05/11/14 医薬品のリスクの程度の評価と情報提供の内容等に関する専門委員会の 第14回議事録 厚生科学審議会医薬品販売制度改正検討部会    第14回医薬品のリスクの程度の評価と情報提供の内容等に関する専門委員会 日時 : 平成17年11月14日(月)10:00〜12:00 場所 : 弘済会館「菊・梅の間」 出席者: 安部 好弘 委員  井村 伸正 委員      埜中 征哉 委員  林  正弘 委員      溝口 昌子 委員  望月 眞弓 委員 議題 : 1.医薬品販売制度改正検討部会への報告事項について      2.その他 審査管理課長  それでは定刻となりましたので、ただいまより第14回厚生科学審議会医薬品販売制度 改正検討部会、医薬品のリスクの程度の評価と情報提供の内容等に関する専門委員会を 開催させていただきます。  本日は、先生方におかれましては、御多忙のところを御出席いただきまして、まこと にありがとうございます。それでは、以後の議事進行を埜中委員長にお願いいたしたい と思います。   埜中委員長  皆さんおはようございます。きょうは、お忙しい中をお集まりいただきましてありが とうございます。この委員会も、かなり大詰めを迎えた気がいたします。  それでは早速ですが、本日の委員の出席状況について、事務局の方からお願いいたし ます。 審査管理課長  はい。本日の委員の出欠状況でございますけれども、本日は委員10名のうち、6名の 御出席をいただいております。  荻原委員、高橋委員、細谷委員、松本委員からは、御欠席の連絡をいただいておりま す。また、事務局の方へコメントもいただいております。  また、本日は、オブザーバーとしまして、販売部会より、鎌田委員、清水委員にも御 出席をいただいております。  また、児玉委員と増山委員は、少しおくれておられるようですけれども、御出席いた だく予定でございます。以上でございます。 埜中委員長  ありがとうございました。それでは本日の配付資料の確認をお願いいたします。 事務局  それでは資料を確認させていただきます。お手元にお配りしております本日の資料で ございますけれども、まず1枚目に座席表、次に議事次第が、それぞれ1枚紙でござい ます。以降が資料となります。  資料1といたしまして、委員名簿。  資料2といたしまして、医薬品販売制度改正検討部会への報告事項について(案)で ございます。  また、参考資料といたしまして、1から4までお配りしております。  参考資料1といたしまして、相対的リスクの評価方法について。  参考資料2といたしまして、相対的リスクの暫定評価(案)でございます。こちらに つきましては、前回の委員会で配付した資料に一部誤記がございましたので、最後のペ ージに正誤表をつけてございます。今回の資料は、修正を加えた形でお配りしておりま す。  参考資料3といたしまして、相対的リスク評価用ワークシート。  参考資料4といたしまして、販売部会よりの検討等の依頼事項をお配りしておりま す。  本日の資料は以上でございます。落丁などございましたら、事務局までお知らせくだ さい。 埜中委員長  ありがとうございました。よろしいでしょうか。  それでは本日の議事に入りたいと思います。本日は、販売部会への報告事項が議題と なっております。最初に、事務局にて作成していただいた部会への報告事項について、 御説明をお願いいたします。 事務局  それでは事務局より、資料2、医薬品販売制度改正検討部会への報告事項について (案)について御説明させていただきます。  前回の専門委員会以降、委員の先生方には作業に御協力をいただき、どうもありがと うございました。資料2は、表紙の1枚紙と、別添1と2がございます。まず、表紙の 報告(案)について御説明をさせていただきます。これまでのこちらの専門委員会での 検討の経緯をまとめた紙でございます。簡単に御説明させていただきます。  一般用医薬品の主な成分について、当該成分を含有する医療用医薬品の添付文書によ り作成しましたワークシートに基づきまして、各成分の特性、物性に着目した、相互作 用、副作用、患者背景に関するリスクについて、それぞれAAからCの4段階の評価を いたしました。  また、症状の誤認による不適切な疾患に使用した場合のリスクや、過量使用、長期使 用などの不適正使用に着目した効能・効果及び使用方法に関するリスクについて、PP からQの3段階として、機械的に作業を行いました。こちらの結果が、参考資料の2番 にまとめた暫定評価になっております。  まず、これらのワークシートとして整理した製品群の評価について、前回まで御検討 いただいたところですけれども、9月14日に開催されました第17回の部会におきまし て、販売時の対応パターンについて、3分類もしくは2分類とすることで議論が進んで いましたことから、部会での今後の議論に供するため、専門委員会から提示する分類案 としては、三つに分類するよう検討することが適当と考えました。  そこで、一般用医薬品の成分について、そのリスクをもとに三つに分類するために、 事務局案として、次のような考え方といたしました。  まず1番目として、一般用医薬品としての市販経験が少なく、一般用医薬品としての 安全性評価が確立していない成分、または一般用医薬品としてリスクが特に高いと考え られる成分は、安全性上、特に注意を要する成分として、独立した分類とすることが適 当であろうということで、これを第1類といたしました。  それから、残った成分を二つに分類する場合に、その分類の基準となるリスク、健康 被害の程度としては、日常生活に支障を来すおそれの有無ということが分類の根拠とし て適当であろうというふうに考えまして、まれに日常生活に支障を来す健康被害が生じ るおそれ、言いかえますと、入院相当以上の健康被害が生じる可能性という点になるか と思いますけれども、それがある成分を第2類といたしまして、それ以外の、日常生活 に支障を来す程度ではないものの、身体の変調・不調が起こるおそれがある成分を第3 類といたしました。  この考え方に沿って分類するための前作業といたしまして、各成分のリスクの暫定評 価をもとに、次の考え方により、個々の成分を、第1類から第3類の三つの分類に機械 的に振り分けました。  まず第1類としまして、Xに相当する成分ということですが、こちらは、PMS期間 中、またはPMS終了後、引き続き副作用等の発現に注意を要するもので、これを第1 類といたしました。  また、第2類としましては、いずれかの項目でA以上のある成分といたしました。  第3類としましては、いずれの項目でもAがない成分といたしました。  この前作業による分類結果をもとに、個々の成分について、不適正使用に関連したP やPPとされた評価や、一般用医薬品、または医薬部外品としての使用経験などを考慮 しまして、専門委員から、専門的な知識、経験をもとにした御意見を適宜いただきなが ら、一般用医薬品成分としてのリスク分類の整理を行いまして、案を作成いたしまし た。  こちらにつきましては、前回の専門委員会において、成分の分類も含めて、おおむね 御了解をいただけたものと考えております。  このうち第2類につきましては、日常生活に支障を来す健康被害がまれに生じるおそ れがあるものの、一般用医薬品としての歴史が長く、注意すべき事項が明らかになって いるものであるため、第1類ほどリスクは高くなく、第2類のままでいいとは考えられ るものの、分類内において、リスクの種類や程度が比較的広くなったため、同じ第2類 であっても、成分によっては、第1類とする必要はないまでも、陳列方法を工夫するな どの対応が望ましいものがあるとの御意見をいただいたところでございます。  そこで、このような対応が望ましいと思われる成分につきまして、各専門委員から、 過去の使用経験などを含む医学・薬学的知見をもとにした専門的見地から御意見をいた だきながら選択をしまして、次のページ以降の分類案の方に、アスタリスクマークをつ けております。  このアスタリスクを選択した観点といたしましては、相互作用、または患者背景にお いて禁忌があるもの、これらは、その要件に該当する者が服用した場合に、健康被害に 至るリスクが高まるものということになっていたと思いますけれども、これらの要件に 該当する者の服用を事前に回避し、健康被害の発現を未然に防止するという観点から、 各専門委員から、過去の使用経験などを含む、医学・薬学的知見をもとにした専門的見 地から御意見をいただきながら選択をしております。  また、依存性、習慣性がある成分についても、陳列方法を工夫するなどの対応が望ま しいと考えられることから、それらにもアスタリスクをつけております。その結果が、 2ページ以降の別添1となっております。  また、ワークシートとして整理しなかった製品群についてですけれども、こちらは、 前回の専門委員会でもお示しした資料がそのままついております。本日の資料2の9ペ ージと10ページになります。  ワークシートを作成しなかった、これらの漢方製剤、生薬、消毒薬、殺虫薬、それか ら一般用検査薬につきましては、ワークシートとして整理した製品群との整合性を考慮 しつつ、各製品群の特性から分類案を検討いたしました。これらについても、前回の専 門委員会では、おおむね御了承をいただけたものと考えております。  ただいま説明させていただきました販売部会への報告事項案につきまして、本日の専 門委員会で御議論をいただければと思っております。どうぞよろしくお願いいたしま す。 埜中委員長  ありがとうございました。前回までいろいろと御討議をいただいて、特に分類2につ きましては、増山委員やいろいろな方から、印をつけて、注意を喚起するものは列挙し た方がいいのではないかといった御意見をいただきまして、事務局の方でいろいろとお 考えいただき、また、委員の賛同を得て、今回の検討部会への報告事項案ということで 作成いたしました。  この報告事項案の全体につきまして、皆様方の御意見をぜひお伺いしたいと思います ので、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。 井村委員  少なくとも、1、2の例を挙げて、具体的に御説明をいただいた方がよろしいのでは ないかと思います。例えばアスピリンなどの簡単なものでいいのではないかと思います が、それが一つです。  また、習慣性や乱用等を考慮したというものも、例を挙げて説明をお願いした方がよ ろしいのではないかと思います。 埜中委員長  それでは事務局の方からお願いいたします。 事務局  それでは資料2の2ページをごらんいただきたいと思います。こちらがワークシート の最初の方に出てくる順番どおりにつくった資料ですけれども、第2類のところに、ア スタリスクがついたものとついていないものがございます。こちらのアスタリスクをつ けた観点は、相互作用、または患者背景の方で特に注意すべきものということで、これ までの経験を含めて、さらに検討を加えたというところでございます。  例えば、一番上からいきますと、アスピリンにつきましては、この成分が入っている ものは15歳未満が禁忌という取り扱いになっておりますので、これは現行でも小児に対 する禁忌があることから、アスタリスクをつけたということでございます。  そのように、明確でわかりやすいような患者背景で、しかも人数も相当数あるという ものが、これに当たるであろうというものでございます。  サリチルアミド、エテンザミドも同様でございまして、インフルエンザや水ぼうそう といった限定はかかっていますが、基本的には、15歳未満でそういった症状のときには 使用してはいけないということになっておりますので、アスタリスクをつけておりま す。  その次のリン酸ジヒドロコデインと、解熱鎮痛薬のところにございますアリルイソプ ロピルアセチル尿素、ブロムワレリル尿素が、先ほどのお話に出ました依存性、習慣性 のある成分ということで、アスタリスクをつけております。  ワークシートの1番に戻りまして、こちらの一番下のdl−塩酸メチルエフェドリン がございますけれども、こちらは相互作用の中でAAがついた唯一の成分でございまし て、カテコールアミン製剤との併用あるいは過量投与によって、心停止が起こるおそれ があるということで、アスタリスクをつけているものでございます。  理由につきましては、大体そういったものとなっておりまして、患者背景の方で、小 児あるいは妊婦さんが禁忌になっている成分、それから依存性、習慣性がある成分とい った形になっております。以上でございます。 埜中委員長  ほかに、星印のつけ方や根拠といったことについて、御疑問、あるいは御意見がござ いましたらお願いいたします。 溝口委員  私はこの委員会を大分休んでおりますので、今ごろいろいろと申しては申しわけない のですが、6ページの水虫・タムシ用薬のところで、星印がついていない理由は、恐ら くAAやPPが一つもなかったということだと思いますけれども、御存じのように、水 虫の患者さんは日本には非常に多く、実際に薬局で買って使っていらっしゃる患者さん も非常に多いと思いますが、結構誤用がありまして、湿疹・皮膚炎に使っている方が多 いです。  今までどういう形態で販売されていたかはわかりませんが、恐らく、患者さんが薬剤 師さんに症状を話して、水虫だと言って買っていたのではないかと想像していますけれ ども、詳しいことはわかりません。  ここでは、最近スイッチOTCで出てきたものはもちろん第1類に入っていますが、 第2類の薬を湿疹・皮膚炎に誤用しますと、ほかの人よりもかぶれを起こしやすくなり ます。そして、一たんかぶれますと、同じ薬を内服したときにひどい薬疹が起こります ので、将来、体が弱ってきたときに、そういったことを起こしやすくなる危険性がある ということが一つと、誤用しますと、びらんが起こって、そこから細菌感染症を起こし やすくなります。  実際に、糖尿病の患者さんが誤用して感染を起こして、糖尿病ですから非常に重篤な 感染症で入院するということが、大きな病院ではしばしば経験されていますので、内服 したときに、全身に薬疹の症状が起こる可能性があるということと、糖尿病の患者さん が誤用して、びらんから重篤な感染症を起こす可能性があるという二つが懸念されま す。  今までの分類だと、恐らく拾い上げていないのではないかと思いまして、御相談申し 上げたいのですが、いかがでしょうか。 埜中委員長  水虫・タムシ用薬の中の、塩酸ジブカイン、塩酸リドカインの製剤についてというこ とでしょうか。 溝口委員  いえ、硝酸エコナゾール、硝酸オキシコナゾール、硝酸ミコナゾール、チオコナゾー ルと、トルナフタートです。ビホナゾールもそうです。ここまでが抗真菌薬として、外 用薬として使われています。  また、ジブカイン、リドカインは、ショックを起こす可能性はありますが、非常に低 用量ですので、今まで問題になったことは余りございません。 埜中委員長  申しわけありませんでした。それでは水虫・タムシ用薬の中の、硝酸オキシコナゾー ル、硝酸ミコナゾール、チオコナゾール、ビホナゾールの5剤についてということでよ ろしいですか。 溝口委員  済みません、クロトリマゾールもそうです。トリアゾール系、イミダゾール系、トル ナフタートは系統が違います。 埜中委員長  それでは、それらを加えて、星印をつけてはどうかということでしょうか。 溝口委員  はい。 埜中委員長  それについてはいかがですか。 審査管理課長  事務局からコメントさせていただければと思います。また、専門の先生方から、もし 追加の御説明がございましたらよろしくお願いしたいと思いますが、一応御指摘の点に つきましては、湿疹・皮膚炎等に用いた場合のお話ということでございますけれども、 これは水虫用薬に限らず、一般用薬の場合、どうしても自己診断といいますか、そうい った形で、自分の経験から自己診断で買い求めるというのが一般的だろうと思います。  ただ、その中で時々、自己診断の誤りというようなことがあって、そういう事例が病 院の方へ来るということだろうと思いますけれども、そこにつきましては、一般的な一 般用医薬品の使用の注意といたしましては、「症状の改善が見られない場合には、医 師、薬剤師に相談すること」ということで、そういったことは水虫の薬に限らず、一般 的に書いてあるということが言えると思います。一応、それなりの注意喚起はしてある かというふうに、事務局の方では考えております。  また、糖尿病の方が用いた場合ですけれども、日本で、糖尿病で医師の治療を受けて いない方というのは考えにくいかと思います。そういう方は医師の治療を受けておられ るということで、いずれの場合も、湿疹・皮膚炎だったのに、自己診断で水虫薬を使っ てみたけれども全然改善しないとか、糖尿病で医師の治療を受けているけれども、こう いうものを使うというような場合には、消費者みずからが専門家に当然相談していただ くという形になるかというふうに考えます。そういう意味では、リスクの分類の話にと どまらない部分もあるかというふうに考えておりますが、いかがでしょうか。 溝口委員  確かにおっしゃるとおりですが、自己診断どころか、ほかの科のドクターの診断も随 分間違っていることがありまして、薬局に限らないのですが、ただ、一般の方は、水虫 は治らないものだという認識で、治らなくても割とのんきに使っていることが多いこと と、かぶれの場合は、早くて2週間くらいで起こってしまいますので、来院したときに は結構ひどいということがあります。  それは、ひどいから大きな病院に来たということで、もっと軽いものがあるのかもし れません。感作される期間が10日前後ですので、誤用しているうちに起きてしまう可能 性が結構ございます。 審査管理課長  一応、前回にこの委員会で出ました、先ほど御説明いたしました患者背景や相互作用 とのところで、特に注意をする、販売、陳列といった形での工夫ということに結びつけ るという観点で、AA、PPといった型どおりのルールからいきますと、こちらにつき ましては、事務的には選択するというジャンルには入ってこないということではありま す。 溝口委員  2類であれば、星印がついていなくても、入院相当以上の健康被害が生じるおそれが ある成分ということに分類されてはいますので、よろしいかとは思いますけれども、上 にある星印がついているステロイドは非常に弱いステロイドですので、臨床的に比較し た場合に、それほど重さが変わらないように思いましたので、申し上げました。  また、使用頻度が物すごく高いものですから、生ずる頻度も高いのではないかと思っ て、申し上げたところです。 埜中委員長  やはり湿疹か水虫かという診断は難しいといいますか、専門のところへ行って、菌の 検査などをしてもらわない限り、表面的に見ては難しい。素人判断だと、溝口先生が言 われるように、間違って飲み続けるということはあると思います。今までの検討会で は、溝口先生の御意見を余りお聞きしていなくて、ワークシートで判断したというとこ ろがございますけれども、これについて御意見はいかがでしょうか。 審査管理課長  事務局からいたしますと、ジャンル分けのルールのところで、仮にこういうものを入 れるとしますと、ほかの診療科の先生方のこともありまして、非常に難しいかと思いま す。  先ほど溝口先生にも御理解いただきましたように、2類ではあるという分類にはなっ ておりますので、そのあたりで御理解をいただければと思います。 埜中委員長  星印をつけるかどうかということですね。ただ、ルールとしては、星印をつけるとこ ろまではいかないということですね。 審査管理課長  はい。 埜中委員長  この件に関しまして、何かございましたらお願いいたします。 溝口委員  また話がそれてしまうかもしれませんが、一度診断されて、これでよくなっている方 は、2類どころか3類でどんどん買っても構わないと思いますので、そのあたりが微妙 ではあります。  いつもこの薬で治っている人であれば、次に買うときには、置いてあるのを取って買 っても全く危険はありません。どんな薬もそうかもしれませんけれども、最初のところ だけを問題にしました。2類か、星印をつけるかどうかは、ちょっと御検討をいただけ ればと思います。 望月委員  今の溝口先生の御指摘は非常にごもっともなところがたくさんありますけれども、先 ほど川原課長からお話があったように、先生の御指摘を考慮すると、恐らくほかの部分 にも広がっていく可能性があるかというふうに思います。  実は、2類というものがどういうものかということを部会の先生方にきちんと御理解 をいただくということが、今回の私どもの提案に関しては非常に重要な事項で、2類で 星がついていないものはほとんど3類に近いのかというと、決してそういうことではな く、2類はあくまでも2類で、まれではあっても、かなり日常生活に支障を来す健康被 害が起こるおそれがあるというリスクの分類に入っているものが2類で、基本的には、 星がついているから陳列方法を工夫する等の対応が望ましいということに、この報告書 ではなっているのですが、2類全体として、きちんとした販売のあり方というのは考慮 しなければいけない分類であるということを部会の先生方に御理解いただくことが必要 かというふうに思います。  部会がどういう情報提供のあり方と分類をつなげていくかによりますが、2群という 中で、星がついているもの以外は違うというような取り方をされないような御説明をし ていっていただくことが重要かと思います。  また、結局、この分類が、販売とつながって実効性のあるものになるためには、以前 から増山委員がおっしゃっていたように、リスクの分類について消費者にきちんと周知 をするということが重要で、1類、2類、3類という分類が、きちんと消費者に、例え ば2類というものはこういうものであって、仮に陳列場所がオーバー・ザ・カウンター になっていなかったとしても、できる限り、初めて選択して使うときには、専門家に相 談して情報をもらうということが非常に重要であるということをわかっていただくよう に、表示も含めて啓発をしていく必要がある分類であるということを認識していただく ということが大事かと思います。  私は部会の方にも出ておりますが、前回の部会でも、今回の1類、2類、3類の分類 が永久にこのままいくわけではないという話が出ておりました。使用実態の中での実態 としてのリスクの評価の情報を調査して、上がってきたものを評価して、ある一定の期 間で分類が上下する、上から下ということもあるでしょうし、下から上にもあるとい う、そういった評価の仕組みも、あわせてつくっていっていただくということが、今の 溝口先生の御意見の一つの解決にもつながるかというふうに思いました。 埜中委員長  はい。ありがとうございました。望月委員の方から、2類に入っていて、星印がなく ても、やはりそれは販売方法やいろいろなことで、いろいろな要素を反映させなくては いけないということのお話でした。この件につきまして、何か御意見はございますか。 審査管理課長  望月先生からの御意見のとおりだと思います。表示の関係でございますとか、幅広い ということもあってアスタリスクをつけた経緯でございますとか、2類がそもそもどう いうものかということを部会へ説明してもらいたいということだったと思います。それ から、表示、情報提供のあり方、場合によっては分類の見直しといったことも部会で説 明することもあり得ると思います。  この辺につきまして、事務局の方から、部会の方にきちんと報告をしていくというこ とかと思います。基本的には部会での議論になろうかと判断いたします。 埜中委員長  そういったことでよろしいでしょうか。 溝口委員  また細かいことを申し上げて申しわけないのですが、4ページの外用痔疾用薬にリド カインというものがあります。先ほどの白癬の薬に関しては、頻度が多いということで 問題にさせていただいたのですが、今度は、頻度は少ないと思いますけれども、ショッ クを起こすことで有名な局麻剤で、ペンレスという、医科向けの、小児に注射をすると きの局所麻酔薬で、貼って痛みを軽減するものがございます。皮膚科では、水いぼを取 るときに、小児に1時間くらい貼ってから取っているのですが、それほど頻度は多くな いですが、最初のときは病院で貼らせますけれども、ショックで倒れるということがご ざいます。  ただ、外用痔疾用薬でそういった報告があるかどうかはわかりませんけれども、粘膜 は吸収がよいので重篤さからいえば、こういうものが入っているという注意が要らない かどうかということが、細かいことですが、一つです。  もう一つは、今まで御討論があったことで、アスタリスクがつきますと、販売すると きにどのくらい大変になるかということを伺いたいと思います。  また、小児が使ってはいけないとか、妊婦が使ってはいけないことでアスタリスクが すぐつくのは問題ないと思いますが、先ほど、ついた基準というのが非常に問題といっ たことをおっしゃっていましたけれども、ほかの薬品でどうしてついたかということを 教えていただけると、つかない理由が納得できると思いますので、その二つをお願いし たいと思います。 埜中委員長  今、溝口先生がおっしゃっているのは、塩酸リドカインですか。 溝口委員  塩酸リドカインです。ここではただリドカインと書いてありますけれども、ほかで塩 酸リドカインと書いてあるところもあると思います。  これは、市販のかゆみどめのお薬の中にもよく入っていることがあります。 審査管理課長  外用の局所に用いるものであるということ、それから痔疾用薬につきましては、基本 的に小児に使用されることがないといったことから、ほかの専門家の先生方とも御相談 をさせていただきまして、アスタリスクをつけるというところまでの必要はないだろ う、第2類でよろしいだろうということになりました。  また、2番目の、アスタリスクがついた場合ですが、現在は販売時の工夫として、陳 列方法等を工夫する等の対応が望ましいといった議論になっているわけでございますけ れども、アスタリスクがつくと、実際の販売においてどれくらい大変になるかといった ことにつきましては、部会での議論も踏まえませんと、現時点ではなかなか申し上げに くいのではないかというふうに思っております。 溝口委員  ペンレスは小児しか使わないものですから、先ほどは小児の例しか申し上げませんで したけれども、当然大人にも起こる可能性がございまして、痔の薬を見ますと、リドカ インだけではなく、塩酸クロルヘキシジンとか、すべて少量だと思いますが、酢酸ヒド ロコルチゾンとか酢酸プレドニゾロンなどのいろいろなものが入っているものが多いと 思いますけれども、粘膜からの吸収が非常にいいということもあって、申し上げまし た。 審査管理課長  そこにつきましては、これまでの副作用の報告とか、先ほど少し申し上げましたが、 基本的には小児には痔疾用薬は使わないということ等を勘案しまして、2類のままとい う形での整理をさせていただいたという経緯がございまして、そのあたりを御理解いた だければと考えております。 埜中委員長  溝口先生からは、以前から、塩酸リドカインといったものは、経皮下の吸収でショッ クなどの危険性があるということはお伺いしていましたけれども、実際に副作用報告と しては余り上がってきていないということや、今、事務局からお話があったことなどか ら、2類でいいのではないかという判断をしたのですが、先生は、実際にどのくらいの 頻度でそういったものをごらんになったことがございますか。 溝口委員  頻度としては少ないのですが、症状は重篤だということで、自宅で起こされると困り ますので、そういう報告があってから、ほとんどの病院では、初回は病院で貼らせて、 大丈夫であれば、次からは家でという処置を取っています。  含まれている量も少ないので、頻度としては少ないと思います。かゆみの薬にも含ま れていて、全身にムヒなどを塗っている人も結構いますけれども、報告は非常に少ない ので、確かに心配しなくてもいいのかもしれません。 埜中委員長  わかりました。 事務局  過敏症やショックの取り扱いについてですが、基本的にリドカインは、確かにほかの 成分に比べると若干頻度が高いかもしれませんけれども、そもそも低いということと、 ほかの成分でもこれはもちろんあり得る話だと思っております。  例えば、過敏症やショックを過去に起こしたことがある方への注意喚起というのは、 基本的に外箱表示などにもきちんとしていただいて、要はOTC全体として統一して対 応できるものではないかと思います。ですので、リドカインの成分に限った話ではない というふうに思っております。  ですので、そこはきちんと別の方法で、一般的な対応として、きちんとできるように すればいいのではないかというふうに思います。 埜中委員長  そういった塗布剤の局所麻酔剤については、そのような対応をしていきたいと思いま す。よろしいでしょうか。 安部委員  よろしいですか。 埜中委員長  どうぞ。 安部委員  つまらないことですが、表記の方法といいますか、案では、たしか成分を分類した表 現になっていると思います。そうしますと、2類の中で、飲むものの中では、例えばd l−塩酸メチルエフェドリンにアスタリスクがついていますが、外用薬のところではつ いていないという形になっているのが少しわかりにくいかという気がしますけれども、 そのあたりは周知をする必要があるかもしれません。 事務局  御指摘のとおりでございます。現在、このワークシートをつくったそもそもの評価の 方で、例えば同じ成分については横並びで評価をそろえるといった作業をいたしました けれども、その過程の中で、例えば内用と外用でもそもそもリスクが違うだろうという ことで、評価を違えたところもございます。そのあたりは、成分ではなく、投与経路な ども考慮した上でという、きちんとした説明をつけ加えたいと思います。 安部委員  成分を分類したという言い方をしていますけれども、成分を含んだ製品を分類したと いう言い方にはならないのでしょうか。 埜中委員長  製品をやりますと、いろいろなものが入っていて、とてもではないですが、評価とい うことができませんので、成分をまず評価したということです。 審査管理課長  追加でございますが、別添1の表にございますように、左側にございます、いわゆる 製品群ごとに分けて成分を評価したということになると思います。したがいまして、評 価をしたのは成分でございますけれども、その根っことしましては、一応製品群ごとに やっているということかと思います。 安部委員  そのあたりの説明を部会でしていただくときに、わかりやすくしていただければあり がたいと思います。 審査管理課長  承知いたしました。そこは誤解のないように気をつけたいと思います。 溝口委員  今のことに関連しまして、dl−塩酸メチルエフェドリンは、それぞれ外用は外用、 内用は内用で、添付文書にあるリスクからこうなったのだと思いますけれども、内服し たときの血中濃度と、また、粘膜ですとかなり吸収されますから、そのときの血中濃度 がどのくらい違うかということはわかっているのでしょうか。それは余り報告がないの でしょうか。 事務局  すみません。今、手元にデータを持っているわけではないですが、まず粘膜適用の場 合は、恐らく、そもそも投与量自身が限られると思います。ですので、同じ投与量であ れば、粘膜適用であれば同じような吸収があり得るというのは、動態的にはあると思い ますけれども、ここにあるような外用のものを粘膜適用した場合に、絶対量としてどれ くらい上がるかということは、手元にはございませんけれども、恐らく低いだろうと思 われます。  また、ワークシートを作成する段階で、例えば外用であっても、痔疾用剤とか、直接 に粘膜吸収されるような部位のものは、内用薬との並びということで評価をそろえてお りますので、基本的にはそういったことも考慮した上で、こちらの評価を作成しており ます。 埜中委員長  よろしいでしょうか。  ほかに、部会への報告書につきまして、何かございますか。 井村委員  溝口先生、恥ずかしながら教えていただきたいのですが、先ほどの水虫・タムシ用薬 の方で、アゾール系の化合物がかなりたくさんありましたけれども、これを外用したと きの吸収量としては、粘膜ではないと思いますので、例えば、薬物代謝酵素のインダク ションにかかわるという程度の血中濃度は出てこないのでしょうか。 溝口委員  びらん面に使わない限り、出てこないと思います。むしろこういう薬は、角質層、上 の方に貯留されないと効かないものですから、むしろ吸収を悪くしているのですが、び らん面などに誤用しますと、吸収されてしまいますので、そのときの動態がどのくらい されているかということは、済みませんが、私にはわかりません。 井村委員  ありがとうございました。 埜中委員長  ほかに何か御意見はございますか。 児玉部会委員  議論を蒸し返すわけではないですが、最後に水虫薬の話がありましたけれども、私ど も店頭販売の経験者の立場からということで、少し外れるかもしれませんが、申し上げ ます。  実際に、水虫薬は結構多いです。なぜかといいますと、先ほどおっしゃったように、 確かにセルフメディケーション的な発想からすれば、もし改善が見られなければ専門科 医へというふうに書いてありますが、水虫薬というのは、間違えて、改善が見られるど ころか、余計に部位を悪くするということが多いです。  水虫は、感覚的にはかゆいというのが70%以上ですが、かゆみという判断が非常に難 しくて、単なる皮膚炎のかゆみとの区別が素人の場合にはつきにくいということがあり ます。そういうこともあって、確かに注意をしなければならない薬に入ると私は思いま す。  ただし、先ほどのアスタリスクのつく要件、相互作用、依存性、それから乱用のおそ れがあるという分類からすると、それには入りませんので、悩ましいと思いながらお聞 きしていました。これはお願いですけれども、水虫薬については、表示になるかはわか りませんが、一般の方には皮膚病との区別がつきにくい性格のものですから、何かの表 示をきちんとしてもらいたいというのが、店頭にいる人間の希望です。  要するに、皮膚病との誤用を注意してくださいということを大きく表示しないと、改 善できないのではないかという気がいたしました。 埜中委員長  ありがとうございました。水虫については、実際に私も自分が水虫だと思って塗って いたら、だんだん悪くなった経験がありますのでよくわかります。それはやはり、きち んと医師の判断を受けた後に使うこと、といった条件が必要なのではないかと思いま す。  いろいろと意見が出ておりますけれども、きょう御欠席の委員の方からも意見をいた だいておりますので、その意見もお聞きして、それから先に進めたいと思います。それ では事務局からお願いいたします。 事務局  それでは簡単に御報告をさせていただきます。こちらの資料は、お休みの先生方にも 事前にお送りした上で、直接お会いして、御説明をしているところでございます。  まず荻原委員ですけれども、リスク分類の考え方、アスタリスクの選定基準につい て、御了解をいただいております。また、先生の御専門である生薬の分類についても、 再度御確認をいただきまして、御了解をいただいているところでございます。  高橋委員でございますけれども、こちらも、リスク分類の考え方、それからアスタリ スクの選定根拠について、基本的に御了解をいただいております。  細谷委員ですけれども、細谷委員からも、リスク分類の考え方、それからアスタリス クの選定基準について、御了解をいただいております。また、前回のこちらの委員会の 方で御指摘をいただいた点につきましても、再度御説明をいたしまして、御了解をいた だいております。  それから松本委員も、リスク分類の考え方、それからアスタリスクの選定基準につい て、御了解をいただいております。  以上でございます。 埜中委員長  はい。ありがとうございました。ほかの委員の方たちは、この原案について、賛成で ある、余り異議はないという御意見でございました。  きょうの今までのいろいろなお話を聞いていて、原則的には、皆さん、この案で問題 はないというようなことでございますので、これを部会に上げて検討していただきたい というふうに思っておりますけれども、これについて、ほかの委員の意見も加えて、何 か御意見がありましたらお願いしたいと思います。そうでないと、このまま部会に上が ります。 溝口委員  基本的には先ほどのアスタリスクの件は了解いたしましたが、外箱に、医師の診断を 受けてから使ってくださいということを書くようにすることはできないのでしょうか。 それがあれば問題ないのですが。 埜中委員長  それはちょっと難しいのではないでしょうか。 溝口委員  難しいですか。と申しますのは、有名な話ですけれども、かつて有機水銀が水虫の薬 に使われていたときに、それは誤用だったのですが、水俣病のような疾患が出てしまっ たということがありますので、誤用が怖いということもあって申し上げました。それが ついていれば、3類でもいいかと思っています。 審査管理課長  医師の診断を受けた上で薬の処方を受けるということになりますと、基本的には医療 用の流れのルールになってしまいますので、先ほど児玉委員の方からもお話がございま したように、なかなか実際には難しい面があるかとは思います。自己診断という範囲の 中で、もし自己診断に誤りがありそうな場合には、間に入ります、いわゆる一般薬を扱 う専門家が、適切に、医師や、そちらの診断を受けるようにというような形でつないで いくというようなことが重要だということで、このあたりもかなり部会での議論になっ てくるかというふうには思っておりますけれども、申しわけございませんが、こちらは 一般用医薬品で、患者さんが自己の判断によって使用するという前提での薬剤の販売の 形についての議論でございますので、御理解をいただければと思います。 埜中委員長  わかりました。 児玉部会委員  今の件ですが、私は部会の委員で、部会で今までの議論をずっとやっていますけれど も、受診勧奨の重要性ということが随分と議論をされて、文言にも入っていますので、 これからまとめる中で、そういったことが入ってくることによって、今の先生の御懸念 は軽減できるのではないかという気はいたします。 埜中委員長  薬を塗って何日目までに効かなければ受診をすること、とよく書いてありますが、そ れをきちんとやるということですね。  ほかに何か御意見はございますか。 増山部会委員  溝口先生の先ほどの御意見ですが、この専門部会の中でも、水虫薬の誤使用につい て、そういう心配があるという御意見を何度かいただいていたと思いますので、アスタ リスクをつけるかつけないかということがすごく微妙なことであれば、最終的には親部 会の方で判断するといいますか、保留といった形で、そこで話し合ってもらうという形 を取るのはいかがでしょうか。 埜中委員長  これは当然、部会の方にも今のようなことは持って上がるわけですので、そこで十分 に検討をする余地はあるわけですね。 審査管理課長  一応、リスクの分類につきましては、先ほど溝口先生の方からも、一応御了解をいた だけたかと思いますので、こういう形で報告をさせていただくということだと思いま す。  ただ、先ほど来、お話がございましたが、議論自体は、そういう議論があったという ことで、もちろん議事録などの形で残りますし、部会での議論に反映させていただくと いいますか、参考にさせていただくということにはなるかと思いますけれども、分類自 身につきましては、先ほど言いましたように、ルールや整合性との関係もございますの で、御理解をいただければということでございます。 埜中委員長  わかりました。そういうことで、部会の方へ何とか反映させるということですし、増 山委員は部会の委員でございますので、こういう問題があったということで、皆さんに ぜひ御議論をいただきたいと思います。お忘れなく、よろしくお願いいたします。  ほかに何か、この報告事項について、訂正その他はございませんか。  一応、ここまで何回か検討して、このような結論に達したわけで、あとは星印がつい ているものの細かい内容については別紙に記載してありますので、それを参考にすれば いいということで、この報告をもって、部会の方でこれからいろいろと検討していただ くことになるというふうに思います。  特になければ、これを部会に上げるということでよろしいでしょうか。  それでは、この原案について部会の方に上げるようにいたします。きょう、いろいろ とありました議論については、きちんと記録に残していただいて、部会の方で検討して いただくということにしたいと思います。  それでは御了承をいただきましたので、事務局より、今後の予定について御説明をお 願いいたします。 事務局  それでは今後の予定について御説明させていただきます。本日、こちらで御了解をい ただきました、資料2、医薬品販売制度改正検討部会への報告事項につきましては、今 週末、11月18日に開催を予定しております販売部会の方へ報告させていただくことを予 定しております。  また、専門委員会につきましては、今のところ、次回開催の予定はございません。販 売部会における審議状況を踏まえまして、今後の予定を考えたいと思います。 審査管理課長  済みませんが、委員長から、18日の報告の件について、追加の御発言をお願いいたし ます。 埜中委員長  わかりました。きょうはこれを部会に上げるという御了解をいただきました。  次回の販売部会は18日に予定されているというふうにお聞きしておりますが、私は18 日は出張で不在となりますので、きょうのことは事務局から部会の方へ御報告をいただ きたいというふうに思います。  いろいろと討議してまいりましたけれども、こうした方がいいのではないかとか、あ るいは、こうだった方がよかったのではないかといった点があると思いますので、あと 少し、こういったことで討議をしてみたいと思います。何かございましたらお願いいた します。 望月委員  今回の専門委員会の検討に当たって、医療用医薬品の添付文書を使って情報を整理す るという作業をしてまいりました。その作業の過程で、やはり今の一般用医薬品そのも のについて疑問のある点もありまして、その点について、今回、最後の報告をまとめた 後で申し上げたいと思う点が幾つかあります。それについてよろしいでしょうか。 埜中委員長  どうぞ。 望月委員  まず、1点目ですけれども、一般用医薬品は、そのほとんどに幾つかの複数の成分が 配合されていて、それで使われていくものがほとんどですけれども、まず感じましたの は、配合されている成分そのものが、医療用に比べて、1回に飲む量が比較的抑えられ ているということです。  恐らく、一般用医薬品で売っていくという立場を考えて、安全を優先するがために、 成分の投与量がかなり低く抑えられているということだと思います。それがために、ひ ょっとしたら、いろいろなものをごちゃごちゃと配合しているということになっている のかもしれません。医療用から見ても、本当に効果があるのかどうかということが少し 疑問に思える程度の量になっていたり、諸外国の使用量から見ても、かなり抑えられた 量になっているという点で、量を3分の2程度に抑えるということに合理的な理由があ ったのかどうかということが、私としては疑問です。  また、配合成分がいろいろとありすぎることによって、相互作用の評価などが非常に 難しかったのですが、そういったところがもう一つです。  それから、配合されてしまうことによって、配合成分のうちの一つの成分にアレルギ ーがあって使えないとか、禁忌に該当するので使えないというようなケースになったと きには、例えば総合感冒薬などの場合は、ほとんど似たような配合になりますので、み んな使えないということになってしまいます。もう少し、必要な成分と、ほとんど意味 がないのではないかと思える佐薬の成分を整理していただいて、例えば単味のものがあ ってもいいかと思います。  また、5、6成分をわっと入れるのではなく、本当に必要最低限の成分に絞った形 で、しかも効果のある量を配合していただくような形の方が、消費者にとって意味のあ る一般用医薬品になるのではないかというふうに思っています。  こういったことを考えてきますと、成分数を絞って、むしろきちんと効く量を入れた ものを出していただくということや、そういったやり方で、もう少し消費者にとって利 益のある形の一般用医薬品をこれから考えていただいた方がいいだろうと思います。そ のときに、今回の販売制度の改正が、恐らく非常に有効に役立つのではないかと思って います。  投与量をふやすことで副作用などにより留意が必要な部分も出てくるでしょう。医療 用との飲み合わせのチェックや先ほどのお話にも出ていましたように、もう少し受診勧 奨なども含めて、患者さんの背景をきちんと把握した上で売るという形が、今回の販売 制度の改正できちんと実行されるようになれば、そういう製品で、消費者に利益のある ものをもう少しきちんと出していくということが可能になるのではないかというふうに 思っています。  例えばスイッチなども、今回、いろいろな整理をしていく中で一つ思いましたのは、 抗ヒスタミン薬で、非常に古いものが今の一般用医薬品では使われているのですが、実 際に今の医療の現場では、緑内障や前立腺肥大症の患者さんなどに非常にリスクの高い 古い抗ヒスタミン薬よりは、もう少し安全な抗ヒスタミン薬も使われていて、むしろそ の方が一般用医薬品としての利用価値が高いということもあると思います。  そのように、もう少し本当に消費者のことを考えた安全な医療用医薬品をスイッチし ていくといったことも、今後御検討いただく必要があるかと思います。  そうした中で、スイッチというのは、医療から一般用におりてくる部分がありますか ら、医療用の医薬品のことをきちんと知っているということが必要ですし、飲み合わせ の問題のチェックや受診勧奨なども含めて、患者さんの背景をきちんと知っている専門 家の関与、それから、患者さんの背景を、きちんと薬歴などで管理した上での関与の仕 方ということが非常に重要になるのではないかと思います。ぜひ薬歴も含めた関与のあ り方を今後御検討いただいて、せっかくよい販売制度にしようということで検討しまし たので、もう少し消費者のメリットも考えた市場への製品の排出と、きちんとした販売 の制度の管理ということをカップリングして、承認基準などの古い成分がたくさんある ものも再検討をいただくとよいのではないかというふうに思いました。 埜中委員長  非常に貴重な意見をいただきまして、ありがとうございました。ただ販売制度をいろ いろと検討するだけではなく、やはり薬そのものの成分といったことも検討する時期に 来ているのではないかというお話でした。  私もよくわからないのですが、抗ヒスタミン剤で新しく医療用に使うものを一般薬に スイッチするには、やはりきちんとした許可などが要るわけですか。 審査管理課長  はい。患者さんが、いわゆる自己診断に基づいて使用できるような形での一般用医薬 品としての承認を別途取る必要があるということでございます。  ただ、そういう動きは見えております。望月先生の御意見、大変ありがとうございま した。  このリスクの専門委員会、それから部会でも議論があるところでございますけれど も、このリスクに基づいて、販売規制の見直しをしていただきましたら、当然既存のも ので、場合によっては古いものの再評価とか、承認基準というものがあるのですが、こ れもなかなか見直しがおくれているというような御指摘だろうと思いますけれども、そ ういったところは、当然今後取り組んでいかなくてはいけないところだというふうには 思っております。御指摘はそのとおりというふうに思っております。 埜中委員長  はい。ありがとうございました。この評価につきましては、望月委員と安部委員に非 常に御努力をいただいて、今のような御感想をいただいたわけですが、安部先生から も、御感想などがありましたら、最後に一言お願いいたします。 安部委員  感想といいますか、これは議論が終わった後に、事務局へ確認といいますか、質問を させていただきたいと思っていた件ですが、第2類というのは、部会の分類では、口頭 により積極的な情報提供をするということでよろしかったかと思います。1類が文書と 口頭での積極的な説明、3類は、それほど積極的ではなくても情報提供をするというよ うな分類だったと思います。  今回、2類で積極的な口頭説明をするという前提の中で、その中での重みづけを一定 にしようということで、アスタリスクがつきました。  口頭で積極的な情報提供をするということは、私のイメージの中では、原則はオーバ ー・ザ・カウンターといいますか、対面販売的なイメージを持っております。アスタリ スクで重みづけをするということは、これらの陳列方法を工夫するということでござい ますが、そうしますと、逆に、アスタリスクがついていないものは、アスタリスクがつ いていないからオーバー・ザ・カウンターにする必要がないというような、逆説的な理 解をされるのではないかという心配がございまして、そのあたりは、部会の方へも事務 局からきちんと説明をしていただきたいというふうに思っております。 埜中委員長  ありがとうございました。それは先ほど溝口先生がおっしゃった水虫の薬なども全く 同じだと思います。それはぜひ部会の方で、星印のないものは何ともないというような ことではなく、きちんと御説明をされるようにお願いいたします。 薬事企画官  オーバー・ザ・カウンターにつきましては、この前、一度議論をしていただきました けれども、また今後、オーバー・ザ・カウンターのあり方について、積極的な説明をす るもの、文書で説明をするものと並ぶ形で、どういうものをオーバー・ザ・カウンター にするのかといったことを、強さの度合いも含めて御議論をいただくことになろうかと 思います。  ただ、おっしゃるとおり、第2類についてはやはり情報提供とセットになりますの で、オーバー・ザ・カウンターが要らない、全く考えなくていいということにはならな いと思います。  ただ、やはりリスクに応じてということになりますので、義務づけの度合いというの は、多少、1類、2類ということで変わってくる部分はあろうかと思いますけれども、 2類ということであれば、やはり、まれではありますけれども健康被害が生じ得るもの ですので、表現はともかくとして、陳列方法の工夫は十分していくべきものであって、 アスタリスクがついたものは、その中でも特にという理解で御議論が進んでいくという ふうに思っております。 埜中委員長  ぜひそのようにお願いしたいと思います。  ほかに何かございますか。 井村委員  余計なことですけれども、私は望月委員にぜひお願いしたいのですが、今、最後にい ただきました御意見を、ぜひ部会で、適当なタイミングでおっしゃっていただきたいと 思います。よろしくお願いいたします。 埜中委員長  こちらの委員会の意見としてよろしくお願いいたします。 望月委員  はい。 埜中委員長  ほかに何かございますか。  それではきょうはこれで終わります。事務局から何かございますか。 審査管理課長  特にございません。 埜中委員長  それではどうもありがとうございました。これをもちまして本日の専門委員会を終了 させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。                                       了                        (照会先)                        厚生労働省医薬食品局審査管理課                         TEL:03-5253-1111(代表)                         担当:紀平(2738)、山脇(2743)