05/03/16 中央社会保険医療協議会保険医療材料専門部会平成１７年３月１６日議事録


０５／３／１６　中央社会保険医療協議会
　　　　　　　　第１８回保険医療材料専門部会議事録

(1)日時　　平成１７年３月１６日（水）１０：００～１０：１６
(2)場所　　霞ヶ関東京會舘「ゴールドスタールーム」
(3)出席者　土田武史部会長　星野進保委員　村田幸子委員　
　　　　　 対馬忠明委員　小島茂委員　宗岡広太郎委員　松浦稔明委員
　　　　　 櫻井秀也委員　松原謙二委員　黒﨑紀正委員　漆畑稔委員
　　　　　 渡辺悦男専門委員　田中凡實専門委員　廣瀬光雄専門委員
　　　　　 ＜事務局＞
　　　　　 麦谷医療課長　山本医療機器審査管理室長　中村企画官　他
(4)議題　　○平成１７年薬事法改正の概要について
　　　　　 ○医療用具に係る保険適用上の取扱いの見直しについて
(5)議事内容

○土田部会長
　それでは、時間になりましたので、ただいまより第１８回保険医療材料専門部会を開
催させていただきます。
　初めに、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、全員が御出席です。
　なお、本日、保険局長は、公務のため欠席させていただく旨の連絡を受けておりま
す。
　それでは、議事に入りたいと思います。
　本日は、今年の４月１日に施行される改正薬事法に伴います、医療用具に係る保険適
用上の取扱いの見直しについて御審議をお願いしたいと思います。
　それでは最初に、事務局から、平成１７年薬事法改正の概要について簡単に説明をし
ていただきたいと思います。それでは、お願いいたします。

○事務局（山本医療機器審査管理室長）
　お手元の材－１という４枚の資料をごらんいただきたいと思いますけれども、ここ
に、今年の４月１日から施行いたします薬事法改正の概要についてを簡単に取りまとめ
たものを御用意させていただいております。
　その趣旨として３つ掲げてございます。まずは、「市販後安全対策の充実と、承認・
許可制度の見直し」ということでございまして、これまでは、製造所、工場に対する許
認可というものを軸に薬事法を運用していたものでございますが、これを市販後の安全
管理などにより重点を置くということで、製造販売という行為に着目した規制という仕
組みに改めることにいたしました。これに伴いまして、従来は、製造承認あるいは輸入
承認といったものが、製造販売承認という形で、物のライセンスに着目した許認可とい
う形に改めることといたしました。これがまず大きな第１点でございまして、これは、
医薬品、医療機器あるいは医薬品の一部でございます体外診断薬を通じての改正でござ
います。
　それから第２点目といたしまして、医療機器に関しまして、その特性に合わせるため
に、規制の仕組みをかなり抜本的に改めさせていただくことにいたしました。具体的に
は、リスクに応じた国際的な分類に合わせまして、リスク分類を導入いたしまして、そ
れに応じて、リスクに応じた規制の仕組みと変えることにいたしました。
　３ページ目でございますが、別紙１というところに、そのクラス分類についての表を
掲げましたけれども、ここにございますように、クラスIからクラスIVまでという国際
的な治療上のリスクに応じた分類がございまして、Ｘ線フィルムのような極めて人体の
リスクの低いものから、ＭＲＩ装置あるいは電子式血圧計のような比較的リスクの低い
もの、それからダイアライザーあるいはバルーンカテーテルのようなかなりリスクの高
いもの、それから非常にリスクの高いペースメーカーのようなもの、このようなものに
つきまして、クラスを４段階に分けて規制をするといいますのが国際的な考え方になっ
ておりまして、ＥＵもＦＤＡも、おおむねその考え方に従った規制の区分に従っており
ますが、我が国におきましても、そのクラス分類に対応した規制ということに改めると
ともに、特にクラスの比較的低いもの、クラスIIと言っているものにつきましては、こ
れまでは厚生労働大臣の承認制だったものにつきまして、厚生労働省では基準を作り、
その基準に対して適合しているかどうかについては、民間の第三者認証機関がその適合
性の認証をすれば足りるという、そのような規制の仕組みに抜本的に改めることといた
しました。
　クラスIII、クラスIVについては薬事法では「高度管理医療機器」となりますが、こ
の区分のものにつきましては厚生労働大臣の承認とし、それからさらには、販売業に関
しましては、従前は届出でよかったものを許可制を導入するといったようなことで、ク
ラスのリスク分類の高いものについてはより規制を重点的に行うという、そういったい
わばメリハリのきいた規制を目指すためにこのような区分にしたものでございます。
　このようなことに合わせまして、さらに２ページ目でございますけれども、医療機器
に関しまして、従来は薬事法上の名称を「医療用具」と言っていたのですけれども、
「医療機器」と言われている方が社会通念上より合っているということから、薬事法上
のカテゴリーもこの４月１日から「医療機器」という名称に正式にさせていただくこと
にいたしました。
　さらにこの医療機器については、臨床試験に関して治験という制度がございますが、
これに関しまして諸種の制度が医薬品に比べると８年ほど遅れて体制を整備しており、
４月から臨床試験の実施基準などにつきましても法制化するということで、医薬品の水
準の規制に達するということにいたしております。
　次に、体外診断薬についてでございますけれども、これにつきましても、医療機器と
類似の規制の区分の変更を今般行うことといたしました。
　資料の４ページ目に、別紙２ということで、体外診断薬についての４月からの規制の
考え方についてのまとめをしておりますが、体外診断薬につきましても、リスクに応じ
た区分を導入して、それに対応した仕組みを導入することといたしました。診断リスク
に着目して比較的リスクの低いものにつきましては、大臣の承認も第三者認証も不要と
いう自己認証で、厚生労働省の基準に適合しているものを業者の自己責任で確認すれば
足りるというものを、例えば標準物質があって確立しているような診断薬につきまして
は、そのようなカテゴリーといたしております。
　それから、そうではない、比較的リスクの中程度のものにつきましては、第三者認証
制度を新たに導入いたします。そして、リスク分類の高いものにつきましては、今後と
も大臣承認に残すという、そういったような形でもって、医療機器と同様のカテゴリー
の規制上の区分をいたしております。
　以上が、この４月から実施をいたします薬事法改正の医療機器あるいは体外診断薬に
関する変更の概要でございます。

○土田部会長
　ありがとうございました。
　それでは、ただいまの説明につきまして何か御質問あるいは御意見等がありました
ら、どうぞ。

○対馬委員
　医薬品につきましても、医療機器につきましても、承認を受けて初めて私どもの土俵
の方に上がってくるわけですから、そういう意味からしますと、こういった形で御説明
いただけるとありがたいことはありがたいのですけれども、この薬事法改正の医療機
器、体外診断薬、これを見ますと、どうも安全対策ということですべて書いているよう
ですけれども、安全対策だけが今回改正になったのでしょうか、それとも、何か安全対
策とのかかわりで説明すると、この中医協の土俵に入ってきたときに、これを説明して
おくと何か我々が今後検討するところとの関係でよくわかるということになるのでしょ
うか、そのあたりどうでしょうか。

○事務局（山本医療機器審査管理室長）
　お答えいたします。
　まず、薬事法の改正の趣旨でございますが、今委員のお話がありましたように、安全
対策の充実というのが最も根本的なところでございまして、特にそのためには、市販後
の安全対策に重点を置いたような規制ということで、全体の仕組みは充実を図っており
ます。ただ、医療機器、体外診断薬に着目した場合につきましては、特にリスクの高い
ものについての規制を重点的に行うということによりまして、相対的にリスクの低いも
のについては形としてはやや規制緩和のような形になっております。そのようなことに
よって、リスクに応じた規制の体系にするというのが今回の法改正の考え方でございま
す。
　それから、ここの審議との関係におきましては、一番大きいのは法律の名称で、医療
機器ということが変わったり、製造販売という新たな仕組みが導入されたということに
おきまして、個々の品目に対する管理の考え方や薬事法上の名称等が変わっております
ので、御説明が必要になっているものというふうに考えております。

○土田部会長
　ありがとうございます。ほかにございますでしょうか。よろしいですか。それでは、
どうもありがとうございました。
　それでは次に、「医療用具に係る保険適用上の取扱いの見直し」につきまして議題に
したいと思います。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたしま
す。

○事務局（中村企画官）
　資料、中医協材－２をごらんいただきたいと思います。「医療用具に係る保険適用上
の取扱いの見直しについて」、御説明をさせていただきます。
　ただいま医療機器審査管理室長からの説明のありました薬事法の一部改正によりまし
て、医療用具の保険適用などに関する取扱いについての、この局長通知を見直しますの
で、御説明をいたします。
　１つ目としては、１）にございます用語の変更でございます。表にありますように、
「医療用具」を「医療機器」、「製造業者又は輸入販売業者」を「製造販売業者」、
「承認」を「承認又は認証」と改めるものでございます。
　２）の経過措置でございますが、これにつきましては３月３１日までに、薬事法承認
された医療用具につきましては、薬事法上の経過措置がございますので、それに倣い保
険適用などの保険上の取扱いも同様の経過措置を設けることとしております。これは例
えば、薬事法の改正により、定義上医療機器の名称が変更されるものもございます。こ
れにつきましては、旧来の名称で一定期間従前どおりの手続を続けることができるとい
うものでございます。
　次に、保険上の区分に係る名称の見直しでございます。２をごらんいただきたいと思
いますが、昨年の１０月２７日の総会の議論を踏まえまして、Ａ１、Ａ２などの区分
に、その内容をあらわす名称を表に示すように、括弧でつけ加えるものでございます。
区分の内容についての変更はございません。
　以上の用語の変更と名称の追加につきましては、同じ資料の５ページから１４ページ
にかけて、現行の通知と改正案がございますので、お目通しいただければと思います。
　次、２ページをお開きいただきたいと思いますが、「体外診断薬に係る保険適用上の
取扱いの見直しについて」、御説明をさせていただきます。まず、左上に「参考」とご
ざいますけれども、これは材料専門部会の所掌外でございますが、体外診断薬の保険適
用上の区分に係る名称の見直しにつきましては、今ほど御説明した医療用具の取扱いの
見直しと密接に関係することから、材料専門部会で参考までに御説明をさせていただく
ものでございます。
　「１．薬事法の一部改正への対応」につきましては、体外診断薬に係る保険適用上の
取扱いについての局長通知を、表に示すように、用語の整理により見直すというもので
あります。また、経過措置についても医療用具と同様でございます。
　「２．保険適用上の区分に係る名称の見直しについて」でございます。これは同様に
１０月の総会での議論を踏まえまして、医療用具と同様に、Ｄ－１、Ｄ－２という区分
に、その内容を示す名称を括弧書きで追加し、あわせて、医療用具における番号づけの
意味と整合性をとるために、１、２、３の番号づけを入れかえまして、また、従前の区
分記号である「Ｄ」を「Ｅ」と改めるものでございます。
　以上の用語の変更と名称につきましては、同じ資料の１５ページ、１６ページに現行
の通知と改正案がございますので、これもお目通しいただければと思います。
　以上でございます。

○土田部会長
　ありがとうございました。
　ただいまの説明につきまして御意見、御質問等ございましたら、どうぞ。

○対馬委員
　質問ということではないのですけれども、先般１０月に、Ｄ－１、Ｄ－２、それから
Ｃ１、Ｃ２、どうもネーミングと中身が非常にわかりにくいと、こういう話をしたとこ
ろ、資料を見ますと、大変やはり手間がかかるといいますか、細かい作業をされたとい
うことで、しかも、全体的には大変わかりやすくなったのではないのかなと、こういう
ふうに思いますので、事務局に御礼を申し上げたいというふうに思います。

○土田部会長
　どうもありがとうございます。
　ほかにございましたら、どうぞ。
　ございませんでしょうか。ほかに御意見、御質問等ないようでしたら、「医療用具に
係る保険適用上の取扱いの見直し」につきましては、ただいま御説明いただきました事
務局案について、当部会として了承したいと思いますが、よろしいでしょうか。
　　　　　　　　　　　　　〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○土田部会長
　どうもありがとうございます。
　それでは、本日の部会は、これも非常に早いのですが、このあたりで終了にしたいと
思います。
　次回の日程及び場所につきましては、追って事務局より御連絡いたしますので、よろ
しくお願いします。
　それでは、本日はこれで終了したいと思います。どうもありがとうございました。

　　　　　　　　　　　　　　【照会先】
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　厚生労働省保険局医療課企画法令第２係
　　　　　　　　　　　　　　　　代表　０３－５２５３－１１１１（内線３２７６）