受けて、わざわざやるわけですから、そういう
意味では安全委員会の基本的な表示スタイルに基づいてやると。ツースタンダードは使
わないということで、厚生労働省としてはイソフラボンアグリコンという表示に統一す
るということで、私もその方が混乱はないと思います。
  では、これはそういうことでよろしいでしょうか。
  そのほか、プラスαのイソフラボンとイソフラボンアグリコンとの関係がどうなって
いるんだということをメーカーが説明するということに関しては、そういう文章を入れ
られるということに関しては、それは一向に構わないということになると思います。
  換算係数は、食品安全委員会が使っているものとしていいかということ。私は基本的
には、これを0.624 にするか0.625 にするかという細かなことに関しましては、安全委
員会で検討すべき問題であって、我々の立場としては安全委員会のあれを受けてやるわ
けですから、とりあえずは、現時点ではこういうものを使ってはどうでしょうというこ
とになるんではないかと思いますが。
  牧野先生、その辺どうですか。
○牧野参考人  それでよろしいと思います。
○井藤座長  データもないですしね。
○牧野参考人  ただ、こういう食品の安全を議論するときに、我々ですと、例えば豆腐
に例を取りますと、豆腐を素手で販売する方はいないので、手袋をはめていますね。そ
うすると、そこからはフタル酸とか、いわゆるビスフェノールAみたいなものがいっぱ
い出てくるわけです。容器を持って家に帰るときには、恐らくプラスチックの容器であ
れば、当然界面活性剤みたいなものが含まれたようなものがあるかもしれません。
  そうすると、今、イソフラボンを議論しているときは、イソフラボンのエストロジェ
ニックなアクションを議論しているんですが、我々の口に入るまでには猛烈にほかのも
のが関与してくるわけです。
  その中で、こういうものを議論したときに、1つだけ私がさっきから気になっている
のは、各食品の中に含まれているイソフラボンの含量といいますが、今の御答えだと、
各企業がそれぞれはかりなさいということではかっているわけですが、どんな方法でや
っているかということも全然統一されていないんではないでしょうか。これだけ各メー
カーがあると。
○北島室長  現段階では、念のため、これまでの既許可製品を確認したいということで、
企業に自主的にはかっていただいておりまして、はかれるところも限られておりますの
で、食品分析センター等ではかっていただいていると思います。
  ただ、これから申請書類としてはかっていただく際には、次回までにはかる対象と、
はかり方を整理させていただきまして、はかり方についてきちんと示して、そのルール
にのっとって提出していただかないといけないと思っております。
○吉池委員  それと、今の牧野先生の御懸念の部分につながるんですが、事後的なモニ
タリングとして収去ということも考え得るわけですね。
○北島室長  栄養研究所の方で、毎年予定いただいておりまして、そういうツールもあ
ろうかと思います。
○井藤座長  独法化したから、あらゆる機会に宣伝しておかないといけない。
  そういうことで、牧野先生のお話を伺っていると、我々は一体何を食べればいいのか
悩ましいことになりますけれども、とりあえずそういうことで、安全委員会の換算式を
当評価会としても用いるということにしたいと思います。
  その次に行きますが、論点の2-2「注意喚起表示について」。食品安全委員会で指
摘された注意喚起表示は以下のとおりである。
  妊婦、乳幼児、小児の方は摂取しない旨。
  他のイソフラボンサプリメントとの併用はしない旨。
  過剰摂取はしない旨等。
  (1)~(3)以外に表示すべき項目はあるか。
  授乳婦はどうなるんですか。
○事務局  授乳婦につきましては、食品安全委員会の最後の結論のところでは、例とし
て挙げていないんですけれども、申請者の方で自主的に、今回の品目については妊娠中
または授乳期の方は摂取をお控えくださいという注意喚起表示を行ってございます。
○吉池委員  (2)の「イソフラボンサプリメント」なるものの表現と、一般消費者がどう
とらえるかということと、こちらの方がどうなるかについては、次の議題のいわゆる健
康食品の取扱いということなので、健康食品をどうするかということが見えないと、こ
こをどう表現するかはやや議論しにくいわけです。
○廣瀬委員  それから、(3)の括弧の中ですけれども「日常の食生活で大豆をたくさん食
べている方は」となっていますけれども、大豆食品という方がよろしいんではないでし
ょうか。
○井藤座長  大豆・大豆製品は、よく使われる表現ですね。では、よろしいですか。
  一応、授乳期に関しては、安全委員会の答申の中では、どう扱われているんですか。
授乳期は特に問題ないということなんですか。
○山添委員  安全性に関する資料がないので、判断のしようがないという結論です。
○井藤座長  ミルクに移行はするんですね。移行すれば、新生児が飲むことになるので、
やめた方がいいと。
○井上委員  この委員会では入れられるんですね。
○井藤座長  この委員会ではね。では、一応、妊婦、授乳中の婦人ですか。
○牧野参考人  済みません、参考でいいですか。これは混乱することを避けますけれど
も、参考に聞いていただきたいんですが、妊婦というのは、当然体内のエストロゲンが
過剰に産生されていますから、それに上乗せするような食品等は望ましくないという考
え方ならば、一般の女性で、経口避妊薬を飲んでおりますと、多量のエストロゲンを摂
っておりますし、中高年になってホルモン補充療法をやっていれば、これはまたエスト
ロゲンを多量に摂っていますから、妊婦というのがどういうことで妊婦が挙がってきた
か。つまりすべての薬品には、一番最後に必ず使用上の注意に、妊婦と胎児に対する安
全性が確認されていないから、慎重に投与することと。そういう文章は必ずあるんです。
  そういう意味でなく本当に妊婦というものを入れるんだったら、私はほかとの横並び
だと思いますし、真剣に妊婦という条件を議論すべきだと思います。
○井藤座長  妊婦の場合は、エストロゲン云々かんぬんよりも催奇形性の問題とか、あ
るいはこの物質のものに関しましては、発がんの問題とか、何かそういうものから確証
はないけれども、やめた方がいいんじゃないですかという意味合いだと思います。
  それで、授乳婦に関しましても、いろんな論議があるけれども、これを実験するわけ
にはいかない。だから子どもで授乳中にある薬物を飲んだら腎障害が出た人がいたとい
う症例報告があったら、それは全部注意喚起につながってしまうわけです。
○牧野参考人  今、我々がやっているのは、生体内の濃度勾配と申しまして、母親が摂
ったある環境ホルモンが、乳汁にどのぐらい出てくるか、同一症例での検討です。
  かつ、今度は臍帯血ですけれども、いわゆる子ども側にどのぐらいいっているかと、
環境ホルモンの中でもそういう濃度勾配をはかっている物質があるんです。イソフラボ
ンはやっておりませんけれども、本当に議論をするんだったら、その辺をやらないと結
果が出ないでしょう。
○井藤座長  ただ、そこまで全部実験を強要するというわけには、実際上、倫理上の問
題もあって、言ったところでやれないというのが現実ですので、そういう意味では、わ
ざわざ何が何でも摂るようなものということでの特保の位置づけはないわけですから、
注意喚起の中に悪いとは言えないけれども、いいという証拠も何もないと。
  ですから、そういう意味では、避けられた方が無難ですと、そういう意味みでの注意
喚起はしておく必要はあるんではないかとは思います。
  というのは、妊婦の方も最近はそうでもないと思うんですが、こういう妊娠の時期に
体にいいものというものを大量に摂るという人がいるかもしれないという懸念がゼロで
はないというところで、こういう喚起が入ってくるんだと思います。
  よろしいでしょうか。
  論点の2-3「その他の表示について」「(1)その他表示すべき事項はあるか」と
いうことですが、どうでしょうか。特にございませんか。
  では、その次の論点の3「分析方法について」。これは測定のことが決まった段階で、
私は測定方法までは要らないとは思います。
  「II.大豆イソフラボンを含む『いわゆる健康食品』の取扱いについて」「上限値及
び注意喚起表示について」。これを指導する必要があるかどうか。指導する場合、どの
ような形態の食品を指導するのか、錠剤・カプセル等濃縮された形態の食品だけに限定
するのか、いわゆる健康食品全部に網をかけるのかということです。表現として、特保
と同様のものを持ち得るのか、もっと厳しくするのか、もっと緩くするのかということ
が論点になろうかということですが、これに関してはいかがでしょうか。
  井上先生、何かありますか。
○井藤座長  他の特保以外の健康食品業界全体に対して、厚生労働省がリスク管理とい
うことから、半ば強制的に義務づけるかどうかということです。
○北島室長  追加させていただきますと、食品安全委員会では、特保の安全性評価とい
う観点で評価がされておりますので、リスク評価機関における評価結果は特保に限った
ものでございます。ただ、ここの参考にありますように、食品安全委員会のQ&Aの中
では、いわゆる健康食品に関してもこのような形でお答えいただいているという状況で
す。
  私どもも食品に関して厳しい基準を一律に義務づけるということになりますと、規格
基準として値を示すという方法がございますが、今回、食品安全委員会の方で伝統的な
大豆食品に関しては問題としないとなっておりますので、一律に食品の基準として規格
基準を定めるということは、できない状況だと考えております。
  そういったことで、特保に準じた形で、この健康食品に関してどの程度のことをする
べきか、それとも必要ないかという観点で御議論をいただければと思っております。
○井藤座長  何か意見はありますか。井上先生、どうですか。
○井上委員  一般論としてしかわからないんですけれども、私らのところでは、いろん
なことが問題になって、今、新聞をにぎわしているのは、インゲンだとか、豆を生で食
うなんていうことは、あり得ないことが平然と起こって、レクチンによるものと思われ
るような腹痛を起こすわけです。
  そういう食全体が乱れている状態の中で、一つひとつ手を打っていても、これはただ
限りなく混乱するだけだと思うんです。
  それで、既に先ほども座長が指摘されたように、また厚労省の方でもやっておられる
ように、食育という根本的な面から進めていかないと、個別の問題ではないと思うんで
す。  原則として、食品にできるだけ細かい規制とか、そういったものを可能な限り、
余りそういうことに介入しないということを、やはり私は大事にすべきだと思うんです。
食べ方によって問題になる事柄というのは無限にありますから、問題は大豆イソフラボ
ンを含む、いわゆる健康食品が、その範疇で収まるか、それにしては余りにも問題が大
きいかというところのリスクマネージメントだと思うんですけれども、もう少し皆さん
の御意見を伺います。
○廣瀬委員  いわゆる健康食品というのは具体的にどういうものなんですか。
○北島室長  ここの特保で出ているようなものの類似のものは、たいていの場合、特保
の許可をとらない食品としても流通していると思います。
  ただ、特保の中でも、先ほど来ございますように、伝統的な形態のものに、別の関与
成分を加えているものから、大豆タンパクを加えているものから、イソフラボンそのも
のを加えているものまでございまして、形態も普通の食品の形態から錠剤、カプセルま
でございます。これと全く同じ状況で、いわゆる健康食品の中にも流通していることが
考えられます。
○廣瀬委員  イソフラボンの量的にはどうなんですか。
○北島室長  特保と違いまして、個別食品の成分の把握ができず、食品の成分の含有量
の表示などを細かに指導できないので、実際のところは把握できない状況でございます。
○廣瀬委員  注意喚起といっても難しいところがありますね。
○北島室長  そういうことで、事務局として出させていただいた案といたしましては、
指導するとした場合には、含有量が明らかに把握でき得るような形態、錠剤カプセル状
のもの等については、これに準じた形での指導というのが可能になるのではないかとい
う考え方でございます。
○廣瀬委員  含有量についてもある程度成分を、幾つか抽出してみて、どの程度入って
いるかというのを見た方がいいんじゃないですか。
○北島室長  昨年度の栄養研究所の食品の収去検査の中にも一部イソフラボンを含む製
品が入っていると伺っております。
  ですから、一部は把握できるんですけれども、余りにもたくさんのものが流通してお
りますので、同じ形態でも同じだけのものが入っているとは限らず、なかなか実態を把
握するのは難しいかと思います。
○廣瀬委員  その中に、かなり多いものはあったんですか。
○北島室長  まだ、今は測定中でございますので。
○廣瀬委員  その結果を見てからでも遅くはないでしょうか。
○北島室長  可能だと思いますが、錠剤、カプセル状等のものは、もともと目的として
イソフラボンを濃縮して、錠剤、カプセル状等にしておりますので、一定の濃度以上の
ものが入っているということは想定できると思います。
○廣瀬委員  まだ現在は、その量はわからないんですね。
○山添委員  この場合は、大豆のイソフラボンというか、大豆から移ったものだけを規
制しますか、それとも、例えばアルファルファみたいなものが、たしかあったような気
がして、何か同じ豆科ですけれども、違うもので、そういう健康食品でイソフラボンは、
たしかダイゼインで同じものが入っていたような気がするので、成分側から見るのか、
それとも素材から見るのか、そこのところも一つ要素になってきてしまうかなという気
がします。
○井藤座長  アルファルファで。
○山添委員  そうですね。ですけれども、健康食品でも、たしかアメリカでは名が売れ
ていると思いますので。
○井藤座長  錠剤、カプセル状、これを指導するとすると、どういう指導が可能なんで
すか。
○北島室長  規格基準をつくって一律に義務づけるといった法律上の措置ではございま
せんので、原則、私どもの通知等で関係団体ですとか、都道府県にお知らせをいたしま
して、指導ベースで改善を促していくということになろうかと思います。
○井藤座長  それに対する答える義務はないんですね。
○北島室長  食品の安全性の確保ということにつきましては、食品安全基本法、食品衛
生法で製造者、販売者の義務がございますので、明らかに問題があるという場合には、
そこはかなり強い指導ができると思います。
○井藤座長  そうすると、例えばこの調査会あるいは食品衛生審議会ですか、室長から
の通達という形でやるわけですかね。
○北島室長  私なのか、部長なのか、それは指導の強さによっても濃淡がございます。
○井藤座長  それは、例えば安全委員会の結論を受けてという形の通達になるんですか。
○北島室長  安全委員会の評価結果は、あくまでも特保の考え方でございますので、こ
れに準じた形で、安全性の確保をお願いしたいというような内容になろうかと思います
が、もし、指導が必要ということであれば、次回までにどのような形での指導になるか
という文案なども作成してみたいと思います。
○井藤座長  だから、安全委員会の結論は尊重されるべきであるか否かという論議と、
それを通達の形で出されたらどうですかということをこの評価会で検討すべきというこ
とですか。
○北島室長  はい。
○井藤座長  第一の点に関しては、安全委員会の結論は尊重されるべきであろうという
ことは言えると思うんです。
  その次に、指導という形で安全委員会の結論を各都道府県、業者団体に通達する必要
があるのかということに関してはどうでしょうか。
○北島室長  今の件なんですけれども、安全委員会に関しましては、あくまでも大豆イ
ソフラボンを含む特定保健用食品に限った答申になっておりますので、いわゆる健康食
品までは言及されておりません。
  ですから、もし、こちらの方で指導するということになりますと、安全委員会の特保
に関する考え方を踏まえて、管理措置として更に指導の幅を広げるという形になろうか
と思います。
○井藤座長  だから、それはむしろ、ここは特保の審査会ですから、ちょっと力を超え
ているという気がしないでもないんです。というか、ここに付託される内容と、健康食
品全体の行政上の処置をということに関してはどうですか。
○北島室長  第一、第二調査会につきましては、特保の申請品の個別評価をお願いして
いるのですけれども、この第三調査会に関しましては、特保に限らず健康食品全般の安
全性ということでお願い申し上げております。
○井藤座長  そうすると、そういう位置づけの調査会が初めてできたので、初めてお仕
事をしますかということですね。
  いかがでしょうか。どうぞ。
○吉池委員  いわゆる健康食品の領域で、イタチごっこをしても、余り大きな成果は最
終的には得にくいと思うので、どこかで絞らざるを得ないと思います。その一つが事務
局から御提出されている錠剤、カプセルということで、これは先ほどの注意喚起、特保
の方の注意喚起でもあり、Q&Aもあるように、イソフラボン、サプリメントなる言葉
が出てきて、それとの関わりで特保も管理するということですから、これはきちんとし
た表示なり、情報提供がされなければいけないという前提だと思います。
  そういう意味で、少なくとも錠剤、カプセル等については、イソフラボンアグリコン
としての表示、プラス必要によって注意喚起をするというところまでがミニマムセット
かなと、それ以上については、むしろ実際の健康食品のマネージメントをどうするかと
いう、かなりジェネラルな話にもなるので、どこまでここで議論できるのかという感じ
は持っています。
○井藤座長  わかりました。結論としては、健康食品が完全に野放しになっていて、今
までかなり大規模な事故が起こるまで、注意喚起する手段を持たなかったというのも事
実なので、そういう意味で、イソフラボンというのが適切な1回目の仕事になるかどう
かというのは、ちょっと疑問があるんですが、とりあえず安全委員会のこういう結論が
出て、尊重してほしいということから、大量摂取を避けてほしい旨の注意喚起をすべき
であると。特に大量摂取に傾けやすいカプセル、錠剤に関して、そういう注意喚起を表
示してほしい旨の通達を出すということに関しては異論がないということが、当調査会
の結論ということにしたいと思いますが、いかがでしょうか。
  では、そういうことで、今日用意されました論点に関しましては、一応結論が出たと
いうことになります。
  そういうことですが、あと事務局から何かございますか。
○事務局  次回の調査会なんですけれども、5月31日水曜日、14時からを予定してお
ります。場所につきましては、ちょっとまた場所が違うんですけれども、法曹会館です。
○北島室長  地図をまたお送りいたしますが、有楽町線の桜田門駅の付近、古い法務省
の建物の近くでございます。
○事務局  そちらの2階の「高砂の間」でございます。なお、次回の会議は公開で行う
予定になっておりますので、よろしくお願いします。
○井藤座長  何を論議するんですか。これで大体結論が出たと思いますが。
○北島室長  今回、個別の製品を見ながらの議論でしたので、非公式で開催いたしまし
た。そのような事情で、厚生労働省の検討会等は原則公開で行うことになっているとこ
ろを、今回のみ非公開でやらせていただきましたけれども、次回は、個別製品名はでき
るだけ出さない形で、本日いただきました御意見を含めて、具体的なイソフラボンアグ
リコンの測定ですとか、注意喚起表示や義務づけ等に関する文言を整理いたしまして、
通知の前段階ぐらいのものを作成いたしまして、具体的な内容を御確認いただきたいと
思っております。
○井藤座長  質疑で一般の人が参加するので、そこから質問なんかも受け付けるんです
か。○北島室長  傍聴人は発言できないことになっております。
○井藤座長  ということで、次回は公開ということでやりますので、よろしくお願いい
たします。
  では、今日はこれで終わりたいと思います。




照会先:
厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課新開発食品保健対策室
TEL:03-5253-1111(2459)



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