06/02/16 第20回中央最低賃金審議会議事録 第20回中央最低賃金審議会議事録 1 日 時 平成18年2月16日(木)11:00~11:20 2 場 所 経済産業省別館1111号会議室 3 出席者 【委員】 公益委員 今野会長、石岡委員、鬼丸委員、勝委員、中窪委員 労働者委員 弥富委員、加藤委員、須賀委員、髙橋委員、中野委員 使用者委員 池田委員、川本委員、杉山委員、原川委員 【事務局】厚生労働省 青木労働基準局長、青木勤労者生活部長、 前田勤労者生活課長、名須川主任中央賃金指導官、 山口副主任中央賃金指導官、梶野課長補佐 4 議事次第 (1)会長及び会長代理の選出について (2)その他 5 議事内容 ○前田勤労者生活課長 勤労者生活課長の前田でございます。本日はお忙しいところ、ご出席を賜りましてあ りがとうございます。今回の会議は、1月に委員の改選がありまして、初めての会議で ございます。お手元に皆様の辞令とともに、新しい委員名簿を配付させていただいてお りますので、ご確認いただければと思います。 会長が選出されるまでの間、私どもの方で進行を務めさせていただきますので、よろ しくお願いいたします。なお、本日は樋口委員、久保委員、前田委員、竹口委員がご欠 席です。 まず、青木労働基準局長よりご挨拶申し上げます。 ○青木労働基準局長 労働基準局長の青木でございます。今回は、委員改選後初めての審議会ということで ございます。皆様方におかれましては、大変お忙しい中、中央最低賃金審議会委員を、 昨年に引き続き、あるいは新たにお引き受けいただきまして、誠にありがとうございま す。 最低賃金制度については長い歴史を持って運用され、またその中では、関係者の方々 の工夫がなされながら、運営をされてきたと思っております。最近の状況でも、最低賃 金法違反事件などが少し目立つようになってまいりましたし、いろいろな経済情勢や雇 用を巡る状況というものの変化を反映しているかなと思っております。そういう意味で も、最低賃金制度はますます重要だと思っております。 そういう中で昨年から、この制度のあり方について、労働政策審議会の最低賃金部会 で検討が進められておりまして、昨年11月に公益委員試案が提示され、その段階では合 意に至らないということで、引き続きさらに議論を深めることになっております。こう いった制度のあり方そのものについての見直しが進められている中ではありますが、成 案になったあかつきには、運用等にも反映されることになろうと思っております。当面、 そういう意味では、様々な変化の中での最低賃金制度の運用ということになりますが、 審議会のご議論が実り多きものとなりますよう、格段のご配慮をよろしくお願い申し上 げます。 ○前田勤労者生活課長 また、ご案内のように、昨年9月末をもって賃金時間課が廃止され、最低賃金行政は 勤労者生活部勤労者生活課の方で担当することとなりましたので、事務局の担当が変わ っておりますので紹介いたします。勤労者生活部長の青木です。 ○青木勤労者生活部長 青木でございます。よろしくお願いします。 ○前田勤労者生活課長 次に、今回新しく委員に就任された方をご紹介申し上げます。資料No.1の委員名簿を ご覧ください。労働者側委員で、横山委員が退任され、新たに情報産業労働組合連合会 中央執行委員の髙橋洋子委員が就任されました。また、使用者側委員が、東條委員及び 内海委員が退任されまして、新たに株式会社総合印刷新報社取締役会長の竹口茂子委員 及び株式会社イセタンクローバーサークル代表取締役社長の前田薫委員が就任されてい ます。新しく就任された方からご挨拶をお願いします。 ○髙橋委員 髙橋でございます。よろしくお願いします。 ○前田勤労者生活課長 竹口委員と前田委員は、本日ご欠席でございます。 次に、会長及び会長代理の選任に移らせていただきます。最低賃金法第30条第2項の 規定により、公益委員のうちから委員が選挙するという手続になっています。いかが取 り計らいますか。 ○石岡委員 公益委員の今野委員に会長を、それから樋口委員に会長代理を引き続きお願いしたい と思いますが、いかがでしょうか。 (異議なし) ○前田勤労者生活課長 それではご賛同いただきましたので、今野委員に会長を、樋口委員に会長代理をお願 いいたします。本日、樋口委員はご欠席です。今野委員には会長の席に移っていただき、 ご挨拶をいただければと思います。 ○今野会長 一言ご挨拶申し上げます。ご指名いただきまして、大変ありがとうございます。今年 も目安はありますが、もう1つは局長もお話になっていましたが、部会での最低賃金制 度の見直しに関連する問題がございます。ですから大変難しい問題を2つ抱えてやって いく1年になると思いますので、こちらとしては気合いを入れていきたいと思いますの で、ご協力のほどよろしくお願いいたします。 ○前田勤労者生活課長 それでは、以降の審議会の進行は、今野会長にお願いいたします。 ○今野会長 それでは、労働政策審議会労働条件分科会最低賃金部会の検討状況について、事務局 からご報告をいただきます。 ○前田勤労者生活課長 資料No.2をご覧ください。1枚目にありますように、昨年4月に厚生労働大臣から労 働政策審議会に、「今後の最低賃金制度のあり方について」の調査審議を求めるというこ とで、諮問がなされています。1枚めくっていただいて、労働条件分科会の中に最低賃 金部会が設けられ、審議をいただいています。委員については、この中央最低賃金審議 会の委員と重なっている方もかなりいらっしゃいます。 3枚目は、最低賃金部会の審議の状況です。昨年6月16日に第1回が開かれ、今年1 月まで10回にわたって審議がなされています。その中で、第7回の昨年11月に公益委 員試案が提示され、それについてご議論をいただいています。 1頁で、公益委員試案は、昨年出されたものについて、その後さらにご議論いただい て、今年1月の段階で修正等された案です。大きく産業別最低賃金のあり方、それから 地域別最低賃金のあり方と2つに分かれています。 産業別最低賃金については、基本的考え方として、最低賃金については安全網という ことで、それについては地域別最低賃金に特化する。産業別最低賃金については、基幹 的な職種に応じた企業横断的な処遇の確保を通じて、労働生産性の向上に資するように ということで、最低賃金法とは別の法的根拠を設けて、職種別設定賃金の形でやってい こうというのが、基本的な考え方です。 2頁で、2の具体的な方向では、「職種別設定賃金」を、労働協約の適用状況等が一定 の要件を満たす場合に、労使の申出によって最低賃金審議会の審議を経て決定する。こ の職種別設定賃金については、民事的な効力を有するものということです。 労働協約の拡張方式は廃止するというのが、基本的な考え方です。運用についても、 基本方針ということで、(2)に書かれていますが、3頁で、さらに、引き続き関係審議 会において、運用の詳細については検討し、具体的内容を決定するというのが、この公 益試案の考え方です。 3頁の大きなIIの地域別最低賃金についてですが、「具体的方向」にありますように、 1つは、地域別最低賃金については、各地域ごとに、すべての労働者に適用される最低 賃金を決定しなければならないということで、必ず決定するという形に改める。4頁の 決定基準について、生活保護との整合性も考慮することが謳われています。さらに(4)で は、罰則については、地域別最低賃金違反については労働基準法24条違反よりも罰金額 を高くする。その他として、派遣労働者については、派遣先の地域別最低賃金を適用す るといったような内容が盛り込まれています。 運用の詳細として、さらに具体的な方法等について、引き続き検討し、具体的内容を 決定するというのが、基本的な内容です。 この試案について、最低賃金部会でご議論いただいたわけですが、この1月に、これ までの中間的なまとめということで、報告がされています。資料No.2の最後の別紙で、 「今後の最低賃金制度の在り方について」ですが、この公益委員試案を前提に、詳細を さらに検討するということで、合意できるという意見があった一方、公益委員試案につ いて、さらに詳細について検討しなければ合意できないという意見が示されたというこ とで、現段階では合意を得ることができなかったということです。部会としては、この 公益委員試案を尊重しながら、引き続き議論を継続していくということで、まとめられ ております。今後さらに、部会において、取りまとめに向けてご議論をいただければと 考えております。以上です。 ○今野会長 以上の報告について、ご質問ございましたらどうぞ。 ○加藤委員 報告内容についてではございませんが、公益、使用者側各側委員、並びに事務局に一 言お願いを申し上げておきたいと思います。ただ今ご報告にあったように、最低賃金部 会での審議は、引き続きの継続的な審議の扱いということになったわけであります。部 会でもちょっとお願いを申し上げたところでありますが、今年度の地方最低賃金審議会 における産業別最低賃金並びに地域別最低賃金の審議がこれから行われるわけでありま すが、継続審議ということでありまして、現行制度の枠組みでの運営ということになる わけですので、円滑な運営に至るよう、ご対応方を是非よろしくお願い申し上げておき たいと思います。 ○今野会長 ご希望でお聞きしておけばいいですか。何か事務局ございますか。 ○前田勤労者生活課長 昨年から最低賃金部会において見直しの議論が始まりました。昨年からもそういうご 要望を承っているところです。この中央最低賃金審議会におけるそういったご意見、あ るいは最低賃金部会の状況については逐次地方にも情報をお伝えしているところです。 また各種の全国会議等において、この制度見直しの議論と、現行制度に則った地方最低 賃金審議会の審議というものは切り離して行われるべきということで、これまで指導し てきているところです。そういったことで、結果的に昨年大きな混乱はなかったのでは ないかと思っておりますが、来年度の地方最低賃金審議会における審議においても、そ ういう影響が出ることのないよう、引き続き適切に指導してまいりたいと考えておりま す。 ○青木労働基準局長 今の話の補足ですが、今週も全国の労働局で最低賃金を所管しています基準部の基準 部長会議を開いた際にも、私からも同様の趣旨の話をして、指示をしておきました。前 からの話もありましたし、見直しは見直しとしてもちろん話もしましたけれども、その 中にあって現行制度で粛々と従来どおり円滑にやるべきものはやるということの指示も しておきました。ご報告しておきます。 ○今野会長 他にございますでしょうか。それでは大変短い時間で終わりまして、ご協力ありがと うございます。 ○池田委員 個人的な意見でございますけれども、4年間やらしていただいて、最終日は特に徹夜 になるのですが、私、あまり効率いいとは思わないので、むしろ地下鉄の動いている時 間までにやめて、翌日もっとやるとか。朝までやられると、翌日も使いものにならなく なってしまって、丸々2日ということなので、むしろ頭さわやかなときに論議するなら、 徹底的に論議して。待っている時間も多いし、朝5時、6時というのを4年間経験した わけですけれども、前例は前例として、将来の方向としてもう少し効率よくやる方法も ないものかなということで、個人的な意見として申し上げておきます。 ○今野会長 たぶん皆さん、個人的には同様に思っていらっしゃると思います。それではこれをも ちまして、第20回中央最低賃金審議会を終了させていただきたいと思います。 本日の議事録の署名ですが、弥富委員と池田委員にお願いをいたします。それでは終 わります。ありがとうございました。 【本件お問い合わせ先】 厚生労働省労働基準局勤労者生活部 勤労者生活課最低賃金係 電話:03-5253-1111 (内線 5532)