05/11/15 第19回労働政策審議会障害者雇用分科会議事録


　　　　　　　　　第19回　労働政策審議会障害者雇用分科会議事録

１　日時
　　平成１７年１１月１５日（火）　１０：００～１２：００

２　場所
　　厚生労働省共用第７会議室（５階）
    東京都千代田区霞が関１－２－２　中央合同庁舎第５号館

３　出席者
　　○　委員
　　（公益代表）　　今野委員、岩村委員、佐藤（德）委員、佐藤（博）委員、
　　　　　　　　　　松矢委員、村田委員
　　（労働者代表）　小栗委員、添田委員、原委員　
　　（使用者代表）　江口委員、加子委員、輪島委員
　　（障害者代表）　笹川委員、副島委員、舘委員、松井委員
　　○　事務局
　　　　鳥生高齢・障害者雇用対策部長、八田企画課長、土屋障害者雇用対策課長
　　　　深田障害者雇用対策課調査官、白兼障害者雇用対策課主任障害者雇用専門官

４　議題
　(1)  障害者の在宅就業に対する支援について

５　配布資料
　　資料１　在宅就業障害者に対する支援
　　資料２　在宅就業障害者支援制度の対象範囲について
　　資料３　在宅就業障害者特例調整金等の算定について
　　資料４　在宅就業障害者特例調整金等の申請・支給手続について
　　資料５　在宅就業支援団体について

６　議事経緯

○今野会長
　それでは、時間になりましたので始めさせていただきます。第19回労働政策審議会障
害者雇用分科会を開催いたします。本日は、寺山委員、渡辺委員、長谷川委員、西嶋委
員がご欠席でございます。長谷川委員の代理といたしましては、日本労働組合総連合会
の末永さんにご出席いただいております。早速ですが、議事に入らせていただきます。
　本日の議題は障害者の在宅就業に対する支援についてでございます。障害者雇用促進
法改正法施行に伴う政省令改正事項のうち、在宅就業に係る事項についてご議論をいた
だきたいと思っております。この分科会では、これまで議論をして参りましたので、そ
れを踏まえて、事務局にたたき台を作成していただいております。まず、事務局から説
明をお願いいたします。

○調査官
　それでは、資料を説明させていただきます。まず、お手元にお配りいたしました資料
でございますが、全体として五つの資料がございます。資料１は、在宅就業障害者に対
する支援ということで、今回創設されました在宅就業者支援の制度の枠組みを図で示し
たものでございます。資料２は、その在宅就業障害者の支援制度の対象範囲についての
資料でございます。資料３と資料４が在宅就業障害者の特例調整金等に関するご議論の
資料でございます。そして、資料５が在宅就業支援団体についての論点を全体としてま
とめた資料でございます。以下、順次説明をいたします。
　まず、資料１は在宅就業障害者に関する支援の枠組みの図でございまして、これは法
律を改正し、制度を創る時にお示ししておると思いますが、企業から在宅就業障害者に
仕事を発注した時、それから、在宅就業支援団体を介して仕事を発注した時、その障害
者の手元に支払われる金額を基準にして特例調整金や特例報奨金が支給されるというも
のでございます。
　政省令の内容としてご議論いただきたいものは、資料２に移らせていただきます。ま
ず、在宅就業障害者支援制度の対象の範囲についてでございます。法律におきまして在
宅就業者というものについて、身体障害者、知的障害者または精神障害者であって、自
宅その他厚生労働省令で定める場所において物品の製造、役務の提供等を自ら行う者と
定めております。
　ここで、自宅その他厚生労働省令で定める場所ということで自宅以外の場所をどのよ
うに定めるかというと、資料２の(2)の就業場所のところをご覧ください。二つ目の丸が
二重丸になっていますが、厚生労働省令で定める場所として、事務局の案では以下のよ
うに定義したいと思います。
　一つ、障害者による就業のたに必要となる施設または設備の設置等がなされた場所。
次に、就労に必要な知識・能力の向上のために必要な訓練等が行われる場所。これは、
就労自体ではないけれども、例えば、福祉就労などの場で一般の就労に繋げるための訓
練等が行われる場合、その場合は認めてよいのではないかということでございます。そ
れから、障害の種類・程度に応じた必要な職業準備訓練が行われる場所。これも、就労
ではなくて訓練ではあるけれども、職業準備訓練として行われる場合は、認めてよいの
ではないかということ。その他、これらに類する場所を認めることとしたらどうかとい
う事務局案でございます。
　また、この補足といたしまして、もう一つの二重丸ですが、ただし、本来発注企業が
自ら雇用して業務を行えばよいというような場合まで、この外注の形、つまり自宅就労、
請負形態という形を奨励する必要はないので、この上記の厚生労働省令で定める場所か
らは、発注企業の影響下にある場所は除くということを提案したいと思います。例えば、
企業の工場に出向いて行って請負の仕事をするというような場合、これは除くというイ
メージでございます。
　その他、(1)(3)(4)と、対象範囲の全体を示すために資料として付け加えておりますが、
特に厚生労働省令で定めるということでご議論をお願いするところはございませんの
で、次の資料３に移らせていただきます。
　この資料３におきましては、在宅就業障害者の特例調整金の額の算定に係る事項をご
議論いただくということです。まず、在宅就業者特例調整金等算定の基本的な考え方で
すが、これは図にございますとおり、ある企業の年鑑の発注額をある基準で評価した１
単位分として評価される額の何個分に相当するかということで評価しまして、端数は切
り捨てることとしています。その評価された何個分に対して１個当たりの単価をかけま
す。それによって、全体の特例調整金の支払い額が出るということです。抽象的に言い
ますと、このような図式になっているということでございます。
　１ページめくっていただきまして、より具体的な調整金の算定式が出て参ります。在
宅就業障害者特例調整金の額は、ある企業の年間の在宅障害者支払額を評価額で割って、
その調整額をかける。その割ってしまう評価額につきまして、＊１ということで、評価
額イコール評価額月額かける評価基準の月数というふうに分解されます。それから、調
整額につきましても、在宅就業単位調整額すなわち一月当たりの調整額の単価にかける
評価基準の月数というものに分解されます。「評価基準月数」が*1、*2にそれぞれ出て
きますが、この二つは同じものです。
　それから、報奨金についても同様です。下側が報奨金についての算定式でございます。
「調整金」の額という代わりに「報奨金」となっている点が違います。評価額の部分に
ついては、調整金と報奨金で差はございません。従って、評価額月額と評価基準月数、
それから在宅就業単位調整額、在宅就業単位報奨額、調整金の単価、それから報奨金の
単価とこの４種類のことをこの算定のために定める必要があるということでございま
す。
　では、１枚めくっていただきまして、資料３の３ページでございます。ここでは、最
初に評価額月額の設定についてご議論いただくということでございます。ここにつきま
しては、まず、法律上、障害者である労働者の平均的な給与の状況その他の状況を勘案
して政令で定めるということが規定されており、また、法改正の元となりました労働政
策審議会意見書におきましては、障害者１人分の稼得を生み出すに足ると考えられる金
額ということが評価基準額全体としての設定のイメージとなっております。これらに基
づきまして、評価額月額の設定におきましては、障害者である労働者１人分の平均的な
給与を生み出すに足ると考えられる金額として設定するという基本的な考え方を、今回
のこの資料で提案をしているところでございます。そして、具体的な額ということでご
ざいますが、発注金額から諸経費を差し引いて、その在宅就業障害者の手元に残る部分
の額が平均的な障害者の給与と同水準になるという考え方ではどうかということです。
そうしますと、算定式では、具体的には35万円という案ではどうかということでござい
ます。
　なぜ35万円かということは、下の算定式の部分をご覧ください。平成15年度の障害
者雇用実態調査によりますと、障害者の平均給与月額が22万円であるということ。それ
から、個人企業の製造業・サービス業等の諸経費を引いた手元に残る比率というものが
0.6であるということ。つまり、諸経費率が４割、手元に残るのが６割ということでご
ざいます。従いまして、この平均給与月額22万円を0.6で割り戻すと35万円になりま
す。35万円の仕事の外注を受けられれば、手取りが大体22万円になる。大体そういう
関係になりますので、35万円ということで設定したいということでございます。
　続きまして、４ページをご覧ください。ここで調整金と報奨金の月額単価の設定につ
いてでございます。これにつきましては、法律においては、法律の50条２項に規定する
単位調整額、すなわち雇用調整金の月額の額以下に定めようということになっておりま
す。また、労働政策審議会意見書では雇用との関係に配慮するということを書いており
ます。それから、附帯決議におきましても、在宅就業の調整金については雇用調整金と
の均衡を踏まえた額ということを、設定に当たって求めております。
　このように、障害者雇用調整金・報奨金との均衡を踏まえた額という基本的な考え方
で設定させていただきたいと考えております。このような中で、４ページの２番目の二
重丸でございますが、元々この在宅就業障害者の特例調整金というものは、常用労働者
301人以上の企業が納付する納付金や当該企業に対して支給される調整金とは別に、在
宅就業への発注の奨励を目的として支給されることから、こういった奨励の目的という
点において、雇用の報奨金と同様の性格を持つということから、金額、単価についても
同様に21，000円としてはどうかということを提案させていただきます。
　次に、在宅就業の報奨金の単価でございます。これにつきましては、雇用制度の調整
金と報奨金の単価の割合が27，000円対21，000円ということ、10割8割という形にな
っておりますので、この在宅就業調整金と報奨金の設定に当たっても、それぞれ10割、
8割という形になるようにしたいということです。具体的に申しますと、21，000円に対
して17，000円というように定めたいということでございます。
　続きまして５ページをご覧ください。評価基準月額の設定についてでございます。こ
れにつきましては、今までの労働政策審議会意見書や附帯決議などの中で、評価額の水
準を決定する際に、在宅就業障害者の就業機会の一定の確保に資する水準であるととも
に、また一方で、企業にとって発注がしやすくなるような水準ということが求められて
いることから、評価額全体を就業機会の確保と企業の発注のしやすさを両立させる水準
にするために、評価基準月数については３ヶ月としたいということを提案したいと思い
ます。
　参考で、月数の考え方の図が出ていますが、先ほど申しましたとおり、評価基準の月
額が35万円です。そうしますと、評価基準月数を、割られる方の支払額の単位が１年間
であるから12ヶ月にしてみようとしますと、これが420万円になってしまいます。420
万円に満たないと、全部が１単位に満たないということで、支給対象にならないとなり、
これではあまりに企業が発注しやすい数字ではないということから、３ヶ月程度といた
しますと、35万かける３ヶ月は105万円。100万円強の発注を行えば、それがこの制度
においては評価されるということになることから、企業としても発注しやすくなるので
はないかと考えたものでございます。
　以上をまとめますと、６ページ、７ページのような図になります。まず、６ページの
方が調整金に関する数字でございます。在宅就業障害者特例調整金の額は年間の支払額
を105万で割ったものについて63，000円をかけるということです。105万イコール35
万かける３ヶ月であります。それから、63，000円というのは21，000円かける３ヶ月
ということでございます。
　下の方に例がありますが、250万円の発注の場合は、評価額において２個分になる。
よって、63，000円かける２個で、126，000円が支給される。１千万円であれば９個に
相当するので、567，000円である。こういったことでございます。
　７ページは報奨金の方でございまして、考え方は一緒でございますので、省略させて
いただきます。
　　続きまして、資料４に進ませていただきたいと思います。調整金につきましては、
申請・支給の手続きが定められておりますが、資料４の一番上の申請期日についてのと
ころをご覧いただきますと、常用労働者301人以上の事業主につきましては、現在納付
金の納付の義務、それから、調整金の申請という手続きがございまして、さらに在宅就
業特例調整金の申請という業務が入るということになります。しかも、現行の制度です
と、締切が納付金と調整金で異なっておるという中で、三番目の調整金の業務が出てく
るということですので、私どもといたしましては、この常用労働者301人以上の事業主
に関する納付金、調整金、在宅就業特例調整金の申請の期日について、４月１日から45
日以内ということに統一するとともに、これらの一括した手続きを可能にするというこ
とを提案したいということでございます。以下、常用労働者300人以下につきましては、
新たに加わる在宅就業特例報奨金についても、従来と同じ４月から７月いっぱいという
締切をそのまま使うということ、それから、在宅障害者特例調整金や在宅障害者特例報
奨金が支給される時期についても、従来の雇用の調整金、報奨金と同じ時期ということ
で設定したいということでございます。以上ここまでが、特例調整金に関するご議論を
いただきたい事項についてでございます。
　次に、資料５でございます。ここで、いろいろな事項がございますが、在宅就業支援
団体についての論点を取りまとめてございます。まず、在宅就業支援団体につきまして
は、在宅就業の障害者に対して支援を行う団体として厚生労働大臣に申請をし、登録を
受けた法人ということになっております。ここにおきまして、欠格事由が設けられてお
りまして、障害者雇用促進法自体の規定や政令で定めるその他の労働関係の法律の規定
によって罰金の刑に処せられ、それから5年を経過していない場合は、登録を受けるこ
とができないといったような規定がございます。ここで、政令で定める労働関係の法律
の規定について、ここでご議論をいただきたいということでございます。※の下に＊で
書いてありますが、政令で定める労働関係法律の規定について、職業安定法、労働者派
遣法を参考にして定めるということを事務局として提案をしたいと思います。
　職業安定法におきましては、有料職業紹介事業者の許可の欠格事由ということで、政
令で定める労働関係法律というのが出てきまして、労働基準法の罰則というのが置かれ
ております。それから、労働者派遣法におきましても、一般労働者派遣事業の許可の欠
格事由ということで、政令で定める労働関係法律というのが出てきます。このあたりが、
在宅就業支援団体が発注主と在宅の障害の労働者との間に立つという立場にあるのと似
ている点から、これらを参考にして定めることといたしたいということでございます。
　続きまして、２ページでございます。登録の要件についてでございます。登録の要件
につきましては、法律で既にかなり明確化されているところでございます。
　まずは、常時10人以上の在宅就業障害者に対して継続的に４つのサービス全てを実施
していること。それらのサービスを実施する職員につきましては、知識や経験を持つ者
が２人以上で従事しなければいけないこと。それから、その従事職員以外に、専任の管
理者を別途置かなければいけないこと。それから、支援の業務を行うに足る施設・設備
が必要であるということが書いてあります。最初に申し上げました常時10人以上を継続
的に支援するという要件につきましてですが、継続的に業務を実施ということを登録の
際に確認するに当たりまして、事務局として、在宅就業障害者に対する支援業務の今ま
での実施の実績を勘案するということといたしたいと思います。これは、１号を運用を
するに当たっての解釈レベルの話ですが、そういう運用をしたいという提案でございま
す。
　続きまして、３ページです。登録の更新についてでございます。法律上この登録とい
うのは、一定期間後に更新を受けないと失効してしまうということになっておりまして、
３年以内において政令で定める期間ということになっておりますので、政令では３年以
下の期間も定められるわけですが、本日提案したいのは、法律で定められた上限の３年
でよいのではないかと提案したいと思います。短くしてしまいますと、在宅就業支援団
体の運営の安定や、また、その更新のための事務負担というのが大きくなりますことか
ら、上限の３年でよいのではないかということでございます。
　それから次に、４番目ですが、業務運営基準というものについてでございます。法律
におきまして、在宅就業支援団体は厚生労働省令で定める基準に適合する方法によって
業務を行わなければならないと、在宅就業支援団体全体に関わる業務運営の統一的な基
準でございます。ということで、在宅就業支援団体が円滑に発注者と在宅就業の障害者
との間を仲介できる、それから、障害者を支援できるという点、これが本来の役割です
ので、それを確保するためにどのような点を予め明確にする必要があるかということで、
そこを重点に考えますと、発注企業と支援団体の間の契約、それから、その支援団体と
障害者の間の契約と、ここでの一定条件を明確化することによって、適正な業務を確保
し、トラブルを回避するということとしたいということでございます。
　また、在宅就業支援団体の本来の目的といたしまして、個人情報の保護、障害者の健
康確保の措置の実施、それから、障害者の能力開発の機会の付与、そういうことも併せ
て盛り込むことが適切と考えます。
　先に申しました契約条件の明示の部分につきまして、より具体的に申しますと、３ペ
ージの下の方でございます。まず、(1)発注企業と団体の間の契約につきましては、基
本的に、契約条件を予め文書で明示し、それを保存するということを盛り込みたいと思
います。それから、更に明示すべき条件として、事業主からの発注額のうち、いくら障
害者の方に渡されるかという予定額は必ず明示しなければならないこと。このあたりを
規定したいと思います。
　それから、支援団体と障害者の間の契約についてでございます。これにつきましては、
まず支援団体に登録されて支援を受ける段階としまして、その支援団体がどんな支援を
行うかということ。それから、その支援に対して経費を要求する場合は、その額の設定
の基準。それから、在宅就業支援の実施方法を明示すること。それから、具体的に企業
からの発注が来た場合に、個別の在宅就業契約を結ぶ。その際、就業契約の条件を文書
で明示し、保存をすること。特に、明示しなければならない条件として、在宅就業者自
身が受け取る金額だとか、在宅就業者から団体に支払わなければならない経費の額。そ
れから、発注に対する報酬の支払い期日などの支払い条件について。こういったことを
明示するということを提案したいと思います。
　続きまして４ページに移らせていただきます。ここでは、在宅就業支援団体が行わな
ければならない各種の業務、事務につきましてでございます。まずは、業務規定の届け
出ということがございます。これにつきましては、各団体毎に自らが行う業務の内容を
定めて、事業の開始前に届出が必要です。必須の記載事項としまして、以下のような事
項としたいということを提案したいと思います。まずは、支援の実施方法。それから、
その支援に対して経費がかかる場合の、その算定の方法でございます。この種のもので
一般的に必要な事項として、秘密の保持や書類・帳簿の保存に関する事項ということも
記載事項としてあるということでございます。それから、続きまして、もう一つ、在宅
就業支援団体は、この発注企業に対していくら障害者に支払えたかという事項を記した
証明書を交付しなければならないこと。発注企業の方はこれを元に特例調整金等の支給
申請をするわけなので、これは必ず発行してもらわなければいけないということで、必
要な記載事項としまして、まず、事業主から支払われた発注額総額。それから、そのう
ち、障害者に対して支払われた総額がいくらかということ。それから、在宅障害者への
支払い分がそれぞれに具体的にいくらずつ支払われたかという内訳。それぞれの在宅就
業障害者の氏名や業務の内容、どのようにして障害者であると確認されたかというよう
な事項を記載していただくことを考えています。
　それから、５ページに移りますが、在宅就業支援団体は毎年１回厚生労働省令で定め
るところにより、厚生労働省令で定める事項を厚生労働大臣に報告しなければなりませ
ん。ということで、厚生労働省令で定める方法としまして、まず、毎年の報告を４月１
日現在の状況を5月15日までに報告をするというふうに定めさせていただきたいと思い
ます。
　報告の内容としましては、まず、在宅就業支援団体が行っている支援業務の内容。支
援を行っている在宅就業障害者の人数、これは登録要件10人との関係でございます。そ
れから、支援を行っている団体の職員、管理をしている職員の氏名、これは従事者２名
以上、別途管理者１名以上という規定に対応するものでございます。それから、事業主
からどれだけ受注をしているか。在宅就業者にどれだけ発注を渡しているか。それから、
在宅就業者の側から経費、サービスに対する経費を受け取っている場合、それはいくら
になっているか。そういった事項でございます。このようなことを定期的に報告させる
こととしたいと考えております。以上のような形で在宅就業支援団体について指導・監
督等を行っていく仕組みにしたいということでございます。
　最後に、６ページをご覧ください。ここは、今までこの資料５や法律におきましてご
議論をお願いした、また、定められている事項を整理しますと、こんな感じになってい
るということです。四つ、上から下へマスが書いてあります。
　まず一番最初に登録要件として法律でいろいろな基準が示されており、常時10人以上
だとか、それから、サービスをする人は２人以上プラス別途１人専任管理者が必要であ
るとか、そして、かつ、この登録というものが有期限であって、３年毎に更新をしなけ
れば失効してしまうということなどでございます。
　それから、次のマスでございますが、業務の実施に当たりまして、厚生労働省令で定
める統一的な業務運営基準があるということ、それから、各々の団体毎に業務規定を定
めなければいけないこと、そして、定期的な報告義務があること、不適正な団体があっ
た場合につきましては、立入検査を実施したり、改善命令等々命令も出せます。それら
に応じない時の業務の停止命令まであり、最終的には登録が取消され、そして、登録が
取消された後は、５年間再登録ができないといったことも定められております。このよ
うな形でこの在宅就業支援団体に対して適正な業務が確保されるようになっているとい
うことでございます。
　以上が本日の資料の説明でございます。

○今野会長
　ありがとうございました。それでは、ただ今の説明にご質問ご意見をお願いいたしま
す。いかがでございましょうか。

○笹川委員
　まずお尋ねいたしますが、この検討に入る段階で、ご承知のとおり障害者自立支援法
が成立をいたしました。当然、新しい法律とのすり合わせということがなされていると
思うのですが、実際にその辺がどうなっているかということが一つです。
　それから、これは意見ですけれども、就業の場所というのが自宅または厚生労働省令
で定める云々とありますが、法外のいわゆる小規模授産所はたくさんあります。そこで
障害者が大勢働いています。それがこの厚生労働省令ということになると、対象外にな
るんですが、自宅を認めて、法定外であっても小規模の作業所、これが対象にならない
というのはちょっと納得できないんですが、その辺の考え方をお願いいたします。

○今野会長
　どうぞ。

○障害者雇用対策課長
　それでは、私の方からお答え申し上げます。まず、自立支援法との関係ですが、今ご
指摘ございましたように、先月末ですか、成立をいたしまして、特に福祉の事業体系の
見直しの点については来年の10月から施行になるという形になって参ります。それで、
私どもとしても、自立支援法の成立を受けて、雇用対策を特に連携を密に図りながらや
って参りたいと思っておりまして、自立支援法の中では、特に今回一つの柱として就労
に対する支援、働くということに対する支援というのを掲げておりますので、それと私
どもの雇用の対策というのをうまく組み合わせてやっていく必要があるだろうと思って
おります。今回の私どもの改正法の中でも、今日のご議論の中には直接のテーマとして
入っておりませんが、福祉施策との連携というものを柱の一つとして入れてございまし
て、例えば、前回ご議論いただきましたジョブコーチ支援の充実とか、それから、前回
の改正で入れた障害者就業・生活支援センターの充実とか、そういった点を中心に今日
のテーマには入ってはおりませんけれども、引き続き福祉施策との連携、働くというこ
との中での連携を強めて参りたいと思っております。
　なお、今日の資料の中にも、次のご質問とも関わるんですけれども、一部この在宅就
業支援の仕組みを、そういった自立支援法の枠組みとうまく組み合わせて使っていただ
けるような部分というのを、一部ご提案を申し上げているところでございます。
　そこで、ご質問のあった点でございますが、働く場所についての厚生労働省令でどう
いうふうに定めるかということについてのご指摘でございます。今回ご提案申し上げて
いるのは、資料２の中で、就業場所として自宅以外に、この資料の記載にありますよう
に、障害者による就業のために必要となる施設・設備の設置等がなされた場所、あるい
は、就労に必要な知識及び能力のために必要な向上のために必要な訓練等が行われる場
所、それから、必要な職業準備訓練が行われる場所といった、こういう場所、それから、
その他これらに類する場所と、こういうふうに四つの場所を省令で定めさせていただこ
うという形のご提案を申し上げているわけでございます。
　繰り返しになるかも知れませんが、ここの部分の趣旨を申し上げますと、先ほど笹川
委員からご指摘ございましたように、自宅以外のところも含めて、自らの職業的自立を
図って、あるいはそれを目指して働いているという方はたくさんいらっしゃるわけでご
ざいまして、特に、自宅以外で、まず今回の仕組みでいえば、在宅就業支援団体の支援
を受けながら働いていくという場所、そういう場所が想定されます。資料でいえば、最
初のポツのところで言っている、就業のために必要となる施設・設備の設置等がなされ
た場所というのは、これはこういう書き方をしてございますが、私どもの趣旨としては、
就業支援団体がそういったものを準備をして、障害者が働きやすくなっているような場
所、そういうところを用意して、そこで働いている方がいらっしゃれば、それを対象に
するという意味でございます。
　それから、もう一つは、自立支援法との関係でいきますと、自立支援法の中では、就
労移行支援事業というのが今度新たに新しい事業の体系として作られております。これ
は、一般雇用を目指して訓練をする、そういったものを福祉の事業の中できちんと位置
付けてやっていこうという趣旨でございます。
　私どもも雇用の施策の立場から、一歩踏み出して、非雇用の部分にここで支援策を講
じていこうとしているわけです。そういった中で、特にそのこと自体が職業的自立のよ
うな意味での働き方ではなくても、雇用を目指して訓練を受けておられる、そういった
障害者の方々に、いわば訓練の教材としてこうした仕事が確保されるということが大事
なことだと考えております。
　そこで、もうちょっと具体的に申し上げますと、就労移行支援事業を実施をする事業
者が、この在宅就業支援団体としての登録も受けていただくと、両方の制度を併用して
いただいて、こちらの制度でいえば、これをもって企業からの仕事を確保するという手
段に使っていただこうということを考えました。そこで、資料でいえば、二つ目のポツ
にあります就労に必要な知識及び能力の向上のたに必要な訓練等が行われる場所という
のは、もう少し具体的に申し上げますと、自立支援法の就労移行支援事業が行われてい
る場所という意味で私どもはこれを解したいと考えているところです。そういった場所
での働くこと、仕事の確保ということについても、この制度を使っていただこうという
ふうに考えているところでございます。
　従いまして、今、笹川委員からご指摘がございましたように、法定外の施設が含まれ
ないのではないかという点については、自立支援法が施行になった後の体系で考えます
と、いわゆる授産施設とか小規模作業所が、その法定内か法定外かという整理が少し変
わってくると思いますが、いずれにしても、新しい自立支援法の中で、サービス事業者
となる方、これは小規模作業所からサービス事業者に移行するという小規模作業所もた
くさん出て来ると思いますけれども、それが就労移行支援事業をやっていただくという
場合に、この制度の適用の対象になるというふうに整理をしておりますので、ある意味、
新体系の中ですべての今までの施設ないしは作業所が対象になるというわけではござい
ませんが、就労移行支援事業というものを目指していただくことによってこの制度に乗
ってくることができる、そういうふうにさせていただければどうかということでござい
ます。
　なお、現体系ではどうするのかということですが、段階的に移行するということもご
ざいますし、来年の10月からということもございますので、その点については、今申し
上げたような考え方を現体系に当てはめて一定程度整理をして、例えば、今でも授産施
設あるいは小規模作業所の中には就労支援ということに力を入れてやっていただいてい
て、現に一般雇用にたくさんの就職者を出しているという組織がございます。ですから、
そういうところは現体系の下でも対象になるように、運用の面で工夫をして参りたいと
考えております。ちょっと長くなりましたが、以上でございます。

○今野会長
　今の答弁でよろしいですか。では、どうぞ。江口委員。

○江口委員
　今土屋課長がおっしゃったいわゆる一般就労への準備訓練をやっている等の機関で、
例えば職業リハビリテーションセンターのようなものがありますね。ここに企業が発注
するというような携帯も、基本的には認められるという形になるんでしょうか。

○障害者雇用対策課長
　高障機構の職業センターでの準備訓練についてのお話かと思うのですが、これにつき
ましては、基本的には高障機構の運営自体は別途労働保険の特別会計から、雇用勘定の
中から機構に対する運営費の交付金という形で手当がされておりまして、それを元に運
営がなされているということになりますので、企業の方から見ると、同じように仕事を
発注したのにということになるかも知れませんが、私どもとしては、そこの運営のとこ
ろは、そちらの方で公費を投入して賄っているということがあるので、この制度の対象
にはならないものと考えております。

○江口委員
　分かりました。

○佐藤博樹委員
　今ご質問のあった厚生労働省で定める場所なんですが、資料１の方で、在宅就業支援
団体についてはどういう法人かという登録要件の定義がありますね。それと、厚生労働
省が定める場所なんですけれども、例えば、登録要件を満たす法人が、その法人がどこ
で在宅就業をやるかという場所を定義するという、つまり、ここは、訓練をやっている
場所でなければいけないのか。あるいは、その法人がある会社からある仕事を、その側
で借りてやってはいけないのか。つまり、場所というのは、二重に定義されているよう
な感じがするのです。つまり、法人は定義しているわけですね。こういう法人しかやれ
ませんよと言っているんですね。さらになぜ場所を定義するのかというのは、仕事をす
る場所はこういう場所でなければいけないと言っているのかどうか。それに関わってな
んですけれども、次の「ただし」なんですね。企業の中では駄目だといった時に、現状
でも請負というのはある。企業の中であれば必ず雇用になるかというと、そうでないわ
けですね。実際には請負というのもあるわけですから。なぜ企業の中では駄目なのか。
極端に言えば、隣に借りればいいのか。そこは形式的に判断したいというのであれば、
そうなるかも分かりませんが、つまり、場所というのは何か。なぜ場所の定義をするの
かというのがよく分からない。
　もう一つは自宅なんですね。自宅とは何か。ですから、本人が自宅以外に、例えば定
められているような場所を外に持っていてもそれは自宅なのか。自宅というのは何なの
かということですね。つまり、自分が住んでいる隣で仕事をしている。そこを二人でオ
フィスを持っている。しかも、個人事業主だとします。例えばです。これは自宅ではな
いから、駄目なのか。例えば、そういうことなのですね。ですから、自宅というのは何
なのか。自宅以外については、ここの厚生労働省で定める場所に当てはまれば、支援団
体を通じなくてもいいのかどうか。極端なことを言えばですね。そういう意味で、この
定義というのは何のために場所の定義をしているのかというのは、僕はよく分からない
です。

○今野会長
　今、二点ありましたね。

○障害者雇用対策課長
　まず、場所の定義そのものの意味なんですが、登録要件との関係で申し上げますと、
その登録要件では在宅就業障害者に対して、これこれの支援を行っていることというこ
とで、特にそれが10人以上の支援の対象者がいることとか、そういう要件があるわけで
ございますが、この在宅就業障害者の、つまり対象となる障害者の定義の中に、今資料
２でご覧いただいていますように、この場所の問題が出てくるというようになっており
ます。従って、ある場所でこういう物品の製造や役務の提供を行っている人が在宅就業
障害者であるという定義がまずあって、それを支援しているところが10人以上例えば支
援をしているところが団体としての登録ができると、こういう構造になっているので、
いわば支援対象者としての障害者の働いている場所で、団体の登録の可否もある意味で
決まってくるという構造になっているわけでございます。
　そこで、今、先生からお話があったような、例えば訓練の場所といった時、訓練の場
所というのは非常に厳密に考えるのかどうかという点です。この点は、よく詰めてはみ
たいと思いますけれども、趣旨として今、先ほど申し上げたような、例えば就労移行支
援という事業に重ねて、これも使っていただくことにしようとか、そういうふうに考え
ているところなので、そこはある意味、ギリギリ厳密に排除するということよりは、そ
ういった場所もつかまえることができるという方向から、できれば運用面では少し弾力
的に考えていく方が適当なのかなというふうに考えております。
　そして、逆に、こちらの方の、企業の場所を排除するという意味というのは、構内下
請けみたいな形になるケースであれば、それはできる限り企業に雇用していただく方が
筋だという発想から出ているので、それは一般論ではなくて、障害者雇用の問題として
ですね。特に雇用率制度があるという中での障害者雇用の問題としてそうだというふう
に考えて、この制度と雇用率制度を、ある意味整理をしてみようかということでござい
ますので、その部分では、例えば今先生がおっしゃったような、では、企業の隣だった
らどうなのかというようなところも、今度は逆に、そういう趣旨を踏まえて、弾力的に
といいますか、つまり、その趣旨が通るような考え方を運用面でしていくことが適当で
はないかと思っております。
　ですから、自宅も同様でございまして、自宅という表現をどう使うかというのは、法
律上自宅と書かせていただいているので、あとは解釈の問題だということになってくる
んですけれども、その点も、では自宅の隣にオフィスを構えていると、オフィスは自宅
でないのかという点は、この制度の趣旨に照らして、弾力的に考えていくということが
適当だろうと考えているところです。

○輪島委員
　関連するところですが、自宅のところから言うと、いろいろと経過があって、おそら
く最初ITから入ってきているので、IT技術が進化しているので、自宅で仕事をする人
に業務を発注するという、そこからの発想が、今いろいろなものに広げてやっていこう
としているので、なかなか難しい。自宅はオーケーでそれ以外の省令で定める場所とい
うような書きぶりになっているというところに、今のところの解釈の難しいところが多
分あるのではないかと思います。
　もう一点、二重丸のただし書きのところの、発注企業の影響下にある場所を除くとい
うところは、ここが非常に微妙なところで、むしろ特例子会社や併設する福祉施設とい
うのは、企業の施設の中に入ってきて、むしろ就労移行支援事業の中には障害をお持ち
の方が、企業の門をくぐって毎日あたかも通勤しているように、企業に隣接もしくは企
業の中の事業場内の福祉施設で作業をすることによって、または、企業の人と同じユニ
フォームを着て、または、そこで食事をして、というようなことから職業意識を付けて
いくということは、実質的にはよく行われている話だし、それが就労移行支援の中では
非常に重要なインセンティブをむしろ与えているケースが多いのですが、ここはそれを
外してしまっているということに、非常に限界があるのではないかと思います。
　それから、もう一つ、少し別の角度からかも知れませんが、在宅就業支援団体の登録
要件のところに、知識及び経験を有する者を三人以上の者を置き、内一人は専任の管理
者にするということになりますと、先ほどの105万円の発注はストレートにご本人に行
かないと特例調整金・報奨金の金額にはなりませんけれども、そうすると、専任の管理
者が一人いることになると、それの部分の人件費はまるまる食ってしまう。それはスト
レートにご本人に仕事の発注として回りませんから、専任の管理者がいることによって、
むしろ発注額が減殺されるということが実質的に起こるのではないかということなの
で、本当に専任の管理者が必要なのか、兼任ではなぜいけないのかというところは、少
し議論をする必要があるのではないかと思います。
　それから、元々105万円という金額が、本当にどれぐらいか、平たく言えば、高過ぎ
るのではないかというふうに思っておりまして、これまでの審議会の議論では400万円
だったものが105万円に落ちてきていますので、それなりにすっきりとした制度にはな
りつつあるかなと思います。要は、105万円発注したら63,000円戻ってくるということ
ですから、そういう意味ではすっきりした形にはなりつつありますが、もう少し詰める
必要がある。議論すべき点があるのではないかと思います。

○今野会長
　佐藤委員から質問がありますから。

○佐藤博樹委員
　今のですと、特例子会社は外れるということですか。つまり、管理下にあるというこ
とで。それは確認なんですけど、例えば、今、輪島さんが言われたように、例えば特例
子会社で就業から雇用へ繋げるような形でもあるでしょうし、あるいは、特例子会社で
雇用で働いている人が、自立化する、独立するというといった時に、前にも研究会でヒ
アリングをしましたけれども、企業としては歓迎しなくなるわけですね。独立されてし
まうと、一人減ってしまうから。でも、その中間団体として、特例子会社の支援を受け
ながら、まずは自分で始めて、その後、自分で自立する。そうすると、それはカウント
されなくなってしまう。僕は特例子会社も外れるという、今の、そこのところがなぜな
のか分かりません。

○今野会長
　それでは、お二人とも趣旨は一緒ですので、お願いします。

○障害者雇用対策課長
　まず、今、輪島委員からご意見としてあった点は私どもも皆さん方とご議論いただけ
ればたいへん有り難いと思っていますが、一点だけ、輪島委員からお話があった中で、
専任の管理者の問題ですが、ここについては、私どもはなるべく多く障害者の方に発注
に応じた実際の報酬が回るようにという考え方があるわけですけれども、一方で、支援
をきちんとやっていただくためには体制を整えていただく必要があるという観点から、
少なくとも一人は専任にして置いていただきたいと考えたわけでございます。実は、こ
の点については、既に法律の中でそのように定めさせていただいているということでご
ざいますので、その意味で、たいへん恐縮ですが、この場で改めてご議論をいただくと
いうことになりますと、ちょっと法律の改正を要するような話になってしまうという趣
旨で、その点は、所与の事項ということでご検討をいただければたいへん有り難いとい
うことでございます。
　それから、その他の輪島委員からお話のあった点は、いろいろ先生方のご意見もあろ
うかと思いますので、是非ご議論をいただければということでございます。
　それから、もう一つ、佐藤委員からお話が今ありました点につきましては、特例子会
社から例えば独立をしたいという障害者の方が、しばらくは雇用契約は切れるけれども
特例子会社の中でトレーニングを積みながら離れて行くということを想定されたお話だ
ろうと思います。その場合、今ご提案申し上げている内容では、特例子会社がその障害
者に発注をしているという状態であれば、先程来ご議論が出ている点に絡んで、特例子
会社の中で働いている時は対象にならないということになって参りますので、特例子会
社から離れて自宅に引き取って仕事をやるということになれば、これはまた別なんです
けれども、特例子会社の中で働いている状態の中では発注企業の影響下にある場所で働
いているということになってしまうので、外れてしまうということになろうかと思いま
す。その点につきましても、これもまたいろいろご意見があろうかと思いますので、ご
議論いただければと思います。

○今野会長
いいですか。輪島さんがおっしゃられた、発注企業の影響下にある場所ということで、
一番気になっているのは特例子会社のことですか。それ以外はないですか。

○輪島委員
　特例子会社も事例としてはありますが、一般的に、普通の企業で発注をしているケー
スはありますので、特例子会社を想定しているものではなくて、むしろ一般企業が発注
をしているというケースの中で、就労移行支援事業との絡みからすると、むしろそちら
の方がインセンティブがあるのではないかという実態のところで、排除してしまうのは、
今の段階ではどうなのかなという気がするということです。

○副島委員
　その関連ですけれども、いいですか。

○今野会長
　どうぞ。

○副島委員
　今の就労場所のところで、発注企業の影響下ということで制限を受けるのが、今、授
産施設関係でやっているのは、うちは施設外授産なんです。施設外授産というのは企業
の事業所の一部分を借りて、その中で授産施設職員が一緒にジョブコーチみたいな援助
的就労をしながら、その企業の実際の仕事をこなしていく、そのことを踏まえて企業の
中に就労していくというステップを組みたいんですね。そういうところがどんどん進ん
でいるのに、この提案ですと、発注企業の影響下にあるとなると、これが全部対象から
外れてしまいます。これは、授産施設としてやっとこのようにして就労移行に進んでい
るところが、それが前に進めなくなってしまうという、ちょっと嫌な状態になると思い
ますね。

○障害者雇用対策課長
　おそらく輪島委員がおっしゃっていたケースも同様でございまして、今の授産で考え
るか、将来の就労移行支援で考えるかというのはあるかと思いますけれども、その過程
で、仕事は事業者がその発注を受ける。そして、それを障害者に分配する時に、働く場
所は企業の中でのトレーニングという形でやるというケースをこの制度に乗せた時に、
今私どもが提案しているのは、そこら辺はすごく割り切りをしておりまして、影響下に
あれば駄目という感じて書かせていただいているので、それがそのままでは、ステップ
アップのためには、本当にそれでいいのかということだと思いますので、たいへん恐縮
ですが、いろいろご意見を頂戴できればと思っております。

○松矢委員
　よろしいでしょうか。

○今野会長
　どうぞ、松矢先生。

○松矢委員
　これは輪島委員からもご指摘があったように、当初は、やはり日々通勤・通所できな
いような重度な方というのが入っていたんですね。ですから、授産施設で今、副島委員
が出されたようなのは、日々施設外授産という形で、企業との提携ですね。運営は民間
の小規模作業所なんだけど、工場の一角を借りて、そこからの仕事をやって工賃をいた
だいている場合があります。それは、日々通えるんですね。その方の移行支援というの
は当然あるわけです。そういう方の移行支援というのは、そういう形である。でも、こ
の場合は、日々通勤・通所が困難なというところが入っていたはずですね。ですから、
そこの多様なものなんです。日々通所できる、あるいは通所の回数が多くなっていくよ
うな方ですと、何回通うというような形でそれは通所授産の方のあれになるはずですね。
あるいは、この制度と授産のマッチングがあるかも知れません。組み合わせがあるかも
知れません。それは工夫なんですね。ですから、ここでは、かなり身体の不自由な方、
でもITは何とか入力の方法をマスターして、自分のその能力で働ける。その人たちの、
その一日の仕事は、何時間になるか分かりません。結構休憩を入れながら、こつこつと
やってかなりいけることが想定されていたと思います。かなり重度な、今までできない
だろうと思われている方がパソコンの入力ができるというところを開発していった、そ
ういう非常に貴重なグループの実践から出て来ているので、そこを踏まえないと駄目で
す。
　私は今度の移行支援は、移行支援事業がありますから、従来の小規模作業所も含めて
是非、足腰を強くして、きちっとして、サービス事業所として認定を受けて、きちっと
日々通所・通勤できる人たちの移行支援をやるべきだと思うのです。
　もう一つですね。ここでは、さらに、日々通えない人。今まで在宅雇用でも、だんだ
ん力が無くなって、マイペースでやりたいという時に、引退していくやり方とか、かな
り在宅雇用が成り立つんだけれども、もう少しというような、そういうような人とか、
それから、うんと重度で、マイペースでまさにこの支援の、ここにある就業支援団体の
きちんとした支援の下でマイペースで働いていく。そういう方々を想定しないと、この
制度は駄目だと思います。ですから、重要なのは初めの発想の段階ですね。
　次に出て来るのは、これはもう少し先になりますが、納付金の使い方なんですけれど
も、精神障害者の法定雇用率が達成するような段階では、かなり多くの企業が、今まで
雇用率を達成している企業も、できなくなってくるということがありますね。その時は、
もう少し納付金のあり方も変えて、そういう、たくさん仕事を出すことを雇用率と同じ
ように評価して上げるという、そういう形でいくと、授産施設にもどんどん出す、その
仕事を発注することが評価されるというようになるべきですね。今のところまだ1．8％
で、小さいんですね。ヨーロッパの法定雇用率というのは、いわゆる戦争の被害も含め
ましたから、寡婦まで入った非常に大きな法定雇用率が、だんだん社会保障が整うに従
って寡婦が抜けていって。それでもドイツ、フランスでは6％なんですね。イタリアで
は7％と高いんですが、それは元々高かったんですよ。それを削っていったところがあ
ります。日本は身体障害者の積み上げですからね。その法定雇用率はまだ1．8％ですの
で、授産施設までそれを拡大するのはちょっとできない。しかし、そこでも将来のこと
を踏まえていって、納付金の活用の方法ということで、重度の在宅で仕事をしている方
に、非雇用だけど、焦点を当てたというのはこの制度のメリットですから、そこは是非
忘れないでいかないとまずいと思っております。

○障害者雇用対策課長
　今、松矢先生から今回の制度のそもそもの経緯をお話いただきまして、私どももその
点は同感でございます。そもそもこの制度を創ろうということになった議論のきっかけ
は、移動に制約のある障害者の方で、想定しているのはその時は多分身体障害者の方と
いうことになると思いますが、そういう方がご自宅でもITやパソコン、インターネット、
こういったものを駆使をして、比較的高付加価値の仕事が可能な状況になってきている
ということがありました。ところが、その仕事の確保ということが一つの課題になって
いるということで、そういった方々に対する仕事の発注の奨励をしていこうというとこ
ろから議論が始まっているので、今、就業場所のところで様々ご議論をいただきました
が、この制度の核はそこだと私どもも思っております。
　その上で、具体的にこの制度を法律に盛り込む時に、設計するに当たって、様々に私
どもとしても検討をして考えた時に、先ほどちょっと資料2の説明では飛ばしてしまい
ましたが、一つはまず障害種別を区別する必要があるのかという時に、これは知的の方
でも精神の方でも使えるようにした方がいいのではないかというところです。もう一点
は、対象業務ですが、そもそもITなりそういうことから発想していましたが、物品の製
造とか、普通のサービスの提供とか、いろいろなものが含まれていいのではないかとい
うことで、広げてきてまいりました。その意味で、少し中核部分から周辺に広がった分、
やや中核部分がぼけてきてしまったということはあるかも知れませんが、その点は先ほ
ど申し上げたとおりです。
　そういうふうに、広げてきている中で、もう一つ私どもが考慮いたしましたのは、先
程来ご議論が出ております福祉施設との関係をどうするかということです。施設で働い
ている方々というのは、基本的に施設の方で仕事を確保するというのが、これは施設の
方の仕事でもあるわけでございますけれども、一方で、新しい自立支援法の中では就労
移行支援というような仕組みが出てきたので、そこを私どもとしても、この仕組みを使
って、うまくステップアップを図っていただけるということにこの制度を使えないか。
つまり、福祉の制度とやや並立する形で、併用する形で、この制度を使っていただくと
いう部分があってもいいのではないかというふうに発想した結果、その場所のところで
申し上げているような、例えば二つ目のポツにあるような、その就労に必要な知識、能
力の向上のたに必要な訓練が行われる場所というようなものを入れてみようということ
になってきて、今、そういう意味では、どこまで広げるかということについて、その部
分についてご議論を様々今もご意見をいただきました。例えば、施設外授産はどうなの
かという部分もその点だと思います。それは、私どもも、できるだけステップアップに
繋がるように弾力的に考えていきたいと思っておりますので、今日のご意見も踏まえな
がら考えていきたいと思っておりますが、一方で、もう一つ忘れてはいけないと思った
のが、今、松矢先生からお話があったとおりでございまして、コアの部分は自宅で移動
に制約のある方が仕事をしていくということをバックアップしていくということが、こ
の制度のいわばコアの部分であるということも併せて念頭に置いていただいた上でご議
論いただければたいへん有り難いと思います。

○江口委員
　関連してなんですが、輪島さんの方からもお話がありましたが、当初の420万円から
105万円になったのは、私は非常に前進だと思います。私の会社そのものがITの関連の
仕事をしていまして、分析をしたのですが、本来の通勤が難しい方に105万円というか
たまった仕事を出すということの実効性に少し疑念があります。もう法律は通ってしま
ったのですけれども、例えば、ホームページを作るという仕事は、今はソフトが出来て、
個人でも作れるような時代になっていまして、それで発注するということ自体が、例え
ば、会社で発注しても、せいぜい10万円か20万円以内で一つのものが出来上がります。
105万円となると、いつそういうような仕事を受けるのかとなってくると、非常に難し
い。また、逆に、今度は1,000万円というような形になると、システムを組んでくださ
いという形になった場合に、そういう仕事を受けるだけのスキルを持った方がどれだけ
おられるかということもあると思います。そういうふうなもの、あるいは、私ども印刷
の仕事もしているんですが、製作の仕事となると、かなり高度なテクニックが要るとい
うことになります。その辺のところは既に、多分業務分析をしていただいたと思ってい
るんですが、私はその辺に関しては参加しておりましたので、果たして事業主から発注
するに当たって、それだけのきちっとした仕事を出せるだろうかという、事業主として
の疑念を個人としては持っております。

○今野会長
　では、輪島さん、どうぞ。

○輪島委員
　私は、松矢先生が先ほどおっしゃった点について、一点目は反対の意見、二点目は賛
成の意見です。
　やはり、土屋課長が今おっしゃった点もありますけれども、オリジナルはITで、自宅
でということではありましたが、先ほど法律で専任はもう決まっているんだということ
になれば、法律でここに書いてあるのが在宅就業障害者というのは身体、知的、精神だ
というように、障害種別が広がっているということと、ITで自宅ということからの省令
で定める場所ということに広がっている。それから、対象業務についても、物品製造、
役務の提供、これはサービスということですから、ヘルスキーパーとかですね。そうい
うことが想定されるわけで、実態としても今のところでは広がっていっているというこ
とと、自立支援法が通っているということから、移行支援をどう位置付けるのか。さら
に、105万円のハードルはかなり高いですけれども、企業のインセンティブをこれでつ
けていくためにはどういうふうにするのかということになれば、選択肢が広がる必要が
あるという観点からすれば、なるべく広い観点が必要だろうということを思っています。
　それから、二点目については、企業は現在でも福祉団体、福祉施設に仕事を発注をし
ている部分がありますから、それを今は特例調整金、特例という形で相殺する仕組みが
一つつきました。本来であれば、最初から申し上げているように、雇用率の相殺である
とか、納付金本体の相殺であるということが、ある意味で、雇用というものについての
相殺の仕組みがあるというのが、企業にとっては分かりやすい仕組みです。これはまだ
まだ非常に分かり難い仕組みですし、どれぐらいハードルが高いか、実態はどれぐらい
進むのかなという疑念からすれば、企業にとっては分かりやすい発注の仕組み、それは
雇用率でみるというのが一番分かりやすいという仕組みですから、入れる必要があるの
ではないかと思います。二点目の松矢先生のご意見には賛成をしたいと思います。

○佐藤博樹委員
　この105万円がちょっと難しいんではないか。これは、確認ですけど、一個人に105
万円とか、一支援団体105万円ではないですよね。企業が複数の支援団体とか個人、要
するにトータルで105万円になればいいわけですから、そうですよね。ですから、つま
り、一人に105万とか、一つの法人に105万ではないので、その辺はきちんと広報して
いただいた方がいいかなと思います。

○輪島委員
　すみません。今の理解はそうではなくて、一人に105万円でしょ。

○障害者雇用対策課長
　一人にではございません。年間の支払い総額として考えていますので、一つの企業が
発注した額を累計していただきまして、いくらというのを見ていただくということでご
ざいます。制度本来からいえば、一人ひとりの方の自立にどのぐらいこの部分が役立っ
ているかという意味では、今、佐藤先生からもお話があったように、一人にいくらで出
しているかを見る考え方もあるわけですが、今回の制度では、そこは企業の発注そのも
のを奨励をしていこうという考え方から、累計で把握をさせていただいて、それを評価
をするということを考えております。

○今野会長
　そうすると、江口委員が言われた懸念も少し薄れますね。

○江口委員
　そうですね。でも、一つは、逆に言いますと、企業からといっても、これもいろいろ
な企業があると思いますけれども、調整金の額を基本的に目標にして発注するという形
ではないと思いますのでね。ですから、例えば、実際どれだけ実入りがあるかというと、
105万円で63，000円1単位ということですよね。当事者の方に仕事が発注されていく
時は、それ以下の単位に、もっと細かくなっていく場合もありますね。

○今野会長
　発注企業はトータルが105万円でということですよね。

○江口委員
　ただ、やはりその発注先の障害者の実入りというものを考えた時に、ということです。
企業側の方は仕事として、例えば５万円とか10万円の仕事を出すということはあるかも
しれませんが、それが果たして当事者の人に、その中のどれぐらいがいくのか、ちょっ
と私も計算していませんけれども、そんなものでいいのかなということは思いますね。

○岩村委員
　よろしいでしょうか。一点は、就業の場所の議論ですが。すみません。法律家なもの
ですから、法律の観点から言うと、条文がこの資料２で挙がっていますが、元々在宅就
業ということで定義があって、そして、自宅その他厚生労働省令で定める場所というこ
とになるので、あくまでも厚生労働省令で定め得るのは、この法律の書き方からすると、
自宅というものに準じるものということに多分なるんだと思うのですね。ですから、先
程来議論があるんですが、ただし書きで発注企業の影響下にある場所というのは除かれ
るというのは、むしろこの観点から除かれるのだと、そのように思います。ですので、
本来、多分、厚生労働省令で定める場所として掲げられているものも、自宅と、ある意
味同一視できるような、あるいはそれに近いようなものということになるんだろうと思
います。その意味では、比較的長期、長時間の通勤を要するとかというようなケースは、
本来は多分外れるということになるんだろうと思います。
　それから、手短にしますが、もう一つは、就業の場所を、例えば発注企業の中で、先
ほどおっしゃったような、職業的な自立支援のための様々なものを発注企業の中でやる
という場合、この仕組みでやろうとすると、一つ引っかかるのは、発注企業の側が、実
は最後の方で出てくる発注証明書の発行の中で、個々の在宅就業者に対して、個々の在
宅就業者を全部把握するという形になり、かつ、その報酬額がいくらかということも把
握することになるので、かなり雇用に近くなつてしまうという可能性が出てくるんです
ね。間に支援団体が入っていたとしてもですね。ですので、そういうことも考えると、
この条文の趣旨から言うと、発注企業のところが影響下にある場合は外れるというのは、
ある程度、制度設計上は止むを得ないものではないかというようには思います。
　ただ、もちろん先ほどのように、発注企業のところで一定の作業をしながら職業的な
自立に向けてやるということ自体の重要性は当然認められるだろうと思いますから、そ
れはまた、この制度とは別の枠組みの中で、自立支援法の枠の中とか何かのものと組み
合わせて、そちらとうまくセッティングをするということで考えていくものなのかなと
いうようには思います。以上です。

○副島委員
　今言われる岩村委員の基本は分かるんですけれども、在宅という、家ではなくて、送
迎を利用することによって、一つの訓練場所等に移動しての仕事というのもあると思う
んですよ。それがたまたま企業の中の一部分の業務を受ける場合もあると思います。だ
から、やはりそこのところの広がりは考えていただかないといけないと思うのです。
　もう一点は、対象となる障害種別のところで、我々知的障害の方はいつも問題にして
いるんですけれども、手帳交付を受けた人が対象なのか、つまり、雇用率制度、納付金
制度の対象者であるというところが、私にはよく分からないんです。支援費制度がやは
りパンクした大きな原因は知的障害者の数の把握のミスだったと思うのですね。今、手
帳の交付は45万人強ですよ。ところが、実質1％、全国民の1％の人がその対象になっ
ているという統計からいけば、120万の数字を我々は考えているんです。そうすると、
手帳を持っていない人が新しくそのサービスを利用するということから、支援費制度が
パンクした大きな原因と考えていますので、今回の対象になる知的障害者の対象者です
が、これが、例えばどこの範囲まで、つまり医者の判断で、その対象であるということ
が可能であるのか。
　それから、先般法律が通りました発達障害者支援法ですが、ここで、障害という認定
はもらえているけれども、手帳給付とか、それから、障害者福祉の対象者になっていな
い方々が、就労も含めていろいろなサービスを利用できなくなってしまっている。そう
いう方々の中で、結構就労ということに対しての方向付けというのは、すごく本人さん
にも気持ちはあるけれども、受けるところがないし、それはもちろん、今回の在宅就労
の中に位置付くことができるのであれば、また一つの道が開けるのではないかと思うの
ですね。だから、その対象者というところについての今の考え方と、それから、それで
落ちている方々の今後の取り組みについては、どういうふうな考え方をされているのか
聞かせてください。

○障害者雇用対策課長
　障害種別からみた対象者の範囲でございますが、まず知的障害者の方については、形
から申し上げますと、今までの雇用率の制度の対象になっている知的障害者の方はこの
制度にも乗るといいますか、同じ範囲にさせていただきたいと考えております。雇用率
制度に乗っている知的障害の方の範囲というのは、どういう範囲かといいますと、先ほ
ど副島委員からお話があった、手帳をお持ちの方はもちろんなんですけれども、それ以
外に、例えば障害者職業センターで知的障害があるという判定を得た人なども含まれて
おりまして、必ずしも手帳の所持を要件としておりません。というか、むしろ、そこは
かなり弾力的に運営をしているというのが現実の姿でもございます。その意味での範囲
は、かなり広く考えていただいて結構かと思います。
　ですから、今回のこの在宅就業の仕組みも、手帳を持っていなくても、そういったと
ころで判定を受けた方であれば対象になるということになります。
　それから、次に発達障害の方との関係ですが、今度発達障害者支援法との関係でいき
ますと、発達障害者支援法には発達障害の定義として、知的障害を伴わない方というふ
うに、確か規定してあったかと思います。そうしますと、いわば今申し上げたような知
的障害者に該当する方であると、いわゆる発達障害者支援法の類型には入ってこないと
いう整理になります。その意味では、今回の制度、それから、雇用率制度、納付金制度
全体について、発達障害の方は現に今、対象にもなっていないわけですし、今回の制度
についても対象としないという前提で今ご提案申し上げている形になります。
　ただ、私どもも発達障害者支援法ができて、これからいろいろな形で就労の場面でも
支援が必要になってくるということは強く感じておりまして、一つは、雇用という意味
でいいますと、ハローワークでの職業紹介について、発達障害の方にも十分に対応がで
きるようにということで、今私どもは取り組みを強めさせていただいているところでご
ざいますし、それから、もう一つは、実際に就職する時に、例えばジョブコーチの支援
とか、そういうものがかなり有効で、また必要になってくるかと思います。こういった
支援のメニューについては、これは雇用率制度や納付金制度といった制度の面とちょっ
と違っておりまして、どんな障害の方でも対応させていただいているというのが今の私
どもの対応でございますので、例えば、職業センターにジョブコーチ支援を求めておら
れる方、あるいは、職業準備訓練を受けたいということでいらっしゃる方、こういう方
は発達障害の方も含めて全ての障害者の方を対象としているという中で対応させていた
だいているところでございます。なお、加えてジョブコーチについて、前回ご議論いた
だきましたように、今回助成金制度という形に一部変えさせていただきました。この助
成金制度の中でも、発達障害の方も対応できるように仕組ませていただいたところでご
ざいますので、ある意味、今まで、これまでの取り組みですと、支援の部分で具体的に
発達障害の方にも対応してきたところを、新たに助成金の制度の中でも一部対応するこ
とにしたということで、徐々に広げていきたいと思っておりますが、これからもご意見
を承りながら対応していきたいと思っております。

○今野会長
　はい。どうぞ。

○松矢委員
　今の副島委員のご意見に対して、これは私の感想というか、意見なんですが、先ほど
も言いましたように、日本の法定雇用率は積み上げ制度なんですね。ヨーロッパは第一
次大戦後の寡婦まで入った戦争の犠牲者のワークシェアリングから始まっていますか
ら、大きかったんですね。それが、だんだん障害者に収斂していったのです。ですから、
日本の場合、積上げですから、今言った発達障害者支援法も出来ましたので、将来この
法定雇用率がどうなっていくのか。精神障害者はもう日程に上っていますので、おそら
く法定雇用率2％になっていくという時代が来るわけですね。そういうことを予想しま
すと、割当て制度、特に納付金制度のあり方、活用の仕方というのは、やはりヨーロッ
パ型に近づいてきて、授産施設とかあるいは企業の中で能力開発事業をやれば、それに
対しても納付金が適用されるというような時代がもう来ている。今回は、おそらく過渡
的なものだと思うのですね。非常に過渡的で、でも、おそらく輪島委員もおっしゃって
いるように、精神障害者の法定雇用率設定ということになれば、そういったことを考慮
しないと、もう行かないだろうと思います。企業のやはり非常に困ったことになってく
るという、その危機感ですね。一方、雇用率を達成しないと社会的にいろいろ批判が出
てくるという中で、非常に企業にとっては辛い立場になります。そうではなくて、納付
金は企業が自分たちの雇用率を高めていくためのツールとしてあるんだということにな
っていかないといけないし、私なんかは、試行雇用事業（トライアル雇用事業）などに
は納付金を使っていいと思うんです。常用雇用移行率80％ですからね。非常にいい制度
ですから、もう使っていくというようなことを検討していくというか、もうそういう時
期に来ているなと思います。そうしないと、精神障害者の法定雇用率も進まないし、発
達障害者をどうするかというのも進んでいかないと思います。これが私の感想です。ど
うも済みませんでした。

○今野会長
　ご意見ということでよろしいですね。先ほど副島委員から、受注企業の影響下にある
場所にも送迎するんだから、言ってみれば自宅の延長ではないかという意見がありまし
たが、どうですか。法的には。それをちょっとお聞きしたいですが。

○岩村委員
　難しい問題ではありますけれども、多分、やはり本来ここで考えている在宅就業とい
う言葉自体が法律上そういうふうになっているので、まあ、送迎する場合であっても、
やはりある一定の地域内ではないかというようには思います。現在、例えば高齢者につ
いても、デイサービスとかその他でもって送迎ということをやっていますが、せいぜい
それに類似するような程度ではないかなとは思います。

○今野会長
　私の方からちょっと質問したいんですが、先ほど輪島委員からもありました専任の管
理者を置くということですが、専任の定義というのは何なんですか。つまり、それしか
やってはいけない、他は全部やっちゃいけない人を専任となると、そうすると、人件費
は丸ごとで大変ですよね。それはどういうふうになっているんですか。

○障害者雇用対策課長
　考え方としては今先生がおっしゃったように、専らこの事業ないしはそういう支援に
携わっていただいている方がちゃんと一人いるということ、こういうふうに考えたいと
思っております。

○今野会長
　専らですね。はい。

○佐藤博樹委員
　パートタイムでもそれだけやっていればいいんですか。つまり、専らってどういう意
味でしょうか。つまり20時間でもそれでやっていれば。僕は実際フルタイムで40時間
はないと思います。実際上の仕事は。そういうことなんです。

○障害者雇用対策課長
　要するにこれは支援体制の問題ですので、今、先生からお話があったような就業時間
の問題はあるかと思いますけれども、体制としてきちんと一人責任をもって対応できる
方がこの業務に携わっているということを確保したいということでございます。

○舘委員
　この在宅就業に関しては非常に期待している向きが多くて、今後の一つの切り札にな
っていくのかなと思っております。厚生労働省として今後これを大きくしていこうと考
えていらっしゃるのか。その場合、どういう施策を打って行かれるのか。例えば、どう
いう施設がどんなことをしているとか、そういうことはなかなか企業でも情報をどうや
って得るのか難しいところがあると思うのですね。そういうのを、例えばどういうよう
な形で企業の方に周知していくのかとか、あと、いろいろなこういう事業を促進してい
くためにどんな施策を打って行くのか。それをお聞かせいただきたいと思います。

○今野会長
　どうぞ。

○障害者雇用対策課長
　私どもとしても、こういう制度を創って、雇用でない部分についても支援を強めてい
こうということで創った制度でございますので、これからもしっかり育てていこうと思
っているわけでございますが、これまでも特にITに着目はしておりますけれども、こう
いった類の支援を行っている団体の育成を予算事業で、そういった団体に事業を委託す
る形で図って参りました。全国で今９団体にそういった活動をしていただいております
が、今回こういう法律上の制度も出来たということで、既にそういう取組みをしてきて
いただいている９団体は、基本的にはそこはおそらくこの登録に入ってくるだろうと思
っているんですけれども、そういった団体から、今度は別のそういった取り組みをこれ
から起こそうとしているところへのノウハウの提供とか、そういう形で他の地域にも、
あるいは他の業種といいますか、そういうところでも支援団体が育っていくようにとい
うことを、来年度予算ではそんな形の事業を、今度は９団体に展開をしていただくとい
うふうに、予算の形を少し見直しまして概算要求しているところでございまして、そう
いった形で、徐々にではあるかとは思いますが、まず支援団体を育てていきたいと思っ
ております。
　併せて、もちろん企業の方にこの制度を理解していただいて初めて発注が進むという
ことでございますので、そこのピーアールをしっかりやっていきたいと思っております
し、その際には、登録を受けた支援団体というものがどこにどういう形で存在している
のかというようなところも、企業から見ますと、個々の障害者に発注することに加えて、
支援団体との関係を意識をしていただくというのが、また一つの大きなポイントになる
かと思いますので、そういった登録団体の情報を、例えば私どものホームページやある
いは高障機構のホームページといったものを通じて企業に発信していくということも、
併せて考えて参りたいと思っております。

○今野会長
　よろしいですか。他にございますか。どうぞ。

○佐藤德太郎委員
　先ほどの専任が一人とか、そういう話も全部在宅就業支援団体を介した発注というよ
うなことでのディスカッションが大分あったと思うのですけれども、資料１のところで
は、企業が直接に在宅就労者に発注できるというシステムも出来ているんですけれども、
そこについての、そういう就業者への援助の仕方であるとか、または、それについての
いろいろな手続きのところをちょっと聞かせていただいていないかと思うのですけれど
も、そんな辺りはどんなふうに考えればいいかということをお願いいたします。

○障害者雇用対策課長
　個人に対する発注についても基本的には制度の枠組みとしての仕組みは一緒でござい
ます。企業から個人の方にいくらお支払いをしているかということを評価の対象にする
ということで考えているところです。ただ、私どもからみますと、そこは確かに一つの
筋ではあるんですけれども、実はなかなか補足をしにくいといいますか、個々の障害者
にも障害者団体の方にもご協力をお願いして、こういう制度が出来たということをピー
アールしていくということを考えていく必要があるかと思いますけれども、できれば、
ある程度具体的な支援とセットで仕事が発注されていくという方が障害者の方にとって
も働きやすいのではないかと思っております。その意味では、個人に直接というのは、
制度の中に原則的なものとして位置付けてございますけれども、私どもとしては、行政
的な施策として、なるべく支えて、バックアップをして育てていきたいという部分は、
どちらかというと支援団体を通じてということになろうかと思っております。

○今野会長
　はい、どうぞ。

○輪島委員
　資料５のところで少しお聞かせいただきたい点があるんですが、２ページ目の登録要
件のところの一番下の具体的解釈ですけれども、実績を勘案するということになってい
ますけれども、そういう意味でいいうと、既存の９団体は即実績があるのだと思います
けれども、新規参入というようなものをどういうふうに認めていくのか。実績がないと
認められないのかどうか、というところをお聞かせいただきたいということです。
　それから、４ページ目の発注証明書の発行ですけれども、企業側からいえば、発注を
して支援団体からの発注証明書を添付するという事務手続きがあるわけですが、特例報
奨金、特例調整金の申請に当たって、その発注証明書等々のきっちりした証明書を添付
するだけでいいのかどうかという確認です。
　それから、５ページ目の定期報告でありますけれども、4月1日の状況を5月15日ま
でに報告されるわけなので、ある意味で、この取りまとめたものを例えば審議会にご報
告をいただくというようなことは可能なのかどうか。政策評価の時代なので、新しい制
度を入れて、どういうふうに使われているのかというようなことが、15日までに報告を
受けたものがどのようにその状況が公開されていくのかというようなことをお聞きをし
たい。
　最後に、納付金会計の中から特例報奨金・調整金が出ていくわけですが、18年度の予
算で大体どれぐらいを見積もっているのかということは、それの金額割る63,000円が件
数で、件数かける105万円がいくら見積もっているのかというのが、ある意味では政策
評価の基本的な当初のスタートラインだと思いますけれども、それはどのようにお考え
になっているのか。
　それから、もう一つ大事なことは、納付金会計から特例報奨金・調整金が出ていくと
いうことは、納付金会計を痛めるわけですけれども、そこのところの兼ね合いですが、
ずるずるそれが出ていくということは、特例の報奨金・調整金ですから、どういう仕組
みになるのかというのは将来の課題になると思いますので、それがある一定以上の金額
が出ていくということになった時、どういうふうにするのかという考え方の整理をお聞
かせいただきたいと思います。以上です。

○今野会長
　５点ありましたね。

○障害者雇用対策課長
　まず、登録の要件に関して実績をみるという点ですが、これはお話があったように、
あまり厳しくみすぎると登録できる団体が限られてしまうという面はございますけれど
も、一方で、適正な運営の確保という意味では、実績がないところがいわばすっと入っ
て来て、これは仕事を取りつぐような部分がございますので、欠格事由のところにも出
て参りましたように、中間搾取的なこと、あるいは暴力団まがいみたいなものが入って
来て障害者の立場に立たない支援になってしまうというようなことにならないようにし
なくてはいけないという要請もあるので、一定の実績はやはり見させていただこうかな
ということでございます。なお、私どもは先ほど９団体と申し上げた委託を出している
ところもございますが、併せて、今特に自治体の取り組みなどでもこういった支援を行
うという機運が出て参っておりますので、そういったところが実績を少し重ねながら、
自治体の支援といいますか、そういうものを受けながら、実績を上げながらここに入っ
てくるということはこれから考えられるのではないかと思っております。
　それから、次に発注証明書の関係ですが、これは輪島委員ご指摘のとおり、発注証明
書を添付していただくことによって、企業は特例調整金・報奨金の支給申請ができると
いうふうに、いわば事務手続きの簡便化にこの発注証明書を企業の立場からみれば使っ
ていただくことができるというふうにお考えいただいて結構でございます。
　それから、次に定期報告の点ですが、これは私どももいただいた定期報告というもの
を、一つは先ほどお話がございましたように、どういう団体がどういう活動をしている
のかというようなことを広く企業の方に知っていただいて、あるいは障害者の方にも知
っていただいて、初めてこの制度がうまくいくという点があるので、その意味で情報開
示というようなことを工夫してみたいと思っております。また、そのことを通じて運営
面での適正さの確保ということも図られていくかなと思っているので、その点はこれか
らまた私どもの方で検討させていただきたいと思っております。
　なお、分科会へのご報告については、分科会の開催のタイミングというような問題も
あろうかと思いますが、その点もご意見としてございますれば、分科会長とご相談の上、
対応させていただきたいと思っております。
　それから、納付金からの支出の点ですが、まず納付金会計との関係での見込みでござ
いますが、どれだけ具体的に出てくるかという推計があまりできないということもあっ
て、非常におおざっぱな数字しか出せていないのですが、具体的な支給が発生するのは
19年度からになります。つまり、18年度実績で支給申請を出していただいて、具体的な
支給が発生するのは19年度になりますので、19年度にこの制度がうまく立ち上がれば
３億円ぐらいの支出があるかなと見込んでいるところでございます。
　非常におおざっぱな推計でございますが、その上で、中・長期的にみた時に、納付金
財政に与える影響はどうなのかという点については、今お話があったように、本体の調
整金や報奨金との関係で、そちらが支給できなくなるということがないよう、その点は
慎重に見ていかなければならないわけです。一つの契機としてありますのは、再来年度、
19年度になりますが、納付金や調整金の単価の見直し、あるいは雇用率の見直しも５年
毎にあり、19年度に見直しの時期を迎えます。その時の財政状況を見ながら次の段階の
ことを考えていくということは、一つあるかなと考えております。その際には、助成金
の見直しなども併せて、要するに収支全体についての見直しをご議論いただくというこ
とではないかと思っております。なお、今申し上げましたように、最初の支給は19年度
に発生するので、その時期に具体的な支給が見えていないということにはなるわけです
が、ただ、支援団体の立ち上がり具合とか、そういうことは一定程度把握ができるかな
と思いますので、その時に把握ができているデータで是非全体の中でご議論いただけれ
ばと思っております。

○輪島委員
　言外にというか、行間に、そういう意識があるのかどうかは分かりませんけれども、
特例報奨金・調整金の出の額に応じて、19年度に納付金の会計に大きな影響があれば、
そこで納付金の額を改定するというふうにおっしゃってはおりませんが、企業側からす
れば、そのようにも聞こえてしまいます。そういうようなことがないように、まずは適
正な納付金会計の運営が重要ということだと思いますので、そういう意味では、今回の
法改正は精神障害者のみなしのカウントと、この特例報奨金・調整金で納付金会計には
大きな影響があるわけでありますので、しかも、最初から申し上げているように、障害
者雇用促進法という雇用を基本的に考えている法律の中に、在宅就業という雇用でない
形態を入れて、そこに納付金である特例報奨金・調整金でインセンティブを付けていこ
うというものです。そういう意味では、これまでになかったものを入れるわけでありま
すので、その点について、納付金会計の適正な運用ということをお願いしたいと思って
おります。

○今野会長
　他にご意見ございますでしょうか。どうぞ。

○岩村委員
　これは、検討していただきたいと思うのですが、資料５の３ページのところで在宅就
業支援団体の運営基準の内容というのが書かれておりますけれども、一つご検討いただ
きたいのは、在宅就業支援団体と在宅就業障害者との間の契約に係る基準のところにも
う少し契約内容の適正性に関する基準というものを入れておいていただきたいというこ
とでございます。例えば、知的障害者の方の場合ですと、契約の締結に当たって契約締
結能力が不足するというような場合があり得るので、その場合、就業支援団体の方がそ
の就業支援団体の一環として契約の締結をお手伝いするというのは、民法でいいますと、
いわば双方代理的なことになって利益相反が起かねないので、そういったことがないよ
うにとかですね。その辺の契約の締結やあるいは契約の内容といったところについても
少しご配慮をいただきたいと思いますので、是非ご検討をいただきたいと思います。
　それから、先ほどちょっと議論がありましたけれども、この在宅就業障害者に対する
支援というのは、企業が直接発注する場合も含まれていますので、それとの関係で、さ
っきの就業場所の議論に戻りますが、やはり発注企業の中でというのは、どうしても入
らないと思います。それとのパラレルとの関係で、やはり支援団体が行う場合も、やは
り入ってこないという、そういう関係に立つのかなということも一つ付け加えさせてい
ただきたいと思います。
　法律家というのはどうしても性悪説に立つものですから、在宅就業支援団体はもちろ
んほとんどの方は皆さんちゃんとやっておられるのでしょうけれども、場合によっては
そうでない人も入ってくると、単純にダミーというようなこともあり得るので、そうい
ったことを考えると、こういう定義になってしまうのかなというようにも思います。

○今野会長
　はい。どうぞ。

○障害者雇用対策課長
　今、頂戴したご意見でございますが、特に契約関係の明確化ということと、それから、
当事者としての知的障害者の方がうまく契約を結べるようにといいますか、そこでトラ
ブルが起きないようにという点については、確かに先生がお話のような点がございます
ので、この業務運営基準という省令で定める事項として整理をするか、あるいは、局長
通達レベルのつまり解釈レベルで整理をしていくかという問題はあろうかと思います
が、改めて検討させていただきたいと思っております。
　なお、同じように、契約条件を巡るトラブルがないようにという意味では、ここに記
載した事項以外にも様々なトラブルの元になりそうなことというのはあろうかと思いま
すが、その辺りもよく整理をして盛り込ませていただきたいと思います。もう一つは、
今お話がございましたように、個人と企業が直接契約する場合でもそういったトラブル
が起こらないようにするというのは大事なことかと思っておりますので、その点も整理
をさせていただきたいと思います。
　もう一つ、二点目にお話があった点につきましては、解釈の問題としてなかなか限界
があるのではないかというお話をいただきました。一方で、ステップアップの手段とし
てこの部分を使っていただくという中で、それがいわば大きな制約になって全く使えに
くいということになってもどうかなという気もいたしますので、今日様々なご意見を頂
戴いたしましたので、それを踏まえて一定の整理をさせていただきたいと思います。

○今野会長
　他にご意見等ございますか。今日はいろいろ議論がありましたが、主に就業場所につ
いての議論が非常に多かったわけですが、それ以外についてもいろいろございますので、
議論を出していただければと思います。
　よろしゅうございますでしょうか。それでは、今日いろいろご意見をいただきました、
特に就業場所に関連しては多くのご意見をいただきましたので、今回事務局から出して
いただいたたたき台を今日の意見を踏まえて修正をしていただくということにしたいと
思います。次回はその修正を踏まえて、案を出していただいて、障害者の雇用の促進等
に関する法律施行令の一部を改正する政令案要綱及び規則の一部を改正する省令案要綱
について議論したいと考えております。
　それでは、今日はこの辺にいたしまして、次回の日程について事務局からお願いいた
します。

○調査官
　次回の分科会の日程につきましては、12月15日の午前10時から12時に開催いたし
ます。また、会場等については追ってご連絡させていただきます。

○今野会長
　それでは、今日の分科会はこれで終わりにいたします。なお、議事録の署名ですが、
労働者代表は小栗委員、使用者代表は加子委員、障害者代表は松井委員にお願いをいた
します。それでは、今日はありがとうございました。これで終わります。

【問い合わせ先】
厚生労働省職業安定局
高齢・障害者雇用対策部障害者雇用対策課
調整係　倉永、萩野下
TEL　 03-5253-1111（内線5783）
FAX　 03-3502-5394