05/08/22 第19回 独立行政法人評価委員会医療・福祉部会議事録 独立行政法人評価委員会 第19回医療・福祉部会                  議事録 日時 平成17年8月22日(月)15時00分〜17時30分 場所 厚生労働省省議室 出席者 浅野委員、石井委員、遠藤委員、菅家委員、白石委員、宗林委員、橋本委員、     松原委員、山村委員(敬称略、順不同) ○部会長   それでは定刻になりましたので、第19回になりますけれども、独立行政法人評価委員 会医療・福祉部会を開催させていただきます。  委員の皆様方、お忙しいところ、ありがとうございます。今日は山村委員が飛行機が 遅れておられるそうでございます。もうお一方、宗林委員がまだですけれども、始めた いと思います。  前回は不用意に私、年のせいか、突然と言いましょうか、体調を崩しまして欠席をい たしまして大変皆様に御迷惑をかけまして、遠藤先生には突然に御迷惑をかけました。 お蔭様で、まだ、総合的な検査が出ておりませんものですから、まだ、診断名、下らな いのですけれども、でも、大丈夫でございます。どうぞ、きょうもよろしくお願い申し 上げます。  それでは始めに事務局からきょうの議事について御説明をいただきたいと思います。 お願いいたします。 ○政策評価官   本日は始めに財務内容に関する報告を予定しておりまして、その後、委員の皆様から お話がございましたフリートーキングという設定にしております。  まず、議事の1、財務内容に関する報告についてでございます。それぞれの法人から 財務諸表の概要について簡単に御説明をいただきまして、これに対しまして財務諸表に 関する意見の御担当の起草委員であります石井委員から講評を加えていただきたいと存 じます。  議事の2が個別項目に関する評価結果の検討について、フリートーキングでございま す。資料といたしまして後ほど御説明いたしますけれども、これまで委員の皆様にして いただいております個別評価の案の集計表、それぞれの先生方の評定やコメントを集約 した資料を用意しております。それを説明いたしますので、それを素材にしていただき ましてフリートーキングをお願いしたいと存じます。この個別評価の評点については本 日、確定をお願いしたいと存じます。  議事の3が総合的評価の検討についてでございます。法人によっては起草委員の先生 方におきまして起草委員会を開くなどして総合的評価書の案文の検討を進めておられる わけでございますけれども、そういった中でもいろいろ問題点があろうかと思います。 また、その他、各委員から総合的評価の検討に際しての御意見を自由に御発言いただけ ればと考えております。以上が本日の議事でございます。よろしくお願いいたします。 ○部会長   ありがとうございました。今、評価官から御説明いただきましたようなきょうの議事 の進行の予定でございます。それでは議事に入らせていただきます。  まず、財務内容に関する報告につきまして事務局から本日の進め方についての御説明 をいただきたいと思います。 ○政策評価官   それでは財務内容についての報告ですが、医薬品医療機器総合機構、福祉医療機構、 のぞみの園という順番でお願いすることにいたしまして、それぞれの法人から財務内容 の説明を10分程度でお願いをして、その後、石井委員から講評を10分、これを3法人 行っていただいた後で最後に質疑時間をまとめて取らせていただくと、そういう形でお 願いしたいと存じます。 ○部会長   はい。皆様、よろしゅうございましょうか。3つの法人に同じように繰り返していこ うということでございます。では、最初に医薬品医療機器総合機構から御説明をいただ きたいと思います。お願い申し上げます。 ○医薬品医療機器総合機構総務部次長   長と申します。よろしくお願いいたします。  それでは私どもの機構の概要を御説明申し上げますけれども、資料につきましては1 −1、独立行政法人医薬品医療機器総合機構の平成16年度の財務内容についてでござい ます。もう1点、参考といたしまして平成16事業年度の財務諸表(概要版)ということ で100 万円単位の表をおつけしてございます。本日は資料1−1の財務内容についてで御説明 申し上げたいと思います。  まず、1頁目でございますが、当機構につきましては副作用救済勘定を始めといたし まして8勘定の平成16事業年度の決算を組んでございます。中期計画に基づきます経費 の削減等を折り込んだ予算を作成してございます。この予算に対しまして一般管理費に おきましては常勤職員の昇給の停止、あるいは事務所借料の価格交渉に努めるといった ことによりまして予算に対しまして15.0%の節減を行うことができました。また、事業 費につきましても効率化等を図り、同様に6.0%の節減が図れたところでございます。  また、4番目でございますが、感染・安全の拠出金の収納につきましては、収入予算 を上回る拠出金の収納ができ、副作用救済勘定につきましても責任準備金もその必要額 となります約118億円を繰り入れることができました。  審査等勘定におきましては手数料改定によります駆け込み申請、こういったものがご ざいまして、滞貨処理と言っておりますけれども、これに追われたために16年度申請案 件の審査が終了し、収益化を図ることができた額が旧機構の滞貨処理というものを含め まして26億円に止まったということで予算との差が△21億円となってございます。  審査中の案件につきましては、これに係る手数料につきましては別途、貸借対照表上 の前受金として預かっている状況になってございます。審査が終了次第、その都度、収 益化がされて収支差を解消するということになってございます。  5番目でございますが、各勘定の損益状況、これにつきましては中期計画におけます 計画に対しまして副作用、感染の両勘定につきましては拠出金の増収、あるいは経費の 節減努力により改善をしてございます。審査等勘定につきましても機構発足時の欠損を 見込んでおりましたが、拠出金の増収や経費の節減によりまして改善をしております。  2頁目でございます。6番目に書いてございます決算報告、あるいは損益計算書、貸 借対照表の概要は後ほど、申し上げます。これにつきまして監査法人の監査において適 正な旨、報告を受けてございます。  それでは決算報告、損益計算書等の概要でございますが、まず、Iでございます。決 算報告書、これは収入支出決算でございます。表にありますように16年度に対します決 算、右側は差額となってございます。各勘定の合計、16年度予算額の合計が235億円の 収入に対しまして中ほどの収入決算、215億円ということで収支差が△20億円となって ございます。この一番の原因が審査等勘定、先ほど申しましたように滞貨処理等に追わ れまして収入の減となってございます。支出につきましてはトータルの224億円の支出 予算に対しまして203億円の支出ということで、△21億円の減ということで、こちらも 審査等勘定の人件費の欠員分や事務所借料等の努力によりまして△21億円ということ でございます。  それぞれの主な内容につきまして、まず、副作用救済勘定、こちらにつきましては拠 出金収入は約28.5億円で予算比約98%の収納となってございます。拠出金につきまし ては一般と付加の2種類ございますが、一般の方は予定を上回ったのでございますが、 原因企業からの付加拠出金という部分につきまして若干の減となってございます。支出 につきましては事務所借料の削減等によって0.9億円、給付金が対象人員の減により約 1.3億円の減ということになってございます。  感染救済勘定、こちらにつきましても新たな拠出金収入については約5.5億円で予算 比約121%の収納となってございます。支出は救済給付金の実績が極めて少なくなって ございましたので、約0.5億円の減。  3番目、研究振興勘定、バイドール方式によります研究委託でございますが、こちら につきましては、委託事業費の減ということで約0.3億円の減少でございます。 3頁 目でございますが、開発振興勘定、こちらにつきましては基礎研究等を行っているとこ ろでございますが、開発助成をいたしました企業からその収益に対して納付していただ きます納付金収入が約0.4億円の増となってございます。支出につきましては基礎研究 事業費等の減によりまして△1.4億円となってございます。  審査等勘定、こちらにつきましては手数料収入が審査終了分を計上しているところで ございますけれども、先ほどの滞貨処理等の業務が増大であったために21億円の減とな ってございます。こちらの拠出金収入、安全対策等拠出金収入でございますが、約11 億円と予算比118%の収納となってございます。支出につきましては事務所借料の削減 等によりまして10.9億円の減、審査等事業費の関係で約4.5億円の減となってございま す。  受託・貸付勘定、こちらにつきましては健康管理手当等給付金、スモンの関係でござ いますけれども、こちらも支給人員の減によりまして約0.3億円の減少ということでご ざいます。  7番目の受託給付勘定でございますが、こちらにつきましても特別手当等給付金、こ れも支給人員の減ということで約1.2億円の減ということでございます。6番目、7番 目の勘定につきましてはいずれも収入見合いということで必要な額をそれぞれ友愛財 団、あるいは国及び企業からいただいて最終的に精算をするというような形になってご ざいます。  8番目の承継勘定につきましては収入はほぼ予算どおりでございますが、支出は人件 費等の減により約600万円の減となってございます。  II番目、勘定別損益及び利益処分でございますが、表にございますように、副作用で 10億、処分案は積立金といたしております。感染は5億3,000万円で積立金、研究振興 は△5億7,000万円で繰越欠損金、開発勘定は7,400万円の積立金、審査は△の2億5,000 万円で繰越欠損金、受託・貸付については100万円の積立金、受託給付につきましては 580万円の積立金、承継勘定については△1億7,900万円の繰越欠損金というような形 になってございます。  簡単に内容を御説明申し上げます。まず、副作用救済勘定でございますが、責任準備 金の繰入、あるいは賞与引当金等々によりまして経常費用が約24.6億円となってござい ます。4頁目でございますが、拠出金収入、あるいは補助金等の収益、受取利息の経常 収益につきましては約32.5億円ということでございます。この勘定につきましては臨時 損益という形で責任準備金修正益というものが3.1億円、計上してございますが、これ につきましては今般の決算を作成するに際しまして責任準備金の計算をやっておるとこ ろでございますが、計算の中で若干、プログラムのミスがございましたので、その計算 ごびゅう部分を特別に繰入から切り離しまして責任準備金修正益という形で臨時収益と してで計上させていただいております。これらの差額で約11億円の利益が出ておりま す。責任準備金は先ほど申しましたように必要額である約118億円を計上、承継いたし ました積立金を加えた積立金の総額は約35.3億円ということで、すべて長期運用に回し てございます。  2の感染救済勘定については新設勘定でございます。こちらにつきましても賞与引当 金、あるいは業務費等の経常費用につきましては約0.4億円、拠出金収入や補助金等の 収益、あるいは有価証券利息の経常収益については5.7億円ということで、これの差額 が当期利益金として5.3億円の計上。こちらにつきましても責任準備金が今後、必要に なってまいりますが、今般、実績の4件分に対します準備金について将来の予測等を含 めまして797千円というものを繰り入れてございます。今後、こちらが大幅に大きくな っていくということが考えられます。  3番目の研究振興勘定、こちらも新設勘定でございます。経常費用、委託事業費につ いては約5.8億円、受取利息等の経常収益が600万円ということで、この差額、5.7億 円が損失金となってございます。なぜ、こうなるかと申しますと、この勘定につきまし ては政府出資金6億円をいただいて事業をやっておりますが、政府の出資金と言います のは損益計算書上、収入には計上されません。したがいまして、費用だけが出ていくと いう構造的なものになってございますので欠損が生ずるということになってございま す。バランスシート上に6億円が政府出資金として計上されるということでございます。  4番目の開発振興勘定、これにつきましては基礎研究事業費、あるいは開発助成費等 の経常費用が87.5億円ございます。対しまして運営費交付金収益、あるいは納付金の収 益等の経常収益が88.2億円ということで、これらの差額が利益金の約0.7億円となって ございます。この勘定につきましては基礎研究資産に係ります減価償却費並びに固定資 産の除却費を独法会計基準によりまして資本剰余金に計上をするということになってご ざいますので利益が発生したということでございます。従来はこれらの減価償却等につ きましては経常費用に含んでおりましたので大幅な赤字となってございました。独法に なった段階で資本剰余に計上するということで利益が生じたということでございます。  審査等勘定、5番目でございますが、こちらにつきましては審査等事業費、あるいは 安全対策等事業費といったもの、退職給付や賞与引当金等の経常費用で45.7億円。対し ます交付金収益、あるいは手数料収入、拠出金収入等の経常収益が43.2億円と。この差 額が損失金として△の約2.5億円となってございます。  6番目の受託・貸付勘定、こちらにつきましては健康管理手当等給付金、あるいは賞 与引当金の繰入、こういったものの経常費用が約18.9億円。対します収入が受託業務収 入ということで企業並びに国から収入を得ておりますが、これの総額が18.9億円という ことで端数の100万円が利益金として計上されてございます。収入・支出が見合いとな っておりまして、先ほど申しましたように当期末に精算を行いまして差額は企業並びに 国に返還することとなってございます。  5頁目でございますが、7番目の受託給付勘定、特別手当等給付金、あるいは調査研 究事業費等の経常費用につきましては約6.2億円でございます。対します受託業務収入、 これは財団法人友愛財団より受けているものでございますけれども、これの経常収益と いう形で挙げてございますが、約6.2億円ということで、こちらも同額でございますが、 その端数上で利益金が約600万円ということが挙がってございますが、収支見合いにな っているので利益がほとんど出ないわけでございますが、この当期利益金につきまして はシステム開発に伴いますソフトウェアの取得がございましたので、資産計上されると いうことでこれによって利益が生じてございます。したがいまして、この利益につきま しては5か年間、償却が終わった段階ですべて0になっていきます。収入・支出が見合 いとなっておりますので、こちらも精算行為を行いまして差額は友愛財団に返還をする ということになってございます。今期はすべて精算済みでございます。  8番目の承継勘定でございますが、融資事業費並びに業務費といった経常費用につい ては約0.7億円と。融資事業収入等の経常収益は約1億円ということでございます。こ の勘定につきましては関連子会社等への出資事業を行ってございましたので、これらに 対します出資を株式で保有してございます。したがいまして、これらの株式の時価評価 を行っております。この結果、評価損が約2.1億円発生してございます。これらの差額 が損失金として約1.8億円発生しているということでございます。関係株式会社の評価 後の株式資産につきましては約6.4億円ということになってございます。  承継いたしました繰越欠損金を含めまして繰越欠損金の総額は△254.7億円という形 になってございます。貸付金につきましては企業からの返済を受けまして国の産業投資 特別会計へ予定どおり、返済を行ってございます。この勘定につきましては繰越欠損金 という形で254億もの欠損を承継してございますが、これにつきましては今回、独法に なる段階で国の関係については減資を行わないということで評価をした結果のそのまま の欠損を引き継いだ形で独法に移行するということになってございましたので、この勘 定だけがこれだけの大きな欠損金を抱えて独法化になったということでございます。簡 単でございますが、以上でございます。 ○部会長   御説明ありがとうございました。それではただいまの医薬品医療機器総合機構の御説 明につきまして石井委員から講評をお願いしたいと思います。 ○石井委員   今、御説明いただきましたとおりの財務諸表の内容となっておりまして、当然、この 数値は会計監査人の監査や監事の監査が適正ということで出ておりますから、あまりそ の内容について議論する必要はないのだろうと。  確認でひとつだけ御了解いただきたいのは、来年度になりますと研究振興勘定と開発 振興勘定と承継勘定でしたか、3つなくなるのですね。ということでございますので、 そこのところは実は今期限りであると。お手元の資料の2枚目の決算報告書と書いてご ざいます中で、決算額の(B)の列の収入をごらんいただくと21,527百万円の総収入の うちの94億円、ちょうど真ん中ぐらいですが、開発振興勘定にかかわるものでありまし て、その上の研究振興とあわせてほぼ100億ぐらいですから、来期からは収支規模が約 半分ぐらいになるというふうに理解をするという必要がございます。そうやって考える と実は研究振興、開発振興、承継勘定は来年からは私どもは評価しないということにな ると。  もう1点は、この法人は今期のベースで、時間が長くなりますので結論だけ申し上げ ますと、法人全体で運営費交付金収益、約90億円程ございますが、その大部分が今、申 し上げた開発振興勘定にかかわるものでありますので、来期からはこの法人は自己収入 を中心としたところ、主にその自己収入の中心はどこかと、審査等と副作用救済勘定あ たりの収入を中心として自己収入型の法人として存在をしていくのだということは御理 解をしておいていただいた方がよろしいのかなというふうに思っております。  結論的には実は説明をいただいた内容の中で比較的わかりづらい説明の多くがこの3 つにかかわる説明でありまして、ということは来期からあまり関係がなくなるのであま りもうこれ以上、議論をしない方がいいのかと。なぜ、政府系出資金と欠損金を相殺し てはいけないかとか、あるいは基礎研究にかかわる資産の減価償却費を、なぜ、損益計 算上で償却であげないのかという議論を本来ですと少し説明を加えてみたいのですが、 来期からもうなくなってしまう勘定でありますので、敢えてその辺のところの説明とい うのは省略をしまして、トータルでは私のスタンスとしては特段問題がないのではない かというふうに理解をしているということでございます。以上です。 ○部会長   ありがとうございました。それではひとまず医薬品医療機器総合機構に関しましては これまでにいたしまして、続きまして福祉医療機構から御説明をいただきたいと思いま す。お願いいたします。 ○福祉医療機構経理部長   伊藤でございます。それでは16年度の機構の決算について説明をさせていただきま す。資料はお手元に資料1−2−(1)と(2)を用意しておりますが、当機構につきましては 1−2−(2)「財務諸表の概要」により説明をさせていただきまして、財務内容の決算の ポイントについては後ほど、御参考としてご覧いただければと思います。  また、資料の中に貸借対照表、損益計算書、利益損失の処理に関する書類、キャシュ フロー計算書、行政サービス実施コスト計算書、収入支出計算書が添付されております が、本日はこの資料のうち、貸借対照表と損益計算書に限り、ポイントを絞って説明を させていただきます。  最初に法人全体について1頁から4頁に記載しておりますが、これは6勘定を項目ご とに合計したものです。詳細は勘定ごとにご説明させていただきますが、全体の概略を 申し上げますと、平成15年度におきましては4勘定で損失金が発生しましたが、今年度、 平成16年度におきましては6勘定のうち、損失金が発生したものは共済勘定と保険勘定 の2勘定のみになっております。平成16年度の繰越欠損金の合計は1頁の右下の資本の 部に記載しておりますが、423億円を計上しております。当期純損失につきましては2 頁の損益計算書一番右下に書いてございますように6勘定トータルで約18億円なって おります。これら損失金の発生要因も主に共済勘定と保険勘定によるものでございます。  それでは各勘定ごとに説明をさせていただきます。まず、5頁の一般勘定でございま す。貸借対照表におきましては総資産として兆1,958億円となっておりまして、そのほ とんどが貸付金でございます。次に負債でございますが、負債合計3兆1,912億円とな っており、その内訳は貸付金の財源としての長期借入金と機構債券が大部分を占めてお ります。資産から負債を除きました46億円が資本合計となっておりまして、これは国か らの出資金55億円から特定資産の減価償却費相当額を整理している資本剰余金4億 9,000万円並びに平成15年度からの繰越欠損金4億4,000万円を控除した額となってお ります。なお、この繰越欠損金4億4,000万円につきましては厚生労働省、財務省と協 議を重ねました結果、平成18年度予算におきまして、損失金解消のための特別交付金と して予算措置をお願いしているところでございます。  次に6頁の損益計算書でございますが、経常費用、収益ともに810億円となっており まして、当期損益はゼロとになっております。これは一般勘定においては国から措置さ れます利子補給金が損益差に対し補填されるため、当期利益が発生しない仕組みになっ ていることによるものでございます。このため、平成16年度においては、利子補給金の 予算額に対して実績が下回ったため、差額6億9,100万円を国庫に返納する予定となっ ております。なお、前年度からの繰越欠損金につきましては、さきほど御説明しました ように平成18年度の予算で解消を図るべき、現在、関係部局と調整しているところでご ざいます。  次に9頁の長寿・子育て・障害者基金勘定でございますが、貸借対照表の資産合計 2,823億円となっておりまして、その大部分が国から出資された基金資産でございます。 一方、負債につきましては11億3,900万円でございまして、その内訳は退職給付引当金 6億円のほかに長野で開催されましたスペシャルオリンピックス等の開催経費に充てる ため、障害者スポーツ支援基金12億9,000万円を取り崩したうち、スペシャルオリンピ ックスに助成した7億8,000万円を差し引いた残額5億1,000万円を計上しております。  次に10頁の損益計算書でございますが、当期純利益が左下に書いてありますように5 億3,900万円となっております。これは臨時利益として障害者スポーツ支援事業特別準 備金戻入金7億8,000万円を計上した結果、当期純利益が生じております。なお、この 当期未処分利益5億3,900万円につきましては昨年度と同様に通則法第44条第1項に規 定する積立金として整理をするものでございます。   次に13頁の共済勘定でございますが、賃借対照表の資産合計9億8,000万円となって おります。そのほとんどが負債勘定に記載しております給付費支払資金見合いの現預金 でございます。流動負債が54億円ほどございますが、これは平成15年度と同様に平成 16年度におきましても退職給付費の不足を補うための補正予算を組んだ結果、年度内に 入金されなかった都道府県補助金見合い分53億円分について短期借入をしたことによ るもので、同額が当期総損失として計上されております。  次に14頁の損益計算書でございますが、平成16年度の都道府県の補助金見合いの未 入金額53億1,400万円と平成15年度の未入金での平成16年度に補助金に上乗せ補填さ れました49億4,400万円の差額、3億6,900万円が当期総損失として計上されておりま す。なお、都道府県補助金見合い分の当期未処理損失53億円につきましては繰越欠損金 として処理しますが、平成17年度において都道府県補助金に上乗せして受入れて補填さ れるものでございます。  次に17頁の保険勘定でございますが、貸借対照表における資産合計が473億円でござ いますが、そのほとんどが扶養保険事業財源を運用しております金銭の信託となってお ります。一方、負債につきましては法令に基づく引当金等として心身障害者扶養保険責 任準備金866億円を計上したため、資本金が392億円のマイナスとなっております。こ れは責任準備金に対する積立不足額として計上されているものでございます。  次に損益計算書でございますが、経常損益では44億円の利益が生じておりますが、臨 時損失として当該準備金の積立不足に対する当年度の扶養保険責任準備金繰入として 68億円を計上しているため、結果として23億円の当期純損失が発生しております。な お、この保険勘定の赤字につきましては、平成17年度が国において5年に1度の制度の 見直しの年にあたることから、当機構においても中期計画に定められている事業の見直 しによる対応をすべく、関係部局と調整していくこととなっておりますが、前期からの 繰越欠損金を含め、392億円は次期繰越欠損金として処理するものでございます。  次に、20頁の年金担保貸付勘定でございます。賃借対照表上の総資産といたしまして 2,282億円となっておりまして、そのほとんどが貸付金でございます。次に負債合計は 2,280億円となっておりまして、その内訳は貸付金の財源としての長期借入金と機構債 券がほとんどを占めております。資産と負債の差額1億8,400万円が当期未処分利益と なっております。  次に損益計算書でございますが、当期純利益といたしまして3億2,000万円が計上さ れております。平成15年度決算において繰越欠損金が発生したため、平成16年4月か ら貸付金利を0.1%上乗せしたことによりオンコスト分の金利差が確保され、利益が生 じたものでございます。なお、この当期未処分利益1億8,400万円につきましては通則 法第44条第1項により積立金として処理することとしております。  最後に23頁の労災年金担保貸付勘定でございますが、当事業は平成16年度が第1期 目の決算となりますが、貸借対照表の総資産は58億円で、そのほとんどが貸付金でござ います。  次に、負債でございますが、資本金をもって貸付の財源としておりますので、当該勘 定においては財政融資資金からの借入金等他の財源は投入されておりません。次に損益 計算書でございますが、経常損益では200万円ほどの損失となっております。これは事 業開始とともに大半の借入者が当機構が導入した信用保証制度を利用したために貸倒引 当金の算定にあたり、これら債権が優良保証債権に整理され、貸倒引当金戻入金が発生 したことにより、300万円の当期純利益が発生したものでございます。なお、この300 万円につきましても年金担保貸付勘定同様に通則法第44条第1項により積立金として処 理するものでございます。以上が平成16年度の機構の決算の概要でございます。 ○部会長   御説明ありがとうございました。それではただいまの福祉医療機構の御説明につきま して石井委員から御講評いただきたいと思います。 ○石井委員   はい。今、ごらんいただいている資料の表紙をごらんいただきまして、こちらは2年 度目に入りまして、中期目標設定期間中の2年が終わったということになりますが、不 完全かもしれないのですが、この表紙のところの頁内容のところに法人全体、一般、長 寿・子育て・障害者基金、共済、保険、年金担保、労災年金担保と、こういうふうに勘 定が全部で6勘定あると。大きく整理をし直したときにお手元を追っ掛けていますと時 間がかかりますので、私の整理が間違っていればすみません、ちょっと指摘をしていた だきたい。  この法人は資産の総額が3兆7千億円ほどになっているということがひとつですね。 3兆7千億円の資産はここに書いてある6つの勘定に当然、別々に設定をされているわ けだけれども、一般勘定は従来、福祉医療機構ではなくて社会福祉医療事業団でよろし いのでしょうか、医療福祉系の貸付業務をやっていて3兆円に及ぶ貸し出しをしている という事業であります。  実は年金担保貸付というのもこれも一種、貸付、年金を担保した貸付事業をしている と。こちらが2千億円ぐらいあるということでよろしいのでしょうか。労災年金担保は 今度は労災の年金を担保にした貸付事業で、これは勘定の規模としては極めて小さくて 平成16年度から初めて出てきたと。この3つは貸付という事業をメインでやられている のでしょうか。  それに対して長寿・子育て・障害者基金は言葉のとおり、基金でありまして、こちら は約2千数百億円に及ぶところの国からいただいた基金をベースにして、これを運用し ながらいろいろな長寿・子育て・障害者にかかわるところの事業をやっていると。今回、 障害者のオリンピックがあったというような形になりまして、一部、その資本を取り崩 して何億円かが繰入られているということで、実は一般やその他の2つの貸付勘定とは 全く違う性格で基金運用をしているという事業であると。  また、それは全く別に共済勘定があって、共済勘定は何をやっているかというと、社 会福祉法人などの職員でよろしいのでしょうか、社会福祉施設等の職員に関する退職手 当金の支給を行うための勘定であります。保険勘定は何かというと非常に多分、制度と しては重要な部分があるかと思うのですが、心身障害者に対するところの保険業務とい うのでしょうか、これをしているということになります。  頁をめくっていただいて、したがって、大きく分けると貸付系の業務と共済と保険と 基金運用というような形で事業が分かれております。頁をめくっていただくと法人全体 の貸借対照表がありまして、右側に負債資本というのがありまして、下から6〜7行目 に資本という部分があって、I.資本金というのがあります。資本金が2,900億円と。 その2行下に欠損金というのがあって423億円という欠損がありますが、欠損が生じて いるのは実は保険勘定からがほとんど多くであると。  勘定によっては資本金というものがない勘定があるということで、一般的な独法とい うのは株式会社と同じような会計の方式をとっていますが、普通の株式会社の決算書で あれば当然、資本の部の中というのは株主資本概念の中で整理をされていて、場合によ って欠損がずっと累積していくと資本でもって償却するなどという作業をしたりするの ですけれども、独立行政法人はアカウントが全く分かれていて、それぞれ異なる法律に よって整理をされたりしますから、資本金の2,900億円の大部分はどこにあるかという と、どこにあるのですか、基金にあるのですか、これ、長寿・子育て等の基金にありま して、では、その基金の財源をもって心身障害者の保険の損失を相殺できるかというと、 そんなことはできないという整理になっていまして、独立行政法人は非常に特殊な事業 実態にあるというのは御理解いただいておいた方がいいのかなと思います。 しかも、 財政規模が今、申し上げたように3兆数千億円であると。年間の収入規模は約2千億円 ぐらいであると。決して一般の事業体として考えても小さなものではなく非常に巨大な システムだというのは御理解をいただき、これを前提にしながら今後、来年度以降の評 価のひとつの設定条件と理解をしていただいた方がいいのかなということでお話をしま して、財務に関してのコメントはいくつか会計士としてのスタンスで会計学的に大変お もしろいなと思われるような部分がいくつかあるのですが、これはまた何年かたってく るうちに場合によっては現実的な議論として出てくると思いますが、それはそれで待た せていただきたいと思っております。  もう1点、私の記憶が定かでないのですが、来年から何かもうひとつ、アカウントが くるとかという話になっているのですか。それの概略だけ、1分ぐらいで御説明いただ けませんでしょうか。 ○福祉医療機構企画指導部長   来年の4月から現在、年金資金運用基金が行っております、いわゆる厚生年金の被保 険者等に住宅の建設資金を融資するということで住宅融資事業をやっておりました。そ れにつきましては事業はもう終了するわけですけれども、基金も解散して結局、債権回 収部分、これが来年4月から私どもの機構に業務が移管されるということになります。 したがいまして、この事業についての中期目標、中期計画については来年の4月の移管 に向けて御審議いただき、また、年度計画を作っていくという形になっていくと考えて おります。 ○石井委員   新規貸出が起きないその勘定の予定としての貸出残高、つまり、今、見ていただいた 貸借対照表に加算される資産の総額はアバウト、どのぐらいでしょうか。 ○福祉医療機構企画指導部長   4兆円弱ぐらいの規模になるということでございます。 ○石井委員   ということでこの説明、過去にもう何回かされているのですよね。確かこの評価委員 会でも資料をいただいてそういう説明をいただいているので、簡単に言うと18年3月末 のではなくて、その次の年ですか、19年3月末になるのですか。19年。つまり、次の次 の19年3月末のこの福祉医療機構という独立行政法人の資産総額は7兆円という、そう いう額になるというのは御了解いただいておいた方がいいのかなということでございま す。以上です。 ○部会長   ありがとうございました。それでは石井委員の御講評はこれまでにいたしまして、お 待たせいたました。最後になりましたけれども、のぞみの園から御説明をいただきたい と思います。 ○のぞみの園法人事務局長   のぞみの園でございます。よろしくお願いいたします。それでは資料1−3、平成16 年度財務内容について御説明させていただきます。  1枚めくっていただきまして1頁、セグメント情報について御説明させていただきま す。当法人は単一勘定になっておりますので非常にシンプルな資料でございます。また、 当法人の事業の種類の区分については施設運営業務、いわゆる施設訓練等支援業務を始 めとする7つの業務及び法人共通にそれぞれ区分経理、セグメントされております。  始めに当法人の事業費用について説明させていただきます。費用の総額が45億6,700 万円。このうち、人件費が37億6,800万円。この中には退職手当3億5,800万円が含ま れております。なお、人件費の支給対象者でございますが、役員、常勤職員、臨時職員、 その他、賃金者、非常勤職員等となっております。その他費用といたしまして7億9,900 万円。これは一般管理費、物件費等でございます。利用者の日常生活の支援な必要な食 料費であるとか、消耗品、医薬品、光熱水料、その他、旅費、税金等でございます。  特に事業費用のうち、利用者に対する自立のために必要な施設訓練等支援する施設運 営業務、その他といたしまして調査研究業務、附帯業務、この費用の支出が多くなって おります。なお、附帯業務の事業といたしましては診療業務及び居宅支援業務、デイサ ービス、ショートステイ等になっております。  16年度において受託業務として群馬県より委託を受けた総合相談支援モデル事業及 びガイドヘルパー養成研修事業、これを新たな事業として受け入れて実施しております。 なお、役員、管理部門の経費については法人の費用として整理しております。以上が事 業費用でございます。  続きまして事業収益でございますが、総額が44億4,700万円、この主な収入につきま しては運営費交付金収益、事業収入の支援費収入、診療収入等になっております。運営 費交付金についてはそれぞれの業務の事業収入に対して収益化を図り、充当を行ったも のでございます。事業収益の中の資産見返戻入でございますが、これは固定資産の当期 の減価償却費相当額でございますが、また、その他の収入といたしましては作業生産物 等の売払収入、宿舎使用料、年金等管理手数料でございます。  事業の損益でございますが、16年度においては退職者が当初予定に比較しまして大幅 に増えたことに伴い、退職手当の予算額に対して増額した約1億2,000万円が損失に上 がっております。この経費についても補填については短期借入金7,000万円を借りてお ります。未払金として5,000万円、トータル1億2,000万円という事業の損益が生まれ ております。  次に総資産でございますが、総額が150億1,500万円。内訳といたしまして1つめの 流動資産でございますが、これが1億6,500万円ほどございます。主なものとしては支 援費収入、診療収入、この未収金と一部、預金でございます。また、土地・建物等及び 工具器具備品、車両等の固定資産の合計額が148億4,800万円になっております。その うち、特に多いのは土地でございまして、約86億5,600万円ほどございます。その大部 分の経費を法人共通経費の方に計上して整理してございます。なお、それぞれのセグメ ントに関して土地関連資産の按分したものがそれぞれの事業費用に計上された金額でご ざいます。以上、セグメント情報、1頁については以上で終わらせていただきます。  1枚めくっていただきまして、資料1−3(2)、いわゆる損益計算書でございます。こ の損益計算書につきましては特に運営費交付金の収益がどの業務に費用としてされてい るかを整理したものでございます。  まず、左側の経常費用でございますが、業務経費、一般管理費、財務費用、それぞれ 区分されております。総額が45億6,700万円になっております。まず、そのうちの業務 経費でございますが、総額が41億8,200万円、これは法人共通経費以外の施設運営業務 経費、調査研究業務等の人件費及び物件費でございます。特にこのうち、人件費及び物 件費を合わせた財源として運営費交付金の対応分が24億400万円、これを収益化し充当 しております。事業収入分といたしまして17億7,400万円となっております。  次に一般管理費でございますが、3億8,200万円。これは役員及び管理部門の関係の 法人共通経費でございまして、大部分の財源が運営費交付金を収益化した対応分でござ います。約3億4,500万円になっております。残りの事業費用といたしまして3,100万 円が対応分です。財務費用といたしまして、これは支払利息ということですので医療機 器等のMRI、医療機器の支払利息を計上しております。これについても事業費用等で 整理をさせていただいております。  右側の経常収益でございますが、44億4,700万円、内訳といたしましては収益化した 運営費交付金が27億5,000万円、事業収入の支援費収入及び診療収入等で合計で16億 8,400 万円となっております。当期の純損失でございますが、これはさきほども御説明させて いただきましたけれども、1億2,000万円、これは退職手当の増額に伴うものでござい ます。いわゆる短期借入金7,000万円、収支差による未払金5,000万円、トータル1億 2,000万円を計上しております。  その下のキャシュフロー計算書でございますが、まず、一番目の業務活動によるキャ ッシュフローでございますが、これが1億3,500万円減ということになっております。 これは人件費及びその他、費用、いわゆる物件費等の支出総額45億300万円に対しまし て運営費交付金、支援費収入、診療収入等の収入総額が43億7,000万円ほど、ございま す。この受払に伴う取引を計上したものでございます。  2番目の投資活動キャッシュフローでございますが、1,000万円の減、これは有形固 定資産、いわゆる備品であるとか、車両であるとか、こういうものを取得したものでご ざいます。  3番目、財務活動によるキャッシュフロー、5,000万円の増と計上させていただいて おりますけれども、これは単位借入金7,000万円の資金調達による収入とリース債務の 償還、いわゆる支払額2,000万円、先ほど申し上げましたMRIの支出による受払の取 引でございます。  これを相殺いたしまして4番目といたしまして資金減少額ということで、△9,400万 円が計上されております。これは資金の期首残高16年4月1日現在、1億200万円あっ た残高、いわゆる預金、現金等でございますが、これが資金期末残高17年3月31日現 在では700万円と、こういうような資金の流れによって△9,400万円という減少額を示 しております。以上、取り急ぎ、説明いたしました。以上で終わらせていただきます。 ○部会長   どうもありがとうございました。それでは石井委員、ただいまののぞみの園の御説明 につきまして御講評をお願いいたします。 ○石井委員   はい。それでは1点だけ、2枚目というのでしょうか、最初の頁、セグメント情報と いうのを最初に御説明いただきまして、運営費交付金収益が法人全体で27億5,000万円 ございまして、その内訳をごらんいただくと施設運営業務、本来の中心的な事業部分、 ここで運営費交付金が15億円、知的障害者自立支援等調査研究業務で3億3,000万円、 この部分は新しく出てきたと言いましょうか、これからののぞみの園の方向性等も含め ていろいろな形で活動していかなければいけない部分であると。  附帯業務で4億4,000万円で法人共通で3億4,500万円ということで大きく分けます と運営費交付金が計上されておりますが、このセグメントの分布状況が現実的にどうい う意味があるのかというのが、もしかするとこれからのぞみの園がテーマとされていく 部分かなという理解をしております。特に附帯業務や法人共通というところで知的障害 者自立支援等調査研究業務を超える運営費交付金収益を計上しているというのはどうい うことが背景にあるのかなと。このあたりというのがひとつ、私としては今後、目線と しては確認をさせていただこうというふうに思っている事項でございます。それ以外は 特段、ございません。 ○部会長   はい。ありがとうございました。それではただいま、3つの法人から御説明をいただ いたわけでございます。そして、石井委員からの御講評もいただきました。  それではこれから各委員の方々から御質問がございましたらばお出しいただきたいと 思います。どの法人からでも結構だと思います。御関心のあるところからどうぞ御質問 ございましたらお出しください。  いかがでございましょうか。3つの法人の事業内容が全く違います。特にのぞみの園 はまるで違う内容でございますし、委員のよりましてはこの辺は大変お詳しい方とそう でない人と、私などはまさにそうではない方の人間でございますけれども、どうぞ素朴 なことでもいいのではないでしょうか。何なりとどうぞ。どうぞ、山村委員。 ○山村委員   最後ののぞみの園のセグメント情報の中で運営費交付金収益、トータル27億5,000 万円でしょうか。その内訳がずっと書いてありまして、それぞれに配分されている額と いうのはこれは法人の中で独自にその配分が決められるものなのですか。それとも何か 協議して決まっていく額なのでしょうか。  例えば2つめの知的障害者自立支援等調査研究に3億3,600万円という数字がありま すけれども、こうした額というのはどうやってそうなるのでしょうか。 ○部会長   それではのぞみの園から御説明をいただきたいと思います。 ○のぞみの園法人事務局長   はい。今、御質問の件でございますけれども、まず、施設運営業務を運営費交付金が 15億6,500万円計上されているのですが、これの算出方法といたしましては、まず、事 業費用31億9,100万円というのがございます。そこからいわゆる支援費収入、事業収益 の中の支援費収入、資産見返戻入、この合計額を差し引いたものに今度はその残った金 額をいわゆる収益額の総額、運営費交付金の収益額の総額で割ったパーセントを出して、 それぞれパーセントを出しまして、それで運営費交付金の収益を算出していると。  ですから、例えば調査研究でございますが、これにつきましては事業費用が33億5,600 万円と。ここからこれは支援費収入等ございませんので、その他収入の400万円を引い た残りの金額を出したものをいわゆる運営費交付金の総額27億5,000万円、これで割っ たパーセントをもって算出しているわけです。 ○部会長   山村委員、いかがですか。おわかりでしょうか。 ○のぞみの園法人事務局長   ちょっとわかりづらいのですが。 ○山村委員   ちょっとよく理解できないのですが、法人ののぞみの園の運営の姿勢として、調査研 究に力を入れたいとすれば多くの金を投じるわけですし、それとも他の情報提供に力を 入れたいとなれば、そちらに金を投ずるということになるのですが、その辺の意思決定 というのは法人でやられて、なおかつその金もそれに連動するのかどうかという、そう いうことなのですけれども。 ○部会長   どうぞ、お答えください。山村委員の御質問は要するに意思決定がどこで行われてい るかということですね。補足していただけますか。 ○のぞみの園理事   補足しますが、まず、私どもの事業は各部門に分かれていろいろな仕事をやっていま す。その部門ごとに人を張りつけたり、いろいろしているわけですけれども、そうしま すと事業費用が出てくると。その事業費用を交付金の額で按分したと。そういうことで あります。  したがって、事業費用をやるときには、例えば今、地域移行というようなものをやっ ておりますけれども、地域移行が進んでいくと施設運営業務というようなものから附帯 業務というか、居宅支援の方にシフトが変わってくるとか、そういうことにしまして、 そうしますと人も異動すると。そうすると事業も移動していくと。そういうことで重点 的にいくようにしていると、こういうことであります。 ○部会長   山村委員、よろしゅうございましょうか。 ○山村委員   はい。だいたいわかりました。 ○部会長   要するに事業計画があって、それに基づいて予算が立てられていてということで総額 が決定、決まるのか、総額が先にあって按分していっているのか。   ○のぞみの園理事   最初に中期計画、中期目標、年度計画、事業計画がありまして、それに基づいて今年 は何を重点的にやっていくかというのを決めていって事業費を決めていると、そういう そちらが先です。 ○部会長   筋道としては当然そうなのだろうとは思いますけれども。山村委員、よろしゅうござ いますか。 ○山村委員   概略、わかりました。 ○部会長   はい。他には。どうぞ。白石委員。 ○白石委員   関連した質問なのですけれども、そうしますと各部門ごとに行う事業が決まると、収 入と費用が概算できて、足りない分は運営費交付金でまかなうという理解で間違ってい たら御指摘いただきたいのと、もし、そういうシステムで交付金なりが決まるのであれ ば、事業損益というのは通常は割と0に近くなると。でも、昨年度に関しては退職手当、 予期せざる人数を超えて退職される方が多かったので2,000万円の赤字が出たと、そう いうことでよろしいのでしょうか。  もうひとつ、追加の質問で恐縮なのですが、事業損益の立てられかたをみると退職金 というのは部門別に計上されるもののように思われますがそうではなくて法人共通で考 えるのか、そこら辺もちょっと教えていただけたらと思います。 ○部会長   よろしゅうございましょうか。以上2点でございます。基本的に収支差は出ないとい う性格の予算の編成になっているのか。 ○のぞみの園理事   予算を立てる段階と決算の段階と異なると思います。予算を立てる際には一定の算定 ルール、基本的には収支差ということでやっているかと思います。先ほど会計課長より 説明しましたけれども、その予算に比較して予定外のことが出ますと不足が生じたりす ると。そういうことの構図であります。交付金でございますので、年度の途中はもうそ の渡しきりということで、その経費の中でやり繰りしなければいけないと、こういうこ とになっておりまして、不足が生じた場合には借入をせざるを得ないということであり ます。  2番目の退職手当の関係でございますけれども、一応、セグメントはしておりますけ れども、不足が生じるような場合にはトータルで考えていかなければいけないと。勘定 が別という勘定ではありませんので、セグメントですので、その辺は中でやり繰りする と。結局、そういうことになろうかと思います。お答えになっておりますでしょうか。 ○部会長   どうぞ、もう少しお聞きになりたいことがあったらどうぞ。最初の方はよろしいです か。 ○白石委員   最初の方はわかりました。ですから、予算を立てるときになるべく今年度の事業と収 入、それに係る費用をなるべく厳密に出した上で年度初めに交付金を交付していただく のですが、その年度途中にいろいろな予定外のことが起こったらば、それは借入等で対 処するという理解をしました。  後の方の質問は定年退職であればだいたい何人ぐらいいるのかなというところが年度 初めにわかっているので、それで予算なりも立てるのかなと。しかし、去年に関しては そうでない予定外の方が退職されたということでしたがその場合、他のセグメントから 借入れるなどの対応をされたのでしょうか。 ○部会長   いかがでございましょうか。今の白石委員の御意見ですけれども、予測できる、定年 を迎えるというような方につきましては各区分で予め予算計上されているはずですけれ ども、平成16年度のように突然に退職者がたくさん出たというときの場合には他の科目 から借入という言葉をお使いになりましたが、そういうやり繰りでございますか。ある いは石井委員も何かわかりやすく御説明いただけますか。我々の側のために。 ○石井委員   すみません。ちょっと私がわけのわからないというか、妙なことを投げかけてしまっ て、今、後悔しているのですけれども、セグメントと勘定は全く異なりまして、先ほど の福祉医療機構における勘定は勘定というはっきりとした性格を持っていまして、こち ら、セグメントとなった瞬間にはこれは言ってみれば共同責任ですか、ひとつの勘定の 中をいくつかのセグメントに分けてわかりやすくしたと、こういう意味なのですね。  ですから、当然、このセグメントとして分類されているこれらのものは全部、一体と して責任関係があるものですから、当然、充当するとか、そうではなくて、当たり前の ようにして数字は作られていく、中身は一緒くたなのです。その中を事業単位によって 機能によって分けてみましたというのがこちらなのですね。  ところがさっきの福祉医療機構のは、あれは勘定が違いまして、つまり共済の黒字で 年金の赤字を補填するなどというのはこれは法律でできないのですね。ですから、それ は流用自体もできないし、流用しない。こちらに関しては流用したとかしないではなく て、もともとひとつの勘定の中身を分類するための手法を取ったと。  私の表現の仕方が少しわかりづらかったわけですが、まさに実を言うとセグメントは 実はとてもわかりづらくて、今の運営費交付金収益であれば何を基準にしてそれぞれの セグメント単位に運営費交付金を計上したのですかというのは実は会計士の中でもいろ いろな議論がありまして、何をもって基準とするのかという、つまり発生した費用をも って基準とするのか、当初、設定した予算をもってするのか、あるいは何かもっと別に 何らかの評価基準や評価指標みたいなものを明確に作って評価をするのか、その辺のと ころに関しましては実はまだ成熟していないのですよね。  私がさっき申し上げたこのテーマでありますというのは、そういうことも含めてセグ メントのこれらが表示している数値というのはいったい実態として何を表示しているの かなと。それぞれの部分、セグメントがあるのは事実なので、セグメントに分けていっ てあげると実は中身がとてもわかりやすくなって、評価委員会のひとつのテーマでもあ る事業の効率性の評価というのができていくはずなのだけれども、現実的にそれはこれ でざくっとできているものなのかどうかとか、そういうことをすみません、会計士とし て私は自分がテーマかなというふうに申し上げたということでございます。わかりづら いですね。 ○のぞみの園理事   よろしゅうございますか。私どものセグメント、今、石井先生がおっしゃるとおりで すけれども、このセグメントに分けているのはのぞみの園法で事業の種類を挙げており ます。それを基本に分けております。というのはある程度、一種の事業というものが入 っているわけですね。例えば調査研究と入所者の支援とは違うと言えば違います。そう いう意味で関連性はあるのですが、一応、事業として個別に分けられるのではないかと いうことでセグメントしております。  これのメリットはこの分野でどの程度、損益、あるいは収支差、収支が出ているかと いうことでコスト意識も出てくるし、そういう意味ではこういうセグメントが有意義で はないかと思っております。以上です。 ○部会長 よろしゅうございましょうか。かなり意図的に区分しているということです ね。事業別に区分した科目であると、収支であると。どうぞ。 ○白石委員   なぜ退職金のことをお聞きしたかというと、石井委員の方から御指摘がありましたよ うにのぞみの園の各事業(セグメント)の収支を今後とも時系列で見ていく必要がある。 ただ、今年に限っては予定外の退職者の方が出られたということなので、その部分を時 系列で見ていくときにどう見ればいいのかなというのがよくわからなかった。それで御 質問をさせていただいたということです。どうもありがとうございました。 ○部会長   他にはございませんでしょうか。額が小さくてわかりやすいのぞみの園に質問が集中 しておりますけれども、額の大きいところはいかがでございましょうか。どこから質問 していいかわからないという感じが私などはございますけれども。どうぞ。 ○部会長代理   御説明があったのかもしれないのですけれども、基本的なところをお聞きしたいので すが、福祉医療機構の一般勘定でありますけれども、ここで1頁目を見ているのですけ れども、金利体系を見直したことによって利差益を確保したということが書いてあるの ですが、この下の表を見ますと借入金の利子利息の方が貸付の事業収入、利息の収入で すが、そちらよりも大きいということですね。この利差益を確保したと書いてあるので すけれども、額で見ると借入金利息の方が大きいというのはこれはどういうふうに理解 したらいいのか御説明をいただきたいと思います。それがひとつです。 ○部会長   それでは福祉医療機構から御説明いただけますでしょうか。資料の1−2−(1)の1頁 でございますね。 ○福祉医療機構企画指導部長   では、私の方から簡単に御説明しますと、まず、御存じのように当機構の場合、貸付 だけでも一番長いもので、25年の長期の貸付をしています。当然、財源についても財投 の場合、長いものは20年であるということで、基本的な今の構図としては、昔、借りた 金利が高く、最近のは金利は安いということと、あと、福祉については2年間の無利子 貸付という制度がありますので、どうしても構造的に調達サイド、ここでは利息等にな ってますけれども、いわゆる調達サイドである費用の方が上回っているというのがござ います。  それに対して理由のところでこの金利体系を一部見直しというのはございますけれど も、これは説明がちょっと中途半端ですけれども、この前の委員会でも御説明しました ように平成16年度に金利体系を見直ししまして、平成16年度に新規に貸し付けたもの について借入金利と貸付金利を比べると利差益が発生して、確か4億円ちょっとぐらい のこれは試算ですけれども、ありました。そういうもの等々の要因を総合的に総合した 結果としては今期、結果としては予算の範囲で収まって、いわゆる損失は発生しなかっ たという文脈でございます。 ○部会長代理   わかりました。一部だけが利差益を確保するようにしたと、そういうふうに読めばい いということですね。わかりました。ありがとうございます。 ○部会長   他の御質問いかがでしょうか。よろしゅうございましょうか。本当は少しわからない ところもあるけれども、具体的に御質問としてはないというふうに考えてよろしゅうご ざいますか。  それでは今、進めてまいりました第1番目の議題でございましたけれども、財務内容 に関する報告につきましてはこれまでに、報告とそれに対する講評、私どもの質問とい うのはこれまでにしたいと思います。  それでは3つの法人の皆様、本当にありがとうございました。お忙しい中を何度も煩 わせまして恐縮でございました。ありがとうございました。  この後の作業は石井委員におかれましてはただいまの財務諸表、あるいはこれまでの 審議を踏まえまして各法人の財務諸表に関する意見の案をおまとめいただきたいという ふうに思います。よろしくお願い申し上げます。事務局、また、どうぞ石井委員をサポ ートする役割を果たしていただきたいと思います。ありがとうございました。  では、3法人の皆様方、これで御退席いただいてよろしいですね。どうも本当にあり がとうございました。  それでは2番目の議題でございまして、個別項目に関する評価結果の検討に移りたい と思います。フリートーキングでまいりますけれども、個別評価のフリートーキングの 進め方につきまして事務局から御説明いただきたいと思います。 (法人退席) ○政策評価官   それではお手元にございます資料について御説明いたします。資料2−1として個別 評価の集計表というものをつけてございます。これはまだ未確定でございます。未定稿 ということで出させていただきますが、各委員につけていただきました個別評価項目ご との評定を記入いたしまして、お名前の方は御自身の書かれた分だけわかるような形に なっているかと思いますけれども、書いたものでございます。  5段階評価でありますけれども、5段階を数値に置き換えまして平均値を出して四捨 五入で今の段階での評価結果ということに置き換えているわけでございます。自己評価 をはさんで各委員の評価の分布状況の目安ということで標準偏差を書いてございます。  これが3法人分あるわけでありますが、あと、厚い資料で個別評価シートの評定及び コメントの集約版資料ということで、これも未定稿でありますけれども、各委員に書い ていただきました評定のところは今、申し上げた平均値の評価結果が書いてあるわけで す。理由及び特記事項のところは皆様方にコメントをつけていただいておりますけれど も、そのコメントを基本的にはそのまま書いているのですが、重なっているものもござ いますので、重複しているものについては若干、表現をこちらの方で整理した部分がご ざいますけれども、上の方に肯定的なもの、下の方に今後の課題と指摘するようなもの、 そういったコメントを書いているということでございます。  あとは前回までに御記入いただきましたそれぞれの委員の評価シートのコピーを大き なものですけれども、また、お手元にお配りしているわけでございます。これからフリ ートーキングをお願いするわけでございますが、このフリートーキングの結果、また、 評定等の修正が必要になる場合があると思いますので、その場合は紛れないように赤鉛 筆で修正をお願いしたいと存じます。できましたらば本日、個別評価の方は確定をして いただければと考えております。  この評価結果の集計表の方でございますけれども、もう一度、この数字が並んでいる ものを見ていただきますと、個別評定、これは部会終了までは非公表ということで扱わ せていただきたいと思います。今の評定をつけていただいている状況ですけれども、1 枚目の医薬品医療機器総合機構は評価項目が24項目ある中で、ABCで言いますとAが 20、Bが2、Cが2というような分布になっております。  ここでは右端の評価のばらつきの状況を見ますと上3分の1のところに評価項目の 24という人事に関する事項及びセキュリティの確保という項目がありますけれども、こ の項目が委員の方々の評価のばらつきが大きいようでございます。その次に評価が分か れている点としては、4番の業務運営の効率化に伴う経費節減等の拠出金の徴収及び管 理の部分、10番の審査等業務及び安全対策業務、業務の迅速な処理及び体制整備(医薬 品)の部分。23番の予算、収支計画及び資金計画の部分、こういったところが委員の評 価が分かれているようでございます。  次に福祉医療機構のシート、次の頁でございますが、こちらを見ますと全部で19項目 あるのですが、Aが16、Bが3ということでCはございません。この中で同じようにば らつきを見てまいりますと、一番評価が分かれているのは下3分の1ほどの13番という ところですけれども、福祉保健医療情報サービス事業の業務の質の向上に関する目標を 達成するためにとった措置という部分が委員の評価が分かれております。同じく12番も 比較的評価が分かれているところでございます。  次の頁でございますが、のぞみの園にまいりますと全部で16項目なのですが、Aが5、 Bが10、Cが1ということであります。この中で見てまいりますと9番のサービスその 他の業務の質の向上の中の講演会等の開催等による調査・研究成果の普及・活用の部分、 11番の知的障害者援護施設等への援助・助言の実施のところが比較的評価が分かれてい るということかと思います。  以上が資料の御説明でありまして、その他に本日、お配りしたものといたしましては、 石井委員から御指摘がございました独立行政法人の役職員の給与等の総務省の調査結 果、平成16年度分の資料をお配りしておるということでございます。事務局からの説明、 以上でございます。 ○部会長   それではどうぞ御自由に御意見をお出しいただきたいと思います。これからまさにフ リートーキングでございます。どこからでも結構でございます。  最初に質問させていただきたい。なぜ私のところだけ、橋本となっているのですか。 これは消し忘れですか。 ○政策評価官   御自身が書かれた分だけわかるようにお名前が入っておりまして、他の委員のところ には先生の名前は入っておりません。 ○部会長   わかりました。これは皆様のところに全部。 ○政策評価官   はい。50音順でもございませんので、そこはわからないようになっております。 ○部会長   承知いたしました。どうぞ。 ○部会長代理   よろしいでしょうか。点をつけているわけですけれども、これは計画に対してどのぐ らい達成したかということで点をつけるということがルールなわけなのですけれども、 やはり今になって思い起こしてみますとやはり非常に達成可能性の非常にイージーなも のと、なかなか難しいものとがあるなという感じがするのですね。  そのときに達成しているからと言ってそれは達成していると同じように点をつけてい いのかどうかというのは私自身、大変迷うわけでありまして、私はもうそこのところ、 正直言ってこれはやはり計画が非常に簡単だなというようなものについては達成してい ても低く評価するような、そういうように私はやってしまっているのですけれども、そ このところが非常に私自身、迷うところであるというところをひとつ意見なのか、ある いは皆さん方の御意見をお聞きできればなということでございます。 ○部会長   今の遠藤委員の御発言でございますけれども、私自身もその辺は大変思い悩みながら 評価させていただきました。この辺はいかがでございましょうか。どうぞ。 ○菅家委員   私も初めてということもあったのですけれども、中期目標を例えばある程度、甘く立 てておけば、表現は適切ではないと思いますけれども、そうしますとそれを達成すると いうのは簡単と言いますか、比較的簡単にできることであり、中期目標を前年度のほん の1%アップぐらいのところにもっていたとしても、内容的に凄く困難な業務であれば それもなかなか達成はしづらいのではないかなという、ですから、目標を立てるときに その立て方によっても難易が非常にあったのではないかなと。そういうことをあまりよ くわからないものですから、評価するときには何をどこに尺度を置いていいのかという のが非常に私の場合は迷いました。以上です。 ○部会長   今のことにつきまして他に御意見ございませんか。どうぞ。 ○白石委員   目標達成については、中期目標を立てるときの状況もありますし、中期計画に実際に 入った後の環境というか、外部要因もすごくあると思うのですね。  例えばホームページへのアクセス件数という目標があったとしたら、目標を立てた2 〜3年前はそんなにインターネットが発達していなかったのが、今は子供もインターネ ットにアクセスするような状況でして、法人自信のご努力というよりはむしろ外部的な 要因により目標が容易になることもあると思います。    一方で達成しにくい目標というものが現実にあり、またそれは他の目標と対立しがち なところがあるものがあるのではないかと思っているのがのぞみの園の地域移行の話な のです。  のぞみの園は中期目標で入所者の3〜4割の方が地域移行するとされていますがその 一方で地域移行にあたっては丁寧に配慮するべき点があると。地域移行にあたっては当 然御本人の意見、保護者の同意も必要ですし、受け皿の自治体の状況も考える必要があ り、実現には時間がかかります。つまり地域移行に至るまでのプロセス、質を重視する ということと、数値目標とが対立してしまう場合があると。それが難しいところではな いかなというところを非常に率直に思いました。 ○部会長   今のような、他の部会ではどうですか。やはり同じような御意見出ておりますでしょ うか。 ○政策評価官   部会によって大分違いまして、労働部会などではほとんどこの種の議論は出ないので すね。一方で医療・福祉部会、今年、初めて評価して先週終わったのですけれども、国 立病院機構を担当する国立病院部会、そういった部会ではある程度、そういう議論がご ざいます。特に5段階評価の付け方尺度というのでしょうか、そこのところで疑問を出 される委員がおられます。  あまり喋り過ぎるのもいけないと思いますけれども、例えば数値目標が明確に中期計 画に書かれているようなケースで、初年度なり、2年度にもうそれを達成してしまった 場合に、では、5段階の何にあたるのかとか、あるいは、では100としたら75までいっ たら、例えばどの評価にするとか、そういうルールを決められないのかというような議 論もあったと思います。  ただ、結果的にはなかなかどなたがお考えになってもやはり目標の数値の性格によっ て違うものだと思いますし、そういうルールまではできていないので、この平均値方式 というので今、進んでいるというような状況かなと思っております。  あと、非常に多いのは今も出ておりましたけれども、目標そのものの水準の適切さと いうのでしょうか、もともと端的に言うと目標が低すぎたのではないかとか、そういう 議論は各部会共通して非常に多いと思います。実際に中期目標期間のかなり早い段階で それを達成してしまっているのだけれども、それ自体、必ずしも評価委員の先生方は高 く評価しておられないように見受けられるケースが結構あると思うのですね。そこはま さに中期目標、スタートの時点での設定の仕方に問題があったということかもしれませ ん。その場合にそれを評価の方でどうカバーするかというところがいろいろ難しくなっ ているような状況ではないかと思っております。 ○部会長   ありがとうございました。どうぞ。宗林委員。 ○宗林委員   すみません。何点かになるかもしれません。1点は私がもう忘れているレベルなのだ と思いますけれども、福祉医療機構の平成15年度評価結果のところの1と2は去年まで はたくさん項目があったのをここでまとめたという意味でしたでしょうか。ですよね。  そのかわりにというか、この16番以降はこれは予算とか財務とか人事は、去年はどうい う扱いになっていたのでしたか。 ○政策評価官   去年、予算とか財務の部分は独立した項目になっていなかったのですね。各事業に共 通の話なので各事業のところで評価するというような考え方で独立した項目が立ってい なかったのです。他の法人はそういうルールがないのですけれども、今年はそれを独立 した項目で立てたと。逆にそうするとだんだん新しい事業も加わって評価項目が相当多 くなってしまったので、それをある程度、まとめて数を減らしたと、そういうことで変 更したということでございます。 ○宗林委員   はい。わかりました。今の話もちょっと関係することは関係するのだろうと思うので すけれども、ひとつは項目の立て方と言いますか、項目数によってすごく左右をされる なという印象があります。  例えばのぞみの園の自立支援のための取り組みなどというのは、ここの法人にとって はとても大切な業務だろうと思うのですね。それがひとつの項目でひとつAがつくとい うだけに今、なっているのですが、ここがうまくいくことがすなわちとてもこの法人に とって大変な業務であり、大切な業務だろうと思うのです。逆に例えば医薬品医療機器 総合機構の方は先ほどの御説明があったように24のうち、Aが20ということなのです が、Cが2か所あるのですね。  ところがこのCが2か所というのはこの法人にとってみると、審査をしていくにあた って治験相談がこれだけなかなか滞っていたり、副作用健康被害の救済給付の業務が、 年度計画を下回っていたりということで、組織運営自体はA評価が大変多いということ 自体はいいと思うのですが、この法人にとっての国民に最も関係あるような肝心なとこ ろがC評価を受けています。  数の上でいけばほとんどAでCが2か所だねという形なのですが、国民の生活にとっ て与える影響は大変大きいと思うので、のぞみの園の場合は大変大事な業務がA1つで カウントされているということと、医薬品医療機器総合機構の場合は結構大切な業務が Cになっているということの意味づけを全体としてどう反映させていくべきなのかな と。  全体の中で総合的に私たちがお話を聞いているときに貰う印象とこのカウントをして いった数値を平均点などを出そうなどというときになりますと随分違うイメージになる 可能性があるので、全体的にこの項目の立て方、数のバランス全体を少し平準化すると いうようなこともあっていいのかなという印象を受けましたが。 ○部会長   ありがとうございます。今のことに関連して御意見ございますか。どうぞ。 ○山村委員   とりわけのぞみの園から入りたいと思いますけれども、さっきのぞみの園の評価項目、 6番、自立支援のための取り組みというのはまさに1項目だけなのですけれども、その ことに関係します。この項目数というのは平成15年度と16年度、全く同じ項目を踏襲 しているのですかね。やはり宗林委員がおっしゃるように6番が最ものぞみの園にあっ ては非常に中核的な課題でもありますので、ここをさらに数項目に分けて、少なくとも 3項目なり、分けて評価できるような、そういう仕組みを取り入れないと言わば質の評 価というか、取り組みの中身が評価できないという、そういうことがあります。  もっと具体的に言いますと、数値目標3割〜4割という人を地域に移行させるという 目標なのですけれども、これは500人の入所者のうち、3割ですと150人、4割ですと 200 人の人が地域に移行するという、それが目標でありまして、のぞみの園の実績から言い ますと5人、しばらく昨年度、移行したという数は1%になります。そのことは大変低 い数値ということになって、評価からすると言わばS、A、B、C、DのDランクに当 たる評価しかできないと。数字だけから言いますと。  そういうことになって、では、数字はそうだけれども、プロセスというか、どういう 取り組みをしたかというときに2から3項目いるというのはその地方自治体にどれだけ 働きかけたかとか、家族の方とどういう話し合いをどれぐらいの人たちとしたかとか、 あるいはまた地域の社会資源の開発にどれだけ群馬県とのやりとりの中でグループホー ムを作るべく努力をしたかとか、そういうことの結果がトータルに成果として表れて漸 く地域に移行できると。そういうことになりますので、移行した数字だけから言います と5人、1%、これは言わば評価からすると最低ランクの評価になる。  しかし、各委員が今回、Aランクの評価をしているということは数字だけではなくて、 他にいろいろやっているだろうという、そのことをもってAの評価をしているのですけ れども、それがあまりにも情緒的に流れても困るし、今、少し分けた何か質的なものを 評価するとすれば、何か2項目、3項目、細部に渡って評価できる仕組みを入れた方が いいのではないかと、そんなふうに思います。 ○部会長   ありがとうございました。今の問題、法人によって評価にばらつきが出てくる。要す るにウエイトづけということをどうするかということになっていくと思いますけれど も、よろしゅうございましょうか。これは今年はもうこういうことでございますし、で すから、報告書を起草するときにそういうところはあっていいのかなというふうに思い ますけれども、今後、評価項目そのものについて見直していくという可能性はどうでご ざいますか。 ○政策評価官   例えば福祉医療機構で先ほど予算、人事といった項目、新たに項目に追加して、新規 業務はそこはどんどん増えてくるものですから、それに対応して一部、整理してという ようなこともございますので、今年は今からですと間に合いませんが、来年度に変更す るということは可能だと思います。  ただ、その場合にいくつか問題がございます。ひとつは全体を通じて中期目標期間終 了時に5年間の評価をいたしますが、そのときには毎年、同じ項目を追いかけて5年間 の評価を出すのですね。ですから、連続性というものが、全く同じでなくてもいいので すが、見える形で手直しをするにしてもうまく整理をしないといけないという問題があ ると思います。  あとはもともと法人ごとに項目を20以内ぐらいに納めるということで今の項目がで きていると、私、聞いておるのですけれども、やはり勘定が6つもあるような巨大な法 人とのぞみの園のような法人と同じ20項目の枠に納めたというところでやはりかなり 影響が出ている面があろうかという感じがいたします。ですから、今、申し上げたよう なことを考慮した上である程度、来年以降、評価項目を見直すということは可能だと思 います。 ○部会長   というような評価官のお話でございまして、今後のこと、確かに前年に対して今年は どうだったかというやはりプロセス、評価をどんなふうに事業展開をしておられるかと いう、そのプロセスの中で評価を続けるという意味では、やはり評価の項目を足すなら 足すように、やはり相当慎重に考えていかなければいけないということかと思われます けれども。では、この問題はそういうふうな議論を記録に残しておいていただきたいと いうふうに思います。他にはいかがでございましょうか。どうぞ。 ○宗林委員   あと、資料の出していただく内容のあり方という観点でお願いがあるのですが、医薬 品医療機器総合機構の方は今年、初めてということで致し方がないと思うのですが、福 祉医療機構とのぞみの園はこれは2つめの期に入ったということだと思うのですね。ま た、来年度になりますと、今年度の評価になったときは特にそうだと思うのですが、中 期計画中と言いますか、期間中での推移というのがある程度、もう少しわかるように、 要するに今回は今年度に対しての記述が大変、福祉医療機構の方は特になのですが、多 かったと思うのです。  のぞみの園の方はその前の年との比較が出ている評価も結構あったと思うのですが、 そうしますとどうしてもそこばかりで数値目標にしても何か目がいくような感じなので すが、実は例えばもう今年でISOなどは取得してしまったよという話は全体の中でど のぐらいの位置づけなのかなというのがわかりにくい部分がありますので、その前の年、 あるいは期間中の4年半の中での話というのを少しわかるような資料を法人から出して いただくようにお願いしたいと思います。 ○部会長   その宗林委員の御意見も大変貴重な御意見かと思います。他にはどうでしょうか。  それでは先ほど評価官から御説明がございましたけれども、個別評価につきましては それぞれの委員におかれましては今日中に結論を出してもらいたいということでござい ますので、この点はよろしゅうございましょうか。要するにちょっと見直したい、今ま で出したものについて見直したいということがあれば、それは修正しておいていってほ しいということでございますね。ということでよろしいでしょうか。 ○石井委員   ひとつよろしいでしょうか。クローズの会議なので。2年間やって思うのですが、ど うしてのぞみの園は自己評価が非常に低いのでしょうか。今、どうも会計士の癖で勝手 に作っていただいた表を自分なりに作り替えていろいろなことを思っていたのですが、 どうしてのぞみの園はこれほどに自らの評価を低くし続けるのかなというのがとても強 く感じてしまうのですね。  採点者の側は自己評価も見ながら見ているものですから、自己評価との相対値を見な がらちょっと辛くしようとすると、例えばSをAにしたりするのですけれども、もとも と自らの評価を非常に低くしていると評価側との乖離は少ないのですが、決して点数は 上がらないというのは何か情報硬直性みたいなことになっていて、私は実は今回はのぞ みの園の評定に関しては私自身はちょっと3〜4か所、替えさせていただきたいのです ね。  自分の評価を3つ比べてみたときに、なぜ、これほどまでにのぞみの園を厳しく評価 してしまったのだろうとかというちょっと自己批判に入っていまして、ただ、逆に言う と確かにのぞみの園は自らも非常に厳しく評価をしなければいけないというのは背景が あったり、責任があるのであれば、それはそれで是としなければいけないわけですが、 福祉医療機構と医薬品医療機器総合機構とのぞみの園は全くタイプの違うものを3つ並 べて、何か非常に本当に正直、悩ましいなと。  労災病院と国立病院を2つ並べて評価しろというのは場合によってはやれるのかなと いう気もするのですけれども、4兆円の資金投資をしている事業体とのぞみの園、実を 言うとちょっと悩ましいのですが、評価官の方でも結構なのですけれども、どうしてこ んなにのぞみの園は自己評価を低くずっとし続けるのでしょうか。とてもずるい言い方 をすると、高く評価してしまえば相対的な乖離は強くなっても平均点数は上がるじゃな いかぐらいのちょっと作為の仕込みはいくらでもできちゃうのかなと思ったりもするの ですが、いかがなものでありましょうか。 ○山村委員   内部の意見交換ということで、のぞみの園はのぞみの園として唯一、国立の施設とし てあるのですよね。ところがあまた民間と申しますか、社会福祉法人が同様な事業を何 千か所も展開をしていまして、そういう民間ベースの仕事の内容と国立コロニーのぞみ の園との仕事の内容がかつては特別な施設としてやられていたのですけれども、必ずし も今日、そういうことをやり続けることが必ずしも国策にも合わないと。国の目指して いる新たな法律の精神に照らしてもそこだけ特別に多額の金を投じて、多額というのも 他の法人に比べると小額とは言え、やはり多額なのですよ。15億の自己収入、支援費の 収入、それ以外に交付金がまさ多額に入っている。  そういうことを考えますとのぞみの園だけが過去を見ながら将来を見てやればいいと いうわけではなくて、日本全体の福祉、とりわけ障害の入所系の福祉状況を見ながら身 を正すということからしたら、あまり自己評価でよくやっている、よくやっているとい うのは必ずしもできない。そのようなことをおわかりになった上での評価をされている のではないかなと僕はそういうふうに理解しているのですけれども。 ○部会長   私も福祉の人間でございまして、これほど、福祉実践の場に対する風のあたり方とい うのは本当に北風がびゅんびゅん吹いているのですね。もともと消費部門でして、非常 に地味ないい仕事をしていてもなかなか評価が難しい。さらに今、山村先生がおっしゃ ったとおりでして、特別な状況に置かれてきたと。それはもう本当に去年から我々、議 論してまいりましたようにどこの県でも公立施設でもお世話しにくいような重度の方を お世話してきたということで大変努力してこられたけれども、しかし、一般的な福祉施 設の運営の仕方に比べてのぞみの園が大変な努力をしてきたかというと、なかなかそう いう評価を受けることは難しいという、そういうお考えかもしれません。  やはり特に人件費が非常に高いということについての、いささか何と表現したらいい のでしょうか、非常に難しい、そういう微妙な感情もあるのではないでしょうか。そう でなければあんなに簡単に労働組合、あそこはもう非常にひところ、大変な組合運動を した労働組合なのですね。そんなに静かに受け入れていくというのは考えられないので すけれども、他の社会福祉法人での職員の待遇などと比べるとそれは飛び抜けていいと いうことで、やもえられたなという御判断なのだと思いますね。  だから、ぜひ、石井先生にわかっていただきたいなと思いますのは、本当に福祉の水 準というのは、非常に地味で評価の得難い、こつこつ、こつこつとやっていて、ですか ら、もう少し自己顕示してもいいのかなという感じは私自身もしております。だから、 これも皆さん、先生方、おっしゃるようにやはり評価の受け方のスキルがあるのかもし れないなという感じもいたしますね。浅野先生、何か御意見ございませんか。今のこと 以外のことでも結構です。 ○白石委員     次の総合評価の検討についてのところとちょっとダブると思うのですが、のぞみの園 の地域移行については一生懸命プロセス重視でやっていただているというところを総合 評価のところで特に評価しようという知恵を絞るわけです。  でも、総合評価というのは文章で表現するというところが読む人によってはどういう ふうに評価されたのかがわかるかどうかというのがちょっと心許ない点ときもあって、 そこら辺も他の法人の総合評価された何かお知恵があればお伺いしたいと思います。そ れは次の話題で結構ですが。 ○部会長   それでは今、図らずも白石委員から御意見が出ましたけれども、総合的な評価につい てどういうふうに考えていったらいいのか。それぞれの起草委員の方々の御担当では既 に案文の検討に入っていらっしゃるというところもあるやに聞いておりますけれども、 総合評価をいたしますことについて3つの法人、それぞれ書いてまいりますときに、少 し意見調整をしておかなければいけない、というようなことをお気づきのところがござ いましたらば御意見をお出しいただければと思います。今、もう既にいくつか出ている というふうに思います。その他に何かございましたらば今の白石委員のような御意見な どございましたら。 ○菅家委員   実は先週、宗林委員、浅野委員と一緒に話し合いをしたのですけれども、そのときに はやはり評価の高いものをやはり高くして、評価の低くかったものはちゃんと低いとい うことを努力してくださいということがわかるように、一言で言えばめりはりをつけて 全体、2頁ぐらいでしょうか、概要を書くときにはそういうふうにした方がいいのでは ないかというのを我々、医薬品医療機器総合機構の方ですけれども、話し合いました。 ○部会長   ありがとうございます。これはのぞみの園の方も起草なさいます方、意見交換をして いらっしゃるかと思いますけれども、この辺はいかがでございますか。今の御意見は。 ○白石委員   はい。のぞみの園ではさっき山村先生から御指摘がありましたとおり、16年度は1% しか地域移行していないのですね。しかし委員の皆様からいただいた評点はAというこ とでしたのでようにと、それを求めるような文章ではなくて地域移行に至るプロセスを 重視するように望みたいというような表現を実は考えております。  数値目標の達成状況だけでは表しきれないところを総合評価のところで厚みをもって 書かせていたただくというような検討しているというような状況です。 ○部会長   ありがとうございます。やはり総合評価というのは今、白石委員がおっしゃったよう に数字では書ききれないものをしっかりと書いていくということだろうと思いますの で、各法人に対する評価、文章で書くというのはそういうことだろうというふうに思い ますね。  各委員の方が当然のこと、心得ておられると思いますけれども、評価ですから情緒的 に流れてはいけないけれども、数字というのはいろいろな私どものデータをとるときに も数字というのは客観的なようでいて、案外、いい加減なところがございますから、肌 で感じるところで実は非常に正確な捉え方をするところもあるのではないでしょうか。 そういう意味でやはりめりはりをつけようとか、期待するところはしっかり書いていこ うというのはそのとおりではないかと思いますけれども、他には御意見ございませんか。 松原委員は何かございませんか。 ○松原委員   初めてなので今までの経緯などもよくわからなかったのですが、できれば先ほどから 御意見が出ていますように、評価項目自体がこれでいいのかなと思う点があったのも事 実で、ぜひ、それは今後、見直したり、議論できる機会があるといいのではないかなと 感じました。   ○部会長   ありがとうございます。そういう意味でやはりフォローしていくという、非常に重要 なことですよね。他にはございませんか。 ○浅野委員   よろしいでしょうか。総合評価にかかわるようなことなのですけれども、多分、それ ぞれの団体さんが役割と使命を持っているということなので、ミッションがそれぞれ違 うと思うのですね。  ですから、ここで言うといくつかの評価項目が同じように並んでいて同じように評価 されるということなのですけれども、実際は先ほど宗林委員がおっしゃっていましたよ うに、それぞれの機関によっておそらく重要なところの色分けがあると思うのです。で すから、そこのところの評価、例えば医薬品医療機器総合機構であれば現在、迅速な評 価とか、産業振興というような、一方では安全性の確立、そんなところが多分、メイン になると思うのですけれども、そういうところについての評価というものがあると思う のですね。それぞれの機関に特徴がある、ミッションについてめりはりをつけて、それ ぞれ当然、違っていて当然なわけです。  目標に対する達成度ということですけれども、そういう意味では業務の効率化とか、 そな面が非常に強く出てくるのですけれども、その一方で忘れてはならないのはやはり 我々のところの評価委員会という機能が、その機能を持っているかどうかわからないの ですが、ひとつコンプライアンスというのでしょうか、トラブルにならない、あるいは 事件が起きない、アクシデントがないような、そういう面でもひとつそういったコント ロールが必要なのかなと。  そうするとそれぞれミッションとかがあるところで、例えば福祉医療機構のところで はひとつの金融的な性格を持っているので、金融的なコンプライアンスがどうであるか とか、そういう問題が出てくると思うのですね。そういうような背景をしながら、例え ば目標の達成で業務だけは効率化しているのだけれども、実はその裏でコンプライアン ス的なもので非常に甘くなっているとか、そういうものが出てくるような気がします。  同時にそうなってくると今度は経済的な問題だけを取り出すと、やはり石井委員もお っしゃっておられたような経済規模というものがあると思うのですね。コンプライアン ス的にトラブルが発生したときに大きいのはおそらく福祉医療機構です。非常に大きな 資産規模を持っています。4兆円近い規模を持っている。医薬品医療機器総合機構の方 は約340億ですか、400億円ぐらいの規模です。それぞれ桁が下がっていくわけですね。 のぞみの園はだいたい資産で150億ぐらいでしたか、そんなような形になってきますの で、それぞれのやはり規模が違う、経済規模が違うものを同じ評価項目、あるいは同じ 時間で評価して本当にいいのかどうか。  むしろ福祉医療機構みたいな大きなところは大きな組織としてそれなりに時間をかけ て細かく見る必要が本当はあるのではないかなと。例えばどのような病院に融資をして いて、その病院の結果がどうなってきているのかとか、そういう面もあると思います。 医薬品医療機器総合機構については実際の業界の企業がどう見ておられるかとか、患者 団体さんがどう見ておられるかという情報が若干、評価する上で実際には不足している なという点があります。  現在、医薬品医療機器総合機構に関しては新聞報道しかわかりませんけれども、製薬 協が何か提言書を出すというようなことがあるようです。そうするとそういうものが話 題となった場合に、ここの委員会ではどういう評価をしていたのかという質問も当然、 出てくる。そうするとそういうような製薬協さんの動きも実は評価委員会としてはある 程度、知っておく必要があるというふうに思うのですね。それはそれぞれの立場がある ので知りうる委員の方もいれば、そうではない方もいらっしゃいます。そういうところ のベーシックな情報というのでしょうか、それをどういうふうに皆さんで共有していく かということが問題としてあるのではないかなということ、ちょっとまとまりのない話 なのですが、雑感として感じていたことでございます。 ○部会長   ありがとうございます。本質的なところをお話になったと思いますけれども、浅野委 員の御意見について何か御質問とか、御感想ございますか。どうぞ。 ○松原委員   感想なのですけれども、おっしゃるとおりだと思います。特に福祉医療機構さんの場 合、メインの事業が貸付になるわけですが、今、病院にはあまり貸してくれないとかよ く言われている一方で、最近は病院バブルと懸念され優良病院の借出しは積極的そうい う中、ところで福祉医療機構さんが貸すべきところというのはどこなのかと。  病院の経営内容を上、中、下としたときに、割合、福祉医療機構さんが上の下と中の 上ぐらいを貸していて、こういうところは別に民間の銀行で十分貸してくれるところな ので、それよりは中の中、中の下、下の上ぐらいのところを貸して、経営指導も併せて 実施することは、医療の発展に役立つと思います。    もうひとつ、もし、評価項目の目標自体が変更が難しいということであれば、それは 総合評価の方で定性分析にケースバイケースで重みをつけて行うのはいかがかなと思い ます。今、金融機関でお金を貸すときには定量分析に偏りすぎているということに批判 があり、逆にリレーションシップ・バンキングと言ってもっと定性分析に力を入れるべ きだというのが話題になってきていますので、定量的でないということに引け目を感じ ることなくてもいいのではないかと思いました。 ○部会長   ありがとうございました。 ○山村委員   同感です。 ○宗林委員   私もほぼ同じなのですけれども、業務として非常にわかりやすいのぞみの園に比べま して、あと2つのところはそこに書いてある数値を、追っかけていくのである程度、精 一杯の部分があるのではないかなと思います。  ですから、その業務自体が本当に適正に必要なところに貸付ができていたのかとか、 医薬品医療機器総合機構についてももう少し、今回、初めての評価であったにもかかわ らず、1日で説明してそこで一気にもう評価をするという形でしたのですが、これはす べての医療機関、あるいはそれ以外のものも含めてすべてを審査しているところですの で、これをもう少しきちんとそれぞれの業務に対してきちんとした業務が行われている かどうかをもう少し理解を深めた上での評価をした方がいいのでは、なるべく一生懸命 理解しましたけれども、そういった感じを持ちました。そうしませんと、外部評価と言 いますか、評価委員会としての質を問われる場面もあるのかなと逆に思いました。 ○部会長   非常に重要な御提案かと思います。先ほど浅野先生、コンプライアンスという言葉を お使いになりましたけれども、やはりこの辺はそれぞれの法人が国民に対してのコンプ ライアンスということもありますし、我々の立場で評価することについてのコンプライ アンスというものもあるだろうというふうに思いますね。  そうするとその辺はやはり項目をどう作るかということとやはりどれだけ時間をかけ てしっかり状況を把握するかということと両方あるのだろうということは感じますけれ どもね。限られた時間でどこまで読み取れるかというところはかなり課題はありますね。 ○宗林委員   先ほどののぞみの園のところの自立支援のための取り組みですけれども、私はやはり 中期計画途中であっても取り組みがどういうことを、いくつかの項目に分けて、福祉医 療機構の方が項目の切りなおしをしているように評価委員会、皆さんの先生方の意見に もよりますけれども、複数項目に立てることはいかがでしょうかと意見を持っておりま す。 ○部会長   途中であってもというのは、今年はもうおしまいですよね。来年度以降ということ。 ○宗林委員   そうですね。この期間中であってもということです。継続性の問題があるという評価 官からのお話がありましたけれども。 ○部会長   その辺はどうぞ、事務局の方で御検討いただければと思いますけれども。 ○政策評価官   いくつかちょっとまとめて私から申し上げてよろしいでしょうか。大変貴重なお話を 伺うことができていい機会だと思って伺っておりました。  項目の見直しに関しては継続性に留意しなければいけないということは申し上げまし たけれども、もちろん変更は可能であると先ほど申し上げましたし、ですから、今ある 項目を来年度から2つとか3つとかに分けていくということは、その継続性の点でもあ まり問題はないのではないかと思います。ただ、その場合にどういう視点で分けていく かというところは中期計画や中期目標を検討して、きちんとした分け方をする必要はも ちろんあると思いますけれども、そういう意味では別に私は消極的に申し上げているわ けではないということを申し上げたいと思います。  事務局として大変至らない点が多くて申しわけないのですが、例えば製薬協の動きの ような重要な動きについて情報を共有しなければならないというお話、審議時間、これ は当部会は一法人当たりにかけている時間は全体、他の部会と比較すると長い方なので すけれども、でも、先生方は非常に短いと考えていらっしゃるということでありますし、 また、来年については工夫したいと思いますが、例えば7月、8月の時期に時間を多く して全部やるということは難しいかもしれません。であれば、また、ちょっと別の時期 に業務そのものについて理解を深めるような機会を設けるという方法もあるかもしれま せんが、その点はしかし、改善しなければならない事項だということを認識いたしまし た。  目標についてなのですが、これはさっき私、アバウトな言い方をして申しわけなかっ たのですが、一応、大臣が目標を設定したものであって、目標設定にあたってこの評価 委員会の意見を聞いて意見をいただいた上で目標を定めたものであって、基本的には中 期計画期間の最初に目標を示したものは基本的にはいじらないと言いますか、あとは計 画期間内は法人はそれを達成するべく努力をすると。その期間が終わったときにその結 果を評価されるというシステムでありますので、基本的にはまず変えないものだと思い ます。  ただ、もちろん変更の手続きというのがございまして、どの程度、変更できるか、ど ういう場合に変更できるかということは実は疑義があって、まだ、ルールは確立してい ないのですけれども、しかし、あまり業務の追加以外はあまり行われていないと思いま す。  一方で、各部会の委員でも先ほど申し上げましたが、目標自体が低かったのではない かというような議論は多いのですね。ただ、私もさっき言葉、足らなかったのですが、 一方で法人の方から見ますと、それは目標が別に低かったわけではなくて、自分たちが 大変な努力をして早く達成したものであるので、そこはぜひ、わかってほしいというよ うな意見も大変強くて、目標の議論というのはかなりデリケートな面がございます。  したがいまして、目標の変更というのは制度上、あり得るのですが、ただ、基本的に は大臣が設定したものの達成状況ということで評価をするということでありますし、そ こについて目標自体の達成の困難さというようなことで御意見があれば、やはり総合評 価書の中でそういったことを書いていただくというのが方法としては一番考えられるの かなというようなことでございます。  あと、全く違うことなのですが、きょう、フリートーキングということでセットして いたのですが、クローズの会議ですけれども、一応、平常どおり、議事録はとっており まして、議事録は通常どおり、公開するつもりで用意していたのですが、そこのところ、 予め申し上げてなかったので、もし、何か支障があるようでしたらば、その議事録をま た先生方、お手元にお送りしますので、そこで対応していただければと思います。すみ ません。以上でございます。 ○部会長  それは議事録をお回しくださった中でここはカットしてくださいということ、お願いす れば。 ○政策評価官  そういうようなことです。 ○部会長   クローズでということは前提にあってお話になっていらっしゃいますから、それはぜ ひ、御考慮をお願いします。 ○菅家委員   ただいまの例えば中期目標をある程度、掲げてそれをすごい法人側が努力して1年目 で達成してしまったと。では、2年目、3年目、5年目はどういうふうに評価するので すか。あるいは何が目標なのですか。 ○政策評価官   ここは私も個人的な意見になってきますのでできれば議事録には。ある法人は1年目、 大変な努力をして経営面の指標を1年目でほぼ達成したということで、そうするとそれ に対して1年目で達成したのであればもっと2年目、3年目以降、もっといけるのでは ないかというようなことを言う方もいらっしゃる。しかし、一方でその指標に関しては もうそれ以上やる必要がないので、別の面に努力を傾注すべきだというような意見もあ るのですね。ですから、初年度に達成したこと自体、その項目について達成したこと自 体というのはもう評価を、いろいろな考え方があるのですね。  初年度に達成したものでもやはり性格が違う、指標の性格によっても大分評価が分か れると思うのです。例えば先ほどのインターネットのアクセス件数のようなかなり不確 実性が高いような指標の評価と、人件費や給与の削減というようなものを伴うような指 標とでは同じ計画期間で相互に達成したと言っても、努力と困難さにおそらく相違があ るのだろうと思いますけれども、その辺をどういうふうに評価で分けていくかというの もルールはないので、そういったことも含めて、今、最初におっしゃったような点につ いては初年度に達成した場合に、まず、それをSと評価するか、Aとするか自体につい ても決まっていないし、それ以降、目標自体は変更しない限り、同じ水準でとどまるわ けですけれども、翌年度以降の評価をどうするかということも必ずしも確立していない ということであります。 ○部会長   菅家委員、よろしいですか。 ○菅家委員   評価が確立していないというのは、では、次年度からどうするのですか。評価委員と しては。 ○政策評価官   それは私の立場で申し上げるとすれば、委員にお決めいただく話になっていて、ルー ルがどこかで決められているわけではないという意味で申し上げたわけです。 ○部会長   全体的に他にございますでしょうか。いろいろ課題は残りましたけれども、評価項目 は当分、直すことは難しいということははっきりしましたから、ただ、やはり私も各委 員がお気づきのようにやはり項目の立て方によりまして非常に抽象的だったり、目標が 低いという場合、そういうことは現実にありますので、その辺のところはやはり全体的 な総合評価の中で書いていかなければいけないということになろうかというふうに思い ますけれども、どうぞ。 ○宗林委員   1点、御質問なのですけれども、一番最初のときだったかと思いますが、この平均点 か何かを役員の退職金の係数に掛けるというような御説明があったような気がします が、それはまだ生きているのですか。 ○政策評価官   役員の退職金を決めるときにこの評価委員会に業績勘案率の設定について意見を求め てくる仕組みになっております。その際には役員の在職した期間の業績の指標として個 別評価の指標を平均して使っております。ただ、それは退職金の業績勘案率の計算とい う範囲内でこれを使っているということであって、この評価結果として平均値を出して いるわけではないという、そういうことでございます。 ○部会長   去年も話題になったのですけれども、各法人から御自分のところで評価、それぞれが 自己評価なさいましたものが、それがまずある。それが先にあった方がいいのか、むし ろそれは伏せておかれて、私どもが自由に評価した方が引きづられないのではないかと いうような意見もあって、いろいろ議論したけれども、結論的にはこれでいきましょう という、今年のやり方に継続されているわけですけれども、他の部会ではそんな意見は ございませんか。 ○政策評価官   かなり難しいのですが、自己評価をやめたらどうかという御意見はないですね。ただ、 一方で、今回、他部会も含めた自己評価と委員の評定の昨年度の実績、どういうものか というのは知っていただいた方がいいと思ってお配りしたのですけれども、それについ てもいろいろ御意見があったようでございまして、やはり法人としては自ら厳しく評価 した結果の自己評価を自信を持って出していらっしゃるわけなので、なかなかそこは難 しいところがございます。  いずれにしても、自己評価に基づいて評価していただくわけではなくて、法人として のそういう評価結果を参考に委員にお決めいただくという、言うまでもないことですけ れども、そういうことで出させていただいているわけであります。 ○部会長   その辺の議論は昨年、し尽くしてはいるのですけれども、要するに皆で評価している わけですから、一人の個人が引きづられるということではなくて、仮にあったとしても 皆で評価しているわけですから、そういう懸念はないのかなという感じがいたしますけ れども。  第三者評価をやっていますと自己評価が高いところというのは意外に大したことない ということがあったりするのですね。自己評価の低いところが案外、仕事をしていると いうところがあったりする。要するに自己評価には私どもは引きづられているというふ うに思いませんけれども、あるとやはり気になるというところがございますので、この 辺はどうかなというふうに私自身は気になってはおります。そんなに引きづられる主体 性のない評価をしているつもりはございませんけれども、本当に客観的にできているだ ろうかという、とても弱い人間でございまして、例えばAをBにする、いいかしらと心 が痛むところがございますね。感想でございます。  他にはございませんか。それではきょうは割合に時間をゆっくりとっていただきまし て、今までのプロセスでもいろいろな議論はしてまいりましたけれども、やはり起草し てまいりますときに役立てることができるような、来年度に向けて検討、私どもが心づ もりしておかなければいけないようなことなども話し合えたかというふうに思っており ます。  きょうはこれから先ほども評価官からお話がございましたように、もしも、各自の評 価を修正するところがございましたら修正していただきたいというふうに思いますし、 起草委員の方々におかれましてはこれから起草の作業をお進めいただきたいというふう に思います。先ほど石井先生のところにもお願いいたしましたけれども、事務局、どう ぞサポートをよろしくお願い申し上げたいというふうに思います。  あと、何か事務局から終了いたしますことにつきまして何か御意見、ございましたら、 御希望、御要望や何かございますか。  事務局 次回の部会ですけれども、来週月曜日、8月29日の午前10時から7階の専 用第15会議室で開催させていただきます。  あと、個別評価シートのA3版でございますけれども、赤入れの有無にかかわらずお 持ち帰りにならないようにお願いしたいと思います。  また、次回、御都合等が合わなくなった方が、もし、いらっしゃいましたら事務局の 方に御連絡をいただければと思います。よろしくお願いします。 ○部会長   ありがとうございました。次回、来週の月曜日でございます。それぞれ文案を作成し ていただきました、起草していただきましたものを審議をするというのが次回の予定に なるはず、そういうことでよろしゅうございますね。 ○政策評価官   さようでございます。 ○部会長   それでは本日はこれで終わってよろしゅうございますか。 ○政策評価官   事務局からはございません。 ○部会長   はい。珍しく時間どおりに終わりました。本日はありがとうございました。 ○政策評価官   どうもありがとうございました。                                  (了) (照会先)  政策統括官付政策評価官室政策評価第2係  電話:03−5253−1111(内線7780)