06/02/23 第23回 独立行政法人評価委員会調査・研究部会議事録 独立行政法人評価委員会調査研究部会議事録 (第23回) 日 時:平成18年2月23日(木) 場 所:厚生労働省省議室(9階) 1.開会 ○部会長  それでは、定刻になりましたので、ただいまから独立行政法人評価委員会第23回調 査研究部会を開催させていただきたいと思います。委員の皆様におかれましては、大 変お忙しい中をお集まりいただきましてまことにありがとうございます。今回は武見 委員が御欠席でございます。  それでは、議事に入ります前に、部会長代理を決めさせていただきたいと思います。 部会長代理は、評価委員会令第5条第5項において、部会長に事故があるとき、あら かじめ指名する委員がその職務を代理するということになっております。部会長が指 名することとされておりますので、御見識等から、鈴木委員に部会長代理をお願いし たいと考えておりますが、よろしゅうございますでしょうか。 (了承)  ありがとうございました。それでは、鈴木委員に部会長代理をお願いしたいと思い ます。よろしくお願いいたします。 ○鈴木委員  ただいま部会長代理に御指名いただきました。微力ながらできるだけ務めたいと思 いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ○部会長  どうぞよろしくお願い申し上げます。 2.審議 ○部会長  では事務局から、本日の議事について簡単に御説明をお願いしたいと思います。よ ろしくお願いいたします。 ○政策評価官  おはようございます。政策評価官でございます。よろしくお願いいたします。本日 はお手元の第23回調査研究部会議事次第という形で1枚紙を用意させていただいて おりますように、産業安全研究所、産業医学総合研究所が18年度この4月から統合し、 独立行政法人労働安全衛生総合研究所になりますのに先立ちまして、大臣が中期目標 を定めるに当たって部会の御意見を伺うというのと、中期目標に基づいて労働安全衛 生総合研究所が作成いたします中期計画の案について御審議をいただきたいという2 点でございます。前回の健康・栄養研究所のときと同じでございまして、本来ならば 目標を大臣が定めて、それを踏まえて計画が出てきて、その計画に基づいて御審議を お諮りするという形でございますが、 便宜一括しての御審議ということでよろしく お願いしたいと思います。 ○部会長  それでは、労働安全衛生総合研究所の具体的な中期目標・中期計画の審議に移らせ ていただきます。初めに事務局より、議事の進め方について御説明をお願いいたしま す。 ○政策評価官  それでは、お手元の資料を御確認いただきながら簡単に御説明させていただきたい と思います。お手元の資料、議事次第のほかには、本日労働安全衛生総合研究の新中 期目標・中期計画を御審議いただくに当たりまして、1−1が新目標・新計画の対比 表。1−2が新目標案。1−3が新計画案。1−4が、現それぞれの研究所の目標・ 計画と、統合後の法人の目標案・計画案の対比表。1−5が、量が多ございますので、 全体像、ポイントということで用意させていただきました。1−6が、今提案をして おります、このもととなる法案についての資料でございます。  私の方から、その後ろに参考資料1というのがついていることを確認させていただ ければと思います。参考資料1をごらんいただきますと、本日統合法人の中期目標・ 中期計画を御議論いただくに当たっての留意点と申しましょうか、ポイント数点につ いて整理をさせていただいております。1は昨年暮れの行政改革の重要方針。2つ目 が業務・システムの最適化という形での全法人通じての考え方。3番目が、今回見直 しが行われます法人対象に、これも政府で横並びで示している「勧告の方向性」のフ ォローアップということでございます。このうち3の(7)におきまして、特に統合 法人を念頭に置いた、統合による効率化など統合効果を発揮するための具体的な方策 が何かということがコメントされておりますことを1点申し上げたいと思います。  4と5が、それぞれ本日御審議いただきます労働安全衛生総合研究所に関すること でございまして、これまでこの部会、あるいは親委員会であります総会の方で御議論 いただきました結果をまとめた、統合に当たっての見直しの方向性というものでござ います。またそれぞれの2法人の業績評価につきましては、お手元の青ファイルにお いて机の上に置かせていただいております。本日は、新中期目標・計画の柱立てに沿 いまして御審議いただければと思っております。私の方からは以上でございます。 ○部会長  では、業務運営の改善及び効率化に関する目標について御説明をいただきたいと思 います。安全衛生部計画課の方から御説明いただきます。 ○安全衛生部計画課調査官  安全衛生部計画課の調査官でございます。座らせていただきます。  資料1−1に中期目標・中期計画の対比表がございますが、その説明の前に資料1 −6をごらんいただきたいと思います。「独立行政法人に係る改革を推進するための 厚生労働省関係法律の整備に関する法律案」というものを、私どもは現在の通常国会 に提出しているところでございます。去る2月3日に閣議決定をされたところでござ います。現在、衆議院の方で予算委員会が開かれておりますが、予算成立後に衆議院 の厚生労働委員会から審議するという予定になっているところでございます。  その内容でございますけれども、(1)というふうに四角の中に書いてございますが、 産業医学総合研究所を産業安全研究所に統合して、労働安全衛生総合研究所とすると いうことでございます。いわゆる統合するということと、「産業安全研究所に統合し て」という表現は、産業安全研究所を本部とするという意味でございます。それから もう一つ2番目にありますように、新しくできました労働安全衛生総合研究所と国立 健康・栄養研究所を非公務員型の独立行政法人へ移行する。今まで特定独立行政法人 でございましたけれども、「特定」でない独立行政法人になるということでございま す。  それから一番下のところに、労働安全衛生法の一部改正と載せてございますが、こ れは「勧告の方向性」の中に、労働災害の原因調査の円滑かつ適切な実施を確保する ため所要の措置を講ずるというふうにされていたものを受けまして、事業場に対して、 災害調査、または災害調査をする際には、場合によってはその原因となった資料を持 って帰らなければいけないということもあるわけで、そういった立ち入り検査の権限 を研究所の方に与えるという内容とするということでございます。  それから施行期日につきましては、中期計画がスタートします4月1日を予定して いるということでございます。  1枚めくっていただきましたところに、その概要を載せてございますが、まず業務 につきましては、2つを合わせた形にしてございます。それから資本金につきまして は、一応121億と書いてございますが、産業医学総合研究所につきましては、4月1 日現在で時価評価をしてくっつけるということになってございます。したがいまして、 若干前後があるかもしれませんが、土地、建物の評価でございますので、ほぼ同じよ うな金額になるのではないかということでございます。それから役職員数についてで すが、現在役員それぞれ4名おりますが、新しい研究所におきましては、理事長1名、 理事2名以内、監事2名の役員5名にする予定でございます。それから職員につきま しては、統合時におきましては現在の人員をそのまま移行するという予定にしてござ います。予算額につきましては、そこにありますようにそれぞれ11.5億、13.8億だ ったものが、平成18年度の予算案では24.8億になっているということでございます。  それでは資料1−1に戻って説明をさせていただきます。その際、資料1−5を用 意させていただいておりますので、それもあわせてごらんになりながら見ていただけ ればと思います。  まず中期目標でございますけれども、新たに前文を設けたというのが前回の中期目 標と変えたところでございます。これは新しい法人としてスタートするに当たりまし て、その法人が担う任務、役割を明確にするということでございまして、その中段あ たりに新しい法律で規定される目的を記載するとともに、統合として期待される産業 安全分野、労働衛生分野を所管する総合研究所として、現下の労働安全衛生情勢に対 応した調査研究等を進めるとともに、それぞれの研究者の知見を活用した学際的研究 の推進。それから、非公務員化されるということで、そういったものを生かした研究 協力の促進。さらには業務の重点化、効率化、こういったものを図っていくというこ とを記載したところでございます。  1枚めくっていただきまして、第1の「中期目標の期間」でございますが、これは 18年4月からの5年間というものを定めたものでございます。  次に第2の「業務運営の効率化に関する事項」ということでございますが、これに つきましては1の(1)のイとエとオが新たに加わったものでございます。まずイと いたしまして、統合するということでございますので、産業安全分野及び労働衛生分 野に係る調査研究を一体的に実施できる体制を構築すること、ということを目標に掲 げてございます。これに対しまして、中期計画の方も私の方で説明させていただきま すけれども、中期計画におきましてはそれを受けた形で、現在、産業安全研究所にお きましては研究企画調整部というのがございますし、産業医学総合研究所におきまし ては企画調整部というのがありまして、それぞれ研究の企画調整をやっているわけで すが、こういった企画調整業務の一元化。あるいは産業総合研究所には国際研究交流 情報センターというのがございますけれども、こういった国際情報管理業務につきま しても一元化を図るということを入れてございます。  それから目標のエの、研究に直接携わらない間接部門の合理化を図ること。これは 「勧告の方向性」で指摘されているところでございますが、これにつきましても中期 計画において、総務部門を一元化し業務運営の効率化を図るとともに、定型業務の外 部委託化の推進等を図るとしてございます。  それからオの、業務・システムの最適化を図り、業務の電子化等による効率的な業 務運営体制とすること、ということですが、これは運営経費1億円以上のものについ てこれを入れるということでございます。現在、産業安全研究所で一番高いもので 4,000万ぐらいでございまして、トータルとしては両研究所合わせて5,000万ぐらい の運営経費ですけれども、相当な金額があるということで、新しい中期目標に入れて いるところでございます。それに対応して中期計画におきましても、業務・システム の最適化を図るということを入れているところでございます。  それから(2)の「内部進行管理の充実」というところでございますが、これにつ きましては目標は変えてございませんが、計画の方で、研究員の業績評価についてそ れぞれの研究所で今進めているところでございますけれども、それぞれの研究所で若 干やり方も違うという問題もあるわけですが、そういったものも調整しながらしっか りと業績評価を行う。あるいはその上に研究管理システムとございますけれども、ど ういう研究がどの程度進捗しているかといった管理も、現在はそれぞれのやり方でや っておりますけれども、それを統合後にだんだんと調整しながら、1つのシステムと していくというふうにしているところでございます。  次にまた1ページめくっていただきまして3ページでございます。「業務運営の効 率化に伴う経費削減」ということでございますが、運営費交付金を充当して行う事業 については、中期目標期間中に新規追加・拡充部分を除き、平成17年度の運営費交付 金、これは産業安全研究所と産業医学総合研究所の17年度運営費交付金の合算額です けれども、「統合による合理化額を除く」と書いてございますが、先ほどの法律案に もございますように役員の数が減少するということから、一般管理費については、こ れは役員と総務とか庶務部門の職員の人件費で2,000万程度でございますけれども、 統合減として減額するというふうになってございます。その分除いた上で年間、一般 管理費につきましては人件費を含めて15%、年に換算しますと3.2%になりますが、 事業につきましては5%、年に換算しますと1.02%ということになりますが、これに 相当する額を節減する、としているところでございます。  「また」以下には、国家公務員の定員等の削減といったものも踏まえまして、すべ ての独立行政法人にこういった目標を掲げるということになっており入れているもの でございます。ただ、上で御説明申し上げましたように、一般管理費部門の人件費に つきましては15%、研究部等のいわゆる事業部門の人件費につきましては5%削減す るということでございますので、加重平均いたしましてトータルとしても5%以上は 上の目標だけで確実に減るということでございますが、念のためにまた下でも掲げて いるということでございます。これに対応します中期計画といたしましては、今申し 上げましたような15%に相当する節減額、事業については5%に相当する節減額を見 込んだ中期計画の予算を作成し、当該予算によって適切な業務運営を行うというふう にしているところでございます。また人件費につきましても、改めて5%以上の節減 額を見込んだ中期計画の予算を作成するというふうにしております。  先ほど個人業績評価ということを申し上げましたけれども、国家公務員の給与構造 改革を踏まえた役職員の給与の見直しを適宜行う、ということをあわせて記載してい るところでございます。  それから2の「効率的な研究施設・設備の利用」ということでございますが、これ につきましては前中期計画と同様の目標とさせていただいております。以上が、業務 運営の効率化に関する事項についてでございます。 ○部会長  ありがとうございました。法人の方から御説明はございますでしょうか。よろしい でしょうか。それでは御質問等がございましたらいただきたいと思いますが、いかが でしょうか。 ○清水委員  御説明の中で確認させていただきたいことがあるのですが、今の数値ですね。削減 額のお話ですが、一般管理費が15%、それから事業費が5%ということで、人件費は どういうふうにおっしゃったのでしょうか。 ○安全衛生部計画課調査官  一般管理費には人件費と管理諸費と2つございまして、事業費におきましても人件 費と事業経費とに分かれているということでございます。一般管理費の人件費は、役 員と現在の総務課、庶務課、そういった間接部門の人件費ということですが、これに つきましては今ほど申し上げましたように、まず役員の減を引いた上で、年間3.2% ずつ人件費は減額していくということでございます。それから、研究者は事業費の方 でございますが、この人件費につきましても5年間で5%削減するということでござ います。 ○清水委員  今お配りいただいている資料1−3のところで、予算というのがあるかと思います が、中期計画の予算がございますよね。こちらでいきますと、支出の部分は、人件費 はそういった管理部門とか事業部門に分かれていないのですが、そういうくくり方で の目標の立て方ではないということですね。 ○安全衛生部計画課調査官  中期計画の別紙1−2「運営費交付金の算定ルール」というところを見ていただき たいのですが。資料1−3でございます。ここで人件費というのが基本給等というこ とになっておりますけれども、その中に、効率化係数がγ1とγ2というので基本給 のところに出てきております。そのγ1のところは、下におりますと3.2%、γ2に つきましては1.02%となっておりますが、基本給のところでγ1とγ2に分けており ますのが、人件費の一般管理部門、いわゆる役員と間接部門の方、それから下の方は 研究職の俸給の適用を受けている方、いわゆる事業部門に所属している方というふう に2つに分けてそれぞれ計算するようになってございます。  それから、上の方に人件費プラスという形になっておりますが、一般管理費(A) というのと、業務経費(R)というのがございますが、この中の一般管理費(A)と いうのは、後ろの方に効率化係数でγ1というのが掛かってございます。これは、一 般管理部門の経費につきましては3.2%ずつ削減していくという意味合いでございま す。それから業務経費、これは研究費になりますが、これにつきましては効率化係数 γ2というのが掛かるようになっていますが、毎年1.02%ずつ減少させるという考え 方でございます。  一般管理部門について、予算上といいますか、予算の積算上といいますか、運営費 交付金の算定ルール上は、要するに2つに分けてその金額で運営費交付金が定まるよ うな仕組みになっているということでございます。 ○清水委員  なぜこういうことをお伺いしているかといいますと、先日、健養研さんの方で示さ れた数値とちょっと出し方が違うなと思ったものですから確認のためにお尋ねしてい るのですが、そうしますとマイナス3.2というのは、今の御説明ですと役員さん等の 人件費の部分プラス一般管理費の経費の部分もあるのですか。 ○安全衛生部計画課調査官  3.2というのは、役員の給与と総務課、庶務課のいわゆる間接部門の人件費の総和 でございます。 ○清水委員  人件費のみですか。 ○安全衛生部計画課調査官  一般管理費が、人件費の部分と一般管理に要する管理諸費的なものと2つに分かれ ておりまして、一般管理費の人件費については役員の給与と間接部門の職員の給与に なっております。それから、一般管理部門の管理諸費、ここでは一般管理費(A)に なっていますけれども、そこはいわゆる光熱水料とかいろんな管理の費用になってお ります。それで、それぞれについて3.2ずつ削減するということでございます。 ○清水委員  両方かかるわけですね。 ○安全衛生部計画課調査官  両方かかります。ただし、一般管理費の人件費については、役員の減少が統合時に ございますので、単純に3.2ではなくて、統合時に約2,000万を引いた上で3.2ずつ さらに減少させるということになってございます。 ○清水委員  要するに一般管理費全部、人件費も経費も含めて3.2という理解でよろしいわけで すね。そうしますと、これは役員さんの人数の減少部分は除いてマイナス3.2という ことで、かなりのマイナスになろうかと思いますが、予算の積み上げ等の段階で、ど ういったところを具体的に削減されるという御予定なのでしょうか。 ○安全衛生部計画課調査官  実際の予算としましては、17と18を比較しますと、一般管理費の人件費につきま しては10%近い削減になってございます。しかし、管理諸費につきましては、そうい う意味では3.2の減少になっているということでございます。人件費につきましては、 まず役員の給与が減るというのがございます。理事長が1人になりますのでそのあた りで減少しますし、これは前中期計画の関係になりますけれども、末で、産業安全研 究所で労務職等が退職するというのがございますけれども、そういったものも不補充 ということで人件費等については節約する。また、非常勤職員等の見直しもするとい うことで節減を図っていく。その中でやるということで、予算の範囲内で運営すると いうことを計画していると承知しておりますけれども。 ○清水委員  理事長さんが、2名が1名になるというのはそこにカウントされないわけですよね、 これは統合に伴うものですから。今のお話ですと、主要な減少要因はやはり自然減と いうのですか、おやめになる方について補充しないというのが一番の削減理由という ことで理解してよろしいでしょうか。 ○安全衛生部計画課調査官  18年度においてはそういったものになると思いますが、それ以降につきましては、 また後で出てきますけれども、管理部門については毎年人数を少なくしていくという ことでそれを達成していく計画になってございます。 ○部会長  よろしいでしょうか。ほかに御質問は。 ○酒井委員  ただいまの御説明で、最初に資料の1−6で全体的な枠組みのようなものを御説明 いただいたわけですが、確かに2つの研究所はこれまで労働災害の工学面と医学面で それぞれ専門的に調査研究されてきたわけですが、それが統合化されて業務を、言葉 としては総合的ということと一体的ということが出てくるのですが、もしかするとこ の先の御説明かもしれませんけれども、総合的、一体的ということを、実場面といい ますか、日々の業務遂行の上でどう保証されているのかという御説明をいただけると ありがたいというのが1点です。もう一つ、厚生労働大臣は立ち入り調査を研究所に 行わせることができるとありますけれども、これは具体的に、例えば何か大きな災害 が起こると警察等が関与しますよね、そういうことに対してきちんと警察と同時に研 究所の皆さんが現場に入れることが保証されているという意味ですか。それとも違う ことなのですか。 ○安全衛生部計画課調査官  まず後の方の質問につきまして御説明させていただきますが、現在大きな事故が起 きますと、中心は所轄の労働基準監督署の職員がまず現場に入ります。これは司法警 察員の資格を持っておりますので、法違反があれば送検するということで入るわけで ございます。それについて、非常に技術的に困難な場合については、産業安全研究所 なり産業医学総合研究所に応援を求めると言ったらおかしいですが、応援を求めて実 際に一緒に入って同時に災害調査を行っているのが実態でございます。この体制を維 持するということで、今回の法改正におきまして、厚生労働大臣は大きな事故が起き た際には研究所に災害調査を行わせることができるという規定を設けるというのがご ざいまして、それを設けて、かつその調査においては立ち入り検査を行わせることが できるという規定を設けて、現行やっているものが確実にできるように法律上の手当 てをするということでございます。 ○酒井委員  その場合の目的ですけれども、労働基準監督官が立ち入りするという目的と、研究 所の皆さんたちが立ち入りするという目的は、先ほど言われた、要は世の中で捜査な のか調査なのかというのが事故に関連しては大変議論があるところだと理解している のですが、その辺は、研究所の皆さんが立ち入りする目的というのはどういうことな のでしょうか。 ○安全衛生部計画課調査官  基本的には災害調査でございます。原因の究明の際には、例えばその原因となった 物質をやはり持ち帰って実際に性状の検査等をしなければいけないという場合がある わけですが、そういったものがしっかり権限としてできるようにするということでご ざいます。 ○部会長  1点目の御質問はいかがでしょうか。 ○安全衛生部計画課調査官  総合と一体的ということでございますけれども、現在も産業医学総合研究所は、あ る意味では産業医学に関連するということで医者だけがいるかというとそうではなく て、職業性疾病を防止するためには作業環境をよくしなければいけないとかいうこと で、そういった測定の専門家とか、理学部の人とか、あるいは生体影響の中では薬学 部の人とか、いろいろな専門家が総合的にやっているということでございますけれど も、今度は労働災害の原因が輻輳化している中で、安全の知識のある者と労働衛生の 知識のある者が総合的に研究をやろうということで総合というのは出ているのだと思 います。その中で一体的にというのは、今度はいろんな研究分野を設定する際に、先 ほど企画調整部門を一元化すると申し上げましたけれども、それぞれの研究専門家が いろいろいるのですが、調整部門が優先順位等も含めて一体的に問題を考えようと。 労働災害はいろんな原因が輻輳化しているということですので、そういったものを一 体的に考えて優先順位を定めて研究していこうということです。 ○鈴木委員  両研究所の方々に今御質問してもいいのですね。いきなり統合された後の業務の効 率化で、経費削減とか、あるいは業績評価が厳しくなりそうなお話が出てきているの ですが、私は、最も大事なことは研究所の研究者たちがこの統合をどう受けとめてい るのか。どういうところに明るい展望を求めていらっしゃるのか。そういったところ を両研究所の研究者の視点でかいつまんで御説明いただければありがたく思います。 ○部会長  それでは産安研の方からお願いできますでしょうか。 ○産業安全研究所理事長  産業安全研究所の鈴木でございます。私どもは統合に向けて研究員にどういうこと を言っているかというと、基本的な今までの仕事の中身に変わりがあるわけではない と。しかしながら今度統合ということでありますので、今までやってきている仕事の 視点が少し広がるよと。今までやってきている仕事は一生懸命今までどおり続けてい ただきたいけれども、今度は安全だけではなくて労働衛生の分野も少し視野に広げて 見て、それで仕事に対応するようにということを言っておりまして、私個人の理解で ございますが、研究員は、統合ということでこれからどうなるかという心配がないわ けではありませんが、基本的に動揺等は全くございません。これから前広でやってい こうと認識していると思っております。 ○部会長  ありがとうございました。産医研の方はいかがでしょうか。 ○産業医学総合研究所理事長  前に御質問がありました総合的と一体的に絡めての考えと、あとは研究員の考え方 ですね。その両方については、私どもの考えは、まず総合的、一体的というのは、要 するに管理機構を統合するということでございます。管理機構を一体にする、一つに するということ。しかもこの方式は国際的な今までの例と全く一致しておりまして、 例えばアメリカのNIOSHという組織がありますが、日本語で訳しますと今度の新 しい統合研究所と同じ名前で労働安全衛生研究所ですね。そのようなモデルで一体的 にするという、全く同じではないですが、一つのモデルです。もう一つは研究部のレ ベルでそれを一体化する。それぞれある研究、特に人間工学とかリスク管理の部です ね。それを工学の面と医学の面から両方で統合して運営するということでございます。 この辺の方向は、私は管理者の立場ですが、研究員のレベルでは特に問題なくそのま ま受け入れられております。ただもっと具体的に個人の研究員のレベルでどう受けと められているかというのは、私よりもむしろ企画調整部長の方がよくわかるので、企 画部長の方から答えさせていただきます。 ○産業医学総合研究所企画調整部長  企画調整部長の本間です。研究員の意識としては、先ほど鈴木理事長の方からもお 話がありましたけれども、統合についていろいろ不安な面もないわけではないですが、 統合の業務を進めていく中でお互いにいろいろなことをわかってきたという面もござ いまして、それほど心配することでもないなという意識でございます。  それから研究内容でございますけれども、具体的にどんな一体的、総合的な研究が あり得るかということですが、一例として考えられるのは、例えば従来安研が取り扱 うような事故のような場合であっても、その遠因といいますか、背景には例えば体調 の問題とか、そういうことも隠れていることも十分考えられまして、そこら辺のとこ ろを総合的に一体的に研究していくということも、これからは非常にやりやすくなる と考えております。以上でございます。 ○部会長  ほかにご意見はございますでしょうか。 ○田宮委員  ただいま伺っておりまして、2つの研究所が統合されることによる効果がいろいろ あるのだということを実感しております。それに関連しまして、前文の中に少し気に なる所がございます。単なる文言の問題かもしれませんが、今伺っていますと、産業 安全研の方は、ハードの方で災害防止ということで進んで伝統があります。一方、産 業医学研の方は人間の影響の方で、予防ということでずっと来られています。両方の パンフレットを見せていただいても、安全研の方は防止という言葉がずっと出ていて、 産業医学の方は予防という言葉になっています。先ほどもちょっと伺ったのですが、 防止と予防という言葉をそれほど区別する必要があるかどうかも私もよくわからない のですが、完全に区別して使っていますよとおっしゃる方のお話も時々耳にします。 この際文言ではありますが、前文がここにあることの意義も先ほど伺いましたので、 この辺の考え方も統合する上でより効果的にという意味で少し整理されたらと考えま す。  例えば、第2段落ですけれども「労働災害を防止し」とここに書いてありまして、 その下で「こうした情勢の下」その後は「事業場における災害の予防並びに」となっ ていまして、防止と予防という言葉が混在しているようにも思われます。定義を踏ま えた上での統合で使われているならそれでもよろしいかと思いますが、せっかくの前 文ですのでご検討いただいてもよいのかなと思いました。 ○部会長  これについて何かコメントはございますか。 ○安全衛生部計画課調査官  検討させていただきます。 ○部会長  ありがとうございました。よろしゅうございますでしょうか。それでは、次の国民 に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項について御説明をお 願いします。 ○安全衛生部計画課調査官  引き続きまして説明させていただきます。1−1の4ページ以降でございます。  まず「労働現場のニーズの把握」ということでございますが、これにつきましては 前中期計画と同様でございまして、現場のニーズを的確に把握するための場を設ける というふうにしているところでございます。  それから2の「労働現場のニーズに沿った調査研究の実施」ということでございま すが、これにつきましては少し変えてございます。まずプロジェクト研究、これはそ こに括弧書きで書いてありますが、「研究の方向及び明確な到達目標を定めて、重点 的に研究資金及び研究要員を配する研究をいう」としてございますけれども、これに つきまして、以前はすべてのプロジェクト研究について目標に掲げてございましたけ れども、それぞれの研究課題につきましては中期計画で定めまして、中期目標では研 究の方向について定めるというふうにしたところでございます。  またそこに、なお書きがございますけれども、「中期目標期間中に社会的要請の変 化等により、早急に対応する必要があると認められるプロジェクト研究課題が発生し た場合には、当該課題に対応する調査研究についても、機動的に実施すること」。こ れは、今までこういうのはなかったのですけれども、石綿等が急に出てくるというこ ともございますので、そういったものにも対応できるように、そういった表現を目標 に加えたところでございます。  ただ、そのまま始めるというのも問題がありますので、中期計画の方において「5 に示す評価を受けて研究を開始する」というふうになっておりますが、プロジェクト 研究というのは事前・事後、場合によっては中間を外部の研究者によって、いわゆる 第三者評価を行って実施するというふうに、それだけ研究資金とか研究員を重点的に 配するわけですので、そういった評価を受けて行うということにしてございます。そ の評価をしっかり受けてから研究を開始するという制限をしているところでございま す。  それぞれの研究の分野でございますけれども、これにつきましては、1−5の資料 の一番最後のページ、3枚目を見ていただきたいと思います。一番下にございますけ れども、「勧告の方向性」における重点4項目というのがございます。これが総務省 の評価委員会から、この分野について研究を進めていくべきだと言われている領域で ございます。疾病と事故との関連、影響等に関する労働災害の研究。高度の技術を要 する重大災害の防止対策の研究。技術の進歩に伴って発生する新しい災害動向に対処 するための研究。それから、過重労働、化学物質と職業性疾病の関連の研究というこ とでございます。  これに対しまして、上の1、2、3、4、5というのが、今回プロジェクト研究の 研究領域として設定しているものでございます。文言は変わっておりますが、1と(1) が対応するものでございまして、この分野につきましては産業安全と労働衛生のそれ ぞれの知見を生かして共同して研究を行う。いわゆる災害の防止技術あるいは災害要 因について学際的に研究を進める分野というふうに位置づけてございます。  それから、2と(2)はそのままの対応になってございます。3と(3)もそのままの対応 になっておりますが、4の過重労働と職業性疾病でございますが、これにつきまして はその研究の内容がかなり異なるということで、目標あるいは計画の中におきまして は、これを分離いたしまして、それぞれについての研究の方向性あるいは研究の課題 の設定をしているということでございます。  以上のような考え方をもちまして、資料1−1に戻りますけれども、4ページ以降 ですね。アイウエオという形で5つの研究領域を設定いたしまして、そこの括弧書き で書いてございますが、どういう研究をやるのかということを大臣の方で示して、中 期計画におきましては、例えばアの(ア)では、マニュアルの作成を行うと書いてご ざいますが、ゴールまで含めてどういう成果物を出すのかということで中期計画が書 かれています。  それから7ページの(2)でございますけれども、基盤的研究。これはプロジェク ト研究に将来つながっていくようなもの。まだはっきりしたゴールは見えないけれど も、方向性としてはこういう方向で行くんだというような研究。あるいは研究所のも ともとの研究基盤と申しますか、例えば産業医学総合研究所ではいろんな測定技術に ついて高度化を図っておりますけれども、そういった中で例えば今回の石綿障害予防 規則で定められている建材の中における含有率ですか、そういった標準化もやってい ます。そういったものが新しい中期計画におきましては、ちょっと戻りますけれども 6ページの一番上ですが、(ア)として「先端産業における材料ナノ粒子のリスク評 価に関する研究」とありますが、こういったナノ粒子の測定技術の開発、あるいはこ れはプロジェクト研究ですので単に測定技術の開発だけではなくて動物実験における 生体影響等を含めてやるような形になっておりますけれども、そういったプロジェク ト研究につながっている。そういったいわゆる研究所の基盤的な研究を行うというこ とでございます。  これにつきましては別紙2におきまして――別紙2と申しましても7ページ以降に つながっておりますが、16の研究領域を示してございます。これも従来は産業安全研 究所、産業医学総合研究所それぞれで設定しておりましたので27の領域がありました けれども、ここにありますようにリスクアセスメントという1のもの、あるいは2の 技術の進歩、3の作業環境・作業行動、4の人間工学的手法、こういったものは共通 的な研究分野という設定をしておりまして、そういった関係から16の研究領域に重点 化をしているということでございます。  8ページの3でございますが、「学際的な研究の推進」ということで、これは今回 新規に設けた項目でございまして、統合するということですので、産業安全分野、労 働衛生分野それぞれの研究者の知見を活用した学際的研究を推進するという目標を掲 げておりまして、中期計画におきましては、その研究を推進するための体制を検討し 構築する。あるいは研究の評価に当たりまして、学際的研究の推進をするんだという 観点でもってこの評価を実施して学際的研究を積極的に行う、としているところでご ざいます。  それから4の「研究項目の重点化」。これも新たに加わったものでございますけれ ども、「基盤的研究課題を精査してプロジェクト研究に重点化を行う」と書いてござ いますが、プロジェクト研究というのは、先ほど申し上げましたように、外部の評価 を受けつつ成果物も明確に定めている研究でございます。こちらの研究の方に重点を 移していくという考え方を示してございます。その関係で中期計画の方でございます けれども、基盤的研究課題につきましては、前中期計画の年平均研究課題数に比較し て20%程度減少させるということにしております。  5の「研究評価の実施及び評価結果の公表」ということでございますが、前中期計 画とここはほぼ同様の表現の中期目標になっておりますが、中期計画におきましては、 前の中期計画におきましては外部研究評価の実施のみが掲げられておりましたけれど も、先ほど申し上げましたように、研究業務、研究項目の重点化、あるいはその学際 的な研究の推進をやっていくということで、内部研究評価も充実させていかなければ いけないということで、内部研究評価につきましても新たに記載したということでご ざいます。  それから9ページに移りまして6でございますが、「成果の積極的な普及・活用」 ということでございます。(1)にありますように国内基準、国際基準の制改定への 貢献。これは前中期目標・計画にもあった事項でございます。  それから(2)の学会発表等の促進ということでございますが、これにつきまして も以前ありましたが、若干変更してございます。まず一つは、学会発表というふうに 前は限定しておりましたけれども、研究所の性格を考えますと、学会で発表するだけ ではなくて、実際にその研究の成果というのは事業場で実施してもらう必要があると いうことから考えますと、そういった実際の事業者と申しますか、あるいは安全衛生 担当者、そういった方々に研究の成果をより知ってもらう必要がある。そういうこと から括弧書きで「事業者団体における講演等を含む」という形で、そういったところ での成果の普及を図っていただきたいということをつけ加えてございます。  また論文発表でございますけれども、研究所の性格からしまして、行政の推進にい ろいろ貢献をしていただくということから、例えば今回の石綿の問題が生じた際にも 諸外国でどのような規制を行っているのかというのは行政の方で完全につかんでいな いというのもございまして、そういったいろんな調査をしっかりしていただくという のも研究所の使命です。これは直接論文にはつながらないのですが、こういったもの も重要だということで、調査報告書を含むということを入れさせていただいておりま す。また回数と報数でございますが、これにつきましては実績を見まして前回よりも 多い回数を設定しております。  それから(3)の「インターネット等による調査研究成果情報の発信」でございま すが、これにつきましては前中期計画と同様の目標・計画としてございます。  「講演会等の開催」でございますが、これにつきましても基本的には前中期目標・ 中期計画と同様のものとさせていただいております。  「知的財産の活用促進」でございますが、これにつきましても前中期計画・中期目 標と同様のものとさせていただいております。  7の「労働災害の原因の調査等の実施」でございますが、これにつきましては、前 の中期目標におきましては調査研究の中に入っておりましたけれども、これは法改正 もありますので外出しをしているということで、内容的には前中期目標・中期計画を 踏襲したものとなってございます。  それから8の「国内外の労働安全衛生関係機関等との協力の推進」でございますけ れども、これにつきましては、労働安全衛生分野における研究の中核的機関として労 働安全衛生に関する国内外の技術、制度等を収集、整理し、関係機関に積極的に提供 していこうということで、中期計画におきましても、評価委員会で評価いただいてお ります「Industrial Health」といったもの等を新たに記載しているところでございま す。  次の(2)でございますが、若手研究者の育成への貢献ですが、これにつきまして は基本的には前中期目標・中期計画を踏襲したものとなってございます。  それから「研究協力の促進」ということでございますが、これは「非公務員化のメ リットを活かし」という言葉を入れておりますが、基本的には中期目標は変わってご ざいません。中期計画におきましては、ウのところに数字がございますけれども、前 中期計画におきましてはそれぞれの法人で10人以上だったのが、20人という合わせ た数字になっているということでございます。共同研究につきましては、実際に独立 行政法人になりまして共同研究の割合が高くなってきておりますし、また共同研究を やるということは研究資源の有効活用にもつながるということで、前中期計画におき ましては産業安全研究所が10%以上、産業医学総合研究所が5%以上となっておりま したけれども、これにつきましては15%以上ということで数字を変更しているところ でございます。  9でございますが、これは新たにつけ加えたものですが、非公務員化されるという ことです。そういった中におきましても、コンプライアンスの維持をしっかり図って いかなければいけないということで、新たな項目として加えたものでございます。以 上が第3の分野でございます。 ○部会長  ありがとうございました。法人の方から特にございますでしょうか。よろしゅうご ざいますか。それでは御質問等がございましたらいただきたいと思いますが、いかが でしょうか。 ○田宮委員   研究の内容の中心のところになると思いますが、見せていただいて、研究管理シス テムというのが非常によく機能しそうな感じを持っております。先ほどの両研究所の 歴史を統合させた新しい研究分野においても、こういうシステムをつくられて研究を エンカレッジしていくことは非常にいいことではないかと思って読んでおります。去 年の段階でも、産医研の方でしたか、研究論文の数がたしか倍増近くしていたり、研 究管理システムということで研究サポート体制をシステム化することで研究成果が上 がっていくという様子が見られていますので、もう少し具体的にどのような頻度でど のような仕組みで考えておられるのか、教えていただければ参考になると思います。 ○産業安全研究所企画調整部長  研究管理システムの話でよろしいでしょうか。 ○田宮委員  はい。何回かその言葉が出てきて、それを使って研究をエンカレッジされているよ うに思われますので。 ○産業安全研究所企画調整部長  産業安全研究所の前田でございます。研究管理システムといろいろ出てくるものは、 そのシステムだけで直接研究の発表が促進されるという性格のものではなくて、研究 の進捗状況、それからその時点で例えば何報論文を出しているとか、そういうことを システム化しまして管理部門で逐次把握できるというシステムとなってございます。 そういう意味で、研究者がばらばらにどういう成果を出しているか全然上の者が把握 できないでほったらかしになるということを防ぐことによって、もっとたくさん出さ なければいけないじゃないかとか、よくやっているねと言うとか、そういうことが個 人的なレベルではなくて、研究所の評価体制全体の中で逐一見えるという位置づけで それを活用すると、研究全体の成果発表などが促進されるというものであります。  時々誤解されて別の組織などから質問があるのですけれども、研究管理システムと いうパッケージがあって、それに入力していくと自動的に動くというようなものでは ございません。広い意味のシステム、管理のやり方といいますか、そういうものを含 めて管理システムと呼んでいるようなものでございます。 ○産業医学総合研究所理事長  研究の管理システムですね。幾つか段階があるのですが、まず最初は研究計画です ね。例えば特別研究なり、基盤研究なり、所員が全体に参加する研究があるので、そ の計画につきましては企画調整部長を中心に、所員ほとんど全員に意見を出させまし て徹底的に議論をさせております。  もう一つは、所長とか理事長レベル、私のレベルの話ですが、月に1回テクニカル ミーティング、これはいわゆる学会発表と同じような、それぞれの研究者が全員1年 に1回必ず発表する。1年間の研究内容なり業績なり全部発表してもらいまして、全 員で議論して、最終的に理事長である私が総括、総合的な意見なり勧告等を発言させ ていただくという段階でございます。  それからもう一つ3番目は、研究所の中に内部評価委員会というのを設けまして、 これはそれぞれの具体的な研究内容と、もう一つは研究職員の個人業績、個人評価を、 特に今年度からは公平な形で客観的に成果があるように、例えば複数の部長さんたち 3人ぐらいが1人の研究者に対して評価をするという形で、ただやったというだけで なく本当に正確な評価のできるシステムを導入しております。以上でございます。 ○部会長  ありがとうございました。ほかにございますか。 ○中村委員  研究管理も含めてお伺いしたのですが、組織が今まで違うところで文化も違ってい るだろうと当然我々は思うわけですが、このような形でもって数も決められ、それか ら方向も決められるという場合には、やはり違う文化を融合させるという特段の努力 が必要になると思いますが、その点をどう考えているか教えてください。 ○産業医学総合研究所理事長  まず私の方から。例えば私どもの研究所は、基本的に、国際的にも歴史的にも学術 分野として確立している分野なんです。いわゆる日本語で言う労働衛生学。国際的に はオキュペーショナル・ヘルスという領域です。確かに学際領域ですから、基本的に は医学の領域と健康評価と環境評価の領域、その中にさらに細かい専門性がたくさん ありますが、基本的にそれを一体としてやるという方法論なり評価の仕方は決まって いるわけです。ですから、そういう意味では特別難しいことはない。  ただ、研究所の歴史としましては特有な研究所の歴史がありますから、その偏りを なくして総合的オキュペーショナル・ヘルスという形で統合してやっていく。あくま でも健康と環境評価、環境管理を2本立てでやっていくということで努力しておりま す。 ○産業安全研究所理事長  今度統合ということになります。仕事の中身としては、今まで産業安全研究所がや ってきた仕事、それから産業医学総合研究所がやってきた仕事、それが全くガラガラ ポンで用意スタート、一緒にやれということではなくて、今までの仕事の継続という のがあるわけですから、組織上もある意味今までの安研の部分、産安研の部分という のは、形として残る形で動き出すことになると思います。そしてこの5年間なりで本 当の統合ということが実現できると思いますが、スタート直後はある程度ですが、今 までの仕事の中身、仕事のやり方が少し残された形で本当の統合に向かって双方の研 究所で努力をしていくことになると思っております。 ○中村委員  5年ぐらいかけてという話は非常に安心するわけですが、評価もそれぞれ違う視点 での評価システムが多分あると思うので、そこら辺を無理に合わせようとせずに、な だらかにお互いのいいところをとりながら移行してほしいという気がします。統合で 一番大変なのは研究者だと思います。それが今度非公務員化となったときに、そのモ チベーションなり自負心なりをどうサポートするかというのは非常に大事になってき ます。この資料を見ますと、いろんな意味で論文や、課題をかなり多目に見ているよ うですが、これを見たときに研究者にとって夢が見えるか、明かりが見えるかという のをちょっと危惧します。これとこれをうまくやるとこういうものができるじゃない かといったものが必要になってくると思いますが、研究者を支援する意味でぜひそう いった努力をしてほしいという気がします。それがないと、研究している人間がこれ らの資料を見たときに、これからますます大変になるということだけで終わってしま うのではないかと危惧しますので、ぜひそこら辺の対応をやっていただければありが たいと思います。 ○部会長  それはコメントとして承るということでよろしいでしょうか。では市川委員。 ○市川委員  ほぼ関連した内容ですけれども、研究の中にプロジェクト研究と基盤研究、それか ら今の学際研究というのがあって、後の方で意味が違いますけれども共同研究という のがある。要するに3本の柱の中での位置づけですけれども、非常にわかりにくいの は学際研究という言葉だろうと。私なりにお聞きしていてわかりにくかった。学際研 究というのは、本来そこでやっているものが学際研究であるという表現を使われてい て、両方が合ったときにそこにでき上がってくるものが今のお話みたいなことだけれ ども、僕は学際研究かなという理解をしていたわけです。その辺のところの位置づけ をどうお考えになっているか。言葉としての使い方ですけれども、本来の目的として は、ここに書いてあるのは、産業安全分野と労働衛生分野と両方合わせた云々が学際 研究であるという表現で、それに対しての意気込みというか、あるいはその計画、ど の程度のウエートを持たれているのかという話。それはつくり出すものではないのか もしれません。ずっとお話を聞いていると、徐々に両方のカルチャーが合ってきて生 まれてくるものがそうであるという理解なのかもしれないけれども、この位置づけは 非常に重要で、今回合体したときに外から見たときの、重要な研究での発展性が望ま れる場所ではないかと思うわけです。そういう意味で、一体どういう形での位置づけ をされていらっしゃるのかということをまず1点聞きたいと思います。 ○産業医学総合研究所理事長  先ほど私が述べさせていただきましたのは、今の研究所の中の学際研究です。これ からはむしろ今の御質問のとおり2つの研究所の学際化と。それにつきましては、一 つは先ほど申し上げましたように2つの研究を統合して人間工学とかリスク管理を重 点的にやろうと。これは全く2つの研究所の学際研究でございます。要するに学際研 究というのは、基本的に境界領域を開拓するということだと思いますね。そこが総合 化と違うところです。境界領域を開拓しながら全体の統合化を図っていくということ だと思います。そういう意味で、今申しました人間工学やリスク管理ですね。これは 新しい組織図の中にも出てくる公の学際化でございます。  もう一つも同様に、今度は災害調査ですね。これは国の立ち入り検査とかいろいろ な監督が絡む問題ですが、国内でいろいろな天候障害とか労働災害が起こった場合に、 今までは個別に、安全研究所の方は特に機械とか設備類の安全管理を中心に調査研究 を、立ち入り等もやっていたわけです。私ども産業医学総合研究所の方は、むしろ労 働者への健康面、もっと掘り下げて、体の中のどういう臓器がやられているのか、あ るいは肝機能がどう変化しているかとか、別々にやっていたわけです。  それを今回新しい組織体制として、労働災害調査センターみたいな1つのセンター をつくりまして、両方一緒にやる。これはお互いに非常にメリットがあるわけで、実 際に現場の機械類等のいろんな災害ですね、それと労働者の災害は、もともと両方考 えながら有機的にやるべきで、そうじゃないと本当のところがわかってこない。それ が一体化してできるようになった。これが2つの学際化のもう一つの重要なものです。 ○部会長  ありがとうございました。大体両方を代表してお話しいただいたように思いますけ れども、よろしいでしょうか。 ○市川委員  ちょっとお聞きしたかったのは、ウエートというのでしょうか、いわゆるプロジェ クト研究、それから基盤研究、学際研究があって、一番恐れているのが、学際研究と いうのがただ存在しているということ。恐れているという言い方は失礼ですけれども、 2つの円の中でただ活動しているからその間に存在しているんだという格好にならな いように、安全センターをおつくりになって積極的にされるというのは理解できまし たけれども、ややもすると円の中にあるのが学際研究、両方の円が合った部分という 形で最後の評価の方に出てくるという点と、これに対する評価というものが、プロジ ェクト研究は外部評価がちゃんとありますという位置づけにおかれている。基盤研究 は、その萌芽研究である。学際研究というのは中において、自分たちの内部評価にお いてどんどんつくり上げていこうという形になるという理解でよろしいですか。 ○産業医学総合理事長  そうです。新しい研究と新しいセンターをつくるわけですから、当然内部の評価も 行いますし、外部の評価も行います。ほかの研究と全く同じようにやります。 ○産業安全研究所調整企画部長  研究の管理上の取り扱いといたしましては、プロジェクト研究、基盤的研究という ものがありまして、そのうちの学際研究としての性格を持つものを学際研究と呼ぶと いうように今のところ私どもでは考えております。つまり、研究の内容上、学際研究 と呼べるものが学際研究であるということで、プロジェクト研究、基盤的研究以外に 学際研究という立場で管理しようとは、私のところでは今のところ思っていないので すが。じゃあ具体的に学際はどれくらいあるかというのはまた別途、プロジェクトの 中ではこれが学際です、基盤の中ではこれが学際ですというような仕分けはできるか と思います。 ○安全衛生部計画課調査官  行政としての理解を申し上げますと、この中期目標の中で、学際的研究の推進とい うのを挙げておりますが、その中で評価に当たっては、今までは産業安全研究所は産 業安全の専門家だけがそういう意味では内部評価も外部評価もやってきた。今度は研 究所としていろんな専門家の目で評価が行われるということですから、その中でそれ ぞれの研究テーマについて、これは今まで安全の研究課題としてやられていたけれど も労働衛生的な視点を入れ込むべきではないかというふうな評価がなされたときに、 今度はそこで学際的な研究が始まる。そういった評価の段階を常に行う。したがって、 ある意味ではすべて学際的な視点でやる。実際に研究員を配置してスタートするかど うかというのはまた別の問題としてあると思いますが、その中で多分これは2つが一 緒になってやった方がより効果的だろうと思われるものが、先ほどのプロジェクト研 究で言えばアの分野。安全衛生のリスクとかそういう言葉が出てくるものは、今まで は安全だけのリスク、衛生だけのリスクだったかもしれませんけれども、これは両方 で共同してやると、より使いやすいものとか、よりよいものが出るのではないか。そ ういうことで、結果として学際的に行われる研究がどんどんふえてくるというふうに 理解しております。  まずは、いろんな両方の視点でそれぞれの研究について見るということが、ある意 味では既に評価の段階から、学際的な研究としてはスタートしているのではないかと 理解しておりますけれども。 ○鈴木委員  プロジェクト研究のエに挙がっています「過重労働や職場のメンタルヘルスに関す る研究」について御質問します。括弧の中には先ほど田宮委員が御指摘になった予防 という言葉が使われています。疾病とか、あるいは健康障害の予防といいますと、通 常、第1次、第2次、第3次と分けて考えられます。私はこのメンタルヘルスでは、 第3次ですね。特にいろいろなストレスが強くて職場を離れざるを得ない、長期間休 業せざるを得ない方々をいかにもう一度職場に復帰させるための支援を行うか、この 第3次の予防が非常に重要であろうと思っています。研究所のメンタルヘルスの予防 は、それを含んでおりますか。 ○産業医学総合研究所理事長  もちろんです。行政上、厚生労働省安全衛生部の労働衛生課の行政施策として、一 度病気になった労働者の職場復帰の問題、これは今一番基本的な大問題の1つになっ ております。基本的な施策の1つになっております。そして、いろんな面からそのよ うな活動が行われております。ですから、それに伴って私どもの研究所もいろんな調 査研究をやっております。 ○鈴木委員  ではこの機会に一言。私が所属している病院は、公立学校の教職員の職域病院なん です。今非常に大勢の職員がバーンアウトしたりして長期休業していらっしゃいます。 当院は、その方々を職場復帰させるための職場復帰トレーニングというのに非常に力 を入れておりますが、周りにそういう同じ仲間というのがほとんどありません。やは りこれはぜひ研究所でも力を入れていただきたいと思います。 ○産業医学総合研究所理事長  具体的な全国での行政サービスの面では、厚生労働省のいろいろな支援で、都道府 県に1つずつ産業保健推進センターというものがつくられています。ですからそこに 相談していただくと、いろいろな具体的な支援を受けられるわけです。場合によって は予算面の補助も出るような法律がつくられています。ですから、そういう意味でシ ステムは十分できている。ただ問題は、その運用がどこまで知られているかというこ とですね。この辺に確かに問題があるので、できるだけ広報を図りつつあるのですが、 具体的な形のあるシステムはできていて、予算面でもいろいろな補助が出ている状況 でございます。 ○鈴木委員  当院の職員が学会等で職場復帰トレーニングの実績を報告したりしますと、非常に 注目されるのですが、ほとんどやられているところはないというのが実情だと思いま す。どうぞよろしくお願いします。 ○酒井委員  両理事長のお話をいろいろ伺っていて、非常に短期間に統合化に向けて大変な努力 をされて、私たちが外から見ている以上に中ではきちんと整備されてきて、4月1日 から発足できるという思いを強くして、非常にたくましく思っています。多分国民感 情からすると、やはり両専門機関が1つになって総合的、一体的になるといったとき に、それぞれの強みを生かしてということ以上に、新しくなったことによってどう新 しい研究所がブレークするかというのには、大変関心があると思っています。そうい う意味で、それぞれのやってきたことをどう統合化するかということを含めて、先ほ ど荒記理事長の言葉にNIOSHという言葉が出たのですが、両方の物事を合わせて 現実的に進めていくというやり方と、もう一つは、これを機会にして総合研究所が何 をやるのかということを国民に示していただくということはとても意味があるし、大 事だし、そういう期待が大きいのではないかと思っているのですけれども、その辺は どんなふうかということ。  あとは、プロジェクト研究そのほかのテーマを決めるのに、例えば産医研でいきま すと21世紀研究戦略会議を何年もやっていて絞込みをやってこられた、これは各位殿 の評価でそうだったと思いますが、そういったことが今回のプロジェクトのテーマを つくっていくときにどのくらい反映されているのかということ。  それと関連ですけれども、私は両研究機関で、国際協力事業というのは今まで大変 重要な役割を担ってこられたと思いますが、国内のことはいろいろ言われていますけ れども、例えば産業発展途上国、特にアジアを見ていますと、今労働災害並びに健康 障害が大変な状況にあります。これは私が言うまでもないことだと思いますが、そう いうところに今度の新しい研究所がどういうふうに取り組もうとしているのか、この 中期計画のどこにそれが出ているのかということを御意見いただけたらと思います。 ○部会長  これはどなたからお答えになりますか。 ○産業医学総合研究所理事長  まず、新しい研究所の目玉とする組織ですね。これは2つあります。まさに今のお 答えに当たりますが、一つは、先ほど申しました労働災害調査分析センター、これは 仮称でございます。それから先ほど申しましたように、全国でいろいろな労働災害が 起こったときにそれを調査するという活動でございますね。工学と健康側と両方一緒 にやる、このセンターが一つ。これは国民向けに今後十分PRさせていただく必要が あると思います。  もう一つは、御質問のとおりの国際センターですね。今まで国際センターがあるの ですが、それをもっと拡充しまして、国際及び労働衛生研究振興センターという、こ れも仮のタイトルですが、要するに今までの国際センターの活動と、これもお言葉の 出ました過去の重点研究推進協議会という研究所が運営した協議会の勧告に基づいて それを具体化したセンターでございますが、労働衛生研究を国のレベルで振興する。 それを国際的にやるのと国内で労働衛生振興と、両方一緒にした一つのセンターにす るわけです。  ですから、先ほどの労働災害センターと国際労働衛生振興センターと2つ、これが 一番目玉になる。これは全く新しい。しかもセンターにするわけでございますから。 そういう意味で、新しい活動でございます。 ○産業安全研究所理事長  1つだけつけ加えさせていただきますと、新しい研究所になってどんなブレークを するかという期待はもちろん我々は感じておりますけれども、今まで国民の方々が、 我々のやってきた仕事を継続してしっかりやってくれ、それをおざなりにしてくれる なということもありますので、今までのことは今まで以上にきっちりしていきたいと 思っております。余計なことですが、つけ加えさせていただきました。 ○部会長  ありがとうございました。それでは次の審議に移らせていただきたいと思います。 続きまして財務内容の改善に関する事項、その他業務運営に関する重要事項について 御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○安全衛生部計画課調査官  第4の「財務内容の改善に関する事項」でございますが、この1、2につきまして は、前回の中期目標・中期計画と同様の目標とさせていただいております。  中期計画の方でございますけれども、1の運営費交付金以外の収入の確保は、前回 同様でございます。2につきましては後ほど別紙でご説明させていただきます。  第4の短期借入金の限度額でございますが、これにつきましては年間の運営費交付 金の10%程度、ある意味1カ月分と申しますか、これは例えば「交付金の受け入れの 遅延等」と書いてありますが、国会等の審議の中で予算の成立がおくれるとかいろい ろございますので、そういったことを考慮して10%について限度額として見込んでい るということでございます。  第5の重要な財産の譲渡等でございますが、これは計画としてはございません。  第6の剰余金の使途でございますが、これについても基本的には従来のものでござ います。  第7のその他主務省令で定める業務運営に関する事項でございますが、人事に関す る計画の中の、常勤職員の数でございます。これは先ほど清水委員の方から15%の削 減をどのように達成していくのかというのがございましたけれども、ここに書いてご ざいますように、一般管理部門、いわゆる調査研究に携わらない常勤職員につきまし ては5年間で6名削減する計画としているところでございます。その結果、常勤職員 につきましては121名が115名ということでございます。実際には研究員の人件費に つきましても5%削減するとなってございますので、どのようになるのかというのが ありますけれども、研究員につきましてはパーマネントに雇用する研究員の数は減っ ていくのかもしれませんが、多くのプロジェクト研究を抱える中において、そのプロ ジェクト研究のための任期付研究員の採用等いろいろあるということも考えられます ので、研究員につきましては、計画としては前中期計画期間と一応同様の数というこ とで、その結果115名としているところでございます。  中期目標期間中の人件費総額でございますが、これにつきましては後で出てきます けれども、計算式等に基づいて出されたものでございます。ただこれは、前中期計画 の安研と産医研の総額よりも上回った数字になっておりまして、なぜかという質問を いろんなところで受けているのですが、これにつきましては公務員型から非公務員型 に移行するに当たりまして、いわゆる労災保険料とか、前にあった国家公務員の短期 の法定福利費、そういった人件費の割合に乗じて必然的にかかるものについては人件 費の方にすべて入れ込んでいるということで、前は労働保険料、社会保険料等が別枠 であったわけですが、こういったものを人件費の中に入れているということでそのよ うな金額になっております。  それから施設・整備に関する計画でございますけれども、これは相当老朽化してい るので計画的に改修すべきだという御指摘が評価委員会でもあったかと思いますけれ ども、そのための調査をこの中期目標期間中に行いましたので、それに従って改修計 画を立てているところでございます。  資料1−3の方にまいりまして、後ろの方で10ページまでが今までの計画でござい まして、10ページ以降ということですが、先ほど中期計画別紙1−2の運営費交付金 の算定ルールについて御説明申し上げましたが、この計算式のもとに運営費交付金の 5年間の推移の見込みということで計算をしておりまして、それを足し上げた数字が 別紙1の中期計画の予算となっております。トータルするとそこにありますような金 額になるということでございます。  それから、別紙2に収支計画、別紙3に資金計画。そこに書いてあるとおりでござ います。以上でございます。 ○部会長  ありがとうございました。それでは御質問等がございましたらお願いしたいと思い ますが、いかがでしょうか。 ○清水委員  細かい話で恐縮ですが、今の資料1−3の別紙1と書いてある予算ですけれども、 一般会計、特別会計、その他の区分について、多分従来どおりなのかなと思いますが、 これを御説明いただきたいというのが1点です。  それから、施設に関しましては、とりあえず従来どおりの場所で研究を続けられる という理解だと思いますが、管理部門、要するに事務部門は、恐らく統合ということ をされると思いますけれども、そのあたりの御計画をちょっとお聞きしたいと思いま す。  それから、中期計画の最後の方で、施設整備費が19億ということでいろいろ計画が 書かれているのですが、今の資料1−3の別紙3の資金計画を見ますと、施設整備費 補助金が19億ですが、そのほかに多分何か運営費交付金などを財源として結局投資活 動による支出が37億と出ているわけです。この中期計画の方でいろいろ書かれている ものは、総額37億ぐらいの投資を見込まれているということでしょうか。その辺をお 伺いしたいと思います。 ○安全衛生部計画課調査官  まず最初の御質問の一般会計、特別会計のところでございますが、別紙1の運営費 交付金のところには、一般会計、特別会計しかないということで、これがいわゆる国 からの予算でございます。研究所ということで一般会計で通常手当てされているので すが、この研究所におきましては、実際に労働災害の防止に資する研究を行うという ことで、労災保険の方の特別会計、一般会計と特別会計から支出されてそういう金額 になっているということでございます。その他の方は、民間からとかの収入という形 で上がっているということでございます。 ○清水委員  これは従来の一般会計、特別会計の区分と同じなのですか。 ○安全衛生部計画課調査官  従来と考え方は変わっておりません。 ○清水委員  今のお話ですと、特別会計は特別な事業をやる会計だと思いますが、それは労災の 研究をやる会計ということですか。 ○安全衛生部計画課調査官  労働保険特別会計労災勘定から支出されている運営費交付金の額ということでござ います。 ○清水委員  運営費交付金の話はさておき、勘定区分のお話を確認したいと思っているのですけ れども、従来も2法人は特別会計を持っていましたよね。この新しい特別会計、統合 後の特別会計というのはどの部分が引き継がれてくるのか、それともまた新たな区分 けをされたのか、そこの継承関係をお伺いしたいのですが。 ○安全衛生部計画課調査官  それぞれの特別会計がくっついたものでございます。 ○清水委員  従来の特別会計が合算されたものと考えてよろしいのですか。 ○安全衛生部計画課調査官  そうです。 ○清水委員  わかりました。 ○部会長  2点目はいかがでしょうか。 ○産業安全研究所総務課長  今の御質問のところは、施設整備費が19億ということで収入にございます。この施 設整備費補助金の19億は、上の方の投資活動による支出ということで、19億がここ に含まれるかと考えております。それ以外に固定資産の施設の購入ということで、積 み上げた結果が37億ということになっております。 ○清水委員  確認ですが、そうしますと中期計画にいろいろな改修工事を書かれていますよね。 これは全部19億で賄われるということですか。 ○産業安全研究所総務課長  はいそうです。 ○清水委員  そうすると、これ以外にほかの財源から投資活動による支出として出るものが、あ と半分弱あるわけですよね。 ○産業安全研究所総務課長  機器の購入とかそういうものが資産として計上されるということが。 ○清水委員  不動産というよりも物品の購入ですね。 ○産業安全研究所総務課長  不動産ではないです。 ○清水委員  研究の器具、備品のようなものが、ほかに17億ぐらいになるということですか。 ○産業安全研究所総務課長  はい、そういうことです。 ○清水委員  そういう理解でよろしいわけですか。わかりました。あと管理部門について。 ○安全衛生部計画課調査官  管理部門につきましては、本部としては産業安全研究所の場所に置くわけでして、 当面は支払い業務とかそういったものについては本部で一括して行う。ただ、例えば 物品の検収をしたりする業務とかがありますので、人はそれぞれにある程度の人数は 配置せざるを得ないと考えております。そういう形で、一本にできるものは一本にし て本部でやっていくという考え方でございます。 ○部会長  ほかにございますでしょうか。 ○酒井委員  統合化するわけですから、過渡状況というのが起こるのではないかと思うんですね。 両機関で使っていたコンピューターの統合のためにどうするかとか、一部それに伴う 改修、改装が起こるのではないかとか、一部引越しがあるのではないかというような ことを思うのですが、その辺の予算措置はこの中でどのようになるのでしょうか。 ○安全衛生部計画課調査官  運営費交付金の中で、理事長の裁量の中でそういった経費を生み出していただくと いう考え方でございます。ある意味では、即できるものもあれば5年間でやるものも 出てくると思いますけれども、それは統合を進めつつ、その運営費交付金の中で理事 長が考えて支出していくということで、統合のためにこの予算を積んでいるというこ とはございません。先ほどの運営費交付金算定ルールに従いまして、管理部門につい ては3.2%、事業部門については1.02%むしろ削減するという形での予算になってい るのが実態でございます。 ○酒井委員  わかりました。我々が一番興味を持つのは、コンピューターがいろんな大企業など の統合でもトラブルを起こすようなことがあるのですけれども、そのようなことは今 両研究所の間ではないのですか。使っているソフトが違うためにとか。 ○部会長  いかがでしょうか。むしろ法人の方から。 ○産業安全研究所企画調整部長  コンピューターにつきましては、基本的に同じようなことをする性格のものではな いので、独自にそれぞれのサイトで運営していくというスタイルでいきます。ただ、 例えばホームページの管理とか外部から来るメールの管理とか、そういうものはたし か産業安全研究所側で一たん受けて、そこを中心にしてそれから産業医学総合研究所 の場所に送るとか、そういうやり方をしています。銀行業務のように外部のお客様に 即コンピューターで何かをするという性格のものではなくて、大きなものは研究員の 研究用として使うものですので、それほどソフトの互換性がどうだとかいうことは意 識しないで運営できると思っております。 ○安全衛生部計画課調査官  先ほどの答えで誤解があるとあれなので。統合によって全く予算を見込んでいない ということではなくて、2つだけ見込んでいるものがあります。先ほどの削減とは別 に見込んでおります。一つは労働保険の適用になるので、労働保険料についてはこれ までのものではなくて、総額で2,700万ぐらいですけれども、そこは上乗せをしてお ります。  あと、統合することによって資本金が100億を超える予定でございまして、そうし ますと法律によって会計監査人を選任しなければいけないとなりますので、その費用 については別途入れてございます。ただ、先ほども申し上げましたように、システム の統合とかそういったところについては見込んでおりません。以上2つは予算として 別途計上しているということでございます。 ○中村委員  先ほどの説明の中で、「災害調査というものに対しては立ち入り調査権とかを保証 しました」というわけですが、それに対する予算的なものはどういう形になるのか教 えていただきたいと思います。 ○安全衛生部計画課調査官  今運営費交付金の中で、どれだけの予算をみるのかということでやられているのが 実態でございます。いわゆる災害に行けば当然旅費等がかかりますけれども、それは 運営費交付金の中で実行計画と申しますか、各研究所で実行計画を立てて、その予算 を使って行っているというのが実態でございいます。 ○部会長  そのほか全般的なことも含めて何か御質問等ございますでしょうか。 ○田宮委員  システムのお話ともちょっとかかわるのですが、労災調査分析センターというお話 が出ましたが、従来の両研究所を見せていただきますと、労働災害の統計的研究の方 は安全研の方でやっておられて、業務上疾病の統計の方を産医研でやっておられます。 これは両者ともデータベースではないかと拝見しているのですが、独法化になってそ の辺のデータの入手が難しくなっているということもお聞きします。そのことを踏ま えて別々に分析するよりは一緒にシステムとして分析される方が効果が上がるのでは ないかと思われます。すぐには難しいでしょうけれども、もし統合で一緒にというお 考えがあれば、なければ今後の課題として御意見を伺えればと思います。または、コ メントとして扱っていただいても結構ですけれども。 ○部会長  今のお考えについては何かございますか。 ○産業安全研究所企画調整部長  リスク関係では共同で研究しようという動きがありますが、統計処理につきまして は、今のところそういう声は上がっておりませんので、宿題として持ち帰らせていた だきたいと思います。 ○産業医学総合研究所企画調整部長  産医研の方もほぼ同様でございまして、基本的に従来と同じような疾病統計、情報 の分析というものを続けていきたいと考えております。 ○田宮委員  独法化になって国の統計が入手できなくなったというのは、やはりそうなのでしょ うか。 ○産業医学総合研究所企画調整部長  やはり従来国の一部であった、平成12年までですけれども、独法化する以前は国の 機関であったということで、そういう情報の入手は可能でしたけれども、独法化によ ってそこら辺が難しくなってきているという状況でございます。 ○田宮委員  その辺を何とか、個人情報などに配慮しながら、こういう研究所にこそ入手できる ような体制があるべきかなという気もいたしますので、御検討いただければと思いま す。 ○安全衛生部計画課調査官  行政の方の課題でもあると思いますが、ただ、行政が行う災害調査の結果について も国の判断部分以外は公表すべきではないかということで、だんだん判例が出てきて おりまして、そういう意味では国の情報も今度は研究所だけに公開ということではな くて、逆に一般に公開、そのうちの一つとして研究所もあるということになるかもし れません。その辺が今だんだんと進んできている、検討しつつあるという状況でござ います。 ○部会長  ありがとうございました。そのほかございますでしょうか。 ○政安委員  統合効果として常勤職員の数を減らすという形で、一般管理の部門だけ6名と限定 されているようですが、研究職と非研究職の割合等を教えていただければありがたい のですが。 ○安全衛生部計画課調査官  121名のうち、25名が間接部門に従事している者でございます。 ○部会長  ほかにございますでしょうか。それでは今後の進め方につきまして、事務局より御 説明をいただきたいと思います。 ○政策評価官  前回今回と短期間に2回の御審議をありがとうございました。本日御議論いただき ました労働安全衛生総合研究所の中期目標及び中期計画の案でございますけれども、 本日の議論を私ども事務局として伺っておりましたところでは、目標につきましては 一部文言の使い方という御質問をいただいて検討という形で担当局の方が申しており ますので、そこのところは少し整理をさせていただこうと思っておりますが、どうい う形になるのかを含めまして、もしお許しいただければ、その部分を整理した上で部 会長と御相談させていただいて次回この機会においてその結果を御報告するような形 で進めさせていただけないかと。  また中期計画につきましては、きょうおおむねそれぞれの御議論をいただき、また それぞれ御説明させていただけたかと思いますけれども、引き続き若干政府部内にお ける調整も並行して行っている点もございますので、最終的には次回3月14日の時点 で前回御議論をいただきました国立健康・栄養研究所の分もあわせて御報告させてい ただき、また必要があれば追加で御議論をいただくということで進めさせていただい てはいかがなものかと思っております。部会長の方で御進行いただければと思います。 ○部会長  ありがとうございました。ただいまの事務局の御説明でよろしゅうございますでし ょうか。 (了承)  ありがとうございました。それでは、本日の審議におきまして委員の方々から御指 摘をいただきました事項につきましては御留意をいただきつつ、事務局の方で今後の 作業をお進めいただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。 3.閉会 ○部会長  それではそろそろ時間でございますので、事務局から連絡事項がございましたらお 願いいたします。 ○事務局  次回24回の調査研究部会は、3月14日火曜日17時から19時まで、同じこちらの 厚生労働省省議室において開催を予定しております。お諮りいたします議事といたし ましては、国立健康・栄養研究所及び労働安全衛生総合研究所の中期計画案と業務方 法書等に係る審議を考えております。どうぞよろしくお願いいたします。 ○部会長  それから、部会構成委員分属については御説明ございますでしょうか。 ○政策評価官  前回から田宮委員に御参画をいただき、今回鈴木委員に部会長代理という形で御指 名をいただきましたので、それに基づいて整理させていただいたということでござい ます。引き続き今後ともよろしくお願い申し上げます。 ○部会長  ありがとうございました。本日は以上とさせていただきたいと思います。長時間に わたり大変熱心な御審議をいただきまして、まことにありがとうございました。 (終了) 照会先:政策統括官付政策評価官室 企画係 電話 :03-5253-1111(内線7783)