05/10/12 第19回厚生科学審議会医薬品販売制度改正検討部会議事録        第19回厚生科学審議会医薬品販売制度改正検討部会議事録         日 時:平成17年10月12日(水)/10:00〜12〜18         場 所:霞が関東京會舘「ゴールドスタールーム」  井村部会長 おはようございます。定刻となりましたので、何と第19回になりますが、 厚生科学審議会医薬品販売制度改正検討部会を開かせていただきます。  いつものことですけれども、頻回に会を開いておりまして申しわけないとは思います が、御出席いただきましてありがとうございます。本日も、できるだけたくさんの御意 見をお出しいただきますようお願いいたします。  それでは、本日の出欠状況について、まず事務局の方から御報告ください。  生田課長補佐 おはようございます。本日の委員の出欠状況でございます。  本日は、現時点で、委員20名のうち、15名の御出席をいただいております。厚生科学 審議会の規定に定める定足数を満たしており、本日の部会が成立しておりますことを御 報告いたします。  それから、大山委員、吉川委員、堀井委員及び溝口委員からは、御欠席との御連絡を いただいております。  また、本日は、オブザーバーとして、専門委員会から、荻原専門委員及び溝口専門委 員にも御出席いただいております。  井村部会長 ありがとうございました。  それでは、本日の資料の確認を事務局の方からお願いいたします。  生田課長補佐 それでは、お手元の資料を確認させていただきます。  1枚目に議事次第をお配りしております。  次に、資料といたしまして「医薬品販売に従事する者の資質等について」でございま す。  参考の1つ目といたしまして「薬局及び各医薬品販売業の概要」、参考の2つ目とい たしまして「関係団体による研修事業」、参考の3つ目としまして「現在の薬種商試験 について」でございます。  さらに、参考資料といたしまして、参考資料1といたしまして「医薬品販売制度改正 検討部会委員名簿」、参考資料2といたしまして「医薬品販売制度改正に関する論点の 整理」を配付しております。  きょうは、さらに委員からの提出資料もございます。安田委員、望月委員からの提出 資料でございます。  本日の資料は以上でございますが、落丁などがございましたら事務局までお知らせく ださい。  以上でございます。  井村部会長 ありがとうございました。いかがでございましょうか。そろっておりま すでしょうか。もしないものがございましたら、事務局の方にお申し出ください。  それでは、本日の審議に入らせていただきます。  まず、事務局から資料について御説明をお願いいたします。本日は主題を1つに絞っ てありますので、ぜひ活発な御議論をお願いしたいと思います。では、お願いいたしま す。  生田課長補佐 それでは、資料について説明をさせていただきます。「医薬品販売に 従事する者の資質等について」でございます。  1つ目が資質について、2つ目が関与のあり方についてとなっております。  まず、1.資質についてからでございます。  基本的な問題認識という枠で囲ってある部分ですが、医薬品に関しては、適切な情報 提供、適切な相談対応が必要になっていることから、専門家の関与が不可欠であります。 この場合、専門家に求められる資質とはどういうものでしょうかということが1点。  それから、薬剤師が一般用医薬品の販売に当たって十分な資質を備えていることは当 然でありますが、現在、一方で薬剤師が関与しない形態として薬種商販売業と配置販売 業がございます。これの資質の確保の方策についてどう考えるかという点がございます。  こういった基本的な問題認識のもとで、論点を順に説明をいたします。  まず、論点1ですが、各業態における資質確認方法の違いと今後のあり方ということ で、現在、一般用医薬品の販売に専門的知識をもって従事する者に関しては、薬剤師は 別としても、薬種と配置といったものについておのおの別個に規定をされており、求め られる資質の内容も異なっております。  こうした現状について、今後、医薬品のリスクに応じた適切な情報提供や相談体制の 整備というものを考えていくに当たって、改めていく必要があるのではないか。これが 1つ目の○でございます。  さらに、下の○でございますが、薬局や一般販売業といったものに関しては、開設者 あるいは許可申請者の資質にかかわる要件は特に定められていないということに対して、 薬剤師の設置が義務づけられるという仕組みになっております。  ここで少し補足をいたしますが、開設者の資質にかかわる要件というのは、専門的な 知見といった意味でございまして、別途、例えば禁錮の刑に処せられて3年以内はだめ ですとか、心身に障害のある人はだめですとか、そういったものはあるのですが、専門 的な知識、資質の観点からは、開設者について特に要件は定められていないということ でございます。  これに対しまして、薬種、配置につきましては、開設者(許可申請者)が必要な資質 を備えていることを確認する仕組みになっています。  消費者へ的確に情報を伝え、相談に応じる体制とするためには、薬種、配置といった ものについても許可申請者の要件を審査するということではなく、適切な情報提供及び 相談に直接携わる者として一定の資質を備えた人が設置されていることを確認する仕組 みとするべきではないかということで、この辺については参考で図示をしておりますの で、参考1をごらんいただきたいと思います。  参考1の5ページでございます。各業態における規制の相違を示しておりますが、こ れは網かけの部分で見てみますということを説明した資料になっています。  薬局・一般販売業については従事者の薬剤師の必置というところ、薬種や配置につい ては開設者・業許可を受ける者といったところで資質を確認しております。  ただ、薬局・一般販売業におきまして、薬剤師が直接開設者になっているようなケー スもございますが、一応、法律上の規定としてはこのようなところでみているというこ とを説明しております。  ついでに申し上げますが、薬局・一般販売業において、開設者と従事者が分かれてい る場合ですけれど、開設者は、先ほど専門的な資質については何ら定めがないというこ とを説明申し上げましたが、ほかの論点になりますけれど、開設者が薬剤師でない場合 にも、管理者の説明を開設者はきちんと聞かなければいけないという規定がありますの で、これも御参考のために申し添えておきます。  資料に戻らせていただきます。  2ページでございます。論点2、一般用医薬品の販売に当たって求められる資質の内 容でございます。  現在、薬種商販売業許可を取得するに当たって、申請者に試験が課されているという ことでございますが、その内容についてどう考えるか。  さらに、特に一般用医薬品の販売に際して適切な情報提供及び相談対応を行うための 資質を確保するという観点から、改善すべき点はあるか。  こちらは、参考3におきまして、現在の薬種商試験についてというものについて整理 をしておりまして、この中に一緒に実例もとじてございますので、適宜、御参照いただ ければと思います。  論点3、資質確認の具体的方法でございます。  現在、薬剤師になるためには、国家試験に合格する必要がある。他の薬種商販売業及 び配置販売業の専門家たる従事者についても、適切な情報提供や相談対応のために必要 な資質を備えていることを確認する必要があると考えられます。  仮にこの場合に、薬局を除いて、業態にかかわらない共通の一定の資質確認の仕組み を設ける場合、試験による確認が必要でしょうか、または講習受講のみでよいでしょう か。それから、この場合、現在、配置販売業について扱える品目が限られていることに ついて、どう考えるか。  先ほど、薬種や配置についてはそれぞれ別個の規定で、求められる資質も異なってい るという説明をいたしましたが、これと配置の品目は限られているということはリンク をしているのだと思われますけれど、共通の一定の仕組みを設けるとした場合に、今、 配置の方で品目は限られていますということについて、どう考えますかということでご ざいます。  ○の2つ目でございますが、資質の確認に当たって、実務経験はどのように評価され るべきでしょうか。  ○の3つ目として、販売に際して適切な情報提供や相談対応を行うために資質の確認 が必要であるとしても、それ以上に、例えば医師や薬剤師のように、いわゆる身分法を 特別に設けて、資質の名称を定め、資質を備えていない者の名称の使用制限などを行っ ていくことまで必要かと。  医師や薬剤師については、医師法や薬剤師法とか個別の法律がございます。こういっ た特別な法律を立ててここまで厳しくやっていくものであるべきかどうかということで ございます。  論点4、円滑な移行措置でございます。  一定の資質確保のための仕組みを設けるといった場合に、現在、既に薬種商販売業及 び配置販売業に従事しているという人がいますが、これについて円滑な移行措置が必要 ではないでしょうかということでございます。  3ページ、2.関与のあり方についてでございます。  論点5、専門家の関与のあり方でございます。1つ目が情報提供、2つ目が相談対応 の話であります。  1つ目、消費者への情報提供に当たって、リスクが特に高いというものを除いて、リ スクの程度に応じて専門家の関与のもとで従業員が行って差し支えないものを考える場 合、どのような条件が考えられるか。  下に前回出したものを参考としてつけておりますが、リスクが特に高いものについて は、直接やるべきではないかという感じで議論が進んでいたと思います。そこで、まず、 リスクが特に高いものというのは除きまして、その除いた後で、リスクの程度に応じて どういった条件が考えられるかということについて議論をしていただきたいと思います。  2つ目の○ですが、リスクの程度にかかわらず、相談があった場合には専門家がきち んと対応すべきではないかということでございます。  以上でございます。  井村部会長 どうもありがとうございました。  事務局から説明がございましたが、本日はこの論点1〜5の順番で議論をさせていた だきたいと思っております。  まず、論点1でございます。各業態における資質確認方法の違いと今後のあり方とい うタイトルになっております。今の説明を踏まえまして、いかがでございましょうか、 どうぞ御意見をお出しください。  田島委員 論点1に関して、初めの○についてでございますが、この基本的な問題認 識の中に、「専門家の関与が不可欠である」という文言がございます。そうしますと、 「医薬品のリスクに応じた適切な情報提供や相談体制の整備に当たって」というのは、 別個に規定されるということで開設者に要件が認められている部分がございます。しか しながら、これは原則から考えますと、やはり改めて、直接関与できるような状態に改 めるべきだと私は考えます。  谷川原委員 私も、図で見ると一番わかりやすいのですけれど、例えば、一般国民か ら見て、一般販売業と薬種商販売業というのはなかなか見分けがつきにくいのですが、 実際、許可の要件というのは、片や開設者に要件を設定して、実際に顧客と対応する従 事者には資格を設けていない、片や一般販売業では実際に従事者の方に資格要件を設定 しているというところが、複雑な仕組みになっていると思います。  ですから、このあたりは統一した形で、今までの議論を踏まえまして、医薬品をリス クに基づいて分類し、そして実際に消費者に対して直接説明をする、販売をするという 人のところにある要件を設定すべきである。そういう意味では、一般販売業と薬種商販 売業をあえて区別する必要は果たしてあるのかなというところもありますが。統合して いけるのではないかなと思います。  井村部会長 ありがとうございました。そういう御意見もございます。  ほかにいかがでございましょうか。  望月委員 論点が今までの先生方とちょっとずれてしまうかもしれませんが、論点1 の2つ目の○ですけれど、開設者の要件は特になく、薬剤師の設置が義務づけられてい る仕組みというふうに一般販売業はなっています。薬剤師法の中では、薬剤師が医療用 の医薬品を調剤して患者さんにお渡しするときには、適正使用の情報を必ず御提供する というのが義務づけられているということになっております。  一方、一般用医薬品の販売に当たっては、薬事法第77条の3においてその情報提供と いうのが努力義務になっていますが、それは薬局開設者に対する努力義務です。薬局開 設者というのは、ここで書いてあるように薬剤師の設置が義務付けれられている人です から、薬剤師を通じて情報提供するという形なのかなとは思うのですが、何となく法的 に、薬局開設者が提供するという形の努力義務があるというのが、いつも変な感じがし ています。  それで、今回、せっかく法改正をしていただくので、一般販売業の開設者のところを、 あるいは薬局開設者も含めてになるのかもしれませんが、要件がないのだったとしたら、 その人たちにどういう責任をどこまで持っていただくのかということを少し御検討いた だいて、そこについても配慮した形の法改正になっていただいた方がいいかなと思って おります。  青井委員 今の望月さんの意見とほぼ一緒ですけれど、基本的に今3つの大きな流れ があります。顧客にとってみると、形式的に統一するというのが一番すっきりした形に なるとは思いますが、歴史的な問題がありますので、どれだけの経過措置を必要とする かという議論があるのだろうと思います。  ただ、その中で、顧客に対するサービスの質を担保する仕組みをそれぞれのチャネル も持っていなければだめだと。それは基本的には、顧客と接するところでその質を担保 すると。ですから、それがある意味では、ここで出る薬局・薬店と薬種商と配置薬で形 が短期的には違ってもいいのかもしれませんが、究極の形は同じ形にすべきというとこ ろがあるのだろうと思います。  もう一つは、まだはっきりしないのが「専門家」で、ずっと来て、最後に「専門家」 というのはこういう定義ですとなると、会議のやり方としてはやりにくいかなと思いま すが、なかなか難しいところはあるのだろうと思います。例えば、「専門家」をどう定 義するかによって、専門家の関与のもとで従事する人というものの資質をどうみるかと いうのも、多分大分変わってくるのだろうと思います。  きょうの事務局の説明の中で、本当かなというのは、薬剤師の方は十分な資質がある というのは−−そう言うと児玉さんに悪いのかもしれませんが(笑)、医家向けではそ うかもしれませんけれど、一般薬のというときにどう考えるかというのはまた別の議論 かなと。薬についてはプロかもしれませんけれど、一般薬の販売というところに関して の資質となると、単に薬剤師の人はそれでOKというのかどうか。もうちょっとある種 の研修と教育が必要かなと個人的には思っています。  井村部会長 ありがとうございました。最後のところはちょっと変わっておりました けれど。  松本部会長代理 私も望月委員の御発言との関係になるのですが、望月委員は、情報 提供義務について薬局・一般販売業の場合と薬種商販売業の場合で課されているかいな いかとか、開設者に課されているのであって、従事者に課されているわけではないとい うところを御指摘されたのですが、ちょうど同じ問題が、第3回のときに議論した問題 ですけれど、秘密保持義務の問題−−刑法134条に、守秘義務が医師・薬剤師・医薬品 販売業者・助産師と並んでおりまして、医師・薬剤師・助産師は明らかに一定の資格を 持った個人なのですが、医薬品販売業者という言葉だけがどうもはっきりしない。会社 組織であれば、これは販売業者は恐らく法人になると思うので、法人の守秘義務なんて それ自身は考えられない話になります。  これはもともと薬種商という個人資格に着目した規定だったのを、一般化して医薬品 販売業者という名前にかえたことから来る不整合だと思いますので、各種販売業を同じ ような仕組みで整理されるのであれば、この刑法の規定も少しかえた方がいいのではな いかと思います。  井村部会長 刑法の方にまで話が行きましたけれど、よくわかりました。  児玉委員 よくお話に出ておりますが、私自身も皆さんがおっしゃっていることとお おむね同じかなと思うのは、開設者の要件と、実際に消費者に接する者の資質を担保す る、この2つの観点に立つと、今の状況から考えれば、実際に消費者と接する者の資質 を担保するために、そういうものを設置すると、こういう文章になっていますね。です から、物の順序からすれば、確かにこういった考え方でいいのかなという気はいたしま す。  ただし、では、先ほどから議論がありますように、開設者の要件の議論はそのままで いいのかと。例えば一つの例を出しますと、これから高齢者がふえていく、その中で、 例えば薬局の場合は在宅医療をかかりつけの医師の先生方と一緒にやっていくと、麻薬 の取り扱いがふえてくるんですね。こうなってくると、薬局の開設者についてもっとき ちっと、私は前に例えば薬剤師というものを申し上げたわけでありますが、それはここ の部会でなくても結構でありますけれど、今後の宿題として、ぜひ厚生省の担当部署で そういう議論をお願いしたいなと思います。  したがって、物の順序としては、今回、とりあえず先に、消費者のことを考えて、そ れに接する人を優先的にまずこういう形にしようというのは、私は賛成であります。  谷川原委員 私は、店舗形態での販売形態が複数の業態があるのを、統合化できると ころは統合化した方がいいと申し上げましたけれど、それは一般販売業と主に薬種商販 売業のところでありまして、薬局は全然別形態だと思いますので、それだけ追加させて いただきます。  井村部会長 ありがとうございました。「薬局」という言葉であらわされる店舗とい うのは、かなりいろいろな形態がまだあるみたいでございますので、その辺もまた難し いところかもしれませんが、そういう意味では、谷川原先生、いかがでしょうか。  谷川原委員 この図には薬局と一般販売業が同列にかかれていますけれど、薬局とい うところは守備範囲が一般販売業よりもう少し広くなりますから、とりあえず一般販売 業と薬種商販売業の違いのあたりを統合化して、より消費者にもわかりやすい形にして、 その中で、医薬品のリスクに応じて販売できる従事者を規定するという、そちらの方で 考えて整理した方がよろしいのではないかというのが私の意見です。  望月委員 私も谷川原委員とほぼ同じ意見で、消費者にわかりやすい形、こういうと ころに行くとこういう人がいるとか、相談相手としてはこういう人を探せるとか、そう いうわかりやすい形というのは仕組みとして一つ必要なのかなと思います。  今、谷川原委員がおっしゃっていたように、業態でどのリスクの範囲のものが売れる という整理ではなくて、このリスクの範囲のものを売るためには、こういう専門家の配 置が必要であると。今回、恐らくそういう整理になっていくのだろうと思いますので、 今のような一般販売業と薬種商さんがわからない、その辺を一緒にしていくということ は、そういう整理の仕方でとらえれば可能になっていくのかなと思います。  宗像委員 私も皆さんの御意見と一緒でございます。  もう一つ別の角度から考えていただきたいのは、今、望月先生もおっしゃられたこと でもあるのですが、そこからすると、例えば訪問販売の問題や、ネットの問題、通信販 売の問題、こういったものがその要件を満たせるのか満たせないのかという問題とかか わってくるだろうと思います。したがって、情報提供の仕方、あるいはその提供方法の 状態をしっかり決めておくことによって、例えば訪問販売はそれを満たさないとか、ネ ット販売は満たさないとかという話にも近い将来、あるいはこの論点3のところでもそ ういう部分に一文触れていますので、かかわっているということも私は思って話を聞い ておりました。  田島委員 ネットの話は別としましても、前回、「たしか対面販売を原則とする」と いうお話がございましたね。ですから、やはりそこら辺のところから今の問題というの は考えていくべきであると思いますし、また、専門家の関与も必要であるということか ら、先ほどの論点に戻りますと、販売員本人に資格を与えるというのが妥当であると私 は考えます。  井村部会長 今の田島先生のお話は、販売業本人というのは、要するに客と接する者 という意味ですね。  田島委員 はい。客と接する販売員でございます。  井村部会長 はい、わかりました。  今までの御意見を伺っておりますと、実際に客あるいは患者と接して相談に乗り、あ るいは説明をするという、そういう人の資格を考えるという方向で、大体皆さん方の御 意見は一致しているような気がいたします。  児玉委員 今の議論ですけれど、「資格」と「資質」と、その辺がちょっとごちゃま ぜになってはいけませんので、そこだけははっきりした方がいいと思います。  井村部会長 「資格」と言わないで、「資質」と言わなければいけないですね。  田島委員 失礼しました、「資質」でございます。  井村部会長 そういうことに加えまして、開設者についてもやはり何か足りないとこ ろは補うような工夫が必要なのではないかという御意見が出ております。  三村委員 今の話に加えまして、今、法律上の規定を拝見しますと、例えば、薬種商 の場合、先ほどの「開設者要件と」という話なのですが、基本的な考え方としては、管 理業務的要件と販売業務的要件という恐らく2次元があって、それが薬種商の中に一体 化しているのだろうと思います。  ですから、例えば、一般販売業と薬種商は同じような次元の中で整備していくとする ならば、管理業務的要件についてのある条件と、販売業務に対するある条件というもの が、両方整理されるという形がいいのではないかと思います。  鎌田委員 薬種商販売業の立場から一言お願いしたいのですが、今の話で、資質か資 格かという話は論点の中でやられることですけれど、私どもは、消費者から見た場合、 一般販売業と薬種商販売業の区別がつかないというのは、ここの場所でもヒアリングを いただいたときにそういう話が出ていました。基本的に私どももそう考えておりますの で、できましたらこのような図面で、例えば薬局さんは、私はいつも言っているように、 医療機関の一つとして別個のものであろうと考えて、一般販売業と薬種商販売業を一つ にまとめる。  ただ、問題は、一つは、薬種商販売業は個人の例えば資格になった場合、今の法律を かえるのですから当然この部分もかえていくのでしょうけれど、現行では、まず店がな ければいけないと。開店する店が申請場所の絶対条件であると。その店を用意してから 受験申請を出すと。だから、店がなかったら出せない。逆に言うと、店を出す資金とい うリスクをかけて試験を受けた結果、仮に通らなかった場合は、何千万円か知りません けれど、今は大体それくらいかかるでしょうから、それがすべてなくなるとは言いませ んが、逆にいくと、その場合、薬種商で落ちた人が開設者として申請者になりまして、 薬剤師さんを使って一般販売業をやると。そういう現行の法律上のうまいところを突い たような感じで、開設もできないことはないわけですよね。  ですから、一般販売業と薬種商販売業が仮に個人の資格になるならば、まずそういう 法律の中で店舗の絶対条件を外していただかないと、若い人はなかなかやりにくいと。  それから、全県的には、薬種商販売業を受験する人は年間1,000人ぐらいでしょうか。 統計を見ますと、そのうちの合格者は大体35%ぐらいなんです。現行の薬種商はそうい う縛りがあるから少ないのか、経済状態で少ないのかはわかりませんけれど、合格率と してはそういうものです。  もう一つ、法律の問題で先ほど松本先生がおっしゃいましたが、よく証人喚問のとき にテレビ中継で、守秘義務の中に以前は薬種商販売業が入っていたんです。それがいつ の間にか一般販売業になってしまっているんです。ですから、その辺から考えても、や っぱりちょっとおかしいかなとは考えております。  井村部会長 ありがとうございました。  意見は大体煮詰まってきているようでございますが、ほかの委員の方々、特に御発言 はよろしゅうございますでしょうか。  それでは、先ほど申し上げましたような「資質」につきましては、一致した意見とし ては、消費者に接するところの人に「資質」を考えるということで、よろしゅうござい ますでしょうか。  それでは、論点1に関しましては、そういう考え方をするというふうにさせていただ きます。  谷川原委員 ちょっと確認したいのですが、消費者と接する販売者の資質が今担保さ れていないところは担保すべきだということで大体コンセンサスだと思うのですが、開 設者要件はどうなるのでしょうか。  井村部会長 開設者要件につきましては、この論点をつくるときに考えに入っていな かったので、今の御意見はちゃんと残して、これから考えるということで、いかがでご ざいましょうか。  谷川原委員 まだ決まっていないということですね。  井村部会長 はい。  谷川原委員 はい、わかりました。  井村部会長 そうさせていただきます。  次は、論点2でございます。これを議論する前に、薬種商と配置販売業におけるそれ ぞれの資質向上のための取り組みというのがこれまでにもあるわけでございますが、そ れにつきまして、鎌田委員と安田委員から御説明をお願いしたいと思います。前にもヒ アリング等々がございましてかなり伺っている内容もあるかと思いますので、できるだ け簡単にやっていただければありがたいと思います。  では、鎌田委員の方から、どうぞ。  鎌田委員 薬種商販売業に従事している我々は、資質の向上というために、まず第1 段階としまして、県が行う認定試験に合格することが前提であります。その上で、試験 内容がきょう参考資料として出ておりますので、これを見ていただくと、かなりハード ルの高い問題になっていると私どもは思っております。その中で特に、モル系統から入 りまして、法律の問題をずっと網羅して試験を受けるわけです。  問題は、合格した後にそのままでいいかということを考えた場合、それではいけない と。ですから、モチベーションを高めてやっていくためには、やはり我々は生涯学習を きちんとやっていかなければいけないということは考えております。  きょう資料でお出ししておりますように、私どもはカリキュラムに基づきまして、年 6回、1回5時間以上、全国統一のテキストを使いまして講習会を行っております。基 本的に同じようなテキストで、これ1冊なら1冊決めまして、これを全会員さんが持っ て、そしてそれをもとにして講師の先生方が、例えば、これにプラス、OTCセミナー のカリキュラムもあるわけですが、それに関連するメーカーの学術部の方とか、内容に よってはお医者さんとか薬剤師さんとか、そういう人たちにお願いをしながら、現在、 年6回実施しております。  そして、講義はきちんと受けていただかなければいけませんので、講義が済んだ後に 簡単な確認的な問題を皆さん方に出しまして、それに対して、きょうはきちんと聞いて いただけたかどうか確認をさせていただいているという状態であります。  10月、9月に全国的な統一講習会ということで、これは生涯学習を含めまして、厚労 省の後援名義できちんと行っておりますし、また、受講証明もきちんと出しております。 それで、特にOTCのセミナーを含めまして会員の皆さん方がしっかり学んでいただい ていると考えております。  以上です。  井村部会長 ありがとうございました。それでは、安田委員、どうぞ。  安田委員 私どもでは、この資料にありますように、医薬品の販売に携わる者につき ましては一定の資質が必要と思っておりますので、その確認を行うために試験を課せる ことはやむを得ないと思っております。  また、一定の資質の確認に当たっては、全国で同一レベルの内容のもので行うべきだ ということを考えております。  それから、配置の業界では、全国配置家庭薬協会を略しまして全配協といっておりま すが、統一テキストを作成しまして、55年度から定期的に研修を行ってきておりまして、 平成9年4月からは同協会の自主的な資格認定試験による資格認定制度というものを開 発しまして、現在、その会員が1万6,520人で、その6割が資格認定を取得しておりま す。  また、試験の内容につきましては、基礎化学と実地試験を除きまして、都道府県で行 っている認定試験も薬種商さんとほぼ同等なレベルで行わせていただいていると思って おります。  なお、配置販売は、この経時変化が起こりにくい安定の高い医薬品を各家庭に常備す る形でありますので、この試験により資格認定されたものにつきましては、消費者への 情報提供に必要とされる薬の安全性などの基礎知識は、これも薬種商さんとほぼ同じも のと考えております。  以上です。  井村部会長 ありがとうございました。  ただいまのお二人の御説明に対しまして、何か御質問はございますか。  芦野委員 資質確保について、東京都の取り組みを若干御紹介をさせていただきたい と思います。  井村部会長 ありがとうございます。  芦野委員 先ほど、鎌田先生の方から薬種商試験についてのお話もございましたが、 東京都では年1回実施しておりまして、例年、40名前後が受験しております。合格率は、 先ほど鎌田先生は35%というお話でしたが、東京の場合ですと約30%という状況でござ います。受験者は、20歳代あるいは30歳代が中心になっておりまして、レベルとしては、 高校卒業後3年以上の実務経験を有する者が受験できるわけですが、単に実務経験があ るからといって合格できるようなものではなくて、一定程度、薬事法規や基礎的な薬学 について勉強しないと合格できるものではないという状況にございます。  それから、研修事業のお話がございましたが、東京都としては、東京都薬種商協会及 び東京都医薬品配置協会に対しましてそれぞれ講習会の実施を委託しておりまして、薬 種商販売業及び配置販売業の資質の確保を図っているところでございます。  また、配置従事者につきましては、新たに配置従事者になられる方を対象に、年4回、 講習会を義務づけておりまして、一定の資質確保を図っているところでございます。  以上でございます。  井村部会長 ありがとうございました。  ただいまの御説明について、御質問はございませんでしょうか。  試験問題も皆様方は見られるようになっておりますので。配置の方の試験問題も、安 田委員がきょう持ち込まれました資料の中に出ております。  谷川原委員 この薬種商試験等を拝見するのはきょうが初めてなのですが、中を見て みますと、ケミストリーとか、具体的には分析とか、医薬品の分析とか検定とか、そう いうことも含まれているのですが、果たして販売に必要な知識として、医薬品そのもの を検定をするとか、調剤行為はやらないわけですから、こういった内容が本当に必要な のかどうかというのは少し疑問に思ったのですけれど。何となく薬剤師の試験のミニチ ュア版という感じがしまして。もう少し販売に特化した形で考えられているのかなと思 ったのですけれど。そういう感想です。  井村部会長 鎌田委員も大体御同意になられているようでございますので(笑)。  鎌田委員 今の先生の御質問ですけれど、私どもも試験を受ける側から一度行政の方 へお尋ねしたことがあるのですが、基本的に実務経験が3年以上あるので。ただ、一般 用医薬品は薬剤師さんも取り扱っていると、その基本的なところを知っておいてもらい たい部分もあるんですよということで、こういう問題になっていますと。東京都はわか りませんけれど、私どもの方ではそういう説明で。ですから、必要ないものではなくて、 こういうことも知っておいてほしいということで、そういうところが多少入っていると いうことの回答でございました。  田島委員 私も、谷川原先生の意見とほぼ同じなんです。試験の問題を見ますと、か なり学術的であり、法律の問題もあり、僕は全然答えられないぐらいの難しい問題なの ですが、ただ、これから情報提供というものが重要になってくるとなれば、顧客の視点 に立った内容をもう少し盛り込むべきではないかと考えております。そういう改善の仕 方というものもいただければと思います。  井村部会長 ありがとうございます。この問題の適否等につきましては、ここでそん なに深く議論をするわけにはいかないので、この程度にさせていただければと思います。  谷川原委員 ただ、結局、いろいろな役割の分担を考える中で、薬種商販売をミニ薬 剤師のような位置づけにしても意味がないわけですよね。ですから、それはそのコンセ プトをはっきりさせないと、どういう資質が要求されるかによって試験問題が決まって くると思いますので、薬学教育は6年制になってかなりしっかりとした、ケミストリー をベースにして生体とのかかわりとか臨床能力もかなり教育される、そういうシステム ができる、片やそういう職種があるわけです。  それと医薬品販売に特化した資質というのはどういうことかと考えると、やはりミニ 薬剤師であってはいけないと思うのです。そこに特化された形でコンセプトを整理して、 それに見合うような試験問題にしていかないといけないのではないかと思います。  鎌田委員 私どもは販売業でございますので、そういう点で行政の方に一度話をした のですが。本来ならば、ただいまの委員さんの意見のように、これからの話でしたら、 すみ分けをきちんと区分していただきまして。もう1点は、一般販売業と薬種商販売業 が消費者から見た場合は見分けがつかないと。そこで売っているものが私どもと違うの は、指定薬を扱っているというだけなんですよね。ですから、指定薬がどうなるかは今 後の問題ですけれど、ただ、そういうものを一般販売業という業として販売するもので あれば、すべて平等に、消費者の求めに応じられる状態にしていただくことが一番いい んじゃないかなと考えております。  井村部会長 ありがとうございました。  薬剤師との違い等々について議論が出てきておりますので、この辺で望月委員からお 願いしたいと思います。  望月委員 その前にちょっと質問をさせていただきたいのですが、問題の内容につい ていろいろ御議論がありましたけれど、薬に関する基本的なところはかなり押さえられ ているのかなという感じがいたしましたが、これを受験するに当たって、勉強をある程 度していかないといけないと思うのですが、ここの受験資格の中には、高校卒業3年以 上の実務経験があるという人と、もう一方で、薬事に関する専門学校を卒業して実務経 験1年と。この内容をかなりシステマティックに学習して身につけておかないと、応用 はきかないでしょうし、役立つレベルまではいかないのかなというのもありまして、実 務経験とマッチさせていくのだと思いますが、基本的な知識を皆さんがどんな形で学ば れて、そしてこれを受験しているのかというところが、今から私は薬学教育の話をする ものですから……。  井村部会長 簡単にお願いします。  鎌田委員 愛知県の場合は、毎年、薬種商認定試験がありますので、連休明けの5月 から11月までの間に、ここに載っているような薬種商販売業の問題の基本ラインを押さ えた講義を、私どもでは薬大の先生方にお願いをしまして、1日4時間ぐらいで勉強を していただいております。  井村部会長 だから、こういう問題になるのだと思いますけれども(笑)。  鎌田委員 こういう問題ならば、こういうふうにしなければいけないかなとは思って いるんですけれど。  望月委員 1日4時間を何回やっていらっしゃるのでしょうか。1日だけやって終わ りですか。  鎌田委員 いえ、5月の中旬から、試験が12月ですので、11月の初旬までという形で、 土・日ですけれど。  望月委員 毎週、週2日ずつですか。  鎌田委員 そうです。仕事をお持ちですので厳しいんですけれど、そういうことにな っています。あとは自宅学習がメインです。  井村部会長 このことについて、特に追加の御質問はございますか。もしなければ、 こういう流れでございますので、この辺で薬剤師の教育をしているサイドの御意見とい たしまして、望月委員からお願いいたします。  望月委員 先ほど青井委員の方から、「薬剤師の資質については疑問である」という 厳しい御指摘を受けたのですけれど、お手元の私の名前の入っております横型の「医薬 品販売に係る専門家の資質について〜薬剤師教育の視点から〜」というものを使って、 今の薬剤師の教育が薬学部でどのように行われているか、将来に向かってどういう方向 で行くかというのをお話しさせていただきたいと思います。  右上に薬剤師の行い得る業務というものが書かれておりますが、1つ目は、医療従事 者としての働きとして、医療用医薬品の処方箋に基づいた調剤、あるいはそれの適正使 用のための情報提供。そして、そのために医薬品の情報を収集・管理して適切な情報提 供が行えるようにする。2つ目は、今話題になっております一般用医薬品の販売と情報 提供。3つ目は、いわゆる製薬企業で仕事をする人たち、医薬品の研究開発や医薬品の 製造にかかわる人たち。企業の場合は、製造管理者とか総括製造販売責任者については、 薬剤師であるという要件が求められております。  それから、厚生労働省や都道府県の薬務課などの薬務行政−−監視指導とか承認審査 にかかわる、こういったあたりが現在薬剤師が行っている主な業務になります。現在、 薬学部は4年制という形で教育していますが、平成18年4月の新入生からは6年制に移 行するという形になります。6年制になることで現在の教育で特に十分でないのが実務 実習や、医療系の科目にもう少し力点を置いた形の教育を今までにプラス2年して、出 していくという形になっています。  一番下に薬剤師教育において履修する科目というものを書いてございます。  基礎薬学といたしまして、有機化学等々をそこに書いてございますが、ここに関連す る科目というのは、薬を創製していくとき、あるいはでき上がったものの品質等を分析 して管理をしていくときなどに必要になる科目が中心になります。  それから、衛生薬学ですが、これは公衆衛生も含めた領域になるわけですけれど、こ こでは食品などについての教育も行われる形になっております。  それから、医療薬学ですが、ここが先ほど谷川原委員がおっしゃった一般用医薬品な どの販売においても重要な科目が入ってくるところになると思います。薬の作用、薬の 体内での動き、あるいは疾病と薬物治療の関係、そして情報の取り扱い、こういったも のをここで学ぶという形になります。  それから、薬を管理していくという立場になりますと、薬に関連する法規制度という のは十分理解しておく必要がありますから、そちらも履修していただくという形になっ ております。  こういう知識と実習も含めた形での技能も身につけた形で世の中に出ていったときに、 一般用医薬品の販売に必要な資質は、今、網かけになっている台形のところです。「一 般用医薬品の販売に直接、必要な資質」と書かせていただきましたが、薬学部で教えて いる中では、この必要な資質のところは、広い範囲の中のある一部ということになりま す。この「直接、必要な資質」というのは恐らく薬種商さんとも共通の部分が大きいか と思います。  この資質に対して、これからどういう形でそれぞれの専門家がリスク分類に基づいた 医薬品販売にかかわっていくかというところを考えますと、薬剤師という国家試験を通 った資格を持っている人たちというのが、これだけ広い範囲の知識と技能をなぜ持って いなければいけないか。もちろん、将来行う得る業務がさまざまな領域にわたっている こともあるのですが、例えば一般用医薬品の販売自体を考えたときに、すべてではない のですが、その方の持っている基礎的な疾病との関係、それからその方が今お使いの医 療用の医薬品との関係、そういったところを理解して、適切な情報提供をしていくため の資質ということになると、この網かけの外側の周辺の部分がかなりかかわってくると いうことになるのではないかと思っております。  青井委員のおっしゃるように、不満なところもおありになるというお話はお聞きはす るのですけれど、大学の薬学部側としては、かなり充実した教育を今現在は行いつつあ るという状況にあります。  井村部会長 ありがとうございました。来年の4月から始まります年限が延長された 薬剤師教育におきましては、今まで皆様方が何となくイメージとして抱いておられたよ うな薬学科の教育の内容とはかなり違ったものになってくる可能性がございます。ぜひ 一度、もしお時間がありましたら、薬学教育のモデル・コア・カリキュラムというもの をパラパラと見ていただければありがたいなと思っております。  望月委員、ありがとうございました。  児玉委員 私は、きょうは、資質の問題で、薬種商の問題、配置販売業、そう思って 来たわけであります。ただ、もし薬局・薬剤師の資質の問題という議論であれば、これ は後日、きょうの議論を踏まえた流れの中で、今度はそのリスク分類がもう少し明確に なってくるでしょうし、それに対する、ではだれがという人の問題、これはきょうは薬 種商と配置販売業ですね。そして、今度はそれをどこでと。そういう議論を今後詰めて いくわけですね。その詰めていく中で、では、薬剤師あるいは薬局の役割、そういった 業態として、その辺でもう少し整理してきちっと私どもの方から申し上げたいと思いま すので、よろしくお願いします。  井村部会長 わかりました。  ほかにいかがでしょうか。  高橋委員 望月先生にお尋ねしたいのですが、今後生まれてくる薬剤師の先生方の果 たすべき役割というのは非常に重要なので、この資料をちゃんと理解したいと思うので すが、この奥行きと高さというのは何でしょうか。  望月委員 実は余り意味がなく(笑)、表現が悪くて申しわけないのですが、薬剤師 が学ぶことの範囲はとても広くて、その中で、一般用医薬品の販売自体に直接、最低限 必要な資質というものが比較的一部であるということを示したくて書いたものですから、 余り意味はないと思います。  高橋委員 確かにそのとおりだと思うのですけれど、要するに、医師でも同じでござ いますが、将来必要とされる業務に100%過不足ない教育を4年なり6年の間に施すと いうのは不可能でございますよね。それで、この議論の場合に、学校で学んだことのど の部分かは別として、それを活用していただく。そういう図であるというふうにとって よろしいわけでございますね。  望月委員 はい、そういう意味です。結局、周辺があるからその部分が生きてくる という、そういう意味になると思います。  井村部会長 それでよろしゅうございますか。  高橋委員 非常によく理解できました。私は小児科医ですけれども、解剖から始まっ てすべての勉強をせざるを得なかったわけですし、将来開業して耳鼻科の先生になられ る方も、研修時代はこういった勉強を広い範囲でされて、だからこそある専門の領域に 特化して、十分な実力を発揮することができると思いますので、これはまさにこのとお りだと思います。  谷川原委員 議論として、私も考えてきたことと今の議論の内容が違っているような 気がするのですが、今、薬剤師の資質の問題を議論するのではなくて、薬剤師は、薬事 関係ですべての領域をカバーするのですが、一般販売業の中の一般用医薬品の販売があ る程度限られた役割を担うのは、このうちどこまでダウンステージングできるかと、そ ういうことの議論ですよね。むしろ販売員としての資質というのを……。  もっと簡単に言えば、医薬品はすべて薬剤師が売るというふうにすれば一番簡単なの ですけれど、それは現実には無理だということになった場合に、では、どこまで絞り込 んで販売に必要な資質というものをきちんと整理するかというのが、きょうの論点だと 思っていたのですけれど。  井村部会長 きょうだけで終わる論点とは思えないのですけれど(笑)。リスクの分 類が片方で進んでおりますので、それが上がってきたときに、それはもう少し詳細な議 論をする必要が出てくるだろうと思います。  増山委員 消費者側から見ると、もちろんわかりやすいということも大事だと思うの ですけれど、同じ薬であれば、どこの業態の店から買っても同じような説明が受けられ る、同じ質の情報提供があるということが担保されることがすごく大事だと思います。  それで、ちょっとお伺いしたいのは、先ほど、薬剤師さんと薬種商さんはある程度す み分けをしていくのかなという意見もあったかと思いますが、私は想像すると、薬局は 薬剤師さんが中心になってという理解でいいのかなと思うのですが、薬種商さんに、例 えば先ほど試験問題のことで、もうちょっと一般用医薬品に特化した試験問題が必要で はないかといった話がありましたが、例えば、配置薬さんに対しても薬種商と同じ質の ものを求めるということでいいのでしょうか。そこはいかがでしょうか。  井村部会長 それはむしろ皆様方にお考えを伺いたいわけでございますが、流れとし ては、場合によってはその違いというのをむしろなくして、同じ資質を考えるという、 そういうこともあり得るだろうと思います。  それで、どこでも同じ質の説明なり対応があるようにというお言葉でございますけれ ども……。  増山委員 同じ薬品であればということです。  井村部会長 同じ薬品であればですね。けれども、それはかなり無理というか、例え ば、今、望月委員がお使いになりました図ですが、この網かけの部分がどのくらいの大 きさかというのは議論の余地は残るわけでございますけれど、こういう格好になるとす ると、それは差がついてくるのは仕方がないなという気はいたしますね。現実の問題と しては。けれど、最低限の安全性を確保するための説明というのは行われるようにと、 そういうことで考えた方がいいのではないかという気はいたしますけれど。  小出薬事企画官 事務局から、資料をつくった立場から補足いたしますが、今まさに 部会長がおっしゃいましたように、現在でも薬剤師さんと薬種商さんが一般販売業の中 でも並立しているわけですけれど、ここの場で考えていかなければいけないのは、増山 委員がおっしゃるどこでも同じ情報という、それが最低基準としてどういうものが必要 なのかという問題をまず議論して、それで、より資質が高い人がより付加価値の高い情 報提供ができれば、それはそこですぐれているわけですから、競争条件がよくなると。  ですから、ここでまず議論していただくべきことは、消費者の目から見て、最低限ど この店でも同じ情報が得られるためにどういう資質が必要なのか、そう考えていくので はないかということでこの資料をつくりましたので、補足させていただきました。  増山委員 もし資質の違いが情報提供の違いになっていくということであれば、例え ば、扱える医薬品の範囲というのも、それに見合ったものを考えるという考え方でよろ しいでしょうか。  井村部会長 そういうこともあるので、今、専門委員会の方で分類をしているという ことですね。それと、この間から増山委員が言っていらっしゃるように、リスク分類が はっきりしてこないと、こちらもはっきりとした資質についての分け方はできないなと、 そういうことなのだろうと思いますけれど。  増山委員 今、一般販売業の中においては、薬剤師さんが扱えるものと薬種商さんが 扱えるもの、あるいは配置薬さんが扱えるものというのは、それほど差がないと思うの です。33品目しか違わないのですけれども、その部分の違いだけを見るのか、あるいは 今までにない、もう少し段階をつけて見るということも視野に入れて考えてもいいので しょうか。  井村部会長 その辺については、皆様方の御意見をむしろ伺いたいのですが、今の流 れとしては、そういうふうに流れているのではないかなという気はいたしますけれど。  生田課長補佐 今のお話の中でちょっとコメントさせていただきますが、薬種につい ては、薬剤師さんと違うのは指定医薬品の部分だというのが現行制度なのですけれど、 薬種と配置については、今、何品目ということは具体的に言えませんけれど、そこの部 分についてはもう少し差があって、その部分が現在の資質確認の部分においても差があ るというところに反映をされているのだと理解をしております。  井村部会長 増山委員、よろしゅうございますか。  増山委員 はい。  児玉委員 この部会でずっと議論してきたことと関係があるのですが、消費者の立場 に立った場合、消費者アンケートをされましたよね、あの結果でもわかるように、結局、 薬局・一般販売業、薬種商販売業、店舗としてはそうありますね。特例販売業もありま すけれど、それは別にしまして。その区別が結局つかない。みんな同じように、言葉と しては「薬屋さん」と。ですから、何をどう相談して、こういうときはどこへ行ってき ちんと相談して、どうすればというのがわからない。そこにいる専門家の位置づけも、 その形もよくわからない。こういう御批判があったと思うのです。  それを今回、この部会を通してきちんとしようじゃないかと。そうすることによって、 消費者の立場に立った場合、こういうことをきちんと相談したいなというときはここへ 行けばいい、こういう程度の場合はここへ行けばいいと、そういう選択がきちんとでき る。そういうことを明確にしようじゃないかというのがここの部会の話であったはずで すので、その中での最低限度の伝えるべきこと、それを消費者がもう少し要求する場合 は、例えば薬局へ行ってきちっと相談しようと。そういうことになると、当然、扱うべ く品目−−これはリスクによるでしょうけれど、そういったことも明確にすると。その ための議論であり、そのための結論を今後つけていこうとしていると、私はそう解釈し ています。  増山委員 先ほどの続きにもなるのですが、私自身は、今こうやって医薬品販売が必 ずしも適正な売られ方をしていないのではないかという発端になっている部分の中には、 販売形態とか資質とか資格の中に整合性が余りとれていないという部分が大きいのでは ないかと思うのです。ですから、これは医薬品のリスク区分にも絡んでくるので、今は 最終的にこうあるべきだということを言い切ることはできないのですが、ただ、私は消 費者としての立場からいって、わかりやすい制度にしてほしいということと、きちんと 整合性が保てる、例えば同じものを扱えるのであれば、ある程度は同じようなハードル を課してほしいということです。  松本部会長代理 今の御議論とも関係あるのですが、この台形の図でいうところの色 のついた「一般用医薬品の販売に直接、必要な資質」という、ここが横割りに共通であ っていいのではないかという御指摘で、現在の4年生教育における薬剤師教育でここが 十分やられているかどうかは私はよくわかりませんけれども、今後、6年制になれば、 この部分もかなり充実してくるのだろうということで、青井委員のおっしゃったような、 薬剤師というだけではだめじゃないですかというのをクリアできるような教育をやって いただけるのだろうと。  その上で、薬剤師であれば、その周りの白い部分の資質が十分あることから、例えば、 一方的な情報提供ではなくて、質問を受けた場合に、より根本的なところにさかのぼっ て説明ができるという、奥行きのある知識から対応できるというプラスは当然あると思 うのですが、一般消費者にとって基礎化学などに戻って説明されても余り意味がないの だとすれば、そこまではあっても宝の持ち腐れであって、危険を回避するためにここは 重要であるとか、そういう部分をいかに適切に説明してわかってもらえるか、あるいは 患者さんから聞き取って分析するかという技能が必要なので、そうすると、薬剤師でな ければやれない、この周りの白い知識まで全部ないとやれないというわけでは多分ない のだろうなという気がいたしまして、そういう観点から、販売にかかわる部分としての 適正使用・安全使用についてどこまでの黒枠部分、直接必要な資質としてどこまで広げ たカバーをすべきなのかということではないかなという気がいたします。  井村部会長 大分何となく回りくどかったんですけれど(笑)、望月委員、何かあり ますか。  望月委員 先ほどの私の説明が余り上手ではなくて、うまく伝わっていなかったかも しれないのですが、私も、この網かけの部分というのは、先ほどの説明でも、かなり薬 種商さんと共通の部分、直接必要な最低限の資質という意味では、共通の部分になるの かなと思っております。  周辺の知識で、確かに先生がおっしゃるように、基礎薬学が直接どこまで必要なのだ ろうかというのはあると思うのですが、先ほどはどうしても薬をつくる方を中心にお話 をしてしまいましたけれど、ここの領域の括弧の中に生薬学とか生理学とかが入ってお りまして、少なくとも生薬に関しては一般用医薬品の中にもう配合はされているものは たくさんあったりするわけです。  それから、一般用医薬品のすべてがこれだけの台形の知識を必要というふうには私も 思っておりませんで、これから分類がどのようになるかによりますが、そこの考え方と のすり合わせも必要なのですが、例えば、薬剤師の資格を持っている人たちというのは、 医療用医薬品にも明るいわけですね。知識は十分ある。  ですけれども、薬種商さんの試験問題を見ていますと、一般用医薬品に特化された形 になっているということで、例えば、一つの例として事務局がお示ししてくださってい るリスクの分類のモデルのようなものの中に、一番上のものがスイッチOTCと呼ばれ るもので、医療から一般用にスイッチされてきた。とすると、医薬品そのものの性質を 十分理解しているかどうかというのは、その医療用も十分理解できているかということ がかなり影響してくるだろうと思います。  そうすると、そこのところは薬剤師の資格を持った人が最初はかかわるべきかもしれ ないとか、あるいは、今の一般用医薬品の添付文書の書きぶりもこれから考えていかな ければいけないものだと思うのですが、その中で基礎疾患を持っていらっしゃる患者さ ん−−心臓病ですとか腎臓病ですとか、その患者さんの病態のレベルに応じて使ってい いかどうかの判断をしていかなければならない部分とか、副作用の重篤なものが出たと きの判断の部分で、医師・薬剤師に相談することになっている部分がございます。  それの整理も必要だとは思うのですが、どうしても病態の判断とかで薬剤師が疾病と 薬物治療をきちんと勉強しているという背景をもって適切な情報提供をさせていただく ことができるという部分もあるだろうと思います。すべての一般用医薬品がその範囲に 入るわけでは私はないと思いますので、これからの専門委員会の分類が、きょう御説明 させていただいた薬剤師がこういう資質を持っていますよという視点も加味した上で、 どういう専門家にかかわってほしいのかというのも頭の中に置きながら分類をしていっ ていただけると、整合性がとれていくのかなと思います。  児玉委員 いろいろ話が出ていますけれど、松本先生のお話ですが、もう少しわかり やすく、店頭を想定した場合、薬剤師というのは、先ほどからお話がありましたように、 薬学の中で基礎的な有機合成等々を学ぶわけですね。その中で、私が申し上げたいのは、 一般用医薬品といいますけれど、もとは化合物ですから、その化合物の合成を通じて、 あるいは動物実験を通じて、化合物というものの副作用、あるいはどういう生物活性が あって、それがどのような副作用を起こして、それが使用法を誤ればどんなに怖いかと いうことを徹底的に実習を通じて勉強しているんですね。  ですから、何を言いたいかというと、一般用医薬品を見たときに、私たちは商品名よ りも成分名を見るくせがついていますので、成分名を見ながらそういうことを考えて、 そういうことの副作用を考える。そういう観点・視点が違うんです。でも、それは安全 性を担保して供給するためには大事なことなんです。この成分ならば、単品ならば大丈 夫だけれど、複合剤だったら危ないぞとか、この量がふえれば危ないぞとか、そういう 基本的なことを徹底的に学んでいますから、そういう意味では、この網かけのない部分 というのは非常に大事なんですね。そういうことを少しわかっていただきたいなという 気がします。  井村部会長 望月委員も、その網かけの部分の周りが重要だということはおっしゃっ ておられましたので。  児玉委員 そうです。一つの例です。  井村部会長 ほかにいかがでしょうか。  谷川原委員 特に相談のところだと思います。資質というのは、実践的な知識が豊富 という点と、体系的な知識を有しているかということがあると思います。ですから、研 修をして講習を受けて試験を受けたら実践的知識はあるかもしれませんが、薬学教育6 年間の中で、薬学という学問の系統を学んで体系的知識を身につけているということは、 その表に出た部分はそんなに違わないかもしれませんが、水面下の部分のバックグラウ ンドにかなり違いがある。  そうすると、相談を受けたときに、例えばFAQのようなもので答えられるものだっ たら、知識があればちゃんと答えられますけれど、そういうものがない場合に、例えば 病態との関係とか、飲み合わせとか、特段情報がない場合に、そういったある機序やメ カニズムに基づいて判断するということもありますので、明らかにそういう系統的な知 識を持っている人による相談というのは、クオリティが高いはずだと思います。  井村部会長 それはもちろんそうだと、皆さんそう思っていらっしゃると思いますけ れど。  三村委員 前の議論ですが、薬剤師の方は明確にわかるような形にしていただきたい とか、そういうのが一番最初のところでございましたので、まずは消費者にとって、販 売員というあるディメンジョンにかかわるある専門的知識を持った方の必要性というこ とについて、私はこれでいいと思います。ただ、先ほどから何度も御意見がありました ように、例えば望月先生からもお話がありましたが、私も、例えばアレルギー体質を持 っているときにいいのかどうかとか、そういう相談ができる相手なのかできない相手な のかという混乱を消費者に店頭で起こさせてはいけないということですので、こういう 専門の資質ということに関しましても、それが明らかに消費者に混乱を起こさせないと いう形を出していただきたい。  もう一つは、例えば、配置販売業の御提案の中に専門的なきちんとした支援とか問い 合わせをおやりになるということで、きちんとした工夫されるということにおいていい と思うのです。ただ、そのときに、専門性の程度というものをもう少しきちんと提示し ていただければ、余り混乱が起こらないのではないか。少し深刻な話でしたら、近くの お医者さんと提携していますとか、いろいろな工夫があると思いますので、そういう整 理があった方がもう少しわかりやすいし、消費者も混乱を起こさないと思います。  井村部会長 ありがとうございました。ただいまの御意見は、そういう専門家の資質 をどのように確保するか、確認するかということと絡んでくるのだろうと思います。  この論点2につきましては非常に重要な点でございますから、予定の時間よりも20分 も超過して議論をさせていただいたのでございますが、皆様方の御意見はまとまりはし ませんけれども、先ほどの論点1の議論は大体コンセンサスが得られていて、それにつ いて論点2の方では、少なくとも薬種商と配置業の方々のやっていらっしゃる資質の確 保のための御努力というのは承りましたので、それについていろいろと御意見がござい ましたが、それはまた後ほど、そこに戻って議論するチャンスも専門委員会の方から出 てきたデータでまたあると思いますので、論点2につきましてはこのぐらいにさせてい ただいて、論点3に移らせていただいてよろしゅうございますか。  それでは、論点3でございますが、論点3は資質確認の具体的方法で、今、私がチラ ッと言いましたことですけれど、これにつきましては、そこに書いてあるような、どう いう確認の方法をとっているのかということでございます。これについては今お二人か ら御説明がありましたので、これについてももうかなり議論をしたような内容になって いますね。  それでは、一番上の○は確認の方法でございます。特に「試験による確認が必要であ るか、または講習受講のみでよいか」といった文言がございますが、この辺については いかがでございましょうか。今ここでちょっと皆様方に御意見を伺っておきたいなと思 いますが。  とにかく、資質を確認する必要があることはもう異論のないところだろうと思います。 その確認の方法でございますが、一定の仕組みを設けた方がいいか−−つまり、例えば、 薬剤師のような国家資格を持っている場合は別でございますが、そうでない薬種商の場 合と配置業の場合の資質の確認の方法というのは、一つにまとめた方がいいのか、それ とも別々にやるべきなのかということも含めて、御意見をいただきたいと思います。  高橋委員 先ほどから、管理業務に関する資質と実際の販売業務に関する資質という のを分けて考えるべきだというお話がありましたが、薬種商あるいは配置販売業の資質 というのは、例えば店を持って商売をするための資質であって、実際にそこで対面販売 をされている方は、高校を卒業して向こう3年間ぐらい実務経験を積んでいこうと、そ して土・日には講習会を受けて勉強しようと、そういう方が結局販売に携われているの が実態ですよね。  今ここで議論する資格試験を設けるかどうかというのは、そういう方を対象にしてい るわけではないのでしょうか。  井村部会長 ここでは、販売に携わる人の資質ということに絞りたいのですが。  小出薬事企画官 資料のつくり方で御説明いたします。ここのところでは、先ほどの 絵でいえば開設者的な人なのか従事者的なのかという御質問だったと思いますが、我々 がイメージしていますのは、ここは従事者的なところのイメージでございます。  それで、別途、論点5のところで、専門家のもとで専門性のない人が行っていいよう な場合−−リスク分類にもよりますけれど、一定の場合あるとしたら、そこは専門家と の関係でどう考えるかということは立てておりますが、今申しました論点5の話はあく まで補足的なことで、ここで原則的に考えるべきは、消費者に一義的に接するべき従事 者、この方々の専門性というところを見ていく議論でございます。  井村部会長 事務局からも同じような説明がありましたが、とにかく消費者に接して 説明をする人の資質というようにとっていただきたいと思います。  田島委員 やはり医薬品というものはほかの商品とは違います。そういう意味で、こ ういう方々の資質というものを確認する手段とすれば、私は、試験が妥当であると考え ますが。結論だけ申し上げます。  谷川原委員 私も試験が妥当であると考えます。それに追加いたしまして、今、各都 道府県レベルで行われているようですが、何か全体的なガイダンスとかガイドラインが あった上で、個々に都道府県が試験をされるというふうにした方がよろしいのではない かと思います。  井村部会長 ありがとうございます。試験が妥当であるという御意見が続きましたが、 よろしゅうございますか。  谷川原委員 それから、別の点ですが、先ほどの議論ですけれど、今、薬種商さんと 配置販売業さんの間で取り扱う品目を同じにするならば、両者はやはり試験は共通でよ ろしいと思いますし、結局、問題は、後ろのA・B・C・Dと分けた、Bランク、Cラ ンクというのを一緒にするのか、それともB、Cで区別するのかということともまたか かわってくるとは思うのですが、私の経験でも、実際に私の家にも配置販売業さんに来 ていただいているのですけれど、「薬局で売っているあの薬はありませんか」と言うと、 「それは扱えない」とか、せっかくそういうふうに訪問しているのに、いろいろ規制が あったりして不便なんですね。  ですから、販売者の資質を一本化して、扱う品目を一本化した方が、消費者としては 便利じゃないかなとは思います。しかし、その資質はやはり担保しなければいけません から、やはり試験が必要だと思います。  芦野委員 事務局に確認をさせていただきたいのですが、先ほど、ここで資質を問う ているのは販売に従事する方の資質の問題として議論いただきたいという話でございま したけれど、例えば、薬種商販売業などですと店舗での販売になるわけですが、配置販 売業の場合には、配置先の一般家庭で、資質を有する配置販売業の方が従事する場合も ありますが、圧倒的に配置員の方がその相談なり情報提供なりに応ずる形になろうかと 思います。  現在、配置員については、薬事法では何の実務経験も問われていない。どなたでもな れるという状況にあるのですが、この配置員についても、今この議論の中で対象になっ ているのかどうか、そこだけ教えていただきたい。  井村部会長 はい。事務局、お願いします。  小出薬事企画官 ここも結論はまさにここの場で議論されるべきことでございますが、 この資料をつくりました立場から言いますと、おっしゃるとおり、配置員の方について も、消費者と接するという観点から、一定の専門的資質が必要なのではないかと。それ で、今お話がありましたが、扱う品目が仮に現在の薬種商さんと同じようにということ であれば、それは同じような資質が実際に家庭を回る方にも必要なのではないかと、そ ういう問題意識、背景のもとで資料をつくっております。  井村部会長 よろしゅうございますか。  芦野委員 はい。  松本部会長代理 むしろ経営形態の方の話になるかもしれませんが、薬種と配置とを 情報提供という点で同じレベルの資質を要求するのだということになりますと、販売形 態としての配置は、いわば家庭訪販なのですが、薬を置いておいて、何カ月後かに行っ て、お使いになった分だけ払ってもらうという、後払い形式というのが業態の定義の中 に入り込んでいるような感じがいたします。  これは恐らく歴史的なものだからそうなのでしょうけれど、通常の訪問販売としての 売り切り制度といいましょうか、前払いでもないですけれど、普通に店舗で売っている ものを家庭訪販でお売りするという形態が排除されなければならないという必然性はな くなってくるのであって、店舗における一般販売と家庭訪販あるいはそれ以外の訪販タ イプにおける販売形態であって、代金の徴収方法はそれぞれの業者がそれぞれビジネス の問題として考えればいいというふうになってくるのではないかなと。もし業態等まで 考えるであればですね。  井村部会長 事務局、どうぞ。  小出薬事企画官 ここも将来構想はここで議論されるべきことですけれど、現行、配 置というものは薬事法上ありまして、明確な定義は法令上は出ておりませんが、通知上 で示しておりまして、これはまさに安田委員の方がお詳しいのですけれど、江戸時代か ら伝統を持ってやっていて、当然過去には訪問販売形態もどきのものもあった中で、い ろいろな理由で社会的に受け入れられてきた結果が、現在の配置販売業であるという認 識を持っております。  過去、訪問販売自体の問題点というのも、薬に限らず社会全体にあったわけですが、 また医薬品の販売の場面でも訪問販売の問題点というのもあって、その辺を配置と比較 しながら比べていくべき点で、今回の議論とは少し横の議論かなと、そんなふうに感じ ております。  松本部会長代理 いわゆる訪問販売の持っている弊害というのが確かにございますか ら、それをなくすという点で、こういう配置薬という後払い形式は、無理な押しつけ販 売をしないというメリットはありますから、それは十分私も認識しておりますが、ただ、 店舗販売と家庭販売というふうに分けますと、特定のタイプでないとだめだという必然 性は必ずしもなくて、本当にその弊害か大きいということであれば、特別な規制はあり 得るというぐらいかなと思います。  井村部会長 そのとおりですね。そう思ってよろしいのではないかと思います。  ほかに御意見はございますか。  宗像委員 先ほども私が話した部分で、今、松本先生のお話の件ですが、医薬品の管 理の部分と、開設あるいは取り扱い、そして訪問販売で各家庭に届けたときに一定の資 質を有した者が行ってやれば排除するものというのは、なかなか難しくなるんじゃない かと思います。ただ、そこでは金銭の授受の部分で債権債務の部分が移行するのか、こ ちらにまだあるのかという違いであります。ですから、そこが訪問販売と配置薬が債権 債務の問題だけではなくて、制度的にしっかり区分けできるようなことというのは、で きるのでしょうか。  井村部会長 事務局、お願いします。  小出薬事企画官 ここはまた次回以降の中で御議論いただきたいと思っていますが、 現行の配置制度を検証いたしまして、その中で、宗像委員がおっしゃったような、将来 に向かって区分けする論理があるのかどうか、そういう御議論になろうかと思っており ます。  井村部会長 それでよろしゅうございますでしょうか。  宗像委員 はい。  井村部会長 ほかに御意見や御質問はございますか。  2番目の○に実務経験の評価という項目がありますが、これは当然あるのだろうと思 いますけれど、これは実務経験が、例えばもし試験をするとすれば、試験を受ける資格 の方に入ってくるかなという気がいたしますし、当然これはかかわってくるだろうと思 いますが、皆様、それでよろしゅうございますでしょうか。  宗像委員 この実務経験ですけれど、今までの薬種商さんあるいは配置薬さんでも実 務経験何年と書いてありますね。しかし、実務経験という定義ですけれど、例えばアル バイトで来てレジ打ちを8年やったといったら、これは実務経験になるのかどうか。い や、それはならないよということであれば、では、どういう仕事に携わっていればなる のかという問題があります。そこで仮に情報提供だということになります。では、情報 提供は制度上できないよということになれば、論理的矛盾を起こすと思うのです。です から、その辺の部分が現状と今後の考え方をしっかりしていただかないと、形としては 実務経験といわれましても、実務経験とはみなせられなくなってしまうということにな ります。  井村部会長 ごもっともな御意見だと思います。私もその辺はちょっと危惧を感じて おりましたので。これにつきましては、これから先、どのようにこの2つの業態を、例 えば一緒にレベルをそろえるのか、そうとすれば、扱える品目もそろえなければならな いしというようなことも含めて、今後そういうことについては考えていくことだろうと 思います。今のままでは、確かに実務経験といったときに、実務経験が積めるのかとい う心配が出てきてしまいますので。  鎌田委員、そうですよね。  鎌田委員 今御質問がありましたけれど、私どもの実務経験というのは、行政との話 し合いの中でできているのですが、パートやバイトさんは一応認められていない。正社 員、それも事務系は認められていない。例えば大きな小売店に勤めていても、小売店頭 に立って実際に接客しているよという証明を出してくださいということでありますので。 基本的にはそういう形であります。  井村部会長 済みません、証明を出すのはだれが出すのですか。  鎌田委員 証明は、第1番目は、大体どこでもそのお店のありますところの支部があ りますから、そこの支部長さん、もしくは地区の薬剤師会長の証明をもらいます。第2 番目は、それを添えまして、今度は県薬の会長、あるいは県の薬種商協会の会長と、業 態によって、薬剤師さんがいる店の場合は最終的には県薬の薬剤師会長が証明する、薬 種商の場合は薬種商協会長が証明すると、こういうことで成り立っております。  井村部会長 わかりました。ありがとうございました。余りはっきりしないとは思い ますけれど。  谷川原委員 まだよく理解できないんですけれど。今はそれでよろしいんですけれど、 その試験を通らないと販売できないという資質要件ができたときに、単独の接客行為が できないとなると、どうやって実務経験を積むのですか。例えば、有資格者の指導のも とで必ず行うとか、そういうことでうまく整理しないといけないんじゃないですか。  井村部会長 おっしゃるとおりですね。これはまた後刻議論をすることにいたしまし て。それでよろしゅうございますか。今ここでそういう制度のことまで詰めていくわけ にはいかないので。  松本部会長代理 もう一度配置の話に戻らせていただきますが、品目について、店舗 販売の場合と配置の場合とで同じようにするかどうかという論点なのですが、店舗で買 う場合は、普通は何らかの症状が出て必要になって買いに行くのだとしますと、そこで 説明を受けて注意をされて、そして服用するということですから、割と情報が残ってい る状況で服用するということになります。ところが、配置の場合は定期的に来られると いうことですと、現在、症状が出て必要な段階で運よく来られるケースはむしろ少なく て、将来に備えた常備薬的なものとしてあらかじめ置いておくという形になるわけで、 その時点で一定の説明を受けたとしても、記憶は余り残らないかもしれないし、知りた いことはむしろ将来症状が出てからかもしれないと。  そういう点を考えますと、いわゆる常備薬的なものとして、リスクが低くて、一般の 人が使いなれているものは、配置形態で販売してもそれほど間違った服用の仕方はない だろうと思われるのですが、そうでないタイプの一般用医薬品について、特に今はニー ズはないけれど置いておくというのが、果たしてふさわしい販売形態なのかどうかとい うところは、少し御議論していただく必要があるかもしれない。それがあるいはリスク 分類の差に応じた違いということになるのかもしれないのですけれど。  谷川原委員 私も、先ほど統合する方が便利と申し上げたのですが、やはりもう一つ 同時に申し上げたリスク分類のBとCをどう扱うかというところにも絡んでくると思い ます。  もう一つ追加したいことは、前回の議論でも話題になりましたけれど、一般用医薬品 の添付文書を充実すべきでありまして、配置の場合は特に、開封してしまうと意に沿わ なくても払わなければいけませんから、添付文書は外に出しておいていただく方がよろ しいかなと思います。  井村部会長 具体的な販売方法については確かにいろいろと問題があるわけでござい ますが、きょうはそこまでは議論ができないと。ただ、問題があるという認識は皆様お 持ちいただくということで、いかがでしょうか。  もう一つは、3つ目の○ですが、身分法を特別に定める必要というのは、委員の皆様 方、お考えになりますでしょうか。  宗像委員 この件に関しましては、医師・薬剤師は医療従事者でありまして、そうい う意味では、彼らの持つ特権もあるでしょうけれど、逆にいうと非常に厳しい制約や義 務を課せられております。ただ、一般用医薬品の販売については、基本的にはメーカー が添付文書の説明をしっかりすべきだという前回のお話もありましたが、添付文書から 成分、そして許認可、あるいは自己責任も含めてでありますので、基本的には販売業に 関する部分については、例えば、ほかにも都道府県の認定を受ける消防関係の者である とか、防火責任者であるとか、衛生管理であるとか、それと同じように、一定の情報や 資質をきちっと保った者がそこに携わり、そして販売業務に当たると、そういう意味に おいては、これは身分法というレベルのものにはならなくていいのではないかと私は思 っております。  井村部会長 ありがとうございます。  時間も大分たちましたので、乱暴な聞き方をいたしますが、身分法を定めるべきだと お考えになる方はいらっしゃいますか。  神田委員 その身分法というのがどういうものかわからないわけです。というのは、 私たちは、一定試験をして共通の資質を身につけましょうという話になってきていると 思うのですが、そういう場合には、県レベルでばらばらではなくて、全国で統一したも のというふうになった場合には、そこにはやはり共通性があるわけですから、消費者か らすると、そういう方がどの人なのかということを知りたいと。その知るために何か名 称をつくることが身分法を設けなければできないのかどうかということがちょっとわか らないものですから、今の質問にはお答えできないなと思います。  井村部会長 事務局からちょっと説明していただけますか。  小出薬事企画官 ここで書きましたように、医師法・薬剤師法というと、ここは名称 をつくってということだけ書きましたけれど、そもそも職種の責任とか責務とか業務内 容、そういったものを細かく書いていって、まさに幅広い能力として持っているという ことを認定していく、資格として考えるというのが、ここでいう身分法で、これは法律 の世界でございますけれど、そういうものでございます。  それで、今、神田委員がおっしゃいました点はまた若干別の観点で、そういう一定の 資質を持った人が外からどう見えるか、あるいは消費者からわかりやすいかどうかとい うことですから、これは身分法にするかどうかとは別の問題で、仮に現行体系である薬 事法の中にそういう規定を置いたとしても、そこは工夫の余地は幾らでもあると考えて おります。これは技術的な観点ですけれど、お答えいたします。  松本部会長代理 僕らの世界では、職能法とか職能とかという言い方をすることが多 いのですが、弁護士などは明らかに職なわけで、医師と同じレベルですね。けれど、例 えば、今いろいろな業法の中に「何々主任」なんていう名前の資格制度が続々生まれて います。例えば不動産業者の場合は、「宅地建物取引主任」という試験に通った人を各 店舗に置いて、顧客に対して直接説明させなければならないという規定があります。こ れは資格といえば資格なのですけれど、弁護士とかといった資格とは全然レベルの違う ものであって、資質を認定するとここでいわれているものに近いのではないかと思いま す。  あるいは、最近だと、貸金業法の中に「貸金業務取扱主任」という制度が置かれたの ですが、これはまだ試験制度にはなっていなくて、一定の研修を受けて何らか確認され ればいいのだという、試験制度にはまだなっていないややあいまいなものではあるので すが、そういう形で各店舗にそういう試験を通った人を配置して対応させなさいという 動きがいろいろふえてきていますから、今回、医薬品販売業者の中にそういう資質のあ ることが確認された人を必ず配置して説明させなければなりませんよという制度を入れ るとすれば、そういうほかの業法の流れともかなり一致しているのではないかと思いま す。  井村部会長 ありがとうございました。神田委員、大体よろしゅうございますか。  神田委員 はい。  高橋委員 今のことに関連しますが、薬種商というのはどちらに入るのですか。  井村部会長 どちらですか。  小出薬事企画官 少なくとも職能法ではありません。それで、今、松本委員がおっし ゃった後段かと明確には言えないのですけれど、少なくとも医師法・薬剤師法のような 職能法ではありません。  田島委員 要するに、これはいわゆる国家試験が必要か、それとも都道府県でいいの かというような分け方でよろしいのでしょうか。考え方は。  小出薬事企画官 資料をつくった立場から言いますと、ここはそういうことではなく て、一定の医師法・薬剤師法のような別の法律をつくって決めるべきなのか、あるいは、 薬事法の中でこういう人を置かなければいけないと。どちらがいいでしょうかというの が、ここの質問の立て方でございます。  それで、今御指摘のありました仮に試験をやる場合に国がやるのか都道府県がやるの かというのは、これはいわば技術的な部分ではないかと。もちろん考え方としては、あ る程度の統一性というのは大前提とした上でですけれど。ですので、ここで御議論いた だくことまでは想定していませんでした。  田島委員 わかりました。私は、後段の方がよろしいと思います(笑)。  井村部会長 ありがとうございました。  それでは、大体御意見は同じようなところに収れんしてきているような気がいたしま す。  まず、この一定の資質を確認する方法としては、試験が課せられるべきだろうという 御意見がほとんどだったような気がいたします。  実務経験については、実務経験というものの定義に問題があるので、これはこれから 先も考えていきましょうということでございます。  それから、身分法を特に定める必要はないという御意見の方が多いだろうと思います ので、それはそれでよろしいかと思います。  このようにまとめさせていただいて、よろしゅうございますか。  ありがとうございました。  その次に、どういうふうにするにいたしましても、円滑な移行措置が必要であるかな という気はいたしまして、特に例えば薬種商は開設者に対する免許ではなくて、実際に 販売する人たちの資質を証明するものであるというふうに移行するにしましたらば、こ こに書いてありますように、ある程度の期間、移行措置が必要かということでございま して、これは何か変えるとすれば当然必要になってくると思ってよろしゅうございます ね。  それでは、そうさせていただきます。  谷川原委員 済みません、もう一つ確認させていただきたいのですが、その資質の問 題は、今、薬種商と配置販売業が議論になっていますけれど、一般販売業の中で、薬剤 師でなくて販売に従事する者も同じ要件を要求するということで、よろしいですね。  井村部会長 そのようになってくるのではないかと私は思っているのですけれど。  谷川原委員 そうでないと、例外になってしまいますから、薬剤師が常時配置ですけ れど、薬剤師でない販売員の方も当然いらっしゃるわけで、その方も薬種商さんたちと 同じレベルの共通の基準を要求すると。  井村部会長 当然そういうことになるかなと思いますけれど、望月委員、首をひねっ ていらっしゃいますが、どうぞ。  望月委員 多分その次の2の関与の在り方についてというところの話に、今の谷川原 先生の話はかかわってくるのだろうと思いますので……。  井村部会長 そのとおりですね。  望月委員 そちらで御議論いただいてもいいのかなと思っています。  宗像委員 特に論点4のところでスムーズに話が進んだのですけれど、既得権やその 移行というのは当然必要だろうと思います。ただ、今、薬種商さんというのは個人資格 ではなくて、基本的には、それだけの資質を持っている方が自分で開業するというとき に店舗に与えられるものなんですね。ですから、これは資質と店舗というものが一対に なっておりますけれど、配置薬の部分の配置員について、このままこれとイコールでス トンと乗っかってしまうというのは問題だろうと思います。ですから、移行するにして も、これについては別問題として考えていただきたいと思います。  井村部会長 移行措置が必要だと言っただけで、その中身については議論はしていな いわけですので。  それでは、先に進ませていただきます。今の谷川原委員の御発言に対しては、望月委 員がおっしゃったように、論点5のところで考えさせていただくことで、よろしゅうご ざいますか。論点5は、情報提供に当たって、ある程度リスクが低いものについては、 その程度に応じて専門家の関与のもとで従業員が行って差し支えないということをもし 考えるとしたら、そこにどんな条件が必要かと、そういうことです。  谷川原委員 済みません、文言の意味がよくわからないんですけれど、「従業員」と いうのは、先ほどまで議論されている資質が認定された販売員とは別なのですか。  井村部会長 いえ、それは専門家なんですよね。ですから、専門家でない販売をする 人ですね。  谷川原委員 今までの議論では、リスクに応じてある資質を認定した専門家が医薬品 を販売すべきであると。そして、必要ないのは医薬部外品の方へ移行されるでしょうか ら、ということであったのではないでしょうか。  井村部会長 いえ、医薬部外品の方に移行するかどうかは別として……。  谷川原委員 それとは別にしまして、少なくとも医薬品は専門家が販売に直接タッチ するということであったのではないでしょうか。専門家でない人も販売できるというル ートを残すわけですか。  井村部会長 そうではなくて、専門家の関与が直ちに得られるような条件下であれば、 それ以外の人が行ってもいいかどうかと、そういう議論でございます。  宗像委員 このリスクの部分、この下にありますA・B・C、Dはもちろん今のとこ ろのものではだれでも売れるわけでありますが、そしてAについてはちょっと除きます けれど、特にB・Cについてですけれど、いずれにしても、現実の店舗の中では、例え ば袋詰めをする、レジ打ちをする、これも広い意味での販売行為の中の一部の行為であ りますので。  情報提供についてどうするのかというもの、それから、自分で買って、前回の論議で もあったように、「これは私は前回も買っていますから、説明はいいですよ」とされた もので、情報提供の求めがなければと、そういう部分については、専門家の関与の下で 情報が求められるときには専門家にスイッチしてあげられるような、そういう役割の従 業員はあってもいいだろうと私は思っております。  望月委員 私も宗像委員の意見とほぼ同じです。以前にパターン1とか2とか3を示 していただいていたと思いますが、これは多分第17回のときの資料になると思いますけ れど、パターンを3つに分けるのが御意見としては多かったと思いますが、このときに、 口頭説明プラス文書という形と、口頭説明、そして3つ目が積極的にはしないけれど聞 かれたらするという、そういう形の場合で、リスクの高いものを除いていますので、パ ターン3ぐらいのレベルが中心になると思うのですけれど、その場合に当たって専門家 が常置されていて、常に質問があったときに声をかけられれば対応できるという形をと ってあれば、実際に売るときの人が専門家でなくても、私は可能なのではないかと考え ています。  井村部会長 論点5の一番上の○は「消費者への情報提供」と書いてありますので、 専門家の関与があれば、専門家でない人が情報提供することができるかと、そういう意 味で事務局は書いているんですよね。  望月委員 そうですか。じゃあ、私は誤解していたと思います。情報提供そのものは 専門家がするというふうにここでは議論がずっとされてきたと思いますから、提供その ものは専門家でないと私はまずいと思います。  井村部会長 宗像委員も、その辺はそれと同じですね。  宗像委員 はい。  小出薬事企画官 ここの資料をつくった意味は、前回の御議論の中でも、情報提供の 中身というのもリスクに応じて内容が変わってくるだろうという御議論があったと思い ます。それで、非常にきめ細かい説明が必要なものから、比較的そうではない、イメー ジ的に一声お声をすればいいようなもの−−松本委員から御発言があったと思いますが、 リスクに応じてそういうものがあって、今申しました意味で、比較的定型的で簡単な情 報提供については、こういう考え方もあり得るのではないかと。  実際の今の薬品販売の現状を見ますと、宗像委員がおっしゃったようなケースも多々 ございますので、そういうことをごく定型的に簡単な情報提供まですべて専門家が行わ なければいけないのかどうか、そこを御議論いただきたいと思いまして、この資料を御 用意させていただきました。  松本部会長代理 前回も言ったことの繰り返しになりますが、「情報提供を必ずしな ければならないもの」、「した方がいいけれど、しなくてもいいもの」、「積極的には しなくていいけれど、説明を求められれば必ずしなければならないもの」と、こういう 3つに分けた場合に、特に真ん中の「した方がいいけれど、しなくてもいいもの」につ いては、非専門家であっても定型的な注意喚起などはできるわけですから、例えば「こ ういう症状が出た場合はすぐにお医者さんのところへ相談に行ってくださいね」とか、 そういうことを言えるわけですから、「した方がいいけれど、しなくてもいい」部分、 そして「積極的にしなくてもいいもの」の部分については、非専門家が販売に従事する というのは、法律上はおかしなことではないということに多分なって、ただ、お客様か らいろいろ相談を受けた場合には、やはり専門家が対応すべきであるということになる と思います。  「必ず説明しなければならないもの」については、恐らく考え方が分かれるのだろう と思います。それはやはり専門家が必ず説明しなければならないのだとみるか、その中 でも、定型的に説明する部分については非専門家でもいいので、より深い質問が入れば 専門家にスイッチすればいいのだと考えるか、そこは分かれていいと思います。  井村部会長 今の松本委員の御発言について、何か御意見はございますか。  安田委員 消費者への情報提供は、消費者に個別に対面することができる体制を整え ることが大切であると考えます。また、リスクの程度にかかわらず、専門家が直接みず から知る範囲に基づきまして、的確に誠実に対応する必要があるかと考えております。  神田委員 情報提供は、リスクの高いものを除いてということですから、その範囲で 言いますと、例えば情報提供を受けたいときに、必ず専門家から受けなければいけない となりますと、買う側からすると、その利便性という意味では、少し損なわれてしまう のかなという気がいたしますので、相談は別で、相談はやはり専門家と私も思いますが、 情報提供につきましては、しかもそのリスクが低いという形で分類されてきたものにつ きましては、例えば「添付文書はとっておきましょうね」とか、「用法・用量はちゃん と守りましょうね」という範囲でしたら、私はしてもいいのではないかと思います。  井村部会長 望月委員、何かありますか。  望月委員 私はこの文章を誤解をしている部分もかなりあって、今、皆さんの御議論 を聞いていてだんだん理解してきたような状態なのですが、諸外国でも、リスクの低い ものの場合の販売に当たっては、専門家でない販売員さんが、「添付文書を読んでくだ さいね」程度の説明をしながら売っているケースはございますので、そのリスクの程度 が比較的低い場合に、そういう説明で十分済む場合というのは、そういった形も可能で はないかと思います。  ただし、常に消費者から相談はある可能性はいつも存在するわけですから、医薬品を 取り扱って販売していく店舗には、必ず専門家は配置されていなければいけない、それ は常置されていなければいけないと思います。  増山委員 論点5については、1つ目の○も2つ目の○もそうなのですが、リスク分 類が幾つになるかでもかなり違ってくるので、ここでは何となく方向だけ確認して、最 終的にはリスク区分を見て、こういうものだったらここに該当すると考えられるとか、 例えば極端に言うとリスク区分が2つになってしまって、中くらいのリスクのものとハ イリスクのものが同じカテゴリーに入った場合の対応で要求されるものとは、ちょっと 違ってくると思うのです。ですから、そこはいろいろなものがある程度加味できる状況 になってからということでいいと思いますが、いかがでしょうか。  井村部会長 わかりました。それは私には大変助け船なのですけれど(笑)。  児玉委員 先ほど望月委員が言われましたように、これは前々回のときに、文書と口 頭、積極的に口頭、そして必要に応じた口頭説明、という、3つの販売方法がありまし たね。私は、あれがやはり基本になっていると思います。それと、今後のリスク分類と がくっついて、議論が煮詰まるのかなと。  したがって、きょうの時点では、今、増山委員がおっしゃったように、イメージとし て、この文章を読む限りは、確かにリスクの程度によって、必ずしも専門家が直接でな い部分もあるのかなと。ただし、この「関与のもと」という言葉が微妙なのですが、私 は前に申し上げたように、専門家が必ずその横にいてすぐに相談に応じられる体制とい うのが条件ですけれど、そういう条件のもとに専門家でない者が対応することもあって もいいと思うわけです。その辺の基本の考え方は、やはりリスク分類とリンクしている と考えていいと思います。  それから、2つ目の○と関係があって、先ほどお話があったように、いざ相談を受け るときはやはり専門家が直接対応すべきであって、これは前回でしょうか、それは努力 規定ではなくて、むしろそれは義務規定にしてもいいというぐらいの覚悟で専門家は対 応すべきだと思います。  芦野委員 私も、消費者への情報提供については専門家の関与のもとで従業員が行う というのは十分あっていい話だと思いますが、先ほども配置員のことについてお伺いし たのですが、薬種商の場合、例えば資質を有する人が1人いて、その人のもとで資質を 問わない従業員の方が販売に当たるというのは、あり得る話だと思いますが、配置の場 合、「専門家の関与のもとで従業員が」といった場合の配置員は、「専門家」の方で読 むのか、それとも「従業員」の方で読むのか。仮に配置員も、先ほど事務局がお答えさ れたように、資質を問う対象にするのだとした場合、薬種商販売業の場合には資質を有 する人が1人いれば商売ができるわけですけれど、配置販売業の場合は配置員全員がそ の資質を有さなければいけない、試験に合格しなければいけないという事態が生ずるの ではないかと、その辺をちょっと懸念するのですが、いかがでしょうか。  小出薬事企画官 まず、配置につきましては、先ほどもお話ししましたように、消費 者に直に接する配置員の方が専門家なのかなということで資料はつくっております。そ うすると、今おっしゃったように、薬種は1人でいいじゃないかということなのですが、 これも店の規模によると思います。ですから、お1人で対応する場合は当然それですし、 よくわかりませんけれど、レジ打ちの人とアシスタントの人の2人ぐらいいてというこ とであれば、これはまさに「専門家の関与のもとで」ということになると思いますし、 これが極端にいえば1人の専門家のもとで50人いたとすると、それが専門家の管理のも とで行えるのかどうかという論点になってきて、ちょっと違うのかなと。  そういう問題の立て方で考えております。  井村部会長 それから、先ほどの議論で、薬種商の場合も、店舗の開設者に与えられ ている免許ではなくて、今後、実際に販売に従事する人の資質ということで考えていく のはどうだろうかと、そういう議論になってきておりますので。ですから、必ずしも1 人だけではないということになると思います。それでよろしゅうございますか。  芦野委員 はい。  鎌田委員 1点確認させていただきますけれど、薬種商販売業と配置販売業が仮に一 本化という今後の制度の問題で話し合われると私どもは解釈していますから、きょうの 段階ではそういうシステムでやっていくということではなくて、その制度とかいろいろ な面では今後話し合っていくということで、よろしいでしょうか。  井村部会長 そのようにさせていただきたいと思います。  小出薬事企画官 ここもまさにこの部会と今後法案化していく我々行政との関係の問 題ですけれど、ここの部会では、大きな方向性を御議論いただいて、そのもとで、もち ろん部会での議論の範囲内でですけれど、必要な法律化の作業は事務局の方でさせてい ただく、こういう役割分担だと考えております。  井村部会長 それでよろしゅうございますか。  鎌田委員 はい。  望月委員 1つ前の御意見に対する事務局からのお答えの中で、どのくらいの従業員 を1人の専門家が監督していくのかということもおありになりましたし、店舗の面積の 問題もあるかと思います。専門家の配置の数的なものと、そういった関係の整理という のも、法律をつくっていく上では御検討いただく範囲になるのでしょうか。  井村部会長 なりますよね。  小出薬事企画官 はい。  井村部会長 なるということでございます。  増山委員 先ほど、情報提供で、例えば注意喚起するとか、そういう一方的に伝える という情報であれば、それは相談ではないので、非専門家がいる中でやってもいいので はないかというか、情報提供なのか相談なのかで区別すればいいのではないかというよ うなことがちょっとあったかと思うのですが、ただ、実際どこまでが情報提供で、どこ までが相談かというのはすごく難しい面もあるので、専門家がどう関与するかというこ とを考える場合は、Aランクの、例えば一番リスクの高いものは、情報提供であろうと 相談であろうと専門家がいるという、そういう考え方の方がいいかなと思います。  井村部会長 恐らく当然そういうふうになってくるだろうと皆様お考えになっている と思います。  谷川原委員 私もその情報提供というところで少し混乱したのですが、ここでいう情 報提供というのは、個別化したといいますか、それに対応する情報提供であって、単に 定型的に「外箱に書いてあることを読んでください」という程度は、情報提供という言 葉を使わない方が、もう少しすっきりするんじゃないかと思うのですけれど。  松本部会長代理 恐らく議論が振り出しに戻ってしまって、本当は今おっしゃったこ とはすごく重要なことだと思いますが、それをやると恐らく10回前に戻るんじゃないか と思います。つまり、何を説明すべきなのかというところで、薬というのは本質的に危 険なものだから、カウンセリング販売のようなもの以外はだめなのだという、一番厳し い理念で対応するのか、そうではなくて、基本的には一般用医薬品について添付文書で きちんと説明してあるはずなのだけれど、それは読まれない、したがって、その中の非 常に重要なエッセンス部分について別途口頭で注意喚起をする、これが販売業者から積 極的に一方通行として行う情報提供であって、その中には、「特にこういう状態になっ たらすぐに相談してくださいね」というのがすごく重要ではないかという御指摘があっ たと思います。  これだと割と定型的な形になるわけで、一定の人であれば、そのとおりの説明はでき るのではないかと思います。文書で重要なところだけ赤線を引いて「読んでください ね」とか、それぐらいはできると思うのですが、そうではなくて、その人の現在の症状 に応じて、あるいは既往症に応じて相談して、これがいいか悪いかを判断してというの は、これは相当の専門家で、やはり薬剤師でなければ本当はできないかもしれないわけ で、どういう医薬品についてそこまで求めるのか、そうでないのかという話になるので はないかなと。  谷川原委員 済みません、議論を戻すつもりはないのですが、結局、A・B・Cとい う分類が具体的に上がってこない段階ではどうしてもイメージがわかない。個別化とい うのは、個人に対する個別化と、医薬品そのものの個別化−−医薬品の特性に対するニ ーズということも含めての話でして、そうではなくて、レジを打つときに一言言うぐら いというのは、ちょっとよけて考えた方がいいんじゃないかということです。  松本部会長代理 あるいは、言いかえれば、顧客の側からいろいろ聞き取りをした上 でないと販売できないというタイプの一般用医薬品というジャンルをつくるのかという ことで、もしつくるのであれば、そこは相当の専門家がきちんと対応しないとだめであ ると。Aというのがそういうイメージでつくられているなら、そういうことになるだろ うと思いますが、そうでない、カウンセリングは要らないけれども、こういうお薬につ いては、例えば決まった質問はあらかじめした上で販売しなさいとか、決まった注意は 必ずしなさいというもの、それから、特に説明しなくても構わないですよというものが 出てくるということになるのかもしれない。カウンセリングをどれくらい位置づけるの かという話になると思います。  井村部会長 やはりもとに議論が戻りそうなので。今お話を伺っておりますと、これ から先、専門委員会がしている作業がもうちょっと進んで明らかになってきて、本当に リスク分類がどんな格好で出てくるかがある程度はっきりいたしますと、今のような議 論が確定したイメージを持って進められるだろうと思いますので、そこでまた議論をさ せていただくということで、いかがでございましょうか。  それで、今ここでは少なくとも消費者の相談に乗るのは専門家だと、そういう理解は それでよろしゅうございますよね。  では、それはそういうふうにさせていただきます。  それから、従業員が行う云々につきましては、やはりリスク分類のイメージが少しは っきりしてきたところでもう一回考えさせていただくということで、いかがでしょう。  望月委員 先生の御指摘されたとおりなのですけれど、1つ目の○のところで押さえ ておきたいのが、相談だけではなくて、情報提供についても、リスクの程度の高さによ っては専門家が直接関与しなければいけないということは、確認させていただきたいと 思います。  井村部会長 はい。それは皆様よろしいですよね。  望月委員、それでよろしゅうございますか。  望月委員 はい。  井村部会長 ありがとうございました。  ほかに何か御意見はございますでしょうか。  もしなければ、きょうは、完全にこうなりましたというようにはまとまらないのです が、皆様方の議論がほぼ出尽くしてきて、あとはリスク分類の結果待ちというところも かなりあるようでございます。この次も部会が予定されておりますので、きょうの皆様 方の御意見をまた事務局の方でまとめていただいて、さらに議論すべき点を整理してい ただいて、論点として提出していただくことにさせていただきますが、それでよろしゅ うございますか。  ありがとうございました。  それでは、本日の審議はここまでということで、次回の検討項目に関する資料という のは、いつものように事前に配付させていただくように事務局にお願いいたします。  第20回の記念すべき部会につきましては、10月31日・月曜日、15時からということで よろしいですね。それでは、御予定をよろしくお願いいたします。  それでは、これをもちまして本日の部会を閉じさせていただきます。長時間、どうも ありがとうございました。                                    −了−                   (照会先)                  厚生労働省医薬食品局総務課                  TEL:03-5253-1111(代表)                  担当:生田(2725)、目黒(2710)、石井(2713) - 36 - - 35 -