06/02/09 第30回社会保障審議会障害者部会議事録 第30回社会保障審議会障害者部会議事録  日  時:平成18年2月9日(木)10:00〜12:30  場  所:厚生労働省9階 省議室  出席委員:京極部会長、嵐谷委員、安藤委員、伊藤委員、猪俣委員、江上委員、                                         大濱委員、岡田委員、北岡委員、君塚委員、小板委員、古畑委員、 笹川委員、新保委員、末安委員、高橋(紘)委員、丹下委員、 堂本委員、長尾委員、野中委員、広田委員、福島委員、星野委員、       町野委員、松友委員                 ○京極部会長  定刻となりましたので、ただいまから第30回社会保障審議会障害者部会を開催させて いただきます。  委員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、まことにありが とうございます。本日は12時30分までの2時間30分の予定で進めさせていただきます。  事務局から委員の出欠状況及び資料の確認をお願いいたします。 ○企画課長補佐  委員の出欠状況ですが、本日は岡谷委員、亀井委員、小林委員、高橋清久委員、武田 委員から欠席との御連絡をいただいております。また、堂本委員がおくれておられるよ うです。  傍聴の関係ですが、多数の御応募をいただいており、今回はやむなく抽選させていた だいておりますことを御報告いたします。  続きまして資料の御確認をお願いいたします。お手元に配付させていただいている資 料は、資料1、新しいサービスに係る基準・報酬について。  資料2、障害福祉サービスの基盤整備について。  資料3、障害児施設の契約制度以降による指定基準・給付費算定基準の考え方につい て(18年10月施行分)。  参考資料、平成18年度予算(案)の概要(障害保健福祉部)。  以上でございます。  また、委員提出資料(1)〜(14)として、事務局の要請に基づいて事前に各委員から提出さ れました資料についてお配りしております。資料番号については事務局の方で順不同で つけさせていただきました。本日、資料を提出いただきましたのは、猪俣委員、広田委 員、伊藤委員、星野委員、君塚委員、岡谷委員、松友委員、嵐谷委員、小板委員、北岡 委員、大濱委員、末安委員、武田委員、堂本委員、以上14人の委員です。  以上、資料の不足等がございましたら、御指摘をお願いしたいと思います。よろしい でしょうか。 ○京極部会長  それでは議事に入ります。12月5日に開催されました前回の障害者部会では、主に障 害者自立支援法の施行準備状況について事務局から説明いただき、それに基づいて委員 から御意見をいただきました。本日も前回に引き続き、施行準備状況等について議題と したいと思います。なお、前回の障害者部会の際に委員の皆様から議事進行についてさ まざまな御指摘がありました。特に発言がなかなかできないということがあって、そこ で本日の議事進行については次のような扱いにしたいと思います。まず、発言を希望さ れる委員には申し出ていただき、私が発言者を指名いたします。発言については1人当 たり2分をめどにお願いしたいと思います。2分経過しましたら私から合図を送らせて いただきますので、御協力をお願いいたします。ここに砂時計がございまして、これが ちょうど2分ということであります。1人2分というルールを守っていただきますと、 すべての委員が発言できますので、その後、さらに追加発言ということで時間の余裕も ございますので、よろしくお願いいたします。  次に、各委員から提出されている資料について、今回は議事進行の関係上、発言のか わりとなるようにこちらからお願いして提出していただいた資料ですので、読み上げて 発言にかえるというのはなるべく避けていただきまして、こういう資料が出ているとい うことで記録としてきちっと残りますので、それを補強する意味でコメントがあれば追 加していただく。資料としては議事録とともに記録されておりますので、よろしくお願 いいたします。  それでは事務局より、平成18年度予算障害保健福祉予算関係について簡単に御説明い ただいた後、続けて障害者自立支援法の施行準備状況等について報告をしていただきま すが、できるだけ簡潔にお願いいたします。 ○松嶋企画課長  18年度予算(案)の概要について、参考資料をお開きいただきたいと思います。まず 2ページ、障害保健福祉部全体の予算の姿が出ております。17年度予算7525億に対し て8131億。606億円増ということで、伸び率8.1%ということで、厳しい財政状況の中 ではございますけれども、制度改正等ある中、プラスを確保したということでございま す。  義務的経費の分で604億円増で確保しております。その主な内容としては、介護給付 ・訓練等給付に、ホームヘルプとか支援費と言われていた施設のやつがここに入りまし たので、4131億円、公費負担医療が862億円、特別児童扶養手当等々で911億円という ことで、18年度義務的経費は7272億円ということでございます。これで604億円、対 前年度伸びております。  裁量的経費も10億円伸ばして、総額812億円。その主な内容としては、地域支援事業 6カ月分で200億円。平年度ベースにすると400億となります。障害者就労訓練設備等 整備事業で20億、障害保健福祉推進事業等で35億円、社会福祉法人減免等で36億円と いう内容になっております。  右の方は直轄の国立施設の部分でございますので省かせていただきます。  3ページを開いていただきますと、4130億円の個別給付になった介護給付・訓練等給 付のシェア率が右で決まっております。備考欄です。訪問系9.8万人、610億円。グル ープホーム・ケアホーム3.5万人で180億。日中活動、居住サービスで32.1万人、3230 億円。その他ショート等で110億。この体系ごとのシェア率がこのように決まっており ます。ここは大事なところでございます。  それから、「○新(○の中に新)」で、障害者就労訓練設備等整備事業ということで 20億とってございます。この20億はどういう費用かというと、新しい体系に行くよと いったときに、助成金で1都道府県に3カ所くらいにしかならないとは思いますけれど も、300〜500万程度の各所修繕的、もしくは設備、新しい制度に移行するという前提で す。県で選定してもらってもらえるということで、20億用意してございます。  それから、35億の中の5億円というのがございます。それは6ページを開いていただ きたいんですけれども、対象事業というのがございます。30億。これは専門用語で施行 事務費要件でございます。市町村に流す事務費でございます。大事なのは(2)です。 先駆的モデル事業で5億円ということで、例えば就労とか福祉、医療との連携事業の充 実を図りたいとか、障害者に対するいろんな推進事業をやっておられるところについて 5億円、これは都道府県でも結構、団体でも結構でございます。定額補助5億円を用意 してございますので、ぜひともこの辺の御活用をしていただければと思います。精神の 長期入院患者7万人対策をどうしようかということの促進事業費とか、虐待だとか、移 動のための先進的な市町村があって、そこを利用してみたい、ITを利用した障害者福 祉サービスの提供事業もやってみたいとか、そういったときにはこの5億円を使えると いうことでございます。1事業当たりどのくらいかというと、2000万程度を考えており ます。どのくらいの箇所数かというと、20〜30程度の事業は組めるのではないかと考え ております。  もう一つは、社会福祉施設等施設整備費で、障害者の社会福祉整備費は83億というこ とで予算を組んでおります。収容施設は建てかえはだめなのかとかいうことは言いませ ん。ただし、収容施設を建てかえるときには、でき得る限り、何割かは地域に返すとい うことで、定員減で地域の通所の方に切りかえてもらうという努力もしていただきたい と思っております。また、補正予算で、アスベストとか、耐震強化対策とかいうことで 133億円をとってきてございます。  私からは以上でございます。 ○京極部会長  ありがとうございました。では資料1から説明をお願いいたします。 ○伊原企画官  障害保健福祉部の企画官をしております伊原でございます。資料は先般事前にお送り させていただいておりますので、きょうは委員の方々の御発言の時間を確保するという ことから簡単な説明にとどめさせていただきたいと思います。  資料1、新しいサービスに係る基準・報酬についてということでございます。3ペー ジをお開きいただけますでしょうか。基準・報酬の設定に当たっては、地域生活移行や 就労支援といった課題への対応、重度障害者への支援の充実等を図るとともに、質の高 いサービスがより低廉なコストで、できる限り多くの方に提供されるように、利用者の 状態像やサービス機能に即した基準・報酬を設定するという考え方のもとに、行うこと としております。  18年度予算に関しては、下にあるようなシェアで考えております。報酬単価について は全体で△1.3%。地域生活移行や新しい事業体系への移行という観点から、居宅系サー ビス、新しい体系のサービスは△1%とし、旧体系の施設からの移行をする場合は移行 時支援措置を講ずることを考えております。  具体的には、大きく7つの考え方を基に御提案させていただいております。1、地域 生活を支えるサービス基盤の充実。2、利用者の状態像やサービス機能に即した評価。 3、目標の達成度に応じた評価。指標を設け、指標を達成したかどうかで報酬面にそれ を反映させていくという考え方です。4、規制緩和を通じたサービス提供の拡充。5、 利用実態に応じた支払い方式への転換。今回、利用者負担がサービスの利用量に応じた 負担となりますので、今までのように月でまとめてお金を払うという仕組みから、毎日 の利用実績に応じて払う日払い方式への転換を考えております。6、サービスの評価の あり方の見直し。7、円滑な移行の推進です。  その中で訪問系サービスでございます。8ページをごらんいただけますでしょうか。 今回の自立支援法に基づくサービスの再編の内容が出ております。現在の支援費制度、 あるいは精神の居宅生活支援事業、居宅介護という枠組みになっておりますが、これが 新しい制度のもとでは自立支援給付と地域生活支援事業という形で再編されまして、自 立支援給付の中は居宅介護、行動援護、重度訪問介護、重度障害者等包括支援という枠 組みになります。地域生活支援事業には移動支援事業が位置づけられることになります。  ポイントとしては、人員基準のところについて、サービス利用実態に適した内容とい うことで、短時間の集中的な利用のケースと、重度の方に対して長時間滞在してサービ スを提供するケースとで中身が随分違いますので、実態に適した内容にしていくととも に、著しく重度の障害者の方への配慮をしていくこととしています。また、国庫負担基 準については、財源に限りがあるという中でいかに公平に配分していくかということを 基本に置きながら、同時に、障害の程度区分ごとに設定していくという考え方で考えて おります。  9ページに、訪問系サービス利用者像が示されております。居宅介護、行動援護、重 度訪問介護、重度障害者等包括支援、それぞれについて利用者像を提案させていただい ております。特に今回新しく制度化されました重度障害者等包括支援でございますけれ ども、この対象者については、障害程度区分6(要介護度5)に該当する方のうち、意 思疎通に著しい困難があって、コミュニケーションが難しくて多くの支援を必要とする という方を念頭に置いて、大きく3つの類型を提案させていただいております。一つが、 気管切開を伴う人工呼吸器による呼吸管理を行っておられる方。あるいは重度の知的障 害であって、かつ寝たきり状態にある、いわゆる重症心身障害児者と呼ばれる方。3番 目に、強度の行動障害を有する方。こうした方々を重度障害者等包括支援の対象として おります。10ページにはその利用者数の見込みが書かれています。  11ページには、こうした訪問系サービスの人員運営基準、報酬基準の考え方を示して おります。身体介護、家事援助については、短時間での集中的なサービス提供にふさわ しい基準にするという観点から、30分単位のきめ細かな単価を設定するとともに、サー ビス提供に当たっては、一定の時間内に集中してサービス提供を行う仕組みにしていこ うと。従事者要件についても、このように短時間に集中的にその方に対するサービスを 提供するという観点から、より高い専門性が求められるということで、1級または2級 ヘルパーを基本としていく。3級その他の方がやる場合については減算を行う。  重度訪問介護に関しては、むしろ長時間相手と向き合ってサービスを提供するという 内容ですので、3時間を超えるサービス提供を基本として行う。現在、日常生活支援と いう、これに似たサービスがございますけれども、比較的短時間で支給決定が行われる ということもあって、しばしば批判を受けるところでございますが、今回は3時間を超 えるサービスという形で位置づける。  報酬の考え方についても、ホームヘルパーの1日当たり費用ということを勘案しなが ら決めていくべきではないかと考えております。その際、特に著しく重度な方に対して は一定の評価を行ってはどうかと考えております。  12ページにございますように、従事者の資格要件については、利用者の方とのコミュ ニケーションが大事であるということから、現在の基準を見直していく。行動援護とい うのが昨年4月から実施されておりますけれども、地域間で普及度がばらついていると いうことがございます。したがって、研修の制度化を図った上で、経過的措置として資 格要件の緩和を行ってはどうか。この緩和を行った場合、本来の要件を満たさない方が サービス提供を行う場合については減算を行うというように考えております。  13ページに、重度障害者等包括支援という新しいサービスが提案されております。こ のサービスについては、対象者の方が最も重度な障害程度区分に該当するというほか、 意思疎通に著しい困難を伴っている方であることから、複数のサービスを長時間にわた り必要とする場合が多い。まT、体調の変化が大きくて、しばしば緊急のニーズへの対 応が必要となるといった特性を踏まえて設定していく。  こうした方々を対象とするサービスでありますし、必要とするサービスを一つの事業 者が包括的に提供するという内容でございますので、特に質の確保については十分な配 慮を行うことを考えております。  14ページにイメージがございます。今の支援費制度ですと、一つ一つのサービスを個 別に支給決定しておりますが、今回は対象者ごとに標準的な個別支援計画をつくってい ただきまして、これをもとに1単位4時間という考え方で支給決定をし、その中で、そ の日ごとの状況に応じ、フレキシブルにサービスを組み合わせてやっていただいてはど うかと考えております。ただ、こういう形で実施されますと質の確保が非常に大事だと いうことになりますので、質の確保のための要件を満たしていただくことが必要ではな いかと思っております。  15ページに参りまして、国庫負担基準の考え方であります。地域格差が大きい中で、 限られた国費を公平に配分する観点から設定するということで、訪問系サービスを対象 に設定したいと考えております。通所系サービスも含めた全体の設定については、来年 10月に国保連に全国統一の給付管理システムが導入されますが、その段階で検討してい きたいと思っております。  この国庫負担基準というのは、利用者1人当たりの支給上限額ではなく、市町村に対 する国費の配分基準額でございまして、具体的なサービス量については一人ひとりの状 態に応じて市町村が決定することになります。基準額の設定の考え方ですけれども、現 在の市町村の支給実績、支援費の国庫補助基準額を勘案し、全国の9割程度の市町村の 支給実績をカバーできるように設定したいと考えております。  具体的には17ページに絵がございます。現在の市町村の平均をとって並べてみます と、左側に山がある分布になっております。全市町村の平均が5万4000円の水準ですが、 全体として9割をカバーする水準で設定していきたい。この国庫負担基準を超える自治 体についても、平成17年度国費補助の実績を踏まえて行うような形で運営していきたい と考えております。  15ページに戻っていただきまして、新しく制度化された重度障害者等包括支援の基準 額については、著しく重度な障害者の方の給付実績、約36万円というのが今の実績でご ざいます。入所サービスの報酬水準、約32〜45万円、知的障害者では35〜40万円とな っておりますが、こうしたものを勘案して決めていきたい。  16ページ、経過措置でございます。現に利用されている方々への配慮という観点から、 施行時点において国庫負担基準を超える自治体については、従前の補助実績に基づいて 国庫負担を行う。また、障害程度区分は新しい制度でございまして、各自治体での分布 状況を見きわめる必要があるので、20年度までの3年間についてはすべての訪問系サー ビスについての基準額を合算して適用する。3つ目に、都道府県の地域生活支援事業に より、重度の障害者の割合が著しく高い市町村、特に小規模な市町村の場合そういうこ とがあり得るんですけれども、一定の財政支援を行うということを考えたいと思ってお ります。  以上が訪問系サービスでございます。 ○横幕企画官  続きまして日中活動に関してポイントを御説明したいと思います。22ページ以降で す。これまでに、日中活動の各事業について、障害程度区分などを踏まえた利用者像の あり方、標準的なサービスの中身、それを支えるスタッフというところについて整理し てきておりますけれども、きょうは各事業ごとに基準・報酬のポイントとなる部分を整 理しております。  例えば22ページに生活介護事業の全体的な中身、23ページにポイントがあるという 形で、各事業ごとに整理しておりますので、そのポイントのところを御紹介したいと思 います。  23ページが生活介護でございます。これは現行のサービスでいいますと、3障害をま たがり、また入所や通所など、幅広い支援や利用者の方々をカバーするものであります。 こういったことも踏まえ、人員配置基準、報酬上評価、それぞれについて事業者ごとに 利用者の平均的な障害程度を踏まえて設定していくと考えております。複数の最低人員 配置基準を設定し、さらに事業者が平均的な障害程度などに応じて、最低基準を上回る 人員を配置していった場合に、これを報酬上評価していくという仕組みになっておりま す。  25ページには療養介護のポイント。指定基準を満たしている医療機関を指定して、医 療と、特に重度の障害のある方ですので、常時の介護を組み合わせて提供していくもの であります。  28ページ、自立訓練です。これはサービスの利用期間を限定して、その期間中に目的 を達成していこうとするものです。各事業ごとに標準期間を設定して、その期間内でプ ログラムを管理しながらサービスを提供していく。このために暫定支給決定期間を設け て評価を行うとか、サービス利用期間の更新をどういうふうに取り扱うかということが 書いてあります。また、平均利用期間が長くなっていく場合には報酬を減算するという 仕組みをとれるのではないかと考えております。  31ページ、就労移行支援事業ですけれども、自立訓練と同じようにサービス提供期間 を区切っていくものです。目標の達成度に応じた評価を導入するため、この事業の利用 を通じて一般就労し、かつ、その職場に継続して働くことのできる人が一定割合以上い る場合には、これを報酬上評価していくという仕組みを入れていきたいと考えておりま す。  33ページ、特に就労移行支援事業については、労働施策と福祉施策との連携が重要に なってきますので、考えられる仕組みを一つの絵にまとめてみました。これから、より よいサービスの形をつくっていく必要があると考えております。  35ページは就労継続支援事業の雇用型です。雇用契約に基づく就労ということですの で、現行の福祉工場をさらに拡大していくため、規制緩和を進めていくという部分が35 ページの記述です。  36ページは、同じ就労継続支援事業の非雇用型です。この部分は、これまでの施設に おける工賃の水準をもっと引き上げていくべきではないかということと、より雇用につ ながっていくことができるようにしていこうということが課題になっております。この ため、例えば地域の最低賃金に対して工賃水準が高い場合には、報酬上評価していくと いった仕組みを考えております。一方、低い場合には、まずは重点的な指導を強くして いくとともに、今後のあり方についてさらに検討していくというふうに考えております。 また、事業者の指定に当たり、工賃控除程度、これは月額3000円程度になりますけれど も、こういった水準を上回ることを指定に当たって要件化できないかと考えております。 このほか、雇用型への移行支援、あるいは生産活動への従事に当たり、特に手厚い支援 を要する方などについても、報酬上評価の仕組みを入れていくことができないかと考え ております。  37、38ページは、児童デイサービスです。これまでの支援費制度の中にも位置づけら れていたものであり、療育的なサービスを行うものです。これについては支援費制度が 始まった後、利用が大きく伸びておりますけれども、実態として、療育を中心とするサ ービスと放課後対策的なサービスが混在するという側面がございますので、これを機能 別に分けて評価をしていこうと考えております。特に放課後対策的な部分については、 今回、地域生活支援事業の中にタイムケアサービスを位置づけておりますので、そちら にシフトしていくこととして、38ページにその考え方を書いております。個別指導をプ ログラムの中に入れていくタイプと、むしろ集団療育を行っていくタイプに分けていく という考え方です。  40ページから居住系サービスになります。前半が施設入所支援です。これは、生活介 護利用者のうち一定程度以上の障害程度に該当する方、自立訓練や就労移行支援事業を 利用される方のうち特に必要が認められる場合、こういった方について入所サービスを 給付していくものです。  42ページに、これに関する報酬上のポイントがあります。特に著しく重度の障害者が 一定割合以上いる場合の評価などが盛り込まれております。  43ページから、グループホーム・ケアホーム事業です。47ページ、これまで個々の家 ごとに指定していくという考え方をとっておりましたけれども、これを改めて、一定の エリアに所在する複数の住居を取りまとめて、全体として事業者ととらえていく仕組み に転換していくことをあらわしております。  48ページ、新しいグループホーム・ケアホームを支える人員配置の考え方を入れてお ります。基礎となる世話人、これまでは住居当たり1人の世話人で支えていくという仕 組みでしたけれども、これを利用者の数に応じて10〜6人につき1人以上確保していこ うという仕組みに変えていきたいと思っています。さらに、サービス管理責任者を新た に置くこと、障害程度区分に応じて介護的なサービスを提供する生活支援員を配置する こと、さらに、夜間の支援体制をとった場合に評価していく仕組みを入れていきたいと 思っています。  また、家ごとではなく、地域で規模を拡大して事業展開していくことになりますので、 当面、利用人数の少ない小規模事業者についての経過措置が必要と考えております。  50ページ、前回の部会でも御議論いただきました、グループホーム・ケアホームの設 置場所の問題について一定の整理をさせていただいております。検討の視点として次の 2つが大事ではないか。居住の場としてどういう意味があるのか。特に暮らす場から昼 間離れた場所へ通っていくということの意味。もう一つは、多数の長期間の入所・入院 されている方々がいる中で、どういうふうに段階的に地域生活への移行を進めていくこ とができるか。この2つを大きな視点として考えていきたい。  51ページに具体的な考え方を書いております。原則として地域で暮らすことを前提と した上で、敷地内に設置されるタイプ、これを入所や入院から地域生活への移行するプ ロセスの中の地域移行型ホームという形で位置づけた上で、ここに書いてあるような条 件を満たす場合に限定して実施するとしてはどうかと考えております。  具体的には、経過的な利用とすることを明確にするため、個々の利用者ごとに原則2 年間の利用にすること。地域との交わりを確保するという意味で、日中活動サービスを 組み合わせた個別支援計画や、地域の関係者等を含めた協議の場を設定すること。居住 の場としてふさわしい環境を確保するために、本体施設からは一定の独立性を確保する こと。さらに、居住サービスが都道府県の計画上不足する地域に限定し、かつ、既存の 建物に限定すること。あわせて、本体の入所施設や病院の定員を減少すること。こうい った条件を設定して、街の中で暮らす形への移行を進めていくための一つの新しい仕組 みと位置づけることができないかと考えております。  52ページ、もう一つのポイントとして、家1カ所当たりの利用者数の考え方を書いて おります。原則として最大10人、これは世話人を配置する考え方も標準的に10人まで と考えております。これを原則とした上で、既存の資源を活用する場合の特例を書いて おります。10人までを1つのユニットとした上で、これを2つ組み合わせるという意味 で20人までのタイプを可能とし、特に必要があると個別に認められる場合には、そのユ ニットを3つまで組み合わせることもあるかと考えております。  一方で、1つの家当たりの利用者数が大きくなる場合には、運営の効率化があり、政 策的に見て望ましくないということも考えて、減算する仕組みを入れております。  以上が日中活動、居住系サービスです。54ページには相談支援事業の指定事業者の考 え方を書いております。支給対象者、国庫負担の配分の仕方、これに従事する相談支援 専門員の要件のあり方を整理しております。この他、指定基準のポイントなどを、御参 考までに資料としてつけさせていただいております。 ○伊原企画官  最後に計画の話をさせていただきます。資料2−1でございます。4ページには、障 害福祉計画の3つの基本的理念を提案させていただいております。  5ページには、基盤整備の考え方ということで4つの考え方を示しております。  6ページに見込み量算定のポイントをお示ししております。今回数値目標をつくると いうことが非常に大事になってまいりますが、ポイントの1は、地域の実状に応じた必 要量を見込む。  ポイントの2で、特に今回の政策課題であります地域生活や一般就労への移行を進め るという観点から、3つの具体的な数値目標を国としてお示ししたいと考えております。 一つは地域生活移行ということで、平成23年度末までに、現在の入所施設入所者の1割 以上が地域生活に移行することを目指す。これにあわせ、現時点での入所施設入所者数 を7%以上削減することを基本としながら、地域の実状に応じて目標を設定していただ きたい。第二は、精神科病院の長期入院患者の問題ですけれども、退院可能精神科患者 数7万人の解消を目指すという目標を立て、これにあわせて、23年度における退院可能 精神科患者数の減少目標値を各都道府県で設定していただき、医療計画における基準病 床数の見直しを進めていただく。3番目には、就労支援ということで、23年度中に福祉 施設から一般就労に移行する者を現在の4倍以上とすることを目指す。あわせて、就労 継続支援雇用型については、全体の3割以上が雇用型となるように目指してほしい。  ポイントの3は、地域生活支援事業についても、地域の実状に応じて数値目標を設定 していただきたい。このように考えております。  7ページからは、留意すべき事項。8ページは計画の目標達成に向けて、就労とか教 育機関と一体となってやっていくという話。9ページには、国の施設整備のあり方、あ るいは都道府県の障害福祉計画の運用の話が書かれております。特に施設入所・入院か らの地域生活移行に向けた取り組みを支援するため、入所施設等が定員を削減し、グル ープホームへの転換等に併せて建て替えを行う場合、精神科病院が病棟を転換して退院 促進支援のための設置する場合などについて、重点的に施設整備への助成を行うという 記述でございます。  これに関しては各委員の方々からいろいろ御意見が寄せられておりますが、ここで挙 がっております病棟転換とか施設転換というのは、敷地内に転換する場合だけでなく地 域の外に移っていただくということも当然念頭に置いております。  以上、計画について資料の御説明をさせていただきました。13ページ以降は、地域移 行や就労支援の具体的な先進事例の取り組みについて、各自治体がイメージを持って取 り組めるような参考資料をつけております。以上でございます。 ○京極部会長  ありがとうございました。ただいまの事務局からの説明について御質問等がありまし たら、順次御発言いただきたいと思います。先ほど申し上げましたように、1人2分で お願いしたいと思います。 ○安藤委員  就労支援の予算ですけれども、私はわからないので説明していただきたいんです。9 ページ、社会福祉施設等施設整備費について、83億円の予算が計上されていますが、こ れについては聴覚障害者情報提供施設等も対象とするのかどうかについて伺いたいと思 います。  2番目が、資料1の33ページです。就労移行支援事業については非常に大切だと思い ますけれども、この計画の中でわからないところがあります。聴覚障害者の場合、就労 について一番の課題が情報コミュニケーションにあるわけです。例えばハローワークの 手話通訳の制度とか、雇用された後での、中でのコミュニケーションのことなど、非常 に大切な課題があるわけです。聴覚障害者の情報コミュニケーション支援とか、企業が このように対応する場合の一定の法的な整備が必要になるのではないかと思いますが、 その点をどう考えているのかお伺いしたいと思います。 ○京極部会長  お答えは後でまとめてしていただくことにして、松友委員。 ○松友委員  前回、グループホーム・ケアホームの病院敷地内への設置及び定員についての意見を 述べさせていただきました。今回も意見書を出しておりますので、それについてはポイ ントだけ述べ、さらに具体的提案を提示すると言っておりますので、具体的提案だけは させていただく形にしていきたいと思います。なお、具体的提案についてはコピーを用 意しましたので、後ほど委員の方に配る形とさせていただきます。  まず、前回私は基本的なところで絶対認められないという意見を述べさせていただき ました。それはなぜかというと、グループホームということの基本原理を放棄すること はあり得ない。2点目としては、今回出された案のままでは全く入所施設の看板のかけ かえでしかない。余りにもそれは露骨じゃないか。それなりの配慮は必要だろう。3番 目としては、品格を失わない国家政策であってほしい。余りにもみっともない提案をす ると、基本的な自立支援法そのものの理念が壊れてしまう。我々の組織としても、今ま で一体何のための推進であったかということがぐらついてくるくらいの事態である、と いうことです。  それに伴い、具体的に案に対してどう提案するかということで、まず1点目。まず冒 頭に、「原則としては認められない(地域に設置すべきである。敷地内は地域ではない)」 ということを確認した上で、文書(実施要綱等)に明記すること。  2つ目。今回の措置は経営(資産)を考慮した、移行に伴う〈激変緩和策〉であり、 〈暫定的に〉設ける、ということを確認し、文書に明記すること。  3点目。今回の措置(運用)は、5年間の時限措置とすること。(恒久的な制度とす べきではない。)  4点目。新たな建物の建設は認めないこと。(建物の「有効活用」に限定すること。)  5番目。敷地内の設置は、ケアホームに限定し、グループホームは対象としないこと。 この場合、通常のケアホームではなく、「限定緩和策による暫定型」であることが明確 に理解できる名称にすること。  6番目。居宅は、すべて個室にすること。  7番目。日中は敷地外の事業所・支援事業所に通勤・通所すること。  8番目。個々の利用者の利用期限は2年までとし、同一事業所であるなしにかかわら ず、「敷地内に設置したホーム」の利用は、継続できないこととする。  9番目。物理的に独立した様式とし、施設・病院の施設の利用が不要にすること。  10番目。施設・病院とは異なる独立した管理・運営規程に基づき、管理責任者を配置 すること。  11番目。利用定員規模は、グループホームとケアホームは別に定めること。  12番目。グループホームの事業規模は、10人までを可としつつも、1戸(同じ建物) 内における定員数は7名以内とすること。  13番目。ケアホームの事業規模は10人までを可とし、1戸(同じ建物)内における 定員数も10人以内とすること。  14番目。連結して利用する場合は、ケアホームに限り、2ユニット(20人)までとす ること。  以上、14点の代替案、修正案をもって、緊急策としての対応については容認せざるを 得ないのではないかという意見であります。以上です。 ○丹下委員  資料1の30ページからのことで御質問と意見を述べさせていただきます。人員配置に 職業指導員、生活支援員、就労支援員というぐあいに表示されておりますけれども、そ れぞれの仕事が画然と分けられるかどうか、現実問題として1人が何役も務めなければ ならないんじゃないかということが想定されますけれども、それに伴って生じる1人当 たりの労働をどう評価するか、どのような対策を講じるかということを御説明願いたい と思います。  それから、全体として申しますと、30ページに関連すること、継続支援事業にもかか わってきますけれども、これから秋移行の実際に動きに際し、かなり多くの授産施設等 が就労支援の事業に乗り出そうという意欲をお持ちのようです。しかし、実際に就労支 援の事業として成果を上げていただけるかどうかということは、これは習熟、経験を要 することではないかと思いますし、その成果が上がるかどうかということについては、 それを受けとめる企業側の評価というものが大きく作用してくるだろう。企業が評価し ない就労支援の事業であれば、それはせっかくの御努力が徒労に終わってしまうという 恐れがある。したがって私が申し上げたいのは、これから就労支援に力を尽くしていこ うと考えておられる組織の方々について、どのような研修や訓練を積み重ねていただく か。幸い、予算的にもお考えがあるようでございますから、それをしっかり、はっきり 打ち出していただきたいと思います。 ○長尾委員  自立訓練とか就労移行訓練については有期限であるということが出されているわけで すけれども、前回から申し述べていますように、精神障害者の場合には、訓練をしても 順調にステップアップして就労に結びついていくというのは困難であるということがあ るわけです。そういった中で、有期限で設定されているということと、延長されても、 その後のある程度の標準期間が延期した場合については減算されていくという、余りに も成果主義になっているということについてはいかがなものかということが一点。  それから、地域移行型のホームという場合についても、そういう観点から2年という 期間が設定されていますけど、そういうもので簡単に移行していくことはできないとい うことがありますので、病棟転換型で30人規模というようなことが認められるといいま すけど、たとえそうであったとしても、例えば50床、60床の病棟が転換する場合に、 30床にまで転換する。残りの人たちの行き場をどうするのかということも含めて、後の サポートをどうするのか。居住先があるなしだけではなくて、サポート体制をどうする のか。それに対する財政的なバックアップをどうするのか。そういうことをきちんとや らないと進まないということが言えると思いますので、そういうことをきちんとしてい ただきたい。  それから、敷地外、敷地内という話がありますけれども、敷地とは何なのか。これは きちんとされなければいけないと思いますし、我々も病院の隣接地の民家を買ってグル ープホームにした、すべてそれは敷地です。病院の敷地内といえば敷地内です。だけど、 もともと敷地外のところを買っているわけで、そういうことをどうするのか。十分にそ ういうことを考えていかなければ、地域に参加できるソフトというものをきちんとすれ ば、何でそういう物理的なもので規制するのかということは問題であるということを申 し上げたい。 ○江上委員  精神科病院の病棟を転換して云々の件ですけれども、それぞれの地域によってはその 辺を考慮する部分はあるかと思いますけれども、敷地内という部分については十分議論 して、この辺をどう実施していくかという時間が必要ではないかと考えます。以上です。 ○猪俣委員  資料1の51、52ページの地域移行型ホームの件なんですが、一つの条件として、居住 サービスが不足する地域において特に必要がある場合には、知事が個別に認めるとござ いますが、精神科の場合は満足に整備されている地域というのはないわけです。ですか ら、この縛りは全く縛りにならない。どこでつくってもいいということをただ言ってい るにすぎないというのが一点です。その場合、30床という規模が適正かどうかというの は、これは悲しくなりますね。少なくともケアホームとグループホームについては分け て定員数を考えていただきたいということが一つ。  もう一つは、利用者の利用期間は2年間と限定されましたけれども、敷地内の施設を 認めることについても、経過措置として時間的なものを区切っていかないと、本当の地 域移行は進まないと思います。その点で幾つか、松友委員が今回提案された中に検討す べきことがあると思います。 ○京極部会長  それでは事務局からこの段階でお答えいただきたいと思います。 ○横幕企画官  グループホームに関して、御意見をいただきました。松友委員からいただいた提案の 中には、きょうお示しした考え方の中に既に盛り込ませていただいているものもござい ますので、具体的な基準を設定する際には、きょういただいた御意見も入れて考えてい きたいと思います。原則として地域で暮らすとした上で、その移行へのプロセスを支え るものとして考えていきたいと思っております。  丹下委員から、就労関係事業についての御意見がございました。資料の中で幾つかの 職種が出てまいります。一人一人の利用者について個別支援計画をつくり、サービス期 間内に目標達成していくためのプロセスを管理していこうと考えております。その中で、 スタッフがどういう役割を果たしていくかということも、具体的に盛り込んでいけるよ うな形にしたいと思っています。  その点に関連して、研修の御指摘もありましたけれども、こういった計画をつくるこ とについて責任を持つサービス管理責任者を事業者ごとに置くこととしておりますけれ ども、この責任者に対する研修をとても大切なものと位置づけておりまして、この中で 標準的なサービスのあり方やプロセスをどういうふうにつくっていくかということが具 体的に見えるようにしていきたいと思っています。現在、その研修に関する標準的なカ リキュラムやプログラムをつくる作業を進めておりますので、実際に支援をされている 方、受け入れる方、こういった方々の御意見を聞きながら、取り組んでいきたいと考え ております。 ○松嶋企画課長  安藤委員から冒頭にございました、聴覚障害者の施設、点字図書館の施設等々、4つ の施設について、18年度予算の対象となるのかという御質問だと思います。聴覚障害者 情報提供施設、点字図書館、補装具政策施設、盲導犬訓練施設については、17年度まで 老人の交付金の都道府県分に移行しました。ところが、三位一体で、18年度より、都道 府県の部分についての交付金は地方に移管ということになりましたので、ここはもとの 社会福祉施設整備費で18年度から見るということになりました。18年度からは聴覚障 害者情報提供施設、点字図書館、盲導犬訓練施設、補装具政策施設は、従来の15年度以 前と同じように、社会福祉施設整備費補助金で2分の1、4分の1という事業で見るよ うな交付要綱に18年度から改正して、整備ができるような形にいたします。 ○横幕企画官  もう一つ。労働関係の機関ですとか、企業側の方でもコミュニケーションに関する支 援をやっていくべきではないかというご意見がありました。例えばハローワークなどで 福祉サイドと連携しながらやっていく中でも、手話通訳等の配慮をしていくという施策 が講じられていると伺っておりますので、それも御報告させていただきます。 ○京極部会長  それでは伊藤委員からお願いいたします。 ○伊藤委員  私からは3点ペーパーで出しておりますので、これについてはよろしくお願いしたい と思います。あと何点かございます。第1点は、措置の時代の繰越金がまだ残っており まして、それを今回の移行時に十分使えるような対応をお願いしたいと思っております。 これは各都道府県で温度差があるやに伺っておりますので、その点お願いしたい。  2つ目、資料1の3ページですが、旧体系からの移行施設については移行時支援措置 を講ずるということが書いてありますが、これは5年間合計ということでしょうか。そ れもお答えいただければありがたいと思っております。  3つ目、25ページの療養介護対象者、その中にALSと筋ジスが盛り込んであります が、意思疎通に困難が伴う云々と書いてありますが、現実は意思疎通だけじゃなくて、 意思疎通ができてもかなり厳しい、医的ケアが濃厚な方がおりますので、その辺のとこ ろも御配慮いただければありがたいと思っているところでございます。  それと、42ページですが、管理栄養士の加算云々と出ておりますけれども、この辺の 実態は私どももよくわかりません。少なくとも療護施設の中での管理栄養士の数という のは70%、80%という数ではございません。この辺のところの経過措置もいただければ ありがたいと思っているところでございます。以上でございます。 ○広田委員  29ページの精神障害者退院の促進ですが、私は精神病院に入院した者として、地域で 暮らせているなという実感が伴えるようなところに住みたいと思うんですね。今回、精 神科病院からの病棟転換などということがいきなり出てきてびっくりしてるんですけ ど、何でこういうものが出てきたかという背景は、日精協さんから、敷地の中じゃなき ゃ無理だろうという意見が多分に出てるんでしょうけど、ぜひ私を日精協大会にお招き いただきたいと。日精協さんの病院経営者さんたちに、地域の中で暮らしている、30年 以上入院していた社会的入院の患者たちも仲間にいますから、そういう方たちと一緒に 伺ってお話しすることによって、本人が持つ可能性、私も17年前に注射の副作用で廃人 のような状態で入院したときに、将来国の委員になって総理官邸で小泉総理とお話しし たり、衆議院に参考人で招かれたりということを当時予測した人は一人もおりません。 ですから、精神病院の経営者たちが社会的入院患者が地域で暮らすことが難しいと思う 背景には、患者の可能性を信じ切っていないということも多分にあると思いますから、 ぜひ日精協大会にお招きいただきたい。かつてお招きいただいたんですけど、途中で断 られましたから、今度は断らないで呼んでいただきたいと思っています。  それからグループホームの件ですけれども、10人が上限だということで、現状のサー ビスが低下しちゃうんじゃないかということで、5、6人が望ましいという意見をいろ いろいただいています。  それと、私自身は3枚ペーパーを出していまして、所得の保障についてなど貴重な意 見を述べさせていただいていますので、反映していただきたい。所得の保障あっての自 己決定、自立だと思いますのでよろしくお願いいたします。 ○笹川委員  まず平成18年度予算についてお尋ねします。10月以降の分について200億円となっ ておりますけれども、この200億円の根拠は一体何なんでしょうか。その点の御説明が 一つ。  それから、日中活動の場、今回の法律で私どもが一番期待しておりますのは、いかに して視覚障害者が働く場を確保するかということでございます。視覚障害者が働くとき に一番問題になるのは、いかにしてその訓練所、福祉作業所などへ行くかという問題で す。そのことが解決しない限りは全く前進できない。その辺のことに全く触れられてい ない。移動支援ということになるんでしょうけれども、移動支援の場合、就労等につい ては保障がありません。この点をどうするか。この点をぜひ十分検討していただきたい。  それから、ホームページでいろいろ資料を出したり、きょうもここで点字の資料をも らいましたけれども、私ども視覚障害者は全然皆さんの議論についていけません。とい うのは、資料を今ここでもらってもどうにもならない。きのう一応説明は聞きましたけ れども、なかなか理解できない部分があります。完全に置き去りにされています。した がって、今後は視覚障害に関する問題については個別に十分対応していただきたい。そ して、皆さんと同じ場で議論ができるような体制をとっていただきたいと思います。何 ページの何行目がどうなってるとか、絵がどうなってるとか、全然わかりません。この 点はぜひ今後の対策として御配慮いただきたいと思います。 ○君塚委員  考え方についてなんですけど、子供の権利条約において、障害児は可能な限り無償で 国で保護されなければならないとあります。我が国も100数十番目に批准していますけ れども、そういう中で、マスコミで障害児への医療福祉のお金はとても少ないという報 道があったと思います。そして、少子化社会において、今後障害児をめぐっての少子化 対策というものも含まれるべきでありますし、子供は国の宝であるし、障害児者は社会 の宝であると思います。恵比寿様は脳性麻痺です。淡島は知的障害者で、ともに天照大 神の年上の兄妹であります。こういうことを基盤にしながら、私たちは力を合わせて障 害児者を泣かせないようにするということを考え方の基盤にしていきたいとは思ってい ますが、一方、家庭において障害児の虐待というのは何倍も大きいということも含めて、 施策を検討していただきたいと思います。以上です。 ○京極部会長  ここで事務局からお答えをお願いします。 ○松嶋企画課長  まず笹川委員から、点字の資料ができ上がるのが遅いということでございますが、こ こは心よりおわび申し上げます。資料ができるのが審議会の直前という形でありまして、 そういう面では大変配慮がないということでおしかりを受けている点は重々承知でござ います。今後こういうことがございましたら、私どもの方から担当者が個別に御説明等 の対応をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。再度おわび申し上げま す。  それから、地域支援事業の200億はどういうふうになっているのかということでござ いますけれども、現行事業まで移行する事業の実績とか、移動支援とか、地域活動支援 センター等、新しく位置づけられた事業の見込み等を勘案して200億ということで、6 カ月分。一部統合もしておりますけれども、新しい事業も入れ込んで200億という計算 になっております。  それから、伊藤委員から、措置費の繰越金の取り扱いはどうするかということでござ いますので、ここは老人のときもそうです。社会福祉法人会計規程というのがあったは ずです。要するに資本金に使えない固定の資本金に入れるか、流動資産の方に入れてや るか、引当金に入れるか、いろんな取り扱いがあると思います。ここは規制を外さなけ ればいけないと思っています。ただ、再三言われているように、各都道府県もしくは政 令指定都市においては、厳格に取り扱っているところがある。老人のときも、そこは逆 に縛りがかかっちゃったということがございますので、まずは4月1日以降、終わった らそこら辺も手をつけたいと。通知等で老人と同じような取り扱いという形にしていき たいと思っております。 ○横幕企画官  伊藤委員からの御質問で、資料1の3ページに、旧体系から施設が移行する際の支援 措置の期間についてのお尋ねがございました。当面3年間ということで考えております。 ○京極部会長  あと児童の問題も出てましたけど。 ○藤木障害福祉課長  資料3の説明を割愛させていただきましたけれども、子供の障害施設については10 月から、今の措置から契約型に変わります。しかしながら、虐待の問題がございますの で、契約型を補うものとして、措置の形は併存してやっていくというふうに思っており ます。そういう中で今ありましたような話は対応してまいりたいと思っております。 ○笹川委員  通所・通勤に関する質問についてはいかがでしょうか。 ○長田社会参加推進室長  笹川先生がお話しになりました、日中活動の場等への通所・通勤についての移動支援 をどうするかということでございますけれども、地域生活支援事業の中の移動支援をど う使っていくかということについて、私どもとしては地域生活支援事業が県あるいは市 町村の裁量を多く認めた形で、地域の実状に合った形でやっていただきたいというのが 基本的な考え方でございますので、今御指摘のありましたことも含めて、もう少し検討 させていただきたいと思っています。 ○京極部会長  よろしいですか。それでは続けて御発言をいただきたいと思います。では福島委員か ら。 ○福島委員  3つ申し上げます。昨年10月に自立支援法が、さまざまな意見対立も含みながら成立 したわけですけれども、3年前の支援費への移行のときも、ぎりぎりでいろいろな議論 があったわけです。財政支出の削減という、今の日本社会における至上命題があり、ま た、三位一体改革などの環境的な要因はあったわけですが、障害者の立場からすると、 この自立支援法制定が急ぎ過ぎたという実感、あるいは議論が十分ではなかったという 印象が否定できないと思います。このあたりの教訓を生かしながら、今後大きな制度改 革をする際は、ぜひ丁寧な議論をしていただきたい。合意形成を図っていくということ に心して当たっていただければと思います。  2つ目は、当面は法律に明記されていない部分の運用面での柔軟な対応を図って、本 当に障害者の豊かな生活が実現するような配慮が重要だろうと思います。  3つ目は、都道府県や市町村の障害者福祉保健計画ですけれども、今回新たに数値目 標の設定をしていただくという方向に変わってきておりますので、国の方からきちんと そのあたりの御指示をいただきたいということと、私たち自身も全国的な組織を持って いる方、特に****会員の皆さんが地域の市町村に働きかけて、関係者の合意を形成 していくという努力をぜひやっていければと思います。以上です。 ○京極部会長  ありがとうございました。続けて末安委員から。 ○末安委員  3点お願いいたします。委員提出資料の(12)に基本的なことは書いてありますけれども、 1点目は、自立支援医療の申請が今始まっているわけですけども、これによる混乱が起 こっていることを厚生労働省の方はどのように把握していらっしゃるかということで す。というのは、今まで32条申請していた方に対して個別に送付してというのが基本原 則だと思うんですけれども、県によっては、病院にそれを渡して、病院の外来場面でそ れを渡すということをやっていらっしゃるようなんですけれども、外来というのは1週 間ごとに来る人、2週間ごとに来る人、8週間ごとに来る人、ばらばらなわけです。ほ ぼ継続ということだったら問題ないんですけど、収入を認定するという新しい作業が入 っていまして、その点に関しては病院の窓口では全然答えられなくて、一体どういうこ となんだというやりとりが行っています。私も幾つか病院の窓口に立ってみて、現実は こうなんだということがよくわかりました。新法への移行なので混乱が起きるのは当然 なんですけど、きめ細かさについては特に御配慮いただきたいと思います。  2点目は、計画のところで見込み量の算定ポイントが説明されたんですけれども、先 に向かって数値目標を設定するのは妥当な考え方だと思うんですけれども、精神科の場 合ですと、県によって万対病床数が倍余りの開きがある。そういうことを加味した、前 に向かっての評価をしていくという計画ということは納得できるんですけれども、現状 をどう分析するかということに対しての評価はどう行われているのか。一律でいいのか、 必然性は何なのかということをぜひ教えていただきたいと思います。これは、これから 地域へサービスを展開していこうとする場合、居住施設への移行ということも重要なん ですけれども、精神科病院の中には地域のことを考えた展開をしているところが既にあ りますので、そういう人たちに対する後押しもしていただきたいということをお願いし たいと思います。  3点目は、病棟の転換にだけ助成するということに対する意味です。この法律の創設 の目的の中に、規制緩和をして新規参入者をふやして、市民の力も得て、障害者を地域 で迎え入れて一緒に暮らしていこうということを言っているわけなんですけれども、特 定の部分にだけ補助が行われるということは、別の見方をすれば参入規制になってしま うのではないか。介護保険のときの参入した団体は玉石混淆だったということは確かに あるかもしれないけれども、さまざまな人が参加するということの意味をそこで見いだ したんだと思うんですね。ですから、活力を期待する、市民の力で一緒に障害者と暮ら していこうというふうに考えるのであれば、なぜ公平に補助が行われないのかなという ことについて、お考えをお聞きしたいと思います。 ○大濱委員  私の出したペーパーの補強説明ということでまずさせていただきます。基本的な認識 として、自立支援法に移行してドラスティックな変更をすると、かなり混乱が起こるの ではと、そこら辺を提案させていただきました。  まず1点目。報酬の基準について、単価改正、日常生活支援の単価を引き下げるとい うことでありますが、日常生活支援をしている事業者が大変少ない。私たちみたいな日 常生活支援を受けている者にとって事業者が選びづらいという実状があります。大きな 都道府県においてはある程度あるんですが、地方に行くと事業者の数が非常に少ない。 老人系の介護保険をされている事業者では、日常生活支援の単価が低いので参入してな いという実態がありますので、基盤がまだできていないので、日常生活支援の単価、重 度訪問介護の単価については、現行単価を基本として考えてもらいたい。  資料の11ページにあるような重度訪問介護の考え方ということで、ホームヘルパーの 1日当たりの費用を換算しつつということが書かれていますが、これについては現在私 たちの頚損にかかる24時間については赤字になっているという事業者からの報告があ って、余り利益がないのでこんなことやりたくないんだという話が出ています。非常に 手のかかる人になりますと、事業者は約70〜80万の持ち出しになっています。そういう ことも考慮して、月間に対する事業者のコストを考えていただきたい。そういうことを 考えると、10月以降の重度訪問介護の単価についても、重度訪問介護ということは移動 も入るわけですから、そこら辺を考えていただいて、現行の移動単価ということを勘案 していただきたい。私たちの試算では、1時間当たりの単価が2470円ということで、そ れを1%下げるということであれば2400円強くらいが妥当なんじゃないかという数字 を出しています。  それと国庫補助金の考え方なんですが、在宅系の訪問サービスについては1割カット という数字が出てるんですね。義務的経費になったにもかかわらず相変わらず1割カッ トするという考え方はおかしいんじゃないか。日中系のサービス、居宅系のサービスと いうのは国で義務的に担保されているわけです。それに対してせっかく義務的経費にな っているにもかかわらず、国庫補助金については1割カットするという考えはなじまな い。せっかく義務的経費になったのなら、ちゃんと考えていただきたい。  この中には書かれていないんですが、重度包括ということに関していいますと、40時 間という類型の資料が出ていますが、このペーパーが勝手にひとり歩きする可能性があ りますので、こういうペーパーは表に出してもらいたくないと思うんですね。  それと、36時間という、今度の試行調査でやった数字だと思うんですが、36時間とい うのも全数調査じゃないので、実質的には相当違ってると思うんですよ。特にひとり暮 らしのALSなんかになりますと全く状態が違いますので、そういうことも十分勘案し た上でやってもらいたい。以上です。 ○京極部会長  大変大きな問題から、かなり詰めた予算上の問題まで御指摘がございましたけれども、 このあたりで事務局からお答えをいただいた方がいいかと思いますので、よろしくお願 いします。 ○伊原企画官  一つは計画の関係で、末安委員から、見込み量の算定が都道府県によって格差がある のではないかと。例えば入所施設であれば7%削減するとか、精神病院の退院可能患者 数については7万人の解消を目指すと書いてありますが、これは当然地域によって実情 が違うと思いますので、国全体ではこの目標を目指しますけれども、都道府県レベルで 考える際にはそれぞれの実情を考えて設定していただくことになると考えております。  それから、施設整備の関係で、病棟の転換のみを支援するのはおかしいではないかと いうお話が出ておりました。今回の改革の目標は、いろんな規制を緩和して、社会福祉 法人だけではなくNPOとか、いろんな設置主体が参入できるようにする。特に通所部 分に関しては、法人格を有していれば参入できるようにする。施設・設備の基準も緩和 して、低廉なコストで事業が運営できるようにするというふうにしていこうと思ってい ます。ただ、箱ものの中でも入所系のものについては、なかなか自前の資金だけではや れないということがありますので、国としては、施設整備費についても確保し、重点的 にお金のかかる部分について補助していこうと考えています。そういう中で一つの例示 として、ここに書いてあるような既存の入所施設とか、病院とか、これを転換して別な ものを地域の内外につくっていくという場合に支援をしていこうという例示をしている ものでございまして、決してそこだけを支援していこうということではございません。  それから、大濱委員から、ホームヘルプサービスに関して、長時間必要な方に対する 支援を行う事業者が少ないという御指摘がございましたけれども、現在の日常生活支援 の場合、自治体によっては短時間しか支給しないというところもあるようで、結果とし て事業者の中には、こうした日常生活支援を余りやりたがらないという傾向があるのか もしれません。今回は重度訪問介護において3時間を超える支給決定を基本に置くとい う形で、長時間の方に対するサービス確保がされるように配慮していこうと思っており ます。  それから、ヘルパーさんの1日当たり費用と書いてありますが、これは当然ヘルパー さんの人件費だけではなくて、コーディネーターとか事務所経費といった管理コストも 含めて考えていくべきものと考えております。  それから、義務的経費であれば全部見るべきではないかという御意見でございますが、 これは法案の審議の中でもございましたように、現在のホームヘルプを中心とする訪問 系サービスについては、全国での地域格差がものすごく大きい。未実施の市町村もある 中で、限られた国費をどうやって公平に配分していくかという観点から国庫負担基準と いうものを設定することとしています。今行われているものすべてを国の方で賄うには 限界があると考えておりまして、我々としてはできる限りの努力、610億円という予算 の枠の中でどういうことができるかということで、このように提案させていただいてお ります。 ○新村精神保健福祉課長  末安委員から、自立支援医療について御指摘がございました。特に精神通院公費負担 32条の患者さんの自立支援医療への移行の問題で、すべての患者さんについて新たに自 立支援医療の支給認定を受けなければならないということで、本則支給認定の場合もあ りますし、みなし支給認定の場合もありますけれども、いずれにしても、多くの患者さ んが手続をしなければいけない、かつ、市町村税額も確認した上で申請をしなければい けないということで、かなり負荷がかかっているということは事実であろうと思います。 都道府県にお話をして、個別に利用者の方に周知するようにということで指導しており ますけれども、都道府県によって扱いが少しずつ違っているということが実態としてあ るということは把握しております。県によってはかなり努力して利用者の方に周知をし、 きめ細かく配慮しているところもございますけれども、中には病院にお任せして、病院 が説明もし、また場合によっては収入の部分の把握もかわりにやってあげているという 実態もあるということで、病院あるいは診療所の方に相当が負荷がかかっている部分も あるかと思います。いずれにしても、新しい制度に移行する上で必要な手続であること は間違いないことですので、御負担がある程度集中的に、一時的に生じてしまうという ことが仕方がない面もあるわけですけれども、照会なり問い合わせがあった場合には個 別に指導したり、対応を指示したりということもしておりますので、私どもとしてもな るべく混乱が生じないようにきめ細かく対応していきたいと思っております。 ○京極部会長  福島委員から出たことに関しては政治状況もありまして、私もひしひしと感じていま して、昨年4月から改正介護保険法の問題、障害者自立支援法の問題、三位一体改革、 すべて委員として参加しておりますので、中央6団体の御提案もわからないわけではな いんですけれども、障害児者の問題はすべて市町村でという、一見ラジカルな提案がご ざいまして、これが通ってしまいますと、これから国や県が面倒を見ようということが できなくなってしまう。後ろから三位一体改革が追いかけられている中で障害者自立支 援法ができたという感じもしておりまして、事実、障害者自立支援法が通った後でも三 位一体改革の関係者協議会では、障害者なんか市町村でやるべきだということをおっし ゃった委員もございまして、それに対して大臣の方から、それは既に決まったことであ ると、後戻りはできないということでお答えになったわけでありまして、確かに急がれ たことは事実なんですけど、十分な議論という点では、今から考えてみると必ずしもな かった、特に利用者負担の問題だけに議論が集中しまして、あるべき論とかそういうと ころが不足していたような気がしますけど、この点では審議官か局長から何かお話しい ただいた方がいいかと思います。 ○中村社会・援護局長  福島委員の御指摘は、障害者行政の企画立案から立法に至る過程について、今回自立 支援法なり、あるいはその前の支援費からの経緯からいって、次回あるいは今後こうい うことを行う場合に、さらに皆様の合意なり、事の進め方としてどうあるべきかという、 もっと丁寧に行うべきではないかという御意見をちょうだいしたものと思っておりま す。今後も障害者行政を進めていかなければなりません。法律改正も3年後また行わな ければなりませんし、これから法律の施行に向けて、今まさに御審議いただいているわ けですけれども、2番目の御意見として、法律は決まったけれども、法律に書いてない 事項について、さらに障害者行政を推進する上で、あるいは障害者の方々の支援をして いく上で、適切に決まるようにということだと思います。まさにそのプロセスを皆様方 にお願いしていると認識しております。  3点目は、障害者計画がつくられることになったわけで、この計画は6年後の数値目 標も置いてやっていく。市町村が中心になって基盤整備をしていくということだと思い ます。財政状況が厳しい中でというお話も各委員から出ておりましたけれども、財政状 況が厳しい中で1990年以降、福祉には随分資金が配分されておりまして、今日まで社会 保障の給付費で見ると、医療は9.1兆円ふえておりますが、福祉その他の方は医療を上 回って9.4兆円ふえているということで、決して全体の配分として停滞しているという ことではなくて、むしろ80年代に医療費が7兆円ふえて、そのとき福祉その他は1.2 兆でございましたから、90年以降、急ピッチで、高齢者介護が中心だとは思いますけれ ども、資金が投下されてきた。2003年以降、支援費ができまして、また、障害者自立支 援法で計画もつくられるということでございますので、財政状況は非常に厳しいわけで すけれども、必要なことはやっていかなければならないと思っているわけで、そういう 意味で、良質で効率的な障害者サービスをどうやってつくっていくかということで御議 論いただいていると思っておりますので、いずれにしても、3点御指摘いただきました 点は、そういったことを踏まえて取り組んでいきたいと考えております。 ○京極部会長  ありがとうございました。それでは、まだ発言されてない委員、星野委員から。 ○星野委員  サービス管理責任者、いわゆる職員配置基準に準ずるようなところがやっと出てきた のがグループホーム・ケアホームの管理責任者というところで30対1という話が出てき ましたけれども、ほかはまだ見えてません。あるいは事業所全体という言葉やら含めて、 それから、議論としてある定員規模別というところも含めてですが、大規模化というと ころに向かうことだけは、何とか対応することを検討していただきたいということが一 点。  それから、提出資料(4)で私どもの協議会から出させていただきましたけれども、就労 継続支援事業の指定基準、平均工賃が工賃控除程度の水準を上回るということが出てき ますけれども、一般労働者の給与控除、働いた後の果実をきちんと生活につないでいく とか、そういう意味で、控除が3000円というのはおかしいということでこれまでも個別 に検討をお願いしてきましたけれども、そこが工賃控除程度の水準というところで固ま るとしたら、非常にここは意味が違うということで、とりあえず一定水準にして、どこ かで具体的な数字を出していただきたいというふうに、ぜひ御検討いただきたいと思い ます。  それから、一つ質問ですが、資料1の34ページで、ほかの事業では必ず何対1という 言葉が出てきますが、就労継続支援事業のところで、職業指導員、生活支援員、ほかと 同じような何対1という例示が出てこないんですけど、何か意図があるのかどうかお聞 きしたい。以上です。 ○岡田委員  私は昨日、事務局から意見陳述がありますかと聞かれて、ございませんと答えたんで すが、きのうの夜になりまして国立病院におります指導員の代表の方から、お願いがあ るからぜひ伝えてほしいということでございましたので、かわってお願いさせていただ きます。  御存じのように、資料1の24ページにあります療養介護事業は、新しい事業として極 めて重要性を持っていると思うんですが、これを担う場所として、従来ありました国立 療養所、現在では国立病院機構の病院ということになりましたが、そこには重症児病棟 が7000数百人の病床と、唯一国療にしかない筋ジス病棟がございます。この2つは医療 機関に設置されているために、前々から院長、事務部長、看護部長のレベルで福祉を理 解し得ないという非常に自己矛盾があって苦労していたわけです。そういう中で各病棟 に1名ずつ配置されております児童指導員が福祉的な面を一手に引き受けてやってまい りました。そういう過去がある中で、27ページの表を見て、児童指導員というのは国立 療養所の中で福祉を担ってきた唯一の存在なのに、どこにも理解されていないのであろ うかということでございました。  国立病院の方には障害者自立支援法に関係する情報が組織的には余り流れておりませ ん。したがって、児童指導員たちは大変不安を感じております。そういう意味で、国立 病院というのは厚生労働省のいわば身内機関ですから、余りそういうことについて配慮 がなかったのかもしれませんが、今後ぜひそういう点について御理解いただいて、情報 を正しく流すこと、あるいはこういう場にも指導員の代表などを委員として加えていた だくことができるようになればありがたいということでございますので、ぜひ指導員の 存在を御考慮いただきたい。以上でございます。 ○野中委員  従来から私は、今まで施設におられた方々が地域に出ていかれるためには、適切な環 境をどうつくるかということを、ケアマネジメントという名前で言っていました。今回 は地区の医師会にも審査会、ケアマネジメントに関与するという部分で重要な役割が来 ましたので、その辺に対する戸惑いが現場ではまだまだありますので、3障害の方々が 住みなれた地域で生活できるということに対する啓蒙を、関係者だけじゃなくて、地域 住民に対しても提供するということをしていただきたい。  また、私も現場で地区の医師会長として感じていたことは、3障害の方々が急病にな ったときに医療が適切に対応できるかという部分では、従来かかっていた医療機関では 対応できますけども、直近の施設では、その方々の尊厳を守りながら医療を提供するこ とが本当にできるかどうか、私も不安な部分がございます。この件に関しては、医師会 としては今後とも理解を示しつつ、その治療ができるような形にするように努力はさせ ていただきたいと思いますけれども、一方で負担がありますので、その辺に対する配慮 とか、現場に適切な配慮を、収入という部分で適切に配慮していただきたいと思います。 看護協会の岡谷委員も言われましたように、障害者に対する正しい知識の普及啓発のた めの教育の取り組みをどうぞよろしくお願いしたいと思います。以上でございます。 ○新保委員  先ほど措置費の繰越金の話がございましたが、大変うらやましく聞いておりました。 社会復帰施設は補助金でずっと賄われてきまして、毎年赤字。しかも当初に投入した資 金は、例えば援護寮一つつくるにしても何千万というお金を投資するんですが、それは 決して戻ってこないお金であります。したがって赤字でずっと暮らしてきている。しか も補助金で賄われてきましたので、その補助金が削減される中で、施設の運営さえ危ぶ まれる。こんな中で、持続可能な制度を求めて自立支援法に賛成してきたわけなんです が、移行に際して、いまだに単価が見えてませんので、大変施設の仲間たちが不安に思 っております。あるいは、施設の基準や、定員に対する職員の配置についても不安が起 きておりますので、早くそうした基準や単価を示していただきたいと思います。  それでもなお、そうした不安の中で、就労移行支援事業等に取り組みたいという意欲 は強いものがございます。そうした取り組みの中で、非雇用型から雇用型への転換計画 を作成した場合、一定期間に限り報酬の評価を行うということが書いてあるんですが、 こうしたものが就労移行支援事業との整合性の中でどういう兼ね合いがあるのかとか、 あるいは就労移行支援事業そのものを継続する難しさも含めて、もう少し検討を深めて いただけるとありがたい。それは、例えば就労移行支援事業の定員の最低値を緩和して いただくとかということを含めて検討していただければありがたいと思っています。  具体的に申し上げますと、私どもの施設も自立支援法の移行に向けて、私どもの授産 施設を就労移行支援事業として実施できるかどうかという実験をしてみました。約半年 間で6名が一般雇用に結びつきました。これはできると思ったんですが、移行していく と、次に入ってきた人たちを就労ができるまでの状況にするには最低1〜2年かかる。 そうすると、スムーズに移行支援ができていかない。そんなときに、どんな仕組みがあ ったらうまく雇用に結びつくのか。もちろん、雇用側と福祉サイドとの連携が重要なの は承知しておりますけれども、訓練のありようも含めて、もう少し詰めていただければ ありがたい。  就労移行に関して、資料2−1の6ページでは、就労支援を強化する観点からという ことが書いてあって、3割は雇用型を目指すと書いてありますけれども、雇用型を目指 すにも、できたら新たな支援策としての授産施設の設備改善に対しての補助制度等も勘 案していただきたいと思いますし、あわせて、援護寮の古い形態は、ほとんどが寄附で 賄われ、しかも利益が出ません。修繕費も出ませんので、複数部屋で最初は設置されて おりました。今度の形態に変わっていくときに、居室料を取れるという状況にないとこ ろもありますので、そうしたところへの修繕に関する補助制度等も考えていただければ ありがたいと思います。以上です。 ○京極部会長  個別の予算的なことはこれからまた議論になっていくわけですけど、きょうは全体の 審議ということですので。それでは事務局の方から…… ○星野委員  すいません、私の最後の質問は、きょういただいた資料の中にありましたので取り下 げます。 ○京極部会長  それではそういうことで。いろんな御質問、御意見が出ましたので、ばらばらになっ ても構わないと思いますので、事務局からお答えをお願いします。 ○横幕企画官  まず星野委員の御発言の中で、大規模化につながらないようにということがございま した。各事業ごとの報酬の中でも、定員規模に応じて区分していきたいと思っておりま す。  岡田委員からは、療養介護についての御発言をいただきました。この対象になる事業 は、多くは国立病院機構が実施しているところです。私どもとしても、これまで機構な どからの御意見を伺っておりまして、つい昨日も、お医者さんや看護師さんだけではな くて、指導員という形で働いていらっしゃる方がサービス管理責任者としての機能を果 たすようなやり方もあるんじゃないだろうかという御指摘もいただいており、具体的な 検討の中で反映できないかということを考えております。御指摘の点も踏まえて、さら に機構等の意見も伺いながら準備を進めていきたいと思っております。  新保委員から、就労関係の事業について御指摘をいただいております。例えば雇用型 の事業を進めることができるよう、定員規模が小さくてもいいとすること、障害者でな い方と一緒に働けるようにすることなど、雇用施策とも組み合わせながら考えていきた いと思っています。  設備の改善の話がありましたけれども、冒頭に企画課長から御説明した予算等におい て、対応していきたいと考えております。  一方、就労移行支援事業については、順番に利用者が卒業していってどのように就労 に結びつけていくことができるかということです。先行事例を見ても、試行錯誤を繰り 返しながら卒業していき、そこに他の利用者が入ってきて、また、ある方は戻ってきて ということができるよう、具体的なイメージをつくり、新しく入ってこられる事業者に も共有していただけるようにしていきたいと思います。報酬基準の中では、一定程度う まくいったケースがある場合には評価できるようにするという形で支援していきたいと 思っています。また、非雇用型から卒業していったケースの場合には、工賃の水準を指 標として使うというような工夫もできないかということも考えています。 ○京極部会長  それでは、まだ発言されてない方がいらっしゃいますので、嵐谷委員からどうぞ。 ○嵐谷委員  日身連としていろいろ要望事項を書いておりますが、その中で小規模作業所に関して は昨日回答に近いようなものをいただいております。この要望書に対してはほかの団体 とも共同してある部分もございます。特に申し上げたいことは、自立支援法そのものは 市町村が大部分を担うということでありますが、都道府県の役割と市町村の役割がどう なっているのか。1月末に自立支援法の説明会を大阪府がやりました。ところが、市町 村の部分はほとんど入ってない。府に聞けば、それは市町村の事業だから、市町村の方 へお任せしますというふうな、市町村と都道府県がばらばらになってるんじゃないかと いう感じですが、厚生労働省としてはどういう御指導をされているのか疑問に思います。  また、負担上限、今は3万7200円になっておりますが、4万200円だとばかり思って たら、いつの間にか3000円下がったという経緯もありますが、その中において、何か矛 盾があるんじゃないかと思うんですが、入所施設で20歳以上、グループホームを利用す る場合は預貯金が350万円以下であればとなっております。これは本人の申告というか、 350万以下の通帳を見せるのか、あるいはどういう形で申告するのか、このあたりがよ くわからないんですが、通帳を2つに分けるなり、銀行を変えたりすれば、これ以上あ ってもそうなるのか、そのあたりがわからないのでお聞きしておきたいと思います。  まだまだ聞きたい部分もありますが、一番肝心なことは、地域生活支援センター事業 がうまく市町村あるいは都道府県で連絡つくような形の御指導をいただいたらありがた いなと思っております。以上です。 ○小板委員  資料で出させていただいておりますけれども、このことについてはよろしくお願い申 し上げます。利用者負担金の事務が市町村でずっと行われてきているという状況がある わけですけれども、私が懸念することは、利用者負担金の一般的な負担金が必要な人た ちがかなりたくさんになってくるという状況がもしあるとすれば、たくさんサービスを 受ければたくさんのお金が要るという中で、家庭でごろごろしているという傾向が生ま れてくる可能性が強いんじゃないかということなんです。岐阜県でも養護学校の卒業生 の実態調査があったわけですけど、近年、就労されている人たちが多いわけです。とこ ろが、家庭にいるという人もふえてきている状況とか、就労している人たちがふえてい るということは、その人たちの何割かは家庭に帰ってしまう人たちもいるんじゃないか という気がするわけです。そうしますと、この利用者負担金の額というのは、制度を利 用する人たちに対してかなり抑制力が働いてくるのではないかという感じがするわけで す。ですから、できるだけ早くそういうことを見つけ出していただくようなシステムを つくっていただいて、早急に対応していただくような方向性を見いだしていただくこと が大切かなと思います。以上です。 ○古畑委員  重度障害者等包括支援に関してお願いなんですが、意思疎通に著しく困難を伴う方と いうことで、後見人等をきちんとつけておかないと、トラブルが生じたときに事業者も どなたとお話ししていいかわからない。今、適正化委員会の方には、高齢者のグループ ホーム等で、判断能力のない方が問題が起きたときに、家族へいろんな方がいろんなこ とを言ってくる。事業者もだれと話していいかわからないという状況が出てきて、我々 が間に入って対応してるんですが、そういうことが起きないように、特に重度の方が利 用する制度については、家族後見等をきちんとつけるように、それが家族とか御本人の 権利を守るのと同時に、事業者にとっても事業が円滑にいくようになるんだというとこ ろを再度周知をお願いしたいと思います。以上です。 ○京極部会長  ありがとうございました。この段階で一通り事務局からお答えいただきたいと思いま す。 ○藤木障害福祉課長  嵐谷委員からありました小規模作業所移行の件について、地域活動支援センターの方 に移行していくということでございまして、できるだけ市町村で弾力的な運用ができる ように、成果年数とか利用人員等については一応の目安はお示ししておりますけれども、 地域の実状を踏まえて弾力的な運用ができるようにしていきたいと思っております。  利用者負担金に関して、補助給付の場合の預貯金350万ということでございますが、 これについては、毎月入ってくる年金とか工賃というような、入ってくる収入だけでそ の方の負担能力を見るのではなくて、積み上がっている資産も見て対応をとっていくと いうことが適切だろうという判断に基づいて、低所得者対策の一部に資産要件というも のを入れております。その中で、すぐ使える預貯金というのが350万というのを一つの 線として設定しているわけでございますが、この運用については、それが証明できる形 の書類をいただきたいということで、コピー等をいただくという運用を市町村で行って おりますが、この件については対応等も含めて、課長会議等の席でも十分な指導を受け ていただきたいと思っております。  それから、小板委員から、同じく利用者負担の関係で、それがサービス利用の抑制に つながるのではないかというお話がございましたけれども、利用者負担については、一 般の場合の月額上限を4万200円から3万7200円に変えるなど、また一段の対応もとっ ておりますけども、むしろ1割負担ということを通じてサービスの質を上げていく、利 用者が望むサービスに変わっていくということにもつながっていけばと思っております が、負担が難しい方についてはいろんな配慮を重ねながらやっていきたいと思っている ところでございます。いずれにしても、今回提案の利用者負担のあり方については、3 年後の見直しが用意されておりますので、その時点で施行状況を見て考えていくように したいと思います。 ○京極部会長  それでは町野委員、お願いします。 ○町野委員  私は授業等の関係でなかなかこの会議に出られませんで、非常に申しわけなく思って おります。難しい問題をいろいろ聞かせていただきまして、どうもありがとうございま した。問題はノーマライゼーションということが一つあるだろうと思うんですが、その ことが非施設化、脱施設化ということを伴うものであるかということがもう一つの議論 の問題だろうと思います。もう一つは、コミュニティケアといいますけれども、これは 非施設化とコミュニティケアとは同一ではないわけですから、何がコミュニティケアな のかということも考えなければいけないだろうということでございます。  そして、一番大きな問題は、障害を持っている方等々について、いろんなニーズがあ るわけでございます。それらを適切にすべて対応するということは、かなり困難である。 しかし、あきらめてはいけない、進んでいかなければいけないということだろうと思い ます。  そのときに問題になりますのは、医療資源の配分、これは財政の問題、人的資源の問 題、いろんな問題がありますけれども、社会の目から見て妥当で、正義にかなって、公 正に配分されなければいけないという問題だろうと思います。  特に私たち法律家が気にしておりますのは、一気に脱施設化して、在宅あるいは地域 に戻すということによって、何かひずみが生じないか、急激にこれをすることでひずみ が生じないかということをかなり心配しております。時々問題に出ておりますALS患 者さんについて、在宅で今はやられているわけですけれども、疲れ果てた家族が人工呼 吸器のスイッチを切ったという事件があって、これは刑事責任を問われていますけれど も、事件として出てきたときは恐らくそうせざるを得ないだろうということは理解でき ますけれども、こうならないように何かできなかったんだろうか。一気に施設から出し て、家族に全部負わせるというようなやり方でよかったんだろうかということは、かな り考えざるを得ない。しかし、どうしたらいいのかということはなかなか難しい問題で あると思います。 ○高橋(紘)委員  幾つか関係する御発言がありましたが、今回の障害者自立支援法は、契約制度という 制度を導入いたしました。これから急激にサービスの内容が複雑になり、わかりにくく なる可能性が大いにあって、今までのような考え方ではサービスが利用しにくくなるよ うに思われることが頻繁に起こるだろうと思います。そこら辺は、サービスの情報をき ちんと公開するような仕組み、福祉サービスの評価制度は既に社会・援護局でおやりに なっていますが、それと同時に、介護保険制度で介護サービスの情報公表制度のような ものができて、どういうグループホームなのかということ自身、かなり個別性があらわ れてくるわけですから、それについてきちんと利用者にお伝えするという仕組みを、市 町村と都道府県で任務分担しながらきちんとやって、契約というのは選択ができるとい う原則ですから、サービスがないのに選択ができるのかということはあるんですが、契 約制度をとった以上は選択を可能にするインフラをきちんとつくっておくということが 前提だと思いますので、経過的にさまざまな形で施設改編が起こりますから、その情報 を逐次きちんと当事者及び家族及び市民に伝えていけるような仕組みをとっていくとい うことを、この3年間の中でもやっていただきたいと思います。それと同時に、選択を 可能にするような、支援費のときから問題になっておりました後見制度、それを支える ような仕組み、相談支援専門員という新しいカテゴリーをつくられるわけですが、それ との関係もございますし、権利擁護の仕組みの問題もありますし、その辺のことを改め て、目先のこともあるんですが、契約制度を入れたということの本旨を外さないでいた だきたい。  先ほどの350万円で、あるところから聞いたんですが、350万円を超えたところは家 族に帰すというような動きをしている施設がある。これはとんでもない話ですよね。そ ういうことを聞いたことがございまして、これも契約という考え方にもとる動きを施設 が平気で行っているということを仄聞しております。そういうことも含めて、ぜひ御配 慮いただきたい。  それから、自立支援法ができることによって初めて個々の対策が政策になったという ことは、福祉サービスとしてやるべきものと、社会的な形でノーマライゼーションの考 え方で対応すべきものを整理していただかないと、すべてを福祉サービスでやるという のが今までの考え方であったような気がします。例えばeジャパンの中で、障害者を想 定して、ITを活用して、それを生活支援につなげるような考え方が内閣府から出され ておりますが、そういうものもきちんと受けとめながら、福祉サービスとしてやるもの と、社会的なさまざまな分野でやるべきものを整理していくということから始まったの ではないかと思います。 ○堂本委員  おくれてきて申しわけございませんが、どうしても申し上げたいことがあって駆けつ けましたので、ぜひ言わせていただきたいと思います。  いろいろ御努力いただいて、方向性としてはノーマライゼーションの前進ということ で賛成でございますが、私ども地方から見て申し上げたいことは、障害福祉サービスの 必要な社会資源、これは地域によって非常に違います。国が新サービスにかかわる基本 的な考え方、あるいは基準をお示しになることまでは結構だと思いますけれども、地域 の状況に応じて都道府県でも、あるいは市町村でも必要なサービスを確保できるような 裁量の余地をぜひ認めていただきたい。  具体的に申し上げたいと思いますけれども、日中活動の最低定員というのが、雇用型 就労継続支援以外の事業について、今回は最低定員20人を適用とされております。とこ ろが、今までは10人のところもあったわけですので、大変現場で戸惑っています。私も 現実に訴えられました。20人と言われてもそれは無理だと。資料を見ますと、過疎、離 島地域等の事情により、単一のサービスでは利用人数を確保することが不可能だと都道 府県知事が判断した場合には、10人以上でもよいこととすると。ところが、例えば千葉 県は必ずしも過疎、離島とは言われない。松戸とか市川とかいうところでも同じような 状況がございます。ですので、この「※」印は取っていただいて、できるだけほかの領 域でも、国の方で枠をお決めになるのではなく、ノーマライゼーションをするのであれ ば、地域それぞれ大きさも違うし、そこで働く人、その主体も異なってまいりますので、 その裁量が自由にできるようにぜひともしていただきたい。国の枠に私どもが合わせる のではなくて、各自の家の大きさや間取りが違うように、ノーマライゼーションのとき には、社会福祉サービスの社会資源というのは、もっと多様な選択ができるようにして いただきたいということをお願いいたします。以上でございます。 ○京極部会長  ありがとうございました。事務局でお答えいただければと思います。 ○松嶋企画課長  私どもからお答えするようなことではないと思うんですが、今回の地域支援事業とい うのは、できる限り地域の実状において創意工夫してやれるような形をとっております。 ただ、個別給付のところは国の義務的経費でございますので、設置運営基準の最低だけ は決めさせていただかないといけないだろうと。あとはできる限り地域の方ということ で、地域支援事業の方に統括して事業もやっていただくというふうに、予算の考え方を 大幅に変えさせていただいておりますので、その辺も御理解いただきたいと思います。 ○伊原企画官  補足して御説明させていただきますと、日中活動の場については、地域生活支援事業 の中に地域活動支援センターを位置づけまして、10人以上であれば柔軟に運用できるサ ービスを設けております。そういう意味では、地域の自主性を生かした事業(地域生活 支援事業)と、全国画一的に、最低ここは守ってくださいという個別給付とを分けて制 度化していますので、まさに市川とか千葉とか、事業者の方々に合った事業を選んで運 営していただければと思っておりますので、ぜひ御理解いただきたいと思います。 ○京極部会長  一応一巡しまして全員発言されたんですけど、時間が限られていますのでワンポイン トずつ追加発言がございましたら。じゃあ長尾委員と末安委員。 ○長尾委員  今回の自立支援法で利用者負担が減免されるということと、最終的に手元に残るお金 が2万円なり2万5000円なりという設定がされているわけですけれども、自立支援医療 の自己負担分というのは、この残るお金から出さないといけないわけです。少ない中か らそれを出さないといけないということになりますので、できれば、医療は別だという 話を前にしてしまったんですけども、自立支援医療の負担金額もそこから減免していた だいて、手元に残るお金はそれなりに保障されるということを考えていただきたいとい うことが一点。  労働施策の点で、ハローワークの障害者雇用の窓口というのはほとんど機能してない ですね。できるだけ雇用先を見つけていただいて、きちっとできるような施策をぜひと っていただきたい。 ○末安委員  国会の論議の中でも、自立支援法が施行されることと並行して、障害者の所得保障の 問題について検討していくということだったんですけれども、今の時点でということで 結構なんですけれども、特に精神障害者の方の場合には通年的に費用を自己負担し続け るということもございますので、障害者の所得保障に関する検討もしくは計画、見通し についてどういうお考えを持っているかお聞かせいただきたいと思います。 ○松友委員  堂本委員のおっしゃったことに対する伊原さんの説明は、全然論点をすりかえられて いると思います。私たちが要望しているのは、個別給付の定員について20名以上を10 名に下げてほしいということです。特に小規模通所授産施設というのを支援費制度で作 っておきながら、今度新しい制度ができたら20人でやらなきゃ切り落とすみたいなやり 方は、国家としての継続性が疑われます。強く要望していますので、定員については、 地域活動支援センターを別途の概念できちんとした対応をお願いしたい。 ○江上委員  診断書の件ですけど、自立支援医療費になりまして、1年に1回更新しないといけな いということで、地方によっては診断書を発行するのに5000円、6000円かかるところ もあるということも含めて、この辺もぜひ検討してもらいたい。以上です。 ○京極部会長  今の御質問について。 ○松嶋企画課長  附帯決議で入っております所得保障の問題でございますけれども、今現在でいいから どのような御議論がされているのかということでございますけれども、次官を本部長に して、労働部局横断的に、特に就労支援について、省内において3年後を目途に方向づ けを出そうということで本部を立ち上げたというのが現状でございます。 ○伊原企画官  松友委員から御指摘のありました話ですが、現在、小規模通所授産施設というのがあ ります。これは10人以上でやれる施設ですが、支援費の対象ではなく、一種の裁量的補 助金という形で運営されております。今回自立支援法をつくるに当たって、個別給付と いう国の義務的経費になるものと、地域の自主的な裁量によって運営されるものを、ど こで線を引くかということは非常に悩んで考えた結果、現在20人という規模で支援費の 対象になっている施設についてまず個別給付の対象にし、それより規模の小さなものに ついては従来も裁量的補助金として運営されてきたという経緯も踏まえまして、地域活 動支援センターと位置づけさせていただいております。そういう意味では、別にすりか えているわけではなくて、そういう考え方の中で整理させていただいております。 ○京極部会長  時間が来まして、まだいろいろ御議論あると思いますし、既にペーパーで御意見をい ただいていますので、大変恐縮ですけど、この後またいろいろ予算的な詰め、報酬単価 をどうするかということがメジロ押しにありますので、審議会としてはこの辺で終了し たいと思います。  今回の部会をもって、これまでに障害者自立支援法の施行に必要な事項のうち主なも のについてはすべて審議したことになります。もちろん、発言として十分にお時間を与 えられなかったことは座長として恐縮しておりますけれども、文書発言も含めて受けた ということにさせていただきます。  他方、本部会の委員の任期は、私も含めて3月1日まで。社会保障審議会の正委員は 別でございますけれども、部会の委員としての役割は3月1日までということになって おります。そこで、本部会を含めて、今後の段取りについて事務局より御説明いただき たいと存じます。 ○松嶋企画課長  本日は主として報酬の運営基準や国庫補助基準、障害福祉計画の基本指針についての 基本的な考え方をお示しして、各委員の方々から御意見を伺ったところでございます。 報酬運営基準や国庫補助基準の具体的な内容については、市町村の施行準備スケジュー ルを踏まえますと、2月中にはその内容を決定して、3月1日に全国都道府県主管課長 会議が開催される予定となっております。政省令の制定に向けたパブリックコメントも 3月1日に行おうと考えているわけでございます。そうしますと、報酬運営基準につい ては本日までに皆さん方から大局的な見地からの御意見をいただいたところでございま して、本部会終了後から3月1日までの間、幅広く障害者の方々からヒアリングを個別 に行い、調整をした上で成案を取りまとめたいと考えております。ある委員からは、額 とか、人員が出てないから判断できないという意見もございました。これは昨年の秋か ら、考える会等々での御意見を踏まえてやっているところでございますけれども、これ から精力的にヒアリングをやっていきたいと思っています。また、調整状況については 適時御報告してまいりたいと考えております。このような形で3月1日までの間に精力 的にそれぞれの事業者等、個別にヒアリングを行い、成案をまとめていきたいと思って おりますので、よろしくお願いいたします。 ○京極部会長  委員の中には、初回から出てますと30回ということで、私も30回、よく長くやって きたなと思いますけれども、いろんなことがありました。特に自立支援法が成立して、 12月の準備状況の説明から約2カ月たちまして、きょう開催されました。いろんな御議 論をいただきまして、だんだんと自立支援法の施行に向けての肉づけができてきている という感じもしております。肉をつけ、血を通わせる制度にしていかなければいけませ んので、これからも皆様方から積極的に、国のみならず、都道府県、市町村に対しても 御発言をいただいて、よりよいものにしていただければと思っております。  以上で本日の部会を終了いたします。どうもありがとうございました。 (了) (照会先)     社会保障審議会障害者部会事務局                     厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部                       企画課 企画法令係(内線3017) - 1 -