05/04/04 独立行政法人評価委員会第7回国立病院部会議事録             厚生労働省独立行政法人評価委員会                 国立病院部会第7回             平成17年4月4日(月)15:00〜17:00                厚生労働省9階省議室 出席者:井伊委員、大道委員、開原委員、黒川委員、住田委員、辻本委員、夏目委員、     山田委員、渡邊委員 ○部会長  よろしいでしょうか。すみません。ぎりぎりで、定刻には間に合いましたけれども、 第7回の独法のその評価委員会の国立病院部会を開催いたします。先生方、本当にお忙 しいんですが、ありがとうございました。今日の議事ですけれども、かなりいろんなこ とが進んでおりますが、まず今日の議事について事務局から、それから資料の説明等も お願いいたします。よろしくお願いします。 ○政策評価官  本日の議事でございますが、議事の第1は国立病院機構の平成17事業年度償還計画に ついてでございます。議事の第2は国立病院機構の重要な財産の譲渡についてというこ とで、広島にございます原病院の関係の財産譲渡について後ほど御審議いただきたいと 思います。議事の第3は、業務実績に関する評価基準細則(案)及び評価の視点(案) についての御審議をお願いしたいと思います。このうち議事の3につきましては前回も 御審議いただいたわけでございまして、その続きということでございます。  以上3点の御審議をお願いしたいと思います。  それから、合わせまして参考資料についてちょっと御紹介を申し上げたいと存じま す。お手元の資料の中で、一番下の方から見ていただきますと、参考資料の1、2、3 というものがございます。参考資料1、これが他部会における業務実績評価書の例とい うことでございまして、前回の御議論の中で他の部会がどんな形で評価をやっておるか というようなことが出たわけでございまして、本日、参考資料として用意いたしまし た。これは独立行政法人の勤労者退職金共済機構につきまして、平成15年度に行った実 績評価結果でございます。労働部会の方で行っていただきました。参考資料1を1ペー ジめくっていただきますと、業務実績全般について文書編の評価が約5ページぐらいに わたってなされております。その後ろに、評価の視点に対応いたしました個別事項につ いての評価シートという横長のものがございまして、これは20枚ほどあるわけなんです けれども、本日は1枚だけ付けております。  このシート、字が小さくて申し訳ございませんが、中期目標、中期計画、15年度の年 度の計画に対応して、法人の方から15年度の業務実績の報告というのが記入されてまい ります。この業務実績の報告を聞きながら、左側のこの評価の視点に基づいて見ていく わけでございます。そして、その真ん中に自己評価Aとなっておりますけれども、法人 が自ら評価すると、Aということであったわけですけれども、その理由が下に述べてご ざいます。  そして、以上をもとに各委員の先生方に評定をしていただきまして、この場合、自己 評価はAでございましたけれども、部会の評価としては、ほぼ計画どおりでこれはBで あるということになったわけでございまして、それについてのコメントが下につけてあ るということでございます。これを約20枚ほどつくっていただいて、この評価書の後半 部分に添付されていると、こういったような形式でございました。  その他、参考資料の2は財務諸表についての意見書でありまして、これも同時期に出 していただいておりますけれども、この場合は承認することが適当であるという御意見 でありました。  それから参考資料の3は、部会の開催の日程でございます。労働部会の場合は、去年 は7月から8月にかけまして5回開催しております。この部会は大変効率的に審議がさ れた例でございまして、4法人があったんですけれども、各法人の評価を1回ずつやっ た上で、5回目にその全体の評価をまとめるというようなことで、4回と5回の間にい わゆる起草委員の先生方と事務局との間で文面等の整理を行ったということでありま す。  その他、医療福祉部会等の例でございますと、やはりこの4回と5回の間に、もう1 回部会を開催しておる。さらには起草委員の先生方だけのお集まりをしていただいたり している例もあるということでございます。  以上が参考資料の御紹介でございます。  それから、4月1日をもちまして、当省の国立病院課長の異動がございましたので、 この場をお借りいたしましてごあいさつ申し上げます。 ○医政局国立病院課長  4月1日付けで国立病院課長になりました外山と申します。よろしくお願いします。 ○政策評価官  以上でございます。 ○部会長  よろしくお願いします。それではまた資料のディテールはそれぞれの議題のところで また説明していただくとして、まず議題の1ですが、平成17年度の事業償還計画につい てということについて御審議をお願いいたしますが、よろしくお願いします。それでは まず事務局から説明、お願いいたします。 ○国立病院機構財務部長  国立病院機構の財務部長の古都でございます。よろしくお願いいたします。お手元の 資料の資料1に沿って。 ○部会長 座ってやったらどうですか。 ○国立病院機構財務部長  座らせていただきます。  資料1にございますように、17年度の償還計画についてですが、17事業年度に長期借 入金の償還をする額を認可していただきたいということで申請させていただいておりま す。1枚開いていただきまして、17年度償還計画案ということでございます。私ども国 の時代は基本的に財政融資資金からしか長期借入金は借り入れられなかったということ でございます。また、独立行政法人になりましてからも現在、16事業年度につきまして は財政融資資金からのみ、お借りすると、したということでありまして、現在のところ 長期資金の借り入れは財政融資資金からのみでございます。  独法になりましてからの償還はまだ発生しておりませんので、いずれもこの17事業年 度に償還する額はそれ以前、国の時代の債務の償還額ということになります。  そこで一番上に、ちょっと小さい字でございますが、平成17年度償還計画額として、 460億528万4000円というものを17年度に数回に分けて償還をするという形になっており ます。なお、右の方に改革推進公共投資独立行政法人国立病院機構施設整備事業資金貸 付金というのがございます。これは、NTTの株等をもとにした特別融資制度がござい まして、これについては国の時代に補正予算で一般会計の代わりとして貸付されたもの でございます。これにつきましては法律で別途、一般会計から償還するということにな っております。見かけ上、私どもの償還計画にはなりますが、ここの部分については国 の方で、この貸付金を借りた法人は全て同じように返すということでありますので、そ のような整理になっております。したがいまして、私どもが17事業年度に私どもの経営 の中から償還すべき額はこの460億円余りということになります。  以下、参考に出しておりますが、平成16年度につきましては、439億9400万円余りを 償還をするという形で16事業年度の承認をいただいております。したがいまして、16年 度末はそれらをきちっと返しましたので、財政融資資金の残額は7399億円余りという形 になっております。  一方、17年度末までに、参考の1でございますが、290億円財政融資資金からお借り をする予定です。また、初めて財投機関債というものも30億円発行する予定にしており ます。さらに民間銀行からの借り入れを10億円余り、予定をいたしております。一方、 この17年度の財政融資資金の償還額が460億円余りということでありますので、財政融 資資金のみで見ますと、7229億円が17年度末の借入残高になるという予定でございま す。  それ以外に財投機関債を30億円、民間借入金を10億円を17年度に発行、ないしは借入 を行えば、17年度の借り入れ残高に加えられるということになりますので、都合、7356 億円余りが17年度の末の借入残になろうということでございます。  それから、参考の2でございますが、長期借入金の償還期限等は建物につきましては 概ね25年の施設整備、5年据え置きの20年の元金均等償還という形になってございま す。平成9年度から医療機械については10年にしておりましたが、この17年度以降につ きましては施設整備につきましては償還期限25年を変える予定はございませんが、医療 機械につきましては実際の耐用年数と10年というものが乖離しておりますので、償還期 限を6年、即ち1年据え置き、5年の元金均等償還という形に変えさせていただこうと 思っております。  それからその2つ下にございます。国立病院機構債を発行した場合につきましては、 3年債を予定し、これは医療機械の整備に充当したいと考えております。3年後に一括 償還です。それから民間借入金の場合は3年間で元金均等償還というような形で予定を いたしております。  次のページ、ちょっと1枚めくっていただきますと、若干押さえておきたい点がござ います。16年度の借入額は、医療機器整備で44億円、それから施設整備で397億円とい うことで、441億円を借りる予定でした。しかしながら、建物整備等について、設計を 一括して、分割で発注しないことや、現在継続中の整備内容の見直しを行うなどいたし まして、実質的には医療機器は44億円をお借りした上で、残りの資金は自己資金で賄っ たところです。また、施設整備につきましては、内容を見直して324億円の借入をした ということでありまして、都合、368億円の借入をいたしました。その結果といたしま して、当初、441億円借りるところが368億円。一方で、439億円を償還いたしましたの で、約70億円ほど余計に長期債務が減ったという形になろうかと思います。  5年間で7500億円ほどあった借金を1割減らすということでございます。当初、初年 度はほとんど減らない予定だったんですが、大体1%ほど早めに債務を減らしたという 形になろうかと思います。これは御参考までに申し上げました。以上、何とぞ、よろし くお願いいたします。 ○部会長  これについていろいろ御審議いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  これは夏目委員かな、やっぱり。 ○夏目委員  じゃ、質問させていただきますが。財政融資資金が非常に条件がいいと思うんです が、なぜ財投機関債とか民間借入金を30億、10億、それぞれ予定しているのか。 ○国立病院機構財務部長  これにつきましては、国の行政指導と言った方がはっきりわかりやすいのではないか と。財政融資資金を借りる財投機関は行政指導、財務省の指導によりますと、基本的に は財投機関債、みずから発行して資金を集めて、その足らない分を財政資金で借りるべ しということでありまして、全法人、経営状態のいかんにかかわらず、発行せよとい う、御指導があったものですから、私どもも、全体のバランスを考えまして、今、委員 がおっしゃったように財政融資資金に比べて必ずしも財投機関債等は有利であるとは言 えない面も多々ございますけれども、一応、機械の部分であれば、何とか工夫はできる のではないかと思っております。財政融資資金の方が6年よりも短いものの設定がない ので、それ以下の期間であれば他の資金も金利的にも何とかなるのではないかというこ とで、今回予算計画上は財投機関債、民間借入金というものを設定をさせていただいた というところでございます。 ○夏目委員  よろしいですか。この財投機関債は格づけは取っているんですか。 ○国立病院機構財務部長  初年度は発行の予定がなかったので取っておりません。したがいまして、発行するに あたっては、今年度、これから取得するということになろうかと思います。 ○渡辺委員  いいですか。今のその最後のページ、施設整備費が73億円ぐらい少なかったとおっし ゃいましたよね。これ、理由というのが、もうちょっと詳しく内訳というのかな、節約 したのか、それとも何か必要なかったのか、ちょっとその辺の詳しいこと、ちょっと教 えてください。 ○国立病院機構財務部長  節約したものと、現在計画しておるものがございます。従来、国で病院を整備してお った場合は、全体の工期を5工期ぐらいに分けて、少しずつ発注していくという方法で ございました。そうしますと図面を引く時間も短いんですけれども、結局一部だけつく って残りは随意契約みたいな形になるという形で、競争もあまり発生しないし非効率だ と思っております。  むしろこれからは整備する内容については一括して発注を行いたいと考えています。 そこで現在、何箇所かで全面建て替えを計画しております。これについて部分的にやる のではなくて、一括して図面を引きたいと思います。そうしますと、実施設計など図面 を引く期間も1年以上かかるだろうということと、我々も初年度、どのような経営でス タートするかという形で半年ぐらい経営の状態を見た方が良いということもございまし て、若干そういう意味では今年度着工する部分の計画が遅れているということがござい ます。これは決して経営に差し支えるものではないし、むしろ国よりは効率的な整備が 可能になるかと思います。  そういったいくつかの見直しと、現在整備しているものについて、契約内容等を無駄 がないか十分見直していくという形で、2つ合わさって全体として借入額は減ったとい うことでございます。 ○渡辺委員  というと、後に跳ね返ってくる恐れというかね。そういった可能性はあるわけです か。 ○国立病院機構財務部長  ございます。それは、はい。 ○部会長  今の渡辺委員の話からいうと、ちょっと夏目委員とは違った視点なんだけれども、中 長期的には今の建物の古さとかいろんな話がありますよね。全体に。だから5年とか10 年計画というのはそこまでなかなか描けないかもしれないけど、医療制度とかいろいろ なことがかかってきますから。だけどその地域での公共性とか難病の云々かんぬんがあ って、厚労省でやっているの、大体坪単価って高いんですか。民間の、より。どうでし ょうかね。同じ病院としても。 ○国立病院機構財務部長  国の時代の整備はかなり高い単価を設定しておりましたので、現在、私ども、できる だけ市場価格を反映するようにといったこととか、あるいは整備内容もできるだけ無駄 を省いてメリハリをつけていきたいと考えております。夏の段階に民間でやっておられ る1ベッド当たり1500万円から2000万円ぐらいの間でというようなことを、外部の委員 も入っていただいた検討会で方向性をもらっておりますので、今後こういう形に沿っ て、患者さんが利用する部門、例えば入院の部門ですとか診療の部門、そういうところ に重点を置いて、逆に管理部門ですとかサービス供給部門などの内容をもっと簡素にし ていきたいというようなことを予定をいたしております。  そこで、私ども、150ほど病院がございますけれども、現時点で整備が終わっている のは1割か2割しかないということですので、先ほど渡辺委員の指摘もありましたけれ ども、確かにこれからかなり計画的に整備をしていかなきゃならない。大量に整備をし ていかなきゃならないものですから、単価等については徹底的にやっぱり民間並みとし たい。しかし民間並みにはするけれども、性能や質は落とさないようにしていくという 形で整備をしていきたいと考えております。 ○部会長  もしよければ民間並みにって言うけど、やっぱり5、6年先まで計画があると、全体 のそのアーキテクトのデザインとかいろんな話のプランがある。マスターアーキテクト プランとか、全体でね。それが大体書いてないと、その予算を出したとき、また高くな っちゃう。今までだとどうしてもゼネコンが「うちやりますよ、サービスで」なんて言 うけど、最後の方がお金がかかるんです。プランニングのところはあんまりかからない んですよね。そこがどうしても外注でその受けるところが担っているというのが今まで の構造だから、もうちょっと高いわけで、むしろそういうインディペンデントなそうい うマスタープランを書いてくれるような人たちというところ、頼んでおくといいんじゃ ないか。そうすると、予算が出たときにね、全体のもう、スキームができているわけだ からという話が大事なんじゃないかなという気がしますので、是非考えていただければ と思います。  いや、今言ったのはなぜかというと、最近民間のデベロッパーもそういうところを使 うようになって、今まで日本では、なかったんですよ。みんなゼネコンがそこの最初の アーキテクトのプランのところもやっていたんだけど、そこを工事をやるということと 離してやるというのがやっぱり、結構やり方みたいになっていますね。だからそれを是 非やるといいんじゃないかなと。すいません。  夏目委員、いかがですかね。 ○夏目委員  ちなみに、財政融資資金の平均金利は、どのくらいなんですか、今。 ○国立病院機構財務部長  過去に借りた財政融資資金の中には5%とかですね、6%とか、という金利のもの も、まだ残っております。平均するとどのくらいかは、ちょっと今にわかに正確な数字 はありません。 ○夏目委員  やっぱり3、4%、4%ぐらい? ○国立病院機構財務部長  大体3%から4%の間だと思います。これは金利の高いものも低いものも全て金利を 借入金に対していくら払っているかというと、大体200億円から300億円の間の金額を一 年間に払っておりますので、大体3%から4%の間ぐらいの平均金利になっているので はないかと思います。そういう意味でいくと、現在は1%台ですので、このような安い 金利というのはなかなか他では望めないのかな、とも思っております。 ○夏目委員  財投機関債というのは今回は3年据え置き一括償還だけど、国立病院機構でどういう 制度設計してもいいんですか。5年据え置きとか。 ○国立病院機構財務部長  はい、そうです。 ○夏目委員  それはできる? ○国立病院機構財務部長  ええ。ただし一括償還だけは一律に決められています。昔のような抽選償還とかあれ ば、まだもう少し償還が楽なんですけれども、運用の幅は広がったけど、最後に一括で 返さなきゃいけないというところでちょっと使い勝手の悪さはあります。 ○夏目委員  今回初めて国立病院機構としては出すわけですか。 ○国立病院機構財務部長  そうです。 ○夏目委員  そうするとどういう評価を受けるかというのは、ある面では楽しみですね。 ○国立病院機構財務部長  そうですね。これから16年度の評価をどういただくかということにかかわると思いま す。これからは機械にしても建物にしても相当整備しなきゃいけない。やっぱり自己資 金もかなり使って、借入は減らしつつも、整備量は確保しなきゃならないということ で、精一杯努力はさせていただきたいと思っております。 ○部会長  その他によろしいですか。確かにそういう評価というのは、財政的な問題だけじゃな いですよね、きっと。その辺でどういう格づけができるかということですかね。  その他によろしいでしょうか。もしよければ、そうするとこれで認めていただけると いうことなのであれば、厚生労働大臣の方に特に意見はなしでこれでいってもよろしい でしょうということで、出させていただいてよろしいでしょうかね。これは確かに1年 目だということで、ここの具体的な文案については、それじゃ私の方で事務局とやっ て、私よくわかりませんけど、先生方にもそのドラフト見せていただいて、こちらに一 任して決めさせていただくということでよろしいでしょうか。よろしくお願いいたしま す。ありがとうございました。  ではその次に、重要な財産の譲渡というのが議題の2に移りますが、それについて、 まず説明お願いいたします。 ○国立病院機構財務部長  それでは引き続きまして財産の譲渡について御説明しますが、その前に、昨年の11月 26日に本評価委員会におきまして、国立病院機構奈良病院の移譲に伴う財産の処分とい うものと、旧国立療養所秋田病院跡地の譲渡と、この2点について御意見を賜ったとこ ろでございますので、本日の案件に入る前に若干お時間をいただいて御報告させていた だきたいと思います。  奈良病院につきましては、再編成計画の施設といたしまして、奈良市に対して経営移 譲ということで、後医療の継続と、職員を過半数以上引き継ぐということになりました ので、建物面積整備の6倍以内を無償で譲渡するという形で御説明をさせていただきま した。無事譲渡の日に過半数以上引き継いでいただきましたので、土地の対象面積も規 定の建物面積の6倍以内でございましたので、無償で譲渡させていただいております。  12月1日付けで奈良市との無償譲渡契約を締結させていただきました。このときに、 承継時の資産、平成16年4月1日時点の資産価額と比べますと、その後に譲渡する際の 内装の改修とか、いろいろやっております。そういうこともありまして、若干の資産増 が譲渡時にはございまして、12月1日時点で鑑定評価をしていただいた段階では若干、 プラスの評価が出ております。最終的には承継時は37億8400万円でしたけれども、減価 償却で4億2700万円減った上で、改修による譲渡時の資産が若干増えたということで最 終的には35億3100万円で譲渡をしたということでございます。それについては12月1日 付けで減資をさせていただいたということで、無事、奈良については終わったというこ とでございます。  それからもう1点、旧国立療養所秋田病院の跡地につきましては、最終的に経営移譲 の後医療の引受先がなかったものですから、平成15年12月1日をもって廃止されまし て、国の時代から解体撤去等、整地してまいりました。その後、昨年の10月になりまし て、本荘市の方から買いたいとの要請がございました。旧秋田病院につきましては、11 月26日の評価委員会でも御説明いたしましたように、寄附地が非常に多くを占めている ということもあり、また、本荘市の利用計画自体も国立病院機構が今後防災施設として 種々利用していこうという計画と合致し、またそれ以上の内容を持っているということ 等でございまして、過去の経緯も踏まえまして、前回御説明いたしましたように、寄附 地については5割減額という国で行っているような方法を参考にし、また、それ以外の 購入地については時価でという形で交渉してまいりました。  最終的に鑑定評価を行った結果、承継時の資産が15億3000万円から、その後の土地等 の下落によりまして13億8900万円になり、寄附地、購入地の仕分けをいたしまして、そ れぞれ価格を決め、合算しましたところ、売却額は最終的に約8億1000万円と。正確に は8億1086万2566円という形で、11月26日にこちらの本評価委員会の方に御説明させて いただいた形に沿った売却になったということでございます。  これにつきましては最終的に厚生労働大臣の認可をいただきまして、2月10日付けで 本庄市と売買契約を締結させていただいたところでございます。なお、承継時資産額が 15億3000万円余りでございましたので、最終的にはこの7億2000万円が固定資産売却損 になるということでございますが、過去の経緯等を踏まえれば我々の経営努力でこの点 については回復していきたいというふうに考えています。以上、奈良病院と旧国立療養 所秋田病院の跡地の件の報告でございました。 ○部会長  これは報告でいいんだね、この間からね、既に11月にやっていただいているのでよろ しいでしょうか。そういうことでしたので、はい。 ○国立病院機構財務部長  引き続きまして資料2の1でございます。資料2の1から2の5ということで、国立 病院機構原病院の譲渡にかかる認可申請書、それから関係条文、位置図、配置図、それ から不動産鑑定評価書、及び譲渡先の要望書、一括して御説明をいたします。  国立病院機構原病院と申しますのは、資料2の3をご覧いただきますと、広島県のこ の廿日市市の山あいにございます。若干、資料2の3、右上の方に国立病院機構原病 院、病院のマークが非常に小さい形で書かれておりますが、山あいの病院でございま す。  1枚めくっていただきますと、配置図ということで、山あいに向かいまして、むしろ 宅地側の方に病院の建物等が集中しておるというところで、全体として療養所らしい場 所にあるなというところでございます。  これにつきましては、この原病院を後医療を行うということで引き受けるというとこ ろが出てございます。要望書につきましては資料2の5で、社会福祉法人三篠会という ところがこの国立病院機構原病院の跡の建物、土地等を利用いたしまして、この原のと ころに保健医療福祉施設「原」というのをつくって、重心施設、あるいは生活困難者に 対する無料・低額の介護老人保健施設事業などを展開したいということで要請が来てお ります。この内容につきましては、最初の資料2の1の2ページをご覧いただきます が、今ご覧いただきました社会福祉法人三篠会が本年の7月1日に移譲を受けて、重心 施設ないしは無料・低額の介護老人保健施設を経営するということで、保健医療福祉サ ービスの用に供するために使いたいということでございます。  国立病院の再編成に伴う特別措置法におきましては、社会福祉法人が医療並びにこれ らに関連する事業を行う場合には特別措置の対象になるということにいたしておりま す。土地の広さは1にございますが、6万2892平米ほどです。それから、建物が病棟等 述べ1万2636平米余りでございます。評価は16年4月1日時点の鑑定評価額ということ で、土地が13億8362万円余りです。それから建物が2億8591万円余りという形でござい ます。  このうち、この特別措置法で職員等を半分以上引き継ぐということでありますと、実 際医療となるような面積の部分につきましては4割5分引きという形になろうかといた します。したがいまして、6万2892平米ございますが、このうち病棟が1万2000平米ほ どございますと。こんなところで、実際の建物等の面積から計算をいたしますと、4割 5分引きされる部分が4万2000平米余りについては4割5分引きの対象になるというこ とでございます。  次のページでございますが、処分につきましては、この財産を社会福祉法人三篠会に 売り渡す場合に、7月1日時点の時価額から法令適用対象の土地及び建物については4 割5分を減額した額。それ以外は時価を基本といたしまして、現在、まだ交渉中でござ いまして、最終的な範囲というのはこの考え方に従って決定をいたしたいということ で、額が決まれば最終的にまた御報告をさせていただきたいということで考えておりま す。  国立病院機構の業務上も、再編成計画を国から引き継いで推進するということにもな っておりますし、この地でこの三篠会が医療も引き継ぎ、実施していただけるととも に、重心施設、あるいは、介護老人保健施設をやっていただけるということでございま す。中期計画に沿って私どもの業務計画をまさに実現するというものでございますの で、以上、法令等の内容にも照らし合わせましても、この譲渡は妥当であると考えてお ります。  ただ、最終的にこの全体をいくらでどのようにするのかということについては、もう 若干お時間をいただいて交渉したく考えております。そしてまた、鑑定評価もこれは16 年4月1日以前でありますので、直前の鑑定評価額をもう1回し直さなきゃいけないと いうこともございますので、そういうことも合わせてこの方向で譲渡させていただきた いというふうに考えてございます。  以上でございます。 ○部会長  この広島のこれについてはいかがでしょうか。何か、値段もこういうふうになってい るし、これは職員も残る人がいるわけ? ○国立病院機構財務部長  はい、そうです。 ○部会長  そういう条件もあって、中身としては引き継いでくれるという三篠会の申し出がある ということで、地元や、あるいは患者さんにはそれほど迷惑かからないかなということ だと思います。いかがでしょうか。 ○渡辺委員  ちょっと確認というのかな。今、ここは、原病院というのは重心中心の療養所でし ょ。 ○国立病院機構財務部長  そうです。 ○渡辺委員  これを、社福のこの三篠会に譲渡して、今おっしゃったように、また重心の施設と、 老健をやるとおっしゃったでしょ。 ○国立病院機構財務部長  そうです。 ○渡辺委員  すると今入っていらっしゃる入所者の方々は引き続きこの社福で、どういう形になっ て継続されるのか説明をお願いします。 ○国立病院機構財務部長  今入っておられる方は、大竹病院と原病院が一緒になります。そちらに移っていただ いて、また新たに、社会福祉法人でありますので、重心施設と、それから介護老人保健 施設を、無料低額という形でやりたいということでございます。 ○渡辺委員  無料低額の老建施設というのはどういう意味ですか、これ。 ○国立病院機構財務部長  生活保護を受けておられる方とか、低所得の方についての利用料を免除するもので す。 ○渡辺委員  そういう意味ね。 ○国立病院機構財務部長  減免をするということです。 ○渡辺委員  介護保険の対象になるけれども、極めて低所得だから。 ○国立病院機構財務部長  そうです。低所得者中心にやるということです。一定以上、そういう方を入所させな きゃならないという指導も行っています。 ○部会長  その他にいかがでしょうか。必ずしも今入っている患者さんがそこにずっといるとい うわけではなくて、他のところのも受け入れますよということですね。  いいですかね。これ、その地域と、それから特に重症のそういう人たちにあれば、や っぱりなくなるのは困るわけなんだけど、そこの同じ場所というわけではないけど、全 体としてはちゃんとしたサービスは提供しましょう。それから民間になりますからある 程度、保険、医療行政はありますけれども、採算、あるいは効率性ということについて はもうちょっと慣れてるかなということで、このようにしたいということだろうと思い ます。 ○国立病院機構財務部長  すみません。職員の引き継ぎがないので、ちょっと訂正させてください。職員の引き 継ぎはしないということですので、単に建物、土地を利用する金額だけが4割5分引き です。実際に職員を引き継ぐ場合はもっと高く割り引く予定なんです。失礼しました。 訂正させていただきます。 ○渡辺委員  職員は原則として解雇? ○国立病院機構財務部長  原則として機構で引き取ることになります。 ○渡辺委員  ああ、そうかそうか。別な病院で。 ○国立病院機構財務部長  そうです。 ○部会長  入って4割5分なんていうんじゃやっぱり買わないかもしれないね。 ○辻本委員  素朴な質問です。そうした場合、患者さんへの御説明はどちらが責任を持って行うと いう形になるんでしょうか。 ○国立病院機構財務部長  移譲については全て、原病院、国立病院機構の方で移される患者さん、家族には全て 御説明をします。重心の方がおられますので、呼吸器なんかも移動に耐えるものに今交 換をしたりして、最善を尽くしたいというふうに考えています。 ○辻本委員  はい、わかりました。 ○部会長  その他に。  よろしいですかね。これはかなり前からこういうプロセスはずっと続いてますよね、 今のところ、統廃合その他のところで。ということなので、最終的に交渉の大きなフレ ームはこういうことですけれども、最終的な値段はまだ決定しているわけではないけ ど、こういう方向で行きたいということであります。そうですね。  いかがでしょうか。もしよろしければ今日、これをそれではこの線で行くということ についてはお認めいただいて、ということで、あとは具体的な文章、それから実際の値 段その他はそこは整理したところでもう少し変わってくるだろうということで御報告さ せていただくことにして、具体的な運営についてはそれではまた、先生方にも御相談し ますけれども、最終的には私と事務局で調整させていただくという方向でよろしいでし ょうか。よろしければそのようにさせていただきます。どうもありがとうございます。  それでは今度は評価になりますか。議題の3ということで。よろしいでしょうか。  では議題の3にまいりますが、議題の3。この評価の基準細則ということと、それか ら病院機構評価の視点というのは、これ本当に先生方にもいろいろ御配慮いただいて、 かなりいろいろ議論をしながら、何とかその独法の評価ということを、それぞれの独立 法人によっても違うと思いますが、これについていろいろやっていただいていますの で、その視点を反映させて、これについて検討していただければと思います。よろしく お願いします。  では資料の方でいいですかね。今まで随分やってますから、個別の状況、全体として どうかというような話もありますが、それについて事務局から順次説明させていただい て、お互いに視点を共有しあいたいということですので、よろしくお願いします。どう ぞ。 ○医政局国立病院機構管理室長  国立病院機構管理室長をしています池永です。私の方から資料を御説明させていただ きます。3の1、3の2とお手元に資料がございますが、3の1の評価基準細則の方は 前回の御議論で特段御意見がございませんでしたので、前回どおり、同じ物をお手元に 配付してございます。  それから、3の2の方でございますが、前回の御議論を踏まえて若干の再度、整理、 修正した点がございます。その点を御説明をさせていただきたいと思います。前回の御 議論の中心は個別病院の取り扱いについて、いろいろ御議論いただきました。私どもな りに受け止めさせていただいたのは、概ねそれについてはこの評価の視点の原案の内容 で、中身的にはいいんだけれども、実際のプレゼンテーションの中でどんなふうに法人 側が工夫してもらうか。それは個々の項目ごとによって若干もちろん違いはあるわけで ございますが、その点が一番重要だということを御指摘いただいたかと思っておりま す。  そこで修正したところを御説明させていただきたいと思いますが。まず見開き1ペー ジ、2ページのところをご覧いただきたいと思いますが。ここは若干御議論の中で趣旨 をより明確にということで修正をいたしてございます。修正した点は下線部が引いてあ るところでございますが、最初の患者の目線に立った医療の提供について、中身につい てもう少しはっきりと書いた方がよりという趣旨の御指摘があったかと思っておりま す。したがいまして、下線部で引いてありますように、「各病院は患者満足度調査の活 用などを通じて」ということを追加したところ、それから「わかりやすい説明と相談体 制の充実など」、サービスを改善できる仕組みになっているかということで、趣旨をよ り明確にしたということでございます。  ここは若干御議論の中で趣旨をより明確にということで修正をいたしてございます。 修正した点は下線部が引いてあるところでございますが、最初の患者の目線に立った医 療の提供について、中身についてもう少しはっきりと書いた方がよりという趣旨の御指 摘があったかと思っております。したがいまして、下線部で引いてありますように、 「各病院は患者満足度調査の活用などを通じて」ということを追加したところ、それか ら「わかりやすい説明と相談体制の充実など」、サービスを改善できる仕組みになって いるかということで、趣旨をより明確にしたということでございます。  それから、2番目のところのセカンドオピニオンのところも結論的なことだけではな くて、プロセスについても、ということの御指摘がございましたので、「導入のための 必要な検討を進め、これを導入し、利用しやすい体制となっているか」ということで、 プロセスも書き加えたということでございます。  それから、2ページの患者の価値観の尊重のところ、それから4ページのところのい くつか線が引いてあるところでございますが、ここは各病院が取り組むところについて より明確にということで、「各病院は」、これももともと中期計画の中でそういう趣旨 は書いてあるわけでございますが、それぞれ各病院が取り組むところをより明確に付け 加えたということでございます。  それから、あとは文章の中身についての修正はございませんが、一番最後のところ、 36ページのところの下の※印のところをご覧いただきたいと思います。一番最初に申し 上げましたが、この点が前回、いろいろ御議論いただいたところかと思っております。 評価の視点の中身の修正ということではございませんが、枠の外の注書き的なところで はございますが、個別病院の評価をするにあたっての視点の補足的なこととして書き加 えてございます。  「個別項目ごとに法人が・進捗・達成状況を提示・説明する際には、法人全体の総括 的実績とともに、各個別施設における成果についても、各個別項目の性格及び当該施設 の政策医療等の特性に応じて、一定のカテゴリーに分類するなど工夫しつつ、わかりや すい提示等を求める。」、「こうした個別施設における実績等も考慮しつつ、各個別項 目について評価を行う」ということで、前回の御議論を踏まえまして、プレゼンテーシ ョンの中で、もちろん項目ごとに少し違いはあるわけでございますが、法人側の実績の 報告、あるいはプレゼンテーションの中で工夫をするということを書き加えてございま す。  評価の視点については以上のところを前回の議論を踏まえて整理、修正をさせていた だいておりますが、あと、今の個別事項につきましては、少しイメージを抱いていただ くということで、視点は視点として、今、法人側で検討している状況、途中段階でござ いますけれども、個別施設について具体的にどんなイメージで御議論いただくか、ある いはご覧いただくかというところの、いくつか、医療面と、それから経営面、大きくは 2つの柱があろうかと思いますが、そういった点について少し法人側から、途中の検討 状況でございますが、御紹介をさせていただいて、御議論を、あるいは7月8月に向け てのサゼスチョンをいただければというふうに思っております。 ○部会長  どうぞ。 ○国立病院機構医療部長  個別のその病院等の資料につきましてですが、資料3の3の方で、この年度業績評価 の際の実績報告にかかる添付資料の例ということで御説明をさせていただきます。先ほ ど部会長の方から、委員の皆様方のその視点を共有するためにということ、それもつけ 加えまして資料を御紹介させていただきたいと存じます。  まず、3の3の1でございますが、ここの指標別の実績ということで、国立病院機 構、独立行政法人国立病院機構、出発時は154施設ございました。今、統合によりまし て149になっておりますが、154の出発時の途中の状況で、これで出ております資料でご ざいます。まずその、各病院の指標をと言ったときに、この154施設が非常にバラバラ でございます。これはもう、委員の皆様御存じのように、国立病院機構の病院はその出 自によりまして国立病院系統の病院、国立療養所から来た病院と2つに大きく分かれて おりまして、国立病院は旧陸軍病院と海軍病院、国立療養所は旧傷痍軍人療養所、そし て結核療養所、そういうものから来ておるところでございます。そういうことがござい まして、病院の所在地も違う。旧陸軍病院、海軍病院系統は軍の所在地でございまし て、どちらかというと都会にある。療養所は割とサナトリウムでございますから、そう いうその時代の療養に適するとされたような気候の、景色のいいと言いますか、そうい うところにございます。  そういうのがございまして、実は病院の性格、非常にバラバラであるということをち ょっとご覧いただきたいということで、まずその3の3の1の1ページでございます が、これは平均在院日数で、その病院を見ました場合、大きく4つのグループに分かれ ると考えております。まずその平均在院日数、35日、大体29日が目安なんですが、平均 在院日数、35日以下のところは比較的これは大規模な病院で、一般病床数平均420床と いうのは、これ、急性期病院の病院でございます。  それから、平均在院日数が30日から60日のところのグループは、これは大部分が結核 を担う病院でございます。ここに分類される29施設のうち、21施設がもう結核を主とす る病院でございます。が、とは言いながら、その7割は重心、重症心身障害児を入院さ せており、また3割は筋ジスの患者さんの病棟を持っております。  そして、65日から200日までの平均在院日数のところは、大部分が重心分野を担う小 規模な病院でございます。この47施設中、重心を主にやっておりますのが37施設でござ います。  そして平均在院日数が200日を超えるようなのは、大部分は精神分野を担う病院とい うことで、実は1つもこの平均在院日数という、これは急性期の病院では非常によく使 われる指標というものが、実は国立病院機構の中の病院では単一の指標としては使えな いというような状況にございます。  次のページでございますが、1日平均の外来患者数別の病院数でございます。これは 1日平均でございますが、一番左の方はもう1日50人以下というような外来。100人以 下、200人以下、これが結構多ございます。これは慢性期の病院で、これは旧療養所系 の病院でございまして、例えばもう重心、筋ジスだけの病院ですから、これは外来患 者、実はほとんどございません。実際、レセプトが出てるのは職員がかかるようなのだ けというようなところもございます。ほとんどが入院患者というようなところもござい ます。  かといえば、この1日500人以上、1200人以上というような、高度医療施設の病院も ございまして、この外来患者数というのも1つだけでは、単一では病院の指標には用い られないわけでございます。  それからその次の3ページでございますが、救急患者数別の病院数でございます。こ れは平成16年4月から17年2月までの11カ月分の救急患者、病院はすべかる救急をやる べきかというようなこともございますが、実は11カ月で500人以下というようなところ、 ですから月何十人、これもほんと、0のところもございます。これは先ほど申しました 重心、筋ジスのところではもうそういうのはあり得ませんし、それから高度な医療をや っている病院、例えばがんの専門の病院なんかになりますと、これは案外と救急という ことでは参りません。ある程度は来ますけれども、非常に伸びることはございません。  しかしながら、急性期の病院、これで言いますと2000人から1万人のところ辺までは 急性期の病院、仙台医療、栃木、水戸医療以下、急性期病院でもこういう数でございま すし、また特に循環器、小児に主力を置くような施設におきましては、ここに掲載して おりますところでは2万人、この1年近くで2万人以上の救急患者を見ておるというと ころもございます。  このようにグループ分けというのもまた非常に難しゅうございます。  それから、次4ページでございますが、紹介率別の病院数ということになりまして も、紹介率が九州医療のように85%以上が紹介患者、長野、近畿中央も75%以上でござ います。このような病院もございましたら、5%以下、それから年間に本当に1人、2 人しか入院患者さんという、患者さんの移動がないような病院もあるということで、ま ずはその、こういう種種雑多な機能を持った病院を我々のところでは持っている。そし てこれは病院ということで、実は区切れませんで、先ほど申しましたように重心とか筋 ジス、それから結核、精神、これは病棟で分かれておりまして、実は病棟ごとに非常に 性格が異なる、それを見ていかなければならないということを我々は考えております。  では具体的に、では結局違うということは評価できないじゃないのかということでは ございませんで、例えば具体的に、この、先ほどの独立行政法人国立病院機構評価の視 点、この案の、すいません、4ページでございます。4ページ。中期計画の(2)、患 者が安心できる医療の提供、これの(3)が救急医療・小児救急の充実でございます。こ れに関して我々としましてどのような実績報告をするかと考えておりますのが、この救 急医療・小児救急等の充実等につきましては、ここにございますように中期計画では地 域住民と地域医療に貢献するため、救急医療、小児救急等に積極的に取り組むことと し、平成15年度に比し、中期目標の期間中に救急患者及び小児救急患者の受け入れ数に ついて10%以上の増加を目指すという中期計画を立てております。それに関しまして年 度計画では救急医療、小児救急等の充実のため医療従事者の研修を行うということでご ざいまして、実際にはこの中期計画によりましてこの10%以上の増加を目指すというこ とで、実際、受け入れの患者数が15年度には年間述べ数の救急患者数が55万5712件であ ったのが、16年度にどうなったのか。そのうちの年間述べの小児救急の患者が16万3355 件であったのが16年度にどれだけ伸びたのかということを報告したい。  また、この年度計画の中で研修を行うということで、各地域においてブロック事務所 主催による小児救急研修を実施した。そして、そこに小児救急医療をしている病院の医 師、看護師が参加した。これについては詳細な報告をつけたいと考えております。  そして参考といたしましては、救急医療体制の強化ということで、15年度から16年度 に小児救急医療拠点病院はこのように増えている。小児救急医療支援の輪番制の病院に 25箇所から36箇所参加した。救命救急センターは14箇所ですが、これらは厚生労働省よ り充実度Aの評価を得たというようなことで、2ページ以下には特に業績を上げた病院 の個別の例を添付して、この評価の視点に耐え得るような資料を出したいと考えており ます。 ○国立病院機構財務部長  私の方から国立病院にかかる財務状況報告のイメージを、資料3の3に基づいて御説 明をさせていただきたいと思います。  今、医療部長の方から申しましたように、私どもの医療をやっている内容が非常に多 種多様ですのである程度、グループ化して物事を考えなければならないのではないかな というふうに考えております。したがいまして、各グループごとのカテゴリーに分け て、それぞれにわかりやすい指標を出していくということでありまして、例えばこのよ うなイメージで、財務関係についてはこの右の経常収支、あるいは材料費率、人件費 率、あるいは医療機器の稼働率などにつきまして、特に経営改善あたりのところについ ては、中期計画等にこのような視点が盛り込まれておるわけでございます。  これを左の、例えば500床以上の病院グループ、みたいな形にいたしまして、その左 の区分、あるいは病院名、病床数、政策医療といった中身はこのグループ分けをするた めに必要な指標とすると。その上、右の方で、例えば経常収支で収益と費用がどのよう になっている。利益はどうだ、収支率、私ども、5年間で収支相償を目指すと言ってい るわけですから、個々に数字をずらりと入れました上で、その平均的なグループごとの 姿を個々の病院のものもイメージしながら御報告し、掴んでいただこうかというふうに 考えております。  そうしなければなかなか個別の財務諸表というのではなかなかわかりにくいというこ ともございますし、このような形で評価の視点をわかりやすくお示ししまして、委員の 先生方に御説明をしたいというふうに考えております。 ○部会長  確かにいろいろ工夫してわかりやすくしないと全体だとあまりにもいろんな機能とか 地域性とかいろいろありますので、このような工夫もしたいというんですが、いかがで しょうか。御意見。はい、どうぞ。 ○渡辺委員  今のお2人の御説明、その前段階というのかな、例えば今もらったいろんな資料から 考えると思うんで、例えば政策医療をやっていると当然、赤字になるということは十分 あるし、それから地方に行くと、例えば病院、民間でも標欠病院だとお医者さん確保の ためには多少給料を上げなきゃいけない、例えばですよ、一般論で言うと。あるいは看 護師さんもそんなので。すると人件費の違いなんかも当然出てくる可能性がある。  そうすると、つまり、自治体病院の中でもよく議論になるけれども、公的病院はいわ ば赤字になって当たり前だみたいなことも、これ、私はその言い方は正しいと思わない けど、赤字になってやむを得ない部分もあると。さっきそれを、古都さんもちょっとお っしゃったの、財務状況についてもそういった部分は当然いけないんだけれども、一方 でさっきの広島の原病院じゃないけれども、ああいったところで民間に移譲したり、い わば売っ払っちゃうと、簡単に言えば。という手法もあるわけでしょう。  つまり、赤字でどうしようもないところは売るという手法もあるし、現実にいわば国 病の数は今、149? これを売っちゃうと、減ってきているわけで、その辺の基本的な スタンスね。つまりまず、非常に赤字でどうしようもない病院や療養所は売っ払うの か、売っ払わないまでも、そういった非常に、こういった実情、外来もほとんどいない し、不採算ばっかりやっていると。そこをちゃんと見てくれというのかね。その辺のな んか、最初の基本的なスタンスみたいなのがありますか。それはちょっと、ややこしい 話で恐縮ですが。 ○国立病院機構財務部長  大変ややこしい話なんですけれども。まず1つ御説明しなきゃならない、私も発足時 にいろいろ縷々御説明もした記憶もございますが、やはり154という形で、多種多様な 病院の機能と言いますか、それをひっくるめてスタートしたわけであります。スタート 時点ではまず国の時代にはさまざまな法的な制約もありましたけれども、今回独法化と いうのは効率、あるいは効果的に事業を実施するんだということで、お時間を5年間、 いただいたのではないかなということでございます。そういう意味で中期目標、中期計 画は個々の多様なものも含みながら、しかし一方で法人全体として努力をしていくとい う姿を出させていただいたのではないかと。  したがって、まず初年度でありますので、今、どこをどう、腑分けをするみたいな話 ではなくて、まずは法人全体としてその苦しいところに対しても我々、内部で支援をし ながら、人的にも、いろんな支援もしながらやっておりますので、今の段階でいくらい くらやったら売るの、という話ではなくて、まず初年度は淡々と、個々の病院がどれだ け努力をしているかということを御説明できればなというふうに思っています。  むしろ5年たってだんだん中期計画が終わろうとしたときに、じゃあ次の5年どうす るんだということは、そのときはいろいろ厳しい御意見もあるでしょうし、あるいは地 域との関係を見て残した方がいいとか、残さないとか、いろんな議論が出てくるかもし れませんけれども、まずは現時点ではそのような考え方はまずなくて、その154が独法 化で効果的な事業をやるということにどれだけ取り組んだかということをまず評価をし ていただけたら幸いだなというふうに思っております。 ○渡辺委員  別に売れとか何とか、そういうことを言っているんじゃなくて、今もお話あったけれ ども、いろんな個別の指標というときにいろんな各病院、療養所、事情があるわけだか ら、さっき言ったように外来がほとんどいない病院も、あるいは療養所もある。あるい はさっき言ったように地方の本当にへき地のところでは標欠病院もあるかもしれない。 いろんなつまり、ある意味では努力してるんだけれども赤字になってやむを得ない病院 もあるかもしれない。我々評価する側として言えば、赤字だからもうだめだとか、言え ない部分もあるのかなと。その辺のもうちょっと細かい指標があるのかな、という意味 で伺っている。あるならば、それをまたつくらなきゃいけない。ちょっと私の言い方が あれだったけれども。そういう意味で言ったんですね。 ○国立病院機構財務部長  今おっしゃられたような話で、今いかに努力しているかということに、これはあくま でも今日お示ししたのはイメージとして、いくつかの指標をあげておりますので、我々 も今のような御指摘があって、どういう指標を出したらいいのかと考えております。ど ういうふうに、あるいはグループ分けをした方がむしろ、その努力が浮き上がるのかと か、いうようなことは、それはよく勉強してみたいと思っておりますので、これからい ろいろ1年間の結果をだんだん集めてまいりますので、その後でちょっとお時間をいた だいて、最終的にお出しするときにはそういうようなことにもお答えできるような努力 をしてみたいというふうに思います。 ○辻本委員  前回、病院の個別性ということを素朴に申し上げた人間として、こういう指標を出し ていただいたこと、大変ありがたいと思います。ただ、私のそのときの思いというの は、今のような状況を踏まえた上で、それでもなお、うちの病院は今年はこういうこと をともかくみんなで一生懸命やりました、その努力ということをしっかりと見せていた だきたいな。むしろそれがこれからの日本の医療の質を高めていくということであれ ば、なんていうんでしょうか、自由に書けるような項目というんですか。指標だけで引 き出しに収めるのではなくて、どうぞ、アピールしてくださいというような、そういう ところを是非ともつくっていただきたいなと、そういう思いでお願いをいたしました。 ○国立病院機構医療部長  ありがとうございます。そういう、我々もそういう思いなので、それをどういう形に できるか、ちょっと個別病院1つ1つをちょっと、どういうプレゼンテーションをした らいいのかと、ちょっと、全体で検討させていただきたいと思います。ありがとうござ いました。 ○井伊委員  渡辺委員がおっしゃったことに近いことで、私、前回も同じことを申し上げたんです けど。個々のその病院の評価というのはもちろんですけれども、地域内に同機能で競合 する病院がある場合は、赤字であるとかというようなことだけではなくて、やはり存在 の意義を考える必要があると思います。そのあたりのことというのはどこにも触れられ てなくて、これだけ評価の項目がある上で、同じ地域内にどういうような病院があるか というようなことまで調べるとなると、また非常に大変になると思うんですが、やはり そういう視点というのは国立病院そのもの、個々の病院を評価するだけではなくて、そ の地域性ということの評価もやはり不可欠なのではないかと思います。  それで評価が必要となってくるわけですね。この委員会には大道先生もいらっしゃい ますし、この評価をするときに日本医療機能評価機構がかなり実績というか、歴史があ りますので、その評価項目をある程度参考にするべきではないかと思うのですが、どの 程度参考にされているのかというのを伺いたいと思います。  以上、2点です。 ○国立病院機構財務部長  確かに国という立場に立ってみればその地域の中で同機能、同能力の病院がある場合 にどうかということは、考えなきゃならないでしょうし、そういう意味でさまざまな歴 史的にデータもとらえてきて、公表もされているという理解はいたしております。  ただ、まず第1点、我々としてもこの評価委員会では、私ども法人としてまずどうだ ったのかという評価をいただくということがまず第1点と思います。そこで法人として の努力をお示しすると。その中で個々の病院の努力もわかっていただけるように御説明 をしたいというふうに思っています。確かに公表されているデータで、ある意味で比較 をするとしたとしても、最終的に個々の病院がどうかという話ではなくて、まずは全体 を見ていただきたいということでございます。我々がこの場で出すような、あるいは細 かい指標というのは、必ずしも他の法人の病院の方で出ているかどうか、ちょっとわか らないものですから、仮にいきなり地域の他の病院に「どうですか、経営は」と言って も、私の調べた例ではインターネット上に財務諸表をきちっと載せている公立病院もあ れば、なかなかそれがわかりにくい病院もあって、経営状態すらなかなかわからないと ころもあると思っておりまして、そういう意味では各病院さんの事情もあるのではない かなと。そういう意味で、我々、行政ではなくて法人ですので、まず一時的にはそうい うよそがどうかというのもにらみはしますけれども、まず私ども自身の適切な評価がい ただけるような整理をまずしてみたいなというふうには考えております。 ○部会長  確かに、今、第5次の医療計画というのが終わっていて、18年度、これからどうする かという話の議論はしている。かなり今の議論の展開というのは中央でやると必ず地域 によってかなり違うわけじゃないですか、その過疎化してきたとか、ポピュレーション が違うとか、伝統があるとか、もともと国立と今、先生がおっしゃったような、自治体 の病院があるとかによって違うので、必ず小児科のお医者さんがいないという話が常に 出てくるわけですよ。だけどもうちょっとその、もともと歴史的な基幹病院が人口10万 人について2つぐらいあれば、そこをやっぱりオープンシステムにして、その回りにい る小児科の先生は今、みんな都市化しちゃってるから、クリニックと自宅が全然違うわ けでしょ。これ、医療法ができたころは一緒なんだから、大体。  だからそうやって皆さんがそこを使うよと、その輪番制じゃなくて、そこに行けばと にかく24時間開いてると、だれかがいるというような話にして、そこにそういうお医者 さんたちが使って、そのときのフィーをどうするかなんていう話の、発想転換したらい いんじゃない?って言ったら、結構そっちで今、議論が進んでいる。2次医療圏という のが、今まで行政的な圏を考えてきたじゃないですか。そうじゃなくて、日常医療圏と いう、こう、ファジーだけど、その地元の人たちから見ると、あ、そうかなと思うよう に、むしろ機能を提供するというふうに、議論が変わってきているので。それはいいこ とかな、なんて思っています。確かに、井伊先生、前にそれ、おっしゃったときに、1 つ1つの患者さんがたくさん来る、救急多いのでも、その地域の競合している病院とい うか、なんか言っちゃおかしいんだけど、それとの関係はどうかっていう話からする と、そうするとそういうところ、競争して潰しちゃうのかね。むしろこちらは勝っちゃ ってもなんか郵政公社みたいな話になっちゃうから。  その辺はやはりお互いに建設的な評価をしながら、だから、公費はもっと基盤の医療 につぎ込まなくちゃだめなんだよ、という話が出てくればいいんじゃないかなという気 はしますよね。そうしないと、どこでもなんか痩せ細っちゃって、結局みんな悲惨な目 にあうというんじゃ情けないわけだし。ということなんでしょうね。その辺をどうやっ て工夫するかなというのは、多分、同じような意見を持っていると思うので、どうやっ て工夫して基本的なコンセプト、やっぱり基盤的な社会資本としてどれだけ公共財とし てサービスを提供するかと。それがやっぱりあんまり安易に無駄にならないようにとい うところはもちろん大事なんだけど。そういう話なのかなという気はしますね。  はい、どうぞ。 ○部会長代理  今の話は私も大変大事だなと思っています。具体的な話で言えば、この評価の視点の 案の中の6ページに(4)というのがあって、そこに病診連携等の推進というのがありま す。ここに書いてあることは結局1つの病院とその周辺の例えば開業医との連携という イメージなんです。しかし、私はこれからの時代、非常に大事なのは、今まさに井伊先 生がおっしゃったように、病院と病院がいかに協力体制を組んでいくかということで す。  ですからここの、「病診連携の推進」というのを、「病診と病病連携の推進」という 視点も盛り込んでおいた方がいいのではないかという気はします。  これ、私自身の余計なことを申しますが、私も前、国立病院の院長をやってたんです けどね。すぐ、バス停が2つ離れたところにもう1つ大きな病院があったんですよね。 ところがそこの病院との間で全くその、お互いに何やっているのかさえも知らなかった んですよね。非常にあれは無駄だなと思って、そっちの病院に見に行けと、僕は言った ことがあるんですけれども。意外にそうなんですよね、今ね。だから、これからはまさ に同じことを両方でやっていても、もう意味がないということ、結構、今の世の中では たくさんあるような気がしますんで、是非そういう視点は入れとくといいんじゃないか と思いますけど。 ○大道委員  当委員会は独立行政法人としての事業の進捗等についての評価であって、我々はその 評価委員であると、基本的にこう認識するわけですが。その上で、今ここで議論してい る、主として医療についての評価と、それから主として財務についての評価と、それが 統合された形である種の結果を導くことになるのかなと、そういうふうにある意味では 素朴に受け止めているわけですが。  その中で医療についての評価の視点をどうするかと。こういう視点で申し上げたいと 思います。で、今、事務局の方から御提示のように、国立病院機構の病院群というの は、雑多な機能があるんですと、さまざまございますというようなことで、在院日数の 分布であるとか、あるいは紹介の状況などについてのデータの御紹介があったわけです けれども。  改めて前段の基本的な条件に立つと、やはり個々の病院を評価するにはそれなりに方 法論というのが、曲がりなりにも確立していてあるわけです。それをそのまま適用する というのは恐らくこの評価的な作業には多分馴染まなくて、むしろ基本的な前提の中で 医療をどう見ていくかという中で事務局はこのような評価の視点という案をお示しにな って、これ見てみると、中期計画というものが既に我々承認しているので、この中期計 画についての評価の項目を適用するのは、なりゆき上、当然かなとも思うんですが。  改めて事務局の方でもある種のカテゴライゼーションができるんじゃないかという提 起。それから、法人事業全体の評価と個別の病院の評価との関係はどうだという、前回 以来この議論の中で、初年度にあたって我々、現実的なある方式スタイルを確立しよう と思っているわけですけれども。私、申し上げたいのは、そうであるとするならば、雑 多な病院があるのではなくて、個々の病院というのはこの時代を受け止めて、基本的な 理念とか方針とか地域の中でどういう役割を担うべきかというのは、各病院というのは 恐らくお考えになっていらっしゃるはずなんですよ。  で、一般論でいえば病院というのはそれらを明文化して自ら認識していないと組織的 な活動はできないはずだと、こういう話ですよね。で、中央の従来の国立病院か、ある いは療養所か、あるいは今回の新しい流れで独立行政法人としての国立病院機構が何か 中央で指令を発していることもあるのかもしれないけど、個々の病院は受け止めて何を やろうかということを院長以下、位置づけがあるはずです。またなければ、まともな医 療事業はできないのではないかなと正直、そう思いますので。  改めて、個々の病院はどういう役割を地域で担おうとしているのか、あるいはどうい う基本理念とどういう基本方針を持って医療を実施しようとしているのかをやはり明確 に指摘をして、それでもって、それを受けて、ある種の類型化なり、カテゴライズする ことが普通です。まず、そこの地域の中での役割などを病院がどう主体的に受け止めて いるかは、やっぱり法人本部としてはしっかり出させるべきなのではないかなと。  それをもってして、その方針なり、あるいは場合によってはそれについて回る目標で すね、達成目標、個々の病院としての事業計画がおありなはずですから、それがどうな っているかを各病院がまず見る。それを受けて法人の方ヘ報告するなり、適切な形で集 約をする。我々評価委員会は事業全体の大きな枠組みの中で個々の病院の事業がどうな っているのかというところを、多分、プレゼンテーションでお示しいただいて、評価判 断していくことになるのかなと、こんなふうにまず考えました。  それで、実はもう少しだけ言わせていただきますと、評価の視点というのは実は、病 院の機能とか役割によって視点が決まってくるはずなんですよね。ここでいうところの 従来の療養所の流れをくむ重心施設等に対応されるべき評価の視点があっておかしくな いし、急性期医療を担うというんであれば、それは急性期医療に対応する国立病院機構 の病院として何が評価されるべきかという視点があっていいわけなんですが。  我々評価委員会の立場としても、中期計画がまずバンとあって、各病院ともこういう ふうな視点で評価をしていきましょうという流れが今日の評価の視点ですから、これで やるしかないのかなと思いつつ、改めて類型化の議論とか、こういう視点で事業実績と か、あるいは評価的な状況の御報告をいただくということですから、そうであるなら ば、今申し上げたような評価の基本的な考え方を受け止めていただいた上で、我々に評 価のための基本的なデータとか資料を御提供いただきたいなと思います。  とりまとめて言えば、今後評価的な作業に向けて各病院の立場からもしっかり認識し ている自らの役割、機能、並びにその病院の目標などを踏まえて適切に類型化、カテゴ リーして、それを事業全体の総体としての御報告と合わせて、こういう役割、機能を担 っている一連のグループの病院の成果はこうだったと、こういうような恰好でお示しい ただけると、少しは整理がつくのかなと思います。以上でございます。 ○山田委員  私はちょっと前回欠席いたしまして申し訳ありませんでした。この評価の視点を全部 読ませていただきまして、確かに法人としての評価をするという意味ではこの評価の視 点で大体いいんではないかというふうに考えますけれども、ただ、今日いろいろと出し ていただいた、例えばサンプルなどで見ますと、そのデータが大体数を中心として出て きているわけで、その質を判断するという基準がなかなか、これ、見当たらないと思う んですね。その辺、大変難しいだろうと思うんですけれども、個々の病院を見ていく上 では質というものが非常に大事になってくるわけですので、例えば小児医療について も、その小児科の患者が何人増えたということではなくて、やはり入院患者の問題と か、あるいは小児科の専門医がどれぐらい増えたとか、そういう質を判断できるような データも一緒につけ加えていただける必要性があるんではないかなと。その点だけ、ち ょっと感じましたので、つけ加えさせていただきます。 ○住田委員  古都さん、財務の状況のところ、ちょっとお聞きしたいんですけどね。このイメージ というのは、ありますけれども、グループごとに分けて、同じような規模の、要するに 規模ですね、これね。規模ごとのグルーピングですね。基本的にはね。この中で、同じ 規模なのにこの病院は悪いとか、この病院はいいとかという評価をするためにこういう グルーピングするんですか。 ○国立病院機構財務部長  いいえ。 ○住田委員  個別ですから全部やらなきゃいけないでしょ、個別に。ね。だから規模ごとに、大規 模、中規模、小規模で、もう一括でやったらば、ちょっと判断に苦しむから、大規模、 グループごとに分けて、その同じようなグループなのに、ここのところが悪い、ここの とこがいいという、そのためにこのグルーピングをするんですか。 ○国立病院機構財務部長  1つはそのグループの状況というんですかね。それをまず知っていただきたいという のはあると思います、評価として。どこがどう頑張っているかというのは、先ほど質の 話もされましたけれども、数値だけではあらわれない面もございますし、案外、この比 率でよくこれだけの内容をやっているという面もまた、あるかもしれませんので、これ だけで善し悪しを判断してくださいという趣旨ではありません。ある意味では1つのも のを多面的にいろんな方向から見ていただくという資料ではないかと思っております。 ○住田委員  この財務の状況、こういうような表だったら、財務の状況よりも結果的には経営状況 がこの同じグループから、これは経営の姿がうまくないという結論に結びつきますよ ね、これ。それを求めているわけですよね、グルーピングしてあるということは、こう いうような、この表、この項目だけだったらば。 ○国立病院機構財務部長  こういう形で出すと、そういう面も出てくるかもしれません。この表だけ見ればです ね。ただ、先ほど申しましたように、例えば医療の内容とかの違うやつも当然あります ので、あるいはこの中でもグループ、それで、確かにベッド数は大きいけれども、内容 的には旧療養所的なところもあるということもありますので、それはグループの仕分け の仕方によって、そのグループの中でどうだということは出てくると思うんですよね。 ○住田委員  それであなたのイメージとしてはこのグルーピングはどのぐらい、どういうふうにし ようと思って、これは大規模のことだけ書いてあるけれども。どういうふうに分けよう と思っているの? ○国立病院機構財務部長  1つは病床……これからまだ議論しなきゃならんと思いますし、少し、さっき話あり ました、個々から出てきた内容を、我々も見ながら、また機能的にグループ分けしてい くこともあろうかと思いますので、単純にここで提示しています500床だけでいいのかと かですね。例えば300床がいいかとか、200床がいいのかとかの規模でいえばそういうこ ともあるでしょうし、いやいや500床だけども、結核を100床持っていますよというよう なものであれば、またちょっと分けなきゃならないのかもしれませんし。まあ、今、に わかに10だとか、あるいは3つだとか、ということはちょっと言えないんですけれど も。最も各グループをあらわしているような指標に着目して、恐らく分けることになる んじゃないかなというふうに思っておりますので、これは1つのイメージでありますの で、できるだけ多面的に理解できるようなグループ分け、ないし、報告のイメージをつ くっていきたいと思っております。今の御意見も是非参考にさせていただいて、そのよ うにしたいと思っております。 ○部会長  これは確かにね、こっちの評価委員会も別に神様でもないし、お互い非常に苦労して いる。これだけの大きな法人になって、マルティプルなそのバックグラウンドと、マル ティプルなそのミッションと、それからマルティプルな、そのローカルなその、なんて いうの、歴史的な背景とかあるわけだから、無駄は確かによくないんだけど、やっぱり 医療とか教育というのは一体何のためにあるかといえば、当然ある程度公的なセクター でやるというのが普通だし、それ、全部私的なことになって、利益利益なんてしたら、 それはよくないわけだから、そちら側もいろいろ苦労しているわけだ。そのプレゼンテ ーション、なるべくビジュアルに評価委員会にわかりやすいようにして、それをまたい ずれ外にも出して、こんなところでやっているのかなとお互いに連携は組んでいるんだ けど、最終的にはその地域でお互いにコンピートするというよりは、日本のやっぱり5 年とか10年先の医療政策はどうするかという話の国のビジョンがないから、お互いに現 在のステークホルダー同士で一生懸命競争しているだけの話で、ろくなことはなんない なと。じゃあ、やっぱし10年先はどうしたいの?なんて言われても、私たちは困ります よ、という話になっちゃうので。  だから、こういうキャッチボールをしながら、その成果をどういうふうに、例えば渡 辺さんなんかもそうだけれども、そういうパブリックにこういう論点はどう思いますか って、選択肢がたくさん出てこないとですね、いつまでたっても、なんかだんだんだん だん縮み志向になって、どっかからいろんなこと言うと、混合診療だ、なんて一気にだ んだんトータルのバリューというか、そのエキスペンディチャーは増えるんだけれど も、公的なセクターはどんどんシュリンクしてね、だんだん負担が多くなって地域がど うしちゃうのかなという話になるので。  お互いに苦労と工夫をしているわけよね。確かにだんだんパワーポイントとか、だん だんプレゼンがうまくなってきて、よく見てないと誤魔化されちゃうこともあるから、 その辺は注意しなくちゃいけないんだけど。全体のやっぱり国の政策というかビジョン がないというところに一番の問題ありますよね。  それを形成的にやっていこうってだけだから、どうぞ。 ○国立病院機構財務部長  ちょっと私も言葉足らずで申し訳ないんですが、要は最終的に法人のいろんな面を御 理解いただいて、各病院の1個1個マルバツをつけていただきたいとか、あるいはグル ープ分けしたから、個々のバツだとかということを私は申し上げているわけではなく て、こういう状況にございますという、まず基礎をしっかり御理解いただいた上で、さ あ、そういういろんな面があることを総合評価したとして、法人はどうだ、ということ を最終的に御判断いただくために、細部をわかりやすくという趣旨で、我々はこういう 作業は是非やってみたいというふうに申し上げているわけでございます。 ○渡辺委員  それに今、まさに黒川先生おっしゃったとおりだと思うんだけど。私なんかのとらえ 方はね、この評価委員会とか、そちらの御説明というの、ただ、これは原則公開なんだ ろうけれども、これをきっかけとして、いわば国立病院154あったものというものをも っと国民に理解してもらういいチャンスなんですよね。今までそういったチャンスはな さ過ぎた。だから今度、独法になって、そして外部の評価委員とこうやったものを開い て、そして今おっしゃって、縷々おっしゃったようなことが、だからさっき言ったよう にどうしてもここは不採算だよって、そういったこともちゃんと説明してほしいし、そ ういったことをどんどん出してもいい、そういう視点で、ただ我々、いわば外部だけ ど、いわばうちも、内側の評価委員会、評価したらお終いじゃなくてね、これをきっか けに、それではっきりだめなものはだめ、また今お話あったけれども、医療政策がこう 変わったときだって、これは絶対必要だ、あるいはいらない、そういったことを含めて 判断できるように、いわば国民全体に知ってもらういいチャンスという、そういうお考 えを、お持ちでしょうけど、一層持っていただきたいなと思います。 ○住田委員  もう1ついいですか。古都さん、おっしゃったの、いらっしゃるから、あなたに質問 ばっかりして申し訳ないんだけど。この前いらっしゃらないときに、こういう数値はで すね、会計監査人の監査を得た後の数値ですかとお聞きしたんです。それはそうです ね。 ○国立病院機構財務部長  そうです。 ○住田委員  で、私の専門で、ちょっと関心があるのでお聞きしたいんだけど。監査は順調にいっ ていますか。こんな大規模なところですね、僕は自分自身、40年公認会計士やってて、 どうやってやるんだろうなんて、実は思ってんですけど。あなた、財務部長の立場で順 調にいっていると思います? ○国立病院機構財務部長  まあ、初めてのことでありますので、試行錯誤しながら、しかし私ど着実にも前に進 んでいるなというふうに受け止めております。 ○住田委員  いや、それじゃ財務部長の言うことですから信用します。 ○部会長代理  今までに出てこなかった視点と思うんですけれども、前から議論されているこの法人 全体を評価するのか、それとも個々の病院を評価するかという問題に関してです。私は この機構の本部は、例えば150人の生徒を持った教師みたいなものじゃないかなと思うん です。中にはできの悪い生徒もいるし、できのいい生徒もいる。だけども1人1人の生 徒を、おまえはできが悪い、おまえはできがいいと言っても、これはしょうがない話で す。  その教師ができの悪い生徒もできのいい生徒もうまく引っ張りながらよくしていって いるかどうかという、そこが一番大事です。  今日いただいた資料はすごくいいんですけれども、状況がどう変化したかという、そ こを示していただくのが一番いい。現在がどうかではなくて、例えば1年前はこうだっ たんだけれども、こんなできが悪い病院だったけれども、できが悪いなりにこの点が変 化してよくなったんだとかね。よくなっているということはすごいことです。  だから是非そういう、変化を示していただくと、私はそれが一番いい評価ではないか という気がいたします。 ○夏目委員  全く同感です。今日ですね、いろいろ議論があって、前回も評価の視点のところで個 別の議論をどこまでするのかというお話があって、それで注が最後について、ある程度 のグループ分けをした上で個別の状況についてもできるだけ業績評価に入れていくんだ ということなんでしょうけれども、154病院それぞれ性格も違うし、役割も違う、使命 も違うということになると、なかなか難しいんだろうと思うんですね。  で、その中でやはり量で評価できる部分は量の変化、と同時にやはり先ほども出まし たけれども、大事なのは質、定性的な面の評価も大事で、その定性的な面の評価という のはもう変化を見るしかないんで、今まではこの程度だったけれどもこういうこともや り始めましたと。今日の資料で出た小児救急等の充実は、量の方はわかりやすいんだけ れども、後ろの方に2枚目に、なんか業績をあげた病院の例ということで、恐らくこれ は、何のために書いているのか、わかんないんですけれども。まあ、これと同時に、や はりこういう努力をし始めている病院がありますよとか、そういったようなものも業績 評価の中で、個別の病院の状況の中で入れていただくのがいいんじゃないかなと思いま す。  また、全然実績もあげてない、何も努力もしていない病院もあるんだろうと思うの で、それが全部残されちゃって、いいところだけが業績評価で出てくるということだけ では意味がないので、あまり進んでなかった病院の悪い事例なども、できたらそういっ たようなものも個別の状況の中に入れていただいて、いいところはこういうところがあ りましたが、まだまだ不十分な点の病院としてもこういうところがあったと。しかし5 年後には全体レベルを上げていきますよと、だから5年間の変化を見てくださいといっ たようなまとめ方をしていただくと、評価もしやすいんじゃないかなという感じがする んですが。 ○辻本委員  患者の目に映るのは、やはり職員、スタッフがどういう姿勢で患者と向き合うかとい うようなところが1つの感情で受け止める指標でございます。で、かつては、やはり国 立病院系の人たちというのは偉そうだ、というのが率直な患者の側の感想だったと思い ます。最初の御説明で、施設整備でお金を73億円、節約しましたというお話があったん ですけれど、そのことで、ひょっとして職員の人たちがね、モチベーションが低くなっ てて、ますます患者さんへの接遇というようなところにマイナスにもしあらわれていれ ば、これは私たち患者としてはゆゆしきことなんですね。  で、それが逆に、そのことがとても大切だというふうに職員全体が思って、そしてこ んなことを取り組みました、うちの病院は地域の患者さんたちのためにというね、そう いう姿勢で、むしろ前向きに、元気に役割を十分に認識してというふうな、そのあたり をいわゆる質といえば、どう評価するのか、私も正直わかりませんけれど、その辺もち ゃんと見るというような、そういう形で行われた方が、私たち患者には一番のプラスに なるというふうに思っています。 ○部会長  今のプロセスはかなり形成的になっている。どういう側面にするか。お互いにだから 形成的にしているわけですよ。これ、必ず公的な医療費を減らそうなんて決して思って いるわけじゃなくて、むしろこれから増やすためのジャスティフィケーションと、どう やってポリシーメーキングのプロセスに影響を及ぼすかということが大事なわけだか ら、だから今、夏目先生もおっしゃったし、住田先生もおっしゃったんだけど、やっぱ りもう1つコメントはやっぱり、プラスだったことと、マイナスなことということ、マ イナス、できなかったこととか、きっちりしたことで少しコメント書くというのもそれ ぞれの病院で悪くはないんじゃないですか。何が得意でよかったと思ってるかとか、何 ができなくて、これからまだいろいろな、そのファクターなり、やらなかった理由を書 かなくちゃいけないし。すごくプラスばっかしはいいんだけど、回りの公的な病院がい くつも潰れましたとか、そういう話は言わないだろうし、だから、いいことと悪いこ と、両方言わなくちゃいけない。  むしろそうであれば、それぞれの地域のセミ公的な病院とか自治体病院もあるんだけ ど、そういうところのリソースやなんかをどうやって一緒にシェアして、地域から見れ ばさらに全体としては同じパブリックのお金をよりいいサービスにつなげました、なん ていう話は、むしろプラスだと思うんだけどね。  なので、そういう意味では、税金投入とかそんな話じゃなくて、やっぱりこれは結 構、社会基盤だから、どういうふうにするかというのは結構、これの評価を前向きにや ってどうやってポリシーメーキングプロセスにつなげるかという戦略の方が大事なよう な気がするね。  それから僕ら自身が非常に、そういう意味では評価というか、もっと広い目の評価に さらされているわけ。ただ文句を言っていたって全然意味がないとね。その辺が一番大 事な役割かなと思っている。 ○大道委員  評価というのは、評価を受ける立場へのある種の圧力にもなるし、インセンティブに もなると思うんですね。評価というのは、これはなりゆきにもよるんですけど、うまく 機能すると極めていい方向へのインセンティブが強力に働きます。特に日本的風土の中 では特に、自分のところが悪くて全体の評価を落としたみたいな話になると、ものすご い、踏ん張るといえば踏ん張るし、それがもとで、非常によくなるというふうな、そう いうふうな機能があるんですね。  そういう意味で考えてみますと、我々は独立行政法人全体について、例えばそれぞれ の視点で、SABCDをつけて、中身についてはあまり見えないような形でお返しすれ ば、それだけの評価に終わるんですけれども。うまく仕組めば、国立病院機構の病院群 が今後の時代で大いに期待されている部分を引き出すような、今申し上げたようなポテ ンシャルになり得るということ、これ、やってみないとわからないんですけれども。  そういう意味でいうと、やはり病院群を適切に、今日の流れを追っていけば、やっぱ り類型化して、それを具体的な、SABCDをつけるか、わかりませんけれども、それ は間違いなく我々の目に触れて、いや適切だとか、やっぱり問題だとかというようなこ とを言う機会をつくっていただいて、それが適切に現場へ還元されるような仕組みをつ くっていくことは、やっぱり必要かなというふうに思い始めています。  その際、カテゴライズをどういうふうにするかと、先ほどらい、どうも財務諸表的だ とどうしても規模が先行するんですけど、私は規模だけじゃなくて、再三申し上げるよ うに、その病院の持っている役割、機能、しかもその病院自身が基本認識をしていると いう意味での反映が是非とも欲しいなというのでさっきの発言になるんですが。  いずれにせよ、適切な類型化、あまり細かく、数が多いと現実に実行不可能になって しまいますから、3つがいいのか、10がいいのか、これはもう事務局の方でお考えいた だくことですが、適切な類型化をして、その中で分類されたそれぞれの病院群、全部が 全部見るかどうかは別にして、やはりその機能に応じた、その類型化された病院群にふ さわしい、適切な評価の視点というものを重点的に見ていくみたいな作業をしていくこ とで、今申し上げたようなポテンシャルを引き出せるかなあというような気がします。  その際、冒頭、渡辺委員が指摘された、長い議論の中で、政策医療という言葉が繰り 返されているわけですけれども、厳しい時代環境の中で民間病院はおろか、自治体病院 ですら、なかなか難しい局面の中で、国立病院機構が担うべき役割は何かと、これまで やってきたわけです。その中で19の政策医療の分野というものを自ら提示をされている わけですから、そのあたりというのは、今言った、カテゴライズの中に反映させること もできるかもしれないし、特段に、19の政策医療を個別的にとか、そういう意味ではな くて、政策医療的な今後に期待される国立病院機構の病院群の役割をやっぱり我々は特 段にしっかりと見せていただいて、評価をしたい。それは財務だけの問題じゃ、多分な いでしょうと。こういう視点で見せていただくことを、限られた時間ですけれども、や らしていただけるような枠組みを、初回ですからね、是非つくるような御努力を事務局 にお願いしたいなと思います。  これまでの今日の作業なんかも実はそういうことをしたいとおっしゃってて、いくつ か資料が出てきたのかなというふうにお見受けはするんですけれども。最初のことです からなかなか思うようにいかないかもしれませんが。そんな思いで聞かせていただいて います。いずれにしろ、審査評価を受ける、それぞれの病院か、あるいは一群の病院群 かが、評価委員会、当委員会での評価の結果というものを適切に受け止めて、いい方向 へ行くためのドライブになっていただくような仕組みが欲しいなと、今思ったので、ち ょっと申し上げさせていただきました。 ○部会長  これもだから今度の全体の例えば評価のプレゼンなんかにこんなふうにしたらどうで すかという話を投げているわけだね。そうすると、ああなるほどなという話でまたコメ ントをもらっているわけだけど。やっぱり医療の場合はオーバーオールがどうだという 話は、うーん、こちらも評価されているわけだしね。もうちょっと大きなパブリックに ね。それから全体会議の一番最初のときから言っているんだけど、その評価委員は何の ためにやっとるのかという話がだいぶあって、結局は国民に対する責任ということを果 たさなくちゃいけないわけだから、その責任というのは何なのか、経営効率ばっかりじ ゃなくてね、こういう場合はね。そういう話の方向性を共有していることが大事だか ら、そういう意味で、さっきからコンストラクティブにやんなくちゃいけないというん だけど、これをポリシーにやるのには5年先や10年先、日本はどうなるのか。例えばこ れから30年すると3人に1人が65歳以上になる。そういうことがわかっているのに、例 えば少子化問題どうするんだ、なんて今やらなければ、30年先に生まれている子供は30 歳になるわけだから、移民政策をどうするんだというような話は、もう今のうちにどん どんどんどん議論を進めなくちゃいけないんだけど。  国のビジョンがないから、いつまでたってもグズグズ毎年のことやってるから、常に 赤字が増えてきて、つい1000兆になりましたという話になっているわけでしょ。だから そういう話をして、国はどうするんでしょう、というのは、役所だけがすることじゃな いんだけどさ、だからそういう意味では、どういう政策をするのかって、5年、10年が 見えればね、それぞれの利害の衝突するところがどう調整するかというのは、2、3年 はそうかという話ができるけど、その先が全然見えないところに一番難があるわけでし ょ。それをどういうふうに投げるかというのは、渡辺先生とかいろんなところに少し考 えてもらった方がいいかなと。パブリックにいろいろ出しておくのが大事だから。それ じゃないと、そちらもつらいところがある。ただ、経営効率なんて言われたって、冗談 じゃねえやというところもあるわけだから。それを是非、先生方に議論されてるという ことじゃないかなと思います。  その他には。悩ましいですね。渡辺委員、何かありませんか。 ○渡辺委員  関連したことなんですが、今の、例えばちょっと余談になるかもしれない。例えば自 治体病院、1100がですね、これまた経営問題で今問題になっていて、自治体病院の場合 にはある意味では国立病院が独法化したことをどうあとを追従するのか、どうするか。 一方で自治体病院で最近はやっているのが、いわゆる公益企業法の全適ですね。全適や ることによって人事権全部持って、それで各都道府県や市町村、特に市が病院事業管理 者というのを置いて、それで経営の建て直しがいわばはやっているというか。とにかく 赤字で評判悪い、一般会計と繰り延べ外したっていったら96%が自治体病院の赤字なん だけども。あれを何とか減らせっていうんで一生懸命やってる。つまり、財務だけを見 てやってるように思えてしょうがないんだけども。  一方で、赤字から脱却するためにはとにかく患者を集めろと、簡単にはそういう手法 でやってますよね。それはそれでしょうがないんだけど、どうもまた、その国病の独法 化とそっちを比較して物事を考えているところがあるんですが。国立病院と自治体病院 は似たようなところもあって、また結構違うところもあるので、そこでさっきからこだ わっててね。どうしてもやんなきゃいけない部分があるし。それを当然私たちは評価委 員として評価しなきゃいけないし。といって赤字ばっかりでこれは世間が許さないとい うところもあるのでね。  だから、その、病院事業管理者のいわば立場にあるのがいわば独法の、矢崎理事長以 下でしょう、多分。その辺の役割、まさにロールというか、ミッションというか、その 辺がちょっとまだ私、よくわからないから、確かにちょっと自分の中でも堂々巡りして いるんですがね。ちょっと愚痴めいた感想めいた話なんで恐縮ですが。 ○部会長  さっき僕が言ったその、全体の設備とか建築とか何かリニューアルとか古いとかいろ んな話はやっぱりどっかの、2つか3つのそういうアーキテクトのその全体のデザイン を何となくするというところに最初から少し、全体のプランを、回りのランドスケープ とかいろいろあるでしょうからね。その話もしとかないと、いったん予算ついていよい よ来年といった途端にね、おかしくなっちゃって、ゼネコンがどんどん来るから。やっ ぱりそのマスタープランみたいな話は全体として、そういう建物じゃないけど、そうい う話は考えといてもいいんじゃないかなという気がするけどね。割安になるような気が するけど。どうぞ。 ○国立病院機構財務部長  建物整備は実はだいぶ発想も変わってきているんではないかなというふうに思ってい まして、昨年の事業の年度計画にもあったように、適正コストとか適正面積とか、我々 はいいものを安くというふうに、私自身は呼んでいるんですけれども、できるだけ性能 はちゃんと維持しながら、機能もメリハリをつけながら、しかし国の時代のような、建 設省がつくっている公共工事単価のようなものではやはりいろいろ負担もできないとい うことですので、そこは見直すということで、1年間やってまいりました。民間の考え 方とかいろいろ入れながら、あるいは民間病院がどのぐらいでやっているのかという、 そういう企業努力もですね。そういうものも含めて、性能を維持しつつ、必要な整備が できる費用だとか、そういう投資の考え方というものを整理をさせていただいて、この 場でも報告はさせていただきたいなというふうには思っております。  昔、国の時代のやり方というのは財政融資資金を消化せよというのが基本的な考え方 でありました。一方で再編成を進めるということが前提になって、再編成をするために はいい病院でなきゃいけないということで、かなり豪華な物をつくってしまったという ようなところもございます。逆に600億円借りたら消化しきらないかんというようなこと があったわけですが、これからは発想を変えまして、現在、指示しているのは、まず各 病院が、先ほどこの場でもございました、地域でどんな役割を果たすんだという、各病 院がですね、地域で果たすべき役割を考えていただいて、かつ、自分のところの経営も 考えながら、あるいは老朽化の状態も考えながら、病院整備の基本方針をまずつくって くださいと。そういうものが出てくる中で我々は順次、必要な資金はその時点で調達を 考えていきたいというふうに変えましたので、初めに予算消化ありきは今後はなくして いくと。  ただ一方で、老朽化が著しく進んでいますので、本部としてはできるだけそういう各 病院が創意工夫して考えたことについて、できれば自分ところは全面じゃなくて部分で もやっていきたい、まず治療棟が老朽化しているのでここを建て直したいといった、い ろんな要望出てくると思いますので、それに答えられるような資金調達は一方でしつ つ、各病院主体での整備に置き換えていきたいというふうに思っていますので、単純に 公共事業を積み上げみたいな形はなくなるんだというふうに考えております。 ○国立病院機構医療部長  すみません。先ほどの渡辺委員の、ちょっとこれ、病院機構を離れますけれども。全 適化といったときに、地方の公立の病院の現場で一番何がうれしいかというと、これは 実は国立病院機構も同じなんですけれども、うちでいえば昨年の3月31日までは、例え ばこういういい医者がいるというときに、この人を雇えばもう、この病院の機能がよく なって絶対よくなるといった場合に、1人の医師を増員するのに2年かかるんですね、 各病院が原案を出してから、これは県でも同じなわけですが、県の人事課の中で細かい 査定をして、資料を持っていって、ほんと、1人の、それは医者だけでなくて、今の流 れだからリハビリをやらなきゃいかん時にPT、OTを雇いたい。いい人がいるといっ たときに、採用に2年、3年かかるわけですね。それが全適化によって非常にスピーデ ィになった。病院の院長さんなり、事務長さんなりが、この病院をこういうふうに持っ ていきたい、その判断のスピードが非常に上げることができるようになる。今までは本 当に人というものに対する縛りが非常に大きかったんで、その対応ができないんです ね。  それで、医者が、大学とかいろんなところから医者が来てくれるかどうか。看護師が 来るかどうか、いいPT、OTが来てくれるかどうかの、一瞬の勝負なのです。医者に 関しては給料が安いんですね。それの判断が非常にしやすくなるというのが全適化、そ して独法化したときに、それがどういうふうな形で我々がお見せできるのか。そして、 やはり今まではその政策医療だけに縛られて、ちょっと地域医療がおろそかだったとこ ろもあるんですね。これは辻本委員の御指摘のようなところから出るのかもしれません が。地域を見据えてやることによって、非常によくなったところもあるので、そのいわ ゆる変わり身ができるようになったというところが大きいんじゃないかと考えておりま す。我々もそれをどういうふうにこの委員会に出せるのかというのは、難しいんですけ れども。  そういう質的なことが変わったのもありますので、これはちょっと個々のものではな く、出す内容を考えたいと思います。 ○渡辺委員  おっしゃるとおりなんで、私、だから、さっきからグルグル頭の中で回っているとい ったの、まさに自治体病院の場合は地方公営企業法の全適かどうかみたいな、つまり、 自治体病院は地方公営企業と、旧自治省はとらえているわけですね。じゃ、国立病院の 場合には公営企業かっていったら、私は公営企業ってあんまり個人的には思いたくない 部分もある。だから、地方公営企業法の全適を受けた病院は確かに今おっしゃったよう に人事だって地方議会のいちいちやる必要もなくなって、非常にスムーズにいく。あく までも公営企業というとらえ方に私はちょっと疑問を感じるからね、国立病院の独法化 というの、何なのかなと。ちょっとやや青っぽい***なのかもしれんで、そこなんで すよ。そうすると政策医療も当然あっていいわけだし、儲かりゃいいってもんじゃない しみたいなね。そこのところを、今、ここで結論出すつもりは全くない、出ないんだけ れども、どうとらえるかということをお互いに考えておいた方がいいんじゃないのかな と思います。 ○部会長代理  さっきの、全体としての評価と、個別の評価に関係あるんですが、今後プレゼンテー ションするときに、本部として何ができて何をやったかという話と、それから各病院が 何をやったかという話を、少し分けてプレゼンテーションしていただけないでしょう か。例えばお医者さんを雇う話でも、例えば従来の定員制だったならば、まさに今言わ れたようになかなかできにくかった。それを例えば病院長の権限で雇えるようにすると いう話は、これは本部でなければできない話であって、各病院がいくらやろうったって できません。  それから例えば、標欠の病院があって、そこに医者を他の病院から動かすという話 も、これは病院ではなかなかできなくて、やっぱり本部がやろうと思わなければならな い。私は、病院でなくて本部でなければできないことが、結構あると思うんです。「視 点」を達成する上で、本部が何をやったのか。そして病院は何をやったのかという、そ ういう2つの視点でいろんな話をしていただくと、私は非常に評価がしやすくなるんと 思います。それがお願いできないかと思ってます。 ○部会長  外山さん、あれだね。総合科学技術会議のSABCに似てきたね。あのね、SABC なんていうのはもともとね、あんなとこでやってもしょうがないんだって去年の暮れの 合宿でもやったと思うんだけど。ああいうのは科学者コミュニティが自立してね、自分 たちでちゃんとその自分たちでオートノミーがあってね、非常に透明性の高いところで ピアレビューをやってね。そのパブリックマネーなんだからソシアルにアカウンタブル ですよと信用がずっと今まであればね、あんなところでやる必要なんか全然ない。  だから、NHでそういうSABCなんてやるわけないんですが、全体のバジェットは どうだっていったら自分たちできちんとやってますねっていう話が国民から見えるよう なプロセス、いわゆる形成してたから、そんなことしなくていいんだけど。なんかあん まりすることがないからとは言わないけど、その総合科学技術会議でSABCなんかや るために一生懸命みんな出してくるんだけど。出してくる人がだんだんパワーポイント でプレゼンがうまくなった。10分なんて言われてもさ。本当にああいうのはなんか、時 間の無駄とさ。だからこの間、学術会議でね、第1期、第2期のレビュー委員会でいろ んなデータを見せて、見せたうちで行政としては、科学政策研究所は、それがどうして だなんていうこと言えるわけないんだから、だから学術会議としてはインプットの割り にはパフォーマンス悪いじゃないのなんて、コメント出した途端に、ニュースがまた取 り上げる。あそこだけ書くのもみっともないけどね、メディアが。  だけど、僕らはあくまでもその研究者コミティーに意見をを投げてるんでね。そんな ことは科学技術白書に毎年出ているデータの解釈をしているだけの話だから。ちっとも 悪いことはないわけなんだけど。その辺がだから、先生おっしゃったけど、全体のプロ ジェクトは何なのかと。個別の病院についてはきちんとこちらが見てますよというふう になれば、こちらとしてはその執行部が何してるかということはすごくわかりやすくな ってくるってのは確かですよね。それをいちいち個別の病院がああじゃらこうじゃらな んていうのは、執行部が知っているはずだから、その辺がどういうふうにしたかという のが一番やりやすいんじゃないかなということですね。はい、どうぞ。 ○井伊委員  今の開原先生のご発言に関連しての質問ですが、現場の病院に権限や責任がどれぐら いあるのでしょうか。例えば経営担当の事務部長の任期が本部の都合で2、3年間のロ ーテーションに決められているとか、そのあたり、現場の病院にどの程度、権限と責任 があるかというのを教えていただけますか。 ○国立病院機構財務部長  今、井伊先生、開原先生からもありましたように、やっぱり本部は、いかに150余り の病院が特色を持ちながら、地域の医療にも、あるいは政策医療にも貢献できるかとい うことですので、ある意味では本部は基本的にはルールを決め、現場はそのルールの中 で創意工夫して自由にやっていただくことを考えています。中には必ずしもこれが本部 でこれが病院と分けられない、共同作業でやっているものもありますので、言ってみれ ばグラデーションのような形に、私はなっているんだろうと思います。  そういう意味では説明の中で本部としてやるべきことをどうやったかという御説明と 共同でどうだったか。あるいは病院同士の協力、あるいは病院自身の努力というのは説 明の中でいろいろ工夫をさせていただきたいなと。  それからさっき井伊委員の方からありました、人事の任期ですね。ある意味で任期に ついては各ブロック単位に人事調整会議を置いて、院長が委員に入って、会議の事務を どう動かしていくのか、職員をどう動かしていくのかというようなことも含めてかかわ って、決定過程にかかわって、その上で最終的な任命は理事長が任命する人もあれば、 ブロック理事が任命する人も形式上はありますので、そこは上申するわけですけれど も、上申するプランは人事調整会議でつくっているということでありますので、逆にい うと本部が現場を知らないでいきなり人を引っこ抜いて動かすというようなことではな く、まさに経営を現場で支えている院長がどういう有為な人材にいてほしいか、あるい はそういうドクターにしても事務職にしてもキャリアパスというような形でございます ので、それを理解して、もっと、上で努力させようかとか、というような判断をしてく れているということでございますので、必ずしも本部が、「この人、右行け」というよ うなことではないんだということでございます。 ○部会長  今の答えもそうなんだけれども、それこそがだから独法になったメリットなんでね。 そうすると、地域担当の理事なんかがどういうふうにして全体としてのポリシーを決め ていくのかというのは、僕らが今言っていることはみんな知っているわけだ、今の理事 の人やなんか。そこでやってくることがこちらが投げているような感じがしてね。その 全体としてのポリシーとかミッションとか、これはパブリックセクターじゃないけど、 そのサービスをどうするかって、さっき言った公的な医療について地域ごとにどういう ミッションを持って貢献してるのかという話は、そちらでやっていることを全体として こちら、オーバーオール、評価するんじゃないかなという気はする。多分、細かいこと 投げてるのはね、いちいち細かいのやって、さあ見てください、なんて言われるのはこ この役割ともちょっと思えないんだけど、そういうことなんじゃないの。  だから、さっき言ったSABCの話もそうだけど、全体の個別のことを言われて、S ABC、さあどうだ、なんて言われても、ちょっと困るなというのが、全体の今の理事 の人たちのオーガニゼーションがどういう評価を自分たちでして、地域の理事が地域に あるそれぞれの病院のいろんな不満やなんかを匿名でも、どんなやったらとんでもない 人、理事もいるなんていう話になるのかもしれないけど、だけどそういう話をしてます よという話を全体としてこちらに持ってきた方がはるかにいいんじゃないかなという気 がする。皆さん言っているように、医療というのは社会の基盤だから、どうやってこれ を、無駄はないんだけど、パブリックとしてはサポートしたいという話を、今言ってい るような視点で考えているに決まっているんだから、それをそれぞれ現場にいかに下ろ しながら、全体の法人の運営をしているのかということをこちらが評価するというのが 一番大事だと思うけどね。  そういうふうに言っといてくださいなと、じゃないかなと思うんだけど。そういうこ とですからあまり細かいことはそっちでやってくださいと。それについてこちらが評価 すると言ってますよなんて話になんじゃないかな。はい、どうぞ。 ○大道委員  全く違う視点というか、あるいはむしろ黒川先生が何度かおっしゃったことと関係す るんですが。きょう冒頭、あるいは先回も既に重要財産の移譲ないしは売却ですか。そ のような議論があったんですが、今後、このままずっと病院数は150前後で引っ張るおつ もりでも必ずしもないというようなニュアンスのことを当初から聞いているんですけれ ども。この委員会というのは今後、評価のなりゆきいかんでは、売却とか移譲とかいう ようなことを踏み込んで判断するような機会はあるんですかね。今日の話はもう決まっ た話ですから、これはもうしょうがないと思っているんですけど。今後はそういうなり ゆきというのはあるんですか。個別の病院について、いろいろこういうふうな評価をし ていったけれども、なかなか思うようにはいかないので、適切な売却とか移譲とかとい うようなことを考える必要があるんじゃないか、みたいな話をこの委員会で、一般的に は扱うことになるんだろうと思うんですけれども、直接的にどうするのか。  私はこの評価の視点、かなり厳しい項目なんです、みんなね。こういうことをやっぱ りできてないじゃないですか、みたいなところは、多分出てくると思うんです。これか らますます厳しいから。そういうときに今申し上げたようなことのなりゆきというのは あるのかないのか、これは病院にとっては大変厳しいことですけれども。このあたりは 改めて正式な委員会でお聞かせいただいた方がありがたいのかなと思って、すみませ ん、もう時間がない中で。 ○部会長  これはだから、最初の、一番最初の議論のときからあったわけでね。その評価委員会 は何をするのが役割かと。こちらが会話をしながらやっていればいいわけで、そこがや っぱり形成的なプロセスが大事だと言ったのはそういう意味でね。同じ研究所でも計測 をするようなレギュラーなルーティンをやる研究所と、大学みたいにクリエイティブな ものを出すことをやっているところは、もうペーパーとか学会行くなんて話と全然違う 視点なのに、同じ研究者というと、ペーパーがいくつ出したなんて、そういうこと言っ ちゃだめだよと言っている話で、お互いにその評価がだんだん変わってくるというのが いいと思うので、もし、今、先生おっしゃったようなことで、全体のそのマネジメント をどうしたのか。そのビジョンは何なんですか。そうするとこれだけ大きいから地方自 治体の競合するようなところとはどういう調整をしているかという話が、プラス、プラ スになってくるようなことで、全体で見てくださいねっていえば、それはそれでこち ら、個別なことを見る必要ないし。大学病院とはどうなってますか、というような話を 書いてもいいし、それは向こうが自分たちで考えてやってくるんじゃないかなというメ ッセージを投げてもいいと思います。個別にやるというと評価の委員になった途端に神 様みたいになっちゃって、ああじゃこうじゃという人も結構多いんだけど、お互いに見 られているんだというプロセスが一番大事なんじゃないかなって思います。  それじゃないと評価の人って意外に、何でも抱え込んじゃって、やたらに仕事が忙し くなるだけでね、それもちょっと避けた方がいいんじゃないかなと私は個人的に思って ますけど。 ○国立病院機構財務部長  私が答える立場ではないわけですけど。私どもとしましては、今日、いろいろな御指 摘をいただいているのも、150病院に対していろんな条件はあるけれども、その使命を 果たすように最善の努力をしろということでありますし、今日いただいた視点というの は、改善していくための視点ではないかなということでありますので、是非そこは最善 の形で努力をさせていただきたいと思います。その上で最後、どう判断されるかという ことは、またいろいろな御議論があるでしょうし、そのときもやはり、できますれば、 今日も本当大変貴重な建設的な御意見をたくさんいただいておるんですけれども、いろ いろ地域医療、政策医療に貢献できるように建設的な評価がいただければと思っており ますし、そうなるよう努力をしていきたいということであり、これが私どもとしてでき る、お答えだと思います。 ○大道委員  決してそういうことを評価させろと申し上げているわけではなくて、やはり価値観の 問題ですから、その辺は現段階でちょっと共有しといた方がいいかなという趣旨で申し 上げました。やりたいつもりはさらさらないのです。 ○医政局国立病院機構管理室長  若干、制度的な面の補足説明をさせていただきたいと思います。今の点でございます が、独法制度の基本的な考え方は、基本的には大臣が定める中期目標に沿って法人が中 期計画を定め、この中期計画に沿っての進捗状況なり達成状況を評価していただくとい うことになるわけです。今回のこの法人の場合には5年間であるわけです。その中期目 標の終了した時点では、それぞれの主務大臣は5年終了した、その後の次の計画に向け て、あるいはその後の組織、あるいは業務の全般について検討するという仕組みになっ ております。  したがって、その中期計画終了時点では次に向かって組織あるいは業務の全般にわた って検討することになるわけですが、その際にはその評価委員会の意見を聞くというこ とになっておりますので、論理的に申し上げますと、組織の変更なりにあたるものにつ いては、あるいは業務の全般にわたる見直しについては中期目標が終わる時点で次のス テップに向けて検討をされるということでは、反映される。ただ、毎年の事業年度の評 価についてはあくまでも中期計画に沿って達成をされているかどうかという点での評価 が中心になろうかというふうに思っております。 ○部会長  ちょっといい? その評価の2ページですけど、資料3の2のね。2ページ、2つ、 2箇所、アンダーラインつくったじゃない。例えばこういうところを見ると、患者の目 線に立った医療を提供するため、患者の意見を取り入れ、サービスを改善できる仕組み になっているかという話が、通じて、相談などとなって、それはいいのかもしれないけ ど、下のやつはね、セカンドオピニオン制度を導入し、利用しやすい体制となっている かってな、今度、変わっている、等について、導入のために必要な検討を進め、これを 導入し。これはどういう趣旨かなというのは、よく見てないと、現場よりは文字で出て くるとね、なんかちょっと、そういうことあるかなという話は、特になんだかんだと言 っているつもりはないんだけどさ。150もあるとなかなか、これはそこ言われるとつら いです、なんて話だったら、なぜこうなったのかと書いといた方がいいかなという気は するんだけど。そこに書く必要はないんだけどね。なかなか難しいなと。  つまり、例えば、テニスで打つときには、ボールを持ってラケットを、ヒットする、 なんて書いてあったってさ、やってみなきゃわからんじゃない。それは現場の人が一番 わかっているわけで、いくら書いたって。リアリティがないなというところがあるなと 思う。  そういう意味でなるべく現場に下ろしながら地域の理事が担当して、地域の特性とか いろんな話を、そんなことやってるのかという全体の経営方針というか、ビジョンと、 ただギュウギュウ詰めてたってしょうがないわけで、みんな能力は大体正規分布するわ けだからね。全体をどうやって上げるかというのと、適材適所というのがすごく大事な ので、そういう視点で、経営陣がやってるなということであれば、こちらとしては全体 として評価したいというふうになってくるといいんじゃないかなと思います。お互いに なるべくいいシステムを何とかしたいと言っている気持ちは共通していますので。そう いうふうに理解していただければいいんじゃないのかなと思いますね。  確かにこの独法になってね、英語に直して読むとね、私はこれ、独法出たときから文 句言ってたんだけど。自分自体でガバナンスが全くないんですよ。で、外から中間評価 なんていってね。これは大臣が、なんて言っているのは結局大臣なんか言っているのは 役所なんだから。結局これは悪巧みじゃないかと言っているんだけどね。本当は外国だ とNPOにしろ、ボード・オブ・ガバナンスかなんかいてさ、それが統治しているか ら、理事長をクビにできる。だからそれは、大臣がやりますということ、大臣が、そん な細かいこと見ているわけないんだから。  そういうのを英語に直してみるとすぐにわかっちゃうんだけど、これは全然ガバナン スがないね、というふうに言われちゃう。それは日本ではお上は絶対ですから、という 話なのかもしれないけど、そんなことはだれも信じてくれないということ、日本じゃ通 用するんだけど、これがこれからの改善点じゃないかなと思ってます。  そんなことで是非、また、次回ということですが、先生方のお時間取らせながら、僕 らとしては、もうちょっと大きいところの全体の方針を見てるというところが一番大事 なんじゃないかなと思って、あんまり細かいところは、そういうことをやっていますよ ということを見ていただくことの方がよっぽど大事じゃないかなと思います。  よろしいでしょうかね。ちょっと時間オーバーしちゃいましたけど、また次回という ことで、焦点が少しずつディスカッションしていくとよくなってくるなと思います。あ りがとうございました。よろしい? それでは事務局の方から最後、一言。 ○政策評価官  どうもありがとうございました。それでは細則、それから評価の視点については、今 日御審議をいただいたものとさせていただきます。また、夏の法人の実績の報告に関し ましては、本日さまざまな御意見をちょうだいいたしましたので、これを踏まえまして 適切な形でできるようにまた、省と法人で御相談いたしまして、進めてまいりたいと思 います。どうもありがとうございました。                                    〔終了〕 照会先: 政策統括官付政策評価官室 政策評価第一係 電話 : 03−5253−1111(内線7784)