05/03/16 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会容器・包装部会平成17年3月16日議事録      薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会 器具・容器包装部会 議事録 ○日時 :平成17年3月16日(水)   14:00〜15:30 ○場所 :中央合同庁舎第5号館専用第12会議室 ○出席委員:井口 泰泉、井上 達、河村 葉子、品川 邦汎、土屋 利江、       長尾 拓(部会長)、中澤 裕之、西島 基弘、堀江 正一(敬称略) ○事務局:中垣基準審査課長、宇津課長補佐 ○議事   (1) 器具・容器包装、おもちや及び洗浄剤の規格基準改正の可否について   (2) その他 ○事務局  それでは、皆さんお集まりですので、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会器具・容 器包装部会を開催させていただきます。  本日は、御多忙中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。  当部会委員12名のところ9名の先生方に御出席いただいておりますので、当部会が成 立していることを御報告申し上げます。  それでは、初めに、中垣基準審査課長より御挨拶申し上げます。 ○中垣基準審査課長  基準審査課長の中垣でございます。薬事・食品衛生審議会の器具・容器包装部会の開 催に当たりまして、一言、御挨拶申し上げます。  本来ですと、食品安全部長の外口から御挨拶申し上げるところでございますが、本 日、あいにく国会の業務が入っておりまして、欠席させていただいております。  本日の器具・容器包装部会は、本年1月31日に開催されました審議会の総会の委員改 選後に初めて開催されるものでございます。各先生におかれましては、それぞれ御専門 のお立場から御意見、御示唆を賜りますようお願い申し上げます。  御審議いただきます器具・容器包装並びにおもちや及び洗浄剤の試験法の改正ですけ れども、平成13年度から15年度にかけて、厚生科学研究において研究して推進していた だいたところでございます。その結果を踏まえて、有害試薬を使わない試験法への変 更、分析精度の向上など、現在の科学技術のレベルに合わせたものにしたいと考えてい る次第でございます。また、本件につきましては、本年1月に食品安全委員会に食品健 康影響評価をお願いし、この試験法の改正につきましては、本年2月に食品安全委員会 から、ヒトの健康に影響を及ぼすものはないものと考えるという御回答をいただいてい るところでございます。  最初に申し上げたとおり、審議会の改選後、初めての部会ということで、また、部会 長には、国立医薬品食品衛生研究所の長尾所長が既に選出されているわけですけれど も、この試験法の改正について、本日は、率直な御議論を賜れればありがたいと考えて いる次第でございます。  よろしくお願い申し上げます。 ○事務局  それでは、本日は、本年1月31日の審議会総会で委員の改選があって以降の初めての 部会になりますので、まず、各委員の先生方の御紹介をさせていただきます。  名簿は、議事次第の次の2ページ目にございます。この名簿に従って先生方を御紹介 いたします。  まず、大学共同利用機関法人自然科学研究機構岡崎統合バイオサイエンスセンター教 授の井口先生でございます。  続きまして、国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター長の井上先生で ございます。  続きまして、国立医薬品食品衛生研究所食品添加物部第三室長の河村先生でございま す。  続いて、本日は御欠席ですが、全国消費者団体連絡会事務局長の神田先生でございま す。  続いて、御欠席ですが、国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター毒性 部長の菅野先生でございます。  続きまして、岩手大学農学部教授の品川先生でございます。  続きまして、本日は御欠席でございますが、国立医薬品食品衛生研究所添加物部長の 棚元先生でございます。  続いて、国立医薬品食品衛生研究所療品部長の土屋先生でございます。  続きまして、国立医薬品食品衛生研究所長の長尾先生でございます。  続きまして、星薬科大学薬品分析化学教室教授の中澤先生でございます。  続きまして、実践女子大学生活科学部教授の西島先生でございます。  続きまして、埼玉県衛生研究所、水・食品担当部長の堀江先生でございます。  以上の先生方に委員をお願いいたしております。  それでは、以後の進行につきましては、長尾部会長にお願いいたします。よろしくお 願いいたします。 ○長尾部会長  本日の議事に入ります前に、部会長がその職務を執行できない場合に、代わりに職務 を代理する部会長代理を指名する必要があります。議事に入る前に部会長代理を指名さ せていただきます。  部会長代理としまして、中澤委員にお願いしたいと思いますが、よろしいでしょう か。                  (異議なし) ○長尾部会長  それでは、中澤委員に部会長代理をお願いしたいと思います。  よろしくお願いいたします。 ○中澤委員  よろしくお願いします。 ○長尾部会長  それでは、配付資料の確認を事務局よりお願いします。 ○事務局  それでは、配付資料の確認をさせていただきます。  お手元にお配りした資料として、まず、今回の座席表をお配りしております。続きま して、議事次第がございます。議題として、「器具・容器包装、おもちや及び洗浄剤の 規格基準改正の可否について」があります。2枚目に、先ほど申し上げました委員名簿 がございます。3ページ目に資料一覧がございます。4ページ目に、資料1として、厚 生労働大臣から審議会の井村会長あての諮問書がございます。5ページ目に、資料2と して、食品健康影響評価の結果の通知ということで、食品安全委員会から厚生労働大臣 あてに規格基準の改正について、ヒトの健康に影響を及ぼす可能性はないものという御 結論をいただいております。続きまして、6ページ目でございますが、資料3でござい ます。「器具・容器包装、おもちや及び洗浄剤の規格基準の改正について」ということ で、今回の改正の概要をまとめたものでございます。  続きまして、資料4でございます。「規格基準改正案」というものが一つの冊子とし てホッチキスどめしてあります。今回の改正の案でございます。  資料5は、「試験法等の改正案について(新旧対照表)」ということでホッチキスど めしてあります。改正案が左側の欄で、現行の基準が右の欄ということで新旧対照にな っております。  資料は以上でございますが、参考資料がございます。右肩に「参考1」と書いてあり まして、「食品衛生法(抜粋)」となっております。ここに、今回御審議いただきます 器具などの定義が載っておりますので、簡単に御紹介いたします。  参考資料1ですけれども、第四条に器具と容器包装の定義がございます。器具につき ましては、飲食器、割ぽう具ということで、例えばお茶碗とかそういったもの、それか ら、食品の製造等に使うものも含まれおります。容器包装は、食品または添加物を入れ たり包んだりするものという定義になっております。  次に、第十八条でございます。ここにつきましては、先ほど、器具と容器包装の定義 を申し上げましたが、これらの器具とか容器包装について、規格・基準を定めることが できると規定しております。  2枚目にお進みいただきまして、第六十二条を御覧いただきたいと思います。おもち やの定義が載っております。ここを読み上げますと、「乳幼児が接触することによりそ の健康を損なうおそれがあるものとして厚生労働大臣が指定する」と出ております。厚 生労働大臣が指定するものにつきましては、同じページの下のところに、食品衛生法施 行規則の抜粋が載っておりまして、第78条がございます。参考資料の2枚目ですが、こ の第78条で1から4までありまして、これが厚生労働大臣指定するおもちやになってお ります。  続いて洗浄剤ですが、2ページ目の第六十二条の二にあります。そこに定義がありま して、「野菜若しくは果実又は飲食器の洗浄の用に供されるもの」という定義でござい ます。洗浄剤はこういったものでございます。  今回、御審議いただきますのは、このような定義に従ったものについて規格基準の改 正、試験法等の改正を行いたいということでございます。  続いて、1枚めくっていただきますと、「参考2」として「食品衛生分科会規程」が ございます。  続いて、6ページ目を見ていただきますと、「参考3」がございます。「食品衛生分 科会における確認事項」でございます。  最後に「参考4」ですが、これは厚い冊子になっております。これが平成13年から15 年度に、主任研究者の河村先生によって実施していただきました食品用器具・容器包装 等の安全性確保に関する研究ということで、今回の試験法等の改正につきましては、こ の研究の中で、試験法の具体的な妥当性とかを実際に地方の衛生研究所等の協力も得な がらまとめていただいたものでございます。  以上が本日お配りした資料でございます。 ○長尾部会長  皆さん、よろしいでしょうか。  よろしければ審議に入りたいと思います。  最初に、議題1の「器具・容器包装、おもちや及び洗浄剤の規格基準改正の可否につ いて」の審議を行いたいと思います。  事務局より、資料について説明をお願いします。 ○事務局  それでは、事務局から、資料に基づきまして試験法の改正等の説明をいたします。  使います資料は、資料3「器具・容器包装、おもちや及び洗浄剤の規格改正について 」というものと、資料5でございます。資料5は、現行の基準と改正する案を対照にし たもので、改正部分については下線を引いてあります。この資料3と資料5を対比しな がら御説明させていただきたいと思います。  まず、資料3に基づいて御説明いたします。1.のところですが、「器具・容器包 装、おもちや及び洗浄剤の規格基準について」ということで、定義については、先ほど の参考資料で御説明したとおりでございます。  次の段落につきましては、器具・容器包装等々に規格基準が定められているというこ とでございます。  「2.改正の趣旨」でございます。平成13年度から15年度において行われました厚生 労働科学研究の中におきまして、試験法等の検討を行っていただきました。その検討結 果を踏まえまして、一般試験法等について、主に、有害試薬を使わないもの、あるい は、再現性が優れたといったような分析精度の向上を図るものということで、現在の科 学水準に合致するように器具・容器包装、おもちや、洗浄剤に係る規格基準を改めると いうことでございます。改正の趣旨は、このように、一般試験法等についての改正を行 いたいということでございます。  まず、「器具・容器包装」の規格基準改正につきまして御説明いたします。  「3.規格基準改正の概要」の (1)の(1)ですが、目的として、有害試薬を使用しな い試験法への変更ということで、水銀と四塩化炭素などがございます。ポツの1つ目 に、鉛、カドミウム等の金属定量法についてポーラログラフ法を削除するということ で、具体的に見ていただきますと、資料5として新旧対照表の5ページ目を御覧くださ い。その真ん中のところに「ポーラログラフ法」が出てまいります。これは、先生方御 存じのように、水銀電極等を使うものですが、右の欄が現行のもので、ポーラログラフ 法について規定がありますが、左側は「(削除)」ということで、水銀を使う試験法を 削除しております。  具体的にどのような項目でやっていたかにつきましては、20ページを御覧ください。 真ん中のところですが、「材質試験」のところで、「カドミウム及び鉛」というところ がございます。この材質試験の中で、ちょうど真ん中のあたりですが、「ポーラログラ フ法を用いる場合にあっては」というところで、ポーラログラフ法が使えることになっ ておりまして、これを左の改正案では、原子吸光光度法または誘導結合プラズマ発光強 度測定法といった別の試験法に変えることで、有害な試験法を使わない試験法を採用す るということでございます。これが水銀を使わないものでございます。  資料3に戻っていただきまして、2つ目のポツでございます。ヒ素試験法について臭 化第二水銀を使用しない方法に変更するということでございます。これも具体的に言い ますと、資料5の27ページを見ていただきますと、下の方に「ヒ素」が出てまいりま す。この右の欄を見ていただきますと、28ページ目の一番上のところに、「ヒ素試験法 中の装置Aを用いる方法」というものが出てまいります。この装置Aを用いる方法が臭 化第二水銀を用いる方法でありまして、この方法を使わないものに変えるということで あります。  具体的な試験法につきましては、新旧対照表の5ページ目、左側の7で「ヒ素試験法 (追加)」となっておりますが、この試験法を新たに設定するということで、限度量を 試験する方法であり、その量は三酸化二ひ素の量として表す」ということで「装置」が 出てまいります。これは、添加物の一般試験法等では装置Bに規定されているものです が、この装置を用いますと、水銀を使わなくていいということになっております。この ように、臭化第二水銀を使う試験法を変更するというものでございます。  資料3に戻っていただきまして、一番下の3ポツ目でございます。ポリ塩化ビニルの 添加剤であるジブチルスズ化合物、クレゾールリン酸エステルの試験で、これは抽出溶 媒に四塩化炭素を用いることになっておりますが、これを変更するというものでござい ます。  具体的には、資料5の21ページの真ん中あたりに「材質試験」が出てまいります。右 側の現行を見ていただきますと、「ジブチルスズ化合物」のところで、「四塩化炭素 100ml及びメタノール50mlを加え」となっております。これは、左の欄を見ていただき ますと、四塩化炭素とメタノールの部分が、アセトン及びヘキサンの混液ということ で、四塩化炭素を使わない方法に変えております。  続いて、下の(2)の「クレゾールリン酸エステル」を見ていただきますと、やはり現 行法では四塩化炭素及びメタノールとなっております。左側を見ていただきますと、抽 出溶媒としてアセトニトリルということで、四塩化炭素を使わないものに変更になって おります。  資料3に戻っていただきまして、7ページ目でございます。一番上のポツです。ポリ 塩化ビニリデンのモノマーである塩化ビニリデンの試験で、これも四塩化炭素を使わな い溶媒に変える、四塩化炭素を変更するということで、具体的な試験法につきまして は、資料5の23ページでございます。上は3分の1ぐらいのところに、(2)として「塩 化ビニリデン」が出てまいります。こちらを見ていただきますと、右の欄に、溶媒とし て「四塩化炭素及びテトロヒドロフランの混液(7:3)」となっております。左側を 見ていただきますと、N,N-ジメチルアセトアミドということで、やはり四塩化炭素は除 くことになっております。  また資料3ですが、ポリエチレンテレフタレートの触媒であるゲルマニウムで、やは り四塩化炭素を除くということですが、具体的には、資料5の4ページ目を御覧いただ きたいと思います。真ん中に「ゲルマニウム」と出てまいります。この試験法の真ん中 あたりに、「四塩化炭素20mlを加え2分間激しく振り混ぜた後、四塩化炭素層を分取し 」と出ておりますが、このように、四塩化炭素を使うゲルマニウムの試験法を削除する ということでございます。  この試験法を削除することによって別の試験法が必要になるわけですが、原子吸光光 度法とか誘導結合プラズマ発光強度法を用いるということで、これは資料5の23ページ を御覧ください。下から3分の1ぐらいのところに、(2)として「ゲルマニウム」と出 てきます。現行法ですと、添加剤試験法中のゲルマニウムの試験を行うときということ で、先ほど御紹介した四塩化炭素を用いるものですが、左の改正案を見ていただきます と、原子吸光光度法または誘導結合プラズマ発光強度法を用いることとなっておりま す。浸出用液としては4%酢酸ということになっております。このように、四塩化炭素 を使わない方法に改めるということでございます。  恐縮ですが、また資料3に戻っていただきたいと思います。以上のところが有害試験 薬を使わないというところですが、今度は(2)として、再現性に優れた試験方法、ある いは、簡便な試験方法を取り入れることによって分析精度の向上を図るというものの変 更でございます。これらについて御紹介いたします。  まず、器具・容器包装の一般試験法の「原子吸光光度法」に、フレーム方式のほかに 電気加熱方式を追加するということで、これは資料5の1ページの下のところに「原子 吸光光度法」というものが出てまいります。右の現行法では、フレーム方式だけになっ ておりますが、左を見ていただきますと、下から5〜6行目のあたりに、「フレーム方 式ではバーナー及びガス流量調節器」の次に「電気加熱方式は」ということで電気加熱 方式を追加しております。  続いて、資料5の3ページ目を御覧いただきたいのですが、この原子吸光光度法でア ンチモンが測定できることになりましたので、アンチモンにつきまして、現在のアンチ モンの試験法を削除しております。現在の試験法ですと、濃縮するなど試料の調製がか なり煩雑ですが、原子吸光光度法等を用いると簡便にできるということでございます。  続きまして、資料3の2ポツ目でございます。器具・容器包装の一般試験法の「モノ マー試験法」において、分解能等の向上のためにキャピラリーカラムを使うということ で、それに伴って、定性試験、定量試験の操作条件等を変更するということです。これ は、資料5の6ページ目の真ん中あたりに「モノマー試験」が出てまいります。一番上 は「エピクロルヒドリン」となっておりますが、ここの「操作条件」を見ていただきま すと、「操作条件1」の下のところに「カラム管」が出てきます。カラム管は内径が3 〜4mmとなっております。これは、左の改正案を見ていただきますと、カラムにつきま しては、内径が0.53mmということで、キャピラリーカラムを用いて精度を上げ、それに 伴って試験条件等が変更になるということでございます。  こういったモノマーの試験について、キャピラリーを使うという一連のものが、6ペ ージから11ページまで、いろいろなモノマーについて改正するということが載っており ます。例えば塩化ビニリデンとか、そういったものについてもキャピラリーカラムに変 更するということで、各モノマーについての操作条件が変わっております。  続きまして、資料3の3ポツ目、ホルムアルデヒドを製造原料とする合成樹脂のフェ ノールの試験ということで、臭素法から4-アミノアンチピリン法に変更するということ でございます。これは、資料5の21ページを御覧ください。一番上のところ、「溶出試 験」の(1)に「フェノール」とございます。こちらを見ていただきますと、臭素試液で 帯黄白色の沈殿を見るという試験ですが、これをモノマー試験法中のフェノールの試験 に変えるということでございます。そのフェノールの試験につきましては、資料5の10 ページの左の欄ですが、真ん中あたりに「フェノール(追加)」とございます。これを 見ていただきますと、4-アミノアンチピリンで呈色して、それで吸光度を測定する試験 法に変更しております。  続きまして、資料3の4ポツ目です。ジブチルスズ化合物の試験において、ろ紙クロ マトグラフィー法による確認法からガスクロを使う方向に変更するということで、これ は資料5の4ページの下から3分の1ぐらいのところに、「ジブチルスズ化合物」とご ざいます。その右の欄の現行法、3行目ですが、「ろ紙クロマトグラフィーを行い」と いうことで、これを改正案で見ていただきますと、5行目から6行目あたりですが、 「ガスクロマトグラフィー・質量分析を行い」ということで、GC−MSを使う方向に変更 しております。  続きまして、資料3の5ポツ目です。合成樹脂製器具・容器包装の一般規格における 材質試験のカドミウム及び鉛の試験法ですが、この試験ですと、バリウムやカルシウム が存在すると感度が悪くなるということで塩酸処理を追加しております。これは、資料 5の20ページの真ん中の「材質試験」というところで、左の欄の改正案の真ん中あたり を見ていただきますと、「この残留物に塩酸(1→2)5mlを加えてかき混ぜ、水浴上 で蒸発乾固する」ということで、塩酸を加える工程を入れております。この工程を加え ることによって、バリウムとかカルシウムの妨害を受けないようにできるということで ございます。  以上が分析精度等の向上を図るという点での変更でございます。  続いて、資料3にまた戻っていただきまして、(3)の、一般試験法に試験法を追加す るものでございます。まず、重金属試験法、ヒ素試験法を新たに追加するということ で、これまでは添加物の規格基準がありまして、そこの一般試験法を準用することにな っていましたが、器具・容器包装の一般試験法の中に新たに移すということで、それに 伴って、試薬・試液等の追加等も行うということでございます。  資料5では、2ページ目の左の欄で、「4 重金属試験法(追加)」のところでござ います。試験法が具体的に記載してあります。これは今までは、先ほど言いましたよう に、添加物の試験法を準用するということですが、器具・容器包装に適した記載方法、 試料の調製方法が変更になっております。  ヒ素につきましては、5ページ目を御覧ください。やはり改正案の左の方でございま す。7として「ヒ素試験法(追加)」とあります。先ほど最初に申し上げたとおり、水 銀を使わない試験法ですが、この試験法を追加するということでございます。  続いて、また資料3に戻っていただきまして、2ポツ目でございます。誘導結合プラ ズマ発光強度測定法を追加するということで、これは、数種類の金属を同時に測定で き、簡便であり、精度も上がるというものでございます。これは、資料5では11ページ の左の欄、「9 誘導結合プラズマ発光強度測定法(追加)」というものがあります。 こういったもので、重金属、金属等の測定を行うということで、簡便で精度もよくなる というものでございます。  続いて、資料3の3ポツ目でございます。ゴム製の器具・容器包装及び金属缶におい て、それぞれ定められている「フェノール」の試験法を一般試験法に移すということ で、具体的に言いますと、資料5の26ページ、上から3分の1のあたりの「溶出試験」 で、「a フェノール」とあります。右側が現行法ですが、このように試験法操作法条 件が書いてあります。これを一般試験法としてまとめて改正案を見ていただきますと、 「フェノール試験を行うとき」ということで、一般試験法に取りまとめることによって ここの記載が簡略になっているということでございます。  28ページ目を御覧ください。これは金属缶のものですが、真ん中あたりに「フェノー ル」と出てまいります。先ほどと同じように、現行法を見ていただきますと操作条件が 書いてあります。これを一般試験法に移すということで、改正案では、一般試験法を使 うときにということで簡便な記載になっております。  一般試験法として載せたところは、前に戻っていただいて10ページ目でございます。 先ほど、4-アミノアンチピリンということで御紹介いたしましたが、10ページの真ん中 あたり、左側の改正後のところに「フェノール(追加)」ということで、4-アミノアン チピリン試液を使う方法、この試験法を一般試験法に載せるということで、先ほどのよ うなゴムとか金属缶の部分の具体的な試験法を簡便にしているということでございま す。  資料3に戻っていただきまして、(4)でございます。蒸発残留物試験の器具及びホル ムアルデヒドを製造原料とする合成樹脂における浸出用液の変更ということでございま す。これは、資料5の2ページ目、一番下のところに、「蒸発残留物試験法」というも のが出てまいります。現行法を見ていただきますと、下から3行目から、「器具は4% 酢酸を浸出用液として用いて作った試験溶液について、次の試験を行う」となっており ます。器具は4%酢酸だけを用いることになっておりますが、改正欄を見ていただきま すと、器具も容器も、それぞれ第2欄に掲げる溶媒を用いることになっております。  この「第2欄」というのは、資料5の後ろから2枚目に「別紙1」がありまして、こ こに表が載っております。左の第1欄に、食品の種類がございます。例えば、油脂やお 酒類、それから、pHによって分けたもの。今、容器については、このように対象食品 に合わせて第2欄の溶媒を用いることになっております。ただ、器具は、先ほど御紹介 いたしましたように、4%酢酸のみを用いることになっていたわけですが、今回の改正 案では、第1欄に応じた食品の種類に応じて溶媒を選択していただく改正を予定してお ります。  同様の取扱いが、ホルムアルデヒドを原料とする合成樹脂ということで、これは資料 5の21ページを御覧ください。上から3分の1のところに「蒸発残留物」とございま す。現行法の「蒸発残留物」を見ていただきますと、「浸出用液として4%酢酸を用い て作った試験溶液について」ということで、ホルムアルデヒドを製造原料とする場合 は、浸出溶液は4%酢酸だけでよかったのですが、左の改正案では、「蒸発残留物試験 を行うとき」となっておりますので、先ほど御紹介した食品に応じた溶媒を選択してい ただくということで改正を考えております。  続きまして、資料3に戻っていただきまして、(5)でございます。標準溶液との比較 を限度値に変更するなど規格の明確化ということで、これは本質的な変更ではありませ んが、例えば資料5では20ページを御覧ください。「材質試験」のところに「カドミウ ム及び鉛」と出てまいります。この試験法の一番下の行を見ていただきますと、「これ に適合しなければならない」ということで、規格値がここに明記されていないというこ とでございます。左の改正案を見ていただきますと、規格値として 100μg/g以下で なければならないということで、本質的な変更ではありませんが、この試験法を見れ ば、濃度がどれくらいかということがよくわかるということでございます。こういった 変更を種々のところで行っております。  続いて、資料3の(6)でございます。規定された試験法と同等以上の試験法を使用で きることとする変更ということで、これは資料5の1ページ目を御覧ください。上から 4分の1程度のところ、改正案のBのところです。「規定の方法に代わる方法で、それ が規定の方法以上の精度のある場合、その方法を用いることができる。ただし、その結 果について疑いのある場合は、規定の方法で最終の判定を行う」となっております。こ れは、現行法ですと、告示された方法でしか試験をやってはいけない規定になっており ますが、精度がいい方法があるのであれば、それを用いることができると変えるもので ございます。  資料3に戻っていただきまして、(7)のその他のところで、JISに合わせて試薬の 名称、記載方法等の見直しを行うということで、記載事項の軽微な修正を行っていると いうことでございます。  器具・容器包装の試験法等の改正については以上でございます。 ○長尾部会長  ありがとうございました。詳細に紹介をしていただきました。  いろいろな理由があって、有害試薬を使用しない試験法とか、精度向上、一般試験法 に入るものとかいろいろございました。  ディスカッションに入る前に、平成13年から15年の厚生労働科学研究において試験法 の妥当性等を検討されてこられました国衛研の食品添加物部の河村委員より、何か追加 がございますか。 ○河村委員  ありがとうございます。この試験法の改正につきましては、平成13年から15年度の厚 生労働科学研究でさせていただきました。この研究につきましては、参考4に資料をつ けていただいておりますけれども、御覧いただきますように、各地方衛生研究所の皆様 にお手伝いいただきまして、非常に詳細な検討をしていただいております。先ほどの事 務局からの説明ですと、文章的に説明していただいているので非常に的確に説明してい ただいてはいるのですけれども、試験の内容についてのイメージが湧きにくい部分もあ ろうかと思います。こちらを見ていただきますと、内容がよりおわかりいただけるかと 思います。  主な内容としましては、先ほどお話がありましたように、有害試薬を排除することを 一番の目的にしておりますけれども、そのほかに、この数年来、GLPが導入されまし て、分析機関では、GLPに沿った方法で分析を行わなければいけない、試験法のバリ デーションが非常に重要になってきております。そういう意味で、バリデーションにき ちんと通る分析精度の高いものにするということで、単に有害試薬をやめるだけではな く、分析精度が高い、再現性のいい試験法をするということを目標としております。  しかも、できるだけ簡便にしたいと。簡便に試験ができるということは再現性もよく なりますし、回収率もよくなるということで、測定機器の感度が上がった分、前処理を 省略するなどにより、簡単にすることを目標にしております。  そのためにICPを取り入れておりますし、分析の中でヘッドスペースを取り入れま したり、GC−MSを取り入れたという部分がありまして、若干新しい機器が入ってお ります。今、ICPにしましても、GC−MSにしましても、ほとんどの機関でお持ち ですし、ヘッドスペースの方はマニュアルでもできる形をとっておりますので、対応が できないところはないと思っております。また、同等の試験法であれば代替することも できますので問題はないと思っております。  以上です。 ○長尾部会長  ありがとうございました。  それでは、器具・容器包装の規格基準改正の可否について、御意見をお願いいたしま す。 ○西島委員  最初の方の有害試薬というのは、河村先生の調査報告書をまだ読んでいないのですけ れども、これはもう反対する理由がないというか、一刻も早くやってほしい内容ですの で、異存は全くありません。ただ、確認したいのは、これで精度感度は落ちていないと いう河村先生からのお言葉があれば、全く同意していいものと思っております。 ○長尾部会長  河村先生、お願いします。 ○河村委員  改正に当たりまして、分析精度は前以上によくなっていると、自信を持って言えると 思います。その内容につきましては報告書を見ていただければわかりますけれども、回 収率、再現性、いずれも上がっております。ぜひお認めいただきたいと思っておりま す。 ○長尾部会長  そういうことですが、ほかにございますか。 ○土屋委員  初めに、Bのところで、ほかに代わる方法があれば用いることができると。現代の進 歩に合わせた適切な文章が入っていると思います。  それから、先ほど来から、精度管理を上げるということで、従来は沈殿を生じてはな らないというような、主観的というか、目で見てあやふやなものを、しっかりとμg/ml と規定された点は非常によろしいと思います。その検出感度は、先ほど来の説明から、 上がっているということですので、毒性上も問題はないということでよろしいかと思い ます。  以上です。 ○長尾部会長  ありがとうございます。  ほかにいかがでしょうか。 ○堀江委員  現場の分析を行っている者として、今回の点は非常によろしいと考えております。  一つ、「同等以上の精度」ということですけれども、この「同等」という場合に、あ る程度、回収率がどの程度とか、そういう目安を、今後何らかの形でお示ししていただ けることが重要ではないかなと考えているのですけれども、その点、お願いしたいと考 えております。 ○長尾部会長  事務局から御意見がありますか。 ○事務局  この「同等」をどう考えるかということですが、添加物の試験においても同じですけ れども、分析をされる方が基本的に判断いただくことと思っております。一般的に「同 等」というのは、試験法上同等以上の精度があることは大体わかることですので、同等 以上の精度があることを分析結果等から御判断いただければいいことになります。、 今、厚生労働科学研究で河村先生に引き続きやっていただいている研究もありますし、 そういった研究を踏まえながら、示せるものは、研究成果とか、そうしたもので示して いければと思っております。 ○長尾部会長  河村委員、今の点についてお願いします。 ○河村委員  先ほどの堀江委員の質問についてですけれども、「同等以上である」ことをどのよう に示すかという問題は非常に難しい問題で、これについては、農薬とか動物薬の方でも 御検討中だと思いますので、そういった成果が上がってきましたら、器具・容器包装の 方も同じように考えることができるかと思います。  ただ、この文章は、現在、食品添加物の公定書で書かれている文章と全く同じ文章 で、添加物の方で同等と見なしている考え方と基本的には同じだと思われます。この場 合には、分析者がそれを証明する。バリデーションのデータ等で、同等以上であること が証明できるならば、それを使えばいいと。ただ、最終的に、ただし書き以降で、その 結果について疑いがあるとどこからかクレームがついた場合には、規定の方法に戻る必 要があるかもしれない。バリデーションの結果等を示して、問題ないですよということ を証明できて、納得してもらえれば、そこまででいいわけですし、そうでなければ戻ら なければいけないという一項がついているというところで、これが最終的に歯止めにな っていることから、分析者の保証で認められると思います。 ○西島委員  同じ意見ですが、地方の衛生研究所等では、公定書がありますと、そのやっている本 人が同等以上を行政に示すことによってそれが生きると理解しておりますので、河村先 生の説明でよろしいのではないかと思います。やっている本人が、国の方法、自分たち がよりいいと思う方法で比べて同等以上を示しませんと、地方行政は納得しませんの で。それでよろしいのではないかと思います。  ただ、堀江先生がおっしゃったように、この感度はこのくらいですよということがあ ると、よりやりいいということはあります。ですから、できる範囲であればいいかなと いう気がします。主たる責任はやっている担当者、地方行政の場合は衛生研究所、登録 検査機関の場合はそっちかなという気がしております。 ○長尾部会長  堀江委員、どうぞ。 ○堀江委員  個別的に、その試験法の同等はこのくらいということではなくて、動物薬もすべてそ うですが、同等云々ということがありますが、その「同等」は非常にあいまいにとらえ られる要素がありますので、試験法として、「同等」というのは、回収率はこの程度の 目安とか、そういうものが、容器包装に限ったことではないのですが、お示ししていた だければ、フィールドとして検査を行う場合、この方法はある程度、同等性を検証する のに妥当性があるのかなということで、ありがたいということで一応出させていただき ました。個別的なものでは全くありませんが。 ○西島委員  今の先生のお話は、最初の有害物質ということではなくて、全体的な考え方ですね。 ○堀江委員  はい。 ○西島委員  わかりました。 ○中垣基準審査課長  堀江委員の御意見は、試験をされる側にとって切実な話だろうと思います。一方、示 す側に立ちますと、個々の試験によって回収率もかなり違うだろうと思います。例え ば、今の容器試験法であると、溶出モノマーなのか、金属類を調べるのか、そういった ものによって全然違う。また、農薬で言うと、大根を調べるのか、人参を調べるのか、 お茶の葉を調べるのかによって相当違うことも、堀江委員がよく御存じのところだろう と思います。  そういう点から申し上げますと、一律の値として回収率を示していくことはなかなか 難しいだろうと思いますけれども、今回の河村先生の厚生科学研究の結果、例えば、資 料の参考4におきましても、それぞれの試験ごとに回収率が載っていたり、再現性が載 っていたりするわけでございます。ほかの農薬等においても同じようなレポートをまと めて公表してきているところですが、そういうところを一つずつ参考にしていただくこ とになっていくのだろうと考えております。 ○長尾部会長  ありがとうございます。報告書などはオープンになっていますし、いろいろな研究会 もあってディスカッションをするチャンスもあると思いますので、実際にやられる方の コミュニケーションもとっていただければ何とかなるかなと思います。  ほかにいかがでしょうか。 ○中澤委員  今のことで、「同等」というのは、食品分析のGLPの方でもよく問題になるところ でありまして、今、課長がおっしゃったように、私は、河村先生が3年間なされた研究 報告書を全部見ているわけではないのでわかりませんけれども、参画されている先生方 が、我々が見てもレベルが高い方がおやりになっていて、同等かどうかというのは、一 つによく議論されるのが、いわゆる学会誌で、特に審査委員が複数いるような学会誌で パスしたような論文は、方法として参考になるとよく言われます。こうした厚生科学研 究の報告書でも、今申し上げましたように、参画されている先生方の技術レベルがかな り高い、得られている成果もかなり信頼性が高いということであれば、十分に同等だと 評価してよろしいのではないかと思います。  もう1点、よろしゅうございますか。 ○長尾部会長  はい。 ○中澤委員  内容は全く、先ほど来、先生方がおっしゃっているように、薄層クロマトあるいはポ ーラログラフィーという、もう大学でもやらないような試験法が公定法に載っていると いうのは、公的な試験法としては具合が悪いということで、大賛成でございます。有害 試薬を外すという点も画期的なことだと思います。内容は全く御異議ありません。  ただ、せっかくこういう改訂案を出されるときに、字句に間違いがあってはまずいの ではないかと思います。大学で分析を教えていますと、字句だけはとらわれるものです から。ざっと見てみますと、例えば9ページの「揮発性物質」の、「検量線の作製」 は、「作製」ではなくて「作成」だと思います。それから、21ページの下の方に、 「(2)クレゾールリン酸エステル」の真ん中辺に、「5mlで調整した」とありますが、 「調整」ではなくて「調製」だろうと思います。これは、どちらかというと、古い方も そんな感じになっているので、ずっと長いことこれでやってきているのだということ で、事務局はそのまま持ってこられているような感じがしますので、もう一度字句だけ 確認された方がよろしいのかなと思いました。 ○事務局  貴重な御意見をありがとうございました。私どもではフォローできないところもござ いまして、また先生方から御意見をいただいて、こちらもチェックして文言等を直した いと思います。 ○長尾部会長  ぜひそうしてください。 ○河村委員  今、中澤先生からいただいた御意見のうち、最初の方の学会発表の件ですけれども、 今回の厚生労働科学研究で報告しました試験法のうち、新規のものに関しましてはすべ て学会誌に投稿しております。レビューも受けて、一応、一人前の試験法として認めら れておりますので、そちらも御参考にしていただければと思います。  それから、今、字句の御指摘をいただいたところで、一つ先生にぜひ教えていただき たいのですけれども、21ページの「クレゾールリン酸エステル」のところで、今おっし ゃいました「調製」のことですが、これは、固相抽出カラムを溶媒で前もってコンディ ショニングしておくところですけれども、この場合の「ちょうせい」がどちらなのか、 論文誌で書く場合は「コンディショニングをする」と書くのですけれども。それを教え ていただきたいと思いました。 ○中澤委員  私もそれほど厳密なあれを持っているわけではないのですが、恐らく、この場合は、 オクタデシリンのミニカラムをつくるということですので、やはりpreparation という ことで、「調製」の方がよろしいのではないかと思います。例えばpHを幾つかに合わ せるというときはadjustの方ですので「調整」でよろしいかと思います。細かいことを 言うとそういうことがあるのですけれども、それを言うと多分きりがなくなってきまし て、特に液相分配をやっているものが、この試験法ばかりではなくて、公定法も、局法 もそうですし、添加物の試験法とか、ほとんどすべての試験法において、本来はphase でなければいけないところが、ほとんどがlayer になっています。これは日本の学会誌 を全部変えないと無理なので、唯一それを正確に行っている学会誌は、多分、分析化学 会の「分析化学」という雑誌がそこは非常にシビアに区別しております。それ以外の雑 誌は、見ていると、両方が混ざっているという感じです。そこは手をつけなくてよろし いかと思います。 ○長尾部会長  ありがとうございました。  ほかにいかがでしょうか。 ○品川委員  1点だけ教えてください。最初のBのところで、「精度のある場合は、その方法を用 いることができる。ただし、その結果について疑いのある場合」ということで、この 「疑いがある場合」というのは、だれがどのように疑いを感じるのか、この辺が抽象的 だという感じがします。 ○事務局  例えば、この試験法に基づいて、現場において、物を収去してきて検査します。企業 においては、別の方法でやってそれでオーケーだったけれども、収去した結果は違反で あったとったときに、どちらの結果を取り入れるかという場合、このように疑義が出た 場合は定められた試験法にさかのぼって判定するということでございます。 ○品川委員  違反になった場合とかいうことではなくて、そういう形で何かクレームが出てきたと きに、そういうことをやると考えていいわけですか。それとも、違反した場合、超えた 場合には、やはりもう一度そこであれするとか。 ○西島委員  実際に他府県で、違反かなと上がった場合、来たときに、そこのやった方法は公定法 でやりましたという場合と、そうではない場合があります。そのようなときには、まず 自分の方法でやって、同じだったらいいじゃないかとか、ちょっとおかしいと思ったと きに、やはり公定法に準じてうちもやってみようとか、化学の場合、そういうあうんの 呼吸が結構ありますね。ですから、自分のところでやっても、国が出した試験法ではピ ークがおかしなものがあるとかいうときは、自分たちの方法が必ずいいというときはい いのですが、そうでないときは、国がやった方法でやっておいた方がいいかなとか、何 となくあうんの呼吸があります。やっていると、そこら辺はすごく鋭敏にその言葉がよ くわかります。 ○河村委員  ここの部分に関しましては、食品添加物の規格をそのまま持ってきているのですけれ ども、農薬の方では、文章の字面は違いますけれども、ただし書き以降がなくて、同等 以上の方法であれば使っていいことになっております。分析する者からしますと、自信 を持って行っている分析法につきましては、本当はそのままで行きたいと私も思ってお りましたけれども、行政の方たちとお話し合いをさせていただきまして、最後に何かあ ったときに、製品収去はかなり大きな影響を与えるものであるということで、やはり最 終的にはこの方法に戻ってくるということを一文入れる必要があるだろうということで 納得した次第です。 ○西島委員  それでいいと思います。実際、国の方法よりも、はるかに高い機械で、いい方法でや るわけです。なので、みんなは本当は同等だなどとは思っていないのです。だけど、何 かあったときにはそれに戻ろうということは書いてあった方がいいと思うので、はるか に高額の簡便でいい機械がどんどん出ていますのでね。国の方法は、どちらかという と、かったるいというか、そういうものが実際は多いです。ですので、この言葉で実際 は十分ではないかと思います。通常は、どっちつかずの方法ということではないです ね。 ○品川委員  例えば、これで違反になったとして、そのときはもう一度、基本的には規定の方法で やるとかいうものではないわけですね。 ○西島委員  結局そういう場合もありますけれども、最近はあまりないです。例えば、磁気分光の 方法でやるよりも、GC−MSとかMS−MSとか、だれが考えてもそっちの方がいい 方法というのは結構あります。ですから、必ずしも、国の方法に戻れというのは、逆に どうでしょうか。妨害物とかいろいろなことを考えて、どうですか。 ○堀江委員  県によっても違うと思いますが、SOPをつくって、その方法で行政処分する県もあ りますが、やはり公定法に戻ってもう一度やってから行政処分というところもあります ので、この文言は、私はこれでよろしいのかなと思います。 ○西島委員  そうですね。全部をそこで判断しているようですね。 ○品川委員  結構です。 ○長尾部会長  ほかにはよろしいですか。  いろいろと行政的な意味もあってこれが入っていると思います。  それでは、次に、おもちや、洗浄剤の規格基準改正についてお願いします。 ○事務局  それでは、また資料3に戻りまして、おもちやとか洗浄剤の規格基準の改正の部分に ついて御説明いたします。  資料3の8ページにありますが、 (2)に「『おもちや』について」ということがあり ます。まず、水銀を使用しない試験法への変更ということで、まずヒ素の試験法につい て臭化第二水銀をしない試験法に変更するということがあります。これは、具体的に言 いますと、資料5の30ページを御覧ください。真ん中からちょっと下のところに、「ヒ 素」と出てきます。現行法によりますと、装置Aを用いるということで、これは臭化第 二水銀を用いるということですので、これをやめまして、「器具又は容器包装一般の試 験法 7 ヒ素試験法」ということで、先ほど、器具・容器包装のところで一般試験法 に追加すると申し上げましたが、その試験を準用するということでございます。水銀を 使わないということでございます。  続いて2点目でございます。塩化ビニル樹脂塗料の件ですけれども、ポーラログラフ 法から原子吸光光度法を使うということで、これは、資料5の31ページを御覧くださ い。下のところで「3.カドミウム」とあります。現行法では、この試験では、直流ポ ーラログラフ、交流ポーラログラフ、または矩形波ポーラログラフということで水銀を 用いる試験が残っておりますが、改正案では、これを原子吸光光度法あるいは誘導結合 プラズマ発光強度測定法により行うということで、有害な水銀を使わないということで ございます。  2点目ですが、重金属試験法、過マンガン酸カリウム消費量試験法等について、器具 ・容器包装一般試験を準用するということで、資料5の30ページを御覧いただきます と、上のところに「重金属」という項目がございます。現行法ではつらつらと試験の操 作条件が開始ありますが、左側を見ていただきますと、容器包装一般の試験法を準用す るということで、記載上、簡便になっております。  続いて、同じページの一番下のところで、「過マンガン酸カリウム消費量」というも のがあります。過マンガン酸カリウム消費量についても、やはり試験操作条件が書いて ありますが、改正案では、器具・容器包装の一般試験法を準用するということで簡便な 記載方法になっております。  蒸発残留物については、資料5の32ページでございます。上の「4.蒸発残留物」の ところに載っております。こちらに現行法では試験法が書いてありますが、改正案で は、一般試験法を準用するということで簡便な記載方法になっております。  このように、器具・容器包装の一般試験法を準用するということに変えております。  続いて、標準溶液との比較を限度値に変更するということですが、これにつきまして は、30ページの「ヒ素」を御覧いただきますと、「標準色より濃くなくてはならない」 となっておりますが、これは改正案では 0.1μg/mlということで明確になるようにし ております。  続いて、資料3の9ページ、(4)で、規定された試験法と同等以上の試験法を使用で きることに変更するということで、これは、先ほど来御議論していただいた点ですが、 資料5の32ページの真ん中あたりの左側、「1〜8まで掲げる規定の方法に代わる方法 で」ということで、精度のある場合はその方法を用いることができるとしております。 ただし、疑義がある場合は、規定の方法で最終の判定を行うという規定を盛り込んでお ります。  続いて洗浄剤についてでございます。これは、資料5の33ページを御覧ください。 「ヒ素」のところでございます。現行の方法ですと、右の欄に、装置Aということで、 臭化第二水銀を用いるということですが、これを器具・容器包装の一般の試験法を準用 するということで水銀を使わないということでございます。  また、あわせて試料の調製方法等も若干採取量等を変えております。  以上が、おもちや並びに洗浄剤の試験方法等の変更でございます。御審議よろしくお 願いします。 ○長尾部会長  どうもありがとうございました。  おもちや及び洗浄剤についても、河村委員から追加その他がございましたらお願いし ます。 ○河村委員  今回の試験法改正は、主に器具・容器包装についてやっておりました。ただ、その場 合、同じような問題が起こってくる部分について改正をさせていただくということで、 おもちやと洗浄剤を書いております。おもちやの規格につきましては、器具・容器包装 よりもまださらに古い規格等もありますので、16年度から18年度の厚生労働科学研究の 中で、見直し・検討をやらせていただいております。そういうこともありまして、細か い部分については、必ずしも変わっていないといいますか、器具・容器包装とかかわる ところはすべて改正いたしましたけれども、すべてを検討したわけではありません。  特に洗浄剤につきましては、かかわる部分のみ書き直しております。例えば試薬のJ IS表記をするということもしていません。洗浄剤については、ヒ素の部分のみを書き 直しております。 ○長尾部会長  それでは、何か御意見がありましたらお願いします。 ○西島委員  本日提案された部分については、全く問題ないというか、遅すぎたような気がします ので、よろしいのではないかと思います。 ○長尾部会長  どうもありがとうございます。  中澤委員、どうぞ。 ○中澤委員  河村先生に教えていただきたいのですが、ヒ素試験法の装置には装置Aと装置Bがあ ったと思います。装置Aの方は使わないで、装置Bを使いましょうと。それで全くよろ しいと思いますが、装置Aというものは、現実には使わないということであれば、装置 Aも装置Bもなくて、装置Aだけにしていいのではないかと思ったのですが、その辺は いかがでしょうか。 ○事務局  先生の御指摘は全くそのとおりでございまして、器具・容器包装のヒ素の一般試験法 には、装置は一つだけでやっております。今、御紹介した装置Aというのは、添加物の 一般試験法を準用して、その添加物の一般試験法にはA、B、Cというものがまだあり まして、そのAを使うことになっておりました。今回は、器具・容器包装の一般試験法 で、ヒ素を新たに設けたときには装置は一つだけにしておりますので、A、Bという区 別は今後はなくなるということでございます。 ○河村委員  今、事務局からいろいろ御説明をいただきまして、そのとおりだと思いますが、ヒ素 に関しましては、今、添加物公定書の見直しをしておりまして、そちらでもヒ素を使う A法を削除したいという話がありまして、A法を削除するとこちらの方が困るのではな いかというお話がありまして、急きょ見直させていただいたということでございます。 添加物の方でもA法は削除になる予定です。まだすぐではないと思いますが、方向とし ては削除予定です。ほぼすべてB法に切り換えています。  ただ、私としましては、実は、B法ではなく、原子吸光の水素化法添加とかICP− MSに切り換えたいと思っていたのですけれども、そこまで行くのはちょっと早すぎる ので、とりあえずB法ということで書かせていただいております。同等以上の方法が使 えるということですので、装置をお持ちのところでは、原子吸光の水素化法とかICP −MSなどを使っていただければ、もっと簡単にできるのではないかと思っておりま す。 ○中澤委員  日本薬局方の方はいかがでしたでしょう。昔はA法、B法があったように思います が、そちらも変わっていますか。 ○河村委員  局法はまだきちんとチェックしていませんが、恐らくA法はだんだん廃止されてB法 に変わりつつあると思います。  それから、さっき事務局から説明があったことに補足させていただきます。玩具の方 で、例えばヒ素試験とか重金属試験の長い文章が短くなったのは、一つは一般試験法を 引用するということがあるのですけれども、もう一つは、溶出液を前処理して濃縮した り、カドミウムなどもそうですが、そういった前処理の部分を削除しまして、感度がい いので溶出液をそのまま測定する形に切りかえております。それで文章がより短くなっ ているということです。 ○堀江委員  A法、B法をどうこうするというのは、それはいいのですが、現場として、それがち ゃんと徹底していないと、厚生労働省が言うA法と、情報が来ていないA法がグジャグ ジャになってえらいことになるので、そこら辺の情報伝達は十分、A法、B法とかと名 前を変えるときは徹底してもらいたいと思います。 ○事務局  わかりました。改正等を行った場合は、周知徹底を図るようにしたいと思います。 ○河村委員  今回、もしB法と書いて添加物の試験を準用しておくと、添加物が変わったとき混乱 が起こるかもしれないということも一つの理由で、器具・容器包装の方にヒ素試験を持 ってくるということをしております。 ○西島委員  河村先生のお話で1点気になったのですが、新しい方法だと、機械がそろっていない ところがあるからまだにするというのは、聞き間違いでしょうか。もしそうだとする と、ほかの試験法で、その同じ機械はもう使っているのに、何かあるのかなと。ちょっ と聞き逃したような部分がありました。 ○河村委員  原子吸光の水素化法とかICP−MSについては、まだどこも、食品添加物でも、農 薬でも、導入されていないと思います。多分、水道では使っていると思いますが。 ○西島委員  わかりました。 ○長尾部会長  ほかにございますか。  それでは、いろいろと御意見が出て、情報伝達とか表記法のこととか、この委員の御 意見を聞いて小さい訂正はあるかもしれませんが、本日御審議していただきました器具 ・容器包装、おもちや及び洗浄剤の規格基準改正については、可とするということでよ ろしいでしょうか。                  (異議なし) ○長尾部会長  どうもありがとうございました。  もし、細かい変更というか、指摘に対応した場合は、後で御連絡をお願いします。 ○事務局  そうですね。部会の報告書をつくってまいりたいと思いますが、資料3に基づいて部 会報告書をまとめたいと思いますので、その案ができました段階で各委員の先生方に御 確認をいただきたいと考えております。  また、あわせて、先生方から御指摘がありました語句の修正といった点についても、 修正した上で先生方に御確認していただければと思っております。 ○長尾部会長  井上委員、どうぞ。 ○井上委員  毒性の立場からお話を承ってまいりました。したがいまして、今日のお話に特に申し 上げることはないのですが、器具・容器包装にしても、おもちやにしても、何か事が起 こったときに、毒性の者はいろいろしゃしゃり出てお手伝いをするわけですが、このよ うに事前にいろいろな測定等についての改善が進められていることについては、誠にす ばらしいことと敬意を表します。どうもありがとうございます。 ○長尾部会長  どうもありがとうございました。  それでは、本日のメインの議題は以上でよろしいかと思いますが、今後のスケジュー ルについて、事務局からお願いします。 ○事務局  今回、大筋で試験法の改正について御了解をいただきましたけれども、今度、分科会 の取扱いがありまして、本日お配りした参考1と書いてある資料の7ページ目に、分科 会での取扱いが表になっております。器具・容器包装部会ということで、分科会の審議 はどうするかということでございます。そこに1と2がありますが、規格基準の設定に 関する事項のうち一部の改正で軽微な事項に関するものについては、部会は審議で、分 科会については△印ということで報告の取扱いになっております。  今回の改正につきましても、限度値とかそういった点を大きくいじるということでは なく、有害試薬等を変更する、再現性に優れたような簡便な試験法に変更するというこ とですので、軽微な変更と解釈させていただいて、分科会については報告の取扱いにさ せていただきたいと考えております。  それから、その他のプロセスとして、パブリックコメント、WTO通報、こういった 意見聴取の手続きを開始したいと考えております。  今後の動きとしては、そのようなものを考えております。  以上でございます。 ○長尾部会長  ありがとうございました。そのような手続きをお願いしたいと思います。  それでは、「その他」ということで何かありますか。 ○事務局  「その他」については、本日はございません。どうもありがとうございました。 ○長尾部会長  皆さんから何かありますか。 ○河村委員  今、事務局から御説明をいただいたのですが、改正は大体いつごろになるかという見 通しはありますか。 ○事務局  一番時間がかかるのがWTO通報という、規格基準の改正について海外へ意見を求め ることで、通報期間として60日ぐらいということで、その前の事務的な手続き等々を含 めると3か月ぐらいかかる見込みでございます。したがって、そういう意見聴取を踏ま えて、あとは事務的な手続きがありますので、3か月プラスアルファとお考えいただけ ればと思います。 ○長尾部会長  ほかによろしいですか。 ○河村委員  これは告示改正になると思いますが、告示改正をした場合、すぐに施行になるのか、 猶予期間が置かれるのかということではどうでしょうか。 ○事務局  この場ではわかりませんが、いろいろな例を見ながら考えたいと思います。かなり波 及するときに問題があるようであれば猶予期間を設けることになると思いますが、その 状況等、それからほかの規格基準の改正のときの取扱い等々を考えながら確認させてい ただきたいと思います。 ○長尾部会長  それでは、ほかにはよろしいですか。  次回の予定その他がございますか。 ○事務局  次回の予定は、器具・容器包装関係につきましては、現在、食品安全委員会の方で新 しい樹脂であるポリ乳酸という、生分解性の樹脂として注目されている樹脂がございま す。これの健康影響評価をお願いしている段階で、専門調査会でほぼ評価の案が固まっ てきたと聞いております。その評価案が固まりましたら、私どものこの部会で、樹脂の 規格について御審議をいただくことになると思います。その具体的な予定が固まってい ませんので、具体的になってまいりましたら日程等の調整をさせていただいて、また御 審議をお願いすることになると思います。 ○長尾部会長  どうもありがとうございました。  それでは、本日の審議を終了いたします。活発な御意見をいただきまして、どうもあ りがとうございました。