05/06/15 中央社会保険医療協議会診療報酬調査専門組織各分科会平成17年6月15日 医療技術評価分科会議事録 05/6/15     診療報酬調査専門組織             平成17年度第3回医療技術評価分科会 (1)日時  平成17年6月15日(水)15:00〜16:54 (2)場所  厚生労働省17階専用第18〜20会議室 (3)出席者 吉田英機分科会長 大江和彦分科会長代理 石原謙委員 河原和夫委員       熊本一朗委員       須田英明委員 田所昌夫委員 茅野眞男委員 野首孝祠委員 野末聖香委員       福原俊一委員 安川林良委員 山口俊晴委員 渡邊清明委員       松原謙二中医協委員 伊東春樹氏 高橋進氏        <事務局>       麦谷医療課長 太田医療課課長補佐 他 (4)議題  ○平成16年度調査について       ○制限回数を超える医療行為について       ○その他 (5)議事内容 ○吉田分科会長  ではちょうど時間ですので、平成17年度第3回目の医療技術分科会を開催いたしま す。本日は雨の中、集まっていただきありがとうございます。  本日の委員の状況ですが、手島先生と中村先生が御欠席でございます。吉澤先生が30 分ほど遅れるということ、あと中医協の日本医師会オブザーバーの松原先生も30分ぐら い遅れるということです。今回、前回に引き続きまして5項目の調査結果がございます ので、御報告者としては伊東先生と高橋先生に御臨席いただいております。よろしくお 願いします。  では早速、議事に入ります。最初に事務局から資料の確認をよろしくお願いします。 ○事務局(太田医療課課長補佐)  それでは資料の確認をさせていただきます。1枚目が診療報酬調査専門組織・医療技 術評価分科会(第3回)という議事次第でございます。次に参りまして、分科会委員の 名簿でございます。その次が技−1−1となっておりまして、平成16年度調査報告とい う頭紙でございます。その後、実際の調査の報告書がありまして、技−1−2、技−1 −3、技−1−4、技−1−5、技−1−6−1、技−1−6−2となっております。 その後、技−2−1になっておりまして、制限回数を超える医療行為について論点整理 という1枚紙でございます。その次に制限回数を超える医療行為について(案)という ことでして、技−2−2でございます。次に、制限回数が定められている診療報酬項目 一覧ということでして、技−2−3でございます。それで資料はすべてでございます。 資料はございますでしょうか。 ○吉田分科会長  資料はございますか。なければまた途中で言っていただければそろえます。 【議題1】 ○吉田分科会長  では議題に沿って行きたいと思います。最初の議題であります「平成16年度調査につ いて」に入ります。まず調査について最終報告書が提出されております。5項目です。 順番に各10分ぐらい時間をあげますので、ゆっくり御説明いただきたいと思います。  では議題に沿って、「内科系外来技術の難易度及び時間に係る調査報告書」について 茅野先生からお願いします。 ○茅野委員  技−1−2の内科系外来技術に関する調査の確定版概要を中心に説明させていただき ます。まず、560人の先生のご協力で約1万2,000人の患者さんの調査が行われました。 調べたことは、外来診察時間でございます。まず時間の調べ方ですが、これは申告値を とっております。その申告値が正しいのかに関しましては検証しております。本文15ペ ージの申告時間の正確さというところで、実時間との対比が調査してありまして、申告 された時間は正確であるから、これを使っても問題はないということになりました。  概要の1ページに戻らせていただきまして、外来の診察技術というものは時間のほか に症例の難しさが重要であるということは先行する研究からはっきりしております。本 調査の場合、難しさは何をとったかと言いますと、概要の2ページ目の図1ですが、初 診と再診に分けて、初診は紹介状を持っておいでになった方、紹介状なしでおいでにな った方で、これは紹介状を持っている人の方が難しいだろうと考えました。再診でもま だ診断がついていない人の方が難しくて、診断がついている人はやさしいだろうという ことで、この初再診4段階に分けております。時間ですが、ここにありますように0〜 3分とか、11〜15分というような単位で集計しております。ですから、向かって右 の濃い方が、時間がかかっているということです。もし中央値を知りたければ、50%と いうところの時間を見れば中央値がわかります。  図1からはっきりしていることは、初診で紹介状を持って大病院にかかっておられる 方は難しいから時間もかかっていると。時間の中央値は大体そこを見てもわかります が、20分であるということがわかります。紹介状がない人の場合は14分。ですから、一 番下の継続再診ですと8分ということになります。こういうデータは今までとられたこ とがない本邦初めてのことだと思います。8分というのは短いかどうかということです が、それ自体では短いなとお思いになるかもしれませんが、御存じのように、日本の患 者さんの通院回数というのは世界標準の2.2倍になりますので、年間の合計診察時間と しては世界標準並ではないかと思われます。  大病院受診患者さんのなかで専門機能を必要と判断される患者さんの割合を説明させ ていただきます。本文の44ページ、図57というのがありますが、専門機能を必要とした という患者さんが半分ぐらいしかいないということがわかると思います。  特別長くかかる科があります。概要に戻っていただきまして、2ページ目のところに 神経内科の診察時間が書いてあります。神経内科疾患では診察時間が長いとか、例えば 神経難病患者さんというのは時間がうんとかかるという仮説を立てて検討いたしまし て、図2のごとく、紹介無初診というのに限定しておりますが、明らかに神経内科患者 さんの方が診察時間がほかの疾患より長くなっているので、とにかく神経内科診察時間 に対する早急な対処が必要だと結論いたしました。  最後に申し上げたいのは、リハビリとか診療所といったものも別途集計しております が、診療所関係はサンプル数も少ないので、パイロットケースとして扱っていただきた いと思います。以上です。 ○吉田分科会長  大変膨大な資料をありがとうございます。各先生方の説明を受けてからディスカッシ ョンをしようと思います。  続きまして山口先生から2つございます。「手術等の難易度及び時間に係る調査報告 書」と「手術件数とアウトカムの関係に係る調査報告書」です。2つについて山口先 生、よろしくお願いします。 ○山口委員  御報告申し上げます。今御紹介いただきましたように、調査は2つございまして、1 つは手術の難易度、時間と手術の人数を調査するものです。この調査の目的は、外保連 が手術試案を出していますが、そこで手術の時間とか人数を、普通はこれくらいでやっ ているということを示しているわけですが、それは一種のエキスパートパネルみたいな ものです。実際に調査したことはなかったので、今回、全国の病院にそれを調査して、 外保連の試案を精緻化するためにやっております。21万件のデータが集まりました。こ の前、データのクリーニング中と申し上げましたが、今ようやくでき上がったところ で、まだ解析は十分進んでおりませんので、実際にまだ前回より進捗しておりません。 19日に完全にデータのクリーニングができますので、その後に御報告できるかと思いま す。  2つ目の調査は、これは現在の施設基準に関するものです。専門医がいるかというこ とも要件のひとつですが、手術の件数とアウトカムが関係するということから、症例数 で50例以上なければだめだとか、10例以上ないとだめと、そういう形で区切られており ます。そういうことに関してはいろいろな疑問もあります。果たして本当に手術の件数 とアウトカム、つまり成績が関係するのかどうか、わかっているものもあるかもしれな いけれども、わからないものも多いのではないかと。そういう調査が十分でないという ことから、多くの外科系の学会はそういう症例数だけをめやすにした施設基準に反対し ているわけです。しかし、証拠がないから反対ということではちょっと弱いということ で、実際に調べてみようというのが今回の目的であります。つまり、症例数とアウトカ ムが関係しているというデータがないという主張ではなくて、本当にしていないのか、 しているのか、科学的に解明してみようということが目的であります。  きょうの資料をごらんいただけますでしょうか。3ページ、4ページに、施設基準の 設けられている術式一つ一つについて、この手術のアウトカムは何かということをまず 決めました。例えば、がんであれば5年生存率です。また、鼓室形成であれば聴力が回 復したかとかです。そういう具合に、手術によってアウトカムが全く違いますので、そ れを決めて、あと症例数がどれぐらいあるかをみんなで検討しましたが、年間症例数が 例えば100例とか200例という症例は1つの都道府県当たりにしたら2例、3例になって しまいます。こういうものについて、施設間格差を症例数で検討すること自体がまず不 可能と考えました。検討の結果、およそ半分ぐらいの術式については症例数が少なくそ ういう検討自体が不可能であるということがわかりました。  調べられる限りの範囲で調べようということで、調査は今まだ進行途中であります が、今までのところ、7つの学会からきちんとした報告が来ています。1ページ目に戻 っていただけますでしょうか。日本耳鼻咽喉科学会、日本産婦人科学会、日本脳神経外 科学会、日本胸部外科学会、日本呼吸器外科学会、日本整形外科学会、日本泌尿器科学 会などから報告が来ております。調査しますと非常に少なくて、アウトカムがなかなか 調べられないというものもありましたが、かなりの術式についてアウトカムと症例数が どうかという結果は出ております。簡単に申しますと、日本整形外科学会の股関節の人 工関節置換術、これについてはアウトカムに差があったという結果が出ていますが、ほ かの術式はないということであります。  具体的に申し上げますが、例えば5ページ、これは日本耳鼻咽喉学会の鼓室形成のア ウトカムのレポートでありますが、7ページを見ていただけますでしょうか。7ページ の右に小さなグラフが3つあります。これは横軸が症例数で縦が成功率です。これをご らんいただくとわかりますように、ほとんど症例数とはパラレルにならない。施設数が あまり多くないのでデフィニットかと言えば、それはわかりませんけれども、調べた範 囲ではないという結果であります。  日本産科婦人科学会ですが、11ページをごらんいただけますでしょうか。産科婦人科 学会では841の施設にアンケートを送りまして、474施設、56.4%の回答率で検索してお ります。幾つかの術式について調べましたが、はっきりと成績が比較できたのは子宮附 属器悪性腫瘍手術、卵巣がんなどです。それについては症例数による成績の差は差がな いという結果であります。例えば12ページをごらんいただけますか。これは女子外性器 悪性腫瘍手術の分布でありますが、1件もないというのが最も多いのです。1件という のは数十施設、2件というところはやはり数十施設、3件がわずかにあって、こういう 分布なので、そもそも非常にまれな疾患で、このアウトカムを症例数が2例だからいい とか、悪いとかということは検討できないという、それを示しているグラフでございま す。それがずっと続いていますが、最後の24ページのところ、これは子宮附属器悪性腫 瘍手術における因子を解析していますが、症例数とアウトカムは関係しないという結論 でございます。  25ページが日本脳神経外科学会でありますが、369の施設から回答が得られています。 96.6%の回答率ということです。これはクリッピングについて調べていますが、これも アウトカムと症例数の差はないということであります。  28ページには、日本胸部外科学会から、これは待機的なCABGの手術とアウトカム の調査でありますが、これについても結論としては差がないという結果であります。  35ページを見ていただけますでしょうか。これは日本呼吸器外科学会と日本胸部外科 学会共同で提出していただきました。これは肺がんのデータであります。540施設、つ まり全国の約94.95%の回答率であるということから、極めて精度の高い調査でありま す。5年生存率についても調べておりますが、これも結論的に症例数による差はないと いうことであります。  39ページに行きまして、これは日本整形外科学会のアンケート調査であります。これ は2,300施設にアンケートを送付して、ほぼ50%、1,151施設から回答を得ています。40 ページをごらんいただけますでしょうか。これが唯一、差があるという結果が出たもの でありますが、下の方、股関節の人工関節置換術。これは50件以上と49件以下に分けて おりますが、改善率は50件以上で99.7%、49件以下で98.3%、この数字を見ると差はな さそうに見えます。また、不変あるいは悪化の例が50件以上の施設で0.3%であったの に対して、49件以下では1.7%と。これもわずかのようには見えるのですが、推計学的 に差があるという結果であります。そのほかの術式についてはないということでありま す。  44ページをごらんいただけますか。これは日本泌尿器科学会のデータで、前立腺、膀 胱の悪性腫瘍についてはアウトカムを調べることができていますが、やはり差はないと いうことであります。そのほか、極めてまれな尿道上裂形成術とか尿道下裂形成手術な どは症例数が少なくて、そういう解析に耐えないという結果であります。  前回お出しした資料ですのであまり詳しくお話ししませんが、55ページに小児外科学 会の資料があり、小児外科の認定施設でもなかなか基準がクリアできないということを 訴えています。その理由は、小児外科の施設基準が小児の心臓疾患と腹部の小児外科と 合わせて何例ということになっているからです。要するに小児心臓外科しかないところ とか、さかさまに小児外科しかないところは非常に不利な状況にあるということを示し たデータであります。  以上、申し上げてきましたが、この調査は患者さん一人一人のバックグラウンドを調 べたものではありませんので、限界があります。つまり、これだから全然関係ないとは 必ずしも申し上げられません。ただ、今わかるデータでは、はっきりと差が出たのは人 工関節の置換術だけであったということであります。各学会のスタンスも施設基準が全 くはなからだめだということを申し上げているわけではなくて、症例数だけにあまりに 頼りすぎた単純な割り切り方では大変な矛盾が出るということを申し上げているわけで す。決して手術基準がすべて必要ないという主張ではないように私は思います。以上で す。 ○吉田分科会長  御苦労様でした。続きまして伊東先生から、「リハビリテーション・消炎鎮痛等処置 に係る調査」について御報告お願いします。 ○伊東氏  本来、委員長の石田教授がお話しする予定でしたが、どうしても外せない用事がある ということで、かわりに報告させていただきます。  まずこの「リハビリテーション・消炎鎮痛等処置に係る調査」ですが、一口にリハビ リテーションと言いましても、整形外科、脳神経、心臓、呼吸器、など分野によりかな り違いますので、それぞれ担当の学会にまとめていただきました。前回、概要版を御報 告しておりますので、本日は時間の関係もありまして、特に強調したい点、並びに前回 に加えて新しく出てきたデータについて御報告申し上げます。  まず石田先生御担当の一般のリハビリに関してですが、追加の解析で2点ほど御報告 いたします。1つは急性期病院と回復期及びその他の病床を持つ病院、この2種類の病 院について比較した結果です。まず報告書の9ページから10ページ、表の1−13、14を ご覧下さい。治療実施日数は急性期病院、回復期病床の両グループとも重症例が軽症例 に比べて長くなる傾向が見られました。これは当然のことだろうと思います。  次に報告書の11ページ。ADL、日常活動レベルですが、それの改善は急性期病院及 び回復期その他の病床においてそれぞれに見られましたが、回復期病床においてその改 善はADL指標の各項目について満遍なく見られました。急性期病院というのは主に疾 病を中心に治療します。その一方で、回復期病床では日常の活動レベル、自立を促す治 療法になりますので、そういった違いが見えてきたと考えられます。  次は報告書の8ページから10ページ辺りに書いてあります、合併症、併存症の比較に おきまして、急性期病院に比べて回復期病床に、より多くの合併症を持つ患者が存在す ることが示されました。特に脳卒中におきましては心臓血管系、泌尿器系など多彩な合 併症が存在しました。合併症の少ない例は急性期病院から退院後は直接自宅に帰ること ができ、社会復帰する可能性が高いということを意味しております。逆に、回復期病床 においては、いわゆる多方面にわたるプライマリーケア的な要素が重要だろうというこ とが示唆されました。  2番目に、今度はレセプトの解析についてです。報告書の6ページ、表1−7のとこ ろで、理学療法・作業療法・言語聴覚療法の合計単位数とADLの改善率の明確な相関 はありませんでした。ただし、合計単位数は治療実日数に比例するため、日数に応じた 改善度が維持されていることが示されました。ADLの改善率は、1日当たりどのぐら いよくなったかということですので、これが下がっていないということは、1日延びれ ばそれだけ絶対値としてはよくなっているという意味です。  次に報告書の7ページの表1−8ですが、やはり理学療法・作業療法・言語聴覚療法 について、実施期間中の合計総単位数を見ますと、単位数が低いほどADLの改善率が 大きい傾向が見られました。これは少し説明が必要なのですが、疾患の種類と重症度に かなり依存しているのではないかと考えられます。つまり、短期間に集中的に治療を行 うことによって改善し得る疾患というのは、先行研究では整形外科的な疾患が多いとい うことですので、そういった疾患においては少ない単位数で効果が上り、入院期間が短 くなる、そういう話だろうと思います。逆に回復病棟においては疾患とか重症度に応じ た入院期間の設定をしていかないといけないだろうということです。  次に報告書の5ページから7ページ辺り、早期加算をとっている場合の方がとってい ない場合に比べてADLの平均改善幅は大きい傾向が見られました。また、理学療法・ 作業療法・言語聴覚の早期リハビリテーション加算合計単位数が多い場合の方が、AD Lの平均改善幅が高いことも示されました。つまり早期から多職種が関与してリハビリ を始めた場合の方がアウトカムの改善がよいことが示されました。  後は報告書の7ページから8ページ、リハビリテーション総合計画評価を行っている 場合には作成しない場合に比べて在宅復帰の比率が若干高いことが示されております。 以上がリハビリ学会の担当部分です。  続きまして整形外科の方です。基本的に整形外科領域では前回の報告と変わったとこ ろはないということを伺っております。委員会で強調されておりましたことは、レセプ トでは個別療法・集団療法とも1単位20分での請求が大多数なのですが、実際には1患 者に対して50分程度行われているとのことでした。レセプト請求と実際との間に大きな 乖離が見られ、これは診療報酬の請求の仕組みに問題があるだろうということが強調さ れておりました。  続きまして16ページの心臓リハビリテーション関係です。御存じのように、日本の心 臓リハビリテーションの実施率というのは心筋梗塞患者の、高く見積もっても1割程度 という、非常に普及率が低いということです。そこで普及率の再確認と阻害因子につい て調査しました。普及率が低いということはわかっておりますので、調査対象は確実に 心臓リハビリテーションをやっているという病院、すなわち心疾患リハビリテーション 認定施設を中心に調査いたしました。したがって、ここでの実施率というのは日本全体 のものではありません。当然、非常に高くなっていると考えていただきたいと思いま す。しかしながら、それでも27%の施設でしか心臓リハビリテーションは行なわれてい ませんでした。例えば500床以上の総合病院とか、日本循環器学会の研修病院など当然 実施しなければいけないような病院においてもこういった状況でした。ではなぜできな いのかということになりますと、17ページの表3−2、施設認定の問題が40%前後あり ます。施設認定をとったとしても、採算が合わないというのが10%弱。診療報酬がない ものですから、スタッフ自体を充てられない、スタッフ不足というのが約27%から41% 程度あります。開心術後に関してもほぼ同様の結果です。  その次に18ページの表3−5、6、7ですが、実際にリハビリテーションをやってい るという病院において、どのぐらいの患者さんに行われているかということを調査しま した。いわゆる急性期、入院中のリハビリテーションというのは対象患者数の4割弱、 38.5%にしか行われていません。社会復帰まで、これを第II相と呼んでおりますが、そ ういったリハビリテーションは10%弱。社会復帰後の第III相に至っては5%に過ぎず、 非常に実施率が低いということがわかりました。  次に19ページ。現時点では保険適応外疾患に関する心臓リハビリテーションですが、 その代表例としては心不全、閉塞性動脈硬化症、大血管術後ですが、これらはいずれも ガイドライン等では適応が認められている疾患ですが、そういったものに対して心リハ を行っている病院ではそれぞれ適応例の19%、10%、28%に行われているということが わかりました。  次に20ページの表3−14、15ですが、実際に運動療法を中心とした心臓リハビリテー ションをする場合に、開始時の運動処方とその効果判定というのは非常に重要なんです が、残念ながら心臓リハビリテーションをやっている施設においても約半数しかそうい ったことが行われていませんでした。これも理由はスタッフ不足、診療報酬算定の問題 が挙げられております。同時に、心臓リハビリテーションというのは運動療法ばかりで はありませんで、生活指導とか、カウンセリングとか、禁煙とか、包括的にやることで 非常に効果があるということがわかっております。しかし、そういった運動療法以外の 部分に関してどのぐらい実施されているかということを調査しますと、21ページの表3 −16から19にありますように、非常にその頻度が低いこともわかりました。生活習慣病 指導管理料というのは200床以上の病院では算定できませんので、そういったようなこ とも関係しているかもしれません。  以上まとめますと、施設認定基準、運動処方とか運動負荷試験、生活指導管理などに 対する診療報酬などをもう一度見直す必要があるだろうと考えられます。同時に、知識 と技術を持ったコメディカルの育成というのが急務ではないかというふうに考えられま した。  最後に呼吸器のリハビリテーションですが、これも心臓リハビリテーションと同じよ うに、普及率は非常に低い分野です。最近話題になっておりますCOPDに対するリハ ビリテーションというのは非常に有用なわけですが、社会も専門の先生方も認知度が低 いという結果でして、実際に行っている施設は全体の約30%程度ですが、実施していな い施設に聞きますと、「必要性を感じないから」という回答が12%もあるということ で、COPDに対するリハビリのの認知度が低いことを示唆しております。また、開胸 術後に関してはさらに実施率は低くなっておりまして、これはガイドライン等もまだ整 備されていないという状況があるとのことで、呼吸器リハビリテーションに関してはも う少しエビデンスを蓄積すると同時に普及率を高めていくことが急務ではないかという ことが指摘されました。以上です。 ○吉田分科会長  ありがとうございました。最後に高橋先生から「在宅療法の普及及び技術評価に関わ る調査」について御報告をお願いします。 ○高橋氏  では報告させていただきます。前回の後を中心に報告させていただきますが、在宅療 法と言いましても、ハイテク在宅から、入院から退院になったときの回復期の問題、タ ーミナルの問題、いろいろと幅が広いということで、今回の調査の主体はハイテク在宅 を中心に、また、訪問在宅のことを川島委員にお願いして報告しております。本日の資 料は1部と2部があり、1部は従来の速報版の後、追加したもの、2部は、川島委員の 訪問診療の観点からの資料ということでごらんになっていただければと思います。  在宅でありながら、調査期間は1カ月あまりでありましたので、非常に十分な調査が できなかったということも多々あります。どのようなものを調査したかにつきましては 資料の5ページ、CAPD、在宅血液透析、HOT、在宅人工呼吸療法、在宅成分栄養 経管栄養法、在宅中心静脈栄養法というものを中心に行っております。そこで言えるの は、このハイテク在宅の中のほとんどのもの、特にCAPD、HHD、HOT、HEN については8割以上が社会復帰を完全にしていると。自宅で寝たきりではなくて、勤務 あるいは仕事をしている人たちがほとんどであるということがわかりました。また、こ れらのことで、年寄りが非常に多いので、自宅におりながらもハイテク在宅の場合は家 事をしているという方が多いということであります。  今回の調査は施設、ドクター、患者様並びに企業の方、メーカーの方にも調査をして おります。前回の調査の後の結果では、各個人の患者さんの自己負担が非常にばらつい ていること。特にこのHOTなどは1人当たりでも相当の自己負担の患者がおりまし た。  まとめの24ページにその概要を書いておりますが、ハイテク在宅、特にCAPD、H HDでは、病気の軽い重いではなく、身体障害のものとして完全社会復帰を目指して、 そのようになろうと努力している方がほとんどでありました。そのため、在宅という言 葉も非常に便利なんですが、幅が広いので、例えば自己管理、セルフコントロールのよ うなネーミングに変更する必要もあるのではないかと感じております。また、HOTで も、栄養の方でもそのように感ずる患者も特にいました。  特にCAPDにつきましては、技術評価、技術医療、および特定医療材料のところ、 におきまして、腹膜灌流、腹膜透析と、用語が非常に不統一で、この点については何と かしていただきたいと思っております。又腹膜透析の場合には、カテーテルの挿入術は 毎回、穿刺をしていた時代のまま「J」コードになっておりましたが、やはりこれは時 間の問題、大体1人の患者には60分、麻酔医も入って複数のドクターあるいはナースも 入って実施しています。原価計算しますと、非常に時間と費用がかかっているというこ と、医療資源を投入していることを考えると、「J」コードから「K」コードに変更す べきというふうに考えております。また、先ほど言いましたように、技術料、管理指導 料、在宅医療の特定医療材料に関しましては不統一が目立つので、これを改正していた だきたいと願っております。  また、在宅血液透析の方につきましては、どうして血液透析は全国で107名しかいな いのかと。透析患者は25万人近くいる中で、なぜ100名ほどしかいないのかということ になりますと、報告書にも記載しましたが、施設要件とか、いろいろな条項の見直しを していただいた方がふえるのではないかと思っております。  また、HOTの場合については、携帯用酸素ボンベのデリバリーは、少量を使う場合 にはいいのですが、大量を使う場合にはどうも自己負担がふえているというようなこと がありました。また、腸管栄養などの場合にはディスポのものも、材料に制限が加えら れている関係上、それを自分の自宅で洗って使っていることもあり、やはりこれらの問 題も、本来のディスポの材料が再使用し使われていることはこれからトラブルのもとに なるので、そのところもを見直していただきたいと思っております。  また、資料2、6−2の方の、川島委員の方の資料におきましても、療養者のニーズ である居宅での看取りを含めた訪問診療の観点から調査をしていただいております。こ れは今現在の在宅の方のみならず、やがて我々のところにも降りかかってくる人の死な どは、医師を初め医療機関の方は今まで避けて通っていたわけですが、そのところにず ばり切り込んでおります。ここまでに至る過程においてもいろいろとこれからは改良し ていかなければならない。特に、居宅において重症な療養者に対しては訪問診療、24時 間緊急往診だとか、居宅での看取りというようなことができる医師だとか、診療所の適 正な技術評価がなされて、診療報酬の上からも見直されるべきではないかと思っており ます。以上です。 ○吉田分科会長  御苦労様でした。10項目あったわけですが、きょう、残りの5項目を説明いただきま した。これは中医協の基本問題小委員会の方へ回答を出さないといけません。山口先 生、これは資料の入れかえはあるのですか。 ○山口委員  最初の方の調査についてはちょっと追加したいと思います。 ○吉田分科会長  わかりました。きょうの5項目につきまして、先生方、どなたか御意見あるいは御注 意、ございますか。 ○熊本委員  最初の「内科系外来技術の難易度及び時間に係る調査報告書」というのでお伺いした いことがあります。神経内科の患者の診察時間が長いということで、神経学的診察は全 身にかかわりますから時間がかかるだろうと推察できますが、紹介状があってもなくて も関係なかったということと、それと初期再診、継続再診でも長かったわけですね。調 査票の項目でそれが神経学的診察ということでかかったという、項目からもそれがデー タとして得られるのかどうかという、調査票のやり方をお伺いしたいことと、もう一 つ、再診における神経難病外来指導管理対象患者も時間を要するということですが、そ れもやはりそういう神経学的診察があって、それで時間がかかったのかどうか、それが 調査票から出てきたのかどうか、お伺いしたい。 ○茅野委員  調査票の内容でございますが、まず結論から申しますと、普通の問診、いつからそう なんですかという話と、神経学的に特殊な診察をする時間、これは分けておりません。 あまりにも複雑になってしまいますので、アンケート上、分けておらず、両方を足した 時間で申告していただいております。 ○熊本委員  外来指導管理対象患者の場合もやはり神経学的診察があるから長くなると推察できる んでしょうか。もちろん推察になりますけれども。 ○茅野委員  難病の中でも神経難病に時間がかかる、これは先生御指摘のように、ハンマーを持っ て患者さんを診るからかかるのか、あるいは非常に複雑な問題を抱えているので、家族 とのお話とか、そういうので長くかかるのか、これはまだ詳しく分析できておりませ ん。インフォームドコンセントとか見ればわかると思いますので、さらに細かくいたし ます。 ○吉田分科会長 そのほか、御質問ございませんか。続きましては外保連の報告につき ましてどなたか御意見あるいは御質問ございますか。 ○山口委員  幾つかの報告の中では、差はないけれども施設間の格差があるというところに注目し ている学会が幾つかあります。つまり、同じ症例数でも施設によってアウトカムが違う というので、これはその原因がこれだけではわかりませんので、調べていきたいという 報告がありましたので、追加しておきます。つまり、均一にみんながよかったり、悪か ったりしているわけではないという事実もわかったということです。 ○吉田分科会長  今回は地域格差は調査していないんですよね。 ○山口委員  地域については、調べたらわかるかもしれませんが、今回はやっていません。 ○安川委員  今おっしゃったことは、アウトカムについての基準がはっきりしない、こういうこと ですか。 ○山口委員  基準ははっきりしているのですが、バックグラウンドがよくわかっていないわけで す。つまり重症度とか、年齢とか、そういうことまできちんとやるとなると相当大変な 調査が必要で、疾患の登録業務が必要になってくると思います。だからアンケート調査 でここぐらいが限界じゃないかと思います。ただ、学会によっては登録事業をやってい て、そういうデータも出すのは可能なところがありました。例えば胃癌学会とかです ね。そういうところに協力を求めればわかると思います。 ○吉田分科会長  山口先生、これは7学会以外にも来ているのですか。 ○山口委員  来ていますが、データだけ来ていて、まだその解析が十分ではないところは省きまし た。わかり次第また御報告いたします。 ○吉田分科会長  そうすると、全体は何学会ぐらいですか。 ○山口委員  寄こすと言っているところは結構あるのですが、その回答がなかなか日付どおりに来 ないという事情があります。 ○石原委員  ちょっと教えていただきたいのですが、非常に精緻な研究の成果だと思うのですが、 どういうお仕事をなさっても、とことんのところを突き詰めていきますと、日本のある 外科手術の中で、成績のいいところと悪いところをプロットしまして平均値をとると、 どういう分布であっても必ず平均以上、平均以下に分類することはもちろんできるわけ でございますが、それが実は国際的な水準から見ると、日本全体が非常に高い場合、日 本国内の平均を下回っているからといってペナルティを科すのは大変過酷に思うんです ね。特に日本で多いような疾患については。そういう見方で見ますと、日本国内だけで 水準以上、以下という分類の発想でやるのではなくて、今後は世界的な水準との比較 も、ある意味では必要ではないかと思うのですが、そういう御検討をこれまでおやりに なっていらっしゃったらちょっと教えていただきたいのですが。 ○山口委員  おっしゃることはごもっともですが、例えば胃がんなどの場合に、手術死亡率5%と か、そういう国は外国では大変多いです。日本では1%以下ですが、外国で5%だから 3%で許されるかといったら、やはり日本では許されないのではないかと思います。や はり体格の差とかいろいろなことがあって、単純な比較は難しいのではないかと思って います。 ○石原委員  まさにそこの部分を伺いたかったのですが、私は内科医ですが、何人かの友人で外国 に留学した連中の話を聞きますと、日本の外科医は非常にうまいと。だから欧米ではと てもできないようなことを平気で日本の外科医は実際にはやっていることを見聞きす る、そういう事実をこういうところである程度お示しになっておかないと日本の国民は 納得しないだろうという、平均値の水準の話だけでは、頑張っていらっしゃる外科の先 生方、ちょっと報われないのかなと思いまして、日本はいいんだよということも含め て、そういう分野をお出しになればどうかと思って聞きました。 ○山口委員  石原先生、大変ありがたいお言葉なんですが、先ほど、外国は5%の死亡率がある国 があると言いましたが、日本でも40年前は大体3%から5%の死亡率でした。これはな ぜよくなったかと言うと、例えば胃がん取扱規約を決めて、研究会を年2回開いて、み んなが切磋琢磨して、幸いにして症例数もたくさんあって、その結果レベルが上がって きて、恐らく今世界一だろうと思います。ですから決して日本人が器用だということで はなくて、その疾患に対する熱意とか、それとたまたま症例数が多いということが加味 されて今世界一になっているのではないかと思います。それを国民にきちんと示すべき だということはそのとおりだと思います。 ○吉田分科会長  この外保連の施設基準について、実は前回決まったのは1995年でしたか、JAMAの データがそのまま来てしまったんです。この点に関して課長さんの方から何か御意見ご ざいますか。 ○事務局(麦谷医療課長)  ないです。 ○吉田分科会長  特にいいですか。これはたぶん中医協の方でも注目していることと思います。そのほ か、よろしゅうございますか。続きましてリハビリテーション、これは大変広い範囲で 集計、本当に御努力いただきましてありがとうございます。リハビリテーションにつき まして、どなたか御意見あるいは御質問ございますか。これは心臓リハビリと呼吸リハ ビリが少ないというのは何か理由が。要するに日本では人手が足りないということです か。 ○伊東氏  まず保険診療の歴史が比較的浅いことが挙げられます。一番浅いのは呼吸器ですけれ ども、心臓リハビリテーションでも診療報酬がとれるようになったのは20年にも満たな いのです。十数年前は心臓の悪い人を動かすなんていうのは危険じゃないかという、安 全性に関する配慮というのが先行したものですから、施設基準も緊急手術ができなけれ ばいけないとか、急性期病院でしかとれないような施設基準ができました。ところが急 性期病院はリハビリよりもとにかく急性期の治療が終わったらどんどん退院させること がモットーですから、そういうところで矛盾が起こってきていました。この10年ぐらい 運動心臓病学の進歩に伴いこの領域は非常に進歩しましたので、きちんとしたやり方さ え守れば安全にできるんだということがわかってきています。それについては日米欧す べてのガイドラインもでき上がっておりますので、そういった意味で、マンパワーと か、ソフトの面を充実させる、そういったことで広がっていくんだろうと思います。 ○吉田分科会長  これ、日本以外ではどうなっていますか。諸外国では相当普及していますか。 ○伊東氏  普及はしているんですが、やはり医療制度と非常に関係しています。保険の裏づけが あるドイツなどでは非常に普及しておりますが、アメリカなどでは、全体の普及率は日 本と同じぐらいです。 ○吉田分科会長  伊東先生、これの追加はございますか。このまま報告書として基本問題小委員会に行 きますのが、よろしゅうございますか。 ○伊東氏  整形外科学会の方が少し追加が出るように聞いております。 ○吉田分科会長  もし差しかえがあれば事務局の方へお出しください。 ○石原委員  今の伊東先生のコメントに全く賛同するものでございますが、このレポートの21ペー ジの(4)考察とまとめのところでございますが、そこでの対策に2点、お挙げでいらっ しゃいまして、1つ目が施設認定基準や運動処方云々とございまして、今の御説明を伺 っておりますと、施設認定基準がある意味では厳しすぎる、現実に合わないという御趣 旨は大変よくわかるんですが、この文言のままでございましたら、あるべき正しい施設 認定基準という言葉が一人歩きいたしまして、率直にありていに申しますと、さらに厳 しい認定基準になって、地方では適応できないということがあれば大変心配だと思いま すので、ここにもし可能であれば施設認定基準の緩和というふうな文言を入れていただ く、あるいは医療課長から確約のお言葉をいただくというような形でお願いできたらと 思うんですが、いかがでしょうか。 ○伊東氏  そこに関しては、ハードに関してを厳しくする必要はないと思います。つまり緊急手 術ができるとか、緊急の血管造影ができなければいけないとか、それは必要ないと思い ます。しかし、あくまでも心疾患患者のリハビリテーションをする上では、やり方、ソ フト、具体的には運動処置を義務付けるなどこれをきちんとしないといけないだろうと 考えております。そういったところでは今よりももう少しだけある意味厳しくなります からそういった意味で全面的に緩和ということばはちょっと使いにくいように思いま す。 ○石原委員  最終的には先生の御趣旨に全く賛同なんですが、普及していないという現実を見まし たら、まずは普及させるということが先で、そのあと、数年後にもう少しソフトの面で 厳しくと言いますか、レベルアップをすればよいのかなと思いまして伺いました。 ○伊東氏  ありがとうございます。 ○吉田分科会長  最終的には心臓、呼吸についても普及させたいというのが学会の意向ですよね。 ○伊東氏  そうですね。医学的にも効果はあり、いろいろな報告で医療経済的にも、実施した方 が絶対に医療費が下がるということが証明されていますので、それをほうっておく手は ないだろうと思います。心臓リハビリに関しては、今まで報告された最も効果のある薬 剤と同等以上の効果があるわけですから、これはやはり普及させた方が得だろうと考え ています。 ○吉田分科会長  まだ時間がありますが、認定基準の緩和じゃなくても、見直しという言葉を入れます か。いいですか。先ほどの理由ですと、施設基準が厳しいのでなかなか普及しないとい う。 ○伊東氏  改定ということで今お願いしております。急性期病院だけではなくて、回復期病院や クリニックレベルでも条件さえ満たせばできるような、そういったことを検討中です。 ○吉田分科会長  文言としてはいいですか、入れなくて。 ○伊東氏  改定というのは施設基準の緩和を含め、そういう意味で使ったつもりなんですが。 ○吉田分科会長  わかりました。そのほか、リハビリに関してはございませんか。では最後に高橋先生 の在宅療法についてどなたか御意見あるいは御質問、ございますか。先生、これはCA PD、確かに安すぎるというので、40年ぐらい前の、毎回刺す技術で出ているんですよ ね。あれも学会として医療技術評価分科会の方へ希望書を出してありますか。 ○高橋氏  出してあります。 ○吉田分科会長  あれは前から言われていたんですね。 ○高橋氏  このことにつきましては前回もお話ししましたけれども、腹腔穿刺と尿管カテーテル で腹膜灌流の技術評価をするということが今から20年よりもっと前の疑義解釈で、毎回 穿刺のときのことがいまだに残っているという形に記憶しております。それは問題だろ うと思います。前回の報告と今回の最終版のところの違いでは、21ページから23ページ にありますように、レセプトも今回は少し調べさせていただきました。そこの中では指 導管理料と加算の分布を見ておりますが、ただ、ばらつきが非常に多いので、まだNの 数が少ないというようなことがありますので、今後もう少し見直しなければならない点 があるのかなと思っております。 ○吉田分科会長  どなたか、よろしゅうございますか。これできょう、5つ説明がございましたが、こ の5点につきまして、松原先生何か御意見ございますか。よろしいですか。 ○茅野委員  ちょっと戻って、山口先生の外保連さんの手術のことですが、要するに施設基準の中 に症例数を入れる妥当性はなかったというような意味だと思うんですが、これが基本問 題小委員会に行くと大変なことだと思うんですね。今までそれでつくってしまったし、 もう世間は症例数で騒いでいますからね。山口先生としては、しかし施設基準そのもの を否定するわけではないので、何かかわりのものというのはこのデータから示唆される のでしょうか。これのかわりは。 ○山口委員  今回の調査がそういう意味では出発点になると思うんです。例えば、先ほど申し上げ ましたけれども、施設間には差があることも間違いないのです。特にそれがたくさんあ る術式もあるようですから、その原因を各学会が調べるべきだと思うんですね。そうい うところから始まって、なぜ差があるのか。それはやむを得ないものなのか。あるいは 施設基準をきちんとしたらそれは改善できるのかどうかということをもう少し学問的に 検討すべきだと思います。今の施設基準は症例数だけではありません。専門医とか、い ろいろなことが加味されていますが、あまり症例数に重みを置きすぎたやり方というの は、ちょっと今のところ現実とは合っていないということをお示ししたということで す。 ○吉田分科会長  まだ時間がありますがよろしゅうございますか。きょうは5点出ました。これで10点 出ましたので、これは6月29日の基本小委員会、そこで報告いたしますので、もし修正 があったら事務局の方へお出しください。全体的に御意見がなければ次に進みますがよ ろしゅうございますか。では進みます。 【議題2】 ○吉田分科会長  きょうの大変なイベントですが、「制限回数を超える医療行為」、2番目です。これ に移りたいと思います。資料2について事務局から説明をよろしくお願いします。 ○事務局(太田医療課課長補佐)  それでは「制限回数を超える医療行為」について、診調組の技−2の資料から説明さ せていただきます。前回、委員の方から、制限回数を超える医療行為について議論して いると。ただ、いわゆる混合診療と言われているような考え方が少しわかりにくいとい うような御指摘もございましたので、繰り返しになりますが、第1回目に提出いたしま した資料をつけております。  この下のところに現行と見直し後という具合に書いておりまして、色で塗られている 部分がありますので、それに基づいて説明させていただきます。検査について制限回 数、この場合1回までという具合に、仮に定められていた場合、どのようになっている かということが示されております。現行、検査について1回限りとなっておりますと、 当然、1回目の検査は保険適用になると。その際、仮に入院等が行われていれば、その 入院料みたいなものも保険の適用になります。さらにその検査をやる日にそのほかの処 置等も行われていれば、それについても保険適用になるというような形で、第1回目に ついては保険の適用になるということでございます。  ただ、1回限りですので、仮に翌日にその検査を再度行ったという場合、制限回数超 えという形になりますので、そういった場合、2回目について患者さんの方から、患者 さんに負担いただくとか、そういうことをすると、今まで、混合診療という形になるの でそれは認められないという形で言われていたということで、1回目を超えて2回目を 例えば翌日にやれば、その日の入院料であるとか、その日に同じように何か処置をして いた場合、そういったものも含めてすべて全額自己負担という形で保険外という扱いに なっていたということです。  今回、御議論いただいておりまして、両大臣が合意しましたのが制限回数を超える医 療行為ということで、見直し後と書いているところでございます。これについて、1回 目は同じように保険適用で、制限回数超えについて2回目が実施されたときに、従来で あればその日に入院基本料であるとか、処置とかが行われていればそれについても保険 外ということになっていたのですが、その分については第1回目と同じような形に保険 で給付してはどうかと。その2回目の検査にかかる部分については制限回数超えという ことですので、これについては保険の給付外にするというような形で、制限回数超えの 医療が行われた場合もその基本的な部分と言いますか、保険で見られる部分については 引き続き見ていくというような形にしてはどうかというのが制限回数を超える医療行為 でございます。  今、御議論いただいておりますのは、どういった項目についてこういったことを認め ていくかということでございまして、例えば検査であって制限回数があれば、その制限 回数を超えたときに検査料のみ保険外だと。あとの基本的な部分については保険で給付 するというような項目にするものとして、どういったものを認めていくべきかというこ とで今御議論いただいているということでございます。  次の資料で、診調組の技−2−1でございます。制限回数を超える医療行為につい て、論点整理ということでございます。これまでの検討状況を説明させていただきます と、今まで2回、これについて議論を行っていただいております。診療報酬の項目で月 1回限りとか、形式的にと申しますか、そういった形で制限回数が定められている項目 をすべて拾い出しますと415項目あったということでございます。それをよく見てみま すと、本来、制限回数を超えることが想定されない、例えば一連として評価されていた り、包括として評価されているようなもので、2回やることも、3回やることもその行 為の中で最初から見ていますという点数がありますので、そういったものについては最 初から対象外になるのではないかということでございます。  その次が、患者が要望することが想定されない項目ということで書いておりますが、 いわゆる指導管理であるとか、退院指導料とか、診療情報提供料といったもので、それ 以上、患者さんが要望するということはちょっと考えられないのではないかというよう な項目が126項目ということでございます。それを除きまして142項目というのが残って おりまして、前回、担当委員からそれについてより詳細な評価報告をいただいたという ような形になっております。  今回の論点という形で整理させていただいておりますが、その142項目について各担 当委員の評価結果というものを大きく大別すると以下のようになるのではないかという ことで3つに分けております。  1つ目が、患者の要望よりも医療上の必要性の観点が優先され、そういった行為が実 施される蓋然性が高いと考えられる項目ということでございまして、例えば一部の検査 であるとか、ここに書いておりますが特に処置、手術とか、そういったものについて医 療上の必要性というのが優先されているのではないかという項目があるのではないかと いうことでございます。  2番目ですが、患者の要望に従い、患者の自由な選択のもとに実施されることが可能 と考えられる項目ということでございまして、検査であり、リハビリテーションであ り、一部の精神科療法といったものについては、事実、患者の要望というのがあるとい う具合に言われておりますし、そういったものについてはその医療上の必要性という観 点も加味しまして、患者の自由な選択のもとに実施することが可能ではないかと考えら れるという項目でございます。  次に3番目でございますが、ヘリコバクターピロリというのが具体的に書かれており ますが、現時点では制限回数を超える医療行為について医療上の悪影響が懸念されると いうことでございます。ただ、これについても新しい薬剤について適応拡大ということ になりますと、その治療のバリエーションがふえますので、そういった場合については そういった再除菌というものについて再度検討することができるのではないかというこ とで、その時点で検討するというような項目ということで、大きくこの3つに大別され るのではないかと思っております。それぞれについて保険給付との併用と書いてありま すが、制限回数を超える医療行為について、先ほど説明いたしました資料のような形 で、基本部分を保険で給付するというような形で見てみることについてどう考えるかと いう形で御議論いただければと思っております。以上でございます。 ○吉田分科会長  技−2−1について、前回の議論を踏まえまして事務局の方でまとめました。その他 の142項目についても論点の中に3つに分けられるということで分けました。これで議 論を進めてよろしゅうございますか。大変膨大な量について各先生方に小まめにチェッ クいただきまして、保険給付との併用という言葉が前回だいぶ問題になりまして、きょ う、その辺について御議論いただきたいと思います。具体的に制限回数を超える医療行 為についての案についても説明をお願いします。 ○事務局(太田医療課課長補佐)  それでは診調組の技−2−2について説明させていただきます。制限回数を超える医 療行為について、案という形でして、中医協の方に報告する必要がございますので、こ ういった形のベースでまとめております。検討手順のところ、先ほど説明いたしました のと重複いたしますが、415項目あって、その中で、そもそも設定趣旨から制限回数を 超えることが想定されないのが147項目、患者が要望することが想定されないのが126と いうことで除きまして、次のページに参りますが、その他の項目142というのが残った ということでございます。  142について各委員に評価いただきまして、その検討結果という形でこのように整理 しております。これはあくまでまだ事務局案でございますが、「検査」であり、「リハ ビリテーション」であり、「一部の精神科専門療法」というのが、その患者要望に従 い、患者の自由な選択のもとに実施されることが可能であり、保険給付との併用を認め ることが適当であると考えられるということで整理しております。  次のbのところですが、「一部の検査」、「在宅」、「精神科専門療法」、「処置 」、「手術」、「麻酔」等については、患者要望よりも医療上の必要性の観点が優先さ れ実施される蓋然性が高いと考えられると。当該項目については、患者要望をより具体 的に把握し、患者の自由な選択同意の確保ということを十分に留意しつつ、具体的な事 例でさらに検討する必要があるということという具合に考えたらどうかと整理しており ます。ヘリコバクターも同様でございます。  その後に(2)で書いておりますが、保険給付との併用を認めるということになった 場合、さらに必要な条件というので御検討いただくということでして、これまでの議論 からは特にそういったものはないのではないかという具合に考え、このように今の段階 では案として整理しております。  (3)でございますが、医学的な根拠が明確なものについては保険導入の可否を検討 すべきであると。これにつきましては前回も御議論いただいたところですので、ここに 記載しております。  次のページに参りますが、その他ということで、患者の要望をある程度踏まえながら 今まで評価いただいてきたところなんですが、やはり完全には把握しきれないと思いま すので、定期的なフォローアップが必要ではないかということで、そういったフォロー アップを行い、そういった対象拡大の要望があればその都度また検討するということで はどうかという具合に書いております。  具体的な項目はその次のページから書いておりまして、4ページ目でございます。別 紙1という形で書いております。保険給付との併用を認めることが適当と考えられると いうことで、先ほど申し上げました検査であり、リハビリであり、精神科専門療法の一 部という形でして、28項目挙げております。内容的には腫瘍マーカーや、5ページに参 りますとヘリコバクターピロリや、感染症ということでして、輸血後のHIV検査とい うようなもので、次の6ページではSARSというようなものが挙がっております。で すので、感染症の検査、腫瘍マーカーというのが検査としては中心になるのかなと。あ と残尿測定、骨塩定量、ノンストレステスト、補聴器適合検査というのを検査の項目と して挙げております。リハビリテーションではこういった項目が挙げられております。  次の8ページで、精神科の専門療法の中でも精神科デイ・ケア、ナイト・ケア、デイ ・ナイト・ケアというものについては患者サイドにも要望があるということですので、 これについて保険給付の対象にしてはどうかという形で案として挙げております。  次の9ページ目以降でございますが、患者要望よりも医療上の必要性の観点が優先さ れ実施される蓋然性が高いということで、142の項目のうち28が別紙1で、残りの113項 目についてが別紙2ということでして、これについてはどういった場合に患者の要望が あるのかというのをより詳細にとらえる必要があると。また、そういった場合の医療上 の必要性であったり、患者の自由な選択というのが確保されるかどうかという視点も踏 まえて、今後さらなる検討が必要という具合に事務局案としてはまとめておりますが、 それがここに書いております別紙2の項目でございます。  次の資料に参りますが、診調組の技−2−3でございます。これは参考資料と書いて おりますが、前回提出しました資料をまとめたということで、参考資料1というのは 415の項目をすべてリストアップしたものでございます。26ページ目に参考資料2と書 いておりますが、診療報酬の設定内容から、本来、制限回数を超えることが想定されな い項目ということでこれをここに記載しております。次、35ページ目に参りますが、参 考資料3という形で、患者が要望することが想定されない項目という具合にまとめてお ります。次、43ページ目に参りますが、参考資料4、その他の項目ということで、これ が142項目であるということで、これが別紙1、別紙2に分かれているというような形 になってございます。事務局からの説明は以上でございます。 ○吉田分科会長  御苦労様でした。この医療行為についての報告案ですけれども、これにつきまして御 議論あると思いますが、いかがですか。 ○石原委員  大変詳細な御検討の成果だと思うのですが、この検討結果の(1)のa、b、cでご ざいますが、cのヘリコバクターの件は全体の問題と少し性格が違うので、別途検討さ れてはいかがかと思います。bとaでございますが、bにつきましては「医療上の必要 性の観点が優先され実施される蓋然性が高いと考えられた」と明記しておられて、まさ にそのとおりだと思うのですが、そうしましたらこれは本来、公的保険にスムーズに速 やかに入れるべきものであって、この混合診療のためにわざわざ出すものではなかろう と思います。  そしてもう一つ、aにつきましては、患者様の要望というふうに書いていらっしゃる のですが、実際の28項目を見ておりますと、日本全体から見ると、広く見ると頻度は低 いかもしれないけれども、お一人お一人の患者様、個々の患者様から見ると、医学的必 然性、必要性の強いものも随分多いのではないかと思います。ですからaにつきまして もこれは本来bに含まれるものが多いのではないかと感じましたので、ほかの委員の先 生方の御意見も聞かせていただければと思います。 ○吉田分科会長  まさにそうですね。この点につきましていかがですか。要するに、「保険給付との併 用を認めることが適当であるとされた」という文言で、前回いろいろな御意見がござい ました。きょう御検討いただくのは28項目ですね。bの113項目については各委員から、 これは混合診療に入れるには時期尚早と、たぶんそういう判断だと思います。この28項 目について、特に検査ですが、渡邊先生、これに追加はございますか。悪性腫瘍特異物 質治療管理料、2つございますけれども。 ○渡邊委員  悪性腫瘍の特異物質治療管理料につきまして、これは管理料となっておりまして、そ の下も2つ管理料となっておりまして、ほかは検査項目になっているのですが、これは なぜ管理料になったかというと、この管理料は、そこに書いてありますように、検査及 び治療管理を行ったときに算定するというのですが、実態はほとんど99.9%、検査なん ですね。治療管理ということは実際に行われていないのですが、名目上、治療管理料と なっておりまして、実態は検査項目とほとんど一致しているということでありますの で、管理料を分離して書いております。ちょっと誤解があると思いますが、言葉の問題 であって、実態は実際の検査と同じということで、そういう範疇で考えさせていただき ました。 ○安川委員  今問題になっております2番の検討結果のbの方ですが、これは確かに手術とか麻 酔、処置、この中で患者さんの意向、希望を直接、どうしますか、どちらにしますかと いうことは恐らく聞けないだろうと。だからこれは十分御検討いただいた方がいいので はないかなと思います。aの方ですが、これは確かに今、医学的に必要だと言えば必要 なんでしょうけれども、どちらかと言えばサービスと言いましょうか、こちらに属する 意味合いが強いのではないかなと。そうすれば、これはいわゆる混合診療で対応してい ただく方がいいのではないかなと私は思っております。 ○吉田分科会長  まさにきょう、この28項目についてどう結論づけるかを最終的に決めたいわけです。 検査、ほとんどこれは限定していただきまして、渡邊先生に大変御苦労をかけまして、 削減してbの方へだいぶ行っています。最終的にリハビリを入れまして28項目がござい ますけれども、この28項目について、これを中医協の方へ出してよろしゅうございます か。これはあくまで保険給付との併用という答申なんですね。ではここですべて保険を 認めろということは決められないのです。決めるのは中医協ですから。これは挙がった 意見に対して、例えばこれはできます。分科会でこういう意見があったと。保険給付の 併用としてこれを挙げたけれども、早急に保険に入れろということは、皆さんの全会一 致であればその文言は入れられます。ですから一応、答申として、この併用という言葉 で挙げましたけれども、この分科会として早急に保険に導入しろという御意見があれ ば、それも文言として入りますけれども。 ○石原委員  ぜひとも早急に保険給付の中に含めるということを入れていただいて、もし仮に混合 診療的になるのであれば、例えば半年とか1年に満たないところで期間を区切ってこの 委員会からお出しになるのであれば事前の策として理解できますが、もしそういう時限 的な文言が入らないのであれば、混合診療を拡大するだけに資するということで大変心 配いたします。  もう一つ、特にリハビリテーションと精神科専門療法、この2つについては患者の趣 味という問題に片づけるのにはあまりに大きい問題で、この委員会の真意を疑われかね ないので、このリハビリテーションと精神科専門療法は、分類で言いますとbの方にな さった方がいいのではないかと。今まで御検討になった委員の先生方の深いお考えがあ ろうかとは思うのですが、こうやって改めて全体を見ますと、bの113項目の方に含め た方が安全ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。 ○河原委員  aのリハビリテーションと精神科の両方ですが、これは特性から言うと、例えば共同 の医療というか、医療従事者と患者さんの共同、私が言う「きょうどう」というのは 「協同」と「共同」ですが、その共同の医療でどちらも努力しないといけない医療であ ると。患者さんももちろん治療を受けますが、例えば家庭でも、地域でもその治療に向 けて自分でも努力しないといけないと。そういうことを考えますと、やはり患者さんサ イドからも独自の要望というものが挙がってくるので、私はこのリハと精神科に関して はaの範疇でいいと思います。 ○野末委員  私はリハビリテーション及び精神科のデイ・ナイト・ケアにつきまして、例えば精神 科デイ・ナイト・ケアにつきまして週に5日を限度としてというふうにありますが、こ のようなケアというものは毎日継続して実施することで患者様の精神の安定を図ること ができるという、そういったような性質のものであると考えられると思いますので、こ の5日というのがどういった理由でその回数が出てきたのかよくわかりませんけれど も、このような制限はない形にしていくのが妥当ではないかと思います。 ○吉田分科会長  このリハビリと精神科に関してはaじゃなくてbの方で検討しろということですか。 ○河原委員  私はaで。共同の医療ですから、患者さんサイドにもいろいろな要望があると思うの で、aの医療でいいと思います。 ○吉田分科会長  石原先生、いいですかこれで。 ○石原委員  今、委員のお考えはちょっと間違っていらっしゃるのではないかと思うんですね。い かなる医療行為でも患者様の御要望と御希望の内容を聞くわけですから、それをもって aというふうにおっしゃるのは大変不自然に思うのですが、いかがでしょうか。 ○河原委員  例えば病院とか医療機関にかかった場合は医師の観察下にあると思うのですが、やは りリハビリとか精神科の療法に関しては広がりがありますから、地域とか家庭において も行うわけですから、そういうことを考えますと当然患者さんサイドにもいろいろ要望 というのは多種多様あると思うので、それに応じて、患者さんの希望に応じた医療を提 供するのがいいのではないかと思います。 ○石原委員  患者様の御希望に応じた医療をするのはまさに非常に重要なことですが、それはこの 28項目に限ったことではなくて、すべての医療において共通することでございますの で、今おっしゃている説明は、私はおかしいと思うのですが。 ○河原委員  すべての医療に共通すると思いますが、やはりその特性が強い分野だと思います。患 者さんの要望が表に出やすい分野だと私は思います。社会的にも。 ○安川委員  ここで今、問題になっておりますのは、基本的なことはきちんと保険で認められてお るわけでありまして、一応それで精神療法なり、リハビリなりはある程度クリアできて いると思うんです。それプラス、患者さんがもうちょっとこの辺というのであれば、あ る程度これは自己責任と申しましょうか、これもある程度認めるというか、そういうこ とをやっていただかないといけないのではないかなと思っております。だから私は、a はサービスですので、混合診療でいいのではないかと思っております。基本的なことは きちんとやられておりますので、そういう意味で申し上げました。 ○田所委員  同じような意味で、在宅訪問診療料などが、患者要望よりも医療上の必要性の観点が 優先されるという方のbに入っているのですが、この部分も患者さんから非常に要望の あるところなんです。これはaに入れてほしいなと思うんです。 ○吉田分科会長  これは具体的にはどの辺ですか。 ○田所委員  12ページの在宅医療というところで、在宅患者訪問診療料とか、在宅患者訪問看護・ 指導料というのも回数制限がありますが、これ以上を求める患者さんは実はたくさんお られます。これも先生がおっしゃったような患者サービスの典型ではないか思うんで す。 ○吉田分科会長  12ページのC001と005・1、2つでいいですか。 ○田所委員  そうです。 ○茅野委員  これは私が担当しまして、太田さんなどにも御協力いただいて、学会の先生にしつこ く聞いたのですが、やはりbに入るようなお話だったので。これはかなり聞いたんです けれども。 ○山口委員  田所先生の今のお話、患者さんが希望するというのは、自分が払ってもいいからやっ てほしいということでしょうか。それとも保険できかせてやってほしいという希望でし ょうか。どちらでしょうか。 ○田所委員  今は保険ではきかないので、保険できかなくても、その分お金を払ってもいいから訪 問をしてほしい、そういう要望はたくさんあります。 ○山口委員  保険がきけばその方がいいということですよね。これは患者さんの意見ですか。 ○田所委員  そういう要望はたくさんあります。 ○山口委員  それはやはり患者さんはただの方がいいですよね。ちょっとそこのところを確認して おきたかったので。 ○田所委員  そこは認められるものならという要望はつけるわけですが、認められていない今、こ れはできないわけですよ。病院の善意でやる以外ない。これは限られてしまいますよ ね。でも要望はかなりあるということは事実だと思います。 ○安川委員  ただでやるからいいというのは、それはだれでもただに越したことはないわけであり まして、しかしこれは全体の保険と言いましょうか、医療保険の本来の目的は何かとい うことですね。リスク分散ということもありますし、もっと重症の方にしっかりと医療 保険の対応をしていただきたい。そのためにはしっかりと、国民医療費を使えとおっし ゃる方もおられるかと思いますが、これは限界が当然あってしかるべきであろうと、こ のように私は思っております。 ○石原委員  くどいのですが、今の田所先生のお話は、要望が強いから早く混合診療にしてくれと いう、混合診療のお話の一番プリミティブなところでのお話ですから、それはもう済ん だお話で、このbに分類されたのは御要望が強い、ぜひとも早く公費保険に含んでくれ というのがこの委員会のあるべき趣旨ではないかと思いますので、それを改めて、くど いのですが、指摘させていただきたいと思います。  医療費を抑制しなければならない、あるいは効率的に使うという今のお話はまさにお っしゃるとおりだろうとは思うんですが、そのために必要なコストはやはり出してもよ いと考えていらっしゃる国民が、私は過半だと思います。いろいろな世論調査でもそう ですし、日本の政府の予算の配分を見ておりましても、諸外国と比べて日本は著しく医 療費への投入が少ないという現実がございます。ですから、医療関係者が過剰に医療費 抑制あるいは効率化という美辞麗句に過剰適用するのはむしろ医療現場の安全、リスク 回避という意味からも避けるべきではないかと思います。 ○吉田分科会長  いろいろ意見が分かれていますが、いかがですか。きょうはまだ時間がありますの で、このaについて、このまま基本問題小委員会にお出ししますので、十分時間をとっ て議論をしたいと思います。この検査についてはよろしゅうございますか。 ○田所委員  もう一回確認したいのですが、保険で認めるべきだということをピックアップするの はこの分科会の役割ではなくて、現状で回数制限があるものを、それでは困るので、患 者さんの要望もあるから、現状の制限を超えてやれる方法を何とか考えようと。その一 つが混合診療の形をとった、患者さんから自費でいただくという方法を認めるか、認め ないかということだと思うんですよね。保険で認められた方がいいに決まっています が、現状ではそれができないので、ではどうするか。その一つの方法として患者さんか ら自己負担でいただく分をどこまで認めたらいいかというのを決めるのがこの会の役割 ですよね。ですから先ほどの先生のはちょっと違うのではないかと思うんです。現状で できない、それでは困っている、患者さんも困っている、だからこの項目は自己負担を いただいてでもやりましょうということを決める会だと思うんです。 ○松原委員  私、中医協の委員でございますが、今回、分科会にお願いしたことについて少し誤解 があるようでございますので御説明申し上げます。これは大臣との合意の中で、ただし 書きがございます。医学的に根拠のあるものは保険導入をするというただし書きがござ います。そういったことを踏まえて判断するのに、医学的な専門家である先生方にその 御判断をお願いしているわけでございますので、混合診療導入か不可かを御議論いただ くものではございません。あくまでも患者さんの選択が優先なのか、あるいは医学的根 拠があって保険で導入すべきものなのかということについて御議論いただくと私どもは 理解しております。 ○渡邊委員  検査、これは17項目ございまして、要するに私の見解としては、まさに今、松原先生 がおっしゃったような形で選択させていただきました。というのは、医学的に必要のあ るものは全部bに入れさせていただきまして、医学的には必ずしも必要ではないけれど も、患者さんが希望したときには、それは患者さんのためにいいだろうと。例えば輸血 した後、2週間後にエイズの検査は1回しかできないんですね。ところが患者さんが輸 血した後1回やって、また心配になって来たと。専門の先生に聞くと、それは1回でい いのであって、医学上は2回は全く必要ないと。だから医学上のニーズは全くない。で すからこれは保険上も、患者に対する健康にとっても、これはもう1回で正しいわけで すが、やはり輸血のエイズの患者さんの精神的な悩み、その患者さんの悩みを救うとい う意味では全然医学的に意味はなくても、患者さんがそれでいいというならいいんだろ うというふうなニュアンス、これが本当にそういうものまで保険給付にしなければいけ ないかと。こうなるとかなりディスカッションになると思うんですが、一応その部分の ことをaに私は理解しまして、この17項目を選ばせていただきましたので、これが私、 混合診療に適当か不適当か、私はそれは自分たちで判断するあれではないと思いますの で、一応、こういうふうな形で検査は選ばせていただきました。  技−2−1のところで、論点(1)、(2)と書いてあって、aに当たる(1)のところが一 部の検査であって、(2)の方は一部項目を除くというのですが、実は私、選んだのは、 このaの方が少なくて、大部分はbに入れておりますので、ここはちょっと文章が逆に なっていまして、誤解を招く。要するにこれだと検査はほとんどaになって、bがむち ゃくちゃ少ないという、それは逆転しておりますので、ちょっとここの文章だけ変えて いただきたい。以上でございます。 ○吉田分科会長  これ、課長補佐どうですか。 ○事務局(太田医療課課長補佐)  了解しました。渡邊委員のおっしゃるとおりでございます。 ○吉田分科会長  これでどういたしますか。この28項目、リハビリに関しましては今いろいろ議論があ ります。伊東先生がいらっしゃいますが、何か御意見ございますか。 ○伊東氏  難しいところだと思います。まず保険で認める部分というのはミニマム・リクワイヤ メントと言いますか、先ほどちょっとお話がありましたように、きちんと医療上必要不 可欠なところまで認められているという前提であれば、それ以上の要望に対してお金を 払っていただくというのはよろしいと思います。例えば心臓リハビリでも外来では週3 回と決められていますが、それもどんなガイドラインを見ても週5回以上と書いてあり ます。ではその週3回以上ならとりますよということになると、では本当に週3という もの自体が医学的ならびに医療経済的に正しいかどうかという、そこの議論が済んでか らでないと、4回目からとりますというのはちょっと難しいと思います。全体の考え方 としてはいいのですが、医療としてどこまでやるべきかということをエビデンスをもと に議論し、それが確認されたものについて行う、というのが筋ではないかと思います。 ○吉田分科会長  もともとこの回数制限が何の根拠で出たのかというのは前の委員会で出ていましたよ ね。その辺も含めて、たぶんこれ、結論づけるのは難しいと思うのですが、とりあえず 2大臣からこの専門分科会に出して、どの辺まで保険給付との併用を認めるか検討しろ ということですので、こういう具合にまとめたんですけれどもね。リハビリに関して も、何で4単位がいいのかという根拠はないんですよ。そこまで議論しますと結論が出 ませんので、とりあえず14年改正のときにいろいろ回数が制限されまして、16年度もリ ハビリに関しては少し緩和しましたよね。そういう経緯があるのですが、とりあえず6 月29日の基本問題小委員会にきょうの結果をお出ししなければいけません。文章をこれ からつくるのですが、まだ時間はありますので、いろいろな先生から御意見を出してく ださい。 ○大江分科会長代理  aの項目のところですが、先ほど来、お話が出ていますように、保険で給付すべき か、あるいはすべきでないかという論点ではなくて、医学的に見て現在の設定されてい る制限で通常、ほとんどの場合、医療提供側から見ればそれほど問題がないと。にもか かわらず患者さんが何らかの理由でさらにもう少し医療サービスを受けたいというよう な場合はaであるという、そういうものがaの中に入っていているかということを議論 すればいいわけですね。  そういう視点で見ますと、少なくとも検査のところに関して私の知っている知識の範 囲で判断すれば、現在設定されている制限はいずれもこれで、医療サービスを提供する 側からすれば十分な、この制限を超えてしなければいけないケースというのはそれほど 多くない、極めて少ないのではないかということで、この中に入っていることでいいと 思います。ただ、そうすると、同じようなそういう視点で考えますと、例えばリハビリ テーション、この一つの例を挙げますと、1人につき1日3単位に限り算定するという この制限を日常診療、リハビリテーションの診療現場で見たときに、本当はもっとした いということが医療側から見てどの程度あるのか。この制限がなければもっと提供し て、もっとよくなるのにということがあるのか、ないのかということを専門家の先生方 が意見を述べられて、それで判断すればいい問題ではないかと思います。精神科の専門 療法も3年を越えて、もっと毎日することが必要で、それによって医療の質が上がると いうのであればこれはbに移すべき問題であろうと思います。その辺りを議論していた だくといいのではないでしょうか。 ○吉田分科会長  特にこのリハビリに関しては制限が、医療側からも撤廃してくれという意見が多いん ですよね。ですのでこのリハビリに関して、専門の先生方に検討いただきまして、8項 目がaに入ったわけですね。確かに調査する期間としてはまだ短かすぎるんですよね。 リハビリの現状。特に検査については確かにいいと思うんです。だいぶ縮小しましたの で。リハビリについてどうですか。伊東先生、これは実際に現場では足りないのです か。 ○伊東氏  すみません、僕は心臓リハビリテーションしかわかりませんので、これに関しての発 言は控えさせていただきます。 ○吉田分科会長  一個ずつ行きましょうか。この検査について、よろしゅうございますか。この17項 目。よろしいですか。リハビリテーション、これにつきまして、これをaに入れるか、 bに入れるかで今議論が分かれております。松原先生、医師会の方で整形の先生がいろ いろ言っていらっしゃいますよね。 ○松原委員  整形やリハビリの先生方のお考えもありますし、今お聞きしていましたら、少し意見 が分かれているように思いますので、例えばそれを併記していただく形にして中医協の 方で議論させていただくという方法もあると思います。 ○事務局(太田医療課課長補佐)  リハビリテーションについてですが、両大臣がこの制限回数超えについて同意してい るということと、あと具体的な項目としてリハビリテーションというのは、腫瘍マーカ ーと同様に、既に挙がっているという状況があるということでして、と申しますのは、 患者さんのサイドにもそういった要望というのはかなりあるということでございます。 先ほど来、聞いていますと、そのあとは何単位という議論になるんだと思いますが、そ ちらについてはこちらの報告書案の2ページ目の一番最後のところに、医学的な根拠が 明確なものについては保険導入の可否を検討すべきであることが確認されたという形 で、附記するという形でとりまとめ可能ではないかと思っております。  事務局として考えておりますのは、リハビリテーションですね、医学的な必要性とい うのと患者さんの要望というのと、そこら辺のバランスみたいなものを見たときに、確 かに医学的な必要性もある程度はあると思われるのですが、やはりそれ以上に患者さん の要望というのはかなり強くあるのではないかと思いますので、その患者さんの要望に 的確に対応するという観点から、こういったものについてある程度給付との併用を認め るという形で検討いただくのが、これまでの両大臣の合意などもありますし、リハビリ テーションについては具体的に項目が出ているという経緯もありますので、そういう方 向で御検討いただければと考えております。 ○石原委員  今の厚労省のお考えは、お考えとしてはわかりますが、やはりこの委員会としてはそ ういう厚労省側の意見で最終的に大きな枠が決まってしまうのはおかしいのであって、 ここに出ました幾人かの、殊にリハビリテーションや精神科専門療法については医療関 係者の意見として、まとまらなければまとまらないなりの意見を挙げていただきたいと 思います。殊にリハビリテーションについては御専門のフィードバックがまたあるとい うことでそれを期待しますが、精神科の専門療法の部分は御本人の希望というようなこ とが非常に難しい領域でもありますので、医学的に医療的に見て差し上げないと、大変 大きな問題で、世界的に見ても日本のこの精神科のここの部分は立ち後れが指摘されて いるところですので、ぜひともこれはb項目に入れる方向でお考えいただいていいので はないかと思います。  最後にリハビリテーションのコメントをもう一回したいのですが、伊東先生の御報告 のところで、繰り返してやっていって、長期にわたっても1回当たり、あるいは1日当 たりの効果は低下していないという、非常に重要なエビデンスをお出しでございますか ら、そういうエビデンスがあるのであれば、このリハビリテーションの回数の部分、現 場の先生方や患者様が望むのであれば、これは実際にまともな医療として入れておくべ きではないでしょうか。以上です。 ○吉田分科会長  確かにそうですね。この28項目全部出すのか、あるいはリハビリと精神医療について は付帯決議というか、意見をつけて出すか。どうしますか。この委員会として28を検査 だけに絞って出すのか、あるいはリハビリと精神科専門療法、一応挙げておいて、そこ へきょうの御意見をつけて出す、その方法がありますけれども。 ○田所委員  今のことに関して、保険でもっと単位数を認めてほしいということを要望として出す ことはいいと思うのですが、それが通らなかった場合には患者さんから自己負担をいた だくこともあり得るという形になってもらいたいなと僕は思います。 ○吉田分科会長  当然そうなりますよね。 ○田所委員  リハビリテーションに関して、僕は内科医ですので専門ではありませんが、皆さん御 存じであると思いますが、今、日本のルールで決められているリハビリの時間数はアメ リカで行われている時間数の最低限にも達していないということが、いつだか新聞に出 ていたのをごらんになったかと思いますけれども、それが今のルールの現状なんです ね。それをつけ加えさせていただきます。 ○吉田分科会長  そのほか、こうしたらいいという御意見はございますか。リハビリと精神については 茅野先生に苦労してまとめてもらいましたが、どういたしましょうか。 ○茅野委員  僕は吉田先生のおっしゃった2番目の方法、つまり議論をつけて出すので個人的にあ れかなと思いますが、何せリハビリと精神は、僕は自分であまりしていないので個人的 意見になっちゃうんですけど。 ○吉田分科会長  そろそろ結論を出したいと思いますが、いかがですか。 ○山口委員  この会議のメンバーを見ていて、ちょっと人が少なすぎると思います。精神科のデイ ・ケアがどういうものでということを知っている方が何人おられるのかよくわかりませ んが、こういう会議でそもそも能力がないのに責任ある答えを出せということが私は無 理だと思います。これはしかるべき人に出てきていただいて、これについて説明してい ただいてから妥当かどうか検討しないと、意味はないのではないでしょうか。 ○吉田分科会長  今、意見を聞いていますと、リハビリと精神療法に関しては回数制限についてここで は結論が出ない。現場を知りませんからね。だからむしろ検査だけをaに入れておい て、リハと精神療法についてはbへ入れてしまうと。そしてbに関しては早急に保険導 入をお願いしたいという意見をつけて出す。よろしいですか。 ○事務局(麦谷医療課長)  私ども事務局の初めのオーダーの仕方がひょっとしたら間違っていたのかなと深く反 省をしておりました。この技術評価分科会に課されたマンデイトというのでしょうか、 期待されたことというのは、保険で制限回数がつけられている診療行為の一つ一つの評 価をお願いしたのではなくて、保険の診療行為はもちろん、回数制限があるのはすべて の患者さんではなくて、最大公約数の、医療が完結するような形で、こんなのは役人が 勝手に決めるわけではありませんから、関係学会、専門家と相談して回数なり、あるい は先ほど渡邊先生が言われたように、検査の回数、これは1回でいいと決めるわけでし て、そこはやはり医療の必要性を勘案して決まっているわけですよね。それで決められ て保険に収載されているわけで、それをここでけしからんとか、一つ一つを評価しても らうためにこの委員会に付託したのではないのです。そこはお間違いのないようにして いただきたい。  きょう、伊東春樹先生が来られていますが、心臓リハビリ学会、制限回数どうですか と言われたら、ない方がいいに決まっています。それは検査もそうですよ。医療機関と か、あるいは医師会側に聞けば、こんなもの制限がない方がいいに決まっているんです よ。患者に聞けばただがいいに決まっている。そんなこと聞いてどうするんですか。こ れがここのマンデイトではないですよ。私どもは、先ほど渡邊先生がいみじくも言われ たように、もう必要ないんだけど、患者さんは不安だからあと1回と言われたときに、 お金をとって実施してもいいようなものはどれですかと聞いているので、それが精神科 デイ・ケアは違う、リハビリは違うということであれば、それはbでも、cでも、して もらってもいいですよ。それはここで議論していただきたいのですが、この一つ一つ、 本来保険に入れるべきだというのはここのマンデイトではないです。そのことを私は注 意喚起したいと思います。 ○吉田分科会長  確かにそうです。これはあくまで基本問題小委員会へ回答書を出すわけです。ですか ら、皆さんのきょうの御意見を聞いていまして、リハビリと精神医療についてはbで行 けという結論でしたら、この場でbに入れたいと思いますが、いかがですか。 ○河原委員  この委員会の使命がちょっと違うのかもわかりませんが、例えば一つ一つ、回数制限 とかああいうところ、もちろん討議基盤は違うと思うのですが、根拠があるかどうかを 議論していると大変なので、私個人の考えとして言わせていただきますが、回数制限が あるのを根拠あるものとしてやった場合の後のサービスを考えて先ほどから発言させて いただいていますが、リハビリとか精神関係のことに関しては患者さんの選択の余地を 広げるということが医療の提供としてはいいのではないかと。特にリハとか精神関係に 関しては医学的な観点に匹敵するぐらい社会的な要素も非常に強いですから、ほかの医 療ももちろん、共同の医療の観点ももちろんありますが、特にこの2つに関してはこの 制限回数を正しいものと認識してその後のサービスを考えた場合に選択の余地を広げた 方がいいのではないかと。それがサービスの向上だと思います。だからaです。 ○吉田分科会長  ではそれを結論づけたいと思います。28項目について一応aとして中医協へ答申を出 すと。ただし、リハビリと精神療法についてはいろいろな御意見がございましたので、 その意見を付託して出すと。よろしゅうございますか。それで異論はございませんね。 ○田所委員  くどいようで申しわけないのですが、bとしたものも、もし保険で認められなかった らaと同じような扱いになるということで了解していいのですか。 ○事務局(太田医療課課長補佐)  そうではございませんでして、定期的にフォローアップという形で書いております が、そういった中で、ちょっと保険の議論によりますので何とも言えませんが、仮に保 険である程度手当てをしたとしても、さらにその上でも要望があるケースもありましょ うし、今の段階でもあるケースもあるということで、そこら辺、患者さんのニーズを定 期的にフォローアップしまして、そういったものがあるのであればその時点で、またこ の場で御検討いただくというような流れになると思っております。 ○渡邊委員  検査の場合、例えば何をbにしてあるかというと、例えば羊水中肺サーファクタント アポ蛋白とか、IV型コラーゲンの精密検査だとか、こういうのは患者さんがわかるわけ ないんですよ。ですからbに入れたものすべてが混合診療になるわけではないように思 っています。むしろそれが医療上必要ならば、保険給付の方が望ましいと、そういう形 で分けております。ですから、必ずしも全部そういうふうになっていないので。 ○吉田分科会長  このbの中には、最後の文言で、「継続的に審議を行う」というのが皆さんの御意見 でしたので、継続的に保険導入を求めてやるのかどうするのか、継続的に検討した方が いいのではないかと結論づけて報告書をつくってございます。今出ましたのでよろしい ですね。28項目を一応出しておいて、リハビリと精神療法については今出た御意見を補 足としてつけると。医療課長、それでいいですか。課長補佐、それでいいですか。 ○事務局(太田医療課課長補佐)  一つ資料に落丁がございまして、ヘリコバクターピロリの関係で別紙3が抜けており ましたので、今配布させていただいてよろしいですか。 ○吉田分科会長  これは前回の報告会の結果ですよね。これはどこに追加しますか。 ○事務局(太田医療課課長補佐)  別紙2の次のページということでございまして、技−2−2の17ページが一番最後に なっておりますが、その次の18ページ目でございます。  先生におまとめいただきました件につきまして、委員からいろいろ意見ございました ので、それにつきましてはこの中にさらに追記するような形で、それで座長に御一任い ただくという形で文言についてはよろしゅうございますか。 ○吉田分科会長  今それは伺います。これは議論がだいぶ出ましたので、先ほど結論づけました28項 目、リハと精神に関してはきょう出た御意見をつけて提出すると。この文言をまた先生 方に集まってもらう時間がございませんので、この場で、会長一任ということでよろし ゅうございますか。御意見ございませんね。では会長一任にさせていただいて、こちら で責任を持って文章をつくって、中医協の基本問題小委員会へ出します。それでよろし いですね。  これで、こちらで用意しました議題は以上でございます。まだ10分ございますが、そ の他で何かございますか。もしなければ今後の予定について事務局からよろしくお願い します。 ○事務局(太田医療課課長補佐)  先ほど、吉田分科会長の方からありましたが、この制限回数超えについては取りまと め、29日の中医協基本問題小委員会に提出する予定にしております。その際には吉田分 科会長の方から御説明いただくという予定でございます。  次回でございますが、学会の方から医療技術評価、再評価の要望書というのが上がっ てきておりますので、それを前回資料説明いたしましたが、ワーキンググループみたい な形で一次評価を行いまして、その中のその結果をこの分科会に御報告という形ですの で、次回少し時間が必要だと思います。次回、秋ごろになろうかと思っております。 ○吉田分科会長  例の希望書の集計ですよね。個々のはきょうお願いしましたので、またあとで相談し ます。一次審査がございますので、あれは専門家が集まらないとなかなかわかりません ので、たぶん厚労省がつくった5チームに分けて、チーフをこの委員の中から選びた い、もしくはこの報告者から選びたい。個々の人選については、前回一任を受けました ので、こちらで委員を選びます。 ○茅野委員  学会から出ている何百という要望書の件ですが、どういう基準で優先するかというの は一度も議論されたことがなく、ですから、例えば5つに分けて、各部門がばらばらな 基準でやっても問題かなとは思うのですが。 ○吉田分科会長  具体的には難しいんですよね。ただ、しょっちゅう集まっていただきたいのですが、 なかなかそうもいかない。皆さんお忙しいから。とりあえず、具体的な案はまた次回も 出ますよね。希望書の取り扱い、要するに一次審査というやつ。 ○事務局(太田医療課課長補佐)  一次審査につきましては、これまで保険適用という形からの検討ということで、有用 性である、安全性であるというような形で、あとは効率性であるとか、そういった観点 がございますので、そういった観点からワーキンググループの委員に御評価いただい て、その評価結果をもとにここに御報告して、それについて御議論いただくということ で、横断的なものにつきましては、出てきた段階でこの分科会で御検討いただいて、そ ういった視点も入れながらということになると思います。要望書はいかんせん相当数出 てくることが予想されておりまして、いきなりすべてここでというわけには、少し各先 生方に負担が大きすぎるのかなと思っておりまして、そういう形で一時的なある程度の さばきをしたいと思っております。 ○吉田分科会長  評価については、前、熊本先生にお願いして、大体重点項目というのがありますの で、たぶん熊本先生に来ていただいて、全5グループを見ていただくようになると思い ます。最終的にはある程度選定されたものをこの分科会に上げてきて、何でこれが落ち たんだとか、そういう議論はここで、二次審査でしたいと思います。よろしゅうござい ますか。  では5分前ですが、時間ですので、本会議を終わります。お忙しい中、ありがとうご ざいました。 【照会先】 厚生労働省保険局医療課企画法令第2係 代表 03−5253−1111(内線3276)