05/09/22 医薬品のリスクの程度の評価と情報提供の内容等に関する専門委員会の第9回 議事録 厚生科学審議会医薬品販売制度改正検討部会    第9回 医薬品のリスクの程度の評価と情報提供の内容等に関する専門委員会 日時:  平成17年9月22日(木)15:00-17:00 場所:  東海大学校友会館「阿蘇の間」 出席者: 安部 好弘 委員  井村 伸正 委員      荻原 幸夫 委員  高橋 孝雄 委員      埜中 征哉 委員  林  正弘 委員      松本 恒雄 委員 議題:  1.相対的リスク評価の検討について      2.その他 埜中委員長  定刻となりましたので、第9回 厚生科学審議会 医薬品販売制度改正検討部会 医 薬品のリスクの程度の評価と情報提供の内容等に関する専門委員会を始めたいと思いま す。  本日は、先生方におかれまして、お忙しい中お集まりいただきましてありがとうござ います。まだお見えになっていない先生もいらっしゃいますが、始めたいと思います。  議事に入ります前に、事務局の交代について紹介をお願いします。 川原審査管理課長  それでは事務局の異動につきまして御報告させていただきます。  8月26日付を持ちまして、少し遅れておりますが総務課長に北村課長それから安全対 策課長に中垣課長がそれぞれ着任いたしております。以上でございます。 埜中委員長  ありがとうございました。続きまして、本日の委員の出欠状況について事務局よりお 願いいたします。 事務局  それでは、本日の出欠状況でございます。本日は、現時点で委員の先生方、10名のう ち5名の御出席をいただいております。本専門委員会につきましては定足数等ございま せんので、会議は成立ということでございます。  井村委員、荻原委員からは遅れてご出席という連絡が入っております。また、本日は オブザーバーといたしまして、販売部会から増山委員、安田委員がすでに御参加いただ いております。それ以外に児玉委員、鎌田委員から、遅れてご出席という御連絡をいた だいております。以上でございます。 埜中委員長  ありがとうございました。それでは事務局から配付資料の確認をお願いいたします。 事務局  それでは資料を確認させていただきます。お手元にお配りしております本日の資料で ございますが、まず1枚目に議事次第がございます。その次に座席表です。資料が1番 から4番までございます。  資料1といたしまして、委員名簿。  資料2−1といたしまして、第17回販売部会における資料についてというものでござ います。  資料2−2といたしまして、第17回販売部会における意見について。  資料3といたしまして、販売部会よりの検討等の依頼事項。  資料4といたしまして、今後の医薬品のリスクの程度の評価と情報提供の内容等に関 する専門委員会の進め方(案)でございます。  本日の資料は以上ですが、落丁などございましたら事務局までお知らせください。 埜中委員長  皆さんよろしゅうございますか。それでは本日の議事に入りたいと思います。事務局 から資料に沿って御説明をお願いいたします。  今日はどちらかといいますと、前回の専門委員会から時間が空いておりますので、お さらい的なことと部会の御意向を伺うということを中心に進めたいと思います。では、 よろしくお願いします。 事務局  それでは資料2−1を御覧いただきまして、販売部会の資料を中心に御説明させてい ただきたいと思います。専門委員会は2月に開催して以来の開催ということになってお りますが、その間に販売部会は、第11回から17回まで開催しております。  先週、第17回の部会が開催されました。こちらにお配りしております資料が、その部 会の時、資料として配付させていただいたものになります。資料2−1の4枚目になり ますが、販売部会の[資料2]といたしまして、部会の第11回から15回までの部会におけ る意見のとりまとめということで、その間に部会で出ました意見についてまとめたもの でございます。専門委員会に関するものを中心に御紹介いたします。  最初に、医薬品の販売に必要な情報提供等ということで、情報提供の内容についてい ただいた御意見がこちらにございます。  <リスクの区分に応じた販売内容>ということで、一般用医薬品は多様であり、リス クの程度に幅があることから、その販売においては、リスクの程度に応じて、情報提供 の内容・手法や売り方を考えていくべきである。リスクの区分に基づき、実行可能性を 考慮しながら、消費者に情報提供を積極的に行なうべきものとそれほどでもないものと の区分を行なうべきであり、販売に際しての情報提供の内容に濃淡があってもよい。こ れは当初から出ていた意見でございます。  それから<購入前の情報提供>です。一般用医薬品の販売においては、対面での販売 が基本となるものであり、消費者に対して、その購入前に、過不足なく必要な情報を提 供することが最も重要である。という御意見をいただいております。  <提供される情報の内容>としまして、提供される情報が多すぎることは、重要さが 薄れる可能性があり、販売において時間がかかることにもつながるおそれがあるため、 必要最小限の情報を明らかにし、専門家の関与の下、個別の状況に応じて提供内容に配 慮するべきである。  次のページに移りまして<必要な情報…禁忌、重篤な副作用、受診勧奨>などについ てですが、医薬品の購入の際に必要な情報としては、用法・用量などの薬の飲み方の 他、禁忌や副作用等の情報があり、重篤な副作用が起こった場合や、一定回数服用して も病状がよくならないかあるいは病状が悪化した際に必ず診察を受けることも、消費者 に伝えるべきである。との御意見をいただいております。  <事後的な相談>ということもございます。販売店においては、販売時の情報提供に 加え、販売後の消費者からの相談にきちんと応じることも必要不可欠である。販売時に 消費者に対して販売担当者の氏名や連絡先を渡し、事後的な相談対応の途を確保するこ とが必要である。  <添付文書の内容の伝達>ということで、添付文書には「医師または薬剤師に相談す ること」との記載があり、添付文書の範囲内においても受診勧奨は必要な情報提供とし て位置付けられている。また、このような受診勧奨を含め、添付文書の内容を分かりや すく実効的に伝えることが重要である。との御意見をいただいております。  それから情報提供の方法といたしまして、<専門家による情報提供の必要性>という ことで、一般用医薬品についての情報は、あらかじめ消費者が接することができるよう にしておくのが望ましいが、購入時には薬剤師などの専門家による情報提供や相談が必 要である。外箱、添付文書等に基づき消費者がある程度見通しを持った上で、購入時に 専門家に相談してアドバイスを受けられるようにするのがよい。  <文書による情報提供>といたしまして、消費者への情報提供の方法については、確 実性を期すべく、口頭に加え必要に応じて文書等を用いて行うことが適当である。ま た、この際の文書については、添付文書との違いをどこに求めるのか等に留意する必要 がある。  <説明書き>としまして、医療用医薬品の処方を受ける際に渡される、写真付きの説 明書きはわかりやすい。一般用医薬品のうちリスクの大きいものを販売する際に、こう いった説明書き活用できるのではないか。という御意見をいただいております。  以下は、販売の方に主に関係する話ですので、ざっと項目だけ御紹介させていただけ ればと思います。  情報提供のための環境づくりということで、<わかりやすい表現>、<リスクの目安 の表示>、<外箱表示のあり方>、<購入前の添付文書閲覧>、<専門家の識別>など について環境づくりが必要であるという御意見をいただいております。  販売の方法等についてです。この専門委員会に特に関係するものとしては、最初の< 相談窓口の設置>の次に<陳列>がございます。医薬品の陳列については、リスクの違 う医薬品や医薬部外品、他の一般の商品等とは分けて置くべきである。といった御意見 も部会の方ではいただいております。  その他、<消費者自身による確認>、<大量購入の防止>、<消費者の個人情報>に 関する注意などについても御意見をいただいております。  医薬品販売に従事する者の資質・責任などにつきましては、これから部会でも議論が 進むところですが、これまでにいただいている御意見としまして、<開設者と販売従事 者の区別>、<販売従事者の資質のあり方>、<専門的な知識>、<販売従事者の関 与、対応内容の明確化>、<販売行為の制度化>、先ほどもでましたが<個人情報の保 護>、<資質の維持確保>、<薬剤師の資質>、<販売に携わる者の資質>、<販売の 責任>といった御意見をいただいております。  消費者への周知等ということで、<消費者に対する普及啓発>ですとか、<義務教育 での普及>、内容としまして<薬害の普及啓発>、<副作用情報の伝達>などについて の御意見をいただいております。  情報通信技術の活用ということで、そういった情報通信技術の<活用の仕方>、対面 販売に対して情報通信技術を活用することによる<代替の可否>、<活用できる場面> といった御意見をいただいております。  その他、<店舗の管理>、<情報提供の対価>、<インターネット販売やカタログ販 売、個人輸入>、それから<特例販売業>の取り扱いなどについて御意見をいただいて いるところでございます。  そのまま、その次の資料に移らせていただければと思います。部会の[資料3-1]、 「販売時における対応」のパターンについてでございます。こちらは本日お配りしてお ります専門委員会の資料2−2の1枚紙と合わせて御覧いただければと思います。  資料2−2は、部会の資料[3-1]、[3-2]を踏まえて、部会でいただいた御意見を未定 稿ですがまとめたものでございます。  部会の[資料3-1]についてです。まずこちらでは「販売時における対応」のパターン についてということで事務局から幾つか案をお示ししております。  「リスクの程度の評価」と「販売時における対応」の関係ということです。リスクの 程度の評価(リスク分類)については、専門委員会において検討されているけれども、 そもそもリスク分類を行う理由は、「販売時における対応」について区分して考えるた めのものであり、この「販売時における対応」のあり方は、部会での審議事項となって おります。この「リスク分類」と「販売時における対応」については、どちらか一方を 先に確定させることは困難であり、両者のバランスをみながら検討を進め、最終的にそ の組み合わせを決めていくべき問題であろうと考えております。  こうしたことから、部会としては、販売時にいかなる対応があり得るかのイメージを 示すことにより、専門委員会におけるリスク分類の検討の目安としてもらうこととして はどうか、ということで先週御議論をいただいたところでございます。  事務局の方からお示ししたパターンとしまして、幾つかある要素の中でこちらでは3 つお示ししております。1つが、【対応者】についてでございます。話の始まりとして 専門家が対応しなければならないのか、または専門家でなくてもよいのかというところ からパターンをお示ししております。  次のページに移ります。次の要素として【説明の有無】です。(相談等がない場合に あっても、積極的に)販売側から説明を行う必要があるか、またはそこまでの必要はな いかという要素です。  次の項目要素として【文書の有無】です。販売時に説明を行う際に、必要事項を記載 した説明文書を配布する必要があるか、またはないかというあたりがパターンの要素と して考えられるであろうとお示ししております。  以上の要素を考慮した場合に、下の方の四角の囲いに示してある4つのパターンが考 えられるのではないかということでお示ししたところでございます。こちらでは、非専 門家による口頭説明なり文書を使った説明というのは「ない」という前提で専門家が対 応した場合に、(積極的な)口頭説明がない場合。それから口頭説明をする場合。文書 を使って口頭説明をする場合。非専門家が対応する場合といった4つのパターンをとり あえずお示ししております。こういったところで御意見をいただきました。  そこで本日配付しております資料2−2を御覧ください。[資料3-1]の3ページのも う1枚後ろに、販売方法とリスク分類の対応イメージという(参考)がございます。そ ちらも合わせて御覧いただければと思います。  「販売時における対応」のパターンについて、部会でいただいた御意見は、「販売時 における対応」のパターンについては、どのような医薬品が該当するのかイメージがな いと議論が難しいが、リスク分類の作業と同時並行的に進めていくしかないのではない かという御意見をいただいております。  ただ、その中でいろいろ御意見をいただきまいたが、販売方法とリスク分類の対応イ メージについて、(参考)の〔A案〕、〔B案〕が考えられるのではないか。〔C案〕 については、非専門家が対応するパターン4が含まれていますので、医薬品としてこの パターンはないのではないかという御意見をいただいております。  続きまして部会の[資料3-2]に移らせていただきます。前の方は、専門委員会から部 会にお示しした「相対的リスクの評価方法について」の、評価方法の考え方についてで ございます。専門委員会で作成し、部会にお示ししてすでに了承いただいているもの で、5ページ目まででございます。  先日の部会で新たにお示ししたものとして、5ページの次についておりますリスク分 類(イメージ図)がございます。こちらは事務局で作成したものですが、「相対的リス クの評価方法について」に従ってABCなり、PQの評価を成分ごとに行います。それ の結果が出た後にリスク分類で、リスクの高い・低いをどのように示すかということ で、イメージ図でこういった形が考えられるのではないかという案をお示ししたところ でございます。例としてABCの評価を中心にAAの数、Aの数ということでざっとリ スクの高い・低いを並べてみて、各成分がこちらの表に入るというイメージをお示しし ているところでございます。  最終的にリスク評価の結果をどういった形でお示しするかについては、専門委員会の 方で御議論いただければと思っております。  次のページに「医薬品のリスクの程度と情報提供の内容等に関する専門委員会」への 検討等を依頼する事項についてということで、部会で提示された(案)をお示ししてお ります。部会で了承されたものを本日、資料3の1枚紙でお配りしております。部会か ら専門委員会に作業が下りてきたものでございます。  1として、すでに整理されたワークシートの情報に基づき、製品群ごとの相対的なリ スク評価の検討結果について、部会における審議状況に合わせて提示願いたい。  もう一つ専門委員会に依頼がございました事項の2として、上記1のリスク評価を行 った表について、本日の部会の議論を踏まえ、販売時の対応パターンに応じ、どこで分 類の線を引くのが適当であるか、専門的な見地から意見を部会における審議状況に合わ せて提示願いたい。という事項がございます。  こちらは販売時の対応パターンの方でも御説明しましたが、対応パターンの例として 口頭説明なり文書配布がいるか・いらないかといったあたりの分類の線が、リスクで並 べたときにどこに線が引かれるのかについて専門委員会の方から(案)という形で御提 示いただきたいというのが部会からの依頼事項でございます。  その時に出た御意見について、再度資料2−2の下の方で御説明します。[資料3-2] の評価方法についてのところでいただいた御意見としまして、専門委員会への検討を依 頼する事項について(案)としてお配りしていたものについて御了承いただいたという ことでございます。  それから誤使用や適量投与の評価がイメージ図の中に反映されていない。先ほどの横 の紙のイメージ図の中ではABCだけでしたが、PとかQといったものが反映されてい なかったということでPPの取り扱いについては、専門委員会で引き続き検討するとい う御意見をいただいております。  あくまで先ほどのものはイメージ図としてお示ししているものであり、リスク評価に おいて「AAが2つ」と「Aが3つ」といった場合に、どちらが高リスクになるかとい ったリスクの程度についてはまだ専門委員会の方で議論がされていない。こちらも引き 続き専門委員会で御議論いただければといった御意見をいただいております。資料の説 明については以上です。よろしくお願いします。 埜中委員長  ありがとうございました。今、事務局から説明がございましたことにつきまして委員 より御質問、御意見ございましたらお寄せください。部会の方から資料2−2にありま すような意見が来ていて、我々専門委員会としてはワークシートによるリスク評価を提 出する時期にきているということだと思います。  質問ですが、販売方法とリスク分類の対応イメージ(参考)について、〔A案〕、 〔B案〕、〔C案〕となっていますが、大体部会としては〔B案〕を採るということで しょうか。そうでないと、委員会の方からどこに当てはめるのか難しいところがあると 思います。 小出薬事企画官  事務局から申し上げます。部会の方ではA案、B案、C案と3つ議論されました。概 要にもございましたように、C案はやはり不適当ではないかというのがおおよその方向 だと思います。ただし、〔A案〕と〔B案〕につきましては、幾つか御意見がありまし た。まだ、私どもの理解としては両方生きている。すなわち〔A案〕で言えばパターン 1とパターン3の組み合わせの2通り、〔B案〕であれば3通りということです。この 2通りないし3通りについて分類の仕方について、専門委員会の方で御議論、御検討い ただければというのが部会での方向であったと私どもは理解しております。部会の代理 の松本先生もいらしていますので、御指摘いただきたいと思います。 松本委員  私の印象では〔B案〕の方が若干支持者が多かったような気がします。別にどちらで というのは決めておりません。リスク評価の専門委員会の作業と合わせないと、決めら れないのではというムードがかなりございました。逆にこちらの方も、部会で決めてく れないと動けないというのがあるのかもしれませんが、そのへん両方が一緒に動いて一 番適切な分類方法を考える必要があるかと思います。専門委員会としても2通り考えら れるとして、どちらがより適切な分類になるのかということも踏まえて分類基準をお考 えいただきたいと思います。難しい注文になったかもしれませんが、そういう感じで す。 埜中委員長  わかりました。実際に我々でリスク評価をしたのと、これに当てはめていってどちら がいいかという実際面でやってみると意外とそれはわかるかもしれません。  他にございますか。委員会としてはリスク分類(イメージ図)に、はまるような作業 がある程度進んでいるというか、事務局の方でお考えになっていらっしゃるわけです か。 小出薬事企画官  とりあえずこれまでのこちらの専門委員会の作業としましては、各成分について医療 用の医薬品の添付文書から情報を拾い上げて、ワークシートという形で整理したという ところまで進んでいたかと思います。今後は、評価方法についてすでに御了承いただい ておりますので、それにあわせた形でワークシートの情報にABC、PQのランク付け をしていくという作業になるかと思います。  このあたり、すでに作業手順としまして御了承いただいていますので、事務局の方で ある程度ワークシートからABC、PQに落とす作業は準備いたします。それについて さらに御意見をいただくという形で、専門委員会に資料を準備しようと考えておりま す。 埜中委員長  そうしますと原案はできていて、そこの不都合なところを指摘するような作業を提示 して、次回検討していただくという手順になりますか。 事務局  時間的なものもございますので、その不都合な点いわゆる個別調整の品目も含めて、 まず事務局側で案を提示させていただき全体一括で御審議をいただければと思っており ます。その際に、まだ準備作業が幾つか残っているかと思います。それにつきまして は、本日以降、各専門委員会の先生方に個別に当たらせていただきまして、御意見をち ょうだいするというやり方を取らせていただければと思っております。 埜中委員長  そうすると次回まで、一応原案はできて、たたき台はできているということですね。  部会の先生方で、専門委員会の進捗状況といった御意見がございましたらどうぞ。よ ろしゅうございますか。部会の先生方からの要望で委員会のデータを出すようにという ことですので、次回、専門委員会にはそれを提示して、この委員会で検討してリスク分 類(イメージ図)に当てはまるようなところまで行けそうだというところです。  リスク分類はAAとかAと基準を決めて、事務局で案を作っていただいています。し かし実際案が出てこないとなかなかイメージとしてわいてこないと思います。ですか ら、今日はあまり御意見をお持ちでないかもしれません。それでは資料3の説明をお願 いします。 事務局  資料3につきまして、先ほど少し御説明しましたが部会の方から専門委員会に作業が 依頼された事項ということで2つあります。  1つが、相対的なリスク評価の検討結果についてお示しする。もう1つが、それを踏 まえて、どこで分類の線を引くのかというあたりの話かと思います。1番は、すでにワ ークシートがある程度整理されておりますので、評価方法に従ってABC、PQの評価 を事務局でお示しするという先ほどの御説明の形かと思います。  2番が、どこで分類の線を引くのかといったことについて、専門的な見地から意見を 部会の方に提示願いたいという依頼が来ております。このあたりについて、まだ具体的 なものが出ていないところではありますが、評価方法の考え方をベースに何かしら今の 時点で御意見をいただければと思います。よろしくお願いいたします。 埜中委員長  事務局から御説明がありました線の引き方といったようなことで御意見がありますで しょうか。具体的なものが出てこないとご意見が出てこないかもしれませんが、御意見 ございますでしょうか。 事務局  具体的に申しますと、「相対的リスクの評価方法について」の中で、ベースになるの は、相互作用と重篤な副作用、対象患者のところです。適応禁忌とか慎重投与といった あたりがABC評価です。もう一つが使用方法です。過剰投与といった問題について、 PQで評価をするといったことが中心だったかと思います。  例えば相互作用のところであれば、併用禁忌をA、併用注意をB、なければC、さら に併用禁忌の中で特に注意すべきものはAAといった形になっております。先ほど対応 パターンの中でありましたような説明が必要か、否かといったところで、例えばこうい った相互作用についてあれば、どのあたりから必ず説明がいるかといったあたり、それ が相互作用以外に重篤な副作用ですとかほかの項目について、説明の要否の線引きがど のあたりに入るかといった御意見をいただければといったところでございます。 埜中委員長  わかりました。ただ、リスク分類(イメージ図)というのがでてきますが、個々の評 価について案が出てこない。イメージとしてわいてこないので御意見をお出しにくいか と思いますが、何か今までのところでございますでしょうか。  今、事務局で原案をつくっておりますが、原案のことについて何が問題になっている のかといった御質問がありましたらお寄せください。 高橋委員  質問です。対応イメージの(参考)の資料ですが、パターン1、2、3に分類されて います。このパターン1が、一番リスクの高いグループに対する対応となるわけです か。 埜中委員長  例えば〔B案〕のときですか。 高橋委員  B案とした場合です。要するに、口頭説明に文書配布を加える場合が最もハイリスク と思われる薬剤の対応方法であると。 事務局  部会の方では、このパターンをお示した一つの考え方ということでございます。 高橋委員  リスクに応じて、ちょうどいい量の情報を提供するという一つの目的があると思いま す。ということは、文書を配布するという目的は、口頭説明ではしきれない分を追加す るために何か情報を提供するのですか。文書配布とは具体的にどういった内容でしょう か。 小出薬事企画官  この文書の性格については、部会の方でもいろいろ議論がありました。主に説明を補 足するような意味、それからあるいは補足するのとは別にあった方がいいということ、 つまり、口頭と同時にやったらいいという意味です。それから記録性の意味、口で言わ れただけですとなかなか残らないため、持ち帰ってもらう必要があるのではないかとい った御意見が出ておりました。  そのへんが、恐らくリスクが高いということと重なるところはあると思いますが、場 合によっては、リスクはそれほどでなくても今言いました意味で説明をしておく事項が 多ければ文書を使った方がいいという場合もあると思いますので、傾向としては今答え たとおりでございます。若干個々のリスクをお話いただく中で、やはりリスクはそれほ どでないけれど文書を使った方がいいということもあれば御議論いただきたいという意 味で考えております。 高橋委員  そうしますと、必ずしもリスクの高い・低いということと、文書をお配りして説明す ることとは一致するわけではないということですね。 小出薬事企画官  必ずしもそうです。その傾向はあるのかなという気はしておりますが。 高橋委員  リスクの高いものほど提供すべき情報量も多くなるだろうし、整理して文書でお渡し した方がいいということですか。 小出薬事企画官  そのようなケースが多いとは思いますが、もう少し個々のものを御検討いただく必要 があるのではないかと思っております。 高橋委員  部会に参加していて質問するのは変な気もしますが、もう一つお聞きしたいことがあ ります。リスクが高い、特に他の薬物との相互作用とか体質にかかわる物の場合には、 説明するだけではなく情報を収集する必要がでてきます。妊娠の可能性とかです。そう いったことは、この対応の中に入らないのでしょうか。 小出薬事企画官  そのへんも当然、今後の話として対応方法で入ってきます。あるいは全体、これ以外 の要素もあると思いますが、ここのパターン分類はある程度簡略化していかないと議論 を効率的にできないので、代表的な専門家という切り口、口頭説明という切り口、文書 という切り口に限ったものでございます。今後、パターン1の中でもこういうバリエー ションがあるのではないか、あるいはパターン自体が1と2という切り方でなく、ほか の要素を入れて、同じ2分類でも切れ目が違うのではないかといった議論も今後、販売 方法という意味では部会の方で議論が行われていくと思います。  一方で、専門委員会のほうでは、個々の成分としての特性からこういった方がいいの ではないか、こういった方がいいというのは専門家、口頭説明、文書配布以外の切り口 も出てくるのではないか、といった御議論もありえるのだろうと思っています。 埜中委員長  ほかにございませんか。文書配布は写真があって簡単な方がいいといったこ意見が部 会の方で出ています。薬を買うときには添付文書がついていますが、それ以外に別に配 布文書は個々の薬で用意するわけですか、配布文書のイメージはどんなものでしょう か。 川原審査管理課長  部会での議論のときにはそういうイメージだったと思います。ただ、実際そういうも のを先ほど企画官からの説明がありましたが、実際にそういうものを準備するのかどう か、そういうものについて特に結論的なものに達しているという状態ではございませ ん。現時点では、先ほど部会での議論、情報提供の方法のところで、部会の[資料2]の 2ページ、情報提供の方法のところで<文書による情報提供>、それから<説明書き> といったところで、こういう議論があったという段階でございます。 増山部会委員  今の文書配布についてですが、ニュアンスとして添付文書が難しすぎるので、一般消 費者向けにもう少し簡単にかみ砕いた内容のものがあったほうが望ましいのではないか といった意見があったかと思います。 小出薬事企画官  実は来週、販売部会がございます。またこの後、資料をつくっていくことになりま す。次回のテーマがまさに、説明の情報提供のあり方ということです。口頭説明とした らどういった内容、あるいは文書はどう位置づけられるのか、そのへんを部会で御議論 いただければと考えております。その結果は、次回の専門委員会で御紹介できると思い ます。 埜中委員長  わかりました。 増山部会委員  この対応イメージのパターンについては、部会でも同じように質問させていただきま した。このイメージは、一応対面販売を基本、スタンダードとした上で、リスク分類を するということでよろしいのでしょうか。 小出薬事企画官  今の点につきましても、意見の取りまとめのときに対面販売を原則とするということ が出てきております。その流れでこれをつくっております。もう少し部会の方では詳細 な議論になっていくと思います。今、増山委員がおっしゃった方向だと理解しておりま す。 埜中委員長  増山委員の御意見は、販売方法とリスク分類の対応イメージの話ですね。 増山部会委員  そうです。 埜中委員長  これは、あくまでも対面販売をイメージしてつくった図ではないかという御質問です か。 増山部会委員  そうです。結局は、どういう販売方法を取るかよってリスクが変わってくるかと思う のです。だから何を前提にというか、どういう形態で販売するかということをイメージ してリスクを分類するのかという確認です。 埜中委員長  わかりました。ほかに御意見ございませんか。井村先生、今まで部会からの御意見を 入れて、部会で認めていただいた評価方法に従って事務局の方で案ができつつあるとい うことです。案を作成する際にいろいろと問題になった点については、各委員に事務局 の方から問い合わせて詰めているところです。次回の専門委員会には、リスク分類(イ メージ図)という形で出していきたいと考えています。 事務局  よろしいですか。先ほどのリスク分類のイメージ図のような形でお示しするのではな く、成分ごとにつくったワークシートの情報の部分がABCなりPQに置き換わったよ うなものの一覧をお示しすることとしております。 埜中委員長  そうですか。この中にはめてはいない。 事務局  はい、そういった形でお示しすることはまだです。まずABC、PQの評価を固めて からということでございます。 埜中委員長  一応、各成分についての評価がでてくるということです。 安部委員  この(参考)の〔A案〕、〔B案〕、〔C案〕ですが、よしあしという問題ではな く、今後リスク分類した成分を振り分ける時のイメージのためにお聞きしたいと思いま す。例えばB案ですと、C案はないということでAかBということで、販売時の対応と いうのは(専門家が対応)と定義づけられています。その中でパターン3ですと(積極 的な)口頭説明なし、ただし専門家が対面で対応するという先ほどのお話だったのです が、例えば、現在専門家の管理の下でそこに従事する非専門家が、相談をするのでなく 販売行為をするようなことがあろうかと思います。そこのイメージとこのイメージをど ういうふうに合わせていくべきか、少しイメージが私の中でずれて感じているのです。 そこの部分はどう考えたらよろしいでしょうか。 小出薬事企画官  今の表の3枚前をめくっていただきたいと思います。[資料3-1]の1ページの下のと ころを御覧ください。※の記号です。ここでいう「専門家が対応」には、「専門家が必 要に応じて関与できることを前提として非専門家が対応する場合」も含めて考えること とすると。2ページ目の上の、※「専門家でない」とは、専門家の関与を前提とせず、 完全に専門家以外の者だけで対応する場合のことを指す。ということですので、今、御 指摘の場合は便宜上ですが、ここでは「専門家の対応」ということで分類しておりま す。 安部委員  了解しました。ありがとうございます。 埜中委員長  ほかにございませんか。事務局から、この委員会で検討して欲しいというものがあり ますか。 川原審査管理課長  現段階では、事務局の方で先に先生方に御検討いただきましたワークシートを基に、 いわゆる点数付といいますかABCの関係、その中で特に例えば直接その成分がないの で、近い成分を代用して評価しているもの等がございます。それについては、個別に専 門の先生方にご相談させていただき、できるだけ事前に私どもの方で調整を加えた形で 次回お示しできればと思っております。そちらの方に、御協力いただきたいということ です。  それからその段階で、各先生にはお聞きしますが最終的にここで御意見をお伺いし て、そういう調整の仕方でいいかどうかといった御確認もいただかなければならないと 思いますので、そこは次回までに事務局で鋭意努力したいということでございます。 埜中委員長  きょうは久しぶりの会でしたので、復習と部会の御意見を踏まえて、次回から我々が どういうふうに動いていくかということの説明でした。次回は、いろいろと具体的なも のが出てきて皆さん方の御意見をいただかなくてはいけないと思います。本日は、おさ らいというところでしたので、あまり御意見がないと思いますが、井村先生何かござい ませんか。 井村委員  恐らく企画官の方から十分お話があったと思います。つまり対応の仕方をある程度考 えた上でリスク分類をするというのか、あるいはリスク分類がある形を取ったところ で、それに対して対応の仕方を考えるのかといった点につきましては部会ではかなり議 論いたしました。結論としましては、それはバランスの問題であり、お互いにこういう 対応の仕方が考えられる、それであるならばリスク分類としてはこういうリスク分類が 考えられると、では対応の仕方がこうであるならばリスク分類はこのようになるかとい うように、そのへんはお互いの進捗状況をにらみ合いつつ決めていくということでした ので、そのへんは専門委員会の皆様方にも十分、そんな格好でやっていくということで 御了承をいただいておいたほうがいいかなということでございます。 埜中委員長  それは皆さん納得していただいております。その線に沿ってやっていきたいと思いま す。実際に、データが出てきて付き合わせてみてから、いろいろな案が出てくると思い ます。総論からいよいよ各論に入っていくというので、そのようにしていきたいと思っ ております。  ほかに御意見ございませんか。では今日はこれで終わりたいと思います。事務局から 連絡事項がありましたらお願いします。 事務局  資料4で、今後の進め方についてお示ししておりますとおり、次回、10月6日、木曜 日、午前10時から予定してございますのでよろしくお願いいたします。場所等は追って 御連絡させていただきます。  その次、17日、月曜日を予定しております。内容としましては、先ほどからお話が出 ておりますが事務局の方で評価案を策定してお示しする予定でございます。そちらにつ いて御意見をいただくという予定にしております。よろしくお願いいたします。 埜中委員長  事前に資料は配付されますか。 事務局  作業が膨大になりますので、極力、事前にお送りできるようにとは思いますが、進捗 状況によると思います。 埜中委員長  ありがとうございました。それでは、きょうはこれをもちまして専門委員会を終了し たいと思います。                                      以上                        (照会先)                        厚生労働省医薬食品局審査管理課                         TEL:03-5253-1111(代表)                         担当:紀平(2738)、山脇(2743)