05/08/03 独立行政法人評価委員会医療・福祉部会 第16回議事録             厚生労働省独立行政法人評価委員会             第16回 医療・福祉部会議事録 日時: 平成17年8月3日(水)13:00〜16:30 場所: 厚生労働省専用第15会議室 出席者:浅野委員、石井委員、遠藤委員、菅家委員、白石委員、宗林委員、橋本委員、     松原委員、山村委員(敬称略、五十音順) ○政策評価官  定刻になりましたので、ただいまから第16回独立行政法人評価委員会医療・福祉部会 を開催させていただきます。委員の皆様におかれましてはお忙しい中、本日お集まりい ただきましてまことにありがとうございます。  政策評価官の岩渕と申します。本日は改正後の第1回目の会合になりますので、後ほ ど委員の皆様方に部会長を選出していただくことになりますけれども、それまでの間、 私が議事の進行を務めさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。  それでは当部会の委員の皆様方の御紹介をさせていただきます。お手元の資料1に独 立行政法人評価委員会医療・福祉部会委員名簿をお配りしてございます。五十音順に御 紹介申し上げます。  向かって右手から、浅野信久委員でございます。石井孝宜委員でございます。遠藤久 夫委員でございます。菅家甫子委員でございます。白石小百合委員でございます。左側 にまいりまして、宗林さおり委員におかれましてはおくれて見えるということでござい ます。橋本泰子委員でございます。松原由美委員でございます。山村 健委員でござい ます。  それでは議事に入ります。お手元の議事次第をごらんください。議事の第一は、当部 会の部会長の選出をお願いしたいと存じます。厚生労働省独立行政法人評価委員会令第 5条第3項におきまして、部会長は委員の互選により選任するということが定められて いるわけでございます。どなたか御推薦いただけますでしょうか。はい、遠藤委員、お 願いします。 ○遠藤委員  はい、橋本委員を御推薦させていただきたいと思います。橋本委員は医療・福祉の御 専門家であられるわけですけれども、同時に高齢者在宅医療や実務にも大変明るくて、 また加えて中央社会福祉審議会の委員を初め、いくつかの委員会の御経験も大変ござい ます。また御案内のとおり、この医療・福祉部会におきましても高い御見識からさまざ まな御発言をいただき、本部会の部会長として適任であると考えます。したがって、以 上のような理由で部会長には橋本委員が適任ではないかと、このように思いまして推薦 させていただきます。 ○政策評価官  どうもありがとうございました。ただいま、橋本委員を部会長にという御推薦がござ いましたが、委員の皆様方いかがでございましょうか。 ○全員  異議なし。 ○政策評価官  どうもありがとうございます。それでは橋本委員に当部会の部会長をお願いしたいと 存じます。橋本委員、お引き受けいただけますでしょうか。 ○橋本委員  よろしくお願いします。 ○政策評価官  ありがとうございます。それでは以後の議事進行につきましては橋本部会長にお願い したいと存じます。正面の部会長席の方に移動をお願いします。 ○橋本部会長  橋本でございます。お引き受けすることにつきましては躊躇するものがないわけでは ございません。私でいいのかな、というように思いますけれども、御推薦いただきまし てお引き受けすることにさせていただきたいと思います。それで前回の部会長でいらっ しゃいました岡田先生は大変ジェントルマンでいらっしゃいましたし、非常にバランス よくいろいろな方の意見をお聞きになられました。私はB型人間でございますので、い ささかその辺はバランスが欠けたり、結論を急ぐようなところがあったりいたしますけ れども、そのときにはどうぞ皆さんからアドバイスしていただきましたり、御注意いた だきましたり、事務局からもどうぞ支えていただきたいというように思います。どうぞ よろしくお願い申し上げます。  それで、実はもう部会長代理の席がございますけれども、評価委員会令第5条で、部 会長に事故があるときはあらかじめ指名する委員が、となっておりまして部会長代理を 指名することになっております。つきましては今、私を御推薦くださいました遠藤委員 でございますけれども、遠藤委員は医療経済論を御専門にされておられます。そして、 中央社会保険医療審議会の委員もお務めでいらっしゃいます。それで前回の部会の中で も非常に堅実な、そして中庸を得た議論をなさいまして、私は非常にすばらしい研究者 だなというように拝聴しておりました。それで、この部会は医療・福祉でございます。 私は福祉サイドの人間でございます。それで遠藤委員は医療を御専門にしていらっしゃ るわけでございまして、高い御見識を持っていらっしゃるということもございますの で、ぜひ遠藤委員に部会長代理をお願い申し上げたいと思いますけれど、皆様の御了解 をいただけますでしょうか。 ○全員  異議なし。 ○橋本部会長  それでは遠藤先生、どうぞよろしくお願い申し上げます。  遠藤先生、ごあいさつを一言お願いします。 ○遠藤部会長代理  部会長代理を仰せつかりました遠藤でございます。大変身にあまるお言葉をいただき まして恐縮しております。私が持てる力は微力でございますが、最善を尽くして部会長 を支えていければと思っておりますので、一つよろしくお願いします。 ○橋本部会長  ありがとうございました。それでは早速議事に入ってまいりたいと思います。きょう の議事次第をごらんいただきたいと思いますけれど、議事次第はきょうは5項目ござい ますけれども、メインのテーマは5ののぞみの園の評価でございます。まず最初に1〜 4と進めてまいりますけれども、これにつきましてはどうぞ評価官から御説明いただき たいと思います。お願い申し上げます。 ○政策評価官  それでは本日の議事でございますが、議事次第1は今終わりましたので、議事次第2 でございます。「独立行政法人評価委員会総会決定事項等について」ということでござ いまして、7月6日に評価委員会の第13回の総会が開催されましたので、そこでの決定 事項等につきまして事務局から簡単に御報告申し上げたいと存じます。  それから議事次第の3は「医療・福祉部会における当面のスケジュール等及び独立行 政法人の評価の進め方について」ということでございますので、この部会の本日以降の スケジュール、それからこれからお願いいたします評価の具体的な進め方等につきまし て、これも事務局から御説明を申し上げたいと存じます。その際、当部会の委員の皆様 方には部会所属の3法人すべての業務実績の評価をお願いするわけでありますが、従来 から主として御担当になる法人を起草委員ということで決めていただいておりましたの で、また今回も起草委員をお決めいただきたいと存じます。それから福祉医療機構の個 別評価の項目につきまして、昨年度から若干変更したいというように考えておりまし て、この点についても御説明を申し上げることにしております。  それから議事の4につきましては、「独立行政法人福祉医療機構の評価の視点改正 (案)について」ということで御審議をいただきたいと存じます。それで、この後本日 の本題になるわけでございますけれども、「国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の 個別項目に関する評価」をお願いするということでございまして、本日以降3法人の16 年度実績の評価の審議をお願いするということでございます。以上でございます。 ○橋本部会長  去る7月6日に開催されました第13回の独立行政法人評価委員会総会での決定事項に つきまして御説明をお願いしたいと思います。 ○政策評価官  それでは手短かに御説明いたします。資料2-1をごらんいただきたいと思います。 厚生労働省独立行政法人評価委員会運営規程でございますが、7月6日に一部改正が ございました。それで下1/3ぐらいのところに線が引いてございますが、「議決権の 特例」という規程が新たに設けられました。第3条の2、委員並びに議事に関係のある 臨時委員及び専門委員のうち、審議の対象となる独立行政法の事務及び事業について利 害関係を有する者は、当該独立行政法人に係る評価について議決権を有しないものとす る」という規程が新たに設けられました。  それでこの規程の趣旨でありますが、昨年末ぐらいから当初だけの話ではないのです が、各省の独立行政法人評価委員会の委員がこの評価対象となる独立行政法人のお仕事 をさまざまな形でお引き受けになって、それに伴って報酬を得ているということが評価 の中立性の観点から問題ではないかということで、新聞やテレビなどでも取り上げられ ましたし、また国会でも同趣旨の議論がございました。これまで各省の評価委員会とも ルールが決まってなかったわけでございますけれども、主要省庁におきまして今回この 決めていただきました規程と同趣旨のルールを新たにお決めいただいたと。また、通則 法を所管しております総務省におきましても同様の考え方を示しているところでござい まして、6日の総会におきましても当初評価委員会としてもこのようなルールを決める ということを決定していただいたわけであります。  それで、この場合の「利害関係を有する者」という文の解釈の問題だと思うのです が、総会での議論では、一つは所管の独立行政法人の役職員をお引き受けになるという ことになりますと、これは利害関係を有するということになるのではないかというのが 一点ございました。それからもう一つは、やはり評価対象となる法人のお仕事を定期的 に毎月一回、例えば決まった会議に出て報酬を得られるというような関係になりますと 利害関係があるということになるのではないかということでございました。そのほかに は、一回限りシンポジウムに御出席になるとか、原稿をお引き受けになるというような ことは該当しないと思いますが、総会の場ではそういう場合でも報酬が法外であったら 該当するのではないかというような御意見もあったんですが、では法外とは何かという ことを決めるわけにもいかず、そのほかのケースでもし御心配になるようなケースがあ ればその都度部会長に、あるいは総会ですと委員長の方にお申し出いただいて、議決に 参加していただくかどうかを判断いただくというような扱いで始めてみてはどうかとい うことになったわけでございます。なお、この場合の報酬というのは個人としてお受け になる報酬のことでございます。  以上がこの資料2-1の御説明であります。  それからもう一つ、資料2-2で「独立行政法人の業務・システムの最適化について」 という資料がございます。これも簡単に済ませますが、国のコンピュータシステムでは 社会保険庁のオンラインシステムが大変有名になってしまいましたが、旧式の大型のコ ンピュータを使っておりまして、これを刷新することによって、また業務を見直すこと によって大幅な効率化が図れるんではないかという視点から、今「最適化」という呼び 方をしておりますが、最適化という作業を進めております。  それで、これは当初だけでなくて政府全体でこういうコンピュータシステムを持って いるところにつきましては、まず刷新可能性を調査して効率化の方策はないかと、そし て最適化計画というのを策定した上でこれを実施していくということで共通の取り組み で進めているところなんですけれど、独立行政法人につきましても同様に大型のコンピ ュータシステムを持っているところがございまして、それらにつきましてもこの業務・ システムの最適化を進めていただく必要があるということになってまいりまして、この 6月に各省庁の情報化統括責任者連絡会議というところでその方針が決定されました。 ただ、独立行政法人は政府から独立した存在でございますので、そのような取り組みを していただくにしましても、まず所管大臣から法人に対して示している中期目標の中に 明示的にこれを盛り込む必要がございまして、その上でその中期目標に対応した計画を 立てて法人の方で最適化の取り組みを進めていただくという段取りになるわけでござい ます。その中期目標の改正を今年度中に行うというところまで今政府の方針として決ま っておりまして、この部会所属の法人の中にも該当するところが出てくると思いますけ れども、いずれ中期目標改正に伴いましてまた部会の御意見を伺うことになりますの で、あらかじめ御報告するということでございます。  総会での決定事項等の御報告は以上でございます。 ○橋本部会長  ありがとうございました。私どもの医療・福祉部会は、きょうは初めての方もいらっ しゃいますのでちょっと御説明しておきますと、医療・福祉部会と言いますのはその上 に親部会と言いましょうか、総会があるわけでございます。その総会での決定事項につ きまして資料2-1、2-2で御説明いただきました。このことにつきまして、今御説明 いただきましたことについて御質問がございましたらどうぞお願いします。  よろしゅうございましょうか。それでは次に進めたいと思います。  次はきょうの議題の3でございますけれども、医療・福祉部会における当面のスケジ ュール及び独立行政法人の評価の進め方について御説明をお願いします。 ○政策評価官  はい、続きまして資料3-1をお取りいただきたいと思います。医療・福祉部会にお ける当面のスケジュールでございます。本日8月3日は第16回、先ほど申し上げました 議事を予定しております。次回は第17回を明日、午後1時より、同じこの部屋で開催い たします。明日は医薬品医療機器総合機構の個別項目の評価でございます。それから第 18回を8月9日の午後1時に予定しておりまして、ここでは福祉・医療機構の業務方法 書改正と個別項目に関する評価をお願いすることになっております。それから第19回を 22日、午後3時から予定しておりまして、ここで財務内容について総合的評価について 財務諸表等に関する意見について御審議をお願いするということでございます。  それからその間に財務内容につきましては、御担当の起草委員に各法人からの財務内 容のヒアリングを別途お願いするというスケジュールでございまして、その日程がここ に入れてございます。以上がまずスケジュールでございます。それでこのスケジュール で評価の作業が終了しなかった場合には、予備日として8月29日を今日程をお願いして いるというところでございます。  次に、資料3-2でございます。先ほど申し上げました起草委員の名簿でありまして、 それぞれの御担当の案でございますけれども、福祉・医療機構につきましては遠藤委 員、橋本委員、松原委員。のぞみの園につきましては、白石委員、山村委員。それから 医薬品医療機器総合機構につきましては、浅野委員、菅家委員、宗林委員。それから財 務諸表等に関する意見の御担当として、石井委員。以上の皆様方に各起草委員をお願い したいという案でございますので、御審議いただければと存じます。なお、「○」印は この部会においてお取りまとめいただきました案を御報告いただく担当の委員というこ とでございます。  それから資料3-3でございます。医療・福祉部会における独立行政法人の評価の進 め方でございます。それで、各法人について、のぞみの園、医薬品機構、福祉医療機構 の順で、まず16年度の業務実績の個別評価シートに沿いまして評価をお願いするわけで ございますけれども、評価の進め方としましてまずはじめに各法人の理事長さんから重 点事項のお話をいただいて、その上で個別評価項目が20項目程度ございますので、それ を大体4つに分けまして、法人から業務実績の御報告をいただくと。それで、それにつ いて質疑を行った後、10分程度記入時間を設けまして評定を記入していただくというペ ースで進めるということでございます。  その評定につきましては5段階評価なんですが、「S」「A」「B」「C」「D」と ございまして、詳細はこのお手元に立ててあるファイルの中に評価基準等が入っている わけでございますが、5段階評価の真ん中の「B」が中期計画におおむね合致している と認められる場合に「B」を付けていただくということです。それで、中期計画を上回 っている場合には「A」、中期計画を大幅に上回っている場合には「S」と。逆に中期 計画をやや下回っている場合には「C」、中期計画を下回っており大幅な改善が必要と いう場合には「D」ということでございます。それで、各評定にはできる限り理由を付 けていただいて、特に「S」や「D」の場合はそれは必須ということであります。それ から理由のほかにもコメントがございましたら、特記事項として御記入をいただくとい うことをお願いしたいと存じます。それで、各委員に評定を記入していただきますと、 後ほどそれを事務局で集計しまして、最終的に全体として評価項目を確定するというこ とでございます。  それから評価全体につきましては、個別項目に対する評価とこれを踏まえた総合的評 価という文書編でなっておりまして、総合的評価の文書編につきましては御担当の起草 委員から御提案をいただいて、これを審議いただいて確定するというようなことで作業 を進めてまいりたいと存じます。  それで、2ページ以降は各法人のこれから行っていただく個別評価の項目の一覧表で ございます。  それからあと一つ、資料番号が打ってないんですが、お手元に委員限りということ で、このようなマトリックスの各法人の「平成15年度実績の個別的評価」という資料を お配りしてあると思いますが、ございますでしょうか。それで、これは今後評点を付け ていただく際の参考として、黒川委員長と御相談の上ですべての部会にお配りしている ものでございます。また委員限りに配布しております。  それで、ごらんいただきますと昨年度実施しました15年度実績評価の評価結果の一覧 表になっているわけでございますが、各法人の評価を部会単位で行っていただいている わけですけれど、評価結果は全部評価委員会の名前で、黒川委員長名で公表されますの で、当然のことながら各部会間の評価の整合性というものが求められるわけであります が、結果はもちろん公表されていますのでごらんいただくことができますけれども、必 ずしも事業内容まで他部会所属の法人について御理解いただくのはちょっと難しいかと 思うんですが、一応今回これをお配りしましたのは、他部会での評価がどういう結果に なっているかということを御参考までに見ていただいて、評価に当たっていただいた方 がよろしいのではないかということでお配りしたものでございます。それで当然、法人 の業績については差があるものでございますので、「S」とか「A」とかそういう評点 を何らかの数に揃えていただきたいと、そういうようなことを申し上げているわけでは なくて、あくまでも御参考にということであります。  それからもう一点御報告しなければいけない事項として、先週なんですが、国会の衆 議院の決算行政監視委員会というところで、この厚生労働省の当評価委員会の昨年の評 価書が直接取り上げられて言及がございました。それで大変短い時間だったんですが、 取り上げた議員の指摘が、この評価書を見たところ自己評価とおりの評価結果になって いるものが多いんじゃないか、という趣旨の指摘でありまして公正な評価をお願いした いということでございました。それで、言いっ放しで厚生労働省側がお答えするという ことにはならなかったんですけれども、実際にそうなっているかどうかはこのシートに 自己評価も付けてございますので各委員に見て御判断いただければと思いますが、その ような目でこの当評価委員会の評価書を見ている向きがあるということを御承知いただ いた方がいいかと思いまして、そのような意味でも御報告するということでございま す。  それから、先ほど資料3-3で評価の進め方について御説明した際に、3法人の個別 評価の項目、評価項目をお示ししたわけでございますけれども、資料3-3の2ページ をめくっていただきますと、のぞみの園の評価項目、16項目、4グループに括ってござ いますが、それが出ているわけです。これにつきましては昨年度から変更はございませ ん。  それから3ページをごらんいただきますと、医薬品医療機器総合機構の評価項目、こ れはちょっと多いんですが、24項目ございますけれども、この法人につきましては今年 が初めての評価になるわけでございます。  4ページをおめくりいただきますと、福祉医療機構の評価の個別項目なんですが、実 は今回2回目になるわけですけれど、昨年度から一部変更した点がございますので、こ れにつきまして所管課から御説明申し上げます。 ○社会・援護局福祉基盤課長補佐  社会・援護局福祉基盤課でございます。それでは福祉医療機構の個別評価項目の見直 しについて御説明をいたします。  先ほど御説明がありましたように、平成15年度につきましては19項目を設定して評価 をいただいたというところでございます。平成16年度におきましては3-4の1ページ にございますように、1〜4の項目が並べてあります。こういうことでそれぞれ見直し をする、あるいは追加するということが必要になってございます。  まず1点目でございますが、平成16年4月に旧労働福祉事業団から業務移管されまし た労災年金担保貸付事業に関する事項を評価項目に追加する必要がございます。  それから次に財務内容の改善に関する事項でございますが、これは平成15年度におき ましては各事業ごとの評価項目の中で併せて評価を受けている形でございましたが、総 務省政策評価・独立行政法人評価委員会からの指摘を踏まえまして、これらの項目につ いては個別評価項目として追加するということにさせていただきました。  さらに職員の人事に関する計画の事項でございますが、これは平成15年度におきまし て他の評価項目と併せて評価をいただいているところでございますが、他の法人の例を 見ますとこの部分については個別評価項目として設定されているというような状況がご ざいますので、福祉医療機構につきましても個別評価項目に追加するという形にさせて いただきたいと考えております。  最後に、法人全体に係る個別評価項目の括り直しということでございます。2ページ に具体的な評価項目が並んでございますので、そちらをご覧いただきながら御説明をし たいと思います。まず1点目でございますが、効率的な業務運営体制の確立に関する事 項ということで、平成15年度におきましては3項目、「ISO9001」、それから「人事 評価」、それから「トップマネジメント」を個別評価項目として掲げておりましたが、 これらの項目についてはいずれも相互の関連性がありますので、これらを含めて総合的 に評価することが適当ではなかろうかということで個別評価項目の集約を行ったところ でございます。  次に業務管理の充実に関する事項でございます。これにつきましても平成15年度にお きましては3項目、具体的には「業務管理のための仕組みの検討」、「リスク管理体制 の強化」、「ALMシステムの活用」、この3つを個別評価項目としておりましたけれ ど、これらはいずれも個別の法人活動の一つに該当しますので、個別要素として評価す るよりも総合的に評価するという形が適当と考えまして、集約を行うということにした ところでございます。なお、今回この6つを2つに合わせまして括り直しをするわけで ございますが、これに伴いまして平成15年度の評価とこれからの評価についての経年の 比較ができないのではないかという御心配というか、御懸念があろうかと思いますが、 平成15年度のこれらの評価項目についてはすべて「A」評価をいただいておりますの で、特段影響は生じないものというように考えております。  説明は以上でございます。 ○橋本部会長  ありがとうございました。ただいまは資料3-1〜4につきまして御説明いただきま した。それで資料3-1はスケジュールはございまして、きょうと明日と来週の9日、 そして22日と、場合によっては29日と、よく働かせてくださるというスケジュールでご ざいます。次回は明日はこの部屋ですが、8月9日の22会議室というのは場所はどこで ございますか。皆様の手帳に書いておければ誤りがないかなと。自分がよく誤るもので すから、後からで結構ですから教えてください。  それから資料3-2は起草委員の担当でございます。それぞれの専門性を考慮しなが ら決めていただいたと思いますが、これは何か御意見はございますか。よろしゅうござ いますね。それから資料3-3でございまして、評価の進め方でございます。一回やっ ていればわかるのですけれど、初めての委員の方々はちょっとわかりにくいかもしれま せん。それできょうはのぞみの園につきまして実際に評価を進めてまいりますときにも う一回また、どういう場合がBなのかというところは難しいところで、評価の判断をも う少し詳しく知りたいということがあるかもしれませんので、そこでまた御説明いただ いたらどうかと思いますが、特に何か御意見はございますか。3-3の資料について。 これはやっぱりやってみると、ウッと行き詰まるところがあるかもしれません。では、 その折にまたどうぞ御質問ください。  それから最後の3-4でございますが、福祉医療機構の評価項目の見直しということ で今丁寧な御説明をいただきました。何か御意見はございますでしょうか、あるいは御 質問はございますでしょうか。よろしゅうございますか。よろしいでしょうか。  それでは、きょうの4番目の議題になりますが、きょうのメインのテーマに行ってよ ろしいわけですね。 ○政策評価官  4番の評価の視点の改正についてお願いします。 ○橋本部会長  資料4でございます。評価の視点の改正の案について御説明いただきたいと思いま す。お願いします。 ○社会・援護局福祉基盤課長補佐  社会・援護局福祉基盤課でございます。資料4の福祉医療機構の評価の視点改正につ いて御説明をいたします。  これは先ほど申し上げました個別評価項目の見直しに伴うものでございます。まず第 1点目の労災年金担保貸付事業に関する評価の視点改正につきましては、既に平成16年 11月24日に行われました第13回医療・福祉部会で御審議をいただいております。資料4 でございますが、非常に見難くなっておりますが、本来一枚の様式になるものでござい ます。見開きでご覧いただきたいと思います。  簡単に御説明しますと、左側に中期目標、それから中期計画と書いてございます。右 側に平成16年度の年度計画、これを受けて一番右側に今回追加する評価の視点の案が記 載してございます。  それで、財務内容の改善に関する事項の評価項目の追加に伴う評価の視点についてで ございますが、この2ページ目のところをごらんいただきますと、予算、収支計画及び 資金計画について、計画と実績の差異についてその内容が合理的かどうかということを 評価していただくということにしております。  また、運営交付金を充当して行う事業のうち、自己収入の確保を目標とする事業でご ざいますが、これは福祉医療経営指導事業、それから福祉保健医療情報サービス事業の 2つがございますが、これらにつきまして収入確保のための努力がなされているかどう かということを評価していただきたい、というように考えてございます。  続きまして恐縮ですが4ページをごらんいただきたいと思います。4ページは職員の 人事に関する計画の評価項目への追加に伴う評価の視点でございますが、文章だけです と非常に漠然としておりますが、これらは要するに研修ですとか、それから人員配置で すとか、そういう計画についてどの程度実施されたのかということを御判断していただ きたいというように考えております。また、人件費につきましてもその実績が予算に対 しまして上回った場合、その内容が合理的であったかどうかということを評価していた だくことにしております。  以上、簡単でございますが説明を終わります。 ○橋本部会長  ありがとうございました。福祉医療機構の評価の視点の改正案につきまして担当から 御説明いただきました。ただいまの御説明につきましての御質問はございませんでしょ うか。いかがでございますか。もし、なければこの案を承認するということにしたいと 思いますが、御異存はございませんでしょうか。では、そのように進めさせていただき ます。ありがとうございました。  それでは、きょうの一番重いと言いましょうか、具体的に評価していただくという作 業に入ってまいりますけれども、議事の5番目でございます。独立行政法人国立重度知 的障害者総合施設のぞみの園の個別評価項目に関する評価でございます。では、御説明 をよろしくお願いします。 ○政策評価官  それでは本日の個別評価の手順でございますが、まず初めに法人の理事長さんから16 年度の実績等の重点事項の報告を10分ほどお願いするということにしております。その 後、個別項目の評価を行っていただくわけでございますが、お手元に資料5-3としまし て、このような大判の個別評価シートをお配りしております。これに基づいて評価をし ていただくわけでございますが、表紙をおめくりいただきますと、1ページから3ペー ジまでが第一の項目の評価のシートになるわけでございます。それで、のぞみの園につ きましては全部で16の評価項目がございますので、今見ていただいた1〜3ページまで が効率的な業務運営体制の確立、組織体制、人事配置に相当する部分になるわけでござ います。  それで、この評価シートを見ていただきますと1ページの左側に中期目標の該当部分 が抜いて書き込んであるわけでございます。これは大臣が法人に対してこういう目標を 達成してくださいということで、大臣から法人に示したものです。それから、その隣に 中期計画がございます。これは法人を設立する際にその中期目標を達成するためにはこ ういう中期計画を持って取り組みたいということで出していただいて、これもこの評価 委員会の審議を経て承認をしたものでございます。その対応部分が、該当部分が抜き刷 りしてございます。それから、その右は平成16年度計画となっておりまして、中期計画 を計画期間は通常5年ですが、計画期間内に中期目標達成に向けて取り組んでいただく わけですが、法人の側でそれぞれの事業年度ごとに計画をつくっていただきます。これ は届け出でございますけれども、法人の方で平成16年度にはこういう計画で取り組むと いうことを決めていただいたという内容が書いてあるわけでございます。  ここまでは規程の既に決まっているものでございますが、その右に平成16年度の業務 の実績、これがこの度御報告をいただく内容になるわけでございます。説明は各シート ごとにございますが、このような業務の実績であったということを法人から御報告いた だくわけです。  そして3ページを見ていただきますと、以上を踏まえまして評価の作業に入るわけで すが、3ページの左側の部分は評価の視点で、どのような視点から評価していただくか ということを、これも事前にこの部会で決めていただいた評価の視点が書いてございま す。以上を踏まえまして、3ページの中ほどに自己評定というのがございまして、これ は法人の側で以上のような中期目標・計画、そして実績、評価の視点の踏まえて法人と してはどのように自己評価しているかということを書いていただく欄でありまして、こ の項目につきましては自己評定は「A」ということで、なぜAかということが理由、そ して特記事項という形で書いてあるわけでございます。  そして、その右側に評定の欄が空白でございまして、各委員にはこの評定の欄にS〜 Dまでの5段階の評価を御記入いただきまして、その理由、それから特記事項を御記入 いただくという作業をお願いしたいわけでございます。それで、これがこの法人の場合 ですと全部で16あるわけでございます。  そういうことでございまして、この後の進め方ですが、16項目ございますが4つのグ ループに分けまして法人から説明を大体15分していただいて、その後説明に対する質疑 を10分程度、その後評価シートに御記入していただく時間が10分程度という流れで、こ れを4回繰り返しまして、そうすると大体、ちょっと今はおくれておりまして予定の時 間が延びてしまうかもしれませんが、そこまでの作業を本日お願いしたいと存じます。 それで大体最初の方の項目に時間が掛かってだんだん早くなるという経過があるわけで ございまして、予定通り進めない部分があるかと思いますが、今申し上げました時間を 目安にお願いしたいと存じます。説明は以上でございます。 ○橋本部会長  ありがとうございました。それでは今、評価官から御説明がございましたが、のぞみ の園の理事長さんから事業の業務実績などについて御説明をいただきたいと思います。 お願いします。 ○のぞみの園理事長  理事長の遠藤でございます。どうぞよろしくお願いします。  当法人は一昨年10月に独立行政法人に移行いたしまして、早くも3年度目を迎えてお ります。関係各位の御指導、御協力をいただきまして、おかげさまで法人のそれぞれの 業務はおおむね順調に運営されているかと考えております。昨年のこの部会で私の方か らは15年度の6カ月間について御説明するときに、法人の目的とか業務が大きく変わっ たことから、まず法人の体制整備に取り組むことに重点を置いたという旨を御説明いた しました。今回、評価をいただく16年度につきましては、今申し上げました15年度の体 制整備を基礎として、中期目標に示されている課題に本格的に取り組んだ1年間であっ たと考えております。詳細は後ほど評価シートに沿って御説明いたしますけれども、16 年度の主な取り組みの状況、またそれが17年度に入ってどうなっているか、そういう点 について重点事項ということで御説明させていただきます。  まず、業務運営の効率化を図るために役職員の給与の引き下げですとか、退職者の補 充を原則として非常勤職員で対応する、このようなことで人件費の縮減に努めました。 ただ、本年3月のこの部会で御説明いたしましたように、平成16年度中に定年退職者の ほかに、現職死亡の職員が2名、自己都合の職員が13名出たということで退職金が嵩ん でしまいまして、結果的に7千万円の借入れをせざるを得なかったということでござい ます。退職金を除いた人件費を見てみますと、14年度に比較してということで、15年度 は6カ月間でしたので、14年度に比較しますと決算ベースで人件費の総額が1億2千万 円ほど縮減できたという実績はございます。なお、平成17年度についても役職員の給与 の引き下げを行いまして、前年度と同様に平均3.5%の引き下げを実施したところでご ざいます。  次に、当面の最大の課題と受け止めている入所利用者の地域生活への移行についてで あります。入所利用者のうち、30年以上継続して入所している人が8割を占めていると いうことでありますので、まず地域での生活とはどのようなものかを体験していただ く、実感していただくということで、職員宿舎の空き室とか、町中の住宅を利用しまし てグループホーム生活を一定期間継続して体験するという事業を30名規模で実施してき ております。併せて、生活寮を離れたところで短期間の宿泊を体験するという事業も実 施しております。こちらの方は年間約200名ほどが体験しております。  このようにグループホーム生活を体験するという事業を、これを利用している人が33 名現在おります。これらの人たちは生活寮を離れて自分の気に入った住まいで、個室の 生活を楽しんでいると。日中はバスに乗って作業活動に携わっていると。このような日 々の生活の風景からは実質的には地域生活に移行した、あるいはその一歩手前の人たち ということもできるかと思いますけれども、このような人たちが現に33名おります。  一方、それぞれの入所利用者の意向を踏まえて、保護者ですとか、出身自治体、受入 先の施設とか、グループホームなどと協議・調整を重ねておりまして、平成16年度は5 名が地域生活へ移行するためにのぞみの園を退所いたしました。ちなみに本年7月末現 在では10名になっております。入所利用者の高齢化が進む中で、一日も早く、一人でも 多く地域生活に移行できるようにという思いで、現在30数名の利用者に関して関係者と の協議・調整を進めております。  ただ、その協議状況を振り返ってみますと必ずしも順調ということではなくて、むし ろ苦戦しているというのが率直なところでございます。その大きな原因としては、保護 者の理解と同意の問題がございます。保護者の方も高齢化し、また入所者の兄弟へと代 替わりが進んでおりますし、しかも当施設は全国から受け入れてきたという経過がござ いますので、地理的にも離れている方というのが多いという実情にございます。そのた めに利用者の地域生活の移行という非常に込み入った話をじっくりとする、そういう機 会がなかなかつくれないという現状もございます。一方で全国的に見ますと、障害者の 福祉サービスの基盤が整備されている地域というのはむしろ限られているというのが実 情でございますので、私どもの方で保護者の方が安心できるような移行後の生活のプロ グラムを提示することが、これも必ずしも容易でないという実情もございます。このよ うな問題はございますけれども、これからも粘り強く、かつ丁寧に手順を取り組んでい く決意であります。  次に、のぞみの園と地域との係りを深めるための取り組みについて若干触れます。昨 年4月から施設の通所部ということで、定員10名の通所部を開設しております。地域の 障害のある人たちに作業を中心とした日中活動の場を提供してきております。これをさ らに増やしていこうということで、本年10月に町の中の店舗兼住宅の一軒屋を借りまし て、通所部の定員を10名に増やすということ。また、入所利用者のグループホーム生活 を体験する場としても活用しようということで計画しております。また、地域の障害の ある人、主に発達障害にある子どもさんでございますけれども、このような人を対象と してのぞみの園の直営の診療所が専門医療チームを組んで外来診療を行っております。 患者数がだんだん増加傾向にございますし、通院する患者の居住地も高崎市内から群馬 県内、さらに県境を越えてとだんだんと広がりを見せております。  次に企画研究部門についてでありますが、16年度は厚生労働科学研究費補助金を受け まして「知的障害者の地域移行を困難にする二次的障害とその対策に関する研究」とい うのを取り組みました。これは3年計画でありまして、その初年度ということで取り組 んで、後ほど御説明いたしますけれども、貴重なデータを得ることができたということ であります。また、16年度1年間かけて全国の関係者を対象とした福祉セミナーを開こ うということで準備を進めてまいりました。先月全国の障害者福祉の関係者を対象とし た第1回のセミナーを開催することができました。平日3日間というプログラムでござ いましたが、37の都道府県から245名の方が参加していただきました。これに当法人の 職員も加わりまして、300名という規模で3日間のセミナーを無事終えることができた ということを報告いたします。また、のぞみの園における各種成果を広く全国に発信し て活用していただくということで、ニュースレターを昨年8月に創刊いたしまして、委 員の先生方にもお送りしておりますけれども、近く第5号を発行する予定でございま す。  このように各業務について成果を挙げることができたんですが、一方で後ほど御説明 しますように、計画通り進んでいないものもございます。いずれにしても課題山積の状 況というのは続いております。この機会に当面する大きな2つの課題について触れたい と思います。第一に、これも後ほど御説明いたしますけれども、平成16年度1年間をか けて生活寮の再編について検討し、その方向性を決めました。評価シートで10ページに 出てまいります。現在、一つの生活寮の中に高齢の人、若い人、医療的なケアが必要な 人、行動障害のある人などが混在しております。このような状況の中で一人々のニーズ に的確に対応できる質の高いサービスを提供すると、そのためにはこの生活寮の再編を 行いまして日常的に医療的な配慮の必要な人、行動障害への対応など、特別な支援の必 要な人、近い将来地域生活への移行を目指す人など、類型に分けて再編成するというも のであります。生活寮の数も現在の22から20に減りますので、運営の効率化も併せて図 ろうというものであります。これは入所利用者の立場でみますと、現在450名の方が生 活寮で生活していますが、その半分が引越しをする、寮を移っていくと、そのような規 模の大きい移動になりますので、混乱なく円滑に実施できるようにということで現在法 人を挙げてその準備に取り組んでいる、最後の詰めに取り組んでいるという状況でござ います。  また、もう一つの大きな課題としましては、現在国会で審議中の障害者自立支援法へ の対応でございます。この法律が成立いたしますと新しい福祉サービスの体系に移って いくわけですけれど、これに適合する、ただ適合するだけでなくて、やはり国立の施設 としてまさに新しい障害者福祉のサービスを率先して実践していくと、そのような役割 があると認識しておりますので、その準備に万全を期すということで現在内部で検討を 進めているところでございます。  以上、いろいろ申し上げましたが、独立行政法人に移行して目的・業務が変更された という一方で、旧法人の30年来の伝統を引き摺っているような面もございます。そのよ うな意味で新しい法人に移行して、これまではどちらかと言うと安全運転に気をつかっ てきたということは否めないかと思います。しかし、中期目標の期間はあと3年も残さ れておりませんので、これからは関係者の御理解・御協力を得ながら目標達成に向けま してもう少しスピードアップしていかなければならないと考えているところでございま す。部会の委員の先生方におかれましても引き続き御指導、御鞭撻を賜りますようよろ しくお願いします。 ○橋本部会長  どうもありがとうございました。独立行政法人になって大変大きく変化したのがのぞ みの園だったというように思います。かつて、とても重い知的障害を持っている方々の 全国をカバーする施設としてつくられたものでございましたから、この業務内容、その 目的、そして業務内容を変更したということについての転換はとても大きなものがござ いました。それで今、極めて要領よく御説明いただきまして、大変な御努力をなさって いるということがよくわかりました。たぶん御質問をなさりたい方もいらっしゃるだろ うと思いますけれども、あとの作業が詰まっておりますので、できれば省略したいと思 いますが、ぜひ伺っておきたいという方はいらっしゃいますか。こういう言い方をする と質問しにくいと思いますが、御了解いただけますでしょうか。  それでは具体的な評価の作業を進めてまいりたいと思います。それで大変部厚い評価 シートが配られているわけでございますが、先ほど御説明もございましたが、これを4 つのグループに分けて評価を進めていきたいという計画でございます。ようするに4回 同じことを繰り返していくということになりますが、この評価の進め方につきまして御 説明をいただきたいと思います。この御説明はのぞみの園の方からいただくことができ ますでしょうか。お願いします。 ○のぞみの園理事長  それでは資料5-3の評価シートに沿いまして御説明いたします。4つのグループに 分けてということでございますが、第1のグループはこの内容を見ますと多岐に亘って おりまして、また分量も多いものですから15分で説明できるかなというのはちょっと自 信がございません。ただ、残りの3つのグループはこれは確実に15分以内で御説明いた しますので、最初のグループだけ若干長くなりましたら御容赦願いたいと思います。  グループ1の方はまず、効率的な業務運営体制の確立についてから始まっておりま す。  その中で組織についてでありますが、これは16年度の4月に組織改正をしました。こ のときには施設部門を一まとめとして総合施設という組織をつくって、これを統括する 責任者として総合施設長を配置いたしました。というのは、それまでは法人の理事長が 施設長を兼ねるような、そういうややあいまいな組織でありましたので、法人運営全体 の責任者と施設の現場の責任者を分離したということであります。また、併せて地域移 行を担当する組織を「室」という組織から「部」に格上げして人員配置も強化したわけ であります。  さらに17年4月からの組織改正に向けて種々検討したということが書いてございま す。特に障害者自立支援法案が国会に提出されましたので、施設サービスというのが住 まい、いわゆる夜の宿泊の部分と日中活動に分離される、こういうことも念頭に置いて 総合施設の中を住まいに当たる生活支援部、日中活動に当たる活動支援部、地域移行に 当たる地域生活部というような3部制ですっきりと整理したといったような組織改正を しております。  次に人事の配置についてでございます。最初に人事評価が出てまいりますが、これは 16年度中に評価の要綱案と実施要綱案を作成いたしました。職員に提示して意見を聴取 している最中なんですが、それに時間が掛かっておりまして、16年度中に施行まで着手 しようという計画でありましたけれども、施行までまだ至っていないというのが現状で あります。  また、次に民間施設からの人材の登用についてでありますが、16年4月から地域生活 への移行という大きな課題に対応するために、経験豊富な人材3名を民間施設から登用 したということであります。また、17年度研究部門の強化を図ろうということで、16年 度中に関係各方面に協力要請をしまして、その結果として当法人の研究課長として日本 社会事業大学から専門家を割愛人事で招聘するということを内定いたしました。という ことで、本年4月から研究課長が「研究課」という組織をつくって、そこの課長に就い ていただいております。  それからあと、地域移行を進めるに当たって職員の派遣ということなんですが、これ は実際に地域移行という場合に事前の移行先の見学ですとか、宿泊体験で職員を同行さ せる、あるいは移行の際に付き添いをさせる、また移行した後状況を把握するために職 員を派遣すると、このようなことで延べ17回に亘って27人を派遣しております。  以上が組織とか人員配置の関係でございまして、3ページに自己評価が記載してござ います。今、御説明しましたように、機動的な組織改正、民間からの人材登用、また常 勤職員を10名削減したという実績もございますし、人事配置についても重点的かつ柔軟 に対応したと。このような実績に照らして、当初の計画よりは進んでいるという自己評 価をいたしまして「A」といたしました。  次に4ページからでございます。効率的な業務運営体制の確立の(2)としての内部 進行管理の充実であります。これはまずモニタリング評価会議というのが出てまいりま すが、これを四半期ごとに年4回開催しようと予定しておりましたけれども、モニター として若手職員を委嘱したということがありまして、担当部署全体の業務内容をよく理 解すると、そして進行状況を適切にチェックするためにどうしたらいいかと、そういう 点についていろいろ勉強していただくための時間が必要になってしまいまして、結果と して上半期は正式な会議を開くことができませんでした。結局、年に2回モニタリング の評価会議を開催したということで、これは計画より2回で終わってしまったというこ とでございます。  それから次に、入所者と職員の健康と安全の確保というのが出てまいります。ここで 最初に書いてございますように、昨年の9月13日、14日に入所者と職員の38名が下痢な どの症状を訴えてのぞみの園の診療所を受診いたしました。受診していないけれども同 様の症状があるという方を調べてみますと、合計65名に達しました。いずれも症状は軽 かったんですけれども、14日の午後に管轄の高崎保健所に連絡しまして直ちに立ち入り 検査を受けました。そして、同保健所の指示を受けまして速やかに施設内の一斉消毒、 清掃を行うなどの措置を講じました。原因については診療所受診の一部の患者の便から 病原性大腸菌のO25という比較的毒性の弱い菌が検出されましたけれど、保健所の検査 結果では原因の特定に至らなかったということでございます。このようなこともござい ましたけれども、法人を挙げて速やかに対応したということでございます。また、ノロ ウィルス、インフルエンザについても感染予防のために所要の措置を講じております。  また昨年は10月に中越地震がございまして、高崎市でも震度5弱を記録いたしまし た。大きな揺れがございましたので、発生後直ちに施設入所者の安全確認、施設・設備 の被害状況の確認などを行ったということで、迅速に対応できたと考えております。  また4ページの最後のリスクマネジメントの関係でございますけれども、昨年のこの 部会でヒヤリハット事例について御指摘もございましたので、ヒヤリハット事例の把握 に努め、実際の発生した事故等を併せてそういう事例を基にしてこれからの予防策の検 討に活用してまいりました。  また5ページになりますが、苦情解決というのがございます。これは法人が定める苦 情解決制度の手続きを申請したケースというのは一つもなかったんですけれども、いろ いろな機会を通じて寄せられた意見・要望・苦情などを集約して苦情解決委員会を開催 して、その対応策などを検討いたしました。この苦情解決委員会というのは外部の弁護 士さんなども委員として参加していただいておりまして、そのような中でこういう意見 とか要望、苦情などを基にしてこれからの未然防止対策といった点について種々意見交 換をいたしました。  以上、御説明しましたようにモニタリング評価会議というのは2回の開催に終わった んですが、リスクマネジメント、苦情解決などについては計画通りに実施できたという ことで、自己評定は「B」といたしました。  次に評価シートの6ページであります。これは経費節減の関係であります。まず、職 員給与の関係ですけれども、平成15年度は人事院勧告に準拠して引き下げを行ったんで すが、16年度は法人独自の取り組みということで役職員一律3.5%の引き下げを行いま した。さらに17年度の引き下げについても検討を行いました。その結果として、17年度 は引き続き3.5%の引き下げを行ったところでございます。  次に運営費交付金以外の収入の確保でございます。まず診療所の関係では常勤の理学 療法士の確保に努めた結果、本年4月から採用することができました。その結果として 6月分の診療報酬から理学療法のIIIという診療について保険請求ができるということ になっております。  また、平成16年度から私どもの職員の専門性を活用して群馬県から委託事業を2つ初 めて受託したという実績が出ております。一つはガイドヘルパーの養成研修事業、これ は2回に亘って行ったものですけれども、そのような研修事業とケアマネジメント関係 の事業について当法人からその専門性を持っている職員を派遣するといった委託事業を 請けております。そのほかに、福祉系大学などからの実習生の受け入れについて、実習 料というのをとっておるんですが、実習内容を充実するということとの見合いで実習料 の引き上げも行っております。  ということで7ページに自己評定が書いておりますが、以上のような職員給与の引き 下げの状況、運営費交付金以外の収入の確保の状況というのは当初予定していたものよ りも成果が挙がっていると判断しまして、自己評定は「A」としております。  次に8ページでございます。これは効率的な施設・設備の利用ということでございま す。  施設・設備、ハード面の有効活用について収入増も図るというそういう観点も含め て、例えば不動産鑑定士などの専門家の御助言もいただくというようなことも含めて検 討に努めておりますけれども、まだ良い案は得られていないというのが現状でございま す。  またボランティアの受け入れでございますけれども、受け入れのための内部体制を整 えるとともにパンフレットを配布したり、ホームページに掲載したりしましてPRに努 めました。また高校生などを対象とした講座を開催しております。また、研修会の誘致 というのが8ページの下の(2)で出てまいりますが、関係団体の研修会などを私どもの 施設の中で開催いたしましたが、こういうことに加えてやはり当法人が主体となってそ の有する専門性を発揮できるようなそういうセミナーとか研修会を開催することが大事 だと、そういう観点に立ちまして障害医療セミナーという障害医療関係のセミナーと か、冒頭に触れましたような全国の関係者を対象とした福祉セミナーなどの開催につい て取り組んでまいったところでございます。  次に9ページになりますけれども、入所者と地域住民との交流ということで、年1回 フェスティバルというのを開催しております。昨年も10月に開催いたしまして、当法人 の関係者も含めて1,700人の参加を得て開催しております。  次に9ページの(2)として、地域の知的障害者に対する支援についてです。冒頭御 説明いたしましたように、のぞみの園の診療所が専門医療チームを組んで地域の、主と して発達障害の児童などを対象に外来による専門医療に取り組んでおります。また16年 度から新たに施設通所部を開所しております。また、本年10月この通所部を拡大すると いうのは先ほど申し上げましたとおりでございます。  それから次に10ページに移りますけれども、職員宿舎の空き室の有効活用についてで あります。これは先ほど御説明いたしましたように、施設内グループホームとして活用 しております。これも本年度に入りまして活用する空き室を増加したりという方向で取 り組んでおります。  そして最後に寮の再編成ということで実績として挙げてございます。これは先ほど御 説明したように、入所利用者に対する支援の質の向上を図るということとともに、運営 の効率化ですとか、施設・設備の有効利用も図るという観点から取り組んだものでござ います。16年度中に青写真が完成しまして、現在鋭意準備に努めているということで、 10月1日からは再編成が終わって新しい生活寮ということでスタートしたいと計画して おります。  以上、御説明いたしましたが、大体計画通り実施できたと判断しまして、自己評定は 「B」といたしました。  次に12ページでございますが、これが第一グループの最後の項目になりますが、合理 化の推進でございます。まず外部委託の拡大でございますが、これは委託に馴染む業務 というのはほとんどすべて外部に委託しているということかと思います。現在、管理部 門で委託に馴染むものがないかどうか、そういう点でも検討しております。ただ、ほと んど馴染むものは委託したかなと考えておりますので、むしろ問題は次の競争入札の拡 大と受け止めております。なお、この外部委託の関係では委託費の節減に努めまして、 12ページの自己評定のところに記載してございますように、それぞれの業務で委託費の 節減に努めました。  また、競争入札でございますけれども、16年度に種々検討いたしまして、その結果と して廃棄物の処理関係の業務を新たに競争入札といたしました。しかしながら、なお生 活寮内部の清掃業務、食事提供業務、洗濯業務については随意契約であります。これら を競争入札とする方向で検討しておりまして、来年のこの部会では競争入札がだいぶ進 んだということを報告できればということで取り組んでいる最中でございます。  以上がグループ1の御説明でございます。 ○橋本部会長  ありがとうございました。今、御説明いただきましたように、まず最初のグループと して5項目御説明いただきました。私どもはこの5項目について評価をしていくことに なりますが、ただいまの御説明につきまして御質問がございましたらどうぞお出しいた だきたいと思います。具体的な作業に入ってまいりますので、御質問がございましたら クリアにしておいていただきたいと思いますので御遠慮なくおっしゃってください。特 に新しい委員の方は作業の進め方についておわかりにならないところがあるかと思いま す。どうぞ御質問ください。今、宗林委員から手が挙がっておりますけれども、先ほど 到着しておられましたけれど御紹介する時間がおくれました。引き続きお願いします。 宗林委員でございます。では、どうぞお願いします。 ○宗林委員  済みません、単純に御質問ということなんですが、3点ほどあります。1点は入所者 数自体は地域移行に移られた5名とか、今年になりまして10名というお話を先ほど伺い ましたが、全体の人数としてはその数が減ったということだけでよろしいんでしょう か。全体の入所者数をかなり減らすというようなことは目標とされていたと思います が。  それから2点目なんですが、運営費交付金以外の収入のところの御説明の中の文言 と、あとは決算報告書の方の関係で伺いたいんですが、いわゆる事業収入の診療収入で あるとかそういう施設等訓練等支援費収入等が数字上は減少しているような形の資料も 出ていると思ったのですが、そのあたりを少し教えていただきたい。  それから最後、3点目ですが、これは私も専門家というわけではありませんが、この 病原性大腸菌が検出されたアクシデントがあったというお話ですが、この手洗いの励行 というレベルのことなのか、今いろいろな施設でいわゆる排便とかオムツとかというよ うなもののルートを完全に分けることもされているように伺いましたが、そういうこと が必要なのかなとちょっと思いましたので、その3点済みません。 ○橋本部会長  ありがとうございました。それではどうぞお答えくださいませ。 ○のぞみの園総合施設長  一点目の入所者の減についてでございますけれども、昨年度は地域移行された方は施 設等に移行された方も含めて5名でございます。それから不幸にして亡くなられた方が おられます。昨年度はちょっといつもより多くて8名おりました。併せて13名の方が純 粋に減っているということです。そのほか、28名の方が生活寮以外のところで家族宿舎 等を使ってグループホーム的な生活をしているということでございます。 ○橋本部会長  よろしいですか、第一点は。実質的に、地域移行と言いましょうか、のぞみの園から 離れて行かれた方は実質的には5名と亡くなられた方ということになりますか。 ○のぞみの園施設長  そうです。昨年度は地域移行は5名でございます。 ○橋本部会長  ありがとうございました。どうぞ2番目の御質問をお願いします。 ○のぞみの園理事長  ちょっと詳細はともかくとして、運営費公費金以外の収入の状況について減少云々と いうお尋ねでありますけれども、診療所については保険診療を行っております。その関 係で診療報酬の引き下げとかそういうのもありますし、他方でやはり入院患者の増減と かそういうのもございまして、結果として若干減少というのはあろうかと思いますが、 私どもとしては何と言いましょうか、適切な保険診療を行うという前提の中でそういう 診療収入の増にも取り組んでいくという方向ではやっております。  それから支援費については今お話にありましたように、亡くなられた方とか、地域移 行をされた方ですとか、そういう方については支援費が入ってこなくなりますので、そ ういう点で減少になります。他方で通所部を開設しましたので、通所の支援費というの は新たな収入として入ってきております。 ○橋本部会長  2番目の御回答に対しては宗林委員、よろしゅうございますか。 ○宗林委員  はい、結構です。 ○橋本部会長  では、3つ目の質問について御回答ください。 ○のぞみの園理事長  確かに手洗いの励行とかございますけれども、私ども保健所の立ち入りを受けて、そ の際いろいろ指示を受けておるんですが、まず何よりやることはこういう基本的な消毒 というかそういうのをやれということで対応した次第でございます。それで日常的なこ ういう衛生管理というか、そういう点についていろいろ見直し良い契機にもなっており ますので、そういう点で検討しておりますが、御質問にあったようなそこまで現在は対 応できていないというか、今検討している最中というのが実情でございます。 ○のぞみの園理事  済みません、もう一点ちょっと補足させていただきますけれども、今までやってなか ったドアノブとかいろいろなところを消毒いたしました。追加させていただきます。 ○橋本部会長  それからついでに質問させていただきますと、あれは蛇口をひねるやり方をまだ続け ておられるんですか。これは設備を改修するのに大変なお金が掛かると思いますが、手 を差し出せば使えるとかいうのは。 ○のぞみの園理事  残念ながら大部分のところはそうだと思いますけれども、例えば給食する場所とかそ ういうところはいわゆる手でひねるだけでいいとか、そういう工夫はしております。ほ かの寮でも一部そういうのを取り入れているところがあります。 ○橋本部会長  ありがとうございました。それではほかの委員の方で御質問はございませんでしょう か。では白石委員からよろしいですか。どうぞ。 ○白石委員  いくつかの確認というか、御質問をさせていただきたいと思います。  まず、職員数が18名定年退職と自己都合等を含めて減になったということなんです が、それと一方で5名の方々が入られたということなんですが、ただ5名増えた方々は 地域移行の専門家であったり、研究活動に携わる方々ということで、−18名の職員の方 々を非常勤職員の方々の活用によって対応されたというようなお話があったんですが、 入所者へのサービスの点でどういうような御配慮があるのかということを御質問させて いただきたいと思います。  それから、のぞみの園というと運営費交付金が非常に話題になるということなんです が、平成16年度はその金額はどれぐらいだったのかということをお伺いしたいと思いま す。  それから最後なんですが、5名の方が地域移行ということで退所されたということな んですが、その移行先はそれぞれの自治体でのグループホームであったり施設であると いうことなので、その移動先での本当の意味での地域での生活をのぞみの園としてはど のようにフォローなさるのか、何かそういうお考えがあるかどうかということをちょっ とお伺いしたいと思います。以上です。 ○橋本部会長  御質問の趣旨はよろしゅうございましょうか。 ○のぞみの園理事  はい、では1番目の御質問からお答えします。18人退職いたしたわけでございます が、非常勤で対応したものがそのうち10人です。それから、診療所とかそういうところ の直接入所者の医療に係る分野で4人、それから生活体験室の関係で一人ということ で、5人新規に採用しております。それから、全く不補充というのが3人でございま す。したがいまして、非常勤で採用した者につきましては入所者の支援に差しさわりが 出ないように採用しているということであります。結局、18人のところ15人ということ で対応したということであります。 ○のぞみの園理事長  では今の若干補足しますと、非常勤職員の問題はやはりサービスの質との関係で私ど もも大事な問題と受け止めておるんですが、そういうこともございますので今御説明し たような生活寮の再編、そういうことによって正規職員の効率的な活用も図っていこう と、そういうものもございます。  それから16年度の交付金でございますけれども、16年度の交付金は予算計上は26億 7,400万円であります。ただ、15年度給与の引き下げなどによって若干の繰越分が出て まいりまして、その15年度の繰越分も含めて16年度の交付金を申し上げますと27億5,700 万円でございます。 ○橋本部会長  それでは3番目の退所なさった方のフォローの問題は。 ○のぞみの園総合施設長  昨年度は5名だったんですけれども、直接グループホームに行かれた方というのは1 名だけです。それで今年に入ってから5名、6月30日までに5名で、併せて今は10名に なっておりますけれども、その10名のうちの3名が直接グループホーム、それから1名 の方が在宅へ、家庭への引き取りということです。それは高崎市内に家をつくってそこ に引き取ってくださった。それ以外の方については、6名の方については入所施設の方 に移っておられます。ただ、この場合にも一応その施設で自活訓練をしていただいて、 そういう制度があるんですけれども、できるだけ早い機会にグループホーム等に移るよ うにしていただきたいという形でお話はしております。ただ、能力的に難しい方も現実 にはいらっしゃいます。地域移行するということが難しいという方もいらっしゃいま す。 ○白石委員  では最後のお答えに関して一点だけ確認したいんですが、のぞみの園の地域移行の件 についてはもともと重症な障害を持たれる方が多くて、その方々の地域移行を円滑にし ていただくというのが非常に大きなミッションであり、困難な点であるということをこ この部会でも皆さん承知しているところなんですが、今回平成16年度に5名で、それで 平成17年度も今時点で+5名、10名の方が地域移行をされた中には割と障害が重いとい うように言われている方々も移行されたということでしょうか。 ○のぞみの園総合施設長  グループホームに直接行かれた方というのは、のぞみの園の中でも比較的能力の高い 人というように御理解いただいていいと思いますけれども、それ以外の方につきまして はかなり能力的にも問題があるということです。ただし、自活訓練を半年間すれば可能 性の高い方も何名かいらっしゃいます。  もう一つ補足させていただきたいんですが、結局私どもの職員が、これは私どものの ぞみの園の地域移行というのはそれぞれの出身地にお帰りいただくということでありま すので、我々今まで係ってきた職員が支援できない、実際には直接支援ができないとい うところが結構大きな問題点ではあると思います。これが高崎市内で展開ができるとい うことであるなら、もっと多くの方たちが今実際に施設内グループホーム等で現在33名 暮らしておりますが、そういう方たちの地域移行というのも実際には高崎市内で展開す ると、我々職員が支援するということになれば可能だと思います。以上です。 ○橋本部会長  それでは菅家委員、どうぞお願いします。 ○菅家委員  初めてなものですから、ひょっとするとポイントが外れているかもしれません。質問 なんですが、ボランティアの養成、あるいは受け入れということについて御説明いただ きましたが、ボランティアというのは例えば1週間、あるいは1月単位で何十人、何百 人ぐらいを今現在お引き受け、あるいはお願いしていらっしゃるんでしょうか。という のは、ここに出てきておりますのが平成16年度の計画であって、例えば5年計画で最終 的にどういうように考えておられるかということ。それから、例えばボランティアとい うのはかなりの戦力になります。それから福祉大学とか看護学部とか、あるいは我々が 関与しております薬学部とか医学部とかそういうような学生が、例えば夏休み、冬休 み、そういうときをボランティアに受け入れていただけるなら、そういうようなことで 戦力にもしなるんであれば、そういうようなところをもう少し大々的に宣伝してきちん と養成するプランというか、教育プログラムをつくってきちんとしたことをされたら、 例えば人員削減というか、常勤の方々が削減される中でかなりの部分をボランティアと いうことを戦力にできるのではないかと思ったわけです。  それともう一つは、福祉系の大学の学生の実習料ということで、ただ単に1,000円か ら1,200円に改定したとありますが、これは一日当たりなんでしょうか。時間当たりな んでしょうか、あるいはどういうように。単位がよくわかりません。 ○橋本部会長  それでは2つ、ボランティアの受け入れ、それから実習費のことです。 ○のぞみの園理事  それでは最初のボランティアの件についてお答えします。ボランティアはたくさんの 方に来ていただいております。いろいろな対応があります。団体で、グループで来る 方、それから個人で来る方、そういうこともありますし、それから定期的に来る方、そ れから行事とかそういうところに合わせて来る方とかいろいろな対応があります。それ からボランティアの内容自体も寮舎に行っていろいろお話相手になってくれたり、来て いただいたり、それからいろいろ衣類の修繕とかそういうことをやってくれる生活援助 というか、そういう内容をしていただける方とか。あるいは、園内外の清掃をしていた だくような方、それから床屋さんにも来ていただいたりして、技術提携していただいた りしております。そういうことで、いろいろたくさん対応があります。それで例えば大 きな行事がありますときには、近隣の学校とかそういうところに要請したりしまして来 ていただいたりしておりますが、年度のはじめに組織的にいろいろな団体の方に来てい ただいていろいろな方針などをお伝えしたりしております。そういうことをやっておる ということでございます。  それから2番目の実習料の件でございますが、これは一日当たりということで御理解 いただければと思います。 ○橋本部会長  ありがとうございました。では菅家委員、今のことでよろしゅうございますか。 ○菅家委員  はい。 ○山村委員  地域移行に関してのことなんですが、出身県に帰っていただくという努力をされて5 名、10名の方が移られている、大変努力されているというように思いました。  質問は先ほども少しお答えがありましたけれども、高崎市近辺にのぞみの園が独自に グループホームを設置するそういうことの取り組みはいかがかと。また、そのことは不 可能なことなのか、今後の予定をお伺いしたいというのが一点であります。  それから2つ目は、現在施設内グループホームに取り組まれている、それが30名少し 超えるそのような実績が現在あるというお話で、これも大変すばらしいことだと思いま すけれども、今現在審議中の新しい法律の下では住まいのスタイルがケアホームである とか、あるいはグループホーム、そのグループホームも敷地内での住まいも可能なので はないかというあたりで議論中だと聞いておりますが、そのようなことと照らして現状 の暮らしというものをよりベターな暮らしに変えていく、そういうことが出身県に帰 る、それは一つの大きな方向でありますけれども、高崎近辺で現在の敷地内の宿舎等を 活用したそのようなことまでお考えかどうか、この2点についてお尋ねします。 ○橋本部会長  ありがとうございました。よろしゅうございますか。 ○のぞみの園理事長  はい、まず高崎市でのグループホームの設置の件でございます。これは群馬県の中の こういう居宅支援サービスの整備状況という問題がございまして、群馬県の水準という のは全国の平均に比べてやや下ぐらいかなという感じを持っております。そのようなこ とで他県出身者を対象とするようなグループホームについて群馬県知事の指定がいただ けるかどうか、それは現時点ではかなり難しい問題だと思っております。ただ、お話が ありましたように、自立支援法の実施によってかなりグループホームをめぐる状況も変 わってくるかと思います。  そういう中で2つ目の御質問の答えにもなると思うんですけれども、現在、施設内グ ループホームということで体験事業を行っている人たちについて、ある時点でグループ ホームということでいわば独立していただいて、そのまま高崎市内で生活していくとい うケースも当然出てくるんだろうと。そういうことでグループホームをめぐる状況がど う変わっていくかというその点について見守りつつ、タイミングを見計らっていずれか の時点でそういうこともやらなければいけないかなと考えております。 ○松原委員  今回初めての参加をさせていただきますので、わからない点も多く教えていただけれ ばと思います。地域移行という点なんですが、これはまさにのぞみの園だけの努力だけ ではいかんともし難い地域環境とか、家族環境とか整わなければできない難しいことだ と思います。特に利用者が家に帰ったとなると家族の負担も大きいと思うのですが、こ ののぞみの園の職員数と利用者数を比較しても、これだけ職員が充実していないと回ら ないというほどある面、人手を要する方が多いということの実証だと思うのですが、そ ういう方々が地域に帰った後、その家族なり受入れ先なりがどうなのか、また利用者さ んがどうなっているかといったフォローアップというのは何かなさっているのでしょう か。また研究部門があるかと思いますが、そういう研究部門でそのようなことを研究な さっているのか教えていただければと思います。 ○のぞみの園理事長  地域移行の関係で、移行先をどうするかということでいろいろ調整に当たるわけなん ですが、私どもとしては移行した先で現在で施設で生活しているよりも良い生活ができ るようにと、そういう観点からできる限り事前の受入れ態勢の整備に努めているという ことであります。ただ、努めていると言っても私ども自身が直接何かをするというのは できませんので、まず受入れ先の候補となるところと事前によく話をして、この入所者 の方についてはどういうサービスが必要なのか、そういうことを事前によくすり合わせ しながら大体受入れの条件が整ったという時点で移行していただくわけであります。ま た、移行した後フォローアップもしなければいけませんということなので、移行先とは 連絡をよくとるように努めておりますし、先ほど職員の派遣というところで触れました ように、移行後の生活状況を把握するために職員を派遣して、現に職員の目で確かめる ということもやっております。  それから研究部門についてなんですが、これは地域移行について方法論としていろい ろ研究する余地はあるんだと思いますし、我々も企画研究部でそういう研究をやってお ります。ただ、個別具体的な事例についてどうやったらその人の移行が早く実現する か、あるいは移行後の生活が安定するということが保障できるかと。そういうのはまさ に個々の入所者をめぐるいろいろな状況を全部総合的に勘案して実際に実現していくと いう、そういういろいろな手順を踏んでやっているというのが実情であります。そうい う意味で研究は進めておりますけれども、そのことが直接役立つということではなく て、やはり研究部門ではいわば学問的な、なおかつそれが標準化されて全国でいろいろ 活用できるというか、標準形として活用するものになればと、そういうことでやってい るんだと思います。そういう意味で私ども実際には個別具体的ケースについて一つ々い ろいろな事情を勘案して、一番良い方法はどれかという、そんなことでやっているとい うのが実態でございます。 ○のぞみの園総合施設長  ちょっと補足を一点ほどさせていただきたいんですが、利用者の地域移行に当たりま してはいくつかの原則を私どもはつくっておりまして、その中の一つに経済的な負担も 含めて家族に責任を押し付けるようなことはしないというようにしております。これは 家族の元に帰すのではないということで、できればそれぞれの地域にお戻りいただいて 地域生活ができることが一番望ましいんですが、それができないときにはそれぞれの地 域の施設にお帰りいただくと。それで、そこで自活訓練等をしていただいて、そこの職 員に慣れていただいたら地域に送り出していただくというような形をとるようにしてお ります。ですからグループホーム等に出て行くということなんですが。  ですから、家族の理解というのもかなり地域移行に対してはネックになっているんで すが、なかなか御理解いただけないということがありますけれど、それと同時にやっぱ り受入れてくれる施設もそれなりの力を持っている施設でないと対応していただけない ということもありますので、今現時点ではこちら側が、失礼な言い方をすれば、施設を 選ばせていただいているというような状況で、地域移行の数が数的には合っていないと いうことも一つの原因になっております。以上です。 ○橋本部会長  ありがとうございました。もともと大変難しい事業を進めようとしておられるわけで すから、御説明いただいて御苦労のほど忍ばれますけれども、たぶんのぞみの園がおや りになりますことは全国的に参考になることばかりだと思いますので、研究部門でのデ ータというのは当たり前のことですが、数だけでなくて、先ほど理事長さんが御説明く ださいましたように、こういう事例でこういうようにして成功した、失敗したというよ うなところをできるだけ質的な記録を残すことも必要かなというように期待したいと思 います。  それでまだ御質問はあろうかと思いますけれども。では、どうぞ。 ○宗林委員  6ページのところの「効率的な業務運営体制の確立」のところの数値の話で具体的に 伺いたいんですが、これは全体で期間中に13%以上の節減というのは承知しているんで すが、給与体系自体を3.5%も下げていらっしゃるということで、ここまで本当に必要 があるということでしょうか。これがこの一般管理費の中での13%というのはどのぐら いに該当してくるのかなと。結果的には人件費のことは書いてございますけれども、一 般管理費自体の数値がここでちょっとよく見えないことと。  それから、これから先もまだこれで引き下げていかなければいけないような感じであ るのかどうか、3.5%というのはかなり大きな数字だと思いますが、その辺を少し教え てくださいませ。 ○のぞみの園理事長  私どもの事業費の内訳を見て見ますと、人件費が大半を占めております。そういう意 味で運営費交付金を13%減らすということは、人件費で13%ぐらい減らさないと達成で きないと、そういう数字と受け止めております。独立行政法人として新しい事業にもい ろいろ進めていかなければいけないと、そういう使命もある思っておりますので、こう いう人件費削減で得られた財源、その一部をやはり新しい事業に向けていきたいという 考えもございます。また、公務員の給与の水準と私どもの職員の給与の水準を比較しま すと、約14%高いという御指摘がございます。これは事実でございます。そういうこと もありまして、私どもは4年かけておおむね公務員の給与の水準にと、そういうことも ございまして3.5%というのを2年続けて実施したわけでございます。ただ、毎年給与 を下げていく一方で業務がだんだんきつくなっていくと、こういう中で職員がどこまで がんばれるかという問題もございますので、そういう点も踏まえながら来年度どう取り 組むかというのは難しい問題だと思います。ただ、いずれにしても13%の交付金の減、 これを達成するためにはさらに人件費を切り込まなければいけないというのは、これは 確かだと思っております。 ○橋本部会長  それではちょっと予定の時間がだいぶ延びておりますけれども、最初のところでしっ かりやっておくと後が楽かなと思って御質問をいただいてまいりました。それで、今御 説明いただきましたところは評価項目としては5点評価していくことになります。その 進め方は先ほどの資料3-3の資料にございましたように、評価基準はS、A、B、C、 Dというようなこの基準に沿って皆様方の御判断で最も適切だと思う数字を入れていた だこうということでございます。それで自己評価のところは既に評価が入っております けれど、それと関係なく委員の方々のお一人々の御判断で入れていただきたいというこ とでございます。事務局の方から何か補足することはございますか。 ○政策評価官  特にございません。 ○橋本部会長  よろしいですか。それではその作業をお進めいただきたいと思いますが、いかがでご ざいましょうか。特に御意見がなければその作業にお入りいただきたいと思います。そ れで予定しております時間は、5つの項目で評価してまいりますけれど、併せて10分程 度でお願いしたいということでございますが、いかがでしょうか。御協力いただけます でしょうか。それでは、どうぞ個々にお進めいただきたいと思います。                  ―評価記入中― ○橋本部会長  予定の10分がちょうど過ぎたところでございます。拝見しておりますと、まだ筆を運 んでいらっしゃるようでございますので、もうちょっとだけ時間を置きたいと思いま す。  急がせて大変恐縮でございますけれども、もしお済にならないところは後で書き込ん でお帰りになっていただくというのはいかがでございましょうか。事務局の方はそうい う進め方はどんなものでございましょうか。 ○政策評価官  できましたらそのようにお願いしたいと思います。 ○橋本部会長  では恐れ入りますが、きょうは皆様の御予定は4時までとお考えだと思いますので、 できるだけそういうように進めたいと思いますので、大変恐縮ですが全体的には進めて まいりますので、やり残した分がありましたら後ほどお願い申し上げたいと思います。  それでは次のグループの評価をお願いしたいと思います。先ほどと同じように御説明 いただいて、そしてまた質問を皆様から出していただいて評価するという手順になって まいります。それで13ページからでございます。よろしくお願いします。 ○のぞみの園理事長  13ページからは自立支援のための取り組みでございます。これについては既に御説明 したり、あるいは質疑の中でお答えしているものもございますので、簡潔に説明させて いただきます。  まず実施体制でございますが、これは組織再編のところで御説明しましたように、総 合施設という位置付け、また地域移行を担当する部として地域生活支援部を設けるなど 整備を図りました。生活体験事業ということで、「施設内グループホーム」という言い 方もできるかと思いますが、これを昨年11月から28名の参加者を得て実施しておりま す。現在これが33名に増えております。  次に実施計画の作成と実践でございますが、これも15年度に引き続いてというもので ありまして、関係方面への協力要請、入所者への出身自治体あるいは受入れ候補先の事 業所などとの連絡とか協議・調整、または利用者と保護者への説明などこういうことを 繰り返し実施してきたということであります。そういうことで具体的にどんなことをや ってきたかというのが13ページから14ページにかけて実績として書いてございます。  それから、15ページの関係でございますけれども、就労体験実習という書き方がござ います。これは地域移行した後、日中活動でいろいろな作業活動などに携わる場合も多 かろうということで、移行後速やかに適応できるようにと、そういう趣旨から特に力を 入れて取り組んでおるんですけれども、のぞみの園の外でいろいろ作業活動に従事する というそういう機会をできる限りつくるようにしております。その内訳が15ページの表 としてまとめてございます。そのほかに、移行先におけるサービスメニューの確認とい うことでいろいろ打ち合わせを行ったりとか、また聞き取り調査などもしたと。そうい うことが書いてございます。  以上、取り組み状況を簡単なんですが御説明を終わりまして、16ページでございま す。自己評定のところでありますが、ただいま御説明しましたように地域移行推進のた めに内部体制を充実強化したということ。15年度に引き続いて移行に必要なそれぞれの 手順を丁寧に進めてきたということ。その結果として、地域生活への移行のためにのぞ みの園を退所した人が5名出たということ。さらに施設内グループホームということで ありますけれども、まさに地域移行一歩手前の方が昨年度は28名出たということ、これ らのことを総合的に勘案して自己評定は15年度と同じく「A」とした次第でございま す。  以上、簡単なんですが御説明とさせていただきます。 ○橋本部会長  2グループにつきましては、ただいま理事長の御説明がございました。私からもちょ っとお尋ねしたいと思いますが、重度の知的障害者がお入りになっていらっしゃります から、地域に移行したときにどうやって地域で生活していくかということを考えながら 準備なさっていらっしゃるという、とても大切なことをやっていらっしゃると思います が、こ15ページの実習先を見ますと焼肉店、洗濯センター、それから除草というのはや っぱり厳しい作業でございます。仕方がないのかなと思いますが、特に焼肉店での仕事 というのはどういうことやっていらっしゃいますでしょうか。 ○のぞみの園総合施設長  これは前日使ったさまざまな器具の清掃ということでございます。ですから、開店前 の2時間ぐらいの時間を使わせていただいて実習をしているということでございます。 ○橋本部会長  そうすると危険だとか、あるいはとても不快な作業ということではなくて、人手を要 する仕事だけど知的障害のある人でもそれなりにできるという。 ○のぞみの園総合施設長  職員も一緒について行っていますが、それほど汚いとか厳しいとかそういう仕事では ないです。 ○橋本部会長  ありがとうございました。御質問はいかがですか。 ○菅家委員  その就労体験ですが、結局400名以上いらっしゃる中の16年度は17名ということです が、数値だけを見るとすごく小さく見えるんですが、実際に客観的に職員の指導者の方 々が評価して、大体何名ぐらいがそういうように就労できるであろうという数字を考え ておられるんですか。この「17」というのは、ものすごく100%近い達成率なのか、そ うじゃなくて例えば100名ぐらいは作業の手順というか、能力に合わせた何かあるかと 思いますが、どんなものでしょうか。 ○のぞみの園理事長  まず、この数字なんですが、現在入所されている方が日中活動としていろいろな作業 活動に取り組んでおります。これは施設の中のそういう作業活動をやる設備がございま して、そこで例えば木工とか、陶芸ですとか、その他いろいろホチキスの針を箱に入れ るとかそういう請負の事業がございますし、さらに農芸班ということでシイタケをつく ったり、野菜をつくったり、また牧場もございますので、そこでヒツジの世話をしたり とか、そういういろいろな作業に携わっている人が200数十名おります。そういう意味 で、これらの人たちというのはまさに施設の中で私どもの職員が直接係っていろいろ作 業活動をしているという人たちであります。  それで15ページの方で書きましたのは、そういう地域移行した後の日中活動としてや はりこういう就労、あるいは作業に携わるということが当然あり得るわけですから、そ れをあらかじめ予行演習するということで、のぞみの園を出たところで、あるいはのぞ みの園の敷地にはありますけれど実際に外注している洗濯センターとかそういうところ で就労体験などをやっている人たちの数字がこういう数であるということであります。  そういう意味で、ここに書いてある17人の人たちはそういう作業についてそれなりの 対価として何がしかの報酬を得られる、現に得ていますが、そういう人たちの数であり ます。それで、最初に申し上げました200数十人の人たちはそういう日常的に作業活動 などに携わってそこでできた製品・作品などを販売して得られた収入、これをプールし て年2回それぞれの貢献度に応じて配分するということをしております。そういう意味 で就労が可能かどうかというのはなかなか判断が難しいんですけれども、そういう活動 を通じて何がしかの収入を得ている人たちというのはかなりの数がいるんですが、ただ そういうことから一歩進んで、やはり決まった時間に働いてそれに見合う収入を得ると いう、そういう人たちがどれぐらいいるかというのはなかなか難しい問題であります。 重い障害のある方たちも多いわけで非常に難しいんですけれど、3月のこの部会で同じ ような趣旨の御質問があって、私は「1割ぐらい、あるいはさらに何がしかの収入を得 られる人を考えると2割、3割」と申し上げてしまったんですが、そういう意味で作業 活動して何がしかの収入を得られる人というのは多く見積もればそれぐらいいるかもし れませんけれど、一般的に見て就労してそれなりの収入を得ているということで考えま すと非常に限られた人数になってしまうのかなと思っております。 ○橋本部会長  ありがとうございました。どうぞ。 ○山村委員  資料の13ページなんですが、13ページの地域移行の実施計画の作成に関してというこ とで、一番右の欄の「平成16年度の実績」というところに(2)の(2)にそれぞれの都 道府県、指定都市、中核市、市区町のこれだけの市と具体的に協議したと、そういうこ とに関係しての質問なんですけれど、個別の移行可能な方が出てきた場合に出身の都道 府県なり、市区町村なり、そこと協議されたという下りなんですけれども、それ以前に 少なくともそれぞれの都道府県から高崎コロニーに何名かいらっしゃっているわけで、 それぞれの母体となっている基の都道府県にはかなり強く出身の方がこちらで暮らして おられるので社会資源が充実している今日、出身県として考えていただきたいというそ ういうやり取りはやられていることなんでしょうか。 ○のぞみの園理事長  まず都道府県に対する働きかけについては厚生労働省主催の全国の部局長会議ですと か課長会議がありますので、そういう場を通じて協力要請をしてきたというのがござい ます。それから個別に都道府県とのやり取りというか対応なんですが、確かに私ども全 国の44の都道府県から受入れをしておりますので、それぞれの出身地の都道府県はそれ なりに真剣に対応してくれということは当然でございますけれども、一般的な要請をし てもなかなかそれを受け止める都道府県の方も、では何をしたらいいんだと、こういう ことになってしまうわけです。ですから、私どもとしてはある程度入所利用者御本人、 保護者の方、そういう方の希望を踏まえて受け入れ候補先として適切なものがありそう だと、そういう場合に個別的なケースとしてそれぞれの都道府県に働きかけをするとい うことはやっております。そういう意味で、何というか、私どももそういうことで都道 府県に要請して、都道府県がそれではということで受けてやってくれれば、のぞみの園 の地域移行なんて非常に容易なものだということになってしまって、やや残念な気持ち というのもあるというのも正直なんですが。ただ、実際には都道府県の方もやはりそれ ぞれの地域で抱えている事情、それに対応するのが精いっぱいで、のぞみの園で安定し た生活を送っている方たちについてそこまでなかなか余裕がないというのが実情かなと いうのも考えております。そういう意味で私どもとしてはそれぞれのケースについて可 能性がありそうなものについて都道府県に協力要請し、そういう場を通じて地域移行の 流れというのをそれぞれの都道府県に及ぼすことができるようにと、そういうことで取 り組んでいるのが実情でございます。 ○橋本部会長  よろしいでしょうか。 ○山村委員  はい。 ○橋本部会長  それでは2番目のグループについての評価をお願いしたいと思います。それで実は1 時から進めておりまして2時間半経ちまして、非人間的でございまして、あと4時まで 時間はそんなにないのですが、恐れ入りますがここで評価なさいまして、時間がお空き になったらちょっと休憩していただくということで、3時半に第3のグループの御説明 をいただくことにしたいと思いますが、よろしゅうございますか。ちょっと急いでお願 いしまして、そして余裕のある方は休憩していただきたいと思います。                  ―評価記入中― ○橋本部会長  それでは再開したいと思います。では17ページからでございますけれども、4項目で ございましょうか、御説明ください。 ○のぞみの園理事長  調査・研究からであります。調査・研究については、まず外部の専門家に参加いただ いているのぞみの園研究会議というのがございまして、これを計画どおり2回実施する とともに、法人内の調整を図るための調査・研究調整会議というのも発足して3回開催 しております。  そして具体的な調査・研究の推進でございますけれども、(2)として書いてございま すように、厚生労働科学研究費補助金を受けて3年計画の初年度の研究を実施いたしま した。これは国際生活機能分類、略称すると「ICF」と言っておりますが、これを活 用したアンケート調査でございまして、本年度全国を対象とした調査を実施するための 事前調査、パイロットスタディという位置付けでございます。のぞみの園の入所者135 名、群馬県内また一部県外もございますが、グループホームの利用者102名についてア ンケート調査を実施したものであります。グループホーム利用者については当法人の職 員が実際に足を運んで調査依頼をしたりしまして、回収率85%ということで102名のデ ータが得られました。この調査は一人の方について233の項目の調査を実施するという かなり膨大なものでございまして、知的障害者について地域移行の観点からこのICF という国際生活機能分類を活用して行った調査、なおかつ施設利用者とグループホーム 利用者ともに233という多数の項目からなる調査を実施したという意味では本邦でも非 常にめずらしいというか、そういう取り組みでございまして、貴重なデータが得られた ということで各方面から関心が寄せられております。ただ、データを収集してこれを分 析して、その結果について評価をいただくというのはこれからでございますので、現在 までのところは貴重なデータが得られたという意味で大変意義があるものと考えており ます。その他、17ページから18ページに記載してありますような調査についても取り組 んだ1年間でございました。  このようなことで自己評定でございますけれど、おおむね計画どおりに進んだと判断 しまして「B」といたしました。  次に19ページの調査・研究の成果の普及・活用でございます。19ページはインターネ ットなどによる普及・活用でございますけれども、これは調査・研究の成果というのを 順次ホームページに掲載するとともに、昨年8月からはニュースレターを創刊しました ので、その中でも主な研究については概要を紹介するということでやっております。こ のようなことで19ページの自己評定になるわけですが、これもおおむね計画どおり進ん だと判断しまして、自己評定は「B」といたしました。  次に20ページでございますけれども、これは調査・研究の成果の積極的な普及・活用 として講演会の開催などによる普及・活用についてであります。学会、講演会などに積 極的に参加したということで、その内訳を実績として書いてございます。また、昨年の ぞみの園が中心になって知的障害者の医療環境を整備しようと、そういう目的で群馬県 内の関係者が一堂に会して意見交換を行う場を発足させました。20ページの「ウ」とし て紹介してございますように、メンバーとして行政関係者、群馬大の医学部の教授な ど、県医師会、県内の主な医療機関など、さらに関係団体も含めてという会でございま して、この場で種々意見交換するとそういう場に当法人の調査・研究の成果も紹介して 議論の参考としたりもしております。  また21ページに診療所の関係で書いてございますけれども、のぞみの園の診療所では 先ほど申し上げましたような外来診療というのも行っておりまして、その保護者会、あ るいは地域の保健士の研修会などでもそういう機会をとらえて調査・研究の成果を紹介 したり、議論の参考としております。そういうことで21ページの自己評定でございます けれども、これもおおむね計画どおり進んだと判断しまして「B」といたしました。  次にグループ3の最後の養成・研修、22ページでございます。これは昨年4月から専 任の組織を設けて実施体制の強化を図るとともに、17年度に全国の関係者を対象とする セミナーを開催しようということで鋭意準備に努めました。冒頭御説明しましたよう に、その第1回目を先月実施いたしまして、300名規模、予定どおり実施いたしました。 このようなことで自己評定でございますが、これもおおむね計画どおり進んだと判断し まして「B」といたしました。以上がグループ3でございます。 ○橋本部会長  ありがとうございました。それではただいまの御説明につきまして御質問がありまし たらお願いします。どうぞ。 ○山村委員  研究のところで、厚生科学研究でしょうか、特にICFを活用したアンケートを今年 度取り組んだと。それで全国の調査につなげたいという御説明であったかと思うんです が、研究のねらいというものをもう少しわかりやすくおっしゃっていただくとどういう ことになるんでしょうか。例えば、どういう機能が問題があるから地域移行が進まない のだということが明らかになってくるものなんでしょうか。 ○橋本部会長  私も全く同じことを感じたのですが、ついでにお答えいただければと思いますのは、 ようするに233項目の調査項目をおつくりになったとおっしゃいました。この調査項目 をおつくりになるときにICFのものの考え方を取り入れて調査項目をつくっていった という意味でございましょうか。それと、山村委員の御説明とはちょっと別のことにな りますが、調査・研究の体制というのはどういうことになっているのかということもち ょっとお教えいただきたいと思います。 ○のぞみの園理事長  まず研究のねらいからでございますが、これは昨年度のぞみの園の入所者とグループ ホームの利用者、両方についてアンケート調査を実施と申し上げましたが、これはそれ ぞれこういう入所施設に入っている方と、そこを出てグループホームで生活されている 方、それぞれについてこういうアンケート調査を同一項目で実施して、それを比較対照 しようとするものであります。それを対照することによって施設に入所されている方と グループホームで生活されている方の違いというのが浮き彫りにされて、地域移行を進 めるためには施設入所されている方についてこういう点について力を入れて対応してい かなければいけないと、そういうガイドラインを最終的につくって全国にお示しすると いうねらいでございます。  それで、ICFで233項目と申し上げましたのは、これはICFの分類に従って233の 項目をピックアップしました。ただ、これはあくまでも事前調査でございますので、こ の233項目のまま全国調査をするということではなくて、この調査の、「この」という のは昨年度行った調査の結果を踏まえて全国調査を行うということで、その場合に項目 数をかなり減らして記入しやすいようなそういうアンケート調査のフォーマットをつく っていかなければいけませんし、項目を削除するというのはようするに大事な項目を残 し、項目としてあまり意味がないもの、実際に調査しても欠損値が多いとかそういうも のは落としていくと。そういう作業を行いまして大事な項目に絞って、記入しやすいア ンケート調査として全国調査を2年度実施したいというものであります。  それから研究の体制なんですが、従来研究の担当課単独のものはございませんでした が、本年4月に先ほど申し上げましたように日本社会事業大学から割愛人事で研究課長 を招聘して、その課の組織の中に主任研究官、それから研究係長というのを配置して対 応しております。そしてもう一つ加えますと、のぞみの園の入所者についてアンケート 調査を実施したということなんですが、このときには法人全体で取り組むということ で、生活寮の寮長さん、副寮長さんを中心にこの調査内容に事前に十分に説明して、そ して調査の趣旨に合った正確な記入ができるようにというそういう事前の準備を踏んだ 上でのぞみの園入所者133名について調査を実施したということであります。 ○橋本部会長  今の問題につきましては山村委員さん、よろしいですか。 ○山村委員  はい、結構です。 ○橋本部会長  今、理事長さんがおっしゃいましたように、ぜひこの成果が全国的に地域移行に役立 つようなそういう結果が出れば。よくICFというのは盛んに使われるんですが、IC Fで評価したからといって何なのという、結果としてそれが今申し上げましたように、 何が課題なのかということが明確になるような項目を最終的におつくりいただければあ りがたいなというように思います。ほかに、どうぞ。 ○菅家委員  ただいまのところでアンケートの結果、支援の必要性が高いということがのぞみの園 の集団に対しまして示されたということですが、支援というのはどういうことなんでし ょうか。どういう項目で233項目のうちの、例えばどういう項目でそういうのがわかっ たんでしょうか。 ○のぞみの園理事長  この調査を実施するときに支援の必要度、「支援」というのはいろいろお世話をす る、サービスを提供する、その度合いがどれぐらい高いか、ほとんどそういうのが必要 ない方から、ほとんど全面的にサービスというか、サポートしなければいけないそうい う方もいますので、それをいくつかの段階に分けてそれについて1から、これは実際に は0から始まっているんですが、5段階ぐらいに区分してそれぞれの項目について支援 の必要度みたいなものを記入していただいたということであります。それをこの入所利 用者に、先ほど133名と申し上げて失礼しましたが、135名とグループホームの利用者 102名について全部項目ごとに平均して、それでのぞみの園入所者とグループホーム利 用者と比較対照したと。その結果として、これは事前から当然予想はされていたんです が、グループホームを利用されている方の方が支援の必要度は低かったと。逆にのぞみ の園の入所者の方がそういう支援の必要度は高かったと。こういう結果には当然なった んですが、その内訳を見ていきますと、例えば活動・参加というそういうグループの中 で対人関係ですとか、コミュニティとか、学習・知識の応用、そういう項目についての ぞみの園利用者とグループホーム利用者の格差が非常に大きかったと。一方で心身機 能、いろいろな疾病を持たれているとかそういう心身機能の点でそういう平均を比べて みますと、これもグループホーム利用者の方の方が支援の必要度は低いんですが、最初 に申し上げました活動・参加の対人関係などの差と比べると心身機能についてはだいぶ 小さくなっているとか、そういう項目について当然差があるんですが、その差の大きさ を比較してみるとか、いろいろ縦横で比較する、そのために統計学的な手法を用いて分 析していくというのをやっております。この点については後ほど初年度の研究報告書が まとまっておりますのでお送りさせていただけたらと思っております。 ○橋本部会長  福祉の分野では「支援」という言葉はトータルに使うんですね。かつて「処遇」とか 「援助」と言っていた言葉を「支援」という言葉に置き換えてきています。それから今 の理事長さんの御説明でまたちょっと失礼なことを申し上げるんですが、実態はわかっ たと思うんです。もともと軽い人がグループホームに入っているんですから。予想どお りに検証できたということにすぎないだろうと。それから今回ので言いますと、入所者 135人、それからグループホームの利用者102人ですから、数字としては大きくないと、 そういうように読んでいいんですね。それを統計的に解析したからといってどういう意 味があるかなと。パイロットスタディですからそれもあっていいと思いますけれども、 実態を明らかにする、その実態を明らかにするときには新しい概念であるICFを使い ましたということでは、それは確かにおっしゃいましたように従来はなかったものかも しれませんけれども、もう一つ踏み込んでほしいなという感じを、私はそんな印象を受 けました。いかがでございましょうか。第3のグループ全体につきまして。  それでは恐れ入りますが、どうぞ第3のグループについて御評価いただきたいと思い ます。5分でどうでしょうか。だいぶ慣れていらっしゃったかと思いますので5分で。 この時計で55分までということでお願いします。                  ―評価記入中― ○橋本部会長  それでは時間になりましたので、恐縮でございますけれどもまだお済みでない先生は 後に作業をお願いしたいと思います。最後のグループの御説明をいただきたいと思いま す。最後のグループは23ページからお願いします。 ○のぞみの園理事長  23ページの援助・助言でございます。これは知的障害者の施設などからの求めに応じ て援助とか助言を行うという受け身の業務でございまして、実績はあまり挙がっていな いということであります。なかなか電話などで紹介があったりするわけなんですが、そ ういうものへの対応はあるとしても、正式にこれについて助言をお願いしたいというよ うな申し入れがあるというケースはございませんで、そういう意味では実績はあまり挙 がっていないということであります。しかし、ホームページに相談コーナーを設けた り、ニュースレターなどを通じてこの援助・助言業務のPRに努めてまいりました。  そのようなことで自己評定としては、計画どおりと言ってはなんなんですが、ほどほ どにできたということで「B」としてあります。  次に24ページでございます。その他の業務として(1)の診療業務であります。この 診療業務については一般患者の受診が増加しております。既に御説明しましたように、 専門医療チームをつくって地域の発達障害のお子さんなどを対象に外来診療していて、 その外来患者数が増えているそういうことがございます。  それから実習とか見学でございますけれども、これも既に触れましたけれど法人内の 受入態勢を整えてPRも積極的に行っておりまして、実習とか見学、ボランティアの受 入数は増加しております。この辺の増加の状況というのは25ページに表として載せてご ざいます。  それから次に26ページになりますが、居宅の知的障害者に対する相談でございます。 これも法人の各事業部門でいろいろな相談が寄せられて、それにそれぞれ適切に対応す るように努めているということでございますが、ちょっと法人内の組織のあり方もある んですが、全体的な実績を把握できないということがございます。これは反省点でござ いまして、相談を一元的に把握して適切に対応すると、そういうのをシステマチックに 対応できるようにしたいと思っております。それが検討課題でございます。そういうこ とで、26ページの自己評定でございますが、これは地域からの外来患者数、また実習と か見学などの受入数もかなり増加しているということで、自己評定としては「A」とい たしました。  次に27ページでございますけれども、第三者評価でございます。これは16年度に第三 者評価委員会というのを発足しまして、計画としては評価を実施して評価結果の公表を 行うと、ここまで考えていたわけなんですけれど、実は評価の基準づくりに時間を要し ておりまして評価の実施に至らなかったというのが実情でございます。これは評価基準 の中に施設部門の直接処遇業務だけでなく、当法人固有の地域移行の業務ですとか診療 所の業務も加えてオリジナルな基準を導入してやりたいと、こう少し欲張ったようなこ ともありまして、それに時間を取られてしまって評価の実施ができなかったということ であります。このようなことで自己評定は評価の実施まで至らなかったということで 「C」といたしました。  次に28ページの業務の電子化でございます。これは法人内のLANの拡大を行った り、また入所者のデータベースの整備などに努めました。そういうことでおおむね計画 どおりに進んだと判断しまして、自己評定は「B」といたしました。  次に29ページでございます。29ページは予算、収支計画、資金計画の関係でございま す。この点について自己評定のところでいくつか書いてありますけれども、自己収入の 増加に努めて実績を挙げることができました。他方で退職手当が大幅に増加したことに よって借入金をせざるを得なかったということ、また退職者の後補充を原則賃金職員で 対応したことなどによって賃金職員の費用が予算をだいぶ上回ってしまったという結果 も出ております。このようなことでプラス面とマイナス面の両方がございましたので、 自己評定としては「B」といたしました。  それから30ページでございます。その他業務運営に関する重要事項ということであり ます。これは自己評定のところに書いてございますように、退職者の後補充について は、原則賃金職員、医療関係職員は専任職員、常勤職員としました。その結果として、 16年度は常勤職員10名の減少という結果になっております。また人件費の関係でござい ますけれども、人件費の実績は予算額を下回っておりまして、その額自体も給与の引き 下げによってかなり縮減できたものと考えております。ただ、人事評価制度についてや やおくれているというのがございますけれども、常勤職員数の減ですとか、人件費の縮 減の状況などを勘案して、自己評定としては「A」といたしました。以上でございま す。 ○橋本部会長  ありがとうございました。項目数はちょっと多いんですけれど、どうぞどこからでも 御質問いただきたいと思います。 ○石井委員  それでは質問させていただきます。一つは29ページ、中期目標の一番最初のところに 「自己収入の比率を38%以上に最終的にする」というように書いてあるんですが、現状 16年度の実績では何%あるんでしょうか。 ○のぞみの園理事  お答え申し上げます。16年度で38.3%です。 ○石井委員  中期目標完了時点でもって自己収入比率を38%以上にするということに対して、既に 現状は38.3あるというこういうことでいいんですか。 ○のぞみの園理事  はい。 ○石井委員  では、これは目標を達成してしまいましたということですか。 ○のぞみの園理事  今の時点ではそういうことになろうかと思いますが、今後どういう増減があるかとい うことでありますが、目標は38%を期してやっていきたいと思っております。 ○石井委員  それから最終的な自己評定の一番下の3行、4行をごらんいただいて、決算上は1億 2千万の赤字が出ました。前期6カ月のときは損益0だったと思いますが、今期は1億 2千万円が赤字が生じています、のぞみの園は。そして資金繰りベースで言うと、資金 が相当部分不足するので借入を7千万しましたとこういうことで、それ以外の不足分は 未払いで処理をして来期と、こういう説明でよろしいんですね。その一番大きな理由 は、予想外に退職者が増えたからというこういう整理でよろしいんですか。全体像の議 論なんですね。 ○のぞみの園理事長  退職金の関係なんですが、予算で1億4千万円計上しておりました。実績として3億 6千万円必要であるということでしたので、差額が2億2千万円出たということであり ます。それで16年度の人件費の縮減などによりまして飲み込むことができたのは9千万 円であります。また、この自己都合退職者の中に17年度に定年退職するという方が2名 おりましたので、その方は17年度予算に計上されていますので、支払いが17年度に入っ てからということで17年度予算を充当するということで6千万円の当てができたという ことでございまして、以上差し引きしますと7千万円がどうしても都合できなかったと いうことで短期借入をした次第でございます。 ○橋本部会長  よろしゅうございますか。 ○石井委員  結構です。それともう一点、26ページですが、自己評定「A」というところの下に施 設内診療所のデータがございますが、「診療所の施設内の患者は横ばいであるが施設外 の患者は少しずつであるが増加している」というように書いてあるんですが、その下の 表を見ると17,403が15,396で−11.5%になるんですが、これをもって「横ばい」という ように言うのかどうかがよくわからないということと、地域の方たちは9.2%数が増え ているようなんですが、数で計算するとたった205人なんですね。それで入所者の方は 数で計算すると2,007人減っているんですね。つまり、実質的にはこの診療所の稼動は 非常に大きく低下したように思えるんですが、現実の実態はどうなっているんでしょう か。 ○のぞみの園理事長  まず入所者なんですが、これは確かに「横ばい」というのは正確な記述ではないので 直さなければいけないかなと思っております。ただ、入所利用者についてはこういう診 療所も含めての日常的な健康管理というのがある程度行き届いている結果として、受診 の患者数という数字では若干減ってきているというように考えております。  それから地域からの外来の患者数についてなんですが、これは先ほど申し上げました ように主として専門医療チームを組んでの診療でございまして、患者さんについては紹 介患者を原則としております。そしてその患者さんが初診で掛かったあと検査などを行 って、必要に応じて心理外来ということで臨床心理士がそういう心理療法を行うという ことで、この心理外来と言っておりますが、それが一日2〜3人ぐらいしか対応できな いようなそういう時間の掛かる対応をしております。その結果として患者数は徐々に増 加しているんですが、診療所全体で見るとウエイトは小さいということだと思います。 しかし、そういう実際に外来で来られている方たちについては、先ほど申し上げました ように地域的な広がりも出てきておりますし、そういう意味でかなり地域の中では有効 に機能してきているのではないかと考えております。 ○橋本部会長  石井委員、いかがですか。 ○石井委員  すみません、亡くなった方がいらっしゃって、移行された方も結構いらっしゃるよう なので、自動的に入所者の受診数は決まっているという回答をいただけるのかなと思っ ていたんですが、減るのが普通だろうと思っていましたので、そういう影響もあって実 質横ばいという意味なのかなと私が勝手に思って質問してしまったんですが、そういう 流れとはちょっと違うんでしょうか。 ○橋本部会長  むしろ逆に健康になられて、医療に掛かる比率が落ちたということではないんです か。のぞみの園の収支には関係ない医療費の問題ではありますけれど、しかし受診する 人が減ったということはむしろ歓迎すべきことで。ただ、書き方としては「横ばい」と いうのは少し滑りすぎたかなという感じでしょうか。石井先生どうでしょうか。 ○石井委員  現実の実態が正しければいいので、僕は実はそういう意味で横ばいなのかなと。つま り、いなくなった人たちがいらっしゃるので総体的には受診者が減るので、実質横ばい の要素なんですよということを思ったものですから、ちょっとお聞きしたんです。 ○のぞみの園理事長  確かに御指摘のように全体の数は減っておるんですが、この入所者の診療の状況を見 てみますと、診療所で診療を受ける方ももちろん多いんですけれど、かなり重くなって きて一般の医療機関に掛かる方もかなりいます。例えば直ぐ近くに国立高崎病院という のがございまして、そちらの方で掛かる方もかなりおります。そして亡くなる方という 話もあったんですが、そういう重い病気になる方というのはかなり外の医療機関を利用 しているケースも多いので、横ばいというのはやはり記述としてはもう少し正確にとい うことだと思っております。 ○宗林委員  すみません、関連のところで。24ページにあります外来患者数の推移というその数字 と、最後の26ページにありますこの数字の関係はどうなっているんでしょうか。これは 外来ということなので入所者ではないのかなと思って最初見ていたんですが、数の単位 からみると入所者も含まれているようにも思いますが。 ○のぞみの園理事  ちょっと御説明を申し上げます。16年度で検証していきたいと思いますが、24ページ の数字は利用者と一般というのは地域でございますが、これを足すと19,165件です。そ れから次の26ページに書いてありますけれども、16年度の縦を、入所者、地域、その他 を足しますと19,165というので、トータルを書いておけば良かったんですけれど、そう いう関係にあります。 ○橋本部会長  御質問の趣旨は今御説明いただきましたことでなく、ようするにこの数字は外来患者 となっているけど、外来患者ではなく施設に入っていらっしゃる方の数字も入っていま すねという確認だったと思いますが。そういう意味では、今の御説明を伺っております と。 ○のぞみの園理事  例えば私は計のところで申し上げたんですが、例えば24ページの16年度の年度間のと ころがありますね。利用者と一般と分れております。そして医科、歯科、心理というの があって、トータルしますと計が利用者の場合は15,833、それから一般が3,332、併せ ますと19,165件であります。 ○宗林委員  この利用者というのは入所者も含んでいるという意味ですよね。「外来患者数」とい う言葉はなんとなく外からという意味を、地域の利用者というようなニュアンスも感じ たんですが、この数字の数から言いますと入所者も含んだ数という意味ですよね。 ○のぞみの園理事  はい、「外来」という言葉で扱っています。 ○橋本部会長  診療所で使っていらっしゃるという意味で、一般的にタイトルの読み方とするとちょ っと違和感があるということなんですね。これは宗林委員も事情はおわかりでございま しょうからいいですね。 ○宗林委員  はい。 ○橋本部会長  タイトルの付け方をちょっと後で御検討いただいた方がいいのかもしれません。 ○のぞみの園総務部長  申しわけありません。ちょっと説明をさせていただきます。私どもの診療所は有床診 療所でございまして13ベッドがございます。ですから生活寮から診療所を受診する方、 これを全部「外来」という言い方をさせていただいております。したがいまして、中に 入っておられる方で寮から診療所を受けた場合と、地域の障害者が受診した場合、両方 「外来」なんですね。それで利用者というのが中で入所して生活している利用者です。 そういう言い方になっておりますので、申しわけありません御理解いただければと思い ます。 ○橋本部会長  よくわかりました。ありがとうございました。ほかには。 ○山村委員  26ページなんですが、実習生のことで。昨年度も同じようなことを言ったように思う んですが、26ページの真ん中の○のところ、14年、15年、16年ということで、16年度の 実習生受け入れの数が増えているということで、確かにそのとおりであります。だけ ど、こののぞみの園の中の経年的な比較で大変よくやっていると評価をするのか、それ とも上の○のところに書いてありますように、実習の受入れニーズというか、受けてほ しいというニーズは大変多いけれども、勤務体制等の事情もあって必ずしもニーズに対 応できていないんですよというそういう下りを読むと、先ほどの自己収入の比率を上げ るということとの兼ね合いで言いますと、ニーズがあるなら応えていいんじゃないかと いうように思うんですけれど。世間一般のいわゆる民間の施設でも多くの実習生を受入 れているわけですけれども、そういう意味で敢えて50人規模の一般の民間施設がどれぐ らいの年間受入れがあって、ここは500人規模ですから単純に数字だけで言いますと10 倍の人数に応えていいのではないかと、そういう見方もできますので、お答えいただく 必要はありませんけれども、ぜひのぞみの園の内部の経年的な比較のみならず、世間一 般の民間施設の実習生の受入れ状況と比較されながら検討いただきたいという、そうい う意見でございます。 ○橋本部会長  ありがとうございました。お答えは要らないそうでございますので、どうぞ御検討い ただきたいということです。ほかにはございませんか。  それでは最後のグループでございますが評価をお願いしたいと思います。これから10 分、4時半までの御予定でお願いしたいと思います。                  ―評価記入中― ○橋本部会長  こうやって拝見しておりますと、思いのほか早く終わりになって皆さんは大体お済に なったようでございますので、評価をしていただくのはこれまでにいたしまして、きょ う全体を通じまして何か御感想、御意見などございましたら。特にきょう御発言のなか った浅野委員さん、なにか一言ございませんか。 ○浅野委員  私の方からは特段、かなり実態的にも難しい問題に取り組んでいるということで、ほ かの機構とは大きく異なるというところがあるものですから、そういう意味で全体的に は非常に難しいところを、それも国の機関だけでなくて、先ほどお話もありましたよう に地域全体を交えて、あるいは自治体を巻き込んだ形で行わなければいけないという、 そういう連携という難しさもあると思うんですね。そういうところを努力されていると ころは相当大変だなと思いながら考えていたところです。  それから介護保険もこれから改革をいろいろ組まれていると思います。その中でたぶ ん医療と福祉という問題が改めてどういう連携をしていくかという問題とも孕んでいく ようなことがあるので、こののぞみの園さんで培ったいろいろな成果というのがたぶん あると思います。そういうところをぜひ積極的に情報発信していただいたり、先ほど調 査・研究というのがあったと思いますが、そういうところでもより積極的に対応してい ただいて新しい成果を出していただければというようなことで、今まではたぶん施設サ ービス型の事業を展開されていますけれども、もう少しイノベーティブなことに道がま た開けていけばそんなところを模索していただければよろしいかなというのが雑感でご ざいます。 ○橋本部会長  ありがとうございました。私も同じような感じを持ちまして、ありがとうございまし た。遠藤先生も一言お願いします。 ○遠藤部会長代理  私もただいまの発言とほぼ同じような感想を持っております。私自身は福祉の専門家 ではございませんけれども、当部会で評価をしなければならない3つの組織を比較しま すと、やはり本日評価の対象になりました「のぞみの園」というのは最も難しく、かつ デリケートな問題に対応していかなければならない。またその行為を我々は評価してい かなければいけないと。しかも、のぞみの園自体はほかの評価の対象となっている方と 比べますと、リソースも非常に少ないという中で難しい決定をしていかなければいけな いということで、なかなか大変だというように我々は思っております。その中でもまた 自己評定も15年度を見ますと、大変正直な自己評定が他の団体と比べてあるように思い ますので、私自身はそんなことも考えながら評価をさせていただいたという次第であり ますので、おそらく非常に難しい舵取りを今後ますます要請されると思いますので、ぜ ひがんばっていただきたいと思います。以上でございます。 ○橋本部会長  ありがとうございました。それでは本日はこれで終わりにしたいと思います。また明 日もお目に掛かることになります。あとは事務局の方にお返し申し上げたいと思いま す。 ○事務局  次回、明日は同じ時間帯で、同じ第15会議室の方で医薬品医療機器総合機構の御審議 をいただきます。なお、本日評価シートをまだ御記入が終わりになっていらっしゃらな ければ引き続きこの場ですべて記入いただいてお帰りいただきたいと思います。なお、 石井委員におかれましては引き続き11皆の会議室で財務内容のヒアリングをお願いした いと思いますので、よろしくお願いします。以上です。 ○橋本部会長  それでは石井委員のお仕事が残っていらっしゃるということに気がつきませんでし た。確かに膨大な財務に関する御検討をいただかなければいけないわけでございまし て、本当に長時間になりますがどうぞよろしくお願い申し上げます。そして、残ってい るところはしっかりやっていきなさいというということでございました。できあがりま したものはここに置いておけばよろしいですね。では、これで終わってよろしゅうござ いますか。では、きょうはどうもありがとうございました。                                    ―終了― 照会先:政策統括官付政策評価官室 政策評価第二係 電話 :03-5253-1111(内線7780)