05/12/05 第29回社会保障審議会障害者部会議事録 第29回社会保障審議会障害者部会議事録  日  時:平成17年12月5日(月)15:00〜17:30  場  所:厚生労働省9階 省議室  出席委員:京極部会長、嵐谷委員、安藤委員、伊藤委員、猪俣委員、江上委員、大濱 委員、北岡委員、君塚委員、小板委員、古畑委員、笹川委員、新保委員、 末安委員、高橋(清)委員、高橋(紘)委員、武田委員、丹下委員、長尾 委員、野中委員、広田委員、星野委員、松友委員 ○京極部会長  定刻となりましたので、ただいまから第29回社会保障審議会障害者部会を開催させて いただきます。  委員の皆様におかれましてはお忙しい中お集まりいただきまして、まことにありがと うございます。本日は17時30分までの2時間半という予定で進めさせていただきたい と思いますので、よろしくお願いいたします。  それでは事務局から委員の出欠状況及び資料についての御説明をお願いします。 ○企画課長補佐  まず委員の出席状況ですけれども、本日は岡田委員、岡谷委員、亀井委員、小林委員、 堂本委員、福島委員、町野委員から欠席との御連絡をいただいております。また、長尾 委員がおくれておられるようでございます。  傍聴についてでございますが、多数の傍聴の御応募をいただいており、今回はやむな く抽選をさせていただいておりますことを御報告いたします。  続きまして資料の確認をいたします。  お手元に配付させていただいている資料は、資料1、障害者自立支援法の施行スケジ ュール。  資料2、障害程度区分について。  資料3、新しい事業体系等について。  資料4、障害福祉サービスの基盤整備について。  資料5、地域生活支援事業について。  資料6、精神通院医療の「重度かつ継続」の範囲。  引き続きまして参考資料でございますが、参考資料1、障害者自立支援法(平成17 年11月7日付官報)。  参考資料2、障害者自立支援法案に対する附帯決議(参議院厚生労働委員会)。  参考資料3、「障害者自立支援法に係るる政省令で定める事項」に関する御意見募集 (パブリックコメント)。  参考資料4、自立支援医療における所得区分等について。  また、資料番号は付しておりませんが、小板委員より、グループホーム・ケアホーム 設置の特例についてという資料。  長尾委員より、障害者自立支援法における居住施設についての見解という資料。  武田委員より、第29回社会保障審議会障害者部会、意見と質問についてという資料。  松友委員より、グループホーム・ケアホームの施設・病院敷地内の設置、定員・規模 についてという資料。  合計4名の委員より資料の提出がありましたので、委員の皆様に配付させていただい ております。  資料の不足がございましたら御指摘をいただければ幸いでございます。 ○京極部会長  それでは議事に入ります。10月5日に開催されました前回の障害者部会では、障害者 自立支援法の特別国会へ再提出と各項目についての検討状況について、事務局より説明 をしていただきました。前回の障害者部会の後、おかげさまで障害者自立支援法は国会 で成立し、公布されましたが、本日は、会議の前半では前回の障害者部会以降の障害者 自立支援法の経過等について事務局から御説明いただきたいと思います。また会議の後 半では、障害者自立支援法の施行準備状況等について、事務局より説明していただきた いと思います。  それでは、前回の障害者部会以降の障害者自立支援法の経過等について事務局から報 告していただきますが、できるだけ簡潔にお願いいたします。 ○松嶋企画課長  企画課長でございます。私の方から参考資料1〜4について御説明をさせていただき たいと思います。冒頭、前回の障害者部会開催10月5日以降について簡単に御報告をさ せていただきたいと思います。  まず障害者自立支援法についてでございますが、先の特別国会において、まず参議院 から審議をいただき、参議院で質疑3回、地方公聴会1回、延べ18時間を御審議いただ きました。その後、衆議院で質疑3回、参考人質疑1回、延べ16時間を御審議いただき、 原案どおり、10月31日の衆議院本会議で可決成立したわけでございます。  参考資料1でございますけども、縦表に細かい資料がございます。官報でございます けれども、11月7日に平成17年度法律第123号として公布されてございます。  次に、国会審議の過程において、参考資料2ということで、障害者自立支援法に対す る附帯決議と書いてございますけれども、10月13日に参議院厚生労働委員会において、 23項目にわたる附帯決議されました。内容については一つ一つ御紹介いたしませんが、 政府としてはその趣旨を十分に尊重し、努力する旨を大臣よりお答えさせていただいて いるところでございます。  次に参考資料3でございます。障害者自立支援法の成立を受けて、このうち4月から 施行されます政省令事項につきまして、11月25日・金曜日、2週間のスケジュールで パブリックコメントを実施しています。今回のパブリックコメントでは、平成18年4月 から施行されます政省令事項のうち、障害福祉サービスや自立支援医療の利用者負担の 月額上限に関する事項や、市町村審議会、不服審議会に関する事項などを対象としてお ります。なお、障害程度区分の具体的な区分や事業の基準は除いておりますことを参考 に申し上げます。  次に参考資料4でございます。先般、ファックスでの御報告となり恐縮ではございま したけれども、自立支援医療の所得区分の件でございます。  1ページをお開き願いたいと思います。昨年11月の第19回部会資料において、誤解 を生じかねない記載があった点ですが、記載しておりますように3つの点について資料 作成上の工夫・配慮が十分でなかったと考えております。いずれにいたしましても、資 料内容についてはその内容を正しく御理解いただけるよう、今後とも留意してまいりた いと考えておりますので、よろしくお願いいたします。  2点目でございますけれども、3ページをごらんいただきたいと思います。先の国会 審議を踏まえまして、自立支援医療の所得区分について、身近な市町村で証明を受けら れる住民税を指標とすることといたしました。従来お示ししてきた区分のうち、所得税 非課税は市町村民税、所得割の合計2万円。所得税の合計30万円は市町村民税、所得割 の合計20万円とそれぞれ見直しし、申請者の手続の軽減等に配慮することとさせていた だきました。  次に資料1でございますけども、スケジュール表ということで最初の方に出ておりま す。それにつきましては、簡単に御説明申し上げますと、法律の施行は4月と10月の2 回に分かれておりますが、特に4月施行である障害程度区分の認定作業、利用者負担な どについては準備期間が短いこともございまして、今後とも地方自治体との連携を密に して、利用者・事業者への広報、PRを徹底してまいりたいと考えておりますのでよろ しくお願いいたします。  最後に、資料は用意しておりませんが、児童福祉施設について申し上げますと、児童 福祉施設につきましては、18年10月より契約制度に見直しを行うこととしております。 これに伴う利用者負担の見直しについては、福祉系の施設については既にお示ししてい ることころでございますが、医療系、特に重心とか肢体不自由児施設については、平成 18年度予算を踏まえ設定することとしており、具体的な額等については年明けの審議会 でお示ししたいと考えておりますので、誤解のないようにお願いいたします。いわゆる 子供の医療系の施設については18年度予算で決まりますので、年明けに御報告をさせて いただきたいと考えております。私からは以上でございます。よろしくお願いいたしま す。 ○京極部会長  ありがとうございます。ただいまの資料1及び参考資料の事務局からの説明について、 御質問等がありましたら順次御発言ください。なお、この後、大部の資料がありますの で、後で松嶋課長からの御説明について御質問をしていただいても構いません。差し当 たり何かございましたらどうぞ。  それじゃ、きょうは時間が十分とってありますので、後でまとめて質問するチャンス がいくらでもございますので、それでは次の議題に入ります。  障害者自立支援法の施行準備状況について事務局から報告していただきますが、でき るだけ簡潔にお願いいたします。かなり資料が多いので、10分程度でも相当な数になり ますので、なるべく手短にということでお願いいたします。 ○伊原企画官  それでは資料の2に基づきまして障害程度区分関係について御説明させていただきた いと思います。2ページでございます。障害程度区分に関しましては、先の障害者部会 の方で試行事業の速報というものを御報告させていただきましたが、その後、分析作業 を行ったり、あるいは関係者の方々からヒアリングを行いまして、本日は障害程度区分 の案というものをお示しさせていただいております。  2ページに作業プロセスということでお示ししておりますが、左側が試行事業の内容 でございます。試行事業では79項目の要介護認定基準で1次判定を行いまして、2次判 定では新たに追加した27項目、具体的には行動面や精神面の項目、あるいは日常生活面 の項目、さらに特記事項、それに医師の意見書で2次判定を行いました。  それから、訓練等給付につきましては、審査会の場で訓練系サービスの必要性の判断 というものをいただいております。  その後、この試行事業の結果を分析しまして、判定ロジックというものを検討してま いったわけですけれども、きょうお示ししております判定ロジックでは、1次判定項目 として27項目を追加しまして、79項目と27項目の合計106項目で1次判定ができるロ ジックというのを検討いたしました。訓練等給付についても、一部の事業でございます が、スコア化というものを考えております。  まず介護給付における障害程度区分でございますけれども、5ページをごらんいただ けますでしょうか。試行事業の分析結果というものがございます。左側にございますの は、試行事業において79項目で1次判定を行った結果でございます。1次判定をやった 結果、80.5%の方が要支援以上というふうに判定されておりました。  それから、さらに27項目を中心に分析を行いました。分析の仕方としては、106項目 を因子分析という形で、共通のチェックがなされるようなグループ分けをしたところ、 全体で6群が発見されました。その後、回帰分析を行いまして、2次判定の結果に影響 を与えた指標はどういうものかということを分析しました。その結果、行動障害とIA DLという項目群が2次判定の結果に影響を与える大きな要因であるということがわか ったわけです。  具体的に申しますと、まず、IADLのスコアが高い方については区分変更が行われ ていたということがわかりました。もう一つが、行動障害とIADLの合算したスコア が高い点の方につきましては、非該当から要支援への変更が行われていたということが 発見されたわけであります。  こうしたルールに基づいて、仮に106項目全体で新しくやり直しますと、5ページの 右側にありますように、93.2%の方が要支援以上、つまり区分1以上というふうになる だろうと思われています。  これをもう少し見たのが6ページでございます。上の方で1次判定というふうな表が ございます。これは先の試行事業の1次判定で、79項目で判定して出た結果でございま す。非該当の方が19.5%、要支援が23.9%、このようになっております。これをIAD Lや行動障害という指標で27項目の部分もつけ加えて仮に1次判定を行ったとします と下のような数字となりまして、93.2%という数字になります。  ただ、注に書かれておりますように、試行事業の最終判定では要支援以上は96.4%と なっておりました。こうしたことからすると、このようにロジックを変更しても、さら に2次審査でさらなる判定をする必要があると考えております。  こうした分析結果などを踏まえまして、7ページに障害程度区分の案というのを出さ せていただいております。7ページの左と右で表をごらんいただきたいと思いますが、 大きく3つのプロセスに分かれると。まず1次判定で79項目で要支援から要介護5とい う判定がなされます。さらに、行動障害やIADL項目に着目しまして、こうしたスコ アの高い方については、要支援から要介護5の部分を変更いたしまして、区分1から区 分6ということで判定をいたします。ここまでがコンピューターによる1次判定となり ます。この後、2次判定の段階でこの106項目に加えまして特記事項、あるいは医師の 意見書を勘案しまして、最終的な障害程度区分というものを決めていきたいと思ってお ります。  なお、2次判定につきましては、医師の意見書あるいは特記事項などで変更されてい る可能性が高いと思われますが、どういう方が2次判定で変更されていたか、このあた りにつきましては状態像というようなものも示していけるようにさらに分析を進めたい と思っています。いずれにせよ、1次判定までのロジックにつきましては、79項目に加 えまして行動障害、さらにIADLという27項目を追加した106項目に基づいて判定す ることが適当ではないかと考えております。  それから、訓練等給付につきましては8ページ以降に書かれております。9ページを ごらんいただけますでしょうか。「訓練等給付におけるスコアについて」という資料が ございます。訓練等給付につきましては、できる限り障害者御本人の希望を尊重し、暫 定的に支給決定を行った上で、実際にサービスを利用した結果を踏まえて最終的な支給 決定が行われるということになっておりますが、仮にその地域において定員を超えて利 用希望があった場合、つまり希望者の方が多かった場合には、暫定支給決定に当たりま して、申請者の方の待機時間、これとあわせて利用の優先度を判断するためのスコアを 設けることを想定しております。そうした観点から試行事業を行いました。  今回の試行事業におきましては訓練系サービスの必要性に関する判断が行われました けれども、106項目の因子分析を行いました結果、IADL項目と生活項目、ここに該 当した方については訓練系サービスの必要性が高いという判定が出されております。  こうした結果を踏まえまして10ページをごらんいただけますでしょうか。訓練等給付 につきましては、スコアの取り扱いとして、ここにありますような考え方を提案させて いただいております。利用希望者の方はできる限り本人の希望を尊重し、明らかにサー ビス内容に適合しない場合、例えば、介護が必要でグループホームに入られるよりはケ アホームの方がいいという、明らかにそういうような方、こうした方の場合を除きまし て、原則としてすべて暫定支給決定の対象としていくこととしています。  しかしながら、当該地域において定員を超えて利用希望があった場合には、原則は申 請者の待機時間を考慮して暫定支給決定の優先度を判定いたします。ただ、自立訓練事 業、具体的に申しますと機能訓練や生活訓練ですが、ここに該当する場合、この表でい きますと左の網かけをした部分ですけれども、ここの場合には待機期間に加えてIAD L項目と生活関連項目のスコアもあわせて勘案して優先度を判定していったらどうかと 考えております。それ以外のサービスにつきましては基本的に待機時間で判定していく というふうに考えております。  11ページをごらんいただけますでしょうか。障害程度区分関係の今後のスケジュール です。きょうお示ししました内容の障害程度区分の案を踏まえまして、パブリックコメ ントを実施し、政省令の公布をしてまいりたいと思います。その結果を踏まえまして、 さらにコンピューターソフトの開発を行いまして、来年の1月から2月にかけて、コン ピューターソフトができましたら、試行事業を実施した市町村がございますので、そこ で1次判定ソフトの検証作業ということを行ってまいりたいと思います。  それと並行しまして、都道府県では認定調査のためのマニュアル等の説明会を市町村 職員、あるいは実際この認定調査にかかわる従事者の方々にやっていただく、また、3 月に入りましたらソフトの配付を全市町村に行ってまいりたいと考えています。そして、 4月以降、順次障害程度区分の判定・認定を進めていただきたいと思っております。  具体的な障害程度区分のお一人お一人の適用は10月からでございますけれども、10 月から適用するためには4月から9月ぐらいにかけて順次進めていただく必要があると 考えております。  12ページ以降には試行事業の結果の資料があります。前回お出しした資料のほか、16 ページにはホームヘルプサービスをどのように利用していたかというような資料である とか、あるいは非該当の方にどういう方がいたかとか、あるいは1次判定結果の変更理 由など、前回の障害者部会で御質問、御指摘がございました事項につきまして資料に入 れております。時間の関係上その部分は説明を省略させていただきます。 ○横幕企画官  続きましてお手元の資料3でありますけれども、新しい事業体系等について御説明さ せていただきます。分厚いので2ページのところに目次をつけております。  4ページをごらんいただきますと、きょうはどの部分を御説明するかということです けれども、前回のこの部会では各サービスの概要について御説明いたしました。きょう は先ほど資料2によって障害程度区分の御説明がありましたけれども、これを受けまし て、各サービスごとに具体的な利用者像、標準的なサービス内容や人員配置の考え方と いったところを御説明、御報告をしたいと考えております。  一方で年度末の予算におきましては、大まかなサービス分野別の予算の割合が定めら れていくということになりますので、冒頭、企画課長から御説明がありましたとおり、 この枠組みの中で年が明けて、各サービスごとの具体的な運営基準でありますとか、報 酬単価等の考え方を御報告、御説明していきたいと思っております。  5ページをごらんいただきますと、前回もお示ししております、全体としての施設・ 事業体系の見直しの図であります。この中で真ん中のところ、日中活動と書いてありま すが、(1)〜(5)までのサービス、右側の居住支援の中で特にケアホーム、グループホーム というところについて御説明をしたいと思います。  6ページをごらんいただきますと、各サービスの利用者像を表にしております。6ペ ージが介護給付であります。生活介護と療養介護。まず生活介護の方につきましては、 障害程度区分の3、要介護の2程度以上の方を対象として考えていきたいと思います。  ただし、2つございます。一つは、生活介護は施設入所をあわせて実施することがで きるとしておりますけれども、入所の部分につきましては、今回制度全体を通じて入所 施設から地域への移行を進めていこうとしていること、新しく居住の場としてケアホー ムをつくっているということから、本当に必要性の高いというところに限定するという 考え方から、区分4以上というふうに整理をしております。  また、50歳以上の方につきましては、今回新しく訓練等給付などをつくっております けれども、その効果が大きく見込めないのではないか、それに伴って日中活動の場も制 約される部分があるのではないかといったことから、一つずつ区分を落として対象にし てはどうかと考えております。  右側の方に現行制度における主な対象者という欄がございますけれども、今の考え方 を現行施設のうち主要なところについてデータに当てはめて試算をしてみますと、例え ば、知的障害者通所更生施設の場合に全体の約6割の方、入所施設であれば身体障害者 療護施設の利用者のうち約9割、知的障害者入所更生施設利用者の約6割ぐらいの方が、 この対象者像に当たるのではないかというふうに見ております。ただし、現在の利用者 の方については、当面5年半、施設が新しい体系に転換した後も継続して利用していた だけるという措置をとっております。  療養介護でございますけれども、これは入院の医療と常時の介護、この両方を必要と する方々を対象としております。今回新しくALS患者に代表されますような人工呼吸 器による呼吸管理を行っている方であって障害程度区分6、一番重いクラスに当たる方 を対象とするということを考えております。  あわせまして、これまでの支給の対象になっています筋ジストロフィー、重症心身障 害者、成人の方について、区分5以上の方を対象としてサービスを提供していきたいと いうふうに考えています。ここについても経過措置の考え方は同じであります。  7ページをごらんいただきますと、今度は訓練等給付の方についてそれぞれ同じよう に利用者像を整理しております。この部分は前回の資料とほとんど変わっておりません けれども、一部ございますのは就労関係の事業、就労移行支援でありますとか、就労継 続支援のところで、年齢の考え方が入っております。就労移行支援とか、雇用型の場合 には65歳未満の方々を中心としていく。これは雇用保険の対象者と整合性をとっており ますけれども、例えば、就労移行支援の対象としてサービスを提供して一般的な就労に つなげていくに当たり、こういったところに中心を置いていくことが適当ではないかと 考えております。  非雇用型の方にも年齢50歳に達している方については対象にしていくということを 書いております。非雇用型のところでは、全体といたしまして、(1)就労経験があって雇 用されることが困難となった方、(2)就労移行支援事業を利用したけれども雇用につなが らなかった方とした上で、(3)50歳に達している方、あるいは、一たん働くことを試して みたけれども雇用につながらなかったと判断された方、それから、前回御意見がありま したけれども、就労移行支援事業が地域にそもそもないといった方々を利用者として想 定しております。  8ページをごらんいただきますと、グループホーム、ケアホームがございます。これ はいずれも地域における居住の場として位置づけておりますけれども、とりわけ今回、 ケアホームを新しく制度としてつくっておりますが、この中では障害程度区分の2、要 介護1程度以上の方を対象として考えていきたいと思っております。  それから、身体障害者のグループホームをどういうふうに考えるかというところが一 つの論点となっておりましたけれども、今回、重症心身障害者など、単身で地域生活を 営むことが困難であって、重度の身体障害のある方々について、まず試行的に実施し、 その効果を検証しながら、さらに検討を進めていきたいと考えております。  9ページは経過措置、事業者と利用者それぞれについて経過措置がございます。現に 支援施設を利用されている方々については、事業者が新しく転換した後も引き続き利用 できるということが書いてございます。  10ページでありますけれども、人員配置について、各サービスに共通する考え方を整 理しております。施設管理責任者に加えて、今回新たにサービス管理責任者を置くとい うふうにしております。この方々について、一定の実務経験と一定の研修を組み合わせ て考えていきたいと思っています。このために、新しいサービスの類型に応じてそれぞ れ専門的な資質を備えていただくための研修を具体化していくということも検討してま いりたいと思っております。  それから直接サービスを提供する職員について、各事業ごとに必要な人員基準をこれ から設定してまいりますけれども、介護給付の方につきましては、事業者ごとに利用者 の平均的な障害程度に応じて最低基準を設定する。また、事業者の判断により、さらに それより高い水準の人員配置をとることも可能にする、こういったラインで整理をして いきたいと考えております。  11〜18ページまでは、各事業について、それぞれ1枚ずつの概要にまとめてございま す。これは、各事業の内容をもうちょっとわかりやすい形にした方がいいのではないか という御指摘を受けまして、新たに整理をしているものでございます。  この中で、例えば見方としては、13、14ページに自立訓練事業というのが出てきます けれども、いずれも利用期間を限定するサービスでありますので、サービスを提供する ことによって利用される方々の状態等が変わっていけば、それに応じて想定される移行 先があるということを書いております。  15ページをごらんいただきますと、就労移行支援事業が出てまいりますけれども、こ れも自立訓練と同じような形で、一定期間を通じて一般企業等における雇用に結びつけ ていこうというものです。この事業を利用することによって実際に就労し、さらにその 職場に定着していった方が多数いるような場合には、その事業所について、成果に着目 した報酬上の評価を行うということも検討できないかと考えております。  16、17ページは就労継続支援事業ですが、このうち17ページの非雇用型をごらんく ださい。今回、働くということを通じて一人一人の所得の面での厚さを増していくとい うことも大きな論点であるということが、国会での審議の中でも多く指摘されたところ ですけれども、工賃の支払い目標水準を設定して、これを報告・公表していく、あわせ て報酬に反映していくことができないかと、こういったことを検討してまいりたいと考 えております。  18ページ以降にグループホーム、ケアホームの考え方を整理しております。19ページ をごらんいただきますと、制度の見直しに伴って事業者の指定等に関する考え方も整理 しようとしておりますので、これをまとめております。これまでは一つ一つの建物に着 目して指定しておりましたけれども、今回の見直しの中では、家ごとということではな く、幾つかの家で実施している場合には、それをまとめて一体として運営している事業 に着目して指定をしていきたいと考えております。  その中で、具体的にどの住居にどういうふうに利用者が住んでいくかということにつ いては組み合わせて考えていくことができるようにしていきますので、これまで1つの 事業当たり最低4人となっていましたけれども、これにあわせて1つの家当たりの利用 者は最低2人でもいいというような緩和ができるようにならないかと考えております。 また、この事業全体の中で、職員の配置、サービス管理責任者でありますとか、世話人 の方々などの配置について基準を適用していくように整理していきたいと思っていま す。  20ページをごらんいただきますと、ケアホームについてグループホームに置かれる世 話人やサービス管理責任者により提供されるサービスに加えて、生活支援員や夜間の支 援体制に関し、介護的なサービスを必要とする部分を一人一人の利用者の障害程度に応 じた形で人員配置あるいは評価を行っていくようにしてまいりたいと考えております。  21〜23ページまで、前回と同じ中身の資料をつけさせていただいております。きょう 何人かの委員の方々から資料が提出されていますけれども、グループホームを考える際 の論点として残っております規模の問題、1カ所当たり何人ぐらいまでいいのだろうか という問題です。それから立地の問題、とりわけ病院ですとか入所施設の敷地内にグル ープホームを置くということについてどう考えるかという問題でございます。今回はこ の両論についての御意見をよく伺っていきたいと考えております。  24、25ページに、幾つか共通するポイントを挙げております。24ページには入所施設 あるいはグループホームなど、居住部分を支援するところを中心として、そこに住んで いる方が日中活動を外で利用するケースもあるわけですけれども、その全体の調整など を含めて支援をしていく考え方にしたいということを書いております。  25ページは、日中活動を大きく再編しましたけれども、それぞれ最低定員をどう考え るかということを挙げております。原則として社会福祉法に定める最低定員20人を適用 していく。ただし幾つかの例外的な取り扱いを考えております。一つは雇用型の就労継 続支援事業。これは、いろんな形をとって雇用の場を地域に多く確保していこうという 考え方に立って最低定員を10人にする。それから、過疎地域でありますとか離島地域な ど、利用者数の確保が困難と認められる場合に、都道府県知事の個別の判断によって10 人以上とするといった例外と組み合わせて実施していくことを考えております。  26〜32ページまでは、具体的な移行のイメージを持てるようにするものです。現在の 主な施設の利用者に着目して、典型的なニーズを踏まえると、新しい体系においてどう いったサービスの組み合わせが考えられるだろうかということを整理しています。例え ば27ページ、身体障害者療護施設で見ますと、主に介護サービスを受けたいという方で あれば、日中は生活介護、夜間は施設入所。一方で、福祉サービスを受けながら、むし ろ働いていきたいという方々については、一定期間、機能訓練のサービスを受けた後で、 さらに福祉ホーム等に住みながら非雇用型のサービスを受けていくといった形が考えら れるのではないかということを、主な例として挙げております。以降、知的障害や精神 障害の方々についても主な例を挙げております。  34〜36ページまで、報酬体系をこれから具体的なサービスについてつくっていくわけ ですが、共通する考え方を整理しております。それぞれのサービスごとに利用者の状態 像やサービス機能に即した体系とするとした上で、日中活動と居住を区分して評価して いくということ、事業ごとに明確化された利用者像や機能に応じた体制をとっていくと いうこと。 それから(3)で目標の達成度に応じた評価を挙げております。さっき御 説明したように就労移行支援事業や非雇用型の就労継続支援事業で、具体的な事業実績 を目安にして報酬面に反映することを検討できないかと考えております。  今回、月払いで定額を払うという形から、日々の利用実績に応じた形での利用実績払 い、日払いに転換することとしておりますが、その中で、例えば利用者が一時的に利用 できないケースなども想定した上で、利用率を見込むということですとか、定員と実利 用人員の関係を柔軟に取り扱うということなど、いろんな配慮も踏まえた上で具体的な 仕組みを考えていきたいと考えております。  37〜41ページまでは、現行の支援費基準をあわせて見直すこととしておりますので、 その主なポイントを整理しております。中身は、事務的な部分と新しいサービス体系の 方で導入される部分にあわせた見直しと、主にその2つからなっております。具体的な 中身については省略させていただきたいと思います。  最後、43ページ、今後の進め方です。年末の予算編成に向けて、全体の給付費の改定 の幅をセットしていくということ。各サービスの利用者像でありますとか、標準的サー ビス内容の考え方、これは今御説明したところでございます。それから、サービス分野 別の予算の割合など。年が明けまして、こういった枠組みの中での具体的な基準であり ますとか報酬単価などを設定するといった段取りで進めてまいりたいと考えておりま す。 ○伊原企画官  続きまして資料4に基づきまして、障害福祉サービスの基盤整備という点について御 説明させていただきたいと思います。この資料は、今後自立支援法が施行されて以降、 サービスの利用がどのようにふえていくのかと、このあたりにつきまして今我々として 得られる情報をもとに推計を行ったものでございます。  きょうお示ししますのは、その利用者の見通し推計と、あわせて、今後障害福祉計画 を自治体ごとにつくっていただくことになりますが、その際の考え方ということを粗く お示しさせていただいております。  まず1ページをごらんいただけますでしょうか。サービス利用者の将来見通しという ことで、推計結果のポイントということで大きく5つポイントがございます。下の4つ は推計の結果どうなったかということですけれども、今回の推計に当たりましては大き く3つのサービスごとに調べております。一つは訪問系サービスということで、ホーム ヘルプサービスがどうなるのか。もう一つが日中活動、昼間のサービスがどうなるか。 3つ目が居住系サービス、これは施設入所とかグループホーム、ケアホーム、これがど うなるかと。こういう観点で3つの区分から推計を行いました。  結果につきましては2ページをごらんいただけますでしょうか。ここに平成17年度と 23年度という数字がございます。まずホームヘルプサービス、いわゆる訪問系サービス の利用者数ですけれども、昨年10月段階の全国の市町村のサービス利用実態調査の結果 をベースに推計を行っていますが、今年度ですと9万人ぐらいの方が利用されていると いうものが、平成23年には16万人と、1.8倍になるのではないかと見ております。  この中には直近のサービスの伸びのほかに、長期入院の精神障害者の方のうち、退院 状況が整えば退院できるという方がいらっしゃいますけれども、こうした方々へのサー ビスも上乗せして推計しております。  それから、日中活動系サービスの利用者数ということで、これは昼間の活動の部分に ついて推計を行ったものでございます。この昼間の活動には、入所施設で昼間暮らされ ている方も含めてカウントしております。現在17年度ベースで30万人いらっしゃいま す。このほかに法定外施設ということで、小規模作業所がございますが、ここを大体8 万人くらいの方が利用されています。今後、自立支援法が施行されますと作業所にいら っしゃる方々の相当数が、具体的に法定サービスへ移行が進むと想定いたしまして、平 成23年度には全体で47万人の方が利用するのではないかと見ております。  それから、居住系サービスの利用者数ということで、現在、施設入所あるいは精神病 院への入院という形で22万人の方が施設入所、入院されています。そのほか、地域でグ ループホームを利用されている方が3万人いらっしゃる。今後グループホームやケアホ ームをふやすという中で平成23年度には9万人と見込んでいます。さらに、入所施設あ るいは病院から地域へという流れの中で、この入所施設、病院の部分が縮減されて16 万人というふうに見通しを持っております。また後で細かい点は御説明させていただき ます。  それから、今回、自立訓練事業とか就労移行支援事業というものを制度化しまして、 施設から地域へ、あるいは就労移行を進めていこうと考えています。こうした新しい事 業が進められると仮定いたしまして、仮にこの成果が上がると考えまして見込んだもの が残りの2つの数値であります。現在、福祉施設から一般就労に移行されている方が年 間約2000人いらっしゃいますけれども、こうした方々が23年には8000人、約4倍にな ると。あるいは福祉施設における雇用の場ということで、今回就労継続支援事業の雇用 型というものを制度化しておりますけれども、今約3000人ぐらいの福祉工場で働かれて いる方が、10倍の約3万6000人になると見込んでおります。  3ページはホームヘルプサービスについて見た場合の資料でございます。  4ページが日中活動系のサービスということでございます。今申し上げましたことを もう少し分析したものですが、4ページの左側は現状でございます。法定施設を利用さ れている方が27万人、あるいはデイサービスを利用されている方が3万人。小規模作業 所に約8万人。精神の長期入院あるいは必ずしも長期ではありませんけど受け入れ条件 が整えば退院可能な方というのが6万9000人。そうした方々がいらっしゃいます。この 方々が仮に旧体系のまま推移したとすると、この真ん中のようなことになるのではない かと見ておりますが、この新体系が制度化されて所期の成果を上げたという場合には、 大胆な推計ではございますけれども、この4ページの右側にあるような数字になるので はないかと考えております。  7ページが居住系サービスでございます。左側に17年度とありますが、入所・入院と いうことで、入所施設に入られている方が15万人。精神の入院患者として6万9000人。 こうした方々がいると。今後、新体系へ移行する中で、23年度段階で、いわゆる福祉施 設の入所からの地域移行が約1万人。入院からの移行が約5万人と見込んでいます。精 神障害の6万9000人の方々の対応策というのは、平成24年度解消を目標に進めており ます。これは23年度段階の数字ですので5万人という数字になっています。いずれにせ よ平成23年度段階で合わせて6万人の方が地域に移行していくと。うち3万人の方はグ ループホームないしケアホームで受け入れていく。残り3万人の方は福祉ホームなり一 般住宅に移っていくと。このように仮定を置いております。具体的な推移につきまして は、8ページにその絵がかかれております。  9ページにまいりまして、基盤整備の基本的考え方でございます。○にございますよ うに、新サービス体系の移行に関する経過措置期間中、来年度から23年度の期間中にこ のサービス利用者の将来見通しを念頭に置きながら、国として基本指針を来年春には定 めたいと思っています。これを踏まえまして、都道府県及び市町村が障害福祉計画を策 定しまして基盤整備を進めていきたいと考えています。  4つの柱としてここに掲げております。一つは、全国どこでも必要なホームヘルプサ ービスを保障していくと。特に立ちおくれている精神障害者などに対する充実を図って いく。あるいは、まだ現在実施していない市町村も数多くありますので、そこの充実を 図っていく。  それから2番目に、希望する障害者の方に日中活動サービスを保障していく。特に小 規模作業所利用者の法定サービスへの移行などを進めていく。  3つ目に、グループホーム等の充実を図り、施設入所、入院から地域生活への移行を 推進していく。  4番目としまして、福祉施設から一般就労への移行等を推進していくということで、 就労移行支援事業などの推進によって、福祉施設から一般就労への移行、さらに福祉施 設における雇用の場を拡大していく。  こうしたことを念頭に置いて基本指針を定め、地域での基盤整備を進めていけないか と思っております。  10ページには、こうした考え方を具体的にどういうプロセスで進めていくかというこ とでございますけれども、国の基本指針を定め、18年度中に障害福祉計画を都道府県・ 市町村でつくっていただき、3カ年計画をまずやっていただくと。3年やりまして、さ らに見直しをしまして第2期計画ということで、21、22、23と3年間計画をやってまい りたいと思っております。スケジュールとしましては、11ページにございますような手 順で進めていきたいと思っております。  12ページは参考という形でございますが、今回基盤整備を進めていく中では、去年9 月に精神保健医療福祉の改革ビジョンにおいてお示ししましたように、平成24年までに 受け入れ条件が整えば退院可能なもの、7万人が退院するとしています。そのための福 祉基盤を、地域生活支援の強化を図っていくこととして、12ページの下にあるような福 祉サービス基盤の整備を進めていくという説明を入れております。以上でございます。 ○長田社会参加推進室長  資料5に基づきまして、地域生活支援事業について御説明申し上げたいと思います。 1ページをごらんいただきたいんですけれども、まず地域生活支援事業の事業の性格と 呼べるものを御説明申し上げたいと思います。一つは、地域の特性がいろいろあるだろ うと。都市部と山間・離島とは随分違うだろうと。あるいは社会資源の状況、例えばサ ービス提供事業者の数でありますとか、あるいは公共交通機関の整備状況といったもの が違っているといったことを踏まえて、あるいは個々の利用者の状況に応じて柔軟に実 施する。例えば、1人の利用者について1対1のサービスで提供するということではな くて、複数の利用者について1人のサービス提供者が行うといったことも考えられるで あろうし、あるいは緊急時の対応ということを考えれば、個別の契約に基づいて、なお かつ支給決定手続を踏まえて何らかのサービスを提供していくというよりも、もうちょ っと柔軟なやり方があるだろうと。そういったことで効率的・効果的な事業が実施可能 であるような事業。あるいは、地方が自主的に取り組んでいただきたいような事業。そ れから、個々の障害者の生活ニーズに応じて、個別給付等を組み合わせて利用すること も想定できるような事業。例えば、就労移行支援と就業・生活支援センターの事業とい ったものも想定されるかもしれません。  それから、障害者保健福祉サービスに関する普及啓発の事業。例えば、スポーツ・芸 術活動への支援でありますとか、あるいは研修事業といったものもあると考えられます けれども、そういったものについて地域生活支援事業ということで、市町村あるいは都 道府県の方で柔軟に対応して実施をしていただきたいというふうに思っております。  具体的には、参考のところに書いてありますように、市町村が行うべき事業として、 例えば相談支援でありますとか、あるいはコミュニケーション支援、あるいは日常生活 用具の給付でありますとか、移動支援、地域活動支援といったものを法定化しておりま す。あわせて都道府県の方では、例えば発達障害者支援センターといったような、特に 専門性の高い相談支援事業といったことを法定化させていただいているということでご ざいます。  次のページでございますけれども、この地域生活支援事業につきましては、実施主体 は今申し上げましたように市町村と都道府県ということになっております。それぞれ負 担割合は、市町村の場合でありますと、国が2分の1、都道府県が4分の1、実施主体 の市町村が4分の1ということにしております。都道府県が実施主体の場合には、国が 2分の1、実施主体であります都道府県が2分の1というふうに基本的にしております。  3ページをごらんいただきたいのですが、実際に実施する場合の市町村あるいは都道 府県の費用についてどういうふうに配分していくかということでございますけれども、 この地域生活支援事業につきましては、統合補助金ということでございますので、個別 の所要額に基づく配分はせずに、例えば、事業を行っていない市町村については、全国 水準並みに事業を実施するよう底上げを図ってもらうということが必要であろうと。あ るいは、もう既に今までやっている市町村がありますし、実際に実施をされておられる 市町村の実施水準というものも、反映する必要があるという観点から、一つは人口に基 づく一律の基準による配分というものと、それから、現在の実施水準を反映した基準い うものを組み合わせをして、個々の市町村・都道府県に配分するということにしたいと いうふうに思っております。  具体的な配分方法は来年度予算案を含めて今後検討していきたいというふうに思って おりますけれども、その際には人口割と実績割の比率はどうするのかといったもの、あ るいは市町村の事業と都道府県の配分の割合をどうするのかといったことについても検 討した上で、今後お示しをしていきたいというふうに思っております。  4ページでございますけれども、地域生活支援事業における利用者負担の考え方をど うするかということでございます。先ほど申し上げましたように、地域生活支援事業に つきましては、それぞれの市町村あるいは都道府県の実情に応じて実施方法を柔軟に考 えていただきたいということでございますので、それぞれの実施主体において利用者負 担についてもお考えいただきたいと。利用者負担の方法について全国一律で定められる というものではなくて、それぞれの実施主体で基本的にはお考えいただきたいというふ うに考えております。  ただ、従来から利用者負担をお願いして実施している事業については、今までの利用 負担の状況、あるいは他の障害者のサービスの利用者負担のやり方といったものを考慮 いたしまして、実施主体として適切な利用者負担を求めるということはお考えいただい てもよいのではないかというふうに考えております。以上でございます。 ○新村精神保健福祉課長  御説明の最後になりますが、資料6でございます。精神通院医療の重度かつ継続の範 囲につきまして御報告申し上げます。従来の提示案と申しますのは、昨年12月の障害者 部会でお示しいたしました案でございますが、一つは医療保険の多数該当のもの。もう 一つが病名でくくっておりまして、統合失調症、躁うつ病、難治性てんかんということ でございました。この病名で定義されている分につきまして、その後種々議論がござい まして、自立支援医療制度運営調査検討会で専門家の方々にも御議論をいただいてきた ところでございます。  その結果、この病名に当たる部分につきましては(2)に書いてございますが、ICD-10 における次の分類ということで、F0、症状性を含む器質性精神障害、これは認知症な どでございます。F1が精神作用物質使用による精神及び行動の障害ということで、薬 物中毒などでございます。F2が統合失調症。F3は気分障害ということで、狭義の躁 うつ病だけではなくて、うつ病も入ってございます。それからG40、てんかんというこ とで、難治性に限らずてんかんを含めるということでございます。  これに加えまして、この病気以外の場合でございましても必要な場合もあるという御 議論があって、(3)にございますが、以下の病状といいますのは、情動及び行動の障害、 あるいは不安及び不穏状態という、これを具体的に基準としてお示しいたしますけれど も、その病状を示す精神障害のために、計画的・集中的な通院医療を継続的に要すると いうことを専門の医師、すなわち3年以上の精神医療の経験を有する医師によって診断 され、その結果認定を受けた方ということで、この検討会で合意を得ましたので御報告 申し上げます。以上でございます。 ○京極部会長  ありがとうございました。大変皆様手短に説明していただきまして、議論が深まると 思います。ただいまの資料2〜6の事務局からの説明について御質問がありましたら順 次御発言いただきたいと思います。なお、できるだけ多くの委員に御発言いただけます ように、手短にお願いしたいと思います。なお、先ほど説明がありました資料1及び参 考資料についても追加で御質問があればお願いいたします。  前回、松友委員がちょっと発言ができなかったので、優先していただいて、それから 順次、嵐谷委員から順番に全員が発言できるようにしたいと思いますので、松友委員は 最初にお願いいたします。 ○松友委員  前回、発言の直前に終了したことを御記憶いただきましてありがとうございました。  お手元に資料として印刷したものをお配りしておりますが、グループホーム、ケアホ ームの施設・病院敷地内の設置、定員規模についての意見を述べさせていただきたいと 思います。  障害者自立支援法は、紆余曲折を経ながら、特別国会の終了際に可決・成立されまし た。社会福祉基礎構造改革の理念を評価し、それに基づくサービスの持続と新たな発展 のための苦肉の策と考え、同法案を一貫して支持してきた立場として、ひとまず安堵し ております。 特に「新たな発展」とは、利用者とサービス提供の量的広がりとともに、 内容の質的な転換を期待したからであり、その基本は「ノーマライゼーション」理念に 基づくと判断したからです。  自己負担の増大等、新たな厳しい環境が前提であるため、内外から多くの批判や抗議 を受けながらも、「グランドデザイン案」以来、私たちが方針を堅持した理由はここに あります。しかしながら、この改革の期に乗ずる形で、基本理念から逸脱する動きがあ ることを耳にし、極めて遺憾に思っております。  支援費制度のスタート直前に起こった、「ホームヘルプサービスの利用制限(上限設 定)」に対する関係者の激しい抗議行動は、その内容とともに進め方に対する不信と怒 りによるものでありました。中心的役割を担ったと自覚する私たちは、その責任を強く 認識して今回の制度改革に真摯に取り組んできました。そのため、理念を逸脱する動き は容認することはできません。  具体的には、「グループホーム、ケアホームの施設・病院敷地内の設置、定員規模」 の問題であります。私たちは、厳しい現状を認識しながらも、国家戦略が理念から逸脱 することのないよう、強い要望として以下のとおり意見を申し述べます。  記  1.知的障害者のグループホーム、ケアホームの施設・病院敷地内の設置は、絶対に 認めることはできません。厚生省(厚生労働省)は1989(平成元年)の新規事業として 「精神薄弱者(知的障害者)の地域生活援助事業」の名のもとに、グループホームを創 設しました。そして、その適切な設置・運営のために、異例ともいえる『ハンドブック』 を発行しました。そこに示された知的障害者の処遇についての歴史認識や施策の基本理 念は、関係者をして驚愕させるほどの画期的なものでありました。私たちは、この事業 をもって地域生活の実現へ向けた動きの幕あけと理解しています。  そこでは、グループホームとは「地域における生活の場の一つ」として示されていま す。長らく地域から隔離され、収容の処遇を受けてきた知的障害のある人が、本来の場 において適切な支援のもとに、人としての尊厳が守られながら生活するということは当 たり前のことであり、私たちが長らく望んできたことです。そして、グループホームが 訓練の場である施設でなく、暮らしを保障する「生活の場」であることを高く評価する ものです。  「地域における生活の場」であるとしたら、施設や病院の敷地内に設置することは、 常識的な発想として浮かんできません。施設や病院の敷地内が地域でないことは自明の 理であります。膨大なる需要の拡大や入所(収容)施設の対象者の減少等の現実があっ たとしても、基本理念を放棄した対応は歴史的な禍根を残すことになります。  何より、地域での生活を望む知的障害のある人たちが施設や病院の敷地内での生活を 望むでしょうか。彼ら、彼女らの意志を無視した施策は改められるべきであり、第一の 権利擁護者(代弁者)である親として、この点は決して譲ることのできない一線であり ます。関係者は、みずからの胸に手をあて、みずからの哲学・倫理に反しない判断を行 う必要があります。  ケアホームは今回の新しい制度で創設されるものであり、私たちは「小型施設」とし ての問題を認識しつつ、現実的な対応として評価しました。しかしながら、それもグル ープホームと同様に「地域における生活の場の一つ」としての期待であり、それゆえに 施設・病院敷地内の設置は考えられないことです。  しかしながら、精神障害者に関しては、地域での差別意識の厳しさ等に伴い、現行制 度でのグループホームの実施という事実があります。それらの点を考慮すれば、何らか の配慮や経過措置が例外的な規程として考慮されることは必要かと考えます。その場合 も、基本理念を踏まえた原則を確認することが前提になります。  2.グループホーム、ケアホームの定員規模は、それらが障害のある人の「地域にお ける生活の場」であることを踏まえ、それにふさわしいものでなければなりません。  グループホーム、ケアホームが「地域における生活の場」であるとしたら、それにふ さわしい規模が、そこに生活する障害のある人の視点から考えられるべきです。確かに、 本来の地域での暮らしの場への過程であることは厚生労働省の資料によっても明示され ているところです。しかしながら、それが必要な人にとっては生涯の場である可能性も あります。そうであるとしたら、それを前提として考慮されるべきであります。  新しい制度では最低定員を4人とし、「1住居当たりの利用者を2人以上とする」方 針が示されましたが、この点は高く評価するものです。問題は「1住居当たりの最大限 度」であり、新しく示された「事業」としての最大限度であります。グループホームと ケアホームでは、当初のねらいから考えれば、異なることは理解できます。しかしなが ら、両者においても従来の実績を踏まえ、提供者(管理・運営)の視点からばかりでな く、利用者(生活・自立)の観点から適切な数と形が決定されることを強く望みます。  以上であります。ありがとうございました。 ○嵐谷委員  地域生活支援事業についてお伺いしておきたいのは、地域生活支援事業を各市町村で ということでございますけれども、これがかなりの市町村格差を生むのではないかとい う懸念を持っております。予算的な問題等々あるでしょうけれども、市町村でこの範囲 内は義務的な形で予算化もして、事業としてできるような形をとっていただかないと、 多分格差が非常に大きなものになるんじゃないかと思います。その点、よろしくお願い いたします。 ○安藤委員  安藤です。資料1と5についてお伺いしたいんですけれども、資料1の地域生活支援 事業のガイドラインの策定ですが、私たちはこのガイドラインの内容に大きな関心を持 っています。このガイドラインがどのようなことを柱として策定されるのかお伺いした いと思います。  それに関連して資料5ですけれども、4ページの地域生活支援事業における利用者負 担の考え方です。(1)と(2)の読み方が非常に難しいです。行政の専門用語なのかわかりま せんけど、非常に含みがあるようで、その含みが何なのか見えてこないんです。先ほど 嵐谷委員が言いましたように、(1)については基本的には実施主体の判断によるべきとい うことで、基本的には地方分権の推進と読んで理解はできるんですけれども、私たちが 一番恐れているように、地域的な格差というものが大きくなるのではないか。地域の首 長の基本的な姿勢とか財政状態で大きく変わってくるということは、この文章を読む限 り危険性が大きいということです。このガイドラインについてきちんと方向が示される のか、このような内容では市町村が混乱するのではないかと思います。  「従来から利用者負担を課して実施している事業については」とただし書きがついて おりますけれども、事業援助については現行の支援費制度の対象外ということを、つま り利用者負担を課していない事業もあるということですけれども、****事業の** *な方向というものが図れていないから、従来の方針の継続とも読めるんですけれども、 ただ、地域生活支援事業であって、財源そのものも非常に関連していますのでどうなる のかわからない。そうするとこれは読めない内容になっているし、ガイドラインとも大 きなかかわりを持っています。それをきちんと整理する場合どうなるのかお伺いしたい と思います。 ○伊藤委員  資料3の36ページ、利用実態に応じた支払い方式の転換というところなんですが、今 現在、外泊・入院等で2割カットなのでございますが、入所施設は住まいの場でござい ます。空きベッドを短期間利用するということは現実的に非常に難しいかと思います。 できれば現状どおり8割支給程度にしていただければというのが第1点でございます。  あと一つ。入所施設から訓練関係の場所に利用者が移動したいと言った場合の送迎に かかる費用なんですが、これはどのようにお考えになっているのか、この辺をちょっと お聞かせ願えればと思います。以上でございます。 ○京極部会長  それでは事務局からのお答え、どなたでも結構です。 ○横幕企画官  伊藤委員からの御質問ですけれども、報酬の利用実績払いに伴い、入所施設で外泊な り入院なりされる場合の取り扱いのことです。これは、実際の利用率、他制度でどう取 り扱っているかというところがありますので、今の御意見も踏まえて具体的な検討をし てまいりたいと思っています。  それから送迎については、入所施設の場合、基本的には他のところ、例えば日中活動 をよその場所へ行くような場合の送迎については、日中活動事業者を中心に考えていき たいと思っています。その上で、原則、まずは利用される方がみずから通うということ を基本にしていきたいと思っています。しかし、例えば生活介護などの場合、みずから 通うことが困難と思われる方が多い実態にありますので、そういった事業については一 定範囲での送迎を報酬で評価し、その実施責任を明確にしていくという形で整理してい きたいと思っています。  一方では、地域によっては地域生活支援事業の中の移動という形で、例えばバスを使 うことができるケースもあると思いますので、そういった場合などはそちらを利用して いただくこともできると思っています。 ○長田社会参加推進室長  地域生活支援事業の関係で安藤委員ほかから御意見をいただいておりますけれども、 ガイドラインの内容についてでございますけれども、我々として今考えているのは、も ちろん地域生活支援事業の対象者、支援の内容、利用形態、利用者負担の関係、事業実 施について配慮すべき事項といったものがその内容になってくるんだろうということ で、現在検討を進めているということでございます。ガイドラインについては年明けに 案という形でお示しした上で、3月に決めたいと考えております。  それから、嵐谷委員の方から予算的なことというお話がございました。今まだ十分に 地域生活支援事業の内容とするものが行われていない市町村もあると認識しております ので、そこら辺については、例えば人口割の配分でありますとか、あるいは現在の事業 実施状況を踏まえて配分を考えたいと思いますし、国の予算として必要な額については、 これから財務省とも相談しなければいけないわけですけれども、しっかり確保していき たいと考えております。 ○京極部会長  それでは続けて各委員の御意見、御質問を承りたいと思います。順番で猪俣委員から 君塚委員まで話していただいて、それでまとめて事務局からお答え願えればと思います。 ○猪俣委員  簡単に2、3点御質問させていただきます。一つは、資料4の中で23年度までの推計 値が出ておりますけれども、当初の審議会での議論の中では、平成23年度ころには介護 保険との統合も前提としてお話を進めておられたように記憶しているんですが、こうい う極めて将来のことまで推計していくときには、その辺の問題はどうなったのかという 認識をお聞きしたいと思いました。  2つ目は、これは精神に特有な問題かもしれないんですが、日中活動サービスとデイ ケアのようなサービスというのは、実は非常に相互関連があるんですが、医療との関連 がイメージがクリアに浮かんでこないんですね。対象者はかなりダブルだろうという気 がします。  3点目、居住施設の敷地内設置の問題なんですが、松友委員が大変格調の高いお話を して感心して途中まで聞いていたんですが、途中で突然、精神に関しては例外的なとい う話が出てまいりましてがっかりいたしました。一生懸命障害者施策を考える人でも精 神が二重、三重の差別を受けている、まさにあかしではないかと思います。私は前から 施設内居住サービスに関しては、障害者本人の自由度や社会参加度、本人の満足度から 検証される必要があるだろうと。あくまでも障害者本人の立場から見てどうなのかとい うことを考えていただきたいなと思います。病院敷地内のグループホームに入って、日 中はその病院のデイケアに通う、これは本当のグループホームの意味があるのか、その 辺を検討し直さなければいけないのではないかと思います。以上です。 ○江上委員  江上です。資料4の4ページ、日中活動の場で小規模作業所が23年度までにはこのよ うになりますということを書かれているんですけれども、そのような中で小規模作業所 というのは国の方としてはどのような形で新体系では、小規模作業所の8万人はどうい う形の移行をされるのか。それと、各市町村で過疎地等の作業所の運営等については非 常に厳しい、市町村財政も非常に厳しい中、国庫補助、現在110万は出ていますけれど も、それが切られたら市町村の補助金も切られるようなところもあると聞いていますの で、その辺を含めて、今後平成18年度、19年度も含めながらどういう体系で進めてい くのか、その辺のことをお願いいたします。 ○笹川委員  まず障害程度区分のことでお尋ねします。先ほどの御説明の中で、4月から障害程度 区分の判定・認定をするということですけれども、一方、事業として4月1日から実施 に入る事業がございます。その関係がどうなるのか。これが第1点です。  第2点、地域生活支援事業については10月から実施ということですけれども、その間 の費用負担がどうなるのか。一部1割負担というのが4月からスタートするわけですけ れども、少なくとも支援事業として実施される以上は、それとは関係ない形での費用負 担になるのかどうか。その点が第2点です。  3点目は、この法律ができるときに、草案が出されて閣議決定されるまでに2週間し かありませんでした。実際上はこの法律は全然我々は討議しておりません。この場で審 議もしておりません。その折に言われたことは、政省令を定めるときには十分皆さんの 御意見を聞きますというふうに私どもは聞いております。先ほどのお話ですと、パブリ ックコメントを出している、残念ながら視覚障害者の場合はこの内容を全部音声で聞く ことができません。いろいろと調整していただいてやっと聞けるようになりましたけれ ども、もう1週間しかありません。そうした意見・要望をもとにして政省令案ができる のか、それとも、その意見・要望を聞いただけで、一部はもう年内に公布ということで すけれども、政省令の取り扱いがどうなるのか、この点をお尋ねします。 ○北岡委員  私は1つの質問と2つの意見を申し上げたいと思います。  一つは、障害福祉計画の説明と数値目標の説明がありましたけれども、基本的な認識 として、数値目標=アッパーラインというような意味はないという理解をしてもいいの かということをお尋ねしたいと思います。至るところで障害福祉計画の際にアッパーラ インということが話題になっておりますので、その辺についてどういうお考えなのか御 説明をお願いしたいと思います。  それから、先ほどの松友委員のグループホーム、ケアホームに関する敷地内外の話な んですが、私も知的障害の方を支援する仕事を常日ごろやっておりまして、基本的には 松友委員がおっしゃる施設敷地内にグループホームやケアホームを設置していくという ことは、QOLという観点からも容認してはいけないのではないかということを一方で 強く思いますが、それが本来あるべき姿で、これから私たちが進むべき方向だというふ うにも考えています。暮らす場や、働く場や、活動する場、また余暇を楽しむ場という ことについては、違ったところで活動するということは、一方で当たり前のことだろう と思っています。そういう方向に施策は誘導されるべきだと思っていますが、一方でそ の理念だけですべてをチェンジしていいのかということも不安に思ったりします。その 理想に向かって経過的な措置も必要になってくるのではないかというのが私の意見でご ざいまして、施設でなければそれでよいのかという単純な疑問もあります。例えば施設 の隣だったらよくて、敷地の中だったらだめなのか。じゃあ住所を分筆すればいいのか ということなどなど、いろいろ釈然としないこともあります。例えば通所施設の敷地の 中にグループホームやケアホームをつくるのは、これはいいのかということも思います。  それから、同じ法人が運営する通所施設とグループホームやケアホームで暮らすと、 そこを行ったり来たりするというような暮らしのあり方についてはどうなのだろう。地 域にあるグループホームで暮らしていらっしゃる方が、入所施設の日中活動を利用する ということについてもどうなのかということなどなど思うと、やはり敷地内外という議 論も大変重要かもしれませんが、一人一人のケアのあり方ということに合わせて議論し ていく必要があるんじゃないかと思っています。知的障害の方の入所更生施設でグルー プホームを運営していない施設が約半数だと聞いています。そういう施設の人たちに、 知的障害のある方が地域で暮らすということを支援していくノウハウを今すぐ身につけ ろというのは、この数字から半分が運営されていないわけですので、そういうことをど ういうふうに育てていくのか。具体的なイメージやノウハウが貧困であるような現実も 一方であるのではないかと思っています。  また、利用者の方について考えても、長期に施設に入所されてきた人たちに対して、 地域生活への移行ということを考えたときに、ステップを踏みながら丁寧に展開してい くということも必要だというリアリティを持っていまして、中には施設との関係をある 程度維持しながら地域生活へチャレンジしていく人もいるという現実があります。軸足 を徐々に地域に移行していくというステップが必要になってくるのではないかとも思う わけです。そういう現実から、原理・原則の問題はそういうことだと思いますが、経過 的にはある一定の条件を提示しながら、そのことも排除しないということも考えていっ てはどうかと思っています。ある一定期間、敷地内のことも例外的に認めるということ はどうでしょうか。  例えば、都道府県知事の承認が必要というルールを決めるとか、個別支援計画の中で 地域の暮らしへ移行できるような支援を義務づけるとか、敷地内にあるグループホーム やケアホームで暮らす人の日中活動は地域の中で展開するということを条件に出すと か、その範囲で例外的に認めていくというステップを踏むということは決して後ろ向き になるとは思えないわけです。また、厚生労働省は敷地内のグループホームやケアホー ムの数値を、グループホーム、ケアホームと別に今後公開していくということなども必 要なのではないかと思います。これがグループホームやケアホームの敷地内をどうする かということの私の意見です。  それからもう一つは、ケアホームの基準についてなんですが、これから夜勤を置くケ アホームなども登場するように聞いていますが、例えば5人の入居者がいて、夜勤がい らっしゃって、土曜日、日曜日の日中ケアができるだけの報酬単価をぜひとも実現して いただきたいと思います。それは、一つには5人入居の夜勤型グループホームに住んで いる人たちが、今後グループホームにはホームヘルパーの派遣ができなくなるというこ とになると、生活を継続していくことが難しいということも現実的な問題としてあると 思います。このような問題を抱えるグループホームは多くあるのではないかと認識して います。既存建物を再利用するということを考えたときに最も有力なのが、既存の一般 住宅や借家ということになると思いますが、そこに住める人数も5人が最大ではないか と考えますと、その5人をベースに考えていただけたらというように思います。以上で す。 ○君塚委員  私たちは前から児者の一本化あるいは個人をしっかり評価する属人化、障害の種類を 問わずにという3つの考え方のもとに、長く医療を伴う福祉を行ってきました。今回は 2つほど、一つは障害程度区分についてなんですけれども、これはなかなか難しくて混 乱を起こしやすいと思います。資料2にあります障害程度区分の22、23のような意見な りヒアリングのようなことの中身をしっかりとクリアして、評価あるいは属人化を適切 なものにしていただきたいということがあります。それに関係しては、重症心身障害児 ということの定義はあるんですけれども、重症心身障害者の定義はないにもかかわらず、 本文には載っているということがあると思います。  もう一つは、私たちのところは子供ですので、3年後なり5年後ということを見通す わけですけれども、かなり特殊だと思います。医療があり、養育があり、重度長期化が ある。数が少ないし、肢体不自由児の施設の場合であれば年に数カ月という短期間で地 域を支えているという面がありますので、そういう特殊的なところから、さらには障害 のある虐待児ということもありますので、医療の伴う短期の管轄を、市町村ではなくて 都道府県担当にしていただければと希望しております。以上です。 ○京極部会長  今までのところで事務局でお答えできるところは。敷地内外という話は後でまとめて 議論したいと思いますので、それ以外のことについてお答え願いたいと思います。 ○伊原企画官  まず私の方から、猪俣委員ほか、サービス利用者の将来見通しに関して御質問がござ いましたので、それに関連してお答えしたいと思います。  まず将来見通しですけれども、どのように見通しを行ったかといいますと、支援費が スタートしてから急速にホームヘルプ、日中活動等が伸びております。この伸びを直近 のデータからとらまえまして、今の利用者数をベースに推計を行ったというものでござ います。したがって、財源が介護保険なのか、あるいは税なのかということはさておき まして、支援費が導入されて顕在化してきたニーズをとらまえて伸ばしたものでござい ます。財源の問題は別途議論することではないかと思います。  それから、関連しまして江上委員の方から、小規模作業所のお話がございました。小 規模作業所についても、現在17年4月のデータで約7万8000人、日本では利用者がい らっしゃいます。これを規模別に置きかえて、一定の仮定を置いて、将来一定規模以上 のものは地域活動支援センターなり、その他の個別給付に移行するというふうに見通し ております。ただ、この見通しはあくまでも仮定を置いたものでございまして、今後自 治体で計画をつくっていただくに当たっては、地域のさまざまな事業者の方々を含めて、 意向を把握した上で策定していただくことになりますので、その結果によって変わり得 るものだと思っています。今回お示ししております利用者の見通しというのは、あくま でも今我々が得ているデータ、あるいは今回の新しい事業はどうなるかという点につい て一定の大胆な仮定を置いてお示ししたものでございまして、実際の計画がどうなるか というのは、自治体のニーズ、あるいは事業者の意向、障害者当事者の方々の気持ち、 こうしたものを各自治体において積み重ねられる中で決まると思っておりまして、あく までも今回の見通しはそういう限られた前提でつくったものだとお考えいただければと 思います。  そういう意味で、北岡委員の御指摘の数値目標はアッパーラインなのかどうかという ことにつきましても、今申し上げたようなことでつくりましたものですから、今後自治 体が積み上げていく作業を行うと思いますけれども、そうしたものを踏まえてつくって いくということになろうかと思います。  それから、障害程度区分に関連しまして、笹川委員の方から、4月から障害程度区分 を実施することと、4月から事業がどうなるかというお話ですが、具体的な新しいサー ビスというのは10月からスタートいたします。ホームヘルプサービスの体系もそうです し、日中活動のサービスも10月からスタートすると。したがって、障害程度区分という のは9月30日までに判定する必要があると考えておりまして、4月からスタートする障 害程度区分の判定事務というのは、10月からスタートするサービスのために準備される ものだと考えております。  あと、君塚委員の方から、障害程度区分に関連しまして、自治体あるいはヒアリング の際に関係者の方々から寄せられた意見についてきちんと対応すべきという御意見がご ざいました。これについては当然我々もそのとおり考えておりまして、きょうお示しし た資料の後ろの方に、当事者団体あるいは関係者の方々から寄せられた意見がございま す。これについては一つ一つきめ細かく対応できるようにしていきたいと考えておりま す。  パブリックコメントの件に関しまして笹川委員からお話がありましたので。今回パブ リックコメントに付しておりますのは、4月施行分の利用者負担の関係を中心にいたし ております。これは今回の国会審議等の中で既に明らかにされた部分の政省令事項の御 意見を伺っているということでございまして、例えば障害程度区分の具体的な基準とか、 あるいは新しい事業体系の基準というものはまだ別途、後にパブリックコメントを求め たいと思っております。いずれにしても、皆さんの御意見を踏まえて政省令を決めてい くという道筋であることは間違いございません。 ○笹川委員  先ほどお尋ねしたガイドヘルパーのような場合の費用負担、4月から9月末まではど ういうことになるんでしょうか。それから、政省令案というのが出るのか出ないのか。 意見を聞いてそれで一方的に政省令が決められるのか、その辺をはっきりお願いします。 ○松嶋企画課長  10月から施行される以前、9月いっぱいまでは旧事業での徴収という格好になりま す。政省令についてはどうなるのかということでございますけれども、私どもの方、事 業者、利用者等々の意見を聞いて、このような審議会の意見を聞いて決めていくわけで ございますので、その辺はこういう場、審議会の場、すべて審議会にかけるのかという ことではありますけれども、それぞれの団体等々の意見を聞きながら決めていきたいと 思っております。 ○京極部会長  それでは引き続いて小板委員から高橋(清)委員まで一言ずつお願いいたします。 ○小板委員  知的障害者福祉協会の小板です。要望の方は出してあるわけですが、グループホーム、 ケアホーム設置の特例についてということで意見が1つ。あと、お願いが2つほどとい うことで、お願い申し上げたいと思います。  まずグループホーム、ケアホーム等については、先ほど松友委員、北岡委員の方でそ れぞれお考えを出されました。それについては私どもも基本的には全く同じ思いをして おります。なぜならば、利用者の人たちへのサービスをできるだけいいようにしようと いうことで日夜努力しているという状況下にあります。特にここへきてさまざまな社会 的な批判とかいろいろなことも含めて、努力を重ねてきているところでもあると思って いただきたいと思います。とりあえず読ませていただきます。  グループホーム、ケアホームの入所施設敷地内設置の特例について。我が国において、 入所施設を中心とした知的障害福祉サービスが推進されてきた中、その福祉サービスが、 24時間の限られた空間の中での自己完結的性格を有してきたことにより、さまざまな弊 害を生じてきたことは否めないものであり、地域生活移行が大きな課題であると認識し ている。  しかし、いまだ家族にとって、入所施設が安心・安全のよりどころであるという現実 と、地域によって入所施設に対する依存度に大きな開きがあることも事実である。また、 地域生活を推進する上での基盤整備や財政的支援体制は、一部の地方自治体を除き脆弱 であり、国のそれらに対する支援体制も不十分である。一方では、地域住民の理解に多 くの労力を要する現状もあり、これらを踏まえた実効性のある地域生活移行に向けた現 実的な対応が肝要と考える。  そこで、本会は、地域によっては、まず入所施設における24時間型の限られた空間で の生活を「日中活動」と「住まい」に分離し、生活の空間を広げていくことが地域生活 移行につながっていくものと考えている。また、現状の集団生活や複数人数の居室など の弊害を解消し、利用者のQOLの向上を図ることが重要であると考えており、グルー プホーム、ケアホームの入所施設敷地内設置の特例は、これらに有効な現実的対応策と して期待するものである。  よって、地域の実情や資源の有効活用の観点から、特例として、都道府県の判断によ り、ケアホーム、グループホームを入所施設敷地内においても指定できるようにすると ともに、現行入所施設において、新たな施設・事業体系への移行により空室となる既存 の居住に係る建物部分について、一定の要件のもとに、ケアホームまたはグループホー ムとして、その基準に準拠して改築・改装し、有効に活用できるように要望するもので ある。  グループホーム、ケアホームの定員規模の特例について。上述したような現状を踏ま え、地域生活移行に向けた現実的な対応として、地域にある既存の通勤寮、アパートや 社員寮などの社会資源を活用することは、より円滑に地域での暮らしを可能とすると考 えるものであり、これら既存の社会資源を活用する場合にあっては、定員規模について 特例を設けるよう要望するものである。  ということで、私どもは利用者のサービスを預かるものであるとともに、事業者とし てのサービスを継続していかなきゃいけないという観点に立っております。どうかよろ しくお願い申し上げたいと思います。  あと、お願いなんですが、生活介護の対象の幅を持たせていただきたい。特に非雇用 との関係においてお願い申し上げたい。年齢だとかいろんなことがあると思いますが、 よろしくお願いしたいと思います。  2つ目としまして、入所授産施設、更生施設も同じなんですけれども、施設利用者の 工賃がとりあえず3000円は控除されるということになっているわけですが、それ以上の 工賃を上げた場合にはそれが、定率負担と一般生活費に50%ずつ取られていくというこ とがあるわけですが、実際には4万円の給料を与えないことには手元に残るお金がない ということで、授産施設については既に1万円を超している、あるいは3万円近くにな っている人たちもいるわけなんですが、実際にそういう状況になったときには、私ども はどう言って利用者の人たちに、賃金が定率負担で取られてしまってないですよと言い 切れるかどうか、その辺も含めて、いい対応策ができればいいなと思っています。以上 です。 ○古畑委員  古畑です。今後の話になると思うんですが、自立訓練の中の生活訓練の中に、視覚障 害者の方の中途失明の方の訓練を全国できちんと実施できるようにお願いしたい。国立 の学院もございますし、卒業生たちが地域に行ってこういった事業をできるような体制 を今後組んでいっていただきたい。もう一点は、肢体不自由等のITの関係の事業も公 費を使わない形で地域でもいっぱいやられていると思うんですが、その辺が、公的な支 援の位置づけできるような形をぜひとも組んでいっていただければと思います。以上で す。 ○新保委員  地域生活を維持していくためにはいろんな視点・観点が必要で、これまで議論してき たことの中でも、結果として、例えばグループホームのあり方一つにしても、現実には 利用者ニーズに沿うという形でいろんなことが考えられなきゃいけない。その意味でも 個別支援が極めて重要になるんだろうと思いますが、障害程度区分については先ほど来、 パブリックコメント等をきちんと踏まえて、改めてしっかりと9月までに見直していく というか、そうしたものを策定していくというお話がございましたけれども、改めて1 次判定から2次判定にかかわる根拠について御説明を受けまして、なるほど27項目を追 加するとそれなりに客観性のあるものになったんだなということは理解できました。し かし、そのことを資料2の18ページで見ようとすると、精神障害者については27項目 を追加しても1次判定の結果、要支援の区分に変化したものは31.9%でございまして、 医師の意見書による区分変更というのが圧倒的に大きいわけです。したがって、このこ とからしますと、医師の意見書の書き方とか読み方というのが精神障害者の場合には、 区分判定並びに訓練等給付にかかわるスコア化に関して大変大きな意味を持つ、その人 のサービス、住居にかかわる決定を左右するほどのものだと思われますので、医師の意 見書にかかわる書き方・読み方のマニュアル化をしっかりしていただきたいというふう にお願いします。このことができませんと、結果として2次判定のときに、読む方によ って、あるいは書く方によってサービスの変化が出てしまう。それは市町村間、地域間 サービス格差にかかわる問題ですので、透明性とか公平性というものを担保する上でも ぜひ必要なのかなと思います。  あわせて、先ほど来、地域生活支援について、地方分権の趣旨からいえば確かに市町 村に独自性をゆだね、そこで民主度の高い地域をつくって生活支援体制をつくり上げて いくというのが重要なことなんだと思いますけれども、そのことを進展させる意味でも 標準的なマニュアル化というのはしっかりしていただければありがたいというお願いで ございます。以上です。 ○末安委員  今の新保委員と少し重なる面があるんですけれども、障害程度区分の中での訓練等給 付におけるスコアという考え方について、9ページを見ますと、利用の優先度を判断す るためにスコアをと書いてありますし、審査会における訓練系サービスの必要性に関す る判断のためにそれを行うと書いてあります。その下に、新しく加わったものでIAD Lの項目と生活項目があるわけですけれども、病気や障害によってはこういうことが日 々変化するという方もたくさんおられるわけでして、客観化するためにこういう方法を 用いたということは理解できます。しかし、このことは結果的に、10ページにあります 支給決定のところで、待機時間のことも考えられているのはわかっているんですけれど も、重症度といいますか、すぐに訓練に参加できない人を待ってもらうというようなこ とになりかねないのではないかと危惧します。  自分自身も障害者の就労支援に特化したNPO法人の理事長をやっているんですけれ ども、長い時間かかる、重症度が高いと言われている人が意欲や意志が低いということ はないんです。言うまでもありませんけど。そういう意欲や意志というのはどこで勘案 していくのか。それが医師の意見書でいいのかということは、試行事業の中では余り検 討されなかったように聞いているので、御本人の意志や意欲ということと、客観評価し た数値というものの相関をどう勘案していくかということについての考え方がもしある なら伺いたいと思います。  これに関連しては、基盤整備のところで、9ページに1〜4まであって、力強い方針 が出されているんですけれども、特に4番目、訓練等給付ですけれども、福祉施設から 一般就労への移行等を推進するという、これは説明していただくときもそこを強く言っ ていらしたわけなんですけれども、実際に私どもが実務をやっていますと、企業との協 力を得ていくか、私は再三、教育の部分と企業との協力をどう得ていくのかということ を強く意見を言ってきたんですけれども、ここを見る限り、今度の法律を施行・推進し ていく中では企業にどういう形のものを政府として求めていくのかというところが感じ られなくて、結局現場の者たちが一つ一つ企業の扉をたたいて障害者の方たちの理解を 得ていくという、住宅も同じことがあるわけなんですけれども、そこに帰結してしまう のかと残念に思います。新しく制度を広く社会に浸透させていくというときに、この法 律については私は賛成しますし、自分たちのできることをやっていくつもりなんですけ れども、政府としては直接この法律やサービスに携わらない人たちにはどういう姿勢を もって臨んでいくのか。そこを改めて今お考えが何かあるんだったら、あるいは政府は こう考えていくということがあるのであればそれをお聞かせ願いたいと思います。 ○高橋(清)委員  余り今まで出なかったことについてですけど、要望を幾つかお願いしたいと思います。 一つは、障害福祉計画の中長期的なスケジュールということで、国がまず基本方針をつ くるわけですけれども、その中に、障害に対する正しい知識の普及啓発、裏返せば偏見 是正、誤解の是正、それをぜひ入れていただきたいと思います。サービスの数値目標を 設定するということが主でしょうけど、福祉を進展する上で一番基本になるのは、障害 への偏見というものがあると思いますので、それをぜひお願いしたいと思います。  2番目は、これは将来的な問題でしょうけれども、手帳の一本化をぜひお願いしたい。 せっかくここでいい法律ができたわけですから、それを適切に運営していく上でも手帳 というのは非常に大きな問題になるだろうと思います。障害者雇用促進法の改正によっ て精神障害者のみなし雇用ということもなったわけですから、精神障害者の認定にこの 手帳が使われるわけで、手帳を取得しやすいような、手帳を持っているとサービスが受 けやすいとか、手帳によって差別が感じられないとか、そういった意味からも手帳の一 本化をお願いしたいと思います。  あと、ケアマネジメントについて2つほどお願いしたいんですが、ケアマネジメント が制度化されたということは非常に大きな進展だろうと思います。ただ、これはサービ スの利用計画作成費だけに財政的な裏づけがあるように思うんですけれども、ケアマネ ジメントの基本の中にモニタリング機能であるとか、アドボカシーという機能があるわ けです。そういう機能をケアマネジメント従事者が果たしていくためには、常に利用者 からの相談などを受けないといけない、あるいは一緒に行動しなきゃいけない、そうい った仕組み、それに対する財政的な裏づけ、こういったものが必要だろうと思います。 その点をお願いしたいということ。  最後、訓練等給付の見直しが原則として1回限りとなってますけども、利用者のニー ズは変わっていくものでありますので、1回限りとはしないで、複数回見直し・変更が 認められることを希望します。以上です。 ○京極部会長  多様な御意見と御質問が出ましたけど、この段階で事務局でお答えできるところをお 願いいたします。 ○伊原企画官  いただいた御指摘の中で、2次判定における医師の意見書の読み方の問題につきまし ては、今回1次判定のロジックまでは分析ができましたので、今後試行事業の2次判定 の分析という中で医師の意見書をどう考えるのか、あるいは特記事項も含めて考えてい きたいと思っておりますし、また、全国で標準的に判定される必要があると考えており ますので、マニュアル化ということもあわせてやっていきたいと思いますし、その際、 我々事務方だけでは十分判断がつかないと思いますので、広く御意見を聞いていきたい と思います。  それから、末安委員の方からスコア化の話がございました。資料2のところでござい ますが、10ページの絵をごらんいただきたいと思いますけれども、地域の中で基盤整備 が整うまでの間、待機というのが発生するのは残念ながらやむを得ない。そのときにで きるだけ公平に決定していただくためには、一つは待機時間というものがあろうと思い ますけれども、そのほか、今回の訓練等給付のスコアに基づいて一定の優先度がつけら れないかと検討したわけです。その結果、就労関係についてはなかなかそういう判定を していくのは難しいということ、あるいはグループホームも同様に難しいということで、 あくまでも自立訓練事業に関して一定の相関関係が認められたので今回制度化しようと 思っております。その際、IADL、生活関連のスコアというのは、スコアの高い方の 方が優先度が高いということですので、どちらかといえば重度の方の方が優先度が高い という結果になると考えております。もちろん、その際、訓練等給付を受けるというの は本人の希望でありますから、意欲の高さといったことも支給決定の際には考えていく ことになろうかと思います。いずれにしても、できる限り基盤整備を速やかにやって、 希望される方が利用できるような基盤整備を進めていくことが本来のあり方ではないか と思います。  それから、ケアマネジメントに関して高橋(清)委員の方から、サービス利用計画作 成だけではなくモニタリングが大事だということでございます。正直、我々もやや後悔 しておりますのは、サービス利用計画作成費というネーミングになっていまして、名前 が計画をつくるだけのような印象を与えておりますが、これは継続的に月々報酬を支払 っていくようなものでありまして、計画作成もそうですけれども、その後のモニタリン グとか、新しく継続的なフォロー、すべて含めたものでありまして、ケアマネジメント の大事なところについては押さえていると思っております。サービス利用計画作成費以 外にも、従来の相談支援事業について今回再編して、さらに充実・強化してまいりたい と思っておりまして、ケアマネジメントの制度化というねらいをちゃんと担保していけ るように運営していきたいと思っております。 ○横幕企画官  小板委員から生活介護の対象者のお話がありました。年齢50歳以上の方について特例 的な取り扱いをするということにしておりますが、柔軟にという御意見があったと思い ます。この点については、一定年齢以上の方の場合、特に日中活動に着目すると、ほか の事業でなかなか支援が確保されにくいということもあって、50歳以上の方であれば生 活介護を利用できるようにしようと考えております。他方、非雇用型を初めとするサー ビスが用意されているということもありますので、年齢を引き下げて運用するというこ とについては慎重に考えていきたいと思っています。  古畑委員から、視覚障害の方とか肢体不自由の方の自立訓練のお話がありました。機 能訓練の中で、一人一人の状態に応じた多様な形で、これは狭い意味のリハビリテーシ ョンだけではなくて、自宅で暮らしていくための準備や機能訓練というところも含めて 検討していきたいと考えております。  高橋(清)委員から、訓練等給付の更新が原則1回限りというところについて御意見 を伺っています。この新しいサービスについては、期間を限定して、その一定期間内に 目指す状態像を定めてやっていこうということですので、最初から期限を設定しないと いうことになると、そもそものねらいが崩れていくのではないかということも考えて、 方針をはっきりさせていきたいと思っています。ただ、原則として1回限りということ ですので、この原則をどういうふうに運営していくのかということについては、検討さ せていただきたいと思います。 ○村木審議官  審議官の村木でございます。先ほど末安委員から、せっかく法律ができても、それを 実際進めるのは現場の関係者の努力にゆだねられるということではというお話もござい ました。法律はできて道具はできたわけでございますので、この道具をきちんとてこに 使って、実際の障害者の方々の生活をよくしていきたい。法律は雇用と福祉の法律が今 回成立しましたが、積み残した問題もたくさんございます。所得保障の問題ですとか、 障害の定義の問題、手帳の一本化等々の問題もあると思います。こういった問題をこれ から検討し、また、強い形で推進体制をつくっていくために、実はあす、省内に、次官 をヘッドにしまして関係部局を全部集めた形の推進本部を立ち上げたいと思っておりま す。その推進本部を一つの核にしながら施策の推進と残された問題の検討を一生懸命や っていきたいと思っております。 ○松嶋企画課長  小板委員、各委員から手帳の問題とかいうのも出ました。まず手帳の問題については、 法律事項でも言われているように、また附帯決議でも言われているように、3年後とい うことで、まずは私どもの方、この大きな改正において、まず移行させてくださいと。 手帳の改正については3年後を目途にということで法律事項にもなっておりますので、 そういうことで御理解いただきたいと思っております。  それから、いろいろと私のところに、工賃の控除をしてくれないかとか、いろんな控 除をしてくれないかという御要望はございます。しかしながら、本委員会を初めとしま して、衆参通常国会、特別国会、合わせますと75時間45分の長きにわたる議論の末に、 この大きな枠組みが決まったわけでございます。したがって、工賃控除等においても枠 組みの中でございます。そこは低所得者対策ということで、食事給付については補足給 付、減免ということで、でき得る限りということで低所得者対策、利用料負担、新しい 定率負担の格差が内容にということで、激変緩和措置も入れている状況でありまして、 社会福祉法人減免というのも入れている状況の中でございますので、どうか御理解いた だきたいと思っております。 ○京極部会長  時間の関係で全部回らないと約束違反になりますので、高橋(紘)委員から大濱委員 まで一言ずつお願いいたします。 ○高橋(紘)委員  ごくかいつまんで3点ほど申し上げたいと思います。  一つは障害程度区分の件でございますが、私はたまたまこの研究の主任研究者を務め させていただいておりまして、モデル事業を実施していただいた市町村が非常に熱心に やっていただきまして、いいデータが収集できたと思っております。先ほど御説明いた だいたような非常に安定したデータがつくれましたのも、ひとえにモデル事業を大変熱 心にやっていただいた市町村の御協力、審査委員として御参画いただきましたさまざま な方の御協力だと思っておりますので、これはお役所も言わなきゃいけませんが、主任 研究者として私から申し上げたいと思います。なお、さまざまな問題点を御指摘いただ いたのは承知しておりますので、厚生労働省サイドという議論と同時に、研究者として いろいろな形で議論をしていきたい、実施過程のモニタリング、データ収集、検証等の 作業がございますので、これも次年度以降させていただくということで厚生労働省担当 者ともお話し申し上げているところでございますので、そのことは申し上げたいと思い ます。  それから、若干の論点を2つほど申し上げておきたいと思います。一つは、介護保険 において事業者のサービス公表制度というのがこの4月からできるのです。これはすべ ての事業者、すべての事業について基本的な情報を公開していただくという制度でござ いますが、自立支援法についてもこの議論をそろそろお考えいただきたいと思っており ます。といいますのは、事業内容がこれから非常に変化していくわけです。これについ てはきちんと社会にディスクローズしていただく。先ほどの問題と絡めていえば、きち んと新しい体系に前進しようとしている事業者と、従来の利害を守って、ややもすれば 後ろ向きの事業者というのは、社会的に見ていただいて判断していただくべきものだと 思っておりまして、この辺はぜひいろいろな形で検討していただきたいと思っておりま す。  それから、地域生活支援事業のことと絡みまして、私は支援費の一つの問題点は第三 者契約を認めたことだとかねがね思っております。そういう意味では、成年後見制度の 利用、援助事業についてきちんと地域生活支援事業に位置づけていただきたいと思って おりまして、これは別途の議論もあろうかと思いますが、差し当たり市町村の取り組み として、介護保険の方では既に支援事業として入っております。残念ながら障害の方は そういう配慮がなされないままに今に至っておりまして、後見制度を適用されますと選 挙権等の問題があるという当事者からの御指摘もございますので、補助とか補佐とかそ ういう仕組みをきちんと活用するということも含めて、権利擁護等を含めて、この議論 は早く手をつけて検討していただかなければならない課題だと認識しておりますので、 指摘させていただきます。以上でございます。 ○武田委員  長文にわたるメモを出してしまいましたが、これまでの審議経過とか、法律が成立し て、先般、事前配付資料を1週間前にいただいたものですから、それをじっくり見させ ていただいて、私が課題だなと感じているところとか、わからないところをまとめて挙 げたものですが、皆さんの方でも随分おっしゃっていただきましたし、急がないことも ありますので、とりあえず出ていないところで、急いでいただきたいということと、わ からないことだけを取り上げたいと思います。  全体のところでは、基盤整備と地域の限られた資源の活用についてですが、社会・援 護局でとても努力していただいていることはわかるんですけれども、これだけ大きなも のを動かしていこうとなると、国土交通省、文部科学省など、ほかの省庁や労働関係部 局、いろいろなところが関係してきます。そういったところにぜひ、この自立支援法を 中身のあるものにしていくための支援をお願いしていただきたい。それは単に住居だけ ではなく、空き物件とか空き教室の活用というのがずっとグランドデザインから出てい ますが、こうなったからじゃあって、例えば地方自治体に言って教室貸してくださいな んて言うと、それは目的外使用ですというような言い方をされてしまうとか、財産の使 い道が違うとか、いろんな言い方をされてしまいますので、単に国の省庁だけではなく、 都道府県も含めて、うまく進むような形にしていただきたいなと思います。  それと、相談支援事業者のところで、統合補助金となっていて、メニューはいっぱい ある、じゃあメニューをいっぱいやるところと、単に相談だけ受けるというところが一 緒でいいのかなということとか、市町村事業となると、この3月に合併した市町村がた くさんあります。これまで8つぐらいあった市町村で8つぐらい相談支援事業者、例え ば精神だったら地域生活支援センターがあったとすると、それが1つの市町村になって しまった。そこら辺でとてもまだ十分理解できていないんですが、どうなるのかなとい う心配があります。となると、作業所がなかなか訓練等給付のところにいけないから、 地域活動支援センターをやろうかなと思ったときに、本当に必要なことができちゃうの かなという心配がありますので、ぜひそこのところを今後協議していただきたいなと思 っております。  それと、企業就労、これがこの法律のかなめだったと思います。労働部局の協力と経 団連などとの関係がないと、私たちの事業者努力は当たり前のことでしょうが、必要で すし、それにあわせて就業・支援センター、これが地域生活支援事業に、それも広域事 業に位置づけられるということでいいのかなという疑問があります。  もう一点、文部科学省との連携。養護学校の方々が在学中に、どうしても先生は一般 企業にしか目が行かない。ところが実際には福祉施設に行く方が多い。その中で養護学 校の利用者の方が混乱を起こさないために、養護学校の就労カリキュラムをぜひ導入し ていただきたいなというのが緊急で知りたいということ。  もう一つ、ショートステイの単独設置というのが精神も使えることを、お恥ずかしい んですが、私はつい先日まで知りませんでして、これが今度自立支援法下で変更はない のか、あるいは単独設置していく場合にどういった条件が課せられるのか、なかなか単 独ではしにくいなという思いもあるんですが、そこらあたりのこととか、グループホー ムは夜間の職員配置をできない。そこでショートステイを利用したいんだけど、それが 可能であるかどうかというような、同じようなことを先般も聞いたように思いますが、 地域生活を支えるときに、精神の場合、どうしても在宅医療があったりしますので、ぜ ひお願いします。 ○丹下委員  丹下でございます。私は雇用とか就労という問題とのかかわりに関心を持っている立 場でいろいろ申し上げているということは御理解いただいていると思いますが、きょう の資料から少し離れて恐縮でございますけれども、一つ伺いたいのは、就労移行評価項 目という問題をこれから審議してまとめていこうという話を伺っております。これは実 際に作業をなさるのは高障機構のようですけれども、障害保健福祉部が関与されている と理解してよろしいんでしょうか。よろしいんですか。じゃあそういうことで伺います けれども、その中間的な書類を拝見しますと、趣旨として、各就労支援機関が共通に利 用できる障害者に対する評価項目、これを労働関係機関と福祉施設が共有するという趣 旨が書かれておりまして、大変意義のある重要な問題だろうと思っておりますけれども、 評価項目ということについて、どういう内容をお考えになっているのか。評価項目の中 に障害者個々人の職業能力の面でどういう特性を持っているかという把握は欠かせない 切り口だと思うんですけれども、これをどのようにお考えになっているかということを 伺いたいということと、その作業をは幕張の方でなさるようでございますけれども、ワ ーキンググループというのがあるようでございまして、そこのメンバーを拝見しますと、 このメンバーに就労支援組織ですとか、あるいは雇用にかかわっている方々はお考えに なっていらっしゃらないようにもうかがえるんですけれども、そういうことでは今申し 上げた趣旨からしますとちょっとぐあいが悪いんじゃないかと思います。その点を伺い たいと思っています。以上です。 ○大濱委員  大濱です。何点か質問があるんですが、まず苦言として、いつもこういう形で、社保 審の審議会で、審議会という名目でありながら全然審議会の形式をなしていないと。い つも時間がない。前回は松友さんの発言が打ち切られたとか、これは非常にまずい。審 議会ということであれば、ちゃんと審議する場であってほしいと思ってる。  時間がないということなので、まず審査会のことですが、審査会の内容、今政省令で やっているようですが、審査会は非常に私たちは危惧を持っている。要するに審査会は 抑制的な審査会になるんじゃないかと。市町村に誘導された審査会になるんじゃないか。 そこら辺は何かチェックする方法がないのか。政省令の中にそういうことを書き込める のかどうかという点が第1点。  審査会の第2点としましては、長時間の介護とか特殊な介護を使っている方が新規に 発生すると思うんですが、その場合のケアプランは市町村の窓口が主体的につくると思 うんですね。そのときに、審査会にどのくらいの資料を出せるのかということなんです が、市町村窓口が調べたものを相当数きちっと出せるようなシステムにしてもらわない と、重度の場合はいろんな障害特性がありますので、そこら辺が把握できないのではな いかという点。  審査会の3点目なんですが、医師の意見書ということで出ていますが、政省令の中の 3の1に、かなり強制的に医師の意見書をつけるというような文言が入っていますね。 その場合心配なのが、医師の意見書のフォーマット、4月の審議会で配られているんで すが、この中で「傷病の経過及び投薬の内容を含む治療内容」とありますが、要するに 障害者がどういう症状でどういう変化をしてきたかというそこら辺を、例えば主治医で ずっとかかりつけの医者がいてそういうことがわかる人だったらいいんですけど、いき なり医師の意見書をつけろと言われたときにそういうことが正確に言えるのかという と、いきなり当事者を見たときにそういうことを言える医師というのはほとんどいない と思うんですね。そうなると、半年なり1年なり、その障害者を観察するとか、そうい う期間も場合によっては必要になってくるんじゃないかということを考えますと、そこ ら辺も若干考慮してもらわないと、無理やり医師の意見書をつければ何でもいいんだと いうのは危険かなと考えます。  それとも関連しますが、いきなり障害者が地域から出た場合に、審査会が例えば1カ 月に1回とか、2カ月に1回開かれた場合、その障害者がこれから暮らす当面の支給額 をどうするのか。とりあえず市町村の窓口で決定して、その間は認めて、審査会が開か れて、またもう一度決め直した段階で、そこからまた別途の支給額になるのかどうか、 その辺の基準が何もまだ政省令の中に書き込まれていないので、そこら辺もしあれでし たら説明していただきたい。  それと次に国庫補助の関係ですが、参議院、衆議院でも厚生労働委員会の中でかなり 問題になっていたと思うんですけれども、重度のひとり暮らしの場合は同居と比べてよ り高い国庫補助水準になるような特別な加算とか、別途の基準をつくる必要があるんじ ゃないかということが審議されて、それで参議院、衆議院を通過したという経緯があり ます。その中で、10月28日に厚生労働委員会の中で西副大臣がはっきりと、宜野湾と か筑後という例を挙げて、そういうことに対してきちっと検討を行うということであっ たので、これについてはちゃんと反映させていただきたい。そこら辺は政省令の中に書 き込むのか、障害程度区分なので後半になるかと思うんですが、後半の書き込みについ てはこれをきちっととらえていただきたい。  それと、現在のヘルパー制度ですね、どうしても地域に障害者が集まる可能性が今で もあるわけです。暮らしやすいところにということで。そこら辺を考えた場合、今学生 が使っている住所地特例というのがあるんですが、住所地特例をもうちょっと拡大して、 山間部から都市部に移った人については、場合によっては住所地特例を使ってもらわな いと、集中する大都市ではパンクしちゃいますから、住所地特例の範囲をもっと広く考 えていただきたいということです。  それと、基本的なことですが、先ほど来、笹川さんが何回も質問されてる基本的なこ とをまだ何も答えられていないと思うんですけどね、例えばパブリックコメントを集め てますよね。その結果パブリックコメントがどういう内容があったのか、これらを整理 して、例えば審議会の中で見せていただいて、政省令にどういう形で反映するかどうか という検討をする場を、政省令ができる前にちゃんとするのかどうか、そこら辺もはっ きりさせてもらいたいと思います。以上です。 ○京極部会長  時間がほとんどないので、恐縮なんですが、長尾委員、野中委員、広田委員、星野委 員、ワンポイントでお願いしたいと思います。 ○長尾委員  ワンポイントということですが、ちょっと余分にお願いします。  資料2の障害程度区分につきましては先ほどから何回も出ているんですが、20ページ の、非該当とされた精神の症例、こういうケースは我々としてはどちらかというと該当 に値するものだと思っておりますし、ぜひ1次判定、2次判定の部分については勘案し ていただきたい。  もう一点、訓練等給付についてお聞きしたいんですが、自立訓練の中でこれはスコア 化されると。その場合に、スコアによって優先度が判定されるわけですが、機能訓練と 生活訓練がある中で、精神はどちらかというとスコア化しても低く出るのではないかと いう危惧があるんですね。そうした場合、自立訓練を求めた場合の優先度として、逆に 生活訓練の方がなってくるというようなことはないのかということについてお聞きした い。  それからもう一つは、これは資料として出しておりますので、それについて述べさせ ていただきます。障害者自立支援法における居住施設についての見解ということで、先 般の日精協の常務理事会で決まりましたので、それを読ませていただきます。 ○京極部会長  すいません、それは各自見ていただくことにして、時間がちょうど5時半なので、こ こに出ているものについては各自ごらんになっていただいて、厚生労働省の方も受けと めるということで。 ○長尾委員  じゃあ一点だけ。そこに居住施設の規模とか場所について書いてあるとおりなので、 それは読んでいただいたらいいと思います。どういう場所であっても、利用者がみずか らの意思で社会生活を享受できる状況であれば、これは地域生活を行っているというこ とであるわけですし、そのことをきちっと担保した上で、ハード云々ということじゃな くて、運用のソフトということをきちっとやるべきだということをお話しして終わりた いと思います。 ○野中委員  私からは一つだけ要望します。障害程度区分が創設されましたが、サービスの制限に つながらないように、配慮をよろしくお願いします。以上です。 ○広田委員  大濱委員からも意見が出ましたけど、こういうふうに審議会で遠方からも集まってい ながら、時間がない、時間がないって毎回言われるんですけど、それで発言した内容に はクレームがつくことがあります。ですから、そこのところはもっと時間をとっていた だきたいということと、それから啓発の話です。障害者の手帳を一本化するのは大賛成 ですが、ともすると3障害何でも一緒という考え方で、重度の医療費を精神障害者にと らない手はないという意見が関係者の中にありますが、かつて経済措置と申しまして国 からお金が出て入院し、それが社会的入院となった経緯がありますので、何でもかんで も3障害同じようなサービスをということではないと思います。  それから、スポーツ大会をやって精神障害者を理解してもらおうというような時代で はない。15人に1人がうつだということで、12月9日を、すべての、社会の中で生きづ らさを感じている障害や高齢化になってともなう障害など含めた社会的障害者のこと を、すべての国民が考えられる様に、障害者の日を休日にしてほしいということ、それ から、ぜひと言われたんですが、例えばショートステイが東京都内に2つしかない中で、 単身者がショートステイを使えないと。これは差別だと思います。ですから、そういう ことは厚生労働省として行政指導していただきたい。  それから、日精協さんの文章を読ませていただいて、差別があるから敷地の中だとい うことを21世紀の2005年になってもこの場で言っておられることが私はとても不思議 です。じゃあ日精協以外が地域でつくれないのか。そんなことはないわけですよ。私も 反対運動にいろんなコメントをしたりしてますが、粘り強くわかっていただいて、だれ もが精神障害者になるわけですから、その敷地の中だという時代ではないということを お伝えして、次回はもう少しちゃんと時間がとれるようにしていただいた中で重要なこ とを発言したいと思います。 ○星野委員  次回はこっちから回っていただきたいと思います。  利用実績払いのことです。日払い問題ですが、入所系の話はさっき出ました。通所系 の話でどうしても思うんですが、一つは介護サービスとの違いというものを考えるべき だろうと。実際の提供に応じた支払いとか、あるいは利用者サービスに連動したものを ねらってということはお話を聞きますけれども、問題は、障害種別間の大な差違がある ということ、地域実情で運営上の工夫とか努力とか言われても、地域実情の差違がある ということ。それから、機能目的からもこれはちょっと変ではないのか、就労継続支援 事業からいえば、賃金を上げる目標というのが大きな目標になるわけですが、そうする とそこにエネルギーをつぎ込まなきゃいけない。そうすると休みの人がいる、あるいは 人が変わるというようなことでは、就労継続支援事業、賃金を上げるということに非常 に問題を感じるということです。  それから、4月までの話、ちょっと急ぐ話なのでつけ加えます。栄養士さんの配置な んですが、入所系もほとんどの施設で栄養士を配置しておりますし、通所系も半分くら い配置しています。そういう実情をぜひくんでいただきたい。  それから、障害程度区分に関連して利用者像の話を一つ出させていただきます。ねら いは、各事業ごとの利用者基準の明確化ということなんでしょうが、要は、各事業者間 でダブらざるを得ない実情が障害福祉というのはあるんだなと、きれいにすみ分けられ ない。きれいにすみ分けようとしちゃうと、そこに適用できない人が出てくる。その辺 をもう一遍、個別性を含めて考えていただいて、例えば年齢50歳というのであれば、原 則ぐらいにしておいていただきたいと思います。以上です。 ○京極部会長  ちょっと超過しましたけども、さまざまな議論が出て、お答えといっても時間がかか りますので、敷地内問題は大きな議論なので次回にまたもう一回するとしても、とりあ えず一通り事務局からお答え願いたいと思います。  時間でもう帰った方もいらっしゃいますので、時間を厳守したいんですけど、2〜3 分で皆さん御質問、御意見を言っていただかないと、1人5分だと2時間かかっちゃい ますのでね。 ○伊原企画官  手短に御説明いたします。まず大濱委員から御質問いただいた件で、ホームヘルプ等 の国庫負担基準等につきましては、むしろ次回の審議会に居宅サービスの国庫負担基準 のあり方とかその辺を御提案申し上げたいと思いますので、そのときに御説明させてい ただきます。  ただ、審査会に関しまして、抑制的になるのではないかという御質問ですが、審査会 のメンバーは中立公正の立場で入っていただくということ、今回障害程度区分の試行事 業2次判定を行いましたが、ほとんどのケースが1次判定から2次判定に上げられてい るということでありますから、抑制的になるのではないかという御心配があるようです けれども、そのようなことは必ずしもなく、中立公正に運営されるのではないかと思っ ております。実際、審査会で支給決定案を議論する際には、すべての案件が該当するわ けじゃなくて、市町村の方からイニシアティブをとって、この件について市町村の事務 局としてこう考えるがどうですかという質問をするので、そういう意味で、運営におい ても御心配のようなことはなくやられるものだと思っております。  それから、医師の意見書に関しては、基本的にどなたにするかは申請者、障害者の方 が選んでいただくということであります。強制的に命じる規程があるのではないかとい うことですが、これは御本人が選びたくない、診断書を出したくないという方の場合の お話でして、基本的にはどのお医者さんにやっていただくかというのは御本人に選んで いただくということになると思います。傷病の経過や変化がどうなるかというあたりも、 もちろん日ごろ診たことのない方であればできないわけですから、御本人からよく聞い て書いていくということになるのではないかと思います。いずれにしても、医師の意見 書なくして障害程度区分の判定、特に2次審査は困難だと思いますので、その辺を御理 解いただきたいと思います。  それから、審査会の開催頻度が少ないので、急にサービスが必要になった場合どうな るかという話ですが、法律の中に特例給付というのがございまして、そうした場合には 市町村が暫定的に支給決定をし、運用するという扱いになっておりますので、審査会が 開かれるまでの間サービスが利用できないということはございません。 ○京極部会長  時間の関係で、もう10分過ぎておりますので、きょうは今年度最後の部会になります か。大変な一年だったんですけれども、部長ないし局長から一言お話しいただければと 思います。 ○中村社会・援護局長  前回の部会では、特別国会に自立支援法を再提出させていただくという御報告をいた しました。今日、最初に御説明申し上げましたとおり、障害者自立支援法は成立いたし まして、まさにいろいろ御意見も賜りながら進めてまいりたいと思っております。いろ いろ残された課題もございますし、きょう出ました御意見もございます。それから、尾 辻前大臣からは、法律はつくったけれど、また国会で大変御議論いただいて法律つくり ましたけれど、仏つくって魂入れずでは困ると、この法律をつくって数年後に評価され るようにしてもらいたいということで、省内に障害者自立支援推進本部をつくりまして、 精力的に、他省庁の関係、労働担当部局と私どもとの関係、そういったことについても 検討してまいりますし、積み残された課題についても、介護保険の問題等も含めまして やってまいりたいと思っております。  また、法律の施行までに障害者部会でも審議を続けさせていただきたいと思っており ますので、時間がないということで御指摘いただいております。私どもも進め方につい ては京極先生とよく相談しながら効率的にやってまいりたいと思います。  本年は本当にありがとうございました。また来年もどうぞよろしくお願いしたいと思 います。ありがとうございました。 ○京極部会長  さまざまな御意見ありがとうございました。司会の不手際で10分オーバーいたしまし たけども、次回の日程について事務局より御説明お願いします。 ○企画課長補佐  次回の日程につきましては、後日改めて事務局から委員の皆様に御相談させていただ きたいと考えております。 ○京極部会長  以上で本日の部会を終了いたします。どうもありがとうございました。 (了) (照会先)     社会保障審議会障害者部会事務局                     厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部                       企画課 企画法令係(内線3017)